(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】金属リード構造及び電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/24 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
H01R13/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532953
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 CN2022136089
(87)【国際公開番号】W WO2023098849
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】202111460439.9
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522388383
【氏名又は名称】長春捷翼汽車科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Changchun JETTY Automotive Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 957, Shunda Road, High-tech Development Zone, Chaoyang District Changchun City, Jilin Province, 130000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チャオ
(57)【要約】
金属リード構造及び電気コネクタであって、対向して設けられている第1の側板及び第2の側板と、対向して設けられている第3の側板及び第4の側板と、を含み、前記第1の側板と前記第3の側板とが同一平面内にあり、前記第2の側板と前記第4の側板とが同一平面内にあり、さらに、対向して設けられている第1の接続リード及び第2の接続リードを少なくとも1対含み、前記第1の接続リードの両端が前記第1の側板及び前記第3の側板にそれぞれ接続され、前記第2の接続リードの両端が前記第2の側板及び前記第4の側板にそれぞれ接続されている。本願によれば、90°及び180°方向におけるオス端子とメス端子との挿抜装着を実現できるだけでなく、オス端子とメス端子とは、他の中継機構を介することなく、本金属リード構造を介して、直接的に電気的接続を実現でき、組み立てやすく、コストを節約することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属リード構造において、
対向して設けられている第1の側板及び第2の側板と、対向して設けられている第3の側板及び第4の側板と、を含み、
前記第1の側板と前記第3の側板とが同一平面内にあり、前記第2の側板と前記第4の側板とが同一平面内にあり、
さらに、対向して設けられている第1の接続リード及び第2の接続リードを少なくとも1対含み、
前記第1の接続リードの両端が前記第1の側板及び前記第3の側板にそれぞれ接続され、前記第2の接続リードの両端が前記第2の側板及び前記第4の側板にそれぞれ接続されており、
さらに、対向して設けられている第1のカンチレバー状リード及び第2のカンチレバー状リードを少なくとも1対含み、
前記第1のカンチレバー状リードは、一端が前記第1の側板に接続され、他端が自由端になり、
前記第2のカンチレバー状リードは、一端が前記第2の側板に接続され、他端が自由端になる
ことを特徴とする金属リード構造。
【請求項2】
前記第1の接続リード及び前記第2の接続リードは対向して鏡像に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の金属リード構造。
【請求項3】
前記第1のカンチレバー状リード及び前記第2のカンチレバー状リードは対向して鏡像に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の金属リード構造。
【請求項4】
前記第1の接続リード及び第2の接続リードの延在方向において、前記第1の接続リード及び第2の接続リードの縦断面は波状であり、前記第1のカンチレバー状リード及び第2のカンチレバー状リードの縦断面は波状である
ことを特徴とする請求項1に記載の金属リード構造。
【請求項5】
少なくとも前記第1の接続リード及び/又は第2の接続リードの山又は谷に、前記山又は前記谷の外側に向かって突起する第1のボスが設けられており、
少なくとも前記第1のカンチレバー状リード及び/又は第2のカンチレバー状リードの山又は谷に、前記山又は前記谷の外側に向かって突起する第2のボスが設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載の金属リード構造。
【請求項6】
前記第1の接続リード又は前記第2の接続リードの山と谷との間の最小垂直距離は、前記第1の接続リード又は前記第2の接続リードの厚さの1倍~12倍である
ことを特徴とする請求項4に記載の金属リード構造。
【請求項7】
前記第1のカンチレバー状リード又は前記第2のカンチレバー状リードの山と谷との間の最小垂直距離は、前記第1のカンチレバー状リード又は前記第2のカンチレバー状リードの厚さの1倍~12倍である
ことを特徴とする請求項4に記載の金属リード構造。
【請求項8】
前記第1の接続リード又は前記第2の接続リードの隣接する山の間の距離は、前記第1の接続リード又は前記第2の接続リードの厚さの3倍~32倍である
ことを特徴とする請求項4に記載の金属リード構造。
【請求項9】
前記第1のカンチレバー状リード又は前記第2のカンチレバー状リードの隣接する山の間の距離は、前記第1のカンチレバー状リード又は前記第2のカンチレバー状リードの厚さの3倍~32倍である
ことを特徴とする請求項4に記載の金属リード構造。
【請求項10】
前記第1の側板、前記第3の側板、前記第1の接続リード及び前記第1のカンチレバー状リードと、前記第2の側板、前記第4の側板、前記第2の接続リード及び前記第2のカンチレバー状リードとの間に端子挿入溝が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の金属リード構造。
【請求項11】
複数の前記第1の接続リードと複数の前記第1のカンチレバー状リードとを含み、
複数の前記第1の接続リードと複数の前記第1のカンチレバー状リードが間隔を置いて設けられており、
複数の前記第2の接続リードと複数の前記第2のカンチレバー状リードとを含み、
複数の前記第2の接続リードと複数の前記第2のカンチレバー状リードが間隔を置いて設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の金属リード構造。
【請求項12】
隣接する前記第1の接続リードと前記第1のカンチレバー状リードとの間の間隔距離は、前記第1のカンチレバー状リードの幅の1%~100%であり、
隣接する前記第2の接続リードと前記第2のカンチレバー状リードとの間の間隔距離は、前記第2のカンチレバー状リードの幅の1%~100%である
ことを特徴とする請求項11に記載の金属リード構造。
【請求項13】
前記第1の側板、前記第2の側板、前記第3の側板及び前記第4の側板は、延在方向において、断面がU字状である側辺耳掛けが少なくとも1つ接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の金属リード構造。
【請求項14】
前記第1の側板及び前記第2の側板は、側辺方向において、断面がU字状である頂部耳掛けが少なくとも1つ接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の金属リード構造。
【請求項15】
前記第3の側板及び前記第4の側板は、側辺方向において、少なくとも1つの板状の接続ブリッジが接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の金属リード構造。
【請求項16】
前記金属リード構造の材質は、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、スズ、チタン、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウム及び鉛のうちの1種又は複数種を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の金属リード構造。
【請求項17】
前記金属リードの少なくとも一部の表面には、めっき層が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の金属リード構造。
【請求項18】
前記めっき層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、亜鉛、スズ鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、硬質銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種又は複数種を含む
ことを特徴とする請求項17に記載の金属リード構造。
【請求項19】
電気コネクタにおいて、
U字状構造を有するメス端子と、シート状のオス端子と、請求項1から18のいずれか1項に記載の金属リード構造とを含み、
前記メス端子が頂端開口と両側の側辺開口とを有し、
前記金属リード構造の頂部耳掛けは、前記頂端開口に接続される、又は、いずれか1つの前記側辺開口に接続されるように設けられている
ことを特徴とする電気コネクタ。
【請求項20】
前記金属リード構造の側辺耳掛けは、前記頂端開口に接続される、又は、いずれか1つの前記側辺開口に接続される、あるいは、両側の前記側辺開口にそれぞれ接続されるように設けられている
ことを特徴とする請求項19に記載の電気コネクタ。
【請求項21】
前記第1の接続リード、前記第2の接続リード、前記第1のカンチレバー状リード及び前記第2のカンチレバー状リードは、前記メス端子に設けられ、
前記第1の接続リード、第2の接続リード、前記第1のカンチレバー状リード及び第2のカンチレバー状リードは、山の内部が前記オス端子の挿着面に接触し、谷の外部が前記メス端子の的内面に接触している
ことを特徴とする請求項19に記載の電気コネクタ。
【請求項22】
前記第1の接続リード又は前記第2の接続リードにより前記オス端子に加えられる弾性力は0.3N~98Nである
ことを特徴とする請求項21に記載の電気コネクタ。
【請求項23】
前記第1の接続リード又は前記第2の接続リードにより前記オス端子に加えられる弾性力は0.3N~55Nである
ことを特徴とする請求項22に記載の電気コネクタ。
【請求項24】
前記第1のカンチレバー状リード又は前記第2のカンチレバー状リードにより前記オス端子に加えられる弾性力は0.3N~98Nである
ことを特徴とする請求項21に記載の電気コネクタ。
【請求項25】
前記第1のカンチレバー状リード又は前記第2のカンチレバー状リードにより前記オス端子に加えられる弾性力は0.3N~55Nである
ことを特徴とする請求項24に記載の電気コネクタ。
【請求項26】
前記金属リード構造は、板状材料を一体にプレス成形したものである
ことを特徴とする請求項19に記載の電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は、2021年12月02日に提出され、出願番号が202111460439.9である中国特許出願の優先権を要求するとともに、その開示の内容を本願の一部として援用する。
【0002】
本願は、電気接続の技術分野に関し、特に金属リード構造及び電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
高圧コネクタの実際の応用において、オス端子とメス端子による接続は、電気コネクタにおける一般的な組み合わせであり、従来のオス端子とメス端子は、機械加工成形のものが多く、コストが高く、生産効率が低いだけでなく、通電容量も限られている。現在、オス端子の挿抜方向も制限されており、90°及び180°方向におけるオス端子の挿抜ニーズに対して、異なる方向に挿抜される端子の使用ニーズを満たすために、2種類の異なるメス端子が必要となるため、現在、加工しやすく、自体が軽量で、コストが低く、通電容量がより優れた端子が求められている。
【発明の概要】
【0004】
本願は、90°及び180°方向におけるオス端子とメス端子との挿抜装着を実現できるだけでなく、オス端子とメス端子とは、他の中継機構を介することなく、本金属リード構造を介して、電気的接続を実現でき、組み立てやすく、コストを節約する金属リード構造を提供することを目的とする。
【0005】
本願の上記目的は、下記の技術的解決手段によって実現できる。
【0006】
本願の第1の局面の実施例は、金属リード構造であって、対向して設けられている第1の側板及び第2の側板と、対向して設けられている第3の側板及び第4の側板とを含み、前記第1の側板と前記第3の側板とが同一平面内にあり、前記第2の側板と前記第4の側板とが同一平面内にあり、さらに、対向して設けられている第1の接続リード及び第2の接続リードを少なくとも1対含み、前記第1の接続リードの両端が前記第1の側板及び前記第3の側板にそれぞれ接続され、前記第2の接続リードの両端が前記第2の側板及び前記第4の側板にそれぞれ接続され、さらに、対向して鏡像に設けられている第1のカンチレバー状リード及び第2のカンチレバー状リードを少なくとも1対含み、前記第1のカンチレバー状リードの一端が前記第1の側板に接続され、他端が自由端になり、前記第2のカンチレバー状リードの一端が前記第2の側板に接続され、他端が自由端になる金属リード構造を提供する。
【0007】
本願の第2の局面の実施例は、電気コネクタであって、U字状構造を有するメス端子と、シート状のオス端子と、金属リード構造とを含み、前記メス端子が頂端開口と両側の側辺開口とを有し、前記金属リード構造の頂部耳掛けは、前記頂端開口に接続される、又は、いずれか1つの前記側辺開口に接続されるように設けられている電気コネクタを提供する。
【0008】
本願の特徴及び利点は以下の通りである。
【0009】
1、本金属リード構造により、メス端子と金属リード構造との90°及び180°方向における嵌合装着を実現できるだけでなく、オス端子の90°及び180°方向における挿抜接続も実現でき、そして、オス端子とメス端子とは、他の中継機構を介することなく、本金属リード構造を介して、電気的接続を実現でき、組み立てやすく、コストを節約することができる。
【0010】
2、本金属リード構造の設計は、電気的接触から、波状の接続リードとカンチレバー状リードを選択し、波状により弾性変形するように機能し、電気コネクタの使用中、振動が発生すると、メス端子又はオス端子が変位する可能性があるため、この金属リード構造の設計により、接続リード及びカンチレバー状リードがオス端子又はメス端子に常に接触することを確保でき、これによって、接触抵抗の安定性が確保され、通電容量がよりよくなる。
【0011】
3、本金属リード構造の設計は、機械的性能から、構造形式として接続リードとカンチレバー状リードを採用すると同時に、複数の接続リードと複数のカンチレバー状リードとの間にいずれも隙間が設けられ、オス端子を金属リード構造に挿入させる力を分散させるだけでなく、接触による温度上昇値と接触抵抗値を効果的に低下させることもできる。
【0012】
4、本金属リード構造に頂部耳掛けと側辺耳掛けが設けられ、金属リードとメス端子との接続中、メス端子との90°又は180°方向における嵌合接続をよりよく実現することができる。
【0013】
5、本金属リード構造に接続ブリッジが設けられ、オス端子の挿入中、端子の挿入に対して位置規制作用をある程度果たすことができる。
【0014】
6、本金属リードは、一体プレス成形構造を採用し、加工効率を効果的に向上させ、コストを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要がある図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明における図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、進歩的な労働をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0016】
【
図4】本願の金属リードの180°におけるオス端子の挿入模式図である。
【
図5】本願の金属リードの90°におけるオス端子の挿入模式図である。
【
図6】本願の金属リードの他の実施形態の構造模式図である。
【
図7】本願の金属リードの別の実施形態の左側面図である。
【
図8】本願の金属リードとメス端子との180°における装着模式図である。
【
図9】本願の金属リードとメス端子との90°における装着模式図である。
【
図10】本願の電気コネクタの180°におけるオス端子の挿入模式図である。
【
図11】本願の電気コネクタの90°におけるオス端子の挿入模式図である。
【
図12】本願の金属リード構造の他の実施形態の構造模式図である。
【
図13】本願の電気コネクタの一実施形態の模式図である。
【
図14】本願の電気コネクタの他の実施形態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本願の実施例における図面を参照し、本願の実施例における技術的解決手段を明瞭で完全に説明する。説明される実施例は、全ての実施例ではなく本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が進歩的な労働を行わずに得られる他のすべての実施例は、いずれも本願の権利範囲に含まれる。
【0018】
一実施形態において、
図1、
図2に示すように、金属リード構造であって、対向して設けられている第1の側板1及び第2の側板2と、対向して設けられている第3の側板3及び第4の側板4とを含み、前記第1の側板1と前記第3の側板3とが同一平面内にあり、前記第2の側板2と前記第4の側板4とが同一平面内にあり、さらに、対向して設けられている第1の接続リード5及び第2の接続リード6を少なくとも1対含み、前記第1の接続リード5の両端が前記第1の側板1及び前記第3の側板3にそれぞれ接続され、前記第2の接続リード6の両端が前記第2の側板2及び前記第4の側板4にそれぞれ接続されており、さらに、対向して設けられている第1のカンチレバー状リード7及び第2のカンチレバー状リード8を少なくとも1対含み、前記第1のカンチレバー状リード7は、一端が前記第1の側板1に接続され、他端が自由端になり、前記第2のカンチレバー状リード8は、一端が前記第2の側板2に接続され、他端が自由端になる。
【0019】
第1の接続リード5及び第2の接続リード6は、角度が0°~50°である一定の夾角をなして設けられてもよく、メス端子15又はオス端子16の表面が相対的に平行な平面ではない場合、第1の接続リード5又は第2の接続リード6は、一定の角度をなして設けられてもよい。これによって、第1の接続リード5及び第2の接続リード6とメス端子15又はオス端子16との電気的接続性がより良くなり、具体的な夾角は、5°、10°、20°などに設定されることができる。
【0020】
同様に、第1のカンチレバー状リード7と第2のカンチレバー状リード8との夾角は、0°~50°であり、具体的には5°、10°、20°などであってもよい。
【0021】
本願の第1のカンチレバー状リード7及び第2のカンチレバー状リード8は、一般的な上下対称構造とは異なり、オス端子16の挿入方向と同じ構造を採用する。実際の応用において、オス端子16の非垂直に挿入され、又は挿抜回数が多すぎると、オス端子16と同じ方向に位置しないと、第1のカンチレバー状リード7及び第2のカンチレバー状リード8が折り曲げたり折れてしったりする現象を引き起こしやすいためである。
【0022】
図4に示すように、本金属リード構造の第1の側板1及び第2の側板2は、メス端子15の一方の内側面にそれぞれ接続され、第3の側板3及び第4の側板4は、メス端子15の他方の内側面にそれぞれ接続され、以上の接続方式は、溶接接続、螺着接続、係着接続、繋ぎ合わせ接続及び圧着接続のうちの1種又は複数種であってもよい。
【0023】
一実施形態において、メス端子15の第1の側板1及び第2の側板2とあてがった箇所に突起が設けられ、第1の側板1及び第2の側板2の対応位置に前記突起に対応する孔が設けられ、前記孔と前記突起とが位置制限されるように接続された後、第1の側板1及び第2の側板2とメス端子15との溶接接続を行ってもよい。
【0024】
上記金属リード構造の孔における溶接方式について、第3の側板3及び第4の側板4は、可動端とされ、溶接されていなくてもよく、オス端子16が挿入される場合、金属リード構造は、弾性的に延び、オス端子16の挿入力が大きすぎるため接続リードとカンチレバー状リードの構造が降伏することがない。
【0025】
上記実施形態は、第1の側板1、第2の側板2、第3の側板3及び第4の側板4の全てがメス端子15に溶接されていてもよい。
【0026】
本金属リードの設置により、メス端子15が本金属リード構造と90°及び180°における装着を行うことができるだけでなく、オス端子16の90°及び180°方向における挿抜接続を実現することもでき、同時に、オス端子16及びメス端子15は、他の中継機構を介することなく、本金属リード構造を介して電気的接続を実現でき、組み立てやすく、コストを節約することができる。中継機構は、一般的に、メス端子15及びオス端子16が通常の場合、中継部材を介して、螺着又は溶接等の方式でメス端子15とオス端子16との間の電気的接続を実現する必要があることを指す。
【0027】
一実施形態において、第1の接続リード5及び第2の接続リード6は、対向して鏡像に設けられている。一般的に、オス端子16は一体的に加工され、オス端子16と第1の接続リード5及び第2の接続リード6との接触面は一般的に平行であり、鏡像配置により接触面が最大であることが確保され、電気的接触がより良好であることが確保される。
【0028】
上記と同様に、他の実施形態において、第1のカンチレバー状リード7及び第2のカンチレバー状リード8も鏡像に設けられている。
【0029】
一実施形態において、前記第1の接続リード5及び第2の接続リード6の延在方向において、前記第1の接続リード5及び第2の接続リード6の縦断面は波状であり、前記第1のカンチレバー状リード7及び第2のカンチレバー状リード8の縦断面は波状である。
図2に示すように、同図の上下方向は、前記第1の接続リード5及び第2の接続リード6の延在方向であり、同時に第1のカンチレバー状リード7と第2のカンチレバー状リード8の延在方向でもある。本金属リード構造の設計は、波状の構造を選択し、波状により弾性変形するように機能し、電気コネクタの使用中、振動が発生する可能性があり、メス端子15又はオス端子16に変位が発生する可能性があり、この構造の設計により、第1の接続リード5、第2の接続リード6及び第1のカンチレバー状リード7、第2のカンチレバー状リード8がオス端子16又はメス端子15に常に接触することを確保でき、これによって、接触抵抗の安定生が確保され、通電容量がより良くなる。
【0030】
一実施形態において、
図2、
図3に示すように、少なくとも前記第1の接続リード5及び/又は第2の接続リード6の山又は谷に、前記山又は前記谷の外側に向かって突起する第1のボス9が設けられ、少なくとも前記第1のカンチレバー状リード7及び/又は第2のカンチレバー状リード8の山又は谷に、前記山又は前記谷の外側に向かって突起する第2のボス10が設けられている。導電性をより良く向上させるために、発明者は、第1の接続リード5及び第2の接続リード6の山又は谷に、又はそのうちの第1の接続リード5又は第2の接続リード6の山又は谷に第1のボス9を設け、具体的には、実際の使用状況に応じて対応する山又は谷に第1のボス9を設けることができる。第1のボス9を設けることによって、金属リード構造を、オス端子16及びメス端子15に一層よく接触させることができ、第1のボスの接続方式は、第1の接続リード5及び第2の接続リード6と一体にプレス成形されてもよいし、フライス加工により成形されてもよい。第2のボス10の設置及び達成される効果は、第1のボス9と同様である。
【0031】
一実施形態において、前記第1の接続リード5又は前記第2の接続リード6の山と谷との間の最小垂直距離は、前記第1の接続リード5又は前記第2の接続リード6の厚さの1倍~12倍である。
図12に示すように、H1の距離は、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の山と谷との間の最小垂直距離であり、H1の数値が大きいほど、波状の幅が大きくなり、H1の数値が小さいほど、波状が平坦に近づく。
【0032】
第1の接続リード5又は第2の接続リード6の山と谷との間の最小垂直距離H1と第1の接続リード5又は第2の接続リード6の厚さとの倍数による、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との間の接触抵抗への影響、及び電気コネクタの全体厚さへの影響を検証するために、発明者は、同じ厚さの第1の接続リード5又は第2の接続リード6、及び同じ直線長さの第1の接続リード5又は第2の接続リード6、同じオス端子16、異なる山と谷との間の最小垂直距離H1、及び異なる厚さに対応するメス端子15を用意し、一連の電気コネクタのサンプルを製造するとともに、電気コネクタのサンプルの接触抵抗及び全体厚さを測定して、測定値を表1に記録した。
【0033】
電気コネクタのサンプルの接触抵抗の測定方法について、マイクロオームメーターを用いて、オス端子16と第1の接続リード5又は第2の接続リード6とをそれぞれ接続し、その間の抵抗値を測定し、本実施例において、接触抵抗値が9mΩ未満であるものを合格値とした。
【0034】
電気コネクタのサンプルの全体厚さの測定方法について、ノギスを用いて、メス端子15の外側の厚さを測定し、本実施例において、メス端子15の外側の厚さが10mm未満であるものを合格値とした。
【0035】
【0036】
上記の表1から分かるように、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の山と谷との間の最小垂直距離と第1の接続リード5又は第2の接続リード6の厚さとの倍数が1倍未満である場合、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の変形量が非常に小さいため、オス端子16に加えられる力が非常に小さく、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との接触面積が小さいため、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との間の接触抵抗が9mΩを超えて不合格となり、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の山と谷との間の最小垂直距離と第1の接続リード5又は第2の接続リード6の厚さとの倍数が12倍よりも大きくなる場合、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の変形量が非常に大きく、接触抵抗が9mΩ未満となり、要求値を満たすが、接触抵抗の低下傾向が緩やかになり、そして、山と谷との間の大きな垂直距離を得るために、オス端子16の厚さが変わらない場合、メス端子15の厚さを増加させ、メス端子15とオス端子16との隙間を増大させるよりほかないが、メス端子15の厚さが要求値を超え、不合格状態となり、このとき、電気コネクタは、対応する挿着シースと接合することができず、機能を実現できない。したがって、発明者は、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の山と谷との間の最小垂直距離H1を、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の厚さの1倍~12倍にした。
【0037】
一実施形態において、第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6の山と谷との間の最小垂直距離は、第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6の厚さの1倍~12倍である。
図12に示すように、H2の距離は、第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6の山と谷との間の最小垂直距離であり、H2の数値が大きいほど、波状の幅が大きくなり、H2の数値が小さいほど、波状が平坦に近づく。
【0038】
第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6の山と谷との間の最小垂直距離と第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6の厚さとの倍数による、第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6とオス端子16との間の接触抵抗への影響、及び電気コネクタの全体厚さへの影響を検証するために、発明者は、同じ厚さの第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6、及び同じ直線長さの第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6、同じオス端子16、異なる山と谷との間の最小垂直距離、及び異なる厚さに対応するメス端子15を選択し、一連の電気コネクタのサンプルを製造するとともに、電気コネクタのサンプルの接触抵抗及び全体厚さを測定して、測定値を表2に記録した。
【0039】
電気コネクタのサンプルの接触抵抗の測定方法について、マイクロオームメーターを用いて、オス端子16と第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6とをそれぞれ接続し、その間の抵抗値を測定し、本実施例において、接触抵抗値が9mΩ未満であるものを合格値とした。
【0040】
電気コネクタのサンプルの全体厚さの測定方法について、ノギスを用いて、メス端子15の外側の厚さを測定し、本実施例において、メス端子15の外側の厚さが10mm未満であるものを合格値とした。
【0041】
【0042】
上記の表2から分かるように、第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6の山と谷との間の最小垂直距離と第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6の厚さとの倍数が1倍未満である場合、第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6の変形量が非常に小さいため、オス端子16に加えられる力が非常に小さく、第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6とオス端子16との接触面積が小さいため、第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6とオス端子16との間の接触抵抗が9mΩを超えて、不合格となり、第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6の山と谷との間の最小垂直距離と第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6の厚さとの倍数が12倍よりも大きくなる場合、第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6の変形量が非常に大きく、接触抵抗が9mΩ未満となり、要求値を満たすが、接触抵抗の低下傾向が緩やかになり、そして、山と谷との間の大きな垂直距離を得るために、オス端子16の厚さが変わらない場合、メス端子15の厚さを増加させ、メス端子15とオス端子16との隙間を増加させるよりほかないが、メス端子15の厚さが要求値を超えて、不合格状態となり、このとき、電気コネクタは、対応する挿着シースと接合することができず、機能を実現できない。したがって、発明者は、第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6の山と谷との間の最小垂直距離を、第1のカンチレバー状リード5又は第2のカンチレバー状リード6の厚さの1倍~12倍にした。
【0043】
一実施形態において、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の隣接する山の間の距離は、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の厚さの3倍~32倍である。
図12に示すように、L1の距離は、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の隣接する山の間の距離であり、L1の数値が大きいほど、同じ長さ内の波が少なくなり、L1の数値が小さいほど、同じ長さ内の波が密集する。
【0044】
第1の接続リード5又は第2の接続リード6の隣接する山の間の距離と第1の接続リード又は第2の接続リードの厚さとの倍数による、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との間の接触抵抗への影響、及び第1の接続リード5又は第2の接続リード6の変形量への影響を検証するために、発明者は、同じ厚さの第1の接続リード5又は第2の接続リード6、及び同じ直線長さの第1の接続リード5又は第2の接続リード6、同じオス端子16とメス端子15、異なる隣接する山の間の距離を選択して、一連の電気コネクタのサンプルを製造するとともに、電気コネクタのサンプルの接触抵抗及び第1の接続リード5又は第2の接続リード6の変形量を測定して、測定値を表3に記録した。
【0045】
電気コネクタのサンプルの接触抵抗の測定方法について、マイクロオームメーターを用いて、オス端子16と第1の接続リード5又は第2の接続リード6とをそれぞれ接続し、その間の抵抗値を測定し、本実施例において、接触抵抗値が9mΩ未満であるものを合格値とした。
【0046】
第1の接続リード5又は第2の接続リード6の変形量の測定方法について、プッシュプルゲージを用いて、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の山に推力を加え、反力を30Nにさせ、この時の第1の接続リード5又は第2の接続リード6の山の移動距離を記録し、本実施例において、山の移動距離が0.5mm未満であるものを不合格値とした。
【0047】
【0048】
上記の表3から分かるように、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の隣接する山の間の距離と第1の接続リード5又は第2の接続リード6の厚さとの倍数が3倍未満である場合、同じ長さでは、山と谷の数が多くなり、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との接触面積が大きくなる。これによって、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との間の接触抵抗が9mΩ未満となり、要求値を満たすが、山又は谷の2つの側辺の距離が近いため、圧力を受けると、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の変形量が小さくなり、山の移動距離が0.5mm未満となり、要求値を満たさず、これによって、オス端子16の挿入力と抜去力が大きくなり、使用者にとって不便である。第1の接続リード5又は第2の接続リード6の隣接する山の間の距離と第1の接続リード5又は第2の接続リード6の厚さとの倍数が32倍よりも大きい場合、同じ長さでは、山と谷の数が少くなり、オス端子16との接触面積が少くなる。これによって、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との間の接触抵抗が9mΩよりも大きくなり、要求値を満たさず、山又は谷の2つの側辺の距離が遠いため、圧力を受けると、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の変形量が大きくなり、山の移動距離が0.5mmよりも大きく、要求値を満たすため、発明者は、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の隣接する山の間の距離を、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の厚さの3倍~32倍にした。
【0049】
一実施形態において、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の隣接する山の間の距離は、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の厚さの3倍~32倍である。
図12に示すように、L2の距離は、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の隣接する山の間の距離であり、L2の数値が大きいほど、同じ長さ内の波が少なくなり、L2の数値が小さいほど、同じ長さ内の波が密集する。
【0050】
第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の隣接する山の間の距離と第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の厚さとの倍数による、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とオス端子16との間の接触抵抗への影響、及び第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の変形量への影響を検証するために、発明者は、同じ厚さの第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8、及び同じ直線長さの第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8、同じオス端子16とメス端子15、異なる隣接する山の間の距離を選択して、一連の電気コネクタのサンプルを製造するとともに、電気コネクタのサンプルの接触抵抗及び第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の変形量を測定して、測定値を表4に記録した。
【0051】
電気コネクタのサンプルの接触抵抗の測定方法について、マイクロオームメーターを用いて、オス端子16と第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とをそれぞれ接続し、その間の抵抗値を測定し、本実施例において、接触抵抗値が9mΩ未満であるものを合格値とした。
【0052】
第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の変形量の測定方法について、プッシュプルゲージを用いて、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の山に推力を加え、反力を30Nにさせ、この時の第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の山の移動距離を記録し、本実施例において、山の移動距離が0.5mm未満であるものを不合格値とした。
【0053】
【0054】
上記の表4から分かるように、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の隣接する山の間の距離と第1の接続リード7又は第2の接続リード8の厚さとの倍数が3倍未満である場合、同じ長さでは、山と谷の数が多くなり、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とオス端子16との接触面積が大きくなる。これによって、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とオス端子16との間の接触抵抗が9mΩ未満となり、要求値を満たすが、山又は谷の2つの側辺の距離が近いため、圧力を受けると、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の変形量が小さくなり、山の移動距離が0.5mm未満となり、要求値を満たさず、これによって、オス端子16の挿入力と抜去力が大きくなり、使用者にとって不便である。第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の隣接する山の間の距離と第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の厚さとの倍数が32倍よりも大きい場合、同じ長さでは、山と谷の数が少くなり、オス端子16との接触面積が少くなる。これによって、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とオス端子16との間の接触抵抗が9mΩよりも大きくなり、要求値を満たさず、山又は谷の2つの側辺の距離が遠いため、圧力を受けると、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の変形量が大きくなり、山の移動距離が0.5mmよりも大きく、要求値を満たすため、発明者は、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の隣接する山の間の距離を第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の厚さの3倍~32倍にした。
【0055】
一実施形態において、
図4、
図5に示すように、前記第1の側板1、前記第3の側板3、前記第1の接続リード5及び前記第1のカンチレバー状リード7と、前記第2の側板2、前記第4の側板4、前記第2の接続リード6及び前記第2のカンチレバー状リード8との間に端子挿入溝11が形成され、端子挿入溝11は、オス端子16を挿入・接続するために、設けられるものである。
【0056】
一実施形態において、
図1、
図3に示すように、金属リード構造は、複数の前記第1の接続リード5と前記第1のカンチレバー状リード7とを含み、複数の前記第1の接続リード5と複数の前記第1のカンチレバー状リード7が間隔を置いて設けられており、また、複数の前記第2の接続リード6と複数の前記第2のカンチレバー状リード8とを含み、複数の前記第2の接続リード6と複数の前記第2のカンチレバー状リード8が間隔を置いて設けられている。
【0057】
機械的性能から、構造形式として、複数の第1の接続リード5と複数の第1のカンチレバー状リード7を採用するとともに、複数の第1の接続リード5と複数の第1のカンチレバー状リード7との間にいずれも隙間が設けられており、複数の前記第2の接続リード6と複数の前記第2のカンチレバー状リード8とについて、複数の前記第2の接続リード6と複数の前記第2のカンチレバー状リード8とが間隔を置いて設けられている。オス端子16を端子挿入溝11に挿入させる力を分散させるだけでなく、金属リードとオス端子16との接触による温度上昇値と接触の抵抗値を効果的に低下させることもできる。
【0058】
一実施形態において、隣接する前記第1の接続リード5と前記第1のカンチレバー状リード7との間の間隔距離は、前記第1のカンチレバー状リード7の幅の1%~100%であり、隣接する前記第2の接続リード6と前記第2カンチレバー状リード8との間の間隔距離は、前記第2カンチレバー状リード8の幅の1%~100%である。
【0059】
隣接する第1の接続リード5と第1のカンチレバー状リード7との間の間隔距離による金属リード構造の接触抵抗への影響を検証するために、発明者は、同じ形状、寸法の第1の接続リード5と第1のカンチレバー状リード7とからなる金属リード構造、同じ形状及び寸法のオス端子16及びメス端子15を用意して、金属リードをメス端子15に接続することによって、オス端子16と金属リードとの間の接触抵抗を測定した。
【0060】
接触抵抗の検出方式は、マイクロオームメーターを用いて、オス端子16と金属リードとの接触箇所で抵抗を測定して、マイクロオームメーター上の数値を読み取るものであり、本実施例において、接触抵抗が50μΩ未満であるものを理想値とした。
【0061】
【0062】
表5から分かるように、第1の接続リード5と第1のカンチレバー状リード7との間隔距離が第1のカンチレバー状リード7の幅に占める割合が100%よりも大きい場合、接触抵抗が50μΩよりも大きいため、要求を満たさず、また、金属リード構造の従来の加工方式は、プレス又は切断加工であり、第1の接続リード5と第1のカンチレバー状リード7との間隔距離が狭すぎると、加工しにくく、以上をまとめると、第1の接続リード5と第1のカンチレバー状リード7との間隔距離を第1のカンチレバー状リードの幅の1%~100%にした。
【0063】
上記方法と同様に、第2の接続リード6と第2のカンチレバー状リード8との間の間隔距離は、第2のカンチレバー状リード8の幅の1%~100%に設定される。
【0064】
一実施形態において、前記第1の側板1、前記第2の側板2、前記第3の側板3及び前記第4の側板4は、延在方向において、断面がU字状である側辺耳掛け12が少なくとも1つ接続されている。
図6に示すように、第1の側板1、第2の側板2、第3の側板3及び第4の側板4の延在方向は、第1の接続リード5に垂直な方向である。
【0065】
一実施形態において、前記第1の側板1及び前記第2の側板2には、側辺方向において、断面がU字状である頂部耳掛け13が少なくとも1つ接続されており、
図6に示すように、前記第1の側板1及び前記第2の側板2の側辺は、第1の側板1及び第2の側板2に接続されている第1の接続リード5及び第2の接続リード6の反対方向の一方側である。
【0066】
実際の使用に応じて、具体的には、
図8~
図11に示すように、金属リード構造とメス端子15とを90°又は180°で装着する場合、頂部耳掛け13と側辺耳掛け12とを同時に設けてもよく、頂部耳掛け13又は側辺耳掛け12の一方のみを用いてもよく、実際の必要に応じて設ければよい。側辺耳掛け12と頂部耳掛け13を用いることによって、金属リード構造とメス端子15との接続をより強固にすることができ、導電性がより良好である。
【0067】
一実施形態において、
図6~
図7に示すように、前記第3の側板3及び前記第4の側板4は、側辺方向において、少なくとも1つの板状の接続ブリッジ14が接続されている。
【0068】
図8~
図11に示すように、接続ブリッジ14を応用することによって、金属リード構造とメス端子15とが嵌合接続される場合、二枚式の金属リード構造とは異なり、金属リード構造全体がそのままメス端子15に挿入され、端子挿入溝11を形成することができ、オス端子16が挿入される場合、接続ブリッジ14は、オス端子16に対して位置制限作用をある程度果たすことができる。
【0069】
一実施形態において、金属リード構造の材質は、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、スズ、チタン、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウム及び鉛のうちの1種又は複数種を含む。
【0070】
金属リード構造の異なる材質による導電率への影響を検証するために、発明者は、異なる材質を用いて規格寸法が同じである金属リード構造のサンプルを製造し、金属リード構造の導電率をそれぞれ測定し、実験結果は表6に示すように、本実施例において、金属リード構造の導電率が99%よりも大きいものを理想値とした。
【0071】
【0072】
表6から分かるように、選択された異なる材質の金属で製造された金属リード構造は、導電率がいずれも理想値の範囲内にあり、さらに、リンは非金属材料であり、直接的に金属リード構造の材質とすることができないが、他の金属に添加して合金を形成することで、金属自体の導電及び機械的性能を向上させることができる。そこで、発明者は、金属リード構造の材質がニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、スズ、チタン、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウム及び鉛のうちの1種又は複数種を含むように設定した。
【0073】
一実施形態において、金属リード構造の材質にテルル銅合金が含まれ、テルル銅合金におけるテルルの含有量が0.1%~5%である。これによって、金属リード構造は、良好な導電性及び切削容易性を有し、電気的性能を確保しながら、加工性も向上させることができる。
【0074】
金属リード構造の材質において、テルル銅合金におけるテルルの含有量による金属リード構造の導電率への影響を検証するために、発明者は、同じ形状の金属リード構造を10個選択して測定し、各金属リード構造の寸法は同じであり、金属リード構造の材質は、いずれもテルル銅合金であり、そのうち、テルルの含有量の割合がそれぞれ0.05%、0.1%、0.2%、0.5%、0.8%、1.2%、2%、3%、5%、6%、7%である。金属リード構造に電流を流して、対応する金属リード構造の導電率を測定して、測定結果を表7に示す。本実施例において、導電率が99%よりも大きいものを理想値とした。
【0075】
【0076】
表7から分かるように、テルルの含有量の割合が0.1%未満、又は5%よりも大きい場合、導電率が著しく低下し、導電率の理想値の要求を満たすことができない。テルルの含有量の割合が0.2%以上、1.2%以下である場合、導電性能が最も良く、テルルの含有量の割合が0.1%よりも大きく、0.2%未満である場合、又は1.2%よりも大きく、5%以下である場合、導電率が理想値の要求を満たすが、徐々に低下する傾向があり、導電性能も低下する。従って、発明者は、テルルの含有量が0.1%~5%であるテルル銅合金を選択した。最も理想的には、含有量が0.2%~1.2%であるテルル銅合金を選択する。
【0077】
一実施形態において、金属リード構造の材質にはベリリウム銅合金が含まれ、ベリリウム銅合金におけるベリリウムの含有量は0.05%~5%である。好ましくは、金属リード構造の材質におけるベリリウムの含有量は0.1%~3.5%である。
【0078】
金属リード構造にはベリリウムが含まれ、高い硬度、弾性限界、疲労限界及び耐摩耗性を有し、さらに、良好な耐食性、熱伝導性及び導電性を有し、且つ衝撃を受ける時に火花が発生しない。
【0079】
ベリリウムの含有量による金属リード構造の導電率への影響を検証するために、発明者は同じ形状、同じ幅の金属リード構造を10個選択して測定して、各金属リード構造はいずれもベリリウムを含み、そのうち、ベリリウムの含有量の割合がそれぞれ0.03%、0.05%、0.1%、0.2%、1%、1.8%、3%、3.5%、5%、6%である。測定結果を表8に示す。本実施例において、導電率が99%よりも大きいものを理想値とした。
【0080】
【0081】
表8から分かるように、ベリリウムの含有量の割合が0.05%未満、又は5%よりも大きい場合、導電率が著しく低下し、実際のニーズを満たすことができない。ベリリウムの含有量の割合が0.1%以上、3.5%以下である場合、導電性能が最も良いため、発明者は、ベリリウムの含有量が0.05%~5%である金属リード構造を選択した。最も理想的には、ベリリウムの含有量が0.1%~3.5%である金属リード構造を選択する。
【0082】
一実施形態において、金属リード構造の材質にはリン青銅合金が含まれ、リン青銅合金におけるリンの含有量は0.01%~1.5%である。リン青銅の優位性は、より優れた耐食性、耐摩耗性を有し、金属リード構造の良好な接触、良好な弾性力を確保でき、かつ、優れた機械加工性能を有し、部品の加工時間を大幅に短縮できることである。
【0083】
リンの含有量による金属リード構造の導電率への影響を検証するために、発明者は同じ形状、同じ幅の金属リード構造を10個選択して測定して、各金属リード構造はいずれもリンを含有し、そのうち、リンの含有量の割合はそれぞれ0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%である。測定結果を表9に示す。本実施例において、導電率が99%よりも大きいものを理想値とした。
【0084】
【0085】
表9から分かるように、リンの含有量の割合が0.01%未満、又は1.5%よりも大きい場合、導電率が著しく低下し、実際のニーズを満たすことができない。リンの含有量の割合が0.05%以上、0.5%以下である場合、導電性が最も良好であるため、発明者は、リンの含有量が0.01%~1.5%である金属リード構造を選択した。最も理想的には、リンの含有量が0.05%~0.5%である金属リード構造を選択する。
【0086】
一実施形態において、金属リード構造の材質には、なまり黄銅合金が含まれ、なまり黄銅合金における鉛の含有量が0.1%~5%である。なまり黄銅合金の優位性は、強度が高く、組織が緻密で均一で、耐食性に優れ、切削、穴あけなどの機械加工性能に優れることである。
【0087】
鉛の含有量による金属リード構造の導電率への影響を検証するために、発明者は同じ形状、同じ幅の金属リード構造を10個選択して測定して、各金属リード構造はいずれも鉛を含み、そのうち、鉛の含有量の割合はそれぞれ0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%である。測定結果を表10に示す。本実施例において、導電率が99%よりも大きいものを理想値とした。
【0088】
【0089】
表10から分かるように、鉛の含有量の割合が0.1%未満、又は5%よりも大きい場合、導電率が著しく低下し、実際のニーズを満たすことができない。鉛の含有量の割合が1%以上、3%以下である場合、導電性が最も良いため、発明者は、鉛の含有量が0.1%~5%である金属リード構造を選択した。最も理想的には、鉛の含有量が1%~3%である金属リード構造を選択する。
【0090】
一実施形態において、第1の接続リード5、第2の接続リード6、第1のカンチレバー状リード7及び第2のカンチレバー状リード8の材質は、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、スズ、チタン、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウム及び鉛のうちの1種又は複数種を含む。
【0091】
一実施形態において、耐食性を向上させ、導電性を向上させ、使用寿命をより延ばすために、金属リード構造の少なくとも一部の表面には、めっき層が設けられている。
【0092】
具体的には、第1のボス9と第2のボス10にはめっき層が設けられており、金属リード構造とオス端子16とが異なる材質である場合、めっき層により両者間の接触抵抗を効果的に低減させ、金属リード構造とオス端子16との間の電圧降下を低減し、電気的性能を向上させることができる。
【0093】
他の実施形態において、第1の接続リード5及び第2の接続リード6の山と谷に、第1のカンチレバー状リード7及び第2の接続リード8の山と谷に、めっき層が設けられており、金属リード構造とメス端子15及びオス端子16との間の電圧降下を低減させ、電気的性能を向上させることができる。
【0094】
別の実施形態において、金属リード構造の全体にめっき層が設けられていることによって、金属リード構造に、より良好な電気的性能を持たせ、使用寿命を延ばすことができる。
【0095】
一実施形態において、めっき層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、亜鉛、スズ鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、硬質銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種又は複数種を含む。多くの場合、金属リード構造は、銅材料を用い、銅は、活性金属として、使用中、酸素ガス及び水と酸化反応するため、めっき層として1種又は複数種の不活性金属を必要とし、金属リード構造の使用寿命を延ばす。上記金属の導電性及び安定性は、いずれも銅又は銅合金より優れ、金属リード構造がより良い電気的性能及びより長い使用寿命を得ることができる。
【0096】
異なるめっき層の材質による金属リード構造全体の性能への影響を検証するために、発明者は、異なるめっき層材料を利用する同じ規格、材質の金属リード構造を採用し、金属リード構造の全体にめっき層が設けられ、一連の耐食性時間に関する検証を行い、検証結果を表11に示す。
【0097】
表11における耐食性時間に関する検証は、金属リード構造のサンプルを塩霧吐出試験箱内に入れ、サンプルの各位置に塩霧を吐出し、20時間ごとに取り出して洗浄して表面腐食状況を観察し、すなわち20時間は1サイクルであり、表面腐食面積が総面積の10%を超えるまで検証を停止し、その時のサイクル数を記録したことである。本実施例において、サイクル数が80回未満であるものを不合格とした。
【0098】
【0099】
表11から分かるように、めっき層の材質が一般的な金属のスズ、ニッケル、亜鉛を含む場合、検証の結果としては、他の金属の選択される場合に及ばず、他の金属を選択した検証結果は、標準値を大幅に超え、性能が安定している。従って、発明者は、めっき層の材質を、金、銀、ニッケル、スズ、亜鉛、スズ鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、硬質銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種又は複数種を含ませるように選択した。
【0100】
一実施形態において、めっき層は、電気めっき、無電解めっき、マグネトロンスパッタリング又は真空めっきによって設けられたものである。
【0101】
電気めっきの方法は、電解原理を利用して金属の表面に他の金属または合金を薄層めっきするプロセスである。
電気めっき方法は、電解原理を利用して金属表面に他の金属又は合金の薄層をめっきするプロセスである。
【0102】
無電解めっきの方法は、金属の触媒作用で、制御可能な酸化還元反応により金属を生成する堆積プロセスである。
【0103】
マグネトロンスパッタリング方法は、磁場と電場の交互作用を利用して、電子をターゲット表面付近で螺旋状に運動させることによって、電子がアルゴンガスに衝突してイオンを発生させる 確率を増大させ、発生したイオンが電界の作用でターゲット面に衝突してターゲット材料をスパッタするものである。
【0104】
真空めっき方法は、真空条件下で、蒸留又はスパッタリングなどにより部品の表面に様々な金属及び非金属薄膜を堆積するものである。
【0105】
一実施形態において、電気コネクタは、U字状の構造を有するメス端子15と、シート状のオス端子16と、金属リード構造とを含み、前記メス端子15が頂端開口と両側の側辺開口とを有し、前記金属リード構造の頂部耳掛け13が、前記頂端開口に接続される、又は、いずれか1つの前記側辺開口に接続されるように設けられている。
図8~11に示すように、頂端開口は、オス端子16の挿入方向に対応する開口であり、側辺開口は、オス端子16の挿入方向に垂直な方向に対応する開口である。
【0106】
金属リード構造とメス端子15とを90°又は180°で装着する場合、頂部耳掛け13と側辺耳掛け12とを同時に設けてもよく、頂部耳掛け13又は側辺耳掛け12のみを用いてもよく、実際の必要に応じて設ければよい。
図9に示すように、頂部耳掛け13は、前記側辺開口に接続され、
図10に示すように、頂部耳掛け13は、前記頂端開口に接続されている。
【0107】
1つの具体的な実施形態において、
図9~
図11に示すように、前記金属リード構造の側辺耳掛け12は、前記頂端開口に接続される、又は、いずれか1つの前記側辺開口に接続される、あるいは、両側の前記側辺開口にそれぞれ接続されるように設けられている。具体的には、
図9に示すように、前記金属リード構造の側辺耳掛け12は前記頂端開口に接続され、
図10に示すように、側辺耳掛け12はいずれか1つの前記側辺開口に接続され、
図11に示すように、側辺耳掛け12は両側の側辺開口に接続されている。
【0108】
1つの具体的な実施形態において、
図10~
図11に示すように、前記第1の接続リード5、第2の接続リード6、前記第1のカンチレバー状リード7及び第2のカンチレバー状リード8は、前記メス端子15に設けられ、前記第1の接続リード5、第2の接続リード6、前記第1のカンチレバー状リード7及び第2のカンチレバー状リード8は、山の内部が前記オス端子16の挿着面に接触し、谷の外部が前記メス端子15の内面に接触する。前記端子挿入溝11に向かう方向が内部であり、その反対方向が外部である。
【0109】
本願は、金属リード構造、U字状のメス端子15及びオス端子16を3つの別体の部材として設計することによって、組み立てやすいことに加え、メス端子15の金型の加工難度を低減させると同時に、90°と180°との2つの方向における挿抜を満たすことができ、電気コネクタの異なる方向の接続に適用し、コストダウンに繋がる。金属リード構造には、複数の波状の第1の接続リード5及び第2の接続リード6と、複数の波状の第1のカンチレバー状リード7及び複数の波状の第2のカンチレバー状リードとが設けられることによって、接触抵抗の安定性を効果的に確保できるだけでなく、オス端子16を挿入させるときの力を効果的に分散でき、全体構造が簡単で、コストが低い。
【0110】
一実施形態において、
図13におけるFn1、Fn2に示すように、第1の接続リード5又は第2の接続リードによりオス端子16に加えられる弾性力は0.3N~98Nである。金属リード構造がU字状のメス端子15に装着された後、オス端子16が金属リード構造に挿入されると、第1の接続リード5又は第2の接続リード6が押圧されて変形するため、第1の接続リード5又は第2の接続リード6により弾性力がオス端子16に加えられる。
【0111】
第1の接続リード5又は第2の接続リード6によりオス端子16に加えられる弾性力による第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との間の接触抵抗への影響、及びオス端子16の挿抜力への影響を検証するために、発明者は、同じ寸法の第1の接続リード5又は第2の接続リード6、同じオス端子16とメス端子15、異なる第1の接続リード5又は第2の接続リード6の弾性力を選択し、一連の電気コネクタのサンプルを製造するとともに、電気コネクタのサンプルの接触抵抗及びオス端子16の挿抜力を測定して、測定値を表12に記録した。
【0112】
電気コネクタのサンプルの接触抵抗の測定方法について、マイクロオームメーターを用いて、オス端子16と第1の接続リード5又は第2の接続リード6とをそれぞれ接続し、その間の抵抗値を測定し、本実施例において、接触抵抗値が9mΩ未満であるものを合格値とした。
【0113】
オス端子16の挿抜力の測定方法について、精密プッシュプルゲージを用いて、オス端子16をプッシュして金属リード構造に挿入させ、又は金属リード構造から引き抜き、両者の力を測定して平均値を取り、本実施例において、オス端子16の挿抜力が25Nよりも大きいものを不合格とした。
【0114】
【0115】
表12から分かるように、第1の接続リード5又は第2の接続リード6によりオス端子16に加えられる弾性力が0.3N未満である場合、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との接触力が小さく、対応する接触面積が小さく、これによって、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との間の接触抵抗が9mΩよりも大きくなり、要求値を満たさず、弾性力が大きいほど、接触抵抗が小さくなる。第1の接続リード5又は第2の接続リード6によりオス端子16に加えられる弾性力が98Nよりも大きい場合、第1の接続リード5又は第2の接続リード6によるオス端子16に対する挟持力が大きすぎ、これによって、オス端子16が金属リード構造に挿入や抜去されるとき、受ける摩擦力が大きく、オス端子16の挿抜力が25Nよりも大きくなり、要求値を満たさず、弾性力が小さいほど、オス端子16の挿抜力が小さくなる。そこで、発明者は、第1の接続リード5又は第2の接続リード6によりオス端子に加えられる弾性力を0.3N~98Nに設定した。
【0116】
さらに、第1の接続リード5又は第2の接続リード6によりオス端子16に加えられる弾性力が55Nよりも大きい場合、オス端子16の挿抜力が顕著に向上するため、発明者は、さらに、第1の接続リード5又は第2の接続リード6によりオス端子に加えられる弾性力を0.3N~55Nに設定した。
【0117】
一実施形態において、
図14におけるFn3に示すように、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8によりオス端子16に加えられる弾性力は0.3N~98Nである。金属リード構造がU字状のメス端子15に装着された後、オス端子16が金属リード構造に挿入されると、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8が押圧されて変形するため、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8により、弾性力がオス端子16に加えられる。
【0118】
第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8によりオス端子16に加えられる弾性力による第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とオス端子16との間の接触抵抗への影響、及びオス端子16の挿抜力への影響を検証するために、発明者は、同じ寸法の第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8、同じオス端子16とメス端子15、異なる第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の弾性力を選択し、一連の電気コネクタのサンプルを製造するとともに、電気コネクタのサンプルの接触抵抗及びオス端子16の挿抜力を測定して、測定値を表13に記録した。
【0119】
電気コネクタのサンプルの接触抵抗の測定方法について、マイクロオームメーターを用いて、オス端子16と第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とをそれぞれ接続し、その間の抵抗値を測定し、本実施例において、接触抵抗値が9mΩ未満であるものを合格値とした。
【0120】
オス端子16の挿抜力の測定方法について、精密プッシュプルゲージを用いて、オス端子16をプッシュして金属リード構造に挿入させ、又は金属リード構造から引き抜き、両者の力を測定して平均値を取り、本実施例において、オス端子16の挿抜力が25Nよりも大きいものを不合格とした。
【0121】
【0122】
表13から分かるように、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8によりオス端子に加えられる弾性力が0.3N未満である場合、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とオス端子16との接触力が小さく、対応する接触面積が小さく、これによって、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とオス端子16との間の接触抵抗が9mΩよりも大きくなり、要求値を満たさず、弾性力が大きいほど、接触抵抗が小さくなる。第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8によりオス端子16に加えられる弾性力が98Nよりも大きい場合、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8によるオス端子16に対する挟持力が大きすぎ、これによって、オス端子16が金属リードに挿入や抜去されたりするとき、受ける摩擦力が大きく、オス端子16の挿抜力が25Nよりも大きくなり、要求値を満たさず、弾性力が小さいほど、オス端子16の挿抜力が小さくなる。そこで、発明者は、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8によりオス端子に加えられる弾性力を0.3N~98Nに設定した。
【0123】
さらに、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8によりオス端子16に加えられる弾性力が55Nよりも大きい場合、オス端子16の挿抜力が顕著に向上するため、発明者は、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8によりオス端子に加えられる弾性力を0.3N~55Nに設定した。
【0124】
1つの具体的な実施形態において、前記金属リード構造は、板状材料を一体にプレス成形したものである。
図1及び
図6に示すように、金属リード構造は、一体プレス成形構造であり、加工しやすく、コストが低い。
【0125】
以上は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者は、出願書類に開示されている内容に基づいて、本願の実施例に対して本願の精神及び範囲を逸脱することなく様々な変更又は変形を行うことができる。「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「内」、「外」等の用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づいたものであり、本願の説明の便宜及び説明の簡潔化のためのものに過ぎず、指定された装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示す又は意味するものではないため、本願に対する制限として理解されるべきではない。
【0126】
また、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」の用語は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示したり意味したり、指示された技術的特徴の数を意味したりするものとして理解されるべきではない。
【0127】
本願において、別に明確的な規定と限定がない限り、「装着」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語を広義的に理解すべきであり、例えば、固定的に接続されても、取り外し可能に接続されても、一体にされてもよく、機械的接続でも、電気的接続でもよく、直接接続されても、中間媒体を介して間接接続されても、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係でもよい。当業者にとって、上記用語の本願における具体的な意味を具体的な状況に応じて理解することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は、2021年12月02日に提出され、出願番号が202111460439.9である中国特許出願の優先権を要求するとともに、その開示の内容を本願の一部として援用する。
【0002】
本願は、電気接続の技術分野に関し、特に金属リード構造及び電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
高圧コネクタの実際の応用において、オス端子とメス端子による接続は、電気コネクタにおける一般的な組み合わせであり、従来のオス端子とメス端子は、機械加工成形のものが多く、コストが高く、生産効率が低いだけでなく、通電容量も限られている。現在、オス端子の挿抜方向も制限されており、90°及び180°方向におけるオス端子の挿抜ニーズに対して、異なる方向に挿抜される端子の使用ニーズを満たすために、2種類の異なるメス端子が必要となるため、現在、加工しやすく、自体が軽量で、コストが低く、通電容量がより優れた端子が求められている。
【発明の概要】
【0004】
本願は、90°及び180°方向におけるオス端子とメス端子との挿抜装着を実現できるだけでなく、オス端子とメス端子とは、他の中継機構を介することなく、本金属リード構造を介して、電気的接続を実現でき、組み立てやすく、コストを節約する金属リード構造を提供することを目的とする。
【0005】
本願の上記目的は、下記の技術的解決手段によって実現できる。
【0006】
本願の第1の局面の実施例は、金属リード構造であって、対向して設けられている第1の側板及び第2の側板と、対向して設けられている第3の側板及び第4の側板とを含み、前記第1の側板と前記第3の側板とが同一平面内にあり、前記第2の側板と前記第4の側板とが同一平面内にあり、さらに、対向して設けられている第1の接続リード及び第2の接続リードを少なくとも1対含み、前記第1の接続リードの両端が前記第1の側板及び前記第3の側板にそれぞれ接続され、前記第2の接続リードの両端が前記第2の側板及び前記第4の側板にそれぞれ接続され、さらに、対向して鏡像に設けられている第1のカンチレバー状リード及び第2のカンチレバー状リードを少なくとも1対含み、前記第1のカンチレバー状リードの一端が前記第1の側板に接続され、他端が自由端になり、前記第2のカンチレバー状リードの一端が前記第2の側板に接続され、他端が自由端になる金属リード構造を提供する。
【0007】
本願の第2の局面の実施例は、電気コネクタであって、U字状構造を有するメス端子と、シート状のオス端子と、金属リード構造とを含み、前記メス端子が頂端開口と両側の側辺開口とを有し、前記金属リード構造の頂部耳掛けは、前記頂端開口に接続される、又は、いずれか1つの前記側辺開口に接続されるように設けられている電気コネクタを提供する。
【0008】
本願の特徴及び利点は以下の通りである。
【0009】
1、本金属リード構造により、メス端子と金属リード構造との90°及び180°方向における嵌合装着を実現できるだけでなく、オス端子の90°及び180°方向における挿抜接続も実現でき、そして、オス端子とメス端子とは、他の中継機構を介することなく、本金属リード構造を介して、電気的接続を実現でき、組み立てやすく、コストを節約することができる。
【0010】
2、本金属リード構造の設計は、電気的接触から、波状の接続リードとカンチレバー状リードを選択し、波状により弾性変形するように機能し、電気コネクタの使用中、振動が発生すると、メス端子又はオス端子が変位する可能性があるため、この金属リード構造の設計により、接続リード及びカンチレバー状リードがオス端子又はメス端子に常に接触することを確保でき、これによって、接触抵抗の安定性が確保され、通電容量がよりよくなる。
【0011】
3、本金属リード構造の設計は、機械的性能から、構造形式として接続リードとカンチレバー状リードを採用すると同時に、複数の接続リードと複数のカンチレバー状リードとの間にいずれも隙間が設けられ、オス端子を金属リード構造に挿入させる力を分散させるだけでなく、接触による温度上昇値と接触抵抗値を効果的に低下させることもできる。
【0012】
4、本金属リード構造に頂部耳掛けと側辺耳掛けが設けられ、金属リードとメス端子との接続中、メス端子との90°又は180°方向における嵌合接続をよりよく実現することができる。
【0013】
5、本金属リード構造に接続ブリッジが設けられ、オス端子の挿入中、端子の挿入に対して位置規制作用をある程度果たすことができる。
【0014】
6、本金属リードは、一体プレス成形構造を採用し、加工効率を効果的に向上させ、コストを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要がある図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明における図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、進歩的な労働をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0016】
【
図4】本願の金属リードの180°におけるオス端子の挿入模式図である。
【
図5】本願の金属リードの90°におけるオス端子の挿入模式図である。
【
図6】本願の金属リードの他の実施形態の構造模式図である。
【
図7】本願の金属リードの別の実施形態の左側面図である。
【
図8】本願の金属リードとメス端子との180°における装着模式図である。
【
図9】本願の金属リードとメス端子との90°における装着模式図である。
【
図10】本願の電気コネクタの180°におけるオス端子の挿入模式図である。
【
図11】本願の電気コネクタの90°におけるオス端子の挿入模式図である。
【
図12】本願の金属リード構造の他の実施形態の構造模式図である。
【
図13】本願の電気コネクタの一実施形態の模式図である。
【
図14】本願の電気コネクタの他の実施形態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本願の実施例における図面を参照し、本願の実施例における技術的解決手段を明瞭で完全に説明する。説明される実施例は、全ての実施例ではなく本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が進歩的な労働を行わずに得られる他のすべての実施例は、いずれも本願の権利範囲に含まれる。
【0018】
一実施形態において、
図1、
図2に示すように、金属リード構造であって、対向して設けられている第1の側板1及び第2の側板2と、対向して設けられている第3の側板3及び第4の側板4とを含み、前記第1の側板1と前記第3の側板3とが同一平面内にあり、前記第2の側板2と前記第4の側板4とが同一平面内にあり、さらに、対向して設けられている第1の接続リード5及び第2の接続リード6を少なくとも1対含み、前記第1の接続リード5の両端が前記第1の側板1及び前記第3の側板3にそれぞれ接続され、前記第2の接続リード6の両端が前記第2の側板2及び前記第4の側板4にそれぞれ接続されており、さらに、対向して設けられている第1のカンチレバー状リード7及び第2のカンチレバー状リード8を少なくとも1対含み、前記第1のカンチレバー状リード7は、一端が前記第1の側板1に接続され、他端が自由端になり、前記第2のカンチレバー状リード8は、一端が前記第2の側板2に接続され、他端が自由端になる。
【0019】
第1の接続リード5及び第2の接続リード6は、角度が0°~50°である一定の夾角をなして設けられてもよく、メス端子15又はオス端子16の表面が相対的に平行な平面ではない場合、第1の接続リード5又は第2の接続リード6は、一定の角度をなして設けられてもよい。これによって、第1の接続リード5及び第2の接続リード6とメス端子15又はオス端子16との電気的接続性がより良くなり、具体的な夾角は、5°、10°、20°などに設定されることができる。
【0020】
同様に、第1のカンチレバー状リード7と第2のカンチレバー状リード8との夾角は、0°~50°であり、具体的には5°、10°、20°などであってもよい。
【0021】
本願の第1のカンチレバー状リード7及び第2のカンチレバー状リード8は、一般的な上下対称構造とは異なり、オス端子16の挿入方向と同じ構造を採用する。実際の応用において、オス端子16の非垂直に挿入され、又は挿抜回数が多すぎると、オス端子16と同じ方向に位置しないと、第1のカンチレバー状リード7及び第2のカンチレバー状リード8が折り曲げたり折れてしったりする現象を引き起こしやすいためである。
【0022】
図4に示すように、本金属リード構造の第1の側板1及び第2の側板2は、メス端子15の一方の内側面にそれぞれ接続され、第3の側板3及び第4の側板4は、メス端子15の他方の内側面にそれぞれ接続され、以上の接続方式は、溶接接続、螺着接続、係着接続、繋ぎ合わせ接続及び圧着接続のうちの1種又は複数種であってもよい。
【0023】
一実施形態において、メス端子15の第1の側板1及び第2の側板2とあてがった箇所に突起が設けられ、第1の側板1及び第2の側板2の対応位置に前記突起に対応する孔が設けられ、前記孔と前記突起とが位置制限されるように接続された後、第1の側板1及び第2の側板2とメス端子15との溶接接続を行ってもよい。
【0024】
上記金属リード構造の孔における溶接方式について、第3の側板3及び第4の側板4は、可動端とされ、溶接されていなくてもよく、オス端子16が挿入される場合、金属リード構造は、弾性的に延び、オス端子16の挿入力が大きすぎるため接続リードとカンチレバー状リードの構造が降伏することがない。
【0025】
上記実施形態は、第1の側板1、第2の側板2、第3の側板3及び第4の側板4の全てがメス端子15に溶接されていてもよい。
【0026】
本金属リードの設置により、メス端子15が本金属リード構造と90°及び180°における装着を行うことができるだけでなく、オス端子16の90°及び180°方向における挿抜接続を実現することもでき、同時に、オス端子16及びメス端子15は、他の中継機構を介することなく、本金属リード構造を介して電気的接続を実現でき、組み立てやすく、コストを節約することができる。中継機構は、一般的に、メス端子15及びオス端子16が通常の場合、中継部材を介して、螺着又は溶接等の方式でメス端子15とオス端子16との間の電気的接続を実現する必要があることを指す。
【0027】
一実施形態において、第1の接続リード5及び第2の接続リード6は、対向して鏡像に設けられている。一般的に、オス端子16は一体的に加工され、オス端子16と第1の接続リード5及び第2の接続リード6との接触面は一般的に平行であり、鏡像配置により接触面が最大であることが確保され、電気的接触がより良好であることが確保される。
【0028】
上記と同様に、他の実施形態において、第1のカンチレバー状リード7及び第2のカンチレバー状リード8も鏡像に設けられている。
【0029】
一実施形態において、前記第1の接続リード5及び第2の接続リード6の延在方向において、前記第1の接続リード5及び第2の接続リード6の縦断面は波状であり、前記第1のカンチレバー状リード7及び第2のカンチレバー状リード8の縦断面は波状である。
図2に示すように、同図の上下方向は、前記第1の接続リード5及び第2の接続リード6の延在方向であり、同時に第1のカンチレバー状リード7と第2のカンチレバー状リード8の延在方向でもある。本金属リード構造の設計は、波状の構造を選択し、波状により弾性変形するように機能し、電気コネクタの使用中、振動が発生する可能性があり、メス端子15又はオス端子16に変位が発生する可能性があり、この構造の設計により、第1の接続リード5、第2の接続リード6及び第1のカンチレバー状リード7、第2のカンチレバー状リード8がオス端子16又はメス端子15に常に接触することを確保でき、これによって、接触抵抗の安定生が確保され、通電容量がより良くなる。
【0030】
一実施形態において、
図2、
図3に示すように、少なくとも前記第1の接続リード5及び/又は第2の接続リード6の山又は谷に、前記山又は前記谷の外側に向かって突起する第1のボス9が設けられ、少なくとも前記第1のカンチレバー状リード7及び/又は第2のカンチレバー状リード8の山又は谷に、前記山又は前記谷の外側に向かって突起する第2のボス10が設けられている。導電性をより良く向上させるために、発明者は、第1の接続リード5及び第2の接続リード6の山又は谷に、又はそのうちの第1の接続リード5又は第2の接続リード6の山又は谷に第1のボス9を設け、具体的には、実際の使用状況に応じて対応する山又は谷に第1のボス9を設けることができる。第1のボス9を設けることによって、金属リード構造を、オス端子16及びメス端子15に一層よく接触させることができ、第1のボスの接続方式は、第1の接続リード5及び第2の接続リード6と一体にプレス成形されてもよいし、フライス加工により成形されてもよい。第2のボス10の設置及び達成される効果は、第1のボス9と同様である。
【0031】
一実施形態において、前記第1の接続リード5又は前記第2の接続リード6の山と谷との間の最小垂直距離は、前記第1の接続リード5又は前記第2の接続リード6の厚さの1倍~12倍である。
図12に示すように、H1の距離は、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の山と谷との間の最小垂直距離であり、H1の数値が大きいほど、波状の幅が大きくなり、H1の数値が小さいほど、波状が平坦に近づく。
【0032】
第1の接続リード5又は第2の接続リード6の山と谷との間の最小垂直距離H1と第1の接続リード5又は第2の接続リード6の厚さとの倍数による、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との間の接触抵抗への影響、及び電気コネクタの全体厚さへの影響を検証するために、発明者は、同じ厚さの第1の接続リード5又は第2の接続リード6、及び同じ直線長さの第1の接続リード5又は第2の接続リード6、同じオス端子16、異なる山と谷との間の最小垂直距離H1、及び異なる厚さに対応するメス端子15を用意し、一連の電気コネクタのサンプルを製造するとともに、電気コネクタのサンプルの接触抵抗及び全体厚さを測定して、測定値を表1に記録した。
【0033】
電気コネクタのサンプルの接触抵抗の測定方法について、マイクロオームメーターを用いて、オス端子16と第1の接続リード5又は第2の接続リード6とをそれぞれ接続し、その間の抵抗値を測定し、本実施例において、接触抵抗値が9mΩ未満であるものを合格値とした。
【0034】
電気コネクタのサンプルの全体厚さの測定方法について、ノギスを用いて、メス端子15の外側の厚さを測定し、本実施例において、メス端子15の外側の厚さが10mm未満であるものを合格値とした。
【0035】
【0036】
上記の表1から分かるように、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の山と谷との間の最小垂直距離と第1の接続リード5又は第2の接続リード6の厚さとの倍数が1倍未満である場合、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の変形量が非常に小さいため、オス端子16に加えられる力が非常に小さく、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との接触面積が小さいため、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との間の接触抵抗が9mΩを超えて不合格となり、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の山と谷との間の最小垂直距離と第1の接続リード5又は第2の接続リード6の厚さとの倍数が12倍よりも大きくなる場合、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の変形量が非常に大きく、接触抵抗が9mΩ未満となり、要求値を満たすが、接触抵抗の低下傾向が緩やかになり、そして、山と谷との間の大きな垂直距離を得るために、オス端子16の厚さが変わらない場合、メス端子15の厚さを増加させ、メス端子15とオス端子16との隙間を増大させるよりほかないが、メス端子15の厚さが要求値を超え、不合格状態となり、このとき、電気コネクタは、対応する挿着シースと接合することができず、機能を実現できない。したがって、発明者は、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の山と谷との間の最小垂直距離H1を、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の厚さの1倍~12倍にした。
【0037】
一実施形態において、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の山と谷との間の最小垂直距離は、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の厚さの1倍~12倍である。
図12に示すように、H2の距離は、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の山と谷との間の最小垂直距離であり、H2の数値が大きいほど、波状の幅が大きくなり、H2の数値が小さいほど、波状が平坦に近づく。
【0038】
第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の山と谷との間の最小垂直距離と第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の厚さとの倍数による、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とオス端子16との間の接触抵抗への影響、及び電気コネクタの全体厚さへの影響を検証するために、発明者は、同じ厚さの第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8、及び同じ直線長さの第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8、同じオス端子16、異なる山と谷との間の最小垂直距離、及び異なる厚さに対応するメス端子15を選択し、一連の電気コネクタのサンプルを製造するとともに、電気コネクタのサンプルの接触抵抗及び全体厚さを測定して、測定値を表2に記録した。
【0039】
電気コネクタのサンプルの接触抵抗の測定方法について、マイクロオームメーターを用いて、オス端子16と第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とをそれぞれ接続し、その間の抵抗値を測定し、本実施例において、接触抵抗値が9mΩ未満であるものを合格値とした。
【0040】
電気コネクタのサンプルの全体厚さの測定方法について、ノギスを用いて、メス端子15の外側の厚さを測定し、本実施例において、メス端子15の外側の厚さが10mm未満であるものを合格値とした。
【0041】
【0042】
上記の表2から分かるように、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の山と谷との間の最小垂直距離と第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の厚さとの倍数が1倍未満である場合、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の変形量が非常に小さいため、オス端子16に加えられる力が非常に小さく、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とオス端子16との接触面積が小さいため、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とオス端子16との間の接触抵抗が9mΩを超えて、不合格となり、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の山と谷との間の最小垂直距離と第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の厚さとの倍数が12倍よりも大きくなる場合、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の変形量が非常に大きく、接触抵抗が9mΩ未満となり、要求値を満たすが、接触抵抗の低下傾向が緩やかになり、そして、山と谷との間の大きな垂直距離を得るために、オス端子16の厚さが変わらない場合、メス端子15の厚さを増加させ、メス端子15とオス端子16との隙間を増加させるよりほかないが、メス端子15の厚さが要求値を超えて、不合格状態となり、このとき、電気コネクタは、対応する挿着シースと接合することができず、機能を実現できない。したがって、発明者は、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の山と谷との間の最小垂直距離を、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の厚さの1倍~12倍にした。
【0043】
一実施形態において、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の隣接する山の間の距離は、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の厚さの3倍~32倍である。
図12に示すように、L1の距離は、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の隣接する山の間の距離であり、L1の数値が大きいほど、同じ長さ内の波が少なくなり、L1の数値が小さいほど、同じ長さ内の波が密集する。
【0044】
第1の接続リード5又は第2の接続リード6の隣接する山の間の距離と第1の接続リード又は第2の接続リードの厚さとの倍数による、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との間の接触抵抗への影響、及び第1の接続リード5又は第2の接続リード6の変形量への影響を検証するために、発明者は、同じ厚さの第1の接続リード5又は第2の接続リード6、及び同じ直線長さの第1の接続リード5又は第2の接続リード6、同じオス端子16とメス端子15、異なる隣接する山の間の距離を選択して、一連の電気コネクタのサンプルを製造するとともに、電気コネクタのサンプルの接触抵抗及び第1の接続リード5又は第2の接続リード6の変形量を測定して、測定値を表3に記録した。
【0045】
電気コネクタのサンプルの接触抵抗の測定方法について、マイクロオームメーターを用いて、オス端子16と第1の接続リード5又は第2の接続リード6とをそれぞれ接続し、その間の抵抗値を測定し、本実施例において、接触抵抗値が9mΩ未満であるものを合格値とした。
【0046】
第1の接続リード5又は第2の接続リード6の変形量の測定方法について、プッシュプルゲージを用いて、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の山に推力を加え、反力を30Nにさせ、この時の第1の接続リード5又は第2の接続リード6の山の移動距離を記録し、本実施例において、山の移動距離が0.5mm未満であるものを不合格値とした。
【0047】
【0048】
上記の表3から分かるように、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の隣接する山の間の距離と第1の接続リード5又は第2の接続リード6の厚さとの倍数が3倍未満である場合、同じ長さでは、山と谷の数が多くなり、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との接触面積が大きくなる。これによって、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との間の接触抵抗が9mΩ未満となり、要求値を満たすが、山又は谷の2つの側辺の距離が近いため、圧力を受けると、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の変形量が小さくなり、山の移動距離が0.5mm未満となり、要求値を満たさず、これによって、オス端子16の挿入力と抜去力が大きくなり、使用者にとって不便である。第1の接続リード5又は第2の接続リード6の隣接する山の間の距離と第1の接続リード5又は第2の接続リード6の厚さとの倍数が32倍よりも大きい場合、同じ長さでは、山と谷の数が少くなり、オス端子16との接触面積が少くなる。これによって、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との間の接触抵抗が9mΩよりも大きくなり、要求値を満たさず、山又は谷の2つの側辺の距離が遠いため、圧力を受けると、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の変形量が大きくなり、山の移動距離が0.5mmよりも大きく、要求値を満たすため、発明者は、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の隣接する山の間の距離を、第1の接続リード5又は第2の接続リード6の厚さの3倍~32倍にした。
【0049】
一実施形態において、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の隣接する山の間の距離は、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の厚さの3倍~32倍である。
図12に示すように、L2の距離は、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の隣接する山の間の距離であり、L2の数値が大きいほど、同じ長さ内の波が少なくなり、L2の数値が小さいほど、同じ長さ内の波が密集する。
【0050】
第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の隣接する山の間の距離と第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の厚さとの倍数による、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とオス端子16との間の接触抵抗への影響、及び第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の変形量への影響を検証するために、発明者は、同じ厚さの第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8、及び同じ直線長さの第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8、同じオス端子16とメス端子15、異なる隣接する山の間の距離を選択して、一連の電気コネクタのサンプルを製造するとともに、電気コネクタのサンプルの接触抵抗及び第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の変形量を測定して、測定値を表4に記録した。
【0051】
電気コネクタのサンプルの接触抵抗の測定方法について、マイクロオームメーターを用いて、オス端子16と第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とをそれぞれ接続し、その間の抵抗値を測定し、本実施例において、接触抵抗値が9mΩ未満であるものを合格値とした。
【0052】
第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の変形量の測定方法について、プッシュプルゲージを用いて、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の山に推力を加え、反力を30Nにさせ、この時の第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の山の移動距離を記録し、本実施例において、山の移動距離が0.5mm未満であるものを不合格値とした。
【0053】
【0054】
上記の表4から分かるように、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の隣接する山の間の距離と第1の接続リード7又は第2の接続リード8の厚さとの倍数が3倍未満である場合、同じ長さでは、山と谷の数が多くなり、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とオス端子16との接触面積が大きくなる。これによって、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とオス端子16との間の接触抵抗が9mΩ未満となり、要求値を満たすが、山又は谷の2つの側辺の距離が近いため、圧力を受けると、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の変形量が小さくなり、山の移動距離が0.5mm未満となり、要求値を満たさず、これによって、オス端子16の挿入力と抜去力が大きくなり、使用者にとって不便である。第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の隣接する山の間の距離と第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の厚さとの倍数が32倍よりも大きい場合、同じ長さでは、山と谷の数が少くなり、オス端子16との接触面積が少くなる。これによって、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とオス端子16との間の接触抵抗が9mΩよりも大きくなり、要求値を満たさず、山又は谷の2つの側辺の距離が遠いため、圧力を受けると、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の変形量が大きくなり、山の移動距離が0.5mmよりも大きく、要求値を満たすため、発明者は、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の隣接する山の間の距離を第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の厚さの3倍~32倍にした。
【0055】
一実施形態において、
図4、
図5に示すように、前記第1の側板1、前記第3の側板3、前記第1の接続リード5及び前記第1のカンチレバー状リード7と、前記第2の側板2、前記第4の側板4、前記第2の接続リード6及び前記第2のカンチレバー状リード8との間に端子挿入溝11が形成され、端子挿入溝11は、オス端子16を挿入・接続するために、設けられるものである。
【0056】
一実施形態において、
図1、
図3に示すように、金属リード構造は、複数の前記第1の接続リード5と前記第1のカンチレバー状リード7とを含み、複数の前記第1の接続リード5と複数の前記第1のカンチレバー状リード7が間隔を置いて設けられており、また、複数の前記第2の接続リード6と複数の前記第2のカンチレバー状リード8とを含み、複数の前記第2の接続リード6と複数の前記第2のカンチレバー状リード8が間隔を置いて設けられている。
【0057】
機械的性能から、構造形式として、複数の第1の接続リード5と複数の第1のカンチレバー状リード7を採用するとともに、複数の第1の接続リード5と複数の第1のカンチレバー状リード7との間にいずれも隙間が設けられており、複数の前記第2の接続リード6と複数の前記第2のカンチレバー状リード8とについて、複数の前記第2の接続リード6と複数の前記第2のカンチレバー状リード8とが間隔を置いて設けられている。オス端子16を端子挿入溝11に挿入させる力を分散させるだけでなく、金属リードとオス端子16との接触による温度上昇値と接触の抵抗値を効果的に低下させることもできる。
【0058】
一実施形態において、隣接する前記第1の接続リード5と前記第1のカンチレバー状リード7との間の間隔距離は、前記第1のカンチレバー状リード7の幅の1%~100%であり、隣接する前記第2の接続リード6と前記第2カンチレバー状リード8との間の間隔距離は、前記第2カンチレバー状リード8の幅の1%~100%である。
【0059】
隣接する第1の接続リード5と第1のカンチレバー状リード7との間の間隔距離による金属リード構造の接触抵抗への影響を検証するために、発明者は、同じ形状、寸法の第1の接続リード5と第1のカンチレバー状リード7とからなる金属リード構造、同じ形状及び寸法のオス端子16及びメス端子15を用意して、金属リードをメス端子15に接続することによって、オス端子16と金属リードとの間の接触抵抗を測定した。
【0060】
接触抵抗の検出方式は、マイクロオームメーターを用いて、オス端子16と金属リードとの接触箇所で抵抗を測定して、マイクロオームメーター上の数値を読み取るものであり、本実施例において、接触抵抗が50μΩ未満であるものを理想値とした。
【0061】
【0062】
表5から分かるように、第1の接続リード5と第1のカンチレバー状リード7との間隔距離が第1のカンチレバー状リード7の幅に占める割合が100%よりも大きい場合、接触抵抗が50μΩよりも大きいため、要求を満たさず、また、金属リード構造の従来の加工方式は、プレス又は切断加工であり、第1の接続リード5と第1のカンチレバー状リード7との間隔距離が狭すぎると、加工しにくく、以上をまとめると、第1の接続リード5と第1のカンチレバー状リード7との間隔距離を第1のカンチレバー状リードの幅の1%~100%にした。
【0063】
上記方法と同様に、第2の接続リード6と第2のカンチレバー状リード8との間の間隔距離は、第2のカンチレバー状リード8の幅の1%~100%に設定される。
【0064】
一実施形態において、前記第1の側板1、前記第2の側板2、前記第3の側板3及び前記第4の側板4は、延在方向において、断面がU字状である側辺耳掛け12が少なくとも1つ接続されている。
図6に示すように、第1の側板1、第2の側板2、第3の側板3及び第4の側板4の延在方向は、第1の接続リード5に垂直な方向である。
【0065】
一実施形態において、前記第1の側板1及び前記第2の側板2には、側辺方向において、断面がU字状である頂部耳掛け13が少なくとも1つ接続されており、
図6に示すように、前記第1の側板1及び前記第2の側板2の側辺は、第1の側板1及び第2の側板2に接続されている第1の接続リード5及び第2の接続リード6の反対方向の一方側である。
【0066】
実際の使用に応じて、具体的には、
図8~
図11に示すように、金属リード構造とメス端子15とを90°又は180°で装着する場合、頂部耳掛け13と側辺耳掛け12とを同時に設けてもよく、頂部耳掛け13又は側辺耳掛け12の一方のみを用いてもよく、実際の必要に応じて設ければよい。側辺耳掛け12と頂部耳掛け13を用いることによって、金属リード構造とメス端子15との接続をより強固にすることができ、導電性がより良好である。
【0067】
一実施形態において、
図6~
図7に示すように、前記第3の側板3及び前記第4の側板4は、側辺方向において、少なくとも1つの板状の接続ブリッジ14が接続されている。
【0068】
図8~
図11に示すように、接続ブリッジ14を応用することによって、金属リード構造とメス端子15とが嵌合接続される場合、二枚式の金属リード構造とは異なり、金属リード構造全体がそのままメス端子15に挿入され、端子挿入溝11を形成することができ、オス端子16が挿入される場合、接続ブリッジ14は、オス端子16に対して位置制限作用をある程度果たすことができる。
【0069】
一実施形態において、金属リード構造の材質は、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、スズ、チタン、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウム及び鉛のうちの1種又は複数種を含む。
【0070】
金属リード構造の異なる材質による導電率への影響を検証するために、発明者は、異なる材質を用いて規格寸法が同じである金属リード構造のサンプルを製造し、金属リード構造の導電率をそれぞれ測定し、実験結果は表6に示すように、本実施例において、金属リード構造の導電率が99%よりも大きいものを理想値とした。
【0071】
【0072】
表6から分かるように、選択された異なる材質の金属で製造された金属リード構造は、導電率がいずれも理想値の範囲内にあり、さらに、リンは非金属材料であり、直接的に金属リード構造の材質とすることができないが、他の金属に添加して合金を形成することで、金属自体の導電及び機械的性能を向上させることができる。そこで、発明者は、金属リード構造の材質がニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、スズ、チタン、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウム及び鉛のうちの1種又は複数種を含むように設定した。
【0073】
一実施形態において、金属リード構造の材質にテルル銅合金が含まれ、テルル銅合金におけるテルルの含有量が0.1%~5%である。これによって、金属リード構造は、良好な導電性及び切削容易性を有し、電気的性能を確保しながら、加工性も向上させることができる。
【0074】
金属リード構造の材質において、テルル銅合金におけるテルルの含有量による金属リード構造の導電率への影響を検証するために、発明者は、同じ形状の金属リード構造を10個選択して測定し、各金属リード構造の寸法は同じであり、金属リード構造の材質は、いずれもテルル銅合金であり、そのうち、テルルの含有量の割合がそれぞれ0.05%、0.1%、0.2%、0.5%、0.8%、1.2%、2%、3%、5%、6%、7%である。金属リード構造に電流を流して、対応する金属リード構造の導電率を測定して、測定結果を表7に示す。本実施例において、導電率が99%よりも大きいものを理想値とした。
【0075】
【0076】
表7から分かるように、テルルの含有量の割合が0.1%未満、又は5%よりも大きい場合、導電率が著しく低下し、導電率の理想値の要求を満たすことができない。テルルの含有量の割合が0.2%以上、1.2%以下である場合、導電性能が最も良く、テルルの含有量の割合が0.1%よりも大きく、0.2%未満である場合、又は1.2%よりも大きく、5%以下である場合、導電率が理想値の要求を満たすが、徐々に低下する傾向があり、導電性能も低下する。従って、発明者は、テルルの含有量が0.1%~5%であるテルル銅合金を選択した。最も理想的には、含有量が0.2%~1.2%であるテルル銅合金を選択する。
【0077】
一実施形態において、金属リード構造の材質にはベリリウム銅合金が含まれ、ベリリウム銅合金におけるベリリウムの含有量は0.05%~5%である。好ましくは、金属リード構造の材質におけるベリリウムの含有量は0.1%~3.5%である。
【0078】
金属リード構造にはベリリウムが含まれ、高い硬度、弾性限界、疲労限界及び耐摩耗性を有し、さらに、良好な耐食性、熱伝導性及び導電性を有し、且つ衝撃を受ける時に火花が発生しない。
【0079】
ベリリウムの含有量による金属リード構造の導電率への影響を検証するために、発明者は同じ形状、同じ幅の金属リード構造を10個選択して測定して、各金属リード構造はいずれもベリリウムを含み、そのうち、ベリリウムの含有量の割合がそれぞれ0.03%、0.05%、0.1%、0.2%、1%、1.8%、3%、3.5%、5%、6%である。測定結果を表8に示す。本実施例において、導電率が99%よりも大きいものを理想値とした。
【0080】
【0081】
表8から分かるように、ベリリウムの含有量の割合が0.05%未満、又は5%よりも大きい場合、導電率が著しく低下し、実際のニーズを満たすことができない。ベリリウムの含有量の割合が0.1%以上、3.5%以下である場合、導電性能が最も良いため、発明者は、ベリリウムの含有量が0.05%~5%である金属リード構造を選択した。最も理想的には、ベリリウムの含有量が0.1%~3.5%である金属リード構造を選択する。
【0082】
一実施形態において、金属リード構造の材質にはリン青銅合金が含まれ、リン青銅合金におけるリンの含有量は0.01%~1.5%である。リン青銅の優位性は、より優れた耐食性、耐摩耗性を有し、金属リード構造の良好な接触、良好な弾性力を確保でき、かつ、優れた機械加工性能を有し、部品の加工時間を大幅に短縮できることである。
【0083】
リンの含有量による金属リード構造の導電率への影響を検証するために、発明者は同じ形状、同じ幅の金属リード構造を10個選択して測定して、各金属リード構造はいずれもリンを含有し、そのうち、リンの含有量の割合はそれぞれ0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%である。測定結果を表9に示す。本実施例において、導電率が99%よりも大きいものを理想値とした。
【0084】
【0085】
表9から分かるように、リンの含有量の割合が0.01%未満、又は1.5%よりも大きい場合、導電率が著しく低下し、実際のニーズを満たすことができない。リンの含有量の割合が0.05%以上、0.5%以下である場合、導電性が最も良好であるため、発明者は、リンの含有量が0.01%~1.5%である金属リード構造を選択した。最も理想的には、リンの含有量が0.05%~0.5%である金属リード構造を選択する。
【0086】
一実施形態において、金属リード構造の材質には、なまり黄銅合金が含まれ、なまり黄銅合金における鉛の含有量が0.1%~5%である。なまり黄銅合金の優位性は、強度が高く、組織が緻密で均一で、耐食性に優れ、切削、穴あけなどの機械加工性能に優れることである。
【0087】
鉛の含有量による金属リード構造の導電率への影響を検証するために、発明者は同じ形状、同じ幅の金属リード構造を10個選択して測定して、各金属リード構造はいずれも鉛を含み、そのうち、鉛の含有量の割合はそれぞれ0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%である。測定結果を表10に示す。本実施例において、導電率が99%よりも大きいものを理想値とした。
【0088】
【0089】
表10から分かるように、鉛の含有量の割合が0.1%未満、又は5%よりも大きい場合、導電率が著しく低下し、実際のニーズを満たすことができない。鉛の含有量の割合が1%以上、3%以下である場合、導電性が最も良いため、発明者は、鉛の含有量が0.1%~5%である金属リード構造を選択した。最も理想的には、鉛の含有量が1%~3%である金属リード構造を選択する。
【0090】
一実施形態において、第1の接続リード5、第2の接続リード6、第1のカンチレバー状リード7及び第2のカンチレバー状リード8の材質は、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、スズ、チタン、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウム及び鉛のうちの1種又は複数種を含む。
【0091】
一実施形態において、耐食性を向上させ、導電性を向上させ、使用寿命をより延ばすために、金属リード構造の少なくとも一部の表面には、めっき層が設けられている。
【0092】
具体的には、第1のボス9と第2のボス10にはめっき層が設けられており、金属リード構造とオス端子16とが異なる材質である場合、めっき層により両者間の接触抵抗を効果的に低減させ、金属リード構造とオス端子16との間の電圧降下を低減し、電気的性能を向上させることができる。
【0093】
他の実施形態において、第1の接続リード5及び第2の接続リード6の山と谷に、第1のカンチレバー状リード7及び第2の接続リード8の山と谷に、めっき層が設けられており、金属リード構造とメス端子15及びオス端子16との間の電圧降下を低減させ、電気的性能を向上させることができる。
【0094】
別の実施形態において、金属リード構造の全体にめっき層が設けられていることによって、金属リード構造に、より良好な電気的性能を持たせ、使用寿命を延ばすことができる。
【0095】
一実施形態において、めっき層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、亜鉛、スズ鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、硬質銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種又は複数種を含む。多くの場合、金属リード構造は、銅材料を用い、銅は、活性金属として、使用中、酸素ガス及び水と酸化反応するため、めっき層として1種又は複数種の不活性金属を必要とし、金属リード構造の使用寿命を延ばす。上記金属の導電性及び安定性は、いずれも銅又は銅合金より優れ、金属リード構造がより良い電気的性能及びより長い使用寿命を得ることができる。
【0096】
異なるめっき層の材質による金属リード構造全体の性能への影響を検証するために、発明者は、異なるめっき層材料を利用する同じ規格、材質の金属リード構造を採用し、金属リード構造の全体にめっき層が設けられ、一連の耐食性時間に関する検証を行い、検証結果を表11に示す。
【0097】
表11における耐食性時間に関する検証は、金属リード構造のサンプルを塩霧吐出試験箱内に入れ、サンプルの各位置に塩霧を吐出し、20時間ごとに取り出して洗浄して表面腐食状況を観察し、すなわち20時間は1サイクルであり、表面腐食面積が総面積の10%を超えるまで検証を停止し、その時のサイクル数を記録したことである。本実施例において、サイクル数が80回未満であるものを不合格とした。
【0098】
【0099】
表11から分かるように、めっき層の材質が一般的な金属のスズ、ニッケル、亜鉛を含む場合、検証の結果としては、他の金属の選択される場合に及ばず、他の金属を選択した検証結果は、標準値を大幅に超え、性能が安定している。従って、発明者は、めっき層の材質を、金、銀、ニッケル、スズ、亜鉛、スズ鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、硬質銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種又は複数種を含ませるように選択した。
【0100】
一実施形態において、めっき層は、電気めっき、無電解めっき、マグネトロンスパッタリング又は真空めっきによって設けられたものである。
【0101】
電気めっきの方法は、電解原理を利用して金属の表面に他の金属または合金を薄層めっきするプロセスである。
電気めっき方法は、電解原理を利用して金属表面に他の金属又は合金の薄層をめっきするプロセスである。
【0102】
無電解めっきの方法は、金属の触媒作用で、制御可能な酸化還元反応により金属を生成する堆積プロセスである。
【0103】
マグネトロンスパッタリング方法は、磁場と電場の交互作用を利用して、電子をターゲット表面付近で螺旋状に運動させることによって、電子がアルゴンガスに衝突してイオンを発生させる 確率を増大させ、発生したイオンが電界の作用でターゲット面に衝突してターゲット材料をスパッタするものである。
【0104】
真空めっき方法は、真空条件下で、蒸留又はスパッタリングなどにより部品の表面に様々な金属及び非金属薄膜を堆積するものである。
【0105】
一実施形態において、電気コネクタは、U字状の構造を有するメス端子15と、シート状のオス端子16と、金属リード構造とを含み、前記メス端子15が頂端開口と両側の側辺開口とを有し、前記金属リード構造の頂部耳掛け13が、前記頂端開口に接続される、又は、いずれか1つの前記側辺開口に接続されるように設けられている。
図8~11に示すように、頂端開口は、オス端子16の挿入方向に対応する開口であり、側辺開口は、オス端子16の挿入方向に垂直な方向に対応する開口である。
【0106】
金属リード構造とメス端子15とを90°又は180°で装着する場合、頂部耳掛け13と側辺耳掛け12とを同時に設けてもよく、頂部耳掛け13又は側辺耳掛け12のみを用いてもよく、実際の必要に応じて設ければよい。
図9に示すように、頂部耳掛け13は、前記側辺開口に接続され、
図10に示すように、頂部耳掛け13は、前記頂端開口に接続されている。
【0107】
1つの具体的な実施形態において、
図9~
図11に示すように、前記金属リード構造の側辺耳掛け12は、前記頂端開口に接続される、又は、いずれか1つの前記側辺開口に接続される、あるいは、両側の前記側辺開口にそれぞれ接続されるように設けられている。具体的には、
図9に示すように、前記金属リード構造の側辺耳掛け12は前記頂端開口に接続され、
図10に示すように、側辺耳掛け12はいずれか1つの前記側辺開口に接続され、
図11に示すように、側辺耳掛け12は両側の側辺開口に接続されている。
【0108】
1つの具体的な実施形態において、
図10~
図11に示すように、前記第1の接続リード5、第2の接続リード6、前記第1のカンチレバー状リード7及び第2のカンチレバー状リード8は、前記メス端子15に設けられ、前記第1の接続リード5、第2の接続リード6、前記第1のカンチレバー状リード7及び第2のカンチレバー状リード8は、山の内部が前記オス端子16の挿着面に接触し、谷の外部が前記メス端子15の内面に接触する。前記端子挿入溝11に向かう方向が内部であり、その反対方向が外部である。
【0109】
本願は、金属リード構造、U字状のメス端子15及びオス端子16を3つの別体の部材として設計することによって、組み立てやすいことに加え、メス端子15の金型の加工難度を低減させると同時に、90°と180°との2つの方向における挿抜を満たすことができ、電気コネクタの異なる方向の接続に適用し、コストダウンに繋がる。金属リード構造には、複数の波状の第1の接続リード5及び第2の接続リード6と、複数の波状の第1のカンチレバー状リード7及び複数の波状の第2のカンチレバー状リードとが設けられることによって、接触抵抗の安定性を効果的に確保できるだけでなく、オス端子16を挿入させるときの力を効果的に分散でき、全体構造が簡単で、コストが低い。
【0110】
一実施形態において、
図13におけるFn1、Fn2に示すように、第1の接続リード5又は第2の接続リードによりオス端子16に加えられる弾性力は0.3N~98Nである。金属リード構造がU字状のメス端子15に装着された後、オス端子16が金属リード構造に挿入されると、第1の接続リード5又は第2の接続リード6が押圧されて変形するため、第1の接続リード5又は第2の接続リード6により弾性力がオス端子16に加えられる。
【0111】
第1の接続リード5又は第2の接続リード6によりオス端子16に加えられる弾性力による第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との間の接触抵抗への影響、及びオス端子16の挿抜力への影響を検証するために、発明者は、同じ寸法の第1の接続リード5又は第2の接続リード6、同じオス端子16とメス端子15、異なる第1の接続リード5又は第2の接続リード6の弾性力を選択し、一連の電気コネクタのサンプルを製造するとともに、電気コネクタのサンプルの接触抵抗及びオス端子16の挿抜力を測定して、測定値を表12に記録した。
【0112】
電気コネクタのサンプルの接触抵抗の測定方法について、マイクロオームメーターを用いて、オス端子16と第1の接続リード5又は第2の接続リード6とをそれぞれ接続し、その間の抵抗値を測定し、本実施例において、接触抵抗値が9mΩ未満であるものを合格値とした。
【0113】
オス端子16の挿抜力の測定方法について、精密プッシュプルゲージを用いて、オス端子16をプッシュして金属リード構造に挿入させ、又は金属リード構造から引き抜き、両者の力を測定して平均値を取り、本実施例において、オス端子16の挿抜力が25Nよりも大きいものを不合格とした。
【0114】
【0115】
表12から分かるように、第1の接続リード5又は第2の接続リード6によりオス端子16に加えられる弾性力が0.3N未満である場合、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との接触力が小さく、対応する接触面積が小さく、これによって、第1の接続リード5又は第2の接続リード6とオス端子16との間の接触抵抗が9mΩよりも大きくなり、要求値を満たさず、弾性力が大きいほど、接触抵抗が小さくなる。第1の接続リード5又は第2の接続リード6によりオス端子16に加えられる弾性力が98Nよりも大きい場合、第1の接続リード5又は第2の接続リード6によるオス端子16に対する挟持力が大きすぎ、これによって、オス端子16が金属リード構造に挿入や抜去されるとき、受ける摩擦力が大きく、オス端子16の挿抜力が25Nよりも大きくなり、要求値を満たさず、弾性力が小さいほど、オス端子16の挿抜力が小さくなる。そこで、発明者は、第1の接続リード5又は第2の接続リード6によりオス端子に加えられる弾性力を0.3N~98Nに設定した。
【0116】
さらに、第1の接続リード5又は第2の接続リード6によりオス端子16に加えられる弾性力が55Nよりも大きい場合、オス端子16の挿抜力が顕著に向上するため、発明者は、さらに、第1の接続リード5又は第2の接続リード6によりオス端子に加えられる弾性力を0.3N~55Nに設定した。
【0117】
一実施形態において、
図14におけるFn3に示すように、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8によりオス端子16に加えられる弾性力は0.3N~98Nである。金属リード構造がU字状のメス端子15に装着された後、オス端子16が金属リード構造に挿入されると、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8が押圧されて変形するため、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8により、弾性力がオス端子16に加えられる。
【0118】
第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8によりオス端子16に加えられる弾性力による第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とオス端子16との間の接触抵抗への影響、及びオス端子16の挿抜力への影響を検証するために、発明者は、同じ寸法の第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8、同じオス端子16とメス端子15、異なる第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8の弾性力を選択し、一連の電気コネクタのサンプルを製造するとともに、電気コネクタのサンプルの接触抵抗及びオス端子16の挿抜力を測定して、測定値を表13に記録した。
【0119】
電気コネクタのサンプルの接触抵抗の測定方法について、マイクロオームメーターを用いて、オス端子16と第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とをそれぞれ接続し、その間の抵抗値を測定し、本実施例において、接触抵抗値が9mΩ未満であるものを合格値とした。
【0120】
オス端子16の挿抜力の測定方法について、精密プッシュプルゲージを用いて、オス端子16をプッシュして金属リード構造に挿入させ、又は金属リード構造から引き抜き、両者の力を測定して平均値を取り、本実施例において、オス端子16の挿抜力が25Nよりも大きいものを不合格とした。
【0121】
【0122】
表13から分かるように、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8によりオス端子に加えられる弾性力が0.3N未満である場合、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とオス端子16との接触力が小さく、対応する接触面積が小さく、これによって、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8とオス端子16との間の接触抵抗が9mΩよりも大きくなり、要求値を満たさず、弾性力が大きいほど、接触抵抗が小さくなる。第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8によりオス端子16に加えられる弾性力が98Nよりも大きい場合、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8によるオス端子16に対する挟持力が大きすぎ、これによって、オス端子16が金属リードに挿入や抜去されたりするとき、受ける摩擦力が大きく、オス端子16の挿抜力が25Nよりも大きくなり、要求値を満たさず、弾性力が小さいほど、オス端子16の挿抜力が小さくなる。そこで、発明者は、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8によりオス端子に加えられる弾性力を0.3N~98Nに設定した。
【0123】
さらに、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8によりオス端子16に加えられる弾性力が55Nよりも大きい場合、オス端子16の挿抜力が顕著に向上するため、発明者は、第1のカンチレバー状リード7又は第2のカンチレバー状リード8によりオス端子に加えられる弾性力を0.3N~55Nに設定した。
【0124】
1つの具体的な実施形態において、前記金属リード構造は、板状材料を一体にプレス成形したものである。
図1及び
図6に示すように、金属リード構造は、一体プレス成形構造であり、加工しやすく、コストが低い。
【0125】
以上は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者は、出願書類に開示されている内容に基づいて、本願の実施例に対して本願の精神及び範囲を逸脱することなく様々な変更又は変形を行うことができる。「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「内」、「外」等の用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づいたものであり、本願の説明の便宜及び説明の簡潔化のためのものに過ぎず、指定された装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示す又は意味するものではないため、本願に対する制限として理解されるべきではない。
【0126】
また、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」の用語は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示したり意味したり、指示された技術的特徴の数を意味したりするものとして理解されるべきではない。
【0127】
本願において、別に明確的な規定と限定がない限り、「装着」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語を広義的に理解すべきであり、例えば、固定的に接続されても、取り外し可能に接続されても、一体にされてもよく、機械的接続でも、電気的接続でもよく、直接接続されても、中間媒体を介して間接接続されても、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係でもよい。当業者にとって、上記用語の本願における具体的な意味を具体的な状況に応じて理解することができる。
【国際調査報告】