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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20241024BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20241024BHJP
   A61B 34/32 20160101ALI20241024BHJP
   A61B 34/10 20160101ALI20241024BHJP
【FI】
A61B34/35
A61B34/20
A61B34/32
A61B34/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024549582
(86)(22)【出願日】2022-11-07
(85)【翻訳文提出日】2024-07-05
(86)【国際出願番号】 IB2022060702
(87)【国際公開番号】W WO2023079530
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】63/276,986
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524171965
【氏名又は名称】ネオシス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モーゼス,アロン
(72)【発明者】
【氏名】ローヤン,アジャイ・ゴパル
(72)【発明者】
【氏名】ミッテンドルフ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】モージズ,デニス
(72)【発明者】
【氏名】ブッケラールス,エリック・ポール・フロール
【テーマコード(参考)】
4C130
【Fターム(参考)】
4C130AA04
4C130AA12
4C130AA22
4C130AA42
4C130AB01
4C130AB06
4C130CA07
(57)【要約】
ロボットシステムは、部位についての基準場所と連通しているトラッキングアームを含む。ロボットアームは、ロボットアームと係合している処置ツール/エンドエフェクタ、および、トラッキングアームの近位端との知られている関係で配設された近位端を有する。コントローラは、ロボットおよびトラッキングアームを介して、三次元空間における処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を決定し、処置ツールを、動作計画にしたがって、および実際の空間関係に基づいてロボットアームの移動を調節することによって、部位に隣り合ったステージング位置へ方向付ける。アクチュエータは、処置ツールから離間しており、コントローラと通信する。アクチュエータは、動作計画にしたがって処置ツールをステージング位置から自律的に移動させるためにロボットアームを方向付けて、部位と相互作用し、処置を行うするように、コントローラを作動させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットシステムであって、
部位または部位に受けられている対象における、またはそれに隣り合った基準場所と連通して構成されている遠位端を有するトラッキングアームであって、基準場所は、三次元空間においてトラッキングアームの近位端との関係で配設されている、トラッキングアームと、
ロボットアームの遠位端と係合している処置ツールを有するロボットアームであって、処置ツールは、処置ツールと係合しているエンドエフェクタを有し、エンドエフェクタは、部位または対象と相互作用するように適合された遠位端を有し、ロボットアームは、トラッキングアームの近位端との知られている関係で配設されている近位端を有する、ロボットアームと、
プロセッサおよびメモリを含むコントローラであって、トラッキングアーム、ロボットアーム、および処置ツールと動作可能に通信して構成され、
ロボットアームおよびトラッキングアームを介して、三次元空間における処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を決定し、実際の空間関係は、基準場所に関係した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を含み、
動作計画にしたがって、および実際の空間関係に基づいてロボットアームの移動を調節することによって、部位または対象に隣り合ったステージング位置へ処置ツールを方向付け、動作計画は、部位において、または対象上で、エンドエフェクタによって行われる処置中に、部位または対象へ、および部位または対象からエンドエフェクタによって横断されるルートを含む、
ように構成されている、コントローラと、
処置ツールと離間した関係で配設され、およびコントローラと通信して構成されたアクチュエータであって、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、コントローラを作動させて、基準場所に対して、動作計画にしたがってステージング位置から処置ツールを自律的に移動させるためにロボットアームを方向付けるように構成されている、アクチュエータと
を備えるロボットシステム。
【請求項2】
コントローラが、処置ツールから離間しており、コントローラが、アクチュエータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
アクチュエータが、コントローラと別個で分離している、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
アクチュエータが、アクチュエータと処置ツールとの間の障壁によって処置ツールから分離されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
コントローラが、部位または対象上における処置の完了時に、または、アクチュエータが処置ツールを後退位置に後退させるようにコントローラを作動させたことに応答して、処置ツールをステージング位置へ、または部位もしくは対象から離間した後退位置へ自律的に戻すためにロボットアームを方向付けるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
コントローラが、処置ツールがステージング位置にある状態で、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
エンドエフェクタが部位もしくは対象と相互作用するように、または処置ツールが部位においてもしくは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、ロボットアームが、動作計画にしたがって処置ツールをステージング位置から自律的に移動させるためにコントローラによって方向付けられた時に、コントローラが、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
コントローラと通信し、およびロボットアームと動作可能に係合しているか、ロボットアームと処置ツールとの間で動作可能に係合しているか、または処置ツールと動作可能に係合している駆動ユニットを備え、駆動ユニットは、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、アクチュエータの作動に応答して、コントローラを介して、ロボットアームと協働して動作計画にしたがって処置ツールをステージング位置から自律的に移動させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
ロボットアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、コントローラが、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端との関係で処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
トラッキングアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、コントローラが、1つ以上の位置センサからの位置データから、トラッキングアームの近位端に対して、トラッキングアームの遠位端の場所を決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
ロボットシステムを動作させる方法であって、
トラッキングアームの遠位端を、部位または部位に受けられている対象における、またはそれに隣り合った基準場所と連通して構成することであって、基準場所は、三次元空間においてトラッキングアームの近位端との関係で配設されている、ことと、
処置ツールを、ロボットアームの遠位端と係合して構成することであって、処置ツールは、処置ツールと係合しているエンドエフェクタを有し、エンドエフェクタは、部位または対象と相互作用するように適合された遠位端を有し、ロボットアームは、トラッキングアームの近位端との知られている関係で配設されている近位端を有する、ことと、
プロセッサおよびメモリを含み、およびトラッキングアーム、ロボットアーム、および処置ツールと動作可能に通信して構成されているコントローラを使用して、ロボットアームおよびトラッキングアームを介して、三次元空間における処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を決定することであって、実際の空間関係は、基準場所に関係した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を含む、ことと、
動作計画にしたがって、および実際の空間関係に基づいて、コントローラデバイスを使用して、ロボットアームの移動を調節することによって、部位または対象に隣り合ったステージング位置へ処置ツールを方向付けることであって、動作計画は、部位において、または対象上で、エンドエフェクタによって行われる処置中に、部位または対象へ、および部位または対象からエンドエフェクタによって横断されるルートを含む、ことと、
処置ツールと離間した関係で、およびコントローラと通信して構成されたアクチュエータを作動させることであって、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、コントローラを作動させて、基準場所に対して、動作計画にしたがってステージング位置から処置ツールを自律的に移動させるためにロボットアームを方向付ける、ことと
を含む、方法。
【請求項12】
アクチュエータを作動させることが、コントローラに含まれたアクチュエータを作動させることを含み、コントローラが、処置ツールから離間している、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
アクチュエータを作動させることが、コントローラと別個で分離しているアクチュエータを作動させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
アクチュエータを作動させることが、アクチュエータと処置ツールとの間の障壁によって処置ツールから分離されているアクチュエータを作動させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
部位または対象上における処置の完了時に、または、アクチュエータが処置ツールを後退位置に後退させるようにコントローラを作動させたことに応答して、処置ツールをステージング位置へ、または部位もしくは対象から離間した後退位置へ自律的に戻すためにコントローラによってロボットアームを方向付けることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
コントローラによって、処置ツールがステージング位置にある状態で、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
エンドエフェクタが部位もしくは対象と相互作用するように、または処置ツールが部位においてもしくは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、ロボットアームが、動作計画にしたがって処置ツールをステージング位置から自律的に移動させるためにコントローラによって方向付けられた時に、コントローラによって、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
アクチュエータを作動させることが、駆動ユニットを作動させるようにアクチュエータを作動させることを含み、駆動ユニットが、コントローラと通信し、およびロボットアームと動作可能に係合しているか、ロボットアームと処置ツールとの間で動作可能に係合しているか、または処置ツールと動作可能に係合しており、駆動ユニットは、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、アクチュエータの作動に応答して、コントローラを介して、ロボットアームと協働して動作計画にしたがってツールをステージング位置から自律的に移動させる、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
ロボットアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、実際の空間関係を決定することが、コントローラを使用して、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端に関係して、処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を決定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
トラッキングアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、実際の空間関係を決定することが、コントローラを使用して、1つ以上の位置センサからの位置データから、トラッキングアームの近位端に対して、トラッキングアームの遠位端の場所を決定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
ロボットシステムを形成する方法であって、
ロボットアームの近位端がトラッキングアームの近位端との知られている関係で配設されるようにロボットアームを構成することであって、トラッキングアームが、部位または部位に受けられている対象における、またはそれに隣り合った基準場所と連通するように適合された遠位端を有し、基準場所は、三次元空間においてトラッキングアームの近位端との関係で配設されている、ことと、
処置ツールを、ロボットアームの遠位端と係合させることであって、処置ツールが、処置ツールと係合しているエンドエフェクタを有し、エンドエフェクタが、部位または対象と相互作用するように適合された遠位端を有する、ことと、
コントローラを構成することであって、コントローラが、プロセッサおよびメモリを含み、トラッキングアーム、ロボットアーム、および処置ツールと動作可能に通信しており、コントローラが、
ロボットアームおよびトラッキングアームを介して、三次元空間における処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を決定し、実際の空間関係は、基準場所に関係した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を含み、
動作計画にしたがって、および実際の空間関係に基づいてロボットアームの移動を調節することによって、部位または対象に隣り合ったステージング位置へ処置ツールを方向付け、動作計画は、部位において、または対象上で、エンドエフェクタによって行われる処置中に、部位または対象へ、および部位または対象からエンドエフェクタによって横断されるルートを含む、
ように構成されている、ことと、
処置ツールと離間した関係で、およびコントローラと通信してアクチュエータを構成することであって、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、アクチュエータが、コントローラを作動させて、基準場所に対して、動作計画にしたがってステージング位置から処置ツールを自律的に移動させるためにロボットアームを方向付けるように構成される、ことと
を含む方法。
【請求項22】
アクチュエータを構成することが、コントローラに含まれるようにアクチュエータを構成することと、処置ツールから離間しているようにコントローラを構成することとを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
アクチュエータを構成することが、アクチュエータがコントローラと別個で分離しているように、アクチュエータを構成することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
アクチュエータを構成することが、アクチュエータが、アクチュエータと処置ツールとの間の障壁によって処置ツールから分離されるように、アクチュエータを構成することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
コントローラを構成することが、部位または対象上における処置の完了時に、または、アクチュエータが処置ツールを後退位置に後退させるようにコントローラを作動させたことに応答して、処置ツールをステージング位置へ、または部位もしくは対象から離間した後退位置へ自律的に戻すためにロボットアームを方向付けるように、コントローラを構成することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
コントローラを構成することが、処置ツールがステージング位置にある状態で、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更するように、コントローラを構成することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
コントローラを構成することが、エンドエフェクタが部位もしくは対象と相互作用するように、または処置ツールが部位においてもしくは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、ロボットアームが、動作計画にしたがって処置ツールをステージング位置から自律的に移動させるためにコントローラによって方向付けられた時に、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更するようにコントローラを構成することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
アクチュエータを構成することが、駆動ユニットを作動させるようにアクチュエータを構成することを含み、駆動ユニットが、コントローラと通信し、およびロボットアームと動作可能に係合しているか、ロボットアームと処置ツールとの間で動作可能に係合しているか、または処置ツールと動作可能に係合しており、駆動ユニットは、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、アクチュエータの作動に応答して、コントローラを介して、ロボットアームと協働して動作計画にしたがってツールをステージング位置から自律的に移動させるように構成される、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
ロボットアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、コントローラを構成することが、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端に関係して、処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を決定するように、コントローラを構成することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
トラッキングアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、コントローラを構成することが、1つ以上の位置センサからの位置データから、トラッキングアームの近位端に対して、トラッキングアームの遠位端の場所を決定するように、コントローラを構成することを含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ロボットシステムに関し、より詳しくは、遠隔駆動型の自律モードを有するロボットシステムならびにそのようなロボットシステムを動作させる方法およびロボットシステムを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病気は、一般的に勤務場所で共有されるが、曝露のリスクは、超音波、エアポリッシャーおよびドリルなどの電動ツール類を使用する歯科医療従事者については有意により高くなり得る。細菌およびウィルスは、それらのタイプの治療によって生じた、飛沫、エアロゾル、および粒子状のデブリを通じて急激に拡がり得る。すなわち、例えば、超音波、ドリル、およびエアポリシングによって生じたエアロゾル、粒子状デブリ、および飛沫は、唾液、血液、細菌および病原体を含む可能性がある。空気中に放たれると、エアロゾル粒子は、その環境に1時間以上残る可能性があり、一方、粒子状デブリおよび飛沫は、表面上に到達し、すぐに処置エリアを取り囲み得る。これは、歯科医療従事者に対する一次リスクとともに、例えば、一般的な風邪およびインフルエンザウィルス、ヘルペスウィルス、病原性連鎖球菌またはブドウ球菌、重症急性呼吸器症候群(SARS)、および結核(TB)の拡大のリスクを引き起こす。
【0003】
さらに、そのような電動ツール類を使用して歯科処置を実施する際に、患者は、もたれかかった位置にいる場合が多く、歯科医療従事者は、体をねじ曲げて患者の口に近づかなければならず、または処置が実施されている間に手術を見ることができるように小型の手持ち式の鏡を操作しなければならない。これは、処置が誘導ロボットシステムと係合するツール類を用いて実施される場合が該当する。それに応じて、そのような歯科処置は、歯科医療従事者にとっては、厄介であり、ユーザフレンドリーではなく、人間工学的ではない場合が多く、手術によってもたらされる危険なエアロゾルおよび粒子状物質に対する歯科医療従事者の曝露のリスクを増加させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、歯科/顎顔面処置からもたらされるエアロゾルおよび粒子状デブリに対する歯科医療従事者の曝露を制限することによって、特に歯科医療従事者に対する感染および汚染の拡大の効果的な調節を容易にするためのロボッティックシステム、いくつかの例では、歯科ロボットシステムに対する必要性が存在する。また、歯科医療従事者が歯科/顎顔面手術を、ユーザフレンドリーで、距離を保った、人間工学的なやり方で実施することを可能にするロボットシステムに対する必要性が存在する。そのようなロボットシステムは、好ましくは、歯科用ツールの可動性または歯科/顎顔面構造への歯科用ツールの接近しやすさを制限せずに効果的でありながら、歯科医療従事者が歯科用ツールと歯科/顎顔面構造との間の実際の相互作用に非常に近接する必要なく、歯科/顎顔面構造を実施可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記および他の必要性は、本開示の態様によって満たされ、特定の一態様において、部位または部位に受けられている対象における、またはそれに隣り合った基準場所と連通して構成されている遠位端を有するトラッキングアームであって、基準場所は、三次元空間においてトラッキングアームの近位端との関係で配設されている、トラッキングアームを備える、ロボットシステムを提供する。ロボットアームは、ロボットアームの遠位端と係合している処置ツールを有し、処置ツールは、処置ツールと係合しているエンドエフェクタを有し、エンドエフェクタは、部位または対象と相互作用するように適合された遠位端を有し、ロボットアームは、トラッキングアームの近位端に知られている関係において配設されている近位端を有する。コントローラは、プロセッサおよびメモリを含み、コントローラは、トラッキングアーム、ロボットアーム、および処置ツールと動作可能に通信して構成されている。コントローラは、ロボットアームおよびトラッキングアームを介して、三次元空間における処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を決定するように構成されており、実際の空間関係は、基準場所に関係した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を含む。コントローラは、動作計画にしたがって、および実際の空間関係に基づいてロボットアームの移動を調節することによって、部位または対象に隣り合ったステージング位置へ処置ツールを方向付けるようにさらに構成されている。動作計画は、部位において、または対象上で、エンドエフェクタによって行われる処置中に、部位または対象へ、および部位または対象からエンドエフェクタによって横断されるルートを含む。アクチュエータは、処置ツールから離間した関係で配設され、コントローラと通信して構成されている。アクチュエータは、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、コントローラを作動させて、基準場所に対して、動作計画にしたがってステージング位置から処置ツールを自律的に移動させるためにロボットアームを方向付けるように構成されている。
【0006】
本開示の別の態様は、ロボットシステムを動作させる方法を提供しており、そのような方法は、トラッキングアームの遠位端を、部位または部位に受けられている対象における、またはそれに隣り合った基準場所と連通して構成することであって、基準場所は、三次元空間においてトラッキングアームの近位端に関係して配設されている、ことを含む。処置ツールは、ロボットアームの遠位端と係合して構成されており、処置ツールは、処置ツールと係合しているエンドエフェクタを有し、エンドエフェクタは、部位または対象と相互作用するように適合された遠位端を有し、ロボットアームは、トラッキングアームの近位端に知られている関係において配設されている近位端を有する。プロセッサおよびメモリを含み、およびトラッキングアーム、ロボットアーム、および処置ツールと動作可能に通信して構成されているコントローラを使用して、ロボットアームおよびトラッキングアームを介して、三次元空間における処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係が決定され、実際の空間関係は、基準場所に関係した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を含む。処置ツールは、動作計画にしたがって、および実際の空間関係に基づいて、コントローラデバイスを使用して、ロボットアームの移動を調節することによって、部位または対象に隣り合ったステージング位置へ方向付けられる。動作計画は、部位において、または対象上で、エンドエフェクタによって行われる処置中に、部位または対象へ、および部位または対象からエンドエフェクタによって横断されるルートを含む。処置ツールと離間した関係で、およびコントローラと通信して構成されたアクチュエータが作動されて、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、基準場所に対して、動作計画にしたがってステージング位置から処置ツールを自律的に移動させるためにロボットアームを方向付けるように、コントローラを作動させる。
【0007】
本開示のさらに別の態様は、ロボットシステムを形成する方法を提供し、そのような方法は、ロボットアームの近位端がトラッキングアームの近位端との知られている関係で配設されるようにロボットアームを構成することであって、トラッキングアームが、部位または部位に受けられている対象における、またはそれに隣り合った基準場所と連通して適合された遠位端を有し、基準場所は、三次元空間においてトラッキングアームの近位端との関係で配設されている、ことを含む。処置ツールは、ロボットアームの遠位端と係合しており、処置ツールは、処置ツールと係合しているエンドエフェクタを有し、エンドエフェクタは、部位または対象と相互作用するように適合された遠位端を有する。コントローラ、すなわちプロセッサおよびメモリを含むコントローラが、トラッキングアーム、ロボットアーム、および処置ツールと動作可能に通信して構成されている。コントローラは、ロボットアームおよびトラッキングアームを介して、三次元空間における処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を決定するように構成されており、実際の空間関係は、基準場所に関係した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を含む。処置ツールは、動作計画にしたがって、および実際の空間関係に基づいて、ロボットアームの移動を調節することによって、部位または対象に隣り合ったステージング位置へ方向付けられる。動作計画は、部位において、または対象上で、エンドエフェクタによって行われる処置中に、部位または対象へ、および部位または対象からエンドエフェクタによって横断されるルートを含む。アクチュエータが、処置ツールと離間した関係で、およびコントローラと通信して構成され、アクチュエータは、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、基準場所に対して、動作計画にしたがってステージング位置から処置ツールを自律的に移動させるためにロボットアームを方向付けるように、コントローラを作動させるように構成される。
【0008】
したがって、本開示は、限定しないが、以下の例示的な実施形態を含む。
【0009】
例示的な実施形態1: ロボットシステムであって、部位または部位に受けられている対象における、またはそれに隣り合った基準場所と連通して構成されている遠位端を有するトラッキングアームであって、基準場所は、三次元空間においてトラッキングアームの近位端との関係で配設されている、トラッキングアームと、ロボットアームの遠位端と係合している処置ツールを有するロボットアームであって、処置ツールは、処置ツールと係合しているエンドエフェクタを有し、エンドエフェクタは、部位または対象と相互作用するように適合された遠位端を有し、ロボットアームは、トラッキングアームの近位端との知られている関係で配設されている近位端を有する、ロボットアームと、プロセッサおよびメモリを含むコントローラであって、トラッキングアーム、ロボットアーム、および処置ツールと動作可能に通信して構成され、ロボットアームおよびトラッキングアームを介して、三次元空間における処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を決定し、実際の空間関係は、基準場所に関係した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を含み、動作計画にしたがって、および実際の空間関係に基づいてロボットアームの移動を調節することによって、部位または対象に隣り合ったステージング位置へ処置ツールを方向付け、動作計画は、部位において、または対象上で、エンドエフェクタによって行われる処置中に、部位または対象へ、および部位または対象からエンドエフェクタによって横断されるルートを含む、ように構成されている、コントローラと、処置ツールと離間した関係で配設され、およびコントローラと通信して構成されたアクチュエータであって、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、コントローラを作動させて、基準場所に対して、動作計画にしたがってステージング位置から処置ツールを自律的に移動させるためにロボットアームを方向付けるように構成されている、アクチュエータとを備えるロボットシステム。
【0010】
例示的な実施形態2: コントローラが、処置ツールから離間しており、コントローラが、アクチュエータを含む、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせであるシステム。
【0011】
例示的な実施形態3: アクチュエータが、コントローラと別個で分離している、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせであるシステム。
【0012】
例示的な実施形態4: アクチュエータが、アクチュエータと処置ツールとの間の障壁によって処置ツールから分離されている、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせであるシステム。
【0013】
例示的な実施形態5: コントローラが、部位または対象上における処置の完了時に、または、アクチュエータが処置ツールを後退位置に後退させるようにコントローラを作動させたことに応答して、処置ツールをステージング位置へ、または部位もしくは対象から離間した後退位置へ自律的に戻すためにロボットアームを方向付けるように構成されている、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせであるシステム。
【0014】
例示的な実施形態6: コントローラが、処置ツールがステージング位置にある状態で、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更するように構成されている、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせであるシステム。
【0015】
例示的な実施形態7: エンドエフェクタが部位もしくは対象と相互作用するように、または処置ツールが部位においてもしくは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、ロボットアームが、動作計画にしたがって処置ツールをステージング位置から自律的に移動させるためにコントローラによって方向付けられた時に、コントローラが、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更するように構成されている、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせであるシステム。
【0016】
例示的な実施形態8: コントローラと通信し、およびロボットアームと動作可能に係合しているか、ロボットアームと処置ツールとの間で動作可能に係合しているか、または処置ツールと動作可能に係合している駆動ユニットを備え、駆動ユニットは、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、アクチュエータの作動に応答して、コントローラを介して、ロボットアームと協働して動作計画にしたがって処置ツールをステージング位置から自律的に移動させる、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせであるシステム。
【0017】
例示的な実施形態9: ロボットアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、コントローラが、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端との関係で処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を決定するように構成されている、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせであるシステム。
【0018】
例示的な実施形態10: トラッキングアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、コントローラが、1つ以上の位置センサからの位置データから、トラッキングアームの近位端に対して、トラッキングアームの遠位端の場所を決定するように構成されている、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせであるシステム。
【0019】
例示的な実施形態11: ロボットシステムを動作させる方法であって、トラッキングアームの遠位端を、部位または部位に受けられている対象における、またはそれに隣り合った基準場所と連通して構成することであって、基準場所は、三次元空間においてトラッキングアームの近位端との関係で配設されていることと、処置ツールを、ロボットアームの遠位端と係合して構成することであって、処置ツールは、処置ツールと係合しているエンドエフェクタを有し、エンドエフェクタは、部位または対象と相互作用するように適合された遠位端を有し、ロボットアームは、トラッキングアームの近位端との知られている関係で配設されている近位端を有する、ことと、プロセッサおよびメモリを含み、およびトラッキングアーム、ロボットアーム、および処置ツールと動作可能に通信して構成されているコントローラを使用して、ロボットアームおよびトラッキングアームを介して、三次元空間における処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を決定することであって、実際の空間関係は、基準場所に関係した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を含む、ことと、動作計画にしたがって、および実際の空間関係に基づいて、コントローラデバイスを使用して、ロボットアームの移動を調節することによって、部位または対象に隣り合ったステージング位置へ処置ツールを方向付けることであって、動作計画は、部位において、または対象上で、エンドエフェクタによって行われる処置中に、部位または対象へ、および部位または対象からエンドエフェクタによって横断されるルートを含む、ことと、処置ツールと離間した関係で、およびコントローラと通信して構成されたアクチュエータを作動させることであって、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、コントローラを作動させて、基準場所に対して、動作計画にしたがってステージング位置から処置ツールを自律的に移動させるためにロボットアームを方向付ける、こととを含む、方法。
【0020】
例示的な実施形態12: アクチュエータを作動させることが、コントローラに含まれたアクチュエータを作動させることを含み、コントローラが、処置ツールから離間している、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0021】
例示的な実施形態13: アクチュエータを作動させることが、コントローラと別個で分離しているアクチュエータを作動させることを含む、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0022】
例示的な実施形態14: アクチュエータを作動させることが、アクチュエータと処置ツールとの間の障壁によって処置ツールから分離されているアクチュエータを作動させることを含む、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0023】
例示的な実施形態15: 部位または対象上における処置の完了時に、または、アクチュエータが処置ツールを後退位置に後退させるようにコントローラを作動させたことに応答して、処置ツールをステージング位置へ、または部位もしくは対象から離間した後退位置へ自律的に戻すためにコントローラによってロボットアームを方向付けることを含む、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0024】
例示的な実施形態16: コントローラによって、処置ツールがステージング位置にある状態で、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更することを含む、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0025】
例示的な実施形態17: エンドエフェクタが部位もしくは対象と相互作用するように、または処置ツールが部位においてもしくは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、ロボットアームが、動作計画にしたがって処置ツールをステージング位置から自律的に移動させるためにコントローラによって方向付けられた時に、コントローラによって、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更することを含む、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0026】
例示的な実施形態18: アクチュエータを作動させることが、駆動ユニットを作動させるようにアクチュエータを作動させることを含み、駆動ユニットが、コントローラと通信し、およびロボットアームと動作可能に係合しているか、ロボットアームと処置ツールとの間で動作可能に係合しているか、または処置ツールと動作可能に係合しており、駆動ユニットは、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、アクチュエータの作動に応答して、コントローラを介して、ロボットアームと協働して動作計画にしたがってツールをステージング位置から自律的に移動させる、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0027】
例示的な実施形態19: ロボットアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、実際の空間関係を決定することが、コントローラを使用して、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端に関係して、処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を決定することを含む、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0028】
例示的な実施形態20: トラッキングアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、実際の空間関係を決定することが、コントローラを使用して、1つ以上の位置センサからの位置データから、トラッキングアームの近位端に対して、トラッキングアームの遠位端の場所を決定することを含む、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0029】
例示的な実施形態21: ロボットシステムを形成する方法であって、ロボットアームの近位端がトラッキングアームの近位端との知られている関係で配設されるようにロボットアームを構成することであって、トラッキングアームが、部位または部位に受けられている対象における、またはそれに隣り合った基準場所と連通するように適合された遠位端を有し、基準場所は、三次元空間においてトラッキングアームの近位端との関係で配設されている、ことと、処置ツールを、ロボットアームの遠位端と係合させることであって、処置ツールが、処置ツールと係合しているエンドエフェクタを有し、エンドエフェクタが、部位または対象と相互作用するように適合された遠位端を有する、ことと、コントローラを構成することであって、コントローラが、プロセッサおよびメモリを含み、トラッキングアーム、ロボットアーム、および処置ツールと動作可能に通信しており、コントローラが、ロボットアームおよびトラッキングアームを介して、三次元空間における処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を決定し、実際の空間関係は、基準場所に関係した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を含み、動作計画にしたがって、および実際の空間関係に基づいてロボットアームの移動を調節することによって、部位または対象に隣り合ったステージング位置へ処置ツールを方向付け、動作計画は、部位において、または対象上で、エンドエフェクタによって行われる処置中に、部位または対象へ、および部位または対象からエンドエフェクタによって横断されるルートを含む、ように構成されている、ことと、処置ツールと離間した関係で、およびコントローラと通信してアクチュエータを構成することであって、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、アクチュエータが、コントローラを作動させて、基準場所に対して、動作計画にしたがってステージング位置から処置ツールを自律的に移動させるためにロボットアームを方向付けるように構成される、こととを含む方法。
【0030】
例示的な実施形態22: アクチュエータを構成することが、コントローラに含まれるようにアクチュエータを構成することと、処置ツールから離間しているようにコントローラを構成することとを含む、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0031】
例示的な実施形態23: アクチュエータを構成することが、アクチュエータがコントローラと別個で分離しているように、アクチュエータを構成することを含む、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0032】
例示的な実施形態24: アクチュエータを構成することが、アクチュエータが、アクチュエータと処置ツールとの間の障壁によって処置ツールから分離されるように、アクチュエータを構成することを含む、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0033】
例示的な実施形態25: コントローラを構成することが、部位または対象上における処置の完了時に、または、アクチュエータが処置ツールを後退位置に後退させるようにコントローラを作動させたことに応答して、処置ツールをステージング位置へ、または部位もしくは対象から離間した後退位置へ自律的に戻すためにロボットアームを方向付けるように、コントローラを構成することを含む、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0034】
例示的な実施形態26: コントローラを構成することが、処置ツールがステージング位置にある状態で、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更するように、コントローラを構成することを含む、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0035】
例示的な実施形態27: コントローラを構成することが、エンドエフェクタが部位もしくは対象と相互作用するように、または処置ツールが部位においてもしくは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、ロボットアームが、動作計画にしたがって処置ツールをステージング位置から自律的に移動させるためにコントローラによって方向付けられた時に、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更するようにコントローラを構成することを含む、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0036】
例示的な実施形態28: アクチュエータを構成することが、駆動ユニットを作動させるようにアクチュエータを構成することを含み、駆動ユニットが、コントローラと通信し、およびロボットアームと動作可能に係合しているか、ロボットアームと処置ツールとの間で動作可能に係合しているか、または処置ツールと動作可能に係合しており、駆動ユニットは、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、アクチュエータの作動に応答して、コントローラを介して、ロボットアームと協働して動作計画にしたがってツールをステージング位置から自律的に移動させるように構成される、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0037】
例示的な実施形態29: ロボットアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、コントローラを構成することが、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端に関係して、処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を決定するように、コントローラを構成することを含む、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0038】
例示的な実施形態30: トラッキングアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、コントローラを構成することが、1つ以上の位置センサからの位置データから、トラッキングアームの近位端に対して、トラッキングアームの遠位端の場所を決定するように、コントローラを構成することを含む、いずれかの先行する例示的な実施形態、またはそれらの組み合わせである方法。
【0039】
本開示の上記および他の特徴、態様、および利点は、以下で簡単に説明する添付図面とともに以下の詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が、本明細書における特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされている、または別様に記載されているかどうかにかかわらず、本開示に記載の2つ、3つ、4つ、またはそれより多くの特徴または要素の任意の組み合わせを含む。本開示は、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が、その態様および実施形態のいずれかにおいて、特段、本開示の文脈が明確に要求しない限り、意図されたように、すなわち組み合わせ可能であると見なされるべきであるように、全体的に読まれることが意図されている。
【0040】
本明細書における概要は、本開示の基本的理解を提供するために、いくつかの例示的な態様を概略的に述べることを目的に提供されているのに過ぎないことを理解されたい。したがって、上述した例示的態様が例に過ぎず、本開示の範囲および趣旨を決して狭めるように解釈されるべきではないことを理解されたい。本開示の範囲は、多くの潜在的な態様を包含し、そのうちのいくつかは、本明細書で概略的に説明されたものに加えて、以下でさらに説明されることを理解されたい。さらに、本明細書で開示されるそのような態様の他の態様および利点は、説明された態様の原理を例として図示する添付図面と併せて用いられる以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0041】
このようにして本開示を総括的な言葉で説明したが、以下で、必ずしも縮尺通りに描かれていない添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本開示の方法の態様によって実装されるロボットシステムの代替的な態様を概略的に示す図である。
図2】本開示の方法の態様によって自走されるロボットシステムの代替的な態様を概略的に示す図である。
図3図1および図2に示すようなロボットシステムと部位/対象との間の例示的な相互作用を概略的に示す図である。
図4】本開示の態様による、図1および図2に示すようなロボットシステムの自律モードを作動させるためのリモートアクチュエータの代替的な構成を概略的に示す図である。
図5】本開示の態様による、図1および図2に示すようなロボットシステムの自律モードを作動させるためのリモートアクチュエータの代替的な構成を概略的に示す図である。
図6】本開示の態様による、図1および図2に示すようなロボットシステムの自律モードを作動させるためのリモートアクチュエータの代替的な構成を概略的に示す図である。
図7】本開示の一態様による、図1および図2に示すようなロボットシステムを動作させる方法を概略的に示す図である。
図8】本開示の別の態様による、図1および図2に示すようなロボットシステムを形成する方法を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
ここで、本開示のすべての態様ではなくいくつかの態様が示されている添付図面を参照して、本開示が、以下でより十分に説明される。実際には、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載の態様に限定されると理解されるべきではなく;むしろ、それらの態様は、本開示が該当する法的要件を満たすように提供されている。全体を通して、同様の番号が同様の要素を指す。
【0044】
図1は、本開示の一態様による、ロボットシステム100を概略的に示す。そのようなシステムは、部位25または部位25において受けられた対象50と相互作用するように適合されたエンドエフェクタ300を有する処置ツール200を含む。部位25は、顎顔面構造または歯科構造でもよく、対象50は、歯、歯科インプラント/クラウンなどでもよい。
【0045】
本開示の態様は、ロボットシステムを顎顔面/歯科組織または顎顔面構造に関係付ける例を含むが、当業者は、いくつかの態様における顎顔面/歯科組織または顎顔面/歯科構造への言及が、開示された処置ツール/エンドエフェクタおよび/またはロボットシステムと/によって相互作用された対象の例を提供するために過ぎないことを理解するであろう。それ以外の場合では、本明細書における「対象」への言及は、人間でない対象に関し、明示的にそれを指す。いくつかの例では、そのような人間でない対象は、顎顔面/歯科組織モデル、または顎顔面/歯科構造モデル、またはそのような組織もしくは構造の他の人間でない表現もしくは複製である。本明細書における開示されたシステムおよび方法は、例えば、本明細書で説明する手術およびツールに関して歯科医療従事者が彼らの技術を発展させるための便利で効果的な訓練ツールまたは訓練の設備を提供するために実装される。さらに、本明細書で開示され、特許請求の範囲に記載された方法は、本明細書で説明され、特許請求の範囲に記載されたシステムの制御および動作に特に向けられており、そのような方法は、人間に対する手術の方法に特に向けられてはおらず、代わりに、上記で示された訓練処置に関連したロボットシステムおよび/または処置ツールおよびエンドエフェクタの動作に関連する。
【0046】
さらに、本開示の態様は、顎顔面/歯科組織に関与する例示的な処置を例示するが、当業者であれば、本明細書で開示されるロボットシステムおよび方法の概念が、例えば、整形外科手術、ENT手術、および脳神経外科手術などの歯科手術を伴わない他の外科的プロセスに対する適用可能性を見出し得ることを理解するであろう。したがって、本明細書で提示される開示の態様は、開示される概念の適用可能性の例に過ぎず、決して限定することが意図されたものではない。すなわち、本明細書で開示されるロボットシステムの態様は、歯科処置に加えて、他のタイプの手術を容易にするために、患者の様々な部位に対して別様に適用可能であり得る。
【0047】
いくつかの態様では、例えば図1および図2に示すように、処置ツール200は、ドリリングデバイスであり、エンドエフェクタ300は、ドリルビットまたは研磨ビットである。他の態様では、処置ツール200は、超音波洗浄器であり、エンドエフェクタ300は、洗浄チップである。さらに他の態様では、処置ツール200は、空気圧研ポリッシャーであり、エンドエフェクタ300は、ポリッシングチップである。処置ツール200は、ロボットシステム100の連結式(articulating)ロボットアーム750の遠位端725と係合しており、処置ツール200のエンドエフェクタ300は、部位25および/またはその部位において受けられている対象50と相互作用するように適合されている。
【0048】
専用コンピュータを備える、または含むことができ、少なくともプロセッサおよびメモリを含むコントローラ800は、連結式ロボットアーム750、処置ツール200、およびフィデューシャルマーカー(fiducial marker)900(例えば図3参照)と通信して構成されている。フィデューシャルマーカー900は、部位25における、または対象50と隣り合った基準場所10と係合するように適合されている。コントローラ800は、例えば、部位25または対象50と相互作用するためのエンドエフェクタ300の移動中にフィデューシャルマーカー900に関係してエンドエフェクタ300の配設を決定するように構成されている。コントローラ800は、例えば、ロボット処置中の部位25または対象50の移動に対処し、それに適応するように、基準場所10と係合したフィデューシャルマーカー900に関して、エンドエフェクタ300の配設に直接的に関係して、処置ツール200の許容可能な移動を物理的に制御または調節するために、連結式ロボットアーム750を方向付けるようにさらに構成されている。例えば、いくつかの態様では、コントローラ800は、計画、処置、または動作を展開させるように実装され、これは、処置ツール200/エンドエフェクタ300が、部位25または対象50に(すなわちステージング位置に)近接するようなルート、およびステージング位置/部位25または対象50から離れるようなルート、ならびにそれに沿って処置ツール200/エンドエフェクタ300が部位25または対象50と相互作用するように操作される後続のルートを横断するように方向付けられ、エンドエフェクタ300が(いくつかの例では、確立された軌道において)計画/処置/動作を行うことを含む。
【0049】
本開示の態様によれば、展開された計画/手術/動作は移動を詳細化し、移動は、ステージング位置へのルート、および部位25または対象50の方に向かってそれと係合するルートに沿った処置ツール200/エンドエフェクタ300の軌道を含み、一方、連結式ロボットアーム750(処置ツール200がその遠位端725に取り付けられている)は、処置ツール200が計画/手術/動作にしたがって許容可能な経路またはルートに沿って手動で移動されることを可能にする構造および調節機能を含む。しかしながら、連結式ロボットアーム750を用いることによって、許容可能な経路またはルートの外側の処置ツール200の手動の移動が、制限され、妨げられ、または別様に防止される。
【0050】
いくつかの態様(例えば図1参照)では、トラッキングアーム1050の遠位端1025が、フィデューシャルマーカー900と物理的に係合している。トラッキングアーム1050は、連結式ロボットアーム750から分離した別個の要素である。さらに、トラッキングアーム1050は、コントローラ800と通信しており、したがって、コントローラ800が、フィデューシャルマーカー900/基準場所10とエンドエフェクタ300との間の空間的関係を(すなわち、連結式ロボットアーム750およびトラッキングアーム1050を介して)決定するために、コントローラ800と協働するように構成されている。他の態様(例えば図2参照)では、ロボットシステム100は、トラッキングアーム1050の遠位端1025と係合している検出器1000を含み、トラッキングアーム1050は、連結式ロボットアーム750から分離した別個の要素である。トラッキングアーム1050および検出器1000は、コントローラ800と通信して構成されている。検出器1000は、トラッキングアーム1050と協働して、トラッキングアーム1050が、基準場所10と係合しているフィデューシャルマーカー900と離間した関係で検出器1000を位置決めし、フィデューシャルマーカー900を検出し、コントローラ800と協働して、フィデューシャルマーカー900/基準場所10とエンドエフェクタ300との空間関係を(連結式ロボットアーム750およびトラッキングアーム1050を介して)決定するようにさらに構成されている。特定の例示的な態様では、検出器1000は、電気検出器、電気機械検出器、電磁検出器、光学検出器、赤外線検出器、またはそれらの組み合わせである。
【0051】
いくつかの態様では、連結式ロボットアーム750は、遠位端725の反対側に近位端720を有する。1つ以上のセンサ730が、連結式ロボットアーム750と動作可能に係合しており、連結式ロボットアーム750に関連付けられた位置データを感知するように構成されている。例えば、1つ以上のセンサ730は、連結式ロボットアーム750の複数のアーム部材のうちの1つと、および/またはアーム部材間もしくはアーム部材と連結式ロボットアーム750の他の構成要素との間(例えば、連結式ロボットアーム750の近位端720とベース部材715との間)で係合している接合部と係合する。このようにして、1つ以上のセンサ730によって感知された位置データは、例えば、三次元空間における連結式ロボットアーム750および/またはその構成要素の空間関係(例えば、向き、位置など)を含む。いくつかの例では、この空間関係は、連結式ロボットアーム750の近位端720が取り付けられるベース部材715に対して決定される。したがって、いくつかの態様では、1つ以上のセンサ730は、連結式ロボットアーム750と係合しており、1つ以上のセンサ730によって感知された位置データが、三次元空間における、およびいくつかの例では連結式ロボットアーム750のベース部材715/近位端720に対する、少なくとも連結式ロボットアーム750の遠位端725の空間位置を少なくとも示すようになる。三次元空間における処置ツール200/エンドエフェクタ300の位置は、1つ以上のセンサ730の位置データ、および処置ツール200の連結式ロボットアーム750の遠位端725との係合から決定された連結式ロボットアーム750の遠位端725の位置に関係している、そこから知られるもしくは決定される、または別様に関連付けられる。したがって、ロボットアーム750の近位端720に対するエンドエフェクタ300の遠位端の場所は、1つ以上の位置センサ730からの位置データから決定される。
【0052】
いくつかの態様では、トラッキングアーム1050は、遠位端1025の反対側に近位端1020を有する。1つ以上のセンサ1030は、トラッキングアーム1050と動作可能に係合しており、トラッキングアーム1050に関連付けられた位置データを感知するように構成されている。例えば、1つ以上のセンサ1030は、トラッキングアーム1050の複数のアーム部材のうちの1つと、および/またはアーム部材間もしくはアーム部材とトラッキングアーム1050の他の構成要素との間(例えば、トラッキングアーム1050の近位端1020とベース部材715との間)で係合している接合部と係合する。このようにして、1つ以上のセンサ1030によって感知された位置データは、例えば、三次元空間におけるトラッキングアーム1050および/またはその構成要素の空間関係(例えば、向き、位置など)を含む。いくつかの例では、この空間関係は、トラッキングアーム1050の近位端1020が取り付けられるベース部材715に対して決定される。したがって、いくつかの態様では、1つ以上のセンサ1030は、トラッキングアーム1050と係合しており、1つ以上のセンサ1030によって感知された位置データが、三次元空間における、およびいくつかの例ではトラッキングアーム1050のベース部材715/近位端1020に対する、少なくともトラッキングアーム750の遠位端1025の空間位置を少なくとも示すようになる。三次元空間における基準場所10の位置は、1つ以上のセンサ1030の位置データから決定されたトラッキングアーム1050の遠位端1025の位置、およびフィデューシャルマーカー900/基準場所10とトラッキングアーム1050の遠位端1025との間の物理的係合、またはトラッキングアーム1050の遠位端1025と係合している検出器1000によるフィデューシャルマーカー900/基準場所10の検出に関係している、そこから知られるもしくは決定される、または別様に関連付けられる。すなわち、トラッキングアーム1050の近位端1020に対するトラッキングアーム1050の遠位端1025の場所は、1つ以上の位置センサ1030からの位置データから決定される。
【0053】
したがって、いくつかの態様によれば、ロボットシステム100は、部位25または部位25において受けられている対象50における、またはそれと隣り合った基準場所10と連通して構成された遠位端1025を有するトラッキングアーム1050を備える。この基準場所10は、三次元空間においてトラッキングアーム1050の近位端1020との関係で配設されている。ロボットアーム750は、ロボットアーム750の遠位端725と係合している処置ツール200を有し、処置ツール200は、処置ツール200と係合しているエンドエフェクタ300を有し、エンドエフェクタ300の遠位端は、部位25または対象50と相互作用するように適合されている。ロボットアーム750の近位端720は、トラッキングアーム1050の近位端1020との知られている関係で配設されている。
【0054】
コントローラ800は、トラッキングアーム1050、ロボットアーム750、および処置ツール200と動作可能に通信して構成され、コントローラ800は、ロボットアーム750およびトラッキングアーム1050を介して、三次元空間における処置ツール200と基準場所10との間の実際の空間関係を決定するように構成されており、この実際の空間関係は、基準場所10に関係して、処置ツール200のエンドエフェクタ300の遠位端の場所を含む。コントローラ800は、動作計画にしたがって、および実際の空間関係に基づいてロボットアーム750の移動を調節することによって、部位25または対象50と隣り合ったステージング位置へ処置ツール200を方向付けるようにさらに構成されており、動作計画は、部位25において、または対象50上でエンドエフェクタ300によって行われる処置中に、部位25または対象50へ、および部位25または対象50からエンドエフェクタ300によって横断されるルートを含む。
【0055】
本開示の特定の態様では、アクチュエータ1350は、処置ツール200と離間した関係で配設され、コントローラ800と通信して構成されている。アクチュエータ1350は、コントローラ800が基準場所10に対して、動作計画にしたがってステージング位置から処置ツール200を自律的に移動させるためにロボットアーム750を方向付けるように、エンドエフェクタ300が部位25または対象50と相互作用するように、および処置ツール200がエンドエフェクタ300を使用して部位25において、または対象50上で処置を行うように、コントローラ800を作動させるようにさらに構成されている。すなわち、アクチュエータ1350の作動による自律モードの作動時に、処置ツール200が、部位25/対象50に関してステージング位置に配設されており、コントローラ800は、動作計画にしたがって処置ツール200を自律的に移動させる(すなわち、処置ツール200またはロボットアーム750の手動の操作なく、コントローラ800に応答してロボットアーム750の構造によって移動される)ために、エンドエフェクタ300が部位25または対象50と相互作用するように、および処置ツール200が、エンドエフェクタ300を使用して、部位25において、または対象50上で処置を行うためにロボットアーム750を方向付けるように、指示される。いくつかの例では、作動表示1300(例えば図1図2、および図4図6を参照)が、コントローラ800と動作可能に係合し、処置ツール200がステージング位置に置かれた時、アクチュエータ1350が作動された時、および/またはアラートが、適切、必要、および/または所望されている他の状況において、例えば、視覚的表示、聴覚的表示、または他の適切なアラートを提供するように構成されている。
【0056】
本開示のそのような態様によれば、アクチュエータ1350は、エンドエフェクタ300と部位25/対象50との間の相互作用の近傍から分離されており、同様に、手術が実施されている時に、ユーザ/オペレータがその近傍から分離されることを可能にし、したがって、歯科医療従事者が、手術によってもたらされるエアロゾルおよび粒子状デブリに曝露されることを制限する、またはそれをなくす。すなわち、そのようなロボットシステム100は、処置ツールの可動性または部位25/対象50への処置ツール/エンドエフェクタのアクセス性を制限することなく、ユーザ/オペレータが、ユーザフレンドリーで、距離を保った、人間工学的なやり方で手術を実施することを可能にする。
【0057】
特定の態様では、例えば図4に示すように、コントローラ800は、処置ツール200/エンドエフェクタ300から離間しており、コントローラ800は、コントローラ800と係合し、またはそこに組み込まれたアクチュエータ1350を含む。例えば、アクチュエータ1350を有するコントローラ800は、ロボットアーム750/トラッキングアーム1050から分離して、および/または離れて配設され得る。他の態様では、例えば図5に示すように、アクチュエータ1350は、コントローラ800と別個で分離している。すなわち、コントローラ800は、ロボットシステム100とは分離して別個に配設されることが可能であるが、必須ではなく、アクチュエータ1350自体は、コントローラ800とは分離しており、および別個であり、依然として、エンドエフェクタ300と部位25/対象50との間の相互作用の近傍からある距離をおいて、自律モードが作動されることを可能にする。さらに他の態様では、例えば図6に示すように、アクチュエータ1350は、アクチュエータ1350と障壁1600との間の障壁1600によって処置ツール200から分離される。
【0058】
いくつかの態様では、コントローラ800は、部位25または対象50上における処置の完了時に、処置ツール200をステージング位置へ、または部位25もしくは対象50から離間した後退位置へ自律的に戻すためにロボットアーム750を方向付けるように構成されている。他の態様では、自律的な除去は、アクチュエータ1350が処置ツール200を後退位置に後退させるようにコントローラ800を作動させたことに応答して、作動されてもよい。
【0059】
他の態様では、コントローラ800が、処置中に基準場所10および処置ツール200/エンドエフェクタ300の両方と通信したままであるため、コントローラ800は、処置ツール200がステージング位置にある状態で、基準場所10の移動に対して、処置ツール200と基準場所10との間の実際の空間関係を変更するように、構成されている。すなわち、基準場所10の位置は手術中に監視され、ロボットシステム100によって実行される計画および/または手術は、手術中の基準場所10の移動に対処し適合するように更新され、処置ツール200/エンドエフェクタ300の計画されたルートが、それにしたがって調整される。特に、コントローラ800は、エンドエフェクタ300が部位25もしくは対象50と相互作用するように、または処置ツール200が部位25においてもしくは対象50上でエンドエフェクタ300を使用して処置を行うように、ロボットアーム750が動作計画にしたがって(例えば、自律モードで)処置ツール200をステージング位置から自律的に移動させるためにコントローラ800によって方向付けられた時に、基準場所10の移動に対して、処置ツール200と基準場所10との間の実際の空間関係を変更するように構成されている。
【0060】
いくつかの態様では、駆動ユニット1400は、コントローラ800と通信して構成され、ロボットアーム750と動作可能に係合し、ロボットアーム750と処置ツール200との間で動作可能に係合し、および/または処置ツール200と動作可能に係合している。そのような態様では、駆動ユニット1400は、コントローラ800を介して、動作計画にしたがってステージング位置から処置ツール200を自律的に移動させるためにロボットアーム750と協働し、エンドエフェクタ300が部位25または対象50と相互作用し、処置ツール200がエンドエフェクタ300を使用して、部位25において、または対象50上で処置を行うためのアクチュエータ1350の作動に応答する。すなわち、コントローラ800は、自律モードでロボットアーム750を駆動するために、駆動ユニット1400と協働する。
【0061】
例えば図7に示すように、本開示の別の態様は、ロボットシステム100を動作させる方法を提供する。そのような方法は、トラッキングアーム1050の遠位端1025を、部位25または部位25に受けられている対象50における、またはそれに隣り合った基準場所10と連通して構成することであって、基準場所10は、三次元空間においてトラッキングアーム1050の近位端1020との関係で配設されている、ことを含む(ブロック7-100)。処置ツール200と係合しているエンドエフェクタ300を有する処置ツール200は、ロボットアーム750の遠位端725と係合して構成されており、エンドエフェクタ300の遠位端は、部位25または対象50と相互作用するように適合されており、ロボットアーム750の近位端720は、トラッキングアーム1050の近位端1020との知られている関係で配設されている(ブロック7-110)。(プロセッサおよびメモリを含み、およびトラッキングアーム1050、ロボットアーム750、および処置ツール200と動作可能に通信して構成されている)コントローラ800を使用して、ロボットアーム750およびトラッキングアーム1050を介して、三次元空間における処置ツール200と基準場所10との間の実際の空間関係が決定され、実際の空間関係は、基準場所10に関係した処置ツール200のエンドエフェクタ300の遠位端の場所を含む(ブロック7-120)。
【0062】
処置ツール200は、動作計画にしたがって、および実際の空間関係に基づいて、コントローラデバイス800を使用して、ロボットアーム750の移動を調節することによって、部位25または対象50に隣り合ったステージング位置へ方向付けられ、動作計画は、部位25において、または対象50上でエンドエフェクタ300によって行われる処置中に、部位25または対象50へ、および部位25または対象50からエンドエフェクタ300によって横断されるルートを含む(ブロック7-130)。アクチュエータ1350が作動され、アクチュエータ1350は、処置ツール200と離間した関係で、およびコントローラ800と通信して構成されて、基準場所10に対して、動作計画にしたがってステージング位置から処置ツール200を自律的に移動させるためにロボットアーム750を方向付け、エンドエフェクタ300が部位25または対象50と相互作用し、処置ツール200がエンドエフェクタ300を使用して、部位25において、または対象50上で処置を行うようにコントローラ800を作動させる(ブロック7-140)。
【0063】
例えば図8に示すように、本開示の別の態様は、ロボットシステム100を形成する方法を提供し、そのような方法は、ロボットアーム750の近位端720がトラッキングアーム1050の近位端1020との知られている関係で配設されるようにロボットアーム750を構成することであって、トラッキングアーム1050が、部位25または部位25に受けられている対象50における、またはそれに隣り合った基準場所10と連通するように適合された遠位端1025を有し、基準場所10は、三次元空間においてトラッキングアーム1050の近位端1020との関係で配設されている、構成することを含む(ブロック8-100)。処置ツール200は、ロボットアーム750の遠位端725と係合し、処置ツール200が、処置ツール200と係合しているエンドエフェクタ300を有し、エンドエフェクタ300が、部位25または対象50と相互作用するように適合された遠位端を有する(ブロック8-110)。
【0064】
コントローラ800(プロセッサおよびメモリを含む)は、トラッキングアーム1050、ロボットアーム750、および処置ツール200と動作可能に通信して構成され(ブロック8-120)、コントローラ800は、ロボットアーム750およびトラッキングアーム1050を介して、三次元空間における処置ツール200と基準場所10との間の実際の空間関係を決定するように構成されており、実際の空間関係は、基準場所10に関係して、処置ツール200のエンドエフェクタ300の遠位端の場所を含む。コントローラ800は、動作計画にしたがって、および実際の空間関係に基づいてロボットアーム750の移動を調節することによって、部位25または対象50と隣り合ったステージング位置へ処置ツール200を方向付けるようにさらに構成されており、動作計画は、部位25において、または対象50上でエンドエフェクタ300によって行われる処置中に、部位25または対象50へ、および部位25または対象50からエンドエフェクタ300によって横断されるルートを含む。アクチュエータ1350は、アクチュエータ1350が、基準場所10に対して、動作計画にしたがってステージング位置から処置ツール200を自律的に移動させるためにロボットアーム750を方向付けるように、エンドエフェクタ300が部位25または対象50と相互作用するように、および処置ツール200がエンドエフェクタ300を使用して、部位25において、または対象50上で処置を行うように、コントローラ800を作動させるように構成されるように、処置ツール200と離間した関係で、およびコントローラ800と通信して構成されている(ブロック8-130)。
【0065】
本明細書に記載された本発明の多くの変更形態および他の実施形態は、これらの開示された実施形態が関係し、上記の説明および関連図面において提示された教示の利益を有する当業者が想到するものである。したがって、本発明の実施形態は、開示された特定の実施形態およびその変更形態に限定されず、他の実施形態が特許請求の範囲に含まれることが意図されていることを理解されたい。さらに、上記説明および関連図面は、要素および/または機能のある特定の例示的な組み合わせの文脈において例示的な実施形態を説明しているが、要素および/または機能の異なる組み合わせが、本開示の範囲から逸脱せずに代替の実施形態によって提供され得ることを理解されたい。これに関して、例えば、上記で明示的に説明されたものとは異なる要素および/または機能の組み合わせもまた、本開示の範囲内で企図されている。本明細書で特定の用語が用いられているが、それらは、一般的で説明的な意味でのみ使用されており、限定を目的としていない。
【0066】
様々なステップまたは計算を説明するために、本明細書では、第1、第2などの用語が使用されることがあるが、これらのステップまたは計算は、これらの用語によって限定されるべきでないことも理解されよう。これらの用語は、単に1つの動作または計算を別のものと区別するのに使用されている。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の計算が第2の計算と称され得、同様に、第2のステップが第1のステップと称され得る。本明細書で使用される場合、「および/または」という語および「/」記号は、関連する列挙項目のうちの1つ以上の項目のいずれかの組み合わせおよびすべての組み合わせを含む。
【0067】
本明細書で使用される場合、文脈が明確に示さない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は複数形も同様に含むことが意図される。さらに、本明細書で使用される場合の「備える(comprise)」、「含む(include)」および/または「備えている(comprising)」、「含んでいる(including)」という語は、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明示するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素および/またはその群の存在または追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。したがって、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のみであり、限定することは意図されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットシステムであって、
部位または部位に受けられている対象における、またはそれに隣り合った基準場所と連通して構成されている遠位端を有するトラッキングアームであって、基準場所は、三次元空間においてトラッキングアームの近位端との関係で配設されている、トラッキングアームと、
ロボットアームの遠位端と係合している処置ツールを有するロボットアームであって、処置ツールは、処置ツールと係合しているエンドエフェクタを有し、エンドエフェクタは、部位または対象と相互作用するように適合された遠位端を有し、ロボットアームは、トラッキングアームの近位端との知られている関係で配設されている近位端を有する、ロボットアームと、
プロセッサおよびメモリを含むコントローラであって、トラッキングアーム、ロボットアーム、および処置ツールと動作可能に通信して構成され、
ロボットアームおよびトラッキングアームを介して、三次元空間における処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を決定し、実際の空間関係は、基準場所に関係した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を含み、
動作計画にしたがって、および実際の空間関係に基づいてロボットアームの移動を調節することによって、部位または対象に隣り合ったステージング位置へ処置ツールを方向付け、動作計画は、部位において、または対象上で、エンドエフェクタによって行われる処置中に、部位または対象へ、および部位または対象からエンドエフェクタによって横断されるルートを含む、
ように構成されている、コントローラと、
処置ツールと離間した関係で配設され、およびコントローラと通信して構成されたアクチュエータであって、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、コントローラを作動させて、基準場所に対して、動作計画にしたがってステージング位置から処置ツールを自律的に移動させるためにロボットアームを方向付けるように構成されている、アクチュエータと
を備えるロボットシステム。
【請求項2】
コントローラが、処置ツールから離間しており、コントローラが、アクチュエータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
アクチュエータが、コントローラと別個で分離している、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
アクチュエータが、アクチュエータと処置ツールとの間の障壁によって処置ツールから分離されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
コントローラが、部位または対象上における処置の完了時に、または、アクチュエータが処置ツールを後退位置に後退させるようにコントローラを作動させたことに応答して、処置ツールをステージング位置へ、または部位もしくは対象から離間した後退位置へ自律的に戻すためにロボットアームを方向付けるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
コントローラが、処置ツールがステージング位置にある状態で、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
エンドエフェクタが部位もしくは対象と相互作用するように、または処置ツールが部位においてもしくは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、ロボットアームが、動作計画にしたがって処置ツールをステージング位置から自律的に移動させるためにコントローラによって方向付けられた時に、コントローラが、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
コントローラと通信し、およびロボットアームと動作可能に係合しているか、ロボットアームと処置ツールとの間で動作可能に係合しているか、または処置ツールと動作可能に係合している駆動ユニットを備え、駆動ユニットは、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、アクチュエータの作動に応答して、コントローラを介して、ロボットアームと協働して動作計画にしたがって処置ツールをステージング位置から自律的に移動させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
ロボットアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、コントローラが、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端との関係で処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
トラッキングアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、コントローラが、1つ以上の位置センサからの位置データから、トラッキングアームの近位端に対して、トラッキングアームの遠位端の場所を決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
ロボットシステムの動作を制御するための方法であって、ロボットシステムは、
部位または部位に受けられている対象における、またはそれに隣り合った基準場所と連通して構成されたトラッキングアームの遠位端であって、基準場所は、三次元空間においてトラッキングアームの近位端との関係で配設されている、トラッキングアームの遠位端と、
ロボットアームの遠位端と係合して構成された処置ツールであって、処置ツールと係合しているエンドエフェクタを有し、エンドエフェクタは、部位または対象と相互作用するように適合された遠位端を有し、ロボットアームは、トラッキングアームの近位端との知られている関係で配設されている近位端を有する、処置ツールと、
プロセッサおよびメモリ、ならびに動作計画を含むコントローラであって、動作計画は、部位または対象と隣り合った処置ツールのステージング位置と、部位においてまたは対象上でエンドエフェクタによって行われる処置中に、部位または対象へ、および部位または対象からエンドエフェクタによって横断されるルートとを含み、コントローラは、トラッキングアーム、ロボットアーム、および処置ツールと動作可能に通信して構成されている、コントローラと、
処置ツールから離間した関係で、およびコントローラと通信して構成されているアクチュエータと
を備えており、
方法は、
コントローラが、ロボットアームおよびトラッキングアームを介して、三次元空間における処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を決定することであって、実際の空間関係は、基準場所に関係した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を含む、ことと、
コントローラが、動作計画にしたがって、および実際の空間関係に基づいてロボットアームの移動を調節することによって、ステージング位置へ処置ツールを方向付けることと、
コントローラを作動させて、基準場所に対して、動作計画にしたがって、処置ツールをステージング位置から自律的に移動させるためにロボットアームを方向付けるように、アクチュエータを作動させることと
を含む、方法。
【請求項12】
アクチュエータを作動させることが、コントローラに含まれたアクチュエータを作動させることを含み、コントローラが、処置ツールから離間している、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
アクチュエータを作動させることが、コントローラと別個で分離しているアクチュエータを作動させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
アクチュエータを作動させることが、アクチュエータと処置ツールとの間の障壁によって処置ツールから分離されているアクチュエータを作動させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
コントローラが、動作計画の完了時に、または、アクチュエータが処置ツールを後退位置に後退させるようにコントローラを作動させたことに応答して、処置ツールをステージング位置または後退位置へ自律的に戻すためにロボットアームを方向付けることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
コントローラが、処置ツールがステージング位置にある状態で、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
ロボットアームが動作計画にしたがって処置ツールをステージング位置から自律的に移動させるために、コントローラによって方向付けられた時に、コントローラが、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
アクチュエータを作動させることが、駆動ユニットを作動させるようにアクチュエータを作動させることを含み、駆動ユニットが、コントローラと通信し、およびロボットアームと動作可能に係合しているか、ロボットアームと処置ツールとの間で動作可能に係合しているか、または処置ツールと動作可能に係合しており、駆動ユニットが、アクチュエータの作動に応答して、コントローラを介して、ロボットアームと協働して動作計画にしたがって処置ツールをステージング位置から自律的に移動させる、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
ロボットアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、実際の空間関係を決定することが、コントローラを使用して、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端に関係して、処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を決定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
トラッキングアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、実際の空間関係を決定することが、コントローラを使用して、1つ以上の位置センサからの位置データから、トラッキングアームの近位端に対して、トラッキングアームの遠位端の場所を決定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
ロボットシステムを形成する方法であって、
ロボットアームの近位端がトラッキングアームの近位端との知られている関係で配設されるようにロボットアームを構成することであって、トラッキングアームが、部位または部位に受けられている対象における、またはそれに隣り合った基準場所と連通するように適合された遠位端を有し、基準場所は、三次元空間においてトラッキングアームの近位端との関係で配設されている、ことと、
処置ツールを、ロボットアームの遠位端と係合させることであって、処置ツールが、処置ツールと係合しているエンドエフェクタを有し、エンドエフェクタが、部位または対象と相互作用するように適合された遠位端を有する、ことと、
コントローラを構成することであって、コントローラが、プロセッサおよびメモリを含み、トラッキングアーム、ロボットアーム、および処置ツールと動作可能に通信しており、コントローラが、
ロボットアームおよびトラッキングアームを介して、三次元空間における処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を決定し、実際の空間関係は、基準場所に関係した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を含み、
動作計画にしたがって、および実際の空間関係に基づいてロボットアームの移動を調節することによって、部位または対象に隣り合ったステージング位置へ処置ツールを方向付け、動作計画は、部位において、または対象上で、エンドエフェクタによって行われる処置中に、部位または対象へ、および部位または対象からエンドエフェクタによって横断されるルートを含む、
ように構成されている、ことと、
処置ツールと離間した関係で、およびコントローラと通信してアクチュエータを構成することであって、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、アクチュエータが、コントローラを作動させて、基準場所に対して、動作計画にしたがってステージング位置から処置ツールを自律的に移動させるためにロボットアームを方向付けるように構成される、ことと
を含む方法。
【請求項22】
アクチュエータを構成することが、コントローラに含まれるようにアクチュエータを構成することと、処置ツールから離間しているようにコントローラを構成することとを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
アクチュエータを構成することが、アクチュエータがコントローラと別個で分離しているように、アクチュエータを構成することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
アクチュエータを構成することが、アクチュエータが、アクチュエータと処置ツールとの間の障壁によって処置ツールから分離されるように、アクチュエータを構成することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
コントローラを構成することが、部位または対象上における処置の完了時に、または、アクチュエータが処置ツールを後退位置に後退させるようにコントローラを作動させたことに応答して、処置ツールをステージング位置へ、または部位もしくは対象から離間した後退位置へ自律的に戻すためにロボットアームを方向付けるように、コントローラを構成することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
コントローラを構成することが、処置ツールがステージング位置にある状態で、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更するように、コントローラを構成することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
コントローラを構成することが、エンドエフェクタが部位もしくは対象と相互作用するように、または処置ツールが部位においてもしくは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、ロボットアームが、動作計画にしたがって処置ツールをステージング位置から自律的に移動させるためにコントローラによって方向付けられた時に、基準場所の移動に対して、処置ツールと基準場所との間の実際の空間関係を変更するようにコントローラを構成することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
アクチュエータを構成することが、駆動ユニットを作動させるようにアクチュエータを構成することを含み、駆動ユニットが、コントローラと通信し、およびロボットアームと動作可能に係合しているか、ロボットアームと処置ツールとの間で動作可能に係合しているか、または処置ツールと動作可能に係合しており、駆動ユニットは、エンドエフェクタが部位または対象と相互作用するように、および処置ツールが部位においてまたは対象上でエンドエフェクタを使用して処置を行うように、アクチュエータの作動に応答して、コントローラを介して、ロボットアームと協働して動作計画にしたがって処置ツールをステージング位置から自律的に移動させるように構成される、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
ロボットアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、コントローラを構成することが、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端に関係して、処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の場所を決定するように、コントローラを構成することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
トラッキングアームが、1つ以上の位置センサが係合している複数の相互接続されたアームセグメントを備えており、コントローラを構成することが、1つ以上の位置センサからの位置データから、トラッキングアームの近位端に対して、トラッキングアームの遠位端の場所を決定するように、コントローラを構成することを含む、請求項21に記載の方法。
【国際調査報告】