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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-01
(54)【発明の名称】電池及び電気装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/242 20210101AFI20241025BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20241025BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20241025BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20241025BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20241025BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20241025BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20241025BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20241025BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20241025BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/505
H01M50/588
H01M50/593
H01M50/291
H01M50/293
H01M50/244 Z
H01M50/342 101
H01M50/296
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519095
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 CN2022101393
(87)【国際公開番号】W WO2024000085
(87)【国際公開日】2024-01-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524304976
【氏名又は名称】香港時代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY (HONG KONG) LIMITED
【住所又は居所原語表記】LEVEL 19, CHINA BUILDING, 29 QUEEN’S ROAD CENTRAL, CENTRAL, CENTRAL AND WESTERN DISTRICT, HONG KONG, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼▲興▼地
(72)【発明者】
【氏名】王▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】▲龍▼超
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H012AA07
5H012BB01
5H012FF00
5H040AA14
5H040AA18
5H040AA37
5H040AS07
5H040AS12
5H040AS13
5H040AS14
5H040AS19
5H040AS26
5H040DD03
5H040NN01
5H043AA04
5H043CA04
5H043FA04
5H043GA23
5H043GA24
5H043HA11
5H043HA12
5H043HA22
5H043KA45
5H043LA02
(57)【要約】
本出願は、電池及び電気装置を開示する。本出願の実施例の電池は、第1方向に沿って対向する上部及び底部を有する筺体と、前記筺体内に逆さまに置かれて前記上部に接続される電池セルであって、電極端子を含み、前記電極端子は、前記第1方向に前記上部から離れて設けられる電池セルと、少なくとも2つの前記電池セルの前記電極端子に電気的に接続されるバス部材と、前記底部と前記バス部材との間に設けられており、前記電池セルを支持し、前記電池セルを前記底部から絶縁させるように設置されるために使用される防護アセンブルと、を含む。本出願の実施例によって提供される電池は、電池の強度及び安全性を向上させることができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
第1方向に沿って対向する上部及び底部を有する筺体と、
前記筺体内に逆さまに置かれて前記上部に接続される電池セルであって、電極端子を含み、前記電極端子は、前記第1方向に前記上部から離れて設けられる電池セルと、
少なくとも2つの前記電池セルの前記電極端子に電気的に接続されるバス部材と、
前記底部と前記バス部材との間に設けられており、前記電池セルを支持し、前記電池セルを前記底部から絶縁させるように設置されるために使用される防護アセンブルと、を含む電池。
【請求項2】
前記電池セルは、前記上部に接着固定される請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記上部は、上部プレート及びフレームを含み、前記フレームは、複数の前記電池セルを取り囲んで設けられ、前記フレームは、前記上部プレート及び前記底部を接続するために使用される請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記防護アセンブリは、第2方向に沿って延在する複数の防護部材を含み、複数の前記防護部材は、第3方向に間隔をおいて設けられ、前記電池セルは、前記防護部材に当接し、前記第1方向、前記第2方向及び前記第3方向は、互いに交差するように設定される請求項1~3のいずれか1項に記載の電池。
【請求項5】
前記電極端子の前記底部上の正投影は、隣接する前記防護部材の前記底部上の正投影の間に位置する請求項4に記載の電池。
【請求項6】
前記複数の防護部材は、縁防護部材、第1防護部材及び第2防護部材を含み、前記第3方向に沿って、前記縁防護部材は、アレイ状に配置された電池セルアセンブリの両側縁に設けられ、前記第1防護部材と第2防護部材は、2つの前記縁防護部材の間に交互に分布される請求項5に記載の電池。
【請求項7】
前記第2方向に沿って、前記第1防護部材の延在長さは、前記第2防護部材の延在長さよりも大きい請求項6に記載の電池。
【請求項8】
前記第3方向に沿って、前記第1防護部材の幅は、前記第2防護部材の幅よりも大きく、前記第2防護部材の幅は、前記辺防護部材の幅よりも大きい請求項7に記載の電池。
【請求項9】
前記防護アセンブリの前記第1方向の延在長さは、1.5mmよりも大きい請求項7に記載の電池。
【請求項10】
前記防護アセンブリは、接続プレートプレートをさらに含み、複数の前記防護部材は、前記接続プレートの前記上部に向かう面にそれぞれ設けられる請求項4~9のいずれか1項に記載の電池。
【請求項11】
前記フレームと前記上部プレートは、溶接接続、熱融着セルフタッピング接続、接着接続、ファスナー接続又は一体化成形により設けられる請求項3に記載の電池。
【請求項12】
前記防護アセンブリは、前記電池セルに接着固定される請求項1~10のいずれか1項に記載の電池。
【請求項13】
前記電池セルは、圧力解放機構をさらに含み、前記圧力解放機構は、前記電極端子と同じ側に設けられる請求項1~12のいずれか1項に記載の電池。
【請求項14】
前記圧力解放機構の前記底部上の正投影は、隣接する前記防護部材の前記底部上の正投影の間に位置する請求項13に記載の電池。
【請求項15】
前記防護アセンブリは、絶縁材質で作られ、又は、前記防護アセンブリは、絶縁コーティングが塗布されている請求項1~14のいずれか1項に記載の電池。
【請求項16】
前記電池は、アダプタープレートとアダプターをさらに含み、前記アダプタープレートは、前記筺体の一側に設けられ且つ前記筺体から突出して設けられ、前記アダプタープレートは、前記底部に接続されて収容部を形成し、前記アダプターは、前記収容部に設けられ且つ前記アダプタープレートに接続されて設けられる請求項1~15のいずれか1項に記載の電池。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の電池を含む電気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池分野に関し、特に電池及び電気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両分野及び電池分野の技術の共同発展に伴い、現在の市場における車両の駆動方式は、徐々に増え、汚染を減少し、コストを削減するために、電気駆動型車両の市場占有率は徐々に増加している。これに基づき、シャーシの厚さを薄くし、電気駆動型車両の内部空間を広くするために、現在、電池とシャーシを一体化して設ける技術が登場したが、車両が走行する過程では、電池の底部が外部からの衝撃を受け、使用中に電池が変形する可能性があり、さらに安全上の事故を引き起こす潜在的な危険が存在する。
【0003】
したがって、安全性能の高い電池及びそれに対応する電気装置が急務となっている。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、安全係数を向上させることができる高い上部強度を有する電池及び電気装置を提供する。
【0005】
第1態様では、本出願は、第1方向に沿って対向する上部及び底部を有する筺体と、筺体内に逆さまに置かれて上部に接続される電池セルであって、電極端子を含み、電極端子は、第1方向に上部から離れて設けられる電池セルと、少なくとも2つの電池セルの電極端子に電気的に接続されるバス部材と、底部とバス部材との間に設けられており、電池セルを支持し、電池セルを底部から絶縁させるように設置されるために使用される防護アセンブルと、を含む。
【0006】
本出願の実施例によって提供される電池における電池セルは、筺体内に逆さまに置かれ、電池セルの平らで電極端子が設けられない底面を筺体の上部に接続し、電池セルと筺体の底部との間に支持のための防護アセンブリを設けることにより、電池セルにおける電極端子などの部材が外部からの衝撃を受けるときに他の部材と衝突することを回避することができ、電池セルが筺体の上部に接続されるため、電池が底部からの衝撃を受ける時に、電池セルと筺体の上部との衝突を回避することができ、それによって電池の上部の強度を効果的に向上させ、電池全体の安全性を確保することができる。
【0007】
本出願の実施例の1つの態様によれば、電池セルは、上部に接着固定される。電池の底部と上部を接着することにより、電池の上部の強度をさらに向上させることができる。
【0008】
本出願の実施例の1つの態様によれば、上部は、上部プレート及びフレームを含み、フレームは、複数の電池セルを取り囲んで設けられ、フレームは、上部プレート及び底部を接続するために使用される。電池セルを取り囲んで設けられたフレームは、電池セルに側辺上の防護を提供し、安全性を向上させることができる。
【0009】
本出願の実施例の一態様によれば、防護アセンブリは、第2方向に沿って延在する複数の防護部材を含み、複数の防護部材は、第3方向に間隔をおいて設けられ、電池セルは、防護部材に当接し、第1方向、第2方向及び第3方向は、互いに交差して設定される。防護アセンブリは、複数の電池セルにそれぞれ当接し、電池セルと筺体の底部との間に一定の距離を維持させ、底部衝撃による電池の影響を低減する複数の防護部材を含むことができる。
【0010】
本出願の実施例の1つの態様によれば、電極端子の底部上の正投影は、隣接する防護部材の底部上の正投影の間に位置する。電池セルが防護アセンブリによって直立された後、電極端子を隣接する防護アセンブリの間に落下させることにより、衝撃による電極端子の損傷を回避することができる。
【0011】
本出願の実施例の1つの態様によれば、複数の防護部材は、縁防護部材、第1防護部材及び第2防護部材を含み、第3方向に沿って、縁防護部材は、アレイ状に配置された電池セルアセンブリの両側縁に設けられ、第1防護部材と第2防護部材は、2つの縁防護部材の間に交互に分布される。縁に防護部材を設けることにより、衝突によるコーナーの損傷を回避することができ、交互に設けられた第1防護部材と第2防護部材は、バス部材の設置に合わせて電気的に安全な接続回路を形成することができる。
【0012】
本出願の実施例の1つの態様によれば、第2方向に沿って、第1防護部材の延在長さは、第2防護部材の延在長さよりも大きい。延在長さが短い第2防護部材の間には、バス部材における電池セルを相互に電気的に接続するための接続部材が設けられてもよく、これにより防護アセンブリによって接続部材を防護して電気的接続の信頼性を向上させる。
【0013】
本出願の実施例の1つの態様によれば、第3方向に沿って、第1防護部材の幅は、第2防護部材の幅よりも大きく、第2防護部材の幅は、辺防護部材の幅よりも大きい。各第1防護部材は、加工効率を向上させるために、2つの隣接する電池セルに同時に当接することができる。
【0014】
本出願の実施例の1つの態様によれば、防護アセンブリの第1方向の延在長さは、1.5mmよりも大きい。防護アセンブリを第1方向に一定の長さ以上延在させることにより、電池の底部が衝撃を受けたときの電池の内部の電気的性能の安全性を効果的に向上させることができる。
【0015】
本出願の実施例の1つの態様によれば、防護アセンブリは、接続プレートをさらに含み、複数防護部材は、接続プレートの上部に向かう面にそれぞれ設けられる。複数の防護部材は、全て接続プレートに接続されて設けられてもよく、接続プレートにより複数の防護部材の間の相対位置を安定させることができ、且つバス部材と筺体の底部との間の絶縁性能を向上させることができる。
【0016】
本出願の実施例の1つの態様によれば、フレームと上部プレートは、溶接接続、熱融着セルフタッピング接続、接着接続、ファスナー接続又は一体成形により設けられる。フレームと上部プレートは、構造全体の接続強度を向上させるために、固定接続又は一体成形により設けられてもよい。
【0017】
本出願の実施例の1つの態様によれば、防護アセンブリは、電池セルに接着固定される。
電池セルの下端は、全体の接続強度をさらに向上させるために、防護アセンブリに接着固定されてもよい。
【0018】
本出願の実施例の1つの態様によれば、電池セルは、圧力解放機構をさらに含み、圧力解放機構は、電極端子と同じ側に設けられる。圧力解放機構を同様に電池セルの下側に設けることにより、電極端子と共に防護し、安全性を向上させることができる。
【0019】
本出願の実施例の1つの態様によれば、圧力解放機構の底部上の正投影は、隣接する防護部材の底部上の正投影の間に位置する。電極端子と同様に、圧力解放機構を隣接する防護部材の間に設けることにより、圧力解放機構への衝撃の確率を低減することができる。
【0020】
本出願の実施例の1つの態様によれば、防護アセンブリは、絶縁材質で作られ、又は、防護アセンブリは、絶縁コーティングが塗布されている。防護アセンブリは、バス部材と筺体の底部との間の電気的性能を絶縁させ、電池セル間の電気的接続に対する外部刺激による筺体の底部の影響を回避することができる。
【0021】
本出願の実施例の1つの態様によれば、電池は、アダプタープレートとアダプターをさらに含み、アダプタープレートは、筺体の一側に設けられ且つ筺体から突出して設けられ、アダプタープレートは、底部に接続されて収容部を形成し、アダプターは、収容部に設けられ且つアダプタープレートに接続されて設置される。アダプターを収容部に設けることにより、筺体によってアダプターを保護し、衝突によるアダプターの損傷の確率を低減することができる。
【0022】
第2態様では、本出願は、第1態様のいずれかの実施例の電池を含む電気装置を提供する。
【0023】
本出願の実施例によって提供される技術案では、電池モジュールは、筺体内に逆さまに置かれ、電池モジュール自体の平坦な底面を電池筺体の上部に相互に接続して固定するとともに、電池セルと筺体の底部との間に防護アセンブリを設けて電池セルを支持することにより、電池内部の構造強度を向上させ、電池が衝突又は押圧されるときの安全上の問題を防止し、それによって電池全体の安全係数を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読むことにより、様々な他の利点及び効果は、当業者にとって明らかになる。図面は好ましい実施形態を示するためのものに過ぎず、本出願を限定するものと見なされるべきではない。また、全ての図面において、同じ部材は、同じ符号で表す。図面は次のとおりである:
【0025】
図1】本出願の幾つかの実施例によって提供される車両の構造概略図である。
図2】本出願の幾つかの実施例によって提供される電池の構造概略図である。
図3】本出願の1つの実施例によって提供される電池の分解図である。
図4】本出願の1つの実施例によって提供される底部の構造概略図である。
図5】本出願の1つの実施例によって提供される電池の断面概略図である。
図6】本出願の別の実施例によって提供される電池セルの構造概略図である。
図7】本出願の1つの実施例によって提供される電池の断面概略図である。
図8図7における領域Aの拡大図である。
図9】本出願の1つの実施例によって提供される防護アセンブリの構造概略図である。
図10】本出願のさらなる別の実施例によって提供される電池の構造概略図である。
【0026】
具体的な実施形態における図面の符号は次のとおりである:
1000-車両、2000-電池、3000-コントローラ、4000-モーター、
100-筺体、200-電池セル、300-バス部、400-防護アセンブリ、
10-上部、20-底部、30-電極端子、40-防護部材、50-接続プレート、60-圧力解放機構、70-アダプタープレート、80-アダプター、90-収容部、
11-上部プレート、12-フレーム、41-縁防護部材、42-第1防護部材、43-第2防護部材、
X-第2方向、Y-第3方向、Z-第1方向。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に図面を参照して本出願の技術案の各実施例を詳しく説明する。以下の実施例は、本出願の技術案をより明確に説明するためのものだけであるため、例のみとして使用され、これによって本出願の保護範囲を限定することができない。
【0028】
別段の定義がない限り、本出願で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本出願の技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じである。本出願で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものだけであり、本出願を限定することを意図するものではない。本出願の明細書及び特許請求の範囲、ならびに上記図面の説明における用語「包括」と「有する」及びそれらのいかなる変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図する。
【0029】
本出願の実施例の説明では、技術用語「第1」、「第2」などは、異なる対象を区別するためのものだけであり、相対的な重要性を示したり、暗示したり、示された技術的特徴の数、特定の順序、一次及び二次の関係を暗示的に示したりするものとして理解できない。本出願の実施例の説明では、「複数」は、特に定義しない限り、2つ以上を意味する。
【0030】
本明細書に言及される「実施例」は、実施例と組み合わせて説明される特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。本明細書の様々な箇所に現れる当該フレーズは、必ずしも同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と相互に排他的に独立した実施例又は代替実施例ではない。当業者は、本明細書で説明される実施例が他の実施例と組合わせられてもよいことを明示的及び暗黙的に理解できる。
【0031】
本出願の実施例の説明では、用語「及び/又は」は、関連付けられたオブジェクトの関連関係を説明するためのものだけであり、3種類の関係が存在できることを示し、例えばA及び/又はBは、Aが単独で存在すること、A及びBが同時に存在すること、Bが単独で存在することの3つの状況を示すことができる。また、本明細書では文字「/」は、一般的に前後にある関連オブジェクトが「又は」の関係であることを示す。
【0032】
本出願の実施例の説明では、用語「複数」とは2つ以上(2つを含む)を意味し、同様に、「複数群」とは2群以上(2群を含む)を意味し、「複数枚」とは2枚以上(2枚を含む)を意味する。
【0033】
本出願の実施例の説明では、技術用語「中央」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「垂直」、「横」、「上部」、「底部」、内側」、「外側」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などに示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、本出願の実施例を説明し、説明を簡略化するためのものだけであり、示される装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構築及び操作することを示し又は暗示するためのものではなく、したがって、本出願の実施例を制限するものとして理解できない。
【0034】
本出願の実施例の説明では、特に明確に規定及び制限されていないかぎり、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は、広い意味で理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続、又は一体成形であってもよく、機械的接続であってもよいし、直接接続であってもよく、中間媒体を介した間接接続であってもよく、2つの素子内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本出願の実施例における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0035】
電池分野の技術の発展及び革新に伴い、現在の市場における動力電池の用途は、ますます広くなる。動力電池は、水力発電所、火力発電所、風力発電所及び太陽光発電所などのエネルギー貯蔵電力システムで使用されるだけでなく、電動自転車、電動バイク、電気自動車などの伝動乗り物、及び軍事機器、航空宇宙などの複数の分野でも広く使用される。動力電池の応用分野の継続的な拡大に伴い、その市場ニーズも増え続けている。電動乗り物を例に挙げると、電池に必要な空間が大きいため、既存の電動車は、電池をシャシー位置に設けることが一般的であり、車内空間を拡大するために、それに応じて、CTC(cell to chassis:電池とシャシーの一体化)技術などの電池と乗り物のシャシーを統合して設ける構造が登場した。
【0036】
出願人は、既存の電池とシャーシの統合設計において、通常、電池セルの底部が電池筺体の底部に接続して固定し、同時に、複数の電池セルを相互に接続するための接続部材を、上部に設けることに気づいた。このとき、乗り物が走行する過程で底部に傷や衝撃が発生すると、電池セルの上部は、電池の筺体と衝突し、電池自体の損傷及び接続部材の損傷を引き起こしやすくなるなどの問題が発生する可能性があり、大きな衝撃を受けると火災や爆発が発生する可能性があり、安全上の危険を引き起こす。
【0037】
上記の考慮に基づいて、出願人は、電池の上部の強度、安全性を向上させるために、電池を提供し、この電池には、筺体が含まれ、筺体には、電池セル、バス部材及び防護アセンブリが順次設けられ、電池セルを逆さまに置かれて電池セルの底部を筺体の上部に接続して設けることにより、電池筺体の上部の強度を効果的に向上させることができる。同時に、電池セルと筺体の底部との間に防護アセンブリを設けることにより、電池及び電池間の接続部材などが底部と衝突することを回避し、電池の安全性をさらに向上させることができる。
【0038】
本出願の実施例で説明される技術案は、電池及びこの電池を使用する電気装置に適用する。
【0039】
ここで、電気装置は、車両、携帯電話、ポータブル機器、ノートパソコン、船舶、宇宙飛行機、電気おもちゃ及び電気ツールなどであってもよい。車両は、燃料自動車、ガス自動者又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車又は航続距離延長型自動車などであってもよい。宇宙飛行機は、航空機、ロケット、空間シャトル及び宇宙船飛行機などを含み、電気おもちゃは、固定式又は移動式の電気おもちゃ、例えば、ゲーム機、電気自動車おもちゃ、電気船おもちゃ及び電気航空機おもちゃなどを含み、電気ツールは、金属切削電気ツール、研磨電気ツール、組み立て電気ツール及び鉄道用電気ツール、例えば、電気ドリル、電気グラインダー、電気レンチ、電気ドライバー、電気ハンマー、電気インパクトドリル、コンクリートバイブレーター及び電気プレーナーなどを含む。本出願の実施例は、上記電気装置を特に限定するものではない。
【0040】
本出願の実施例で開示される電池は、上記の車両、船舶又は飛行機などの電気装置に使用されてもよいが、これに限定されないが理解される。本出願で開示される電池などを用いてこの電気装置の電源システムを構成することができ、このように、電池に対する底部衝撃の影響を回避し、電池の安全性及び信頼性を向上させることができる。これに基づき、本出願の以下の実施例及び図面においてこの電池を車両の動力として例に挙げて説明するが、本出願は、これに限定されるものではなく、本出願の実施例によって提供される電池を他の底部が衝撃を受ける可能性のある他のシナリオにも適用し、一緒に保護することができることが理解すべきである。
【0041】
以下の実施では、説明を容易にするために、同様に電気装置を車両として例に挙げて説明する。
【0042】
図1は本出願の幾つかの実施例によって提供される車両の構造概略図である。図1に示すように、車両1000の内部には、電池2000が設けられており、電池2000は、車両1000の底部又は頭部又は尾部に設けられてもよい。電池2000は、車両1000への電力供給のために使用されてもよく、例えば、電池2000は、車両1000の動作電源として使用されてもよい。
【0043】
車両1000は、コントローラ3000とモータ4000とをさらに含むことができ、コントローラ3000は、モーター4000に電力を供給するように電池2000を制御するために使用され、例えば、車両1000の起動、ナビゲート及び運転時の動作電力ニーズのために使用される。
【0044】
本出願の幾つかの実施例では、電池2000は、車両1000の動作電源だけでなく、車両1000の駆動電源として、燃料又は天然ガスを代替又は部分的に代替して車両1000に駆動力を供給することができる。
【0045】
図2から図6を併せて参照すると、図2は本出願の幾つかの実施例で提供される電池の構造概略図であり、図3は本出願の1つの実施例で提供される電池の分解図であり、図4は本出願の1つの実施例によって提供される底部の構造概略図であり、図5は本出願の1つの実施例によって提供する電池の断面図であり、図6は本出願の別の実施例によって提供される電池セルの構造概略図である。
【0046】
本出願は、筺体100、電池セル200、バス部材300及び防護アセンブリ400を含み、筺体100が第1方向Zに沿って対向する上部10及び底部20を有し、電池セル200が筺体100内に逆さまに置かれて上部10に接続され、電池セル200が電極端子30を含み、電極端子30が第1方向Zにおいて上部10から離れて設けられ、バス部材300が少なくとも2つの電池セル200の電極端子30に電気的に接続するために使用され、防護アセンブリ400が底部20とバス部材300との間に設けられ、防護アセンブリ400が電池セル200を支持し、電池セル200を底部20から絶縁させるように設置されるために使用される電池2000を提供する。
【0047】
本出願の実施例によって提供される電池2000は、上部10と底部20が嵌合されて構成した筺体100を有しており、筺体100の内部には、上部10から底部20に向かう方向に沿って電池セル200、バス部材300及び防護アセンブリ400が順次設けられ、バス部材300は、複数の電池セル200にそれぞれ接続され設置され、複数の電池セル200の間に電気的接続を形成することができ、防護アセンブリが電池セル200と底部20との間に設けられるため、電池セル200と底部20は、一定の距離を維持することができ、同時に、両者は、電気的に絶縁され、底部20が外部から衝撃を受けたとき、又は電気的な干渉を受けたときに電池セル200に悪影響を与えることを回避する。
【0048】
ここで、筺体100は、上部10と底部20とを含み、本出願の実施例における上部10と底部20は、電池セル200などの他の部材を筺体100の内部に設けるように、取り外し可能に接続されてもよく、この取り外し可能な接続は、ネジ接続であってもよく、即ち底部20と上部10が接続する位置に、底部20を貫通する貫通穴を設け、上部10の対応する位置に対応するネジ穴を設け、ネジでしっかりと接続することができる。選択可能に、上部10は、電池2000が統合された車両のシャーシなどの部材と一体的に成形されても良く、これにより、筺体100の強度をさらに向上させて接続を安定することができる。
【0049】
本出願の実施例における筺体100は、電池セル200などの内部に設けられた部材を収容及び保護するために使用されることが理解でき、これを基に、筺体100は、異なる構造を有してもよい。幾つかの選択可能な実施例では、上部10は、底部20と互いに覆われ、電池セル200などの部材を収容するためのキャビティを共同で画定することができる。ここで、上部10は、一端が開いた中空構造であってもよく、同時に、底部20は、板状構造であってもよく、上部10の開口側に覆われて、対応する、電池セル200などの部材を収容するためのキャビティを形成し、又は、上部10と底部20の両方は、片側が開いた中空構造であってもよく、即ち上部10と底部20との間の界面は、電池セル200の中央に位置することができ、このとき、上部10の開口側は、底部20の開口側に接合されて、対応する、電池セル200などの部材を収容するためのキャビティを形成する。当然ながら、上部10と底部20は、互いに適合して接続できる限り、円柱、直方体などの様々な形状であってもよい。
【0050】
上部10と底部20とを接続した後のシール性を向上させるために、本出願の実施例における上部10と底部20は、フランジによって接続されてもよく、又は、接続位置には、シーラント、シールリングなどのシール部材が設けられてもよい。
【0051】
本出願の実施例における電池セル200は、電気エネルギーを貯蔵して供給するために使用され、筺体100には、複数の電池セル200が同時に設けられてもよく、複数の電池セル200は、アレイ状に配置されてもよい。選択可能に、電池2000では、電池セル200は、複数であってもよい。電池セル200は、複数であり、複数の電池セル200は、直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続とは、複数の電池セル200が直列だけでなく、並列に接続されていることを意味する。複数の電池セル200を直接直列接続又は並列接続又は直並列接続することができ、当然、まず、複数の電池セル200を直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュールを構成し、次に、複数の電池モジュールを直列接続又は並列接続又は直並列接続して1つの全体を形成し、筐体100内に収容することができる。
【0052】
本出願の実施例における電池セル200は、逆さまの姿勢で取り付けられ、即ち、電池セル200における、電極端子30が設けられた上面とは反対側の平坦な底面が上部10に相互に接続されて設けられるため、電極端子30は、上部10から離れる片側に位置し、これにより、電池2000の上部の構造の強度を効果的に向上させることができ、且つ電池セル200の底部と上部10を接続することにより、筐体100の内部の空間利用率を向上させることができ、それによって電池2000全体のエネルギー密度が向上する。
【0053】
本出願の実施例におけるバス部材300は、電池セル200に接続されて設けられ、バス部材300は、CCS(Cells Contact System:セルコンタクトシステム)アセンブリであってもよく、即ち、フレキシブル回路基板、プラスチック構造部材からなる統合ワイヤハーネスであり、複数の電池セル200の間に必要な電気的接続関係を形成するために使用され、このバス部材300によって電池セル200を充放電することができる。選択可能に、本出願の実施例におけるバスバー300は、電池セル200の電極端子30に溶接されてもよく、それによってバス部材300と電池セル200との間の接続が固定される。
【0054】
選択可能に、本出願の実施例におけるバス部材300は、複数のアセンブリを含むことができ、各アセンブリは、電池セル200から構成された電池モジュールにそれぞれ対応して接続されて設けられ、これらのアセンブリは、電気的に接続され、これにより、必要な直列/並列接続の接続関係が形成され、又は、本出願の実施例におけるバス部材300は、全体として設けられてもよく、同一のアセンブリによって各電池セル200にそれぞれ接続される。
【0055】
本出願の実施例における防護アセンブリ400は、底部20とバス部材300との間に設けられており、電池セル200を支持するために使用され、即ち、防護アセンブリ400は、上下両側が電池セル200のバス部材300に覆われない部分領域及び底部20にそれぞれ当接し、電池セル200に第1方向Zの支持力を提供することができる。同時に、防護アセンブリ400により、電池セル200と底部20は、一定の間隙が存在し、互いに接触しないことができ、さらに電池セル200に接続されたバス部材300は、同様に底部20と一定の距離を維持し、バス部材300、電池セル200の両方は、外部に露出した底部20が外部環境によって干渉され、電池セル200及びバス部材300に電気的干渉を引き起こすことを防止するために、底部20から絶縁されるように設置される。
さらに、防護アセンブリ400は、第1方向Zに対して垂直に延在する平坦な表面を有してもよいため、筐体100の底部20上に一層の保護層を提供し、筺体100の底部に一層の防護総を提供し、底部20が衝撃を受けたときの電池セル200及びバス部材300への影響をさらに減らす。
【0056】
本出願の実施例によって提供される電池2000における電子セル200は、筺体の内部に逆さまに配置され、電池セル200の平らで他の部材が設けられない底部を筺体100の上部10に接続することにより、電池2000全体の上部の構造強度を向上させることができ、同時に、筺体100の底部20とバス部材300との間には、防護アセンブリ400も設けられ、防護アセンブリ400は、電池セル200に支持作用を提供することができ、電池セル200、バス部材300の両方は、底部20との一定の距離を維持し、これにより、底部衝撃が発生するときに電池2000全体の安全性を確保することができる。
【0057】
幾つかの選択可能な実施例では、電池セル200は、上部10に接着固定される。
【0058】
本出願の実施例における電池セル200は、上部10に固定接続されてもよく、具体的には、接着固定されてもよく、接着接続により、電池セル200を上部10に接続するときの第1方向Zに必要なサイズを小さくし、電池2000全体の厚さを薄くすることができる。電池200と上部10を固定して接続することにより、電池の上部の強度をさらに向上させることができる。
【0059】
幾つかの選択可能な実施例では、上部10は、上部プレート11及びフレーム12を含み、フレーム12は、複数の電池セル200を取り囲んで設けられ、フレーム12は、上部プレート11及び底部20を接続するために使用される。
【0060】
本出願の実施例における筺体100は、相互に嵌合される上部10及び底部20を含み、これを基に、上部10は、上部プレート11とフレーム12の2つの部分から構成されてもよく、上部プレート11は、第1方向Zに垂直な平面に沿って延在し、且つ上部プレート11は、電池2000に接続されるシャーシ等の部材に統合されてもよく、フレーム12は、第1方向Zに平行であり、電池セル200等の部材を取り囲んで設けられ、同時に、フレーム12と上部プレート11は、固定接続されてもよく、又は取り外し可能に接続されてもよい。選択可能に、本出願の実施例におけるフレーム12は、第1方向Zに、電池セル200、バス部材300及び防護アセンブリ400の第1方向Zに延在する距離よりも長く延在してもよく、このとき、底部20は、フレーム12の下端に覆われてもよい。電池セル200を取り囲んで設けられたフレーム12は、電池セル200に側辺上の防護を提供し、その安全性を高め、且つ加工をより容易にすることができる。
【0061】
図7から図9を併せて参照すると、図7は本出願の1つの実施例によって提供される電池の断面図であり、図8は、図7の領域Aの拡大図であり、図9は本出願の1つの実施例によって提供される防護アセンブリの構造概略図である。
【0062】
幾つかの選択可能な実施例では、防護アセンブリ400は、第2方向Xに沿って延在する複数の防護部材40を含み、複数の防護部材40は、第3方向Yに間隔をおいて設けられ、電池セル200は、防護アセンブリ40に当接し、第1方向Z、第2方向X及び第3方向Yは、互いに交差するように設定される。
【0063】
本出願の実施例における防護アセンブリ400は、複数の防護部材40を含むことができ、これらの防護部材40は、複数の電池セル200にそれぞれ当接し、電池セル200と筺体100の底部20との間に一定の距離を維持させ、底部20への衝撃による電池2000の影響を低減する。
【0064】
選択可能に、本出願の実施例における防護部材40は、電池セル200の電極端子30が設けられた面に当接してもよく、具体的には、各電池セル200の電極端子30が設けられた面における電極端子30が位置する領域以外の、力を受け得る領域、即ち当該表面における第1方向Y方向において電極端子30の両側に位置する「肩部」に当接してもよい。これに基づき、防護部材40は、電池セル200に対応する位置に設けられる必要があり、本出願の実施例における複数の電池セル200は、アレイ状に配置されてもよく、これに対応して、防護部材40は、第2方向Xに沿って延在し、第3方向Yに沿って配置され、間隔をおいて平行に設けられたストリップ状の構造を形成することができる。縁に位置する防護部材40に加えて、他の防護部材40は、隣接する電池セル200が接続する位置に設けられてもよく、即ち、各防護部材40は、第3方向Yに隣接して設けられた2つの電池セル200に同時に当接することができる。
【0065】
選択可能に、本出願の実施例における第1方向Z、第2方向X及び第3方向Yは、2つずつ互いに直交し、比較的規則的で加工しやすい構造を形成することができる。
【0066】
幾つかの実施例では、電極端子30の底部20上の正投影は、隣接する防護部材40の底部20上の正投影の間に位置する。
【0067】
本出願の実施例における防護アセンブリ400は、複数の防護部材40を含み、これらの防護部材40は、電池セル200に当接し、電池セル200の電極端子30の底部20上の正投影は、隣接する防護部材40の間に位置してもよく、このとき、防護部材40が電池セル200の肩部に当接するため、電極端子30とバス部材300との接続が防護部材400によって妨げられなく、且つ電池セル200が防護アセンブリ400に直立された後、電極端子30は、隣接する防護部材40の間に落下され、衝撃によって発生する力が複数の電池セル200に分散され、電極端子30の損傷を回避することができる。
【0068】
幾つかの選択可能な実施例では、複数の防護部材40は、縁防護部材41、第1防護部材42及び第2防護部材43を含み、第3方向Yに沿って、縁防護部材41は、アレイ状に配置された電池セル200からなるアセンブリの縁に設けられ、第1防護部材42と第2防護部材42は、2つの縁防護部材41の間に交互に分布される。
【0069】
本出願の実施例における防護部材40は、異なる位置にそれぞれ設けられた3種類の防護部材を含むことができ、縁防護部材41は、電池セル200の縁位置に設けられ、縁防護部材41の間には、第1防護部材42及び第2防護部材43が交互に設けられる。第1防護部材42と第2防護部材42は、バス部材300の多様な接続部材に適合して、隣接する電池セル200間の接続に必要な空間を提供するために、異なるサイズを有してもよい。
【0070】
選択可能に、本出願の実施例における防護部材40は、複数の異なるサイズを含んでもよく、電池セル200の長さ及び電極端子30、圧力解放機構60位置に応じて各防護部材40のサイズを調整し、各防護部材40が複数の電池セル200に当接する場合、各防護部材40は、隣接する2つの電池セル200の間に当接することができ、このとき、第1防護部材42と第2防護部材43との間の距離は、電池セル200自体の長さとほぼ同じであってもよく、交互に配置された第1防護部材42と第2防護部材43は、バス部材300の設置に合わせて、安全で信頼性の高い電池セルを形成することができる。
【0071】
幾つかの選択可能な実施例では、第2方向Xに沿って、第1防護部材42の延在長さは、第2防護部材43の延在長さよりも大きい。
【0072】
上述したように、本出願の実施例における第1防護部材42及び第2防護部材43は、自体の延在方向に異なる長さを有することができ、隣接する第2防護部材43の間のノッチを通して電池セル200間に設けられ、電気的に接続されたバスバーなどの硬質接続部材を形成することができ、この接続部材によって第3方向Yに隣接する2つの電池セル200を電気的に接続し、即ち第2防護部材43の長さ及び第2方向Xの隣接する第2防護部材43の間の距離を調整することにより、バス部材300の硬質接続部材を避けることができる。
【0073】
選択可能に、電池セル200間の接続部材の設置位置に応じて、第1防護部材42は、第2方向Xに沿って筺体100の内部空洞のこの方向の長さと同じく延在してもよく、即ち、一体化し、完全に筺体100の内部に延在することができ、又は、第1防護部材42は、第2方向Xに開口部が設けられてもよく、開口部に対応する接続部材が設けられる。バス部材300の接続部材を防護部材40の開口部に設けることにより、接続部材を底部20から一定の距離に維持させて、衝撃保護を形成して絶縁を維持することもできる。
【0074】
幾つかの選択可能な実施例では、第3方向Yに沿って、第1防護部材42の幅は、第2防護部材43の幅よりも大きく、第2防護部材43の幅は、縁防護部材41の幅よりも大きい。
【0075】
本出願の実施例における防護部材40は、縁に設けられた縁防護部材41、縁防護部材4141の間に交互に設けられた第1防護部材42及び第2防護部材43を含むことができ、縁防護部材41は、1つの電池セル200のみに当接し、したがって、その幅が第1防護部材42及び第2防護部材43の幅よりも小さく、第1防護部材42及び第2防護部材43は、隣接する電池セル200の接続位置に設けられ、複数の電池セル200に同時に当接することができる。各第1防護部材42を隣接する2つの電池セル200に同時に当接させることにより、必要な防護部材40の数を低減し、それによって生産効率を向上させることができる。
【0076】
選択可能に、本出願の実施例によって提供される電池2000では、電池セル200における、防護コントポート400と重なって設けられ得ない部分領域の位置及びサイズに応じて防護アセンブリ400における各防護部材40の幅及び位置を設計することができる。具体的には、電池セル200が耐えることができる圧力及び予想される衝撃に応じて防護部材40の幅を選択し、電極端子30及び圧力解放機構60の位置に応じて防護部材40の設置位置を選択することができる。
【0077】
幾つかの選択可能な実施例では、防護アセンブリ400の第1方向Zの延在長さは、1.5mmよりも大きい。
【0078】
本出願の実施例における防護アセンブリ400は、第1方向Zに一定のサイズまで延在する必要があり、即ち、各防護部材40は、一定の厚さを有する必要があり、防護アセンブリ400は、電池セル200に下側からの衝撃保護を提供するために使用され、したがって、防護アセンブリ400自体の厚さと衝撃エネルギーとの関係は、電池2000が火災や爆発などの安全問題を生じるか否かに大きな影響を及ぼし、これに基づき、防護アセンブリ400は、対応する防護強度を提供するために一定の基本厚さを有する必要があり、例示的に、本出願の実施例における防護アセンブリ400の全体厚さは、1.5mmより大きくてもよい。
【0079】
幾つかの選択可能な実施例では、防護アセンブリ400は、接続プレート50をさらに含み、複数の防護部材40は、接続プレート50の上部10に向かう面にそれぞれ設けられる。
【0080】
本出願の実施例における複数の防護部材40は、全て同一の接続プレート50に接続されて設けられてもよく、接続プレート50は、底部20に近く設けられる。接続プレート50により、複数の防護部材40の相対位置が安定して衝撃後の位置ずれを回避することができ、同時に、接続プレート50は、底部20と同一の方向に延在して設けられて底部20に当接することができ、底部20に設けられた溝によってさらに限定されてもよく、接続プレート50は、防護部材40と底部20との間に設けられ、且つより広い面積を覆うように延在し、これにより、バス部材300及び電池セル200と筺体100の底部20との間の絶縁性能を向上させることができる。選択可能に、必要な防護強度を提供するために、接続プレート50の厚さは、0.5mmより大きくてもよい。
【0081】
幾つかの選択可能な実施例では、フレーム12と上部プレート11は、溶接、熱融着セルフタッピング接続、接着接続又は一体成形などにより設けられる。
【0082】
本出願の実施例における筺体100は、上部プレート11、フレーム12及び底部20を含むことができ、フレーム12は、電池セル200を取り囲んで周方向に設けられ、同時に、筺体100全体の強度を向上させるために、フレーム12と上部プレート11は、固定接続されてもよく、この接続は、溶接接続、FDS(Flow drill screw、フロードリルネジ/熱融着セルフタッピング接続)接続又は接着接続であってもよく、本出願は、これに特に限定されるものではなく、上部プレート11とフレーム12との間の十分な接続強度を確保するだけでよい。
【0083】
幾つかの選択可能な実施例では、防護アセンブリ400は、電池セル200に接着固定される。
【0084】
本出願の実施例における防護アセンブリ400は、電池セル200の肩部に当接し、このとき、両者を接着固定することにより、全体的な強度と接続の安定性をさらに向上し、衝撃による防護部材400と電池セル200との間の位置ずれを回避することができる。選択可能に、防護アセンブリ400において、各防護部材40は、電池セル200上の対応する位置にそれぞれ接着されてもよく、又は、防護部材40の少なくとも一部は、電池セル200に接着されてもよく、縁防護部材41を含んでもよい。
【0085】
図6に示すように、本出願の実施例では、電池セル200は、圧力解放機構60をさらに含み、圧力解放機構60は、電極端子30と同じ側に設けられる。
【0086】
本出願の実施例における電池セル200は、圧力解放機構60をさらに有することができ、圧力解放機構60は、電池セル200の内部に高圧、膨張が発生するときに弱点を形成することができ、その結果、一定の閾値を超える内部圧力は、この箇所から解放されてもよく、電池セル200全体の爆発などの重大な安全上の問題を回避する。これに基づき、圧力解放機構60は、衝突をできるだけ避ける必要があり、圧力解放機構60を同様に電池セル200の下側に設けることにより、電極端子30とともに電池セル200を防護し、筺体100等との衝撃を回避し、電池2000全体の安全性及び信頼性を向上させることができる。
【0087】
幾つかの実施例では、圧力解放機構60の底部20上の正投影は、隣接する防護部材40の底部20上の正投影の間に位置する。
【0088】
上述したように、本出願の実施例における電池セル200は、圧力解放機構60をさらに含み、電池セル200を防護アセンブリ400に適合させるとき、圧力解放機構60は、隣接する防護部材40と電池セル200が相互に当接する領域の間に設けられてもよく、即ち、圧力解放機構60は、底部20に近い側に設けられ且つ防護アセンブリ400と接触しなく、これにより、外部からの衝撃を受けた際に衝撃力を電池セル200の肩部に分散させ、衝突による圧力解放機構60の損傷を回避し、それによって電池2000の安全性を向上させることができる。
【0089】
幾つかの選択可能な実施例では、防護アセンブリ400は、絶縁材料で作られ、又は、防護アセンブリ400は、絶縁コーティングが塗布されている。
【0090】
本出願の実施例における防護アセンブリ400は、バス部材300と底部20との間に設けられ、電池セル200を支持し、電池セル200とバス部材300の両方を底部20から絶縁させるために使用され、外部環境の電気的干渉を回避する。これに基づき、防護アセンブリ400は、全体として絶縁材料で作られ、これにより、良好な絶縁効果を確保することができ、又は、防護アセンブリ400は、一定の強度を有する導電性材料に絶縁コーティングを塗布することができ、これにより、防護アセンブリ400自体の強度を向上させ、防護効果を最適化し、さらに底部衝撃に対する電池2000全体の耐力を向上させることができる。
【0091】
図10を参照すると、図10は本出願のさらなる別の実施例によって提供される電池の構造概略図である。幾つかの選択可能な実施例では、電池2000は、アダプタープレート70とアダプター80をさらに含み、アダプタープレート70は、筺体100の一側に設けられ且つ筺体100から突出して設けられ、アダプタープレート70は、底部20に接続されて収容部90を形成し、アダプター80は、収容部90に設けられ且つアダプタープレート70に接続されて設けられる。
【0092】
本出願の実施例における電池2000は、アダプタープレート70とアダプター80とをさらに含むことができ、アダプタープレート70は、筺体100に接続されて設けられ、筺体100は、第1方向Zに沿って対向する上部10及び底部20を有し、電池セル200、バス部材300及び防護アセンブリ400は、筺体100内に順次設けられる。アダプタープレート70は、筺体100の一側に第3方向Yに沿って突出して設けられ、上部10から第1方向Zに段差で接続され、収容部90を形成する。アダプター80は、受容部90においてアダプタープレート70に接続されて設けられ、アダプター80は、第3方向Yにおいて底部20の延在面を超えない。
【0093】
本出願の実施例におけるアダプタープレート70は、筺体100の一側から第3方向Yに沿って突出し、第1方向Zにおいて底部20に段差で接続され、具体的には、アダプタープレート70は、第1方向Zにおいて筺体100との延在サイズの差を有する。収容部90は、この厚み差によって生じる、アダプタープレート70と筺体100との接触面によって構成された空間であり、アダプター80が設けられるために使用され、アダプター80の第1方向Zの延在サイズが筺体100の延在サイズ以下である。
本出願の実施例におけるアダプタープレート70は、アダプタープレート70と筺体100との間の収容部90内にアダプター80を設けるように、筺体100の側壁の延在方向に対して垂直であってもよく、又は一定の角度を有していてもよいが、筺体100と平行に延在できない。
【0094】
第3方向Yにおいて、アダプタープレート70は、筺体100の一側から筺体100から突出し、筺体100の底部20と第1方向Zにおいて段差で接続されて収容部90を形成し、即ち、収容部90は、アダプタープレート70及び筺体100によって共同で形成された収容空間である。アダプター80を収容部90に設けることにより、アダプター80に対して保護役割を果たし、衝突によるアダプターへの衝撃力を低減することができる。また、アダプター80の第1方向Zの延在サイズが筺体100を超えない延在サイズであってもよいため、アダプター80は、収容部90内に完全に位置し、電池100の周方向に位置する外部装置との接触を回避し、アダプター80が電池セル200と外部装置を電気的に接続するプロセスに対する外部衝撃の影響を低減する。
【0095】
本出願の幾つかの実施例では、アダプタープレート70の収容部90から離れた側面は、上部プレート11のフレーム12から離れた側面と同一の水平面に位置し、即ち、アダプタープレート70は、筺体100の上面と同一の水平面に位置することができ、アダプタープレート70と筺体を一体化して設ける場合、アダプタープレート70は、筺体100の上部プレートを水平方向に外側に引き伸ばすことにより形成されてもよく、電池2000を車両のシャーシなどの外部装置と統合して設ける場合、アダプタープレート70と上部プレート11は、外部装置の同一の表面に固定されてもよく、又は、アダプタープレート70と上部プレート11は、同一の外部装置と統合して設けられてもよい。アダプタープレート70と上部プレート11の一側面を同一の水平面に位置するように設けることにより、上記の両者の応力強度を向上させることができ、電池2000の耐力と上部強度がさらに向上する。
【0096】
選択可能に、アダプタープレート70は、第1方向Zにおいて一定の厚さを有する。電池2000の底部又は側面が衝突する場合、アダプタープレート70の筺体100から離れる側面が一定の衝撃力を受ける可能性があり、これに基づき、アダプタートプレート70を、一定の厚さを有するように設けることにより、アダプタートプレート70自体の剛性を高めることができ、さらにアダプタートプレート70と筺体100によって共同で支持される収容部90は、アダプター80に対してより良い保護作用を果たす。
【0097】
選択可能に、アダプタートプレート70は、筺体100と一体化して成形して設けられてもよく、又は、アダプタートプレート70は、溶接接続、接着接続又はFDS接続などの固定接続により筺体100に位置決め及び接続されてもよく、本出願では特定に限定されない。
【0098】
本出願の実施例におけるアダプタープレート70は、収容部90に向かう第1面を有し、同時に、筺体100は、収容部90に向かう第2面を有し、第1面と第2面とは、互いに直交していてもよく、即ちアダプタープレート70は、アダプター80の一側面は、筺体100の側壁に対して相互に直交してもよい。第1面と第2面とを相互に直交させることにより、その間に介在した収容部90を最大化し、アダプター80の取り付け空間を拡大することができる。
【0099】
さらに、アダプター80は、第1面に接続され、第2面と間隔をおいて設けられ、即ち、アダプター80は、アダプタープレート70から第1方向Zに沿って延在することができ、その結果、収容部90内に吊り下げられて第2面に接触しないため、アダプター80が衝突時に衝撃を受ける可能性を低減するとともに、この構造を採用することにより、アダプター80と他の外部装置との電気的接続を容易にすることができ、また、アダプター80を水平方向に沿って設ける場合に比べて、この構造により、アダプター80は、より優れた耐力性能を有することができる。
【0100】
幾つかの選択可能な実施例では、筺体100は、内部に冷却チャネルを埋め込むこともでき、電池セル200と筺体100の上部プレート10を接続して設けることに基づき、電池セル200の底部と上部プレート10は、相互に接触して熱伝達することができ、電池2000の性能をさらに向上させるために、上部10の電池セル200に接続される位置に冷却チャネルを埋め込むことができ、冷却に必要な気体又は液体が流れるため、電池2000が動作するときに熱交換を達成し、冷却役割を果たし、それによって電池2000全体の耐用年数を延長し、それをより広い範囲の使用に適用できる。
【0101】
さらに、幾つかの選択可能な実施形態では、冷却チャネルは、複数の冷却プレートとして電池セル200又は電池セル200と筺体100の間に設けられてもよく、これらの冷却プレートの冷却媒体を流れる入口及び出口は、統一して接続されてもよく、筺体100上の貫通孔を介して冷却媒体の貯蔵、循環、放熱のための他の部材に接続されるが、本出願で特に限定されない。
【0102】
図3に示すように、本出願の実施例は、相互に嵌合される上部10及び底部20を有する筺体100、筺体100の内部の上部10から底部20に向かう方向に沿って順次設けられる電池セル200、バス部材300及び防護アセンブリ400を含む電池2000を提供する。電池セル200は、筺体100内に逆さまに置かれて上部プレート10に接続されて設けられ、アレイ状に配置された複数の電池セル200の電極端子30及び圧力解放機構60は、全て底部20に近い側に設けられ、バス部材300は、少なくとも2つの電極端子30に電気的に接続され、防護アセンブリ400は、電池セル200を支持し、それを底部20から絶縁させるために使用される。防護アセンブリ400は、第3方向Yにおいて両側に設けられた縁防護部材41及び縁防護部材41の間に交互に設けられた第1防護部材42及び第2防護部材43を含み、第2方向Xに沿って、第2防護部材43の延在サイズが第1防護部材42の延在サイズよりも小さく、第3方向Yに沿って、第1防護部材42の幅が第2防護部材43の幅以上であり、第2防護部材43の幅は、縁防護部材41の幅以上である。
【0103】
第2態様では、本出願の実施例は、第1態様のいずれかの実施例における電池2000を含む電気装置をさらに提供する。上述したように、この電池2000は、電気装置の駆動電源又は制御電源として機能することができる。
【0104】
本出願の実施例によって提供される電気装置は、上記電池2000の有益な効果を有しており、詳細については、上記の各実施例における電池2000の具体的な説明を参照することができ、本実施では、繰り返し説明を省略する。
【0105】
最後に説明すべきものとして、以上の各実施例は、本出願の技術案を説明するためのものだけであり、それを制限しない。上記の各実施例において本出願を詳しく説明したが、当業者であれば理解すべきものとして、依然として上記の各実施例に記載の技術案を変更し、又はそのうちの一部又は全ての技術的特徴に対して同等入れ替えを行うことができ、これらの変更又は入れ替えは、対応する技術案の本質を本出願の各実施例の各技術案の範囲から逸脱させなく、全て本出願の特許請求の範囲及び説明の範囲内に含まれるべきである。特に、各実施例に記載された各技術的特徴は、構造上の矛盾がない限り、任意の方式で組み合わせることができる。
本出願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲内の全ての技術案を含むものである。
図1
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【国際調査報告】