(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-01
(54)【発明の名称】基材を急速冷却するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B21B 45/02 20060101AFI20241025BHJP
【FI】
B21B45/02 320S
B21B45/02 320T
B21B45/02 320V
B21B45/02 320U
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525064
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 US2022047487
(87)【国際公開番号】W WO2023076125
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】フランク スー
(72)【発明者】
【氏名】レナート ルフィノ ザビエ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド アンソニー ゲーンスバウアー
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー フランシス スタニストリート
(72)【発明者】
【氏名】ルイス ミッチェル ナズロ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド エドワード ガンツァー
(72)【発明者】
【氏名】カルロス エボリ
(72)【発明者】
【氏名】カーティス エディー
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド スキングリー ライト
(57)【要約】
冷却システム(104)、及び金属加工システム(100)のための方法が開示される。冷却システム(104)は、冷却ヘッダ(114)、排出システム(118)、温度センサ(128)、及びコントローラ(130)を含む。冷却ヘッダ(114)は、冷却剤を金属基材(110)上に選択的に分配し、排出システム(118)は、加熱された冷却剤を金属基材(110)から除去する。温度センサ(128)は、冷却ヘッダ(114)の下流にあり、金属基材(110)の幅にわたる温度プロファイルを検出する。コントローラ(130)は、冷却ヘッダ(114)及び温度センサ(128)に通信可能に結合され、コントローラ(130)は、少なくとも検出された温度プロファイルに基づいて冷却ヘッダ(114)を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属加工システム用の冷却システムであって、
金属基材上に冷却剤を選択的に分配するように構成された冷却ヘッダと、
前記冷却ヘッダの下流にある排出システムであって、前記排出システムが、前記冷却ヘッダによって分配された冷却剤を除去するように構成された除去装置を含む、前記排出システムと、
前記冷却ヘッダの下流にある温度センサであって、前記温度センサが、前記金属基材の幅にわたって前記金属基材の温度プロファイルを検出するように構成される、前記温度センサと、
前記冷却ヘッダ及び前記温度センサに通信可能に結合されたコントローラであって、前記コントローラが、少なくとも検出された温度プロファイルに基づいて前記冷却ヘッダを制御するように構成される、前記コントローラと、
を含む、前記冷却システム。
【請求項2】
前記冷却ヘッダは噴霧スプレーヘッダである、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項3】
前記冷却ヘッダと、前記排出システムの前記除去装置とは、前記冷却システムを通る金属基材のパスラインに対して配置され、前記冷却ヘッダと、前記排出システムの前記除去装置とは、前記パスラインの同じ側にある、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項4】
前記冷却ヘッダと、前記排出システムの前記除去装置とが、前記パスラインの下にある、請求項3に記載の冷却システム。
【請求項5】
前記排出システムの前記除去装置は、第1の除去装置であり、前記排出システムは、前記冷却ヘッダの下流に第2の除去装置をさらに備える、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項6】
前記第1の除去装置は真空装置であり、前記第2の除去装置は送風機である、請求項5に記載の冷却システム。
【請求項7】
前記冷却ヘッダ、前記第1の除去装置、及び前記第2の除去装置が、前記冷却システムを通る金属基材のパスラインに対して配置され、前記冷却ヘッダ及び前記第1の除去装置が、前記パスラインの第1の側にあり、前記第2の除去装置が、前記パスラインの前記第1の側とは反対側の第2の側にある、請求項5に記載の冷却システム。
【請求項8】
前記冷却ヘッダ及び前記第1の除去装置が前記パスラインの下にあり、前記第2の除去装置が前記パスラインの上にある、請求項7に記載の冷却システム。
【請求項9】
前記冷却ヘッダが複数のノズルを備え、前記複数のノズルの各ノズルが、前記コントローラによって独立に制御される、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項10】
前記温度センサが第1の温度センサであり、前記冷却システムが、前記冷却ヘッダの上流に第2の温度センサをさらに備える、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項11】
前記第1のコントローラは、さらに、
金属基材の所望の出口温度プロファイルを決定することと、
前記温度センサから前記検出された温度プロファイルを受信することと、
前記所望の出口温度プロファイル及び前記検出された温度プロファイルに基づいて、所定のライン速度での前記冷却剤の冷却プロファイルを決定することと、
前記冷却ヘッダが前記冷却プロファイルに従って前記冷却剤を分配するように、前記冷却ヘッダを制御することと、
を行うように構成される、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項12】
前記冷却ヘッダを制御することは、前記金属基材の前記幅にわたるスプレーパターン、または前記冷却ヘッダからの前記冷却剤の流量のうちの少なくとも1つを制御することを含む、請求項11に記載の冷却システム。
【請求項13】
前記冷却ヘッダと、前記排出システムの前記除去装置とは、前記冷却システムを通る金属基材のパスラインに対して配置され、前記冷却ヘッダと、前記排出システムの前記除去装置とは、前記パスラインを挟んで対向する側にある、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項14】
金属加工システムであって、
圧延機の出口スタンドであって、前記圧延機が冷間圧延機である、前記出口スタンドと、
請求項1に記載の冷却システムであって、前記冷却システムが前記出口スタンドの下流にある、請求項1に記載の冷却システムと、
を備える、前記金属加工システム。
【請求項15】
前記コントローラは、さらに、
コイル状に巻かれる前に金属基材の所望の出口温度プロファイルを決定することと、
前記温度センサから前記検出された温度プロファイルを受信することと、
前記所望の出口温度プロファイル及び前記検出された温度プロファイルに基づいて、所定のライン速度での前記冷却剤の冷却プロファイルを決定することと、
前記冷却ヘッダが前記冷却プロファイルに従って前記冷却剤を分配するように、前記冷却ヘッダを制御することと、
を行うように構成される、請求項14に記載の金属加工システム。
【請求項16】
冷間圧延機であって、
出口スタンドと、
前記出口スタンドの下流にある冷却システムであって、前記冷却システムが、前記出口スタンドから出る金属基材上に冷却剤を選択的に分配するように構成された冷却ヘッダを含む、前記冷却システムと、
を備える、前記冷間圧延機。
【請求項17】
巻き取りコイラであって、前記冷却システムが前記出口スタンドと前記巻き取りコイラとの間にある、前記巻き取りコイラと、
前記冷却ヘッダの下流にある排出システムであって、前記排出システムが、前記冷却ヘッダによって分配された冷却剤を除去するように構成された除去装置を含む、前記排出システムと、
をさらに備える、請求項16に記載の冷間圧延機。
【請求項18】
前記冷却ヘッダの下流にある温度センサであって、前記温度センサが、前記金属基材の幅にわたって前記金属基材の温度プロファイルを検出するように構成される、前記温度センサと、
前記冷却ヘッダ及び前記温度センサに通信可能に結合されたコントローラであって、前記コントローラが、少なくとも検出された温度プロファイルに基づいて前記冷却ヘッダを制御するように構成される、前記コントローラと、
をさらに備える、請求項16に記載の冷間圧延機。
【請求項19】
冷間圧延機であって、
出口スタンドと、
前記出口スタンドの下流にある冷却システムであって、前記冷却システムが、
複数のノズルを備えた冷却ヘッダであって、前記複数のノズルの各ノズルが、前記出口スタンドから出る金属基材上に選択的に冷却剤を分配するように構成されている、前記冷却ヘッダと、
前記冷却ヘッダと通信可能に結合され、前記複数のノズルの各ノズルを個別に制御するように構成されたコントローラと、
を備える、前記冷間圧延機。
【請求項20】
前記金属基材の幅にわたる温度プロファイルを検出するように構成された温度センサ、をさらに備え、
前記コントローラが、温度センサと通信可能に結合され、前記温度センサから検出された温度プロファイルに基づいて、前記複数のノズルの各ノズルを制御するように構成される、請求項19に記載の冷間圧延機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2021年10月27日に出願され、SYSTEMS AND METHODS FOR RAPID SUBSTRATE COOLINGと題された米国仮特許出願第63/263,092号の利益を主張するものであり、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、一般に、金属加工に関し、より詳細には、金属加工中に金属基材を急速冷却するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
金属加工中に、金属基材を一対のワークロールに通すことによって、金属基材(アルミニウム、アルミニウム合金、または他の様々な金属のストックシートまたはストリップなど)の厚みを減少させるために、圧延が使用され得る。最終金属製品の所望の特性に応じて、金属基材は熱間圧延、冷間圧延、及び/または温間圧延され得る。熱間圧延とは、一般に、金属の温度が金属の再結晶温度を超える圧延プロセスを指す。冷間圧延とは、一般に、金属の温度が金属の再結晶温度よりも低い圧延プロセスを指す。温間圧延とは、一般に、金属の温度が再結晶温度よりも低いが、冷間圧延中の温度よりも高い圧延プロセスを指す。
【0004】
圧延機の最後のスタンドから出る金属基材のライン速度は、出口温度が金属基材の材料特性及び/または金属基材コイルの平坦度などの外観に影響を与えるので、多くの場合、圧延機を出るときの金属基材の温度によって制限される。圧延機を高速または高圧延率で運転すると、圧延機のワークロールからの冷却では、金属製品を臨界軟化温度以下に維持するのに十分な変形エネルギーを除去できない状況が生じる場合があり、臨界軟化温度以上の金属基材は、水汚れ、たるみ、または平坦度の低下などの基材品質の問題を起こしやすい場合がある。したがって、圧延機は、通常は、速度を落として運転されるが、そのように速度を落とすと圧延機の能力が制限される。
【発明の概要】
【0005】
本特許の適用を受ける実施形態は、この発明の概要ではなく、下記の特許請求の範囲によって規定される。この発明の概要は、様々な実施形態の高レベルの概要であり、下記の発明を実施するための形態のセクションでさらに説明される概念の一部を紹介する。この発明の概要は、特許を請求する主題の重要または必須の特徴を特定することを意図しておらず、また、特許を請求する主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図していない。この主題は、本特許の明細書全体、いずれかまたはすべての図面、及び各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0006】
特定の実施形態によれば、金属加工システム用の冷却システムは、冷却ヘッダ、排出システム、温度センサ、及びコントローラを含む。冷却ヘッダは、金属基材上に冷却剤を選択的に分配するように構成され、排出システムは、冷却ヘッダによって分配される冷却剤を除去するように構成された除去装置を含む。温度センサは、冷却ヘッダの下流にあってもよく、温度センサは、金属基材の幅にわたって金属基材の温度プロファイルを検出するように構成される。コントローラは、冷却ヘッダ及び温度センサに通信可能に結合され、コントローラは、少なくとも検出された温度プロファイルに基づいて冷却ヘッダを制御するように構成される。
【0007】
様々な実施形態によれば、冷間圧延機は、出口スタンドと、出口スタンドの下流にある冷却システムとを含む。冷却システムは、出口スタンドから出る金属基材上に冷却剤を選択的に分配するように構成された冷却ヘッダを含む。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、冷間圧延機は、出口スタンドと、出口スタンドの下流にある冷却システムとを含む。冷却システムは、複数のノズルを含む冷却ヘッダを含む。複数のノズルの各ノズルは、出口スタンドから出る金属基材上に冷却剤を選択的に分配するように構成される。冷却システムは、冷却ヘッダと通信可能に結合され、複数のノズルの各ノズルを個別に制御するように構成されたコントローラも含む。
【0009】
本明細書に説明される様々な実施態様は、追加のシステム、方法、特徴、及び利点を含み得、これらは、必ずしも本明細書で明示的に開示できないが、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討すれば、当業者には明らかであろう。そのようなシステム、方法、特徴、及び利点の全てが、本開示の中に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0010】
本明細書は以下の添付図面を参照する。異なる図において同様の参照番号の使用は、同様または類似の構成要素を示すことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態による、冷却システムを有する金属加工システムの概略図である。
【
図2】実施形態による、冷却システムを有する金属加工システムの概略図である。
【
図3】実施形態による、冷却システムを有する金属加工システムの斜視図である。
【
図4】明確にするために金属基材を省略した、
図3の金属加工システム及び冷却システムを例示する。
【
図5】実施形態による、冷却システムを有する金属加工システムを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態の主題は、法定要件を満たすために特異性を用いて本明細書に説明されているが、この説明は、必ずしも、特許請求の範囲を制限することを意図していない。特許請求される主題は、他の方法で具現化され得、異なる要素またはステップを含み得、他の既存の技術または今後の技術と併せて使用され得る。この説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に記載されるときを除き、様々なステップまたは要素の間の特定の順序または配置を暗示するとして解釈するべきではない。「上」、「下」、「上部」、「底部」、「左」、「右」、「前部」、及び「後部」などの方向の参照は、とりわけ構成要素及び方向が参照している1つの図(または複数の図)中に例示され、説明される向きを参照することを意図している。
【0013】
本明細書では、金属加工中にアルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属基材を冷却するための冷却システム及び方法について説明する。金属加工システムには、熱間圧延機、冷間圧延機、及び温間圧延機が含まれ得るが、これらに限定されない。したがって、以下の説明は冷間圧延機に言及するが、本明細書に記載される実施形態はそのような金属加工システムに限定されず、所望に応じて他の様々な種類の金属加工システムに利用してもよい。さらに、実施形態は、アルミニウムまたはアルミニウム合金への使用に限定されるものではなく、例えば、鋼、鋼系材料、マグネシウム、マグネシウム系材料、銅、銅系材料、またはその他の任意の適切な金属などの基材を含むが、これに限定されない、任意の所望の金属に対して使用してもよい。
【0014】
いくつかの態様では、冷間圧延などの金属加工システム用の冷却システムは、圧延機の最終(または出口)スタンドの下流に配置される。様々な態様において、冷却システムは、圧延機の最終スタンドと金属加工システムの巻き取り機との間にあり、巻き取り機で巻き取る前に金属基材の出口温度を制御するために使用してもよい。
【0015】
冷却システムは、冷却ヘッダ、排出システム、1つ以上の温度センサ、及びコントローラを含み得る。冷却ヘッダは1つまたは複数のノズルを含み得、金属基材の幅にわたる冷却剤の冷却プロファイルを選択的に制御することができるように、1つまたは複数のノズルのそれぞれを独立して制御してもよい。冷却ヘッダは、冷却剤を超微細ミストまたは微粒化液滴として金属基材上に選択的に分配してもよい。特定の例では、冷却剤による冷却の持続時間及び/または冷却量を最大化するために、冷却ヘッダを圧延機の最終スタンドの近くに配置する場合がある。様々な態様において、冷却ヘッダは、冷却剤蒸発の許容時間を最大化するために、最終スタンドの近くに配置されてもよい。さらに、冷却ヘッダをロールの近くに配置すると、高速表面によって生成される層流空気流のため(例えば、層流空気流は加速するのに時間がかかるので)冷却効率の低下の可能性が低減し得る。
【0016】
排出システムは、冷却ヘッダから冷却剤が分配され、金属基材から熱の少なくとも一部が除去された後に、冷却剤を除去する1つまたは複数の除去装置を含む。特定の態様では、1つまたは複数の除去装置は、冷却ヘッダから所定の距離下流に配置される。所定の距離は、任意選択で、所定のライン速度での冷却時間に対応してもよい。任意選択で、所定のライン速度は最大ライン速度であってもよいが、他の例ではそうである必要はない。いくつかの非限定的な例では、最大ライン速度は、約1800m/分であり得るが、所望に応じて、以下に詳細に説明するように、他のライン速度であってもよい。加えて、または代わりに、所定の距離は、任意選択で、冷却ヘッダから冷却剤が分配される所定の速度での冷却剤の冷却または熱伝達の量に対応し得る。他の例では、1つまたは複数の除去装置は、冷却ヘッダに対して所望に応じて配置され得る。
【0017】
1つまたは複数の温度センサは、冷却ヘッダの下流及び/または任意選択で冷却ヘッダの上流に配置してもよい。各温度センサは、金属基材の幅にわたる金属基材の温度プロファイルを検出し得る。コントローラは、1つまたは複数の温度センサ及び冷却ヘッダに通信可能に結合され得る。様々な例において、コントローラは、冷却ヘッダが所望の冷却プロファイルを提供するように、1つまたは複数の温度センサから検出された温度プロファイルに基づいて、冷却ヘッダを制御してもよい。任意選択で、冷却プロファイルは、金属基材の出口温度が、金属基材の臨界軟化温度以下、及び/または金属基材の所望の巻き取り温度以下となるような、所定のライン速度での冷却量であってもよい。場合によっては、所定のライン速度は1800m/分であってもよいが、他の例ではそうである必要はない。臨界軟化温度は、金属基材が過熱し始め、平坦度の低下や水汚れなどの表面問題が起こりやすくなる温度である。さまざまな例において、臨界軟化温度は、金属基板の材料組成及び/または金属基板のゲージに依存し得る。
【0018】
図1は、様々な実施形態による、圧延機103の少なくとも1つのワークスタンド102と、冷却システム104とを含む金属加工システム100の例を例示する。
図1の例では、圧延機103は、冷間圧延機であるが、他の例では、圧延機103は、所望に応じて温間圧延機及び/または熱間圧延機であってもよい。単一のワークスタンド102が図示されているが、他の例では、圧延機103は、2つのワークスタンド102、3つのワークスタンド102、4つのワークスタンド102、または他の任意の所望数のワークスタンド102など、複数のワークスタンド102を含んでもよいことが理解されよう。ワークスタンド102は、垂直に整列した一対のワークロール108A~108Bを含む。
図1の例では、ワークスタンド102はまた、ワークロール108A~108Bを支持するバックアップロール106A~106Bを含む。他の例では、ワークスタンド102はまた、中間ロールを含み得る。ワークロール108A~108B間にロールギャップ105が画定され、アルミニウムまたはアルミニウム合金のシートなどの金属基材110は、パスラインに沿って加工方向(矢印107で表される)にロールギャップ105に通される。様々な例において、ワークスタンド102は、圧延機103の最終スタンドまたは出口スタンドであり、ワークスタンド102から出た金属基材110は、巻き取り機でコイル112として巻かれる前に、冷却システム104に送られる。
図1は、金属基材110が上巻き構成(over-wind configuration)でコイル112内に巻かれていることを示すが、他の例では、金属基材110が下巻き構成(under-wind configuration)で巻かれてもよいことが理解されるであろう(
図2を参照)。
【0019】
冷却システム104は、冷却ヘッダ114、排出システム118、温度センサ128、及びコントローラ130を含む。様々な例では、
図1に例示されるように、冷却システム104は、出口スタンド102と金属基材110のコイル112を形成する巻き取り機との間にあり得る。
【0020】
冷却ヘッダ114は、金属基材110がワークスタンド102を出た後、金属基材110の表面上に冷却剤116を選択的に分配してもよい。冷却剤116は、金属基材110から熱を除去するための様々な適切な物質であってよい。1つの非限定的な例として、冷却剤116は水または冷却ガスであってもよいが、他の適切な冷却剤が利用されてもよい。1つの非限定的な例では、冷却ヘッダ114は噴霧スプレーヘッダであってもよいが、他の様々な適切なタイプのヘッダが利用されてもよい。様々な例において、許容される冷却剤蒸発時間を最大化するために、冷却ヘッダ114は、圧延機103のワークスタンド102の下流であってその近くに配置され得る。様々な例において、冷却ヘッダ114は、金属基材110のパスラインの一方の側に配置される。
図1の例では、冷却ヘッダ114は金属基材110のパスラインの上に配置されているが、他の例では、冷却ヘッダ114は金属基材110のパスラインの下に配置されてもよい。様々な例において、冷却ヘッダ114は、コイル112とは反対側の金属基材110のパスライン側に配置される。例えば、
図1に例示される上巻き構成では、冷却ヘッダ114は金属基材110のパスラインの上に配置されているが、下巻き構成では、冷却ヘッダ114は金属基材110のパスラインの下に配置されてもよい(
図2参照)。様々な例において、冷却ヘッダ114をパスラインの一方の側(及び任意選択でコイル112の反対側)に配置することにより、金属基材110からの冷却剤の加熱及び除去にかかる時間を最大化し得る。他の例では、スプレーヘッダは、金属基材の両側に配置されてもよい。
【0021】
冷却ヘッダ114は、金属基材110の幅(または幅の一部)にわたって集合的に延在する1つまたは複数のノズルを任意選択で含んでもよい。ノズルは、冷却剤を微粒化液滴または超微細ミストとして分配するように構成され、冷却剤を微粒化液滴または超微細ミストとして分配するための様々な適切なタイプのノズルであってよい。いかなる理論にも束縛されるものではないが、微粒化液滴は、冷却剤の熱伝達効率(したがって冷却速度)を高め、金属基材110上により均一な冷却剤分布を提供し、冷却剤の沸点よりも高い温度を持つ材料が冷却剤に浸漬または接触したときに発生する場合があるライデンフロスト効果を低減させると考えられる。他の例では、微粒化液滴は、約1800m/分未満のライン速度での熱伝達を改善し得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、以下の例で説明するように、金属加工システム100は、ライデンフロスト効果を克服するために、冷却剤を分配するための様々な他の技法または方法を使用してもよい。そのような実施形態では、金属加工システム100及び/または冷却システム104は、冷却剤のライデンフロスト点を変更して(例えば、増加または減少させる)、これらの温度での、及び/または金属基板が第1の温度から第1の温度よりも低い第2の温度まで冷却される間の、ライデンフロスト効果を最小化または防止する、1つまたは複数の冷却機能を含む。いくつかの非限定的な例では、冷却機能はライデンフロスト点を約500℃に至るまで変更してもよいが、他の実施形態では、ライデンフロスト点は所望に応じて他の温度に制御されてもよい。このような冷却機能には、冷却剤液滴サイズを制御すること、冷却剤及び/または金属基材の電荷を提供すること、及び/または金属基材の所定の表面形状を提供することが含まれ得るが、これらに限定されない。特定の態様では、冷却機能は、金属基板が前述の温度にある間、及び/または第1の温度から第1の温度よりも低い第2の温度まで冷却される間、蒸気層の形成を低減させる、及び/または防止するように、ライデンフロスト点を変更し得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、冷却剤のライデンフロスト点を上昇させるように、1つまたは複数の冷却機能が制御され得る。このような実施形態では、ライデンフロスト点の上昇により、液体冷却剤が、より高温での核沸騰を通じて金属基材を急速に冷却し、好ましくない相変態が起こる時間窓を短縮することが可能になり得る。ライデンフロスト点の上昇により、所望の冷却速度を達成するために急冷に使用する液体の量を減らすことも可能になり得る。様々な実施形態において、所望の金属基材温度を得るために必要な冷却剤の総量を減らしながらも急冷効率を向上させるように、金属加工中に冷却機能(複数可)を選択的に制御してもよい。いくつかの態様では、冷却機能(複数可)を備えた冷却システム104は、従来の冷却システムと比較して、金属基材の急速冷却を促進し得る。冷却機能(複数可)は、金属基材上に分配される冷却剤の量を制御することによって、平坦度の低下、水汚れなどの金属基材の問題を最小限に抑え、及び/または防止し得る。さらに、このような方法は、液体冷却剤を金属基材表面の蒸気層の上に浮遊させるのではなく、確実に核沸騰を経由させることにより、冷却に対するライデンフロスト効果の有害な影響を緩和することができる。
【0024】
非限定的な一例では、金属加工システム100は、例えば約400~500μmなどからの、例えば約300μmなどの、例えば100μm以下などの小型化した大きさを有する冷却剤の液滴を形成し得る。金属加工システム100は、所望に応じて、冷却剤を空気と混合すること、超音波技法、小さな物理的穴を通して冷却剤を供給すること、回転ディスクを使用すること、振動を使用すること、それらの様々な組み合わせ、または他の技法もしくはシステムを含むがこれに限定されない様々な技法またはシステムを所望に応じて使用して、縮小サイズを有する液滴を形成し得る。
図7は、蒸気層の上に浮遊することなく、金属基材110の表面に到達することができる微粒化液滴701を有する金属基材110の例を例示する。場合によっては、微粒化液滴701の体積及び表面プロファイルが減少するため、より大量の水を支持することができる蒸気層を形成することができず、微粉化液滴701は金属基材110の表面を冷却することができる。
【0025】
別の非限定的な例では、金属加工システム100は、冷却剤を塗布するときに、非中性電荷を使用してもよい。このような例では、金属加工システム100は、冷却システム304を使用して金属基材110に冷却剤を塗布する前に、金属基材110の表面に電荷を誘導し得、金属基材110に塗布した冷却剤は、金属基材110の表面の電荷と反対の電荷を有し得る。
図8は、冷却機能が、冷却剤801の非中性電荷803と、金属基材110の表面の反対非中性電荷805とを含む場合の金属基材110の例を例示する。非限定的な一実施形態では、非中性電荷803は、冷却剤を静電誘導手段に通過させてから金属基材110に塗布することによって、冷却剤801内に誘導され得る。あるいは、冷却剤801は、冷却剤801全体にわたって実効電荷が存在する自然発生の極性流体であってもよい。非中性電荷805は、静電誘導、電界の印加、または金属基材110の表面境界に電荷を存在させておくことができる他の任意の方法または方法の組み合わせによって、金属基材110内に誘導され得る。場合によっては、電荷805は、金属基材110を冷却システム104に受け入れる前に誘発されてもよく、または冷却時に加えられてもよい。
図8では、冷却剤801の電荷803は負であり、金属基材110の表面の電荷805は正であるが、電荷プロファイルが逆にされた実施形態も存在する。これらの実施形態では、冷却剤電荷803と金属基材電荷805との間に形成される引力は、冷却剤801のライデンフロスト点を変更して、捕捉された蒸気層が形成される温度を変化させる。
【0026】
さらに別の非限定的な例では、金属加工システム100は、金属基材110の表面形状を利用して、冷却剤のライデンフロスト点を変更してもよい。このような例では、金属基材110の表面形状(例えば、粗さ、表面プロファイル、平坦度分布など)は、様々な技法を使用して、金属基材110に冷却剤を塗布する前に改質され得る。
図9は、冷却機能が金属基材110上の表面テクスチャ907を含む場合の金属基材110の例を例示する。この実施形態では、表面テクスチャ907は、金属基材110が冷却剤901のライデンフロスト点よりも上にあり、表面改質がない場合に形成され得る蒸気層を破壊するのに適し得る金属基材110の粗さプロファイルを提供する。金属基材110の表面は、梨地ロール、研磨の付与、または本開示によって限定されない他の手段を含むがこれらに限定されない様々な手段または技法を使用して、冷却前の任意の時点で改質されてもよい。改質は、冷却システム104の上流の時点で行われてもよい。これらの例では、ライデンフロスト効果を軽減するのに有用な表面特性または表面形状を変えることには、粗さ、微小なくぼみの分布、及び/またはその他の表面積を変える改質が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、表面形状を変更することで、冷却剤901が金属基材110と界面で接続する表面積を大きくすることにより、ライデンフロスト効果の影響を緩和し得る。場合によっては、表面プロファイルにより、下向きの表面張力が上向きの蒸気層の影響の一部を克服し、その結果、所望の核沸騰が生じ、したがって急冷が可能になる。
【0027】
前述の例は、例示の目的で提供されたものであり、他の実施形態では所望に応じて他の技法を使用してもよいため、限定するものとみなされるべきではない。さらに、冷却システム104は、金属基材110上に冷却剤を分配するために、必ずしも前述の技法のいずれかを使用する必要はない。
【0028】
以下で詳細に説明するように、冷却ヘッダ114の各ノズルは、所望の冷却プロファイルを提供するように、コントローラ130によって独立に制御され得る。
【0029】
図1及び
図2を再び参照すると、排出システム118は、冷却ヘッダ114の下流に配置されている。いくつかの任意選択の例では、排出システム118は、所定のライン速度での所望の冷却速度及び/または冷却持続時間に対応する、冷却ヘッダ114から下流側への所定の距離のところにある。他の例では、排出システム118は、所望に応じて、冷却ヘッダ114に対して様々な距離に配置され得る。
【0030】
排出システム118は、金属基材110のパスラインの下に配置された除去装置120を含む。場合によっては、除去装置120は、冷却ヘッダ114と同じパスラインの側にあるが、他の例ではそうである必要はない。
図1の例では、除去装置120と冷却ヘッダ114とは、パスラインを挟んで対向する側に配置される。除去装置120は、金属基材110によって加熱された後の冷却剤を収集するか、または別の方法で回収する吸引力または真空力(矢印124で表される)を選択的に生成し得る様々な適切な装置であってもよい。非限定的な一例では、除去装置120は、真空ノズル及び/または真空システムであってもよい。特定の実施形態では、除去装置120は、少なくとも3500CFMの真空、例えば4000CFMなどの真空であってもよいが、他の実施形態では、真空システムを流れる空気は所望に応じて他の流量であってもよい。いくつかの非限定的な例では、真空は、金属基材110をさらに冷却しやすくし得る。他の場合には、他の適切な除去装置120が利用されてもよい。非限定的な一例では、冷却剤は水であり、除去装置120は、加熱された冷却剤を蒸気の形態で除去するように構成される。除去装置120は、加熱された冷却剤を金属基材110の幅(または幅の一部)にわたって除去し得るように、金属基材110の幅(または幅の一部)にわたって延在するような寸法であってもよい。
【0031】
排出システム118は、任意選択で、除去装置122を含む。様々な場合において、除去装置122は、金属基材110のパスラインの上にあり得る。様々な態様において、除去装置122は、金属上に存在し得るあらゆる残留冷却剤を除去するために、上面に近接している。任意選択で、上面の冷却剤が金属エッジに回り込んで底面を濡らすのを防ぐために、1つまたは複数のエッジ除去装置(送風機または他の適切な装置など)を底面に設けてもよい。除去装置120と比較して、除去装置122は、少なくとも冷却剤を金属基材110から離し、任意選択で除去装置120に向けて導く、冷却剤に対する方向付ける力または誘導する力(矢印126で表される)を選択的に生成し得る任意の適切な装置であってよい。非限定的な一例では、除去装置122はエアムーバーまたは送風機であるが、他の適切な除去装置を利用してもよい。場合によっては、除去装置122は除去装置と垂直に位置合わせされてもよいが、他の例ではそうである必要はない。
【0032】
図1に例示するように、温度センサ128は、冷却ヘッダ114の下流にあってもよい。温度センサ128は、加工中に金属基材110の幅にわたる金属基材110の温度プロファイルを検出するように適合される。温度センサ128は、所望に応じて金属基材110のパスラインのいずれかの側に配置され得る。複数の温度センサ128が使用される場合、それらは金属基材110のパスラインの同じ側または反対側に配置され得る。
【0033】
コントローラ130は、温度センサ128に通信可能に結合され、温度センサ128から金属基材110の検出された温度プロファイルを受信する。コントローラ130は、冷却ヘッダ114にも通信可能に接続される。様々な例において、コントローラ130は、検出された温度プロファイルに基づいて、及び/または冷却ヘッダ114が冷却プロファイルに従って冷却剤を分配するように、冷却ヘッダ114を制御し得る。場合によっては、コントローラ130は、温度センサ128から検出された温度プロファイルを所定の温度プロファイルと比較することによって、冷却プロファイルを決定し得る。任意選択で、所定の温度プロファイルは、金属基材110の臨界軟化温度及び/または金属基材の所望の巻き取り温度であってもよいが、他の例ではそうである必要はない。様々な例において、冷却プロファイルは、冷却剤が所定のライン速度で提供する冷却速度または冷却量に対応し得る。様々な態様において、所定のライン速度は、典型的なライン速度と比較して増加したライン速度である。いくつかの非限定的な例では、典型的なライン速度は約1550m/分以下であり、増加したライン速度は、約1800m/分など、約1550m/分を超えるライン速度であり得る。他の例では、所定のライン速度は、約1800m/分未満、または約1800m/分より大きくてもよい。様々な態様において、冷却プロファイルは、1つまたは複数のノズルからの冷却剤のスプレーパターンのうちの1つまたは複数を個別に制御すること、金属基材110の幅にわたって分配される冷却剤のスプレーパターンを制御すること、1つまたは複数のノズルからの冷却剤の流量を制御すること、1つまたは複数のノズルから冷却剤が分配される持続時間を制御すること、1つ以上のノズルのうちのいくつがアクティブ化または作動化されるかを制御すること、あるいは所望に応じた他の適切な特性または制御を制御することによって、制御され得る。したがって、冷却プロファイルに従って冷却剤が分配されるように冷却ヘッダ114を制御することは、冷却ヘッダ114の1つまたは複数のノズル内の空気圧を制御すること、冷却ヘッダ114の1つまたは複数のノズルの冷却剤(または水)圧力を制御すること、冷却ヘッダ114の1つ以上のノズルからの冷却剤の流量を制御すること、冷却剤が分配される持続時間を制御すること、1つ以上のノズルのスプレーパターンを個別に制御すること、金属基材110の幅にわたるスプレーパターンを制御すること、1つまたは複数のノズルのうちのいくつがアクティブ化または作動化されるかを制御すること、または他の様々な適切な制御のうちの1つまたは複数を含み得る。非限定的な一例では、冷却ヘッダ114は、冷却剤の流量が少なくとも50リットル/分、例えば55リットル/分などになるように制御され得るが、他の例では、流量は所望に応じて調整され得る。いくつかの任意選択の例では、冷却ヘッダを利用して、形状ロールから入力された平坦度に基づいて、タイトエッジの問題を修正してもよい。
【0034】
図2は、様々な実施形態による、圧延機103及び冷却システム204を備えた金属加工システム200を例示する。金属加工システム100と比較すると、金属基材110は下巻き構成で巻かれる。
【0035】
冷却システム204は、金属基材110のパスラインの下であって、パスラインの除去装置120と同じ側に冷却ヘッダ114を含むことを除いて、冷却システム204と実質的に同様である。冷却システム104と比較すると、冷却システム204はまた、温度センサ128と実質的に同様であるが、冷却ヘッダ114の上流にある温度センサ232も含む。様々な場合において、コントローラ130は、温度センサ232に通信可能に結合され得、温度センサ232から検出された温度プロファイルに少なくとも部分的に基づいて冷却ヘッダ114を制御し得る。非限定的な一例として、温度センサ232は、金属基材110がワークスタンド102を出た後、冷却システム204で冷却される前に、金属基材110の幅にわたる温度プロファイルを検出し得る。この例では、コントローラ130は、温度センサ232からの検出温度プロファイルを温度センサ128からの検出温度プロファイルと比較して、冷却ヘッダ114からの冷却剤が提供する実際の冷却速度を求めてもよい。場合によっては、コントローラ130は、実際の冷却速度と所望の冷却速度との差に基づいて(例えば、金属基材が所望の温度プロファイルを有するように)冷却ヘッダ114を制御し得る。
【0036】
図3及び
図4は、様々な実施形態による、圧延機303及び冷却システム304を備えた金属加工システム300を例示する。圧延機303は、圧延機103と実質的に同様であり、ワークロール308A~308B及び中間ロール306A~306Bを有する少なくとも1つのワークスタンド302を含む。
図3に最も良く例示されているように、ワークスタンド302は、冷却剤が金属基材310に接触することを制限または防止するために、中間ロール306A~306B上に向けられ得るあらゆる冷却剤を回収し得る冷却剤格納ボックス340を含む。金属加工システム200と同様に、金属加工システム300によって加工された金属基材310は、下巻き構成で巻かれて、金属基材310のコイル312を形成する。
【0037】
冷却システム304は、冷却システム204と実質的に同様であり、冷却ヘッダ314と、除去装置320及び除去装置322を備えた排出システム318と、冷却ヘッダ314の下流にある温度センサ328とを含む。三角形334によって表されるように、温度センサ328は、金属基材310の幅にわたる金属基材310の温度プロファイルを検出し得る。
図3及び
図4には例示されていないが、冷却システム304はまた、冷却ヘッダ314及び温度センサ328と通信可能に結合されたコントローラも含む。冷却システム204と比較して、冷却システム304は、冷却ヘッダ314の上流に温度センサを含まない。
【0038】
図4に最も良く例示されているように、冷却ヘッダ314は、複数のノズル336を含み得、冷却ヘッダ314は、金属基材310の幅にわたって延在する寸法である。ノズル336の数、種類、及び配置は、限定されるものと考えるべきではない。様々な態様において、冷却システム304のコントローラは、冷却ヘッダ314が所望の冷却プロファイルを提供するように、各ノズル336を独立に制御し得る。他の例では、冷却システム304のコントローラは、少なくとも1つのノズル336を別のノズル336と連動して制御し得る。
【0039】
図3及び
図4を参照すると、排出システム318の除去装置320は真空ノズルであり、排出システム318の除去装置322は送風機である。
図4に最も良く例示されているように、除去装置322は、金属基材310の幅にわたって延在する寸法である。
【0040】
いくつかの任意選択の例では、冷却システム304は、排出システム318及び冷却ヘッダ314と流体連通する再循環システム338を含む。これらの例では、排出システム318によって回収された冷却剤は、再循環システム338によるその後の冷却のために処理され、または別の方法で調製されてもよく、再循環システム338は、処理された冷却剤を冷却ヘッダ314に戻して再循環させてもよい。
【0041】
図5及び
図6は、様々な実施形態による、圧延機303及び冷却システム504を備えた金属加工システム500を例示する。冷却システム504は、冷却システム304と実質的に同様であり、冷却ヘッダ514と、除去装置520を備えた排出システム518と、冷却ヘッダ514の下流にある温度センサ328とを含む。冷却システム304と同様に、冷却システム504は、冷却ヘッダ514及び温度センサ328と通信可能に結合されたコントローラを含み得る。
【0042】
冷却ヘッダ314と同様に、冷却ヘッダ514は、複数のノズル536を含み得、冷却ヘッダ514は、金属基材310の幅にわたって延在する寸法である。ノズル536の数、種類、及び配置は、限定されるものと考えるべきではない。いくつかの態様では、ノズル536は、ノズル336と比較して異なるスタイル及び/またはタイプであってもよいが、他の実施形態ではそうである必要はない。冷却システム304と同様に、冷却システム504のコントローラは、ノズル536を互いに独立に制御することも含めて、所望に応じて制御し得、またはノズル536を連動して制御し得る。
【0043】
冷却システム304と比較して、冷却ヘッダ514と除去装置520との間の距離は、減少し、及び/または最小化される。除去装置320と同様に、除去装置520は、任意選択的に、金属基材310の幅にわたって延在し得る真空ノズルである。装置320の開口部が真上を向いている除去装置320と比較して、除去装置520は、金属基材310の移動方向に細長く、任意選択で冷却ヘッダ514に近接して、蒸気の形態であり得る冷却剤の回収を増加させる収容部521を含む。特定の態様では、冷却システム504は、金属基材310のエッジでの冷却を回避及び/または最小化して、ストリップの破断につながり得るタイトエッジが金属基材310内に形成される可能性を最小化、または低減させ得る。
【0044】
冷却システムを用いて金属基材の温度を制御する方法もまた、提供される。冷却システム104を参照するが、以下の説明は、本明細書に記載の冷却システムのいずれにも適用可能であり、さらには本開示の趣旨の範囲内の他の冷却システムにも適用できることが理解されるであろう。
【0045】
様々な例において、金属基材110の温度を制御する方法は、金属基材110を所定のライン速度で移動させて、金属基材110を冷却システム204で受け取ることを含む。いくつかの任意選択の例では、所定のライン速度は、約1800m/分であってもよいが、他の例ではそうである必要はない。この方法は、金属基材110の幅にわたって金属基材110の温度プロファイルを検出することを含んでもよい。様々な例において、この方法は、検出された温度プロファイルを所定のまたは所望の温度プロファイルと比較することを含み得る。様々な例において、所定の所望の温度プロファイルは、金属基材110の臨界軟化温度及び/または金属基材の所望の巻き取り温度以下の温度プロファイルであるが、他の例ではそうである必要はない。
【0046】
特定の態様では、この方法は、検出された温度プロファイルと所定のまたは所望の温度プロファイルとの差に基づいて、冷却ヘッダ114の冷却プロファイルを決定することを含み得る。この方法は、冷却ヘッダ114が冷却プロファイルに従って冷却剤を提供するように、かつ冷却剤が金属基材110を冷却して所定のライン速度で所定のまたは所望の温度プロファイルを有するように、冷却ヘッダ114を制御することを含んでもよい。場合によっては、冷却ヘッダ114を制御することは、1つまたは複数のノズルからの冷却剤のスプレーパターンのうちの1つまたは複数を個別に制御すること、金属基材110の幅にわたって分配される冷却剤のスプレーパターンを制御すること、1つまたは複数のノズルからの冷却剤の流量を制御すること、1つまたは複数のノズルから冷却剤が分配される持続時間を制御すること、1つ以上のノズルのうちのいくつが作動化されるかを制御すること、あるいは所望に応じた他の適切な特性または制御を制御することを含み得る。
【0047】
本明細書に記載された概念による、様々な例示的な実施形態のさらなる説明を提供する「例示」として明示的に列挙された少なくともいくつかを含む、例示的な実施形態の集合体が以下に提供される。これらの例示は、相互に排他的、網羅的、または限定的であることを意図するものではなく、本開示は、これらの例の例示に限定されるのではなく、むしろ発行された特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内の全ての実現可能な修正形態及び変形形態を包含する。
【0048】
例示1.金属加工システム用の冷却システムであって、金属基材上に冷却剤を選択的に分配するように構成された冷却ヘッダと、前記冷却ヘッダの下流にある排出システムであって、前記排出システムが、前記冷却ヘッダによって分配された冷却剤を除去するように構成された除去装置を含む、前記排出システムと、前記冷却ヘッダの下流にある温度センサであって、前記温度センサが、前記金属基材の幅にわたって前記金属基材の温度プロファイルを検出するように構成される、前記温度センサと、前記冷却ヘッダ及び前記温度センサに通信可能に結合されたコントローラであって、前記コントローラが、少なくとも検出された温度プロファイルに基づいて前記冷却ヘッダを制御するように構成される、前記コントローラと、を含む、前記冷却システム。
【0049】
例示1a.前記冷却ヘッダは、噴霧スプレーヘッダである、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0050】
例示2.前記冷却ヘッダと、前記排出システムの前記除去装置とは、前記冷却システムを通る金属基材のパスラインに対して配置され、前記冷却ヘッダと、前記排出システムの前記除去装置とは、前記パスラインを挟んで対向する側にある、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0051】
例示3.前記冷却ヘッダと、前記排出システムの前記除去装置とは、前記冷却システムを通る金属基材のパスラインに対して配置され、前記冷却ヘッダと、前記排出システムの前記除去装置とは、前記パスラインの同じ側にある、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0052】
例示4.前記冷却ヘッダと、前記排出システムの前記除去装置とが、前記パスラインの下にある、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0053】
例示5.前記排出システムの前記除去装置が、真空力を生成するように構成されている、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0054】
例示6.前記排出システムの前記除去装置は、第1の除去装置であり、前記排出システムは、前記冷却ヘッダの下流に第2の除去装置をさらに備える、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0055】
例示7.前記第1の除去装置は真空装置であり、前記第2の除去装置は送風機である、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0056】
例示8.前記冷却ヘッダ、前記第1の除去装置、及び前記第2の除去装置が、前記冷却システムを通る金属基材のパスラインに対して配置され、前記冷却ヘッダ及び前記第1の除去装置が、前記パスラインの第1の側にあり、前記第2の除去装置が、前記パスラインの前記第1の側とは反対側の第2の側にある、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0057】
例示9.前記冷却ヘッダ及び前記第1の除去装置が前記パスラインの下にあり、前記第2の除去装置が前記パスラインの上にある、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0058】
例示10.前記第2の除去装置が、前記第1の除去装置と垂直に位置合わせされる、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0059】
例示11.前記冷却ヘッダが複数のノズルを備え、前記複数のノズルの各ノズルが、前記コントローラによって独立に制御される、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0060】
例示12.前記温度センサが第1の温度センサであり、前記冷却システムが、前記冷却ヘッダの上流に第2の温度センサをさらに備える、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0061】
例示13.前記金属基材の幅にわたる前記金属基材の平坦度プロファイルを検出するように構成された平坦度センサをさらに備え、前記コントローラは、前記平坦度センサに通信可能に結合され、少なくとも検出された平坦度プロファイルに基づいて、前記冷却ヘッダを制御するように構成される、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0062】
例示14.前記コントローラは、さらに、金属基材の所望の出口温度プロファイルを決定することと、前記温度センサから前記検出された温度プロファイルを受信することと、前記所望の出口温度プロファイル及び前記検出された温度プロファイルに基づいて、所定のライン速度での前記冷却剤の冷却プロファイルを決定することと、前記冷却ヘッダが前記冷却プロファイルに従って前記冷却剤を分配するように前記冷却ヘッダを制御することと、を行うように構成される、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0063】
例示15.前記所望の出口温度プロファイルが、前記金属基材の巻き取り温度である、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0064】
例示16.前記冷却ヘッダを制御することは、前記金属基材の前記幅にわたるスプレーパターン、または前記冷却ヘッダからの前記冷却剤の流量のうちの少なくとも1つを制御することを含む、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0065】
例示17.前記所望の出口温度プロファイルは、あらかじめ決められている、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0066】
例示18.前記コントローラが、前記金属基材の材料組成に少なくとも部分的に基づいて、前記所望の出口温度プロファイルを決定するように構成される、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0067】
例示19.前記所定のライン速度は、約1800m/分である、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システム。
【0068】
例示20.圧延機の出口スタンドと、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システムとを備える、金属加工システムであって、前記冷却システムが前記出口スタンドの下流にある、前記金属加工システム。
【0069】
例示21.前記冷却ヘッダが、前記出口スタンドに近接して配置される、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の金属加工システム。
【0070】
例示22.前記排出システムが、前記冷却ヘッダから下流側へ所定の距離にあり、前記所定の距離が、前記出口スタンドから出る前記金属基材の所定のライン速度での前記金属基材の所望の冷却速度に基づいている、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の金属加工システム。
【0071】
例示23.前記コントローラは、さらに、コイル状に巻かれる前に金属基材の所望の出口温度プロファイルを決定することと、前記温度センサから前記検出された温度プロファイルを受信することと、前記所望の出口温度プロファイル及び前記検出された温度プロファイルに基づいて、所定のライン速度での前記冷却剤の冷却プロファイルを決定することと、前記冷却ヘッダが前記冷却プロファイルに従って前記冷却剤を分配するように前記冷却ヘッダを制御することと、を行うように構成される、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の金属加工システム。
【0072】
例示24.前記所定のライン速度は、約1800m/分である、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の金属加工システム。
【0073】
例示25.前記圧延機が冷間圧延機である、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の金属加工システム。
【0074】
例示26.いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷却システムを使用して金属基材を冷却する方法であって、前記温度センサから前記検出された温度プロファイルを受信することと、コイル状に巻かれる前の前記金属基材の所望の出口温度プロファイルと、前記検出された温度プロファイルとに基づいて、所定のライン速度での前記冷却剤の冷却プロファイルを決定することと、前記冷却ヘッダが前記冷却プロファイルに従って前記冷却剤を分配するように、前記冷却ヘッダを制御することと、を含む、前記方法。
【0075】
例示27.冷間圧延機であって、出口スタンドと、前記出口スタンドの下流にある冷却システムであって、前記冷却システムが、前記出口スタンドから出る金属基材上に冷却剤を選択的に分配するように構成された冷却ヘッダを含む、前記冷却システムと、を備える、前記冷間圧延機。
【0076】
例示28.巻き取りコイラをさらに備え、前記冷却システムが前記出口スタンドと前記巻き取りコイラとの間にある、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷間圧延機。
【0077】
例示29.前記冷却ヘッダの下流に排出システムをさらに備え、前記排出システムが、前記冷却ヘッダによって分配された冷却剤を除去するように構成された除去装置を含む、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷間圧延機。
【0078】
例示30.前記冷却ヘッダの下流にある温度センサであって、前記温度センサが、前記金属基材の幅にわたって前記金属基材の温度プロファイルを検出するように構成される、前記温度センサと、前記冷却ヘッダ及び前記温度センサに通信可能に結合されたコントローラであって、前記コントローラが、少なくとも検出された温度プロファイルに基づいて前記冷却ヘッダを制御するように構成される、前記コントローラと、をさらに備える、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷間圧延機。
【0079】
例示31.冷間圧延機であって、出口スタンドと、前記出口スタンドの下流にある冷却システムであって、前記冷却システムが、複数のノズルを備える冷却ヘッダを備え、前記複数のノズルの各ノズルが、前記出口スタンドから出る金属基材上に冷却剤を選択的に分配するように構成される、前記冷却システムと、前記冷却ヘッダと通信可能に結合され、前記複数のノズルの各ノズルを個別に制御するように構成されるコントローラと、を備える、前記冷間圧延機。
【0080】
例示32.前記金属基材の幅にわたる温度プロファイルを検出するように構成された温度センサをさらに備え、前記コントローラは、前記温度センサと通信可能に結合され、前記温度センサから検出された温度プロファイルに基づいて、前記複数のノズルの各ノズルを制御するように構成される、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の冷間圧延機。
【0081】
例示33.冷却システムを用いて金属基材を冷却する方法であって、第1の温度で金属基材を受け取ることと、少なくとも1つのノズルを通して冷却剤を導くことによって、前記金属基材の表面に冷却剤を塗布することであって、前記少なくとも1つのノズルが、前記冷却剤を微粒化液滴として導くように構成されている、前記塗布することと、前記冷却剤のライデンフロスト点を変更するために、前記冷却剤が前記少なくとも1つのノズルを通して導かれるときに、前記冷却剤の液滴サイズを制御することと、を含む、前記方法。
【0082】
例示34.前記金属基材がアルミニウム合金を含む、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0083】
例示35.前記第1の温度が590℃である、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0084】
例示36.前記少なくとも1つのノズルは、少なくとも1つの円錐形ノズルである、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0085】
例示37.前記冷却剤は水を含む、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0086】
例示38.前記第1の温度で前記金属基材を受け取ることが、金属加工設備の一部分から前記金属基材を受け取ることを含む、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0087】
例示38.前記金属加工設備の一部分が圧延機のワークスタンドを備え、前記圧延機が、熱間圧延機、冷間圧延機、または温間圧延機のうちの少なくとも1つを備える、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0088】
例示39.前記金属基材の前記表面が上面であり、前記少なくとも1つのノズルが、少なくとも2つのノズルを備え、前記少なくとも2つのノズルのうちの第1のノズルが、前記急冷システムを通る前記金属基材のパスラインの上に配置され、前記少なくとも2つのノズルのうちの第2のノズルが、前記金属基材の前記パスラインの下に配置され、前記冷却剤を塗布することが、前記第1のノズルで前記冷却剤を前記金属基材の前記上面に導くことと、前記第2のノズルで前記金属基材の下面に冷却剤を導くこととを含む、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0089】
例示40.前記冷却機能が、前記少なくとも1つのノズルを通る冷却剤の流量を含み、前記冷却剤の流量が55リットル/分を含む、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0090】
例示41.前記冷却剤が、水、油、空気、帯電溶液、及び/または他の適切な液体冷却剤からなる群から選択される、いずれかの先行または後続の例示または例示の組み合わせに記載の方法。
【0091】
例示41.前記冷却剤を塗布することが、前記金属基材の前記温度が、少なくとも100℃/秒の速度で低下するように、任意選択で少なくとも500℃/秒の速度で低下するように、前記冷却剤を塗布することを含む、水、油、空気、帯電溶液、及び/または他の適切な液体冷却剤の方法。
【0092】
例示42.前記少なくとも1つのノズルが少なくとも1つの可動ノズルを含む、100℃/秒の方法。
【0093】
例示43.前記少なくとも1つの可動ノズルを、前記第1の温度にある前記金属基材の第2の表面に移動させることをさらに含む、100℃/秒の方法。
【0094】
例示44.急冷システムを用いて金属基材を急冷する方法であって、第1の温度で金属基材を受け取ることと、前記金属基材の表面に非中性電荷を誘導することと、少なくとも1つのノズルを通して冷却剤を導くことによって前記冷却剤を前記金属基材の前記表面に塗布することであって、前記冷却剤が、前記冷却剤のライデンフロスト点を変更するために前期金属基材の前記表面に誘導される前記電荷に対して相補的な電荷を含む、前記塗布することと、を含む、前記方法。
【0095】
例示45.急冷システムを用いて金属基材を急冷する方法であって、第1の温度で金属基材を受け取ることと、表面形状が冷却剤のライデンフロスト点を変更するように前記金属基材の前記表面を改質することと、少なくとも1つのノズルを通して前記金属基材の前記改質された表面に向けて前記冷却剤を導くことによって、前記金属基材の前記表面に前記冷却剤を塗布することと、を含む、前記方法。
【0096】
上述の態様は、実施態様の可能な例に過ぎず、単に、本開示の原理の明確な理解のために記載されている。本開示の主旨及び原理から実質的に逸脱することなく、上述の実施形態(複数可)に多くの変形及び修正を加えることができる。そのような全ての修正及び変形は、本開示の範囲内で本明細書に含まれることが意図され、要素またはステップの個々の態様または組み合わせに対する全ての考えられる請求項は、本開示によって立証されることが意図される。さらに、特定の用語が本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、説明された実施形態または以下の特許請求の範囲を限定する目的ではない。
【国際調査報告】