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特表2024-540748スイープ動作及びパワータッピング動作の同期及び非同期
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-01
(54)【発明の名称】スイープ動作及びパワータッピング動作の同期及び非同期
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/34 20060101AFI20241025BHJP
【FI】
A61C17/34 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529152
(86)(22)【出願日】2022-11-08
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 EP2022081052
(87)【国際公開番号】W WO2023088721
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/281,655
(32)【優先日】2021-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】アドリアンセン グイド アントニウス テオドルス
(72)【発明者】
【氏名】デングラー エヴァン ダク ワ
(72)【発明者】
【氏名】ブランダオ シルヴァ プリシラ
(72)【発明者】
【氏名】イ スンス
(72)【発明者】
【氏名】ミラー ケヴィン アーノルド
(72)【発明者】
【氏名】ウイリアムズ ケリー カリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト ルツ クリスチャン
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA07
3B202AB15
3B202BC07
3B202BC08
3B202BD03
3B202BE10
(57)【要約】
本体部分と、位置合わせ軸に延びる、清掃要素のセットを有する、清掃ユニットと、コントローラと、コントローラによって駆動されるように配置されたアクチュエータアセンブリとを備えるパーソナルケア装置が提供される。アクチュエータアセンブリは、第1の周期的な運動及び第2の周期的な運動を発生させるように構成されたアクチュエータを含み、第1の周期的な運動及び第2の周期的な運動は、異なる周波数で又は互いと位相を異にして動作する。第1の周期的な運動は、パーソナルケア装置の中心軸の周りに、又は、清掃ユニットのプラテンに対して接線方向にある線に沿って、第1の方向に清掃要素を動かす。第2の周期的な運動は、第1の方向とは異なる第2の方向に清掃要素を動かし、第2の方向は、清掃ユニットのプラテンに対して直角である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部分と、
清掃要素のセットを有する清掃ユニットと、
前記本体部分内に配置されたコントローラと、
前記コントローラによって駆動されるように配置されたアクチュエータアセンブリであって、前記清掃ユニットの第1の周期的な運動及び第2の周期的な運動を発生させるアクチュエータを含み、前記第1の周期的な運動及び前記第2の周期的な運動は、異なる周波数で又は互いと位相を異にして動作する、アクチュエータアセンブリと、
を備える、パーソナルケア装置。
【請求項2】
前記第1の周期的な運動は、前記清掃要素のセットのうちの少なくとも1つの清掃要素が、前記パーソナルケア装置の中心軸の周りに、又は、前記清掃ユニットのプラテンに対して接線方向にある線に沿って、第1の方向に動くように、前記清掃ユニットに伝達され、
前記第2の周期的な運動は、前記清掃要素のセットのうちの少なくとも1つの清掃要素が、前記第1の方向とは異なる第2の方向に動くように、前記清掃ユニットに伝達され、前記第2の方向は、前記清掃ユニットの前記プラテンに対して直角である、請求項1に記載のパーソナルケア装置。
【請求項3】
前記清掃要素のセットは、第1の周波数で前記第1の周期的な運動に従って動き、前記清掃要素のセットは、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数で前記第2の周期的な運動に従って動く、請求項2に記載のパーソナルケア装置。
【請求項4】
前記第1の周波数は、前記第2の周波数よりも低い又は高い、請求項3に記載のパーソナルケア装置。
【請求項5】
前記第2の周波数は、前記第2の周波数よりもおよそ3倍低い、請求項3に記載のパーソナルケア装置。
【請求項6】
前記第2の周波数は、前記第1の周波数よりもおよそ2倍高い、請求項3に記載のパーソナルケア装置。
【請求項7】
前記第1の周期的な運動及び前記第2の周期的な運動は、およそ90度又は270度互いから位相シフトされる、請求項1に記載のパーソナルケア装置。
【請求項8】
前記第1の周期的な運動及び前記第2の周期的な運動は、およそ180度互いから位相シフトされる、請求項1に記載のパーソナルケア装置。
【請求項9】
本体部分と、
清掃要素のセットを有する清掃ユニットと、
前記清掃ユニットを駆動する作動アセンブリとを備えるパーソナルケア装置であって、
前記作動アセンブリは、前記本体部分内に配置され、
前記作動アセンブリは、
前記パーソナルケア装置の中心軸の周りに、又は、前記清掃ユニットのプラテンに対して接線方向にある線に沿って、第1の方向に前記清掃要素のセットのうちの少なくとも1つの清掃要素が動くように、前記清掃要素のセットを第1の周期的な運動で周期的に動かす、ドライブトレインと、
前記第1の方向とは異なる第2の方向に、前記清掃要素のセットのうちの少なくとも1つの清掃要素が動くように、前記清掃要素のセットを第2の周期的な運動で動かす、動作発生器であって、前記第2の方向は、前記清掃ユニットの前記プラテンに対して直角である、動作発生器と、
を含む、パーソナルケア装置。
【請求項10】
前記第2の方向は、前記清掃要素の位置合わせ軸に対して平行である、請求項9に記載のパーソナルケア装置。
【請求項11】
前記第1の周期的な運動及び前記第2の周期的な運動は、およそ90度、およそ180度、又はおよそ270度互いから位相シフトされる、請求項9に記載のパーソナルケア装置。
【請求項12】
前記動作発生器は、
前記ドライブトレインと結合された動作変換要素と、
前記ドライブトレインを動かすことによって作動されるタッピングプレートであって、前記第2の周期的な運動で前記清掃要素のセットを動かす、タッピングプレートと、
を含む、請求項9に記載のパーソナルケア装置。
【請求項13】
前記ドライブトレインは、第1のアクチュエータを含み、前記動作発生器は、前記第2の周期的な運動で前記清掃要素のセットを動かす第2のアクチュエータを含む、請求項9に記載のパーソナルケア装置。
【請求項14】
前記パーソナルケア装置は、
前記作動アセンブリを制御するコントローラをさらに備え、前記コントローラは、
前記第1のアクチュエータから入力信号を受信し、
前記第1のアクチュエータからの受信した前記入力信号に基づいて前記第2のアクチュエータを制御する、請求項13に記載のパーソナルケア装置。
【請求項15】
前記コントローラは、受信した前記入力信号に基づいて前記第1の周期的な運動に対して前記第2の周期的な運動の周波数差及び位相差を発生させる、請求項14に記載のパーソナルケア装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は一般に、高性能清掃成果を達成するために制御可能なスイープ動作及びパワータッピング動作を同期及び非同期するパーソナルケア装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 現在最新の電動パーソナルケア装置は、清掃要素プラテンの中心軸の周りでの回転動作を用いている。この動作は、スイープ動作として知られる。最新の電動パーソナルケア装置の簡単化された概略図を図1に示す。図1に示すように、電動装置10が、ハンドル12と、清掃ユニット14又はブラシヘッドとを有する。清掃要素16又は剛毛が清掃ユニット14から延びて示されている。使用時、清掃ユニット14は、ハンドル12内に収容された駆動システムによって駆動される。清掃要素は典型的に、スイープ動作SMにおいて、中心軸Aの周りに駆動システムによって回転される。スイープ動作は典型的に、直線的、回転的、又は直線的及び回転的の両方の組み合わせである運動として具現され、その運動は、剛毛が向いている方向に対して接線方向にある。
【0003】
[0003] あいにく、スイープ動作だけを用いる歯ブラシ装置は、口内のすべての対象領域(例えば、隣接歯間領域、歯肉線領域、切歯面、臼歯面、及び歯の表面領域全体)について最適化されているわけではない。すべての対象領域において適正な清掃性能を達成することは、歯ブラシ設計、歯ブラシの動き、及びユーザによる取り扱いを含め、多くの要素に依存する。製造業者が歯ブラシ設計又はデザインを調整することができるが、種々の領域についての必要条件に不一致があることにより、すべての対象領域において最適に機能する歯ブラシを設計することは挑戦的なことである。したがって、歯ブラシは、特定の関心領域において最適ではない性能を受ける可能性がある。消費者は、すべての対象領域において最良の清掃を達成するために種々のタイプの歯ブラシを理想的に使用することができるが、毎日の口腔ケアルーチンに歯ブラシ装置を1つだけしか用いない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004] したがって、当該技術分野において、ステイン及び/又は歯垢の除去並びに歯肉の健康目的を達成する、改善された電動パーソナルケア装置及びシステムが必要とされている。当該技術分野において、ユーザによる取り扱いへの依存性が低いながらも、口の特定の領域又はすべての対象領域を対象とするために種々のドライブトレイン動作を同期及び/又は非同期する、改善されたパーソナルケア装置及びシステムもまた必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] 本開示は一般に、電動歯ブラシ又はシェーバなどの、本発明の電気又は電動パーソナルケア装置、及び、電気又は電動パーソナルケア装置を使用して高性能清掃成果をもたらす方法に関する。本発明のシステムは、スイープ動作と組み合わせたパワータッピング動作を正確且つ制御可能に発生させることによって、ステイン及び/又は歯垢の除去並びに歯肉の健康目的の向上を達成する。本明細書における様々な実施形態及び実施態様は、清掃要素、例えば剛毛のセットを有する清掃ユニットと、様々なドライブトレインアセンブリのうちの1つとを備える改善されたシステムに関する。改善されたドライブトレインアセンブリは、(i)装置の中心軸の周りに、又は、清掃ユニットプラテンに対して接線方向にある線に沿って、第1の方向に清掃要素が動くように、第1の周期的な運動を発生させ、及び(ii)清掃ユニットプラテンに対して直角又は垂直である第2の方向に、清掃要素が動くように、第2の周期的な運動を発生させる。第1の周期的な運動がパーソナルケア装置の回転中心軸の周りに清掃要素を回転させることを伴う実施形態では、第2の方向は、第1の周期的な運動の回転中心軸に対して垂直である。本出願人は、電気又は電動パーソナルケア装置が、清掃要素の位置合わせ軸に対して垂直である第1の方向に清掃要素を制御可能に動かすこと(すなわち、スイープ動作)、及び、清掃要素の位置合わせ軸に対して平行である第2の方向に清掃要素を制御可能に駆動すること(すなわち、タッピング動作)によって、著しく改善されることができ、運動が、臨界振幅及び臨界周波数の特定の範囲内にあり、スイープ動作及びタッピング動作が、異なる周波数で及び/又は互いと位相を異にして動作されることを認識及び理解している。
【0006】
[0006] 1つの態様では、パーソナルケア装置が提供される。パーソナルケア装置は、本体部分と、清掃要素のセットを有する清掃ユニットと、本体部分内に配置されたコントローラと、コントローラによって駆動されるように配置されたアクチュエータアセンブリであって、清掃ユニットの第1の周期的な運動及び第2の周期的な運動を発生させるように構成されたアクチュエータを含み、第1の周期的な運動及び第2の周期的な運動は、異なる周波数で又は互いと位相を異にして動作する、アクチュエータアセンブリとを備える。
【0007】
[0007] 一実施形態によれば、第1の周期的な運動は、清掃要素のセットのうちの少なくとも1つの清掃要素が、パーソナルケア装置の中心軸の周りに、又は、清掃ユニットのプラテンに対して接線方向にある線に沿って、第1の方向に動くように、清掃ユニットに伝達され、第2の周期的な運動は、清掃要素のセットのうちの少なくとも1つの清掃要素が、第1の方向とは異なる第2の方向に動くように、清掃ユニットに伝達され、第2の方向は、清掃ユニットの前記プラテンに対して直角である。
【0008】
[0008] 一実施形態によれば、清掃要素のセットは、第1の周波数で第1の周期的な運動に従って動くように構成され、清掃要素のセットは、第1の周波数とは異なる第2の周波数で第2の周期的な運動に従って動くように構成される。
【0009】
[0009] 一実施形態によれば、第1の周波数は、第2の周波数よりも低い又は高い。
【0010】
[0010] 一実施形態によれば、第2の周波数は、第2の周波数よりもおよそ3倍低い。
【0011】
[0011] 一実施形態によれば、第2の周波数は、第1の周波数よりもおよそ2倍高い。
【0012】
[0012] 一実施形態によれば、第1の周期的な運動及び第2の周期的な運動は、およそ90度又は270度互いから位相シフトされる。位相シフトは、およそ45~135度の範囲又はおよそ225~315度の範囲内とすることができる。
【0013】
[0013] 一実施形態によれば、第1の周期的な運動及び第2の周期的な運動は、およそ180度互いから位相シフトされる。位相シフトは、およそ135~225度の範囲内とすることができる。
【0014】
[0014] 別の態様では、パーソナルケア装置が提供される。パーソナルケア装置は、本体部分と、清掃要素のセットを有する清掃ユニットと、清掃ユニットを駆動するように構成された作動アセンブリであって、作動アセンブリは、本体部分内に配置され、以下の、すなわち、パーソナルケア装置の中心軸の周りに、又は、清掃ユニットのプラテンに対して接線方向にある線に沿って、第1の方向に清掃要素のセットのうちの少なくとも1つの清掃要素が動くように、清掃要素のセットを第1の周期的な運動で周期的に動かすように構成された、ドライブトレインと、第1の方向とは異なる第2の方向に、清掃要素のセットのうちの少なくとも1つの清掃要素が動くように、清掃要素のセットを第2の周期的な運動で動かすように構成された、動作発生器であって、第2の方向は、清掃ユニットプラテンのプラテンに対して直角である、動作発生器と、を含む、作動アセンブリと、を備える。
【0015】
[0015] 一実施形態によれば、第2の方向は、清掃要素の位置合わせ軸に対して平行である。
【0016】
[0016] 一実施形態によれば、第1の周期的な運動及び第2の周期的な運動は、およそ90度、およそ180度、又はおよそ270度互いから位相シフトされる。
【0017】
[0017] 一実施形態によれば、動作発生器は、ドライブトレインと結合された動作変換要素と、ドライブトレインを動かすことによって作動されるように構成されたタッピングプレートであって、第2の周期的な運動で清掃要素のセットを動かすように構成される、タッピングプレートと、を含む。
【0018】
[0018] 一実施形態によれば、ドライブトレインは、第1のアクチュエータを含み、動作発生器は、第2の周期的な運動で清掃要素のセットを動かすように構成された第2のアクチュエータを含む。
【0019】
[0019] 一実施形態によれば、パーソナルケア装置は、作動アセンブリを制御するように構成されたコントローラをさらに備え、コントローラは、第1のアクチュエータから入力信号を受信し、第1のアクチュエータからの受信した入力信号に基づいて第2のアクチュエータを制御するように構成される。
【0020】
[0020] 一実施形態によれば、コントローラは、受信した入力信号に基づいて第1の周期的な運動に対して第2の周期的な運動の周波数差及び位相差を発生させるように構成される。
【0021】
[0021] 様々な実施態様において、プロセッサ又はコントローラは、1つ又は複数の記憶媒体(概して、本明細書において「メモリ」、例えば、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROM(登録商標)のような揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ、フロッピーディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープなどと呼ばれる)と関連付けられてもよい。いくつかの実施態様では、記憶媒体は、1つ又は複数のプロセッサ及び/又はコントローラで実行されると、本明細書において論じる機能のうちの少なくとも一部を実行する、1つ又は複数のプログラムで符号化されてもよい。様々な記憶媒体が、プロセッサ又はコントローラ内に固定されてもよく、或いは、様々な記憶媒体は、本明細書において論じる様々な態様を実施するために、様々な記憶媒体に記憶される1つ又は複数のプログラムがプロセッサ又はコントローラにロードされることができるように搬送可能であってもよい。「プログラム」又は「コンピュータプログラム」という用語は、本明細書において、1つ又は複数のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために用いられることができる任意の種類のコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指すように、一般的な意味で使用される。
【0022】
[0022] 上述の着想及び以下でより詳細に論じるさらなる着想のすべての組み合わせは(そのような着想が互いに矛盾しないのであれば)、本明細書において開示する、本発明の主題の一部であると考えられることが理解されるべきである。特に、本開示の最後に現われる特許請求の範囲に記載の主題のすべての組み合わせは、本明細書において開示される、本発明の主題の一部であると考えられる。参照によって組み込まれるいずれもの開示に同様に現われる、本明細書において明示的に用いられる術語は、本明細書において開示される特定の着想と最も矛盾しない意味を与えられるべきであることも理解されるべきである。
【0023】
[0023] 様々な実施形態のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施形態(複数可)から明らかとなるとともにその実施形態(複数可)を参照しながら解明される。
【0024】
[0024] 図面において、同様の参照符号は概して、種々の図全体を通して同じ部品を指す。また、図面は必ずしも縮尺通りではなく、概して、代わりに様々な実施形態の原理を示すことを重要視している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】[0025] スイープ動作を用いる最新の電動パーソナルケア装置の端面図の単純化された概略図である。
図2】[0026] 本開示の態様による、電動パーソナルケア装置の一部の単純化された概略図である。
図3】[0027] 本開示の態様による、スイープ動作及びタッピング動作を利用するように構成された電動パーソナルケア装置の端面図の単純化された概略図である。
図4】[0028] 本開示の態様による、電動パーソナルケア装置の概略図である。
図5】[0029] 本開示の態様による、スイープ動作と同位相及び2倍の周波数で結合されたタッピング動作のグラフ図である。
図6】[0030] 本開示の態様による、図5に描かれたタッピング動作及びスイープ動作の総和(summation)の1つの全サイクルに従って動く電動パーソナルケア装置の端面図の概略図である。
図7】[0031] 本開示の態様による、スイープ動作とおよそ90度位相を異にして結合されたタッピング動作のグラフ図である。
図8】[0032] 本開示の態様による、図7に描かれたタッピング動作及びスイープ動作の総和の1つの全サイクルに従って動く電動パーソナルケア装置の端面図の概略図である。
図9】[0033] 本開示の態様による、スイープ動作とおよそ180度位相を異にして結合されたタッピング動作のグラフ図である。
図10】[0034] 本開示の態様による、図9に描かれたタッピング動作及びスイープ動作の総和の1つの全サイクルに従って動く電動パーソナルケア装置の端面図の概略図である。
図11】[0035] 本開示の態様による、スイープ動作及びタッピング動作がおよそ180度位相を異にする場合の例示的なスイープ振幅及びタッピング振幅のグラフ図を示す。
図12】[0036] 本開示の態様による、清掃要素が単一のスイープサイクル中に2回のタップをもたらすように駆動される場合の、例示的なスイープ振幅及びタッピング振幅のグラフ図を示す。
図13】[0037] 本開示の態様による、清掃要素が単一のスイープサイクル中に4回のタップをもたらすように駆動される場合の、例示的なスイープ振幅及びタッピング振幅のグラフ図を示す。
図14】[0038] 本開示の態様による、スイープ動作及びタッピング動作が等しい振幅を有しているとともにスイープ動作対タッピング動作の周波数比が3:1である、スイープ動作とおよそ90度位相を異にして結合されたタッピング動作のグラフ図である。
図15】[0039] 本開示の態様による、スイープ動作と同位相及び2倍の周波数で結合されたタッピング動作のグラフ図である。
図16】[0040] 本開示の態様による、図15に描かれたタッピング動作及びスイープ動作の総和の1つの全サイクルに従って動く電動パーソナルケア装置の端面図の概略図である。
図17】[0041] 本開示の態様による、スイープ動作と同位相及び2倍の周波数で結合されたタッピング動作のグラフ図である。
図18】[0042] 本開示の態様による、図17に描かれたタッピング動作及びスイープ動作の総和の1つの全サイクルに従って動く電動パーソナルケア装置の端面図の概略図である。
図19】[0043] 本開示の態様による、タッピング動作及びスイープ動作を実行するように清掃要素を駆動する単一の機械的作動システムを備えた電動パーソナルケア装置の単純化された概略図である。
図20】[0044] 本開示の態様による、タッピング動作及びスイープ動作を実行するように清掃装置の清掃要素を駆動する例示的な機械的作動システムの概略図である。
図21】[0045] 本開示の態様による、ドライブトレインシャフトとともに結合要素が回転するにつれて、図21の例示的な機械的作動システムの概略図である。
図22】[0046] 本開示の態様による、タッピング動作及びスイープ動作を実行するように清掃要素を駆動する2つのアクチュエータを有する機械的作動システムを備えた電動パーソナルケア装置の単純化された概略図である。
図23】[0047] 本開示の態様による、タッピング動作及びスイープ動作を実行するように清掃要素を駆動する2つのアクチュエータを有する機械的作動システムを備えた電動パーソナルケア装置の単純化された概略図である。
図24】[0048] 本開示の態様による、電動パーソナルケア装置を動作させる方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0049] 本開示は、電動口腔ケア装置又はシェーバなどのような電気又は電動パーソナルケア装置の清掃ユニットを駆動する改善されたシステムの様々な実施形態を記載する。本出願人は、パーソナルケア装置が、清掃要素の方向又は清掃要素の位置合わせ軸に対して平行である制御可能な周期的な垂直動作と組み合わせたスイープ動作で清掃要素を駆動することによって、ユーザの口の重要な領域において改善された清掃性能を提供することができ、垂直動作(本明細書において「パワータッピング」と呼ばれる)の振幅が0.25mmよりも大きいことを認識及び理解している。本明細書において使用される場合、「垂直」という用語は、地面に対する絶対方向を意味するのではなく、図に示す運動の相対方向を示すのに使用される。本明細書において説明するように、電動パーソナルケア装置内における、本発明のパワータッピング動作は、(i)歯肉縁下の歯垢を除去するために歯肉ポケットへのより深い到達範囲を達成することができ、(ii)歯垢及び/又はステインの除去を高める、より高いピーク力を、表面において達成することができ、(iii)有益な房のスイープ挙動を回復することによって、歯垢除去を高める剛毛房が動けなくなることを防ぐことができ、(iv)歯ブラシの配置、歯ブラシの角度、及び歯ブラシの圧力のような使用変数に対する、より大きい復元力を達成することができ、(v)消費者についての体験モードについて新たな選択肢を提供することができる。したがって、本明細書において説明又は他の場合では想定される例示的な改善されたシステムが、清掃要素のセットを有する清掃ユニットと、コントローラと、二重の周期的な運動を発生させるための様々な作動アセンブリのうちの1つとを提供する。本出願人は、そのような制御された周期的な運動が、改善された清掃性能をもたらすために、異なる周波数で及び/又は互いと位相を異にして動作されることができることを認識及び理解している。
【0027】
[0050] 本明細書におけるいくつかの実施形態及び実施態様の利用の特定の目的は、例えば、Philips Sonicare(商標)電動歯ブラシ(Koninklijke Philips N.V.社製)のような電動パーソナルケア装置においてパワータッピング動作を提供するためのメカニズムを提供することである。しかしながら、装置の構成要素は、口腔ケア装置、口腔清掃装置、マウスピース、フロッサー、スキンクリーナ、及び多くの他の装置を含め、多くの他のパーソナルケア装置とともに用いられてもよい。本開示は、描かれるとともに説明される特定の実施形態によって限定されるべきではない。
【0028】
[0051] 図2に示すように、スイープ動作及びタッピング動作を発生させるように構成されたパーソナルケア装置100の一部の単純化された概略図が提示されている。パーソナルケア装置100は、中心軸Aの周りに清掃要素116を回転させるように駆動され得るブラシヘッド114を備える。図2に示す方向は、当該技術分野及び本出願において使用される空間的広がりを持つ術語を明示するように含まれている。本明細書において使用される場合、「垂直」という用語は、示されている方向を意味する。軸方向ADが中心軸Aに対して平行であり、パーソナルケア装置100のy軸に沿って延びる。半径方向RD1が中心軸A及び半径方向RD2に対して直交し、パーソナルケア装置100のx軸に沿って延びる。半径方向RD2は、軸方向AD及び半径方向RD1の両方に対して直交し、描かれている清掃要素116の軸に対して平行であり、パーソナルケア装置100のz軸に沿って延びる。本明細書において説明されるパワータッピング動作は、半径方向RD2への清掃ユニット及び/又は清掃要素の制御可能な運動を指す。いくつかの実施形態では、パワータッピング動作は、半径方向RD1に延びる軸の周りに(すなわち、装置のx軸の周りに)ドライブトレインシャフトを回転させることによる、半径方向RD2への清掃ユニット及び/又は清掃要素の制御可能な運動を指す。換言すると、パワータッピング動作は、清掃要素の位置合わせ軸に対して平行な、清掃要素の動作を指す。スイープ動作は、清掃要素の位置合わせ軸に対して垂直な、清掃要素の回転動作及び/又は直線動作を指す。
【0029】
[0052] 図3を参照すると、パーソナルケア装置100の端面図の概略図が提示されている。パーソナルケア装置100は、様々な動作を発生させるように構成され、各動作がスイープ又はストローク及びパルス又はタップの総和(すなわち、累積的な作用、動作、又は効果)を含む。スイープ又はストロークは、方向SMに導かれる(スイープ又はストロークは、剛毛先端が歯の頬側に向いている状態で歯ブラシが保持されている場合、咬合面、すなわち噛合面と、歯肉線との間の方向にある)。パルス又はタップは、垂直方向TMに導かれる(剛毛先端が歯の頬側に向いている状態で歯ブラシが保持されている場合、顔の方向の舌の近くにある)。いくつかの実施形態では、歯ブラシは、剛毛先端が45度の角度で歯に向いている状態で保持される。本明細書において使用される場合、タッピング動作は、振幅が0.25mm以上である垂直周期運動(すなわち、方向TM)として定義される。より詳細に本明細書において説明するように、口腔ケア装置100は、特定の動作が最も有益となる特定の領域に対する動作を最適化するためにスイープ動作及びタッピング動作(SM及びTM)をオン及びオフにするように構成することができる。いくつかの場合では、特定の動作は、スイープ動作だけ又はタッピング動作だけのどちらかを含む。他の場合では、特定の動作は、スイープ動作とタッピング動作とのいくつかの組み合わせを含む。例えば、いくつかの実施形態では、タッピング動作だけを口の下側舌前部領域に用いることができる。小さいパワータッピング動作(すなわち、本明細書において説明される臨界範囲のより小さい側の振幅を有するタッピング動作)を口の頬前部領域についてスイープ動作とともに用いることができる。代替的に、スイープ動作だけを口の頬前部領域に用いることができる。大きいパワータッピング動作(すなわち、本明細書において説明される臨界範囲のより高い振幅を有するタッピング動作)は、スイープ動作の有無を問わず、歯間の隣接歯間領域に、より良好な到達範囲を達成することができる。
【0030】
[0053] いくつかの実施形態では、パワータッピング動作についての振幅の所望の範囲は、およそ±0.25mm~およそ±3mmであり、パワータッピング動作は概して、0.5mm以上の周期的な垂直動作を含む。±3mmよりも高い振幅は、歯のひび割れの危険により望ましくなく、パーソナルケア装置のプラテンが、対向する顎の咬合面に影響する可能性がある。さらに、±3mmよりも高い振幅は、口腔組織及び鼻腔組織の所望でない振動、並びに処置面に対して不快な感覚を引き起こす可能性がある。0.25Hzよりも低い周波数は遅すぎて効果的ではない。520Hzよりも高い周波数は、一次共振周波数の2倍超であり、望ましくない。期間周波数は所与の時間間隔、例えば1秒間についてのサイクルの数を指す。期間振幅は、本明細書において使用される信号の最大絶対値を含み得るピーク振幅を指す。
【0031】
[0054] 推奨される口腔ケアルーチンは2分間続き、平均して32本の歯を考慮した場合、推奨される口腔ケアルーチン中、歯ごとにおよそ3.75秒利用できることが理解されるべきである。したがって、パワータッピング動作の発生が4秒よりも遅い場合、遅すぎて口の中全体を通して(すなわち、すべての隣接歯間点において)均一に適用されない。したがって、好ましい実施形態では、パワータッピング動作の発生は、少なくとも3.75秒(すなわち、およそ0.27Hzの周波数)ごとに発生する。いくつかの実施形態では、最小周波数は、およそ2Hz(すなわち、少なくとも0.5秒ごと)とすることができる。さらなる実施形態では、ユーザが口の中全体を通して(すなわち、すべての隣接歯間点及び/又は各歯において)均一にパワータッピング動作を受けるようにするために、パワータッピング動作は、各回が単一の歯を通る間、複数回起こることができる。したがって、必要な周波数は、およそ20Hz(すなわち、少なくとも0.05秒ごと)である。当然のことながら、口腔ケアルーチンが2分よりも短いか又は長い場合、それに応じて、パワータッピング動作の発生は、口腔ケアルーチン全体を通して均一に起こるように調整され得ることが理解されるべきである。他の実施形態では、例えばタッピング動作が他の領域よりも有益である特定の領域の分析に起因して、パワータッピング動作の発生を一貫性なく又は不均一に起こさせることが望まれることがあることが理解されるべきである。
【0032】
[0055] 例示的な実施形態では、スイープ動作が、0.25mmの振幅を有するタッピング動作と組み合わせられ、タッピング動作の追加は、歯肉線領域において1%の改善、歯間領域において3%の改善、及び、清掃されるべき表面すべての適用を考慮する清掃性能において1%の全体的な改善をもたらすことができる。
【0033】
[0056] タッピング動作は、剛毛房を捕捉しないこと又は固定しないことによってスイープ動作の性能を改善する。剛毛の捕捉又は固定は、重負荷下で、剛毛が、ドライブトレインによって送達されたスイープ動作に従ってもはや自由に動かなくなるように拘束又は捕捉され可能性がある現象である。ユーザがブラッシングする際に過度の負荷をかけ過ぎると、剛毛房は歯の表面でのその動きが部分的に拘束される可能性がある。拘束の結果、スイープ動作が低減し、清掃性能がその影響を受ける可能性がある。ユーザがより多く負荷をかけると、剛毛房は捕捉又は固定される可能性があり、その場合、剛毛房はブラッシングの際に全く動かない。捕捉又は固定された剛毛の結果、スイープ動作はなく、ユーザは、ドライブトレインアセンブリからのスイープ動作による何の利益も得ない。剛毛が拘束及び捕捉されている場合、清掃成果は、ユーザが製品を新たな向きに手動で動かすとともに剛毛を重負荷から解放する際にのみ再開する。
【0034】
[0057] スイープ動作は、剛毛が歯の表面に触れ、拘束されることなく大きな表面積に沿って自由に動くことができる場合に、最良に行われる。スイープ動作及びタッピング動作と一緒にブラッシングする場合、剛毛房は、ドライブトレインアセンブリが垂直上下運動(すなわち、パワータッピング動作)を発生させることに起因して、負荷が増加するにつれて又はブラシヘッドが方向DR1に動くにつれて、広がる。例えば、ドライブトレインアセンブリからかけられる力に起因して又は他の場合ではユーザがかける負荷に起因して、負荷が増加するにつれて、房がますます拘束される可能性がある。しかしながら、方向DR1へのブラシヘッド運動の振幅が十分に大きい場合、大きい振幅運動が、拘束又は捕捉された剛毛の座屈を引き起こす可能性があり、剛毛を事実上解放する又は自由にする可能性がある。したがって、十分に大きい振幅のタッピング動作をスイープ動作に加えることにより、剛毛がより自由自在に動くことが可能となることによって、清掃性能が高まる。
【0035】
[0058] 決定的には、周期的なタッピング動作中にブラシヘッドが方向DR2に動く場合、挙動は逆となり、負荷がさらに減少するにつれて、房は次第に拘束される。タッピング動作により、スイープ動作中に房が大きな表面積をカバーすることを可能にすることができ、有益なスイープ動作を回復することによって歯垢除去が高まる。
【0036】
[0059] スイープ動作にタッピング動作を加えることはまた、歯肉縁下の歯垢を除去するために歯肉ポケットへのより深い到達範囲を達成する。歯肉ポケット内において、タッピング動作の追加は、縁領域、隣接歯間領域、近心領域、及び頬領域における清掃性能の向上、並びに全体的な性能の向上を達成する。例示的な実施形態では、より深い到達範囲及び清掃性能の向上は、30度のロール角、45度のロール角、又は60度のロール角、又は任意の適切なロール角で達成される。したがって、タッピング動作の追加は、スイープ動作だけを用いるよりも、ブラシの清掃効率をユーザ指向に対してよりロバストにするととともにユーザの技術への依存性をより低くする。
【0037】
[0060] 清掃性能の向上は、本明細書において論じられるタッピング動作について重要な動作パラメータを用いることによって達成することができる。タッピング動作を発生させるのに様々なドライブトレインアセンブリを実現することができるが、スイープ運動及びタッピング運動を位相シフト又は周波数シフトする場合に本発明をどのように実現及び実施することができるかを単に示すために2つの例示的なアセンブリを以下で論じる。
【0038】
[0061] 図4を参照すると、ハウジングを有する本体部分102と、本体部分102に取り付けられた清掃ユニット104とを含む例示的なパーソナルケア装置100が提示されている。清掃ユニット104は、本体部分102から遠隔したその遠位端にブラシヘッド114を含む。ブラシヘッド114は、例えば剛毛である複数の清掃要素116を提供する、剛毛面115を含む。一実施形態によれば、清掃要素は、位置合わせ軸に沿って、又はユニットの細長い軸に対して略垂直な軸に沿って延びるが、清掃ユニット及び清掃要素の他の多くの実施形態が可能である。
【0039】
[0062] 清掃ユニット104、ブラシヘッド114、及び/又は剛毛面115は、本体部分ハウジング102に対して動くことができるように取り付けられる。この動きは、とりわけ振動又は回転を含め、様々な異なる動きのうちのいずれかとすることができる。1つの実施形態によれば、清掃ユニット104が、本体部分ハウジング102に対して振動することができるように本体102に取り付けられるか、又は、別の例として、ブラシヘッド114が、本体部分ハウジング102に対して振動することができるように清掃ユニット104に取り付けられるか、又は、別の例として、剛毛面115が、本体部分ヘウジング102に対して振動することができるように清掃ユニット104に取り付けられる。清掃ユニット104は、本体部分ハウジング102に固定して取り付けることができるか、又は、代替的に、清掃要素若しくは装置の別の構成要素が摩滅するとともに交換を必要とする場合に清掃ユニット104を新しいものと交換することができるように取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0040】
[0063] 本体部分は、運動を発生させるアクチュエータ又はモータを有するドライブトレインアセンブリ122と、発生させた運動を清掃ユニット104に伝達する伝達構成要素124又はシャフトとを含む。例えば、ドライブトレインアセンブリ122は、ドライブトレインシャフト124の運動を発生させるモータ又は電磁石(複数可)を含み、この運動はその後、清掃ユニット104に伝達される。ドライブトレイン及びモータ122は、構成要素の中でもとりわけ、電源、発振器、及び1つ又は複数の電磁石などの構成要素を含むことができる。この実施形態では、電源は、図示していない1つ又は複数の充電式電池を含み、この充電式電池は例えば、使用時でないときにパーソナルケア装置100が置かれている充電ホルダにおいて充電することができる。
【0041】
[0064] 本体部分には、運動発生器又はドライブトレインアセンブリ122を作動及び停止させるためにユーザ入力部126がさらに設けられている。ユーザ入力部126により、ユーザがパーソナルケア装置100を操作する、例えばパーソナルケア装置100をオン及びオフにすることが可能となる。ユーザ入力部126は例えば、ボタン、タッチスクリーン、又はスイッチであり得る。
【0042】
[0065] 装置の本体部分はまた、コントローラ130を含む。コントローラ130は、1つ又は複数のモジュールから形成され得、ユーザ入力部126により得られた入力又は装置内の1つ又は複数のセンサからの入力などの入力に応答して、パーソナルケア装置100を動作させるように構成されている。コントローラ130は例えば、プロセッサ132及びメモリ134を含むことができ、任意選択的に接続性モジュール138を含むことができる。プロセッサ132は、1つのマイクロコントローラ、複数のマイクロコントローラ、回路、単一のプロセッサ、又は複数のプロセッサを含むがこれらに限定されない、任意の適切な形態をとってもよい。メモリ134は、不揮発性メモリ及び/又はRAMを含む、任意の適切な形態をとることができる。不揮発性メモリは、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスクドライブ(HDD)、又はソリッドステートドライブ(SSD)を含み得る。メモリは、とりわけ、オペレーティングシステムと、センサ(複数可)からのセンサデータとを記憶することができる。RAMは、データの一時的な記憶のためにプロセッサによって使用される。一実施形態によれば、オペレーティングシステムは、コントローラ130によって実行されると、口腔ケアデバイス100のハードウェア構成要素の動作を制御するコードを含み得る。一実施形態によれば、接続性モジュール138は、収集されたセンサデータを送信し、Wi-fi、Bluetooth、近距離無線通信、及び/又はセルラーモジュールを含むがこれらに限定されない、有線又は無線信号を送信することが可能な任意のモジュール、装置、又は手段とすることができる。
【0043】
[0066] いくつかの実施形態では、装置の本体部分はまた、1つ又は複数のセンサ140を含む。本体部分102内にセンサ(複数可)が示されているが、1つ又は複数のセンサは、例えば清掃ユニット104又はヘッド部材114内を含め、装置内のどこにでも配置され得る。いくつかの実施形態によれば、センサ(複数可)は、コントローラ130と一体とすることができる。いくつかの実施形態では、センサ140は、ユーザの歯に対するパーソナルケア装置100の加速及び/又は角度方向を示す情報を生成するように構成される。センサ140は、加速度計、ジャイロスコープ、又は磁気センサなどの内部運動センサを含むことができる。一実施形態によれば、センサ140は、例えば3軸ジャイロスコープ及び3軸加速度計を使用して、相対運動の6軸(3軸並進及び3軸回転)の読み取り値を提供するように構成される。別の例として、センサ104は、例えば3軸ジャイロスコープ、3軸加速度計、及び3軸磁力計を使用して、相対運動の9軸の読み取り値を提供するように構成される。他のセンサは、単独で用いられても、又は、圧力センサ、並びに、容量センサ、カメラ、光電池、時計、タイマー、及び他のタイプのセンサなどの他のタイプのセンサを含むがこれらに限定されないこれらセンサと併せて用いられてもよい。本明細書において説明又は他の場合では想定されるような多くの異なるタイプのセンサが用いられ得る。センサ140は、6軸又は9軸空間センサシステムとしてともに機能する2つ以上のセンサを含むことができる。
【0044】
[0067] タッピング動作TMの周波数は、スイープ動作SMの周波数と同じ、それよりも高い、又はそれによりも低いものとすることができる。いくつかの実施形態では、タッピング動作TMの周波数は、スイープ動作SMの周波数よりも低い(好ましくは3倍低い)。さらなる実施形態では、タッピング動作TMの周波数は、スイープ動作SMの周波数よりも3倍低く、タッピング動作は、スイープ動作SMとおよそ90度位相を異にする。そのような実施形態では、清掃性能は、ユーザの口のすべての大事な又は重要な領域(すなわち、歯肉線、歯間、及び歯表面全体)において最適化される。本明細書において説明したように、タッピング動作がスイープ動作よりも低い周波数を有するとともにタッピング動作がスイープ動作と位相を異にする場合の実施形態では、歯間領域に特定の改善が見られる。改善はまた、歯表面全体の清掃性能において、(i)タッピング動作がスイープ動作よりも低い周波数を有するとともにタッピング動作がスイープ動作と位相を異にする場合、(ii)タッピング動作がスイープ動作に等しい周波数を有するとともにタッピング動作がスイープ動作と同位相である及び位相を異にする場合、並びに(iii)タッピング動作がスイープ動作よりも高い周波数を有するとともにタッピング動作がタッピング動作と同位相である及び位相を異にする場合に見られる。さらに、清掃性能は、歯肉線清掃に関してユーザによる取り扱いへの依存性がより低い。
【0045】
[0068] 上記で説明したようにタッピング動作がスイープ動作よりも低い周波数を有するとともにタッピング動作がスイープ動作と位相を異にする場合、結果として生じる反応力レベルに関してさらなる改善が見られる。具体的には、電動パーソナルケア装置のプラテンにおいて結果として生じる応答力レベルが低減することにより、ユーザにとってより緩やかな又は快適な清掃体験を与える。さらに、応答力レベルを低減させることは、清掃ユニットを駆動するのにより少ないエネルギーを必要とすることにより、その結果、より長い電池寿命がもたらされることを意味する。応答力レベルの低減は、(i)タッピング動作がスイープ動作よりも低い周波数を有するとともにタッピング動作がスイープ動作と位相を異にする場合、並びに(ii)タッピング動作がスイープ動作に等しい周波数を有するとともにタッピング動作がスイープ動作と同位相である及び/又は位相を異にする場合に見られる。応答力レベルの低減は、タッピング動作がスイープ動作よりも高い周波数を有するとともにタッピング動作がタッピング動作と同位相である及び位相を異にする場合に、よりいっそう顕著となる。
【0046】
[0069] 図5に示すように、スイープ動作及びタッピング動作の両方が同期される又は同位相である場合、動作の波形が同期して動く。換言すると、スイープ動作及びタッピング動作が同期される場合、スイープ動作とタッピング動作との間に位相角度差はない。図5における図では振幅は同じでないが、両方の波形の最大ピーク及び最小ピークは同じ時点で起きている。位相角度は、2つの周期的な動作間の角度差として定義される。図5及び図6に示す特定の実施形態では、タッピング動作TMは、タッピング動作が回転動作と同位相であるが2倍の周波数である、V字状又は「上下」運動で、スイープ動作SMと結合することができる。そのような実施形態では、動作の組み合わせが、非対称な周期運動を引き起こす。図5において、両方の動作は同じ時点で開始し、開始から90度でそのそれぞれの最大ピーク点に達する。両方の動作はまた、開始から180度で同期され、開始から270度でそのそれぞれの最小ピーク点に達する。最後に、両方の動作は、開始から360度で同期される。それぞれの動作のそれぞれのサイクルは、0度~360度の間で表される。図6は、装置のx、y及びz軸に対して経時的なV字状又は「上下」運動で動く清掃ユニットの端面図を示す。描かれている例示的なスイープ動作により、ブラシヘッドは、実質的に上向きの垂直方向に向いて開始する。動作が進むにつれ、ブラシヘッドは、上向きに且つ右側に向くように装置のy軸を中心に傾く。タッピング動作により、ブラシヘッドは、y軸を中心に傾くにつれ、同様に上向きにz軸方向に動く。図6に示すように、両方の運動は、サイクルが続くにつれ、逆となる。図5に示すように、最大タッピング並進及び最大回転角度は、サイクルのおよそ90度で生じることができる。サイクルの90度点は、図6において点200で示されている。同様に、最小タッピング並進及び最小回転角度は、サイクルのおよそ270度で生じることができる。サイクルの270度点は、図6において点250で示されている。ブラシヘッドの中心点が、対角線DLを上且つ右側にたどる。そのような実施形態では、動きは、清掃要素が口腔表面と接触する機会を最大限にする。
【0047】
[0070] 口腔幾何学形状に対する装置の向きが分かっている場合、「上下」動作が、役立つ適応挙動を追加することができる。例えば、ユーザが、最適ではないハンドル回転で電動パーソナルケア装置を使用中である場合、この非対称な挙動により、清掃ユニットの清掃要素がその動作を所望の場所に「伸びること」によって所望の口腔幾何学形状に常に接触することが可能となり得る。同様に、ユーザがハンドルを位置決めして歯のひび割れ又は別の所望でない挙動を引き起こした場合、装置は、影響を最小限にしようとするために清掃ユニットをどけるように動かし得る。
【0048】
[0071] タッピング動作とスイープ動作との間の位相角度がおよそ90度である場合、タッピング動作TMがスイープ動作より先であることができるか、又はスイープ動作SMがタッピング動作より先であることができる。図7において、タッピング動作又はスイープ動作が点Aにおいて開始した後、点Aからの第1の動作のおよそ90度の運動の後である他の動作が点Bにおいて開始する。パワータッピング動作とスイープ動作との間の90度位相角度シフトによる、清掃要素の先端の結果として生じる動作を、図8に示す。図8において、清掃ユニットの中心点が、シーケンスの終わりに示されているパターンPをたどる。パターンは、(i)上方且つ右側への第1の曲線C、(ii)下方且つ右側への第2の曲線C、(iii)下方且つ左側への第3の曲線C、(iv)上方且つ左側への第4の曲線Cに沿って、清掃ユニットを動かすことを伴う。清掃ユニットは、同じ位置においてパターンPを開始及び終了する。第1の曲線C、第2の曲線C、第3の曲線C、第4の曲線Cはすべて、描かれている実施形態ではつながっている。
【0049】
[0072] タッピング動作とスイープ動作との間の位相角度がおよそ180度である場合(すなわち、それら動作間の位相角度差がおよそ180度である場合)、タッピング動作及びスイープ動作の波形は、図9に示すように互いの鏡像として表される。パワータッピング動作とスイープ動作との間の180度位相角度シフトによる、清掃要素の先端の結果として生じる動作を、図10に示す。清掃ユニットの中心点は、図10に示すシーケンスの終わりに示すように下方且つ右側へ対角線DLをたどる。図11は、タッピング動作とスイープ動作との間に180度位相角度シフトがある例示的な実施形態を示す。どちらの動作についても振幅の変化がない、サイクルの開始で始まり、その後、清掃要素は、タッピング動作において2mmの振幅に等しい正の最大値に駆動され得る。同時に、清掃要素はスイープ動作において、-6度の回転振幅に等しい負の最大値に回転され得る。したがって、サイクルの90度において、清掃要素について反時計回り方向に最大タッピング並進及び最大回転がある。サイクルの半分において、再びどちらの動作についても振幅の変化はない。その後、清掃要素は、タッピング動作において-2mmの振幅に等しい負の最大値に駆動され得る。同時に、清掃要素は、スイープ動作において+6度の回転振幅に等しい正の最大値に回転され得る。したがって、サイクルの270度において、清掃要素について時計回り方向に最小タッピング並進及び最大回転がある。サイクルの終わりに、再びどちらの動作についても振幅の変化はない。往復タッピング動作と同時に、清掃要素は、反時計回り方向に5度よりも大きく駆動され、次いで時計回り方向に駆動されて中立に戻り、さらに時計回り方向5度よりも大きく駆動され得る。清掃要素は、時計回り方向に駆動されて中立に戻ることができる。図12は、清掃要素が単一のスイープサイクル中に2回のタップ(すなわち、最大タッピング並進の地点)をもたらすように駆動される別の実施形態を示す。図13は、清掃要素が単一のスイープサイクル中に4回のタップ(すなわち、最大タッピング並進の地点)をもたらすように駆動される別の実施形態を示す。
【0050】
[0073] 図14において、タッピング動作が地点Aにおいて開始し、スイープ動作が地点Bにおいて開始している。タッピング動作の周波数は、スイープ動作の周波数よりも3倍低く、タッピング動作は、スイープ動作とおよそ90度位相を異にする。したがって、スイープ動作対タッピング動作の周波数比は3:1である。当然のことながら、他の実施形態では、スイープ動作がタッピング動作の前に開始するが、タッピング動作の周波数は依然として、スイープ動作の周波数よりも3倍低く、タッピング動作は、スイープ動作とおよそ90度位相を異にする。図14に示す実施形態では、タッピング動作及びスイープ動作は、等しい振幅を有するものとすることができるが、これら動作は種々の実施形態では種々の振幅を有することができることが理解されるべきである。
【0051】
[0074] 図15において、タッピング動作は、「下タップ-下タップ」動作においてスイープ動作と結合されている。タッピング周波数は、スイープ周波数よりも速い。より具体的には、タッピング周波数は、スイープ周波数の2倍の速さである。図16は、清掃ユニットの端面図を示し、清掃ユニットの中心は、図15に示すようにタッピング周波数がスイープ周波数の2倍の速さである場合に三次元円錐の形状をたどる。そのような実施形態では、剛毛が口腔表面に直接向いている間に最大タッピングが生じ、したがって、片持ち式梁が曲げ剛性よりも高い圧縮剛性を有するため、高衝撃力を送達する。清掃要素は、空中で三次元円錐をたどるにつれ、より小さい衝撃ゾーンを有する。
【0052】
[0075] 図17において、タッピング動作は、タッピング周波数がスイープ周波数の2倍の速さである「上-上」動作においてスイープ動作と結合されている。図18は、清掃ユニットの端面図を示す、清掃ユニットの中心は、タッピング動作が「上-上」動作においてスイープ動作と結合されている場合にV字状動作をたどる。そのような実施形態では、図5及び図6を参照しながら上述した実施形態と同様の最大回転角度で最大タッピング並進が生じるため、動作は、清掃要素が口腔表面に接触する機会を最大にする。しかしながら、そのような実施形態では、清掃要素は、ピーク力を最小限にする傾向がある曲げシナリオにおいても接触する。ピーク力が最小限にされ得る一方、そのような動作を用いて、所望の場合にタッピング効果を和らげることができる。
【0053】
[0076] ユーザは清掃時に口内において清掃ユニットをどこに位置決めするかの適した見解を有していないため、ユーザ配置に焦点を置くのではなく、前述した動作を用いて、位置に依存しない可変動作によって堅固な清掃を得ることができる。例えば、前述した動作のうちのいくつかを一緒に用いることによって、ユーザは、ユーザが口内において清掃ユニットをどこに位置決めするかにかかわらず、清掃ユニット及び/又は清掃要素の動作に基づいて望ましい清掃性能を達成することができる。したがって、ユーザは、適正なモードで適正な場所に製品を配置することを要求されない。清掃ルーチン中にサイクルごとに同じ清掃挙動を一貫して実施するのではなく、清掃挙動は、清掃ルーチン中に経時的に変化して、位置に依存しない可変動作を達成することができる。清掃挙動がルーチン中に同じままであり、変化しない場合、結合されたスイープ及びタップのうちのいくつかが他よりも効果的であり得る。清掃挙動が経時的に変化しない場合、ルーチン中に新たな領域が清掃される。いくつかの実施形態では、装置は、装置のモード、すなわち、歯肉線モードから隣接歯間モードまでのモードを変化させるために刺激を用いるセンサ140を含むことができる。他の実施形態では、装置は、動的清掃挙動を受動的に達成することができる。
【0054】
[0077] 動的清掃挙動を達成する1つの受動的技術は、自然に2つの挙動間で迅速に切り替わることを伴う。例えば、図15及び図16を参照しながら本明細書において言及した「下タップ-下タップ」動作が隣接歯間スペースに理想的な正確な動作であるとともに、図17及び図18を参照しながら本明細書において言及した「上-上」動作がより大きな表面についてより適している場合、ユーザは、装置が両方の動作間で迅速に切り替わると、清掃ルーチンの少なくともいくらかの持続時間の間、最適な場所で最適なモードを有する傾向がより高い。ユーザについて平均して32本の歯を考慮した場合、また、推奨される口腔ケアルーチンが2分間続くとした場合、推奨される口腔ケアルーチン中、歯ごとにおよそ3.75秒利用できることが理解されるべきである。2つ以上の動作間で切り替えないことによって、ユーザは、或る領域を清掃するために最適でないモードを用いる傾向がある(例えば、隣接歯間スペースについて「上-上」動作又はより大きな表面について「下タップ-下タップ」)。いくつかの実施形態では、装置は、ユーザが歯表面及び隣接歯間スペースについて両方の動作を受けるように口腔ケアルーチン中に少なくとも2つの動作間で迅速に切り替わることができる。
【0055】
[0078] 例示的な実施形態で2つの動作を達成するために、スイープ動作及びタッピング動作の周波数は互いに近いものとなり得るが、互いと全く同じではない。「下タップ-下タップ」動作を示す図15及び図16、並びに「上-上」動作を示す図17及び図18を参照すると、スイープ動作の周波数に対してタッピング動作の周波数をシフトすることによって、結果として生じる作用は「ビート」作用である。「ビート」作用は、タッピング動作及びスイープ動作が経時的に同位相となるとともに位相を異にする挙動を含む。したがって、清掃要素が口腔表面に直接向いている間に最大タッピング(例えば、図15及び図16に示す「下タップ下タップ」構成において示すような)が生じるときもあれば、最大回転角度で最大タッピング並進(例えば、図17及び図18に示す「上-上」構成において示すような)が生じるときもある。「ビート」が1秒あたり少なくとも数回生じる場合、ユーザが製品を動かすよりも速く多清掃挙動が起こり、したがって、歯領域ごとに最適モードが用いられる。
【0056】
[0079] 動的清掃挙動を達成する別の受動的技術は、調波間隔を含む。調波間隔を用いる実施形態では、結果として生じる清掃挙動は、整数の倍数で繰り返し起こる。清掃挙動について、運動は、選択される調波間隔によって周期的に様々である。
【0057】
[0080] 図19を参照すると、1つの実施形態では、タッピング動作の周波数がスイープ動作の周波数よりも低いとともにタッピング動作がスイープ動作と位相を異にする、周期的な回転運動及び周期的な直線運動を同時に発生させる概略的なパーソナルケア装置500が提供される。当然のことながら、パーソナルケア装置500のコントローラが、タッピング動作とスイープ動作との間の周波数差及び位相差を変えることができることが理解されるべきである。図19に描かれている実施形態は、タッピング動作の周波数がスイープ動作の周波数よりも低い実施形態に限定されないものとする。パーソナルケア装置500は概して、装置ハウジング又は本体部分502と、清掃ユニット504と、コントローラ506と、アクチュエータ508及び機械的アクチュエータシステム509を含むドライブトレインアセンブリとを備える。本体部分502は、図4における本体部分102に類似している。清掃ユニット504は、本体部分102に対して可動である清掃ユニット104に類似している。したがって、清掃ユニット504は、本体部分502に対して可動に取り付けられる。さらに、清掃ユニット504は、清掃要素又は剛毛のセットを含み、清掃要素がプラテンから1つ又は複数の方向に延びている。コントローラ506は、コントローラ130に類似しており、本体部分502内にある。コントローラ506は、周期的な回転運動を発生されるよう、ドライブトレインアセンブリのアクチュエータ508を制御するように構成されている。アクチュエータ508によって発生させた回転運動は、機械的アクチュエータシステム509のドライブトレインシャフト510に伝達される。ドライブトレインシャフト510は、中心軸Aの周りに、又は、第1の運動パターン(すなわち、スイープ動作SM)で清掃ユニットプラテンに対して接線方向にある線に沿って、第1の方向に清掃要素のセットが動くように、周期的な回転運動を清掃ユニット及び清掃要素に伝達する。コントローラ506は、中心軸の周りに、又は、清掃ユニットプラテンに対して接線方向にある線に沿って、第1の運動パターンを制御するよう、制御信号512をアクチュエータ508に送信するように構成されている。
【0058】
[0081] 位相を異にするタッピング動作TMをもたらすために、清掃装置500は、機械的アクチュエータシステム509内に結合要素520及びタッピングプレート522をさらに備える。ドライブトレインシャフト510と組み合わせた、結合要素520及びタッピングプレート522が、単一のドライブトレインアクチュエータだけから、すなわちアクチュエータ508からスイープ動作及びタッピング動作をもたらす機械的アクチュエータシステム509を構成する。いくつかの実施形態では、スイープ動作及びタッピング動作を発生させる単一のアクチュエータは、スイープドライブトレインシャフトなどのスイープ動作アクチュエータである。例えば、コントローラ506は、制御信号512をアクチュエータ508に送信するように構成されることができ、次いでアクチュエータ508が、任意の適切な機械的カップリング516を介して、中心軸Aの周りに、又は、清掃ユニットプラテンに対して接線方向にある線に沿って、ドライブトレインシャフト510を回転させる電気信号又はドライブトレイン信号514を送信することができる。結合要素520及びタッピングプレート522は、機械的アクチュエータシステム509のドライブトレインシャフト510からのスイープ動作を用い、図20及び図21を参照しながらさらに示すとともに説明するような固有のタッピング誘発構成要素とともにスイープ運動を機械的に変換する。したがって、清掃装置は、単一の制御信号512を用いて、清掃ユニット504のスイープ動作及びタッピング動作の両方を制御することができる。結合要素520は、任意の適切な機械的カップリング519によってドライブトレインシャフト510と機械的に結合される。同様に、タッピングプレート522は、任意の適切な機械的カップリング521によって結合要素520と機械的に結合される。タッピングプレートは、任意の適切な機械的カップリング523によって清掃ユニット504と機械的に結合される。
【0059】
[0082] 結合要素520及びタッピングプレート522の1つの例示的な実施形態を、図20及び図21に示す。コントローラ506が、ドライブトレインシャフト510内にスイープ運動を発生させるようにアクチュエータ508を制御する。スイープドライブトレインシャフト510及び結合要素520を振動させるとともにスイープ動作SMを発生させることによって、タッピングプレート522も作動される。タッピングプレート522は、ジョイント524A、524Bにより接続されることができ、これらジョイントは、固定された摺動シャフト526の上を摺動することができる。ジョイント524A及び524Bは、形状スライダ又は結合要素520におけるプロファイルに追従せねばならないスライダ528A、528Bによりシャフト526の上を摺動する。図20に示すように、結合要素520は、ドライブトレインシャフト510とともに回転するようにシャフト510に取り付けられている。結合要素520は、結合要素520の外周面におけるプロファイル530を含む。プロファイル530は、スライダ528A及び528Bと相互作用するための任意の適切な特定のタッピング誘発要素(複数可)(例えば、V字状溝)を含む。周波数及び位相をV字状溝の形状によって制御することができる。例えば、種々の形状(例えば、エングレービング、溝の直線的に増加/減少する並進、及び/又は溝間の間隔)の結果として、種々の周波数及び/又は位相が生じる。
【0060】
[0083] 図20に示すスライダ528A及び528B並びにジョイント524A及び524Bの位置から開始し、結合要素520が中心軸Aの周りにドライブトレインシャフト510とともに第1の方向に回転するにつれ、図21におけるスライダ528A及び528B並びにジョイント524A及び524Bの位置の位置に動くことで、スライダ528A及び528Bが、プロファイル530におけるV字状溝に沿って互いに向かって引き寄せられる。スライダ528A及び528Bが互いに向かって動くと、ジョイント524A及び524Bの近位端もまた、互いに向かって引き寄せられる。図21に示すように、ジョイント524A及び524Bの近位端が互いに向かって引き寄せられると、タッピングプレート522が垂直方向DR2に上方へ押される。タッピングプレート522は、ジョイント524A及び524Bの近位端をプロファイル530に沿って互いに向かってさらに引き寄せることによって、方向DR2にさらに押され得る。同様に、タッピングプレート522は、ジョイント524A及び524Bの近位端をプロファイル530のV字状溝内において互いから引き離すことによって、反対方向(すなわち、方向DR1)に押され得る。
【0061】
[0084] 一実施形態では、タッピングプレート522は、ドライブトレインシャフト510における軸受又は任意の適切な代替物に接続される。したがって、タッピングプレート522が方向DR2に動くと、ドライブトレインアセンブリもまた方向DR2に動く。同様に、タッピングプレート522が方向DR2とは逆の方向DR1に動くと、ドライブトレインアセンブリもまた方向DR1に動く。
【0062】
[0085] 図22を参照すると、1つの実施形態では、タッピング動作の周波数がスイープ動作の周波数よりも低いとともにタッピング動作がスイープ動作と位相を異にする、周期的な運動を同時に発生させる概略的なパーソナルケア装置800が提供される。パーソナルケア装置800は概して、装置ハウジング又は本体部分802と、清掃ユニット804と、コントローラ806と、2つのアクチュエータ、すなわち第1のアクチュエータ810及び第2のアクチュエータ812を含む機械的アクチュエータシステム808とを備える。本体部分802は、部分102及び502に類似している。清掃ユニット804は、ユニット104及び504に類似している。したがって、清掃ユニット804は、本体部分802に対して可動に取り付けられる。さらに、清掃ユニット804は、清掃要素のセットを含み、清掃要素がユニットから1つ又は複数の方向に延びている。コントローラ806は、コントローラ506に類似しており、本体部分802内にある。
【0063】
[0086] コントローラ806は、清掃ユニット804について周期的なスイープ運動を発生させるよう、機械的アクチュエータシステム808のアクチュエータ810を制御するように構成されている。アクチュエータ810によって発生させたスイープ運動は、ドライブトレインシャフトによって清掃ユニット804に伝達される。ドライブトレインシャフトは、中心軸Aの周りに、又は、第1の運動パターン(すなわち、スイープ動作SM)で清掃ユニットプラテンに対して接線方向にある線に沿って、第1の方向に少なくともいくつかの清掃要素が動くように、アクチュエータ810によって発生させた周期的なスイープ運動を清掃ユニット及び清掃要素に伝達する。コントローラ806は、中心軸Aの周りに、又は、清掃ユニットプラテンに対して接線方向にある線に沿って、第1の運動パターンを制御するよう、制御信号814をアクチュエータ810に送信するように構成されている。
【0064】
[0087] タッピング動作TMをもたらすために、清掃装置800は、第2のアクチュエータ812(例えば、振動器、又は摺動シャフトを有するタッピングプレート)をさらに備える。清掃装置500を参照しながら上述した機械的な作動の代わりに、図22において、第1のアクチュエータ810のドライブトレイン信号820が第2のアクチュエータ812についての作動信号822をトリガすることができる。ドライブトレイン信号820はまた、第2のアクチュエータ812の動作非同期制御信号を構成することができる。換言すると、組み合わせられたスイープ動作及びタッピング動作は、動作周波数及び位相(非)同期駆動方式を用いることによって達成され、この方式では、第1のアクチュエータ810のスイープシャフトのドライブトレイン/ブラシ移動信号(例えば、信号820)がトリガ及び制御信号として使用されて、第2のアクチュエータ812の動作特性を制御する。したがって、タッピングプレートの摺動シャフト又は偏心回転質量振動モータが、スイープ動作とは別個のタッピング動作を駆動するように電気的に制御され得る。
【0065】
[0088] 2つのアクチュエータを含む機械的アクチュエータシステムを有する口腔ケア装置の1つの例示的な実施形態を、図23に示す。要素902、904、906、910、及び912が、図22における要素802、804、806、810、及び812に類似している又は相当する。スイープ動作及びタッピング動作を含む二次元動作又は総和を、第1のアクチュエータ910及び第2のアクチュエータ912を含む機械的なアクチュエータシステム908によって発生させることができる。スイープ動作及びタッピング動作は独立している又は互いから分離される。一実施形態では、アクチュエータ910は、振動スイープ動作を発生させるように構成されたドライブトレインアセンブリを含む。いくつかの実施形態では、アクチュエータ910は、振動スイープ動作を清掃ユニット904に伝達するためにドライブトレインシャフトを含む。アクチュエータ912は、振動モータ(例えば、英国のPrecision Microdrivesなどから入手可能な、偏心回転質量(ERM)振動モータ若しくはリニア共振アクチュエータ(LRA)振動モータ)又は任意の適切な代替物を含むことができる。
【0066】
[0089] ケアルーチン中、コントローラ906は、装置の中心軸Aの周りに、又は、清掃ユニットプラテンに対して接線方向にある線に沿って、スイープ動作を制御するように、制御信号914をアクチュエータ910に送信することができる。アクチュエータ910は、電気信号又はドライブトレイン信号920を送信し、コントローラ906は、アクチュエータ910からのドライブトレイン信号920を使用して制御信号922を生成し、第2のアクチュエータ912について第2の動作の所要の周波数及び相補的な位相差をもたらすようにする。換言すると、信号920は、第1のアクチュエータ910から発生させた動作に対する、第2のアクチュエータ912から発生させた動作の作動及び非同期をトリガする。一実施形態では、第1のアクチュエータ910は、剛毛が向いている方向に対して接線方向にある方向に清掃ユニット904の清掃要素が動くようにスイープ動作SMを発生させる。接線方向は、例えば中心軸Aに対して平行な方向に沿う又は中心軸Aの周りにあるものとすることができる。第2のアクチュエータ912は、少なくとも0.25mmの振幅又は清掃ユニットプラテンに対して直角で装置のz軸に沿って清掃要素が動くように、タッピング動作TMを発生させる。タッピング動作の周波数は、いくつかの実施形態ではスイープ動作の周波数よりも3倍低いものとすることができる。換言すると、スイープ動作SMがfに等しい周波数を有する場合、いくつかの実施形態ではタッピング動作TMはf=f/3に等しい周波数を有する。そのような実施形態では、スイープ動作対タッピング動作の周波数比は、3:1である。
【0067】
[0090] スイープ動作SMよりも低い周波数でタッピング動作TMを発生させることは、清掃性能を最適化させること以外の目的で用いられ得る。例えば、タッピング動作を毎2~4秒で発生させる場合、タッピング動作TMは、知覚による歯ペーサー(toothpacer)としての役目を果たすことができる。清掃ユニット及び/又は清掃要素が下に押され、律動的に動かされ、又はタッピングされるたび、ユーザは、清掃ユニットを口内の次のスペースに動かすように知らされる。
【0068】
[0091] 図24は、装置が非同期的にスイープ動作及びタッピング動作を制御可能にもたらす例示的な実施形態による、パーソナルケア装置を動作させる方法1000を示すフローチャートを示す。換言すると、装置は、動作が異なる周波数で及び/又は互いと位相を異にして動作する、スイープ動作及びタッピング動作を制御可能にもたらす。
【0069】
[0092] 方法は、パーソナルケア装置を用意するステップ1010において開始する。パーソナルケア装置は、本明細書において説明又は他の場合では意図したように、本体部分と、清掃ユニットと、コントローラと、作動アセンブリとを備える。清掃ユニットは、位置合わせ軸又は清掃ユニットプラテンに対して直角の軸に沿って、プラテンから延びる清掃要素のセットを含む。作動アセンブリは、装置の中心軸の周りに、又は、清掃ユニットプラテンに対して接線方向にある線に沿って、周期的なスイープ運動を発生させるように構成されたアクチュエータと、周期的な運動を清掃ユニットに伝達するように構成されたドライブトレインシャフトとを含む。作動アセンブリはまた、周期的な直線運動を発生させるとともに清掃ユニット及び/又は清掃要素に伝達するように構成された動作発生器を含む。清掃ユニットは、第1の運動パターン及び第2の運動パターンで動くように構成され、これら運動パターンは異なっており、伝達される周期的な運動に起因して少なくとも部分的に重なる。第1の運動パターン及び第2の運動パターンは、本明細書において説明又は他の場合では意図したように、異なる周波数で及び/又は互いと位相を異にして動作する。
【0070】
[0093] ステップ1020において、コントローラは、装置の中心軸の周りに、又は、清掃ユニットプラテンに対して接線方向にある線に沿って、第1の方向を含む第1の運動パターンで清掃要素を駆動するように作動アセンブリのアクチュエータ及びドライブトレインシャフトを制御する。第1の運動パターンは、本明細書において説明するスイープ動作のグラフ図のうちのいずれかを具現することができるが、説明した又は他の場合では描かれたものにのみ限定されないものとする。任意の適切なアクチュエータが、中心軸Aの周りに、又は、清掃ユニットプラテンに対して接線方向にある線に沿って、スイープシャフトを振動させることができる。
【0071】
[0094] ステップ1030において、動作発生器が周期的な直線運動をもたらし、作動アセンブリのドライブトレインシャフトがそのような直線運動を清掃ユニットに伝達する。清掃要素が、第1の方向とは異なる第2の方向を含む第2の運動パターンで駆動される。第2の方向は、パーソナルケア装置のz軸に沿った、又は、清掃要素のうちの少なくともいくつかに対して平行な方向に沿った方向を指す。換言すると、第2の方向は、清掃ユニットプラテンに対して直角(すなわち、清掃ユニットプラテンに対して垂直又は装置の中心軸に対して垂直)である。第2の運動パターンは、本明細書において説明するタッピング動作のグラフ図のうちのいずれかを具現することができるが、説明した又は他の場合では描かれたものにのみ限定されないものとする。いくつかの実施形態では、動作発生器は、周期的な直線運動を発生させるために、結合要素と、タッピングプレートとを含む。結合要素のタッピング誘発要素が、スイープ動作とタッピング動作との間の周波数差及び/又は位相差を発生させるように構成されている。代替的な実施形態では、スイープ動作とタッピング動作との間の周波数差及び/又は位相差を、スイープアクチュエータからの信号に基づいてコントローラ及びタッピングアクチュエータによって発生させる。
【0072】
[0095] ステップ1040において、コントローラは、単一の清掃ルーチン中、第1の周期的な運動及び第2の周期的な運動を第1の動作モード(例えば、歯肉線モード、隣接歯間モード、又は全体モード)において同時にもたらすように作動アセンブリを制御する。
【0073】
[0096] ステップ1050において、単一の清掃ルーチン中、コントローラは、第1の動作モードから第2の動作モードに切り替えるように作動アセンブリを制御する。ユーザの口の特定の領域を対象とするために第1の周期的な運動と第2の周期的な運動との組み合わせを含む第1の動作モードのように、第2の動作モードもまた、第1の周期的な運動と第2の周期的な運動との組み合わせと含むが、その組み合わせは、ユーザの口の異なる領域を対象とするように異なっている。したがって、第1の動作モードが歯肉線モードである場合、第2の動作モードは、例えば隣接歯間モード若しくは全体モードとすることができるか、又はその逆とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の動作モードと第2の動作モードとの間の切り替えは、パーソナルケア装置又は清掃ユニットの位置に関わらず、無理のない動的なものとすることができる。他の実施形態では、第1の動作モードと第2の動作モードとの間での切り替えは、装置又は清掃ユニットの位置に、又は、ユーザが清掃ルーチンを開始してからの時間に基づくことができる。第1の動作モードと第2の動作モードとの間の切り替えはまた、モードを変更するために装置内のセンサからの刺激に基づくことができる。
【0074】
[0097] 本明細書において説明される電動パーソナルケア装置の動作上の効果は、装置が、清掃要素の位置合わせ軸に対して平行である周期的な垂直動作において清掃要素を駆動することによって、口の重要な領域における清掃性能の向上を提供することができることであり、垂直動作の振幅は、0.25mm以上である(すなわち、パワータッピング)。電動パーソナルケア装置内における本発明のパワータッピング動作は、(i)歯肉縁下の歯垢を除去するために歯肉ポケットへのより深い到達範囲を達成することができ、(ii)歯垢及び/又はステインの除去を高める、より高いピーク力を、表面において達成することができ、(iii)有益な房のスイープ挙動を回復することによって、歯垢除去を高める剛毛房が動けなくなることを防ぐことができ、(iv)装置の配置、装置の角度、及び装置の圧力のような使用変数に対する、より大きい復元力を達成することができ、(v)消費者についての体験モードについて新たな選択肢を提供することができる。
【0075】
[0098] 本明細書において定義及び使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書における定義、及び/又は、定義された用語の通常の意味、に優先するものと理解されるべきである。
【0076】
[0099] 本明細書及び特許請求の範囲において使用される単数形の要素は、そうではないことを明確に示されていない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0077】
[00100] 明細書及び特許請求の範囲において使用される「及び/又は」という句は、そのように結合された要素、すなわち、或る場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素、の「どちらか又は両方」を意味すると理解されるべきである。「及び/又は」を用いて列挙される複数の要素は、同じように解釈されるべきであり、すなわち、そのように結合された要素の「1つ又は複数」である。具体的に特定された要素に関連するか否かにかかわらず、「及び/又は」の節によって具体的に特定された要素以外の他の要素が任意選択的に存在してもよい。
【0078】
[00101] 本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、「又は」は、上記で定義される「及び/又は」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、列挙したものの項目を区切る場合、「又は」又は「及び/又は」は包括的であると解釈され、すなわち、複数の要素又は列挙したものの要素のうちの、少なくとも1つを含むが、2つ以上も含み、任意選択的に、列挙されていないさらなる項目を含むものと解釈されるものとする。「ただ1つの」若しくは「正確に1つの」、又は、特許請求の範囲で使用される場合の「からなる」などの、そうではないことを明確に示されている用語のみが、複数の要素又は列挙したものの要素のうち、正確に1つの要素を含むことを指す。一般的に、本明細書において使用される「又は」という用語は、「いずれかの」、「1つの」、「ただ1つの」、「正確に1つの」などの排他的な用語が前に置かれている場合のみ、排他的な択一(すなわち、一方又は他方であって両方ではない)を示すと解釈されるものとする。
【0079】
[00102] 本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、1つ又は複数の要素の列挙したものに関する「少なくとも1つ」という句は、要素の列挙したものの中で任意の1つ又は複数の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、要素の列挙したものの中に具体的に列挙されている各要素及びすべての要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含んでいるわけではなく、要素の列挙したものの中の要素の任意の組み合わせを除外するものではない。この定義は、具体的に特定された要素に関連するか否かにかかわらず、「少なくとも1つ」という句が指す要素の列挙したものの中に、具体的に特定された要素以外の要素が任意選択的に存在することも可能にする。
【0080】
[00103] 特許請求の範囲及び上記の本明細書において、「備える」、「包む」、「持つ」、「有する」、「包含する」、「伴う」、「保持する」、「から構成される」などのすべての移行句は、オープンエンドであると理解されるべきであり、すなわち、含むことを意味するのであって限定されることを意味するものではない。もっぱら「からなる」及び「から本質的になる」という移行句は、それぞれクローズド又はセミクローズド移行句であるものとする。
【0081】
[00104] そうではないことを明確に示されていない限り、2つ以上のステップ又は行為を含む、特許請求の範囲に記載されているいずれもの方法において、方法のステップ又は行為の順序は、方法のステップ又は行為が記載される順序に必ずしも限定されないことも理解されるべきである。
【0082】
[00105] 本発明のいくつかの実施形態を本明細書において説明及び図示してきたが、当業者であれば、機能を実行し、及び/又は、成果及び/又は本明細書において説明された利点のうちの1つ又は複数を得るための、様々な他の手段及び/又は構造を容易に想定し、そのような変形及び/又は変更のそれぞれは、本明細書において説明される本発明の実施形態の範囲内にあるとみなされる。より一般的には、本明細書において説明されるすべてのパラメータ、寸法、材料、及び構成は例示的であることを意味すること、及び、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、本発明の教示が用いられる特定の1つ又は複数の用途に依存することを当業者は容易に理解するであろう。当業者であれば、本明細書において説明される本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するか又は日常的な実験だけを用いて確定することができるであろう。したがって、上述の実施形態は単に例として提示されていること、及び、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内で、本発明の実施形態が、具体的に説明され特許請求の範囲に記載されたものとは別のやり方で実施されてもよいことが理解されるべきである。本開示の本発明の実施形態は、本明細書において説明する各個々の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法に向けられる。さらに、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせが、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合、本開示の発明範囲内に含まれる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【国際調査報告】