(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-01
(54)【発明の名称】霧化装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20241025BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20241025BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20241025BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20241025BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20241025BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/46
A24F40/20
A24F40/465
A24F40/42
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529466
(86)(22)【出願日】2022-11-03
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 CN2022129436
(87)【国際公開番号】W WO2023124520
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111631681.8
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522373541
【氏名又は名称】海南摩爾兄弟科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hainan Moore Brothers Technology Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 歓喜
(72)【発明者】
【氏名】肖 俊杰
(72)【発明者】
【氏名】▲チュー▼ 慶臣
(72)【発明者】
【氏名】周 宏明
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC13
4B162AC22
4B162AC41
4B162AC50
4B162AD02
4B162AD06
4B162AD12
4B162AD13
4B162AD20
4B162AD23
(57)【要約】
霧化装置(100)は、収納キャビティ(118)を有するメインハウジング(110)と、収納キャビティ(118)内に取り外し可能に収容されるエアロゾル生成基質ボックス(130)であって、メイン筐体(131)と、メイン筐体(131)内に収容され、帯形状又はシート状をなすエアロゾル生成基質(1321)とを含み、エアロゾル生成基質(1321)は、メイン筐体(131)に対して予め定められた経路に沿って移動できるように構成されるエアロゾル生成基質ボックス(130)と、収納キャビティ(118)内に設けられ、且つエアロゾル生成基質(1321)の移動経路に位置する加熱モジュール(170)とを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
霧化装置であって、
収納キャビティを有するメインハウジングと、
前記収納キャビティ内に取り外し可能に収容されるエアロゾル生成基質ボックスであって、メイン筐体と、前記メイン筐体内に収容され、帯形状又はシート状をなすエアロゾル生成基質とを含み、前記エアロゾル生成基質は、前記メイン筐体に対して予め定められた経路に沿って移動できるように構成されるエアロゾル生成基質ボックスと、
前記収納キャビティ内に設けられ、且つ前記エアロゾル生成基質の移動経路に位置する加熱モジュールとを含む、
ことを特徴とする霧化装置。
【請求項2】
前記エアロゾル生成基質は、前記メイン筐体内に取り外し可能に収容されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の霧化装置。
【請求項3】
前記エアロゾル生成基質ボックスは、伝送機構を含み、前記霧化装置は、前記伝送機構に伝動的に接続された駆動モジュールを含み、前記伝送機構は、前記駆動モジュールによる駆動で前記エアロゾル生成基質を放出させることで、前記エアロゾル生成基質の異なる領域を順次に前記加熱モジュールに通過させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の霧化装置。
【請求項4】
前記メイン筐体に加熱溝が開設され、前記加熱溝は、前記エアロゾルの移動経路に位置し、前記加熱モジュールは、一部が前記加熱溝内に位置する、
ことを特徴とする請求項3に記載の霧化装置。
【請求項5】
前記霧化装置は、給送検出モジュールをさらに含み、前記給送検出モジュールは、前記エアロゾル生成基質の放出長さを取得するためのものであり、前記駆動モジュールは、前記放出長さに応じて前記伝送機構を駆動して前記エアロゾル生成基質を放出させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の霧化装置。
【請求項6】
前記給送検出モジュールは、検出回転軸及び検出ユニットを含み、前記検出回転軸は、前記エアロゾル生成基質の一方側に密着され、且つ前記エアロゾル生成基質に連れられて回動し、前記給送検出ユニットは、前記回転軸の回動角度を検出することで前記エアロゾル生成基質の放出長さを取得するためのものである、
ことを特徴とする請求項5に記載の霧化装置。
【請求項7】
前記加熱モジュールは、加熱部材を含み、前記加熱部材は、抵抗加熱体、電磁誘導加熱体又はプラズマ加熱体として配置され、前記加熱部材は、前記エアロゾル生成基質に密着されて熱を前記エアロゾル生成基質に伝導し、あるいは
前記加熱モジュールは、マイクロ波加熱装置又は赤外線放射加熱装置として配置され、前記加熱モジュールは、前記エアロゾル生成基質に接近してマイクロ波又は赤外放射を前記エアロゾル生成基質に伝導する、
ことを特徴とする請求項1に記載の霧化装置。
【請求項8】
前記加熱モジュールは、電磁加熱コイルを含み、前記エアロゾル生成基質内に電磁加熱ユニットが均一に分布し、前記エアロゾル生成基質は、前記電磁加熱コイルが生じる磁場に誘導されて電流を起こすことが可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の霧化装置。
【請求項9】
前記霧化装置は、残量検出ユニットをさらに含み、前記残量検出ユニットは、前記エアロゾル生成基質の未放出部分の残量を検出するためのものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の霧化装置。
【請求項10】
前記メインハウジングに取付検出ユニットが設けられ、前記取付検出ユニットは、前記取付キャビティ内に前記エアロゾル生成基質ボックスが存在するか否かを検出するためのものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の霧化装置。
【請求項11】
前記エアロゾル生成基質ボックスに感応素子が設けられ、前記取付検出ユニットは、前記感応素子を検出することで、前記取付キャビティ内に前記エアロゾル生成基質ボックスが存在するか否かを判断することが可能である、
ことを特徴とする請求項10に記載の霧化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年12月28日に出願された名称が「霧化装置」である第202111631681.8号中国特許出願を引用し、その全ての内容は、引用により、本願に組み入れられる。
【0002】
本願は、霧化の技術分野に関し、より具体的には、霧化装置に関する。
【背景技術】
【0003】
エアロゾルは、固体又は液体の小質点が気体媒体に分散、懸濁して形成されるコロイド分散体系であり、エアロゾルは、呼吸システムによって人体に吸収されるため、ユーザに新型の代替の吸収方式を提供し、例えば医療薬物などのエアロゾル生成基質が生じるエアロゾルの霧化装置を医療などの異なる分野に適用して、ユーザに吸入可能なエアロゾルを輸送することで、通常の製品形態及び吸収方式の代わりとすることができる。
【0004】
現在、霧化装置は、エアロゾル生成基質が設けられた霧化カートリッジ全体を加熱し、霧化カートリッジは、大量のエネルギーを吸収する必要があるため、エネルギーの利用率を低下させるだけでなく、エアロゾルの生成に係る時間を制約する。さらに、伝導加熱の方式は、霧化カートリッジの内部の温度分布を極めて不均一にし、さらに吸引の食感及び一致性に影響する。
【発明の概要】
【0005】
本願の各実施例によれば、霧化装置を提供する。
【0006】
霧化装置であって、
収納キャビティを有するメインハウジングと、
前記収納キャビティ内に取り外し可能に収容されるエアロゾル生成基質ボックスであって、メイン筐体と、前記メイン筐体内に収容され、帯形状又はシート状をなすエアロゾル生成基質とを含み、前記エアロゾル生成基質は、前記メイン筐体に対して予め定められた経路に沿って移動できるように構成されるエアロゾル生成基質ボックスと、
前記収納キャビティ内に設けられ、且つ前記エアロゾル生成基質の移動経路に位置する加熱モジュールとを含む、霧化装置。
【0007】
いずれかの実施例では、前記エアロゾル生成基質は、前記メイン筐体内に取り外し可能に収容されている。
【0008】
いずれかの実施例では、前記エアロゾル生成基質ボックスは、伝送機構を含み、前記霧化装置は、前記伝送機構に伝動的に接続された駆動モジュールを含み、前記伝送機構は、前記駆動モジュールによる駆動で前記エアロゾル生成基質を放出させることで、前記エアロゾル生成基質の異なる領域を順次に前記加熱モジュールに通過させる。
【0009】
いずれかの実施例では、前記メイン筐体に加熱溝が開設され、前記加熱溝は、前記エアロゾルの移動経路に位置し、前記加熱モジュールは、一部が前記加熱溝内に位置する。
【0010】
いずれかの実施例では、前記霧化装置は、給送検出モジュールをさらに含み、前記給送検出モジュールは、前記エアロゾル生成基質の放出長さを取得するためのものであり、前記駆動モジュールは、前記放出長さに応じて前記伝送機構を駆動して前記エアロゾル生成基質を放出させる。
【0011】
いずれかの実施例では、前記給送検出モジュールは、検出回転軸及び検出ユニットを含み、前記検出回転軸は、前記エアロゾル生成基質の一方側に密着され、且つ前記エアロゾル生成基質に連れられて回動し、前記給送検出ユニットは、前記回転軸の回動角度を検出することで前記エアロゾル生成基質の放出長さを取得するためのものである。
【0012】
いずれかの実施例では、前記加熱モジュールは、加熱部材を含み、前記加熱部材は、抵抗加熱体、電磁誘導加熱体又はプラズマ加熱体として配置され、前記加熱部材は、前記エアロゾル生成基質に密着されて熱を前記エアロゾル生成基質に伝導し、あるいは
前記加熱モジュールは、マイクロ波加熱装置又は赤外線放射加熱装置として配置され、前記加熱モジュールは、前記エアロゾル生成基質に接近してマイクロ波又は赤外放射を前記エアロゾル生成基質に伝導する。
【0013】
いずれかの実施例では、前記加熱モジュールは、電磁加熱コイルを含み、前記エアロゾル生成基質内に電磁加熱ユニットが均一に分布し、前記エアロゾル生成基質は、前記電磁加熱コイルが生じる磁場に誘導されて電流を起こすことが可能である。
【0014】
いずれかの実施例では、前記霧化装置は、残量検出ユニットをさらに含み、前記残量検出ユニットは、前記エアロゾル生成基質の未放出部分の残量を検出するためのものである。
【0015】
いずれかの実施例では、前記メインハウジングに取付検出ユニットが設けられ、前記取付検出ユニットは、前記取付キャビティ内に前記エアロゾル生成基質ボックスが存在するか否かを検出するためのものである。
【0016】
いずれかの実施例では、前記エアロゾル生成基質ボックスに感応素子が設けられ、前記取付検出ユニットは、前記感応素子を検出することで、前記取付キャビティ内に前記エアロゾル生成基質ボックスが存在するか否かを判断することが可能である。
【0017】
本願の1つまたは複数の実施例の詳細は、以下の図面と説明において言及される。本願の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかになる。
【0018】
本願の実施例又は従来技術における技術手段をより明確に説明するために、以下では、実施例又は従来技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明中の図面は本願の実施例であるに過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を必要としない前提で、開示された図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本願の一実施例に係る霧化装置の模式図である。
【
図2】
図1に示す霧化装置の内部構成模式図である。
【
図3】
図1に示す霧化装置の内部構成模式図である。
【
図4】
図1に示す霧化装置の別の角度の内部構成模式図である。
【
図5】
図1に示す霧化装置的エアロゾル生成基質ボックスの内部構成模式図である。
【
図6】本願の第1実施例に係る伝送機構の構成模式図である。
【
図7】本願の第3実施例に係る伝送機構の構成模式図である。
【
図8】
図7に示す伝送機構のエアロゾル生成基質の堆積模式図である。
【
図9】本願の一実施例に係るエアロゾル生成基質の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願の上記目的、特徴及び利点を更に明らかにするために、以下で、図面と合わせて本願の具体的な実施形態に対して詳しく説明する。本願を充分に理解するために、以下の説明では種々の具体的な細部を説明する。しかし、本願はここで説明した以外の様々な形態で実施できるものであり、当業者は本願の内容を違反しない限り類似した改良を行うことができるため、本願は以下に開示される具体的な実施例に限定されない。
【0021】
本願の説明において、理解されたいのは、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などが指示する方位或は位置関係は、図面に示す方位或は位置関係に基づくものであり、本願を説明しやすく、説明を簡略化するためだけであり、係る装置又は要素が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作しなければならないことを指示或は暗示するものではないため、本願に対する制限として理解してはならない。
【0022】
なお、「第1」、「第2」という用語は、説明のみに使用され、相対的な重要性を示したり示唆したり、示された技術的特徴の数を暗示的に示したりするものと解釈されるべきではない。したがって、「第1」、「第2」と限定された特徴は、明示的にも暗黙的にも、少なくとも1つの当該特徴を含むことができる。本願の説明において、特に明確に具体的に限定されない限り、「複数」とは、少なくとも2つであり、例えば2つ、3つ等を意味する。
【0023】
本願において、別段の明確な規定や限定がない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は広義に理解しなければならず、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、あるいは一体になっていてもよく、また、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、また、直接的な接続であってもよく、媒介を介した間接的な接続であってもよく、2つの要素の内部での連通あるいは2つの要素の相互作用関係であってもよく、別段の明確な限定がない限り、当業者にとって、具体的な状況に応じて上記の用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0024】
本願において、別段の明確な規定や限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触してもよく、或は第1特徴と第2特徴とが仲介媒介を介して間接的に接触してもよい。そして、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上部」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上方にあってもよく、或は単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことを示す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下部」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下方にあってもよく、或は単に第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことを示す。
【0025】
なお、ある要素が他の要素に「固定」又は「設置」されると言う場合、この要素は他の要素の上に直接的にあってもよく、介在する要素があってもよい。ある要素が他の要素に「接続」されると見なされる場合、この要素は他の要素に直接的に接続されてもよく、介在する要素があってもよい。本明細書で使われる「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」及び類似する表現は、説明するためのものであり、唯一の実施形態を示すものではない。
【0026】
図1乃至
図4を参照すると、本願の一実施例は、霧化装置100を提供し、霧化装置100は、メインハウジング110、吸い口120、エアロゾル生成基質ボックス130、給電モジュール150、駆動モジュール180、加熱モジュール170及び制御ユニットを含む。吸い口120は、メインハウジング110の一端に取り付けられるとともに、メインハウジング110から延出し、給電モジュール150、加熱モジュール170、駆動モジュール180及び制御ユニットは、いずれもメインハウジング110内に取り付けられ、エアロゾル生成基質ボックス130は、メインハウジング110内に取り外し可能に取り付けられ、エアロゾル生成基質ボックス130内にエアロゾル生成基質132及び伝送機構(133/134/135)が収容されている。
【0027】
制御ユニットによる制御で、駆動モジュール180は、エアロゾル生成基質ボックス130内の伝送機構(133/134/135)を駆動してエアロゾル生成基質132を放出させることで、エアロゾル生成基質132を予め定められた経路に沿って移動させ、且つ、加熱モジュール170は、エアロゾル生成基質132の移動経路に位置する。給電モジュール150による電気エネルギーの作用で、放出されたエアロゾル生成基質132が加熱され、エアロゾル生成基質132は、熱を受けて霧化してエアロゾルを形成し、エアロゾルは、吸い口120を介して流出して利用者に吸入される。
【0028】
メインハウジング110は、中空の立方体状のハウジング構造をなし、ハウジング底壁112と、ハウジング底壁112の縁から同一の方向へ延在して形成されたハウジング側壁114と、ハウジング側壁114のハウジング底壁112から離れる側に設けられたハウジング頂壁116とを含み、ハウジング底壁112、ハウジング側壁114及びハウジング頂壁116は、共同に囲んでエアロゾル生成基質ボックス130などの構成を収納するための収納キャビティ118を形成する。下記実施例では、メインハウジング110の長さ方向は、第1方向(即ち、
図2におけるX方向)であり、メインハウジング110の幅方向は、第2方向(即ち、
図2におけるY方向)であり、メインハウジング110の厚さ方向は、第3方向(即ち、
図2におけるZ方向)である。理解できるように、メインハウジング110の形状はこれに限定されず、他のいくつかの実施例では、メインハウジング110は、異なる要求を満たすように、柱状、塔状などの異なる形状をなしてよい。
【0029】
エアロゾル生成基質ボックス130は、収納キャビティ118内に取り外し可能に収容され、メイン筐体131、エアロゾル生成基質132及び伝送機構(133/134/135)を含む。帯形状又はシート状のエアロゾル生成基質132は、取り巻き、折り畳み又は堆積などの形態でメイン筐体131に貯蔵され、伝送機構(133/134/135)は、駆動モジュール180による駆動で制御されてエアロゾル生成基質132を放出して、加熱部材174に順次にエアロゾル生成基質132の異なる領域を加熱させる。
【0030】
図2乃至
図5に示すように、メイン筐体131は、中空の立方体状のハウジング構造をなし、メイン筐体131の長さ方向は、第1方向に沿って延在し、メイン筐体131の幅方向は、第2方向に沿って延在し、メイン筐体131の厚さ方向は、第3方向に沿って延在する。理解できるように、メイン筐体131の形状は、これに限定されず、メイン筐体131の形状は、異なる要求を満たすように、メインハウジング110の形状に合わせる。
【0031】
メイン筐体131内に互いに独立した貯蔵キャビティ1312及び回収キャビティ1314が設けられ、貯蔵キャビティ1312は、放出されていないエアロゾル生成基質132を貯蔵し、回収キャビティ1314は、霧化したエアロゾル生成基質132を貯蔵する。このように、貯蔵キャビティ1312におけるエアロゾル生成基質132は、伝送機構(133/134/135)によって徐々に回収キャビティ1314に伝送され、加熱部材174は、伝送過程にあるエアロゾル生成基質132を加熱することができる。
【0032】
具体的には、一実施例では、貯蔵キャビティ1312と回収キャビティ1314は、メイン筐体131の長さ方向に間隔をあけて配置されることで、メイン筐体131の幅方向及び厚さ方向における寸法を小さくする。理解できるように、貯蔵キャビティ1312と回収キャビティ1314との位置関係は限定されず、他のいくつかの実施例では、貯蔵キャビティ1312と回収キャビティ1314は、メイン筐体131の幅方向に間隔をあけて配置されてもよく、別のいくつかの実施例では、貯蔵キャビティ1312と回収キャビティ1314は、互いに連通することで筐体の構造を簡単にできる。好適な実施形態として、貯蔵キャビティ1312内のエアロゾル生成基質132が湿気を受けて変質することを避けるために、貯蔵キャビティ1312内に乾燥剤などの乾燥機能を有する材料又は素子を配置することで、空気中の水分を吸収して、貯蔵キャビティ1312の内部環境の乾燥を保証することができる。
【0033】
加熱部材174によるエアロゾル生成基質132の加熱の便宜上、メイン筐体131の一端に加熱溝1316が設けられ、貯蔵キャビティ1312及び回収キャビティ1314は、それぞれ加熱溝1316の第2方向において対向する両側に位置し、貯蔵キャビティ1312及び回収キャビティ1314は、それぞれ加熱溝1316によってメイン筐体131の外部環境に連通し、加熱溝1316は、エアロゾル生成基質132の移動経路に位置する。このように、貯蔵キャビティ1312から放出されたエアロゾル生成基質132は、加熱溝1316を通って回収キャビティ1314に入り、加熱部材174の一端は、第3方向に沿って加熱溝1316内に入り込んで、加熱溝1316内に位置するエアロゾル生成基質132を加熱する。理解できるように、貯蔵キャビティ1312及び回収キャビティ1314の両方は、加熱溝1316と互いに連通する開口をできる限り小さくし、また、カーテンなどの遮蔽構造を設けることで、加熱溝1316におけるエアロゾルが貯蔵キャビティ1312及び回収キャビティ1314に入ることを避けてもよい。
【0034】
さらに、メインハウジング110内に、さらに霧化密封部材160が設けられ、霧化密封部材160は、メイン筐体131の加熱溝1316が設けられた一端に配置接続されて加熱溝1316外にカバーして設けられることで、加熱溝1316と吸い口120とを連通する霧化キャビティが画定して形成され、且つ霧化密封部材160に霧化キャビティと外部環境とを連通する吸気孔が開設されている。このように、外部の気流は、吸気孔を介して霧化キャビティに流れ込み、エアロゾル生成基質132が霧化して生成したエアロゾルは、気流に伴って吸い口120に流れ込むことができる。
【0035】
図5及び
図8に示すように、エアロゾル生成基質132は、帯形状又はシート状をなす。具体的には、帯形状のエアロゾル生成基質132は、周方向に沿って1層ずつ巻き付けられて基質巻きを形成してメイン筐体131中に収納されてもよいし、直線方向に沿って往復的に折り畳まれて基質束を形成してメイン筐体131中に収納されてもよい。シート状のエアロゾル生成基質132は、直線方向に沿って1層ずつ堆積されて基質束を形成してメイン筐体131中に収納されてよい。理解できるように、エアロゾル生成基質132の貯蔵形態は限定されず、必要に応じて異なる巻付、折畳形態で異なる形状を形成してよい。
【0036】
エアロゾル生成基質132の厚さが0.1mm~0.8mmであり、幅が3mm~10mmであることが好ましく、加熱部材174は、順次にエアロゾル生成基質132の各部分を加熱することができる。従来技術において柱状をなすエアロゾル生成基質に比べ、シート状と帯形状のエアロゾル生成基質132の厚さは極めて小さいため、加熱過程において、昇温が均一であると共に、昇温速度が速く、エアロゾル生成基質132が熱を受けて霧化して生成したエアロゾルの溢れ経路が短く、予熱を必要としない。理解できるように、エアロゾル生成基質132の厚さ及び幅の具体的な寸法は限定されず、異なる要求を満たすように、必要に応じて設定してよい。
【0037】
エアロゾル生成基質132は、タバコ葉、膨張タバコ茎、タバコ粒子、茶葉、ミントの葉のうちの1種又は複数種と、発煙剤プロピレングリコール、グリセリン又は他のポリオールのうちの1種又は複数種と、並びにエッセンス香料などの材料を混合してスラリーに調製されてなるため、熱を受けて霧化して人が吸入可能なエアロゾルを生成することができる。理解できるように、エアロゾル生成基質132を形成する材料はこれらに限定されず、異なる要求を満たすように、必要に応じて設定してよい。
【0038】
いくつかの実施例では、エアロゾル生成基質132内にさらに電磁加熱ユニットが均一に分布し、電磁加熱ユニットは、加熱部材174が生じる磁場に誘導されて電流を起こすことができる。それにより、その上の電荷が高速で不規則に運動し、さらに衝突且つ摩擦して熱エネルギーを生じてエアロゾル生成基質132を加熱する。具体的には、電磁加熱ユニットは、強磁性材料、例えば、鉄、コバルト、ニッケル及びその合金、希土類元素及びその合金のうちの1種又は複数種によって形成され、電磁加熱ユニットの形態は、粒子状、粉状、繊維状又は綿片状のうちの1種又は複数種であってもよい。
【0039】
いくつかの実施例では、エアロゾル生成基質132は、少なくとも1層の霧化層1322及び少なくとも1層の支持層1323を含み、霧化層1322と支持層1323は、厚さ方向に交互に積層設置され、支持層1323は、霧化層1322に対して支持作用を果たし、エアロゾル生成基質132の抗引張及び抗せん断能力を向上させる。また、2層の支持層1323の間の霧化層1322は、1層の霧化層1322と定義される。
【0040】
図9を参照すると、具体的には、一実施例では、エアロゾル生成基質132は、1層の霧化層1322及び1層の支持層1323を含み、支持層1323は、霧化層1322の上面又は下面に位置する。具体的には、別の一実施例では、エアロゾル生成基質132は、2層の霧化層1322及び1層の支持層1323を含み、支持層1323は、2層の霧化層1322の間に位置する。理解できるように、霧化層1322と支持層1323数は限定されず、必要に応じて設定される。
【0041】
また、支持層1323は、金属材料、例えば、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、ニッケル、アルミニウム、タングステン、モリブデン、タンタル、ニオブ、チタン、ニッケル基、コバルト基、鋼とステンレススチール金属及びその合金箔などの材料のうちの1種或は複数種によって形成されてもよく、耐熱非金属膜帯、例えばガラス繊維、テフロン、ポリイミドなどの材料のうちの1種又は複数種によって形成されてもよい。支持層1323の厚さは、0.01mm~0.15mmであることが好ましく、支持層1323の幅は、霧化層1322的幅と等しくてもよく、霧化層1322の幅よりも小さいか、又は大きくてもよい。このように、支持層1323は、霧化層1322に比べて、より優れた力学性能を有するため、エアロゾル生成基質132の抗引張及び抗せん断能力を向上させることができ、さらに、支持層1323は、熱を伝達することができる。それにより、加熱シートに接触していない部分を予熱し、さらに加熱の均一性を向上させることができる。
【0042】
さらに、支持層1323は、厚さ方向に沿って連通孔1323aが貫通して開設され、複数の連通孔1323aは、アレイで支持層1323の少なくとも一部の領域に配列し、連通孔1323aは、エアロゾルが現在位置する霧化層1322から隣接する霧化層1322又は外部へ流れることを許容する。エアロゾルが十分に高い溢れ量を有することを保証するために、支持層1323の開孔率(即ち、単位面積における連通孔1323aの総面積と単位面積との比)は、30%以上である。具体的には、エアロゾル生成基質132が1層の霧化層1322及び1層の支持層1323を含む場合、支持層1323は、霧化層1322の上面又は下面に位置し、霧化層1322が霧化して生成したエアロゾルは、支持層1323に開設された連通孔1323aを通り抜けて流れ出る。エアロゾル生成基質132が2層の霧化層1322及び1層の支持層1323を含み、支持層1323が2層の霧化層1322の間に位置する場合、そのうちの1層の霧化層1322が霧化して生成したエアロゾルは、支持層1323に開設された連通孔1323aを通り抜けて他の1層の霧化層1323へ流れることができる。
【0043】
図6を参照すると、本願の第1実施例では、エアロゾル生成基質ボックス130は、エアロゾル生成基質132を放出するための伝送機構133を含み、伝送機構133は、放出中心ローラ1232及び伝送モジュール1334を含む。放出中心ローラ1232は、貯蔵キャビティ1312に回動可能に取り付けられ、放出中心ローラ1232の中心軸線は、第3方向に沿って延在し、帯形状のエアロゾル生成基質132の一端は、放出中心ローラ1232に巻き付けられている。伝送モジュール1334は、貯蔵キャビティ1312と回収キャビティ1314との間に位置し、且つ加熱溝1316の回収キャビティ1314に近接する側にあり、伝送モジュール1334は、エアロゾル生成基質132の一端に引張力を印加することで、エアロゾル生成基質132の異なる領域が順次に加熱溝1316中に入るとともに、放出中心ローラ1232を駆動して回動させて同期にエアロゾル生成基質132を放出させるためのものである。
【0044】
具体的には、伝送モジュール1334は、間隔をあけて設けられた2つの伝送ローラ1334aを含み、2つの伝送ローラ1334aは、メイン筐体131に回動可能に取り付けられ、2つの伝送ローラ1334aの中心軸線は、第3方向に沿って延在する。2つの伝送ローラ1334aの間にエアロゾル生成基質132が通るための挟持隙間が画定して形成され、駆動モジュール180は、そのうちの1つの伝送ローラ1334aに伝動的に接続されて、当該伝送ローラ1334aを駆動して回動させる。そのため、挟持隙間内に位置するエアロゾル生成基質132は、伝送ローラ1334aの自転作用で前へ移動し続けて、加熱溝1316を経由して回収キャビティ1314に入る。
【0045】
図5を参照すると、本願の第2実施例では、エアロゾル生成ボックスは、エアロゾル生成基質132を放出するための伝送機構134を含み、伝送機構134は、放出中心ローラ1341及び伝送モジュールを含み、伝送モジュールは、回収中心ローラ1343を含む。放出中心ローラ1341は、貯蔵キャビティ1312に回動可能に取り付けられ、且つ放出中心ローラ1341の中心軸線は、第3方向に沿って延在し、回収中心ローラ1343は、回収キャビティ1314に回動可能に取り付けられ、且つ回収中心ローラ1343の中心軸線は、第3方向に沿って延在する。エアロゾル生成基質132の首尾両端は、それぞれ放出中心ローラ1341及び回収中心ローラ1343に巻き付けられている。駆動モジュール180は、回収中心ローラ1343に伝動的に接続され、回収中心ローラ1343は、駆動モジュール180による駆動で回動してエアロゾル生成基質132を回収し、回収中心ローラ1343による駆動で移動するエアロゾル生成基質132は、放出中心ローラ1341を連れて同期に回動させることで、同期にエアロゾル生成基質132を放出する。さらに、いくつかの実施例では、伝送モジュールは、複数の中間プーリをさらに含み、各中間プーリは、メイン筐体131内において異なる箇所に設けられることで、エアロゾル生成基質132の移動経路を制限する。
【0046】
図7及び
図8を参照すると、本願の第3実施例では、エアロゾル生成基質132は、シート状又は一方向に沿って往復に折り畳まれた帯形状の構造であり、エアロゾル生成基質ボックス130は、エアロゾル生成基質132を放出するための伝送機構135を含み、伝送機構135は、給送ピックアップローラ1352及び搬送ローラモジュール1354を含む。給送ピックアップローラ1352と搬送ローラモジュール1354は、間隔をあけて加熱溝1316の第2方向において対向する両側に設けられ、且つ給送ピックアップローラ1352は、貯蔵キャビティ1312の上方に位置し、給送ピックアップローラ1352の中心軸線は、第3方向に沿って延在する。搬送ローラモジュール1354は、第1方向において間隔をあけて設けられた2つの搬送ローラ1354aを含み、搬送ローラ1354aの中心軸線は、第3方向に沿って延在し、2つの搬送ローラ1354aの間に搬送隙間が形成されている。駆動モジュール180は、給送ピックアップローラ1352とそのうちの1つの搬送ローラ1354aとに伝動的に接続されることで、それぞれ給送ピックアップローラ1352と搬送ローラ1354aを駆動して回動させる。
【0047】
このように、給送ピックアップローラ1352は、駆動モジュール180による駆動で、エアロゾル生成基質132に前への作用力を印加し、エアロゾル生成基質132の一端は、給送ピックアップローラ1352による押しで放出されて加熱溝1316に入り、そして、搬送ローラモジュール1354が形成する搬送隙間に入り、搬送ローラ1354aによる自転作用で回収キャビティ1314まで移動する。
【0048】
さらに、第3実施例では、エアロゾル生成基質ボックス130は、昇降機構136をさらに含み、昇降機構136は、エアロゾル生成基質132を押して給送ピックアップローラ1352に接近させることで、各枚又は各段のエアロゾル生成基質132を順次に給送ピックアップローラ1352に接触させ、さらに、給送ピックアップローラ1352による押しで加熱溝1316に入らせるためのものである。
【0049】
具体的には、昇降機構136は、貯蔵キャビティ1312内に位置し、昇降ベース1361及び昇降駆動部材1363を含み、エアロゾル生成基質132は、エアロゾル生成基質132を載置するためのものであり、昇降駆動部材1363は、昇降ベース1361を連れて第1方向に移動させることで、エアロゾル生成基質132を常に給送ピックアップローラ1352に当接させることができる。好ましい実施形態として、昇降駆動部材1363は、第1方向に沿って延在する弾性部材であり、昇降駆動部材1363は、昇降ベース1361に対して給送ピックアップローラ1352に向かう引張力を印加することができる。理解できるように、昇降駆動部材1363の具体的な構造は限定されず、他のいくつかの実施例では、昇降駆動部材1363は、スクリューなどの駆動構造であってもよい。
【0050】
いくつかの実施例では、エアロゾル生成基質ボックス130は、粉砕機構(図示せず)をさらに含み、粉砕機構は、回収キャビティ1314内に設けられ、粉砕機構は、回収キャビティ1314に入ったエアロゾル生成基質132に作用力を印加して、放出されたエアロゾル生成基質132を粉砕する。理解できるように、粉砕機構の具体的な構造は限定されず、エアロゾル生成基質132に対する粉砕を実施できればよい。他のいくつかの実施例では、回収されたエアロゾル生成基質132を押圧することで空間の占用を減少させて回収キャビティ1314の体積を小さくし、最終的に、霧化装置100の体積の小型化に有利となるように、回収キャビティ1314内にさらに押圧構造が設けられてもよい。
【0051】
再び
図2乃至
図5を参照すると、いくつかの実施例では、メインハウジング110の収納キャビティ118から離れる側の表面には、霧化キャビティに連通する取付柱1141が凸設され、柱状の吸い口120の一端は、取付柱1141に挿設され、吸い口120の他端は、第3方向に沿ってハウジング頂壁116から離れる方向に向かって延在する。このように、エアロゾル生成基質ボックス130におけるエアロゾル生成基質132が生成したエアロゾルは、吸い口120を介して流れ出ることができる。
【0052】
給電モジュール150は、取付キャビティの第2方向における側に位置し、加熱モジュール170は、給電モジュール150の第1方向における側に位置し、加熱モジュール170は、加熱取付ケース172及び加熱部材174を含む。加熱取付ケース172は、メイン筐体131に配置接続され、加熱部材174の一端は、メイン筐体131内に位置制限され、且つ給電モジュール150に電気的に接続され、加熱部材174の他端は、第3方向に沿って加熱溝1316内に入り込んでエアロゾル生成基質132を加熱する。
【0053】
具体的には、いくつかの実施例では、加熱部材174は、抵抗加熱体、電磁誘導加熱体又はプラズマ加熱体として配置され、加熱部材174は、エアロゾル生成基質に密着されて熱をエアロゾル生成基質に伝導する。具体的に、いくつかの実施例では、加熱部材174は、伝導加熱の方式を用いてエアロゾル生成基質132を加熱し、加熱部材174は、通電後、発熱できる平板加熱シート、弧形加熱シート又は加熱ブロック体であり、加熱部材174は、加熱溝1316に入り込んで直接的にエアロゾル生成基質132に接触することで、伝導加熱の方式により、エアロゾル生成基質132を加熱する。
【0054】
別のいくつかの実施例では、エアロゾル生成基質132内に電磁加熱ユニットが配置され、加熱部材174は、電磁加熱コイルであり、加熱部材174は、加熱溝1316に入り込んでエアロゾル生成基質132と間隔をあけて設けられ、加熱部材174は、通電後、交番磁場を生じることができる。それにより、エアロゾル生成基質132を励起して交番電流を起こし、発熱して霧化する。好ましくは、加熱部材174とエアロゾル生成基質132との間の距離は、0.5mm~2.0mmである。
【0055】
他のいくつかの実施例では、加熱モジュール170は、マイクロ波加熱装置又は赤外線放射加熱装置として配置され、加熱モジュール170は、エアロゾル生成基質に接近してマイクロ波又は赤外放射をエアロゾル生成基質に伝導する。
【0056】
駆動モジュール180は、給電モジュール150の取付キャビティの第2方向における側に位置し、駆動モジュール180は、駆動モータを含み、駆動モータは、伝送機構(133/134/135)に伝動的に接続されることで、伝送機構(133/134/135)を駆動してエアロゾル生成基質132を放出及び回収させる。
【0057】
いくつかの実施例では、霧化装置100は、制御ユニットに通信可能に接続された給送検出モジュール190をさらに含み、給送検出モジュール190は、エアロゾル生成基質132の放出長さを取得することにより、駆動モジュール180の作動状態を制御し、さらに伝送機構(133/134/135)に周期的にエアロゾル生成基質132を放出させ、即ち、制御ユニットは、伝送機構(133/134/135)が所定のタイミングに、所定の量でエアロゾル生成基質132を放出するように制御することで、加熱溝1316におけるエアロゾル生成基質132をタイムリーに更新し、エネルギーの利用率が最大化されることを保証するとともに、エアロゾル生成基質132を過度に加熱することを避ける。好ましくは、各周期の放出長さは、加熱溝1316の長さ以上であり、それにより、既に加熱された部分が繰り返して加熱されることを避ける。
【0058】
具体的には、エアロゾル生成基質ボックス130のメイン筐体131の加熱溝1316が設けられた一端に、貯蔵キャビティ1312と加熱溝1316とを連通する検出溝1318が開設され、貯蔵キャビティ1312から放出されたエアロゾル生成基質132は、検出溝1318による検出を経て、加熱溝1316に入って加熱される。給送検出モジュール190は、検出回転軸192、ピンチローラ194及び検出ユニット198を含む。検出回転軸192は、第3方向に沿って検出溝1318に入り込んでエアロゾル生成基質132の一方側の表面に密着され、検出回転軸192は、移動するエアロゾル生成基質132に連れられて自転できる。ピンチローラ194は、検出回転軸192の第1方向における一方側に位置し、ピンチローラ194は、エアロゾル生成基質132に圧力を印加して、エアロゾル生成基質132が検出回転軸192に緊密に密着されることを保証するためのものである。給送検出ユニット198は、検出回転軸192に接続され、且つメイン筐体131外に位置し、給送検出ユニット198は、回転軸192の回動角度を検出してエアロゾル生成基質132の放出長さを取得し、さらに制御信号を駆動モジュール180にフィードバックして駆動モジュール180の作動状態を制御するためのものである。
【0059】
さらに、検出モジュールは、ピンチローラホルダ196をさらに含み、ピンチローラホルダ196の一端は、ピンチローラ194に配置接続され、ピンチローラホルダ196の他端は、メインハウジング110外に配置接続され、利用者は、第1方向に沿ってピンチローラホルダ196を押してピンチローラ194と検出回転軸192との隙間を調節することで、エアロゾル生成ボックス又はエアロゾル生成基質132の交換を便利にできる。
【0060】
理解できるように、給送検出モジュール190の検出方式はこれに限定されず、他のいくつかの実施例では、給送検出モジュール190は、駆動モジュール180の駆動モータの回転数を検出することにより、駆動モジュール180の作動状態を制御することもできる。別のいくつかの実施例では、エアロゾル生成基質132において長さ方向に間隔をあけて検出マークが設けられ、検出マークは、機械構造特徴、光学特徴又は磁性特徴によって形成され、給送検出モジュール190は、検出マークの数を検出してエアロゾル生成基質132の放出長さを取得することができる。具体的には、一実施例では、エアロゾル生成基質132に支持層1323が設けられている場合、支持層1323の幅方向において対向する両側にその長さ方向に間隔をあけて設けられた計量孔が開設されることにより、給送検出モジュール190を通る計量孔の数を検出することでエアロゾル生成基質132的放出長さを取得してもよい。
【0061】
いくつかの実施例では、霧化装置100は、制御ユニットに通信可能に接続された残量検出ユニット198をさらに含み、残量検出ユニット198は、エアロゾル生成基質132の放出されていない部分の残量を検出することで、利用者にエアロゾル生成基質ボックス130又はエアロゾル生成基質132の検査や交換をタイムリーに催促するためのものである。具体的には、残量検出ユニット198は、駆動モジュール180のモータの詰まり電流の変化又は加熱部材174の温度曲線の変化を検出することで貯蔵キャビティ1312におけるエアロゾル生成基質132の残量を取得して制御ユニットにフィードバックすることにより、表示、振動及び音声を含むが、これらに限らないものを出力して、利用者にエアロゾル生成基質ボックス130の検査や交換を催促することができる。
【0062】
いくつかの実施例では、霧化装置100に、さらに制御ユニットに通信可能に接続されたセンサが設けられ、センサは、吸入回数及び使用時間を取得することで利用者に霧化装置100の使用状況を提示するためのものである。
【0063】
いくつかの実施例では、メインハウジング110に取付検出ユニット198が設けられ、エアロゾル生成基質ボックス130に取付検出ユニット198に対応する感応素子137が設けられ、取付検出ユニット198は、感応素子137を検出して取付キャビティ内にエアロゾル生成基質ボックス130が存在するか否かを判断することができる。具体的には、取付検出ユニット198は、ホールセンサ及び光電センサを含むが、これらに限らず、感応素子137は、ホールセンサに対応する磁性素子又は光電センサに対応する遮光板を含むが、これらに限らない。ホールセンサは、磁性元件が存在するか否かを検出することで取付キャビティ内にエアロゾル生成基質ボックス130が存在するか否かを判断することができる。光電センサは、遮光板が存在するか否かを検出することで取付キャビティ内にエアロゾル生成基質ボックス130が存在するか否かを判断することができる。
【0064】
上記の霧化装置100は、帯形状又はシート状のエアロゾル生成基質132の異なる領域が順次に加熱部材174によって加熱され、加熱される度にエアロゾル生成基質132の厚さが薄いため、昇温速度が速く、エアロゾルの溢れ時間が短く、且つエアロゾル生成基質132の異なる領域は、均一に昇温可能であり、それにより、高いエネルギー利用率を有し、高い食感の一致性を有する。
【0065】
上述した実施例の各技術的特徴は、任意に組合せることができ、説明を簡潔にするため、上記の実施例中の各技術的特徴のすべての可能な組合せに対して説明が行われていないが、これらの技術的特徴の組合せは矛盾が存在しない限り、本明細書に記載の範囲内であると考えるべきである。
【0066】
上述した実施例は単に本願のいくつかの実施形態を示し、その説明は比較的具体的で詳細であるとはいえ、特許請求の範囲を制限すると理解すべきではない。当業者にとって、本願の構想を逸脱しない前提で、様々な変形と改良を行うことができ、これらはすべて本願の保護範囲に属する。そのため、本願の保護範囲は添付の特許請求の範囲に準ずる。
【符号の説明】
【0067】
100 霧化装置
110 メインハウジング
112 ハウジング底壁
114 ハウジング側壁
1141 取付柱
116 ハウジング頂壁
118 収納キャビティ
120 吸い口
130 エアロゾル生成基質ボックス
131 メイン筐体
1312 貯蔵キャビティ
1314 回収キャビティ
1316 加熱溝
1318 検出溝
132 エアロゾル生成耗材
1321 エアロゾル生成基質
1322 霧化層
1323 支持層
1323a 連通孔
133 伝送機構
1232 放出中心ローラ
1334 伝送モジュール
1334a 伝送ローラ
134 伝送機構
1341 放出中心ローラ
1343 回収中心ローラ
135 伝送機構
1352 給送ピックアップローラ
1354 搬送ローラモジュール
1354a 搬送ローラ
136 昇降機構
1361 昇降ベース
1363 昇降駆動部材
137 感応素子
150 給電モジュール
170 加熱モジュール
172 加熱取付ケース
174 加熱部材
190 給送検出モジュール
192 検出回転軸
194 ピンチローラ
196 ピンチローラホルダ
198 検出ユニット
【手続補正書】
【提出日】2024-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
いずれかの実施例では、前記メイン筐体に加熱溝が開設され、前記加熱溝は、前記エアロゾル生成基質の移動経路に位置し、前記加熱モジュールは、一部が前記加熱溝内に位置する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
いずれかの実施例では、前記給送検出モジュールは、検出回転軸及び給送検出ユニットを含み、前記検出回転軸は、前記エアロゾル生成基質の一方側に密着され、且つ前記エアロゾル生成基質に連れられて回動し、前記給送検出ユニットは、前記検出回転軸の回動角度を検出することで前記エアロゾル生成基質の放出長さを取得するためのものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
いずれかの実施例では、前記メインハウジングに取付検出ユニットが設けられ、前記取付検出ユニットは、前記収納キャビティ内に前記エアロゾル生成基質ボックスが存在するか否かを検出するためのものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
いずれかの実施例では、前記エアロゾル生成基質ボックスに誘導素子が設けられ、前記取付検出ユニットは、前記誘導素子を検出することで、前記収納キャビティ内に前記エアロゾル生成基質ボックスが存在するか否かを判断することが可能である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
図6を参照すると、本願の第1実施例では、エアロゾル生成基質ボックス130は、エアロゾル生成基質132を放出するための伝送機構133を含み、伝送機構133は、放出中心ローラ
1332及び伝送モジュール1334を含む。放出中心ローラ
1332は、貯蔵キャビティ1312に回動可能に取り付けられ、放出中心ローラ
1332の中心軸線は、第3方向に沿って延在し、帯形状のエアロゾル生成基質132の一端は、放出中心ローラ
1332に巻き付けられている。伝送モジュール1334は、貯蔵キャビティ1312と回収キャビティ1314との間に位置し、且つ加熱溝1316の回収キャビティ1314に近接する側にあり、伝送モジュール1334は、エアロゾル生成基質132の一端に引張力を印加することで、エアロゾル生成基質132の異なる領域が順次に加熱溝1316中に入るとともに、放出中心ローラ
1332を駆動して回動させて同期にエアロゾル生成基質132を放出させるためのものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
100 霧化装置
110 メインハウジング
112 ハウジング底壁
114 ハウジング側壁
1141 取付柱
116 ハウジング頂壁
118 収納キャビティ
120 吸い口
130 エアロゾル生成基質ボックス
131 メイン筐体
1312 貯蔵キャビティ
1314 回収キャビティ
1316 加熱溝
1318 検出溝
132 エアロゾル生成基質
1322 霧化層
1323 支持層
1323a 連通孔
133 伝送機構
1332 放出中心ローラ
1334 伝送モジュール
1334a 伝送ローラ
134 伝送機構
1341 放出中心ローラ
1343 回収中心ローラ
135 伝送機構
1352 給送ピックアップローラ
1354 搬送ローラモジュール
1354a 搬送ローラ
136 昇降機構
1361 昇降ベース
1363 昇降駆動部材
137 感応素子
150 給電モジュール
170 加熱モジュール
172 加熱取付ケース
174 加熱部材
190 給送検出モジュール
192 検出回転軸
194 ピンチローラ
196 ピンチローラホルダ
198 検出ユニット
【手続補正7】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
霧化装置であって、
収納キャビティを有するメインハウジングと、
前記収納キャビティ内に取り外し可能に収容されるエアロゾル生成基質ボックスであって、メイン筐体と、前記メイン筐体内に収容され、帯形状又はシート状をなすエアロゾル生成基質とを含み、前記エアロゾル生成基質は、前記メイン筐体に対して予め定められた経路に沿って移動できるように構成されるエアロゾル生成基質ボックスと、
前記収納キャビティ内に設けられ、且つ前記エアロゾル生成基質の移動経路に位置する加熱モジュールとを含む、
ことを特徴とする霧化装置。
【請求項2】
前記エアロゾル生成基質は、前記メイン筐体内に取り外し可能に収容されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の霧化装置。
【請求項3】
前記エアロゾル生成基質ボックスは、伝送機構を含み、前記霧化装置は、前記伝送機構に伝動的に接続された駆動モジュールを含み、前記伝送機構は、前記駆動モジュールによる駆動で前記エアロゾル生成基質を放出させることで、前記エアロゾル生成基質の異なる領域を順次に前記加熱モジュールに通過させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の霧化装置。
【請求項4】
前記メイン筐体に加熱溝が開設され、前記加熱溝は、前記エアロゾル
生成基質の移動経路に位置し、前記加熱モジュールは、一部が前記加熱溝内に位置する、
ことを特徴とする請求項3に記載の霧化装置。
【請求項5】
前記霧化装置は、給送検出モジュールをさらに含み、前記給送検出モジュールは、前記エアロゾル生成基質の放出長さを取得するためのものであり、前記駆動モジュールは、前記放出長さに応じて前記伝送機構を駆動して前記エアロゾル生成基質を放出させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の霧化装置。
【請求項6】
前記給送検出モジュールは、検出回転軸及び
給送検出ユニットを含み、前記検出回転軸は、前記エアロゾル生成基質の一方側に密着され、且つ前記エアロゾル生成基質に連れられて回動し、前記給送検出ユニットは、前記
検出回転軸の回動角度を検出することで前記エアロゾル生成基質の放出長さを取得するためのものである、
ことを特徴とする請求項5に記載の霧化装置。
【請求項7】
前記加熱モジュールは、加熱部材を含み、前記加熱部材は、抵抗加熱体、電磁誘導加熱体又はプラズマ加熱体として配置され、前記加熱部材は、前記エアロゾル生成基質に密着されて熱を前記エアロゾル生成基質に伝導し、あるいは
前記加熱モジュールは、マイクロ波加熱装置又は赤外線放射加熱装置として配置され、前記加熱モジュールは、前記エアロゾル生成基質に接近してマイクロ波又は赤外放射を前記エアロゾル生成基質に伝導する、
ことを特徴とする請求項1に記載の霧化装置。
【請求項8】
前記加熱モジュールは、電磁加熱コイルを含み、前記エアロゾル生成基質内に電磁加熱ユニットが均一に分布し、前記エアロゾル生成基質は、前記電磁加熱コイルが生じる磁場に誘導されて電流を起こすことが可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の霧化装置。
【請求項9】
前記霧化装置は、残量検出ユニットをさらに含み、前記残量検出ユニットは、前記エアロゾル生成基質の未放出部分の残量を検出するためのものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の霧化装置。
【請求項10】
前記メインハウジングに取付検出ユニットが設けられ、前記取付検出ユニットは、前記
収納キャビティ内に前記エアロゾル生成基質ボックスが存在するか否かを検出するためのものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の霧化装置。
【請求項11】
前記エアロゾル生成基質ボックスに感応素子が設けられ、前記取付検出ユニットは、前記感応素子を検出することで、前記
収納キャビティ内に前記エアロゾル生成基質ボックスが存在するか否かを判断することが可能である、
ことを特徴とする請求項10に記載の霧化装置。
【国際調査報告】