(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-01
(54)【発明の名称】油糧種子プレスケーキを含む肉代替製品
(51)【国際特許分類】
A23L 13/00 20160101AFI20241025BHJP
A23L 25/00 20160101ALI20241025BHJP
【FI】
A23L13/00 Z
A23L25/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529882
(86)(22)【出願日】2022-11-13
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 IL2022051209
(87)【国際公開番号】W WO2023089608
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524189454
【氏名又は名称】モア オルタナティブ フーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】マルコヴィッツ,レオナルド
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルト,フロリアン
【テーマコード(参考)】
4B036
4B042
【Fターム(参考)】
4B036LE08
4B036LH27
4B036LH48
4B036LP01
4B036LP02
4B036LP14
4B036LP21
4B042AD36
4B042AK11
4B042AK16
4B042AK20
4B042AP02
4B042AP04
4B042AP06
4B042AP21
(57)【要約】
油糧種子プレスケーキ、酵母、および水を含む植物および酵母ベースの肉代替製品であって、プレスケーキの水に対する比率が3:2~1:3の範囲にあり、プレスケーキが、1つ以上の油を生成する種子タイプの油糧種子から油をプレスすることから得られており、種子の少なくとも一部がそれらの脱油の前にローストされており、肉代替製品が、5%未満のコムギ、ナッツ、および/またはダイズを含有する、肉代替製品。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物および酵母ベースの肉代替製品(meat-alternative product)であって、
油糧種子プレスケーキと、
不活化酵母と、
水と
を含み、
前記プレスケーキの水に対する比率が、3:2~1:3の範囲にあり、
前記不活化酵母が、前記肉代替製品の少なくとも約2(w/w)%を構成し、
前記プレスケーキが、1つ以上の油を生成する種子タイプの油糧種子からプレスすることから得られており、
前記種子の少なくとも一部が、それらの脱油の前にローストされており、
前記肉代替製品が、コムギ、ナッツ、および/またはダイズを本質的に欠いている、
植物および酵母ベースの肉代替製品。
【請求項2】
グルテンを本質的に欠いている、請求項1に記載の肉代替製品。
【請求項3】
前記1つ以上の種子タイプが、カボチャの種子を含む、請求項1に記載の肉代替製品。
【請求項4】
前記カボチャの種子が、前記プレスケーキの約10~100(w/w)%を構成する、請求項3に記載の肉代替製品。
【請求項5】
前記カボチャの種子が、前記プレスケーキの約30~80(w/w)%を構成する、請求項4に記載の肉代替製品。
【請求項6】
前記1つ以上の種子タイプが、ヒマワリの種子をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の肉代替製品。
【請求項7】
前記ヒマワリの種子が、前記プレスケーキの約5~40(w/w)%を構成する、請求項6に記載の肉代替製品。
【請求項8】
前記ヒマワリの種子が、前記プレスケーキの約10~25(w/w)%を構成する、請求項7に記載の肉代替製品。
【請求項9】
前記不活化酵母が、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、Streptomyces natalensis、Streptomyces chattanoogensis、Saccharomyces fragilis、トルラ酵母(Candida utilis)、Candida guilliermondii、Candida lipolityca、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の肉代替製品。
【請求項10】
肉代替製品(meat replacement product)が、外部から添加された植物性タンパク質を含有しない、請求項1~9のいずれか1項に記載の肉代替製品。
【請求項11】
天然の栄養素(特にタンパク質含有量に関する)、ミネラル、および抗酸化物質がその肉対応物と同等である、請求項1~10のいずれか1項に記載の肉代替製品。
【請求項12】
前記プレスケーキが、5~15(w/w)%の間の脂肪含有量を有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の肉代替製品。
【請求項13】
前記肉代替製品の構造が、異方性である、請求項1~12のいずれか1項に記載の肉代替製品。
【請求項14】
前記肉代替製品が、40(w/w)%以上の水の添加を必要とする、調理押し出しプロセスで得られている、請求項1~13のいずれか1項に記載の肉代替製品。
【請求項15】
前記1つ以上の種子の少なくとも25%が部分的にローストされている、請求項1~14のいずれか1項に記載の肉代替製品。
【請求項16】
肉代替製品を生成するための方法であって、
油を生成する種子に由来するプレスケーキを入手するステップであって、前記種子の少なくとも一部が、少なくとも100℃の温度で部分的にローストされる、ステップと、
前記プレスケーキに既定量の不活化酵母を添加して混合物を得るステップと、
押し出し機を使用して前記混合物を押し出すステップであって、約40(w/w)%超の水が前記押し出しの間に添加されることにより、異方性構造を有する肉代替製品を得るステップと
を含む、方法。
【請求項17】
前記油を生成する種子が、カボチャの種子を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記カボチャの種子が、前記プレスケーキの約10~100(w/w)%を構成する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記カボチャの種子が、前記プレスケーキの約30~80(w/w)%を構成する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記油を生成する種子が、ヒマワリの種子をさらに含む、請求項16~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記ヒマワリの種子が、前記プレスケーキの約5~40(w/w)%を構成する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ヒマワリの種子が、前記プレスケーキの約10~25(w/w)%を構成する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記不活化酵母が、前記プレスケーキの5~30(w/w)%を含む、請求項16~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記押し出しが、熱い調理時の押し出しである、請求項16~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記押し出された肉代替製品を事前調理するステップをさらに含む、請求項16~23のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的に脱油された種子を含む代替肉生成物、特には、油糧種子プレスケーキ、より具体的にはプレスケーキへとプレスされており、次に押し出しにより肉様構造および栄養学的な価値を特徴とする繊維性複合物を生成する、カボチャおよびヒマワリの種子から作製された油糧種子プレスケーキから作製されるかまたはこれを含む代替肉生成物に関する。
【背景技術】
【0002】
肉の供給、持続可能ではない農業行為、および環境に与える影響に関する懸念の増大により、容易に入手可能であり、栄養価が高く、持続的に入手される、世界の人口のため代替的なタンパク質供給源を開発することに対して特別な関心が払われている。大量の商品廃棄物(13億トン)が毎年生産されている。近年、代替食品供給源の産業プロセスの副産物を利用することにより食品廃棄物を低減または再利用することが必要となっている。これは、(i)食品生産のカーボンフットプリントの低減および(ii)増え続けるヒトの人口にとって十分な栄養の確保のために重要である。
【0003】
近年、植物ベースの肉代用品が、世界の市場で注目されている。これら食料品は、それらの動物ベースの対応物と同等の味、テクスチャー、口当たり、および栄養学的な価値(特にタンパク質含有量における栄養学的な価値)を達成することを目的として生産されている。
【0004】
植物ベースの肉代替物は、長い異方性構造を有するトリ胸肉に似た調理済みの筋肉様構造を模倣するために開発されている。しかしながら、トリもも肉または牛肉などの赤身肉の質の高い模倣は、未だ達成されていない。さらに、ナッツ、ダイズ、およびコムギに由来する多くの植物ベースの肉代用品は、否定的に受け取られる特質を呈する。たとえば、ナッツは、一般人口の1.1%に影響を及ぼす主要なアレルゲンであり、多くの人々にとって代替のタンパク質の供給源としてのそれらの使用が禁止されている。さらに、多くのダイズは遺伝子改変されており、ダイズから作製された肉代替物は、多くの場合消費者により好まれていない。さらに、未だ科学的に確認されてはいないが、高レベルのイソフラボンが男性に生殖障害をもたらし女性にエストロゲンレベルの上昇をもたらし得ることが示唆されている。よって、ダイズ含有食品は、多くの場合、食料品において望まれない成分として烙印を押されている。コムギ由来の肉代用品(すなわちセイタン)は、主にグルテンから構成されており、これは、セリアック病に罹患した個体(一般人口の1~2%)に自己免疫応答を誘発する。さらに、多くの消費者は、控えるべき明確な医学的理由がない場合であっても健康上/食事上の理由のため自身の食事においてコムギを避けようとする。これら要因は、肉の代替物としてのナッツ、ダイズ、およびコムギのグルテンの使用を妨げる。
【0005】
油糧種子プレスケーキは、油糧種子(たとえばアマの種子、アサの種子、ヒマワリの種子、ナタネ、ゴマの種子など)に由来する食用油の抽出後に得られる固形残渣である。これら残渣は、それらの高いタンパク質、炭水化物、およびミネラルの含有量により、歴史的に動物の飼料および植物の肥料として利用されている。これらの栄養学的要因により、油糧種子プレスケーキは、ヒトが消費するための有望な肉の代替物である。
【0006】
酵母は、肉の代わりに使用され得る別の有望なタンパク質供給源である。酵母から得られたタンパク質は、それらの強いうま味に関して知られており、よって肉代替物の香味用添加剤として広く使用されている。しかしながら、これらの含有レベルは、総合的に中程度の風味強度および強くない酵母臭を可能にするために、通常1(w/w)%を超えることはない。最大60(w/w)%のタンパク質、高いビタミン含有量、および抗酸化物質を有するため、酵母は有望な肉の代替物である。
【0007】
よって、同等の味および栄養指数、特にはタンパク質含有量に関する栄養指数を有する、肉(たとえば牛肉)を模倣する代替肉製品のニーズが存在する。このような複合物は、低コストで生産可能であるべきであり、伝統的に赤身肉(すなわちステーキまたは肉片)を用いて調理される料理での実用性を可能にし、適当な調理の状況でそれらの動物対応物と互換可能でなければならない。
【発明の概要】
【0008】
本開示の一部の態様において、油糧種子プレスケーキ、酵母、および水を含む肉代替製品であって、プレスケーキの水に対する比率が3:2~1:3の範囲にあり、プレスケーキが、1つ以上の油を生成する種子タイプの油糧種子から油をプレスすることにより得られ、種子が、高温でそれらが脱油される前または脱油の間に、部分的にローストおよび乾燥され得る、肉代替製品が本明細書において提供される。
【0009】
一部の実施形態によれば、肉代替物は、2ステップのプロセスで生成されてもよく、第1のステップは、5%~12%未満の油含有量が達成されるまで種子を継続的にプレスすることによるプレスケーキの作製を含んでもよく、第2のステップは、プレスケーキの押し出しによる肉代替物の作製を含んでもよい。
【0010】
好都合には、特定の油糧油脂からのプレスケーキまたは部分的にまたは完全に脱脂された圧搾物を、高含水押し出しプロセスで使用して繊維性の筋肉様構造を構築し得ること、およびそれらが、適当な調理応用(すなわちステーキまたはサンドイッチ)において牛肉、ラム肉、豚肉、七面鳥、鶏肉などの代替品として役立ち得ることが見いだされた。さらに好都合には、本明細書中開示されるプレスケーキまたはプレスケーキの組み合わせを利用することが、肉と同等の優れたタンパク質、ビタミン、および抗酸化物質の供給源として役立ち得る肉代替製品をもたらすことが見いだされた。これは、とりわけタンパク質抽出プロセスを行ったために、健康な食事に重要である二次的な代謝物、ビタミン、食物繊維、およびミネラルの含有量が低い、大部分の代替肉製品とは対照的である。
【0011】
一部の実施形態によれば、肉代替物は、ナッツ、ダイズ、またはコムギを本質的に含有しない。一部の実施形態によれば、肉代替物は、ナッツ、ダイズ、またはコムギを完全に欠いていてもよい。ナッツ、コムギ、および/またはダイズが存在しないことは、非アレルゲン性タンパク質供給源が肉製品の代替物として望ましいため、極めて重要である。
【0012】
一部の実施形態によれば、肉代替製品の主成分は、多くの場合見落とされていたカボチャの種子であり得、これは低アレルゲン性であり、また乾燥した食用部分(kernel)において高いタンパク質含有量(約34(w/w)%)を有する。驚くべきことに、部分的に脱油したカボチャ粉は、それ自体が肉様の異方性構造を形成する能力を有さない成分と組み合わせて低濃度で使用される場合であっても、このような肉様の異方性構造を作製するために使用され得る。
【0013】
さらに、カボチャ種子は、その魅力的ではない色(緑色)により肉代替物の適用において、「不適切(no-go)」と考えられていたが、好都合なことに、カボチャからの湿式押し出し物を調理すると、これは着色剤を必要とすることなくその緑色を(少なくとも外側表面においては)ほぼ完全に失い得ることが本発明の発明者により見いだされた。
【0014】
さらに、本明細書中開示される肉代替製品は、不活化酵母の高含有量を有し得る。これまで、酵母産物が、ゲル状の構造を形成することまたは繊維性筋肉様構造に類似することは知られていなかった。よって、なおも肉様構造を得ながら、50%もの乾燥型(dry base)酵母タンパク質がプレスケーキ混合物に添加され得ることは驚くべきことであった。実際に、代替肉製品の25(w/w)%もの高い含有レベルの乾燥酵母であっても、残りの植物性タンパク質成分が油糧種子プレスケーキ由来である場合、繊維形成に負の影響を与えなかった。よって、任意選択でビール生産の副産物であり得る不活化酵母は、代替肉生産の主成分となり得、肉様構造の固有の滑らかな口当たりに寄与し得る。
【0015】
さらなる利点として、肉代替製品およびその生産プロセスは、環境に配慮し得る。これは、水性または水性-アルコール性抽出プロセスを必要とするダイズ、エンドウ、またはコムギ由来のタンパク質成分に基づき得る大部分の代替肉製品と比較した場合である。すなわち、これらプロセスは、大量の水、熱、および電気を必要とし、このことはそれらのコストパフォーマンスを減少させ、環境に配慮したプロセスとしては理想的ではないものとなっている。さらに、油糧種子プレスプロセスの副産物を利用することにより、肉代替製品を最小限の供給源で得ることができ、それらの生産は経済的かつ環境的に有利となる。好都合には、一部の実施形態によれば、肉代替物は、水性または水性-アルコール性抽出プロセスで製造または処理されたタンパク質成分を本質的に含有しないように考案され得ることが見いだされた。
【0016】
一部の実施形態によれば、油糧種子プレスケーキ、酵母、および水を含む植物および酵母ベースの肉代替製品であって、プレスケーキの水に対する比率が3:2~1:3の範囲であってもよく、プレスケーキが、1つ以上の油を生成する種子タイプの油糧種子から搾油することにより得られてもよく、種子の少なくとも一部がそれらの脱油の前にローストされてもよく、肉代替製品が、5%未満のコムギ、ナッツ、および/またはダイズを含有する、植物および酵母ベースの肉代替製品が提供され得る。
【0017】
一部の実施形態によれば、肉代替製品は、コムギ、ナッツ、および/またはダイズを本質的に欠いていてもよい。一部の実施形態によれば、肉代替生物は、グルテンを本質的に欠いていてもよい。
【0018】
一部の実施形態によれば、1つ以上の種子タイプは、カボチャの種子を含む。一部の実施形態によれば、カボチャの種子は、プレスケーキの約10~100(w/w)%を構成する。一部の実施形態によれば、カボチャの種子は、プレスケーキの約30~80(w/w)%を構成する。
【0019】
一部の実施形態によれば、1つ以上の種子タイプは、ヒマワリの種子をさらに含む。一部の実施形態によれば、ヒマワリの種子は、プレスケーキの約5~40(w/w)%を構成する。一部の実施形態によれば、ヒマワリの種子は、プレスケーキの約10~25(w/w)%を構成する。
【0020】
一部の実施形態によれば、肉代替製品は、不活化酵母をさらに含む。一部の実施形態によれば、不活化酵母は、プレスケーキの2~30(w/w)%を含む。
【0021】
一部の実施形態によれば、肉代替製品は、外部から添加された植物性タンパク質を含有しない。
【0022】
一部の実施形態によれば、肉代替製品は、天然の栄養素(特にタンパク質含有量に関する)、ミネラル、および抗酸化物質において、その肉対応物に相当し得る。
【0023】
一部の実施形態によれば、プレスケーキは、5~15(w/w)%の間の脂肪含有量を有する。
【0024】
一部の実施形態によれば、肉代替製品の構造は異方性であり得る。
【0025】
一部の実施形態によれば、肉代替製品は、40(w/w)%以上の水の添加を必要とする調理押し出しプロセスで入手され得る。
【0026】
一部の実施形態によれば、1つ以上の種子の少なくとも25%が部分的にローストされ得る。
【0027】
一部の実施形態によれば、肉代替製品を生産する方法であって、種子の少なくとも一部が部分的にローストされていてもよい、油を生成する種子に由来するプレスケーキを得るステップと、既定量の不活化酵母をプレスケーキに添加して混合物を得るステップと、押し出し機を使用して混合物を押し出すことにより、異方性構造を有する肉代替製品を得るステップとを含む方法。
【0028】
一部の実施形態によれば、油を生成する種子は、カボチャの種子を含む。一部の実施形態によれば、カボチャの種子は、プレスケーキの約10~100(w/w)%を構成する。一部の実施形態によれば、カボチャの種子は、プレスケーキの約30~80(w/w)%を構成する。
【0029】
一部の実施形態によれば、油を生成する種子は、ヒマワリの種子をさらに含む。一部の実施形態によれば、ヒマワリの種子は、プレスケーキの約5~40(w/w)%を構成する。一部の実施形態によれば、ヒマワリの種子は、プレスケーキの約10~25(w/w)%を構成する。
【0030】
一部の実施形態によれば、不活化酵母は、肉代替製品の約2~30(w/w)%を含む。一部の実施形態によれば、不活化酵母は、肉代替製品の少なくとも2(w/w)%を含む。一部の実施形態によれば、不活化酵母は、肉代替製品の少なくとも3(w/w)%を含む。一部の実施形態によれば、不活化酵母は、肉代替製品の少なくとも5(w/w)%を含む。一部の実施形態によれば、不活化酵母は、肉代替製品の少なくとも8(w/w)%を含む。一部の実施形態によれば、不活化酵母は、肉代替製品の少なくとも10(w/w)%を含む。
【0031】
一部の実施形態によれば、20(w/w)%超、30(w/w)%超、または40(w/w)%超の水が、押し出しの間に添加され得る。各可能性は、別々の実施形態である。
【0032】
一部の実施形態によれば、押し出しは、熱い、調理時の押し出しであり得る。
【0033】
一部の実施形態によれば、プロセスは、押し出された肉代替製品を事前調理することにより、着色料を必要とせずに魅力的な肉様の色を有する肉代替製品を得るステップをさらに含む。
【0034】
本開示の特定の実施形態は、上記の利点の一部もしくは全てを含んでもよく、または含まなくてもよい。1つ以上の技術的な利点は、本明細書に含まれる図面、記載、および特許請求の範囲から当業者に容易に明らかであり得る。さらに、具体的な利点が上記に列挙されているが、様々な実施形態は、列挙された利点の全てもしくは一部を含んでもよく、または含まなくてもよい。
【0035】
上述の例示的な態様および実施形態に加え、さらなる態様および実施形態が、図面を参照し、以下の詳細な説明を調査することにより明らかとなる。
【0036】
ここで本発明を、より十分に理解され得るように以下の例示的な図面を参照して特定の実施例および実施形態と関連して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、機械生産後の未処理の肉代替製品を示す。
【
図3】
図3は、切断されむしられた肉代替製品を示す。繊維性肉様構造が明らかである。
【
図4】
図4は、様々な肉代替製品の、むしられた部分および切断された部分の例を示す(左上から時計回り):肉片、パティ/ミニッツステーキ、キューブ、またはむしられた断片。
【
図5A】
図5Aは、調理後の料理におけるむしられた肉代替製品を示す。
【
図5B】
図5Bは、サンドイッチの成分としての四角い調理済みの肉代替製品を示す。
【
図5C】
図5Cは、グリーンおよびゴマの種子と共に大皿でサーブされた肉代替製品の切断され、調理された肉片を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
詳細な説明
以下の説明では、本開示の様々な態様を説明する。説明のため、特定の構成および詳細を、本開示の異なる態様の完全な理解を提供するために記載する。しかしながら、本開示が本明細書中提示される具体的な詳細がなくとも行われ得ることもまた当業者に明らかである。さらに、周知の特性は、本開示を曖昧にしないために、省略または単純化され得る。
【0039】
簡便にするために、明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲で使用される特定の用語を、ここに集約する。他の意味が定義されない限り、本明細書中使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。
【0040】
本開示の一部の実施形態に係る、油糧種子プレスケーキ、酵母、および水を含む肉代替製品であって、プレスケーキの水に対する比率が3:2~1:3の範囲であってもよく、プレスケーキが、1つ以上の油を生成する種子タイプの部分的にローストされた油糧種子から搾油することから得られてもよく、種子の少なくとも一部がそれらの脱油の前にローストされてもよく、肉代替製品が、コムギ、ナッツ、またはダイズを含有しない、肉代替製品が本明細書において提供される。
【0041】
本明細書中使用される場合、用語「肉代替製品(meat alternative product)」、「肉代用品(meat substitute)」、「肉代替品(meat replacement)」、「代替肉(alternative meat)」、および「肉類似物(meat analogue)」は、互換可能に使用されてもよく、ベジタリアンおよび/またはヴィーガン用の成分から作製された肉様の物質を表し得る。さらなる一般的な用語は、植物ベースの肉、ヴィーガン用の肉、肉代用品、代替肉(mock meat)、肉代替物、模倣肉、およびベジタリアン用肉を含む。
【0042】
本明細書中使用される場合、用語「油糧種子」は、油が機械的な押圧を介して抽出され得る種子のグループを表す。油を生成する種子の非限定的な例として、ゴマ、ヒマワリ、キャノーラ、ナタネ、カボチャ、アマ、ポピーシード、マスタード、ベニバナ、アサ、ワサビノキ属、シア、チア、および綿、ならびにパームおよびカカオなどのオイルフルーツが挙げられる。
【0043】
一部の実施形態によれば、種子を、最初に、殻含有量を5wt%未満、好都合には2wt%未満、好都合には1wt%未満、特に好都合には0.1wt%未満になるまで殻をむいてもよく、殻は、ふるい、ふるいわけ、および/または選別により食用部分から分離され得る。
【0044】
本明細書中使用される場合、用語「プレスケーキ」は、機械的なプレスによる油糧種子または油糧種子の混合物からの油の抽出後に得られる固形残渣を表す。一部の実施形態によれば、プレスケーキは、プレスケーキ中の脂肪または油の含有量を、5wt%超かつ35wt%未満の間、好ましくは6wt%超かつ25wt%未満の間、特に好ましくは7wt%超かつ15wt%未満の間の範囲にプレスすることによる種子の機械的脱油により得られ得る。各可能性は、別々の実施形態であり得る。一部の実施形態によれば、水は、10(w/w)%未満、7(w/w)%未満、特に好都合には5(w/w)%未満の残存水分含有量を得るためにプレスケーキから除去され得る。各可能性は、別々の実施形態である。
【0045】
本明細書中使用される場合、「部分的にローストされた」は、油の抽出のため通常使用されるものよりローストされていないプレスケーキ生成物をもたらすローストおよびプレスの手法を表す。一部の実施形態によれば、部分的ローストは、ローストパンの100~170℃で10~60分間、好ましくは100~140℃で20~40分間の加熱を指し得る。好ましくは、ロースト手法は、均質なローストを得るために永続的なゆっくりとした攪拌および生成物内の適度な熱処理を含む。一部の実施形態によれば、種子を、160℃超の温度、130℃超の温度まで加熱しなくてもよく、または好ましい実施形態では、温度は120℃を超えない。
【0046】
一部の実施形態によれば、リノール酸などの多価不飽和脂肪酸のごく小さい低減が、ロースト中に得られ得る。好ましい実施形態では、低減は、ローストの前に種子で見出されるリノール酸の量の5(w/w)%未満または2(w/w)%未満であり得る。さらに、一部の実施形態によれば、部分的なローストは、トコフェロール(ビタミンE)の低減が最小限であるように行われ得る。一部の実施形態によれば、トコフェロールは、ロースト中に、40(w/w)%未満、30(w/w)%未満、20(w/w)%未満、または15(w/w)%未満、低減され得る。各可能性は、別々の実施形態である。さらにおよび/またはあるいは、穏やかなローストは、アルキル化ピラジンまたは2-アセチルピロールなどの通常のローストされた香味臭トの形成を可能にし得る。よって、100℃超の温度への種子の熱処理は、好ましくはロースト中に適用され得る。一部の実施形態によれば、ローストは、プレスにおいて過剰な熱を適用または作製することにより、リノール酸および/または他のポリ不飽和脂肪酸の低減を最小限にすることを含み得る。
【0047】
一部の実施形態によれば、プレスケーキは、粉へと粉砕され得る。一部の実施形態によれば、ローストの度合いは、タンパク質の溶解度を評価すること、および/または限定するものではないが、フレーバー化合物もしくはヘテロサイクリックアミン(HCA)などの、種子をローストする間に特に形成され得る分子を同定することを特徴とし得る。一部の実施形態によれば、ローストの度合いは、油保持能および水保持能、乳化能、ゲル化能、フォーム形成能、色、またはそれらのいずれかの組み合わせに基づき決定され得る。各可能性は、別々の実施形態である。
【0048】
一部の実施形態によれば、ローストに影響する主なパラメータは、
ローストの最大温度
ローストの平均温度
ローストの期間
ロースト中の機械的な混合
ロースト前/中の塩などのさらなる成分の添加
最高温度への増加曲線の傾き
プロセスの終了までの減少曲線の傾き
ローストオーブンの種類:コンベクションオーブン/コンダクションオーブン/その他など
最初の水分含有量
ロースト中の湿度
を含む。
【0049】
驚くべきことに、ロースト条件を調節および調整/低減する(たとえばほとんどまたは全くローストしないこと、中程度の温度でのプレス、水分含有量の制御など)ことにより、通常よりも高い脂肪含有量を有する良好な構造の押し出し物が入手され得る。一部の実施形態によれば、ローストは、油の生産で通常行われるローストと比較すると最適下であり得る。一部の実施形態によれば、ローストは、油の生産で通常行われるロースト比較すると最適下であり得るが、それでもなお適切な/一部の油の生産を確実にするために十分であり得、本明細書中「穏やかなロースト(mild roasting)」とも呼ばれる。これは、好都合には、プレスケーキが油の生産の副産物であり得ることを確実にし得る。いずれの理論にも拘束されるものではないが、これは、おそらく、成分が特定のパラメータ下でローストされる際に、脂肪が残存成分に良好に結合し、よって押し出し物の通常のプロセスに影響し得るためであり得る。さらに、良好な結合により、押し出し機で質感を作るために必要とされるせん断が妨害されない。
【0050】
本明細書中使用される場合、肉代替製品に関する用語「代替」は、たとえば適当な調理の状況で牛肉または他の赤身肉の代替品として、適切な食料品としての生成物の有用性を指す。
【0051】
一部の実施形態によれば、肉代替製品は、動物の筋組織に類似の形態を呈し、ビーフステーキに類似の繊維性生成物をもたらし得る。一部の実施形態によれば、肉代替製品は、繊維性異方性を呈する。
【0052】
一部の実施形態によれば、肉代替製品は、特にはタンパク質、ビタミン、およびミネラルのその中の含有レベルに関して、肉と類似の栄養学的価値を含有し得る。一部の実施形態によれば、肉代替製品は、少なくとも22(w/w)%のタンパク質を含み得る。一部の実施形態によれば、肉代替製品は、限定するものでないが鉄などの添加されたミネラル成分を欠いていてもよいかまたは本質的に欠いていてもよい。一部の実施形態によれば、肉代替物は、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、またはそれ以上の固有量の鉄(FE)を含有し得る。各可能性は、別々の実施形態である。一部の実施形態によれば、肉代替物は、100mg/kg、150mg/kg、175mg/kg、190mg/kg、またはそれ以上の固有のカルシウムを含有し得る。
【0053】
本明細書中使用される場合、記号「(w/w)%」は、肉代替製品の総重量と比較した提示の対象の重量パーセントを指す。
【0054】
一部の実施形態によれば、肉代替製品は、牛肉と類似の方法でむしられてもよく、細かく切られてもよく、またはさいの目に切られてもよく、かつ、様々な料理で直接的な肉の代表品として調理されてもよい。
【0055】
一部の実施形態によれば、肉代替製品は、10~100(w/w)%、20~100(w/w)%、20~90(w/w)%、30~90(w/w)%、30~80(w/w)%、50~80(w/w)%、60~80(w/w)%、または10~100%の範囲内の他のいずれかの適切なパーセンテージの部分的にローストされた主な種類の種子を含有する。一部の実施形態によれば、プレスケーキの種子の主な種類は、限定するものではないが、カボチャの種子、アマの種子、チアシード、アサの種子、ナタネ、ゴマの種子、ポピーシード、マスタード種子、ベニバナ、ワサビノキ属、シア、綿、および/またはヒマワリの種子であり得る。各可能性は、別々の実施形態である。一部の好ましい実施形態では、プレスケーキにおける主な種子は、カボチャの種子、任意選択で部分的にローストされたカボチャであり得る。
【0056】
一部の実施形態によれば、肉代替製品は、5~15(w/w)%、15~25(w/w)%、25~35(w/w)%、30~40(w/w)%、35~40(w/w)%、または5~40(w/w)%の範囲内の他のいずれかの適切なパーセンテージの第2の種類の種子、たとえば限定するものではないがカボチャの種子、アマの種子、チアシード、アサの種子、ナタネ、ゴマの種子、ポピーシード、マスタード種子、ベニバナ、ワサビノキ属、シア、綿、および/またはヒマワリの種子を含有する。各可能性は、別々の実施形態である。一部の好ましい実施形態では、生成物に含まれる第2の種類の種子は、ヒマワリの種子、任意選択で部分的にローストされたヒマワリの種子であり得る。
【0057】
一部の実施形態によれば、肉代替製品は、2~20(w/w)%、3~17(w/w)%、5~15(w/w)%、15~25(w/w)%、25~30(w/w)%、または1~30(w/w)%の範囲内の他のいずれかの適切なパーセンテージの酵母を含有し得る。各可能性は、別々の実施形態である。一部の実施形態によれば、酵母は、不活化されていてもよい。一部の実施形態によれば、酵母は、限定するものではないが、いずれかの食用酵母、たとえばビール酵母またはパン酵母を含む。各可能性は、別々の実施形態である。適切な酵母株の非限定的な例として、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、Streptomyces natalensis、Streptomyces chattanoogensis、Saccharomyces fragilis、トルラ酵母(Candida utilis)、カンジダ・ギリエルモンディ(Candida guilliermondii)、Candida lipolityca、またはそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。各可能性は、別々の実施形態である。
【0058】
さらに、一部の実施形態によれば、肉代替製品は、外部から添加された植物性タンパク質、たとえば植物供給源から抽出および/または単離されたタンパク質を必要としなくてもよい。一部の実施形態によれば、肉代替製品は、グルテンを本質的に欠いていてもよい。
【0059】
一部の実施形態によれば、肉代替製品は、5~10(w/w)%、10~15(w/w)%、または5~15(w/w)%の範囲内の他のいずれかの適切なパーセンテージの脂肪含有量を含有し得る。各可能性は、別々の実施形態である。
【0060】
一部の実施形態によれば、肉代替製品は、牛肉に匹敵する脂肪含有量を有する。一部の実施形態によれば、肉代替製品は、2~30(w/w)%、3~25(w/w)%、または4~20(w/w)%の脂肪含有量を有し得る。各可能性は、別々の実施形態である。一部の実施形態によれば、肉代替製品は、約8(w/w)%の脂肪含有量を有し得る。
【0061】
一部の実施形態によれば、肉代替製品は、10~50(w/w)%、15~40(w/w)%、20~30(w/w)%、または25~40(w/w)%の範囲内の他のいずれかの適切なパーセンテージのタンパク質含有量を含有し得る。各可能性は、別々の実施形態である。一部の実施形態によれば、肉代替製品は、牛肉に匹敵するタンパク質含有量(約26(w/w)%のタンパク質)を含有し得る。
【0062】
一部の実施形態によれば、肉代替製品は、牛肉で見出されるミネラルを超える含有量のミネラルを含有し得る。これら栄養素は、限定するものではないが、マグネシウム((300~600mg/100gの肉代替製品対21mg/100gの牛肉)、カリウム(600~1000mg/100gの肉代替製品対318mg/100gの牛肉)、カルシウム(100~1000mg/100gの肉代替製品対18mg/100gの牛肉)、および/または鉄(5~40mg/100gの肉代替製品対2.6mg/100gの牛肉)を含み得る。各可能性は、別々の実施形態である。
【0063】
本明細書中使用される場合、ある数に関する用語「およそ(approximately)」または「約(about)」は、他の意味が記載されるかまたは文脈から他の意味が明らかではない限り、当該数のいずれかの方向(超または未満)の±5%または±1%の範囲内にある数を含むようにとられる(このような数が所定の値の100%を超える場合は除く)。範囲が記載される場合、エンドポイントは、他の意味が記載されるかまたは他の意味が文脈から明らかではない限り、当該範囲内に含まれる。
【0064】
本明細書中使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が他の意味を明記しない限り複数形を含む。
【0065】
本明細書中使用される場合、「任意選択的な」または「任意選択で」は、その後記載される事象または状況が起こることまたは起こらないことを、ならびに記載が上記事象または状況が起こる場合の例および起こらない場合の例を含むことを意味する。
【0066】
本明細書中使用される場合、用語「本質的に」は、±1%、±2%、または±5%の、記載される量からの逸脱を指し得る。各可能性は、別々の実施形態である。一部の実施形態によれば、用語「本質的に~を欠いている」は、記載される物質が全く存在しないか、または1%未満、0.5%未満、または0.1%未満などの残存量で存在することを指し得る。各可能性は、別々の実施形態である。
【0067】
本明細書中使用される場合、用語「~を含む(comprising)」は、用語「~を含む(including)」、「~を含有する(containing)」、または「~を特徴とする」と同義であり、包括的またはオープンエンドであり、すなわち、追加の記載されていない要素を排除しない。一部の実施形態によれば、用語「~を含む(comprising)」は、特許請求の範囲に明記されていないかなる要素、ステップ、もしくは成分も排除する用語「~からなる(consisting of)」、または特許請求の範囲を、指定された物質もしくはステップおよび請求された発明の基本的かつ新規の特徴に実質的に影響しない物質もしくはステップに限定する用語「~から本質的になる」と置き換えられてもよい。
【0068】
以下の実施例は、本発明の特定の好ましい実施形態の例を実証するために含まれている。以下の実施例に開示される技術は、本発明者らが本発明を実施する際に十分に機能を見出した手法を表し、よってその実施のための好ましい様式の例を構成するとみなされ得ることを、当業者は理解している。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、本開示の特定の実施形態に多くの変更を行ってもよいこと、さらに本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果を得ることができることを理解すべきである。
【0069】
実施例
実施例1.1-肉代替製品の調製
本明細書中開示される肉代替製品は、(部分的に)ローストされプレスされた油糧種子の固形残渣から生成され、一部の実施形態は、カボチャの種子のプレスケーキおよび/またはヒマワリの種子のプレスケーキから構成され、不活化酵母および水を含む。肉代替製品を生成することは、調理押し出しライン[ZSK25, Werner & Pfleiderer GmbH, Stuttgart, Germany (now:Coperion GmbH, Stuttgart, Germany)、幅×高さ×長さ:50mm×6mm×500mmの大きさを有するチルド冷却チャネルを備えたもの]に少なくとも2.0kg/hのカボチャの種子のプレスケーキ、1.0kg/hの量のヒマワリ種子のプレスケーキ、4.1kg/hの水、および一部の実施形態では、最小重量0.8kg/hの不活化酵母を継続的に供給することを含み、その後複合物を継続的に混合およびせん断し、120℃超の温度に加熱し、スリットの寸法に形成し、150秒の期間の間に100℃未満の温度に冷却した。得られた肉片を長さ30cmのピースへと切断し、その後さらなる処理および分析まで冷却または凍結した。
【0070】
実施例1.2
プロセスを、150kg/hの総生産率を有するより大きな調理押し出しラインに移し、規模を拡大した。それぞれ得られた生成物は、押し出し(
図1)の後に長い肉片として得られ、次に、出荷のため50cmの小片へと切断した(
図2)。
【0071】
実施例2-肉代替製品の構造および処理
肉代替製品は、動物の筋肉、すなわちミニッツステーキと類似の繊維性異方性を呈した(
図3)。生成からの最初の切断および/またはむしった後に、肉代替製品を、さらに細かく刻まれた肉、肉片、パティ、キューブ(
図4)、または継続的に放出される押し出しから型抜き、切断、引き裂き、もしくは分割され得る他のいずれかの形状にさらに切断することができた。この有用性の柔軟性は、特に肉代用品(以下参照)としてだけでなく単独の新規食品としても、様々な料理への使用を可能にする。押し出しの前、間、または後に、さらなる成分、たとえば限定するものではないが、香料、スパイス、スパイスマリネ(spicing marinate)、匂いをつける作用物質、着色剤、うま味、塩もしくは砂糖などの塩味または甘味の成分、または脂肪の成分などをさらに添加することは、外観および味の認識を広く修正することができる。
【0072】
実施例3-肉代替製品の調理および供給
機械生成の後の適切な調製(すなわち適切な切断、細かい切断、またはむしること)の後に、肉代替製品は、以下の状況(i)むしって強火で炒める料理で調理したもの(
図5A)、(ii)さいの目に切ってサンドイッチに加えたもの(
図5B)、および(iii)薄いシートに切断して、付け合わせと共にサーブされたもの(
図5C)として肉の代替品として有用であった。
【0073】
多くの例示的な態様および実施形態を上記に論述してきたが、当業者はそれらの特定の修正、追加、および下位の組み合わせを認識している。よって、以下の添付の特許請求の範囲および本明細書中以降に紹介する特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨および範囲の中にあるこのような修正、追加、および下位の組み合わせの全てを含むと解釈されることが意図されている。
【国際調査報告】