(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-01
(54)【発明の名称】硬質固形油脂組成物、並びにその製造方法、及びその使用
(51)【国際特許分類】
A23D 9/00 20060101AFI20241025BHJP
A23D 7/00 20060101ALI20241025BHJP
A23G 1/36 20060101ALI20241025BHJP
A23G 3/34 20060101ALI20241025BHJP
A23G 3/40 20060101ALI20241025BHJP
A23G 4/06 20060101ALI20241025BHJP
A23G 9/32 20060101ALI20241025BHJP
A23L 19/18 20160101ALI20241025BHJP
A23L 5/10 20160101ALI20241025BHJP
A23L 13/00 20160101ALI20241025BHJP
A23C 11/00 20060101ALI20241025BHJP
A21D 2/16 20060101ALI20241025BHJP
A21D 13/41 20170101ALI20241025BHJP
A21D 13/45 20170101ALI20241025BHJP
A21D 13/80 20170101ALI20241025BHJP
A21D 13/16 20170101ALI20241025BHJP
【FI】
A23D9/00
A23D9/00 502
A23D9/00 506
A23D9/00 512
A23D9/00 510
A23D7/00
A23G1/36
A23G3/34
A23G3/34 101
A23G3/40
A23G4/06
A23G9/32
A23L19/18
A23L5/10 D
A23L13/00 A
A23C11/00
A21D2/16
A21D13/41
A21D13/45
A21D13/80
A21D13/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530577
(86)(22)【出願日】2022-11-08
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 US2022079477
(87)【国際公開番号】W WO2023097142
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397058666
【氏名又は名称】カーギル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】パーカー、エープリル ラエ
(72)【発明者】
【氏名】ザッカレリ ダヴォリ、フェルナンダ
【テーマコード(参考)】
4B014
4B016
4B026
4B032
4B035
4B042
【Fターム(参考)】
4B014GB01
4B014GB07
4B014GB11
4B014GB13
4B014GB18
4B014GG14
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4B042AG07
4B042AH01
4B042AK06
(57)【要約】
油脂ブレンドを含む組成物であって、油脂ブレンドは、綿実ステアリンを含み、組成物は、20℃で約40%~約99%の固体脂含量(SFC)、30℃で約30%~約99%のSFC、及び40℃で20%~約99%のSFCを有する、組成物が提供される。組成物を食品に使用してもよい。組成物及び組成物を含む食品を製造する方法が含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油脂ブレンドを含む組成物であって、前記油脂ブレンドは、綿実ステアリンを含み、前記組成物は、20℃で約40%~約99%の固体脂含量(SFC)、30℃で約30%~約99%のSFC、及び40℃で20%~約99%のSFCを有する、組成物。
【請求項2】
前記油脂ブレンドは、20℃で45%~約95%のSFC、30℃で35%~約90%のSFC、40℃で20%~約90%のSFCを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記油脂ブレンドは、10℃で約55%~約99.5%のSFCを有する、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記油脂ブレンドは、10℃で60%~約95%の固体脂含量(SFC)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記綿実ステアリンは、第1の分別からの綿実ステアリン、第2の分別からの綿実ステアリン、第2の分別以降の分別からの綿実ステアリン、1つ以上の脱ろう分別からの綿実ステアリン、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記油脂ブレンドは、エステル交換油脂ブレンドである、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記エステル交換油脂ブレンドは、化学的にエステル交換されている、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記エステル交換油脂ブレンドは、酵素的にエステル交換されている、請求項6又は請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物は、パーム油を実質的に含まない、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記油脂ブレンドは、40℃以上の主融解温度を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記油脂ブレンドは、前記油脂ブレンドの総重量に対して約25重量%~約75重量%の綿実ステアリンを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記油脂ブレンドは、前記油脂ブレンドの総重量に対して約25重量%~約45重量%の綿実ステアリンを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記油脂ブレンドは、前記油脂ブレンドの総重量に対して約40重量%~約60重量%の綿実ステアリンを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記油脂ブレンドは、前記油脂ブレンドの総重量に対して約55重量%~約75重量%の綿実ステアリンを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物の約0.01重量%~100重量%は、前記油脂ブレンドである、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記油脂ブレンドは、綿実ステアリン以外の植物性油を更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記綿実ステアリン以外の前記植物性油は、ココナッツ油、トウモロコシ油、キャノーラ油、綿実油、オリーブオイル、ピーナッツ油、ナタネ油、サフラワー油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ホホバ油、カカオバター、シアバター、マンゴーバター、ババス油、キュプアス油、マカウバ油、バキュリ油、ツクマ油、コクム油、ウクウバ油、リクリ油、ペキー油、イリッペ油、これらの画分、これらの中オレイン酸型若しくは高オレイン酸型、これらの低リノレン酸型、これらの低飽和型、これらから形成される水素添加油、これらから形成されるエステル交換油、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
綿実ステアリン以外の前記植物性油は、前記油脂ブレンドの総重量に対して0.01重量%~99重量%の量で存在する、請求項16又は請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物は、乳化剤、非綿実ワックス、デンプン、タンパク質、セルロース、セルロース誘導体、前記綿実ステアリン以外の植物性油、又はそれらの2つ以上の組み合わせを実質的に含まない、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
乳化剤、ワックス、糖質、タンパク質、セルロース、セルロース誘導体、食用着色料、増量剤、香味料、動物性油、又はそれらの2つ以上の組み合わせを更に含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記油脂ブレンドは、少なくとも40重量%の飽和脂肪を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記油脂ブレンドは、少なくとも50重量%の飽和脂肪を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
前記油脂ブレンドは、0重量%~約5重量%のC12:0脂肪酸、約20重量%~約60重量%のC16:0脂肪酸、0重量%~約60重量%のC18:0脂肪酸、0重量%~約20重量%のC18:1脂肪酸、約5重量%~約40重量%のC18:2脂肪酸、0重量%~約5重量%のC18:3脂肪酸、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記油脂ブレンドは、均質である、請求項1~23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物は、フレーク状油脂である、請求項1~24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
請求項1~25のいずれか一項に記載の組成物を含む、食品。
【請求項27】
前記食品は、ベーカリー食品、菓子、アイスクリームコーティング、熱安定剤、乳化剤、チョコレート若しくはナッツスプレッド、マーガリン若しくはスプレッド(油中水型エマルション)、ブイヨン、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項26に記載の食品。
【請求項28】
前記食品は、ポテトチップ、フレンチフライ、フライドチキン製品、天ぷら製品、ビスケット、クッキー、パイ、ケーキ、ウエハース、フィリング、生地、グレーズ、ペストリー、ドーナツ、アイシング、フロスティング、ピザクラスト、アメリカンスタイルビスケット、チューインガム、代替肉、乳製品類似製品、アイスクリーム、タフィー、キャラメル、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項26又は請求項27に記載の食品。
【請求項29】
綿実ステアリンと他の食用成分とを組み合わせて、均質な混合物を形成することを含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の組成物を製造する方法。
【請求項30】
前記均質な混合物をエステル交換することを更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
食品における油脂の部分的又は完全な置換における、かつ/又は前記食品を形成するための、請求項1~25のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年11月24日に出願された米国特許仮出願第63/282,771号の利益を主張し、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、全般的には、油脂組成物の製造方法及び油脂組成物の使用を含む油脂組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
油脂は、ベーカリー製品において重要かつ多機能的な役割を果たす。油脂は、製品に構造展開、濃厚さ、及び柔らかさを与え、それにより、製品の食味を改善する。ケーキ及びアイシングのような一部の製品に対しては、油脂は通気の提供を助ける。デニッシュ又はパフペストリーに対しては、油脂は、製品におけるサクサクとした食感の展開を助けることができ、あるいは他の製品に対しては、グルテンを潤滑化することができる。油脂は、ケーキにおける膨化効果又はアイシングにおける所望の体積をもたらす空気を捕捉するのを助けるので、クリーミングプロセス(例えば、油脂を他の成分と組み合わせてバッター又は生地にすること)において極めて重要である。液体油は同じようには機能せず、全てのベーカリー製品に使用することはできない。ベーカリー製品の期待される品質をもたらすためには、より固形の油脂から提供される構造が必要である。
【0004】
パーム油を使用せずにベーカリーショートニングを製造するための様々なアプローチが開発されてきた。1つのアプローチは、ココアバター、ココナッツ油、シアバターなどの熱帯性又は外来油脂を使用することである。しかしながら、これらの代替案は非常に高価であり、サプライチェーン開発を必要とし得る。別のアプローチは、オレオゲルの使用であり、これは、液体油に構造を加えるために、ゲル化剤(例えば、植物性ワックス、乳化剤、ポリマー、又はデンプンなどの材料)を含有する。残念ながら、一般に、オレオゲルは機能性を欠き、大規模に製造することが非常に困難であり、通常、使用される材料(ゲル化剤)は、成分がシンプルではない。
【発明の概要】
【0005】
本技術は、油脂ブレンドを含む組成物であって、油脂ブレンドが綿実ステアリンを含み、油脂ブレンドが20℃で約40%~約99%の固体脂含量(solid fat content、SFC)、30℃で約30%~約99%のSFC、及び40℃で20%~約99%のSFCを有する、組成物を提供する。任意の態様において、油脂ブレンドは、10℃で約55%~約99.5%のSFCを有し得る。
【0006】
任意の態様において、油脂ブレンドは、エステル交換油脂ブレンドであってもよい。任意の態様において、油脂ブレンドは均質であり得る。
【0007】
本技術はまた、本明細書に開示される組成物を含む食品を提供する。
【0008】
別の態様では、本技術は、本明細書に開示される組成物を製造する方法であって、方法は、綿実ステアリンと他の食用成分とを組み合わせて、均質な混合物を形成することを含む、方法を提供する。いくつかの態様において、本方法は、均質な混合物をエステル交換することを更に含み得る。
【0009】
本技術は、他の代替油脂組成物及びそれを含む食品に優るある特定の利点を提供する。例えば、特に持続可能性の理由から、パーム油の代替物を開発することが、食品産業から油及び油脂製造業者に明確に求められている。多くの場合、本技術の組成物又は食品は、パーム油を実質的に含まず、このことは、持続可能性の目的に有益である。
【0010】
油脂の機械的特性及び物理的構造は、その機能性に関与し、それを用いて製造される食品の品質に影響を及ぼす。本技術の組成物は、多種多様な食品において代替油脂として利用することができるような特性及び構造(例えば、パーム油性油脂製品に類似した特性及び構造)を有する。
【0011】
いくつか態様において、本技術の組成物は、油脂置換物の機能性及びそれを用いて製造される食品の品質に必要な特性及び構造を提供するために、合成添加剤(例えば、乳化剤、ワックスなど)又は非脂質材料(例えば、デンプン、タンパク質、エチルセルロースなど)の添加に依存しない組成物、好ましくは実質的にパーム油を含まない組成物を提供する。いくつかの態様において、本技術の組成物は、好ましくはパームではなく、水素添加されておらず、外来性又は熱帯性でもなく、純粋な脂質ベースであり、十分に確立された持続可能なサプライチェーンから提供される代替油脂である。
【0012】
前述の概要は、例示的なものにすぎず、決して限定することを意図するものではない。上記の例示的な態様、態様及び特徴に加えて、更なる態様、態様及び特徴が、以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の発明を実施するための形態では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。図面では、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、同様の記号は通常、同様の構成要素を特定する。発明を実施するための形態、図面、及び特許請求の範囲において説明される例示的な態様は、限定することを意図されない。本明細書に提示される主題の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の態様が利用されてもよく、他の変更が行われてもよい。
【0014】
以下の用語は、以下に定義されるように全体を通して使用される。本明細書で使用される全ての他の用語及び語句は、当業者が理解するであろうそれらの通常の意味を有する。
【0015】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「a」及び「an」及び「the」などの単数形の冠詞並びに要素を記載する文脈における(特に、以下の特許請求の範囲の文脈における)類似の指示対象は、本明細書において別段の指示がない限り、又は文脈によって明確に否定されない限り、単数形及び複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。
【0016】
本明細書で使用される場合、「約」は、当業者によって理解され、それが使用される文脈に応じてある程度変動する。当業者に明確でない用語の使用がある場合、それが使用される文脈を考慮すると、「約」は、特定の用語のプラス又はマイナス10%までを意味する。
【0017】
本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」とは、組成物の総重量に対して特定の成分が約2重量%未満であることを指す。任意の態様において、組成物は、約1重量%未満、約0.5重量%未満、又は約0.1重量%未満の、特定の成分を含み得る。任意の態様において、組成物は、特定の成分を含まなくてもよい。
【0018】
本明細書で使用される場合、「均質の」は、実質的に均一又は均一である混合物を指す。
【0019】
本明細書で使用される場合、用語「固形油脂」又は「固体脂含量」又は「SFC」は、定義された温度スケールにわたって存在する結晶化固形油脂の割合(パーセント)を指す。SFCは、当業者に公知の方法によって測定することができる。例えば、SFCは、核磁気共鳴法(nuclear magnetic resonance、NMR)によって決定され得る(参照により本明細書に組み込まれる、AMERICAN OIL CHEMIST SOCIETY Official Methods and Recommended Practices,6thed.,2008,AOCS Official Method cd-16b-93を参照されたい)。
【0020】
本明細書で使用される場合、「トリグリセリド」は、エステル結合を介して3つの脂肪酸残基に連結されたグリセロール部分を有する分子を指す。「脂肪酸残基」は、アシル又はエステル化形態の脂肪酸である。本明細書で使用するとき、用語「脂肪酸」は、炭化水素鎖及び末端カルボン酸基を含む分子を指し得る。あるいは、カルボン酸基は、遊離脂肪酸又は塩の形態(すなわち、COO-又はCOOH)であってもよい。脂肪酸の「尾部」又は炭化水素鎖はまた、脂肪酸鎖、脂肪酸側鎖、又は脂肪鎖と呼ばれる場合もある。脂肪酸の炭化水素鎖は、典型的には、飽和又は不飽和脂肪族基である。n個の炭素数を有する脂肪酸は、典型的には、n-1個の炭素を有する脂肪酸側鎖を有する。脂肪酸の非限定的な例としては、C8、C10、C12、C14、C16(例えば、C16:0、C16:1)、C18(例えば、C18:0、C18:1、C18:2、C18:3、C18:4)、C20及び/又はC22脂肪酸が挙げられる。例えば、脂肪酸は、カプリル酸(8:0)、カプリン酸(10:0)、ラウリン酸(12:0)、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、ステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、及びリノレン(18:3)酸、又はそれらの2つ以上の組み合わせであり得る。
【0021】
本明細書で使用される場合、「(複数の)食用成分」という用語は、ヒトの消費に好適な油脂、油、及び/又は添加剤(例えば、抗酸化剤、着色剤、香味料、乳化剤など)を指す。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「フレーク状油脂」は、それがフレーク化されることを可能にする特性を有する油脂を指すが、必ずしもフレーク状形態である必要はない。油脂をフレーク化するために、油脂ブレンドを油脂の融点より約10~15°F高い温度で溶融し、グリコールによって冷却されたステンレス鋼ベルト又はドラム上に分配する。油脂は、ベルトを下って又はドラム上を移動するにつれて、硬化した形態に結晶化される。次に、油脂をベルト又はドラムから擦り落とし、より小さい片(つまり、油脂フレーク)に破壊する。フレーク状油脂は室温で固体として挙動する。食品に添加される場合、フレーク状油脂は、製品の積層及びクリスピーさを助けることができる。
【0023】
本技術は、油脂ブレンドを含む組成物であって、油脂ブレンドが綿実ステアリンを含み、油脂ブレンドが20℃で約40%~約99%の固体脂含量(solid fat content、SFC)、30℃で約30%~約99%のSFC、及び40℃で20%~約99%のSFCを有する、組成物を提供する。任意の態様において、油脂ブレンドは、10℃で約55%~約99.5%のSFCを有し得る。
【0024】
任意の態様において、油脂ブレンドは、10℃で約60%~約95%のSFCを有し得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、10℃で65%~約85%のSFCを有し得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、10℃で約70%~約80%のSFCを有し得る。
【0025】
任意の態様において、油脂ブレンドは、20℃で45%~約95%のSFCを有し得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、20℃で50%~約85%のSFCを有し得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、20℃で55%~約80%のSFCを有し得る。
【0026】
任意の態様において、油脂ブレンドは、30℃で35%~約95%のSFCを有し得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、30℃で約35%~約85%のSFCを有し得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、30℃で約35%~約75%のSFCを有し得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、30℃で約40%~約70%のSFCを有し得る。
【0027】
任意の態様において、油脂ブレンドは、40℃で少なくとも20%のSFCを有し得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、40℃で20%~約95%のSFCを有し得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、40℃で20%~約90%のSFCを有し得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、40℃で20%~約75%のSFCを有し得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、40℃で20%~約65%のSFCを有し得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、40℃で25%~約95%のSFCを有し得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、40℃で25%~約90%のSFCを有し得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、40℃で25%~約75%のSFCを有し得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、40℃で25%~約65%のSFCを有し得る。
【0028】
任意の態様において、SFCの割合は、温度が上昇するにつれて減少し得る。
【0029】
綿実ステアリンは、綿実油から分離することができる綿実油の固形成分である。綿実は、より高い温度で融解する成分(ステアリン)と、より低い温度で融解する成分(オレイン)とを含む。本明細書において、綿実ステアリンは、任意の好適な綿実ステアリンであり得る。任意の態様において、綿実ステアリンは、第1の分別からの綿実ステアリン、第2の分別からの綿実ステアリン、第2の分別以降の分別からの綿実ステアリン、1つ以上の脱ろう分別からの綿実ステアリン、又はそれらの2つ以上の組み合わせであり得る。
【0030】
いくつかの態様において、油脂ブレンドは、非エステル交換油脂ブレンドであってもよい。
【0031】
いくつかの態様において、油脂ブレンドは、エステル交換油脂ブレンドであってもよい。エステル交換は、油分子のグリセロール断片上の脂肪酸を再配列及び再分配する方法である。再配列及び再分配は、出発物質上の脂肪酸の全体的な組成を変化させない。
【0032】
任意の態様において、エステル交換油脂ブレンドは、化学的にエステル交換されてもよい。化学的エステル交換は、脂肪酸がトリグリセリドのグリセロール骨格にわたってランダムに再分配されるプロセスである。このプロセスは、出発物質を乾燥させ、ナトリウムメトキシドなどのエステル交換触媒、又は別の酸若しくは塩基触媒を添加することによって行われる。反応が完了したら、触媒を中和する。再配列された生成物を洗浄し、漂白し、かつ/又は脱臭してもよい。再配列された生成物は、出発物質とは異なる物理化学的特性を有し得る。
【0033】
任意の態様において、エステル交換油脂ブレンドは、酵素的にエステル交換され得る。酵素的エステル交換は、油及び油脂を修飾することができる別の手段である。このプロセスは、最も一般的には、固定化リパーゼを使用して、トリグリセリドのグリセロール骨格上の脂肪酸を再配列する。脂肪酸をグリセロール骨格上の特定の位置で標的とすることができる固定化リパーゼが存在し、したがって、そのような酵素的エステル交換中の脂肪酸の再配列は、化学的エステル交換よりもランダムではない場合がある。エステル交換後、材料を脱臭して、最終エステル交換材料を製造してもよい。酵素的エステル交換は、プロセスが柔軟であり、資本プロセス投入量が低いため、過去数十年にわたって人気を得ている。
【0034】
エステル交換は、出発物質中の脂肪酸の配列及び分配と、エステル交換が実質的な完了まで行われる場合に得られる脂肪酸の定常状態の配列及び分配との間の任意の好適な程度まで行うことができる。様々な態様では、エステル交換油脂ブレンドは、実質的な完了まで化学的にエステル交換された油脂ブレンドであり得、実質的な完了は、これが材料のグリセロール単位上の脂肪酸の比較的定常状態にある配列及び分配に達している時点である。
【0035】
組成物の任意の好適な割合は、組成物の約25重量%~約99重量%、又は約0.01重量%以上100重量%以下、又は0.01重量%~100重量%であり、0.05重量%以下若しくは以上、0.1、0.2、0.4、0.6、0.8、1、1.5、2、2.5、3、4、5、6、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、82、84、86、88、90、92、94、95、96、97、98、99、99.9重量%、又は99.99重量%以下、又は上記値のうちの任意の2つを含む任意の範囲、及び/若しくは上記値のうちの任意の2つの間である任意の範囲を含む、例えば、0.01重量%~100重量%が油脂ブレンドであってもよい。
【0036】
油脂ブレンドの任意の好適な割合は、油脂ブレンドの約25重量%~約99重量%、約25重量%~約75重量%、約25重量%~約45重量%、約40重量%~約60重量%、約55重量%~約75重量%、又は約0.01重量%以上100重量%以下、又は0.01重量%~100重量%であり、0.05重量%以下若しくは以上、0.1、0.2、0.4、0.6、0.8、1、1.5、2、2.5、3、4、5、6、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、82、84、86、88、90、92、94、95、96、97、98、99、99.9重量%、99.99重量%以下、又は上記値のうちの任意の2つを含む任意の範囲、及び/若しくは上記値のうちの任意の2つの間である任意の範囲を含む、例えば、0.01重量%~100重量%が綿実ステアリンであってもよい。
【0037】
組成物又は油脂ブレンドは、パーム油(その画分、その高オレイン酸型、それから形成される水素添加油、それから形成されるエステル交換油、又はそれらの組み合わせを含む)を実質的に含まなくてもよい。例えば、組成物又は油脂ブレンドは、0重量%のパーム油、又は5重量%未満のパーム油、又は4.5%未満、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.8、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05重量%、若しくは0.01重量%未満のパーム油、又は上記値のうちの任意の2つを含む任意の範囲、及び/若しくは上記値のうちの任意の2つの間である任意の範囲のパーム油を含み得る。
【0038】
任意の態様において、組成物又は油脂ブレンドは、1つ以上の完全水素添加油を含んでもよい。本明細書で使用するとき、完全水素添加油は、4以下のヨウ素価を有する油である。例えば、油脂ブレンドの組成物は、0重量%超の完全水素添加油、又は5重量%超の完全水素添加油、又は8%超、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、29、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、48重量%、若しくは50重量%超の完全水素添加油、又は上記値のうちの任意の2つを含む任意の範囲、及び/若しくは上記値のうちの任意の2つの間である任意の範囲の完全水素添加油を含み得る。例えば、油脂ブレンドの組成物は、100重量%未満の完全水素添加油、又は99.9重量%未満の完全水素添加油、又は99.5%未満、99、98、96、94、92、90、88、86、84、82、80、78、76、74、72、70、68、66、64、62、60、58、56、55、54、53、52、51、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37重量%、若しくは36重量%未満の完全水素添加油、又は上記値のうちの任意の2つを含む任意の範囲、及び/若しくは上記値のうちの任意の2つの間である任意の範囲の完全水素添加油を含み得る。
【0039】
他の態様では、組成物又は油脂ブレンドは、(例えば、4以下のヨウ素価を有する完全水素添加綿実油などの)完全水素添加油を含み得る。
【0040】
いくつかの態様において、組成物又は油脂ブレンドは、綿実ステアリンに加えて、1つ以上の植物性油を含んでもよい。綿実ステアリン以外の植物性油は、ココナッツ油、トウモロコシ油、キャノーラ油、綿実油、オリーブオイル、パーム油、ピーナッツ油、ナタネ油、サフラワー油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、カカオバター、シアバター、マンゴーバター、ババス油、キュプアス(cupuassu)油、マカウバ油、バキュリ(bacuri)油、ツクマ油、コクム油、ウクウバ油、リクリ(licuri)油、ペキー(pequi)油、ホホバ油、イリッペ(Illipe)油、これらの画分、これらの中オレイン酸型又は高オレイン酸型、これらの低リノレン酸型、これらの低飽和型、これらから形成された水素添加油(例えば、部分若しくは完全水素添加油)、これらから形成されたエステル交換油、又はこれらの組み合わせなどの任意の好適な植物性油であってもよい。綿実ステアリン以外の1つ以上の植物性油は、0.01重量%~99.99重量%、10重量%~90重量%、又は0.01重量%以上99.99重量%以下、又は0.01重量%~99.99重量%であり、0.05、0.1、0.2、0.4、0.6、0.8、1、1.5、2、2.5、3、4、5、6、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、82、84、86、88、90、92、94、95、96、97、98、99、99.9重量%以下若しくは以上、99.99重量%%、又は上記値のうちの任意の2つを含む任意の範囲、及び/若しくは上記値のうちの任意の2つの間である任意の範囲などの任意の好適な割合の油脂ブレンドを形成し得る。
【0041】
いくつかの態様において、組成物又は油脂ブレンドは、乳化剤、非綿実ワックス、デンプン、タンパク質、セルロース、セルロース誘導体、綿実ステアリン以外の植物性油、又はそれらの2つ以上の組み合わせを実質的に含まなくてもよい。例えば、組成物又は油脂ブレンドは、0重量%のこれらの成分のうちのいずれか1つ以上、又は5重量%未満、若しくは4.5%未満、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.8、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05重量%、若しくは0.01重量%未満のこれらの成分のうちのいずれか1つ以上、又は上記値のうちの任意の2つを含む任意の範囲、及び/若しくは上記値のうちの任意の2つの間である任意の範囲のこれらの成分のうちのいずれか1つ以上を含み得る。他の態様では、組成物又は油脂ブレンドは、乳化剤、非綿実ワックス、デンプン、タンパク質、セルロース、セルロース誘導体、綿実ステアリン以外の植物性油、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【0042】
いくつかの態様では、組成物又は油脂ブレンドは、乳化剤、ワックス(例えば、非綿実ステアリン由来ワックス、又は綿実ステアリン由来ワックス)、炭水化物(例えば、デンプン)、タンパク質、セルロース、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース)、食用着色料、増量剤(例えば、繊維)、香味料、エステル交換綿実ステアリン以外の植物性油、動物性油(例えば、ラード、獣脂、乳脂肪など)、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。組成物又は油脂ブレンドは、綿実ステアリン以外のエステル交換油(例えば、綿実ステアリン以外のエステル交換された植物性油)、完全水素添加油(例えば、完全水素添加綿実油)、ポリソルベート、モノグリセリド、ジグリセリド、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【0043】
任意の態様において、油脂ブレンドは、少なくとも約40重量%の飽和脂肪を含み得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、少なくとも約50重量%の飽和脂肪を含み得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、少なくとも約53重量%の飽和脂肪を含み得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、少なくとも約55重量%の飽和脂肪を含み得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、約95重量%以下の飽和脂肪を含み得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、約90重量%以下の飽和脂肪を含み得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、約85重量%以下の飽和脂肪を含み得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、約80重量%以下の飽和脂肪を含み得る。例えば、本明細書における任意の態様において、油脂ブレンドは、上記値のうちの任意の2つを含む任意の範囲、及び/若しくは上記値のうちの任意の2つの間である任意の範囲を含み得る。
【0044】
任意の態様において、組成物は、1つ以上の動物性油を含んでもよい。
【0045】
任意の態様において、油脂ブレンドは、0重量%~約5重量%のC12:0脂肪酸、約20重量%~約60重量%のC16:0脂肪酸、0重量%~約60重量%のC18:0脂肪酸、0重量%~約20重量%のC18:1脂肪酸、約5重量%~約40重量%のC18:2脂肪酸、0重量%~約5重量%のC18:3脂肪酸、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。任意の態様において、油脂ブレンドは、0重量%~約1重量%のC12:0脂肪酸、約25重量%~約50重量%のC16:0脂肪酸、20重量%~約50重量%若しくは約1重量%~約5重量%のC18:0脂肪酸、約5重量%~約15重量%のC18:1脂肪酸、約15重量%~約35重量%のC18:2脂肪酸、約0.1重量%~約0.5重量%のC18:3脂肪酸、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【0046】
油脂ブレンドの任意の好適な割合は、20重量%~50重量%、25重量%~45重量%、又は20重量%以上50重量%以下、又は20重量%~50重量%であり、36重量%以下若しくは以上、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、48重量%、50重量%、又は上記値のうちの任意の2つを含む任意の範囲、及び/若しくは上記値のうちの任意の2つの間である任意の範囲などの、C16:0脂肪酸であるC16:0脂肪酸エステル(すなわち、グリセロール単位での総脂肪酸の割合)であり得る。
【0047】
油脂ブレンドの任意の好適な割合は、5重量%~25重量%、11重量%~20重量%、又は5重量%以上25重量%以下、又は5重量%~25重量%であり、6、8、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、22、24重量%以下若しくは以上、25重量%、又は上記値のうちの任意の2つを含む任意の範囲、及び/若しくは上記値のうちの任意の2つの間である任意の範囲などの、C18:1脂肪酸エステルであり得る。
【0048】
油脂ブレンドの任意の好適な割合は、30重量%~60重量%、37重量%~55重量%、又は30重量%以上60重量%以下、又は30重量%~60重量%であり、35重量%以下若しくは以上、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、50、55重量%又は上記値のうちの任意の2つを含む任意の範囲、及び/若しくは、60重量%、上記値のうちの任意の2つの間である任意の範囲などの、C18:2脂肪酸エステルであり得る。
【0049】
油脂ブレンドの任意の好適な割合は、25重量%~60重量%、30重量%~50重量%、又は30重量%以上60重量%以下、又は30重量%~60重量%であり、35重量%以下若しくは以上、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55重量%、60重量%、又は上記値のうちの任意の2つを含む任意の範囲、及び/若しくは上記値のうちの任意の2つの間である任意の範囲などの、飽和脂肪酸エステルであり得る。
【0050】
組成物又は油脂ブレンドは、従来の油脂又はパーム油性油脂から調製される食品に対して匹敵する又は改善された品質の食品の生産を可能にするために、適切な構造(例えば、硬度)及び/又は他の機能性を提供するなど、食品又は食品の調製において他の油脂を置き換えるのに好適な特性を有し得る。
【0051】
任意の態様において、組成物又は油脂ブレンドは、例えば、約20℃~約60℃、約25℃~約50℃、又は約20℃以上約60℃以下、又は約25℃~約60℃であり、約26℃以下若しくは以上、28、30、32、34、36、38、40、41、42、43、44、46、48、50、52、54、56、58℃、60℃、又は上記値のうちの任意の2つを含む任意の範囲、及び/若しくは上記値のうちの任意の2つの間である任意の範囲などの任意の好適な融点を有し得る。
【0052】
任意の態様において、組成物又は油脂ブレンドは、例えば、約40℃以上、又は約41℃以上、42、43、44、45、46、47、48、49、若しくは50℃、又は上記値を含む、かつ/若しくは上記値のうちの任意の2つの間である任意の範囲などの任意の好適な主融点を有し得る。任意の態様において、組成物又は油脂ブレンドは、例えば、約90℃未満、又は約80℃未満、75、70、69、68、67、66、65、64、63、62、61、若しくは60℃、又は上記値を含む、かつ/若しくは上記値のうちの任意の2つの間である任意の範囲などの任意の好適な主融点を有し得る。
【0053】
任意の態様において、組成物又は油脂ブレンドは、例えば20℃~約60℃、約25℃~約60℃、30℃~約60℃、又は約31℃超、32、33、若しくは34℃、又は約55℃未満、50、49、48、47、46、若しくは45℃、又は上記値のうちの任意の2つを含む任意の範囲、及び/若しくは上記値のうちの任意の2つの間である任意の範囲などの、DSCによって決定される任意の好適な結晶化開始点を有し得る。
【0054】
任意の態様において、油脂ブレンドは均質であり得る。
【0055】
任意の態様において、組成物はフレーク状油脂であり得る。
【0056】
任意の態様において、組成物は揚げ油であり得る。
【0057】
任意の態様において、組成物は、ビスケットフィリング、アイシング、フロスティング、菓子、ボンボンフィリング、チョコレート若しくはナッツスプレッド、マーガリン若しくはスプレッド(油中水型エマルション)、ブイヨン、又はこれらの組み合わせであってもよい。任意の態様において、組成物は、ショートニング、汎用性ショートニング、アイシングショートニング、フィリング油脂、揚げ油、ポンプ輸送可能なショートニング、クッキーショートニング、ケーキショートニング、ペストリーショートニング、パイショートニング、又はこれらの2つ以上の組み合わせであってもよい。
【0058】
任意の態様において、組成物は、食品に使用される油脂を置き換えるため、かつ/又は食品の調製に使用される油脂を置き換えるための任意の好適な組成物であり得る。
【0059】
任意の態様において、組成物は、食品中の他の油脂を部分的に又は完全に置き換えるために使用することができる。任意の態様において、組成物は、多種多様な食品において他の油脂を置き換えるのに必要な特性及び構造を提供することができる。
【0060】
本技術はまた、本明細書に開示される組成物を含む食品を提供する。食品は、組成物を含む任意の好適な食品、例えば、油脂組成物を、別の油脂組成物(例えば、パーム油性油脂組成物)の部分的又は完全な置換物として含む食品であり得る。任意の態様において、食品は、揚げ物食品、ベーカリー食品、ビスケットフィリング、アイシング、フロスティング、菓子、ボンボンフィリング、アイスクリームコーティング、チョコレート若しくはナッツスプレッド、マーガリン若しくはスプレッド(油中水型エマルション)、ブイヨン、又はそれらの組み合わせを含み得る。任意の態様において、食品は、ポテトチップ、フレンチフライ、フライドチキン製品、天ぷら製品、ビスケット、クッキー、パイ、ケーキ、ウエハース、フィリング、生地、グレーズ、ペストリー、ドーナツ、アイシング、フロスティング、ピザクラスト、アメリカンスタイルビスケット、チューインガム、代替肉、乳製品類似製品(例えば、乳製品に対する乳成分不使用又は低乳成分置換製品)、アイスクリーム、タフィー、キャラメル、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。任意の態様において、食品は、ベーカリー食品、菓子、アイスクリーム、アイスクリームコーティング、グレーズ、タフィー、キャラメル、安定剤(例えば、製品の分離を遅らせるための安定剤及び/又は油脂又は組成物の溶融点を上昇させるための熱安定剤)、乳化剤(例えば、パームステアリン又はパームスーパーステアリン乳化剤の代わりに、又はそれに加えて使用することができる)、チョコレート若しくはナッツスプレッド、マーガリン若しくはスプレッド(油中水型エマルション)、ブイヨン、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含んでもよい。任意の態様において、食品は、パイクラスト、ピザクラスト、アメリカンスタイルビスケット、チューインガム、代替肉、チョコレート若しくはナッツスプレッド、マーガリン及びスプレッド、ブイヨン、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含んでもよい。
【0061】
様々な態様では、食品は、パーム油を実質的に含まない場合がある(すなわち、本明細書における組成物と食品の残余部との両方が、パーム油を実質的に含まない)。他の態様では、組成物、食品の残余部、又はそれらの組み合わせは、少なくともいくらかのパーム油を含んでもよい。
【0062】
任意の態様において、食品は、約0.01重量%~約99重量%の本明細書で提供される組成物を含んでもよい。任意の態様において、食品は、約0.1重量%~90重量%の組成物、1重量%~90重量%、又は0.01重量%以上99重量%以下であり、0.05、0.1、0.2、0.4、0.6、0.8、1、1.5、2、2.5、3、4、5、6、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、82、84、86、88、90、92、94、95、96、97、98、99、99.9重量%以下若しくは以上、又は99.99重量%の組成物を含んでもよい。
【0063】
別の態様では、本技術は、本明細書で提供される組成物を製造する方法であって、方法は、綿実ステアリンと他の食用成分とを組み合わせて、均質な混合物を形成することを含む、方法を提供する。組み合わせることは、任意の好適な方法で行うことができる。組み合わせることは、綿実ステアリンを融解させ、他の食用成分をそれとブレンドすることを含み得る。
【0064】
いくつかの態様において、本方法は、均質な混合物をエステル交換することを含み得る。いくつかの態様において、本方法は、水素化及び/又は分留などの更なる処理を含んでもよい。いくつかの態様において、本方法は、均質な混合物を結晶化することを含み得る。いくつかの態様において、本方法は、結晶化混合物を混練するなどの機械的作業を含んでもよい。
【0065】
本技術はまた、本明細書で提供される組成物を含む食品を製造する方法を提供する。本方法は、組成物を含む食品を形成する任意の好適な方法であり得る。
【0066】
別の態様において、本技術は、食品における油脂の部分的又は完全な置換における、かつ/又は食品を形成するための、本明細書において提供される組成物の使用を提供する。任意の態様において、使用は、食品を形成するためであり得る。
【0067】
とりわけ、本技術の組成物の利点の少なくともいくつかは、これにより食品のための実行可能な非パーム代替物が提供されるという事実にある。このようにして生産された食品は、適切な粘稠度を有する。フレーク化することができる実行可能な非パーム代替物を提供することができる。
【0068】
本明細書中の実施例は、本技術の利点を例示するため、かつ当業者が本技術の組成物を調製又は使用するのを更に補助するために提供される。本明細書における実施例はまた、本技術の好ましい態様をより完全に例示するために提示される。実施例は、添付の特許請求の範囲によって定義される本技術の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。実施例は、上述した本技術の変形形態又は態様のいずれかを含むか又は組み込むことができる。また、上述の変形例又は態様はまた、それぞれ、本技術の任意の又は全ての他の変形例又は態様の変形例を更に含むか又は組み込んでもよい。
【実施例】
【0069】
実施例1:油脂ブレンド
綿ステアリン(Cotton stearin、CS)、二重分別綿ステアリン(double fractionated cotton stearin、DFCS)、完全水素添加綿実油(fully hydrogenated cottonseed oil、FHCO)、及びココナッツ油(coconut oil、CO)を例示的な油脂ブレンドにおいて使用した。CS、DFCS、FHCO、及びCOは、表1に示す特性を有する。
【0070】
【0071】
CS、DFCS、FHCO、及び/又はCOを組み合わせて、表2の油脂ブレンド1、2、及び5を得た。各油脂ブレンドについて、それぞれの油脂をそれらの融点よりも10~15°F高く加熱し、それぞれの油を添加し、混合物を均質になるまでブレンドした。次いで、油脂ブレンド1及び2を同じ方法に従ってエステル交換して、表2の油脂ブレンド3及び4を得た。油脂ブレンドをエステル交換するために、最初の油脂ブレンドを真空下で乾燥させた(200mbar、110℃、撹拌下で30分)。真空を中止して、触媒量(0.1%w/w)のナトリウムメトキシド(無水)を加えた。次に、反応を真空(100mbar)下で開始し、30分間続けた。真空を解放し、続いて50%クエン酸溶液を添加して、ナトリウムメトキシドを不活性化した(5~10分間の撹拌)。混合物を1.25%活性漂白土で事後漂白した(200mbar、110℃、撹拌下で30分間)。漂白土を、予熱したブフナーフィルタ上で濾過することにより除去した。漂白後、エステル交換油脂混合物を脱臭した。脱臭は、まず材料を真空下(1トル未満)で240℃に加熱することによって完了させた。目標温度に達したら、加熱した水添加フラスコによる水蒸気蒸留を1時間実施した(5%の水を加えて水蒸気を1時間発生させた)。次に、水蒸気フラスコへの水供給を止め、エステル化油脂混合物を真空下で110℃に冷却した。目標温度に達した後、真空を解除しながら窒素オーバーレイを加え、エステル交換油脂ブレンドを反応器フラスコから引き出した。
【0072】
表3に示すように、油脂ブレンド1~5について結晶化及び融解プロファイルを決定した。
【0073】
【0074】
【0075】
実施例2:フレーク状油脂における油脂ブレンドの使用
油脂ブレンド2、4、及び5を使用して、綿ステアリン(CS又はDFCS)を含有する非パームフレーク状油脂を製造した。油脂ブレンドを、グリコールによって冷却したステンレス鋼ベルト又はドラム上に融解及び分配した。油脂は、ベルトを下って又はドラム上を移動するにつれて、硬化した形態に結晶化された。次に、油脂をベルト又はドラムから擦り落とし、より小さい片(すなわち、油脂フレーク)に破壊した。
【0076】
表4における組成物を使用しながら、フレーク状油脂を使用して、アメリカンスタイルビスケット及びピザクラストを製造した。
【0077】
【0078】
ビスケットを製造するために、全ての乾燥材料を12クォートのミキシングボウルに加え、へら型アタッチメントを用いて低速で1分間混合した。ボウル及びへらを擦り取った。油脂フレークをミキシングボウルに入れ、第1の量の水を流しながら30秒間混合した。第2の量の水をボウルに加え、30秒間混合した。混合を停止し、ボウル及びパドルを擦り落とした。生地をボウル内でひっくり返し、更に15秒間低速で混合した。生地をミキサーから取り出し、打ち粉をしたベンチ上に置き、1.0~1.5インチの厚さにプレスした。小麦粉を生地の上に軽く広げた。ガイドとしてのロッド及び麺棒を使用して、生地を1/2インチの厚さに圧延した。小麦粉を生地から払い落とした後、生地を3つに折った。生地を90度回転させた後、1/2インチを超えないように再度圧延した。ビスケットカッターを使用して、生地を2.25インチの円に切断した。カットしたビスケットを、それらの間が2インチとなるようにハーフシートパン上に置き、375°Fで11.5分間予熱したオーブンで焼いた。
【0079】
ピザクラストを製造するために、全ての材料を12クォートのMcDuffyボウルに入れ、低速で2分間混合した。生地が十分に進展するまで、混合速度を中程度に7~8分間増加させた。生地を丸めてボールにし、覆いをして10分間休ませた。生地を250グラム分に分割し、可逆シーター上で10インチの円盤にシート化した。生地の片側をドッキングした。加熱した生地プレスを用いて、375°Fで7秒間、生地の円をプレスした。生地をプレスから取り出し、10分間冷却し、直ちに冷凍した。翌週、ピザ生地を400°Fで12分間焼いた。
【0080】
実施例3:スプレッドにおける油脂ブレンドの使用
油脂ブレンド1をハードストックとして使用して、非パームテーブルスプレッドを製造した。ハードストック(油脂ブレンド1)を半固形油脂及び液体油と組み合わせて、テーブルスプレッドの油相を形成した。テーブルスプレッドは60%の油脂及び油を含有していた。表5におけるテーブルスプレッドの配合に従う。テーブルスプレッドを以下の手順により調製した。
1.撹拌下で塩、クエン酸及びソルビン酸カリウムを水に溶解することによって水相を調製。
2.水相を35~45℃に維持し、それを保存した。
3.ハードストック、半固形油脂、液体油及びモノ-ジグリセリドを67~72℃の温度で溶融した。これは、ハードストックの融点より約5~10℃高かった。
4.脂肪相を撹拌下で完全に融解した。
5.脂肪相を撹拌下で約55~60℃に冷却した。
6.水相を一定の撹拌下で脂肪相にゆっくり添加し、撹拌速度を増加させながらエマルションを形成した。水相を添加した後、撹拌を少なくとも10分間維持して、エマルジョンが均質であることを確実にした。
7.8~10℃の目標出口温度を有する表面かき取り式熱交換器(scraped surface heat exchanger、SSHE)を使用して、エマルションを結晶化させた。
8.スプレッド(結晶化エマルジョン)を包装し、冷蔵下で保存した。
【0081】
【0082】
実施例4:クッキーの配合における油脂の使用。
油脂ブレンド4を型抜きクッキー生地に使用した。クッキー生地を作製するために、油脂ブレンド4、糖、油、及びレシチンをボウル内で組み合わせ、低速設定で30秒間混合した。ミキサーを第2の速度設定に調節し、2分間混合した。液体材料(水、コーンシロップ、バニラ)を混合物に添加し、低速設定で1分間混合した。ミキサーを第2の速度設定に調整し、30秒間混合した。ボウルを擦り取り、残りの乾燥材料(小麦粉、重曹、脱脂粉乳、塩)を混合物に加えた。混合物を低速設定で1分間混合し、ミキサーを第2の速度設定に調節し、30秒間混合した。ボウルを擦り取った。生地を取り出し、所望の形状にプレスした。成形された生地を370°Fで約10分間焼いた。フィリングを1つのクッキーに加え、第2のクッキー上でプレスした。
【0083】
【0084】
例示的な態様
以下の例示的な態様が提供され、その付番は、重要度のレベルを指定するものと解釈されるべきではない。
【0085】
パラグラフA.油脂ブレンドを含む組成物であって、油脂ブレンドは、綿実ステアリン含み、組成物は、20℃で約40%~約99%の固体脂含量(SFC)、30℃で約30%~約99%のSFC、及び40℃で20%~約99%のSFCを有する、組成物。
【0086】
パラグラフB.油脂ブレンドは、20℃で45%~約95%のSFC、30℃で35%~約90%のSFC、40℃で20%~約90%のSFCを有する、パラグラフAに記載の組成物。
【0087】
パラグラフC.油脂ブレンドは、10℃で約55%~約99.5%のSFCを有する、パラグラフA又はパラグラフBに記載の組成物。
【0088】
パラグラフD.油脂ブレンドは、10℃で60%~約95%の固体脂含量(SFC)を有する、パラグラフA~Cのいずれか1つに記載の組成物。
【0089】
パラグラフE.綿実ステアリンは、第1の分別からの綿実ステアリン、第2の分別からの綿実ステアリン、第2の分別以降の分別からの綿実ステアリン、1つ以上の脱ろう分別からの綿実ステアリン、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、パラグラフA~Dのいずれか1つに記載の組成物。
【0090】
パラグラフF.油脂ブレンドは、エステル交換油脂ブレンドである、パラグラフA~Eのいずれか1つに記載の組成物。
【0091】
パラグラフG.エステル交換油脂ブレンドは、化学的にエステル交換されている、パラグラフA~Fのいずれか1つに記載の組成物。
【0092】
パラグラフH.エステル交換油脂ブレンドが酵素的にエステル交換されている、パラグラフA~Gのいずれか1つに記載の組成物。
【0093】
パラグラフI.組成物は、パーム油を実質的に含まない、パラグラフA~Hのいずれか1つに記載の組成物。
【0094】
パラグラフJ.油脂ブレンドは、40℃以上の主融解温度を有する、パラグラフA~Iのいずれか1つに記載の組成物。
【0095】
パラグラフK.油脂ブレンドは、油脂ブレンドの総重量に対して約25重量%~約75重量%の綿実ステアリンを含む、パラグラフA~Jのいずれか1つに記載の組成物。
【0096】
パラグラフL.油脂ブレンドは、油脂ブレンドの総重量に対して約25重量%~約45重量%の綿実ステアリンを含む、パラグラフA~Jのいずれか1つに記載の組成物。
【0097】
パラグラフM.油脂ブレンドは、油脂ブレンドの総重量に対して約40重量%~約60重量%の綿実ステアリンを含む、パラグラフA~Jのいずれか1つに記載の組成物。
【0098】
パラグラフN.油脂ブレンドは、油脂ブレンドの総重量に対して約55重量%~約75重量%の綿実ステアリンを含む、パラグラフA~Jのいずれか1つに記載の組成物。
【0099】
パラグラフO.組成物の約0.01重量%~100重量%が油脂ブレンドである、パラグラフA~Nのいずれか1つに記載の組成物。
【0100】
パラグラフP.油脂ブレンドは、綿実ステアリン以外の植物性油を更に含む、パラグラフA~Oのいずれか1つに記載の組成物。
【0101】
パラグラフQ.綿実ステアリン以外の植物性油は、ココナッツ油、トウモロコシ油、キャノーラ油、綿実油、オリーブオイル、ピーナッツ油、ナタネ油、ベニバナ油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ホホバ油、カカオバター、シアバター、マンゴーバター、ババス油、キュプアス油、マカウバ油、バキュリ油、ツクマ油、コクム油、ウクウバ油、リクリ油、ペキー油、イリッペ油、これらの画分、これらの中オレイン酸型若しくは高オレイン酸型、これらの低リノレン酸型、これらの低飽和型、これらから形成された水素添加油、これらから形成されたエステル交換油、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む、パラグラフA~Pのいずれか1つに記載の組成物。
【0102】
パラグラフR.綿実ステアリン以外の植物性油は、油脂ブレンドの総重量に対して0.01重量%~99重量%の量で存在する、パラグラフA~Qのいずれか1つに記載の組成物。
【0103】
パラグラフS.組成物は、乳化剤、非綿実ワックス、デンプン、タンパク質、セルロース、セルロース誘導体、綿実ステアリン以外の植物性油、又はそれらの2つ以上の組み合わせを実質的に含まない、パラグラフA~Rのいずれか1つに記載の組成物。
【0104】
パラグラフT.乳化剤、ワックス、糖質、タンパク質、セルロース、セルロース誘導体、食用着色料、増量剤、香味料、動物性油、又はそれらの2つ以上の組み合わせを更に含む、パラグラフA~Sのいずれか1つに記載の組成物。
【0105】
パラグラフU.油脂ブレンドは、少なくとも40重量%の飽和脂肪を含む、パラグラフA~Tのいずれか1つに記載の組成物。
【0106】
パラグラフV.油脂ブレンドは、少なくとも50重量%の飽和脂肪を含む、パラグラフA~Uのいずれか1つに記載の組成物。
【0107】
パラグラフW.油脂ブレンドは、0重量%~約5重量%のC12:0脂肪酸、約20重量%~約60重量%のC16:0脂肪酸、0重量%~約60重量%のC18:0脂肪酸、0重量%~約20重量%のC18:1脂肪酸、約5重量%~約40重量%のC18:2脂肪酸、0重量%~約5重量%のC18:3脂肪酸、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、パラグラフA~Vのいずれか1つに記載の組成物。
【0108】
パラグラフX.油脂ブレンドは均質である、パラグラフA~Wのいずれか1つに記載の組成物。
【0109】
パラグラフY.組成物はフレーク状油脂である、パラグラフA~Xのいずれか1つに記載の組成物。
【0110】
パラグラフZ.パラグラフA~Yのいずれか1つに記載の組成物を含む、食品。
【0111】
パラグラフAA.食品は、ベーカリー食品、菓子、アイスクリームコーティング、熱安定剤、乳化剤、チョコレート若しくはナッツスプレッド、マーガリン若しくはスプレッド(油中水型エマルション)、ブイヨン、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、パラグラフZに記載の食品。
【0112】
パラグラフAB.食品は、ポテトチップ、フレンチフライ、フライドチキン製品、天ぷら製品、ビスケット、クッキー、パイ、ケーキ、ウエハース、フィリング、生地、グレーズ、ペストリー、ドーナツ、アイシング、フロスティング、ピザクラスト、アメリカンスタイルビスケット、チューインガム、代替肉、乳製品類似製品、アイスクリーム、タフィー、キャラメル、又はそれらの2つ以上組み合わせを含む、パラグラフZ又はパラグラフAAに記載の食品。
【0113】
パラグラフAC.綿実ステアリンと他の食用成分とを組み合わせて、均質な混合物を形成することを含む、パラグラフA~Yのいずれか1つに記載の組成物を製造する方法。
【0114】
パラグラフAD.均質な混合物をエステル交換することを更に含む、パラグラフACに記載の方法。
【0115】
パラグラフAE.食品における油脂の部分的又は完全な置換における、かつ/又は食品を形成するための、パラグラフA~Yのいずれか1つに記載の組成物の使用。
【0116】
等価物
特定の態様を図示及び説明してきたが、当業者は、前述の明細書を読んだ後に、本明細書に記載の本技術のナノ粒子若しくは誘導体、プロドラッグ、又は医薬組成物に対する変更、均等物の置換、及び他のタイプの改変を行うことができる。各態様及び上記の態様はまた、他の態様及び態様のいずれか又は全てに関して開示されたような変形形態又は態様を含むか、あるいは組み込むことができる。
【0117】
本技術はまた、本技術の個々の態様の単一の例示として意図される、本明細書で説明される特定の態様に関して限定されるべきではない。当業者に明らかであるように、本技術の多くの修正及び変形が、その趣旨及び範囲から逸脱することなく行われることができる。本明細書に列挙されたものに加えて、本技術の範囲内の機能的に等価な方法は、前述の説明から当業者に明らかであろう。そのような修正及び変形は、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。本技術は、特定の方法、複合体、試薬、化合物、組成物、標識化合物、又は生体システムに限定されず、これらは、もちろん変化し得ることが理解されるべきである。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書において別段の指示がない限り、又は文脈によって明確に否定されない限り、任意の適切な順序で実施することができる。また、本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明することのみを目的としており、限定することを意図していないことも理解されたい。したがって、本明細書は、添付の特許請求の範囲、その中の定義、及びその任意の均等物によってのみ示される本技術の広さ、範囲、及び趣旨を有する例示的なものとしてのみ考慮されることが意図される。本明細書中のいかなる言語も、任意の特許請求されていない要素を必須であると示すものとして解釈されるべきではない。
【0118】
本明細書に例示的に記載される態様は、本明細書に具体的に開示されていない任意の要素(単数又は複数)、限定(単数又は複数)の非存在下で適切に実施され得る。したがって、例えば、用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」などは、拡張的に、かつ限定なしに読まれるものとする。更に、本明細書で使用される用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用されており、そのような用語及び表現の使用において、示され説明された特徴又はその一部の均等物を除外する意図はないが、特許請求される技術の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。同様に、用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」などの使用は、用語「から本質的になる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」を使用する態様を開示すると理解されるべきであり、逆もまた同様である。「本質的に~からなる」という句は、具体的に列挙された要素、及び特許請求される技術の基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさない追加の要素を含むと理解される。「からなる」という句は、指定されていない任意の要素を除外する。
【0119】
加えて、本開示の特徴又は態様がマーカッシュ群に関して記載される場合、当業者は、本開示が、それによって、マーカッシュ群の任意の個々のメンバー又はメンバーのサブグループに関しても記載されることを認識するであろう。一般的な開示に含まれるより狭い種及び亜属の分類のそれぞれもまた、本技術の一部を形成する。これは、削除される材料が具体的に本明細書で言及されるか否かにかかわらず、属から任意の主題を除去する条件又は負の限定を伴う本技術の一般的な説明を含む。
【0120】
当業者によって理解されるように、任意の及び全ての目的のために、特に書面による説明を提供することに関して、本明細書に開示される全ての範囲は、任意の及び全ての可能な部分範囲及びその部分範囲の組み合わせも包含する。任意の列挙された範囲は、同じ範囲が少なくとも等しい半分、三分の一、四分の一、五分の一、十分の一等に分解されることを十分に説明し、可能にするものとして容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書で議論される各範囲は、下3分の1、中3分の1、及び上3分の1などに容易に分解することができる。また、当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」などの全ての言語は、列挙された数を含み、上述のように後に部分範囲に分割され得る範囲を指す。最後に、当業者によって理解されるように、範囲は、各個別の要素を含み、各別個の値は、本明細書に個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0121】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、発行された特許、及び他の文書(例えば、雑誌、論文、及び/又は教科書)は、各個別の刊行物、特許出願、発行された特許、又は他の文書が、その全体が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれるテキストに含まれる定義は、本開示における定義と矛盾する範囲で除外される。
【0122】
他の態様は、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに、以下の特許請求の範囲に記載される。
【国際調査報告】