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特表2024-540772旋回エレメントを可動に支持するための金具、特に家具用金具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-01
(54)【発明の名称】旋回エレメントを可動に支持するための金具、特に家具用金具
(51)【国際特許分類】
   E05D 3/14 20060101AFI20241025BHJP
【FI】
E05D3/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531403
(86)(22)【出願日】2022-11-07
(85)【翻訳文提出日】2024-05-24
(86)【国際出願番号】 AT2022060382
(87)【国際公開番号】W WO2023092161
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】A50948/2021
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】イルメラ マーラ ゲラー
(57)【要約】
旋回エレメント(2)、特に家具部分、扉(3)または窓(4)を、定置の支持体(5)に対して相対的に可動に支持するための金具(1)、特に家具用金具であって、支持体(5)の、好ましくは実質的に水平に向けられたプレート(7)に取り付けられるように形成されている第1の金具部分(6)、旋回エレメント(2)に取り付けるための第2の金具部分(8)であって、第1の金具部分(6)に旋回可能に接続されている第2の金具部分(8)、第2の金具部分(8)に配置されていて、第1の金具部分(6)の長手方向の延在(10)および/または第2の金具部分(8)の長手方向の延在(11)に対して相対的に実質的に直交方向に向けられている少なくとも1つのジョイント軸(9)、および少なくとも1つのジョイント軸(9)に沿って第1の金具部分(6)に対して相対的に第2の金具部分(8)の向きを調節するための少なくとも1つの調節装置(12)であって、第2の金具部分(8)は、少なくとも1つの調節装置(12)を介して少なくとも1つのジョイント軸(9)に対して平行に第1の金具部分(6)に対して相対的に摺動可能である、少なくとも1つの調節装置(12)を含んでおり、少なくとも1つの調節装置(12)は、第2の金具部分の長手方向の延在(11)の方向で少なくとも1つのジョイント軸(9)から空間的に離隔されている、金具(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回エレメント(2)、特に家具部分、扉(3)または窓(4)を、定置の支持体(5)に対して相対的に可動に支持するための金具(1)、特に家具用金具であって、
-前記支持体(5)の、好ましくは実質的に水平に向けられたプレート(7)に取り付けられるように形成されている第1の金具部分(6)、
-前記旋回エレメント(2)に取り付けるための第2の金具部分(8)であって、前記第1の金具部分(6)に旋回可能に接続されている第2の金具部分(8)、
-前記第2の金具部分(8)に配置されていて、前記第1の金具部分(6)の長手方向の延在(10)および/または前記第2の金具部分(8)の長手方向の延在(11)に対して相対的に実質的に直交するように向けられている少なくとも1つのジョイント軸(9)、および
-前記少なくとも1つのジョイント軸(9)に沿って前記第1の金具部分(6)に対して相対的に前記第2の金具部分(8)の向きを調節するための少なくとも1つの調節装置(12)であって、前記第2の金具部分(8)は、前記少なくとも1つの調節装置(12)を介して前記少なくとも1つのジョイント軸(9)に対して平行に前記第1の金具部分(6)に対して相対的に摺動可能である、少なくとも1つの調節装置(12)
を含んでいる金具(1)において、
前記少なくとも1つの調節装置(12)は、前記第2の金具部分の前記長手方向の延在(11)の方向で前記少なくとも1つのジョイント軸(9)から空間的に離隔されていることを特徴とする、金具(1)。
【請求項2】
前記第2の金具部分(8)は実質的に直方体状に形成されており、好ましくは、前記少なくとも1つのジョイント軸(9)は、前記第2の金具部分(8)の第1の端部(13)の領域に配置されていて、前記少なくとも1つの調節装置(12)は、前記第2の金具部分(8)の長手方向(11)で離隔された、前記第2の金具部分(8)の第2の端部(14)の領域に配置されていることが想定されている、請求項1記載の金具(1)。
【請求項3】
前記第1の金具部分(6)は少なくとも1つのジョイントレバー(15)を介して前記第2の金具部分(8)に配置されており、好ましくは、前記少なくとも1つのジョイントレバー(15)は、前記少なくとも1つのジョイント軸(9)のうちの少なくとも1つに、好適には少なくとも1つの連結装置(16)を介して特に好適には接続薄板を介して、配置されていることが想定されている、請求項1または2記載の金具(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのジョイント軸(9)は、少なくとも1つのピン(17)、好ましくはちょうど2つのピン(17)の形態で形成されており、好ましくは、前記第2の金具部分(8)および/または前記少なくとも1つの連結装置(16)は、前記第1の金具部分(6)に対して相対的に前記第2の金具部分(8)が動かされる間、少なくとも1つのピン(17)によってガイド可能であり、かつ/または前記少なくとも1つのジョイントレバー(15)は少なくとも1つのピン(17)を介して前記第2の金具部分(8)に配置されていて、かつ/または前記少なくとも1つのジョイントレバー(15)の固定のために別のピン(17)が設けられていることが想定されている、請求項3記載の金具(1)。
【請求項5】
前記第2の金具部分(8)の長手方向(11)で、前記少なくとも1つの調節装置(12)と前記少なくとも1つのジョイント軸(9)との間に伝達装置(18)が配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の金具(1)。
【請求項6】
前記伝達装置(18)は、好ましくは板状のロッカーレバー(19)として形成されており、前記伝達装置(18)は、好ましくは前記少なくとも1つのジョイント軸(9)と前記少なくとも1つの調節装置(12)との間に配置され、かつ/または前記少なくとも1つのジョイント軸(9)および/または前記少なくとも1つの調節装置(12)から空間的に離隔された軸受装置(20)を介して前記第2の金具部分(8)に回動可能に配置されており、好ましくは、前記軸受装置(20)を介して行われる、前記軸受装置(20)を中心とした前記伝達装置(18)の回転運動は、特に好適には、場合によっては存在する少なくとも1つの連結装置(16)との前記伝達装置(18)の連結を介して、前記少なくとも1つのジョイント軸(9)に対して相対的な前記第2の金具部分(8)の並進運動に変換可能であることが想定されている、請求項5記載の金具(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの軸受装置(20)は、前記第2の金具部分(8)の長手方向(11)で摺動可能に、前記第2の金具部分(8)に支持されている、請求項6記載の金具(1)。
【請求項8】
前記伝達装置(18)は、前記第2の金具部分(8)に前記伝達装置(18)を固定することのできるまたは固定している、好ましくは段部(22)として形成された成形部(21)を有している、請求項5から7までのいずれか1項記載の金具(1)。
【請求項9】
前記伝達装置(18)は、場合によっては存在する少なくとも1つの連結装置(16)を収容および/またはガイドするための、かつ/または遊びを補償するための、好ましくは前記第2の金具部分(8)の長手方向(11)に向けられた長孔(23)を有しており、好ましくは、前記長孔(23)によって、0.2mm~1mmの、特に好適には0.4mm~0.8mmの前記伝達装置(18)における遊びが補償可能であり、かつ/または前記長孔(23)は間接的に、特に好適には場合によっては存在する少なくとも1つの連結装置(16)を介して、前記少なくとも1つのジョイント軸(9)に配置されていることが想定されている、請求項5から8までのいずれか1項記載の金具(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの調節装置(12)は、工具受容部(24)、伝動装置(25)、および/または少なくとも1つのウォームギヤ(26)を含む、請求項1から9までのいずれか1項記載の金具(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのウォームギヤ(26)は、好ましくは直接にかつ/または前記伝達装置(18)の少なくとも1つのエンボス加工部(27)を介して、前記伝達装置(18)に配置されており、好ましくは、前記伝達装置(18)は、前記少なくとも1つの調節装置(12)によって、前記第2の金具部分(8)に対して相対的に回転運動させることができ、かつ/または前記第2の金具部分(8)は前記伝達装置(18)を介して、前記第1の金具部分(6)に対して相対的に並進運動させることができることが想定されている、請求項10記載の金具(1)。
【請求項12】
前記第1の金具部分(6)は、少なくとも1つの取付け装置(29)を備えた組付け部分(28)を有していて、前記取付け装置によって前記組付け部分(28)は前記支持体(5)の前記プレート(7)に取り付け可能であって、かつ/または前記第1の金具部分(6)は、前記第2の金具部分(8)に枢着的に接続された少なくとも1つの連結部分(30)を有していて、前記連結部分は前記組付け部分(28)に取り外し可能に接続可能である、請求項1から11までのいずれか1項記載の金具(1)。
【請求項13】
前記第1の金具部分(6)の前記組付け部分(28)は、好ましくはポケット状のケーシング(31)を有しており、前記連結部分(30)は、前記組付け部分(28)との接続状態で、少なくとも所定の領域で、好ましくは殆どの部分で、前記組付け部分(28)の前記ケーシング(31)の内側に収容されていて、かつ/または前記連結部分(30)を前記組付け部分(28)に解除可能にロック可能な少なくとも1つのロック装置(32)が設けられている、請求項12記載の金具(1)。
【請求項14】
前記少なくとも1つのロック装置(32)は、ロック解除の過程において、前記連結部分(30)を少なくとも部分的に前記組付け部分(28)の前記ケーシング(31)から、好ましくは線形に押し出すことのできるエジェクト装置(33)を有している、請求項13記載の金具(1)。
【請求項15】
前記第1の金具部分(6)は、互いに別個のかつ/または空間的に互いに離隔された2つの別の調節装置(34)を有していて、前記調節装置によって、前記第1の金具部分(6)は、前記第1の金具部分(6)の長手方向(10)で、かつ/または前記第1の金具部分(6)の前記長手方向(10)に対して直交方向で、前記組付け部分(28)に対して相対的に可動である、請求項12から14までのいずれか1項記載の金具(1)。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれか1項記載の少なくとも1つの金具(1)と、第2の金具部分(8)をフレーム(35)の内側に少なくとも所定の領域で配置するためのフレーム(35)とから成るアセンブリ。
【請求項17】
定置の支持体(5)と、旋回エレメント(2)、特に家具部分、扉(3)または窓(4)を前記定置の支持体(5)に対して相対的に可動に支持するための、請求項1から15までのいずれか1項記載の少なくとも1つの金具(1)および/または請求項16記載のアセンブリとを備えた家具(36)であって、前記定置の支持体(5)には第1の金具部分(6)が少なくとも所定の領域で装着されていて、前記旋回エレメント(2)には第2の金具部分(8)が少なくとも所定の領域で、好ましくは前記旋回エレメント(2)に組み込まれたフレーム(25)に装着されている、家具(36)。
【請求項18】
請求項1から15までのいずれか1項記載の金具(1)によって、請求項17記載の家具(36)の定置の支持体(5)に対して相対的に、特に旋回エレメント(2)の、請求項1から15までのいずれか1項記載の金具(1)を高さ調節するための方法であって、以下の方法ステップ、すなわち、
-少なくとも1つの調節装置(12)によって、伝達装置(18)を、第2の金具部分(8)に対して相対的に回転運動させるステップ、
-前記第2の金具部分(8)を、前記伝達装置(18)を介して、第1の金具部分(6)に対して相対的に並進運動させるステップ、
を特徴とする方法。
【請求項19】
前記伝達装置(18)は、好ましくは板状のロッカーレバー(19)として形成されており、前記伝達装置(18)は軸受装置(20)を介して前記第2の金具部分(8)に回動可能に配置されており、前記軸受装置(20)を介して行われる、前記軸受装置(20)を中心とした前記伝達装置(18)の回転運動を、好ましくは少なくとも1つの連結装置(16)との前記伝達装置(18)の連結を介して、少なくとも1つのジョイント軸(9)に対して相対的な前記第2の金具部分(8)の並進運動に変換する、請求項18記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旋回エレメント、特に家具部分、扉または窓を、定置の支持体に対して相対的に可動に支持するための金具、特に家具用金具であって、
-支持体の、好ましくは実質的に水平に向けられたプレートに取り付けられるように形成されている第1の金具部分、
-旋回エレメントに取り付けるための第2の金具部分であって、第1の金具部分に旋回可能に接続されている第2の金具部分、
-第2の金具部分に配置されていて、第1の金具部分の長手方向の延在および/または第2の金具部分の長手方向の延在に対して相対的に実質的に直交するように向けられている少なくとも1つのジョイント軸、および
-少なくとも1つのジョイント軸に沿って第1の金具部分に対して相対的に第2の金具部分の向きを調節するための少なくとも1つの調節装置であって、第2の金具部分は、少なくとも1つの調節装置を介して少なくとも1つのジョイント軸に対して平行に第1の金具部分に対して相対的に摺動可能である、少なくとも1つの調節装置
を含んでいる金具に関する。
【0002】
さらに、本発明は、少なくとも1つのこのような金具とフレームとから成るアセンブリ、定置の支持体と少なくとも1つのこのような金具またはこのようなアセンブリとを備えた家具、ならびにこのような金具を高さ調節するための方法に関する。
【0003】
このような金具は、欧州特許第3289157号明細書に基づいて既に公知であり、この公知の金具では、金具に対する旋回エレメントの高さ調節のために、旋回エレメントに対して相対的な金具の位置決めが調節装置の偏心ねじを介して変更可能である。偏心ねじは、金具のジョイント軸に対して平行かつ金具の長手方向の延在に対して直交方向に延在する側方のウェブに配置されている。
【0004】
このような形式の旋回エレメントにおける金具の運動機構により、調節装置の位置決め可能性およびアクセス可能性が制限されている。このような金具に重い旋回エレメントを組み付ける場合には特に、金具に対して相対的に旋回エレメントを簡単に取り付けることができることおよび高さ調節できることが重要であり、さらに、金具のコンパクトな構造形式にもかかわらず、美しく魅力的な外観ならびに調節が極めて安定的かつ快適であることが非常に重要である。従来技術では、直交方向に向けられたウェブにより、製造が困難な溝が旋回エレメントに必要であり、この場合さらに、旋回エレメントにおける金具の位置決めにおいて、直交する2つの空間方向もしくは自由度を考慮しなければならず、十分に僅かな製造誤差に注意を払わなければならないということが欠点である。さらに、L字型の金具により、金具の視覚的な印象が損なわれる。さらに、ウェブにより旋回エレメントの強度は減じられ、旋回エレメントから金具がはずれやすくなってしまう。さらに、ウェブにより、金具は、旋回エレメントの上縁から垂直方向でさらに離隔しなければならず、これについては特に、相応の家具板の場合も考慮しなければならない。さらに、高さ調節は偏心ねじにより制限されており、旋回エレメントが高い場合には特に、調節装置のアクセス可能性が損なわれる。
【0005】
したがって本発明の対象となる技術的課題は、従来技術の欠点を少なくとも部分的に解消し、特にコンパクトな構成形式、旋回エレメントの簡単な位置決め、ならびにユーザーにとって快適な、金具に対して相対的な旋回エレメントの高さ調節により優れている、従来技術に対して改善された、旋回エレメントを可動に支持するための金具を提供することである。
【0006】
この課題は、請求項1の特徴により解決される。
【0007】
したがって、本発明によれば、少なくとも1つの調節装置は、第2の金具部分の長手方向の延在の方向で少なくとも1つのジョイント軸から空間的に離隔されていることが想定されている。
【0008】
これにより第一に、第2の金具部分を位置決めするための溝を旋回エレメント上にまたは旋回エレメント内に手間をかけて設ける必要がなく、金具はコンパクトに構成されていて、使用位置で上縁および/または下縁近くに配置することができるということが可能となる。
【0009】
さらに、(使用位置における)第1の金具部分に対して相対的な旋回エレメントの高さ調節は、組付け中にかつ/または金具の使用者により快適に実施することができる。旋回エレメントは、金具の構造的な構成により、破損特性が減じられており、支持体のプレートは、旋回エレメントの設計に柔軟に適合させることができる。
【0010】
さらに、旋回エレメントの高さ調節が、少なくとも1つのジョイント軸から第2の金具部分の長手方向の延在で離隔された少なくとも1つの調節装置によって、減じられた力をかけて行うことができ、特に少なくとも1つの調節装置と少なくとも1つのジョイント軸との間でてこ作用を利用することができるという有利な特性が得られる。
【0011】
かけられる力および/または旋回エレメントに対して相対的な第1の金具部分の垂直方向の位置決めの精度に関する変換比は、少なくとも1つのジョイント軸および/または少なくとも1つの調節装置と少なくとも1つのジョイント軸との間の支持点に対する少なくとも1つの調節装置の間隔を介して調整することができる。
【0012】
調節装置としては、この文脈では、高さ調節のための組付け作業者または使用者のための金具の操作装置とみなされてよく、この操作装置は、場合によっては、調節装置の操作後に金具部分を動かすための別個の伝達構成要素と相互作用する。
【0013】
冒頭で述べたように、特許権保護は、少なくとも1つのこのような金具と、第2の金具部分をフレームの内側に少なくとも所定の領域で配置するためのフレームとから成るアセンブリに対しても求められる。
【0014】
冒頭で述べたように、特許権保護は、定置の支持体と、旋回エレメント、特に家具部分、扉または窓を定置の支持体に対して相対的に可動に支持するための、少なくとも1つのこのような金具および/またはこのようなアセンブリとを備えた家具であって、定置の支持体には第1の金具部分が少なくとも所定の領域で装着されていて、旋回エレメント、好ましくは旋回エレメントに組み込まれたフレームには第2の金具部分が少なくとも所定の領域で装着されている、家具に対しても求められる。
【0015】
冒頭で述べたように、特許権保護は、このような金具によって、このような家具の定置の支持体に対して相対的に、このような金具、特に旋回エレメントを高さ調節するための方法であって、少なくとも1つの調節装置によって、伝達装置を、第2の金具部分に対して相対的に回転運動させ、第2の金具部分を、伝達装置を介して、第1の金具部分に対して相対的に並進運動させる、方法に対しても求められる。
【0016】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項に規定されている。
【0017】
本発明の有利な構成によれば、第2の金具部分は実質的に直方体状に形成されており、好ましくは、少なくとも1つのジョイント軸は、第2の金具部分の第1の端部の領域に配置されていて、少なくとも1つの調節装置は、第2の金具部分の長手方向で離隔された、第2の金具部分の第2の端部の領域に配置されていることが想定されている。
【0018】
第2の金具部分は、減衰装置を有していてよく、これは例えば、振動吸収材として、第2の金具部分および/または第1の金具部分に組み込まれている。
【0019】
有利には、第1の金具部分は少なくとも1つのジョイントレバーを介して第2の金具部分に配置されており、好ましくは、少なくとも1つのジョイントレバーは、少なくとも1つのジョイント軸のうちの少なくとも1つに、好適には少なくとも1つの連結装置を介して特に好適には接続薄板を介して、配置されていることが想定されている。
【0020】
少なくとも1つの連結装置は、第2の金具部分への少なくとも1つのジョイントレバーの結合ならびに少なくとも1つの調節装置における第1の金具部分に対する旋回エレメントの高さ調節の伝達のガイドもしくは仲介という2つの機能を有することができる。
【0021】
少なくとも1つのジョイント軸が、少なくとも1つのピン、好ましくはちょうど2つのピンの形態で形成されており、好ましくは、第2の金具部分および/または少なくとも1つの連結装置は、第1の金具部分に対して相対的に第2の金具部分が動かされる間、少なくとも1つのピンによってガイド可能であり、かつ/または少なくとも1つのジョイントレバーは少なくとも1つのピンを介して第2の金具部分に配置されていて、かつ/または少なくとも1つのジョイントレバーの固定のために別のピンが設けられていることが想定されていることは有利であることが示されている。
【0022】
ピンを使用することにより、望ましくない旋回運動なしに平行な高さ調節のための並進運動が特に良好に行われる。
【0023】
本発明の有利な実施形態によれば、第2の金具部分の長手方向で、少なくとも1つの調節装置と少なくとも1つのジョイント軸との間に伝達装置が配置されていることが想定されている。
【0024】
伝達装置を介して、少なくとも1つの調節装置における調節が特に良好に連結装置および/または第1の金具部分に伝達可能である。例えば、少なくとも1つの調節装置は、伝達装置を第2の金具部分に対して相対的に回転運動させることができ、かつ/または伝達装置を介して第2の金具部分を第1の金具部分に対して相対的に並進運動させることができる。例えば、伝達装置は、連結装置のための受容部を含むことができ、この受容部は、少なくとも1つのジョイント軸に配置されていて、伝達装置と、少なくとも1つのジョイント軸でガイドされる連結装置との間の運動を連動させる。
【0025】
伝達装置は、好ましくは板状のロッカーレバーとして形成されており、伝達装置は、好ましくは少なくとも1つのジョイント軸と少なくとも1つの調節装置との間に配置され、かつ/または少なくとも1つのジョイント軸および/または少なくとも1つの調節装置から空間的に離隔された軸受装置を介して第2の金具部分に回動可能に配置されており、好ましくは、軸受装置を介して行われる、軸受装置を中心とした伝達装置の回転運動は、特に好適には、場合によっては存在する少なくとも1つの連結装置との伝達装置の連結を介して、少なくとも1つのジョイント軸に対して相対的な第2の金具部分の並進運動に変換可能であることが想定されていることは有利であることが示されている。
【0026】
ロッカーレバーは、好適には調節装置と連結装置との間の、かつ/または第2の金具部分の長手方向の延在ならびに少なくとも1つのジョイント軸の向きによって規定される平面における軸受点を中心として回転/揺動する。
【0027】
本発明の有利な態様では、少なくとも1つの軸受装置は、第2の金具部分の長手方向で摺動可能に、第2の金具部分に支持されている。
【0028】
これにより高さ調節の変換を適合させることができる。一方では、旋回エレメントと第1の金具部分との間の相対的な位置決めにおいてかけられる力を、他方では、相対的な位置決めにおける自由度を調節することができる。
【0029】
特に好適には、伝達装置は、第2の金具部分に伝達装置を固定することのできるまたは固定している、好ましくは段部として形成された成形部を有していることが想定されている。
【0030】
成形部により、金具の組付けが容易になり、かつ/または金具の望ましくない取り外しが防止される。
【0031】
本発明の実施例では、伝達装置は、場合によっては存在する少なくとも1つの連結装置を収容および/またはガイドするための、かつ/または遊びを補償するための、好ましくは第2の金具部分の長手方向に向けられた長孔を有しており、好ましくは、長孔によって、0.2mm~1mmの、特に好適には0.4mm~0.8mmの伝達装置における遊びが補償可能であり、かつ/または長孔は間接的に、特に好適には場合によっては存在する少なくとも1つの連結装置を介して、少なくとも1つのジョイント軸に配置されていることが想定されている。
【0032】
長孔により、金具の構成要素における製造誤差および/または金具の-特に旋回エレメントの高さ調節の-運動経過における遊びを補償することができる。
【0033】
特に好適には、連結装置は、ジョイント軸のうちの少なくとも1つのジョイント軸の周囲に配置された、好ましくは曲げられた薄板として形成されており、連結装置の、少なくとも1つのジョイント軸に対して好ましくは直交方向に配置されたピンまたは取付けエレメントは、伝達装置の開口に、好ましくは長孔に係合する。これにより、第2の金具部分における高さ調節は特に良好にジョイントアームおよび/または第1の金具部分に伝達することができる。
【0034】
本発明の好適な実施例によれば、少なくとも1つの調節装置は、工具受容部、伝動装置、および/または少なくとも1つのウォームギヤを含んでいることが想定されている。
【0035】
少なくとも1つのウォームギヤにより、少なくとも1つの調節装置の回転運動を特に良好に伝達装置の旋回運動に移行させることができ、第1の金具部分に対して相対的な第2の金具部分の並進運動を、伝達装置の旋回運動により行わせることができる。伝動装置を介して、調節装置と伝達装置との間の運動の連動を、必要に応じて金具に適合させることができる。
【0036】
少なくとも1つのウォームギヤは、好ましくは直接にかつ/または伝達装置の少なくとも1つのエンボス加工部を介して、伝達装置に配置されており、好ましくは、伝達装置は、少なくとも1つの調節装置によって、第2の金具部分に対して相対的に回転運動させることができ、かつ/または第2の金具部分は伝達装置を介して、第1の金具部分に対して相対的に並進運動させることができることが想定されていることが有利であると示されている。
【0037】
エンボス加工部により、少なくとも1つのウォームギヤと伝達装置との間の特に確実な結合を形成することができ、特にドライバ等による特に少なくとも1つの調節装置の操作は、第1の金具部分に対して相対的な第2の金具部分の平行な摺動に変換される。
【0038】
さらに好適には、第1の金具部分が、少なくとも1つの取付け装置を備えた組付け部分を有していて、取付け装置によって組付け部分は支持体のプレートに取り付け可能であって、かつ/または第1の金具部分は、第2の金具部分に枢着的に接続された少なくとも1つの連結部分を有していて、この連結部分は組付け部分に取り外し可能に接続可能であることが想定されている。
【0039】
少なくとも1つの取付け装置によって、プレート上のまたはプレート内の組付け部分の定置の位置決めを保証することができ、連結部分によって、組付け部分を備えた第1の金具部分の確実な位置の位置決めを実現することができる。
【0040】
特に好適には、第2の金具部分は、別の取付け装置を有しており、この取付け装置によって第2の金具部分が旋回エレメント上にまたは旋回エレメント内に取り付け可能である。
【0041】
取付け装置は、好適には、円錐台形状に形成されており、好ましくは、組付け部分にかつ/または第2の金具部分に、成形部が、組付け部分および/または第2の金具部分の反対側の端部に設けられており、これにより取付け装置の操作の際に、プレートおよび/または旋回エレメントにおける堅固な装着が促進される。
【0042】
さらなる実施形態では、第1の金具部分の組付け部分は、好ましくはポケット状のケーシングを有しており、連結部分は、組付け部分との接続状態で、少なくとも所定の領域で、好ましくは殆どの部分で、組付け部分のケーシングの内側に収容されており、かつ/または連結部分を組付け部分に解除可能にロック可能な少なくとも1つのロック装置を含んでいることが想定されていてよい。
【0043】
組付け部分により、特にプレートの金具および/または旋回エレメントの組付け中に、プレートへの第1の金具部分の導入および/または固定が容易になり、連結部分によるプレートへの第1の金具部分の取付けのような作業ステップは必要ない。
【0044】
本発明の有利な構成によれば、少なくとも1つのロック装置は、ロック解除の過程において、連結部分を少なくとも部分的に組付け部分のケーシングから、好ましくは線形に押し出すことのできるエジェクト装置を有していることが想定されている。
【0045】
換言すると、連結部分は、接合方向で組付け部分内に押込み可能であり、この場合、連結部分は、組付け部分に連結された状態から、エジェクト装置によって能動的に組付け部分から外に、すなわち少なくとも部分的に接合方向とは逆方向に、押し出し可能である。
【0046】
これにより、旋回エレメントの可動な支持のために2つ以上の金具が設けられている場合には特に、定置の支持体からの旋回エレメントの取り外しが容易になる。この場合、組付け部分と連結部分との間がひっかかって動かなくなる危険は減じられ、組付け部分からの連結部分の分離が容易になる。
【0047】
好適な実施例によれば、第1の金具部分は、互いに別個のかつ/または空間的に互いに離隔された2つの別の調節装置を有していて、調節装置によって、第1の金具部分は、第1の金具部分の長手方向で、かつ/または第1の金具部分の長手方向に対して直交方向で、組付け部分に対して相対的に可動であることが想定されている。
【0048】
好適には、第1の金具部分は、2つの別の調節装置を介して、好ましくは直交する2つの両空間方向もしくは自由度に、好ましくは第1の金具部分の端面に対して横方向かつ/または第1の金具部分の端面に対して平行に、プレートに対して相対的に位置決めすることができる。換言すると、2つの別の調節装置の連結は、すなわち、別の調節装置のうちの1つの調節装置の第1の運動方向への操作が、第2の運動方向への第1の金具部分の調節にもつながる(好ましくは逆も同様)ように行われている。したがって、2つの別の調節装置の縮小が規定されており、これにより-特に組付け部分に対して相対的な-第1の金具部分の遊びが著しく減じられる。
【0049】
特に好適には、伝達装置は、好ましくは板状のロッカーレバーとして形成されており、伝達装置は軸受装置を介して第2の金具部分に回動可能に配置されており、軸受装置を介して行われる、軸受装置を中心とした伝達装置の回転運動は、好ましくは少なくとも1つの連結装置との伝達装置の連結を介して、少なくとも1つのジョイント軸に対して相対的な第2の金具部分の並進運動に変換されることが想定されている。
【0050】
装置請求項の特徴は、方法請求項の特徴でも適用可能であり、逆もまた同様である。本発明のさらなる詳細および利点は、図示した実施例を参照する図面の説明に基づいて以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1a】旋回部分と特に好適な実施例による2つの金具とを備えた家具を示す斜視図である。
図1b】金具を第1の金具部分の組付け部分の分離状態で示す斜視図である。
図2a図1bの実施形態による金具を連結状態で示す斜視図である。
図2b図1bの実施形態による金具を、カバーを外した組付け構成要素と共に分離状態で示した側方図である。
図3a図1bの実施形態による金具を示す断面図である。
図3b図1bの実施形態による金具を第2の金具部分の分解図と共に示す斜視図である。
図4図1bの実施形態による金具を示す背面図、前面図、ならびに斜視図である。
図5a図1bの実施形態による金具を、第2の金具部分に対して相対的な第1の金具部分の高さ調節の状態で示す背面図である。
図5b図1bの実施形態による金具を、第2の金具部分に対して相対的な第1の金具部分の異なる高さ調節の状態で示す背面図である。
図6a図1bの実施形態による金具を、第2の金具部分に対して相対的な第1の金具部分の高さ調節の状態で示す前面図である。
図6b図1bの実施形態による金具を、第2の金具部分に対して相対的な第1の金具部分の異なる高さ調節の状態で示す前面図である。
図7a図1bの実施形態による金具を、第1の金具部分に対する第2の金具部分の相対的な位置決め状態で示す斜視図である。
図7b図1bの実施形態による金具を、第1の金具部分に対する第2の金具部分の変更された相対的な位置決め状態で示す斜視図である。
図8a】組み込まれたフレームを備えた旋回エレメントとしての窓を示す分解図である。
図8b】旋回エレメントとしての窓を、装着された図1bによる金具を備える組付け状態で示す斜視図である。
【0052】
図1aには、家具キャビネットならびに定置の支持体5、および家具キャビネットに可動に支持された扉3の形態の旋回エレメント2を、定置の支持体5に対して相対的に可動に支持するための家具用金具としての2つの金具1を備えた家具36が示されている。しかしながら、扉3は一般的に、-例えば木材から成るまたは扉フレームに取り囲まれる-例えば居住ドアとして形成されていてもよい。第1の金具部分6は、少なくとも所定の領域で定置の支持体5に装着されていて、第2の金具部分8は、少なくとも所定の領域で旋回エレメント2に装着されている。
【0053】
図1bには、扉3または窓4(図8aおよび図8b参照)の旋回エレメント2を定置の支持体5に対して相対的に可動に支持するための金具1が示されており、この金具は、支持体5の水平に向けられたプレート7に取り付けるように形成された第1の金具部分6と、旋回エレメント2の取り付けるための第2の金具部分8とを含み、この場合、第2の金具部分8は第1の金具部分6に旋回可能に接続されている。
【0054】
第1の金具部分6は、2つのジョイントレバー15を介して第2の金具部分8に配置されている。金具1は、第2の金具部分8に配置されている3つのジョイント軸9を含み、これらのジョイント軸は、第1の金具部分6の長手方向の延在10および第2の金具部分8の長手方向の延在11に対して相対的に直交するように向けられている。第1のジョイント軸9は、第1のジョイントレバー15と第2の金具部分8とに配置されていて、第2のジョイント軸9は、第2のジョイントレバー15と第2の金具部分とに配置されていて、第3のジョイント軸は、第2のジョイントレバー15(図面では、第2の金具部分のフレームによって隠されている)に配置されており、3つすべてのジョイント軸9が、ジョイントレバー15を調節装置12に運動連結するための連結装置16に配置されている。しかしながら、一般的には、1つだけのジョイント軸が、1つのジョイントレバー15を第2の金具部分8に接続するために連結装置16に接続されていてもよい。
【0055】
図2aには、ジョイント軸9がピン17の形態で形成されていることが示されており、この場合、2つのピン17が、ジョイントレバー15に対する第2の金具部分8の旋回運動のための回転点として設けられて、第2の金具部分8は、第1の金具部分6に対して相対的に第2の金具部分8の高さが調節される間に2つのピン17によってガイドされ、ジョイントレバー15は2つのピン17を介して第2の金具部分8に配置されていて、(ジョイントレバー15を通る)1つの相対的に短いピン17は、両ジョイントレバー15のうちの一方を固定するために設けられている。
【0056】
金具1は、ジョイント軸9に沿って第1の金具部分6に対して相対的に第2の金具部分8の向きを調節するための調節装置12(実施形態の構造的詳細については、図3aおよび図3bを参照)を含んでおり、第2の金具部分8は、調節装置12を介してジョイント軸9に対して平行に第1の金具部分6に対して相対的に摺動可能である。
【0057】
調節装置12は、第2の金具部分の長手方向の延在11の方向でジョイント軸9から空間的に離隔されている。第2の金具部分8は、直方体状に形成されている。ジョイント軸9は、第2の金具部分8の第1の端部13の領域に配置されていて、調節装置12は、第2の金具部分8の長手方向の延在11で離隔された、第2の金具部分8の第2の端部14の領域に配置されている。
【0058】
図2bには、第1の金具部分6が、取付け装置29を備えた組付け部分28を有していることが示されていて、この取付け装置によって、組付け部分28は支持体5のプレート7に取り付け可能である。第2の金具部分8は、別の取付け装置29を有しており、この取付け装置によって第2の金具部分8が旋回エレメント2に取り付け可能である。金具部分6,8には、取付け装置29とは反対側の端部に、金具1を旋回エレメント2もしくはプレート7の材料に対して拡開させる成形部37が配置されている。第1の金具部分6は、組付け部分28と、第2の金具部分8に枢着的に接続される連結部分30とを含み、連結部分は組付け部分28に取り外し可能に接続可能である。
【0059】
第1の金具部分6の組付け部分28は、ポケット状のケーシング31を有しており、連結部分30は、組付け部分28との接続状態で、殆どの部分で、組付け部分28のケーシング31の内側に収容されている。組付け部分28は、連結部分30を組付け部分28に解除可能にロックすることができるロック装置32を有していて、ロック装置32は、ロック解除の過程において、連結部分30を部分的に線形に組付け部分28のケーシング31から押し出すことのできるエジェクト装置33を含む。
【0060】
図3aには、金具1の断面図が示されており、この場合、両ジョイントレバー15はジョイント軸9と、接続薄板の形態の連結装置16とに配置されている。
【0061】
調節装置12は、ドライバのための工具受容部24と、伝動装置25と、ウォームギヤ26とを有していて、この場合、ウォームギヤ26は伝達装置18と相互作用する。一般的に、伝動装置25は省かれてよい。
【0062】
図3bには、第2の金具部分の分解図が示されており、第2の金具部分8の長手方向11で調節装置12とジョイント軸9との間に伝達装置18が配置されている。伝達装置18は、調節装置12とジョイント軸9とにわたって延在しているが、このことは一般的に必須ではない。
【0063】
伝達装置18は、板状のロッカーレバー19として形成されており、伝達装置18は、ジョイント軸9と少なくとも1つの調節装置12との間に配置され、ジョイント軸9と調節装置12とから空間的に離隔されている軸受装置20を介して第2の金具部分8に回動可能に配置されている。軸受装置20を介して行われる、軸受装置20を中心とした伝達装置18の回転運動は、連結装置16との伝達装置18の連結を介して3つのジョイント軸9のうちの(第2の金具部分8に接続されている)2つのジョイント軸に対して相対的な第2の金具部分8の並進運動に変換可能である。
【0064】
伝達装置18は、第2の金具部分8に伝達装置18を固定することのできる段部22としての成形部21を有している。
【0065】
伝達装置18は、第2の金具部分8の長手方向11に向けられた、連結装置16を収容およびガイドし、かつ遊びを補償するための長孔23を有しており、長孔23は一般に、長手方向11に対して直交方向に向けられていてもよい。長孔23により、伝達装置18における0.4mm~0.8mmの遊びを補償することができ、長孔23は、連結装置16の取付け装置38を介して間接的にジョイント軸9に配置されている。
【0066】
ウォームギヤ26は、伝達装置18の2つのエンボス加工部27を介して伝達装置18に係合しており、ウォームギヤ26は、2つのエンボス加工部27の間に所定の領域で配置されていて、ウォームギヤ26のピッチを介して、ウォームギヤ26の回転運動が、伝達装置18の旋回運動を発生させ、この旋回運動は、ジョイント軸9に対して相対的な連結装置16ならびにジョイントレバー15の並進運動を生じさせる。伝達装置18は、調節装置12によって、第2の金具部分8に対して相対的に回転運動させられ、第2の金具部分8は伝達装置18を介して、第1の金具部分6に対して相対的に並進運動させられる。
【0067】
図4は、金具1の使用位置における高さ調節を垂直方向上方に向かっておよび下方に向かって可能にする位置にある金具1を示している。第2の金具部分8に対する第1の金具部分6のこの位置決めを起点として-調節装置12によって開始される-2つの異なる運動位置が、図5a~図6bに、金具1の変更された高さ調節として示されている。軸受装置20は、第2の金具部分8に定置に配置されていて、伝達装置18の回転を可能にしており、一般的に軸受装置20は、調節装置12に関して力伝達比および/または精密変換を変更することができるように、第2の金具部分8の長手方向11でも摺動可能に第2の金具部分8に支持されていてよい。
【0068】
図5aは、金具1を示しており、この場合、第2の金具部分8は、第1の金具部分6ならびにジョイントレバー15に対して相対的に、ジョイント軸9に沿って最大限摺動されており、旋回エレメント2における金具1の使用位置で、旋回エレメント2は垂直方向で高さにおいて最大限上方に調節されている。調節装置12の操作のためのアクセスが明らかである。
【0069】
これに対し図5bは、調節装置12によって第2の金具部分8がジョイント軸9に沿って逆方向に最大限摺動させられて、これにより旋回エレメント2が垂直方向で高さにおいて最大限下方に調節されている点でのみ図5aとは異なっている。
【0070】
図6aは、図5aの高さ調節に関する金具1の状態による金具1を示しており、この場合、金具は垂直方向で(第2の金具部分8の高さ調節の方向を中心として)180度回転させられて示されている。調節装置から第1の金具部分6への高さ調節の伝達の機械的な構成要素が明らかとなっている。
【0071】
図6bは、金具1が、第2の金具部分8に対する第1の金具部分6の図5bに示された位置決めにある点でのみ図6aとは異なっている。図6aと比較して、伝達装置18は、調節装置12によって軸受装置20を中心として旋回させられており、伝達装置18はこの回転を、長孔23に係合する連結装置16を介して、第2の金具部分8に対する第1の金具部分6の線形運動へと変換する。
【0072】
図7aおよび図7bには、調節装置12によって-伝達装置18および連結装置16を介して-行われる金具1の高さ調節の両極位置もしくは第2の金具部分8に対する第1の金具部分6の相対的な位置決めの両極位置が斜視図で示されている。第1の金具部分6は、互いに別個の空間的に互いに離隔された2つの別の調節装置34を有していて、この調節装置によって、第1の金具部分6は、第1の金具部分6の長手方向10で、かつ第1の金具部分6の長手方向10に対して直交方向で、組付け部分28に対して相対的にもしくはプレート7または支持体5に対して相対的に可動である。
【0073】
金具1または旋回エレメント2を定置の支持体5に対して相対的に金具1によって高さ調節するための方法を以下のように説明することができる:調節装置12によって、伝達装置18が、第2の金具部分8に対して相対的に回転運動させられ、第2の金具部分8は伝達装置18を介して、第1の金具部分6に対して相対的に並進運動させられる。
【0074】
伝達装置18は、板状のロッカーレバー19として形成されており、伝達装置18は、軸受装置20を介して第2の金具部分8に回動可能に配置されていて、これにより軸受装置20を介して行われる、軸受装置20を中心とした伝達装置18の回転運動は、連結装置16との伝達装置18の連結を介して、ジョイント軸9のうちの1つのジョイント軸9に対して相対的な第2の金具部分8の並進運動に変換可能である。
【0075】
図8aは、旋回エレメント2に組み込まれたフレーム35を備えた窓4の形態の旋回エレメント2を示している。旋回エレメント2およびフレーム35の材料は概して任意であるが、この実施例では、金属材料として存在している。
【0076】
図8bは、組付け状態にある窓4と、フレーム25に装着された金具1とから成るアセンブリを示しており、この場合、金具1の第2の金具部分8がフレーム35に組み込まれている。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
【手続補正書】
【提出日】2023-05-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回エレメント(2)、特に家具部分、扉(3)または窓(4)を、定置の支持体(5)に対して相対的に可動に支持するための金具(1)、特に家具用金具であって、
-前記支持体(5)の、好ましくは実質的に水平に向けられたプレート(7)に取り付けられるように形成されている第1の金具部分(6)、
-前記旋回エレメント(2)に取り付けるための第2の金具部分(8)であって、前記第1の金具部分(6)に旋回可能に接続されている第2の金具部分(8)、
-前記第2の金具部分(8)に配置されていて、前記第1の金具部分(6)の長手方向の延在(10)および/または前記第2の金具部分(8)の長手方向の延在(11)に対して相対的に実質的に直交するように向けられている少なくとも1つのジョイント軸(9)、および
-前記少なくとも1つのジョイント軸(9)に沿って前記第1の金具部分(6)に対して相対的に前記第2の金具部分(8)の向きを調節するための少なくとも1つの調節装置(12)であって、前記第2の金具部分(8)は、前記少なくとも1つの調節装置(12)を介して前記少なくとも1つのジョイント軸(9)に対して平行に前記第1の金具部分(6)に対して相対的に摺動可能である、少なくとも1つの調節装置(12)
を含んでおり、
前記少なくとも1つの調節装置(12)は、前記第2の金具部分の前記長手方向の延在(11)の方向で前記少なくとも1つのジョイント軸(9)から空間的に離隔されている
金具(1)において、
前記第2の金具部分(8)は実質的に直方体状に形成されていることを特徴とする、金具(1)。
【請求項2】
記少なくとも1つのジョイント軸(9)は、前記第2の金具部分(8)の第1の端部(13)の領域に配置されていて、前記少なくとも1つの調節装置(12)は、前記第2の金具部分(8)の長手方向(11)で離隔された、前記第2の金具部分(8)の第2の端部(14)の領域に配置されている、請求項1記載の金具(1)。
【請求項3】
前記第1の金具部分(6)は少なくとも1つのジョイントレバー(15)を介して前記第2の金具部分(8)に配置されており、好ましくは、前記少なくとも1つのジョイントレバー(15)は、前記少なくとも1つのジョイント軸(9)のうちの少なくとも1つに、好適には少なくとも1つの連結装置(16)を介して特に好適には接続薄板を介して、配置されていることが想定されている、請求項1または2記載の金具(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのジョイント軸(9)は、少なくとも1つのピン(17)、好ましくはちょうど2つのピン(17)の形態で形成されており、好ましくは、前記第2の金具部分(8)および/または前記少なくとも1つの連結装置(16)は、前記第1の金具部分(6)に対して相対的に前記第2の金具部分(8)が動かされる間、少なくとも1つのピン(17)によってガイド可能であり、かつ/または前記少なくとも1つのジョイントレバー(15)は少なくとも1つのピン(17)を介して前記第2の金具部分(8)に配置されていて、かつ/または前記少なくとも1つのジョイントレバー(15)の固定のために別のピン(17)が設けられていることが想定されている、請求項3記載の金具(1)。
【請求項5】
前記第2の金具部分(8)の長手方向(11)で、前記少なくとも1つの調節装置(12)と前記少なくとも1つのジョイント軸(9)との間に伝達装置(18)が配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の金具(1)。
【請求項6】
前記伝達装置(18)は、好ましくは板状のロッカーレバー(19)として形成されており、前記伝達装置(18)は、好ましくは前記少なくとも1つのジョイント軸(9)と前記少なくとも1つの調節装置(12)との間に配置され、かつ/または前記少なくとも1つのジョイント軸(9)および/または前記少なくとも1つの調節装置(12)から空間的に離隔された軸受装置(20)を介して前記第2の金具部分(8)に回動可能に配置されており、好ましくは、前記軸受装置(20)を介して行われる、前記軸受装置(20)を中心とした前記伝達装置(18)の回転運動は、特に好適には、場合によっては存在する少なくとも1つの連結装置(16)との前記伝達装置(18)の連結を介して、前記少なくとも1つのジョイント軸(9)に対して相対的な前記第2の金具部分(8)の並進運動に変換可能であることが想定されている、請求項5記載の金具(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの軸受装置(20)は、前記第2の金具部分(8)の長手方向(11)で摺動可能に、前記第2の金具部分(8)に支持されている、請求項6記載の金具(1)。
【請求項8】
前記伝達装置(18)は、前記第2の金具部分(8)に前記伝達装置(18)を固定することのできるまたは固定している、好ましくは段部(22)として形成された成形部(21)を有している、請求項5から7までのいずれか1項記載の金具(1)。
【請求項9】
前記伝達装置(18)は、場合によっては存在する少なくとも1つの連結装置(16)を収容および/またはガイドするための、かつ/または遊びを補償するための、好ましくは前記第2の金具部分(8)の長手方向(11)に向けられた長孔(23)を有しており、好ましくは、前記長孔(23)によって、0.2mm~1mmの、特に好適には0.4mm~0.8mmの前記伝達装置(18)における遊びが補償可能であり、かつ/または前記長孔(23)は間接的に、特に好適には場合によっては存在する少なくとも1つの連結装置(16)を介して、前記少なくとも1つのジョイント軸(9)に配置されていることが想定されている、請求項5から8までのいずれか1項記載の金具(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの調節装置(12)は、工具受容部(24)、伝動装置(25)、および/または少なくとも1つのウォームギヤ(26)を含む、請求項1から9までのいずれか1項記載の金具(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのウォームギヤ(26)は、好ましくは直接にかつ/または前記伝達装置(18)の少なくとも1つのエンボス加工部(27)を介して、前記伝達装置(18)に配置されており、好ましくは、前記伝達装置(18)は、前記少なくとも1つの調節装置(12)によって、前記第2の金具部分(8)に対して相対的に回転運動させることができ、かつ/または前記第2の金具部分(8)は前記伝達装置(18)を介して、前記第1の金具部分(6)に対して相対的に並進運動させることができることが想定されている、請求項10記載の金具(1)。
【請求項12】
前記第1の金具部分(6)は、少なくとも1つの取付け装置(29)を備えた組付け部分(28)を有していて、前記取付け装置によって前記組付け部分(28)は前記支持体(5)の前記プレート(7)に取り付け可能であって、かつ/または前記第1の金具部分(6)は、前記第2の金具部分(8)に枢着的に接続された少なくとも1つの連結部分(30)を有していて、前記連結部分は前記組付け部分(28)に取り外し可能に接続可能である、請求項1から11までのいずれか1項記載の金具(1)。
【請求項13】
前記第1の金具部分(6)の前記組付け部分(28)は、好ましくはポケット状のケーシング(31)を有しており、前記連結部分(30)は、前記組付け部分(28)との接続状態で、少なくとも所定の領域で、好ましくは殆どの部分で、前記組付け部分(28)の前記ケーシング(31)の内側に収容されていて、かつ/または前記連結部分(30)を前記組付け部分(28)に解除可能にロック可能な少なくとも1つのロック装置(32)が設けられている、請求項12記載の金具(1)。
【請求項14】
前記少なくとも1つのロック装置(32)は、ロック解除の過程において、前記連結部分(30)を少なくとも部分的に前記組付け部分(28)の前記ケーシング(31)から、好ましくは線形に押し出すことのできるエジェクト装置(33)を有している、請求項13記載の金具(1)。
【請求項15】
前記第1の金具部分(6)は、互いに別個のかつ/または空間的に互いに離隔された2つの別の調節装置(34)を有していて、前記調節装置によって、前記第1の金具部分(6)は、前記第1の金具部分(6)の長手方向(10)で、かつ/または前記第1の金具部分(6)の前記長手方向(10)に対して直交方向で、前記組付け部分(28)に対して相対的に可動である、請求項12から14までのいずれか1項記載の金具(1)。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれか1項記載の少なくとも1つの金具(1)と、第2の金具部分(8)をフレーム(35)の内側に少なくとも所定の領域で配置するためのフレーム(35)とから成るアセンブリ。
【請求項17】
定置の支持体(5)と、旋回エレメント(2)、特に家具部分、扉(3)または窓(4)を前記定置の支持体(5)に対して相対的に可動に支持するための、請求項1から15までのいずれか1項記載の少なくとも1つの金具(1)および/または請求項16記載のアセンブリとを備えた家具(36)であって、前記定置の支持体(5)には第1の金具部分(6)が少なくとも所定の領域で装着されていて、前記旋回エレメント(2)には第2の金具部分(8)が少なくとも所定の領域で、好ましくは前記旋回エレメント(2)に組み込まれたフレーム(25)に装着されている、家具(36)。
【請求項18】
請求項1から15までのいずれか1項記載の金具(1)によって、請求項17記載の家具(36)の定置の支持体(5)に対して相対的に、特に旋回エレメント(2)の、請求項1から15までのいずれか1項記載の金具(1)を高さ調節するための方法であって、以下の方法ステップ、すなわち、
-少なくとも1つの調節装置(12)によって、伝達装置(18)を、第2の金具部分(8)に対して相対的に回転運動させるステップ、
-前記第2の金具部分(8)を、前記伝達装置(18)を介して、第1の金具部分(6)に対して相対的に並進運動させるステップ、
を特徴とする方法。
【請求項19】
前記伝達装置(18)は、好ましくは板状のロッカーレバー(19)として形成されており、前記伝達装置(18)は軸受装置(20)を介して前記第2の金具部分(8)に回動可能に配置されており、前記軸受装置(20)を介して行われる、前記軸受装置(20)を中心とした前記伝達装置(18)の回転運動を、好ましくは少なくとも1つの連結装置(16)との前記伝達装置(18)の連結を介して、少なくとも1つのジョイント軸(9)に対して相対的な前記第2の金具部分(8)の並進運動に変換する、請求項18記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回エレメント(2)、特に家具部分、扉(3)または窓(4)を、定置の支持体(5)に対して相対的に可動に支持するための金具(1)、特に家具用金具であって、
-前記支持体(5)の、好ましくは実質的に水平に向けられたプレート(7)に取り付けられるように形成されている第1の金具部分(6)、
-前記旋回エレメント(2)に取り付けるための第2の金具部分(8)であって、前記第1の金具部分(6)に旋回可能に接続されている第2の金具部分(8)、
-前記第2の金具部分(8)に配置されていて、前記第1の金具部分(6)の長手方向の延在(10)および/または前記第2の金具部分(8)の長手方向の延在(11)に対して相対的に実質的に直交するように向けられている少なくとも1つのジョイント軸(9)、および
-前記少なくとも1つのジョイント軸(9)に沿って前記第1の金具部分(6)に対して相対的に前記第2の金具部分(8)の向きを調節するための少なくとも1つの調節装置(12)であって、前記第2の金具部分(8)は、前記少なくとも1つの調節装置(12)を介して前記少なくとも1つのジョイント軸(9)に対して平行に前記第1の金具部分(6)に対して相対的に摺動可能である、少なくとも1つの調節装置(12)
を含んでおり、
前記少なくとも1つの調節装置(12)は、前記第2の金具部分の前記長手方向の延在(11)の方向で前記少なくとも1つのジョイント軸(9)から空間的に離隔されている
金具(1)において、
前記第2の金具部分(8)は実質的に直方体状に形成されていることを特徴とする、金具(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのジョイント軸(9)は、前記第2の金具部分(8)の第1の端部(13)の領域に配置されていて、前記少なくとも1つの調節装置(12)は、前記第2の金具部分(8)の長手方向(11)で離隔された、前記第2の金具部分(8)の第2の端部(14)の領域に配置されている、請求項1記載の金具(1)。
【請求項3】
前記第1の金具部分(6)は少なくとも1つのジョイントレバー(15)を介して前記第2の金具部分(8)に配置されており、好ましくは、前記少なくとも1つのジョイントレバー(15)は、前記少なくとも1つのジョイント軸(9)のうちの少なくとも1つに、好適には少なくとも1つの連結装置(16)を介して特に好適には接続薄板を介して、配置されていることが想定されている、請求項1記載の金具(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのジョイント軸(9)は、少なくとも1つのピン(17)、好ましくはちょうど2つのピン(17)の形態で形成されており、好ましくは、前記第2の金具部分(8)および/または前記少なくとも1つの連結装置(16)は、前記第1の金具部分(6)に対して相対的に前記第2の金具部分(8)が動かされる間、少なくとも1つのピン(17)によってガイド可能であり、かつ/または前記少なくとも1つのジョイントレバー(15)は少なくとも1つのピン(17)を介して前記第2の金具部分(8)に配置されていて、かつ/または前記少なくとも1つのジョイントレバー(15)の固定のために別のピン(17)が設けられていることが想定されている、請求項3記載の金具(1)。
【請求項5】
前記第2の金具部分(8)の長手方向(11)で、前記少なくとも1つの調節装置(12)と前記少なくとも1つのジョイント軸(9)との間に伝達装置(18)が配置されている、請求項1記載の金具(1)。
【請求項6】
前記伝達装置(18)は、好ましくは板状のロッカーレバー(19)として形成されており、前記伝達装置(18)は、好ましくは前記少なくとも1つのジョイント軸(9)と前記少なくとも1つの調節装置(12)との間に配置され、かつ/または前記少なくとも1つのジョイント軸(9)および/または前記少なくとも1つの調節装置(12)から空間的に離隔された軸受装置(20)を介して前記第2の金具部分(8)に回動可能に配置されており、好ましくは、前記軸受装置(20)を介して行われる、前記軸受装置(20)を中心とした前記伝達装置(18)の回転運動は、特に好適には、場合によっては存在する少なくとも1つの連結装置(16)との前記伝達装置(18)の連結を介して、前記少なくとも1つのジョイント軸(9)に対して相対的な前記第2の金具部分(8)の並進運動に変換可能であることが想定されている、請求項5記載の金具(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの軸受装置(20)は、前記第2の金具部分(8)の長手方向(11)で摺動可能に、前記第2の金具部分(8)に支持されている、請求項6記載の金具(1)。
【請求項8】
前記伝達装置(18)は、前記第2の金具部分(8)に前記伝達装置(18)を固定することのできるまたは固定している、好ましくは段部(22)として形成された成形部(21)を有している、請求項5記載の金具(1)。
【請求項9】
前記伝達装置(18)は、場合によっては存在する少なくとも1つの連結装置(16)を収容および/またはガイドするための、かつ/または遊びを補償するための、好ましくは前記第2の金具部分(8)の長手方向(11)に向けられた長孔(23)を有しており、好ましくは、前記長孔(23)によって、0.2mm~1mmの、特に好適には0.4mm~0.8mmの前記伝達装置(18)における遊びが補償可能であり、かつ/または前記長孔(23)は間接的に、特に好適には場合によっては存在する少なくとも1つの連結装置(16)を介して、前記少なくとも1つのジョイント軸(9)に配置されていることが想定されている、請求項5記載の金具(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの調節装置(12)は、工具受容部(24)、伝動装置(25)、および/または少なくとも1つのウォームギヤ(26)を含む、請求項1記記載の金具(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのウォームギヤ(26)は、好ましくは直接にかつ/または前記伝達装置(18)の少なくとも1つのエンボス加工部(27)を介して、前記伝達装置(18)に配置されており、好ましくは、前記伝達装置(18)は、前記少なくとも1つの調節装置(12)によって、前記第2の金具部分(8)に対して相対的に回転運動させることができ、かつ/または前記第2の金具部分(8)は前記伝達装置(18)を介して、前記第1の金具部分(6)に対して相対的に並進運動させることができることが想定されている、請求項10記載の金具(1)。
【請求項12】
前記第1の金具部分(6)は、少なくとも1つの取付け装置(29)を備えた組付け部分(28)を有していて、前記取付け装置によって前記組付け部分(28)は前記支持体(5)の前記プレート(7)に取り付け可能であって、かつ/または前記第1の金具部分(6)は、前記第2の金具部分(8)に枢着的に接続された少なくとも1つの連結部分(30)を有していて、前記連結部分は前記組付け部分(28)に取り外し可能に接続可能である、請求項1記記載の金具(1)。
【請求項13】
前記第1の金具部分(6)の前記組付け部分(28)は、好ましくはポケット状のケーシング(31)を有しており、前記連結部分(30)は、前記組付け部分(28)との接続状態で、少なくとも所定の領域で、好ましくは殆どの部分で、前記組付け部分(28)の前記ケーシング(31)の内側に収容されていて、かつ/または前記連結部分(30)を前記組付け部分(28)に解除可能にロック可能な少なくとも1つのロック装置(32)が設けられている、請求項12記載の金具(1)。
【請求項14】
前記少なくとも1つのロック装置(32)は、ロック解除の過程において、前記連結部分(30)を少なくとも部分的に前記組付け部分(28)の前記ケーシング(31)から、好ましくは線形に押し出すことのできるエジェクト装置(33)を有している、請求項13記載の金具(1)。
【請求項15】
前記第1の金具部分(6)は、互いに別個のかつ/または空間的に互いに離隔された2つの別の調節装置(34)を有していて、前記調節装置によって、前記第1の金具部分(6)は、前記第1の金具部分(6)の長手方向(10)で、かつ/または前記第1の金具部分(6)の前記長手方向(10)に対して直交方向で、前記組付け部分(28)に対して相対的に可動である、請求項12記載の金具(1)。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれか1項記載の少なくとも1つの金具(1)と、第2の金具部分(8)をフレーム(35)の内側に少なくとも所定の領域で配置するためのフレーム(35)とから成るアセンブリ。
【請求項17】
定置の支持体(5)と、旋回エレメント(2)、特に家具部分、扉(3)または窓(4)を前記定置の支持体(5)に対して相対的に可動に支持するための、請求項1から15までのいずれか1項記載の少なくとも1つの金具(1)または請求項16記載のアセンブリとを備えた家具(36)であって、前記定置の支持体(5)には第1の金具部分(6)が少なくとも所定の領域で装着されていて、前記旋回エレメント(2)には第2の金具部分(8)が少なくとも所定の領域で、好ましくは前記旋回エレメント(2)に組み込まれたフレーム(25)に装着されている、家具(36)。
【請求項18】
請求項1から15までのいずれか1項記載の金具(1)によって、請求項17記載の家具(36)の定置の支持体(5)に対して相対的に、特に旋回エレメント(2)の、請求項1から15までのいずれか1項記載の金具(1)を高さ調節するための方法であって、以下の方法ステップ、すなわち、
-少なくとも1つの調節装置(12)によって、伝達装置(18)を、第2の金具部分(8)に対して相対的に回転運動させるステップ、
-前記第2の金具部分(8)を、前記伝達装置(18)を介して、第1の金具部分(6)に対して相対的に並進運動させるステップ、
を特徴とする方法。
【請求項19】
前記伝達装置(18)は、好ましくは板状のロッカーレバー(19)として形成されており、前記伝達装置(18)は軸受装置(20)を介して前記第2の金具部分(8)に回動可能に配置されており、前記軸受装置(20)を介して行われる、前記軸受装置(20)を中心とした前記伝達装置(18)の回転運動を、好ましくは少なくとも1つの連結装置(16)との前記伝達装置(18)の連結を介して、少なくとも1つのジョイント軸(9)に対して相対的な前記第2の金具部分(8)の並進運動に変換する、請求項18記載の方法。
【国際調査報告】