(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-01
(54)【発明の名称】腫瘍転移における重要な異種分子を駆動する予測システム
(51)【国際特許分類】
G16B 25/10 20190101AFI20241025BHJP
G16B 5/00 20190101ALI20241025BHJP
G01N 33/68 20060101ALI20241025BHJP
C12Q 1/6809 20180101ALN20241025BHJP
【FI】
G16B25/10
G16B5/00
G01N33/68
C12Q1/6809 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543426
(86)(22)【出願日】2022-03-15
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 CN2022080847
(87)【国際公開番号】W WO2023097927
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】202111444532.0
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524127054
【氏名又は名称】南京漢衛公共衛生技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】周建偉
(72)【発明者】
【氏名】崔佳華
(72)【発明者】
【氏名】束伝軍
(72)【発明者】
【氏名】陳俊杰
(72)【発明者】
【氏名】李愛萍
【テーマコード(参考)】
2G045
4B063
【Fターム(参考)】
2G045AA26
2G045DA13
2G045DA14
2G045DA36
2G045JA01
4B063QA01
4B063QQ52
4B063QQ79
4B063QS36
4B063QS39
(57)【要約】
【課題】 本発明は腫瘍の異質性による薬物耐性及び移転の臨床治療に革新的な考え方、具体的なアルゴリズム及び実践上の指導を提供する。
【解決手段】 腫瘍転移における重要な異種分子を駆動する予測システムに関わり、入力モジュール、分析モジュール及び出力モジュールを含み、入力モジュールが介入前後のタンパク質に関する定量分析の成績を入力するためのもの、分析モジュールが一次分析サブモジュール、二次分析サブモジュール及び計算と順序付けサブモジュールを含み、各サブモジュールが相次ぎにつながっていて、最終的に各異質性分子の順序付け一覧表を取得し、出力モジュールが各異質性分子の順序付け一覧表の出力に用いられる。本発明は更に適切、正確に腫瘍を駆動して移転させるキー異質性分子を判別し、それに対する順序付けを行うことができ、次に実際に応じてこの結果により逐次介入を実施でき、治療効果が確定できる。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力モジュール、分析モジュール及び出力モジュールを含むことを特徴とする腫瘍転移における重要な異種分子を駆動する予測システム。
前記の入力モジュールは介入前後のタンパク質に関する定量分析の成績を入力するためのもの、前記の介入前タンパク質に関する定量分析の成績が薬介入前の対象患者の腫瘍移転病巣の各タンパク質の発現数量に関する定量分析の成績の集合、前記の介入後のタンパク質に関する定量分析の成績が薬の介入の後の対象患者の残留腫瘍移転病巣の各タンパク質の発現数量に関する定量分析の成績の集合である。
前記の分析モジュールは一次分析サブモジュール、二次分析サブモジュール及び計算と順序付けサブモジュールを含む。
前記の一次分析サブモジュールは初期の選出・分析に用いられ、前記の初期の選出・分析が介入前後のタンパク質に関する定量分析の成績を比べて発現数量の変化幅があらかじめ設定された範囲にあるタンパク質を候補タンパク質集合に記入することを含む。
前記の二次分析サブモジュールは再選出分析に用いられ、前記の再選出分析がタンパク質の相互作用のネットワークの分析ツールを利用して候補プロテインセットにより実験による検証に基づくタンパク質の相互作用のネットワークを構築し、信号経路データベースにおける候補プロテインセットに関わる信号経路と結び合わせてタンパク質の相互作用のネットワークを整備し、各タンパク質相互作用のネットワークで最も重要なタンパク質を独立した異質性分子として独立した分子の集合体に入れ、タンパク質の相互作用のネットワーク予測ツール候補プロテインセットによりタンパク質の相互作用の規律に基づくタンパク質の相互作用の予測ネットワークを構築し、候補プロテインセットでいかなるタンパク質の相互作用の予測ネットワークにも参加しなかったタンパク質を独立した異質性分子として独立した分子の集合体に記載することを含む。
前記の計算と順序付けモジュールは計算と順序付けに用いられ、前記の計算と順序付けが独立した分子の集合体における各異質性分子のHR値を計算し、HR値により各異質性分子に対する順序付けを行い、各異質性分子の順序付け一覧表を形成することを含む。
前記の出力モジュールは各異質性分子の順序付け一覧表の出力に用いられる。
【請求項2】
タンパク質のハイスループットシーケンスで介入前後のタンパク質に関する定量分析の成績を取得し、前記のタンパク質のハイスループットシーケンスがタンパク質プロファイル分析を含むことを特徴とする請求項1に記載の腫瘍を駆動して転移させる重要な異種分子を判別する予測システム。
【請求項3】
初期の選出・分析において、発現数量の変化幅があらかじめ設定された範囲にあるタンパク質はタンパク質の介入後の発現数量であり、タンパク質の介入前の発現数量の0.95~1.05倍に当たることを特徴とする請求項1に記載の腫瘍を駆動して転移させる重要な異種分子を判別する予測システム。
【請求項4】
初期の選出・分析において、発現数量の変化幅があらかじめ設定された範囲にあるタンパク質に関する段階的な選出を行ってから候補プロテインセットに入れることを特徴とする請求項1に記載の腫瘍を駆動して転移させる重要な異種分子を判別する予測システム。前記の段階的な選出は次ぎに次の条件を満たすタンパク質を選出することである。特定のペプチドの数量≧2、予測タンパク質ではないこと、現在のタンパク質における同定されたペプチドアミノのカバレッジ≧10%、現在のタンパク質定量回数≧2回、現在のタンパク質のシーケンス品質の総合得点≧200点、データベースに腫瘍の進捗に関わることを証明する証拠があること、前記の特定のペプチドとは現在のタンパク質を同定するための特定のペプチドフラグメント、前記の予測タンパク質とはUniportまたはNCBIデータベースで現在のタンパク質の信頼性のプロパティが予測タンパク質に定義されること、前記の同定されたペプチドフラグメントとは適応症に用いられ、現在のタンパク質の検出される特定のペプチドフラグメント、前記のタンパク質定量回数とは現在のタンパク質の定量検出される重複回数のことである。
【請求項5】
再選出分析において、前記のタンパク質の相互作用のネットワーク分析ツールはSTRINGネットワークツール、前記の信号経路データベースがKEGG、SMPDB、WikiPathways、Cell Signaling Technology、BioCarta Pathway、Pathway Commons及びPID、前記のタンパク質の相互作用のネットワーク予測ツールはGenemaniaネットワークツール、Unihiネットワークツール及びHitpredictネットワークツールを含むことを特徴とする請求項1に記載の腫瘍を駆動して転移させる重要な異種分子を判別する予測システム。
【請求項6】
Cytoscapeツールでタンパク質の相互作用のネットワークを構築、整備し、タンパク質の相互作用の予測ネットワークを構築することを特徴とする請求項5に記載の腫瘍を駆動して転移させる重要な異種分子を判別する予測システム。
【請求項7】
再選出・分析において、各タンパク質相互作用のネットワークで最も重要なタンパクは質特性分析により知り得て、前記の特性分析がタンパク質の相互作用のネットワークで各タンパク質の重要さ及び放射程度に関する分析を含み、その中、重要さでも放射程度でも最も高いタンパク質はこのタンパク質の相互作用のネットワークで最も重要なタンパク質であることを特徴とする請求項1に記載の腫瘍を駆動して転移させる重要な異種分子を判別する予測システム。
【請求項8】
計算と順序付けにおいて、異質性分子のHR値は次のとおりに算出され、即ち、公衆データベースから腫瘍に関するシーケンスデータ、シーケンスデータから異質性分子に対応する遺伝子の正規化された計数マトリックスを取得し、この遺伝子に対するバッチ単一因子COX回帰を行い、HR値を算出することを特徴とする請求項1に記載の腫瘍を駆動して転移させる重要な異種分子を判別する予測システム。
【請求項9】
前記の公衆データベースがTCGA、ICGC及びGEOを含むことを特徴とする請求項8に記載の腫瘍を駆動して転移させる重要な異種分子を判別する予測システム。
【請求項10】
計算と順序付けにおいて、順序付けのルールとして、HR値≧1の異質性分子が直接にそのHR値に応じて逆順、HR値<1の異質性分子は1/HR値逆順で順序付けを行うことを特徴とする請求項1に記載の腫瘍を駆動して転移させる重要な異種分子を判別する予測システム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載の腫瘍を駆動して転移させる重要な異種分子を判別する予測システム及び実行モジュールを含む腫瘍を駆動して移転させる異質性分子に対して実行する逐次介入システム。前記の実行モジュールは予測システムに出力された各異質性分子の順序付け一覧表及び決まったルールに従って逐次介入の順序を決めるためのものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は腫瘍転移における重要な異種分子を駆動する予測システムに関わり、医療生物学技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
悪性腫瘍はひどく人間の健康に危害を加える重大な公衆衛生課題であり、腫瘍の薬物耐性及び移転性が腫瘍患者の治療法のないこと及び生存率の低いことの根本的原因の一つである。腫瘍療法は如何に腫瘍の異質性による腫瘍の薬物耐性及び移転性を克服するかという最も大きな挑戦に臨んでいる。生物学的療法及び免疫療法を含む新しい治療法は腫瘍療法に新しい希望を与えているが、腫瘍の異質性により、単一のターゲットに対する療法により最終的に腫瘍に打ち勝ち難く、治療の初期に決まった治療効果があるが、その後しばらくして腫瘍細胞の薬物耐性または移転性が出て来て、当該治療が失効してしまう。異質性の腫瘍細胞亜集団が相互に独立するものであり、がん遺伝子または腫瘍阻害遺伝子の一つに望ましく応対できても、他の異質性分子が影響を受けることがなく、これらの異質性の腫瘍細胞亜集団が適当な条件でホスト体内の環境に適応して主導的な役割を果たして腫瘍移転の発生を駆動する。
【0003】
異質性に駆動される腫瘍の薬物耐性及び移転性が腫瘍の進捗につながることが腫瘍研究の分野でコンセンサスとなっているが、大多数の研究者が相変わらず差次的に発現される分子を探し、その上下流の正確な規制ネットワーク及びメカニズムを証明するようにしているが、正確に個々の患者の腫瘍の異質性分子を判別できる方法が今までない。正確に個々の患者の腫瘍の異質性分子を判別できる技術手段は急務となっている。
【0004】
検索結果によると、従来の技術に類似する技術策はない。従来の技術に出願番号CN202010811273.X、開示番号CN111763740Aの発明特許出願でlncRNA 分子モデルに基づいて食道扁平上皮癌患者に対する新規支援化学放射線療法の治療効果及び予後を予測し、食道扁平上皮癌患者に対する新規支援化学放射線療法の治療効果及び食道扁平上皮癌患者に対する新規支援化学放射線療法の予後(予後全生存率、予後無再発生存率)を予測できるシステムのような予測システム(SCAT1、PRKAG2-AS1及びFLG-AS1というlncRNAの3つの発現数量を検出するシステムを含む)が開示されたが、腫瘍療法介入を発見し、指導することを目標及び技術効果にする技術策がない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は従来の技術にある問題を克服し、腫瘍転移における重要な異種分子を駆動する予測システムを提供し、腫瘍療法前後の移転病巣腫瘍組織に対するタンパク質に関する定量分析の成績に基づいて、生物情報学及び計算生物学の手段と結び合わせ、選出、順序付けをしてから腫瘍の異質性分子の順序付け表を決めて有効に異なる患者の腫瘍移転を駆動する異質性分子を判別でき、腫瘍移転治療のための個別対策に正確な指導を提供することを目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
入力モジュール、分析モジュール及び出力モジュールを含むことを特徴とする腫瘍転移における重要な異種分子を駆動する予測システム。
前記の入力モジュールは介入前後のタンパク質に関する定量分析の成績を入力するためのもの、前記の介入前タンパク質に関する定量分析の成績が薬介入前の対象患者の腫瘍移転病巣の各タンパク質の発現数量に関する定量分析の成績の集合、前記の介入後のタンパク質に関する定量分析の成績が薬の介入の後の対象患者の残留腫瘍移転病巣の各タンパク質の発現数量に関する定量分析の成績の集合である。
前記の分析モジュールは一次分析サブモジュール、二次分析サブモジュール及び計算と順序付けサブモジュールを含む。
前記の一次分析サブモジュールは初期の選出・分析に用いられ、前記の初期の選出・分析が介入前後のタンパク質に関する定量分析の成績を比べて発現数量の変化幅があらかじめ設定された範囲にあるタンパク質を候補タンパク質集合に記入することを含む。
前記の二次分析サブモジュールは再選出分析に用いられ、前記の再選出分析がタンパク質の相互作用のネットワークの分析ツールを利用して候補プロテインセットにより実験による検証に基づくタンパク質の相互作用のネットワークを構築し、信号経路データベースにおける候補プロテインセットに関わる信号経路と結び合わせてタンパク質の相互作用のネットワークを整備し、各タンパク質相互作用のネットワークで最も重要なタンパク質を独立した異質性分子として独立した分子の集合体に入れ、タンパク質の相互作用のネットワーク予測ツール候補プロテインセットによりタンパク質の相互作用の規律に基づくタンパク質の相互作用の予測ネットワークを構築し、候補プロテインセットでいかなるタンパク質の相互作用の予測ネットワークにも参加しなかったタンパク質を独立した異質性分子として独立した分子の集合体に記載することを含む。
前記の計算と順序付けモジュールは計算と順序付けに用いられ、前記の計算と順序付けが独立した分子の集合体における各異質性分子のHR値を計算し、HR値により各異質性分子に対する順序付けを行い、各異質性分子の順序付け一覧表を形成することを含む。
前記の出力モジュールは各異質性分子の順序付け一覧表の出力に用いられる。
【0007】
注:HR値はリスク比率のHazard Ratio値である。
【0008】
腫瘍細胞が完全に現在の治療策に適応するまで正確に腫瘍の移転を駆動する異質性新規ターゲットを判別し、時間通りに介入できると、異質性に駆動される腫瘍の薬物耐性及び移転性を克服し、有効に腫瘍の進捗を制御し、患者の生命を長くすることができる。腫瘍移転または再発を駆動するキーが現在の薬に制御されないが、腫瘍の進捗と密接に関係している異質性分子にあるのにおいて、腫瘍残留病巣における異質性分子に正確な介入を実施できると、異質性に駆動される腫瘍の薬物耐性及び移転・再発の課題を解決できるかもしれない。
【0009】
本発明の予測システムにおいて、介入前後の腫瘍移転病巣における関係タンパク質を選出してから生物情報学及び計算生物学の手段で更なる選出を行い、腫瘍移転を駆動する異質性分子「重要さ」に関する順序付けを行い、標的分子の理論的介入順序を決める。この予測システムは正確に腫瘍移転の異質性分子を判別、駆動し、有効に異質性分子に駆動される腫瘍の薬物耐性及び移転性を阻害するために正確な介入策を提供できる。
【0010】
本発明の予測システムは更に完全な技術策が下記の通りである。
【0011】
好ましくは、タンパク質のハイスループットシーケンスで介入前後のタンパク質に関する定量分析の成績を取得する。前記のタンパク質のハイスループットシーケンスはタンパク質プロファイル分析を含む。
【0012】
この好ましい解決策によりタンパク質に関する定量分析の成績を取得する細部を最適化することができる。
【0013】
好ましくは、初期の選出・分析において、発現数量の変化幅があらかじめ設定された範囲にあるタンパク質はタンパク質の介入後の発現数量であり、タンパク質の介入前の発現数量の0.95~1.05倍に当たる。
【0014】
好ましくは、初期の選出・分析において、発現数量の変化幅があらかじめ設定された範囲にあるタンパク質に関する段階的な選出を行ってから候補プロテインセットに入れる。前記の段階的な選出は次ぎに次の条件を満たすタンパク質を選出することである。特定のペプチドの数量≧2、予測タンパク質ではないこと、現在のタンパク質における同定されたペプチドアミノのカバレッジ≧10%、現在のタンパク質定量回数≧2回、現在のタンパク質のシーケンス品質の総合得点≧200点、データベースに腫瘍の進捗に関わることを証明する証拠があること。前記の特定のペプチドとは現在のタンパク質を同定するための特定のペプチドフラグメント、前記の予測タンパク質とはUniportまたはNCBIデータベースで現在のタンパク質の信頼性のプロパティが予測タンパク質に定義されること、前記の同定されたペプチドフラグメントとは適応症に用いられ、現在のタンパク質の検出される特定のペプチドフラグメント、前記のタンパク質定量回数とは現在のタンパク質の定量検出される重複回数のことである。
【0015】
上記の好ましい解決策により更に一次分析サブモジュールの初期の選出・分析の細部を最適化することができる。
【0016】
好ましくは、再選出分析において、前記のタンパク質の相互作用のネットワーク分析ツールはSTRINGネットワークツール、前記の信号経路データベースはKEGG、SMPDB、WikiPathways、Cell Signaling Technology、BioCarta Pathway、Pathway Commons及びPID、前記のタンパク質の相互作用のネットワーク予測ツールはGenemaniaネットワークツール、Unihiネットワークツール及びHitpredictネットワークツールを含む。
【0017】
更に好ましくは、Cytoscapeツールによりタンパク質の相互作用のネットワークを構築、整備し、タンパク質の相互作用の予測ネットワークを構築する。
【0018】
好ましくは、再選出分析において、各タンパク質相互作用のネットワークで最も重要なタンパクは質特性分析により知り得て、前記の特性分析がタンパク質の相互作用のネットワークで各タンパク質の重要さ及び放射程度に関する分析を含み、その中、重要さでも放射程度でも最も高いタンパク質はこのタンパク質の相互作用のネットワークで最も重要なタンパク質である。
【0019】
上記の好ましい解決策により更に二次分析サブモジュールの再選出分析の細部を最適化することができる。
【0020】
好ましくは、計算と順序付けにおいて、異質性分子のHR値は次のとおりに算出される。公衆データベースから腫瘍に関するシーケンスデータ、シーケンスデータから異質性分子に対応する遺伝子の正規化された計数マトリックスを取得し、この遺伝子に対するバッチ単一因子COX回帰を行い、HR値を算出する。
【0021】
更に好ましくは、前記の公衆データベースはTCGA、ICGC及びGEOを含む。
【0022】
好ましくは、計算と順序付けにおいて、順序付けのルールとして、HR値≧1の異質性分子は直接にそのHR値に応じて逆順、HR値<1の異質性分子は1/HR値逆順で順序付けを行う。
【0023】
上記の好ましい解決策により更に計算と順序付けモジュールの計算と順序付けの細部を最適化することができる。
【0024】
前記の腫瘍を駆動して転移させる重要な異種分子を判別する予測システム及び実行モジュールを含む腫瘍を駆動して転移させる異質性分子の実行を対象にする逐次介入システム。前記の実行モジュールは予測システムに出力された各異質性分子の順序付け一覧表及び決まったルールに従って逐次介入の順序を決めるためのものである。その中、決まったルールとはユーザが実際(例えば、異質性分子は阻害剤またはアゴニストがない場合、または高すぎた薬価格などにより入手できない場合)に応じて決めた選出及び順序付けに関するルールのことであり、逐次介入の順序が更に実際を満たすようにするためのものである。
【発明の効果】
【0025】
従来の技術による腫瘍の異質性分子を同定する分析方法と比べてみると、本発明は長所が次のとおりである。
(1)独特性:他の同定分析方法と比べてみると、本発明は突然変異、変異、異常発現のターゲットに焦点を合わせ、薬介入の前後に腫瘍移転の病巣でタンパク質の発現数量が安定であるが、腫瘍を駆動して移転させる潜在力の異質性分子を同定、選出するためのものである。
(2)実践性:本発明の予測及び選出による腫瘍を駆動して移転させる異質性分子に応じて各々胃がん及び黒色腫で逐次介入に関する検証及び研究を実施して期待される効果を取得したので、本発明で決めた異質性分子選出及び逐次介入の策略が正確、実行できるものである。
(3)有効性:胃がん及び黒色腫異質性分子に関する本発明の検証的研究成績によると、介入する異質性分子が1つに増加するごとに、モデルラットの結果が顕著に改善したり、生存期間が長くなったりするので、本発明の方法に判別、予測された異質性分子確かに独立して胃がんまたは黒色腫を駆動して移転させることができ、本発明の方法で決めた異質性分子の順序に従って実際に応じて逐次介入を実施して有効に異質性による腫瘍薬物耐性及び再発・移転を克服できる。
【0026】
まとめて言うと、本発明は更に適切、正確に腫瘍を駆動して移転させるキー異質性分子を判別し、それに対する順序付けを行うことができ、次に実際に応じてこの結果により逐次介入を実施でき、治療効果が確定でき、これらの研究による発見及び証拠が腫瘍の異質性による薬物耐性及び移転の臨床治療に革新的な考え方、具体的なアルゴリズム及び実践上の指導を提供している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実例1の1.1における腫瘍阻害遺伝子JWAと胃がん予後及び移転特性との関係
【
図2】本発明の実例1の1.1における腫瘍阻害遺伝子JWAと胃がん予後及び移転特性との関係
【
図3】本発明の実例1の1.1における腫瘍阻害遺伝子JWAと胃がん予後及び移転特性との関係
【
図4】本発明の実例1の1.1における腫瘍阻害遺伝子JWAと胃がん予後及び移転特性との関係
【
図5】本発明の実例1の1.2におけるがん遺伝子MDM2と胃がん予後及び移転特性との関係
【
図6】本発明の実例1の1.2におけるがん遺伝子MDM2と胃がん予後及び移転特性との関係
【
図7】本発明の実例1の1.2におけるがん遺伝子MDM2と胃がん予後及び移転特性との関係
【
図8】本発明の実例1の1.2におけるがん遺伝子MDM2と胃がん予後及び移転特性との関係
【
図9】本発明の実例1の1.3においてJWA及びMDM2が機能で独立した異質性分子であり、協力して胃がんの体内外移転を阻害することのできることを証明するモデル設計及び結果
【
図10】本発明の実例1の1.3においてJWA及びMDM2が機能で独立した異質性分子であり、協力して胃がんの体内外移転を阻害することのできることを証明するモデル設計及び結果
【
図11】本発明の実例1の1.3においてJWA及びMDM2が機能で独立した異質性分子であり、協力して胃がんの体内外移転を阻害することのできることを証明するモデル設計及び結果
【
図12】本発明の実例1の1.3においてJWA及びMDM2に合同介入してから胃がんを駆動して移転させる他の異質性分子を判別するモデル設計及び結果
【
図13】本発明の実例1の1.3においてJWA及びMDM2に合同介入してから胃がんを駆動して移転させる他の異質性分子を判別するモデル設計及び結果
【
図14】本発明の実例1の1.3においてJWA及びMDM2に合同介入してから胃がんを駆動して移転させる他の異質性分子を判別するモデル設計及び結果
【
図15】本発明の実例1の1.3においてJWA及びMDM2に合同介入してから胃がんを駆動して移転させる他の異質性分子を判別するモデル設計及び結果
【
図16】本発明の実例1の1.3においてJWA及びMDM2に合同介入してから胃がんを駆動して移転させる他の異質性分子を判別するモデル設計及び結果
【
図17】本発明の実例1の1.3においてJWA及びMDM2に合同介入してから胃がんを駆動して移転させる他の異質性分子を判別するモデル設計及び結果
【
図18】本発明の実例1の1.3においてJWA及びMDM2に合同介入してから胃がんを駆動して移転させる他の異質性分子を判別するモデル設計及び結果
【
図19】本発明の実例1の1.5においてJWA、MDM2及びFASNに逐次介入して有効に癌体の体内移転を阻害することのできるモデル設計及び結果
【
図20】本発明の実例1の1.5においてJWA、MDM2及びFASNに逐次介入して有効に癌体の体内移転を阻害することのできるモデル設計及び結果
【
図21】本発明の実例1の1.5においてJWA、MDM2及びFASNに逐次介入して有効に癌体の体内移転を阻害することのできるモデル設計及び結果
【
図22】本発明の実例1の1.6においてJWA、MDM2及びFASNに逐次介入してから如何に更に胃がんを駆動して移転させる他の異質性分子を判別するモデル設計及び結果
【
図23】本発明の実例1の1.6においてJWA、MDM2及びFASNに逐次介入してから如何に更に胃がんを駆動して移転させる他の異質性分子を判別するモデル設計及び結果
【
図24】本発明の実例1の1.7において JWA、MDM2、FASN、USP9X及びPFN1に逐次介入して有効に胃がんの体内移転を阻害することができ、介入する異質性分子が1つに増加するごとに顕著に胃がんの再発・移転の時間を遅くすることができる。
【
図25】本発明の実例1の1.7において JWA、MDM2、FASN、USP9X及びPFN1に逐次介入して有効に胃がんの体内移転を阻害することができ、介入する異質性分子が1つに増加するごとに顕著に胃がんの再発・移転の時間を遅くすることができる。
【
図26】本発明の実例1の1.7において JWA、MDM2、FASN、USP9X及びPFN1に逐次介入して有効に胃がんの体内移転を阻害することができ、介入する異質性分子が1つに増加するごとに顕著に胃がんの再発・移転の時間を遅くすることができる。
【
図27】本発明の実例2-2.1におけるJWAがペプチドJP1が黒色腫の体内移転を阻害することを模倣するモデル設計及び結果
【
図28】本発明の実例2-2.1におけるJWAがペプチドJP1が黒色腫の体内移転を阻害することを模倣するモデル設計及び結果
【
図29】本発明の実例2-2.2におけるMDM2阻害剤SP141黒色腫の体内移転を阻害するモデル設計及び結果
【
図30】本発明の実例2-2.3においてJWA及びMDM2が機能的に独立した異質性分子であり、協力して黒色腫の体内移転を阻害することができることを証明するモデル設計及び結果
【
図31】本発明の実例2-2.3においてJWA及びMDM2が機能的に独立した異質性分子であり、協力して黒色腫の体内移転を阻害することができることを証明するモデル設計及び結果
【
図32】本発明の実例2-2.3におけるJWA及びMDM2に合同介入してから如何に黒色腫を駆動して移転させる異質性分子を判別するかということに関するモデル設計及び結果
【
図33】本発明の実例2-2.3におけるJWA及びMDM2に合同介入してから如何に黒色腫を駆動して移転させる異質性分子を判別するかということに関するモデル設計及び結果
【
図34】本発明の実例2-2.3におけるJWA及びMDM2に合同介入してから如何に黒色腫を駆動して移転させる異質性分子を判別するかということに関するモデル設計及び結果
【
図35】本発明の実例2-2.3におけるJWA及びMDM2に合同介入してから如何に黒色腫を駆動して移転させる異質性分子を判別するかということに関するモデル設計及び結果
【
図36】本発明の実例2-2.3におけるJWA及びMDM2に合同介入してから如何に黒色腫を駆動して移転させる異質性分子を判別するかということに関するモデル設計及び結果
【
図37】本発明の実例2-2.3におけるJWA及びMDM2に合同介入してから如何に黒色腫を駆動して移転させる異質性分子を判別するかということに関するモデル設計及び結果
【
図38A】本発明の実例2-2.3におけるJWA及びMDM2に合同介入してから如何に黒色腫を駆動して移転させる異質性分子を判別するかということに関するモデル設計及び結果
【
図38B】本発明の実例2-2.3におけるJWA及びMDM2に合同介入してから如何に黒色腫を駆動して移転させる異質性分子を判別するかということに関するモデル設計及び結果
【
図38C】本発明の実例2-2.3におけるJWA及びMDM2に合同介入してから如何に黒色腫を駆動して移転させる異質性分子を判別するかということに関するモデル設計及び結果
【
図38D】本発明の実例2-2.3におけるJWA及びMDM2に合同介入してから如何に黒色腫を駆動して移転させる異質性分子を判別するかということに関するモデル設計及び結果
【
図39】本発明の実例2-2.3におけるJWA及びMDM2に合同介入してから如何に黒色腫を駆動して移転させる異質性分子を判別するかということに関するモデル設計及び結果
【
図40】本発明の実例2-2.5においてJWA、MDM2、SMAD3、IDH1/2及びmTORに逐次介入して有効に黒色腫の体内移転を阻害することのできるモデル設計及び結果
【
図41】本発明の実例2-2.5においてJWA、MDM2、SMAD3、IDH1/2及びmTORに逐次介入して有効に黒色腫の体内移転を阻害することのできるモデル設計及び結果
【
図42A】本発明の各実例に関わる主な遺伝子の英語名の略語及び日本語名
【
図42B】本発明の各実例に関わる主な遺伝子の英語名の略語及び日本語名
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明による入力モジュール、分析モジュール及び出力モジュールを含む腫瘍を駆動して転移させる重要な異種分子を判別する予測システム。
【0029】
入力モジュールは介入前後のタンパク質に関する定量分析の成績を入力するためのもの、介入前タンパク質に関する定量分析の成績が薬介入前の対象患者の腫瘍移転病巣の各タンパク質の発現数量に関する定量分析の成績の集合、介入後のタンパク質に関する定量分析の成績が薬の介入の後の対象患者の残留腫瘍移転病巣の各タンパク質の発現数量に関する定量分析の成績の集合である。
【0030】
その中、タンパク質のハイスループットシーケンスで介入前後のタンパク質に関する定量分析の成績を取得し、タンパク質のハイスループットシーケンスはタンパク質プロファイル分析を含む。
【0031】
分析モジュールは一次分析サブモジュール、二次分析サブモジュール及び計算と順序付けサブモジュールを含む。
【0032】
一次分析サブモジュールは初期の選出・分析に用いられ、初期の選出・分析は介入前後のタンパク質に関する定量分析の成績を比べ、発現数量の変化幅があらかじめ設定された範囲にあるタンパク質候補プロテインセットに入れることを含む。
【0033】
その中、発現数量の変化幅があらかじめ設定された範囲にあるタンパク質はタンパク質の介入後の発現数量、介入前のタンパク質発現数量の0.95~1.05倍である。
【0034】
発現数量の変化幅があらかじめ設定された範囲にあるタンパク質に関する段階的な選出を行ってから候補プロテインセットに入れる。次の条件に従って段階的な選出を行う。特定のペプチドの数量≧2、予測タンパク質ではないこと、現在のタンパク質における同定されたペプチドアミノのカバレッジ≧10%、現在のタンパク質定量回数≧2回、現在のタンパク質のシーケンス品質の総合得点≧200点、データベースに腫瘍の進捗に関わることを証明する証拠があること。特定のペプチドとは現在のタンパク質を同定するための特定のペプチドフラグメントのことであり、予測タンパク質とは UniportまたはNCBIデータベースで現在のタンパク質信頼性のプロパティをpredicted proteinに定義し、同定されたペプチドフラグメントとは適応症に用いられ、現在のタンパク質の検出される特定のペプチドフラグメントのこと、タンパク質定量回数とは現在のタンパク質の定量検出される重複回数のことである。
【0035】
二次分析サブモジュールは再選出分析に用いられ、再選出分析がタンパク質の相互作用のネットワークの分析ツールを利用して候補プロテインセットにより実験による検証に基づくタンパク質の相互作用のネットワークを構築し、信号経路データベースにおける候補プロテインセットに関わる信号経路と結び合わせてタンパク質の相互作用のネットワークを整備し、各タンパク質相互作用のネットワークで最も重要なタンパク質を独立した異質性分子として独立した分子の集合体に入れ、タンパク質の相互作用のネットワーク予測ツール候補プロテインセットによりタンパク質の相互作用の規律に基づくタンパク質の相互作用の予測ネットワークを構築し、候補タンパク質の集合体でいかなるタンパク質の相互作用の予測ネットワークにも参加しなかったタンパク質を独立した異質性分子として独立した分子の集合体に入れる。
【0036】
その中、タンパク質の相互作用のネットワーク分析ツールはSTRINGネットワークツールを含む。信号経路データベースはKEGG、SMPDB、WikiPathways、Cell Signaling Technology、BioCarta Pathway、Pathway Commons及びPID、タンパク質の相互作用のネットワーク予測ツールはGenemaniaネットワークツール、Unihiネットワークツール及びHitpredictネットワークツールを含む。Cytoscapeツールによりタンパク質の相互作用のネットワークを構築、整備し、タンパク質の相互作用の予測ネットワークを構築する。
【0037】
各タンパク質相互作用のネットワークで最も重要なタンパク質は特性分析により知り得て、特性分析がタンパク質の相互作用のネットワークで各タンパク質の重要さ及び放射程度に関する分析を含み、その中、重要さでも放射程度でも最も高いタンパク質はこのタンパク質の相互作用のネットワークで最も重要なタンパク質である。
【0038】
計算と順序付けモジュールは計算と順序付けに用いられ、計算と順序付けが独立した分子の集合体における各異質性分子のHR値を計算し、HR値により各異質性分子に対する順序付けを行い、各異質性分子の順序付け一覧表を形成することを含む(注:HR値はリスク比率のHazard Ratio値である)。
【0039】
その中、異質性分子のHR値は次のとおりに算出される。公衆データベースから腫瘍に関するシーケンスデータ、シーケンスデータから異質性分子に対応する遺伝子の正規化された計数マトリックスを取得し、この遺伝子に対するバッチ単一因子COX回帰を行い、HR値を算出する。公衆データベースはTCGA、ICGC及びGEOを含む。
【0040】
順序付けのルールとして、HR値≧1の異質性分子は直接にそのHR値に応じて逆順、HR値<1の異質性分子は1/HR値逆順で順序付けを行う。
【0041】
出力モジュールは各異質性分子の順序付け一覧表の出力に用いられる。
【0042】
注:上記のモジュールの全部はコンピュータ可読メディアに基づいて稼働するものである。
【0043】
なお、本発明で具体的に実施する腫瘍を駆動して移転させる異質性分子に対して実行する逐次介入システムは前記の腫瘍を駆動して転移させる重要な異種分子を判別する予測システム及び実行モジュールを含み、実行モジュールが予測システムに出力された各異質性分子順序付け一覧表に従って逐次介入を実行する順序を決めるためのものである。
【0044】
上記の各システム的有効性を検証するために、下記のとおりに検証を行う。
【0045】
予測された異質性分子に対して逐次介入を実施し、即ち、異質性分子に介入して有効に腫瘍の移転を阻害し、生存期間を長くする検証方法を検証する。この方法(実例を例にする)は下記のとおりである。
1) 腫瘍の異質性分子の互いに調節しない原則に基づいて第一ラウンドの介入ターゲットで分子の2つ(例えば、腫瘍阻害遺伝子JWA及びがん遺伝子MDM2)で合同介入を実施する。
2) JWA及びMDM2に合同介入した後の腫瘍移転の残留病巣組織を抽出してタンパク質のハイスループットシーケンスを行う。
3) タンパク質のハイスループットシーケンスの結果に応じ、上記の予測システムにより腫瘍を駆動して移転させる異質性分子を選出し、HR値により順序付けを行って逐次介入の候補ターゲットにする。
4) 候補ターゲットにより腫瘍の移転を阻害する逐次介入計画を制定、実施する。
5) 4)の実施計画に従って介入した後の腫瘍移転の残留病巣を抽出してタンパク質のハイスループットシーケンスを行う。再び上記の予測システムにより腫瘍を駆動して移転させる異質性分子を選出し、腫瘍の移転を阻害する次のラウンドの逐次介入計画を制定、実施する。
6) ステップ5)を繰り返して腫瘍の移転が完全に有効に阻害されるまで若干ラウンドの逐次介入・治療を実行する。
【0046】
次に添付図を参照し、実例と結びあわせて本発明について更に詳しく説明する。しかしながら、本発明は挙げられた例に限られない。別途に説明がない場合、普通の実験方法を利用する。
【0047】
本発明の実例において主に如何に腫瘍移転を駆動する異質性分子システムのアルゴリズムを判別するかについて説明し、方法が様々な物種及び腫瘍種に適し、優先して人間に適用するが、他の哺乳動物にも適し、適用腫瘍種が胃がん及び黒色腫を含むがそれに限るものではない。
【0048】
本発明の実例において、腫瘍移転を駆動する異質性分子を判別するシーケンス方法はタンパク質のハイスループットシーケンスである。本発明の成果のアプリケーションの促進はタンパク質のハイスループットシーケンスの結果に基づくがそれに限るものではない。
【0049】
本発明の実例において、胃がん・黒色腫に対する逐次介入は各々独立異質性分子ターゲットの5つを含み、本発明の成果のアプリケーションの促進は本発明で挙げられたターゲット分子の5つを含むがそれに限るものではない。
【実施例1】
【0050】
本実例は胃がんを駆動して移転させる異質性分子を判別したり、逐次介入を実施したりする方法を示す。
【0051】
本実例は主な目的が本発明により腫瘍移転を駆動する異質性分子技術策を予測、判別することにある。胃がんを例にすれば、JWA及びMDM2に合同介入してから胃がんを駆動して移転させる異質性分子を判別し、逐次介入策略を実施して本発明の技術策の有効性を検証する。
【0052】
1.1 腫瘍阻害遺伝子JWAと胃がん予後及び移転特性との関係
TCGAデータベースによりJWAと胃がん群の予後との関係について分析する。
図1に示したとおりに、JWA mRNAレベルで比べると、ペアリング・ペアリング無しのがん組織は傍癌組織より低く(
図1-A)、JWA低発現の患者は予後が下手である(
図1-B)。
【0053】
胃がんBGC823及びSGC7901細胞でsi-JWAにトランスフェクションを行ってJWA mRNA 及びそのタンパク質の発現レベルを干渉する。穿孔実験の成績によると、胃がん細胞発現の低いJWAは同じ時間に小室を通過する腫瘍細胞数が多くなり(
図2-A、B)、スクラッチ実験の成績によると、胃がん細胞発現の低いJWAはスクラッチの治癒速度が速くなる(
図2-C、D)。よって、
図2に示したとおりに、JWAの発現レベルを低くすると、胃がん細胞の移転力を強くすることができる。
【0054】
同様に、胃がんBGC823及びMFC細胞でFlag-JWAにトランスフェクションを行ってJWAタンパク質の発現レベルを高くする。穿孔実験の成績によると、胃がん細胞発現の高いJWAは同じ時間に小室を通過する腫瘍細胞数(
図3-A、B)が少なくなり、スクラッチ実験の成績によると、胃がん細胞発現の高いJWAは後治癒速度(
図3-C、D)が顕著に緩くなる。よって、
図3に示したとおりに、JWAの発現レベルを高くすると、胃がん細胞の移転力を弱くすることができる。
【0055】
BGC823細胞で裸ラットの尾の静脈細胞注射を行って受動的な転送モデルを構築する。細胞接種後の第2日に群でポリペプチドの腹腔内注射を行って介入を実施した(JP3またはCtrl-P-H)。
図4に示したとおりに、対照ペプチドCtrl-P-H介入群と比べてみると、JP3介入群のラットは肺部の移転病巣が顕著に小さい(注:JP3ペプチド、Ctrl-P-HペプチドについてChen J et al. J Exp Clin Cancer Res. 2020、39:118参照)。
【0056】
よって、腫瘍阻害遺伝子JWAに基づく模倣ペプチドJP3により有効に体内外における胃がんの移転を阻害することができる。
【0057】
1.2 がん遺伝子MDM2と胃がん予後及び移転特性との関係
TCGAデータベースによりMDM2と胃がん群の予後との関係を分析する。
図5に示したとおりに、MDM2 mRNAレベルでペアリング・ペアリング無しのがん組織と傍癌組織を比べると、癌組織は傍癌組織より高く(
図5-A)、MDM2の低い発現の患者は予後が高い発現の患者より良い(
図5-B)。
【0058】
図6に示したとおりに、CCK-8法により胃がん細胞MGC803、AGS、MFC、SGC7901及びBGC823に対するMDM2阻害剤SP141(従来の技術による製品)の半数阻害濃度(IC50)を検出すると、各々0.616μM、0.335μM、0.345μM、0.687μM及び0.599μMである(
図6-A)。穿孔実験の成績によると、異なる投与量のSP141により胃がん細胞BGC823、SGC7901及びMFCを24時間に処理すると、穿孔細胞数はSP141投与量の増加に伴って段々に少なくなり、投与量-効果の関係を示す(
図6-B、C)。
【0059】
細胞に関するスクラッチ実験により類似した成績を取得し、SP141で胃がん細胞BGC823、SGC790MFCを処理してから、細胞移転の速度が顕著に緩くなった(
図7参照)。
【0060】
マウス由来胃がん細胞株MFCにより腹腔種植移転モデルを構築する。細胞接種第2日から異なる投与量のSP141は腹腔内に投与し、介入を行った。モデル実験が完了してから腹腔移転結節数を記録した。
図8に示したとおりに、SP141は胃がん腹腔種植移転の数量を阻害することができ、投与量-効果の関係があり、対照群と比べてみると、40mg/kg群差が統計的に有意であった。対照群及び40mg/kg群の残留腫瘍組織を取って全タンパク質免疫ブロット分析を行った成績によると、SP141介入群はMDM2タンパク質のレベルが顕著に低くなった。
【0061】
よって、がん遺伝子のMDM2発現を低くすると、有効に体内外における胃がんの移転を阻害することができる。
【0062】
1.3 JWA及びMDM2が機能で独立した異質性分子であり、協力して胃がんの移転を阻害することができる。
TCGAデータベースにより413個の胃がん組織サンプルでJWAとMDM2 mRNAとの相関性について分析を行った成績によると、両者に相関性がない(
図9-A)。更に細胞モデルによりJWAとMDM2タンパク質との間に相互調節があるかを検査し、BGC823細胞で異なる投与量のFlag-JWAプラスミドのトランスフェクションを行い、階段でJWAタンパク質のレベルを高くしてから、MDM2タンパク質に顕著な変化がなく(
図9-B)、0、0.25、0.5μMのSP141で胃がん細胞のBGC823を24時間に処理し、MDM2の発現レベルを阻害した結果、MDM2のタンパク質の発現レベルがSP141の投与量の増加に伴って低くなったが、JWAのタンパク質の発現レベルに顕著な変化がなかった(
図9-C)。よって、
図9に示したとおりに、胃がんにおいて、JWA及びMDM2はタンパク質レベル及びRNAレベルで相互調節の関係がなく、胃がん細胞に対する各自の生物学的機能が独立したものである。
【0063】
細胞穿孔実験の成績によると、AGS細胞にFlag-JWAプラスミドのトランスフェクションを行ってSP141処理を行い、対照群と比べてみると、単独・合同処理群は細胞穿孔数量が共に少なくなり、合同処理群は細胞数量が最も少なく、その差が統計的に有意である。よって、
図10に示したとおりに、JWA及びMDM2に合同介入することは協力して胃がん細胞の移転を阻害することができる。
【0064】
体内モデルにおいて、蛍光標識された胃がん細胞BGC823-lucにより裸ラットの尾の静脈注射を行って胃がんの受動的な移転モデルを構築し、細胞接種後の第2日から薬介入を行った(
図11-A)。体重観測の成績によると、モデルの前期に、ラットは体重が安定に向上し、33日目から、対照群のラットは体重が降下し始まり、薬介入群のラットは体重が安定であり、状態が良好であった(
図11-B)。生体内蛍光写真によると、生理食塩水群と溶剤対照群は肺部の移転病巣の蛍光強度が類似したものであり、SP141とJP3単独介入群は蛍光強度が対照群より弱く、差が統計的に有意であり、合同介入群は肺部蛍光強度が最も弱く、単独介入群の蛍光強度との差が統計的に有意であった(
図11-C、D)。よって、
図11に示したとおりに、JWA及びMDM2に合同介入することは協力して胃がんの体内移転を阻害することができる。
【0065】
よって、胃がんを駆動して移転させる異質性分子JWA及びMDM2に合同介入することは協力して胃がんの体内移転を阻害することができる。
【0066】
1.4 JWA及びMDM2に合同介入してから胃がんを駆動して移転させる他の異質性分子を判別する。
本節では腫瘍移転を駆動する異質性分子を判別する理論を提出し、逐次介入を実施して検証を行う。腫瘍の異質性分子は機能で部分的に独立したものであり、移転を含む多種の悪性発現型を駆動できる。遺伝子(がん遺伝子も腫瘍阻害遺伝子も問わず)に望ましく応対できても、他の異質性分子の発現も機能も影響を受けない。よって、適当な条件で、これらの異質性分子は適応により腫瘍細胞の運命に主導的な役割を果たし、腫瘍を駆動して再発、移転させる。ここでは、発明者は標的薬の介入の後に発現が影響を受けなかったが、腫瘍を駆動して移転させることの異質性分子を探すことで従来の研究で差次的発現分子を探して発見し、標的介入を実施する理念を代替する。これらの分子に対する順序介入により有効に腫瘍患者の生存期間を長くすることができると想定する(
図12参照)。
【0067】
1.3に示したとおりに、JWA及びMDM2に対する合同介入は顕著に胃がんの移転を阻害することができる。しかしながら、続いて合同介入を実施しても、その後しばらくして、ラットの体内にある肺移転病巣は微環境に適応して物耐性及び移転が発生することが相変わらずある。これはJP3及びSP141の介入の後にJWA及びMDM2に調節されない異質性分子があることを示す。胃がんを駆動することに関するこれらの未知の異質性分子のこれからの進捗を予測、判別するために、JP3及びSP141の合同介入の後に相変わらず存在する移転病巣についてタンパク質プロファイル分析を行い、計7000個以上のタンパク質に関する定量分析から対照群の発現数量より安定なタンパク質分子(具体的指標:JP3及びSP141が合同介入を実施してから移転残留病巣・対照群移転残留病巣標的分子の発現レベルの変化範囲が0.95~1.05にある)を選出する。更にシーケンス関係の品質管理データ及び分子と腫瘍との関連性により大体に下記の条件を満たす候補異質性分子を選出する。
(1)特定のペプチド数量≧2のタンパク質分子
(2)予測されるタンパク質分子を除去する。
(3)同定されたペプチドフラグメントが全タンパク質におけるカバレッジが10%以下にある分子を除去する。
(4)タンパク質(129C/129N ポリペプチド)定量が2回以下にある分子を除去する。
(5)タンパク質のシーケンスの総合得点が200点以下にある分子を除去する。
(6)キーワード、即ちタンパク質及びそれに対応する遺伝子名及び癌名に従って関係のデータベース(例えば、PubMed、Web of science、cnki.net、万方データベース及びVIP.comなど)で検索してそれと腫瘍の進捗との相関性を決め、無関係の分子を除去する。
【0068】
上記の通りに選出を行って、特定のペプチド(現在のタンパク質を同定するための特定のペプチドフラグメントを指す)を満たす数量が少なくとも2であるタンパク質分子が2066個あり、タンパク質排除予測(UniportまたはNCBIデータベースで現在のタンパク質の信頼性のプロパティが予測タンパク質に定義されること)を実施してから1581個が残り、全タンパク質におけるペプチドフラグメント(適応症に用いられ、現在のタンパク質の検出される特定のペプチドフラグメントを指す)が同定されたアミノ酸のカバレッジが10%以上にある分子が1187個あり、129C/129N(質量分析レポートにあるイオン比)ポリペプチド定量回数(現在のタンパク質の定量検出される重複回数を指す)が2回以上にあるのが1169個あり、シーケンス品質の総合得点が200点以上にある分子が117個残り、データベース分析により、腫瘍の進捗に関わるタンパク質分子が38個あると証明された(
図13参照)。
図14及び
図42に各候補異質性分子関係の情報を示す。
【0069】
初期に選出された異質性分子に完全に独立した単一異質性分子及び相互に調節される異質性分子があるかもしれない。異質性分子における独立分子を選出するために、STRING Webサイトで今まで知っているタンパク質相互作用の関係のネットワークを構築した。その中、タンパク質の相互作用を決める基準は「実験による検証」及び「データベース既知」にした。その後に、上記の異質性分子の38個を入力し、KEGG、SMPDB、WikiPathways、Cell Signaling Technology、BioCarta Pathway、Pathway Commons及びPIDデータベースに基づいて異質性分子を取得することに関わる信号経路に関する情報を分析し、同一の信号経路にあるタンパク質分子があるかを調べ、Cytoscapeソフトウェアで新規タンパク質点及びタンパク質相互作用の関係を添加し、更に修正(
図15)を行った。最後に、この相互作用のネットワークにある分子点の関係に基づいて脚本でネットワークのプロパティ(コネクティビティー、クラスタリング係数、タイトネス及びトポロジカル係数)を計算し、Cytoscapeソフトウェアにおけるネットワークアナライザー・モジュールによりネットワークの重要さ及び放射程度など(
図16-18)を分析してから独立した相互作用のネットワークにおける選択重要さ及び放射程度の最も高い異質性分子に基づいて相互に独立したネットワーク(ネットワークに含まれるタンパク質の個数が2以上にある)を構成できる分子及びこのネットワークで最も重要な異質性分子(HSP90AB1、ENO1/PKM、HNRNPK/PCBP2及びRAB1A/SPTBN1)を決めた。調節ネットワークを構成すると決められた異質性分子についてこのネットワークにおける各分子のHR累計値を算出し、このHR値をこのネットワークの代表的な異質性分子に割り当てた(
図15-18)。一方、Genemania Webサイト、Unihi Webサイト及びHitpredict Webサイトを利用し、テキストマイニング、共表現、ドメイン及び遺伝子融合などに基づいてタンパク質の相互作用に関するアルゴリズム的思考を予測して38個の分子で他の分子と相互作用のネットワークを構成しない独立性異質性分子(FASN、SLC3A2、ANXA4、VIM、USP9X及びAGRN)を発見した。それから同様にこれらの分子のHR累計値を算出した。それから、相互に独立した異質性分子に対応する全生存期間に対するHR値をまとめて介入順序の順序付けを行った(1以上にある順序付けはHR値により逆順の順序付け、1以下にあるHR値は1/HR値により逆順の順序付けを行った)。JWA及びMDM2に合同介入すると決めてから、胃がんを駆動して移転させる独立異質性分子のHR順序は次のとおりである。FASN(2.21(1.82-2.86)、p=1.6e-16)、HNRNPK(0.46(0.37-0.56)、p=3.9e-14)、AGRN(2.07(1.75-2.46)、p<1e-16)、HSP90AB1(1.73(1.46-2.05)、p=1.7e-10)、RAB1A(0.64(0.53-0.76)、p=5.2e-07)、ANXA4(0.65(0.55-0.78)、p=1.4e-06)、SLC3A2(1.47(1.27-1.74)、p=1.1e-05)、ENO1(1.32(1.11-1.56)、p=0.0014)、VIM(1.3(1.09-1.53)、p=0.0027)及びUSP9X(1.25(0.99-1.59)、p=0.061)。それによって、調節関係のある異質性分子でも完全に独立した単一異質性分子でも上記の分析、計算及び割り当てにより該当するHR値を取得した。HR値によりすべての異質性分子の最終的介入順序を決める。
図15に一部の胃がん異質性分子の選出及びHR値の順序付けを示す。
【0070】
1.5 JWA、MDM2及びFASNに逐次介入して有効に胃がんの体内移転を阻害することができる。
1.4の結果に従ってFASNを次の介入目標にした。
【0071】
TCGAデータベースによりFASNと胃がん群予後との関係を分析し、
図19に示したとおりに、ペアリング・ペアリング無しのがん組織と傍癌組織はFASN mRNAレベルでも癌組織でも傍癌組織より高く、差が統計的に有意であり(
図19-A)、FASN低発現患者は予後が高発現者より良い(
図19-B)。
【0072】
動物モデルにおける溶剤対照群、JWA+MDM2合同介入群のラット肺組織の残留移転病巣に関するFASNタンパク質レベル検出を行った成績によると、2群でFASN発現が安定であり、タンパク質プロファイルの結果と一致した(
図20-A)。更に穿孔実験及びスクラッチ実験でFASNと胃がん移転との関係を検証した。BGC823細胞及びBGC823-LPC1(動物モデルSP141及びJP3が群の肺部残留移転病巣の初代細胞に合同介入した)を異なる濃度のFASN阻害剤EGCGで24時間に処理してから穿孔実験を行った。その成績によると、EGCG処理群は細胞の穿孔数量が顕著に少なくなり、投与量と効果との関係があり、穿孔細胞に対する阻害率が2種の細胞で類似したものである(
図20-B)。スクラッチ実験から類似した結果を取得した(
図20-C)。イムノブロッティング実験の検出成績(
図20-D)によると、EGCGで細胞を処理してから、FASNタンパク質の発現レベルが降下し、移転関係のタンパク質FAKもそれに応じて降下し、ともに投与量と効果との関係があった。よって、
図20に示したとおりに、FASNに介入すると胃がん細胞の移転を阻害することができる。
【0073】
JWA及びMDM2に合同介入した後の肺部残留移転病巣により初代細胞BGC823-LPC1を抽出して受動的な転送モデルを構築する。モデルラット尾の静脈に細胞を注射してから第2日に群を分けてから薬を投与し、投与期間に時間通りに体重を測定し、モデル実験が完了してから各群のラットの肺水分量を測定し、肺部の移転病巣の状況を観察した。その成績(
図21参照)によると、続いてSP141及びJP3により群のラットに合同介入したが、肺水分量は溶剤対照群より減少が顕著ではなく、移転病巣の数量の減少も顕著ではなかったが、FASN阻害剤EGCG群、FASN阻害剤Orlistat群はラットの肺水分量が顕著に降下し、移転病巣の数量が顕著に少なくなり、対照群と比べて差が統計的に有意であった。
【0074】
よって、SP141及びJP3により合同して群の肺部の移転病巣を処理して抽出した初代胃がん細胞BGC823-LPC1を再び裸ラットの体内に接種してモデリングし、続いてSP141及びJP3により介入して胃がん細胞の肺部移転を阻害した効果がごくわずかであったので、ラットが第1ラウンドのSP141+JP3介入を受けてから2ラウンド目で薬物耐性が出てきたが、阻害剤EGCGまたはOrlistat(共に従来の技術による製品である)で新規異質性分子FASNに介入してから胃がん細胞の肺部移転を顕著に阻害した。よって、本発明により提出した腫瘍移転を駆動する異質性分子を判別するアルゴリズム結果(即ち1.4の結果)に従う介入は有効である。
【0075】
1.6 JWA、MDM2及びFASNに逐次介入してから更に胃がんを駆動して移転させる異質性分子を選出した。
上記のモデルに基づいて続いてEGCG介入群のラットの肺胃がん細胞の残留移転病巣に初代細胞を抽出して「BGC823-LPC2」に命名した。初めにEGCG群とSP141及びJP3合同処理群の肺部残留移転病巣に対して続いてタンパク質プロファイル分析を行い、主に前記の1.4で決められた各独立性分子のタンパク質発現の変化を観察した。その成績によると、EGCG群のFASNが22%に阻害されていて、残ったタンパク質阻害共に20%以下にあった。
図22に示したとおりに、腫瘍を駆動して移転させる異質性分子は機能で相互に独立するものであり、異質性ターゲット分子の1つに介入しても、他の異質性分子の発現レベルが相変わらず安定である。
【0076】
前記の1.4に記載の胃がんを駆動して移転させる異質性分子を判別する策略及び今度のタンパク質プロファイル分析の成績に従って、包括的に介入用阻害剤のアクセシビリティなど(多くの異質性分子を選出し、理論上、個別分子に介入できるが、実のところ、分子は阻害剤またはアゴニストがない場合、または高すぎた薬価格などにより入手できない場合、実際に応じて候補異質性分子から選出しなければいけない)を考え、この度に選出した異質性分子からがん遺伝子のUSP9X及びPFN1を次の介入目標にした。TCGAデータベースによりUSP9X及びPFN1と胃がん群予後との関係を分析し、
図23に示したとおりに、USP9XまたはPFN1低発現患者は予後が高発現者より良い。
【0077】
1.7 JWA、MDM2、FASN、USP9X及びPFN1に逐次介入して有効に胃がんの体内移転を阻害する。
USP9Xと胃がん移転との関係を検証するために、USP9X阻害剤WP-1130(従来の技術による製品)で培養されたBGC823-LPC2細胞を8時間に処理してから穿孔実験を行った。その成績(
図24参照)によると、WP-1130は顕著に細胞穿孔の数量を阻害でき、投与量と効果との関係がある(
図24-A)。イムノブロッティング成績によると、WP-1130で処理された細胞はUSP9Xタンパク質発現が降下し、移転関係のタンパク質p-AKTもそれに応じて降下し、投与量と効果との関係がある(
図24-B)。スクラッチ実験と小室穿孔実験は成績が一致したものである(
図24-C)。よって、USP9X発現を阻害して有効に胃がん細胞の移転を少なくすることができる。
【0078】
異質性分子PFN1の場合、市販阻害剤化合物がないので、PFN1低発現レンチウイルスプラスミドのsh-PFN1を構築し、BGC823-LPC2でsh-con及びsh-PFN1に関するトランスフェクションを行って48時間から穿孔実験を行った。その成績(
図25参照)によると、低発現 PFN1の胃がん細胞穿孔数量が顕著に少なくなり。よって、PFN1発現に介入して有効に胃がん細胞の移転を阻害できる。
【0079】
細胞モデルで陽性の成績を取得した上、動物モデル検証を行った。BGC823-LPC2細胞を利用して裸ラットの尾に静脈注射を行って受動的な転送モデルを構築した。第2日にランダムに群を分けてから対照溶剤、EGCG及びWP-1130に単独介入を実施し、WP-1130にsh-PFN1レンチウイルスを含む逐次介入を実施し、モデル実験が完了してからラット肺部の移転状況(
図26-A)を観察した。体重観察の成績によると、モデル前期にラットは体重が安定に向上し、24日目からプラトーに入り、40日目から、逐次群(レンチウイルスプラスミド介入群)は体重が安定に向上し、残った群は体重が降下し始まった(
図26-B)。溶剤対照群と比べてみると、EGCGで介入した場合、群のラットは肺部の移転病巣の縮小も肺水分量の降下も顕著ではなく、WP-1130群及び逐次群は肺部の移転病巣が顕著に縮小し、肺水分量も顕著に降下した(
図26-C、D)。腫瘍移転に対する逐次介入の阻害効果は更に良い。よって、
図26の通りに、JWA、MDM2、FASN、USP9X及びPFN1に逐次介入して有効に体内外における胃がんの移転を阻害した。
【0080】
実例1のまとめ
本実例では胃がん薬物耐性及び移転に対する阻害を対象にして動物モデル検証を行い、研究計画の中核が標的薬で独立した腫瘍の異質性分子の2つに合同介入を実施し、残留した移転腫瘍病巣組織に対してシーケンス(タンパク質プロファイル分析)を行い、腫瘍を駆動して移転させる異質性分子を選出しHR値により順序付けを行って次に介入する異質性分子を取得し、新規異質性分子に介入を実施してから続いて残留移転の腫瘍病巣組織に対してシーケンス、選出を行い、期待される異質性分子のすべてを探し当て、介入を実施するまで繰り返す。
【0081】
本実例の胃がん移転を阻害する逐次介入計画において、第一ラウンドの候補分子はJWA及びMDM2であり、合同介入を実施してから実験動物の肺部の残留移転病巣に対してタンパク質シーケンス分析を行って3番目の異質性分子が脂肪酸合成酵素FASNを決めた。JWA及びMDM2に合同介入してから腫瘍移転の残留病巣から抽出した初代細胞により胃がんの受動的な移転ラットモデルを構築し、FASN阻害剤で逐次介入・治療を行った。介入を実施してから実験動物の肺部胃がん残留の移転病巣組織に対する再シーケンスを行って次の異質性分子を発見するようにした。この計画に従って本実例の次の研究から相次ぎに一連の新規異質性分子を発見し、異質性分子アクセシビリティ及び価格などにより該当する阻害剤またはアゴニストを選択して逐次介入検証を実施した。本実例では胃がんの移転を対象にし、次に異質性分子のUSP9X及びPFN1で介入検証を行った。よって、本実例では計5つの異質性分子に逐次介入した。異質性分子で胃がんの移転を調節することを検証する逐次介入検証的研究において、肺移転する結節の数量及びサイズにより各ラウンドの逐次介入の有効性を判断した。
【0082】
指摘すべきことは、この検証的モデルの実施中に、JWA及びMDM2が既知の重要な相互独立分子であり、直接に合同介入を行った以外、標的分子介入薬の取得可能性などに基づいて、選択したFASN、USP9X及びPFN1が独立した異質性分子であり、異なるソフトウェアに予測された相互作用の強さの得点が0点である(
図16)。
【実施例2】
【0083】
本実例は黒色腫を駆動して移転させる異質性分子を判別するシステムアルゴリズム及び逐次介入に対する検証である。
【0084】
本実例は主な目的が本発明により腫瘍を駆動して移転させる異質性分子を予測、判別する理論及び黒色腫細胞B16F10で構築したラット肺移転モデルにより本発明のアルゴリズムで判別した異質性分子に相互に独立した黒色腫を駆動して肺に移転させる機能があるかを検証する同時に、胃がんを駆動して移転させる異質性分子を判別し、逐次介入を実施する方法における実例1の1.6の結論(腫瘍を駆動して移転させる異質性分子は機能で相互に独立するものであり、異質性ターゲット分子の1つに介入しても、他の異質性分子の発現レベルが相変わらず安定である)と結び合わせることにある。本モデルの実施中に、腫瘍移転を駆動する異質性分子を判別する選出計画を更に最適にし、モデルで最適化計画の有効性を検証した。
【0085】
2.1 JWA 模倣ペプチドJP1により黒色腫の体内移転を阻害する。
黒色腫細胞B16F10によりラット尾に静脈注射を行って受動的な転送モデルを構築した。接種細胞は第2日に群で各々腹腔注射によりCtrl-RまたはJP1ポリペプチド介入を行った。
図27に示したとおりに、Ctrl-R群と比べ、JP1介入群は顕著に黒色腫の肺移転を阻害し、その差が統計的に有意である(注:Ctrl-Rペプチド、JP1ペプチドについてはCui J、et al. Theranostics. 2020、10(18):8036-8050参照)。
【0086】
ラットの生存に対するJP1介入の影響を検証するために、B16F10細胞尾の静脈注射肺移転の生存モデルを構築した。尾にB16F10細胞の静脈注射を行ってから第2日に、ラットに対して体重によりランダムに群を分け、毎日の腹腔注射によりCtrl-RまたはJP1介入を行った。
図28に示したとおりに、Ctrl-R群と比べ、JP1介入により、肺移転ラットは生存期間が顕著に長くなり、Ctrl-R群、JP1介入群のラットの平均生存日数が各々25日及び32日であり、その差が統計的に有意である。
【0087】
結論:JWA模倣ペプチドJP1介入により有効に黒色腫の体内移転を阻害できる。
【0088】
2.2 MDM2阻害剤SP141により黒色腫の体内移転を阻害する。
B16F10細胞により受動的な移転ラットモデルを構築した。細胞接種第2日から異なる投与量のSP141により介入した。モデル実験が完了してから肺部移転の結節数を記録した。
図29に示したとおりに、SP141によりラット黒色腫肺の移転を阻害でき、投与量と効果との関係がある。対照群と比べてみると、80mg/kg群の差が統計的に有意であった。
【0089】
結論:SP141によりMDM2を阻害して有効に黒色腫のラット体内移転を少なくすることができる。
【0090】
2.3 JWAとMDM2が機能で独立した異質性分子であるという特性に基づいて協力して黒色腫の体内外移転を阻害するモデルを構築する。
TCGAデータベースにより各々JWA及びMDM2遺伝子の発現レベルと黒色腫群予後との関係を分析した。その成績によると、JWA高発現者は生存期間が低発現患者より顕著に長く、MDM2の低い発現の患者は生存期間が高発現患者より顕著に長い。前記の2つの分子タンパク質の発現レベルとB16F10細胞の悪性発現型との関係を分析するために、B16F10細胞に異なる量のFlag-JWAプラスミドによるトランスフェクションを行い、JWAタンパク質レベルが階段的に向上したが、MDM2タンパク質の発現レベルに顕著な変化が認められなかったと同時に、0、0.25及び0.5μMのSP141で黒色腫細胞B16F1024hを処理してMDM2及びJWAのタンパク質の発現レベルを検出してMDM2のタンパク質の発現レベルがSP141の投与量の増加に伴って低くなったが、JWAタンパク質の発現レベルに顕著な変化がなかったと発見した。よって、
図30に示したとおりに、黒色腫において、JWA及びMDM2はタンパク質レベルで相互調節の関係がなく、機能で独立した異質性分子である。
【0091】
細胞モデル検証の上、更にラットに関する動物モデル検証を行った。B16F10細胞の尾静脈注射肺移転モデルを構築し、第2日にラットの体重によりランダムに群を分けてから薬介入を行った。
図31に示したとおりに、JWA及びMDM2に合同介入して協力して黒色腫の体内移転を阻害できる。
【0092】
結論:黒色腫を駆動して移転させる異質性分子JWA及びMDM2に合同介入して協力して黒色腫の肺移転を阻害できる。
【0093】
2.4 ラットはJWA及びMDM2に合同介入されてから黒色腫肺移転が顕著に阻害されたが、最終的に肺移転に死んだ。それに対して、合同介入された肺部黒色腫の残留移転病巣により更に黒色腫を駆動して移転させる他の異質性分子を選出、判別する。
JWA及びMDM2に対する合同介入は黒色腫移転に対する阻害を強化したが、黒色腫細胞にJWA及びMDM2に調節されない異質性分子があるので、合同介入されても黒色腫の進捗を駆動する分子がある。JP1及びSP141合同介入されたラットの肺部残留移転病巣についてタンパク質プロファイル分析を行い、計7000個以上のタンパク質に関する定量分析から対照群の発現数量より安定な(発現レベルが0.95~1.05にある)タンパク質分子を選出し、下記のとおりに更に異質性分子の初期選出を行った。
(1)特定のペプチド≧2、分子が2651個ある。
(2)質量分析の成績で予測されたタンパク質分子を除去する。
(3)タンパク質における同定ペプチドフラグメントのカバレッジが10%以下にある分子を除去する。
(4)タンパク質定量が2回以上にある分子を保留する。
(5)総合得点が200点以上にある分子を保留する。
(6)腫瘍の進捗に関わるタンパク質分子(計54個、
図32参照)を確認する。
【0094】
【0095】
その54個の分子についてシリーズ バイオインフォマティクス関係の分析を行い、その過程が前記の実例1の1.4に類似し、各々実験データ及びタンパク質の相互作用の規律に基づく初期相互作用のネットワークを構築して黒色腫で介入できる異質性分子がSMAD3、IDH1/IDH2、mTOR、KHSRP/SRSF3、PGD、POLB、TOP1、L2HGDH、MOB2、PDIA4、CD2AP、FADS1、PGP、GSTP1、MAPAK3、MAPAK4、MEAF6、RNF181、D54、ITGA4、TYR、UFC1、NDRG1及びOAT(
図34-38)であることを知り得た。
【0096】
個別分子のHR値を算出し、下記のとおりに黒色腫の逐次治療の異質性分子の介入できる順序を確定した。RNF181(0.47(0.29-0.77)、p=0.003)、mTOR(1.75(1.12-2.74)、p=0.015)、SRSF3(1.68(0.86-3.27)、p=0.127)、TOP1(0.62(0.40-0.97)、p=0.035)、L2HGDH(0.63(0.43-0.92)、p=0.017)、MOB2(0.68(0.45-1.05)、p=0.079)、UFC1(1.45(1.01-2.08)、p=0.043)、IDH1/2(1.42(1.07-1.89)、p=0.014)、PGP(1.41(0.87-2.29)、p=0.16)、CD2AP(0.73(0.54-0.99)、p=0.04)、PGD(0.75(0.55-1.01)、p=0.06)、ITGA4(0.78、p=0.066)、FADS1(0.81(0.66-1.00)、p=0.047)、POLB(1.23(0.93-1.62)、p=0.138)、SMAD3(1.22(0.94-1.60)、p=0.139)、MEAF6(1.13(0.66-1.93)、p=0.652)、OAT(1.11(0.83-1.47)、p=0.486)、GSTP1(1.10(0.95-1.27)、p=0.188)、NDRG1(0.96(0.85-1.09)、p=0.503)、TYR(0.98(0.90-1.07)、p=0.706)、PDIA4(1.00(0.70-1.43)、p=0.991)、MAP2K3(1.00、p=0.74)、MAP2K4(1.00、p=0.87)及びD54(1.00、p=0.95)(
図34-38)。
【0097】
しかしながら、選出により取得した異質性分子に介入モデルに用いられ、該当するアンタゴニストまたはアゴニスト薬があるかは未知である。今度の検証モデルで包括的にこれらの異質性分子がターゲットとして介入する可能性を検討し、JWA及びMDM2の他に、SMAD3、IDH1/2及びmTORも介入する異質性分子にした。
【0098】
指摘すべきことは、異質性分子の重要さの重みについて、本発明ではHR値の大小により順序付けを行った。HR値の逓減により介入を実施する対策は理論で望ましいかもしれないが、H腫瘍の進捗に対するR値異なる分子の実際な貢献がビッグデータの動的変化に応じることがあり、データの途切れない累積に伴って、同一分子のHR値が変化することがある。よって、HR値は相対的参考値である。本予測システムにより取得した介入可分子が互いに独立したものであるので、その中に介入すると、どの分子(相互作用関係がある分子または独立した分子)も有効であると考えられる。実際な業務において、異質性分子薬の取得可能性及び価格などに応じ、HR値順序と結び合わせて包括的に検討して決定してもいい。例えば、本検証のモデルにおいて、黒色腫移転に逐次介入する標的分子は相次ぎにJWA、MDM2、SMAD3、IDH1/2及びmTORであり、完全にHR値の逓減順序に従うものではないが、介入結果が有効である。
【0099】
次に、この5つの分子に関するpathway分析を行った。
図39に示したとおりに、この5つの分子は腫瘍で稼働する信号ネットワークの間に確かに顕著に違っていて、機能で相対的に独立した異質性分子である。
【0100】
2.5 JWA、MDM2、SMAD3、IDH1/2及びmTORに逐次介入して有効に黒色腫の体内移転を阻害する。
選出により決めたターゲット分子の5つに応じて黒色腫移転モデルラットについて4段階の逐次介入計画を制定した。
図40のとおりに、第1段階に、第1日から第14日までにJWA及びMDM2(JP1及びSP141)、第2段階に、第15日から第21日までSMAD3(SIS3)、第3段階に、第22日から第28までIDH1/2(AG881)、第4段階に、第29日からモデル実験が完了するまでmTOR(Rapamycin)に標的介入した。各段階の介入について前段階にモデルラットに続いて投与することを対照にして効果を評価した(注:JP1及びSP141は前記と同じであり、SIS3、AG881及びRapamycinは従来の技術による製品である)。
【0101】
B16F10細胞の尾静脈注射肺移転ラットの生存モデルを構築し、尾静脈に細胞を注射してからラットの体重に応じてランダムに群を分け、第2日から投与で介入した。その成績(
図41参照)によると、対照群、JP1+SP141逐次介入群、JP1+SP141+SIS3逐次介入群、JP1+SP141+SIS3+AG881逐次介入群及びJP1+SP141+SIS3+AG881+Rapamycin逐次介入群のラットは平均生存日数が各々22.5、25.55、27.05、29.35及び30.7日(
図41-D)である。ラットの生存期間に対するJP1+SP141+SIS3の3回目の介入とJP1+SP141+SIS3+AG881の4回目の介入及びJP1+SP141+SIS3+AG881の4回目の介入及びJP1+SP141+SIS3+AG881+ Rapamycinの5回目の介入の影響を単独で比べると、
図41-E、Fに示したとおりに、一ラウンドの介入を増加するごとに、ラットの生存期間が対照群より顕著に増加し、この差が統計的に有意である。
【0102】
実例2のまとめ
新薬の開発及び臨床応用における本発明成果の実現可能性を向上させるために、黒色腫の移転を阻害する逐次介入検証を実施する研究において更に異質性分子の選出策略を最適化し、即ち、胃がん検証の研究で毎度に介入を実施してから再シーケンスにより異質性分子を予測することを第一ラウンドの介入を通じて残留移転病巣にシーケンスを行ってすべての異質性分子を予測して次の介入の依拠にすることに最適化した。この方法が実現できると、異質性分子を判別、予測する手順が大いに簡単になるので、アプリケーションの促進の実現可能性は必然的に向上する。黒色腫について、今までの研究によると、JWA発現レベルが傍癌組織より顕著に降下したが、MDM2発現レベルが傍癌組織より顕著に高く、JWA及びMDM2 が相互に独立する異質性分子である。検証の実験モデルにおいて、異質性分子のJWA及びMDM2に合同介入を実施してからラット肺部の残留移転病巣を抽出してタンパク質のハイスループットシーケンスを行った。包括的に次の3ラウンドの逐次介入に用いられる異質性分子のSMAD3、IDH1/2及びmTORを選出した。
【0103】
検証黒色腫を駆動して移転させる異質性分子の逐次介入において、肺移転による生存結局により各ラウンドの逐次介入的有効性を判断した。
【0104】
指摘すべきことは、黒色腫移転阻害を対象にする検証的モデルにおいて、JWA及びMDM2が重要な相互独立分子が直接に合同介入を実施するものであると知られている他に、異なるソフトウェアによりSMAD3、IDH1/2及びmTORの相互作用の強さを予測してから互いに独立した相互作用のネットワークにある高い相互作用強さ得点のある分子であることを示す(
図35)。
【0105】
上記の実例の他に、本発明は他の実施方法があってもいい。同等の置き換えまたは等価変換によるすべての技術策は本発明の特許請求の範囲にある。
【国際調査報告】