(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】検体監視システムにおける、近接度に基づいたデータアクセス認証及び認可
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20241029BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500356
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 US2022078241
(87)【国際公開番号】W WO2023069914
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】504016422
【氏名又は名称】デックスコム・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ナサニエル・リチャード・ポール
(72)【発明者】
【氏名】ホルヘ・アール・バレラス
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA23
(57)【要約】
患者の検体レベルを監視するために構成されたセンサシステムを使用して、患者に関連付けられた患者データへのアクセスを安全に取得するための方法及び装置が提供される。一態様では、方法は、表示デバイスにおいて、1つ以上の通信をセンサシステムから受信することであって、1つ以上の通信が、センサシステムに関連付けられた識別可能情報を含み、かつセンサシステムによってアドバタイズメントチャネルを介して伝送される、受信することと、表示デバイスにおいて、識別可能情報をウェブ要求に挿入することと、表示デバイスにおいて、識別可能情報を含むウェブ要求をデータ管理システムに提供して、患者データへのアクセスを要求することと、識別可能情報が患者データに記憶された第2の識別可能情報と一致することをデータ管理システムが検証すると、ウェブブラウザを介して患者データへのアクセスを取得することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の検体レベルを監視するためのセンサシステムを使用して、前記患者に関連付けられた患者データへのアクセスを安全に取得する方法であって、
表示デバイスにおいて、1つ以上の通信を前記センサシステムから受信することであって、前記1つ以上の通信が、
前記センサシステムに関連付けられた識別可能情報を含み、かつ
前記センサシステムによってアドバタイズメントチャネルを介して伝送される、受信することと、
前記表示デバイスにおいて、前記識別可能情報をウェブ要求に挿入することと、
前記表示デバイスにおいて、前記識別可能情報を含む前記ウェブ要求をデータ管理システムに提供して、前記患者データへのアクセスを要求することと、
前記識別可能情報が前記患者データ内に記憶された第2の識別可能情報と一致することを、前記データ管理システムが検証すると、ウェブブラウザを介して前記患者データへのアクセスを取得することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記センサシステムが、連続検体センサシステムであり、
前記1つ以上の通信の各々が、ホストの検体値を前記表示デバイスに記述するように構成されており、
前記識別可能情報が、前記連続検体センサシステムによって報告される定義された数の最新の検体値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センサシステムが、通信を前記表示デバイスに連続的に伝送するように構成された連続センサシステムであり、
前記1つ以上の通信が、前記連続センサシステムによって伝送される定義された数の最新の通信を含み、
前記識別可能情報が、前記定義された数の最新の通信のための受信信号強度インジケータ値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の通信が、低又は短範囲ワイヤレス通信ネットワークを介して伝送される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記センサシステムが、Bluetooth低エネルギ(BLE)チップを使用して前記低範囲ワイヤレス通信ネットワークを介して通信するように構成されており、
前記識別可能情報が、前記BLEチップに関連付けられたチップ識別子データを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記低範囲ワイヤレス通信ネットワークが、通信プロトコルに関連付けられており、
前記通信プロトコルが、データチャネルのセットに関連付けられており、アドバタイズメントチャネルのセットが、前記1つ以上の通信を伝送するために使用される前記アドバタイズメントチャネルを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ウェブ要求が、前記表示デバイスによって維持される1つ以上の認証トークンフィールドを含み、
前記ウェブブラウザを通した前記患者データへのアクセスが、前記識別可能情報が前記患者データ内に記憶された前記第2の識別可能情報と一致し、かつ前記1つ以上の認証トークンフィールドが、前記データ管理システムによって維持される1つ以上の第2の認証トークンフィールドと一致することを、前記データ管理システムが検証すると、取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
患者の検体レベルを監視するためのセンサシステムを使用して、前記患者に関連付けられた患者データへのアクセスを認可する方法であって、
データ管理システムにおいて、ウェブ要求を表示デバイスから受信することであって、前記ウェブ要求が、前記患者データへのアクセスを求める要求を示し、かつ前記センサシステムに関連付けられた識別可能情報を含み、前記識別可能情報が、アドバタイズメントチャネルを介して前記センサシステムから前記表示デバイスに伝送される1つ以上の通信によって提供される、受信することと、
データ管理システムにおいて、前記識別可能情報が前記患者データ内に記憶された第2の識別可能情報と一致することを検証することと、
データ管理システムにおいて、前記検証することに基づいて、前記患者データへのアクセスを求める前記要求を許諾することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記センサシステムが、連続検体センサシステムであり、
前記1つ以上の通信の各々が、ホストの検体値を前記表示デバイスに記述するように構成されており、
前記識別可能情報が、前記連続検体センサシステムによって報告される定義された数の最新の検体値を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記センサシステムが、通信を前記表示デバイスに連続的に伝送するように構成された連続センサシステムであり、
前記1つ以上の通信が、前記連続センサシステムによって伝送される定義された数の最新の通信を含み、
前記識別可能情報が、前記定義された数の最新の通信のための受信信号強度インジケータ値を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上の通信が、低又は短範囲ワイヤレス通信ネットワークを介して伝送される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記センサシステムが、Bluetooth低エネルギ(BLE)チップを使用して前記低範囲ワイヤレス通信ネットワークを介して通信するように構成されており、
前記識別可能情報が、前記BLEチップに関連付けられたチップ識別子データを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記低範囲ワイヤレス通信ネットワークが、通信プロトコルに関連付けられており、
前記通信プロトコルが、データチャネルのセットに関連付けられており、アドバタイズメントチャネルのセットが、前記1つ以上の通信を伝送するために使用される前記アドバタイズメントチャネルを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ウェブ要求が、前記表示デバイスによって維持される1つ以上の認証トークンフィールドを含み、
前記患者データへのアクセスが、前記識別可能情報が前記患者データ内に記憶された前記第2の識別可能情報と一致し、かつ前記1つ以上の認証トークンフィールドが、前記データ管理システムによって維持される1つ以上の第2の認証トークンフィールドと一致することを、前記データ管理システムが検証すると、取得される、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
患者の検体レベルを監視するためのセンサシステムを使用して、前記患者に関連付けられた患者データへのアクセスを安全に取得するためのシステムであって、前記システムが、実行可能命令を含むメモリと、前記メモリとデータ通信し、かつ前記命令を実行して前記システムに方法の動作を実施させるように構成されたプロセッサと、を備え、前記方法が、
表示デバイスにおいて、1つ以上の通信を前記センサシステムから受信することであって、前記1つ以上の通信が、
前記センサシステムに関連付けられた識別可能情報を含み、かつ
前記センサシステムによってアドバタイズメントチャネルを介して伝送される、受信することと、
前記表示デバイスにおいて、前記識別可能情報をウェブ要求に挿入することと、
前記表示デバイスにおいて、前記識別可能情報を含む前記ウェブ要求をデータ管理システムに提供して、前記患者データへのアクセスを要求することと、
前記識別可能情報が前記患者データ内に記憶された第2の識別可能情報と一致することを、前記データ管理システムが検証すると、ウェブブラウザを介して前記患者データへのアクセスを取得することと、を含む、システム。
【請求項16】
前記センサシステムが、連続検体センサシステムであり、
前記1つ以上の通信の各々が、ホストの検体値を前記表示デバイスに記述するように構成されており、
前記識別可能情報が、前記連続検体センサシステムによって報告される定義された数の最新の検体値を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記センサシステムが、通信を前記表示デバイスに連続的に伝送するように構成された連続センサシステムであり、
前記1つ以上の通信が、前記連続センサシステムによって伝送される定義された数の最新の通信を含み、
前記識別可能情報が、前記定義された数の最新の通信のための受信信号強度インジケータ値を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つ以上の通信が、低範囲ワイヤレス通信ネットワークを介して伝送される、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記センサシステムが、Bluetooth低エネルギ(BLE)チップを使用して前記低範囲ワイヤレス通信ネットワークを介して通信するように構成されており、
前記識別可能情報が、前記BLEチップに関連付けられたチップ識別子データを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記低範囲ワイヤレス通信ネットワークが、通信プロトコルに関連付けられており、
前記通信プロトコルが、データチャネルのセットに関連付けられており、アドバタイズメントチャネルのセットが、前記1つ以上の通信を伝送するために使用される前記アドバタイズメントチャネルを含む、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月22日に出願された米国仮特許出願第63/262,959号に対する優先権及び利益を主張し、この仮特許出願は、本明細書の譲受人に譲渡され、以下に完全に記載されているかのように、かつ全ての適用可能な目的のために、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本出願は、概して、検体センサなどの医療デバイスに関し、より詳細には、患者データ(検体センサによって生成される検体データを含む)へのアクセスを安全に提供することに関するシステム、デバイス、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
患者データへの安全なアクセスを許諾又は提供することは、依然として困難である。結果として、利害関係者への負担を低減しながら、患者データ(例えば、検体データなどの医療デバイスデータを含む)が患者又は医師によって安全にアクセスされることを可能にする、改良されたシステム及び方法が必要とされている。
【0004】
この背景技術は、後に続く発明の概要及び発明を実施するための形態の簡単な文脈を紹介するために提供されている。この背景技術は、特許請求される主題の範囲を決定する助けとなることも、特許請求される主題を、上に提示された欠点又は問題のうちのいずれか又は全てを解決する実装形態に限定するものとしてみなされることも、意図されていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つ以上のコンピュータのシステムは、動作中にシステムにアクションを実行させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせをシステムにインストールすることによって、特定の動作又はアクションを実行するように構成することができる。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されると、装置にアクションを実行させる命令を含むことによって、特定の動作又はアクションを実行するように構成することができる。
【0006】
1つの一般的な態様は、患者の検体レベルを監視するためのセンサシステムを使用して、患者に関連付けられた患者データへのアクセスを安全に取得する方法を含む。本方法はまた、表示デバイスにおいて、1つ以上の通信をセンサシステムから受信することであって、1つ以上の通信が、センサシステムに関連付けられた識別可能情報を含み、かつセンサシステムによってアドバタイズメントチャネルを介して伝送される、受信することと、表示デバイスにおいて、識別可能情報をウェブ要求に挿入することと、表示デバイスにおいて、識別可能情報を含むウェブ要求をデータ管理システムに提供して、患者データへのアクセスを要求することと、識別可能情報が患者データ内に記憶された第2の識別可能情報と一致することをデータ管理システムが検証すると、ウェブブラウザを介して患者データへのアクセスを取得することと、を含む。この態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータストレージデバイスに記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが本方法のアクションを実行するように構成される。
【0007】
いくつかの実施形態では、センサシステムは、連続検体センサシステムであり、1つ以上の通信の各々は、ホストの検体値を表示デバイスに記述するように構成されており、識別可能情報は、連続検体センサシステムによって報告される定義された数の最新の検体値を含み得、センサシステムは、通信を表示デバイスに連続的に伝送するように構成された連続センサシステムであり、1つ以上の通信は、連続センサシステムによって伝送される定義された数の最新の通信を含み得、識別可能情報は、定義された数の最新の通信のための受信信号強度インジケータ値を含み得る。説明される技法の実装形態は、ハードウェア、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、1つ以上の通信は、低範囲ワイヤレス通信ネットワークを介して伝送され、センサシステムは、Bluetooth低エネルギ(Bluetooth low energy、BLE)チップを使用して低範囲ワイヤレス通信ネットワークを介して通信するように構成されており、識別可能情報は、BLUEチップに関連付けられたチップ識別子データを含み得る。説明される技法の実装形態は、ハードウェア、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、低範囲ワイヤレス通信ネットワークは、通信プロトコルに関連付けられており、通信プロトコルは、データチャネルのセットに関連付けられ、アドバタイズメントチャネルのセットは、1つ以上の通信を伝送するために使用されるアドバタイズメントチャネルを含み得る。説明される技法の実装形態は、ハードウェア、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、ウェブ要求は、表示デバイスによって維持される1つ以上の認証トークンフィールドを含み得、ウェブブラウザを通した患者データへのアクセスは、識別可能情報が患者データ内に記憶された第2の識別可能情報と一致し、かつ1つ以上の認証トークンフィールドが、データ管理システムによって維持される1つ以上の第2の認証トークンフィールドと一致することを、データ管理システムが検証すると、取得される。説明される技法の実装形態は、ハードウェア、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0011】
別の一般的な態様は、患者の検体レベルを監視するためのセンサシステムを使用して、患者に関連付けられた患者データへのアクセスを認可する方法を含む。本方法は、データ管理システムにおいて、ウェブ要求を表示デバイスから受信することであって、ウェブ要求が、患者データへのアクセスを求める要求を示し、かつセンサシステムに関連付けられた識別可能情報を含んでおり、識別可能情報が、アドバタイズメントチャネルを介してセンサシステムから表示デバイスに伝送される1つ以上の通信によって提供される、受信することと、データ管理システムにおいて、識別可能情報が患者データ内に記憶された第2の識別可能情報と一致することを検証することと、データ管理システムにおいて、検証することに基づいて患者データへのアクセスを求める要求を許諾することと、を含む。この態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータストレージデバイスに記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが本方法のアクションを実行するように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、センサシステムは、連続検体センサシステムであり、1つ以上の通信の各々は、ホストの検体値を表示デバイスに記述するように構成されており、識別可能情報は、連続検体センサシステムによって報告される定義された数の最新の検体値を含み得、センサシステムは、通信を表示デバイスに連続的に伝送するように構成された連続センサシステムであり、1つ以上の通信は、連続センサシステムによって伝送される定義された数の最新の通信を含み得、識別可能情報は、定義された数の最新の通信のための受信信号強度インジケータ値を含み得る。説明される技法の実装形態は、ハードウェア、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、1つ以上の通信は、低範囲ワイヤレス通信ネットワークを介して伝送され、センサシステムは、Bluetooth低エネルギ(BLE)チップを使用して低範囲ワイヤレス通信ネットワークを介して通信するように構成されており、識別可能情報は、BLUEチップに関連付けられたチップ識別子データを含み得る。説明される技法の実装形態は、ハードウェア、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、低範囲ワイヤレス通信ネットワークは、通信プロトコルに関連付けられており、通信プロトコルは、データチャネルのセットに関連付けられ、アドバタイズメントチャネルのセットは、1つ以上の通信を伝送するために使用されるアドバタイズメントチャネルを含み得る。説明される技法の実装形態は、ハードウェア、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、ウェブ要求は、表示デバイスによって維持される1つ以上の認証トークンフィールドを含み得、ウェブブラウザを通した患者データへのアクセスは、識別可能情報が患者データ内に記憶された第2の識別可能情報と一致し、かつ1つ以上の認証トークンフィールドが、データ管理システムによって維持される1つ以上の第2の認証トークンフィールドと一致することを、データ管理システムが検証すると、取得される。説明される技法の実装形態は、ハードウェア、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1A】本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、例示的な糖尿病管理システムを例解する。
【
図1B】本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、
図1Aの例示的な糖尿病管理システムをより詳細に例解する。
【
図2】本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、患者の検体レベルを監視するためのセンサシステムによって収集される、患者に関連付けられた患者データへのアクセスを安全に取得するための例示的なプロセスのフローチャート図である。
【
図3】本明細書で開示される特定の実施形態による、患者に関連付けられた患者データへのアクセスを認可するように構成された例示的なコンピューティングデバイスを描写するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
現在、ほとんどの医療デバイスシステムは、パスワード又はワンタイムコードを用いて認証及び認可を実施する。例えば、医師などの利害関係者が患者の医療データ(例えば、検体データ)へのアクセスを望む場合、患者は、このデータをクラウドデータプラットフォームにアップロードしなければならない。次いで、医師は、クラウドプラットフォームに関連付けられたポータルにログインし、患者の以前にアップロードされたデータのダウンロードに進む。
【0018】
しかしながら、クラウドデータプラットフォームが、医師が患者の以前にアップロードされたデータをダウンロードすることを可能にするためには、クラウドデータプラットフォームは、データにアクセスするために患者によって認可されているものとして医師を識別することができなければならない(例えば、医師と患者情報とが結び付けられなければならない)。例えば、ある場合には、患者は、クラウドデータプラットフォームと通信するモバイルアプリケーションへのアクセスを有し得、その場合、医師は、このモバイルアプリによって生成され、クラウドデータプラットフォームに送られるワンタイムコードを見つけるように患者に求め得る。モバイルアプリによって生成されたワンタイムコードを受信した後、医師は、クラウドデータプラットフォームに関連付けられたポータルにコードを入力して、医師がデータにアクセスすることを患者によって許可されていることを証明する。次いで、クラウドデータプラットフォームは、医師によって提供されたコードと、モバイルアプリによってクラウドデータプラットフォームに伝送されたコードとを比較する。2つのコードが同じである場合、クラウドデータプラットフォームは、医師に患者のデータへのアクセスを提供する。
【0019】
更に、多くの既存の医療データシステムでは、特定のユーザの認可が確立されアクセスが許諾されると、ユーザは、全ての医療データへの読み取りアクセスを得る(すなわち、全てか無かの読み取りアクセスを得る)。このように、既存の医療データシステムは、よりきめ細かい権限を強制するように構成されていない。
【0020】
したがって、患者及び利害関係者が医療データとどのように対話するかは完全に変わる可能性がある。今日のシステムは、時代遅れである。これらのシステムのセキュリティ及び有用性が改善されれば、利害関係者は、これらのシステムを使用する負担を低減しながら、より有用ではないとしても、改善されたシステムを等しく見出すであろう。
【0021】
したがって、本明細書に説明される特定の実施形態は、認証及び認可を高度に使用可能にし、負担を軽減するために、近接度(例えば、物理的距離及び/又はワイヤレス通信範囲)の使用を伴う。認証及び認可において近接度を使用することは、攻撃者が患者の身体装着型デバイス無線信号(例えば、伝送機Bluetooth低エネルギ(BLE))の範囲内にない場合、攻撃者は、その信号(例えば、伝送機BLEアンテナ信号)からのデータを聞く又は傍受することができないため、有利である。まれな場合において、一部の攻撃者は、BLE信号のリスニング範囲を拡張するために、より高度な機器を装備している場合がある。しかしながら、利害関係者が、近接近攻撃者デバイスに関連付けられた最小限のリスクを受け入れる意思がある場合、利害関係者は、自身の健康管理システムにおいて高度な有用性を得ることができる。
【0022】
図1Aは、例えば、ユーザの血中グルコース値を含む、ユーザの身体内に存在する検体値に関する情報を収集、監視、及び/又は提供することを伴う、本開示の実施形態に関連して使用され得る、糖尿病管理システムなどの疾患管理システム100(「システム100」)を描写する。システム100は、表示デバイス110、120、130、及び140、並びに/又はサーバシステム134に通信可能に結合され得る検体センサシステム8(以下「SS8」)の態様を描写する。
【0023】
いくつかの実施形態では、SS8は、ホスト又はユーザにおける検体の測定のために提供される。概要及び例として、SS8は、カプセル化マイクロコントローラとして実装され得、カプセル化マイクロコントローラは、センサ測定を行い、検体データを(例えば、連続的グルコース監視データの値を計算することによって)生成し、ワイヤレス通信に(例えば、Bluetooth及び/又は他のワイヤレスプロトコルを介して)関与して、そのようなデータを、表示デバイス110、120、130、140、及び/又はサーバシステム134などのリモートデバイスに送信する。米国特許出願公開第2019/0336053号の段落[0137]~[0140]並びに
図3A、
図3B、及び
図4は、ある特定の実施形態において、SS8に関連して使用され得る皮膚上センサアセンブリを更に説明している。米国特許出願公開第2019/0336053号の段落[0137]~[0140]並びに
図3A、
図3B、及び
図4は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
特定の実施形態では、SS8は、検体センサ電子機器モジュール12と、検体センサ電子機器モジュール12に関連付けられた検体センサ10と、を含む。特定の実施形態では、検体センサ電子機器モジュール12は、検体センサデータ/情報の処理及び/又は較正に関連するアルゴリズムを含む、検体センサデータ又は情報の測定及び処理に関連する電子回路を含む。検体センサ電子機器モジュール12は、検体センサ10に物理的/機械的に接続され得、検体センサ10と一体化することができる(すなわち、着脱不可能に取り付けられる)か、又は着脱可能に取り付けることができる。
【0025】
検体センサ電子機器モジュール12はまた、構成要素が互いに電気機械的に結合され得るように(例えば、(a)患者の体内への挿入前、又は(b)患者の体内への挿入中)、検体センサ10に電気的に結合され得る。検体センサ電子機器モジュール12は、検体センサ10(例えば、グルコースセンサであり得る/グルコースセンサを含み得る)を介して、ホスト/ユーザ内の検体のレベルの測定及び/又は推定を有効にする、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含み得る。例えば、検体センサ電子機器モジュール12は、1つ以上の定電位器と、検体センサ10に電力を供給するための電源と、信号処理及びデータストレージに有用な他の構成要素と、センサ電子機器モジュールから1つ以上の表示デバイスにデータを伝送するための遠隔測定モジュールと、を含むことができる。電子機器は、SS8内のプリント回路基板(printed circuit board、PCB)又はプラットフォームなどに張り付けることができ、様々な形態を採ることができる。例えば、電子機器は、特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit、ASIC)などの集積回路(integrated circuit、IC)、マイクロコントローラ、プロセッサ、及び/又はステートマシンの形態を採ることができる。
【0026】
検体センサ電子機器モジュール12は、センサデータなどのセンサ情報を処理し、変換されたセンサデータ及び表示可能なセンサ情報を生成するように構成されたセンサ電子機器を含み得る。センサ検体データを処理するためのシステム及び方法の例は、本明細書において、かつ米国特許第7,310,544号及び第6,931,327号、並びに米国特許公開第2005/0043598号、同第2007/0032706号、同第2007/0016381号、同第2008/0033254号、同第2005/0203360号、同第2005/0154271号、同第2005/0192557号、同第2006/0222566号、同第2007/0203966号、及び同第2007/0208245号においてより詳細に説明されており、それらの全ては、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる。
【0027】
検体センサ10は、ホストにおける検体の濃度又はレベルを測定するように構成されている。検体という用語は、米国特許出願公開第2019/0336053号の段落[0117]で更に定義されている。米国特許出願公開第2019/0336053号の段落[0117]は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、検体センサ10は、皮下、経皮(transdermal)(例えば、経皮性(transcutaneous))、又は血管内デバイスなどの連続グルコースセンサを含む。いくつかの実施形態では、検体センサ10は、複数の断続的な血液サンプルを分析できる。検体センサ10は、酵素法、化学法、物理法、電気化学法、分光光度法、偏光測定法、熱量測定法、イオン導入法、放射測定法、免疫化学法など、任意のグルコース測定法を使用できる。連続グルコースセンサに関する追加の詳細は、米国特許出願第13/827,577号の段落[0072]~[0076]に提供される。米国特許出願第13/827,577号の段落[0072]~[0076]は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
図1Aを更に参照すると、表示デバイス110、120、130、及び/又は140は、センサ電子機器モジュール12によって伝送され得る表示可能なセンサ情報を(例えば、それぞれの選好に基づいて表示デバイスに伝送されるカスタマイズされたデータパッケージにおいて)表示するように構成することができる。表示デバイス110、120、130、又は140の各々は、センサ情報及び/若しくは検体データをユーザに表示するため、並びに/又はユーザから入力を受信するためのタッチスクリーン表示部112、122、132、及び/又は142などの表示部を含み得る。例えば、このような目的のために、ユーザにグラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)が提示され得る。特定の実施形態では、表示デバイスは、センサ情報を表示デバイスのユーザに通信するため、かつ/又はユーザ入力を受信するために、タッチスクリーン表示部の代わりに又はこれに加えて、音声ユーザインターフェースなどの他のタイプのユーザインターフェースを含み得る。特定の実施形態では、表示デバイス110、120、130、140のうちの1つ、いくつか、又は全ては、センサデータの較正及び/又はリアルタイム表示のために要求される任意の追加の予期される処理を伴わずに、センサ電子機器モジュール12から(例えば、それぞれの表示デバイスに伝送されるデータパッケージ内で)通信される際に、センサ情報を表示又は別様に通信するように構成され得る。
【0029】
図1Aに描写される複数の表示デバイス110、120、130、140は、カスタム又は専用表示デバイス、例えば、センサ電子機器モジュール12から受信された検体データに関連付けられたある特定のタイプの表示可能なセンサ情報(例えば、特定の実施形態では、数値及び/又は矢印)を表示するために特に設計された検体表示デバイス110を含み得る。特定の実施形態では、複数の表示デバイス110、120、130、140のうちの1つは、スマートフォン、例えば、Android、iOS、又は連続センサデータ(例えば、現在及び/又は履歴データを含む)のグラフィカル表現を表示するように構成された別のオペレーティングシステムに基づくモバイルフォン120を含む。特定の実施形態では、疾患管理システム100は、医療用送達デバイス(例えば、インスリンポンプ又はペン)を更に含む。センサ電子機器モジュール12は、センサ情報及び/又は検体データを医療用送達デバイスに伝送するように構成され得る。医療用送達デバイス(図示せず)は、センサ電子機器モジュール12から受信されるセンサ情報及び/又は検体データ(例えば、推奨インスリン投薬量を含み得る)に基づいて、インスリン又は別の薬剤の一定の投薬量をユーザに投与するように構成され得る。
【0030】
サーバシステム134を使用して、SS8及び/又は複数の表示デバイスから検体データを直接又は間接的に収集して、例えば、本明細書に説明される実施形態によって、検体データに対して分析を実施し、グルコースレベル及びプロファイルの汎用又は個別化モデルを生成し、検体データを遠隔監視する個人又はシステムからのものを含むサービス若しくはフィードバックを提供し、SS8及び表示デバイス150を識別、認証などにより実施又は支援し得る。特定の実施形態では、サーバシステム134は、サーバシステム134の機能を(例えば、分散方式で)実施する複数のシステム若しくは複数のコンピューティングデバイスを表し得ることに留意されたい。
【0031】
図1Bは、SS8に通信可能に結合された表示デバイス150を含むシステム100のより詳細な図を例解する。特定の実施形態では、表示デバイス150は、
図1Aの表示デバイス110、120、130、及び140のうちのいずれか1つであり得る。SS8と表示デバイス150との間の通信経路は、通信経路180として示されている。特定の実施形態では、SS8及び表示デバイス150は、低範囲ワイヤレス通信ネットワーク(すなわち、1つ以上の低範囲及び/又は低距離ワイヤレス通信プロトコルを使用する通信ネットワーク)を使用して、通信経路180を介してワイヤレスに通信するように構成されている。低範囲及び/又は低距離ワイヤレス通信プロトコルの例には、Bluetooth及びBluetooth低エネルギ(BLE)プロトコルが含まれる。特定の実施形態では、他の低範囲ワイヤレス通信には、近距離無線通信(Near Field Communication、NFC)、無線周波数識別(radio frequency identification、RFID)通信、IR(infra red、赤外線)通信、光通信が含まれ得る。特定の実施形態では、低範囲及び/又は低距離ワイヤレス通信プロトコル以外のワイヤレス通信プロトコル、例えばWiFi Directが、通信経路180のために使用され得る。表示デバイス150はまた、ネットワーク190(例えば、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、ワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)、インターネットなど)に接続するように構成されている。例えば、表示デバイス150は、有線(例えば、イーサネット)又は無線(例えば、WLAN、ワイヤレスWAN、セルラ、メッシュネットワーク、パーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)など)インターフェースを介してネットワーク190に接続し得る。表示デバイス150は、ネットワーク190を介してサーバシステム134と通信することが可能である。表示デバイス150とサーバシステム134との間の通信経路は、ネットワーク190を介した通信経路181として示されている。
【0032】
特定の実施形態では、SS8は、ネットワーク190を介してサーバシステム134と独立して(例えば、ワイヤレスに)通信することが可能であり得ることに留意されたい。SS8とサーバシステム134との間の独立した通信経路は、通信経路182として示されている。しかしながら、特定の他の実施形態では、SS8は、例えば、ネットワーク190を介してサーバシステム134との独立したワイヤレス通信経路を確立するために必要なハードウェア/ソフトウェアで構成されない場合がある。そのような実施形態では、SS8は、表示デバイス150を介してサーバシステム134と通信し得る。SS8とサーバシステム134との間の間接又はパススルー通信経路は、通信経路183として示されている。
【0033】
システム100は、サーバシステム134を更に含み、このサーバシステム134は、ストレージ136(例えば、1つ以上のコンピュータストレージシステム、クラウドベースのストレージシステム及び/又はサービスなど)に結合されたサーバ135を含む。特定の実施形態では、サーバシステム134は、パブリッククラウド若しくはプライベートクラウド内に位置し得るか、又はパブリッククラウド若しくはプライベートクラウド内で実行され得る。特定の実施形態では、サーバシステム134は、オンプレミス(「on-prem」)に位置するか、又はオンプレミスで実行する。考察されるように、サーバシステム134は、SS8及び/又は表示デバイス150からの検体データ及び関連情報、並びに暗号化/認証情報を含む情報を、受信、収集、及び/又は監視するように構成されている。そのような情報には、検体データ若しくは入力(例えば、ユーザのグルコース測定値及び他の生理学的/挙動情報)に応答する入力が含まれ得、この検体データ若しくは入力は、SS8若しくは表示デバイス150上で動作する検体監視又はセンサアプリケーションに関連して受信される。この情報は、ストレージ136に記憶され得、情報に対して分析を実施することができる分析エンジンなどによって処理され得る。表示デバイス150上で実行可能であり得る検体センサアプリケーションの例は、以下で更に説明されるように、検体センサアプリケーション121である。
【0034】
特定の実施形態では、サーバシステム134は、例えばSS8と表示デバイス150との間の認証を容易にするために、それらの間の通信を少なくとも部分的に指示する。そのような通信には、メッセージング(例えば、アドバタイズメント、コマンド、又は他のメッセージング)、メッセージ送達、並びに検体データが含まれる。例えば、特定の実施形態では、サーバ134は、周波数帯域、伝送のタイミング、セキュリティ、アラームなどに関連する、SS8と表示デバイス150との間のメッセージを処理及び交換し得る。特定の実施形態では、サーバシステム134はまた、SS8及び/又は表示デバイス150に記憶された情報を更新し得る。特定の実施形態では、サーバシステム134は、SS8及び又は表示デバイス150に/から情報をリアルタイムで又は散発的に送信/受信し得る。更に、特定の実施形態では、サーバシステム134は、SS8及び/又は表示デバイス150のためのクラウドコンピューティング能力を実装し得る。
【0035】
サーバシステム134はまた、SS8によって生成され、サーバシステム134に伝送される検体データを含む、患者データへのアクセスを提供する(データ管理システムの一部としての)ウェブサーバと通信し得る。例えば、ウェブサーバは、様々なデバイス上のウェブブラウザによって、患者及び医師によってアクセスされ得る。サーバシステム134はまた、患者のデータにアクセスするために患者又は医師のデバイス上にローカルにインストールされ得るソフトウェアアプリケーションによってアクセス可能であり得る。
【0036】
図1Bはまた、SS8の構成要素も更に詳細に例解する。示されるように、特定の実施形態では、SS8は、センサ電子機器モジュール12に結合された検体センサ10を含む。センサ電子機器モジュール12は、センサデータを処理及び管理するために検体センサ10に結合された、センサ測定回路13を含む。センサ測定回路13はまた、プロセッサ11にも結合され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ11は、センサ測定値を検体センサ10から取得及び処理するために、センサ測定回路13の機能の一部又は全部を実施し得る。プロセッサ11はまた、センサデータを記憶及び追跡するために、ストレージ14及びリアルタイムクロック(real time clock、RTC)17に結合され得る。加えて、プロセッサ11は、センサデータを送信し、表示デバイス150などの外部デバイスから要求及びコマンドを受信するための無線ユニット又は送受信機(transceiver、TRX)16を含む、接続インターフェース15に更に結合され得る。本明細書で使用される場合、送受信機という用語は概して、SS8がデータを(例えば、ワイヤレスに)伝送及び受信することを可能にするデバイス又はデバイスの集合を指す。SS8は、センサデータを記憶及び追跡するためのストレージ14及びリアルタイムクロック(RTC)17を更に含み得る。いくつかの実施形態では、センサ測定回路13がプロセッサ11の全ての機能を実行し得、その逆もまた同様であることが企図される。
【0037】
送受信機16は、SS8と、表示デバイス150及び/又はサーバシステム134などの他のデバイスとの間のワイヤレス通信を可能にするために必要なハードウェア及びワイヤレス通信プロトコルを用いて構成され得る。例えば、上で説明されるように、送受信機16は、表示デバイス150とのBluetooth又はBLE接続を確立するために必要なハードウェア及び通信プロトコルを用いて構成され得る。当業者が理解するように、そのような例では、必要なハードウェアは、Bluetooth若しくはBLEセキュリティマネージャ、及び/又はBluetooth若しくはBLE通信規格のために構成された他のBluetooth若しくはBLE関連ハードウェア/ソフトウェアモジュールを含み得る。SS8がサーバシステム134との独立した通信経路を確立するように構成されたいくつかの実施形態では、送受信機16は、サーバシステム134と接続するために、ネットワーク190へのワイヤレス接続を確立するために必要なハードウェア及び通信プロトコル(例えば、GSM、CDMA、LTE、VoLTE、3G、4G、5G通信プロトコルなどの長距離ワイヤレスセルラ通信プロトコル)で構成され得る。他の箇所で考察されるように、他の短距離プロトコルもまた、表示デバイス150とSS8との間の、NFC、RFIDなどの通信のために使用され得る。
【0038】
図1Bは、同様に、表示デバイス150の構成要素を更に詳細に例解する。示されるように、表示デバイス150は、接続インターフェース128、プロセッサ126、メモリ127、リアルタイムクロック(RTC)163、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提示するための表示部125、及びストレージ123を含む。バス(本明細書では図示せず)は、表示デバイス150の様々な要素を相互接続し、これらの要素間でデータを転送するために使用され得る。接続インターフェース128は、SS8からセンサデータを受信するため、かつ要求、命令、及び/又はデータをSS8並びにサーバシステム134に送信するために使用される送受信機(TRX)129を含む。送受信機129は、接続インターフェース128及び/又はバスを介して表示デバイス150の他の要素に結合される。送受信機129は、異なるワイヤレス規格上で動作可能な複数の送受信機モジュールを含み得る。例えば、送受信機129は、ネットワーク190とのワイヤレス通信経路を確立するためのワイヤレス通信プロトコル、及び/又はSS8とのワイヤレス通信経路180を確立するための低範囲ワイヤレス通信プロトコル(例えば、Bluetooth又はBLE)など、1つ以上の通信プロトコルで構成され得る。追加的に、接続インターフェース128は、場合によっては、ベースバンド及び/又はイーサネットモデム、オーディオ/ビデオコーデックなど、無線接続及び/又は有線接続を制御するための付加的な構成要素を含み得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、標準化された通信プロトコルが表示デバイス150とSS8との間で使用されるとき、データ符号化、伝送周波数、ハンドシェイクプロトコル、セキュリティなどの管理などの低レベルデータ通信機能を取り扱うための処理回路を組み込む、市販の送受信機回路が利用され得る。これらの実施形態では、表示デバイス150のプロセッサ126及び/又はSS8のプロセッサ11は、これらの動作を管理する必要がない場合があるが、代わりに、伝送のための所望のデータ値を提供し、電源投入又は電源切断、メッセージが伝送される速度を設定するなどの高レベル機能を管理する。これらの高レベル機能を実施するための命令及びデータ値は、送受信機129及び16の製造業者によって確立されたデータバス及び転送プロトコルを介して、送受信機回路に提供することができる。しかしながら、標準化通信プロトコルが送受信機129と16との間で使用されない実施形態では(例えば、標準化されていない又は修正されたプロトコルが使用されるとき)、プロセッサ126及び11は、それらのそれぞれの送受信機を制御及び管理するために、専用通信プロトコル(例えば、本明細書に説明される通信プロトコルのうちの1つ以上)に関連付けられた命令を実行するように構成され得る。加えて、標準化されていない又は修正されたプロトコルが使用される場合、カスタマイズされた回路を使用してそのようなプロトコルにサービスを提供し得る。
【0040】
プロセッサ126は、プロセッササブモジュールを含み得、プロセッササブモジュールには例として、表示デバイス150の他の要素(例えば、接続インターフェース128、検体センサアプリケーション121(以下、「センサアプリケーション121」)、表示部125、RTC163、メモリ127、ストレージ123など)とインターフェース接続し、かつ/又はこれらを制御するアプリケーションプロセッサが含まれる。特定の実施形態では、プロセッサ126は、例えば、利用可能なデバイス又は以前にペアリングされたデバイスのリスト、ネットワーク状態(例えば、リンク品質など)に関する情報、SS8と表示デバイス150との間で交換されるメッセージングのタイミング、タイプ、及び/又は構造に関する情報などを管理することなど、デバイス管理に関する機能を実施するように構成されている。プロセッサ126は、例えば、ユーザの指紋(例えば、データへのユーザのアクセスを認可するため、又は検体データを含むデータの認可/暗号化に使用されるため)、並びに検体データなどのユーザ入力を受信及び処理するように更に構成され得る。
【0041】
プロセッサ126は、論理回路、メモリ、バッテリ及び電力回路、並びに周辺構成要素及びオーディオ構成要素のための他の回路ドライバなどの回路を含み得る、かつ/又はそれらに結合され得る。プロセッサ126及びその任意のサブプロセッサは、表示デバイス150に受信及び/又は入力されたデータ、並びに表示デバイス150によって伝送又は送達されるデータを受信、処理、及び/又は記憶するための論理回路を含み得る。上で説明されるように、プロセッサ126は、バスによって表示部125、接続インターフェース128、ストレージ123などに結合され得る。したがって、プロセッサ126は、これらのそれぞれの要素によって生成された電気信号を受信及び処理し、したがって様々な機能を実施し得る。例として、プロセッサ126は、検体センサアプリケーション121の指示で、ストレージ123及びメモリ127から記憶された内容にアクセスし、表示部125によって表示されるために、記憶された内容を処理し得る。加えて、プロセッサ126は、記憶された内容を、接続インターフェース128を介してSS8及び/又はサーバシステム134に伝送するために処理し得る。表示デバイス150は、
図1Bに詳細に示されていない他の周辺構成要素を含み得る。
【0042】
特定の実施形態では、メモリ127は、検体センサアプリケーション121などのソフトウェアプログラム及びアプリケーションのためのデータ及び/又は命令を記憶するための、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)などの揮発性メモリを含み得る。表示部125は、オペレーティングシステム162及び/又は検体センサアプリケーション121に関連付けられたGUIを提示する。様々な実施形態では、ユーザは、表示部125上に提示される対応するGUIを介して、検体センサアプリケーション121と対話し得る。例として、表示部125は、タッチ入力を受け付けるタッチスクリーン表示部であり得る。検体センサアプリケーション121は、表示デバイス150によって受信される検体関連データを処理及び/又は提示し、表示部125を介して、そのようなデータを提示し得る。加えて、検体センサアプリケーション121を使用して、本明細書で更に詳細に説明されるように、検体データ並びにSS8(例えば、及び/又は表示デバイス150と通信可能に結合された任意の他の医療デバイス(例えば、インスリンポンプ又はペン))と関連付けられた関連メッセージング及びプロセスを取得、それらにアクセス、それらを表示、制御、及び/又はそれとインターフェース接続し得る。
【0043】
ストレージ123は、ソフトウェアプログラム、命令、データなどを記憶するための不揮発性ストレージであり得る。例えば、ストレージ123は、プロセッサ126を使用して実行されたときに、例えば、入力(例えば、従来のハード/ソフトキー若しくはタッチスクリーン、音声検出、又は他の入力機構による)を受信し、ユーザが表示部125を介して検体データ及び関連する内容と対話することを可能にする、検体センサアプリケーション121を記憶し得る。様々な実施形態では、ストレージ123はまた、ユーザ入力データ及び/又は表示デバイス150によって収集された他のデータ(例えば、検体センサアプリケーション121を介して集められた他のユーザからの入力)を記憶し得る。ストレージ123を更に使用して、SS8から受信された大量の検体データ(又は他の医療デバイス(例えば、インスリンポンプ、ペンなど)から受信された任意の他の医療データを、後の取り出し及び使用のために、例えば傾向を判定しアラートをトリガするために記憶し得る。
【0044】
上で説明されるように、SS8は、特定の実施形態では、検体センサ10から検体データを集め、収集されたデータの同じバージョン又は修正されたバージョンを表示デバイス150に伝送する。検体値に関するデータ点は、検体センサ10の寿命(例えば、1~30日以上の範囲)にわたって集められ、伝送され得る。新しい測定値は、血糖値を適切に監視するのに十分な頻度で伝送され得る。特定の実施形態では、SS8及び表示デバイス150の各々の伝送及び受信回路を連続的に通信させるのではなく、SS8及び表示デバイス150は、互いの間の通信チャネルを定期的及び/又は周期的に確立し得る。したがって、そのような実施形態では、SS8は、例えば、所定の時間間隔で表示デバイス150と通信し得る。所定の時間間隔の長さは、SS8が、必要とされるよりも頻繁にデータを伝送することによってあまりに多くの電力を消費しないように、十分な長さであるが、(例えば、表示部125を介した)ユーザへの出力のために、実質的にリアルタイムのセンサ情報(例えば、測定されたグルコース値又は検体データ)を表示デバイス150に提供するのに十分な頻度であるように選択することができる。所定の時間間隔は、いくつかの実施形態では5分ごとであるが、この時間間隔は、任意の所望の時間の長さになるように変更することができることが理解される。他の実施形態では、送受信機129及び16は、連続的に通信している場合がある。例えば、特定の実施形態では、送受信機129及び16は、それらの間にセッション又は接続を確立し、接続が失われるまで一緒に通信し続け得る。
【0045】
検体センサアプリケーション121は、表示デバイス150上にダウンロードされ、インストールされ、初期的に設定/セットアップされ得る。例えば、表示デバイス150は、ネットワーク、例えば、ネットワーク190を介して、サーバシステム134から、又はアプリケーションストアなどの別のソースから、検体センサアプリケーション121を取得し得る。インストール及びセットアップに続いて、検体センサアプリケーション121は、検体データに(例えば、サーバシステム134に記憶されているか、ストレージ123、SS8によりローカルに記憶されているか、又は任意の他のい医療デバイスにより記憶されているかにかかわらず)アクセスし、それを処理し、かつ/又はそれとインターフェース接続するように構成され得る。例として、検体センサアプリケーション121は、SS8、表示デバイス150、1つ以上の他の表示デバイス(例えば、表示デバイス110、130、140など)、及び/又はインスリンポンプなどの1つ以上の他のパートナデバイスの動作に関連して実行され得る、種々の制御又はコマンドを含む、メニューを提示し得る。例えば、検体センサアプリケーション121を使用して、例えば、検体データを他の表示デバイス及び/又はパートナデバイスから直接受信/それに直接送信することによって、かつ/又はSS8並びに接続される他の表示デバイス及び/又はパートナデバイスのための命令を送信することによってを含む、例えば検体データを他の表示デバイス及び/又はパートナデバイスに送達又は利用可能にするために、他の表示デバイス及び/又はパートナデバイスとインターフェース接続するか又はそれを制御し得る。
【0046】
上で考察されるように、本明細書の特定の実施形態は、患者データへのアクセスを提供するための、近接度に基づいた認証及び許可技法を含む。医療データへのアクセスを制御するデータ管理システムにおけるデータアクセス、認証、及び/又は許可において近接度を使用することは、いくつかの例示的な使用事例によって例解することができる。第1の使用事例は、デバイスを使用して患者自身のデータへのアクセスを取得することを望む患者が関与し得る。第2の使用事例は、診療所にいる患者のデータへのアクセスを取得することを望む、診療所の医師が関与し得る。
【0047】
第1の例示的な使用事例では、SS8を使用して自身の検体データを監視する患者は、SS8を使用して以前に生成された検体データを含む自身の長期医療データを見ることを望む場合がある。例えば、SS8は、サーバシステム134に(例えば、表示デバイス150を通して)周期的に伝送され、例えば、ストレージ136に記憶された検体データを生成するために、患者によって連続的に使用されている場合がある。
【0048】
次いで、患者は、表示デバイス(以下、「DD」)(例えば、表示デバイス120、130のうちのいずれか1つであり得る表示デバイス150、又は低範囲若しくは短範囲通信能力及びウェブブラウザを実行可能なオペレーティングシステムを伴うラップトップ若しくは任意の他のコンピューティングシステム)に手を伸ばし、ブラウザを使用して、サーバシステム134に記憶されているデータへのアクセスを制御するデータ管理システムに関連付けられたウェブサイトを立ち上げることに進み得る。本明細書に説明される実施形態では、DDは、患者の検体測定値を連続的に受信するためにSS8と常時通信している表示デバイスと異なっていても同じであり得ることに留意されたい。
【0049】
上記の例を続けると、患者は、SS8又は異なるセンサシステム(以前のSS)を用いて以前に生成された可能性がある自身の検体データ(及び/又はデータ報告)にアクセスするために、ウェブサイトを立ち上げる。データ管理システムは、オンプレミス又はクラウドベースのサーバ又はシステムであり得、DD上で実行されるブラウザを介したウェブ要求に応答してサーバシステム134に記憶されたデータへのアクセスを提供するように構成されたウェブサーバを含み得る。DDは、そのBluetooth、Bluetooth低エネルギ(BLE)(又は任意の他の低範囲通信構成要素)通信モジュール及びアンテナをオンにすることができ、SS8からのアドバタイズメントをスキャンすることができる。
【0050】
患者が自身のデータを見るためにウェブサイトにアクセスしようと試みるときに、ブラウザは、ウェブブラウザによって生成されるウェブ要求(例えば、HTTP/HTTPS GET要求)にSS識別可能データを挿入するように構成され得る。SS識別可能データはSS8を識別しており、データ管理システムに、データへのアクセスを要求している人物がSS8に近接しており、したがって信頼されるべきであることを示す。患者のSS8に関連付けられているものとしてウェブサーバ(又は他の構成要素若しくはデータ管理システム)によって検証することができる異なるタイプのSS識別可能データが、以下でより詳細に考察される。SS識別可能データが、データが要求されている患者に関連付けられたSSに属することをウェブサーバが検証すると、ウェブサーバは次に、データ要求へのアクセスを許諾し、ログインを実施し得る。このログインは、パスワードなしで達成され得るか、又は多因子認証を達成するためにパスワードを用いて行われ得る。
【0051】
SS識別可能情報をウェブ要求に挿入するようにウェブブラウザを構成するために、様々な技法のうちの1つが使用され得る。例えば、DDにローカルにインストールされたソフトウェアアプリケーションは、SSアドバタイズメントを受信しウェブブラウザと通信して、SS識別可能情報をウェブ要求に挿入するように構成され得る。別の例では、ウェブブラウザは、DDにおける低範囲通信スタックによって提供されるAPIと通信するように構成され得る。例えば、ウェブブラウザは、DDにおいてBLEスタックによって提供されるBLE APIと通信するように構成され得る。そのような例では、ウェブブラウザは、DDのBLEスタックからSS識別可能情報を直接受信し得る。特定の実施形態では、ウェブブラウザは、BLE APIを使用して、BLEスタックと継続的に通信し、BLEスタックによって受信され得る任意のBLEアドバタイズメントをスキャンするように構成され得る。
【0052】
患者を認証する方法としてSS8によってアドバタイズされたデータを使用することは、概して攻撃者がSS8のアドバタイズメント内にあるデータにアクセス又はそれを傍受することができないので、有利である。攻撃者が、患者のSS8のアドバタイズメントを見る(例えば、傍受する、リッスンするなど)ことができる範囲内にいない限り、患者自身のデータへの患者のアクセスは、安全なデータアクセスの形態であると考えることができる。
【0053】
このモデルでは、攻撃者が患者のデータへのアクセスを取得することができないであろう可能性を更に高めるために、複数の技法を使用し得る。例えば、攻撃者が近接しており、患者のSS8をリッスンしているだけである場合、攻撃者は、ウェブサイトを通じて患者のデータへの読み取りアクセスを得るであろう。そのため、患者のデータにアクセスする攻撃者の能力を低減するための1つの技法は、ウェブサイト上に患者のユーザ名(秘密ではないが、依然として正しい値を推測することを要求する)を要求することである。更に、特定の患者に対して、ウェブサイト上で、ユーザ名を試行することができる回数を制限することができる。
【0054】
攻撃者が患者のセンサシステムに近接していないときに攻撃者は患者のデータストリームにアクセスできないという仮定は、攻撃者が許容可能な近接範囲内にいないときに、攻撃者がSS8のアドバタイズメント内のSS識別可能データを推測又はブルートフォースすることができないという別の仮定に基づいている。したがって、本明細書に説明される特定の実施形態は、攻撃者がブルートフォースで含めることができないであろうSS識別可能情報を強制実施又は使用するための複数の方法を提案する。
【0055】
例えば、特定の実施形態では、識別可能なSS情報には、最後のN個の検体値(例えば、血中グルコース値)が含まれ得、ここで、Nは正の整数値である。ウェブサーバは、最新でありかつ最後のN個のグルコース値を含む、(例えば、ストレージ136に記憶された)患者の検体データへのアクセスを有するので、ウェブサーバは、患者の最後のN個のグルコース値を検証することが可能である。患者の検体データは、SS8によって生成及び提供され、ウェブサーバを含む、データ管理システムを含むか若しくはそれと通信するサーバシステム134に(例えば、直接、又は表示デバイス150上の検体センサアプリ121を通して)伝送されることに留意されたい。ウェブサーバが、患者のデータ内の最後のN個のグルコース値が、ウェブ要求の一部として受信されたSS8アドバタイズメント内の最後のN個のグルコース値と同じであると判定することができた場合、ウェブサーバは、患者データへのアクセスを許可する。
【0056】
別の例では、識別可能なSS情報は、最後のN個のRSSI値を含み得る。例えば、表示デバイス150上で実行される検体センサアプリ121は、5つのRSSI値を有する最後の5つの連続信号を受信しており、それらの値を患者データの一部としてサーバシステム134に伝送する場合がある。そのような例では、ウェブサーバが、患者のデータ内の最後のN個のRSSI値が、ウェブ要求の一部として受信されたSS8アドバタイズメント内の最後のN個のRSSI値と同じであると判定することができた場合、ウェブサーバは、患者データへのアクセスを許可する。
【0057】
別の例では、識別可能なSS情報は、容易にブルートフォースすることができないシークレット値を含み得る。例えば、シークレット値は、128ビット又は256ビットのランダムシークレットとすることができる。このシークレット値は、同様に、サーバシステム134内の患者のデータの一部として記憶され得、ウェブ要求の一部として受信されたSS8アドバタイズメント内のシークレット値と比較するためにウェブサーバによって使用され得る。
【0058】
特定の実施形態では、識別可能なSS情報は、SS8に関連付けられたBLEチップ固有情報を含み得る。BLEチップ固有情報は、例えば、SS8と表示デバイス150との間のペアリングプロセス中に患者データの一部として、サーバシステム134によって受信され得る。ウェブサーバは、ウェブ要求の一部として受信されたSS8アドバタイズメント内のBLEチップ固有情報に対する、患者データの一部として記憶されたBLEチップ固有情報であり得る。
【0059】
特定の実施形態では、識別可能情報は、患者が検体測定値を連続的に監視するために使用する、表示デバイス150上で実行される検体センサアプリケーション121に関連し得る。例えば、識別可能情報は、一意のアプリID、署名されたアプリ値などを含み得る。アプリ関連識別可能情報は、サーバシステム134内の患者のデータの一部として記憶され得、ウェブ要求の一部として受信されたSS8アドバタイズメント内の識別可能情報と比較するためにウェブサーバによって使用され得る。
【0060】
特定の実施形態では、識別可能情報は、患者が検体測定値を連続的に監視するために使用する特定の表示デバイス150に関連し得る。表示デバイス関連識別可能情報は、サーバシステム134内の患者データの一部として記憶され得、ウェブ要求の一部として受信されたSS8アドバタイズメント内の識別可能情報と比較するために、ウェブサーバによって使用され得る。
【0061】
特定の実施形態では、センサシステムアドバタイズメント内のデータが常に患者データセットへの1つのアクセスを与えないことを確実にするために、識別可能情報が期限切れになるように構成され得る。そのため、特定の実施形態では、識別可能情報は、経時的に変化するように構成される。これは多くの方法で達成することができる。例えば、最後のN個のグルコース値、又は最後のN個のRSSI値を識別可能情報として使用することは、識別可能情報が周期的に変化することを確実にする。
【0062】
変更することが保証され得ない識別可能情報(例えば、128ビット又は256ビットのランダムシークレット)の場合、SS8は、識別可能情報=関数(動的値、master_secret)のような何らかの関数を実施するように構成され得る。特定の実施形態では、関数は、SHA3又はAESなどの暗号ハッシュ関数である。識別可能情報は十分に長く、経時的に変化し、データ管理システムは、データ管理システムがmaster_secret及び識別可能情報を計算するために使用される関数へのアクセスを有する限り、計算された識別可能情報が有効であるかどうかを判定することができる。
【0063】
一例として、SS8は、識別可能情報=AES(nonce_counter,tx_master_key)を計算することができる。患者のデータへのアクセスを試みるDD(例えばラップトップ)は、識別可能情報を、ウェブ要求の一部としてウェブサーバに伝送する。tx_master_keyへのアクセスを有するデータ管理システムは、tx_master_keyを所有しているので、識別可能情報を計算することができる。したがって、データ管理システムは、それが所有するtx_master_keyをAES内のtx_master_keyと比較し、それらが同じである場合、患者のデータへのアクセスを許諾することができる。
【0064】
特定の実施形態では、識別可能情報は、設定可能であり得る特定の時間量(例えば、T=30分)の後に期限切れになり得る。識別可能情報が期限切れになると、DDは、SS8から新たな識別可能情報を得る必要がある。SS8は、例えば、T(例えば、30)分ごとに新たな識別可能情報を計算し得る。一例として、新たな識別可能情報は、識別可能情報=AES(nonce_counter+1,tx_master_key)の形式で計算することが可能である。
【0065】
特定の実施形態では、ワイヤレス通信範囲は、攻撃の可能性を低減するために(伝送電力を低減することによって)意図的に低減され得る。使用される距離又は無線プロトコルにかかわらず、攻撃者が伝送された信号からデータを受信することができる確率は、SS8に、より少ない伝送電力を使用させることによって低減させることができる。より少ない電力を使用することによって、攻撃者は、アドバタイズメントを受信するためにSS8にはるかに近くなければならず、2)SS8からの信号を聞くためにより良い機器を使用しなければならないであろう。
【0066】
特定の実施形態では、患者の情報にアクセスするための認証に必要とされるデータポイントの数は、更なるセキュリティのために増加され得る。したがって、識別可能情報の任意の2つ以上の方法又はタイプが、認証のための組み合わせとして使用され得る。
【0067】
上で考察されるように、データアクセス、認証、及び/又は許可において近接度が使用され得る第2の使用事例は、診療所にいる患者のデータへのアクセスを取得することを望む、診療所の医師が関与し得る。そのような例では、SS8を装着し表示デバイス150も所有している患者は、医師によって診察を受けるように予定される。場合によっては、患者のデータへのアクセスを医師に提供する1つの方法は、リンクをクリックすることによって医師に患者のデータを要求させ、それに応じて、検体センサアプリ121を使用して一意のコード、例えば、QRコードを生成及び表示するように患者に依頼することを伴い得る。医師は、自身のDDを使用して、QRコードデータをコピーし、そのデータを認証トークンとして使用することができる。しかしながら、このアプローチは、医師がデータへのアクセスを得るために、医師及び患者によって複数のアクション及び対話が実施されることを必要とする。
【0068】
したがって、特定の実施形態では、医師は、患者のデータにアクセスするために、DD(例えば、ラップトップ、iPad、iPhone、又はBluetooth若しくはBLE能力などのワイヤレス通信能力を伴って構成された、診療所における任意の他のモバイルデバイス)を使用して、ウェブサイトにアクセスし得る。ウェブサイトは、データ管理システムに関連付けられ得るか、又はデータ管理システムと通信するウェブサーバと通信し得る。第1の使用事例と同様に、第2のユーザ事例では、医師のDDは、患者のSS8によって伝送されるアドバタイズメントをスキャン及び/又は受信し、アドバタイズメント内の識別可能情報を、ウェブサイトにアクセスするためにウェブブラウザによって生成される、HTTP/HTTPS GET要求に挿入することが可能にされ得る。識別可能情報は、データ管理システムに、データへのアクセスを要求している人物がSS8に近接しており、したがって信頼されるべきであることを示す。患者のSS8に関連付けられているものとしてウェブサーバ(又は他の構成要素若しくはデータ管理システム)によって検証することができる異なるタイプのSS識別可能データが、上で考察された。
【0069】
SS識別可能情報をウェブ要求に挿入するようにウェブブラウザを構成するために、様々な技法のうちの1つが使用され得る。例えば、医師のDDにローカルにインストールされたソフトウェアアプリケーションは、SSアドバタイズメントをスキャン及び/又は受信しウェブブラウザと通信して、SS識別可能情報をウェブ要求に挿入するように構成され得る。別の例では、ウェブブラウザは、DDにおける低範囲通信スタックによって提供されるAPIと通信するように構成され得る。例えば、ウェブブラウザは、DDにおいてBLEスタックによって提供されるBLE APIと通信するように構成され得る。そのような例では、ウェブブラウザは、DDのBLEスタックからSS識別可能情報を直接受信し得る。特定の実施形態では、ウェブブラウザは、BLE APIを使用して、BLEスタックと継続的に通信し、BLEスタックによって受信され得る任意のBLEアドバタイズメントをスキャンするように構成され得る。
【0070】
特定の実施形態では、ウェブブラウザは、ある特定の患者がいつ来院するかを判定し、自動的に、患者のSS8から受信された識別可能情報並びにその日に来院するように予定された患者名のリストとともに、ウェブ要求をウェブサーバに送信するように構成され得る。例えば、医師のDDは、ソフトウェアを実行し得るか、又は、ある特定の日の間に来院が予定されている全ての患者の名前及び他の情報のリスト並びに来院の時間を有するウェブサイト若しくはシステムへのアクセスを有し得る。そのため、患者の予定された来院が終了すると、医師のDDは、その患者に関連付けられた識別可能情報を連続的又は周期的にスキャンすることができる。患者のSSが医師のDDにアドバタイズメントを送信するとき、DDは、ウェブ要求に、識別可能情報、並びに患者に関する何らかの二次情報(例えば、名前、住所などの公開情報)を挿入する。他方では、ウェブサーバは、(患者名に基づいて)患者に関連付けられた患者データをチェックして、ウェブ要求内で受信された識別可能なデータが患者データ内の識別可能な日付のいずれかと一致するかどうかを確認する。一致がある場合、ウェブサーバは患者のデータへのアクセスを提供する。そのような例では、医師又は患者のいずれかによる対話は必要とされない。
【0071】
特定の実施形態では、診療所に同時に2人以上の患者がいる可能性があり、その場合、医師のDDは、表示デバイス150が可聴音(例えば、特定の可聴音)を再生するために、次に来院が予定されている患者の表示デバイス150に要求を伝送し得る。次いで、医師のDDは、受信された特定の可聴音を判定するためのマイクロホンを有し得る。一致がある場合、医師のDDは、SSから受信されているアドバタイズメントが、次に来院予定の患者に属することを判定及び確認することができる。別の例では、医師のDDは、表示デバイス150が最後のN個のRSSI値をサーバシステム134に伝送するために、次に来院が予定されている患者の表示デバイス150に要求を伝送し得る。その例では、患者のSS8から受信されたアドバタイズメント内で受信されたSS識別可能情報は、同じN個のRSSI値を含み得る。次いで、ウェブサーバは、患者データ内のRSSI値とSS8アドバタイズメント内で受信されたRSSI値とを比較し、それらが一致する場合、医師にデータへのアクセスを許諾することができる。
【0072】
特定の実施形態では、第2の使用事例において、医師又はフォロワーのDDは、表示デバイス150によって(例えば、表示デバイス150上で実行されている検体センサアプリ121によって)ピックアップされ得るBLEメッセージを伝送し得る。メッセージは、DDがNヶ月間(例えば、24ヶ月間)患者のデータにアクセスすることを可能にするための要求であり得る。次に、表示デバイス150上で、患者は、DDが患者のデータにアクセスすることを許可する権限を患者に求めるポップアップウィンドウを見ることができる。患者が承認すると、表示デバイス150は、表示デバイス150が次のN=24ヶ月間の患者データを取り出すことを可能にする、シークレットトークン値を伝送する。これらの24ヶ月の終わりに、トークンはタイムアウトする。
【0073】
別の実施形態では、患者は、トークンの有効性の期間の長さを変更することができるが、これは、きめの細かいアクセス制御の複雑さを増大させる。別の実施形態では、アクセスを求めてラップトップを制御する人物(例えば、患者又は医師)は、N=12ヶ月又はN=60ヶ月を可能にするように要求を構成することができる。
【0074】
図2は、DD(例えば、
図1BのDD150)が、近接度に基づいた認証技法を使用して、サーバシステム(例えば、
図1Bのサーバシステム134)によって記憶された患者データへのアクセスを取得するための例示的なプロセス200のフロー図である。上で説明されるように、サーバシステムによって記憶された患者データは、患者の検体レベルを監視するために、SS(例えば、
図1A~
図1BのSS8)によって収集され、SSから受信されている場合がある。
【0075】
図2に描写されるように、プロセス200は、ブロック201において、DDがSSから1つ以上の通信を受信するときに始まる。いくつかの実施形態では、SSは、低範囲又は短範囲ワイヤレス通信ネットワークを介して1つ以上の通信を伝送する。上で説明されるように、低範囲ワイヤレス通信ネットワークは、Bluetooth、BLE、RFID、又はNFCのうちの少なくとも1つなど、1つ以上の低範囲/短範囲ワイヤレス通信プロトコルを使用し得る。いくつかの実施形態では、低範囲ワイヤレス通信ネットワークは、SSの閾値近傍内にあるデバイスのみが、SSによって低範囲ワイヤレス通信ネットワークを使用して伝送される通信を受信することができるように構成される。
【0076】
いくつかの実施形態では、低範囲ワイヤレス通信ネットワークは、通信プロトコルに関連付けられており、通信プロトコルは、データチャネルのセット及び通信チャネルのセットを定義する。データチャネルは、2つのデバイス間の接続を確立した後に、送信側デバイスから宛先デバイスへ(例えば、SSからDDへ)データを伝送するために使用することができる通信チャネルである。アドバタイズメント通信チャネルは、受信側デバイスとの(例えば、DDとの)接続を確立することなく、データを送信側デバイスから(例えば、SSから)ブロードキャストするために使用することができる通信チャネルである。いくつかの実施形態では、アドバタイズメントチャネルの周波数は、これらのチャネル上の無線干渉(例えば、近くのWi-Fiアクティビティからの干渉)を最小化するように選択される。例えば、BLEは、それぞれ2402MHz、2426MHz、及び2480MHzの周波数を有する3つの通信チャネルを使用する。BLEは、37個のデータチャネルを更に使用する。
【0077】
いくつかの実施形態では、SSは、低範囲又は短範囲ワイヤレス通信ネットワークに関連付けられた通信プロトコルのアドバタイズメントチャネルを使用して通信を伝送する。アドバタイズメントチャネルを使用して通信を伝送することは、アドバタイズメントチャネルがSSと任意の受信側デバイス(例えば、DD)との間の完全な接続を必要とせず、したがって、SSと受信側デバイスの両方についてのネットワーク接続オーバーヘッドを最小限に抑えるので、有利である。更に、アドバタイズメントチャネルの周波数は、これらのチャネル上のWi-Fiアクティビティなどの無線干渉を最小限に抑えるように選択され得るので、アドバタイズメントチャネルを使用することは、SSのWiFi対応型通信(例えば、SSとサーバシステムとの間のWi-Fi対応型通信又は他の近くのWi-Fi通信)に対するアドバタイズメントチャネル通信の影響を最小限に抑えることができる。
【0078】
ブロック202において、DDは、1つ以上の通信に基づいて決定された識別可能情報を、ウェブ要求に挿入する。いくつかの実施形態では、識別可能情報は、1つ以上の通信において記述される認証トークンを含む。いくつかの実施形態では、DDは、1つ以上の通信の計算された特徴に基づいて識別可能情報を決定する。
【0079】
いくつかの実施形態では、SSは、アドバタイズメントチャネル通信を介してホストの1つ以上の検体値を伝送するように構成された連続検体センサシステムである。そのような実施形態では、識別可能情報は、連続検体センサシステムによって伝送される定義された数(すなわち、N)の最新の検体値を含み得る。述べられた実施形態のうちのいくつかでは、アドバタイズメントチャネルを介してSSから伝送される各通信は、ホストの最新の検体値を記述し、識別可能情報は、最新のN個のアドバタイズメントチャネル通信に記述された検体値に基づいて決定される。したがって、いくつかの実施形態では、アドバタイズメントチャネル通信に基づいて識別可能情報を決定するために、DDは、(i)SSから最新のN個のアドバタイズメントチャネル通信を収集し、(ii)収集された通信によって報告された検体値を抽出し、かつ(iii)抽出された検体値に基づいて識別可能情報を決定する。いくつかの実施形態では、アドバタイズメントチャネル通信を使用してホストの検体値を伝送することに加えて、SSはまた、検体値を安全な接続を介してサーバシステムに伝送する。
【0080】
別の例として、いくつかの実施形態では、センサシステムは、表示デバイスに通信を連続的に伝送するように構成された連続センサシステムであり、1つ以上の通信は、連続センサシステムによって伝送される定義された数(N)の最新の通信を含む。述べられた実施形態のうちのいくつかでは、識別可能情報は、定義された数の最新の通信に対するRSSI値を含む。したがって、いくつかの実施形態では、識別可能情報を決定するために、SSは、(i)SSから最新のN個のアドバタイズメントチャネル通信を収集し、(ii)収集された通信のRSSI値を決定し、かつ(iii)決定されたRSSI値に基づいて識別可能情報を決定する。いくつかの実施形態では、SSはまた、アドバタイズメントチャネル通信のための受信信号強度インジケータ値を、安全な接続を介してサーバシステムに伝送する。
【0081】
いくつかの実施形態では、SSは、BLEチップを使用して、通信を伝送するように構成されており、識別可能情報は、BLEチップに関連付けられたチップ識別子データを含む。いくつかの実施形態では、SSのBLEチップのチップ識別子は、アドバタイズメントチャネルを使用してSSによって伝送される1つ以上の通信において記述される。いくつかの実施形態では、SSはまた、BLEチップのチップ識別子を、安全な接続を介してサーバシステムに伝送する。
【0082】
ブロック203において、DDは、識別可能情報を含むウェブ要求をサーバシステムに提供して、患者データへのアクセスを要求する。ブロック204において、サーバシステムがウェブ要求内の情報に基づいてDDを認証した場合、DDは患者へのアクセスを取得する。
【0083】
いくつかの実施形態では、ウェブ要求は、識別可能情報に加えて、表示デバイスによって維持される1つ以上のユーザ認証トークンフィールドを含む。いくつかの実施形態では、ウェブサーバは、(i)ウェブ要求内の識別可能情報がウェブサーバによって維持される識別可能情報と一致すること、及び(ii)ウェブ要求内の1つ以上のユーザ認証トークンフィールドが、サーバシステムによって維持される1つ以上のユーザ認証トークンフィールドと一致することを、ウェブサーバが検証した後、DDが患者データにアクセスすることを可能にする。
【0084】
本明細書に説明される近接度に基づいた認証技法の様々な利点に加えて、本明細書に説明される近接度に基づいた認証技法は、認証に使用される識別可能情報を伝送するためにコンピュータネットワークリソースをより効率的に利用することに留意されたい。例えば、以下で更に説明されるように、いくつかの実施形態は、システムの通常動作の一部として認証以外の理由によって伝送される通信(例えば、センサ出力通信)に基づいて認証を実施することを含む。そのような例では、そのような通信を伝送することは、受信デバイスが認証を実施することを可能にするのに十分である。したがって、そのような実施形態では、システムの通常動作の一部として伝送される通信に使用されるパケット/メッセージ以外に、新たなパケット/メッセージを使用して任意の追加の識別可能情報を伝送する必要がない。したがって、いくつかの実施形態は、システムに関連付けられたネットワークを介して伝送されるパケット/メッセージの総数を低減する。
【0085】
図3は、本明細書で開示される特定の実施形態による、患者に関連付けられた患者データへのアクセスを認可するように構成された例示的なコンピューティングデバイス300を描写するブロック図である。単一の物理デバイスとして描写されているが、実施形態では、コンピューティングデバイス300は、仮想デバイスを使用して、かつ/又はクラウド環境などのいくつかのデバイスにわたって実装され得る。例解されるように、コンピューティングデバイス300は、プロセッサ305、メモリ310、ストレージ315、ネットワークインターフェース325、及び1つ以上の入力/出力(input/output、I/O)インターフェース320を含む。例解される実施形態では、プロセッサ305は、メモリ310に記憶されたプログラミング命令を取り出し、実行するとともに、ストレージ315に常駐するデータを記憶し、取り出す。特定の実施形態では、メモリ310は、プロセッサ305によって実行されたときに、プロセッサ305にデータ管理システムの動作を実施させる命令(例えば、コンピュータ実行可能コード)を記憶するように構成される。
【0086】
プロセッサ305は、概して、単一の中央処理ユニット(central processing unit、CPU)及び/又はグラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、複数のCPU及び/又はGPU、複数の処理コアを有する単一のCPU及び/又はGPUなどを表す。メモリ310は、概して、ランダムアクセスメモリ(RAM)を表すために含まれる。ストレージ315は、ディスクドライブ、フラッシュベースのストレージデバイスなどの任意の組み合わせであり得、固定ディスクドライブ、リムーバブルメモリカード、キャッシュ、光ストレージ、ネットワーク接続ストレージ(network attached storage、NAS)、又はストレージエリアネットワーク(storage area network、SAN)などの固定及び/若しくはリムーバブルストレージデバイスを含み得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、I/Oデバイス335(キーボード、モニタなど)は、I/Oインターフェース320を介して接続することができる。更に、ネットワークインターフェース325を介して、コンピューティングデバイス300は、1つ以上の他のデバイス及び構成要素と通信可能に結合することができる。特定の実施形態では、コンピューティングデバイス300は、インターネット、ローカルネットワークなどを含み得るネットワークを介して他のデバイスと通信可能に結合される。ネットワークは、有線接続、無線接続、又は有線接続と無線接続の組み合わせを含み得る。例解されるように、プロセッサ305、メモリ310、ストレージ315、ネットワークインターフェース325、及びI/Oインターフェース320は、1つ以上の相互接続330によって通信可能に結合される。特定の実施形態では、コンピューティングデバイス300は、オンプレミスデータセンタ又はクラウド環境において実行されるサーバである。
【0088】
これらの非限定的な例の各々は、それ自体で独立することができるか、又は他の例のうちの1つ以上との様々な順列又は組み合わせにおいて組み合わせることができる。上記の発明を実施するための形態には、発明を実施するための形態の一部を構成する添付の図面への参照が含まれている。図面は、例解として、本発明を実施することができる具体的な実施形態を示している。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも称される。このような例は、図示又は説明される要素に加えて、要素を含み得る。しかしながら、本発明者らは、図示又は説明される要素のみが提供される例も企図している。更に、本発明者らは、特定の例(若しくはその1つ以上の態様)に関して、又は本明細書に図示又は説明される他の例(若しくはその1つ以上の態様)に関して、図示又は説明されるそれらの要素(若しくはその1つ以上の態様)の任意の組み合わせ又は順列を使用する例も企図している。
【0089】
本文書と参照することにより組み込まれるいずれかの文書との間で使用法が一致しない場合、本文書の使用法が優先される。
【0090】
本文書では、「a」又は「an」という用語は、特許文書で一般的であるように、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」の他の事例又は使用法とは無関係に、1つ、又は2つ以上を含むように使用される。本文書では、「又は」という用語は、別途示されていない限り、「A又はB」には「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、「A及びB」が含まれるように、非排他的なものを指すために使用されている。本文書では、「含む(including)」及び「ここで/式中(in which)」という用語は、それぞれの用語の平易な英語の同等語である「含む(comprising)」及び「ここで/式中(wherein)」として使用される。また、以下の請求項において、「含む(including)」及び「含む(comprising)」という用語は、オープンエンドであり、すなわち、ある請求項において、かかる用語の後に列記されたものに加えて要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、配合物、又はプロセスは、依然としてその請求項の範囲に含まれるものとみなされる。更に、以下の請求項において、「第1」、「第2」、及び「第3」などの用語は、単に標識として使用されており、その対象に数値的な要件を課すことを意図するものではない。
【0091】
「平行」、「垂直」、「円形」、「正方形」などの幾何学的用語は、文脈が別途示していない限り、絶対的な数学的精度を要求することを意図したものではない。代わりに、このような幾何学的用語は、製造又は同等の機能に起因する変動を許容する。例えば、ある要素が「円形」又は「概ね円形」として説明されている場合、正確には丸形ではない構成要素(例えば、わずかに楕円形であるか、又は多辺形の多角形であるもの)は、依然としてこの説明に包含される。
【0092】
本明細書に説明されている方法の例は、少なくとも部分的には機械又はコンピュータで実装することができる。いくつかの例は、上記の例において説明される方法を遂行するように電子デバイスを構成するように動作可能な命令でコード化されたコンピュータ可読媒体又は機械可読媒体を含むことができる。このような方法の実装形態は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高級言語コードなどのコードを含むことができる。そのようなコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読な命令を含むことができる。このコードは、コンピュータプログラム製品の一部を形成し得る。更に、例では、コードは、実行中又は他の時間などに、1つ以上の揮発性、非一時的、又は不揮発性の有形コンピュータ可読媒体に有形的に記憶することができる。これらの有形コンピュータ可読媒体の例としては、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスク及びデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカード又はスティック、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み取り専用メモリ(read only memory、ROM)などを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0093】
上記の説明は、例解的であることを意図したものであり、制限的なものではない。例えば、上記の例(又はその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。上記の説明を検討する際の当業者によるものなど、他の実施形態を使用することができる。要約は、米国特許法施行規則第1.72条(b)に準拠し、読者が技術的開示の性質を迅速に把握することを可能にするように提供されている。これは、請求項の範囲若しくは趣旨を解釈又は限定するために使用されるものではないことを理解した上で提出されている。また、上記の「発明を実施するための形態」では、様々な特徴を一緒にグループ化して、本開示を合理化することができる。これは、請求されていない開示された特徴がいずれの請求項にも不可欠であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴にあり得る。したがって、以下の請求項は、例又は実施形態として「発明を実施するための形態」に組み込まれており、各請求項は別個の実施形態として独立しており、そのような実施形態は、様々な組み合わせ又は順列で互いに組み合わせることができることが企図される。本発明の範囲は、添付の請求項を、そのような請求項が権利を有する均等物の全範囲と併せて参照して決定されるべきである。
【0094】
本明細書に開示された本方法は、本方法を達成するための1つ以上のステップ又は動作を含む。これらの方法ステップ及び/又は動作は、特許請求の範囲を逸脱することなく、互いに交換することができる。言い替えると、ステップ又は動作の特定の順番が別途指定されない限り、特定のステップ及び/又は動作の順番及び/又は使用は、特許請求の範囲を逸脱することなく、修正することができる。
【0095】
本明細書で使用される場合、項目リスト「のうちの少なくとも1つ」を指す句は、単独の部材を含むそれらの項目の任意の組み合わせを指す。例として、「a、b、又はcのうちの少なくとも1つ」とは、a、b、c、a-b、a-c、b-c、及びa-b-c、並びに複数の同じ要素の任意の組み合わせ(例えば、a-a、a-a-a、a-a-b、a-a-c、a-b-b、acc、b-b、b-b-b、b-b-c、c-c、及びc-c-c、又はa、b、及びcの任意の他の順序付け)を網羅することを意図している。
【0096】
先の説明は、当業者が、本明細書に記載される様々な態様を実施することを可能にするために提供される。これらの態様に対する様々な修正は、当業者にとって容易に明らかであり、本明細書に定義される一般的な原理は、他の態様に適用することができる。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示された態様に限定されることを意図されておらず、特許請求の範囲の言語と矛盾しない全範囲が対象とされるべきであり、そこでは、単数形の要素への言及は、別途記載されていない限り、「1つ及び1つのみ」を意味することを意図されず、むしろ「1つ以上」を意味することを意図されている。別途具体的に記述されていない限り、「いくつか」という用語は、1つ以上を指す。当業者にとって現在知られており、又は将来知られることになる、本開示全体にわたって説明される様々な態様の要素に対する全ての構造的及び機能的な等価物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、特許請求の範囲の中に包含されることが意図されている。更に、本明細書に開示されているいずれのものも、そのような開示が特許請求の範囲において明示的に列挙されているかどうかにかかわらず、公衆に捧げられることを意図されていない。いかなる請求項要素も、その要素が「のための手段」という句を使用して明示的に記載されていない限り、又は方法の請求項の場合には、その要素が「のためのステップ」という句を使用して列挙されていない限り、米国特許法第112条(f)項の規定の下で解釈されるべきではない。
【0097】
本発明の様々な例が上で説明されているが、それらは、単なる例として提示され、限定を目的として提示されていないことを理解されたい。同様に、様々な図は、本開示のための例示的なアーキテクチャ構成又は他の構成を描写し得、その構成は、本開示に含まれ得る特徴及び機能を理解することに役立つように行われる。本開示は、例解された例示的なアーキテクチャ又は構成に限定されないが、様々な代替的なアーキテクチャ及び構成を使用して実装することができる。更に、本開示は、様々な例示的な例及び態様に関して上で説明されているが、個々の例のうちの1つ以上に説明された様々な特徴及び機能は、それらの適用可能性において、それらが説明されている特定の例に限定されないことを理解されたい。代わりに、それらの特徴及び機能は、そのような例が説明されているかどうかにかかわらず、またそのような特徴が説明された例の一部として提示されているかどうかにかかわらず、本開示の他の例のうちの1つ以上に、単独で又は何らかの組み合わせで適用することができる。したがって、本開示の間口及び範囲は、上で説明される例示的な例のいずれによっても限定されるべきではない。
【0098】
本明細書に引用された全ての参考文献は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれた刊行物及び特許又は特許出願が、本明細書に含まれる本開示と矛盾する範囲では、本明細書は、かかるいかなる矛盾する材料にも取って代わり、かつ/又はそれに優先することが意図されている。
【0099】
別途定義されない限り、全ての用語(技術的用語及び科学的用語を含む)は、それらが当業者にとって通例的及び慣例的な意味与えられるべきものであり得、本明細書においてそのように明示的に定義されない限り、特別な又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。
【0100】
本出願で使用される用語及び句、並びにそれらの変形は、特に添付された特許請求の範囲において、別途明示的に記載されていない限り、限定することとは対照的に、オープンエンドとして解釈されるべきものである。前述の例としては、「含む」という用語は、「限定することなく含む」、「含むが、限定されない」など、を意味するように読み取られるべきである。本明細書で使用される場合の「備える(comprising)」という用語は、「含む(including)」、「含有する(containing)」、又は「によって特徴付けられる(characterized by)」と同義であり、包括的又はオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素又は方法ステップを除外しない。「有する」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきである。「含む」という用語は、「含むが、限定されない」と解釈されるべきである。「例」という用語は、考察における項目の例示的な事例を提供するために使用され、その事例の網羅的又は限定的な列挙ではない。「既知」、「通常」、「標準」などの形容詞、及び同様の意味の用語は、説明される項目を所与の期間に対して、又は所与の時点で利用可能な項目に対して限定するものとして解釈されるべきではなく、代わりに、現在又は将来の任意の時点で利用可能であるか又は既知である可能性がある既知の、通常の、又は標準の技術を包含するように読み取られるべきであり、「好ましくは」、「好ましい」、「所望の」、若しくは「望ましい」、及び同様の意味の語は、特定の特徴が発明の構造又は機能にとって重要であり、必須であり、更には重要であることを暗示するものではなく、代わりに、発明の特定の例において利用される場合又はされない場合がある代替的又は追加的な特徴を強調することを単に意図されているものと理解されるべきである。同様に、「及び」という接続詞で連結される項目のグループは、これらの項目のうちのいずれも全てがグループに存在することを要求するものとして読み取られるべきではなく、むしろ、別途明示的に記述されない限り、「及び/又は」として読み取られるべきである。同様に、「又は」という接続詞で連結される項目のグループは、当該グループ中で相互的な排他性を要求するものとして読み取られるべきではなく、むしろ、別途明示的に記述されない限り、「及び/又は」として読み取られるべきである。
【0101】
本明細書で使用される場合、「備える(comprising)」は、「含む(including)」、「含有する(containing)」、又は「によって特徴付けられる(characterized by)」と同義であり、包括的であるか、又はオープンエンドであり、追加又は非列挙の要素又は方法ステップを排除しない。
【0102】
本明細書で使用される成分、反応条件などの数量を表す全ての数字は、全ての場合において「約(about)」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、そうでないと示されない限り、本明細書に記載された数値パラメータは、取得することが求められていた所望の特性に応じて変化する可能性がある近似値である。最低限でも、本出願に対する優先権を主張する任意の出願における任意の請求項の範囲に対する均等論の適用を限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、有効桁数及び通常の丸め手法を考慮して解釈されるべきである。
【0103】
更に、上記は、明確さ及び理解の目的のため、例解図及び実施例によって、ある程度詳細に説明されているが、特定の変更及び修正が実施され得ることは、当業者にとって明らかである。したがって、説明及び実施例は、本発明の範囲を、特定の実施例、及び本明細書に説明される実施例に限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、本発明の真の範囲及び趣旨とともにもたらされる全ての修正例及び代替例も網羅するものとして解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0104】
8 検体センサシステム
10 検体センサ
11 プロセッサ
12 検体センサ電子機器モジュール
12 センサ電子機器モジュール
13 センサ測定回路
14 ストレージ
15 接続インターフェース
16 送受信機
17 リアルタイムクロック
100 疾患管理システム
110 表示デバイス
112 タッチスクリーン表示部
120 表示デバイス
121 検体センサアプリケーション
122 タッチスクリーン表示部
123 ストレージ
125 表示部
126 プロセッサ
127 メモリ
128 接続インターフェース
129 送受信機
130 表示デバイス
132 タッチスクリーン表示部
134 サーバ
135 サーバ
136 ストレージ
140 表示デバイス
150 表示デバイス
162 オペレーティングシステム
163 リアルタイムクロック
180 ワイヤレス通信経路
181 通信経路
182 通信経路
183 通信経路
190 ネットワーク
200 プロセス
201 ブロック
202 ブロック
203 ブロック
204 ブロック
300 コンピューティングデバイス
305 プロセッサ
310 メモリ
315 ストレージ
320 I/Oインターフェース
325 ネットワークインターフェース
330 相互接続
335 I/Oデバイス
【国際調査報告】