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特表2024-540797方位センサを有するエアロゾル発生装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】方位センサを有するエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20241029BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20241029BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512151
(86)(22)【出願日】2022-11-24
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 EP2022083092
(87)【国際公開番号】W WO2023094506
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】21210709.8
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブーフィギル, レイス スリマン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC34
4B162AD20
4B162AD40
(57)【要約】
エアロゾル発生装置(100)が開示されており、これは、装置の方位を検出するように構成された方位センサ(102)と、ユーザ入力を受け取るように構成されたユーザインタフェース(104)と、ユーザインタフェースを有効化又は無効化するように構成されたコントローラ(106)とを含む。コントローラは、装置の検出された方位が所定方位範囲内にあると判定された場合にはユーザ入力を受け入れるようにユーザインタフェースを有効化するように構成されている。コントローラは更に、検出された方位が所定方位範囲外にあると判定された場合にはユーザインタフェースを無効化するように構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
前記装置の方位を検出するように構成された方位センサと、
ユーザ入力を受け取るように構成されたユーザインタフェースであって、前記装置の加熱機能を動作させるように構成された前記ユーザインタフェースと、
前記装置の前記検出された方位が所定方位範囲内にあると判定された場合にはユーザ入力を受け入れるために前記ユーザインタフェースを有効化するように構成されたコントローラであって、前記検出された方位が前記所定方位範囲外にあると判定された場合には前記ユーザインタフェースを無効化するように更に構成された前記コントローラと、
を含むエアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記装置の前記検出された方位が所定時間にわたって前記所定方位範囲内にあると判定された場合にはユーザ入力を受け入れるために前記ユーザインタフェースを有効化するように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記ユーザインタフェースはボタンを含む、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記方位センサはジャイロスコープを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記所定方位範囲は、垂直軸を中心として画定された円錐の中に前記装置の長手軸が限定される方位を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記円錐と前記垂直軸とがなす角度は少なくとも60度、より好ましくは少なくとも80度である、請求項5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
マウスピースを更に含み、前記所定方位は前記マウスピースが上を向いている方位である、請求項5又は請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
消耗品を受け入れて加熱するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
開口部を更に含み、前記開口部は固体消耗品を受け入れるように構成されており、前記所定方位は、前記開口部が上を向いている方位である、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記コントローラは、前記検出された方位が前記所定方位範囲外にあると判定された場合には直ちに前記ユーザインタフェースを無効化するように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
エアロゾル発生装置を使用する方法であって、
方位センサを使用して前記装置の方位を検出するステップと、
前記装置の前記検出された方位が所定方位範囲内にあると判定された場合には、コントローラを使用して、ユーザ入力を受け入れるようにユーザインタフェースを有効化するステップであって、前記ユーザインタフェースは前記装置の加熱機能を動作させるように構成されている、前記有効化するステップと、
前記検出された方位が前記所定方位範囲外にあると判定された場合には、前記コントローラを使用して前記ユーザインタフェースを無効化するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
実行可能命令を含むコンピュータ可読メモリ媒体であって、前記実行可能命令は、コンピュータによって実行されると、
方位センサからのデータに基づいて前記装置の方位を特定するステップと、
前記装置の前記検出された方位が所定方位範囲内にあると判定された場合には、コントローラを使用して、ユーザ入力を受け入れるようにユーザインタフェースを有効化するステップであって、前記ユーザインタフェースは前記装置の加熱機能を動作させるように構成されている、前記有効化するステップと、
前記検出された方位が前記所定方位範囲外にあると判定された場合には、前記コントローラを使用して前記ユーザインタフェースを無効化するステップと、
を前記コンピュータに実施させる、コンピュータ可読メモリ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置に関する。特に、本発明は、安全性を向上させるための方位センサを有するエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
安全性向上及びエネルギ節約の機能を有する電子タバコ等のエアロゾル発生装置が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、これらの要件の幾つかに対処できるエアロゾル発生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によれば、エアロゾル発生装置が提供され、これは、装置の方位を検出するように構成された方位センサと、ユーザ入力を受け取るように構成されたユーザインタフェースと、装置の検出された方位が所定方位範囲内にあると判定された場合にはユーザ入力を受け入れるようにユーザインタフェースを有効化するように構成されたコントローラであって、検出された方位が所定方位範囲外にあると判定された場合にはユーザインタフェースを無効化するように更に構成されたコントローラと、を含む。
【0005】
このように、装置のユーザインタフェースを意図せず作動させることができないため、装置の安全性が向上している。ユーザインタフェースが入力を受け入れるのは、装置が特定の方位(好ましくは、通常使用に対応する標準的な方位)を向いているときだけである。従って、装置が通常使用に関連付けられた方位を向いていないとき(例えば、装置がユーザのバッグやポケットに入っているとき)に装置が意図せず操作される可能性が低減されている。有利なことに、装置は、ユーザインタフェースが無効化されても有効な状態のままであり、他の機能(例えば、Bluetoothでのユーザの電話機との通信)を実施し続けることが可能であるが、装置のユーザインタフェースは無効化されている。
【0006】
好ましくは、コントローラは、装置の検出された方位が所定時間にわたって所定方位範囲内にあると判定された場合にはユーザ入力を受け入れるようにユーザインタフェースを有効化するように構成されている。
【0007】
このように、ユーザインタフェースが入力を受け入れるのは、装置が特定の時間長にわたって特定の方位を向いたままであるとき(これはユーザの手中での通常使用を示しているとも言える)だけであるため、装置の安全性が更に向上している。装置が一時的に所定方位範囲内になったとしても、その時間が所定時間より短ければ装置は作動しない。これは、移動中のバッグに装置がしまわれている場合に起こりうることである。これによって、装置のエネルギ効率も向上しうる。一時的に所定方位範囲内になっただけでは装置は作動しないためである。
【0008】
好ましくは、ユーザインタフェースは、装置の加熱機能を動作させるように構成されている。このように、ユーザは、装置の加熱機能を使用してエアロゾルを発生させたいときにそれを指示することが可能であるが、それが可能であるのは、装置が所定方位範囲内にあるときだけである。これにより、装置の加熱機能を動作させるにはユーザが意識的な決断を行う必要があるため、装置の安全性が向上している。そのため、加熱機能が偶発的に動作する可能性は低い。
【0009】
好ましくは、ユーザインタフェースはボタンを含む。このように、ユーザは、装置を動作させるためには積極的に装置と関わる必要があり、それによって、装置がバッグやポケット等に入っているときに意図せず作動すること(これは押しボタンの場合には容易に起こりうる)の可能性が低減される。
【0010】
好ましくは、方位センサはジャイロスコープを含む。このようにして、装置の方位を正確に検出することが可能である。
【0011】
好ましくは、所定方位範囲は、装置の長手軸が、垂直軸を中心として画定された円錐の中に限定される方位を含む。このように、ユーザインタフェースが有効化されることが可能であるのは、目的の用途の方位と一致する可能性が最も高い方位を向いているときである。当然のことながら、ユーザは、多様な様式でエアロゾル発生装置を保持する可能性があり、状況が異なれば異なる様式で装置を保持する可能性がある。しかしながら、装置の目的の用途の大半は、装置の長手軸が、垂直軸を中心として画定された円錐の中にあるように装置が保持される場合に対応することが分かっている。
【0012】
円錐と垂直軸とがなす角度は、少なくとも20度、場合によっては少なくとも40度又は60度、最も好ましくは少なくとも80度であってよい。これは、非常に様々なユーザタイプに由来する様々な状況における様々な使用スタイルのほとんどに対応可能であることが分かっている。
【0013】
好ましくは、装置はマウスピースを含み、所定方位は、マウスピースが上を向いている方位である。この文脈では、「上を向いている」は、装置の長手軸が、水平方向の平面に対して上向きに傾斜しているように、マウスピースを貫通して延びていることを意味するものとする。これは、ほとんどのケースでは、使用時の装置の好ましい方位である。
【0014】
好ましくは、装置は、消耗品を受け入れて加熱するように構成されている。このように、装置は、複数のエアロゾル形成物質を加熱することに使用されてよい。消耗品は、燃焼させることなく加熱することが可能な固体又は半固体であってよいタバコ基材を含んでよい。代替シナリオでは、消耗品は、他の種類の基材を含んでよく、例えば、リザーバに保持された蒸発可能な液体基材を含んでよい。
【0015】
好ましくは、装置は開口部を含み、開口部は固体消耗品を受け入れるように構成されており、所定方位は、開口部が上を向いている方位である。このように、装置は、ユーザが装置に挿入可能な複数の固体エアロゾル形成物質を加熱することに使用されてよい。
【0016】
好ましくは、コントローラは、検出された方位が所定方位範囲外にあると判定された場合には直ちにユーザインタフェースを無効化するように構成されている。このように、ユーザが一服の終わりにそれ以上装置を動作させなくていいと思ったら、或いは装置の操作をうっかり誤ってしまったら、直ちにユーザインタフェースを無効化するように装置が構成されているため、装置の安全性が大幅に向上している。この文脈での「直ちに」は、設計によって意図的に引き起こされる遅延が全くないことを意味するものとする。
【0017】
本発明の別の態様によれば、エアロゾル発生装置を使用する方法が提供され、これは、方位センサを使用して装置の方位を検出するステップと、装置の検出された方位が所定方位範囲内にあると判定された場合には、コントローラを使用して、ユーザ入力を受け入れるようにユーザインタフェースを有効化するステップと、検出された方位が所定方位範囲外にあると判定された場合には、コントローラを使用してユーザインタフェースを無効化するステップと、を含む。
【0018】
本発明の更に別の態様によれば、実行可能命令を含むコンピュータ可読メモリ媒体が提供され、実行可能命令は、コンピュータによって実行されると、方位センサからのデータに基づいて装置の方位を特定するステップと、装置の検出された方位が所定方位範囲内にあると判定された場合には、コントローラを使用して、ユーザ入力を受け入れるようにユーザインタフェースを有効化するステップと、検出された方位が所定方位範囲外にあると判定された場合には、コントローラを使用してユーザインタフェースを無効化するステップと、をコンピュータに実施させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
ここからは、図面を参照しながら本発明の実施形態を例として説明していく。図面は以下のとおりである。
【0020】
図1】本発明の一実施形態における装置の概略図である。
図2】本発明の一実施形態における制御シーケンスを示すフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態における所定方位領域の概略図である。
図4】本発明の一実施形態における、装置が第1の方位を向いている場合の概略図である。
図5図4に示した装置が第2の方位を向いている場合の概略図である。
図6図4に示した装置が第3の方位を向いている場合の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の一実施形態におけるエアロゾル発生装置100の概略図である。エアロゾル発生装置100は、エアロゾル発生装置100の方位を検出するように構成された方位センサ102と、ユーザ入力を受け取ってエアロゾル発生装置100の構成要素を動作させるように構成されたユーザインタフェース104と、コントローラ106と、消耗品110を加熱するように構成されたヒータ108と、データストレージ媒体112と、エアロゾル発生装置100の構成要素に電力を供給するように構成されたバッテリ114とを含む。
【0022】
方位センサ102は、エアロゾル発生装置100の方位を検出するように構成されている。より具体的には、方位センサ102は、装置の長手軸が垂直軸となす角度を測定するように構成されている。
【0023】
当業者であれば理解されるように、方位センサ102は1つ以上のセンサを含んでよい。適切なセンサの例として、ジャイロスコープ、加速度計、磁気計、又はこれらの任意の組み合わせがあり、これらに限定されない。方位センサ102は、コントローラ106に論理的に接続されている。方位センサ102は、時系列方位データを示すデータの連続ストリームをコントローラ106に供給するように構成されている。方位センサ102から方位データが供給される頻度は一設計特性である。
【0024】
ユーザインタフェース104は、ユーザ入力を受け取ってエアロゾル発生装置100の構成要素を動作させるように構成されている。より具体的には、ユーザインタフェース104は、ヒータ108を動作させるように構成されている。ユーザインタフェース104は、ユーザ入力を受け取ることに適する任意のインタフェースを含む。適切なインタフェースの例として、ボタン、スイッチ、タッチスクリーン、又は他の任意の、ユーザからの認識可能入力を受け取る方法の任意の組み合わせがある。一般に、これらのようなユーザインタフェースは、ユーザのポケットやバッグに入っているときなどに偶発的に作動する可能性がある。
【0025】
コントローラ106は、方位センサ102からデータを受け取るように構成されており、ユーザインタフェース104を有効化又は無効化するように構成されている。コントローラ106は、計時機能を備えており、それによって、エアロゾル発生装置100が特定の方位を向いていた時間を測定することが可能である。コントローラ106は、好ましい実施形態ではマイクロコントローラである。
【0026】
ヒータ108は、消耗品110を加熱するように構成されており、消耗品110はエアロゾル発生物質を含む。エアロゾル発生物質は、燃焼させることなく加熱することが可能な固体又は半固体であってよいタバコ基材を含んでよい。代替シナリオでは、消耗品110は、他の種類の基材を含んでよく、例えば、リザーバに保持された蒸発可能な液体基材を含んでよい。
【0027】
エアロゾル発生装置100が非燃焼加熱式装置である場合、ヒータ108は更に、開口部から受け入れられた固体消耗品110を加熱するように構成されてよい。固体消耗品110は、刻みタバコを含んでよい。当該技術分野において知られている固体消耗品は、マウスピース部分を含んでよく、又はシンプルに、ユーザがそこからエアロゾルを吸入できる端部を含んでよい。
【0028】
ヒータ108は、電気抵抗ヒータ、対流ヒータ、誘導ヒータ、レーザヒータ、又は当該技術分野において知られている任意の加熱デバイスのいずれであってもよい。当業者であれば理解されるように、ヒータ108は、複数の加熱段階があってよく、例えば、予熱段階及び主加熱段階があってよい。ユーザインタフェース104は、ヒータ108を特定の加熱段階になるように作動させるように構成されている。
【0029】
データストレージ媒体112は、エアロゾル発生装置100の構成要素からのデータを格納するように構成されている。データストレージ媒体112は、RAM又はROMストレージデバイス、又は同様の、当業者に知られているデバイスを含んでよい。コントローラ106は、当該技術分野においてよく知られているデータストレージ媒体112を含んでよい。
【0030】
本発明の一実施形態では、データストレージ媒体112は、エアロゾル発生装置100の所定方位範囲、及び/又は、エアロゾル発生装置100が特定の方位を向いていなければならない所定時間に関するデータを格納するように構成されてよい。コントローラ106は、データストレージ媒体112に論理的に接続されており、データストレージ媒体112及び方位センサ102からのデータにアクセスするように構成されている。
【0031】
バッテリ114は、エアロゾル発生装置100の構成要素に電力を供給するように構成されている。バッテリ114は、交換可能なアルカリバッテリ、充電可能なリチウムイオンバッテリ、又は当業者に知られている同様のバッテリを含んでよい。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態における制御シーケンスを示すフローチャートである。ステップ202で、方位センサ102は、エアロゾル発生装置100の方位を検出する。方位センサ102は、時系列方位データを示すデータの連続ストリームをコントローラ106に供給するように構成されている。エアロゾル発生装置100の現在の方位に関するデータが、方位センサ102からコントローラ106にフィードされる。その方位データは、様々なフォーマットで与えられてよく、例えば、垂直軸を基準とする装置の長手軸の極座標で与えられてよく、或いはシンプルに、装置の長手軸と垂直軸とがなす角度で与えられてよい。
【0033】
ステップ204で、コントローラ106は、エアロゾル発生装置100の現在の方位に関するデータを方位センサ102から受け取る。コントローラ106は、データストレージ媒体112に格納されているデータを読み出すように構成されている。データストレージ媒体112は、好ましい動作範囲を含むデータを格納するように構成されている。
【0034】
図3は、本発明の一実施形態における所定方位範囲の概略図である。この例では、動作する好ましい方位範囲は、垂直軸(この場合はy軸)を中心として配置された円錐302の面が境界になっている。この例の円錐302は、垂直軸に対して80度の角度をなす。図3は、第1の方位例306を示しており、これは円錐302の中にあり、従って、所定方位範囲内にある。図3は又、第2の方位例304を示しており、これは円錐302の境界面の外側にあり、従って、所定方位範囲外にある。
【0035】
データストレージ媒体112に格納されているデータは、所定方位範囲302の境界を示している。これはシンプルに、角度を極座標系で格納するか、円筒座標系で格納するかという問題でありうる。図3の例では、円錐302がなす角度は80度であるが、代替実施形態では、その角度は60度、40度、又は20度であってよい。
【0036】
ステップ206で、コントローラ106は、エアロゾル発生装置100の検出された方位が所定方位範囲内にあるかどうかを、方位センサ102から受け取られた方位データと、データストレージ媒体112に格納されている所定方位範囲を含むデータと、の比較に基づいて判定するように構成されている。
【0037】
コントローラ106は、エアロゾル発生装置100の検出された方位が所定方位範囲内にないと判定した場合にはステップ208で直ちにユーザインタフェース104を無効化するように構成されている。この文脈での「直ちに」は、設計によって意図的に引き起こされる遅延が全くないことを意味するものとする。一旦無効化されると、ユーザは、ユーザインタフェース104にユーザ入力を与えることができず、エアロゾル発生装置100の構成要素を動作させることができない。ユーザインタフェース104が無効化されていても、装置全体としては有効のままであることが可能である。例えば、装置100は、他の処理動作に関しては有効であることが可能であり、他のサードパーティ装置(例えば、ユーザのスマートフォン)との通信は有効であることが可能である。それに対して、加熱機能を作動させることに使用されるユーザインタフェース104が無効化されていることが安全機能として有利である。
【0038】
図4は、本発明の一実施形態における、装置が第1の方位404を向いている場合の概略図である。第1の方位404では、エアロゾル発生装置100の方位は、所定方位範囲内にない。従って、コントローラ106は、この状況が検出されている場合にはユーザインタフェース104を無効化するように構成されている。
【0039】
コントローラ106がユーザ入力インタフェース104を無効化することは、例えば、コントローラ106がスイッチ(図示せず)を開いて、ユーザ入力インタフェース104からエアロゾル発生装置100の構成要素への信号の転送をさせないようにすることによって可能である。当業者であれば理解されるように、コントローラ106によるユーザ入力インタフェース104の所望の無効化を達成することには、当該技術分野において知られている様々な回路構成要素が使用されてよい。
【0040】
本発明の一代替実施形態では、方位センサ102は、エアロゾル発生装置100の方位が所定方位範囲外にあることが検出されたら直ちに警告データをコントローラ106に送るように構成されてよい。コントローラ106は、この警告データを受け取った後、短時間のうちにユーザ入力インタフェース104を無効化する。
【0041】
コントローラ106は、ステップ206で、エアロゾル発生装置100の検出された方位が所定方位範囲内にあると判定した場合には、ステップ210で、エアロゾル発生装置100が所定方位範囲内にあった時間を検出するように構成されている。従って、コントローラ106は、装置の方位が所定方位範囲内にあると判定したら直ちにタイマを起動してよい。
【0042】
図5及び図6は、図4に示した装置が、それぞれ、第2の方位506及び第3の方位606を向いている場合の概略図である。これらの方位のそれぞれにおいては、エアロゾル発生装置100の方位は所定方位範囲内にあり、従って、コントローラ106は、エアロゾル発生装置100が所定方位範囲内にあった時間を検出するように構成されている。これらの方位のそれぞれにおいては、エアロゾル発生装置100のマウスピース516及び616、即ち開口部は上を向いている(即ち、水平方向のx-z平面を貫通して延びる正のy方向を向いている)。開口部516、616は、非燃焼加熱式装置用タバコスティックを受けるように構成されている。
【0043】
コントローラ106は、ステップ212で、検出された時間を、データストレージ媒体112に格納されている所定時間と比較するように構成されている。ステップ214で、コントローラ106は、検出された時間が所定時間より長いかどうかを計算する。
【0044】
エアロゾル発生装置100が所定方位範囲内にある時間が所定時間より短かったとコントローラ106が計算した場合、コントローラ106は、ステップ208でユーザインタフェース104を無効化する(或いはユーザインタフェース104を無効化状態に保つ)。この状況では、ユーザは、ユーザインタフェース104にユーザ入力を与えることができず、エアロゾル発生装置100の構成要素を動作させることができない。このことにより、エアロゾル発生装置100が非燃焼加熱式装置である場合には、消耗品を偶発的に加熱することに装置が使用されないようにすることが可能になる。これは、消耗品が偶発的に加熱されてしまうと消耗品スティック及びバッテリエネルギが無用に浪費されることになるためである。
【0045】
エアロゾル発生装置100が所定方位範囲内にある時間が所定時間よりも長かったとコントローラ106が判定した場合、コントローラ106は、ステップ216でユーザインタフェース104を有効化する。この状況では、ユーザは、ユーザインタフェース104にユーザ入力を与えることができ、エアロゾル発生装置100の構成要素(例えば、ヒータ)を動作させることができる。
【0046】
コントローラ106がユーザ入力インタフェース104を有効化することは、例えば、コントローラ106がスイッチ(図示せず)を閉じて、ユーザ入力インタフェース104からエアロゾル発生装置100の構成要素への信号の転送を可能にすることによって可能である。当業者であれば理解されるように、コントローラ106によるユーザ入力インタフェース104の所望の有効化を達成することには、当該技術分野において知られている様々な回路構成要素が使用されてよい。
【0047】
ステップ216で、ユーザインタフェースが一旦有効化されたら、フローチャートはステップ202に戻り、それによって、方位センサ102はエアロゾル発生装置100の方位を検出することが可能である。ステップ202で方位センサ102から方位データが供給される頻度は一設計特性であり、幾つかの実施形態では1Hz前後であってよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】