(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】複数段階分別
(51)【国際特許分類】
B07C 5/10 20060101AFI20241029BHJP
G01N 23/223 20060101ALI20241029BHJP
G01N 21/71 20060101ALI20241029BHJP
B07C 5/342 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
B07C5/10
G01N23/223
G01N21/71
B07C5/342
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519723
(86)(22)【出願日】2022-02-17
(85)【翻訳文提出日】2024-05-28
(86)【国際出願番号】 US2022016869
(87)【国際公開番号】W WO2023055418
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520417713
【氏名又は名称】ソルテラ・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ナリン・クマール
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル・ジェラルド・ガルシア・ジュニア
【テーマコード(参考)】
2G001
2G043
3F079
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001BA04
2G001CA01
2G001JA09
2G001KA01
2G001LA02
2G001PA11
2G043AA01
2G043AA03
2G043BA01
2G043BA03
2G043EA10
2G043KA02
2G043LA03
2G043NA05
2G043NA16
3F079AB00
3F079BA13
3F079CA18
3F079CA20
3F079CA32
3F079CB25
3F079CC05
3F079DA12
(57)【要約】
材料分別システムは、各材料を識別または分類するために機械学習システムを利用して材料を分別し、さらに、レーザー誘起ブレークダウン分光法または蛍光X線を利用して材料のその後の分類および分別を実行するように実装することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なるクラスの材料を含む第1の材料混合物を取り扱うための装置であって、
前記第1の材料混合物のそれぞれの視覚的に観察された特性を捕捉するように構成された画像センサと、
前記捕捉された視覚的に観察された特性に基づいて、前記第1の混合物の第1の複数の材料を第1の材料クラスに属するものとして分類するために、予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットで構成されたニューラルネットワークを実装する機械学習システムを含むデータ処理システムであって、前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、前記第1の材料クラスに一意に関連付けられ、前記第1の材料クラスに属するものとして分類された前記第1の混合物の前記複数の材料は、前記第1の材料クラスに属するものとして分類されていない前記第1の混合物内の前記材料とは異なる化学組成を有する、データ処理システムと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記第1の材料クラスに一意に関連付けられた前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、前記第1の材料クラスの1つまたは複数のサンプルの捕捉された視覚的に観察された特性から生成された、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、ニューラルネットワークを実装する人工知能システムが、前記第1の材料クラスを表す材料の対照セットの視覚画像を処理する訓練段階で生成された、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、前記第1の材料クラスが有する前記化学組成を示す視覚的に識別可能な特性を表すように指定される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の材料クラスはロウトアルミニウム合金であり、前記装置は、
前記第1の混合物の前記第1の複数の材料の前記分類に応じて、前記第1の混合物の前記分類された第1の複数の材料を前記第1の混合物から分別するように構成された第1の分別機であって、前記第1の混合物の前記分類された第1の複数の材料を前記第1の分別機によって前記第1の混合物から前記分別することにより、前記第1の混合物から前記第1の混合物の前記分類された第1の複数の材料を差し引いた第2の材料混合物が生成され、前記第2の材料混合物は、複数の異なる鋳造アルミニウム合金を含む鋳造アルミニウム材料片を含む、第1の分別機と、
蛍光X線(「XRF」)システムであって、前記XRFシステムによって生成されたスペクトルデータに応じて、前記第2の混合物の第2の複数の材料を第1の特定の鋳造アルミニウム合金に属するものとして分類するように構成された、蛍光X線(「XRF」)システムと、
前記XRFシステムによる前記第2の混合物の前記第2の複数の材料の前記分類に応じて、前記第2の混合物の前記分類された第2の複数の材料を前記第2の混合物から分別するように構成された第2の分別機であって、前記第2の混合物から前記分類された第2の複数の材料を前記第2の分別機によって前記分別することにより、前記第2の混合物から前記第2の混合物の前記分類された第2の複数の材料を差し引いた第3の材料混合物が生成され、前記第3の混合物は、前記第1の特定の鋳造アルミニウム合金とは異なる第2の特定の鋳造アルミニウム合金に属する材料を含む、第2の分別機と、
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の材料混合物は鋳造アルミニウム合金とロウトアルミニウム合金を含み、前記第1の材料クラスはロウトアルミニウム合金であり、前記装置は、
前記第1の混合物の前記第1の複数の材料の前記分類に応じて、前記第1の混合物の前記分類された第1の複数の材料を前記第1の混合物から分別するように構成された第1の分別機であって、前記分類された第1の複数の材料は、第1および第2の異なるロウトアルミニウム合金を含む、第1の分別機と、
前記分類された第1の複数の材料のうちの第2の複数の材料を、前記第1および第2の異なるロウトアルミニウム合金のうちの1つに属するものとして分類するように構成されたレーザー誘起ブレークダウン分光法(「LIBS」)システムと、
前記LIBSシステムによる前記第2の複数の材料の前記分類に応じて、前記分類された第1の複数の材料から前記分類された第2の複数の材料を分別するように構成された第2の分別機と、
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
複数の異なるタイプの材料を含む第1の不均一材料混合物を取り扱うための方法であって、
前記第1の不均一材料混合物の各材料片の特性をセンサで捕捉するステップと、
予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットで構成されたニューラルネットワークを実装する人工知能システムを用いて、前記第1の不均一材料混合物の各材料片の前記捕捉された特性に基づいて、前記第1の不均一材料混合物のうちの特定のものに第1のタイプの材料に属するものとして第1の分類を割り当てるステップであって、前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、前記第1のタイプの材料に一意に関連付けられており、前記第1のタイプの材料に属するものとして割り当てられた前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものは、前記第1のタイプの材料に属するものとして割り当てられていない前記第1の不均一混合物内の前記材料とは異なる化学組成を有する、ステップと、
を含む、方法。
【請求項8】
前記第1の分類に応じて、前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものを前記第1の不均一混合物から分別するステップであって、前記分別により、前記第1の不均一材料混合物から前記第1の不均一材料混合物のうち前記分別された特定のものを差し引いた第2の不均一材料混合物が生成される、ステップと、
LIBSシステムを用いて、前記第2の不均一材料混合物のうちの特定のものに第2のタイプの材料に属するものとして第2の分類を割り当てるステップと、
前記第2の分類に応じて、前記第2の不均一混合物から前記第2の不均一材料混合物のうちの前記特定のものを分別するステップと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の分類に応じて、前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものを前記第1の不均一混合物から分別するステップであって、前記分別により、前記第1の不均一材料混合物から前記第1の不均一材料混合物のうち前記分別された特定のものを差し引いた第2の不均一材料混合物が生成される、ステップと、
XRFシステムを用いて、前記第2の不均一材料混合物のうちの特定のものに第2のタイプの材料に属するものとして第2の分類を割り当てるステップと、
前記第2の分類に応じて、前記第2の不均一混合物から前記第2の不均一材料混合物のうちの前記特定のものを分別するステップと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、前記第1のタイプの材料の対照サンプルの予め生成された分類から生成された、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記センサは、前記第1の不均一材料混合物の各材料片の視覚画像を捕捉して画像データを生成するように構成されたカメラであり、前記捕捉された特性は視覚的に観察された特性であり、前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、第1の材料クラスが有する前記化学組成を示す視覚的に識別可能な特性を表すように指定されている、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の不均一材料混合物は鋳造アルミニウム合金とロウトアルミニウム合金とを含み、前記第1のタイプの材料はロウトアルミニウム合金であり、前記方法は、
前記第1の分類に応じて、前記第1の不均一混合物から前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものを分別するステップであって、前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものは、第1および第2の異なるロウトアルミニウム合金を含む、ステップと、
レーザー誘起ブレークダウン分光法(「LIBS」)システムを用いて、前記第1の不均一材料混合物の前記特定のもののうちの複数の材料を、前記第1および第2の異なるロウトアルミニウム合金の1つに属するものとして分類するステップと、
前記LIBSシステムを用いて、前記複数の材料の前記分類に応じて、前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものから、前記分類された複数の材料を分別するステップと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のタイプの材料はロウトアルミニウム合金であり、前記方法は、
前記第1の分類に応じて、前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものを前記第1の不均一混合物から分別するステップであって、前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものを前記第1の不均一混合物から前記分別することにより、前記第1の不均一混合物から前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものを差し引いた第2の不均一材料混合物が生成され、前記第2の不均一材料混合物は、複数の異なる鋳造アルミニウム合金を含む鋳造アルミニウム材料片を含む、ステップと、
蛍光X線(「XRF」)システムを用いて、前記第2の不均一混合物のうちの特定のものを、前記XRFシステムによって生成されたスペクトルデータに応じて第1の特定の鋳造アルミニウム合金に属するものとして分類するステップと、
前記XRFシステムによる前記第2の不均一混合物のうちの前記特定のものの前記分類に応じて、前記第2の不均一混合物から前記第2の不均一混合物のうちの前記特定のものを分別するステップであって、前記第2の不均一混合物から前記第2の不均一混合物のうちの前記特定のものを前記分別することにより、前記第2の不均一混合物から前記第2の不均一混合物のうちの前記特定のものを差し引いた第3の材料混合物が生成され、前記第3の混合物は、前記第1の特定の鋳造アルミニウム合金とは異なる第2の特定の鋳造アルミニウム合金に属する材料を含む、ステップと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、ニューラルネットワークを実装する人工知能システムが、第1の材料クラスを表す材料の対照セットの視覚画像を処理する訓練段階で生成された、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、前記第1のタイプの材料が有する前記化学組成を示す視覚的に識別可能な特性を表すように指定される、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラム製品であって、データ処理システムによって実行されると、
第1の材料混合物のそれぞれの特性を受け取ることと、
予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットで構成されたニューラルネットワークを実装する人工知能システムを用いて、前記受け取った特性に基づいて、前記第1の混合物の第1の複数の材料に第1の分類を第1の材料クラスに属するものとして割り当てることであって、前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、前記第1の材料クラスに一意に関連付けられ、前記第1の材料クラスに属するものとして割り当てられた前記第1の混合物の前記第1の複数の材料は、前記第1の材料クラスに属するものとして割り当てられていない前記第1の混合物内の前記材料とは異なる化学組成を有する、ことと、
を含む処理を実行する、
コンピュータプログラム製品。
【請求項17】
前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、第1のタイプの材料の対照サンプルの予め生成された分類から生成された、請求項16に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
捕捉された前記特性は、カメラによって捕捉された視覚的に観察された特性であり、前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、前記第1の材料クラスが有する前記化学組成を示す視覚的に識別可能な特性を表すように指定されている、請求項16に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記第1の材料クラスは鋳造アルミニウム合金であり、前記コンピュータプログラム製品は、
前記第1の分類に応じて、前記第1の混合物から前記第1の混合物の前記第1の複数の材料を分別することを指示することであって、前記第1の混合物から前記第1の混合物の前記第1の複数の材料を前記分別することにより、第2の材料混合物が生成され、前記第2の材料混合物は、複数の異なるロウトアルミニウム合金を含むロウトアルミニウム材料片を含む、ことと、
レーザー誘起ブレークダウン分光法(「LIBS」)システムから、前記第2の混合物のうちの特定のものに第1の特定のロウトアルミニウム合金に属するものとして割り当てられた第2の分類を受け取ることと、
前記第2の分類に応じて、前記第2の混合物から前記第2の混合物のうちの前記特定のものを分別することを指示することであって、前記第2の混合物から前記第2の混合物のうちの前記特定のものを前記分別することにより、第3の材料混合物が生成され、前記第3の混合物は、前記第1の特定のロウトアルミニウム合金とは異なる第2の特定のロウトアルミニウム合金に属する材料を含む、ことと、
をさらに含む、請求項16に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記第1の材料クラスは鋳造アルミニウム合金であり、前記コンピュータプログラム製品は、
前記第1の分類に応じて前記第1の混合物から前記第1の混合物の前記第1の複数の材料を分別することを指示することであって、前記第1の複数の材料は複数の異なる鋳造アルミニウム合金を含む、ことと、
蛍光X線(「XRF」)システムから、前記XRFシステムによって生成されたスペクトルデータに応じて、第1の特定の鋳造アルミニウム合金に属するものとして前記第1の複数の材料のうちの特定のものに割り当てられた第2の分類を受け取ることと、
前記第2の分類に応じて、前記第1の複数の材料から前記第1の複数の材料のうちの前記特定のものを分別することを指示することであって、前記第1の複数の材料から前記第1の複数の材料を前記分別することにより、第2の材料混合物が生成され、前記第2の混合物は、前記第1の特定の鋳造アルミニウム合金とは異なる第2の特定の鋳造アルミニウム合金に属する材料を含む、ことと、
をさらに含む、請求項16に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許出願第17/491,415号に対する優先権を主張し、同出願は、米国特許出願第17/380,928号の一部継続出願であり、同出願は米国特許出願第17/227,245号の一部継続出願であり、同出願は米国特許出願第16/939,011号の一部継続出願であり、同出願は米国特許出願第16/375,675号(米国特許第10,722,922号として発行)の継続出願であり、同出願は米国特許出願第15/963,755号(米国特許第10,710,119号として発行)の一部継続出願であり、同出願は米国仮特許出願第62/490,219号に対する優先権を主張するものであり、同出願は米国特許出願第15/213,129号(米国特許第10,207,296号として発行)の一部継続出願であり、同出願は米国仮特許出願第62/193,332号に対する優先権を主張するものであり、これらのすべては参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
米国特許出願第17/491,415号は、米国特許出願第16/852,514号の一部継続出願でもあり、同出願は、2019年3月19日に出願された米国特許出願第16/358,374号(米国特許第10,625,304号として発行)の分割出願であり、これらの出願はいずれも参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
政府によるライセンス権
本開示は、米国エネルギー省から授与された助成金番号DE-AR0000422に基づく米国政府の支援を受けて行われた。米国政府は本開示に関して特定の権利を有し得る。
【0004】
本開示は、一般に材料の分別に関し、特に、複数段階の分別を利用した材料の分別に関する。
【背景技術】
【0005】
このセクションは、本開示の例示的な実施形態に関連する可能性のある技術の様々な側面を紹介することを目的としている。この議論は、本開示の特定の態様のより良い理解を促進する枠組みを提供するのに役立つと考えられる。したがって、このセクションはこの観点から読まれるべきであり、必ずしも先行技術を認めるものではないことを理解されたい。
【0006】
リサイクルとは、ゴミとして捨てられる材料を収集して処理し、新しい製品に変えるか、少なくともより適切な廃棄を可能にする処理である。埋め立て地および焼却炉に送られる廃棄物の量が減り、天然資源が節約され、国内の材料源を活用することで経済的安全性が高まり、新しい原材料を収集する必要性が減ることで汚染が防止され、エネルギーが節約されるため、リサイクルは地域社会と環境に利益をもたらす。収集後、リサイクル可能物は通常、材料回収施設に送られ、分別され、洗浄され、製造に使用できる材料に加工される。
【0007】
アルミニウム(Al)スクラップのリサイクルは、より高価な一次アルミニウムの骨の折れる抽出と比較して、製造に関連するエネルギーコストの最大95%を節約できるという点で、非常に魅力的な提案である。一次アルミニウムは、ボーキサイトなどのアルミニウム富化鉱石に由来するアルミニウムとして定義される。同時に、その軽量な特性により、自動車製造などの市場でアルミニウムの需要が着実に増加している。その結果、綿密に計画されてはいるがシンプルなリサイクル計画またはシステムを開発することで、アルミニウム産業は一定の経済性を得ることができる。リサイクル材料の使用は、アルミニウムの一次供給源よりも安価な金属資源となるであろう。自動車産業(およびその他の産業)に販売されるアルミニウムの量が増加するにつれて、一次アルミニウムの入手可能性を補うためにリサイクルアルミニウムを使用する必要性がますます高まるであろう。
【0008】
同様に、同じ合金族の混合アルミニウムスクラップは、無差別に混合された合金よりもはるかに価値が高いため、アルミニウムスクラップ金属を合金族に効率的に分離することが特に望ましい。例えば、アルミニウムのリサイクルに使用される混合方法では、類似または同じ合金で構成され、品質が安定しているいかなる量のスクラップも、混合アルミニウム合金で構成されるスクラップよりも価値が高くなる。このようなアルミニウム合金では、アルミニウムが常に材料の大部分を占める。ただし、銅、マグネシウム、シリコン、鉄、クロム、亜鉛、マンガン、その他の合金元素などの成分は、合金アルミニウムに様々な特性を与え、1つのアルミニウム合金を他のアルミニウム合金から区別する手段となる。
【0009】
アルミニウム協会は、アルミニウム合金の化学組成の許容限度を定義する機関である。アルミニウムロウト(wrought)合金の化学組成のデータは、アルミニウム協会によって「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」で公開されており、2015年1月に更新され、参照により本明細書に組み込まれる。一般的に、アルミニウム協会によると、ロウトアルミニウム合金の1xxxシリーズは、重量で最少でも99%のアルミニウム含有量を持つ純粋なアルミニウムで本質的に構成されており、2xxxシリーズは、主に銅(Cu)と合金化されたロウトアルミニウムであり、3xxxシリーズは、主にマンガン(Mn)と合金化されたロウトアルミニウムであり、4xxxシリーズは、シリコン(Si)と合金化されたロウトアルミニウムであり、5xxxシリーズは、主にマグネシウム(Mg)と合金化されたロウトアルミニウムであり、6xxxシリーズは、主にマグネシウムおよびシリコンと合金化されたロウトアルミニウムであり、7xxxシリーズは、主に亜鉛(Zn)と合金化されたロウトアルミニウムであり、8xxxシリーズは種々雑多なカテゴリである。
【0010】
アルミニウム協会には、鋳造アルミニウム合金に関する同様の文書もある。鋳造アルミニウム合金の1xxシリーズは、重量で最少でも99%のアルミニウム含有量を持つ純粋なアルミニウムで本質的に構成されており、2xxシリーズは、主に銅と合金化された鋳造アルミニウムであり、3xxシリーズは、主にシリコンと銅および/またはマグネシウムと合金化された鋳造アルミニウムであり、4xxシリーズは、主にシリコンと合金化された鋳造アルミニウムであり、5xxシリーズは、主にマグネシウムと合金化された鋳造アルミニウムであり、6xxシリーズは未使用のシリーズであり、7xxシリーズは、主に亜鉛と合金化された鋳造アルミニウムであり、8xxシリーズは、主に錫と合金化された鋳造アルミニウムであり、9xxシリーズは、他の元素と合金化された鋳造アルミニウムである。自動車部品に使用される鋳造合金の例には、380、384、356、360、および319などがある。例えば、リサイクルされた鋳造合金380および384は、車両のエンジンブロック、トランスミッションケースなどの製造に使用できる。リサイクルされた鋳造合金356はアルミニウム合金ホイールの製造に使用できる。また、リサイクルされた鋳造合金319はトランスミッションブロックの製造に使用できる。
【0011】
一般に、ロウトアルミニウム合金は鋳造アルミニウム合金よりもマグネシウム濃度が高く、鋳造アルミニウム合金はロウトアルミニウム合金よりもシリコン濃度が高くなる。
【0012】
さらに、スクラップ本体内に異なる合金の断片が混在しているため、再溶解する前に異なる合金(または少なくとも、アルミニウム協会によって指定されたものなど、異なる組成族に属する合金)を分離できない限り、スクラップを有効にリサイクルする能力が制限される。これは、複数の異なる合金組成または組成族が混在したスクラップを再溶解すると、得られた溶融混合物には、特定の市販合金に必要な組成制限を満たすには高すぎる割合の主合金と元素(または異なる組成)とが含まれるからである。
【0013】
また、フォードF-150ピックアップの生産・販売により、スチールに代わりアルミニウム製の車体やフレーム部品が大幅に増加したことからも分かるように、さらに、アルミニウム板から自動車部品を製造する際に発生するものを含む金属板スクラップ(例えば、特定の合金組成のロウトアルミニウム)をリサイクルすることが望ましい。スクラップのリサイクルには、スクラップを再溶解して、鋳造および/または圧延することにより、そのような車両のさらなる生産に役立つアルミニウム部品にすることができる溶融金属の本体を提供することが含まれる。しかし、自動車製造スクラップ(ならびに航空機、商業用および家庭用電化製品などの他の供給源からの金属スクラップ)には、ロウト片と鋳造片のスクラップ片、および/または実質的に組成が互いに異なる2つ以上のアルミニウム合金の混合物が含まれることがよくある。したがって、アルミニウム合金技術の当業者は、アルミニウム合金、特に鋳造、鍛造、押出、圧延、および一般にロウト合金などの加工された合金を、再利用可能なまたはリサイクル可能な加工製品に分離することの困難さを理解するであろう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Krizhevsky他、「ImageNet Classification with Deep Convolutional Networks」、第25回神経情報処理システム国際会議議事録、2012年12月3~6日、ネバダ州レイクタホ
【非特許文献2】LeCun他、「Gradient-Based Learning Applied to Document Recognition」、IEEE論文集、電気電子学会(IEEE)、1998年11月
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示の様々な詳細な実施形態が本明細書に開示される。ただし、開示された実施形態は本開示の単なる例示であり、様々な代替形態で具体化され得ることを理解されたい。数値は必ずしも正確な縮尺ではなく、特定の構成要素の詳細を示すために、一部の機能が誇張されたり、最小化されたりする場合がある。したがって、本明細書に開示される特定の構造および機能の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、本開示の様々な実施形態を使用することを当業者に教示するための代表的な基礎としてのみ解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の実施形態に従って構成された分別システムの概略図である。
【
図2】鋳造アルミニウムからの例示的な材料片の視覚的画像を示す図である。
【
図3】アルミニウム押出材からの例示的な材料片の視覚的画像を示す図である。
【
図4】ロウトアルミニウムからの例示的な材料片の視覚的画像を示す図である。
【
図5】本開示の実施形態に従って構成されたフローチャートを示す図である。
【
図6】本開示の実施形態に従って構成されたフローチャートを示す図である。
【
図7A】本開示の特定の実施形態による材料を分別するためのシステムおよび処理を示す図である。
【
図7B】本開示の特定の実施形態による材料を分別するためのシステムおよび処理を示す図である。
【
図8】本開示の実施形態に従って構成されたデータ処理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書で使用される場合、「化学元素」とは、本出願の出願日以降に発見される可能性のある化学元素を含む、化学元素の周期表の化学元素を意味する。本明細書で使用される「材料」には、1つまたは複数の化学元素の化合物もしくは混合物、または化学元素の化合物もしくは混合物の化合物もしくは混合物から構成される固体が含まれていてもよく、化合物または混合物の複雑さは、単純なものから複雑なものまでおよび得る(本明細書では、そのすべてを特定の「化学組成」を有する材料とも呼ぶ場合がある)。材料のクラスには金属(鉄および非鉄)、金属合金、プラスチック(PCB、HDPE、UHMWPE、および様々な色のプラスチックを含むがこれらに限定されない)、ゴム、発泡体、ガラス(ホウケイ酸ガラスまたはソーダ石灰ガラス、および様々な色ガラスを含むがこれらに限定されない)、セラミック、紙、ボール紙、テフロン(登録商標)、PE、束線、絶縁被覆線、希土類元素、葉、木材、植物、植物の一部、繊維、バイオ廃棄物、包装、電子廃棄物、バッテリーおよび蓄電池、使用済み車両、鉱山、建設、解体廃棄物、作物廃棄物、森林残渣、目的栽培の草、木質エネルギー作物、微細藻類、都市部の食品廃棄物、食品廃棄物、有害な化学廃棄物および生物医学廃棄物、建設廃材、農場廃棄物、生物起源の物品、非生物起源の物品、ある炭素含有量を有する物体、都市固形廃棄物内で見つかる可能性のある他のあらゆる物体、ならびに互いに区別できる前述のいずれかのさらなるタイプまたはクラスを含み、本明細書で開示されるセンサ技術のいずれかを含むがこれらに限定されない、1つまたは複数のセンサによるものを含むがこれに限定されない、本明細書に開示される他のあらゆる物体、物品、または材料、が含まれ得る。本明細書で使用する「アルミニウム」という用語は、アルミニウム金属およびアルミニウムをベースとした合金、つまり重量で50%を超えるアルミニウムを含む合金(アルミニウム協会によって分類されたものを含む)を指す。本開示内では、「スクラップ」、「スクラップ片」、「材料」、「材料片」、および「断片」という用語は同じ意味で使用される場合がある。本明細書で使用される場合、金属合金組成を有すると呼ばれる材料片またはスクラップ片は、他の金属合金とは区別される特定の化学組成を有する金属合金である。
【0018】
Institute Of Scrap Recycling Industries, Inc.が公布した非鉄スクラップに関するガイドラインに定義されているように、「ゾルバ(Zorba)」という用語は、使用済み車両(「ELV: end-of-life vehicles」)または廃電子電気機器(「WEEE: waste electronic and electrical equipment」)に由来する非鉄金属を含むがこれらに限定されない、細断された非鉄金属の総称である。米国のInstitute Of Scrap Recycling Industries, Inc. (「ISRI」)は、Zorbaの仕様を策定した。Zorbaでは、各スクラップ片は、元素または合金(固体)の形で、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、ステンレス鋼、ニッケル、錫、亜鉛などの非鉄金属の組み合わせで構成され得る。さらに、「ツイッチ(Twitch)」とは、破片状のアルミニウムスクラップを意味するものとする。Twitchは、より重い金属スクラップ片が沈むため、アルミニウムスクラップが上に浮き上がるフロート処理によって発生する可能性がある(例えば、一部の処理では、スクラップを浸す水の密度を変えるために砂を混ぜることがある)。
【0019】
本明細書で使用される場合、「識別する」および「分類する」という用語、ならびに「識別」および「分類」という用語、ならびにそれらの派生形は、同じ意味で使用される場合がある。本明細書で使用される場合、材料片を「分類する」とは、その材料片が属する材料のタイプまたはクラスを決定することを意味する。例えば、本開示の特定の実施形態によれば、視覚システムまたはセンサシステム(本明細書でさらに説明する)は、材料を分類するためのあらゆるタイプの情報を収集するように構成することができ、分類は、色、質感、色相、形状、明るさ、重量、密度、化学組成、サイズ、均一性、製造タイプ、化学的特徴、放射性の特徴、光、音、またはその他の信号の透過率、材料片の放射および/または反射電磁放射(「EM: electromagnetic radiation」)を含む、様々な分野などの刺激に対する反応を含むが、これらに限定されない1つまたは複数の物理的および/または化学的特性(例えば、ユーザ定義可能)のセットに応じて材料片を選択的に分別するために、分別システム内で利用できる。
【0020】
材料のタイプまたはクラス(つまり、分類)はユーザが定義可能であり、既知の材料分類に限定されない。タイプまたはクラスの粒度は、非常に粗いものから非常に細かいものまである。例えば、タイプまたはクラスには、粒度が比較的粗いタイプまたはクラスのプラスチック、セラミック、ガラス、金属、および他の材料、例えば、粒度がより細かいタイプまたはクラスの亜鉛、銅、真鍮、クロム板、アルミニウムなどの様々な金属および金属合金、または、粒度が比較的細かいタイプまたはクラスの特定のタイプのプラスチック間、が含まれ得る。したがって、タイプまたはクラスは、例えばプラスチックと金属合金などの著しく異なる化学組成の材料を区別するように、または例えば異なるタイプの金属合金などのほぼ同一の化学組成の材料を区別するように構成することができる。本明細書で議論される方法およびシステムは、分類される前に化学組成が完全に不明である材料を正確に識別/分類するために適用できることを理解されたい。
【0021】
本明細書で使用する場合、「製造タイプ」とは、ロウト処理、鋳造(消耗型鋳造、永久型鋳造、および粉末冶金を含むがこれらに限定されない)、鍛造、材料除去処理、押出などによって形成された金属部品など、材料片内の材料が製造された製造処理のタイプを指す。
【0022】
本明細書で言及する「コンベヤシステム」とは、航空機械式コンベヤ、自動車コンベヤ、ベルトコンベヤ、ベルト駆動ライブローラコンベヤ、バケットコンベヤ、チェーンコンベヤ、チェーン駆動ライブローラコンベヤ、ドラッグコンベヤ、防塵コンベヤ、電動軌道車両システム、フレキシブルコンベヤ、重力コンベヤ、重力スケートホイールコンベヤ、ラインシャフトローラコンベヤ、電動駆動ローラコンベヤ、オーバーヘッドIビームコンベヤ、オーバーランドコンベヤ、医薬品コンベヤ、プラスチックベルトコンベヤ、空気圧コンベヤ、スクリュまたはオーガコンベヤ、スパイラルコンベヤ、管状ギャラリーコンベヤ、垂直コンベヤ、振動コンベヤ、および金網コンベヤ、を含むがこれらに限定されない、材料をある場所から別の場所に移動させる任意の既知の機械的取扱い機器であってもよい。
【0023】
本開示の特定の実施形態による本明細書に記載の材料分別システムは、複数の材料片の不均一混合物を受け取り、この不均一混合物内の少なくとも1つの材料は、1つまたは複数の他の材料とは異なる元素の組成(例えば、金属合金組成)を含む。本開示のすべての実施形態は、本明細書で定義される任意のタイプまたはクラスの材料を分別するために利用され得るが、本開示の特定の実施形態は、アルミニウム合金材料片を含む金属合金材料片、ならびにロウト、押出、および/または鋳造アルミニウム合金材料片の間を含む金属合金材料片を分別するために以下に説明される。
【0024】
分別される材料のサイズや形状が不規則である場合があることに留意されたい(例えば、
図6~
図8を参照)。例えば、そのような材料(例えば、Zorbaおよび/またはTwitch)は、材料を、その後、コンベヤシステムに供給または方向転換され得るそのような不規則な形状およびサイズの断片に細断する(スクラップ片を生成する)ある種のシュレッダ機構を事前に通過していてもよい。
【0025】
本開示の実施形態は、本明細書では、ユーザ定義のグループ化または集合(材料タイプの分類など)に応じて、材料片を別個の容器(receptacle)もしくはビン、または別のコンベヤシステム上に物理的に堆積する(例えば、排出または方向転換する)ことによって、材料片をそのような別個のグループまたは集合に分別するものとして説明される。一例として、本開示の特定の実施形態では、材料片は、特定の化学組成(単数または複数)で構成される材料片を、異なる特定の化学組成で構成される他の材料片から分離するために分別され得る。
【0026】
さらに、本開示の特定の実施形態は、アルミニウム協会が発行するアルミニウム合金シリーズの1つに該当する化学組成を有する実質的にすべてのアルミニウム合金材料片が単一のビン(例えば、ビンは1つまたは複数の特定のアルミニウム合金シリーズ(例えば、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、100、200、300、400、500、600、700、800、900)に対応していてもよい)に分別されるように、アルミニウム合金材料片を別個のビンに分別することができる。さらに、本明細書で説明するように、本開示の特定の実施形態は、たとえそのような合金組成が同じアルミニウム協会シリーズに該当する場合であっても、合金組成の分類に応じてアルミニウム合金材料片を別個のビンに分別するように構成することができる。結果として、本開示の特定の実施形態による分別システムは、すべてが単一のアルミニウム合金シリーズ(例えば、300シリーズまたは500シリーズ)に分類される組成を有するアルミニウム合金材料片を、アルミニウム合金組成に応じて別個のビンに分類および分別することができる。非限定的な例では、本開示の特定の実施形態は、鋳造アルミニウム合金319として分類されるアルミニウム合金材料片を、鋳造アルミニウム合金380として分類されるアルミニウム合金材料片から分離して、別個のビンに分類および分別することができる。
【0027】
図1は、材料を自動的に分類/分別するために本開示の様々な実施形態に従って構成されたシステム100の例を示す。コンベヤシステム103は、個々の材料片101をシステム100を通して搬送するように実装され得、それにより、個々の材料片101のそれぞれを追跡し、分類し、および/または所定の所望のグループまたは集合に分別することができる。このようなコンベヤシステム103は、材料片101が典型的には所定の一定速度で移動する1つまたは複数のコンベヤベルトを用いて実装され得る。ただし、本開示の特定の実施形態は、本明細書に開示されているように他のタイプのコンベヤシステムで実装されてもよい。以下、該当する場合、コンベヤシステム103はコンベヤベルト103とも呼ばれ得る。1つまたは複数の実施形態では、伝達、刺激、検出、分類、および分別する動作の一部またはすべては、自動的に、すなわち人間の介入なしに実行されてもよい。例えば、システム100では、1つまたは複数の刺激源、1つまたは複数の放射検出器、分類モジュール、分別装置、および/または他のシステム構成要素は、これらおよび他の操作を自動的に実行するように構成され得る。
【0028】
さらに、
図1の図はコンベヤベルト103上の材料片101の単一の流れを示しているが、本開示の実施形態は、複数のそのような材料片の流れがシステム100の様々な構成要素を互いに並行して通過するか、または、コンベヤシステム(例えば、コンベヤベルト103)上にランダムに堆積された材料片の集合が、システム100の様々な構成要素を通過するように実装され得る。したがって、本開示の特定の実施形態は、複数のそのような並行して移動する材料片の流れ、またはコンベヤシステム(ベルト)上にランダムに堆積された材料片を同時に追跡、分類、および/または分別することができる。それにもかかわらず、本開示の実施形態によれば、材料片を追跡、分類、および/または分別するために材料片101のシンギュレーションは必要とされない。
【0029】
コンベヤベルト103は、コンベヤベルト103を所定の速度で移動させるのに適した従来の駆動モータ104を使用する従来のエンドレスベルトコンベヤであってもよい。本開示の特定の実施形態によれば、ある種の適切なフィーダ機構を利用して、材料片101をコンベヤベルト103上に供給することができ、それにより、コンベヤベルト103は、材料片101をシステム100内の様々な構成要素を通過させて搬送することができる。本開示の特定の実施形態では、コンベヤベルト103は、コンベヤベルトモータ104によって所定の速度で移動するように動作する。この所定の速度は、任意の周知の方法でオペレータによってプログラム可能および/または調整可能であってもよい。本開示の特定の実施形態では、コンベヤベルトモータ104および/または位置検出器105の制御は、自動制御システム108によって実行されてもよい。このような自動化制御システム108は、コンピュータシステム107の制御下で動作させることができ、および/または自動化制御を実行するための機能をコンピュータシステム107内のソフトウェアで実装することができる。
【0030】
位置検出器105は、従来のエンコーダであってもよく、コンベヤベルト103および自動制御システム108に動作可能に結合されて、コンベヤベルト103の動き(例えば、速度)に対応する情報を提供してもよい。したがって、本明細書でさらに説明するように、コンベヤベルト駆動モータ104および/または自動制御システム108(あるいは位置検出器105を含む)への制御の利用を通じて、コンベヤベルト103上を移動する材料片101のそれぞれが識別されると、それらは、(システム100の様々な構成要素に対して)位置および時間によって追跡することができるため、各材料片101がその近傍を通過するときにシステム100の様々な構成要素を起動/停止することができる。その結果、自動制御システム108は、材料片101がコンベヤベルト103に沿って移動する間に、材料片101のそれぞれの位置を追跡することができる。
【0031】
本開示の特定の実施形態によれば、材料片101がコンベヤベルト103によって受け取られた後、タンブラおよび/またはバイブレータを利用して、材料片の集合から個々の材料片を分離し、その後、それらを1つまたは複数の単一化された(すなわち、単一縦列)流れに配置することができる。本開示の代替実施形態によれば、材料片は、1つまたは複数の単一化された(すなわち、単一縦列)流れに配置されてもよく、これは、能動的または受動的シンギュレータ106によって実行され得る。受動的シンギュレータの例は、米国特許第10,207,296号にさらに記載されている。前述したように、シンギュレータの組み込みまたは使用は必要ない。代わりに、コンベヤシステム(例えば、コンベヤベルト103)は、単にランダムな方法でコンベヤベルト103上に堆積された材料片の集合を搬送してもよい。
【0032】
再び
図1を参照すると、本開示の特定の実施形態は、コンベヤベルト103上を移動する材料片101のそれぞれの追跡を開始する手段として、視覚もしくは光学認識システム110および/または距離測定装置111を利用することができる。視覚システム110は、1つまたは複数の静止画カメラまたは実写カメラ109を利用して、移動コンベヤベルト103上の材料片101のそれぞれの位置(すなわち、位置およびタイミング)を記録することができる。視覚システム110は、材料片101のすべてまたは一部の特定のタイプの識別(例えば、分類)を実行するようにさらにまたは代替的に構成されてもよい。例えば、そのような視覚システム110は、材料片101のそれぞれについての情報を取得するために利用され得る。例えば、視覚システム110は、材料片101を材料片101の色、色相、サイズ、形状、質感、全体的な物理的外観、均一性、組成、および/または製造タイプを含むがこれらに限定されない1つまたは複数の(ユーザ定義の)物理的特性のセットに応じて分類するため、システム100内で利用できるあらゆるタイプの情報を収集するように(例えば、機械学習システムを用いて)構成され得る。視覚システム110は、例えば、一般的なデジタルカメラやビデオ機器で使用されている光学センサを使用することにより、材料片101のそれぞれの画像(一次元、二次元、三次元、またはホログラフィック画像を含む)を捕捉する。光学センサによって捕捉されたこのような画像は、画像データとしてメモリデバイスに保存される。本開示の実施形態によれば、そのような画像データは、光の光学波長(すなわち、典型的な人間の目によって観察可能な光の波長)内で捕捉された画像を表す。ただし、本開示の代替実施形態は、典型的な人間の目の視覚波長の外側の光の波長で構成される材料の画像を捕捉することができるセンサを利用することができる。
【0033】
本開示の特定の実施形態によれば、1つまたは複数のセンサシステム120は、材料片101を分類/識別するために、単独で、または視覚システム110と組み合わせて利用することができる。センサシステム120は、照射または反射された電磁放射を利用するセンサ(例えば、赤外線(「IR」)、フーリエ変換IR(「FTIR」)、前方監視赤外線(「FLIR」)、超近赤外線(「VNIR」)、近赤外線(「NIR」)、短波長赤外線(「SWIR」)、長波長赤外線(「LWIR」)、中波長赤外線(「MWIR」)、X線透過(「XRT」)、ガンマ線、紫外線、蛍光X線(「XRF」)、レーザー誘起ブレークダウン分光法(「LIBS」)、ラマン分光法、アンチストークスラマン分光法、ガンマ線分光法、ハイパースペクトル分光法(例えば、可視波長を超える任意の範囲)、音響分光法、NMR分光法、マイクロ波分光法、テラヘルツ分光法を利用し、上記のいずれかを用いた一次元、二次元、または三次元撮像を含む)を含む、または化学的または放射性物質を含むがこれらに限定されない任意の他のタイプのセンサ技術による、任意のタイプのセンサ技術を用いて構成され得る。XRFシステム(例えば、本明細書のセンサシステム120として使用するためのもの)の実装は、米国特許第10,207,296号にさらに記載されている。
【0034】
図1は視覚システム110とセンサシステム120の組み合わせで示されているが、本開示の実施形態は、本明細書に開示されるセンサ技術のいずれか、または現在利用可能な、または将来開発される他のセンサ技術を利用するセンサシステムの任意の組み合わせで実装され得ることに留意されたい。
図1は、センサシステム120を含むように示されているが、そのようなセンサシステムの実装は、本開示の特定の実施形態内では任意である。本開示の特定の実施形態では、視覚システム110と1つまたは複数のセンサシステム120の両方の組み合わせを使用して材料片101を分類することができる。本開示の特定の実施形態では、本明細書に開示される1つまたは複数の異なるセンサ技術の任意の組み合わせを使用して、視覚システム110を利用せずに材料片101を分類することができる。さらに、本開示の実施形態は、材料の不均一混合物から材料を分類/識別し、互いに分別することができるようにするため、(本明細書でさらに開示されるように)そのようなセンサおよび/または視覚システムの出力が機械学習システムによって利用される、1つまたは複数のセンサシステムおよび/または視覚システムの任意の組み合わせを含み得る。
【0035】
本開示の代替実施形態によれば、視覚システム110および/またはセンサシステムは、どの材料片101がシステム100によって分別される種類のものではない(汚染物質と呼ばれることもある)かを識別し、そのような材料片を拒否する信号を送信するように構成され得る。このような構成では、識別された材料片101は、分別された材料片を個々のビンに物理的に移動させるための以下に説明する機構の1つを利用して方向転換/排出することができる。
【0036】
本開示の特定の実施形態では、移動するコンベヤベルト103上の材料片101のそれぞれの位置(すなわち、位置およびタイミング)とともに、距離測定装置111および付随する制御システム112は、距離測定装置111の近傍を通過する材料片101のそれぞれのサイズおよび/または形状を測定するように利用および構成され得る。このような距離測定装置111および制御システム112の例示的な動作は、米国特許第10,207,296号にさらに記載されている。代替的に、以前に開示したように、視覚システム110を利用して、移動するコンベヤベルト103上の材料片101のそれぞれの位置(すなわち、位置およびタイミング)を追跡することができる。
【0037】
このような距離測定装置111は、周知の可視光(例えば、レーザ光)システムを用いて実装することができ、このシステムは、レーザー光システムの検出器に反射される前に光が進む距離を連続的に測定する。したがって、材料片101のそれぞれが装置111の近傍を通過すると、装置111は、そのような距離測定値を示す信号を制御システム112に出力する。したがって、そのような信号は実質的に断続的な一連のパルスを表すことができ、それにより信号のベースラインは、材料片101が装置111の近傍にないときにおける距離測定装置111とコンベヤベルト103との間の距離の測定の結果として生成され、各パルスは距離測定装置111とコンベヤベルト103上を通過する材料片101との間の距離の測定値を提供する。材料片101の形状が不規則である場合があるため、このようなパルス信号の高さも不規則になる場合がある。それにもかかわらず、距離測定装置111によって生成される各パルス信号は、材料片101のそれぞれがコンベヤベルト103上を通過する際の各部分の高さを提供する。このようなパルスのそれぞれの長さは、コンベヤベルト103の移動方向に実質的に平行な線に沿って測定された材料片101のそれぞれの長さの測定値も提供する。本開示の特定の実施形態内で、XRFシステムを実装するセンサシステム120によって検出された蛍光が実質的に材料片のそれぞれからのみ得られ、コンベヤベルト103などの背景表面からは得られないように、材料片101のそれぞれの検出された蛍光(すなわち、XRFスペクトル)の取得をいつアクティブ化および非アクティブ化するかを判定するために利用され得るのは、この長さ測定値(および代替的に高さ測定値)である。これにより、蛍光のより正確な検出および分析をもたらし、材料片から検出された蛍光に関連するデータのみを処理すればよいため、検出信号の信号処理の時間も節約される。
【0038】
センサシステム120を実装する本開示の特定の実施形態では、センサシステム120は、視覚システム110が材料片101のそれぞれの化学組成、または相対的な化学組成を、材料片101がセンサシステム120の近傍を通過するときに識別するのを支援するように構成され得る。センサシステム120は、例えば、材料片101のそれぞれからの応答を刺激するために、電源122によって電力を供給され得るエネルギー放出源121を含み得る。
【0039】
本開示の特定の実施形態では、各材料片101が放射源121の近傍を通過するとき、センサシステム120は材料片101に向けて適切な感知信号を放射することができる。1つまたは複数の検出器124は、利用されるセンサ技術のタイプに適切な形式で材料片101から1つまたは複数の物理的特性を感知/検出するように配置および構成され得る。1つまたは複数の検出器124および関連する検出器電子機器125は、受信した感知特性を捕捉して信号処理を実行し、感知特性を表すデジタル化情報を生成し、これらのデジタル化情報は、その後、本開示の特定の実施形態に従って分析され、材料片101のそれぞれを(単独で、または視覚システム110と組み合わせて)分類するために使用され得る。この分類は、コンピュータシステム107内で実行することができ、その後、決定された分類に従って材料片101を1つまたは複数のN(N>1)分別ビン136…139に分別(例えば、方向転換/排出)するためのN(N>1)個の分別装置126…129のうちの1つを作動させるために、自動制御システム108によって利用され得る。4つの分別装置126…129と、これらの分別装置に関連付けられた4つの分別ビン136…139が、単なる非限定的な例として
図1に示されている。
【0040】
分別装置は、材料片101をコンベヤベルトシステムから複数の分別ビンに方向転換することを含むがこれに限定されない、選択された材料片101を所望の場所に向けて方向転換するための任意の周知の機構を含んでいてもよい。例えば、分別装置はエアジェットを利用し、各エアジェットが1つまたは複数の分類に割り当てられてもよい。エアジェットの1つ(例えば、127)が自動制御システム108から信号を受信すると、そのエアジェットは、材料片101をコンベヤシステム103からそのエアジェットに対応する分別ビン(例えば、137)へと方向転換/排出させる空気流を放出する。Mac Industriesの高速エアバルブは、例えば、コンベヤシステム103から材料片101を方向転換/排出するように構成された適切な空気圧をエアジェットに供給するために使用され得る。
【0041】
図1に示す例ではエアジェットを使用して材料片を方向転換/排出するが、コンベヤベルトから材料片をロボットで取り除く、コンベヤベルトから材料片を押し出す(例えば、ペイントブラシタイプのプランジャを使用)、コンベヤシステム103に材料片が落下する可能性のある開口部(例えばトラップドア)を生じさせる、または、エアジェットを使用して、コンベヤベルトの端から材料片が落ちるときに材料片を別個のビンに分離するなど、他のメカニズムを使用して材料片を方向転換/排出することもできる。プッシャ装置という用語は、本明細書で使用される場合、適切なタイプの機械的押し機構(ACMEスクリュードライブなど)、空気圧押し機構、またはエアジェット押し機構など、空気圧、機械式、またはその他の手段を使用して、コンベヤシステム/装置上またはコンベヤシステム/装置から物体を動的に移動させるために作動させることができる任意の形態の装置を指すことができる。いくつかの実施形態は、コンベヤシステムの経路に沿って、異なる位置に配置され、かつ/または異なる方向転換経路の向きを有する複数のプッシャ装置を含み得る。様々な異なる実装において、本明細書で説明するこれらの分別システムは、機械学習システムによって識別される材料片の特性に応じて、(存在する場合)どのプッシャ装置を起動するかを判定することができる。さらに、どのプッシャ装置を作動させるかの判定は、目標品目と同時にプッシャ装置の方向転換経路内に存在する可能性のある他の物体の検出された存在および/または特性に基づいてもよい。さらに、コンベヤシステムに沿ったシンギュレーションが完全ではない設備でも、開示された分別システムは、複数の物体が適切に分離されていないことを認識し、近接した物体を分離する可能性がある最適な方向転換経路を提供するプッシャ装置に基づいて、複数のプッシャ装置から起動すべきプッシャ装置を動的に選択することができる。いくつかの実施形態では、目標物体として識別された物体は、コンベヤシステムから方向転換されるべき材料を表し得る。他の実施形態では、目標物体として識別された物体は、非目標物体が代わりに方向転換されるように、コンベヤシステム上に残されることを許可されるべき材料を表す。
【0042】
材料片101が方向転換/排出されるN個の分別ビン136…139に加えて、システム100はまた、コンベヤシステム103から前述の分別ビン136…139のいずれかに分別/排出されなかった材料片101を受け入れる容器またはビン140を含んでもよい。例えば、材料片101の分類が判定されていない場合(または単に分別装置が材料片を適切に方向転換/排出できなかった場合)、または、材料片101が視覚システム110および/もしくはセンサシステム120によって検出された汚染物質を含む場合、材料片101は、コンベヤシステム103からN個の分別ビン136…139のうちの1つに方向転換/排出されない可能性がある。したがって、ビン140は、未分類の材料片が投棄されるデフォルトの容器として機能する可能性がある。代替的に、ビン140は、N個の分別ビン136…139のいずれにも意図的に割り当てられていない材料片の1つまたは複数の分類を受け取るために使用されてもよい。これらの材料片は、他の特性に従って、および/または別の分別システムによってさらに分別されてもよい。
【0043】
所望の材料片の様々な分類に応じて、複数の分類を単一の分別装置および関連する分別ビンにマッピングできる。言い換えれば、分類と分別ビンの間に1対1の相関関係がある必要はない。例えば、ユーザは、材料の特定の分類を同じ分別ビンに分別することを希望する場合がある。この分別を達成するために、材料片101が所定の分類グループに該当するものとして分類されるとき、同じ分別装置が作動してこれらを同じ分別ビンに分別することができる。このような組み合わせの分別は、分別された材料片の任意の所望の組み合わせを生成するために適用され得る。分類のマッピングは、そのような所望の組み合わせを生成するために、ユーザによって(例えば、コンピュータシステム107によって操作される分別アルゴリズム(例えば、
図5を参照)を使用して)プログラムされてもよい。さらに、材料片の分類はユーザ定義可能であり、材料片の任意の特定の既知の分類に限定されない。
【0044】
コンベヤシステム103は、未分類の材料片がシステム100の先頭に戻され、再びシステム100を通過するように円形コンベヤ(図示せず)を含んでもよい。さらに、システム100は、コンベヤシステム103上を移動する各材料片101を具体的に追跡できるため、システム100による所定回数のサイクル(または材料片101がビン140に収集された)後にシステム100が分類に失敗しないように、材料片101を誘導/排出するために、何らかの分別装置(例えば、分別装置129)を実装することができる。
【0045】
本開示の特定の実施形態では、コンベヤシステム103は、例えば、第1のベルトが材料片を視覚システム110および/または実装されたセンサシステム120を通過させて搬送し、第2のベルトが材料片を視覚システム110および/または実装されたセンサシステム120から分別装置に搬送する2つのベルトなど、直列に構成された複数のベルトに分割されてもよい。さらに、そのような第2のコンベヤベルトは、材料片が第1のベルトから第2のベルト上に落下するように、第1のコンベヤベルトよりも低い高さにすることができる。
【0046】
センサシステム120を実装する本開示の特定の実施形態では、発光源121は、検出領域の上(すなわち、コンベヤシステム103の上)に配置され得る。ただし、本開示の特定の実施形態は、依然として許容可能な感知/検出される物理的特性を生成する他の位置に発光源121および/または検出器124を配置してもよい。
【0047】
センサシステム120用のXRFシステムを実装するシステム100により、検出されたXRFスペクトルを表す信号は、本明細書でさらに説明されるように、チャネル(すなわち、要素)ごとなどの離散エネルギーヒストグラムに変換され得る。このような変換処理は、制御システム123またはコンピュータシステム107内で実装することができる。本開示の特定の実施形態では、そのような制御システム123またはコンピュータシステム107は、市販のAmptech MCA 5000取得カードなどの市販のスペクトル取得モジュールおよびカードを動作させるようにプログラムされたソフトウェアを含み得る。このようなスペクトル取得モジュール、またはシステム100内に実装される他のソフトウェアは、X線をそのような複数のエネルギーレベルを有する離散エネルギースペクトル(すなわち、ヒストグラム)に分散させるための複数のチャネルを実装するように構成することができ、それにより、各エネルギーレベルは、システム100が検出するように構成された元素に対応する。システム100は、異なる材料を区別するために重要である、化学周期表内の特定の元素に対応する十分なチャネルが存在するように構成され得る。各エネルギーレベルのエネルギーカウントは、別個の収集ストレージレジスタに保存できる。次に、コンピュータシステム107は、各収集レジスタを読み取って、収集間隔中の各エネルギーレベルのカウント数を判定し、エネルギーヒストグラムを構築する。本明細書でより詳細に説明するように、次に、本開示の特定の実施形態に従って構成された分別アルゴリズムは、この収集されたエネルギーレベルのヒストグラムを利用して、材料片101のうちの少なくとも特定の材料片101を分類し、および/または視覚システム110が材料片101を分類するのを支援することができる。
【0048】
センサシステム120としてXRFシステムを実装する本開示の特定の実施形態によれば、線源121は、米国特許第10,207,296号にさらに記載されているような、インライン蛍光X線(「IL-XRF」)管を含んでもよい。このようなIL-XRF管には、搬送される材料片の1つまたは複数の流れ(例えば、単一化されたもの)専用の別個のX線源が含まれてもよい。このような場合、1つまたは複数の検出器124は、複数の単一化された流れのそれぞれ内の材料片101からの蛍光X線を検出するXRF検出器として実装され得る。このようなXRF検出器の例は、米国特許第10,207,296号にさらに記載されている。
【0049】
本明細書に記載されるシステムおよび方法は主に固体状態の材料片の分類に関連して説明されるが、本開示はそれに限定されないことを理解されたい。本明細書に記載されるシステムおよび方法は、液体、溶融、気体、または粉末の固体状態、別の状態、およびそれらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない、ある範囲の物理的状態のいずれかを有する材料を分類するのに適用することができる。
【0050】
本明細書に記載されるシステムおよび方法は、直径1/4インチ以下の小ささの様々なサイズのいずれかを有する個々の材料片を分類および/または分別するために適用され得る。本明細書に記載されるシステムおよび方法は、主に、単一化された流れの個々の材料片を一度に1つずつ分別することに関連して説明されるが、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、それに限定されない。このようなシステムおよび方法は、複数の材料からの放出を同時に刺激および/または検出するために使用され得る。例えば、単一化された材料の流れが1つまたは複数のコンベヤベルトに沿って直列に搬送されるのとは対照的に、複数の単一化された流れが並行して搬送されてもよい。各流れは、同じベルト上に存在していてもよいし、平行に配置された異なるベルト上に存在していてもよい。さらに、材料片は1つまたは複数のコンベヤベルト上に(例えば、それらにわたって、かつ沿って)ランダムに分散されていてもよい。したがって、本明細書に記載のシステムおよび方法は、複数のこれらの小片を同時に刺激および/または小片からの放射を検出するために使用することができる。換言すれば、各小片が個別に考慮されるのではなく、複数の小片が単一の部品として扱われ得る。したがって、複数の小片をまとめて分類および分別することができる(例えば、コンベヤシステムから方向転換/排出される)。複数のより大きな材料片も単一の材料片として扱うことができることを理解されたい。
【0051】
前述したように、本開示の特定の実施形態は、材料片を識別、追跡、および/または分類するために、1つまたは複数の視覚システム(例えば、視覚システム110)を実装することができる。本開示の実施形態によれば、このような視覚システムは、材料片を識別および/または分類および分別するために単独で動作してもよいし、材料片を識別および/または分類および分別するためにセンサシステム(例えば、センサシステム120)と組み合わせて動作してもよい。分別システム(例えば、システム100)がそのような視覚システム110のみで動作するように構成されている場合、センサシステム120はシステム100から省略されてもよい(または単に停止されてもよい)。
【0052】
このような視覚システムは、コンベヤシステム上を通過する材料片の画像を捕捉または取得するための1つまたは複数の装置で構成されていてもよい。装置は、可視光、赤外線(「IR」)、紫外線(「UV」)の光を含むがこれらに限定されない、材料片によって照射または反射される任意の所望の波長範囲を捕捉または取得するように構成されていてもよい。例えば、視覚システムは、材料片がセンサシステムを通過するときに材料片の画像が捕捉されるように、コンベヤシステムの近く(例えば上)に配置された1つまたは複数のカメラ(静止画および/またはビデオ、いずれも二次元、三次元、および/またはホログラフィック画像を捕捉するように構成され得る)を用いて構成されていてもよい。本開示の代替実施形態によれば、センサシステム120によって捕捉されたデータは、材料片の分類/分別のために(単独で、または視覚システム110によって捕捉された画像データと組み合わせて)利用されるデータに処理(変換)され得る。このような実装は、材料片を分類するためのセンサシステム120の利用の代わりであってもよく、またはセンサシステム120の利用と組み合わせてもよい。
【0053】
材料片の感知された特性/捕捉された情報のタイプに関係なく、次に、情報は、各材料片を識別および/または分類するために、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステム107)に送信され、機械学習システムによって処理され得る。このような機械学習システムは、ニューラルネットワーク(例えば、人工ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、オートエンコーダ、強化学習など)、教師あり学習、教師なし学習、半教師あり学習、強化学習、自己学習、特徴学習、スパース辞書学習、異常検出、ロボット学習、相関規則学習、ファジーロジック、人工知能(「AI: artificial intelligence」)、深層学習アルゴリズム、深層構造化学習階層学習アルゴリズム、サポートベクターマシン(「SVM: support vector machine」)(例えば、線形SVM、非線形SVM、SVM回帰など)、決定木学習(例えば、分類と回帰木(「CART: classification and regression tree」))、アンサンブル手法(例えば、アンサンブル学習、ランダムフォレスト、バギングとペースト、パッチと部分空間、ブースティング、スタッキングなど)、次元削減(例えば、投影、多様体学習、主成分分析など)および/または深層機械学習アルゴリズム、参照により本明細書に組み込まれるdeeplearning.net Webサイト(このWebサイト内で参照されているすべてのソフトウェア、出版物、および利用可能なソフトウェアへのハイパーリンクを含む)に記載されており、そこで公開されているものなどを実装するものを含む、任意の周知の機械学習システムを実装することができる。本開示の実施形態内で利用することができる公的に入手可能な機械学習ソフトウェアおよびライブラリの非限定的な例としては、Python、OpenCV、Inception、Theano、Torch、PyTorch、Pylearn2、Numpy、Blocks、TensorFlow、MXNet、Caffe、Lasagne、Keras、Chainer、Matlab(登録商標) Deep Learning、CNTK、MatConvNet(コンピュータ視覚アプリケーション用の畳み込みニューラルネットワークを実装するMATLAB(登録商標)ツールボックス)、DeepLearnToolbox(深層学習用のMatlab(登録商標)ツールボックス(Rasmus Berg Palm製))、BigDL、Cuda-Convnet(畳み込み(より一般的にはフィードフォワード)ニューラルネットワークの高速C++/CUDA実装)、Deep Belief Networks、RNNLM、RNNLIB-RNNLIB、matrbm、deeplearning4j、Eblearn.lsh、deepmat、MShadow、Matplotlib、SciPy、CXXNET、Nengo-Nengo、Eblearn、cudamat、Gnumpy、3方向因数分解RBMおよびmcRBM、mPoT(CUDAMatおよびGnumpyを使用して自然画像のモデルを訓練するPythonコード)、ConvNet、Elektronn、OpenNN、NeuralDesigner、Theano一般化ヘビアン学習、Apache Singa、Lightnet、およびSimpleDNNが挙げられる。
【0054】
機械学習は2段階で行われることがよくある。例えば、最初に訓練が行われるが、この訓練は、材料片の実際の分類/分別を実行するためにシステム100が利用されないという点でオフラインで実行することができる。システム100は、材料片(すなわち、同じタイプまたはクラスの材料を有する)の均質なセット(本明細書では対照サンプルとも呼ばれる)が(例えば、コンベヤシステム103によって)システム100を通過し、また、そのようなすべての材料片は分別されない場合があるが、共通のビン(例えば、ビン140など)に収集される場合があるように、機械学習システムを訓練するために利用され得る。代替的に、訓練は、材料片の均質なセットの感知情報(特性)を収集するための何らかの他の機構を使用することを含めて、システム100から離れた別の場所で実行されてもよい。この訓練段階では、機械学習システム内のアルゴリズムが、捕捉された情報から特徴を抽出する(例えば、当技術分野でよく知られている画像処理技術を使用して)。訓練アルゴリズムの非限定的な例には、線形回帰、勾配降下法、フィードフォワード、多項式回帰、学習曲線、正則化学習モデル、ロジスティック回帰が含まれるが、これらに限定されない。機械学習システム内のアルゴリズムが、様々なタイプの材料とその特徴/特性(例えば、視覚システムおよび/またはセンサシステムによって捕捉される)の間の関係を学習し、所望の分類によって分別するためにシステム100によって受け取られた材料片の不均一混合物を後で分類するための知識ベースを作成するのは、この訓練段階中である。このような知識ベースは、1つまたは複数のライブラリを含むことができ、各ライブラリは、材料片を分類する際に機械学習システムによって利用されるパラメータ(本明細書では「ニューラルネットワークパラメータ」とも呼ばれる)を含む。例えば、1つの特定のライブラリには、特定のタイプまたはクラスの材料を認識および分類するために訓練段階によって構成されたパラメータが含まれ得る。本開示の特定の実施形態によれば、このようなライブラリを機械学習システムに入力することができ、システム100のユーザは、システム100の動作を調整するためにパラメータのうちの特定のパラメータを調整できる可能性がある(例えば、機械学習システムが材料の不均一混合物から特定の材料をどの程度認識するかについての閾値有効性を調整する)。
【0055】
さらに、材料片(金属合金など)に特定の材料(例えば、化学元素もしくは化合物)が含まれること、または特定の化学元素もしくは化合物の組み合わせが含まれることにより、材料に識別可能な物理的特徴(例えば、視覚的に識別可能な特性)が生じる。その結果、そのような特定の組成を含む複数の材料片が前述の訓練段階を通過すると、機械学習システムはそのような材料片を他の材料片と区別する方法を学習することができる。したがって、本開示の特定の実施形態に従って構成された機械学習システムは、それぞれの材料/化学組成に応じて材料片間を分別するように構成され得る。例えば、このような機械学習システムは、アルミニウム合金に含まれる特定の合金化材料の割合に応じてアルミニウム合金を分別できるように構成できる。
【0056】
例えば、
図2は、前述の訓練段階中に使用され得る鋳造アルミニウムの例示的な材料片の捕捉または取得された画像を示す。
図3は、前述の訓練段階中に使用され得る、押出アルミニウムの例示的な材料片の捕捉または取得された画像を示す。
図4は、前述の訓練段階中に使用され得るロウトアルミニウムの例示的な材料片の捕捉または取得された画像を示す。訓練段階では、特定の(同種の)分類(タイプ)の材料の複数の材料片(対照サンプル)が、コンベヤシステムによって視覚システムを通過して配信され得るため、機械学習システムがそのような例示的な材料片を視覚的に表す特徴を検出、抽出、学習する。言い換えれば、
図2に示すような鋳造アルミニウム材料片の画像は、機械学習アルゴリズムが鋳造アルミニウム合金で構成された材料片を検出、認識、分類する方法を「学習」するように、最初にそのような訓練段階を通過することができる。これにより、鋳造アルミニウム材料片に特有のパラメータのライブラリが作成される。次に、
図3に示すような押出アルミニウム材料片の画像に対して同じ処理を実行し、押出アルミニウム材料片に特有のパラメータのライブラリを作成できる。また、
図4に示すようなロウトアルミニウム材料片の画像に対しても同じ処理を実行して、ロウトアルミニウム材料片に特有のパラメータのライブラリを作成することができる。視覚システムによって分類される材料のタイプごとに、そのタイプの材料の任意の数の例示的な材料片が視覚システムによって通過され得る。入力データとして捕捉された画像が与えられると、機械学習アルゴリズムはN個の分類子を使用し、それぞれがN個の異なる材料タイプの1つをテストすることができる。
【0057】
アルゴリズムが確立され、機械学習システムが材料分類の違いを十分に学習した後(例えば、ユーザ定義の統計的信頼レベル内で)、次いで、異なる材料のニューラルネットワークパラメータのライブラリが、材料片の不均一混合物から材料片を識別および/または分類するために使用される材料分類および/または分別システム(例えば、システム100)に実装され、そして、分別が行われる場合には、そのような分類された材料片を分別し得る。
【0058】
機械学習システムを構築、最適化、利用するための技術は、関連文献に記載されているように当業者には既知である。このような文献の例には、次の出版物、すなわち、Krizhevsky他、「ImageNet Classification with Deep Convolutional Networks」、第25回神経情報処理システム国際会議議事録、2012年12月3~6日、ネバダ州レイクタホ、およびLeCun他、「Gradient-Based Learning Applied to Document Recognition」、IEEE論文集、電気電子学会(IEEE)、1998年11月、が含まれ、これらは両方とも、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0059】
例示的な技術では、特定の材料片に関してセンサおよび/または視覚システムによって捕捉されたデータは、データ値の配列として処理され得る。例えば、データは、特定の材料片に関してデジタルカメラまたは他のタイプの撮像センサによって捕捉され、ピクセル値の配列として処理される画像データであってもよい。各データ値は、単一の数値で表すことも、値を表す一連の数値として表すこともできる。これらの値は、ニューロンの重みパラメータで乗算され、バイアスが追加されてもよい。これはニューロンの非線形性に影響を与える。ニューロンによって出力された結果の数値は、この出力に後続のニューロンの重み値を乗算し、任意選択でバイアスを追加し、再びニューロンの非線形性に影響を与えることで、値と同じように扱うことができる。このような処理の各反復は、ニューラルネットワークの「層」として知られている。最終層の最終出力は、材料片に関連する捕捉されたデータ内に材料が存在するか存在しないかの確率として解釈され得る。このような処理の例は、前述の参考文献「ImageNet Classification with Deep Convolutional Networks」と「Gradient-Based Learning Applied to Document Recognition」の両方で詳しく説明されている。
【0060】
本開示の実施形態によれば、最終層(「分類層」)として、ニューロンの出力の最終セットは、材料片が捕捉されたデータに関連付けられている可能性を表すように訓練される。動作中、材料片が捕捉されたデータに関連付けられている可能性がユーザ指定の閾値を超えている場合、特定の材料片が捕捉されたデータに実際に関連付けられていると判定される。これらの技術を拡張して、特定の捕捉されたデータに関連付けられたあるタイプの材料の存在だけでなく、特定の捕捉されたデータのサブ領域が1つのタイプの材料に属するか、または別のタイプの材料に属するかを判定することもできる。この処理はセグメンテーションとして知られており、「完全畳み込み」ニューラルネットワークとして知られるニューラルネットワークや、完全に畳み込みではないにしても畳み込み部分を含む(すなわち、部分的に畳み込みである)ネットワークなど、ニューラルネットワークを使用する技術が文献に存在する。これにより、材料の位置およびサイズを判定できるようになる。
【0061】
本開示は機械学習技術にのみ限定されるものではないことを理解されたい。材料の分類/識別のための他の一般的な手法も使用できる。例えば、センサシステムは、マルチスペクトルカメラまたはハイパースペクトルカメラを使用した分光分析技術を利用して、材料のスペクトル放射を調べることによってあるタイプの材料の存在または不在を示す信号を提供し得る。テンプレートマッチングアルゴリズムでは材料片の写真も使用される場合があり、このアルゴリズムでは、画像のデータベースが取得された画像と比較され、そのデータベースから特定のタイプの材料の有無が検出される。捕捉された画像のヒストグラムをヒストグラムのデータベースと比較することもできる。同様に、バッグオブワードモデルをスケール不変特徴変換(「SIFT」)などの特徴抽出技術とともに使用して、捕捉された画像とデータベース内の画像との間で抽出された特徴を比較することもできる。
【0062】
したがって、本明細書に開示されているように、本開示の特定の実施形態は、どの材料片がコンベヤシステムまたは装置から方向転換されるべきかを判定するために、1つまたは複数の異なる材料の識別/分類を提供する。特定の実施形態によれば、機械学習技術は、様々な1つまたは複数の異なる材料を識別するためにニューラルネットワークを訓練する(すなわち、構成する)ために利用される。材料(例えば、コンベアシステム上を移動するもの)から画像やその他のタイプの感知情報が捕捉され、そしてそのような材料の識別/分類に基づいて、本明細書に記載のシステムは、どの材料片をコンベヤシステム上に残しておき、どの材料片をコンベヤシステムから方向転換/除去すべきかを判定することができる(例えば、収集ビンに入れるか、別のコンベヤシステムに方向転換するかのいずれか)。
【0063】
本開示の特定の実施形態によれば、既存の設備用の機械学習システムは、現在のニューラルネットワークパラメータのセットを新しいニューラルネットワークパラメータのセットで置き換えることによって、新しい材料の特性を検出および認識するように動的に再構成され得る。
【0064】
ここで言及すべき点の1つは、本開示の特定の実施形態によれば、材料片の検出/抽出された特徴/特性は、必ずしも単に特に識別可能な物理的特性ではない可能性があるということ、それらは、数学的にのみ表現できる抽象的な公式である場合もあれば、まったく数学的に表現できない場合もあること、それにもかかわらず、機械学習システムはすべてのデータを解析して、訓練段階で対照サンプルを分類できるパターンを探すということ、である。さらに、機械学習システムは、材料片の捕捉された情報のサブセクションを取得し、事前に定義された分類間の相関関係を見つけようとし得る。
【0065】
本開示の特定の実施形態によれば、材料片の対照サンプルが視覚システムおよび/またはセンサシステムによって通過させられる訓練段階を利用する代わりに、機械学習システムの訓練は、ラベル付け/注釈技術(または任意の他の教師あり学習技術)を利用して実行でき、これにより、材料片のデータ/情報が視覚/センサシステムによって捕捉され、ユーザは、各材料片を識別するラベルまたは注釈を入力し、これは次いで、材料片の不均一混合物内で材料片を分類する際に機械学習システムが使用するライブラリの作成に使用される。
【0066】
本開示の特定の実施形態によれば、本明細書に開示されるセンサシステム120のいずれかによって出力される任意の感知特性は、材料を分類および/または分別するために機械学習システムに入力され得る。例えば、教師あり学習を実装する機械学習システムでは、特定の材料のタイプまたは組成(例えば、特定の金属合金)を一意に特徴付けるセンサシステム120の出力を、機械学習システムを訓練するために使用することができる。
【0067】
シュレッダにかけた後、サイディング(通常は薄いアルミニウムシートから作られる)、押出材(通常は厚いアルミニウムフレームバーから製造される)、および鋳物は、見た目が大きく異なる。
図2は、鋳造アルミニウムからの例示的なスクラップ片の視覚画像を示す。
図3は、アルミニウム押出材からの例示的なスクラップ片の視覚画像を示す。
図4は、ロウトアルミニウムからの例示的なスクラップ片の視覚画像を示す。本開示の実施形態は、これらの3つの異なるタイプのアルミニウムスクラップ片間で分類/分別することができる、本明細書に記載の視覚システムを利用する。
図2~
図4の例に示されるように、アルミニウム押出材は、鋳造およびロウトアルミニウムスクラップ片とは区別できる全体的な物理的外観を有しており、これは、本開示の実施形態に従って構成された機械学習システムによって学習することができる。
【0068】
本開示の実施形態は、ロウトアルミニウム片と鋳造アルミニウム片の両方を含むTwitchからロウトアルミニウム合金材料片を分別するように構成されている。本開示の特定の実施形態では、押出アルミニウム合金片をロウトアルミニウム合金片とともに分別することができる(または、鋳造アルミニウムおよびロウトアルミニウムの両方とは別に分別することができる)。Mgの大部分はロウトアルミニウム内に含まれるため、主に鋳造アルミニウム合金を含む残りのアルミニウムスクラップ片には、比較的微量のMgが含まれている。本開示の特定の実施形態によれば、複数の異なる鋳造アルミニウム合金間で分類/分別するため、および/または他の不純物(例えば、PCB、ステンレス鋼、発泡体、ゴムなどで構成されるスクラップ片)を除去するため、これらの残りのアルミニウムスクラップ片(本明細書では「鋳造フラクション」とも呼ばれる)に対して別の分別(または複数の分別サイクル)を実行することができる。鋳造フラクションには、319、356、360、および/または380シリーズの合金片などの鋳造合金が含まれ得る。これらの合金には、様々な量のシリコン、Cu、Zn、Fe、およびMnが含まれているが、Mgはごく少量(通常0~0.6%)含まれている。
【0069】
本開示の特定の実施形態によれば、本明細書に開示される1つまたは複数のセンサシステム120は、前述の鋳造フラクションおよびロウトフラクションのいずれかまたは両方を分類/分別するために利用され得る。例えば、XRFシステムおよび/またはLIBSを使用するセンサシステムの一方または両方を利用して、2つ以上の異なる鋳造アルミニウム合金または2つ以上の異なるロウトアルミニウム合金を分類/分別することができる。これを行うためのXRFシステムの利用は、米国特許第10,207,296号に開示されている。
【0070】
レーザー誘起ブレークダウン分光法(「LIBS: Laser-Induced Breakdown Spectroscopy」)、レーザースパーク分光法(「LSS: Laser Spark Spectroscopy」)、またはレーザー誘起発光分光法(「LIOES: Laser-Induced Optical Emission Spectroscopy」)として知られる分光技術は、集束レーザービームを使用してサンプル材料を蒸発させ、その後サンプル材料からスペクトル線放射を生成する。このようにして、分析機器から離れた場所に置かれたサンプルの化学組成を分析できる。本開示の実施形態は、前述のいずれか1つを利用して、複数の材料を異なるクラスに分類して分別することができる。分別のためのLIBSの使用は、米国特許第5,042,947号、第6,545,240号、および第10,478,861号にさらに記載されており、これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
図5は、本開示の特定の実施形態による、視覚システムおよび/またはセンサシステムを利用して材料片を分類/分別する処理3500の例示的な実施形態を示すフローチャート図を示す。処理3500は、
図1のシステム100を含む、本明細書に記載される本開示の任意の実施形態内で動作するように構成され得る。処理3500の動作は、分別システム(例えば、
図1のコンピュータシステム107、視覚システム110、および/またはセンサシステム120)を制御するコンピュータシステム(例えば、
図8のコンピュータシステム3400)内を含むハードウェアおよび/またはソフトウェアによって実行され得る。処理ブロック3501では、材料片は、コンベヤシステム上に供給される。処理ブロック3502では、各材料片が分別システムを通って移動する際の各材料片を追跡するために、各材料片のコンベヤシステム上の位置が検出される。これは、視覚システム110によって(例えば、コンベヤシステム位置検出器(例えば、位置検出器105)と通信しながら、下にあるコンベヤシステム材料から材料片を区別することによって)実行され得る。代替的に、線状シートレーザービームを使用して断片の位置を特定することができる。または、光源(可視光、UV、およびIRを含むがこれらに限定されない)を生成でき、材料片の位置を特定するために使用できる検出器を備えたシステムを使用することもできる。処理ブロック3503では、材料片が視覚システムおよび/またはセンサシステムのうちの1つまたは複数の近くを移動すると、材料片の感知された情報/特性が捕捉/取得される。処理ブロック3504では、前述したような視覚システム(例えば、コンピュータシステム107内に実装される)は、捕捉された情報の前処理を実行してもよく、捕捉された情報を利用して材料片のそれぞれを検出(抽出)することができる(例えば、背景(例えば、ベルトコンベア)から;言い換えれば、材料片と背景との違いを識別するために前処理が利用され得る)。拡張、閾値処理、輪郭化などのよく知られた画像処理技術を利用して、材料片を背景から区別できるものとして識別することができる。処理ブロック3505では、セグメンテーションが実行され得る。例えば、捕捉された情報には、1つまたは複数の材料片に関する情報が含まれ得る。さらに、画像が捕捉されるときに、特定の材料片がコンベアベルトの継ぎ目に位置する可能性がある。したがって、このような場合には、画像の背景から個々の材料片の画像を分離することが望ましい場合がある。処理ブロック3505の例示的な技術では、第1のステップは、画像の高コントラストを適用することであり、このようにして、背景ピクセルは実質的にすべて黒色のピクセルに減らされ、材料片に関する少なくとも一部のピクセルは実質的にすべて白色のピクセルにまで明るくされる。材料片の白い画像ピクセルは、材料片全体のサイズをカバーするように拡張される。このステップを完了すると、材料片の位置は、黒い背景にすべて白いピクセルが配置された高コントラストの画像になる。次に、材料片の境界を検出するために輪郭アルゴリズムが利用され得る。境界情報が保存され、境界位置が元の画像に転送される。次に、元の画像の、以前に定義した境界よりも大きい領域でセグメンテーションが実行される。このようにして、材料片が識別され、背景から分離される。
【0072】
任意選択の処理ブロック3506では、XRFシステム、LIBSシステム、または何らかの他の分光センサも分別システム内に実装されており、そのようなサイズおよび/または形状の判定が必要な場合に役立ち得る材料片のサイズおよび/または形状を判定するために、材料片は、距離測定装置および/またはセンサシステムの近くでコンベヤシステムに沿って搬送され得る。処理ブロック3507では、後処理が実行され得る。後処理には、ニューラルネットワークでの使用に備えて、捕捉された情報/データのサイズ変更が含まれ得る。この後処理には、材料片を分類する機械学習システムの機能を強化する方法で、特定の特性を変更する(例えば、画像のコントラストを強化する、画像の背景を変更する、フィルタを適用するなど)ことも含まれ得る。処理ブロック3509では、データのサイズが変更され得る。特定の状況下では、ニューラルネットワークなどの特定の機械学習システムのデータ入力要件に合わせてデータのサイズ変更が必要である場合がある。例えば、ニューラルネットワークでは、一般的なデジタルカメラで捕捉された画像のサイズよりもはるかに小さい画像サイズ(例えば、225×255ピクセルまたは299×299ピクセル)が必要な場合がある。さらに、入力データのサイズが小さいほど、分類の実行に必要な処理時間は短くなる。したがって、データサイズが小さいほど、最終的に分別システム100のスループットが向上し、その価値が増大し得る。
【0073】
処理ブロック3510および3511では、材料片ごとに、感知/検出された特徴に基づいて材料のタイプまたはクラスが識別/分類される。例えば、処理ブロック3510は、抽出された特徴を、訓練段階中に生成された知識ベースに格納された特徴と比較する、1つまたは複数の機械学習アルゴリズムを使用するニューラルネットワークで構成されていてもよく、そして、そのような比較に基づいて、最も一致する分類を材料片のそれぞれに割り当てる。機械学習システムのアルゴリズムは、自動的に訓練されたフィルタを使用して、捕捉された情報/データを階層的に処理し得る。フィルタ応答は、最終ステップで確率が得られるまで、アルゴリズムの次のレベルで正常に結合される。処理ブロック3511では、これらの確率をN個の分類のそれぞれに対して使用して、それぞれの材料片をN個の分別ビンのどれに分別するべきかを判定することができる。例えば、N個の分類のそれぞれを1つの分別ビンに割り当てることができ、検討中の材料片は、事前に定義された閾値より大きい確率を返す分類に対応するそのビンに分別される。本開示の実施形態では、そのような所定の閾値は、ユーザによって事前設定されてもよい。いずれの確率も所定の閾値よりも大きくない場合、特定の材料片は外れ値ビン(例えば、分別ビン140)に分類されてもよい。
【0074】
次に、処理ブロック3512において、材料片の分類に対応する分別装置が起動され得る。材料片の画像が捕捉された時刻と分別装置が作動する時刻との間に、材料片が視覚システムおよび/またはセンサシステムの近くからコンベヤシステムの下流の位置に移動した(例えば、コンベヤシステムの搬送速度で)。本開示の実施形態では、分別装置の起動は、材料片がその材料片の分類にマッピングされた分別装置を通過するときに分別装置が起動し、材料片がコンベヤシステムから関連する分別ビンに方向転換/排出されるようにタイミング調整される。本開示の実施形態では、分別装置の起動は、材料片が分別装置の前を通過するときを検出し、分別装置の起動を可能にする信号を送信するそれぞれの位置検出器によってタイミング調整され得る。処理ブロック3513では、起動された分別装置に対応する分別ビンが、方向転換/排出された材料片を受け取る。
【0075】
図6は、本開示の特定の実施形態による、材料片を分別する処理400の例示的な実施形態を示すフローチャート図を示す。処理400は、
図1のシステム100を含む、本明細書に記載される本開示の任意の実施形態内で動作するように構成され得る。処理400は、処理3500と連携して動作するように構成されてもよい。例えば、本開示の特定の実施形態によれば、処理ブロック403および404は、材料片を分類および/または分別するべく、機械学習システムと連携して実装される視覚システム110の取り組みを、機械学習システムと連携して実装されないセンサシステム(例えば、センサシステム120)と組み合わせるために、処理3500に組み込むことができる(例えば、処理ブロック3503~3510と直列または並列で動作する)。
【0076】
処理400の動作は、分別システム(例えば、
図1のコンピュータシステム107)を制御するコンピュータシステム(例えば、
図8のコンピュータシステム3400)内を含むハードウェアおよび/またはソフトウェアによって実行され得る。処理ブロック401では、コンベヤシステム上に材料片が供給される。次に、任意選択の処理ブロック402において、材料片は、材料片のサイズおよび/または形状を判定するために、距離測定装置および/または光学画像システムの近傍内でコンベヤシステムに沿って搬送され得る。処理ブロック403では、材料片がセンサシステムの近くを移動すると、材料片は、センサシステム(例えば、LIBSシステム)で利用される特定のタイプのセンサ技術に適した何らかのタイプのエネルギーで調べられるか、刺激され得る。処理ブロック404では、材料片の物理的特性がセンサシステムによって感知/検出される。処理ブロック405では、材料片の少なくとも一部について、材料のタイプは、感知/検出された特性に(少なくとも部分的に)基づいて識別/分類され、視覚システム110と連動した機械学習システムによる分類と組み合わせることができる。
【0077】
次に、材料片の分別が実行される場合、処理ブロック406において、材料片の分類に対応する分別装置が起動される。材料片を感知してから分別装置が起動されるまでの間に、材料片は、コンベアシステムの搬送速度で、センサシステムの近くからコンベアシステムの下流の位置に移動した。本開示の特定の実施形態では、分別装置の起動は、材料片が材料片の分類にマッピングされた分別装置を通過すると、分別装置が起動され、材料片がコンベヤシステムからその関連する分別ビンに方向転換/排出されるようにタイミング調整される。本開示の特定の実施形態では、分別装置の起動は、材料片が分別装置の前を通過するときを検出し、分別装置の起動を可能にする信号を送信するそれぞれの位置検出器によってタイミング調整され得る。処理ブロック407では、起動した分別装置に対応する分別ビンが、方向転換/排出された材料片を受け取る。
【0078】
本開示の特定の実施形態によれば、システム100の複数の少なくとも一部は、分別の複数の反復または層を実行するために連続して一緒にリンクされ得る。例えば、このように2つ以上のシステム100が連携する場合、コンベヤシステムは単一のコンベヤベルトまたは複数のコンベヤベルトで実装でき、材料片を、材料の不均一混合物の第1のセットの材料片を分別装置(例えば、第1の自動制御システム108および関連する1つまたは複数の分別装置126…129)によって1つまたは複数の容器(例えば、分別ビン136…139)の第1のセットに分別するように構成された第1の視覚システム(および特定の実施形態によれば、センサシステム)を通過させて搬送し、そして、材料片を、第2の分別装置によって材料の不均一混合物の第2のセットの材料片を1つまたは複数の分別ビンの第2のセットに分別するように構成された第2の視覚システム(および特定の実施形態によれば、別のセンサシステム)を通過させて搬送する。
【0079】
このような一連のシステム100は、そのような方法で相互にリンクされた任意の数のそのようなシステムを含むことができる。本開示の特定の実施形態によれば、各連続視覚システムは、前の視覚システムとは異なる材料を分別するように構成され得る。
【0080】
本開示の様々な実施形態によれば、材料の異なるタイプまたはクラスは、それぞれ機械学習システムで使用するための異なるタイプのセンサによって分類され、スクラップまたは廃棄物の流れの中の材料片を分類するために組み合わせることができる。
【0081】
本開示の様々な実施形態によれば、2つ以上のセンサからのデータは、材料片の分類を実行するために、単一または複数の機械学習システムを使用して組み合わせることができる。
【0082】
本開示の様々な実施形態によれば、複数のセンサシステムを単一のコンベヤシステムに取り付けることができ、各センサシステムは異なる機械学習システムを利用することができる。本開示の様々な実施形態によれば、複数のセンサシステムを異なるコンベヤシステムに取り付けることができ、各センサシステムは異なる機械学習システムを利用することができる。
【0083】
図7A~
図7Bは、複数の金属合金片を分別するために、本開示の特定の実施形態に従って構成されたシステムおよび処理1600を示す。
図7Aは、そのようなシステムおよび処理1600の側面図の例示的な非限定的な概略図を示し、
図7Bは上面図を示す。
図7A~
図7Bは分類/分別の3つの段階を示しているが、本開示の様々な実施形態に従って任意の数のそのような段階を実装することができる。
【0084】
複数の金属合金片1601は、(例えば、コンベヤベルト1602によって)搬送されて、傾斜コンベヤシステム1603によってピックアップされ得る。簡単にするために、材料片1601は
図7Bには示されていないことに留意されたい。コンベヤシステム1603は、分別のために材料片を分類するために材料片1601を搬送してセンサシステム1610を通過させる。開示された視覚システム110またはセンサシステム120(例えば、LIBS、XRFなど)のいずれも利用され得る。
【0085】
非限定的な例では、コンベヤシステム1602上に供給される材料片1601は、様々な合金組成の鋳造、ロウト、および/または押出アルミニウム合金を含むアルミニウム合金の混合物であってもよい。AIシステム1610は、ロウトアルミニウム合金から構成される材料片を鋳造アルミニウム合金から構成される材料片から認識し、分類し、区別するように構成され得る。コンベヤシステム1603は、ロウトアルミニウム合金として分類される材料片を後続の傾斜コンベヤシステム1604上に「投げる」ために十分な速度で動作するように構成され得る。ロウトアルミニウム合金(例えば、鋳造および/または押出合金)から構成されるものとして分類されない材料片は、分別装置1620によって下部に位置するコンベヤシステム1606上に排出される。例えば、そのような分別装置1620は、本明細書に記載されるような、コンベヤシステム1603の端からコンベヤシステム1604上に「投げられる」材料片の通常の軌道から、ロウトアルミニウム合金として分類されない材料片を排出するように作動されるエアジェットノズルであってもよい。ロウトアルミニウム合金として分類されない材料片(例えば、鋳造および/または押出合金)は、ビンまたは容器1630内に搬送されてもよいし、本明細書に開示されるように、別のセンサシステム120を通過して搬送されてもよい。
【0086】
ロウトアルミニウム合金として分類された材料片は、XRFまたはLIBSシステム1611を通過して搬送されてもよく、このシステム1611は、同じロウトアルミニウム合金シリーズを含む、異なるロウトアルミニウム合金を識別し、分類し、区別するように構成され得る。コンベヤシステム1604は、1つまたは複数の特定のロウトアルミニウム合金に属するものとして分類された材料片を後続の傾斜コンベヤシステム1605上に「投げる」ために十分な速度で動作するように構成され得る。他のロウトアルミニウム合金は、分別装置1621によって下部に位置するコンベヤシステム1607上に排出され得る。例えば、そのような分別装置1621は、本明細書に記載されるような、コンベヤシステム1604の端からコンベヤシステム1605上に「投げられる」材料片の通常の軌道から、1つまたは複数の特定のロウトアルミニウム合金に属するものとして分類された材料片を排出するように作動されるエアジェットノズルであってもよい。分類された材料片は、ビンまたは容器1631に搬送されてもよい。
【0087】
1つまたは複数の特定のロウトアルミニウム合金に属するものとして分類された材料片は、そのような特定の材料を含むことが知られている特定のロウトアルミニウム合金を分類するために、特定の材料を閾値量含む材料片を識別および分類するように構成され得るセンサシステム1612を通過して搬送され得る。
【0088】
本開示の代替実施形態によれば、分別機1620によって予め分別された鋳造アルミニウム合金は、ある特定の鋳造合金フラクションを分類/分別するために、本明細書に記載されるようにXRFシステムを通過してコンベヤシステム1606によって搬送され得る。鋳造アルミニウム合金319にはXRFスペクトルで観察できる単一の大きな銅ピークがあるが、鋳造アルミニウム合金356にはそれほど大きな銅ピークはなく、鋳造アルミニウム合金380には大きな銅と亜鉛の両方のピークがある。これらの大きな違いをXRFシステムで利用して、これらの鋳造アルミニウム合金を高精度で分別できる。鋳造フラクションの分類/分別は、米国公開特許出願第2021/0229133号にさらに開示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0089】
コンベヤシステム1605および1608は、コンベヤシステム1603および1604と同様の方法で動作するように構成されていてもよく、分別機1622は、分別機1620、1621と同様の方法で動作するように構成されていてもよく、ビン1632、1633は、ビン1630、1631と同様に構成されていてもよい。
【0090】
システムおよび処理1600は、1つのラインのコンベヤシステムに限定されず、それぞれが分類された材料片を複数のコンベヤシステム(例えば、コンベヤシステム1606…1608)上に排出する複数のラインに拡張され得ることに留意されたい。同様に、コンベヤシステム1606…1608のうちの1つまたは複数は、材料片をさらに分類するために、任意の数の追加のセンサシステムを実装することができる。
【0091】
さらに、本開示の実施形態は、アルミニウム合金の分別に限定されず、Zorba製の様々な金属(例えば、銅、真鍮、亜鉛、アルミニウムなど)の分別を含むがこれに限定されない、任意の数の異なるクラスの材料を分別するように構成することができる。
【0092】
ここで
図8を参照すると、本開示の実施形態の態様が実装され得るデータ処理(「コンピュータ」)システム3400を示すブロック図が示されている。(「コンピュータ」、「システム」、「コンピュータシステム」、および「データ処理システム」という用語は、本明細書では同じ意味で使用される場合がある)。コンピュータシステム107、自動制御システム108、センサシステム120の態様、および/または視覚システム110は、コンピュータシステム3400と同様に構成され得る。コンピュータシステム3400は、ローカルバス3405(例えば、周辺構成要素相互接続(「PCI: peripheral component interconnect」)ローカルバスアーキテクチャ)を使用することができる。とりわけ、Accelerated Graphics Port(「AGP」)やIndustry Standard Architecture(「ISA」)など、任意の適切なバスアーキテクチャを利用できる。1つまたは複数のプロセッサ3415、揮発性メモリ3420、および不揮発性メモリ3435が、(例えば、PCIブリッジ(図示せず)を介して)ローカルバス3405に接続され得る。統合されたメモリコントローラおよびキャッシュメモリが、1つまたは複数のプロセッサ3415に結合され得る。1つまたは複数のプロセッサ3415は、1つまたは複数の中央プロセッサユニットおよび/または1つまたは複数のグラフィックスプロセッサユニットおよび/または1つまたは複数のテンソル処理ユニットを含み得る。ローカルバス3405への追加接続は、構成要素の直接相互接続またはアドインボードを通じて行うことができる。図示の例では、通信(例えば、ネットワーク(LAN))アダプタ3425、I/O(例えば、小型コンピュータシステムインターフェース(「SCSI」)ホストバス)アダプタ3430、および拡張バスインターフェース(図示せず)は、構成要素直接接続によってローカルバス3405に接続され得る。オーディオアダプタ(図示せず)、グラフィックスアダプタ(図示せず)、およびディスプレイアダプタ3416(ディスプレイ3440に結合された)は、(例えば、拡張スロットに挿入されたアドインボードによって)ローカルバス3405に接続され得る。
【0093】
ユーザインターフェースアダプタ3412は、キーボード3413およびマウス3414、モデム(図示せず)、および追加のメモリ(図示せず)の接続を提供することができる。I/Oアダプタ3430は、ハードディスクドライブ3431、テープドライブ3432、およびCD-ROMドライブ(図示せず)への接続を提供することができる。
【0094】
オペレーティングシステムが、1つまたは複数のプロセッサ3415上で実行され、コンピュータシステム3400内の様々な構成要素を調整および制御するために使用され得る。
図8では、オペレーティングシステムは市販のオペレーティングシステムであってもよい。オペレーティングシステムと連携してオブジェクト指向プログラミングシステム(例えば、Java、Pythonなど)が実行でき、システム3400上で実行されているプログラム(例えば、Java、Pythonなど)からオペレーティングシステムへの呼び出しを提供する。オペレーティングシステム、オブジェクト指向オペレーティングシステム、およびプログラムのための命令は、ハードディスクドライブ3431などの不揮発性メモリ3435記憶装置上に配置されてもよく、プロセッサ3415による実行のために揮発性メモリ3420にロードされてもよい。
【0095】
当業者であれば、
図8のハードウェアが実装に応じて変わり得ることを理解するであろう。
図8に示すハードウェアに加えて、またはその代わりに、フラッシュROM(または同等の不揮発性メモリ)または光ディスクドライブなどの他の内部ハードウェアまたは周辺装置を使用することもできる。また、本開示の処理のいずれも、マルチプロセッサコンピュータシステムに適用されてもよいし、複数のそのようなシステム3400によって実行されてもよい。例えば、視覚システム110の訓練は第1のコンピュータシステム3400によって実行され得る一方、分別のための視覚システム110の動作は第2のコンピュータシステム3400によって実行され得る。
【0096】
別の例として、コンピュータシステム3400は、コンピュータシステム3400が何らかのタイプのネットワーク通信インターフェースを含むか否かに関わらず、ある種のネットワーク通信インターフェースに依存せずに起動可能となるように構成されたスタンドアロンシステムであってもよい。さらなる例として、コンピュータシステム3400は、オペレーティングシステムファイルまたはユーザ生成データを格納する不揮発性メモリを提供するROMおよび/またはフラッシュROMで構成される組み込みコントローラであってもよい。
【0097】
図8に示されている例と上記の例は、アーキテクチャ上の制限を示唆するものではない。さらに、本開示の態様のコンピュータプログラム形式は、コンピュータシステムによって使用される任意のコンピュータ可読記憶媒体(すなわち、フロッピーディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、テープ、ROM、RAMなど)上に常駐することができる。
【0098】
本明細書で説明したように、本開示の実施形態は、材料片を識別、追跡、分類、および/または分別するために説明された様々な機能を実行するように実装され得る。このような機能は、1つまたは複数のデータ処理システム(例えば、
図8のデータ処理システム3400)内など、前述のコンピュータシステム107、視覚システム110、センサシステム120の態様、および/または自動制御システム108など、ハードウェアおよび/またはソフトウェア内に実装できる。ただし、本明細書で説明する機能は、特定のハードウェア/ソフトウェアプラットフォームへの実装に限定されるものではない。
【0099】
当業者には理解されるように、本開示の態様は、システム、処理、方法、および/またはプログラム製品として具体化され得る。したがって、本開示の様々な態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または、本明細書では一般に「回路(circuit)」、「回路(circuitry)」、「モジュール」、または「システム」と呼ばれる、ソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態を取り得る。さらに、本開示の態様は、コンピュータ可読プログラムコードが組み込まれた1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体に組み込まれたプログラム製品の形態をとってもよい。(ただし、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを利用することもできる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。)
【0100】
コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、生物、原子、または半導体のシステム、装置、コントローラ、またはデバイス、あるいはそれらの任意の適切な組み合わせであってもよいが、これらに限定されず、コンピュータ可読記憶媒体それ自体は一時的な信号ではない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)には、1つまたは複数のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)(例えば、
図8のRAM3420)、読み取り専用メモリ(「ROM」)(例えば、
図8のROM3435)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(「EPROM」またはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(「CD-ROM」)、光記憶装置、磁気記憶装置(例えば、
図8のハードドライブ3431)、または前述のものの任意の適切な組み合わせが含まれ得る。この文書の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体とは、命令実行システム、装置、コントローラ、またはデバイスによって使用される、またはそれらに関連して使用されるプログラムを含むまたは記憶できる任意の有形媒体であってよい。コンピュータ可読信号媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなどを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体、または前述のものの任意の適切な組み合わせを使用して送信され得る。
【0101】
コンピュータ可読信号媒体は、例えばベースバンドまたは搬送波の一部として、その中に組み込まれたコンピュータ可読プログラムコードを有する伝播データ信号を含み得る。このような伝播信号は、電磁気、光、またはそれらの適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない、様々な形式のいずれかを取り得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、コントローラ、またはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するためのプログラムを通信、伝播、または移送できる任意のコンピュータ可読媒体であってよい。
【0102】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本開示の様々な実施形態によるシステム、方法、処理、およびプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能性、および動作を示す。この点に関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能なプログラム命令を含む、コードのモジュール、セグメント、または一部を表し得る。また、実装によっては、ブロックに示されている機能が図に示されている順序と異なる順序で実行される可能性があることにも留意されたい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されることもあれば、関係する機能に応じて、ブロックが逆の順序で実行されることもある。
【0103】
様々なタイプのプロセッサ(例えば、GPU3401、CPU3415)によって実行されるソフトウェアで実装されるモジュールには、例えば、例えば、オブジェクト、プロシージャ、または関数として編成され得るコンピュータ命令の1つまたは複数の物理ブロックまたは論理ブロックが含まれ得る。ただし、識別されたモジュールの実行可能ファイルは物理的に一緒に配置されている必要はなく、異なる場所に格納されている異種の命令が含まれていてもよく、それらは論理的に結合されると、モジュールを組み込み、モジュールの指定された目的を達成する。実際、実行可能コードのモジュールは単一の命令である場合もあれば、多数の命令である場合もあり、複数の異なるコードセグメント、異なるプログラム間、および複数のメモリデバイスに分散される場合もある。同様に、運用データ(例えば、本明細書に記載される材料分類ライブラリ)は、本明細書においてモジュール内で識別および図示され得、任意の適切な形式で具体化され、任意の適切なタイプのデータ構造内で編成され得る。運用データは単一のデータセットとして収集されてもよいし、異なるストレージデバイスを含む異なる場所に分散されてもよい。データはシステムまたはネットワーク上に電子信号を提供してもよい。
【0104】
これらのプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ(例えば、GPU3401、CPU3415)を介して実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックで指定された機能/動作を実装するための回路または手段を作成するように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置(例えば、コントローラ)の1つまたは複数のプロセッサおよび/またはコントローラに提供されて、マシンを生産することができる。
【0105】
ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、およびブロック図および/またはフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を実行する専用のハードウェアベースのシステム(例えば、1つまたは複数のグラフィックス処理ユニット(GPU3401など)を含み得る)、または専用ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実装できることにも留意されたい。例えば、モジュールは、カスタムVLSI回路やゲートアレイ、論理チップなどの既製の半導体、トランジスタ、コントローラ、またはその他のディスクリート構成要素を含むハードウェア回路として実装できる。モジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイスなどのプログラマブルハードウェアデバイスで実装することもできる。
【0106】
本開示の態様の動作を実行するためのコンピュータプログラムコード、すなわち命令は、Java、Smalltalk、Python、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、「C」プログラミング言語もしくは類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語、MATLABもしくはLabVIEWなどのプログラミング言語、または本明細書で開示する機械学習ソフトウェアのいずれか、を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。プログラムコードは、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして完全にユーザのコンピュータシステム上で実行され、一部がユーザのコンピュータシステム上で実行され、一部がユーザのコンピュータシステム(例えば、分別に使用されるコンピュータシステム)上で実行され、一部がリモートコンピュータシステム(例えば、機械学習システムの訓練に使用されるコンピュータシステムなど)上で実行され、または完全にリモートコンピュータシステムまたはサーバ上で実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータシステムは、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)またはワイドエリアネットワーク(「WAN」)を含むあらゆるタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータシステムに接続することができ、または、外部コンピュータシステムに接続することもできる(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用したインターネット経由で)。前述の例として、本開示の様々な態様は、コンピュータシステム107、自動化制御システム108、視覚システム110、およびセンサシステム120の態様のうちの1つまたは複数上で実行するように構成され得る。
【0107】
これらのプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に格納された命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックで指定された機能/動作を実装する命令を含む製品を生産するように、コンピュータシステム、他のプログラム可能なデータ処理装置、コントローラ、または他のデバイスを特定の方法で機能させることができるコンピュータ可読記憶媒体に格納することもできる。
【0108】
プログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックで指定された機能/動作を実装するための処理を提供するように、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、コントローラ、または他の装置にロードされて、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他の装置上で一連の動作ステップを実行させて、コンピュータ実装処理を生成することもできる。
【0109】
様々な実装のデータを保存し、データへのアクセスを提供するために、ホストに1つまたは複数のデータベースを含めることができる。当業者であれば、セキュリティ上の理由から、本開示の任意のデータベース、システム、または構成要素は、単一の場所または複数の場所にあるデータベースまたは構成要素の任意の組み合わせを含んでもよく、各データベースまたはシステムは、ファイアウォール、アクセスコード、暗号化、復号化などの様々な適切なセキュリティ機能のいずれかを含んでもよいことも理解するであろう。データベースは、リレーショナル、階層型、オブジェクト指向などの任意のタイプのデータベースであり得る。データベースの実装に使用できる一般的なデータベース製品には、IBMのDB2、Oracle Corporationから入手可能なデータベース製品、Microsoft CorporationのMicrosoft Access、またはその他のデータベース製品が含まれる。データベースは、データテーブルやルックアップテーブルなど、適切な方法で編成できる。
【0110】
特定のデータの関連付け(例えば、本明細書に記載の分別システムによって処理されるスクラップ片のそれぞれについて)は、当技術分野で知られ実践されている任意のデータ関連付け技術を通じて達成することができる。例えば、関連付けは手動または自動で実行できる。自動関連付け技術には、例えば、データベース検索、データベースのマージ、GREP、AGREP、SQLなどが含まれ得る。関連付けステップは、例えば製造業者と小売業者のそれぞれのデータテーブルのキーフィールドを使用するデータベースマージ機能によって達成できる。キーフィールドは、キーフィールドで定義されたオブジェクトの高レベルクラスに従ってデータベースを分割する。例えば、特定のクラスを第1のデータテーブルと第2のデータテーブルの両方のキーフィールドとして指定することができ、キーフィールドのクラスデータに基づいて2つのデータテーブルをマージすることができる。これらの実施形態では、マージされたデータテーブルのそれぞれのキーフィールドに対応するデータは同じであることが好ましい。ただし、同一ではないものの、キーフィールドに類似したデータを持つデータテーブルも、例えば、AGREPを使用してマージできる。
【0111】
本開示の実施形態は、複数の異なるクラスの材料を含む第1の材料混合物を取り扱うための装置を提供し、この装置は、第1の材料混合物のそれぞれの視覚的に観察された特性を捕捉するように構成された画像センサと、捕捉された視覚的に観察された特性に基づいて、第1の混合物の第1の複数の材料を第1の材料クラスに属するものとして分類するために、予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットで構成されたニューラルネットワークを実装する機械学習システムを含むデータ処理システムであって、予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、第1の材料クラスに一意に関連付けられ、第1の材料クラスに属するものとして分類された第1の混合物の複数の材料は、第1の材料クラスに属するものとして分類されていない第1の混合物内の材料とは異なる化学組成を有する、データ処理システムと、を備えている。第1の材料クラスに一意に関連付けられた予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、第1の材料クラスの1つまたは複数のサンプルの捕捉された視覚的に観察された特性から生成されてもよい。予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、ニューラルネットワークを実装する人工知能システムが、第1の材料クラスを表す材料の対照セットの視覚画像を処理する訓練段階で生成されてもよい。予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、第1の材料クラスが有する化学組成を示す視覚的に識別可能な特性を表すように指定されてもよい。装置は、第1の混合物の第1の複数の材料の分類に応じて、第1の混合物の分類された第1の複数の材料を第1の混合物から分別するように構成された第1の分別機であって、第1の混合物の分類された第1の複数の材料を第1の分別機によって第1の混合物から分別することにより、第1の混合物から第1の混合物の分類された第1の複数の材料を差し引いた第2の材料混合物が生成され、第1の材料クラスはロウトアルミニウム合金であり、第2の材料混合物は、複数の異なる鋳造アルミニウム合金を含む鋳造アルミニウム材料片を含む、第1の分別機と、蛍光X線(「XRF」)システムであって、XRFシステムによって生成されたスペクトルデータに応じて、第2の混合物の第2の複数の材料を第1の特定の鋳造アルミニウム合金に属するものとして分類するように構成された、蛍光X線(「XRF」)システムと、XRFシステムによる第2の混合物の第2の複数の材料の分類に応じて、第2の混合物の分類された第2の複数の材料を第2の混合物から分別するように構成された第2の分別機であって、第2の混合物から分類された第2の複数の材料を第2の分別機によって分別することにより、第2の混合物から第2の混合物の分類された第2の複数の材料を差し引いた第3の材料混合物が生成され、第3の混合物は、第1の特定の鋳造アルミニウム合金とは異なる第2の特定の鋳造アルミニウム合金に属する材料を含む、第2の分別機と、をさらに備えていてもよい。装置は、第1の混合物の第1の複数の材料の分類に応じて、第1の混合物の分類された第1の複数の材料を第1の混合物から分別するように構成された第1の分別機であって、第1の材料混合物は鋳造アルミニウム合金とロウトアルミニウム合金を含み、第1の材料クラスはロウトアルミニウム合金であり、分類された第1の複数の材料は、第1および第2の異なるロウトアルミニウム合金を含む、第1の分別機と、分類された第1の複数の材料のうちの第2の複数の材料を、第1および第2の異なるロウトアルミニウム合金のうちの1つに属するものとして分類するように構成されたレーザー誘起ブレークダウン分光法(「LIBS」)システムと、LIBSシステムによる第2の複数の材料の分類に応じて、分類された第1の複数の材料から分類された第2の複数の材料を分別するように構成された第2の分別機と、をさらに備えていてもよい。
【0112】
本開示の実施形態は、複数の異なるタイプの材料を含む第1の不均一材料混合物を取り扱うための方法を提供し、この方法は、第1の不均一材料混合物の各材料片の特性をセンサで捕捉するステップと、予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットで構成されたニューラルネットワークを実装する人工知能システムを用いて、第1の不均一材料混合物の各材料片の捕捉された特性に基づいて、第1の不均一材料混合物のうちの特定のものに第1のタイプの材料に属するものとして第1の分類を割り当てるステップであって、予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、第1のタイプの材料に一意に関連付けられており、第1のタイプの材料に属するものとして割り当てられた第1の不均一材料混合物のうちの特定のものは、第1のタイプの材料に属するものとして割り当てられていない第1の不均一混合物内の材料とは異なる化学組成を有する、ステップと、を含む。方法は、第1の分類に応じて、第1の不均一材料混合物のうちの特定のものを第1の不均一混合物から分別するステップであって、分別により、第1の不均一材料混合物から第1の不均一材料混合物のうち分別された特定のものを差し引いた第2の不均一材料混合物が生成される、ステップと、LIBSシステムを用いて、第2の不均一材料混合物のうちの特定のものに第2のタイプの材料に属するものとして第2の分類を割り当てるステップと、第2の分類に応じて、第2の不均一混合物から第2の不均一材料混合物のうちの特定のものを分別するステップと、をさらに含んでいてもよい。方法は、第1の分類に応じて、第1の不均一材料混合物のうちの特定のものを第1の不均一混合物から分別するステップであって、分別により、第1の不均一材料混合物から第1の不均一材料混合物のうち分別された特定のものを差し引いた第2の不均一材料混合物が生成される、ステップと、XRFシステムを用いて、第2の不均一材料混合物のうちの特定のものに第2のタイプの材料に属するものとして第2の分類を割り当てるステップと、第2の分類に応じて、第2の不均一混合物から第2の不均一材料混合物のうちの特定のものを分別するステップと、をさらに含んでいてもよい。予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、第1のタイプの材料の対照サンプルの予め生成された分類から生成されてもよい。センサは、第1の不均一材料混合物の各材料片の視覚画像を捕捉して画像データを生成するように構成されたカメラであってもよく、捕捉された特性は視覚的に観察された特性であり、予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、第1の材料クラスが有する化学組成を示す視覚的に識別可能な特性を表すように指定される。方法は、第1の分類に応じて、第1の不均一混合物から第1の不均一材料混合物のうちの特定のものを分別するステップであって、第1の不均一材料混合物のうちの特定のものは、第1および第2の異なるロウトアルミニウム合金を含み、第1の不均一材料混合物は鋳造アルミニウム合金とロウトアルミニウム合金とを含んでいてもよく、第1のタイプの材料はロウトアルミニウム合金である、ステップと、LIBSシステムを用いて、第1の不均一材料混合物の特定のもののうちの複数の材料を、第1および第2の異なるロウトアルミニウム合金の1つに属するものとして分類するステップと、LIBSシステムを用いて、複数の材料の分類に応じて、第1の不均一材料混合物のうちの特定のものから、分類された複数の材料を分別するステップと、をさらに含んでいてもよい。方法は、第1の分類に応じて、第1の不均一材料混合物のうちの特定のものを第1の不均一混合物から分別するステップであって、第1の不均一材料混合物のうちの特定のものを第1の不均一混合物から分別することにより、第1の不均一混合物から第1の不均一材料混合物のうちの特定のものを差し引いた第2の不均一材料混合物が生成され、第2の不均一材料混合物は、複数の異なる鋳造アルミニウム合金を含む鋳造アルミニウム材料片を含み、第1のタイプの材料はロウトアルミニウム合金である、ステップと、XRFシステムを用いて、第2の不均一混合物のうちの特定のものを、XRFシステムによって生成されたスペクトルデータに応じて第1の特定の鋳造アルミニウム合金に属するものとして分類するステップと、XRFシステムによる第2の不均一混合物のうちの特定のものの分類に応じて、第2の不均一混合物から第2の不均一混合物のうちの特定のものを分別するステップであって、第2の不均一混合物から第2の不均一混合物のうちの特定のものを分別することにより、第2の不均一混合物から第2の不均一混合物のうちの特定のものを差し引いた第3の材料混合物が生成され、第3の混合物は、第1の特定の鋳造アルミニウム合金とは異なる第2の特定の鋳造アルミニウム合金に属する材料を含む、ステップと、をさらに含んでいてもよい。予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、ニューラルネットワークを実装する人工知能システムが、第1の材料クラスを表す材料の対照セットの視覚画像を処理する訓練段階で生成されてもよい。予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、第1のタイプの材料が有する化学組成を示す視覚的に識別可能な特性を表すように指定されてもよい。
【0113】
本開示の実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラム製品を提供し、このコンピュータプログラム製品は、データ処理システムによって実行されると、第1の材料混合物のそれぞれの特性を受け取ることと、予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットで構成されたニューラルネットワークを実装する人工知能システムを用いて、受け取った特性に基づいて、第1の混合物の第1の複数の材料に第1の分類を第1の材料クラスに属するものとして割り当てることであって、予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、第1の材料クラスに一意に関連付けられ、第1の材料クラスに属するものとして割り当てられた第1の混合物の第1の複数の材料は、第1の材料クラスに属するものとして割り当てられていない第1の混合物内の材料とは異なる化学組成を有する、ことと、を含む処理を実行する。予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、第1のタイプの材料の対照サンプルの予め生成された分類から生成されてもよい。捕捉された特性は、カメラによって捕捉された視覚的に観察された特性であり得、予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、第1の材料クラスが有する化学組成を示す視覚的に識別可能な特性を表すように指定されていてもよい。コンピュータプログラム製品は、第1の分類に応じて、第1の混合物から第1の混合物の第1の複数の材料を分別することを指示することであって、第1の混合物から第1の混合物の第1の複数の材料を分別することにより、第2の材料混合物が生成され、第2の材料混合物は、複数の異なるロウトアルミニウム合金を含むロウトアルミニウム材料片を含み、第1の材料クラスは鋳造アルミニウム合金である、ことと、LIBSシステムから、第2の混合物のうちの特定のものに第1の特定のロウトアルミニウム合金に属するものとして割り当てられた第2の分類を受け取ることと、第2の分類に応じて、第2の混合物から第2の混合物のうちの特定のものを分別することを指示することであって、第2の混合物から第2の混合物のうちの特定のものを分別することにより、第3の材料混合物が生成され、第3の混合物は、第1の特定のロウトアルミニウム合金とは異なる第2の特定のロウトアルミニウム合金に属する材料を含む、ことと、をさらに含んでいてもよい。コンピュータプログラム製品は、第1の分類に応じて第1の混合物から第1の混合物の第1の複数の材料を分別することを指示することであって、第1の複数の材料は複数の異なる鋳造アルミニウム合金を含み、第1の材料クラスは鋳造アルミニウム合金である、ことと、XRFシステムから、XRFシステムによって生成されたスペクトルデータに応じて、第1の特定の鋳造アルミニウム合金に属するものとして第1の複数の材料のうちの特定のものに割り当てられた第2の分類を受け取ることと、第2の分類に応じて、第1の複数の材料から第1の複数の材料のうちの特定のものを分別することを指示することであって、第1の複数の材料から第1の複数の材料を分別することにより、第2の材料混合物が生成され、第2の混合物は、第1の特定の鋳造アルミニウム合金とは異なる第2の特定の鋳造アルミニウム合金に属する材料を含む、ことと、をさらに含んでいてもよい。
【0114】
本明細書では、デバイスを「構成する」こと、または何らかの機能を実行するように「構成された」デバイスについて言及する。これには、監視または制御機能を含む特定の論理機能を提供するように、事前定義された論理ブロックを選択し、それらを論理的に関連付けることが含まれる場合があることを理解されたい。また、改造制御装置のコンピュータソフトウェアベースのロジックのプログラミング、個別のハードウェア構成要素の配線、または前述のいずれかまたはすべての組み合わせも含まれ得る。このように構成された装置は、指定された機能を実行するように物理的に設計されている。
【0115】
本明細書の説明では、本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、プログラミング、ソフトウェアモジュール、ユーザ選択、ネットワークトランザクション、データベースクエリ、データベース構造、ハードウェアモジュール、ハードウェア回路、ハードウェアチップ、コントローラなどの例などの多くの具体的な詳細が提供される。ただし、当業者は、本開示が、1つまたは複数の特定の詳細なしで、または他の方法、構成要素、材料などを使用して実施され得ることを認識するであろう。他の場合には、本開示の態様を曖昧にすることを避けるために、よく知られている構造、材料、または動作については、詳細に図示または説明しない場合がある。
【0116】
本明細書全体を通じて「一実施形態」、「実施形態」、または同様の用語への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる「一実施形態において」、「実施形態において」、「実施形態」、「特定の実施形態」、「様々な実施形態」、および同様の用語の出現は、すべて同じ実施形態を指す場合があるが、必ずしも同じであるとは限らない。さらに、本開示の記載された特徴、構造、態様、および/または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。これに応じて、機能が最初は特定の組み合わせで機能すると主張されていたとしても、場合によっては、特許請求の範囲に記載された組み合わせから1つまたは複数の特徴を組み合わせから削除することができ、特許請求の範囲に記載された組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形例を対象とすることができる。
【0117】
利益、利点、および問題の解決策は、特定の実施形態に関して上記で説明されている。ただし、利益、利点、問題の解決策、および利益、利点、解決策が発生する、またはより顕著になる可能性のある要素は、一部またはすべての特許請求の範囲の重要な、必要な、または必須の機能や要素として解釈されない場合がある。さらに、本明細書に記載されている構成要素は、必須または重要であると明示的に記載されていない限り、本開示の実施に必要ではない。
【0118】
この開示を読んだ当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態に変更および修正を加え得ることを認識するであろう。本明細書に示され説明される特定の実装は、本開示およびその最良の形態を例示するものであり、いかなる形であっても本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。他の変形も以下の特許請求の範囲内に含まれ得る。
【0119】
本明細書には多くの詳細が含まれているが、これらは本開示の範囲または特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろ本開示の特定の実装に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。本明細書の見出しは、開示、開示の実施形態、または見出しの下に開示される他の事項を限定することを意図していない場合がある。
【0120】
本明細書において、「または」という用語は包括的なものであることが意図されており、「AまたはB」にはAまたはBが含まれ、さらにAとBの両方も含まれる。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、エンティティのリストの文脈で使用される場合、単独または組み合わせて存在するエンティティを指す。したがって、例えば、「A、B、C、および/またはD」という語句には、A、B、C、およびDが個別に含まれるが、A、B、C、およびDのあらゆる組み合わせおよびサブコンビネーションも含まれる。
【0121】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本開示を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数形も含むことを意図する場合がある。
【0122】
以下の特許請求の範囲における対応する構造、材料、動作、およびすべての手段またはステッププラス機能要素の均等物は、特に特許請求されている他の特許請求の要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、または動作を含むことが意図されている場合がある。
【0123】
特定された特性または状況に関して本明細書で使用される場合、「実質的に」とは、特定された特性または状況を測定できるほど損なわないほど十分に小さい逸脱の程度を指す。許容される逸脱の正確な程度は、場合によっては特定の状況に依存する場合がある。
【0124】
本明細書で使用される場合、便宜上、複数の品目、構造要素、構成要素、および/または材料が共通のリストで提示される場合がある。ただし、これらのリストは、リストの各部材が別個の一意の部材として個別に識別されているかのように解釈される必要がある。したがって、そのようなリストの個々の部材は、反対の兆候なしに、共通のグループ内での表現のみに基づいて、同じリストの他の部材と事実上同等であると解釈されるべきではない。
【0125】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語(周期表内の化学元素に使用される頭字語など)は、ここで開示される主題が属する当業者に一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の任意の方法、装置、および材料が、本明細書で開示される主題の実践または試験に使用され得るが、代表的な方法、装置、および材料がここで説明される。
【0126】
別段の指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される成分、反応条件などの量を表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、反対の指示がない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載されている数値パラメータは、ここに開示されている主題によって得られることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、質量、重量、時間、体積、濃度または割合の値または量を指す場合、開示された方法を実行するのにそのような変動が適切であるため、特定の量から、いくつかの実施形態では±20%、いくつかの実施形態では±10%、いくつかの実施形態では±5%、いくつかの実施形態では±1%、いくつかの実施形態では±0.5%、いくつかの実施形態では±0.1%、の変動を包含することを意味する。
【符号の説明】
【0127】
100 システム
101 材料片
103 コンベヤシステム、コンベヤベルト
104 コンベヤベルトモータ、駆動モータ
105 位置検出器
107 コンピュータシステム
108 自動制御システム
109 実写カメラ
110 視覚システム(光学認識システム)
111 距離測定装置
112 制御システム
120 センサシステム
121 放射源、線源
122 電源
124 検出器
125 検出器電子機器
126…129 分別装置
136…139 分別ビン
140 ビン、分別ビン
1600 処理
1601 複数の金属合金片、材料片
1602 コンベヤベルト、コンベヤシステム
1603、1604、1605、1606、1607、1608 コンベヤシステム
1610、1612 センサシステム
1611 XRFまたはLIBSシステム
1620、1621 分別装置、分別機
1630 ビン(容器)
3400 データ処理システム、コンピュータシステム
3401 グラフィックスプロセッサユニット、GPU
3405 ローカルバス
3412 ユーザインターフェースアダプタ
3413 キーボード
3414 マウス
3415 プロセッサ(CPU)
3416 ディスプレイアダプタ
3420 揮発性メモリ、RAM
3425 ネットワーク(LAN)アダプタ
3430 I/Oアダプタ
3431 ハードディスクドライブ
3432 テープドライブ
3435 不揮発性メモリ、ROM
3440 ディスプレイ
【手続補正書】
【提出日】2024-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なるクラスの材料を含む第1の材料混合物を取り扱うための装置であって、
前記第1の材料混合物のそれぞれの視覚的に観察された特性を捕捉するように構成された画像センサと、
前記捕捉された視覚的に観察された特性
のみに基づいて、前記第1の混合物の第1の複数の材料を第1の材料クラスに属するものとして分類するために、予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットで構成されたニューラルネットワークを実装する機械学習システムを含むデータ処理システムであって、前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、前記第1の材料クラスに一意に関連付けられ、前記第1の材料クラスに属するものとして分類された前記第1の混合物の前記複数の材料は、前記第1の材料クラスに属するものとして分類されていない前記第1の混合物内の前記材料とは異なる化学組成を有
し、前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、前記第1の材料クラスが有する前記化学組成を示す視覚的に識別可能な特性を表すように指定されている、データ処理システムと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記第1の材料クラスに一意に関連付けられた前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、前記第1の材料クラスの1つまたは複数のサンプルの捕捉された視覚的に観察された特性から生成された、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、ニューラルネットワークを実装する人工知能システムが、前記第1の材料クラスを表す材料の対照セットの視覚画像を処理する訓練段階で生成された、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の材料クラスはロウトアルミニウム合金であり、前記装置は、
前記第1の混合物の前記第1の複数の材料の前記分類に応じて、前記第1の混合物の前記分類された第1の複数の材料を前記第1の混合物から分別するように構成された第1の分別機であって、前記第1の混合物の前記分類された第1の複数の材料を前記第1の分別機によって前記第1の混合物から前記分別することにより、前記第1の混合物から前記第1の混合物の前記分類された第1の複数の材料を差し引いた第2の材料混合物が生成され、前記第2の材料混合物は、複数の異なる鋳造アルミニウム合金を含む鋳造アルミニウム材料片を含む、第1の分別機と、
蛍光X線(「XRF」)システムであって、前記XRFシステムによって生成されたスペクトルデータに応じて、前記第2の混合物の第2の複数の材料を第1の特定の鋳造アルミニウム合金に属するものとして分類するように構成された、蛍光X線(「XRF」)システムと、
前記XRFシステムによる前記第2の混合物の前記第2の複数の材料の前記分類に応じて、前記第2の混合物の前記分類された第2の複数の材料を前記第2の混合物から分別するように構成された第2の分別機であって、前記第2の混合物から前記分類された第2の複数の材料を前記第2の分別機によって前記分別することにより、前記第2の混合物から前記第2の混合物の前記分類された第2の複数の材料を差し引いた第3の材料混合物が生成され、前記第3の混合物は、前記第1の特定の鋳造アルミニウム合金とは異なる第2の特定の鋳造アルミニウム合金に属する材料を含む、第2の分別機と、
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の材料混合物は鋳造アルミニウム合金とロウトアルミニウム合金を含み、前記第1の材料クラスはロウトアルミニウム合金であり、前記装置は、
前記第1の混合物の前記第1の複数の材料の前記分類に応じて、前記第1の混合物の前記分類された第1の複数の材料を前記第1の混合物から分別するように構成された第1の分別機であって、前記分類された第1の複数の材料は、第1および第2の異なるロウトアルミニウム合金を含む、第1の分別機と、
前記分類された第1の複数の材料のうちの第2の複数の材料を、前記第1および第2の異なるロウトアルミニウム合金のうちの1つに属するものとして分類するように構成されたレーザー誘起ブレークダウン分光法(「LIBS」)システムと、
前記LIBSシステムによる前記第2の複数の材料の前記分類に応じて、前記分類された第1の複数の材料から前記分類された第2の複数の材料を分別するように構成された第2の分別機と、
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
複数の異なるタイプの材料を含む第1の不均一材料混合物を取り扱うための方法であって、
前記第1の不均一材料混合物の各材料片の特性をセンサで捕捉するステップ
であって、前記センサは、前記第1の不均一材料混合物の各材料片の視覚画像を捕捉して画像データを生成するように構成されたカメラであり、前記捕捉された特性は視覚的に観察された特性である、ステップと、
予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットで構成されたニューラルネットワークを実装する人工知能システムを用いて、前記第1の不均一材料混合物の各材料片の前記捕捉された
視覚的に観察された特性
のみに基づいて、前記第1の不均一材料混合物のうちの特定のものに第1のタイプの材料に属するものとして第1の分類を割り当てるステップであって、前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、前記第1のタイプの材料に一意に関連付けられており、前記第1のタイプの材料に属するものとして割り当てられた前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものは、前記第1のタイプの材料に属するものとして割り当てられていない前記第1の不均一混合物内の前記材料とは異なる化学組成を有
し、前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、第1の材料クラスが有する前記化学組成を示す視覚的に識別可能な特性を表すように指定されている、ステップと、
を含む、方法。
【請求項7】
前記第1の分類に応じて、前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものを前記第1の不均一混合物から分別するステップであって、前記分別により、前記第1の不均一材料混合物から前記第1の不均一材料混合物のうち前記分別された特定のものを差し引いた第2の不均一材料混合物が生成される、ステップと、
LIBSシステムを用いて、前記第2の不均一材料混合物のうちの特定のものに第2のタイプの材料に属するものとして第2の分類を割り当てるステップと、
前記第2の分類に応じて、前記第2の不均一混合物から前記第2の不均一材料混合物のうちの前記特定のものを分別するステップと、
をさらに含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の分類に応じて、前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものを前記第1の不均一混合物から分別するステップであって、前記分別により、前記第1の不均一材料混合物から前記第1の不均一材料混合物のうち前記分別された特定のものを差し引いた第2の不均一材料混合物が生成される、ステップと、
XRFシステムを用いて、前記第2の不均一材料混合物のうちの特定のものに第2のタイプの材料に属するものとして第2の分類を割り当てるステップと、
前記第2の分類に応じて、前記第2の不均一混合物から前記第2の不均一材料混合物のうちの前記特定のものを分別するステップと、
をさらに含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項9】
前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、前記第1のタイプの材料の対照サンプルの予め生成された分類から生成された、請求項
6に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の不均一材料混合物は鋳造アルミニウム合金とロウトアルミニウム合金とを含み、前記第1のタイプの材料はロウトアルミニウム合金であり、前記方法は、
前記第1の分類に応じて、前記第1の不均一混合物から前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものを分別するステップであって、前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものは、第1および第2の異なるロウトアルミニウム合金を含む、ステップと、
レーザー誘起ブレークダウン分光法(「LIBS」)システムを用いて、前記第1の不均一材料混合物の前記特定のもののうちの複数の材料を、前記第1および第2の異なるロウトアルミニウム合金の1つに属するものとして分類するステップと、
前記LIBSシステムを用いて、前記複数の材料の前記分類に応じて、前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものから、前記分類された複数の材料を分別するステップと、
をさらに含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のタイプの材料はロウトアルミニウム合金であり、前記方法は、
前記第1の分類に応じて、前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものを前記第1の不均一混合物から分別するステップであって、前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものを前記第1の不均一混合物から前記分別することにより、前記第1の不均一混合物から前記第1の不均一材料混合物のうちの前記特定のものを差し引いた第2の不均一材料混合物が生成され、前記第2の不均一材料混合物は、複数の異なる鋳造アルミニウム合金を含む鋳造アルミニウム材料片を含む、ステップと、
蛍光X線(「XRF」)システムを用いて、前記第2の不均一混合物のうちの特定のものを、前記XRFシステムによって生成されたスペクトルデータに応じて第1の特定の鋳造アルミニウム合金に属するものとして分類するステップと、
前記XRFシステムによる前記第2の不均一混合物のうちの前記特定のものの前記分類に応じて、前記第2の不均一混合物から前記第2の不均一混合物のうちの前記特定のものを分別するステップであって、前記第2の不均一混合物から前記第2の不均一混合物のうちの前記特定のものを前記分別することにより、前記第2の不均一混合物から前記第2の不均一混合物のうちの前記特定のものを差し引いた第3の材料混合物が生成され、前記第3の混合物は、前記第1の特定の鋳造アルミニウム合金とは異なる第2の特定の鋳造アルミニウム合金に属する材料を含む、ステップと、
をさらに含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項12】
前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、ニューラルネットワークを実装する人工知能システムが、第1の材料クラスを表す材料の対照セットの視覚画像を処理する訓練段階で生成された、請求項
6に記載の方法。
【請求項13】
コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラム製品であって、データ処理システムによって実行されると、
第1の材料混合物のそれぞれの特性を受け取る
ことであって、前記受け取った特性は、カメラによって捕捉された視覚的に観察された特性である、ことと、
予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットで構成されたニューラルネットワークを実装する人工知能システムを用いて、前記受け取った特性
のみに基づいて、前記第1の混合物の第1の複数の材料に第1の分類を第1の材料クラスに属するものとして割り当てることであって、前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、前記第1の材料クラスに一意に関連付けられ、前記第1の材料クラスに属するものとして割り当てられた前記第1の混合物の前記第1の複数の材料は、前記第1の材料クラスに属するものとして割り当てられていない前記第1の混合物内の前記材料とは異なる化学組成を有
し、前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、前記第1の材料クラスが有する前記化学組成を示す視覚的に識別可能な特性を表すように指定されている、ことと、
を含む処理を実行する、
コンピュータプログラム製品。
【請求項14】
前記予め生成されたニューラルネットワークパラメータのセットは、第1のタイプの材料の対照サンプルの予め生成された分類から生成された、請求項
13に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
前記第1の材料クラスは鋳造アルミニウム合金であり、前記コンピュータプログラム製品は、
前記第1の分類に応じて、前記第1の混合物から前記第1の混合物の前記第1の複数の材料を分別することを指示することであって、前記第1の混合物から前記第1の混合物の前記第1の複数の材料を前記分別することにより、第2の材料混合物が生成され、前記第2の材料混合物は、複数の異なるロウトアルミニウム合金を含むロウトアルミニウム材料片を含む、ことと、
レーザー誘起ブレークダウン分光法(「LIBS」)システムから、前記第2の混合物のうちの特定のものに第1の特定のロウトアルミニウム合金に属するものとして割り当てられた第2の分類を受け取ることと、
前記第2の分類に応じて、前記第2の混合物から前記第2の混合物のうちの前記特定のものを分別することを指示することであって、前記第2の混合物から前記第2の混合物のうちの前記特定のものを前記分別することにより、第3の材料混合物が生成され、前記第3の混合物は、前記第1の特定のロウトアルミニウム合金とは異なる第2の特定のロウトアルミニウム合金に属する材料を含む、ことと、
をさらに含む、請求項
13に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
前記第1の材料クラスは鋳造アルミニウム合金であり、前記コンピュータプログラム製品は、
前記第1の分類に応じて前記第1の混合物から前記第1の混合物の前記第1の複数の材料を分別することを指示することであって、前記第1の複数の材料は複数の異なる鋳造アルミニウム合金を含む、ことと、
蛍光X線(「XRF」)システムから、前記XRFシステムによって生成されたスペクトルデータに応じて、第1の特定の鋳造アルミニウム合金に属するものとして前記第1の複数の材料のうちの特定のものに割り当てられた第2の分類を受け取ることと、
前記第2の分類に応じて、前記第1の複数の材料から前記第1の複数の材料のうちの前記特定のものを分別することを指示することであって、前記第1の複数の材料から前記第1の複数の材料を前記分別することにより、第2の材料混合物が生成され、前記第2の混合物は、前記第1の特定の鋳造アルミニウム合金とは異なる第2の特定の鋳造アルミニウム合金に属する材料を含む、ことと、
をさらに含む、請求項
13に記載のコンピュータプログラム製品。
【国際調査報告】