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特表2024-5408272導体ワイヤにおける短絡までの距離を測定するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】2導体ワイヤにおける短絡までの距離を測定するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/08 20200101AFI20241029BHJP
   G01R 31/11 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G01R31/08
G01R31/11
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519881
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 US2022042558
(87)【国際公開番号】W WO2023064052
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】17/451,150
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.Blu-ray
3.3GPP
4.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒスコック、ポール・ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ジャービス、マーレイ
(72)【発明者】
【氏名】グラウベ、ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】バレラ、マファルダ・ペレイラ
(72)【発明者】
【氏名】アラン、トーマス
【テーマコード(参考)】
2G033
【Fターム(参考)】
2G033AA01
2G033AA07
2G033AB01
2G033AC04
2G033AD07
2G033AD25
2G033AE02
2G033AF01
2G033AF03
2G033AG14
(57)【要約】
様々な実施形態は、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するためのシステム及び方法を提供し得る。様々な実施形態は、注入トーンの位相と反射トーンの位相との間の位相差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することを含み得る。様々な実施形態は、注入トーンと反射トーンとの間の位相差及び振幅差の両方に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することを含み得る。様々な実施形態は、合成パルスの測定されたピーク電圧に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することを含み得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法であって、
前記2導体ワイヤの第1の端部に、初期既知信号位相を有する初期トーンを注入することと、
前記初期トーンを注入することから生じる前記2導体ワイヤの前記第1の端部における初期反射トーンの信号位相を測定することと、
前記初期既知信号位相と、前記初期反射トーンの測定された前記信号位相との間の位相差としての初期位相差を判定することと、
判定された前記初期位相差に少なくとも部分的に基づいて、前記2導体ワイヤにおける前記短絡までの距離を判定することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記初期既知信号位相が、初期既知電流位相であり、
前記初期反射トーンの前記測定された信号位相が、前記初期反射トーンの測定された電流位相である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記初期既知信号位相が、初期既知電圧位相であり、
前記初期反射トーンの前記測定された信号位相が、前記初期反射トーンの測定された電圧位相である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記初期トーンが、初期周波数を有し、前記方法が、
前記2導体ワイヤの前記第1の端部に、第2の初期電圧位相と、前記初期周波数とは異なる第2の周波数と、を有する第2のトーンを注入することと、
前記第2のトーンを注入することから生じる前記2導体ワイヤの前記第1の端部における第2の反射トーンの電圧位相を測定することと、
前記第2の初期電圧位相と、前記第2の反射トーンの測定された前記電圧位相との間の位相差としての第2の位相差を判定することと、
を更に含み、
前記判定された初期位相差に少なくとも部分的に基づいて、前記2導体ワイヤにおける前記短絡までの前記距離を判定することが、前記判定された初期位相差及び判定された前記第2の位相差に少なくとも部分的に基づいて、前記2導体ワイヤにおける前記短絡までの前記距離を判定することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記初期トーンを注入する前、前記第2のトーンを注入する前、及び前記短絡までの前記距離を判定する前に、前記2導体ワイヤに前記短絡を生じさせるように、前記2導体ワイヤ沿いのデバイスを制御することを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記初期トーンが、初期既知信号振幅を有し、前記方法が、
前記初期トーンを注入することから生じる前記2導体ワイヤの前記第1の端部における前記初期反射トーンの振幅を測定することと、
前記初期既知信号振幅と、前記初期反射トーンの測定された前記振幅との間の差としての初期振幅差を判定することと、
を更に含み、
前記判定された初期位相差に少なくとも部分的に基づいて、前記2導体ワイヤにおける前記短絡までの前記距離を判定することが、前記判定された初期位相差及び判定された前記初期振幅差に少なくとも部分的に基づいて、前記2導体ワイヤにおける前記短絡までの前記距離を判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記初期既知信号振幅が、初期既知電流振幅であり、
前記初期反射トーンの前記測定された振幅が、前記初期反射トーンの測定された電流振幅である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記初期既知信号振幅が、初期既知電圧振幅であり、
前記初期反射トーンの前記測定された振幅が、前記初期反射トーンの測定された電圧振幅である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法であって、
前記2導体ワイヤの第1の端部に、選択されたピーク電圧と選択されたパルス形状とを有する選択されたパルスを注入することと、
前記選択されたパルスを注入することから生じる前記2導体ワイヤの前記第1の端部における合成パルスのピーク電圧を測定することと、
前記合成パルスの測定された前記ピーク電圧に少なくとも部分的に基づいて、前記2導体ワイヤにおける前記短絡までの距離を判定することと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記選択されたパルスを注入する前に、前記2導体ワイヤの既知の長さに少なくとも部分的に基づいて、前記選択されたパルスについての前記選択されたピーク電圧と、前記選択されたパルスについての前記選択されたパルス形状と、を判定することを更に含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記選択されたパルスが、ランプパルスであり、前記ランプパルスに変調が適用されていない、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記選択されたパルスを注入する前に、
前記2導体ワイヤに短絡が存在しない間に、前記2導体ワイヤの前記第1の端部に試験パルスを注入することと、
前記試験パルスを注入することから生じる前記2導体ワイヤの前記第1の端部における帰還試験パルスのピーク電圧を測定することと、
前記帰還試験パルスの測定された前記ピーク電圧に少なくとも部分的に基づいて、前記2導体ワイヤの第2の端部までの距離を判定することと、
前記2導体ワイヤの前記第2の端部までの判定された前記距離が前記2導体ワイヤの既知の長さと同じであるかどうかを判定することと、
前記2導体ワイヤの前記第2の端部までの前記距離が前記2導体ワイヤの前記既知の長さと同じではないと判定することに応答して、較正動作を実行することと、
を更に含み、
前記2導体ワイヤの前記第1の端部に、前記選択されたパルスを注入することが、前記2導体ワイヤの前記第2の端部までの前記距離が前記2導体ワイヤの前記既知の長さと同じであると判定することに応答して、前記2導体ワイヤの前記第1の端部に、前記選択されたパルスを注入することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記2導体ワイヤの前記第1の端部に、前記選択されたパルスを注入する前に、前記2導体ワイヤに前記短絡を生じさせるように、前記2導体ワイヤ沿いのデバイスを制御することを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
距離測定回路と、
前記距離測定回路に接続されたプロセッサと、を備えるデバイスであって、前記プロセッサが、
2導体ワイヤの第1の端部に、初期既知信号位相を有する初期トーンを注入し、
前記初期トーンを注入することから生じる前記2導体ワイヤの前記第1の端部における初期反射トーンの信号位相を測定し、
前記初期既知信号位相と、前記初期反射トーンの測定された前記信号位相との間の位相差としての初期位相差を判定し、
判定された前記初期位相差に少なくとも部分的に基づいて、前記2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定する、
プロセッサ実行可能命令とともに構成されている、デバイス。
【請求項15】
前記初期既知信号位相が、初期既知電流位相であり、
前記初期反射トーンの前記測定された信号位相が、前記初期反射トーンの測定された電流位相である、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記初期既知信号位相が、初期既知電圧位相であり、
前記初期反射トーンの前記測定された信号位相が、前記初期反射トーンの測定された電圧位相である、請求項14に記載のデバイス。
【請求項17】
前記初期トーンが、初期周波数を有し、
前記プロセッサが、
前記2導体ワイヤの前記第1の端部に、第2の初期電圧位相と、前記初期周波数とは異なる第2の周波数と、を有する第2のトーンを注入し、
前記第2のトーンを注入することから生じる前記2導体ワイヤの前記第1の端部における第2の反射トーンの電圧位相を測定し、
前記第2の初期電圧位相と、前記第2の反射トーンの測定された前記電圧位相との間の位相差としての第2の位相差を判定する、
プロセッサ実行可能命令とともに更に構成されており、
前記プロセッサが、前記判定された初期位相差及び判定された前記第2の位相差に少なくとも部分的に基づいて、前記2導体ワイヤにおける前記短絡までの前記距離を判定することによって、前記判定された初期位相差に少なくとも部分的に基づいて、前記2導体ワイヤにおける前記短絡までの前記距離を判定するプロセッサ実行可能命令とともに構成されている、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記プロセッサが、
前記初期トーンを注入する前、前記第2のトーンを注入する前、及び前記短絡までの前記距離を判定する前に、前記2導体ワイヤに前記短絡を生じさせるように、前記2導体ワイヤ沿いのデバイスを制御するプロセッサ実行可能命令とともに更に構成されている、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記初期トーンが、初期既知信号振幅を有し、
前記プロセッサが、
前記初期トーンを注入することから生じる前記2導体ワイヤの前記第1の端部における前記初期反射トーンの振幅を測定し、
初期既知信号振幅と、前記初期反射トーンの測定された前記振幅との間の差としての初期振幅差を判定する、
プロセッサ実行可能命令とともに更に構成されており、
前記プロセッサが、前記判定された初期位相差及び判定された前記初期振幅差に少なくとも部分的に基づいて、前記2導体ワイヤにおける前記短絡までの前記距離を判定することによって、前記判定された初期位相差に少なくとも部分的に基づいて、前記2導体ワイヤにおける前記短絡までの前記距離を判定するプロセッサ実行可能命令とともに構成されている、請求項14に記載のデバイス。
【請求項20】
前記初期既知信号振幅が、初期既知電流振幅であり、
前記初期反射トーンの前記測定された振幅が、前記初期反射トーンの測定された電流振幅である、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記初期既知信号振幅が、初期既知電圧振幅であり、
前記初期反射トーンの前記測定された振幅が、前記初期反射トーンの測定された電圧振幅である、請求項19に記載のデバイス。
【請求項22】
前記距離測定回路が、1つの無線部のみを含む、請求項14に記載のデバイス。
【請求項23】
前記距離測定回路が、第1の無線部及び第2の無線部を備える、請求項14に記載のデバイス。
【請求項24】
前記第1の無線部及び前記第2の無線部が、両方ともBluetooth無線部である、請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
距離測定回路と、
前記距離測定回路に接続されたプロセッサと、を備えるデバイスであって、前記プロセッサが、
2導体ワイヤの第1の端部に、選択されたピーク電圧と選択されたパルス形状とを有する選択されたパルスを注入し、
前記選択されたパルスを注入することから生じる前記2導体ワイヤの前記第1の端部における合成パルスのピーク電圧を測定し、
前記合成パルスの測定された前記ピーク電圧に少なくとも部分的に基づいて、前記2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定する、
プロセッサ実行可能命令とともに構成されている、デバイス。
【請求項26】
前記プロセッサが、
前記選択されたパルスを注入する前に、前記2導体ワイヤの既知の長さに少なくとも部分的に基づいて、前記選択されたパルスについての前記選択されたピーク電圧と、前記選択されたパルスについての前記選択されたパルス形状と、を判定する
プロセッサ実行可能命令とともに更に構成されている、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記選択されたパルスが、ランプパルスであり、前記ランプパルスに変調が適用されていない、請求項25に記載のデバイス。
【請求項28】
前記プロセッサが、前記選択されたパルスを注入する前に、
前記2導体ワイヤに短絡が存在しない間に、前記2導体ワイヤの前記第1の端部に試験パルスを注入し、
前記試験パルスを注入することから生じる前記2導体ワイヤの前記第1の端部における帰還試験パルスのピーク電圧を測定し、
前記帰還試験パルスの測定された前記ピーク電圧に少なくとも部分的に基づいて、前記2導体ワイヤの第2の端部までの距離を判定し、
前記2導体ワイヤの前記第2の端部までの判定された前記距離が前記2導体ワイヤの既知の長さと同じであるかどうかを判定し、
前記2導体ワイヤの前記第2の端部までの前記距離が前記2導体ワイヤの前記既知の長さと同じではないと判定することに応答して、較正動作を実行する、
プロセッサ実行可能命令とともに更に構成されており、
前記プロセッサが、前記2導体ワイヤの前記第2の端部までの前記距離が前記2導体ワイヤの前記既知の長さと同じであると判定することに応答して、前記選択されたパルスを前記2導体ワイヤの前記第1の端部に注入することによって、前記選択されたパルスを前記2導体ワイヤの前記第1の端部に注入するプロセッサ実行可能命令とともに構成されている、請求項25に記載のデバイス。
【請求項29】
前記プロセッサが、
前記2導体ワイヤの前記第1の端部に、前記選択されたパルスを注入する前に、前記2導体ワイヤに前記短絡を生じさせるように、前記2導体ワイヤ沿いのデバイスを制御する
プロセッサ実行可能命令とともに更に構成されている、請求項25に記載のデバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年10月15日に出願された米国特許出願第17/451,150号からの優先権の利益を主張し、その出願の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002] 2導体ワイヤ沿いの短絡の位置、具体的にはワイヤの端部から短絡までの距離、を検出及び位置特定するためのデバイスは、システム検査、システム故障検出、システム診断、及びシステムトポロジ測定をサポートする貴重なツールである。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 様々な態様は、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するためのシステム及び方法を含む。様々な態様は、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法を含み得る。様々な態様では、方法は、2導体ワイヤに接続されたデバイスのプロセッサによって実行され得る。
【0004】
[0004] 様々な態様は、2導体ワイヤの第1の端部に、初期既知信号位相を有する初期トーンを注入することと、初期トーンを注入することから生じる2導体ワイヤの第1の端部における初期反射トーンの信号位相を測定することと、初期既知信号位相と、初期反射トーンの測定された信号位相との間の位相差としての初期位相差を判定することと、判定された初期位相差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することと、を含み得る。いくつかの態様では、初期既知信号位相は、初期既知電流位相であり得、初期反射トーンの測定された信号位相は、初期反射トーンの測定された電流位相であり得る。いくつかの態様では、初期既知信号位相は、初期既知電圧位相であり得、初期反射トーンの測定された信号位相は、初期反射トーンの測定された電圧位相であり得る。
【0005】
[0005] 様々な態様では、初期トーンは、初期周波数を有し得る。様々な態様は、2導体ワイヤの第1の端部に、第2の初期電圧位相と、初期周波数とは異なる第2の周波数と、を有する第2のトーンを注入することと、第2のトーンを注入することから生じる2導体ワイヤの第1の端部における第2の反射トーンの電圧位相を測定することと、第2の初期電圧位相と、第2の反射トーンの測定された電圧位相との間の位相差としての第2の位相差を判定することと、を更に含む。様々な態様では、判定された初期位相差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することが、判定された初期位相差及び判定された第2の位相差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することを含み得る。
【0006】
[0006] 様々な態様は、初期トーンを注入する前、第2のトーンを注入する前、及び短絡までの距離を判定する前に、2導体ワイヤに短絡を生じさせるように、2導体ワイヤに沿いのデバイスを制御することを更に含み得る。
【0007】
[0007] いくつかの態様では、初期トーンが、初期既知信号振幅を有し得る。いくつかの態様は、初期トーンを注入することから生じる2導体ワイヤの第1の端部における初期反射トーンの振幅を測定することと、初期既知振幅と、初期反射トーンの測定された振幅との間の差としての初期振幅差を判定することと、を更に含み得る。いくつかの態様では、判定された初期位相差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することが、判定された初期位相差及び判定された初期振幅差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することを含み得る。いくつかの態様では、初期既知信号振幅は、初期既知電流振幅であり得、初期反射トーンの測定された振幅は、初期反射トーンの測定された電流振幅であり得る。いくつかの態様では、初期既知信号振幅は、初期既知電圧振幅であり得、初期反射トーンの測定された振幅は、初期反射トーンの測定された電圧振幅であり得る。
【0008】
[0008] いくつかの態様は、2導体ワイヤの第1の端部に、選択されたピーク電圧と選択されたパルス形状とを有する選択されたパルスを注入することと、選択されたパルスを注入することから生じる2導体ワイヤの第1の端部における合成パルスのピーク電圧を測定することと、合成パルスの測定されたピーク電圧に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することと、を含み得る。
【0009】
[0009] いくつかの態様は、選択されたパルスを注入する前に、2導体ワイヤの既知の長さに少なくとも部分的に基づいて、選択されたパルスについての選択されたピーク電圧と、選択されたパルスについての選択されたパルス形状と、を判定することを更に含み得る。いくつかの態様では、選択されたパルスが、ランプパルスであり得、ランプパルスに変調が適用されていない。
【0010】
[0010] いくつかの態様は、選択されたパルスを注入する前に、2導体ワイヤに短絡が存在しない間に、2導体ワイヤの第1の端部に試験パルスを注入することと、試験パルスを注入することから生じる2導体ワイヤの第1の端部における帰還試験パルスのピーク電圧を測定することと、帰還試験パルスの測定されたピーク電圧に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤの第2の端部までの距離を判定することと、2導体ワイヤの第2の端部までの判定された距離が2導体ワイヤの既知の長さと同じであるかどうかを判定することと、2導体ワイヤの第2の端部までの距離が2導体ワイヤの既知の長さと同じではないと判定することに応答して、較正動作を実行することと、を含み得る。いくつかの態様では、2導体ワイヤの第1の端部に、選択されたパルスを注入することが、2導体ワイヤの第2の端部までの距離が2導体ワイヤの既知の長さと同じであると判定することに応答して、2導体ワイヤの第1の端部に、選択されたパルスを注入することを含み得る。
【0011】
[0011] 様々な態様は、2導体ワイヤの第1の端部に、選択されたパルスを注入する前に、2導体ワイヤに短絡を生じさせるように、2導体ワイヤいのデバイスを制御することを含み得る。
【0012】
[0012] 更なる態様は、上記で要約された方法のうちのいずれかの1つ又は複数の動作を実行するように構成されたプロセッサを有するデバイスを含み得る。更なる態様は、上記で要約された方法のうちのいずれかの動作を実行するプロセッサ実行可能命令とともに構成されたデバイスで使用するための処理デバイスを含み得る。更なる態様は、デバイスのプロセッサに、上記で要約された方法のうちのいずれかの動作を実行させるように構成されたプロセッサ実行可能命令を記憶した非一時的プロセッサ可読記憶媒体を含み得る。更なる態様は、上記で要約された方法のうちのいずれかの機能を実行するための手段を有するデバイスを含む。更なる態様は、上記で要約された方法のうちのいずれかの1つ又は複数の動作を実行するように構成されたプロセッサを含むデバイスで使用するためのシステムオンチップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
[0013] 本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、特許請求の範囲の例示的な実施形態を示し、上で与えられた一般的な説明及び下記の発明を実施するための形態とともに、特許請求の範囲の特徴を説明するのに役立つ。
図1A】[0014] 様々な実施形態を実装するのに好適な2導体ワイヤを含む例示的なシステムを示すシステムブロック図である。
図1B】[0015] 図1Aのシステムにおける例示的な短絡を示すシステムブロック図である。
図1C】[0016] 様々な実施形態で使用するのに好適な2導体ワイヤに接続されるように構成されたデバイスの構成要素ブロック図である。
図2】[0017] 様々な実施形態による、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法を示すプロセスフロー図である。
図3A】[0018] 様々な実施形態を実装するのに好適な2導体ワイヤを含む例示的なシステムを示すシステムブロック図である。
図3B】[0019] 図3Aのシステムにおける第1の短絡の一例を示すシステムブロック図である。
図3C】[0020] 図3Aのシステムにおける第2の短絡の一例を示すシステムブロック図である。
図3D】[0021] 様々な実施形態で使用するのに好適な2導体ワイヤに接続されるように構成されたデバイスの構成要素ブロック図である。
図4A】[0022] 様々な実施形態による、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法を示すプロセスフロー図である。
図4B】[0023] 様々な実施形態による、2導体ワイヤに短絡を生じさせるための方法を示すプロセスフロー図である。
図5A】[0024] 様々な実施形態による、例示的な距離測定回路を示す。
図5B】[0025] 様々な実施形態による、例示的な距離測定回路を示す。
図5C】[0026] 様々な実施形態による、例示的な距離測定回路を示す。
図5D】[0027] 様々な実施形態による、例示的な距離測定回路を示す。
図6A】[0028] 様々な実施形態による、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法を示すプロセスフロー図である。
図6B】[0029] 様々な実施形態による、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法を示すプロセスフロー図である。
図7A】[0030] 様々な実施形態による、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法を示すプロセスフロー図である。
図7B】[0031] 様々な実施形態による、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法を示すプロセスフロー図である。
図8A】[0032] 様々な実施形態による、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法を示すプロセスフロー図である。
図8B】[0033] 様々な実施形態による、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法を示すプロセスフロー図である。
図9】[0034] 様々な実施形態による、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法を示すプロセスフロー図である。
図10A】[0035] 様々な実施形態による、異なる周波数に対するアンラップ位相差のプロットに対するベストフィットラインの一例である。
図10B】[0036] 様々な実施形態による、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法を示すプロセスフロー図である。
図10C】[0037] 様々な実施形態による、位相差及び振幅差の較正データセットの一例である。
図10D】[0038] 様々な実施形態による、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法を示すプロセスフロー図である。
図11A】[0039] 様々な実施形態による、例示的な距離測定回路を示す。
図11B】[0040] 様々な実施形態による、例示的なパルス発生回路を示す。
図12】[0041] 様々な実施形態による、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法を示すプロセスフロー図である。
図13】[0042] 短絡の存在下でのパルス干渉の態様を示す。
図14】[0043] 様々な実施形態による、パルス干渉から生じるパルスの結果としての例示的なピーク電圧のプロットである。
図15】[0044] 様々な実施形態による、デバイスを較正するための方法を示すプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0045] 添付の図面を参照しながら、様々な実施形態について詳細に説明する。可能な場合はどこでも、同じか又は同様の部分を指すために、図面全体にわたって同じ参照番号が使用される。特定の例及び実装態様に対してなされる参照は、例示を目的としており、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0015】
[0046] 様々な実施形態は、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するためのシステム及び方法を含む。様々な実施形態は、注入トーンの電圧位相と反射トーンの電圧位相との間の位相差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することを含み得る。様々な実施形態は、注入トーンの電流位相と反射トーンの電流位相との間の位相差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することを含み得る。様々な実施形態は、注入トーンの電圧位相と、反射トーンの電圧位相との間の位相差と、注入トーンの電圧振幅と反射トーンの電圧振幅との間の振幅差と、の両方に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することを含み得る。様々な実施形態は、注入トーンの電流位相と、反射トーンの電流位相との間の位相差と、注入トーンの電流振幅と、反射トーンの電流振幅との間の振幅差と、の両方に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することを含み得る。様々な実施形態は、合成パルスの測定されたピーク電圧に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することを含み得る。様々な実施形態は、2導体ワイヤにおける短絡までの距離の信頼性が高い判定を可能にし得る。様々な実施形態は、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための低コストのデバイスを提供し得る。2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための様々な実施形態の方法は、システム検査、システム故障検出、システム診断、及びシステムトポロジ測定をサポートし得る。
【0016】
[0047] 「2導体ワイヤ」という用語は、本明細書では、少なくとも2つの導体を有するワイヤ(ケーブルと称されることもある)を指すために使用される。本明細書で使用される場合、「2導体ワイヤ」は、2つの導体、3つの導体、4つの導体、5つの導体、6つ以上の導体などのような、2つ以上の導体を有するワイヤ(又はケーブル)であり得る。2導体ワイヤにおける2つ以上の導体は、1つ若しくは複数の絶縁材料、1つ若しくは複数の支持構造、及び/又は物理的距離などによって、互いに分離され得る。2導体ワイヤは、デバイス内の2つ以上の導体の集合体などの、別のデバイスにおける埋め込み構造であり得る。代替的に、2導体ワイヤは、ジャケット構造において支持された2つ以上の導体などの、独自の構造であってもよい。2導体ワイヤの例としては、電力ケーブル、伝送線、電話線、通信バスなどが挙げられ得る。
【0017】
[0048] 本明細書で使用される場合、「短絡」という用語は、2導体ワイヤの第1の端部と、2導体ワイヤの反対側の第2の端部との間のワイヤにおける点において2導体ワイヤの少なくとも2つの導体間に生じる電気的接続を指し得る。短絡により、2導体ワイヤの少なくとも2つの導体間に電流が流れることが可能になり得る。短絡を、2導体ワイヤへの損傷、2導体ワイヤにおける製造欠陥などによるなど、意図せずに生じさせてもよいし、短絡を、2導体ワイヤ沿いのデバイスが1つ又は複数のスイッチを閉じ、それによって、少なくとも2つの導体を接続すること、デバイスが2導体ワイヤに挿入されて少なくとも2つの導体を電気的に接続することなどによるなど、意図的に生じさせてもよい。
【0018】
[0049] 本明細書で使用される「パルス」という用語は、底値から別の値に逸脱し、かつ底値に戻る波形を有する信号を指す。いくつかのシナリオでは、パルスは、底値から別の値に逸脱し、かつ底値と交差することなく底値に戻る波形を有する信号であり得る。他のシナリオでは、パルスは、底値から別の値に逸脱し、かつ1つ又は複数の点で底値と交差した後に底値に戻る波形を有する信号であり得る。パルスは、一方向の波形であり得る。例えば、パルスは、底値からピーク値に向かって立ち上がり、底値に戻り得る。底値からピーク値に向かって立ち上がるパルスの部分は、パルスの立ち上がりエッジであり得る。正のパルスは、非負の底値を有し、正のピーク値に立ち上がり、ゼロ軸と交差することなく非負の底値に戻り得る。負のパルスは、非正の底値を有し、負のピーク値まで立ち下がり、ゼロ軸と交差することなく非正の底値に戻り得る。正のパルスは、反射されると、反射点から伝播する負のパルスをもたらし得、負のパルスは、反射されると、反射点から伝播する正のパルスをもたらし得る。パルスの例としては、矩形パルス、ガウシアン、三角パルスなどが挙げられ得る。
【0019】
[0050] 本明細書で使用される「トーン」という用語は、信号がゼロ軸と交差する、正の成分、負の成分、及び大きさを有する周期信号を指す。トーンの例としては、正弦波及び余弦波が挙げられる。
【0020】
[0051] 「システムオンチップ」(system on chip、SOC)という用語は、単一の基板上に統合された複数のリソース又はプロセッサを含んでいる、単一の集積回路(integrated circuit、IC)チップを指すために、本明細書で使用される。単一のSOCは、デジタル、アナログ、混合信号、及び無線周波数機能のための回路を含んでもよい。単一のSOCはまた、任意の数の汎用又は専用プロセッサ(デジタル信号プロセッサ、モデムプロセッサ、ビデオプロセッサなど)、メモリブロック(ROM、RAM、フラッシュなど)、及びリソース(タイマ、電圧調節器、発振器など)を含み得る。SOCはまた、統合されたリソース及びプロセッサを制御するため、並びに周辺デバイスを制御するためのソフトウェアを含み得る。
【0021】
[0052] 「システムインパッケージ」(system in a package、SIP)という用語は、2つ以上のICチップ、基板、又はSOC上で複数のリソース、計算ユニット、コア、又はプロセッサを含んでいる、単一のモジュール又はパッケージを指すために、本明細書で使用され得る。例えば、SIPは、その上で複数のICチップ又は半導体ダイが垂直構成で積層される、単一の基板を含み得る。同様に、SIPは、その上で複数のIC又は半導体ダイが、単一化基板にパッケージングされる、1つ又は複数のマルチチップモジュール(multi-chip module、MCM)を含み得る。SIPはまた、例えば単一のマザーボード上で、又は単一のデバイスにおいて、高速通信回路を介して互いに結合され、かつ極めて近接してパッケージングされた、複数の独立したSOCを含み得る。SOCの近接性によって、高速通信、並びにメモリ及びリソースの共有が容易になる。
【0022】
[0053] 様々な実施形態は、米国電気電子技術者協会(Institute of Electrical and Electronics Engineers、IEEE)16.11規格のいずれか若しくはIEEE802.11規格のいずれか、Bluetooth(登録商標)規格、符号分割多元接続(code division multiple access、CDMA)、CDMA-2000、周波数分割多元接続(frequency division multiple access、FDMA)、時分割多元接続(time division multiple access、TDMA)、時分割同期符号分割多元接続(time division synchronous code division multiple access、TD-SCDMA)、モバイル通信用グローバルシステム(Global System for Mobile communications、GSM)、GSM/汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service、GPRS)、拡張データGSM環境(Enhanced Data GSM Environment、EDGE)(拡張GPRS(Enhanced GPRS、EGPRS)としても知られる)、地上基盤無線(Terrestrial Trunked Radio、TETRA)、広帯域CDMA(Wideband-CDMA、WCDMA)、エボリューションデータオプティマイズド(Evolution Data Optimized、EV-DO)、1xEV-DO、EV-DO Rev A、EV-DO Rev B、高速パケットアクセス(High Speed Packet Access、HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(High Speed Downlink Packet Access、HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(High Speed Uplink Packet Access、HSUPA)、発展型高速パケットアクセス(Evolved High Speed Packet Access、HSPA+)、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)、AMPS、又は、IEEE802.15.4プロトコル(例えば、Thread、ZigBee、及びZ-Wave)、6LoWPAN、Bluetooth Low Energy(BLE)、LTEマシンタイプ通信(LTE Machine-Type Communication、LTE MTC)、狭帯域LTE(Narrow Band LTE、NB-LTE)、セルラIoT(Cellular IoT、CIoT)、狭帯域IoT(Narrow Band IoT、NB-IoT)、BT Smart、Wi-Fi、LTE-U、LTE-Direct、MuLTEfireなどの、無線、セルラ、若しくはモノのインターネット(Internet of Things、IoT)ネットワーク内で通信するために使用される他の既知の信号、並びに、ランダム位相多元接続(Random Phase Multiple Access、RPMA)などの比較的拡張された範囲のワイドエリア物理レイヤインターフェース(physical layer interface、PHY)、超狭帯域(Ultra Narrow Band、UNB)、低電力長距離(Low Power Long Range、LoRa)、低電力長距離ワイドエリアネットワーク(Low Power Long Range Wide Area Network、LoRaWAN)、Weightless、マイクロ波アクセスのための世界規模相互運用(Worldwide Interoperability for Microwave Access、WiMAX)、又はマルチキャストドメイン名サービス(Domain Name Service、DNS)(multicast Domain Name Service、mDNS)、又はコネクテッドホームオーバーIP(Connected Home Over IP、CHIP)、又は第3世代(Third Generation、3G)、第4世代(Fourth Generation、4G)、若しくは第5世代(Fifth Generation、5G)、若しくはそれらの更なる実装態様の技術を利用するシステムのいずれかに従って信号を送信及び/又は受信することを含む様々な通信規格に従って動作するデバイスを含み得る。
【0023】
[0054] 様々な実施形態は、2導体ワイヤの端部から2導体ワイヤの2つの導体間の短絡までの距離を判定するためのデバイス及び方法を提供し得る。例えば、短絡は、2導体ワイヤにおける同じ長さの2つの導体間の短絡であり得る。
【0024】
[0055] 図1Aは、2導体ワイヤ101を含む例示的なシステムを示すシステムブロック図である。システムは、2導体ワイヤ101に接続されたデバイス106を含み得る。様々な実施形態では、デバイス106は、2導体ワイヤ101における短絡までの距離を判定するように構成され得る。
【0025】
[0056] 2導体ワイヤ101は、第1の導体104及び第2の導体105などの2つ以上の導体を含み得る。2つの導体である第1の導体104及び第2の導体105を含むものとして例示されているが、2導体ワイヤ101は、追加の導体を含んでもよい。2導体ワイヤ101は、2導体ワイヤ101の第1の端部102から2導体ワイヤ101の第2の端部103まで延びるワイヤ長「WL」などの、既知の長さを有し得る。第1の導体104及び第2の導体105は、「WL」などの2導体ワイヤ101の既知の長さに延びる導体などの、同じ長さの導体であり得る。2導体ワイヤ101は、デバイス内の2つ以上の導体の集合体などの、別のデバイスにおける埋め込み構造であり得る。代替的に、2導体ワイヤ101は、ジャケット構造において支持された2つ以上の導体などの、独自の構造であってもよい。
【0026】
[0057] デバイス106は、2導体ワイヤ101に恒久的に接続されてもよいし、デバイス106は、2導体ワイヤ101に取り外し可能に接続されてもよい。2導体ワイヤ101に恒久的に接続されているか、又は取り外し可能に接続されているかにかかわらず、デバイス106は、第1の導体104及び第2の導体105の各々に電気的に接続され得る。いくつかの実施形態では、デバイス106は、任意選択で、デバイス106によるワイヤレス信号の送信及び/又は受信をサポートするために電磁放射を送信及び/又は受信するように構成されたアンテナ120を含み得る。アンテナ120は、Bluetooth Low Energy(BLE)、Wi-Fiなどのような様々な無線アクセス技術(radio access technology、RAT)を使用して通信をサポートし得る。デバイス106は、2導体ワイヤ101に接続された任意のタイプのデバイスであってよく、例えば、2導体ワイヤ101に接続されて2導体ワイヤ101の故障を検出する故障検出器、2導体ワイヤ101に接続されて2導体ワイヤ101の属性を試験する試験デバイス、2導体ワイヤ101に接続されて2導体ワイヤ101に接続されたデバイスを制御する制御デバイス、2導体ワイヤ101に接続されて2導体ワイヤ101を介して別のデバイスと通信する通信デバイスなどであり得る。
【0027】
[0058] 図1Bは、図1Aのシステムにおける例示的な短絡109を示す。図1A及び図1Bを参照すると、短絡109は、電流が第1の導体104と第2の導体105との間で伝わることを可能にする、第1の導体104及び第2の導体105間の電気的接続であり得る。例として、短絡109を、例えば2導体ワイヤ101への損傷、2導体ワイヤ101における製造欠陥などによって、意図せずに生じさせ得る。他の例として、短絡109を、第1の導体104と第2の導体105との間の接続が2導体ワイヤ101に挿入されることなどによって、意図的に生じさせ得る。短絡109は、第1の端部102から距離DS1にあり得る。様々な実施形態では、デバイス106は、第1の端部102から2導体ワイヤ101における短絡109までの距離DS1を判定するように構成され得る。
【0028】
[0059] 図1Cは、様々な実施形態による、2導体ワイヤに接続されるように構成されたデバイス106の構成要素ブロック図である。図1A図1Cを参照すると、デバイス106は、プロセッサ126に接続された距離測定回路128を含み得る。様々な実施形態では、プロセッサ126は、メモリ129に結合され得る。メモリ129は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであり得る。プロセッサ126は、専用プロセッサ、SOC、又はSIPであり得る。プロセッサ126及び/又は距離測定回路128は、電池、外部電源への接続、電池と外部電源との組み合わせなどのような、デバイス106の電源130によって電力供給され得る。
【0029】
[0060] 距離測定回路128は、2導体ワイヤ101に接続するように構成された回路、SOC、SIP、及び他のタイプのデバイスであり得る。具体的には、距離測定回路128は、第1の導体104及び/又は第2の導体105などの、2導体ワイヤ101の2つ以上の導体のうちの任意の1つ又は複数に接続するように構成され得る。距離測定回路128は、2導体ワイヤ101における短絡109などの、短絡までの距離を判定するように構成され得る。一例として、距離測定回路128は、第1の端部102から2導体ワイヤ101における短絡109までの距離DS1を判定するように構成され得る。距離測定回路128は、1つ又は複数の独自のそれぞれのプロセッサ、無線部、信号発生器(例えば、パルス発生器、トーン発生器など)、マルチプレクサ、電圧検出回路、位相検出回路、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、演算増幅器、アナログデジタル変換器(analog-to-digital converter、ADC)、デジタルアナログ変換器(digital-to-analog converter、DAC)、コネクタ、論理ゲート、スイッチ(例えば、電界効果トランジスタ(field-effect transistor、FET)、専用の無線周波数(radio frequency、RF)スイッチ集積回路(IC)、サイリスタ、バイポーラ接合トランジスタ(bipolar junction transistor、BJT)、論理ゲートなど)、発振器、電力増幅器、ミキサ、コネクタ、サーキュレータ、方向性結合器、及び/又は任意の他のタイプの電子機器ハードウェアなどの、様々な信号発生ハードウェア及び信号処理ハードウェアを含み得る。
【0030】
[0061] デバイス106は、任意選択で、任意選択のアンテナ120及びプロセッサ126に接続されたワイヤレス送受信機125を含み得る。アンテナ120、ワイヤレス送受信機125、及び/又はプロセッサ126は、Bluetooth、Wi-Fiなどのうちの1つ又は複数などの、様々なRATを使用する通信をサポートし得る。アンテナ120及びワイヤレス送受信機125は、デバイス106が全てのシナリオにおいては他のデバイスとワイヤレス通信しない場合があるため、任意選択であり得る。追加的に、及び/又は代替的に、プロセッサ126及び距離測定回路128は、任意選択で、2導体ワイヤ101への接続を介して、他のデバイスとの通信をサポートしてもよい。距離測定回路128を介した通信のサポートは、デバイス106が全てのシナリオにおいては2導体ワイヤ101を介して他のデバイスと通信しない場合があるため、任意選択であり得る。任意選択の構成では、プロセッサ126、メモリ129、距離測定回路128は、同じSIP151の構成要素であり得る。
【0031】
[0062] 任意選択の構成では、デバイス106は、プロセッサ126及び/又は電源130に接続されたディスプレイ131を含み得る。ディスプレイ131は、抵抗式感知タッチスクリーン、容量式感知タッチスクリーン、赤外線感知タッチスクリーンなどの、タッチスクリーンディスプレイであり得る。
【0032】
[0063] 図2は、様々な実施形態による、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法200を示すプロセスフロー図である。図1A図2を参照すると、方法200は、デバイス(例えば、デバイス106)のプロセッサ(例えば、126)によって実行され得る。図1A図2を参照すると、方法200の動作の各々を実行するための手段は、1つ又は複数のプロセッサ126などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数の距離測定回路128などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数の距離測定回路であり得る。
【0033】
[0064] 任意選択のブロック202において、プロセッサは、2導体ワイヤ沿いの短絡を検出するための動作を実行し得る。例えば、距離測定回路(例えば、128)は、短絡(例えば、109)が発生したことを示し得る、2導体ワイヤ(例えば、101)における急速な電流変化を示し得る。プロセッサは、短絡発生の指標としての急速な電流変化に応答するように構成され得る。ブロック202は、短絡の検出が全てのシナリオにおいては必要とされない場合があるため、任意選択であり得る。例えば、デバイス106は、短絡がシステムオペレータによって識別された後に2導体ワイヤ101に接続されてもよく、したがって、短絡の検出は、必要とされなくてもよい。
【0034】
[0065] ブロック204において、プロセッサは、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、距離測定回路(例えば、128)を、注入トーンの電圧位相と、反射トーンの電圧位相との間の位相差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤ(例えば、101)における短絡(例えば、109)までの距離を判定するように制御し得る。別の例として、プロセッサは、距離測定回路(例えば、128)を、注入トーンの電流位相と、反射トーンの電流位相との間の位相差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤ(例えば、101)における短絡(例えば、109)までの距離を判定するように制御し得る。別の例として、プロセッサは、距離測定回路(例えば、128)を、注入トーンの電圧位相と、反射トーンの電圧位相との間の位相差と、注入トーンの電圧振幅と、反射トーンの電圧振幅との間の振幅差と、の両方に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤ(例えば、101)における短絡(例えば、109)までの距離を判定するように制御し得る。別の例として、プロセッサは、距離測定回路(例えば、128)を、注入トーンの電流位相と、反射トーンの電流位相との間の位相差と、注入トーンの電流振幅と、反射トーンの電流振幅との間の振幅差と、の両方に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤ(例えば、101)における短絡(例えば、109)までの距離を判定するように制御し得る。別の例として、プロセッサは、距離測定回路(例えば、128)を、合成パルスの測定されたピーク電圧に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤ(例えば、101)における短絡(例えば、109)までの距離を判定するように制御し得る。
【0035】
[0066] 様々な実施形態では、短絡109などの短絡が、制御可能にトリガされ得る。2導体ワイヤ101に接続された制御可能デバイスが、2導体ワイヤ101に沿って制御可能デバイスを位置特定する目的で、オンデマンドで短絡を閉じるように制御され得る。そのような制御可能デバイスは、様々な場所で2導体ワイヤ101に接続され得る。2導体ワイヤ101上で制御可能デバイスを位置特定するために、制御可能デバイスは、2導体ワイヤ101の2つの導体を短絡させるように、(例えば、ワイヤレス信号、又は2導体ワイヤ101を介して送信される信号によって)個々に制御され得る。短絡(例えば、短絡109)を生じさせた後、短絡までの距離が判定され得、したがって、短絡を生じさせる制御可能デバイスまでの距離が、判定され得る。2導体ワイヤ101上の複数のそのような制御可能デバイスまでの距離は、導体を短絡させるように各制御可能デバイスを順次制御し、距離を判定し、次いで、導体を短絡解除するように制御可能デバイスを制御することによって、判定され得る。
【0036】
[0067] 図3Aは、2導体ワイヤ101及びデバイス106を2つの制御可能デバイス302とともに含む例示的なシステムを示す。図1A図3Aを参照すると、制御可能デバイス302は、様々な場所で2導体ワイヤ101に接続され得る。制御可能デバイス302は、第1の導体104と第2の導体105との間などの、2導体ワイヤ101の2つの導体間に短絡を生じさせるように構成され得る。制御可能デバイス302は、2導体ワイヤ101に接続されるように構成された任意のタイプのデバイスであり得る。一例として、制御可能デバイス302は、2導体ワイヤ101に接続されたIoTデバイスであり得る。別の例として、制御可能デバイス302は、2導体ワイヤ101に接続されたネットワーク化デバイスであり得る。2つの制御可能デバイス302が図3Aに示されているが、1つの制御可能デバイス302、2つの制御可能デバイス302、3つの制御可能デバイス302、4つ以上の制御可能デバイス302などのような、任意の数の制御可能デバイス302が2導体ワイヤ101上に存在してもよい。
【0037】
[0068] 制御可能デバイス302は、2導体ワイヤ101に恒久的に接続されてもよいし、制御可能デバイス302は、2導体ワイヤ101に取り外し可能に接続されてもよい。2導体ワイヤ101に恒久的に接続されているか、又は取り外し可能に接続されているかにかかわらず、制御可能デバイス302は、第1の導体104及び第2の導体105の各々に電気的に接続され得る。いくつかの実施形態では、制御可能デバイス302は、任意選択で、制御可能デバイス302によるワイヤレス信号の送信及び/又は受信をサポートするために電磁放射を送信及び/又は受信するように構成されたアンテナ322を含み得る。アンテナ322は、Bluetooth Low Energy(BLE)、Wi-Fiなどのような、様々なRATを使用する通信をサポートし得る。
【0038】
[0069] 任意選択の構成では、制御可能デバイス302は、デバイス106と、制御可能デバイス302のうちの1つ又は複数との間のワイヤレス伝送315を介してデバイス106と通信し得る。制御可能デバイス302は、制御可能デバイス302への有線接続を介するなど、他の様態で制御され得るため、制御可能デバイス302によるワイヤレス通信のサポートは、任意選択であり得る。追加的に、及び/又は代替的に、制御可能デバイス302及びデバイス106は、任意選択で、2導体ワイヤ101への制御可能デバイス302及びデバイス106のそれぞれの接続を介して、互いとの通信をサポートしてもよい。制御可能デバイス302とデバイス106との間の2導体ワイヤ101を介した通信のサポートは、制御可能デバイス302が全てのシナリオにおいては2導体ワイヤ101を介して通信しない場合があるため、任意選択であり得る。いくつかの構成では、デバイス106は、制御可能デバイス302を、制御可能デバイス302のうちの1つ若しくは複数に、第1の導体104と第2の導体105との間の短絡を生じさせ、かつ/又は制御可能デバイス302のうちの1つ若しくは複数に、第1の導体104と第2の導体105との間の短絡を除去させるように制御し得る。
【0039】
[0070] 図3Bは、制御可能デバイス302のうちの第1のものによって生じさせた第1の短絡109の一例を示すシステムブロック図である。図1A図3Bを参照すると、短絡109を、第1の端部102に最も近い制御可能デバイス302によって生じさせ得る。例えば、デバイス106は、第1の端部102に最も近い制御可能デバイス302に、短絡109を生じさせるように信号伝達し得る。同様に、デバイス106は、第2の端部103に最も近い制御可能デバイス302に、短絡を生じさせないように信号伝達し得る。制御可能デバイス302に短絡109を生じさせるための制御信号は、ワイヤレス伝送315を介して、及び/又は2導体ワイヤ101を介して送信され得る。第1の端部102に最も近い制御可能デバイス302によって生じさせた短絡109までの距離は、デバイス106からの距離DSAにあり得る。様々な実施形態では、デバイス106は、2導体ワイヤ101における短絡109までの距離に基づいて、第1の端部102に最も近い制御可能デバイス302までの距離を判定するように構成され得る。一例として、デバイス106の距離測定回路128は、第1の端部102から2導体ワイヤ101における短絡109までの距離DSAを、第1の端部102に最も近い制御可能デバイス302までの距離として判定するように構成され得る。
【0040】
[0071] 同様に、図3Cは、制御可能デバイス302のうちの第2のものによって生じさせた第2の短絡109の一例を示すシステムブロック図である。図1A図3Cを参照すると、短絡109を、第2の端部103に最も近い制御可能デバイス302によって生じさせ得る。例えば、デバイス106は、第2の端部103に最も近い制御可能デバイス302に、短絡109を生じさせるように信号伝達し得る。同様に、デバイス106は、第1の端部102に最も近い制御可能デバイス302に、短絡を生じさせないように信号伝達し得る。制御可能デバイス302に短絡109を生じさせるための制御信号は、ワイヤレス伝送315を介して、及び/又は2導体ワイヤ101を介して送信され得る。第2の端部103に最も近い制御可能デバイス302によって生じさせた短絡109までの距離は、デバイス106からの距離DSBにあり得る。距離DSBは、距離DSAとは異なり得る。制御可能デバイス302は、割り当てられた識別子によって一意に識別され得、デバイス106は、制御可能デバイス302のうちの1つのみが任意の所与の時間に短絡109を生じさせるように、その制御可能デバイス302の識別子を使用して、それぞれの制御可能デバイス302の各々に一意に信号伝達し得る。様々な実施形態では、デバイス106は、2導体ワイヤ101における短絡109までの距離に基づいて、第2の端部103に最も近い制御可能デバイス302までの距離を判定するように構成され得る。一例として、デバイス106の距離測定回路128は、第1の端部102から2導体ワイヤ101における短絡109までの距離DSBを、第2の端部103に最も近い制御可能デバイス302までの距離として判定するように構成され得る。
【0041】
[0072] 図3Dは、2導体ワイヤ101などの2導体ワイヤに接続されるように構成された制御可能デバイス302の構成要素ブロック図である。図1A図3Dを参照すると、デバイス302は、2つのコネクタ352及び353間に配設された制御可能スイッチ354を含み得る。例えば、制御可能スイッチ354は、少なくとも開位置及び閉位置などの2つの位置の間で動くように構成された、任意のタイプのスイッチであり得る。例として、制御可能スイッチ354は、1つ又は複数のFET、専用の無線周波数(RF)スイッチ集積回路(IC)、サイリスタ、BJT、論理ゲートなどであり得る。様々な実施形態では、制御可能スイッチ354は、メモリ357に接続され得るプロセッサ356に接続され得る。メモリ357は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであり得る。プロセッサ356は、専用プロセッサ、SOC、又はSIPであり得る。プロセッサ356及び/又は制御可能スイッチ354は、電池、外部電源への接続、電池と外部電源との組み合わせなどのような、制御可能デバイス302の電源361によって電力供給され得る。
【0042】
[0073] コネクタ352及び353は各々、2導体ワイヤ101の第1の導体104及び第2の導体105などの、2導体ワイヤの導体のうちの1つに接続するように構成され得る。コネクタ352及び353は、制御可能デバイス302を導体104、105に電気的に接続し得る。制御可能スイッチ354は、制御可能スイッチ354が閉じられると、コネクタ352及び353間の短絡、したがって、2つの導体104及び105間の短絡を生じさせ得る(例えば、短絡109を生じさせ得る)ように構成され得る。制御可能スイッチ354は、制御可能スイッチ354が開かれると、コネクタ352及び353が互いに電気的に接続されないことができ、それによって、コネクタ352及び353間の短絡が生じないことができるように構成され得る。制御可能スイッチ354は、プロセッサ356に接続され得、プロセッサ356からの信号に応答して開閉し得る。
【0043】
[0074] 制御可能デバイス302は、任意選択で、任意選択のアンテナ322及びプロセッサ356に接続されたワイヤレス送受信機355を含み得る。アンテナ322、ワイヤレス送受信機355、及び/又はプロセッサ356は、Bluetooth、Wi-Fiなどのうちの1つ又は複数などの、様々なRATを使用する通信をサポートし得る。アンテナ322及びワイヤレス送受信機355は、制御可能デバイス302が全てのシナリオにおいては他のデバイスとワイヤレス通信しない場合があるため、任意選択であり得る。追加的に、及び/又は代替的に、プロセッサ356並びにコネクタ352及び353は、任意選択で、2導体ワイヤ101への接続を介して、他のデバイスとの通信をサポートしてもよい。例えば、任意選択の有線送受信機359がプロセッサ356に接続され、2導体ワイヤ101を介した通信をサポートしてもよい。制御可能デバイス302を介した通信のサポートは、制御可能デバイス302が全てのシナリオにおいては2導体ワイヤ101を介して他のデバイスと通信しない場合があるため、任意選択であり得る。制御可能デバイス302に存在する場合、ワイヤレス送受信機355及び/又は有線送受信機359は、任意選択で、電源361に接続され、電源361によって電力供給され得る。
【0044】
[0075] 図4Aは、様々な実施形態による、2導体ワイヤ(例えば、101)における短絡(例えば、短絡109)までの距離を判定するための方法400を示す。図1A図4Aを参照すると、方法400は、デバイス(例えば、デバイス106)のプロセッサ(例えば、126)によって実行され得る。図1A図4Aを参照すると、方法400の動作の各々を実行するための手段は、1つ又は複数のプロセッサ126などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数の距離測定回路128などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数の距離測定回路であり得る。
【0045】
[0076] ブロック402において、プロセッサは、2導体ワイヤ沿いの1つ又は複数の利用可能な制御可能デバイスを判定するための動作を実行し得る。様々な実施形態では、制御可能デバイス(例えば、302)は、割り当てられた識別子によって一意に識別され得る。制御可能デバイス(例えば、302)は、それらの識別子を、例えば、ワイヤレスで(例えば、制御可能デバイスのアンテナ322を介して)及び/又は有線接続を介して(例えば、2導体ワイヤ101を介して)伝送し得、プロセッサは、受信された識別子(例えば、アンテナ120によって受信されたワイヤレス伝送315を介して受信された識別子、及び/又は距離測定回路128によって受信された有線伝送を介して受信された識別子)に基づいて、2導体ワイヤ(例えば、101)沿いの1つ又は複数の利用可能な制御可能デバイス(例えば、302)を判定し得る。
【0046】
[0077] ブロック404において、プロセッサは、短絡を生じさせるために、2導体ワイヤ沿いの制御可能デバイスを選択するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、短絡を生じさせるために、1つ又は複数の制御可能デバイス(例えば、302)のうちの1つを選択し得る。
【0047】
[0078] ブロック406において、プロセッサは、2導体ワイヤに短絡を生じさせるように、2導体ワイヤに沿って、選択された制御可能デバイスを制御するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、選択された制御可能デバイス(例えば、302)に、その制御可能デバイスの識別子を含み、かつ制御可能デバイスが2導体ワイヤ101に短絡(例えば、109)を生じさせるべきであることを示す信号を送信し得る。選択された制御可能デバイス(例えば、302)への信号は、ワイヤレスで(例えば、アンテナ120によって送信されるワイヤレス伝送315を介して)送信され得、及び/又はワイヤを伝って(例えば、2導体ワイヤ101の1つ又は複数の導体を伝う、距離測定回路128による有線伝送を介して)送信され得る。任意選択で、プロセッサは、選択されない制御可能デバイス(例えば、302)に、それらの選択されない制御可能デバイスに、2導体ワイヤ(例えば、101)に短絡を生じさせないように、及び/又は2導体ワイヤ(例えば、101)に生じさせた短絡を除去するように指示する信号を送信し得る。
【0048】
[0079] ブロック204において、プロセッサは、説明したように、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための、方法200(図2)の同様の番号が付けられたブロックの動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、距離測定回路(例えば、128)を、注入トーンの電圧位相と、反射トーンの電圧位相との間の位相差に少なくとも部分的に基づいて、選択された制御可能デバイス(例えば、302)によって2導体ワイヤ(例えば、101)に生じさせた短絡(例えば、109)までの距離を判定するように制御し得る。別の例として、プロセッサは、距離測定回路(例えば、128)を、注入トーンの電流位相と、反射トーンの電流位相との間の位相差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤ(例えば、101)における短絡(例えば、109)までの距離を判定するように制御し得る。別の例として、プロセッサは、距離測定回路(例えば、128)を、注入トーンの電圧位相と、反射トーンの電圧位相との間の位相差と、注入トーンの電圧振幅と、反射トーンの電圧振幅との間の振幅差と、の両方に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤ(例えば、101)における短絡(例えば、109)までの距離を判定するように制御し得る。別の例として、プロセッサは、距離測定回路(例えば、128)を、注入トーンの電流位相と、反射トーンの電流位相との間の位相差と、注入トーンの電流振幅と、反射トーンの電流振幅との間の振幅差と、の両方に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤ(例えば、101)における短絡(例えば、109)までの距離を判定するように制御し得る。別の例として、プロセッサは、距離測定回路(例えば、128)を、合成パルスの測定されたピーク電圧に少なくとも部分的に基づいて、選択された制御可能デバイス(例えば、302)によって2導体ワイヤ(例えば、101)に生じさせた短絡(例えば、109)までの距離を判定するように制御し得る。様々な実施形態では、プロセッサは、選択された制御可能デバイス(例えば、302)までの距離を、2導体ワイヤ(例えば、101)における短絡(例えば、109)までの判定された距離に等しく設定するように構成され得る。
【0049】
[0080] ブロック408において、プロセッサは、選択された制御可能デバイスを、2導体ワイヤにおける短絡を除去するように制御するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、選択された制御可能デバイス(例えば、302)に、その制御可能デバイスの識別子を含み、かつ制御可能デバイスが2導体ワイヤ101における短絡(例えば、109)を除去すべきであることを示す信号を送信し得る。選択された制御可能デバイス(例えば、302)への信号は、ワイヤレスで(例えば、アンテナ120によって送信されるワイヤレス伝送315を介して)送信され得、及び/又はワイヤを伝って(例えば、2導体ワイヤ101の1つ又は複数の導体を伝う、距離測定回路128による有線伝送を介して)送信され得る。
【0050】
[0081] 図4Bは、2導体ワイヤ(例えば、101)に短絡を生じさせるための一実施形態の方法450を示す。図1A図4Bを参照すると、方法450は、制御可能デバイス(例えば、制御可能デバイス302)のプロセッサ(例えば、356)によって実行され得る。図1A図4Bを参照すると、方法450の動作の各々を実行するための手段は、1つ又は複数のプロセッサ356などの制御可能デバイス(例えば、制御可能デバイス302)の1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数の制御可能スイッチ354などの制御可能デバイス(例えば、制御可能デバイス302)の1つ又は複数の制御可能スイッチであり得る。様々な実施形態では、方法450の動作は、方法400(図4A)の動作とともに実行され得る。
【0051】
[0082] ブロック452において、プロセッサは、2導体ワイヤに短絡を生じさせるための信号を受信するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、デバイス(例えば、106)から、制御可能デバイスの識別子を含み、かつ制御可能デバイスが2導体ワイヤ101に短絡(例えば、109)を生じさせるべきであることを示す信号を受信し得る。デバイス(例えば、106)からの信号は、(例えば、アンテナ322によって受信されたワイヤレス伝送315を介して)ワイヤレスで受信され得、及び/又は(例えば、2導体ワイヤ101の1つ又は複数の導体を伝う有線伝送を介して)ワイヤを伝って受信され得る。信号は、制御可能デバイスの識別子の指標と、短絡を生じさせるための指標と、を含み得る。
【0052】
[0083] ブロック454において、プロセッサは、2導体ワイヤに短絡を生じさせるための動作を実行し得る。例えば、プロセッサ(例えば、356)は、制御可能スイッチ(例えば、354)に、制御可能スイッチ(例えば、354)を閉じさせるための信号を送信し得る。制御可能スイッチ(例えば、354)は、制御可能スイッチ(例えば、354)が閉じると、2導体ワイヤ(例えば、101)に接続されたコネクタ(例えば、352及び353)が、互いに電気的に接続され、それによって、導体(例えば、104及び105)間に短絡(例えば、109)を生じさせるように構成され得る。
【0053】
[0084] ブロック456において、プロセッサは、2導体ワイヤにおける短絡を除去するための信号を受信するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、デバイス(例えば、106)から、制御可能デバイスの識別子を含み、かつ制御可能デバイスが2導体ワイヤ101における短絡(例えば、109)を除去すべきであることを示す信号を受信し得る。デバイス(例えば、106)からの信号は、(例えば、アンテナ322によって受信されたワイヤレス伝送315を介して)ワイヤレスで受信され得、及び/又は(例えば、2導体ワイヤ101の1つ又は複数の導体を伝う有線伝送を介して)ワイヤを伝って受信され得る。信号は、制御可能デバイスの識別子の指標と、短絡を除去するための指標と、を含み得る。
【0054】
[0085] ブロック458において、プロセッサは、2導体ワイヤにおける短絡を除去するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサ(例えば、356)は、制御可能スイッチ(例えば、354)に、制御可能スイッチ(例えば、354)を開かせるための信号を送信し得る。制御可能スイッチ(例えば、354)は、制御可能スイッチ(例えば、354)が開くと、2導体ワイヤ(例えば、101)に接続されたコネクタ(例えば、352及び353)が、互いに電気的に分離され、それによって、導体(例えば、104及び105)間の短絡(例えば、109)を除去する(又は防止する)ように構成され得る。
【0055】
[0086] 図5Aは、様々な実施形態による、例示的な距離測定回路500を示す。図1A図5Aを参照すると、回路500は、距離測定回路128などの距離測定回路の構成の一例であり得る。図1A図5Aを参照すると、距離測定回路500は、方法200(図2)及び/又は400(図4A)の動作の少なくとも一部分を実行するための例示的な手段であり得る。距離測定回路500は、SOC又はSIPであり得る。距離測定回路500は、2導体ワイヤ(例えば、101)における短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。距離測定回路500は、注入トーンの電圧位相と、反射トーンの電圧位相との間の位相差に少なくとも部分的に基づいて、短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。距離測定回路500は、注入トーンの電流位相と、反射トーンの電流位相との間の位相差に少なくとも部分的に基づいて、短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。距離測定回路500は、注入トーンの電圧位相と、反射トーンの電圧位相との間の位相差と、注入トーンの電圧振幅と、反射トーンの電圧振幅との間の振幅差と、の両方に少なくとも部分的に基づいて、短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。距離測定回路500は、注入トーンの電流位相と、反射トーンの電流位相との間の位相差と、注入トーンの電流振幅と、反射トーンの電流振幅との間の振幅差と、の両方に少なくとも部分的に基づいて、短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。
【0056】
[0087] 距離測定回路500は、2つの無線部501及び502を含み得る。一例として、2つの無線部501及び502は各々、BLEプロトコルに従って到達角度(angle-of-arrival、AoA)測定を実行するように構成されたBluetooth Low Energy(BLE)無線部であり得る。距離測定回路500は、第1のコネクタ503及び第2のコネクタ504を含み得る。第1のコネクタ503は、距離測定回路500を2導体ワイヤ101の第1の導体104などの、2導体ワイヤの導体に電気的に接続するように構成された電気コネクタであり得る。第2のコネクタ504は、距離測定回路500を2導体ワイヤ101の第2の導体105などの、2導体ワイヤの導体に電気的に接続するように構成された電気コネクタであり得る。第1のコネクタ503及び第2のコネクタ504は、互いに電気的に分離され得る。
【0057】
[0088] 第1の無線部501は、第1のコネクタ503に接続され得る。例えば、第1の無線部501のアンテナ接続は、第1のコネクタ503に結線され得る。このようにして、アンテナを介してワイヤレス伝送を生成するか、又はアンテナを介してワイヤレス伝送を受信する代わりに、第1の無線部501は、第1のコネクタ503に有線通信を出力し、それによって、2導体ワイヤ101の第1の導体104などの、第1のコネクタ503に接続された2導体ワイヤの導体上に出力するか、又は2導体ワイヤ101の第1の導体104などの、第1のコネクタ503に接続された2導体ワイヤの導体を介して受信された第1のコネクタ503からの有線通信を受信し得る。
【0058】
[0089] 第2の無線部502は、制御可能スイッチ505に接続され得る。第2の無線部502のアンテナ接続は、制御可能スイッチ505に接続され得る。制御可能スイッチ505は、少なくとも開位置及び閉位置などの2つの位置の間で動くように構成された、任意のタイプのスイッチであり得る。例として、制御可能スイッチ505は、1つ又は複数のFET、専用のRFスイッチIC、サイリスタ、BJT、論理ゲートなどであり得る。制御可能スイッチ505は、第2の無線部502を第1のコネクタ503又は第2のコネクタ504に接続するように制御され得る。このようにして、アンテナを介してワイヤレス伝送を生成するか、又はアンテナを介してワイヤレス伝送を受信する代わりに、制御可能スイッチ505が第2の無線部502を第1のコネクタ503に接続すると、第2の無線部502は、有線通信を第1のコネクタ503に出力し、それによって、2導体ワイヤ101の第1の導体104などの、第1のコネクタ503に接続された2導体ワイヤの導体上に出力し得るか、及び2導体ワイヤ101の第1の導体104などの、第1のコネクタ503に接続された2導体ワイヤの導体を介して受信された第1のコネクタ503からの有線通信を受信し得る。同様に、アンテナを介してワイヤレス伝送を生成するか、又はアンテナを介してワイヤレス伝送を受信する代わりに、制御可能スイッチ505が第2の無線部502を第2のコネクタ504に接続すると、第2の無線部502は、有線通信を第2のコネクタ504に出力し、それによって、2導体ワイヤ101の第2の導体105などの、第2のコネクタ504に接続された2導体ワイヤの導体上に出力し得るか、又は2導体ワイヤ101の第2の導体105などの、第2のコネクタ504に接続された2導体ワイヤの導体を介して受信された第2のコネクタ504からの有線通信を受信し得る。
【0059】
[0090] 様々な実施形態では、制御可能スイッチ505は、接続512によって、デバイス106のプロセッサ126などのデバイスのプロセッサに接続され得る。接続512を介して、プロセッサ(例えば、126)は、制御可能スイッチ505の動作を制御し得る。例えば、プロセッサ(例えば、126)は、制御可能スイッチ505に、制御可能スイッチ505に第2の無線部502を第1のコネクタ503に接続させるか、又は第2の無線部502を第2のコネクタ504に接続させるための信号を送信し得る。
【0060】
[0091] 第1の無線部501は、接続510によって、デバイス106のプロセッサ126などのデバイスのプロセッサに接続され得る。接続510を介して、プロセッサ(例えば、126)は、第1の無線部501の動作を制御し得る。例えば、プロセッサ(例えば、126)は、第1の無線部501に、1つ又は複数のトーンを出力するための信号を送信し得る。一例として、プロセッサ(例えば、126)は、BLEプロトコルごとにAoAパケットを伝送するように第1の無線部501を制御し得る。
【0061】
[0092] 第2の無線部502は、接続511によって、デバイス106のプロセッサ126などのデバイスのプロセッサに接続され得る。接続511を介して、プロセッサ(例えば、126)は、第2の無線部511の動作を制御し得る。例えば、プロセッサ(例えば、126)は、第2の無線部502に、第2の無線部511に1つ又は複数のトーンを受信させるための信号を送信し得る。一例として、プロセッサ(例えば、126)は、BLEプロトコルごとにAoAパケットを受信するように第2の無線部511を制御し得る。様々な実施形態では、プロセッサ(例えば、126)は、互いに通信し、かつ接続されたBLE AoA測定を実行するように、第1の無線部501及び第2の無線部502をそれらのそれぞれの接続510及び511を介して制御し得る。
【0062】
[0093] 様々な実施形態では、プロセッサ(例えば、126)は、1つ又は複数のトーンを第1のコネクタ503に注入するように第1の無線部501を制御し得る。プロセッサ(例えば、126)は、第2の無線部502を第1のコネクタ503に接続するように制御可能スイッチ505を制御し得、プロセッサ(例えば、126)は、第1の無線部501によって注入された1つ又は複数のトーンを測定するように第2の無線部502を制御し得る。例えば、第2の無線部502は、第1の無線部501によって注入されたトーンの位相サンプル(例えば、同相/直交(in-phase/quadrature、I/Q)サンプル)及び/又は振幅サンプルを捕捉するように制御され得る。具体的には、第2の無線部502は、第1の無線部501によって注入されたトーンの電圧位相、及び/又は第1の無線部501によって注入されたトーンの電流位相を測定するように制御され得る。位相サンプル(例えば、電圧位相、電流位相など)は、第2の無線部501によってプロセッサ(例えば、126)に提供され得る。具体的には、第2の無線部502は、第1の無線部501によって注入されたトーンの電圧振幅、及び/又は第1の無線部501によって注入されたトーンの電流振幅を測定するように制御され得る。振幅サンプル(例えば、電圧振幅、電流振幅など)は、第2の無線部501によってプロセッサ(例えば、126)に提供され得る。プロセッサ(例えば、126)は、第2の無線部502を第2のコネクタ504に接続するように制御可能スイッチ505を制御し得、プロセッサ(例えば、126)は、第2の無線部504で受信された1つ又は複数のトーンを測定するように第2の無線部502を制御し得る。例えば、第2の無線部502は、第2のコネクタ504で受信されたトーンの位相サンプル(例えば、I/Qサンプル)及び/又は振幅サンプルを捕捉するように制御され得る。具体的には、第2の無線部502は、第2のコネクタ504で受信されたトーンの電圧位相、及び/又は第2のコネクタ504で受信されたトーンの電流位相を測定するように制御され得る。位相サンプル(例えば、電圧位相、電流位相など)は、第2の無線部501によってプロセッサ(例えば、126)に提供され得る。具体的には、第2の無線部502は、第2のコネクタ504で受信されたトーンの電圧振幅、及び/又は第2のコネクタ504で受信されたトーンの電流振幅を測定するように制御され得る。振幅サンプル(例えば、電圧振幅、電流振幅など)は、第2の無線部501によってプロセッサ(例えば、126)に提供され得る。
【0063】
[0094] 例示的な距離測定回路500の動作を示すために、2導体ワイヤ101の第1の導体104と第2の導体105との間に短絡(例えば、109)が発生し、かつ第1のコネクタ503が第1の導体104に接続されており、かつ第2のコネクタ504が第2の導体105に接続されている実装態様を参照する。この実装態様では、第1の無線部501からの注入トーンは、注入されると、第2の無線部501によってサンプリングされ得る(例えば、測定された電圧位相、測定された電流位相、測定された電圧振幅、及び/又は測定された電流振幅)。注入トーンは、第1の導体104を通り、短絡(例えば、109)を横断して進行し、反射トーンとして第2の導体105を伝って第2のコネクタ504に帰還し得る。反射トーンは、注入トーンとは位相差(例えば、異なる電圧位相及び/又は異なる電流位相)を有し得、かつ/又は、反射トーンは、注入トーンとは振幅差(例えば、異なる電圧振幅及び/又は異なる電流振幅)を有し得る。制御可能スイッチ505は、第2の無線部502を第2のコネクタ504に接続するように(例えば、プロセッサ126によって)制御され得る。制御可能スイッチ505は、第2の無線部502が、注入トーンのサンプリングと、反射トーンのサンプリングとの間の1マイクロ秒(microsecond、μs)などの、注入トーンのサンプリングのサンプル分離点でサンプルを収集し得るように、第2の無線部502を第2のコネクタ504に接続するように(例えば、プロセッサ126によって)制御され得る。第2の無線部502は、第2のコネクタ504において受信された反射トーンをサンプリングし得る(例えば、測定された電圧位相、測定された電流位相、測定された電圧振幅、及び/又は測定された電流振幅)。注入トーン及び反射トーンのサンプル(例えば、注入トーンの電圧位相の測定値及び反射トーンの電圧位相の測定値、注入トーンの電流位相の測定値及び反射トーンの電流位相の測定値、注入トーンの電圧振幅の測定値及び反射トーンの電圧振幅の測定値、並びに/又は注入トーンの電流振幅の測定値及び反射トーンの電流振幅の測定値)は、第2の無線部502によってプロセッサ(例えば、プロセッサ126)に渡され得る。注入トーンと反射トーンとの間の位相差は、サンプルに基づいて判定され得る。注入トーンと反射トーンとの間の振幅差は、サンプルに基づいて判定され得る。様々な実施形態では、1つ又は複数の注入トーンは、BLEキャリアであり得、注入トーン及び反射トーンは、各BLEキャリアについてサンプリングされ得る。例えば、37個のBLEチャネルの37個のBLEキャリア全てが、関連付けられた注入トーンサンプル及び反射トーンサンプル間に1μsの間隔を有する注入トーン及び反射トーンのペアとして、それぞれサンプリングされ得る。
【0064】
[0095] 図5Bは、様々な実施形態による、例示的な距離測定回路550を示す。図1A図5Bを参照すると、回路550は、距離測定回路128などの距離測定回路の構成の一例であり得る。図1A図5Bを参照すると、距離測定回路550は、方法200(図2)及び/又は400(図4A)の動作の少なくとも一部分を実行するための例示的な手段であり得る。距離測定回路550は、SOC又はSIPであり得る。距離測定回路550は、2導体ワイヤ(例えば、101)における短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。距離測定回路550は、注入トーンの電圧位相と、反射トーンの電圧位相との間の位相差に少なくとも部分的に基づいて、短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。距離測定回路550は、注入トーンの電流位相と、反射トーンの電流位相との間の位相差に少なくとも部分的に基づいて、短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。距離測定回路550は、注入トーンの電圧位相と、反射トーンの電圧位相との間の位相差と、注入トーンの電圧振幅と、反射トーンの電圧振幅との間の振幅差と、の両方に少なくとも部分的に基づいて、短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。距離測定回路550は、注入トーンの電流位相と、反射トーンの電流位相との間の位相差と、注入トーンの電流振幅と、反射トーンの電流振幅との間の振幅差と、の両方に少なくとも部分的に基づいて、短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。一例として、距離測定回路550は、距離測定回路550が、距離測定回路500が2つの無線部501及び502を含む単一の無線部565を含み得るという点で、距離測定回路500とは異なり得る。
【0065】
[0096] 無線部565は、電力増幅器552(power amplifier、PA)に接続された局部発振器(local oscillator、LO)551を含み得る。LO551は、接続570によって、デバイス106のプロセッサ126などのデバイスのプロセッサに接続され得る。接続570を介して、プロセッサ(例えば、126)は、LO551の動作を制御し得る。例えば、プロセッサ(例えば、126)は、LO551に、1つ又は複数のトーンを出力するための信号を送信し得る。一例として、プロセッサ(例えば、126)は、2402メガヘルツ(mega-hertz、MHz)及び2480MHzの周波数間の79個のBluetoothキャリアトーンのうちの1つ又は複数などのキャリアトーンを出力するようにLO551を制御し得る。
【0066】
[0097] 無線部565は、アナログ-デジタル(ADC)変換器554に接続されたミキサ553を含み得る。ADC554は、接続571によって、デバイス106のプロセッサ126などのデバイスのプロセッサに接続され得る。接続571を介して、プロセッサ(例えば、126)は、ADC554の動作を制御し得、かつ/又はADC554からの出力を受信し得る。例えば、プロセッサ(例えば、126)は、ADC554からの捕捉された位相サンプル(例えば、同相/直交(I/Q)サンプル)の指標を受信し得る。
【0067】
[0098] 無線部565は、PA552及び第1のコネクタ503に接続され得る出力接続567を含み得る。PA552の出力は、無線部565の出力接続567に提供され、それによって、2導体ワイヤ101の第1の導体104などの、第1のコネクタ503に接続された2導体ワイヤの導体上に提供され得る。無線部565は、第2のコネクタ504に接続され得る入力接続568を含み得る。2導体ワイヤ101の第2の導体105などの、第2のコネクタ504に接続された2導体ワイヤの導体からのトーンは、無線部565の入力接続568に提供され得る。
【0068】
[0099] ミキサ553は、制御可能スイッチ555に接続され得る。制御可能スイッチ555は、少なくとも開位置及び閉位置などの2つの位置の間で動くように構成された、任意のタイプのスイッチであり得る。例として、制御可能スイッチ555は、1つ又は複数のFET、専用のRFスイッチIC、サイリスタ、BJT、論理ゲートなどであり得る。制御可能スイッチ555は、ミキサ553を出力接続567又は入力接続568に接続するように制御され得る。このようにして、制御可能スイッチ555がミキサ553を出力接続567に接続すると、ミキサ553はまた、第1のコネクタ503に進行するそれらのトーンに加えて、PA552によって出力されたトーンを受信し得る。同様に、制御可能スイッチ555がミキサ553を入力接続568に接続すると、ミキサ553は、入力接続568で受信されたトーンを受信し得る。
【0069】
[0100] 様々な実施形態では、制御可能スイッチ555は、接続572によって、デバイス106のプロセッサ126などのデバイスのプロセッサに接続され得る。接続572を介して、プロセッサ(例えば、126)は、制御可能スイッチ555の動作を制御し得る。例えば、プロセッサ(例えば、126)は、制御可能スイッチ555に、制御可能スイッチ555にミキサ553を出力接続567又は入力接続568に接続させるための信号を送信し得る。
【0070】
[0100] 様々な実施形態では、プロセッサ(例えば、126)は、出力接続567を介して第1のコネクタ503に1つ又は複数のトーンを注入するようにLO551及びPA552を制御し得る。プロセッサ(例えば、126)は、ミキサ553を出力接続567に接続するように制御可能スイッチ555を制御し得、プロセッサ(例えば、126)は、LO551及びPA552によって注入された1つ又は複数のトーンを測定するようにミキサ553及びADC554を制御し得る。例えば、ミキサ553及びADC554は、LO551及びPA552によって注入されたトーンの位相サンプル(例えば、同相/直交(I/Q)サンプル)を捕捉するように、かつ/又はLO551及びPA552によって注入されたトーンの振幅サンプルを捕捉するように制御され得る。具体的には、ミキサ553及びADC554は、LO551及びPA552によって注入されたトーンの電圧位相を測定し、LO551及びPA552によって注入されたトーンの電流位相を測定し、LO551及びPA552によって注入されたトーンの電圧振幅を測定し、かつ/又はLO551及びPA552によって注入されたトーンの電流振幅を測定するように制御され得る。位相サンプル(例えば、電圧位相及び/又は電流位相)、振幅サンプル(例えば、電圧振幅及び/又は電流振幅)などのようなサンプルは、ADC554によってプロセッサ(例えば、126)に提供され得る。プロセッサ(例えば、126)は、ミキサ553を入力接続568に接続するように制御可能スイッチ555を制御し得、プロセッサ(例えば、126)は、入力接続568で受信された1つ又は複数のトーンを測定するようにミキサ553及びADC554を制御し得る。例えば、ミキサ553及びADC554は、入力接続568で受信されたトーンの位相サンプル(例えば、I/Qサンプル)を捕捉するように、かつ/又は入力接続568で受信されたトーンの振幅サンプルを捕捉するように制御され得る。具体的には、ミキサ553及びADC554は、入力接続568で受信されたトーンの電圧位相を測定し、入力接続568で受信されたトーンの電流位相を測定し、入力接続568で受信されたトーンの電圧振幅を測定し、かつ/又は入力接続568で受信されたトーンの電流振幅を測定するように制御され得る。位相サンプル(例えば、電圧位相及び/又は電流位相)、振幅サンプル(例えば、電圧振幅及び/又は電流振幅)などのようなサンプルは、ADC554によってプロセッサ(例えば、126)に提供され得る。
【0071】
[0101] 例示的な距離測定回路550の動作を示すために、2導体ワイヤ101の第1の導体104と第2の導体105との間に短絡(例えば、109)が発生し、かつ第1のコネクタ503が第1の導体104に接続されており、かつ第2のコネクタ504が第2の導体105に接続されている実装態様を参照する。この実装態様では、LO551及びPA552からの注入トーンは、注入されると、ミキサ553及びADC554によってサンプリングされ得る(例えば、測定された電圧位相、測定された電流位相、測定された電圧振幅、及び/又は測定された電流振幅)。注入トーンは、出力接続567、第1のコネクタ503、及び第1の導体104を通り、短絡(例えば、109)を横断して進行し、第2の導体105を伝って第2のコネクタ504及び入力接続568に反射トーンとして帰還し得る。反射トーンは、注入トーンとは位相差(例えば、異なる電圧位相及び/又は異なる電流位相)及び/又は振幅差(例えば、異なる電圧振幅及び/又は異なる電圧位相)を有し得る。制御可能スイッチ555は、ミキサ553を入力接続568に接続するように(例えば、プロセッサ126によって)制御され得る。制御可能スイッチ555は、ミキサ553及びADC554が注入トーンのサンプリングのサンプル分離点でサンプルを収集し得るように、ミキサ553を入力接続568に接続するように(例えば、プロセッサ126によって)制御され得る。ミキサ553及びADC554は、入力接続568で受信された反射トーンをサンプリングし得る(例えば、測定された電圧位相、測定された電流位相、測定された電圧振幅、及び/又は測定された電流振幅)。注入トーン及び反射トーンのサンプル(例えば、注入トーンの電圧位相の測定値及び反射トーンの電圧位相の測定値、注入トーンの電流位相の測定値及び反射トーンの電流位相の測定値、注入トーンの電圧振幅の測定値及び反射トーンの電圧振幅の測定値、並びに/又は注入トーンの電流振幅の測定値及び反射トーンの電流振幅の測定値)は、ADC554によってプロセッサ(例えば、プロセッサ126)に渡され得る。注入トーンと反射トーンとの間の位相差は、サンプルに基づいて判定され得る。注入トーンと反射トーンとの間の振幅差は、サンプルに基づいて判定され得る。様々な実施形態では、1つ又は複数の注入トーンは、Bluetoothキャリアであり得、注入トーン及び反射トーンは、各Bluetoothキャリア周波数についてサンプリングされ得る。例えば、79個のBluetoothキャリア全てが、注入トーン及び反射トーンのペアとしてそれぞれサンプリングされ得る。
【0072】
[0102] 図5Cは、いくつかの実施形態による、例示的な距離測定回路580を示す。図1A図5Cを参照すると、回路580は、距離測定回路128などの距離測定回路の構成の一例であり得る。距離測定回路580は、方法200(図2)及び/又は400(図4A)の動作の少なくとも一部分を実行するための例示的な手段であり得る。距離測定回路580は、SOC又はSIPであり得る。距離測定回路580は、2導体ワイヤ(例えば、101)における短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。距離測定回路580は、注入トーンの電圧位相と、反射トーンの電圧位相との間の位相差に少なくとも部分的に基づいて、短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。距離測定回路580は、注入トーンの電流位相と、反射トーンの電流位相との間の位相差に少なくとも部分的に基づいて、短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。距離測定回路580は、注入トーンの電圧位相と、反射トーンの電圧位相との間の位相差と、注入トーンの電圧振幅と、反射トーンの電圧振幅との間の振幅差と、の両方に少なくとも部分的に基づいて、短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。距離測定回路580は、注入トーンの電流位相と、反射トーンの電流位相との間の位相差と、注入トーンの電流振幅と、反射トーンの電流振幅との間の振幅差と、の両方に少なくとも部分的に基づいて、短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。一例として、距離測定回路580は、距離測定回路580が方向性結合器513を含み得る点、及び距離測定回路580では第2のコネクタ504が接地され得る点で、距離測定回路500とは異なり得る。
【0073】
[0103] 方向性結合器513は、反射トーンなどの第1のコネクタ503からの出力信号から、注入トーンなどの、第1のコネクタ503へと伝えられた入力信号を分離するように構成され得る。距離測定回路580では、第1のコネクタ503は、方向性結合器513に接続され得る一方、第2のコネクタ504は、接地され得る。方向性結合器513は、第1の無線部501から入力信号としてのトーンを受信するように構成された入力ポートを含み得る。方向性結合器513は、第1のコネクタ503に接続され、注入トーンを第1のコネクタ503に送信し、第1のコネクタ503からの反射トーンを受信し得る。方向性結合器513は、第1のコネクタ503から受信された反射トーンを出力するように構成された出力ポートを含み得る。距離測定回路580では、制御可能スイッチ505は、第2の無線部502を方向性結合器513の入力ポートに接続するか、又は第2の無線部502を方向性結合器513の出力ポートに接続し得る。
【0074】
[0104] 例示的な距離測定回路580の動作を示すために、2導体ワイヤ101の第1の導体104と第2の導体105との間に短絡(例えば、109)が発生し、かつ第1のコネクタ503が第1の導体104に接続されており、かつ第2のコネクタ504が第2の導体105に接続されている実装態様を参照する。この実装態様では、第1の無線部501からの注入トーンは、方向性結合器513の入力ポートに注入されると、第2の無線部501によってサンプリングされ得る(例えば、測定された電圧位相、測定された電流位相、測定された電圧振幅、及び/又は測定された電流振幅)。注入トーンは、方向性結合器513の入力ポートで受信され、方向性結合器513によって第1のコネクタ503に伝えられ得る。注入トーンは、短絡(例えば、109)から反射されて、反射トーンとして第1の導体104を伝って第1のコネクタ503に戻り得る。反射トーンは、注入トーンとは位相差(例えば、異なる電圧位相及び/又は異なる電流位相)及び/又は注入トーンとは振幅差(例えば、異なる電圧振幅及び/又は異なる電流振幅)を有し得る。第1のコネクタ503からの反射トーンは、方向性結合器513によって方向性結合器513の出力ポートに伝えられ得る。制御可能スイッチ505は、第2の無線部502を方向性結合器513の出力ポートに接続するように(例えば、プロセッサ126によって)制御され得る。制御可能スイッチ505は、第2の無線部502が、注入トーンと及び反射トーンのサンプリング間の1μsなどの、注入トーンのサンプリングのサンプル分離点でサンプルを収集し得るように、第2の無線部502を方向性結合器513の出力ポートに接続するように(例えば、プロセッサ126によって)制御され得る。第2の無線部502は、方向性結合器513の出力ポートで受信された反射トーンをサンプリングし得る(例えば、測定された電圧位相、測定された電流位相、測定された電圧振幅、及び/又は測定された電流振幅)。注入トーン及び反射トーンのサンプルは、注入トーンの電圧位相の測定値及び反射トーンの電圧位相の測定値、注入トーンの電流位相の測定値及び反射トーンの電流位相の測定値、注入トーンの電圧振幅の測定値及び反射トーンの電圧振幅の測定値、並びに/又は注入トーンの電流振幅の測定値及び反射トーンの電流振幅の測定値であり得る。注入トーン及び反射トーンのサンプルは、第2の無線部502によってプロセッサ(例えば、プロセッサ126)に渡され得る。注入トーンと反射トーンとの間の位相差は、サンプルに基づいて判定され得、かつ/又は注入トーンと反射トーンとの間の電圧差は、サンプルに基づいて判定され得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の注入トーンは、BLEキャリアであり得、注入トーン及び反射トーンは、各BLEキャリアについてサンプリングされ得る。例えば、37個のBLEチャネルの37個のBLEキャリア全てが、関連付けられた注入トーンサンプル及び反射トーンサンプル間に1μsの間隔を有する注入トーン及び反射トーンのペアとして、それぞれサンプリングされ得る。
【0075】
[0105] 図5Dは、いくつかの実施形態による、例示的な距離測定回路585を示す。図1A図5Dを参照すると、回路585は、距離測定回路128などの距離測定回路の構成の一例であり得る。図1A図5Dを参照すると、距離測定回路585は、方法200(図2)及び/又は400(図4A)の動作の少なくとも一部分を実行するための例示的な手段であり得る。距離測定回路585は、SOC又はSIPであり得る。距離測定回路585は、2導体ワイヤ(例えば、101)における短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。距離測定回路585は、注入トーンの電圧位相と、反射トーンの電圧位相との間の位相差に少なくとも部分的に基づいて、短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。距離測定回路585は、注入トーンの電流位相と、反射トーンの電流位相との間の位相差に少なくとも部分的に基づいて、短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。距離測定回路585は、注入トーンの電圧位相と、反射トーンの電圧位相との間の位相差と、注入トーンの電圧振幅と、反射トーンの電圧振幅との間の振幅差と、の両方に少なくとも部分的に基づいて、短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。距離測定回路585は、注入トーンの電流位相と、反射トーンの電流位相との間の位相差と、注入トーンの電流振幅と、反射トーンの電流振幅との間の振幅差と、の両方に少なくとも部分的に基づいて、短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。一例として、距離測定回路585は、距離測定回路585が方向性結合器513を含み得る点、及び距離測定回路585では第2のコネクタ504が接地され得る点で、距離測定回路550とは異なり得る。
【0076】
[0106] 方向性結合器513は、反射トーンなどの第1のコネクタ503からの出力信号から、注入トーンなどの、第1のコネクタ503へと伝えられた入力信号を分離するように構成され得る。距離測定回路580では、第1のコネクタ503は、方向性結合器513に接続され得る一方、第2のコネクタ504は、接地され得る。方向性結合器513は、出力接続567を介してPA552から入力信号としてのトーンを受信するように構成された入力ポートを含み得る。方向性結合器513は、第1のコネクタ503に接続され、注入トーンを第1のコネクタ503に送信し、第1のコネクタ503からの反射トーンを受信し得る。方向性結合器513は、第1のコネクタ503から受信された反射トーンを入力接続568に出力するように構成された出力ポートを含み得る。距離測定回路585では、制御可能スイッチ555は、出力接続567を介してミキサ553を方向性結合器513の入力ポートに、又は入力接続568を介してミキサ553を方向性結合器513の出力ポートに接続し得る。
【0077】
[0107] 例示的な距離測定回路585の動作を示すために、2導体ワイヤ101の第1の導体104と第2の導体105との間に短絡(例えば、109)が発生し、かつ第1のコネクタ503が第1の導体104に接続されており、かつ第2のコネクタ504が第2の導体105に接続されている実装態様を参照する。この実装態様では、LO551及びPA552からの注入トーンは、注入されると、ミキサ553及びADC554によってサンプリングされ得る(例えば、測定された電圧位相、測定された電流位相、測定された電圧振幅、及び/又は測定された電流振幅)。注入トーンは、出力接続567、方向性結合器513、第1のコネクタ503、及び第1の導体104を通って短絡(例えば、109)に進行し得る。注入トーンは、短絡(例えば、109)から反射されて、反射トーンとして第1の導体104を伝って第1のコネクタ503に戻り得る。反射トーンは、第1のコネクタ503から方向性結合器513に進行し得、反射トーンは、方向性結合器513の出力ポートによって入力接続568に出力され得る。反射トーンは、注入トーンとは位相差(例えば、異なる電圧位相及び/又は異なる電流位相)及び/又は注入トーンとは振幅差(例えば、異なる電圧振幅及び/又は異なる電流振幅)を有し得る。制御可能スイッチ555は、ミキサ553を入力接続568に接続するように(例えば、プロセッサ126によって)制御され得る。制御可能スイッチ555は、ミキサ553及びADC554が注入トーンのサンプリングのサンプル分離点でサンプルを収集し得るように、ミキサ553を入力接続568に接続するように(例えば、プロセッサ126によって)制御され得る。ミキサ553及びADC554は、入力接続568で受信された反射トーンをサンプリングし得る(例えば、電圧位相が測定され得、電流位相が測定され得、電圧振幅が測定され得、かつ/又は電流振幅が測定され得る)。入力接続568で受信された反射トーンは、方向性結合器513の出力ポートによって出力されるような反射トーンであり得る。注入トーン及び反射トーンのサンプル(例えば、注入トーンの電圧位相の測定値及び反射トーンの電圧位相の測定値、注入トーンの電流位相の測定値及び反射トーンの電流位相の測定値、注入トーンの電圧振幅の測定値及び反射トーンの電圧振幅の測定値、並びに/又は注入トーンの電流振幅の測定値及び反射トーンの電流振幅の測定値)は、ADC554によってプロセッサ(例えば、プロセッサ126)に渡され得る。注入トーンと反射トーンとの間の位相差は、サンプルに基づいて判定され得、かつび/又は注入トーンと反射トーンとの間の振幅差は、サンプルに基づいて判定され得る。様々な実施形態では、1つ又は複数の注入トーンは、Bluetoothキャリアであり得、注入トーン及び反射トーンは、各Bluetoothキャリア周波数についてサンプリングされ得る。例えば、79個のBluetoothキャリア全てが、注入トーン及び反射トーンのペアとしてそれぞれサンプリングされ得る。
【0078】
[0108] 図6Aは、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための一実施形態の方法600を示す。図1A図6Aを参照すると、方法600は、デバイス(例えば、デバイス106)のプロセッサ(例えば、126)によって実行され得る。図1A図6Aを参照すると、方法600の動作の各々を実行するための手段は、1つ又は複数のプロセッサ126などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数の距離測定回路128、500、550、580、585などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数の距離測定回路であり得る。様々な実施形態では、方法600の動作は、方法200(図2)及び/又は400(図4A)の動作とともに実行され得る。例えば、方法600の動作は、2導体ワイヤ(例えば、2導体ワイヤ101)における短絡(例えば、短絡109)までの距離を判定するための、方法200(図2)又は方法400(図4A)のブロック204の動作の一部として実行され得る。
【0079】
[0109] ブロック602において、プロセッサは、2導体ワイヤの第1の端部に、初期既知信号位相を有する初期トーンを注入するための動作を実行し得る。初期トーンは、選択された周波数のキャリアであり得る。例として、初期トーンは、BLEキャリア、Bluetoothキャリアなどであり得る。一例として、初期トーンは、第1の導体104などの2導体ワイヤ101の第1の端部102に注入され得る。初期既知信号位相は、初期トーンが注入される際に初期トーンをサンプリングすることによって判定される電圧位相測定値及び/又は電流位相測定値であり得る。一例として、第1の無線部501は、第1の導体104に初期トーンを注入するようにプロセッサによって制御され得、制御可能スイッチ505は、第2の無線部502が注入初期トーンをサンプリングするように位置整合され得る。別の例として、LO551及びPA552は、第1の導体104に初期トーンを注入するようにプロセッサによって制御され得、制御可能スイッチ555は、ミキサ553及びADC554が注入初期トーンをサンプリングするように位置整合され得る。
【0080】
[0110] ブロック604において、プロセッサは、初期トーンを注入することから生じる2導体ワイヤの第1の端部における初期反射トーンの信号位相を測定するための動作を実行し得る。初期反射トーンは、注入トーンが短絡を通過した後に2導体ワイヤの別の導体を元へと進んで帰還する注入トーンであり得る。一例として、初期反射トーンは、初期注入トーンが第1の導体104を進んで進行し、短絡109を通り、第2の導体105を通って2導体ワイヤ101の第1の端部102に戻った後に、2導体ワイヤ101の第1の端部102における第2の導体105で受信されるトーンであり得る。初期反射トーンの電圧位相が測定され得、初期反射トーンの電圧位相は、注入初期トーンの電圧位相とは異なり得る。初期反射トーンの電流位相が測定され得、初期反射トーンの電流位相は、注入初期トーンの電圧位相とは異なり得る。一例として、制御可能スイッチ505は、第2の無線部502が、第2のコネクタ504で第2の導体105から受信された初期反射トーンをサンプリングするように位置整合され得る。別の例として、制御可能スイッチ555は、ミキサ553及びADC554が、第2のコネクタ504及び入力接続568で第2の導体105から受信された初期反射トーンをサンプリングするようにプロセッサによって制御され得るように、位置整合され得る。
【0081】
[0111] ブロック606において、プロセッサは、初期既知信号位相と、初期反射トーンの測定された信号位相との間の位相差としての初期位相差を判定するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、初期既知電圧位相から、初期反射トーンの測定された電圧位相を減算して、初期位相差を判定し得る。例えば、プロセッサは、初期既知電流位相から、初期反射トーンの測定された電流位相を減算して、初期位相差を判定し得る。
【0082】
[0112] ブロック608において、プロセッサは、判定された初期位相差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための動作を実行し得る。例えば、位相差値は、プロセッサに利用可能なメモリにおけるメモリ構造(例えば、アレイ、ルックアップテーブルなど)における距離と相関し得、プロセッサは、初期位相差にマッチするメモリ構造における位相差と相関する距離として、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定し得る。
【0083】
[0113] 図6Bは、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための一実施形態の方法650を示す。図1A図6Bを参照すると、方法650は、デバイス(例えば、デバイス106)のプロセッサ(例えば、126)によって実行され得る。図1A図6Bを参照すると、方法650の動作の各々を実行するための手段は、1つ又は複数のプロセッサ126などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数の距離測定回路128、500、550、580、585などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数の距離測定回路であり得る。様々な実施形態では、方法650の動作は、方法200(図2)及び/又は400(図4A)の動作とともに実行され得る。例えば、方法650の動作は、2導体ワイヤ(例えば、2導体ワイヤ101)における短絡(例えば、短絡109)までの距離を判定するための、方法200(図2)又は方法400(図4A)のブロック204の動作の一部として実行され得る。
【0084】
[0114] ブロック652において、プロセッサは、2導体ワイヤの第1の端部に、初期既知信号位相及び初期既知信号振幅を有する初期トーンを注入するための動作を実行し得る。初期トーンは、選択された周波数のキャリアであり得る。例として、初期トーンは、BLEキャリア、Bluetoothキャリアなどであり得る。一例として、初期トーンは、第1の導体104などの2導体ワイヤ101の第1の端部102に注入され得る。初期既知信号位相は、初期トーンが注入される際に初期トーンをサンプリングすることによって判定される電圧位相測定値及び/又は電流位相測定値であり得る。初期既知信号振幅は、初期トーンが注入される際に初期トーンをサンプリングすることによって判定される電圧振幅測定値及び/又は電流振幅測定値であり得る。一例として、第1の無線部501は、第1の導体104に初期トーンを注入するようにプロセッサによって制御され得、制御可能スイッチ505は、第2の無線部502が注入初期トーンをサンプリングするように位置整合され得る。別の例として、LO551及びPA552は、第1の導体104に初期トーンを注入するようにプロセッサによって制御され得、制御可能スイッチ555は、ミキサ553及びADC554が注入初期トーンをサンプリングするように位置整合され得る。
【0085】
[0115] ブロック604及び606において、プロセッサは、記載されるように、信号位相を測定し、かつ初期位相差を判定するための、方法600(図6A)の同様の番号が付けられたブロックの動作を実行し得る。
【0086】
[0116] ブロック654において、プロセッサは、初期トーンを注入することから生じる2導体ワイヤの第1の端部における初期反射トーンの信号振幅を測定するための動作を実行し得る。信号振幅は、初期トーンが注入される際に初期トーンをサンプリングすることによって判定される電圧振幅測定値及び/又は電流振幅測定値であり得る。一例として、第1の無線部501は、初期トーンを第1の導体104に注入するようにプロセッサによって制御され得、制御可能スイッチ505は、第2の無線部502が注入初期トーンをサンプリングするように位置整合され得る。別の例として、LO551及びPA552は、第1の導体104に初期トーンを注入するようにプロセッサによって制御され得、制御可能スイッチ555は、ミキサ553及びADC554が注入初期トーンをサンプリングするように位置整合され得る。
【0087】
[0117] ブロック656において、プロセッサは、初期既知信号振幅と、初期反射トーンの測定された信号振幅との間の振幅差としての初期振幅差を判定するための動作を実行し得る。初期反射トーンの電圧振幅が測定され得、初期反射トーンの電圧振幅は、注入初期トーンの電圧振幅とは異なり得る。初期反射トーンの電流振幅が測定され得、初期反射トーンの電流振幅は、注入初期トーンの電流振幅とは異なり得る。一例として、制御可能スイッチ505は、第2の無線部502が、第2のコネクタ504で第2の導体105から受信された初期反射トーンをサンプリングするように位置整合され得る。別の例として、制御可能スイッチ555は、ミキサ553及びADC554が、第2のコネクタ504及び入力接続568で第2の導体105から受信された初期反射トーンをサンプリングするようにプロセッサによって制御され得るように、位置整合され得る。
【0088】
[0118] ブロック658において、プロセッサは、判定された初期位相差及び判定された初期振幅差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための動作を実行し得る。例えば、位相差値及び振幅差値は、位相差値及び振幅差値に最もよくマッチする較正データセットを識別するために、プロセッサに利用可能なメモリにおける記憶された較正データセットと比較され得る。較正データセットは、例えば初期較正手順中、製造後試験中など、異なる距離に短絡を有する2導体ワイヤについて予め捕捉された位相差及び振幅差であり得る。較正データセットは、プロセッサに利用可能なメモリにおけるメモリ構造(例えば、アレイ、ルックアップテーブルなど)における距離と相関し得、プロセッサは、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を、位相差値及び振幅差値に最もよくマッチする較正データセットと相関する距離として判定し得る。
【0089】
[0119] 図7Aは、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための一実施形態の方法700を示す。図1A図7Aを参照すると、方法700は、デバイス(例えば、デバイス106)のプロセッサ(例えば、126)によって実行され得る。図1A図7Aを参照すると、方法700の動作の各々を実行するための手段は、1つ又は複数のプロセッサ126などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数の距離測定回路128、500、550、580、585などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数の距離測定回路であり得る。様々な実施形態では、方法700の動作は、方法200(図2)、400(図4A)、600(図6A)、及び/又は650(図6B)の動作とともに実行され得る。例えば、方法700の動作は、2導体ワイヤ(例えば、2導体ワイヤ101)における短絡(例えば、短絡109)までの距離を判定するための、方法200(図2)又は方法400(図4A)のブロック204の動作の一部として実行され得る。
【0090】
[0120] ブロック602、604、及び606において、プロセッサは、記載されるように初期位相差を判定するための、方法600(図6A)の同様に番号付けされたブロックの動作を実行し得る。
【0091】
[0121] ブロック702において、プロセッサは、2導体ワイヤの第1の端部に、第2の初期信号位相と初期トーンの初期周波数とは異なる第2の周波数とを有する第2のトーンを注入するための動作を実行し得る。第2の初期信号位相は、第2のトーンの電圧位相であり得る。第2の初期信号位相は、第2のトーンの電流位相であり得る。第2のトーンは、選択された周波数のキャリアであり得る。第2のトーンは、初期トーンとは異なる周波数のキャリアであり得る。例として、第2のトーンは、BLEキャリア、Bluetoothキャリアなどであり得る。一例として、第2のトーンは、第1の導体104などの2導体ワイヤ101の第1の端部102に注入され得る。第2の初期信号位相は、第2のトーンが注入される際に第2のトーンをサンプリングすることによって判定される電圧位相測定値であり得、かつ/又は第2のトーンが注入される際に第2のトーンをサンプリングすることによって判定される電流位相測定値であり得る。一例として、第1の無線部501は、第1の導体104に第2のトーンを注入するようにプロセッサによって制御され得、制御可能スイッチ505は、第2の無線部502が注入された第2のトーンをサンプリングするように位置整合され得る。別の例として、LO551及びPA552は、第1の導体104に第2のトーンを注入するようにプロセッサによって制御され得、制御可能スイッチ555は、ミキサ553及びADC554が注入された第2のトーンをサンプリングするように位置整合され得る。
【0092】
[0122] ブロック704において、プロセッサは、第2のトーンを注入することから生じる2導体ワイヤの第1の端部における第2の反射トーンの信号位相を測定するための動作を実行し得る。第2の反射トーンの信号位相は、第2の反射トーンの電圧位相であり得る。第2の反射トーンの信号位相は、第2の反射トーンの電流位相であり得る。第2の反射トーンは、注入トーンが短絡を通過した後に2導体ワイヤの別の導体を元へ進んで帰還する第2のトーンであり得る。一例として、第2の反射トーンは、第2の注入トーンが第1の導体104を進んで進行し、短絡109を通り、第2の導体105を通って2導体ワイヤ101の第1の端部102に戻った後に、2導体ワイヤ101の第1の端部102における第2の導体105で受信されるトーンであり得る。第2の反射トーンの電圧位相が測定され得、第2の反射トーンの電圧位相は、注入された第2のトーンの電圧位相とは異なり得る。第2の反射トーンの電流位相が測定され得、第2の反射トーンの電流位相は、注入された第2のトーンの電圧位相とは異なり得る。一例として、制御可能スイッチ505は、第2の無線部502が第2のコネクタ504で第2の導体105から受信された第2の反射トーンをサンプリングするように位置整合され得る。別の例として、制御可能スイッチ555は、ミキサ553及びADC554が、第2のコネクタ504及び入力接続568で第2の導体105から受信された第2の反射トーンをサンプリングするようにプロセッサによって制御され得るように、位置整合され得る
【0093】
[0123] ブロック706において、プロセッサは、第2の初期信号位相と、第2の反射トーンの測定された信号位相との間の位相差としての第2の位相差を判定するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、第2の初期電圧位相から、第2の反射トーンの測定された電圧位相を減算して、第2の位相差を判定し得る。例えば、プロセッサは、第2の初期電流位相から、第2の反射トーンの測定された電流位相を減算して、第2の位相差を判定し得る
【0094】
[0124] ブロック708において、プロセッサは、判定された初期位相差及び判定された第2の振幅差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための動作を実行し得る。例えば、初期位相差と判定された第2の位相差とを結ぶ線の傾き(又は線の勾配)を使用して、短絡(例えば、109)を通してトーンが注入された第1の導体(例えば、104)から、トーンが受信された第2の導体(例えば、105)に戻るまでの距離などの、往復距離を判定し得る。往復距離を半分に除算して、短絡(例えば、109)までの距離を判定し得る。
【0095】
[0125] 図7Bは、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための一実施形態の方法750を示す。図1A図7Bを参照すると、方法750は、デバイス(例えば、デバイス106)のプロセッサ(例えば、126)によって実行され得る。図1A図7Bを参照すると、方法750の動作の各々を実行するための手段は、1つ又は複数のプロセッサ126などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数の距離測定回路128、500、550、580、585などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数の距離測定回路であり得る。様々な実施形態では、方法750の動作は、方法200(図2)、400(図4A)、600(図6A)、及び/又は650(図6B)の動作とともに実行され得る。例えば、方法750の動作は、2導体ワイヤ(例えば、2導体ワイヤ101)における短絡(例えば、短絡109)までの距離を判定するための、方法200(図2)又は方法400(図4A)のブロック204の動作の一部として実行され得る。
【0096】
[0126] ブロック652、604、606、654、及び656において、プロセッサは、記載されるように初期位相差及び初期振幅差を判定するための、方法650(図6B)の同様の番号が付けられたブロックの動作を実行し得る。
【0097】
[0127] ブロック752において、プロセッサは、2導体ワイヤの第1の端部に、第2の初期信号位相と、初期トーンの初期周波数とは異なる第2の周波数と、第2の初期振幅と、を有する第2のトーンを注入するための動作を実行し得る。第2の初期信号位相は、第2のトーンの電圧位相であり得る。第2の初期信号位相は、第2のトーンの電流位相であり得る。第2の初期振幅は、第2のトーンの電圧振幅であり得る。第2の初期振幅は、第2のトーンの電流振幅であり得る。第2のトーンは、選択された周波数のキャリアであり得る。第2のトーンは、初期トーンとは異なる周波数のキャリアであり得る。例として、第2のトーンは、BLEキャリア、Bluetoothキャリアなどであり得る。一例として、第2のトーンは、第1の導体104などの2導体ワイヤ101の第1の端部102に注入され得る。第2の初期信号位相は、第2のトーンが注入される際に第2のトーンをサンプリングすることによって判定される電圧位相測定値であり得、かつ/又は第2のトーンが注入される際に第2のトーンをサンプリングすることによって判定される電流位相測定値であり得る。第2の初期振幅は、第2のトーンが注入される際に第2のトーンをサンプリングすることによって判定される電圧振幅測定値であり得、かつ/又は第2のトーンが注入される際に第2のトーンをサンプリングすることによって判定される電流振幅測定値であり得る。一例として、第1の無線部501は、第1の導体104に第2のトーンを注入するようにプロセッサによって制御され得、制御可能スイッチ505は、第2の無線部502が注入された第2のトーンをサンプリングするように位置整合され得る。別の例として、LO551及びPA552は、第1の導体104に第2のトーンを注入するようにプロセッサによって制御され得、制御可能スイッチ555は、ミキサ553及びADC554が注入された第2のトーンをサンプリングするように位置整合され得る。
【0098】
[0128] ブロック704及び706において、プロセッサは、記載されるように、第2の反射トーンの信号位相を測定し、かつ第2の位相差を判定するための、方法700(図7A)の同様の番号が付けられたブロックの動作を実行し得る。
【0099】
[0129] ブロック754において、プロセッサは、初期トーンを注入することから生じる2導体ワイヤの第1の端部における第2の反射トーンの第2の振幅を測定するための動作を実行し得る。第2の反射トーンの第2の振幅は、第2のトーンが注入される際に第2のトーンをサンプリングすることによって判定される電圧振幅測定値及び/又は電流振幅測定値であり得る。一例として、第1の無線部501は、第1の導体104に第2のトーンを注入するようにプロセッサによって制御され得、制御可能スイッチ505は、第2の無線部502が注入された第2のトーンをサンプリングするように位置整合され得る。別の例として、LO551及びPA552は、第1の導体104に第2のトーンを注入するようにプロセッサによって制御され得、制御可能スイッチ555は、ミキサ553及びADC554が注入された第2のトーンをサンプリングするように位置整合され得る。
【0100】
[0130] ブロック756において、プロセッサは、第2の初期振幅と、第2の反射トーンの測定された第2の振幅との間の振幅差としての第2の振幅差を判定するための動作を実行し得る。第2の反射トーンの電圧振幅が測定され得、第2の反射トーンの電圧振幅は、第2の初期トーンの電圧振幅とは異なり得る。第2の反射トーンの電流振幅が測定され得、第2の反射トーンの電流振幅は、注入された第2のトーンの電流振幅とは異なり得る。一例として、制御可能スイッチ505は、第2の無線部502が、第2のコネクタ504で第2の導体105から受信された初期反射トーンをサンプリングするように位置整合され得る。別の例として、制御可能スイッチ555は、ミキサ553及びADC554が、第2のコネクタ504及び入力接続568で第2の導体105から受信された初期反射トーンをサンプリングするようにプロセッサによって制御され得るように、位置整合され得る。
【0101】
[0131] ブロック758において、プロセッサは、判定された初期位相差、判定された初期振幅差、判定された第2の位相差、及び判定された第2の振幅差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための動作を実行し得る。例えば、位相差値及び振幅差値は、位相差値及び振幅差値に最もよくマッチする較正データセットを識別するために、プロセッサに利用可能なメモリにおける記憶された較正データセットと比較され得る。較正データセットは、例えば初期較正手順中、製造後試験中など、異なる距離に短絡を有する2導体ワイヤについて予め捕捉された位相差及び振幅差であり得る。較正データセットは、プロセッサに利用可能なメモリにおけるメモリ構造(例えば、アレイ、ルックアップテーブルなど)における距離と相関し得、プロセッサは、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を、位相差値及び振幅差値に最もよくマッチする較正データセットと相関する距離として判定し得る。
【0102】
[0132] 図8Aは、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための一実施形態の方法800を示す。図1A図8Aを参照すると、方法800は、デバイス(例えば、デバイス106)のプロセッサ(例えば、126)によって実行され得る。図1A図8Aを参照すると、方法800の動作の各々を実行するための手段は、1つ又は複数のプロセッサ126などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数の距離測定回路128、500、580などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数の距離測定回路であり得る。様々な実施形態では、方法800の動作は、方法200(図2)及び/又は400(図4A)の動作とともに実行され得る。例えば、方法800の動作は、2導体ワイヤ(例えば、2導体ワイヤ101)における短絡(例えば、短絡109)までの距離を判定するための、方法200(図2)又は方法400(図4A)のブロック204の動作の一部として実行され得る。
【0103】
[0133] ブロック802において、プロセッサは、第1の無線部と第2の無線部との間に、接続されたBLE AoAセッションを確立するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、第1の無線部501及び第2の無線部502を制御して、第1の無線部501が2導体ワイヤ101の第1の導体104を伝ってBLE AoAパケットを伝送するように、接続されたBLE AoAセッションを確立し得る。
【0104】
[0134] ブロック804において、プロセッサは、選択されたBLEチャネルとして測定すべき初期BLEチャネルを設定するための動作を実行し得る。一例として、第1のBLEチャネルは、測定すべき37個のBLEチャネルのうちの第1のものであり得る。
【0105】
[0135] ブロック806において、プロセッサは、第2の無線部を第1の導体に接続するようにスイッチを制御するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、第1の導体104に接続された第1のコネクタ503に第2の無線部502を接続するように制御可能スイッチ505を制御し得る。
【0106】
[0136] ブロック808において、プロセッサは、選択されたBLEチャネルキャリアを第1の導体に出力するように第1の無線部を制御するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、選択されたBLEチャネルキャリアを第1のコネクタ503に出力し、それによって、第1の導体104に出力するように第1の無線部501を制御し得る。選択されたBLEチャネルキャリアの出力は、それによって、第1のコネクタ503に接続された第1の導体104にBLEチャネルキャリアをトーンとして注入し得る。
【0107】
[0137] ブロック810において、プロセッサは、選択されたBLEチャネルキャリアについて、第1の導体において位相サンプル(例えば、I/Qサンプル)を捕捉するように第2の無線部を制御するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、第1の導体104に接続された第1のコネクタ503における電圧位相を測定するように、第2の無線部502を制御し得る。
【0108】
[0138] ブロック812において、プロセッサは、第2の無線部を第2の導体に接続するようにスイッチを制御するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、第2の導体105に接続された第2のコネクタ504に第2の無線部502を接続するように制御可能スイッチ505を制御し得る。
【0109】
[0139] ブロック814において、プロセッサは、選択されたBLEチャネルキャリアについて、第2の導体において位相サンプル(例えば、I/Qサンプル)を捕捉するように第2の無線部を制御するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、第2の導体105に接続された第2のコネクタ504における電圧位相を測定するように、第2の無線部502を制御し得る。第2のコネクタ504において第2の無線部502によってサンプリングされたトーンは、第1の導体104を進んで進行し、短絡109を通り、第2の導体105を進んで帰還した反射トーンであり得る。
【0110】
[0140] ブロック816において、プロセッサは、選択されたBLEチャネルキャリアについて、第1の導体及び第2の導体において捕捉された位相サンプルを記憶するための動作を実行し得る。例えば、位相サンプルは、メモリ129のメモリ構造に記憶され得る。一例として、第1の導体104に接続された第1のコネクタ503と、第2の導体105に接続された第2のコネクタ504とにおいて測定された電圧位相は、メモリ129に記憶され、メモリ129において、2導体ワイヤ101に注入されたトーンであった選択されたBLEチャネルキャリアの指標に関連付けられ得る。
【0111】
[0141] 判定ブロック818において、プロセッサは、全てのBLEチャネルが測定されたかどうかを判定するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、位相サンプルが37個のBLEチャネル全てについて捕捉及び記憶されたかどうかを判定し得る。
【0112】
[0142] 全てのBLEチャネルが測定されてはいないと判定すること(すなわち、判定ブロック818=「いいえ」)に応答して、プロセッサは、ブロック820において、測定すべき次のBLEチャネルを選択されたBLEチャネルとして設定し得る。一例として、次のBLEチャネルは、測定すべき37個のBLEチャネルのうちの次のものであり得る。
【0113】
[0143] 測定すべき次のBLEチャネルを選択されたBLEチャネルとして設定することに応答して、プロセッサは、新たに選択されたBLEチャネルについてブロック806~816の動作を実行し得る。判定ブロック818において、プロセッサは、全てのBLEチャネルが測定されたかどうかを判定するための動作を実行し得る。このようにして、全てのBLEチャネルがトーンとして注入され、かつそれらの反射トーンが測定されるまで、BLEチャネルが選択され、それらのBLEチャネルについて、位相サンプルが捕捉され得る。
【0114】
[0144] 全てのBLEチャネルが測定されたと判定すること(すなわち、判定ブロック818=「はい」)に応答して、プロセッサは、ブロック822において、各それぞれのBLEチャネルについて、記憶された位相サンプル間の位相差を判定し得る。例えば、プロセッサは、各それぞれのBLEチャネルについて、位相サンプルのうちの一方を他方の位相サンプルから減算して、そのBLEチャネルについての位相差を判定し得る。位相差は、それらのそれぞれのBLEチャネルの周波数に関連付けられて、メモリ129に記憶され得る。
【0115】
[0145] ブロック824において、プロセッサは、判定された位相差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定し得る。例えば、プロセッサは、線形回帰、直交回帰などの選択された方法を使用して、判定された位相差の分布に線をフィットさせ得る。線の傾き(又は線の勾配)を判定及び使用して、短絡(例えば、109)を通してトーンが注入された第1の導体(例えば、104)から、トーンが受信された第2の導体(例えば、105)に戻るまでの距離などの、往復距離を判定し得る。往復距離を半分に除算して、短絡(例えば、109)までの距離を判定し得る。
【0116】
[0146] 図8Bは、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための一実施形態の方法850を示す。図1A図8Bを参照すると、方法850は、デバイス(例えば、デバイス106)のプロセッサ(例えば、126)によって実行され得る。図1A図8Bを参照すると、方法850の動作の各々を実行するための手段は、1つ又は複数のプロセッサ126などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数の距離測定回路128、500、580などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数の距離測定回路であり得る。様々な実施形態では、方法850の動作は、方法200(図2)及び/又は400(図4A)の動作とともに実行され得る。例えば、方法850の動作は、2導体ワイヤ(例えば、2導体ワイヤ101)における短絡(例えば、短絡109)までの距離を判定するための、方法200(図2)又は方法400(図4A)のブロック204の動作の一部として実行され得る。
【0117】
[0147] ブロック802及び804において、プロセッサは、記載されるように、BLE AoAセッションを確立し、かつ測定すべき初期BLEチャネルを選択されたBLEチャネルとして設定するために、方法800(図8A)の同様の番号が付けられたブロックの動作を実行し得る。
【0118】
[0148] ブロック852において、プロセッサは、測定タイマを始動させ得る。測定タイマは、カウントアップタイマ、カウントダウンタイマなどの任意のタイプのタイマであり得る。
【0119】
[0149] ブロック806、808、810、812、814、及び816において、プロセッサは、記載されるように、選択されたBLEチャネルキャリアについて、第1の導体及び第2の導体における位相サンプルを捕捉及び記憶するための、方法800(図8A)の同様の番号が付けられたブロックの動作を実行し得る。
【0120】
[0150] 判定ブロック854において、プロセッサは、測定時間に達したかどうかを判定し得る。測定時間は、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することを試行するために割り当てられた最大時間であり得る。プロセッサは、測定タイマに基づいて、測定時間に到達したかどうかを判定し得る。例えば、選択された時間に達するか、又は選択された時間を超えるカウントアップタイマである測定タイマは、測定時間に達したことを示し得る。別の例として、測定タイマが、ゼロに達したカウントダウンタイマであることは、測定時間に達したことを示し得る。
【0121】
[0151] 測定時間に達していないと判定すること(すなわち、判定ブロック854=「いいえ」)に応答して、プロセッサは、記載されるように、全てのBLEチャネルが測定されたかどうかを判定するための、方法800(図8A)の判定ブロック818の同様の動作を実行し得る。このようにして、測定時間に達しない限り、測定されるべきままであり得る追加のチャネルが、選択され、それらのBLEチャネルについて、位相サンプルが捕捉され得る。
【0122】
[0152] 測定時間に達したと判定すること(すなわち、判定ブロック854=「はい」)に応答して、プロセッサは、記載されるように、記憶された位相サンプル間の位相差を判定するための、方法800(図8A)のブロック822の同様の動作を実行し得る。このようにして、測定時間に達すると、全てのBLEチャネルが測定されたか否かにかかわらず、位相差が判定され得る。したがって、測定時間が全てのBLEチャネルを試験することをサポートしないとき、全てよりも少ないBLEチャネルが試験され得る。
【0123】
[0153] 図9は、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための一実施形態の方法900を示す。図1A図9を参照すると、方法900は、デバイス(例えば、デバイス106)のプロセッサ(例えば、126)によって実行され得る。図1A図9を参照すると、方法900の動作の各々を実行するための手段は、1つ又は複数のプロセッサ126などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数の距離測定回路128、550、585などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数の距離測定回路であり得る。様々な実施形態では、方法900の動作は、方法200(図2)及び/又は400(図4A)の動作とともに実行され得る。例えば、方法900の動作は、2導体ワイヤ(例えば、2導体ワイヤ101)における短絡(例えば、短絡109)までの距離を判定するための、方法200(図2)又は方法400(図4A)のブロック204の動作の一部として実行され得る。
【0124】
[0154] ブロック902において、プロセッサは、測定すべき初期キャリアを選択されたキャリアとして設定するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、2402MHz~2480MHzの周波数の79個のBluetoothキャリアトーンのうちの1つを、選択されたキャリアとして設定し得る。
【0125】
[0155] ブロック904において、プロセッサは、ミキサを送信機出力に接続するようにスイッチを制御するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、LO551及びPA552からの送信機出力を受信し得る出力接続567にミキサ553を接続するように、制御可能スイッチ555を制御し得る。
【0126】
[0156] ブロック906において、プロセッサは、選択されたキャリアを第1の導体に出力するように局部発振器を制御するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、PA552を介して出力接続567に、選択されたキャリアを出力するようにLO551を制御し得る。
【0127】
[0157] ブロック908において、プロセッサは、選択されたキャリアについて、送信機出力における位相サンプル(例えば、I/Qサンプル)を捕捉するための動作を実行し得る。例えば、LO551及びPA552によって出力接続567に出力されたトーンである選択されたキャリアは、制御可能スイッチ555によってミキサ553及びADC554に提供され得、電圧位相測定値などの位相サンプルは、プロセッサに出力され、それによって、選択されたキャリアについて送信機出力において位相サンプルを捕捉し得る。
【0128】
[0158] ブロック910において、プロセッサは、ミキサを受信機入力に接続するようにスイッチを制御するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、第2の導体105に接続された第2のコネクタ504から受信機入力を受信し得る入力接続568にミキサ553を接続するように、制御可能スイッチ555を制御し得る。
【0129】
[0159] ブロック912において、プロセッサは、選択されたキャリアについて、受信機入力における位相サンプル(例えば、I/Qサンプル)を捕捉するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、入力接続568を介して受信されたトーンの電圧位相を測定するように、ミキサ553及びADC554を制御し得る。ミキサ553及びADC554によってサンプリングされたトーンは、第1の導体104を進んで進行し、短絡109を通り、第2の導体105を進んで帰還した反射トーンであり得る。
【0130】
[0160] ブロック914において、プロセッサは、選択されたキャリアについて、送信機出力及び受信機入力において捕捉された位相サンプルを記憶するための動作を実行し得る。例えば、位相サンプルは、メモリ129のメモリ構造に記憶され得る。一例として、第1の導体104に接続された第1のコネクタ503と、第2の導体105に接続された第2のコネクタ504とにおいて測定された電圧位相は、メモリ129に記憶され、メモリ129において、2導体ワイヤ101に注入されたトーンであった選択されたキャリアの指標に関連付けられ得る。
【0131】
[0161] 判定ブロック916において、プロセッサは、全てのキャリアが測定されたかどうかを判定するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、位相サンプルが79個のBluetoothキャリア周波数全てについて捕捉及び記憶されたかどうかを判定し得る。
【0132】
[0162] 全てのキャリアが測定されてはいないと判定すること(すなわち、判定ブロック916=「いいえ」)に応答して、プロセッサは、ブロック918において、測定すべき次のキャリアを選択されたキャリアとして設定し得る。一例として、次のキャリアは、測定すべき79個のBluetoothチャネルのうちの次のものであり得る。
【0133】
[0163] 測定すべき次のキャリアを選択されたキャリアとして設定することに応答して、プロセッサは、新たに選択されたキャリアについてブロック904~914の動作を実行し得る。判定ブロック916において、プロセッサは、全てのキャリアが測定されたかどうかを判定するための動作を実行し得る。このようにして、全てのキャリアがトーンとして注入され、かつそれらの反射トーンが測定されるまで、キャリアが選択され、それらのキャリアについて、位相サンプルが捕捉され得る。例えば、トーンとして注入されるとき、及び反射トーンとして受信されるときに捕捉された位相サンプルを79個のBluetoothキャリア全てが有し得るまで、キャリアが選択され、位相サンプルが捕捉され得る。
【0134】
[0164] 全てのキャリアが測定されたと判定すること(すなわち、判定ブロック916=「はい」)に応答して、プロセッサは、ブロック920において、各それぞれのキャリアについて、記憶された位相サンプル間の位相差を判定し得る。例えば、プロセッサは、各それぞれのキャリアについて、位相サンプルのうちの一方を他方の位相サンプルから減算して、そのキャリアについての位相差を判定し得る。位相差は、キャリアの周波数に関連付けられて、メモリ129に記憶され得る。
【0135】
[0165] ブロック824において、プロセッサは、記載されるように、判定された位相差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための、方法900(図9)の同様の番号が付けられたブロックの動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、線形回帰、直交回帰などの選択された方法を使用して、判定された位相差の分布に線をフィットさせ得る。線の傾き(又は線の勾配)を判定及び使用して、短絡(例えば、109)を通してトーンが注入された第1の導体(例えば、104)から、トーンが受信された第2の導体(例えば、105)に戻るまでの距離などの、往復距離を判定し得る。往復距離を半分に除算して、短絡(例えば、109)までの距離を判定し得る。
【0136】
[0166] 図10Aは、様々な実施形態による、異なる周波数に対する位相差のプロット1001に対するベストフィットライン1002の一例である。図1A図10Aを参照すると、図10Aは、Hz単位の周波数によってプロットされたラジアン単位のアンラップ位相差1001を示す。例えば、位相差1001は、方法600(図6A)、650(図6B)、700(図7A)、750(図7B)、800(図8A)、850(図8B)、及び/又は900(図9)のうちのいずれかの動作によって判定された位相差であり得る。ベストフィットライン1002は、線形回帰、直交回帰などのラインフィッティング法によって判定され得る。ベストフィットライン1002は、ラジアンの数字をHzの数字で除したものとして定義される勾配(又は傾斜)を有し得る。ライン1002の勾配は、2導体ワイヤ101に沿った短絡109までの距離などの、2導体ワイヤに沿った短絡までの距離の近似を表し得る。一例として、2導体ワイヤの導体が形成された材料(例えば、第1の導体104又は第2の導体105を形成する材料)における勾配(g)と光速(c)との積を、パイ(π)の2倍で除算して往復距離(例えば、往復距離=(gc)/(2π))を得ることができる。往復距離を2で除算して、短絡までの距離を判定し得る。
【0137】
[0167] 図10Bは、2導体ワイヤ(例えば、2導体ワイヤ101)における短絡(例えば、短絡109)までの距離を判定するための一実施形態の方法1010を示す。図1A図10Bを参照すると、方法1010は、デバイス(例えば、デバイス106)のプロセッサ(例えば、126)によって実行され得る。図1A図10Bを参照すると、方法1010の動作の各々を実行するための手段は、1つ又は複数のプロセッサ126などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数の距離測定回路128、500、550、580、585などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数の距離測定回路であり得る。様々な実施形態では、方法1010の動作は、方法200(図2)、400(図4A)、600(図6A)、650(図6B)、700(図7)、750(図7B)、800(図8A)、850(図8B)、及び/又は900(図9)の動作とともに実行され得る。例として、方法1010の動作は、2導体ワイヤ(例えば、2導体ワイヤ101)における短絡(例えば、短絡109)までの距離を判定するための方法200(図2)又は方法400(図4A)のブロック204の動作の一部として、2導体ワイヤ(例えば、2導体ワイヤ101)における短絡(例えば、短絡109)までの距離を判定するための方法700(図7A)のブロック708の動作の一部として、2導体ワイヤ(例えば、2導体ワイヤ101)における短絡(例えば、短絡109)までの距離を判定するための方法700(図7B)のブロック758の動作の一部として、及び/又は2導体ワイヤ(例えば、2導体ワイヤ101)における短絡(例えば、短絡109)までの距離を判定するための、方法800(図8A)、方法850(図8B)、又は方法900(図9)のブロック824の動作の一部として実行され得る。
【0138】
[0168] ブロック1012において、プロセッサは、判定された位相差に対するベストフィットラインの勾配を判定するための動作を実行し得る。ベストフィットライン(例えば、ライン1002)は、線形回帰、直交回帰などのラインフィッティング法によって判定され得る。ベストフィットライン(例えば、ライン1002)は、ラジアンの数字をHzの数字で除したものとして定義される勾配(又は傾斜)を有し得る。
【0139】
[0169] ブロック1014において、プロセッサは、判定された勾配に少なくとも部分的に基づいて往復距離を判定するための動作を実行し得る。ライン1002の勾配は、2導体ワイヤ101に沿った短絡109までの距離などの、2導体ワイヤに沿った短絡までの距離の近似を表し得る。一例として、2導体ワイヤの導体が形成された材料(例えば、第1の導体104又は第2の導体105を形成する材料)における勾配(g)と光速(c)との積を、パイ(π)の2倍で除算して往復距離(例えば、往復距離=(gc)/(2π))を得ることができる。
【0140】
[0170] ブロック1016において、プロセッサは、2導体ウェアにおける短絡までの距離を往復距離の半分として判定するための動作を実行し得る。例えば、往復距離を2で除算して、短絡までの距離を判定し得る。
【0141】
[0171] 図10Cは、様々な実施形態で観測され得る位相差及び振幅差の較正データセットの一例である。図1A図10Cを参照すると、図10Cは、位相差及び振幅差対周波数を示す。図10Cは、短絡までの距離を判定するために使用され得る、判定された位相差及び判定された振幅差のセットを示す。様々な実施形態では、デバイス(例えば、106)が、使用前に、2導体ワイヤ(例えば、101)に対して較正され得る。例えば、実験室環境では、2導体ワイヤ(例えば、101)の導体(例えば、104、105)に沿った既知の距離に短絡が配置され得る。各較正距離について、振幅及び位相は、周波数に対して捕捉され、較正データセットとして記憶され得る。記憶された較正データセットは、データセットに関連付けられた短絡が捕捉された距離と相関し得る。デバイス(例えば、106)が短絡までの距離を判定するように展開されると、振幅及び位相が捕捉され、較正データセットと比較され得る。サンプリングされた振幅及び位相に最もよくマッチする較正データセットが選択され、短絡までの距離が、その最もよくマッチする較正データセットと相関する距離として判定され得る。
【0142】
[0172] 図10Dは、2導体ワイヤ(例えば、101)における短絡(例えば、109)までの距離を判定するための一実施形態の方法1020を示す。図1A図10Dを参照すると、方法1020は、デバイス(例えば、デバイス106)のプロセッサ(例えば、126)によって実行され得る。図1A図10Dを参照すると、方法1020の動作の各々を実行するための手段は、1つ又は複数のプロセッサ126などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数の距離測定回路128、500、550、580、585などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数の距離測定回路であり得る。様々な実施形態では、方法1020の動作は、方法200(図2)、400(図4A)、650(図6B)、及び/又は750(図7B)の動作とともに実行され得る。例として、方法1020の動作は、2導体ワイヤ(例えば、2導体ワイヤ101)における短絡(例えば、短絡109)までの距離を判定するための、方法200(図2)及び方法400(図4A)のブロック204の動作の一部として、及び/又は2導体ワイヤ(例えば、2導体ワイヤ101)における短絡(例えば、短絡109)までの距離を判定するための、方法750(図7B)のブロック758の動作の一部として実行され得る。
【0143】
[0173] ブロック1022において、プロセッサは、判定された位相差及び判定された振幅差のデータセットを位相差及び振幅差の較正データセットと比較するための動作を実行して、最もよくマッチする較正セットを判定し得る。2導体ワイヤ(例えば、101)における短絡までの各潜在的な距離について、振幅及び位相は、周波数に対して以前に捕捉され、較正データセットとして記憶されていてもよい。記憶された較正データセットは、データセットに関連付けられた短絡が捕捉された距離と相関し得る。デバイス(例えば、106)が短絡までの距離を判定するように展開されると、振幅及び位相が捕捉され、較正データセットと比較され得る。サンプリングされた振幅及び位相に最もよくマッチする較正データセットが選択され得る。
【0144】
[0174] ブロック1024において、プロセッサは、短絡までの距離を、判定された最もよくマッチする較正セットに関連付けられた距離として判定するための動作を実行し得る。記憶された較正データセットは、データセットに関連付けられた短絡が捕捉された距離と相関し得る。サンプリングされた振幅及び位相に最もよくマッチする較正データセットが選択され、短絡までの距離が、その最もよくマッチする較正データセットと相関する距離として判定され得る。
【0145】
[0175] 図11Aは、様々な実施形態による、例示的な距離測定回路1100を示す。図1A図11Aを参照すると、回路1100は、距離測定回路128などの距離測定回路の構成の一例であり得る。図1A図11Aを参照すると、距離測定回路1100は、方法200(図2)及び/又は400(図4A)の動作の少なくとも一部分を実行するための例示的な手段であり得る。距離測定回路1100は、SOC又はSIPであり得る。距離測定回路1100は、2導体ワイヤ(例えば、101)における短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。距離測定回路1100は、合成パルスの測定されたピーク電圧に少なくとも部分的に基づいて、短絡(例えば、109)までの距離の判定を可能にするように構成され得る。
【0146】
[0176] 距離測定回路1100は、プロセッサ1102を含み得る。プロセッサ1102は、デバイス106のプロセッサ126などの、デバイスのプロセッサに接続され得る。プロセッサ1102は、パルス発生器1103に接続され得る。例えば、パルス発生器は、20ナノ秒(ns)パルス発生器であり得る。プロセッサ1102は、パルス発生器1103の動作を制御してパルス発生器1103に電圧パルスなどのパルスを出力させるように構成され得る。パルス発生器1103は、生成されたパルスを整合回路1104に出力し得、整合回路1104は、パルスをコネクタ1101及びピーク検出回路1106に出力し得る。ピーク検出回路1106は、ADC1108に接続され得、ADC1108は、プロセッサ1102に接続され得る。
【0147】
[0177] コネクタ1101は、2導体ワイヤ101の第1の導体104、又は2導体ワイヤ101の第2の導体105などの、2導体ワイヤの導体に接続され得る。コネクタ1101に接続されていない、2導体ワイヤ101などの2導体ワイヤの他の導体は、接地され得る。パルス発生器1103は、整合回路1104を介してコネクタ1101にパルスを出力するように制御され得る。コネクタ1101に出力されたパルスは、導体(例えば、第1の導体104又は第2の導体105)へと進行し得る。導体(例えば、第1の導体104又は第2の導体105)に出力されたパルスは、導体(例えば、第1の導体104又は第2の導体105)を進んで進行し、短絡(例えば、短絡109)において反射して戻り得る。反射パルスは、注入パルスと干渉し、合成パルスのピーク電圧を低下させ得る。ピーク検出回路1106は、合成パルス(例えば、注入パルスと反射パルスとの干渉結合から生じる波形)のピーク電圧を検出し得る。伝送されたパルスは、試験されている導体(例えば、第1の導体104及び第2の導体105)を進んで進行するうちに、短絡(例えば、短絡109)に到達し、試験されている導体(例えば、第1の導体104又は第2の導体105)に沿って反転して跳ね返る。順方向パルス及び逆方向パルスは、導体(例えば、第1の導体104又は第2の導体105)に沿って足し合わされ、ピーク検出回路1106によってコネクタ1101において測定され得る。合成パルスのピーク電圧は、短絡(例えば、短絡109)までの距離に関連し得る。2つのパルスは、結合して、2導体ワイヤの端部から短絡までの距離(例えば、2導体ワイヤ101における端部102から短絡109までの距離)に比例し得る試験波形の高さの変化(例えば、ピーク電圧の変化)をもたらす。2導体ワイヤの端部から短絡までの距離(例えば、2導体ワイヤ101の端部102から短絡109までの距離)が遠いほど、合成信号におけるピーク電圧は、高くなり得る。合成パルスのピーク電圧の値は、ピーク電圧値が2導体ワイヤ(例えば、2導体ワイヤ101)に沿った距離と相関し得るように、短絡までの距離(例えば、2導体ワイヤ101の端部102から短絡109までの距離)に比例し得る。帰還信号の測定されたピーク電圧に基づいて、測定されたピーク電圧と相関する短絡(例えば、短絡109)までの距離が判定され得る。
【0148】
[0178] 図11Bは、様々な実施形態による、例示的なパルス発生回路1119を示す。図1A図11Bを参照すると、回路1119は、パルス発生回路1103などのパルス発生回路の構成の一例であり得る。図1A図11Bを参照すると、パルス発生回路1119は、方法200(図2)及び/又は400(図4A)の動作の少なくとも一部分を実行するための例示的な手段であり得る。パルス発生回路1119は、SOC又はSIPであり得る。パルス発生回路1119は、50ns以上のパルス幅のパルスなどの低速入力エッジパルスを、20~30nsのパルス幅のパルスなどの高速出力パルスに変換するように構成され得る。パルス発生回路1119は、4つのNANDゲート1120、1121、1122、及び1123を含み得る。入力は、NANDゲート1120の第1の入力と、NANDゲート1123の第1の入力とに送信され得る。NANDゲート1120の出力は、NANDゲート1121の両方の入力に送信され得る。NANDゲート1121の出力は、NANDゲート1122の両方の入力に送信され得る。NANDゲート1121の出力はまた、パルス発生回路1119の出力であり得る。NANDゲート1122の出力は、NANDゲート1123の第2の入力に送信され得る。NANDゲート1123の出力は、NANDゲート1120の第2の入力に送信され得る。パルスの持続時間は、NANDゲート1120、1121、1122、及び/又は1123の伝播遅延に関連し得る。パルスの速度を調整するために、NANDゲート1120、1121、1122、及び/又は1123の特定の速度が選択され得、コンデンサ、インダクタ、及び抵抗器などの追加の構成要素が、パルス発生回路1119に追加され得る。
【0149】
[0179] 図12は、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための一実施形態の方法1200を示す。図1A図12を参照すると、方法1200は、デバイス(例えば、デバイス106)のプロセッサ(例えば、126、1102)によって実行され得る。図1A図12を参照すると、方法1200の動作の各々を実行するための手段は、1つ又は複数のプロセッサ126、1102などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数の距離測定回路128、1100などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数の距離測定回路であり得る。様々な実施形態では、方法1200の動作は、方法200(図2)及び/又は400(図4A)の動作とともに実行され得る。例えば、方法1200の動作は、2導体ワイヤ(例えば、2導体ワイヤ101)における短絡(例えば、短絡109)までの距離を判定するための、方法200(図2)又は方法400(図4A)のブロック204の動作の一部として実行され得る。
【0150】
[0180] ブロック1202において、プロセッサは、2導体ワイヤの既知の長さの指標を受信するための動作を実行し得る。例として、2導体ワイヤ(例えば、101)の既知の長さは、ユーザ入力によって示され、メモリからロードされるなどであり得る。例えば、2導体ワイヤ(例えば、101)の既知の長さは、2導体ワイヤ(例えば、101)の第1の端部(例えば、102)から第2の端部(例えば、103)までの長さ(又は距離)であり得る。
【0151】
[0181] ブロック1204において、プロセッサは、2導体ワイヤの既知の長さに少なくとも部分的に基づいて、選択されたパルスについての選択されたピーク電圧と、選択されたパルスについての選択されたパルス形状とを判定するための動作を実行し得る。例えば、パルスの形状は、ガウシアン、三角パルスなどのような、任意のパルス形状であり得る。様々な実施形態では、選択されたパルスは、ランプパルスであり得、このランプパルスには、変調が適用されていない。いくつかの実施形態では、パルス形状は、パルスのランプアップ部分がパルスのランプダウン部分とは異なる形状を有するように構成され得る。
【0152】
[0182] ブロック1206において、プロセッサは、2導体ワイヤの第1の端部に、選択されたパルスを注入する動作を実行し得、選択されたパルスは、選択されたピーク電圧及び選択されたパルス形状を有する。例えば、注入パルスは、ガウシアン、三角パルスなどのような、任意のパルス形状であり得る。様々な実施形態では、注入パルスは、ランプパルスであり得、このランプパルスには、変調が適用されていない。いくつかの実施形態では、パルス形状は、パルスのランプアップ部分がパルスのランプダウン部分とは異なる形状を有するように構成され得る。
【0153】
[0183] ブロック1208において、プロセッサは、選択されたパルスを注入することから生じる2導体ワイヤの第1の端部における合成パルスのピーク電圧を測定するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、ピーク検出回路1106及びADC1108を使用して、2導体ワイヤ101の第1の端部102における第1の導体104における合成パルスのピーク電圧を測定し得る。
【0154】
[0184] ブロック1210において、プロセッサは、合成パルスの測定されたピーク電圧に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための動作を実行し得る。例えば、ピーク電圧値は、プロセッサに利用可能なメモリにおけるメモリ構造(例えば、アレイ、ルックアップテーブルなど)における距離と相関し得、プロセッサは、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を、測定されたピーク電圧にマッチするメモリ構造におけるピーク電圧と相関する距離として判定し得る。
【0155】
[0185] 図13は、短絡109などの短絡の存在下でのパルス干渉の態様を示す。図1A図13を参照すると、図13は、注入パルス1302、反射パルス1303、及び合成パルス1304の空間電圧を示す、ある瞬間のスナップショットを示す。注入パルス1302は、2導体ワイヤ101の導体104、105などの導体に注入され得る。図13は、2導体ワイヤ101の導体104、105などの導体におけるパルスの空間配置を示す。注入パルス1302は、パルス幅を有し得、短絡109などの短絡に向かって進行し得る。注入パルス1302のパルス幅(又はパルス持続時間)は、短絡が存在しないときに、注入パルス1302全体が間隙を置いて2導体ワイヤ101を満たすように選択され得る。短絡109が存在するとき、注入パルス1302は、短絡109などの短絡から反射され、反射パルス1303は、導体(例えば、104、105)を進んで帰還し得る。例えば、注入パルス1302は、短絡109から反射されたときに反転され、反射パルス1303として導体(例えば、104、105)を進んで帰還し得る。反射パルス1303及び注入パルス1302は、足し合わされて、注入パルス1302のピーク電圧よりも低いピーク電圧を有する合成パルス1304を形成し得る。
【0156】
[0186] 図14は、様々な実施形態による、パルス干渉から生じるパルスの結果としての例示的なピーク電圧のプロットである。図1A図14を参照すると、図14は、パルス1302などの注入パルスが短絡109などの短絡から反射されることから生じ得る種々のパルスピーク電圧を有する種々の合成パルスを示す。種々のパルスピーク電圧は、短絡109などの短絡までの距離に比例し得る。例えば、より近い短絡は、より遠い短絡1401から生じるピーク電圧よりも低いピーク電圧1402をもたらし得る。ピーク電圧値は、メモリにおけるメモリ構造(例えば、アレイ、ルックアップテーブルなど)における距離と相関し得、生じるピーク電圧は、短絡までの距離を、メモリにおけるマッチするピーク電圧値と相関する距離として判定するための、記憶されたピーク電圧とマッチし得る。
【0157】
[0187] 図15は、デバイス106などのデバイスを較正するための一実施形態の方法1500を示す。図1A図15を参照すると、方法1500は、デバイス(例えば、デバイス106)のプロセッサ(例えば、126、1102)によって実行され得る。図1A図15を参照すると、方法1500の動作の各々を実行するための手段は、1つ又は複数のプロセッサ126、1102などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数の距離測定回路128、1100などの、デバイス(例えば、デバイス106)の1つ又は複数の距離測定回路であり得る。様々な実施形態では、方法1500の動作は、方法200(図2)、400(図4A)、及び/又は1200(図12)の動作とともに実行され得る。例えば、方法1500の動作は、2導体ワイヤの既知の長さに少なくとも部分的に基づいて、選択されたパルスについての選択されたピーク電圧と、選択されたパルスについての選択されたパルス形状とを判定するための、方法1200(図12)のブロック1204の動作に応答して実行され得る。
【0158】
[0188] ブロック1502において、プロセッサは、2導体ワイヤに短絡が存在しない間に、2導体ワイヤの第1の端部に試験パルスを注入するための動作を実行し得る。例えば、注入試験パルスは、ガウシアン、三角パルスなどのような、任意のパルス形状であり得る。様々な実施形態では、注入試験パルスは、ランプパルスであり得、このランプパルスには、変調が適用されていない。様々な実施形態では、パルス形状は、パルスのランプアップ部分がパルスのランプダウン部分とは異なる形状を有するように構成され得る。
【0159】
[0189] ブロック1504において、プロセッサは、試験パルスを注入することから生じる2導体ワイヤの第1の端部における合成パルスのピーク電圧を測定するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、ピーク検出回路1106及びADC1108を使用して、2導体ワイヤ101の第1の端部102における第1の導体104における帰還試験パルスのピーク電圧を測定し得る。
【0160】
[0190] ブロック1506において、プロセッサは、試験パルスの測定されたピーク電圧に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤの第2の端部までの距離を判定するための動作を実行し得る。例えば、ピーク電圧値は、プロセッサに利用可能なメモリにおけるメモリ構造(例えば、アレイ、ルックアップテーブルなど)における距離と相関し得、プロセッサは、2導体ワイヤの第2の端部までの距離を、測定されたピーク電圧にマッチするメモリ構造におけるピーク電圧と相関する距離として判定し得る。
【0161】
[0191] 判定ブロック1508において、プロセッサは、2導体ワイヤの第2の端部までの判定された距離が2導体ワイヤの既知の長さと同じであるかどうかを判定するための動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、2導体ワイヤの既知の長さから、2導体ワイヤの第2の端部までの判定された距離を減算して、2導体ワイヤの第2の端部までの判定された距離が2導体ワイヤの既知の長さと同じであるかどうかを判定し得る。0でない結果は、2導体ワイヤの第2の端部までの判定された距離が2導体ワイヤの既知の長さと同じでないことを示し得る。0の結果は、2導体ワイヤの第2の端部までの判定された距離が2導体ワイヤの既知の長さと同じであることを示し得る。
【0162】
[0192] 2導体ワイヤの第2の端部までの判定された距離が2導体ワイヤの既知の長さと同じでないと判定すること(すなわち、判定ブロック1508=「いいえ」)に応答して、プロセッサは、ブロック1510において1つ又は複数の較正動作を実行し得る。例えば、プロセッサは、デバイス(例えば、デバイス106)設定を調整すること、試験パルス形状を変更することなどを含む較正動作を実行し得る。既知の長さと判定された長さとが異なることは、ワイヤの既知の長さが不正確であること、ピーク検出回路が正しく動作していないこと、又はシステムにおける別の異常を示し得る。較正動作は、異常が補正されることを可能にし得る。
【0163】
[0193] 較正動作を実行することに応答して、プロセッサは、ブロック1502に進んで、2導体ワイヤに短絡が存在しない間に、2導体ワイヤの第1の端部に試験パルスを注入し、ブロック1504において、ピーク電圧を測定し、ブロック1506において、再び2導体ワイヤの第2の端部までの距離を判定し、判定ブロック1508において、2導体ワイヤの第2の端部までの判定された距離が2導体ワイヤの既知の長さと同じであるかどうかを判定し得る。このようにして、試験パルス注入/測定及び較正動作を繰り返し実行して、デバイス(例えば、デバイス106)を較正し得る。
【0164】
[0194] 2導体ワイヤの第2の端部までの判定された距離が2導体ワイヤの既知の長さと同じであると判定すること(すなわち、判定ブロック1508=「いいえ」)に応答して、プロセッサは、方法1200(図12)のブロック1206における動作を実行して、2導体ワイヤの第1の端部に、選択されたパルスを注入し得、選択されたパルスは、記載されるように、選択されたピーク電圧及び選択されたパルス形状を有する。
【0165】
[0195] プロセッサ126、356、1102などのような、本明細書で考察される様々なデバイスのプロセッサは、以下に記載される様々な実施形態の機能を含む多様な機能を実行するソフトウェア命令(アプリケーション)によって構成され得る、任意のプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はマルチプルプロセッサの1つ若しくは複数のチップであり得る。いくつかのデバイスでは、通信機能専用のSOC内の1つのプロセッサ、及び他のアプリケーションを実行することに専用のSOC内の1つのプロセッサなどの、複数のプロセッサが設けられ得る。典型的には、ソフトウェアアプリケーションは、ソフトウェアアプリケーションがアクセスされ、及びプロセッサにロードされる前に、メモリ(例えば、メモリ129、357)に記憶され得る。プロセッサは、アプリケーションソフトウェア命令を記憶するのに十分な内部メモリを含み得る。
【0166】
[0196] 本出願で使用する場合、「構成要素」、「モジュール」、「システム」などの用語は、限定はしないが、特定の動作又は機能を実行するように構成されている、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアなど、コンピュータ関連エンティティを含むものとする。例えば、構成要素は、限定はしないが、プロセッサ上で実行中のプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム、及び/又はコンピュータであってもよい。例として、ワイヤレスデバイス上で稼動しているアプリケーション及びワイヤレスデバイスの両方が、構成要素と称されることがある。1つ又は複数の構成要素は、プロセス及び/又は実行スレッド内に存在してもよく、構成要素は、1つのプロセッサ若しくはコア上で局所化されてもよく、かつ/又は2つ以上のプロセッサ若しくはコアの間で分散されてもよい。加えて、これらの構成要素は、様々な命令及び/又はデータ構造を記憶した様々な非一時的コンピュータ可読媒体から実行してもよい。構成要素は、ローカルプロセス及び/又はリモートプロセス、関数呼出し又はプロシージャ呼出し、電子信号、データパケット、メモリ読取り/書込み、並びに他の知られているネットワーク、コンピュータ、プロセッサ、及び/又はプロセス関連の通信方法によって通信してもよい。
【0167】
[0197] いくつかの異なるセルラ通信及びモバイル通信のサービス及び規格が利用可能であるか、又は将来において企図され、それらの全てが様々な実施形態を実装し、様々な実施形態から利益を得ることができる。そのようなサービス及び規格は、第3世代パートナーシッププロジェクト(third generation partnership project、3GPP)、ロングタームエボリューション(LTE)システム、第3世代ワイヤレスモバイル通信技術(3G)、第4世代ワイヤレスモバイル通信技術(4G)、第5世代ワイヤレスモバイル通信技術(5G)、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(universal mobile telecommunications system、UMTS)、3GSM、汎用パケット無線サービス(GPRS)、符号分割多元接続(CDMA)システム(cdmaOne、CDMA1020(商標)など)、GSM進化型高速データレート(enhanced data rates for GSM evolution、EDGE)、高度モバイルフォンシステム(advanced mobile phone system、AMPS)、デジタルAMPS(IS-136/TDMA)、エボリューションデータオプティマイズド(EV-DO)、デジタル強化コードレス電気通信(digital enhanced cordless telecommunications、DECT)、ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(WiMAX)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)、Wi-Fi保護アクセスI&II(Wi-Fi Protected Access I & II、WPA、WPA2)、及び統合デジタル拡張ネットワーク(integrated digital enhanced network、iDEN)などを含む。これらの技術の各々は、例えば、音声、データ、シグナリング、及び/又はコンテンツメッセージの送信及び受信を伴う。個々の電気通信の規格又は技術に関係する用語及び/又は技術的詳細に対するいかなる言及も例示目的にすぎず、請求項の文言に具体的に記載されない限り、特許請求の範囲の範囲を特定の通信システム又は通信技術に限定するものではないことを理解されたい。
【0168】
[0198] 図示及び説明する様々な実施形態は、特許請求の範囲の様々な特徴を示すための例として提供されるにすぎない。しかしながら、任意の所与の実施形態に関して図示及び説明される特徴は、必ずしも関連する実施形態に限定されるとは限らず、図示及び説明される他の実施形態とともに使用されてよく、又はそれらと組み合わせられてもよい。更に、特許請求の範囲は、いかなる例示的な一実施形態によっても限定されるものでない。例えば、方法200、400、450、600、650、700、750、800、850、900、1010、1020、1200、及び/又は1500の動作のうちの1つ又は複数は、方法200、400、450、600、650、700、750、800、850、900、1010、1020、1200、及び/又は1500の1つ又は複数の動作と置換されるか、又はそれらと組み合わされてもよい。
【0169】
[0199] 実装態様について、以下の段落において説明する。以下の実装態様のうちのいくつかは、例示的な方法に関して説明されているが、更なる例示的な実装態様は、以下の実装態様の方法の動作を実行するプロセッサ実行可能命令とともに構成されたプロセッサを含むデバイスによって実装される、以下の段落で考察される例示的な方法を含み得る。以下の段落で考察される例示的な方法は、以下の実装態様の方法の機能を実行するための手段を含むことによって実装され、以下の段落で考察される例示的な方法は、デバイスのプロセッサに、以下の実装態様の方法の動作を実行させるように構成されたプロセッサ実行可能命令が記憶された非一時的プロセッサ可読記憶媒体として実装され得る。
【0170】
[0200] 実施例1.2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法であって、2導体ワイヤの第1の端部に、初期既知信号位相を有する初期トーンを注入することと、初期トーンを注入することから生じる2導体ワイヤの第1の端部における初期反射トーンの信号位相を測定することと、初期既知信号位相と、初期反射トーンの測定された信号位相との間の位相差としての初期位相差を判定することと、判定された初期位相差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することと、を含む、方法。
【0171】
[0201] 実施例2.初期既知信号位相が、初期既知電流位相であり得、初期反射トーンの測定された信号位相が、初期反射トーンの測定された電流位相である、実施例1に記載の方法。
【0172】
[0202] 実施例3.初期既知信号位相が、初期既知電圧位相であり得、初期反射トーンの測定された信号位相が、初期反射トーンの測定された電圧位相である、実施例1に記載の方法。
【0173】
[0203] 実施例4.初期トーンが、初期周波数を有し、方法が、2導体ワイヤの第1の端部に、第2の初期電圧位相と、初期周波数とは異なる第2の周波数と、を有する第2のトーンを注入することと、第2のトーンを注入することから生じる2導体ワイヤの第1の端部における第2の反射トーンの電圧位相を測定することと、第2の初期電圧位相と、第2の反射トーンの測定された電圧位相との間の位相差としての第2の位相差を判定することと、を更に含み、判定された初期位相差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することが、判定された初期位相差及び判定された第2の位相差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することを含む、実施例3に記載の方法。
【0174】
[0204] 実施例5.初期トーンを注入する前、第2のトーンを注入する前、及び短絡までの距離を判定する前に、2導体ワイヤに短絡を生じさせるように、2導体ワイヤいのデバイスを制御することを更に含む、実施例1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0175】
[0205] 実施例6.初期トーンが、初期既知信号振幅を有し、方法が、初期トーンを注入することから生じる2導体ワイヤの第1の端部における初期反射トーンの振幅を測定することと、初期既知信号振幅と、初期反射トーンの測定された振幅との間の差としての初期振幅差を判定することと、を更に含み、判定された初期位相差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することが、判定された初期位相差及び判定された初期振幅差に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することを含む、実施例1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0176】
[0206] 実施例7.初期既知信号振幅が、初期既知電流振幅であり得、初期反射トーンの測定された信号振幅が、初期反射トーンの測定された電流振幅である、実施例6に記載の方法。
【0177】
[0207] 実施例8.初期既知信号振幅が、初期既知電圧振幅であり得、初期反射トーンの測定された信号振幅が、初期反射トーンの測定された電圧振幅である、実施例6に記載の方法。
【0178】
[0208] 実施例9.2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定するための方法であって、2導体ワイヤの第1の端部に、選択されたピーク電圧と選択されたパルス形状とを有する選択されたパルスを注入することと、選択されたパルスを注入することから生じる2導体ワイヤの第1の端部における合成パルスのピーク電圧を測定することと、合成パルスの測定されたピーク電圧に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤにおける短絡までの距離を判定することと、を含む、方法。
【0179】
[0209] 実施例10.選択されたパルスを注入する前に、2導体ワイヤの既知の長さに少なくとも部分的に基づいて、選択されたパルスについての選択されたピーク電圧と、選択されたパルスについての選択されたパルス形状と、を判定することを更に含む、実施例9に記載の方法。
【0180】
[0210] 実施例11.選択されたパルスが、ランプパルスであり、ランプパルスに変調が適用されていない、実施例1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0181】
[0211] 実施例12.選択されたパルスを注入する前に、2導体ワイヤ内に短絡が存在しない間に、2導体ワイヤの第1の端部に試験パルスを注入することと、試験パルスを注入することから生じる2導体ワイヤの第1の端部における帰還試験パルスのピーク電圧を測定することと、帰還試験パルスの測定されたピーク電圧に少なくとも部分的に基づいて、2導体ワイヤの第2の端部までの距離を判定することと、2導体ワイヤの第2の端部までの判定された距離が2導体ワイヤの既知の長さと同じであるかどうかを判定することと、2導体ワイヤの第2の端部までの距離が2導体ワイヤの既知の長さと同じではないと判定することに応答して、較正動作を実行することと、を更に含み、2導体ワイヤの第1の端部に、選択されたパルスを注入することが、2導体ワイヤの第2の端部までの距離が2導体ワイヤの既知の長さと同じであると判定することに応答して、2導体ワイヤの第1の端部に、選択されたパルスを注入することを含む、実施例9~11のいずれか1つに記載の方法。
【0182】
[0212] 実施例13.2導体ワイヤの第1の端部に、選択されたパルスを注入する前に、2導体ワイヤに短絡を生じさせるように、2導体ワイヤいのデバイスを制御することを更に含む、実施例9~12のいずれか1つに記載の方法。
【0183】
[0213] 上記の方法の説明及びプロセスフロー図は、例示的な例として提供されるにすぎず、様々な実施形態の動作が、提示された順序で実行されなければならないことを要求又は暗示するものではない。当業者によって諒解されるように、上述の実施形態における動作の順序は、任意の順序で実行されてもよい。「その後(thereafter)」、「次いで(then)」、「次に(next)」などの語は、動作の順序を限定するものではない。これらの語は、方法の説明を通じて読者を導くために使用される。更に、例えば、冠詞「a」、「an」又は「the」を使用する単数形での請求項要素へのいかなる言及も、要素を単数形に限定するものとして解釈されるべきではない。
【0184】
[0214] 本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、構成要素、回路、及びアルゴリズム動作は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はその両方の組み合わせとして実装され得る。ハードウェア及びソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路及び動作について、概してそれらの機能性に関して上記で説明してきた。そのような機能がハードウェアとして実装されるのか又はソフトウェアとして実装されるのかは、特定の適用例及びシステム全体に課される設計上の制約に依存する。当業者は、説明した機能性を特定の適用例ごとに様々な方法で実装してよいが、そのような実施形態の決定は、特許請求の範囲からの逸脱を引き起こすものとして解釈されるべきではない。
【0185】
[0215] 本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、及び回路を実装するために使用されるハードウェアは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート若しくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、又は本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを用いて実装又は実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械であってもよい。プロセッサはまた、受信機スマートオブジェクトの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つ若しくは複数のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成として実装されてもよい。代替的に、いくつかの動作又は方法は、所与の機能に固有の回路によって実行されてもよい。
【0186】
[0216] 1つ又は複数の実施形態では、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。ソフトウェアにおいて実装される場合、機能は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体又は非一時的プロセッサ可読記憶媒体上に1つ若しくは複数の命令又はコードとして記憶されてもよい。本明細書で開示する方法又はアルゴリズムの動作は、非一時的コンピュータ可読又はプロセッサ可読記憶媒体上に存在し得るプロセッサ実行可能ソフトウェアモジュール又はプロセッサ実行可能命令において具現化されてもよい。非一時的コンピュータ可読又はプロセッサ可読記憶媒体は、コンピュータ又はプロセッサによってアクセスされてもよい任意の記憶媒体であってもよい。限定ではなく例として、そのような非一時的コンピュータ可読又はプロセッサ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、FLASHメモリ、CD-ROM若しくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ若しくは他の磁気ストレージスマートオブジェクト、又は命令若しくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用される場合があり、コンピュータによってアクセスされる場合がある任意の他の媒体を含んでもよい。本明細書で使用するディスク(Disk)及びディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(compact disc、CD)、レーザーディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(digital versatile disc、DVD)、フロッピーディスク(disk)、及びBlu-rayディスク(disc)を含み、ここで、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記の組み合わせも、非一時的コンピュータ可読及びプロセッサ可読媒体の範囲内に含まれる。追加的に、方法又はアルゴリズムの動作は、非一時的プロセッサ可読記憶媒体及び/又は非一時的コンピュータ可読記憶媒体上のコード及び/又は命令の1つ又は任意の組み合わせ又はセットとして存在してもよく、これらの記憶媒体は、コンピュータプログラム製品内に組み込まれてもよい。
【0187】
[0217] 開示する実施形態の前述の説明は、任意の当業者が特許請求の範囲を製作又は使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態への様々な修正が当業者には容易に明らかになり、本明細書で定義される一般原理は、特許請求の範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用されてよい。したがって、本開示は、本明細書で示される実施形態に限定されるように意図されるものではなく、以下の特許請求の範囲並びに本明細書において開示する原理及び新規の特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。

図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】