(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】新しい抗菌通気性生地及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
D04H 1/559 20120101AFI20241029BHJP
D04H 3/14 20120101ALI20241029BHJP
D06H 5/00 20060101ALI20241029BHJP
D06C 7/00 20060101ALI20241029BHJP
A41D 31/24 20190101ALI20241029BHJP
A41D 31/30 20190101ALI20241029BHJP
A41D 31/02 20190101ALI20241029BHJP
D04H 1/49 20120101ALI20241029BHJP
【FI】
D04H1/559
D04H3/14
D06H5/00
D06C7/00 Z
A41D31/24
A41D31/30
A41D31/02 D
D04H1/49
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519980
(86)(22)【出願日】2023-03-23
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 CN2023083371
(87)【国際公開番号】W WO2024011949
(87)【国際公開日】2024-01-18
(31)【優先権主張番号】202210837465.7
(32)【優先日】2022-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524121487
【氏名又は名称】厦▲門▼当盛新材料有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ 章生
(72)【発明者】
【氏名】徐 俊勇
【テーマコード(参考)】
3B154
4L047
【Fターム(参考)】
3B154AB22
3B154BA19
3B154BA35
3B154BB02
3B154BB12
3B154BB33
3B154BB47
3B154BB62
3B154DA18
4L047AA14
4L047BA04
4L047BA09
4L047BB01
4L047CB00
4L047CB08
4L047CC03
(57)【要約】
本発明は不織布の製造技術分野に関し、特に新しい抗菌通気性生地及びその製造方法に関する。この製造方法は、以下のステップを含み、S1、表面熱間圧延処理:繊維ウエブ層に表面熱間圧延処理を行い、ここで、繊維ウエブ層の下面がフレキシブルベルトで支持され、その上面が熱間圧延部材で接触して熱間圧延され、上面の繊維が熱接着し、下面の繊維が毛羽立った繊維ウエブ層を製造し、S2、スパンレース加工処理:S1で得られた繊維メッシュ層の下面にスパンレース加工処理を行い、フレキシブルベルトは高温抵抗力があるフレキシブルな材料で作られている。この製造方法により、新しい抗菌通気性生地の使い捨て加工成形を実現することができる。また、完成生地は優れた防水・抗菌性と良好な着用快適性を有し、同時に良好な機械的性能を維持して寿命を延ばし、その使用要求を満たすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
新しい抗菌通気性生地の製造方法であって、
S1、表面熱間圧延処理:繊維ウエブ層に表面熱間圧延処理を行い、ここで、繊維ウエブ層の下面がフレキシブルベルトで支持され、その上面が熱間圧延部材で接触して熱間圧延され、上面の繊維が熱接着し、下面の繊維が毛羽立った繊維ウエブ層を製造することと、
S2、スパンレース加工処理:S1で得られた繊維メッシュ層の下面にスパンレース加工処理を行うこととを含み、
前記フレキシブルベルトは高温抵抗力があるフレキシブルな材料で作られていること、を特徴とする新しい抗菌通気性生地の製造方法。
【請求項2】
前記繊維メッシュ層に表面熱間圧延処理を行う前に冷間プレス処理を行うこと、を特徴とする請求項1に記載の新しい抗菌通気性生地の製造方法。
【請求項3】
乾燥工程がさらに含まれ、
前記乾燥工程では、S2処理後の不織布に対して乾燥処理を行い、不織布の水分を除去することで、新しい抗菌通気性生地を得ること、を特徴とする請求項1に記載の新しい抗菌通気性生地の製造方法。
【請求項4】
前記乾燥工程では、乾燥温度が前記繊維メッシュ層の融点より低いこと、を特徴とする請求項3に記載の新しい抗菌通気性生地の製造方法。
【請求項5】
前記フレキシブルベルトは、高温抵抗力がある毛布で作られていること、を特徴とする請求項1に記載の新しい抗菌通気性生地の製造方法。
【請求項6】
第一面と第二面とを含み、前記第一面が抗菌面であり、前記第二面がスパンレース面層であること、を特徴とする新しい抗菌通気性生地。
【請求項7】
その坪量は30g以上90g以下であり、厚さは0.1mm以上0.5mm以下であること、を特徴とする請求項6に記載の新しい抗菌通気性生地。
【請求項8】
通気度が5mm/s以上50mm/s以下であり、かつ、第一面の耐透湿性が5kPa以上20kPa以下であること、を特徴とする請求項6~7のいずれかに記載の新しい抗菌通気性生地。
【請求項9】
その横縦方向の破断強度が150N/5cm以上、引裂強度が8N以上、剥離強度が3N以上、ドレープ係数が50%以下であること、を特徴とする請求項6~7のいずれかに記載の新しい抗菌通気性生地。
【請求項10】
透湿量が2500g/(m
2・d)以上、かつ第一面の抗合成血液透過性がレベル2以上であること、を特徴とする請求項6~7のいずれかに記載の新しい抗菌通気性生地。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は不織布の製造技術分野に関し、特に新しい抗菌通気性生地及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュ法ポリエチレン不織布の材料は優れた強度と引裂抵抗、穿刺耐性と微生物遮断性能を有し、医療用防護服の生地の最適な選択である。
【0003】
しかし、従来のフラッシュ法不織布の補強方法は一般的に熱間プレス、熱間圧延の方法を採用している。これらの方法で作られた生地は質感が硬いため、防護服の製造に直接使用するには適さない。防護服の生地として使用するには、一般的に機械的な軟化工程を経る必要がある。しかし、このような処理は工程が複雑で面倒であるだけでなく、機械的に軟化する過程で生地の中の繊維が損傷され、最終的に生地の機械的強度に影響を与え、生地の使用性能を低下させる。
【0004】
例えば、公開番号CN110528216A、公開日2019年12月03日の中国発明特許発明「フラッシュ法高密度ポリエチレン紙の柔軟化処理システム及び処理プロセス」には、駆動装置付きのつまみ打ち、横方向の皺を製造する皺布装置、皺の伸びを解消する延伸装置などの機械的構造を含むフラッシュ法高密度ポリエチレン紙の柔軟化処理システムが開示されている。この解決策は、フラッシュ法高密度ポリエチレン紙を製造し、そして機械的な力で生地を軟化させる必要があるため、一度の成形ができないと同時に、機械的な力で軟化すると生地のサイズが変化し、生地の機械的強度が低下し、最終的に生地の寿命に影響を及ぼす。
【0005】
さらに、公開番号CN101137503A、公開日2019年12月3日の中国発明特許発明「複合通気性シート」は、吸収性繊維不織布層がスパンレースによる多層材料構造の透湿性複合シートを開示しており、吸収性不織布層の片面に押出しコーティングにより非多孔性の液体不透過性透湿性フィルム層を形成し、次いで、フィルムの吸収性不織布層と反対側の面に接着剤の保護不織布層を積層する調製方法について言及している。接着剤層は保護不織布層とフィルム層との間に位置する。その製造過程から分かるように、製造される多層の材料は各層ごとに同じである個々の工程で作られており、複数の工程を経て用途に応じた材料となり、多層複合化される。加工工程が多いため、一度に成形することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記背景技術で言及されている従来技術の問題は以下のとおりである。1.熱間プレスや熱間圧延の方法で従来フラッシュ法不織布から作られた生地は質感が硬くて、防護服の生地として使用するには、一般的に機械的な軟化工程を経る必要がある。この製造方法は工程が複雑で面倒で生地の機械的強度に影響を与える。2.良好な強度、防水・抗菌性及び着用快適性を有する完成生地を製造するために、複数の異なる技術による材料を用いて複合または接着して多層材料の複合構造を形成して所望の性能を得る必要がある。この製造方法は加工工程が多く、一度に成形することができない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の問題を解決するために、本発明は、新しい抗菌通気性生地の製造方法を提供し、この方法は以下のステップを含む。
【0008】
S1、表面熱間圧延処理:繊維ウエブ層に表面熱間圧延処理を行い、ここで、繊維ウエブ層の下面がフレキシブルベルトで支持され、その上面が熱間圧延部材で接触して熱間圧延され、上面の繊維が熱接着し、下面の繊維が毛羽立った繊維メッシュ層を製造する。
【0009】
S2、スパンレース加工処理:S1で得られた繊維メッシュ層の下面にスパンレース加工処理を行い、フレキシブルベルトは高温抵抗力があるフレキシブルな材料で作られている。
【0010】
一実施例では、繊維メッシュ層に表面熱間圧延処理を行う前に冷間プレス処理を行う。
【0011】
一実施例では、乾燥工程がさらに含まれ、乾燥工程では、S2処理後の不織布を乾燥処理して不織布の水分を除去することで、新しい抗菌通気性生地を得る。
【0012】
一実施例では、乾燥工程において、乾燥温度は繊維メッシュ層の融点より低い。
【0013】
一実施例では、フレキシブルベルトは高温抵抗力がある毛布で作られている。
【0014】
本発明はまた新しい抗菌通気性生地を採用し、それは第一面と第二面を有し、第一面が抗菌面で、第二面がスパンレース面層である。
【0015】
繊維メッシュ層の上面に表面熱間圧延処理を行い、その上面に抗菌面を形成させ、表面熱間圧延処理において、繊維メッシュ層の下面がフレキシブルベルトで支持され、その上面が熱間圧延部材で接触して熱間圧延される。
【0016】
表面熱間圧延処理後の繊維メッシュ層の下面はスパンレース加工処理され、下面にスパンレース面層を形成する。
【0017】
一実施例では、その坪量は30g以上90g以下であり、厚さは0.1mm以上0.5mm以下である。
【0018】
一実施例では、通気度が5mm/s以上50mm/s以下であり、かつ、第一面の耐透湿性が5kPa以上20kPa以下である。
【0019】
一実施例では、その横縦方向の破断強度は150N/5cm以上、引裂強度は8N以上、剥離強度は3N以上、ドレープ係数は50%以下である。
【0020】
一実施例では、透湿量が2500g/(m2・d)以上、かつ第一面の抗合成血液透過性がレベル2以上である。
【発明の効果】
【0021】
以上のことから、本発明が提供する新しい抗菌通気性生地の製造方法は、従来技術と比較して、以下のような有益な効果を有する。
【0022】
本発明が提供する新しい抗菌通気性生地の製造方法により、抗菌通気性生地の使い捨て加工成形を実現することができ、製造過程でその後の柔軟化加工処理を行う必要がなく、また生地の完成品も複数の異なる技術の材料で複合または接着する必要がなく、完成生地に優れた防水・抗菌性と良好な着用快適性を持たせることができるとともに、良好な機械的性能を維持して寿命を延ばし、その使用要求を満たすことができる。
【0023】
本発明のその他の特徴および有益な効果は、後続の明細書において説明され、その一部は、明細書から明らかになるか、または本発明を実施することによって明らかになる。本発明の目的およびその他の有益な効果は、明細書、特許請求の範囲、および図面において特に指摘された構造によって実現され、得られることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の実施例または従来技術における技術スキームをより明確に説明するために、以下では、実施例または従来技術の説明に用いる図面を簡単に説明する。明らかなように、以下の説明における図面は本発明の実施例の一部であり、創造的な作業をすることなく、当業者にとってはこれらの図面から他の図面を得ることもできる。以下の説明で図面に記載する位置関係は、特に明記されていない限り、図示中のアセンブリが示す方向を基準としている。
【
図1】本発明が提供する新しい抗菌通気性生地の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図2】本発明が提供する抗菌通気性生地の製造装置の好ましい実施形態の構造図である。
【
図3】本発明が提供する抗菌通気性生地の製造装置の好ましい実施形態における表面熱間圧延ユニットの構造図である。
【
図4】本発明が提供する抗菌通気性生地の製造装置の好ましい実施形態におけるフラッシュ紡糸ユニットの構造図である。
【
図5】本発明が提供する抗菌通気性生地の製造装置の好ましい実施形態であるスパンレース固着ユニットの構造図である。
【
図6】本発明が提供する新しい抗菌通気性生地の構造図である。
【
図7】本発明が提供する実施例1で得られた新しい抗菌通気性生地の完成品の第一面の顕微鏡写真である。
【
図8】本発明が提供する実施例1で得られた新しい抗菌通気性生地の完成品の第二面の顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施例の目的、技術スキームおよび利点をより明確にするために、本発明の実施例中の図面と併せて、本発明の実施例における技術スキームを以下に明確かつ完全に説明する。明らかに、説明した実施例は本発明の一部の実施例であり、全部の実施例ではない。以下に説明する本発明の異なる実施形態において設計された技術的特徴は、互いに衝突しない限り互いに結合することができる。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わずに得た他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0026】
本発明の説明においては、本発明で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者が通常理解しているのと同じ意味を有し、本発明に対する制限とは理解できないことを説明する必要がある。本発明で使用される用語は、本明細書の文脈および関連分野におけるこれらの用語の意味と一致する意味を有すると理解されるべきであり、本発明で明示的にそのように定義されている場合を除き、理想化または正式すぎる意味で理解されるべきではないことをさらに理解されたい。
【0027】
図1は本発明が提供する新しい抗菌通気性生地の製造方法のプロセスフロー図である。
図2-5は、本発明の新しい抗菌通気性生地700の製造方法を実施するために使用される製造装置の好ましい実施形態の説明を補助するために使用される概略図であり、新しい抗菌通気性生地700の製造装置は、フラッシュ紡糸ユニット100、表面熱間圧延ユニット200、スパンレース固着ユニット300、乾燥ユニット400、および巻き取りユニット500が順に接続されて構成される。
【0028】
図1~5に示すように、本発明が提供する以下の新しい抗菌通気性生地700の製造方法の好ましい形態は以下の通りである。
【0029】
これには次のステップが含まれる。
【0030】
S1、表面熱間圧延処理:繊維メッシュ層600に表面熱間圧延処理を行う。ここで、繊維メッシュ層600の下面はフレキシブルベルト221で支持され、その上面は熱間圧延部材211で接触して熱間圧延され、上面の繊維が熱接着し、下面の繊維が毛羽立った繊維メッシュ層600を製造する。
【0031】
S2、スパンレース加工処理:S1で得られた繊維メッシュ層600の下面にスパンレース加工処理を行う。フレキシブルベルト221は、高温抵抗力があるフレキシブルな材料で作られている。
【0032】
具体的には、製造過程において、繊維メッシュ層600の上面が熱間圧延部材211に接触して表面熱間圧延処理が行われ、繊維メッシュ層600の上面の繊維が加熱されて融着強化され、緻密な繊維層が形成され、優れた防水・抗菌性を有する。一方、繊維メッシュ層600の下面はフレキシブルベルト221に接触しており、フレキシブルベルト221によって表面熱間圧延処理で支持されている。フレキシブルベルト221は高温抵抗力があるフレキシブルな材料でできているため、フレキシブルベルト221自体が軟質で温度が低く、溶融接着しないので、繊維メッシュ層600の下面は表面熱間圧延処理で溶融接着せず、繊維が毛羽立った状態を維持することができる。
【0033】
熱間圧延後の繊維メッシュ層600にスパンレース加工処理が施され、スパンレースヘッド32で形成された高圧水針が繊維メッシュ層600の下面(すなわち繊維が毛羽立った面)に作用する。高圧水針の作用により、毛羽立った繊維が互いに絡み合い、繊維メッシュ層600はある程度の厚さを有する緻密な不織布を形成する。
【0034】
具体的には、本発明が提供するこの新しい抗菌通気性生地700の製造方法は、少なくとも以下の設計原理と発明構想を含む。
【0035】
既存のスパンレース加工は柔軟に絡み合っており、繊維の本来の特徴に影響を与えず、繊維に損傷を与えない。この方法で加工した不織布は、機械的性能を保証できるだけでなく、外観も他の不織布より伝統的な織物に近く、生地が柔らかく、着用快適性にも優れている。しかし、スパンレース法は被加工材料に要求があり、スパンレース加工前の材料表面の繊維に一定の架橋があり、繊維が比較的毛羽立った状態を保っている必要がある。このようにして、スパンレース加工時に材料がばらばらにならず、同時に水針の作用で繊維を絡ませて、布地の表面のスパンレース効果を保証することができる。
【0036】
本発明の重要なポイントは次のとおりである。
【0037】
本発明によって製造された完成生地の2つの表面は、2つの特性を持つ必要がある。一方の面にフラッシュポリエチレン紙の特性があり、表面が滑らかで致密な熱接着繊維層があり、優れた防水・抗菌性がある。他方の面にはスパンレース不織布の特性があり、その表面には従来の織物のような特徴があり、優れた肌なじみ性があると同時に、材料全体の柔軟性がよく、優れた着用快適性があり、良好な機械的性能を維持している。
【0038】
この特徴を実現するために、本発明はフラッシュ法不織布の加工技術に革新的にスパンレース技術を導入した。スパンレース不織布の表面特徴を生地に持たせるためには、スパンレース加工前に生地の繊維ができるだけ毛羽立った状態を保つ必要がある。
【0039】
これに基づき、本発明は、特に調製方法において制御すべき重要な点、すなわち繊維メッシュ層600の表面を熱接着させて補強する際に、熱間圧延部材211と接触している面の表面繊維を十分に加熱して熱接着させて固着すると同時に、熱延部材211と接触していない面の表面繊維を毛羽立った状態に維持したまま、スパンレース加工において繊維の毛羽立った面で表面繊維が十分に絡み合うことができるようにする点を見出した。このようにして、得られた材料に優れた通気性と柔軟な着用快適性を持たせ、しかも熱接着面の防水・抗菌性を維持することができる。従来の熱間圧延工程とは異なり、本発明の表面熱間圧延処理で熱間圧延部材211と接触していない面は高温抵抗力がある柔らかいフレキシブルベルト221で支持されているため、この面の繊維は毛羽立った状態を維持し、スパンレース加工処理工程を組み合わせて所望の性能の生地の完成品を得ることができる。
【0040】
以上のことから、次のことがわかる。
【0041】
本発明では、フラッシュ法不織布の製造工程にスパンレース技術を革新的に応用するとともに、スパンレース効果を確保するために、従来のステンレス鋼のローラーまたはゴムローラーの代わりに高温抵抗力がある柔らかいフレキシブルベルト221を用い、繊維ウェブの加熱ローラーと接触する面を加熱し、加熱された繊維が互いに接着して緻密な防水・抗菌層を形成する表面熱間圧延技術を革新的に応用した。反対面の繊維は熱間圧延部材211に接触しておらず、高温抵抗力がある柔らかいフレキシブルベルト221に接触しているため、表面繊維は比較的毛羽立った状態を保つことができ、従来の加熱ローラー圧延法による両面繊維の緻密化を回避し、後のスパンレース加工時に水針で絡めるのに有利である。
【0042】
表面熱間圧延技術とスパンレース加工を組み合わせて一度に所望の材料を得ることができ、従来の機械的軟化を行う必要がなく、また完成生地を複数の異なる工程の材料で複合したり接着したりする必要もない。本発明によって得られた生地は良好な通気性と柔軟な着用快適性を有し、熱接着面の防水・抗菌性を維持しながら、良好な機械的性能を維持している。
【0043】
好ましくは、表面熱間圧延処理において、熱間圧延温度(すなわち熱間圧延部材211の温度)を(100~200)℃とし、フレキシブルベルト221の張力を0.5~6.0MPaに制御する。スパンレース加工処理では、水刺圧は、(20~250)barである。適切な熱間圧延温度と圧力により、加熱部材211の表面に接触する繊維メッシュ層600上面の繊維が加熱され、溶融して接着して補強され、緻密な繊維層が形成される。
【0044】
好ましくは、繊維メッシュ層600の製造工程がさらに含まれる。繊維メッシュ層600の製造工程では、高分子化合物を原料として紡糸溶液を調制し、紡糸溶液をフラッシュ紡糸法により繊維メッシュ層600を形成する。
【0045】
好ましくは、繊維メッシュ層600には、表面熱間圧延処理の前に冷間プレス処理が施される。繊維メッシュ層600が調製された後、表面熱間圧延処理に入る前に、繊維メッシュ層600を冷間プレスし、それを少し押し付けて、繊維メッシュ層600に一定の引張力を持たせて、繊維メッシュ層600を次の工程に伝達しやすくする。さらに好ましくは、冷間プレス部材15を用いて繊維メッシュ層を冷間プレスし、冷間プレス部材15は中間抜きステンレス鋼のローラーである。軽いプレスローラーの重量により、繊維メッシュ層600が過度に密に押し付けられることがなくなり、表面熱間圧延処理後の繊維メッシュ層600の、はっきりと繊維が融着した上面と、繊維の毛羽立った非融着の下面とが形成されやすくなる。
【0046】
好ましくは、乾燥工程がさらに含まれる。乾燥工程では、S2処理後の不織布を乾燥処理して不織布の水分を除去することで、新しい抗菌通気性生地700が得られる。さらに好ましくは、乾燥工程では、乾燥温度が繊維メッシュ層600の融点よりも低い(すなわち紡糸溶液中の高分子化合物の融点)。スパンレース後の不織布を乾燥して不織布表面の水分を完全に除去するとともに、ポリマー原料は熱可塑性材料であるため、一定の温度に加熱すると繊維が軟化し、さらに冷却するとスパンレースに絡んだ繊維がしっかりとくっつき、完成生地の性能を向上させるのに有利である。また、乾燥温度がポリマーの融点を超えず、繊維が溶融したり、生地が硬化したりすることがないため、乾燥後の不織布はスパンレース不織布の柔らかい特性を保つことができる。
【0047】
好ましくは、フレキシブルベルト221は、高温抵抗力がある毛布でできている。このフレキシブルベルト221は、高温抵抗力がある毛布材を採用しており、原料が入手しやすいだけでなく、高温抵抗力がある毛布材の生地が柔らかく、高温抵抗力の性能があり、使用要求を満たすことができる。なお、上記の設計思想に基づいて、フレキシブルベルト221には、一定の撓みを有し、かつ柔軟性があり、かつ高温抵抗力がある他の高温抵抗力があるフレキシブルな材料を採用することもできる。温度の抵抗が240℃以上の材料が好ましい。
【0048】
本発明は、
図2-5に示すような、上記の新しい抗菌通気性生地700の製造方法を実施するために使用される製造装置の好ましい実施形態を提供し、具体的には以下の通りである。
【0049】
新しい抗菌通気性生地700の製造装置は、順次接続されたフラッシュ紡糸ユニット100、表面熱間圧延ユニット200、スパンレース固着ユニット300及び乾燥ユニット400を含む。
【0050】
ここで、フラッシュ紡糸ユニット100は、繊維メッシュ層600を調製するために使用される。熱間圧延ユニット200は、コンベアベルト部材22および回転加熱部材21を含む。コンベアベルト部材22は、フレキシブルベルト221と、少なくとも2つの支持部材222とを含む。支持部材222は、フレキシブルベルト221の内面に回転可能に支持される。フレキシブルベルト221の外面は回転加熱部材21の外周に接触しており、回転加熱部材21が回転することにより支持部材222の外周に移動し、繊維メッシュ層600をフレキシブルベルト221の外面に導入した後、その下面をフレキシブルベルト221に接触させ、その上面を回転加熱部材21の外周に持ち込んで表面熱間圧延処理を行う。スパンレース固着ユニット300は、表面熱間圧延処理後の繊維メッシュ層600の下面にスパンレース処理を行い、スパンレース後の不織布を得るために使用される。乾燥ユニット400は、スパンレース後の不織布を乾燥処理し、抗菌通気性生地を得るために使用される。
【0051】
フラッシュ紡糸ユニット100について、
【0052】
好ましくは、フラッシュ紡糸ユニット100の部品は、ノズルヘッド11、回転スプリッタプレート12、エアーアンプ13、移動メッシュカーテン14を含む。なお、上記ノズルヘッド11、回転スプリッタプレート12、エアーアンプ13及び移動メッシュカーテン14は、いずれもフラッシュ紡糸ユニット100の既存部品であり、その構造と接続関係も従来技術であるため、ここでは繰り返さない。
【0053】
好ましくは、フラッシュ紡糸ユニット100は、移動メッシュカーテン14の上方に設けられた冷間プレス部材15を含む。好ましくは、冷間プレス部材15は、中間抜きステンレス鋼のローラーである冷間プレスローラーを用いる。冷間プレス部材15は、移動メッシュカーテン14上の繊維メッシュ層600を冷間プレスするために設けられる。
【0054】
好ましくは、フラッシュ紡糸ユニット100には、蒸発して気体になった溶媒を吸引するための第一真空吸引装置16が設けられている。溶媒は第一真空吸引装置16を通して回収され、回収されたガスは凝縮されて液状溶媒となる後、再利用することができる。
【0055】
なお、本発明の設計思想によると、本発明は、他の構造の既存の繊維メッシュ層600を製造するためのフラッシュ紡糸ユニット100を採用することもでき、これには、上記好ましい形態で提供されたフラッシュ紡糸ユニット100の態様が含まれるが、これに限定するものではない。
【0056】
表面熱間圧延ユニット200について、
【0057】
好ましくは、フレキシブルベルト221は閉ループ構造であり、回転加熱部材21の回転駆動によりフレキシブルベルト221が支持部材222の外周に環状に回転する。さらに好ましくは、支持部材222には、ガイド支持ローラーが採用される。使用時には、繊維メッシュ層600は、支持部材222(ガイド支持ローラー)を介してフレキシブルベルト221に導入され、フレキシブルベルト221とともに移動する。支持部材222と環状のフレキシブルベルト221との協働により、フレキシブルベルト221の使用量が節約されるだけでなく、フレキシブルベルト221の回転がより便利になる。
【0058】
好ましくは、コンベアベルト部材22は、フレキシブルベルト221の張力を調整する張力調整装置223をさらに含む。張力調整装置223により、フレキシブルベルト221の張力を調整して、フレキシブルベルト221の外面と回転加熱部材21の外周との相互作用力(すなわち熱間圧延圧力)を調整することができる。
【0059】
好ましくは、コンベアベルト部材22は、第一支持部材2221、第二支持部材2222、第三支持部材2223および第四支持部材2224を含む。第一支持部材2221と第二支持部材2222はそれぞれ回転加熱部材21の両側に設けられ、第三支持部材2223と第四支持部材2224は回転加熱部材21の下方に設けられている。このように設定することにより、繊維メッシュ層600の上面に対する回転加熱部材21の融着処理の作業面積が増大し、生産効率が向上する。さらに好ましくは、張力調整装置223は、フレキシブルベルト221の外側に設けられ、第三支持部材2223と第四支持部材2224との間に配置され、フレキシブルベルト221が「W」字状に配置されるようにする。このように設定することにより、張力調整装置223と支持部材222との協働によるフレキシブルベルト221の張力の調整が容易になる。
【0060】
好ましくは、回転加熱部材21は、熱間圧延部材211(熱間圧延ローラー)と、熱間圧延部材211を回転駆動するための伝動装置212とを含む。
【0061】
スパンレース固着ユニット300について、
【0062】
好ましくは、スパンレース固着ユニット300の部品は、ドラム31、スパンレースヘッド32、第二真空吸引装置33、ガイドローラー34を含む。なお、上記ドラム31、スパンレースヘッド32、第二真空吸引装置33、ガイドローラー34は、いずれもスパンレース固着ユニット300の既存部品であり、その構造と接続関係も従来技術であり、ここでは繰り返さない。本発明の設計思想に基づいて、本発明は他の構造の既存のスパンレース固着ユニット300を採用することができ、上記の好ましい形態で提供されるスパンレース固着ユニット300の態様を含むが、これに限定するものではない。
【0063】
なお、乾燥ユニット400について、乾燥ユニット400は、既存の乾燥設備から選択することができ、例えば、ドラム31乾燥機から選択することができ、グリップ式乾燥機などから選択することができ、本発明明細書では特に説明しない。
【0064】
巻き取りユニット500について、
【0065】
好ましくは、製造装置は、乾燥後の不織布(すなわち抗菌通気性生地)を巻き取るための巻き取りユニット500をさらに含む。なお、巻き取りユニット500は既存の巻き取り機から選択することができ、本発明明細書では特に説明しない。
【0066】
上記の新しい抗菌通気性生地700の製造方法と
図2-5に示す製造装置を組み合わせて、上記の新しい抗菌通気性生地700の製造装置の好ましい実施形態を用いてこの製造方法を実現する具体的な作業過程は以下の通りである。
【0067】
ポリマーを溶質計量装置を通して、付属の溶媒を溶媒計量装置を通してあらかじめ設定された割合に従って、一緒に高圧反応釜に添加し、高圧反応釜をあらかじめ設定された反応温度と圧力状態に昇温、昇圧し、攪拌器の攪拌作用でポリマーと溶媒を十分に溶解させて均一な溶液(すなわち紡糸溶液)を形成する。
【0068】
均一な溶液は高圧輸送管路を通ってノズルヘッド11に送られ、均一な溶液はノズルヘッド11の紡糸孔から噴出され、溶液中の溶媒は高温高圧の液体から急速に蒸発して気体になり、ポリマーは吸熱されて急速に冷却されると同時にフラッシュされた溶媒気体によって急速に引き延ばされて、超極細繊維を多く含む繊維束を形成する。繊維束は回転スプリッタプレート12で屈折発散され、エアーアンプ13の増幅作用を受けて、メッシュ構造の繊維メッシュを形成する。形成され続けた繊維メッシュは移動メッシュカーテン14に積層され、移動メッシュカーテン14の進行方向と繊維メッシュの落下方向が直交すると、繊維メッシュは移動メッシュカーテン14上に一定の坪量と幅を持つ連続した繊維メッシュ層600を形成し、繊維メッシュ層600は移動メッシュカーテン14から搬出される。
【0069】
表面熱間圧延ユニット200に入る前に、移動メッシュカーテン14の上方に設置された冷間プレス部材15は、移動メッシュカーテン14上の繊維メッシュ層600を冷間プレスするために用いられる。溶媒気体は上方に設置された第一真空吸引装置16で回収され、凝縮して液状溶媒となって再利用される。
【0070】
冷間プレスされた繊維メッシュ層600は表面熱間圧延ユニット200に入り、繊維メッシュ層600は支持部材222(ガイド支持ローラー)を介してフレキシブルベルト221に導入される。回転加熱部材21の回転に伴って可撓性が移動し、繊維メッシュ層600の下面がフレキシブルベルト221に接触する。フレキシブルベルト221の移動に伴って、繊維メッシュ層600の上面が回転加熱部材21の外周に引き込まれ、表面熱間圧延処理が行われる。回転加熱部材21の表面に接触する繊維メッシュ層600の上面の繊維は、加熱されて融着して補強され、緻密な繊維層を形成する。繊維メッシュ層600の下面は融着せず、繊維は毛羽立った状態を維持する。
【0071】
表面熱間圧延ユニット200で処理された繊維メッシュ層600がスパンレース固着ユニット300に入ると、繊維メッシュ層600の上面(すなわち熱間圧延で固着された面)にドラム31が貼り付けられ、スパンレースヘッド32で形成された高圧水針が繊維メッシュ層600の下面(すなわち繊維が毛羽立った面)に作用する。高圧水針の作用により、毛羽立った繊維が互いに絡み合い、繊維メッシュ層600は致密で一定の厚さの不織布を形成する。製造された不織布は、第二真空吸引装置33によって表面の余分な水分が除去された後、ガイドローラー34によって排出される。
【0072】
スパンレース後の不織布は乾燥ユニット400に入り、不織布表面の水分が除去される。最後に、乾燥後の完成品は巻き取りユニット500によって巻き取られる。
【0073】
本発明では、以下の実施例と比較例も提供する。
【0074】
本発明の新しい抗菌通気性生地700の製造方法で製造された不織布(すなわち抗菌通気性生地)の効果を示すために、特に以下の実施例と比較例を設定する。製造された製品の関連性能パラメータのテスト比較により、本発明が提供する新しい抗菌通気性生地700の製造方法の優位性を体現する。
【0075】
実施例1:
【0076】
(1)フラッシュ紡糸法による繊維メッシュ層600の形成:
【0077】
高分子化合物を原料として紡糸溶液を調制する:質量濃度15%のポリエチレンをスライスし、質量濃度85%の溶媒(15%のジフルオロクロロメタン(R22)と85%のテトラフルオロジクロロエタン(R114)の混合物)と同時に高圧反応釜に加え、180℃まで昇温する。昇温終了後、窒素ガスを導入して12MPaまで加圧しながら230℃まで昇温し、2時間攪拌し、撹拌速度は100r/minである。温度が安定した後、高圧反応釜内に均一な紡糸溶液が形成される。
【0078】
図2-5に示す新しい抗菌通気性生地700の製造装置の好ましい実施形態を用いて紡糸溶液を加工し、すなわち、紡糸溶液をフラッシュ紡糸ユニット100でフラッシュ紡糸して65グラムの繊維メッシュ層600を形成する。ここで、紡糸溶液はノズルヘッド11から噴出され、噴出気流の速度は12000m/minである。紡糸原液が速やかに揮発し、ポリマーが冷却固化して繊維束となり、繊維束が移動メッシュカーテン14に沈降し、繊維が凝集してメッシュとなり(すなわち繊維メッシュ層600)、移動メッシュカーテン14の前進速度は50m/minである。
【0079】
(2)繊維メッシュ層600には、表面熱間圧延処理の前に冷間プレス処理が施される。繊維メッシュ層600は冷間プレス部材15(冷間プレスローラー)でプレスされており、冷間プレス部材15は中間抜きステンレス鋼のローラーである。
【0080】
(3)表面熱間圧延処理:
【0081】
得られたウエブ層600を表面熱間圧延ユニット200に導入して表面熱間圧延処理を行い、一方の面(上面)の繊維を熱融着させて緻密な繊維層を形成する。
【0082】
ここで、熱間圧延温度(回転加熱部材21中の熱間圧延部材211の温度)は140℃であり、熱間圧延部材211の回転速度は52m/minである。フレキシブルベルト221は高温抵抗力がある毛布を採用する。フレキシブルベルト211の張力は1.65±0.15MPaに制御されている。
【0083】
(4)スパンレース加工処理:
【0084】
表面熱間圧延処理された繊維メッシュ層600をスパンレース固着ユニット300に導入し、スパンレース固着ユニット300で他方の面(すなわち下面)を加工し、両面の特徴が異なる緻密な材料、すなわちスパンレース後の不織布を形成する。
【0085】
ここで、プレウェッチングスパンレースヘッド32の水刺圧は25bar、メインスパンレースヘッド32の水刺圧は80bar、表面整理作用のスパンレースヘッド32の水刺圧は52bar、スパンレースドラム31の速度は54m/minである。
【0086】
(5)スパンレース後の不織布を乾燥ユニット400に導入して乾燥脱水、低温乾燥を行い、抗菌通気性生地を得る。
【0087】
ここで、乾燥ユニット400における乾燥温度は105℃であり、乾燥ユニット400の台数は55m/minであり、乾燥ユニット400の排気パワーは95%に設定される。
【0088】
実施例2:
【0089】
(1)フラッシュ紡糸法による繊維メッシュ層600の形成:
【0090】
高分子化合物を原料として紡糸溶液を調制する:質量濃度15%のポリエチレンをスライスし、質量濃度85%の溶媒(15%のジフルオロクロロメタン(R22)と85%のテトラフルオロジクロロエタン(R114)の混合物)と同時に高圧反応釜に加え、180℃まで昇温する。昇温終了後、窒素ガスを導入して12MPaまで加圧しながら230℃まで昇温し、2時間攪拌し、撹拌速度は100r/minである。温度が安定した後、高圧反応釜内に均一な紡糸溶液が形成される。
【0091】
図2-5に示す新しい抗菌通気性生地700の製造装置の好ましい実施形態を用いて紡糸溶液を加工し、すなわち、紡糸溶液をフラッシュ紡糸ユニット100でフラッシュ紡糸して40グラムの繊維メッシュ層600を形成する。ここで、紡糸溶液はノズルヘッド11から噴出され、噴出気流の速度は12000m/minである。紡糸原液が速やかに揮発し、ポリマーが冷却固化して繊維束となり、繊維束が移動メッシュカーテン14に沈降し、繊維が凝集してメッシュとなり(すなわち繊維メッシュ層600)、移動メッシュカーテン14の前進速度は80m/minである。
【0092】
(2)繊維メッシュ層600には、表面熱間圧延処理の前に冷間プレス処理が施される。繊維メッシュ層600は冷間プレス部材15(冷間プレスローラー)でプレスされており、冷間プレス部材15は中間抜きステンレス鋼のローラーである。
【0093】
(3)表面熱間圧延処理:
【0094】
得られたウエブ層600を表面熱間圧延ユニット200に導入して表面熱間圧延処理を行い、一方の面(上面)の繊維を熱融着させて緻密な繊維層を形成する。
【0095】
ここで、熱間圧延温度(回転加熱部材21中の熱間圧延部材211の温度)は135℃であり、熱間圧延部材211の回転速度は83m/minである。フレキシブルベルト221は高温抵抗力がある毛布を採用する。フレキシブルベルト211の張力は1.1±0.1MPaに制御されている。
【0096】
(4)スパンレース加工処理:
【0097】
表面熱間圧延処理された繊維メッシュ層600をスパンレース固着ユニット300に導入し、スパンレース固着ユニット300で他方の面(すなわち下面)を加工し、両面の特徴が異なる緻密な材料、すなわちスパンレース後の不織布を形成する。
【0098】
ここで、プレウェッチングスパンレースヘッド32の水刺圧は25bar、メインスパンレースヘッド32の水刺圧は60bar、表面整理作用のスパンレースヘッド32の水刺圧は42bar、スパンレースドラム31の速度は85m/minである。
【0099】
(5)スパンレース後の不織布を乾燥ユニット400に導入して乾燥脱水、低温乾燥を行い、抗菌通気性生地を得る。
【0100】
ここで、乾燥ユニット400における乾燥温度は102℃であり、乾燥ユニット400の台数は86m/minであり、乾燥ユニット400の排気パワーは95%に設定される。
【0101】
実施例3:
【0102】
(1)フラッシュ紡糸法による繊維メッシュ層600の形成:
【0103】
高分子化合物を原料として紡糸溶液を調制する:質量濃度15%のポリエチレンをスライスし、質量濃度85%の溶媒(15%のジフルオロクロロメタン(R22)と85%のテトラフルオロジクロロエタン(R114)の混合物)と同時に高圧反応釜に加え、180℃まで昇温する。昇温終了後、窒素ガスを導入して12MPaまで加圧しながら230℃まで昇温し、2時間攪拌し、撹拌速度は100r/minである。温度が安定した後、高圧反応釜内に均一な紡糸溶液が形成される。
【0104】
図2-5に示す新しい抗菌通気性生地700の製造装置の好ましい実施形態を用いて紡糸溶液を加工し、すなわち、紡糸溶液をフラッシュ紡糸ユニット100でフラッシュ紡糸して40グラムの繊維メッシュ層600を形成する。
【0105】
ここで、紡糸溶液はノズルヘッド11から噴出され、噴出気流の速度は12000m/minである。紡糸原液が速やかに揮発し、ポリマーが冷却固化して繊維束となり、繊維束が移動メッシュカーテン14に沈降し、繊維が凝集してメッシュとなり、移動メッシュカーテン14の前進速度は36m/minである。
【0106】
(2)繊維メッシュ層600には、表面熱間圧延処理の前に冷間プレス処理が施される。繊維メッシュ層600は冷間プレス部材15(冷間プレスローラー)でプレスされており、冷間プレス部材15は中間抜きステンレス鋼のローラーである。
【0107】
(3)表面熱間圧延処理:
【0108】
得られたウエブ層600を表面熱間圧延ユニット200に導入して表面熱間圧延処理を行い、一方の面(上面)の繊維を熱融着させて緻密な繊維層を形成する。
【0109】
ここで、熱間圧延温度(回転加熱部材21中の熱間圧延部材211の温度)は145℃であり、熱間圧延部材211の回転速度は37m/minである。フレキシブルベルト221は高温抵抗力がある毛布を採用する。フレキシブルベルト211の張力は2.6±0.2MPaに制御されている。
【0110】
(4)スパンレース加工処理:
【0111】
表面熱間圧延処理された繊維メッシュ層600をスパンレース固着ユニット300に導入し、スパンレース固着ユニット300で他方の面(すなわち下面)を加工し、両面の特徴が異なる緻密な材料、すなわちスパンレース後の不織布を形成する。
【0112】
ここで、プレウェッチングスパンレースヘッド32の水刺圧は25bar、メインスパンレースヘッド32の水刺圧は100bar、表面整理作用のスパンレースヘッド32の水刺圧は55bar、スパンレースドラム31の速度は38m/minである。
【0113】
(5)スパンレース後の不織布を乾燥ユニット400に導入して乾燥脱水、低温乾燥を行い、抗菌通気性生地を得る。
【0114】
ここで、乾燥ユニット400における乾燥温度は108℃であり、乾燥ユニット400の台数は38m/minであり、乾燥ユニット400の排気パワーは95%に設定される。
【0115】
比較例1
【0116】
(1)実施例1と同様の紡糸溶液を用い、フラッシュ紡糸により65グラムの繊維メッシュ層600を形成する。その繊維メッシュ層600の製造過程とプロセスは実施例1と一致している。
【0117】
(2)得られた繊維メッシュ層600は、従来のフラッシュペーパー後処理加工技術を使用する。繊維メッシュ層600をステンレス鋼のローラーで直接熱間圧延し、両面とも繊維が熱接着した緻密で硬い紙のような不織布を形成する。
【0118】
ここで、ステンレス鋼のローラーの熱間圧延プロセスは、熱間圧延温度が150℃、加圧圧力が3.0MPa、回転数が55m/minである。
【0119】
(3)特許CN110528216A「フラッシュ法高密度ポリエチレン紙の柔軟化処理システム及び処理プロセス」に記載されたプロセスで熱間圧延後に繊維メッシュ層600処理を行い、柔軟な材料を得る。
【0120】
なお、実施例では、
図2-5に示す好ましい実施形態に示すような新しい抗菌通気性生地700の製造装置を用いて製造しており、具体的には、実施例における新しい抗菌通気性生地700の製造方法は、一組のフラッシュ紡糸ユニット100、一組の表面熱間圧延ユニット200、および一組のスパンレース固着ユニット300の組を採用し、スパンレース固着ユニット300は一つのドラム31と三つのスパンレースヘッド32とを組み合わせて使用する。ここで、繊維メッシュ層600の移動方向に沿って、3つのスパンレースヘッド32は、プレウェッチングスパンレースヘッド32、メインスパンレースヘッド32、表面整理作用のスパンレースヘッド32の順である。
【0121】
実施例と比較例で製造された完成品について、関連する性能指標試験を行い、試験結果を下記の表1に示す。
【0122】
【0123】
表1において、ドレープの程度とは、織物の自由境界が自重の作用により垂れ下がる度合いを指し、ドレープ係数Fで表される。すなわち、サンプルの垂れ下がり部分の投影面積とその元の面積との比の割合である。ドレープ係数Fのパーセンテージが小さいほど、織物のドレープの程度がよく、織物の柔軟性もよいことを示している。抗合成血液透過性のレベルは大きいほどよい。
【0124】
表1において、各性能のテスト基準またはテスト方法は以下の通りである。坪量テストは国家標準GB/T24218.1-2009を参照する。厚さテストは国家標準GB/T24218.2-2009を参照する。通気度テストは国家標準GB/T5453-1997を参照する。透湿量テストは国家標準GB/T12704-1991を参照する。破断強度テストは国家標準GB/T24218.3-2010を参照する。引裂強度テストは国家標準GB/T3917.3-2009を参照する。剥離強度テストは標準ASTM D2724を参照する。静水圧テストは国家標準GB/T4744-1997を参照する。抗合成血液透過性テストは国家標準GB19082-2009を参照する。
【0125】
図6は、本発明で製造された新しい抗菌通気性生地700の概略構造図であり、第一面71と第二面72を有している。本発明で製造された完成生地自体はフラッシュ紡糸から直接紡糸されたものであり、複合したものではない。表1と
図6中の第一面71と第二面72は材料の両面に異なる特徴があることを示すためだけである。このうち、第一面71は抗菌面(上記の上面)である、第二面72はスパンレース面層(上記の下面)であり、使用時に体の皮膚に接触する面である。
【0126】
実施例と比較例の結果を分析する。
【0127】
図7-8から明らかなように、実施例1で製造された完成生地において、
図7の完成生地の第一面71の顕微鏡写真は、表面繊維が完全に結合しており、表面が緻密であるとともに、繊維間に微細孔があることを示している。
図8の完成生地の第二面72の顕微鏡写真は、表面繊維が結合しておらず、繊維間に多数の微細孔があることを示している。また、表1の内容を組み合わせると、実施例1~3では、製造された抗菌通気性生地は、機械的強度が良好で、ドレープの程度がよく柔軟性がよく、通気性がよく、良好な着用快適性を有し、かつ熱接着面の防水・抗菌性を維持できる、生地の使用ニーズを満たしていることがわかる。つまり、製造された製品はフラッシュ法不織布の高強度と高防水・抗菌性があり、優れた着用快適性があるという二つの特徴がある。
【0128】
本発明の製造方法により、不織布完成品の使い捨て加工成形を実現することができ、複数の異なる工程の材料を用いて複合または接着したり、別の柔軟化処理工程を追加したりすることなく、完成品に二つの特徴を持たせることができる。完成品は柔軟な着用快適性と優れた防水・抗菌性を備えていると同時に、材料の機械的強度が良好に保たれ、材料の寿命を延ばすことができる。
【0129】
比較例1は実施例1に比べて柔軟性が低下しているだけでなく、完成品の使用感も低下し、通気度、機械的強度及び遮水性能も著しく低下しており、本発明で製造された製品と同様に着用快適性と優れた防水・抗菌性を両立させることは困難である。また、比較例1では、生地の完成品の加工過程にステップが多く、技術が複雑である。
【0130】
以上のことから、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0131】
本発明で提供される新しい抗菌通気性生地700の製造方法により、抗菌通気性生地の完成品を一度に加工・成形することができ、完成品は複数の異なる工程の材料で複合または接着したり、柔軟化処理などの工程を追加したりすることなく、不織布完成品に優れた防水・抗菌性と良好な着用快適性という二つの特徴を持たせることができるとともに、良好な機械的性能を維持して寿命を延ばし、その使用要求を満たすことができる。
【0132】
本発明で製造された完成生地自体はフラッシュ紡糸で直接紡糸して形成されたもので、複合したものではない。ここで、製造された完成生地は、第一面71と第二面72を有し、第一面71は抗菌面であり、第二面72はスパンレース面層(すなわち、使用中に体の皮膚に触れる面)である。そして、この完成生地は次の性能を実現することができる。その坪量は30~90グラム、厚さは0.1mm~0.5mm、通気度は5~50mm/s、透湿量は2500g/(m2・d)以上、横縦方向の破断強度は150N/5cm以上、引裂強度は8N以上(横方向の引裂強度と縦方向の引裂強度はいずれも8N以上)、剥離強度は3N以上、ドレープ係数は50%未満である。同時に、第一面71の耐透湿性は5~20kPaに達し、抗合成血液透過性はレベル2より大きい。
【0133】
説明する必要があるのは次のとおりである。
【0134】
本文中の「坪量」とは、単位面積(m2)あたりの材料の重量を指す。
【0135】
本文では、「~」を用いて数値範囲を表し、その表現範囲内に二つの端点値が含まれる。
【0136】
実施例と比較例で紡糸溶液に使用したポリマー溶質はポリエチレンである。上記の設計思想に基づいて、ポリマーは、既存の一種のポリオレフィン、または複数種の既存のポリオレフィンの組成物を使用することができ、例えば、線状高密度ポリエチレン、線状ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどの従来のフラッシュ紡糸用ポリマーを使用することができ、実施例で提供されたポリエチレンを含むが、これに限定するものではない。
【0137】
また、実際の制御では、当業者は繊維メッシュ層600の坪量の適用可能性に基づいて、製品性能を保証するために表面熱間圧延処理とスパンレース加工処理工程のプロセスパラメータを調整する。具体的には、具体的なプロセスパラメータは製品の材質、坪量によって決定される。繊維メッシュ層600の材質融点の高低、坪量の変化は、プロセスパラメータを調整することで所望の製品効果を達成する必要がある。材質の融点が高い場合、所望の熱間接着効果を達成するには、表面熱間圧延処理の熱間圧延温度をそれに応じて高める必要がある。繊維メッシュ層600の材料の坪量が増加すると、熱接着が必要な繊維の数が増加し、表面熱間圧延処理における熱間圧延温度とフレキシブルベルト221の張力を高める必要がある。材料の坪量が増加し、スパンレースに必要な繊維の数も増加し、メインスパンレースヘッドヘッド32の圧力を高める必要がある。
【0138】
なお、当業者は、従来技術には多くの問題があるが、本発明の各実施例または技術スキームは、従来技術または背景技術に記載されている技術的課題のすべてを同時に解決することなく、1つまたは複数の面でのみ改善することができることを理解するであろう。当業者は、特許請求の範囲に記載されていない内容については、当該特許請求の範囲に対する制限とすべきではないことを理解すべきである。
【0139】
ここでは、表面熱間圧延処理、スパンレース加工処理、冷間プレス処理などの用語を多く使用しているが、他の用語を使用する可能性を排除するものではない。これらの用語を使用するのは、本発明の本質をより簡単に説明し、説明するためだけである。これらをいかなる付加的な制限として解釈することは、本発明の精神に反する。本発明の実施形態の説明書と特許請求の範囲、および上述の図面における「第一」、「第二」などの用語(存在する場合)は、同様の対象を区別するために使用され、必ずしも特定の順序または優先順位を説明するために使用されるわけではない。
【0140】
最後に、以上の各実施例は、本発明の技術スキームを説明するためのものであり、それを制限するものではない。上述の各実施例を参照して本発明を詳細に説明するが、当業者は、上述の各実施例に記載された技術スキームの修正、またはその一部または全部の技術的特徴の均等な置換を行うことができることを理解するであろう。これらの修正または置換は、対応する技術スキームの本質を本発明の各実施例の技術スキームの範囲から逸脱するものではない。
【0141】
なお、当業者は、従来技術には多くの問題があるが、本発明の各実施形態または技術スキームは、従来技術または背景技術に記載されている技術的課題のすべてを同時に解決することなく、1つまたは複数の面でのみ改善することができることを理解するであろう。当業者は、特許請求の範囲に記載されていない内容については、当該特許請求の範囲に対する制限とすべきではないことを理解すべきである。
【符号の説明】
【0142】
100 フラッシュ紡糸ユニット
200 表面熱間圧延ユニット
300 スパンレース固着ユニット
400 乾燥ユニット
500 巻き取りユニット
600 繊維メッシュ層
11 ノズルヘッド
12 回転スプリッタプレート
13 エアアンプ
14 移動メッシュカーテン
15 冷間プレス部材
16 第一真空吸引装置
111 紡糸口金
21 回転加熱部材
22 コンベアベルト部材
211 熱間圧延部材
212 伝動装置
221 フレキシブルベルト
222 支持部材
223 張力調整装置
2224 第四支持部材
2221 第一支持部材
2222 第二支持部材
2223 第三支持部材
31 ドラム
32 スパンレースヘッド
33 第二真空吸引装置
34 ガイドローラー
700 新しい抗菌通気性生地
71 第一面
72 第二面
【手続補正書】
【提出日】2024-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
新しい抗菌通気性生地の製造方法であって、
S1、表面熱間圧延処理:繊維ウエブ層に表面熱間圧延処理を行い、ここで、繊維ウエブ層の下面がフレキシブルベルトで支持され、その上面が熱間圧延部材で接触して熱間圧延され、上面の繊維が熱接着し、下面の繊維が毛羽立った繊維ウエブ層を製造することと、
S2、スパンレース加工処理:S1で得られた繊維メッシュ層の下面にスパンレース加工処理を行うこととを含み、
前記フレキシブルベルトは高温抵抗力があるフレキシブルな材料で作られていること、を特徴とする新しい抗菌通気性生地の製造方法。
【請求項2】
前記繊維メッシュ層に表面熱間圧延処理を行う前に冷間プレス処理を行うこと、を特徴とする請求項1に記載の新しい抗菌通気性生地の製造方法。
【請求項3】
乾燥工程がさらに含まれ、
前記乾燥工程では、S2処理後の不織布に対して乾燥処理を行い、不織布の水分を除去することで、新しい抗菌通気性生地を得ること、を特徴とする請求項1に記載の新しい抗菌通気性生地の製造方法。
【請求項4】
前記乾燥工程では、乾燥温度が前記繊維メッシュ層の融点より低いこと、を特徴とする請求項3に記載の新しい抗菌通気性生地の製造方法。
【請求項5】
前記フレキシブルベルトは、高温抵抗力がある毛布で作られていること、を特徴とする請求項1に記載の新しい抗菌通気性生地の製造方法。
【請求項6】
第一面と第二面とを含み、前記第一面が抗菌面であり、前記第二面がスパンレース面層であること、を特徴とする新しい抗菌通気性生地。
【請求項7】
その坪量は30g以上90g以下であり、厚さは0.1mm以上0.5mm以下であること、を特徴とする請求項6に記載の新しい抗菌通気性生地。
【請求項8】
通気度が5mm/s以上50mm/s以下であり、かつ、第一面の耐透湿性が5kPa以上20kPa以下であること、を特徴とする請求項
6に記載の新しい抗菌通気性生地。
【請求項9】
その横縦方向の破断強度が150N/5cm以上、引裂強度が8N以上、剥離強度が3N以上、ドレープ係数が50%以下であること、を特徴とする請求項
6に記載の新しい抗菌通気性生地。
【請求項10】
透湿量が2500g/(m
2・d)以上、かつ第一面の抗合成血液透過性がレベル2以上であること、を特徴とする請求項
6に記載の新しい抗菌通気性生地。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
好ましくは、表面熱間圧延処理において、熱間圧延温度(すなわち熱間圧延部材211の温度)を(100~200)℃とし、フレキシブルベルト221の張力を0.5~6.0MPaに制御する。スパンレース加工処理では、水刺圧は、(20~250)barである。適切な熱間圧延温度と圧力により、熱間圧延部材211の表面に接触する繊維メッシュ層600上面の繊維が加熱され、溶融して接着して補強され、緻密な繊維層が形成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
冷間プレスされた繊維メッシュ層600は表面熱間圧延ユニット200に入り、繊維メッシュ層600は支持部材222(ガイド支持ローラー)を介してフレキシブルベルト221に導入される。回転加熱部材21の回転に伴ってフレキシブルベルトが移動し、繊維メッシュ層600の下面がフレキシブルベルト221に接触する。フレキシブルベルト221の移動に伴って、繊維メッシュ層600の上面が回転加熱部材21の外周に引き込まれ、表面熱間圧延処理が行われる。回転加熱部材21の表面に接触する繊維メッシュ層600の上面の繊維は、加熱されて融着して補強され、緻密な繊維層を形成する。繊維メッシュ層600の下面は融着せず、繊維は毛羽立った状態を維持する。
【国際調査報告】