(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】ブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムの制御方法、該方法を実行するための記録媒体及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/64 20130101AFI20241029BHJP
H04L 9/32 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G06F21/64
H04L9/32 200B
H04L9/32 200F
H04L9/32 200Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521897
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2024-04-10
(86)【国際出願番号】 KR2022016801
(87)【国際公開番号】W WO2023106629
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0175172
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】314000442
【氏名又は名称】高麗大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】KOREA UNIVERSITY RESEARCH AND BUSINESS FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】145, Anam-ro Seongbuk-gu Seoul 02841, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】イン ホ ピーター
(72)【発明者】
【氏名】チョイ ジヒョク
(57)【要約】
公証要求を受信すると証拠資料を送信するユーザー端末と;証拠資料を受信し、証拠資料に対するハッシュ値を生成し、生成されたハッシュ値を、ユーザー端末および公証人端末側にそれぞれ送信する公証サーバーと;ハッシュ値に作成した署名をユーザー端末および公証人端末側からそれぞれ受信し、スマートコントラクトブロックを生成するブロックチェーンサーバーと;を備える、ブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーからの証拠資料に対する公証要求に応答して、前記証拠資料をブロックチェーンに基づいて公証するためのブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムにおいて、
前記公証要求に応じて前記証拠資料を送信するユーザー端末と、
前記証拠資料を受信し、前記受信された証拠資料を暗号化して前記証拠資料に対するハッシュ値を生成し、前記生成されたハッシュ値を、前記ユーザー端末および前記証拠資料に対する公証を行う公証人端末側にそれぞれ送信する公証サーバーと、
前記ハッシュ値に作成した署名を前記ユーザー端末および公証人端末側からそれぞれ受信し、前記署名が作成されたハッシュ値に基づいてスマートコントラクトブロックを生成するブロックチェーンサーバーと、
を備える、ブロックチェーンに基づく証拠資料公証システム。
【請求項2】
前記公証サーバーは、
前記ユーザー端末から前記証拠資料を受信する通信部と、
前記ユーザーの情報を管理する会員管理部と、
前記証拠資料を暗号化してハッシュ値を生成する暗号化部と、
前記証拠資料とハッシュ値とがマッチングされてクラウドストレージに保存されるように前記クラウドストレージと連動するクラウド連動部と、を備える、請求項1に記載のブロックチェーンに基づく証拠資料公証システム。
【請求項3】
前記ブロックチェーンサーバーは、
前記ユーザー端末から前記ユーザーのトランザクション署名を受信し、前記公証人端末から前記公証人のトランザクション署名を受信する通信部と、
前記受信したユーザーのトランザクション署名および前記公証人のトランザクション署名を検証し、検証された前記トランザクション署名を保存する署名管理部と、
前記トランザクションが実行されてスマートコントラクトブロックを生成するスマートコントラクトブロック管理部と、
前記スマートコントラクトブロックに基づいてトークンを生成するトークン生成部と、
前記トークン生成部が生成したトークンが保存されるように統合APIを通じて電子ウォレットと連動するウォレット連動部と、を備える、請求項2に記載のブロックチェーンに基づく証拠資料公証システム。
【請求項4】
前記公証サーバーは、
前記ユーザー端末から証拠資料の検索を要求されると、前記ブロックチェーンサーバーに対して、前記ユーザー署名を含む前記スマートコントラクトブロックが存在するか否かの確認を要求する、請求項3に記載のブロックチェーンに基づく証拠資料公証システム。
【請求項5】
前記公証サーバーは、
前記ブロックチェーンサーバーから、前記ユーザー署名を含む前記スマートコントラクトブロックが存在することを示す信号を受信すると、前記クラウド連動部から前記ユーザー端末に、前記クラウドに保存されているユーザーの公証済み証拠資料のハッシュ値を送信する、請求項4に記載のブロックチェーンに基づく証拠資料公証システム。
【請求項6】
前記ユーザー端末は、
証拠資料要求機関端末に前記公証済み証拠資料のハッシュ値を送信する、請求項5に記載のブロックチェーンに基づく証拠資料公証システム。
【請求項7】
ユーザーからの証拠資料に対する公証要求に応答して、前記証拠資料をブロックチェーンに基づいて公証するためのブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムの制御方法であって、
ユーザー端末が、前記公証要求に応じて前記証拠資料を送信する手順、
公証サーバーが、前記証拠資料を受信し、前記受信された証拠資料を暗号化して前記証拠資料に対するハッシュ値を生成する手順、前記生成されたハッシュ値を、前記ユーザー端末および前記証拠資料に対する公証を行う公証人端末側にそれぞれ送信する手順、
ブロックチェーンサーバーが、前記ハッシュ値に作成した署名を前記ユーザー端末および公証人端末側からそれぞれ受信し、前記署名が作成されたハッシュ値に基づいてスマートコントラクトブロックを生成する手順、
を含む、ブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムの制御方法。
【請求項8】
前記公証サーバーは、前記ユーザー端末から前記証拠資料を受信する手順、前記ユーザーの情報を管理し、前記証拠資料を暗号化してハッシュ値を生成する手順、前記証拠資料とハッシュ値とがマッチングされてクラウドストレージに保存されるように前記クラウドストレージと連動する手順、を含む請求項7に記載のブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムの制御方法。
【請求項9】
前記ブロックチェーンサーバーは、前記ユーザー端末からユーザーのトランザクション署名を受信する手順、前記公証人端末から前記公証人のトランザクション署名を受信する手順、前記受信したユーザーのトランザクション署名および前記公証人のトランザクション署名を検証し、検証された前記トランザクション署名を保存する手順、前記トランザクションが実行されてスマートコントラクトブロックを生成し、前記スマートコントラクトブロックに基づいてトークンを生成する手順、生成されたトークンが、統合APIを通じて連動する電子ウォレットに保存される手順、を含む請求項8に記載のブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムの制御方法。
【請求項10】
請求項7から9のいずれか一項に記載のブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムの制御方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムの制御方法、該方法を実行するための記録媒体及びシステムに関し、より詳細には、証拠資料を公証するブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムの制御方法、該方法を実行するための記録媒体及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公判中心主義裁判への変化により、捜査機関が収集したデジタル証拠の証拠能力は事件判決の重要な部分を占めており、デジタル証拠資料が捜査過程における核心的な役割を果たすため、信頼性確保の問題が浮上している。また、デジタル証拠が非可視であるため、証拠の同一性と完成性が重要であるという特徴がある。
【0003】
2009年にブロックチェーン(blockchain)に基づくビットコイン(bitcoin)が公開されて以来、ブロックチェーンは、ビットコインのような電子マネーシステムだけでなく、スマートコントラクトのためのプラットフォーム提供サービス、クラウドストレージサービス、ブロックチェーンコンピューティングサービスなど、様々な分野で適用されている。
【0004】
このようなブロックチェーンを構成する最も重要な要素である分散型台帳(Distributed Ledger)は、ブロックチェーンを非中央集権的なシステムとする核心技術であり、取引記録などのデータを保存するデータベースを中央集権的なサーバーが所有するのではなく、ブロックチェーンネットワークに参加するすべてのノードが同じ台帳を所有・管理することを意味する。
【0005】
ブロックチェーン技術は、IoT(Internet of Things)技術と組み合わせることで、全過程のモニタリングによる透明性を確保し、途中で問題が発生した場合、責任所在を明確に見極めることができるという利点がある。
【0006】
したがって、公証機関と連携し、公証済み証拠資料をブロックチェーン上に保存することで、証拠の信頼性と完全性を確保する、ブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】KR10-2016-0123752A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、公証機関サーバーにおいて証拠資料を公証することにより証拠資料の信頼性を確保し、公証済み証拠資料をブロックチェーンサーバーに保存することにより証拠資料の偽造を不可能とする、ブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムの制御方法、該方法を実行するための記録媒体及び装置を提供することである。
【0009】
ただし、本実施形態が達成しようとする技術的課題は、上記のような技術課題に限定されるものではなく、他の技術課題が存在してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面は、ユーザーからの証拠資料に対する公証要求に応答して、前記証拠資料をブロックチェーンに基づいて公証するためのブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムにおいて、前記公証要求に応じて前記証拠資料を送信するユーザー端末と、前記証拠資料を受信し、前記受信された証拠資料を暗号化して前記証拠資料に対するハッシュ値を生成し、前記生成されたハッシュ値を、前記ユーザー端末および前記証拠資料に対する公証を行う公証人端末側にそれぞれ送信する公証サーバーと、前記ハッシュ値に作成した署名を前記ユーザー端末および公証人端末側からそれぞれ受信し、前記署名が作成されたハッシュ値に基づいてスマートコントラクトブロックを生成するブロックチェーンサーバーと、を備えていてもよい。
【0011】
また、前記公証サーバーは、前記ユーザー端末から前記証拠資料を受信する通信部と、前記ユーザーの情報を管理する会員管理部と、前記証拠資料を暗号化してハッシュ値を生成する暗号化部と、前記証拠資料とハッシュ値とがマッチングされてクラウドストレージに保存されるように前記クラウドストレージと連動するクラウド連動部と、を備えていてもよい。
【0012】
さらに、前記ブロックチェーンサーバーは、前記ユーザー端末から前記ユーザーのトランザクション署名を受信し、前記公証人端末から前記公証人のトランザクション署名を受信する通信部と、前記受信したユーザーのトランザクション署名および前記公証人のトランザクション署名を検証し、検証された前記トランザクション署名を保存する署名管理部と、前記トランザクションが実行されてスマートコントラクトブロックを生成するスマートコントラクトブロック管理部と、前記スマートコントラクトブロックに基づいてトークンを生成するトークン生成部と、前記トークン生成部が生成したトークンが保存されるように統合APIを通じて電子ウォレットと連動するウォレット連動部と、を備えていてもよい。
【0013】
さらにまた、前記公証サーバーは、前記ユーザー端末から証拠資料の検索を要求されると、前記ブロックチェーンサーバーに対して、前記ユーザー署名を含む前記スマートコントラクトブロックが存在するか否かの確認を要求してもよい。
【0014】
さらにまた、前記公証サーバーは、前記ブロックチェーンサーバーから、前記ユーザー署名を含む前記スマートコントラクトブロックが存在することを示す信号を受信すると、前記クラウド連動部から前記ユーザー端末に、前記クラウドに保存されているユーザーの公証済み証拠資料のハッシュ値を送信してもよい。
【0015】
さらにまた、前記ユーザー端末は、証拠資料要求機関端末に前記公証済み証拠資料のハッシュ値を送信してもよい。
【0016】
本発明の他の一側面は、ユーザーからの証拠資料に対する公証要求に応答して、前記証拠資料をブロックチェーンに基づいて公証するためのブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムの制御方法において、ユーザー端末が、前記公証要求に応じて前記証拠資料を送信し、公証サーバーが、前記証拠資料を受信し、前記受信された証拠資料を暗号化して前記証拠資料に対するハッシュ値を生成し、前記生成されたハッシュ値を、前記ユーザー端末および前記証拠資料に対する公証を行う公証人端末側にそれぞれ送信し、ブロックチェーンサーバーが、前記ハッシュ値に作成した署名を前記ユーザー端末および公証人端末側からそれぞれ受信し、前記署名が作成されたハッシュ値に基づいてスマートコントラクトブロックを生成することを含んでいてもよい。
【0017】
また、前記公証サーバーは、前記ユーザー端末から前記証拠資料を受信し、前記ユーザーの情報を管理し、前記証拠資料を暗号化してハッシュ値を生成し、前記証拠資料とハッシュ値とがマッチングされてクラウドストレージに保存されるように前記クラウドストレージと連動してもよい。
【0018】
さらに、前記ブロックチェーンサーバーは、前記ユーザー端末からユーザーのトランザクション署名を受信し、前記公証人端末から前記公証人のトランザクション署名を受信し、前記受信したユーザーのトランザクション署名および前記公証人のトランザクション署名を検証し、検証された前記トランザクション署名を保存し、前記トランザクションが実行されてスマートコントラクトブロックを生成し、前記スマートコントラクトブロックに基づいてトークンを生成し、生成されたトークンが、統合APIを通じて連動する電子ウォレットに保存されてもよい。
【0019】
本発明のさらに他の一側面は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に、ブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムの制御方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録されてもよい。
【発明の効果】
【0020】
上述した本発明の一側面によれば、ブロックチェーンサーバーのノードに参加する公証機関サーバーを提供することにより、証拠資料を公証し、公証済み証拠資料をブロックチェーンサーバーに保存することにより、証拠資料の偽造防止及び完全性を証明することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態によるブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムを示す概念図である。
【
図3】ブロックチェーンサーバーを示す概念図である。
【
図4】スマートコントラクトブロックを示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムの制御方法を示す全体フローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態によるブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムの制御方法を示す全体フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
後述する本発明についての詳細な説明は、本発明が実施され得る特定の実施形態を例示的に示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することができるように十分に詳細に説明される。本発明の様々な実施形態は互いに異なるが、相互に排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、ここに記載されている特定の形状、構造および特性は、一実施形態に関連して、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、他の実施形態で実施することができる。また、各開示された実施形態内の個々の構成要素の位置または配置は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく変更することができることが理解されるべきである。したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味としてとらえることを意図するものではなく、本発明の範囲は、適切に説明されれば、それらの請求項が主張するものと同等のすべての範囲とともに、添付の特許請求項によってのみ限定される。図面において、類似の参照符号は、複数の側面にわたって同一または類似の機能を指す。
【0023】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態についてより詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態によるブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムを示す概念図である。
【0025】
ブロックチェーンに基づく証拠資料公証システム1は、証拠資料要求機関端末2、ユーザー端末3、公証サーバー4、公証人端末5、およびブロックチェーンサーバー6を備えていてもよい。
【0026】
ブロックチェーンに基づく証拠資料公証システム1は、ユーザーから受信した証拠資料を公証するシステムであってもよい。
【0027】
ユーザーは、証拠資料要求機関端末2から証拠資料の提出を要求されることがある。証拠資料要求機関端末2は、証拠資料を収集する捜査機関や裁判所であってもよい。ただし、これらに限定されるものではない。
【0028】
ユーザーは、ユーザー端末3を介して当該証拠資料を公証サーバー4に送信することができる。このとき、証拠資料は、犯罪の有無を判断するための写真、映像、テキストファイルで構成された証拠資料であってもよい。
【0029】
公証人端末5、ユーザー端末3及び証拠資料要求機関端末2は、パーソナルコミュニケーションシステム(PCS:Personal Communication System)、移動体通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile communications)、パーソナルデジタルセルラー(PDC:Personal Digital Cellular)、パーソナルハンディホンシステム(PHS:Personal Handyphone System)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:Personal Digital Assistant)、国際移動通信(IMT:International Mobile Telecommunication)-2000、コード分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)-2000、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA:W-Code Division Multiple Access)、ワイヤレスブロードバンド インターネット(Wibro:Wireless Broadband Internet)端末、スマートフォン(smartphone)、スマートパッド(smartpad)、タブレットPC(Tablet PC)などのあらゆる種類の携帯型(Handheld、手持ち型)無線通信装置及び据え置き型PC、ノートPCなどのコンピューティング装置であってもよい。
【0030】
このとき、公証サーバー4は、ブロックチェーンに基づく証拠資料公証システム1を実現するために設けられたプラットフォームであってもよい。ユーザーは、公証サーバー4を介して証拠資料の公証を要求してもよい。公証サーバー4は、ユーザー端末3を介して受信したファイルを公証のために公証人端末5に送信することができる。
【0031】
ユーザーは、公証サーバー4で公証済みの証拠資料を検索することができ、証拠資料を発給されて証拠資料要求機関端末2に送信することができる。
【0032】
ブロックチェーンに基づく証拠資料公証システム1を構成する各構成要素は、ネットワーク(network)を介して互いに接続されていてもよい。ネットワークとは、端末やサーバーなどの各ノード相互間で情報のやり取りが可能な接続構造をいい、例えば、このようなネットワーク(network)には、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)ネットワーク、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)ネットワーク、マイクロ波アクセスのための世界的相互運用性(WIMAX:World Interoperability for Microwave Access)ネットワーク、インターネット(Internet)、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless LAN:Wireless Local Area Network)、広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)、パーソナルエリアネットワーク(PAN:Personal Area Network)、ブルートゥース(Bluetooth)ネットワーク、衛星放送ネットワーク、アナログ放送ネットワーク、デジタルマルチメディア放送(DMB:Digital Multimedia Broadcasting)ネットワーク、WiFiなどが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0033】
ブロックチェーンサーバー6は、複数のノードで構されてもよい。ブロックチェーンサーバー6は、一つ以上の分散型台帳とチェーンコードが保存される少数のピア(peer)で構成されており、チェーンコードはCLIコマンドで実行され、クエリシステムチェーンコード(QSCC:Query System ChainCode)、エンドースメントシステムチェーンコード(ESCC:Endorsement System ChainCode)、検証システムチェーンコード(VSCC:Validation System ChainCode)、コンフィギュレーションシステムチェーンコード(CSCC:Configuration System ChainCode)及びライフサイクルシステムチェーンコード(LSCC:Lifecycle System ChainCode)などがある。QSCCはブロックチェーンに保存されたデータを読み込む際に使用されるチェーンコードであり、ESCCは保証ポリシーを担当するチェーンコードであり、VSCCはブロックを検証する際に使用されるチェーンコードである。また、CSCCはチャンネルを設定する際に使用されるチェーンコードであり、LSCCはチェーンコードのインストールからインスタンス化までの全ての一連の過程を行う際に使用されるチェーンコードである。
【0034】
このようなブロックチェーンサーバー6では、信頼できる機関によるサーバーがファブリックネットワークを構成し、管理者のネットワーク設定変更権限によって、チャンネルに参加したい少数のノードと公証サーバー4がピア(peer)を生成することになる。ここで、各ピアには台帳が保存されており、各ピアにチェーンコードをインストールし、そのインターフェースを他のピアに通知するインスタンス過程の後、チェーンコードのクエリ関数の呼び出し(invoke)が可能になる。このような構造により、ブロックチェーンサーバー6は、信頼できる公証サーバー4がノードとして参加することで、少数のピアの台帳を証明する役割を果たすことができる。
【0035】
公証人端末5、公証サーバー4、証拠資料要求機関端末2及びユーザー端末3は、ブロックチェーンサーバー6の複数のノードの一つとして参加し、データの送受信を行うことができる。
【0036】
【0037】
公証サーバー4は、通信部10および制御部20を備えていてもよく、制御部20は、会員管理部21、暗号化部22及びクラウド連動部23を備えていてもよい。
【0038】
ユーザーは、ユーザー端末3を用いて公証サーバー4に接続することができる。ユーザーは、公証サーバー4において会員登録手続きを行うことで、固有IDを生成することができる。ユーザー端末3に搭載された認証装置によるユーザー認証を行うことで、会員登録手続きを行うことができる。このとき、ユーザー認証は、ユーザーの個人情報、ID情報、顔認証情報、虹彩情報または指紋情報であってもよい。ただし、これに限定されるものではない。
【0039】
会員管理部21は、ユーザーの情報を保存して管理することができる。ユーザーの情報は、ユーザーの個人情報、ID情報、顔認識情報、虹彩情報または指紋情報であってもよい。
【0040】
通信部10は、ユーザー端末3から証拠資料を受信してもよい。このとき、証拠資料は、ユーザー端末3から撮影された画像ファイル、音声ファイル、テキストファイル、映像ファイルであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0041】
暗号化部22は、ユーザー端末3から受信した証拠資料のファイルを暗号化して、ファイルのソースコードのハッシュ値を生成してもよい。
【0042】
クラウド連動部23は、証拠資料のファイルと生成されたハッシュ値とをマッチングさせてクラウドストレージに保存させるために、クラウドと公証サーバー4との間の通信を通じて連動することができる。
【0043】
クラウドとは、データ、ソフトウェアおよび様々なコンピュータリソースなどが保存されるストレージのことで、ユーザーが所有するハードウェアに置くことなく、インターネットを通じてアクセスできるストレージを意味する。
【0044】
ここで、公証サーバー4は、当該証拠資料が真実であるか否かを公証するために、証拠資料のハッシュ値を公証人端末5に送信することができる。
【0045】
図3は、ブロックチェーンサーバーを示す概念図である。
【0046】
ブロックチェーンサーバー6は、複数のノードとして提供され、当該ノードは、通信部30、署名管理部41、スマートコントラクトブロック管理部42及びウォレット連動部44を備えていてもよい。
【0047】
通信部30は、ユーザー端末3からユーザーのトランザクション署名原本、公開鍵、電子署名を受信することができる。
【0048】
ここで、署名管理部41は、受信したユーザーのトランザクション署名原本と公証人のトランザクション署名原本を検証し、検証されたトランザクション署名原本を保存することができる。署名管理部41は、公開鍵を用いてトランザクション署名原本を検証することができる。すなわち、ユーザー端末3から受信したユーザーの公開鍵で電子署名を復号化し、トランザクション署名原本をハッシュ化して得られたハッシュ値と比較して、当該電子署名が偽造されていないことを確認することにより、トランザクション署名原本を検証することができる。
【0049】
万が一、復号化された電子署名とハッシュ値が一致しない場合には、トランザクション署名原本が偽造されたと判断し、通信部30は、ユーザー端末3に電子署名を要求することができる。
【0050】
通信部30は、公証人端末5から公証人のトランザクション署名原本、公開鍵、電子署名を受信することができる。このとき、公開鍵を用いてトランザクション署名原本を検証することができる。すなわち、公証人端末5から受信した公証人の公開鍵で電子署名を復号化し、トランザクション署名原本をハッシュ化して得られたハッシュ値と比較して、当該電子署名が偽造されていないことを確認することにより、トランザクション署名原本を検証することができる。
【0051】
万が一、復号化された電子署名とハッシュ値が一致しない場合には、トランザクション署名原本が偽造されたと判断し、通信部30は、公証人端末5に電子署名を要求することができる。
【0052】
スマートコントラクトブロック管理部42は、ユーザー及び公証人のトランザクション署名原本が偽造されていないことが検証された場合に、トランザクションが実行されてスマートコントラクトブロックを生成することができる。スマートコントラクトブロックに保存された情報については、
図4で詳しく後述する。
【0053】
トークン生成部43は、スマートコントラクトブロックに基づいてトークンを生成することができる。このとき、トークンは、代替可能な(Fungible)トークンと代替不可能な(Non-Fungible)トークンとに分類され得る。代替可能なトークンは、同種の他のトークンと交換可能であり、代替不可能なトークンは、同種の他のトークンと交換不可能であるという特徴がある。本発明のトークンは、ブロックチェーンネットワークのERC-721規格、ERC-1155規格の代替不可能なトークン(NFT:Non Fungible Token)で構成されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0054】
ウォレット連動部44は、トークン生成部43が生成したトークンが保存されるように統合APIを通じて電子ウォレットと連動することができる。電子ウォレットは、販売者の署名がスマートコントラクトブロックに記録されている場合、販売者固有のトランザクションに該当する一つの個人用オンライン電子ウォレットが自動的に生成され得る。電子ウォレットは、トークンを保存したり引き出したりするために、販売者固有の個人銀行口座として機能する電子銀行口座のように作動することができる。このとき、電子ウォレットは、統合APIが提供され、METAMASK、Klay、MyCryptoなどのWebウォレットアプリケーションと連動することができる。
【0055】
図4は、スマートコントラクトブロックを示す図である。
【0056】
スマートコントラクトブロックは、公証サーバー4に加入しているユーザーのID、ハッシュ値であるURLアドレス、ファイルの生成日時、ファイルのサイズ、ファイルの拡張子、ユーザーのウォレットアドレス、及びユーザーと公証人のトランザクション署名原本情報を含んでいてもよい。
【0057】
スマートコントラクトブロックは複数であり、ブロックチェーンサーバー6に生成され得る。ユーザーがユーザー端末3を通じて公証を要求した証拠資料が複数存在する場合、証拠資料ごとにスマートコントラクトブロックが生成されてもよい。
【0058】
図5は、本発明の一実施形態によるブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムの制御方法を示す全体フローチャートである。
【0059】
本発明の一実施形態によるブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムの制御方法は、
図1に示すブロックチェーンに基づく証拠資料公証システム1と実質的に同一の構成で行われるので、
図1のブロックチェーンに基づく証拠資料公証システム1と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
【0060】
ユーザー端末3は、公証サーバー4に対して会員登録を要求することができ、会員登録のための認証手続きが行われると、ユーザー情報が公証サーバー4に保存されるようにしてもよい。
【0061】
ユーザー端末3は、端末に設けられたカメラ装置により写真を撮影し、写真ファイルを公証サーバー4に送信することができる。このとき、
図5には示していないが、ファイルは、動画ファイル、音声ファイル及びテキストファイルであってもよく、ファイルの種類は限定されない。
【0062】
公証サーバー4は、ユーザー端末3から受信したファイルを暗号化してハッシュ値を生成することができ、クラウドと連動して、ファイルとハッシュ値とをマッチングしてクラウドに保存することができる。
【0063】
公証サーバー4は、ハッシュ値をユーザー端末3及び公証人端末5に送信することができる。公証人端末5は、ハッシュ値を受信することにより当該証拠資料を公証することができる。
【0064】
公証人端末5は、トランザクションに対する署名原本、公開鍵、電子署名をブロックチェーンサーバー6に送信し、ユーザー端末3は、トランザクションに対する署名原本、公開鍵、電子署名をブロックチェーンサーバー6に送信することができる。
【0065】
ここで、ブロックチェーンサーバー6は、受信したユーザーのトランザクション署名原本と公証人のトランザクション署名原本を検証し、検証されたトランザクション署名原本を保存することができる。トランザクション署名を検証するとは、公開鍵を用いてトランザクション署名原本を検証することを意味し得る。すなわち、ユーザー端末3から受信したユーザーの公開鍵および公証人端末5から受信した公証人の公開鍵により、ユーザー及び公証人のそれぞれの電子署名を復号化し、トランザクション署名原本をハッシュ化して得られたハッシュ値と比較して、当該電子署名が偽造されていないことを確認することにより、トランザクション署名原本を検証することができる。
【0066】
トランザクション署名原本が有効であることが検証された場合には、ブロックチェーンサーバー6にユーザーのトランザクション署名原本と公証人のトランザクション署名原本が保存され得る。
【0067】
ブロックチェーンサーバー6は、使用者と公証人のトランザクション署名原本が偽造されていないことが検証されると、トランザクションが実行されてスマートコントラクトブロックを生成することができる。また、ブロックチェーンサーバー6はスマートコントラクトブロックに基づいてトークンを生成することができ、ブロックチェーンサーバー6と連動するウォレットに当該トークンが保存され得る。
【0068】
図6は、本発明の一実施形態によるブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムの制御方法を示す全体フローチャートである。
【0069】
公証人により既に公証され、公証サーバー4と連動するクラウドストレージに保存されたユーザーの証拠資料を、証拠資料要求機関端末2に提出することができる。
【0070】
図6を参照すると、ユーザー端末3は、証拠資料要求機関端末2から証拠資料提出要求信号を受信することができる。このとき、ユーザーは、会員登録された公証サーバー4にユーザー認証情報によりログインすることができる。
【0071】
ユーザーが公証サーバー4にログインすると、会員管理部21に保存されているユーザー情報とユーザー認証情報とが一致するか否かを確認し、一致すればユーザーのログインを受け付けることができる。
【0072】
ユーザーは、公証サーバー4に対して、公証済み証拠資料の検索を要求することができる。このとき、公証サーバー4は、ブロックチェーンサーバー6に対して、ユーザーのトランザクション署名原本を含むスマートコントラクトブロックの存在の有無について照会を要求することができ、ブロックチェーンサーバー6から照会結果を受信することができる。当該スマートコントラクトブロックにユーザーのトランザクション署名原本を含むスマートコントラクトブロックが存在するという結果を受信すると、公証サーバー4は、クラウドストレージに保存されているユーザーの公証済み証拠資料のリストを検索することができる。
【0073】
このとき、ユーザーの公証済み証拠資料が複数ある場合には、公証サーバー4は、ユーザー端末3に対して、証拠資料の選択を要求する信号を送信することができ、ユーザーはユーザー端末3を通じて証拠資料を選択することができる。このとき、ユーザーは、複数の証拠資料を選択することもできる。
【0074】
公証サーバー4は、当該証拠資料のハッシュ値をユーザー端末3に送信することができ、ユーザー端末3は、当該証拠資料のハッシュ値を証拠資料要求機関端末2に送信して証拠資料を提出することができる。
【0075】
図6には示していないが、公証サーバー4は、証拠資料の発給方式を選択するための信号をユーザー端末3に送信することができる。証拠資料の発給方式は、ブロックチェーンサーバー6が生成したトークンによるものであってもよいし、または公証済みファイルのハッシュ値によるものであってもよい。
【0076】
ユーザーがトークンによる証拠資料の発給方式を選択すると、公証サーバー4の通信部10は、該当信号をブロックチェーンサーバー6の通信部30に送信することができる。
【0077】
このとき、ユーザーの電子ウォレットに保存されているトークンを、証拠資料要求機関端末2の電子ウォレットアドレスに送信することができる。
【0078】
このような、ブロックチェーンに基づく証拠資料公証システムの制御方法は、アプリケーションで実現されたり、または様々なコンピュータ構成要素により実行可能なプログラム命令語の形態で実現されたりして、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され得る。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、プログラム命令語、データファイル、データ構造などを単独または組み合わせて含むことができる。コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されるプログラム命令語は、本発明のために特別に設計されて構成されたものであってもよいし、コンピュータソフトウェア分野の当業者に公知で使用可能なものであってもよい。
【0079】
コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープなどの磁気媒体、CD-ROM、DVDなどの光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)などの磁気-光媒体(magneto-optical media)、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどの、プログラム命令語を格納し実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。
【0080】
プログラム命令語の例には、コンパイラにより作られるもののような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを使用してコンピュータによって実行され得る高度な言語コードも含まれる。ハードウェア装置は、本発明による処理を実行するために、1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成されてもよく、その逆も同様である。
【0081】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の思想は、本明細書に示される実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想を理解する当業者は、同一思想の範囲内において、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって、他の実施形態を容易に提案することができ、それらも本発明の思想範囲内に属すると理解すべきである。
【符号の説明】
【0082】
1 ブロックチェーンに基づく証拠資料公証システム
2 証拠資料要求機関端末
3 ユーザー端末
4 公証サーバー
5 公証人端末
6 ブロックチェーンサーバー
10 公証サーバーの通信部
20 公証サーバーの制御部
21 会員管理部
22 暗号化部
23 クラウド連動部
30 ブロックチェーンサーバーの通信部
40 ブロックチェーンサーバーの制御部
41 署名管理部
42 スマートコントラクトブロック管理部
43 トークン生成部
44 ウォレット連動部
【国際調査報告】