(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】運動中の心拍数を測定するための技術
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0245 20060101AFI20241029BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20241029BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
A61B5/0245 200
A61B5/02 C
A61B5/02 310A
A61B5/11 230
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522062
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-06-10
(86)【国際出願番号】 US2022045239
(87)【国際公開番号】W WO2023064114
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522496220
【氏名又は名称】オーラ ヘルス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ザン,シー
(72)【発明者】
【氏名】リ,ロニー
(72)【発明者】
【氏名】ランタネン,アンティ アレクシ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァリウス,テロ ユハニ
(72)【発明者】
【氏名】ヤーヴェラー,ユシ ペッテリ
(72)【発明者】
【氏名】フォー,ゲラルト
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA09
4C017AA12
4C017AA14
4C017AA16
4C017AB03
4C017AC28
4C017BC14
4C017BC21
4C017FF15
4C038VA04
4C038VB13
4C038VC20
(57)【要約】
心拍数検出のための方法、システム、及び装置が記載される。ユーザの心拍数を測定するための方法は、ユーザに関連付けられた生理学的データを受信することであって、生理学的データは、ユーザに関連付けられたウェアラブルデバイスを介して、第1の時間間隔にわたって収集された光電脈波法(PPG)データ及び動きデータを含んでもよい、ことを含んでもよい。本方法は、PPGデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内の候補心拍数測定値のセットを判定することと、受信した動きデータに基づいて、候補心拍数測定値のセットから第1の心拍数測定値を選択することと、選択された第1の心拍数測定値に基づいて、第1の時間間隔内のユーザの第1の心拍数を判定することと、を含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの心拍数を測定するための方法であって、
前記ユーザに関連付けられた生理学的データを受信することであって、前記生理学的データは、前記ユーザに関連付けられたウェアラブルデバイスを介して、第1の時間間隔にわたって収集された光電脈波法(PPG)データ及び動きデータを含む、ことと、
前記PPGデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の時間間隔内の候補心拍数測定値のセットを判定することと、
前記受信した動きデータに少なくとも部分的に基づいて、前記候補心拍数測定値のセットから第1の心拍数測定値を選択することと、
前記選択された第1の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の時間間隔内の前記ユーザの第1の心拍数を判定することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記PPGデータ及び前記動きデータを機械学習モデルに入力することをさらに含み、前記第1の心拍数測定値を選択すること、前記第1の心拍数を判定すること、又はその両方は、前記PPGデータ及び前記動きデータを前記機械学習モデルに入力することに少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記候補心拍数測定値のセットと前記動きデータとの間のデータ傾向の比較に少なくとも部分的に基づいて、前記候補心拍数測定値のセットから1つ以上の心拍数測定値を動きアーチファクトとして識別することと、
動きアーチファクトとして識別された前記1つ以上の心拍数測定値を含まない前記候補心拍数測定値のセットのサブセットから前記第1の心拍数測定値を選択することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の心拍数測定値を動きアーチファクトとして識別することは、
前記動きデータに対して類似の周波数パターンを呈する前記1つ以上の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記候補心拍数測定値のセットから前記1つ以上の心拍数測定値を動きアーチファクトとして識別することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザに関連付けられた追加の生理学的データを受信することであって、前記追加の生理学的データは、前記ウェアラブルデバイスを介して、第2の時間間隔にわたって収集された追加のPPGデータ及び追加の動きデータを含み、前記第2の時間間隔は、前記第1の時間間隔の後である、ことと、
前記追加のPPGデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の時間間隔内の候補心拍数測定値の追加のセットを判定することと、
前記受信した追加の動きデータに少なくとも部分的に基づいて、前記候補心拍数測定値の追加のセットから第2の心拍数測定値を選択することと、
前記選択された第2の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の時間間隔内の前記ユーザの第2の心拍数を判定することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の時間間隔に対する前記第1の心拍数測定値と、前記第2の時間間隔に対する前記第2の心拍数測定値との間を補間することであって、前記第1の時間間隔内の前記ユーザの前記第1の心拍数を判定すること、前記第2の時間間隔内の前記ユーザの前記第2の心拍数を判定すること、又はその両方は、前記補間に少なくとも部分的に基づく、ことをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記補間は、前記第1の時間間隔にわたって収集された前記動きデータの強度、前記第2の時間間隔にわたって収集された前記追加の動きデータの強度、又はその両方に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の時間間隔に対する前記第1の心拍数測定値と、前記第2の時間間隔に対する前記第2の心拍数測定値との間を補間することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記PPGデータは、PPGセンサの複数のペアから取得された複数のPPG信号を含み、PPGセンサの各ペアは、少なくとも1つの発光ダイオードと少なくとも1つの光検出器とを含み、前記方法は、
1つ以上の数学的演算を使用して前記複数のPPG信号を組み合わせて複合PPG信号を生成することであって、前記1つ以上の数学的演算は、平均化演算、加重平均化演算、又はその両方を含み、前記候補心拍数測定値のセットの判定は、前記複合PPG信号に少なくとも部分的に基づく、ことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記動きデータは、第1の方向に関する第1の加速度データと、第2の方向に関する第2の加速度データと、第3の方向に関する第3の加速度データと、を含み、前記方法は、
前記第1の加速度データ、前記第2の加速度データ、又は前記第3の加速度データの1つ以上の特性に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の数学的演算を使用して、前記第1の加速度データ、前記第2の加速度データ、前記第3の加速度データ、又はそれらの任意の組み合わせを組み合わせることであって、前記候補心拍数測定値のセットからの前記第1の心拍数測定値の選択は、前記第1の加速度データ、前記第2の加速度データ、前記第3の加速度データ、又はそれらの任意の組み合わせを組み合わせることに少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記候補心拍数測定値のセットを判定することは、
人間の心拍数の予想範囲に対応する周波数範囲内で前記候補心拍数測定値のセットを判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザに関連付けられたユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、前記第1の心拍数の指標を表示させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて前記ユーザから前記生理学的データを収集する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ユーザの心拍数を測定するための装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
前記メモリに記憶された命令と、を含み、前記命令は、前記装置に、
前記ユーザに関連付けられた生理学的データを受信することであって、前記生理学的データは、前記ユーザに関連付けられたウェアラブルデバイスを介して、第1の時間間隔にわたって収集された光電脈波法(PPG)データ及び動きデータを含む、ことと、
前記PPGデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の時間間隔内の候補心拍数測定値のセットを判定することと、
前記受信した動きデータに少なくとも部分的に基づいて、前記候補心拍数測定値のセットから第1の心拍数測定値を選択することと、
前記選択された第1の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の時間間隔内の前記ユーザの第1の心拍数を判定することと、を行わせるように前記プロセッサによって実行可能である、装置。
【請求項15】
前記命令は、前記装置に、
前記候補心拍数測定値のセットと前記動きデータとの間のデータ傾向の比較に少なくとも部分的に基づいて、前記候補心拍数測定値のセットから1つ以上の心拍数測定値を動きアーチファクトとして識別することと、
動きアーチファクトとして識別された前記1つ以上の心拍数測定値を含まない前記候補心拍数測定値のセットのサブセットから前記第1の心拍数測定値を選択することと、を行わせるように前記プロセッサによってさらに実行可能である、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記1つ以上の心拍数測定値を動きアーチファクトとして識別する前記命令は、前記装置に、
前記動きデータに対して類似の周波数パターンを呈する前記1つ以上の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記候補心拍数測定値のセットから前記1つ以上の心拍数測定値を動きアーチファクトとして識別することを行わせるように前記プロセッサによって実行可能である、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記命令は、*前記装置に、
前記ユーザに関連付けられた追加の生理学的データを受信することであって、前記追加の生理学的データは、前記ウェアラブルデバイスを介して、第2の時間間隔にわたって収集された追加のPPGデータ及び追加の動きデータを含み、前記第2の時間間隔は、前記第1の時間間隔の後である、ことと、
前記追加のPPGデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の時間間隔内の候補心拍数測定値の追加のセットを判定することと、
前記受信した追加の動きデータに少なくとも部分的に基づいて、前記候補心拍数測定値の追加のセットから第2の心拍数測定値を選択することと、
前記選択された第2の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の時間間隔内の前記ユーザの第2の心拍数を判定することと、を行わせるように前記プロセッサによってさらに実行可能である、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記命令は、前記装置に、
前記第1の時間間隔に対する前記第1の心拍数測定値と、前記第2の時間間隔に対する前記第2の心拍数測定値との間を補間することであって、前記第1の時間間隔内の前記ユーザの前記第1の心拍数を判定すること、前記第2の時間間隔内の前記ユーザの前記第2の心拍数を判定すること、又はその両方は、前記補間に少なくとも部分的に基づく、ことを行わせるように前記プロセッサによってさらに実行可能である、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記命令は、前記装置に、
前記第1の時間間隔にわたって収集された前記動きデータの強度、前記第2の時間間隔にわたって収集された前記追加の動きデータの強度、又はその両方に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の時間間隔に対する前記第1の心拍数測定値と、前記第2の時間間隔に対する前記第2の心拍数測定値との間を補間することを行わせるように前記プロセッサによってさらに実行可能である、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記PPGデータは、PPGセンサの複数のペアから取得された複数のPPG信号を含み、前記命令は、前記装置に、
1つ以上の数学的演算を使用して前記複数のPPG信号を組み合わせて複合PPG信号を生成することであって、前記1つ以上の数学的演算は、平均化演算、加重平均化演算、又はその両方を含み、前記候補心拍数測定値のセットの判定は、前記複合PPG信号に少なくとも部分的に基づく、ことを行わせるように前記プロセッサによってさらに実行可能である、請求項14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2021年10月21日に出願された「TECHNIQUES FOR MEASURING HEART RATE DURING EXERCISE」と題するZHANGらによる米国仮特許出願63/254,849号の利益を主張する、2022年9月28日に出願された「TECHNIQUES FOR MEASURING HEART RATE DURING EXERCISE」と題するZHANGらによる、本譲受人に譲渡されている米国非仮特許出願第17/954,546号の利益を主張し、同出願は、本明細書に参照により明示的に組み込まれる。
【0002】
以下、運動中の心拍数を測定するための技術を含む、ウェアラブルデバイス及びデータ処理に関する。
【背景技術】
【0003】
いくつかのウェアラブルデバイスは、動きデータ、温度データ、光電脈波法(photoplethysmogram、PPG)データなど、ユーザの心拍数に関連するデータをユーザから収集するように構成されることがある。場合によっては、いくつかのウェアラブルデバイスは、ユーザが運動しているか、又は別様に移動している間などに、ユーザの心拍数データを正確に判定することができないことがある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートするシステムの一例を図示する。
【0005】
【
図2】本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートするシステムの一例を図示する。
【0006】
【
図3】本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートする心拍数判定手順の一例を図示する。
【0007】
【
図4】本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートする心拍数判定手順の一例を図示する。
【0008】
【
図5】本開示の態様よる、心拍数を測定するための技術をサポートするグラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)の一例を図示する。
【0009】
【
図6】本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートする装置のブロック図を示す。
【0010】
【
図7】本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートするウェアラブルアプリケーションのブロック図を示す。
【0011】
【
図8】本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートするデバイスを含むシステムの図を示す。
【0012】
【
図9】本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートする方法を図示するフローチャートである。
【
図10】本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートする方法を図示するフローチャートである。
【
図11】本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートする方法を図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ユーザは、デバイス(例えば、ウェアラブルデバイス)を使用して、心拍数などのユーザの生理学的測定値を判定してもよい。いくつかのウェアラブルデバイスは、光電脈波法(photoplethysmogram、PPG)データを使用して、経時的にユーザの心拍数を判定してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイス内のPPGセンサ(例えば、赤外線PPGセンサ、赤外線発光ダイオード(LED))を介して、血液脈拍量の変化を検出することによって、ユーザの心拍数を測定してもよい。ユーザの心臓が鼓動するたびに、血液はユーザの手と指に位置する動脈に送り出される。PPGセンサは、光反射と吸収を使用して、血流と血液量のこれらの変化を検出することができる。各脈拍は、ユーザの指の動脈を膨張と収縮の間で交互に生じる。使用者の皮膚、特に指の皮膚に光を当てることによって、血液によって吸収され、動脈内の赤血球の揺らぎ体積から反射された光の変化が測定される。ここから、PPGは、ユーザの心臓の活動(例えば、心拍数)を表す視覚的波形を介して、これらの血流変化を表すことができる。
【0014】
心拍数は、ユーザによって行われる活動(例えば、コップ1杯の水を飲む、立ち上がる、テレビを見る、運動する)に基づいて変化しやすい敏感なメトリックである。特定の活動は、心拍数のスパイク又はディップをもたらすことがあり、そのような変動は、データにおける「ノイズ」と呼ばれることがある。加えて、いくつかの活動は、心拍数信号として誤って解釈され得るPPG信号を生成することがある。例えば、ランニング、ジャンプなどの運動は、動きアーティファクト(例えば、誤ったPPG信号)が生じることがある。PPGセンサの光学的性質は、PPG測定値を、デバイスと皮膚との間の可変的かつ不連続な接触による動きアーチファクトの影響を受けやすくすることがある。動きアーチファクトは、典型的には、運動の動きによって誘発される血流速度の変化、又はPPGセンサとユーザの皮膚との間の相対的な移動によって生じる。例えば、いくつかの動き(例えば、ランニング)は、ウェアラブルデバイス(例えば、ウェアラブルデバイスのセンサ)と、ウェアラブルデバイスが配置されるユーザの部分との間に周期的な圧力をもたらすことがあり、それ自体、血管に周期的な圧力を加えることがある。周期的な動きによって生じる周期的な圧力は、血管を周期的に収縮させ、拡張させることがある。したがって、ウェアラブルデバイスは、このような血管の収縮及び拡張が、ユーザの心拍数に起因せず、ユーザの動きに起因したものであるため、血管の収縮及び拡張を人工PPG信号として検出してもよい。動きに起因するこのような人工PPG信号は、「動きアーチファクト」と呼ばれることがある。
【0015】
このように、運動又は他の動き中に心拍数を測定することの困難性に起因して、いくつかの従来のウェアラブルデバイスは、1日を通して及び/又は動きの期間中にユーザの心拍数を正確に追跡しないか、又は全く追跡しないことがある。このような場合、ウェアラブルデバイスは、ユーザの心拍数の限定された描写のみを提供し、したがって、ユーザの全体的な健康の限定された描写を提供してもよい。加えて、心拍数が運動中の努力及び強度の指標を提供することがあるので、心拍数は運動中のユーザにとって貴重なツールとなることがある。例えば、ユーザは、運動中に心拍数を利用して、ワークアウトの強度を上げるか下げるかを判定してもよい。したがって、運動中などの活動期間中にユーザの心拍数を正確に判定するための技術を実装することが有益であり得る。本明細書に記載されるウェアラブルデバイスは、心臓データを検出し、データに影響を与える動きアーチファクトからユーザの実際の心拍数データを区別するための手順を用いて構成されてもよい。
【0016】
したがって、本開示の態様は、動き及び他のノイズの影響を受けにくいような方式でユーザの心拍数を測定するための技術に関する。心拍数を判定するための手順は、ユーザに関連付けられた生理学的データを受信することであって、生理学的データは、ユーザに関連付けられたウェアラブルデバイスを介して、第1の時間間隔にわたって収集されたPPGデータ及び動きデータ(例えば、加速度データ)を含んでもよい。場合によっては、動きデータは、加速度データを参照してもよく、ユーザの動きの期間を判定するために使用されてもよい。本方法は、PPGデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内の候補心拍数測定値のセットを判定することを含んでもよい。候補心拍数測定値のセットは、人工心拍数測定値(例えば、周期的な動き又は他の活動に起因し得る心拍数測定値)を含んでもよい。したがって、本方法は、受信した動きデータに基づいて、候補心拍数測定値のセットから第1の心拍数測定値を選択することを含んでもよい。例えば、候補心拍数測定値のセットは、動きと相関する候補心拍数測定値を判定するために動きデータと比較されてもよい。したがって、動きに起因しない心拍数データが選択されてもよい。本方法を使用して、選択された第1の心拍数測定値に基づいて、第1の時間間隔内のユーザの第1の心拍数を判定してもよい。
【0017】
いくつかの実装では、機械学習モデル又はアルゴリズム(例えば、ヒューリスティックベースのモデル、ディープラーニングモデル、回帰ベースのモデル)を使用して、ユーザの心拍数測定値を判定してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、ユーザに関連付けられたPPGデータ及び動きデータを獲得してもよい。獲得されたPPG及び動きデータは、ユーザの判定又は推定された心拍数を出力するように構成された機械学習モデルに入力されてもよい。例えば、機械学習モデルは、動きアーチファクトに起因する候補心拍数測定値と、ユーザの実際の心拍数を示す候補心拍数測定値とを区別するように構成されてもよい。このような場合、機械学習モデルは、候補心拍数測定値を選択し(例えば、識別し、推定し)、選択/推定された候補心拍数測定値に基づいて、ユーザの心拍数を判定するように構成されてもよい。別の例として、機械学習モデルは、受信したPPGデータ及び動きデータ内の時間領域及び/又は周波数領域の特徴(候補心拍数測定値を識別するために使用されてもよい)を識別するように構成されてもよく、識別された特徴に基づいて、ユーザの心拍数を判定又は推定するように構成されてもよい。
【0018】
本明細書に記載される手順は、運動中の心拍数を判定することに限定されない。場合によっては、本明細書に記載される手順を利用して、常時、又は活動レベルに関係なく心拍数を検出してもよく、そのため、ウェアラブルデバイスは、休息、活動、運動、睡眠などの期間中に記載の技術を利用してもよい。したがって、本明細書に記載される主題の特定の態様は、1つ以上の利点を実現するために実装されてもよい。記載される技術は、休息、活動、運動、睡眠などの期間中に包括的な心拍数データをユーザに提供するために、ユーザの心拍数データを検出し、判定する際の改善をサポートすることができる。
【0019】
開示の態様は、最初に、ウェアラブルデバイスを介してユーザからの生理学的データ収集をサポートするシステムとの関連で記載される。本開示の追加の態様は、追加的に、例示的な心拍数判定手順及び例示的なグラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)との関連で記載される。本開示の態様は、運動中に心拍数を測定するための技術に関する装置図、システム図、及びフローチャートによってさらに図示され、それらを参照して記載される。
【0020】
図1は、本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートするシステムの一例を図示する。システム100は、1人以上のユーザ102によって装着及び/又は操作され得る複数の電子デバイス(例えば、ウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)を含む。システム100は、さらに、ネットワーク108と、1つ以上のサーバ110とを含む。
【0021】
電子デバイスは、ウェアラブルデバイス104(例えば、リングウェアラブルデバイス、腕時計ウェアラブルデバイスなど)、ユーザデバイス106(例えば、スマートフォン、ラップトップ、タブレット)を含む、当技術分野で知られている任意の電子デバイスを含んでもよい。それぞれのユーザ102に関連付けられた電子デバイスは、以下の機能、すなわち、1)生理学的データを測定すること、2)測定されたデータを記憶すること、3)データを処理すること、4)処理されたデータに基づいて出力を(例えば、GUIを介して)ユーザ102に提供すること、及び5)互いに及び/又は他のコンピューティングデバイスとデータを通信すること、のうちの1つ以上を含んでもよい。異なる電子デバイスは、1つ以上の機能を行ってもよい。
【0022】
例示的なウェアラブルデバイス104は、ユーザ102の指に装着されるように構成されたリングコンピューティングデバイス(以下、「リング」という)、ユーザ102の手首に装着されるように構成された手首コンピューティングデバイス(例えば、スマートウォッチ、フィットネスバンド、又はブレスレット)、及び/又は頭部マウントコンピューティングデバイス(例えば、眼鏡/ゴーグル)などのウェアラブルコンピューティングデバイスを含んでもよい。ウェアラブルデバイス104は、バンド、ストラップ(例えば、可撓性又は非可撓性のバンド又はストラップ)、スティックオンセンサなども含んでもよく、これらは、頭(例えば、額ヘッドバンド)、腕(例えば、前腕バンド及び/又は上腕バンド)、及び/又は脚(例えば、大腿又はふくらはぎバンド)の周りのバンド、耳の後ろ、わきの下などの他の場所に配置されてもよい。また、ウェアラブルデバイス104は、衣類に取り付けられてもよいし、これに含まれてもよい。例えば、ウェアラブルデバイス104は、衣服のポケット及び/又はポーチに含まれてもよい。別の例として、ウェアラブルデバイス104は、衣服にクリップ留め及び/又はピン留めされてもよいし、別様にユーザ102の近傍に維持されてもよい。例示的な衣類は、帽子、シャツ、手袋、パンツ、靴下、上着(例えば、ジャケット)、及び下着を含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの形態では、ウェアラブルデバイス104は、身体活動中に使用されるトレーニング/スポーツデバイスなどの他のタイプのデバイスと共に含まれてもよい。例えば、ウェアラブルデバイス104は、自転車、スキー、テニスラケット、ゴルフクラブ、及び/又はトレーニングウェイトに取り付けられるか、又はこれらに含まれてもよい。
【0023】
本開示の多くは、リングウェアラブルデバイス104に関連して記載されてもよい。したがって、「リング104」、「ウェアラブルデバイス104」、及び同様の用語は、本明細書で特に明記しない限り、交換可能に使用されてもよい。しかし、「リング104」という用語の使用は、本開示の態様が他のウェアラブルデバイス(例えば、腕時計ウェアラブルデバイス、ネックレスウェアラブルデバイス、ブレスレットウェアラブルデバイス、イヤリングウェアラブルデバイス、アンクレットウェアラブルデバイスなど)を使用して行われ得ることが本明細書において企図されるので、限定的なものと見なされるべきではない。
【0024】
いくつかの態様では、ユーザデバイス106は、スマートフォン及びタブレットコンピューティングデバイスなどのハンドヘルドモバイルコンピューティングデバイスを含んでもよい。ユーザデバイス106はまた、ラップトップ及びデスクトップコンピューティングデバイスなどのパーソナルコンピュータを含んでもよい。他の例示的なユーザデバイス106は、他の電子デバイスと(例えば、インターネットを介して)通信し得るサーバコンピューティングデバイスを含んでもよい。いくつかの実装では、コンピューティングデバイスは、外部ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えば、ホルターモニタ)などの医療デバイスを含んでもよい。医療デバイスはまた、ペースメーカー及び除細動器などの植え込み可能な医療デバイスを含んでもよい。他の例示的なユーザデバイス106は、モノのインターネット(internet of things、IoT)デバイス(例えば、IoTデバイス)、スマートテレビ、スマートスピーカ、スマートディスプレイ(例えば、ビデオ通話ディスプレイ)、ハブ(例えば、無線通信ハブ)、セキュリティシステム、スマート家電(例えば、サーモスタット及び冷蔵庫)、並びにフィットネス機器などの家庭用コンピューティングデバイスを含んでもよい。
【0025】
いくつかの電子デバイス(例えば、ウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)は、フォトプレチスモグラフィー波形、連続皮膚温度、脈拍波形、呼吸数、心拍数、心拍変動(HRV、heart rate variability)、アクチグラフィー、ガルバニック皮膚反応、パルスオキシメトリー、及び/又は他の生理学的パラメータなど、それぞれのユーザ102の生理学的パラメータを測定してもよい。生理学的パラメータを測定するいくつかの電子デバイスはまた、本明細書に記載の計算の一部/全部を実行してもよい。いくつかの電子デバイスは、生理学的パラメータを測定しないことがあるが、本明細書に記載の計算の一部/全部を実行してもよい。例えば、リング(例えば、ウェアラブルデバイス104)、モバイルデバイスアプリケーション、又はサーバコンピューティングデバイスは、他のデバイスによって測定され受信した生理学的データを処理してもよい。
【0026】
いくつかの実装では、ユーザ102は、複数の電子デバイスを動作させるか、又はこれらに関連付けられてもよく、これらのうちのいくつかは、生理学的パラメータを測定してもよく、これらのうちのいくつかは、測定された生理学的パラメータを処理してもよい。いくつかの実装では、ユーザ102は、生理学的パラメータを測定するリング(例えば、ウェアラブルデバイス104)を有してもよい。ユーザ102は、ユーザデバイス106(例えば、モバイルデバイス、スマートフォン)を有するか、又はこれに関連付けられてもよく、ウェアラブルデバイス104及びユーザデバイス140は、互いに通信可能に結合されている。場合によっては、ユーザデバイス106は、ウェアラブルデバイス104からデータを受信し、本明細書に記載の計算の一部/全部を実行してもよい。いくつかの実装では、ユーザデバイス106はまた、運動/活動パラメータなど、本明細書に記載の生理学的パラメータを測定してもよい。
【0027】
例えば、
図1に図示されるように、第1のユーザ102-a(ユーザ1)は、本明細書に記載のように動作し得るウェアラブルデバイス104-a(例えば、リング104-a)及びユーザデバイス106-aを動作させるか、又はこれらに関連付けられてもよい。この例では、ユーザ102-aに関連付けられたユーザデバイス106-aは、リング104-aによって測定された生理学的パラメータを処理/記憶してもよい。比較すると、第2のユーザ102-b(ユーザ2)は、リング104-b、腕時計型ウェアラブルデバイス104-c(例えば、腕時計104-c)、及びユーザデバイス106-bに関連付けられてもよく、ユーザ102-bに関連付けられたユーザデバイス106-bは、リング104-b及び/又は腕時計104-cによって測定された生理学的パラメータを処理/記憶してもよい。さらに、第nのユーザ102-n(ユーザN)は、本明細書に記載の電子デバイスの構成(例えば、リング104-n、ユーザデバイス106-n)に関連付けられてもよい。いくつかの態様では、ウェアラブルデバイス104(例えば、リンク104、時計104)及び他の電子デバイスは、Bluetooth、Wi-Fi、及び他の無線プロトコルを介して、それぞれのユーザ102のユーザデバイス106に通信可能に結合されてもよい。
【0028】
いくつかの態様では、システム100のリング104(例えば、ウェアラブルデバイス104)は、ユーザの指の中の動脈血流に基づいて、それぞれのユーザ102から生理学的データを収集するように構成されてもよい。特に、リング104は、ユーザの指の手のひら側で光を放出する1つ以上のLED(例えば、赤色LED、緑色LED)を利用して、ユーザの指の中の動脈血流に基づいて生理学的データを収集してもよい。いくつかの実装では、リング104は、緑色LEDと赤色LEDの両方の組み合わせを使用して生理学的データを獲得してもよい。生理学的データは、限定されるものではないが、温度データ、加速度計データ(例えば、移動/動きデータ)、心拍数データ、HRVデータ、血中酸素レベルデータ、又はそれらの任意の組み合わせを含む、当該技術分野で知られている任意の生理学的データを含んでもよい。
【0029】
赤色LED及び緑色LEDは、異なる条件(例えば、明/暗、活性/不活性)下で、身体の異なる部分を介して生理学的データを取得するときなどに、それ自体が明確な利点を有することが分かっているため、緑色LED及び赤色LEDの両方を使用することは、他の解決策を超えるいくつかの利点を提供してもよい。例えば、緑色LEDは、運動中により優れた性能を呈することが分かっている。さらに、リング104の周りに分散された複数のLED(例えば、緑色LED及び赤色LED)を使用することは、腕時計型ウェアラブルデバイス内など、互いに近接して配置されるLEDを利用するウェアラブルデバイスと比較して、優れた性能を呈することが分かっている。さらに、指の血管(例えば、動脈、毛細血管)は、手首の血管と比較して、LEDを介してよりアクセスしやすい。特に、手首の動脈は手首の下部(例えば、手首の手のひら側)に配置され、ウェアラブル腕時計型デバイス及び類似するデバイスが典型的に装着される手首の上部(例えば、手首の手の甲側)では毛細血管のみがアクセス可能であることを意味する。そのため、リング104内でLED及び他のセンサを利用することは、リング104が(毛細血管と比較して)動脈へのより大きなアクセスを有し得、それによってより強い信号及びより価値のある生理学的データをもたらすので、手首に装着されるウェアラブルデバイスと比較して優れた性能を呈することが分かっている。
【0030】
システム100の電子デバイス(例えば、ユーザデバイス106、ウェアラブルデバイス104)は、有線又は無線通信プロトコルを介して1つ以上のサーバ110に通信可能に結合されてもよい。例えば、
図1に示すように、電子デバイス(例えば、ユーザデバイス106)は、ネットワーク108を介して1つ以上のサーバ110に通信可能に結合されてもよい。ネットワーク108は、インターネットのようなTCP/IP(transfer control protocol and internet protocol )プロトコルを実装してもよいし、他のネットワーク108プロトコルを実装してもよい。ネットワーク108とそれぞれの電子デバイスとの間のネットワーク接続は、電子メール、ウェブ、テキストメッセージ、メール、又はコンピュータネットワーク108内の任意の他の適切な形式の対話を介したデータの転送を容易にしてもよい。例えば、いくつかの実装では、第1のユーザ102-aに関連付けられたリング104-aは、ユーザデバイス106-aに通信可能に結合されてもよく、ユーザデバイス106-aは、ネットワーク108を介してサーバ110に通信可能に結合されてもよい。追加又は代替の場合、ウェアラブルデバイス104(例えば、リンク104、腕時計104)は、ネットワーク108に直接通信可能に結合されてもよい。
【0031】
システム100は、ユーザデバイス106と1つ以上のサーバ110との間でオンデマンドデータベースサービスを提供してもよい。場合によっては、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106からデータを受信し、データを記憶し、分析してもよい。同様に、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106にデータを提供してもよい。場合によっては、サーバ110は、1つ以上のデータセンタに位置してもよい。サーバ110は、データの記憶、管理、及び処理のために使用されてもよい。いくつかの実装では、サーバ110は、ウェブブラウザを介してユーザデバイス106にウェブベースのインターフェースを提供してもよい。
【0032】
いくつかの態様では、システム100は、ユーザ102が眠っている期間を検出し、ユーザ102が眠っている期間を1つ以上の睡眠段階に分類(例えば、睡眠段階分類)してもよい。例えば、
図1に示すように、ユーザ102-aは、ウェアラブルデバイス104-a(例えば、リング104-a)及びユーザデバイス106-aに関連付けられてもよい。この例では、リング104-aは、温度、心拍数、HRV、呼吸数などを含む、ユーザ102-aに関連付けられた生理学的データを収集してもよい。いくつかの態様では、リング104-aによって収集されたデータは、機械学習分類器に入力されてもよく、機械学習分類器は、ユーザ102-aが眠っている(又は眠っていた)期間を判定するように構成されている。さらに、機械学習分類器は、覚醒睡眠段階、急速眼球運動(REM)睡眠段階、浅い睡眠段階(ノンレム睡眠(NREM))、及び深い睡眠段階(NREM)を含む異なる睡眠段階に期間を分類するように構成されてもよい。いくつかの態様では、分類された睡眠段階は、ユーザデバイス106-aのGUIを介してユーザ102-aに表示されてもよい。睡眠段階分類は、推奨就寝時間、推奨目覚め時間などのユーザの睡眠パターンに関するフィードバックをユーザ102-aに提供するために使用されてもよい。さらに、いくつかの実装では、本明細書に記載の睡眠段階分類技術を使用して、睡眠スコア(Sleep Score)、準備完了スコア(Readiness Score)などのそれぞれのユーザのスコアを計算してもよい。
【0033】
いくつかの態様では、システム100は、概日リズム由来の特徴を利用して、本明細書に記載の生理学的データ収集、データ処理手順、及び他の技術をさらに改善してもよい。概日リズムという用語は、個人の睡眠-覚醒サイクルを調節する自然な内部プロセスを指してもよく、これは、約24時間ごとに繰り返される。この点に関して、本明細書に記載の技術は、概日リズム調整モデルを利用して、生理学的データ収集、分析、及びデータ処理を改善してもよい。例えば、概日リズム調整モデルは、ウェアラブルデバイス104-aを介してユーザ102-aから収集された生理学的データと共に、機械学習分類器に入力されてもよい。この例では、概日リズム調整モデルは、ユーザの自然な約24時間の概日リズムを通して収集された生理学的データを「重み付け」する、すなわち調整するように構成されてもよい。いくつかの実装では、システムは、最初に「ベースライン」概日リズム調整モデルで開始し、各ユーザ102から収集された生理学的データを使用してベースラインモデルを修正して、各それぞれのユーザ102に特有の、調整された、個別化された概日リズム調整モデルを生成してもよい。
【0034】
いくつかの態様では、システム100は、他の生体リズムを利用して、これらの他のリズムの位相による生理学的データ収集、分析、及び処理をさらに改善してもよい。例えば、個人のベースラインデータ内で週周期リズムが検出された場合、モデルは、曜日によってデータの「重み」を調整するように構成されてもよい。この方法によるモデルの調整を必要とする可能性のある生体リズムには、1)ウルトラディアン(睡眠状態の睡眠サイクルを含む1日よりも速いリズム、及び覚醒状態中に測定された生理学的変数の1時間未満から数時間の周期性への振動、2)概日リズム、3)仕事のスケジュールのように概日リズムに加えて課されることが示されている非内因性の毎日のリズム、4)毎週のリズム、又は外因的に課される他の人工的な時間周期性(例えば、12日間の「週」を有する仮想的な培養では、12日間のリズムを使用することができる)、5)女性では複数日の卵巣リズム、男性では精子形成リズム、6)月のリズム(人工光が少ないか又はない状態で生活している個人に関連する)、及び7)季節的リズムが含まれる。
【0035】
生体リズムは必ずしも定常的なリズムではない。例えば、多くの女性は、周期間で卵巣周期の長さにばらつきを経験しており、ウルトラディアンリズムは、使用者内であっても、正確に同じ時間又は日を越えた周期性で発生するとは予想されない。そのため、生理学的データにおけるこれらのリズムの時間分解能を維持しながら周波数組成を定量化するのに十分な信号処理技術を使用して、これらのリズムの検出を改善し、各リズムの位相を測定された時間の各瞬間に割り当て、それによって調整モデル及び時間間隔の比較を修正してもよい。生体リズム調整モデル及びパラメータは、個体又は個体の群の動的な生理学的ベースラインをより正確に捕捉するために、必要に応じて線形又は非線形の組み合わせで追加され得る。
【0036】
いくつかの態様では、システム100のそれぞれのデバイスは、ウェアラブルデバイスによって収集された生理学的データ(例えば、動きデータ)に基づいて、ユーザの心拍数データを判定するための技術をサポートしてもよい。このシステムは、活動、動き、運動などの期間中に心拍数データを判定するための技術をサポートしてもよい。特に、
図1に図示されるシステム100は、ユーザ102の心拍数データを判定し、ユーザ102に対応するユーザデバイス106に心拍数データの指標を表示させるための技術をサポートしてもよい。例えば、
図1に示すように、ユーザ1(ユーザ102-a)は、ウェアラブルデバイス104-a(例えば、リング104-a)及びユーザデバイス106-aに関連付けられてもよい。この例では、リング104-aは、動き、温度、心拍数、HRVなどを含む、ユーザ102-aに関連付けられたデータを収集してもよい。いくつかの態様では、リング104-aは、リング104-aが動きアーチファクトから実際の心拍数データを選択するために使用し得るユーザの生理学的データを収集するために使用されてもよい。リング104-aは、PPGモニタリングに基づいて心拍数データを判定してもよい。
【0037】
生理学的データ収集、PPGモニタリング、及び心拍数データ判定は、リング104-a、ユーザ1に関連付けられたユーザデバイス106-a、1つ以上のサーバ110、又はそれらの任意の組み合わせを含む、システム100の任意の構成要素によって実行されてもよい。例えば、いくつかの実装では、収集されたPPGデータ及び動きデータは、ユーザの心拍数を判定するように構成されている機械学習モデルに入力されてもよい。心拍数データの判定がされると、システム100は、ユーザデバイス106-aのGUIに、心拍数データの全て又はサブセットを表示させてもよい。
【0038】
当業者であれば、本開示の1つ以上の態様は、システム100において実施されて、上述のもの以外の他の問題を追加的に又は代替的に解決してもよいと理解されたい。さらに、本開示の態様は、本明細書に記載されるような「従来の」システム又はプロセスに技術的改善を提供することがある。しかしながら、説明及び添付の図面は、本開示の態様を実装することで結果として得られる例示的な技術的改善のみを含んでおり、したがって、特許請求の範囲内で提供される技術的改善の全てを表しているわけではない。
【0039】
図2は、本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートするシステム200の一例を図示する。システム200は、システム100を実装するか、又はこれによって実装されてもよい。特に、システム200は、
図1を参照して記載のように、リング104(例えば、ウェアラブルデバイス104)、ユーザデバイス106、及びサーバ110の例を図示する。
【0040】
いくつかの態様では、リング104は、ユーザの指の周りに装着されるように構成されてもよく、ユーザの指の周りに装着されるときに、1つ以上のユーザの生理学的パラメータを判定してもよい。測定値及び判定値の例としては、限定されるものではないが、ユーザの皮膚温度、脈拍波形、呼吸数、心拍数、HRV、血中酸素レベルなどを含んでもよい。
【0041】
システム200は、リング104と通信するユーザデバイス106(例えば、スマートフォン)をさらに含む。例えば、リング104は、ユーザデバイス106と無線及び/又は有線通信をしてもよい。いくつかの実装では、リング104は、測定及び処理されたデータ(例えば、温度データ、PPGデータ、動き/加速度計データ、リング入力データなど)をユーザデバイス106に送信してもよい。ユーザデバイス106は、リング104に、リング104のファームウェア/構成の更新などのデータを送信してもよい。ユーザデバイス106は、データを処理してもよい。いくつかの実装では、ユーザデバイス106は、処理及び/又は記憶のためにデータをサーバ110に送信してもよい。
【0042】
リング104は、内側ハウジング205-aと外側ハウジング205-bとを含み得るハウジング205を含んでもよい。いくつかの態様では、リング104のハウジング205は、限定するものではないが、デバイス電子機器、電源(例えば、バッテリ210、及び/又はキャパシタ)、デバイス電子機器及び/又は電源を相互接続する1つ以上の基板(例えば、印刷可能な回路基板)などを含むが、リングの様々な構成要素を格納するか、又は他の方法で含んでもよい。デバイス電子機器は、処理モジュール230-a、メモリ215、通信モジュール220-a、電力モジュール225などのデバイスモジュール(例えば、ハードウェア/ソフトウェア)を含んでもよい。デバイス電子機器はまた、1つ以上のセンサを含んでもよい。センサの例としては、1つ以上の温度センサ240、PPGセンサアセンブリ(例えば、PPGシステム235)、及び1つ以上の動きセンサ245を含んでもよい。
【0043】
センサは、リング104のそれぞれの構成要素/モジュールと通信し、それぞれのセンサに関連付けられた信号を生成するように構成された関連モジュール(図示されず)を含んでもよい。いくつかの態様では、リング104の構成要素/モジュールの各々は、有線接続又は無線接続を介して互いに通信可能に結合されてもよい。さらに、リング104は、光センサ(例えば、LED)、オキシメータなどを含む、ユーザから生理学的データを収集するように構成された追加及び/又は代替のセンサ又は他の構成要素を含んでもよい。
【0044】
図2を参照して図示及び記載されたリング104は、単に図示の目的で提供されている。そのため、リング104は、
図2に図示されたもののような追加又は代替の構成要素を含んでもよい。本明細書に記載の機能を提供する他のリング104が製造されてもよい。例えば、より少ない構成要素(例えば、センサ)を有するリング104が製造されてもよい。特定の例では、単一の温度センサ240(又は他のセンサ)、電源、及び単一の温度センサ240(又は他のセンサ)を読み取るように構成されたデバイス電子機器を有するリング104が製造されてもよい。別の特定の例では、温度センサ240(又は他のセンサ)は、(例えば、クランプ、バネ式クランプなどを使用して)ユーザの指に取り付けられてもよい。この場合、センサは、温度センサ240(又は他のセンサ)を読み取る手首装着型コンピューティングデバイスなど、別のコンピューティングデバイスに配線されてもよい。他の例では、追加のセンサ及び処理機能を含むリング104が製造されてもよい。
【0045】
ハウジング205は、1つ以上のハウジング205構成要素を含んでもよい。ハウジング205は、外側ハウジング205-b構成要素(例えば、シェル)と、内側ハウジング205-a構成要素(例えば、成形品)とを含んでもよい。ハウジング205は、
図2に明示的に図示されていない追加の構成要素(例えば、追加の層)を含んでもよい。例えば、いくつかの実装では、リング104は、デバイス電子機器及び他の導電性材料(例えば、電気トレース)を外側ハウジング205-b(例えば、金属外側ハウジング205-b)から電気的に絶縁する1つ以上の絶縁層を含んでもよい。ハウジング205は、デバイス電子機器、バッテリ210、基板、及び他の構成要素のための構造的支持を提供してもよい。例えば、ハウジング205は、デバイス電子機器、バッテリ210、及び基板を、圧力及び衝撃などの機械的な力から保護してもよい。ハウジング205はまた、デバイス電子機器、バッテリ210、及び基板を水及び/又は他の化学物質から保護してもよい。
【0046】
外側ハウジング205-bは、1つ以上の材料から製造されてもよい。いくつかの実装では、外側ハウジング205-bは、比較的軽量で強度及び耐摩耗性を提供し得るチタンなどの金属を含んでもよい。外側ハウジング205-bはまた、ポリマーなどの他の材料から製造されてもよい。いくつかの実装では、外側ハウジング205-bは、装飾的であるとともに保護的であってもよい。
【0047】
内側ハウジング205-aは、ユーザの指とインターフェースするように構成されてもよい。内側ハウジング205-aは、ポリマー(例えば、医療グレードのポリマー)又は他の材料から形成されてもよい。いくつかの実装では、内側ハウジング205-aは透明であってもよい。例えば、内側ハウジング205-aは、PPG発光ダイオード(LED)によって放出される光に対して透過であってもよい。いくつかの実装では、内側ハウジング205-aの構成要素は、外側ハウジング205-b上に成形されてもよい。例えば、内側ハウジング205-aは、外側ハウジング205-bの金属シェルに適合するように成形される(例えば、射出成形される)ポリマーを含んでもよい。
【0048】
リング104は、1つ以上の基板(図示されず)を含んでもよい。デバイス電子機器及びバッテリ210は、1つ以上の基板上に含まれてもよい。例えば、デバイス電子機器及びバッテリ210は、1つ以上の基板上にマウントされてもよい。例示的な基板は、可撓性回路基板(PCB、printed circuit board)(例えば、ポリイミド)などの1つ以上のPCBを含んでもよい。いくつかの実装では、電子機器/バッテリ210は、フレキシブルPCB上の表面実装デバイス(例えば、表面実装技術(SMT、surface-mount technology)デバイス)を含んでもよい。いくつかの実装では、1つ以上の基板(例えば、1つ以上の可撓性PCB)は、デバイス電子機器間の電気通信を提供する電気トレースを含んでもよい。電気トレースはまた、バッテリ210をデバイス電子機器に接続してもよい。
【0049】
デバイス電子機器、バッテリ210、及び基板は、様々な方法でリング104内に配置されてもよい。いくつかの実装では、センサ(例えば、PPGシステム235、温度センサ240、動きセンサ245、及び他のセンサ)がユーザの指の下面とインターフェースするように、デバイス電子機器を含む1つの基板が、リング104の下部(例えば、下半分)に沿ってマウントされてもよい。これらの実装では、バッテリ210は、リング104の上部分に沿って(例えば、別の基板上に)含まれてもよい。
【0050】
リング104の様々な構成要素/モジュールは、リング104に含まれ得る機能(例えば、回路及び他の構成要素)を表す。モジュールは、本明細書のモジュールに帰属される機能を生成することができるアナログ及び/又はデジタル回路を実装する任意の個別及び/又は集積電子回路構成要素を含んでもよい。例えば、モジュールはアナログ回路(例えば、増幅回路、フィルタリング回路、アナログ/デジタル変換回路、及び/又は他の信号調整回路)を含んでもよい。モジュールはまた、デジタル回路(例えば、組み合わせ論理回路又は順序論理回路、メモリ回路など)を含んでもよい。
【0051】
リング104のメモリ215(メモリモジュール)は、ランダムアクセスメモリ(RAM、random access memory)、リードオンリーメモリ(ROM、read-only memory)、不揮発性RAM(NVRAM、non-volatile RAM)、電気的に消去可能なプログラム可能ROM(EEPROM、electrically-erasable programmable ROM)、フラッシュメモリ、又は他の任意のメモリデバイスなど、任意の揮発性、不揮発性、磁気、又は電気媒体を含んでもよい。メモリ215は、本明細書に記載のデータのいずれかを記憶してもよい。例えば、メモリ215は、それぞれのセンサ及びPPGシステム235によって収集されたデータ(例えば、動きデータ、温度データ、PPGデータ)を記憶するように構成されてもよい。さらに、メモリ215は、1つ以上の処理回路によって実行されるときに、モジュールに、本明細書のモジュールに帰属される様々な機能を実行させる命令を含んでもよい。本明細書に記載のリング104のデバイス電子機器は、デバイス電子回路の一例にすぎない。そのため、デバイス電子機器を実装するために使用される電子構成要素のタイプは、設計上の考慮事項に基づいて変化してもよい。
【0052】
本明細書に記載のリング104のモジュールに帰属される機能は、1つ以上のプロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせとして具現化されてもよい。モジュールとしての異なる特徴の描写は、異なる機能的態様を強調することを意図しており、そのようなモジュールが別個のハードウェア/ソフトウェア構成要素によって実現されなければならないことを必ずしも意味しない。むしろ、1つ以上のモジュールに関連付けられた機能は、別個のハードウェア/ソフトウェア構成要素によって実行されるか、又は共通のハードウェア/ソフトウェア構成要素内に統合されてもよい。
【0053】
リング104の処理モジュール230-aは、1つ以上のプロセッサ(例えば、処理ユニット)、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、システムオンチップ(SoC、systems on a chip)、及び/又は他の処理デバイスを含んでもよい。処理モジュール230-aは、リング104に含まれるモジュールと通信する。例えば、処理モジュール230-aは、モジュールと、センサなどのリング104の他の構成要素との間でデータを送信/受信してもよい。本明細書に記載されるように、モジュールは、様々な回路構成要素によって実装されてもよい。したがって、モジュールは、回路(例えば、通信回路及び電力回路)と呼ばれることもある。
【0054】
処理モジュール230-aは、メモリ215と通信してもよい。メモリ215は、処理モジュール230-aによって実行されるときに、処理モジュール230-aに、本明細書の処理モジュール230-aに帰属される様々な機能を実行させるコンピュータ可読命令を含んでもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-a(例えば、マイクロコントローラ)は、通信モジュール220-a(例えば、統合されたBluetooth Low Energyトランシーバ)及び/又は追加のオンボードメモリ215によって提供される通信機能など、他のモジュールに関連付けられた追加の特徴を含んでもよい。
【0055】
通信モジュール220-aは、ユーザデバイス106(例えば、ユーザデバイス106の通信モジュール220-b)との無線及び/又は有線通信を提供する回路を含んでもよい。いくつかの実装では、通信モジュール220-a、220-bは、Bluetooth回路及び/又はWi-Fi回路などの無線通信回路を含んでもよい。いくつかの実装では、通信モジュール220-a、220-bは、ユニバーサルシリアルバス(USB、Bluetooth Low Energy)通信回路などの有線通信回路を含むことができる。通信モジュール220-aを使用して、リング104とユーザデバイス106は、互いに通信するように構成されてもよい。リングの処理モジュール230-aは、通信モジュール220-aを介してユーザデバイス106との間でデータを送信/受信するように構成されてもよい。データの例としては、動きデータ、温度データ、脈拍波形、心拍数データ、HRVデータ、PPGデータ、及び状態更新(例えば、充電状態、バッテリ充電レベル、及び/又はリング104構成セッティング)を含むが、これらに限定されない。リングの処理モジュール230-aは、ユーザデバイス106から更新(例えば、ソフトウェア/ファームウェア更新)及びデータを受信するように構成されてもよい。
【0056】
リング104は、バッテリ210(例えば、再充電可能なバッテリ210)を含んでもよい。例示的なバッテリ210は、リチウムイオン又はリチウムポリマータイプのバッテリ210を含んでもよいが、様々なバッテリ210のオプションが可能である。バッテリ210は、無線で充電されてもよい。いくつかの実装では、リング104は、バッテリ210以外の電源、例えばキャパシタを含んでもよい。電源(例えば、バッテリ210又はキャパシタ)は、リング104の曲線に一致する曲線ジオメトリを有してもよい。いくつかの態様では、充電器又は他の電源が、リング104自体によって収集されたデータに加えてデータを収集するために使用され得るか、又はリングによって収集されたデータを補足する追加のセンサを含んでもよい。さらに、リング104の充電器又は他の電源は、ユーザデバイス106として機能してもよく、その場合、リング104の充電器又は他の電源は、リング104からデータを受信し、リング104から受信したデータを記憶及び/又は処理し、リング104とサーバ110との間でデータを通信するように構成されてもよい。
【0057】
いくつかの態様では、リング104は、バッテリ210の充電を制御し得る電力モジュール225を含む。例えば、電力モジュール225は、リング104とインターフェースされたときにバッテリ210を充電する外部無線充電器とインターフェースしてもよい。充電器は、リング104のデータム構造と嵌合して、104の充電中にリング104と指定された向きを作成するデータム構造を含んでもよい。電力モジュール225はまた、デバイス電子機器の電圧を調整し、デバイス電子機器への電力出力を調整し、バッテリ210の充電状態を監視してもよい。いくつかの実装では、バッテリ210は、高電流放電、104充電中の過電圧、及び104放電中の不足電圧からバッテリ210を保護する保護回路モジュール(PCM)を含んでもよい。電力モジュール225はまた、静電放電(ESD、electro-static discharge)保護を含んでもよい。
【0058】
1つ以上の温度センサ240は、処理モジュール230-aに電気的に結合されてもよい。温度センサ240は、温度センサ240によって読み取られた又は感知された温度を示す温度信号(例えば、温度データ)を生成するように構成されてもよい。処理モジュール230-aは、温度センサ240の場所におけるユーザの温度を判定してもよい。例えば、リング104では、温度センサ240によって生成された温度データは、ユーザの指におけるユーザの温度(例えば、皮膚温度)を示してもよい。いくつかの実装では、温度センサ240は、ユーザの皮膚に接触してもよい。他の実装では、ハウジング205の一部分(例えば、内側ハウジング205-a)は、温度センサ240とユーザの皮膚との間にバリア(例えば、薄い熱伝導性バリア)を形成してもよい。いくつかの実装では、使用者の指に接触するように構成されたリング104の部分は、熱伝導部分と断熱部分とを有してもよい。熱伝導部分は、ユーザの指から温度センサ240に熱を伝導してもよい。断熱部分は、リング104の部分(例えば、温度センサ240)を周囲温度から絶縁してもよい。
【0059】
いくつかの実装では、温度センサ240は、処理モジュール230-aが温度を判定するために使用し得るデジタル信号(例えば、温度データ)を生成してもよい。別の例として、温度センサ240が受動センサを含む場合、処理モジュール230-a(又は温度センサ240モジュール)は、温度センサ240によって生成される電流/電圧を測定し、測定された電流/電圧に基づいて温度を判定してもよい。温度センサ240の例は、負温度係数(NTC、negative temperature coefficient )サーミスタなどのサーミスタ、又は抵抗器、トランジスタ、ダイオード、及び/又は他の電気/電子構成要素を含む他のタイプのセンサを含んでもよい。
【0060】
処理モジュール230-aは、経時的にユーザの温度をサンプリングしてもよい。例えば、処理モジュール230-aは、サンプリングレートに従ってユーザの温度をサンプリングしてもよい。サンプリングレートの例としては、1秒当たり1サンプルを含んでもよいが、処理モジュール230-aは、1秒当たり1サンプルよりも高い又は低い他のサンプリングレートで温度信号をサンプリングするように構成されてもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、昼間及び夜間を通じて連続的にユーザの温度をサンプリングしてもよい。1日を通して十分なレート(例えば、1秒当たり1サンプル)でサンプリングすることにより、本明細書に記載の分析のための十分な温度データが提供されてもよい。
【0061】
処理モジュール230-aは、サンプリングされた温度データをメモリ215に記憶してもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、サンプリングされた温度データを処理してもよい。例えば、処理モジュール230-aは、ある期間にわたる平均温度値を判定してもよい。一例では、処理モジュール230-aは、毎分にわたって収集された全ての温度値を合計し、毎分のサンプル数で割ることによって、毎分の平均温度値を判定してもよい。1秒当たり1サンプルで温度がサンプリングされる特定の例では、平均温度は、1分間の全てのサンプリングされた温度の合計を60秒で割ったものであってもよい。メモリ215は、経時的に平均温度値を記憶してもよい。いくつかの実装では、メモリ215は、メモリ215を節約するために、サンプリングされた温度の代わりに、平均温度(例えば、1分当たり1つ)を記憶してもよい。
【0062】
メモリ215に記憶され得るサンプリングレートは、設定可能であり得る。いくつかの実装では、サンプリングレートは、昼夜を通じて同じであってもよい。他の実装では、サンプリングレートは、昼夜を通じて変化してもよい。いくつかの実装では、リング104は、生理学的変化を示さない温度の大きなスパイク(例えば、熱いシャワーからの温度スパイク)などの温度読み取り値をフィルタリング/排除してもよい。いくつかの実装では、リング104は、(例えば、動きセンサ245によって示される)運動中の過度の動きなどの他の要因によって信頼できない温度測定値をフィルタリング/排除してもよい。
【0063】
リング104(例えば、通信モジュール)は、サンプリングされた温度データ及び/又は平均温度データを、記憶及び/又はさらなる処理のために、ユーザデバイス106に送信してもよい。ユーザデバイス106は、サンプリングされた温度データ及び/又は平均温度データを、記憶及び/又はさらなる処理のためにサーバ110に転送してもよい。
【0064】
リング104は、単一の温度センサ240を含むものとして図示されているが、リング104は、ユーザの指の近くの内側ハウジング205-aに沿って配置されるなどのように、1つ以上の場所に複数の温度センサ240を含んでもよい。いくつかの実装では、温度センサ240は、スタンドアロン温度センサ240であってもよい。追加的又は代替的に、1つ以上の温度センサ240は、加速度計及び/又はプロセッサなどの他の構成要素と共に(例えば、他の構成要素と共にパッケージ化されて)含まれてもよい。
【0065】
処理モジュール230-aは、単一の温度センサ240に関して記載されたのと同様の方法で、複数の温度センサ240からデータを獲得し、処理してもよい。例えば、処理モジュール230は、複数の温度センサ240の各々からの温度データを個別にサンプリングし、平均し、記憶してもよい。他の例では、処理モジュール230-aは、異なるレートでセンサをサンプリングし、異なるセンサについて異なる値を平均/記憶してもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、指の異なる場所にある2つ以上の温度センサ240によって判定された2つ以上の温度の平均に基づいて、単一の温度を判定するように構成されてもよい。
【0066】
リング104上の温度センサ240は、ユーザの指(例えば、任意の指)で遠位温度を獲得してもよい。例えば、リング104上の1つ以上の温度センサ240は、指の下側から、又は指の異なる場所で、ユーザの温度を獲得してもよい。いくつかの実装では、リング104は、遠位温度を連続的に(例えば、サンプリングレートで)取得してもよい。指でリング104によって測定される遠位温度が本明細書に記載されているが、他のデバイスが同じ/異なる場所で温度を測定してもよい。場合によっては、ユーザの指で測定された遠位温度は、ユーザの手首又は他の体外場所で測定された温度と異なってもよい。追加的に、ユーザの指で測定された遠位温度(例えば、「シェル」温度)は、ユーザの深部体温とは異なってもよい。そのため、リング104は、他の体内/体外場所では取得されないことがある有用な温度信号を提供してもよい。場合によっては、指での連続的な温度測定は、深部体温では明らかでないことがある温度変動(例えば、小さな変動又は大きな変動)を捕捉してもよい。例えば、指での連続的な温度測定は、身体の他の場所での他の温度測定によっては提供されないことがある追加の洞察を提供する毎ごと又は時間ごとの温度変動を捕捉してもよい。
【0067】
リング104は、PPGシステム235を含んでもよい。PPGシステム235は、光を送信する1つ以上の光送信機を含んでもよい。PPGシステム235はまた、1つ以上の光送信機によって送信された光を受信する1つ以上の光受信機を含んでもよい。光受信機は、光受信機によって受信された光量を示す信号(以下、「PPG」信号)を生成してもよい。光送信機は、ユーザの指の領域を照射してもよい。PPGシステム235によって生成されたPPG信号は、照射領域における血液の潅流を示してもよい。例えば、PPG信号は、ユーザの脈圧によって引き起こされる照射領域における血液量変化を示してもよい。処理モジュール230-aは、PPG信号をサンプリングし、PPG信号に基づいてユーザの脈拍波形を判定してもよい。処理モジュール230-aは、ユーザの呼吸速度、心拍数、HRV、酸素飽和度、及び他の循環パラメータなど、ユーザの脈拍波形に基づいて様々な生理学的パラメータを判定してもよい。
【0068】
いくつかの実装では、PPGシステム235は、光受信機がユーザの指の領域を通して反射される送信した光を受信する反射型PPGシステム235として構成されてもよい。いくつかの実装では、PPGシステム235は、光がユーザの指の部分を通して光受信機に直接送信されるように、光送信機及び光受信機が互いに対向して配置される透過型PPGシステム235として構成されてもよい。
【0069】
PPGシステム235に含まれる送信機及び受信機の数及び比率は、変動してもよい。光送信機の例としては、発光ダイオード(LED、light-emitting diode)を含んでもよい。光送信機は、赤外スペクトル及び/又は他のスペクトルの光を送信してもよい。光受信機の例としては、光センサ、フォトトランジスタ、及びフォトダイオードを含んでもよいが、これらに限定されない。光受信機は、光送信機から受信した波長に応答してPPG信号を生成するように構成されてもよい。送信機と受信機の場所は、変動してもよい。追加的に、単一のデバイスは、反射型及び/又は透過型PPGシステム235を含んでもよい。
【0070】
図2に図示されるPPGシステム235は、いくつかの実装では、反射型PPGシステム235を含んでもよい。これらの実装では、PPGシステム235は、中央に位置する光受信機(例えば、リング104の底部にある)と、光受信機の両側に位置する2つの光送信機と、を含んでもよい。この実装では、PPGシステム235(例えば、光受信機)は、光送信機の一方又は両方から受信した光に基づいてPPG信号を生成してもよい。他の実装では、1つ以上の光送信機及び/又は光受信機の他の配置、組み合わせ、及び/又は構成が企図される。
【0071】
処理モジュール230-aは、光受信機によって生成されたPPG信号をサンプリングしながら、光を送信する光送信機の一方又は両方を制御してもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、光受信器によって生成されたPPG信号をサンプリングしながら、より強い受信信号を用いた光送信機に、光を送信させてもよい。例えば、選択された光送信機は、PPG信号がサンプリングレート(例えば、250 Hz)でサンプリングされている間、連続的に光を放出してもよい。
【0072】
PPGシステム235によって生成されたPPG信号をサンプリングすることにより、「PPG」と呼ばれ得る脈拍波形がもたらされてもよい。この脈拍波形は、血圧対複数の心周期にわたる時間を示してもよい。脈拍波形は、心周期を示すピークを含んでもよい。追加的に、脈拍波形は、呼吸数を判定するために使用され得る呼吸によって誘発される変動を含んでもよい。処理モジュール230-aは、いくつかの実装では、脈拍波形をメモリ215に記憶してもよい。処理モジュール230-aは、脈拍波形が生成されるときに、及び/又はメモリ215から脈拍波形を取得して、本明細書に記載のユーザの生理学的パラメータを判定してもよい。
【0073】
処理モジュール230-aは、脈拍波形に基づいてユーザの心拍数を判定してもよい。例えば、処理モジュール230-aは、脈拍波形におけるピーク間の時間に基づいて心拍数(例えば、1分当たりの拍動数)を判定してもよい。ピーク間の時間は、拍動間隔(IBI、interbeat interval)と呼ばれてもよい。処理モジュール230-aは、判定された心拍数値及びIBI値をメモリ215に記憶してもよい。
【0074】
処理モジュール230-aは、経時的にHRVを判定してもよい。例えば、処理モジュール230-aは、IBIの変動に基づいてHRVを判定してもよい。処理モジュール230-aは、経時的にHRV値をメモリ215に記憶してもよい。さらに、処理モジュール230-aは、経時的にユーザの呼吸数を判定してもよい。例えば、処理モジュール230-aは、ある期間にわたるユーザのIBI値の周波数変調、振幅変調、又はベースライン変調に基づいて、呼吸数を判定してもよい。呼吸数は、1分当たりの呼吸で、又は別の呼吸数(例えば、30秒当たりの呼吸)として計算されてもよい。処理モジュール230-aは、経時的にユーザ呼吸数値をメモリ215に記憶してもよい。
【0075】
リング104は、1つ以上の加速度計(例えば、6-D加速度計)及び/又は1つ以上のジャイロスコープ(ジャイロ)などの1つ以上の動きセンサ245を含んでもよい。動きセンサ245は、センサの動きを示す動き信号を生成してもよい。例えば、リング104は、加速度計の加速度を示す加速度信号を生成する1つ以上の加速度計を含んでもよい。別の例として、リング104は、角運動(例えば、角速度)及び/又は向きの変化を示すジャイロ信号を生成する1つ以上のジャイロセンサを含んでもよい。動きセンサ245は、1つ以上のセンサパッケージに含まれてもよい。加速度計/ジャイロセンサの一例としては、3つの垂直な軸における角速度及び加速度を測定し得るBosch BMl160慣性微小電気機械システム(MEMS、micro electro-mechanical system)センサである。
【0076】
処理モジュール230-aは、サンプリングレート(例えば、50Hz)で動き信号をサンプリングし、サンプリングされた動き信号に基づいてリング104の動きを判定してもよい。例えば、処理モジュール230-aは、加速度信号をサンプリングして、リング104の加速度を判定してもよい。別の例として、処理モジュール230-aは、ジャイロ信号をサンプリングして、角運動を判定してもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、動きデータをメモリ215に記憶してもよい。動きデータは、サンプリングされた動きデータと、サンプリングされた動き信号(例えば、加速度値及び角度値)に基づいて計算された動きデータとを含んでもよい。
【0077】
リング104は、本明細書に記載の様々なデータを記憶してもよい。例えば、リング104は、生のサンプリングされた温度データ及び計算された温度データ(例えば、平均温度)などの温度データを記憶してもよい。別の例として、リング104は、脈拍波形などのPPG信号データ、及び脈拍波形に基づいて計算されたデータ(例えば、心拍数値、IBI値、HRV値、及び呼吸数値)を記憶してもよい。リング104は、直線運動及び角運動を示すサンプリングされた動きデータのような動きデータを記憶してもよい。
【0078】
リング104又は他のコンピューティングデバイスは、サンプリング/計算された生理学的データに基づいて、追加の値を計算し、記憶してもよい。例えば、処理モジュール230は、睡眠メトリック(例えば、睡眠スコア)、活動メトリック、及び準備完了メトリックなどの様々なメトリックを計算し、記憶してもよい。いくつかの実装では、追加の値/メトリックが、「導出値」と呼ばれることがある。リング104、又は他のコンピューティング/ウェアラブルデバイスは、動きに関する様々な値/メトリックを計算してもよい。動きデータのための導出された値の例としては、動きカウント値、規則性値、強度値、MET(metabolic equivalence of task value)、及び向き値を含んでもよいが、これらに限定されない。動きカウント、規則性値、強度値、及びMETは、経時的なユーザの動きの量(例えば、速度/加速度)を示してもよい。向き値は、リング104がユーザの指に対してどのように向いているか、及びリング104が左手又は右手に装着されているかを示してもよい。
【0079】
いくつかの実装では、動きカウント及び規則性値は、1つ以上の期間(例えば、1つ以上の30秒~1分の期間)内の加速度ピークの数をカウントすることによって判定されてもよい。強度値は、移動の数及び移動の関連する強度(例えば、加速度値)を示してもよい。強度値は、関連する閾値加速度値に応じて、低、中、高に分類されてもよい。METは、ある期間(例えば、30秒)の間の移動の強度、移動の規則性/不規則性、及び異なる強度に関連付けられた移動の数に基づいて判定されてもよい。
【0080】
いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、メモリ215に記憶されたデータを圧縮してもよい。例えば、処理モジュール230-aは、サンプリングデータに基づいて計算を行った後に、サンプリングデータを削除してもよい。別の例として、処理モジュール230-aは、記憶された値の数を減らすために、より長い期間にわたってデータを平均化してもよい。特定の例では、1分間にわたるユーザの平均温度がメモリ215に記憶されている場合、処理モジュール230-aは、記憶のために5分間にわたる平均温度を計算し、次いで、1分間の平均温度データを消去してもよい。処理モジュール230-aは、使用された/利用可能メモリ215の総量、及び/又はリング104が最後にデータをユーザデバイス106に送信してからの経過時間などの様々な要因に基づいてデータを圧縮してもよい。
【0081】
ユーザの生理学的パラメータは、リング104に含まれるセンサによって測定されてもよいが、他のデバイスがユーザの生理学的パラメータを測定してもよい。例えば、ユーザの温度は、リング104に含まれる温度センサ240によって測定されてもよいが、他のデバイスがユーザの温度を測定してもよい。いくつかの例では、他のウェアラブルデバイス(例えば、手首デバイス)が、ユーザの生理学的パラメータを測定するセンサを含んでもよい。追加的に、外部医療デバイス(例えば、ウェアラブル医療デバイス)及び/又は埋め込み可能な医療デバイスなどの医療デバイスは、ユーザの生理学的パラメータを測定してもよい。任意のタイプのコンピューティングデバイス上の1つ以上のセンサを使用して、本明細書に記載の技術を実装してもよい。
【0082】
生理学的測定値は、昼間及び/又は夜間を通して連続的に取られてもよい。いくつかの実装では、生理学的測定値は、昼間の部分及び/又は夜間の部分の間に取られてもよい。いくつかの実装では、生理学的測定値は、ユーザが活動状態、安静状態、及び/又は睡眠状態などの特定の状態にあると判定することに応答して取られてもよい。例えば、リング104は、よりクリーンな生理学的信号を獲得するために、安静/睡眠状態で生理学的測定を行うことができる。一例では、リング104又は他のデバイス/システムは、ユーザが安静及び/又は睡眠中であるときを検出し、その検出された状態の生理学的パラメータ(例えば、温度)を獲得してもよい。デバイス/システムは、本開示の技術を実装するために、ユーザが他の状態にあるときに、安静/睡眠の生理学的データ及び/又は他のデータを使用してもよい。
【0083】
いくつかの実装では、本明細書で前述したように、リング104は、データを収集、記憶、及び/又は処理するように構成されてもよく、記憶及び/又は処理のために、本明細書に記載のデータのいずれかをユーザデバイス106に転送してもよい。いくつかの態様では、ユーザデバイス106は、ウェアラブルアプリケーション250、オペレーティングシステム(OS)、ウェブブラウザアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ280)、1つ以上の追加のアプリケーション、及びGUI275を含む。ユーザデバイス106は、センサ、オーディオデバイス、触覚フィードバックデバイスなどを含む他のモジュール及び構成要素をさらに含んでもよい。ウェアラブルアプリケーション250は、ユーザデバイス106にインストールされ得るアプリケーション(例えば、「アプリ」)の一例を含んでもよい。ウェアラブルアプリケーション250は、リング104からデータを獲得し、獲得されたデータを記憶し、獲得されたデータを本明細書に記載のように処理するように構成されてもよい。例えば、ウェアラブルアプリケーション250は、ユーザインターフェース(UI、user interface)モジュール255、獲得モジュール260、処理モジュール230-b、通信モジュール220-b、及びアプリケーションデータを記憶するように構成された記憶モジュール(例えば、データベース265)を含んでもよい。
【0084】
本明細書に記載の様々なデータ処理動作は、リング104、ユーザデバイス106、サーバ110、又はそれらの任意の組み合わせによって実行されてもよい。例えば、場合によっては、リング104によって収集されたデータは、前処理され、ユーザデバイス106に送信されてもよい。この例では、ユーザデバイス106は、受信したデータに対して何らかのデータ処理動作を実行してもよいし、データ処理のためにデータをサーバ110に送信してもよいし、又はその両方でもよい。例えば、場合によっては、ユーザデバイス106は、比較的低い処理能力を必要とする処理動作及び/又は比較的低いレイテンシを必要とする動作を実行してもよく、一方、ユーザデバイス106は、比較的高い処理能力を必要とする処理動作及び/又は比較的高いレイテンシを可能にし得る動作のために、データをサーバ110に送信してもよい。
【0085】
いくつかの態様では、システム200のリング104、ユーザデバイス106、及びサーバ110は、ユーザの睡眠パターンを評価するように構成されてもよい。特に、システム200の各構成要素は、リング104を介してユーザからデータを収集し、収集されたデータに基づいてユーザのための1つ以上のスコア(例えば、睡眠スコア、準備完了スコア)を生成するために使用されてもよい。例えば、本明細書で前述したように、システム200のリング104は、温度、心拍数、HRVなどを含むデータをユーザから収集するためにユーザによって装着されてもよい。リング104によって取集されたデータは、所与の「睡眠日」のユーザの睡眠を評価するために、ユーザが眠っているとき判定するために使用されてもよい。いくつかの態様では、第1の睡眠日が第1のスコアのセットに関連付けられ、第2の睡眠日が第2のスコアのセットに関連付けられるように、スコアが、各それぞれの睡眠日に対してユーザについて計算されてもよい。スコアは、それぞれの睡眠日の間にリング104によって収集されたデータに基づいて、各それぞれの睡眠日に対して計算されてもよい。スコアは、睡眠スコア、準備完了スコアなどを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0086】
場合によっては、「睡眠日」は、所与の睡眠日がそれぞれの暦日の真夜中から真夜中までになるように、従来の暦日と一致してもよい。他の場合には、睡眠日は、暦日に対してオフセットされてもよい。例えば、睡眠日は、ある暦日の午後6:00(18:00)から次の暦日の午後6:00(18:00)まで実行してもよい。この例では、6:00pmは、「カットオフ時間」として機能してもよく、6:00 pmよりも前にユーザから収集されたデータは、現在の睡眠日に対してカウントされ、6:00pmよりも後にユーザから収集されたデータは、次の睡眠日に対してカウントされる。ほとんどの個人は夜間に最も多く睡眠をとるという事実に起因して、暦日に対して睡眠日をオフセットすることにより、システム200が、ユーザの睡眠スケジュールと一貫するような方法でユーザの睡眠パターンを評価してもよい。場合によっては、ユーザは、暦日に対する睡眠日のタイミングを(例えば、GUIを介して)選択的に調整して、睡眠日が、それぞれのユーザが典型的に睡眠する持続時間と一致するようにしてもよい。
【0087】
いくつかの実装では、各それぞれの日のユーザの各総合スコア(例えば、睡眠スコア、準備完了スコア)は、1つ以上の「寄与因子」、「要因」、又は「寄与要因」に基づいて判定/計算されてもよい。例えば、ユーザの総合睡眠スコアは、総睡眠、効率、休息度、REM睡眠、深い睡眠、潜時、タイミング、又はそれらの任意の組み合わせを含む寄与因子のセットに基づいて計算されてもよい。睡眠スコアは、任意の数の寄与因子を含んでもよい。「総睡眠」の寄与因子は、睡眠日の全ての睡眠期間の合計を指してもよい。「効率」の寄与因子は、ベッドにいる間に起きている間に費やされた時間と比較して、睡眠に費やされた時間の割合を反映してもよく、各睡眠期間の持続時間によって重み付けされた、睡眠日の長い睡眠期間(例えば、一次睡眠期間)の効率平均を使用して計算されてもよい。「休息度」の寄与因子は、ユーザの睡眠がどれだけ安らかであるかを示してもよく、各期間の持続時間によって重み付けされた睡眠日の全ての睡眠期間の平均を使用して計算されてもよい。休息度の寄与因子は、「目覚めカウント」(例えば、異なる睡眠期間中に検出された全ての目覚め(ユーザが目覚めるとき)の合計)、過剰な移動、及び「起床カウント」(例えば、異なる睡眠期間中に検出された全ての起床(ユーザが起床するとき)の合計)に基づいてもよい。
【0088】
「REM睡眠」の寄与因子は、REM睡眠を含む睡眠日の全ての睡眠期間にわたるREM睡眠の持続時間の合計を指してもよい。同様に、「深い睡眠」の寄与因子は、深い睡眠を含む睡眠日の全ての睡眠期間にわたる深い睡眠の持続時間の合計を指してもよい。「潜時」の寄与因子は、ユーザが睡眠に入るのに要する時間(例えば、平均、中央値、最長)を示し得、睡眠日全体の長い睡眠期間の平均を使用して計算されてもよく、各期間の持続時間及びそのような期間の数によって重み付けされる(例えば、所与の睡眠段階又は複数の睡眠段階の統合は、それ自体の寄与因子であるか、又は他の寄与因子に重み付けされてもよい)。最後に、「タイミング」の寄与因子は、睡眠日及び/又は暦日内の睡眠期間の相対的なタイミングを指してもよく、各期間の持続時間によって重み付けされた睡眠日の全ての睡眠期間の平均を使用して計算されてもよい。
【0089】
別の例として、ユーザの全体的な準備完了スコアは、睡眠、睡眠バランス、心拍数、HRVバランス、回復指数、温度、活動、活動バランス、又はそれらの任意の組み合わせを含む、寄与因子のセットに基づいて計算されてもよい。準備完了スコアには、任意の数の寄与因子を含んでもよい。「睡眠」の寄与因子は、睡眠日内の全ての睡眠期間の組み合わされた睡眠スコアを指してもよい。「睡眠バランス」の寄与因子は、睡眠日内の全ての睡眠期間の累積持続時間を指してもよい。特に、睡眠バランスは、ユーザが持続時間(例えば、過去2週間)にわたって取得ている睡眠が、ユーザのニーズとバランスがとれているかどうかをユーザに示してもよい。一般的に、成人は健康で、注意力を保ち、精神的にも身体的にも最善を尽くすために、一晩に7~9時間の睡眠が必要である。しかし、時折夜に悪い睡眠がみられるのが通常であるため、睡眠バランスの寄与因子は長期的な睡眠パターンを考慮に入れて、各ユーザの睡眠ニーズが満たされているかどうかを判定する。「安静時心拍数」の寄与因子は、睡眠日の最長睡眠期間(例えば、一次睡眠期間)からの最低心拍数、及び/又は一次睡眠期間後に生じる仮眠からの最低心拍数を示してもよい。
【0090】
引き続き、準備完了スコアの「寄与因子」(例えば、因子、寄与因子)を参照すると、「HRVバランス」の寄与因子は、一次睡眠期間及び一次睡眠期間後に起こる仮眠からの最も高いHRV平均を示してもよい。HRVバランスの寄与因子は、第1の期間(例えば、2週間)にわたるHRVの傾向を、第2のより長い期間(例えば、3ヶ月)にわたる平均HRVと比較することによって、ユーザが回復状態を追跡するのに役立つ。「回復指数」の寄与因子は、最長睡眠期間に基づいて計算されてもよい。回復指数は、ユーザの安静時心拍数が夜間に安定するまでにかかる時間を測定する。非常に良好な回復の徴候は、使用者の安静時心拍数が、使用者が目覚める少なくとも6時間前の夜の前半に安定し、身体が翌日のために回復する時間を残すことである。「体温」の寄与因子は、最長睡眠期間(例えば、一次睡眠期間)に基づいて、又は仮眠中のユーザの最高温度が最長期間中の最高温度よりも少なくとも0.5度高い場合、最長睡眠期間後に生じる仮眠に基づいて計算されてもよい。いくつかの態様では、リングは、ユーザが眠っている間にユーザの体温を測定してもよく、システム200は、ユーザのベースライン温度に対するユーザの平均温度を表示してもよい。ユーザの体温がその通常範囲外である場合(例えば、明らかに0.0を上回るか下回る)、体温の寄与因子が強調表示される(例えば、「注意を払う」状態になる)か、又は他の方法でユーザに対して警告を生成してもよい。
【0091】
いくつかの態様では、システム200は、ウェアラブルデバイスによって収集された生理学的データ(例えば、動きデータ)に基づいて、ユーザの心拍数データを判定するための技術をサポートしてもよい。いくつかの態様では、システム200のリング104、ユーザデバイス106、及びサーバ110は、動き、活動、運動などの期間中にユーザの心拍数データを判定するように構成されてもよい。特に、システム200のそれぞれの構成要素は、ユーザの生理学的データ(例えば、動き)に基づいて、ユーザの心拍数データ(例えば、運動心拍数データ)を判定するために使用されてもよい。例えば、システム200のそれぞれの構成要素は、リング104-a(又はシステム200の他の構成要素)が実際の心拍数データを選択し、誤った心拍数測定値をもたらし得る動きアーチファクトを除去又は無視するために使用し得るユーザの生理学的データを収集してもよい。そのため、生理学的データは、システム200のリング104上のセンサを利用することによって取得されてもよい。
【0092】
例えば、本明細書で前述したように、システム200のリング104は、温度、心拍数、移動などを含むデータをユーザから収集するためにユーザによって装着されてもよい。システム200のリング104は、動脈血流に基づいてユーザから生理学的データを収集してもよい。リング104によって収集された生理学的データは、実際の血流ではなく、動き(例えば、動きアーチファクト)に起因する誤った又は間違った心拍数データを判定するために使用されることがあり、従って、実際の心拍数データを判定するために使用されることがある。
【0093】
例えば、いくつかの実装では、獲得されたPPGデータ及び動きデータは、ユーザの心拍数を判定するように構成されている機械学習モデル(例えば、ヒューリスティックベースのモデル、ディープラーニングモデル、回帰ベースのモデル)に入力されてもよい。そのような場合に、機械学習モデルは、動きアーチファクトに起因する候補心拍数測定値と、ユーザの実際の心拍数を示す候補心拍数測定値とを区別するように構成されてもよい。追加的又は代替的に、機械学習モデルは、受信したPPGデータ及び動きデータ内の時間領域及び/又は周波数領域の特徴(候補心拍数測定値を識別するために使用されてもよい)を識別するように構成されてもよく、識別された特徴に基づいて、ユーザの心拍数を判定又は推定するように構成されてもよい。
【0094】
心拍数データ(例えば、運動心拍数データ)を判定するための手順は、
図3及び
図4を参照してさらに示され、記載されてもよい。
【0095】
図3は、本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートする心拍数判定手順300の一例を図示する。心拍数判定手順300は、システム100、システム200、又はそれらの組み合わせの態様を実装するか、又はそれらの態様によって実装されてもよい。例えば、いくつかの実装では、心拍数判定手順300は、
図2に示すように、ユーザデバイス106のGUI275を介してユーザに表示され得る心拍数データ(例えば、活動心拍数データ、運動心拍数データ)をもたらしてもよい。
【0096】
本明細書に記載のように、システム(例えば、システム200)、又はウェアラブルデバイス(例えば、リング104)などのシステム200の一部分は、心拍数データのセットからユーザの心拍数データを識別してもよく、心拍数データは、動きアーチファクトを含むことがある。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、活動、動き、運動などの期間中に、本明細書に記載の技術に従って、ユーザの心拍数データを検出してもよい。場合によっては、本明細書に記載の心拍数データを判定するための技術は、活動的な心拍数検出以外の心拍数検出、又は(例えば、ユーザが活動的であるか運動しているかにかかわらず)全ての心拍数検出に利用されてもよい。したがって、心拍数判定手順300は、運動、動き、活動などの間のユーザの心拍数を判定することに限定されなくてもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、ユーザが活動(例えば、移動閾値を満たす活動、心拍数閾値を満たす心拍数をもたらす活動)を行っていること、運動していることなどを検出してもよく、活動の検出に基づいて、本明細書に記載の心拍数判定手順300を実行してもよい。場合によっては、ユーザは、そのような活動を行っていることをウェアラブルデバイスに通知するか、又は他の方法で本明細書に記載の心拍数判定手順300を実行するようにウェアラブルデバイスに促してもよい。
【0097】
305において、ウェアラブルデバイスは、ユーザに関連付けられた動きデータ(例えば、加速度データ)を測定してもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、活動、時刻などに基づいて、動きデータを絶えず、周期的に(例えば、周期性に従って)測定してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、1秒ごとに動きデータ(例えば、動きデータ点)を測定するように構成されてもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、動きデータを取得し、ウェアラブルデバイスのユーザが活動(例えば、移動閾値を満たす活動など)を行っていること、運動していることなどに基づいて、本明細書に記載の手順を実行するように構成されてもよい。このような活動中、ウェアラブルデバイスは、活動の持続時間にわたって、1秒ごとなどの周期性に従って動きデータを測定するように構成されてもよい。
【0098】
場合によっては、ウェアラブルデバイスは、設定された持続時間にわたって動きを測定してもよく、ウェアラブルデバイスは、設定された持続時間で構成され得るか、又は設定された持続時間の指標を受信し得るか、又は設定された持続時間を判定し得る。場合によっては、持続時間は、ユーザによって行われている活動、運動などの持続時間に基づいてもよい。
動きデータを測定するために、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイス上の1つ以上の動きセンサ(例えば、動きセンサ245)を利用してもよい。場合によっては、動きデータは、加速度データを指してもよい。このような場合、ウェアラブルデバイス上の動きセンサは、3D加速度などのユーザの加速度を検出することができる加速度計(例えば、3D加速度計)を指してもよい。ウェアラブルデバイスは、x、y、及びz軸における動きデータを取得してもよく、各軸は、異なる動きチャネルと呼ばれてもよい。したがって、ウェアラブルデバイスは、3つの動きチャネルにわたって動きデータを取得してもよい。場合によっては、加速度計は、50Hz又は他の周波数でユーザの加速度を測定してもよい。
【0099】
310において、ウェアラブルデバイス、ユーザデバイス、サーバ、又はそれらの任意の組み合わせが、動きデータを前処理してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、3D加速度データ(例えば、生のデータ)を前処理して、処理された加速度データを取得してもよい。ウェアラブルデバイスは、各動きチャネルを別個に前処理してもよい。場合によっては、前処理は、動きデータから外れ値、間違ったデータ、ノイズ、又はそれらの組み合わせを除去することを含んでもよい。
【0100】
315において、ウェアラブルデバイス、ユーザデバイス、サーバ、又はそれらの任意の組み合わせは、マルチパスマージャ手順を実行してもよい。上述のように、ウェアラブルデバイスは、x、y、及びzの3つのチャネルを介して動きデータを取得してもよい。したがって、ウェアラブルデバイスは、3つの別個のチャネルに関連付けられたデータをマルチパスマージャモジュールに入力して、単一のチャネル(例えば、単一のセットの動きデータ)を取得してもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、動きチャネルのセットから1つの動きチャネルを選択する(例えば、x軸動きチャネル、y軸動きチャネル、又はz軸動きチャネルを選択する)ように構成されてもよい。選択は、品質に基づいてもよく、そのため、ウェアラブルデバイスは、最高品質、最小数の外れ値、最小量のノイズ、又はそれらの何らかの組み合わせに関連付けられたチャネルを選択してもよい。
【0101】
場合によっては、ウェアラブルデバイス、ユーザデバイス、サーバ、又はそれらの任意の組み合わせは、平均化演算、加重平均化演算などを含む任意の数学的演算を使用して、2つ以上の動きチャネルを組み合わせて、集約又は複合動きデータを生成してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、チャネルのうちの少なくとも2つを平均化してもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、最高品質に関連付けられた(例えば、最小量の外れ値、ノイズなどに関連付けられた)2つのチャネルを平均化してもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、チャネルの各々が品質閾値を満たす場合、任意のチャネルを平均化するように構成されてもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、特定の数のチャネルを平均化するように構成されてもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、平均チャネルを取得するために、3つ全ての動きチャネルを平均化するように構成されてもよい。したがって、マルチパスマージャモジュールの出力は、単一の動きチャネルである。320において、ウェアラブルデバイス、ユーザデバイス、サーバ、又はそれらの任意の組み合わせは、動きデータ(例えば、前処理され、マージ/複合動きデータ)を時間領域プロセッサモジュールに入力してもよい。時間領域プロセッサモジュールは、動きデータに関連付けられた強度(例えば、動き強度)、動き強度の変化(例えば、強度変化率)、又はその両方を計算してもよい。時間領域プロセッサモジュールは、経時的な動き強度データ、又は経時的な動き強度の変化を出力してもよい。場合によっては、移動強度及び/又は強度変化率を計算することは、動きデータの絶対値を計算することと、絶対値の平均を計算することとを含んでもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、時間領域動きデータを時間領域プロセッサモジュールに入力し、そのモジュールは、周波数領域動きデータを出力してもよく、又はその逆も可能である。言い換えると、システム200の構成要素は、動きデータを動きデータの時間/周波数領域表現に変換してもよい。
【0102】
325において、ウェアラブルデバイスは、PPGデータを取得してもよい。ウェアラブルデバイスは、周波数(例えば、50Hz)などの条件のセットでPPGをサンプリングしてもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、活動、時刻などに基づいて、PPGデータを絶えず、周期的に(例えば、周期性に従って)測定してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、1秒ごとにPPGデータを測定する(例えば、PPGデータ点を収集する)ように構成されてもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、PPGデータを取得し、ウェアラブルデバイスのユーザが活動を行っている(例えば、活動が移動閾値を満たす時間中など)こと、運動していることなどに基づいて、本明細書に記載の手順を実行するように構成されてもよい。このような活動中、ウェアラブルデバイスは、活動の持続時間にわたって、1秒ごとなどの周期性に従ってPPGデータを測定するように構成されてもよい。
【0103】
場合によっては、ウェアラブルデバイスは、設定された持続時間にわたって動きを測定してもよく、ウェアラブルデバイスは、設定された持続時間で構成され得るか、又は設定された持続時間の指標を受信し得るか、又は設定された持続時間を判定し得る。場合によっては、持続時間は、ユーザによって行われている活動、運動などの持続時間に基づいてもよい。
PPGデータを測定するために、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のPPGセンサのセットを使用して、ユーザのPPGデータをサンプリングしてもよく、PPGセンサの各セットは、少なくとも1つの光源(例えば、LED)及び少なくとも1つの光検出器を含む。例えば、ウェアラブルデバイスは、第1のLED及び第1の光検出器を含むPPGセンサの第1のペアと、第2のLED及び第2の光検出器を含むPPGセンサの第2のペアとを含んでもよい。言い換えると、ウェアラブルデバイスは、PPGデータ(例えば、センサの2つのそれぞれのペアからの2つの別個のPPG信号)を獲得するための2つの別個の「チャネル」を含んでもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、PPGセンサの第1及び第2のペアを同時に使用してPPGデータをサンプリングしてもよい。追加的又は代替的に、ウェアラブルデバイスは、第1及び第2のセットのPPGセンサを使用してPPGデータを連続的にサンプリングしてもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、PPGセンサの第1のペア及びPPGセンサの第2のペアの活性化状態を連続的に制御してもよい(例えば、第1のペアは、第2のペアが不活性状態にあるときに活性状態にあり、逆もまた同様である)。
【0104】
いくつかの実装では、ウェアラブルデバイスは、センサの複数のセットにわたって構成要素を使用してPPGをサンプリングしてもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、第1のLED及び第2の光検出器を使用して、又は第2のLED及び第1の光検出器を使用して、又はその両方を使用して、PPGデータを取得してもよい。場合によっては、第1のLEDと第2の光検出器とは、ウェアラブルデバイス上で互いに対向していてもよい。したがって、PPGセンサの2つのペアのを含むウェアラブルデバイスでは、ウェアラブルデバイスは、4つのPPG信号(例えば、4つのPPGチャネル)を取得してもよい。PPGセンサの別個のセット/ペアを連続的に活性化することは、各それぞれのPPG信号の品質及び正確性を改善し、干渉を低減し、より正確な心拍数測定値につながる可能性がある。
【0105】
330において、ウェアラブルデバイス、ユーザデバイス、サーバ、又はそれらの任意の組み合わせが、PPGデータを前処理してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、間違ったサンプル、外れ値、ノイズなどを除去するために、PPGデータをフィルタリングしてもよい。ウェアラブルデバイスは、各PPGチャネルを別個に前処理してもよい。
【0106】
335において、ウェアラブルデバイス、ユーザデバイス、サーバ、又はそれらの任意の組み合わせは、マルチパスマージャ手順を実行してもよい。上述のように、ウェアラブルデバイスは、センサの複数のセットからのPPG信号を監視してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、4つのPPG信号(例えば、4つの別個のチャネルを介して収集されたPPG信号)を取得してもよい。したがって、ウェアラブルデバイスは、4つの別個のチャネルに関連付けられたデータをマルチパスマージャモジュールに入力して、単一のチャネル(例えば、単一のセットの動きデータ)を取得してもよい。
【0107】
場合によっては、ウェアラブルデバイスは、PPGチャネルのセットから1つのPPGチャネルを選択するように構成されてもよい。選択は、品質に基づいてもよく、そのため、ウェアラブルデバイスは、最高品質、最小数の外れ値、ノイズなどに関連付けられたチャネルを選択してもよい。例えば、リング型ウェアラブルデバイスの文脈では、PPGサンプリングに使用されるそれぞれのセンサの各々(例えば、LED、光検出器)は、リングの内周に沿って異なる半径方向位置に配置されてもよい。したがって、PPGセンサの複数のセットのうちの1つ以上からのPPG信号のうちの1つは、ウェアラブルデバイスの周りのセンサの位置及びユーザとの関係、各それぞれのセンサ又はLEDとの皮膚接触の相対的品質などに起因して、複数のセンサのうちの他のセンサから取得されるPPG信号よりも信頼性が高くなってもよい。例えば、ユーザの指の下側(例えば、手のひら側)に位置するセンサは、指の骨の上(例えば、指の甲側)に位置するセンサよりも正確なPPGデータをもたらしてもよい。別の例として、ウェアラブルデバイスの相対的な配置は、第2のセンサと比較して、1つの第1のセンサでの皮膚接触が少なくなることをもたらすことがあり、したがって、第2のセンサと比較して、より低い品質のPPGデータをもたらすことがあるそのため、マルチパスマージャモジュールの出力は、センサの各ペアによって生成される信号の品質に基づいてもよい。
【0108】
いくつかの場合において、ウェアラブルデバイスは、平均化演算、加重平均化演算などを含む任意の数学的演算を使用して、PPGチャネル/信号を組み合わせて、集約又は複合PPGデータを生成してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、PPGチャネルのうちの少なくとも2つを平均化してもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、最高品質に関連付けられた(例えば、最小量の外れ値、ノイズなどに関連付けられた)2つ又は3つのPPGチャネルを平均化してもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、チャネルの各々が品質閾値を満たす場合、任意の数のチャネルを平均化するように構成されてもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、特定の数のチャネルを平均化するように構成されてもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、平均PPGチャネルを取得するために、4つ全ての動きチャネルを平均化するように構成されてもよい。したがって、マルチパスマージャモジュールの出力は、単一のPPG信号/チャネル(例えば、複合PPG信号)である。いくつかの態様では、システム200の構成要素は、PPGデータ(例えば、複合PPG信号)をPPGデータの時間/周波数領域表現に変換してもよい。
【0109】
340において、ウェアラブルデバイス、ユーザデバイス、サーバ、又はそれらの任意の組み合わせは、心拍数検出を実行してもよい。ウェアラブルデバイスは、取得されたPPG信号に基づいて、ユーザの心拍数を推定してもよい。ユーザの心臓が鼓動するたびに、血液は手と指に位置する動脈に送り出される。(例えば、
図2を参照して記載されるようなPPGシステム235の)ウェアラブルデバイス内のPPGセンサは、光反射及び吸収を使用して、血流及び体積のこれらの変化を検出することができる。各脈拍により、指の動脈は拡張と収縮(例えば、腫脹と収縮)を交互に繰り返す。LEDなどを介して皮膚に光を当てることにより、動脈内の赤血球の揺らぎ体積から反射された光の変化が測定される。ここから、PPGは、ユーザの心臓の活動、したがって、心拍数を表す視覚的波形を介して、これらの血流変化を表すことができる。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、品質閾値を満たすPPG信号に基づいて、又は品質閾値を満たすPPG信号の部分に基づいて、ユーザの心拍数を判定してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、ユーザの心拍数を能動的に表すPPG信号の1つ以上の部分を判定してもよい。
【0110】
本明細書に記載のように、いくつかの活動は、心拍数信号として誤って解釈され得るPPG信号を生成することがある。例えば、ランニング、ジャンプなどの運動は、動きアーチファクトを生じさせることがある。PPGセンサの光学的性質は、PPG測定値を、デバイスと皮膚との間の可変的かつ不連続な接触による動きアーチファクトの影響を受けやすくすることがある。動きアーチファクトは、典型的には、運動の動きによって誘発される血流速度の変化、又はPPGセンサとユーザの皮膚との間の相対的な移動によって生じる。例えば、いくつかの動きは、ウェアラブルデバイス(例えば、ウェアラブルデバイスのセンサ)と、ウェアラブルデバイスが配置されるユーザの部分との間に周期的な圧力をもたらすことがあり、それ自体、血管に周期的な圧力を加えることがある。周期的な圧力は、血管を周期的に収縮させ、拡張させることがある。したがって、ウェアラブルデバイスは、このような血管の収縮及び拡張が、ユーザの心拍数に起因せず、ユーザの動きに起因したものであるため、血管の収縮及び拡張を人工PPG信号(例えば、動きアーチファクト)として検出してもよい。
【0111】
したがって、心拍数検出を実行するために、ウェアラブルデバイスは、PPGデータと動きデータとを比較してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、所与の時間間隔において複数の強いPPG信号を検出してもよい。複数のPPG信号は、所定の時間間隔内のユーザの複数の「候補」心拍数を表してもよく、候補心拍数のうちの1つは、ユーザの実際の心拍数を表し、他の候補心拍数は、動き(例えば、人工心拍数、又は動きアーチファクト)に起因することがある。したがって、システム200は、どの候補PPG信号がユーザの実際の心拍数を表すかを識別するように構成されてもよく、動きに起因するPPG信号を排除するか、又は無視するように構成されてもよい。
【0112】
いくつかの態様では、システム200は、マージされた動きデータ、動き強度データ、強度変化率データ、又はそれらの組み合わせなどの動きデータを使用して、複数の強いPPG信号(例えば、候補PPG信号)のうちのどれが動きによるものであるか、及びどのPPG信号がユーザの実際の心拍数を表すかを判定してもよい。例えば、システム200は、所与の時間間隔の間に収集された動きデータが、候補心拍数の1つによって呈される周期性/周波数パターンと類似するか、又は同じ相対的周期性(例えば、周波数パターン)を呈すると判定してもよい。この例では、システム200は、動きデータと類似する周期性/周波数パターンを呈する候補心拍数を動きアーチファクトとして識別してもよく、したがって、ユーザの実際の心拍数を識別する目的で、識別された候補心拍数/動きアーチファクトを無視してもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、他のPPG信号がどのデータ点で動き信号と重複するかを判定することができるように、動きデータ及びPPGデータを特定の単位で分析してもよい。ウェアラブルデバイスは、動き信号と重複するPPG信号、又は他の方法で動きに起因するPPG信号を除去(例えば、動きアーチファクトを除去する)してもよい。
【0113】
しかしながら、健康な人の血管は柔らかくて弾力性があり、波が通ると調和周波数を有する。調和周波数は基本周波数の整数倍です。場合によっては、一部のユーザ(例えば、運動選手)は、ユーザがそのケイデンスをユーザの脈波の高調波周波数に一致させることができるように、脈波調和周波数に基づいて運動することがある。したがって、場合によっては、重複するPPG信号が、ユーザがそのケイデンスを正確に一致させた実際の心拍数信号である可能性があるため、ウェアラブルデバイスは、動き信号と重複する全てのPPG信号を除去することができないことがある。したがって、重複するPPG信号及び動き信号を判定すると、ウェアラブルデバイスは、データを追加的に分析して、重複するPPG信号を除去するかどうかを判定してもよい。
【0114】
いくつかの態様では、システム200は、候補心拍数測定値と動きデータとの間のデータ傾向の比較に基づいて、1つ以上の候補心拍数(例えば、候補心拍数測定値)を動きアーチファクトとして識別してもよい。例えば、動きデータの周期性が増加する場合、システム200は、動きデータと候補心拍数データとの間の傾向の比較に起因する動きアーチファクトとして、心拍数の増加を示す候補心拍数測定値を識別してもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、動きデータが定常であるか、増加しているか、減少しているかなど(例えば、心拍数データの傾向)を判定し、そのような情報を使用して動的心拍数制限(例えば、範囲)を判定してもよい。ウェアラブルデバイスは、心拍数制限(例えば、ヒト心拍数の予測範囲)を使用して、複数のPPG信号のうちのどれを除去することができるかをさらに判定し、真の心拍数信号を判定してもよい。言い換えると、ウェアラブルデバイスは、PPG信号を心拍数制限又は範囲と比較し、予測される心拍数制限又は範囲内に入らないPPG信号を排除してもよい(例えば、ヒト心拍数の予測される範囲から外れる周期性/周波数パターンを有する候補心拍数は、動きアーチファクトとしてラベル付けされ、又は識別されてもよい)。
【0115】
真の心拍数信号を判定すると(例えば、ユーザの実際の心拍数を表す候補PPG信号を識別すると)、ウェアラブルデバイスは、心拍数データにおけるギャップを検出してもよい。例えば、リングデバイスに関しては、リングが回転すると、リングの周りに位置するPPGセンサも回転し、場合によっては、信号を検出することができない(例えば、センサが骨の上に位置することに起因するなど)。したがって、場合によっては、ウェアラブルデバイスは、ギャップの両側の心拍数データを識別して、ギャップ内の心拍数データを補間してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、第1の時間(例えば、ギャップの直前)の間に心拍数データを分析し、第2の時間(例えば、ギャップの直後)の間に心拍数データを分析してもよい。第1及び第2の時間の間の心拍数データ及び/又は動きデータの傾向、強度、又はその両方などの分析に基づいて、ウェアラブルデバイスは、ギャップ内の心拍数データを補間してもよい。例えば、動きデータの強度がギャップ中に増加した場合、動き強度の増加に起因してユーザの心拍数も増加することが予想されてもよい。そのため、システム200は、ギャップを横切る補間を実行して、対応する動き強度の増加に起因して心拍数の増加を表してもよい。
【0116】
追加の又は代替の実装では、システム200は、「推定器」又は機械学習モデル/アルゴリズム(例えば、ヒューリスティックベースのモデル、深層学習モデル、回帰ベースのモデル)を利用して、340で心拍数検出を実行してもよい。特に、305~320で収集/処理された動きデータ、及び325~335で収集及び処理されたPPGデータは、機械学習モデルに入力されてもよく、機械学習モデルは、ユーザの心拍数を判定する(例えば、候補心拍数のセットから候補心拍数を選択又は推定する)ように構成されている。
【0117】
場合によっては、心拍数検出のための機械学習モデルを訓練するために、ウェアラブルデバイスは、1人以上のユーザから(ユーザが運動している間などに)生理学的データ(例えば、PPGデータ、動きデータ)を獲得してもよく、ECGベースのデバイスは、それぞれのユーザの心拍数データ(例えば、同じ時間間隔の間)を取得するために使用されてもよい。そのような場合、ECGベースの心拍数データは、機械学習モデルを訓練するために使用される「グラウンドトゥルース」心拍数測定値として機能してもよい。
【0118】
この例では、生理学的データ(例えば、PPGデータ、心拍数データ)は、機械学習モデルに入力されてもよく、機械学習モデルは、ウェアラブルデバイスから獲得された受信した生理学的データに基づいて、ECGベースの心拍数データを生成又は出力するように訓練される。言い換えると、ECGに基づくデータは、モデルの所望の出力と考えられてもよく、機械学習モデルは、生理学的データを受信することに基づいてECGベースの心拍数データと一致する(又は厳密に推定する)ように訓練される。そのため、機械学習モデルは、入力としてPPGデータ及び動きデータを受信し、出力として心拍数測定値/推定値を生成するように訓練されてもよい。
【0119】
場合によっては、システム200は、ユーザの異なる人口層(例えば、異なる年齢グループ、様々な活動/パフォーマンスのレベル、異なる肌色など)、様々な医学的状態を有するユーザなどのために、機械学習モデルの複数のバージョンを訓練してもよい。この点に関して、ユーザの異なる人口層に合わせて調整された異なるモデルが使用されて、心拍数検出を実行するためのそれぞれのモデルの能力をさらに微調整してもよい。例えば、システム200は、熱心なランナーであるユーザから生理学的データを獲得し、他のランナーからのデータに基づいて訓練された機械学習モデルを利用して、ユーザの心拍数検出を実行してもよい。
【0120】
機械学習モデルを訓練した後に、機械学習モデルを使用して、ウェアラブルデバイスから獲得された生理学的データ(例えば、PPGデータ、動きデータ)に基づいて、ユーザの「ライブ」心拍数測定を実行してもよい。例えば、
図3に図示される時間/周波数領域動きデータ及び時間/周波数PPGデータは、340で機械学習モデルに入力されてもよく、機械学習モデルは、受信したデータに基づいて心拍数測定値/推定値を出力するように構成されてもよい。
【0121】
例えば、機械学習モデルは、動きアーチファクトに起因する候補心拍数測定値と、ユーザの実際の心拍数を示す候補心拍数測定値とを区別するように構成されてもよい。このような場合、機械学習モデルは、候補心拍数測定値を選択し(例えば、識別し、推定し)、選択/推定された候補心拍数測定値に基づいて、ユーザの心拍数を判定するように構成されてもよい。例えば、機械学習モデルは、受信した心拍数データ内のPPG心拍数候補(例えば、候補心拍数測定値)を識別し、識別された候補心拍数に基づいて(例えば、候補心拍数測定値のうちの1つを選択すること、候補心拍数測定値を修正すること、新しい候補心拍数測定値を推定することなどによって)、心拍数測定値を推定するように構成されてもよい。
【0122】
別の例として、機械学習モデルは、受信したPPGデータ及び動きデータ内の時間領域及び/又は周波数領域の特徴を識別又は抽出するように構成されてもよい。この例では、時間領域及び/又は周波数領域の特徴は、心拍数測定値を判定/推定するための機械学習モデルへの入力として使用されてもよい。例えば、獲得された生理学的データから抽出された時間/周波数領域特徴は、候補心拍数測定値を含んでもよく、機械学習モデルは、入力として候補心拍数測定値を受信し、出力として心拍数測定値を推定する(例えば、候補心拍数測定値を選択又は修正する)ように構成されている。
【0123】
345で、ウェアラブルデバイスは、真の心拍数データを出力してもよい。心拍数データの時系列は、アプリケーション(例えば、GUI275)に表示されてもよい。心拍数データの提示は、以下に
図5を参照してさらに示され、記載される。
【0124】
場合によっては、ステップ305~345は、ウェアラブルデバイス、ユーザデバイス(例えば、ユーザデバイス106)、アプリケーション(例えば、ユーザデバイス106のアプリケーション)、又はそれらの組み合わせによって実行されてもよい。例えば、ウェアラブルデバイスとユーザデバイスとの組み合わせは、ステップ305~345を実行してもよく、アプリケーションは、ユーザデバイス上に心拍数データを出力してもよい。場合によっては、ステップ305~335は、n秒ごとに(例えば、1秒ごとに)実行されてもよい。追加的又は代替的に、ステップ340の1つ以上の態様は、構成された周期性に従って実行されてもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、x秒(例えば、5秒)ごとに強い動き信号を検出し、y秒(例えば、15秒)ごとに強いPPG信号を検出してもよい。ウェアラブルデバイスは、活動、運動などの間に少なくともステップ305~335を実行するように構成されてもよく、活動、運動などの後にステップ340及び345の1つ以上の態様を実行するように構成されてもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、活動、運動などの間にステップ340及び345の1つ以上の態様を実行するように構成されてもよい。
【0125】
図4は、本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートする心拍数判定手順400の一例を図示する。心拍数判定手順400は、システム100、システム200、又はそれらの組み合わせの態様を実装するか、又はそれらの態様によって実装されてもよい。場合によっては、心拍数判定手順400の1つ以上の態様は、心拍数判定手順300の1つ以上の態様と同じ又は類似であってもよい。いくつかの実装では、心拍数判定手順400は、
図2に示すように、ユーザデバイス106のGUI275を介してユーザに表示され得る心拍数データ(例えば、活動心拍数データ、運動心拍数データ)をもたらしてもよい。
【0126】
本明細書に記載のように、システム200などのシステム、又はウェアラブルデバイス(例えば、リング104)などのシステム200の一部分は、心拍数データのセットからユーザの心拍数データを識別してもよく、心拍数データは、動きアーチファクトを含むことがある。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、活動、動き、運動などの期間中に、本明細書に記載の技術に従って、ユーザの心拍数データを検出してもよい。場合によっては、本明細書に記載の心拍数データを判定するための技術は、活動的な心拍数検出以外の心拍数検出、又は(例えば、ユーザが活動的であるか運動しているかにかかわらず)全ての心拍数検出に利用されてもよい。したがって、心拍数判定手順は、運動、動き、活動などの間のユーザの心拍数を判定することに限定されなくてもよく、追加的又は代替的に、休息、弛緩、仲介などの期間中の心拍数を判定するために使用されてもよい。
【0127】
図3を参照して説明したように、ウェアラブルデバイスは、PPGデータを取得してもよい。PPGデータを測定するために、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のPPGセンサのセットを使用して、ユーザのPPGデータをサンプリングしてもよく、PPGセンサの各セットは、少なくとも1つのLED及び少なくとも1つの光検出器を含む。例えば、PPGセンサの2つのペアを含むウェアラブルデバイスでは、ウェアラブルデバイスは、4つのPPG信号(例えば、4つのPPGチャネル)を取得してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、4つの異なるチャネル(例えば、4つの異なるPPGセンサの組み合わせ)を介して取得されたPPGデータを表すPPGグラフ405-a、405-b、405-c、405-dを取得してもよい。
【0128】
システム200のウェアラブルデバイス及び/又は他の構成要素は、各PPGチャネルを別個に前処理し、その後、単一のPPG信号(例えば、複合PPG信号)を取得するためにマルチパスマージャ手順を実行してもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、チャネルのセットから1つのチャネルを選択するように構成されてもよい。選択は、品質に基づいてもよく、そのため、ウェアラブルデバイスは、最高品質、最小数の外れ値、ノイズなどに関連付けられたチャネルを選択してもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の数学的演算を使用して、2つ以上のPPG信号を組み合わせてもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、チャネルのうちの少なくとも2つを平均化してもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、最高品質に関連付けられた(例えば、最小量の外れ値、ノイズなどに関連付けられた)2つ又は3つのチャネルを平均化してもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、チャネルの各々が品質閾値を満たす場合、任意の数のチャネルを平均化するように構成されてもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、特定の数のチャネル、又は特定のサブセットのチャネルを平均化するように構成されてもよい。ウェアラブルデバイスは、平均PPGチャネルを取得するために、4つ全ての動きチャネルを平均化するように構成されてもよい。場合によっては、単一のPPGチャネルを判定することは、1つ以上の数式に基づいてもよい。したがって、マルチパスマージャモジュールの出力は、PPGグラフ405-e(例えば、複合PPG信号)などの単一のPPGチャネルである。
【0129】
追加的に、ウェアラブルデバイスは、ユーザに関連付けられた動きデータ(例えば、加速度データ)を測定してもよい。動きデータを測定するために、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイス上の1つ以上の動きセンサ(例えば、動きセンサ245)を利用してもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、x、y、及びz軸における動きデータを取得してもよく、各軸は、異なる動きチャネルと呼ばれてもよい。したがって、ウェアラブルデバイスは、3つの動きチャネルにわたって動きデータを取得してもよい。
図4を参照すると、グラフ410-a、410-b、及び410-cは、それぞれx、y、及びz軸で取得された動きデータを表してもよい。例えば、グラフ410-aは、x軸で取得された動きに関連付けられ、グラフ410-bは、y軸で取得された動きに関連付けられ、グラフ410-cは、z軸で取得された動きに関連付けられる。ウェアラブルデバイスは、チャネルの各々を前処理し、次いで、単一の動きチャネルを取得するためにチャネルのうちの1つ以上を組み合わせるかどうかを判定してもよい。
【0130】
場合によっては、システム200のウェアラブルデバイス及び/又は他の構成要素は、チャネルのセットから1つの動きチャネルを選択するように構成されてもよい。選択は、品質に基づいてもよく、そのため、ウェアラブルデバイスは、最高品質、最小数の外れ値、ノイズなどに関連付けられたチャネルを選択してもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の数学的演算を使用して、2つ以上の動きチャネルを組み合わせてもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、チャネルのうちの少なくとも2つを平均化してもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、最高品質に関連付けられた(例えば、最小量の外れ値、ノイズなどに関連付けられた)2つのチャネルを平均化してもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、チャネルの各々が品質閾値を満たす場合、任意のチャネルを平均化するように構成されてもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、特定の数のチャネル、又は特定のサブセットのチャネルを平均化するように構成されてもよい。ウェアラブルデバイスは、平均チャネルを取得するために、3つ全ての動きチャネルを平均化するように構成されてもよい。場合によっては、信号動きチャネルを判定することは、1つ以上の数式に基づいてもよい。したがって、単一のx、y、又はzチャネルを選択すると、又は2つ以上のチャネルをマージすると、ウェアラブルデバイスは、単一の動きグラフ410-d(例えば、複合動き信号)を取得してもよい。
【0131】
単一のPPG信号及び動き信号を判定すると、ウェアラブルデバイスは、ユーザの心拍数を判定してもよい。しかし、本明細書で前述したように、PPGデータは、動きに敏感であることがあり、場合によっては、一部の活動又は運動が、心拍数に起因しないPPG信号を生成することがある。したがって、PPG信号は、誤った心拍数425(例えば、動きアーチファクト)を表すことがある。例えば、
図4を参照すると、グラフ415は、実際の心拍数420と誤った心拍数425とを示すことがある。したがって、ユーザに正確な心拍数データを提供するために、ウェアラブルデバイスは、
図3を参照して記載されるようにステップ320、340、及び345を実行して、ユーザの実際の心拍数信号を検出してもよい。言い換えると、実際の心拍数420及び誤った心拍数425は、「候補」心拍数測定値を含んでもよく、システム200は、実際の心拍数420に対応するPPGデータ又は誤った心拍数425に対応するPPGデータが、ユーザの実際の心拍数を正確に表すかどうかを判定するように構成されてもよい。
【0132】
したがって、ウェアラブルデバイスは、候補心拍数測定値のセット(例えば、実際の心拍数420、誤った心拍数425)と動きデータとの間のデータ傾向の比較に少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値のセットから1つ以上の心拍数測定値を動きアーチファクトとして識別してもよい。ウェアラブルデバイスは、動きアーチファクトとして識別された1つ以上の心拍数測定値を含まない候補心拍数測定値のセットのサブセットから第1の心拍数測定値を選択してもよい。例えば、システム200は、誤った心拍数435を動きアーチファクトとして識別してもよく、従って、所与の時間間隔の間のユーザの実際の心拍数を反映する心拍数として、候補心拍数測定値のセットから実際の心拍数420を選択してもよい。
【0133】
1つ以上の心拍数測定値を動きアーチファクトとして識別することは、動きデータに対して類似の周波数パターンを呈する1つ以上の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値のセットから1つ以上の心拍数測定値を動きアーチファクトとして識別することを含んでもよい。本明細書で前述したように、システム200は、マージされた動きデータ、動き強度データ、強度変化率データ、又はそれらの組み合わせなどの動きデータを使用して、候補心拍数測定値/PPG信号のうちのどれが動きによるものであるか、及びどの心拍数測定値/PPG信号がユーザの実際の心拍数を表すかを判定してもよい。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、他のPPG信号がどのデータ点で動き信号と重複するかを判定することができるように、動きデータ及びPPGデータを特定の単位で分析してもよい。ウェアラブルデバイスは、動き信号と重複するPPG信号、又は他の方法で動きに起因するPPG信号を除去(例えば、動きアーチファクトを除去する)してもよい。
【0134】
本明細書で前述したように、いくつかの実装では、システム200は、機械学習モデル/アルゴリズム(例えば、ヒューリスティックベースのモデル、ディープラーニングモデル、回帰ベースのモデル)を利用して、心拍数検出を実行してもよい。特に、機械学習モデルは、ウェアラブルデバイスからPPGデータ及び動きデータを受信し、受信したデータに基づいて心拍数の測定値/推定値を出力するように訓練されてもよい。例えば、時間/周波数領域PPGデータ(例えば、PPG心拍数候補/候補心拍数を含むデータ)及び時間/周波数領域動きデータは、機械学習モデルに入力されてもよく、機械学習モデルは、受信した時間/周波数領域PPG及び動きデータに基づいて心拍数測定値を推定/判定するように構成されている。
【0135】
図5は、本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートするGUI500の一例を図示する。GUI500は、システム100、システム200、心拍数判定手順300、心拍数判定手順400、又はそれらの任意の組み合わせの態様を実装するか、又はそれらの態様によって実装されてもよい。例えば、GUI500は、
図2に図示されるユーザデバイス106内に含まれるGUI275の例を含んでもよい。
【0136】
GUI500は、GUI500(例えば、
図2に図示されたGUI275)を介してユーザに表示され得る一連のアプリケーションページ505を図示する。システム200のサーバ110は、ユーザデバイス106(例えば、モバイルデバイス)のGUI500に、(例えば、アプリケーションページ505-a又は505-bを介して)心拍数データの指標を表示させてもよい。したがって、心拍数データを判定すると(例えば、
図3及び
図4を参照して記載されるように)、ユーザには、ウェアラブルアプリケーション505を開くと、アプリケーションページ250-aが提示されてもよい。
図5に示すように、アプリケーションページ505-aは、心拍数グラフ510-aを表示してもよい。心拍数グラフ510-aは、ユーザの心拍数が様々なイベント及び活動(例えば、運動、睡眠、休息など)にどのように反応したかの視覚的表現を含んでもよい。
【0137】
場合によっては、心拍数グラフ510-aは、分、時、日などにわたるユーザの心拍数を表示してもよい。場合によっては、心拍数グラフ510は、昼間の心拍数データと夜間の心拍数データ(例えば、覚醒時心拍数データと睡眠時心拍数データ)との組み合わせを表示してもよい。追加的に、いくつかの実装では、アプリケーションページ505-aは、それぞれの日(例えば、それぞれの睡眠日)についてのユーザの1つ以上のスコア(例えば、睡眠スコア、準備完了スコア515、活動スコア、非活動時間)を表示してもよく、1つ以上のスコアは、心拍数データに基づいてもよい。別の例として、心拍数データは、準備完了スコア515のための要因の少なくともサブセット(例えば、睡眠、睡眠バランス、HRVバランス、回復指数、活動、活動バランスのサブセット)を更新するために使用されてもよい。場合によっては、アプリケーションページ505-aは、ワークアウト、モーメント、タグなどの追加情報をページに追加するためにユーザが押し得る追加ボタン530を含んでもよい。
【0138】
引き続き、
図5を参照すると、ユーザは、アプリケーションページ505-b(「心拍数モード」)に示すように、心拍数に関連付けられた詳細を見るために、アプリケーションページ505-a上で心拍数グラフ510-aを選択することが可能であってもよい。言い換えると、アプリケーションページ505-aに示す心拍数グラフ510-aをタップして、GUI500に、アプリケーションページ505-bを表示させ、ユーザが、経時的なユーザの心拍数を迅速かつ容易に見てもよいようにする。アプリケーションページ505-bは、心拍数の詳細を含むモーダルビューを含んでもよい。心拍数グラフ510-a及び510-bは、同じグラフを表示してもよいし、異なるグラフを表示してもよい。例えば、時間スケールは同じであっても異なっていてもよい。場合によっては、アプリケーションページ505-bは、心拍数の変化の理由を説明するためなどに、動き、運動、活動などの増加に関連付けられた心拍数グラフ510-bの一部分を示してもよい。アプリケーションページ505-bは、1日心拍数範囲520-a、リラックス時心拍数範囲520-b、睡眠時心拍数範囲520-c、運動時心拍数範囲520-dなどを含んでもよい。個々の範囲は、例えば、時間ベース毎であってもよい。場合によっては、アプリケーションページ505-bは、心拍数データをHRV、安静時心拍数などとして表示してもよい。
【0139】
場合によっては、ユーザは、アプリケーションページ505-c(「運動時心拍数モーダル」)に示すように、そのような活動中の心拍数に関連付けられた詳細を見るために、運動範囲520-d、又は運動、動き、活動などに関連付けられたアプリケーションページ505-bの何らかの他の態様を選択することが可能であってもよい。
言い換えると、アプリケーションページ505-bの一態様をタップすると、GUI500にアプリケーションページ505-cを表示させて、ユーザが行った最後の運動などの特定の活動中の時間にわたるユーザの心拍数をユーザが迅速かつ容易に見てもよいようにする。アプリケーションページ505-cは、心拍数の詳細を含むモーダルビューを含んでもよい。場合によっては、アプリケーションページ505-cは、運動、活動などの間にユーザの心拍数がどのように変化したかを表すために、運動心拍数グラフ510-cを表示してもよい。場合によっては、心拍数グラフ510-cの持続時間は、ユーザからの入力に基づいてもよい。例えば、ユーザは、(例えば、ボタン530を使用して)ワークアウトを追加してもよく、ユーザが、ワークアウトの長さを示してもよいし、ウェアラブルデバイス及び/又が、他の方法でワークアウトの長さを判定してもよく、心拍数グラフ510-cは、その長さに基づいてもよい。アプリケーションページ505-cはまた、運動時心拍数範囲525-a、最大運動時心拍数範囲525-b、最小運動時心拍数525-c、平均運動時心拍数範囲520-dなどを含んでもよい。個々の範囲は、例えば、ワークアウトベースごとであってもよい。
【0140】
いくつかの実装では、システム200は、判定された心拍数測定値のための1つ以上の正確性メトリック(例えば、「信号チェック」メトリック)を判定するように構成されてもよい。正確性メトリックは、判定された心拍数測定値がユーザにとってどれだけ正確であり、及び/又は信頼できるかの任意のメトリック又は予測子を含んでもよい。いくつかの態様では、正確性メトリックは、候補心拍数測定値の強度/パワー、並びにある測定期間又は時間間隔内の強い候補心拍数測定値の量から判定又は導出されてもよい。信号品質が低い場合(例えば、リングがあまりにも緩く、動きアーチファクトがあまりにも強いなどに起因する)、システム200は、ユーザの心拍数を自信を持って測定することができないことがあり、これは、正確性メトリックが比較的低い(例えば、心拍数測定値の正確性/信頼性が比較的低い)ことをもたらすことがある。いくつかの実装では、システム200は、(間違った心拍数値をユーザに提示することを回避するために)ある閾値メトリック未満の正確性メトリックを有する心拍数測定値を破棄するか、無視するか、又は他の方法で表示しないように構成されてもよい。言い換えると、システム200は、正確性/信頼性のある閾値レベルを呈する心拍数測定値のみ(例えば、ある閾値メトリックを満たす正確性メトリックを有する心拍数測定値)を表示するように構成されてもよい。
【0141】
システムのサーバは、ユーザデバイスのGUI500に、識別された心拍数データに関連付けられたアプリケーションページ505-a、505-b、505-c、又はそれらの組み合わせ上にメッセージを表示させてもよい。ユーザデバイスは、メッセージを介して心拍数データに関連付けられた推奨及び/又は情報を表示してもよい。いくつかの実装では、ユーザデバイス106及び/又はサーバ110は、心拍数データに関連付けられた警告(例えば、メッセージ、洞察)を生成してもよく、これは、GUI500(例えば、アプリケーションページ505-a、505-b、50-c、又は他のアプリケーションページ)を介してユーザに表示されてもよい。特に、GUI500を介して生成され、ユーザに表示されるメッセージは、心拍数データの1つ以上の特性(例えば、時刻、持続時間、範囲)に関連付けられてもよい。例えば、メッセージは、ユーザの心拍数に基づいて、呼吸すること、少しリラックスすることなどをユーザに警告してもよい。場合によっては、メッセージは、ユーザが最後に活動又は運動を行ってから閾値を超える持続時間が経過しているため、運動又は活動を行うようにユーザに警告してもよい。場合によっては、メッセージは、特定の心拍数を達成するためにどのようにライフスタイルを調整するかについてのユーザへの推奨を表示してもよい。例えば、メッセージは、運動中に特定の心拍数を目標とするようにユーザに警告してもよく、推奨は、ユーザが行っている運動のタイプに基づいてもよい。場合によっては、メッセージは、運動強度を低下させてユーザの心拍数を低くするか、又は強度を上昇させて目標心拍数に到達させるなど、ユーザに警告してもよい。この点に関して、システムは、ユーザのための効果的で健全なパターンを促進するために、ユーザにメッセージ又は洞察を表示するように構成されてもよい。
【0142】
心拍数グラフ510は、折れ線グラフ、棒グラフ、又はそれらの任意の組み合わせを含む任意の視覚的表現を介して図示されてもよい。例えば、心拍数グラフ510-a及び510-bは、折れ線グラフを含んでもよく、心拍数グラフ510-cは、心拍数測定値535(例えば、心拍数測定値)と重ね合わされた(又はその上にある)折れ線グラフを含んでもよい。いくつかの実装では、心拍数測定値535-a及び535-bなどの心拍数測定値535は、所与の期間における潜在的な心拍数測定値の範囲を図示してもよい。この点に関して、心拍数測定値の相対的な高さは、それぞれの心拍数測定値535の相対的な信頼性メトリックに関連付けられてもよい(又は、それを示してもよい)。例えば、
図5に示すように、第1の心拍数測定値535-aは、第2の心拍数測定値535-bと比較して、より大きな高さを呈し、これは、システム200が、第1の心拍数測定値535-aと比較して、より高い信頼メトリック(例えば、より正確な計算)で、第2の心拍数測定値535-bを計算することができたことを示してもよい。
【0143】
いくつかの実装では、ユーザデバイス106は、触覚フィードバック、オーディオフィードバックなどを介して心拍数グラフ510に関連付けられた心拍数測定値535を図示するか、又は他の方法で示すように構成されてもよい。特に、ユーザデバイス106は、ユーザが心拍数グラフ510の異なる部分と対話する(例えば、触れる、押す)ときに、異なる心拍数測定値(例えば、心拍数測定値535)に対応する触覚及び/又はオーディオフィードバックを提供するように構成されてもよい。
【0144】
例えば、ユーザは、心拍数グラフ510-c内の異なる心拍数測定値535を選択するために、心拍数グラフ510-cに沿って指(又はマウス、スタイラスなど)をスライドさせてもよい。この例では、ユーザデバイス106は、選択された心拍数測定値535を示す触覚フィードバック(又はハウリング)を提供してもよい。例えば、第1の心拍数測定値535-aが1分当たり70拍である場合に、ユーザデバイス106は、ユーザが第1の心拍数測定値535-a(又は第1の心拍数測定値510-aに関連付けられたx軸上の対応する点に対応する心拍数グラフ510-c上の点)を選択する(例えば、長押し、クリックするなど)ときに、1分当たり70回の振動、ビープ音、チャイムなどの速度で触覚及び/又はオーディオフィードバックを提供してもよい。同様に、第2の心拍数測定値535-bが1分当たり85拍である場合に、ユーザデバイス106は、ユーザが第2の心拍数測定値535-b(又は第2の心拍数測定値510-bに対応するx軸上の点に対応する心拍数グラフ510-c上の点)を選択する(例えば、長押し、クリックするなど)ときに、85回の振動、ビープ音、チャイムなどの速度で触覚及び/又はオーディオフィードバックを提供してもよい。
【0145】
図6は、本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートするデバイス605のブロック
図600を示す。デバイス605は、入力モジュール610、出力モジュール615、及びウェアラブルアプリケーション620を含んでもよい。デバイス605はまた、プロセッサを含んでもよい。これらの構成要素の各々は、互いに(例えば、1つ以上のバスを介して)通信してもよい。
【0146】
入力モジュール610は、パケット、ユーザデータ、制御情報、又は様々な情報チャネル(例えば、制御チャネル、データチャネル、疾患検出技術に関連する情報チャネル)に関連付けられたそれらの任意の組み合わせなどの情報を受信するための手段を提供してもよい。情報は、デバイス605の他の構成要素に渡されてもよい。入力モジュール610は、単一のアンテナ又は複数のアンテナのセットを利用してもよい。
【0147】
出力モジュール615は、デバイス605の他の構成要素によって生成された信号を送信するための手段を提供してもよい。例えば、出力モジュール615は、パケット、ユーザデータ、制御情報、又は様々な情報チャネル(例えば、制御チャネル、データチャネル、疾患検出技術に関連する情報チャネル)に関連付けられたそれらの任意の組み合わせなどの情報を送信してもよい。いくつかの例では、出力モジュール615は、トランシーバモジュール内の入力モジュール610と共同設置されてもよい。出力モジュール615は、単一のアンテナ又は複数のアンテナのセットを利用してもよい。
【0148】
例えば、ウェアラブルアプリケーション620は、生理学的データ構成要素625、候補心拍数判定構成要素630、心拍数選択構成要素635、心拍数判定構成要素640、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの例では、ウェアラブルアプリケーション620、又はその様々な構成要素は、入力モジュール610、出力モジュール615、又はその両方を使用して、又は他の方法でそれと協働して、様々な動作(例えば、受信、監視、送信)を実行するように構成されてもよい。例えば、ウェアラブルアプリケーション620は、入力モジュール610から情報を受信し、出力モジュール615に情報を送信するか、又は入力モジュール610、出力モジュール615、若しくはその両方と組み合わせて統合されて、情報を受信し、情報を送信し、若しくは本明細書に記載されるような様々な他の動作を実行してもよい。
【0149】
生理学的データ構成要素625は、ウェアラブルユーザに関連付けられた生理学的データを受信することであって、生理学的データは、ユーザに関連付けられたウェアラブルデバイスを介して、第1の時間間隔にわたって収集されたPPGデータ及び動きデータを含む、ことを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。候補心拍数判定構成要素630は、PPGデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内の候補心拍数測定値のセットを判定することを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。心拍数選択構成要素635は、受信した動きデータに少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値のセットから第1の心拍数測定値を選択することを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。心拍数判定構成要素640は、選択された第1の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内のユーザの第1の心拍数を判定することを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。
【0150】
図7は、本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートするウェアラブルアプリケーション720のブロック
図700を示す。ウェアラブルアプリケーション720は、本明細書に記載されるように、ウェアラブルアプリケーション若しくはウェアラブルアプリケーション620、又はその両方の態様の一例であってもよい。ウェアラブルアプリケーション720、又はその様々な構成要素は、本明細書に記載されるように、心拍数を測定するための技術の様々な態様を実行するための手段の一例であってもよい。例えば、ウェアラブルアプリケーション720は、生理学的データ構成要素725、候補心拍数判定構成要素730、心拍数選択構成要素735、心拍数判定構成要素740、動きアーチファクト識別構成要素745、PPG信号組み合わせ構成要素750、加速度データ組み合わせ構成要素755、データ表示構成要素760、心拍数補間構成要素765、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。これらの構成要素の各々は、互いに(例えば、1つ以上のバスを介して)直接的又は間接的に通信してもよい。
【0151】
生理学的データ構成要素725は、ウェアラブルユーザに関連付けられた生理学的データを受信することであって、生理学的データは、ユーザに関連付けられたウェアラブルデバイスを介して、第1の時間間隔にわたって収集されたPPGデータ及び動きデータを含む、ことを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。候補心拍数判定構成要素730は、PPGデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内の候補心拍数測定値のセットを判定することを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。心拍数選択構成要素735は、受信した動きデータに少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値のセットから第1の心拍数測定値を選択することを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。心拍数判定構成要素740は、選択された第1の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内のユーザの第1の心拍数を判定することを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。
【0152】
いくつかの例では、動きアーチファクト識別構成要素745は、候補心拍数測定値のセットと動きデータとの間のデータ傾向の比較に少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値のセットから1つ以上の心拍数測定値を動きアーチファクトとして識別することを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。いくつかの例では、心拍数選択構成要素735は、動きアーチファクトとして識別された1つ以上の心拍数測定値を含まない候補心拍数測定値のセットのサブセットから第1の心拍数測定値を選択することを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。
【0153】
いくつかの例では、1つ以上の心拍数測定値を動きアーチファクトとして識別するため、動きアーチファクト識別構成要素745は、動きデータに対して類似の周波数パターンを呈する1つ以上の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値のセットから1つ以上の心拍数測定値を動きアーチファクトとして識別することを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。
【0154】
いくつかの例では、生理学的データ構成要素725は、ユーザに関連付けられた追加の生理学的データを受信することであって、追加の生理学的データは、ウェアラブルデバイスを介して、第2の時間間隔にわたって収集された追加のPPGデータ及び追加の動きデータを含み、第2の時間間隔は、第1の時間間隔の後である、ことを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。いくつかの例では、候補心拍数判定構成要素730は、追加のPPGデータに少なくとも部分的に基づいて、第2の時間間隔内の候補心拍数測定値の追加のセットを判定することを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。いくつかの例では、心拍数選択構成要素735は、受信した追加の動きデータに少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値の追加のセットから第2の心拍数測定値を選択することを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。いくつかの例では、心拍数判定構成要素740は、選択された第2の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、第2の時間間隔内のユーザの第2の心拍数を判定することを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。
【0155】
いくつかの例では、心拍数補間構成要素765は、第1の時間間隔に対する第1の心拍数測定値と、第2の時間間隔に対する第2の心拍数測定値との間を補間することであって、第1の時間間隔内のユーザの第1の心拍数を判定すること、第2の時間間隔内のユーザの第2の心拍数を判定すること、又はその両方は、補間に少なくとも部分的に基づく、ことを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。
【0156】
いくつかの例では、補間をサポートするために、心拍数補間構成要素765は、第1の時間間隔にわたって収集された動きデータの強度、第2の時間間隔にわたって収集された追加の動きデータの強度、又はその両方に少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔に対する第1の心拍数測定値と、第2の時間間隔に対する第2の心拍数測定値との間を補間することを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。
【0157】
いくつかの例では、PPGデータは、PPGセンサの複数のペアから取得された複数のPPG信号を含み、PPG信号組み合わせ構成要素750は、1つ以上の数学的演算を使用して複数のPPG信号を組み合わせて複合PPG信号を生成することであって、1つ以上の数学的演算は、平均化演算、加重平均化演算、又はその両方を含み、心拍数データ系列のセットを判定することは、複合PPG信号に少なくとも部分的に基づく、ことを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。
【0158】
いくつかの例では、動きデータは、第1の方向に関する第1の加速度データを含み、加速度データ組み合わせ構成要素755は、第1の加速度データ、第2の加速度データ、又は第3の加速度データの1つ以上の特性に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の数学的演算を使用して、第1の加速度データ、第2の加速度データ、第3の加速度データ、又はそれらの任意の組み合わせを組み合わせることであって、心拍数データ系列のセットからの第1の心拍数データ系列の選択は、第1の加速度データ、第2の加速度データ、第3の加速度データ、又はそれらの任意の組み合わせを組み合わせることに少なくとも部分的に基づく、ことを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。
【0159】
いくつかの例では、候補心拍数測定値のセットの判定をサポートするために、候補心拍数判定構成要素730は、ヒト心拍数の予想範囲に対応する周波数範囲内で候補心拍数測定値のセットを判定することを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。
【0160】
いくつかの例では、データ表示構成要素760は、ユーザに関連付けられたユーザデバイスのGUIに、第1の心拍数の指標を表示させることを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。
【0161】
いくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む。
【0162】
いくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいてユーザから生理学的データを収集する。
【0163】
図8は、本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートするデバイス805を含むシステム800の図を示す。デバイス805は、本明細書に記載されるようなデバイス605の一例であってもよく、又はデバイス605の構成要素を含んでもよい。デバイス805は、本明細書で前述したように、ユーザデバイス106の一例を含んでもよい。デバイス805は、ウェアラブルアプリケーション820、通信モジュール810、アンテナ815、ユーザインターフェース構成要素825、データベース(アプリケーションデータ)830、メモリ835、及びプロセッサ840など、ウェアラブルデバイス104及びサーバ110との通信を送信及び受信するための構成要素を含む双方向通信のための構成要素を含んでもよい。これらの構成要素は、電子通信状態にあってもよく、又は他の方法で1つ以上のバス(例えば、バス845)を介して(例えば、動作的に、通信的に、機能的に、電子的に、電気的に)結合されてもよい。
【0164】
通信モジュール810は、アンテナ815を介してデバイス805の入出力信号を管理してもよい。通信モジュール810は、
図2に示され記載されたユーザデバイス106の通信モジュール220-bの一例を含んでもよい。この点に関して、通信モジュール810は、
図2に図示されたように、リング104及びサーバ110との通信を管理してもよい。通信モジュール810はまた、デバイス805に統合されていない周辺機器を管理してもよい。場合によっては、通信モジュール810は、外部周辺機器への物理的接続又はポートを表してもよい。場合によっては、通信モジュール810は、iOS(登録商標)、ANDROID(登録商標)、MS-DOS(登録商標)、MS-WINDOWS(登録商標)、OS/2(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)などのオペレーティングシステム、又は他の既知のオペレーティングシステムを利用してもよい。他の場合には、通信モジュール810は、ウェアラブルデバイス(例えば、リング104)、モデム、キーボード、マウス、タッチスクリーン、又は類似のデバイスを表すか、又はそれらと対話してもよい。場合によっては、通信モジュール810は、プロセッサ840の一部として実装されてもよい。いくつかの例では、ユーザは、通信モジュール810、ユーザインターフェース構成要素825、又は通信モジュール810によって制御されたハードウェア構成要素を介して、デバイス805と対話してもよい。
【0165】
場合によっては、デバイス805は、単一のアンテナ815を含んでもよい。しかし、他のいくつかの場合には、デバイス805は、複数の無線伝送を同時に送信又は受信することが可能であり得る2つ以上のアンテナ815を有してもよい。通信モジュール810は、本明細書に記載されるように、1つ以上のアンテナ815、有線又は無線リンクを介して、双方向に通信してもよい。例えば、通信モジュール810は、無線トランシーバを表してもよく、別の無線トランシーバと双方向に通信してもよい。通信モジュール810はまた、パケットを変調し、変調されたパケットを伝送のために1つ以上のアンテナ815に提供し、1つ以上のアンテナ815から受信したパケットを復調するモデムを含んでもよい。
【0166】
ユーザインターフェース構成要素825は、データベース830内のデータストレージ及び処理を管理してもよい。場合によっては、ユーザは、ユーザインターフェース構成要素825と対話してもよい。他の場合には、ユーザインターフェース構成要素825は、ユーザ対話なしに自動的に動作してもよい。データベース830は、単一データベース、分散データベース、複数分散データベース、データストア、データレイク、又は緊急バックアップデータベースのうちの一例であってもよい。
【0167】
メモリ835は、RAM及びROMを含んでもよい。メモリ835は、実行されると、本明細書に記載される様々な機能をプロセッサ840に実行させる命令を含むコンピュータ可読コンピュータ実行可能なソフトウェアを記憶してもよい。場合によっては、メモリ835は、とりわけ、周辺構成要素又はデバイスとの対話などの基本的なハードウェア又はソフトウェアの動作を制御し得るBIOS(basic I/O system)を含んでもよい。
【0168】
プロセッサ840は、インテリジェントハードウェアデバイス(例えば、汎用プロセッサ、(DSP、digital signal processor)、中央処理ユニット(CPU、central processing unit)、マイクロコントローラ、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA、field-programmable gate array)、プログラマブル論理デバイス、個別ゲート又はトランジスタ論理構成要素、個別ハードウェア構成要素、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。場合によっては、プロセッサ840は、メモリコントローラを使用してメモリアレイを動作させるように構成されてもよい。他の場合には、メモリコントローラは、プロセッサ840に統合されてもよい。プロセッサ840は、様々な機能(例えば、睡眠段階のための方法及びシステムをサポートするための機能又はタスク)を実行するために、メモリ835に記憶されたコンピュータ可読命令を実行するように構成されてもよい。
【0169】
例えば、ウェアラブルアプリケーション820は、ウェアラブルユーザに関連付けられた生理学的データを受信することであって、生理学的データは、ユーザに関連付けられたウェアラブルデバイスを介して、第1の時間間隔にわたって収集されたPPGデータ及び動きデータを含む、ことを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。ウェアラブルアプリケーション820は、PPGデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内の候補心拍数測定値のセットを判定することを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。ウェアラブルアプリケーション820は、受信した動きデータに少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値のセットから第1の心拍数測定値を選択することを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。ウェアラブルアプリケーション820は、選択された第1の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内のユーザの第1の心拍数を判定することを行うための手段として構成されるか、又は他の方法でその手段をサポートしてもよい。
【0170】
本明細書に記載されるような例に従ってウェアラブルアプリケーション820を含むか、又はこれを構成することによって、デバイス805は、ユーザのための改善された心拍数データ、及びユーザに提供される改善された警告又は指標のための技術をサポートしてもよい。
【0171】
ウェアラブルアプリケーション820は、リング104、サーバ110、他のユーザデバイス106などとの通信を容易にするように構成されたアプリケーション(例えば、「アプリ」)、プログラム、ソフトウェア、又は他の構成要素を含んでもよい。例えば、ウェアラブルアプリケーション820は、リング104からデータ(例えば、生理学的データ)を受信し、受信したデータに対して処理動作を実行し、サーバ110とデータを送信及び受信し、ユーザ102にデータの提示するように構成されたユーザデバイス106上で実行可能なアプリケーションを含んでもよい。
【0172】
図9は、本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートする方法900を図示するフローチャートである。方法900の動作は、本明細書に記載されるように、ユーザデバイス又はその構成要素によって実装されてもよい。例えば、方法900の動作は、
図1~
図8を参照して記載されたようなユーザデバイスによって実行されてもよい。いくつかの例では、ユーザデバイスは、記載の機能を実行するために、ユーザデバイスの機能要素を制御するための命令のセットを実行してもよい。追加的又は代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを使用して、記載の機能の態様を実行してもよい。
【0173】
905において、方法は、ユーザに関連付けられた生理学的データを受信することを含んでもよく、生理学的データは、ユーザに関連付けられたウェアラブルデバイスを介して、第1の時間間隔にわたって収集されたPPGデータ及び動きデータを含む。905の動作は、本明細書に開示されたような例に従って実行されてもよい。いくつかの例では、905の動作の態様は、
図7を参照して記載されたような生理学的データ構成要素によって実行されてもよい。
【0174】
910において、方法は、PPGデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内の候補心拍数測定値のセットを判定することを含んでもよい。910の動作は、本明細書に開示されたような例に従って実行されてもよい。いくつかの例では、910の動作の態様は、
図7を参照して記載されたような候補心拍数判定構成要素730によって実行されてもよい。
【0175】
915において、方法は、受信した動きデータに少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値のセットから第1の心拍数測定値を選択することを含んでもよい。915の動作は、本明細書に開示されたような例に従って実行されてもよい。いくつかの例では、915の動作の態様は、
図7を参照して記載されたような心拍数選択構成要素735によって実行されてもよい。
【0176】
920において、方法は、選択された第1の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内のユーザの第1の心拍数を判定することを含んでもよい。920の動作は、本明細書に開示されたような例に従って実行されてもよい。いくつかの例では、920の動作の態様は、
図7を参照して記載されたような心拍数判定構成要素740によって実行されてもよい。
【0177】
図10は、本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートする方法1000を図示するフローチャートである。方法1000の動作は、本明細書に記載されるように、ユーザデバイス又はその構成要素によって実装されてもよい。例えば、方法1000の動作は、
図1~
図8を参照して記載されるようなユーザデバイスによって実行されてもよい。いくつかの例では、ユーザデバイスは、記載の機能を実行するために、ユーザデバイスの機能要素を制御するための命令のセットを実行してもよい。追加的又は代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを使用して、記載の機能の態様を実行してもよい。
【0178】
1005において、方法は、ユーザに関連付けられた生理学的データを受信することを含んでもよく、生理学的データは、ユーザに関連付けられたウェアラブルデバイスを介して、第1の時間間隔にわたって収集されたPPGデータ及び動きデータを含む。1005の動作は、本明細書に開示されたような例に従って実行されてもよい。いくつかの例では、1005の動作の態様は、
図7を参照して記載されたような生理学的データ構成要素によって実行されてもよい。
【0179】
1010において、本方法は、1つ以上の数学的演算を使用して複数のPPG信号を組み合わせて複合PPG信号を生成することを含んでもよく、1つ以上の数学的演算は、平均化演算、加重平均化演算、又はその両方を含む。1010の動作は、本明細書に開示されたような例に従って実行されてもよい。いくつかの例では、1010の動作の態様は、
図7を参照して記載されたようなPPG信号組み合わせ構成要素750によって実行されてもよい。
【0180】
1015において、本方法は、PPGデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内の候補心拍数測定値のセットを判定することを含んでもよく、候補心拍数測定値のセットを判定することは、複合PPG信号に少なくとも部分的に基づく。1015の動作は、本明細書に開示されたような例に従って実行されてもよい。いくつかの例では、1015の動作の態様は、
図7を参照して記載されたような候補心拍数判定構成要素730によって実行されてもよい。
【0181】
1020において、方法は、受信した動きデータに少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値のセットから第1の心拍数測定値を選択することを含んでもよい。1020の動作は、本明細書に開示されたような例に従って実行されてもよい。いくつかの例では、1020の動作の態様は、
図7を参照して記載されたような心拍数選択構成要素735によって実行されてもよい。
【0182】
1025において、方法は、選択された第1の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内のユーザの第1の心拍数を判定することを含んでもよい。1025の動作は、本明細書に開示されたような例に従って実行されてもよい。いくつかの例では、1025の動作の態様は、
図7を参照して記載されたような心拍数判定構成要素740によって実行されてもよい。
【0183】
図11は、本開示の態様による、心拍数を測定するための技術をサポートする方法1100を図示するフローチャートである。方法1100の動作は、本明細書に記載されるように、ユーザデバイス又はその構成要素によって実装されてもよい。例えば、方法1100の動作は、
図1~
図8を参照して記載されたようなユーザデバイスによって実行されてもよい。いくつかの例では、ユーザデバイスは、記載の機能を実行するために、ユーザデバイスの機能要素を制御するための命令のセットを実行してもよい。追加的又は代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを使用して、記載の機能の態様を実行してもよい。
【0184】
1105において、方法は、ユーザに関連付けられた生理学的データを受信することを含んでもよく、生理学的データは、ユーザに関連付けられたウェアラブルデバイスを介して、第1の時間間隔にわたって収集されたPPGデータ及び動きデータを含む。1105の動作は、本明細書に開示されたような例に従って実行されてもよい。いくつかの例では、1105の動作の態様は、
図7を参照して記載されたような生理学的データ構成要素によって実行されてもよい。
【0185】
1110において、方法は、PPGデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内の候補心拍数測定値のセットを判定することを含んでもよい。1110の動作は、本明細書に開示されたような例に従って実行されてもよい。いくつかの例では、1110の動作の態様は、
図7を参照して記載されたような候補心拍数判定構成要素730によって実行されてもよい。
【0186】
1115において、方法は、受信した動きデータに少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値のセットから第1の心拍数測定値を選択することを含んでもよい。1115の動作は、本明細書に開示されたような例に従って実行されてもよい。いくつかの例では、1115の動作の態様は、
図7を参照して記載されたような心拍数選択構成要素735によって実行されてもよい。
【0187】
1120において、方法は、選択された第1の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内のユーザの第1の心拍数を判定することを含んでもよい。1120の動作は、本明細書に開示されたような例に従って実行されてもよい。いくつかの例では、1120の動作の態様は、
図7を参照して記載されたような心拍数判定構成要素740によって実行されてもよい。
【0188】
1125において、方法は、ユーザに関連付けられたユーザデバイスのGUIに、第1の心拍数の指標を表示させることを含んでもよい。1125の動作は、本明細書に開示されたような例に従って実行されてもよい。いくつかの例では、1125の動作の態様は、
図7を参照して記載されたようなデータ表示構成要素によって実行されてもよい。
【0189】
上述の方法は可能な実装を記載し、動作及びステップは再配置又は他の方法で修正されてもよく、他の実装が可能であることに留意されたい。さらに、方法のうちの2つ以上からの態様が組み合わされてもよい。
【0190】
方法が記載される。方法は、ユーザに関連付けられた生理学的データを受信することであって、生理学的データは、ユーザに関連付けられたウェアラブルデバイスを介して、第1の時間間隔にわたって収集されたPPGデータ及び動きデータを含む、ことと、PPGデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内の候補心拍数測定値のセットを判定することと、受信した動きデータに少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値のセットから第1の心拍数測定値を選択することと、選択された第1の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内のユーザの第1の心拍数を判定することと、を含んでもよい。
【0191】
装置が記載される。装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、メモリに記憶された命令と、を含んでもよい。命令は、プロセッサによって実行可能であってもよく、装置に、ユーザに関連付けられた生理学的データを受信することであって、生理学的データは、ユーザに関連付けられたウェアラブルデバイスを介して、第1の時間間隔にわたって収集されたPPGデータ及び動きデータを含む、ことと、PPGデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内の候補心拍数測定値のセットを判定することと、受信した動きデータに少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値のセットから第1の心拍数測定値を選択することと、選択された第1の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内のユーザの第1の心拍数を判定することと、を行わせる。
【0192】
別の装置が記載される。装置は、ユーザに関連付けられた生理学的データを受信するための手段であって、生理学的データは、ユーザに関連付けられたウェアラブルデバイスを介して、第1の時間間隔にわたって収集されたPPGデータ及び動きデータを含む、手段と、PPGデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内の候補心拍数測定値のセットを判定するための手段と、受信した動きデータに少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値のセットから第1の心拍数測定値を選択するための手段と、選択された第1の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内のユーザの第1の心拍数を判定するための手段と、を含んでもよい。
【0193】
コードを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体が記載される。コードは、プロセッサによって実行可能な命令を含んでもよく、プロセッサは、ユーザに関連付けられた生理学的データを受信することであって、生理学的データは、ユーザに関連付けられたウェアラブルデバイスを介して、第1の時間間隔にわたって収集されたPPGデータ及び動きデータを含む、ことと、PPGデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内の候補心拍数測定値のセットを判定することと、受信した動きデータに少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値のセットから第1の心拍数測定値を選択することと、選択された第1の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔内のユーザの第1の心拍数を判定することと、行う。
【0194】
本明細書に記載の方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例は、候補心拍数測定値のセットと動きデータとの間のデータ傾向の比較に少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値のセットから1つ以上の心拍数測定値を動きアーチファクトとして識別することと、動きアーチファクトとして識別された1つ以上の心拍数測定値を含まない候補心拍数測定値のセットのサブセットから第1の心拍数測定値を選択することと、を行うための動作、特徴、手段又は命令をさらに含んでもよい。
【0195】
本明細書に記載の方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つ以上の心拍数測定値を動きアーチファクトとして識別することは、動きデータに対して類似の周波数パターンを呈する1つ以上の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値のセットから1つ以上の心拍数測定値を動きアーチファクトとして識別することを行うための動作、特徴、手段又は命令を含んでもよい。
【0196】
本明細書に記載の方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザに関連付けられた追加の生理学的データを受信することであって、追加の生理学的データは、ウェアラブルデバイスを介して、第2の時間間隔にわたって収集された追加のPPGデータ及び追加の動きデータを含み、第2の時間間隔は、第1の時間間隔の後である、ことと、追加のPPGデータに少なくとも部分的に基づいて、第2の時間間隔内の候補心拍数測定値の追加のセットを判定することと、受信した追加の動きデータに少なくとも部分的に基づいて、候補心拍数測定値の追加のセットから第2の心拍数測定値を選択することと、選択された第2の心拍数測定値に少なくとも部分的に基づいて、第2の時間間隔内のユーザの第2の心拍数を判定することと、を行うための動作、特徴、手段又は命令をさらに含んでもよい。
【0197】
本明細書に記載の方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1の時間間隔に対する第1の心拍数測定値と、第2の時間間隔に対する第2の心拍数測定値との間を補間することであって、第1の時間間隔内のユーザの第1の心拍数を判定すること、第2の時間間隔内のユーザの第2の心拍数を判定すること、又はその両方は、補間に少なくとも部分的に基づく、ことを行うための動作、特徴、手段又は命令をさらに含んでもよい。
【0198】
本明細書に記載の方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例では、補間することは、第1の時間間隔にわたって収集された動きデータの強度、第2の時間間隔にわたって収集された追加の動きデータの強度、又はその両方に少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔に対する第1の心拍数測定値と、第2の時間間隔に対する第2の心拍数測定値との間を補間することを行うための動作、特徴、手段又は命令をさらに含んでもよい。
【0199】
本明細書に記載の方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例では、PPGデータは、PPGセンサの複数のペアから取得された複数のPPG信号を含み、PPGセンサの各ペアは、少なくとも1つの発光ダイオードと少なくとも1つの光検出器とを含み、方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体は、1つ以上の数学的演算を使用して複数のPPG信号を組み合わせて複合PPG信号を生成することであって、1つ以上の数学的演算は、平均化演算、加重平均化演算、又はその両方を含み、候補心拍数測定値のセットの判定は、複合PPG信号に少なくとも部分的に基づく、ことを行うための動作、特徴、手段又は命令をさらに含んでもよい。
【0200】
本明細書に記載の方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例では、動きデータは、第1の方向に関する第1の加速度データを含み、方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体は、第1の加速度データ、第2の加速度データ、又は第3の加速度データの1つ以上の特性に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の数学的演算を使用して、第1の加速度データ、第2の加速度データ、第3の加速度データ、又はそれらの任意の組み合わせを組み合わせることであって、心拍数データ系列のセットからの第1の心拍数データ系列の選択は、第1の加速度データ、第2の加速度データ、第3の加速度データ、又はそれらの任意の組み合わせを組み合わせることに少なくとも部分的に基づく、ことを行うための動作、特徴、手段、又は命令をさらに含んでもよい。
【0201】
本明細書に記載の方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例は、候補心拍数測定値のセットを判定することは、人間の心拍数の予想範囲に対応する周波数範囲内で候補心拍数測定値のセットを判定することを行うための動作、特徴、手段、又は命令を含んでもよい。
【0202】
本明細書に記載の方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザに関連付けられたユーザデバイスのGUIに、第1の心拍数の指標を表示させることを行うための動作、特徴、手段、又は命令をさらに含んでもよい。
【0203】
本明細書に記載の方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む。
【0204】
本明細書に記載の方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいてユーザから生理学的データを収集する。
【0205】
添付の図面に関連して、本明細書に記載される説明は、例示的な構成を記載し、実装され得るか、又は特許請求の範囲の範囲内にある、すべての例を表すものではない。本明細書で使用される「例示的」という用語は、「例、具体例、又は図示として機能する」ことを意味し、「好ましい」又は「他の例より有利である」ことを意味しない。詳細な説明は、記載の技術の理解を提供するための特定の詳細を含む。しかしながら、これらの技術は、これらの特定の詳細なしに実施されてもよい。いくつかの具体例では、周知の構造及びデバイスが、記載の例の概念を不明瞭にすることを避けるために、ブロック図の形態で示されている。
【0206】
添付の図面では、類似の構成要素又は特徴が、同一の参照ラベルを有してもよい。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、ダッシュ及び類似の構成要素間を区別する第2のラベルによって参照ラベルを追跡することによって区別されてもよい。第1の参照ラベルのみが明細書で使用される場合、説明は、第2の参照ラベルとは無関係に、同じ第1の参照ラベルを有する類似の構成要素のうちの任意の1つに適用可能である。
【0207】
本明細書に記載の情報及び信号は、様々な異なる技術及び技術のうちのいずれか使用して表されてもよい。たとえば、上記の説明の全体にわたって参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは磁気粒子、光学場若しくは光学粒子、又はそれらの任意の組み合わせによって表わされてもよい。
【0208】
本明細書における開示に関係して記載された様々な図示のブロック及びモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA又は他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート若しくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、又は本明細書に記載の機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを用いて実装又は実行されてもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的には、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ(例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成)として実装されてもよい。
【0209】
本明細書に記載の機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令又はコードとして記憶されてもよく、又は、それを介して送信されてもよい。他の例及び実装は、本開示及び添付の特許請求の範囲の範囲内である。例えば、ソフトウェアの性質のために、上述の機能は、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤ、又はこれらのいずれかの組み合わせを使用して実装され得る。機能を実装する特徴は、機能の部分が異なる物理的場所で実装されるように分散されていることを含む、様々な位置に物理的に位置していてもよい。また、特許請求の範囲において使用される場合を含む、本明細書で使用される場合、アイテムのリスト(例えば、「~のうちの少なくとも1つ」、「~のうちの1つ以上」などの語句によって前置きされるアイテムのリスト)において使用される場合の「又は」は、例えば、A、B、又はCの少なくとも1つというリストが、A、B、若しくはC、AB、AC、若しくはBC、又はABC (すなわち、A、B、及びC)を意味するような包括的リストを示す。また、本明細書で使用される場合、「~に基づく」という語句は、閉じた条件のセットへの参照として解釈されないものとする。例えば、「条件Aに基づく」と記載される例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件A及び条件Bの両方に基づいてもよい。言い換えれば、本明細書で使用される場合、「~に基づく」という語句は、「~に少なくとも部分的に基づく」という語句と同じ方式で解釈されるものとする。
【0210】
コンピュータ可読媒体は、非一時的なコンピュータ記憶媒体と、ある地点から別の地点へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体との両方を含む。非一時的な記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってもよい。限定ではなく例として、非一時的なコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、コンパクトディスク(CD)ROM若しくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ若しくは他の磁気ストレージデバイス、又は命令若しくはデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を担持又は記憶するために使用され得、かつ汎用若しくは特殊目的のコンピュータ、若しくは汎用又は特殊目的のプロセッサによってアクセスされ得る任意の他の非一時的な媒体を含むことができる。また、任意の接続は、適切にコンピュータ可読媒体と呼ばれる。例えば、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイスト・ペア、デジタル加入者線(DSL)、又は赤外線、無線、及びマイクロ波などの無線技術を用いて、ウェブサイト、サーバ、又は他のリモート・ソースからソフトウェアが送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイスト・ペア、DSL、又は赤外線、無線、及びマイクロ波のような無線技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用する場合、ディスク(disk、disc)は、CD、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途(DVD)ディスク、フロッピーディスク及びブルーレイ(登録商標)ディスクを含み、diskは、通常、磁気的にデータを再生し、discは、光学的にレーザでデータを再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0211】
本明細書における説明は、当業者が本開示を製造又は使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の変形に適用されてもよい。したがって、本開示は、本明細書に記載の例及び設計に限定されず、本明細書に開示の原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲で付与されるべきである。
【国際調査報告】