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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】タキキニン受容体3阻害剤の用途
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4985 20060101AFI20241029BHJP
   A61K 31/47 20060101ALI20241029BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20241029BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
A61K31/4985
A61K31/47
A61P13/12
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522581
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-06-05
(86)【国際出願番号】 CN2022125106
(87)【国際公開番号】W WO2023066127
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202111210124.9
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507393540
【氏名又は名称】武▲漢▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】宋 威
(72)【発明者】
【氏名】徐 文浩
(72)【発明者】
【氏名】李 戈鋭
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086BC28
4C086CB05
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA81
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は薬剤の調製におけるNK3R阻害剤の用途を提供する。当該薬剤は慢性腎臓病の治療に用いられ、NK3R阻害剤は、式(I)または式(II)に示される構造を有する。
【化1】
【化2】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
慢性腎臓病の治療薬剤の調製におけるタキキニン受容体3阻害剤の用途であって、タキキニン受容体3阻害剤が式(I)または式(II)に示される構造を有する用途。
【化1】
【化2】
【請求項2】
前記慢性腎臓病は、糸球体腎炎、潜伏性腎炎、腎盂腎炎、アレルギー性紫斑病腎炎、エリテマトーデス腎炎、痛風腎症、IgA腎症、ネフローゼ症候群、膜性腎症、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症、高血圧性腎症、多発性嚢胞腎からなる群から選ばれる、請求項1に記載の用途。
【請求項3】
疾患の治療薬剤の調製におけるタキキニン受容体3阻害剤の用途であって、前記疾患は腫瘍誘発性腎尿細管損傷または腎臓疾患であり、前記タキキニン受容体3阻害剤は、式(I)または式(II)に示される構造を有する、用途。
【化3】
【化4】
【請求項4】
前記疾患が進行期の腫瘍における腎損傷である、請求項3に記載の用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物の新たな用途、具体的にはタキキニン受容体3(NK3R)阻害剤の新たな用途に関する。
【背景技術】
【0002】
1.1.慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病(CKD)はグローバルな公衆衛生の課題とまでなっている。中国における成人慢性腎臓病の有病率は2016年に11%に達し、今後10年で慢性腎臓病の増加率が17%を超えると予想される。慢性腎臓病とは、さまざまな原因によって生じる慢性腎臓の構造的・機能的障害(腎臓障害の病歴が3ヶ月以上となる)を意味する。腎尿細管病変、異常な糸球体濾過率(GFR)につながる病理学的損傷、異常な血液・尿の組成、異常な撮像結果、原因不明のGFR低下(<60ml/分・1.73m)が3ヶ月以上も続く場合、慢性腎臓病と言える。慢性腎臓病は不可逆的であり、ほとんどの腎臓病患者が病の進行速度を抑えるために薬の長期間の服用に頼らざるを得なくなる。2016年現在、中国の腎臓病薬の市場規模は287億4000万元、グローバル医薬品市場規模は1519億8000万ドルであった。慢性腎臓病の原因となり得る主な危険因子としては、高血圧、糖尿病、がん、老化、薬理学的損傷などが挙げられる。
【0003】
1.2.がんと腎臓病
新規症例の発生と患者の生存期間の延長により、世界中のがん患者の数は900万人近くに増加しており、そのうち60%が悪性腫瘍を患っている。がん患者の略4分の1の直接の死因[1][4]は、がん関連の腎臓損傷を含む腫瘍誘発性合併症である。がん関連の腎臓損傷には、化学療法剤による腎臓への直接損傷、腫瘍による泌尿器系の浸潤・圧迫、全身性枯渇による腎前腎損傷から生じる慢性腎臓病や急性腎臓損傷が含まれる[5]。一方、末期の腎臓病(尿毒症)は体内の代謝障害や免疫障害を引き起こし、臓器不全の発生や悪化の原因となる。その上、慢性腎臓病の合併症はがん患者の生存率を更に低下させる。従って、腎障害を併せ持つがん患者の包括的な治療・管理を合理的に最適化し、腎機能の保護と腎障害の治療にも注意を払う必要がある。しかしながら、がんによる腎臓障害の病因は不明であるため、主に緩和療法に頼るしかなく[2]、アメリカ食品医薬品局さえも未だがん合併症の治療剤を承認していないのである[3]。故に、がん関連腎疾患の治療薬には更なる研究開発が必要と言える。
【0004】
2.NK3R阻害剤
2.1.NK3Rの機能及び発現
NK3R(タキキニン受容体3)はGタンパク質共役受容体であって、成長・生殖の分野で幅広い研究の対象とされている分子でもある。NK3Rはさまざまな哺乳動物組織で発現される。中でも、神経系で発現するNK3Rは、気分障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、統合失調症などのさまざまな神経疾患に関連していることが知られている[6]。NK3Rは腎臓や膀胱などの組織でもよく発現するが、泌尿器系に及ぼす影響については未だ究明されていない。我々は、NK3Rが腫瘍誘発性の腎機能損傷を媒介する重要な調節因子であり、NK3Rの阻害は、腫瘍の増殖に影響を与えず、腎機能を大幅に改善できるという事実を初めて発見したのである。
【0005】
2.2.NK3Rを阻害する小分子に関する情報
フェゾリネタントは、分子式C1615FNOS、分子量358.4g/molで、下記の式(I)に示される構造式を有する有効なNK3R選択的阻害剤である。体外試験におけるNK3R阻害作用の阻害定数Kiは25nM、IC50は20nMとなる。第2相臨床試験では閉経後の女性のほてりに対して顕著な改善効果があることが判明し[8]、多嚢胞性卵巣症候群に対する第2相臨床試験が現在進められている。
【0006】
【化1】
【0007】
パヴィネタントは、分子式C2625S、分子量459.6g/molで、式(II)に示される構造式を有する、もう一つの有効なNK3R選択的阻害剤である。体外試験における阻害作用IC50は、シトクロムP450-3A4酵素活性アッセイにおけるミダゾラム試験やテストステロン試験により、それぞれ7.1μM及び19.8μMであることが判明されている。その他にも、第2相臨床試験により、多嚢胞性卵巣症候群やほてりを大幅に改善することが分かった[7]
【0008】
【化2】
【0009】
しかしながら、上記の2種の阻害剤によるNK3R阻害作用が腎機能に及ぼす影響については、まだ報告されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、NK3R阻害剤の新たな用途を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
先行研究により、腫瘍を有するショウジョウバエとマウスのモデルに、上記の阻害剤2種を投入すると、排尿の促進、腎機能の改善、腎臓損傷や腹水生成の軽減などの効果が得られることが知られている。この結果は、NK3R阻害剤であるパヴィネタントやフェゾリネタントが腫瘍誘発性腎障害の治療に有効な薬剤である可能性を示している。
【0012】
本発明の一態様によれば、薬剤の調製におけるNK3R阻害剤の用途が提供される。当該薬剤は慢性腎臓病の治療に使用され、NK3R阻害剤は式(I)または式(II)に示される構造を有する。
【0013】
本発明の好ましい実施形態において、NK3R阻害剤は慢性腎臓病の治療に用いられる。慢性腎臓病は、糸球体腎炎、潜伏性腎炎、腎盂腎炎、アレルギー性紫斑病腎炎、エリテマトーデス腎炎、痛風腎症、IgA腎症、ネフローゼ症候群、膜性腎症、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症、高血圧性腎症、多発性嚢胞腎からなる群から選ばれる。
【0014】
本発明の別の態様によれば、薬剤の調製におけるタキキニン受容体3阻害剤の用途が提供される。当該薬剤は、腫瘍誘発性腎尿細管損傷または腎臓疾患の治療に用いられ、NK3R阻害剤は、式(I)または式(II)に示される構造を有する。
【0015】
より好ましくは、本発明によるNK3R阻害剤は、進行期の腫瘍における腎損傷の治療に用いられる。
【0016】
本発明の発明者らは、NK3R阻害剤2種、つまりフェゾリネタント及びパヴィネタントを用いて、腫瘍誘発性腎尿細管損傷を軽減できることを見出した。
【0017】
ショウジョウバエを用いる実験で、ショウジョウバエの腸幹細胞における活性化がん原遺伝子ykiの過剰発現が、著しい高血糖と腹水貯留を誘発する可能性があることが実証されている。NK3R阻害剤のフェゾリネタント(100μM)及びパヴィネタント(100μM)を添加した飼料を6日間給餌すると、ショウジョウバエの腹水を大幅に減少させ、血糖は正常値になる。C57BL/6J-APCMin/+マウスは十分に確立された腸腺腫モデルに当たる。さらなる実験により、尿細管におけるNK3Rの発現度が非常に高いことが明らかになった。C57BL/6J-APCMin/+マウスは16週齢で体重減少を示し始め、正常なC57BL/6Jマウスと比べて尿量が約30%減少した。また、腎臓のHE染色により、尿細管が酷く損傷を受けていることが分かった。NK3R阻害剤のフェゾリネタント(10mg/kg/日)を9日間腹腔内注射で投与すると、C57BL/6J-APCMin/+マウスにおいて、尿量や尿細管拡張を含む腎尿細管損傷が有意な回復を見せた。MFC(マウス前胃がん)の腫瘍はマウスの腹腔に定着した。腫瘍は、成長につれ、マウスにおける重度の腹水貯留と腎尿細管の損傷を引き起こす可能性がある。実験により、1.5×10個のMFC腫瘍細胞を腹腔内注射すると、実験6日目、つまり腫瘍細胞の注射の24時間後に著しい腹水貯留を引き起こし得ることが判明した。NK3R阻害剤のパヴィネタント(50mg/kg/日)を5日間連続、腹腔内注射によって投与すると、腹水の生成を有意に抑制し、主に尿細管拡張を含む尿細管病変を軽減することができる。
【発明の効果】
【0018】
従って、本発明のNK3R阻害剤は、腫瘍誘発性腎尿細管損傷を有意に回復することができ、さまざまな腫瘍モデルにおいて一貫した結果を示している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】腸腫瘍によるショウジョウバエの腹水に対するNK3R阻害剤の効果。パネルAは、ショウジョウバエの腹水表現型と腫瘍形態、パネルBは、ショウジョウバエの血糖値とトリグリセリドの濃度、パネルCはショウジョウバエの腹水比を示す。Nonはブランク、F10はフェゾリネタント10μM、F100はフェゾリネタント100μM、P10はパヴィネタント10μM、P100はパヴィネタント100μMに当たる。
図2】免疫組織化学剤によって示されたマウス腎尿細管におけるNK3Rの発現。C57BL/6マウスの腎臓に、抗体ABclonalA7220(左側)と抗体abcam ab124025(右側)を用いた免疫組織化学療法を施している。
図3】腸腺腫による腎臓障害に対するNK3R阻害剤の影響。パネルEはC57BL/6及びC57BL/6J-APCMin/+マウスの体重変化、パネルFは尿の排出量、パネルGは腎臓の縦切片のHE染色を示す。F10はフェゾリネタント10mg/kg/日を意味する。
図4】前胃がん細胞腫瘍による腹水や腎臓損傷に対するNK3R阻害剤の効果。パネルHは、C57BL/6及びMFC腫瘍マウスの体重変化、パネルIはマウスの腹水量、パネルJは、腎尿細管損傷マーカー遺伝子NGALの発現度、パネルKは腎臓の縦切片のHE染色を示す。Pavi10はパヴィネタント10mg/kg/日、Pavi50はパヴィネタント50mg/kg/日を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
用語の説明:
本明細書に記載の慢性腎臓病とは、腫瘍患者の進行期における乏尿や腹水貯留などの慢性腎臓病の表現型を指す。
本明細書に記載の腫瘍誘発性腎疾患または腎尿細管損傷とは、MFC腫瘍マウスにおける腹水貯留・体重増加(主に腹水の増加)・腎尿細管拡張、ApcMin/+マウスにおける尿量の減少と尿細管拡張、患者の生理的濃度おける腹水貯留や尿量の減少、腎尿細管の拡張や組織レベルにおける損傷分子マーカーの変化を含む腎尿細管損傷を指す。
【0021】
以下の好ましい実施形態の説明によって本発明を詳しく説明されるが、これに限定される訳ではない。
【0022】
製造元:
NK3R抗体1:Abclonal社製、カタログ番号A7220
NK3R抗体2:Abcam社製、カタログ番号ab124025
フェゾリネタント:MedChemExpress社製(MCE)、カタログ番号HY-19632、200mg
パヴィネタント:MedChemExpress社製(MCE)、カタログ番号HY-14432、1g、カスタマイズ済み
【0023】
実験動物:Yki活性化ショウジョウバエ(研究室でesg-GAL4、tub-GAL80TS、UAS-GFP、UAS-yki.3SAの交雑から直接得ている。文献公開、pubmed番号34407411)
C57BL/6J-APCMin/+マウス(Gempharmatech、カタログ番号T001457、遺伝子型B6/JGpt-Apcem1Cin(Min)/Gpt)
対照群のC57BL/6Jマウス(Gempharmatech、カタログ番号N000013)
MFC腫瘍細胞(ProCell、カタログ番号CL-0156、1×106細胞/T25培養フラスコ)
他の物質は市販のものを購入している。
【0024】
[実施例1] 腸腫瘍によるショウジョウバエの腹水に対するNK3R阻害剤の効果
ショウジョウバエの腸幹細胞における活性化がん原遺伝子ykiの過剰発現は、腸幹細胞の悪性増殖を引き起こし、続いて腫瘍の形成まで引き起こす可能性がある。腫瘍の形成は、ショウジョウバエのマルピーギ管の分泌機能に重大な損傷を与え、ショウジョウバエの血リンパに溜まる循環水が体外に排出できなくなるため、重度の腹水表現型が現れてしまう。
試験方法:29℃で遺伝子発現を開始することにより、ショウジョウバエの腸内で活性化yki腫瘍(遺伝子型esg-Gal4、UAS-GFP、tub-Gal80TS/+、UAS-yki3SA/+)を引き起こした。ショウジョウバエにDMSO、フェゾリネタント(10μM、100μM)、パヴィネタント(10μM、100μM)をそれぞれ添加した飼料を8日間与え、対照群(esg-Gal4、UAS-GFP、tub-Gal80TS/+)と比較しながら、表現型の観察、腸腫瘍の増殖・全身の糖脂質の変化の検出、腹水比の算出を行った。図1を参照せよ。
【0025】
結果:100μMのNK3R阻害剤は両方ともショウジョウバエの腹水生成を有意に阻害し、血糖値を回復させることができた。
【0026】
[実施例2] マウス腎尿細管におけるNK3Rの高発現
試験方法:生後7~8週齢のC57BL/6J雄マウスの腎臓切片を採取し、異なるNK3R抗体2種を用いて免疫組織化学療法を行って(一次抗体希釈:ABclonalA7220、1:200及びabcamAb124025、1:200)、腎臓におけるNK3Rの発現度を観察した。図2を参照せよ。
【0027】
結果:NK3Rはマウスの腎尿細管では高い発現度を示したが、糸球体では発現されなかった。
【0028】
[実施例3] 腸腺腫による腎障害に対するNK3R阻害剤の効果
C57BL/6J-APCMin/+マウスは成熟哺乳動物の腸腺腫モデルであり、腫瘍による宿主の消耗を研究するために一般的に使用される動物である。C57BL/6J-APCMin/+マウスは、腫瘍発生の進行段階で重度の尿細管損傷を発症し、正常なマウスに比べて尿の排出量が大幅に減少する。
【0029】
試験方法:対照群のC57BL/6J及び実験群のC57BL/6J-APCMin/+の雄マウス(各群7匹)を通常の給餌条件で16週齢まで給餌した。実験群のマウスの体重が減少し始めた頃から、フェゾリネタント(0、10mg/kg/日)を9日間連続で腹腔内注射により投与し、体重と尿量を測定するほか、腎臓の染色で尿細管の形態を観察した。図3を参照せよ。
【0030】
結果:NK3R阻害剤のフェゾリネタント(10 mg/kg/日)の腹腔内注射により、C57BL/6J-APCMin/+マウスにおける尿の排出量や腎尿細管の損傷が有意な回復を見せた。
【0031】
[実施例4] 前胃がん細胞による腹水及び腎障害に対するNK3R阻害剤の効果
MFC 腫瘍 (マウス前胃がん) は、腹水を引き起こす可能性のある一般的な腫瘍であり、マウスの腹腔に定着する。腫瘍が増殖すると、マウスに重度の腹水貯留と腎尿細管損傷が生じ得る。
【0032】
試験方法:生後4~6週齢のC57BL/6J 雄マウスを使用した。実験群のC57BL/6Jマウス(各群6匹)に1.5×107個のMFC腫瘍細胞を腹腔内注射し、24時間後に阻害剤のパヴィネタント(0、10、50mg/kg/日)を腹腔内注射で投与した。5日間の連続投与後、それらを対照群のC57BL/6マウス(各群6匹)と比較した。体重、腹水、尿量を検出する一方、腎臓を染色して尿細管の形態を観察した。図4を参照せよ。
【0033】
結果:NK3R阻害剤のパヴィネタント(50mg/kg/日)により、腹水の生成が有意に阻害され、尿細管病変が軽減した。
【0034】
参考文献
[1] ZHU X, CALLAHAN M F, GRUBER K A, et al. Melanocortin-4 receptor antagonist TCMCB07 ameliorates cancer- and chronic kidney disease-associated cachexia[J]. J Clin Invest, 2020,130(9): 4921-4934.
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図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】