(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】垂直共振器型面発光レーザを製作する方法
(51)【国際特許分類】
H01S 5/183 20060101AFI20241029BHJP
H01S 5/343 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
H01S5/183
H01S5/343 610
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523163
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-05-16
(86)【国際出願番号】 US2022047534
(87)【国際公開番号】W WO2023069771
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506115514
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
【氏名又は名称原語表記】The Regents of the University of California
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ガンドロトゥーラ, スリニヴァス
(72)【発明者】
【氏名】ナカムラ, シュウジ
(72)【発明者】
【氏名】デンバース, スティーブン ピー.
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AC04
5F173AC14
5F173AG20
5F173AH22
5F173AP05
5F173AP13
5F173AP19
5F173AP33
(57)【要約】
エピタキシャル側方過成長(ELO)を使用して、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を製作する方法。ELO層は、成長制限マスクを使用して、基板上に成長させられる島状III族窒化物半導体層を備え、島状III族窒化物半導体層は、発光共振空洞を備えている。共振空洞のための開口は、ELO層のウィングの底部および上部領域上に形成される、分布ブラッグ反射器(DBR)鏡を用いて、ELO層のウィング上に製作される。一実施形態において、ELO III族窒化物層の界面は、DBR鏡のためのパターン化された表面を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、前記方法は、
ホスト基板を提供することと、
前記ホスト基板上に成長制限マスクを堆積させることと、
前記成長制限マスク上に1つ以上のエピタキシャル側方過成長(ELO)III族窒化物層を形成することと、
前記ELO III族窒化物層上に少なくとも1つの垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を形成することであって、前記VCSELは、n型III族窒化物層とp型III族窒化物層との間の少なくともIII族窒化物活性領域を含むIII族窒化物素子層から成る、ことと、
前記ELO III族窒化物層および前記VCSELを前記ホスト基板から除去し、前記ELO III族窒化物層の界面を露出させることと、
前記VCSELの共振空洞を画定する少なくとも1つの分布ブラッグ反射器(DBR)鏡を前記ELO III族窒化物層の前記界面上に設置することと
を含む、方法。
【請求項2】
選択的成長補助部分が、前記ホスト基板上に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ホスト基板の非成長補助部分が、前記成長制限マスクの底部表面と直接接触している、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記DBR鏡は、前記ELO III族窒化物層のウィング上に設置される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ELO III族窒化物層の前記界面は、前記DBR鏡のためのパターン化された表面を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記パターン化された表面は、前記DBR鏡のための曲率形状を備えている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記成長制限マスクは、前記ELO III族窒化物層の前記界面に転写される前記パターン化された表面を有するように製作される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記ホスト基板は、前記ELO III族窒化物層の前記界面に転写される前記パターン化された表面を有するように製作される、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記VCSELは、前記p型III族窒化物層上の1つ以上のトンネルジャンクション層をさらに備え、前記DBR鏡は、前記ELO III族窒化物層が前記DBR鏡と前記トンネルジャンクション層との間にあるように、前記トンネルジャンクション層の下方に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記DBR鏡は、前記p型III族窒化物層が、前記III族窒化物活性領域と前記DBR鏡との間にあるように、前記p型III族窒化物層上またはその上方に形成される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記VCSELは、前記p型III族窒化物層上の1つ以上のトンネルジャンクション層をさらに備え、前記DBR鏡は、前記トンネルジャンクション層が前記DBR鏡と前記p型III族窒化物層との間にあるように、前記トンネルジャンクション層上またはその上方に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記VCSELは、前記トンネルジャンクション層上またはその上方の追加のn型III族窒化物層をさらに備え、前記追加のn型III族窒化物層は、前記DBR鏡を形成する曲率形状を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのDBR鏡は、第1および第2のDBR鏡を備え、
前記第1のDBR鏡は、平坦DBR鏡を備え、
前記第2のDBR鏡は、平坦DBR鏡または曲面DBR鏡を備え、
前記III族窒化物活性領域は、前記第1のDBR鏡と第2のDBR鏡との間に位置付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ELO III族窒化物層は、前記共振空洞の50%を上回るものを備え、前記ELO III族窒化物層は、GaN、非意図的にドープされたGaN、またはn型GaNを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記共振空洞の総空洞長が、8μmを上回る、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ELO III族窒化物層の前記界面は、前記共振空洞の総空洞長を8μm未満まで減らすために、薄くされる、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ホスト基板は、前記共振空洞の全空洞長を8μm未満まで減らすために、薄くされる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記ELO III族窒化物層の前記界面は、前記VCSELのn側にある、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記VCSELの前記共振空洞を画定する前記DBR鏡は、前記III族窒化物素子層のp側に設置される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記DBRを伴う前記III族窒化物素子層の前記p側は、サブ搭載部に取り付けられ、次いで、レーザまたは化学的エッチングが、前記III族窒化物素子層を前記ホスト基板からリフトオフするために使用される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記レーザは、前記ELO III族窒化物層上に成長させられた前記III族窒化物素子層が損傷されないように前記III族窒化物素子層を前記ホスト基板からリフトオフするために、前記ELO III族窒化物層のウィングの開放窓領域において使用される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記VCSELの前記素子層は、前記ELO III族窒化物層のウィング上に製作される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記VCSELの光放出開口が、前記ELO III族窒化物層の前記ウィング上に作製される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つのVCSELは、第1および第2のVCSELを備え、前記第1のVCSELと前記第2のVCSELとの前記III族窒化物素子層は、前記ELO III族窒化物層の隣接したウィング上に製作される、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
請求項1に記載の方法によって製作された垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)。
【請求項26】
素子であって、前記素子は、
ホスト基板と、
前記ホスト基板上に堆積させられた成長制限マスクと、
前記成長制限マスク上に形成された1つ以上のエピタキシャル側方過成長(ELO)III族窒化物層と、
前記ELO III族窒化物層上に形成された少なくとも1つの垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)と
を備え、
前記VCSELは、n型III族窒化物層とp型III族窒化物層との間の少なくともIII族窒化物活性領域を含むIII族窒化物素子層から成り、
前記ELO III族窒化物層および前記VCSELは、前記ELO III族窒化物層の界面を露出させるために、前記ホスト基板から除去され、、
前記VCSELの共振空洞を画定する少なくとも1つの分布ブラッグ反射器(DBR)鏡が、前記ELO III族窒化物層の前記界面上に設置される、素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その出願が、参照することによって本明細書に組み込まれる以下の同時係属中かつ本発明の譲受人に譲渡された出願の35 U.S.C.Section 119(e)(米国特許法第119条(e))下の利益を主張する:Srinivas Gandrothula、Shuji Nakamura、およびSteven P.DenBaarsによって、2021年10月22日に出願され、「VERTICAL CAVITY SURFACE EMITTING LASER FABRICATION METHOD」と題された米国仮出願整理番号第63/270,618号(弁理士整理番号第G&C30794.0810USP1(UC2022-768-1)号)。
【0002】
本願は、以下の同時係属中かつ本発明の譲受人に譲渡された出願に関する:
Srinivas Gandrothula、Takeshi Kamikawa、およびMasahiro Arakiによって、2022年4月6日に出願され、「METHOD OF FABRICATING A RESONANT CAVITY AND DISTRIBUTED BRAGG REFLECTOR MIRRORS FOR A VERTICAL CAVITY SURFACE EMITTING LASER ON A WING OF AN EPITAXIAL LATERAL OVERGROWTH REGION」と題された米国実用特許出願第17/766,960号(弁理士整理番号第30794.06745USWO(UC2020-071-2)号)であり、その出願は、35U.S.C.Section365(c)(米国特許法第365条(c))下、Srinivas Gandrothula、Takeshi Kamikawa、およびMasahiro Arakiによって、2020年10月23日に出願され、「METHOD OF FABRICATING A RESONANT CAVITY AND DISTRIBUTED BRAGG REFLECTOR MIRRORS FOR A VERTICAL CAVITY SURFACE EMITTING LASER ON A WING OF AN EPITAXIAL LATERAL OVERGROWTH REGION」と題された同時係属中かつ本発明の譲受人に譲渡されたPCT国際特許出願第PCT/US20/57026号(弁理士整理番号第30794.0745WOU1(UC2020-071-2)号)の利益を主張するものであり、その出願は、35 U.S.C.Section 119(e)(米国特許法第119条(e))下、Srinivas Gandrothula、Takeshi Kamikawa、およびMasahiro Arakiによって、2019年10月23日に出願され、「METHOD OF FABRICATING A RESONANT CAVITY AND DISTRIBUTED BRAGG REFLECTOR MIRRORS FOR A VERTICAL CAVITY SURFACE EMITTING LASER ON A WING OF AN EPITAXIAL LATERAL OVERGROWTH REGION」と題された同時係属中かつ本発明の譲受人に譲渡された米国仮特許出願整理番号第62/924,756号(弁理士整理番号第G&C30794.0745USP1(UC2020-071-1)号)の利益を主張するものである;それらの出願の全ては、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0003】
(発明の分野)
本発明は、異質基板上でエピタキシャル側方過成長(ELO)技法を使用する垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)の製作に関する。
【背景技術】
【0004】
2008年における(Al、In、Ga)N系青色VCSELの最初の実証以来、最大出力電力および閾値電流密度は、10年の技術進歩の後、かなり改良されている。III族窒化物VCSELの大量生産の実現のための重要な課題は、共振空洞のための分布ブラッグ反射器(DBR)を製作することにおける難しさである。AlNとGaNとの間のかなりの引張歪みは、2つのエピタキシャルDBRを用いた直感的な空洞設計をヒ素系VCSELから妨げた。したがって、多くの代替空洞構造および加工法術が、開発された:例えば、種々の過成長またはフィルム転写加工方略を介した、空間格子整合AlInN/GaN DBR、ナノ多孔質DBR、または二重誘電DBRがあった。文献において報告されるVCSELは、収率または複雑な製造手順のいずれかの点から、欠点を有する。
【0005】
したがって、当技術分野において、VCSELを製作するための改良された方法の必要性が存在する。本発明は、この必要性を満足させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ヘテロエピタキシおよび基板除去を使用して、上で述べられる問題を解決する。シリコン上GaNまたはサファイア上GaNテンプレートは、選択的にマスクし、Ga(Al)Nテンプレート層によって含まれる高い瑕疵のほとんどを露出させないことによって、減少した貫通転位のIII族窒化物エピタキシャル層を成長させるために使用されることができる。結果として生じる高結晶品質層は、マスクされた部分上に成長させられることができる。次いで、従来のVCSEL素子製作が、高結晶品質層上で採用されることができる。問題となるn側DBRは、ホスト基板を除去し、マスクされた部分の上で成長させられた層のみを利用することによって解決されることができる。
【0007】
シリコン上GaNの場合、エピタキシャルまたは誘電DBRを伴う素子層のp側は、サブ搭載部に取り付けられ、次いで、化学的エッチングが、素子層をホストSi基板からリフトオフするために使用され得る。ELOマスクとも称される成長制限マスクのウィング上のELO III族窒化物層の界面粗度は、サブナノメートルレベルまで制御されることができ、したがって、エピタキシャルまたは誘電体のいずれかの外部DBRが、取り付けられ、最終素子を完成させることができる。代替として、リフトオフ層上に曲面表面が形成され、曲面DBR鏡が形成され、電磁場損失が最小化され、場を素子のゲイン領域の中に戻るように再集中させることができる。
【0008】
同様に、サファイア上GaNの場合、レーザリフトオフ(LLO)が、ホストサファイア基板から素子層を除去するために使用されることができる。この特定のアプローチでは、LLOが、ELO III族窒化物層のウィングの開放窓領域において使用され、したがって、ELO III族窒化物層上に成長させられる後続のIII族窒化物素子層は、損傷されないであろう。代替として、素子全体は、素子の後部部分が成長制限マスクによってレーザの照射から保護されるので、素子を損傷することなくレーザにさらされ得る。しかしながら、開放窓領域のみをレーザにさらすことが、好ましい。
【0009】
本発明の重要な側面は、以下を含む。
・ 素子の光放出開口が、ELO III族窒化物層のウィング領域上に作製され、したがって、素子開口は、瑕疵および積層欠陥の点から、ホスト基板上に直接作製される素子開口より良好な結晶品質を有することが意図される。
・ 空洞のDBR鏡のうちの少なくとも1つは、ELO III族窒化物層のウィング上に設置され、DBR鏡は、ELO III族窒化物層をホスト基板から分離した後、ELO III族窒化物層の背面に設置され得る。
・ 基板は、シリコン上GaNの場合、化学的エッチングによって、サファイア上GaNテンプレートに関して、LLOを使用して、または、極低温処理を使用してはがすことによって除去されることができる。
・ この方法は、基板の結晶配向から独立する。
・ 本発明では、共振空洞VCSELのためのDBR鏡のための表面の調製は、ELOマスクのみを使用する。
・ 本発明は、VCSELのための長共振空洞が所望されるとき、曲面鏡を作製するために適用されることができる。
・ 本発明は、ELO III族窒化物層の応力弛緩を実現する方法を含み、それは、ELO III族窒化物層をホスト基板から除去した後、DBR鏡のうちの1つを設置することによって、亀裂がなく、寿命が長い素子をもたらす。
・ 本発明では、GaN ELOの別々の層は、亀裂を回避するために、および成長制限マスクを除去するための容易な方法を提供するためにも好ましい。
【0010】
この方法を使用するいくつかの可能な設計が、以下の説明において例証される。本発明は、半導体素子を上で記述される半導体基板から除去することに関する相互参照された発明と組み合わせられるとき、従来の製造可能素子要素と比較して、多くの利益を有する。
【0011】
さらに、上で説明される従来技術における限定を克服するために、かつ本明細書を熟読および理解することに応じて明白な状態になるであろう他の限定を克服するために、本発明は、VCSEL等、素子がエピタキシャルに製作されている基板に対して垂直な光を発光する素子のための良質な開口を製作する方法を開示する。
【0012】
具体的に、本発明は、以下のステップを実施する:島状III族窒化物半導体層が、成長制限マスクおよびELO方法を使用して、基板上に成長させられ、成長制限マスクは、単一素子の少なくとも50%以上占有する。ELO領域は、ELO III族窒化物層のウィングによって覆われない領域と比較して、減少した転位密度を伴うELO III族窒化物層のウィングであることが意味される。VCSELの電流限定開口は、ELO領域に限定され、したがって、良好な結晶品質が、保証される。VCSEL素子の共振空洞とDBR鏡とは、それぞれ、ELO領域上と、ELO領域の上部および底部上とに作製される。
【0013】
成長制限マスク表面とELO領域との間の界面は、光反射DBR鏡のうちの1つを製作するために十分に滑らかである。ELO III族窒化物層およびELO III族窒化物層上に成長させられる後続のIII族窒化物素子層は、一緒に、基板から除去される島状III族窒化物半導体層を備え、DBR鏡が、成長制限マスクとELO III族窒化物層との間の界面であるELO III族窒化物層の背面に設置され、この特定の用途における基板除去は、(Al)シリコン上GaNまたは(Al)サファイア上GaN等の異質基板が使用されるので、単純である。
【0014】
島状III族窒化物半導体層を形成するためのELO方法は、厚さ、したがって、VCSEL素子の空洞長を正確に制御するために、有機金属化学蒸着(MOCVD)、ハイドライド気相成長(HVPE)等による成長を含み得る。III族窒化物半導体層は、島状III族窒化物半導体層のうちの1つ以上を生成するように寸法決定される。代替として、ELO III族窒化物層は、最初、合体するように作製されることができ、それによって、それらは、後に、個々の素子に分割され得る。
【0015】
ELOウィング上で作製されるあらゆる素子は、適切な製作プロセスを設計することによって、別個に、または他の素子と一緒に扱われることができる。例えば、対の素子のための共通カソードまたはアノードが、ELO III族窒化物層内の開放窓領域の周囲に作製され得る。そのようなプロセスは、モノリシック統合または個々の素子を扱うことを簡略化する。その結果、高収率が、取得されることができる。代替としてウィングのうちの1つが、開口の設置および電気パッドの設置のために、使用され得る。
【0016】
さらに、本発明は、ヘテロ基板を使用して、棒体を形成する島状III族窒化物半導体層を成長させることができる。例えば、サファイア、Si、SiC、SiN、GaAs、Ga2O3、LiAlO2等のヘテロ基板上に成長させられるGaNテンプレートが、本発明において使用されることができる。
【0017】
さらに、ELO方法は、ヘテロ基板を使用するときの重要な問題点である非Basel GaN結晶面が使用されるときの転位密度および積層欠陥密度を著しく減らすことができる。
【0018】
したがって、本発明は、ヘテロ基板の使用に伴う多くの種類の問題を同時に解決することができる。例えば、レーザ素子では、成長制限マスクとELO III族窒化物層との間の界面は、共振器のためのファセットとして使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
ここで、同様の参照番号が、全体を通して対応する部分を表す図面を参照する。
【0020】
【
図1-1】
図1(a)、1(b)、1(c)、および1(d)は、概略図であり、
図1(a)は、III族窒化物テンプレートを伴う異質基板を示し、
図1(b)は、ストライプの形態において設計されたテンプレートを示し、
図1(c)は、ストライプの各側で1つのVCSELを収容するストライプ設計の概略図を示し、
図1(d)は、各ELOウィング上の2つ以上のVCSELに関する連続ストライプの概略図を示す。
【
図1-2】
図1(a)、1(b)、1(c)、および1(d)は、概略図であり、
図1(a)は、III族窒化物テンプレートを伴う異質基板を示し、
図1(b)は、ストライプの形態において設計されたテンプレートを示し、
図1(c)は、ストライプの各側で1つのVCSELを収容するストライプ設計の概略図を示し、
図1(d)は、各ELOウィング上の2つ以上のVCSELに関する連続ストライプの概略図を示す。
【0021】
【
図2-1】
図2(a)、2(b)、2(c)、および2(d)は、
図1(a)、1(b)、1(c)、および1(d)に類似する概略図であるが、成長制限マスクが、堆積させられ、窓が、III族窒化物ストライプにおいて開放され、ELO成長を可能にしている。
【
図2-2】
図2(a)、2(b)、2(c)、および2(d)は、
図1(a)、1(b)、1(c)、および1(d)に類似する概略図であるが、成長制限マスクが、堆積させられ、窓が、III族窒化物ストライプにおいて開放され、ELO成長を可能にしている。
【0022】
【
図3-1】
図3(a)、3(b)、3(c)、および3(d)は、基部ELO層が成長させられた後の構造の概略図である。
【
図3-2】
図3(a)、3(b)、3(c)、および3(d)は、基部ELO層が成長させられた後の構造の概略図である。
【0023】
【
図4A】
図4(a)は、加工された基部設計、加工されたイオン注入(電流遮断)、トンネルジャンクションおよび電流拡散層の再成長、および平面DBR鏡の概略図である。
【0024】
【
図4B】
図4(b)は、接合のために調製された上部接点を伴う側方注入VCSEL設計の概略図である。
【0025】
【
図5A】
図5(a)および5(b)は、VCSEL素子をキャリアに取り付けた後、開放窓領域を狙ったレーザ照射を使用する除去方法の概略図であり、結果として生じる損傷が、開放窓領域においてのみ見える。
【
図5B】
図5(a)および5(b)は、VCSEL素子をキャリアに取り付けた後、開放窓領域を狙ったレーザ照射を使用する除去方法の概略図であり、結果として生じる損傷が、開放窓領域においてのみ見える。
【0026】
【
図5C】
図5(c)および5(d)は、SU-8および熱解放層を使用したVCSEL素子をキャリアに取り付けた後の除去方法の概略図であり、化学的リフトオフが、異質基板をエッチングするために実施される。
【
図5D】
図5(c)および5(d)は、SU-8および熱解放層を使用したVCSEL素子をキャリアに取り付けた後の除去方法の概略図であり、化学的リフトオフが、異質基板をエッチングするために実施される。
【0027】
【
図5E】
図5(e)および5(f)は、基板を除去した後の結果として生じるELO界面層の概略図である。
【
図5F】
図5(e)および5(f)は、基板を除去した後の結果として生じるELO界面層の概略図である。
【0028】
【
図5G】
図5(g)および5(h)は、除去されたELO界面上で曲面鏡DBRを加工した後の最終VCSEL素子の概略図である。
【
図5H】
図5(g)および5(h)は、除去されたELO界面上で曲面鏡DBRを加工した後の最終VCSEL素子の概略図である。
【0029】
【
図5I】
図5(i)および5(j)は、本発明を用いて製作される短空洞VCSELの概略図であり、薄くすることが、VCSEL素子層をキャリアに接合しながら、ELO界面上で実施される。
【
図5J】
図5(i)および5(j)は、本発明を用いて製作される短空洞VCSELの概略図であり、薄くすることが、VCSEL素子層をキャリアに接合しながら、ELO界面上で実施される。
【0030】
【
図6A】
図6(a)および6(b)は、ELO基部層を上部から研磨することによって、短空洞VCSELを取得するプロセスを図示する。
【
図6B】
図6(a)および6(b)は、ELO基部層を上部から研磨することによって、短空洞VCSELを取得するプロセスを図示する。
【0031】
【
図6C】
図6(c)および6(d)は、異質基板上に成長させられるELO GaN基部層の走査電子顕微鏡写真(SEM)画像であり、ELO GaN基部層は、曲面DBR鏡または短空洞VCSELを伴うVCSELの製作のために使用されることができる。
【
図6D】
図6(c)および6(d)は、異質基板上に成長させられるELO GaN基部層の走査電子顕微鏡写真(SEM)画像であり、ELO GaN基部層は、曲面DBR鏡または短空洞VCSELを伴うVCSELの製作のために使用されることができる。
【0032】
【
図6E】
図6(e)および6(f)は、
図6(a)、6(b)、6(c)、および6(d)からの素子の続きの概略図であり、素子層は、研磨後に成長させられ、ELO界面は、基板を除去した後、DBR鏡のために使用される。
【
図6F】
図6(e)および6(f)は、
図6(a)、6(b)、6(c)、および6(d)からの素子の続きの概略図であり、素子層は、研磨後に成長させられ、ELO界面は、基板を除去した後、DBR鏡のために使用される。
【0033】
【
図6G】
図6(g)および6(h)は、長空洞VCSELの概略図であり、p-GaN側曲面鏡が、加工され、平面DBR鏡が、ELO界面上に加工される。
【
図6H】
図6(g)および6(h)は、長空洞VCSELの概略図であり、p-GaN側曲面鏡が、加工され、平面DBR鏡が、ELO界面上に加工される。
【0034】
【
図7A】
図7(a)および7(b)は、曲面表面ELO基部層を達成するためのプロセスステップの概略図であり、
図7(a)は、ホスト基板が、成長制限マスクで覆われたパターン化された曲面領域を有することを示し、
図7(b)は、VCSEL素子層のELO成長を示す。
【
図7B】
図7(a)および7(b)は、曲面表面ELO基部層を達成するためのプロセスステップの概略図であり、
図7(a)は、ホスト基板が、成長制限マスクで覆われたパターン化された曲面領域を有することを示し、
図7(b)は、VCSEL素子層のELO成長を示す。
【0035】
【
図7C】
図7(c)および7(d)は、概略図であり、
図7(c)は、サブ搭載部の取り付けの前、上部側が仕上げられた長空洞VCSELを示し、
図7(d)は、ELO界面の曲面表面を使用する最終VCSEL素子を示す。
【
図7D】
図7(c)および7(d)は、概略図であり、
図7(c)は、サブ搭載部の取り付けの前、上部側が仕上げられた長空洞VCSELを示し、
図7(d)は、ELO界面の曲面表面を使用する最終VCSEL素子を示す。
【0036】
【
図8】
図8は、ELO界面を金属接点の1つとして使用する垂直電流注入構成を伴う例示的長空洞VCSELの概略図である。
【0037】
【
図9A】
図9(a)、9(b)、9(c)、9(d)、および9(e)は、ELO層上で曲面表面を取得する実験的実証のグラフおよび画像であり、
図9(a)は、ホスト基板上の樹脂のプロファイルであり、
図9(b)は、成長制限マスクが堆積させられた後のプロファイルであり、
図9(c)は、成長制限マスク内で覆われた局面表面を伴う調製されたホスト基板、およびELO成長を補助するための開放窓であり、
図9(d)は、取り付けられた曲面特徴を伴う除去されたELO基部層であり、
図9(e)は、ELO界面上で正常に転写された曲面特徴のレーザ顕微鏡画像である。
【
図9B】
図9(a)、9(b)、9(c)、9(d)、および9(e)は、ELO層上で曲面表面を取得する実験的実証のグラフおよび画像であり、
図9(a)は、ホスト基板上の樹脂のプロファイルであり、
図9(b)は、成長制限マスクが堆積させられた後のプロファイルであり、
図9(c)は、成長制限マスク内で覆われた局面表面を伴う調製されたホスト基板、およびELO成長を補助するための開放窓であり、
図9(d)は、取り付けられた曲面特徴を伴う除去されたELO基部層であり、
図9(e)は、ELO界面上で正常に転写された曲面特徴のレーザ顕微鏡画像である。
【
図9C】
図9(a)、9(b)、9(c)、9(d)、および9(e)は、ELO層上で曲面表面を取得する実験的実証のグラフおよび画像であり、
図9(a)は、ホスト基板上の樹脂のプロファイルであり、
図9(b)は、成長制限マスクが堆積させられた後のプロファイルであり、
図9(c)は、成長制限マスク内で覆われた局面表面を伴う調製されたホスト基板、およびELO成長を補助するための開放窓であり、
図9(d)は、取り付けられた曲面特徴を伴う除去されたELO基部層であり、
図9(e)は、ELO界面上で正常に転写された曲面特徴のレーザ顕微鏡画像である。
【
図9D】
図9(a)、9(b)、9(c)、9(d)、および9(e)は、ELO層上で曲面表面を取得する実験的実証のグラフおよび画像であり、
図9(a)は、ホスト基板上の樹脂のプロファイルであり、
図9(b)は、成長制限マスクが堆積させられた後のプロファイルであり、
図9(c)は、成長制限マスク内で覆われた局面表面を伴う調製されたホスト基板、およびELO成長を補助するための開放窓であり、
図9(d)は、取り付けられた曲面特徴を伴う除去されたELO基部層であり、
図9(e)は、ELO界面上で正常に転写された曲面特徴のレーザ顕微鏡画像である。
【
図9E】
図9(a)、9(b)、9(c)、9(d)、および9(e)は、ELO層上で曲面表面を取得する実験的実証のグラフおよび画像であり、
図9(a)は、ホスト基板上の樹脂のプロファイルであり、
図9(b)は、成長制限マスクが堆積させられた後のプロファイルであり、
図9(c)は、成長制限マスク内で覆われた局面表面を伴う調製されたホスト基板、およびELO成長を補助するための開放窓であり、
図9(d)は、取り付けられた曲面特徴を伴う除去されたELO基部層であり、
図9(e)は、ELO界面上で正常に転写された曲面特徴のレーザ顕微鏡画像である。
【0038】
【
図10】
図10は、本発明において議論される設計のうちの1つを実現するために使用されるプロセスステップのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下の好ましい実施形態の説明では、本発明が実践され得る具体的実施形態が、参照される。他の実施形態も、利用され得、構造的変更が、本発明の範囲から逸脱することなく成され得ることを理解されたい。
【0040】
(概要)
本発明は、成長制限マスクを状況に応じて適切に設計することによって、平凹VCSEL等の半導体素子を製作する方法を説明する。ELOが本発明では依拠されるので、この方法は、異質基板(サファイア、Si、SiC、SiN、GaAs、Ga2O3、LiAlO2等)、または半導体層のテンプレート、またはELOエンジニアリング層テンプレートを含むホスト基板に容易に適用可能である。ELOエンジニアリング層テンプレートは、サファイア上GaN基板と使用すること、およびシリコン上GaN基板と使用することが可能である。
【0041】
図1(a)、1(b)、1(c)、および1(d)は、方法を図示する概略図であり、方法は、III族窒化物系基板101(シリコン上GaN、サファイア上GaN、またはバルクGaN基板等)を提供することを含む。異質基板の場合、III族窒化物テンプレート102が、基板101上に堆積させられることができ、テンプレート102の設計は、ホスト異質基板101の上を覆う均一層であることができるか、または、テンプレート102は、開口部エリアストライプ103としてのみ設計されることができる。そのような場合、開口部エリアストライプ103に隣接したホスト基板101のエリアは、凹面形状または任意のユーザ設計された形状を加工するために使用されることができる。例えば、SiおよびGaAs等の異質基板は、III族窒化物層と比較して、より容易に、化学的エッチングを使用して修正されることができる。ストライプ103Aおよび103B等のホスト基板101を含むIII族窒化物ストライプ103が、それぞれ、
図1(c)および1(d)の概略図において示される。開口部エリアストライプ103は、
図1(c)におけるストライプ103Aによって示されるように、それらの長さを短縮することによって、単一素子に限定されるように修正されることもでき、または、開口部エリアストライプ103は、
図1(d)におけるストライプ103Bによって示されるように、それらの長さを増加させることによって、複数の素子に限定されるように修正されることもできる。
【0042】
図2(a)、2(b)、2(c)、および2(d)の概略図に示されるように、成長制限マスク104が、GaN系基板101上またはその上方に形成される。具体的に、成長制限マスク104は、開口部エリアストライプ103(より短いストライプ103Aまたはより長いストライプ103Bを備え得る)を残しながら、基板101と直接接触して配置されるか、または、間接的にテンプレート層102を通して配置され、テンプレート層102は、MOCVD等によって成長させられ、基板101上に堆積させられるIII族窒化物系半導体から作製される。
【0043】
成長制限マスク104は、例えば、プラズマ化学蒸着(CVD)、スパッタリング、イオンビーム堆積(IBD)等によって基板101の上に堆積させられる絶縁体フィルム(例えば、SiO2フィルム)から形成されることができ、次いで、SiO2フィルムは、所定のフォトマスクおよびエッチングを使用して、フォトリソグラフィによって開口部エリア105を含むようにパターン化される。
【0044】
図3(a)、3(b)、3(c)、および3(d)の概略図に示されるように、GaN系層等のエピタキシャルIII族窒化物層301が、ELOによって、GaN基板101および成長制限マスク104上に成長させられる。ELO III族窒化物層301の成長は、最初に、開口部エリア105内で、GaN系基板101上に、次いで、開口部エリア105から側方に、成長制限マスク104の上を覆って生じる。ELO III族窒化物層301の成長は、隣接した開口部エリア105からのELO III族窒化物層301が、成長制限マスク104の上部で合体し得る前、停止または中断される。代替として、ELO III族窒化物層301の成長は、継続され、近隣ELO III族窒化物層301と合体し得る。ELO III族窒化物層301のウィング302は、開口部エリア105の両側の減少した瑕疵密度のエリアである。ELO III族窒化物層301の組成に応じて、追加のIII族素子層303が、ELO III族窒化物層301上またはその上方に堆積させられ、それらは、活性領域、p型層、電子遮断層(EBL)、およびクラッディング層のみならず、他の層も含み得る。次いで、素子304の製作が、実施され、それは、開口を画定するためのイオン注入層(電流遮断層)を含み得、DBR鏡とp型およびn型接点堆積を用いて素子304の製作を仕上げる前、n++/p++層を含むトンネルジャンクションが、再成長させられるか、または、透過性ITO電流拡散層が、素子層303の上を覆って配置される。
【0045】
図4(a)は、二重VCSEL304を図示する概略図であり、それらのうちの各々が、III族素子層303を使用して、ELO III族窒化物層301のウィング302上に製作される。VCSEL304の各々は、UID GaN層401と、n-GaN層402と、活性領域403と、p-GaN層404とを含み、メサが、エッチングされ、次いで、電流遮断層405が、堆積させられた後、トンネルジャンクションまたは透過性伝導層406、およびDBR407が続く。
【0046】
ここで説明される設計は、基部設計Iと称され、p接点およびn接点を伴わない。しかしながら、この特定の設計では、素子304の片側に接触パッドを設置することによる水平電流注入、または、ELOウィング302の界面の一部または2つのELOウィング302間の開放窓領域を利用すること(2つのVCSEL304が単一ユニットとして梱包される場合)による垂直電流注入を選定する自由がある。
【0047】
本文脈では、基部設計Iは、以下のいずれかを取得するためにLLOまたは化学的エッチングを使用する:n側にリフロー曲面長空洞VCSEL304を伴う水平電流注入構成(設計I-Aと称される);または研磨短空洞VCSEL304を伴う垂直電流注入構成(設計I-Bと称される);または研磨かつ再成長VCSEL304(設計I-Cと称される);またはELOマスク104またはホスト基板101のいずれかの上に転写される凹面形状を伴うVCSEL304(設計I-Dと称される);またはp側のリフロー曲面長空洞VCSEL304(設計I-Eと称される)。
【0048】
図4(b)は、二重VCSEL304を図示する概略図であり、それらのうちの各々が、III族素子層303を使用して、ELO III族窒化物層301のウィング302上に製作される。VCSEL304は、UID GaN層401と、n-GaN層402と、活性領域403と、p-GaN層404とを含み、メサが、エッチングされ、次いで、電流遮断層405が堆積させられた後、トンネルジャンクションまたは透過性伝導層406およびDBR407が続く。最後に、n接点408およびp接点409が、堆積させられる。
【0049】
(異質基板を除去する方法)
提案されるVCSEL素子304は、シリコン上GaNまたはサファイア上GaN等の異質基板101からELO III族窒化物層301のウィング302上に製作される。基部設計I構造から、電流注入の2つのバージョン、すなわち、水平電流注入構造および垂直電流注入構造が、提案され、それらは、設計I-A、I-B、I-C、I-D、およびI-Eと併せて説明される。
【0050】
そのような設計の1つ、例えば、水平注入の場合の除去可能性は、
図5(a)、5(b)、5(c)、および5(d)において図示される。ガラス等のキャリア基板501が、
図5(a)に示されるように、はんだ502等を使用して、事前に加工されたVCSEL304に取り付けられた後、
図5(b)に示されるように、基板101のLLOが続く。キャリア基板501の取り付けは、例えば、
図5(c)に示されるように、SU-8等のフォトレジスト503を使用して平坦にした後に行われ得る。例えば、孤立させられたVCSEL304は、数ミクロンのフォトレジスト503によって不動態化され、結果として生じる構造は、次いで、キャリア基板501の上の熱解放テープ504によって、捕捉されることができる。
【0051】
LLOは、サファイア基板から薄いGaN層スタックを除去し、次いで、それをキャリア基板の上に移すための高速かつ非化学的方法であることが証明された方法である。サファイア基板からの最初のLLOベースのGaNフィルムの分離は、355nmの波長を伴う第3の高調波QスイッチドNd:YAGレーザを使用して実証された。この波長を伴うレーザパルスは、GaN/サファイア界面上にサファイア基板を通して伝送され、GaN界面領域において吸収された。光子吸収は、GaNの金属GaおよびガスN2への分解を誘発した。
【0052】
従来、LLOは、エキシマレーザ(例えば、193nmのArF、248nmのKrF、および308nmのXeClレーザ)、およびQスイッチドレーザ(例えば、周波数3倍(355nm)または周波数4倍(266nm)のナノ秒レーザ)を含む様々な短パルスレーザを使用して実施されることができる。光電子工学産業では、248nmの発光波長を伴うKrFエキシマレーザが、多くの場合、ラスタ走査方法を使用するLLO手順のために適用される。この従来のLLOアプローチは、半導体における直接的な吸収を要求する。
【0053】
図5(a)および5(c)に示されるように、ELOウィング302上でVCSEL304を加工した後、キャリア基板501は、取り付けられ、次いで、レーザ505が、ホスト基板101(サファイア上GaN)の後部から開放窓領域506に集中させられる。本発明では、レーザ505の照射は、開放窓領域506においてのみ選択的である。レーザ505は、開放窓領域506において、非常に狭く集中させられることができ、VCSEL304全体にわたる照射の必要性がなく、結果として、この方法は、VCSEL304の素子層への著しい損傷なしで製作されたVCSEL304をリフトオフするために非常に有利である。さらに、基板101とのELOウィング302の界面507は、照射中、ELOマスク104で完全に覆われ、ELOマスク104は、
図5(b)および5(d)に示されるように、さらなる損傷から保護し、界面507においてのみGa融解を残すであろう。KOHと同様の化学物質を使用することを除き、類似するプロセスが、LLOの代わりに、シリコン上GaNテンプレート102のリフトオフのために遂行されるであろう。
【0054】
SiO
2ELOマスク104が使用されているとき、ELOマスク104は、次いで、化学溶液、例えば、BHFを使用して溶解させられる。結果として生じるVCSEL素子ユニット304は、
図5(e)および5(f)に示されるように、開放界面507を伴ってキャリア基板501の上に設置される。界面507はさらに、下で説明されるように、共振空洞DBR鏡を製作するプロセスのために、かつ垂直注入のための金属接点を配置するために修正される。
【0055】
(VCSEL設計I-A)
設計I-Aでは、所望の直径を伴う樹脂ディスクが、ELOウィング302の界面507上にフォトリソグラフィ処理される。代替として、均一なスピンコーティングがELO層301の離散性に起因して課題を生じさせるとき、プリンタが、レジストディスクを設置するために使用され得る。試料を加熱することによって、ディスクは、液滴に融解する。RIEが、それらを犠牲マスクとして除去することによって、樹脂液滴の表面形状を界面507の上に移すために使用され得、それは、レンズ形状の表面を界面507上に残すであろう。n側DBR(例えば、Ta
2O
5/SiO
2二重層)が、
図5(g)に示されるように、曲面鏡508を形成するために堆積させられる。
【0056】
図5(h)は、完成されたVCSEL304を示し、それは、UID GaN層401と、n-GaN層402と、活性領域403と、p-GaN層404と、電流遮断層405と、トンネルジャンクションまたは透過性伝導層406と、DBR407と、n接点408と、p接点409とを含む。
【0057】
この設計は、中でも、長空洞VCSEL304専用であって、概して、共振空洞長が、20μmを上回る。
【0058】
(VCSEL設計I-B)
設計I-Bは、短空洞VCSEL304を設計することにおいて使用されることができ、共振空洞厚は、約数波長、例えば、xλ=7λ、13λ、23λ等であり、λは、素子の発光波長である。短空洞長は、大きいモード間隔に起因して、単一の縦方向モード発光を取得するために使用されることができる。この設計では、ホスト基板101を除去した後、線509まで薄くすることが、
図5(i)に示されるように、望ましい空洞長を取得するために界面507上で実施されることができ、次いで、第2のDBR鏡407が、
図5(j)に示されるように、界面507において配置され、VCSEL304の製作を完了させることができる。
【0059】
(VCSEL設計I-C)
設計I-Cは、設計I-Bにおけるような短空洞VCSELであるが、ELO基部層301の上に、活性領域およびp-GaN層を導入する前、上部表面から研磨することによって達成するための代替アプローチである。
図6(a)に示されるように、所望のELOウィング302幅に到達した後、ELO III族窒化物層301は、
図6(b)に示されるように、点601(所望の事前に計算された値)に到達するように上部表面から研磨され、次いで、再成長が、活性領域とp-GaN層とを含むIII族窒化物半導体素子層303を成長させるために実施される。次いで、電流遮断層と、電流拡散層と、DBR鏡と、1つ以上の金属接点とを含むVCSEL304の構造を製作するためのプロセスが、実施される。基板除去において説明される方法の1つを使用して、ホスト基板101は、除去され、ELOウィング302の界面507は、第2のDBR鏡を堆積させるために使用される。
【0060】
図6(c)は、ELO III族窒化物層301を伴うサファイア上GaN基板101を示すSEM画像である。
図6(d)は、ELO III族窒化物層301を伴うシリコン上GaN基板101を示すSEM画像である。
【0061】
リフトオフの前の結果として生じるVCSEL304は、
図6(e)に示され、UID GaN層401と、n-GaN層402と、活性領域403と、p-GaN層404とを含み、メサが、エッチングされ、次いで、電流遮断層405が、堆積させられた後、トンネルジャンクション406、DBR407、およびイオン注入開口602が続く。リフトオフの後、VCSEL304の製作を完了させるために、界面507において配置される第2のDBR鏡407が、
図6(f)に示される。
【0062】
(VCSEL設計I-D)
設計I-Dは、設計I-Aの長空洞VCSELを複製するが、しかしながら、界面507上のレジストリフローは、曲面鏡508を達成するために必要とされない。レジストリフローは、ELOマスク104を調製するときの第1の段階において使用される。例えば、
図7(a)に示されるように、凹面形状701は、ホスト基板101の上、またはELOマスク104材料の上において転写される。転写プロセスは、ナノインプリントまたはレジストディスクの熱リフロー機構を伴い得る。次いで、以前の設計と同様に、開口部エリア105が、
図7(b)に示されるように、基部ELO層301を成長させるためにシリコン上GaNまたはサファイア上GaNテンプレート102上で開放され、その後、UID GaN層401と、n-GaN層402と、活性領域403と、p-GaN層404とを含むVCSEL素子層303が続く。
【0063】
具体的に、
図7(a)および7(b)は、ELO基部層301において曲面表面形状701を達成させるためのプロセスステップを図示する概略図であり、
図7(a)は、ホスト基板101が、成長制限マスク104で覆われたパターン化された曲面領域701を有することを示し、
図7(b)は、ELO III族窒化物層301と、VCSEL304の素子層401、402、403、404とを示す。次いで、フロントエンドプロセスが、
図7(c)に示されるように、電流遮断層、電流拡散層、DBR鏡、金属接点等を加工するために、遂行される。次に、ホスト基板101は、
図7(d)に示されるように、サファイア上GaNの場合のLLOまたはシリコン上GaNの場合の化学的エッチングのいずれかを使用して除去され、リフトオフの後、第2のDBR鏡407が、界面507において配置され、VCSEL304の製作を完了させ、それは、UID GaN層401と、n-GaN層402と、活性領域403と、p-GaN層404と、トンネルジャンクション406と、DBR407と、n接点408と、イオン注入開口602とを含む。
【0064】
(VCSEL設計I-E)
設計I-Eは、長空洞VCSEL設計I-Aを複製するが、しかしながら、界面507上のレジストリフローは、曲面鏡508を達成するために必要とされなかった。レジストリフロープロセスは、素子304のp側で実施される。
【0065】
図6(g)に示されるように、長空洞VCSEL304が、ヘテロ基板101のELOウィング302上に製作され、長空洞VCSEL304は、UID GaN層401と、n-GaN層402と、活性領域403と、p-GaN層404と、トンネルジャンクション406と、n接点408と、イオン注入開口602と、VCSEL304のp側における第1の曲面鏡508とを含む。
図6(h)に示されるように、素子304は、キャリア基板501を使用して、リフトオフされる。次いで、ELOウィング界面507は、n接点408とともに、VCSEL304のn側の第2の平坦DBR鏡407のために使用される。本実施形態では、ELO III族窒化物層301は、設計I-Cにおいて説明されるように、基板101が除去された後、かつ第2の平坦DBR鏡407がELOウィング界面507上に配置される前、研磨され得る。
【0066】
図8は、ELO界面507上に堆積させられる金属801を使用する垂直電流注入構成を伴う例示的長空洞VCSEL304の概略図であり、金属801は、n接点として、VCSEL304を別のキャリア802に接合する。長空洞VCSEL304は、別様に、UID GaN層401と、n-GaN層402と、活性領域403と、p-GaN層404と、トンネルジャンクション406と、DBR407と、n接点408と、イオン注入開口602とを含む。
【0067】
(製作ステップ)
本発明のための典型的製作ステップは、下でさらに詳細に説明される。
ステップ1:成長制限マスク104を形成することから始まり、それは、以下によって達成されることができる。成長制限マスク104をホスト基板101上に設置する。成長制限マスク104は、ナノインプリントリソグラフィを使用してパターン化されるか、または、所望の形状が、フォトリソグラフィ+ウェットエッチングまたはフォトリソグラフィ+ドライエッチングを使用して、成長制限マスク104の上に転写されることができる。代替として、平面マスク104が、使用され得る。
ステップ2:複数のストライプ状開口部エリア105が、基板101上に開放され、基板101は、III族窒化物系半導体であるか、または、基板は、サファイア、Si、SiC、SiN、GaAs、Ga2O3、LiAlO2等のヘテロ基板101であるか、または、基板101は、テンプレート102を含む。
ステップ3:複数のELO III族窒化物層301が、成長制限マスク104を使用して基板101上に成長させられ、成長は、成長制限マスク104のストライプ状開口部エリア105と平行方向に延び、ELO III族窒化物層301は、成長制限マスク104上に設計される形状をとり、設計されたパターンは、ELO III族窒化物層301と成長制限マスク104との間の表面である界面507の上に転写される。平面マスク104の場合、界面507は、平面表面である。
ステップ4:従来の方法によって、ELO III族窒化物層301のウィング302上(大抵の場合、平坦表面領域上)にVCSEL304を製作する。
ステップ5:素子304ユニットを分割し、ホスト基板101上の素子304ユニットを孤立させる。
ステップ6:サブ搭載部またはキャリア501を取り付ける。
ステップ7:ホスト基板101をリフトオフするために、照射または化学的にエッチングする。
ステップ8:素子304ユニットをホスト基板101から分離する。
ステップ9:緩衝フッ化水素酸(BHF)またはフッ化水素酸(HF)等の化学的エッチングを使用して、成長制限マスク104を溶解させる。
ステップ10:第2のDBR407をELOウィング界面507上に設置するか、または、レジストリフローを使用して曲面鏡表面701を調製し、第2のDBR407を設置する。
【0068】
(成長制限マスクを形成する)
一実施形態では、GaN系層301は、ELOによって、SiO2を備えている成長制限マスク104上に成長させられ、GaN系層301は、成長制限マスク104の上部で合体することも、しないこともある。
【0069】
成長制限マスク104は、開口部エリアストライプ103から成り、開口部エリア105間のストライプ103は、1μm~20μmの幅と、10μm~100μmの間隔とを有する。非極性基板101が使用される場合、開口部エリア105は、<0001>軸に沿って配向される。半極性(20-21)または(20-2-1)基板101が使用される場合、開口部エリア105は、それぞれ、[-1014]または[10-14]と平行方向に配向される。開口部エリア105が他の方向に配向される基板101の他の面も、同様に使用され得る。
【0070】
本発明は、成長制限マスク104を使用して、高品質なIII族窒化物半導体層301を取得することができる。結果として、本発明はまた、転位および積層欠陥等の減少した瑕疵密度を伴う素子を容易に取得することもできる。これらの技法は、基板101が、成長制限マスク104を通して、ELO GaN系層301の成長を可能にする限り、サファイア、Si、SiC、SiN、GaAs、Ga2O3、LiAlO2等のヘテロ基板101とともに使用されることができる。
【0071】
(成長制限マスクをパターン化する)
開口部エリア105を成長制限マスク104上に生成する前、事前加工が、成長制限マスク104に実施される。本願は、VCSELを調製することに焦点を当てる。開口部エリアストライプ103は、各ウィング上にVCSELを収容するために、
図2(a)、2(b)、2(c)、および2(d)に示されるもの等の限定された長さ103Aであることができるか、または、各ウィング302上にいくつかのVCSEL素子を収容するために、長い長さ103Bのストライプ103であることができる。ある場合、例えば、設計I-Dでは、凹面形状が、ELOマスク104またはホスト基板101上に転写され、次いで、ELO成長のための開口部エリア105が、転写される。開口部エリア105は、成長パラメータが、層301の厚さに対するウィング302のより大きい比を最適化するように選定される。
【0072】
(成長制限マスクを使用して、複数のエピタキシャル層を基板上に成長させる)
III族素子層303は、従来の方法によって、ELO GaN系層301上に成長させられる。一実施形態では、MOCVDが、ELO GaN系層301およびIII族素子層303の両方を含む島状III族窒化物半導体層のエピタキシャル成長のために使用される。島状III族窒化物半導体層301、303は、MOCVD成長が、ELO GaN系層301が合体する前、停止されるので、互いから分離されている。
【0073】
トリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルインジウム(TMIn)、およびトリエチルアルミニウム(TMAl)が、III元素源として使用される。アンモニア(NH3)が、窒素を供給するための生ガスとして使用される。水素(H2)および窒素(N2)が、III元素源のキャリアガスとして使用される。水素をキャリアガス中に含むことが、滑らかな表面エピ層を取得するために重要である。
【0074】
塩類およびビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム(Cp2Mg)が、n型およびp型ドーパントとして使用される。圧力設定は、典型的に、50~760Torrである。III族窒化物系半導体層は、概して、700~1,250℃の温度範囲において成長させられる。
【0075】
例えば、成長パラメータは、以下を含む。すなわち、TMGは、12sccmであり、NH3は、8slmであり、キャリアガスは、3slmであり、SiH4は、1.0sccmであり、V/III比は、約7,700である。
【0076】
(限定エリアエピタキシ(LAE)III族窒化物層のELO)
従来技術では、いくつかの角錐形の小丘が、成長に続いて、m面III族窒化物フィルムの表面上に観察されている(例えば、米国特許出願公開第2017/0092810号を参照されたい)。さらに、波状表面および陥没した部分が、成長表面上に現れており、それらは、表面粗度を悪化させる。これは、非常に深刻な問題である。例えば、いくつかの論文によると、滑らかな表面は、基板の成長表面のオフ角(off-angle)(>1度)を制御することと、N2キャリアガス条件を使用することとによって、取得されることができる。しかしながら、これらは、高生産コストにより、大量生産のために非常に限定された条件である。さらに、GaN基板は、それらの製作方法から、原点に対してオフ角の大きい変動を有する。例えば、基板がオフ角の大きい面内分布を有する場合、基板は、ウエハ内のこれらの点において異なる表面形態形状を有する。この場合、収率は、オフ角の大きい面内分布によって減らされる。したがって、技法がオフ角面内分布に依存しないことが必要である。
【0077】
本発明は、下で記述されるように、これらの問題を解決する:
1.成長エリアは、基板101の縁からの成長制限マスク104のエリアによって限定される。
2.基板101は、m面からc面およびC面に向かって-16度~+30度に及ぶ、オフ角配向を有する非極性または半極性III族窒化物基板101である。代替として、堆積させられたIII族窒化物系半導体層102を伴うヘテロ基板101が、使用され得、層102は、m面からc面に向かって+16度~-30度に及ぶ、オフ角配向を有する。
3.島状III族窒化物半導体層301、303は、III族窒化物系半導体結晶のa軸と垂直である長側を有する。
4.MOCVD成長中、水素雰囲気が、使用されることができる。
【0078】
本発明では、非極性および半極性成長中、水素雰囲気が、使用されることができる。
【0079】
一実施形態では、成長圧力は、60~760Torrに及ぶが、成長圧力は、好ましくは、島状III族窒化物半導体層301、303のための広い幅を取得するために、100~300Torrに及び、成長温度は、900~1,200℃に及び、V/III比は、10~30,000に及び、TMGは、2~20sccmであり、NH3は、0.1~10slmに及び、キャリアガスは、水素ガスのみ、または、水素および窒素ガスの両方である。滑らかな表面を取得するために、各面の成長条件は、従来の方法によって最適化される必要がある。
【0080】
約2~8時間にわたる成長後、ELO GaN系層301は、約1~50μmの厚さ、および約50~150μmの棒体幅を有するであろう。
【0081】
(素子を製作する)
素子304は、従来の方法によって、ELOウィング302の平坦表面領域において製作され、種々の素子304設計が、可能である。例えば、VCSEL、電流遮断領域、およびトンネルジャンクションの再成長、ITOと同様の透過性伝導層の設置、および金属接点、およびDBR鏡が、必要とされ得る。これらは、ホスト基板101を除去する前、VCSEL304のp側で製作されることができる。
【0082】
(素子ユニットを分離するための構造を形成する)
このステップの目的は、ELO III族窒化物素子層301を使用して、素子304ユニットをホスト基板101から孤立させることである。少なくとも2つの方法が、素子304ユニットをキャリア基板501の上に移すために使用されることができる。
【0083】
一方法では、選択的エッチングマスクを使用して、III族窒化物素子層303は、エッチングによって、ホスト基板101上で分離され、少なくとも成長制限マスク104を露出させる。
【0084】
別の方法では、ダイヤモンド先端付きスクライバまたはレーザスクライバによってけがきが、実施されることができる、またはRIE(反応性イオンエッチング)またはICP(誘導結合プラズマ)エッチング等の他の方法が、素子304ユニットを孤立させるために使用され得る。
【0085】
次いで、孤立させられたVCSEL素子304ユニットは、SU-8等のフォトレジスト503で充填され、熱解放フィルム504を介して、キャリア基板501に取り付けられる、または単に、はんだ502を使用して、キャリアウエハ501に接合され、次いで、除去するステップが、実施される。
【0086】
(曲面構造をELOマスク上に形成する)
設計I-Dに説明される素子304に関して、成長制限マスク104またはホスト基板101は、ELO層301の界面507の上への転写のために、曲面特徴701を生成するために事前に加工されなければならない。
【0087】
凹面形状パターン701をELO層301の界面507の上に移すために、マスク104は、同じパターンを含まなければならない。非常に有望なパターン化技法は、ナノインプリント技術である。最初に、逆パターンを伴うスタンプ、いわゆる、マスタが、製作される。圧力または毛細管力によって、パターンは、ホスト基板101またはマスク104材料の上に堆積させられるレジストの中に印刷される。加熱および/またはUV硬化後、スタンプは、除去され、レジストは、エッチングマスクとしての機能を果たすことができる。このパターン化プロセスは、ウエハスケールで行われることができ、したがって、高いスループットをもたらす。マスタパターンは、最初に、従来のフォトリソグラフィ技法によって製作される必要がある。
【0088】
実証として、要求されるナノインプリント技術の非可用性に起因して、発明者は、
図9(a)、9(b)、9(c)、9(d)、および9(e)に示されるように、レジストリフロー方法を使用して、成長制限マスク104の上に凸面形状を加工しており、ELO層301の界面507の上に、同じ形状を正常に移した。
【0089】
図9(a)のグラフは、リフローが適用された後のレジストパターンの形状であり、
図9(b)の画像は、マスク104を堆積させた後の凸面形状であり、
図9(c)の画像は、マスク104からの凸面パターンをELO成長のための開放窓領域506とともに組み合わせたものである。MOCVDを使用して、n-GaN ELO基部層301は、開放窓領域506から成長させられ、層301は、[Applied Physics Express 13,041003 (2020年)]に説明される方法を使用して、除去された。除去後のELO層301の界面507は、
図9(d)の画像において示され、レーザ走査が、転写された構造を
図9(e)の画像において示すために、実施された。
【0090】
(用語の定義)
III族窒化物系基板
III族窒化物系基板101は、III族窒化物系基板101が成長制限マスク104を通したIII族窒化物系半導体層301、303の成長を可能にする限り、任意のタイプのIII族窒化物系基板を備え得る:バルクGaNから{0001}、{11-22}、{1-100}、{20-21}、{20-2-1}、{10-11}、{10-1-1}面等、または他の面上でスライスされる任意のGaN基板101;およびAlN結晶基板。
【0091】
異質またはヘテロ基板
本発明は、主に、異質またはヘテロ基板101とともに使用される。例えば、GaNテンプレート102または他のIII族窒化物系半導体層102が、成長制限マスク104に先立って、サファイア、Si、SiC、SiN、GaAs、Ga2O3、LiAlO2等のヘテロ基板101上に成長させられ得る。GaNテンプレート102または他のIII族窒化物系半導体層102は、典型的に、約2~6μmの厚さにヘテロ基板101上に成長させられ、次いで、成長制限マスク104が、GaNテンプレート102または別のIII族窒化物系半導体層102上に配置される。
【0092】
成長制限マスク
成長制限マスク104は、SiO2、SiN、SiON、Al2O3、AlN、AlON、MgF、ZrO2、TiN等の誘電体層、またはW、Mo、Ta、Nb、Rh、Ir、Ru、Os、Pt等の耐熱金属または貴金属を備えている。成長制限マスク104は、上記の材料から選択される積層構造であり得る。それは、上記の材料から選定される、多重スタッキング層構造でもあり得る。
【0093】
一実施形態では、成長制限マスク104の厚さは、約0.05~3μmである。マスク104の幅は、好ましくは、20μmより大きく、より好ましくは、幅は、40μmより大きい。成長制限マスク104は、スパッタリング、電子ビーム蒸着、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、イオンビーム蒸着(IBD)等によって堆積させられるが、それらの方法に限定されない。
【0094】
m面自立GaN基板101上で、成長制限マスク104は、複数の開口部エリア105を備え、複数の開口部エリア105は、基板101の11-20方向と平行な第1の方向と、基板101の0001方向と平行な第2の方向とに配置され、複数の開口部エリア105は、第2の方向に延びる間隔で周期的に配置される。開口部エリア105の長さは、例えば、100~35,000μmであり、幅は、例えば、2~180μmであり、開口部エリア105の間隔は、例えば、20~180μmである。開口部エリア105の幅は、典型的に、第2の方向において一定であるが、必要に応じて、第2の方向において変更され得る。
【0095】
c面自立GaN基板101上で、開口部エリア105は、基板101の11-20方向と平行な第1の方向と、基板101の1-100方向と平行な第2の方向とに配置される。
【0096】
半極性(20-21)または(20-2-1)GaN基板101上で、開口部エリア105は、それぞれ、[-1014]および[10-14]と平行な方向に配置される。
【0097】
代替として、ヘテロ基板101が、使用されることができる。c面GaNテンプレート102が、c面サファイア基板101上に成長させられるとき、開口部エリア105は、c面自立GaN基板101と同じ方向にあり、m面GaNテンプレート102が、m面サファイア基板101上に成長させられるとき、開口部エリア105は、m面自立GaN基板101と同じ方向にある。そうすることによって、m面劈開面が、c面GaNテンプレートを伴う素子の棒体を分割するために使用されることができ、c面劈開面が、m面GaNテンプレート102を伴う素子の棒体を分割するために使用されることができ、それは、非常に好ましい。
【0098】
III族窒化物系半導体層
ELO III族窒化物層301およびIII族素子層303は、In、Al、および/またはBのみならず、Mg、Si、Zn、O、C、H等の他の不純物も含むことができる。
【0099】
III族窒化物系半導体素子層303は、概して、3つ以上の層を備え、n型層、ドープされていない層、およびp型層のうちの少なくとも1つの層を含む。III族窒化物系半導体素子層303は、具体的に、GaN層、AlGaN層、AlGaInN層、InGaN層等のうちの1つ以上を備えている。素子304が複数のIII族窒化物系半導体層303を有する場合、互いに隣接した島状III族窒化物半導体層301、303の間の距離は、概して、30μm以下、好ましくは、10μm以下であるが、これらの数字に限定されない。半導体素子304では、いくつかの電極が、半導体素子304のタイプに従って、所定の位置に配置される。
【0100】
半導体素子
半導体素子304は、例えば、ショットキーダイオード、発光ダイオード、半導体レーザ、光ダイオード、トランジスタ等であるが、これらの素子304に限定されない。本発明は、特に、VCSEL304のために有用である。本発明は、特に、空洞形成のための滑らかな領域を要求する半導体レーザ304のために有用である。
【0101】
(代替実施形態)
本発明および以下の実施形態は、素子304のn側またはp側のいずれかにおいて、曲面鏡508を組み込むIII族窒化物VCSEL304を開示する。曲面鏡508の使用は、以下を可能にする。
1.過剰な回折損失に困ることのない長空洞の使用。空洞を画定する2つの平面鏡を用いる場合、回折に起因する損失は、空洞長とともに増加する[Applied Physics Express 12,044004 (2009年),Sci.Rep.,8,10350 (2018年)]。曲面鏡508を使用するとき、反射された光は、回折損失を最小化する開口の中に戻るように集中させられることができる。
2.より良好な熱管理、増加する寿命、出力電力、素子304の効率および信頼性。高効率のVCSEL304動作は、ゲインスペクトルが空洞モードに十分に整列させられることを必要とする。空洞長が増加するにつれて、モード間隔は、減少する。したがって、ゲインスペクトルとの良好なモード重複を確保するための効率的な空洞モードの数が存在する。加えて、緊密な空洞モード間隔は、空洞長および活性領域の場所のより優れた許容誤差を可能にする。長空洞設計を有することは、素子304の成長および製作中の収率を増加させることができる。
3.曲面鏡が基板の後部に採用されたIII族窒化物長空洞VCSELの多くの利点が、存在することが、実験的に示されている[Applied Physics Express 12,044004 (2009年)]。しかしながら、本明細書に説明される設計は、従来の方法を使用して基板101を除去する;設計は、共振空洞のための高結晶品質ELOウィング302も使用し、それは、素子304の寿命を増加させる。本発明は、いくつかの設計において、表面調製を回避し、それは、実際に、加工ステップを省略し、1回使用のバルクGaN基板101であっても、基板101の結晶化度によって影響を受けない。本発明は、異質基板101上GaNテンプレート102を使用することによって、大規模製造に焦点を当てる。
【0102】
本発明では、曲面鏡508を上部または底部上に形成する利点は、基板101を薄くすること排除する。可視波長VCSEL304に関して、長空洞長は、空洞モードおよび間隔の数を考慮すると、8~30μmであるべきである。厚さを精密に制御するために基板101を薄くすることは、困難である。本発明では、ELOを使用することは、良好なウィング302の幅および厚さを達成することにおいて、利点を提供し、それは、貫通転位を追加することなく空洞厚を増加させることにおいて利点を有する。
【0103】
基板101を薄くする必要がないことは、プロセスの複雑性およびコストも減らす。薄くされた基板は、取り扱いプロセスにおける破壊の影響を受けるが、しかしながら、本発明のキャリア基板501は、そのような問題を回避する。
【0104】
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、長空洞VCSEL304が、ヘテロ基板101のELOウィング302上に製作され、素子304は、リフトオフされ、次いで、曲面DBR鏡407が、界面507において製作される。
【0105】
III族窒化物テンプレート102を伴う基板101が、提供され、成長制限マスク104またはELOマスク104が、ホスト基板101上に設置される。III族窒化物層は、
図1(a)、1(b)、1(c)、および1(d)、および2(a)、2(b)、2(c)、および2(d)に説明されるようなストライプであることができる。次いで、n-GaN ELO層301が、開口部エリア105から成長させられた。長空洞VCSELのために適切な幅を伴うELO層301のウィング302が、達成され、活性領域を含むInGaN、p-GaN層等の素子層303が、成長させられる。
【0106】
素子層303は、次いで、ELO層301が近隣ELO層301と合体させられないように、活性化される。p-GaN層404の活性化は、非合体領域における側壁が、水素拡散のためのより良好な通路を提供するので、これらの素子304においてより良好である。次いで、硬質マスク、例えば、Ti/Auが、電流遮断領域405を生成するためのイオン注入中に開口エリアを保護するために、堆積させられた。注入後、硬質マスクは、加熱された王水を用いて除去され、サンプルは、トンネルジャンクション406の再成長に先立って、直接清浄された。代替として、電流拡散層406として、ITOも選ばれ得る。高度にドープされたn++GaNトンネリング層、それに続くn-GaN電流拡散層406およびn++GaN接触層402が、MOCVDによって成長させられた。その後、p-GaN404が、側壁を通して、再度、再活性化された。
【0107】
p-DBR鏡407のSiO2/Ta2O5層の交互対が、堆積させられ、DBR鏡407の周囲のp接点金属409が、リソグラフィによって画定された。透過性キャリア基板501が、素子304のp側に接合される。次いで、レーザまたは化学的リフトオフが、ホスト基板101を除去するために使用される。
【0108】
界面507上のELOマスク104は、化学的エッチングにおいて溶解させられ、所望の直径を伴う樹脂ディスクが、ELOウィング302の界面507上にフォトリソグラフィ処理される。試料を加熱することによって、ディスクは、液滴に融解させられる。RIEが、それらを犠牲マスクとして除去することによって、樹脂液滴の表面形状をELO界面507の上に移すために使用されることができ、それは、ELO界面507上にレンズ形状の表面を残すであろう。n側DBR407、例えば、Ta
2O
5/SiO
2二重層が、堆積させられ、
図5(g)および5(h)に示されるように、曲面鏡508を形成した。この設計は、特に、長空洞VCSEL304専用であり、共振空洞長は、20μmを上回る。次いで、n金属パッド408が、垂直電流注入のために、ELO界面507上に画定された。代替として、側方注入のために、上部側の金属接点408も、使用され得る。
【0109】
例示的プロセスは、以下のステップを含む:
1.概して、20μmを上回って、ヘテロ基板101のGaNテンプレート102上にELO III族窒化物層301を成長させること。ELO III族窒化物層301は、UID GaN層401を備えている。
2.以下の素子層303をELO III族窒化物層301上に順に成長させること:クラッディングおよびn接触のためのn-GaN層402(1,000nm厚);活性領域403としてのInGaN多重量子井戸およびGaN障壁;AlGaN電子遮断層405(50nm);p-GaN(300nm厚);およびp++GaN(10nm厚)層404。
3.イオン注入を実施し、開口を画定すること。
4.表面清浄後、n++GaN層(10nm厚)を再成長させ、トンネルジャンクション406を完成させること。
5.抑えおよび電流拡散のためのn-GaN層402(10~100nm厚)を堆積させること。
6.メサをドライエッチングし、素子304を画定すること。
7.誘電DBR鏡407を堆積させること。
8.接点408、409を堆積させること、および透過性キャリア501にフリップチップ接合/取り付けを行うこと。
9.LLOまたは化学的エッチングを通して、基盤101を除去すること。
10.ELOマスク104をELOウィング界面507上で溶解させること。
11.樹脂の熱リフローを使用し、RIEを用いて、曲面表面701を有する曲面鏡形状508をUID-GaN301においてエッチングすること。
12.誘電DBR鏡407を曲面表面701の上を覆って堆積させること。
13.界面507の選択的部分をドライエッチングし、曲面鏡508の外側のn-GaN層402を露出させ、金属接点408、409を堆積させること(垂直注入の場合)。
14.結果として生じる素子304の構造は、
図5(g)および5(h)(側方注入の場合)に示されており、これらのステップに従うことによって、垂直注入設計が、取得されることができる。
【0110】
重要な利点は、以下を含む:
・異質基板101が、使用されることができ、したがって、スケーリングは、問題ではないであろう。
・ELO III族窒化物層301上の高結晶品質素子層303は、より少ない漏出、より長い寿命、およびより高い出力電力をもたらす。
・DBR鏡407は、曲面表面701が成長制限マスク104上のELOウィング302の界面507である曲面鏡508であり、表面を滑らかにするための特別な調製が、必要とされない。
・レーザまたは化学的リフトオフは、VCSEL304を損傷しないであろう。
・ELOウィング界面507は、除去プロセス中、ELOマスク104で覆われる。
・代替として、本発明は、いかなる補償効果も回避するために、素子層303の成長前、成長制限マスク104を部分的または全体的に最初に除去することによって、実践されることもでき、この場合、開放窓領域506をホスト基板101からのレーザ505にさらすことは、素子304へのどんな損傷も引き起こさないであろう。
【0111】
(第2の実施形態)
第2の実施形態も、ヘテロ基板101のELOウィング302上に製作される長空洞VCSEL304であり、素子304は、基板101の除去後、界面507からリフトオフされる。唯一の差異は、曲面鏡508が、ホスト基板101上またはELOマスク104上のいずれかにおいて事前に加工されることである。開口部エリア105からのELO III族窒化物層301は、曲面鏡508の形状を有し、それは、さらなる樹脂リフロー製作ステップを排除し、プロセスを簡略化する。
【0112】
III族窒化物テンプレート102を伴うホスト基板101が、提供され、成長制限マスク104またはELOマスク104が、ホスト基板101の事前に加工された曲面表面701上に設置される。ELO III族窒化物層301は、
図1(a)、1(b)、1(c)、および1(d)、および
図2(a)、2(b)、2(c)、および2(d)に説明されるようなストライプであることができる。基部n-GaN ELO層301は、開口部エリア105から成長させられる。長空洞VCSEL304のために適切な幅を伴うELOウィング302が、達成され、次いで、n-GaN層402、活性領域403を含むInGaN、p-GaN層404等の素子層303が、成長させられる。
【0113】
素子層303は、次いで、活性化される。ELO III族窒化物層301は、近隣ELO III族窒化物層301と合体せず、したがって、非合体領域における側壁が、水素拡散のためのより良好な通路を提供するので、p-GaN層404の活性化が、完遂される。次いで、硬質マスク、例えば、Ti/Auが、電流遮断領域405のためのイオン注入中に開口エリアを保護するために、堆積させられる。注入後、硬質マスクは、加熱された王水を用いて除去され、サンプルは、トンネルジャンクション406の再成長に先立って、直接清浄された。代替として、電流拡散層406として、ITOも選ばれ得る。高度にドープされたn++GaNトンネリング層から成るトンネルジャンクション406、それに続くn-GaN電流拡散層402およびn++GaN接触層402が、MOCVDによって成長させられた。その後、p-GaN層404は、側壁を通して、再度、再活性化される。
【0114】
SiO2/Ta2O5二重層の交互対から成るp側DBR鏡407が、堆積させられ、DBR鏡407の周囲のp接点金属409が、リソグラフィによって画定される。透過性キャリア基板501が、素子304のp側に接合される。次いで、レーザまたは化学的リフトオフが、ホスト基板101を除去するために使用される。
【0115】
ELOウィング界面507上のELOマスク104は、化学的エッチングにおいて溶解させられ、次いで、
図7(c)および7(d)に示されるように、Ta
2O
5/SiO
2二重層から成るn側DBR407が、ELO界面507の曲面形状701上に堆積させられる。具体的に、
図7(c)は、サブ搭載部501の取り付け前の上部側が仕上げられた長空洞VCSEL304を示し、
図7(d)は、ELO界面507の曲面表面701を使用する最終VCSEL素子304を示す。この設計は、特に長空洞VCSEL304専用であり、共振空洞長は、20μmを上回る。次いで、n金属パッド408が、垂直電流注入のために、ELO界面507上に画定される。代替として、側方注入のために、上部側の金属接点408も、使用され得る。
【0116】
例示的プロセスは、以下のステップを含む。
1.曲面表面701をホスト基板101またはELOマスク104上に調製すること。
2.概して、20μmを上回って、ヘテロ基板101上GaNテンプレート102上に、基部ELO III族窒化物層301を成長させること。ELO III族窒化物層301は、曲面表面701の形状をとる。この事例では、ELO III族窒化物層301は、UID GaN層401である。
3.以下の素子層303を基部ELO III族窒化物層301上に順に成長させること:クラッディングおよびn接触のためのn-GaN層402(1,000nm厚);活性領域403としてのInGaN多重量子井戸およびGaN障壁;AlGaN電子遮断層405(50nm);p-GaN(300nm厚);およびp++GaN(10nm厚)層404。
4.イオン注入を実施し、開口を画定すること。
5.表面清浄後、n++GaN(10nm厚)を再成長させ、トンネルジャンクション406を完成させること。
6.抑えおよび電流拡散のためのn-GaN層402(10~100nm厚)を堆積させること。
7.メサをドライエッチングし、素子304を画定すること。
8.平面誘電DBR鏡407を堆積させること。
9.接点408、409を堆積させること、および透過性キャリア501にフリップチップ接合/取り付けを行うこと。
11.LLOまたは化学的エッチングを通して、基板101を除去すること。
12.ELOマスク104をELOウィング界面507上で溶解させること。
13.誘電DBR鏡407をELOウィング界面507の曲面表面701の上を覆って堆積させること。
14.界面507の選択的部分をドライエッチングし、曲面鏡407の外側のn-GaN層402を露出させ、接点408、409を堆積させること。
15.結果として生じる素子304の構造は、
図7(c)および7(d)(側方注入の場合)に示されており、これらのステップに従うことによって、垂直注入設計が、取得されることができる。
【0117】
重要な利点は、以下を含む。
・異質基板101が、使用されることができ、スケーリングは、問題ではないであろう。
・ELO III族窒化物層301に起因する高結晶品質素子層303が、より少ない漏出、より長い寿命、およびより高い出力電力をもたらす。
・DBR鏡407の曲面表面701は、成長制限マスク104上のELOウィング302の界面507であって、したがって、表面を滑らかにするための特別な調製が、必要とされない。
・曲面表面701は、ホスト基板101またはELOマスク104上に製作され、したがって、界面507は、曲率形成のためのさらなる加工を受けない。
・レーザまたは化学的リフトオフは、VCSEL304を損傷しない。
・ELOウィング界面507は、除去プロセス中、ELOマスク104で覆われている。
【0118】
(第3の実施形態)
第3の実施形態も、ヘテロ基板101のELOウィング302上に製作される長空洞VCSEL304であり、リフトオフされる素子304は、第2のDBR鏡407のためにELOウィング界面507を使用する。差異は、曲面鏡508が、VCSEL304のp側に加工されることである。そうする前、基部ELO III族窒化物層301は、設計I-Cにおけるように研磨されるが、しかしながら、より長い空洞のための層301、303は、素子304のp側に成長させられ、ホスト基板101を除去した後、第2のDBR407として、ELOウィング界面507を使用する。
【0119】
空洞を備えているIII族窒化物層301、303は、8μmより大きい総厚を有するように、MOCVDによって成長させられ得る。高度にドープされたp++/n++ジャンクションである、トンネルジャンクション406が、素子304のp側に成長させられ、1~2μmのn-GaN402またはUID GaN401が続く。上部n-GaN402またはUID-GaN401は、イオン注入を伴う電流遮断領域405として画定される開口の上方に、曲面表面を有するように加工される。GaN401、402の中にレンズ形状をエッチングするために、エッチングされる層401、402は、レンズの厚さと同程度に厚く、またはそれより厚くなければならず、多くの場合、数ミクロン厚である。オーム接点408は、トンネルジャンクション406のn-GaN402またはn++GaN上に存在するべきである。損失の多いn-GaN402の代わりに、UID GaN401上の接点408は、VCSEL304の空洞内の吸収損失を最小化する。
【0120】
例示的プロセスは、以下のステップを含む。
1.概して、10μmを上回って、ヘテロ基板101のGaNテンプレート102上に、基部ELO III族窒化物層301を成長させること。ELO III族窒化物層301は、UID GaN層401を備えている。
2.研磨することは、空洞厚を制御するために使用されることも、使用されないこともある。
3.以下の素子層303が、基部ELO III族窒化物層301上に順に成長させられること:クラッディングおよびn接触のためのn-GaN層402(1,000nm厚);活性領域403としてのInGaN多重量子井戸およびGaN障壁;AlGaN電子遮断層405(50nm);p-GaN(300nm厚);およびp++GaN(10nm厚)層404。
4.イオン注入を実施し、開口を画定すること。
5.表面清浄後、n++GaN(10nm厚)を再成長させ、トンネルジャンクション406を完成させること。
6.抑えおよび電流拡散のためのn-GaN層402(1,000nm厚)およびレンズ加工のためのUID GaN層401(3μm)を堆積させること。
7.メサをドライエッチングし、素子304を画定すること。
8.樹脂の熱リフローを使用し、RIEを用いて、UID-GaN層401内に曲面表面701を有するレンズ形状をn-GaN層402まで下方にエッチングすること。
9.誘電DBR鏡407を曲面表面の上を覆って堆積させること。
10.接点408、409を堆積させること、およびキャリア501にフリップチップ接合すること。
11.LLOまたは化学的エッチングを通して、基板101を除去すること。
12.ELOマスク104をELOウィング界面507上で溶解させること。
13.界面507をドライエッチングし、開口の外側のn-GaN層402を露出させること、および接点408、409を堆積させること。
14.平面誘電DBR407を手付かずのELOウィング界面507上に堆積させること。空洞は、かなり厚く作られる。
15.結果として生じる素子304の構造は、
図6(g)および6(h)(側方注入の場合)に示されており、これらのステップに従うことによって、垂直注入設計が、取得されることができる。
【0121】
重要な利点は、以下を含む。
・異質基板101が、使用されることができ、スケーリングは、問題ではないであろう。
・ELO III族窒化物層301上の高結晶品質素子層303が、より少ない漏出、より長い寿命、およびより高い出力電力をもたらす。
・DBR鏡407の曲面表面は、p側表面上に存在し、したがって、滑らかさが、エピタキシャルに制御されることができる。
・平坦DBR鏡407は、ELOウィング界面507上に製作され、したがって、両方の鏡407のための両方の表面調製が、単純である。
・レーザまたは化学的リフトオフは、VCSEL304を損傷しないであろう。
・ELOウィング界面507は、除去プロセス中、ELOマスク104で覆われる。
【0122】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、短空洞VCSEL304が、ヘテロ基板101のELOウィング302上に製作され、素子304は、リフトオフされ、次いで、曲面鏡508は、ELOウィング界面507上に製作される。
【0123】
III族窒化物テンプレート102を伴う基板101が、提供され、成長制限マスク104またはELOマスク104が、ホスト基板101上に設置される。III族窒化物テンプレート102は、
図1(a)、1(b)、1(c)、および1(d)、および、
図2(a)、2(b)、2(c)、および2(d)に説明されるようなストライプであることができる。基部ELO III族窒化物層301は、開口部エリア105から成長させられ、n-GaN層401を備えている。長空洞VCSEL304のために適切な幅を伴うELOウィング302が、達成され、次いで、活性領域403を含むInGaN、p-GaN層404等の残りの素子層303が、成長させられる。
【0124】
p-GaN層404が、次いで、活性化される。ELO層301が、近隣ELO層301と合体させられていないので、p-GaN層404の活性化は、非合体領域における側壁を使用して、達成され、非合体領域は、水素拡散のためのより良好な通路を提供する。次いで、硬質マスク、例えば、Ti/Auが、電流遮断領域405を生成するためのイオン注入中に開口エリアを保護するために、堆積させられる。注入後、硬質マスクは、加熱された王水を用いて除去され、サンプルは、トンネルジャンクション406の再成長に先立って、直接清浄される。代替として、電流拡散器406として、ITOも、選ばれ得る。トンネルジャンクション406は、高度にドープされたn++GaNトンネリング層を備え、MOCVDによって成長させられるn-GaN電流拡散層402およびn++GaN接触層402が、続く。その後、p-GaN層405は、側壁を通して、再度、再活性化される。
【0125】
SiO2/Ta2O5二重層の交互対から成るDBR鏡407が、堆積させられ、DBR鏡407の周囲のp接点409が、リソグラフィによって画定される。透過性キャリア基板501が、素子304のp側に接合される。次いで、レーザまたは化学的リフトオフが、ホスト基板101を除去するために使用される。
【0126】
ELOウィング界面507上のELOマスク104は、化学的エッチングにおいて溶解させられ、次いで、ELO III族窒化物層301は、短空洞設計を達成するために、所望の共振空洞長まで薄くされる。Ta
2O
5/SiO
2二重層から成るn側DBR407が、
図5(i)および5(j)に示されるように、堆積させられる。この設計は、特に、短空洞VCSEL304のために有用である。次いで、n接点408が、垂直電流注入のために、ELOウィング界面507上に画定される。代替として、側方注入のために、上部側の接点408も、使用され得る。
【0127】
例示的プロセスは、以下のステップを含む。
1.平面表面を伴うELOマスク104をホスト基板101上に調製すること。
2.概して、20μmを上回って、ホスト基板101上GaNテンプレート102上に、基部ELO III族窒化物層301を成長させること。ELO III族窒化物層301は、UID GaN層401を備えている。
3.以下の素子層303をELO III族窒化物層301上に順に成長させること:クラッディングおよびn接触のためのn-GaN層402(1,000nm厚);活性領域403としてのInGaN多重量子井戸およびGaN障壁;AlGaN電子遮断層405(50nm);p-GaN(300nm厚);およびp++GaN(10nm厚)層404。
4.イオン注入を実施し、開口を画定すること。
5.表面清浄後、n++GaN(10nm厚)を再成長させ、トンネルジャンクション406を完成させること。
6.抑えおよび電流拡散のためのn-GaN層402(10~100nm厚)を堆積させること。
7.メサをドライエッチングし、素子304を画定すること。
8.平面誘電DBR鏡407を堆積させること。
9.接点408、409を堆積させること、および透過性キャリア501にフリップチップ接合/取り付けすること。
11.LLOまたは化学的エッチングを通して、基板101を除去すること。
12.ELOマスク104をELOウィング界面507上で溶解させること。
13.ELOウィング界面507を薄くし、設計された短空洞厚に到達させること。
14.誘電DBR鏡407をELOウィング302上の薄くされた表面の上を覆って堆積させること。
15.界面507の選択的部分をドライエッチングし、開口の外側のn-GaN層402を露出させ、接点408、409を堆積させること。
16.結果として生じる素子304の構造は、
図5(i)および5(j)(側方注入の場合)に示されており、これらのステップに従うことによって、側方注入設計が、取得されることができる。
【0128】
重要な利点は、以下を含む。
・異質基板101が、使用されることができ、スケーリングは、問題ではないであろう。
・ELO III族窒化物層301に起因する高結晶品質素子層303は、より少ない ・漏出、より長い寿命、およびより高い出力電力をもたらす。
・VCSEL素子304をキャリア501に接合することによって、ELOウィング界面507を薄くすること。
・レーザまたは化学的リフトオフは、VCSEL304を損傷しない。
・ELOウィング界面507は、除去プロセス中、ELOマスク104で覆われている。
【0129】
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、短空洞VCSEL304が、ヘテロ基板101のELOウィング302上に製作され、素子304は、リフトオフされ、次いで、DBR鏡407が、ELOウィング界面507上に設置される。
【0130】
III族窒化物テンプレート102を伴う基板101が、提供され、成長制限マスク104またはELOマスク104が、ホスト基板101上に設置される。III族窒化物テンプレート102は、
図1(a)、1(b)、1(c)、および1(d)、および、
図2(a)、2(b)、2(c)、および2(d)に説明されるようなストライプであることができる。基部ELO III族窒化物層301は、開口部エリア105から成長させられ、n-GaN層402を備えている。長空洞VCSEL304のために適切な幅を伴うELOウィング302が、達成され、活性領域403を含むInGaN、p-GaN層404等の素子層303が、
図6(a)および6(b)に示されるように、成長させられる。
【0131】
素子層303は、活性化される。ELO III族窒化物層層301が近隣ELO III族窒化物層301と合体させられていないので、非合体領域における側壁が水素拡散のためのより良好な通路を提供するので、p-GaN層404の活性化は、より容易である。次いで、硬質マスク、例えば、Ti/Auが、電流遮断領域405を生成するためのイオン注入中に開口エリアを保護するために、堆積させられる。注入後、硬質マスクは、加熱された王水を用いて除去され、サンプルは、トンネルジャンクション406の再成長に先立って、直接清浄される。代替として、また、電流拡散層406として、ITOも、選ばれ得る。トンネルジャンクション406は、高度にドープされたn++GaNトンネリング層を備え、MOCVDによって成長させられるn-GaN電流拡散層402およびn++GaN接触層402が、続く。その後、p-GaN層404は、側壁を通して、再度、再活性化される。
【0132】
SiO2/Ta2O5二重層の交互対から成るDBR鏡407が、堆積させられ、DBR鏡407の周囲のp接点409が、リソグラフィによって画定される。透過性キャリア基板501が、素子304のp側に接合される。次いで、レーザまたは化学的リフトオフが、ホスト基板101を除去するために使用される。
【0133】
ELOウィング界面507上のELOマスク104は、化学的エッチングにおいて溶解させられ、次いで、Ta
2O
5/SiO
2二重層から成るn側DBR407が、
図6(e)および6(f)に示されるように、堆積させられ、VCSEL304の第2のDBR鏡407を形成する。この設計は、特に、短空洞VCSEL304専用である。次いで、n接点408が、垂直電流注入のために、ELOウィング界面507上に画定される。代替として、側方注入のために、上部側のn接点408も、使用され得る。
【0134】
例示的プロセスは、以下のステップを含む。
1.平面表面を伴うELOマスク104をホスト基板101上に調製すること。
2.概して、20μmを上回って、基板101のGaNテンプレート102上に、ELO III族窒化物層301を成長させること。ELO III族窒化物層301は、UID GaN層401を備えている。
3.ELOIII族窒化物層301を表面の上部から薄くすること(この設計では、薄くすることは、ホスト基板101が依然として取り付けられている状態で実施される)。
4.以下の素子層303をELO III族窒化物層301上に順に成長させること:クラッディングおよびn接触のためのn-GaN層402(1,000nm厚);活性領域403としてのInGaN多重量子井戸およびGaN障壁;AlGaN電子遮断層405(50nm);p-GaN(300nm厚);およびp++GaN(10nm厚)層404。
5.イオン注入を実施し、開口を画定すること。
6.表面清浄後、n++GaN(10nm厚)を再成長させ、トンネルジャンクション406を完成させること。
7.抑えおよび電流拡散のためのn-GaN層402(10~100nm厚)を堆積させること。
8.メサをドライエッチングし、素子304を画定すること。
9.平面誘電DBR鏡407を堆積させること。
10.接点408、409を堆積させること、およびキャリア501にフリップチップ接合/取り付けを行うこと。
11.LLOまたは化学的エッチングを通して、基板101を除去すること。
12.ELOマスク104をELOウィング界面507上で溶解させること。
13.誘電DBR鏡407をELOウィング界面507の上を覆って堆積させること。
14.界面507をドライエッチングし、開口の外側のn-GaN層402を露出させ、接点408、409を堆積させること。
15.結果として生じる素子304の構造は、
図6(e)および6(f)(側方注入の場合)に示されており、これらのステップに従うことによって、側方注入設計が、取得されることができる。
【0135】
重要な利点は、以下を含む:
・異質基板101が、使用されることができ、スケーリングは、問題ではないであろう。
・ELO III族窒化物層301に起因する高結晶品質素子層303が、より少ない漏出、より長い寿命、およびより高い出力電力をもたらす。
・薄くすることが、ホスト基板101が依然として取り付けられている状態で、ELO層301上で実施される。
・レーザまたは化学的リフトオフは、素子304を損傷しない。
・ELOウィング界面507は、除去プロセス中、ELOマスク104で覆われている。
【0136】
(プロセスステップ)
図10は、本発明による、半導体素子を製作する方法1000を図示するフローチャートである。具体的に、
図10は、VCSEL304を製作する方法1000を図示する。
【0137】
ブロック1001は、ホスト基板101を提供するステップを表す。このステップでは、ホスト基板101は、III族窒化物基板101またはその上に堆積させられるIII族窒化物テンプレート102を伴う異質基板101を備えている。III族窒化物テンプレート102は、ホスト基板上に形成される、1つ以上の選択的成長補助部分から成る。
【0138】
ブロック1002は、ホスト基板101上またはその上方に、成長制限マスク104を堆積させるステップを表し、成長制限マスク104は、パターン化され得る。具体的に、成長制限マスク104は、基板101上に直接堆積させられるか、または、成長制限マスク104は、基板101上に堆積させられたIII族窒化物テンプレート102上に直接堆積させられる。III族窒化物テンプレート102の使用は、ホスト基板101の1つ以上の非成長補助部分が、成長制限マスク104の底部表面と直接接触しているという結果をもたらし得る。
【0139】
成長制限マスク104は、典型的に、例えば、SiO2、SiN、SiON、TiN等の絶縁フィルムであり、例えば、プラズマ化学蒸着(CVD)、スパッタリング、イオンビーム蒸着(IBD)等によって堆積させられる。
【0140】
成長制限マスク104は、ELO III族窒化物層301の界面507に転写されるパターン化された表面を有するように製作される。代替として、ホスト基板101は、成長制限マスク104に、次いで、ELO III族窒化物層301の界面507に転写されるパターン化された表面を有するように製作される。
【0141】
ブロック1003は、最初に、成長制限マスク104内の開口部エリア105から、次いで、成長制限マスク104の上を覆って側方に、成長制限マスク104上に1つ以上のELO III族窒化物層301を形成するステップを表し、ELO III族窒化物層301は、隣接した(または、近隣の)ELO III族窒化物層301と合体することも合体しないこともある。ELO III族窒化物層301は、UID GaN層401および/またはn型GaN層402を備え得る。
【0142】
ブロック1004は、ELO III族窒化物層301上に少なくとも1つのVCSEL304を形成するステップを表し、VCSEL304は、III族素子層303から成り、III族素子層303は、ELO III族窒化物層301上またはその上方に成長させられたn型III族窒化物層402とp型III族窒化物層404との間の少なくともIII族窒化物活性領域403を含み、ELO III族窒化物層301とIII族素子層303とは、一緒に、島状III族窒化物半導体層301、303を備えている。
【0143】
一実施形態では、III族素子層303は、UID GaN層401、クラッディングおよびn接触のためのn-GaN層402、活性領域403としてのInGaN多重量子井戸およびGaN障壁、p-GaNおよびp++GaN層404、電子遮断層405、トンネルジャンクション406、または透過性伝導層406を含み得る。
【0144】
好ましくは、III族素子層303は、ELO III族窒化物層301のウィング302上に成長させられる。さらに、VCSEL304の光放出開口が、ELO III族窒化物層301のウィング302上に作製される。複数のVCSEL304が製作され得る状況では、第1および第2のVCSEL304のIII族窒化物素子層303は、ELO III族窒化物層301の隣接したウィング302上に製作される。
【0145】
ブロック1005は、従来のリソグラフィ方法によって、大抵は平坦表面領域によって覆われたELO III族窒化物層301のウィング302上にVCSEL304等の発光素子304を製作するステップを表す。このステップは、イオン注入を実施し、開口を画定すること、メサをエッチングし、素子304を画定すること等を含み得る。
【0146】
ブロック1006は、III族窒化物素子層303上またはその上方にVCSEL304の共振空洞を画定する少なくとも1つの第1のDBR鏡407を設置するステップを表す。具体的に、VCSEL304の共振空洞を画定するDBR鏡407は、III族窒化物素子層303のp側に設置される。
【0147】
DBR鏡407は、p型III型窒化物層404上またはその上方に形成され得、それによって、p型III族窒化物層404は、III型窒化物活性領域403とDBR鏡407との間にある。
【0148】
VCSEL304は、p型III族窒化物層404上の1つ以上のトンネルジャンクション406層をさらに備え得、DBR鏡407は、トンネルジャンクション406層の下方に形成され、それによって、ELO III族窒化物層301は、DBR鏡407とトンネルジャンクション406層との間にある。
【0149】
VCSEL304は、p型III族窒化物層404上の1つ以上のトンネルジャンクション406層をさらに備え得、DBR鏡407は、トンネルジャンクション406層上またはその上方に形成され、それによって、トンネルジャンクション406層は、DBR鏡407とp型III族窒化物層404との間にある。
【0150】
このステップは、表面清浄後、n++GaN層を再成長させ、トンネルジャンクション406を完成させること、電流拡散のために、トンネルジャンクション406上またはその上方に追加のn型GaN層402を堆積させること等を含み得る。追加のn型III族窒化物層402は、DBR鏡407のための曲率形状を有する。
【0151】
ブロック1007は、素子304の構造をキャリア501に取り付け、次いで、ELO III族窒化物層301およびVCSEL304をホスト基板101から除去し、ELO III族窒化物層301の界面507を露出させるステップを表す。
【0152】
具体的に、DBR407を伴うIII族窒化物素子層303のp側は、キャリア501またはサブ搭載部に取り付けられ、次いで、LLOまたは化学的エッチングが、ELO III族窒化物層301およびIII族窒化物素子層303をホスト基板101からリフトオフするために使用される。レーザ505が、ELO III族窒化物層301のウィング302の開放窓領域506において、ELO III族窒化物層301およびIII族窒化物素子層303をホスト基板101からリフトオフするために使用され、それによって、ELO III族窒化物層301上に成長させられたIII族窒化物素子層303は、損傷されない。
【0153】
このステップは、ELOウィング界面507上の成長制限マスク104を溶解させることと、樹脂の熱リフローを使用し、RIEを使用してUID-GaN層401内に曲面表面701を有する曲面鏡508形状をエッチングすることとを含む。
【0154】
ブロック1008は、VCSEL304の共振空洞を画定する少なくとも1つの第2のDBR鏡407をELO III族窒化物層301の界面507上に設置するステップを表す。一実施形態では、DBR鏡407は、ELO III族窒化物層のウィング302上に設置される。
【0155】
ELO III族窒化物層301の界面507は、DBR鏡407のためのパターン化された表面を有し得、パターン化された表面は、DBR鏡407のための曲率形状701を備えている。
【0156】
VCSEL304が第1および第2のDBR鏡407から成る実施形態では、第1のDBR407鏡は、平坦DBR鏡407を備え得、第2のDBR鏡407は、平坦DBR鏡407または曲面DBR鏡407を備え得、III族窒化物活性領域403は、第1のDBR鏡と第2のDBR鏡407との間に位置付けられている。
【0157】
ELO III族窒化物層301は、第1のDBR鏡と第2のDBR鏡407との間、共振空洞の50%を上回るものを備え得、ELO III族窒化物層301は、UID GaN層401またはn型GaN層402を備えている。ELO III族窒化物層301の界面507は、VCSEL304のn側にある。
【0158】
一実施形態では、共振空洞の総空洞長は、8μmを上回り、代替として、ホスト基板101またはELO III族窒化物層107の界面507は、薄くされ、共振空洞の総空洞長を8μm未満まで減らす。
【0159】
ブロック1009は、VCSEL304のための接点408、409を堆積させるステップを表す。VCSEL304がトンネルジャンクション406を含む一実施形態では、接点は、n接点408を備え得、他の実施形態では、接点は、n接点408およびp接点409の両方を備え得る。
【0160】
このステップは、金属n接点408の堆積のために、n-GaN層402を露出させるための界面507の選択的部分のエッチングを含み得る。
【0161】
このステップは、電流を素子304の中に注入するための側方注入構成または垂直注入構成を形成することも含み得、素子304上にn接点408およびp接点409を堆積させることも含む。これらの構成は、素子304の棒体の各素子304が、別個に扱われる、または他の素子304とともに扱われることを可能にする。
【0162】
ブロック1010は、素子304をサブ搭載部または他の外部キャリアに移すステップを表す。一実施形態では、このステップは、透過性サブ搭載部または他の外部キャリアへの島状III族窒化物半導体層301、303を含む素子304のフリップチップ接合を含む。
【0163】
ブロック1011は、VCSEL304の製作を完了させるステップを表す。このステップは、VCSEL304を梱包すること等を含み得る。
【0164】
ブロック1012は、この方法の最終結果、すなわち、完成された素子304、および完成された素子304を含む任意の適用を表す。
【0165】
(参照文献)
以下の参照文献は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
1.Raring et al.によって2014年6月11日に出願され、2017年3月30日に公開され、「Surface morphology of non-polar gallium nitride containing substrates」と題された米国特許出願公開第2017/0092810号
2.Applied Physics Express 13,041003 (2020年)
3.Applied Physics Express 12,044004 (2009年)
4.Sci.Rep.,8,10350 (2018年)
【0166】
(結論)
ここで、本発明の好ましい実施形態の説明を結論付ける。本発明の1つ以上の実施形態の前述の説明は、例証および説明の目的のために提示されている。包括的であること、または本発明を開示される精密な形態に限定することは、意図されていない。多くの修正および変形例が、上記の教示に照らして可能である。本発明の範囲は、本詳細な説明によってではなく、むしろ、本明細書に添付される請求項によって限定されることが意図される。
【国際調査報告】