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特表2024-540921USP1阻害剤としての置換トリアゾロヘテロアリール化合物及びその応用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】USP1阻害剤としての置換トリアゾロヘテロアリール化合物及びその応用
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20241029BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241029BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20241029BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20241029BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 31/5025 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
C07D471/04 101
C07D471/04 CSP
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 121
A61K31/437
A61K31/506
C07D487/04 146
A61K31/4985
A61K31/5025
A61K31/519
C07D487/04 145
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523523
(86)(22)【出願日】2022-10-19
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 CN2022126197
(87)【国際公開番号】W WO2023066299
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202111218092.7
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】519175824
【氏名又は名称】上海瑛派▲薬▼▲業▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】IMPACT THERAPEUTICS (SHANGHAI), INC.
【住所又は居所原語表記】Room 603, No.3 Building 111 Xiangke Road, China (Shanghai) Pilot Free Trade Zone Shanghai 201210 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ, スイ シオン
(72)【発明者】
【氏名】ティエン, イェー エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ワン, シアオチュー
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ローティエン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084MA02
4C084NA05
4C084ZB26
4C084ZB27
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、式Iで表される置換トリアゾロヘテロアリール化合物およびその応用を提供する:
A1、A2、B1、B2、B3、B4、B5、D1、D2、D3、D4、L、Cy1およびCy2は本明細書に定義される。式Iの化合物はUSP1阻害剤である。したがって、本発明の化合物は、癌などのUSP1制御に関連する疾患、障害および症状を治療するために使用することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩、またはその混合物またはそのプロドラッグ、ただし
A1およびA2はそれぞれ独立にNとCR1からなる群より選ばれる;
B1およびB2はそれぞれ独立にNとCからなる群より選ばれ、B1およびB2のうち多くても一つがNである;
B3、B4およびB5はそれぞれ独立にNとCR2からなる群より選ばれる;
D1、D2、D3およびD4はそれぞれ独立にNとCR3からなる群より選ばれる;
LはNR6、O、S、SO、SO2、C=OおよびR4および/またR5で任意的に置換されたアルキレンからなる群より選ばれる;
Cy1は任意的に置換された炭素環基、任意的に置換された複素環基、任意的に置換されたアリールおよび任意的に置換されたヘテロアリールからなる群より選ばれる;
Cy2は任意的に置換された炭素環基、任意的に置換された複素環基、任意的に置換されたアリールおよび任意的に置換されたヘテロアリールからなる群より選ばれる;
R1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、任意的に置換されたアルキル、任意的に置換されたアルコキシ、任意的に置換された炭素環基、任意的に置換されたアルケニル、任意的に置換されたアルキニル、および任意的に置換されたアミノからなる群より選ばれる;
R4およびR5はそれぞれ独立にハロゲン、シアノ、任意的に置換されたアルキル、任意的に置換されたアルコキシ、任意的に置換された炭素環基、任意的に置換されたアルケニル、および任意的に置換されたアルキニルからなる群より選ばれる;または、R4およびR5は結合したCと一緒に環を形成する;
R6は水素および任意的に置換されたアルキルからなる群より選ばれる。
【請求項2】
以下の特徴を有する、請求項1に記載の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩、またはその混合物またはそのプロドラッグ:
A1はNでA2はNである;および/または
B1はNでB2はCであり、またはB1はCでB2はNである;および/または
LはC1-3アルキレン基、NH、N-C1-3アルキルまたはO、好ましくはメチレン基または-CH(CH3)-基;および/または
R6はHまたはC1-3アルキルである。
【請求項3】
以下の特徴を有する、請求項1に記載の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩、またはその混合物またはそのプロドラッグ:B3、B4およびB5はそれぞれ独立にNおよびCR2からなる群より選ばれ、R2はH、ハロゲン、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシである;
好ましくは、B3、B4およびB5はそれぞれ独立にNまたはCHである;またはB3、B4およびB5はすべてCR2であり、R2はそれぞれ独立にH、ハロゲンまたはC1-4アルキルであり、好ましくは、B3、B4およびB5はすべてCHである;または
B3はNであり、B4およびB5は両方CR2であり、R2はそれぞれ独立にH、ハロゲンまたはC1-4アルキルであり、好ましくは、R2はそれぞれHである;またはB4はNであり、B3およびB5は両方CR2であり、R2はそれぞれ独立にH、ハロゲンまたはC1-4アルキルであり、好ましくは、R2はそれぞれHである;またはB5はNであり、B3およびB4はCR2であり、R2はそれぞれ独立にH、ハロゲンまたはC1-4アルキルであり、好ましくは、R2はそれぞれHである;
好ましくは、A1、A2、B1、B2、B3、B4およびB5を含む縮合複素芳香族二環式環は、以下の群より選ばれる:
【化2】
*1および*2は、それぞれ化合物のCy1およびLに対する基の結合位置を指す;好ましくは、A1、A2、B1、B2、B3、B4およびB5を含む縮合複素芳香族二環式環は、以下の群より選ばれる:
【化3】
【請求項4】
以下の特徴を有する、請求項1に記載の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩、またはその混合物またはそのプロドラッグ:D1、D2、D3およびD4はCR3である;
好ましくは、R3は水素、ハロゲン、任意的に置換されたアルキルおよび任意的に置換されたアルコキシからなる群より選ばれる;好ましくは、前記アルキルまたは前記アルコキシはハロゲン、ヒドロキシおよびNRaRbからなる群より選ばれた1-5個の置換基で任意的に置換され、前記RaおよびRbはそれぞれ独立にHまたはC1-4アルキルである;
好ましくは、D1およびD4はCHであり、D2およびD3はCR3であり、R3はそれぞれ水素、ハロゲンまたはC1-4アルコキシである;好ましくは、R3の少なくとも一つは非水素置換基、すなわち、ハロゲンまたはC1-4アルコキシである;より好ましくは、D1、D2、D3およびD4はCHである。
【請求項5】
以下の特徴を有する、請求項1に記載の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩、またはその混合物またはそのプロドラッグ:Cy1は任意的に置換されたC3-8シクロアルキル、任意的に置換された4-10員の複素環基、任意的に置換された6-14員のアリール基または任意的に置換された5-10員のヘテロアリール基である;
好ましくは、Cy1は任意的に置換されたフェニル、任意的に置換されたピリジル、任意的に置換されたピリミジニル、任意的に置換されたピラジニル、任意的に置換されたピリダジニル、任意的に置換されたピペリジニル、任意的に置換されたピペラジニル、任意的に置換されたテトラヒドロフラニル、任意的に置換されたピロリジニルまたは任意的に置換されたピラゾリルである;より好ましくは、Cy1は任意的に置換されたピリミジニルである;
好ましくは、Cy1は、ハロゲン、任意的に置換されたC1-4アルキル、任意的に置換されたC1-4アルコキシ、任意的に置換されたC3-6シクロアルキル、任意的に置換されたアミノおよびシアノからなる群より選ばれた置換基で任意的に置換される;好ましくは、前記C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびC3-6シクロアルキルはそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシルおよび-NRaRbで置換されたC1-4アルキルからなる群から選択される1-5個の置換基で任意的に置換され、前記RaおよびRbは独立にHまたはC1-4アルキルである;前記アミノは、1または2個のC1-4アルキルで任意的に置換されている。
【請求項6】
以下の特徴を有する、請求項1に記載の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩、またはその混合物またはそのプロドラッグ:Cy2は任意的に置換された6-14員のアリール基、任意的に置換された5-10員のヘテロアリール、任意的に置換されたC3-8シクロアルキルまたは任意的に置換された4-10員の複素環基である;
好ましくは、Cy2は任意的に置換された5-10員の窒素含有ヘテロアリール基であり、より好ましくは 5員の窒素含有ヘテロアリール基である;より好ましくは、Cy2は任意的に置換されたイミダゾリルまたは任意的に置換されたピラゾリルである;
好ましくは、Cy2はハロゲン、任意的に置換されたC1-4アルキル、任意的に置換されたC1-4アルコキシおよび任意的に置換されたC3-6シクロアルキルからなる群より選ばれた1-5個の置換基で任意的に置換され、好ましくは、前記C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシはそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシルおよび-NRaRbで置換されたC1-4アルキルからなる群から選択される1-5個の置換基で任意的に置換され、前記RaおよびRbは独立にHまたはC1-4アルキルである;好ましくは、Cy2はC1-4アルキル、C3-6シクロアルキルおよびハロゲン化C1-4アルキルからなる群から選択される1-3個の置換基で置換されている;より好ましくは、Cy2はC1-4アルキルおよびハロゲン化C1-4アルキルからなる群から選択される1-3個の置換基で置換されている;
より好ましくは、Cy2は任意的に置換されたC1-4アルキルで置換されたイミダゾリルまたは任意的に置換されたC1-4アルキルで置換されたピラゾリルである;好ましくは、Cy2はC1-4アルキル、C3-6シクロアルキルおよびハロゲン化C1-4アルキルからなる群から選択される二つ置換基で置換されたイミダゾリルであり、その一つのN原子はC1-4アルキルで置換されている。
【請求項7】
以下の特徴を有する、請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩、またはその混合物またはそのプロドラッグ:式Iの化合物は式IIaまたはIIbで表される化合物
【化4】
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩、またはその混合物またはそのプロドラッグで、A1、A2、B3、B4、B5、D1、D2、D3、D4、Cy1およびCy2は請求項1-6で定義されたとおりである。
【請求項8】
以下の特徴を有する、請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩、またはその混合物またはそのプロドラッグ:式Iの化合物は式IIIaまたはIIIbで表される化合物
【化5】
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩、またはその混合物またはそのプロドラッグで、B3、B4、B5、Cy1およびCy2は請求項1、3、5および6で定義されたとおりである。
【請求項9】
以下の群より選ばれる、請求項1に記載の化合物:
8-(4-(1,4-ジメチル-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(2-イソプロピルフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
8-(4-(1,4-ジメチル-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(2-メトキシフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
2-(2-イソプロピルフェニル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
2-(2-イソプロピルフェニル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン;
2-(2-イソプロピルフェニル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン;
2-(2-イソプロピルフェニル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-b]ピリダジン;
2-(2-イソプロピルフェニル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
2-(2-イソプロピルフェニル)-7-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン;
2-(2-イソプロピルフェニル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン;
2-(2-イソプロピルフェニル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
2-(1-イソプロピル-4-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
2-(1-イソプロピル-4-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
2-(1-イソプロピル-4-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-b]ピリダジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-b]ピリダジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-7-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン;
8-(4-(1-シクロプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(3-フルオロ-4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-エチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-3-フルオロ-5-メトキシベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
2-(4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
2-(4-シクロブチル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
8-(4-(1-シクロプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(3-フルオロ-4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-エチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-3,5-ジフルオロベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン;
8-(4-(1-シクロプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(3-フルオロ-4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-エチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-3,5-ジフルオロベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン;
2-(4-シクロプロピル-6-シアノピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(1-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)フェニル)エチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
5-(4-(1-シクロプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(3-フルオロ-4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(1-エチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-3-フルオロ-5-メトキシベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
5-(4-(1-シクロプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(3-フルオロ-4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(1-エチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-3,5-ジフルオロベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン;
5-(4-(1-シクロプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(3-フルオロ-4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(1-エチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-3,5-ジフルオロベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン;
2-(4-シクロプロピル-6-シアノピリミジン-5-イル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(1-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)フェニル)エチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン;
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩、またはその混合物またはそのプロドラッグ。
【請求項10】
USP1制御関連疾患の治療または予防のための医薬の製造における、請求項1-9のいずれか一項に記載の化合物の応用;好ましくは、疾患は癌である。
【請求項11】
癌は、肝癌、メラノーマ、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌、ウィルムス腫瘍、頸部癌、精巣癌、軟組織肉腫、原発性マクログロブリン血症、膀胱癌、慢性骨髄性白血病、原発性脳癌、悪性黒色腫、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌、結腸癌、悪性膵島腫瘍、悪性癌様癌、絨毛癌、真菌性真菌症、頭頸部癌、骨形成肉腫、膵臓癌、急性骨髄性白血病、毛細胞白血病、横紋筋肉腫、カポジ肉腫、泌尿生殖器腫瘍、甲状腺癌、食道癌、悪性高カルシウム血症、頸部過形成、腎細胞癌、子宮内膜癌、多発性赤血球癌、特発性血栓細胞血症、副腎皮質癌、皮膚癌および前立腺癌である、請求項10に記載の応用。
【請求項12】
前記医薬品は、放射線療法と併用される、請求項11に記載の応用。
【請求項13】
前記薬剤が、少なくとも一つの既知の抗癌剤またはその薬学的に許容される塩をさらに含む、請求項11に記載の応用。
好ましくは、抗癌剤は以下の群より選ばれる:ブスルファン、メルファラン、クロロアンブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミド、ベンダムスチン、シスプラチン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、カルボプラチン、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、ドキソルビシン、エピルビシン、アクラルビシン、ミトキサントロン、メチルヒドロキシエリプチシン、エトポシド、5-アザシチジン、ゲムシタビン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、メトトレキサート、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、フルダラビン、ネララビン、シタラビン、プララトレキサート、ペメトレキセド、ヒドロキシカルバミド、チオグアニン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、イキサベピロン、カバジタキセル、ドセタキセル、mAb、パニツムマブ、ネシツムマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ラムシルマブ、ベバシズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、イブリツモマブ、トシツモマブ、ブレンツキシマブ、ダラツムマブ、エロツズマブ、オファツムマブ、ジヌツキシマブ、ブリナツモマブ、イピリムマブ、アバスチン、ハーセプチン、マブセラ、T-DM1、トラスツズマブデルクステカン、トラスツズマブエムタンシン、ダトポタマブデルクステカン、ゲムツズマブオゾガマイシン、ブレンツキシマブベドチン、イノツズマブオゾガマイシン、サシツズマブゴビテカン、エンフォルツマブベドチン、ベランタマブマフォドチン、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、アファチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、クリゾチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、スニットイニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、パゾパニブ、トリセル、エベロリムス、ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、ベリノスタット、タモキシフェン、レトロゾール、フルベストラント、ミトグアゾン、オクトレオチド、レチノイン酸、三酸化ヒ素、ゾレドロン酸、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イキサゾミブ、ビスモデギブ、ソニデギブ、デノスマブ、サリドマイド、レナリドマイド、ベネトクラクス、アルデスロイキン(組換えヒトインターロイキン-2)、シプエセル-T(前立腺癌治療ワクチン)、パルボシクリブ、オラパリブ、ニラパリブ、ルカパリブ、タラゾパリブおよびセナパリブ。
【請求項14】
請求項1-9のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項15】
組成物は、さらに少なくとも一つ既知の抗癌剤またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項14に記載の医薬組成物;好ましくは、抗癌剤は、以下の群より選ばれる:ブスルファン、メルファラン、クロロアンブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミド、ベンダムスチン、シスプラチン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、カルボプラチン、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、ドキソルビシン、エピルビシン、アクラルビシン、ミトキサントロン、メチルヒドロキシエリプチシン、エトポシド、5-アザシチジン、ゲムシタビン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、メトトレキサート、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、フルダラビン、ネララビン、シタラビン、プララトレキサート、ペメトレキセド、ヒドロキシカルバミド、チオグアニン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、イキサベピロン、カバジタキセル、ドセタキセル、mAb、パニツムマブ、ネシツムマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ラムシルマブ、ベバシズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、イブリツモマブ、トシツモマブ、ブレンツキシマブ、ダラツムマブ、エロツズマブ、オファツムマブ、ジヌツキシマブ、ブリナツモマブ、イピリムマブ、アバスチン、ハーセプチン、マブセラ、T-DM1、トラスツズマブデルクステカン、トラスツズマブエムタンシン、ダトポタマブデルクステカン、ゲムツズマブオゾガマイシン、ブレンツキシマブベドチン、イノツズマブオゾガマイシン、サシツズマブゴビテカン、エンフォルツマブベドチン、ベランタマブマフォドチン、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、アファチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、クリゾチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、スニットイニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、パゾパニブ、トリセル、エベロリムス、ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、ベリノスタット、タモキシフェン、レトロゾール、フルベストラント、ミトグアゾン、オクトレオチド、レチノイン酸、三酸化ヒ素、ゾレドロン酸、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イキサゾミブ、ビスモデギブ、ソニデギブ、デノスマブ、サリドマイド、レナリドマイド、ベネトクラクス、アルデスロイキン(組換えヒトインターロイキン-2)、シプエセル-T(前立腺癌治療ワクチン)、パルボシクリブ、オラパリブ、ニラパリブ、ルカパリブ、タラゾパリブおよびセナパリブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬品化学の分野に関する。特に、本発明は、置換トリアゾロヘテロアリール化合物、ならびに治療上有効なUSP1阻害剤および抗がん剤としてのこれらの化合物の応用に関する。
【背景技術】
【0002】
ユビキチンは76個のアミノ酸からなる長いペプチドであり、タンパク質に共有結合してその安定性、局在化、または機能を調節する。ユビキチン化による標的タンパク質の分解は、複数の段階からなるプロセスである。ユビキチン化は、ユビキチン活性化酵素(E1)、ユビキチン結合酵素(E2)、ユビキチンタンパク質リガーゼ(E3)などの酵素の連続的な作用によって発生する。ユビキチン化は、何千もの細胞タンパク質がユビキチン化されるため、複数の細胞活動を制御する。ユビキチン化は可逆的なプロセスである。ユビキチン化と脱ユビキチン化のバランスは、細胞内タンパク質のユビキチン化の程度を影響する。脱ユビキチン化酵素(DUB)は脱ユビキチン化に大きく寄与しており、DUBはユビキチン化された基質に作用してユビキチン部分の除去を触媒する。したがって、ユビキチン化状態は動的な調節機構である。ユビキチン化は、特に、遺伝子発現、細胞周期の進行、アポトーシス、DNA修復および細胞運動性において調節的役割も果たしている(Garcia-Sanstisteban (2013) Mol Cancer 12: 91-103)。
【0003】
ますます多くの研究が、タンパク質のユビキチン化がDNA損傷応答の根底にある重要な調節機構であることを明らかにした(Huang D', Andrea (2006) Mol Cell Biol. 7:323-34)。DDRシグナル伝達経路の標的化は腫瘍学において魅力的な方法となっており、DNA損傷誘発性のユビキチン化および脱ユビキチン化に関与する酵素は抗がん療法の潜在的な標的となる可能性がある。
【0004】
ヒトには脱ユビキチン化酵素をコードする遺伝子が100個ある(Garcia-Sanstisteban (2013) Mol Cancer 12: 91-103)。最もよく特定されているDUBの一つはUSP1(ユビキチン特異的プロテアーゼ1)で、これは推定分子量が88.2KDaである785個のアミノ酸のタンパク質をコードする。USP1は、主にFA(ファンコニ貧血)経路および損傷乗り越え合成(TLS)経路において、DNA修復プロセスにおける重要な調節因子である。USP1は、DNA修復タンパク質FANCD2-Ubを脱ユビキチン化することにより、ファンコニ貧血(FA)-BRCA経路を介してDNA修復を調節する(Nijman et al. (2005) Mol Cell 17: 331-39)。USP1の機能が失われると、FANCD2が蓄積し、FA-BRCAを介したDNA損傷修復経路が阻害され、マイトマイシンCやシスプラチンなどのDNA架橋剤に対するがん細胞の感受性が上昇する。PCNA(増殖細胞核抗原)は、USP1のもう一つのユビキチン化基質であり、そのユビキチン化はDNA損傷乗り越え合成機構にとって重要である(Huang et al. (2006) Nature Cell Biol. 8(4): 339-47)。阻害剤によってUSP1活性を阻害すると、DNA架橋剤およびPARP阻害剤に対するがん細胞の感受性が高まる可能性がある。
【0005】
USP1阻害剤は、単独で、または他のDNA損傷剤と組み合わせてがん治療に使用できる。USP1の阻害により、DNA損傷修復経路が損なわれる可能性がある。腫瘍細胞の特徴の一つは遺伝的不安定性であり、これにより腫瘍細胞はDNA損傷の修復に対してより敏感になる。一部の研究では、USP1阻害剤が抗がん剤として使用できるだけでなく、放射線療法に対する感受性を高める可能性があることが明らかになった。USP1阻害剤の進歩に伴い、USP1阻害剤がPARP阻害剤などの標的薬物と組み合わせて、合成致死機構によるがんの治療にも使用できることが明らかになった。
【0006】
Thomas S.らはスクリーニングにより、ML323および関連するN-ベンジル-2-フェニルピリミジン-4-アミン誘導体が、USP1/UAF1に対して優れた阻害活性を示すことを見出した(Thomas S. et al. (2014) J. Med. Chem. 57: 8099-8110)。結果は、USP1/UAF1阻害に関する化合物のIC50値と非小細胞肺がん細胞における活性との間に強い相関関係があり、特にモノユビキチン化PCNA(Ub-PCNA)レベルの増加と細胞生存の減少を示した。その結果、USP1/UAF1脱ユビキチン化酵素複合体の創薬可能性及びその抗がん治療の分子標的としての可能性が確立された。
【0007】
様々なUSP1阻害剤が開示されている。例えば、WO2014105952、WO2016034675、US20170145012、WO2020139988、WO2020132269、WO2021163530及びWO2022174184A1がある。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、USP1阻害剤として使用できる、式I(式IIa/bおよび式IIIa/bを含む)で表される置換トリアゾロヘテロアリール化合物および類似体を提供する。
【0009】
本発明はまた、がん治療のための有効量の式I(式IIa/bおよび式IIIa/bを含む)の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0010】
一具体的な実施形態では、医薬組成物はさらに、がん治療のために、一つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤または担体または賦形剤または希釈剤を含んでもいい。
【0011】
一具体的な実施形態では、医薬組成物はさらに、がん治療のために、少なくとも一つ既知の抗がん剤またはその薬学的に許容される塩を含んでもいい。
【0012】
本発明はまた、式I(式IIa/bおよび式IIIa/bを含む)の新規化合物の製造方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで記載された実施形態の特徴は、本発明の技術的解決策を形成するために任意に組み合わせることができることが、理解されるべきである。ここで、各グループの定義は、ここで記載された実施形態のいずれかに適用される。例えば、ここで、アルキルの置換基の定義は、アルキルの置換基が実施形態において明確に定義されていない限り、ここで記載される実施形態のいずれにも適用される。
【0014】
具体的には、本発明は、式Iで表される化合物
【0015】
【化1】
【0016】
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩、またはその混合物またはそのプロドラッグを提供する。ただし
A1およびA2はそれぞれ独立にNとCR1からなる群より選ばれる;
B1およびB2はそれぞれ独立にNとCからなる群より選ばれ、B1およびB2のうち多くても一つがNである;
B3、B4およびB5はそれぞれ独立にNとCR2からなる群より選ばれる;
D1、D2、D3およびD4はそれぞれ独立にNとCR3からなる群より選ばれる;
LはNR6、O、S、SO、SO2、C=OおよびR4および/またR5で任意的に置換されたアルキレンからなる群より選ばれる;
Cy1は任意的に置換された炭素環基、任意的に置換された複素環基、任意的に置換されたアリールおよび任意的に置換されたヘテロアリールからなる群より選ばれる;
Cy2は任意的に置換された炭素環基、任意的に置換された複素環基、任意的に置換されたアリールおよび任意的に置換されたヘテロアリールからなる群より選ばれる;
R1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、任意的に置換されたアルキル、任意的に置換されたアルコキシ、任意的に置換された炭素環基、任意的に置換されたアルケニル、任意的に置換されたアルキニル、および任意的に置換されたアミノからなる群より選ばれる;
R4およびR5はそれぞれ独立にハロゲン、シアノ、任意的に置換されたアルキル、任意的に置換されたアルコキシ、任意的に置換された炭素環基、任意的に置換されたアルケニル、および任意的に置換されたアルキニルからなる群より選ばれる;または、R4およびR5は結合したCと一緒に環を形成する;
R6は水素および任意的に置換されたアルキルからなる群より選ばれる。
【0017】
好ましくは、式Iの上記基の定義において、任意的に置換されたアルキル、任意的に置換されたアルコキシ、任意的に置換されたアルケニルおよび任意的に置換されたアルキニルはそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシル、NRaRb、C1-4アルコキシ、ハロゲン化C1-4アルコキシ、カルボキシルおよびシアノからなる群より選ばれる1-5個の置換基によって任意的に置換され、前記RaおよびRbは独立にHまたはC1-4アルキルである。より好ましくは、前記基は、ハロゲン、ヒドロキシルおよびNRaRbからなる群より選ばれる1-5個の置換基によって任意的に置換され、前記RaおよびRbは独立にHまたはC1-4アルキルである。
【0018】
好ましくは、式Iの上記基の定義において、任意的に置換された炭素環基、任意的に置換されたアリール、任意的に置換されたヘテロアリールおよび任意的に置換された複素環基はそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシル、NRaRb、C1-4アルキル、ハロゲン化C1-4アルキル、ヒドロキシルで置換されたC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲン化C1-4アルコキシ、カルボキシルおよびシアノからなる群より選ばれる1-5個の置換基によって任意的に置換され、前記RaおよびRbは独立にHまたはC1-4アルキルである。より好ましくは、前記任意的に置換された炭素環基、任意的に置換されたアリール、任意的に置換されたヘテロアリールおよび任意的に置換された複素環基は、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲン化C1-4アルキル、ハロゲン化C1-4アルコキシ、ヒドロキシルおよびNRaRbからなる群より選ばれる1-5個の置換基によって任意的に置換され、前記RaおよびRbは独立にHまたはC1-4アルキルである。好ましくは、炭素環基はC3-8シクロアルキルである。好ましくは、アリールはC6-14アリールであり、より好ましくはフェニルである。好ましくは、ヘテロアリールはC5-10ヘテロアリールであり、より好ましくは環内に1-3個の窒素原子を含むC5-10ヘテロアリールである。好ましくは、複素環基はC4-10の複素環基であり、好ましくはO、NおよびSからなる群より選ばれる1-3個のヘテロ原子を含む。
【0019】
式Iの化合物の一つまたは複数の実施形態では、A1とA2の両方がNである。
【0020】
式Iの化合物の一つまたは複数の実施形態では、B1とB2のうち多くても一つがNである。好ましくは、B1はNでB2はCであり、またはB1はCでB2はNである。
【0021】
式Iの化合物の一つまたは複数の実施形態では、B3、B4およびB5はそれぞれ独立にNおよびCR2からなる群より選ばれ、R2はH、ハロゲン、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシである。好ましくは、B3、B4およびB5はそれぞれ独立にNまたはCHである。いくつかの実施形態では、B3、B4およびB5はすべてCR2であり、R2はそれぞれ独立にH、ハロゲンまたはC1-4アルキルであり、好ましくは、B3、B4およびB5はすべてCHである。いくつかの実施形態では、B3はNであり、B4およびB5の両方はCR2であり、R2はそれぞれ独立にH、ハロゲンまたはC1-4アルキルであり、好ましくは、R2はそれぞれHである。いくつかの実施形態では、B4はNであり、B3およびB5の両方はCR2であり、R2はそれぞれ独立にH、ハロゲンまたはC1-4アルキルであり、好ましくは、R2はそれぞれHである。いくつかの実施形態では、B5はNであり、B3およびB4の両方はCR2であり、R2はそれぞれ独立にH、ハロゲンまたはC1-4アルキルであり、好ましくは、R2はそれぞれHである。
【0022】
式Iの化合物の一つまたは複数の実施形態では、A1、A2、B1、B2、B3、B4およびB5を含む縮合複素芳香族二環式環は、以下の群より選択される:
【0023】
【化2】
【0024】
*1および*2は、それぞれ化合物のCy1およびLへの基の結合位置を指す。
【0025】
式Iの化合物の一つまたは複数の実施形態では、Lはアルキレン基、NH、N-C1-3アルキルまたはOであり、好ましくはC1-3アルキレン基であり、より好ましくはメチレン基または-CH(CH3)-基である。
【0026】
式Iの化合物の一つまたは複数の実施形態では、D1、D2、D3およびD4はCR3である。好ましくは、R3は水素、ハロゲン、任意的に置換されたアルキルおよび任意的に置換されたアルコキシからなる群より選ばれる。前記任意的に置換されたアルキルおよび任意的に置換されたアルコキシは好ましくはそれぞれ任意的に置換されたC1-4アルキルおよび任意的に置換されたC1-4アルコキシである。好ましくは、前記アルキルまたは前記アルコキシは、ハロゲン、ヒドロキシルおよびNRaRbからなる群より選ばれる1-5個の置換基によって任意的に置換され、前記RaおよびRbはそれぞれ独立にHまたはC1-4アルキルである。いくつかの好ましい実施形態では、D1およびD4はCHであり、D2およびD3はCR3であり、R3はそれぞれ水素、ハロゲンまたはC1-4アルコキシである。好ましくは、いくつかの実施形態では、R3の少なくとも一つは非水素置換基、すなわち、ハロゲンまたはC1-4アルコキシである。いくつかの好ましい実施形態では、D1、D2、D3およびD4はCHである。いくつかの実施形態では、D1、D2、D3およびD4は独立にNまたはCHである。いくつかの好ましい実施形態では、D1、D2、D3およびD4のうち多くても二つがNである。いくつかの好ましい実施形態では、D1、D2、D3およびD4のうち二つだけがNである。好ましくは、D1、D2、D3およびD4を含むアリールまたはヘテロアリールは、任意的に置換されたフェニル、任意的に置換されたピリジル、任意的に置換されたピリミジニルまたは任意的に置換されたピラジニルである。好ましくは、アリールまたはヘテロアリールが置換されている場合、置換基は、R3に記載された基より選ばれ、そこではハロゲン、またはハロゲン、ヒドロキシルおよび-NRaRbからなる群より選ばれる1-5の置換基で任意に置換されたC1-4アルキルまたはC1-4アルコキシが含まれるがそれらに限らなく、前記RaおよびRbは独立にHまたはC1-4アルキルである。
【0027】
式Iの化合物の一つまたは複数の実施形態では、Cy1は任意的に置換されたC3-8シクロアルキル、任意的に置換された4-10員の複素環基、任意的に置換された6-14員のアリール基または任意的に置換された5-10員のヘテロアリール基である。いくつかのさらに好ましい実施形態では、前記5-10員のヘテロアリール基は、窒素含有単環式ヘテロアリール基である。好ましくは、Cy1は任意的に置換されたフェニル、任意的に置換されたピリジル、任意的に置換されたピリミジニル、任意的に置換されたピラジニル、任意的に置換されたピリダジニル、任意的に置換されたピペリジニル、任意的に置換されたピペラジニル、任意的に置換されたテトラヒドロフラニル、任意的に置換されたピロリジニルまたは任意的に置換されたピラゾリルである。好ましくは、Cy1が置換されている場合、その置換基は、ハロゲン、任意的に置換されたC1-4アルキル、任意的に置換されたC1-4アルコキシ、任意的に置換されたC3-6シクロアルキル、任意的に置換されたアミノおよびシアノからなる群より選ばれる。好ましくは、前記C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびC3-6シクロアルキルはそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシルおよび-NRaRbで置換されたC1-4アルキルからなる群から選択される1-5個の置換基で任意的に置換され、前記RaおよびRbは独立にHまたはC1-4アルキルであり、前記アミノは、1または2個のC1-4アルキルで任意的に置換されている。
【0028】
式Iの化合物の一つまたは複数の実施形態では、Cy2は任意的に置換された6-14員のアリール基、任意的に置換された5-10員のヘテロアリール基、任意的に置換されたC3-8シクロアルキルまたは任意的に置換された4-10員の複素環基である。好ましくは、Cy2は任意的に置換されたヘテロアリール基、好ましくは任意的に置換された5-10員の窒素含有ヘテロアリール基、より好ましくは5員の窒素含有ヘテロアリール基である。いくつかの好ましい実施形態では、Cy2は任意的に置換されたイミダゾリルまたは任意的に置換されたピラゾリルである。好ましくは、Cy2が置換されている場合、その置換基は、ハロゲン、任意的に置換されたC1-4アルキル、任意的に置換されたC1-4アルコキシおよび任意的に置換されたC3-6シクロアルキルからなる群より選ばれる1-5個の置換基であってもいい。好ましくは、Cy2は任意的に置換されたC1-4アルキルで置換されているイミダゾリルまたは任意的に置換されたC1-4アルキルで置換されているピラゾリルである。好ましくは、前記C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシはそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシルおよび-NRaRbで置換されたC1-4アルキルからなる群より選ばれる1-5個の置換基で任意的に置換され、前記RaおよびRbは独立にHまたはC1-4アルキルである。いくつかのさらに好ましい実施形態では、Cy2はC1-4アルキル、C3-6シクロアルキルおよびハロゲン化C1-4アルキルからなる群より選ばれる1-3個の基で置換されている。いくつかのさらに好ましい実施形態では、Cy2はC1-4アルキルおよびハロゲン化C1-4アルキルからなる群より選ばれる1-3個の基で置換されている。いくつかの実施形態では、Cy2はC1-4アルキルおよびハロゲン化C1-4アルキルで置換されている。いくつかの実施形態では、Cy2はC1-4アルキル、C3-6シクロアルキルおよびハロゲン化C1-4アルキルからなる群より選ばれる二つ置換基で置換されたイミダゾリルであり、その一つのN原子はC1-4アルキルで置換されている。
【0029】
式Iの化合物の一つまたは複数の実施形態では、R4およびR5はそれぞれ独立にハロゲンおよびハロゲン化C1-4アルキルからなる群より選ばれる。いくつかの実施形態では、R4およびR5は、結合したCと一緒になって、3-5員のシクロアルキルを形成する。
【0030】
式Iの化合物の一つまたは複数の実施形態では、R6はHまたはC1-3アルキルである。
【0031】
本発明は、式IIaおよびIIbで表される化合物
【0032】
【化3】
【0033】
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、
【0034】
同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩、またはその混合物またはそのプロドラッグを提供する。ただし
A1、A2、B3、B4、B5、D1、D2、D3、D4、Cy1およびCy2は、式Iのいずれの実施形態において定義されたとおりである。
【0035】
式IIaおよびIIbの化合物の一つまたは複数の実施形態では、A1とA2の両方がNである。
【0036】
式IIaおよびIIbの化合物の一つまたは複数の実施形態では、B3、B4およびB5はそれぞれ独立にNおよびCR2からなる群より選ばれ、R2はH、ハロゲン、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシである。好ましくは、B3、B4およびB5はそれぞれ独立にNまたはCHである。いくつかの実施形態では、B3、B4およびB5はすべてCR2であり、R2はそれぞれ独立にH、ハロゲンまたはC1-4アルキルであり、好ましくは、B3、B4およびB5はすべてCHである。いくつかの実施形態では、B3はNであり、B4およびB5の両方はCR2であり、R2はそれぞれ独立にH、ハロゲンまたはC1-4アルキルであり、好ましくは、R2はそれぞれHである。いくつかの実施形態では、B4はNであり、B3およびB5の両方はCR2であり、R2はそれぞれ独立にH、ハロゲンまたはC1-4アルキルであり、好ましくは、R2はそれぞれHである。いくつかの実施形態では、B5はNであり、B3およびB4の両方はCR2であり、R2はそれぞれ独立にH、ハロゲンまたはC1-4アルキルであり、好ましくは、R2はそれぞれHである。
【0037】
式IIaおよびIIbの化合物の一つまたは複数の実施形態では、A1、A2、B3、B4およびB5を含む縮合複素芳香族二環式環は、以下の群より選ばれる:
【0038】
【化4】
【0039】
*1および*2は、それぞれ化合物のCy1およびLへの基の結合位置を指す。
【0040】
式IIaおよびIIbの化合物の一つまたは複数の実施形態では、D1、D2、D3およびD4はCR3である。好ましくは、R3は水素、ハロゲン、任意的に置換されたアルキルおよび任意的に置換されたアルコキシからなる群より選ばれる。前記任意的に置換されたアルキルおよび任意的に置換されたアルコキシは好ましくはそれぞれ任意的に置換されたC1-4アルキルおよび任意的に置換されたC1-4アルコキシである。好ましくは、前記アルキルまたは前記アルコキシは、ハロゲン、ヒドロキシルおよびNRaRbからなる群より選ばれる1-5個の置換基によって任意的に置換され、前記RaおよびRbはそれぞれ独立にHまたはC1-4アルキルである。いくつかの好ましい実施形態では、D1およびD4はCHであり、D2およびD3はCR3であり、R3はそれぞれ水素、ハロゲンまたはC1-4アルコキシである。好ましくは、いくつかの実施形態では、R3の少なくとも一つは非水素置換基、すなわち、ハロゲンまたはC1-4アルコキシである。いくつかの好ましい実施形態では、D1、D2、D3およびD4はCHである。いくつかの実施形態では、D1、D2、D3およびD4は独立にNまたはCHである。いくつかの好ましい実施形態では、D1、D2、D3およびD4のうち多くても二つがNである。いくつかの好ましい実施形態では、D1、D2、D3およびD4のうち二つだけがNである。好ましくは、D1、D2、D3およびD4を含むアリールまたはヘテロアリールは、任意的に置換されたフェニル、任意的に置換されたピリジル、任意的に置換されたピリミジニルまたは任意的に置換されたピラジニルである。好ましくは、アリールまたはヘテロアリールが置換されている場合、置換基は、R3に記載された基より選ばれ、そこではハロゲン、またはハロゲン、ヒドロキシルおよび-NRaRbからなる群より選ばれる1-5の置換基で任意に置換されたC1-4アルキルまたはC1-4アルコキシが含まれるがそれらに限らなく、前記RaおよびRbは独立にHまたはC1-4アルキルである。
【0041】
式IIaおよびIIbの化合物の一つまたは複数の実施形態では、Cy1は任意的に置換されたC3-8シクロアルキル、任意的に置換された4-10員の複素環基、任意的に置換された6-14員のアリール基または任意的に置換された5-10員のヘテロアリール基である。いくつかのさらに好ましい実施形態では、前記5-10員のヘテロアリール基は、窒素含有単環式ヘテロアリール基である。好ましくは、Cy1は任意的に置換されたフェニル、任意的に置換されたピリジル、任意的に置換されたピリミジニル、任意的に置換されたピラジニル、任意的に置換されたピリダジニル、任意的に置換されたピペリジニル、任意的に置換されたピペラジニル、任意的に置換されたテトラヒドロフラニル、任意的に置換されたピロリジニルまたは任意的に置換されたピラゾリルである。好ましくは、Cy1が置換されている場合、その置換基は、ハロゲン、任意的に置換されたC1-4アルキル、任意的に置換されたC1-4アルコキシ、任意的に置換されたC3-6シクロアルキル、任意的に置換されたアミノおよびシアノからなる群より選ばれる。好ましくは、前記C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびC3-6シクロアルキルはそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシルおよび-NRaRbで置換されたC1-4アルキルからなる群から選択される1-5個の置換基で任意的に置換され、前記RaおよびRbは独立にHまたはC1-4アルキルであり、前記アミノは、1または2個のC1-4アルキルで任意的に置換されている。
【0042】
式IIaおよびIIbの化合物の一つまたは複数の実施形態では、Cy2は任意的に置換された6-14員のアリール基、任意的に置換された5-10員のヘテロアリール基、任意的に置換されたC3-8シクロアルキルまたは任意的に置換された4-10員の複素環基である。好ましくは、Cy2は任意的に置換されたヘテロアリール基、好ましくは任意的に置換された5-10員の窒素含有ヘテロアリール基、より好ましくは5員の窒素含有ヘテロアリール基である。いくつかの好ましい実施形態では、Cy2は任意的に置換されたイミダゾリルまたは任意的に置換されたピラゾリルである。好ましくは、Cy2が置換されている場合、その置換基は、ハロゲン、任意的に置換されたC1-4アルキル、任意的に置換されたC1-4アルコキシおよび任意的に置換されたC3-6シクロアルキルからなる群より選ばれる1-5個の置換基であってもいい。好ましくは、Cy2は任意的に置換されたC1-4アルキルで置換されているイミダゾリルまたは任意的に置換されたC1-4アルキルで置換されているピラゾリルである。好ましくは、前記C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシはそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシルおよび-NRaRbで置換されたC1-4アルキルからなる群より選ばれる1-5個の置換基で任意的に置換され、前記RaおよびRbは独立にHまたはC1-4アルキルである。いくつかのさらに好ましい実施形態では、Cy2はC1-4アルキル、C3-6シクロアルキルおよびハロゲン化C1-4アルキルからなる群より選ばれる1-3個の基で置換されている。いくつかのさらに好ましい実施形態では、Cy2はC1-4アルキルおよびハロゲン化C1-4アルキルからなる群より選ばれる1-3個の基で置換されている。いくつかの実施形態では、Cy2はC1-4アルキルおよびハロゲン化C1-4アルキルで置換されている。いくつかの実施形態では、Cy2はC1-4アルキル、C3-6シクロアルキルおよびハロゲン化C1-4アルキルからなる群より選ばれる二つ置換基で置換されたイミダゾリルであり、その一つのN原子はC1-4アルキルで置換されている。
【0043】
式IIaおよびIIbの化合物の一つまたは複数の実施形態では、Cy1は任意的に置換されたフェニル、任意的に置換されたピリジル、任意的に置換されたピリミジニル、任意的に置換されたピラジニル、任意的に置換されたピリダジニルまたは任意的に置換されたピラゾリルである。好ましくは、Cy1は任意的に置換されたフェニルまたは任意的に置換されたピリミジニルである。好ましくは、Cy1が置換されている場合、置換基の数は1-5、好ましくは1-3であり、その置換基はハロゲン、任意的に置換されたC1-4アルキル、任意的に置換されたC1-4アルコキシおよびC3-6シクロアルキルからなる群より選ばれ、好ましくはC1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびC3-6シクロアルキルである。A1、A2、B3、B4およびB5を含む縮合複素芳香族二環式環は、以下の群より選ばれる:
【0044】
【化5】
【0045】
*1および*2は、それぞれ化合物のCy1およびメチレン基ヘの基の結合位置を指す。D1、D2、D3およびD4を含むアリールまたはヘテロアリールは、ハロゲン、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシからなる群より選ばれる1-2個の置換基で任意的に置換されたフェニルである。Cy2はC1-4アルキル、ハロゲン化C1-4アルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群より選ばれる1-3個の置換基で任意的に置換されたイミダゾリルまたはピラゾリルであり、好ましくはCy2はC1-4アルキル、C3-6シクロアルキルおよびハロゲン化C1-4アルキルからなる群より選ばれる二つ置換基で置換されたイミダゾリルであり、その一つのN原子はC1-4アルキルで置換されている。
【0046】
本発明は、式IIIaおよびIIIbで表される化合物
【0047】
【化6】
【0048】
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩、またはその混合物またはそのプロドラッグを提供する。ただし
B3、B4、B5、Cy1およびCy2は、式Iまたは式IIのいずれの実施形態において定義されたとおりである。
【0049】
式IIIaおよびIIIbの化合物の一つまたは複数の実施形態では、B3、B4およびB5はそれぞれ独立にNおよびCR2からなる群より選ばれ、R2はH、ハロゲン、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシである。好ましくは、B3、B4およびB5はそれぞれ独立にNまたはCHである。いくつかの実施形態では、B3、B4およびB5はすべてCR2であり、R2はそれぞれ独立にH、ハロゲンまたはC1-4アルキルであり、好ましくは、B3、B4およびB5はすべてCHである。いくつかの実施形態では、B3はNであり、B4およびB5の両方はCR2であり、R2はそれぞれ独立にH、ハロゲンまたはC1-4アルキルであり、好ましくは、R2はそれぞれHである。いくつかの実施形態では、B4はNであり、B3およびB5の両方はCR2であり、R2はそれぞれ独立にH、ハロゲンまたはC1-4アルキルであり、好ましくは、R2はそれぞれHである。いくつかの実施形態では、B5はNであり、B3およびB4の両方はCR2であり、R2はそれぞれ独立にH、ハロゲンまたはC1-4アルキルであり、好ましくは、R2はそれぞれHである。
【0050】
式IIIaおよびIIIbの化合物の一つまたは複数の実施形態では、B3、B4およびB5を含む縮合複素芳香族二環式環は、以下の群より選択される:
【0051】
【化7】
【0052】
*1および*2は、それぞれ化合物のCy1および残部への基の結合位置を指す。
【0053】
式IIIaおよびIIIbの化合物の一つまたは複数の実施形態では、Cy1は任意的に置換されたC3-8シクロアルキル、任意的に置換された4-10員の複素環基、任意的に置換された6-14員のアリール基または任意的に置換された5-10員のヘテロアリール基である。いくつかのさらに好ましい実施形態では、前記5-10員のヘテロアリール基は、窒素含有単環式ヘテロアリール基である。好ましくは、Cy1は任意的に置換されたフェニル、任意的に置換されたピリジル、任意的に置換されたピリミジニル、任意的に置換されたピラジニル、任意的に置換されたピリダジニル、任意的に置換されたピペリジニル、任意的に置換されたピペラジニル、任意的に置換されたテトラヒドロフラニル、任意的に置換されたピロリジニルまたは任意的に置換されたピラゾリルである。好ましくは、Cy1が置換されている場合、その置換基は、ハロゲン、任意的に置換されたC1-4アルキル、任意的に置換されたC1-4アルコキシ、任意的に置換されたC3-6シクロアルキル、任意的に置換されたアミノおよびシアノからなる群より選ばれる。好ましくは、前記C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびC3-6シクロアルキルはそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシルおよび-NRaRbで置換されたC1-4アルキルからなる群から選択される1-5個の置換基で任意的に置換され、前記RaおよびRbは独立にHまたはC1-4アルキルであり、前記アミノは、1または2個のC1-4アルキルで任意的に置換されている。
【0054】
式IIIaおよびIIIbの化合物の一つまたは複数の実施形態では、Cy2は任意的に置換された6-14員のアリール基、任意的に置換された5-10員のヘテロアリール基、任意的に置換されたC3-8シクロアルキルまたは任意的に置換された4-10員の複素環基である。好ましくは、Cy2は任意的に置換されたヘテロアリール基、好ましくは任意的に置換された5-10員の窒素含有ヘテロアリール基、より好ましくは5員の窒素含有ヘテロアリール基である。いくつかの好ましい実施形態では、Cy2は任意的に置換されたイミダゾリルまたは任意的に置換されたピラゾリルである。好ましくは、Cy2が置換されている場合、その置換基は、ハロゲン、任意的に置換されたC1-4アルキル、任意的に置換されたC1-4アルコキシおよび任意的に置換されたC3-6シクロアルキルからなる群より選ばれる1-5個の置換基であってもいい。好ましくは、Cy2は任意的に置換されたC1-4アルキルで置換されているイミダゾリルまたは任意的に置換されたC1-4アルキルで置換されているピラゾリルである。好ましくは、前記C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシはそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシルおよび-NRaRbで置換されたC1-4アルキルからなる群より選ばれる1-5個の置換基で任意的に置換され、前記RaおよびRbは独立にHまたはC1-4アルキルである。いくつかのさらに好ましい実施形態では、Cy2はC1-4アルキル、C3-6シクロアルキルおよびハロゲン化C1-4アルキルからなる群より選ばれる1-3個の基で置換されている。いくつかのさらに好ましい実施形態では、Cy2はC1-4アルキルおよびハロゲン化C1-4アルキルからなる群より選ばれる1-3個の基で置換されている。いくつかの実施形態では、Cy2はC1-4アルキルおよびハロゲン化C1-4アルキルで置換されている。いくつかの実施形態では、Cy2はC1-4アルキル、C3-6シクロアルキルおよびハロゲン化C1-4アルキルからなる群より選ばれる二つ置換基で置換されたイミダゾリルであり、その一つのN原子はC1-4アルキルで置換されている。
【0055】
式IIIaおよびIIIbの化合物の一つまたは複数の実施形態では、Cy1は任意的に置換されたフェニル、任意的に置換されたピリジル、任意的に置換されたピリミジニル、任意的に置換されたピラジニル、任意的に置換されたピリダジニルまたは任意的に置換されたピラゾリルである。好ましくは、Cy1は任意的に置換されたフェニルまたは任意的に置換されたピリミジニルである。好ましくは、Cy1が置換されている場合、置換基の数は1-5、好ましくは1-3であり、その置換基はハロゲン、任意的に置換されたC1-4アルキル、任意的に置換されたC1-4アルコキシおよびC3-6シクロアルキルからなる群より選ばれ、好ましくはC1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびC3-6シクロアルキルである。B3、B4およびB5を含む縮合複素芳香族二環式環は、以下の群より選ばれる:
【0056】
【化8】
【0057】
*1および*2は、それぞれ化合物のCy1およびメチレンヘの基の結合位置を指す。D1、D2、D3およびD4を含むアリールまたはヘテロアリールは、ハロゲン、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシからなる群より選ばれる1-2個の置換基で任意的に置換されたフェニルである。Cy2はC1-4アルキル、ハロゲン化C1-4アルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群より選ばれる1-3個の置換基で任意的に置換されたイミダゾリルまたはピラゾリルであり、好ましくはCy2はC1-4アルキル、C3-6シクロアルキルおよびハロゲン化C1-4アルキルからなる群より選ばれる二つ置換基で置換されたイミダゾリルであり、その一つのN原子はC1-4アルキルで置換されている。
【0058】
一つまたは複数前述の実施形態において、式I(式IIa/bおよび式IIIa/bを含む)の好ましい化合物には、以下が含まれるが、これらに限定されない:
8-(4-(1,4-ジメチル-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(2-イソプロピルフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例1);
8-(4-(1,4-ジメチル-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(2-メトキシフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例2);
2-(2-イソプロピルフェニル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例3);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例4);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例5);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例6);
2-(2-イソプロピルフェニル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン(実施例7);
2-(2-イソプロピルフェニル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン (実施例8);
2-(2-イソプロピルフェニル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-b]ピリダジン(実施例9);
2-(2-イソプロピルフェニル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例10);
2-(2-イソプロピルフェニル)-7-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン(実施例11);
2-(2-イソプロピルフェニル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン(実施例12);
2-(2-イソプロピルフェニル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン(実施例13);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例14);
2-(1-イソプロピル-4-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例15);
2-(1-イソプロピル-4-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例16);
2-(1-イソプロピル-4-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-b]ピリダジン(実施例17);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン(実施例18);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン (実施例19);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-b]ピリダジン(実施例20);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン (実施例21);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン(実施例22);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-7-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン (実施例23);
8-(4-(1-シクロプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例24);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(3-フルオロ-4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例25);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-エチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-3-フルオロ-5-メトキシベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例26);
2-(4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例27);
2-(4-シクロブチル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例28);
8-(4-(1-シクロプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン(実施例29);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(3-フルオロ-4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン(実施例30);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-エチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-3,5-ジフルオロベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン(実施例31);
8-(4-(1-シクロプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン (実施例32);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(3-フルオロ-4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン(実施例33);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-エチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-3,5-ジフルオロベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン (実施例34);
2-(4-シクロプロピル-6-シアノピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例35);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(1-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)フェニル)エチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例36);
5-(4-(1-シクロプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例37);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(3-フルオロ-4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例38);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(1-エチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-3-フルオロ-5-メトキシベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例39);
5-(4-(1-シクロプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン(実施例40);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(3-フルオロ-4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン(実施例41);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(1-エチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-3,5-ジフルオロベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン(実施例42);
5-(4-(1-シクロプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン(実施例43);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(3-フルオロ-4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン(実施例44);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(1-エチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-3,5-ジフルオロベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン(実施例45);
2-(4-シクロプロピル-6-シアノピリミジン-5-イル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例46);
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(1-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)フェニル)エチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(実施例47);
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換誘導体、溶媒和物、または薬学的に許容される塩、またはその混合物またはそのプロドラッグ。
【0059】
ここで使用される用語「水素(H)」には、その同位体DおよびTが含まれる。
【0060】
ここで使用される用語「アルキル」は、アルキル自体または十個までの炭素の直鎖または分岐ラジカルを指す。有用なアルキル基には、直鎖または分岐C1-10アルキル基、好ましくはC1-6アルキル基が含まれる。いくつかの実施形態では、アルキル基はC1-4アルキル基である。いくつかの実施形態では、アルキル基はC1-3アルキル基である。いくつかの実施形態では、アルキル基は重水素化C1-3アルキル基である。典型的なC1-10アルキル基には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基(3-ペンチル基など)、ヘキシル基およびオクチル基が含まれ、任意的に置換されていてもよい。
【0061】
ここで使用される用語「アルケニル」は、鎖長がそれに限定されない限り、2-10個の炭素原子の直鎖または分枝鎖ラジカルを指し、鎖中の二つ炭素原子の間に少なくとも一つ二重結合がある。好ましくは、C2-6アルケニルである。典型的なアルケニル基には、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニルおよび2-ブテニルが含まれる。
【0062】
ここで使用される用語「アルキニル」は、鎖長がそれに限定されない限り、2-10個の炭素原子の直鎖または分枝鎖ラジカルを指し、鎖中の二つ炭素原子の間に少なくとも一つ三重結合がある。好ましくは、C2-6アルキニルである。典型的なアルキニル基には、エチニル、1-プロピニル、1-メチル-2-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニルおよび2-ブチニルが含まれる。
【0063】
有用なアルコキシ基には、上記のC1-10アルキル基、好ましくはC1-6アルキル基またはC1-4アルキル基で置換された酸素が含まれ、例えばメトキシ、エトキシなどがある。アルコキシ基の中におけるアルキルは置換されてもよい。アルコキシ基の置換基には、ハロゲン、モルホリニル、アミノ(アルキルアミノおよびジアルキルアミノ)およびカルボキシル(そのエステルを含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
有用なアミノおよび任意的に置換されたアミノ基には、-NH2、-NHR'および-NR'R''が含まれ、-NHR'および-NR'R''はそれぞれ独立に水素、任意的に置換されたC1-10アルキル(好ましくはC1-4アルキル)、任意的に置換されたシクロアルキル、任意的に置換されたアリールまたは任意的に置換されたヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、-NHR'および-NR'R''は、それらが結合しているNと一緒になって、任意的にO、NおよびSより選ばれる一つまたは複数(例えば2、3)の追加のヘテロ原子を含む、任意的に置換された4-7員の環状アミノ基を形成する。
【0065】
ここで単独でまたは別の置換基の一部として使用される用語「アリール基」は、6-14個の炭素原子を含む単環式、二環式または三環式芳香族基を指す。アリール基は、ここで記載される一つまたは複数の置換基によって置換されてもいい。
【0066】
有用なアリール基には、C6-14アリール基、好ましくはC6-10アリール基が含まれる。典型的なC6-14アリール基には、フェニル基、ナフタレン基、フェナントリル基、アントラシル基、インデニル基、アズリル基、ビフェニル基、ビフェニレン基およびフルオレニル基が含まれる。
【0067】
ここで使用される用語「炭素環式基」には、シクロアルキルおよび部分的に飽和した炭素環式基が含まれる。有用なシクロアルキル基はC3-8シクロアルキルである。典型的なシクロアルキル基には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およびシクロヘプチル基が含まれる。炭素環式基は、ここで記載される一つまたは複数の置換基によって置換されてもいい。
【0068】
有用な部分的に飽和した炭素環式基には、C3-8シクロアルケニル基、すなわち、シクロペンテニル、シクロヘプテニルおよびシクロオクテニルなどのシクロアルケニル基が含まれる。
【0069】
有用なハロゲンまたはハロゲン基には、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードが含まれる。
【0070】
ここで使用される用語「複素環基」は、炭素原子および独立にO、N、Sから選ばれる1-4個のヘテロ原子からなる飽和または部分的に飽和した3-7員の単環式基、または7-10員二環式基を指す。窒素および/または硫黄ヘテロ原子は必要に応じて酸化されてもよく、窒素は必要に応じて四級化されてもいい。この用語はまた、上記で定義された複素環のいずれかがベンゼン環に縮合された任意の二環式環系を含む。安定な化合物が得られる場合、複素環は炭素原子または窒素原子のところで置換されてもいい。複素環基は、ここで記載される一つまたは複数の置換基で置換されてもいい。上述の複素環基には、5-8員のヘテロシクロアルキル基、すなわち、シクロアルキル基中の一つ以上の環C原子がN、OおよびSより選ばれるヘテロ原子で置換された複素環基も含まれる。
【0071】
有用な飽和または部分的に飽和した複素環基には、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキセタニル、アゼチジニル、1,4-ジアゼパニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モルホリニル、イソクロマニル、クロマニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトロノイル、オキサジアゾリル、オキサゾリルおよびテトラモイルが含まれる。それぞれが、ここで記載された一つまたは複数の置換基によって任意的に置換されてもよい。
【0072】
ここで使用される用語「ヘテロアリール」は、5-14個の環原子、好ましくは5-10個の環原子を有し、6、10または14個の電子が環状配列で共有されている基を指す。環原子は、炭素原子、および酸素、窒素、硫黄より選ばれる1-3個のヘテロ原子である。ヘテロアリール基は、ここで記載される一つまたは複数の置換基で任意的に置換されてもいい。
【0073】
有用なヘテロアリール基には、チエニル(チオフェニル)、ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3-b]チエニル、チアントレニル、フリル(フラニル)、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサンチイニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル(ピリジニル:2-ピリジル、3-ピリジル、および4-ピリジルを含むがこれらに限定されない)、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H-インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノザリニル、シノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニル、フェノキサジニル、テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル、ベンゾイソキサゾリル、例えば1,2-ベンゾイソキサゾール-3-イル、ベンズイミダゾリル、2-オキシンドリル、チアジアゾリル、2-オキソベンジソキサゾール、イミダゾピリダジニル、イミダゾピリジル、トリアゾロピリダジニル、ピラゾロピリミジニル、ピロロピリミジニル、ピロロピリジル、ピロロピラジニルまたはトリアゾロピラジニルが含まれる。ヘテロアリール基が環内に窒素原子を含む場合、その窒素原子は、N-オキシド、例えば、ピリジル-N-オキシド、ピラジニル-N-オキシドおよびピリミジニル-N-オキシドであってもいい。
【0074】
本発明では、別段の記載がない限り、置換される場合、本明細書のいずれかの実施形態に記載のアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アミノ、複素環、アリールまたはヘテロアリールは、ハロゲン、アミノ、シアノ、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル、C6-10アリール、C3-8シクロアルキル、C2-6鎖状アルケニル、C2-6アルキニル、複素環基、ヘテロアリールなどより選ばれる一つまたは複数(1、2、3または4など)の置換基で置換されてもいい。また、一つまたは複数の置換基自体は置換されてもよい。好ましい置換基にはシアノ、ハロゲン化C1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ハロゲン化C1-6アルコキシ、C1-6アルキルおよびC3-8シクロアルキルが含まれるが、それらに限定されない。
【0075】
実施形態において、置換基がシアノ、シクロアルキル、複素環基、アリール基またはヘテロアリール基である場合、その数は通常1であることが、理解されるべきである。
【0076】
本発明の化合物のいくつかは、光学異性体を含む立体異性体として存在してもいい。本発明は、すべての立体異性体およびそれらの立体異性体のラセミ混合物、ならびに当業者が周知の方法に従って分離できる個々のエナンチオマーを含む。
【0077】
薬学的に許容される塩の例として、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩およびシュウ酸塩などの無機および有機酸塩;ナトリウムヒドロキシ、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS、トロメタミン)およびN-メチル-グルカミンなどの塩基で形成された無機および有機塩基塩が挙げられる。
【0078】
本発明の化合物のプロドラッグの例としては、カルボン酸含有化合物の単純なエステル(例えば、当技術分野で既知の方法に従ってC1-4アルコールとの縮合によって得られるもの);ヒドロキシ含有化合物のエステル(例えば、当技術分野で既知の方法に従ってC1-4カルボン酸、C3-6二酸またはその無水物、例えば、無水コハク酸および無水フマル酸との縮合によって得られるもの);アミノ含有化合物のイミン(例えば、当技術分野で既知の方法に従ってC1-4アルデヒドまたはケトンとの縮合によって得られるもの);アミノ含有化合物のカルバメート、例えば、Leu, et al., (J. Med. Chem. 42:3623-3628 (1999))およびGreenwald, et al., (J. Med. Chem. 42:3657-3667 (1999))によって記載されたもの;およびアルコール含有化合物のアセタールおよびケタール(例えば、当技術分野で既知の方法に従ってクロロメチルメチルエーテルまたはクロロメチルエチルエーテルとの縮合によって得られるもの)が挙げられる。
【0079】
本発明の化合物は、当業者に知られている方法、または本発明の新規な方法によって調製することができる。特に、本発明の式I(式IIa/bおよび式IIIa/bを含む)の化合物は、スキーム1に例示された反応の通り調製できる。2-アミノニコチン酸メチルとO-(メシチルスルホニル)ヒドロキシルアミンの反応により、1,2-ジアミノ-3-(メトキシカルボニル)ピリジン-1-イウム・2,4,6-トリメチルベンゼンスルホネートが生成された。KOH触媒下で1,2-ジアミノ-3-(メトキシカルボニル)ピリジン-1-イウム・2,4,6-トリメチルベンゼンスルホネートと2-イソプロピルベンズアルデヒドを反応させると、メチル2-(2-イソプロピルフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-カルボキシレートが生成された。2-(2-イソプロピルフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-カルボン酸メチルとLiAlH4の反応により、(2-(2-イソプロピルフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル)メタノールが生成された。(2-(2-イソプロピルフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル)メタノールとPBr3の反応により、8-(ブロモメチル)-2-(2-イソプロピルフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンが生成された。8-(ブロモメチル)-2-(2-イソプロピルフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンと1,4-ジメチル-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1H-イミダゾールの鈴木カップリング反応をPd(PPh3)2Cl2の触媒下で反応させ、標的化合物8-(4-(1,4-ジメチル-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(2-イソプロピルフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンが生成された。
【0080】
【化9】
【0081】
他の関連化合物も同様に調製できる。たとえば、2-イソプロピルベンズアルデヒドを2-メトキシベンズアルデヒドに置き換える場合、標的化合物8-(4-(1,4-ジメチル-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(2-メトキシフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンが生成された。1,4-ジメチル-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1H-イミダゾールを1-メチル-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾールに置き換える場合、標的化合物2-(2-イソプロピルフェニル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンが生成された。
【0082】
本発明の化合物は、スキーム2に例示された反応の通り調製できる。6-メチルピリジン-2-アミンとO-エチルカルボイソチオシアナチデートの反応により、カルバミン酸、[[(6-メチル-2-ピリジニル)アミノ]チオキソメチル]-エチルエステルが生成された。カルバミン酸、[[(6-メチル-2-ピリジニル)アミノ]チオキソメチル]-エチルエステルおよびヒドロキシルアミン塩酸塩の反応により、5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-アミンが生成された。5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-アミンとNaNO2/HClのサンドマイヤー反応により、2-クロロ-5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンが生成された。2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)(AIBN)の触媒下で2-クロロ-5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンとN-ブロモスクシンイミド(NBS)の反応により、5-(ブロモメチル)-2-クロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンが生成された。5-(ブロモメチル)-2-クロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンと(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)フェニル)ボロン酸の鈴木カップリング反応をPd(PPh3)2Cl2の触媒下で反応させ、2-クロロ-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンが生成された。2-クロロ-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンと(2-イソプロピルフェニル)ボロン酸の鈴木カップリング反応をメタンスルホナト(ジアダマンチル-n-ブチルホスフィノ)-2'-アミノ-1,1'-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)ジクロロメタン(cataCXium A Pd G3)の触媒下で反応させ、2-(2-イソプロピルフェニル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンが生成された。
【0083】
【化10】
【0084】
他の関連化合物も同様に調製できる。例えば、(2-イソプロピルフェニル)ボロン酸を(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)ボロン酸に置き換える場合、標的化合物2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンが生成された。(2-イソプロピルフェニル)ボロン酸を(1-イソプロピル-4-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ボロン酸に置き換える場合、標的化合物2-(1-イソプロピル-4-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンが生成された。
【0085】
本発明の化合物は、スキーム3に例示された反応の通り調製できる。Pd(PPh3)4の触媒下で3-ブロモピラジン-2-アミンと2-(4-(ブロモメチル)フェニル)-1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾールの根岸クロスカップリング反応により、3-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)ピラジン-2-アミンが生成された。3-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)ピラジン-2-アミンとO-(メシチルスルホニル)ヒドロキシルアミンの反応により、1,2-ジアミノ-3-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)ピラジン-1-イウム・2,4,6-トリメチルベンゼンスルホネートが生成された。1,2-ジアミノ-3-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)ピラジン-1-イウム・2,4,6-トリメチルベンゼンスルホネートと4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-カルバルデヒドをCs2CO3の触媒下で反応させ、標的化合物2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン)が生成された。
【0086】
【化11】
【0087】
他の関連化合物も同様に調製できる。たとえば、3-ブロモピラジン-2-アミンを5-ブロモピリミジン-4-アミンに置き換える場合、標的化合物2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジンが生成された。3-ブロモピラジン-2-アミンを2-ブロモピリミジン-4-アミンに置き換える場合、標的化合物2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジンが生成された。3-ブロモピラジン-2-アミンを6-ブロモピラジン-2-アミンに置き換える場合、標的化合物2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピラジンが生成された。3-ブロモピラジン-2-アミンを4-ブロモピリミジン-2-アミンに置き換える場合、標的化合物2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-7-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジンが生成された。
【0088】
本発明の一つ重要な態様は、式Iの化合物(ここで記載された式IIa/bおよび式IIIa/bの化合物を含む)がUSP1阻害剤であるという発見である。したがって、式Iの化合物(ここで記載された式IIa/bおよび式IIIa/bの化合物を含む)は、癌などのUSP1制御に関連する疾患を治療または予防するために使用することができる。または、癌などのUSP1制御に関連する疾患の治療または予防のための医薬品の調製に使用することができる。USP1調節疾患またはUSP1介在疾患とは、USP1が疾患の発生および進行に関与する疾患、およびUSP1活性が阻害されることから利益を受ける疾患である。
【0089】
本発明はまた、USP1制御に関連する疾患の治療または予防方法、特に、USP1制御に関連する疾患の治療または予防方法、およびDDR機能の欠損によって引き起こされる疾患の治療または予防方法を含み、有効量の式Iの化合物(ここで記載された式IIa/bおよび式IIIa/bの化合物を含む)またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換誘導体、溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物、またはそのプロドラッグ、または有効量の式Iの化合物(ここで記載された式IIa/bおよび式IIIa/bの化合物を含む)またはそれらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換誘導体、溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物、またはそれらのプロドラッグを含む医薬組成物を必要とする対象(特に哺乳類、より具体的にはヒト)に投与することを含む。
【0090】
本発明において、USP1制御に関連する疾患には癌が含まれる。好ましくは、USP1制御に関連する癌は、DDR機能に欠陥がある。本発明の方法または医薬組成物によって治療または予防できるUSP1制御に関連する疾患には、肝癌、メラノーマ、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌、ウィルムス腫瘍、頸部癌、精巣癌、軟組織肉腫、原発性マクログロブリン血症、膀胱癌、慢性骨髄性白血病、原発性脳癌、悪性黒色腫、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌、結腸癌、悪性膵島腫瘍、悪性癌様癌、絨毛癌、真菌性真菌症、頭頸部癌、骨形成肉腫、膵臓癌、急性骨髄性白血病、毛細胞白血病、横紋筋肉腫、カポジ肉腫、泌尿生殖器腫瘍、甲状腺癌、食道癌、悪性高カルシウム血症、頸部過形成、腎細胞癌、子宮内膜癌、多発性赤血球癌、特発性血栓細胞血症、副腎皮質癌、皮膚癌および前立腺癌が含まれるが、それらに限定されない。
【0091】
本発明は、骨髄増殖性疾患などの増殖性または過剰増殖性疾患、特にUSP1制御に関連する過剰または異常な細胞増殖によって引き起こされる増殖性または過剰増殖性疾患を含む、過剰または異常な細胞増殖によって引き起こされる他の疾患の治療または予防のための方法も含む。したがって、本発明は、過剰または異常な細胞増殖によって引き起こされる他の疾患、特にUSP1制御に関連する過剰または異常な細胞増殖によって引き起こされる増殖性疾患または過剰増殖性疾患の治療または予防のための式Iの化合物(ここで記載された式IIa/bおよび式IIIa/bの化合物を含む)も含む。
【0092】
治療方法を実施する際に、これらの障害の一つまたは複数の症状を示す個体に、有効量の医薬製剤が投与される。医薬製剤は、治療有効濃度の式I、式IIa/bまたは式IIIa/bの化合物を含み、癌および他の疾患の治療のための経口、静脈内、局部または局所投与に適用される。量は、障害の一つまたは複数の症状を改善または消去するのに有効である。特定の疾患を治療するための化合物の有効量は、疾患に関連する症状を改善するか、または何らかの方法で緩和するのに十分な量である。その量は、単回投与として投与されてもよく、もしくは有効なレジメンに従って投与されてもいい。その量は疾患を治すこともできるが、通常、疾患の症状を改善するために投与される。通常、症状の望ましい改善を達成するには、反復投与が必要である。
【0093】
他の実施形態では、USP1阻害剤としての式I、式IIa/bまたは式IIIa/bの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩および一つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤または担体を含む医薬組成物が提供される。
【0094】
本発明の他の実施形態は、USP1阻害剤としての式I、式IIa/bまたは式IIIa/bの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩またはそのプロドラッグと、少なくとも一つの既知の抗癌剤またはその薬学的に許容される塩との組み合わせを含む、癌の治療に有効な医薬組成物に関する。特に、ここでの化合物は、オラパリブ、ニラパリブ、ルカパリブ、タラゾパリブ、パミパリブ、フルゾバリブおよびセナパリブなどのPARP阻害剤;Volinota、Romididesin、PapisetaおよびBailestaなどのHDAC阻害剤などを含むDNA損傷および修復のメカニズムに関連する他の抗癌剤と併用できる。また、ここでの化合物は、Chk1/2阻害剤、paposinibなどのCDK4/6阻害剤、ATM阻害剤、Wee1阻害剤、ATR阻害剤、Myt1阻害剤、DNA-PK阻害剤などを含む、細胞分裂検出部位に関連する他の抗癌剤と併用することができる。また、PRMT5阻害剤、Polθ阻害剤、RAD51阻害剤などを含む他の標的抗がん剤との併用も可能である。抗癌併用療法に使用できる他の既知の抗癌剤は、アルキル化剤、例えばブスルファン、メルファラン、クロロアンブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミド、ベンダムスチン、シスプラチン、マイトマイシンC、ブレオマイシンおよびカルボプラチン;トポイソメラーゼI阻害剤、例えばカンプトテシン、イリノテカンおよびトポテカン;トポイソメラーゼII阻害剤、例えばドキソルビシン、エピルビシン、アクラシノマイシン、ミトキサントロン、エリプチニウムおよびエトポシド;RNA/DNA代謝拮抗剤、例えば5-アザシチジン、ゲムシタビン、5-フルオロウラシル、カペシタビンおよびメトトレキサート;DNA代謝拮抗剤、例えば5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、フルダラビン、ネララビン、シタラビン、プララトレキサート、ペメトレキセド、ヒドロキシカルバミドおよびチオグアニン;有糸分裂阻害剤、例えばコルヒチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、イキサベピロン、カバジタキセルおよびドセタキセル;抗体、例えばmAb、パニツムマブ、ネシツムマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ラムシルマブ、ベバシズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、イブリツモマブ、トシツモマブ、ブレンツキシマブ、ダラツムマブ、エロツズマブ、オファツムマブ、ジヌツキシマブ、ブリナツモマブ、イピリムマブ、アバスチン、ハーセプチン、マブセラ;抗体薬物複合体(ADC)、例えばT-DM1、トラスツズマブデルクステカン、トラスツズマブエムタンシン、ダトポタマブデルクステカン、ゲムツズマブオゾガマイシン、ブレンツキシマブベドチン、イノツズマブオゾガマイシン、サシツズマブゴビテカン、エンフォルツマブベドチン、ベランタマブマフォドチン;キナーゼ阻害剤、例えばイマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、アファチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、クリゾチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、スニットイニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、パゾパニブ、トリセルおよびエベロリムスを含むが、これらに限定されない。抗癌併用療法に使用できる他の既知の抗癌剤には、タモキシフェン、レトロゾール、フルベストラント、ミトグアゾン、オクトレオチド、レチノイン酸、ヒ素、ゾレドロン酸、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イキサゾミブ、ビスモデギブ、ソニデギブ、デノスマブ、サリドマイド、レナリドマイド、ベネトクラクス、アルデスロイキン(組換えヒトインターロイキン-2)およびシプエセル-T(前立腺癌治療ワクチン)が含まれる。
【0095】
本発明の方法を実施する際に、本発明の化合物は、単一の医薬組成物中で少なくとも一つ既知の抗癌剤と一緒に投与されてもいい。また、本発明の化合物は、少なくとも一つ既知の抗癌剤とは別に投与されてもいい。一実施形態では、本発明の化合物および少なくとも一つ既知の抗癌剤は、実質的に同時に投与され、すなわち、すべての薬剤は、同時にまたは順次に投与されることによって、化合物が同時に血中の治療濃度に達する。他の実施形態では、本発明の化合物および少なくとも一つ既知の抗癌剤は、化合物が血中の治療濃度に達するように、個々の投与計画に従って投与される。
【0096】
本発明の他の実施形態は、ここに記載の化合物を含み、腫瘍を阻害するのに有効であるUSP1阻害剤として機能するバイオコンジュゲートに関する。腫瘍を阻害するバイオコンジュゲートは、ここに記載の化合物と、トラスツズマブやリツキシマブなどの少なくとも一つ既知の治療上有用な抗体、もしくはEGFやFGFなどの成長因子、もしくはIL-2やIL-4などのサイトカイン、もしくは細胞表面に結合できる任意の分子からなる。抗体および他の分子は、ここで記載された化合物をその標的に送達することができるため、それが有効な抗癌剤になる。バイオコンジュゲートは、トラスツズマブやリツキシマブなどの治療上有用な抗体の抗癌効果を高めることもできる。
【0097】
本発明の他の実施形態は、式I(式IIa/bおよび式IIIa/bを含む)のUSP1阻害剤、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩またはそのプロドラッグを含む、放射線療法と組み合わせて腫瘍を阻害するのに有効な医薬組成物に関する。この実施形態では、本発明の化合物は、放射線療法と同時に、または異なる時間に投与することができる。
【0098】
本発明の更なる他の実施形態は、式I、式IIa/bまたは式IIIa/bのUSP1阻害剤、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、同位体置換誘導体、または薬学的に許容される塩またはそのプロドラッグを含む、癌の術後治療に有効な医薬組成物に関する。本発明はまた、腫瘍を外科的に除去した後に、ここに記載の医薬組成物で哺乳動物を治療することによって癌を治療する方法にも関する。
【0099】
本発明の医薬組成物は、その目的用途の達成に有効な量で本発明の化合物を含むすべての医薬製剤を含む。個々のニーズは異なるが、医薬製剤中の各成分の最適量の決定は当業者の技術の範囲内である。典型的には、化合物またはその薬学的に許容される塩は、一日、そして体重一キロあたりに約0.0025-50mgの用量で哺乳動物に経口投与することができる。好ましくは、約0.01mg/kgから約10mg/kg体重で経口投与される。既知の抗癌剤も投与された場合、その目的用途の達成に有効な量で投与される。その既知の抗癌剤の最適量は、当業者によく知られている。
【0100】
単位経口用量は、約0.01から約50mg、好ましくは約0.1から約10mgの本発明の化合物を含んでもいい。単位用量は、一日一錠以上の錠剤で一回以上投与することができ、各錠剤は、約0.1から約50mg、好ましくは約0.25から10mgの本発明の化合物またはその溶媒和物を含む。
【0101】
局所製剤において、本発明の化合物は、担体一グラムあたり約0.01から100mgの濃度で存在してもいい。
【0102】
本発明の化合物は、未処理の化学物質として投与することができる。また、本発明の化合物は、化合物の薬学的に許容される調製物への加工を促進する、薬学的に許容される担体(賦形剤および助剤を含む)を含む適切な医薬調製物の一部として投与してもいい。好ましくは、医薬製剤、特に錠剤、ドラジェ、およびカプセルなどの経口製剤、ならびに好ましい投与に使用されるもの、ならびに注射または経口投与に適した溶液は、約0.01%から99%、好ましくは約0.25%から75%の一つまたは複数の活性化合物、および一つまたは複数の賦形剤を含む。
【0103】
また、本発明の範囲内には、本発明の化合物の非毒性薬学的に許容される塩が含まれる。酸付加塩は、本発明の化合物の溶液を、例えば、塩酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、リン酸、シュウ酸などの薬学的に許容される非毒性酸の溶液と混合することによって形成される。塩基付加塩は、本発明の一つまたは複数の化合物の溶液を、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化コリン、炭酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N-メチルグルカミンなどの薬学的に許容される非毒性塩基の溶液と混合することによって形成される。
【0104】
本発明の医薬製剤は、本発明の化合物の治療効果が得られる限り、任意の哺乳動物に投与することができる。その哺乳動物の中で最も重要なものは、ヒトおよび獣医動物であるが、本発明をそれに限定される意図がない。
【0105】
本発明の医薬製剤は、その目的用途さえ達成できれば、いかなる手段によって投与することができる。例えば、投与は、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮、頬側、髄腔内、頭蓋内、鼻腔内または局所経路によって実施できる。代替的または追加的に、投与は経口経路によって実施できる。投与量は、レシピエントの年齢、健康状態、および体重、同時治療の種類、治療の頻度、および所望の効果の性質に依存する。
【0106】
本発明の医薬製剤は、既知の方法で、例えば、従来の混合、造粒、糖衣製造、溶解、または凍結乾燥によって製造する。経口使用のための医薬製剤は、活性化合物を固体賦形剤と組み合わせ、必要に応じて得られた混合物を粉砕し、需要や必要に応じて適切な助剤を加えた後、顆粒の混合物を加工することにより、錠剤またはドラジェコアを得ることによって得られる。
【0107】
適切な賦形剤は、特に、充填剤、例えば糖類、例えば乳糖またはショ糖、マンニトールまたはソルビトール;セルロース製剤および/またはリン酸カルシウム、例えばリン酸三カルシウムまたはリン酸水素カルシウム;結合剤、例えばトウモロコシ澱粉、例えば小麦澱粉、米澱粉、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、トラガカンス、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、および/またはポリビニルピロリドンを含む澱粉ペーストである。必要に応じて、上記の澱粉およびカルボキシメチル澱粉、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、もしくはアルギン酸またはその塩(例えばアルギン酸ナトリウム)などの崩壊剤を添加することができる。助剤は、特に、流動調節剤および滑沢剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸またはその塩、例えばステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレングリコールである。糖衣錠の核には、必要に応じて胃液に耐性のある適切なコーティングが施される。この目的のために、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液および適切な有機溶媒または溶媒混合物を含んでもいい濃糖溶液が使用できる。胃液に耐性のあるコーティングを製造するために、フタル酸アセチルセルロースまたはフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの適切なセルロース調製物溶液が使用される。例えば識別のため、または活性化合物の用量の組み合わせを特徴付けるために、染料または顔料を錠剤または糖衣錠のコーティングに添加してもよい。
【0108】
経口的に使用できる他の医薬製剤には、ゼラチンで作られたプッシュフィットカプセル、ならびにゼラチンおよび可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトールで作られたソフトシールカプセルが含まれる。プッシュフィットカプセルは、顆粒形式の活性化合物を含んでもよく、それが、乳糖などの充填剤;澱粉などの結合剤;および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;および安定剤と混合できる。ソフトカプセルでは、活性化合物は、好ましくは、脂肪油または流動パラフィンなどの適切な液体に溶解または懸濁される。また、安定剤を加えることができる。
【0109】
非経口投与に適した製剤には、活性化合物の水溶液、例えば、水溶性塩の水溶液およびアルカリ性溶液が含まれる。さらに、適切な油性注射懸濁液として、活性化合物の懸濁液が投与できる。適切な親油性溶媒またはビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、もしくはオレイン酸エチルやトリグリセリドやポリエチレングリコール-400などの合成脂肪酸エステル、もしくはクレモフォア、もしくはシクロデキストリンが含まれる。水性注射懸濁液には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランなどの懸濁液の粘度を増加させる物質が含まれてもいい。また、必要に応じて、懸濁安定剤が含まれてもいい。
【0110】
本発明の一態様によれば、本発明の化合物は、局所非経口製剤として提供され、皮膚癌の治療に使用される。
【0111】
本発明の局所製剤は、好ましくは、適切な担体の選択により、油、クリーム、ローション、軟膏などとして製剤化される。適切な担体には、植物油または鉱油、白いワセリン(白い柔らかいパラフィン)、分岐油脂、動物性脂肪および高分子量アルコール(C12より大きい)が含まれる。好ましい担体では、有効成分が可溶性である。乳化剤、安定剤、保湿剤および抗酸化剤、ならびに必要に応じて色または芳香を与える薬剤も含まれてもいい。さらに、これらの局所製剤には、経皮浸透促進剤が含まれてもいい。その促進剤の例としては、米国特許第3,989,816号および第4,444,762号が挙げられる。
【0112】
クリームは、好ましくは、鉱油、自己乳化蜜蝋および水の混合物から製剤され、アーモンド油などの少量の油に溶解された有効成分と混合される。そのクリームの典型的な例としては、約40部の水、約20部の蜜蝋、約40部の鉱油および約1部のアーモンド油を含むものが挙げられる。
【0113】
軟膏は、有効成分の植物油(例えばアーモンド油)溶液を温かい柔らかいパラフィンと混合し、混合物を冷却することによって製剤することができる。その軟膏の典型的な例としては、約30重量%のアーモンド油と約70重量%の白色軟膏を含むものが挙げられる。
【0114】
本発明はまた、USP1の活性を阻害する効果に応答した臨床症状の治療または予防のための医薬を調製するための本発明の化合物の応用を含む。医薬品には、上記の医薬組成物が含まれてもいい。
【0115】
以下の実施例は、本発明の方法および組成を例示するものであり、それを限定するものではない。臨床治療で通常遭遇し、また当業者には明らかである他の適切な修正および様々な条件およびパラメータの調整は、本発明の主旨および範囲内含まれる。
【実施例
【0116】
総論
試薬はすべて商業品質を満たしている。溶媒は標準的な方法で乾燥および精製した。質量スペクトル分析は、エレクトロスプレーインターフェースを備えたプラットフォームII(Agilent 6110)シングル四重極質量分析計で記録した。1H NMRスペクトルは、Brucker Ascend 400装置で、400MHzで記録した。化学シフトは、TMS(0.00ppm)からの低磁場で100万分の1(ppm)で記録し、J結合定数はヘルツ(Hz)で記録した。
【0117】
実施例1
8-(4-(1,4-ジメチル-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(2-イソプロピルフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン
a)メチル-2-(2-イソプロピルフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-カルボキシレートの調製:ジオキサン(50 mL)中の2-アミノニコチン酸メチル(0.6g、3.9mmol)の撹拌溶液に、N2下でO-(メシチルスルホニル)ヒドロキシルアミン(10mL DCM中1.0g、4.7mmol)を加え、混合物を室温下で2時間撹拌した。次いで、2-イソプロピルベンズアルデヒド(0.7g、4.7mmol)を加え、混合物を100℃で2時間撹拌した。反応物を室温まで冷却し、次いで、KOH(MeOH中1N、10mL)を加え、室温下で1時間撹拌した。混合物に水を加え、混合物を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水二回、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、濾液を減圧濃縮して表題化合物(600mg、白色固体、収率51.5%)を得て、さらに精製せずに次のステップに進んだ。MS (ESI, m/z): 296.1 [M+H]+.
【0118】
b)(2-(2-イソプロピルフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル)メタノールの調製:2-(2-イソプロピルフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-カルボン酸メチル(600.0mg、2.0mmol)の乾燥THF(60mL)溶液に0℃でLiAlH4(1.6mL、4.0mmol、トルエン中2.5M)を10分間かけて添加した。反応混合物を室温まで温めた。反応完了後、水(20mL)で反応をクエンチし、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して表題化合物を得た(500mg、白色固体、収率92.1%)を得て、さらに精製せずに次のステップに進んだ。MS (ESI, m/z): 268.1 [M+H]+.
【0119】
c)8-(ブロモメチル)-2-(2-イソプロピルフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンの調製:(2-(2-イソプロピルフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル)メタノール(400mg、1.5mmol)の乾燥DCM(40mL)溶液に、0℃でPBr3(485mg、1.7mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、反応を飽和NaHCO3溶液(20mL)でクエンチし、DCM(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)で精製して、表題化合物(270mg、白色固体、収率54.6%)を得た。MS (ESI, m/z): 330.0 [M+H]+. 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 8.99 (dd, J = 6.8, 1.1 Hz, 1H), 7.91-7.79 (m, 2H), 7.55-7.40 (m, 2H), 7.38-7.26 (m, 1H), 7.23-7.18 (m, 1H), 5.01 (s, 2H), 3.97-3.82 (m, 1H), 1.22 (d, J = 6.9 Hz, 6H).
【0120】
d)8-(4-(1,4-ジメチル-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-2-(2-イソプロピルフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンの調製:8-(ブロモメチル)-2-(2-イソプロピルフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(200mg、0.6mmol)、Na2CO3(193mg、1.8mmol)の溶液、1,4-ジメチル-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1H-イミダゾール(181mg、0.6mmol)およびPd(PPh3)2Cl2(43mg、0.06mmol)は1,4-ジオキサン(20mL)および水(7mL)中でN2下で、60℃で2時間撹拌した。混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(30mL×3)で抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、分取HPLC(ACN/水=25%/75%、添加剤として0.1%FA)で精製し、標的化合物を得た(30mg、白色固体、11.7%)。
【0121】
実施例2-9の以下の化合物は、実施例1に記載されたものと同様の合成方法を使用して製造した。
【0122】
【表1】
【0123】
【表2】
【0124】
実施例10
2-(2-イソプロピルフェニル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン
a)カルバミン酸、[[(6-メチル-2-ピリジニル)アミノ]チオキソメチル]エチルエステルの調製:1,4-ジオキサン(50mL)中の6-メチルピリジン-2-アミン(5.0g、46.2mmol)混合物に、O-エチルカルボイソチオシアナチデート(6.0g、45.8mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮し、EtOAc(30mL)で洗浄して、表題化合物(11g、黄色固体、収率99.6%)を得た。MS (ESI, m/z) : 240.1 [M+H]+.
【0125】
b)5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-アミンの調製:カルバミン酸、[[(6-メチル-2-ピリジニル)アミノ]チオキソメチル]エチルエステル(11.0g、46.0mmol)のEtOH(50mL)およびMeOH(50mL)中の混合物に、NH2OH・HCl(16.0g、231.0mmol)およびDIEA(17.8g、137.7mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物を真空下で濃縮し、EtOAc(30mL)で洗浄して、表題化合物(4g、オフホワイト固体、収率58.8%)を得た。MS (ESI, m/z): 149.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.38 - 7.32 (m, 1H), 7.20 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.79 - 7.72 (m, 1H), 5.96 (brs, 2H), 2.46 (s, 3H).
【0126】
c)2-クロロ-5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンの調製:5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-アミン(1.0g、6.8mmol)のACN(20mL)溶液に、0℃でNaNO2(559.2mg、8.1mmol)を加えた。それから濃HCl(1mL)を滴下し、反応混合物を0℃で15分間撹拌した。それから混合固体が溶解するまで追加の濃HClを加えた。得られた混合物を80℃で2時間撹拌した。混合物を氷水に加え、DCM(50mL×3)で抽出し、合わせた有機層をブライン(10 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し、次いでシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=20:1)により精製し、表題化合物(480mg、オフホワイトの固体、収率42.4%)を得た。MS (ESI, m/z): 168.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.68 - 7.62 (m, 2H), 7.16 - 7.12 (m, 1H), 2.66 (s, 3H).
【0127】
d)5-(ブロモメチル)-2-クロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンの調製:2-クロロ-5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(480mg、2.8mmol)のCCl4(10mL)混合物に、NBS(613.8mg、3.4mmol)およびAIBN(47mg、0.3mmol)を加えた。混合物を窒素雰囲気下で一晩還流しながら撹拌した。得られた混合物を水(50mL)でクエンチし、EtOAc(30mL×3)で抽出し、有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。濃縮残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=10:1)で精製して、表題化合物(460mg、白色固体、収率64.9%)を得た。MS (ESI, m/z): 246.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.86 - 7.82 (m, 1H), 7.78 - 7.74 (m, 1H), 7.48 - 7.46 (m, 1H), 5.07 (s, 2H).
【0128】
e)2-クロロ-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンの調製:5-(ブロモメチル)-2-クロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(230mg、0.94mmol)のジオキサン(5mL)混合物に(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)フェニル)ボロン酸(255mg、0.94mmol)、Pd(PPh3)2Cl2(66mg、0.09mmol)およびNa2CO3(300mg、2.8mmol)を加えた。混合物を窒素雰囲気下で60℃下で4時間撹拌した。得られた混合物を水(50mL)でクエンチし、EtOAc(30mL×3)で抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。濃縮残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=2:1)で精製して、表題化合物(250 mg、黄色固体、収率68.5%)を得た。MS (ESI, m/z): 246.0 [M+H]+.
【0129】
f)2-(2-イソプロピルフェニル)-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンの調製:2-クロロ-5-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(140mg、0.35mmol)のトルエン(5mL)中の混合物に(2-イソプロピルフェニル)ボロン酸(56mg、0.53mmol)、cataCXium A Pd G3(26mg、0.03mmol)およびCs2CO3(349mg、1.0mmol)を加えた。混合物をマイクロ波反応により窒素雰囲気下、120℃で4時間撹拌した。得られた混合物を水(30mL)でクエンチし、EtOAc(20mL×3)で抽出し、有機層を濃縮した。粗生成物を分取HPLC(ACN/0.1% FA aq=10%)によって精製して、標的化合物(11.3mg、白色固体、収率6.6%)を得た。
【0130】
実施例11-17の以下の化合物は、実施例1および10に記載されたものと同様の合成方法を使用して製造した。
【0131】
【表3】
【0132】
実施例18
2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン
a)3-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)ピラジン-2-アミンの調製:DMF(10mL)中のZn(202.0mg、3.1mmol)、I2(20.0mg、0.08mmol)溶液を、N2下、30℃で10分間撹拌した。次いで、TMSCl(8.0mg、0.08mmol)を加え、30℃で45分間撹拌した後、2-(4-(ブロモメチル)フェニル)-1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール(95mg、0.26mmol)のDMF(1mL)溶液を加え、45℃で1時間撹拌した。混合物をPd(PPh3)4(30.0mg、0.026mmol)および3-ブロモピラジン-2-アミン(45mg、0.26mmol)の系に加え、それをN2下、60℃で2時間撹拌した。完了後、混合物を室温まで冷却し、混合物に水(100mL)を加え、EA(40mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(DCM:MeOH=10:1)によって精製して、表題化合物(40.0mg、白色固体、収率46%)を得た。MS(ESI): 334.25 [M+H]+.
【0133】
b)1,2-ジアミノ-3-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)ピラジン-1-イウム・2,4,6-トリメチルベンゼンスルホネートの調製:3-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)ピラジン-2-アミン(40mg、0.12mmol)およびO-(メシチルスルホニル)ヒドロキシルアミン(51.6mmol、0.24mmol)のDCM(5mL)溶液を室温で16時間撹拌した。完了後、溶媒を蒸発させて、次のステップに直接使用する表題化合物(50.5mg、黄色固体、粗製)を得た。MS(ESI): 349.30 [M+H]+.
【0134】
c)2-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-8-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジンの調製:1,2-ジアミノ-3-(4-(1-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)ピラジン-1-イウム・2,4,6-トリメチルベンゼンスルホネート(50.5mg、0.12mmol)のジオキサン(5mL)溶液に4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-カルバルデヒド(43mg、0.24mmol)およびCs2CO3(117mg、0.36mmol)を加えた。混合物を90℃で2時間撹拌した。完了後、混合物を水(50mL)に注ぎ、EA(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、残留物を分取HPLCで精製して、標的化合物を得た(5.0mg、白色固体、2段階収率:9%)。
【0135】
実施例19-47の以下の化合物は、実施例18に記載されたものと同様の合成方法を使用して製造した。
【0136】
【表4】
【0137】
【表5】
【0138】
【表6】
【0139】
【表7】
【0140】
実施例48
USP1/UAF1活性
USP1/UAF1活性は、ユビキチン-ローダミン110-グリシン(Ub-Rho;Boston Biochem)アッセイを使用して測定した。酵素反応は、0.1nM USP1/UAF1を含むアッセイ緩衝液(50mM Tris-HCl、pH7.8、0.5mM EDTA、100mM NaCl、1mM DTT、0.01BSAおよび0.01%Tween-20)中で実施した。個々の化合物はそれぞれ、0.0005-10μMの範囲の10種類の濃度でテストされた。平衡に達するまでプレートを15分間インキュベートし、その後、10μLのUb-Rho溶液(最終濃度100nM)を分注することによって酵素反応を開始した。Ub-Rho溶液で120分間処理した後、Envision装置を使用して設定した480nm励起/540nm発光フィルターを使用してローダミン蛍光を取得した。化合物のUSP1/UAF1酵素活性阻害率は以下の式に従って算出した。
【0141】
【数1】
【0142】
IC50値は、XLソフトウェアを使用してs字型用量反応曲線式をフィッティングすることによって得られる。曲線の方程式はY=100/(1+10^(logC-logIC50))で、Cは化合物濃度である。
【0143】
表1は、USP1/UAF1活性(IC50)に対する化合物の阻害効果をまとめたものである。
【0144】
【表8】
【0145】
したがって、ユビキチン-ローダミン110-グリシンアッセイによって測定されるように、本明細書に開示される本発明の化合物は、USP1/UAF1酵素活性に対して良好な阻害効果を有する。
【0146】
実施例49
BRCA変異ヒト乳がんMDA-MB-436細胞株に対する増殖阻害アッセイ
細胞を完全培地(DMEM培地+10%FBS+インスリン+グルタチオン)中で培養した。コンフルエンスが約80%に達したら、細胞を消化し、1mLピペットでディッシュの底から静かに分注しました。細胞懸濁液を収集し、500rpmで3分間遠心分離した。上清を廃棄し、細胞ペレットを完全培地に再懸濁した。細胞を培養皿に適当な割合で播種し、37℃、5%CO2インキュベーター内で培養した。アッセイは、細胞が最適な状態にあり、コンフルエンスが80%に達したときに実行された。対数増殖期の細胞を遠心分離し、培養上清を除去した。細胞をリフレッシュ完全培地に再懸濁し、計数した。再懸濁した細胞を96ウェルプレートに3000個/ウェルで播種し、37℃、5%CO2インキュベーターで一晩インキュベートした。化合物は以下のように調製しました:1000×化合物溶液5μLを培地120μLに添加することにより、1000×希釈の試験化合物溶液を40×試験化合物溶液に調製しました(25倍希釈)。溶液を振動により混合した。0.1%DMSOを対照として使用した。
【0147】
翌日、細胞を播種した96ウェルプレートをインキュベーターから取り出し、培養上清を除去した。次いで、195uL/ウェルの新鮮な培地および5μL/ウェルの上記の40(試験化合物溶液を、それぞれ96ウェルプレートに添加した。最後に、プレートを37℃、5%CO2インキュベーター内で7日間インキュベートしました。化合物を含む培地を四日目に交換した。
【0148】
CTG法:7日後、100μL Celltiter-Glo試薬を各ウェルに添加し、その後、プレートを2分間振盪して完全に溶解させた。次いで、プレートを室温で10分間インキュベートし、化学発光値をプレートリーダーで読み取った。
【0149】
細胞増殖に対する化合物の阻害活性を、化合物濃度に対する細胞生存率を座標としてプロットした。細胞阻害率%= (Lum化合物-LumDMSO)/(Lum培地-LumDMSO)×100。Lumは化学発光値を指す。
【0150】
XL Fitソフトウェアを使用して、非線形S曲線回帰にデータを当てはめて用量効果曲線を取得し、そこからIC50値を計算した。Y=下+(上-下)/(1+10^((LogIC50-X)×傾き))、Yは細胞阻害率、Xは化合物濃度、下は最も低い阻害率、上は阻害率最も高い阻害率である。
【0151】
表2は、CTG法により測定されたヒト乳癌細胞MDA-MB-436の増殖に対する化合物の阻害効果データ(IC50)をまとめたものである。
【0152】
【表9】
【0153】
CCK法:7日後、CCK-8 20μLを各ウェルに加え、軽く振盪し、4時間培養した。インキュベーション後、プレートを5分間振盪した。多機能読み取り装置を使用して、450nmまたは650nmの波長の吸光度値をそれぞれ記録した(OD =450nmの吸光度-650nmの吸光度)。
【0154】
データはソフトウェアGraphPad Prism 6.0によって分析された。細胞増殖に対する化合物の阻害活性を、化合物濃度に対する細胞生存率を座標としてプロットした。細胞生存率%=(OD化合物-ODハ゛ックク゛ラウント゛)/(ODDMSO-ODハ゛ックク゛ラウント゛)×100。IC50値は、S字型用量反応曲線方程式:Y=100/(1+10^(logC-logIC50))によって当てはめられ、Cは化合物濃度である。
【0155】
表3は、CCK-8法により測定されたヒト乳癌細胞MDA-MB-436の増殖に対する化合物の阻害効果データ(IC50)をまとめたものである。
【0156】
【表10】
【0157】
したがって、本明細書の化合物は、ヒト乳癌細胞MDA-MB-436の増殖に対して良好な阻害効果を有する。
【0158】
これで本発明を完全に説明したので、当業者は、本発明の範囲またはその実施形態に影響を与えることなく、同じことが広く同等の範囲の条件、組成および他のパラメータ内で実行できることを理解する。ここで引用されたすべての特許、特許出願および刊行物は、参照によりその全体が本文に組み込まれる。
【国際調査報告】