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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】旋回式曲げ加工機
(51)【国際特許分類】
   B21D 5/04 20060101AFI20241029BHJP
   B21D 43/00 20060101ALI20241029BHJP
   B21D 43/10 20060101ALI20241029BHJP
   B21D 43/11 20060101ALI20241029BHJP
   B21D 43/26 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
B21D5/04 J
B21D43/00 S
B21D43/10 B
B21D43/11 A
B21D43/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523636
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-06-19
(86)【国際出願番号】 AT2022060362
(87)【国際公開番号】W WO2023064971
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】A50844/2021
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509296085
【氏名又は名称】トルンプ マシーネン オーストリア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】マッテオ ボルタン
(72)【発明者】
【氏名】マッテオ ダル ラゴ
(72)【発明者】
【氏名】ステーファノ スペツィアーリ
【テーマコード(参考)】
4E063
【Fターム(参考)】
4E063AA01
4E063BA07
4E063FA08
4E063GA03
4E063GA05
4E063GA10
4E063LA17
(57)【要約】
本発明は、ワーク保持ユニット(3)の正面(18)の前の領域にある曲げ加工されるワークのための支持テーブル(17)を備えた旋回式曲げ加工機(1)に関する。テーブル端部領域(20、21)の少なくとも1つを起点として曲げ加工されるワークをピックアップし、曲げビームの長手方向(12)に対して平行に、ワーク保持ユニット(3)の長手方向中心(24)の領域にあるセクションに搬送するように設定されたワークマニピュレータ(23)が設けられている。このワークマニピュレータ(23)は、ワークに対してクランプ接続を形成するために、第1クランプピラー(25)と、この第1クランプピラー(25)から曲げビームの長手方向(12)に離間した第2クランプピラー(26)とを有する。両クランプピラー(25、26)の少なくとも一方は、ワークを曲げビームの長手方向(12)に対して基準位置決めするための第1停止面と、ワークを旋回式曲げ加工機(1)の奥行方向(16)に対して基準位置決めするための第2停止面と、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回式曲げ加工機(1)であって、
機械フレームと、
該機械フレームに接続されたワーク保持ユニット(3)であって、曲げ加工されるワーク部分(7)が前記ワーク保持ユニット(3)に向かって突出できるように、ワーク(2)を水平作業面(6)に固定するための第1クランプツール(4)及び該第1クランプツール(4)と協働する移動可能な第2クランプツール(5)を有する、ワーク保持ユニット(3)と、
前記機械フレームに移動可能に支持され、調整ドライブ(9)と接続されたワーク部分(7)を曲げるための曲げビーム(8)であって、該曲げビーム(8)はほぼC字形のビーム断面(10)と、水平中心面(11)を挟んで互いに対向して前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に延びる2つの曲げ工具(13、14)とを有し、該2つの曲げ工具(13、14)の間にワーク(2)の曲げ加工されるワーク部分(7)を挿入できる、曲げビーム(8)と、
前記ワーク保持ユニット(3)の正面(18)の前の領域にある曲げ加工されるワーク(2)のための支持テーブル(17)であって、前記正面(18)は前記ワーク保持ユニット(3)の前記曲げビーム(8)に対向する側を表し、前記支持テーブル(17)は、前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に対して平行に両側のテーブル端部領域(20、21)間で測定されたテーブル長さ(19)が1.5メートル以上であり、前記支持テーブル(17)は、前記水平作業面(6)に対して平行に、且つ前記正面(18)に対して垂直に測定されたテーブル奥行き(22)が1.0メートル以上であり、前記旋回式曲げ加工機(1)の奥行方向(16)は、前記支持テーブル(17)と前記ワーク保持ユニット(3)と前記曲げビーム(8)の直列順序によって画定されている、支持テーブル(17)と、
前記テーブル端部領域(20、21)の少なくとも1つを起点として曲げ加工されるワークをピックアップし、前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に対して平行に、前記ワーク保持ユニット(3)の長手方向中心(24)の領域にあるセクションに搬送するように設定されたワークマニピュレータ(23)と、
を備える旋回式曲げ加工機(1)において、
前記ワークマニピュレータ(23)は、ワークに対してクランプ接続を形成するために、第1クランプピラー(25)と、該第1クランプピラー(25)から前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に離間した第2クランプピラー(26)とを有し、
両クランプピラー(25、26)の少なくとも一方は、ワークを前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に対して基準位置決めするための第1停止面(27、28)と、ワークを前記旋回式曲げ加工機(1)の奥行方向(16)に対して基準位置決めするための第2停止面(29、30)と、を有することを特徴とする旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項2】
前記ワークマニピュレータ(23)は、前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に対して平行に延びる案内装置(32)によって、前記曲げビーム(8)のC字形ビーム断面(10)によって囲まれた内部領域(33)に出入りできることを特徴とする、請求項1に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項3】
前記ワークマニピュレータ(23)は、前記案内装置(32)によって、第1クランプツール(4)若しくは第2クランプツール(5)、又は下側曲げ工具(13)若しくは上側曲げ工具(14)の少なくとも1つの長手方向端部(34)を越えて移動できることを特徴とする、請求項2に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項4】
前記第1クランプピラー(25)及び前記第2クランプピラー(26)は、それぞれ1つの並進調整軸(35、36)上に固定されており、該並進調整軸(35、36)は、前記第1クランプピラー(25)及び前記第2クランプピラー(26)を前記旋回式曲げ加工機(1)の奥行方向(16)に沿って制御して位置決めするために設けられていることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項5】
前記第1クランプピラー(25)及び前記第2クランプピラー(26)はそれぞれ、各クランプピラー(25、26)を閉じるための空気圧で動作可能な作動シリンダ(37、38)を含むことを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項6】
前記第1クランプピラー(25)及び前記第2クランプピラー(26)はそれぞれ、楔形で先細になる1つの動作部(40)を有し、前記作動シリンダ(37、38)から進出可能な調整ピストン(41)が、突っ張り作用を伴って前記動作部(40)内に挿入可能であることを特徴とする、請求項5に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項7】
第1調整軸(35)及び第2調整軸(36)はそれぞれ、1つの電動モータ(48、49)と、前記第1クランプピラー(25)及び前記第2クランプピラー(26)の並進移動のために前記電動モータ(48、49)と連結された1つのねじ付きスピンドル(50、51)とを有することを特徴とする、請求項4~6の何れか一項に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項8】
前記第1クランプピラー(25)若しくは前記第2クランプピラー(26)、又は前記第1クランプピラー(25)及び前記第2クランプピラー(26)は、前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に対して平行に延びて前記曲げビーム(8)に最も近くに配置されたワーク(2)の側縁部(52)を把持するように設定されていることを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項9】
ワーク(2)を前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に対して基準設定するために設けられた前記第1停止面(27、28)は、前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に対して垂直方向と横断方向に延び、前記第1クランプピラー(25)及び前記第2クランプピラー(26)のクランプ部(53、54)の外側に位置決めされていることを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項10】
前記第1クランプピラー(25)及び/又は前記第2クランプピラー(26)は、旋回不能な下部サポートフィンガ(42、43)と上部クランプフィンガ(44、45)とを含み、前記上部クランプフィンガ(44、45)は水平旋回軸(46、47)を中心に前記下部サポートフィンガ(42、43)に対して相対的に旋回可能に支持されていることを特徴とする、請求項1~9の何れか一項に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項11】
前記ワークマニピュレータ(23)は、前記両クランプピラー(25、26)の一方のみでワーク(2)を前記曲げビーム(8)の長手方向(12)において基準設定するために前記第1停止面(27、28)を利用し、前記両クランプピラー(26、25)のうちの他方では専ら前記ワーク(2)に対する挟持作用を利用するように設定されていることを特徴とする、請求項1~10の何れか一項に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項12】
追加マニピュレータ(57)の支持体(56)は、前記支持テーブル(17)のテーブル面(55)から垂直方向に突出しており、前記追加マニピュレータ(57)は、加工されるワーク(2)を垂直軸線回りに回転させるために垂直軸線回りに回転可能な回転スタンプ(58)を有し、及び前記支持体(56)は前記支持テーブル(17)の長手方向中心(24)において又は長手方向中心(24)の領域において垂直方向に突出していることを特徴とする、請求項1~11の何れか一項に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、初期状態で平坦な板状ワークを自動又は半自動で成形する旋回式曲げ加工機に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人に属する特許文献1により、ワーク保持ユニットと、このワーク保持ユニットに対して相対移動可能な曲げビームとを備えた同種の旋回式曲げ加工機が知られている。このような曲げ加工機で板材製の比較的大型又は比較的重いワークも確実に加工できるようにするために、ワークのための受動的な支持テーブル、又はワークのための自動的に駆動可能な搬送装置を備えた支持テーブルも設けられている。これらの支持テーブルはワーク保持ユニットの前の領域に配置されていて、旋回式曲げ加工機の奥行方向で、最初に支持テーブル、次にワーク保持ユニット、最後に曲げビームが形成されている。この先行技術から知られている設計の問題点は、支持テーブルの表面積が大きい場合に小型のワークをワーク保持ユニットの中心セクションに供給することが作業者にとって比較的困難であるということである。この改善策として、曲げ加工されるワークを支持テーブルの前部領域から奥行方向後方にワーク保持ユニットまで搬送する搬送装置を支持テーブルに割り当てることが知られている。
【0003】
この先行技術から知られている旋回式曲げ加工機は、小型のワークの供給が作業者にとってあまり人間工学的でなく、加工されるワークの適切な位置決め及び正確な基準設定が作業者にとって困難な場合があるという問題点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2017/181208(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、先行技術の問題点を克服し、小型のワークであっても、作業者が特に苦労することなく供給し、正確に位置決めすることができる技術的手段を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、特許請求の範囲に記載された旋回式曲げ加工機によって解決される。
【0007】
本発明による旋回式曲げ加工機は、
機械フレームと、
機械フレームと接続され、曲げ加工されるワーク部分がワーク保持ユニットに向かって突出できるようにワークを水平作業面に固定するための第1クランプツール及びこれと協働する移動可能な第2クランプツールを有するワーク保持ユニットと、
機械フレームに移動可能に支持され、調整ドライブと接続されたワーク部分を曲げるための曲げビームであって、曲げビームはほぼC字形のビーム断面と、水平中心面を挟んで互いに対向して曲げビームの長手方向に延びる2つの曲げ工具とを有し、これらの曲げ工具の間にワークの曲げ加工されるワーク部分を挿入できる、曲げビームと、
ワーク保持ユニットの正面の前の領域にある曲げ加工されるワークのための支持テーブルであって、正面はワーク保持ユニットの曲げビームに対向する側を表し、支持テーブルは、曲げビームの長手方向に対して平行に両側のテーブル端部領域の間で測定されたテーブル長さが1.5メートル以上、特に2メートル以上であり、支持テーブルは、水平作業面に対して平行に、且つ正面に対して垂直に測定されたテーブル奥行きは、1.0メートル以上、特に1.5m以上であり、旋回式曲げ加工機の奥行方向は支持テーブルとワーク保持ユニットと曲げビームの直列順序によって画定されている、支持テーブルと、
テーブル端部領域の少なくとも1つを起点として曲げ加工されるワークをピックアップし、曲げビームの長手方向に対して平行に、ワーク保持ユニットの長手方向中心の領域にあるセクションに搬送するように設定されたワークマニピュレータであって、ワークマニピュレータはワークに対してクランプ接続を形成するために、第1クランプピラーと、これから曲げビームの長手方向に離間した第2クランプピラーとを有し、少なくとも第1クランプピラーは、ワークを曲げビームの長手方向に対して基準設定するための第1停止面と、このワークを旋回式曲げ加工機の奥行方向に対して基準設定するための第2停止面とを有する、ワークマニピュレータと、から構成される。
【0008】
ワークの基準設定とは、ワークを旋回式曲げ加工機の動作制御によって設けられた零点又は基準点に対して、位置決め又は位置合わせすることであると理解すべきである。加工されるワークに対するこのような零点又は基準点は始点と呼ばれることもあり、通常は作業面内にある。
【0009】
本発明による旋回式曲げ加工機は、作業者が支持テーブルの両側領域のうちの1つを起点として加工されるワークをワークマニピュレータに供給することができ、続いてワークを自動的にワーク保持ユニットの中心セクションに引き渡すことができるという利点を提供する。これにより作業者にとって、小型ワークでも比較的重量のあるワークでも人間工学的なワーク供給が可能になる。更に、第1及び第2クランプピラーは作業者によく視認でき容易に接近できるため、作業者は常にワークを正確且つ簡単に確認して指定されたワークマニピュレータに供給することができる。特に、作業者は曲げ加工されるワークが計画された基準位置にあることを迅速且つ容易に確認することができる。
【0010】
ワークマニピュレータが曲げビームの長手方向に対して平行に延びる案内装置によって、曲げビームのC字形ビーム断面によって囲まれた内部領域に出入りできるようにするとも好都合である。これにより、ワークマニピュレータをコンパクトに設計することができる。更に、曲げビームと連動させることにより、ワークマニピュレータを垂直方向又は高さ方向に容易に移動させることが達成される。
【0011】
更に、ワークマニピュレータは、案内装置によって曲げ工具の少なくとも1つの長手方向端部を越えて移動できるようにすることができる。これにより作業者にとって両クランプピラー、特にそれらの停止面を見ることが著しく容易になる。
【0012】
更に、第1及び第2クランプピラーがそれぞれ1つの並進調整軸上に固定されており、これらの調整軸は第1及び第2クランプピラーを曲げ加工機の奥行方向に沿って制御して位置決めするために設けられていると有用であり得る。これにより、曲げ加工されるワークを旋回式曲げ加工機の奥行方向に対して、迅速で技術的に信頼できる位置決めを行うことができる。特に、ワークは、最初に形成される曲げ縁の目標位置を考慮して、ワークマニピュレータからワーク保持装置へ引き渡すことができる。
【0013】
更に、第1及び第2クランプピラーは、各クランプピラーを閉じるためにそれぞれ1つの空気圧で操作可能な作動シリンダを含むようにすることができる。これによりワークに対する挟持作用を、交互に又は互いに独立して作動させることが可能になる。したがって両クランプピラーのうち1つだけの挟持作用を利用することも可能である。クランプピラーを空気圧で操作することは、技術的な単純性と経済性と機能的可用性の間の良い妥協点をもたらす。
【0014】
更に、第1及び第2クランプピラーは、それぞれ1つの楔形で先細になる動作部を有しており、作動シリンダから進出可能な調整ピストンが突っ張り作用を伴って動作部内に挿入可能であるようにすることができる。これにより、空気圧で操作する作動シリンダによってもワークに対して再現性のある高いクランプ力を生じさせることができる。
【0015】
別の実施形態によれば、第1及び第2調整軸は、それぞれ1つの電動モータと、第1及び第2クランプピラーの並進移動のために電動モータと連結されたそれぞれ1つのねじ付きスピンドルとを有することが可能である。これらの方策により、旋回式曲げ加工機又はワーク保持ユニットの奥行方向に対して、クランプピラー、又は搬送されるワークの正確で繰り返し精度の高い位置決めを達成できる。
【0016】
更に、第1若しくは第2クランプピラー、又は第1及び第2クランプピラーが、曲げビームの長手方向に対して平行に延びて曲げビームに最も近くに配置されたワークの側縁部を把持するように設定されていると有用であり得る。これにより、使用者の位置と旋回式曲げ加工機の奥行方向に関してワークのいわば後方限界縁が挟持と基準設定に利用される。このようにすることにより、人間工学とワークのマニピュレータに対する視認性も向上する。その結果、作業者はワークマニピュレータに対して、迅速で複雑ではなく繰り返し精度の高い位置決め及び搬送プロセスを達成することができる。
【0017】
更に、ワークを曲げビームの長手方向に対して基準設定又は基準位置決めするために設けられた第1停止面が、曲げビームの長手方向に対して垂直方向と横断方向に延び、第1及び第2クランプピラーのクランプ部の外側に位置決めされているようにすることができる。これにより、有利なことに、第1及び/又は第2クランプピラーの停止機能又は基準設定機能を、第1及び/又は第2クランプピラーのクランプ機能が作動状態にあるか非作動状態にあるかとは関係なく利用することが可能になる。
【0018】
更に、第1及び/又は第2クランプピラーが、旋回不能な下部サポートフィンガと上部クランプフィンガとを含み、上部クランプフィンガは水平旋回軸を中心に下部サポートフィンガに対して相対的に旋回可能に支持されるようにすることができる。これにより、垂直方向又は高さ方向におけるワークの正確で信頼性の高い位置決め又は基準設定を達成することができる。更に、そうすることで計画どおりに又は適切に位置決めされたワークの安定した機能的に信頼できる保持及び挟持を達成できる。
【0019】
加工されるワークの計画どおりの位置決め及び位置合わせのための第1及び第2停止面は、直接第1及び第2クランプピラーに形成されている。この場合、ワークを曲げビームの長手方向に対して相対的に位置決めするための第1停止面が、第1及び第2クランプピラーの旋回可能に支持されたクランプフィンガに形成されていると有用である。旋回式曲げ加工機の奥行方向でワークを相対的に位置決めするための第2停止面は、旋回可能なクランプフィンガに対して固定された第1及び第2クランプピラーのサポートフィンガに形成されていることが好ましい。
【0020】
特別の実施形態によれば、ワークマニピュレータは、両クランプピラーの一方のみでワークを曲げビームの長手方向において基準位置決めするために第1停止面を利用し、両クランプピラーのうちの他方のみでワークに対する挟持作用を利用するように設定されていることが可能である。したがってクランプピラーの一方、例えば第1クランプピラーは、制御技術上の零点に対する基準設定を受け持ち、他方、例えば第2クランプピラーは、ワークを挟持又は保持する。このように基準設定と保持又は挟持の機能を分割することにより、作業者はワークマニピュレータにシート状ワーク又は板状ワークを供給しやすくなる。
【0021】
特に、支持テーブルのテーブル面から追加マニピュレータの支持体が垂直方向に突出しており、追加マニピュレータは加工されるワークを垂直軸線回りに回転させるために、垂直軸線回りに回転可能な回転スタンプを有しており、支持体が支持テーブルの長手方向中心において又は長手方向中心の領域において垂直方向に突出していると有利である。それにより互いに角状又は直角に延びる曲げ縁を形成すべきワークを、それらの垂直軸線回りに自動的に回転させることができる。このような追加マニピュレータによってワーク保持ユニットのアクセス可能性又は接近しやすさが制限されることは、ワークマニピュレータが支持テーブルの両長手方向側の一方で位置決め又は供給可能であることによって補うことができる。
【0022】
本発明をよりよく理解するために、以下の図を用いてより詳細に説明する。
【0023】
図は、それぞれ簡略化された模式的、例示的表現で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は加工されるワークの支持テーブルが正面に配置された旋回式曲げ加工機の斜視図である。
図2図2は、図1に示す旋回式曲げ加工機の支持テーブル、ワーク保持ユニット及び曲げビームの模式的な側面図である。
図3図3図1に示す旋回式曲げ加工機とワークマニピュレータの詳細図である。
図4図4は、旋回式曲げ加工機のワークマニピュレータに板状ワークを引き渡している旋回式曲げ加工機の作業者の図である。
図5図5図1に示す旋回式曲げ加工機用のワークマニピュレータの第1及び第2クランプピラーの図である。
図6図6図5のVI-VI線に従って切断した図5の左側クランプピラーを示す図である。
図7図7図5のVII-VII線に従って切断した図5の左側クランプピラーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
最初に確認しておくと、記載された異なる実施形態において同じ部材には同じ参照符号又は同じ部材名称を付す。この場合、説明全体に含まれている開示内容は同じ参照符号又は同じ部材名称を有する同じ部材に転用することができる。説明の中で選択された位置を表す言葉、例えば上、下、横なども直接説明されている表示された図を基準としており、これらの位置を表す言葉は位置が変化した場合には新しい位置に準用される。
【0026】
図1図4には、板材からワーク2を成形するための旋回式曲げ加工機1の実施例が示されており、この旋回式曲げ加工機1の詳細は図2図4に示されている。この機械は、詳細には図示されていない少なくとも1つの機械フレーム、特に個々の機械要素又は機械ユニットの支持構造体を含む。したがって、成形中の板状ワーク2を固定又は挟持するために、機械フレームと接続されたワーク保持ユニット3が設けられている。このようなワーク保持ユニット3は、通常は位置固定の第1クランプツール4と、この第1クランプツール4と協働する、ワーク2を水平作業面6に固定するための相対移動可能な第2クランプツール5とを含む。加工されるワーク2の固定又は挟持は、曲げ加工されるワーク部分7がワーク保持ユニット3に対して舌状に突出するように行われる。
【0027】
機械フレームには、更に曲げビーム8が支持されており、この曲げビーム8は制御可能な調整ドライブ9と接続され、それによって機械フレームに対して相対移動できるように支持されている。曲げビーム8は、ワーク保持ユニット3に向かって突出しているワーク部分7を垂直方向上方及び/又は垂直方向下方に曲げるために用いられる。
【0028】
曲げビーム8は、ほぼC字形のビーム断面10を有し、水平中心面11を挟んで互いに対向している、曲げビーム8又は旋回式曲げ加工機1の長手方向12(図1)に延びた2つの曲げ工具13、14を備えている。下側曲げ工具13と上側曲げ工具14との間に、ワーク2の曲げ加工されるワーク部分7を挿入できる。曲げビーム8を旋回式曲げ加工機1の高さ方向15及び/又は奥行方向16に相対移動することにより、ワーク部分7を上方又は下方に曲げることによって、ワーク2のそれぞれ所望の成形を達成することができる。
【0029】
旋回式曲げ加工機1は、更にワーク保持ユニット3の正面18の前方の領域に、曲げ加工されるワーク2のための支持テーブル17を含む。ワーク保持ユニット3の正面18は、曲げビーム8とは反対に向けられたワーク保持ユニット3の側面である。したがって支持テーブル17と曲げビーム8は、ワーク保持ユニット3を挟んで互いに対向して配置されている。支持テーブル17は、曲げビーム8の長手方向12に対して平行に両側のテーブル端部領域20、21間で測定されたテーブル長さ19が1.5m以上である。支持テーブル17は、水平作業面6に対して平行に、且つ正面17に対して垂直に測定されたテーブル奥行き22が1.0メートル以上である。旋回式曲げ加工機1の奥行方向16は、支持テーブル17と、ワーク保持ユニット3と、曲げビーム8の直列順序によって画定されている。したがって、支持テーブル17の水平面の延長は非常に大きく、そのため作業者がワーク保持ユニット7又はワーク保持ユニット7に最も近い支持テーブル17の端縁部に到達するのは難しいか、又は視認しづらい。支持テーブル17は、ワーク保持ユニット3に直接又は実質的に隙間なく接して延びている。特に支持テーブル17は、ワーク保持ユニット3に近接しているすぐ近くまで延びているため、作業者がそれらの間にスペースを見つけたり、その中に入ったりすることは不可能である。
【0030】
支持テーブル17のテーブル長さ19は、少なくともワーク保持ユニット3の最大セットアップ長さに対応することが好ましい。典型的には、テーブル長さ19はワーク保持ユニット3の最大セットアップ長さよりも大きいか、又は曲げ工具13、14の最大セットアップ長さよりも大きい。この場合、本明細書におけるすべての長さ指定は、曲げビーム8の長手方向12に対して平行な方向を対象としている。
【0031】
旋回式曲げ加工機1は更にワークマニピュレータ23を含む。このワークマニピュレータ23は、曲げ加工されるワーク2、特に平坦な板材ブランクを、両側のテーブル端部領域20、21の少なくとも一方を起点としてピックアップするように、例えば右側のテーブル端部領域21を起点として把持するように設定されている。ワークマニピュレータ23は更に、ピックアップ又は把持されたワーク2を曲げビーム8の長手方向12に対して平行に、ワーク保持ユニット3又は曲げビーム8の長手方向中心24(図1図2)の領域に搬送するように設定又は構成されている。加工されるワーク2は、一般にワーク保持ユニット3の長手方向中心24の領域で挟持され、続いて曲げ工具13、14の少なくとも1つによって成形力を加えられる。
【0032】
ワークマニピュレータ23は、加工されるワーク2に対してクランプ接続を形成するために、少なくとも1つの第1クランプピラー25と、これから曲げビーム8の長手方向12に離間した第2クランプピラー26とを有する。搬送されるワーク2に対する両クランプピラー25、26のクランプ機能は、好ましくは選択的に利用され、即ち図4に例示されているように両クランプピラー25、26の一方のみが利用される。したがって搬送されるワークは、第1クランプピラー25で挟持されるか、又は代替的に第2クランプピラー26で挟持される。
【0033】
更に、図4から最も良く分かるように、少なくとも第1クランプピラー25、しかしながら好ましくは両クランプピラー25、26は、加工されるワーク2を曲げビーム8の長手方向12に対して基準設定するため、特に基準位置決めするための第1停止面27、28を有する。更に、少なくとも第1クランプピラー25、好ましくは両クランプピラー25、26は、ワーク2を旋回式曲げ加工機1の奥行方向16に対して基準設定するための第2停止面29、30を有する。
【0034】
加工されるワーク2を停止面27又は28、29及び30のうちの少なくとも3つに手動で当接又は衝止させることによって、ワーク2は、旋回式曲げ加工機1の制御装置31の零点又は基準点に対して正確に位置決めされ、基準線又は基準方向に対して正確に位置合わせ(方向付け)されることができる。ワーク2に対する後続の操作工程、特に搬送工程及び曲げ工程は、この基準点又は基準線を基準とすることができる。ワークマニピュレータ23に供給されるワーク2に対する載置面も予め定義されているか既知であるため、三次元空間で処理されるワーク2の位置合わせ及び位置が制御装置31に対して定義されている。相応に位置合わせされ位置決めされたワーク2に対する後続の操作工程は、制御装置31によって部分的又は完全に自動化されて開始又は制御される。
【0035】
図2図4から最も良く分かるように、ワークマニピュレータ23は、曲げビーム8の長手方向12に対して平行に延びる案内装置32によって、C字形ビーム断面10で囲まれた曲げビーム8の内部領域33に、自動化又は制御されて移動できる。特にワークマニピュレータ23はその両クランプピラー25、26と共に、図3及び図4に例示されているように、案内装置32と、詳細には図示されていない少なくとも1つの調整ドライブによって、第1又は第2クランプツール4、5又は曲げ工具13、14の少なくとも1つの長手方向端部34を越えて移動できる。
【0036】
ワークマニピュレータ23の両クランプピラー25、26の実施形態を図5に示す。第1及び第2クランプピラー25、26は、それぞれ1つの並進調整軸35、36に固定されている。これらの調整軸35、36は、第1及び第2クランプピラー25、26を旋回式曲げ加工機1の奥行方向16に沿って制御して位置決めするために設けられている。調整軸35、36の調整動作又は位置決め工程は、互いに独立して行われるか又は互いに切り離されて行われることができる。調整軸35、36の利用可能な最大調整距離は単に、30mm~100mm、特に約50mmとすることができる。
【0037】
第1及び第2クランプピラー25、26はそれぞれ、各クランプピラー25、26を閉じるための空気圧で操作可能な作動シリンダ37、38を有する。作動シリンダ37、38は単動シリンダとして設計することができる。クランプピラー25、26は、開位置又は初期位置に戻るために、図6に示すように、それぞれ戻しばね39を有することができる。第1及び第2クランプピラー25、26は制御可能な閉鎖のために、それぞれ内部にある楔形で先細になる動作部40を有することができる。作動シリンダ37、38から進出できる調整ピストン41は、クランプピラー25、26を作動させるために、突っ張り作用を伴って動作部40に挿入できる。このような能動的な挟持位置又は閉位置が、図6にワーク2なしで示されている。
【0038】
第1クランプピラー25は、好ましくは第2クランプピラー26も、旋回不能な下部サポートフィンガ42、43と上部クランプフィンガ44、45を有する。上部クランプフィンガ44、45は、水平旋回軸46、47を中心に下部サポートフィンガ42、43に対して相対的に旋回可能に支持されている。
【0039】
第1及び第2クランプピラー25、26を旋回式曲げ加工機1の奥行方向16に沿って並進移動するために、第1及び第2調整軸35、36はそれぞれ電動モータ48、49と、この電動モータ48、49と連結されたねじ付きスピンドル50、51とを有する。
【0040】
図1図4から最も良く分かるように、第1及び第2クランプピラー25、26は、曲げビーム8の長手方向12に対して平行に延び、曲げビーム8に最も近くに配置されたワーク2の側縁部52を把持するように設定されている。
【0041】
クランプピラー25、26の第1停止面27、28は、曲げビーム8の長手方向12に対してワーク2を基準設定又は基準位置決めするために設けられている。第1停止面27、28は、曲げビーム8の垂直方向と、長手方向12に対して横断方向に延びている。第1停止面27、28は、それぞれクランプ部53、54の外側、又はクランプピラー25、26の水平方向に延びる挟持面の外側に位置決めされていることが好ましい。第1停止面27、28及び第2停止面29、30は、例示されているように、反り又は丸みを帯びて延びることもできる。
【0042】
ワークマニピュレータ23は、両クランプピラー25又は26の一方のみでワーク2を曲げビーム8の長手方向12において基準設定めするために第1停止面27又は28を利用し、両クランプピラー26又は25の他方では専らこのワーク2に対する挟持作用を利用するように設定することができる。それに従って両クランプピラー25、26の一方のみがワーク2の零点又は起点に対する基準設定を引き受け、他方のクランプピラー25、26は、ワーク2をワークマニピュレータ23によって長手方向12及び奥行方向16に沿って搬送できるように挟持又は保持する。
【0043】
図1に見られるように、追加マニピュレータ57の支持体56は、支持テーブル17の水平テーブル面55から垂直方向に突出することができる。この追加マニピュレータ57は、加工されるワーク2を垂直軸線回りに回転させるために、垂直軸線回りに回転可能な回転スタンプ58を有する。回転スタンプ58は、実質的に水平に延びる支持アームに支持されており、この支持アームは支持体56からワーク保持ユニット3に向かって延びている。支持体56は、支持テーブル17の長手方向中心24で又は長手方向中心24の領域で垂直方向に突出している。これにより、支持テーブル17の、ワーク保持ユニット3とは反対の又は最も離れた長手方向側を起点として旋回式曲げ加工機1にワーク2を供給することが困難となる。これに対する対策は、上述したワークマニピュレータ23によって提供できる。
【0044】
本発明は、具体的に図示された実施形態に限定されるものではない。保護範囲は特許請求の範囲によって決定される。但し、特許請求の範囲を解釈するために明細書及び図面が使用される。図示及び記載された様々な実施例からの個々の特徴又は特徴の組み合わせは、独立した発明的解決策を構成し得る。これらの独立した発明的解決策の前提をなす課題は、本明細書から汲み取ることができる。
【0045】
最後に形式的に指摘しておくと、構造を理解しやすくするために、部材は一部縮尺通りではなく、及び/又は拡大して、及び/又は縮小して表現されている。
【符号の説明】
【0046】
1 旋回式曲げ加工機
2 ワーク
3 ワーク保持ユニット
4 第1クランプツール
5 第2クランプツール
6 水平作業面
7 ワーク部分
8 曲げビーム
9 調整ドライブ
10 ビーム断面
11 水平中心面
12 長手方向
13 曲げ工具
14 曲げ工具
15 高さ方向
16 奥行方向
17 支持テーブル
18 正面
19 テーブル長さ
20 テーブル端部領域
21 テーブル端部領域
22 テーブル奥行き
23 ワークマニピュレータ
24 長手方向中心
25 第1クランプピラー
26 第2クランプピラー
27 第1停止面
28 第1停止面
29 第2停止面
30 第2停止面
31 制御装置
32 案内装置
33 内部領域
34 長手方向端部
35 調整軸
36 調整軸
37 作動シリンダ
38 作動シリンダ
39 戻しばね
40 動作部
41 調整ピストン
42 サポートフィンガ
43 サポートフィンガ
44 クランプフィンガ
45 クランプフィンガ
46 旋回軸
47 旋回軸
48 電動モータ
49 電動モータ
50 ねじ付きスピンドル
51 ねじ付きスピンドル
52 側縁部
53 クランプ部
54 クランプ部
55 テーブル面
56 支持体
57 追加マニピュレータ
58 回転スタンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
旋回式曲げ加工機1は、更にワーク保持ユニット3の正面18の前方の領域に、曲げ加工されるワーク2のための支持テーブル17を含む。ワーク保持ユニット3の正面18は、曲げビーム8とは反対に向けられたワーク保持ユニット3の側面である。したがって支持テーブル17と曲げビーム8は、ワーク保持ユニット3を挟んで互いに対向して配置されている。支持テーブル17は、曲げビーム8の長手方向12に対して平行に両側のテーブル端部領域20、21間で測定されたテーブル長さ19が1.5m以上である。支持テーブル17は、水平作業面6に対して平行に、且つ正面18に対して垂直に測定されたテーブル奥行き22が1.0メートル以上である。旋回式曲げ加工機1の奥行方向16は、支持テーブル17と、ワーク保持ユニット3と、曲げビーム8の直列順序によって画定されている。したがって、支持テーブル17の水平面の延長は非常に大きく、そのため作業者がワーク保持ユニット又はワーク保持ユニットに最も近い支持テーブル17の端縁部に到達するのは難しいか、又は視認しづらい。支持テーブル17は、ワーク保持ユニット3に直接又は実質的に隙間なく接して延びている。特に支持テーブル17は、ワーク保持ユニット3に近接しているすぐ近くまで延びているため、作業者がそれらの間にスペースを見つけたり、その中に入ったりすることは不可能である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回式曲げ加工機(1)であって、
機械フレームと、
該機械フレームに接続されたワーク保持ユニット(3)であって、曲げ加工されるワーク部分(7)が前記ワーク保持ユニット(3)に向かって突出できるように、ワーク(2)を水平作業面(6)に固定するための第1クランプツール(4)及び該第1クランプツール(4)と協働する移動可能な第2クランプツール(5)を有する、ワーク保持ユニット(3)と、
前記機械フレームに移動可能に支持され、調整ドライブ(9)と接続されたワーク部分(7)を曲げるための曲げビーム(8)であって、該曲げビーム(8)はほぼC字形のビーム断面(10)と、水平中心面(11)を挟んで互いに対向して前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に延びる2つの曲げ工具(13、14)とを有し、該2つの曲げ工具(13、14)の間にワーク(2)の曲げ加工されるワーク部分(7)を挿入できる、曲げビーム(8)と、
前記ワーク保持ユニット(3)の正面(18)の前の領域にある曲げ加工されるワーク(2)のための支持テーブル(17)であって、前記正面(18)は前記ワーク保持ユニット(3)の前記曲げビーム(8)に対向する側を表し、前記支持テーブル(17)は、前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に対して平行に両側のテーブル端部領域(20、21)間で測定されたテーブル長さ(19)が1.5メートル以上であり、前記支持テーブル(17)は、前記水平作業面(6)に対して平行に、且つ前記正面(18)に対して垂直に測定されたテーブル奥行き(22)が1.0メートル以上であり、前記旋回式曲げ加工機(1)の奥行方向(16)は、前記支持テーブル(17)と前記ワーク保持ユニット(3)と前記曲げビーム(8)の直列順序によって画定されている、支持テーブル(17)と、
前記テーブル端部領域(20、21)の少なくとも1つを起点として曲げ加工されるワークをピックアップし、前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に対して平行に、前記ワーク保持ユニット(3)の長手方向中心(24)の領域にあるセクションに搬送するように設定されたワークマニピュレータ(23)と、
を備える旋回式曲げ加工機(1)において、
前記ワークマニピュレータ(23)は、ワークに対してクランプ接続を形成するために、第1クランプピラー(25)と、該第1クランプピラー(25)から前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に離間した第2クランプピラー(26)とを有し、
両クランプピラー(25、26)の少なくとも一方は、ワークを前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に対して基準位置決めするための第1停止面(27、28)と、ワークを前記旋回式曲げ加工機(1)の奥行方向(16)に対して基準位置決めするための第2停止面(29、30)と、を有することを特徴とする旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項2】
前記ワークマニピュレータ(23)は、前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に対して平行に延びる案内装置(32)によって、前記曲げビーム(8)のC字形ビーム断面(10)によって囲まれた内部領域(33)に出入りできることを特徴とする、請求項1に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項3】
前記ワークマニピュレータ(23)は、前記案内装置(32)によって、第1クランプツール(4)若しくは第2クランプツール(5)、又は下側曲げ工具(13)若しくは上側曲げ工具(14)の少なくとも1つの長手方向端部(34)を越えて移動できることを特徴とする、請求項2に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項4】
前記第1クランプピラー(25)及び前記第2クランプピラー(26)は、それぞれ1つの並進調整軸(35、36)上に固定されており、該並進調整軸(35、36)は、前記第1クランプピラー(25)及び前記第2クランプピラー(26)を前記旋回式曲げ加工機(1)の奥行方向(16)に沿って制御して位置決めするために設けられていることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項5】
前記第1クランプピラー(25)及び前記第2クランプピラー(26)はそれぞれ、各クランプピラー(25、26)を閉じるための空気圧で動作可能な作動シリンダ(37、38)を含むことを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項6】
前記第1クランプピラー(25)及び前記第2クランプピラー(2
6)はそれぞれ、楔形で先細になる1つの動作部(40)を有し、前記作動シリンダ(37、38)から進出可能な調整ピストン(41)が、突っ張り作用を伴って前記動作部(40)内に挿入可能であることを特徴とする、請求項5に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項7】
第1調整軸(35)及び第2調整軸(36)はそれぞれ、1つの電動モータ(48、49)と、前記第1クランプピラー(25)及び前記第2クランプピラー(26)の並進移動のために前記電動モータ(48、49)と連結された1つのねじ付きスピンドル(50、51)とを有することを特徴とする、請求項に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項8】
前記第1クランプピラー(25)若しくは前記第2クランプピラー(26)、又は前記第1クランプピラー(25)及び前記第2クランプピラー(26)は、前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に対して平行に延びて前記曲げビーム(8)に最も近くに配置されたワーク(2)の側縁部(52)を把持するように設定されていることを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項9】
ワーク(2)を前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に対して基準設定するために設けられた前記第1停止面(27、28)は、前記曲げビーム(8)の長手方向(12)に対して垂直方向と横断方向に延び、前記第1クランプピラー(25)及び前記第2クランプピラー(26)のクランプ部(53、54)の外側に位置決めされていることを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項10】
前記第1クランプピラー(25)及び/又は前記第2クランプピラー(26)は、旋回不能な下部サポートフィンガ(42、43)と上部クランプフィンガ(44、45)とを含み、前記上部クランプフィンガ(44、45)は水平旋回軸(46、47)を中心に前記下部サポートフィンガ(42、43)に対して相対的に旋回可能に支持されていることを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項11】
前記ワークマニピュレータ(23)は、前記両クランプピラー(25、26)の一方のみでワーク(2)を前記曲げビーム(8)の長手方向(12)において基準設定するために前記第1停止面(27、28)を利用し、前記両クランプピラー(26、25)のうちの他方では専ら前記ワーク(2)に対する挟持作用を利用するように設定されていることを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【請求項12】
追加マニピュレータ(57)の支持体(56)は、前記支持テーブル(17)のテーブル面(55)から垂直方向に突出しており、前記追加マニピュレータ(57)は、加工されるワーク(2)を垂直軸線回りに回転させるために垂直軸線回りに回転可能な回転スタンプ(58)を有し、及び前記支持体(56)は前記支持テーブル(17)の長手方向中心(24)において又は長手方向中心(24)の領域において垂直方向に突出していることを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載の旋回式曲げ加工機(1)。
【国際調査報告】