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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】除草剤としての置換ベンズアミド
(51)【国際特許分類】
   C07D 257/06 20060101AFI20241029BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20241029BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20241029BHJP
   A01N 47/02 20060101ALI20241029BHJP
   A01N 47/12 20060101ALI20241029BHJP
   A01N 53/12 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
C07D257/06 A CSP
C07D403/12
A01P13/00
A01N47/02
A01N47/12 102
A01N53/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523687
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2022078501
(87)【国際公開番号】W WO2023066784
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】2115018.0
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】520222106
【氏名又は名称】シンジェンタ クロップ プロテクション アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100212509
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 知子
(72)【発明者】
【氏名】アームストロング サラ
(72)【発明者】
【氏名】バートン ポール マシュー
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BA03
4H011BB11
4H011BB13
4H011BB15
4H011DA13
(57)【要約】
本発明は、式(I)
【化1】
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、本明細書に記載されるとおりである)
の化合物又はその農学的に許容可能な塩に関する。本発明は、前記化合物を含む組成物、前記組成物を使用して雑草を防除する方法及び除草剤としての式(I)の化合物の使用にさらに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
(式中、
1は、C1~C4アルキル-、C1~C4ハロアルキル-、C1~C4アルコキシ-C1~C4アルキル-及びC1~C4ハロアルコキシ-C1~C4アルキル-からなる群から選択され;
2は、ハロゲン、C1~C6アルキル-、C1~C3アルコキシ-、C1~C6ハロアルキル-、C1~C3ハロアルコキシ-及び-S(O)p1~C6アルキルからなる群から選択され;
3は、C1~C3ハロアルキルであり;
4は、水素、C1~C6アルキル-、C1~C6ハロアルキル及びC3~C6シクロアルキルからなる群から選択され;
5は、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6-アルコキシ-C1~C6アルキル-、C1~C6-アルコキシ-、フェニル及びヘテロアリールからなる群から選択され、前記フェニル又はヘテロアリールは、1、2又は3つのR6置換基によって任意に置換されていてもよく;
6は、ハロゲン、シアノ、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル-及びC1~C6アルコキシ-からなる群から独立して選択され;及び
pは、0、1又は2である)
の化合物又はその農学的に許容可能な塩。
【請求項2】
1は、メチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
2は、メチル、Cl、-CF3及び-SO2メチルからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
2は、Clである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
3は、-CF3又は-CHF2である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
4は、水素又はC1~C6アルキル-である、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
5は、C1~C6アルキル-又はC3~C6シクロアルキル-である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
5は、-フェニルであり、前記-フェニルは、請求項1で定義されたとおりに任意に置換されていてもよい、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
5は、-ヘテロアリールであり、前記-ヘテロアリールは、請求項1で定義されたとおりに任意に置換されていてもよい、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
5は、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5f、R5g、R5h、R5i及びR5j
【化2】
からなる群から選択されるヘテロアリールである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物と、農学的に許容可能な配合助剤とを含む除草性組成物。
【請求項12】
少なくとも1種の追加の殺有害生物剤をさらに含む、請求項11に記載の除草性組成物。
【請求項13】
前記追加の殺有害生物剤は、除草剤又は除草剤毒性緩和剤である、請求項12に記載の除草性組成物。
【請求項14】
繁殖地において雑草を防除する方法であって、雑草防除量の、請求項11~13のいずれか一項に記載の組成物を前記繁殖地に適用するステップを含む方法。
【請求項15】
除草剤としての、請求項1に記載の式(I)の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除草性化合物、その調製プロセス、化合物を含む除草性組成物及び特に有用な植物の作物における雑草の防除のため又は植物の成長の阻害のためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
N-(テトラゾール-5-イル)アリールカルボキサミドは、例えば、国際公開第2012/028579号に開示されている。本発明は、意外なほど良好な雑草防除を示す新規アリールカルボキサミドに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
従って、本発明によれば、式(I):
【化1】
(式中、
1は、C1~C4アルキル-、C1~C4ハロアルキル-、C1~C4アルコキシ-C1~C4アルキル-及びC1~C4ハロアルコキシ-C1~C4アルキル-からなる群から選択され;
2は、ハロゲン、C1~C6アルキル-、C1~C3アルコキシ-、C1~C6ハロアルキル-、C1~C3ハロアルコキシ-及び-S(O)p1~C6アルキルからなる群から選択され;
3は、C1~C3ハロアルキルであり;
4は、水素、C1~C6アルキル-、C1~C6ハロアルキル及びC3~C6シクロアルキルからなる群から選択され;
5は、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6-アルコキシ-C1~C6アルキル-、C1~C6-アルコキシ-、フェニル及びヘテロアリールからなる群から選択され、フェニル又はヘテロアリールは、1、2又は3つのR6置換基によって任意に置換されていてもよく;
6は、ハロゲン、シアノ、C1~C6アルキル(例えば、メチル)、C1~C6ハロアルキル-及びC1~C6アルコキシ-からなる群から独立して選択され;及び
pは、0、1又は2である)
の化合物又はその農学的に許容可能な塩が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0004】
1~C6アルキル基は、例えば、メチル(Me、CH3)、エチル(Et、C25)、n-プロピル(n-Pr)、イソプロピル(i-Pr)、n-ブチル(n-Bu)、イソブチル(i-Bu)、sec-ブチル及びtert-ブチル(t-Bu)を含む。
【0005】
3~C6シクロアルキル-は、シクロプロピル(c-プロピル(c-Pr))、シクロブチル(c-ブチル(c-Bu))、シクロペンチル(c-ペンチル)及びシクロヘキシル(c-ヘキシル)を含む。
【0006】
1~C3アルコキシ-及びC1~C6アルコキシは、例えば、メトキシ-及びエトキシ-を含む。
【0007】
1~C6-アルコキシ-C1~C6アルキル-は、例えば、メトキシエチル-を含む。
【0008】
ハロゲン(又はハロ)は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を包含する。同様のことは、対応して、ハロアルキルなど、他の定義に関連するハロゲンに当てはまる。
【0009】
1~C6ハロアルキルとしては、例えば、フルオロメチル-、ジフルオロメチル-、トリフルオロメチル-、クロロメチル-、ジクロロメチル-、トリクロロメチル-、2,2,2-トリフルオロエチル-、2,2-ジフルオロエチル、1,1-ジフルオロエチル、1,1,2,2-テトラフルオロエチル、2-フルオロエチル-、2-クロロエチル-、ペンタフルオロエチル-、1,1-ジフルオロ-2,2,2-トリクロロエチル-、2,2,3,3-テトラフルオロエチル-、2,2,2-トリクロロエチル-、ヘプタフルオロ-n-プロピル及びパーフルオロ-n-ヘキシルが挙げられる。C1~C4ハロアルキルとしては、例えば、フルオロメチル-、ジフルオロメチル-、トリフルオロメチル-、クロロメチル-、ジクロロメチル-、トリクロロメチル-、2,2,2-トリフルオロエチル-、2-フルオロエチル-、2-クロロエチル-、ペンタフルオロエチル-、1,1-ジフルオロ-2,2,2-トリクロロエチル-、2,2,3,3-テトラフルオロエチル-、2,2,2-トリクロロエチル-及びヘプタフルオロ-n-プロピル-が挙げられる。
【0010】
1~C4アルコキシ-C1~C4アルキル-は、例えば、メトキシエチル-を含む。
【0011】
1~C4ハロアルコキシ-C1~C4アルキル-は、例えば、トリフルオロメトキシエチル-を含む。
【0012】
1~C6アルキル-S-(アルキルチオ)は、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ又はtert-ブチルチオ、好ましくはメチルチオ又はエチルチオである。
【0013】
1~C6アルキル-S(O)-(アルキルスルフィニル)は、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n-ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec-ブチルスルフィニル又はtert-ブチルスルフィニル、好ましくはメチルスルフィニル又はエチルスルフィニルである。
【0014】
1~C6アルキル-S(O)2-(アルキルスルホニル)は、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル又はtert-ブチルスルホニル、好ましくはメチルスルホニル又はエチルスルホニルである。
【0015】
本発明の好ましい実施形態では、R1は、メチル、エチル及びn-プロピル、好ましくはメチルからなる群から選択される。
【0016】
本発明の好ましい実施形態では、R2は、メチル、Cl、-CF3及び-SO2メチル、より好ましくはClからなる群から選択される。
【0017】
本発明の他の好ましい実施形態では、R3は、-CF3又は-CHF2である。
【0018】
本発明の他の好ましい実施形態では、R4は、水素又はC1~C6アルキル-(好ましくはメチル)、最も好ましくはメチル又は水素である。
【0019】
本発明の他の実施形態では、R5は、C1~C6アルキル-(例えば、メチル、エチル又はn-プロピル、好ましくはメチル)又はC3~C6シクロアルキル-(好ましくはcPr-)である。
【0020】
本発明の他の好ましい実施形態では、R5は、-フェニルであり、フェニルは、前述のとおりに任意に置換されていてもよい。
【0021】
本発明の他の実施形態では、R5は、-ヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、前述のとおりに任意に置換されていてもよい。さらに好ましい実施形態では、ヘテロアリールは、5又は6員ヘテロアリールである。さらに好ましい実施形態では、ヘテロアリールは、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5f、R5g、R5h、R5i及びR5j
【化2】
からなる群から選択される。
【0022】
本発明の好ましい実施形態では、ヘテロアリールは、ハロゲン、C1~C6アルキル(例えば、メチル)、C1~C6ハロアルキル及びC1~C6アルコキシからなる群から選択される1、2又は3つの置換基によって任意に置換されていてもよいR5cである。本発明のさらに好ましい実施形態では、ヘテロアリールは、1つのハロゲン、好ましくはフッ素によって任意に置換されていてもよいR5cである。
【0023】
本発明の一実施形態では、R4は、水素又はメチルであり、及びR5は、メチル、エチル又はn-プロピルである。本発明の他の実施形態では、R4は、水素又はメチルであり、及びR5は、フェニルであり、フェニルは、1つのハロゲン、好ましくはフッ素によって任意に置換されていてもよい。本発明の他の実施形態では、R4は、水素又はメチルであり、及びR5は、ヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、1つのハロゲン、好ましくはフッ素によって任意に置換されていてもよいR5cである。
【0024】
式(I)の化合物(及び式(I)の化合物を合成するために使用される特定の中間体化合物)は、不斉中心を含み得、且つ単一の鏡像異性体として、いずれかの割合における鏡像異性体対として存在し得るか、又は2つ以上の不斉中心が存在する場合、あらゆる可能な比でジアステレオ異性体を含み得る。典型的には、鏡像異性体の1つは、他の可能なものと比べて高い生物学的活性を有する。
【0025】
本発明は、式(I)の化合物に係るすべての可能な幾何及び互変異形態も含む。
【0026】
本発明は、式(I)の化合物が、アミン(例えば、アンモニア、ジメチルアミン及びトリエチルアミン)、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩基又は第四級アンモニウム塩基と形成し得る農学的に許容可能な塩も含む。塩形成物として用いられるアルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、酸化物、アルコキシド並びに炭酸水素塩及び炭酸塩のうち、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウムの水酸化物、アルコキシド、酸化物及び炭酸塩、特にナトリウム、マグネシウム及びカルシウムの水酸化物、アルコキシド、酸化物及び炭酸塩が重要である。対応するトリメチルスルホニウム塩も用いられ得る。
【0027】
本発明による式(I)の化合物は、それ自体で除草剤として使用することができるが、それらは、一般に、担体、溶媒及び表面活性剤(SFA)などの製剤助剤を用いて除草性組成物に製剤化される。従って、本発明は、本発明による除草性化合物と、農学的に許容できる製剤助剤とを含む除草性組成物をさらに提供する。この組成物は、使用前に希釈される濃縮物の形態であり得るが、直ちに使用できる組成物も作製され得る。最終的な希釈は、通常、水を用いて行われるが、水の代わりに又は水に加えて、例えば液体肥料、微量栄養素、生物有機体、油又は溶媒を用いて行われ得る。
【0028】
除草性組成物は、一般に、0.1~99重量%、特に0.1~95重量%の式Iの化合物と、好ましくは0~25重量%の表面活性物質を含む1~99.9重量%の製剤助剤とを含む。
【0029】
この組成物は、多くの剤型から選択することができ、そのうちの多くは、the Manual on Development and Use of FAO Specifications for Plant Protection Products,5th Edition,1999から公知である。これらとしては、粉剤(DP)、水溶剤(SP)、水溶顆粒(SG)、水和性顆粒(WG)、水和剤(WP)、粒剤(GR)(徐放性又は即放性)、可溶濃縮剤(SL)、油混和性液剤(OL)、超低量液剤(UL)、乳化性濃縮物(EC)、分散性濃縮物(DC)、乳剤(水中油(EW)及び油中水(EO)の両方)、マイクロエマルション(ME)、懸濁液濃縮物(SC)、エアゾール、カプセル懸濁剤(CS)及び種子処理製剤が挙げられる。いずれの場合も、選択される剤型は、想定される具体的な目的並びに式(I)の化合物の物理的、化学的及び生物学的特性に応じて決まるであろう。
【0030】
粉剤(DP)は、式(I)の化合物を1種以上の固体希釈剤(例えば、天然粘土、カオリン、葉ろう石、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、キーゼルグール、チョーク、珪藻土、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム、硫黄、石灰、小麦粉、タルク及び他の有機及び無機固体担体)と混合し、この混合物を微粉末に機械的に粉砕することによって調製され得る。
【0031】
水溶剤(SP)は、水への分散性/溶解性を改善するために、式(I)の化合物を1種以上の水溶性無機塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム又は硫酸マグネシウムなど)又は1種以上の水溶性有機固体(多糖など)及び任意に1種以上の湿潤剤、1種以上の分散剤又は前記物質の混合物と混合することによって調製され得る。次に、この混合物は、微粉末に粉砕される。また、同様の組成物を造粒して、水溶顆粒(SG)を形成し得る。
【0032】
水和剤(WP)は、式(I)の化合物を1種以上の固体希釈剤又は担体、1種以上の湿潤剤並びに好ましくは1種以上の分散剤及び任意に1種以上の懸濁化剤と混合して、液体中の分散を促進することによって調製され得る。次に、この混合物は、微粉末に粉砕される。また、同様の組成物を造粒して、水和性顆粒(WG)を形成し得る。
【0033】
粒剤(GR)は、式(I)の化合物と1種以上の粉末化された固体希釈剤又は担体との混合物を造粒することによるか、或いは式(I)の化合物(又は好適な物質中のその溶液)を多孔質の顆粒物質(軽石、アタパルジャイト粘土、フラー土、キーゼルグール、珪藻土又は粉砕されたトウモロコシの穂軸など)中に吸収することによるか、又は式(I)の化合物(又は好適な物質中のその溶液)を硬質のコア材(砂、ケイ酸塩、無機の炭酸塩、硫酸塩又はリン酸塩など)上に吸着し、必要に応じて乾燥させることにより、予め形成されたブランク顆粒から造粒することによるかのいずれかによって形成され得る。吸収又は吸着を補助するのに一般的に使用される物質としては、溶媒(脂肪族及び芳香族石油系溶媒、アルコール、エーテル、ケトン及びエステルなど)及び固着剤(ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、糖類及び植物油など)が挙げられる。また、1種以上の他の添加剤が粒剤に含まれ得る(例えば、乳化剤、湿潤剤又は分散剤)。
【0034】
分散性濃縮物(DC)は、式(I)の化合物を水又はケトン、アルコール若しくはグリコールエーテルなどの有機溶媒に溶解させることによって調製され得る。これらの溶液は、(例えば、水希釈性を改善するか、又は噴霧タンク中の結晶化を防止するために)表面活性剤を含有し得る。
【0035】
乳化性濃縮物(EC)又は水中油型乳剤(EW)は、式(I)の化合物を有機溶媒(1種以上の湿潤剤、1種以上の乳化剤又は前記物質の混合物を任意に含有する)に溶解させることによって調製され得る。ECに使用するのに適した有機溶媒としては、芳香族炭化水素(SOLVESSO 100、SOLVESSO 150及びSOLVESSO 200によって例示されるアルキルベンゼン又はアルキルナフタレンなど;SOLVESSOは、登録商標である)、ケトン(シクロヘキサノン又はメチルシクロヘキサノンなど)及びアルコール(ベンジルアルコール、フルフリルアルコール又はブタノールなど)、N-アルキルピロリドン(N-メチルピロリドン又はN-オクチルピロリドンなど)、脂肪酸のジメチルアミド(C8~C10脂肪酸のジメチルアミドなど)及び塩素化炭化水素が挙げられる。EC製品は、水に加えると自然に乳化して、適切な装置によって噴霧施用可能なほど十分な安定性を有する乳剤を生成し得る。
【0036】
EWの調製は、式(I)の化合物を液体として(それが室温で液体でない場合、適当な温度、典型的に70℃未満で溶融させ得る)又は溶液中において(それを適切な溶媒に溶解させることによって)得るステップと、次に得られた液体又は溶液を高せん断下で1種以上のSFAを含有する水に乳化して、乳剤を生成するステップとを含む。EWに使用するのに適した溶媒としては、植物油、塩素化炭化水素(クロロベンゼンなど)、芳香族溶媒(アルキルベンゼン又はアルキルナフタレンなど)及び水溶性の低い他の適切な有機溶媒が挙げられる。
【0037】
マイクロエマルション(ME)は、水を1種以上のSFAと1種以上の溶媒とのブレンドと混合して、熱力学的に安定した等方性液体製剤を自然に生じさせることによって調製され得る。式(I)の化合物は、最初、水又は溶媒/SFAブレンドのいずれかの中に存在する。MEに使用するのに適した溶媒としては、EC又はEWへの使用に関して上述したものが挙げられる。MEは、水中油型又は油中水型系のいずれかであり得(いずれの系が存在するかは、伝導度測定によって決定され得る)、水溶性及び油溶性有害生物防除剤を同じ製剤中で混合することに適し得る。MEは、水に希釈するのに適しており、マイクロエマルションのまま残るか又は従来の水中油乳剤を形成する。
【0038】
懸濁液濃縮物(SC)は、式(I)の化合物の微粉化された不溶性固体粒子の水性又は非水性懸濁液を含み得る。SCは、好適な媒体中において、式(I)の固体化合物を任意に1種以上の分散剤と共にボールミル粉砕又はビーズミル粉砕して、この化合物の微粒子懸濁液を生成することによって調製され得る。1種以上の湿潤剤が組成物に含まれ得、粒子の沈降速度を低下させるために懸濁化剤が含まれ得る。代わりに、式(I)の化合物は、乾式ミル粉砕され、上述した物質を含有する水に加えられて所望の最終生成物を生成し得る。
【0039】
エアゾール製剤は、式(I)の化合物及び好適な噴射剤(例えば、n-ブタン)を含む。式(I)の化合物は、好適な媒体(例えば、水又はn-プロパノールなどの水混和性液体)にも溶解又は分散されて、非加圧式の手動噴霧ポンプで使用するための組成物が得られる。
【0040】
カプセル懸濁剤(CS)は、各油滴がポリマーシェルによって封入され、且つ式(I)の化合物と、任意に、そのための担体又は希釈剤とを含有する油滴の水性分散液が得られる追加の重合段階を伴う以外は、EW製剤の調製と同様の方法で調製され得る。ポリマーシェルは、界面重縮合反応又はコアセルベーション手順のいずれかによって生成され得る。この組成物は、式(I)の化合物の制御放出を提供し、種子処理に使用され得る。式(I)の化合物は、生分解性ポリマーマトリックス中で製剤化されて、この化合物の遅延制御放出を提供することもできる。
【0041】
組成物は、例えば、表面上の湿潤、保持又は分散;処理された表面における耐雨性;又は式(I)の化合物の取り込み又は移動性を改善することにより、組成物の生物学的性能を改善するために1種以上の添加剤を含み得る。このような添加剤としては、表面活性剤(SFA)、油系噴霧添加剤、例えば特定の鉱油又は天然植物油(ダイズ油及びナタネ油など)及びこれらと他の生物学的強化助剤(式(I)の化合物の作用を補助又は調整し得る成分)とのブレンドが挙げられる。
【0042】
湿潤剤、分散剤及び乳化剤は、カチオン型、アニオン型、両性型又は非イオン型のSFAであり得る。
【0043】
好適なカチオン型のSFAとしては、第四級アンモニウム化合物(例えば、臭化セチルトリメチルアンモニウム)、イミダゾリン及びアミン塩が挙げられる。
【0044】
好適なアニオン型SFAとしては、脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸の脂肪族モノエステルの塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン化された芳香族化合物の塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、スルホン酸ブチルナフタレン並びにジ-イソプロピル-及びトリ-イソプロピル-ナフタレンスルホン酸ナトリウムの混合物)、硫酸エーテル、硫酸アルコールエーテル(例えば、ラウレス-3-硫酸ナトリウム)、カルボン酸エーテル(例えば、ラウレス-3-カルボン酸ナトリウム)、リン酸エステル(1種以上の脂肪族アルコールとリン酸との反応からの生成物(主にモノ-エステル)又は五酸化リン(主にジ-エステル)、例えばラウリルアルコールとテトラリン酸との反応物;さらに、これらの生成物は、エトキシ化され得る)、スルホスクシナメート、パラフィン又はオレフィンスルホネート、タウレート及びリグノスルホネートが挙げられる。
【0045】
好適な両性型のSFAとしては、ベタイン、プロピオネート及びグリシネートが挙げられる。
【0046】
好適な非イオン型のSFAとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどのアルキレンオキシド又はそれらの混合物の、脂肪族アルコール(オレイルアルコール又はセチルアルコールなど)又はアルキルフェノール(オクチルフェノール、ノニルフェノール又はオクチルクレゾールなど)との縮合生成物;長鎖脂肪酸又は無水ヘキシトールから誘導される部分エステル;前記部分エステルのエチレンオキシドとの縮合生成物;ブロックポリマー(エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを含む);アルカノールアミド;単純なエステル(例えば、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル);アミンオキシド(例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド);及びレシチンが挙げられる。
【0047】
好適な懸濁化剤としては、親水コロイド(多糖類、ポリビニルピロリドン又はカルボキシメチルセルロースナトリウムなど)及び膨潤粘土(ベントナイト又はアタパルジャイトなど)が挙げられる。
【0048】
本発明の化合物は、1種以上の追加の除草剤及び/又は植物成長調節剤との混合物でも使用可能である。このような追加の除草剤又は植物成長調節剤の例としては、アセトクロール、アシフルオルフェン(アシフルオルフェン-ナトリウムを含む)、アクロニフェン、アメトリン、アミノカルバゾン、アミノピラリド、アミノトリアゾール、アトラジン、ベフルブタミド-M、ベンキトリオン、ベンスルフロン(ベンスルフロン-メチルを含む)、ベンタゾン、ビシクロピロン、ビラナホス、ビピラゾン、ビスピリバック-ナトリウム、ビクスロゾン、ブロマシル、ブロモキシニル、ブタクロール、ブタフェナシル、カルフェントラゾン(カルフェントラゾン-エチルを含む)、クロランスラム(クロランスラム-メチルを含む)、クロリムロン(クロリムロン-エチルを含む)、クロロトルロン、クロルスルフロン、シンメチリン、クラシホス、クレトジム、クロジナホップ(クロジナホップ-プロパルギルを含む)、クロマゾン、クロピラリド、シクロピラニル、シクロピリモレート、シクロスルファムロン、シハロホップ(シハロホップ-ブチルを含む)、2,4-D(コリン塩及びその2-エチルヘキシルエステルを含む)、2,4-DB、デスメディファム、ジカンバ(そのアルミニウム、アミノプロピル、ビス-アミノプロピルメチル、コリン、ジクロロプロプ、ジグリコールアミン、ジメチルアミン、ジメチルアンモニウム、カリウム及びナトリウム塩を含む)ジクロスラム、ジフルヘニカン、ジフルフェンゾピル、ジメタクロール、ジメテナミド-P、ジオキソピリトリオン、ダイコートジブロミド、ジウロン、エピリフェナシル、エタルフルラリン、エトフメセート、フェノキサプロップ(フェノキサプロップ-P-エチルを含む)、フェノキサスルフォン、フェンピラゾン、フェンキノトリオン、フェントラザミド、フラザスルフロン、フロラスラム、フロルピラウキシフェン(フロルピラウキシフェン-ベンジルを含む)、フルアジホップ(フルアジホップ-P-ブチルを含む)、フルカルバゾン(フルカルバゾン-ナトリウムを含む)、フルフェナセット、フルメツラム、フルミオキサジン、フルオメツロン、ホメサフェン、フルピルスルフロン(フルピルスルフロン-メチル-ナトリウムを含む)、フルロキシピル(フルロキシピル-メプチルを含む)、ホメサフェン、ホラムスルフロン、グルホシネート(両方のL-グルホシネート及びアンモニウム塩を含む)、グリホサート(そのジアンモニウム、イソプロピルアンモニウム及びカリウム塩を含む)、ハラウキシフェン(ハラウキシフェン-メチルを含む)、ハロキシホップ(ハロキシホップ-メチルを含む)、ヘキサジノン、ヒダントシジン、イマザモックス(R-イマザモックスを含む)、イマザピック、イマザピル、イマゼタピル、インダジフラム、イオドスルフロン(イオドスルフロン-メチル-ナトリウムを含む)、イオフェンスルフロン(イオフェンスルフロン-ナトリウムを含む)、アイオキシニル、イソプロツロン、イソキサフルトール、ランコトリオン、MCPA、MCPB、メコプロップ-P、メソスルフロン(メソスルフロン-メチルを含む)、メソトリオン、メタミトロン、メタザクロール、メチオゾリン、メトラクロール、メトスラム、メトリブジン、メトスルフロン、ナプロパミド、ニコスルフロン、ノルフラゾン、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキシフルオルフェン、パラコートジクロリド、ペンディメタリン、ペノキススラム、フェンメディファム、ピクロラム、ピノキサデン、プレチラクロール、プリミスルフロン-メチル、プロメトリン、プロパニル、プロパキザホップ、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルホカルブ、プロスルフロン、ピラクロニル、ピラフルフェン(ピラフルフェン-エチルを含む)、ピラスルホトール、ピリデート、ピリフタリド、ピリミスルファン、ピロキサスルホン、ピロキシスラム、キンクロラック、キンメラック、キザロホップ(キザロホップ-P-エチル及びキザロホップ-P-テフリルを含む)、リミソキサフェン、リムスルフロン、サフルフェナシル、セトキシジム、シマジン、S-メトラクロール、スルフェントラゾン、スルホスルフロン、テブチウロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テルブチラジン、テルブトリン、テトフルピロリメト、チエンカルバゾン、チフェンスルフロン、チアフェナシル、トルピラレート、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアファモネ、トリアレート、トリアスルフロン、トリベヌロン(トリベヌロン-メチルを含む)、トリクロピル、トリフロキシスルフロン(トリフロキシスルフロン-ナトリウムを含む)、トリフルジモキサジン、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリピラスルホン、3-(2-クロロ-4-フルオロ-5-(3-メチル-2,6-ジオキソ-4-トリフルオロメチル-3,6-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)フェニル)-5-メチル-4,5-ジヒドロイソキサゾール-5-カルボン酸エチルエステル、4-ヒドロキシ-1-メトキシ-5-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン、4-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]-イミダゾリジン-2-オン、5-エトキシ-4-ヒドロキシ-1-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]-イミダゾリジン-2-オン、4-ヒドロキシ-1-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン、4-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-3-[1-メチル-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]イミダゾリジン-2-オン、(4R)1-(5-tert-ブチリスブチルイソキサゾール-3-イル)-4-エトキシ-5-ヒドロキシ-3-メチル-イミダゾリジン-2-オン、4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボン酸(その農芸化学的に許容可能なエステル、例えばメチル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イルを含む)ピリジン-2-カルボキシレート、プロプ-2-イニル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボキシレート及びシアノメチル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボキシレート)、3-エチル-スルファニル-N-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド、3-(イソプロピルスルファニルメチル)-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド、3-(イソプロピルスルホニル-メチル)-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]-ピリジン-8-カルボキサミド、3-(エチルスルホニルメチル)-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド、エチル-2-[[3-[[3-クロロ-5-フルオロ-6-[3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-1-イル]-2-ピリジル]オキシ]アセテート、6-クロロ-4-(2,7-ジメチル-1-ナフチル)-5-ヒドロキシ-2-メチル-ピリダジン-3-オン、テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル(2R)-2-[(4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジル)オキシ]-プロパノエート、(2R)-2-[(4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジル)オキシ]プロパン酸、テトラヒドロフラン-2-イルメチル2-[(4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジル)オキシ]プロパノエート、2-[(4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジル)オキシ]プロパン酸、2-フルオロ-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-[(R)-プロピルスルフィニル]-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、2-フルオロ-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-プロピルスルフィニル-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、(2-フルオロフェニル)メチル6-アミノ-5-クロロ-2-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)-ピリミジン-4-カルボキシレート、6-アミノ-5-クロロ-2-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-カルボン酸、3-(3-クロロフェニル)-6-(5-ヒドロキシ-1,3-ジメチル-ピラゾール-4-カルボニル)-1,5-ジメチル-キナゾリン-2,4-ジオン及び[4-[3-(3-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-2,4-ジオキソ-キナゾリン-6-カルボニル]-2,5-ジメチル-ピラゾール-3-イル]N,N-ジエチルカルバメートが挙げられる。
【0049】
式Iの化合物の混合パートナーは、例えば、The Pesticide Manual,Sixteenth Edition,British Crop Protection Council,2012で言及されているように、エステル又は塩の形態でもあり得る。
【0050】
式Iの化合物は、殺真菌剤、殺線虫剤又は殺虫剤などの他の農薬との混合物中で使用することもでき、その例が、The Pesticide Manualに示されている。
【0051】
混合パートナーに対する式Iの化合物の混合比は、好ましくは、1:100~1000:1である。
【0052】
混合物は、上記の製剤に有利に使用され得る(その場合、「有効成分」は、混合パートナーとの式Iの化合物のそれぞれの混合物に関する)。
【0053】
本発明の化合物又は混合物は、1種以上の除草剤毒性緩和剤と組み合わせても使用され得る。このような毒性緩和剤の例としては、ベノキサコール、クロキントセット(クロキントセットメキシルを含む)、シプロスルファミド、ジクロルミド、フェンクロラゾール(フェンクロラゾール-エチルを含む)、フェンクロリム、フルキソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェン(イソキサジフェン-エチルを含む)、メフェンピル(メフェンピル-ジエチルを含む)、メトカミフェン及びオキサベトリニルが挙げられる。式Iの化合物と、シプロスルファミド、イソキサジフェン-エチル、クロキントセットメキシル及び/又はメトカミフェンとの混合物が特に好ましい。
【0054】
式Iの化合物の毒性緩和剤は、例えば、The Pesticide Manual,16th Edition(BCPC),2012に記載されているとおり、エステル又は塩の形態でもあり得る。クロキントセットメキシルに対する言及は、国際公開第02/34048号に開示されているとおり、そのリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、アンモニウム、第四級アンモニウム、スルホニウム又はホスホニウム塩にも適用され、フェンクロラゾール-エチルに対する言及は、フェンクロラゾール等にも適用される。
【0055】
好ましくは、式Iの化合物対毒性緩和剤の混合比は、100:1~1:10、特に20:1~1:1である。
【0056】
混合物は、上記の配合物で有利に使用され得る(この場合、「有効成分」は、式Iの化合物と毒性緩和剤とのそれぞれの混合物に関する)。
【0057】
本発明は、生息地において雑草を防除する方法をさらに提供し、前記方法は、雑草の生息地に対する、防除量の式(I)の化合物を含む組成物の適用を含む。また、本発明は、作物植物及び雑草を含む生息地において雑草を選択的に防除する方法をさらに提供し、この方法は、生息地に対する、雑草防除量の本発明に係る組成物の適用を含む。「防除」とは、死滅、成長の低減若しくは遅延又は発芽の防止若しくは低減を意味する。一般に、防除される植物は、不要な植物(雑草)である。「生息地」とは、植物が成長しているか成長するであろう領域を意味する。いくつかの作物植物は、式(I)の化合物の除草効果に対して先天的に耐性であり得る。しかしながら、いくつかの事例では、耐性は、例えば、遺伝子操作によって作物植物に人工的に導入する必要性があり得る。従って、遺伝子操作により、HPPD阻害剤に対する耐性を作物植物に与えることが可能である。HPPD阻害剤に対する耐性を作物植物に与える方法は、例えば、国際公開第0246387号から公知である。従って、より好ましい実施形態では、作物植物は、バクテリア、より具体的にはシュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)若しくはシュワネラ・コルウェリアナ(Shewanella colwelliana)由来のHPPD阻害剤耐性HPPD酵素又は植物、より具体的には単子葉植物若しくはさらにより具体的にはオオムギ、トウモロコシ、コムギ、イネ、ブラキアリア属(Brachiaria)、ケンクルス属(Cenchrus)、ドクムギ属(Lolium)、ウシノケグサ属(Festuca)、セタリア属(Setaria)、オヒシバ属(Eleusine)、モロコシ属(Sorghum)若しくはカラスムギ属(Avena)種由来のHPPD阻害剤耐性HPPD酵素をコードするDNA配列を含むポリヌクレオチドに関して、トランスジェニックである。数々のHPPD-耐性ダイズトランスジェニック「イベント」は公知であり、例えばSYHT04R(国際公開第2012/082542号)、SYHT0H2(国際公開第2012/082548号)及びFG72が含まれる。本発明の化合物に耐性である植物をもたらすために使用可能である他のポリヌクレオチド配列は、例えば、国際公開第2010/085705号及び国際公開第2011/068567号に開示されている。従って、本発明に係る組成物を使用可能である作物植物は、例えば、オオムギ及びコムギといった穀類、綿、アブラナ、ヒマワリ、トウモロコシ、イネ、ダイズ、サトウダイコン、サトウキビ及び芝生などの作物を含む。
【0058】
作物植物は、果樹、ヤシの木、ココナツの木又は他の堅果などの樹木も含み得る。ブドウ、低木性の果樹、果実植物及び野菜などのつる植物も含まれる。
【0059】
式Iの化合物の施用率は、広い限度内で変化し、土壌の性質、施用方法(出芽前又は出芽後;種子粉衣;まき溝への施用;非耕地施用など)、作物、防除される雑草、一般的気候条件及び施用方法によって左右される他の要因、施用時間及び標的作物に応じて決まり得る。本発明に係る式Iの化合物は、一般に、10~2000g/ha、特に50~1000g/haの率で施用される。
【0060】
施用は、一般に、組成物を噴霧することにより、典型的に広い領域のためのトラクターに取り付けられた噴霧器によってなされるが、散粉(粉剤用)、点滴又は灌注などの他の方法を使用することもできる。
【0061】
作物は、従来の品種改良方法又は遺伝子組み換えによって除草剤又は除草剤の種類(例えば、ALS-、GS-、EPSPS-、PPO-、ACCase-及びHPPD阻害剤)に対する耐性を与えられた作物も含むことが理解されるべきである。従来の品種改良方法によってイミダゾリノン、例えばイマザモックスに対する耐性を与えられた作物の一例は、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(キャノーラ)である。遺伝子組み換え方法によって除草剤に対する耐性を与えられた作物の例としては、例えば、RoundupReady(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)の商標名で市販されているグリホサート耐性及びグルホシネート耐性トウモロコシ種が挙げられる。
【0062】
作物は、遺伝子組み換え方法によって害虫に対する耐性を与えられた作物、例えばBtトウモロコシ(アワノメイガに耐性がある)、Bt綿花(メキシコワタノミゾウムシに耐性がある)及びさらにBtジャゲイモ(コロラドハムシに耐性がある)でもあることが理解されるべきである。Btトウモロコシの例は、NK(登録商標)(Syngenta Seeds)のBt 176トウモロコシ雑種である。Bt毒素は、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)土壌細菌によって天然に形成されるタンパク質である。毒素又はこのような毒素を合成することができるトランスジェニック植物の例が、欧州特許出願公開第451878号明細書、欧州特許出願公開第374753号明細書、国際公開第93/07278号、国際公開第95/34656号、国際公開第03/052073号及び欧州特許出願公開第427529号明細書に記載されている。殺虫剤耐性をコードし、1つ又は複数の毒素を発現する1つ又は複数の遺伝子を含むトランスジェニック植物の例は、KnockOut(登録商標)(トウモロコシ)、Yield Gard(登録商標)(トウモロコシ)、NuCOTIN33B(登録商標)(綿花)、Bollgard(登録商標)(綿花)、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)、NatureGard(登録商標)及びProtexcta(登録商標)である。植物作物又はその種子材料のいずれも除草剤に対して耐性があると同時に、昆虫の摂食に対して耐性があり得る(「多重」トランスジェニック事象)。例えば、種子は、殺虫性のCry3タンパク質を発現する能力を有することができると同時にグリホサートに対して耐性がある。
【0063】
作物は、従来の品種改良方法又は遺伝子組み換えによって得られ、いわゆる出力形質(例えば、向上した貯蔵安定性、より高い栄養価及び向上した風味)を含む作物も含むことが理解されるべきである。
【0064】
他の有用な植物は、例えば、ゴルフ場、芝地、公園及び沿道における芝草又は芝生のために商業的に栽培された芝草及び花又は低木などの鑑賞植物を含む。
【0065】
組成物は、好ましくない植物(総称して「雑草」)を防除するのに使用され得る。防除される雑草は、単子葉植物種、例えばコヌカグサ属(Agrostis)、スズメノテッポウ属(Alopecurus)、カラスムギ属(Avena)、ビロードキビ属(Brachiaria)、スズメノチャヒキ属(Bromus)、クリノイガ属(Cenchrus)、カヤツリグサ属(Cyperus)、メヒシバ属(Digitaria)、ヒエ属(Echinochloa)、オヒシバ属(Eleusine)、ドクムギ属(Lolium)、ミズアオイ属(Monochoria)、ツノアイアシ属(Rottboellia)、オモダカ属(Sagittaria)、ホタルイ属(Scirpus)、エノコログサ属(Setaria)及びモロコシ属(Sorghum)並びに双子葉植物種、例えばイチビ属(Abutilon)、アマランサス属(Amaranthus)、ブタクサ属(Ambrosia)、アカザ属(Chenopodium)、キク属(Chrysanthemum)、イズハハコ属(Conyza)、ヤエムグラ属(Galium)、サツマイモ属(Ipomoea)、ホオランダガラシ属(Nasturtium)、シダ属(Sida)、シロガラシ属(Sinapis)、ナス属(Solanum)、ハコベ属(Stellaria)、クワガタソウ属(Veronica)、スミレ属(Viola)及びオナモミ属(Xanthium)の両方であり得る。雑草は、作物ともみなされ得るが、作物の領域の外側で成長する植物(「エスケープ(escape)」)又は前に植えられていた異なる作物から残された種子から成長する植物(「ボランティア(volunteer)」)を含み得る。このようなボランティア又はエスケープは、特定の他の除草剤に対して耐性であり得る。
【0066】
本発明の化合物は、以下のスキームに従って調製可能である。
【0067】
スキーム1
式(I)の化合物は、式(II)の安息香酸及び式(III)のアミンから調製され得る。
【化3】
【0068】
上記のスキームに従い、式(II)の安息香酸及び式(III)のアミンを好適なアミドカップリング試薬で好適な溶剤中において処理する。反応速度を高める添加剤を任意に添加してもよい。好適なアミドカップリング試薬の一例は、塩化チオニルである。好適な溶剤の一例は、ピリジンである。好適な添加剤の一例は、N-メチルイミダゾールである。
【0069】
スキーム2
式(II)の安息香酸は、式(IV)の加水分解エステル(ここで、「Alk」は、C1~C6アルキル基と定義される)から調製され得る。
【化4】
【0070】
式(IV)の安息香酸を水酸化物塩基、例えば水酸化ナトリウムで好適な溶剤、例えばエタノール:水の3:1混合物中において処理して、式(II)の化合物が得られる。
【0071】
スキーム3
式(IV)の化合物(ここで、R4は、水素ではない)は、式(V)の化合物から調製され得る。
【化5】
【0072】
式(V)の化合物を塩基、例えば水素化ナトリウム及び式(VI)の化合物(ここで、LGは、脱離基と定義される)で処理する。好適な脱離基の一例は、ヨウ化物である。例えば、R4がメチルである場合、式(VI)の化合物は、ヨードメタンである。
【0073】
スキーム4
式(V)の化合物は、式(VII)のアルデヒド及び式(VIII)の第1級アミドから調製され得る。
【化6】
【0074】
式(VII)の化合物及び式(VIII)の化合物を酸、例えばトリフルオロ酢酸及び還元剤、例えばトリエチルシランで好適な溶剤、例えばトルエン中において処理する。
【0075】
スキーム6
式(VII)の化合物は、式(IX)のアルデヒドから調製され得る。
【化7】
【0076】
式(IX)の化合物を酸化剤、例えばデスマーチンペルヨージナンで好適な溶剤、例えばベンゾトリフルオリド中において処理して、式(VII)の化合物が得られる。
【0077】
スキーム7
式(IX)の化合物は、式(X)の臭化アリールのカルボニル化によって得られる。
【化8】
【0078】
式(X)の化合物を、オートクレーブ中において、例えば10barなどの好適な圧力の一酸化炭素ガスで好適な触媒、例えば[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)及び好適な塩基、例えばトリエチルアミンと共に処理する。溶剤は、Alk-OHである。例えば、溶剤がメタノールである場合、上記のスキームに示す「Alk」は、メチルとなる。
【0079】
スキーム8
式(X)の化合物は、式(XI)の化合物から調製され得る。
【化9】
【0080】
式(XI)の化合物を還元剤、例えば水素化ホウ素ナトリウムで好適な溶剤、例えばメタノール中において処理する。
【0081】
スキーム9
式(XI)の化合物は、R3及びR2の性質に応じて異なる方法で調製され得る。一例として、R3がトリフルオロメチルであり、及びR2がクロロである場合、式(X)の化合物は、市販されている1-ブロモ-2-クロロ-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンから調製され得る。
【化10】
【0082】
1-ブロモ-2-クロロ-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンを塩基、例えばリチウムジイソプロピルアミドで好適な溶剤、例えばテトラヒドロフラン中において処理する。次いで、この反応にN,N-ジメチルホルムアミドを添加して、式(XI)の化合物が得られる。
【0083】
スキーム10
2がクロロであり、及びR3がトリフルオロメチルではない場合、式(X)の化合物は、市販されている5-ブロモ-6-クロロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒドから調製され得る。
【化11】
【0084】
5-ブロモ-6-クロロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒドを、R3の性質に応じた試薬で処理する。当業者は、これらの試薬を熟知していると共に、いずれの試薬がいずれのR3に対応するかを熟知している。例えば、R3がジフルオロメチルである場合、好適な試薬の一例は、ジエチル(ブロモジフルオロメチル)ホスホネートである。
【0085】
以下の非限定的な例は、本明細書に記載の表1で参照される本発明の代表的な化合物の特定の合成方法を提供する。
【実施例
【0086】
実施例1:化合物1.003の調製。
ステップ1:3-ブロモ-2-クロロ-6-(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒドの調製
1-ブロモ-2-クロロ-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(15g、54mmol)のTHF(300mL)中の撹拌溶液にTHF(32mL)中のリチウムジイソプロピルアミド(2.0mol/L)を-78℃で滴下し、反応を同じ温度で1時間撹拌した。この溶液に無水DMF(8.4mL、107.82mmol)を添加し、反応を-78℃でさらに0.5時間撹拌した。完了した後、混合物を水性1N HClの滴下によって失活させた。得られた水溶液を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィ(シクロヘキサン:酢酸エチル勾配99:1~90:10)によって精製して、3-ブロモ-2-クロロ-6-(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド(13.0g、76%)を黄色の油として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 10.28(s,1H)8.18(d,1H)7.52(d,1H)
【0087】
ステップ2:[3-ブロモ-2-クロロ-6-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メタノールの調製
3-ブロモ-2-クロロ-6-(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド(13.0g、42.8mmol)のメタノール(95mL)中の撹拌溶液に水素化ホウ素ナトリウム(2.27g、60.0mmol)を0℃で数回に分けて添加した。次いで、反応塊を周囲温度で2時間撹拌した。完了した後、氷冷水をゆっくりと添加して過剰量の水素化ホウ素ナトリウムを失活させ、次いでこれを濃縮してメタノールを低減させた。得られた溶液を2N HClで酸性化し、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、[3-ブロモ-2-クロロ-6-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メタノール(13.0g、99%収率)を薄い黄色の油として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 7.88(d,J=9.03Hz,1H)7.36(d,J=8.78Hz,1H)5.38(t,J=5.40Hz,1H)4.65(d,J=5.52Hz,2H)
【0088】
ステップ3:メチル2-クロロ-3-(ヒドロキシメチル)-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸塩の調製
[3-ブロモ-2-クロロ-6-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メタノール(13.0g、42.6mmol)のメタノール(130mL)中の溶液に1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(7g、8.51mmol)及びトリエチルアミン(12mL、85.1mmol)を添加した。反応混合物を95℃で一酸化炭素雰囲気(10atm)下に6時間撹拌した。反応後、混合物を周囲温度に冷却し、水(100mL)で希釈した。得られた水溶液を酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して粗残渣を得た。粗残渣をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィ(シクロヘキサン:酢酸エチル溶離液勾配99:1~80:20)によって精製して、メチル2-クロロ-3-(ヒドロキシメチル)-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸塩(9.0g、68%収率)を黄色の油として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 7.83(d,1H)7.50(d,1H)5.36(t,1H)4.65(d,2H)3.89(s,3H)
【0089】
ステップ4:メチル2-クロロ-3-ホルミル-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸塩の調製
メチル2-クロロ-3-(ヒドロキシメチル)-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸塩(5.0g、18mmol)のトリフルオロメチルベンゼン(50mL)中の撹拌溶液に0~10℃でデスマーチンペルヨージナン(15g、35mmol)を数回に分けて添加した。この反応を周囲温度で3時間撹拌し続けた。完了した後、反応混合物を10℃に冷却し、飽和NaHCO3溶液で希釈した。得られた水溶液を酢酸エチル(3×25ml)で抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して粗残渣を得た。粗残渣をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィ(シクロヘキサン:酢酸エチル溶離液勾配99:1~70:30)によって精製して、メチル2-クロロ-3-ホルミル-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸塩(3.0g、60%収率)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 10.35(s,1H)8.12(d,J=8.80Hz,1H)7.66(d,J=8.68,1H)3.91(s,3H)
【0090】
ステップ5:メチル2-クロロ-3-[(プロパノイルアミノ)メチル]-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸塩の調製
マイクロ波バイアルにプロパンアミド(776mg、10.62mmol)、2,2,2-トリフルオロ酢酸(0.82mL、11mmol)、メチル2-クロロ-3-ホルミル-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸塩(1.00g、3.54mmol、100ml)、トリエチルシラン(1.7mL、11mmol)を添加し、トルエン(15mL)中で撹拌した。反応混合物をMW中において160℃で2時間加熱した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シクロヘキサン中の酢酸エチルの0~50%勾配)によって精製した。画分を含有する生成物を組み合わせ、減圧中で濃縮して、メチル2-クロロ-3-[(プロパノイルアミノ)メチル]-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸塩を白色の固体(540mg、1.590mmol、45%)として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=7.82-7.75(m,1H),7.31-7.25(m,1H),5.71-5.60(m,1H),4.75-4.68(m,2H),3.98-3.93(m,3H),2.25-2.14(m,2H),1.14(t,J=7.6Hz,3H)
【0091】
ステップ6:2-クロロ-3-[(プロパノイルアミノ)メチル]-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸の調製
メチル2-クロロ-3-[(プロパノイルアミノ)メチル]-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸塩(0.300g、0.883mmol)のテトラヒドロフラン(3.6mL)及び水(0.9mL)中の撹拌溶液に室温で水酸化リチウム一水和物(0.111g、2.65mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。反応を2M水性HCl(10mL)の添加で失活させた。混合物を室温でさらに5分間撹拌し、続いて酢酸エチルで3回抽出した。組み合わせた有機相を減圧中で濃縮して、2-クロロ-3-[(プロパノイルアミノ)メチル]-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸(0.274g、0.841mmol、95%)をベージュ色の固体として得た。1H NMR(400MHz,メタノール)δ=7.91-7.75(m,1H),7.45-7.34(m,1H),4.66-4.54(m,2H),2.25-2.11(m,2H),1.17-0.99(m,3H)
【0092】
ステップ7:2-クロロ-N-(1-メチルテトラゾール-5-イル)-3-[(プロパノイルアミノ)メチル]-4-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドの調製
2-クロロ-3-[(プロパノイルアミノ)メチル]-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸(275mg、0.844mmol)、1-メチルテトラゾール-5-アミン(100mg、1.009mmol)を3-メチルピリジン(3mL)中において窒素雰囲気下で10分間撹拌した。この反応混合物にトリエチルアミン(0.18mL、1.3mmol)、続いて1-メチルイミダゾール(0.075mL、0.93mmol)を添加し、室温で30分間撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、塩化チオニル(0.124mL、1.69mmol)を、温度が0℃で維持される量で滴下した。反応混合物を室温に温め、16時間撹拌した。反応塊を2N HCl(10ml)で失活させ、30分間撹拌した。これを酢酸エチルで2回抽出し、組み合わせた有機物を回収し、減圧中で濃縮した。粗生成物を逆相クロマトグラフィ(水中のアセトニトリルの30~60%勾配)によって精製した。画分を含有する生成物を組み合わせ、溶剤を凍結乾燥機で除去して、2-クロロ-N-(1-メチルテトラゾール-5-イル)-3-[(プロパノイルアミノ)メチル]-4-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(150mg、0.3680mmol、44%収率)の調製物を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz,メタノール)δ ppm 1.13(t,J=7.64Hz,3H)2.14-2.28(m,2H)4.09(s,3H)4.59-4.70(m,2H)7.48-7.56(m,1H)7.73-7.80(m,1H)8.29(br s,1H).
【0093】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0094】
生物学的実施例
ポット中の標準的な土壌中に多様なテスト種の種子を播種する(アオゲイトウ(Amaranthus retoflexus)(AMARE)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)(IPOHE))。温室中において、制御された条件下(24/16℃、昼/夜;14時間の明かり;65%湿度)で1日栽培した後(発芽前)又は8日間栽培した後(発芽後)、これらの植物に、0.5%のTween 20(モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、CAS RN9005-64-5)を含有するアセトン/水(50:50)溶液中の技術的有効成分の配合物から得られる噴霧水溶液を噴霧する。別段の定めがある場合を除き、化合物は250g/hで適用する。次いで、テスト植物を、温室中において、制御された温室中の条件下(24/16℃、昼/夜;14時間の明かり;65%湿度)で1日2回水を与えて栽培する。13日後、発芽前及び発芽後について、植物に生じた損傷割合についてテストを評価する。生物学的活性を以下の表において5点のスケール(5=80~100%;4=60~79%;3=40~59%;2=20~39%;1=0~19%)で示す。
【0095】
【表2】
【国際調査報告】