(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】光ファイバ感知システムにおけるファイバ挿入損失の測定
(51)【国際特許分類】
G01D 5/353 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
G01D5/353 C
G01D5/353 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523818
(86)(22)【出願日】2022-10-19
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 US2022047098
(87)【国際公開番号】W WO2023069492
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507194497
【氏名又は名称】ルナ イノベーションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LUNA INNOVATIONS INC.
【住所又は居所原語表記】301 1st Street SW,Suite 200,Roanoke,Virginia 24011,U.S.A
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モック, ジョエル, レスリー
(72)【発明者】
【氏名】クレージャー, ステファン, トッド
(72)【発明者】
【氏名】ステイ, ジャスティン, リー
【テーマコード(参考)】
2F103
【Fターム(参考)】
2F103BA04
2F103BA18
2F103CA04
2F103CA06
2F103CA07
2F103EB02
2F103EB11
2F103EC09
(57)【要約】
光ファイバは、関連する挿入損失を有する少なくとも2つの相互接続を有する、少なくとも1つの光センサを有する。第1の光感知インタロゲータは、センサを有する光ファイバのセンサの一方の端部に相互接続を介して結合され、第2の光感知インタロゲータは、センサの反対側の光ファイバの反対の端部に相互接続を介して結合される。第1の光感知インタロゲータと第2の光感知インタロゲータは、センサの反射率を予知することなく、センサとインタロゲータの間、及びセンサが2つ以上ある場合はセンサ間の光路に関連する1つ以上のファイバ挿入損失を決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバと、
第1の位置の前記光ファイバに含まれる少なくとも1つの光センサと、
前記光ファイバの第1のファイバ相互接続であって、挿入損失に関連する第1のファイバ相互接続と、
前記少なくとも1つの光センサの一方の側の前記光ファイバの一方の端部に前記相互接続によって結合される第1の光感知インタロゲータと、
前記少なくとも1つの光センサ及び前記第1のファイバ相互接続の反対側の前記光ファイバの反対の端部に結合される第2の光感知インタロゲータと、を備え、
前記第1の光感知インタロゲータ及び前記第2の光感知インタロゲータは、少なくとも前記第1のファイバ相互接続に関連する1つ以上のファイバ挿入損失値を決定するように構成されている、
装置。
【請求項2】
前記光ファイバの第2のファイバ相互接続を更に備え、
前記第1のファイバ相互接続は前記一方の側に位置し、前記第2のファイバ相互接続は前記反対側に位置する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記光ファイバに含まれる複数の光センサと、
前記複数の光センサのそれぞれの両側の前記光ファイバに位置する挿入損失を有する少なくとも1つのファイバ相互接続と、を更に備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの光センサは、ファイバブラッググレーティングである、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの光センサは、ファイバブラッググレーティング感知アレイである、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のファイバ相互接続は、光コネクタ又は光スプライスである、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の光感知インタロゲータ及び前記第2の光感知インタロゲータのうちの一方は、前記光ファイバの透過プロファイルを測定するように構成され、前記第1の光感知インタロゲータ及び前記第2の光感知インタロゲータのうちの他方は、前記光ファイバの反射プロファイルを測定するように構成されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の光感知インタロゲータ及び前記第2の光感知インタロゲータのうちの一方は、前記ファイバ、前記少なくとも1つの光センサ、及び前記第1のファイバ相互接続を介して透過される波長可変信号を前記光ファイバに導入するように構成されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の光感知インタロゲータ及び前記第2の光感知インタロゲータのうちの他方は、前記光ファイバからの前記波長可変信号と反射信号とを検出するように構成されている、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の光感知インタロゲータ及び前記第2の光感知インタロゲータのうちの少なくとも1つは、光センサの反射信号レベル間の1つ以上の差を検出するように構成され、前記1つ以上の差は、前記ファイバ相互接続の挿入損失の測定に対応する、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
第1の位置の光ファイバに含まれる少なくとも1つの光センサと、前記光ファイバの第1のファイバ相互接続であって、挿入損失に関連する第1のファイバ相互接続との一方の側の光ファイバの一方の端部に第1の光感知インタロゲータを結合することと、
前記少なくとも1つの光センサと前記第1のファイバ相互接続の反対側の前記光ファイバの反対の端部に結合される第2の光感知インタロゲータを結合することと、
前記第1の光感知インタロゲータ及び前記第2の光感知インタロゲータを使用して、少なくとも前記第1のファイバ相互接続に関連する1つ以上のファイバ挿入損失値を決定することと、を含む、
方法。
【請求項12】
前記一方の側の前記第1のファイバ相互接続を配置することと、
前記反対側の前記光ファイバの第2のファイバ相互接続を配置することと、を更に含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記光ファイバは、複数の光センサと、前記複数の光センサのそれぞれの両側のファイバセグメントに対する少なくとも1つのファイバ挿入損失測定と、を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの光センサは、ファイバブラッググレーティングである、
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの光センサは、ファイバブラッググレーティング感知アレイである、
請求項11に記載の方法。
【請求項16】
第1のファイバ挿入損失測定は、光コネクタ又は光スプライスのものである、
請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の光感知インタロゲータ及び前記第2の光感知インタロゲータのうちの一方は、前記光ファイバの透過プロファイルを測定し、
前記第1の光感知インタロゲータ及び前記第2の光感知インタロゲータのうちの他方は、前記光ファイバの反射プロファイルを測定すること、を更に含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の光感知インタロゲータ及び前記第2の光感知インタロゲータのうちの一方は、前記ファイバ、前記少なくとも1つの光センサ、及び前記ファイバ相互接続を介して透過される波長可変信号を前記光ファイバに導入することを更に含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の光感知インタロゲータ及び前記第2の光感知インタロゲータのうちの他方が、前記光ファイバからの前記波長可変信号と反射信号とを検出することを更に含む、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の光感知インタロゲータ及び前記第2の光感知インタロゲータのうちの少なくとも1つは、光センサの反射信号レベル間の1つ以上の差であって、ファイバ挿入損失の測定に対応する、1つ以上の差を検出することを更に含む、
請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願に記載される技術は、光ファイバ感知システムにおけるファイバ挿入損失の測定に関する。
【0002】
(導入)
光ファイバ感知システムのセンサ部分は、典型的には光ファイバ、感知素子(FBGなど)、及び、光ファイバコネクタ及び/又は機械的又は融着され得るスプライスを含む多数の光機械ファイバ相互接続を含む。ファイバ相互接続はまた、同じ光センサインタロゲータが複数のセンサストリング上で動作することを可能にする、光スイッチを含み得る。配備された環境の厳しさに応じて、これらの光ファイバ相互接続は、温度、振動、時間などに亘って劣化を示すことがある。光ファイバ相互接続の劣化は、センサ信号強度の損失を引き起こし、センサシステムの性能を損なう可能性があり、性能を回復するために修理又は交換を必要とする可能性がある。光ファイバ相互接続の挿入損失を分散方式で監視し、潜在的な性能問題を識別し、センサ保守を引き起こす能力は、光ファイバ感知システムにおいて実質的な価値を有する。
【発明の概要】
【0003】
以下はイノベーションのいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、イノベーションの簡略化された発明の概要を提示する。この概略は、本イノベーションの広範な概略ではない。それは、イノベーションの主要/重要な要素を特定すること、又はイノベーションの範囲を線引きすることを意図するものではない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、イノベーションのいくつかの概念を簡略化された形で提示することである。
【0004】
本出願に記載される技術は、双方向センサ測定値を使用して、ファイバセンサ経路又はファイバ感知アレイ(すなわち、1つ以上のファイバ経路)に沿った複数のセグメントにおける、ファイバ相互接続において典型的に生じる挿入損失を確実かつ明確に決定するが、ファイバ相互接続に限定されない。挿入損失が決定される光路の区間は、個々のセンサ間、又は光感知インタロゲータとセンサとの間の経路によって画定される。例示的な実施形態は、1つ以上のファイバ経路に沿ったスペクトルシフトを感知して、2つの方向から、例えば、1つ以上のファイバ経路の両端のスペクトルデータを測定及び分析するために、既に使用されているハードウェアを使用する。この技術は、ファイバ挿入損失を正確に、確実に、効率的に、かつ費用効果的に測定する。また、それはファイバが破損した場合の測定冗長性も提供する。
【0005】
光ファイバは、両側に挿入損失を有する少なくとも2つの相互接続を有する少なくとも1つの光センサを有する。第1の光感知インタロゲータは、相互接続を介してセンサを有する光ファイバの一方の端部に結合され、第2の光感知インタロゲータは、相互接続を介してセンサの反対側の光ファイバの反対の端部に結合される。第1の光感知インタロゲータ及び第2の光感知インタロゲータは、センサ反射率の予知なしに、センサとインタロゲータとの間、及び2つ以上のセンサがある場合はセンサ間の光路に関連する1つ以上のファイバ挿入損失を決定する。
【0006】
本開示のシステム、方法、及びデバイスはそれぞれ、いくつかの態様を有し、それらのうちのいずれも、その望ましい属性に単独で関与するものではない。
【0007】
いくつかの態様は、1つ以上のファイバ経路を含む光ファイバ感知システムにおけるコネクタ挿入損失のようなファイバ挿入誤差を正確に、確実に、効率的に、かつ費用効果的に測定することができる波長掃引光感知インタロゲータ(OSI)システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、OTDRシステムの一例の概略図である。
【0009】
【
図2】
図2は、横軸に示された試験中のファイバに沿った距離、及び縦軸に示されたOTDRにおいて受信及び検出された光の検出パワー又は強度を有するOTDR後方反射振幅トレース又は表示情報の例を示す。
【0010】
【
図3A】
図3Aは、OTDRシステムが2点法を用いてスプライス挿入損失を測定する技法を示す。
【0011】
【
図3B】
図3Bは、OTDRシステムが最小二乗法を用いてスプライス挿入損失を測定する技法を示す。
【0012】
【
図4】
図4は、例示的な実施形態による、ファイバ経路の一方の端部にOSI Aと、ファイバ経路の他方の端部に別のOSI Bを含む波長掃引源を使用する光センサインタロゲーション(OSI)システムの光学要素の概略図である。
【0013】
【
図5】
図5は、光センサアレイ測定に加えて、ファイバ挿入誤差測定を可能にする波長掃引光感知インタロゲータ(OSI)システムの別の例示的な実施形態を示す。
【0014】
【
図6】
図6は、波長掃引源を使用するセンサインタロゲーションシステムの概略図である。
【0015】
【
図7A】
図7Aは、反射におけるFBGセンサの例示的なスペクトル応答を示し、反射ピークパワーは、OSIとFBGセンサとの間の挿入損失によって減少する。
【0016】
【
図7B】
図7Bは、透過におけるFBGセンサの例示的なスペクトル応答を示し、透過パワースペクトルは、マスタOSIからセンサを介してスレーブOSIまでの経路に沿った挿入損失によって減少する。
【0017】
【
図8A】
図8Aは、FBG MとNとの間の挿入損失事象を有する例示的な光路を示す。
【0018】
【
図8B】
図8Bは、OSI Aを光源として、OSI Aによって測定された波長に対する反射信号パワースペクトルを示す。FBG Bの破線のプロファイルは、FBG MとNとの間の挿入損失の増加がセンサNの反射振幅を減少させることを示す。
【0019】
【
図9A】
図9Aは、OSI Aを光源として、OSI Bによって測定された、FBG AとBとの間の挿入損失事象を有する例示的な光路を示す。
【0020】
【
図9B】
図9Bは、
図9Aのシナリオについて例示的な波長に対する透過パワースペクトルを示す。FBG M及びFBG Nの破線のプロファイルは、センサMとNとの間の挿入損失の増加がOSI AからOSI Bまでの全ての透過光が挿入損失事象を通過しなければならないので、両方のセンサのスペクトルに等しく影響することを示す。
【0021】
【
図10A】
図10A及び10Bは、例示的な実施形態に従って、LC光ファイバコネクタと共に挿入された格子の3つのスプールを含む光感知アレイのいずれかの端部に接続された生成OSIを使用して行われた測定結果を表示する、ファイバアレイに沿った反射光パワー対波長のグラフの一例である。
【0022】
【
図11】
図11は、
図10に示される透過スペクトルの一部について、OSI AからOSI Bまでに測定されたファイバアレイに沿った光パワー対波長のグラフの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明では、説明の目的で、主題のイノベーションの完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、イノベーションは、これらの具体的な詳細なしに実施することができることは明らかであろう。本発明のいくつかの例示的な態様は、以下の説明及び図面に関連して本明細書に記載される。しかしながら、これらの態様は、イノベーションの原理を使用することができる様々な方法のうちのほんのいくつかを示しており、主題のイノベーションは、そのような態様及びそれらの均等物のすべてを含むことを意図している。本発明の他の利点及び新規な特徴は、図面と併せて考慮されるとき、本発明の以下の詳細な説明から明らかになるのであろう。
【0024】
特に、感知アレイ又はセンサ経路への限定されたアクセス可能性が要因である場合、光感知システムアレイにおいて、少しだけでも単一のセンサ経路に沿って、ファイバ相互接続挿入損失を測定することが望ましいか、又は必要であることが多い。挿入損失はまた、例えば、ファイバケーブルへのきついファイバ曲げ又は物理的損傷に応答して、ファイバセンサアレイ経路に沿った欠陥において発達し得る。挿入損失は、ファイバ相互接続に関連するかファイバケーブル欠陥に関連するかにかかわらず、センサ素子から反射するか、又はセンサ素子を介して透過されるパワーを低減し、したがって、センサ信号をノイズレベルまで低減するか、又は感知システムが最適に動作することを防止することができる。
【0025】
また、ファイバセンサアレイ挿入損失の1つ以上の変化を識別し、ファイバ挿入損失を定量化し、1つ以上のファイバセンサアレイ経路に沿って挿入損失を正確に、確実に、効率的に、かつ費用効果的に発見できる、ファイバ感知システムにおけるシステム診断を提供することが望ましい。
【0026】
ファイバ挿入損失誤差を測定するための1つのアプローチは、光ファイバ試験経路に沿って後方散乱光を測定する光時間領域反射率計(OTDR)を使用することができ、コネクタからの反射光、劈開されたファイバ端部、他の相互接続、及びそれらの事象間のレイリー散乱を伴う。
図1は、第1のファイバ相互接続(相互接続は四角形のシンボルで示される)を介して起動ファイバ(「ケーブル」)に結合され、第2の相互接続を介して試験中のファイバ(「試験ケーブル」)に結合され、第3の相互接続を介して受信ファイバに結合される、左側の例示的なOTDRを示す。OTDRは、試験中のファイバに光パルスを送るレーザ送信機を含む。後方散乱光及び反射光は、ファイバを介してOTDRに戻り、光カプラを介して、OTDRの受信機の1つ以上の光検出器に導かれる。言い換えれば、各測定について、OTDRは高出力光パルスを送出し、時間と共に戻ってくる光を測定する。信号プロセッサは、ファイバの領域を通過するパルスから散乱された光であるOTDR受信機で受信された光を処理する。ファイバを通過するときのパルスの速度は、ファイバのコア内のガラスの屈折率から計算することができ、OTDRの信号処理回路は、後方散乱光をファイバの長さに沿った実際の位置と相関させ、その相関から、OTDRは、ファイバの任意の点における後方散乱光の量を表示することができる。センサをインタロゲータに結合するファイバの屈折率が既知である場合、光路長から物理的距離を容易に決定することができるので、光路、ファイバ路、及び距離という用語は、本明細書では互換的に使用される。
【0027】
図2は、横軸に示された試験中のファイバに沿った距離(例えば、km又は他の距離メトリックで測定された)と、縦軸に示されたOTDRにおいて受信及び検出された光の検出されたパワー又は強度(例えば、dBで測定された)とを有する例示的なOTDRトレース又は表示情報を示す。トレースの傾きはファイバ減衰係数に対応し、トレースの中央付近のピークはコネクタ反射に対応する。そのピークの幅は、OTDRから送信されるレーザパルスのパルス幅を示す。コネクタを介して進む光に関連する光パワー/強度の挿入損失も示されている。さらに、試験中のファイバの長さに沿って、この点を越えてファイバレイリー散乱から反射される光パワー/強度の急激な損失によって証明されるように、挿入損失に関連するスプライス相互接続が存在する。スプライスは、典型的には反射性ではなく、したがって、相互接続損失のみが示される。
【0028】
図3Aは、OTDRが2点法を用いてスプライス挿入損失を測定する技法を示す。第1の光パワー/強度点は、トレースの傾斜くぼみにおける点線の垂直線の交点において決定され、第2の光パワー/強度点は、傾斜回復における破線の垂直線において決定され、損失は2点間の光パワー/強度の差である。
【0029】
図3Bは、最小二乗法によるスプライス損失を用いてスプライス挿入損失を測定する技法を示す。この方法では、OTDRは、ノイズを低減するために最小二乗法を使用して2点間の最良適合線を計算することによって、2つのマーカー(赤及び青の垂直線)の間のファイバ挿入、例えば、コネクタ又はスプライスにおける距離及び損失を測定する。マーカーは、ファイバ挿入の両側でファイバに沿っていくらかの距離だけ離れている。OTDR内の信号プロセッサは、マーカー間のファイバの任意の損失を考慮することなく、ファイバ挿入の両側のファイバトレースを外挿することによって損失を計算することができる。最小二乗法は、いくつかのマーカー、例えば、ピークにおける1つのマーカー、事象の開始付近(ピークの前)の2つの開始マーカー、及び事象の後(ピークの後)の2つのエンドマーカーを設定することができ、これは、最小二乗分析に使用されるセグメントを定義する。
【0030】
OTDRへの後方散乱光の量は、ファイバの後方散乱係数、OTDR試験パルスのピークパワー、及び透過されるパルスの長さに比例する。より良好な測定値を得るために、より多くの後方散乱光が必要とされる場合、透過されるレーザ信号のパルスピークパワー又はパルス幅が増加される必要があり、及び/又はより多くのパルスが送信され、検出された反射が平均化される必要がある。OTDRは、距離の関数として反射振幅を示し、一般にスペクトル情報を与えない。OTDRは、通常、掃引されない狭帯域レーザ光源を使用する。OTDR源の波長とは異なる波長で反射するFBGセンサは、観測可能でない場合がある。したがって、OTDRは、損失事象の位置及び大きさを示すことができるが、一般に、FBGセンサのスペクトルシフトを示すために使用されない。OTDRがスペクトル対距離のマップを生成するために、各波長でパルスを送信する複数の波長を段階的に通過するよう、チューナブルレーザを使用する場合であっても、これは、非常に消費時間がかかり、パルス要素及び高帯域受信機の費用を必要とする。したがって、局所的な挿入損失を検出するために距離に対する両方のセンサ経路反射パワー振幅を測定し、FBGスペクトルシフトを検出するためにスペクトルに対する反射又は透過パワーを測定するために、センサインタロゲータシステムにOTDRとOSIの両方を含めることは、費用及び複雑さを追加する。
【0031】
本出願で説明される技術は、双方向センサ測定値を使用して、ファイバセンサ経路又はファイバ感知アレイ(すなわち、1つ以上のファイバ経路)に沿った複数の点における光ファイバ又は光ファイバ相互接続挿入損失を確実かつ明確に決定する。さらに、この技術は、時間ゲートパルス源及び高帯域受信機を含むことなく、FBGスペクトルシフト及びファイバ挿入損失の両方を測定する。例示的な実施形態は、1つ以上のファイバ経路に沿ったスペクトルシフトを感知して、2つの方向、例えば、1つ以上のファイバ経路の両端からのスペクトルデータを測定及び分析するために既に使用されているハードウェアを使用する。この技術は、ファイバ挿入損失を正確に、確実に、効率的に、かつ費用効果的に測定する。また、ファイバが破損した場合の測定冗長性も提供する。
【0032】
例示的な実施形態は、光センサ測定に加えて、比較的簡単な方法でファイバ相互接続挿入損失測定を可能にする、波長掃引光感知インタロゲータ(OSI)システムを提供する。
図4は、ファイバ経路の一方の端部にOSI Aと、ファイバ経路の他方の端部に別のOSI Bを含む、波長掃引源を使用する例示的な光センサインタロゲーション(OSI)システムの光学要素の概略図である。OSI AとOSI Bとの間のファイバ経路は、4つのファイバブラッググレーティング(FBG)と、3つのファイバ相互接続(それぞれ「X」で示される)とを含む。2つの追加のファイバ相互接続が典型的には、各OSIと隣接するFBGとの間に存在する(
図4には示されていないが)。これは単なる一例であり、ファイバ経路は、1つ以上のFBG及び2つ以上の相互接続を含み得る。ファイバブラッググレーティングは、光ファイバのコア内に周期的屈折率構造を導入することによって形成される波長依存フィルタ/反射器である。広域スペクトル源からの光が回折格子に入射すると、光スペクトルの一部が透過され、光スペクトルの別の部分が反射して戻される。反射光信号は、典型的にはファイバ導波モードの周期間隔Λ×有効屈折率の2倍に対応するブラッグ波長(中心又は特性波長とも呼ばれる)を中心とする狭いピークを示す。透過光信号は、ブラッグ波長を中心とするノッチが除去された発信源スペクトルを含む。歪み又は温度によって引き起こされるファイバのモード屈折率又は格子ピッチの任意の変化は、所与のFBGのブラッグ又は中心波長特性のシフトをもたらす。
【0033】
図にはFBGが示されているが、複数の狭帯域光信号を生成する他の光センサが使用されてもよい。別の例示的な光センサは、ファイバF-P干渉計などのファイバファブリペローセンサを含む。光センサという用語は、センサの環境の変化(温度、圧力、歪みなど)に敏感なスペクトル出力を有する任意のセンサを含み、スペクトル出力の変化(強度、波長、偏光、位相など)はセンサの環境の変化を示し、センサの環境の変化を測定又は感知するために使用され得る。
【0034】
図5は、光センサアレイ測定に加えて、比較的簡単で安価な方法でファイバ挿入誤差測定を可能にする、波長掃引光感知インタロゲータ(OSI)システムの別の例示的な実施形態を示す。光センサアレイは、典型的にはFBGなどの複数の感知素子を含む。感知アレイは、それぞれが異なるブラッグ又は中心波長を有する複数のFBGを含むことができる。あるいは、所与のセンサアレイが、所与のチャネル内のFBGがそれぞれ異なるブラッグ又は中心波長を有する複数のセンサチャネルを含むことができる。センサアレイは、複数のそのようなセンサチャネルを備えることができる。
図5の例示的なOSIシステムは、ファイバ経路の一方の端部のOSIマスタと、ファイバ経路の他方の端部のOSIスレーブを含む。OSIマスタとOSIスレーブとの間のファイバ経路は、3つのFBGアレイと4つのファイバ相互接続(「X」でそれぞれ示される)とを含む。これは単なる一例であり、ファイバ経路は、1つ以上のFBGアレイ及び2つ以上の相互接続を含むことができる。
【0035】
図にはFBGが示されているが、FBGの代わりに、又はFBGに加えて、ファブリペローセンサなどの他の光センサが使用されても良い。
【0036】
図6は、
図4及び
図5の例示的な実施形態に示されるOSIのために使用され得る、4つのFBGアレイ1~4に結合される例示的なOSI装置を示す。波長掃引(すなわち、波長可変)光源は、積分された光波長基準で連続的に監視される。波長掃引光源は、比較的広い波長範囲、一般に40nm以上にわたって電気的又は機械的に調整することができる、狭い光スペクトルを出力する一群の光源を指す。いくつかの例示的な感知用途は、例えば、光ファイバ通信用途にしばしば使用される範囲である1550nmを中心とする範囲内の波長を提供する発信源を使用することができ、したがって、OSIにおいて使用され得る多種多様な利用可能な低コスト光学構成要素を有する。光ファイバが適度に低い損失で透過することができる波長の範囲にわたる、多数の他の波長範囲はOSIに使用することができる。波長掃引源の例は、波長掃引ファイバレーザ、外部共振器波長掃引レーザ、分布ブラッグ反射器レーザ(DBRL)、及びチューナブルフィルタと組み合わせて波長掃引源を提供する広帯域源を含む。USP7,573,021を参照されたい、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
波長可変光源(例えば、波長掃引(チューナブル)レーザ)は、光基準チャネル及び任意の数の光センサ測定チャネルに接続される。各FBGアレイ及び光検出器に1つずつ、4つのセンサ測定チャネルが示されている。センサ測定チャネルは、1つ以上の光センサを含むことができる。光源は、2つ以上の(複数の)掃引速度でプログラム可能な(選択された)波長範囲にわたって掃引され得る。光源信号の一部は、光カプラを介して、透過された出力波長対時間を監視する波長基準を含む例示的な基準チャネルに結合され、光検出器を含む。波長基準は、走査中の所与の点において掃引光源によって生成される光の波長を識別し、決定することができる機器である。光チューナブルフィルタの開ループ制御は、いくつかの感知用途に対して十分な波長精度を提供しないことがあるので、4つの例示的な光基準チャネルが示されている。
【0038】
ガス基準セルは、しばしば、光の波長を正確に決定する必要がある用途で使用される。分光器及び光スペクトル分析器は、この目的のために、具体的に構築されるが、両方は、正確な絶対波長測定値を生成するために正確に較正されるべきである。ガス基準セルは、高純度の分子化合物又は原子元素を含む円筒形の容器(セル)を含むことができる。ガス基準セルの製造中、セル内の温度及び圧力は、これらの要因が基準セルの性能に影響を及ぼすので、制御される。ガス基準セルは、ガス基準セル内の物質のエネルギーレベル間の許容される遷移に対応する波長の光のみを吸収するので、ガス基準セルは絶対波長較正源として機能することができる。基準セルに提供される物質についての、吸収線(吸収される光の波長)は周知である。吸収線の絶対波長は、査読済み雑誌及びいくつかの場合、www.nist.govオンラインで見ることができる。これらの源によって報告された吸収線を再現するために、基準セルの温度及び内容は、温度、圧力、及び物質の変化が吸収線のシフト及び/又は広がりを引き起こし得るので、報告された測定において使用されたセルと同じである必要がある。
【0039】
次の基準チャネルは、例えば、既知の安定した波長(周波数)間隔を有する光コム信号を生成するために使用される光学基準構成要素である、
図6に示される固定の非熱ファイバファブリペロー干渉計(AFPI)を含む。AFPIピーク周波数は、測定され、チューナブルレーザ出力波長対時間における任意の非線形性を補償するために使用され得る。
【0040】
次の光パワー基準チャネルは、チューナブルレーザの光出力パワー対時間を正規化するために使用される信号又は信号(複数)を生成する。光パワー基準信号は、基準チャネル及び測定チャネル処理のための動的レーザ出力追跡閾値を設定するために使用することができる。
【0041】
第4の基準チャネルは、特定の1つ以上のAFPIピークを識別するために使用される単一のFBGを含むFBG基準チャネルである。FBGは、その中心波長がOSIの動作温度範囲にわたって知られるように、熱的に監視されてもよい。
【0042】
光センサアレイ測定は、4つのFBGアレイ1~4のそれぞれについて、光カプラ、光センサ(FBGアレイ)、及びフォトダイオードなどの光受信機(検出器)を含む。光カプラは、源(チューナブルレーザ)からの光をある長さのファイバを介して光センサ(FBGアレイ)に結合し、センサ(FBGアレイ)からの光を光検出器に結合する。各センサ測定チャネルはまた、ピーク、中心、又は3dB値など、検出されたセンサ波形の特定の特性を決定する、関連する信号及びデータ処理回路を含む。特定のセンサ測定が引き起こされる時間は、光基準チャネルを介して供給される光源波長に相関する。この相関関係から、データ処理回路は、反射パワー対波長のトレースを生成し、次いで、トレースを分析して、センサアレイの各々の波長シフトを決定することができる。
【0043】
より詳細には、センサ波長測定は、光基準チャネル上で検出された信号間の時間遅延をセンサ測定チャネルによって処理された信号と比較することによって実行される。光源の走査速度が非常に低い場合、又はインタロゲータから光センサまでの距離が非常に短い場合、光基準チャネル信号とセンサ測定信号との間に直接的なタイミング相関が存在する。しかしながら、走査速度又はセンサ光路長が増加するにつれて、相互接続光ファイバ内の光の有限速度によって引き起こされる遅延は、検出回路への戻り光信号の遅延を誘発する。光源に対する異なる走査速度の使用は、異なる見かけのセンサ波長シフトをもたらすが、所与のセンサに対するファイバを下る飛行時間は同じである。所与のセンサまでの距離は、2つの異なる走査速度について同じセンサから取得されたデータを用いて計算することができる。例示的な実施形態では、2つの異なる既知の走査速度での所与のセンサの波長測定に対する飛行時間補正の反復計算は、両方の測定条件に対して実際の飛行時間が同じであると仮定すると、インタロゲーションシステムからセンサまでの物理的距離の正確かつ信頼できる判定を可能にする。この技法は、光ファイバセンサアレイ内の各センサからインタロゲーションシステムまでの光路長(及びファイバの屈折率の知識を有する実際の距離)を測定するために適用することができる。各センサへの光路長は、次いで、センサ信号時間遅延による波長オフセットを補正することによって、アレイ内の各センサのセンサ波長を正確に測定するために使用され得る。
【0044】
図6のOSIは、掃引光源を使用するが、他の種類のOSIを使用することもできる。例えば、いくつかのOSIは、センサのスペクトル範囲をカバーするのに十分広いスペクトルを有する非掃引光源と、センサ経路から受け取った光のスペクトルを識別することができる光受信機とを使用する。そのような受信機の一例は、光検出器アレイに位置合わせされた回折格子である。センサ素子のスペクトル幅よりも微細なスペクトル分解能で、センサアレイから反射された、又はセンサアレイを透過した光のスペクトルプロファイルを測定することができる任意のOSIは、センサ光路に沿って空間分解挿入損失を決定するために、以下に説明する技法を実施するために使用され得る。
【0045】
例示的な実施形態では、OSIマスタ(OSI A)は、反射におけるFBGセンサスペクトルプロファイルを測定し、OSIスレーブ(OSI B)はFBGを介した透過におけるFBGセンサスペクトルプロファイルを測定する。OSIラベル(A、B、マスタ、スレーブ)は任意であり、いずれかのOSIに適用されている可能性がある。FBG波長は、波長掃引システムにおいて一意的に識別され得るように、同一ではない。
【0046】
他の例示的な実施形態では、OSI Aは一方向の反射におけるFBGセンサスペクトルプロファイルを測定し、迅速に連続して、OSI Bは反対方向からの反射におけるFBGセンサスペクトルプロファイルを測定する。
【0047】
図7A及び7Bはそれぞれ、反射及び透過のλ
FBGを中心とするFBGの例示的なスペクトルプロファイルを示す。
図7Aに示されるFBG反射プロファイルは、OSIとFBGとの間の経路に沿って挿入損失がある場合、振幅において低減される。同様に、
図7Bに示される透過パワープロファイルは、マスタOSIとスレーブOSIとの間の経路に沿って挿入損失がある場合にも低減される。光ファイバ相互接続における挿入損失は、センサスペクトルピーク幅に匹敵するスペクトル範囲にわたってほとんど変化を示さないと予想される。近傍の波長における透過パワーに対する負のピークの深さ及び反射パワーに対する正のピークの高さは、両方ともFBG反射率Rに関連する。
【0048】
図8A、8B、9A、及び9Bは異なる反射率のFBGを有し、かつ様々な相互接続挿入損失を有する例示的な実施形態を使用して、例示的なファイバ相互接続損失測定の詳細を図示する。ファイバ相互接続は、コネクタ、スプライス、又は光スイッチ、又はそのようなデバイスのいくつかの組合せを含み得る。
図8Bは、反射で測定された例示的なスペクトルを示し、
図9Bは、透過において示される例示的なスペクトルである。より具体的には、
図8Aは、FBG Bよりも高い光パワー反射率Rを有するFBG Aを伴う、FBG MとFBG Nとの間のスプライス/コネクタのための例示的な挿入損失(IL)を示す。
図9Aは、FBG Nよりも低い光ピークパワー透過率Tを示すFBG MとFBG Nとの間のスプライス/コネクタのための例示的な挿入損失(IL)を示す。
【0049】
FBGは、いくつかのパラメータによって記述することができる。パラメータの1つは反射率(R)である。透過率(T)とも呼ばれる透過光パワーは、反射パワーに関連する、すなわち、透過率=100%-反射率である。パラメータ(R又はT)のいずれかの知識は、他方を決定するために、使用され得る。
図4及び
図5に示される例示的なOSI構成では、FBG透過特性は測定され得り、次いで、例えば、式 R=1-Tを使用して反射率を計算することができる。この式は、センサにおいてファイバから光が失われず、パワーが反射又は透過され、吸収されないか、又はファイバから出ないという仮定に基づいて有効である。実験データは、この仮定が
図10及び11に示されるデータを生成するために使用されるFBGに対して有効であることを示す。RとTとの間のこの関係は、FBGセンサ以外のセンサに使用されても良い。
【0050】
戻り損失、透過損失、及び挿入損失の定義と関連する計算については、次の段落で説明する。
【0051】
戻り損失(RL)は、デシベル(dB)で表される、インタロゲータからファイバに透過されるパワーに対する、センサ経路内の事象から反射されて戻ってくる光パワーの比である。
戻り損失(dB)=10Log10(Preceived/Pout)
この式において、より低い反射率(R)を有する事象は、より負のRL値を有する。反射器までの経路に損失のない完全な反射器(反射率100%)は、RL=0dBを有し、いくらかの損失を有する完全ではない反射器は、負のRLを有する。RLスペクトルは、OSIによる反射で測定され、特定の波長における個々のFBGセンサからの寄与、及び一般にスペクトル全体に影響を及ぼす広帯域IL事象を含む。
【0052】
透過損失(TL)は、デシベル(dB)で表される、インタロゲータからファイバに透過されるパワーに対するセンサを介して透過されるパワーの比の負の値である。
透過損失(dB)=-10Log10(Ptransmitted/Pout)
式の右側の負の符号のため、より多くの損失を有する事象は、より正の挿入損失値を有する。損失がなく、かつ透過率100%の光路は、TL=0dBを有する。TLスペクトルは、OSIによる透過において測定され、特定の波長における個々のFBGセンサからの寄与、及び一般にスペクトル全体に影響を及ぼす広帯域IL事象を含む。
【0053】
「挿入損失(IL)」という用語は、通常、光が非導波状態になり、導波コアモードから漏れ出るか、又は吸収されることに起因して、特定の位置で光ファイバコアから失われる光を指す。実用的な光ファイバ感知システムの例では、光損失は、相互接続点に関連するか、又は時間が経つにつれて悪化する可能性があるきつい曲げなどの設置故障に関連する。ILは、事象を透過する光について、損失事象の前に観測された光パワーに対する損失事象の後に観測された光パワーの比の負の値として定義される。
挿入損失(dB)=-10Log10(Ppost-event/Ppre-event)
ファイバコアにおける光の損失は、事象後のパワーが事象前のパワーよりも低くなることをもたらすので、ILは損失がない場合には0dBであり、減衰のレベルを増加させることに対してますます正の値になる。光ファイバ相互接続又は曲げ損失事象に関連するILは一般に、FBGセンサのスペクトル幅と比較して波長とともにゆっくり変化するスペクトルを有する。挿入損失値は、ほとんど常に可逆的であることが知られており、これは、入射光がどの方向から来ても損失が同じであることを意味する。光ファイバにおけるIL可逆性の例外はサーキュレータ及びアイソレータのようなデバイスであり、磁気光学材料及び偏光素子は、望ましくない方向の光の伝播を制限するために使用される。そのようなデバイスは、本明細書に記載されるセンサ経路では使用されない。
【0054】
例示的なコネクタ挿入損失を決定するために例示的なOSIによって実行される計算の例が、以下に提示される。FBG M及びFBG Nと指定されるセンサアレイにおいて2つのFBGセンサが、それぞれ0.4及び0.3の反射率を有する例を考える。ILがない場合の個々のFBGセンサに関連するセンサ戻り損失(RL)は、以下の通りである。
RL
M=10*log(0.4)=-3.98dB
RL
N=10*log(0.3)=-5.23dB
OSIで観測される戻り損失値は、OSIで受信される光パワーがセンサへの経路に沿った損失によって低減されるので、センサの戻り損失値と必ずしも同じではない。したがって、センサFBG MとセンサFBG Nとの間のコネクタ/スプライスの挿入損失は、観測されたRL値を既知のセンサRL値と比較することによって測定され得る。例えば、センサFBG MとセンサFBG Nとの間に0.5dB挿入損失を有するコネクタが配置され、OSIとセンサとの間の経路に他の挿入損失がない場合を考える。センサFBG NのOSI Aで観測される戻り損失は、コネクタ/スプライスの往復損失(1.0dB)からセンサFBG Nの戻り損失(-5.23dB)を差し引くことで低減される。
RL
A,M=-3.98dB
RL
A,N=-0.5dB-5.23dB-0.5dB=-6.23dB
上記の式において、下付き文字は
図8A及び9Aに示されるように、測定を行うOSI(A又はB)及びFBGセンサ(M又はN)を示す。コネクタ/スプライス挿入損失(IL)は、RLの予想される差からRLの観測された差を引き、2で割ったものである。
IL
MN=((-5.23dB+3.98dB)-(-6.23dB+3.98dB))/2=0.5dB
この例は、センサへの経路における挿入損失とは無関係のセンサRL値が既知である場合、観測されたセンサRL値は、センサ間の挿入損失を決定するために使用され得ることを示す。最も考えられる計測誤差の原因は、この事例では、IL、RL
M、及びRL
Nが存在しない場合の予想されるセンサFBG戻り損失値の不確実性によるものである。
【0055】
センサMに対するブラッグ波長λFBGにおいて、ILAMとして指定されたOSI AとセンサMとの間の挿入損失を伴う、OSI AからセンサMへの観測された戻り損失を表す式は、以下の通りである。
RLA,M=RLM-2ILAM
RLMが既知である場合は、RLA,Mの数値からILAMを計算できる。センサNに対するブラッグ波長λFBGにおいて、ILAMとして指定されたOSI AとセンサMとの間の挿入損失と、ILMNとして指定されたセンサMとセンサNとの間の挿入損失とを伴う、OSI AからセンサNまでの観測された戻り損失を表す式は、以下の通りである。
RLA,N=RLN-2ILAM-2ILNM
RLNとILAMが既知である場合は、RLA,Nの数値からILNMを計算できる。センサアレイに追加のセンサがある場合、OSIと第1のセンサとの間、次いで次の2つのセンサの間の挿入損失値を計算するこの処理は、全てのセンサ間のIL値が決定されるまで、各後続のセンサについて繰り返すことができる。
【0056】
OSIとセンサとの間に挿入損失がない場合の戻り損失値は、一方のOSIからセンサアレイの反対側のOSIまでの透過損失スペクトルの測定から得ることができる。FBG対の
図9Bにおける透過プロファイルでは、検出される光パワーレベルがセンサアレイの全ての損失の合計に依存する。透過におけるOSI測定の場合、OSI AとOSI Bとの間の光路は、全てのセンサに対して共通であるので、累積挿入損失は同じである。センサRL及びOSIで観測されたRLの処理と同様に、ILの非存在下のブラッグ波長λ
FBGでの個々のFBGセンサに関連するセンサ透過損失(TL)は、以下の通りである。
TL
M=-10*log(1-R
M)
TL
N=-10*log(1-R
N)
以下は、センサM及びNについてOSI Bにおいて観測される透過損失(dB)の式である。
TL
B,M=IL
AM+TL
M+IL
MN+IL
NB
TL
B,N=IL
AM+IL
MN+TL
N+IL
NB
上記の式において、IL
AMは、OSI AとFBGセンサMとの間の全ての挿入損失を指し、IL
MNはFBGセンサMとNとの間の全ての挿入損失を指し、IL
NBはFBGセンサNとOSI Bとの間の全ての挿入損失を指す。観測された戻り損失とは異なり、様々なセンサの観測された透過損失は、IL源がどこに位置するかに依存しない。さらに、ブラッグ波長λ
FBGにおけるFBGセンサの反射率Rは、
図7Bに示されるように、ILの大きさ及び位置とは無関係に、透過ピークスペクトルと近くの透過平坦部との間の差異から計算することができる。FBGセンサM及びNに対する反射率Rがそれぞれ0.4及び0.3である上述の例については、関連するFBG透過損失値は、以下の通りである。
TL
M=-10log(1-0.4)=2.22dB
TL
N=-10log(1-0.3)=1.55dB
各センサの透過損失が測定された後、センサ戻り損失値が計算される。これらのセンサ戻り損失値は、センサ対間のRL値の期待差を生成するために使用され得り、次いで、前段落で説明したように、センサ間の経路における挿入損失を決定するために、観測値と比較され得る。
【0057】
他の例示的な実施形態では、センサアレイの反射測定は、センサ間の挿入損失を得るために、OSI A及びOSI Bの両方から行われ得る。FBG M及びFBG Nと指定される、センサアレイ内の2つのFBGセンサは、それぞれ0.4及び0.3の反射率を有し、センサとOSI Aとの間に挿入損失がないが、センサMとNとの間に0.5dBの挿入損失がある、前回の例を考える。同じ2つのセンサM及びNがOSI Bから反対方向から観測され、OSI Bからセンサまでの挿入損失がない場合、OSI BからセンサNについて観測されたRLはセンサ間の挿入損失によって影響を受けないが、センサMについて観測されたRLはセンサ間の相互接続挿入損失の2倍によって低減されるのであろう。
RLB,M=-0.5dB-3.98dB-0.5dB=-4.98dB
RLB,N=-5.23dB
OSI Aから観測されたセンサRL値間の差は(-3.98dB+6.23dB)=2.25dBであり、OSI Bから観測されたセンサRL値間の差は(-4.98dB+5.23dB)=0.25dBである。2つのセンサ間の挿入損失は、これら2つの差の差÷4、すなわち(2.25dB-0.25dB)/4=0.5dBである。この例は、反対方向からの同じ2つのセンサの観測がそれらの間に生じる挿入損失をどのようにして決定することができるかを示す。
【0058】
複数のFBGセンサ素子を有するセンサアレイの両端にOSI A及びOSI Bがある、
図9Aに示された上記の例に対応する一般的な場合を考える。OSI A及びOSI Bの両方からのセンサアレイの反射スペクトルが記録される。戻り損失は、RL
N及びRL
Mと指定された2つの空間的に連続するセンサN及びMについて測定され、それらの間のファイバ部分にIL
NMの挿入損失を有する。また、OSI AからセンサNまでの挿入損失はIL
ANとして指定され、OSI BからセンサMまでの挿入損失はIL
MBとして指定される。(
図8Aに示されるよう)OSI A又はOSI Bのいずれかから観測されるセンサN及びMの戻り損失は、インタロゲータからセンサまでの経路における挿入損失、及びセンサ間における挿入損失に依存する。
RL
A,M=RL
M-2IL
AM
RL
A,N=RL
N-2IL
AM-2IL
NM
RL
B,N=RL
N-2IL
NB
RL
B,M=RL
M-2IL
NB-2IL
NM
各センサについて観測されるRLの差は、以下のように表される。
RL
A,M-RL
B,M=RL
M-2IL
AM-(RL
M-2IL
NB-2IL
NM)=-2IL
AM+2IL
NB+2IL
NM
RL
A,N-RL
B,N=RL
N-2IL
AM-2IL
NM-(RL
N-2I
LB)=-2IL
AM-2IL
NM+2IL
NB
センサの実際の戻り損失は、上記の2つの式の右側から外れている。これら2つの式を減算すると、次のようになる。
(RL
A,M-RL
B,M)-(RL
A,N-RL
B,N)=4IL
NM
したがって、各インタロゲータから観測された2つの空間的に隣接するセンサのセンサRL値を減算し、差を減算すると、それらの間の経路の挿入損失の4倍になる。この技法は、センサRL値の予知、又はどちらかのインタロゲータからどちらかのセンサへの挿入損失を必要としない。センサストリングに沿って連続するセンサ対に適用する場合、センサアレイ全体に沿った各センサ対間の挿入損失を得ることができる。
【0059】
他の例示的な実施形態では、任意の2つのセンサ間の挿入損失の変化は、経時的に観測されるRL値の変化を決定することによって、及び、次いでインタロゲータA又はBのいずれかから以前に記録された値から現在の観測値を減算することによって測定され得る。しかしながら、上述のセンサアレイの両側からの測定から2つの連続するセンサ間のILを決定するための例示的な技法は、以前の記録が必要とされないので有利である。
【0060】
A及びBと指定された2つのLunaモデルsi155ev OSIを、単一モード光ファイバコネクタと相互接続された一連の3つのFBGアレイ(
図5の配置と同様)の両端に結合する、実験を行った。コネクタの挿入損失は、コネクタの対の間にギャップを手動で誘導することによって変化させた。OSI Aによって測定された反射FBGアレイスペクトルは、波長掃引の関数としての光パワーのグラフとして
図10Aに示されている。OSI Bによって測定された反射FBGアレイスペクトルは、波長掃引(より大きい振幅トレース)の関数としての光パワーのグラフとして
図10Bに示され、一方、OSI Bによって測定された透過スペクトルは
図10Bのより小さい振幅トレースによって表示される。
【0061】
図11は、
図10Bに示されるより小さい振幅トレースの拡大図である。反射されたFBGアレイスペクトルに示される振幅不連続性、
図10A及び10Bのおよそ1515nm及び1567nmにおいて、アレイに沿った対応する位置でのコネクタ損失による、大きな振幅トレースに注目する。
図10B及び11の小さい振幅トレースであるFBGアレイ透過プロファイルは、同一の経路についていかなる不連続性も明らかにしない。したがって、測定された透過スペクトルは、アレイ内のFBG、より具体的には、対象のスプライス/コネクタの「前」及び「後」に位置するFBGの反射率を決定するために、使用され得る。IL事象の物理的位置(この場合、2つのギャップ付き光ファイバコネクタ)は、RLトレース不連続部の両側のセンサの物理的位置の知識から決定される。この例では、FBGセンサ波長は、増加する波長を有するセンサがOSIのうちの1つから増加する距離に位置するように選択される。しかしながら、この順序付けは、実際には記載されたIL振幅及び位置決定技法が機能するために必要ではない。距離を伴うセンサ波長の任意の順序付けは、順序付けが知られている限り機能し、センサ反射波長は重複せず、センサスペクトル形状は、センサ波長が環境刺激に応答してシフトするので歪まない。
【0062】
FBGを含むファイバ経路を有する任意の用途を含む、上述の技術について多くの用途がある。例えば、航空宇宙、セキュリティ、医療などの用途のような高可用性光ファイバ感知システムは、冗長設計を用いて改善された動作性能を達成することができる。例えば、ポイントツーポイントファイバセンサアレイの各端部に1つずつ、2つの光感知インタロゲータ(OSI)を有する
図4及び
図5に示される2つのシステムは、単一の障害(高損失特徴)が発生した場合、ファイバ経路を有利に監視し続けることができる。故障発見及び予測監視などの追加の特徴が実装されてもよい。
【0063】
上述の技術は、1つ以上のファイバ経路を含む、ファイバブラッググレーティング(FBG)及び/又はファブリペロー(FP)エタロンを備えた光ファイバシステムにおいて、正確に、確実に、効率的に、かつ費用効果的に、ファイバ挿入損失を測定できる光感知インタロゲータ(OSI)システムを提供する。特定の物理量を測定するために反射センサ(FBG、FP)を使用するそのような光学感知システムでは、本技術が有利にはセンサ監視機能を中断することなく挿入損失の同時測定を可能にする。
【0064】
(選択された用語)
本書で説明する要素には、アクション、特徴、構成要素、アイテム、属性、及びその他の用語が含まれる。特定の要素が「一部の実施形態」、「様々な実施形態」、「特定の例示的な実施形態」、「一部の例示的な実施形態」、「例示的な実施形態」、「例」、「例示」、「例示的な実施形態他の同様の言語が使用される場合は常に、所定の要素が少なくとも1つの実施形態に存在すると理解されるべきであるが、必ずしも全ての実施形態に存在するとは限らない。
【0065】
上記と同様に、本文書で「可能」、「可能」、又は「実行可能」と記述されている場合はいつでも、特定の要素が「可能」、「可能」、又は「可能」であり、特定の属性を「有し得る」、「可能」、又は「保有できる」、あるいは「可能」と記載されている場合、又は「可能」という用語を含む類似の語句が使用されている場合はいつでも、所定の行動、特徴、要素、要素、属性などが、少なくとも1つの実施形態に存在すると理解されるべきである。ただし、全ての実施形態に必ずしも存在するとは限らない。
【0066】
本明細書で使用される用語及び語句、ならびにその変形は別段の明示的な記載がない限り、限定ではなく、オープンエンドであると解釈されるべきである。前述の例として、「及び/又は」は関連する列挙された要素のうちの1つ以上の任意の及び全ての組合せを含み(例えば、a及び/又はbはa、b、又はa及びbを意味する)、単数形「a」、「an」及び「the」は「少なくとも1つ」、「1つ又は複数」などを意味すると読まれるべきであり、用語「例」はそれらの網羅的又は限定的なリストではなく、議論中の主題の例を提供し、用語「comprise」及び「include」(ならびにそれらの他の活用及び他の変形)は関連する列挙された要素の存在を特定するが、1つ以上の他の要素の存在又は追加を排除せず、要素が「随意的」として説明される場合、そのような説明は他の要素が随意的ではないことを示すと理解されるべきではない。
【0067】
請求項は手段プラス機能又はステッププラス機能構築/解釈を呼び出すことを意図しておらず、もしあれば、手段プラス機能又はステッププラス機能として解釈/解釈されることが意図されている請求項要素は語句「手段のための」又は「ステップのための」を列挙することによってその意図を明示的に明示し、前述は全ての種類の請求項(方法請求項、装置請求項、又は他の種類の請求項)における請求項要素に適用され、疑義を避けるために、方法請求項内にネストされている請求項要素にも適用される。前述の文と一致して、請求項要素が「のための手段」又は「のためのステップ」という語句を使用して明示的に列挙されない限り、(任意の種類の任意の請求項における)請求項要素は、手段プラス機能を使用して解釈/解釈されるべきではない。
【0068】
ハードウェア要素(例えば、プロセッサ、ネットワークインターフェース、ディスプレイインターフェース、ユーザ入力アダプタ、メモリデバイス、又は他のハードウェア要素)、又はハードウェア要素の組合せが何らかの動作を実行するように「構成される」ことが本明細書で述べられるときは常に、そのような言語はハードウェア要素の構成の物理的状態を指定し、ハードウェア要素の意図された使用又は能力を指定しないことを理解されたい。ハードウェア要素(複数可)の構成の物理的状態は基本的に、「するように構成された」句に続いて列挙されたアクション(複数可)を、「するように構成された」句の前に列挙されたハードウェア要素(複数可)の物理的特性に結びつける。いくつかの実施形態では、ハードウェア要素の構成の物理的状態が動作を実行するように構成された1つ以上の電子回路を含む特定用途向け集積回路(ASIC)、又は動作を実行するように直列又は並列に構成されたプログラマブル電子論理回路を含むフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として実現され得る。いくつかの実施形態では、ハードウェア要素の構成の物理的状態がハードウェアプロセッサによって実行されたときに、ハードウェア要素に(例えば、レジスタ、メモリなどの構成によって)プログラムコードに従って動作を実行させるプログラムコード(例えば、ファームウェア、ソフトウェアなど)を(例えば、メモリデバイスに)記憶することによって指定され得る。
【0069】
したがって、ハードウェア要素(又は複数の要素)は指定されたハードウェア要素(単数又は複数)がアクションを現在実行していないか、又は動作していない(例えば、オンでない、電源が入っている、使用されているなど)場合であっても、アクションを実行するように構成されていると理解され得る。前述と一致して、請求項における「~に構成される」という語句は任意の請求項種類(方法請求項、装置請求項、又は他の種類の請求項)において、手段プラス機能として解釈/解釈されるべきではなく、これは方法請求項においてネストされる請求項要素(ハードウェア要素など)を含む。
【0070】
処理ステップ、アルゴリズムなどは特定の順序で説明又は特許請求され得るが、そのような処理は異なる順序で動作するように構成され得る。言い換えれば、本文書において明示的に説明又は特許請求され得るステップの任意のシーケンス又はシーケンスは必ずしもステップがそのシーケンスで実行されるという要件を示すものではなく、むしろ、本明細書で説明される処理のステップは可能な任意のシーケンスで実行され得る。さらに、いくつかのステップは(例えば、1つのステップが他のステップの後に記載されるので)非同時に発生するものとして記載又は暗示されているにもかかわらず、同時に(又は並列して)実行され得る。さらに、図面におけるその描写による処理の例示は、図示された処理が他の変形及び修正を排除することを含意せず、図示された処理又はそのステップのいずれかが必要であることを含意せず、図示された処理が好ましいことを含意しない。
【0071】
様々な実施形態が詳細に示され、説明されてきたが、特許請求の範囲は任意の特定の実施形態又は例に限定されない。上記の説明のいずれも、任意の特定の要素、ステップ、範囲、又は機能が必須であることを暗示するものとして読まれるべきではない。当業者に知られている上記の実施形態の要素に対する全ての構造的及び機能的等価物は、基準により本明細書に明示的に組み込まれ、包含されることが意図される。さらに、デバイス又は方法が、本発明によって解決されるべき全ての問題に対処する必要はなく、それは本発明によって包含される。この文書における実施形態、特徴、要素、構成要素、又はステップは、公衆専用であることは意図されていない。
【国際調査報告】