(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】ハイブリッド推進システム
(51)【国際特許分類】
F02C 7/268 20060101AFI20241029BHJP
F02C 6/00 20060101ALI20241029BHJP
B64D 27/10 20060101ALI20241029BHJP
B64D 35/025 20240101ALI20241029BHJP
B64D 35/00 20060101ALI20241029BHJP
B64D 27/33 20240101ALI20241029BHJP
F02K 3/06 20060101ALI20241029BHJP
F02C 7/26 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
F02C7/268
F02C6/00 B
B64D27/10
B64D35/025
B64D35/00
B64D27/33
F02K3/06
F02C7/26 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523824
(86)(22)【出願日】2022-10-19
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 IB2022060067
(87)【国際公開番号】W WO2023067527
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521502654
【氏名又は名称】デュクシオン モーターズ インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(72)【発明者】
【氏名】リック ラルフ ピルグリム
(72)【発明者】
【氏名】シェイク ファズル ラッビ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ロバート ローパー
(57)【要約】
システムは、作動時にエンジンのファンステージに回転を付与する第1の電気モータを含む。システムは、また、作動時に燃料及び圧縮空気の点火を通じて燃焼ガスを生成する燃焼器を備えるエンジンの燃焼セクションを含む。システムは、エンジンのシャフトに接続されたエンジンのタービンを更に含み、タービンは、作動時に燃焼ガスを燃焼セクションから受け取って、燃焼ガスを使用してシャフトに回転を付与する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動時にエンジンのファンステージに回転を付与する第1の電気モータと、
作動時に燃料及び圧縮空気の点火を通じて燃焼ガスを生成する燃焼器を備える前記エンジンの燃焼セクションと、
前記エンジンのシャフトに接続された前記エンジンのタービンと、
を備え、前記タービンは、作動時に前記燃焼ガスを前記燃焼セクションから受け取って、前記燃焼ガスを使用して前記シャフトに回転を付与する、システム。
【請求項2】
前記ファンステージは、一体化ファンブレードを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の電気モータは、前記一体化ファンブレードに対して直接的にトルクを提供するように前記一体化ファンブレードの周りに配置されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
作動時に前記エンジンの第2のファンステージに回転を付与する第2の電気モータを備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2のファンステージは、第2の一体化ファンブレードを備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2の電気モータは、前記第2の一体化ファンブレードに対して直接的にトルクを提供するように前記第2の一体化ファンブレードの周りに配置されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記一体化ファンブレード及び前記第2の一体化ファンブレードに接続された第2のシャフトを備え、前記一体化ファンブレード及び前記第2の一体化ファンブレードに提供される前記トルクは、前記第2のシャフトに付与される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記一体化ファンブレードに接続された第2のシャフトであって、前記一体化ファンブレードに提供される前記トルクは、該第2のシャフトに付与される、第2のシャフトと、
前記第2の一体化ファンブレードに接続された第3のシャフトであって、前記一体化ファンブレードに提供される前記トルクは、該第3のシャフトに付与される、第3のシャフトと、
を備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記シャフトは、前記第1の電気モータ及び前記ファンステージに対して直接的に接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の電気モータは、作動時に、前記ファンステージのインペラを回転させるように前記シャフトに回転を付与することによって前記ファンステージに回転を付与する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記シャフトは、歯車列を介して前記第1の電気モータに接続されており、前記シャフトは、前記ファンステージに接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
作動時に前記エンジンのプロペラに回転を付与する第2の電気モータを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の電気モータは、複数の電気モータを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の電気モータは、ステータと1つ又は複数のロータとを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
プロペラを備えるプロペラアセンブリと、
前記プロペラアセンブリに接続された駆動シャフトであって、該駆動シャフトは、作動時に前記プロペラの回転を生成する、駆動シャフトと、
前記駆動シャフトに接続された減速ギアボックスであって、該減速ギアボックスは、作動時に、動力タービンシャフトと前記駆動シャフトとの間の回転速度を変更する、減速ギアボックスと、
前記プロペラアセンブリと前記減速ギアボックスとの間に配置された電気モータであって、該電気モータは、前記駆動シャフトに接続されており、該電気モータは、作動時に、少なくとも部分的に前記駆動シャフトを回転させるようにトルクを付与する、電気モータと、
を備える、システム。
【請求項16】
前記電気モータは、作動時に、前記プロペラの電動作動を提供するために、専ら前記駆動シャフトを回転させるようにトルクを付与する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
作動時に前記システムのファンステージに回転を付与する第2の電気モータを備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記電気モータ及び前記第2の電気モータに接続されたコントローラを備え、前記コントローラは、作動時に、前記電気モータ及び前記第2の電気モータの各々に送られる電力量を制御する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
作動時にエンジンのファンステージに回転を付与する電気モータと、
作動時に燃料及び圧縮空気の点火を通じて燃焼ガスを生成する燃焼器を備える前記エンジンの燃焼セクションと、
前記エンジンのシャフトに接続された前記エンジンのタービンであって、該タービンは、作動時に前記燃焼ガスを前記燃焼セクションから受け取って、前記燃焼ガスを使用して前記シャフトに回転を付与するタービンと、
前記電気モータに接続されたコントローラであって、該コントローラは、作動時に、前記電気モータに送られる電力量を制御する、コントローラと、
を備える、システム。
【請求項20】
前記コントローラは、前記エンジンの前記タービンに接続されており、前記コントローラは、作動時に、前記エンジンのハイブリッド作動を容易にするために、前記電気モータに送られる前記電力量の制御と共に、前記燃焼セクションに提供される燃料量を制御する、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年2月22日に出願され「ハイブリッド推進システム」と題する米国仮特許出願第63/312,803号、及び2021年10月19日に出願され「ハイブリッド推進システム」と題する米国仮出願第63/257,378号の優先権を主張する非仮出願であって、その内容は参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
ここでは、以下に記載及び/又は主張される本開示の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介することを意図したものである。本説明は、本開示の様々な態様のより充分な理解を容易にするように背景技術情報を読者に提供するのに役立つと考えられる。したがって、これらの記述は、この観点で解釈されると理解されるべきであって、従来技術の認定と解釈されるべきではない。
【0003】
自動車産業において展開される発展及び技術は、使用されているガソリン-電気ハイブリッド自動車の数の増加を可能にしている。ハイブリッド自動車は、燃料消費及びそれに関連付けられる排出の低減を可能にする。対照的に、航空機についての推進システムは通常、従来のガスタービンエンジンを利用し続けている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】
図1は、実施形態に係る、第1の推進システムの側面図を示す。
【
図2】
図2は、実施形態に係る、
図1の第1の推進システムの断面側面図を示す。
【
図3】
図3は、実施形態に係る、第2の推進システムの側面図を示す。
【
図4】
図4は、実施形態に係る、
図3の第2の推進システムの断面側面図を示す。
【
図5】
図5は、実施形態に係る、第3の推進システムの側面図を示す。
【
図6】
図6は、実施形態に係る、
図5の第3の推進システムの断面側面図を示す。
【
図7】
図7は、実施形態に係る、第4の推進システムの側面図を示す。
【
図8】
図8は、実施形態に係る、
図7の第4の推進システムの断面側面図を示す。
【
図9】
図9は、実施形態に係る、第5の推進システムの側面図を示す。
【
図10】
図10は、実施形態に係る、
図9の第5の推進システムの断面側面図を示す。
【
図11】
図11は、実施形態に係る、第6の推進システムの側面図を示す。
【
図14】
図14は、実施形態に係る、第7の推進システムを示す。
【
図16】
図16は、実施形態に係る、第8の推進システムを示す。
【
図18】
図18は、実施形態に係る、第9の推進システムを示す。
【
図20】
図20は、実施形態に係る、第10の推進システムを示す。
【
図22】
図22は、実施形態に係る、第11の推進システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
1つ又は複数の特定の実施形態が以下に記載される。当該実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実装態様に関する全ての特徴は明細書に記載されていない場合がある。任意のエンジニアリング又は設計の計画のような任意の当該実際の実装態様の開発において、ある実装態様から別の実装態様まで変わり得る開発者の特定の目標、例えば、システム関連及びビジネス関連の制約に関する遵守を達成するために多くの実装態様固有の決定が行われる必要があると理解されるべきである。更に、このような開発努力は、複雑で時間を要するものであり得るが、それにも関わらず、本開示の恩恵を受ける当業者にとって、設計、製作、及び製造に関する日常的な業務であると理解されるべきである。
【0006】
様々な実施形態の要素を導入するときに、冠詞「ある(a)」、「ある(an)」、「当該(the)」、及び「前記(said)」は、1つ又は複数の要素が存在することを意味するように意図される。「備える」、「含む」、及び「有する」という用語は、包含的であることを意図したものであって、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。
【0007】
新しい航空機推進システム及び/又は既存の航空機推進システム、例えば、ターボプロップエンジン、ターボシャフトエンジン、及び同種のものについてのハイブリッド化に関して大きな好機がある。本明細書に記載されるシステムを利用する新しい航空機推進システムが実装され得るが、本ハイブリッド推進システム(すなわち、ガスによる推進及び電気による推進の両方を可能にするもの)は、また、例えば、ガスのみによる既存の航空機推進システムに対して効率の増加を可能にするように既存の航空機推進システムに後付けされ得る。同様の技術は、例えば、ターボファンエンジン又はターボジェットエンジンなどのジェットエンジンに適用され得る。
【0008】
以上のことを考慮して、
図1は、例えば、航空機に関連して使用され得る推進システム10の側面図を示す。いくつかの実施形態では、推進システム10は、ガス動力エンジンであるターボプロップ航空機エンジンである。推進システム10は、ターボプロップエンジンとして示されているが、推進システム10は代わりに、ターボシャフトエンジン、ターボファンエンジン、又は他のタイプの航空機エンジンであってもよいと理解されるべきである。推進システム10は、タービン12と、減速ギアボックス14と、プロペラアセンブリ16と、補助ギアボックス18と、を含む。タービン12は概して、シャフトを回転させて(減速ギアボックス14を介して)プロペラアセンブリ16の回転を付与するように作動する。回転すると、プロペラアセンブリ16のブレード20は、機械的な推力を生成する。
【0009】
示されているように、タービン12は、2つのセクション、コールドセクション22及びホットセクション24に分けられている。タービン12のコールドセクション22は、例えば、タービン12の周囲で円周方向に配置され得る1つ又は複数の空気入口26(例えば、空気吸入口)を含む。タービン12のコールドセクション22は、また、ガス生成器セクション28を含む。ガス生成器セクション28は、作動時に、1つ又は複数の空気入口26から受け取った空気(すなわち、周囲空気)を圧縮する。ガス生成器セクション28によって生成される圧縮(すなわち、加圧)空気は、タービンの第2のセクション、すなわち、ホットセクション24に伝達される。
【0010】
タービン12のホットセクション24は、コールドセクション22から圧縮空気を受け取って、圧縮空気を燃料と混合し、混合物を点火して燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスは、複数のタービンに動力を供給するために利用され得る。例えば、燃焼ガスは、圧縮空気を生成するようにタービン12のコールドセクション22内の1つ又は複数のタービンを駆動するために利用され得る。更に、燃焼ガスは、(減速ギアボックス14を介して)プロペラアセンブリ16に回転を付与するように1つ又は複数の動力タービンを駆動するために利用され得る。
【0011】
補助ギアボックス18(例えば、アクセサリギアボックス)は、推進システム10のアクセサリ、例えば、発電機、油圧ポンプ、オイルポンプなどを駆動するように作動する。推進システム10を始動する際、例えば、ガス生成器セクション28内のタービンの回転を始動する際に利用され得るスタータも補助ギアボックスに含まれる(又は接続される)。示されているように、補助ギアボックス18は、例えば、推進システム10の外部にあるスタータに接続され得るスタータジェネレータ取り付け面30を含み得る。同様に、補助ギアボックス18は、例えば、推進システム10の外部にあるオイルポンプに接続され得るオイルポンプ取り付け面32を含み得る。
【0012】
上述の推進システム10の作動に関連して、
図2は、内部の要素をより充分に示すために切断された推進システム10の断面側面図を示す。示されているように、推進システム10のコールドセクション22は、各ステージでディフューザを作動させるように固定ブレードを有するステータ、及び空気を押し進めるブレードを有するロータとして作動するコンプレッサを含み得る1つ又は複数のコンプレッサステータステージ34を含む。コンプレッサの回転は、コンプレッサステータステージ34を通じて空気を流して気流の速度を増加させる。コールドセクション22は、また、1つ又は複数のコンプレッサステータステージ34の下流にコンプレッサインペラ36を含む。コンプレッサインペラ36は、ブレードを回転させることによって、1つ又は複数のコンプレッサステータステージ34から受け取った空気を圧縮空気としてホットセクション24に向けて押し進めるように作動する。
【0013】
圧縮空気は、1つ又は複数の燃焼チャンバ38に送られ、ここで、当該圧縮空気が燃料と混合されて、混合物が点火され、(加熱)燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスは、コンプレッサタービン40を超えて送られ、コンプレッサタービン40は、燃焼ガスがコンプレッサタービン40のブレードを通過すると回転して、コンプレッサタービン40に接続されたコンプレッサシャフトに回転をもたらす。このコンプレッサシャフトは、また、コンプレッサシャフトの回転がコンプレッサインペラ36(及び1つ又は複数のコンプレッサステータステージ34のコンプレッサ)の追加の回転をもたらすように、コンプレッサインペラ36(及び、例えば、1つ又は複数のコンプレッサステータステージ34のコンプレッサ)に接続されている。
【0014】
燃焼ガスは、また、コンプレッサタービン40の回転の後、1つ又は複数の動力タービン42を通過する。1つ又は複数の動力タービン42は、ブレードを含み、当該ブレードは、燃焼ガスがブレードを通過すると1つ又は複数の動力タービン42の回転をもたらす。1つ又は複数の動力タービン42は、また、1つ又は複数の動力タービン42の回転に基づいて回転する動力タービンシャフト44に接続されている。この動力タービンシャフトは、減速ギアボックス14に接続されており、減速ギアボックス14は、動力タービンシャフト44から、プロペラアセンブリ16のハブ48に接続されたプロペラ駆動シャフト46へ回転を伝達するように作動し得る。減速ギアボックス14は、動力タービンシャフト44とプロペラ駆動シャフト46との間の回転速度を変更するギア機構として作動し得る。
【0015】
補助ギアボックス18内の補助ギアボックスメインシャフト50及びスタータモータスパーギア52も
図2に示されている。補助ギアボックス18の補助ギアボックスメインシャフト50は、コンプレッサシャフトに接続され得るか又はコンプレッサシャフトを含み得、コンプレッサインペラ36に回転を付与するように作動し得、及び/又は推進システム10のアクセサリ、例えば、発電機、油圧ポンプ、オイルポンプなどを駆動するように作動し得る。スタータモータスパーギア52は、補助ギアボックスメインシャフト50の追加の回転がコンプレッサインペラ36の圧縮、及び、例えば、1つ又は複数のコンプレッサステータステージ34のコンプレッサの回転を増加させるために使用されるように、例えば、航空機の始動中にスタータジェネレータと補助ギアボックスメインシャフト50との間の回転速度を変更するギア機構として作動するスタータ歯車列の一部である(及び/又は当該スタータ歯車列を表す)。
【0016】
このように、
図1及び
図2は、ガスタービンエンジンの例を表す。しかしながら、いくつかの実施形態では、推進システム10の効率を増加させることが有益であり得る。したがって、
図3は、ハイブリッドガスタービン推進システムである推進システム54の例を示す。例えば、推進システム54は、
図1及び
図2に関して上述した推進システム10の要素に加えて電気モータ56を含み得る。電気モータ56は、単一の電気モータ56であり得るか、又は、例えば、複数の電気モータ56(例えば、縦に並んだ2つ以上のモータ)であり得ることに留意されたい。更に、電気モータ56は、例えば、1つのステータと1つ又は複数のロータとを含み得る。示されているように、電気モータ56は、例えば、スタータジェネレータ取り付け面30を介して補助ギアボックス18に接続され得、そうでない場合にスタータジェネレータ取り付け面30に接続されるスタータに取って代わり得る。補助ギアボックス18と電気モータ56との間の接続に関して他の場所が利用され得ることに留意されたい。
【0017】
内部の要素をより充分に示すために切断された推進システム54の断面側面図を示す
図4において更に示されるように、電気モータ56は、モータシャフト58に接続されており、モータシャフト58を回転させるように作動する。電気モータ56は、モータシャフト58に対して直接的に接続され得るか、又はギアのセットを通じて、若しくは機械的なカプラ、例えば、チェーン、1つ又は複数のベルト、1つ又は複数のプーリ、及び同種のものを介してモータシャフト58に接続され得る。モータシャフト58は、例えば、航空機の始動中に電気モータ56によって駆動されるモータシャフト58と補助ギアボックスメインシャフト50との間の回転速度を変更するために、例えば、スタータジェネレータ取り付け面30を介してスタータモータスパーギア52に接続されている。上述のように、従来のスタータの代わりに、電気モータ56は、コンプレッサインペラ36(及び、例えば、1つ又は複数のコンプレッサステータステージ34のコンプレッサ)の毎分回転数(RPM)を、自己推進が行われる所定のレベルにまで持っていくために使用される。
【0018】
加えて、置き換えられるスタータモータとは対照的に、電気モータ56は更に、エンジン動力/コンプレッサ回転を(すなわち、推進システム54の始動に加えて推進システム54の他の作動状態の間に)増大させることができ、当該エンジン動力/コンプレッサ回転を増大させるために利用される。いくつかの実施形態では、トルクは、モータシャフト58からスタータモータスパーギア52へ、次いで、補助ギアボックスメインシャフト50へ伝達される。補助ギアボックスメインシャフト50は、例えば、コンプレッサインペラ36、及び、例えば、1つ又は複数のコンプレッサステータステージ34のコンプレッサと共に回転する。電気モータ56によって生成されるトルクは、前述の経路を使用して伝達されて、コンプレッサ36及びコンプレッサステータステージ34に動力を供給し、それによって、推進システム54に動力を供給するハイブリッド効果をもたらす。推進システム54の残りのセクション(例えば、ホットセクション24、減速ギアボックス14、プロペラアセンブリ16など)は、元のままであって、
図1及び
図2に関して上述したように機能する。
図3及び
図4の推進システム54における示された構成に関して、電気モータ56は、電気モータ56の最大作動温度よりも充分低い温度を有する周囲環境で適応する。すなわち、電気モータ56の場所は、好適な周囲温度環境における作動を可能にする。加えて、電気モータ56は、高RPMコンプレッサ(例えば、コンプレッサインペラ36)に接続されているため、電気モータ56の全体的なフットプリントは、コールドセクション22の低トルク高RPM要件により、より小さく維持され得る。
【0019】
図4で更に示されるように、電源60は、電気モータ56に接続され得る。電源60は、例えば、1つ又は複数のバッテリ、1つ又は複数の燃料電池、1つ又は複数の補助動力装置(APU)、及び/又は同様の電力源のうちの1つ又は複数を含み得る。1つ又は複数のAPUは、発電機であり得、当該発電機は、例えば、コールドセクション22、ホットセクション24、又は推進システム54の別の場所のうちの1つ又は複数に配置されており、上述の推進システム54のシャフトのうちの1つ又は複数から受け取った回転トルクを電力に変換するように作動する。更に、コントローラ62は、推進システム54の特定の作動に関連して電気モータに送られる電力量を制御するために含まれ得る。例えば、始動作動中に、コントローラは、航空機が安定した対気速度である場合の巡航作動に対して、電源60から電気モータに送られる電力量の増加を可能にするように作動し得る(すなわち、コントローラは、推進システム54の特定の作動に合致する、電気モータ56に提供される様々なレベルの電力を決定し得る)。
【0020】
コントローラ62は、より大規模な計算システム若しくは制御システム、又はスタンドアロンユニット電力コントローラの一部であり得る。いくつかの実施形態では、コントローラ62は、メイン制御システム、例えば、推進システム54の1つ又は複数の部分に集中制御システムを提供し得る航空機のコックピット内の制御システムに対して通信可能に接続され得る。コントローラ62及び/又はそれに関連付けられる任意の計算若しくは制御システムは、メモリ、ハードディスクドライブ、又は他の短期及び/若しくは長期のストレージなどの(有体の)非一時的機械可読媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令として実装されるソフトウェアシステムに関連して作動し得る。特に、推進システム54の電源及び/又は他の構成要素の態様における制御に関して以下に記載される技術は、例えば、非一時的機械可読媒体に記憶されたコード又は命令を使用して達成され得、例えば、コントローラ62によって、及び電気モータ56の作動とは別である推進システム54の作動の態様を制御する追加の別々のコントローラによって実行され得る。
【0021】
コントローラ62は、本明細書に記載される方法及び作動を行うようにコントローラ62によって実行可能な命令をまとめて記憶する1つ又は複数の有体の非一時的機械可読媒体(例えば、機械可読媒体)とやり取りする、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ又は複数のプロセッサ、又は別の処理デバイスなどの汎用又は専用の処理デバイスであり得る。例として、当該機械可読媒体は、機械実行可能命令又はデータ構造の形態で所望のプログラムコードを搬送又は記憶するために使用され得、且つコントローラ62によってアクセスされ得る、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、CD-ROM、若しくは他の光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、若しくは他の磁気ストレージデバイス、又は任意の他の媒体を備え得る。いくつかの実施形態では、代わりに、コントローラ62によって実行可能な命令が、計算システムの別々の処理デバイスを介して生成されコントローラ62に送信されて、電源及び/又は電気モータ56の制御をもたらすように、例えば、制御信号又は入力信号を生成するために使用される。
【0022】
コントローラ62又はコントローラ62を含む制御システムを制御する任意の計算システムは、また、例えば、計算システム上で実行中のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)若しくはアプリケーションを開始するか、制御するか、若しくは作動させるように、及び/又は、例えば、特定の推進システム54の作動において利用される構成要素を開始するか、制御するか、若しくは作動させるように、ユーザが計算システムとやり取りするのを可能にする1つ又は複数の入力構造(例えば、キーパッド、マウス、タッチパッド、タッチスクリーン、1つ又は複数のスイッチ、ボタン、又は同種のもののうちの1つ又は複数)を含み得る。代替的に、コントローラ62を作動させる計算システムの制御システムは代わりに、ユーザからの入力、又は所定の作動に対応する推進システム54の測定入力の何れかに基づいてコントローラ62の作動を自動的に制御し得る。
【0023】
図3及び
図4は、
図1及び
図2のガスタービンエンジンのハイブリッド化を提供するための一技術及びシステムを示すが、代わりに選択される他の構成が存在し得る。例えば、
図5及び
図6は、電気モータ56を補助ギアボックス18に接続するために異なる方法を利用する推進システム64を表す。電気モータ56は、単一の電気モータ56であり得るか、又は、例えば、複数の電気モータ56(例えば、縦に並んだ2つ以上のモータ)であり得ることに留意されたい。更に、電気モータ56は、例えば、1つのステータと1つ又は複数のロータとを含み得る。
図5において、及び
図6の内部の要素をより充分に示すために切断された推進システム64の断面側面図において示されるように、電気モータ56は、モータシャフト58を介して補助ギアボックスメインシャフト50に対して直接的に接続されている(又は他の場合には、補助ギアボックスメインシャフト50と一体化されている)。このように、補助ギアボックスメインシャフト50は、1つ又は複数のコンプレッサステータステージ34のコンプレッサ及び、例えば、コンプレッサインペラ36と、補助ギアボックス18内に存在する任意の補助スパーギアとの間のブリッジとして作動する。更に、電気モータ56は、モータシャフト58に対して直接的に接続され得るか、又はギアのセットを通じて、若しくは機械的なカプラ、例えば、チェーン、1つ又は複数のベルト、1つ又は複数のプーリ、及び同種のものを介してモータシャフト58に接続され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、補助ギアボックスメインシャフト50は、コンプレッサセクション(すなわち、1つ又は複数のコンプレッサステータステージ34、及び、例えば、コンプレッサインペラ36)を駆動するために使用され得るか、又はコンプレッサセクションによって駆動され得る。更に、いくつかの実施形態では、電気モータ56は、補助ギアボックス18の筐体カバーに取り付けられ得、例えば、新しい開口部は、補助ギアボックスメインシャフト50に対するモータシャフト58の直接的なインターフェースを可能にするように筐体カバーに形成され得る。このように、トルクは、モータシャフト58から補助ギアボックスメインシャフト50へ直接的に伝達される。次いで、これは、1つ又は複数のコンプレッサステータステージ34のコンプレッサ、及び、例えば、コンプレッサインペラ36を回転させる。更に、電気モータ56によって伝達されるトルクは、コンプレッサの動力供給を増大させ、それによって、推進システム64に動力を供給するハイブリッド効果をもたらし得る。推進システム64の残りのセクション(例えば、ホットセクション24、減速ギアボックス14、プロペラアセンブリ16など)は、元のままであって、
図1及び
図2に関して上述したように機能する。
【0025】
図5及び
図6の推進システム64における示された構成に関して、電気モータ56は、電気モータ56の最大作動温度よりも充分低い温度を有する周囲環境で適応する。すなわち、電気モータ56の場所は、好適な周囲温度環境における作動を可能にする。更に、電気モータ56は、高RPMコンプレッサ(例えば、コンプレッサインペラ36)に接続されているため、電気モータ56の全体的なフットプリントは、コールドセクション22の低トルク高RPM要件により、より小さく維持され得る。また、
図5及び
図6における電気モータ56の直接的な接続により、示された構成は、また、
図3及び
図4に示される構成に対して、推進システム64へのより高い電力投入を可能にし、したがって、追加の燃料消費を低減し得る。
【0026】
図7及び
図8は、
図1及び
図2のガスタービンエンジンのハイブリッド化を提供するための別の技術及びシステムを表し、特に、プロペラアセンブリ16に対する電気モータ56の接続を含む推進システム66を表す。電気モータ56は、単一の電気モータ56であり得るか、又は、例えば、複数の電気モータ56(例えば、縦に並んだ2つ以上のモータ)であり得ることに留意されたい。更に、電気モータ56は、例えば、1つのステータと1つ又は複数のロータとを含み得る。
図7において、及び
図8の内部の要素をより充分に示すために切断された推進システム66の断面側面図において示されるように、電気モータ56は、プロペラアセンブリ16のモータシャフト68に対して直接的に接続されている(又は他の場合には、モータシャフト68と一体化されている)。モータシャフト68は、例えば、プロペラ駆動シャフト46の一部であり得る。したがって、
図8に示されるように、電気モータは、(例えば、プロペラ駆動シャフト46を介して)減速ギアボックス14に取り付けられており、モータシャフト68は、例えば、プロペラハブ取り付けフランジ70を介してプロペラアセンブリ16のハブ49に接続されている。
【0027】
したがって、プロペラアセンブリ16が、例えば、ハブ取り付けフランジを介して減速ギアボックス14に対して直接的に取り付けられている、
図1から
図6に示される実施形態とは対照的に、
図7及び
図8に示される推進システム66は、プロペラアセンブリ16とハブ取り付けフランジとの間に電気モータ56の挿入を提供する。モータシャフト68は、プロペラアセンブリ16に対して直接的に取り付けられており、モータシャフト68は、また、例えば、プロペラハブ取り付けフランジ70を使用して動力タービンシャフト44に(例えば、プロペラ駆動シャフト46を動力タービンシャフト44として、又はプロペラ駆動シャフト46を介して)取り付けられている。
図7及び
図8における電気モータ56の場所によって、電気モータ56は、大きい直径対長さ比を有する高トルク-低RPMモータであり得る。
【0028】
電気モータ56によって生成されるトルクは、動力タービン42によって生成されるシャフト仕事に加えて、プロペラアセンブリ16のプロペラに動力を供給する(例えば、当該プロペラを回転させる)ように作動する。この動力生成の増大は、推進システム66においてハイブリッド効果をもたらす。推進システム66の残りのセクション(例えば、ホットセクション24、減速ギアボックス14、プロペラアセンブリ16など)は、元のままであって、
図1及び
図2に関して上述したように機能する。更に、電気モータ56が、電気モータ56の最大作動温度よりも充分低い温度を有する周囲環境にあるため、
図7及び
図8における示された適応は魅力的である。電気モータ56が充分な部分に取り付けられているため、推進システム66の適応は、また、モータトルクにより任意のOEM構成要素を変更する必要性を回避する。いくつかの実施形態では、
図7及び
図8における適応は、空気圧又は流れの生成に関連する構成要素が修正されていないため、より単純なエンジン拡張を提供し得る。更に、燃やされる燃料を少なくすることができ、電気モータ56は、失われる動力を補うことができる。そして、
図3及び
図4並びに
図5及び
図6における適応と比較して、
図7及び
図8における構成は、ハイブリッドモードの作動に加えて、エンジンの純粋な電動作動を可能にし得る。
【0029】
図9及び
図10は、
図1及び
図2のガスタービンエンジンのハイブリッド化を提供するための別の技術及びシステムを表し、特に、プロペラアセンブリ16及び補助ギアボックス18に対する電気モータ56の接続を含む推進システム72を表す。当該方法において、推進システム72は、推進システム54(又は推進システム64)の電気モータ56を推進システム66の電気モータ56と組み合わせている。したがって、
図9及び
図10における推進システムの電気モータ56は概して、推進システム54(又は推進システム64)及び推進システム66に関して上述したように作動する。推進システム54及び推進システム64に関して、(少なくとも部分的に)補助ギアボックス18に接続された電気モータ56によってコンプレッサタービン40に動力が供給されているため、動力タービン42が利用可能な火力が低減され得、この結果、ホットセクション24の燃焼プロセスにおいて消費される燃料量が低減される。プロペラアセンブリ16に提供されるのに充分な動力を維持するために、第2の電気モータ56は、(推進システム66に関連して前述したように、減速ギアボックス14とプロペラアセンブリ16との間に取り付けられている。推進システム72における(すなわち、コンプレッサセクション及びプロペラセクションにおける)電気モータ56の各々は、単一の電気モータ56であり得るか、又は、例えば、複数の電気モータ56(例えば、縦に並んだ2つ以上のモータ)であり得ることに留意されたい。更に、電気モータ56の各々は、例えば、1つのステータと1つ又は複数のロータとを含み得る。更に、コンプレッサセクションにおける電気モータ56(例えば、推進システム54及び推進システム64に関連して前で示した電気モータ56)は、モータシャフト58に対して直接的に接続され得るか、又はギアのセットを通じて、若しくは機械的なカプラ、例えば、チェーン、1つ又は複数のベルト、1つ又は複数のプーリ、及び同種のものを介してモータシャフト58に接続され得る。
【0030】
推進システム72における電気モータ配置が、推進システム54(又は推進システム64)及び推進システム66におけるものと同じであると想定すると、取り付けポイント及びトルク伝達経路も同じである。推進システム72の残りのセクション(例えば、ホットセクション24、減速ギアボックス14、プロペラアセンブリ16など)は、元のままであって、
図1及び
図2に関して上述したように機能する。更に、それぞれの電気モータ56の特定の配置に関する、推進システム54(又は推進システム64)及び推進システム66に関して上述した利点は依然、推進システム72に適用される。前方及び後方の両方の電気モータ56構成を利用することによって、特定の燃料消費に関する最高の節減と共にエンジンに関するハイブリッド作動の効率の増加を達成することができる。
【0031】
図10は、電気モータ56の単一の電源60及び単一のコントローラ62を示すことにも留意されたい。代わりに、1つのコントローラ62が、それぞれの電気モータに各々接続された別々の電源60に接続されてもよく、当該別々の電源60を制御してもよいことに留意されたい。同様に、いくつかの実施形態では、別々のコントローラ62は、それぞれの(例えば、別々の)電源60に接続されてもよく、各コントローラ62は、各電源からそのそれぞれの電気モータへの電力を制御してもよい。
【0032】
図11及び
図12は、
図1及び
図2のガスタービンエンジンのハイブリッド化を提供するための更なる技術及びシステムを表し、特に、(例えば、動力タービンシャフト筐体の内側であって、動力タービン42と減速ギアボックス14との間に配置された)動力タービンシャフト44に対する電気モータ56の接続を含む推進システム74を表す。推進システム74における電気モータ56は、単一の電気モータ56であり得るか、又は、例えば、複数の電気モータ56(例えば、縦に並んだ2つ以上のモータ)であり得ることに留意されたい。更に、電気モータ56は、動力タービンシャフト44に対して直接的に接続され得るか、又はギアのセットを通じて、若しくは機械的なカプラ、例えば、チェーン、1つ又は複数のベルト、1つ又は複数のプーリ、及び同種のものを介して動力タービンシャフト44に接続され得る。
【0033】
図11において、及び
図12の内部の要素をより充分に示すために切断された推進システム74の断面側面図において示されるように、電気モータ56は、動力タービンシャフト44に対して直接的に接続されている。一実施形態では、
図12に示されるように、電気モータ56は、ロータ77を円周方向に取り囲んでいる(例えば、2つの別々のステータセグメントが相互に接続されたものとしてではなく、単一の要素として形成された)単一のステータ75を含む。更に、電気モータ56は、例えば、単一のステータ75と1つ又は複数のロータ77とを含み得る。電気モータ56は、モータシャフト58に対して直接的に接続され得るか、又はギアのセットを通じて、若しくは機械的なカプラ、例えば、チェーン、1つ又は複数のベルト、1つ又は複数のプーリ、及び同種のものを介してモータシャフト58に接続され得る。電気モータ56によって生成されるトルクは、動力タービンシャフト44に対して直接的に付与される。当該トルクは、減速ギアボックス14、次いで、プロペラアセンブリ16に伝達される。動力タービンからの動力が電気モータ56によって増大されることにより、ハイブリッド効果がもたらされる。
【0034】
推進システム74の残りのセクション(例えば、ホットセクション24、減速ギアボックス14、プロペラアセンブリ16など)は、元のままであって、
図1及び
図2に関して上述したように機能する。更に、推進システム74における電気モータ56の当該適応は、少なくとも部分的に推進システム74の電気モータに関する低トルク高RPMの位置及び作動により、推進システム54、64、66、及び72における電気モータ56に対する電気モータ56のサイズの低減を可能にする。更に、推進システム74における電気モータ56の適応は、また、電気モータ56によって出力されるトルクレベルに関して任意のOEM構成要素を変更する必要性を回避する。更に、推進システム74における電気モータ56の統合は、空気圧又は流れの生成に関連する構成要素が修正されていないため簡略化され得る。そして、推進システム74における電気モータ56の適応は、燃やされる燃料を少なくすることを可能にし、失われる動力は、電気モータ56を使用して補われる。
【0035】
図13を参照すると、フローチャート76が示されている。フローチャート76は、推進システム72に関連して使用される制御システムフローチャートを表し得る。しかしながら、フローチャート76の特定の分岐は、推進システム54及び64並びに推進システム66及び74についての制御作動も表す。更に、フローチャート76は概して、単一のコントローラ62の使用を表すが、単一のコントローラ62がそれぞれの電源60若しくは単一の電源60を制御してもよく、及び/又は別々のコントローラ62がフローチャート76のステップを実装してもよいことに留意されたい。
【0036】
ステップ78で、コントローラ62は、コンプレッサタービン40からの測定値(例えば、圧縮空気圧、シャフトRPMなど)、燃焼プロセスからの測定値(例えば、温度)、及びプロペラアセンブリ16からの測定値(例えば、シャフトトルク)を受信する。これらの測定値は、測定される作動パラメータに関する測定場所に近い場所で推進システム72に配置されたセンサから記録及び/又は送信され得る。ステップ78で、コントローラ62は、入力データを処理し、ステップ80において、コントローラは、燃焼用の燃料インジェクタ、及び電気モータ56のRPMを管理する電気モータ56用のモータコントローラにコマンドを送信する。ステップ82に示されるように、コントローラ62は、電源60から電気モータ56へ送られる電力量を制御し得る。コールドセクション22の要素に動力を供給する電気モータ56(例えば、コンプレッサの電気モータ56)は、ステップ86においてコンプレッサによって必要とされる総必要シャフト仕事の一部をステップ84において提供する。特定の作動に必要とされる残りの動力は、例えば、圧縮空気と混合された後に燃焼される燃料量を通じて、同様にコントローラ62によって制御されるステップ88における燃焼動力によって提供される。
【0037】
ステップ82で更に示されるように、コントローラ62は、電源60から電気モータ56へ送られる電力量を制御し得る。補助ギアボックス18とプロペラアセンブリ16との間のプロペラモータに動力を供給する電気モータ56(例えば、プロペラアセンブリ16の電気モータ56)は、ステップ92においてプロペラアセンブリ16によって必要とされる総必要シャフト仕事の一部をステップ90において提供する。特定の作動に必要とされる残りの動力は、例えば、圧縮空気と混合された後に燃焼される燃料量を通じて、同様にコントローラ62によって制御されるステップ94での燃焼動力によって提供される。更に、ステップ84、86、及び88のうちの1つ又は複数は、推進システム54及び64についての作動を制御するときに省略され得る一方、ステップ90、92、及び94のうちの1つ又は複数は、推進システム66及び74についての作動を制御するときに省略され得る。更に、いくつかの実施形態では、推進システム66及び74は、約270ボルトと約1000ボルトとの間、約270ボルトと800ボルトとの間、約500ボルトと1000ボルトとの間、約500ボルトと800ボルトとの間、約800ボルト未満、約1000ボルト未満、又は別の値若しくは範囲の電圧をプロペラアセンブリに提供するように作動し得ることに留意されたい。
【0038】
上記で提供される技術及びシステムは、
図1及び
図2のガスタービンエンジンのハイブリッド化を示す。しかしながら、ハイブリッド化は更に、例えば、追加のガスタービンエンジン、例えば、ターボジェットエンジン又はターボファンエンジンなどのジェットエンジンに適用され得る。ジェットエンジンのハイブリッド化に関する技術及びシステムのハイブリッド化の例が以下に記載される。
【0039】
図14は、例えば、航空機に関連して使用され得る推進システム96を示す。いくつかの実施形態では、推進システム96は、ガス動力エンジンである航空機用のジェットエンジンである。推進システム96は、推進システム96における流体流路を示すエンジン入口98及びエンジン出口100を含む。空気は、ファンステージ102を通過し得、推進システム96の低圧コンプレッサステージ104に向けて流れ得る。作動時に、ファンステージ102は、推進システム96内に空気を吸い込み及び/又は方向づけて、当該空気を低圧コンプレッサステージ104に向けて下流に通すように作動する回転ファンブレードを有する。更に、いくつかの実施形態では、ガイド翼103は、ファンステージ102の下流においてファンステージ102に隣接して配置され得る。ガイド翼103は、それぞれのファンステージ102を、例えば、低圧コンプレッサステージ104に向かって下流に通過した空気をガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。
【0040】
低圧コンプレッサステージ104は、ファンステージ102から受け取った空気を最初に圧縮するように作動し得る。低圧コンプレッサステージ104は、例えば、回転ファンブレードを各々有するファンステージ106及びファンステージ108を含み得、当該回転ファンブレードは、受け取った空気がファンステージ106及びファンステージ108を通過するときに、受け取った空気を圧縮するように作動する。したがって、ファンステージ106及びファンステージ108は、回転ファンブレードを各々含む一連のファンを表し、当該回転ファンブレードは各々、回転ファンブレードが受け取った空気がファンステージ106及びファンステージ108(例えば、圧縮の各ステージ)を通過するときに、回転ファンブレードが受け取った空気を圧縮するように作動する。更に、ファンステージ106及びファンステージ108に対応するガイド翼110及びガイド翼112がそれぞれ、低圧コンプレッサステージ104に存在するように示されている。ガイド翼110及びガイド翼112は、それぞれのファンステージ106及びファンステージ108を通過した空気をガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、ファンステージ106及びファンステージ108は、ファンステージ106及びファンステージ108に回転を付与するように作動する共通のシャフト、低圧シャフト114に対して直接的に接続されている。更に示されているように、低圧シャフト114は更に、ファンステージ102に接続され得る。
【0041】
低圧コンプレッサステージ104の後に(例えば、下流に)、高圧コンプレッサステージ116がある。高圧コンプレッサステージ116は更に、低圧コンプレッサステージ104から受け取った低圧圧縮空気を、増加した(より高い)圧力レベルまで圧縮するように作動し得る。高圧コンプレッサステージ116は、例えば、回転ファンブレードを各々有するファンステージ118及びファンステージ120を含み得、当該回転ファンブレードは、受け取った空気がファンステージ118及びファンステージ120を通過するときに、受け取った空気を圧縮するように作動する。したがって、ファンステージ118及びファンステージ120は、回転ファンブレードを各々含む(ファンステージ106及びファンステージ108と同様の)一連のファンを表し、当該回転ファンブレードは各々、回転ファンブレードが受け取った空気がファンステージ106及びファンステージ108の各々(例えば、圧縮の各ステージ)を通過するときに、回転ファンブレードが受け取った空気を圧縮するように作動する。更に、ファンステージ118及びファンステージ120の各々に対応するガイド翼122及びガイド翼124がそれぞれ、高圧コンプレッサステージ116に存在するように示されている。ガイド翼122及びガイド翼124は各々、それぞれのファンステージ118及びファンステージ120を通過した空気をガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、ファンステージ118及びファンステージ120は、ファンステージ118及びファンステージ120に回転を付与するように作動する共通のシャフト、高圧シャフト126に対して直接的に接続されている。いくつかの実施形態では、高圧シャフト126は、低圧シャフト114よりも高速で回転し、これにより、例えば、高圧コンプレッサステージ116は、低圧シャフト114によって駆動される低圧コンプレッサステージ104が可能である圧力よりも高い圧力まで、受け取った空気を圧縮することができる。
【0042】
推進システム96は、燃焼セクション128を更に含み、燃焼セクション128は、圧縮空気を高圧コンプレッサステージ116から受け取って、圧縮空気を燃料と混合し、混合物を点火して燃焼器を利用して燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスは、燃焼セクション128の下流にある複数のタービンに動力を供給するために利用され得、エンジン出口100の外に排気ガスとして通過する。
【0043】
示されているように、燃焼セクション128の下流に高圧タービンステージ130がある。高圧タービンステージ130は、高圧シャフト126に回転を付与するように作動し得る。高圧タービンステージ130は、例えば、回転ファンブレードを各々有するタービンステージ132及びタービンステージ134を含み得、当該回転ファンブレードは、燃焼ガスがタービンステージ132及びタービンステージ134の各々(例えば、各タービンステージ)を通過するときにエネルギーを受け取るように作動する。更に、タービンステージ132及びタービンステージ134の各々に対応するガイド翼136及びガイド翼138がそれぞれ、高圧タービンステージ130に存在するように示されている。ガイド翼136及びガイド翼138は各々、それぞれのタービンステージ132及びタービンステージ134を通過した燃焼ガスをガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、タービンステージ132及びタービンステージ134は、共通のシャフト、高圧シャフト126に対して直接的に接続されており、タービンステージ132及びタービンステージ134は、高圧シャフト126に回転を付与するように作動する。
【0044】
燃焼ガスは、高圧タービンステージ130を出て行き得、低圧タービンステージ140に流れ得る。低圧タービンステージ140は、低圧シャフト114に回転を付与するように作動し得る。低圧タービンステージ140は、例えば、回転ファンブレードを各々有するタービンステージ142及びタービンステージ144を含み得、当該回転ファンブレードは、燃焼ガスがタービンステージ142及びタービンステージ144(例えば、各タービンステージ)を通過するときにエネルギーを受け取るように作動する。更に、タービンステージ142及びタービンステージ144の各々に対応するガイド翼146及びガイド翼148がそれぞれ、低圧タービンステージ140に存在するように示されている。ガイド翼146及びガイド翼148は、それぞれのタービンステージ142及びタービンステージ144を通過した燃焼ガスをガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、タービンステージ142及びタービンステージ144は、共通のシャフト、低圧シャフト114に対して直接的に接続されており、タービンステージ142及びタービンステージ144は、例えば、高圧タービンステージ130に対して低圧タービンステージ140にあるときに、燃焼ガスに存在しているエネルギーがより少ないことによって(燃焼ガスの温度が低下することによって)、高圧シャフト126に付与される回転速度よりも低い回転速度で低圧シャフト114に回転を付与するように作動する。
【0045】
上述のように、本実施形態は、推進システム96のハイブリッド化に関する技術を含む。例えば、推進システム96は、推進システム96の上述の要素に関連して作動する電気モータ150を含み得る。例えば、電気モータ150は、ファンステージ102に隣接して配置された前方のファン一体化モータであり得る。示されているように、電気モータ150は、モータステータ154を取り囲んでいるモータ筐体152を含む。エアギャップ156は、冷却流体(例えば、空気)を提供するためにモータステータ154に隣接して提供され得、モータロータ158も電気モータ150に含まれ得る。
【0046】
作動時に、モータステータ154は、巻線を含み得る一方、モータロータ158は、1つ又は複数の磁石を含む。モータステータ154及びモータロータ158は、電気モータとして作動し得、ここで、電力は、ファンステージ102のファンブレードを回転させるために印加される。代替的に、モータステータ154及びモータロータ158は、発電機として作動し得る。例えば、航空機の降下又は着陸中に、モータステータ154は、ファンステージ102の回転に対して抵抗を生成するように作動し得る。これは、推進システム96によって提供される正味の推力の低減をもたらし、航空機の速度の低減につながり得る。これは、また、例えば、航空機に搭載された1つ又は複数の電源(例えば、電気化学バッテリ)を充電するために使用され得る電力の生成をもたらし得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、ファンステージ102は、一体化ファンブレードであって、これによって、モータロータ158は、圧縮スリーブを介して、(いくつかの実施形態では)所定位置に保持され得る、ファンステージを取り囲んでいるファンシュラウドの周りに配置されたモータロータ158のロータ磁石を有する。したがって、電気モータ150は、モータロータ158を通じて、一体化ファンブレードに対して直接的にトルクを提供し、したがって、ハイブリッドの電動作動及び/又は完全な電動作動を可能にする。すなわち、ハイブリッドモードにおいて、電気モータ150は、低圧シャフト114によって提供される回転を補い得るか、又は電気モードにおいて、低圧シャフト114は、ファンステージ102から分離され得、電気モータ150は専ら、ファンステージ102のファンブレードに回転を提供し得る。
【0048】
同様に、電気モータ150は、推進システム96によって使用される完全な動力を提供して、ファンステージ(例えば、上述の例として提供されるようなロータ一体化ファンブレード)を通じて低圧シャフト114にトルクを伝達することによって任意の所与の推力を生成し得る。電気モータ150は、また、任意の所与の推力を生成するために必要とされる部分的な動力を提供し得る一方、残りの動力は、燃焼セクション128において生成される燃焼から生じる。他の実施形態では、電気モータ150は、また、ファンステージ102を通じて(例えば、ロータ一体化ファンブレードを通じて)低圧シャフト114から動力を取り込むことによって発電機として作動し得る。同様に、(
図13に関して概説したものと同様の)モータ作動/生成作動の組み合わせを通じて、電気モータ150は、エンジン(例えば、推進システム96)の全体の作動効率を増加させ得る。
【0049】
図15は、例えば、航空機に関連して使用され得る推進システム96の第2の実施形態を示す。
図14に関して上述した要素に加えて、推進システム96の第2の実施形態は、減速ギアボックス160及び駆動シャフト162を更に含む。作動時に、低圧シャフト114は、減速ギアボックス160に接続されており、減速ギアボックス160は、低圧シャフト114から、ファンステージ102に接続された駆動シャフト162へ回転を伝達するように作動し得る。減速ギアボックス160は、低圧シャフト114と駆動シャフト162との間の回転速度を変更するギア機構として作動し得る。更に、低圧シャフト114及び駆動シャフト162を分離することによって、電気モータ150は、(電気モータとして機能しているときに)ファンステージ102に回転を付与し得るか、又は低圧シャフト114の作動に影響を与えることなく(発電機として機能しているときに)ファンステージ102からエネルギーを取り去り得る。
【0050】
図16は、例えば、航空機に関連して使用され得る推進システム164を示す。いくつかの実施形態では、推進システム164は、ガス動力エンジンである航空機用のジェットエンジンである。推進システム164は、推進システム164における流体流路を示すエンジン入口98及びエンジン出口100を含む。空気は、ファンステージ102を通過し得、推進システム164の低圧コンプレッサステージ104に向けて流れ得る。作動時に、ファンステージ102は、推進システム164内に空気を吸い込み及び/又は方向づけて、当該空気を低圧コンプレッサステージ104に向けて下流に通すように作動する回転ファンブレードを有する。更に、いくつかの実施形態では、ガイド翼103は、ファンステージ102の下流においてファンステージ102に隣接して配置され得る。ガイド翼103は、それぞれのファンステージ102を、例えば、低圧コンプレッサステージ104に向かって下流に通過した空気をガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。
【0051】
低圧コンプレッサステージ104は、ファンステージ102から受け取った空気を最初に圧縮するように作動し得る。低圧コンプレッサステージ104は、例えば、回転ファンブレードを各々有するファンステージ106及びファンステージ108を含み得、当該回転ファンブレードは、受け取った空気がファンステージ106及びファンステージ108を通過するときに、受け取った空気を圧縮するように作動する。したがって、ファンステージ106及びファンステージ108は、回転ファンブレードを各々含む一連のファンを表し、当該回転ファンブレードは、回転ファンブレードが受け取った空気がファンステージ106及びファンステージ108(例えば、圧縮の各ステージ)を通過するときに、回転ファンブレードが受け取った空気を圧縮するように作動する。更に、ファンステージ106及びファンステージ108の各々に対応するガイド翼110及びガイド翼112がそれぞれ、低圧コンプレッサステージ104に存在するように示されている。ガイド翼110及びガイド翼112は、それぞれのファンステージ106及びファンステージ108を通過した空気をガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、ファンステージ106及びファンステージ108は、ファンステージ106及びファンステージ108に回転を付与するように作動する共通のシャフト、低圧シャフト114に対して直接的に接続されている。更に示されているように、低圧シャフト114は更に、ファンステージ102に接続され得る。
【0052】
低圧コンプレッサステージ104の後に(例えば、下流に)、高圧コンプレッサステージ116がある。高圧コンプレッサステージ116は更に、低圧コンプレッサステージ104から受け取った低圧圧縮空気を、増加した(より高い)圧力レベルまで圧縮するように作動し得る。高圧コンプレッサステージ116は、例えば、回転ファンブレードを各々有するファンステージ118及びファンステージ120を含み得、当該回転ファンブレードは、受け取った空気がファンステージ118及びファンステージ120を通過するときに、受け取った空気を圧縮するように作動する。したがって、ファンステージ118及びファンステージ120は、回転ファンブレードを各々含む(ファンステージ106及びファンステージ108と同様の)一連のファンを表し、当該回転ファンブレードは、回転ファンブレードが受け取った空気がファンステージ118及びファンステージ120の各々(例えば、圧縮の各ステージ)を通過するときに、回転ファンブレードが受け取った空気を圧縮するように作動する。更に、ファンステージ118及びファンステージ120の各々に対応するガイド翼122及びガイド翼124がそれぞれ、高圧コンプレッサステージ116に存在するように示されている。ガイド翼122及びガイド翼124は、それぞれのファンステージ118及びファンステージ120を通過した空気をガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、ファンステージ118及びファンステージ120は、ファンステージ118及びファンステージ120に回転を付与するように作動する共通のシャフト、高圧シャフト126に対して直接的に接続されている。いくつかの実施形態では、高圧シャフト126は、低圧シャフト114よりも高速で回転し、これにより、例えば、高圧コンプレッサステージ116は、低圧シャフト114によって駆動される低圧コンプレッサステージ104が可能である圧力よりも高い圧力まで、受け取った空気を圧縮することができる。
【0053】
推進システム96は、燃焼セクション128を更に含み、燃焼セクション128は、圧縮空気を高圧コンプレッサステージ116から受け取って、圧縮空気を燃料と混合し、混合物を点火して燃焼器を利用して燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスは、燃焼セクション128の下流にある複数のタービンに動力を供給するために利用され得、エンジン出口100の外に排気ガスとして通過する。
【0054】
示されているように、燃焼セクション128の下流に高圧タービンステージ130がある。高圧タービンステージ130は、高圧シャフト126に回転を付与するように作動し得る。高圧タービンステージ130は、例えば、回転ファンブレードを各々有するタービンステージ132及びタービンステージ134を含み得、当該回転ファンブレードは、燃焼ガスがタービンステージ132及びタービンステージ134の各々(例えば、各タービンステージ)を通過するときにエネルギーを受け取るように作動する。更に、タービンステージ132及びタービンステージ134に対応するガイド翼136及びガイド翼138が、高圧タービンステージ130に存在するように示されている。ガイド翼136及びガイド翼138は、それぞれのタービンステージ132及びタービンステージ134を通過した燃焼ガスをガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、タービンステージ132及びタービンステージ134は、共通のシャフト、高圧シャフト126に対して直接的に接続されており、タービンステージ132及びタービンステージ134は、高圧シャフト126に回転を付与するように作動する。
【0055】
燃焼ガスは、高圧タービンステージ130を出て行き得、低圧タービンステージ140に流れ得る。低圧タービンステージ140は、低圧シャフト114に回転を付与するように作動し得る。低圧タービンステージ140は、例えば、回転ファンブレードを各々有するタービンステージ142及びタービンステージ144を含み得、当該回転ファンブレードは、燃焼ガスがタービンステージ142及びタービンステージ144の各々(例えば、各タービンステージ)を通過するときにエネルギーを受け取るように作動する。更に、タービンステージ142及びタービンステージ144の各々に対応するガイド翼146及びガイド翼148がそれぞれ、低圧タービンステージ140に存在するように示されている。ガイド翼146及びガイド翼148は、それぞれのタービンステージ142及びタービンステージ144を通過した燃焼ガスをガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、タービンステージ142及びタービンステージ144は、共通のシャフト、低圧シャフト114に対して直接的に接続されており、タービンステージ142及びタービンステージ144は、例えば、高圧タービンステージ130に対して低圧タービンステージ140にあるときに、燃焼ガスに存在しているエネルギーがより少ないことにより(燃焼ガスの温度が低下することにより)、高圧シャフト126に付与される回転速度よりも低い回転速度で低圧シャフト114に回転を付与するように作動する。
【0056】
上述のように、本実施形態は、推進システム164のハイブリッド化に関する技術を含む。例えば、推進システム164は、推進システム164の上述の要素に関連して作動する電気モータ166を含み得る。例えば、電気モータ166は、ファンステージ106に隣接して配置された前方のファン一体化モータであり得る。示されているように、電気モータ166は、モータステータ154を取り囲んでいるモータ筐体152を含む。エアギャップ156は、冷却流体(例えば、空気)を提供するためにモータステータ154に隣接して提供され得、モータロータ158も電気モータ166に含まれ得る。
【0057】
作動時に、モータステータ154は、巻線を含み得る一方、モータロータ158は、1つ又は複数の磁石を含む。モータステータ154及びモータロータ158は、電気モータとして作動し得、ここで、電力は、ファンステージ106のファンブレードを回転させるために印加される。代替的に、モータステータ154及びモータロータ158は、発電機として作動し得る。例えば、航空機の降下又は着陸中に、モータステータ154は、ファンステージ106の回転に対して抵抗を生成するように作動し得る。これは、推進システム164によって提供される正味の推力の低減をもたらし、航空機の速度の低減につながり得る。これは、また、例えば、航空機に搭載された1つ又は複数の電源(例えば、電気化学バッテリ)を充電するために使用され得る電力の生成をもたらし得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、ファンステージ106は、一体化ファンブレードであって、これによって、モータロータ158は、圧縮スリーブを介して、(いくつかの実施形態では)所定位置に保持され得る、ファンステージ102を取り囲んでいるファンシュラウドの周りに配置されたモータロータ158のロータ磁石を有する。したがって、電気モータ166は、モータロータ158を通じて、一体化ファンブレードに対して直接的にトルクを提供し、それによって、ハイブリッドの電動作動及び/又は完全な電動作動を可能にする。すなわち、ハイブリッドモードにおいて、電気モータ166は、低圧シャフト114によって提供される回転を補い得るか、又は電気モードにおいて、低圧シャフト114は、ファンステージ102から分離され得、電気モータ166は専ら、ファンステージ102のファンブレードに回転を提供し得る。
【0059】
同様に、電気モータ166は、推進システム96によって使用される完全な動力を提供して、ファンステージ106(例えば、上述の例として提供されるようなロータ一体化ファンブレード)を通じて低圧シャフト114にトルクを伝達することによって任意の所与の推力を生成し得る。電気モータ166は、また、任意の所与の推力を生成するために必要とされる部分的な動力を提供し得る一方、残りの動力は、燃焼セクション128において生成される燃焼から生じる。他の実施形態では、電気モータ166は、また、ファンステージ102を通じて(例えば、ロータ一体化ファンブレードを通じて)低圧シャフト114から動力を取り込むことによって発電機として作動し得る。同様に、(
図13に関して概説したものと同様の)モータ作動/生成作動の組み合わせを通じて、電気モータ166は、エンジン(例えば、推進システム164)の全体の作動効率を増加させ得る。
【0060】
図17は、例えば、航空機に関連して使用され得る推進システム164の第2の実施形態を示す。
図16に関して上述した要素に加えて、推進システム164の第2の実施形態は、減速ギアボックス160及び駆動シャフト162を更に含む。作動時に、低圧シャフト114は、減速ギアボックス160に接続されており、減速ギアボックス160は、低圧シャフト114から、ファンステージ102に接続された駆動シャフト162へ回転を伝達するように作動し得る。減速ギアボックス160は、低圧シャフト114と駆動シャフト162との間の回転速度を変更するギア機構として作動し得る。
【0061】
図18は、例えば、航空機に関連して使用され得る推進システム168を示す。いくつかの実施形態では、推進システム168は、ガス動力エンジンである航空機用のジェットエンジンである。推進システム168は、推進システム168における流体流路を示すエンジン入口98及びエンジン出口100を含む。空気は、ファンステージ102を通過し得、推進システム168の低圧コンプレッサステージ104に向けて流れ得る。作動時に、ファンステージ102は、推進システム168内に空気を吸い込み及び/又は方向づけて、当該空気を低圧コンプレッサステージ104に向けて下流に通すように作動する回転ファンブレードを有する。更に、いくつかの実施形態では、ガイド翼103は、ファンステージ102の下流においてファンステージ102に隣接して配置され得る。ガイド翼103は、それぞれのファンステージ102を、例えば、低圧コンプレッサステージ104に向かって下流に通過した空気をガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。
【0062】
低圧コンプレッサステージ104は、ファンステージ102から受け取った空気を最初に圧縮するように作動し得る。低圧コンプレッサステージ104は、例えば、回転ファンブレードを各々有するファンステージ106及びファンステージ108を含み得、当該回転ファンブレードは、受け取った空気がファンステージ106及びファンステージ108を通過するときに、受け取った空気を圧縮するように作動する。したがって、ファンステージ106及びファンステージ108は、回転ファンブレードを各々含む一連のファンを表し、当該回転ファンブレードは各々、回転ファンブレードが受け取った空気がファンステージ106及びファンステージ108(例えば、圧縮の各ステージ)を通過するときに、回転ファンブレードが受け取った空気を圧縮するように作動する。更に、ファンステージ106及びファンステージ108の各々に対応するガイド翼110及びガイド翼112がそれぞれ、低圧コンプレッサステージ104に存在するように示されている。ガイド翼110及びガイド翼112は、それぞれのファンステージ106及びファンステージ108を通過した空気をガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、ファンステージ106及びファンステージ108は、ファンステージ106及びファンステージ108に回転を付与するように作動する共通のシャフト、低圧シャフト114に対して直接的に接続されている。更に示されているように、低圧シャフト114は更に、ファンステージ102に接続され得る。
【0063】
低圧コンプレッサステージ104の後に(例えば、下流に)、高圧コンプレッサステージ116がある。高圧コンプレッサステージ116は更に、低圧コンプレッサステージ104から受け取った低圧圧縮空気を、増加した(より高い)圧力レベルまで圧縮するように作動し得る。高圧コンプレッサステージ116は、例えば、回転ファンブレードを各々有するファンステージ118及びファンステージ120を含み得、当該回転ファンブレードは、受け取った空気がファンステージ118及びファンステージ120を通過するときに、受け取った空気を圧縮するように作動する。したがって、ファンステージ118及びファンステージ120は、回転ファンブレードを各々含む(ファンステージ106及びファンステージ108と同様の)一連のファンを表し、当該回転ファンブレードは各々、回転ファンブレードが受け取った空気がファンステージ118及びファンステージ120の各々(例えば、圧縮の各ステージ)を通過するときに、回転ファンブレードが受け取った空気を圧縮するように作動する。更に、ファンステージ118及びファンステージ120の各々に対応するガイド翼122及びガイド翼124が、高圧コンプレッサステージ116に存在するように示されている。ガイド翼122及びガイド翼124は各々、それぞれのファンステージ118及びファンステージ120を通過した空気をガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、ファンステージ118及びファンステージ120は、ファンステージ118及びファンステージ120に回転を付与するように作動する共通のシャフト、高圧シャフト126に対して直接的に接続されている。いくつかの実施形態では、高圧シャフト126は、低圧シャフト114よりも高速で回転し、これにより、例えば、高圧コンプレッサステージ116は、低圧シャフト114によって駆動される低圧コンプレッサステージ104が可能である圧力よりも高い圧力まで、受け取った空気を圧縮することができる。
【0064】
推進システム168は、燃焼セクション128を更に含み、燃焼セクション128は、圧縮空気を高圧コンプレッサステージ116から受け取って、圧縮空気を燃料と混合し、混合物を点火して燃焼器を利用して燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスは、燃焼セクション128の下流にある複数のタービンに動力を供給するために利用され得、エンジン出口100の外に排気ガスとして通過する。
【0065】
示されているように、燃焼セクション128の下流に高圧タービンステージ130がある。高圧タービンステージ130は、高圧シャフト126に回転を付与するように作動し得る。高圧タービンステージ130は、例えば、回転ファンブレードを各々有するタービンステージ132及びタービンステージ134を含み得、当該回転ファンブレードは、燃焼ガスがタービンステージ132及びタービンステージ134(例えば、各タービンステージ)を通過するときにエネルギーを受け取るように作動する。更に、タービンステージ132及びタービンステージ134の各々に対応するガイド翼136及びガイド翼138がそれぞれ、高圧タービンステージ130に存在するように示されている。ガイド翼136及びガイド翼138は、それぞれのタービンステージ132及びタービンステージ134を通過した燃焼ガスをガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、タービンステージ132及びタービンステージ134は、共通のシャフト、高圧シャフト126に対して直接的に接続されており、タービンステージ132及びタービンステージ134は、高圧シャフト126に回転を付与するように作動する。
【0066】
燃焼ガスは、高圧タービンステージ130を出て行き得、低圧タービンステージ140に流れ得る。低圧タービンステージ140は、低圧シャフト114に回転を付与するように作動し得る。低圧タービンステージ140は、例えば、回転ファンブレードを各々有するタービンステージ142及びタービンステージ144を含み得、当該回転ファンブレードは、燃焼ガスがタービンステージ142及びタービンステージ144(例えば、各タービンステージ)を通過するときにエネルギーを受け取るように作動する。更に、タービンステージ142及びタービンステージ144の各々に対応するガイド翼146及びガイド翼148がそれぞれ、低圧タービンステージ140に存在するように示されている。ガイド翼146及びガイド翼148は、それぞれのタービンステージ142及びタービンステージ144を通過した燃焼ガスをガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、タービンステージ142及びタービンステージ144は、共通のシャフト、低圧シャフト114に対して直接的に接続されており、タービンステージ142及びタービンステージ144は、例えば、高圧タービンステージ130に対して低圧タービンステージ140にあるときに、燃焼ガスに存在しているエネルギーがより少ないことにより(燃焼ガスの温度が低下することにより)、高圧シャフト126に付与される回転速度よりも低い回転速度で低圧シャフト114に回転を付与するように作動する。
【0067】
上述のように、本実施形態は、推進システム168のハイブリッド化に関する技術を含む。例えば、推進システム168は、推進システム168の上述の要素に関連して作動する電気モータ166を含み得る。いくつかの実施形態では、電気モータ166は、電気モータ150と同様であり得る。更に、例えば、電気モータ166は、低圧コンプレッサステージ104に隣接して配置された低圧コンプレッサブレード一体化モータであり得る。より具体的には、電気モータ166は、ファンステージ106又は、例えば、ファンステージ106内のブレード若しくはファンに接続され得る。示されているように、電気モータ166は、モータステータ154を取り囲んでいるモータ筐体152を含む。エアギャップ156は、冷却流体(例えば、空気)を提供するためにモータステータ154に隣接して提供され得、モータロータ158も電気モータ150に含まれ得る。
【0068】
作動時に、モータステータ154は、巻線を含み得る一方、モータロータ158は、1つ又は複数の磁石を含む。モータステータ154及びモータロータ158は、電気モータとして作動し得、ここで、電力は、ファンステージ106のファンブレードを回転させるために印加される。代替的に、モータステータ154及びモータロータ158は、発電機として作動し得る。例えば、航空機の降下又は着陸中に、モータステータ154は、ファンステージ106の回転に対して抵抗を生成するように作動し得る。これは、推進システム168によって提供される正味の推力の低減をもたらし、航空機の速度の低減につながり得る。これは、また、例えば、航空機に搭載された1つ又は複数の電源(例えば、電気化学バッテリ)を充電するために使用され得る電力の生成をもたらし得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、ファンステージ106は、一体化ファンブレードであって、これによって、モータロータ158は、圧縮スリーブを介して、(いくつかの実施形態では)所定位置に保持され得る、ファンステージ106を取り囲んでいるファンシュラウドの周りに配置されたモータロータ158のロータ磁石を有する。したがって、電気モータ166は、モータロータ158を通じて、一体化ファンブレードに対して直接的にトルクを提供し、それによって、ハイブリッドの電動作動及び/又は完全な電動作動を可能にする。すなわち、ハイブリッドモードにおいて、電気モータ166は、低圧シャフト114によって提供される回転を補い得るか、又は電気モードにおいて、低圧シャフト114は、ファンステージ106から分離され得、電気モータ166は専ら、ファンステージ106のファンブレードに回転を提供し得る。
【0070】
同様に、電気モータ166は、推進システム168によって使用される完全な動力を提供して、ファンステージ106(例えば、上述の例として提供されるようなロータ一体化ファンブレード)を通じて低圧シャフト114にトルクを伝達することによって任意の所与の推力を生成し得る。電気モータ166は、また、任意の所与の推力を生成するために必要とされる部分的な動力を提供し得る一方、残りの動力は、燃焼セクション128において生成される燃焼から生じる。他の実施形態では、電気モータ166は、また、ファンステージ106を通じて(例えば、ロータ一体化ファンブレードを通じて)低圧シャフト114から動力を取り込むことによって発電機として作動し得る。同様に、(
図13に関して概説したものと同様の)モータ作動/生成作動の組み合わせを通じて、電気モータ166は、エンジン(例えば、推進システム168)の全体の作動効率を増加させ得る。
【0071】
更に、推進システム168は、推進システム168の上述の要素に関連して作動する追加の電気モータ170を含み得る。いくつかの実施形態では、電気モータ170は、電気モータ150又は電気モータ166と同様であり得る。例えば、電気モータ170は、低圧コンプレッサステージ104に隣接して配置された低圧コンプレッサブレード一体化モータであり得る。より具体的には、電気モータ170は、ファンステージ108又は、例えば、ファンステージ108内のブレード若しくはファンに接続され得る。示されているように、電気モータ170は、モータステータ154を取り囲んでいるモータ筐体152を含む。エアギャップ156は、冷却流体(例えば、空気)を提供するためにモータステータ154に隣接して提供され得、モータロータ158も電気モータ150に含まれ得る。
【0072】
作動時に、モータステータ154は、巻線を含み得る一方、モータロータ158は、1つ又は複数の磁石を含む。モータステータ154及びモータロータ158は、電気モータとして作動し得、ここで、電力は、ファンステージ108のファンブレードを回転させるために印加される。代替的に、モータステータ154及びモータロータ158は、発電機として作動し得る。例えば、航空機の降下又は着陸中に、モータステータ154は、ファンステージ108の回転に対して抵抗を生成するように作動し得る。これは、推進システム168によって提供される正味の推力の低減をもたらし、航空機の速度の低減につながり得る。これはまた、例えば、航空機に搭載された1つ又は複数の電源(例えば、電気化学バッテリ)を充電するために使用され得る電力の生成をもたらし得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、ファンステージ108は、一体化ファンブレードであって、これによって、モータロータ158は、圧縮スリーブを介して、(いくつかの実施形態では)所定位置に保持され得る、ファンステージ108を取り囲んでいるファンシュラウドの周りに配置されたモータロータ158のロータ磁石を有する。したがって、電気モータ170は、モータロータ158を通じて、一体化ファンブレードに対して直接的にトルクを提供し、それによって、ハイブリッドの電動作動及び/又は完全な電動作動を可能にする。すなわち、ハイブリッドモードにおいて、電気モータ170は、低圧シャフト114によって提供される回転を補い得るか、又は電気モードにおいて、低圧シャフト114は、ファンステージ108から分離され得、電気モータ170は専ら、ファンステージ108のファンブレードに回転を提供し得る。
【0074】
同様に、電気モータ170は、推進システム168によって使用される完全な動力を提供して、ファンステージ108(例えば、上述の例として提供されるようなロータ一体化ファンブレード)を通じて低圧シャフト114にトルクを伝達することによって任意の所与の推力を生成し得る。電気モータ170はまた、任意の所与の推力を生成するために必要とされる部分的な動力を提供し得る一方、残りの動力は、燃焼セクション128において生成される燃焼から生じる。他の実施形態では、電気モータ170は、また、ファンステージ108を通じて(例えば、ロータ一体化ファンブレードを通じて)低圧シャフト114から動力を取り込むことによって発電機として作動し得る。同様に、(
図13に関して概説したものと同様の)モータ作動/生成作動の組み合わせを通じて、電気モータ170は、エンジン(例えば、推進システム168)の全体の作動効率を増加させ得る。
【0075】
更に、ハイブリッドモードにおいて、電気モータ166及び電気モータ170は、低圧シャフト114によって提供される回転を補うように連携して作動し得るか、又は電気モードにおいて、低圧シャフト114は、ファンステージ106及びファンステージ108の何れか若しくは両方から分離され得、電気モータ166及び電気モータ170は共に、ファンステージ106のファンブレード及びファンステージ108のファンブレードそれぞれに回転を提供し得ることに留意されたい。
【0076】
同様に、縦に並んだ電気モータ166及び電気モータ170は、推進システム168によって使用される完全な動力を提供して、ファンステージ106及びファンステージ108(例えば、上述の例として提供されるようなロータ一体化ファンブレード)を通じて低圧シャフト114にトルクを伝達することによって任意の所与の推力を生成し得る。電気モータ166及び電気モータ170は、また、任意の所与の推力を生成するために必要とされる部分的な動力を提供し得る一方、残りの動力は、燃焼セクション128において生成される燃焼から生じる。他の実施形態では、電気モータ166及び電気モータ170は、また、ファンステージ106及びファンステージ108それぞれを通じて(例えば、ロータ一体化ファンブレードを通じて)低圧シャフト114から動力を取り込むことによって発電機として作動し得る。同様に、(
図13に関して概説したものと同様の)モータ作動/生成作動の組み合わせを通じて、電気モータ166及び電気モータ170は、エンジン(例えば、推進システム168)の全体の作動効率を増加させ得る。
【0077】
図19は、例えば、航空機に関連して使用され得る推進システム168の第2の実施形態を示す。
図18に関して上述した要素に加えて、推進システム168の第2の実施形態は、減速ギアボックス160及び駆動シャフト162を更に含む。作動時に、低圧シャフト114は、減速ギアボックス160に接続されており、減速ギアボックス160は、低圧シャフト114から、ファンステージ102に接続された駆動シャフト162へ回転を伝達するように作動し得る。減速ギアボックス160は、低圧シャフト114と駆動シャフト162との間の回転速度を変更するギア機構として作動し得る。
【0078】
図20は、例えば、航空機に関連して使用され得る推進システム172を示す。いくつかの実施形態では、推進システム172は、ガス動力エンジンである航空機用のジェットエンジンである。推進システム172は、推進システム172における流体流路を示すエンジン入口98及びエンジン出口100を含む。空気は、ファンステージ102を通過し得、推進システム172の低圧コンプレッサステージ104に向けて流れ得る。作動時に、ファンステージ102は、推進システム172内に空気を吸い込み及び/又は方向づけて、当該空気を低圧コンプレッサステージ104に向けて下流に通すように作動する回転ファンブレードを有する。更に、いくつかの実施形態では、ガイド翼103は、ファンステージ102の下流においてファンステージ102に隣接して配置され得る。ガイド翼103は、それぞれのファンステージ102を、例えば、低圧コンプレッサステージ104に向かって下流に通過した空気をガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。
【0079】
低圧コンプレッサステージ104は、ファンステージ102から受け取った空気を最初に圧縮するように作動し得る。低圧コンプレッサステージ104は、例えば、回転ファンブレードを各々有するファンステージ106及びファンステージ108を含み得、当該回転ファンブレードは、受け取った空気がファンステージ106及びファンステージ108を通過するときに、受け取った空気を圧縮するように作動する。したがって、ファンステージ106及びファンステージ108は、回転ファンブレードを各々含む一連のファンを表し、当該回転ファンブレードは各々、回転ファンブレードが受け取った空気がファンステージ106及びファンステージ108(例えば、圧縮の各ステージ)を通過するときに、回転ファンブレードが受け取った空気を圧縮するように作動する。更に、ファンステージ106及びファンステージ108の各々に対応するガイド翼110及びガイド翼112がそれぞれ、低圧コンプレッサステージ104に存在するように示されている。ガイド翼110及びガイド翼112は、それぞれのファンステージ106及びファンステージ108を通過した空気をガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、ファンステージ106及びファンステージ108は、ファンステージ106及びファンステージ108に回転を付与するように作動する共通のシャフト、低圧シャフト114に対して直接的に接続されている。更に示されているように、低圧シャフト114は更に、ファンステージ102に接続され得る。
【0080】
低圧コンプレッサステージ104の後に(例えば、下流に)、高圧コンプレッサステージ116がある。高圧コンプレッサステージ116は更に、低圧コンプレッサステージ104から受け取った低圧圧縮空気を、増加した(より高い)圧力レベルまで圧縮するように作動し得る。高圧コンプレッサステージ116は、例えば、回転ファンブレードを各々有するファンステージ118及びファンステージ120を含み得、当該回転ファンブレードは、受け取った空気がファンステージ118及びファンステージ120を通過するときに、受け取った空気を圧縮するように作動する。したがって、ファンステージ118及びファンステージ120は、回転ファンブレードを各々含む(ファンステージ106及びファンステージ108と同様の)一連のファンを表し、当該回転ファンブレードは各々、回転ファンブレードが受け取った空気がファンステージ118及びファンステージ120(例えば、圧縮の各ステージ)を通過するときに、回転ファンブレードが受け取った空気を圧縮するように作動する。更に、ファンステージ118及びファンステージ120の各々に対応するガイド翼122及びガイド翼124がそれぞれ、高圧コンプレッサステージ116に存在するように示されている。ガイド翼122及びガイド翼124は、それぞれのファンステージ118及びファンステージ120を通過した空気をガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、ファンステージ118及びファンステージ120は、ファンステージ118及びファンステージ120に回転を付与するように作動する共通のシャフト、高圧シャフト126に対して直接的に接続されている。いくつかの実施形態では、高圧シャフト126は、低圧シャフト114よりも高速で回転し、これにより、例えば、高圧コンプレッサステージ116は、低圧シャフト114によって駆動される低圧コンプレッサステージ104が可能である圧力よりも高い圧力まで、受け取った空気を圧縮することができる。
【0081】
推進システム172は、燃焼セクション128を更に含み、燃焼セクション128は、圧縮空気を高圧コンプレッサステージ116から受け取って、圧縮空気を燃料と混合し、混合物を点火して燃焼器を利用して燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスは、燃焼セクション128の下流にある複数のタービンに動力を供給するために利用され得、エンジン出口100の外に排気ガスとして通過する。
【0082】
示されているように、燃焼セクション128の下流に高圧タービンステージ130がある。高圧タービンステージ130は、高圧シャフト126に回転を付与するように作動し得る。高圧タービンステージ130は、例えば、回転ファンブレードを各々有するタービンステージ132及びタービンステージ134を含み得、当該回転ファンブレードは、燃焼ガスがタービンステージ132及びタービンステージ134(例えば、各タービンステージ)を通過するときにエネルギーを受け取るように作動する。更に、タービンステージ132及びタービンステージ134の各々に対応するガイド翼136及びガイド翼138がそれぞれ、高圧タービンステージ130に存在するように示されている。ガイド翼136及びガイド翼138は、それぞれのタービンステージ132及びタービンステージ134を通過した燃焼ガスをガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、タービンステージ132及びタービンステージ134は、共通のシャフト、高圧シャフト126に対して直接的に接続されており、タービンステージ132及びタービンステージ134は、高圧シャフト126に回転を付与するように作動する。
【0083】
燃焼ガスは、高圧タービンステージ130を出て行き得、低圧タービンステージ140に流れ得る。低圧タービンステージ140は、低圧シャフト114に回転を付与するように作動し得る。低圧タービンステージ140は、例えば、回転ファンブレードを各々有するタービンステージ142及びタービンステージ144を含み得、当該回転ファンブレードは、燃焼ガスがタービンステージ142及びタービンステージ144(例えば、各タービンステージ)を通過するときにエネルギーを受け取るように作動する。更に、タービンステージ142及びタービンステージ144の各々に対応するガイド翼146及びガイド翼148がそれぞれ、低圧タービンステージ140に存在するように示されている。ガイド翼146及びガイド翼148は、それぞれのタービンステージ142及びタービンステージ144を通過した燃焼ガスをガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、タービンステージ142及びタービンステージ144は、共通のシャフト、低圧シャフト114に対して直接的に接続されており、タービンステージ142及びタービンステージ144は、例えば、高圧タービンステージ130に対して低圧タービンステージ140にあるときに、燃焼ガスに存在しているエネルギーがより少ないことによって(燃焼ガスの温度が低下することによって)、高圧シャフト126に付与される回転速度よりも低い回転速度で低圧シャフト114に回転を付与するように作動する。
【0084】
上述のように、本実施形態は、推進システム172のハイブリッド化に関する技術を含む。例えば、推進システム172は、推進システム172の上述の要素に関連して作動する電気モータ150を含み得る。例えば、電気モータ150は、ファンステージ102に隣接して配置された前方のファン一体化モータであり得る。示されているように、電気モータ150は、モータステータ154を取り囲んでいるモータ筐体152を含む。エアギャップ156は、冷却流体(例えば、空気)を提供するためにモータステータ154に隣接して提供され得、モータロータ158も電気モータ150に含まれ得る。
【0085】
作動時に、モータステータ154は、巻線を含み得る一方、モータロータ158は、1つ又は複数の磁石を含む。モータステータ154及びモータロータ158は、電気モータとして作動し得、ここで、電力は、ファンステージ102のファンブレードを回転させるために印加される。代替的に、モータステータ154及びモータロータ158は、発電機として作動し得る。例えば、航空機の降下又は着陸中に、モータステータ154は、ファンステージ102の回転に対して抵抗を生成するように作動し得る。これは、推進システム172によって提供される正味の推力の低減をもたらし、航空機の速度の低減につながり得る。これは、また、例えば、航空機に搭載された1つ又は複数の電源(例えば、電気化学バッテリ)を充電するために使用され得る電力の生成をもたらし得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、ファンステージ102は、一体化ファンブレードであって、これによって、モータロータ158は、圧縮スリーブを介して、(いくつかの実施形態では)所定位置に保持され得る、ファンステージ102を取り囲んでいるファンシュラウドの周りに配置されたモータロータ158のロータ磁石を有する。したがって、電気モータ150は、モータロータ158を通じて、一体化ファンブレードに対して直接的にトルクを提供し、それによって、ハイブリッドの電動作動及び/又は完全な電動作動を可能にする。すなわち、ハイブリッドモードにおいて、電気モータ150は、低圧シャフト114によって提供される回転を補い得るか、又は電気モードにおいて、低圧シャフト114は、ファンステージ102から分離され得、電気モータ150は専ら、ファンステージ102のファンブレードに回転を提供し得る。
【0087】
同様に、電気モータ150は、推進システム172によって使用される完全な動力を提供して、ファンステージ102(例えば、上述の例として提供されるようなロータ一体化ファンブレード)を通じて低圧シャフト114にトルクを伝達することによって任意の所与の推力を生成し得る。電気モータ150は、また、任意の所与の推力を生成するために必要とされる部分的な動力を提供し得る一方、残りの動力は、燃焼セクション128において生成される燃焼から生じる。他の実施形態では、電気モータ150は、また、ファンステージ102を通じて(例えば、ロータ一体化ファンブレードを通じて)低圧シャフト114から動力を取り込むことによって発電機として作動し得る。同様に、(
図13に関して概説したものと同様の)モータ作動/生成作動の組み合わせを通じて、電気モータ150は、エンジン(例えば、推進システム172)の全体の作動効率を増加させ得る。
【0088】
更に、推進システム172は、推進システム172の上述の要素に関連して作動する追加の電気モータ166を含み得る。いくつかの実施形態では、電気モータ166は、電気モータ150と同様であり得る。更に、例えば、電気モータ166は、低圧コンプレッサステージ104に隣接して配置された低圧コンプレッサブレード一体化モータであり得る。より具体的には、電気モータ166は、ファンステージ106又は、例えば、ファンステージ106内のブレード若しくはファンに接続され得る。示されているように、電気モータ166は、モータステータ154を取り囲んでいるモータ筐体152を含む。エアギャップ156は、冷却流体(例えば、空気)を提供するためにモータステータ154に隣接して提供され得、モータロータ158も電気モータ150に含まれ得る。
【0089】
作動時に、モータステータ154は、巻線を含み得る一方、モータロータ158は、1つ又は複数の磁石を含む。モータステータ154及びモータロータ158は、電気モータとして作動し得、ここで、電力は、ファンステージ106のファンブレードを回転させるために印加される。代替的に、モータステータ154及びモータロータ158は、発電機として作動し得る。例えば、航空機の降下又は着陸中に、モータステータ154は、ファンステージ106の回転に対して抵抗を生成するように作動し得る。これは、推進システム172によって提供される正味の推力の低減をもたらし、航空機の速度の低減につながり得る。これは、また、例えば、航空機に搭載された1つ又は複数の電源(例えば、電気化学バッテリ)を充電するために使用され得る電力の生成をもたらし得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、ファンステージ106は、一体化ファンブレードであって、これによって、モータロータ158は、圧縮スリーブを介して、(いくつかの実施形態では)所定位置に保持され得る、ファンステージ106を取り囲んでいるファンシュラウドの周りに配置されたモータロータ158のロータ磁石を有する。したがって、電気モータ166は、モータロータ158を通じて、一体化ファンブレードに対して直接的にトルクを提供し、それによって、ハイブリッドの電動作動及び/又は完全な電動作動を可能にする。すなわち、ハイブリッドモードにおいて、電気モータ166は、低圧シャフト114によって提供される回転を補い得るか、又は電気モードにおいて、低圧シャフト114は、ファンステージ106から分離され得、電気モータ166は専ら、ファンステージ106のファンブレードに回転を提供し得る。
【0091】
同様に、電気モータ166は、推進システム172によって使用される完全な動力を提供して、ファンステージ106(例えば、上述の例として提供されるようなロータ一体化ファンブレード)を通じて低圧シャフト114にトルクを伝達することによって任意の所与の推力を生成し得る。電気モータ166は、また、任意の所与の推力を生成するために必要とされる部分的な動力を提供し得る一方、残りの動力は、燃焼セクション128において生成される燃焼から生じる。他の実施形態では、電気モータ166は、また、ファンステージ106を通じて(例えば、ロータ一体化ファンブレードを通じて)低圧シャフト114から動力を取り込むことによって発電機として作動し得る。同様に、(
図13に関して概説したものと同様の)モータ作動/生成作動の組み合わせを通じて、電気モータ166は、エンジン(例えば、推進システム172)の全体の作動効率を増加させ得る。
【0092】
更に、ハイブリッドモードにおいて、電気モータ150及び電気モータ166は、低圧シャフト114によって提供される回転を補うように連携して作動し得るか、又は電気モードにおいて、低圧シャフト114は、ファンステージ102及びファンステージ106の何れか若しくは両方から分離され得、電気モータ150及び電気モータ166は共に、ファンステージ102のファンブレード及びファンステージ106のファンブレードそれぞれに回転を提供し得ることに留意されたい。
【0093】
同様に、縦に並んだ電気モータ150及び電気モータ166は、推進システム172によって使用される完全な動力を提供して、ファンステージ102及びファンステージ106(例えば、上述の例として提供されるようなロータ一体化ファンブレード)を通じて低圧シャフト114にトルクを伝達することによって任意の所与の推力を生成し得る。電気モータ150及び電気モータ166は、また、任意の所与の推力を生成するために必要とされる部分的な動力を提供し得る一方、残りの動力は、燃焼セクション128において生成される燃焼から生じる。他の実施形態では、電気モータ150及び電気モータ166は、また、ファンステージ102及びファンステージ106それぞれを通じて(例えば、ロータ一体化ファンブレードを通じて)低圧シャフト114から動力を取り込むことによって発電機として作動し得る。同様に、(
図13に関して概説したものと同様の)モータ作動/生成作動の組み合わせを通じて、電気モータ150及び電気モータ166は、エンジン(例えば、推進システム172)の全体の作動効率を増加させ得る。
【0094】
図21は、例えば、航空機に関連して使用され得る推進システム172の第2の実施形態を示す。
図20に関して上述した要素に加えて、推進システム172の第2の実施形態は、減速ギアボックス160及び駆動シャフト162を更に含む。作動時に、低圧シャフト114は、減速ギアボックス160に接続されており、減速ギアボックス160は、低圧シャフト114から、ファンステージ102に接続された駆動シャフト162へ回転を伝達するように作動し得る。減速ギアボックス160は、低圧シャフト114と駆動シャフト162との間の回転速度を変更するギア機構として作動し得る。
【0095】
図22は、例えば、航空機に関連して使用され得る推進システム174を示す。いくつかの実施形態では、推進システム174は、ガス動力エンジンである航空機用のジェットエンジンである。推進システム174は、推進システム174における流体流路を示すエンジン入口98及びエンジン出口100を含む。空気は、ファンステージ102を通過し得、推進システム174の低圧コンプレッサステージ104に向けて流れ得る。作動時に、ファンステージ102は、推進システム174内に空気を吸い込み及び/又は方向づけて、当該空気を低圧コンプレッサステージ104に向けて下流に通すように作動する回転ファンブレードを有する。更に、いくつかの実施形態では、ガイド翼103は、ファンステージ102の下流においてファンステージ102に隣接して配置され得る。ガイド翼103は、それぞれのファンステージ102を、例えば、低圧コンプレッサステージ104に向かって下流に通過した空気をガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。
【0096】
低圧コンプレッサステージ104は、ファンステージ102から受け取った空気を最初に圧縮するように作動し得る。低圧コンプレッサステージ104は、例えば、回転ファンブレードを各々有するファンステージ106及びファンステージ108を含み得、当該回転ファンブレードは、受け取った空気がファンステージ106及びファンステージ108を通過するときに、受け取った空気を圧縮するように作動する。したがって、ファンステージ106及びファンステージ108は、回転ファンブレードを各々含む一連のファンを表し、当該回転ファンブレードは各々、回転ファンブレードが受け取った空気がファンステージ106及びファンステージ108の各々(例えば、圧縮の各ステージ)を通過するときに、回転ファンブレードが受け取った空気を圧縮するように作動する。更に、ファンステージ106及びファンステージ108の各々に対応するガイド翼110及びガイド翼112がそれぞれ、低圧コンプレッサステージ104に存在するように示されている。ガイド翼110及びガイド翼112は、それぞれのファンステージ106及びファンステージ108を通過した空気をガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、ファンステージ106及びファンステージ108は、ファンステージ106及びファンステージ108に回転を付与するように作動する共通のシャフト、低圧シャフト114に対して直接的に接続されている。更に示されているように、低圧シャフト114は、更に、ファンステージ102に接続され得る。
【0097】
低圧コンプレッサステージ104の後に(例えば、下流に)、高圧コンプレッサステージ116がある。高圧コンプレッサステージ116は、更に、低圧コンプレッサステージ104から受け取った低圧圧縮空気を、増加した(より高い)圧力レベルまで圧縮するように作動し得る。高圧コンプレッサステージ116は、例えば、回転ファンブレードを各々有するファンステージ118及びファンステージ120を含み得、当該回転ファンブレードは、受け取った空気がファンステージ118及びファンステージ120を通過するときに、受け取った空気を圧縮するように作動する。したがって、ファンステージ118及びファンステージ120は、回転ファンブレードを各々含む(ファンステージ106及びファンステージ108と同様の)一連のファンを表し、当該回転ファンブレードは各々、回転ファンブレードが受け取った空気がファンステージ118及びファンステージ120(例えば、圧縮の各ステージ)を通過するときに、回転ファンブレードが受け取った空気を圧縮するように作動する。更に、ファンステージ118及びファンステージ120の各々に対応するガイド翼122及びガイド翼124がそれぞれ、高圧コンプレッサステージ116に存在するように示されている。ガイド翼122及びガイド翼124は、それぞれのファンステージ118及びファンステージ120を通過した空気をガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、ファンステージ118及びファンステージ120は、ファンステージ118及びファンステージ120に回転を付与するように作動する共通のシャフト、高圧シャフト126に対して直接的に接続されている。いくつかの実施形態では、高圧シャフト126は、低圧シャフト114よりも高速で回転し、これにより、例えば、高圧コンプレッサステージ116は、低圧シャフト114によって駆動される低圧コンプレッサステージ104が可能である圧力よりも高い圧力まで、受け取った空気を圧縮することができる。
【0098】
推進システム174は、燃焼セクション128を更に含み、燃焼セクション128は、圧縮空気を高圧コンプレッサステージ116から受け取って、圧縮空気を燃料と混合し、混合物を点火して燃焼器を利用して燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスは、燃焼セクション128の下流にある複数のタービンに動力を供給するために利用され得、エンジン出口100の外に排気ガスとして通過する。
【0099】
示されているように、燃焼セクション128の下流に高圧タービンステージ130がある。高圧タービンステージ130は、高圧シャフト126に回転を付与するように作動し得る。高圧タービンステージ130は、例えば、回転ファンブレードを各々有するタービンステージ132及びタービンステージ134を含み得、当該回転ファンブレードは、燃焼ガスがタービンステージ132及びタービンステージ134(例えば、各タービンステージ)を通過するときにエネルギーを受け取るように作動する。更に、タービンステージ132及びタービンステージ134の各々に対応するガイド翼136及びガイド翼138がそれぞれ、高圧タービンステージ130に存在するように示されている。ガイド翼136及びガイド翼138は、それぞれのタービンステージ132及びタービンステージ134を通過した燃焼ガスをガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、タービンステージ132及びタービンステージ134は、共通のシャフト、高圧シャフト126に対して直接的に接続されており、タービンステージ132及びタービンステージ134は、高圧シャフト126に回転を付与するように作動する。
【0100】
燃焼ガスは、高圧タービンステージ130を出て行き得、低圧タービンステージ140に流れ得る。低圧タービンステージ140は、低圧シャフト114に回転を付与するように作動し得る。低圧タービンステージ140は、例えば、回転ファンブレードを各々有するタービンステージ142及びタービンステージ144を含み得、当該回転ファンブレードは、燃焼ガスがタービンステージ142及びタービンステージ144(例えば、各タービンステージ)を通過するときにエネルギーを受け取るように作動する。更に、タービンステージ142及びタービンステージ144の各々に対応するガイド翼146及びガイド翼148がそれぞれ、低圧タービンステージ140に存在するように示されている。ガイド翼146及びガイド翼148は、それぞれのタービンステージ142及びタービンステージ144を通過した燃焼ガスをガイドするか又は他の場合には、ある方向に向けるように作動する。示されているように、タービンステージ142及びタービンステージ144は、共通のシャフト、低圧シャフト114に対して直接的に接続されており、タービンステージ142及びタービンステージ144は、例えば、高圧タービンステージ130に対して低圧タービンステージ140にあるときに、燃焼ガスに存在しているエネルギーがより少ないことによって(燃焼ガスの温度が低下することによって)、高圧シャフト126に付与される回転速度よりも低い回転速度で低圧シャフト114に回転を付与するように作動する。
【0101】
上述のように、本実施形態は、推進システム174のハイブリッド化に関する技術を含む。例えば、推進システム174は、推進システム174の上述の要素に関連して作動する電気モータ150を含み得る。例えば、電気モータ150は、ファンステージ102に隣接して配置された前方のファン一体化モータであり得る。示されているように、電気モータ150は、モータステータ154を取り囲んでいるモータ筐体152を含む。エアギャップ156は、冷却流体(例えば、空気)を提供するためにモータステータ154に隣接して提供され得、モータロータ158も電気モータ150に含まれ得る。
【0102】
作動時に、モータステータ154は、巻線を含み得る一方、モータロータ158は、1つ又は複数の磁石を含む。モータステータ154及びモータロータ158は、電気モータとして作動し得、ここで、電力は、ファンステージ102のファンブレードを回転させるために印加される。代替的に、モータステータ154及びモータロータ158は、発電機として作動し得る。例えば、航空機の降下又は着陸中に、モータステータ154は、ファンステージ102の回転に対して抵抗を生成するように作動し得る。これは、推進システム174によって提供される正味の推力の低減をもたらし、航空機の速度の低減につながり得る。これは、また、例えば、航空機に搭載された1つ又は複数の電源(例えば、電気化学バッテリ)を充電するために使用され得る電力の生成をもたらし得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、ファンステージ102は、一体化ファンブレードであって、これによって、モータロータ158は、圧縮スリーブを介して、(いくつかの実施形態では)所定位置に保持され得る、ファンステージ102を取り囲んでいるファンシュラウドの周りに配置されたモータロータ158のロータ磁石を有する。したがって、電気モータ150は、モータロータ158を通じて、一体化ファンブレードに対して直接的にトルクを提供し、それによって、ハイブリッドの電動作動及び/又は完全な電動作動を可能にする。すなわち、ハイブリッドモードにおいて、電気モータ150は、低圧シャフト114によって提供される回転を補い得るか、又は電気モードにおいて、低圧シャフト114は、ファンステージ102から分離され得、電気モータ150は専ら、ファンステージ102のファンブレードに回転を提供し得る。
【0104】
同様に、電気モータ150は、推進システム174によって使用される完全な動力を提供して、ファンステージ102(例えば、上述の例として提供されるようなロータ一体化ファンブレード)を通じて低圧シャフト114にトルクを伝達することによって任意の所与の推力を生成し得る。電気モータ150は、また、任意の所与の推力を生成するために必要とされる部分的な動力を提供し得る一方、残りの動力は、燃焼セクション128において生成される燃焼から生じる。他の実施形態では、電気モータ150は、また、ファンステージ102を通じて(例えば、ロータ一体化ファンブレードを通じて)低圧シャフト114から動力を取り込むことによって発電機として作動し得る。同様に、(
図13に関して概説したものと同様の)モータ作動/生成作動の組み合わせを通じて、電気モータ150は、エンジン(例えば、推進システム174)の全体の作動効率を増加させ得る。
【0105】
更に、推進システム174は、推進システム174の上述の要素に関連して作動する、電気モータ166及び電気モータ170を更に含み得る。いくつかの実施形態では、電気モータ166及び電気モータ170のうちの一方又は両方は、電気モータ150と同様であり得る。更に、例えば、電気モータ166は、低圧コンプレッサステージ104に隣接して配置された低圧コンプレッサブレード一体化モータであり得る。より具体的には、電気モータ166は、ファンステージ106又は、例えば、ファンステージ106内のブレード若しくはファンに接続され得る。同様に、例えば、電気モータ170は、低圧コンプレッサステージ104に隣接して配置された低圧コンプレッサブレード一体化モータであり得る。より具体的には、電気モータ170は、ファンステージ108又は、例えば、ファンステージ108内のブレード若しくはファンに接続され得る。示されているように、電気モータ166及び電気モータ170の各々は、モータステータ154を取り囲んでいるモータ筐体152を含む。エアギャップ156は、冷却流体(例えば、空気)を提供するためにモータステータ154に隣接して提供され得、モータロータ158も電気モータ150に含まれ得る。
【0106】
作動時に、モータステータ154は、巻線を含み得る一方、モータロータ158は、1つ又は複数の磁石を含む。モータステータ154及びモータロータ158は、電気モータとして作動し得、ここで、電力は、ファンステージ106又はファンステージ108それぞれのファンブレードを回転させるために印加される。代替的に、モータステータ154及びモータロータ158は、発電機として作動し得る。例えば、航空機の降下又は着陸中に、モータステータ154は、ファンステージ106及び/又はファンステージ108それぞれの回転に対して抵抗を生成するように作動し得る。これは、推進システム174によって提供される正味の推力の低減をもたらし、航空機の速度の低減につながり得る。これは、また、例えば、航空機に搭載された1つ又は複数の電源(例えば、電気化学バッテリ)を充電するために使用され得る電力の生成をもたらし得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、ファンステージ106は、一体化ファンブレードであって、これによって、モータロータ158は、圧縮スリーブを介して、(いくつかの実施形態では)所定位置に保持され得る、ファンステージ106を取り囲んでいるファンシュラウドの周りに配置されたモータロータ158のロータ磁石を有する。したがって、電気モータ166は、モータロータ158を通じて、一体化ファンブレードに対して直接的にトルクを提供し、それによって、ハイブリッドの電動作動及び/又は完全な電動作動を可能にする。すなわち、ハイブリッドモードにおいて、電気モータ166は、低圧シャフト114によって提供される回転を補い得るか、又は電気モードにおいて、低圧シャフト114は、ファンステージ106から分離され得、電気モータ166は専ら、ファンステージ106のファンブレードに回転を提供し得る。
【0108】
同様に、いくつかの実施形態では、ファンステージ108は、一体化ファンブレードであって、これによって、モータロータ158は、圧縮スリーブを介して、(いくつかの実施形態では)所定位置に保持され得る、ファンステージ108を取り囲んでいるファンシュラウドの周りに配置されたモータロータ158のロータ磁石を有する。したがって、電気モータ170は、モータロータ158を通じて、一体化ファンブレードに対して直接的にトルクを提供し、それによって、ハイブリッドの電動作動及び/又は完全な電動作動を可能にする。すなわち、ハイブリッドモードにおいて、電気モータ170は、低圧シャフト114によって提供される回転を補い得るか、又は電気モードにおいて、低圧シャフト114は、ファンステージ108から分離され得、電気モータ170は専ら、ファンステージ108のファンブレードに回転を提供し得る。
【0109】
更に、電気モータ166及び/又は電気モータ170は、推進システム174によって使用される完全な動力を提供して、ファンステージ106又はファンステージ108(例えば、上述の例として提供されるようなロータ一体化ファンブレード)を通じて低圧シャフト114にトルクを伝達することによって任意の所与の推力を生成し得る。電気モータ166及び/又は電気モータ170は、また、任意の所与の推力を生成するために必要とされる部分的な動力を提供し得る一方、残りの動力は、燃焼セクション128において生成される燃焼から生じる。他の実施形態では、電気モータ166及び/又は電気モータ170は、また、ファンステージ106又はファンステージ108を通じて(例えば、ロータ一体化ファンブレードを通じて)低圧シャフト114から動力を取り込むことによって発電機として作動し得る。同様に、(
図13に関して概説したものと同様の)モータ作動/生成作動の組み合わせを通じて、電気モータ166及び/又は電気モータ170は、エンジン(例えば、推進システム174)の全体の作動効率を増加させ得る。
【0110】
更に、ハイブリッドモードにおいて、電気モータ150、電気モータ166、及び/又は電気モータ170のうちの2つ以上は、低圧シャフト114によって提供される回転を補うように連携して作動し得るか、又は電気モードにおいて、低圧シャフト114は、ファンステージ102、ファンステージ106、及びファンステージ108の何れか、両方、若しくは全てから分離され得、電気モータ150、電気モータ166、及び/又は電気モータ170のうちの2つ以上は共に、ファンステージ102のファンブレード、ファンステージ106のファンブレード、及びファンステージ108のファンブレードそれぞれに回転を提供し得ることに留意されたい。
【0111】
同様に、電気モータ150、電気モータ166、及び/又は電気モータ170のうちの2つ以上は、連携して作動して、推進システム174によって使用される完全な動力を提供して、ファンステージ102、ファンステージ106、及びファンステージ108(例えば、上述の例として提供されるようなロータ一体化ファンブレード)を通じて低圧シャフト114にトルクを伝達することによって任意の所与の推力を生成し得る。電気モータ150、電気モータ166、及び/又は電気モータ170のうちの2つ以上は、また、任意の所与の推力を生成するために必要とされる部分的な動力を提供し得る一方、残りの動力は、燃焼セクション128において生成される燃焼から生じる。他の実施形態では、電気モータ150、電気モータ166、及び/又は電気モータ170のうちの2つ以上は、また、ファンステージ102、ファンステージ106、及びファンステージ108それぞれを通じて(例えば、ロータ一体化ファンブレードを通じて)低圧シャフト114から動力を取り込むことによって発電機として作動し得る。同様に、(
図13に関して概説したものと同様の)モータ作動/生成作動の組み合わせを通じて、電気モータ150、電気モータ166、及び/又は電気モータ170のうちの2つ以上は、エンジン(例えば、推進システム174)の全体の作動効率を増加させ得る。
【0112】
図23は、例えば、航空機に関連して使用され得る推進システム174の第2の実施形態を示す。
図22に関して上述した要素に加えて、推進システム174の第2の実施形態は、減速ギアボックス160及び駆動シャフト162を更に含む。作動時に、低圧シャフト114は、減速ギアボックス160に接続されており、減速ギアボックス160は、低圧シャフト114から、ファンステージ102に接続された駆動シャフト162へ回転を伝達するように作動し得る。減速ギアボックス160は、低圧シャフト114と駆動シャフト162との間の回転速度を変更するギア機構として作動し得る。
【0113】
更に、電気モータ150、電気モータ166、及び電気モータ170の各々は、
図4、
図6、
図8、
図10、及び
図12に示される電源60及びコントローラ62と同様に、コントローラ62に接続された電源60に接続され得ることに留意されたい。更に、電気モータ150、電気モータ166、及び電気モータ170のうちの1つよりも多くのものが(例えば、推進システム168、推進システム172、及び/又は推進システム174に)存在する場合、推進システム168、推進システム172、及び/又は推進システム174に存在するそれぞれの電気モータ150、電気モータ166、及び電気モータ170は、それ自体の電源60及びそれ自体のコントローラ62に接続され得る。代替的に、電気モータ150、電気モータ166、及び電気モータ170のうちの1つよりも多くのものが(例えば、推進システム168、推進システム172、及び/又は推進システム174に)存在する場合、推進システム168、推進システム172、及び/又は推進システム174に存在する電気モータ150、電気モータ166、及び電気モータ170のうちの2つ以上は、共通の電源60及び共通のコントローラ62に接続され得る。
【0114】
記載されているこの説明は、例を使用して、任意のデバイス又はシステムを作製及び使用すること並びに組み込まれた任意の方法を行うことを含む本開示を任意の当業者が実施することを可能にするように上記説明を開示する。本開示の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定められ、当業者が思い付く他の例を含み得る。当該他の例が、特許請求の範囲の文字通りの用語と異なっていない構造的な要素を有する場合、又は当該他の例が、特許請求の範囲の文字通りの用語との僅かな違いを有する同等の構造的な要素を含む場合、当該他の例は特許請求の範囲内にあると意図される。したがって、上記の本開示の実施形態は、様々な修正及び代替的な形態が可能であり得るが、特定の実施形態が、図面において例として示されており、本明細書で詳細に記載されている。しかしながら、実施形態は、開示される特定の形態に限定されることを意図したものではないと理解されるべきである。むしろ、本開示の実施形態は、以下の添付の特許請求の範囲によって定められるような実施形態の趣旨及び範囲内に入る全ての修正、均等物、及び改変を包含する。
【国際調査報告】