(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】ユーザ機器によって実行されるビーム発見プロシージャ
(51)【国際特許分類】
H04W 16/28 20090101AFI20241029BHJP
H04W 56/00 20090101ALI20241029BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20241029BHJP
H04B 7/08 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
H04W16/28
H04W56/00 130
H04B7/06 950
H04B7/08 800
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523840
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2021079140
(87)【国際公開番号】W WO2023066482
(87)【国際公開日】2023-04-27
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【氏名又は名称】小梶 晴美
(74)【代理人】
【識別番号】100199705
【氏名又は名称】仙波 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(72)【発明者】
【氏名】アスリー, フレードリク
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ペッテション, スヴェン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD25
5K067DD44
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK02
5K067KK03
(57)【要約】
サービングアクセスネットワークノードに関するビーム発見プロシージャを実行するためのメカニズムが提供される。方法は、ユーザ機器によって実行される。本方法は、ビーム発見プロシージャを実行することの一部として、少なくとも2つのSSBを受信することを含む。少なくとも2つのSSBの各々は、PSSおよびSSSを含む。SSBの各々において、PSSはPSSシーケンスを含み、SSSはSSSシーケンスを含む。すべてのSSBは、同じPSSシーケンスを有するが、互いに異なるSSSシーケンスを有する。本方法は、サービングアクセスネットワークノードから受信されたSSBのSSSと、サービングアクセスネットワークノードから受信されなかった任意のSSBのSSSとのうちの少なくとも1つの受信電力が電力関連基準を満たすとき、SSBのPSSがサービングアクセスネットワークノードから受信されたシンボルを1組の評価シンボルに含めることを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービングアクセスネットワークノード(220a)に関するビーム発見プロシージャを実行するための方法であって、前記方法は、ユーザ機器(600)によって実行され、前記ビーム発見プロシージャ中に、前記ユーザ機器(600)は、候補ビームごとに少なくとも1つの評価シンボルを有する1組の評価シンボルに関する測定に基づいて1組の候補ビームを評価し、前記方法は、
前記ビーム発見プロシージャを実行することの一部として、少なくとも2つの同期信号ブロックSSB(100a、100b)を受信すること(S104)であって、各SSB(100a、100b)は、シンボルから構成され、それぞれのアクセスネットワークノード(220a、220b、220c)から受信され、1つは前記サービングアクセスネットワークノード(220a)であり、
前記少なくとも2つのSSB(100a、100b)の各々は、1次同期信号PSS(110、110-1、110-2)と、2次同期信号SSS(130、130-1、130-2)とを含み、前記SSB(100a、100b)の各々において、前記PSS(110、110-1、110-2)は、PSSシーケンスを含み、前記SSS(130、130-1、130-2)は、SSSシーケンスを含み、すべての前記SSB(100a、100b)は、同じPSSシーケンスを有するが、互いに異なるSSSシーケンスを有する、ことと、
前記サービングアクセスネットワークノード(220a)から受信された前記SSB(100a、100b)の前記SSS(130、130-1、130-2)と、前記サービングアクセスネットワークノード(220a)から受信されなかった任意のSSB(100a、100b)の前記SSS(130、130-1、130-2)とのうちの少なくとも1つの受信電力が電力関連基準を満たすとき、前記SSB(100a、100b)の前記PSS(110、110-1、110-2)が前記サービングアクセスネットワークノード(220a)から受信された前記シンボルを前記1組の評価シンボルに含めること(S106)と
を含む、方法。
【請求項2】
以下の式が成り立つ場合、前記電力関連基準が満たされ、
ここで、P
SSS,0は、前記サービングアクセスネットワークノード(220a)から受信された前記SSS(130、130-1、130-2)の前記受信電力であり、P
SSS,κは、前記ユーザ機器(600)にサーブしないアクセスネットワークノード(220b、220c)κから受信された前記SSSの前記受信電力であり、アクセスネットワークノード(220b、220c)κは、前記サービングアクセスネットワークノード(220a)と同じPSSシーケンスを有し、θはしきい電力値である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
以下の式が成り立つ場合、前記電力関連基準が満たされ、
ここで、P
SSS,0は、前記サービングアクセスネットワークノード(220a)から受信された前記SSS(130、130-1、130-2)の前記受信電力であり、κ≠0のP
SSS,κは、前記ユーザ機器(600)にサーブしないアクセスネットワークノード(220b、220c)κから受信された前記SSSの前記受信電力であり、アクセスネットワークノード(220b、220c)κは、前記サービングアクセスネットワークノード(220a)と同じPSSシーケンスを有し、θはしきい電力値である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
以下の式が成り立つ場合、前記電力関連基準が満たされ、
ここで、P
PSS,0は、前記PSS(110、110-1、110-2)の前記受信電力であり、P
SSS,0は、前記サービングアクセスネットワークノード(220a)から受信された前記SSS(130、130-1、130-2)の前記受信電力であり、θはしきい電力値である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記SSB(100a、100b)は、互いに異なるビームフォーミング利得を有するビームで受信され、前記電力関連基準が満たされるか否かを決定するとき、前記ビームフォーミング利得について補償が行われる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
すべてのSSB(100a、100b)が、等しいビームフォーミング利得を有するビームで受信される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記1組の候補ビームは、前記ユーザ機器(600)が前記サービングアクセスネットワークノード(220a)との通信のために前記1組の候補ビーム内のどの候補ビームを使用すべきかを発見するために評価される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ビーム発見プロシージャ中に、前記ユーザ機器(600)は、前記1組の候補ビームにおいてビーム掃引を実行し、前記候補ビームの各々は、前記評価シンボルのうちのそれぞれ1つを受信し、その評価シンボルに関して測定するために使用される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ビーム発見プロシージャを実行することは、
前記サービングアクセスネットワークノード(220a)との通信のために、前記評価シンボルが最も高い受信電力で受信される前記候補ビームを選択すること(S108)
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、
前記ユーザ機器(600)が速度しきい値よりも高い速度で移動しているという表示を取得すること(S102)をさらに含み、前記ビーム発見プロシージャを実行することは、それに応答してトリガされる、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記SSB(100a、100b)の各々は、前記PSS(110、110-1、110-2)を含む1つまたは複数のシンボルと、物理ブロードキャストチャネルPBCH信号(120、140)を含む1つまたは複数のシンボルと、前記SSS(130、130-1、130-2)および前記PBCH信号を含む1つまたは複数のシンボルとから構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ユーザ機器(600)は、各々が少なくとも2つのアンテナ素子を備える少なくとも2つのアンテナパネルを含み、前記ビーム発見プロシージャは、前記少なくとも2つのアンテナパネルの各々について独立して実行される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
サービングアクセスネットワークノード(220a)に関するビーム発見プロシージャを実行するためのユーザ機器(600)であって、前記ユーザ機器(600)は、前記ビーム発見プロシージャ中に、候補ビームごとに少なくとも1つの評価シンボルを有する1組の評価シンボルに関する測定に基づいて1組の候補ビームを評価するように設定され、前記ユーザ機器(600)は、処理回路(610)を含み、前記処理回路は、前記ユーザ機器(600)に、
前記ビーム発見プロシージャを実行することの一部として、少なくとも2つの同期信号ブロックSSB(100a、100b)を受信することであって、各SSB(100a、100b)は、シンボルから構成され、それぞれのアクセスネットワークノード(220a、220b、220c)から受信され、1つは前記サービングアクセスネットワークノード(220a)であり、
前記少なくとも2つのSSB(100a、100b)の各々は、1次同期信号PSS(110、110-1、110-2)と、2次同期信号SSS(130、130-1、130-2)とを含み、前記SSB(100a、100b)の各々において、前記PSS(110、110-1、110-2)は、PSSシーケンスを含み、前記SSS(130、130-1、130-2)は、SSSシーケンスを含み、すべての前記SSB(100a、100b)は、同じPSSシーケンスを有するが、互いに異なるSSSシーケンスを有する、ことと、
前記サービングアクセスネットワークノード(220a)から受信された前記SSB(100a、100b)の前記SSS(130、130-1、130-2)と、前記サービングアクセスネットワークノード(220a)から受信されなかった任意のSSB(100a、100b)の前記SSS(130、130-1、130-2)とのうちの少なくとも1つの受信電力が電力関連基準を満たすとき、前記SSB(100a、100b)の前記PSS(110、110-1、110-2)が前記サービングアクセスネットワークノード(220a)から受信された前記シンボルを前記1組の評価シンボルに含めることと
を行なわせるように設定される、ユーザ機器(600)。
【請求項14】
サービングアクセスネットワークノード(220a)に関するビーム発見プロシージャを実行するためのユーザ機器(600)であって、前記ユーザ機器(600)は、前記ビーム発見プロシージャ中に、候補ビームごとに少なくとも1つの評価シンボルを有する1組の評価シンボルに関する測定に基づいて1組の候補ビームを評価するように設定され、前記ユーザ機器(600)は、
前記ビーム発見プロシージャを実行することの一部として、少なくとも2つの同期信号ブロックSSB(100a、100b)を受信するように設定された受信モジュール(720)であって、各SSB(100a、100b)は、シンボルから構成され、それぞれのアクセスネットワークノード(220a、220b、220c)から受信され、1つは前記サービングアクセスネットワークノード(220a)であり、
前記少なくとも2つのSSB(100a、100b)の各々は、1次同期信号PSS(110、110-1、110-2)と、2次同期信号SSS(130、130-1、130-2)とを含み、前記SSB(100a、100b)の各々において、前記PSS(110、110-1、110-2)は、PSSシーケンスを含み、前記SSS(130、130-1、130-2)は、SSSシーケンスを含み、すべての前記SSB(100a、100b)は、同じPSSシーケンスを有するが、互いに異なるSSSシーケンスを有する、受信モジュール(720)と、
前記サービングアクセスネットワークノード(220a)から受信された前記SSB(100a、100b)の前記SSS(130、130-1、130-2)と、前記サービングアクセスネットワークノード(220a)から受信されなかった任意のSSB(100a、100b)の前記SSS(130、130-1、130-2)とのうちの少なくとも1つの受信電力が電力関連基準を満たすとき、前記SSB(100a、100b)の前記PSS(110、110-1、110-2)が前記サービングアクセスネットワークノード(220a)から受信された前記シンボルを前記1組の評価シンボルに含めるように設定された包含モジュール(730)と
を含む、ユーザ機器(600)。
【請求項15】
請求項2から12のいずれか一項に記載の方法を実行するようにさらに設定された、請求項13または14に記載のユーザ機器(600)。
【請求項16】
サービングアクセスネットワークノード(220a)に関するビーム発見プロシージャを実行するためのコンピュータプログラム(820)であって、前記ビーム発見プロシージャ中に、前記ユーザ機器(600)は、候補ビームごとに少なくとも1つの評価シンボルを有する1組の評価シンボルに関する測定に基づいて1組の候補ビームを評価し、前記コンピュータプログラムは、コンピュータコードを含み、前記コンピュータコードは、ユーザ機器(600)の処理回路(610)上で実行されたとき、前記ユーザ機器(600)に、
前記ビーム発見プロシージャを実行することの一部として、少なくとも2つの同期信号ブロックSSB(100a、100b)を受信すること(S104)であって、各SSB(100a、100b)は、シンボルから構成され、それぞれのアクセスネットワークノード(220a、220b、220c)から受信され、1つは前記サービングアクセスネットワークノード(220a)であり、
前記少なくとも2つのSSB(100a、100b)の各々は、1次同期信号PSS(110、110-1、110-2)と、2次同期信号SSS(130、130-1、130-2)とを含み、前記SSB(100a、100b)の各々において、前記PSS(110、110-1、110-2)は、PSSシーケンスを含み、前記SSS(130、130-1、130-2)は、SSSシーケンスを含み、すべての前記SSB(100a、100b)は、同じPSSシーケンスを有するが、互いに異なるSSSシーケンスを有する、ことと、
前記サービングアクセスネットワークノード(220a)から受信された前記SSB(100a、100b)の前記SSS(130、130-1、130-2)と、前記サービングアクセスネットワークノード(220a)から受信されなかった任意のSSB(100a、100b)の前記SSS(130、130-1、130-2)とのうちの少なくとも1つの受信電力が電力関連基準を満たすとき、前記SSB(100a、100b)の前記PSS(110、110-1、110-2)が前記サービングアクセスネットワークノード(220a)から受信された前記シンボルを前記1組の評価シンボルに含めること(S106)と
を行なわせる、コンピュータプログラム(820)。
【請求項17】
請求項16に記載のコンピュータプログラム(820)と、前記コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ可読記憶媒体(830)とを含むコンピュータプログラム製品(810)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で提示される実施形態は、サービングアクセスネットワークノードに関するビーム発見プロシージャを実行するための方法、ユーザ機器、コンピュータプログラム、およびコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワークでは、所与の通信プロトコル、そのパラメータ、および通信ネットワークが展開される物理的環境について良好な性能および容量を得るための課題が存在し得る。
【0003】
たとえば、次世代の移動体通信ネットワークでは、多くの異なるキャリア周波数の周波数帯域が必要とされ得る。たとえば、低いそのような周波数帯域は、ワイヤレスデバイスについての十分なネットワークカバレッジを達成するために必要とされる可能性があり、より高い周波数帯域(たとえば、ミリメートル波長(mmW)、すなわち、30GHz付近および30GHz超)は、必要とされるネットワーク容量に達するために必要とされる可能性がある。一般論として、高周波数では、無線チャネルの伝搬特性は、より難題であり、十分なリンクバジェットに達するために、ネットワークのネットワークノードとワイヤレスデバイスとの両方におけるビームフォーミングが必要とされることがある。
【0004】
予想される高い伝搬損失を補償するために、そのような高い周波数において、狭ビーム送受信方式が必要とされることがある。所与の通信リンクについて、それぞれのビームは、(ネットワークノードまたはその送受信ポイントTRPによって表される)ネットワーク端と、(ユーザ機器によって表される)端末端との両方において適用することができ、このことは、典型的には、ビームペアリンク(BPL)と呼ばれる。ビーム管理プロシージャの1つのタスクは、ビームペアリンクを発見し、維持することである。BPL(すなわち、ネットワークノードによって使用されるビームと、ユーザ機器によって使用されるビームとの両方)は、ビーム管理のために使用される、チャネル状態情報参照信号(channel state information reference signal:CSI-RS)または同期信号ブロック(synchronization signal block:SSB)信号などのダウンリンク参照信号に関する測定を使用して、ネットワークによって発見され、監視されることが期待される。
【0005】
ビーム管理のためのCSI-RSは、周期的に、半永続的に、または非周期的に送信する(イベントトリガする)ことができ、それらの信号は、複数のユーザ機器間で共有されるか、またはデバイス固有であるかのいずれかであり得る。SSBは、周期的に送信され、すべてのユーザ機器のために共有される。ユーザ機器が適切なネットワークノードビームを発見するために、ネットワークノードは、P-1サブプロシージャ中に、ユーザ機器が参照信号受信電力(reference signal received power:RSRP)などの測定を実行する異なる送信(TX)ビームにおいて参照信号を送信し、N個の最良のTXビーム(Nは、ネットワークによって設定され得る)の報告を返す。さらに、所与のTXビーム上での参照信号の送信は、ユーザ機器が適切な受信(RX)ビームを評価することができるように繰り返すことができる。TRPによってサーブされるすべてのユーザ機器の間で共有される参照信号は、ユーザ機器についての第1の大まかな方向を決定するために使用されることがある。参照信号としてSSBを使用することは、TRPにおけるそのような周期的なTXビーム掃引に適している可能性がある。このための1つの理由は、SSBはいずれにしても(初期アクセス/同期の目的で)周期的に送信され、SSBはまた、上述のより高い伝搬損失を克服するために、より高い周波数でビームフォーミングされることが期待されるからである。
【0006】
次いで、各ユーザ機器のより詳細な方向を決定するために、ネットワークノードにおいて、P-2サブプロシージャ中に、P-1サブプロシージャ中に使用されるものよりも狭いビームでのより細かいビーム掃引が実行されることがある。本明細書では、CSI-RSは、参照信号として使用され得る。P-1サブプロシージャに関して、ユーザ機器は、参照信号受信電力(RSRP)などの測定を実行し、N個の最良のTXビーム(Nは、ネットワークによって設定され得る)の報告を返す。
【0007】
さらに、P-2サブプロシージャ中に選択された送信ビームにおけるCSI-RS送信は、ユーザ機器がユーザ機器において適切なRXビームを評価することができるように、P-3サブプロシージャにおいて繰り返すことができる。
【0008】
SSBは、初期同期、初期アクセスおよび移動性測定のために使用される基本システム情報を提供することを主な目的とするブロードキャスト信号である。SSB100a、100bの2つの例示的な構造が、
図1の(a)および(b)に示されている。SSBは、1次同期信号(Primary Synchronization Signal:PSS)110、110-1、110-2、2次同期信号(Secondary Synchronization Signal:SSS)130、130-1、130-2、および物理ブロードキャストチャネル(Physical Broadcast CHannel:PBCH)120、120-1、120-2、130、140、140-1、140-2から構成される。いくつかの例では、SSBのPSS部分およびSSS部分は、127個のサブキャリアを介して送信され、サブキャリア間隔は、6GHz未満では15kHzまたは30kHz、6GHz超では120kHzまたは240kHzとすることができる。
【0009】
いくつかのタイプのワイヤレスネットワークでは、3つの異なるPSSシーケンスを使用することができる。これらのPSSシーケンスは、基本長さ127のMシーケンスの異なる巡回シフトから導出される。ユーザ機器は、PSSを検出したとき、SSSの送信タイミングを知っている。いくつかのタイプのワイヤレスネットワークでは、2つの基本Mシーケンスのシフトから導出される336個の異なるSSSシーケンスが存在する。PSSとSSSとの組合せは、セルの物理セル識別情報(physical cell identity:PCI)を決定する。336個の異なるSSSは、3つの異なるPSSとともに、1008個の異なるPCIを与える。
【0010】
低い周波数では、各セル内のアクセスネットワークノードが、セル全体をカバーする1つのSSBを送信することが予想されるが、より高い周波数では、セル全体にわたるカバレッジを達成するために、いくつかのビームフォーミングされたSSBが必要とされることが予想される。いくつかのタイプのワイヤレスネットワークでは、セル当たりのSSBの最大数は以下の通りである。3GHz未満の場合、セル当たり4SSB、3~6GHzの場合、セル当たり8SSB、6GHz超の場合、セル当たり64SSB。SSBは、5msまで持続し得るSSB送信バーストで送信することができる。SSBバーストの周期は、設定可能である。いくつかの例では、周期は、5、10、20、40、80、または160msのいずれかである。
【0011】
ユーザ機器がP-3サブプロシージャ中に受信ビームを選択するための1つの代替的な方法は、CSI-RSに関して測定する代わりに、ユーザ機器に周期的なSSB送信中に異なる候補受信ビームを評価させることである。CSI-RSの代わりにSSBを使用することの1つの利点は、CSI-RS送信の余分なオーバーヘッドが必要とされないことである。次に説明するように、理論的には、
図1(a)のように各SSBが4つのOFDMシンボルから構成される場合、各SSBバースト送信中に最大4つの候補受信ビームを評価することができる。ユーザ機器は、それにより、OFDMシンボルごとに1つの候補受信ビームを使用し、各候補受信ビームに関して受信電力を測定することができる。このようにして、理論的には、1つのSSB送信において、最大4つの候補受信ビームを評価することができる。しかしながら、サービングアクセスネットワークノードからのPSSの受信は、同じPSSシーケンスを使用する他のアクセスネットワークノードからのPSS送信が混入し得るので、SSB中の第1のシンボル、すなわち、PSSを搬送するシンボルは、候補受信ビームを評価するのに有用でないことがある。これは、3つの異なるPSSシーケンスのみが利用可能であり、したがって、近隣のセル内のアクセスネットワークノードが同じPSSシーケンスを使用している可能性が高いためである。近隣のセル内のアクセスネットワークノードが同じPSSシーケンスを使用する場合、ユーザ機器が複数のアクセスネットワークノードから同じ信号を受信するので、候補受信ビームの評価は信頼できなくなる。したがって、実際には、ユーザ機器が、適切な受信ビームを発見するためにSSB内の第1のOFDMシンボルを使用することができないことが仮定されることが多い。したがって、
図1(a)のSSBによれば、4つのOFDMシンボルのうちの3つのみを評価中に使用することができる。同じことが、PSSを含むすべてのシンボルが使用できない
図1(b)のSSBにも当てはまる。このことは、SSBのすべてのシンボルを使用することができる場合と比較して、P-3サブプロシージャにおけるより長いレイテンシにつながる。
【0012】
したがって、改善されたビーム発見プロシージャ、特にユーザ機器が候補受信ビームを評価するためのプロシージャが必要とされている。
【発明の概要】
【0013】
本明細書における実施形態の目的は、上記の問題に悩まされないか、または少なくとも上記の問題が低減もしくは緩和される、効率的なビーム発見を提供することである。
【0014】
第1の態様によれば、サービングアクセスネットワークノードに関するビーム発見プロシージャを実行するための方法が提示される。本方法は、ユーザ機器によって実行される。ビーム発見プロシージャ中に、ユーザ機器は、候補ビームごとに少なくとも1つの評価シンボルを有する1組の評価シンボルに関する測定に基づいて1組の候補ビームを評価する。本方法は、ビーム発見プロシージャを実行することの一部として、少なくとも2つのSSBを受信することを含む。各SSBは、シンボルから構成され、それぞれのアクセスネットワークノードから受信され、そのうちの1つは、サービングアクセスネットワークノードである。少なくとも2つのSSBの各々は、PSSおよびSSSを含む。SSBの各々において、PSSはPSSシーケンスを含み、SSSはSSSシーケンスを含む。すべてのSSBは、同じPSSシーケンスを有するが、互いに異なるSSSシーケンスを有する。本方法は、サービングアクセスネットワークノードから受信されたSSBのSSSと、サービングアクセスネットワークノードから受信されなかった任意のSSBのSSSとのうちの少なくとも1つの受信電力が電力関連基準を満たすとき、SSBのPSSがサービングアクセスネットワークノードから受信されたシンボルを1組の評価シンボルに含めることを含む。
【0015】
第2の態様によれば、サービングアクセスネットワークノードに関するビーム発見プロシージャを実行するためのユーザ機器が提示される。ユーザ機器は、ビーム発見プロシージャ中に、候補ビームごとに少なくとも1つの評価シンボルを有する1組の評価シンボルに関する測定に基づいて、1組の候補ビームを評価するように設定される。ユーザ機器は、処理回路を含む。処理回路は、ユーザ機器に、ビーム発見プロシージャを実行することの一部として、少なくとも2つのSSBを受信させるように設定される。各SSBは、シンボルから構成され、それぞれのアクセスネットワークノードから受信され、そのうちの1つは、サービングアクセスネットワークノードである。少なくとも2つのSSBの各々は、PSSおよびSSSを含む。SSBの各々において、PSSはPSSシーケンスを含み、SSSはSSSシーケンスを含む。すべてのSSBは、同じPSSシーケンスを有するが、互いに異なるSSSシーケンスを有する。処理回路は、サービングアクセスネットワークノードから受信されたSSBのSSSと、サービングアクセスネットワークノードから受信されなかった任意のSSBのSSSとのうちの少なくとも1つの受信電力が電力関連基準を満たすとき、ユーザ機器に、SSBのPSSがサービングアクセスネットワークノードから受信されたシンボルを1組の評価シンボルに含めさせるように設定される。
【0016】
第3の態様によれば、サービングアクセスネットワークノードに関するビーム発見プロシージャを実行するためのユーザ機器が提示される。ユーザ機器は、ビーム発見プロシージャ中に、候補ビームごとに少なくとも1つの評価シンボルを有する1組の評価シンボルに関する測定に基づいて、1組の候補ビームを評価するように設定される。ユーザ機器は、ビーム発見プロシージャを実行することの一部として、少なくとも2つのSSBを受信するように設定された受信モジュールを含む。各SSBは、シンボルから構成され、それぞれのアクセスネットワークノードから受信され、そのうちの1つは、サービングアクセスネットワークノードである。少なくとも2つのSSBの各々は、PSSおよびSSSを含む。SSBの各々において、PSSはPSSシーケンスを含み、SSSはSSSシーケンスを含む。すべてのSSBは、同じPSSシーケンスを有するが、互いに異なるSSSシーケンスを有する。ユーザ機器は、サービングアクセスネットワークノードから受信されたSSBのSSSと、サービングアクセスネットワークノードから受信されなかった任意のSSBのSSSとのうちの少なくとも1つの受信電力が電力関連基準を満たすとき、SSBのPSSがサービングアクセスネットワークノードから受信されたシンボルを1組の評価シンボルに含めるように設定された包含モジュールを含む。
【0017】
第4の態様によれば、サービングアクセスネットワークノードに関するビーム発見プロシージャを実行するためのコンピュータプログラムが提示され、このコンピュータプログラムは、ユーザ機器上で実行されたとき、ユーザ機器に、第1の態様による方法を実行させるコンピュータプログラムコードを含む。
【0018】
第5の態様によれば、第4の態様によるコンピュータプログラムと、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体とを含むコンピュータプログラム製品が提示される。コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体とすることができる。
【0019】
有利なことに、これらの態様は、上記の問題に悩まされることなく効率的なビーム発見を提供する。
【0020】
有利なことに、これらの態様は、ビーム発見目的で、SSBのすべてのシンボルをユーザ機器が使用することを可能にする。
【0021】
有利なことに、これらの態様は、P-3サブプロシージャのレイテンシを低減するために使用することができ、したがって、ユーザ機器がSSB送信ごとにより多くの候補受信ビームを評価することが可能になるので、より高速のビーム発見をもたらす。
【0022】
本発明に含まれる実施形態の他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な開示、添付の従属請求項、ならびに図面から明らかになるであろう。
【0023】
一般に、特許請求の範囲において使用されるすべての用語は、本明細書で別段に明示的に規定されない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「1つの(a/an)/その(the)要素、装置、構成要素、手段、モジュール、ステップなど」へのすべての言及は、別段に明示的に述べられない限り、要素、装置、構成要素、手段、モジュール、ステップなどの少なくとも1つの事例を指すものとして広く解釈されるべきである。本明細書で開示される任意の方法のステップは、明示的に述べられない限り、開示された正確な順序で実行される必要はない。
【0024】
次に、添付の図面を参照しながら、本発明の概念を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】実施形態による通信ネットワークを示す概略図である。
【
図3】実施形態による方法のフローチャートである。
【
図4】一実施形態による、SSBに関する測定に基づくユーザ機器における候補受信ビームの評価を概略的に示す図である。
【
図5】実施形態による方法のフローチャートである。
【
図6】一実施形態による、ユーザ機器の機能ユニットを示す概略図である。
【
図7】一実施形態による、ユーザ機器の機能モジュールを示す概略図である。
【
図8】一実施形態による、コンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の概念は、本発明の概念のいくつかの実施形態が示される添付の図面を参照しながら、以下により完全に説明される。しかしながら、本発明の概念は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が、綿密かつ完全であり、本発明の概念の範囲を当業者に完全に伝えるように、例として提供される。説明全体を通して、同様の番号は、同様の要素を指す。破線によって示される任意のステップまたは特徴は、任意選択と見なされるべきである。
【0027】
図2は、本明細書で提示される実施形態を適用することができる通信ネットワーク200を示す概略図である。通信ネットワーク200は、第3世代(3G)通信ネットワーク、第4世代(4G)通信ネットワーク、第5世代(5G)通信ネットワーク、第6世代(6G)通信ネットワーク、またはそれらの任意の発展型であり、適用可能な場合、任意の3GPP通信規格をサポートすることができる。あるいは、通信ネットワーク200は、IEEE802.11通信ネットワーク、または任意の他のワイヤレスIEEE準拠通信ネットワークなどの非セルラーネットワークおよび/または非3GPPネットワークとすることができる。通信ネットワーク200は、ネットワークアクセスがそれぞれのアクセスネットワークノード220a、220b、220cによって提供されるセル210a、210b、210cによって表される(無線)アクセスネットワークを含む。各セル210a、210b、210cは、図中で「PSS1」と示される同じPSSシーケンスを共有する。さらに、各セルは、図中で「SSS1」、「SSS2」、および「SSS3」と示される、それ自体のSSSシーケンスを有する。ユーザ機器600は、アクセスネットワークノード220aによってサーブされると仮定される。したがって、アクセスネットワークノード220aは、ユーザ機器600のためのサービングアクセスネットワークノードである。アクセスネットワークノード220a、220b、220cの例は、無線アクセスネットワークノード、無線基地局、基地トランシーバ局、ノードB、エボルブドノードB、gNB、アクセスポイント、および無線アクセスバックホール統合伝送ノードである。ユーザ機器600の例は、ワイヤレスデバイス、移動局、モバイル電話、ハンドセット、ワイヤレスローカルループ電話、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ネットワーク装備センサ、ネットワーク装備車両、およびいわゆるモノのインターネットデバイスである。アクセスネットワークノード220a、220b、220cは、コアネットワークに動作可能に接続され、コアネットワークは、次に、1つまたは複数のサービスネットワークに動作可能に接続される。通信ネットワーク200の他の構成要素および関連の機能は、本明細書で提示する概念を不明瞭にしないために省略される。
【0028】
上述のように、改善されたビーム発見プロシージャ、特に、ユーザ機器が候補受信ビームを評価するためのプロシージャが必要とされている。
【0029】
この点において、ユーザ機器が候補受信ビームを評価するためにSSB送信を使用することの1つの利点は、SSBが他の目的で継続的に送信され、その結果、候補受信ビームを評価するためにもSSBを使用することに伴う追加のオーバーヘッドがないことである。さらに、ユーザ機器は、移動性を目的として、複数のセル内のアクセスネットワークノードからのSSBに関して継続的に測定する。
【0030】
しかしながら、以上で開示したように、密に展開されたワイヤレスネットワークでは、ユーザ機器が、同じPSSシーケンスを使用して複数のセル内のアクセスネットワークノードから高い受信電力を有するPSSを受信する可能性が高いので、ユーザ機器において候補受信ビームを評価するためにSSB内のすべてのOFDMシンボルを使用することは困難である場合がある。しかしながら、いくつかのネットワーク展開では、セル分離が極めて大きいので、ユーザ機器のうちのいくつかについて、サービングアクセスネットワークノード以外のアクセスネットワークノードからのPSSが、極めて低い電力で受信される。
【0031】
サービングアクセスネットワークノード以外のアクセスネットワークノードから受信された信号が弱くなるように位置するユーザ機器の場合、サービングアクセスネットワークノードから送信されたPSSの受信電力の信頼できる測定が可能である。たとえば、各アクセスネットワークノードが3つのセクタを有する場合、アクセスネットワークノードは、セクタごとに1つのPSSシーケンス、すなわち、合計で3つの異なるPSSシーケンスを使用することができる。次いで、同じアクセスネットワークノードから同じPSSシーケンスを用いて送信されるPSSが存在せず、他のセル内のアクセスネットワークノードから受信されるPSSは弱いので、ユーザ機器は、いかなる大きい干渉も伴わずにPSSに関して測定することができる。しかしながら、セルエッジ上では、近隣のネットワークノードから送信されたPSSからの強い干渉が存在し得る。これは、一例にすぎない。この場合、ユーザ機器は、実際に、候補受信ビームを評価するためにSSBのすべての記号を使用することができる。
【0032】
したがって、本明細書で開示される実施形態は、サービングアクセスネットワークノード220aに関するビーム発見プロシージャを実行するためのメカニズムに関する。そのようなメカニズムを得るために、ユーザ機器600と、ユーザ機器600によって実行される方法と、ユーザ機器600上で実行されたときにユーザ機器600に本方法を実行させる、たとえば、コンピュータプログラムの形態のコードを含むコンピュータプログラム製品とが提供される。
【0033】
図3は、サービングアクセスネットワークノード220aに関するビーム発見プロシージャを実行するための方法の実施形態を示すフローチャートである。本方法は、ユーザ機器600によって実行される。ビーム発見プロシージャ中に、ユーザ機器600は、候補ビームごとに少なくとも1つの評価シンボルを有する1組の評価シンボルに関する測定に基づいて1組の候補ビームを評価する。本方法は、有利なことに、コンピュータプログラム820として提供される。
【0034】
要するに、サービングアクセスネットワークノードと近隣のセル内のアクセスネットワークノードとの両方から受信されたSSBに関する測定に基づいて、ユーザ機器は、候補受信ビームを評価するために、PSSを保持するシンボルを使用することができるかどうかを決定する。
【0035】
ユーザ機器600は、S104のように、(少なくとも)2つの異なるアクセスネットワークノード220a、220b、220cからSSBを受信する。
【0036】
S104:ユーザ機器600は、ビーム発見プロシージャを実行することの一部として、少なくとも2つのSSB100a、100bを受信する。各SSB100a、100bは、シンボルから構成され、それぞれのアクセスネットワークノード220a、220b、220cから受信される。アクセスネットワークノード220a、220b、220cのうちの1つは、サービングアクセスネットワークノード220aである。
【0037】
PSSシーケンスは、受信されたSSBにおいて同じである。さらに詳細には、少なくとも2つのSSB100a、100bの各々は、PSS110、110-1、110-2およびSSS130、130-1、130-2を含む。SSB100a、100bの各々において、PSS110、110-1、110-2は、PSSシーケンスを含み、SSS130、130-1、130-2は、SSSシーケンスを含む。すべてのSSB100a、100bは、同じPSSシーケンスを有するが、互いに異なるSSSシーケンスを有する。
【0038】
ユーザ機器600は、S106のように、候補ビームを評価するときに使用される1組の評価シンボルに(サービングアクセスネットワークノード220aから受信されたSSBの)PSSを含めるべきか否かを決定する。
【0039】
S106:ユーザ機器600は、サービングアクセスネットワークノード220aから受信されたSSB100a、100bのSSS130、130-1、130-2と、サービングアクセスネットワークノード220aから受信されなかった任意のSSB100a、100bのSSS130、130-1、130-2とのうちの少なくとも1つの受信電力が電力関連基準を満たすとき、SSB100a、100bのPSS110、110-1、110-2がサービングアクセスネットワークノード220aから受信されたシンボルを1組の評価シンボルに含める。
【0040】
いくつかの態様では、1組の候補ビームの実際の評価は、サービングアクセスネットワークノード220aからのSSB100a、100bのほとんど次に来る送信について行われる。すなわち、サービングアクセスネットワークノード220aからのSSB100a、100bの送信nについて、SSB100a、100bのPSS110、110-1、110-2が、1組の評価シンボルにおいてサービングアクセスネットワークノード220aから受信されたシンボルを含むと決定される場合、1組の評価シンボルの実際の評価は、サービングアクセスネットワークノード220aからのSSB100a、100bの送信n+1におけるSSSおよびPSSSについて行われる。
【0041】
したがって、ユーザ機器は、候補受信ビームを評価するためにPSSシンボルを使用することができるかどうかを判断するために、サービングセルと同じPSSシーケンスを使用する他のセル内のアクセスネットワークノードから受信されたSSB内のSSSを保持するシンボルの受信電力を測定する。この目的で、ユーザ機器は、サービングアクセスネットワークノード220aから受信されたSSB100a、100bのSSS130、130-1、130-2の受信電力(場合によっては、サービングアクセスネットワークノード220aから受信されたSSBのPSSとともに)、および/またはサービングアクセスネットワークノード220aから受信されなかった任意のSSB100a、100bのSSS130、130-1、130-2の受信電力を考慮する。
【0042】
いくつかの例では、ユーザ機器は、他のセル内のアクセスネットワークノードからのSSBにおいて受信されたSSSの受信電力を、サービングアクセスネットワークノードからのSSBにおいて受信されたSSSの受信電力と比較する。他のセル内のアクセスネットワークノードからのSSBにおいて受信されたSSSの受信電力が、サービングアクセスネットワークノードからのSSBにおいて受信されたSSSの受信電力よりも著しく低い場合、他のセル内のこれらのアクセスネットワークノードからのSSBにおいて受信されたPSSの受信電力が、サービングアクセスネットワークノードからのSSBにおいて受信されたPSSの受信電力よりも著しく低いことも推定することができる。したがって、PSSに対する干渉は低く、候補受信ビームを評価するためのPSSに関する信頼できる測定が可能である。次いで、ユーザ機器は、候補受信ビームを評価するときにSSB送信のすべてのシンボルを含めることを決定することができ、したがって、それに応じてビーム発見レイテンシが低減される。
【0043】
次に、ユーザ機器600によって実行される、サービングアクセスネットワークノード220aに関するビーム発見プロシージャを実行することのさらなる詳細に関する実施形態が開示される。
【0044】
1組の候補ビームは、ユーザ機器600がサービングアクセスネットワークノード220aとの通信のために1組の候補ビーム内のどの候補ビームを使用すべきかを発見するために評価されることがある。
【0045】
いくつかの態様では、ビーム発見プロシージャは、候補受信ビームを評価するプロシージャを高速化するために、UEが移動しているときにトリガされる。したがって、いくつかの実施形態では、ユーザ機器600は、(任意選択の)ステップS102を実行するように設定される。
【0046】
S102:ユーザ機器600は、ユーザ機器600が速度しきい値よりも高い速度(および/または角運動量)で移動しているという表示を取得する。次いで、それに応答して(すなわち、ユーザ機器600がその表示を取得したことに応答して)、ビーム発見プロシージャを実行することがトリガされる。
【0047】
PSSを保持するシンボルについて、他のアクセスネットワークノードによって引き起こされる干渉のレベルをユーザ機器がどのように推定し得るかの態様が、次に開示される。
【0048】
いくつかの態様では、ユーザ機器は、サービングアクセスネットワークノードと同じPSSシーケンスを有する他のアクセスノードから受信されたSSB内のSSSの受信電力を測定し、この受信電力をサービングアクセスネットワークノードから受信されたSSB内のSSSの電力と比較する。他のアクセスノードから受信されたSSB内のSSSの受信電力が低い場合、PSSを保持するシンボルに対する干渉も低いとみなされる。したがって、ユーザ機器は、以下の式が成り立つ場合、電力関連基準が満たされ、これにより、候補受信ビームを評価するために、PSSを保持するシンボルを使用することができると決定し得る。
【0049】
ここで、PSSS,0は、サービングアクセスネットワークノード220aから受信されたSSS130、130-1、130-2の受信電力であり、PSSS,κは、ユーザ機器600にサーブしないアクセスネットワークノード220b、220c κから受信されたSSSの受信電力であり、アクセスネットワークノード220b、220c κは、サービングアクセスネットワークノード220aと同じPSSシーケンスを有し、θはしきい電力値である。しきい電力値は、ユーザ機器によって決定されるか、またはユーザ機器にシグナリングされる設計パラメータである。
【0050】
いくつかの態様では、ユーザ機器は、サービングアクセスネットワークノードと同じPSSシーケンスを有する他のアクセスノードから受信されたSSB内のSSSの受信電力のみを考慮する。特に、ユーザ機器は、以下の式が成り立つ場合、電力関連基準が満たされ、これにより、候補受信ビームを評価するために、PSSを保持するシンボルを使用することができると決定し得る。
【0051】
いくつかの態様では、ユーザ機器は、サービングアクセスネットワークノードから受信されたSSB内のSSSの受信電力を考慮し、この受信電力をPSSの受信電力と比較する。このための1つの動機は、同じPSSシーケンスを有する他のアクセスノードからの干渉がない場合、PSSおよびSSSの受信電力は、それらが同じ電力で送信される場合、同じであるべきであるということである。特に、ユーザ機器は、以下の式が成り立つ場合、電力関連基準が満たされ、これにより、候補受信ビームを評価するために、PSSを保持するシンボルを使用することができると決定し得る。
【0052】
ここで、PPSS,0は、PSS110、110-1、110-2の受信電力であり、PSSS,0は、サービングアクセスネットワークノード220aから受信されたSSS130、130-1、130-2の受信電力であり、θはしきい電力値である。
【0053】
一般論として、異なるビーム幅を有するビームを用いて行われた2つの測定を比較するとき、電力は、ビームフォーミング利得の差を考慮に入れるように調整されることがある。したがって、いくつかの実施形態では、SSB100a、100bは、互いに異なるビームフォーミング利得を有するビームで受信され、電力関連基準が満たされるか否かを決定するとき、ビームフォーミング利得について補償が行われる。一例によれば、ユーザ機器は、(サービングセルと同じPSSシーケンスを有する)他のセル内のアクセスネットワークノードからのSSB内のSSSを受信するために広いビームを使用し、サービングアクセスネットワークノードからのSSB内のSSSを受信するために狭いビームを使用する。このことは、ユーザ機器が移動性を目的としてSSBに関する測定を実行するときのシナリオを表すことができる。いくつかの例では、ユーザ機器は、狭いビームと広いビームとの間のビームフォーミング利得の差に従って、他のセル内のアクセスネットワークノードからのSSB内のSSSの測定された受信電力を補償する。
【0054】
別の例によれば、ユーザ機器は、他のセル内のアクセスネットワークノードからのSSB内のSSSと、サービングアクセスネットワークノードからのSSBとの両方を受信するために、狭いビームを使用する。この場合、ユーザ機器は、他のセル内のアクセスネットワークノードからのSSB内のSSSの測定された受信電力を補償する必要はない。いくつかの例では、ユーザ機器は、場合によってはPSSを受信するために使用するように、他のセル内のアクセスネットワークノードからのSSB内のSSSと、サービングアクセスネットワークノードからのSSBとの両方を受信するために同じ狭いビームを使用する。さらに、ユーザ機器が、サービングアクセスネットワークノードから受信されたSSB内のSSSに関して測定する場合、ユーザ機器は、PSSを受信するために使用されるものと同じビームを使用することがある。この場合、SSSの測定された受信電力を補償する必要はない。したがって、いくつかの実施形態では、すべてのSSB100a、100bは、等しいビームフォーミング利得を有するビームで受信される。
【0055】
ビーム発見プロシージャの態様が次に開示される。
【0056】
いくつかの実施形態では、ビーム発見プロシージャ中に、ユーザ機器600は、1組の候補ビームにおいてビーム掃引を実行し、候補ビームの各々は、評価シンボルのうちのそれぞれ1つを受信し、その評価シンボルに関して測定するために使用される。
【0057】
いくつかの態様では、SSB100a、100bが最も高い受信電力で受信された候補ビームが選択される。特に、いくつかの実施形態では、ユーザ機器600は、(任意選択の)ステップS108を実行するように設定される。
【0058】
S108:ユーザ機器600は、サービングアクセスネットワークノード220aとの通信のために、評価シンボルが最も高い受信電力で受信される候補ビームを選択する。
【0059】
先行技術との比較とともに、本明細書で開示される発明概念の概略図が
図4に提供される。より詳細には、
図4は、SSBに関する測定に基づくユーザ機器における候補受信ビームの評価を示す。
【0060】
説明のために、ユーザ機器は、8つのビームを生成するように設定され、SSBは、20msごとに送信されることが仮定される。アクセスネットワークノードにおいて実行されるビーム掃引は示されず、この図は、アクセスネットワークノードからの所与のビームで送信されるSSBを示す。先行技術によれば、(a)に示すように、ユーザ機器は、SSB送信ごとに3つのビームを評価することができる。したがって、ユーザ機器が完全なビーム掃引を実行するために、3つのSSB送信、または40ms(+単一のSSB送信の持続時間)を要する。本明細書で開示される実施形態によれば、(b)に示すように、ユーザ機器が各SSB送信ごとに4つのビームを評価することができるので、ビーム評価を、2つのSSB送信、または20ms(+単一のSSB送信の持続時間)で完了することができる。
【0061】
次に、
図5を参照する。
図5は、以上で開示された実施形態、態様、および例のうちの少なくともいくつかに基づいて、ユーザ機器600によって実行されるサービングアクセスネットワークノード220aに関するビーム発見プロシージャを実行するための1つの特定の実施形態を示すフローチャートである。
【0062】
S201:ユーザ機器600は、電力しきい値θを設定する。
【0063】
S202:ユーザ機器600は、サービングアクセスネットワークノードから受信されたSSB内のSSSの受信電力を測定する。受信電力は、x dBであると仮定される。
【0064】
S203:ユーザ機器600は、サービングアクセスネットワークノードのセルと同じPSSシーケンスを有するセル内の他のアクセスネットワークノードから受信されたSSB内のSSSの受信電力を測定する。最大受信電力は、y dBであると仮定される。
【0065】
S204:ユーザ機器600は、S202およびS203からの受信電力を比較する。y<x+θの場合、ステップ205に入る。そうでない場合、ステップ206に入る。
【0066】
S205:ユーザ機器600は、候補受信ビームを評価するとき、SSBのすべてのシンボルを使用する。
【0067】
S206:ユーザ機器600は、候補受信ビームを評価するとき、PSSを保持するSSB内のシンボルを使用しない。
【0068】
受信電力の比較は、直線スケールまたは対数(dB)スケールのいずれかで行うことができる。
【0069】
SSBの様々な構造が存在し得る。この点において、本明細書で開示される実施形態は、以上で開示された特性が満たされる限り、SSBの任意の特定の構造に限定されない。いくつかの例では、SSB100a、100bの各々は、PSS110、110-1、110-2を含む1つまたは複数のシンボルと、PBCH信号120、140を含む1つまたは複数のシンボルと、SSS130、130-1、130-2およびPBCH信号を含む1つまたは複数のシンボルとから構成される。そのようなSSBの1つの非限定的な例は、
図1(a)に提供される。他の例では、SSBは、SSSとPBCH信号との両方を含むシンボルを伴わない。そのようなSSBの1つの非限定的な例は、
図1(b)に提供される。
【0070】
ユーザ機器は、複数のアンテナパネルを備えることがある。本明細書で開示される様々な実施形態は、アンテナパネルごとに適用することができる。候補受信ビームは、データ送信/受信のために現在使用されているアンテナパネルのみについて、または、1つもしくはいくつかの他のアンテナパネルについて評価されることがあり得る。したがって、いくつかの実施形態では、ユーザ機器600は、各々が少なくとも2つのアンテナ素子を備える少なくとも2つのアンテナパネルを含み、ビーム発見プロシージャは、少なくとも2つのアンテナパネルの各々について独立して実行される。
【0071】
図6は、いくつかの機能ユニットに関して、一実施形態によるユーザ機器600の構成要素を概略的に示す。処理回路610は、適切な中央処理装置(CPU)、マルチプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)などのうちの1つまたは複数の任意の組合せを使用して提供され、たとえば、記憶媒体630の形態で、(
図8のような)コンピュータプログラム製品810に記憶されたソフトウェア命令を実行することができる。処理回路610は、少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC)、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)としてさらに提供されることがある。
【0072】
特に、処理回路610は、以上で開示されたように、ユーザ機器600に、1組の動作またはステップを実行させるように設定される。たとえば、記憶媒体630は、1組の動作を記憶することがあり、処理回路610は、ユーザ機器600に1組の動作を実行させるために、記憶媒体630から1組の動作を取り出すように設定されることがある。1組の動作は、1組の実行可能命令として提供され得る。
【0073】
したがって、処理回路610は、それによって、本明細書で開示される方法を実行するように構成される。記憶媒体630はまた、たとえば、磁気メモリ、光メモリ、ソリッドステートメモリ、またはさらに遠隔に搭載されたメモリのうちの任意の1つまたは組合せとすることができる永続的な記憶装置を含み得る。ユーザ機器600は、アクセスネットワークノード220a、220b、220cなどの他のエンティティ、機能、ノード、およびデバイスとの通信のために少なくとも設定された通信インターフェース620をさらに含み得る。したがって、通信インターフェース620は、アナログおよびデジタルの構成要素を含む1つまたは複数の送信機および受信機を含み得る。処理回路610は、たとえば、通信インターフェース620および記憶媒体630にデータおよび制御信号を送信することによって、通信インターフェース620からデータおよび報告を受信することによって、ならびに、記憶媒体630からデータおよび命令を取り出すことによって、ユーザ機器600の全体的な動作を制御する。ユーザ機器600の他の構成要素および関連の機能は、本明細書で提示する概念を不明瞭にしないために省略される。
【0074】
図7は、いくつかの機能モジュールに関して、一実施形態によるユーザ機器600の構成要素を概略的に示す。
図7のユーザ機器600は、いくつかの機能モジュール、すなわち、ステップS104を実行するように設定された受信モジュール720と、ステップS106を実行するように設定された包含モジュール730とを含む。
図7のユーザ機器600は、ステップS102を実行するように設定された取得モジュール710と、ステップS108を実行するように設定された選択モジュール740とのうちのいずれかなどの、いくつかの任意選択の機能モジュールをさらに含み得る。一般論として、各機能モジュール710~740は、一実施形態ではハードウェアのみに実装されることがあり、別の実施形態ではソフトウェアの助けを借りて実装されることがあり、すなわち、後者の実施形態は、処理回路上で実行されたとき、
図7に関連して上述した対応するステップをユーザ機器600に実行させるコンピュータプログラム命令を記憶媒体630に記憶している。また、モジュールがコンピュータプログラムの一部に対応するとしても、それらのモジュールはその中の別個のモジュールである必要はなく、それらのモジュールがソフトウェアに実装される方法は、使用されるプログラミング言語に依存することにも言及されるべきである。好ましくは、機能モジュール710~740の1つまたは複数またはすべては、場合によっては通信インターフェース620および/または記憶媒体630と協働して、処理回路610によって実装され得る。処理回路610は、したがって、記憶媒体630から、機能モジュール710~740によって提供される命令を取り出し、これらの命令を実行し、それによって、本明細書で開示される任意のステップを実行するように設定され得る。
【0075】
図8は、コンピュータ可読記憶媒体830を含むコンピュータプログラム製品810の一例を示す。このコンピュータ可読記憶媒体830上には、コンピュータプログラム820を記憶することができ、このコンピュータプログラム820は、処理回路610と、通信インターフェース620および記憶媒体630などの、処理回路610に動作可能に結合されたエンティティおよびデバイスとに、本明細書で説明される実施形態による方法を実行させることができる。したがって、コンピュータプログラム820および/またはコンピュータプログラム製品810は、本明細書で開示される任意のステップを実行するための手段を提供し得る。
【0076】
図8の例では、コンピュータプログラム製品810は、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル多用途ディスク)、ブルーレイディスクなどの光ディスクとして示されている。コンピュータプログラム製品810はまた、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)などのメモリとして、より具体的には、USB(ユニバーサルシリアルバス)メモリまたは小型フラッシュメモリなどのフラッシュメモリなど、外部メモリ内のデバイスの不揮発性記憶媒体として具現化することができる。したがって、コンピュータプログラム820は、本明細書では図示された光ディスク上のトラックとして概略的に示されているが、コンピュータプログラム820は、コンピュータプログラム製品810に適した任意の方法で記憶することができる。
【0077】
本発明の概念は、主に、いくつかの実施形態を参照して以上で説明されてきた。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、以上で開示されたもの以外の他の実施形態が、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の概念の範囲内で均等に可能である。
【国際調査報告】