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特表2024-540976B群コクサッキーウイルス組成物およびその使用法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】B群コクサッキーウイルス組成物およびその使用法
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/12 20060101AFI20241029BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 39/39 20060101ALI20241029BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20241029BHJP
   C12N 15/41 20060101ALN20241029BHJP
   C07K 14/085 20060101ALN20241029BHJP
   C12N 7/04 20060101ALN20241029BHJP
【FI】
A61K39/12 ZNA
A61P31/12
A61K39/39
A61P37/04
C12N15/41
C07K14/085
C12N7/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523853
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 US2022078581
(87)【国際公開番号】W WO2023076856
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/271,546
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/273,723
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/321,911
(32)【優先日】2022-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
2.SPAN
(71)【出願人】
【識別番号】521155829
【氏名又は名称】プロヴェンション・バイオ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PROVENTION BIO, INC.
(71)【出願人】
【識別番号】509217839
【氏名又は名称】ヴァクテック オーワイ
【氏名又は名称原語表記】VACTECH OY
【住所又は居所原語表記】Biokatu 8, FI-33520 Tampere (FI)
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】ハイッキ・イェティ
(72)【発明者】
【氏名】ミカエル・クニップ
(72)【発明者】
【氏名】フランシスコ・レオン
【テーマコード(参考)】
4B065
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA95X
4B065BA14
4B065CA24
4B065CA45
4C085AA03
4C085BA99
4C085CC08
4C085DD01
4C085EE03
4C085FF21
4C085GG03
4C085GG04
4H045AA11
4H045AA30
4H045CA01
4H045DA86
4H045EA31
(57)【要約】
本開示は、個体における、CVBに対する免疫応答を誘導するB群コクサッキーウイルス(CVB)組成物、およびこのような組成物の使用法を提示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ~5つの血清型のB群コクサッキーウイルス(CVB)を含む組成物であって、CVBは、不活化ウイルス粒子(IVP)、ウイルス様粒子(VLP)、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、または1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸の形態であり、組成物は、
A)容量100μL中に、
a)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 4.0×10個~IVP 8.0×10個の量のCVB5、
もしくは同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つもしくはそれ以上の核酸
のうちの2つもしくはそれ以上;または
B)容量500μL中に、
a)IVP 1.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB1;
b)IVP 5.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB2;
c)IVP 5.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB3;
d)IVP 1.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB4;および
e)IVP 2.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB5、
もしくは同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つもしくはそれ以上の核酸
のうちの2つもしくはそれ以上;または
C)a)1μg~50μgの量のCVB1タンパク質;
b)1μg~50μgの量のCVB2タンパク質;
c)1μg~50μgの量のCVB3タンパク質;
d)1μg~50μgの量のCVB4タンパク質;および
e)1μg~50μgの量のCVB5タンパク質
のうちの2つもしくはそれ以上
を含み、
CVB6を含まない、
組成物。
【請求項2】
容量100μl中に、
a)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 4.0×10個~IVP 8.0×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
a)IVP 3.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 2.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 2.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 3.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 6.0×10個~IVP 6.0×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
容量100μl中に、
a)IVP 3.3×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.1×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.5×10個の量のCVB3;
d)IVP 3.2×10個の量のCVB4;および
e)IVP 6.3×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
容量500μL中に、
a)IVP 1.6×10個の量のCVB1;
b)IVP 5.5×10個の量のCVB2;
c)IVP 7.5×10個の量のCVB3;
d)IVP 1.6×10個の量のCVB4;および
e)IVP 3.1×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
容量100μl中に、
a)2.8μgの量のCVB1タンパク質;
b)1.7μgの量のCVB2タンパク質;
c)2.7μgの量のCVB3タンパク質;
d)1.2μgの量のCVB4タンパク質;および
e)2.3μgの量のCVB5タンパク質
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
容量500μl中に、
a)14μgの量のCVB1タンパク質;
b)8.5μgの量のCVB2タンパク質;
c)13.5μgの量のCVB3タンパク質;
d)6.0μgの量のCVB4タンパク質;および
e)11.5μgの量のCVB5タンパク質
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
2つ~5つの血清型のB群コクサッキーウイルス(CVB)を含む組成物であって、CVBは、不活化ウイルス粒子(IVP)、CVBウイルス様粒子(VLP)、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、または1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸の形態であり、組成物は、個体へと投与されると、VNTアッセイ決定される、1/8~1/64,000のウイルス中和抗体力価(VNT)を誘導し、CVB6を含まない、組成物。
【請求項9】
組成物は、2つ~5つの血清型のCVBを含み、CVBは、不活化ウイルス粒子(IVP)の形態であり、組成物は、
A)容量100μL中に、
a)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 4.0×10個~IVP 8.0×10個の量のCVB5、
もしくは同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つもしくはそれ以上の核酸
のうちの2つもしくはそれ以上;または
B)a)IVP 1.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB1;
b)IVP 5.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB2;
c)IVP 5.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB3;
d)IVP 1.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB4;および
e)IVP 2.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB5
のうちの2つもしくはそれ以上;または
C)容量500μL中に、
a)1μg~50μgの量のCVB1タンパク質;
b)1μg~50μgの量のCVB2タンパク質;
c)1μg~50μgの量のCVB3タンパク質;
d)1μg~50μgの量のCVB4タンパク質;および
e)1μg~50μgの量のCVB5タンパク質、
もしくは同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つもしくはそれ以上の核酸
のうちの2つもしくはそれ以上
を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
a)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 4.0×10個~IVP 8.0×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
a)IVP 3.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 2.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 2.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 3.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 6.0×10個~IVP 6.0×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
容量100μl中に、
a)IVP 3.3×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.1×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.5×10個の量のCVB3;
d)IVP 3.2×10個の量のCVB4;および
e)IVP 6.3×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
容量500μL中に、
a)IVP 1.6×10個の量のCVB1;
b)IVP 5.5×10個の量のCVB2;
c)IVP 7.5×10個の量のCVB3;
d)IVP 1.6×10個の量のCVB4;および
e)IVP 3.1×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項14】
容量100μl中に、
a)2.8μgの量のCVB1タンパク質;
b)1.7μgの量のCVB2タンパク質;
c)2.7μgの量のCVB3タンパク質;
d)1.2μgの量のCVB4タンパク質;および
e)2.3μgの量のCVB5タンパク質
を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項15】
容量500μl中に、
a)14μgの量のCVB1タンパク質;
b)8.5μgの量のCVB2タンパク質;
c)13.5μgの量のCVB3タンパク質;
d)6.0μgの量のCVB4タンパク質;および
e)11.5μgの量のCVB5タンパク質
を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項16】
IVPは、ホルマリンで不活化されている、請求項1から5および8から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
アジュバントを含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
生理食塩液を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
個体において、B群コクサッキーウイルス(CVB)に対する免疫応答を誘導する方法であって、個体へと、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物を投与する工程を含む方法。
【請求項20】
組成物は、筋内投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
組成物は、皮下投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
個体が、急性B群コクサッキーウイルス(CVB)感染症またはCVB感染関連疾患を発症する可能性を低減する方法であって、個体へと、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物を投与する工程を含む方法。
【請求項23】
個体は、新生児である、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
個体は、妊婦である、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
個体は、1型糖尿病を発症する危険性が大きい、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
個体は、セリアック病を発症する危険性が大きい、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
個体は、HLA DR3対立遺伝子および/またはHLA DR4対立遺伝子のキャリアである、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
個体は、前記投与する工程の前に、CVB1、CVB2、CVB3、CVB4、およびCVB5のうちの1つまたはそれ以上に対するウイルス中和力価について、血清反応陽性であった、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
個体は、前記投与する工程の前に、CVB1、CVB2、CVB3、CVB4、およびCVB5のうちの1つまたはそれ以上に対するウイルス中和力価について、血清反応陰性であった、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、それらの出願が、参照によりそれらの全体において本明細書に組み入れられる、2021年10月25日に出願された、米国特許仮出願第63/271,546号、2021年10月29日に出願された、米国特許仮出願第63/273,723号、2022年3月21日に出願された、米国特許仮出願第63/321,911号の利益を主張する。
【0002】
電子的に提出された素材の参照による組込み
配列表は、2022年10月21日に作成され、サイズを5KBとする、XMLによる配列表である、「PRVN-V003WO_SEQ_LIST」として、本明細書と共に提示される。XMLによる配列表の内容は、参照によりその全体において本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
序説
B群コクサッキーウイルス(CVB)は、ピコルナウイルス科、エンテロウイルス属のメンバーである。CVBの6つの血清型(1~6):CVB1、CVB2、CVB3、CVB4、CVB5、およびCVB6が認識される。CVBは、消化器病、心筋炎、肺炎、無菌性髄膜炎、脳炎、および肝炎を含む、様々な疾患を引き起こしうる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、個体における、CVBに対する免疫応答を誘導するB群コクサッキーウイルス(CVB)組成物、およびこのような組成物の使用法を提示する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】CVB4によりコードされるポリタンパク質のアミノ酸配列(配列番号1)を提示する図である。
図2-1】最終回投与の1カ月後の、ワクチン接種されたヒト対象の血清中における、CVB1~CVB5に対するウイルス中和力価(VNT)を描示する図である。
図2-2】図2-1の続き。
図3】各CVB血清型(CVB1~CVB5)についての、ピークVNTを描示する図である。
図4】ワクチン接種されたヒト対象の血清中のCVB1(図4および図5)、CVB2(図6および図7)、CVB3(図8および図9)、CVB4(図10および図11)、およびCBV5(図12および図13)に対するVNTを描示する図である。対象は、ワクチン接種の前に、表示のCVB血清型に対するVNTについて血清反応陽性(図4、6、8、10、および12)であるか、またはワクチン接種の前に、血清反応陰性(図5、7、9、11、および13)であった。
図5】ワクチン接種されたヒト対象の血清中のCVB1(図4および図5)、CVB2(図6および図7)、CVB3(図8および図9)、CVB4(図10および図11)、およびCBV5(図12および図13)に対するVNTを描示する図である。対象は、ワクチン接種の前に、表示のCVB血清型に対するVNTについて血清反応陽性(図4、6、8、10、および12)であるか、またはワクチン接種の前に、血清反応陰性(図5、7、9、11、および13)であった。
図6】ワクチン接種されたヒト対象の血清中のCVB1(図4および図5)、CVB2(図6および図7)、CVB3(図8および図9)、CVB4(図10および図11)、およびCBV5(図12および図13)に対するVNTを描示する図である。対象は、ワクチン接種の前に、表示のCVB血清型に対するVNTについて血清反応陽性(図4、6、8、10、および12)であるか、またはワクチン接種の前に、血清反応陰性(図5、7、9、11、および13)であった。
図7】ワクチン接種されたヒト対象の血清中のCVB1(図4および図5)、CVB2(図6および図7)、CVB3(図8および図9)、CVB4(図10および図11)、およびCBV5(図12および図13)に対するVNTを描示する図である。対象は、ワクチン接種の前に、表示のCVB血清型に対するVNTについて血清反応陽性(図4、6、8、10、および12)であるか、またはワクチン接種の前に、血清反応陰性(図5、7、9、11、および13)であった。
図8】ワクチン接種されたヒト対象の血清中のCVB1(図4および図5)、CVB2(図6および図7)、CVB3(図8および図9)、CVB4(図10および図11)、およびCBV5(図12および図13)に対するVNTを描示する図である。対象は、ワクチン接種の前に、表示のCVB血清型に対するVNTについて血清反応陽性(図4、6、8、10、および12)であるか、またはワクチン接種の前に、血清反応陰性(図5、7、9、11、および13)であった。
図9】ワクチン接種されたヒト対象の血清中のCVB1(図4および図5)、CVB2(図6および図7)、CVB3(図8および図9)、CVB4(図10および図11)、およびCBV5(図12および図13)に対するVNTを描示する図である。対象は、ワクチン接種の前に、表示のCVB血清型に対するVNTについて血清反応陽性(図4、6、8、10、および12)であるか、またはワクチン接種の前に、血清反応陰性(図5、7、9、11、および13)であった。
図10】ワクチン接種されたヒト対象の血清中のCVB1(図4および図5)、CVB2(図6および図7)、CVB3(図8および図9)、CVB4(図10および図11)、およびCBV5(図12および図13)に対するVNTを描示する図である。対象は、ワクチン接種の前に、表示のCVB血清型に対するVNTについて血清反応陽性(図4、6、8、10、および12)であるか、またはワクチン接種の前に、血清反応陰性(図5、7、9、11、および13)であった。
図11】ワクチン接種されたヒト対象の血清中のCVB1(図4および図5)、CVB2(図6および図7)、CVB3(図8および図9)、CVB4(図10および図11)、およびCBV5(図12および図13)に対するVNTを描示する図である。対象は、ワクチン接種の前に、表示のCVB血清型に対するVNTについて血清反応陽性(図4、6、8、10、および12)であるか、またはワクチン接種の前に、血清反応陰性(図5、7、9、11、および13)であった。
図12】ワクチン接種されたヒト対象の血清中のCVB1(図4および図5)、CVB2(図6および図7)、CVB3(図8および図9)、CVB4(図10および図11)、およびCBV5(図12および図13)に対するVNTを描示する図である。対象は、ワクチン接種の前に、表示のCVB血清型に対するVNTについて血清反応陽性(図4、6、8、10、および12)であるか、またはワクチン接種の前に、血清反応陰性(図5、7、9、11、および13)であった。
図13】ワクチン接種されたヒト対象の血清中のCVB1(図4および図5)、CVB2(図6および図7)、CVB3(図8および図9)、CVB4(図10および図11)、およびCBV5(図12および図13)に対するVNTを描示する図である。対象は、ワクチン接種の前に、表示のCVB血清型に対するVNTについて血清反応陽性(図4、6、8、10、および12)であるか、またはワクチン接種の前に、血清反応陰性(図5、7、9、11、および13)であった。
図14】ベースラインにおいて、血清反応陰性であった対象における、CVB組成物によるワクチン接種後のCVB中和抗体レベルを描示する図である。
図15】CVB組成物によるワクチン接種後の対象の血清中における、エンテロウイルス特異的絶対IgGレベルを描示する図である。データは、ワクチン接種期間中における血清レベル、および最終回投与の6カ月後までの血清レベルを含む。データは、酵素イムノアッセイ単位(EIU)として表す。
図16】各個体について、ベースラインにおいて測定されたレベルに対する、エンテロウイルス特異的IgGレベルの増大倍数として表される、CVB組成物によるワクチン接種後の対象の血清中における、エンテロウイルス特異的IgGレベルを描示する図である。
図17】CVB組成物によるワクチン接種後の全ての対象(ベースラインにおける血清反応陽性対象およびベースラインにおける血清反応陰性対象)の血清中における、CVB中和抗体力価を描示する図である。データは、ワクチン接種期間中における力価、および最終回投与の6カ月後までの力価を含む。力価は、対数(log2)スケールで表す。
図18】ベースラインにおいて、CVB組成物によるワクチン接種後の血清反応陰性であった個体の血清中における、VNTを描示する図である。
【0006】
定義
本明細書では、「個体」および「患者」という用語は、本開示の方法を使用して処置される個体(例えば、ヒト)を指すように、互換的に使用される。
【0007】
本明細書で使用される、「~を処置すること」および「処置」とは、目的の疾患または状態を有する哺乳動物、例えば、ヒトにおける、目的の疾患または状態の処置を指し、例えば、(i)疾患もしくは状態、もしくはその1つもしくはそれ以上の症状を阻害するか、もしくはこれらの重症度を減殺すること、例えば、疾患もしくは状態の発症もしくは進行を停止させるか、もしくは緩徐化させ、かつ/もしくは1つもしくはそれ以上の症状を改善すること;(ii)疾患もしくは状態を緩和すること、すなわち、疾患もしくは状態、もしくはこれらの1つもしくはそれ以上の症状の退縮をもたらすこと;および/または(iii)疾患もしくは状態を安定化させることを含む。
【0008】
本明細書で互換的に使用される、「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」という用語は、遺伝子によりコードされるアミノ酸、および遺伝子によりコードされないアミノ酸、化学修飾されるか、もしくは生化学修飾されるか、または誘導体化されたアミノ酸、ならびに修飾ペプチド骨格を有するポリペプチドを含みうる、任意の長さのアミノ酸のポリマー形態を指す。「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」という用語は、異種アミノ酸配列との融合タンパク質、N末端メチオニン残基を伴うか、またはこれを伴わない、異種リーダー配列および相同リーダー配列との融合体を含むがこれらに限定されない融合タンパク質;免疫タグ付けタンパク質などを含む。
【0009】
本明細書で互換的に使用される、「ポリヌクレオチド」および「核酸」という用語は、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドである、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。したがって、「ポリヌクレオチド」および「核酸」という用語は、一本鎖、二本鎖、または多重鎖であるDNAもしくはRNA、ゲノムDNA、cDNA、DNA-RNAハイブリッド体、またはプリン塩基およびピリミジン塩基、または他の天然であるか、化学修飾されるかもしくは生化学修飾されるか、非天然であるか、もしくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含むポリマーを含むがこれらに限定されない。
【0010】
「中和抗体」または「ウイルス中和抗体」(VNT)とは、血清から精製されるか、または血清中に存在し、特異的抗原(例えば、CVBによりコードされるポリペプチド)を認識し、宿主(例えば、ヒト)における、CVBの感染性およびCVBの影響(複数可)を阻害する抗体を意味する。
【0011】
本発明がさらに記載される前に、記載される特定の実施形態は、当然ながら、変動しうるので、本発明は、このような実施形態に限定されないことが理解されるものとする。本発明の範囲は、付属の特許請求の範囲だけにより限定されるので、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態について記載することだけを目的とするものであり、限定的であることは意図されないこともまた、理解されるものとする。
【0012】
値の範囲が提示される場合は、その範囲の上限と下限との間の、文脈によりそうでないことが明確に指示されない限りにおいて、下限の単位の10分の1までの、各中間の値、およびその言明された範囲内の、他の任意の言明された値または中間の値が、本発明に包含されることが理解される。これらの小範囲の上限および下限は、独立に、より小さな範囲内に包含され、これらもまた、本発明の範囲内に包含され、言明された範囲内の、任意の、具体的に除外された限界により決まる。言明された範囲が、限界の一方または両方を包含する場合、これらの包含された限界の一方または両方を除外する範囲もまた、本発明に包含される。
【0013】
そうでないことが規定されない限りにおいて、本明細書で使用される、全ての技術用語および学術用語は、本発明が属する技術分野の当業者により、一般に理解される意味と同じ意味を有する。本発明の実施または試行では、本明細書で記載される方法および材料と、同様または均等である、任意の方法および材料が使用されうるが、ここでは、好ましい方法および材料が記載される。本明細書で言及される、全ての刊行物は、刊行物が引用される関連の方法および/または材料を開示し、これらについて記載するように、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる。
【0014】
文脈が、そうでないことを明確に指示しない限りにおいて、本明細書および付属の特許請求の範囲において使用される、単数形の「ある(a)」「ある(an)」、および「その」は、複数形の指示対象も含むことに注意されたい。したがって、例えば、「B群コクサッキーウイルス(CVB)」への言及は、複数のこのようなCVBを含み、「不活化ウイルス粒子(IVP)」への言及は、1つまたはそれ以上のIVP、および当業者に公知のその同等物への言及を含むなどである。特許請求の範囲は、適宜の要素を除外するように起草されることに、さらに注意されたい。このように、本言明は、特許請求の範囲の要素の列挙、または「否定的」限定の使用との関連における、「ただ」、「だけ」などの除外的用語法の使用のための先行詞として用いられることが意図される。
【0015】
明確さのために、個別の実施形態の文脈で記載される、本発明のある特定の構成はまた、単一の実施形態に組み合わされても提示されることが理解される。逆に、簡潔さのために、単一の実施形態の文脈でも記載される、本発明の多様な構成はまた、個別に提示される場合もあり、任意の適切な部分的組合せにおいて提示される場合もある。本発明に関する実施形態の、全ての組合せは、本発明により、具体的に包含され、本明細書では、各組合せおよびあらゆる組合せが、個別に、かつ、明示的に開示された場合と全く同様に開示される。加えて、多様な実施形態およびその要素の、全ての部分的組合せもまた、本発明により、具体的に包含され、本明細書では、このような各部分的組合せおよびあらゆる部分的組合せが、本明細書で、個別に、かつ、明示的に開示された場合と全く同様に開示される。
【0016】
本明細書で論じられる刊行物は、本出願の出願日の前における、それらの開示だけについて提示される。本明細書におけるいかなる内容も、本発明が、先行発明である理由で、このような刊行物に先行する権利がないことの容認として理解されるべきではない。さらに、提示される刊行日は、独立に確認される必要がある、実際の刊行日と異なりうる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、個体における、CVBに対する免疫応答を誘導するB群コクサッキーウイルス(CVB)組成物、およびこのような組成物の使用法を提示する。
【0018】
組成物
本開示は、CVB組成物を提示し、この場合、このような組成物はまた、本明細書で、「免疫原性組成物」とも称される。本開示のCVB組成物は、個体における、1つまたはそれ以上のCVB血清型に対する免疫応答を誘導しうる。本開示のCVB組成物は、全CVBまたはCVBの部分を含みうる。したがって、「CVB組成物」という用語は、a)不活化ウイルス粒子(IVP);b)CVBウイルス様粒子(VLP);c)CVBサブユニット(例えば、1つまたはそれ以上のCVBポリペプチド);およびd)1つまたはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸を含む。CVBによりコードされるポリペプチドは、VP1、VP2、VP3、VP4、2A、2B、2C、3A、3B、3C、および3Dを含む。「CVB組成物」は、1つもしくはそれ以上のCVBによりコードされるポリペプチド、または1つもしくはそれ以上のCVBによりコードされるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含みうる。そうでないことが明示的に指し示されない限りにおいて、「CVB」を含む組成物は、CVB IVP、CVB VLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、または1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸(複数可)を含む組成物を指す。
【0019】
B群コクサッキーウイルス(CVB;本明細書および文献ではまた、「B群コクサッキーウイルス」または「CBV」とも称される)とは、コクサッキーウイルスの、6つの血清型の群(CVB1~CVB6)である。場合によって、本開示の組成物は、6つ全ての血清型のCVB(CVB IVP、CVB VLP、CVBポリペプチド、または1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸(複数可)の形態における)を含む;すなわち、場合によって、それを必要とする本開示の組成物は、CVB1、CVB2、CVB3、CVB4、CVB5、およびCVB6を含む。場合によって、それを必要とする本開示の組成物は、5つの血清型だけを含む。例えば、場合によって、本開示の組成物は、CVB1、CVB2、CVB3、CVB4、およびCVB5を含むが、CVB6を含まない。場合によって、本開示の組成物は、単一のCVB血清型だけを含む。例えば、場合によって、本開示の組成物は、CVB1だけを含む。別の例として述べると、場合によって、本開示の組成物は、CVB2だけを含む。別の例として述べると、場合によって、本開示の組成物は、CVB3だけを含む。別の例として述べると、場合によって、本開示の組成物は、CVB4だけを含む。別の例として述べると、場合によって、本開示の組成物は、CVB5だけを含む。場合によって、本開示の組成物は、2つの異なる血清型(例えば、CVB1およびCVB2;CVB1およびCVB3;CVB1およびCVB4;CVB1およびCVB5;CVB2およびCVB3;CVB2およびCVB4;CVB2およびCVB5;CVB3およびCVB4;CVB3およびCVB5;またはCVB4およびCVB5)だけのCVBを含み、他の血清型のCVBを含まない。場合によって、本開示の組成物は、3つの異なる血清型(例えば、CVB1、CVB2、およびCVB3;CVB1、CVB2、およびCVB4;CVB1、CVB2、およびCVB5;CVB1、CVB3、およびCVB4;CVB1、CVB3、およびCVB5;CVB2、CVB3、およびCVB4;CVB2、CVB3、およびCVB5;CVB3、CVB4、およびCVB5)だけのCVBを含み、他の血清型のCVBを含まない。場合によって、本開示の組成物は、4つの異なる血清型(例えば、組成物は、CVB3およびCVB6;CVB4およびCVB6;CVB5およびCVB6;2つのCVB血清型の、他の任意の組合せを除外しうる)だけのCVBを含む。
【0020】
場合によって、本開示の組成物は、CVB以外のエンテロウイルスを含まない。例えば、場合によって、本開示の組成物は、CVB以外のエンテロウイルスの、全ウイルス、不活化ウイルス、ウイルスタンパク質(例えば、ウイルスサブユニット)、またはウイルスタンパク質をコードする核酸を含まない。
【0021】
場合によって、本開示の組成物は、1つまたはそれ以上の血清型のCVBを含み、この場合、CVBは、ウイルスの感染性が、低減されるか、または消失させられていることを意味する、「不活化」形態にある。本明細書で使用される、「不活化」という用語はまた、複製欠損であるウイルスも含む。複製欠損ウイルスとは、構成タンパク質についてのウイルス欠損である。このようなウイルスは、細胞に侵入し、一部のゲノムを送達し、コードされるタンパク質を翻訳し、ゲノムを複製しうるが、新たな粒子をカプシド封入できない。したがって、複製欠損ウイルスは、近隣の細胞または組織へと拡大できない。
【0022】
不活化CVB(CVB IVP)は、ウイルスを、細胞培養物中で繁殖させ、スクロースまたは他の高密度培地により形成された密度勾配中の高速遠心分離により、ウイルスを、感染細胞および培養培地から精製することによりもたらされる。代替的に、ウイルスは、クロマトグラフィーにより精製される。精製ウイルスの感染性は、化学的処理(例えば、不活化ポリオウイルスワクチンを作製するのに使用されるホルマリン不活化などのホルマリン不活化)、放射線照射、または熱処理を介してウイルスを不活化することにより破壊される。複製欠損ウイルスは、例えば、ウイルスゲノム内の構造遺伝子を欠失させ、欠損ウイルスを複製するために欠失させられた遺伝子によりコードされるタンパク質を構成的に発現する補完的細胞系を作製することを介する、物理的不活化または遺伝子不活化により調製される。場合によって、本開示の組成物は、ホルマリンで不活化されたCVB IVPを含む。
【0023】
場合によって、本開示の組成物は、2つ~5つの血清型のCVBを含み、この場合、CVBは、IVP、CVB VLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、または1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(複数可)を含む、1つまたはそれ以上の核酸の形態であり、組成物は、
a)IVP 2.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB3;
d)IVP 2.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB4;および
e)IVP 4.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB5のうちの2つもしくはそれ以上、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸を含み、ここで、CVBの量は、容量約75μL~約600μL(例えば、約75μL~約100μL、約100μL~約150μL、約150μL~約200μL、約200μL~約250μL、約250μL~約300μL、約300μL~約350μL、約350μL~約400μL、約400μL~約450μL、約450μL~約500μL、約500μL~約550μL、または約550μL~約600μL)中に存在する。場合によって、組成物は、容量100μL中に、CVBの量を含む。場合によって、組成物は、容量500μL中に、CVBの量を含む。場合によって、組成物は、CBV6を含まない。
【0024】
場合によって、本開示の組成物は、2つ~5つの血清型のCVBを含み、この場合、CVBは、IVP、CVB VLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、または1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(複数可)を含む、1つまたはそれ以上の核酸の形態であり、組成物は、
a)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 4.0×10個~IVP 8.0×10個の量のCVB5のうちの2つもしくはそれ以上、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸を含む。CVBの量は、容量約75μL~約150μL(例えば、約75μL~約80μL、約80μL~約85μL、約85μL~約90μL、約90μL~約110μL、約95μL~約105μL、約95μL~約100μL、約100μL~約110μL、約110μL~約120μL、約120μL~約130μL、約130μL~約140μL、または約140μL~約150μL中の量でありうる。場合によって、組成物は、容量100μL中に、CVBの量を含む。場合によって、組成物は、CBV6を含まない。
【0025】
場合によって、本開示の組成物は、2つ~5つの血清型のCVBを含み、この場合、CVBは、IVP、CVB VLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、または1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(複数可)を含む、1つまたはそれ以上の核酸の形態であり、組成物は、
a)IVP 1.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB1;
b)IVP 5.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB2;
c)IVP 5.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB3;
d)IVP 1.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB4;および
e)IVP 2.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB5のうちの2つもしくはそれ以上、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸を含む。CVBの量は、容量約400μL~約450μL、約450μL~約500μL、約500μL~約550μL、または約550μL~約600μL中の量でありうる。場合によって、組成物は、容量500μL中に、CVBの量を含む。場合によって、組成物は、CBV6を含まない。
【0026】
場合によって、本開示の組成物は、
a)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 4.0×10個~IVP 8.0×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸を含む。CVBの量は、容量約75μL~約150μL(例えば、約75μL~約80μL、約80μL~約85μL、約85μL~約90μL、約90μL~約110μL、約95μL~約105μL、約95μL~約100μL、約100μL~約110μL、約110μL~約120μL、約120μL~約130μL、約130μL~約140μL、または約140μL~約150μL中の量でありうる。場合によって、組成物は、容量100μL中に、CVBの量を含む。場合によって、組成物は、CBV6を含まない。
【0027】
場合によって、本開示の組成物は、
a)IVP 3.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 2.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 2.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 3.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 6.0×10個~IVP 6.0×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸を含む。CVBの量は、容量約75μL~約150μL(例えば、約75μL~約80μL、約80μL~約85μL、約85μL~約90μL、約90μL~約110μL、約95μL~約105μL、約95μL~約100μL、約100μL~約110μL、約110μL~約120μL、約120μL~約130μL、約130μL~約140μL、または約140μL~約150μL中の量でありうる。場合によって、組成物は、容量100μL中に、CVBの量を含む。場合によって、組成物は、CBV6を含まない。
【0028】
場合によって、本開示の組成物は、
a)CVB1:IVP 3.3×10個;
b)CVB2:IVP 1.1×10個;
c)CVB3:IVP 1.5×10個;
d)CVB4:IVP 3.2×10個;および
e)CVB5:IVP 6.3×10個、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸を含む。CVBの量は、容量約75μL~約150μL(例えば、約75μL~約80μL、約80μL~約85μL、約85μL~約90μL、約90μL~約110μL、約95μL~約105μL、約95μL~約100μL、約100μL~約110μL、約110μL~約120μL、約120μL~約130μL、約130μL~約140μL、または約140μL~約150μL中の量でありうる。場合によって、組成物は、容量100μL中に、CVBの量を含む。場合によって、組成物は、CBV6を含まない。
【0029】
場合によって、本開示の組成物は、
a)CVB1:IVP 1.6×10個;
b)CVB2:IVP 5.5×10個;
c)CVB3:IVP 4.5×10個;
d)CVB4:IVP 1.6×10個;および
e)CVB5:IVP 4.8×10個、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸を含む。CVBの量は、容量約400μL~約450μL、約450μL~約500μL、約500μL~約550μL、または約550μL~約600μL中の量でありうる。場合によって、組成物は、容量500μL中に、CVBの量を含む。場合によって、組成物は、CBV6を含まない。
【0030】
場合によって、本開示の組成物は、
a)CVB1:IVP 1.6×10個;
b)CVB2:IVP 5.5×10個;
c)CVB3:IVP 7.5×10個;
d)CVB4:IVP 1.6×10個;および
e)CVB5:IVP 3.1×10個、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸を含む。CVBの量は、容量約400μL~約450μL、約450μL~約500μL、約500μL~約550μL、または約550μL~約600μL中の量でありうる。場合によって、組成物は、容量500μL中に、CVBの量を含む。場合によって、組成物は、CBV6を含まない。
【0031】
場合によって、本開示の組成物は、
a)IVP 2.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB3;
d)IVP 2.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB4;および
e)IVP 4.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸を含む。CVBの量は、容量約75μL~約600μL(例えば、約75μL~約80μL、約80μL~約85μL、約85μL~約90μL、約90μL~約110μL、約95μL~約105μL、約95μL~約100μL、約100μL~約110μL、約110μL~約120μL、約120μL~約130μL、約130μL~約140μL、約140μL~約150μL、約150μL~約200μL、約200μL~約250μL、約250μL~約300μL、約300μL~約350μL、約350μL~約400μL、約400μL~約450μL、約450μL~約500μL、約500μL~約550μL、または約550μL~約600μL)中の量でありうる。場合によって、組成物は、CBV6を含まない。
【0032】
場合によって、本開示の組成物は、タンパク質総量を約5μg~約250μgとして、
a)タンパク質約1μg~タンパク質約50μgの量のCVB1(例えば、約1μg~2μg、2μg~3μg、3μg~5μg、5μg~10μg、10μg~15μg、15μg~20μg、20μg~25μg、25μg~30μg、30μg~35μg、35μg~40μg、40μg~45μg、または45μg~50μg);
b)タンパク質約1μg~タンパク質約50μgの量のCVB2(例えば、約1μg~2μg、2μg~3μg、3μg~5μg、5μg~10μg、10μg~15μg、15μg~20μg、20μg~25μg、25μg~30μg、30μg~35μg、35μg~40μg、40μg~45μg、または45μg~50μg);
c)タンパク質約1μg~タンパク質約50μgの量のCVB3(例えば、約1μg~2μg、2μg~3μg、3μg~5μg、5μg~10μg、10μg~15μg、15μg~20μg、20μg~25μg、25μg~30μg、30μg~35μg、35μg~40μg、40μg~45μg、または45μg~50μg);
d)タンパク質約1μg~タンパク質約50μgの量のCVB4(例えば、約1μg~2μg、2μg~3μg、3μg~5μg、5μg~10μg、10μg~15μg、15μg~20μg、20μg~25μg、25μg~30μg、30μg~35μg、35μg~40μg、40μg~45μg、または45μg~50μg);および
e)タンパク質約1μg~タンパク質約50μgの量のCVB5(例えば、約1μg~2μg、2μg~3μg、3μg~5μg、5μg~10μg、10μg~15μg、15μg~20μg、20μg~25μg、25μg~30μg、30μg~35μg、35μg~40μg、40μg~45μg、または45μg~50μg)
のうちの2つもしくはそれ以上を含む。タンパク質の量は、容量約75μL~約600μL(例えば、約75μL~約80μL、約80μL~約85μL、約85μL~約90μL、約90μL~約110μL、約95μL~約105μL、約95μL~約100μL、約100μL~約110μL、約110μL~約120μL、約120μL~約130μL、約130μL~約140μL、約140μL~約150μL、約150μL~約200μL、約200μL~約250μL、約250μL~約300μL、約300μL~約350μL、約350μL~約400μL、約400μL~約450μL、約450μL~約500μL、約500μL~約550μL、または約550μL~約600μL)中の量でありうる。場合によって、組成物は、CBV6を含まない。
【0033】
場合によって、本開示の組成物は、タンパク質総量をタンパク質約8μg~タンパク質約15μgとして、
a)タンパク質約2μg~タンパク質約4μgの量のCVB1;
b)タンパク質約1μg~タンパク質約2.5μgの量のCVB2;
c)タンパク質約2μg~タンパク質約4μgの量のCVB3;
d)タンパク質約1μg~タンパク質約2μgの量のCVB4;および
e)タンパク質約1μg~タンパク質約2.5μgの量のCVB5
を含む。タンパク質の量は、容量約75μL~約150μL(例えば、約75μL~約80μL、約80μL~約85μL、約85μL~約90μL、約90μL~約110μL、約95μL~約105μL、約95μL~約100μL、約100μL~約110μL、約110μL~約120μL、約120μL~約130μL、約130μL~約140μL、または約140μL~約150μL)中の量でありうる。場合によって、組成物は、容量100μL中に、CVBの量を含む。場合によって、組成物は、CBV6を含まない。
【0034】
場合によって、本開示の組成物は、タンパク質総量を約10.7μgとして、
a)タンパク質約2.8μgの量のCVB1;
b)タンパク質約1.7μgの量のCVB2;
c)タンパク質約2.7μgの量のCVB3;
d)タンパク質約1.2μgの量のCVB4;および
e)タンパク質約2.3μgの量のCVB5
を含む。タンパク質の量は、容量約75μL~約150μL(例えば、約75μL~約80μL、約80μL~約85μL、約85μL~約90μL、約90μL~約110μL、約95μL~約105μL、約95μL~約100μL、約100μL~約110μL、約110μL~約120μL、約120μL~約130μL、約130μL~約140μL、または約140μL~約150μL中の量でありうる。場合によって、組成物は、容量100μL中に、CVBの量を含む。場合によって、組成物は、CBV6を含まない。
【0035】
場合によって、本開示の組成物は、タンパク質総量をタンパク質約35μg~タンパク質約75μgとして、
a)タンパク質約10μg~タンパク質約20μgの量のCVB1;
b)タンパク質約5μg~タンパク質約12.5μgの量のCVB2;
c)タンパク質約10μg~タンパク質約20μgの量のCVB3;
d)タンパク質約5μg~タンパク質約10μgの量のCVB4;および
e)タンパク質約5μg~タンパク質約12.5μgの量のCVB5
を含む。CVBの量は、容量約400μL~約450μL、約450μL~約500μL、約500μL~約550μL、または約550μL~約600μL中の量でありうる。場合によって、組成物は、容量500μL中に、CVBの量を含む。場合によって、組成物は、CBV6を含まない。
【0036】
場合によって、本開示の組成物は、タンパク質総量を53.5μgとして、
a)タンパク質約14μgの量のCVB1;
b)タンパク質約8.5μgの量のCVB2;
c)タンパク質約13.5μgの量のCVB3;
d)タンパク質約6μgの量のCVB4;および
e)タンパク質約11.5μgの量のCVB5
を含む。CVBの量は、容量約400μL~約450μL、約450μL~約500μL、約500μL~約550μL、または約550μL~約600μL中の量でありうる。場合によって、組成物は、容量500μL中に、CVBの量を含む。場合によって、組成物は、CBV6を含まない。
【0037】
本開示の組成物は、個体へと投与されると、VNTアッセイにより決定される通り、1/8~1/64,000のウイルス中和抗体力価(VNT)を誘導する。場合によって、このようなVNTは、ピークVNT(例えば、図3に描示される通り)である。場合によって、本開示の組成物は、個体へと投与されると、VNTアッセイにより決定される通り、約1/2,000~約1/4,000のVNTを誘導する。場合によって、本開示の組成物は、個体へと投与されると、VNTアッセイにより決定される通り、約1/10~約1/500のVNTを誘導する。場合によって、本開示の組成物は、個体へと投与されると、VNTアッセイにより決定される通り、約1/500~約1/1,000のVNTを誘導する。場合によって、本開示の組成物は、個体へと投与されると、VNTアッセイにより決定される通り、約1/1,000~約1/2,000のVNTを誘導する。場合によって、本開示の組成物は、個体へと投与されると、VNTアッセイにより決定される通り、約1/2,000~約1/4,000のVNTを誘導する。場合によって、本開示の組成物は、個体へと投与されると、VNTアッセイにより決定される通り、約1/4,000~約1/8,000のVNTを誘導する。場合によって、本開示の組成物は、個体へと投与されると、VNTアッセイにより決定される通り、約1/8,000~約1/10,000のVNTを誘導する。場合によって、本開示の組成物は、個体へと投与されると、VNTアッセイにより決定される通り、約1/10,000~約1/20,000のVNTを誘導する。
【0038】
本明細書で使用される、「ウイルス中和抗体力価」とは、細胞培養物中のウイルスの感染性をなおも中和する、試料の最高希釈率を指す。ウイルス中和力価(VNT)は、プラーク低減アッセイを使用して、プラークの数を、少なくとも80%低減する、最後の血清希釈率として計算される。例えば、BooneおよびAlbrecht(1983)、J.Virol.Methods、6:193を参照されたい。したがって、例えば、1/2,000のVNTとは、試料が、1/2,000(「2,000のVNT」)を超えて希釈された場合に、試料中のCVBを、もはや中和しない、血清試料中の抗体の量を指す。例えば、図2および図3において、「2,000」とは、2000倍の希釈率(「1/2,000」または「2,000のVNT」と称される)が、培養物中の細胞の感染を、少なくとも80%低減する、最高希釈率であることを意味し;「4,000」とは、4000倍の希釈率(「1/4,000」または「4,000のVNT」と称される)が、培養物中の細胞の感染を、少なくとも80%低減する、最高希釈率であることを意味する。
【0039】
場合によって、対象組成物の単回投与が、個体に対して実施される。場合によって、組成物の単回投与の14日後の個体におけるCVBに対するVNTは、対照と比べて、8~10倍に増大する。場合によって、組成物の単回投与の14日後の個体におけるCVBに対するVNTは、対照と比べて、3~10倍に増大する。対照とは、i)本開示の組成物の単回投与の前の個体におけるCVBに対するVNT;またはii)CVBに対するVNTの参照対照レベルを指す。
【0040】
場合によって、対象組成物の1回目の投与が個体に対して実施され;対象組成物の2回目の投与は、1回目の投与後の時点において、個体に対して実施される(例えば、2回目の投与は、1回目の投与の7日~3週間、7日~2週間、2週間~1カ月、1カ月~2カ月、2カ月~3カ月、または3カ月~6カ月後に投与される)。場合によって、対象組成物の1回目の投与が個体に対して実施され;対象組成物の2回目の投与は、1回目の投与の1カ月間後に、個体に対して実施される。場合によって、対象組成物の1回目の投与が個体に対して実施され;対象組成物の2回目の投与は、1回目の投与の2カ月間後に、個体に対して実施される。場合によって、対象組成物の1回目の投与が個体に対して実施され;対象組成物の2回目の投与は、1回目の投与の3カ月間後に、個体に対して実施される。場合によって、組成物の2回目の投与の14日後の個体におけるCVBに対するVNTは、対照と比べて、8~10倍に増大する。場合によって、組成物の2回目の投与の14日後の個体におけるCVBに対するVNTは、対照と比べて、3~10倍に増大する。対照とは、i)本開示の組成物の1回目の投与の前の個体におけるCVBに対するVNT;またはii)CVBに対するVNTの参照対照レベルを指す。
【0041】
中和力価は、対象の血清中で測定される通り、CVBに対する中和抗体によりもたらされる。場合によって、本開示の組成物の有効用量は、少なくとも100のウイルス中和力価(VNT)をもたらすのに十分である。場合によって、本開示の組成物の有効用量は、100~500のVNTをもたらすのに十分である。場合によって、本開示の組成物の有効用量は、500を超えるVNTをもたらすのに十分である。例えば、場合によって、本開示の組成物の有効用量は、500~1,000のVNTをもたらすのに十分である。別の例として述べると、場合によって、本開示の組成物の有効用量は、1000~10,000のVNTをもたらすのに十分である。場合によって、本開示の組成物の有効用量は、1000~2000、1000~3000、1000~4000、1000~5000、1000~6000、1000~7000、1000~8000、1000~9000、1000~10,000、2000~3000、2000~4000、2000~5000、2000~6000、2000~7000、2000~8000、2000~9000、2000~10,000、3000~4000、3000~5000、3000~6000、3000~7000、3000~8000、3000~9000、3000~10,000、4000~5000、4000~6000、4000~7000、4000~8000、4000~9000、4000~10,000、5000~6000、5000~7000、5000~8000、5000~9000;5000~10,000、6000~7000、6000~8000、6000~9000、6000~10,000、7000~8000、7000~9000、7000~10,000、8000~9000、8000~10,000、または9000~10,000のVNTをもたらすのに十分である。場合によって、本開示の組成物の有効用量は、500、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500、10,000、11000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19000、20,000、またはこれ以上のVNTをもたらすのに十分である。場合によって、VNTは、投与の1~72時間後にもたらされる。例えば、VNTは、投与の、1~10、1~20、1~30、1~40、1~50、1~60、1~70、1~72、10~20、10~30、10~40、10~50、10~60、10~70、10~72、20~30、20~40、20~50、20~60、20~70、20~72、30~40、30~50、30~60、30~70、30~72、40~50、40~60、40~70、40~72、50~60、50~70、50~72、60~70、60~72、または70~72時間後にもたらされる。場合によって、VNTは、投与の、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、56、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、または72時間後にもたらされる。場合によって、VNTは、本開示の組成物の投与から、14日以内にもたらされる。場合によって、VNTは、本開示の組成物の投与から、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日以内にもたらされる。
【0042】
場合によって、1/8~1/64,000のVNTは、本開示のCVB組成物の、1回またはそれ以上の回数の投与後、少なくとも24週間、少なくとも32週間、少なくとも40週間、少なくとも52週間、または52週間を超える期間にわたり維持される。場合によって、VNTは、IgGアイソタイプ抗体を含む(例えば、VNTは、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または85%を超えるIgGアイソタイプ抗体を含む)。場合によって、VNTは、IgGアイソタイプ抗体、IgMアイソタイプ抗体、およびIgAアイソタイプ抗体を含む。
【0043】
VNTは、VNTアッセイ(また、「プラーク低減アッセイ」とも称される)を使用して決定されうる。中和抗体の存在は、ウイルスの、細胞への感染性を遮断する。VNTアッセイを実行するために、個体から得られた血清は、多様な程度に希釈される。希釈された血清は、各ウイルス血清型に最適化された、ある特定の量の感染性ウイルス(例えば、ウイルス30~100プラーク形成単位(PFU)であり、この場合、PFUは、感染性ウイルス粒子1個を表す)と混合され、混合物は、室温で、ある特定の時間にわたりインキュベート(例えば、37℃における最初の60分間に続き、一晩(約18時間)にわたりインキュベーション)される。インキュベーション時間の後、混合物は、細胞(例えば、グリーンモンキー腎細胞(GMK-AH-1細胞;RRID:CVCL_L878))の単層へと添加され、細胞単層は、混合物と共に、ある特定の時間にわたり(例えば、40~48分間にわたり)インキュベートされる。このインキュベーション後、例えば、細胞を染色した後に、または細胞の顕微鏡検査により、単層上のウイルス誘導性プラークの数がカウントされる。ウイルスと、問題のエンテロウイルス血清型に対して惹起された高度免疫血清(例えば、サルまたはウマにおいて惹起された血清)との混合物は、各血清型の特異的中和についての陽性対照として用いられる。血清を伴わないウイルスは、陰性対照として用いられる。中和力価(VNT)は、プラークの数を、少なくとも80%低減する、最後の血清希釈率として計算される。例えば、BooneおよびAlbrecht(1983)、J.Virol.Methods、6:193を参照されたい。
【0044】
本開示の組成物は、その感染性が不活化された全CVBウイルス、またはウイルスの、ある特定の抗原構造、タンパク質、もしくはペプチド、もしくはこれらの組合せ(ウイルス様粒子など)、もしくは全ウイルスもしくは個別のウイルスタンパク質もしくはウイルスの不活化形態をコードする、ウイルスのRNAもしくはcDNA断片を含有するサブユニットワクチンを含みうる。
【0045】
場合によって、本開示の組成物は、CVBの構成要素を含む。「構成要素」は、キメラサブユニットを含むそのサブユニット、またはウイルスのゲノムの一部などの核酸断片など、ウイルスの免疫原性ポリペプチドでありうる。構成要素はまた、組換えにより、または合成により作製または改変される場合もある。
【0046】
サブユニットワクチンは、精製ウイルスタンパク質もしくは組換えウイルスタンパク質、ウイルス抗原性エピトープに対応する合成ペプチド、VLP、または感染時に産生されるが、ウイルスゲノムを欠く、空ウイルスカプシドからなりうる。これらのサブユニットワクチンは、それ自体として投与される場合もあり、ハプテンまたは担体(例えば、ISCOM粒子、キトサン、TLRアゴニスト、生体分解性微粒子)へとコンジュゲートされる場合もある。
【0047】
上記で言及された通り、本開示の組成物は、CVBサブユニット、例えば、1つまたはそれ以上のCVBポリペプチドを含みうる。CVBによりコードされるポリペプチドは、VP1、VP2、VP3、VP4、2A、2B、2C、3A、3B、3C、および3Dを含む。例えば、組成物は、1つまたはそれ以上のCVBポリペプチドを含む場合があるが、この場合、1つまたはそれ以上のCVBポリペプチドは、全ウイルスポリタンパク質(例えば、図1に示された、CVB4ポリタンパク質)、または前駆体ポリタンパク質に由来する、任意のポリペプチドのアミノ酸配列に対する、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。例えば、図1中の、CVB4ポリタンパク質の、最初の73のアミノ酸は、ポリタンパク質の成熟時に、ウイルスのCBV4 VP4構成要素を形成する。組成物は、CBV4 VP4の成熟形態の全アミノ酸配列またはポリペプチド断片との、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、任意のCBV4 VP4ポリペプチドを含みうる。VLPは、全長ウイルスタンパク質、全長ウイルスタンパク質の切断形態、またはウイルスタンパク質の一部を含有する融合タンパク質を使用して形成される。
【0048】
上記で言及された通り、それを必要とする個体への投与に適する組成物は、1つまたはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(複数可)を含む、1つまたはそれ以上の核酸を含みうる。適切な核酸は、組換え発現ベクターを含む。場合によって、1つまたはそれ以上の核酸は、1つまたはそれ以上のCVBポリペプチドをコードする、1つまたはそれ以上のヌクレオチド配列を含む、組換え発現ベクターである。場合によって、組換え発現ベクターは、目的の遺伝子産物(例えば、RNAまたはポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列を含むDNA分子またはRNA分子である。組換え発現ベクターは、ウイルス性発現ベクター(例えば、ワクシニアウイルス;ポリオウイルス;アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、レンチウイルス、SV40、単純ヘルペスウイルス、ヒト免疫欠損症ウイルス(HIV)、レトロウイルスなどに基づくウイルスベクター)を含む。場合によって、組換え発現ベクターは、組換えレンチウイルスベクターである。場合によって、組換え発現ベクターは、組換えHIVベクターである。場合によって、組換え発現ベクターは、組換えアデノウイルスベクターである。場合によって、組換え発現ベクターは、組換えAAVベクターである。場合によって、1つまたはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(複数可)は、プロモーターなど、1つまたはそれ以上の転写制御エレメントに作動可能に連結される。場合によって、目的の遺伝子産物をコードするヌクレオチド配列は、哺乳動物細胞、例えば、筋肉細胞、上皮細胞、樹状細胞、抗原提示細胞などにおいて機能的なプロモーターに作動可能に連結される。
【0049】
適切な核酸は、mRNAを含む。したがって、場合によって、それを必要とする個体への投与に適する組成物は、1つまたはそれ以上のCVBポリペプチドをコードする、1つまたはそれ以上のヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上のRNA分子(例えば、mRNA)を含む。場合によって、1つまたはそれ以上のRNA分子は、少なくとも1つの5’側キャップ構造および/または5’側非翻訳領域(5’UTR)を含む。場合によって、1つまたはそれ以上のRNA分子はまた、3’UTRおよび/または3’側テーリング配列(例えば、ポリ(アデノシン)(ポリA)配列)も含む。5’側キャップ構造の例は、イノシン、N1-メチル-グアノシン、2’フルオロ-グアノシン、7-デアザ-グアノシン、8-オキソ-グアノシン、2-アミノ-グアノシン、LNA-グアノシン、および2-アジド-グアノシンを含む。場合によって、1つまたはそれ以上のRNA分子は、ヌクレオシド塩基修飾、糖修飾、および骨格修飾のうちの1つまたはそれ以上を含む。場合によって、組成物は、1つまたはそれ以上のRNA分子に加えて、a)ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリグリコリド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリラクチド、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLGA)、ポリカプロラクトン、ポリソルベート、ポリエチレンオキシド、ポリ酸化プロピレン、ポリ(エチレンオキシド-co-酸化プロピレン)、ポロキサマー、ポロキサミン、ポリ(オキシエチル化)グリセロール、ポリ(オキシエチル化)ソルビトール、ポリ(オキシエチル化)グルコース、ポリエチレンイミン、ポリアミドアミン(PAMAM)によるデンドリマー、およびブロックコポリマーである、ポリ(エチレングリコール)-block-ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PEG-b-PLGA));およびb)脂質の一方または両方を含む。
【0050】
場合によって、それを必要とする個体への投与に適する組成物は、1つまたはそれ以上のCVBポリペプチドをコードする、1つまたはそれ以上のヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上のRNA分子(例えば、mRNA)を含む。場合によって、1つまたはそれ以上のRNA分子は、それを必要とする個体へと、個体の血清中における、コードされるCVBポリペプチド(複数可)のレベルが、投与の少なくとも2時間後に、少なくとも50pg/mLとなるような量で投与される。場合によって、1つまたはそれ以上のRNA分子は、それを必要とする個体へと、個体の血清中における、コードされるCVBポリペプチド(複数可)のレベルが、投与後少なくとも72時間にわたり、50pg/mLを上回るレベルを維持するような量で投与される。
【0051】
場合によって、1つまたはそれ以上のmRNAの各々は、約1μg~約200μg、例えば、約1μg~約5μg、約5μg~約10μg、約10μg~約15μg、約15μg~約20μg、約20μg~約25μg、約25μg~約30μg、約30μg~約40μg、約40μg~約50μg、約50μg~約60μg、約60μg~約70μg、約70μg~約80μg、約80μg~約90μg、約90μg~約100μg、約100μg~約125μg、約125μg~約150μg、約150μg~約175μg、または約175μg~約200μgの量で投与される。
【0052】
例えば、場合によって、本開示の組成物は、CVB1、CVB2、CVB3、CVB4、およびCVB5をコードするが、CVB6をコードしない核酸(例えば、mRNA)を含み、この場合、mRNAの各々は、組成物中に、約1μg~約200μg、例えば、約1μg~約5μg、約5μg~約10μg、約10μg~約15μg、約15μg~約20μg、約20μg~約25μg、約25μg~約30μg、約30μg~約40μg、約40μg~約50μg、約50μg~約60μg、約60μg~約70μg、約70μg~約80μg、約80μg~約90μg、約90μg~約100μg、約100μg~約125μg、約125μg~約150μg、約150μg~約175μg、または約175μg~約200μgの量で存在する。
【0053】
場合によって、本開示の組成物は、単一のCVB血清型だけのポリペプチドをコードする核酸(例えば、mRNA)を含む。例えば、場合によって、本開示の組成物は、CVB1のポリペプチドだけをコードする核酸を含む。別の例として述べると、場合によって、本開示の組成物は、CVB2のポリペプチドだけをコードする核酸を含む。別の例として述べると、場合によって、本開示の組成物は、CVB3のポリペプチドだけをコードする核酸を含む。別の例として述べると、場合によって、本開示の組成物は、CVB4のポリペプチドだけをコードする核酸を含む。別の例として述べると、場合によって、本開示の組成物は、CVB5のポリペプチドだけをコードする核酸を含む。場合によって、単一のCVB血清型のポリペプチドだけをコードする核酸は、mRNAであり、mRNAは、組成物中に、約1μg~約200μg、例えば、約1μg~約5μg、約5μg~約10μg、約10μg~約15μg、約15μg~約20μg、約20μg~約25μg、約25μg~約30μg、約30μg~約40μg、約40μg~約50μg、約50μg~約60μg、約60μg~約70μg、約70μg~約80μg、約80μg~約90μg、約90μg~約100μg、約100μg~約125μg、約125μg~約150μg、約150μg~約175μg、または約175μg~約200μgの量で存在する。
【0054】
場合によって、本開示の組成物は、2つの異なる血清型(例えば、CVB1およびCVB2;CVB1およびCVB3;CVB1およびCVB4;CVB1およびCVB5;CVB2およびCVB3;CVB2およびCVB4;CVB2およびCVB5;CVB3およびCVB4;CVB3およびCVB5;またはCVB4およびCVB5)だけをコードする核酸(例えば、mRNA)を含み、他の任意の血清型のCVBポリペプチドをコードする核酸を含まない。場合によって、2つのCVB血清型だけのポリペプチドをコードする核酸は、mRNAであり、mRNAの各々は、組成物中に、約1μg~約200μg、例えば、約1μg~約5μg、約5μg~約10μg、約10μg~約15μg、約15μg~約20μg、約20μg~約25μg、約25μg~約30μg、約30μg~約40μg、約40μg~約50μg、約50μg~約60μg、約60μg~約70μg、約70μg~約80μg、約80μg~約90μg、約90μg~約100μg、約100μg~約125μg、約125μg~約150μg、約150μg~約175μg、または約175μg~約200μgの量で存在する。
【0055】
場合によって、本開示の組成物は、3つの異なる血清型(例えば、CVB1、CVB2、およびCVB3;CVB1、CVB2、およびCVB4;CVB1、CVB2、およびCVB5;CVB1、CVB3、およびCVB4;CVB1、CVB3、およびCVB5;CVB2、CVB3、およびCVB4;CVB2、CVB3、およびCVB5;CVB3、CVB4、およびCVB5)だけをコードする核酸(例えば、mRNA)を含み、他の任意の血清型のCVBポリペプチドをコードする核酸を含まない。場合によって、3つのCVB血清型だけのポリペプチドをコードする核酸は、mRNAであり、mRNAの各々は、組成物中に、約1μg~約200μg、例えば、約1μg~約5μg、約5μg~約10μg、約10μg~約15μg、約15μg~約20μg、約20μg~約25μg、約25μg~約30μg、約30μg~約40μg、約40μg~約50μg、約50μg~約60μg、約60μg~約70μg、約70μg~約80μg、約80μg~約90μg、約90μg~約100μg、約100μg~約125μg、約125μg~約150μg、約150μg~約175μg、または約175μg~約200μgの量で存在する。
【0056】
場合によって、本開示の組成物は、4つの異なる血清型(例えば、組成物は、CVB3およびCVB6;CVB4およびCVB6;CVB5およびCVB6;2つのCVB血清型の、他の任意の組合せのポリペプチドをコードする核酸を除外しうる)だけのCVBポリペプチドをコードする核酸を含む。
【0057】
上記で記載されたCVB、サブユニット、VLP、または核酸は、免疫刺激を誘発する有効成分に加えて、薬学的に許容される賦形剤、担体、ハプテン、および/またはアジュバントを含みうる医薬組成物へと製剤化される。賦形剤、担体、ハプテン、およびアジュバントは、例えば、フェノキシエタノール、塩化マグネシウム、スクロース、チオメルサール、ホルムアルデヒド、フェノール、抗生剤(防腐剤)、またはアルミニウム塩、ポリマー微粒子、ISCOM粒子、担体タンパク質(例えば、コレラ毒素)、リポソーム、タンパク質ミセル(ハプテン/アジュバント)、またはTLRアゴニストを含みうる。
【0058】
CVB組成物は、アジュバント(例えば、免疫刺激量のアジュバント)を含みうる。CVB組成物は、免疫刺激量のアジュバントを含みうる。ヒトにおいて使用される、公知の適切なアジュバントの例は、アラム、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、MF59(4.3%w/vのスクアレン、0.5%w/vのTween 80(商標)、0.5%w/vのSpan 85)、CpG含有核酸(この場合、シトシンは、メチル化されていない)、QS21、モノホスホリルリピドA(MPL)、3-Q-デスアシル-4’-モノホスホリルリピドA(3DMPL)、Aquila製の抽出物、免疫刺激複合体(ISCOMS;コレステロール、リン脂質、およびキラヤ属サポニンの複合体)、LT/CT突然変異体、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)微粒子、Quil A、インターロイキンなどを含むがこれらに必ずしも限定されない。実験動物用には、フロイントの不完全アジュバント、またはフロイントの完全アジュバントを使用することができる。N-アセチル-ムラミル-L-トレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)、N-アセチル-ノル-ムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン(nor-MDPと称される、CGP 11637)、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミニル-L-アラニン-2-(1’-2’-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシルホスホリルオキシ)-エチルアミン(MTP-PEと称される、CGP19835A)、ならびに2%のスクアレン/Tween 80エマルジョン中に、細菌から抽出された3つの成分:モノホスホリルリピドA、トレハロースジミコール酸エステル、および細胞壁骨格(MPL+TDM+CWS)を含有するRIBIもまた、使用に適する。別の例として述べると、アジュバントは、別のウイルス(CVB以外)を、本開示の組成物と組み合わせて含む場合もあり、CVBウイルス以外の担体により提示されるCVBタンパク質として含む場合もある。
【0059】
組成物の効能を増強する、さらに例示的なアジュバントは、(1)例えば、(a)5%スクアレン、0.5%Tween 80、および0.5%Span 85(場合により、MTP-PEを含有する)を含有し、Microfluidizerを使用して、サブミクロン粒子へと製剤化された、MF59(商標)(例えば、WO90/14837を参照されたい)、(b)10%のスクアレン、0.4%のTween 80、5%のプルロニックブロックポリマーであるL121、および大粒子サイズのエマルジョンを作出するように、サブミクロンエマルジョンへとMicrofluidizer処理されるか、またはボルテクシングされたthr-MDPを含有するSAF、ならびに(c)2%のスクアレン、0.2%のTween 80、およびモノホスホリルリピドA(MPL)、トレハロースジミコール酸エステル(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)など、1つまたはそれ以上の細菌の細胞壁成分、例えば、MPL+CWS(Detox(商標))を含有するRIBI(商標)アジュバントシステム(RAS)、(Ribi Immunochem、Hamilton、Mont.)などの水中油エマルジョン製剤(ムラミルペプチド(下記を参照されたい)または細菌の細胞壁成分など、他の特異的免疫刺激剤を伴うか、またはこれらを伴わない);(2)QS21もしくはStimulon(商標)(Cambridge Bioscience、Worcester、Mass.;シャボンノキの精製抽出物)など、使用可能なサポニンアジュバント、またはさらなるデタージェントを欠いた(例えば、WO00/07621)ISCOM(免疫刺激複合体)など、これらから作出された粒子;(3)フロイントの完全アジュバント(CFA)およびフロイントの不完全アジュバント(IFA);(4)インターロイキン(例えば、IL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-12(WO99/44636)など)、インターフェロン(例えば、ガンマインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)などのサイトカイン;(5)場合により、肺炎球菌糖と共に使用された場合に、アラムの実質的な非存在下にある(例えば、WO00/56358)、モノホスホリルリピドA(MPL)または3-O-脱アシル化MPL(3dMPL)(例えば、GB-2220221、EP-A-0689454);(6)3dMPLの、例えば、QS21および/または水中油エマルジョンとの組合せ(例えば、EP-A-0835318、EP-A-0735898、EP-A-0761231を参照されたい);(7)シトシンがメチル化されていない、少なくとも1つのCGジヌクレオチドを含有する、CpGモチーフを含むオリゴヌクレオチド(例えば、WO96/02555、WO98/16247、WO98/18810、WO98/40100、WO98/55495、WO98/37919、およびWO98/52581を参照されたい);(8)ポリオキシエチレンエーテルまたはポリオキシエチレンエステル(例えば、WO99/52549を参照されたい);(9)オクトキシノールと組み合わせられた、ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(WO01/21207)、またはオクトキシノールなど、少なくとも1つのさらなる非イオン性界面活性剤と組み合わせられた、ポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤もしくはポリオキシエチレンアルキルエステル界面活性剤(WO01/21152);(10)サポニンおよび免疫刺激性オリゴヌクレオチド(例えば、CpGオリゴヌクレオチド)(WO00/62800);(11)免疫刺激剤および金属塩の粒子(例えば、WO00/23105を参照されたい);(12)サポニンおよび水中油エマルジョン(例えば、WO99/11241を参照されたい);(13)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IM2(場合により、ステロールを含む)(例えば、WO98/57659を参照されたい);(14)組成物の効能を増強する免疫刺激薬剤として作用する他の物質を含むがこれらに限定されない。ムラミルペプチドは、N-アセチル-ムラミル-L-トレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)、N-アセチル-ノルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン(nor-MDP)、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミニル-L-アラニン-2-(1’-2’-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシルホスホリルオキシ)-エチルアミン(MTP-PE)などを含む。Matrix-M(商標)もまた、使用に適するが;Matrix-M(商標)は、シャボンノキ、コレステロール、およびリン脂質を含む、40nmのナノ粒子を含むアジュバントである。ヒトへの投与に適するアジュバントは、特に、対象のアジュバントである。場合によって、アジュバントは、免疫原に対する、CD4ヘルパーT細胞応答を増強するアジュバントである。ポリイノシン:シトシン(ポリI:C)核酸もまた、使用に適する。ポリI:Cは、合成二本鎖RNAである。STING経路の、環状ジヌクレオチド活性化因子もまた、使用に適する。適切な環状ジヌクレオチドアジュバントの例は、1)ビス-(3’,5’)-環状二量体アデノシン一リン酸(c-di-AMP);2)ビス-(3’,5’)-環状二量体グアノシン一リン酸(c-di-GMP);およびビス-(3’,5’)-環状二量体イノシン一リン酸(c-di-IMP)を含むがこれらに限定されない。ポリ(I:C)もまた、使用に適する。
【0060】
アジュバントの効能は、i)免疫原性抗原またはその抗原性エピトープに対して方向付けられた抗体の量を測定すること(例えば、上記で記載された、VNTアッセイを使用して);ii)細胞傷害性Tリンパ球の、抗原に対する応答を測定すること;およびiii)ヘルパーT細胞応答の、抗原に対する応答を測定することのうちの1つまたはそれ以上により決定されうる。
【0061】
本開示の組成物は、その多様性について当技術分野で公知であり、本明細書で詳細に論じられる必要のない、薬学的に許容される賦形剤を含みうる。薬学的に許容される賦形剤については、例えば、「Remington:Science and Practice of Pharmacy」、19版(1995)、または最新版、Mack Publishing Co;A.Gennaro(2000)、「Remington:Science and Practice of Pharmacy」、20版、Lippincott,Williams & Wilkins;「Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems」(1999)、H.C.Anselら編、7版、Lippincott,Williams & Wilkins;および「Handbook of Pharmaceutical Excipients」(2000)、A.H.Kibbeら編、3版、Amer.Pharmaceutical Assocを含む、様々な刊行物において、十分に記載されている。
【0062】
医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤を含みうる。場合によって、対象の医薬組成物は、対象への投与に適する医薬組成物であり、例えば、滅菌医薬組成物であろう。例えば、場合によって、対象の医薬組成物は、ヒト対象への投与に適する医薬組成物であり、例えば、この場合、組成物は、滅菌組成物であり、検出可能な発熱物質および/または他の毒素を含まない。
【0063】
タンパク質組成物は、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、滑石、セルロース、グルコース、スクロース、マグネシウム、炭酸塩など、他の成分を含みうる。組成物は、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム、塩酸塩、硫酸塩、溶媒和物(例えば、混合イオン性塩、水、有機物)、水和物(例えば、水)などのpH調整剤および緩衝剤、毒性調整剤など、生理学的条件を近似するのに要求される、薬学的に許容される補助物質を含有しうる。
【0064】
場合によって、本開示の組成物は、液体組成物である。したがって、本開示は、上記で記載されたCVBを含む組成物(例えば、医薬組成物を含む液体組成物)を提示する。場合によって、本開示の組成物は、a)上記で記載されたCVB;およびb)生理食塩液(例えば、0.9%のNaCl)を含む。場合によって、組成物は、滅菌組成物である。場合によって、組成物は、ヒト対象への投与に適する組成物であり、例えば、この場合、組成物は、滅菌組成物であり、検出可能な発熱物質および/または他の毒素を含まない。したがって、本開示は、a)上記で記載されたCVB;およびb)生理食塩液(例えば、0.9%のNaCl)を含む組成物を提示し、この場合、組成物は、滅菌組成物であり、検出可能な発熱物質および/または他の毒素を含まない。
【0065】
免疫応答を誘導する方法
本開示は、個体における、CVBに対する免疫応答を誘導する方法を提示する。方法は、それを必要とする個体へと、有効量の、本開示の組成物を投与するステップを含む。本開示の組成物は、下記では、「免疫原性組成物」と称される。本開示は、個体が、急性CVB感染症を発症する可能性を低減する方法を提示する。方法は、それを必要とする個体へと、有効量の、本開示の組成物を投与するステップを含む。本開示は、個体が、CVB感染関連疾患および/またはCVB感染症の症状を発症する可能性を低減する方法を提示する。方法は、それを必要とする個体へと、有効量の、本開示の組成物を投与するステップを含む。
【0066】
上記で記載された免疫原性組成物は、注射(例えば、筋内注射または皮下注射)により、非経口投与、口腔内投与、経口投与、皮内投与、経皮投与、舌下投与、鼻腔内投与、鼻咽頭内投与されるか、吸入を介して投与されるか、または直腸を介して投与される。
【0067】
場合によって、プライム-ブーストワクチンプロトコールが使用される。場合によって、第1の(プライミング)免疫原性組成物が投与され、ある時間の後、第2の(ブースター)免疫原性組成物が投与される。第2の免疫原性組成物は、第1の免疫原性組成物の投与後1日間~1年間の時点において投与される。例えば、第2の免疫原性組成物は、第1の免疫原性組成物の投与後1日間~1週間、1週間~2週間、2週間~1カ月間、1カ月間~2カ月間、2カ月間~6カ月間、または6カ月間~1年間の時点において投与される。
【0068】
本開示の方法は、個体において、CVBに対する免疫応答を誘導しうる。例えば、本開示の方法は、個体において、CVB1、CVB2、CVB3、CVB4、およびCVB5のうちの1つまたはそれ以上に対する免疫応答を誘導しうる。場合によって、本開示の方法は、個体において、CVB1、CVB2、CVB3、CVB4、およびCVB5に対する免疫応答を誘導しうる。
【0069】
場合によって、本開示の方法は、CVBによる急性感染の可能性を低下させうる。場合によって、本開示の方法は、個体が、CVB感染関連疾患(例えば、CVB誘導性消化器病、心筋炎、肺炎、無菌性髄膜炎、脳炎、または肝炎)を発症する可能性を低減しうる。場合によって、本開示の方法は、CVB感染症の、1つまたはそれ以上の有害症状を改善しうる。場合によって、本開示の方法は、CVBに誘導される消化器病、心筋炎、肺炎、無菌性髄膜炎、脳炎、および肝炎のうちの1つまたはそれ以上を処置する。
【0070】
場合によって、本開示の免疫原性組成物が投与される個体が、1型糖尿病(T1D)を発症する、一般集団より大きな危険性がある場合、本開示の方法は、個体が、T1Dを発症する可能性を低減しうる。
【0071】
場合によって、本開示の免疫原性組成物が投与される個体が、セリアック病を発症する、一般集団より大きな危険性がある場合、本開示の方法は、個体が、セリアック病を発症する可能性を低減しうる。
【0072】
処置に適する対象
場合によって、本開示に従う処置に適する個体は、1カ月齢~3カ月齢(例えば、1カ月齢、2カ月齢、または3カ月齢)である。場合によって、本開示に従う処置に適する個体は、3カ月齢~5歳である。場合によって、本開示に従う処置に適する個体は、3カ月齢~6カ月齢、6カ月齢~1歳、1歳~2歳、または2歳~5歳である。場合によって、本開示に従う処置に適する個体は、5歳~11歳である。場合によって、本開示に従う処置に適する個体は、12歳~17歳である。場合によって、本開示に従う処置に適する個体は、18歳~25歳である。場合によって、本開示に従う処置に適する個体は、25歳を超える。
【0073】
場合によって、個体は、6歳を超えるか、2歳もしくはそれ以上、6歳もしくはそれ以上、12歳もしくはそれ以上、18歳もしくはそれ以上、30歳もしくはそれ以上であるか、約6~12歳の間、約6歳~約30歳の間、約12~約30歳の間、または約18~約30歳の間である。場合によって、個体は、妊婦である。
【0074】
場合によって、本開示に従う処置に適する個体は、CVBに関して、免疫学的にナイーブである;すなわち、個体は、CVBに対する、低度であるか、または検出不能な中和抗体を有する。場合によって、本開示に従う処置に適する個体は、かつて、CVBへと曝露された(例えば、天然感染を介して)ことがあり、CVBに対する、検出可能な抗体力価を有する。
【0075】
場合によって、個体は、1型糖尿病(T1D)を発症する危険性がある(例えば、一般集団より大きな危険性がある)。T1Dを発症する危険性がある(例えば、一般集団より大きな危険性がある)個体は、T1Dを発症する危険性が高いことが遺伝学的に決定された個体、例えば、HLAにより、T1Dに対する感受性を付与された個体、とりわけ、HLA DR3対立遺伝子および/またはHLA DR4対立遺伝子のキャリアを含む。T1Dを発症する危険性がある(例えば、一般集団より大きな危険性がある)個体は、HLAにより、T1Dに対する疾患感受性を付与された母体または小児、とりわけ、HLA DR3対立遺伝子および/またはHLA DR4対立遺伝子のキャリア;第1親等または第2親等の血縁者において、T1Dを伴う個体;ならびに2つまたはそれ以上の糖尿病関連自己抗体について検査陽性である個体(例えば、小児)を含む。場合によって、対象の方法は、個体が、T1Dを発症する可能性を低減する。
【0076】
場合によって、個体は、セリアック病を発症する危険性がある(例えば、一般集団より大きな危険性がある)。このような個体は、セリアック病を発症する遺伝的素因を有する個体;およびセリアック病関連自己抗体について検査陽性であった個体を含む。場合によって、個体は、HLA-DR3対立遺伝子のキャリアである。
【0077】
本開示の非限定的態様の例
態様セットA
上記で記載された、本対象物についての実施形態を含む態様は、単独で、または1つもしくはそれ以上の他の態様もしくは実施形態との組合せにおいて有益でありうる。下記では、前出の記載を限定せずに、本開示についての、ある特定の非限定的態様が提示される。本開示を読んだ当業者に明らかとなる通り、個別に番号付けされた態様の各々は、前出または後続の、個別に番号付けされた態様のうちのいずれかと共に使用されるか、または組み合わされる場合がある。これは、全てのこのような態様の組合せについて裏書きすることが意図され、下記で明示的に提示される態様の組合せに限定されない:
態様1.2つ~5つの血清型のB群コクサッキーウイルス(CVB)を含む組成物であって、CVBは、不活化ウイルス粒子(IVP)、ウイルス様粒子(VLP)、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、または1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸の形態であり、組成物は、
A)容量100μL中に、
a)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 4.0×10個~IVP 8.0×10個の量のCVB5、
もしくは同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つもしくはそれ以上の核酸
のうちの2つもしくはそれ以上;または
B)容量500μL中に、
a)IVP 1.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB1;
b)IVP 5.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB2;
c)IVP 5.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB3;
d)IVP 1.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB4;および
e)IVP 2.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB5、
もしくは同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つもしくはそれ以上の核酸
のうちの2つもしくはそれ以上
を含み、
CVB6を含まない、
組成物。
態様2.容量100μl中に、
a)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 4.0×10個~IVP 8.0×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、態様1に記載の組成物。
態様3.a)IVP 3.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 2.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 2.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 3.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 6.0×10個~IVP 6.0×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、態様2に記載の組成物。
態様4.2つ~5つの血清型のB群コクサッキーウイルス(CVB)を含む組成物であって、CVBは、不活化ウイルス粒子(IVP)、CVBウイルス様粒子(VLP)、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、または1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸の形態であり、組成物は、個体へと投与されると、VNTアッセイにより決定される、1/8~1/64,000のウイルス中和抗体力価(VNT)を誘導し、CVB6を含まない、組成物。
態様5.組成物は、2つ~5つの血清型のCVBを含み、CVBは、不活化ウイルス粒子(IVP)の形態であり、組成物は、
A)容量100μL中に、
a)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 4.0×10個~IVP 8.0×10個の量のCVB5、
もしくは同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つもしくはそれ以上の核酸
のうちの2つもしくはそれ以上;または
B)容量500μL中に、
a)IVP 1.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB1;
b)IVP 5.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB2;
c)IVP 5.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB3;
d)IVP 1.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB4;および
e)IVP 2.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB5、
もしくは同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つもしくはそれ以上の核酸
のうちの2つもしくはそれ以上
を含む、態様4に記載の組成物。
態様6.a)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 4.0×10個~IVP 8.0×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、態様5に記載の組成物。
態様7.a)IVP 3.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 2.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 2.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 3.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 6.0×10個~IVP 6.0×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、態様6に記載の組成物。
態様8.IVPは、ホルマリンで不活化されている、態様1から7のいずれか一項に記載の組成物。
態様9.アジュバントを含む、態様1から8のいずれか一項に記載の組成物。
態様10.生理食塩液を含む、態様1から8のいずれか一項に記載の組成物。
態様11.個体において、B群コクサッキーウイルス(CVB)に対する免疫応答を誘導する方法であって、個体へと、態様1から10のいずれか一項に記載の組成物を投与する工程を含む方法。
態様12.組成物は、筋内投与される、態様11に記載の方法。
態様13.組成物は、皮下投与される、態様11に記載の方法。
態様14.個体が、急性B群コクサッキーウイルス(CVB)感染症を発症する可能性を低減する方法であって、個体へと、態様1から10のいずれか一項に記載の組成物を投与する工程を含む方法。
態様15.個体は、新生児である、態様11から14のいずれか一項に記載の方法。
態様16.個体は、妊婦である、態様11から14のいずれか一項に記載の方法。
態様17.個体は、1型糖尿病を発症する危険性が大きい、態様11から14のいずれか一項に記載の方法。
態様18.個体は、セリアック病を発症する危険性が大きい、態様11から14のいずれか一項に記載の方法。
態様19.個体は、HLA DR3対立遺伝子および/またはHLA DR4対立遺伝子のキャリアである、態様11から14のいずれか一項に記載の方法。
態様20.個体は、前記投与する工程の前に、CVB1、CVB2、CVB3、CVB4、およびCVB5のうちの1つまたはそれ以上に対するウイルス中和力価について、血清反応陽性であった、態様11から14のいずれか一項に記載の方法。
態様21.個体は、前記投与する工程の前に、CVB1、CVB2、CVB3、CVB4、およびCVB5のうちの1つまたはそれ以上に対するウイルス中和力価について、血清反応陰性であった、態様11から14のいずれか一項に記載の方法。
【0078】
態様セットB
上記で記載された、本対象物についての実施形態を含む態様は、単独で、または1つもしくはそれ以上の他の態様もしくは実施形態との組合せにおいて有益でありうる。下記では、前出の記載を限定せずに、本開示についての、ある特定の非限定的態様が提示される。本開示を読んだ当業者に明らかとなる通り、個別に番号付けされた態様の各々は、前出または後続の、個別に番号付けされた態様のうちのいずれかと共に使用されるか、または組み合わされる場合がある。これは、全てのこのような態様の組合せについて裏書きすることが意図され、下記で明示的に提示される態様の組合せに限定されない:
態様1.2つ~5つの血清型のB群コクサッキーウイルス(CVB)を含む組成物であって、CVBは、不活化ウイルス粒子(IVP)、ウイルス様粒子(VLP)、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、または1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸の形態であり、組成物は、
A)容量100μL中に、
a)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 4.0×10個~IVP 8.0×10個の量のCVB5、
もしくは同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つもしくはそれ以上の核酸
のうちの2つもしくはそれ以上;または
B)容量500μL中に、
a)IVP 1.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB1;
b)IVP 5.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB2;
c)IVP 5.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB3;
d)IVP 1.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB4;および
e)IVP 2.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB5、
もしくは同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つもしくはそれ以上の核酸
のうちの2つもしくはそれ以上;または
C)a)1μg~50μgの量のCVB1タンパク質;
b)1μg~50μgの量のCVB2タンパク質;
c)1μg~50μgの量のCVB3タンパク質;
d)1μg~50μgの量のCVB4タンパク質;および
e)1μg~50μgの量のCVB5タンパク質
のうちの2つもしくはそれ以上
を含み、
CVB6を含まない、
組成物。
態様2.容量100μl中に、
a)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 4.0×10個~IVP 8.0×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、態様1に記載の組成物。
態様3.a)IVP 3.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 2.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 2.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 3.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 6.0×10個~IVP 6.0×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、態様2に記載の組成物。
態様4.容量100μl中に、
a)IVP 3.3×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.1×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.5×10個の量のCVB3;
d)IVP 3.2×10個の量のCVB4;および
e)IVP 6.3×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、態様1に記載の組成物。
態様5.容量500μL中に、
a)IVP 1.6×10個の量のCVB1;
b)IVP 5.5×10個の量のCVB2;
c)IVP 7.5×10個の量のCVB3;
d)IVP 1.6×10個の量のCVB4;および
e)IVP 3.1×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、態様1に記載の組成物。
態様6.容量100μl中に、
a)2.8μgの量のCVB1タンパク質;
b)1.7μgの量のCVB2タンパク質;
c)2.7μgの量のCVB3タンパク質;
d)1.2μgの量のCVB4タンパク質;および
e)2.3μgの量のCVB5タンパク質
を含む、態様1に記載の組成物。
態様7.容量500μl中に、
a)14μgの量のCVB1タンパク質;
b)8.5μgの量のCVB2タンパク質;
c)13.5μgの量のCVB3タンパク質;
d)6.0μgの量のCVB4タンパク質;および
e)11.5μgの量のCVB5タンパク質
を含む、態様1に記載の組成物。
態様8.2つ~5つの血清型のB群コクサッキーウイルス(CVB)を含む組成物であって、CVBは、不活化ウイルス粒子(IVP)、CVBウイルス様粒子(VLP)、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、または1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸の形態であり、組成物は、個体へと投与されると、VNTアッセイにより決定される、1/8~1/64,000のウイルス中和抗体力価(VNT)を誘導し、CVB6を含まない、組成物。
態様9.組成物は、2つ~5つの血清型のCVBを含み、CVBは、不活化ウイルス粒子(IVP)の形態であり、組成物は、
A)容量100μL中に、
a)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 4.0×10個~IVP 8.0×10個の量のCVB5、
もしくは同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つもしくはそれ以上の核酸
のうちの2つもしくはそれ以上;または
B)a)IVP 1.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB1;
b)IVP 5.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB2;
c)IVP 5.0×10個~IVP 1.5×10個の量のCVB3;
d)IVP 1.0×10個~IVP 2.5×10個の量のCVB4;および
e)IVP 2.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB5
のうちの2つもしくはそれ以上;または
C)容量500μL中に、
a)1μg~50μgの量のCVB1タンパク質;
b)1μg~50μgの量のCVB2タンパク質;
c)1μg~50μgの量のCVB3タンパク質;
d)1μg~50μgの量のCVB4タンパク質;および
e)1μg~50μgの量のCVB5タンパク質、
もしくは同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つもしくはそれ以上の核酸
のうちの2つもしくはそれ以上
を含む、態様8に記載の組成物。
態様10.a)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 3.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 2.0×10個~IVP 5.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 4.0×10個~IVP 8.0×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、態様9に記載の組成物。
態様11.a)IVP 3.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.0×10個~IVP 2.0×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.0×10個~IVP 2.0×10個の量のCVB3;
d)IVP 3.0×10個~IVP 4.0×10個の量のCVB4;および
e)IVP 6.0×10個~IVP 6.0×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、態様10に記載の組成物。
態様12.容量100μl中に、
a)IVP 3.3×10個の量のCVB1;
b)IVP 1.1×10個の量のCVB2;
c)IVP 1.5×10個の量のCVB3;
d)IVP 3.2×10個の量のCVB4;および
e)IVP 6.3×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、態様9に記載の組成物。
態様13.容量500μL中に、
a)IVP 1.6×10個の量のCVB1;
b)IVP 5.5×10個の量のCVB2;
c)IVP 7.5×10個の量のCVB3;
d)IVP 1.6×10個の量のCVB4;および
e)IVP 3.1×10個の量のCVB5、
または同等量のVLP、1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチド、もしくは1つもしくはそれ以上のCVBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたはそれ以上の核酸
を含む、態様9に記載の組成物。
態様14.容量100μl中に、
a)2.8μgの量のCVB1タンパク質;
b)1.7μgの量のCVB2タンパク質;
c)2.7μgの量のCVB3タンパク質;
d)1.2μgの量のCVB4タンパク質;および
e)2.3μgの量のCVB5タンパク質
を含む、態様9に記載の組成物。
態様15.容量500μl中に、
a)14μgの量のCVB1タンパク質;
b)8.5μgの量のCVB2タンパク質;
c)13.5μgの量のCVB3タンパク質;
d)6.0μgの量のCVB4タンパク質;および
e)11.5μgの量のCVB5タンパク質
を含む、態様9に記載の組成物。
態様16.IVPは、ホルマリンで不活化されている、態様1から5および8から13のいずれか一項に記載の組成物。
態様17.アジュバント
を含む、態様1から16のいずれか一項に記載の組成物。
態様18.生理食塩液
を含む、態様1から17のいずれか一項に記載の組成物。
態様19.個体において、B群コクサッキーウイルス(CVB)に対する免疫応答を誘導する方法であって、個体へと、態様1から18のいずれか一項に記載の組成物を投与する工程を含む方法。
態様20.組成物は、筋内投与される、態様19に記載の方法。
態様21.組成物は、皮下投与される、態様19に記載の方法。
態様22.個体が、急性B群コクサッキーウイルス(CVB)感染症またはCVB感染関連疾患を発症する可能性を低減する方法であって、個体へと、態様1から18のいずれか一項に記載の組成物を投与する工程を含む方法。
態様23.個体は、新生児である、態様19から22のいずれか一項に記載の方法。
態様24.個体は、妊婦である、態様19から22のいずれか一項に記載の方法。
態様25.個体は、1型糖尿病を発症する危険性が大きい、態様19から22のいずれか一項に記載の方法。
態様26.個体は、セリアック病を発症する危険性が大きい、態様19から22のいずれか一項に記載の方法。
態様27.個体は、HLA DR3対立遺伝子および/またはHLA DR4対立遺伝子のキャリアである、態様19から22のいずれか一項に記載の方法。
態様28.個体は、前記投与する工程の前に、CVB1、CVB2、CVB3、CVB4、およびCVB5のうちの1つまたはそれ以上に対するウイルス中和力価について、血清反応陽性であった、態様19から22のいずれか一項に記載の方法。
態様29.個体は、前記投与する工程の前に、CVB1、CVB2、CVB3、CVB4、およびCVB5のうちの1つまたはそれ以上に対するウイルス中和力価について、血清反応陰性であった、態様19から22のいずれか一項に記載の方法。
【0079】
実施例
以下の実施例は、当業者に、本発明物を、どのようにして作り、使用するのかについての、完全な開示および記載をもたらすように明示されるものであり、本発明者らが、それらの発明であると考えるものの範囲を限定することを意図するものでも、下記の実験が、実施された全ての実験または唯一の実験であることを表すことを意図するものでもない。使用される数(例えば、量、温度など)に関して、精度を確保するように努力が払われたが、一部の実験の誤差および偏差については、説明されるものとする。そうでないことが指し示されない限りにおいて、部分は、重量による部分であり、分子量は、重量による平均分子量であり、温度は、摂氏度であり、圧力は、大気圧であるか、またはこの近傍である。標準的略号、例えば、bp:塩基対(複数可);kb:キロベース(複数可);pl:ピコリットル(複数可);sまたはsec:秒(複数可);min:分(複数可);hまたはhr:時間(複数可);aa:アミノ酸(複数可);kb:キロベース(複数可);bp:塩基対(複数可);nt:ヌクレオチド(複数可);i.m.:筋内(において);i.p.:腹腔内(において);s.c.:皮下(において)などが使用される。
【実施例1】
【0080】
ヒト対象におけるVNTの誘導
血清型1~5のCVBを含む組成物を、正常の健常ヒトボランティアへと投与した。2つのコホートを、組成物またはマッチさせるプラセボ100μLまたは500μLを施されるように、3対1に無作為化した。対象に、毎月3回の間隔で、投与を施した。全ての対象が、3回の投与を完了した後で、VNTについての解析を行い、最終回投与の後、1カ月間にわたる追跡を行った。組成物は、CVB血清型1~5を、不活化ウイルス粒子(IVP)の形態で含むホルマリン不活化ワクチンである。IVPは、RNAコピー数と同等数である。
【0081】
100μL(「低用量」)組成物は、CVB1~CVB5を、以下の量:
a)CVB1:IVP 3.3×10個;
b)CVB2:IVP 1.1×10個;
c)CVB3:IVP 1.5×10個;
d)CVB4:IVP 3.2×10個;および
e)CVB5:IVP 6.3×10
で含んだ。
【0082】
500μL(「高用量」)組成物は、CVB1~CVB5を、以下の量:
a)CVB1:IVP 1.6×10個;
b)CVB2:IVP 5.5×10個;
c)CVB3:IVP 7.5×10個;
d)CVB4:IVP 1.6×10個;および
e)CVB5:IVP 3.1×10
で含んだ。
【0083】
TESAE(treatment-emergent serious adverse event)は、対象のうちのいずれにおいても観察されなかった。TEAESI(treatment-emergent adverse events of special interest)は、対象のうちのいずれにおいても観察されなかった。
【0084】
高ウイルス中和力価(VNT)の、用量依存的生成が観察された。青:低用量;赤:高用量である。データを、図2に示す。図2に示される通り、1/2,000~1/4,000の範囲の力価が観察された。対象のうちの約40%において存在する抗CVBウイルス力価は、全ての群における、ベースラインのVNTを説明する。各血清型についての抗体のピークVNT力価を、図3に示す。
【0085】
血清反応陽性個体および血清反応陰性個体におけるVNT
CVB1~CVB5の各々に対するVNTを、ワクチン接種前およびワクチン接種後のいずれにおいても調べた。データを、図4~13に描示する。図4~13は、来院ごとの、抗CVBウイルス中和抗体力価についての平均値(±標準偏差)曲線、ベースラインにおけるセロコンバージョンおよび血清型を提示する。
【0086】
図4~13は、ワクチン接種されたヒト対象の血清中のCVB1(図4および図5)、CVB2(図6および図7)、CVB3(図8および図9)、CVB4(図10および図11)、およびCBV5(図12および図13)に対するVNTを描示する。対象は、ワクチン接種の前に、表示のCVB血清型に対するVNTについて血清反応陽性(図4、6、8、10、および12)であるか、またはワクチン接種の前に、血清反応陰性(図5、7、9、11、および13)であった。
【0087】
奏効率
ワクチン接種されたヒト対象の奏効率を評価した。レスポンダーは、a)ベースラインにおいて、血清反応陰性であり、かつ、ワクチン接種後の任意の時点においてセロコンバージョンする(すなわち、VNTが、≧1/4である)対象;またはb)ベースラインにおいて、抗体について陽性であり(すなわち、既存の抗体を有する対象)、ワクチン接種後の任意の時点において、VNTを4倍またはそれ以上に増大させた対象として規定した。
【0088】
データを、下記の表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
6カ月後の時点(32週目)における結果
VNTのレベルを、CVBワクチン組成物の初回投与後の多様な時点(4、8、12、および32週目)においてアッセイした。結果を、図14図15、および図17に示す。
【0091】
図14に示される通り、ベースラインにおいて、血清反応陰性であった対象について、32週目(すなわち、12週目における最終回投与の24週間後)において、高用量群内の90%は、5つの血清型全てに対して、1/8またはそれ以上の力価(VNT)を有した。図14に示される通り、32週目において、低用量群内の対象のうちの75%は、5つの血清型全てに対して、1/8またはそれ以上の力価を有した。
【0092】
図15に示される通り、市販のELISAアッセイ(DRG International)は、用量/時間依存的な持続的エンテロウイルス特異的IgG応答を示した。
【0093】
図17は、全ての対象(ベースラインにおける血清反応陽性対象およびベースラインにおける血清反応陰性対象)における、CVB中和抗体力価を描示する。力価は、対数(log2)スケールで提示する。用量/時間反応に加えて、32週目における応答の持続性は、ワクチン中の全ての血清型について明らかである。
【0094】
データは、ワクチン中のCVBの全ての株(CVB1~5)に対する、VNT応答の持続性を示す。この、最終回投与の6カ月後である、最終時点(32週目)において、高用量PRV-01アーム内で、高力価のVNTを維持した対象のパーセントは、ワクチン中に含まれる4つの血清型に対して、100%であり、5つの血清型全てについて、90%であった。これらのデータは、応答の持続性を確認した。高力価は、他の唯一のエンテロウイルスワクチンである、市販の不活化ポリオウイルスワクチンにおいて、臨床的に保護的であることが見られたレベルである、≧1/8として規定される。CVBワクチン組成物中に含まれない、それほど一般的ではないCVB血清型である、CVB6に対するVNT交差反応性の証拠が観察された。VNTに加えて、市販のELISAアッセイは、初期のロバストなIgM応答ならびに一部のIgA応答(粘膜における免疫の程度を指し示す)からの切換えの後に、用量/時間依存的な持続的IgG応答を示した。
【実施例2】
【0095】
血清型1~5のCVBを含む組成物を、正常の健常ヒトボランティアへと投与した。2つのコホートを、組成物またはマッチさせるプラセボ100μLまたは500μLを施されるように、3対1に無作為化した。対象に、毎月3回の間隔で、投与を施した。全ての対象が、3回の投与を完了した後で、VNTについての解析を行った。ワクチンの最終回投与の後、6カ月間にわたり(研究の32週目まで)、最終解析を行った。組成物は、CVB血清型1~5を、IVPの形態で含むホルマリン不活化ワクチンである。
【0096】
結果は、5つの血清型全てに対して、高力価のVNTが、用量依存的に誘導されたことを指し示す。応答は、ワクチンの最終回投与の後、6カ月間にわたり、持続的であり、ワクチン中に含まれる大部分の血清型について、100%の対象において、全ての血清型についても、90%以上の対象において、高レベルの保護的抗体が達成された。データを、図17および図18に示す。
【0097】
図16に示される通り、抗CVB抗体であるIgGは、用量依存的に産生された。データは、32週目における、IgG応答の持続性を裏付ける。同様のデータは、IgMについても得られた。
【0098】
図18は、全ての血清型(CVB1、CVB2、CVB3、CVB4、およびCVB5)について、高力価のVNTの用量依存的生成を示す。ベースラインにおいて、血清反応陰性であった対象について、32週目において、100%の対象が、ワクチン中に含まれる、少なくとも4つの血清型に対して、1/8またはそれ以上の中和抗体力価を有し、対象のうちの90%以上が、5つの血清型全てに対して、1/8またはそれ以上の中和抗体力価を有した。
【実施例3】
【0099】
中和抗体は、プラーク中和抗体アッセイを使用して、CVB6およびA9型コクサッキーウイルス(CAV9)に対して測定した。1回目のワクチン接種の時点において採取された、ベースラインの血清試料の他、3回目のワクチン接種の1カ月後に採取された試料に由来する中和抗体を解析した。
【0100】
併せて、V2試料32例、およびV11試料32例を含む、血清試料64例を、CVB抗体の中和について解析した。これらの2つ時点における抗体レベルは、PRV-101ワクチンが、初期にCVB6/CAV9血清反応陰性であった対象において、交差反応性の抗体を誘導するのかどうか、または初期に血清反応陽性であった対象において、抗体力価を増大させるのかどうかを指し示す。結果は、PRV-101ワクチンが、CVB6に対して、ある程度の交差反応性を有する中和抗体を誘導したことを示した。CAV9に対する交差反応性は、観察されなかった。
【0101】
併せて、試験参加者8例は、セロコンバージョン、またはCVB6に対する中和抗体の、4倍もしくはそれ以上の増大を発現した。レスポンダー8例全ては、ワクチン接種試験アームに属し、プラセボアームには属さなかった。試験参加者は、CVA9に対する応答を発現しなかった。データは、CVBウイルス間の類似性を踏まえると、公知のCVB血清型のうちの一部を含有するが、6つ全ては含有しないワクチンが、6つのCVB血清型の全てに対する保護を惹起しうることを指し示す。したがって、免疫原性組成物は、1~5つのCVB株に基づくが、ワクチン上に存在しないCVB株のうちの1つまたはそれ以上に対する保護も惹起するワクチンでありうるであろう。
【0102】
その具体的実施形態を参照しながら、本発明について記載されたが、本発明の真の精神および範囲から逸脱しない限りにおいて、多様な変化がなされ、均等物が代替されることが、当業者により理解されるものとする。加えて、特定の状況、材料、物質の組成、工程、工程の段階または段階を、本発明の目的、精神、および範囲へと適合させるように、多くの改変がなされる。全てのこのような改変は、本明細書に付属の特許請求の範囲内にあることが意図される。
図1
図2-1】
図2-2】
図3
図4
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図6
図7
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図10
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図15
図16
図17
図18
【配列表】
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【国際調査報告】