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特表2024-540988スプレーヘッドの移動が自動的に制御される化粧機
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】スプレーヘッドの移動が自動的に制御される化粧機
(51)【国際特許分類】
   A45D 44/00 20060101AFI20241029BHJP
   A45D 34/04 20060101ALI20241029BHJP
   B05B 13/04 20060101ALI20241029BHJP
   B05B 15/625 20180101ALI20241029BHJP
   B05B 15/70 20180101ALI20241029BHJP
【FI】
A45D44/00 Z
A45D34/04 550
B05B13/04
B05B15/625
B05B15/70
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024523934
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 CN2022129214
(87)【国際公開番号】W WO2023078289
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】63/276,062
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/316,179
(32)【優先日】2022-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/049,837
(32)【優先日】2022-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512134163
【氏名又は名称】榮美創意科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル アリエル ドノフエ
【テーマコード(参考)】
4D073
4F035
【Fターム(参考)】
4D073AA01
4D073BB03
4D073CA20
4D073CB03
4D073CB16
4D073CB21
4D073CB23
4D073CB24
4D073CB26
4F035AA04
4F035CA01
4F035CA05
4F035CB03
4F035CB12
4F035CB13
4F035CB14
4F035CB16
4F035CB24
4F035CB27
4F035CB29
4F035CC01
4F035CD02
4F035CD03
4F035CD12
4F035CD18
4F035CD19
(57)【要約】
化粧機(100)は、スプレーヘッド(150)、本体(110)、アーチ状軌道(130)及び垂直支持体を含む。スプレーヘッド(150)は、スキンスプレーを含むスプレーカートリッジ(250)を受け入れる容器(240)を有する。本体(110)は、スキンスプレーの対象物に対するスプレーヘッド(150)の位置を制御する制御回路を収容する。アーチ状軌道(130)は、水平面上で湾曲形状を有し、垂直支持体は、アーチ状軌道(130)に取り付けられる。制御回路は、スプレーヘッド(150)をアーチ状軌道(130)に沿ってスライドさせ、垂直支持体の高さを調整してアーチ状軌道(130)及びスプレーヘッド(150)を上下に移動させる。化粧機(100)はまた、制御回路によって制御されてスプレーヘッド(150)と対象物との間の水平距離を調整する直線軌道(145)を含む。化粧機(100)は、スプレーヘッド(150)を複数の方向に自動的に移動させて使用者にスキンスプレーを適用することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキンスプレーを含むスプレーカートリッジを受け入れる容器を有するスプレーヘッドと、
前記スキンスプレーの対象物に対する前記スプレーヘッドの位置を制御する制御回路を収容する本体と、
水平面上で湾曲形状を有するアーチ状軌道であって、前記制御回路が前記スプレーヘッドを前記アーチ状軌道に沿ってスライドさせるアーチ状軌道と、
前記アーチ状軌道に取り付けられた垂直支持体であって、前記制御回路が前記垂直支持体の高さを調整して前記アーチ状軌道及び前記スプレーヘッドを上下に移動させる垂直支持体とを含む、装置。
【請求項2】
前記スプレーカートリッジは、前記スプレーヘッド内に水平に配置され、水平に回転可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記垂直支持体は、機械のサイドアーム内に収容された少なくとも2つの垂直柱を含み、
前記サイドアームは、前記機械の動作中に静止している、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記垂直支持体は、前記アーチ状軌道の右側と左側の両方に取り付けられた少なくとも2つの垂直柱を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記制御回路は、前記スプレーヘッドを前記アーチ状軌道の半径方向にある直線軌道に沿ってスライドさせ、前記直線軌道を前記スプレーヘッドと共に前記アーチ状軌道に沿ってスライドさせる、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記直線軌道は、軌道コネクタの上部に位置し、前記軌道コネクタは、前記スプレーヘッドを前記アーチ状軌道に取り付けるために使用される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記垂直支持体は、アーチ状基部から上方に伸びる1つ以上の垂直柱を含み、
前記アーチ状基部及び前記アーチ状軌道は、前記スキンスプレーの前記対象物に対して近位-遠位方向にタンデムに移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記アーチ状軌道の底部に結合されたアーチ状基部と、
前記アーチ状基部に取り付けられた直線軌道であって、水平面上で伸縮して前記アーチ状基部及び前記アーチ状軌道を前記スキンスプレーの前記対象物に対して近位-遠位方向に移動させる直線軌道とを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
直線軌道は、前記スプレーヘッドが前記アーチ状軌道に沿ってスライドするときに水平中心線に留まり、
前記直線軌道は、前記スプレーヘッドを前記対象物からの既定の水平距離に位置決めするために前記制御回路によって調整可能な水平長さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記制御回路は、前記スプレーカートリッジを所定の角度範囲内で水平に回転させることによって前記スプレーカートリッジのノズルからのスプレー角度を調整するように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記制御回路は、前記スプレーカートリッジを水平に回転させて、複数のノズルのうちの選択された1つを前記対象物に向けるように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記スプレーヘッドは、前記スプレーカートリッジの前部及び底部を露出させる前部開口を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記本体の後側に固定された折り畳み式スタンドに取り付けられた観察面であって、前記折り畳み式スタンドは、展開位置で前記観察面を前記対象物に向け、収納位置で前記観察面を前記本体の上部に向ける観察面を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
垂直方向に細長い形状を有する顎支持アセンブリであって、顎支持アセンブリの上部が前記本体の前部に取り付けられ、使用者の顎を支持する顎支持アセンブリを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記顎支持アセンブリは、上部に取り外し可能な支持パッドを含み、前部に取り外し可能なカバーを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
圧力センサー及び近接センサーの一方又は両方を更に含む顎支持体を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
顎支持体を更に含み、
前記顎支持体は、使用者の顎を支持するために上下に調整可能である前部ピースと、後部ピースとを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
スキンスプレーを含むスプレーカートリッジを受け入れる容器を有するスプレーヘッドと、
前記スキンスプレーの対象物に対する前記スプレーヘッドの位置を制御する制御回路を収容する本体であって、本体の少なくとも一部がアーチ状軌道と前記対象物との間に位置付けられる本体と、
水平面上で湾曲形状を有する前記アーチ状軌道であって、前記制御回路が前記スプレーヘッドを前記アーチ状軌道に沿ってスライドさせる前記アーチ状軌道と、
高さが調整可能であり、前記アーチ状軌道の右側と左側の両方に取り付けられた少なくとも1つの垂直支持体と、
前記制御回路によって制御されて前記スプレーヘッドと前記対象物との間の水平距離を調整する直線軌道とを含む、装置。
【請求項19】
前記直線軌道は、前記アーチ状軌道に沿って前記スプレーヘッドと共に移動し、
前記スプレーヘッドは、前記アーチ状軌道上の任意の既定の位置の前記直線軌道上で前後に移動可能である、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記直線軌道は、水平中心線に留まり、前記スプレーヘッドを前記対象物からの既定の水平距離に位置決めするために前記制御回路によって調整可能な水平長さを有する、請求項18に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年11月5日に出願された米国仮出願第63/276062号及び2022年3月3日に出願された米国特許出願第63/316179号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明の実施形態は、スプレーデバイスを複数の方向に自動的に移動させて使用者にスキンスプレーを適用する化粧機に関する。
【背景技術】
【0003】
世界の化粧品市場は数十億ドル規模の産業であり、美容及びスキンケア製品の需要は増加し続けている。しかしながら、化粧品への全体的な支出の増加は、一般消費者の化粧手法の向上につながらない。多くの人には、化粧を繰り返し練習する時間、資金、忍耐力がない。手動で化粧をすると、期待とはかけ離れた結果及び時々一貫性のない結果が生じる場合がある。不慣れな人にとって、化粧をするという経験はイライラするものかもしれない。化粧が必要になるたびに専門家に助けを求める時間とリソースを誰もが持っているわけではない。
【0004】
ロボット工学、人工知能、制御技術の進歩は、化粧品塗りの自動化に潜在的な機会をもたらす。例えば、人の顔にアイシャドウブラシを使用するようにロボットをトレーニングできることが示されている。化粧機が使用者にとって実用的であるためには、このような機械は、特に多用途性、コンパクトさ、使いやすさ、安全性を備える必要がある。しかしながら、コンパクトさと多用途性は、時には対立する2つの目標になる。多様な機能を備えた機械は、大きくなる可能性がある。一方、コンパクトな機械には、通常、所望な機能を全て実装するための機械構成要素を配置するスペースがない。
【0005】
ハンドヘルドスプレーなどのコンパクトな機械では、使用者が化粧品を手動で移動させる必要があるため、化粧品を正確に塗ることができない。定置式機械を使用すると精度が向上する可能性がある。しかしながら、使用者の顔の異なる領域に化粧品を塗るためには、使用者が物理的に頭の位置を何度も変更するよう求められる場合があり(例えば、正面を向くこと、右を向くこと、左を向くことなど)、それにより機械が使用者の顔の左右位置に届くことができる。位置を変更すると、機械が使用者の顔の異なる側面の位置をずらし、望ましくない結果が生じる可能性がある。多用途で、コンパクトで、使用者の顔に化粧品を広範囲に塗るのに適する可動部品を備える化粧機を設計して構築することは課題となる。
【発明の概要】
【0006】
一実施形態では、装置は、スキンスプレーを含むスプレーカートリッジを受け入れる容器を有するスプレーヘッドと、スキンスプレーの対象物に対するスプレーヘッドの位置を制御する制御回路を収容する本体と、水平面上で湾曲形状を有するアーチ状軌道と、アーチ状軌道に取り付けられた垂直支持体とを含む。制御回路は、スプレーヘッドをアーチ状軌道に沿ってスライドさせ、垂直支持体の高さを調整してアーチ状軌道及びスプレーヘッドを上下に移動させる。
【0007】
別の実施形態では、装置は、スプレーヘッド、本体、アーチ状軌道、少なくとも1つの垂直支持体及び直線軌道を含む。スプレーヘッドは、スキンスプレーを含むスプレーカートリッジを受け入れる容器を有する。本体は、スキンスプレーの対象物に対するスプレーヘッドの位置を制御する制御回路を収容する。本体の少なくとも一部がアーチ状軌道と対象物との間に位置付けられる。アーチ状軌道は、水平面上で湾曲形状を有する。制御回路は、スプレーヘッドをアーチ状軌道に沿ってスライドさせる。少なくとも1つの垂直支持体は、高さが調整可能であり、アーチ状軌道の右側と左側の両方に取り付けられる。直線軌道は、制御回路によって制御されてスプレーヘッドと対象物との間の水平距離を調整する。
【0008】
他の態様及び特徴は、添付の図面と併せて特定の実施形態についての以下の説明を検討すれば、当業者にとって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、限定するものではなく、一例として添付図面に示され、添付図面において、同様の参照符号が同様の要素を示している。本開示における「1つの実施形態」又は「一実施形態」への異なる言及は、必ずしも同じ実施形態を指すわけではなく、そのような言及は少なくとも1つを意味することに留意されたい。更に、1つの実施形態に関連して特定の特徴、構造又は特性が記載されている場合、他の実施形態に関連してそれらの特徴、構造又は特性を達成することは、明記するまでもなく当業者の知識の範囲内である。
【0010】
図1】一実施形態に係る化粧機を示す。
図2】一実施形態に係る図1の化粧機の分解図である。
図3】一実施形態に係るアーチ状軌道及びスプレーヘッドの垂直移動を示す。
図4】一実施形態に係るアーチ状軌道及びスプレーヘッドの別の垂直移動を示す。
図5】一実施形態に係るスプレーヘッドの半径方向移動を示す上面図である。
図6A】一実施形態に係るスプレーヘッドの横方向移動を示す上面図である。
図6B】一実施形態に係るスプレーヘッドの横方向移動を示す上面図である。
図7A】一実施形態に係るスプレーカートリッジの回転移動を示す。
図7B】一実施形態に係るスプレーカートリッジの回転移動を示す。
図8】一実施形態に係る、スプレーカートリッジ上の機械可読コードを読み取る回路を有する機械を示す図である。
図9】別の実施形態に係る、スプレーカートリッジ上の機械可読コードを読み取る回路を有する機械を示す図である。
図10】別の実施形態に係る化粧機を示す。
図11】一実施形態に係る、完全に縮んだ位置にあるアーチ状構造を示す。
図12】一実施形態に係る、伸びた位置にあるアーチ状構造を示す。
図13】一実施形態に係るスプレーヘッドの横方向移動を示す。
図14】一実施形態に係るスプレーヘッドの別の横方向移動を示す。
図15】一実施形態に係るアーチ状軌道及びスプレーヘッドの垂直移動を示す。
図16】一実施形態に係る、高さ調整可能な前部ピースを有する顎支持体を示す。
図17】一実施形態に係る、後部ピースと同じ高さまで降下した顎支持体の前部ピースを示す。
図18】一実施形態に係る化粧機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明では、多数の具体的な詳細が示されている。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの具体的な詳細がなくても実施できることが理解される。他の場合には、周知の回路、構造及び技術は、本明細書の理解を曖昧にしないために、詳細に示されていない。しかしながら、当業者であれば、本発明がそのような具体的な詳細がなくても実施できることが理解されよう。当業者であれば、含まれる説明を読めば、過度の実験をすることなく適切な機能を実装することができるであろう。
【0012】
本明細書では、専門的に設計された化粧を使用者の顔に自動的にすることができる化粧機(「機械」又は「装置」とも呼ばれる)が開示される。本明細書では「化粧」という用語が使用されるが、開示された機械は、化粧品、スキンケア製品、医薬品などのあらゆるスキンスプレー製品を使用者の皮膚に適用することができることを理解されたい。したがって、「化粧」は、スプレーカートリッジの内容物を使用者の皮膚にスプレーする、開示された機械の使用の非限定的な例であることが理解される。以下の説明は主に使用者の顔に焦点を当てているが、本発明の装置及び方法は人体のどの部分にも適用することができる。
【0013】
化粧機は、使用者の顔などの対象領域にスキンスプレーを適用する。スキンスプレーは、肌にスプレーする製品とも呼ばれ、化粧品、スキンケア製品、皮膚用医薬品、皮膚科製品などが含まれる。いくつかの実施形態では、スキンスプレーは、液体、流体、又は溶液、流体混合物、オイル、ローション若しくは圧縮空気でスプレーできる任意の粘度の任意の材料を含む液体状の材料であってもよい。以下の説明を簡単にするために、「液体」という用語は、スキンスプレーを指す場合がある。
【0014】
化粧機は、上部にアーチ状軌道を提供するアーチ状構造を含む。アーチ状軌道は、水平面上にあるアーチ形状を有する。スプレーヘッドは、アーチ状軌道に装着され、アーチ状軌道の一端から他端まで横方向にスライドすることができる。アーチ状軌道は、アーチ状軌道の中央を通る水平中央線に関して左右対称であり、つまり、アーチ状軌道の左側と右側は、対称である。スプレーヘッドから放出されるスプレーが使用者の顔の両側に到達できるように、対象物(例えば使用者の頭)をこの水平中央線上に位置決めすることができる。一実施形態では、機械は、使用者が頭を置くための顎支持体を含む。顎支持体は、この水平中央線上に位置決めされ、機械の本体の前部に取り付けられてもよい。アーチ状軌道の形状が円の一部分である実施形態では、顎支持体は、中心からずれて位置決めされてもよく、例えば、水平面上の顎支持体の幾何学的中心は、円の中心と一致しない。このような実施形態における顎支持体は、アーチ状軌道の中央から離れる方向(即ち、使用者に向かう方向)の中央線上に位置決めされてもよい。この中心からずれた位置決めにより、スプレーヘッドの移動のための空間が提供され、使用者の突出部分(鼻など)がスプレーヘッドの移動を妨げないことが保証される。
【0015】
スプレーヘッドは、左右の横方向移動に加えて、水平面上で前後に移動することができる。スプレーヘッドは、直線軌道上で後方にスライドして対象物までの水平距離を増やすか、又は直線軌道上で前方にスライドしてこの距離を縮めることができる。図1及び図10を参照して直線軌道の2つの実施形態について説明する。スキンスプレーの種類が異なれば、スプレーヘッドと使用者の間に必要な距離も異なる場合がある。例えば、顔の輪郭をハイライトするにはスプレーヘッドを使用者の顔に近づける必要があり、ファンデーションを塗るにはスプレーヘッドを顔から遠ざける必要がある。アーチ状軌道と直線軌道の組み合わせにより、スプレーヘッドは、使用者の顔から適切な距離を簡単に維持することができる。
【0016】
化粧機は、使用者の顔に対するスプレーヘッドの高さを調整する高さ調整機構を更に含む。一実施形態では、高さ調整機構は、アーチ状軌道及びその上のスプレーヘッドを垂直方向に移動させるためにアーチ状軌道に取り付けられた1つ以上の垂直柱を含む。例えば、アーチ状軌道は、垂直に伸縮してアーチ状軌道を上下に移動させることができる柱によって支持されてもよい。柱により、スプレーヘッドが額の上部(柱が完全に伸びたとき)から顎(柱が完全に縮んだとき)まで、使用者の顔の垂直範囲全体に到達することができる。別の実施形態では、高さ調整機構は、スプレーヘッドに取り付けられてスプレーヘッドを上下に移動させる垂直支柱を含んでもよい。アーチ状軌道及びその上のスプレーヘッドを共に移動させることにより、機械の動作中のスプレーヘッドの安定性とスプレーの精度が向上する。
【0017】
1つ以上の種類のスキンスプレーを含むスプレーカートリッジをスプレーヘッドに挿入又は配置し、使用後に取り外すことができる。スプレーカートリッジは、その周囲に1つ以上のノズルがあり、その中心軸を中心に水平に回転してノズルを対象物の方向に向けることができる。以下に更に詳細に説明するように、スプレーカートリッジの回転により、特にスプレーの角度範囲が増加することができる。
【0018】
化粧機は、最小の設置面積で卓上又はカウンター上に配置できる。機械のコンパクトなサイズは、アーチ状軌道、直線軌道、伸縮可能な支柱及び回転可能なスプレーカートリッジを組み合わせて使用することから利益を得る。直線軌道によりスプレーヘッドと使用者の顔との間の水平距離が調整できるため、アーチ状軌道の側面を顔の側面に近づけることができ、つまり、アーチ状軌道の半径を最小限に抑えることができる。スプレーカートリッジの回転により、固定半径のアーチの曲率に直接比例するアーチ状軌道の長さが更に短縮できる。スプレーの角度範囲を広げるために、スプレーカートリッジは、その中心軸を中心に所定の角度範囲だけ水平に回転することができる。したがって、アーチ状軌道の曲率は、180度未満に減少でき、スプレーは、依然として使用者の顔の両側に耳から耳まで到達することができる。更に、スプレーヘッドの垂直移動を可能にする柱は、機械内に、例えば機械の側面構造内に縮むことができる。柱の縮んだ部分は使用者から見えず、空間をとらない。したがって、機械の高さを最小限に抑えることができる。スプレーヘッドが移動する機械構造は非常にコンパクトであるので、卓上での設置面積がラップトップコンピュータと同様である。
【0019】
一実施形態では、化粧機の本体は、制御回路と、スプレーヘッドの移動を駆動するモータとを収容する。本体の少なくとも一部は、アーチ状軌道の前方、アーチ状軌道と使用者との間に位置付けられる。本明細書で使用される場合、「前」という用語は、使用者に面する側を指し、「後」という用語は、使用者から離れた側を指す。機械のコンパクトなサイズは、更に本体の位置から利益を得る。
【0020】
以下の実施形態で説明するように、化粧機は、コンパクトで多用途であり、使いやすく、安全である。スプレーヘッドは、移動に柔軟性があり、使用者の顔を完全にカバーし、スプレー操作が正確である。化粧プロセス全体を通して、スプレーヘッドと使用者の顔との間の十分な距離及び適切な角度を維持することができる。使用者は、機械の動作中に同じ位置に静止したままにすることができ、スプレーヘッドは、使用者の顔の周りのアーチ状軌道に沿って移動する。したがって、使用者が頭を回転させたり位置を変更したりすることなく、また、頭の位置変更によって引き起こされる前述の位置合わせの問題を生じることなく、スキンスプレーを顔全体に高精度でスプレーすることができる。
【0021】
以下の詳細な説明に伴う図面では、スプレーカートリッジの一例として円形のディスクが示されている。開示された化粧機は、円形に限定されず、他の形状のスプレーカートリッジを使用することができることが理解される。更に、スプレーヘッドは、図面に示されているものとは異なるサイズ及び/又は形状のスプレーカートリッジを収容するために異なる形状を有してもよい。本明細書に開示されるスプレーカートリッジは、使用者の皮膚に霧化された液体をスプレーすることができる他の機械で使用でき、本明細書に開示される化粧機は、他の種類のスプレーカートリッジを使用することができ、本開示で図示され説明されるスプレーカートリッジに限定されない。
【0022】
図1は、一実施形態に係る化粧機100を示す。化粧機100は、2つのサイドアーム120を備える本体110を含む。本体110及びサイドアーム120の上部には、アーチ状軌道130がある。アーチ状軌道130は、円形、楕円形、湾曲形状又は複数の湾曲形状の組み合わせの一部であるアーチ形状を有する。スプレーヘッド150は、アーチ状軌道130の上部に装着され、より具体的には、スプレーヘッド150は、スプレーヘッド150をアーチ状軌道130に接続する軌道コネクタ140上に設置される。軌道コネクタ140の上部は、直線軌道145であり、スプレーヘッド150が直線軌道145に沿って前後にスライドしてスプレーヘッド150と使用者の顔との間の水平距離を調整することができる。軌道コネクタ140は、アーチ状軌道130を横切ってスプレーヘッド150を移動させ、及び/又はスプレーヘッド150内でスプレーカートリッジ250を回転させ、及び/又は直線軌道145に沿ってスプレーヘッド150を移動させる1つ以上のモータを収容してもよい。
【0023】
一実施形態では、スプレーヘッド150は、スプレーカートリッジ250を見える前部開口(例えば、図2の前部開口251)を有する。スプレーカートリッジ250は、周囲に複数のノズル152を含んでもよい。スプレーカートリッジ250に関する更なる詳細は、図2を参照して以下に提供される。
【0024】
本体110の前側には、垂直方向に細長い形状を有する顎支持アセンブリ160がある。顎支持アセンブリ160の上部は、本体110の前部の上部に置かれる。顎支持アセンブリ160の上面には、使用者の顎が置かれる支持パッド165がある。顎支持アセンブリ160は、使用者の顎を支持し、使用者の頭を最適な使用位置(例えば、深さ及び高さに関して)及び姿勢(しわを避けるために皮膚上で最適なスプレー能力を発揮するために)に位置決めするのに役立つ。この実施形態では、顎支持アセンブリ160は、本体110の前側に沿って長手方向に伸びて機械100が立つ表面(例えば、卓上)に達する垂直スタンドを含む。
【0025】
機械100はまた、鏡又はデジタル表示画面などの観察面170を含んでもよい。観察面170は、機械100の上部で折り畳むことができる折り畳み式スタンド175によって支持されている。折り畳み式スタンド175は、本体110の後側に固定されている。観察面170は、折り畳み式スタンド175が展開位置にあるときに使用者の顔に面する。観察面170は、折り畳み式スタンド175が収納位置にあるときに本体110の上部に面する。一実施形態では、観察面170及び折り畳み式スタンド175は、機械100の残りの部分とは別個のモジュールとして包装され、販売され得る。観察面170についての更なる詳細は、図17の説明の後に提供される。
【0026】
サイドアーム120は、スキンスプレーを受ける使用者に向かって湾曲している。サイドアーム120の後壁及び本体110の後壁は、機械100の湾曲した外壁を形成する。サイドアーム120は、スピーカ、無線インタフェース(例えば、Bluetooth、Wi-Fi)などの、その中に埋め込まれた電子回路を含んでもよい。各サイドアーム120の使用者に面する(内)壁は、サイドアーム120の内側のスピーカ構成要素を保護するスピーカグリル122を含んでもよい。
【0027】
図2は、一実施形態に係る図1の化粧機100の分解図である。図面が煩雑になるのを避けるために、図1に示されるいくつかの構成要素は、図2において省略されている。図2は、機械100が、それぞれのサイドアーム120から上方に伸びてアーチ状軌道130の右側と左側の両方を支持する2つの柱210を含むことを示している。2つの柱210は、タンデムに伸縮してアーチ状軌道130を上下に移動させることができる。図2には2つの柱210が示されているが、代替の実施形態では、機械100は、アーチ状軌道130を支持するための任意の数の柱を含んでもよい。本体110は、ラック220を配置することができる内部空洞を露出させるために開くことができる上部カバー230を有する。ラック220は、スプレーヘッドの移動を制御するための回路基板(その上に統合された1つ以上のプロセッサを含んでもよい)と、圧縮空気を貯蔵する空気タンクと、機械100を動作させるモータとを含む。一実施形態では、ラック220は、事前に組み立てられ、本体110内に配置されてもよい。ラック220は、本体110に締められるコーナーラッチを含んでもよい。
【0028】
柱210は、サイドアーム120内に収容される。アーチ状軌道130が降下して本体110の上部に置かれると、柱210はサイドアーム120の内側に隠れる。サイドアーム120は、軌道コネクタ140(及びその上のスプレーヘッド150)がアーチ状軌道130の左側又は右側の最遠端にあるときに本体110に安定性を提供する。多数のスピーカ270及びサブウーファ275は、サイドアーム120内及び/又は本体110の前側に取り付けられてもよい。
【0029】
一実施形態では、本体の上部カバー230は、前部よりも高さが低い後部を有する。後部は、アーチ状軌道130が収納位置にある場所である。上部カバー230の前部は、顎支持アセンブリ160が本体110にしっかりと取り付けられるように、顎支持アセンブリ160と係合するノッチを有する。
【0030】
一実施形態では、顎支持アセンブリ160は、使用者の頭の移動を検出するために、支持パッド165の下に1つ以上のセンサー262を含む。圧力センサーは、支持パッド165の下に設置されて、使用者の顎が支持パッド165上にあるか否かを検出し、そして安全機能として、使用者が突然離れた場合に警告信号を生成するか又は機械の動作を停止してもよい。一実施形態では、顎支持アセンブリ160は、スプレーヘッド150の前部開口251又は前部窓を通してスプレーヘッドの位置及び/又はカートリッジのカラーコードをキャプチャする後向きカメラを統合してもよい。顎支持アセンブリ160の後向きの側面(上端近く)は、安全性を高めるために、スプレーヘッドの移動ゾーンに何も落ちていないことを確認する1つ以上の近接センサーを含んでもよい。
【0031】
この支持パッド165は、使用者の顎を支持し、使用者の頭の移動を最小限に抑えるように人間工学的に形作られている。一実施形態では、支持パッド165を機械100から取り外して、洗浄するか又はきれいにしてもよい。使用者は、付属品として新しい形状又は色の支持パッド165を購入してもよく、支持パッド165を磁石又は他の取り付け手段を用いて所定の位置に容易に配置することができる。使用者はまた、顎支持アセンブリ160の前部カバーを取り外して異なる設計パターンを有するものと交換してもよい。一実施形態では、顎支持アセンブリ160を機械100から取り外して、洗浄するか又はきれいにしてもよい。
【0032】
図2は、スプレーヘッド150の容器240に装填されるスプレーカートリッジ250を示す。容器240は、スプレーヘッド150の上蓋255によって閉じられてもよい。使用者は、上蓋255を開けてスプレーカートリッジ250を容器240の中に配置してもよい。一実施形態では、前側近くのスプレーカートリッジの底面が露出するように、容器240の底部の面積は、スプレーカートリッジ250より僅かに小さくてもよい。スプレーヘッド150からスプレーカートリッジ250を取り外すためには、使用者は、上蓋255を開けて前端でスプレーカートリッジ250の上部と底部の両方を掴んでスプレーカートリッジ250を持ち上げてもよい。
【0033】
スプレーカートリッジ250は、周囲に位置付けられる1つ以上のノズル152を含んでもよい。前部開口251を通じて、ノズル152のうちの1つが使用者の顔にスキンスプレーをスプレーすることができる。更に、前部開口251は、スプレーカートリッジ250がより広い対象領域に到達するために限られた範囲内で回転するときに、スキンスプレーへの通路を提供する。一部のシナリオでは、限られた範囲内の回転を使用して拡散効果を生み出すことができる。
【0034】
一実施形態では、スプレーカートリッジ250は、複数の区画を含み、各区画は、液体を貯蔵する液体タンクと、対応する液体タンク内に貯蔵された液体をスプレーするノズルとを含む。異なる液体タンク内に異なるスキンスプレー材料を貯蔵してもよい。一部のノズルは、異なる形状及び/又はサイズを有してもよい。別の実施形態では、スプレーカートリッジ250は、単一の液体材料を含む単一の液体タンク及び単一のノズルを含んでもよい。このような実施形態では、スプレーカートリッジ250はポッドと呼ばれることがある。機械100の動作中、モータがスプレーヘッド150を駆動してスプレーカートリッジ250を回転させることにより、選択されたノズルが使用者の対象領域を指すことができる。
【0035】
図1及び図2には示されていないが、いくつかの実施形態では、機械100は、振動又は騒音を発生させるか、或いは他の気を散らすか又は望ましくない影響を発生させる構成要素を収容する卓下ユニットを含んでもよい。卓下ユニットを、本体110が置かれた卓の下の床又は低い棚の上に配置してもよいことが理解される。このユニットを、電気ケーブル、空気管などを介して卓上の部品に接続することができる。ユニット内の構成要素の例としては、電源、冷却システム、(圧縮空気を生成する)空気ポンプなどが挙げられてもよいが、これらに限定されない。一実施形態では、サブウーファ275は、最適な低音音響効果を得るために、本体110の代わりにこのユニット内に位置付けられてもよい。
【0036】
図3図9を参照する以下の説明では、図示を簡略化するために観察面170が省略されている。
【0037】
図3及び図4は、一実施形態に係るアーチ状軌道130及びスプレーヘッド150の垂直移動を示す。柱210は、アーチ状軌道130及びアーチ状軌道130上のスプレーヘッド150の高さを調整するために伸縮する高さ調整機構として機能する。2つの柱が示されているが、機械100は、アーチ状軌道130及びその上のスプレーヘッド150の高さを調整するために他の形態の垂直支持体を含んでもよいことが理解される。一実施形態では、垂直支持体は、アーチ状軌道130の右側と左側の両方の底部に取り付けられて、スプレーヘッド150がアーチ状軌道130のいずれかの端部に移動するときに安定性を提供する。本明細書において「右側」及び「左側」という用語は、それぞれ、アーチ状軌道130の中間点の右側及び左側のアーチ状軌道130上の任意の点を指す。垂直支持体の例としては、1つ以上の柱210、1つ以上の伸縮支柱、アーチ状軌道130の右側から左側に伸びる垂直壁、スタンド又はパネルなどが挙げられてもよいが、これらに限定されない。アーチ状軌道130の垂直支持体は、その形状に関係なく、図3及び図4の例に示すように伸縮できることが理解される。一実施形態では、垂直支持体は、その形状に関係なく、縮んだときに機械100又は機械100に取り付けられた構造の内部に隠すことができる。図3では、アーチ状軌道130は、収納位置にある。図4において、柱210は、上方に伸びて、アーチ状軌道130及びスプレーヘッド150をより高い位置に移動させる。一実施形態では、2つの柱210がモータによって駆動されてタンデムに伸縮することにより、アーチ状軌道130が上下に移動する。一実施形態では、2つの柱は、それらのタンデム移動を保証するために、下端又はその近くでベルト又はロッドによって一体に接続されてもよい。一実施形態では、各柱210は、スクリュー式リニアモータによって駆動されて垂直移動を生じさせてもよい。
【0038】
図5は、一実施形態に係る、直線軌道145上でのスプレーヘッド150の半径方向移動を示す上面図である。直線軌道145上でのスプレーヘッド150の半径方向移動は、スプレーヘッド150の破線の輪郭によって示される。この移動により、スプレーヘッド150と使用者の顔との間の水平距離が調整される。スプレーヘッド150は、直線軌道145に沿って使用者の頭に対して前後にスライドすることができ、直線軌道145は、スプレーヘッド150と共にアーチ状軌道130の一端から他端まで移動することができる。スプレーヘッド150は、直線軌道がアーチ状軌道130上の任意の既定の位置にあるとき、直線軌道145に沿ってスライドすることができる。直線軌道145の長手方向は、アーチ状軌道130の接線に対して垂直であるため、スプレーヘッド150の半径方向移動の方向を画定する。
【0039】
図5はまた、スプレーヘッド150がスプレーカートリッジ250を内部で時計回り及び反時計回りに回転させて、使用者の顔に対するスプレーの狙いを調整することができることを示している。スプレー動作中の回転移動により、スプレーの角度範囲が増加できる。スプレーカートリッジ250からのスプレーは、スプレーヘッド150の前側の前部開口251(図2)を通過することができる。スプレーカートリッジ250が周囲に複数のノズルを有する実施形態では、スプレーヘッド150は、スプレーカートリッジ250を回転させて、異なるノズルを選択してスプレーしてもよい。
【0040】
図6A及び図6Bは、一実施形態に係るアーチ状軌道130上のスプレーヘッド150の横方向移動を示す上面図である。以前にラベルが付けられた機械構成要素の一部は、クラスタリングを避けるために、これらの図では再度ラベルが付けられていない。図6Aは、アーチ状軌道130の左端に移動するスプレーヘッド150を示し、図6Bは、アーチ状軌道130の右端に移動するスプレーヘッド150を示す。更に、図6A及び図6Bはまた、スプレーヘッド150の半径方向移動を示している(スプレーヘッド150の破線の輪郭によって示されている)。また図1及び図2に示すように、スプレーヘッド150は、軌道コネクタ140の上部に装着され、横方向移動でアーチ状軌道130に沿って軌道コネクタ140と共にスライドすることができる。スプレーヘッド150は、アーチ状軌道130に沿って移動して、顔の輪郭に追跡して使用者の顔を完全にカバーすることができる。
【0041】
図7A及び図7Bは、一実施形態に係るスプレーカートリッジ250の回転移動を示す。以前にラベルが付けられた機械構成要素の一部は、クラスタリングを避けるために、これらの図では再度ラベルが付けられていない。図7Aは、反時計回りに回転するスプレーカートリッジ250を示し、図7Bは、時計回りに回転するスプレーカートリッジ250を示す。前述したように、スプレーカートリッジの回転により、対象領域にわたるスプレーの角度範囲が増加することができる。更に、回転により、スプレーカートリッジ250の異なるノズル152を選択してスプレーすることができる。更に、図7A及び図7Bはまた、スプレーヘッド150の直線軌道145に沿った半径方向移動、及びアーチ状軌道130に沿った横方向移動を示す矢印を示している。
【0042】
一実施形態では、機械可読コード(例えば、バーコード、QRコード(登録商標)、無線周波数識別子(RFID)など)をスプレーカートリッジ250の外面に印刷してもよい(図2)。
【0043】
コードは、スプレーカートリッジ250内に貯蔵される液体の種類及び色を識別する。コードは、検証(validation)又はセキュリティの目的にも使用でき、例えば偽造を防止し、又は例えば液体の有効期限を使用者に警告するための警告の目的のために使用できる。
【0044】
一実施形態では、スプレーカートリッジ250は、モジュール化されている。即ち、スプレーカートリッジ250は、複数の個別の区画によって組み立てられており、任意の区画は、カートリッジから取り外して、別の区画と交換されてもよい。各区画は、この区画内に貯蔵される液体の種類又は色を識別するために、表面に印刷された機械可読コード(例えば、バーコード、QRコード、RFIDなど)を有してもよい。機械100は、各区画上のコードをチェックして、(例えば、使用者が選択した化粧テンプレートについて)正確な区画をモジュール化されたスプレーカートリッジに組み立てたか否かを判断し、使用者に知らせることができる。各区画上のコードは、検証又はセキュリティの目的にも使用でき、例えば任意の区画での偽造を防止し、又は例えば任意の区画内の液体の有効期限を使用者に警告するための警告の目的のために使用できる。
【0045】
図8は、一実施形態に係る、スプレーカートリッジ250上の機械可読コードを読み取る回路を有する機械100を示す図である。また図2に示すように、本体110は、アーチ状軌道130の前方に上昇した前部を有する上部カバー230を有する。また、図2を参照して上述したように、スプレーカートリッジ250の前部底面は、スプレーヘッド150の前部開口251を通して露出する。スプレーカートリッジ250の露出面には、機械可読コードが印刷されてもよい。スプレーヘッド150が直線軌道145上で前方に(例えば、使用者の顔に向かって)移動すると、スプレーカートリッジ250の露出面は、上部カバー230の前部と重なり合う。一実施形態では、この重なり合った部分は、スプレーカートリッジ250に印刷された機械可読コードを読み取るための上向きの撮像回路810(例えば、カメラ、スキャナなど)を含む。代替の実施形態では、スプレーヘッド150の底面には、スプレーカートリッジ250の底部に印刷された機械可読コードが露出する底部窓がある。撮像回路810は、上述した証明(verification)、検証、セキュリティ及び警告の目的を含むがこれらに限定されない識別のために、機械可読コードを読み取る。スプレーカートリッジ250がモジュール化される実施形態では、スプレーカートリッジ250の各区画は、底面に印刷された機械可読コードを有してもよい。スプレーカートリッジ250は、撮像回路810がスプレーカートリッジ250の各区画、例えば一度に1つの区画上のコードを読み取ることができるように回転してもよい。
【0046】
図9は、別の実施形態に係る、スプレーカートリッジ250上の機械可読コードを読み取る回路を有する機械100を示す図である。この実施形態では、回路は、スプレーヘッド150の上蓋255に統合されたスキャナ910である。スキャナ910は、スプレーカートリッジ250に印刷されたコードに対応する位置に位置決めされてもよい。スプレーカートリッジ250がモジュール化される実施形態では、スプレーカートリッジ250の各区画は、スキャナ910が読み取ることができる表面に印刷された機械可読コードを有してもよい。スプレーカートリッジ250は、スキャナ910が各区画上のコードを一度に1つ読み取ることができるように回転してもよい。スキャナ910がRFIDリーダである実施形態では、機械可読コードは、スプレーカートリッジ250に埋め込まれたRFIDである。RFIDは視線なしで読み取ることができるので、RFIDリーダは、本体110、サイドアーム120、スプレーヘッド150の内部又は機械100の表面上などの、機械100内の任意の場所に位置決めされてもよい。
【0047】
図10は、別の実施形態に係る化粧機300を示す。この実施形態では、機械300は、アーチ状構造を含み、アーチ状構造は、アーチ状基部335の上部にアーチ状軌道330を更に含む。スプレーヘッド350は、アーチ状軌道330の上部に装着される。スプレーヘッド350は、アーチ状軌道330に沿って移動して、使用者の顔などの対象領域の輪郭を追跡する。スプレーヘッド350は、スキンスプレーが通過するための前部窓351を有する。
【0048】
スプレーヘッド350は、図2のスプレーカートリッジ250などのスプレーカートリッジを受け入れる容器を含む。図10の例では、スプレーヘッドの上蓋を開けてスプレーカートリッジを受け入れることができる。別の実施形態では、スプレーカートリッジは、スプレーヘッド350の側面のスロットに挿入されてもよい。スプレーヘッド350の前部窓351は、スプレーカートリッジのノズルまで開いている。一実施形態では、スプレーの狙いを微調整するために、スプレーヘッド350がスプレーカートリッジを回転させて前部窓351内のノズル位置を調整してもよい。スプレーカートリッジが周囲に複数のノズルを有する実施形態では、スプレーヘッド350は、スプレーカートリッジを回転させて、異なるノズルを選択してスプレーしてもよい。
【0049】
機械300は、制御回路(control circuitry)、モータ、及びいくつかの実施形態におけるスプレーヘッド350の動作のための空気供給源のためのハウジングを提供する本体310を含む。この例では、本体310の前側は、凹状の上面311及び凹状の下面312を有する。しかしながら、本体310は、図示されているものとは異なる形状を有してもよいことが理解される。
【0050】
機械300は、本体310の上部に置かれた直線軌道345を含む。機械100(図1)と同様に、直線軌道345は、スプレーヘッド350と使用者の顔との間の水平距離を調整するために使用される。機械100とは異なり、スプレーヘッド350は、直線軌道345に装着されず、直線軌道345は、スプレーヘッド350と共に移動しない。直線軌道345は、機械の動作中、アーチ状構造の水平中心線に留まる。スプレーヘッド350を対象物(例えば、使用者の顔)からの既定の水平距離に位置決めするために、直線軌道345の長さが制御回路によって調整可能である。直線軌道345は、アーチ状構造を更に遠く(即ち、遠位方向に)移動させるために伸び、アーチ状構造を使用者に更に近く(即ち、近位方向に)移動させるために縮まれ、アーチ状構造は、アーチ状軌道330及びアーチ状基部335の両方を含む。直線軌道345の移動は、本体310内のモータによって駆動されてもよい。
【0051】
一実施形態では、直線軌道345は、近位端が顎支持体360の後部ピース362に接続され、遠位端がアーチ状基部335に接続される。アーチ状基部335とアーチ状軌道330がタンデムに移動し、スプレーヘッド350がアーチ状軌道330上に取り付けられるため、直線軌道の移動によりスプレーヘッド350の近位-遠位の移動が可能になる。機械300は、この近位-遠位の移動を利用して、スプレーヘッド350と使用者の顔との間の水平距離を調整することができる。
【0052】
直線軌道345は、制御回路又はモータを接続してスプレーヘッド350及びスプレーカートリッジの位置を調整する電気ケーブル用の通路を提供することができる。一実施形態では、直線軌道345はまた、空気タンク又は空気ポンプなどの空気源からスプレーカートリッジに圧縮空気を送達するための空気管用の通路を提供することができる。
【0053】
一実施形態では、顎支持体360は、後部ピース362及び前部ピース361を含む。後部ピース362は、直線軌道345が伸縮するときに静止する。前部ピース361は、使用者の顎が置かれる場所である。前部ピース361は、上下に調整可能であり、例えば、前部ピース361を上昇させてスプレーヘッド350に対して使用者の顎を適切な高さに位置決めすることができる。
【0054】
図10はまた、本体310の下端に近い隙間380を示す。隙間380により、ベルト又はロッドがアーチ状基部335の左側と右側とを接続することができ、その結果、両側がアーチ状軌道330の垂直移動を同期することができる。垂直移動については、図16を参照して後述する。ベルト又はロッドは、アーチ状基部335と共に移動する。アーチ状基部335は、垂直移動を駆動するために、右側と左側の両方に2つのモータ(又は、一方の側に1つのステッピングモータ、他方の側に1つのアクチュエータ)を含んでもよい。
【0055】
図10はまた、使用者の3D画像をキャプチャするための、スプレーヘッド350の前側にあるカメラ及び/又はセンサー390を示す。一実施形態では、アーチ状軌道330の前向き表面に沿って湾曲したライトを配置して、(例えば、写真撮影及び他の動作のために)使用者の顔を照らしてもよい。一実施形態では、ライトは、顎支持体360の下の本体310の凹状の上面311上に配置されてもよい。図10に示されていないが、音響を最適化するために、スピーカをアーチ基部335の内側(左側と右側の両方)又は機械300の他の部分に配置してもよい。無線インタフェース(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)など)も、機械300及び/又はスピーカをネットワーク又は使用者の携帯電話に接続するために提供されてもよい。図1図9に示されていないが、機械100はまた、スプレーヘッド150の前側にカメラ及び/又はセンサーを有し、アーチ状軌道130の前向き表面にライトを有し、本体110の上面にライトを有してもよいことが理解される。
【0056】
機械300はまた、図1の観察面170と同様の観察面370を提供する。図11図17を参照する以下の説明では、図示を簡略化するために観察面370が省略されている。
【0057】
直線軌道345は、水平中心線に留まり、スプレーヘッドを対象物からの既定の水平距離に位置決めするために制御回路(controller circuit)によって調整可能な水平長さを有する。図11は、一実施形態に係る、完全に縮んだ位置にあるアーチ状構造を示す。直線軌道345は、近位方向に縮まれ、アーチ状構造及びその上のスプレーヘッド350を使用者に向かって移動させる。この位置では、アーチ状基部335の前端は、本体310の前側と同一平面になり得る。図12は、一実施形態に係る、伸びた位置にあるアーチ状構造を示す。直線軌道345は、遠位方向に伸び、アーチ状構造及びその上のスプレーヘッド350を使用者から離れて移動させる。一実施形態では、機械300は、顎支持体360の後ろのアーチ状軌道330の下に、直線軌道345の伸縮を駆動するモータを含む。
【0058】
図13及び図14は、一実施形態に係る、アーチ状軌道330上のスプレーヘッド350の横方向移動を示す。以前にラベルが付けられた機械構成要素の一部は、クラスタリングを避けるために、これらの図では再度ラベルが付けられていない。図13は、アーチ状軌道330の左端に移動するスプレーヘッド350を示し、図14は、アーチ状軌道330の右端に移動するスプレーヘッド350を示す。スプレーヘッド350は、スプレーヘッド350をアーチ状軌道330に接続する軌道コネクタ340上に設置される。軌道コネクタ340は、アーチ状軌道330を横切ってスプレーヘッド350を移動させ、及び/又はスプレーヘッド350内でスプレーカートリッジを回転させる1つ以上のモータを収容してもよい。
【0059】
図15は、一実施形態に係るアーチ状軌道330及びスプレーヘッド350の垂直移動(例えば、上方への移動)を示す。一実施形態では、アーチ状軌道330は、アーチ状基部335から伸びる2つの側柱410によって支持される。柱410は、アーチ状基部335から上向きに伸びて頭の全高をカバーすることができる。2つの柱410は、2つの柱410を接続する隙間380(図10)内のベルト又はロッドにより、垂直方向に同期して上下することができる。この例では、安定性を提供するために、柱410がアーチ状軌道330の右側と左側の両方の底部に取り付けられている。柱410が縮まれてアーチ状軌道330を下降させると、柱410の縮まれた部分は(例えば、アーチ状基部335の内側に)使用者から隠れて空間をとらない。柱410は、アーチ状軌道330及びスプレーヘッド350の高さを調整するための垂直支持体の一例であることが理解され、垂直支持体の代替の実施形態は、図4の柱210に関連して説明されている。
【0060】
図16は、一実施形態に係る、アーチ状基部335の上部に位置するように降下したアーチ状軌道330を示す。図16及び図17はまた、顎支持体360の前部ピース361が調整可能な高さ(図16の点線の両側矢印で示す)を有することを示している。図10図16において、顎支持体360の前部ピース361は上昇した位置にある。図17は、後部ピース362と同じ高さまで降下した前部ピース361を示す。前述したように、前部ピース361の高さは、上下に調整可能であり、例えば、前部ピース361を上昇させてスプレーヘッド350に対して使用者の顎を適切な高さに位置決めすることができる。前部ピース361は、使用者の顎が顎支持体360上にあるか否かを検出し、安全機能として、使用者が突然離れた場合に機械の動作を停止することができる埋め込みセンサーを有してもよい。
【0061】
上記の説明は、化粧機の2つの非限定的な例、即ち機械100(図1図9)及び機械300(図10図17)を提供する。本開示の範囲は、様々な寸法、形状及び/又はサイズを有する化粧機を包含することが理解される。以下の説明では、機械100及び300に共通の特徴についての更なる詳細を提供する。各機械の対応する構成要素を示す番号について図1図17を参照されたい。
【0062】
一実施形態では、機械(100又は300)は、観察面(図1の170又は図10の370)を備えた構成要素を含む。一実施形態では、観察面は、使用者の反射映像を示す鏡であってもよく、鏡は平面鏡でも拡大鏡でもよい。別の実施形態では、観察面は、デジタル画像を表示するデジタル表示パネル(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)ディスプレイ又は別の技術に基づくディスプレイなどのコンピュータ及び/又はスマートフォンの表示画面)によって提供されてもよい。更に別の実施形態では、観察面は、鏡とデジタル表示パネルの組み合わせを含んでもよい。デジタル画像は、使用者のデジタル画像、拡張現実(AR)デジタル画像(例えば、使用者の画像に重ね合わされた化粧又はスタイリングの選択)、使用者に推奨されるか又は使用者の選択した画像又は画像シーケンス(例えば、ビデオ)、化粧プロセスで使用者をガイドするための化粧コーチ又は関心のある他の関係者とのリアルタイムのオンラインコンサルティングセッション、ソーシャルメディアサイトなどのウェブサイトなどであってもよい。観察面又は観察面の外縁は、カメラボタン、センサーボタン、マイクボタン、スピーカボタン、照明ボタン及び/又は制御ボタンを含んでもよい。一実施形態では、観察面は、使用者の入力に従って変化するか、又はセンサー入力に従って自動的に変化する、観察面又は機械上の他の場所に埋め込まれたセンサーなどの照明を含む。観察面は、使用者が機械の多くの機能を操縦できるようにするために、観察面に埋め込まれたソフトウェアインタフェースも含んでもよい。観察面は、2本の折り畳み式アーム又は折り畳み式スタンドなどの取り付け手段を介して機械に取り付けられる。
【0063】
一実施形態では、機械(100又は300)の本体(110又は310)は、内部空洞を含み、内部空洞はモータ、バッテリ、空気圧縮機、電線、(無線接続、例えば、Bluetooth、Wi-Fiなどを提供するための)通信電子機器、1つ以上のプロセッサ及びメモリモジュールのうちの1つ以上を含むがこれらに限定されない、電気構成要素、機械構成要素及び/又は電子構成要素を貯蔵する。いくつかの実施形態では、構成要素の一部(例えば、空気圧縮機)は、本体の外側に位置付けられ、電気的及び/又は機械的手段を介してハウジング内の構成要素に接続されてもよい。メモリモジュールは、1つ以上のプロセッサによって実行可能なソフトウェアを記憶する。ソフトウェアには、使用者が機械を使用するのを助ける使用者ナビゲーションインタフェースと、機械の動作を制御する制御ソフトウェアが含まれてもよい。
【0064】
一実施形態では、機械(100又は300)は、スプレーヘッドの使用者向き表面、観察面などに撮像システムを含む。撮像システムは、深度感知技術を使用して、使用者の顔などの対象領域の深さと突出を検出する。撮像システムは、ステレオカメラ又は他の種類の深度感知カメラなどの多数のカメラを含んでもよく、また、周波数センサー(例えば、超音波、赤外線、低周波紫外線の周波数範囲及び/又は別の周波数範囲で動作するセンサー)などのセンサーを含んでもよい。深度感知により、撮像システムは正確な3Dメッシュを作成し、その3Dメッシュを対象領域に正確にマッピングすることができる。例えば、使用者の顔に化粧をする場合、正確な3Dメッシュにより、機械100又は300は3D化粧設計を顔に正確にフィットさせることができる。撮像システムはまた、コントラスト比法、レーザーメーター法、焦点合わせ法などの方法を使用して深度を検出する回路及び/又はソフトウェアを含んでもよい。機械100又は300内のハードウェア及び/又はソフトウェアが撮像システムによってキャプチャされた画像を使用して、特に対象領域を位置付け、使用者の顔の3Dプロファイル(例えば、3Dメッシュ)を作成し、及び/又は使用者の身分を認識する。撮像システムはまた、対象領域を照明するために、発光ダイオード(LED)ライト、拡散ライトなどのうちの1つ以上を含み得るライトを含んでもよい。撮像システムはまた、運動センサー、温度センサー、光センサー、超音波センサーなどのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0065】
一実施形態では、機械(100又は300)は、スピーカなどのオーディオユーザインタフェースを含む。動作中、機械は、スピーカを通じて段階的な音声コマンドを提供して使用者をガイドすることができる。例えば、機械は、スピーカを通じて音声コマンドを生成し、化粧品をスプレーしているときに目を閉じるように使用者に提示することができる。音声コマンドには、提案、警告、音楽又はその他の音声信号も含まれてもよい。
【0066】
図18は、一実施形態に係る自動化粧機1800(「機械1800」)を示すブロック図である。機械1800は、前述した機械100及び機械300の一例であり得る。図18の実施形態は説明のために簡略化されていることが理解される。追加のハードウェア構成要素が含まれる場合がある。機械1800は、スプレーカートリッジ1830が取り付けられ、使用後に取り外され得るスプレーヘッド1840を含む。一実施形態では、スプレーカートリッジ1830は、複数の液体タンク及び対応するノズルを含んでもよい。一実施形態では、スプレーカートリッジ1830は、単一の液体タンク及び単一のノズルを含んでもよい。
【0067】
機械1800は、コントローラ1810を含み、コントローラ1810は、1つ以上の汎用プロセッサ、専用回路又はそれらの組み合わせなどの処理ハードウェアを更に含んでもよい。コントローラ1810は、メモリ1815に結合される。メモリ1815は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、SRAM、フラッシュメモリ及び他の非一時的な機械可読記憶媒体、例えば揮発性又は不揮発性メモリデバイスを含んでもよい。一実施形態では、メモリ1815は、コントローラの処理ハードウェアによって実行されると、コントローラ1810に自動化粧動作及び機械1800の移動、並びにスプレーカートリッジ1830の移動及びスプレー動作を制御させる命令を記憶してもよい。コントローラ1810は、空気ポンプバルブ又は空気ポンプを自動的に制御して、スプレーカートリッジ1830のノズルへのスキンスプレーの流れを制御するための最適な性能に必要な空気量を排出してもよい。
【0068】
機械1800は、モータモジュール1850を含み、モータモジュール1850は多数のモータを更に含む。コントローラ1810の制御下で、モータモジュール1850は、スプレーヘッド1840の移動及びスプレーカートリッジ1830の回転を可能にする。図18においてモータモジュール1850が単一のブロックとして示されているが、モータモジュール1850は、スプレーヘッド1840及びスプレーカートリッジ1830の異なる移動を制御するために、機械1800内の複数の位置に位置付けられた複数のモータを含んでもよいことが理解される。機械1800は、コントローラ1810のコマンドに従ってスプレーカートリッジ1830に圧縮空気を供給するための圧縮空気源1820を含む。いくつかの実施形態では、圧縮空気源1820は、機械1800の本体内部の空気タンク及び機械1800の本体外部の空気圧縮機(即ち、空気ポンプ)などの2つ以上の構成要素を含んでもよい。圧縮空気源1820は、電気配線及び空気管を介して機械1800の他の構成要素に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、空気ポンプと機械のハウジングは異なる表面に配置されてもよく、例えば、機械本体は、卓上に配置され、空気ポンプは、床に配置される。空気ポンプを機械の本体の外に配置することにより、使用者に不快感を与えるだけでなく、スプレー作業の精度も低下させる振動及び騒音を軽減することができる。機械1800は、コントローラ1810のコマンドに従ってスプレーヘッド1840を移動させるためのロボット構成要素などの機械構成要素1860を更に含む。一実施形態では、機械1800は、観察要素及び取り付け手段1870を更に含み、非限定的な例は、観察要素170(図1)及び370(図10)である。
【0069】
コントローラ1810は、メモリ1815に記憶された制御ソフトウェア1816を実行して、機械の動作の決定及びカスタマイズを含む化粧プロセスを制御する。一実施形態では、機械1800は、使用者の3D顔画像などの対象領域の3Dプロファイルをキャプチャする撮像システム1811を更に含む。3Dプロファイルに従って、コントローラ1810は、制御ソフトウェア1816を実行して、スプレーヘッド1840の位置及び向きの順序を決定してスプレーカートリッジ1830から液体を塗るか又はスプレーすることができる。次いで、コントローラ1810は、スプレーヘッド1840を位置及び向きの順序に従って移動させるようにモータモジュール1850に命令する。撮像システム1811を使用して液体塗りプロセス(例えば、化粧プロセス)を監視することもできる。コントローラ1810は、カメラからの情報を使用して機械1800の安全性及び適切な使用を保証してもよい。一実施形態では、スプレーカートリッジ1830又はスプレーヘッド1840に多数の基準マークを付けてもよい。1つ以上の後向きカメラは、機械1800のスプレーヘッド1840に面する部分に取り付けられてもよく、このように、塗りセッション中、後向きカメラは、基準マークに基づいてスプレーカートリッジ1830の位置及び向きを継続的に監視することができる。1つ以上の使用者向きカメラは、使用者の顔の位置及び向きを監視することができる。コントローラ1810は、監視されたデータに基づいて、スプレーカートリッジ1830と使用者の顔との間の距離及び角度を決定し、顔に化粧をすることが安全であるか否かを更に決定することができる。
【0070】
一実施形態では、機械1800は、コントローラ1810が例えば、化粧プロセス及び色の選択肢について使用者と通信でき、化粧プロセスで使用者をガイドするグラフィカルユーザインタフェース(GUI)などのユーザインタフェース1812を含んでもよい。一実施形態では、機械1800は、音声、デジタルデータ及び/又はメディア信号を送信及び/又は受信するための有線及び/又は無線ネットワークに接続するためのネットワークインタフェース1813も含んでもよい。例えば、機械1800は、ネットワークインタフェース1813を介して使用者デバイス1880と通信することができる。使用者デバイス1880は、使用者が機械1800と通信するための使用者アプリ1890を実行してもよい。一実施形態では、機械1800は、使用者デバイス1880又は遠隔制御デバイスであり得る別のデバイスによって、ネットワークインタフェース1813を介して遠隔的に制御されてもよい。
【0071】
化粧機の実施形態について説明した。一実施形態では、化粧機などの装置は、スキンスプレーを含むスプレーカートリッジを受け入れる容器を有するスプレーヘッドと、上記スキンスプレーの対象物に対する上記スプレーヘッドの位置を制御する制御回路を収容する本体と、水平面上で湾曲形状を有するアーチ状軌道と、上記アーチ状軌道に取り付けられた垂直支持体とを含む。上記制御回路は、上記スプレーヘッドを上記アーチ状軌道に沿ってスライドさせ、上記垂直支持体の高さを調整して上記アーチ状軌道及び上記スプレーヘッドを上下に移動させる。
【0072】
一実施形態では、上記垂直支持体は、上記アーチ状軌道の右側と左側の両方に取り付けられた少なくとも2つの垂直柱を含む。一実施形態では、上記垂直支持体は、上記機械のサイドアーム内に収容された少なくとも2つの垂直柱を含み、上記サイドアームは、上記機械の動作中に静止している。別の実施形態では、上記垂直支持体は、アーチ状基部から上方に伸びる1つ以上の垂直柱を含み、上記アーチ状基部及びアーチ状軌道は、上記スキンスプレーの上記対象物に対して近位-遠位方向にタンデムに移動可能である。
【0073】
一実施形態では、上記制御回路は、上記スプレーヘッドを上記アーチ状軌道の半径方向にある直線軌道に沿ってスライドさせ、上記直線軌道を上記スプレーヘッドと共に上記アーチ状軌道に沿ってスライドさせる。一実施形態では、上記直線軌道は、軌道コネクタの上部に位置し、上記軌道コネクタは、上記スプレーヘッドを上記アーチ状軌道に取り付けるために使用される。別の実施形態では、装置は、上記アーチ状軌道の底部に結合されたアーチ状基部と、上記アーチ状基部に取り付けられた直線軌道とを更に含む。上記直線軌道は、水平面上で伸縮して上記アーチ状基部及び上記アーチ状軌道を上記スキンスプレーの上記対象物に対して近位-遠位方向に移動させてもよい。上記直線軌道は、上記スプレーヘッドが上記アーチ状軌道に沿ってスライドするときに水平中心線に留まってもよい。上記直線軌道は、上記スプレーヘッドを上記対象物からの既定の水平距離に位置決めするために上記制御回路によって調整可能な水平長さを有してもよい。
【0074】
一実施形態では、上記制御回路は、上記スプレーカートリッジを所定の角度範囲内で水平に回転させることによって上記スプレーカートリッジのノズルからのスプレー角度を調整するように動作可能である。上記制御回路は、上記スプレーカートリッジを水平に回転させて、複数のノズルのうちの選択された1つを上記対象物に向けるように動作可能であってもよい。
【0075】
一実施形態では、上記スプレーヘッドは、上記スプレーカートリッジの前部及び底部を露出させる前部開口を含む。一実施形態では、上記スプレーカートリッジは、上記スプレーヘッド内に水平に配置され、水平に回転可能である。
【0076】
一実施形態では、装置は、上記本体の後側に固定された折り畳み式スタンドに取り付けられた観察面を更に含む。上記折り畳み式スタンドは、展開位置で上記観察面を上記対象物に向け、収納位置で上記観察面を上記本体の上部に向けてもよい。
【0077】
一実施形態では、装置は、垂直方向に細長い形状を有し、上部が上記本体の前部に取り付けられ、使用者の顎を支持する顎支持アセンブリを更に含む。上記顎支持アセンブリは、上部に取り外し可能な支持パッドを含み、前部に取り外し可能なカバーを含んでもよい。顎支持体は、圧力センサー及び近接センサーの一方又は両方を更に含んでもよい。別の実施形態では、上記顎支持体は、使用者の顎を支持するために上下に調整可能である前部ピースと、後部ピースとを更に含んでもよい。
【0078】
別の実施形態では、化粧機などの装置は、スプレーヘッド、本体、アーチ状軌道、少なくとも1つの垂直支持体及び直線軌道を含む。上記スプレーヘッドは、スキンスプレーを含むスプレーカートリッジを受け入れる容器を有する。上記本体は、上記スキンスプレーの対象物に対する上記スプレーヘッドの位置を制御する制御回路を収容する。上記本体の少なくとも一部がアーチ状軌道と上記対象物との間に位置付けられる。上記アーチ状軌道は、水平面上で湾曲形状を有する。上記制御回路は、上記スプレーヘッドを上記アーチ状軌道に沿ってスライドさせる。上記少なくとも1つの垂直支持体は、高さが調整可能であり、上記アーチ状軌道の右側と左側の両方に取り付けられる。上記直線軌道は、上記制御回路によって制御されて上記スプレーヘッドと上記対象物との間の水平距離を調整する。
【0079】
本明細書において、様々な機能構成要素又は機能ブロックについて説明してきた。当業者には理解されるように、機能ブロックは、本明細書において説明される機能及び動作に従って回路の動作を制御するように構成されたトランジスタを典型的に含む回路(1つ以上のプロセッサ及びコード化された命令の制御下で動作する専用回路又は汎用回路のいずれか)を通じて実装されることが好ましい。
【0080】
本発明をいくつかの実施形態に関して説明してきたが、当業者であれば、本発明が説明した実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内で修正及び変更を加えて実施できることを認識するであろう。したがって、この説明は限定的なものではなく例示的なものとみなされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2023-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキンスプレーを含むスプレーカートリッジを受け入れる容器を有するスプレーヘッドと、
前記スキンスプレーの対象物に対する前記スプレーヘッドの位置を制御する制御回路を収容する本体と、
水平面上で湾曲形状を有するアーチ状軌道であって、前記制御回路が前記スプレーヘッドを前記アーチ状軌道に沿ってスライドさせるアーチ状軌道と、
前記アーチ状軌道に取り付けられた垂直支持体であって、前記制御回路が前記垂直支持体の高さを調整して前記アーチ状軌道及び前記スプレーヘッドを上下に移動させる垂直支持体とを含み、
前記スプレーカートリッジのノズルを通したスプレー動作中、前記スプレーカートリッジが所定の角度範囲内で水平に回転することによって、前記制御回路は、対象物に対するスキンスプレーの角度範囲を広げるように動作する、装置。
【請求項2】
前記スプレーカートリッジは、前記スプレーヘッド内に水平に配置され、水平に回転可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記垂直支持体は、機械のサイドアーム内に収容された少なくとも2つの垂直柱を含み、
前記サイドアームは、前記機械の動作中に静止している、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記垂直支持体は、前記アーチ状軌道の右側と左側の両方に取り付けられた少なくとも2つの垂直柱を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記制御回路は、前記スプレーヘッドを前記アーチ状軌道の半径方向にある直線軌道に沿ってスライドさせ、前記直線軌道を前記スプレーヘッドと共に前記アーチ状軌道に沿ってスライドさせる、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記直線軌道は、軌道コネクタの上部に位置し、前記軌道コネクタは、前記スプレーヘッドを前記アーチ状軌道に取り付けるために使用される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記垂直支持体は、アーチ状基部から上方に伸びる1つ以上の垂直柱を含み、
前記アーチ状基部及び前記アーチ状軌道は、前記スキンスプレーの前記対象物に対して近位-遠位方向にタンデムに移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記アーチ状軌道の底部に結合されたアーチ状基部と、
前記アーチ状基部に取り付けられた直線軌道であって、水平面上で伸縮して前記アーチ状基部及び前記アーチ状軌道を前記スキンスプレーの前記対象物に対して近位-遠位方向に移動させる直線軌道とを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
直線軌道は、前記スプレーヘッドが前記アーチ状軌道に沿ってスライドするときに水平中心線に留まり、
前記直線軌道は、前記スプレーヘッドを前記対象物からの既定の水平距離に位置決めするために前記制御回路によって調整可能な水平長さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記制御回路は、前記スプレーカートリッジを所定の角度範囲内で水平に回転させることによって前記スプレーカートリッジのノズルからのスプレー角度を調整するように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記スプレーヘッドは、前記スプレーカートリッジの前部及び底部を露出させる前部開口を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記本体の後側に固定された折り畳み式スタンドに取り付けられた観察面であって、前記折り畳み式スタンドは、展開位置で前記観察面を前記対象物に向け、収納位置で前記観察面を前記本体の上部に向ける観察面を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
垂直方向に細長い形状を有する顎支持アセンブリであって、顎支持アセンブリの上部が前記本体の前部に取り付けられ、使用者の顎を支持する顎支持アセンブリを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記顎支持アセンブリは、上部に取り外し可能な支持パッドを含み、前部に取り外し可能なカバーを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
圧力センサー及び近接センサーの一方又は両方を更に含む顎支持体を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
顎支持体を更に含み、
前記顎支持体は、使用者の顎を支持するために上下に調整可能である前部ピースと、後部ピースとを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
スキンスプレーを含むスプレーカートリッジを受け入れる容器を有するスプレーヘッドと、
前記スキンスプレーの対象物に対する前記スプレーヘッドの位置を制御する制御回路を収容する本体であって、本体の少なくとも一部がアーチ状軌道と前記対象物との間に位置付けられる本体と、
水平面上で湾曲形状を有する前記アーチ状軌道であって、前記制御回路が前記スプレーヘッドを前記アーチ状軌道に沿ってスライドさせる前記アーチ状軌道と、
高さが調整可能であり、前記アーチ状軌道の右側と左側の両方に取り付けられた少なくとも1つの垂直支持体と、
前記制御回路によって制御されて前記スプレーヘッドと前記対象物との間の水平距離を調整する直線軌道とを含み、
前記スプレーカートリッジのノズルを通したスプレー動作中、前記スプレーカートリッジが所定の角度範囲内で水平に回転することによって、前記制御回路は、対象物に対するスキンスプレーの角度範囲を広げるように動作する装置。
【請求項18】
前記直線軌道は、前記アーチ状軌道に沿って前記スプレーヘッドと共に移動し、
前記スプレーヘッドは、前記アーチ状軌道上の任意の既定の位置の前記直線軌道上で前後に移動可能である、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記直線軌道は、水平中心線に留まり、前記スプレーヘッドを前記対象物からの既定の水平距離に位置決めするために前記制御回路によって調整可能な水平長さを有する、請求項17に記載の装置。
【国際調査報告】