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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】電池及び電力消費装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/242 20210101AFI20241029BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20241029BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20241029BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20241029BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/289 101
H01M50/271 B
H01M50/342 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524429
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 CN2022101406
(87)【国際公開番号】W WO2024000091
(87)【国際公開日】2024-01-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524304976
【氏名又は名称】香港時代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY (HONG KONG) LIMITED
【住所又は居所原語表記】LEVEL 19, CHINA BUILDING, 29 QUEEN’S ROAD CENTRAL, CENTRAL, CENTRAL AND WESTERN DISTRICT, HONG KONG, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 占宇
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲興▼地
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA07
5H012BB02
5H012DD05
5H012FF01
5H040AA01
5H040AA37
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY08
5H040CC05
5H040CC34
5H040JJ03
5H040NN03
(57)【要約】
本出願の実施例は、電池及び電力消費装置を提供する。電池は、筐体と電池セルとを含む。筐体は筐体の高さ方向に沿って、対向する頂部と底部を有し、底部には開口が設置され、電池セルは、エンドカバーが底部に向かうように筐体内に上下逆さまにし、エンドカバーに放圧機構と電極端子が設置され、放圧機構と電極端子がいずれも底部に向いて設置される。本出願の実施例によれば、電池のエネルギー密度と安全性を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
筐体(1)であって、前記筐体(1)の高さ方向に沿って、対向する頂部(101)と底部(102)を有し、前記底部(102)には開口(103)が設置されるものと、
電池セル(2)であって、前記電池セル(2)は、エンドカバー(21)が前記底部(102)に向かうように前記筐体(1)内に上下逆さまにし、前記エンドカバー(21)に放圧機構(212)と電極端子(211)が設置され、前記放圧機構(212)と前記電極端子(211)がいずれも前記底部(102)に向いて設置されるものとを含む、電池。
【請求項2】
前記筐体(1)は支持板(11)と側板(12)とを含み、前記支持板(11)は前記頂部(101)に設置され、前記電池は前記支持板(11)に固定接続されている、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記筐体(1)は前記開口(103)に設置される蓋体(3)をさらに含み、前記側板(12)は互いに接続されてフレーム構造を形成し、前記蓋体(3)と前記側板(12)は固定接続されている、請求項2に記載の電池。
【請求項4】
前記高さ方向において、前記電池セル(2)の前記エンドカバー(21)と前記蓋体(3)の間に第1の距離H1があり、前記第1の距離H1は2mm<H1<30mmを満たす、請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記第1の距離H1と単一の前記電池セル(2)の重量Mとの比H1/Mは、0.2mm/Kg<H1/M<50mm/Kgを満たす、請求項4に記載の電池。
【請求項6】
前記電池は防護アセンブリ(4)をさらに含み、前記放圧機構(212)と前記電極端子(211)を保護するために、前記防護アセンブリ(4)は前記電池セル(2)と前記蓋体(3)との間に設置される、請求項3に記載の電池。
【請求項7】
前記防護アセンブリ(4)は前記筐体(1)の長手方向に間隔をあけて分布する複数の防護部材(41)を含み、前記電池セル(2)が複数設置されており、各前記電池セル(2)の前記放圧機構(212)及び前記電極端子(211)は隣接する二つの前記防護部材(41)の間に位置する、請求項6に記載の電池。
【請求項8】
前記複数の防護部材(41)はエッジ防護部材(411)、第1の防護部材(412)と第2の防護部材(413)を含み、前記長手方向に沿って、前記エッジ防護部材(411)はアレイ配列される複数の前記電池セル(2)の両側のエッジに設置されており、前記第1の防護部材(412)と第2の防護部材(413)は二つの前記エッジ防護部材(411)の間で交互に分布される、請求項7に記載の電池。
【請求項9】
前記筐体(1)の幅方向に沿って、前記第1の防護部材(412)の延伸長さは前記第2の防護部材(413)の延伸長さより大きい、請求項8に記載の電池。
【請求項10】
前記長手方向に沿って、前記第1の防護部材(412)と前記第2の防護部材(413)の幅は前記エッジ防護部材(411)の幅より大きい、請求項8に記載の電池。
【請求項11】
前記エンドカバー(21)は機能領域(201)と肩部(202)を含み、前記長手方向に沿って、前記肩部(202)は前記機能領域(201)の両側に位置し、前記機能領域(201)に前記放圧機構(212)と前記電極端子(211)が設置され、前記防護部材(41)は前記肩部(202)と固定接続されている、請求項8に記載の電池。
【請求項12】
前記長手方向に沿って、前記エッジ防護部材(411)の幅D1、前記第1の防護部材(412)の幅D2、前記第2の防護部材(413)の幅D3、前記肩部(202)の幅D4は、0.2D4≦D1≦D4、0.5D4≦D2≦2D4、0.5D4≦D3≦2D4を満たす、請求項11に記載の電池。
【請求項13】
前記高さ方向において、前記防護部材(41)の延伸高さは前記電極端子(211)の延伸高さより大きい、請求項7に記載の電池。
【請求項14】
前記電池は、絶縁プレート(42)をさらに含み、前記絶縁プレート(42)は、前記防護アセンブリ(4)と前記蓋体(3)との間に設置される、請求項6~13のいずれか一項に記載の電池。
【請求項15】
前記絶縁プレート(42)は前記蓋体(3)と固定接続されている、請求項14に記載の電池。
【請求項16】
電力消費装置であって、請求項1~15のいずれか一項に記載の電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを提供するためのものである、電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に属し、特に電池及び電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新エネルギー自動車の登場は、社会の発展と環境の保護に大きな促進的役割を果たしてきて、動力電池は充電可能な電池として、新エネルギー自動車の動力源であり、新エネルギー自動車分野において広く応用されている。
【0003】
いくつかの場合では、電池のエネルギー密度は高くないことにより空間の浪費をもたらし、さらに電力消費装置の性能に影響を与える。しかも、従来の電池は剛性が低いため、電力消費装置の他の部位によってもたらされる負荷を直接に受けることができず、安全事故が発生しやすく、電力消費装置の安全性に影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、電池のエネルギー密度及び安全性を向上させることができる電池及び電力消費装置を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、本出願の実施例は、筐体と電池セルとを含む電池を提供する。筐体は筐体の高さ方向に沿って対向する頂部と底部を有し、底部には開口が設置される。電池セルは、エンドカバーが筐体の底部に向かうように筐体内に上下逆さまにし、エンドカバーに放圧機構と電極端子が設置され、放圧機構と電極端子がいずれも底部に向いて設置される。
【0006】
上記技術案において、開口が筐体の底部に設置され、電池セルが筐体内に設置され、エンドカバーが筐体内に上下逆さまにするために底部に向いていることは、電池の頂部の剛度を高めることができる。電極端子と放圧機構が共に底部に向いて設置されることは、電池の安全性を向上させることができる。
【0007】
いくつかの実施例では、筐体は支持板と側板とを含み、支持板は頂部に設置され、電池は支持板に固定接続される。
【0008】
上記の技術的解決手段では、支持板と側板は、筐体の内部に電池セルを収容する空間があるようにし、且つ電池セルを頂部に固定させることにより、電池の頂部の剛度を向上させる。
【0009】
いくつかの実施例では、筐体は開口に設置される蓋体をさらに含み、側板は互いに接続されてフレーム構造を形成し、蓋体が開口をカバーするように、蓋体と側板は固定接続される。
【0010】
いくつかの実施例では、高さ方向において、電池セルのエンドカバーと蓋体の間に第1の距離H1があり、第1の距離H1は2mm<H1<30mmを満たす。
【0011】
上記の技術的解決手段では、第1の距離H1があることは、電池が適切な体積を有し、良好な放電性能を有するようにする。
【0012】
いくつかの実施例では、第1の距離H1と単一の電池セルの重量Mとの比H1/Mは、0.2mm/Kg<H1/M<50mm/Kgを満たす。
【0013】
上記の技術的解決手段では、電池が良好なエネルギー密度を有するとともに、適切な構造的強度を有するようにする。
【0014】
いくつかの実施例では、電池はさらに防護アセンブリを含み、放圧機構と電極端子を保護するために、防護アセンブリは電池セルと蓋体との間に設置される。
【0015】
いくつかの実施例では、防護アセンブリは筐体の長手方向に間隔をあけて分布する複数の防護部材を含み、電池セルが複数設置されており、各電池セルの放圧機構及び電極端子は隣接する二つの防護部材の間に位置する。
【0016】
上記の技術的解決手段では、防護部材は、放圧機構と電極端子を保護する役割を果たす。
【0017】
いくつかの実施例では、複数の防護部材はエッジ防護部材、第1の防護部材と第2の防護部材を含み、長手方向に沿って、エッジ防護部材はアレイ配列される複数の電池セルの両側のエッジに設置されており、第1の防護部材と第2の防護部材は二つのエッジ防護部材の間で交互に分布される。
【0018】
上記の技術的解決手段では、防護部材が電池セルのアレイ分布をより適応するようにし、これにより、電池セルをより良く支持する役割を果たす。
【0019】
いくつかの実施例では、筐体の幅方向に沿って、第1の防護部材の延伸長さは第2の防護部材の延伸長さより大きい。
【0020】
上記の技術的解決手段では、第2の防護部材にバスバー部品を退避させる。
【0021】
いくつかの実施例では、長手方向に沿って、第1の防護部材と第2の防護部材の幅はエッジ防護部材の幅より大きい。
【0022】
上記の技術的解決手段では、電池内部が均一な力を受けるのに役立ち、電池全体としての構造的強度を向上させることができる。
【0023】
いくつかの実施例では、エンドカバーは機能領域と肩部を含み、長手方向に沿って、肩部は機能領域の両側に位置し、機能領域に放圧機構と電極端子が設置され、防護部材は肩部と固定接続されている。
【0024】
上記の技術的解決手段では、電池セルは肩部を介して防護部材に固定され、電池はよりコンパクトな構造を有し、機能領域は受けた力により損傷が発生することを回避し、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0025】
いくつかの実施例では、長手方向に沿って、エッジ防護部材の幅D1、第1の防護部材の幅D2、第2の防護部材の幅D3、肩部の幅D4は、電池セルの支持需求に対応するために、0.2D4≦D1≦D4、0.5D4≦D2≦2D4、0.5D4≦D3≦2D4を満たす。
【0026】
いくつかの実施例では、高さ方向において、防護部材の延伸高さは電極端子の延伸高さより大きい。
【0027】
上記の技術的解決手段では、電極端子と放圧機構は隣接する防護部材41の間に懸架され、他の部材との接触により機能に影響することを回避する。
【0028】
いくつかの実施例では、電池は、絶縁プレートをさらに含み、絶縁プレートは、防護アセンブリと蓋体との間に設置される。
【0029】
いくつかの実施例では、電池の構造的堅牢性を向上させるために、絶縁プレートは蓋体と固定接続されている。
【0030】
第2の態様において、本願の実施例は、電気エネルギーを提供するための第1の態様のいずれかの実施形態の電池セルを含む電力消費装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下では、本出願の実施例で使用する必要のある図面を簡単に説明するが、明らかなように、以下に説明する図面は、本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を払うことなく、図面に基づいて他の図面を入手することができる。
【0032】
図1】本出願のいくつかの実施例による車両の構造概略図である。
図2】本出願のいくつかの実施例による電池の組み立て構造概略図である。
図3】本出願のいくつかの実施例による電池の分解概略図である。
図4】本出願のいくつかの実施例による電池の蓋体の構造概略図である。
図5図2に示す電池の断面概略図である。
図6】本出願のいくつかの実施例による電池を衝突テストする衝突テスト装置の構造概略図である。
図7】本出願の別のいくつかの実施例による電池の分解概略図である。
図8】本出願の別のいくつかの実施例による電池の防護アセンブリの構造概略図である。
図9】本出願のいくつかの実施例による電池の電池セルの構造概略図である。
図10図7に示す電池の断面概略図である。
図11図10の円形枠Bでの拡大概略図である。
図12】本出願のいくつかの実施例の電池セルの内部構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本出願の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下、本出願の実施例の図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明確に説明する。説明される実施例は、本出願の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0034】
特に定義されない限り、本出願で使用される全ての技術と科学技術用語は、本出願の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本出願において、出願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためにのみ用いられ、本出願を制限することを意図するものではない。本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」をカバーすることを意図している。本出願の明細書と特許請求の範囲又は上記の図面における「第1」、「第2」などの用語は、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序又は主副関係を説明するためのものではない。
【0035】
本出願に言及びされた「実施例」は、実施例を結び付けて記述された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味している。明細書における各位置での該フレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。
【0036】
本出願の記述において、説明すべきこととして、特に明記し、限定する場合を除き、「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「付設」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接に接続してもよく、中間媒体を介して間接に接続してもよく、二つの素子の内部を連通させてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0037】
本出願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、三つの関係が存在してもよいことを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つの場合を表してもよい。また、本出願における文字「三つ」は、一般的には前後の関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0038】
本出願の実施例において、同一の符号は同一の構成要素を表し、また、簡潔のために、異なる実施例において、同一の構成要素に対する詳細な説明を省略する。なお、図面に示される本出願の実施例における各部材の厚さ、長さ・幅などの寸法、及び集積装置の全体的な厚さ、長さ・幅などの寸法は、例示的なものに過ぎず、本出願を限定するものではない。
【0039】
本出願における「複数」とは、二つ以上(二つを含む)のことを意味する。
【0040】
本出願における「平行」という用語は、絶対に平行である場合だけでなく、また、工学における一般的に認められるほぼ平行である場合も含まれる。それとともに、「垂直」は絶対に垂直である場合だけでなく、また、工学における一般的に認められるほぼ垂直である場合も含まれる。
【0041】
本出願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池セル、リチウムイオン一次電池セル、リチウム硫黄電池セル、ナトリウムリチウムイオン電池セル、ナトリウムイオン電池セル又はマグネシウムイオン電池セルなどを含んでもよいが、本出願の実施例では、それを限定しない。
【0042】
本出願において、電池はより高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本出願に言及びされる電池は、電池モジュール又は電池パックなどであってもよい。電池は、一般的には、一つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。電池において、複数の電池セルの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続であってもよく、直並列接続は、複数の電池セルに直列接続も並列接続も含まれることを意味する。複数の電池セルの間を、直接的に直列接続又は並列接続又は直並列接続してから、複数の電池セルで構成された全体を筐体内に収容してもよい。勿論、電池は複数の電池セルを直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池を構成し、さらに複数の電池を直列接続又は並列接続又は直並列接続して一つの全体として形成し、筐体内に収容してもよい。
【0043】
現在では、市場情勢の発展の観点から、動力電池の応用が益々拡大している。動力電池は、水力、火力、風力、太陽光発電所などのエネルギー蓄積電源システムのみならず、電動自転車、電動バイク、電気自動車などの電動交通機関、軍事用機器、航空・宇宙飛行などの複数の分野で広く応用されている。動力電池の応用分野の拡大に伴い、その市場の需要量も絶えず拡大している。
【0044】
関連技術において、電池筐体の開口は通常、垂直方向に上方に向けて、電池セルは電池の底部に固定され、電極端子は筐体の開口をカバーする蓋体に向かう。
【0045】
しかしながら、上記のように設置される電池において、出願人は、電池が電力消費装置に設置されている場合、底部が電力消費装置に接着され、電池セルが電池の底部に固定されるため、より衝突されやすい電池の頂部の鋼性が低くなり、且つ電池の衝突過程において、内部の電池セルが不均一な力を受け、これにより、電池が損傷しやすく、電池の安全性が低下し、電池の使用性能に影響を及ぼすことに気づいた。
【0046】
これに鑑み、本出願の実施例は、電池を提供し、開口が筐体の底部に設置され、電池セルが筐体内に設置され、エンドカバーが筐体内に上下逆さまにするために底部に向いていることにより、電池全体の剛度を高め、衝突中のその損傷の発生確率を減らすことができる。電極端子と放圧機構が共に底部に向いて設置されることにより、電池の安全性を向上させることができる。そして、電池のモータ端子から蓋体までの距離と電池セルの重量との比を調整することにより、電池のエネルギ密度を保証するとともに、電池の全体的な構造的強度を調整し、電池の性能をさらに向上させることができる。
【0047】
本出願の実施例に記載の技術案は、電池及び電池により給電される電力消費装置に適用される。
【0048】
電力消費装置は、車両、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、汽船、宇宙航空機、電動玩具や電動工具などであってもよい。車両は、燃料油自動車、ガス自動車、又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車、又はレンジエクステンダー自動車などであってもよく、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルと宇宙船などを含み、電動玩具は、据置型又は移動型電動玩具、例えば、ゲーム機、電動自動車玩具、電動汽船玩具、電動飛行機玩具などを含み、電動工具は、金属切削電動工具、研磨電動工具、組み立て電動工具と鉄道用電動工具、例えば、電動ドリル、電動グラインダー、電動レンチ、電動ドライバー、電動ハンマ、ハンマードリル、コンクリート振動機、電動鉋などを含む。本出願の実施例において、上記電力消費装置について特に制限しない。
【0049】
理解すべきこととして、本出願の実施例で説明された技術案は、上記で記述された電力消費装置のみに適用できるというわけではなく、説明を簡潔にするために、下記実施例では、車両1000を例にして説明する。
【0050】
図1は本出願のいくつかの実施例による車両1000の構造概略図である。図1に示されるように、車両1000は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純粋電気自動車、ハイブリッド電気自動車や航続距離延長型電気自動車などであってもよい。車両1000の内部に電池100が設置されており、電池100は、車両1000の底部又は前部又は後部に設置されてもよい。
【0051】
電池100は、車両1000への給電に使用されることができ、例えば、電池100は、車両1000の操作電源とすることができる。車両1000は、コントローラ200と、モータ300とをさらに含んでもよく、コントローラ200は、電池100がモータ300に給電し、例えば、車両1000の始動、ナビゲーション及び走行時の作動電力需要に用いるように制御するためのものである。本出願のいくつかの実施例において、電池100は、車両1000の操作電源として用いることができるだけでなく、車両1000の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1000に駆動動力を提供することもできる。
【0052】
図2は本出願のいくつかの実施例による電池100の組み立て構造概略図である。図3は本出願のいくつかの実施例による電池100の分解概略図である。図2及び図3に示すように、本出願のいくつかの実施例において、電池100は、筐体1と電池セル2とを含む。筐体1は筐体1の高さ方向Zに沿って、対向する頂部101と底部102を有し、底部102には開口103が設置される。電池セル2は、エンドカバー21が底部102に向かうように筐体1内に上下逆さまにし、エンドカバー21に放圧機構212と電極端子211が設置され、放圧機構212と電極端子211がいずれも底部102を向いて設置される。
【0053】
筐体1は筐体1の高さ方向に沿って、対向する頂部101と底部102を有することは、筐体1の頂部101と筐体1の底部102が高さ方向に上から下に順次配列されることを示す。開口103が底部102に設置されることは、即ち、筐体1が高さ方向に下方に向いていることである。説明を容易にするために、本出願の実施例において、高さ方向をZ方向、即ち、垂直方向とする。理解すべきこととして、筐体1の高さ方向Zは他の方向に沿ってもよく、以下の内容において、電池セル2の配置方向などの他の要素を示すために、他の方向について詳細に定義されており、ここでは展開し説明しない。
【0054】
電池セル2は、エンドカバー21が底部102に向かうように筐体1内に上下逆さまにすることは、電池セル2が高さ方向Zに筐体1と互いに上下逆さまに設置されることを示す。エンドカバー21に放圧機構212と電極端子211が設置され、エンドカバー21が底部102に向かうため、放圧機構212と電極端子211も筐体1の底部102に向かう。
【0055】
放圧機構212は、電池セル2の内圧が所定閾値に達したときに作動して内圧を逃がす素子又は部材である。即ち、電池セル2の内圧が所定閾値に達したときに、放圧機構212は動作が発生するか又は一定の状態まで有効化されることによって、電池セル2の内圧を逃がすことである。放圧機構212に発生する動作は、放圧機構212の少なくとも一部が破裂、破砕、破断又は開放されることなどを含んでもよいが、それらに限らない。これにより、内部圧力を逃がすための開口103又は通路などを形成することができる。この時、電池セル2の内部の高温高圧物質は、排出物として、作動する部位から外へ排出される。この方式で、圧力が制御可能である場合には、電池セル2の圧力を逃がすことができ、それによって潜在的なより深刻な事故の発生を回避する。放圧機構212は、例えば、防爆弁、空気弁、放圧弁又は安全弁などのような形式を用いてもよく、そして具体的には感圧性の素子又は構造を用いてもよい。
【0056】
電池セル2が筐体1と上下逆さまに設置されることは、電池セル2を電池100の頂部101に設置させることができることにより、電池100の頂部101の剛度を向上させ、電池100の安全性を高めることができる。そして、電池セル2のエンドカバー21が電池100の底部102に向かうことは、電池100のエネルギー密度を高め、電池100の利用可能性を向上させることができる。電極端子211が底部102に向いて設置されることは、電極端子211に電気接続するための大きい空間を提供することができる。放圧機構212が底部102に向いて設置されることは、放圧機構212の放圧方向を電池100の底部102に向かせることができ、これにより、放圧機構212が電池100の頂部101に接続される他の外部装置に向かって排出することを回避できるため、電池100の安全性を高めることができる。
【0057】
本出願のいくつかの実施例において、筐体1は支持板11と側板12とを含み、支持板11は頂部101に設置され、電池100は支持板11に固定接続されている。
【0058】
支持板11は頂部101に設置され、側板12と高さ方向Zに上から下に順次配列されており、支持板11は水平方向に延伸するプレートであり、電池100の頂部101の剛度を高めるために用いられるものであり、側板12は高さ方向Zに延伸するプレートであり、側板12は支持板11を囲んで設置されるが、底部102に開口103が形成されることにより、筐体1の内部には、電池セル2を収容する空間があるようにする。電池セル2が支持板11に固定接続されることは、電池100の頂部101の剛度を高め、衝突中に電池100が損傷する可能性を低減することができる。
【0059】
任意選択的に、電池セル2は接着の方式によって支持板11と直接接続されてもよく、他の方式によって固定接続されてもよい。
【0060】
任意選択的に、側板12は支持板11と一体成形されてもよく、溶接、接着、締め具またはホットメルトセルフタッピングプロセスなどの接続方式によって支持板11と固定接続されてもよいが、本出願はこれを制限するものではない。
【0061】
任意選択的な実施形態では、支持板11の内部には冷却通路が埋設されている(図示せず)。電池セル2は支持板11に設置され、電池セル2の底部102が支持板11と接触するため、電池100の性能を考慮すると、支持板11の内部には通路が埋設され、その中に熱媒体としての気体または液体が流れていることにより、電池100が作動する時に、電池100に対して電池100の温度を調節する効果を果たすため、電池100の耐用年数と利用可能性を向上させることができる。
【0062】
別の任意選択的な実施形態では、通路は熱管理部材として、電池セル2と支持板11との間に設置されてもよく、電池100の温度を調節できる機能を果たすように形成される任意の他の設置可能な部材であってもよく、本出願の実施例はここでは制限をしない。
【0063】
図4は本出願のいくつかの実施例による電池100の蓋体3の構造概略図である。図4に示すように、本出願のいくつかの実施例において、筐体1は開口103に設置される蓋体3をさらに含み、側板12は互いに接続されフレーム構造を形成し、蓋体3と側板12は固定接続されている。
【0064】
側板12が互いに接続されフレーム構造を形成することは、すなわち、電池セル2を収容するために、側板12が支持板11の周方向に設置され支持板11と組み合わせて筐体1を形成することである。蓋体3と側板12は固定接続され、これにより、開口103をカバーするため、筐体1が比較的密閉された構造を有する。
【0065】
蓋体3は本体部31と嵌合部32とを含み、嵌合部32が本体部31の周方向に設置され、且つ側板12にマッチングされる。即ち、本体部31は側板12より形成された開口103をカバーし、嵌合部32は側板12に固定され、蓋体3と側板12を固定接続する。任意選択的に、嵌合部32と側板12はボルト接続されてもよいが、嵌合部32と側板12は、他の方式を採用して固定接続されてもよい。
【0066】
高さ方向Zにおいて、嵌合部32に対して本体部31は底部102の延伸面から突出している。筐体1の内部に設置される電池セル2と蓋体3の間は比較的長い距離があるようにする。理解すべきこととして、本体部31が嵌合部32に対して突出する距離は電池100のエネルギー密度に基づいて選択すべきであり、大きすぎて電池100の体積増加をもたらすために、電池100のエネルギー密度を低くなるべきではない。
【0067】
図5図2に示す電池100の断面概略図である。図5に示すように、本出願のいくつかの実施例において、電池セル2のエンドカバー21と蓋体3の間に第1の距離H1があり、第1の距離H1は2mm<H1<30mmを満たす。
【0068】
蓋体3の本体部31は嵌合部32に対して底部102の延伸面から突出している場合、第1の距離H1は、高さ方向Zにおいて、電池セル2の電極端と防爆バルブを有する面と本体部31との間の距離を示す。第1の距離H1は2mm<H1<30mmを満たし、好ましくは、第1の距離H1は5mm≦H1≦20mmを満たし、値をこの範囲内にさせて、電池100が適切な体積を有することを保証し、電池100が良好な放電性能を有するようにすることができる。
【0069】
本出願のいくつかの実施例において、第1の距離H1と単一の電池セル2の重量Mとの比は、0.2mm/Kg<H1/M<50mm/Kgを満たす。
【0070】
第1の距離H1と単一の電池セル2の重量Mとの比H1/Mは電池100のエネルギー密度と構造的強度を示することができる。第1の距離H1と単一の電池セル2の重量Mとの比は大きすぎると、電池100のエネルギー密度が低すぎ、第1の距離H1と単一の電池セル2の重量Mとの比は小さすぎると、電池100の構造的強度が不足で、衝突中に安全事故が発生してしまうようになる。従って、H1/Mは0.2mm/Kg<H1/M<50mm/Kgを満たし、好ましくは、H1/Mは0.5mm/Kg≦H/M≦20mm/Kgを満たし、値をこの範囲内にさせて、電池100が良好なエネルギー密度を有するとともに、適切な構造的強度を有する。
【0071】
図6は本出願のいくつかの実施例による電池100を衝突テストする衝突テスト装置Aの構造概略図である。第1の距離H1と単一の電池セル2の重量Mとの比H1/Mは適切な範囲内にある時に電池100が良好な性能を有することを検証するために、例示的に、電池100を衝突テスト装置Aで衝突テストする。図6に示すように、衝突テスト装置AはインパクトヘッドA1、ランチャーA2とラックA3を含む。テストの過程で、電池100をラックA3に置いて、インパクトヘッドA1がランチャーA2により駆動され、一定の速度で電池100へ衝撃するようにする。ここでは、テスト条件は、衝撃方向が高さ方向Zであり、衝撃位置が電池100の脆弱点であり、衝撃エネルギーが90Jであるように選定されてもよい。
【0072】
電池100が車両1000などのような電力消費装置に応用されるため、頂部101が車両1000に取り付けられ、電池100の底部102に対して高さ方向Zに衝撃することにより、電池100が車両1000に取り付けられた後のシーンをシミュレートすることができる。電池100の脆弱点とは、電池100の破壊されやすい位置を指し、この点は通常、電池100の幾何学的中心の半径が240mmである領域内にある。電池100の脆弱点を衝撃することにより、電池100の構造的強度が弱い位置が衝撃を受けた後に電池100の状態をシミュレートすることができる。衝撃エネルギーは90Jであることは、インパクトヘッドA1が4.2m/sの速度で電池100へ衝撃するのと同等である。理解できるように、他の衝撃エネルギー、例えば、120J(衝撃速度は4.9m/sである)又は150J(衝撃速度は5.5m/sである)で電池100を衝撃することもできる。実際のテストの中で、一つの衝撃エネルギーで電池100を複数回衝撃することができ、または複数の衝撃エネルギーで電池100を複数回衝撃することもできる。
【0073】
衝突テスト装置Aによって電池100を衝撃した後、環境温度で2時間観察し、電池100に発火と爆発現象があるかどうかを検出する。任意選択的に、衝突テスト装置Aによって電池100を衝撃テストした後、電池100に対してケース防護レベルなどのテストが実行されてもよく、本出願の実施例はこれを限定しない。
【0074】
表1は第1の距離H1、単一の電池セル2の重量MとH1/Mの値がそれぞれ異なる値を採用する場合、以上の方法によって電池100を衝突テストするテスト結果を示す。
【0075】
【表1】
【0076】
表1に示すように、2mm<H1<30mmを満たし、H1/Mが0.2mm/Kg<H1/M<50mm/Kgを満たす場合、一定の強度の衝突テストで、電池100は発火と爆発が発生せず、良好な安全性を有する。
【0077】
図7は本出願の別のいくつかの実施例による電池100の分解概略図である。図8は本出願の別のいくつかの実施例による電池100の防護アセンブリ4の構造概略図である。図7図8に示すように、本出願のいくつかの実施例において、電池100はさらに防護アセンブリ4を含み、放圧機構212と電極端子211を保護するために、防護アセンブリ4は電池セル2と蓋体3との間に設置される。
【0078】
防護アセンブリ4は、電池セル2と蓋体3との間に設置され、即ち、放圧機構212及び電極端子211と蓋体3との間に設置され、電池セル2と蓋体3を支持するように構成され、これにより、放圧機構212及び電極端子211を保護し、衝突過程において、それらを保護する役割を果たす。
【0079】
本出願のいくつかの実施例において、防護アセンブリ4は筐体1の長手方向に間隔をあけて分布する複数の防護部材41を含み、電池セル2が複数設置されており、各電池セル2の放圧機構212及び電極端子211は隣接する二つの防護部材41の間に位置する。
【0080】
記述を容易にするために、本出願のいくつかの実施例において、筐体1の長手方向をX方向、すなわち、水平方向のうちの一つとする。長さ方向Xと高さ方向Zは互いに垂直であり、長さ方向Xと高さ方向Zは互いの夾角が85の間の夾角であれば、長さ方向Xと高さ方向Zが互いに垂直であると見なされることができる。理解すべきこととして、長手方向Xは他の方向であってもよく、長手方向Xは高さ方向Zと互いに垂直ではなくてもよく、本出願は説明を省略する。
【0081】
電池100において、電池セル2は複数設置されてもよく、複数の電池セル2の間は直列または並列または直並列接続であってもよく、直並列接続は、複数の電池セル2に直列接続も並列接続も含まれることを意味する。複数の電池セル2の間を、直接的に直列接続又は並列接続又は直並列接続してから、複数の電池セル2で構成された全体を筐体1内に収容してもよい。もちろん、電池100は、複数の電池セル2が直列接続または並列接続または直並列接続されて電池100モジュールを構成し、そして複数の電池100モジュールが直列接続または並列接続または直並列接続されて一体化され、筐体1内に収容される形態であってもよい。従って、電池セル2は電池100においてアレイ分布されてもよい。
【0082】
複数の防護部材41は長手方向Xに間隔をあけて分布され、即ち、防護アセンブリ4は複数の電池セル2と蓋体3との間で長手方向Xに配列される。一例として、防護部材41は筋状であってもよく、蓋体3から高さ方向Zに沿って突出し電池セル2に固定され、電池100の放圧機構212と電極端子211を隣接する二つの防護部材41の間に位置させ、これにより、放圧機構212と電極端子211を保護する役割を果たす。
【0083】
本出願のいくつかの実施例において、複数の防護部材41はエッジ防護部材411、第1の防護部材412と第2の防護部材413を含み、長手方向Xに沿って、エッジ防護部材411はアレイ配列される複数の電池セル2の両側のエッジに設置されており、第1の防護部材412と第2の防護部材413は二つのエッジ防護部材411の間で交互に分布される。
【0084】
エッジ防護部材411はアレイ配列される複数の電池セル2の両側のエッジに横置されており、即ち、配列の最も外側にある電池セル2のエッジに設置され、これにより、電池セル2が筐体1に近い位置で、電池セル2の両者を支持する役割を果たす。第1の防護部材412と第2の防護部材413は二つのエッジ防護部材411の間で交互に分布されることは、防護部材41が電池セル2の配列分布をより適応するようにし、これにより、電池セル2をより良く支持する役割を果たすことができる。
【0085】
本出願のいくつかの実施例において、筐体1の幅方向に沿って、第1の防護部材412の延伸長さは第2の防護部材413の延伸長さより大きい。
【0086】
記述を容易にするために、本出願の実施例において、筐体1の幅方向をY方向、すなわち、別の水平方向とする。長さ方向X、高さ方向Zと幅方向Yは互いに垂直であり、長さ方向X、高さ方向Zと幅方向Yは互いの夾角が85の間の夾角であれば、三者が互いに垂直であると見なされることができる。理解すべきこととして、幅方向Yは他の方向であってもよく、幅方向Yは長手方向X及び高さ方向Zと互いに垂直ではなくてもよく、本出願は詳細な説明を省略する。
【0087】
また図3を参照すると、いくつかの任意選択的な実施例では、複数の電池セル2の間はバスバー部品24を介して電気的な接続を実現する。複数の電池セル2を直列接続又は並列接続又は直並列接続するために、バスバー部品24は、隣接する電池セル2の電極端子211の間にブリッジ接続される。本出願のいくつかの実施例において、バスバー部品24は長手方向Xにおいて、隣接する電池セル2の電極端子211の間にブリッジ接続されるため、防護部材41の少なくとも一部はそれを退避する必要がある。従って、幅方向Yにおいて、第1の防護部材412の延伸長さは第2の防護部材413の延伸長さより大きく、これにより、第2の防護部材413にバスバー部品24を退避させる。
【0088】
幅方向Yにおいて、第1の防護部材412と第2の防護部材413の長さが等しくないようにすることは、防護部材にバスバー部品24を退避させることができ、これにより、防護アセンブリ4は電池100の構造によりよく適合し、電池セル2同士の互い直列接続又は並列接続又は直並列接続を容易にする。
【0089】
任意選択的に、バスバー部品24が他の方向に沿って、電極端子211の間にブリッジ接続される場合、第1の防護部材412と第2の防護部材413は具体的な状況に応じてサイズを変化させることができる。
【0090】
任意選択的に、防護部材41の延伸長さは、防護部材41の幅方向Yにおける長さの合計のみを示してもよく、第2の防護部材413の長さの合計は第1の防護部材412より小さくなるようにし、即ち、第2の防護部材413に任意の位置で、第2の防護部材413の端でもよく、第2の防護部材413の中部でもよく、バスバー部品24を退避させることができ、バスバー部品24の配置により決められるが、本出願の実施例において、上記電力消費装置について特に制限しない。
【0091】
本出願のいくつかの実施例において、長手方向Xに沿って、第1の防護部材412と第2の防護部材413の幅はエッジ防護部材411の幅より大きい。
【0092】
エッジ防護部材411が電池セル2アレイのエッジに設置されるため、エッジ防護部材411は長手方向Xにおいて、第1の防護部材412と第2の防護部材413のように、隣接する電池セル2を同時に支持する必要がなく、一列の電池セル2を支持すればよく、エッジ防護部材411の幅は、第1の防護部材412と第2の防護部材413の幅より小さくてもよく、これにより、良好な支持効果を発揮することができる。
【0093】
任意選択的に、第1の防護部材412の長手方向Xにおける幅は第2の防護部材413の幅より小さくてもよい。この場合、第2の防護部材413、第1の防護部材412とエッジ防護部材411は長手方向Xにおける幅が逓減する。
【0094】
図9は本出願のいくつかの実施例による電池100の電池セル2の構造概略図である。図9に示すように、本出願のいくつかの実施例において、エンドカバー21は機能領域201と肩部202を含み、長手方向Xに沿って、肩部202は機能領域201の両側に位置し、機能領域201に放圧機構212と電極端子211が設置され、防護部材41は肩部202と固定接続されている。
【0095】
機能領域201はエンドカバー21に設置される、電池セル2が自体の機能を実行できる領域、または電池セル2が外界とやり取りをすることができる領域を示す。機能領域201に通常、電気的接続部材または他の機能を実行する部材が設置されるため、機能領域201は電池100の使用過程において力を受けないべきである。肩部202はエンドカバー21の機能領域201以外の、力を受けることができる領域を示す。任意選択的に、機能領域201内に、電極端子211は放圧機構212の両側に設置されてもよく、これにより、放圧機構212が放圧する時に、電極端子211に与える影響を低減する。
【0096】
機能領域201は肩部202の間に設置されることにより、肩部202は機能領域201に対して一定の保護効果を実現することができる。電池セル2は肩部202を介して防護部材41に固定され、電池100はよりコンパクトな構造を有し、機能領域201は受けた力により損傷が発生することを回避し、電池セル2の耐用年数を向上させることができる。
【0097】
本出願のいくつかの実施例において、長手方向Xに沿って、エッジ防護部材411の幅D1、第1の防護部材412の幅D2、第2の防護部材413の幅D3、肩部202の幅D4は、0.2D4≦D1≦D4、0.5D4≦D2≦2D4、0.5D4≦D3≦2D4を満たす。
【0098】
エッジ防護部材411が電池100アレイのエッジに設置されるため、エッジ防護部材411は長手方向Xにおいて、エッジの電池セル2の一方側の肩部202のみに接触し、エッジ防護部材411の幅D1が肩部202の幅D4より小さいようにすると、エッジ防護部材411が機能領域201に接触することにより電池セル2の機能に影響を与えることを回避することができ、エッジ防護部材411の幅D1が肩部202の幅D4の0.2倍以上であれば、エッジ防護部材411は電池セル2に十分な支持力を提供することができる。
【0099】
第1の防護部材412が隣接する電池セル2の間に設置されるため、第1の防護部材412の幅D2が肩部202の延伸幅D4の0.5倍以上であれば、電池セル2に十分な支持力を提供することができる。好ましくは、第1の防護部材412の幅D2が肩部202の延伸幅D4以上である場合、第1の防護部材412は隣接する二つの電池セル2を同時に積載することができ、オフセットの原因で一方しか積載されないことにより、電池100が不均一な力を受けるために構造安定性が不良になることを生じない。また、第1の防護部材412の幅D2が肩部202の幅D4の2倍以下であれば、第1の防護部材412は隣接する二つの電池セル2を同時に積載する場合、隣接する二つの電池セル2の肩部202のみに接触するようにし、機能領域201との接触により電池セル2の機能に影響することを回避することができる。
【0100】
第1の防護部材412と同様に、第2の防護部材413の幅D3は肩部202の延伸幅D4の0.5倍以上で、且つ肩部202の幅D4の2倍以下であってもよい。
【0101】
本出願のいくつかの実施例において、高さ方向Zにおいて、防護部材の延伸高さは電極端子211の延伸高さより大きい。
【0102】
筐体1の高さ方向Zにおいて、防護部材41の延伸高さは電極端子211の延伸高さより大きいことにより、電極端子211は隣接する防護部材41の間に懸架され、他の部材との接触により機能に影響することを回避できる。
【0103】
本出願のいくつかの実施例において、電池100は、絶縁プレート42をさらに含み、絶縁プレート42は、水平方向における外部衝撃力を吸収し分散するために、防護アセンブリ4と蓋体3との間に設置される。
【0104】
絶縁プレート42を設置することにより、防護アセンブリ4における複数の防護部材41を全体として組み合わせることができ、且つ長手方向Xに延伸する絶縁プレート42の設置は、防護部材4の力受けを分散させ、電池100の構造的強度を向上させることができる。
【0105】
任意選択的に、電池セル2間の電気的接続に影響を与えないようにするために、絶縁プレート42と防護アセンブリ4はいずれも絶縁部材であってもよい。理解できるように、絶縁部材は、絶縁プレート42と防護アセンブリ4が絶縁材質であってもよく、表面が絶縁材質で覆われ、全体として絶縁性を呈する物体であってもよいことを示す。絶縁プレート42と防護アセンブリ4は表面が絶縁材質で覆われる物体である場合、コア材料は、金属材質、絶縁材質、または複合材質などであってもよく、コア材料の外面は絶縁材質で覆われる。
【0106】
任意選択的に、防護アセンブリ4の製造を容易にするために、防護アセンブリ4と絶縁プレート42は一体成形されてもよい。防護アセンブリ4と絶縁プレート42は互いに取り外し可能に接続されてもよく、電池セル2の配置に応じて、防護アセンブリ4の位置を調整するのに有利であり、これにより、防護アセンブリ4はより広い使用シーンがある。
【0107】
本出願のいくつかの実施例において、絶縁プレート42は蓋体3と固定接続されている。
【0108】
絶縁プレート42は蓋体3と固定接続されてもよい。これにより、電池100の構造的堅牢性を向上させる。任意選択的に、絶縁プレート42は蓋体3に当接してもよいが、本出願の実施例はこれを限定しない。
【0109】
図10図7に示す電池100の断面概略図である。図11図10の円形枠Bでの拡大概略図である。図10及び図11に示すように、任意選択的な実施形態では、筐体1の高さ方向Zにおいて、防護アセンブリ4の延伸高さは第2の距離H2であり、第2の距離H2は0.5mm≦H2≦30mmを満たす。
【0110】
防護アセンブリ4は高さ方向Zにおいて、一定のサイズを有することにより、それを絶縁プレート42から突出させ、電池セル2を支持し積載することができる。防護アセンブリ4は第2の距離H2を有することにより、電池セル2のエンドカバー21が蓋体3と一定の距離を保持し、電池100のエネルギー密度を適度に保つことができる。
【0111】
第2の距離H2と単一の電池セル2の重量Mとの比H2/Mは、電池100のエネルギー密度と構造的強度を示すことができ、第2の距離H2と単一の電池セル2の重量Mとの比が大きすぎると、電池100のエネルギー密度が低くなり、第2の距離H2と単一の電池セル2の重量Mとの比は小さすぎると、電池100の構造的強度が不足で、衝突中に安全事故が発生してしまうようになる。従って、第2の距離H2と単一の電池セル2の重量Mとの比H2/Mは、0.05mm/Kg≦H2/M≦50mm/Kgを満たし、値をこの範囲内にさせて、電池100が良好なエネルギー密度を有するとともに、適切な構造的強度を有する。
【0112】
第2の距離H2と単一の電池セル2の重量Mとの比H2/Mは適切な範囲内にある時に電池100が良好な性能を有することを検証するために、電池100を構造的強度テストする。電池100を構造的強度テストする過程において、例示的に、せん断強度テスト、圧縮強度テストなどの複数のテストによって、電池100の構造的強度を判定することができる。
【0113】
せん断強度テストにおいて、例示的に、電池100は、せん断試験機のクランプ間に固定され、せん断試験機の検査ヘッドを使用し、電池100を5mm/minの速度で長さ方向Xまたは幅方向Yに移動するように駆動し、筐体1が損傷されたときに検査ヘッドによって加えられた引張力Fを記録する。高度方向Zにおける電池100の投影面積を面積Aとし、F/Aの値は、即ち、電池100が耐えられるせん断強度である。
【0114】
圧縮強度テストにおいて、例示的に、押圧ヘッドを使用し、高さ方向Z及び長さ方向Xまたは幅方向Yにおいて、電池100に圧力を加えて、2m/sの速度で電池100へ推進し、押圧力が50KNに達したまたは電池100の変形量が30%に達した時に停止し、このまま10分間保持し、圧縮強度テスト後、環境温度で電池100を静置し2時間観察していた。
【0115】
任意選択的に、他の構造的強度テストによって、電池100の構造的強度をテストすることができるが、本出願の実施例はここでは制限をしない。
【0116】
表2は第2の距離H2、単一の電池セル2の重量MとH2/Mの値がそれぞれ異なる値を採用する場合、以上の方法によって電池100を構造的強度テストする結果を示す。
【0117】
【表2】
【0118】
表2に示すように、H2が0.5mm≦H2≦30mmを満たし、H2/Mは0.05mm/Kg≦H2/M≦50mm/Kgを満たす場合、構造的強度テストでは、電池100は良好な構造的強度を有する。
【0119】
理解すべきこととして、電池100のいくつかの実施例に対する以上の記述は、例示的なものに過ぎず、電池100は他の構造を有することもできる。
【0120】
いくつかの任意選択的な実施例では、筐体1は、直方体、又は円柱体などの単純な立体構造であってもよいし、直方体、又は円柱体などの単純な立体構造を組み合わせた複雑な立体構造であってもよい。筐体1の材質は、例えば、アルミ合金、鉄合金などの合金材料であってもよいし、ポリカーボネート、ポリイソシアヌレートフォームなどの高分子材料であってもよいし、又はガラス繊維とエポキシ樹脂との複合材料であってもよい。筐体1のシール性を高めるために、蓋体3と側板12の間にシール部材、例えばシーラントやシールリングなどを設置してもよい。本出願は以上の実行可能な設定について制限しない。
【0121】
ここで、各電池セル2は、二次電池又は一次電池であってもよく、リチウム硫黄電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池であってもよいが、それらに限らない。電池セル2は、円柱体、扁平体、直方体又は他の形状などを呈してもよい。
【0122】
図12は本出願のいくつかの実施例の電池セルの内部構造概略図である。電池セル2とは、電池100を構成する最小単位を指す。図12に示すように、電池セル2は、エンドカバー21、ケース22、電極アセンブリ23及び他の機能的部品をさらに含む。
【0123】
エンドカバー21は、ケース22の開口をカバーして電池セル2の内部環境を外部環境から隔離する部材を意味する。エンドカバー21の形状は、ケース22に合うようにケース22の形状に適合してもよいが、これに限定されない。任意選択的に、エンドキャップ21は、一定の硬度と強度を有する材質(例えば、アルミニウム合金)で作製されてもよい。これにより、エンドキャップ21は、押圧・衝突時に変形しにくく、電池セル2の構造的強度をより高めることができ、安全性能を向上させることもできる。エンドキャップ21には、電極端子211と防爆バルブなどの機能的部品が設置される。電極端子211は、電池セル2の電気エネルギーを入出力するために、電極アセンブリ23との電気的接続に用いられてもよい。いくつかの実施例では、エンドカバー21には、電池セル2の内圧又は温度が閾値に達したときに内圧を逃がすための圧力逃がし機構212が設置されてもよい。エンドカバー21の材質は、種々のものが可能であり、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレススチール、アルミニウム合金、プラスチックなどであってもよく、本出願の実施例では特にこれについて限定しない。いくつかの実施例では、エンドカバー21の内側に絶縁部材が設けられてもよく、絶縁部材は、短絡のリスクを低減するために、ケース22内の電気接続プレートをエンドカバー21から隔離するために用いられてもよい。例示的に、絶縁部材は、プラスチック、ゴムなどであってもよい。
【0124】
ケース22は、エンドカバー21に合って電池セル2の内部環境を形成するためのアセンブリであり、ここで、形成された内部環境は、電極アセンブリ23、電解液(図示せず)、及び他の部材を収容するために用いられることができる。ケース22とエンドカバー21は、独立した部材であってもよく、ケース22に開口を設け、開口のところにエンドカバー21で開口をカバーさせることにより、電池セル2の内部環境を形成してもよい。エンドキャップ21とケース22とを一体化してもよいが、これに限定されない。具体的には、エンドカバー21とケース22とは、他の部品がケースに入る前に、1つの共通の連結面を形成し、ケース22の内部をパッケージする必要がある場合、エンドカバー21にケース22をカバーさせてもよい。ケース22は、様々な形状と寸法、例えば、直方体形状、円柱体形状、六角柱形状などであってもよい。具体的には、ケース22の形状は、電極アセンブリ23の具体的な形状と寸法に基づいて確定されてもよい。ケース22の材質は、種々のものが可能であり、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレススチール、アルミニウム合金、プラスチックなどであってもよく、本出願の実施例では特にこれについて限定しない。
【0125】
電極アセンブリ23は、電池セル2において電気化学反応が発生する部材である。ケース22内には、一つ又は複数の電極アセンブリ23が含まれてもよい。電極アセンブリ23は、主に正極板と負極板を捲回又は積層して形成され、一般的には、正極板と負極板との間にセパレータが設けられる。正極板と負極板の活物質を有する部分は電極アセンブリ23の本体部を構成し、正極板と負極板の活物質を有しない部分は、それぞれタブを構成する。正極タブと負極タブは、共に本体部の一端に位置してもよいし、またはそれぞれ本体部の両端に位置してもよい。電池100の充放電過程において、正極活物質と負極活物質は、電解液と反応し、タブは、電極端子211に接続されて電流回路を形成する。
【0126】
本出願のいくつかの実施例では、電池100は筐体1と電池セル2とを含み、筐体1は高さ方向Zにおいて、対向する頂部101と底部102を有し、筐体1の開口103が底部102に設置され、電池セル2は、エンドカバー21が底部102に向かうように筐体1内に上下逆さまにし、エンドカバー21に電極端子211と放圧機構212が設置され、電極端子211と放圧機構212がいずれも底部102に向いている。筐体1は開口103に設置される蓋体3をさらに含み、電池セル2のエンドカバー21と蓋体3の間に第1の距離H1があり、第1の距離H1が2mm<H1<30mmを満たし、第1の距離H1と単一の電池セル2の重量Mとの比H1/Mは0.2mm/Kg<H1/M<50mm/Kgを満たす場合、表1に示すように、一定の強度の衝突テストで、電池100は発火と爆発が発生せず、良好な安全性を有する。
【0127】
場合によっては、本出願の実施例による電池100は、電池セル2のエンドカバー21が底部102に向かうように筐体1内に上下逆さまにし、電池100の頂部の剛度を高めることができる。電極端子211と放圧機構212が共に底部102に向いて設置されることは、電池100の安全性を向上させることができる。
【0128】
説明すべきこととして、矛盾しない場合、本出願における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0129】
最後に説明すべきこととして、上述の実施例は、本出願の技術案を説明するためのみに用いられ、それを制限するものではない。前記の各実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、依然として前記の各実施例に記載の技術案を修正し、又はその一部の技術的特徴に同等置換を行うことができ、これらの修正や置換によって、対応する技術案の実質が本出願の各実施例の技術案の精神と範囲から逸脱することはない。
【符号の説明】
【0130】
1000、車両、100、電池、200、コントローラ、300、モーター、1、筐体、101、頂部、102、底部、103、開口、11、支持板、12、側板、2、電池セル、201、機能領域、202、肩部、21、エンドカバー、211、電極端子、212、放圧機構、22、ケース、23、電極アセンブリ、24、バスバー部材、3、蓋体、31、本体部、32、嵌合部、4、防護アセンブリ、41、防護部材、411、エッジ防護部材、412、第1の防護部材、413、第2の防護部材、42、絶縁プレート、
X、長手方向、Y、幅方向、Z、高さ方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-04-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
筐体(1)であって、前記筐体(1)の高さ方向に沿って、対向する頂部(101)と底部(102)を有し、前記底部(102)には開口(103)が設置されるものと、
電池セル(2)であって、前記電池セル(2)は、エンドカバー(21)が前記底部(102)に向かうように前記筐体(1)内に上下逆さまにし、前記エンドカバー(21)に放圧機構(212)と電極端子(211)が設置され、前記放圧機構(212)と前記電極端子(211)がいずれも前記底部(102)に向いて設置されるものとを含む、電池。
【請求項2】
前記筐体(1)は支持板(11)と側板(12)とを含み、前記支持板(11)は前記頂部(101)に設置され、前記電池は前記支持板(11)に固定接続されている、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記筐体(1)は前記開口(103)に設置される蓋体(3)をさらに含み、前記側板(12)は互いに接続されてフレーム構造を形成し、前記蓋体(3)と前記側板(12)は固定接続されている、請求項2に記載の電池。
【請求項4】
前記高さ方向において、前記電池セル(2)の前記エンドカバー(21)と前記蓋体(3)の間に第1の距離H1があり、前記第1の距離H1は2mm<H1<30mmを満たす、請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記第1の距離H1と単一の前記電池セル(2)の重量Mとの比H1/Mは、0.2mm/Kg<H1/M<50mm/Kgを満たす、請求項4に記載の電池。
【請求項6】
前記電池は防護アセンブリ(4)をさらに含み、前記放圧機構(212)と前記電極端子(211)を保護するために、前記防護アセンブリ(4)は前記電池セル(2)と前記蓋体(3)との間に設置される、請求項3に記載の電池。
【請求項7】
前記防護アセンブリ(4)は前記筐体(1)の長手方向に間隔をあけて分布する複数の防護部材(41)を含み、前記電池セル(2)が複数設置されており、各前記電池セル(2)の前記放圧機構(212)及び前記電極端子(211)は隣接する二つの前記防護部材(41)の間に位置する、請求項6に記載の電池。
【請求項8】
前記複数の防護部材(41)はエッジ防護部材(411)、第1の防護部材(412)と第2の防護部材(413)を含み、前記長手方向に沿って、前記エッジ防護部材(411)はアレイ配列される複数の前記電池セル(2)の両側のエッジに設置されており、前記第1の防護部材(412)と第2の防護部材(413)は二つの前記エッジ防護部材(411)の間で交互に分布される、請求項7に記載の電池。
【請求項9】
前記筐体(1)の幅方向に沿って、前記第1の防護部材(412)の延伸長さは前記第2の防護部材(413)の延伸長さより大きい、請求項8に記載の電池。
【請求項10】
前記長手方向に沿って、前記第1の防護部材(412)と前記第2の防護部材(413)の幅は前記エッジ防護部材(411)の幅より大きい、請求項8に記載の電池。
【請求項11】
前記エンドカバー(21)は機能領域(201)と肩部(202)を含み、前記長手方向に沿って、前記肩部(202)は前記機能領域(201)の両側に位置し、前記機能領域(201)に前記放圧機構(212)と前記電極端子(211)が設置され、前記防護部材(41)は前記肩部(202)と固定接続されている、請求項8に記載の電池。
【請求項12】
前記長手方向に沿って、前記エッジ防護部材(411)の幅D1、前記第1の防護部材(412)の幅D2、前記第2の防護部材(413)の幅D3、前記肩部(202)の幅D4は、0.2D4≦D1≦D4、0.5D4≦D2≦2D4、0.5D4≦D3≦2D4を満たす、請求項11に記載の電池。
【請求項13】
前記高さ方向において、前記防護部材(41)の延伸高さは前記電極端子(211)の延伸高さより大きい、請求項7に記載の電池。
【請求項14】
前記電池は、絶縁プレート(42)をさらに含み、前記絶縁プレート(42)は、前記防護アセンブリ(4)と前記蓋体(3)との間に設置される、請求項6に記載の電池。
【請求項15】
前記絶縁プレート(42)は前記蓋体(3)と固定接続されている、請求項14に記載の電池。
【請求項16】
電力消費装置であって、請求項1~15のいずれか一項に記載の電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを提供するためのものである、電力消費装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
第2の態様において、本願の実施例は、電気エネルギーを提供するための第1の態様のいずれかの実施形態の電池を含む電力消費装置を提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
本出願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、三つの関係が存在してもよいことを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つの場合を表してもよい。また、本出願における文字「」は、一般的には前後の関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
本出願において、電池はより高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本出願に言及びされる電池は、電池モジュール又は電池パックなどであってもよい。電池は、一般的には、一つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。電池において、複数の電池セルの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続であってもよく、直並列接続は、複数の電池セルに直列接続も並列接続も含まれることを意味する。複数の電池セルの間を、直接的に直列接続又は並列接続又は直並列接続してから、複数の電池セルで構成された全体を筐体内に収容してもよい。勿論、電池は複数の電池セルを直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュールを構成し、さらに複数の電池モジュールを直列接続又は並列接続又は直並列接続して一つの全体として形成し、筐体内に収容してもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
これに鑑み、本出願の実施例は、電池を提供し、開口が筐体の底部に設置され、電池セルが筐体内に設置され、エンドカバーが筐体内に上下逆さまにするために底部に向いていることにより、電池全体の剛度を高め、衝突中のその損傷の発生確率を減らすことができる。電極端子と放圧機構が共に底部に向いて設置されることにより、電池の安全性を向上させることができる。そして、電池の電極端子から蓋体までの距離と電池セルの重量との比を調整することにより、電池のエネルギ密度を保証するとともに、電池の全体的な構造的強度を調整し、電池の性能をさらに向上させることができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0068】
蓋体3の本体部31は嵌合部32に対して底部102の延伸面から突出している場合、第1の距離H1は、高さ方向Zにおいて、電池セル2の電極端子と防爆バルブを有する面と本体部31との間の距離を示す。第1の距離H1は2mm<H1<30mmを満たし、好ましくは、第1の距離H1は5mm≦H1≦20mmを満たし、値をこの範囲内にさせて、電池100が適切な体積を有することを保証し、電池100が良好な放電性能を有するようにすることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
第1の距離H1と単一の電池セル2の重量Mとの比H1/Mは電池100のエネルギー密度と構造的強度を示することができる。第1の距離H1と単一の電池セル2の重量Mとの比は大きすぎると、電池100のエネルギー密度が低すぎ、第1の距離H1と単一の電池セル2の重量Mとの比は小さすぎると、電池100の構造的強度が不足で、衝突中に安全事故が発生してしまうようになる。従って、H1/Mは0.2mm/Kg<H1/M<50mm/Kgを満たし、好ましくは、H1/Mは0.5mm/Kg≦H/M≦20mm/Kgを満たし、値をこの範囲内にさせて、電池100が良好なエネルギー密度を有するとともに、適切な構造的強度を有する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
記述を容易にするために、本出願のいくつかの実施例において、筐体1の長手方向をX方向、すなわち、水平方向のうちの一つとする。長さ方向Xと高さ方向Zは互いに垂直であり、長さ方向Xと高さ方向Zは互いの夾角が85°~95°の間の夾角であれば、長さ方向Xと高さ方向Zが互いに垂直であると見なされることができる。理解すべきこととして、長手方向Xは他の方向であってもよく、長手方向Xは高さ方向Zと互いに垂直ではなくてもよく、本出願は説明を省略する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
記述を容易にするために、本出願の実施例において、筐体1の幅方向をY方向、すなわち、別の水平方向とする。長さ方向X、高さ方向Zと幅方向Yは互いに垂直であり、長さ方向X、高さ方向Zと幅方向Yは互いの夾角が85°~95°の間の夾角であれば、三者が互いに垂直であると見なされることができる。理解すべきこととして、幅方向Yは他の方向であってもよく、幅方向Yは長手方向X及び高さ方向Zと互いに垂直ではなくてもよく、本出願は詳細な説明を省略する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正の内容】
図12
【国際調査報告】