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▶ ファルマリダー、ソシエダッド、アノニマの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】タダラフィル経口懸濁剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4985 20060101AFI20241029BHJP
   A61K 31/18 20060101ALI20241029BHJP
   A61P 15/10 20060101ALI20241029BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20241029BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 47/40 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
A61K31/4985
A61K31/18
A61P15/10
A61P15/00
A61P43/00 121
A61K9/10
A61K47/40
A61K47/38
A61K47/36
A61K47/20
A61K47/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524693
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 EP2022079659
(87)【国際公開番号】W WO2023072872
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】21382964.1
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522011366
【氏名又は名称】ファルマリダー、ソシエダッド、アノニマ
【氏名又は名称原語表記】FARMALIDER, S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100210675
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 潤
(72)【発明者】
【氏名】ヌリア、サンス、メネンデス
(72)【発明者】
【氏名】アンヘル、ムニョス、ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ルイス、ナルシソ、サンテ、セルナ
(72)【発明者】
【氏名】アントニオ、ポルトレス、ペレス
(72)【発明者】
【氏名】エミリオ、バルガス、カストリジョン
(72)【発明者】
【氏名】ギジェルモ、ルビオ、メンコ
(72)【発明者】
【氏名】ラケール、オルカハダ、コルドバ
(72)【発明者】
【氏名】エステル、ドゥアルト、ゴンサレス
(72)【発明者】
【氏名】ホセ、カルロス、イグレシアス、サンチェス
(72)【発明者】
【氏名】アントニア、ゴメス、カルボ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA22
4C076BB01
4C076CC17
4C076EE30
4C076EE31
4C076EE32
4C076EE39
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB09
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA23
4C086MA52
4C086NA05
4C086ZA81
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206JA13
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA43
4C206MA72
4C206NA05
4C206ZA81
4C206ZC75
(57)【要約】
本発明は、0.01~5%(重量/体積)のタダラフィル、シクロデキストリン、共処理された結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガムならびに媒体としての水を含んでなるタダラフィル経口懸濁剤に関する。上記懸濁剤は、化学的および物理的に安定であり、市販タダラフィルフィルムコート錠剤と等しい溶解プロファイルを示す。上記タダラフィル懸濁剤は、男性勃起不全および前立腺肥大症の治療に適している。本発明は、上記タダラフィルおよび、特に放出調節錠剤の形態のタムスロシン、またはデュタステリドのいずれかを含んでなる固定用量組合せ投薬形態にも関する。上記組合せ投薬形態は、前立腺肥大症に関連する下部尿路症状の治療のために有用である。本発明は、上記タダラフィル組成物の調製方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)0.01%(重量/体積)~5%(重量/体積)に含まれる量のタダラフィルと、
b)シクロデキストリンと、
c)共処理された結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(MCC-NaCMC)と、
d)キサンタンガムと、
e)水と、
を含んでなる、水性懸濁剤の形態の経口投与のための医薬組成物。
【請求項2】
前記タダラフィルの量が、0.02%(重量/体積)~2.0%(重量/体積)、好ましくは0.05%(重量/体積)~1.5%(重量/体積)、より好ましくは0.08%(重量/体積)~1.2%(重量/体積)、更により好ましくは0.09%(重量/体積)~1.1%(重量/体積)、更により好ましくは0.1%(重量/体積)~1.0%(重量/体積)に含まれる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記シクロデキストリンの量が、0.01%(重量/体積)~0.25%(重量/体積)、好ましくは0.02%(重量/体積)~0.20%(重量/体積)、より好ましくは0.03%(重量/体積)~0.10%(重量/体積)に含まれる、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、高度分岐シクロデキストリン(HBCD)、およびこれらの混合物から選択され、好ましくはα-シクロデキストリンおよびβ-シクロデキストリンから選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記共処理されたCMC-NaCMCの量が、0.5%(重量/体積)~2.0%(重量/体積)、好ましくは0.6%(重量/体積)~1.4%(重量/体積)、より好ましくは0.7%(重量/体積)~1.3%(重量/体積)、更により好ましくは0.8%(重量/体積)~1.2%(重量/体積)、更により好ましくは0.9%(重量/体積)~1.1%(重量/体積)に含まれ、更により好ましくは約1.0%(重量/体積)である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記キサンタンガムの量が、0.10%(重量/体積)~1.50%(重量/体積)、好ましくは0.20%(重量/体積)~1.00%(重量/体積)、より好ましくは0.25%(重量/体積)~0.90%(重量/体積)、更により好ましくは0.30%(重量/体積)~0.85%(重量/体積)、更により好ましくは0.35%(重量/体積)~0.75%(重量/体積)、更により好ましくは0.40%(重量/体積)~0.65%(重量/体積)、更により好ましくは0.45%(重量/体積)~0.60%(重量/体積)に含まれる、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、0.010%(重量/体積)~0.100%(重量/体積)、より好ましくは0.020%(重量/体積)~0.085%(重量/体積)、更により好ましくは0.030%(重量/体積)~0.090%(重量/体積)に含まれる量で界面活性剤、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムを含んでなる、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、好ましくは0.001%(重量/体積)~5%(重量/体積)に含まれる濃度で防腐剤を含んでなる、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、2.5~7、好ましくは4.0~6.5、より好ましくは5.5~6に含まれる値まで前記組成物のpHを調整するためのpH調整剤を含んでなる、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記pH調整剤が、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、トリス緩衝液、またはリン酸緩衝液である緩衝剤である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のタダラフィル水性懸濁剤と、タムスロシンまたはその薬剤的に許容可能な塩およびデュタステリドまたはその薬剤的に許容可能な塩から選択される第二薬物とを含んでなる、固定用量組合せ投薬形態。
【請求項12】
好ましくはタムスロシン塩酸塩としてタムスロシンを含んでなり、好ましくは放出調節錠剤の形態である、請求項11に記載の固定用量組合せ投薬形態。
【請求項13】
次のステップ:
(v)シクロデキストリン、共処理されたMCC-NaCMC、およびキサンタンガムと総水の一部とを混合して、均質な混合物を得ることと、
(vi)別途タダラフィルと総水の別の一部とを混合して、均質な混合物を得ることと、
(vii)前記ステップ(ii)の混合物を、前記ステップ(i)の混合物に添加することと、
(viii)水の残りを添加することと、
を含んでなる、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物を調製する方法。
【請求項14】
治療において使用するための、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物または請求項11もしくは12に記載の固定用量組合せ投薬形態。
【請求項15】
男性の勃起不全の治療もしくは前立腺肥大症の治療において使用するための請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物または前立腺肥大症の治療において使用するための請求項11もしくは12に記載の固定用量組合せ投薬形態。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、市場で入手可能な固体経口タダラフィル製剤と比較して、安定であり、等しい溶解プロファイルを提供する経口懸濁剤の形態のタダラフィル医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
タダラフィルは、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)の選択的阻害薬である。タダラフィルによるPDE5の阻害は、種々の組織、特に性的刺激下の陰茎の陰茎海綿体、更に前立腺、膀胱および肺組織における環状グアノシン一リン酸(cGMP)レベルを増加させて、血管平滑筋の弛緩、血液かん流増加および/またはこれらの組織の血管拡張をもたらすことが知られている。この薬理学的機序に基づいて、タダラフィルは、種々の病態、特に、勃起不全、前立腺肥大症(BPH)更に肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療のための治療法において使用される。
【0003】
例えば、医薬品Cialis(登録商標)は、有効成分としてタダラフィルを含み、2.5、5、10および20mg力価のフィルムコート錠剤として入手可能である。これらの全ては、勃起不全の治療に適応され、利用可能な種々の用量は特定の患者のニーズを満たすことを目的としている。典型的には、予期される性行為前に10mgまたは20mgのいずれかの固有の用量を服用することが推奨される。しかしながら、場合によっては、2.5mgまたは5mgのより低い用量の1日1回レジメンは有利かも知れない。
【0004】
他方では、5mg力価錠剤は、前立腺肥大症(BPH)の兆候および症状の治療にも適応される。
【0005】
錠剤またはカプセル剤として固体医薬用製剤は、有効成分の投与のために利用可能な最も一般的な形態である。しかしながら、特定の環境下では、これらの使用は、例えば、患者にとって嚥下することが困難であり、完全に満足される訳ではない。これらの患者にとって、代替となる液体製剤が入手可能となることは有用であるかも知れない。更に、液体製剤は、更なる利点、例えば、液体を嚥下する必要性がなく、より便利な投与および有効成分、すなわち、タダラフィルの必要な容量をより良く調整できる可能性を提供し得る。
【0006】
しかしながら、液体製剤の製剤は、総じて、標準的錠剤およびカプセル剤の製剤より複雑であり、実質的に水に不溶性であるタダラフィルなどのこれらの有効成分にとって特に課題である。これらの場合のため、懸濁製剤は、総じて、優れた選択である。しかしながら、化学的および物理的に安定な懸濁剤、すなわち、化学分解および沈降問題の両方ともが最小化されている懸濁剤の製剤は、ありふれたものではない。更に、経済的理由と、可能性のある有害作用の危険性または賦形剤に対する不耐問題を低減するためとの両方において、水以外のほんの少量の賦形剤を含む簡単な製剤を開発することも望ましい。
【0007】
新規タダラフィル懸濁製剤の開発における別の課題は、これらの懸濁製剤が、既に市場で入手可能である市販固体製剤、すなわち、Cialis(登録商標)フィルムコート錠剤と等しい薬物動態プロファイルを提供することが必要であることである。タダラフィルとして低溶解度薬物のため、溶解は典型的には吸収の律速段階であり、したがって、in vitro溶解試験は、総じて、in vivo吸収挙動と良好な相関関係を示している。したがって、これに関して、Cialis(登録商標)フィルムコート錠剤と類似したin vitro溶解プロファイルを提供するタダラフィル懸濁製剤は、第一の標的であろう。
【0008】
他方では、特定の病態を治療するため、他の有効成分とのタダラフィルの組合せは、有利である可能性がある。詳細には、例えば、タダラフィルおよびアドレナリンα1受容体アンタゴニストであるタムスロシンの組合せは、例えば、Sebastianelli et al., J. Clin. Med., 2019, 8, 1126に開示されている前立腺肥大症(BPH)に関連する下部尿路症状(LUTS)を有する患者の治療に関して当技術分野において広く報告されている。加えて、タダラフィルおよびテストステロン5αレダクターゼ阻害薬であるデュタステリドの組合せの利点も、当技術分野において開示されており、例えば、Ozkidik et al., Turk. J. Urol., 2018, 44, 294に開示されている。
【0009】
したがって、タダラフィル懸濁製剤が、他の薬物、特に、タムスロシンまたはデュタステリドとの特定の有用な固定用量の組合せも含むことは望ましいであろう。しかしながら、これらの種類の複合製剤は、組み合わされた薬物の各々の異なる物理化学特性および投与要件が理由で製剤化するのが特に困難であろう。詳細には、例えば、タムスロシンのより一貫した放出を提供するとき、タムスロシンが遅延放出製剤で好ましく提供されることが知られているので、タダラフィル-タムスロシンの組合せは、特に課題である(Prabhu et al., Drugs Ther. Perspect., 2019, 35, 181-184)。
【0010】
いくつかのタダラフィル懸濁剤は、従来技術において開示されている。例えば、国際公開第2020/039263号は、総じて、例えば、クエチアピン、シルデナフィル、タダラフィル、シナカルセット、チカグレロル、ミコフェノール酸エステル、アプレピタント、ゾニサミドまたはプリミドンを含む不溶性薬物の経口懸濁製剤に関する。適切な賦形剤の広範なリストは提供されており、懸濁剤、結合剤/充填剤および緩衝剤が挙げられる。タダラフィルなどの低湿潤性および2.5より高いlogPを有する薬物のため、懸濁剤は、300~400mg/mlのグリセリンを含む。
【0011】
国際公開第2018/142189号は、改良されたバイオアベイラビリティーのナノ粒子またはタダラフィルもしくはシルデナフィルクエン酸塩の安定な懸濁剤の製造方法を開示している。上記方法は、ジメチルスルホキシド(DMSO)中の有効成分の溶液を調製すること、および、連続的ホモジナイズ化の下、好ましくは、レシチン、ゼラチン、デンプンまたはこれらの組合せである分散化剤水溶液にこの溶液を添加することを含んでなる。
【0012】
当技術分野において今まで利用可能な提案は、タダラフィル懸濁剤のための所望の要件全てを満たさない。したがって、化学的および物理的に安定であり、簡単であり、Cialis(登録商標)市販フィルムコート錠剤と等しいin vitro溶解プロファイルを提供するタダラフィル懸濁剤を提供するニーズが依然と存在する。
【発明の概要】
【0013】
本発明の目的は、水性経口懸濁剤の形態のタダラフィル医薬組成物である。
【0014】
本発明の別の態様は、上記タダラフィル医薬組成物およびタムスロシンを含んでなる固定用量組合せ投薬形態である。
【0015】
本発明の別の態様は、上記タダラフィル医薬組成物およびデュタステリドを含んでなる固定用量組合せ投薬形態である。
【0016】
本発明の別の態様は、上記タダラフィル医薬組成物の調製方法である。
【0017】
本発明の別の態様は、医薬用途のタダラフィル組成物および固定用量組合せ投薬形態である。
【発明の具体的説明】
【0018】
本発明の目的は、以下:
a)0.01%(重量/体積)~5%(重量/体積)に含まれる量のタダラフィルと、
b)シクロデキストリンと、
c)共処理された(coprocessed)結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(MCC-NaCMC)と、
d)キサンタンガムと、
e)水と、
を含んでなる、水性懸濁剤の形態の経口投与のための医薬組成物である。
【0019】
本発明者らは、有効成分としてのタダラフィルを含んでなり、シクロデキストリン、共処理されたMCC-NaCMCおよびキサンタンガムを含んでなる水性懸濁剤の形態の液体医薬組成物であって、驚くべきことに、最適な物理化学的特性を有するだけでなく、商業的に入手可能なCialis(登録商標)フィルムコート錠剤と非常に類似しているin vitro溶解プロファイルも提供する、液体医薬組成物を開発した。
【0020】
特許請求の範囲だけでなく、本明細書に沿って、一般に冠詞「a」、「an」または「the」が先行する単数形の表現は、文脈上明白に別の意味が示されない限り、複数形も含むことが意図される。更に、「about(約)」または「approximately(約)」が先行する数値は、正確な表示された値およびかかる値辺りの特定の変分、すなわち、表示された量の変分または±5%も含むことが意図される。下限および上限により規定されている数値範囲は、上記表示された端点も含むことが意図される。
【0021】
別段に指定されない限り、特許請求の範囲だけでなく、本明細書に沿って、組成物の各構成要素の開示されているパーセンテージは、重量/体積(%w/v)、すなわち、組成物100ml中の各構成要素のグラムである。
【0022】
本発明の組成物の調製に使用される賦形剤は、当技術分野において周知であり、広く入手可能であり、例えば、参考文献P.J. Sheskey, W.G. Cook and C.G. Cable, Handbook of Pharmaceutical Excipients, Eighth Edition, Pharmaceutical Press, 2017 [ISBN: 978-0-8571-1271-2]に記載されている。更に、組成物を調製するための一般的賦形剤および手順は、文献J.P Remington and A. R. Genaro, Remington, The Science and Practice of Pharmacy, 20th edition, Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia, 2000 [ISBN: 0-683-306472] または文献M.E. Aulton and K.M.G. Taylor, Aulton’s Pharmaceutics, the design and manufacture of medicines, 4th edition, Churchill Livingstone Elsevier, 2013 [ISBN: 978-0-7020-4290-4]に記載されている。
【0023】
タダラフィル
本発明の医薬組成物は、有効成分としてタダラフィルを含んでなる。
【0024】
タダラフィルは、生成物(6R,12aR)-6-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-2-メチル-2,3,12,12a-テトラヒドロピラジノ[1’,2’:1,6]ピリド[3,4-b]インドール-1,4(6H,7H)-ジオン(CAS 171596-29-5)の国際一般名(INN)である。
【0025】
タダラフィルを、すなわち、遊離塩基として、またはその薬剤的に許容可能な塩の形態で組成物中に使用してよい。好ましい実施形態では、タダラフィルを遊離塩基として使用する。
【0026】
タダラフィルの調製方法は、当技術分野において公知である、例えば、文献R. Vardanyan and V. Hruby, Synthesis of best-seller drugs, Elsevier, 2016の38章(Drugs for Treatment of Erectile disfunction)に開示されている。タダラフィルも、いくつかの供給業者から商業的に入手可能である。
【0027】
本発明の組成物は、0.01%~5.0%、好ましくは0.02%~2.0%、より好ましくは0.05%~1.5%、更により好ましくは0.08%~1.2%、更により好ましくは0.09%~1.1%、更により好ましくは0.1%~1.0%に含まれる濃度で水性懸濁剤の形態でタダラフィルを含んでなる。
【0028】
本発明の著者らは、本発明の懸濁剤は上記範囲のタダラフィル濃度に沿って化学的および物理的に安定であり、この事実は特定の治療ニーズに応じて種々の濃度の有効成分の懸濁剤の製剤を可能とすることを見出した。
【0029】
1つの特定の実施形態では、タダラフィルの濃度は、0.01%~0.40%、好ましくは0.02%~0.30%、より好ましくは0.05%~0.20%、更により好ましくは0.08%~0.15%、更により好ましくは0.09%~0.12%に含まれ、更により好ましくは約0.1%である。
【0030】
別の特定の実施形態では、タダラフィルの濃度は、0.1%~4.0%、好ましくは0.2%~3.0%、より好ましくは0.5%~2.0%、更により好ましくは0.8%~1.5%、更により好ましくは0.9%~1.2%に含まれ、更により好ましくは約1.0%である。
【0031】
本発明の組成物に使用されるタダラフィルの粒度は限定されず、いずれもの粒度も適し得る。上記粒度は、例えば、当技術分野において周知であるように粒子と同じ体積を有する球の径を表す体積径Dvとして表され得る。詳細には、例えば、粒度は、生成物の90%がより小さい粒度を有する径を示す体積径中間値(Dv90またはDv0.9)として表され得る。粒度を、とりわけ、例えば、Malvern Mastersizer 3000(Malvern Instruments Ltd.、英国ウスターシャー州マルバーン)などの適切な装置の使用に基づいたレーザー回折などの当業者に公知の方法による体積径として決定してよい。
【0032】
本組成物に使用するのに適したタダラフィル粒子は、例えば、10~100ミクロンに含まれるDv90値を有してよい。特定の実施形態では、タダラフィル粒子は、Dv90<50ミクロン、またはDv90<40ミクロン、またはDv90<20ミクロン、またはDv90<15ミクロンを有する。
【0033】
シクロデキストリン
当技術分野において周知のように、シクロデキストリンは、(1→4)グルコシド結合により結合された少なくとも6個のD-(+)-グルコピラノース単位を含むデンプンから誘導された環状オリゴ糖である。中でも、最も一般に使用される形態は、それぞれ、6個、7個、および8個のグルコース単位を有するα-、β-、およびγ-シクロデキストリンである。典型的には約462kDaの大きい分子量を有する高度分岐シクロデキストリン(HBCD)も利用可能であり、これもシクロデキストリンの分類内に含まれる。
【0034】
用語シクロデキストリンは、シクロデキストリン誘導体、とりわけ、典型的には、メチルシクロデキストリン類、2-ヒドロキシエチルシクロデキストリン類または2-ヒドロキシプロピルシクロデキストリン類を含むことが意図される。したがって、例えば、ジメチル-β-シクロデキストリン、トリメチル-β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンおよびスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンは、β-シクロデキストリン群内に含まれることが意図される。
【0035】
シクロデキストリンは、典型的には、特殊な細菌を用いたデンプンの酵素分解により製造され、商業的供給業者から広く入手可能である。
【0036】
特に、HBCDは、例えば、Tanaka et al., Carbohydr. Res., 1996, 295, 91-101, or in Takata et al., J. Bacteriol., 1996, 178, 1600-1606、またはTakata et al., J. Ferment. Bioeng., 1997, 84, 119-123、またはFuji et al., Biocatal. Biotransformation, 2003, 21, 167-172に開示されている分枝酵素の環状反応によりワキシートウモロコシデンプンから製造される。HBCDは、種々の供給業者、例えば、Glico Nutrition社から商品名Cluster Dextrin(登録商標)で商業的にも入手可能である。
【0037】
組成物中のシクロデキストリン量は、典型的には、0.01%~0.25%、好ましくは0.02%~0.20%、より好ましくは0.03%~0.10%に含まれる。シクロデキストリンの好ましい濃度は、例えば、約0.03%、または約0.04%、または約0.05%、または約0.06%、または約0.07%、または約0.08%、または約0.09%、または約0.10%である。
【0038】
シクロデキストリンのいずれの種類も、本発明の組成物の調製のために使用してよい。詳細には、シクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、高度分岐シクロデキストリン(HBCD)、およびこれらの混合物から選択され得る。1つの実施形態では、シクロデキストリンは、α-シクロデキストリンおよびβ-シクロデキストリンから選択される。
【0039】
1つの実施形態では、シクロデキストリンは、高度分岐シクロデキストリン(HBCD)である。
【0040】
1つの実施形態では、シクロデキストリンは、β-シクロデキストリンである。
【0041】
1つの実施形態では、シクロデキストリンは、α-シクロデキストリンである。
【0042】
1つの実施形態では、シクロデキストリンは、γ-シクロデキストリンである。
【0043】
共処理された結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム
本発明による医薬組成物の別の構成要素は、共処理された結晶セルロース(CMC)およびカルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)であり、これらは、結晶セルロースおよびカルメロースナトリウム(欧州薬局方7.0)として、または結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(米国薬局方)としても知られている。本明細書では、共処理されたMCC-NaCMCと略され得る。
【0044】
MCC-NaCMCは、当技術分野において周知であるように、結晶セルロースおよびカルメロースナトリウムの噴霧乾燥またはバルク乾燥配合物である。これは、例えば、典型的には、MCCとNaCMCとの割合および/または粒度が異なるいくつかのグレードで、商品名Vivapur(登録商標)MCGとしてJRS Pharma社から商業的に入手可能である。共処理されたMCC-NaCMCにおけるNaCMCの量は、典型的には、約22重量%以下であり、典型的には約5重量%~約22重量%に含まれる。例えば、共処理されたMCC-NaCMCの全ての種類およびグレードは、本組成物における使用のために適している。例えば、次のグレード:Vivapur(登録商標)MCG581P、Vivapur(登録商標)MCG591P、Vivapur(登録商標)MCG611PまたはVivapur(登録商標)MCG811Pを使用してよい。
【0045】
組成物中の共処理されたCMC-NaCMCの量は、典型的には、0.5%~2.0%、好ましくは0.6%~1.4%、より好ましくは0.7%~1.3%、更により好ましくは0.8%~1.2%、更により好ましくは0.9%~1.1%に含まれ、更により好ましくは約1.0%である。
【0046】
キサンタンガム
周知であるように、キサンタンガムは、D-グルコース、D-マンノースおよびD-グルクロン酸単位により形成される高分子量多糖である。キサンタンガムは、キサントモナス(Xanthomonas)属の細菌により産生される。
【0047】
キサンタンガムを、とりわけ、例えば、商品名Keltrol(登録商標)(CP Kelco)またはRhodopol(登録商標)(Solvay)として多くの会社から商業的に得ることができる。キサンタンガムは、異なる粒度に応じて異なるグレードでも入手可能であり、これらの全ては、本発明による懸濁剤の調製のために適している。
【0048】
組成物中のキサンタンガムの量は、典型的には、0.10%~1.50%、好ましくは0.20%~1.00%、より好ましくは0.25%~0.90%、更により好ましくは0.30%~0.85%、更により好ましくは0.35%~0.75%、更により好ましくは0.40%~0.65%、更により好ましくは0.45%~0.60%に含まれる。
【0049】
1つの実施形態では、キサンタンガムの量は、0.10%~0.75%、好ましくは0.20%~0.60%、更により好ましくは0.25%~0.40%に含まれ、更により好ましくは約0.30%である。
【0050】
1つの実施形態では、キサンタンガムの量は、0.10%~0.75%、好ましくは0.25%~0.65%、更により好ましくは0.36%~0.54%、更により好ましくは0.40%~0.50%に含まれ、更により好ましくは約0.45%である。
【0051】
1つの実施形態では、キサンタンガムの量は、0.20%~1.50%、好ましくは0.30%~0.95%、より好ましくは0.42%~0.80%、更により好ましくは0.48%~0.72%、更により好ましくは0.55%~0.65%に含まれ、更により好ましくは約0.60%である。
【0052】
必要に応じて含む追加成分
界面活性剤
本発明の組成物は、必要に応じて界面活性剤を含んでよい。周知であるように、界面活性剤は、両親媒性分子、すなわち、分子の一部が親水性であり、かつ、一部が親油性であり、これらはイオン性または非イオン性であり得る。
【0053】
好ましくは、組成物は、界面活性剤を含んでなる。
【0054】
1つの実施形態では、組成物は、非イオン性界面活性剤を含んでなる。非イオン性界面活性剤は、とりわけ、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン15ヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルから選択され得る。
【0055】
1つの実施形態では、組成物は、典型的には、ラウリル硫酸ナトリウムおよびドキュセートナトリウムから選択されるアニオン性界面活性剤を含んでなる。
【0056】
界面活性剤を本発明による組成物に添加する場合、界面活性剤は、典型的には約0.001%~約2%の範囲であり得る割合で存在する。
【0057】
1つの好ましい実施形態では、組成物は、好ましくは、0.010%~0.100%、好ましくは0.020%~0.085%、より好ましくは0.030%~0.090%に含まれる量でラウリル硫酸ナトリウムを含んでなる。
【0058】
防腐剤
組成物は、微生物汚染に対するその保護を保証するために防腐剤を更に含んでなってよい。適切な防腐剤は、とりわけ、例えば、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、エチルパラベン、エチルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、クロルヘキシジン、クロロクレゾール、クロロキシレノール、イミドウレア、クレゾール、フェノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムもしくはチメロサール、またはこれらの混合物である。
【0059】
好ましくは、組成物は、防腐剤を含んでなる。
【0060】
防腐剤の量は、総じて、当技術分野において周知であるように、使用される特定の防腐剤に依存し、典型的には、約0.001%~約5%の範囲であり得る。当業者は、当技術分野における参考文献に開示されているように、いずれの場合にも適切な量を選択する際何の困難もないはずである。
【0061】
1つの実施形態では、防腐剤は、典型的には約0.01%~約1.00%に含まれる、好ましくは0.05%~0.50%に含まれる濃度において、パラベン類、安息香酸およびこれらのナトリウム塩またはカリウム塩ならびにこれらの混合物から選択される。1つの実施形態では、防腐剤は、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、プロピルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、およびこれらの混合物から選択される。1つの実施形態では、防腐剤は、パラベンまたはパラベン類の混合物であり、例えば、メチルパラベンナトリウム、プロピルパラベンナトリウム、およびこれらの混合物から選択される。1つの特定の実施形態では、防腐剤は、メチルパラベンナトリウムおよびプロピルパラベンナトリウムの混合物である。別の実施形態では、防腐剤は、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムおよびこれらの混合物から選択される。別の実施形態では、防腐剤は、安息香酸および安息香酸ナトリウムの混合物である。
【0062】
pH調整剤
本発明の組成物は、所望のpH範囲の懸濁剤のpHを維持するためにpH調整剤を必要に応じて含んでよい。組成物のpHは、総じて、2.5~7、好ましくは4.0~6.5、より好ましくは5.5~6に含まれる。
【0063】
組成物中のpH調整剤の量および種類は、当業者が容易に決定および調整することができるように、所望のpHを得るために適しているようなものである。
【0064】
好ましくは、組成物は、pH調整剤を含んでなる。
【0065】
存在する場合、pH調整剤は、典型的には、約1%~約4%、好ましくは約1.5%~約3.5%、より好ましくは約2%~約3%の範囲に含まれる量で存在する。
【0066】
pH調整剤は、例えば、クエン酸、酢酸、塩酸、乳酸、リン酸、または硫酸などの酸性化剤、および/または、例えば、アンモニア溶液、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、またはホウ酸ナトリウムなどのアルカリ性化剤であってよい。総じて、上記酸性化およびアルカリ性化剤を緩衝剤として組合せて使用し、総じて、酸およびその共役塩基、とりわけ、例えば、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、トリス緩衝液、またはリン酸緩衝液を含んでなる。
【0067】
好ましい緩衝剤は、クエン酸緩衝液であり、典型的には、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸を用いて、例えば、8:1~5:1、好ましくは約7:1の重量比でクエン酸ナトリウムおよび無水クエン酸を用いて、調製してよい。
【0068】
甘味料
必要に応じて、組成物は、懸濁剤の嗜好性を向上させるために甘味料を含んでなってよく、強い甘味料を使用してもよい。強い甘味料は、総じて、非栄養性高強度甘味料を意味し、総じて、ショ糖より約100~約13000倍甘い。
【0069】
本組成物において使用するための適切な強い甘味料は、例えば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、アリテーム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクラロース、ソーマチン、またはこれらの混合物である。好ましくは、甘味料は、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびサッカリンナトリウムから選択される。
【0070】
甘味料の量は、この甘味料の甘味強度に依存して広く変わり得るが、総じて、0.0001%~0.5%の範囲に含まれる。
【0071】
香料
組成物は、必要に応じて、心地よい香りおよび/または匂いを組成物に提供するための香料を更に含んでなってよい。適切な香料としては、天然および人工香料が挙げられる。天然香料としては、天然油、および植物、葉、花および果実由来の抽出物が挙げられる。いくつかの適切な香料は、とりわけ、例えば、メントール、シナモン、クローブ、アニス、ユーカリ、ペパーミント、スペアミント、タイム、バニラ、チョコレート、チェリー風味、グレープ風味、オレンジ風味、バナナ風味、イチゴ風味、レモン風味、リンゴ風味、モモ風味、ラズベリー風味、パイナップル風味およびアプリコット風味などのフルーツ風味、ならびにこれらの組合せである。
【0072】
香料の量を、特定の香料および所望の官能効果に応じて当業者により容易に調整することができる。典型的には、香料の量は、組成物中に存在する場合、約0.001%(重量/体積)~約0.1%(重量/体積)の範囲である。
【0073】
組成物
水は、製剤の主な溶媒である。典型的には、医薬用途のための精製水を使用し、商業的に入手可能であり、飲用水から蒸留、イオン交換または他の適切な方法により一般的に得ることができる。特定の最終体積まで調整されるとき、水の正確なパーセンテージは定量されず、あらゆる成分の所望の濃度を得る。
【0074】
好ましくは、本発明の懸濁剤の溶媒は水からなり、すなわち、組成物は、好ましくは、まったく追加の有機溶媒を含まず、特に、グリセリンを含まない。
【0075】
実施形態では、本発明の懸濁剤は、エタノール、イソプロパノール、プロパン-1-オール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、およびこれらの組合せを含まず;更により好ましくは、本発明の懸濁剤は、グリセリンを含まない。
【0076】
本発明の組成物は、懸濁剤の形態である。医薬製剤において周知であるように、懸濁剤は、液体に分散された溶解も混和もされていない固体からなる二相系である。タダラフィルは、懸濁剤中の固体分散相として存在する難溶性薬物である。
【0077】
本発明の懸濁剤の粘度は、総じて、100~3000cPsに含まれる。好ましくは、本発明の懸濁剤の粘度は、125~2500cPs、より好ましくは150~1500cPsに含まれる。
【0078】
1つの実施形態では、本発明は以下:
a)0.01%~5%、好ましくは0.02%~2.0%、より好ましくは0.05%~1.5%、更により好ましくは0.08%~1.2%、更により好ましくは0.09%~1.1%、更により好ましくは0.1%~1.0%に含まれる量のタダラフィルと、
b)好ましくは0.01%~0.25%、より好ましくは0.02%~0.20%、更により好ましくは0.03%~0.10%に含まれる量のシクロデキストリンであって、好ましくはα-シクロデキストリンおよびβ-シクロデキストリンから選択される、シクロデキストリンと、
c)好ましくは0.5%~2.0%、より好ましくは0.6%~1.4%、更により好ましくは0.7%~1.3%、更により好ましくは0.8%~1.2%、更により好ましくは0.9%~1.1%に含まれ、更により好ましくは約1.0%である量の共処理された結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(MCC-NaCMC)と、
d)好ましくは0.10%~1.50%、より好ましくは0.20%~1.00%、更により好ましくは0.25%~0.90%、更により好ましくは0.30%~0.85%、更により好ましくは0.35%~0.75%、更により好ましくは0.40%~0.65%、更により好ましくは0.45%~0.60%に含まれる量のキサンタンガムと、
e)水と、
f)必要に応じて、好ましくは0.001%~約2%、より好ましくは0.010%~0.100%、更により好ましくは0.020%~0.085%、更により好ましくは0.030%~0.090%に含まれる量の界面活性剤であって、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムおよびドキュセートナトリウムから選択され、より好ましくはラウリル硫酸ナトリウムである、界面活性剤と、
g)必要に応じて、好ましくは0.001%~5%、より好ましくは0.01%~1.00%、更により好ましくは0.05%~0.50%に含まれる量の防腐剤であって、好ましくは、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、エチルパラベン、エチルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、クロルヘキシジン、クロロクレゾール、クロロキシレノール、イミドウレア、クレゾール、フェノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、チメロサールおよびこれらの混合物から選択され、より好ましくは、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムおよびこれらの混合物から選択され、更により好ましくは、メチルパラベンナトリウムおよびプロピルパラベンナトリウムから選択される、防腐剤と、
h)必要に応じて、組成物のpHを、2.5~7、好ましくは4.0~6.5、より好ましくは5.5~6に含まれる値に調整するためのpH調整剤であって、上記pH調整剤は、好ましくはクエン酸緩衝液である、pH調整剤と、
i)必要に応じて、好ましくは0.0001%~0.5%に含まれる量の甘味料であって、好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、アリテーム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクラロース、ソーマチン、およびこれらの混合物から選択され、より好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびサッカリンナトリウムから選択される、甘味料と、
j)必要に応じて、好ましくは0.001%~0.1%に含まれる量の香料と、
を含んでなり、
上記パーセンテージは、重量/体積(w/v)、すなわち、懸濁剤100ml当たりの各構成要素のgとして表される、
水性懸濁剤の形態の経口投与のための医薬組成物に関する。
【0079】
1つの実施形態では、組成物は、構成要素a)~f)を含んでなり、構成要素g)~j)は、組成物が界面活性剤を更に含んでなる本発明の好ましい実施形態に対応する選択肢である。
【0080】
1つの実施形態では、組成物は、構成要素a)~g)を含んでなり、構成要素h)~j)は、組成物が界面活性剤および防腐剤を更に含んでなる本発明の好ましい実施形態に対応する選択肢である。
【0081】
1つの実施形態では、組成物は、構成要素a)~h)を含んでなり、構成要素i)~j)は、組成物が界面活性剤、防腐剤およびpH調整剤を更に含んでなる本発明の好ましい実施形態に対応する選択肢である。
【0082】
1つの実施形態では、組成物は、上記定義のとおり強制的または選択肢のいずれかである上記構成要素a)~j)からなり、すなわち、組成物は、いずれもの追加の賦形剤も有効成分も含まない。
【0083】
1つの実施形態では、本発明は以下:
a)0.01%~0.40%、好ましくは0.02%~0.30%、より好ましくは0.05%~0.20%、更により好ましくは0.08%~0.15%、更により好ましくは0.09%~0.12%に含まれ、更により好ましくは約0.1%である量のタダラフィルと、
b)好ましくは0.01%~0.25%、より好ましくは0.02%~0.20%、更により好ましくは0.03%~0.10%に含まれる量のシクロデキストリンであって、好ましくはα-シクロデキストリンおよびβ-シクロデキストリンから選択される、シクロデキストリンと、
c)好ましくは0.5%~2.0%、より好ましくは0.6%~1.4%、更により好ましくは0.7%~1.3%、更により好ましくは0.8%~1.2%、更により好ましくは0.9%~1.1%に含まれ、更により好ましくは約1.0%である量の共処理された結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(MCC-NaCMC)と、
d)好ましくは0.10%~0.75%、より好ましくは0.25%~0.65%、更により好ましくは0.36%~0.54%、更により好ましくは0.40%~0.50%に含まれ、更により好ましくは約0.45%である量のキサンタンガムと、
e)水と、
f)必要に応じて、好ましくは0.001%~2%、より好ましくは0.010%~0.100%、更により好ましくは0.020%~0.085%、更により好ましくは0.030%~0.090%に含まれる量の界面活性剤であって、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムおよびドキュセートナトリウムから選択され、より好ましくはラウリル硫酸ナトリウムである、界面活性剤と、
g)必要に応じて、好ましくは0.001%~5%、より好ましくは0.01%~1.00%、更により好ましくは0.05%~0.50%に含まれる量の防腐剤であって、好ましくは、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、エチルパラベン、エチルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、クロルヘキシジン、クロロクレゾール、クロロキシレノール、イミドウレア、クレゾール、フェノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、チメロサールおよびこれらの混合物から選択され、より好ましくは、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムおよびこれらの混合物から選択され、更により好ましくは、メチルパラベンナトリウムおよびプロピルパラベンナトリウムから選択される、防腐剤と、
h)必要に応じて、組成物のpHを、2.5~7、好ましくは4.0~6.5、より好ましくは5.5~6に含まれる値に調整するためのpH調整剤であって、好ましくはクエン酸緩衝液である、pH調整剤と、
i)必要に応じて、好ましくは0.0001%~0.5%に含まれる量の甘味料であって、好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、アリテーム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクラロース、ソーマチン、およびこれらの混合物から選択され;より好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびサッカリンナトリウムから選択される、甘味料と、
j)必要に応じて、好ましくは0.001%~0.1%に含まれる量の香料と、
を含んでなり、
上記パーセンテージは、重量/体積(w/v)、すなわち、懸濁剤100ml当たりの各構成要素のグラムとして表される、
水性懸濁剤の形態の経口投与のための医薬組成物に関する。
【0084】
1つの実施形態では、組成物は、構成要素a)~f)を含んでなり、構成要素g)~j)は、組成物が界面活性剤を更に含んでなる本発明の好ましい実施形態に対応する選択肢である。
【0085】
1つの実施形態では、組成物は、構成要素a)~g)を含んでなり、構成要素h)~j)は、組成物が界面活性剤および防腐剤を更に含んでなる本発明の好ましい実施形態に対応する選択肢である。
【0086】
1つの実施形態では、組成物は、構成要素a)~h)を含んでなり、構成要素i)~j)は、組成物が界面活性剤、防腐剤およびpH調整剤を更に含んでなる本発明の好ましい実施形態に対応する選択肢である。
【0087】
1つの実施形態では、組成物は、上記定義のとおり強制的または選択肢のいずれかである上記構成要素a)~j)からなり、すなわち、組成物は、いずれもの追加の賦形剤も有効成分も含まない。
【0088】
1つの実施形態では、本発明は以下:
a)0.1%~4.0%、好ましくは0.2%~3.0%、より好ましくは0.5%~2.0%、更により好ましくは0.8%~1.5%、更により好ましくは0.9%~1.2%に含まれ、更により好ましくは約1.0%である量のタダラフィルと、
b)好ましくは0.01%~0.25%、より好ましくは0.02%~0.20%、更により好ましくは0.03%~0.10%に含まれる量のシクロデキストリンであって、好ましくはα-シクロデキストリンおよびβ-シクロデキストリンから選択される、シクロデキストリンと、
c)好ましくは0.5%~2.0%、より好ましくは0.6%~1.4%、更により好ましくは0.7%~1.3%、更により好ましくは0.8%~1.2%、更により好ましくは0.9%~1.1%に含まれ、更により好ましくは約1.0%である量の共処理された結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(MCC-NaCMC)と、
d)好ましくは0.20%~1.50%、より好ましくは0.30%~0.95%、更により好ましくは0.42%~0.80%、更により好ましくは0.48%~0.72%、更により好ましくは0.55%~0.65%に含まれ、更により好ましくは約0.60%である量のキサンタンガムと、
e)水と、
f)必要に応じて、好ましくは0.001%~2%、より好ましくは0.010%~0.100%、更により好ましくは0.020%~0.085%、更により好ましくは0.030%~0.090%に含まれる量の界面活性剤であって、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムおよびドキュセートナトリウムから選択され、より好ましくはラウリル硫酸ナトリウムである、界面活性剤と、
g)必要に応じて、好ましくは0.001%~5%、より好ましくは0.01%~1.00%、更により好ましくは0.05%~0.50%に含まれる量の防腐剤であって、好ましくは、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、エチルパラベン、エチルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、クロルヘキシジン、クロロクレゾール、クロロキシレノール、イミドウレア、クレゾール、フェノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、チメロサールおよびこれらの混合物から選択され、より好ましくは、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウムおよびこれらの混合物から選択され、更により好ましくは、メチルパラベンナトリウムおよびプロピルパラベンナトリウムから選択される、防腐剤と、
h)必要に応じて、組成物のpHを、2.5~7、好ましくは4.0~6.5、より好ましくは5.5~6に含まれる値に調整するためのpH調整剤であって、好ましくはクエン酸緩衝液である、pH調整剤と、
i)必要に応じて、好ましくは0.0001%~0.5%に含まれる量の甘味料であって、好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、アリテーム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクラロース、ソーマチン、およびこれらの混合物から選択され、より好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびサッカリンナトリウムから選択される、甘味料と、
j)必要に応じて、好ましくは0.001%~0.1%に含まれる量の香料と、
を含んでなり、
上記パーセンテージは、重量/体積(w/v)、すなわち、懸濁剤100ml当たりの各構成要素のグラムとして表される、
水性懸濁剤の形態の経口投与のための医薬組成物に関する。
【0089】
1つの実施形態では、組成物は、構成要素a)~f)を含んでなり、構成要素g)~j)は、組成物が界面活性剤を更に含んでなる本発明の好ましい実施形態に対応する選択肢である。
【0090】
1つの実施形態では、組成物は、構成要素a)~g)を含んでなり、構成要素h)~j)は、組成物が界面活性剤および防腐剤を更に含んでなる本発明の好ましい実施形態に対応する選択肢である。
【0091】
1つの実施形態では、組成物は、構成要素a)~h)を含んでなり、構成要素i)~j)は、組成物が界面活性剤、防腐剤およびpH調整剤を更に含んでなる本発明の好ましい実施形態に対応する選択肢である。
【0092】
1つの実施形態では、組成物は、上記定義のとおり強制的または選択肢のいずれかである上記構成要素a)~j)からなり、すなわち、組成物は、いずれもの追加の賦形剤も有効成分も含まない。
【0093】
1つの実施形態では、本発明は以下:
a)0.1%~4.0%、好ましくは0.2%~3.0%、より好ましくは0.5%~2.0%、更により好ましくは0.8%~1.5%、更により好ましくは0.9%~1.2%に含まれ、更により好ましくは約1.0%である量のタダラフィルと、
b)好ましくは0.01%~0.25%、より好ましくは0.02%~0.20%、更により好ましくは0.03%~0.10%に含まれる量のシクロデキストリンであって、好ましくはα-シクロデキストリンおよびβ-シクロデキストリンから選択される、シクロデキストリンと、
c)好ましくは0.5%~2.0%、より好ましくは0.6%~1.4%、更により好ましくは0.7%~1.3%、更により好ましくは0.8%~1.2%、更により好ましくは0.9%~1.1%に含まれ、更により好ましくは約1.0%である量の共処理された結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(MCC-NaCMC)と、
d)好ましくは0.10%~0.75%、より好ましくは0.20%~0.60%、更により好ましくは0.25%~0.40%に含まれ、更により好ましくは約0.30%である量のキサンタンガムと、
e)水と、
f)必要に応じて、好ましくは0.001%~2%、より好ましくは0.010%~0.100%、更により好ましくは0.020%~0.085%、更により好ましくは0.030%~0.090%に含まれる量の界面活性剤であって、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムおよびドキュセートナトリウムから選択され、より好ましくはラウリル硫酸ナトリウムである、界面活性剤と、
g)必要に応じて、好ましくは0.001%~5%、より好ましくは0.01%~1.00%、更により好ましくは0.05%~0.50%に含まれる量の防腐剤であって、好ましくは、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、エチルパラベン、エチルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、クロルヘキシジン、クロロクレゾール、クロロキシレノール、イミドウレア、クレゾール、フェノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、チメロサールおよびこれらの混合物から選択され、より好ましくは、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウムおよびこれらの混合物から選択され、更により好ましくは、メチルパラベンナトリウムおよびプロピルパラベンナトリウムから選択される、防腐剤と、
h)必要に応じて、組成物のpHを、2.5~7、好ましくは4.0~6.5、より好ましくは5.5~6に含まれる値に調整するためのpH調整剤であって、好ましくはクエン酸緩衝液である、pH調整剤と、
i)必要に応じて、好ましくは0.0001%~0.5%に含まれる量の甘味料であって、好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、アリテーム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクラロース、ソーマチン、およびこれらの混合物から選択され、より好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびサッカリンナトリウムから選択される、甘味料と、
j)必要に応じて、好ましくは0.001%~0.1%に含まれる量の香料と、
を含んでなり、
上記パーセンテージは、重量/体積(w/v)、すなわち、懸濁剤100ml当たりの各構成要素のグラムとして表される、
水性懸濁剤の形態の経口投与のための医薬組成物に関する。
【0094】
1つの実施形態では、組成物は、構成要素a)~f)を含んでなり、構成要素g)~j)は、組成物が界面活性剤を更に含んでなる本発明の好ましい実施形態に対応する選択肢である。
【0095】
1つの実施形態では、組成物は、構成要素a)~g)を含んでなり、構成要素h)~j)は、組成物が界面活性剤および防腐剤を更に含んでなる本発明の好ましい実施形態に対応する選択肢である。
【0096】
1つの実施形態では、組成物は、構成要素a)~h)を含んでなり、構成要素i)~j)は、組成物が界面活性剤、防腐剤およびpH調整剤を更に含んでなる本発明の好ましい実施形態に対応する選択肢である。
【0097】
1つの実施形態では、組成物は、上記定義のとおり強制的または選択肢のいずれかである上記構成要素a)~j)からなり、すなわち、組成物は、いずれもの追加の賦形剤も有効成分も含まない。
【0098】
加えて、上記開示されている全ての組成物は、必要に応じて、これらの外観を改善し、より官能的にうったえるために着色料を含んでなってもよい。
【0099】
当技術分野において周知であるように、医薬品において使用するために適したいずれもの着色料を使用してよく、例えば、前掲の文献“Handbook of Pharmaceutical Ingredients”の節“Coloring Agents”に開示されているものが挙げられる。
【0100】
タムスロシンまたはデュタステリドとの組合せ
有効成分としてタダラフィルを含んでなる経口懸濁剤の形態の本発明の組成物は、必要に応じて、固定用量組合せ投薬形態を提供するため、1つ以上の適切な追加の有効成分を更に含んでなるかまたは1つ以上の適切な追加の有効成分と組合せることができる。
【0101】
1つの特に有用な治療ストラテジーは、例えば、前掲のSebastianelli et al.に開示されている前立腺肥大症(BPH)に関連する下部尿路症状(LUTS)の患者の治療のため、タダラフィルおよびタムスロシンの組合せである。別の有用な組合せは、BPHに関連するLUTSの治療のため、タダラフィルおよびデュタステリドである。
【0102】
タムスロシンは、物質(R)-5-(2-((2-(2-エトキシフェノキシ)エチル)アミノ)プロピル)-2-メトキシベンゼンスルホンアミドの国際一般名(INN)である。タムスロシンは、α1アドレナリン受容体アンタゴニストであり、前立腺肥大症(BPH)に関連する下部尿路症状(LUTS)の治療のための単剤療法としても使用される。タムスロシンを、遊離塩基またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは溶媒和物として使用してよい。タムスロシンは、一般的に、塩酸塩として市販されている。
【0103】
デュタステリドは、物質(1S,3aS,3bS,5aR,9aR,9bS,11aS)-N-[2,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]-9a,11a-ジメチル-7-オキソ-1,2,3,3a,3b,4,5,5a,6,9b,10,11-ドデカヒドロインデノ[5,4-f]キノリン-1-カルボキサミドの国際一般名(INN)である。デュタステリドは、前立腺肥大症(BPH)の症状の治療のために一般に使用される5αレダクターゼ阻害薬である。デュタステリドを、その薬剤的に許容可能な塩または溶媒和物として使用してよい。好ましくは、遊離塩基を使用する。
【0104】
タムスロシンおよびデュタステリドの調製方法は、例えば、文献R. Vardanyan and V. Hruby, Synthesis of best-seller drugs, Elsevier, 2016の、それぞれ、12章(Adrenoblockers)および27章(Steroid Hormones)に開示されているように当技術分野において周知である。タムスロシンおよびその薬剤的に許容可能な塩、詳細にはタムスロシン塩酸塩、ならびにデュタステリドは、いくつかの供給業者から商業的に入手することもできる。
【0105】
タダラフィルおよびタムスロシンを含んでなるまたはタダラフィルおよびデュタステリドを含んでなる固定用量投薬形態の製剤は、特に薬物コンプライアンスが向上するため治療的に有利である。更に、組合せ経口用投薬形態の本明細書に開示されているタダラフィル懸濁剤の利点を含むことは特に有用である。
【0106】
したがって、本発明の別の態様は、本発明によるタダラフィル水性懸濁剤およびタムスロシン、またはその薬剤的に許容可能な塩を含んでなる固定用量組合せ投薬形態である。
【0107】
遅延または延長された放出は、前立腺肥大症(BPH)に関連する下部尿路症状(LUTS)の治療のために治療的に有利であることが証明されているので、タムスロシンは、放出調節経口用投薬形態の形態で治療において一般的に使用される。
【0108】
したがって、固定用量組合せ投薬形態は、好ましくは放出調節錠剤の形態のタムスロシンを含んでなる。
【0109】
有利なことに、本発明のこの態様のため、組合せ投薬形態においてタダラフィル懸濁剤およびタムスロシン錠剤を、一緒だが、投与直前に混合するために物理的に別々に提供する。
【0110】
驚くべきことに、本発明の著者らは、本発明によるタダラフィル懸濁剤は、最適な特性、特に最適な粘度およびレオロジー特性を有するので、必要に応じて、粒状形態の他の固体成分、特に、タムスロシン錠剤と容易に混合することを可能とし、軽く揺するだけで均一な混合物を容易に得ることができ、したがって、容易に嚥下することができ、良好な嗜好性も有することを見出した。
【0111】
有利に、この固定用量組合せ投薬形態は、両構成要素の次の用量を送達するように適合されている。
・1mg~10mg、好ましくは2mg~8mg、より好ましくは3mg~7mg、更により好ましくは4mg~6mgに含まれ、更により好ましくは約5mgのタダラフィルの用量;および
・0.05mg~1mg、好ましくは0.08mg~0.8mg、より好ましくは0.15mg~0.65mg、更により好ましくは0.30mg~0.50mgに含まれ、更により好ましくは約0.4mgのタムスロシンの用量
【0112】
好ましい固定用量組合せ投薬形態は、約5mgのタダラフィルおよび約0.4mgのタムスロシンを含んでなる。
【0113】
有利に、例えば、この組合せを、単回投与バイアルで提供してよく、本発明のタダラフィル懸濁剤としてタダラフィルの適切な用量をバイアル中に入れ、好ましくはタムスロシン錠剤としてタムスロシンの適切な用量を、投与前にタダラフィル懸濁剤中に錠剤を放出するために穴を開けるための手段を備えるキャップに封入する。次いで、両構成要素を、軽く揺すって容易に混合して、両成分の均一な混合物を得ることができる。
【0114】
タダラフィル懸濁剤のいずれもの濃度も、タムスロシンとのその組合せ使用のために使用してよい。したがって、懸濁剤の適切な体積を、タムスロシンと混合する適切な用量を提供するために算出する。
【0115】
いずれの種類の放出調節タムスロシン錠剤も使用して、タダラフィル懸濁剤と混合することができる。
【0116】
当技術分野において周知であるように、医薬錠剤は、全用量を、約0.1mm~約1.5mmの範囲内の球形および狭い粒度分布を有する複数のサブユニットに分割する多粒子薬物送達系である。
【0117】
典型的には、錠剤は、有効成分、すなわち、タムスロシンを含んでなるコア、および1つ以上の放出調節ポリマーを含んでなる1つ以上のコーティング層を備える。上記放出調節フィルムコーティングを、遅延放出(例えば、胃耐性)または持続放出コーティングのいずれかとして更に分類してよい。
【0118】
当技術分野において周知であるように、フィルムコーティング方法は、有効成分を含むコアにコーティング液を塗布することを含む。フィルムコーティング製剤は、典型的には、ポリマー、可塑剤、および溶媒/媒体を含んでなる。中でも、いくつかの一般的放出調節コーティングポリマーは、とりわけ、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのいくつかのセルロース誘導体;メタクリル酸メチル共重合体;メタクリル酸共重合体;ならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸フタル酸セルロースおよびポリ酢酸フタル酸ビニルなどのフタル酸エステルである。
【0119】
例えば、不活性球、典型的には、糖球を使用し、適切なタダラフィル液剤または懸濁剤、例えば、結合剤および必要に応じて他の賦形剤と一緒にタダラフィルを含む水性液剤または懸濁剤をこれらの上にコーティングして、コアを調製してよい。あるいは、錠剤のコアを、当技術分野において周知であるように、押出/球形化方法により調製してよい。
【0120】
加えて、放出調節マトリックス組成物内にタムスロシンを埋め込み、押出/球形化方法により錠剤を製造することにより調製され得る非コート放出調節錠剤を使用してもよい。
【0121】
本発明で使用することができるタムスロシン遅延放出錠剤のいくつかの例は、例えば、次の特許文献:欧州特許出願公開第3473245号、国際公開第2004/043449号、国際公開第2005/060939号、国際公開第2005/004851号、国際公開第2007/021101号、国際公開第2007/117110号、国際公開第2014/203137号、国際公開第2016/155682号および国際公開第2018/030862号に開示されているものである。
【0122】
1つの実施形態では、本発明の1つの態様は:
A)
a)0.01%(重量/体積)~5%、好ましくは0.02%~2.0%、より好ましくは0.05%~1.5%、更により好ましくは0.08%~1.2%、更により好ましくは0.09%~1.1%、更により好ましくは0.1%~1.0%に含まれる量のタダラフィルと、
b)好ましくは0.01%~0.25%、より好ましくは0.02%~0.20%、更により好ましくは0.03%~0.10%に含まれる量のシクロデキストリンであって、好ましくはα-シクロデキストリンおよびβ-シクロデキストリンから選択される、シクロデキストリンと、
c)好ましくは0.5%~2.0%、より好ましくは0.6%~1.4%、更により好ましくは0.7%~1.3%、更により好ましくは0.8%~1.2%、更により好ましくは0.9%~1.1%に含まれ、更により好ましくは約1.0%である量の共処理された結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(MCC-NaCMC)と、
d)好ましくは0.10%~1.50%、より好ましくは0.20%~1.00%、更により好ましくは0.25%~0.90%、更により好ましくは0.30%~0.85%、更により好ましくは0.35%~0.75%、更により好ましくは0.40%~0.65%、更により好ましくは0.45%~0.60%に含まれる量のキサンタンガムと、
e)水と、
f)必要に応じて、好ましくは0.001%~2%、より好ましくは0.010%~0.100%、更により好ましくは0.020%~0.085%、更により好ましくは0.030%~0.090%に含まれる量の界面活性剤であって、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムおよびドキュセートナトリウムから選択され、より好ましくはラウリル硫酸ナトリウムである、界面活性剤と、
g)必要に応じて、好ましくは0.001%~5%、より好ましくは0.01%~1.00%、更により好ましくは0.05%~0.50%に含まれる量の防腐剤であって、好ましくは、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、エチルパラベン、エチルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、クロルヘキシジン、クロロクレゾール、クロロキシレノール、イミドウレア、クレゾール、フェノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、チメロサールおよびこれらの混合物から選択され、より好ましくは、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムおよびこれらの混合物から選択され、更により好ましくは、メチルパラベンナトリウムおよびプロピルパラベンナトリウムから選択される、防腐剤と、
h)必要に応じて、組成物のpHを、2.5~7、好ましくは4.0~6.5、より好ましくは5.5~6に含まれる値に調整するためのpH調整剤であって、好ましくはクエン酸緩衝液である、pH調整剤と、
i)必要に応じて、好ましくは0.0001%~0.5%に含まれる量の甘味料であって、好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、アリテーム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクラロース、ソーマチン、およびこれらの混合物から選択され、より好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびサッカリンナトリウムから選択される、甘味料と、
j)必要に応じて、好ましくは0.001%~0.1%に含まれる量の香料と、
を含んでなり、
上記パーセンテージは、重量/体積(w/v)、すなわち、懸濁剤100ml当たりの各構成要素のgとして表され;
好ましくは、組成物は構成要素a)~f)を含んでなり、構成要素g)~j)は必要に応じて含んでなり、より好ましくは組成物は構成要素a)~g)を含んでなり、構成要素h)~j)を必要に応じて含んでなり、更により好ましくは組成物は構成要素a)~h)を含んでなり、構成要素i)~j)を必要に応じて含んでなり;
好ましくは、組成物は、上記定義のとおり強制的あるいは必要に応じて上記構成要素a)~j)からなり、すなわち、組成物は、いずれもの追加の賦形剤も有効成分も含まない、
水性懸濁剤の形態の経口投与のための医薬組成物と;
B)好ましくは放出調節錠剤の形態であるタムスロシン、またはその薬剤的に許容可能な塩と、
を含んでなる固定用量組合せ投薬形態に関する。
【0123】
別の実施形態では、本発明の1つの態様は:
A)
a)0.01%~0.40%、好ましくは0.02%~0.30%、より好ましくは0.05%~0.20%、更により好ましくは0.08%~0.15%、更により好ましくは0.09%~0.12%に含まれ、更により好ましくは約0.1%である量のタダラフィルと、
b)好ましくは0.01%~0.25%、より好ましくは0.02%~0.20%、更により好ましくは0.03%~0.10%に含まれる量のシクロデキストリンであって、好ましくはα-シクロデキストリンおよびβ-シクロデキストリンから選択される、シクロデキストリンと、
c)好ましくは0.5%~2.0%、より好ましくは0.6%~1.4%、更により好ましくは0.7%~1.3%、更により好ましくは0.8%~1.2%、更により好ましくは0.9%~1.1%に含まれ、更により好ましくは約1.0%である量の共処理された結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(MCC-NaCMC)と、
d)好ましくは0.10%~0.75%、より好ましくは0.25%~0.65%、更により好ましくは0.36%~0.54%、更により好ましくは0.40%~0.50%に含まれ、更により好ましくは約0.45%である量のキサンタンガムと、
e)水と、
f)必要に応じて、好ましくは0.001%~2%、より好ましくは0.010%~0.100%、更により好ましくは0.020%~0.085%、更により好ましくは0.030%~0.090%に含まれる量の界面活性剤であって、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムおよびドキュセートナトリウムから選択され、より好ましくはラウリル硫酸ナトリウムである、界面活性剤と、
g)必要に応じて、好ましくは0.001%~5%、より好ましくは0.01%~1.00%、更により好ましくは0.05%~0.50%に含まれる量の防腐剤であって、好ましくは、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、エチルパラベン、エチルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、クロルヘキシジン、クロロクレゾール、クロロキシレノール、イミドウレア、クレゾール、フェノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、チメロサールおよびこれらの混合物から選択され、より好ましくは、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムおよびこれらの混合物から選択され、更により好ましくは、メチルパラベンナトリウムおよびプロピルパラベンナトリウムから選択される、防腐剤と、
h)必要に応じて、組成物のpHを、2.5~7、好ましくは4.0~6.5、より好ましくは5.5~6に含まれる値に調整するためのpH調整剤であって、好ましくはクエン酸緩衝液である、pH調整剤と、
i)必要に応じて、好ましくは0.0001%~0.5%に含まれる量の甘味料であって、好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、アリテーム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクラロース、ソーマチン、およびこれらの混合物から選択され、より好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびサッカリンナトリウムから選択される、甘味料と、
j)必要に応じて、好ましくは0.001%~0.1%に含まれる量の香料と、
を含んでなり、
上記パーセンテージは、重量/体積(w/v)、すなわち、懸濁剤100ml当たりの各構成要素のgとして表され;
好ましくは、組成物は構成要素a)~f)を含んでなり、構成要素g)~j)は必要に応じて含んでなり、より好ましくは組成物は構成要素a)~g)を含んでなり、構成要素h)~j)を必要に応じて含んでなり、更により好ましくは組成物は構成要素a)~h)を含んでなり、構成要素i)~j)を必要に応じて含んでなり;
好ましくは、組成物は、上記定義のとおり強制的あるいは必要に応じて上記構成要素a)~j)からなり、すなわち、組成物は、いずれもの追加の賦形剤も有効成分も含まない、
水性懸濁剤の形態の経口投与のための医薬組成物と;
B)好ましくは放出調節錠剤の形態であるタムスロシン、またはその薬剤的に許容可能な塩と、
を含んでなる組合せ経口用投薬形態に関する。
【0124】
本発明の別の態様は、本発明によるタダラフィル水性懸濁剤およびデュタステリド、またはその薬剤的に許容可能な塩を含んでなる固定用量組合せ投薬形態である。
【0125】
好ましくは、デュタステリドを、遊離塩基として使用する。
【0126】
タダラフィルと接触している場合、デュタステリドは容易に分解する。したがって、有利に、組合せ投薬形態でタダラフィルおよびデュタステリドを一緒に提供するが、デュタステリドの分解を避けるために物理的に別々にする。例えば、両有効成分を、同じ包装内の別々の区画内に入れて、摂取のほんの少し前に混合してよい。あるいは、デュタステリドは、タダラフィル懸濁剤内に含まれていてもよいが、例えば、コーティングされたデュタステリド粒子を用いて、または、例えばマイクロエマルション製剤として油球内にデュタステリドを含んで、相互作用を避けるためのある種の保護バリアを用いて含まれる。
【0127】
上記のように、本発明によるタダラフィル懸濁剤は、最適な特性、詳細には、最適な粘度およびレオロジー特性を有するので、粒状の他の固体成分と、例えば、散剤または顆粒剤として提供されるデュタステリド粒子と容易に混合することを可能とする。この方法では、タダラフィルおよびデュタステリドを含んでなる均一な混合物を、軽く揺するだけで容易に得ることができ、したがって、容易に嚥下することができ、良好な嗜好性も有する。
【0128】
有利に、この固定用量組合せ投薬形態は、両構成要素の次の用量:
・1mg~10mg、好ましくは2mg~8mg、より好ましくは3mg~7mg、更により好ましくは4mg~6mgに含まれ、更により好ましくは約5mgのタダラフィルの用量;および
・0.05mg~1.5mg、好ましくは0.1mg~1.0mg、より好ましくは0.2mg~0.8mg、更により好ましくは0.4mg~0.6mgに含まれ、更により好ましくは約0.5mgのデュタステリドの用量
を送達するようになっている。
【0129】
好ましい固定用量組合せ投薬形態は、約5mgのタダラフィルおよび約0.5mgのデュタステリドを含んでなる。
【0130】
有利に、例えば、この組合せを、単回投与バイアルで提供してよく、本発明のタダラフィル懸濁剤としてタダラフィルの適切な用量をバイアル中に入れ、例えば、散剤または顆粒剤としてデュタステリドの適切な用量を、投与前にタダラフィル懸濁剤中にデュタステリド散剤または顆粒剤を放出するために穴を開けるための手段を備えるキャップに封入する。次いで、両構成要素を、軽く揺すって容易に混合して、両成分の均一な混合物を得ることができる。
【0131】
タダラフィル懸濁剤のいずれもの濃度も、デュタステリドとのその組合せ使用のために使用してよい。したがって、懸濁剤の適切な体積を、デュタステリドと混合する適切な用量を提供するために算出する。
【0132】
好ましくは、デュタステリドは、タダラフィル懸濁剤と混合するための散剤または顆粒剤の形態である。上記散剤または顆粒剤のいずれもの特定の製剤を使用してよい。典型的には、上記散剤または顆粒剤は、デュタステリドの即時放出を提供する。
【0133】
各組合せ投薬で投与されるデュタステリドの量は低い、典型的には、約0.05~約1.5mgの範囲であるので、デュタステリド散剤または顆粒剤の製剤は、好ましくは、タダラフィル懸濁剤と均一に混合される散剤または顆粒剤の最適量を有するために、増量剤としての役割を果たす少なくとも1つの希釈剤を含み、上記量は、典型的には、50mg~1000mgに含まれる。適切な希釈剤は、とりわけ、例えば、デキストロース、ラクトース、ショ糖、マルトース、マンニトール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、硫酸カルシウム、結晶セルロース、粉末セルロース、デンプンまたはアルファデンプン、またはこれらの混合物である。
【0134】
典型的には、デュタステリド粉末製剤を製剤するため、粉末状のデュタステリドを、賦形剤、典型的には、希釈剤と混合する。必要に応じて、当技術分野において周知であるように、例えば、流動促進剤または着色料などの更なる賦形剤を添加することができる。適切な流動促進剤としては、とりわけ、コロイド状二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクが挙げられる。
【0135】
デュタステリドが顆粒剤の形態である場合、好ましくは、製剤は、とりわけ、例えば、ゼラチン、ポビドン、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ショ糖、デンプンおよびアルファデンプン、ならびにこれらの混合物から選択される結合剤も含んでなる。
【0136】
顆粒剤を、乾式造粒または湿式造粒のいずれかにより標準的方法に従って製剤することができる。粉末製剤および顆粒製剤の適切な調製方法は、例えば、前掲のM.E. Aulton and K.M.G. Taylorの文献の28章に開示されている。
【0137】
1つの実施形態では、本発明のこの態様は以下:
A)
a)0.01%(重量/体積)~5%、好ましくは0.02%~2.0%、より好ましくは0.05%~1.5%、更により好ましくは0.08%~1.2%、更により好ましくは0.09%~1.1%、更により好ましくは0.1%~1.0%に含まれる量のタダラフィルと、
b)好ましくは0.01%~0.25%、より好ましくは0.02%~0.20%、更により好ましくは0.03%~0.10%に含まれる量のシクロデキストリンであって、好ましくはα-シクロデキストリンおよびβ-シクロデキストリンから選択される、シクロデキストリンと、
c)好ましくは0.5%~2.0%、より好ましくは0.6%~1.4%、更により好ましくは0.7%~1.3%、更により好ましくは0.8%~1.2%、更により好ましくは0.9%~1.1%に含まれ、更により好ましくは約1.0%である量の共処理された結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(MCC-NaCMC)と、
d)好ましくは0.10%~1.50%、より好ましくは0.20%~1.00%、更により好ましくは0.25%~0.90%、更により好ましくは0.30%~0.85%、更により好ましくは0.35%~0.75%、更により好ましくは0.40%~0.65%、更により好ましくは0.45%~0.60%に含まれる量のキサンタンガムと、
e)水と、
f)必要に応じて、好ましくは0.001%~2%、より好ましくは0.010%~0.100%、更により好ましくは0.020%~0.085%、更により好ましくは0.030%~0.090%に含まれる量の界面活性剤であって、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムおよびドキュセートナトリウムから選択され、より好ましくはラウリル硫酸ナトリウムである、界面活性剤と、
g)必要に応じて、好ましくは0.001%~5%、より好ましくは0.01%~1.00%、更により好ましくは0.05%~0.50%に含まれる量の防腐剤であって、好ましくは、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、エチルパラベン、エチルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、クロルヘキシジン、クロロクレゾール、クロロキシレノール、イミドウレア、クレゾール、フェノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、チメロサールおよびこれらの混合物から選択され、より好ましくは、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムおよびこれらの混合物から選択され、更により好ましくは、メチルパラベンナトリウムおよびプロピルパラベンナトリウムから選択される、防腐剤と、
h)必要に応じて、組成物のpHを、2.5~7、好ましくは4.0~6.5、より好ましくは5.5~6に含まれる値に調整するためのpH調整剤であって、好ましくはクエン酸緩衝液である、pH調整剤と、
i)必要に応じて、好ましくは0.0001%~0.5%に含まれる量の甘味料であって、好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、アリテーム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクラロース、ソーマチン、およびこれらの混合物から選択され、より好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびサッカリンナトリウムから選択される、甘味料と、
j)必要に応じて、好ましくは0.001%~0.1%に含まれる量の香料と、
を含んでなり、
上記パーセンテージは、重量/体積(w/v)、すなわち、懸濁剤100ml当たりの各構成要素のgとして表され、
好ましくは、組成物は構成要素a)~f)を含んでなり、構成要素g)~j)は必要に応じて含んでなり、より好ましくは組成物は構成要素a)~g)を含んでなり、構成要素h)~j)は必要に応じて含んでなり、更により好ましくは組成物は構成要素a)~h)を含んでなり、構成要素i)~j)は必要に応じて含んでなり、
好ましくは、組成物は、上記定義のとおり強制的あるいは必要に応じて上記構成要素a)~j)からなり、すなわち、組成物は、いずれもの追加の賦形剤も有効成分も含まない、
水性懸濁剤の形態の経口投与のための医薬組成物と、
B)好ましくは、散剤または顆粒剤の形態であるデュタステリド、またはその薬剤的に許容可能な塩と、
を含んでなる固定用量組合せ投薬形態に関する。
【0138】
別の実施形態では、本発明の1つの態様は:
A)
a)0.01%~0.40%、好ましくは0.02%~0.30%、より好ましくは0.05%~0.20%、更により好ましくは0.08%~0.15%、更により好ましくは0.09%~0.12%に含まれ、更により好ましくは約0.1%である量のタダラフィルと、
b)好ましくは0.01%~0.25%、より好ましくは0.02%~0.20%、更により好ましくは0.03%~0.10%に含まれる量のシクロデキストリンであって、好ましくはα-シクロデキストリンおよびβ-シクロデキストリンから選択される、シクロデキストリンと、
c)好ましくは0.5%~2.0%、より好ましくは0.6%~1.4%、更により好ましくは0.7%~1.3%、更により好ましくは0.8%~1.2%、更により好ましくは0.9%~1.1%に含まれ、更により好ましくは約1.0%である量の共処理された結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(MCC-NaCMC)と、
d)好ましくは0.10%~0.75%、より好ましくは0.25%~0.65%、更により好ましくは0.36%~0.54%、更により好ましくは0.40%~0.50%に含まれ、更により好ましくは約0.45%である量のキサンタンガムと、
e)水と、
f)必要に応じて、好ましくは0.001%~2%、より好ましくは0.010%~0.100%、更により好ましくは0.020%~0.085%、更により好ましくは0.030%~0.090%に含まれる量の界面活性剤であって、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムおよびドキュセートナトリウムから選択され、より好ましくはラウリル硫酸ナトリウムである、界面活性剤と、
g)必要に応じて、好ましくは0.001%~5%、より好ましくは0.01%~1.00%、更により好ましくは0.05%~0.50%に含まれる量の防腐剤であって、好ましくは、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、エチルパラベン、エチルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、クロルヘキシジン、クロロクレゾール、クロロキシレノール、イミドウレア、クレゾール、フェノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、チメロサールおよびこれらの混合物から選択され、より好ましくは、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムおよびこれらの混合物から選択され、更により好ましくは、メチルパラベンナトリウムおよびプロピルパラベンナトリウムから選択される、防腐剤と、
h)必要に応じて、組成物のpHを、2.5~7、好ましくは4.0~6.5、より好ましくは5.5~6に含まれる値に調整するためのpH調整剤であって、好ましくはクエン酸緩衝液である、pH調整剤と、
i)必要に応じて、好ましくは0.0001%~0.5%に含まれる量の甘味料であって、好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、アリテーム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクラロース、ソーマチン、およびこれらの混合物から選択され;より好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびサッカリンナトリウムから選択される、甘味料と、
j)必要に応じて、好ましくは0.001%~0.1%に含まれる量の香料と、
を含んでなり、
上記パーセンテージは、重量/体積(w/v)、すなわち、懸濁剤100ml当たりの各構成要素のgとして表され、
好ましくは、組成物は構成要素a)~f)を含んでなり、構成要素g)~j)は必要に応じて含んでなり、より好ましくは組成物は構成要素a)~g)を含んでなり、構成要素h)~j)は必要に応じて含んでなり、更により好ましくは組成物は構成要素a)~h)を含んでなり、構成要素i)~j)は必要に応じて含んでなり、
好ましくは、組成物は、上記定義のとおり強制的あるいは必要に応じて上記構成要素a)~j)からなり、すなわち、組成物は、いずれもの追加の賦形剤も有効成分も含まない、
水性懸濁剤の形態の経口投与のための医薬組成物と、
B)好ましくは、散剤または顆粒剤の形態であるデュタステリド、またはその薬剤的に許容可能な塩と、
を含んでなる組合せ経口用投薬形態に関する。
【0139】
調製方法
本発明の別の態様は、上記組成物の調製方法である。
【0140】
本発明の組成物の適切な調製方法は、以下のステップ:
(i)シクロデキストリン、共処理されたMCC-NaCMC、およびキサンタンガムを総水の一部と混合して、均質な混合物を得ることと、
(ii)別途タダラフィルと総水の別の一部とを混合して、均質な混合物を得ることと、
(iii)上記ステップ(ii)の混合物を、上記ステップ(i)の混合物に添加することと、
(iv)水の残りを添加することと、
を含んでなる。
【0141】
全成分を、連続撹拌下で添加する。例えば、ステップ(i)および(ii)を、撹拌システムを備えているステンレス鋼反応器内で行ってよい。
【0142】
ステップ(i)では、第一混合物を調製するために使用される水の正確な割合は重要ではなく、例えば、総水の約30%~約75%であってよい。
【0143】
組成物がpH調整剤、防腐剤および/または甘味料を含んでなる場合、これらも、好ましくは、ステップ(i)で添加する。
【0144】
典型的には、共処理されたMCC-NaCMCの添加後、典型的には、製造者説明書に従っていくらかの撹拌ステップにより、これを活性化する。例えば、混合物を連続した2撹拌ステップ、先ず、例えば、約10~60分間最大800r.p.m.の中程度の撹拌速度で、次いで、例えば、約2~15分間約1000~1500r.p.m.のより激しい第二撹拌ステップに付すことにより活性化する。典型的には、両撹拌ステップ間およびその後、混合物を約5~60分間撹拌しないで放置する。
【0145】
ステップ(ii)では、第二混合物を調製するために使用される水の量も重要ではなく、例えば、総水の約5%~約25%であってよい。
【0146】
ステップ(ii)で得られた混合物は、懸濁液である。
【0147】
組成物が界面活性剤を含んでなる場合、典型的には、ステップ(ii)でタダラフィルと一緒にこれを添加する。
【0148】
香料がある場合、好ましくは、混合物(i)および(ii)の混合後に添加する。
【0149】
次いで、得られた最終懸濁剤を適切な容器に分注する。
【0150】
例えば、懸濁剤を、例えば、押すたびに一定体積の懸濁剤を分注するようにした投薬ポンプ、または他の適切な計量デバイス、例えば、計量カップ、経口用シリンジまたは点滴器などの適切な投薬システムを備えた高密度ポリエチレンボトルにパッケージ化することができる。
【0151】
1つの実施形態では、投薬デバイスは、押すたびに一定体積の懸濁剤を分注するようにした投薬ポンプである。
【0152】
別の実施形態では、投薬デバイスは、目盛付きシリンジである。
【0153】
好ましくは、懸濁剤中のタダラフィルの適切な濃度と組合せた投薬デバイスは、1mg~50mgのタダラフィル、好ましくは2.5~20mgのタダラフィルに含まれるタダラフィルの用量、例えば、約2.5mg、5mg、10mgまたは20mgの用量を送達するようになっている。
【0154】
組成物の使用
本発明によるタダラフィル組成物を、公知のタダラフィルの治療適応症のいずれか1つのために適切に使用することができる。
【0155】
驚くべきことに、実施例5に示されるように、懸濁化剤の特定の組合せを特徴とする本発明による懸濁剤は、異なる形態、すなわち、フィルムコート錠剤として調製されているにもかかわらず、市販されているCialis(登録商標)と類似している溶解プロファイルを提供することができる。したがって、本発明は、Cialis(登録商標)と同じ治療効果を提供することができるが、より便利かつ有利な投薬形態で提供することができる。
【0156】
その水性懸濁剤の形態での提供は、経口投与を容易にするが、各治療適応症および/または各特定の患者の特定の要件に調整される用量も可能とする。
【0157】
したがって、本発明の別の態様は、治療において使用するための本発明の医薬組成物である。
【0158】
1つの特定の実施形態では、本発明による医薬組成物は、男性の勃起不全の治療に適応される。
【0159】
男性の性機能障害としても知られている勃起不全は、満足な性行為を有するために充分な陰茎の勃起を達成または維持するための男性の持続的不能を意味すると理解される。
【0160】
したがって、本発明の特定の態様は、男性の勃起不全の治療において使用するための本発明の医薬組成物、または本発明の医薬組成物を、上記治療を必要とする患者に投与することを含んでなる男性の勃起不全の治療方法である。
【0161】
典型的には、約10mgまたは約20mgのタダラフィルの用量を使用し、予期される性行為前に服用する。あるいは、約2.5mgまたは約5mgの1日1回レジメンを使用してもよい。当業者には、この治療適応症のための適切な治療に効果的用量および/または投薬レジメンの選択は難しくないだろう。
【0162】
別の実施形態では、本発明による医薬組成物は、前立腺肥大症(BPH)の治療に適応される。
【0163】
周知であるように、前立腺肥大症(BPH)は、前立腺の肥大および膀胱出口閉塞に関連する年齢に関連する現象である。BPHの治療は、典型的には、症状の改善ならびに急性尿閉の危険性およびBPH関連外科手術の危険性を低減するために、BPHの兆候および症状の治療に関連する。
【0164】
したがって、本発明の別の態様は、前立腺肥大症の治療において使用するための本発明の医薬組成物、または本発明の医薬組成物を、上記治療を必要とする患者に投与することを含んでなる前立腺肥大症の治療方法である。
【0165】
約5mgのタダラフィルの用量を、BPHの治療において使用する。当業者には、この治療適応症のための適切な治療に効果的用量および/または投薬レジメンの選択は難しくないだろう。
【0166】
本発明の別の態様は、治療において使用するためのタダラフィルおよびタムスロシンを含んでなる経口用投薬形態である。
【0167】
より特定の態様は、前立腺肥大症の治療において使用するためのタダラフィルおよびタムスロシンを含んでなる経口用投薬形態、またはタダラフィルおよびタムスロシンを含んでなる経口用投薬形態を、上記治療を必要とする患者に投与することを含んでなる前立腺肥大症の治療方法である。
【0168】
本発明の別の態様は、治療において使用するためのタダラフィルおよびデュタステリドを含んでなる経口用投薬形態である。
【0169】
より特定の態様は、前立腺肥大症の治療において使用するためのタダラフィルおよびデュタステリドを含んでなる経口用投薬形態、またはタダラフィルおよびデュタステリドを含んでなる経口用投薬形態を、上記治療を必要とする患者に投与することを含んでなる前立腺肥大症の治療方法である。
【0170】
本発明は、以下の実施形態に関する:
1.a)0.01%(重量/体積)~5%(重量/体積)に含まれる量のタダラフィルと、
b)シクロデキストリンと、
c)共処理された結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(MCC-NaCMC)と、
d)キサンタンガムと、
e)水と、
を含んでなる、水性懸濁剤の形態の経口投与のための医薬組成物。
【0171】
2.上記タダラフィルの量が、0.02%(重量/体積)~2.0%(重量/体積)、好ましくは0.05%(重量/体積)~1.5%(重量/体積)、より好ましくは0.08%(重量/体積)~1.2%(重量/体積)、更により好ましくは0.09%(重量/体積)~1.1%(重量/体積)、更により好ましくは0.1%(重量/体積)~1.0%(重量/体積)に含まれることを特徴とする、実施形態1に記載の組成物。
【0172】
3.上記タダラフィルの量が、0.01%(重量/体積)~0.40%(重量/体積)、好ましくは0.02%(重量/体積)~0.30%(重量/体積)、より好ましくは0.05%(重量/体積)~0.20%(重量/体積)、更により好ましくは0.08%(重量/体積)~0.15%(重量/体積)、更により好ましくは0.09%(重量/体積)~0.12%(重量/体積)に含まれ、更により好ましくは約0.1%(重量/体積)であることを特徴とする、実施形態1に記載の組成物。
【0173】
4.上記タダラフィルの量が、0.1%(重量/体積)~4.0%(重量/体積)、好ましくは0.2%(重量/体積)~3.0%(重量/体積)、より好ましくは0.5%(重量/体積)~2.0%(重量/体積)、更により好ましくは0.8%(重量/体積)~1.5%(重量/体積)、更により好ましくは0.9%(重量/体積)~1.2%(重量/体積)に含まれ、更により好ましくは約1.0%(重量/体積)であることを特徴とする、実施形態1に記載の組成物。
【0174】
5.上記シクロデキストリンの量が、0.01%(重量/体積)~0.25%(重量/体積)、好ましくは0.02%(重量/体積)~0.20%(重量/体積)、より好ましくは0.03%(重量/体積)~0.10%(重量/体積)に含まれることを特徴とする、実施形態1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【0175】
6.上記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンおよび高度分岐シクロデキストリン(HBCD)から選択されることを特徴とする、実施形態1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【0176】
7.上記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリンおよびβ-シクロデキストリンから選択され、好ましくはα-シクロデキストリンであることを特徴とする、実施形態6に記載の組成物。
【0177】
8.上記共処理されたCMC-NaCMCの量が、0.5%(重量/体積)~2.0%(重量/体積)、好ましくは0.6%(重量/体積)~1.4%(重量/体積)、より好ましくは0.7%(重量/体積)~1.3%(重量/体積)、更により好ましくは0.8%(重量/体積)~1.2%(重量/体積)、更により好ましくは0.9%(重量/体積)~1.1%(重量/体積)に含まれ、更により好ましくは約1.0%(重量/体積)であることを特徴とする、実施形態1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【0178】
9.上記キサンタンガムの量が、0.10%(重量/体積)~1.50%(重量/体積)、好ましくは0.20%(重量/体積)~1.00%(重量/体積)、より好ましくは0.25%(重量/体積)~0.90%(重量/体積)、更により好ましくは0.30%(重量/体積)~0.85%(重量/体積)、更により好ましくは0.35%(重量/体積)~0.75%(重量/体積)、更により好ましくは0.40%(重量/体積)~0.65%(重量/体積)、更により好ましくは0.45%(重量/体積)~0.60%(重量/体積)に含まれることを特徴とする、実施形態1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【0179】
10.上記キサンタンガムの量が、0.10%(重量/体積)~0.75%(重量/体積)、好ましくは0.20%(重量/体積)~0.60%(重量/体積)、より好ましくは0.25%(重量/体積)~0.40%(重量/体積)に含まれ、更により好ましくは0.30%(重量/体積)であることを特徴とする、実施形態9に記載の組成物。
【0180】
11.上記キサンタンガムの量が、0.10%(重量/体積)~0.75%(重量/体積)、好ましくは0.25%(重量/体積)~0.65%(重量/体積)、より好ましくは0.36%(重量/体積)~0.54%(重量/体積)、更により好ましくは0.40%(重量/体積)~0.50%(重量/体積)に含まれ、更により好ましくは0.45%(重量/体積)であることを特徴とする、実施形態9に記載の組成物。
【0181】
12.上記キサンタンガムの量が、0.20%(重量/体積)~1.50%(重量/体積)、好ましくは0.30%(重量/体積)~0.95%(重量/体積)、より好ましくは0.42%(重量/体積)~0.80%(重量/体積)、更により好ましくは0.48%(重量/体積)~0.72%(重量/体積)、更により好ましくは0.55%(重量/体積)~0.65%(重量/体積)に含まれ、更により好ましくは約0.60%(重量/体積)であることを特徴とする、実施形態9に記載の組成物。
【0182】
13.上記組成物が、好ましくは0.001%~2%に含まれる量で界面活性剤を含んでなることを特徴とする、実施形態1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【0183】
14.上記界面活性剤が、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムおよびドキュセートナトリウムから選択されるアニオン性界面活性剤であることを特徴とする、実施形態13に記載の組成物。
【0184】
15.上記界面活性剤が、好ましくは、0.010%(重量/体積)~0.100%(重量/体積)、好ましくは0.020%(重量/体積)~0.085%(重量/体積)、より好ましくは0.030%(重量/体積)~0.090%(重量/体積)に含まれる量のラウリル硫酸ナトリウムであることを特徴とする、実施形態14に記載の組成物。
【0185】
16.上記組成物が、好ましくは、0.001%(重量/体積)~5%(重量/体積)、より好ましくは0.01%(重量/体積)~1.00%(重量/体積)、更により好ましくは0.05%(重量/体積)~0.50%(重量/体積)に含まれる濃度で防腐剤を含んでなることを特徴とする、実施形態1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【0186】
17.上記防腐剤が、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、プロピルパラベンナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、およびこれらの混合物から選択され、好ましくはメチルパラベンナトリウム、プロピルパラベンナトリウムおよびこれらの混合物から選択され、より好ましくはメチルパラベンナトリウムとプロピルパラベンナトリウムとの混合物であることを特徴とする、実施形態16に記載の組成物。
【0187】
18.上記組成物が、2.5~7、好ましくは4.0~6.5、より好ましくは5.5~6に含まれる値まで上記組成物のpHを調整するためのpH調整剤を含んでなることを特徴とする、実施形態1~17のいずれか一項に記載の組成物。
【0188】
19.上記pH調整剤が、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、トリス緩衝液、およびリン酸緩衝液である緩衝剤であることを特徴とする、実施形態18に記載の組成物。
【0189】
20.上記pH調整剤が、クエン酸緩衝液であることを特徴とする、実施形態19に記載の組成物。
【0190】
21.上記組成物が、好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、アリテーム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクラロース、ソーマチン、およびこれらの混合物から選択され、より好ましくはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびサッカリンナトリウムから選択される甘味料を含んでなることを特徴とする、実施形態1~20のいずれか一項に記載の組成物。
【0191】
22.上記甘味料の量が、0.0001%(重量/体積)~0.5%(重量/体積)に含まれることを特徴とする、実施形態21に記載の組成物。
【0192】
23.上記組成物が、香料を含んでなることを特徴とする、実施形態1~22のいずれか一項に記載の組成物。
【0193】
24.上記香料の量が、0.001%(重量/体積)~0.1%(重量/体積)に含まれることを特徴とする、実施形態23に記載の組成物。
【0194】
25.上記組成物が:a)タダラフィル;b)シクロデキストリン;c)共処理されたMCC-NaCMC;d)キサンタンガム;e)水;f)必要に応じて界面活性剤;g)必要に応じて防腐剤;h)必要に応じてpH調整剤;i)必要に応じて甘味料;およびj)必要に応じて香料からなることを特徴とする、実施形態1~24のいずれか一項に記載の組成物。
【0195】
26.上記組成物が:a)タダラフィル;b)シクロデキストリン;c)共処理されたMCC-NaCMC;d)キサンタンガム;e)水;f)界面活性剤;g)必要に応じて防腐剤;h)必要に応じてpH調整剤;i)必要に応じて甘味料;およびj)必要に応じて香料からなることを特徴とする、実施形態25に記載の組成物。
【0196】
27.上記組成物が:a)タダラフィル;b)シクロデキストリン;c)共処理されたMCC-NaCMC;d)キサンタンガム;e)水;f)界面活性剤;g)防腐剤;h)必要に応じてpH調整剤;i)必要に応じて甘味料;およびj)必要に応じて香料からなることを特徴とする、実施形態26に記載の組成物。
【0197】
28.上記組成物が:a)タダラフィル;b)シクロデキストリン;c)MCC-NaCMC;d)キサンタンガム;e)水;f)界面活性剤;g)防腐剤;h)pH調整剤;i)必要に応じて甘味料;およびj)必要に応じて香料からなることを特徴とする、実施形態27に記載の組成物。
【0198】
29.上記組成物が、k)必要に応じて着色料を更に含むことを特徴とする、実施形態1~28のいずれか一項に記載の組成物。
【0199】
30.上記組成物が、エタノール、イソプロパノール、プロパン-1-オール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、およびこれらの組合せを含まず;より好ましくは、上記組成物は、グリセリンを含まないことを特徴とする、実施形態1~29のいずれか一項に記載の組成物。
【0200】
31.固定用量組合せ投薬形態であって、上記固定用量組合せ投薬形態は、実施形態1~30のいずれか一項に記載のタダラフィル水性懸濁剤およびタムスロシン、またはその薬剤的に許容可能な塩、およびデュタステリド、またはその薬剤的に許容可能な塩から選択される第二薬物を含んでなる、固定用量組合せ投薬形態。
【0201】
32.上記固定用量組合せ投薬形態が、タムスロシン、またはその薬剤的に許容可能な塩を含んでなり、好ましくはタムスロシン塩酸塩の形態のタムスロシンを含んでなることを特徴とする、実施形態31に記載の固定用量組合せ投薬形態。
【0202】
33.上記タムスロシンが、放出調節錠剤の形態であることを特徴とする、実施形態32に記載の固定用量組合せ投薬形態。
【0203】
34.上記固定用量組合せ投薬形態が、両構成要素の次の用量:
・1mg~10mg、好ましくは2mg~8mg、より好ましくは3mg~7mg、更により好ましくは4mg~6mgに含まれ、更により好ましくは約5mgのタダラフィルの用量;および
・0.05mg~1mg、好ましくは0.08mg~0.8mg、より好ましくは0.15mg~0.65mg、更により好ましくは0.30mg~0.50mgに含まれ、更により好ましくは約0.4mgのタムスロシンの用量、
を送達するようになっていることを特徴とする、実施形態32または33に記載の固定用量組合せ投薬形態。
【0204】
35.上記固定用量組合せ投薬形態が、単回投与バイアルで提供し、上記タダラフィル懸濁剤を上記バイアル中に入れ、タムスロシンを上記キャップに封入することを特徴とする、実施形態32~34のいずれか一項に記載の固定用量組合せ投薬形態。
【0205】
36.上記固定用量組合せ投薬形態が、デュタステリド、またはその薬剤的に許容可能な塩を含んでなり、好ましくはデュタステリド遊離塩基を含んでなることを特徴とする、実施形態31に記載の固定用量組合せ投薬形態。
【0206】
37.上記デュタステリドが、散剤または顆粒剤の形態であることを特徴とする、実施形態36に記載の固定用量組合せ投薬形態。
【0207】
38.上記固定用量組合せ投薬形態が、両構成要素の次の用量:
・1mg~10mg、好ましくは2mg~8mg、より好ましくは3mg~7mg、更により好ましくは4mg~6mgに含まれ、更により好ましくは約5mgのタダラフィルの用量;および
・0.05mg~1.5mg、好ましくは0.1mg~1.0mg、より好ましくは0.2mg~0.8mg、更により好ましくは0.4mg~0.6mgに含まれ、更により好ましくは約0.5mgのデュタステリドの用量、
を送達するようになっていることを特徴とする、実施形態36または37に記載の固定用量組合せ投薬形態。
【0208】
39.上記固定用量組合せ投薬形態が、単回投与バイアルで提供し、上記タダラフィル懸濁剤を上記バイアル中に入れ、デュタステリドを上記キャップに封入することを特徴とする、実施形態36~38のいずれか一項に記載の固定用量組合せ投薬形態。
【0209】
40.次のステップ:
(i)シクロデキストリン、共処理されたMCC-NaCMC、およびキサンタンガムを総水の一部と混合して、均質な混合物を得ることと、
(ii)別途タダラフィルと総水の別の一部とを混合して、均質な混合物を得ることと、
(iii)上記ステップ(ii)の混合物を、上記ステップ(i)の混合物に添加することと、
(iv)水の残りを添加することと、
を含んでなることを特徴とする、実施形態1~30のいずれか一項に記載の組成物の調製方法。
【0210】
41.治療において使用するための、実施形態1~30のいずれか一項に記載の組成物または実施形態31~39に記載の固定用量組合せ投薬形態。
【0211】
42.男性の勃起不全または前立腺肥大症の治療において使用するための、実施形態1~30のいずれか一項に記載の組成物。
【0212】
43.前立腺肥大症の治療において使用するための、実施形態31~39のいずれか一項に記載の固定用量組合せ投薬形態。
【実施例
【0213】
実施例1:1%タダラフィルを含んでなる懸濁剤組成物
1%タダラフィルの力価を有する実施例1A~1Dを、下表にリストされている成分を用いて調製した:
【0214】
【表1】
【0215】
使用したMCC-NaCMCは、VivaPur MCG811P(JRS Pharma)であった。タダラフィルは、Dv90 11.2ミクロン(組成物1A~1D)または10.5ミクロン(組成物1E)の粒度であった。組成物1A、1B、1Cおよび1Dについて使用されたシクロデキストリンはHBCD(Cluster Dextrin、Glico Nutrition)であり、組成物1Eについて、シクロデキストリンはα-シクロデキストリン(Cavamax(登録商標)W6 Pharma、Wacker Chemie AG)であった。
【0216】
組成物1A、1B、1C、1Dおよび1Eの調製のため、以下に開示されているように、同様な方法を使用した。
【0217】
撹拌システムを装備したステンレス鋼反応器に最終バッチの約50%に相当する精製水を充填し、次いで、無水クエン酸、クエン酸ナトリウム、メチルパラベンナトリウム、プロピルパラベンナトリウム、アスパルテームおよびシクロデキストリンを、全て溶解するまで連続的に撹拌しながら反応器に段階的に添加した。その後、MCC-NaCMCおよびキサンタンガムをゆっくり添加し、MCC-NaCMCを活性化するために混合物を適切に撹拌した。
【0218】
撹拌を装備した第二ステンレス鋼反応器に総水の約15%を充填し、次いで、SLSおよびタダラフィルを撹拌下段階的に添加し、混合物を約10分間撹拌下ホモジナイズした。この混合物を第一反応器の内容物と混合し、水で反応器を注意深くリンスして壁に付着された物質全てを集め、そして、最終体積まで残りの水を添加し、均一な懸濁剤を得るまで連続的に撹拌を維持した。
【0219】
4つの場合全てにおいて、最終生成物は、白色またはほとんど白色の粘性懸濁剤(230~2550cPs)であった。pH値は、約5.7であった。
【0220】
この懸濁剤を、ポンプのストローク毎に懸濁剤0.5mlを分注するのに適したポンプ、または必要な容量を測定するために適したシリンジを備えた子どもが開けられないキャップで閉じられるプラグのいずれかを装備した30mlのPET黄褐色瓶に充填した。
【0221】
実施例2:0.1%タダラフィルを含んでなる懸濁剤組成物
0.1%タダラフィルの力価を有する実施例2A、2Bおよび2Cを、以下の表にリストされている成分を用いて調製した:
【0222】
【表2】
【0223】
全ての組成物において使用したMCC-NaCMCは、VivaPur MCG811P(JRS Pharma)であった。タダラフィルは、Dv90 11.2ミクロンの粒度であった。
【0224】
組成物2A、2Bおよび2Cについて使用されたシクロデキストリンは、HBCD(Cluster Dextrin, Glico Nutrition)であり、組成物2Dについて使用されたシクロデキストリンは、α-シクロデキストリン(Cavamax(登録商標)W6 Pharma、Wacker Chemie AG)であった。
【0225】
組成物2A、2B、2C、および2Dの調製のため、その後の方法は、実施例1に記載されているものと同様であった。
【0226】
3つの場合の全てにおいて、最終生成物は、白色またはほとんど白色の粘性懸濁剤(270~420cPs)であった。pH値は、全生成物(2A、2B、2Cおよび2D)について約5.7であった。
【0227】
実施例3:タダラフィルの0.1%懸濁剤および遅延放出タムスロシン錠剤を含んでなる固定用量組合せ物
タダラフィルおよびタムスロシンの固定用量組合せ物を、実施例2の懸濁剤組成物および放出調節タムスロシン錠剤を用いて、単回用量バイアル中に調製した。
【0228】
タムスロシン放出調節錠剤を、国際公開第2018/030862号に開示されているのと同様に調製した。
【0229】
最終遅延放出錠剤中のタムスロシンの含有率は、0.125重量%であった。
【0230】
臨時の単回用量バイアルに、タダラフィル5mgに相当する実施例2Aの懸濁剤5mlを充填した。キャップに、タムスロシン0.4mgに相当するタムスロシン錠剤320mgを充填した。
【0231】
これらの臨時の単回用量バイアルのキャップは、錠剤がバイアルに放出されることを可能とするため、投与直前に穴が開けられるようになっていた。したがって、混合物を、軽く揺らして均一化され、容易に投与されるように調製した。
【0232】
実施例4:タダラフィルの0.1%懸濁剤およびデュタステリドを含んでなる固定用量組合せ物
タダラフィルおよびデュタステリドの固定用量組合せ物を、実施例2の懸濁剤組成物およびデュタステリド粉末製剤を用いて、単回用量バイアル中に調製した。
【0233】
デュタステリド粉末製剤を、デュタステリド(0.125重量%)、無水ラクトース(約59~75重量%)、結晶セルロース(約24~40重量%)およびコロイド状二酸化ケイ素(約0.5~1.0重量%)を激しく混合することにより調製した。
【0234】
臨時の単回用量バイアルに、タダラフィル5mgに相当する実施例2Aの懸濁剤5mlを充填した。キャップに、デュタステリド0.5mgに相当するデュタステリド粉末製剤400mgを充填した。
【0235】
これらの臨時の単回用量バイアルのキャップは、デュタステリド散剤がバイアルに放出されることを可能とするため、投与直前に穴が開けられるようになっていた。したがって、混合物を、軽く揺らして均一化され、容易に投与されるように調製した。
【0236】
実施例5:Cialis(登録商標)フィルムコート錠剤と比較した本発明の懸濁剤の溶解アッセイ
Cialis(登録商標)市販フィルムコート錠剤と比較して、調製された懸濁剤中のタダラフィルの溶解挙動を評価するため、比較溶解アッセイを行った。
【0237】
実施例1A、1B、1Cおよび1Dに関して、容器中に、各懸濁剤2mlまたは、比較のため、1個の20mgCialis(登録商標)フィルムコート錠剤を入れることにより比較溶解アッセイを行った。
【0238】
実施例1Eに関して、容器中に、懸濁剤0.5mlまたは、比較のため、1個の5mgCialis(登録商標)フィルムコート錠剤を入れることにより比較溶解アッセイを行った。
【0239】
実施例2A、2B、2C、および2Dに関して、容器中に、各懸濁剤5mlまたは、比較のため、1個の5mgCialis(登録商標)フィルムコート錠剤を入れることにより比較溶解アッセイを行った。実施例2Dのための比較アッセイを、実施例2A、2B、および2Cと独立して行い、したがって、参照化合物Cialis(登録商標)の独立した溶解アッセイを、この比較試験のために行った。
【0240】
各アッセイのため、溶解媒体900mlを使用した。
【0241】
溶解媒体を、各々において、例えば、the European Pharmacopoeia 6.0 (Eur. Phar. 6.0), Chapter 2.9.3: Dissolution Test for Solid Dosage Formsに開示されているように、精製水を用い、HCl(pH1.2)または酢酸緩衝液(pH4.5)もしくはリン酸緩衝液(pH6.8)+0.5%SLSを用いて次の値1.2、4.5および6.8にpHを調整して調製した。
【0242】
溶解アッセイを、50rpmで撹拌しながら行った。次の時点:0、5、10、15、20、30および45分においてサンプルを採取し、サンプル中に溶解されているタダラフィル量を、HPLCを用い、以下に開示されている装置および条件を用いて分析した:
【0243】
【表3】
【0244】
各サンプルについてアッセイを6回反復して、平均値を算出した。Cialis(登録商標)フィルムコート錠剤に関して、溶解アッセイを12回反復し、平均値も算出した。
各時点、3つのpH条件において溶解されているタダラフィルのパーセンテージを以下の表に纏めている:
【0245】
【表4】
【0246】
【表5】
【0247】
【表6】
【0248】
【表7】
【0249】
【表8】
【0250】
【表9】
【0251】
参照化合物(Cialis(登録商標)20mgフィルムコート錠剤またはCialis(登録商標)5mgフィルムコート錠剤)と本発明による懸濁剤との間の溶解類似性を定量的に比較するため、Moore et al., Mathematical comparison of curves with an emphasis on in vitro dissolution profiles, Pharm. Tech., 1996, 20(6), 64-74またはHelmy et al., In vitro dissolution similarity as a surrogate for in vivo bioavailability and therapeutic equivalence, Dissolution Technologies, August 2016, 32-39、およびthe Guideline on the investigation of bioequivalence CMPM/EWP/QWP/1401/98 Rev. 1に開示されているように、類似性因子fを使用した。
【0252】
当技術分野において周知であるように因子fは、試験および参照生成物から得られる溶解曲線間の類似性の尺度である。この因子を、次式を用いて各サンプリングタイミングにおける溶解プロファイルの平均から算出する:
【0253】
【数1】
【0254】
上記式中:
・n=サンプリングタイミング数
・Rt=参照薬物の時間tにおいて溶解した平均パーセンテージ
・Pt=試験薬物の時間tにおいて溶解した平均パーセンテージ
【0255】
溶解した薬物のパーセンテージが85%を超えるポイントは、f算出に考慮しない。
【0256】
各サンプル対対応する参照化合物(Cialis(登録商標)5mgまたは20mgのいずれか)および各pH値(1.2、4.5および6.8)について比較を行った。
【0257】
の値は、0~100で変わる。値が50以上である場合、生成物は、参照生成物に対して類似性因子を満足すると見做す。
【0258】
更に、溶解アッセイにおいて、物質の85%超が両製剤で15分において既に溶解している場合、fの正確な値を算出する必要はなく、類似性因子も満足すると見做す。
【0259】
以下の表は、アッセイされた組成物に関する類似性因子fの値を纏めている。値「n.c.」は、85%超の溶解が15分において既に達成しているので、類似性因子fは算出していないことを意味する。
【0260】
【表10】
【0261】
アッセイした全ての懸濁剤について、fの値が50超であるかまたは85%超の溶解が15分において達成されるので、類似性因子は、アッセイした3つのpH条件の少なくとも2つを満足することを観察することができる。
【0262】
実施例6:安定性アッセイ
実施例1(1A、1B、1C、1Dおよび1E)および実施例2(2A、2B、2Cおよび2D)の組成物を、安定性について試験し、この目的を達成するために、いくつかの場合、25℃±2℃および相対湿度(RH)60%±5%において9ヶ月まで、ならびにこれらの全てにおいて40℃±2℃および75%±5%RHにおいて6ヶ月まで貯蔵した。各組成物のサンプルを、1,3、6および9ヶ月後、UV検出を備えたHPLCにより、タダラフィル、タダラフィル関連物質および他の不純物について分析した。他の安定性パラメータも、外観、粘度、pH、微生物検査、防腐剤含有率およびタダラフィルの溶解としてアッセイにおいて評価した。
【0263】
全ての試験サンプルは、必要な安定性基準を満足することが分かった。
【国際調査報告】