(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】眼科用器具の位置合わせシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 3/10 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
A61B3/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024525303
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 GB2022052710
(87)【国際公開番号】W WO2023073355
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521013611
【氏名又は名称】クーパーヴィジョン インターナショナル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】クラーク ロジャー ブライアン ミンチン
(72)【発明者】
【氏名】ハムリン ウィル
(72)【発明者】
【氏名】リンターン リチャード
(72)【発明者】
【氏名】リチャードソン ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ジェッセル カール
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA03
4C316FA06
4C316FA07
4C316FC01
4C316FZ01
(57)【要約】
眼科用器具を眼に対して位置合わせする方法及び装置が開示される。これは、角膜知覚計を患者の眼に対して位置合わせすることを含む。本発明の方法及び装置の他の特徴が、本明細書で更に説明される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科用器具を眼に対して位置合わせする方法であって、
a)前記眼科用器具から前記眼に向けて光のビームを差し向ける工程と、
b)前記ビームの周囲の複数の位置で、前記眼からの前記光の反射の測定値を取得する工程と、
c)前記測定値から前記眼に対する前記眼科用器具の位置を決定する工程と、
d)決定された前記位置から所望位置まで前記眼に対して前記眼科用器具を移動させる工程と、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記眼科用器具を前記眼の角膜の中心に対して位置合わせする工程であって、当該角膜から所定距離だけ離して位置合わせする工程
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光のビームは、コリメート光である
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記反射光の強度が測定される
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記反射光は、前記角膜から反射される
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記反射光は、少なくとも3つの位置で測定される
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の位置は、前記ビームの周囲に対称的に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記決定する工程は、1つ、2つ、及び/または、3つ、の空間軸において、前記眼に対する前記眼科用器具の位置を提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記決定する工程は、前記複数の位置の各々において受容される前記光の差を計算する工程を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記決定する工程は、前記複数の位置の各々において受容される入射光の合計量を計算する工程を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記移動させる工程は、前記ビームの周囲の対応する位置における反射光の前記測定値を均等にする方向になされる
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記眼科用器具を前記眼に対して移動させるための指示を提供する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
眼科用器具を眼に対して位置合わせするための装置であって、
開口を通して眼に差し向けられるように構成されたコリメート光源と、
前記開口の周囲に配置され、前記眼から反射される光を測定する複数の検出器と、
前記眼科用器具の前記眼に対する位置を決定し、決定された前記位置から所望位置まで前記眼科用器具と前記眼との相対位置を移動させるように構成された制御ユニットと、
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項14】
前記光は、赤外線である
ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記光は、細長いノズルを通して差し向けられる
ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記検出器は、前記開口の周囲に対称的に配置されている
ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記検出器は、フォトダイオードである
ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項18】
前記眼に対する前記眼科用器具の距離を調整するためのアクチュエータ
を更に備えたことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項19】
請求項13乃至18のいずれかに記載の装置
を備えたことを特徴とする眼科用器具。
【請求項20】
前記眼科用器具は、角膜知覚計である
ことを特徴とする請求項19に記載の眼科用器具。
【請求項21】
前記光は、前記角膜知覚計のノズルから差し向けられる
ことを特徴とする請求項20に記載の眼科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼科用器具を眼に対して位置合わせ(アライメント)するための方法及び装置に関する。より具体的には、排他的ではないが、本開示は、角膜知覚計を患者の目に対して位置合わせ(アライメント)することに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの眼科用器具が、眼に対して正確に位置合わせ(アライメント)されなければならない。例えば、角膜知覚計(知覚計)などの眼科用器具が、眼の表面の角膜感度を測定するために使用される。従来、角膜感度は、接触法を使用して測定されていたが、この方法は、不正確な測定値を提供し得る。このような器具の一例は、1本のナイロン糸を使用して角膜上に様々な力をもたらすものである。角膜感度を測定するためのより低侵襲性の方法の別の例は、非接触エアパフ技術(空気圧式知覚計)である。当該技術では、患者が感覚を感知するまで、角膜に吹き付けられるエアパフの圧力または流量が変更され得る。
【0003】
角膜は眼球から外側に突出しており、強膜の曲率に対して概ね独立である曲率半径を有する。角膜の形状や、眼窩に対するその位置は、患者ごとに異なり得る。このことは、器具を角膜に対して位置合わせ(アライメント)することを困難にし得る。位置合わせ(アライメント)プロセス中に眼が動くと、眼科用器具の眼に対する位置ずれ(ミスアライメント)が生じ得る。
【0004】
従来の空気圧式知覚計では、ノズルの位置が、2台のカメラシステムを使用して、検査員によって調整される。1台は、角膜からノズルまでの距離(z方向)を観測し、もう1台は、ノズルを角膜の中心に位置決めする(x、y方向)。特に複数の器具をセットアップする必要がある時、カメラの位置決めは時間を要し得る。患者は静止して少なくとも片方の目を開けていることが要求され、これは、患者にとって不快であり得る。また、訪問ごとに位置決めが同一でない場合、変動の潜在的な原因となる。眼の位置を検出するための2台のカメラシステムの統合は、空間的にもコンピュータ計算的にも要求が厳しく、検出システムの複雑さを増し得るし、システムの最小サイズを制限し得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示の目的は、眼科用器具を眼に対して位置合わせ(アライメント)するための改良された方法及び装置を提供することである。
【0006】
本開示の第1の態様によれば、以下の請求項1に記載された特徴を有する方法が提供される。
【0007】
本開示の第2の態様によれば、以下の請求項13に記載された特徴を有する装置が提供される。
【0008】
本開示の第3の態様によれば、以下の請求項19に記載された特徴を有する眼科用器具が提供される。
【0009】
本開示の好ましいが選択的な(必須ではなない)特徴は、以下の説明及び従属請求項に記載されている。
【0010】
勿論、本開示の1つの態様に関連して説明される特徴は、他の態様にも組み込まれ得ることが理解されるであろう。例えば、本開示の方法は、本開示の装置を参照して説明される特徴のいずれかを組み込み得るし、その逆も同様である。
【0011】
本開示の実施形態は、添付の概略図を参照して、例示的にのみ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、第1実施形態に従う、眼科用器具を眼に対して位置合わせ(アライメント)するための複数の工程を示す。
【0013】
【
図2】
図2は、第2実施形態に従う、眼科用器具を眼に対して位置合わせ(アライメント)する装置を概略的に示す。
【0014】
【
図3】
図3は、第3実施形態に従う、眼科用器具を眼に対して位置合わせ(アライメント)する装置の部分透視図を示す。
【0015】
【
図4a】
図4a及び
図4bは、第4実施形態に従う、眼に差し向けられて当該眼から反射される光のビームを断面で示す。
【
図4b】
図4a及び
図4bは、第4実施形態に従う、眼に差し向けられて当該眼から反射される光ビームを断面で示す。
【0016】
【
図5a】
図5aは、第5実施形態に従う、検出器配置の正面図を示す。
【0017】
【
図5b】
図5bは、第6実施形態に従う、検出器配置の正面図を示す。
【0018】
【
図6a】
図6aは、眼科用機器をx軸及びy軸に沿って位置合わせするための、第6実施形態に従う検出器で受信される信号を表すグラフデータを示す。
【0019】
【
図6b】
図6bは、眼科用機器をz軸に沿って位置合わせするための、第6実施形態に従う検出器で受信される信号を表すグラフデータを示す。
【0020】
【
図7】
図7は、第7実施形態に従う、眼科用器具を位置合わせ(アライメント)する装置を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
第1態様において、本開示は、眼科用器具を眼に対して位置合わせする方法を提供する。当該方法は、前記眼科用器具から前記眼に向けて光のビームを差し向ける工程と、前記ビームの周囲の複数の位置で、前記眼から反射される前記光の反射の測定値を取得する工程と、前記測定値から前記眼に対する前記眼科用器具の位置を決定する工程と、決定された前記位置から所望位置まで前記眼に対して前記眼科用器具を移動させる工程と、を備える。
【0022】
本方法は、従来の器具と比較して、眼科用器具を患者の眼に対して位置合わせする改良されたよりシンプルな方法を提供する。本方法は、カメラや光源などの複数の個別のシステムの必要を除去し、検査員が眼科用器具を患者の眼に対して効率良く位置合わせすることを許容する。
【0023】
眼科用器具は、角膜知覚計(知覚計)であり得る。眼科用器具は、眼の光軸の方向に沿って、眼の前方に位置決めされ得る。眼科検査、特に角膜感度に関する検査は、高レベルの精度を要求する。本方法は、器具を眼に対して位置合わせするのに要する時間を短縮し得て、眼の位置の継続的なモニタリングを提供し得て、位置合わせの精度を高め得る。眼科用器具を眼に対して位置合わせするのに要する時間を短縮することで、検査員(検眼士や眼科医など)は、患者を評価することにより多くの時間を費やすことができる。
【0024】
本方法は、眼科用器具を眼の角膜の中心に対して位置合わせする工程を含み得る。眼の角膜の大きさ及び構造は、患者ごとに異なり得る。本方法は、眼科用器具を角膜の中心に対して位置合わせし、且つ、角膜から所定距離に位置合わせする、改良された方法を提供する。
【0025】
測定値が取得される前に、検査員は、眼科用器具を手動で眼の角膜の中心に対して位置合わせする場合がある。角膜は、検査員にとって視認可能であり、眼科用器具を患者の眼に対して最初に位置合わせするための基準点として機能し得る。
【0026】
光のビーム(光線)は、コリメート光のビームであり得る。光のビームの直径は、コリメータに依存するであろう。当該ビームは、1mmの直径を有し得る。当該ビームの直径は、0.1~10mmであり得る。当該ビームの直径は、コリメータの直径よりも小さい場合がある。
【0027】
本方法は、ビームの周囲の複数の位置において、眼から反射された光の強度を測定する工程を含み得る。眼から反射される光の強度は、眼に対する眼科用器具の位置を決定(判定)するために使用される。当該反射光は、目の角膜から反射され得る。前述のように、関心のある領域が眼の角膜である場合、光のビームは、角膜の領域に限定されるようにサイズ決めされ得て、光は角膜のみから反射され得る。
【0028】
反射光の測定は、眼科用機器の位置を、3次元で、すなわち、眼の光軸の方向として定義されるz軸において、並びに、眼の光軸に直交する平面を定義するx軸及びy軸において、決定(判定)し得る。眼科用器具の眼に対するx軸及びy軸の位置は、眼科用器具の眼に対するz軸の位置とは独立に決定され得る。
【0029】
光は、眼から直接的に反射され得る。眼の表面に入射する光は、入射光ビームの方向に沿って戻るように反射し得る。眼の角膜が完全に凸面であって器具が角膜の中心に正確に位置合わせされている完璧な配置では、光のビームが極小に狭くて角膜上の極小点に入射する場合、光はビームの方向に沿って正確に戻るように反射するであろう。実際には、完璧に位置合わせされている時であっても、入射光ビームは有限の直径を有して角膜への入射角も範囲を有するため、光は入射光ビームの軸に対してある範囲の角度で凸面から反射する。
【0030】
反射光は、例えば、光のビームの周囲にある、3つの位置、4つの位置、5つの位置、6つの位置、7つの位置、8つの位置、または、8を超える位置、で測定され得る。当該位置は、光のビームの周囲に周状に分布され得る。例えば、光のビームの周囲に位置して光を測定する位置が4つである場合、それらは、光のビームの上方、下方、左方、及び、右方であり得る。
【0031】
反射光は、光のビームの周囲に対称的に配置された位置で測定され得る。例えば、反射光は、光のビームの上方及び下方の位置、並びに/または、光のビームの左方及び右方の位置、で測定され得て、各位置は互いに対して90度の角度で配置され得る。好ましくは、器具が眼に対して正確に位置合わせされている時、反射光の測定値は、複数の位置に亘って対称的に分布される。これは、光のビームの周囲の対称的な位置に分布される光に何らかの不均衡が存在する時、眼に対する器具の位置合わせのガイドを提供し得るため、有利である。
【0032】
眼に対する眼科用器具の位置を決定する工程は、各位置で受容される測定光の差を計算することによって実行され得る。眼に対する眼科用器具のx軸及びy軸における位置は、直径方向に対向する2つの位置での光の強度を比較することによって決定され得る。例えば、眼に対する眼科用器具のx軸に沿った位置は、光のビームの両側、例えば光のビームの左方及び右方、であって互いに180°の位置で測定される光の強度の差を計算することによって、決定され得る。眼に対する眼科用器具のy軸に沿った位置は、光のビームの上方及び下方で測定される光の強度の差を計算することによって、決定され得る。
【0033】
眼に対する眼科用器具の位置を決定する工程は、複数の位置で受容される入射光の合計量を計算する工程を含み得る。複数の位置に入射する光の合計量は、眼に対する眼科用器具のz軸に沿った位置情報を提供し得る。
【0034】
眼科用機器は、ビームの周囲で受容される測定値を均等にする方向、または均等にする傾向がある方向、に移動され得る。例えば、検出器によって検出される反射光の測定値が、光ビームの上方の位置において、光ビームの下方の位置での反射光の測定値よりも大きい(例えば、より高い強度である)場合、それらの対向する位置での反射光の測定値がほぼ等しくなる(例えば、10%以内、5%以内、1%以内、等)ように、眼科用器具が眼に対して調整され得る。
【0035】
本方法は、眼科用器具を眼に対して移動させるための指示を提供する工程を含み得る。指示を受信して眼に対して器具を移動させるように構成された制御アクチュエータが存在し得る。本方法は、眼科用器具に対して頭/目を動かすように患者に指示する工程を備え得る。患者に信号の形式で指示を提供し得るディスプレイまたは他の可視光源が存在し得る。本方法は、検査員に指示を与える工程を備え得る。指示を受信して当該指示を例えばソフトウェアディスプレイを介して検査員に向けて表示するように構成されたユーザインタフェースが存在し得る。検査員は、眼に対して眼科用器具の位置を手動で移動させ得る。検査員は、眼科用器具に対して頭/目を動かすように患者に指示し得る。例えば、彼らは、口頭で指示を説明し得る。
【0036】
本方法は、カメラを使用して眼に対する眼科用器具の長手方向の位置合わせを確認する工程を備え得る。カメラは、光ビームの方向に対して90°の角度で、患者の眼の側方に、位置決めされ得る。本方法は、眼の画像を撮影する工程を備え得る。当該画像は、眼の位置を決定して当該眼に対して眼科用器具を位置合わせするプロセスを支援するために使用され得る。
【0037】
第2態様において、本開示は、眼科用器具を眼に対して位置合わせするための装置を提供する。当該装置は、開口を通して眼に差し向けられるように構成されたコリメート光源と、前記開口の周囲に配置され、前記眼から反射される光を測定する複数の検出器と、前記眼科用器具の前記眼に対する位置を決定し、決定された前記位置から所望位置まで前記眼科用器具と前記眼との相対位置を移動させるように構成された制御ユニットと、を備える。
【0038】
光は、赤外線であり得る。光源は、赤外線発光ダイオード(LED)であり得る。幾つかの実施例では、光源は、可視光であり得る。もっとも、可視光を使用して眼の角膜の測定値を得るためには、状況によって、光が角膜から反射するために高強度の可視光が必要であり得て、これは、眼の他の部分にとって危険であり得る。赤外線の使用は、高強度の可視光を使用することの代わりに、より高い安全性を提供し、また、眼から反射される光の量を改善し得て、眼に対する眼科用器具の位置の迅速な測定を提供し得る。
【0039】
光源は、低強度の赤外線光源であり得る。低強度の赤外線は、角膜表面及び/または眼の他の部分を加熱するリスクを軽減し得る。
【0040】
装置は、複数の光源を備え得る。各光源は、異なる周波数の光を放射し得て、例えば、赤外線LEDと可視光LEDとが存在し得る。当業者に知られている他の光源も使用され得る。可視光源は、赤外線光源と組み合わされ得て、眼科用器具の眼に対する位置合わせを改善し得る。健康な眼では、角膜は、可視光線に対して透明である。低強度の可視光源は、眼科用器具に対して眼を中央に合わせるように患者に信号を提供し得る。可視光は、眼を位置決めするためのガイドを患者に提供する様々な色を有し得る。例えば、眼が眼科用器具に対して近すぎるか、遠すぎるか、または、正しい位置にあるか、を示すために、赤、黄、緑の光が存在し得る。光は、色を変えることで、あるいは、光の振幅や特別なパターン(例えば点滅光)を変えることで、特別な情報を提供し得る。光は、ユーザから見ると単純な点であり得て、固定ターゲットとして使用され得る。これは、LED光源であり得て、この場合、光はレンズまたは一連のレンズを介して網膜上に入射し得る(レンズ無しの単純なLEDは、網膜上に焦点が合っていない点として視認され得る)。他の実施例では、マスクが、レンズまたは一連のレンズを介して網膜上に結像され得て、これは、1または複数の異なる色の1または複数のLEDによって照らされ得る、他の実施例では、LCD、OLED、または、他の自発光ディスプレイが、レンズまたは一連のレンズと共に使用され得て、当該ディスプレイを網膜上に焦点合わせし得る。あるいは、可聴音など、患者が眼科用器具に対して眼を位置合わせするのを支援する他の信号源が存在し得る。
【0041】
光が導かれる開口(アパーチャ)は、細長いチューブであり得る。当該開口は、光源に接続され得る、あるいは、固定され得る。当該開口は、光が入射する入射部と、光が出射する出射部と、を有し得る。当該開口は、出射部が眼の表面近くになるように、位置決めされる。当該開口の出射部は、例えば、眼の表面から0.5mm~50.0mmの距離に位置決めされ得る。当該開口は、眼科用器具に接続され得る。当該開口は、眼科用器具の一部であり得て、例えば、当該開口は、空気が眼に差し向けられる空気圧式知覚計のノズルであり得る。
【0042】
光は、光源でコリメート(平行化)され得る。光をコリメート(平行化)する光学部品が存在してもよい。空気圧式知覚計のノズルが、光を方向付けてコリメート(平行化)するように構成されてもよい。
【0043】
前記開口(アパーチャ)の直径は、例えば、0.1~6.0mmの間であり得る。
【0044】
前記開口は、眼の角膜に対して位置合わせされ得る。前記開口は、眼の光軸に沿って位置決めされ得る。
【0045】
当該装置は、少なくとも3つの検出器を備え得て、例えば、それらの検出器は、開口の周囲に互いから120°の角度で配置され得る。当該装置は、3より多い検出器を備え得る。当該装置は、開口の周囲に位置決めされた3~10個の検出器を備え得る。
【0046】
検出器は、開口の周囲に対称的に配置され得る。対称的に位置決めされた検出器は、眼から反射される光の分布のより良好な測定を提供する。反射光の測定は、眼に対する眼科用器具の位置を、3次元で、すなわち、z軸において、並びに/または、x軸及びy軸において、決定(判定)するために使用され得る。眼に対する眼科用器具のx軸及びy軸に沿った位置は、直径方向に対向する検出器に入射する光の強度の不均衡によって計算され得る。例えば、開口の上方及び下方に位置決めされた検出器での測定値が、眼に対する眼科用機器のy軸の位置を提供し得る。検出器における反射光の放射方向分布の変化を測定することによって、眼に対する眼科用器具のz軸に沿った位置が決定(判定)され得る。幾つかの実施例では、開口の周囲において周方向に及び放射状に分散される検出器の数を増やすことで、眼科用器具のx軸、y軸及びz軸の位置のより正確な測定値を提供できる。
【0047】
検出器は、フォトダイオードであり得る。検出器は、赤外線検出器であり得る。当業者に知られている他の検出器も使用され得ることが、理解されるであろう。異なる周波数の光を検出するために、異なる検出器が存在し得る。例えば、開口の周囲に周方向に配置された赤外線検出用の第1検出器セットと、第1検出器セットの(更に)周囲に周方向に配置された可視光検出用の第2検出器セットと、が存在し得る。
【0048】
検出器は、光軸の方向に沿って開口の出射部から離れて配置され得る。検出器は、光の最適な検出及び分布のため、ある距離だけ目から離れて位置決めされ得る。検出器は、プレート上に取り付けられ得る。当該プレートは、円形であり得て、入射光が光源から眼に差し向けられるように中央孔を有し得る。当該プレートの当該中央孔は、眼科用器具のノズルの周囲にフィット(適合、嵌合)するように構成され得る。当該プレートは、センサプリント回路基板(PCB)であり得る。検出器は、当該PCBに取り付けられ得る。
【0049】
制御ユニットは、メインコントローラボードを含み得る。検出された信号を受信するために、制御ユニットは検出器に接続され得る。制御ユニットは、眼に対する眼科用器具の位置を決定(判定)し得る。
【0050】
本明細書に記載された装置は、本明細書に記載された検出器及び他の機能を制御するための制御ユニット50(例示)の一部であるコンピューティングシステムを含み得る。
当該コンピューティングシステムは、例えば、汎用プロセッサ、デジタル信号を連続的に処理するデジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、ロジック要素で構成される集積回路、フィールドプログラマブルロジックアレイ(FPGA)、または、本明細書に説明される個々の方法ステップ及び装置機能の1または複数を実行するための他の集積回路(IC)若しくはハードウェアコンポーネント、を含み得る。コンピューティングシステムは、更に、方法ステップを実行するためにハードウェアコンポーネント上で実行され得るデータ処理プログラム(ソフトウェア)を記憶するメモリを含む。コンピューティングシステムは、更に、本明細書に説明されるユーザインタフェースを含む。ユーザインタフェースは、ユーザがコンピューティングシステムと通信してコマンド(命令)を送信することを可能にするための、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、それらの組み合わせ、を含み得る。例えば、ユーザインタフェースは、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、キーボード、キーパッド、マウス、仮想現実インタフェース、拡張現実インタフェース、音声コマンドインタフェース、1または複数のスピーカ、1または複数のマイクロフォン、それらの組み合わせ、等を含み得るが、それらに限定されない。
【0051】
制御ユニット(例えば、50)は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、コンピュータ、または、他の処理装置、を含み得る。制御ユニットは、当業者に認識されるように、複数のプロセッサ、コンパレータ、レギュレータ、ロジック回路、及び、同様のコンポーネント、を有し得る。制御ユニットは、中央制御ユニットのコンポーネントであり得る。中央制御ユニットは、データ処理プログラム(例えばソフトウェア)が実行され得るデータ処理ユニット(例えばマイクロプロセッサ)を有し得る。制御ユニットは、リモート装置によって作動され得る。リモート装置は、モバイル通信装置、携帯電話、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、医師ネットワークコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、リモートマイクロプロセッサ、リモート中央処理装置、それらの組み合わせ、等を有し得る。
【0052】
制御ユニットは、ユーザインタフェースを有し得る。ユーザインタフェースは、反射光から測定された信号を提示し得て、眼に対する眼科用器具の位置を提供し得る。例えば、制御ユニットは、ユーザインタフェース上で眼に対する眼科用器具の位置情報を提供し得て、眼科用器具を手動で所望の位置に移動するための関連情報をインストラクターに提供し得る。当該情報は、画像、グラフィックデータ、点滅ライトやビープ音などの視覚的または聴覚的な合図、等として提示され得る。
【0053】
制御ユニットは、アクチュエータに接続され得る。アクチュエータは、検出器及び/またはプレートを移動させるように構成され得る。制御ユニットは、複数のアクチュエータに接続され得て、1つのアクチュエータが眼科用器具に接続され得る。制御ユニットは、眼科用器具を決定された位置から所望の位置に移動させるように、アクチュエータに指示し得る。決定された位置は、既に所望の位置であり得るが、その場合、眼科用器具は静止したままである。
【0054】
制御ユニットは、光源に接続され得る。制御ユニットは、光の強度、ビームサイズ、または、周波数、を制御し得る。例えば、検出された信号が弱い場合、制御ユニットは、赤外線の強度を増大させ得る。検出された位置が所望の位置である場合、制御ユニットは、所望の位置が達成されていることを信号化するべく、可視光源に特定の色(例えば緑色)の光ビームを送信するように指示し得る。
【0055】
当該装置は、本開示の第1態様に従う方法ステップを実行し得る。
【0056】
当該装置は、カメラを備え得る。カメラは、光ビームの方向に対して90°の角度で、患者の眼の側方に位置決めされ得る。カメラは、眼の画像を撮像し得て、当該画像は、眼に対する眼科用器具の位置合わせを支援するために使用され得る。カメラは、制御ユニットに接続され得る。制御ユニットは、画像を表示するユーザインタフェースを有し得る。カメラは、複数の画像を撮像し得て、眼の位置情報をリアルタイムで提示し得る。眼科用器具を眼に対して位置合わせするプロセスを支援するために、当該画像は表示または印刷され得る。
【0057】
第3態様によれば、第2態様に記載された装置を含む眼科用器具が開示され、当該眼科用器具は、角膜知覚計であり得る。角膜知覚計は、空気通過用の細長いノズルを有し得る。当該ノズルは、光源からの光を眼に導くように構成され得る。
【0058】
他の例示的な実施形態が、
図1乃至
図7を参照して更に詳細に説明される。
【0059】
図1は、眼科用器具を眼に対して位置合わせする工程を示す。最初に眼科用器具を眼に対して位置合わせる、好ましくは眼の角膜の中心に対して位置合わせする、第1工程1が存在する。患者の眼が開いている時、眼の角膜が検査員に視認可能である必要がある。当該位置合わせは、当該検査員によって行われ得る。あるいは、当該位置合わせは、制御ユニットによって指示されるアクチュエータによって行われ得る。
【0060】
眼科用器具からの光のビームを眼に差し向ける第2工程2が存在する。光のビーム(光線)は、ほぼコリメート(平行化)されており、好ましくは赤外線(IR)である。
【0061】
ビームの周囲の複数の位置で眼の角膜から反射された光を測定する第3工程3が存在する。入射光ビームは、関連する直径を有する、ほぼ円形の光ビームであり得る。眼の角膜の曲率は、入射光ビームの方向から遠ざかるように光を反射する凸面に近似され得る。幾つかの実施例では、光ビームの周囲に少なくとも3つの位置を有することが好ましい。各位置に、例えばフォトダイオードなどの検出器、または、IR光を検出可能な任意の他の検出器、が存在する。当該検出器は、各位置で反射光の強度を測定可能である。
【0062】
本方法は、複数の位置に亘る反射光の分布を比較することによって、眼に対する眼科用器具の位置を決定(判定)する第4工程4を含む。光のビームの周囲の各位置で受信された信号を比較することにより、眼に対する眼科用機器の位置が決定(判定)され得る。好ましくは、検出器は、ビームの周囲に対称にz軸に沿って等距離に配置され得て、例えば、4つの検出器がビームの周囲に互いに90°の角度で位置決めされ得て、(4つの)検出器が(4つの)象限を形成する。x軸及びy軸に沿った変位は、互いに直径方向反対側の各位置からの光の測定を使用して、測定され得る。z軸に沿った測定は、ビームの周囲の信号の放射方向の分布を使用して、行われ得る。
【0063】
本方法は、第3工程3で測定された決定された位置が所望の位置であるか否か、を判定する第5工程5を含む。
【0064】
反射光から検出器で受信される信号が複数の位置に亘ってほぼ均等に分布されている場合、x軸及びy軸に沿った決定された位置は、所望の位置であろう。全ての位置で受信された測定信号の放射方向の分布が、z軸の位置を決定(判定)し得る。決定された位置が所望の位置にある場合、本方法は第6工程6に進み、当該工程は、眼科用器具が眼に対して位置合わせされていることを示す信号を提供する、例えば、眼に可視光のフラッシュを差し向けたり、可聴音を発したりする。
【0065】
反射光から検出器で受信される信号が複数の位置に亘って均等に分布されていない場合、決定された位置は、所望の位置ではないであろう。本方法は、眼科用器具を眼に対して決定された位置から所望の位置まで移動させる第7工程7に進むであろう。検出器で受信された測定値の不均衡を均等化するように、眼に対する器具の移動が実施される。
【0066】
本方法は、眼科用器具が所望の位置で眼に位置合わせされているか否か、を判定するために、第2工程乃至第5工程を繰り返すことを含む。所望の位置が達成されるまで、第2工程乃至第5工程が繰り返されることが理解されるであろう。検出器は、z軸の周りに非対称の角度で、及び、z軸に沿って不均一な距離で、位置決めされる場合があり、眼に対する眼科用機器の位置を決定する際には、これらが考慮される必要があり得る。
【0067】
次に、
図2を参照して、例示的な装置が説明される。装置100は、眼科用器具20を患者の眼40に対して位置合わせするための装置である。眼科用器具20は、ノズル22を有する空気圧式角膜知覚計である。眼の表面の感度は、ノズル22を介して眼40に吹き付けられる空気に対する患者の反応を測定することによって、決定(判定)される。照明ユニット10が、角膜知覚計20の一端に配置されており、空気がそこから送られる。ノズル22は、受容孔22’と出口孔22”とを有する細長いチューブである。ノズル22は、1mmの直径を有する。他の実施例では、ノズル22は、0.1mm~6mmの範囲内の直径を有し得る。
【0068】
照明ユニット10は、2つの異なる光源、すなわち、赤外線光源4及び可視光源2、を含む。照明ユニット10は、ビームスプリッタ3も有している。本実施形態では、ビームスプリッタ3は、赤外線4が最小限の反射または偏向で通過することを許容するように構成されている。可視光源2は、赤外光源4に対して垂直に配置され、ビームスプリッタ3の表面で反射されるように配置されている。赤外線光源4及び可視光源2の両方が、照明ユニット10の出口開口に向かって同じ方向に差し向けられている。照明ユニット10の出口開口は、ノズル22の入口孔22’に配置され、ノズル22が赤外線4及び可視光2を眼40に差し向ける。この例では、照明ユニット10は、当該照明ユニット10及びノズル22の両方が一緒に動くように、ノズル22に取り付けられている。
【0069】
眼の角膜は外側に突出しており、ほぼ凸状である。角膜は、可視光線を透過するため、信号が脳に送られ得て、画像に変換され得る。可視光源2は、眼科用器具20に対する患者の眼の位置合わせに関する情報を、患者に提供する。
【0070】
赤外線光源4は、低強度光源である。角膜は、赤外線を透過しないため、赤外線8は眼40の角膜から反射される。角膜の曲面は、赤外線8を眼から遠ざけるように、入射光の方向に対して斜めに反射するであろう。反射角度は、x軸、y軸及びz軸に沿った眼の表面に対する角膜知覚計20の位置に依存するであろう。
【0071】
反射された赤外線18は、ノズルの周囲に配置された複数の検出器28によって検出される。検出器は、センサプリント回路基板(PCB)等のプレート30上に一体化(統合)されている。プレート30は、ノズル22が通過するための中央孔31を有する。プレート30は、円形を有する。他の実施例では、プレートは、異なる形状であり得る。
図2は、4つの赤外線検出器28を示しており、そのうちの2つがノズル22の上方に配置されており、残りの2つがノズル22の下方に配置されている。更なる検出器(不図示)が、水平面内のノズル22の両側に設けられている。他の実施例では、最も外側の検出器26が、可視光検出器であり得る。
【0072】
4つの検出器28が、各々ノズル22の周囲に互いに90°の角度で配置され得て、好ましくは、ノズル22の上方及び下方の位置並びにノズル22の右方及び左方の位置でノズルの周囲に対称的に配置され得る。これは、
図5aに示されており、以下でより詳細に説明される。別の例示的な実施形態では、
図5bに示され以下でより詳細に説明されるように、ノズル22の左方及び右方の各々に配置された追加の検出器が存在する。検出器28は、反射光18の強度を測定して、x軸及びy軸に沿った眼40に対する角膜知覚計20の位置を決定(判定)し、また、反射光18の放射方向の分布を測定して、z軸に沿った眼40に対する角膜知覚計20の位置を決定(判定)するように配置されている。他の実施例では、検出器28、26は、ノズル22の周囲に異なって配置され得る。
【0073】
プレート30及び検出器26、28は、ノズル22の出口孔22”から離れたある距離に位置決めされている。検出器26、28とノズル22の出口孔22”との間の距離は、5mmである。(検出器26、28とノズル22の出口孔22”との間の距離は、0.5mm~200mmであり得る。)
【0074】
マイクロコントローラ52が、プレート30に接続されている。それは、有線で接続され得るし、あるいは、無線で接続され得る(例えば、Wi-Fi、または、Bluetoothを使用)。マイクロコントローラ52は、検出器26、28から情報を受信する。マイクロコントローラ52は、ノズル22の長さに沿ってプレート30の位置を制御し得る。この実施形態では、プレート30は、ノズル22に対して固定されている。他の実施例では、プレート30は、z軸に沿って移動し得る。プレートは、ノズル22の軸を中心にして回転可能であってもよい。
【0075】
制御ユニット50は、マイクロコントローラ52を介して検出器26、28からの検出信号を受信する。制御ユニット50は、検出された信号を2つの成分(各検出器26、28における反射光18の強度及び位置)に変換し、各検出器26、28における信号を比較することにより眼40に対するノズル22の位置を決定(判定)する。決定(判定)された位置が所望の位置でない、すなわち、眼40の角膜の中心と位置合わせされていない場合、制御ユニット50は、光源ドライバ54に指示して照明ユニット10を移動させ、その結果、角膜知覚計20をx軸、y軸及び/またはz軸に沿った方向に移動させる。角膜知覚計20が所望の位置にある場合、照明ユニット10及び角膜知覚計20は静止したままであろう。制御ユニット50は、光源ドライバ54に指示して、光源4、2の強度を変更することも可能である。
【0076】
眼科用器具を患者の眼140に対して位置合わせするための装置の例示的な実施形態200の部分的透視図が、
図3に示されている。
図3は、患者の眼140に使用されている装置200を示す。装置200は、
図2で前述された装置と実質的に同一であり、同一の特徴には同一の参照符号が付されているが、先頭に数字「1」が追加されている。本実施形態の装置200は、赤外線光源104、可視光源102、及び、ビームスプリッタ103、を有する照明ユニット110と、当該装置200のコンポーネントを移動させるための制御ユニット(不図示)と、を収容するハウジング180を備える。ハウジング180は、ノズル122を有する角膜知覚計を受容してこれと接続するように構成された開口部を有する。ノズル122は、部分的にハウジング180の内部にあり、部分的にハウジング180の外部にある。照明ユニット110の出口開口が、ノズル122に接続されており、当該照明ユニット110からの光を患者の眼140に差し向ける。
【0077】
ハウジング180の外側のハウジング開口部の位置の近傍に、複数の検出器128を有するプレート130が存在する。プレート130は、ノズル122用の中央孔を有し、固定手段によって複数の固定位置でハウジング180の外側に取り付けられている。本実施例では、プレート130は、4箇所の固定位置でネジを介してハウジング180の外側に取り付けられている。他の実施例では、プレートは、4より多い箇所の固定位置でハウジング180の外側に取り付けられ得るし、あるいは、接着剤などの他の固定手段によって取り付けられ得る。本実施例では、
図5bに示されるように、プレート130は、ノズル122の周囲に対称的に配置された6つの検出器128を有する。
【0078】
ハウジング180の開口部の外側において、ハウジング180はアイアタッチメント170に接続されている。アイアタッチメント170は、ハウジング180上に螺合されるかスライドされるように構成された接続部分174と、患者の眼窩を補完するように成形された湾曲眼部分172と、の2部分を有する。接続部分174は円形であり、ノズル122の外部部分、プレート130、及び、検出器128、を収容してその周囲にフィットするように構成されている。眼部分172は、接続部分174よりも小さい直径を有する。眼部分172の最遠端部は、患者の眼窩の形状を補完するように成形されており、装置200の動きを低減することによって位置合わせプロセスを支援し、患者により良好な快適性を提供する。更に、アイアタッチメント170は、外部環境からの迷光が患者の眼140に入ることを防ぎ、患者が視線をそらす可能性を防ぐ。
【0079】
図4aは、眼科用器具220に入射して眼240に差し向けられる光のビームの断面を示しており、光線追跡が、眼240の角膜242からの反射光218の方向を示している。本実施形態の幾つかの特徴は、
図2を参照して前述されたものと同一であり、同一の特徴には同一の参照符号が付されているが、先頭に数字「2」が追加されている。赤外線ビーム208は、光源(不図示)から眼科用器具220のノズル222の入口開口222’に差し向けられる。入口孔222’は、出口孔222”の直径よりも大きい開口径223を有する。ノズル222の出口孔222”は、光208をコリメート(平行化)し、光208のスポットサイズを定義する。この実施例では、ビーム径225は、1mmである。他のノズル222は、異なるサイズの出口孔222”を有し得て、例えば、当該サイズは、0.5~1.5mmであり得ることが理解されるであろう。光ビーム208がノズル222から出る時、それは、眼240の角膜242に向けて差し向けられ、入射光ビームに対して角度θで反射される。角膜の曲率により、反射光218は、ノズル222から離れて検出器228に差し向けられる。検出器22は、z軸に沿って出口開口222”から一定の距離だけ離れて配置され、ノズル222の周囲に対称的に配置されている。この実施例では、ノズル222の上方及び下方の2つの検出器228のみが視認され得る。水平面内でノズル222の両側に、更なる検出器(不図示)が設けられ得る。
【0080】
図4bは、眼の瞳孔227の直径に対するビーム径サイズ225’の一実施例を示している。この実施例では、ビーム径225’は1mmであり、瞳孔径は6mmであり、±2.5mmの位置の不確実性を与える。しかしながら、z軸において±0.4mmの精度並びにx軸及びy軸において±0.1mmの精度という条件で、1mmのビームスポットサイズについて、信号が検出器228で検出可能であることが示された(確認された)。符号229は、当該位置合わせシステムで使用される光(可視光)のビーム径に対する瞳孔サイズと、位置合わせシステムが使用されない場合のxy位置決定の誤差と、を示す。すなわち、xyの位置合わせのために被験者が光を見るだけであれば(角膜からの反射光を測定するセンサが無い場合)、この誤差が生じ得る。
【0081】
図5a及び
図5bは、入射ビーム308、408の方向に沿って見た時の例示的な検出器配置を示す。
【0082】
図5aは、ビーム308の周囲に対称的に配置された4つの検出器を有する検出器配置300を示す。ビーム308の上方及び下方に対称的に配置された2つの同一のy軸検出器328が存在し、ビーム308の左方及び右方に対称的に配置された2つの同一のx軸検出器338が存在する。
【0083】
図5bは、ビーム408の周囲に対称的に配置された合計6つの検出器を有する検出器配置400を示す。ビーム408の上方及び下方に対称的に配置された2つの同一のy軸検出器428が存在する。x軸に平行に対称的に配置された4つの同一のx軸検出器438が存在する。y軸に沿って互いに隣接する2つの検出器が、ビーム308の左側に存在し、y軸に沿って互いに隣接する更に2つの検出器が、ビーム308の右側に存在する。当該概略図からは明瞭には分からないが、2つのy軸検出器428は、ビーム408を中心とした第1半径を有するリング上にあって、検出器の内側リングを形成している。4つのx軸検出器438も、ビーム408を中心とした第2半径(より大きな半径)を有するリング上にあって、検出器の外側リングを形成している。
【0084】
図6a及び6bは、眼に対する眼科用器具の位置合わせに関する情報を提供する測定データを示す。
【0085】
図6aは、角膜から反射された光から、
図5bで説明された検出器で検出された信号のプロットを示している。各々の赤いドット(点)が、受信された信号のパルスに対応している。(0,0)の赤いドットの中央クラスター60が、眼の公称位置、すなわち、眼科用器具が眼に対して位置合わせされる場所、に対応している。座標(0,900)の赤いドットの上部クラスター64が、y軸に沿った+0.5mmの反射光のずれを示している。座標(-1100,-200)の赤いドットの左側クラスター62が、x軸に沿った+0.5mmの反射光のずれを示している。軸から外れた赤いドットのクラスター62、64は、眼の角膜に対する眼科用器具の位置を識別するために使用され得る。次に、赤いドットがほぼ中心60にくるまで、眼科用器具が眼に対して移動され得る(あるいは、眼が眼科用器具に対して移動され得る)。図において「赤いドット」と言及されているが、これらのドットは、図面では、黒いドット(点)として示されている。
【0086】
測定値は、
図6aのプロットの右側に示されるように、検出器配置400’または400”によって取得される。眼に対する眼科用器具の位置は、直径方向に対向する検出器64a及び64b、62a及び62b、のセットで受信される信号によって決定(判定)され得る。ある検出器配置400’では、検出器配置の上半分64aで受信される信号が、検出器配置の下半分64bで受信される信号と比較され、眼に対する眼科用器具の位置のy軸成分が提供される。別の検出器配置400”では、光ビーム68の左方の検出器配置62aで受信される信号が、光ビーム68の右方の検出器配置62bで受信される信号と比較され、眼に対する眼科用器具の位置のx軸成分が提供される。
【0087】
図6bは、内側リングと外側リングとにそれぞれ配置された検出器で受信される内側半径信号及び外側半径信号の放射方向(半径方向)の分布のプロットを示している。これらの信号は、z軸に沿った眼に対する眼科用機器の位置合わせに関する情報を提供する。z軸に沿った眼に対する眼科用器具の公称位置70は、ほぼ座標位置(100,10)にあり、これは、ノズルの出口開口と眼の角膜の表面との間の5mmの距離に対応している。ほぼ座標位置(475,78)にある赤いドットの上部クラスター72が、z軸に沿った+1.0mmの反射光のずれを示している。ほぼ座標位置(0,0)にある赤いドットの左側クラスター74が、z軸に沿った-1.0mmの反射光のずれを示している。軸から外れた赤いドットのクラスター72、74は、眼科用器具と眼の角膜との間の距離を識別するために使用され得る。測定された位置が所望の位置でない場合、赤いドットがほぼ中心70にくるまで、眼科用器具が眼に対して移動され得る(あるいは眼が眼科用器具に対して移動され得る)。
【0088】
測定値は、
図6bのプロットの右側に示されるように、検出器配置400”’、400””によって取得される。z軸に沿った眼に対する眼科用器具の位置は、検出器内側リングにある直径方向に対向する検出器74a、74bにおける絶対強度を測定することによって、あるいは、検出器外側リングにある直径方向に対向する検出器72a、72bにおける絶対強度を測定することによって、決定(判定)され得る。全ての動的範囲に亘ってz軸に沿った眼に対する眼科用機器の位置を決定(判定)するために、検出器外側リングにある直径方向に対向する検出器72a、72bからの絶対的な強度測定値と、検出器内側リングにある直径方向に対向する検出器74a、74bからの絶対的な強度測定値と、が使用され得る。
【0089】
あるいは、z軸に沿った眼に対する眼科用機器の位置は、相対的な強度測定値から決定(判定)され得る。強度は、検出器内側リングにある直径方向に対向する検出器74a、74bで測定され得て、これが、検出器外側リングにある動的に反対側の検出器72a、72bで測定される強度と比較され得る。
【0090】
図7は、眼科用器具520を眼540に対して位置合わせするための装置500を示す例示的な実施形態の概略断面図である。本実施形態の特徴の幾つかは、
図2を参照して前述された特徴と同一である。これらの特徴には、同一の参照符号が付されているが、先頭に数字「5」が追加されている。次に、本実施形態の異なる特徴が説明される。装置500は、赤外線光源504を有する照明ユニット510を収容するハウジング570と、赤外線508を患者の眼540の角膜に向けて差し向けるノズル522を有する眼科用器具520と、ノズル522の周囲に配置された検出器と、を備えている。装置500は、また、眼540の光軸に対して90°の角度で位置決めされたカメラ560を備える。カメラ560は、当該カメラの視野軸が目の表面、すなわち角膜、を観察するべく配置されるように、目の側方に位置決めされる。カメラ560は、眼科用器具520の眼540の角膜に対する位置合わせを支援するために配置される。眼540からの反射光518が示されている。カメラ560は、眼科用器具520に対する眼の位置の可視画像を提示することによって、インストラクターに追加の支援を提供する。カメラ560は、ハウジング570に接続された別箇のマウントまたは支持ブラケット572に取り付けられる。カメラ560は、情報を交換して眼540に対するカメラの位置を制御するために、制御ユニット550に接続される。
【0091】
本発明は、特定の実施形態を参照して説明及び図示されているが、当業者には、本発明が本明細書に具体的に示されていない多くの異なる変形例にも適していることが理解されるであろう。ここで、例示としてのみ、幾つかの可能な変形例が説明される。
【0092】
図2に示される例示的な実施形態では、第1検出器セットの周囲に円周方向に配置される第2検出器セットが存在し得る。例えば、第1検出器セットは、プレート30の中央孔31の周囲に互いに90°の角度で配置された4つの検出器を有し得る。第2検出器セットは、90°の角度位置に配置され、第1検出器セットの周囲に円周方向に配置された4つの検出器を有し得る。中央孔31から最も離れて位置決めされる追加の検出器が、反射光18の放射方向分布に関する情報を提供し得て、これは、z軸に沿った眼40に対する角膜知覚計20の位置を決定(判定)する。中央孔31の周囲には、更に多くの赤外線検出器28が分散配置され得て、例えば、合計で8つの検出器が存在し得て、各検出器は中央孔31の周囲に互いに45°の角度で配置され得る。
【0093】
幾つかの実施例では、制御ユニット50は、ユーザインタフェース(不図示)を有し得る。制御ユニット50が眼40に対するノズル22の位置を決定(判定)する時、ユーザインタフェースは、ノズル22の周囲の反射光18の位置を示すグラフやチャートなどの視覚情報を表示し得る。検査員は、この情報を使用して、角膜知覚計20を眼40に対して手動で移動させ得る。検査員は、当該情報を使用して、角膜知覚計20に対して頭を動かすように患者に指示し得る。
【0094】
装置100の例示的な実施形態では、可視光源2が、患者の眼に対するノズル22の位置合わせの指標として使用される。制御ユニット50は、可視光6のパルスを眼40に送信するように可視光源2に指示し得て、例えば、決定(判定)された位置が所望の位置にない場合、赤色光のビームを送信し得る。決定(判定)された位置が所望の位置にある場合、可視光源2は緑色光のビームを送信し得る。他の実施例では、他の色が使用され得る。可視光6は、複数パルスのパターンであり得る。
【0095】
図7に示される例示的な実施形態では、カメラ560は、光軸の周囲の任意の位置で、x軸またはy軸に沿って位置決めされ得る。カメラ560は、眼540の角膜の複数の画像を取得(撮影)し得る。カメラ560は、眼540に対する眼科用器具520の位置合わせを記録するビデオレコーダであり得る。制御ユニット550は、カメラ560から取得されるデータを記憶し得て、当該データは画像として保存され得て、表示され得て、または、印刷され得る。制御ユニット550は、検査員が眼540の側方のリアルタイム図を確認できるように、ユーザインタフェース上に当該画像を表示させ得る。制御ユニット550は、また、カメラ560の位置を調整するように構成され得る。カメラ560を眼540に対して移動させる1または複数のアクチュエータ(不図示)が存在し得る。他の実施例では、カメラ560の位置は、例えば検査員によって手動で調整され得る。カメラ560は、制御ユニット550に接続されていない場合もある。支持ブラケット572は、装置500のハウジング570とは独立した三脚であってもよい。
【0096】
前述の説明において、既知の、自明の、または、予見可能な等価物を有する整数または要素が言及されている場合、そのような均等物(等価物)は、あたかも個別に記載されているかのように、本明細書に組み込まれる。本発明の真の範囲を決定するためには、特許請求の範囲が参照されるべきであり、特許請求の範囲は、あらゆるそのような均等物を包含するように解釈されるべきである。また、好適である、有利である、便利である、等として説明される本発明の整数または特徴は、任意選択的であり、独立請求項の範囲を限定しない、ということも読者には理解されるであろう。更に、そのような任意選択的な整数または特徴は、本発明の幾つかの実施形態では利益をもたらす可能性があるが、他の実施形態では望ましくない場合があり、従って存在しない場合がある、ということも理解されるべきである。
【0097】
本発明は、以下の態様/実施形態/特徴を、任意の順序及び/または任意の組み合わせで含む。
【0098】
1)眼科用器具を眼に対して位置合わせする方法であって、
a)前記眼科用器具から前記眼に向けて光のビームを差し向ける工程と、
b)前記ビームの周囲の複数の位置で、前記眼からの前記光の反射の測定値を取得する工程と、
c)前記測定値から前記眼に対する前記眼科用器具の位置を決定する工程と、
d)決定された前記位置から所望位置まで前記眼に対して前記眼科用器具を移動させる工程と、
を備えたことを特徴とする方法。
【0099】
2) 前記眼科用器具を前記眼の角膜の中心に対して位置合わせする工程であって、当該角膜から所定距離だけ離して位置合わせする工程
を更に備えたことを特徴とする1)項に記載の方法。
【0100】
3) 前記光のビームは、コリメート光である
ことを特徴とする1)項または2)項に記載の方法。
【0101】
4) 前記反射光の強度が測定される
ことを特徴とする1)項乃至3)項のいずれかに記載の方法。
【0102】
5) 前記反射光は、前記角膜から反射される
ことを特徴とする1)項乃至4)項のいずれかに記載の方法。
【0103】
6) 前記反射光は、少なくとも3つの位置で測定される
ことを特徴とする1)項乃至5)項のいずれかに記載の方法。
【0104】
7) 前記複数の位置は、前記ビームの周囲に対称的に配置されている
ことを特徴とする1)項乃至6)項のいずれかに記載の方法。
【0105】
8) 前記決定する工程は、1つ、2つ、及び/または、3つ、の空間軸において、前記眼に対する前記眼科用器具の位置を提供する
ことを特徴とする1)項乃至7)項のいずれかに記載の方法。
【0106】
9) 前記決定する工程は、前記複数の位置の各々において受容される前記光の差を計算する工程を有する
ことを特徴とする1)項乃至8)項のいずれかに記載の方法。
【0107】
10) 前記決定する工程は、前記複数の位置の各々において受容される入射光の合計量を計算する工程を有する
ことを特徴とする1)項乃至9)項のいずれかに記載の方法。
【0108】
11) 前記移動させる工程は、前記ビームの周囲の対応する位置における反射光の前記測定値を均等にする方向になされる
ことを特徴とする1)項乃至10)項のいずれかに記載の方法。
【0109】
12) 前記眼科用器具を前記眼に対して移動させるための指示を提供する工程
を更に備えたことを特徴とする1)項乃至11)項のいずれかに記載の方法。
【0110】
13) 眼科用器具を眼に対して位置合わせするための装置であって、
開口を通して眼に差し向けられるように構成されたコリメート光源と、
前記開口の周囲に配置され、前記眼から反射される光を測定する複数の検出器と、
前記眼科用器具の前記眼に対する位置を決定し、決定された前記位置から所望位置まで前記眼科用器具と前記眼との相対位置を移動させるように構成された制御ユニットと、
を備えたことを特徴とする装置。
【0111】
14) 前記光は、赤外線である
ことを特徴とする13)項に記載の装置。
【0112】
15) 前記光は、細長いノズルを通して差し向けられる
ことを特徴とする13)項または14)項に記載の装置。
【0113】
16) 前記検出器は、前記開口の周囲に対称的に配置されている
ことを特徴とする13)項乃至15)項のいずれかに記載の装置。
【0114】
17) 前記検出器は、フォトダイオードである
ことを特徴とする13)項乃至16)項のいずれかに記載の装置。
【0115】
18) 前記眼に対する前記眼科用器具の距離を調整するためのアクチュエータ
を更に備えたことを特徴とする13)項乃至17)項のいずれかに記載の装置。
【0116】
19) 13)項乃至18)項のいずれかに記載の装置
を備えたことを特徴とする眼科用器具。
【0117】
20) 前記眼科用器具は、角膜知覚計である
ことを特徴とする19)項に記載の装置。
【0118】
21) 前記光は、前記角膜知覚計のノズルから差し向けられる
ことを特徴とする20)項に記載の装置。
【0119】
本発明は、文章及び/または段落で説明されたように、前述された及び/または後述される(特許請求の範囲で説明される)様々な特徴または実施形態の任意の組み合わせを含み得る。本明細書に開示された特徴の任意の組み合わせが、本発明の一部とみなされる。組み合わせ可能な特徴に関して、限定は全く意図されていない。
【0120】
出願人は、全ての引用文献の全内容を、本明細書に具体的に組み入れる。更に、量、濃度、または、他の値若しくはパラメータが、範囲、好ましい範囲、または、好ましい上限値及び好ましい下限値のリスト、として与えられている場合、これは、範囲が個別に開示されているか否かとは無関係に、任意の上方の範囲限界または好適値と任意の下方の範囲限界または好適値とによる任意の対(ペア)から形成される全ての範囲を具体的に開示するものとして、理解されるべきである。本明細書においてある数値範囲が記載されている場合、他に明記されていない限り、当該範囲は、その両端点、及び、当該範囲内の全ての整数及び分数、を含むことが意図されている。本発明の範囲は、ある範囲を定義する際に記載された具体的な値に限定されることは、意図されていない。
【0121】
本発明の他の実施形態が、本明細書の考察及び本明細書に開示された本発明の実践から、当業者には明らかである。本明細書及び実施例は、例示的であると見なされることが意図されている。本発明の真の範囲及び精神は、特許請求の範囲及びその均等物によって示される。
【0122】
本明細書で用いられる場合、単数形で記載され「a」または「an」に続く要素または操作は、明示的にそのような除外が述べられていない限り、複数の要素または操作を排除するものではないと理解されるべきである。換言すれば、「a」または「an」は、1つ、または、少なくとも1つ、または、1より多い、を含む。更に、本開示における「1つの実施形態」、「一実施形態」または「好ましい実施形態」への言及は、記載された特徴を組み込む追加の実施形態を排除することは意図されていない。
【0123】
特定の実施形態が本明細書に図示され説明されているが、同一の目的を達成するように計算(企図)される任意の配置が、示された特定の実施形態の代わりに置換され得ることが理解されるべきである。この開示は、様々な実施形態のあらゆる全ての適応または変形を網羅することが意図されている。前述の説明は、制限的なものではなく例示的なものとしてなされていることが理解されるべきである。前述の実施形態の組み合わせ、及び、本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態が、前記の説明を検討する時、当業者には明らかであろう。従って、様々な実施形態の範囲は、前述の組成物、構造及び方法が使用される任意の他の適用(用途)を含む。従って、以下に記載される特許請求の範囲は、本明細書に記載された本発明の全範囲及び精神を考慮して、解釈されるべきである。
【国際調査報告】