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特表2024-541034エンドセリン受容体拮抗薬の新しい治療的使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】エンドセリン受容体拮抗薬の新しい治療的使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20241029BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 31/36 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 31/4025 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 38/06 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20241029BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20241029BHJP
   G01N 33/68 20060101ALI20241029BHJP
   C07K 16/28 20060101ALN20241029BHJP
   C07D 239/54 20060101ALN20241029BHJP
   C07D 317/60 20060101ALN20241029BHJP
   C07D 405/04 20060101ALN20241029BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P21/00
A61K31/506
A61K31/36
A61K31/4025
A61K38/06
A61K39/395 D
G01N33/53 D
G01N33/68
C07K16/28
C07D239/54
C07D317/60
C07D405/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525472
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-06-04
(86)【国際出願番号】 EP2022080136
(87)【国際公開番号】W WO2023073134
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】21306516.2
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】520296842
【氏名又は名称】アソシエーション・アンスティトゥート・ドゥ・マイオロジー
(71)【出願人】
【識別番号】518059934
【氏名又は名称】ソルボンヌ・ユニヴェルシテ
【氏名又は名称原語表記】SORBONNE UNIVERSITE
(71)【出願人】
【識別番号】507002516
【氏名又は名称】アンスティチュート、ナシオナル、ドゥ、ラ、サンテ、エ、ドゥ、ラ、ルシェルシュ、メディカル
【氏名又は名称原語表記】INSTITUT NATIONAL DELA SANTE ET DE LA RECHERCHE MEDICALE
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】モナ・ベンサラ
(72)【発明者】
【氏名】アンヌ・ビゴー
(72)【発明者】
【氏名】ロラ・ミュレンヌ
(72)【発明者】
【氏名】エリーザ・ネグローニ
(72)【発明者】
【氏名】キャプシーヌ・トロレ
【テーマコード(参考)】
2G045
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045DA36
2G045FB03
2G045FB06
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA17
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA15
4C084BA23
4C084BA32
4C084NA14
4C084ZA94
4C084ZC42
4C085AA13
4C085EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA13
4C086BC07
4C086BC42
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA94
4C086ZC42
4H045AA10
4H045DA76
4H045EA28
(57)【要約】
本発明は、筋線維症の処置又は予防における使用のためのエンドセリン受容体拮抗薬に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筋線維症の処置又は予防における使用のためのエンドセリン受容体拮抗薬。
【請求項2】
前記拮抗薬が、エンドセリンB型受容体の拮抗薬又はエンドセリンA型受容体の拮抗薬、特にエンドセリンB型受容体の拮抗薬である、請求項1に記載の使用のためのエンドセリン受容体拮抗薬。
【請求項3】
前記拮抗薬が二重エンドセリン受容体拮抗薬、エンドセリンB型受容体に選択的に結合する拮抗薬、又はエンドセリンA型受容体に選択的に結合する拮抗薬である、請求項1又は2に記載の使用のためのエンドセリン受容体拮抗薬。
【請求項4】
前記エンドセリン受容体拮抗薬が、ボセンタン、TAK044、SB209670、A192621、BQ788、IRL2500、アトラセンタン、K-8794、RES7011、Ro 46-8443、マシテンタン、アプロシテンタン、アンブリセンタン、BQ123、シタクスセンタン、ヒトエンドセリンA型受容体に対する抗体、抗体ミメティック又はアプタマー及びヒトエンドセリンB型受容体に対する抗体、抗体ミメティック又はアプタマーから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用のためのエンドセリン受容体拮抗薬。
【請求項5】
前記エンドセリン受容体拮抗薬が、BQ123、ボセンタン又はBQ788から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用のためのエンドセリン受容体拮抗薬。
【請求項6】
ミオパシーを患っている患者において生じる筋線維症、特に眼咽頭型筋ジストロフィー、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、封入体筋炎、顔面肩甲上腕筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、肢帯型筋ジストロフィー、遠位型筋ジストロフィー、先天性筋ジストロフィー、エメリ・ドレフュス型筋ジストロフィー等の筋ジストロフィーの処置における、又は筋ジストロフィーはないが嚥下障害を患っている患者若しくは筋ジストロフィーはないがアカラシアを患っている高齢者において生じる筋線維症等のミオパシーと関連のない筋線維症の処置における、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用のためのエンドセリン受容体拮抗薬。
【請求項7】
咽頭筋線維症を患っている患者において生じる筋線維症、特に眼咽頭型筋ジストロフィー若しくは封入体筋炎を患っている患者又はアカラシアを患っている高齢者において生じる筋線維症の処置又は予防のための、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用のためのエンドセリン受容体拮抗薬。
【請求項8】
ミオパシー、特に筋ジストロフィーを患っている患者における筋線維症の処置又は予防における同時使用、別々の使用又は連続的使用のための、
- 少なくとも1つのエンドセリン受容体拮抗薬、及び
- ミオパシー、特に筋ジストロフィーの処置における使用のための、遺伝子治療又は細胞治療又は薬物治療を行うための手段
を含むか、又はこれらからなる、パーツキット。
【請求項9】
前記エンドセリン受容体拮抗薬が、エンドセリンB型受容体の拮抗薬又はエンドセリンA型受容体の拮抗薬、特に二重エンドセリン受容体拮抗薬、エンドセリンB型受容体に選択的に結合する拮抗薬、又はエンドセリンA型受容体に選択的に結合する拮抗薬である、請求項8に記載の使用のためのキット。
【請求項10】
筋線維症の処置又は予防における使用のための、治療有効量の少なくとも1つのエンドセリン受容体拮抗薬、及び薬学的に許容され得る担体を含む、医薬組成物。
【請求項11】
エンドセリン受容体拮抗薬が、50~500mg/日、具体的には50~400mg/日、50~300mg/日、60~250、より具体的には80~250mg/日の量で投与される、請求項10に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項12】
筋線維症を患っている疑いのあるヒト対象における筋線維症を診断するための、インビトロの方法であって、前記方法が
- 前記ヒト対象から得られた生体試料中の循環エンドセリンレベルを決定する工程、及び
- 前記循環エンドセリンレベルを参照レベルと比較して、前記循環エンドセリンレベルを前記ヒト対象における筋線維症の有無と関連付ける工程
を含む、方法。
【請求項13】
抗線維化処置の有効性を評価するための方法であって、前記方法が
- 筋線維症の処置を受けているヒト対象から得られた生体試料中の循環エンドセリンレベルを決定する工程、及び
- 前記循環エンドセリンレベルを最初のレベルと比較して、前記筋線維症の処置の有効性を評価する工程
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドセリン受容体拮抗薬の新しい治療的使用に関する。
【背景技術】
【0002】
成人骨格筋では、細胞外マトリックス(ECM)は、収縮筋線維に重要な役割を果たす。ECMは、コラーゲン及び糖タンパク質等の細胞外の巨大分子だけでなく増殖因子及びサイトカイン等の可溶性因子からなる、三次元ネットワークであり、周囲の細胞に構造的及び生化学的支持を提供する。ECMは、バイオファクター(biofactor)のバイオアベイラビリティを調節し、再生の間に筋線維構造を維持する。筋再生は、外套細胞、筋線維、炎症性、線維脂肪生成前駆体(fibroadipogenic progenitor)及び内皮細胞を含む様々な重要な細胞性の主体(actor)によって統合された、複雑な時間規制されたプロセスである。このプロセスの間に、ECMは、量及び質に関して非常に大きい変化を経て、これら全ての変化は、筋再生に関与する様々な細胞型で特定の応答を誘導する(Bentzinger等、2012)。過剰なECM蓄積によって特徴付けられる線維症は、組織炎症又は損傷の結果であり、更に瘢痕をもたらし、影響を受けた臓器の機能障害につながる。線維症は、骨格筋を含む、体の多くの組織で起こり得、筋ジストロフィーの一般的な病理学的特徴である(Smith及びBarton、2018)。線維症はおそらく、筋ジストロフィーの最も有害な症状の一つであり、ヒトにおいてまだ解明されていない。更に、筋線維症は、筋ジストロフィーのために開発された遺伝子及び細胞ベースの療法の効率を損ない得る。骨格筋においてこのプロセスを逆転させる効率的な処置はまだない。かかる処置は、病理学的プロセスに対抗するために必須なだけでなく、線維症の存在によって大部分が妨害される遺伝子治療又は細胞治療等の他の治療戦略の効率を改善するためにも、必須である。反対に、筋組織における細胞外マトリックスの蓄積はまた、同様に効率的な薬物のないアカラシアを患っている高齢の対象等の、筋ジストロフィーの全くない高齢の対象にも影響を及ぼす。
【0003】
マウスにおいて、線維症は、機械的因子、液性因子、細胞因子、また同様に可溶性因子を伴い、これは、例えば、ECMリモデリングの重要な要素(driver)の一つとして記載されている(Abrigo等、2018)TGFβ、炎症誘発性及び抗炎症性サイトカイン、並びにCTGF及びPDGF等の増殖因子(Serrano等、2010)等である。細胞レベルで、線維症は、炎症細胞、線維脂肪生成前駆体(FAP)、及びおそらく外套細胞(Pessina等、2015)を伴う。FAPは、間質組織微小環境内の主なコラーゲン産生細胞であり、これらの細胞はジストロフィー状態における線維症と関連した線維症誘発性刺激の自己分泌源としての役割がますます認められている。しかしながら、ヒトにおける筋ジストロフィーの進展へのFAPの関与は、まだ完全に明らかにはなっておらず、しばしば筋ジストロフィーを悪化させるヒト線維症における分子的及び細胞性の主体を、より理解する必要性が強調される。依然として、ヒト骨格筋において、線維症の開始及び維持に寄与する細胞クロストークの多くの側面に対処する必要がある。
【0004】
現在まで、筋線維症に対処する効率的な薬物はない。よって、ミオパシー、特に筋ジストロフィーを患っている患者、又は高齢者のいずれかで生じた筋線維症を処置するための、効率的な戦略を提供することが必要である。筋組織の状態を改善し、筋ジストロフィーを処置するための遺伝子治療又は細胞治療と更に組み合わせ得る、筋線維症の処置又は予防における使用のための効率的な薬物を開発することも、望ましい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Suzuki等、J Pharm Biomed Anal. 2017年8月5日; 142:84~90頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
よって、筋線維症を処置又は予防するために、新しい療法を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、線維症筋肉(fibrotic muscle)に由来するヒトFAPは、健康な非線維症対照筋肉と比較して異なり、著しく高い増殖能、ECMタンパク質産生の悪化、及び筋芽細胞融合を阻害する能力を示すことを観察した。筋肉分化に影響を与え得る、線維症筋肉由来のFAPによって発現される潜在的な候補タンパク質を同定するために、本発明者らは、対照ヒト輪状咽頭線維症筋肉(CPM)FAPにおいて調節解除された189個の遺伝子のトランスクリプトームのプロファイルを解析し、予測される細胞外の性質を有する111個の候補タンパク質を同定した。複数の連続したスクリーニングの後、エンドセリン受容体Bを、線維症進行を阻害するための、特に興味深い候補標的として同定した。実際、本発明者らは、対照線維症筋肉FAP及び病的/OPMD(眼咽頭型筋ジストロフィー)線維症筋肉FAPの両方において、この受容体のアップレギュレーションを観察した。エンドセリン受容体Bのリガンドはエンドセリン1(ET1)であり、これは線維症誘発性ペプチドとして公知であり、筋管によって分泌される(Le Bihan等、2012)。ET-1は、広範に分布している、パラクリン及びオートクリンの両方で働く多機能のホルモンである。ET-1は、ヒトにおいてこれまでに発見された最も強力な、持続性の血管収縮薬である(Yanagisawa等、1988)。元々は、内皮細胞によって分泌され、平滑筋細胞に対する効果を有すると記載されていたが、ET-1は、肺、心臓線維芽細胞又は肝星細胞を含む様々な臓器の線維症の発生と関連付けられている(Abraham等、1997; Katwa等、2003; Rockey等、1998)。しかしながら、FAPに対するET-1の効果は、従来技術では完全に未知である。また、FAPにおけるエンドセリン受容体B発現プロファイルは、従来技術では全く記載されていない。本発明者らは、ET-1が線維症骨格筋FAPにおいてECM産生を刺激するが非線維症対照骨格筋FAPでは刺激しないことを最初に示した。更に、本発明者らは、骨格線維症筋肉由来の細胞へのエンドセリン受容体B拮抗薬の添加によって、FAPによるECM産生が減少し得、損なわれた筋管融合が部分的に回復したことを示した。よって、エンドセリン経路の、その受容体を介した遮断によって、筋線維症の処置のための新しい標的が提供される。
【0008】
よって、本発明の一態様は、筋線維症、特にヒト筋線維症の処置又は予防における使用のためのエンドセリン受容体拮抗薬を提供することである。
【0009】
本発明の別の態様は、筋線維症の処置又は予防における使用のための、治療有効量の少なくとも1つのエンドセリン受容体拮抗薬、及び薬学的に許容され得る担体を含む、医薬組成物に関する。
【0010】
本発明の別の態様は、ミオパシー、特に筋ジストロフィーを患っている患者における筋線維症の処置又は予防のための同時使用、別々の使用又は連続的使用のためのパーツキットに関し、当該キットは、少なくとも1つのエンドセリン受容体拮抗薬、及びミオパシー、特に筋ジストロフィーの処置における使用のための、遺伝子治療又は細胞治療又は薬物治療を行うための手段を含む。
【0011】
本発明はまた、筋線維症を患っている疑いのあるヒト対象における筋線維症を診断するための、インビトロの方法であって、当該方法が
- 当該ヒト対象から得られた生体試料中の循環エンドセリンレベルを決定する工程、及び
- 当該循環エンドセリンレベルを参照レベルと比較して、当該循環エンドセリンレベルを当該ヒト対象における筋線維症の有無と関連付ける工程
を含む、方法を提供する。
【0012】
本発明はまた、筋線維症の処置の有効性を評価するための方法を提供する。当該方法は、
- 筋線維症の処置を受けているヒト対象から得られた生体試料中の循環エンドセリンレベルを決定する工程、及び
- 当該循環エンドセリンレベルを最初のレベルと比較して、当該筋線維症の処置の有効性を評価する工程
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1Aは、分化の24時間目、48時間目及び72時間目の、分化したヒト筋芽細胞から分泌された、非濃縮条件培地中のET-1タンパク質の定量化を示す図である。図1Bは、対照骨格筋(MCT)、対照線維症筋肉(FibMCT)及び病的/OPMD線維症筋肉(FibMOP)由来のFAPにおけるRPLP0発現に対して正規化された、EDNR b遺伝子発現のRT-qPCR定量化を示す図である(**P<0.01)。図1Cは、MCT、FibMCT及びFibMOP由来のFAPを注射されたマウスTaにおけるhB2M発現に対して正規化された、ヒトEDNR b遺伝子発現のRT-qPCR定量化を示す図である(***P<0.001****P<0.0001)。
図2図2Aは、DMSO、ET-1(40nM)+/-ボセンタン(10μM)、ファロイジン(赤色)、ヘキスト(青色)及びコラーゲン7a1(緑色)と共に培養した、MCT、FibMCT及びFibMOP由来のFAPの免疫蛍光画像を示す図である。図2Bは、DMSO若しくはET-1(40nM)又はET-1及びボセンタン(10μM)での処置の後のCOL7A1陽性細胞のパーセンテージの定量化を示す図である。COL7A1は、ECM産生の読み出しとして使用される。図2Cは、DMSO若しくはET-1(40nM)又はET-1及びボセンタン(10μM)での処置の後の増殖の評価(Edu陽性細胞のパーセンテージ)を示す図である。
図3図3Aは、筋芽細胞単独、又はボセンタン(10μM)の存在下若しくは非存在下のFibMOP由来のFAPと共に培養された筋芽細胞の、融合指数(fusion index)を示す図である(*P<0.05、**P<0.01、****P<0.0001)。図3Bは、筋芽細胞単独、又はボセンタン(10μM)の存在下若しくは非存在下のFibMOP由来のFAPと共に培養された筋芽細胞に対して行われた、デスミン(緑色)及びヘキスト(青色)の免疫染色を示す図である。
図4図4Aは、DMSO若しくはET-1(40nM)又はET-1及びボセンタン(10μM)又はET-1及びBQ788(10nM)又はET-1及びBQ123(10nM)での処置の後のCOL7A1陽性細胞のパーセンテージの定量化を示す図である。COL7A1は、ECM産生の読み出しとして使用される。図4Bは、DMSO若しくはET-1(40nM)又はET-1及びボセンタン(10μM)又はET-1及びBQ788(10nM)での処置の後の増殖の評価(Edu陽性細胞のパーセンテージ)を示す図である。
図5図5Aは、対照骨格筋(MCT)、対照線維症筋肉(FibMCT)、病的/OPMD線維症筋肉(FibMOP)及び病的/IBM線維症筋肉(FibMIBM)由来のFAPにおけるRPLP0発現に対して正規化された、EDNR b遺伝子発現のRT-qPCR定量化を示す図である(**P<0.01、****P<0.0001)。図5Bは、対照骨格筋(MCT)、対照輪状咽頭線維症筋肉(FibMCT)、病的/OPMD線維症筋肉(FibMOP)及び病的/IBM線維症筋肉(FibMIBM)由来のFAPにおけるRPLP0発現に対して正規化された、EDNR a遺伝子発現のRT-qPCR定量化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明者らは、骨格筋に由来するFAPに対する実験を行って、骨格筋線維症の主要制御因子を同定した。本発明者らは、驚くべきことに、エンドセリン受容体がかかる主要制御因子であることを示した。したがって、本発明の第一の態様は、筋線維症の処置又は予防における使用のためのエンドセリン受容体拮抗薬に関する。
【0015】
「エンドセリン受容体」という用語は、本明細書で、全てのエンドセリン受容体、特にエンドセリン受容体A型(ETA)、エンドセリン受容体B型(ETB)、又はエンドセリン、特にヒトエンドセリンのアイソフォーム、より具体的にはエンドセリン-1、エンドセリン-2、若しくはエンドセリン-3と結合し得るあらゆるエンドセリン受容体様Gタンパク質共役型受容体をいう。
【0016】
本発明の範囲内で、「エンドセリン受容体A型」、「エンドセリンA型受容体」、「エンドセリン受容体A」、「ETA受容体」及び「ENDRA」という用語は、互換可能である。
【0017】
本発明の範囲内で、「エンドセリン受容体B型」、「エンドセリンB型受容体」、「エンドセリン受容体B」、「ETB受容体」及び「ENDRB」という用語は、互換可能である。
【0018】
「エンドセリン受容体拮抗薬」という用語は、本明細書で、エンドセリンとそのエンドセリン受容体との間の結合を遮断し得るか、又は減少させ得て、そのため当該エンドセリン受容体のインビボの活性化を停止又は減少させる、あらゆる物質をいう。
【0019】
特定の実施形態では、当該エンドセリン受容体拮抗薬は、ヒトエンドセリン受容体の拮抗薬である。
【0020】
別の特定の実施形態では、当該エンドセリン受容体拮抗薬は、ETA受容体の拮抗薬、特にヒトETA受容体の拮抗薬、又はETB受容体の拮抗薬、特にヒトETB受容体の拮抗薬である。
【0021】
特定の実施形態では、当該エンドセリン受容体拮抗薬は、エンドセリン-1とヒトエンドセリン受容体、特にヒトエンドセリン受容体B(ENDRB)又はヒトエンドセリン受容体A(ENDRA)との間の結合を遮断し得るか、又は減少させ得る物質である。
【0022】
当該エンドセリン受容体拮抗薬は、エンドセリン受容体への結合のために、エンドセリンのあらゆるアイソフォーム、特にヒトエンドセリンのアイソフォーム、特にエンドセリン-1と拮抗する、化学的な分子、タンパク質、タンパク質の断片、ペプチド、又はアプタマーであり得る。
【0023】
本発明の実施形態によれば、当該エンドセリン受容体拮抗薬は、二重エンドセリン受容体拮抗薬、エンドセリンB型受容体に選択的に結合する拮抗薬、又はエンドセリンA型受容体に選択的に結合する拮抗薬であり得る。
【0024】
本明細書で使用される場合、「二重エンドセリン受容体拮抗薬」という用語は、ETA及びETB受容体の両方、特にヒトETA及びETB受容体を遮断する拮抗薬をいう。かかる二重エンドセリン受容体拮抗薬の例としては、ボセンタン、マシテンタン、アプロシテンタン、又はテゾセンタンが挙げられる。
【0025】
本明細書で使用される場合、「エンドセリンA型受容体に選択的に結合する拮抗薬」という用語は、エンドセリンB型受容体よりもエンドセリンA型受容体により大きい親和性を有する拮抗薬、特にヒトETB受容体よりもヒトETA受容体により大きい親和性を有する拮抗薬をいう。かかる拮抗薬の例は、BQ123、シタクスセンタン、アトラセンタン、アボセンタン、アンブリセンタン、ETA受容体に対する抗体、ETA受容体に対する抗体ミメティック及びETA受容体に対するアプタマーである。
【0026】
本明細書で使用される場合、「エンドセリンB型受容体に選択的に結合する拮抗薬」という用語は、エンドセリンA型受容体よりもエンドセリンB型受容体により大きい親和性を有する拮抗薬、特にヒトETA受容体よりもヒトETB受容体により大きい親和性を有する拮抗薬をいう。かかる拮抗薬の例は、IRL2500、K-8794、RES7011、Ro 46-8443、A192621、BQ788、ETB受容体に対する抗体、ETB受容体に対する抗体ミメティック及びETB受容体に対するアプタマーである。
【0027】
本発明に記載の使用のためのエンドセリン受容体の拮抗薬は、当該受容体に対する抗体又はエンドセリン受容体に特異的に結合する抗体ミメティックであり得る。ETA又はETB受容体、特にヒトETA又はETB受容体の拮抗薬として本発明で使用される抗体としては、限定されないが、モノクローナル又はポリクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、及びナノ抗体、Fab、Fab'若しくはF(ab')2、scFV若しくはダイアボディを含む全長又はその断片が挙げられる。本発明における使用のための抗体ミメティックは、基本的にETA/ETB受容体とその中和抗体との間の結合ドメインの解析に従って、特に常法で使用されるバイオインフォマティクスソフトウエアの助けを借りて、あらゆる従来の方法によって設計されたペプチドであり得る。本発明における使用のための抗体又は抗体ミメティックは、エンドセリン、特にET-1と競合して、標的エンドセリン受容体に結合する。
【0028】
本発明に記載の使用のためのエンドセリン受容体の拮抗薬はまた、当該受容体に対するアプタマーであり得る。当該アプタマーは、標準的な方法によって、例えば大きいオリゴヌクレオチドライブラリーからSELEX(試験管内進化法)プロセスを通して、選択され得る。本発明で使用されるアプタマーは、エンドセリン、特にET-1と競合して、標的エンドセリン受容体に結合する。
【0029】
特定の実施形態によれば、本発明で使用されるエンドセリン受容体拮抗薬は、ヒトETB受容体に結合する拮抗薬である。ヒトETB受容体の例示的なエンドセリン受容体拮抗薬としては、二重エンドセリン受容体拮抗薬、ヒトETB受容体に選択的に結合する拮抗薬、ヒトETB受容体に対する抗体又は抗体ミメティック、及びヒトETB受容体に対するアプタマーが挙げられる。
【0030】
別の特定の実施形態によれば、本発明で使用されるエンドセリン受容体拮抗薬は、ヒトETA受容体に結合する拮抗薬である。ヒトETA受容体の例示的なエンドセリン受容体拮抗薬としては、二重エンドセリン受容体拮抗薬、エンドセリンA型受容体に選択的に結合する拮抗薬、ヒトETA受容体に対する抗体又は抗体ミメティック、及びヒトETA受容体に対するアプタマーが挙げられる。
【0031】
好ましい実施形態では、当該エンドセリン受容体拮抗薬は、ボセンタン、TAK044、SB209670、A192621、BQ788、IRL2500、アトラセンタン、K-8794、RES7011、Ro 46-8443、マシテンタン、アプロシテンタン、アンブリセンタン、BQ123、シタクスセンタン、ヒトエンドセリンA型受容体に対する抗体、抗体ミメティック又はアプタマー及びヒトエンドセリンB型受容体に対する抗体、抗体ミメティック又はアプタマーから選択される。
【0032】
より好ましい実施形態では、当該エンドセリン受容体拮抗薬は、ボセンタン、マシテンタン、アプロシテンタン、又はテゾセンタン、IRL2500、K-8794、RES7011、Ro 46-8443、A192621、BQ788、ETB受容体に対する抗体、ETB受容体に対する抗体ミメティック及びETB受容体に対するアプタマーから選択される。
【0033】
別の好ましい実施形態では、当該エンドセリン受容体拮抗薬は、BQ123、ボセンタン又はBQ788、より具体的にはボセンタン又はBQ788、更により具体的にはボセンタンから選択される。
【0034】
本発明の文脈において、上述のエンドセリン受容体拮抗薬は、筋線維症の処置又は予防において、使用される。実際、実施例に示されるように、本発明者らは、骨格筋に由来するFAPに対して行った実験のおかげで、骨格筋の線維症がエンドセリン受容体拮抗薬で制御され得ることを示した。
【0035】
筋線維症は、細胞外マトリックス成分の過剰な蓄積によって特徴付けられ、ミオパシー、特に筋ジストロフィーを患っている患者において、最も容易に生じる。しかしながら、筋線維症はまた、高齢の対象等の、ミオパシーのない患者においても観察され得る。ところで、筋肉外傷も、筋線維症の原因であり得る。臨床的には、筋線維症は、生検の組織学的解析によって、及び/又は磁気共鳴画像法(MRI)等の非侵襲的画像化技術によって、診断され得る。
【0036】
一実施形態によれば、本発明は、ミオパシー、特に眼咽頭型筋ジストロフィー、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、肢帯型筋ジストロフィー、遠位型筋ジストロフィー、先天性筋ジストロフィー、若しくはエメリ・ドレフュス型筋ジストロフィー等の筋ジストロフィー、又は封入体筋炎等の他のミオパシーを患っている患者において生じる筋線維症の処置又は予防における使用のための、上述のエンドセリン受容体拮抗薬、特にヒトETB受容体に結合する拮抗薬に関する。
【0037】
別の実施形態によれば、本発明は、ミオパシーはないが嚥下障害を患っている患者において、又はミオパシーはないがアカラシアを患っている高齢者において生じる筋線維症等の、ミオパシーのない患者において生じる筋線維症の処置又は予防における使用のための、上述のエンドセリン受容体拮抗薬、特にヒトETB受容体に結合する拮抗薬に関する。
【0038】
特定の実施形態では、本発明は、眼咽頭型筋ジストロフィー若しくは封入体筋炎を患っている患者において、又はアカラシアを患っている高齢者において生じるもの等の咽頭型筋線維症の処置又は予防における使用のためのエンドセリン受容体拮抗薬に関する。
【0039】
「処置」又は「処置する」という用語は、有効量のエンドセリン受容体拮抗薬を対象に投与して、疾患、状態若しくは障害の進行を阻害するか、減少させるか、若しくは逆転させるか、又は疾患の臨床症状を寛解することを含む。処置することは、更に、以下の(a)障害の重症度を低下させること、(b)処置される障害に特徴的な症状の発生を限定すること、(c)処置される障害に特徴的な症状の悪化を限定すること、(d)以前に障害を有していた患者における障害の再発を限定すること、及び(e)以前に障害について無症候性だった患者における症状の再発を限定することの1つ以上を達成することをいう。
【0040】
処置は、決められた期間の後に、処置された患者と、非処置患者から計算された平均値との間、又は処置前及び処置後の当該患者の状態の間で上記の4つの基準のいずれか1つについて統計的に有意な差が観察できた場合に、有効であると考えられる。当該差の有無は、疾患の進行を評価するために医師によって常法で使用されるあらゆる医学的分析方法によって、特に筋線維症の進行を評価するためのあらゆる従来の方法によって、例えば組織学的及び生化学的アッセイによって、又はMartin-Bach等、2021によって記載されるようなNMR及び超音波によって、決定し得る。
【0041】
「予防」又は「予防する」という用語は、有効量のエンドセリン受容体拮抗薬を対象に投与して、疾患に特徴的な臨床症状の出現を防ぐことを含む。
【0042】
予防は、決められた期間の後に、処置された患者において、疾患に特徴的な障害の発生又は出現が、非処置患者から得られた平均値と比較して遅れた場合に、有効であると考えられる。
【0043】
別の特定の実施形態では、生体試料、特に血液試料中で測定された循環エンドセリンレベルも、本発明に記載の使用のためのエンドセリン受容体の拮抗薬の有効性を決定するために使用され得る。当該実施形態によれば、当該拮抗薬での処置を受けている対象において測定された循環エンドセリンレベルは、処置前に当該対象において測定されたものと比較される。処置を受けている対象における循環エンドセリンレベルの減少は、筋線維症を処置するための当該拮抗薬の有効性の指標であり、処置を受けている対象における循環エンドセリンレベルが等しいこと又は増大していることは、筋線維症を処置するための当該拮抗薬の無効性の指標である。
【0044】
更に別の特定の実施形態では、本発明に記載の使用のためのエンドセリン受容体の拮抗薬の有効性はまた、当該拮抗薬の処置を受けている対象において測定された循環エンドセリンレベルを健康な対象から確立された参照レベルと比較することによって、決定され得る。
【0045】
生体試料中の循環エンドセリンレベル、特に循環エンドセリン-1レベルは、イムノアッセイ、又はUPLC-MS/MS等による、あらゆる従来の方法によって測定し得る(Suzuki等、J Pharm Biomed Anal. 2017年8月5日; 142:84~90頁)。
【0046】
本発明はまた、筋線維症の処置又は予防における使用のための、前述のエンドセリン受容体拮抗薬を含む医薬組成物を提供する。かかる組成物は、治療有効量の少なくとも1つのエンドセリン受容体拮抗薬、及び薬学的に許容され得る担体を含む。
【0047】
「薬学的に許容され得る担体」という用語は、一般に安全で、非毒性で、生物学的にもその他でも望ましくないことがない、医薬組成物又は製剤の調製において有用な担体を意味し、ヒトでの薬学的使用のために許容され得る担体を含む。担体は、媒介物、媒体として、又は有効成分の希釈のために、作用し得る。本発明の医薬組成物の製剤化は、薬物製剤化に関する周知の従来技術に従って、決定及び実行され得る。担体材料は、有機又は無機の不活性な担体材料、例えば経口投与又は注射に適したものであり得る。適切な担体としては、水、ゼラチン、アラビアゴム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、動物油又は植物油、ポリアルキレングリコール、グリセリン及び黄色ワセリンが挙げられる。組成物はまた、香味料、保存料、安定剤、湿潤剤、乳化剤、並びに/又は浸透圧を変化させるための塩及び/若しくはバッファー等の更なる添加剤を含んでもよい。
【0048】
組成物は、錠剤、丸剤、粉末、ロゼンジ錠、小袋、オブラートの薬包、エリキシル剤、懸濁液、乳液、溶液、シロップ、軟及び硬ゼラチンカプセル剤等の経口投与のための固体形態、坐剤、無菌の注射液、並びに無菌の包装された粉末を含む、あらゆる従来の形態で製剤化され得る。
【0049】
本発明の組成物はまた、局所(経皮、頬側又は舌下を含む)、又は非経口(腹腔内、皮下、血管内(すなわち、静脈内若しくは動脈内)、皮内若しくは筋肉内注射を含む)経路によって、本発明に従って患者に投与され得る。例えば、本発明の組成物は、好ましくは経口投与によって眼咽頭型筋ジストロフィー(OPMD)の治療のために投与される。
【0050】
「治療有効量」という用語は、医薬組成物中で薬学的に活性があって所望の治療効果を生じる、前述のエンドセリン受容体拮抗薬の量を意味する。
【0051】
例えば、本発明に記載の使用のための、前述のエンドセリン受容体拮抗薬の「治療有効量」としては、限定されないが、50~1000mg/日、50~900mg/日、50~800mg/日、50~700mg/日、50~600mg/日、50~500mg/日、具体的には50~400mg/日、50~300mg/日、60~300mg/日、70~300mg/日、80~300mg/日、60~250mg/日、より具体的には80~250mg/日の量が挙げられる。
【0052】
具体的には、本発明に記載の使用のための、ボセンタンの「治療有効量」としては、限定されないが、50~500mg/日、具体的には50~400mg/日、50~300mg/日、60~250mg/日、より具体的には80~250mg/日の量が挙げられる。
【0053】
本発明に記載の使用のための、前述のエンドセリン受容体拮抗薬の「治療有効量」は、標準的な技術によって、例えばインビボ及び/又はインビトロアッセイによって、決定され得る。当業者はまた、最適な投与量範囲を決定するか、又は投与経路及び頻度、患者の年齢、体重、性別、健康状態、疾患の重症度、並びに/又は処置若しくは予防の治療目的に従って投与量を適合させ得る。
【0054】
本発明はまた、筋線維症の処置又は予防を必要とする対象において筋線維症を処置又は予防するための方法であって、当該対象に治療有効量の、前述のエンドセリン受容体拮抗薬を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0055】
本発明の別の態様では、上述のエンドセリン受容体拮抗薬は、ミオパシー、特に筋ジストロフィーを処置するための遺伝子治療又は細胞治療と組み合わせて使用され得る。実際、筋線維症は、かかる遺伝子治療又は細胞治療の実行及び効率の障害であり得る。本発明によって示されるように、エンドセリン受容体拮抗薬によって、筋線維症を処置又は予防することが可能になり、これは、次いで、遺伝子治療又は細胞治療がより効率的に標的組織又は細胞に到達して、それゆえに処置の最大効率を提供することを可能にする。
【0056】
よって、本発明はまた、ミオパシー、特に筋ジストロフィーを患っている患者における筋線維症の処置又は予防における同時使用、別々の使用又は連続的使用のための、パーツキットを提供する。当該キットは
- 少なくとも1つのエンドセリン受容体拮抗薬、及び
- ミオパシー、特に筋ジストロフィーの処置における使用のための、遺伝子治療又は細胞治療又は薬物治療を行うための手段
を含むか、又はこれらからなる。
【0057】
当該遺伝子治療は、例えば、眼咽頭型筋ジストロフィーを処置するためのアデノ随伴ウイルスベースの遺伝子治療であり得る(Malerba等、2017)。
【0058】
当該細胞治療は、例えば、自家筋芽細胞移植のための手段であり得る(Perie等、2014)。
【0059】
当該薬物治療は、例えば、抗凝集薬、特に眼咽頭型筋ジストロフィーを処置するためのグアナベンズであり得る(Malerba等、2019)。
【0060】
かかる遺伝子治療又は細胞治療を行うための手段は、例えば、遺伝子治療を行うための、ウイルスベクター、特にAAVベクター、又は細胞治療を行うのに適した細胞であり得る。当該ベクターは、アンチセンスオリゴヌクレオチド、shRNA、又は機能性ヒトタンパク質をコードするオリゴヌクレオチドを内部に有し得る。当該細胞治療に適した細胞は、例えば、自家又は異種組織細胞、患者自身又はドナー由来の多能性幹細胞又は複能性幹細胞であり得る。
【0061】
上述のエンドセリン受容体拮抗薬による筋線維症の処置又は予防は、遺伝子治療又は細胞治療の前、同時、又は後に行われ得る。
【0062】
本発明のパーツキットに含まれる、当該エンドセリン受容体拮抗薬は、あらゆる前述の拮抗薬、特にETB受容体の拮抗薬若しくはETA受容体の拮抗薬、又はETB受容体の拮抗薬とETA受容体の拮抗薬との組み合わせであり得る。当該エンドセリン受容体拮抗薬は、特に、二重エンドセリン受容体拮抗薬、エンドセリンB型受容体に選択的に結合する拮抗薬、又はエンドセリンA型受容体に選択的に結合する拮抗薬、特にボセンタン、TAK044、SB209670、A192621、BQ788、IRL2500、アトラセンタン、K-8794、RES7011、Ro 46-8443、マシテンタン、アプロシテンタン、アンブリセンタン、BQ123、シタクスセンタン、ヒトエンドセリンA型受容体に対する抗体、抗体ミメティック又はアプタマー及びヒトエンドセリンB型受容体に対する抗体、抗体ミメティック又はアプタマーから選択されるエンドセリン受容体拮抗薬であり得る。より具体的な実施形態では、当該エンドセリン受容体拮抗薬は、ボセンタン、BQ123又はBQ788である。
【0063】
本発明の別の態様は、筋線維症を患っている疑いのあるヒト対象における筋線維症を診断するための、インビトロの方法を提供することである。
【0064】
当該方法は、
- 当該ヒト対象から得られた生体試料中の循環エンドセリンレベルを決定する工程、及び
- 当該循環エンドセリンレベルを参照レベルと比較して、当該循環エンドセリンレベルを当該ヒト対象における筋線維症の有無と関連付ける工程
を含む。
【0065】
「筋線維症を患っている疑いのあるヒト対象」という用語は、筋ジストロフィー等の、筋線維症の原因として一般に公知の疾患の一つを患っているヒト対象、又は同様に筋線維症の原因となり得る筋肉への外傷を経験した対象をいう。筋線維症を患っている疑いのあるヒト対象は、同様に循環エンドセリンレベルの変化につながり得る全ての他の病状と比較して、筋線維症が生じ得る深刻な疑いのあるヒトである。
【0066】
「生体試料」という用語は、ヒト対象から得ることができるあらゆる生体試料、特に尿又は血液等の体液の試料をいう。本発明の好ましい実施形態では、生体試料は、血液、血漿又は血清試料である。
【0067】
「循環エンドセリン」という用語は、分泌されたエンドセリンのアイソフォームをいう。具体的には、当該循環エンドセリンは、エンドセリン-1、エンドセリン-2、又はエンドセリン-3である。当該循環エンドセリンは、生体試料中、特に体液中、より具体的には血液、血漿又は血清中に存在し得る。特定の実施形態では、当該循環エンドセリンは、循環エンドセリン-1(ET1)である。
【0068】
本発明の診断方法によれば、生体試料中の循環エンドセリンレベル、特に循環エンドセリン-1レベルは、イムノアッセイ又はUPLC-MS/MS等による、あらゆる従来の方法によって測定し得る(Suzuki等、J Pharm Biomed Anal. 2017年8月5日; 142:84~90頁)。
【0069】
特定の実施形態によれば、本発明の診断方法で使用される参照レベルは、健康なヒト対象の群から計算される循環エンドセリンレベルの平均値である。年齢、性別、他の健康状態若しくは医学的状態、又は遺伝的バックグラウンド等の更なる基準も、当該群を構成するために考慮され得る。
【0070】
本発明の診断方法の文脈において、参照レベルと比較した、当該筋線維症を患っている疑いのあるヒト対象で測定された循環エンドセリンレベルの増大は、筋線維症の潜在的存在を示す。
【0071】
一部の実施形態では、筋線維症を患っている疑いのあるヒト対象の生体試料中の循環エンドセリンレベルが、参照レベルより少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、250%、又は300%高い場合、当該ヒト対象において循環エンドセリンレベルの増大があると考えられ、当該ヒト対象が筋線維症を患っている可能性があると考えられる。
【0072】
一実施形態によれば、本発明はまた、筋線維症を患っている疑いのあるヒト対象における筋線維症の進展をモニタリングするための方法を提供する。当該方法は、
- 当該ヒト対象から得られた生体試料中の循環エンドセリンレベルを決定する工程、及び
- 当該循環エンドセリンレベルを、同じヒト対象から得られた生体試料で測定された以前のレベルと比較する工程
を含む。
【0073】
この方法の文脈において、「以前のレベル」は、決められた期間の前に、同じヒト対象から得られた生体試料で測定されたレベルをいう。この方法によれば、以前のレベルと比較した、当該ヒト対象における循環エンドセリンレベルの増大は、筋線維症の進行の指標であり、以前のレベルと比較した、当該ヒト対象における循環エンドセリンレベルの減少は、筋線維症の減少の指標である。
【0074】
本発明はまた、筋線維症の処置の有効性を評価するための方法を提供する。当該方法は、
- 筋線維症の処置を受けているヒト対象から得られた生体試料中の循環エンドセリンレベルを決定する工程、及び
- 当該循環エンドセリンレベルを最初のレベルと比較して、当該筋線維症の処置の有効性を評価する工程
を含む。
【0075】
この方法の文脈において、「最初のレベル」は、筋線維症の処置の前に同じヒト対象から得られた生体試料で測定されたレベルをいう。したがって、最初のレベルと比較した、当該ヒト対象における循環エンドセリンレベルの減少は、当該処置の有効性の指標であり、最初のレベルと比較した、当該ヒト対象における循環エンドセリンの増大又は等しいレベルは、非効率的な処置又はより効率の低い処置の指標である。
【0076】
本発明を、以下の実施例によってより詳細に説明する。
【実施例
【0077】
1.材料及び方法
細胞培養物
ヒトFAP細胞を、EuroBioBankの系列下のMyobankを介して、欧州の推奨及びフランスの法律に従った(認可AC-2019-3502)インフォームドコンセントの後に、外科的手順の間に得られた筋肉生検から単離した。ここでCD56陰性細胞画分(Perie, S.等 2006)として単離されたヒトFAPは、対照骨格筋: MCT、対照線維症輪状咽頭筋(CPM): FibMCT、線維症のレベルが悪化したOPMD線維症CPM: FibMOP、及び封入体筋炎患者由来の線維症筋肉: FibMIBMから得られる。全ての試験された線維症筋肉は、骨格線維症筋肉である。これらの細胞は、ヒト骨格筋における線維/脂肪生成前駆体(FAP)の公知のマーカーであるPDGFRa、CD90及びCD105を主として発現した。各生検試料の組織型、細胞型、年齢、病態及び筋線維症状態を、下記の表中で特定する。
【0078】
【表1】
【0079】
各生検試料の筋肉の線維症状態は、従来の方法に従って、組織学的解析によって決定される。
【0080】
筋肉生検を細かく切り刻み、外植片を、以前に記載されているように(Bigot等、2009)ウシ胎仔血清(FBS)(Invitrogen社、カールスバド、CA)の液滴中でコートなしのペトリ皿に蒔いた。細胞を、37℃で、5% CO2を含む多湿雰囲気中、20%ウシ胎仔血清(FBS、Invitrogen社)、25μg/mlフェチュイン(Life technologies社)、0.5ng/mL bFGF(Life technologies社)、5ng/ml EGF(Life technologies社)、5μg/mLインスリン(Sigma-Aldrich社)及び50μg/mLゲンタマイシン(Life Technologies社)を添加した1:4比の199培地(Life technologies社、ペーズリー、UK)及びダルベッコ変法イーグル培地(DMEM、Life technologies社)からなる培地中で、培養した。細胞を、マイクロビーズ(130-050-401、MACS、Miltenyi Biotec社、パリ、フランス)に結合したCD56抗体で標識し、次いで、製造業者の使用説明書に従って、免疫磁気細胞選別システム(MACS)を使用して分離した。専ら筋原細胞で発現されるデスミンに対する抗体(クローンD33、Dako社、トラップ、フランス)を使用した免疫細胞化学によって、両方の細胞画分の筋原細胞の純度(myogenic purity)(CD56+、筋原細胞及びCD56-、非筋原細胞)をモニタリングした。
【0081】
動物
生後2~3か月のRag2-/-Il2rb-/-免疫不全マウスを、ヒト細胞移植のレシピエントとして使用した。80mg/kgの塩酸ケタミン及び10mg/kgのキシラジン(Sigma-Aldrich社、セントルイス、MO)の腹腔内注射によってマウスを麻酔した。この研究は、フランスの法規制を厳守して、欧州連合の動物実験に関する倫理指針に従って行った。プロトコルは、チャールズ・ダーウィンの動物実験倫理委員会(Committee on the Ethics of Animal Experiments Charles Darwin)N°5によって承認された(プロトコル番号02704.01)。全ての外科的処置は塩酸ケタミン及びキシラジン麻酔下で行い、苦痛を最小限にするよう最大限の努力を尽くした。
【0082】
細胞移植
ヒト細胞の培養物をPBSで洗浄し、トリプシン処理し、遠心分離し、PBSに再懸濁した。細胞を両方の前脛骨(TA)筋に注射した。注射の前に、免疫不全マウスのTaを、筋線維に損傷を与えるために、それぞれ10秒間の、3回の凍結融解サイクルに供して、再生を誘発した。以前に記載されたように25μlハミルトンシリンジを使用して(Negroni等、2009)、凍結損傷の直後に、ヒト細胞の培養物をレシピエントの筋肉に移植した。CD56-細胞については、凍結損傷の直後、次いで4日後及び8日後に、PBS中に1.4x105個の細胞を含む15μlの細胞懸濁液を注射した。最初の注射の1か月後にマウスを屠殺し、Taを収集し、解析のために-80℃で保存した。
【0083】
共培養実験
非筋原(CD56-)細胞及び筋原(CD56+)細胞を、30%/70%比で、21000個の細胞/cm2の最終的なコンフルエンスで共に播種した。細胞が接着すると、培地を、50μg/mLゲンタマイシンと共にDMEMで構成された分化培地で置換した。共培養物における融合指数に対するボセンタンの効果を研究するために、10μMのボセンタン(SML1265、Sigma Aldrich社)を0日目及び3日目にウェルに加えた。4%パラホルムアルデヒド(PFA)中で5日目に細胞を固定した。デスミン染色によって同定された筋管あたりの核の数(>2個の核)とデスミン+核の総数との間の比として、融合指数を計算した。
【0084】
ET-1実験
ET-1タンパク質の定量化のための方法は、Le Bihan等、2012に記載されている。DMEMで2回すすぎ、DMSO又は40nM ET-1(E7764、Sigma-Aldrich社)+/-10μMボセンタン(SML1265、Sigma Aldrich社)、10nM BQ788(SML192621、Sigma Aldrich社)、若しくは10nM BQ123(B150、Sigma-Aldrich社)のいずれかを含む1%FBS(20%の代わりに)の増殖培地で3日間処置した70~80%コンフルエンス細胞で、ET-1の効果を評価するためのFAPの処置を行った。増殖実験のために、Edu(10μM)を2日目に加え、24時間後に細胞を固定した。製造業者の使用説明書に従ってClick-iT(商標)EdU細胞増殖キット(C10338、Life Technologies社)を使用して、EdU標識を行った。
【0085】
免疫蛍光
4%PFAで10分間(分)固定してブロッキング溶液(PBS 2% FBS 0.2% Triton)で30分間(分)インキュベートした細胞に、免疫染色を行った。次いで、固定された細胞を一次抗体(COL7A1 C6805 Sigma Aldrich社1/800、デスミンM0760 Dako社1/50)と共に1時間インキュベートした。Life Technologies社(グランドアイランド、NY)から購入した適切なAlexa-Fluor二次抗体を45分間使用して、免疫複合体の検出を行った。核及びアクチンフィラメントを、それぞれヘキスト及びファロイジン-Alexa 568(Interchim社1/400)で対比染色した。
【0086】
RNA抽出及び逆転写
製造業者の使用説明書に従ってTRIzol試薬(Invitrogen社、15596026)を使用して、凍結筋肉切片又は細胞ペレット由来のRNAを抽出した。NanoDrop(登録商標)分光光度計ND-1000で、RNAの濃度を決定した。製造業者の使用説明書に従ってM-MLV(Invitrogen社)を使用して、RNAを逆転写した。
【0087】
定量的PCR
LightCycler 480リアルタイムPCRシステム(Roche Applied Science社)でSYBRグリーンミックスバッファー(Roche Applied Science社、メラン、フランス)を使用して、以下のように定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を行った:95℃で8分の後、95℃で15秒間(秒)、60℃で15秒及び72℃で15秒を50サイクルと、95℃で5秒及び65℃で1分でのプログラム終了。以下のプログラムを使用した融解曲線解析によって、PCR産物の特異性をチェックした:0.11℃/秒で65℃から97℃に上昇。遺伝子発現レベルはRPLP0又はhB2M発現に対して正規化しており、プライマー配列は要望に応じて入手可能である。
【0088】
統計解析
平均±SDとしてデータを表した。全ての統計解析は、GraphPad Prism(バージョン6.0d、GraphPad Software Inc.社、サンディエゴ、CA)を使用して行った。一元配置分散分析検定によって、統計的有意性を評価した。*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001及び****P<0.0001で、差は有意であると考えた。
【0089】
実験結果
筋線維症における主要制御因子としてのエンドセリン受容体
筋肉分化に影響を与え得る線維症筋肉由来のFAPによって発現される潜在的な候補タンパク質を同定するために、それらのトランスクリプトームのプロファイルを解析した。FibMCTFAPにおける調節解除された189個の遺伝子を、厳密な、コンピュータを使用したフィルタリングに供して、それらの細胞分布を予測し、細胞外空間にある可能性が最も高いタンパク質を同定した(Zhao等、2019)。予測される細胞外の性質(シグナルペプチド、膜貫通及び特殊な分泌経路)で、111個の候補タンパク質を同定した。
【0090】
これらの111個のうち、66個はFibMCT FAPでアップレギュレーションされていた。FibMOP FAPに行われた同じ解析によって、同様にFibMOP FAPでアップレギュレーションされる63個の候補タンパク質を同定することが可能になった。これらの2つのリストを組み合わせることによって、19個の細胞外タンパク質候補が得られた。
【0091】
アップレギュレーションされていた様々な細胞受容体のうち、ENDRBは、そのリガンドである線維症誘発性ペプチドのエンドセリン(ET1)が筋管によって分泌されるので、特に興味深い候補として同定された(図1A)。Rag2-/-Il2rb-/-免疫不全マウスに注射した場合に、FibMCT及びFibMOP FAPにおけるEDNRBの過剰発現をインビトロ(図1B)及びインビボ(図1C)でqPCRによって確認した。EDNRB mRNAの発現レベルも、FibMIBM FAPで測定した。同様に、MCTでのレベルと比較して、FibMIBM FAPでEDNRB mRNAの過剰発現を観察することができる(図5A)。本発明者らは、MCT、FibMCT、FibMOP及びFibMIBMのFAPでのEDNRA mRNAの発現レベルを更に測定した。EDNRA mRNA発現の有意な増大はまた、MCTでの発現レベルと比較して、FibMOP及びFibMIBM FAPでも観察された(図5B)。COL7A1免疫染色をECM産生の読み出しとして使用し、増殖を評価するためにEduを使用して、FAPの培地へのET1の添加によって、FibMCT及びFibMOP FAPではECM産生及び増殖が増大したが、MCT FAPでは増大しなかったことが確認された(図2A図2B及び図2C)。ENDR拮抗薬であるボセンタン(Clozel等、1994)の添加によって、ET1の効果が部分的に消失した(図2A図2B及び図2C)。2つの他のENDR拮抗薬であるBQ788及びBQ123は、それぞれ選択的EDNRB拮抗薬及びEDNRA拮抗薬であり、これらも評価した。BQ788及びBQ123の添加はまた、FibMCT及びFibMOP FAPでのECM産生の減少につながった(図4A)。また、BQ788及びボセンタンによる処置後のFibMCT及びFibMOP FAPの増殖の減少も、観察できる(図4B)。これらの結果から、エンドセリン受容体の遮断によってFAPの分泌及び増殖が減少し得ることが説明される。
【0092】
70%/30%比での、筋芽細胞の、線維症筋肉由来のFAPとの共培養によって、筋芽細胞融合が損なわれる。ボセンタンの存在下で、エンドセリン受容体EDNRを遮断することによって、融合指数は対照レベルまで部分的に回復した(図3A図3B)。全体的に見て、これらのデータは、線維症組織においてFAPに対して作用することによる、線維症におけるエンドセリンの重要な役割を示す。
【0093】
結論として、上記で示されたデータから、ヒト骨格筋の線維症におけるFAPのエンドセリン受容体の重要な役割が示され、ヒト筋線維症に対抗するための新薬の開発につながるような標的としてのエンドセリン受容体が同定される。
【0094】
[参考文献]
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】