IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イーエルシー マネージメント エルエルシーの特許一覧

<>
  • 特表-製品塗布ワンド 図1
  • 特表-製品塗布ワンド 図2
  • 特表-製品塗布ワンド 図3
  • 特表-製品塗布ワンド 図4
  • 特表-製品塗布ワンド 図5
  • 特表-製品塗布ワンド 図6
  • 特表-製品塗布ワンド 図7
  • 特表-製品塗布ワンド 図8
  • 特表-製品塗布ワンド 図8A
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】製品塗布ワンド
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
A45D34/04 515Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530408
(86)(22)【出願日】2022-11-21
(85)【翻訳文提出日】2024-06-05
(86)【国際出願番号】 US2022050642
(87)【国際公開番号】W WO2023096877
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】17/534,374
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513161449
【氏名又は名称】イーエルシー マネージメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルギニャタ,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ルシャノイン,マルク エミール
(57)【要約】
【解決手段】 製品塗布デバイスは、ロッドと、ロッドに動作可能に連結されたブラシと、を有するワンドを含む。ロッドは、ロッド長手方向軸を含み、ブラシは、ブラシ長手方向軸を含む。ハウジングは、ワンドのブラシの少なくとも一部分を受容するように構成されたリザーバを画定する。キャップは、ワンドと動作可能に連結され、ハウジングと取り外し可能に連結するように構成されている。ブラシ長手方向軸は、ロッド長手方向軸からオフセットされている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品塗布デバイスであって、
ロッドと、前記ロッドと動作可能に連結されたブラシと、を含むワンドであって、前記ロッドが、ロッド長手方向軸を有し、前記ブラシが、ブラシ長手方向軸を有する、ワンドと、
前記ワンドの前記ブラシの少なくとも一部分を受容するように構成されたリザーバを画定する、ハウジングと、
前記ワンドと動作可能に連結され、かつ前記ハウジングと取り外し可能に連結するように構成された、キャップと、を備え、
前記ブラシ長手方向軸が、前記ロッド長手方向軸からオフセットされている、製品塗布デバイス。
【請求項2】
前記ブラシが、涙滴形断面形状を画定する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ブラシが、基部と、剛毛の第1の部分と、前記基部に対して外向きに延在する剛毛の第2の部分と、を含み、前記剛毛の第1の部分が、前記涙滴形断面形状の輪郭部分を画定し、前記剛毛の第2の部分が、前記涙滴形断面形状の丸い部分を画定する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記剛毛の第1の部分が、前記剛毛の第2の部分の平均長さよりも大きい平均長さを有する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1の部分の長さの前記第2の部分の長さとの比が、約1:1~約3:1の範囲内である、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ブラシが、第1の非対称断面と、前記第1の非対称断面に対して垂直である第2の非対称断面と、を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ハウジングの前記リザーバが、非円筒形状を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記ハウジングが、ハウジング当接表面を有し、前記キャップが、キャップ当接表面を有し、前記ハウジング当接表面が、前記キャップ当接表面に隣接して位置決めするように適合され、前記キャップ当接表面の断面形状に一致する断面形状を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記キャップ当接表面の前記断面形状が、涙滴形である、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記剛毛が、ワイヤから構築された基部と動作可能に連結された繊維から構築されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
製品塗布デバイスのためのワンドであって、
ロッドと、
基部と、前記基部から延在する複数の剛毛と、を含む、ブラシと、
剛毛の第1の部分及び剛毛の第2の部分によって画定された涙滴形断面形状と、を備え、
前記第1の部分が、第1の輪郭外形と、前記第1の輪郭外形に対して垂直な第2の輪郭外形と、を画定し、前記第2の部分が、異なる輪郭外形を画定する、ワンド。
【請求項12】
ブラシ長手方向軸が、ロッド長手方向軸からオフセットされている、請求項11に記載のワンド。
【請求項13】
前記剛毛の第1の部分が、前記剛毛の第2の部分の平均長さよりも大きい平均長さを有する、請求項11に記載のワンド。
【請求項14】
前記ブラシが、第1の非対称断面と、前記第1の非対称断面に対して垂直である第2の非対称断面と、を有する、請求項11に記載のワンド。
【請求項15】
前記剛毛の第1の部分が、前記基部から延在する様々な長さを有する複数の列を含む、請求項11に記載のワンド。
【請求項16】
前記剛毛の第2の部分が、前記基部から延在するほぼ均一な長さを有する複数の列を含む、請求項11に記載のワンド。
【請求項17】
製品塗布ワンドのブラシであって、
円周及び長手方向軸を有する、基部と、
前記基部から半径方向に延在する複数の剛毛であって、前記複数の剛毛が、前記基部の前記円周の周りに延在する第1の非重複部分及び第2の非重複部分を含む、複数の剛毛と、
第1の非対称断面と、
前記第1の非対称断面に垂直な第2の非対称断面と、を備え、
前記複数の剛毛の第1の部分及び第2の部分が、前記第1の非対称断面及び前記第2の非対称断面を少なくとも部分的に画定する、ブラシ。
【請求項18】
前記第1の非対称断面が、前記剛毛の第1の部分によって少なくとも部分的に画定され、輪郭外形を含む、請求項17に記載のブラシ。
【請求項19】
前記第1の非対称断面が、前記剛毛の第2の部分によって少なくとも部分的に画定され、第2の輪郭外形を含む、請求項18に記載のブラシ。
【請求項20】
前記第2の非対称断面が、前記剛毛の第1の部分及び前記剛毛の第2の部分によって少なくとも部分的に画定され、前記剛毛の第2の部分が、第3の輪郭外形を画定する、請求項19に記載のブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、製品塗布デバイスに関し、より具体的には、化粧品塗布デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
マスカラパッケージは、概して、化粧品を収容するリザーバを画定する第1の半分と、化粧品を塗布するための取り外し可能なワンド及びブラシを提供する第2の半分と、を含む。マスカラが保管のために閉じられるとき、ブラシ及びワンドは、第1の半分の内側に配置され、第1の半分及び第2の半分は、ブラシ及びワンドが第1の半分から分離しないように連結される。ユーザは、ワンド及びブラシをリザーバから取り外すことによって第2の半分を第1の半分から分離し、そうすることで、内部ワイパは、ブラシが第1の半分から完全に取り外される前に、ブラシ上に配置された製品の一部を取り外すことができる。次いで、ユーザは、ブラシ上に配置された残りの製品の一部を睫毛及び/又は眉毛に塗布してもよく、次いで、より多くの製品を収集するため、又は後の使用のためにマスカラを保管するために、ブラシを第1の半分に戻してもよい。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様によれば、製品塗布デバイスは、大量かつ高精度の塗布に好適な二重塗布ブラシと、最適な塗布を確実にするための直感的なキャップ及びハウジングと、を含む。
【0004】
第1の態様によれば、製品塗布デバイスは、ロッドと、ロッドに動作可能に連結されたブラシと、を含むワンドを含んでもよい。ロッドは、ロッド長手方向軸を含んでもよく、ブラシは、ブラシ長手方向軸を含んでもよい。ハウジングは、ワンドのブラシの少なくとも一部分を受容するように構成されたリザーバを画定してもよい。キャップは、ワンドと動作可能に連結され、ハウジングと取り外し可能に連結するように構成されてもよい。ブラシ長手方向軸は、ロッド長手方向軸からオフセットされてもよい。
【0005】
第2の態様によれば、製品塗布デバイス用のワンドは、ロッドとブラシと、を含んでもよい。ブラシは、基部と、基部から延在する複数の剛毛と、を含んでもよい。ワンドは、剛毛の第1の部分及び剛毛の第2の部分によって画定された涙滴形断面形状を含んでもよい。第1の部分は、第1の輪郭外形と、第1の輪郭外形に対して垂直な第2の輪郭外形と、を画定してもよく、第2の部分は、異なる輪郭外形を画定してもよい。
【0006】
第3の態様によれば、製品塗布ワンドのブラシは、円周及び長手方向軸を有する基部を含んでもよい。ブラシは、基部から半径方向に延在する複数の剛毛を含んでもよい。複数の剛毛は、基部の円周の周りに延在する第1の非重複部分及び第2の非重複部分を含んでもよい。ブラシは、第1の非対称断面と、第1の非対称断面に垂直な第2の非対称断面と、を含んでもよい。複数の剛毛の第1の部分及び第2の部分は、第1及び第2の非対称断面を少なくとも部分的に画定してもよい。
【0007】
更に第1、第2、又は第3の態様のいずれか1つによれば、製品塗布デバイス、ワンド、及び/又はブラシは、以下の形態のうちのいずれか1つ以上を含んでもよい。
【0008】
一形態では、ブラシは、涙滴形断面形状を画定してもよい。
【0009】
いくつかの形態では、ブラシは、基部と、剛毛の第1の部分と、基部に対して外向きに延在する剛毛の第2の部分と、を含んでもよい。
【0010】
これら及び他の例では、剛毛の第1の部分は、涙滴形断面形状の輪郭部分を画定してもよい。
【0011】
いくつかの形態では、剛毛の第2の部分は、涙滴形断面形状の丸い部分を画定してもよい。
【0012】
代替形態では、剛毛の第1の部分は、剛毛の第2の部分の平均長さよりも大きい平均長さを有してもよい。
【0013】
一形態では、第1の部分の長さの第2の部分の長さとの比は、約1:1~約3:1の範囲内であってもよい。
【0014】
いくつかの形態では、ブラシは、第1の非対称断面と、第1の非対称断面に対して垂直な第2の非対称断面と、を有してもよい。
【0015】
いくつかの例では、ハウジングのリザーバは、非円筒形状を有してもよい。
【0016】
いくつかの形態では、ハウジングは、ハウジング当接表面を有してもよく、キャップは、キャップ当接表面を有してもよい。
【0017】
一形態では、ハウジング当接表面は、キャップ当接表面に隣接して位置決めするように適合されてもよい。
【0018】
いくつかの形態では、ハウジング当接表面は、キャップ当接表面の断面形状に一致する断面形状を有してもよい。
【0019】
多くの形態では、キャップ当接表面の断面形状は、涙滴形であってもよい。
【0020】
一形態では、剛毛は、ワイヤから構成された基部と動作可能に連結された繊維から構築されてもよい。
【0021】
これら又は他の形態では、ブラシ長手方向軸は、ロッド長手方向軸からオフセットされてもよい。
【0022】
いくつかの形態では、剛毛の第1の部分は、基部から延在する様々な長さを有する複数の列を含んでもよい。
【0023】
別の形態では、剛毛の第2の部分は、基部から延在するほぼ均一な長さを有する複数の列を含んでもよい。
【0024】
別の形態では、第1の非対称断面は、剛毛の第1の部分によって少なくとも部分的に画定されてもよく、輪郭外形を含んでもよい。
【0025】
他の例では、第1の非対称断面は、剛毛の第2の部分によって少なくとも部分的に画定されてもよく、第2の輪郭外形を含んでもよい。
【0026】
別の形態では、第2の非対称断面は、剛毛の第1の部分及び剛毛の第2の部分によって少なくとも部分的に画定されてもよい。
【0027】
更に別の形態では、剛毛の第2の部分は、第3の輪郭外形を画定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本開示の教示に従って組み立てられた製品塗布デバイスの斜視図である。
図2図2は、図1の製品塗布デバイスの断面側面図である。
図3図3は、図1の製品塗布デバイスのブラシの外形断面側面図である。
図4図4は、図1の製品塗布デバイスのブラシの外形断面正面図である。
図5図5は、図2の製品塗布デバイスのA-A線に沿った断面正面図である。
図6図6は、図2の製品塗布デバイスのB-B線に沿った断面正面図である。
図7図7は、図1の製品塗布デバイスの上面図である。
図8図8は、図2のC-C線に沿った図1の製品塗布デバイスの断面上面図である。
図8A図8Aは、図8の製品塗布デバイスの拡大断面上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
一般的に言えば、製品塗布デバイス10が提供される。図1の製品塗布デバイス10は、高精度塗布に好適な二重塗布ブラシ14と、最適な塗布を確実にするための直感的なキャップ18及びハウジング22と、を含む。ワンド26は、キャップ18と動作可能に連結され、ロッド30と、ロッド30に動作可能に連結されたブラシ14と、を含む。ハウジング22は、化粧品(図示せず)を収容し、かつワンド26のブラシ14の少なくとも一部分を受容するようにサイズ決めされたリザーバ34を画定する。ワイパ36がハウジング22に連結され、ハウジング22の開口部38内に配置される。キャップ18は、ワンド26のハンドルとしても機能し、ハウジング22と取り外し可能に連結するように構成されている。
【0030】
図2及び図3には、ブラシ14及びワンド26のロッド30がより詳細に示されている。ブラシ14は、基部40と、基部40から半径方向に延在する複数の剛毛42と、を含む。複数の剛毛42は、非重複剛毛42の第1の部分44及び第2の部分46を含む。図2に示されるように、第1の部分及び第2の部分44、46は、複数の列で基部40の円周48の周りに延在する。剛毛42の第1の部分及び第2の部分44、46は、図3及び図4に示されるように、ブラシ14の2つの異なる垂直非対称断面を少なくとも部分的に画定し、以下でより詳細に説明される。
【0031】
引き続き図2及び図3を参照すると、第1の部分44は、概ね楕円形輪郭を有する第1の輪郭50を画定し、第2の部分46は、均一な長さの概ねより短い剛毛42の比較的直線的な縁部52を画定する。わずかに異なる変形例では、図3のブラシ14は、楕円形の外形を有する第2の輪郭54を画定する剛毛42の第2の部分46も含む。したがって、図3のブラシ14の第1の部分及び第2の部分44、46の両方は、様々な長さの剛毛42を含む。しかしながら、図2及び図3に示される両方の態様において、第1の部分44の剛毛42の長さL1は、第2の部分46の剛毛42の長さL2よりも長い。第1の部分及び第2の部分の剛毛42の長さL1、L2は、ブラシ14の長手方向軸Yから長さZだけオフセットされているロッド30の長手方向軸Xからおおよそ測定される。他の例では、第1の輪郭50及び/又は第2の輪郭54は、長円形、湾曲した、かつ/又は別様に斜めの外形を有してもよい。更に他の例では、長さZは、ロッド30の長手方向軸Xがブラシ14の長手方向軸Yと同軸に整列されるように、0であってもよい。
【0032】
図3は、ブラシ長手方向軸Yの周りのブラシ14の第1の非対称断面を描写し、図4は、図3の第1の非対称断面に対して垂直である、ブラシ14の第2の非対称断面を図示する。第2の非対称断面は、剛毛42の第1の部分44及び第2の部分46によって少なくとも部分的に画定される。剛毛42の第1の部分44は、涙滴形状の狭く尖った部分である第3の輪郭58を少なくとも部分的に画定し、第2の部分46は、涙滴形状の丸みを帯びた球根状部分を少なくとも部分的に画定する。他の例では、球根状部分は、実際には、涙滴形ではなく三角形の断面形状を提供するように角度が付けられてもよい。
【0033】
図4は、剛毛42の各部分44、46がロッド30の円周62を越えてどのように延在するかを図示する。前述したように、ブラシ長手方向軸Yは、長さZだけロッド長手方向軸Xからオフセットされている。第1の部分44は、ロッド長手方向軸Xから最長の剛毛長さL1を有する、様々な長さの剛毛42を含む。第2の部分46は、ロッド長手方向軸Xに対して様々な長さの剛毛42を含むが、ブラシ長手方向軸Yに対してより均一な長さを有する。このように構成されると、剛毛42の第2の部分46の月型領域は、ロッド長手方向軸Xに垂直な方向に距離Hだけロッド30の円周62を越えて延在し、同様にロッド長手方向軸Xに垂直な方向に幅W1を含む。第1の部分44の剛毛の長さL1は、約2mm~約8mm、約3mm~約7.5mm、約4mm~約7mmの範囲内、好ましくは約6mmであってもよい。第2の部分46の剛毛の長さL2は、約1mm~約5mm、約1.5mm~約4mm、約2mm~約3.5mmの範囲内、好ましくは約3mmであってもよい。第1の部分44の長さL1の第2の部分46の長さL2との平均比は、約1:1~約4:1の範囲であり、好ましくは約3:1である。
【0034】
各部分44、46の剛毛42の様々な長さは、ブラシ14がハウジング22から取り外されるときに剛毛42によって捕捉される化粧材料の量に影響を及ぼす。ブラシ14がハウジング22から取り外されるとき、剛毛42は、任意の数の好適な手法を介してハウジング22に連結されたワイパ36の開口部を通過する。ワイパ36の開口部は、ブラシ14のロッド30の直径Dに少なくとも等しい直径を有する。図4図6に示されるように、ロッド30の円周62を越えて延在する剛毛42は、ワンド26がワイパ36の開口部を通過してハウジング22の開口部38から出るときに、ワイパ36に係合する。ロッド30の円周62を越えて延在する剛毛42上に配置された任意の材料は、ワイパ36の柔軟な材料に接触し、剛毛46から少なくとも部分的に取り外される。したがって、第1の部分44の剛毛42の長さL1が第2の部分46の剛毛42の長さL2よりも長いので、剛毛42の第1の部分44から第2の部分46よりも多くの化粧材料が取り外される。
【0035】
このように構成されると、第2の部分46は、ブラシ14を取り外す際により多くの化粧材料を保持するので、ブラシ14の第2の部分46は、装填目的のために使用されてもよく、ブラシ14の第1の部分44は、化粧材料を塗布する間の分離及び画定目的のために使用されてもよい。より短い剛毛42を用いると、ブラシ14の第2の部分46は、より多くの化粧材料を保持することになり、したがって、人の睫毛上により良好に化粧材料を装填することができる。第2の部分46の第2の輪郭54のわずかな曲率は、上瞼及び下瞼の全ての睫毛により良好に到達するように、人の眼瞼の曲率に一致する。十分な材料が人の睫毛に装填された後、ブラシ14の第1の部分44は、睫毛を分離して画定するために使用される。第1の部分44のより長い剛毛42は、ワイパ36の拭き取り動作からのより少ない化粧材料を有し、したがって、塗られた睫毛を分離するように作用する。第1の部分44の、より大きな曲率の第1の輪郭50は、人の目の隅の睫毛に達するように成形される。場合によっては、第1の部分44の剛毛42は、睫毛をより良好に分離して画定するために、より剛性の材料であってもよい。
【0036】
ここで図5及び図6を参照すると、デバイス10の2つの異なる断面A-A及びB-Bがそれぞれ、ブラシ14の基部40から延在する剛毛42の異なる列を図示している。図5の断面図は、剛毛42の第1の部分44の第1の輪郭50の最下点に配置された例示的な列66を図示する。剛毛の列は、基部40の円周48から半径方向外向きに、かつその円周の周りに延在する。剛毛42の第1の部分44の長さL2の変形(矢印Vによって識別される)は、例示的な列66の後ろに示されている。例えば、図6の断面図は、剛毛42の第1の部分44の第1の輪郭50の最高点のうちの1つ、及びブラシ14の近位端部74に配置された第2の例示的な列70を図示する。先に説明し、ここで図5及び図6に示すように、ロッド30の円周62を越えて延在する剛毛42の部分は、ブラシ14がリザーバ34から取り外されるときに、ワイパ36に接触する。
【0037】
図示された例では、基部40は、近位端部74から遠位端部78まで基部40の長さの周りに螺旋状に延びる複数の繊維剛毛42を捕捉する撚りワイヤを含む。しかしながら、他の例では、基部40及び剛毛42は、押出プラスチックから作製されてもよく、剛毛42は、螺旋構成ではなく、平行な列に延在してもよい。剛毛42の異なる材料、厚さ、剛性、密度、粗さの組み合わせを利用して、ブラシ14の特定の機能を達成することができる。
【0038】
また、図5及び図6には、デバイス10のハウジング22及びキャップ18の概ね涙滴形断面形状が示されている。ブラシ14のハンドルとしても機能するキャップ18は、丸みを帯びた部分96及び狭い部分100の両方を画定する第1の表面88及び第2の表面92を有する涙滴形断面形状を含む。キャップ18の狭い部分は、ブラシ14の第1の部分44によって画定された剛毛42の頂点に対応する頂点を画定する。第1の表面及び第2の表面88、92は、キャップ100の頂点100に向かって傾斜し、人の指(例えば、親指及び人差し指)のための把持表面として機能してもよい。同様に、ハウジング22も、涙滴形断面形状を含み、涙滴形断面リザーバ34を画定する。ハウジング22は、丸みを帯びた部分112及び狭い部分116の両方を画定する第1の表面104及び第2の表面108を含む。ハウジング22及びキャップ18が固定されると、ハウジングの狭い部分は、キャップの狭い部分と整列し、ハウジングの丸い部分は、キャップの丸い部分と整列する。ブラシ14、ハウジング22、及びキャップ18の断面形状は、同様の涙滴形状に対応するが、他の例では、ブラシ14、ハウジング22、及びキャップ18は、異なる断面形状を有してもよい。例えば、ハウジング22及びキャップ18は、円筒形、長方形、又は角柱形であってもよい。別の例では、ブラシ14、ハウジング22、及びキャップ18は、三角形又はダイヤモンド形断面形状を有してもよい。
【0039】
図7及び図8に示されるように、キャップ18及びハウジング22は、ワンド26がリザーバ34内に配置された状態で保管位置に固定される。ハウジング22は、ハウジング当接表面120を有し、キャップ18は、キャップ当接表面124を有する。ハウジング当接120面は、キャップ当接表面124に隣接して位置決めするように適合され、キャップ当接表面124の断面形状に一致する断面形状を有する。当接表面の一致する断面形状並びに面120、124の滑らかな係合は、キャップ18がハウジング22に適切に締結されることを確実にする。
【0040】
図8及び図8Aには、キャップ18とハウジング22との間の締結機構126がより明確に図示されている。ハウジング22は、近位端部132(遠位端部134の反対側)に、ワンド26のカラー138に螺合可能に連結されたネック130を含む。カラー138は、ハウジング22のネック130の雄ねじ146と噛み合い係合する雌ねじ142を含む。キャップ18をハウジング22から取り外し可能に連結するために、キャップ18は、ロッド長手方向軸Xを中心としてハウジング22に対して回転され、雌ねじ142及び雄ねじ146が係脱されるまで、キャップ当接表面124をハウジング当接表面120から分離する。キャップ18がハウジング22から分離すると、ワンド26は、ロッド長手方向軸Xを中心として第1の方向Rに回転する。リザーバ34は、剛毛42の第1の部分44がハウジング22の内壁150に接触することなく回転することを可能にするために、ハウジング22の遠位端部134からハウジングの近位端部132まで徐々に広がるように成形される。図示された例では、リザーバ34は、涙滴形断面形状を有するが、他の例では、リザーバ34は、円筒形又は非円筒形であってもよい。キャップ18は、カラー138とネック130とを係合させ、当接表面120、124が係合して整列されるまで、ロッド長手方向軸Xを中心として方向Rとは反対の方向Tにハウジング22に対してキャップ18を回転させることによって、ハウジング22に戻って固定される。他の例では、締結機構126は、スナップ嵌め、摩擦嵌めなどの異なるタイプの取り外し可能な連結であってもよい。
【0041】
図8Aに戻ると、カラー138は、ブラシ14の反対側で、ロッド30の近位端部154に取り付けられるか又は一体的に形成され、キャップ18の内側部分158に固定される。キャップ18の内側部分158は、キャップ18及びワンド26がユニットとして一緒に移動するように、スナップ嵌め、摩擦嵌め、接着剤、融接、又は他の好適な手法によってカラー138に固定され得る。ハウジング22のネック130は、開口部38を画定し、ワイパ36の剛性フランジ162に固定される。ワイパ36の本体166は、フランジ162から、ネック130によって画定された開口部38内に延在し、ロッド長手方向軸Xに対して内向きに湾曲する。ワイパ36の本体166は、ワンド26のロッド30がハウジング22のリザーバ34から摺動し、かつブラシ14の剛毛42から化粧品を柔軟に拭き取ることを可能にするように柔軟である。ワイパ36は、ワイパ36の本体166がブラシ14に係合したときにフランジ162がハウジング22に取り付けられたままであるように、スナップ嵌め、摩擦嵌め、接着剤、融接、又は他の好適な手法によってハウジング22のネック130に固定される。
【0042】
本開示の製品塗布デバイス10は、化粧品塗布のためのいくつかの利点を提供する。これらの利点には、ブラシの形状及び機能、ロッドに対するブラシのオフセット配向、並びにブラシ、キャップ、及びハウジングの対応する断面形状が含まれる。
【0043】
具体的には、ブラシは、製品を人の睫毛に装填する機能と、装填後に塗られた睫毛を分離して画定する機能との2つの別個の機能を提供する、2つの主要な剛毛部分を有する。剛毛の楕円形輪郭は、睫毛が成長する人の眼瞼の自然な外側輪郭に対応する。ブラシの輪郭の形状は、隅の睫毛に達する。第2の部分は、ブラシの装填機能を画定し、第1の部分は、ブラシの分離機能を画定する。より長い剛毛上のより少ない製品により、ユーザは、より多くの製品を睫毛に加えることなく、塗られた睫毛をより正確に分離し、画定することができる。
【0044】
ブラシ及びロッドの軸をオフセットすることは、ブラシの第2の部分又は装填部分がより短い剛毛を有することを可能にする。より短い剛毛は、目の近くに化粧品を塗布するときに、装填ステップをより邪魔にならないようにし、ユーザが制御するのをより容易にする。より短い剛毛では、人は、剛毛が長く基部から遠くに延在する場合よりも高い精度を達成することができる。より短い剛毛は、ブラシの第2の部分がより密になることを可能にし、化粧品の収集のためにブラシを最適化する。
【0045】
ブラシの断面形状に対応するようなハウジング及びキャップの形状は、適切な自己塗布のためにユーザに本質的に指示する。人の親指及び人差し指がキャップの狭い部分を把持するとき、デバイスは、分離位置にある。人の親指及び人差し指がキャップの丸みを帯びた部分を把持するとき、デバイスは、装填位置にある。換言すれば、キャップの狭い部分はまた、ブラシの分離部分の配向を示す。したがって、ユーザは、キャップを把持するだけでブラシの配向を知ることになる。
【0046】
製品塗布デバイスは、任意の数の様々な化粧品、ヘアケア製品、ボディケア製品、及び/又は例えば、マスカラ製品などのスキンケア製品を塗布するために使用され得ることが理解される。
【0047】
最後に、本開示の教示に従って特定の塗布器デバイスを本明細書で説明してきたが、本特許の対象範囲はそれに限定されない。反対に、開示された塗布器デバイスは、様々な例に関連して示され説明されてきたが、上述のものに加えて、特定の変更及び修正がなされてもよいことは明らかである。本特許出願は、許容可能な均等物の範囲内に適正に入る本開示の教示の全ての例を包含する。したがって、当業者が思い付く可能性のある全ての変形及び修正を保護することが意図されている。
【0048】
当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した実施形態に対して様々な修正、変更、及び組み合わせを行うことができ、そのような修正、変更、及び組み合わせは、本発明の概念の範囲内にあると見なされるべきであることを認識するであろう。
【0049】
本特許出願の最後の特許請求の範囲は、「のための手段(means for)」又は「のためのステップ(step for)」という文言が請求項に明示的に記載されているなど、従来のミーンズプラスファンクションの文言が明示的に記載されていない限り、35U.S.C.§112(f)の下で解釈されることを意図していない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図8A
【国際調査報告】