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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】5Gニューラジオモビリティ拡張
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/04 20090101AFI20241029BHJP
   H04W 72/0457 20230101ALI20241029BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20241029BHJP
【FI】
H04W36/04
H04W72/0457 110
H04W16/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530533
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 CN2021133474
(87)【国際公開番号】W WO2023092448
(87)【国際公開日】2023-06-01
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
2.WINDOWS
3.iOS
4.macOS
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】パレ ヴェンカタ ナヴィーン クマール アール
(72)【発明者】
【氏名】シロトキン アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】シュ ファンリ
(72)【発明者】
【氏名】フ ハイジン
(72)【発明者】
【氏名】ヌッゲハリ パヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ロスバッハ ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンガラ サルマ ヴイ
(72)【発明者】
【氏名】グルムールシー セトゥラマン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ユチン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ジビン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE24
5K067JJ39
(57)【要約】
ユーザ機器(UE)は、第1のセル及び第2のセルであって、第1のセルはサービングセルとして構成され、第2のセルは支援セルとして構成される、第1のセル及び第2のセルとの同時通信機能をアクティブ化し、サービングセルスイッチであって、サービングセルスイッチは、支援セルとして再構成される第2のセルと、支援セルとして再構成される第1のセルと、を含む、サービングセルスイッチが実行されるべきであると決定し、サービングセルスイッチの後に、同時通信機能が非アクティブ化されるべきであることを示すメッセージを第2のセルから受信し、メッセージに応答して第1のセルを解放するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作を実行するように構成されたユーザ機器(UE)のプロセッサであって、前記動作が、
第1のセル及び第2のセルであって、前記第1のセルはサービングセルとして構成され、前記第2のセルは支援セルとして構成される、第1のセル及び第2のセルとの同時通信機能をアクティブ化することと、
サービングセルスイッチであって、前記サービングセルスイッチは、前記支援セルとして再構成される前記第2のセルと、前記支援セルとして再構成される前記第1のセルと、を含む、サービングセルスイッチが実行されるべきであると決定することと、
前記サービングセルスイッチの後に、前記同時通信機能が非アクティブ化されるべきであることを示すメッセージを前記第2のセルから受信することと、
前記メッセージに応答して前記第1のセルを解放することと、を含む、プロセッサ。
【請求項2】
前記動作が、
ネットワークから、前記サービングセルスイッチが実行されるべきであることを示す信号であって、前記信号は、ダウンリンク制御情報(DCI)、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)、又は無線リソース制御(RRC)メッセージのうちの1つである、信号を受信することを更に含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項3】
前記サービングセルスイッチの前に、前記サービングセルは、プライマリセル(PCell)又はプライマリセカンダリセル(PSCell)のうちの1つであり、前記支援セルは、ターゲットセルであり、前記サービングセルスイッチは、前記PCell又は前記PSCellのうちの1つと前記ターゲットセルとの前記同時通信機能を維持しながら、前記PCell又は前記PSCellのうちの1つを前記ターゲットセルに更新することを含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項4】
前記動作が、
前記サービングセルスイッチの後、かつ前記同時通信機能が非アクティブ化されるべきであることを示す前記メッセージを前記第2のセルから受信する前に、第2のサービングセルスイッチであって、前記第2のサービングセルスイッチは、前記支援セルとして再構成される前記第2のセルと、前記サービングセルとして再構成される前記第1のセルと、を含む、第2のサービングセルスイッチのためのコマンドをネットワークから受信することを更に含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項5】
前記動作が、
複数の送受信ポイント(TRP)に対応する構成情報を受信することを更に含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項6】
前記動作が、
前記第1のセル及び前記第2のセルとの前記同時通信機能をアクティブ化する前に、前記第2のセルのためのセキュリティキーを受信することを更に含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項7】
前記動作が、
前記同時通信機能が構成されている間に、前記ネットワークに、測定データであって、前記測定データは、前記第2のセルの送受信ポイント(TRP)に対応する、測定データを報告することを更に含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項8】
前記報告は、レイヤ2(L2)測定、レイヤ3(L3)測定、又はレイヤ1(L1)アップリンク制御情報(UCI)を使用する、請求項7に記載のプロセッサ。
【請求項9】
前記測定データは、前記第1のセル及び前記第2のセルの両方に送信される、請求項7に記載のプロセッサ。
【請求項10】
前記測定データは、送受信ポイント(TRP)ID、基準信号ID及び対応する測定値を含む、請求項7に記載のプロセッサ。
【請求項11】
前記サービングセルスイッチが実行されるべきであると決定することは、前記第1のセル又は前記第2のセルのうちの1つに対応する測定データが所定の条件を満たすことを識別することを含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項12】
前記動作が、
前記UEが前記UEのサービングセルを前記第2のセルに更新したという指示を前記第2のセルに送信することを更に含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項13】
前記動作が、
前記第1のセル又は前記第2のセルのうちの1つへの前記サービングセルスイッチの要求を送信することを更に含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項14】
前記第1のセルは、プライマリセルグループ(PCG)又はセカンダリセルグループ(SCG)の一部分である、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項15】
動作を実行するように構成された第1の基地局のプロセッサであって、前記動作が、
ユーザ機器(UE)に、構成情報であって、前記構成情報は、サービングセルとして構成された第1のセル及び支援セルとして構成された第2のセルへの同時通信機能を有する前記UEを構成し、前記基地局は、前記第1のセルを制御する、構成情報を送信することと、
前記第2のセルを制御する第2の基地局から、サービングセルスイッチであって、前記サービングセルスイッチは、前記サービングセルとして再構成される前記第2のセルと、前記支援セルとして再構成される前記第1のセルと、を含む、サービングセルスイッチが前記UEのために実行されるべきであるという指示を受信することと、
前記第1のセルが前記UEによって解放されるべきであるという指示を前記第2の基地局から受信することと、を含む、プロセッサ。
【請求項16】
前記動作が、
前記UEに、前記サービングセルスイッチが実行されるべきであることを示す信号であって、前記信号は、ダウンリンク制御情報(DCI)、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)、又は無線リソース制御(RRC)メッセージのうちの1つである、信号を送信することを更に含む、請求項15に記載のプロセッサ。
【請求項17】
前記動作が、
前記UEに、複数の送受信ポイント(TRP)であって、前記複数のTRPは、同じ次の基地局又は異なる基地局に関連付けられる、複数の送受信ポイント(TRP)のためのビームリソースを示すメッセージを送信することを更に含む、請求項15に記載のプロセッサ。
【請求項18】
前記構成情報が、前記第2のセルに対応するセキュリティキーを含む、請求項15に記載のプロセッサ。
【請求項19】
前記動作が、
前記構成情報を送信する前に、前記第2のセルを制御する第2の基地局から前記セキュリティキーを受信することを更に含む、請求項18に記載のプロセッサ。
【請求項20】
前記動作が、
前記第2のセルを制御する第2の基地局とユーザプレーン構成のデータパスを構成することを更に含む、請求項15に記載のプロセッサ。
【請求項21】
前記サービングセルスイッチが実行されるべきであるという前記指示は、前記第2のセルを制御する第2の基地局から受信される、請求項15に記載のプロセッサ。
【請求項22】
動作を実行するように構成された第2の基地局のプロセッサであって、前記動作が、
ユーザ機器(UE)に関連付けられたハンドオーバ要求に応答して、ハンドオーバ準備肯定応答を第1の基地局に送信することであって、前記第1の基地局が第1のセルを制御し、前記第2の基地局が第2のセルを制御し、前記UEが、サービングセルとして構成された前記第1のセル及び支援セルとして構成された前記第2のセルへの同時通信機能を有して構成される、送信することと、
前記第1の基地局に、サービングセルスイッチであって、前記サービングセルスイッチは、前記サービングセルとして再構成される前記第2のセルと、前記支援セルとして再構成される前記第1のセルスイッチと、を含む、サービングセルスイッチが前記UEのために実行されるべきであるという指示を送信することと、
前記第1のセルが前記UEによって解放されるべきであることを示すメッセージを前記UEに送信することと、を含む、プロセッサ。
【請求項23】
前記動作が、
前記第1の基地局であって、前記第1の基地局は、前記セキュリティキーを前記UEに提供する、前記第1の基地局に対応するセキュリティキーを送信することを更に含む、請求項22に記載のプロセッサ。
【請求項24】
前記動作が、
前記第1のセルを制御する前記第1の基地局とユーザプレーン構成のデータパスを構成することを更に含む、請求項22に記載のプロセッサ。
【請求項25】
前記動作が、
前記UEからサービングセルスイッチ要求を受信することを更に含む、請求項22に記載のプロセッサ。
【請求項26】
前記動作が、
前記UEが前記UEのサービングセルを前記第2のセルに更新したという指示を前記UEから受信することを更に含む、請求項22に記載のプロセッサ。
【請求項27】
前記動作が、
前記サービングセルスイッチが実行されるべきであるという指示を前記第1の基地局に送信することを更に含む、請求項22に記載のプロセッサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、無線通信に関し、特に、5Gニューラジオモビリティ拡張(5G New Radio Mobility Enhancements)に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ機器(UE)は、ネットワークのノードに接続し得る。接続されると、UEのハンドオーバがソースノードとターゲットノードとの間で発生し得る。いくつかのシナリオでは、ハンドオーバ手順中に、UEがネットワークからデータを送信及び/又は受信することができない持続時間があり得る。このモビリティ中断時間は、UE及び/又はネットワークに関連付けられたユーザエクスペリエンスに悪影響を及ぼし得る。
【0003】
第5世代(5G)ニューラジオ(NR)ネットワークは、レイヤ1(L1)/レイヤ2(L2)ベースのモビリティをサポートし得る。概して、L1/L2ベースのモビリティは、ネットワークがUEのサービングセルを変更することを可能にする機構を指す。5G NRの場合、L1/L2ベースのモビリティを可能にし、モビリティ中断時間を最小限に抑える(又はなくす)モビリティフレームワークの必要性が存在することが確認されている。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの例示的な実施形態は、動作を実行するように構成されたユーザ機器(UE)のプロセッサに関する。動作は、第1のセル及び第2のセルであって、第1のセルはサービングセルとして構成され、第2のセルは支援セルとして構成される、第1のセル及び第2のセルとの同時通信機能をアクティブ化することと、サービングセルスイッチであって、サービングセルスイッチは、支援セルとして再構成される第2のセルと、支援セルとして再構成される第1のセルと、を含む、サービングセルスイッチが実行されるべきであると決定することと、サービングセルスイッチの後に、同時通信機能が非アクティブ化されるべきであることを示すメッセージを第2のセルから受信することと、メッセージに応答して第1のセルを解放することと、を含む。
【0005】
他の例示的な実施形態は、動作を実行するように構成された第1の基地局のプロセッサに関する。動作は、ユーザ機器(UE)に、構成情報であって、構成情報は、サービングセルとして構成された第1のセル及び支援セルとして構成された第2のセルへの同時通信機能を有するUEを構成し、基地局は第1のセルを制御する、構成情報を送信することと、第2のセルを制御する第2の基地局から、サービングセルスイッチであって、サービングセルスイッチが、サービングセルとして再構成される第2のセルと、支援セルとして再構成される第1のセルと、を含む、サービングセルスイッチがUEのために実行されるべきであるという指示を受信することと、第2の基地局から、第1のセルがUEによって解放されるべきであるという指示を受信することと、を含む。
【0006】
更に別の例示的な実施形態は、動作を実行するように構成された第2の基地局のプロセッサに関する。動作は、ユーザ機器(UE)に関連付けられたハンドオーバ要求に応答して、ハンドオーバ準備肯定応答を第1の基地局に送信することであって、第1の基地局が第1のセルを制御し、第2の基地局が第2のセルを制御し、UEが、サービングセルとして構成された第1のセル及び支援セルとして構成された第2のセルへの同時通信機能を有して構成される、送信することと、第1の基地局に、サービングセルスイッチであって、サービングセルスイッチは、サービングセルとして再構成される第2のセルと、支援セルとして再構成される第1のセルスイッチと、を含む、サービングセルスイッチがUEのために実行されるべきであるという指示を送信することと、第1のセルがUEによって解放されるべきであることを示すメッセージをUEに送信することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】様々な例示的な実施形態による例示的なネットワーク配置を示す図である。
【0008】
図2】様々な例示的な実施形態に係る、例示的なユーザ機器(UE)を示す図である。
【0009】
図3】様々な例示的な実施形態による例示的な基地局を示す図である。
【0010】
図4】様々な例示的な実施形態による、第5世代(5G)ニューラジオ(NR)ハンドオーバのための方法を示す図である。
【0011】
図5】様々な例示的な実施形態によるネットワーク配置を示す図である。
【0012】
図6】様々な例示的な実施形態によるネットワーク配置を示す図である。
【0013】
図7】例示的なモビリティフレームワークの一例を示すシグナリングダイアグラムを示す図である。
【0014】
図8】例示的なモビリティフレームワークの一例を示すシグナリングダイアグラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
例示的な実施形態は、以下の説明及び関連する添付の図面を参照して更に理解され得、同様の要素には、同じ参照符号が付されている。例示的な実施形態は、第5世代(5G)ニューラジオ(NR)モビリティのための拡張を導入する。以下でより詳細に説明するように、例示的な実施形態は、レイヤ1(L1)/レイヤ2(L2)ベースのモビリティを可能にし、モビリティ中断時間を最小限に抑える5G NRモビリティフレームワークを提供する。
【0016】
例示的な実施形態は、ユーザ機器(UE)に関して説明される。しかしながら、UEへの言及は、単に例示の目的で提供される。例示的な実施形態は、任意の電子コンポーネントで利用されてもよく、任意の電子コンポーネントは、ネットワークへの接続を確立し得、情報及びデータをネットワークと交換するためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアを有して構成されている。したがって、本明細書に記載のUEは、任意の電子コンポーネントを表すために使用される。
【0017】
例示的な実施形態はまた、ソース次世代ノードB(gNB)とターゲットgNBとの間のUEのハンドオーバに関して説明される。当業者は、「ソースgNB」という用語が概して、UEのハンドオーバをトリガするように構成されたgNBを指すことを理解するであろう。いくつかの例では、「ソースgNB」という用語は、UEのハンドオーバをトリガしようとしているgNB、及び/又はUEのハンドオーバを既にトリガしているが、ハンドオーバ手順がまだ完了していないgNBを指すために使用され得る。
【0018】
当業者は、「ターゲットgNB」という用語が、概して、UEのための潜在的な将来のサービングノードと見なされるgNBを指すことを理解するであろう。例えば、ソースgNBは、ハンドオーバ準備要求を別のgNBに送信し得る。要求は、様々な異なる理由(例えば、アドミッション制御など)のいずれかのために受け入れられるか、又は拒否され得る。要求が受け入れられた場合、ネットワークは、様々な異なる条件のいずれかに応答して、ソースgNBからこのgNBへのUEのハンドオーバを開始するようにトリガされ得る。いくつかの例では、「ターゲットgNB」という用語は、ソースgNBからハンドオーバ要求を受信しようとしているgNB、及び/又はソースgNBからハンドオーバ準備要求を既に受信しているが、ハンドオーバ手順が完了していないgNBを指すために使用され得る。ハンドオーバが完了すると、ターゲットgNBは、次いで、後続のハンドオーバ手順においてUEのためのソースgNBとして特徴付けられ得る。
【0019】
gNBは、複数の送受信ポイント(TRP)を有して構成され得る。この説明全体において、TRPは、概して、ビームを送信及び/又は受信するように構成されたコンポーネントのセットを指す。いくつかの実施形態では、複数のTRPが、gNBにおいてローカルに展開され得る。例えば、gNBは、異なるビームを生成するように各々構成された複数のアンテナアレイ/パネルを含み得る。他の実施形態では、複数のTRPが、様々な異なるロケーションにおいて展開され、バックホール接続を介してgNBに接続され得る。例えば、複数の小セルが、異なるロケーションにおいて展開され、gNBに接続され得る。しかしながら、これらの例は、単に例示の目的で提供される。当業者は、TRPが、多種多様な異なる条件及び展開シナリオに適応可能であるように構成されることを理解するであろう。したがって、特定のネットワークコンポーネントであるTRP、又は特定の配置で展開されている複数のTRPへの任意の言及は、単に例示の目的で提供される。本明細書で説明するTRPは、ビームを送信及び/又は受信するように構成された任意のタイプのネットワークコンポーネントを表し得る。
【0020】
加えて、各gNBは、1つ以上のセルをサポートし得る。この説明全体において、「ソースセル」という用語は、ソースgNBによって動作されるセルを指すことがある。同様に、「ターゲットセル」という用語は、ターゲットgNBによって動作されるセルを指すことがある。各gNBは1つ以上のセルをサポートし得るので、複数のターゲットセルが同じターゲットgNBに関連付けられるシナリオが存在し得る。UEは、TRPを介してOTA(Over The Air)でセルと通信し得る。TRPとセルとの間の関係により、「TRP」及び「セル」という用語は、互換的に使用され得る。例えば、いくつかの例では、「ターゲットセル」及び「ターゲットTRP」は、概して同じ接続及び/又はノードを指すために互換的に使用され得る。
【0021】
更に、「サービングセル」及び「隣接セル」を参照し得る。当業者は、サービングセルが概して、UEにデータを送信するように構成されたセルを指すことを理解するであろう。いくつかの例では、「ソースセル」及び「サービングセル」という用語は、同じノードを指すために互換的に使用され得る。しかしながら、いくつかの例では、UEは複数のサービングセルを有して構成され得、各サービングセルはソースセルである必要はない。
【0022】
当業者は、隣接セルが概して、UEのためのサービングセルではないが、UE及び/又はサービングセルの近傍内に位置するセルを指すことを理解するであろう。いくつかの例では、「ターゲットセル」及び「隣接セル」という用語は、概して同じノードを指すために互換的に使用され得る。しかしながら、隣接セルはターゲットセルである必要はない。
【0023】
例示的な実施形態はまた、L1/L2ベースのモビリティに関して説明される。当業者であれば、L1/L2ベースのモビリティ概して、ネットワークがUEのサービングセルを変更することを可能にする機構を指すことを理解するであろう。L1ベースのモビリティの場合、サービングセルは、L1ダウンリンク制御情報(DCI)を介してネットワークによって変更され得る。L2ベースのモビリティの場合、サービングセルは、L2媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)コマンドを介してネットワークによって変更され得る。他の例では、L1/L2ベースのモビリティは、DCI、MAC CE、及び/又は無線リソース制御(RRC)シグナリングの組み合わせを利用し得る。したがって、L1/L2ベースのモビリティは、同様の概念に依存するが、ネットワークがサービングセルからターゲットセルへのUE遷移をトリガする方法、例えば、DCI又はMAC CEに基づいて互いに区別される2つの異なる手順を指す。この説明全体において、「L1/L2ベースのモビリティ」という用語は、L1ベースのモビリティ手順又はL2ベースのモビリティ手順のいずれかを指す。
【0024】
UEは、特定のダウンリンク基準信号、例えば、信号同期ブロック(SSB)又はチャネル状態情報(CSI)基準信号(RS)を使用して、1つ以上の隣接セル上でL1/L2ベースのモビリティに関する測定を実行し得、L1/L2ベースのモビリティに関する測定は、SSB、CSI-RS、又は任意の他の適切なダウンリンクリソースに基づくことができる。L1/L2ベースのモビリティのための測定メトリックは、L1基準信号受信電力(RSRP)、L1信号干渉対雑音比(SINR)、L1基準信号受信品質(RSRQ)、又は任意の他の適切なタイプのメトリックであり得る。しかしながら、特定のタイプの測定、基準信号又はメトリックを利用するL1/L2ベースのモビリティへのいかなる言及も、単に例示の目的で提供される。例示的な実施形態は、任意の適切なタイプの測定、基準信号、又はメトリックを利用するL1/L2ベースのモビリティに適用し得る。
【0025】
例示的な実施形態はまた、デュアルアクティブプロトコルスタック(DAPS)ハンドオーバ方式に関して説明される。DAPSは、ハンドオーバコマンドがネットワークから受信された後、ターゲットgNBへの接続に成功した後にソースセルが解放されるまで、ソースgNB接続が維持されるハンドオーバ手順を指すことを当業者は理解するであろう。DAPSハンドオーバ中に、UEは、ソースセル及びターゲットセルとのユーザデータの同時受信を実行するために、1つ以上のプロトコルスタックレイヤの複数のインスタンスを利用し得る。例えば、1つのプロトコルスタックがソースセルと通信するように構成され得、別のプロトコルスタックがターゲットセルと通信するように構成され得る。DAPSは、ハンドオーバ中のモビリティ中断時間を最小限に抑える。
【0026】
例示的な実施形態は、5G NRモビリティのための拡張を導入する。例示的な拡張は、L1/L2ベースのモビリティの態様及びDAPSの特性を含むモビリティフレームワークを提供する。本明細書で説明される例示的な拡張の各々は、現在実装されている5G NRモビリティ方式、5G NRモビリティ方式の将来の実装と併せて、又は他の5G NRモビリティ方式から独立して、互いに独立して使用され得る。
【0027】
図1は、様々な例示的な実施形態による例示的なネットワーク配置100を示す。例示的なネットワーク配置100は、UE 110を含む。UE 110は、ネットワークを介して通信するように構成された任意のタイプの電子コンポーネント、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマートフォン、ファブレット、埋め込みデバイス、モノのインターネット(Internet of Things、IoT)ウェアラブルデバイスなどであり得ることが、当該技術分野に精通している者には理解されよう。また、実際のネットワーク配置は、任意の数のユーザによって使用されている任意の数のUEを含み得ることを理解されたい。したがって、単一のUE 110の例は、単に例示のために提供されている。
【0028】
UE 110は、1つ以上のネットワークと通信するように構成され得る。ネットワーク構成100の例では、UE 110が無線で通信し得るネットワークは、5G NR無線アクセスネットワーク(RAN)120である。しかしながら、UE 110はまた、他のタイプのネットワーク(例えば、5GクラウドRAN、次世代RAN(Next Generation RAN、NG-RAN)、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)RAN、レガシーセルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network、WLAN)など)と通信してもよく、UE 110はまた、有線接続によってネットワークと通信してもよい。例示的な実施形態に関して、UE 110は、5G NR RAN120との接続を確立してもよい。したがって、UE 110は、NR RAN120と通信するために5G NRチップセットを有してもよい。
【0029】
5G NR RAN 120は、ネットワークキャリア(例えば、Verizon、AT&T、T-Mobileなど)によって展開され得るセルラーネットワークの一部分であってもよい。5G NR RAN 120は、例えば、適切なセルラーチップセットを備えるUEからトラフィックを送信及び受信するように構成されたセル又は基地局(NodeB、eNodeB、HeNB、eNBS、gNB、gNodeB、マクロセル、マイクロセル、小セル、フェムトセルなど)を含み得る。
【0030】
5G NR RAN 120は、gNB 120A及びgNB 120Bを含む。この例では、gNB 120A、120Bの各々は、複数のTRPを有して構成される。各TRPは、信号を送信及び/又は受信するように構成された1つ以上のコンポーネントを表し得る。いくつかの実施形態では、複数のTRPが、gNBにおいてローカルに展開され得る。他の実施形態では、複数のTRPが、異なるロケーションに分散され、バックホール接続を介してgNBに接続され得る。例えば、複数の小セルが、異なるロケーションにおいて展開され、gNBに接続され得る。しかしながら、これらの例は、単に例示の目的で提供される。当業者は、TRPが、多種多様な異なる条件及び展開シナリオに適応可能であるように構成されることを理解するであろう。したがって、特定のネットワークコンポーネントであるTRP、又は特定の配置で展開されている複数のTRPへの任意の言及は、単に例示の目的で提供される。本明細書で説明するTRPは、ビームを送信及び/又は受信するように構成された任意のタイプのネットワークコンポーネントを表し得る。上記で示したように、いくつかの例では、「TRP」及び「セル」という用語は、概して同じ接続及び/又はノードを指すために互換的に使用され得る。
【0031】
任意の関連付け手順は、UE 110が5G NR RAN 120に接続するために、実行され得ることが、当業者には理解されよう。例えば、上記で考察されたように、5G NR RAN 120は、UE 110及び/又はUE 110のユーザが(例えば、SIMカードに記憶された)契約情報及びクレデンシャル情報を有する特定のセルラープロバイダに関連付けられてもよい。5G NR RAN 120の存在を検出すると、UE 110は、5G NR RAN 120と関連付くために、対応するクレデンシャル情報を送信してもよい。より具体的には、UE 110は、特定の基地局(例えば、gNB 120A、gNB 120B)と連合してもよい。
【0032】
ネットワーク配置100はまた、セルラーコアネットワーク130、インターネット140、IPマルチメディアサブシステム(IP Multimedia Subsystem、IMS)150、及びネットワークサービスバックボーン160を含む。セルラーコアネットワーク130は、セルラーネットワークの動作及びトラフィックを管理する、相互接続されたコンポーネントのセットと見なされ得る。それは、エボルブドパケットコア(Evolved Packet Core、EPC)及び/又は5Gコア(5G Core、5GC)を含み得る。セルラーコアネットワーク130はまた、セルラーネットワークとインターネット140との間を流れるトラフィックを管理する。IMS 150は概して、IPプロトコルを使用してマルチメディアサービスをUE 110に配信するためのアーキテクチャとして記載され得る。IMS 150は、マルチメディアサービスをUE 110に提供するために、セルラーコアネットワーク130及びインターネット140と通信することができる。ネットワークサービスバックボーン160は、インターネット140及びセルラーコアネットワーク130と直接又は間接的のいずれかで通信する。ネットワークサービスバックボーン160は概して、様々なネットワークと通信するUE 110の機能性を拡張するために使用され得るサービスの一式を実装するコンポーネント(例えば、サーバ、ネットワークストレージ装置(network storage arrangement)など)のセットとして記載され得る。
【0033】
図2は、様々な例示的な実施形態による例示的なUE 110を示す。図1のネットワーク配置100に関して、UE 110について記載する。UE 110は、プロセッサ205、メモリ装置(memory arrangement)210、ディスプレイデバイス215、入力/出力(input/output、I/O)デバイス220、送受信機225、及び他のコンポーネント230を含み得る。他のコンポーネント230は、例えば、オーディオ入力デバイス、オーディオ出力デバイス、電源、データ取得デバイス、UE 110を他の電子デバイスに電気的に接続するためのポートなどを含み得る。
【0034】
プロセッサ205は、UE 110の複数のエンジンを実行するように構成されてもよい。例えば、エンジンは、拡張5G NRモビリティエンジン235を含み得る。拡張5G NRモビリティエンジン235は、本明細書で説明する例示的なモビリティフレームワークを実装することに関する様々な動作を実行し得る。これらの動作は、限定はしないが、構成情報を受信すること、測定を実行すること、測定報告を送信すること、DCIを受信すること、MAC CEを受信することなどを含み得る。
【0035】
プロセッサ205によって実行されるアプリケーション(例えば、プログラム)である上記のエンジン235は、単に例示の目的で提供される。エンジン235と関連付けられた機能はまた、UE 110の別個の組み込まれたコンポーネントとして表されてもよく、又はUE 110に結合されたモジュラーコンポーネント、例えば、ファームウェアを有する若しくは有さない集積回路であってもよい。例えば、集積回路は、信号を受信するための入力回路と、信号及び他の情報を処理するための処理回路と、を含み得る。エンジンはまた、1つのアプリケーション又は別個のアプリケーションとして具現化されてもよい。加えて、いくつかのUEにおいて、プロセッサ205について記載の機能性は、ベースバンドプロセッサ及びアプリケーションプロセッサなどの2つ以上のプロセッサ間で分割されている。例示的な実施形態は、UEのこれらの構成又は他の構成のうちのいずれかにおいて実装されてもよい。
【0036】
メモリ装置210は、UE 110によって実行される動作に関連するデータを記憶するように構成されたハードウェアコンポーネントであってもよい。ディスプレイデバイス215は、データをユーザに示すように構成されたハードウェアコンポーネントであってもよく、I/Oデバイス220は、ユーザが入力を行うのを可能にするハードウェアコンポーネントであってもよい。ディスプレイデバイス215及びI/Oデバイス220は、別個のコンポーネントであってもよく、又はタッチスクリーンなどのように一緒に一体化されてもよい。送受信機225は、5G NR-RAN 120、LTE-RAN(図示せず)、レガシーRAN(図示せず)、WLAN(図示せず)などとの接続を確立するように構成されたハードウェアコンポーネントであってもよい。したがって、送受信機225は、様々な異なる周波数又はチャネル(例えば、連続する周波数のセット)で動作し得る。
【0037】
図3は、様々な例示的な実施形態による例示的な基地局300を示す。基地局300は、gNB 120A、gNB 120B又はUE 110が接続を確立し、ネットワーク動作を管理し得る任意の他のアクセスノードを表すことができる。
【0038】
基地局300は、プロセッサ305、メモリ装置310、入力/出力(I/O)デバイス315、送受信機320、他のコンポーネント325、及び複数のTRP 330を含み得る。上記で示したように、いくつかのシナリオでは、複数のTRP 330は、基地局300においてローカルに展開され得る。他のシナリオでは、複数のTRPのうちの1つ以上は、基地局300からリモートの物理ロケーションに展開され、バックホール接続を介して基地局に接続され得る。基地局300は、複数のTRP 330を制御し、限定はしないが、リソースを割り当てること、基準信号(又はSSB)を構成すること、ビーム管理技法を実装することなどの動作を実行するように構成され得る。
【0039】
プロセッサ305は、基地局300の複数のエンジンを実行するように構成され得る。例えば、エンジンは、拡張5G NRモビリティエンジン335を含み得る。拡張5G NRモビリティエンジン335は、本明細書で説明される例示的なモビリティフレームワークに関する様々な動作を実行し得る。これらの動作は、限定はしないが、ハンドオーバ準備要求を別のgNBに送信すること、能力情報を受信すること、構成情報を送信すること、測定データを受信すること、リソースを割り当てること、基準信号を送信すること、DCIを送信すること、MAC CEを送信することなどを含み得る。
【0040】
プロセッサ305によって実行されるアプリケーション(例えば、プログラム)である上記のエンジン335は、例示的なものに過ぎない。エンジン335と関連付けられた機能はまた、基地局300の別個の組み込まれたコンポーネントとして表されてもよく、又は基地局300に結合されたモジュラーコンポーネント、例えば、ファームウェアを有する若しくは有さない集積回路であってもよい。例えば、集積回路は、信号を受信するための入力回路と、信号及び他の情報を処理するための処理回路と、を含み得る。加えて、いくつかの基地局において、プロセッサ305について説明されている機能は、複数のプロセッサ(例えば、ベースバンドプロセッサ、アプリケーションプロセッサなど)の間で分割されている。例示的な実施形態は、基地局のこれらの構成又は他の構成のうちのいずれかで実装されてもよい。
【0041】
メモリ310は、基地局300によって実行される動作に関するデータを記憶するように構成されたハードウェアコンポーネントであってもよい。I/Oデバイス315は、ユーザが基地局300と対話することを可能にするハードウェアコンポーネント又はポートであってもよい。送受信機320は、UE 110及びネットワーク配置100内の任意の他のUEとデータを交換するように構成されたハードウェアコンポーネントであってもよい。送受信機320は、様々な異なる周波数又はチャネル(例えば、連続する周波数のセット)において動作し得る。したがって、送受信機320は、様々なネットワーク及びUEとのデータ交換を可能にするために、1つ以上のコンポーネント(例えば、無線機)を含み得る。他のコンポーネント325は、例えば、オーディオ入力デバイス、オーディオ出力デバイス、バッテリ、データ取得デバイス、基地局300を他の電子デバイスに電気的に接続するためのポートなどを含み得る。
【0042】
例示的な実施形態はまた、中央ユニット(CU)及び分散ユニット(DU)を備えるgNBの論理アーキテクチャに関して説明される。「gNB-CU」という用語は、コアネットワーク及び1つ以上のgNB-DUに接続された論理ノードを指すことがある。「gNB-DU」という用語は、gNB-CUに接続された論理ノードを指すことがある。例を提供するために、gNB 120A、120Bの各々は、gNB-CU及び1つ以上のgNB-DUを備え得る。しかしながら、「gNB-CU」及び「gNB-DU」という用語への言及は、単に例示を目的として提供されているに過ぎない。異なるエンティティは、異なる名前によって同様の概念を指すことがある。
【0043】
gNB-CUは、その1つ以上のgNB-DUを制御し得る。各gNB-DUは、1つ以上のセル及び/又は1つ以上のTRPをサポートし得る。これらのコンポーネント間の関係により、いくつかの例では、「gNB-DU」、「セル」、及び「TRP」という用語は、概して同じ接続及び/又はノードを指すために互換的に使用され得る。例えば、いくつかの例では、「ターゲットセル」、「ターゲットTRP」、及び「ターゲットgNB-DU」は、概して同じ接続及び/又はノードを指すために互換的に使用され得る。例示的なモビリティフレームワークのコンテキスト内のgNB-CU及びgNB-DU挙動の例が、以下で詳細に提供される。
【0044】
図4は、様々な例示的な実施形態による、5G NRハンドオーバのための方法400を示す。方法400は、例示的な5G NRモビリティフレームワークの一般的な概要を提供する。
【0045】
最初に、UE 110がgNB 120Aを介して5G NR RAN 120に接続されるシナリオを検討する。したがって、gNB 120Aは、UE 110のためのソースgNBとして特徴付けられ得る。この例では、ソースgNBは、ソースgNB-CUと、ソースgNB-DUと、ソースTRPとを備え得る。以下でより詳細に説明されるように、本明細書で説明される例示的なモビリティフレームワークは、UE 110が同じgNB-CUによってサポートされるセル、TRP、及び/又はgNB-DUの間でスイッチするイントラCUモビリティシナリオを考慮し得る。加えて、例示的なモビリティフレームワークは、UE 110が異なるgNB-CUによって制御されるセル、TRP、及び/又はgNB-DUにスイッチするCU間モビリティシナリオを考慮し得る。
【0046】
405において、UE 110は、複数のTRPのビームリソースに関する構成情報をソースノードから受信する。TRPは、同じgNB-CU及びgNB-DU、同じgNB-CUであるが異なるgNB-DU、又は異なるgNB-CUの異なるgNB-DUに関連付けられ得る。構成情報は、1つ以上の無線リソース制御(RRC)メッセージを使用して、又は任意の他の適切な方法で、UE 110に提供され得る。
【0047】
ネットワーク側では、CU間モビリティシナリオの場合、ターゲットgNB-CUは、関連する構成情報をソースgNB-CUに提供し得、この構成情報は、次いで、ソースgNB-DUに伝搬される。イントラCUモビリティシナリオの場合、ターゲットgNB-CUは存在しない。現在構成されているgNB-CUは、関連する構成情報を既に所有していることがあり、又は任意の適切なソース(例えば、gNB-DU、gNBからリモートのソースなど)から構成情報を取り出す必要があることがある。
【0048】
410において、UE 110は、測定データをネットワークに送信する。いくつかの例では、測定報告は、レイヤ3(L3)測定データを備え、RRCメッセージを使用してネットワークに提供され得る。代替として、又はL3測定データに加えて、測定報告は、L2及び/又はL1測定データを含み得る。一般的な例を提供するために、UE 110は、ターゲットセルから基準信号を受信及び処理するために測定ギャップ又は任意の他の適切な技法を利用し得る。次いで、UE 110は、基準信号に基づいて測定データを収集し得る。
【0049】
415において、ネットワークは、測定報告及び/又は任意の他の適切な条件(例えば、ネットワーク負荷、干渉、特定のネットワークリソースへのアクセスを提供することなど)に基づいて、ソースノードからターゲットノードへのUE 110のハンドオーバが実行されるべきであると決定し得る。しかしながら、この決定の根拠は、例示的な実施形態の範囲外である。
【0050】
420において、ネットワークは、ターゲットノード及びソースノードとの同時通信のためにUE 110を構成する。上記で示したように、本明細書で説明する例示的なモビリティフレームワークは、イントラCUモビリティシナリオ及びCU間モビリティシナリオを考慮する。したがって、ネットワークは、同じgNB-CUに制御される複数のノード(例えば、イントラCUモビリティ)又は異なるgNB-CUによって各々制御される複数のノード(例えば、CU間モビリティ)と通信するようにUE 110を構成し得る。イントラCUモビリティシナリオのための例示的なネットワーク配置は、以下の図5に提供され、CU間モビリティシナリオの例示的なネットワーク配置は、以下の図6に提供される。この機能を構成するためのネットワーク側コンポーネント間のシグナリング及びUE 110とネットワークとの間のシグナリングに関する具体的な詳細は、図5図6におけるネットワーク配置の説明の後に以下に提供される。
【0051】
図5は、様々な例示的な実施形態によるネットワーク配置500を示す図である。以下の説明は、イントラCUモビリティのコンテキスト内の例示的な配置500の様々なコンポーネントの一般的な概要を提供する。例示的な実施形態に対してコンポーネントによって実行される具体的な動作について、ネットワーク配置500の説明の後により詳細に説明する。
【0052】
例示的なネットワーク配置500のコンポーネントは、図1のネットワーク配置100に対して様々な物理的及び/又は仮想的ロケーションに存在し得ることが、当業者には理解されよう。これらのロケーションは、アクセスネットワーク(例えば、NR RAN 120)内、コアネットワーク130内、gNB(例えば、gNB 120A及び/又はgNB 120B)内、図1に関して説明したロケーション外の別個のコンポーネントとしてなどを含み得る。
【0053】
図5では、様々なコンポーネントが、F1-C、F1-U、E1-C及びE1-Uとラベル付けされた接続を介して接続されているものとして示されている。「U」指定は、ユーザプレーンインタフェースを表し得、「C」指定は、制御プレーンインタフェースを表し得る。これらの接続(又はインタフェース)の各々は、第3世代パートナーシッププログラム(3GPP)仕様において定義されていることが、当業者には理解されよう。例示的なネットワーク配置500は、これらの接続が3GPP仕様において定義されている方法で、これらの接続を使用している。しかしながら、これらの接続は例示の目的で提供されており、例示的な実施形態は、コンポーネント及びインタフェースの任意の適切な配置に適用し得る。更に、これらのインタフェースは、この説明全体において、接続と称されるが、これらのインタフェースは、有線又は無線の直接接続である必要はなく、例えば、インタフェースは、介在するハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントを介して通信することができることを理解されたい。したがって、この説明全体において、「接続」及び「インタフェース」という用語は、様々なコンポーネント間のインタフェースを説明するために互換的に使用され得る。
【0054】
ネットワーク配置500は、UE 110がターゲットノード及びソースノードと同時に通信するように既に構成されているシナリオを示す(例えば、方法400の420)。この例では、UE 110は、TRP 510及びTRP 550と通信するように構成される。いくつかの実施形態では、TRP 510、550は、異なる周波数(例えば、周波数間モビリティ)上で動作し得る。
【0055】
TRP 510は、gNB-CU制御プレーン(CP)ノード514及びgNB-CUユーザプレーン(UP)ノード516に接続されたgNB-DU 512によって動作されるサービングTRPである。TRP 550は、gNB-CU CPノード514及びgNB-CU UPノード516にも接続されるgNB-DU 552によって動作される。このシナリオでは、TRP 550は、ターゲットTRPとして特徴付けられ得る。加えて、TRP 550は、「支援TRP」として特徴付けられ得る。支援TRP(又は支援セル)という用語は、概して、モビリティ手順中にUE 110と通信し得るが、ターゲットノードへの遷移がまだ完了していないターゲットTRPを指す。完了すると、サービングTRP及び支援TRPの役割は、スイッチし得、例えば、TRP 510は、最初にサービングTRPとして構成され得、次いで、その役割は、支援TRPにスイッチされ得る。
【0056】
図5はまた、このイントラCUモビリティシナリオ中にTRP 510及びTRP 550と同時に通信するためにUE 110によって使用され得るプロトコルスタック構成の一部分を示す。この例では、物理(PHY)レイヤは2つのインスタンスに分割される。PHY 560は、TRP 510と通信するために使用されてもよく、PHY 561は、TRP 550と通信するために使用されてもよい。媒体アクセス制御(MAC)レイヤはまた、2つのインスタンスに分割され得る。MAC 570は、TRP 510と通信するために使用されてもよく、MAC 571は、TRP 550と通信するために使用されてもよい。無線リンク制御(RLC)レイヤはまた、2つのインスタンスに分割され得る。RLC 580は、TRP 510と通信するために使用されてもよく、RLC 581は、TRP 550と通信するために使用されてもよい。TRP 510とTRP 550の両方と通信するために使用される共通パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)レイヤ590が存在し得る。しかしながら、例示的な実施形態は、いかなる特定のタイプのプロトコルスタック構成にも限定されない。例えば、イントラCUモビリティシナリオでは、L1/L2モビリティは、複数のインスタンスに分割されたPHYのみを用いて実行され得るが、MACレイヤ、RLCレイヤ、及びPDCPレイヤは、両方の接続に共通であり得る。例示的な実施形態は、複数のインスタンスに分割された任意の適切な数のプロトコルスタックレイヤを利用して、モビリティ手順中の同時通信を可能にし得る。
【0057】
図6は、様々な例示的な実施形態によるネットワーク配置600を示す図である。以下の説明は、CU間モビリティのコンテキスト内の例示的な配置600の様々なコンポーネントの一般的な概要を提供する。例示的な実施形態に対してコンポーネントによって実行される具体的な動作について、ネットワーク配置600の説明の後により詳細に説明する。
【0058】
例示的なネットワーク配置600のコンポーネントは、図1のネットワーク配置100に対して様々な物理的及び/又は仮想的ロケーションに存在し得ることが、当業者には理解されよう。これらのロケーションは、アクセスネットワーク(例えば、NR RAN 120)内、コアネットワーク130内、gNB(例えば、gNB 120A及び/又はgNB 120B)内、図1に関して説明したロケーション外の別個のコンポーネントとしてなどを含み得る。
【0059】
図6では、様々なコンポーネントが、F1-C、F1-U、Xn-C及びXn-Uとラベル付けされた接続を介して接続されているものとして示されている。「U」指定は、ユーザプレーンインタフェースを表し得、「C」指定は、制御プレーンインタフェースを表し得る。これらの接続(又はインタフェース)の各々は、3GPP仕様において定義されていることが、当業者には理解されよう。例示的なネットワーク配置600は、これらの接続が3GPP仕様において定義されている方法で、これらの接続を使用している。しかしながら、これらの接続は例示の目的で提供されており、例示的な実施形態は、コンポーネント及びインタフェースの任意の適切な配置に適用し得る。更に、これらのインタフェースは、この説明全体において、接続と称されるが、これらのインタフェースは、有線又は無線の直接接続である必要はなく、例えば、インタフェースは、介在するハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントを介して通信することができることを理解されたい。
【0060】
ネットワーク配置600は、UE 110がターゲットノード及びソースノードと同時に通信するように既に構成されているシナリオを示す(例えば、方法400の420)。この例では、UE 110は、TRP 610及びTRP 650と通信するように構成される。いくつかの実施形態では、TRP 610、650は、異なる周波数(例えば、周波数間モビリティ)上で動作し得る。
【0061】
TRP 610は、ソースgNB-CU 614に接続されたgNB-DU 612によって動作されるサービングTRPである。TRP 650は、ターゲットgNB-CU 616に接続されたgNB-DU 652によって動作される。ソースgNB-CU 614及びターゲットgNB-CU 616は、1つ以上のインタフェース(例えば、CP、UPなど)を使用して互いに通信し得る。
【0062】
このシナリオでは、TRP 650は、ターゲットTRPとして特徴付けられ得る。加えて、TRP 650はまた、支援TRPとして特徴付けられ得る。上記で示したように、支援TRP(又は支援セル)という用語は、概して、モビリティ手順中にUE 110と通信し得るが、ターゲットノードへの遷移がまだ完了していないターゲットTRPを指す。完了すると、サービングTRP及び支援TRPの役割は、スイッチし得、例えば、TRP 610は、最初にサービングTRPとして構成され得、次いで、その役割は、支援TRPにスイッチされ得る。
【0063】
図6はまた、このイントラCUモビリティシナリオ中にTRP 610及びTRP 650と同時に通信するためにUE 110によって使用され得るプロトコルスタック構成の一部分を示す。この例では、PHYレイヤは2つのインスタンスに分割される。PHY 660は、TRP 610と通信するために使用されてもよく、PHY 661は、TRP 650と通信するために使用されてもよい。MACレイヤはまた、2つのインスタンスに分割され得る。MAC 670は、TRP 610と通信するために使用されてもよく、MAC 671は、TRP 650と通信するために使用されてもよい。RLCレイヤはまた、2つのインスタンスに分割され得る。RLC 680は、TRP 610と通信するために使用されてもよく、RLC 681は、TRP 650と通信するために使用されてもよい。TRP 610とTRP 650の両方と通信するために使用される共通PDCPレイヤが存在し得る。しかしながら、例示的な実施形態は、いかなる特定のタイプのプロトコルスタック構成にも限定されない。例示的な実施形態は、複数のインスタンスに分割された任意の適切な数のプロトコルスタックレイヤを利用して、モビリティ手順中の同時通信を可能にし得る。
【0064】
方法400の420に戻ると、ネットワークは、サービングノード及びターゲットノード(例えば、ネットワーク配置500~600)と同時に通信するようにUE 110を構成し得る。425において、ターゲットノードはここでサービングノードとして構成される。例えば、ネットワーク配置500のコンテキスト内で、サービングセルスイッチが行われてもよく、TRP 550はここでサービングTRPとして構成されてもよく、TRP 510はここで支援TRPとして構成されてもよい。このイントラCUモビリティシナリオでは、gNB-CUハンドオーバは存在しない。別の例を提供するために、ネットワーク配置600のコンテキスト内で、サービングセルスイッチが行われてもよく、TRP 650はここでサービングTRPとして構成されてもよく、TRP 610はここで支援TRPとして構成されてもよい。このCU間モビリティシナリオでは、gNB-CU 614及びターゲットgNB-CU 616の役割は、サービングセルスイッチと併せて変化してもよく、又は初期ソースgNB-CU 614への接続が解放されるまで変化しなくてもよい。
【0065】
430において、初期サービングノード(例えば、TRP 510、610など)及び/又は初期ソースノード(例えば、gNB-CU 614)への接続が解放され得る。この解放のためのシグナリング及びネットワーク側動作に関する更なる詳細は、シグナリングダイアグラム700~800に関して以下で提供される。
【0066】
図7は、例示的なモビリティフレームワークの一例を示すシグナリングダイアグラム700を示す。シグナリングダイアグラム700は、UE 110、ソースgNB-CU 701、ソースgNB-DU 702、ターゲットgNB-CU 703、及びターゲットgNB-DU 704を含む。この例では、UE 110及びgNB-CU 701、703は、互いに直接通信するものとして示されている。ネットワーク配置500、600に示されるように、実際の展開シナリオでは、gNB-CUとUE 110との間のシグナリングは、gNB-DU及びTRPによって容易にされ得る。加えて、シグナリングダイアグラム700はCU間モビリティシナリオを示すが、シグナリングダイアグラム700の説明中に、イントラCUモビリティに関する例示的な拡張を参照し得る。
【0067】
705において、ソースgNB-CU 701は、ハンドオーバ準備要求をターゲットgNB-CU 703に送信する。例えば、gNB-CU 701は、Xnインタフェースを使用してターゲットgNB-CU 703と通信し得る。ここでは、gNB-CU 703がgNB-CU 701からの要求を受け入れるものと仮定される。しかしながら、実際の展開シナリオでは、gNB-CU 703は、様々な異なる理由のいずれかのためにハンドオーバ要求を拒否し得る。
【0068】
710において、ターゲットgNB-CU 703は、UE 110のためにターゲットgNB-DU 704を構成する。これは、gNB-DU 704から関連する基準信号構成情報(例えば、CSI-RSなど)を構成すること及び/又は取り出すことを含み得る。例えば、構成情報は、CSI-RS時間領域情報、CSI-RS周波数領域情報などを含み得るが、これらに限定されない。
【0069】
715において、ターゲットgNB-CU 703は、ハンドオーバ準備肯定応答(ACK)をソースgNB-CU 701に送信する。ハンドオーバ準備ACKは、Xnインタフェースを介して提供され、gNB-DU 704に対応する構成情報を含み得る。他の実施形態では、構成情報は、ハンドオーバ準備ACKとは別個のメッセージにおいてソースgNB-CU 701に提供され得る。
【0070】
720において、UE 110は、測定報告を実行するようにUE 110を構成し得る。例えば、ソースgNBは、複数のTRPのビームリソースについてUE 110に提供し得る。TRPは、同じgNB-CU及びgNB-DUから、同じgNB-CUであるが異なるgNB-DUから、又は異なるgNB-CUの異なるgNB-DUからのものであり得る。この情報は、UE 110が複数の異なるTRPに対応する測定データを収集することを可能にし得る。
【0071】
725において、UE 110は測定報告を提供する。一般的な例を提供するために、UE 110は、隣接セル上で測定データを収集するために測定ギャップを有して構成され得る(又はギャップレス測定を実行するように構成され得る)。加えて、UE 110は、UE 110のサービングセルに対応する測定データを収集し得る。UE 110は、隣接セル及びサービングセルについての測定データを監視し得、所定の条件が発生する場合(例えば、測定データが閾値を超えるなど)、UE 110は、測定報告を提供するようにトリガされ得る。いくつかの実施形態では、測定報告は、従来のL3測定を備え得る。他の実施形態では、L3測定の代わりに、又はそれに加えて、UE 110は、L1及び/又はL2測定データを報告し得る。ネットワークは、UE 110のハンドオーバを実行すべきか否かを決定するために測定報告を利用し得る。
【0072】
730において、ネットワークは、ソースノード及びターゲットノードの両方と同時に通信するようにUE 110を構成する。gNB-CU 701は、モビリティ中断時間を最小限に抑える(又はなくす)ために、この同時通信機能を用いてUE 110を構成し得る。ネットワークは、1つ以上のRRCメッセージ又は任意の他の適切なタイプのシグナリングを使用して、この機能でUE 110を構成し得る。シグナリングダイアグラム700には示されていないが、実際の展開シナリオでは、UE 110とgNB-CUとの間のOTA(Over The Air)通信は、gNB-DUによって容易にされ得る。
【0073】
ネットワークがこの機能をどのように構成し得るかの一例を提供するために、ソースgNB-CU 701は、UE 110を別のノードにハンドオーバすることを決定し得る。ネットワーク側では、ソースgNB-CU 701及びターゲットgNB-CU 702は、データパス(例えば、UP構成)をセットアップし得、ソースgNB-CU 701は、ターゲットgNB-CU 703が利用することを意図するセキュリティキー構成を取得し得る。ソースgNB-CU 701は、次いで、1つ以上のプロトコルスタックレイヤが複数のインスタンス(例えば、DAPS、図6図7に示すプロトコルスタックなど)に分割される動作モードに入るようにUE 110を構成し得る。ソースgNB-CU 701は、次いで、同時通信機能を可能にするために、関連するセキュリティ構成情報及び/又は追加のRRC構成情報をUE 110に提供し得る。イントラCUモビリティシナリオでは、ソースgNBは、UE 110がソースTRPとターゲットTRPの両方上で送信及び/又は受信するように構成されるマルチTRP動作を用いてUE 110を構成し得る。
【0074】
735において、UE 110は、ソースgNB-CU 701及び/又はターゲットgNB-CU 703に測定データを報告する。この測定データは、L2測定データ、L1測定データ及びL3測定データのうちの1つ以上を含み得る。この測定データは、サービングセルスイッチをトリガし得る。いくつかの実施形態では、この報告は、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)又は物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)上のL1アップリンク制御情報(UCI)を使用して提供され得る。しかしながら、例示的な実施形態は、L1 UCIに限定されず、任意の適切なL1、L2、又はL3信号を使用してこのデータを報告し得る。
【0075】
上記で示したように、UE 110は、2つ以上のTRPと同時に通信するように構成されるが、UE 110は、TRP基準信号(例えば、720において使用される測定データを収集するために使用される基準信号とは異なり得るUE 110専用基準信号)の測定値を測定し、報告するように構成され得る。この報告は、L3測定データ、L2測定データ及び/又はL1測定データを含み得る。いくつかの実施形態では、この測定報告は、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)又は物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)上のL1アップリンク制御情報(UCI)を使用して提供され得る。
【0076】
イントラCUモビリティシナリオでは、L3又はL2測定値は、UE 110によっていずれか又は両方のビーム上で送信され得る。ネットワークは、報告のためにどのビームを使用すべきかをUE 110に示し得るか、又はUE 110は、任意の適切な条件に基づいてどのビームを使用すべきかを決定し得る。CU間モビリティシナリオでは、L2測定値は、UE 110によっていずれか又は両方のビーム上で送信され得る。ネットワークは、報告のためにどのビームを使用すべきかをUE 110に示し得るか、又はUE 110は、任意の適切な条件に基づいてどのビームを使用すべきかを決定し得る。図7では、報告は両方のビーム上で実行されるものとして示されている。
【0077】
ネットワークは、測定されるべき基準信号及びそれらの対応するIDをUE 110に示し得る。UE 110は、どのビーム及び/又は基準信号が測定されているかをネットワークに示すために、測定報告中のIDを使用し得る。例えば、測定報告は、TRP ID、基準信号ID、及び対応する測定データを含み得る。いくつかの実施形態では、測定データは絶対測定値であってもよい。他の実施形態では、各列挙項目が特定の値又は範囲を反映する量子化ルックアップテーブルを利用し得る。ルックアップテーブルは、3GPP規格においてハード符号化されてもよく、又は任意の他の適切な方法でUE 110及びネットワークのために事前定義されてもよい。
【0078】
740において、ターゲットgNB-CU 703は、UE 110のソフトハンドオーバをトリガする。例えば、ターゲットgNB-CU 703は、サービングセルスイッチが実行されるべきであることを示すメッセージをソースgNB-CU 701に送信し得る。ネットワーク配置600~700に関して上記で示したように、サービングセルスイッチは、サービングセル及び支援セルの役割の変更を指すことがある。
【0079】
745において、ソースgNB-CU 701は、サービングセルスイッチ指示をUE 110に送信する。この指示は、L1 DCI、L2 MAC CE、又はL3 RRCシグナリングを介して提供され得る。UE 110の観点から、サービングセルスイッチは、UE 110がそのプライマリサービングセル(例えば、プライマリセル(PCell)、プライマリセカンダリセル(PSCell)、アンカーセルなど)をターゲットTRPに更新することを含み得る。750において、UE 110サービングセルは、確認をソースgNB-CU 701にスイッチする。755において、gNB-CU 701は、サービングセルスイッチ完了メッセージをgNB-CU 703に送信し得る。このとき、サービングセルはスイッチされているが、UE 110は、gNB-CU 701のTRP及びgNB-CU 703のTRPと依然として通信し得る。しかしながら、gNB-CU 701のためのTRPの役割は、サービングから支援にスイッチし得、gNB-CU 703のためのTRPの役割は、支援からサービングにスイッチし得る。
【0080】
760において、新しいソースgNB-CU 703は、前のソースgNB-CU 701の除去を開始する。例えば、gNB-CU 703は、UE 110同時通信機能が構成解除又は非アクティブ化されるべきであることを、Xnインタフェースを介してgNB-CU 701に通知し得る。765において、新しいソースgNB-CU 703は、前のソースgNB-CU 701構成を解放し、及び/又は同時通信機能を非アクティブ化するようにUE 110をトリガするメッセージをUE 110に送信し得る。このメッセージは、RRCメッセージ又は任意の他の適切なタイプのシグナリングであり得る。いくつかの実施形態では、前のソースノードの除去を開始する前に、ネットワークは、新しいサービングセルがもはや適切ではないと決定し、前のサービングセル(例えば、gNB-CU 701)にスイッチバックし得る。
【0081】
図8は、例示的なモビリティフレームワークの一例を示すシグナリングダイアグラム800を示す。シグナリングダイアグラム800は、UE 110、ソースgNB-CU 801、ソースgNB-DU 802、ターゲットgNB-CU 803、及びターゲットgNB-DU 804を含む。この例では、UE 110及びgNB-CU 801、803は、互いに直接通信するものとして示されている。ネットワーク配置500、600に示されるように、実際の展開シナリオでは、gNB-CUとUE 110との間のシグナリングは、gNB-DU及びTRPによって容易にされ得る。加えて、シグナリングダイアグラム800はCU間モビリティシナリオを示すが、シグナリングダイアグラム800の説明中に、イントラCUモビリティに関する例示的な拡張を参照し得る。
【0082】
805において、ネットワークは、ソースノード及びターゲットノードの両方と同時に通信するようにUE 110を構成する。これは、シグナリングダイアグラム700の730と同様である。この例では、動作705~725又は任意の他の適切なタイプのシグナリングが、UE 110においてこの機能を可能にするために既に実行されていると仮定される。
【0083】
gNB-CU 801は、モビリティ中断時間を最小限に抑える(又はなくす)ために、この同時通信機能を用いてUE 110を構成し得る。ネットワークは、1つ以上のRRCメッセージ又は任意の他の適切なタイプのシグナリングを使用して、この機能でUE 110を構成し得る。シグナリングダイアグラム800には示されていないが、実際の展開シナリオでは、UE 110とgNB-CUとの間のOTA(Over The Air)通信は、gNB-DUによって容易にされ得る。
【0084】
810において、UE 110は、サービングセルスイッチをトリガする。これは、UE 110が735において測定データを送信するシグナリングダイアグラム700とは対照的である。シグナリングダイアグラム800において、UE 110は、UE 110がUE 110のサービングセルをスイッチしたことをネットワークに通知する。したがって、UE 110は、ネットワークから明示的なコマンドを受信することなく、そのプライマリサービングセルを更新し得る。UE 110は、明示的なRRCメッセージ(L3)、MAC CE(L2)、又はUCI(L1)を使用して、このスイッチをネットワークに通知し得る。いくつかの実施形態では、ネットワークは、このサービングセルスイッチを開始するようにUE 110を構成し得、ネットワークがこの機能を明示的に構成しない場合、UE 110はサービングセルスイッチをトリガしないことがある。
【0085】
簡単にシグナリングダイアグラム700に戻ると、735において、測定データを報告することの代わりに、又はそれに加えて、UE 110は、サービングセルスイッチについての要求を送信し得る。この要求は、L1、L2、又はL3信号として送信され得る。シグナリングダイアグラム700中の残りのシグナリングは同じままであり得る。したがって、測定データを送信し、ネットワークにサービングセルスイッチを開始させることとは対照的に、UE 110はサービングセルスイッチを要求し得、又はシグナリングダイアグラム800に示すように、UE 110はサービングセルスイッチをトリガし、次いでネットワークにスイッチを通知し得る。
【0086】
上記の例で説明したように、UE 110がUEトリガサービングセルスイッチ(例えば、810)を実行するか、又はネットワークからサービングセルスイッチを明示的に要求するための基準は、同様であり得る。この基準の例は、以下に提供され、シグナリングダイアグラム800に関して説明される。しかしながら、当業者は、シグナリングダイアグラム700の735において測定データを提供することに加えて、又はその代わりに、サービングセルスイッチを要求するようにUE 110をトリガするために基準がどのように使用され得るかを理解するであろう。
【0087】
基準は、任意の適切な方法でネットワークによって構成され得る。例えば、ネットワークは、条件のセットをUE 110に提供し得、条件が満たされる場合、UE 110は、サービングセルスイッチを要求又はトリガする。1つの条件は、ターゲットセルに対応するビームの信号強度メトリックが、現在のサービングセルに対して閾値よりも大きいか、又は閾値よりも高いことに関係し得る。別の条件は、サービングセルに対応するビームの信号強度メトリックが、閾値よりも低い、又は潜在的なターゲットサービングセルに対する閾値よりも低いことに関係し得る。しかしながら、例示的な実施形態は、いかなる特定の条件にも限定されず、上記で提供された例示的な条件の組み合わせ、又は1つ以上の条件の任意の他の適切なセットを利用し得る。
【0088】
815において、UE 110は、UE 110がUEトリガサービングセルスイッチを実行したことを示すサービングセルスイッチ指示をターゲットgNB-CU 803に送信する。820において、ターゲットgNB-CU 803は、サービングセルスイッチ指示をソースgNB-CU 801に送信する。825において、gNB-CU 801は、サービングセルスイッチ完了メッセージをgNB-CU 803に送信する。830において、gNB-CU 801は、サービングセルスイッチ確認指示をUE 110に送信する。この指示は、L1シグナリング、L2シグナリング、又はL3シグナリングを使用して提供され得る。
【0089】
835において、新しいソースgNB-CU 803は、前のソースgNB-CU 801構成を解放するようにUE 110をトリガするメッセージをUE 110に送信し得る。このメッセージは、RRCメッセージ又は任意の他の適切なタイプのシグナリングであり得る。いくつかの実施形態では、前のソースノードの除去を開始する前に、UE 110又はネットワークは、新しいサービングセルがもはや適切ではないと決定し、前のサービングセル(例えば、gNB-CU 801)にスイッチバックし得る。
【0090】
本明細書で説明される例示的な拡張は、ターゲットgNB-DUがターゲットセルのプールからの1つのターゲットセルであるシナリオに拡張され得る。UE 110は、異なる周波数にわたる複数のTRP構成を有して構成され得る。このシナリオにおけるセルスイッチは、支援セル上での物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)受信が行われるべきであることを示すDCI又はMAC CEがUE 110に提供されたときにトリガされ得る。
【0091】
上記で提供された例は、単一のサービングセルに関して説明された。当業者は、本明細書で説明される例示的な拡張が、キャリアアグリゲーション(CA)、デュアルコネクティビティ(DC)、及び/又はセルグループ(例えば、プライマリセルグループ(PCG)、セカンダリセルグループ(SCG))にも適用可能であり得ることを理解するであろう。例えば、シグナリングダイアグラム700~800は、PCG又はSCGのうちの1つに対して実行され得る。
【0092】
上記の例示的な実施形態は、任意の好適なソフトウェア構成若しくはハードウェア構成又はこれらの組み合わせにおいて実装されてもよいことが、当該技術分野に精通している者には理解されよう。例示的な実施形態を実行するための例示的なハードウェアプラットフォームは、例えば、互換性のあるオペレーティングシステムを有するIntel x86ベースプラットフォーム、Windows OS、Macプラットフォーム及びMAC OSや、iOS、Androidなどのオペレーティングシステムを有するモバイルデバイスを含んでもよい。上記の方法の例示的な実施形態は、コンパイルされると、プロセッサ又はマイクロプロセッサにおいて実行され得る、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコード行を含むプログラムとして具現化されてもよい。
【0093】
本出願では、それぞれが様々な組み合わせにおいて異なる特徴を有する様々な実施形態が記載されているが、1つの実施形態の特徴のうちのいずれかが、具体的に否認されないように、又は開示された実施形態のデバイスの動作若しくは記載の機能と機能的若しくは論理的に矛盾しないように、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよいことが、当該技術分野に精通している者には理解されよう。
【0094】
個人情報の使用は、ユーザのプライバシーを維持するための業界又は政府の要件を満たす又は超えるとして一般に認識されているプライバシーポリシー及びプラクティスに従うべきであることに十分に理解されている。特に、個人情報データは、意図されない又は認可されていないアクセス又は使用のリスクを最小にするように管理され取り扱われるべきであり、認可された使用の性質は、ユーザに明確に示されるべきである。
【0095】
様々な修正形態が、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく本開示においてなされてもよいことが、当該技術分野に精通している者には明らかである。したがって、本開示は、本開示の修正形態及び変形形態が添付の特許請求の範囲及び特許請求の範囲の均等物の範囲内にあるかぎり、本開示の修正形態及び変形形態を網羅することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作を実行するように構成されたユーザ機器(UE)のプロセッサであって、前記動作が、
第1のセル及び第2のセルであって、前記第1のセルはサービングセルとして構成され、前記第2のセルは支援セルとして構成される、第1のセル及び第2のセルとの同時通信機能をアクティブ化することと、
サービングセルスイッチであって、前記サービングセルスイッチは、前記支援セルとして再構成される前記第2のセルと、前記支援セルとして再構成される前記第1のセルと、を含む、サービングセルスイッチが実行されるべきであると決定することと、
前記サービングセルスイッチの後に、前記同時通信機能が非アクティブ化されるべきであることを示すメッセージを前記第2のセルから受信することと、
前記メッセージに応答して前記第1のセルを解放することと、を含む、プロセッサ。
【請求項2】
前記動作が、
ネットワークから、前記サービングセルスイッチが実行されるべきであることを示す信号であって、前記信号は、ダウンリンク制御情報(DCI)、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)、又は無線リソース制御(RRC)メッセージのうちの1つである、信号を受信することを更に含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項3】
前記サービングセルスイッチの前に、前記サービングセルは、プライマリセル(PCell)又はプライマリセカンダリセル(PSCell)及び前記支援セルのうちの1つであり、前記支援セルは、ターゲットセルであり、前記サービングセルスイッチは、前記PCell又は前記PSCellのうちの1つと前記ターゲットセルとの前記同時通信機能を維持しながら、前記PCell又は前記PSCellのうちの1つを前記ターゲットセルに更新することを含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項4】
前記動作が、
前記サービングセルスイッチの後、かつ前記同時通信機能が非アクティブ化されるべきであることを示す前記メッセージを前記第2のセルから受信する前に、第2のサービングセルスイッチであって、前記第2のサービングセルスイッチは、前記支援セルとして再構成される前記第2のセルと、前記サービングセルとして再構成される前記第1のセルと、を含む、第2のサービングセルスイッチのためのコマンドをネットワークから受信することを更に含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項5】
前記動作が、
複数の送受信ポイント(TRP)に対応する構成情報を受信することを更に含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項6】
前記動作が、
前記第1のセル及び前記第2のセルとの前記同時通信機能をアクティブ化する前に、前記第2のセルのためのセキュリティキーを受信することを更に含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項7】
前記動作が、
前記同時通信機能が構成されている間に、前記ネットワークに、測定データであって、前記測定データは、前記第2のセルの送受信ポイント(TRP)に対応する、測定データを報告することを更に含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項8】
前記報告は、レイヤ2(L2)測定、レイヤ3(L3)測定、又はレイヤ1(L1)アップリンク制御情報(UCI)を使用する、請求項7に記載のプロセッサ。
【請求項9】
前記測定データは、前記第1のセル及び前記第2のセルの両方に送信される、請求項7に記載のプロセッサ。
【請求項10】
前記測定データは、送受信ポイント(TRP)ID、基準信号ID及び対応する測定値を含む、請求項7に記載のプロセッサ。
【請求項11】
前記サービングセルスイッチが実行されるべきであると決定することは、前記第1のセル又は前記第2のセルのうちの1つに対応する測定データが所定の条件を満たすことを識別することを含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項12】
前記動作が、
前記UEが前記UEのサービングセルを前記第2のセルに更新したという指示を前記第2のセルに送信することを更に含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項13】
前記動作が、
前記第1のセル又は前記第2のセルのうちの1つへの前記サービングセルスイッチの要求を送信することを更に含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項14】
前記第1のセルは、プライマリセルグループ(PCG)又はセカンダリセルグループ(SCG)の一部分である、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項15】
動作を実行するように構成された第1の基地局のプロセッサであって、前記動作が、
ユーザ機器(UE)に、構成情報であって、前記構成情報は、サービングセルとして構成された第1のセル及び支援セルとして構成された第2のセルへの同時通信機能を有する前記UEを構成し、前記基地局は、前記第1のセルを制御する、構成情報を送信することと、
前記第2のセルを制御する第2の基地局から、サービングセルスイッチであって、前記サービングセルスイッチは、前記サービングセルとして再構成される前記第2のセルと、前記支援セルとして再構成される前記第1のセルと、を含む、サービングセルスイッチが前記UEのために実行されるべきであるという指示を受信することと、
前記第1のセルが前記UEによって解放されるべきであるという指示を前記第2の基地局から受信することと、を含む、プロセッサ。
【請求項16】
前記動作が、
前記UEに、前記サービングセルスイッチが実行されるべきであることを示す信号であって、前記信号は、ダウンリンク制御情報(DCI)、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)、又は無線リソース制御(RRC)メッセージのうちの1つである、信号を送信することを更に含む、請求項15に記載のプロセッサ。
【請求項17】
前記動作が、
前記UEに、複数の送受信ポイント(TRP)であって、前記複数のTRPは、同じ次の基地局又は異なる基地局に関連付けられる、複数の送受信ポイント(TRP)のためのビームリソースを示すメッセージを送信することを更に含む、請求項15に記載のプロセッサ。
【請求項18】
前記構成情報が、前記第2のセルに対応するセキュリティキーを含む、請求項15に記載のプロセッサ。
【請求項19】
前記動作が、
前記構成情報を送信する前に、前記第2のセルを制御する第2の基地局から前記セキュリティキーを受信することを更に含む、請求項18に記載のプロセッサ。
【請求項20】
前記動作が、
前記第2のセルを制御する第2の基地局とユーザプレーン構成のデータパスを構成することを更に含む、請求項15に記載のプロセッサ。
【国際調査報告】