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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】5G NRハンドオーバ方式
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/24 20090101AFI20241029BHJP
   H04W 74/0833 20240101ALI20241029BHJP
【FI】
H04W36/24
H04W74/0833
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530535
(86)(22)【出願日】2021-11-25
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 CN2021133247
(87)【国際公開番号】W WO2023092406
(87)【国際公開日】2023-06-01
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
2.MAC OS
3.ANDROID
4.iOS
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】シュ ファンリ
(72)【発明者】
【氏名】シロトキン アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】チャン ダウェイ
(72)【発明者】
【氏名】フ ハイジン
(72)【発明者】
【氏名】パレ ヴェンカタ ナヴィーン クマール アール
(72)【発明者】
【氏名】ヌッゲハリ パヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ロスバッハ ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンガラ サルマ ヴイ
(72)【発明者】
【氏名】グルムールシー セトゥラマン
(72)【発明者】
【氏名】ロヴルカー スリラング エー
(72)【発明者】
【氏名】チェン ユチン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ジビン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ39
(57)【要約】
ユーザ機器(UE)は、ソースセルからハンドオーバコマンドを受信し、ハンドオーバコマンドの受信の後に、UEはソースセルとデータを交換するように構成されており、UEがソースセルとデータを交換するように構成されている間に、ターゲットセルとのダウンリンク同期獲得を実行し、ターゲットセルにアップリンク信号を送信し、ターゲットセルにアップリンク信号を送信した後に、UEはソースセルとのデータ交換を停止するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作を実行するように構成されたユーザ機器(UE)のプロセッサであって、前記動作は、
ソースセルからハンドオーバコマンドを受信することであって、前記ハンドオーバコマンドの前記受信の後に、前記UEは前記ソースセルとデータを交換するように構成されている、ことと、
前記UEが前記ソースセルとデータを交換するように構成されている間に、ターゲットセルとのダウンリンク同期獲得を実行することと、
前記ターゲットセルにアップリンク信号を送信することであって、前記ターゲットセルに前記アップリンク信号を送信した後に、前記UEは前記ソースセルとのデータ交換を停止する、ことと、を含む、ユーザ機器(UE)。
【請求項2】
前記UEは、前記アップリンク信号を送信した後にソースセル構成を保持する、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項3】
前記動作は、
前記ハンドオーバコマンドに応じて前記ソースセルにフィードバックを送信することを更に含み、前記フィードバックは、前記UEが前記ハンドオーバコマンドの前記受信の後に、前記ソースセルとデータを交換するように構成されたままであることを示す、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項4】
前記フィードバックは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)スケジューリング要求(SR)又はサウンディング基準信号(SRS)中で提供される、請求項3に記載のプロセッサ。
【請求項5】
前記フィードバックは、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)において提供される、請求項3に記載のプロセッサ。
【請求項6】
前記フィードバックは、無線リソース制御(RRC)構成完了メッセージ又はUE支援情報において提供される、請求項3に記載のプロセッサ。
【請求項7】
前記動作は、
前記UEによって動作されるタイマの満了より前に、前記UEに送信された前記アップリンク信号に対する応答を受信しないことに基づいてハンドオーバ失敗を宣言することを更に含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項8】
前記動作は、
前記ハンドオーバ失敗に応じて、前記ターゲットセルとのランダムアクセスチャネル(RACH)ベースのハンドオーバを実行することを更に含む、請求項8に記載のプロセッサ。
【請求項9】
前記動作は、
前記ハンドオーバ失敗の指示を前記ソースセルに送信することを更に含み、前記UEは、前記ハンドオーバ失敗に応じて、前記ソースセル構成にフォールバックする、請求項8に記載のプロセッサ。
【請求項10】
前記動作は、
前記ターゲットセルとのランダムアクセスチャネル(RACH)障害に基づいてハンドオーバ失敗を宣言することと、
前記ハンドオーバ失敗の指示を前記ソースセルに送信することと、を更に含み、前記UEは、前記ハンドオーバ失敗に応じて前記ソースセル構成にフォールバックする、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項11】
前記ハンドオーバコマンドは、条件付きハンドオーバのためのものであり、前記ターゲットセルがメークビフォアブレークハンドオーバをサポートすることを示す、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項12】
動作を実行するように構成された基地局のプロセッサであって、前記動作は、
ユーザ機器(UE)にハンドオーバコマンドを送信することと、
前記UEが、前記ハンドオーバコマンドの前記受信の後に前記基地局とデータを交換するように構成されたままであるように構成されているかどうかを判定することと、
ターゲット基地局へのハンドオーバの完了の前に、前記UEにダウンリンク信号を送信することと、を含む、プロセッサ。
【請求項13】
前記ハンドオーバコマンドに応じて前記UEからフィードバックを受信することに基づいて、前記ハンドオーバコマンドの前記受信の後に、前記UEが前記基地局とデータを交換するように構成されたままであると判定する、請求項12に記載のプロセッサ。
【請求項14】
前記フィードバックは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)スケジューリング要求(SR)又はサウンディング基準信号(SRS)中で提供される、請求項13に記載のプロセッサ。
【請求項15】
前記フィードバックは、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)において提供される、請求項13に記載のプロセッサ。
【請求項16】
前記フィードバックは、無線リソース制御(RRC)構成完了メッセージ又はUE支援情報において提供される、請求項13に記載のプロセッサ。
【請求項17】
動作を実行するように構成されたユーザ機器(UE)のプロセッサであって、前記動作は、
ソースセルからハンドオーバコマンドを受信することと、
ターゲットセルにアップリンク信号であって、前記アップリンク信号は、ユーザデータを含み、前記ハンドオーバコマンドの前記受信の後に前記ターゲットセルに対して実行される第1の送信である、アップリンク信号を送信することと、を含み、前記UEは、前記第1の送信の前に前記ターゲットセルにいかなる信号も送信しない、プロセッサ。
【請求項18】
前記ハンドオーバコマンドは、前記第1の送信のために使用されるタイプ1構成グラント(CG)構成を備える、請求項17に記載のプロセッサ。
【請求項19】
前記ハンドオーバコマンドは、前記第1の送信のために使用されるタイミングアドバンス(TA)情報を備える、請求項17に記載のプロセッサ。
【請求項20】
前記動作は、
前記ターゲットセルから動的アップリンクグラントを受信することを更に含み、前記動的アップリンクグラントは前記第1の送信のために使用される、請求項17に記載のプロセッサ。
【請求項21】
前記動作は、
前記ハンドオーバコマンドに応じてタイマを開始することと、
前記第1の送信の後に前記ターゲットセルからのダウンリンク信号であって、前記タイマは前記ダウンリンク信号の前記受信の前に満了する、ダウンリンク信号を監視することと、
前記タイマに基づいてハンドオーバ失敗を宣言することと、を更に含む、請求項17に記載のプロセッサ。
【請求項22】
前記ダウンリンク信号は、前記アップリンク信号に対する肯定応答(ACK)、又は前記UEによる後続の受信若しくは送信のためのL1スケジューリング情報のうちの1つである、請求項21に記載のプロセッサ。
【請求項23】
前記動作は、
タイマを開始することと、
前記第1の送信のために使用される前記ターゲットセルから、動的アップリンクグラントを受信することと、
前記動的アップリンクグラントに応じて前記タイマを停止することと、を更に含み、前記UEは、前記タイマの前記満了の前に前記動的アップリンクグラントが受信されない場合、ハンドオーバ失敗を宣言するように構成されている、請求項17に記載のプロセッサ。
【請求項24】
前記動作は、
前記第1の送信に応じてタイマを開始することと、
前記第1の送信に応じて、前記ターゲットセルからのダウンリンク信号であって、前記タイマは前記ダウンリンク信号の前記受信の前に満了する、ダウンリンク信号を監視することと、
前記タイマに基づいてハンドオーバ失敗を宣言することと、を更に含む、請求項17に記載のプロセッサ。
【請求項25】
前記動作は、
前記第1の送信の後にハンドオーバ失敗を宣言することと、
前記ハンドオーバ失敗を宣言した後に、前記ソースセルにハンドオーバ失敗情報を送信することと、を更に含む、請求項17に記載のプロセッサ。
【請求項26】
前記動作は、
前記第1の送信の後にハンドオーバ失敗を宣言することと、
前記ハンドオーバ失敗を宣言した後に、前記ターゲットセルとのランダムアクセスチャネル(RACH)ベースのハンドオーバをトリガすることと、を更に含む、請求項17に記載のプロセッサ。
【請求項27】
前記ハンドオーバコマンドは、前記ターゲットセルのためのアップリンクグラントを備え、前記UEは、前記第1の送信及び前記第1の送信に続く前記ターゲットセルへの第2の送信のために、前記アップリンクグラントを利用する、請求項17に記載のプロセッサ。
【請求項28】
前記動作は、
前記第1の送信の後に、前記UEが前記第1の送信に続く第2の送信においてアップリンクグラントを使用することを示す指示を前記ターゲットセルから受信することを更に含み、前記アップリンクグラントは、前記ハンドオーバコマンドに含まれ、前記第1の送信のために使用された、請求項17に記載のプロセッサ。
【請求項29】
前記UEは、前記第1の送信が完了した後に前記第1の送信のために使用されたアップリンクグラントを解放し、任意の他の送信のために前記アップリンクグラントを使用しない、請求項17に記載のプロセッサ。
【請求項30】
前記UEは、前記第1の送信のために使用されるTAを計算する、請求項17に記載のプロセッサ。
【請求項31】
前記動作は、
前記ハンドオーバコマンド、前記第1の送信、又は前記TAを計算することのうちの1つに応じて、タイマTAタイマを開始することを更に含む、請求項30に記載のプロセッサ。
【請求項32】
前記動作は、
所定の条件が満たされたことを識別することと、
前記所定の条件に基づいて、ランダムアクセスチャネル(RACH)レスハンドオーバをトリガすることと、を更に備える、請求項17に記載のプロセッサ。
【請求項33】
前記所定の条件は、ターゲットセル無線品質、前記ソースセルと前記ターゲットセルとの間のダウンリンクタイミング差、前記ソースセルと前記ターゲットセルとの間の無線品質差、又は構成されたグラント(CG)構成に関連する無線品質閾値のうちの1つ以上に基づく、請求項32に記載のプロセッサ。
【請求項34】
前記ハンドオーバコマンドは、条件付きハンドオーバのためのものであり、前記ターゲットセルがランダムアクセスチャネル(RACH)レスハンドオーバをサポートすることを示す、請求項17に記載のプロセッサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に無線通信に関し、特に5G NRハンドオーバ方式に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ機器(UE)は、ネットワークのノードに接続し得る。接続されると、UEのハンドオーバがソースノードとターゲットノードとの間で発生し得る。第5世代(5G)新無線(NR)メークビフォアブレーク(MBB)ハンドオーバ方式をサポートするように構成された技法の必要性が存在することが識別されている。5G NRランダムアクセスチャネル(RACH)レスハンドオーバ方式をサポートするように構成された技法の必要性が存在することも識別されている。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの例示的な実施形態は、動作を実行するように構成されたユーザ機器(UE)のプロセッサにする。動作は、ソースセルからハンドオーバコマンドを受信することであって、ハンドオーバコマンドの受信の後に、UEはソースセルとデータを交換するように構成されている、ことと、UEがソースセルとデータを交換するように構成されている間に、ターゲットセルとのダウンリンク同期獲得を実行することと、ターゲットセルにアップリンク信号を送信することであって、ターゲットセルにアップリンク信号を送信した後に、UEはソースセルとのデータ交換を停止する、ことと、を含む。
【0004】
他の例示的な実施形態は、動作を実行するように構成された基地局のプロセッサに関連している。動作は、ユーザ機器(UE)にハンドオーバコマンドを送信することと、UEが、ハンドオーバコマンドの受信の後に基地局とデータを交換するように構成されたままであるように構成されているかどうかを判定することと、ターゲット基地局へのハンドオーバの完了の前に、UEにダウンリンク信号を送信することと、を含む。
【0005】
更に別の例示的な実施形態は、動作を実行するように構成されたユーザ機器(UE)のプロセッサに関する。動作は、ソースセルからハンドオーバコマンドを受信することと、ターゲットセルにアップリンク信号であって、アップリンク信号は、ユーザデータを含み、ハンドオーバコマンドの受信の後にターゲットセルに対して実行される第1の送信である、アップリンク信号を送信することと、を含み、UEは、第1の送信の前にターゲットセルにいかなる信号も送信しない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】様々な例示的な実施形態による例示的なネットワーク配置を示す図である。
【0007】
図2】様々な例示的な実施形態に係る、例示的なユーザ機器(UE)を示す図である。
【0008】
図3】様々な例示的な実施形態による例示的な基地局を示す。
【0009】
図4】様々な例示的な実施形態による、第5世代(5G)新無線(NR)メークビフォアブレーク(MBB)ハンドオーバのためのシグナリング図を示す。
【0010】
図5】様々な例示的な実施形態による、5G NRランダムアクセスチャネル(RACH)レスハンドオーバのためのシグナリング図を示す。
【0011】
図6】様々な例示的な実施形態による、5G NR RACHレスハンドオーバ失敗検出のためのシグナリング図を示す。
【0012】
図7】様々な例示的な実施形態による、5G NR RACHレスハンドオーバ失敗処理のためのシグナリング図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
例示的な実施形態は、以下の説明及び関連する添付の図面を参照して更に理解され得、同様の要素には、同じ参照符号が付されている。例示的な実施形態は、第5世代(5G)の新無線(NR)ハンドオーバ方式に関する。以下でより詳細に説明するように、一態様では、例示的な実施形態は、5G NRメークビフォアブレーク(MBB)ハンドオーバ方式を実装するための技法を導入する。別の態様では、例示的な実施形態は、5G NRランダムアクセスチャネル(RACH)レスハンドオーバ方式を実装するための技法を導入する。
【0014】
例示的な実施形態は、ユーザ機器(UE)に関して説明される。しかしながら、UEへの言及は、例示のために提供されている。例示的な実施形態は、任意の電子コンポーネントで使用されてもよく、任意の電子コンポーネントは、ネットワークへの接続を確立することができ、情報及びデータをネットワークと交換するためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアで構成されている。したがって、本明細書に記載のUEは、任意の電子コンポーネントを表すために使用される。
【0015】
例示的な実施形態はまた、ソース次世代ノードB(gNB)とターゲットgNBとの間のUEのハンドオーバに関して説明される。当業者は、「ソースgNB」という用語が一般に、UEのハンドオーバをトリガするように構成されたgNBを指すことを理解するであろう。いくつかの例では、「ソースgNB」という用語は、UEのハンドオーバをトリガしようとしているgNB、及び/又はUEのハンドオーバを既にトリガしているが、ハンドオーバ手順がまだ完了していないgNBを指すために使用され得る。
【0016】
当業者は、「ターゲットgNB」という用語が、一般に、UEのための潜在的な将来のサービングノードと見なされるgNBを指すことを理解するであろう。例えば、ソースgNBは、ハンドオーバ準備要求を別のgNBに送信することができる。要求は、様々な異なる理由(例えば、アドミッション制御など)のいずれかのために受け入れられるか、又は拒否され得る。要求が受け入れられた場合、ネットワークは、様々な異なる条件のいずれかに応じて、ソースgNBからこのgNBへのUEのハンドオーバを開始するようにトリガされ得る。いくつかの例では、「ターゲットgNB」という用語は、ソースgNBからハンドオーバ準備要求を受信しようとしているgNB、及び/又はソースgNBからハンドオーバ準備要求を既に受信しているが、ハンドオーバ手順が完了していないgNBを指すために使用され得る。ハンドオーバが完了すると、ターゲットgNBは、次いで、後続のハンドオーバ手順においてUEのためのソースgNBとして特徴付けられ得る。
【0017】
更に、各gNBは、1つ以上のセルをサポートすることができる。本明細書全体にわたって、「ソースセル」という用語は、ソースgNBによって動作されるセルを指すことがある。同様に、「ターゲットセル」という用語は、ターゲットgNBによって動作されるセルを指すことがある。各gNBは1つ以上のセルをサポートし得るので、複数のターゲットセルが同じターゲットgNBに関連付けられるシナリオが存在し得る。
【0018】
例示的な実施形態は、MBBハンドオーバ方式に関して説明される。当業者であれば、MBBハンドオーバは一般に、ハンドオーバコマンドの受信後にUEとソースセルとの間の接続が維持されるハンドオーバ手順を指すことを理解するであろう。例示的な実施形態は、5G NR MBBハンドオーバ方式のコンテキスト内で、UEとソースセルとの間の接続がいつ解放されるべきかに関する技法を導入する。加えて、例示的な実施形態は、5G NR MBBハンドオーバ失敗処理のための技法を導入する。
【0019】
例示的な実施形態はまた、RACHレスハンドオーバ方式に関して説明される。当業者は、RACHレスハンドオーバが、一般に、UEとターゲットセルとの間でRACH手順が実行されないハンドオーバ手順を指すことを理解するであろう。例示的な実施形態は、5G NR RACHレスハンドオーバ方式を実装するための技法を導入する。以下でより詳細に説明されるように、これらの例示的な技法は、RACHレスハンドオーバをトリガするための技法、RACHレスハンドオーバコマンドに応じてUE挙動、RACHレスハンドオーバ失敗検出、RACHレスハンドオーバ失敗処理、アップリンクグラント処理、及びターゲットセルのためのタイミングアドバンス(TA)を決定するための技法を含み得る。
【0020】
例示的な実施形態は、5G NRハンドオーバ方式のための技法を導入する。本明細書で説明する例示的な技法の各々は、互いに独立して、現在実装されている5G NRハンドオーバ方式、5G NRハンドオーバ方式の将来の実装形態と併せて、又は他の5G NRハンドオーバ方式から独立して使用され得る。
【0021】
図1は、様々な例示的な実施形態による例示的なネットワーク配置100を示す。例示的なネットワーク配置100は、UE 110を含む。UE110は、ネットワークを介して通信するように構成された任意のタイプの電子コンポーネント、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマートフォン、ファブレット、埋め込みデバイス、モノのインターネット(Internet of Things、IoT)ウェアラブルデバイスなどであり得ることが、当該技術分野に精通している者には理解されよう。また、実際のネットワーク配置は、任意の数のユーザによって使用されている任意の数のUEを含み得ることを理解されたい。したがって、単一のUE 110の例は、単に例示のために提供されている。
【0022】
UE 110は、1つ以上のネットワークと通信するように構成され得る。ネットワーク構成100の例では、UE110が無線で通信し得るネットワークは、5G NR無線アクセスネットワーク(RAN)120である。しかしながら、UE 110はまた、他のタイプのネットワーク(例えば、5GクラウドRAN、次世代RAN(Next Generation RAN、NG-RAN)、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)RAN、レガシーセルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network、WLAN)など)と通信してもよく、UE 110はまた、有線接続によってネットワークと通信してもよい。例示的な実施形態に関して、UE110は、5G NR RAN120との接続を確立してもよい。したがって、UE110は、NR RAN120と通信するために5G NRチップセットを有してもよい。
【0023】
5G NR RAN 120は、ネットワークキャリア(例えば、Verizon、AT&T、T-Mobileなど)によって展開され得るセルラーネットワークの一部分であってもよい。5G NR RAN 120は、例えば、適切なセルラーチップセットを備えるUEからトラフィックを送信及び受信するように構成されたセル又は基地局(NodeB、eNodeB、HeNB、eNBS、gNB、gNodeB、マクロセル、マイクロセル、小セル、フェムトセルなど)を含み得る。
【0024】
任意の関連付け手順は、UE 110が5G NR RAN 120に接続するために、実行され得ることが、当業者には理解されよう。例えば、上記で考察されたように、5G NR-RAN120は、UE 110及び/又はUE110のユーザが(例えば、SIMカードに記憶された)契約情報及びクレデンシャル情報を有する特定のセルラープロバイダに関連付けられてもよい。5G NR RAN 120の存在を検出すると、UE 110は、5G NR RAN 120と関連付くために、対応するクレデンシャル情報を送信してもよい。より具体的には、UE 110は、特定の基地局(例えば、gNB 120A、gNB120B)と連合してもよい。
【0025】
ネットワーク配置100はまた、セルラーコアネットワーク130、インターネット140、IPマルチメディアサブシステム(IP Multimedia Subsystem、IMS)150、及びネットワークサービスバックボーン160を含む。セルラーコアネットワーク130は、セルラーネットワークの動作及びトラフィックを管理する、相互接続されたコンポーネントのセットと見なされ得る。それは、エボルブドパケットコア(Evolved Packet Core、EPC)及び/又は5Gコア(5G Core、5GC)を含み得る。セルラーコアネットワーク130はまた、セルラーネットワークとインターネット140との間を流れるトラフィックを管理する。IMS 150は概して、IPプロトコルを使用してマルチメディアサービスをUE 110に配信するためのアーキテクチャとして記載され得る。IMS 150は、マルチメディアサービスをUE 110に提供するために、セルラーコアネットワーク130及びインターネット140と通信することができる。ネットワークサービスバックボーン160は、インターネット140及びセルラーコアネットワーク130と直接又は間接的のいずれかで通信する。ネットワークサービスバックボーン160は概して、様々なネットワークと通信するUE 110の機能性を拡張するために使用され得るサービスの一式を実装するコンポーネント(例えば、サーバ、ネットワークストレージ装置(network storage arrangement)など)のセットとして記載され得る。
【0026】
図2は、様々な例示的な実施形態による例示的なUE 110を示す。図1のネットワーク配置100に関して、UE 110について記載する。UE110は、プロセッサ205、メモリ装置(memory arrangement)210、表示デバイス215、入力/出力(Input/Output、I/O)デバイス220、トランシーバ225、及び他のコンポーネント230を含み得る。他のコンポーネント230は、例えば、オーディオ入力デバイス、オーディオ出力デバイス、電源、データ取得デバイス、UE 110を他の電子デバイスに電気的に接続するためのポートなどを含み得る。
【0027】
プロセッサ205は、UE 110の複数のエンジンを実行するように構成されてもよい。例えば、エンジンは、5G NR MBBハンドオーバエンジン235及び5G NR RACHレスハンドオーバエンジン240を含んでもよい。5G NR MBBハンドオーバエンジン235は、限定はしないが、ソースセルへの接続がいつ解放されるべきかを決定することと、MBBハンドオーバ失敗処理とを含む、MBBハンドオーバに関係する様々な動作を実行するように構成され得る。5G NR RACHレスハンドオーバエンジン240は、限定はしないが、RACHレスハンドオーバ失敗検出、RACHレスハンドオーバ失敗処理、アップリンクグラント処理、及びターゲットセルのためのTAを決定することを含む、5G NR RACHレスハンドオーバに関係する様々な動作を実行するように構成され得る。
【0028】
プロセッサ205によって実行されるアプリケーション(例えば、プログラム)である上記のエンジン235、240は、単に例示のために提供されている。エンジン235、240と関連付けられた機能はまた、UE 110の別個の組み込まれたコンポーネントとして表されてもよく、又はUE 110に結合されたモジュラーコンポーネント、例えば、ファームウェアを有する若しくは有さない集積回路であってもよい。例えば、集積回路は、信号を受信するための入力回路と、信号及び他の情報を処理するための処理回路と、を含み得る。エンジン235、240はまた、1つのアプリケーション又は別個のアプリケーションとして具現化されてもよい。加えて、いくつかのUEにおいて、プロセッサ205について記載の機能性は、ベースバンドプロセッサ及びアプリケーションプロセッサなどの2つ以上のプロセッサ間で分割されている。例示的な実施形態は、UEのこれらの構成又は他の構成のうちのいずれかにおいて実装されてもよい。
【0029】
メモリ装置210は、UE 110によって実行される動作に関連するデータを記憶するように構成されたハードウェアコンポーネントであってもよい。ディスプレイデバイス215は、データをユーザに示すように構成されたハードウェアコンポーネントであってもよく、I/Oデバイス220は、ユーザが入力を行うのを可能にするハードウェアコンポーネントであってもよい。ディスプレイデバイス215及びI/Oデバイス220は、別個のコンポーネントであってもよく、又はタッチスクリーンなどのように一緒に一体化されてもよい。トランシーバ225は、5G NR-RAN120、LTE-RAN(図示せず)、レガシーRAN(図示せず)、WLAN(図示せず)などとの接続を確立するように構成されたハードウェアコンポーネントであってもよい。したがって、トランシーバ225は、様々な異なる周波数又はチャネル(例えば、連続周波数のセット)で動作し得る。
【0030】
図3は、様々な例示的な実施形態による例示的な基地局300を示す。基地局300は、gNB 120A、gNB120B又はUE 110が接続を確立し、ネットワーク動作を管理することができる任意の他のアクセスノードを表すことができる。
【0031】
基地局300は、プロセッサ305、メモリ装置310、入力/出力(I/O)デバイス315、トランシーバ320、及び他のコンポーネント325を含み得る。他のコンポーネント325は、例えば、オーディオ入力デバイス、オーディオ出力デバイス、バッテリ、データ取得デバイス、基地局300を他の電子デバイスに電気的に接続するためのポート、1つ以上の送信受信ポイント(TRP)などを含み得る。
【0032】
プロセッサ305は、基地局300のための複数のエンジン330、335を実行するように構成され得る。例えば、エンジンは、5G NR MBBハンドオーバエンジン330及び5G NR RACHレスハンドオーバエンジン335を含んでもよい。5G NR MBBハンドオーバエンジン330は、限定はしないが、ターゲットgNBにハンドオーバ準備要求を送信することと、ソースgNBからハンドオーバ準備要求を受信することと、UE110にハンドオーバコマンドを送信することと、UE110からMBBハンドオーバ失敗の指示を受信することとを含む、MBBハンドオーバに関係する様々な動作を実行するように構成され得る。5G NR RACHレスハンドオーバエンジン335は、限定はしないが、ターゲットgNBにハンドオーバ準備要求を送信することと、ソースgNBからハンドオーバ準備要求を受信することと、UE110にハンドオーバコマンドを送信することと、UE110に動的ダウンリンクグラントを送信することとを含む、RACHレスハンドオーバに関係する様々な動作を実行するように構成され得る。
【0033】
各々プロセッサ305によって実行されるアプリケーション(例えば、プログラム)である上記のエンジン330、335は、例示的なものに過ぎない。エンジン330、335と関連付けられた機能はまた、基地局300の別個の組み込まれたコンポーネントとして表されてもよく、又は基地局300に結合されたモジュラーコンポーネント、例えば、ファームウェアを有する若しくは有さない集積回路であってもよい。例えば、集積回路は、信号を受信するための入力回路と、信号及び他の情報を処理するための処理回路と、を含み得る。加えて、いくつかの基地局において、プロセッサ305について説明されている機能は、複数のプロセッサ(例えば、ベースバンドプロセッサ、アプリケーションプロセッサなど)の間で分割されている。例示的な実施形態は、基地局のこれらの構成又は他の構成のうちのいずれかで実装されてもよい。
【0034】
メモリ310は、基地局300によって実行される動作に関するデータを記憶するように構成されたハードウェアコンポーネントであってもよい。I/Oデバイス315は、ユーザが基地局300と対話することを可能にするハードウェアコンポーネント又はポートであってもよい。トランシーバ320は、UE110及びネットワーク装置100内の任意の他のUEとデータを交換するように構成されたハードウェアコンポーネントであってもよい。トランシーバ320は、様々な異なる周波数又はチャネル(例えば、連続する周波数のセット)において動作することができる。したがって、トランシーバ320は、様々なネットワーク及びUEとのデータ交換を可能にするために、1つ以上のコンポーネント(例えば、無線機)を含み得る。
【0035】
上述したように、例示的な実施形態は、5G NR MBBハンドオーバ方式を実装することに関する。図4は、様々な例示的な実施形態による5G NR MBBハンドオーバのシグナリング図400を示す。シグナリング図400は、UE110、ソースgNB403、及びターゲットgNB404を含む。
【0036】
本例では、UE110及びネットワークが各々MBBハンドオーバをサポートしていると仮定する。シグナリング図400には示されていないが、UE110は、能力報告(例えば、アクセス層(AS)能力報告又は任意の他の適切なタイプの能力報告)を介して、MBBハンドオーバのそのサポートをネットワークに報告し得る。このMBB能力は、周波数範囲1(FR1)に固有であるか、周波数範囲2(FR2)に固有であるか、又はFR1とFR2の両方に適用可能であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、UE110は、それがFR1、FR2、又は両方のためのMBBをサポートするかどうかを報告し得る。
【0037】
更に、UE110は、帯域組合せごとにこの能力を報告し得る。例えば、UE110は、そのトランシーバ225を同調させ、キャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアル接続性(DC)のために使用され得る周波数帯域をスキャンし得る。UE110は、次いで、様々な異なるファクタ(例えば、各帯域上でサポートされるサービス、測定データ、UE選好など)のいずれかに基づいて、複数の異なる帯域組合せをコンパイルし得る。UE110は、コンパイルされた帯域組合せのすべて又はいくつかをネットワークに広告し、次いで、ネットワークは、広告された帯域組合せのうちの1つを用いてUE110を構成する。UE110がMBBハンドオーバをサポートするとき、UE110は、報告された帯域組合せごとにそれがMBBハンドオーバをサポートするかどうかを示し得る。
【0038】
405において、ソースgNB402は、ハンドオーバ準備要求をターゲットgNB404に送信する。要求は、MBBビットフラグ、又はハンドオーバ準備要求がMBBハンドオーバのためのものであることの任意の他の適切な指示を含み得る。この要求は、任意の適切なインターフェイス(例えば、Xn、E1、F1など)を介してターゲットgNB404に送信され得る。
【0039】
410において、ターゲットgNB404は、ハンドオーバコマンドをソースgNB402に送信する。ハンドオーバコマンドは、MBBビットフラグ、又は実行されるハンドオーバがMBBハンドオーバであるという任意の他の適切な指示を含むことができる。この例では、ターゲットgNB404が、UE110のMBBハンドオーバが許可されることを決定したと仮定する。しかしながら、実際の展開シナリオでは、ターゲットgNB404は、任意の適切な理由でMBBハンドオーバの要求を拒否することを決定することができる。
【0040】
415において、ソースgNB402は、ハンドオーバコマンドをUE110に送信する。ハンドオーバコマンドは、MBBビットフラグ、又は実行されるハンドオーバがMBBハンドオーバであるという任意の他の適切な指示を含むことができる。
【0041】
420において、UE110は、ソースgNB402との接続を維持する。MBBハンドオーバのために、UE110は、ターゲットセルとのダウンリンク同期を獲得し、同時にソースセル上でデータ送信/受信を実行することができる。したがって、ソースgNB402への接続は、ハンドオーバコマンドの受信後に維持される。このシグナリング図400では、UE110がソースgNB402との接続を維持する持続時間が破線421によって示されている。
【0042】
425において、UE110は、ターゲットgNB404とのダウンリンク同期獲得を実行する。例えば、UE110は、ターゲットgNB404によって送信された同期信号を探索し得る。UE110は、UE110が依然としてソースgNB404に接続されている間に、ターゲットgNB402から1つ以上の同期信号(例えば、プライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)、同期信号ブロック(SSB)、物理ブロードキャストチャネル(PBCH)、システム情報など)を受信し得る。他の実施形態では、UE110は、ソースgNB402からハンドオーバコマンドを受信する前に、ターゲットgNB404からダウンリンク同期を獲得することができる。
【0043】
430において、UE110は、ターゲットgNB404へのアップリンク送信を実行する。この送信は、ハンドオーバが完了したことを示し得る。例えば、アップリンク送信は、RACHプリアンブルであり得る。しかしながら、例示的な実施形態は、MBBハンドオーバのためにRACH手順が実行されることを必要とせず、MBB技法は、RACHレスハンドオーバと併せて使用され得る。したがって、430におけるアップリンク送信は、ハンドオーバコマンドがソースgNB404から受信されたので、ターゲットgNB402に送られたRACHプリアンブル及び/又は第1の送信であり得る。
【0044】
UE110がターゲットgNB404への第1のアップリンク送信を開始又は実行するとき、UE110は、ソースgNB402上でのデータの送信及び/又は受信を停止することができる。したがって、第1のアップリンク送信は、ソースgNB402とのデータの交換を停止するためのトリガとして働くことができる。しかしながら、UE110は、ソースセル構成及び変数を保持し得る。当業者は、変数がL2コンテキスト情報(例えば、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)/無線リンク制御(RLC)レイヤにおける受信又は送信のための情報、PDCPリオーダリングのための情報、RLCデータリアセンブリ使用のための情報など)を含み得ることを理解するであろう。
【0045】
435において、UE110は、ターゲットgNB404とのデータ送信及び/又は受信を実行する。この例では、RACH手順が成功するか、又はRACHレスハンドオーバの場合、UE110は、ターゲットgNB404とデータを交換するために必要な周波数及びタイミング情報を既に与えられていると仮定される。5G NR MBBハンドオーバのための例示的な技法の説明の後に、RACHレスハンドオーバのための特定の詳細が以下で与えられる。
【0046】
いくつかの実施形態では、UE110は、UE110がハンドオーバ中にソースセル接続を維持すべきかどうかを示すために、ハンドオーバコマンドに応じてソースセルにフィードバックを提供し得る。UE110が、ハンドオーバ中にソースセルへの接続を維持しないことを示す場合、ソースgNBは、ダウンリンクデータをUE110に提供することを停止し、ターゲットgNBへのレガシーハンドオーバを実行することができる。UE110が、ハンドオーバ中にソースセルへの接続を維持しようとしていることを示す場合、ソースgNBは、ハンドオーバ、例えば、MBBハンドオーバ中に送信/受信を継続し得る。
【0047】
UE110は、レイヤ1(L1)、レイヤ2(L2)又はレイヤ3(L3)シグナリングを介して、このフィードバックをネットワークに提供し得る。L1手法の場合、UE110は、物理アップリンクチャネル(PUCCH)スケジューリング要求(SR)又はサウンディング基準信号(SRS)を介して指示を配信し得る。いくつかの実施形態では、PUCCH-SR又はSRSのためのアップリンクリソースは、無線リソース制御(RRC)シグナリングを介してソースgNBによって提供される専用リソースであり得る。
【0048】
L2手法の場合、例示的な実施形態は、MBBフィードバック指示のための(MAC)制御要素(CE)を導入する。
【0049】
L3手法の場合、UE110は、ハンドオーバコマンドに応じて提供されるRRC再構成完了メッセージ中に指示を含め得る。代替的に、指示は、UE支援情報において提供され得る。
【0050】
シグナリング図400のコンテキスト内で例を提供するために、415におけるハンドオーバコマンドに応じて、UE110は、UE110がハンドオーバ手順中にソースセル接続を保つべきかどうかを示す信号をソースgNB402に送信し得る。UE110は、UE110がターゲットgNB404とのダウンリンク同期を既に獲得している場合、又はUE110がターゲットgNB404とのダウンリンク同期を同時に獲得し、ソースgNB402との送信/受信を実行することができる場合、ソースセル接続を維持することを示すフィードバックを提供することができる。いくつかの実施形態では、UE110は、UE選好に基づいてサポートの指示を送信し得る。したがって、たとえUE110がMBBハンドオーバが可能であっても、UE110がハンドオーバ中にソースgNB403への接続を維持しようとしていないことをUE110がソースgNB402に示すシナリオがあり得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、フィードバックなしは、UE110がハンドオーバ中にソースセルとの接続を維持しようとしていることをソースgNB402に示すことができ、又はフィードバックなしは、UE110がハンドオーバ中に接続を維持しようとしていないことをソースgNB402に示すことができる。したがって、フィードバックは、UE110がMBBハンドオーバを実行しないことを示すためにUE110によって提供され得、フィードバックなしは、UE110がMBBハンドオーバを実行することを示すためにUE110によって提供され得る(又はその逆)。
【0052】
例示的な実施形態はまた、MBBハンドオーバ失敗処理のための技法を導入する。MBBハンドオーバ失敗処理技法の以下の説明は、シグナリング図400に関して説明される。
【0053】
第1の手法では、UE110は、MBBハンドオーバ失敗検出タイマを動作させ得る。UE110は、MBBハンドオーバを実行するときにタイマを開始することができる。例えば、UE110は、ハンドオーバコマンド415又はMBBハンドオーバに対応する任意の他の適切なイベントに応じて、タイマを開始し得る。UE110は、第1のアップリンク送信430が成功したと見なされるとき、タイマを停止し得る。例えば、UE110は、アップリンク送信430が正常に受信されたことを示すターゲットgNB404からのL1フィードバックに応じて、タイマを停止し得る。別の例では、UE110は、第1のアップリンク送信430の後にデータ送信のためのアップリンクグラント又はダウンリンク割当てを受信したことに応じて、タイマを停止し得る。タイマが満了した場合、UE110は、MBBハンドオーバ失敗を宣言し得る。別の手法では、UE110は、ターゲットセルにおけるRACH障害に基づいて、MBBハンドオーバ失敗を宣言し得る。
【0054】
MBBハンドオーバ失敗が検出されたとき、UE110は、レガシーハンドオーバを実行するようにトリガされ得る。例えば、UE110は、RACHベースのハンドオーバを実行し得る。
【0055】
別の実施形態では、MBBハンドオーバ失敗が検出されたとき、UE110はソースgNB402にフォールバックし得る。上記で示されたように、UE110は、430における第1の送信の後にソースセル構成及び変数を保持し得る。したがって、UE110は、ソースセルに関連付けられた構成及び変数に戻り、ハンドオーバ失敗指示をソースgNB402に送信することができる。
【0056】
UE110がターゲットgNB404へのリンクを確立することができないMBBハンドオーバ失敗とは対照的に、ターゲットセルへの切替えが完了する前にソースgNB402へのリンクが切断されるシナリオがあり得る。このタイプのシナリオでは、UE110は、ターゲットセルへのハンドオーバを完了することに集中し得る。例えば、UE110は、ソースgNB402へのリンクが切断された場合でも、ターゲットgNB404へのアップリンク送信430を依然として実行することができる。
【0057】
いくつかの実施形態において、MBBハンドオーバは、条件付きハンドオーバであってもよい。ネットワークが命令された条件ハンドオーバを提供するとき、各条件付きセルについて、ネットワークは、それがMBBタイプのハンドオーバであるかどうかを示すことができる。UE110側では、条件付きハンドオーバがトリガされるとき、UE110は、最初に、ネットワークによって提供される指示に基づいて、ターゲットセルがMBBハンドオーバのために構成されているかどうかをチェックし得る。ターゲットセルがMBBハンドオーバのために構成されている場合、UE110は、上記で説明したようにMBBハンドオーバを実行し得る。ターゲットセルがMBBハンドオーバのために構成されていない場合、レガシーハンドオーバが実行され得る。
【0058】
MBB技法はまた、セカンダリセルグループ(SCG)変更のために使用され得る。例えば、本明細書で説明するMBB技法は、プライマリセカンダリセル(PSCell)変更、例えば、UE110がソースPSCellからターゲットPSCellに遷移するために使用され得る。一例を挙げると、ネットワークは、MBBビットフラグ又は任意の他の適切な指示を有するSCG変更指示を構成することができる。SCG変更手順中に、UE110は、ソースPSCell上で同時に送信/受信し、ターゲットPSCellダウンリンク同期獲得を実行することができる。UE110がターゲットPSCellにおいてRACH手順を開始するとき、UE110は、ソースPSCell上での送信/受信を停止し得る。
【0059】
別の手法では、PSCell変更指示に応じて、UE110は、最初に、UE110がターゲットPSCellとのダウンリンク同期を既に獲得しているか、又はUE110がターゲットPSCellとのダウンリンク同期を獲得し、並行してソースPSCell上で送信/受信を実行することが可能であるかどうかをチェックし得る。UE110がこれらの動作を並行して実行することができない場合、UE110は、UE110がPSCell変更中にソースPSCell上で送信/受信することができないという指示をソースPSCell(又はプライマリノード(PN))に送信し得る。UE110がこれらの動作を並行して実行することが可能である場合、UE110は、UE110がPSCell変更中にソースPSCell上で送信/受信することが可能であるという指示をソースPSCell(又はセカンダリノード(SN))に送信し得る。
【0060】
例示的な実施形態はまた、5G NR RACHレスハンドオーバ方式を実装することに関する。図5は、様々な例示的な実施形態による5G NR RACHレスハンドオーバのシグナリング図500を示す。シグナリング図500は、UE110、ターゲットgNB502、及びソースgNB504を含む。
【0061】
この例では、UE110及びネットワークは各々、RACHレスハンドオーバをサポートすると仮定する。シグナリング図500には示されていないが、UE110は、能力報告(例えば、AS能力報告又は任意の他の適切なタイプの能力報告)を介して、RACHレスハンドオーバのそのサポートをネットワークに報告し得る。このRACHレス能力は、FRに固有であるか、FR2に固有であるか、又はFR1とFR2の両方に適用可能であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、UE110は、それがFR1、FR2、又は両方のためのRACHレスハンドオーバをサポートするかどうかを報告し得る。
【0062】
505において、ソースgNB502は、ハンドオーバ準備要求をターゲットgNB504に送信する。要求は、RACHレスハンドオーバビットフラグ、又はハンドオーバ準備要求がRACHレスハンドオーバのためのものであるという任意の他の適切な指示を含むことができる。この要求は、任意の適切なインターフェイス(例えば、Xn、E1、F1など)を介してターゲットgNB504に送信され得る。
【0063】
510において、ターゲットgNB504は、ハンドオーバコマンドをソースgNB502に送信する。ハンドオーバコマンドは、RACHレスハンドオーバビットフラグ、又は実行されるハンドオーバがRACHレスハンドオーバであるという任意の他の適切な指示を含むことができる。この例では、ターゲットgNB504が、UE110のMBBハンドオーバが許可されることを決定したと仮定する。しかしながら、実際の展開シナリオでは、ターゲットgNB504は、任意の適切な理由でRACHレスハンドオーバの要求を拒否することを決定することができる。
【0064】
515において、ソースgNB504は、RACHレスハンドオーバコマンドをUE110に送信する。ハンドオーバコマンドに応じて、UE110は、ターゲットセル(例えば、gNB504)とのダウンリンク同期を獲得し、1つ以上のRACHレスハンドオーバ条件を評価し得る。この例では、RACHレスハンドオーバ条件が満たされ、gNB504へのRACHレスハンドオーバがトリガされると仮定する。しかしながら、実際の展開シナリオでは、条件がトリガされない場合、UE110は、レガシーRACHベースのハンドオーバにフォールバックし、ハンドオーバ失敗を宣言し、又は任意の他の適切な手順を実行し得る。
【0065】
例示的な実施形態は、RACHレスハンドオーバをトリガするために使用され得る条件を導入する。ネットワークは、RACHレスハンドオーバ条件をUE110に提供することができ、又はこれらの条件は、任意の他の適切な方法でプロビジョニングすることができる。1つの手法では、RACHレスハンドオーバは、ターゲットセル無線品質に基づいてトリガされ得る。例えば、UE110は、ターゲットセル無線品質に関連付けられた測定データを収集し得る。品質メトリックが閾値以上である場合、UE110は、RACHレスハンドオーバをトリガし得る。
【0066】
別の手法では、RACHレスハンドオーバは、ソースセルとターゲットセルとの間のダウンリンクタイミング差に基づいてトリガされ得る。例えば、UE110は、ターゲットセル中のダウンリンクタイミングを測定し、ターゲットセルダウンリンクタイミングとソースセルダウンリンクタイミングとの間のタイミング差を計算し得る。タイミング差が閾値以下である場合、UE110は、RACHレスハンドオーバをトリガし得る。
【0067】
別の手法では、RACHレスハンドオーバは、ソースセルとターゲットセルとの間の無線品質差に基づき得る。例えば、UE110は、ソースセル無線品質に関連付けられた測定データとターゲットセル無線品質に関連付けられた測定データとを収集し得る。次いで、UE110は、無線品質差を計算し得る。無線品質差が閾値以下である場合、UE110は、RACHレスハンドオーバをトリガし得る。
【0068】
更なる手法では、RACHレスハンドオーバは、RACHレスハンドオーバコマンド中で提供される構成されたグラント(CG)に関連する無線品質閾値に基づいてトリガされ得る。例えば、ネットワークは、(CG構成が異なるビームに関連付けられていると仮定して)1つ以上のCGに関連付けられた閾値を提供し得る。UE110が適切なビーム(例えば、対応するCGの閾値よりも大きいビーム品質)を検出することができない場合、UE110は、RACHベースのハンドオーバにフォールバックし、ハンドオーバ失敗を宣言し、又は任意の他の適切な動作を実行し得る。
【0069】
RACHレスハンドオーバコマンドは、ターゲットセルへの第1のアップリンク送信(例えば、アップリンク送信520)のために使用されるアップリンクリソースの指示を含み得る。例えば、RACHレスハンドオーバコマンドは、ターゲットセルへのアップリンク送信を実行するためのタイミング及び周波数情報をUE110に提供し得るタイプ1 CG構成を含み得る。
【0070】
上記で示されたように、ネットワークは、RACHレスハンドオーバコマンドにおいてUE110にアップリンクグラントを提供し得る。この例では、アップリンクグラント構成は、タイプ1 CG構成又はスモールデータ送信(SDT)アップリンクリソース構成構造を再使用し得る。SDTアップリンクリソース構成は、複数のビームに関連付けられた1つのCFリソースをサポートすることができる。ネットワークは、CG構成及び関連付けられたビームを構成し得る。1つのCG構成が2つ以上のビームに関連付けられてもよく、ネットワークは複数のCG構成を構成してもよい。次いで、UE110は、関連付けられたビーム品質に基づいて、送信のためのCG構成/リソースを選択し得る。
【0071】
UE110は、ターゲットセルへの第1のアップリンク送信(例えば、アップリンク送信520)のためにアップリンクグラントを使用し得る。第1のアップリンク送信の後、UE110は、様々な異なる方法のいずれかでアップリンクグラントを処理し得る。1つの手法では、UE110は、ネットワークがL1、L2、又はL3シグナリングを介してアップリンクグラントを解放するまで、後続のアップリンク送信のためにアップリンクグラントを保持し得る。別の手法では、UE110は、ネットワークがアップリンクグラントを使用し続けることをUE110に明示的に示すまで、後続の送信のためにアップリンクグラントを使用することを停止し得る。別の手法では、UE110は、ターゲットセルへの第1のアップリンク送信(例えば、アップリンク送信520)が完了したとき、アップリンクグラントを解放し得る。いくつかの実施形態では、アップリンクグラントは、ターゲットセルへの第1のアップリンク送信の再送信(例えば、アップリンク送信520(図示せず)の再送信)のために使用され得る。
【0072】
いくつかの例では、RACHレスハンドオーバコマンドは、ターゲットセルにおける第1のアップリンク送信(例えば、アップリンク送信520)のために使用され得るTA情報を含み得る。いくつかの実施形態では、ターゲットセルのためのTA値は、ソースプライマリセル(PCell)TA値(例えば、ソースgNB502)と同じであり得る。別の実施形態では、ターゲットセルのためのTA値は、ソースPSCell TA値(例えば、ソースgNB502)と同じであり得る。更なる実施形態では、TA値は、ソースTAG#X TA値と同じであり得る。当業者は、用語TAGがタイミングアドバンスグループを指し、TAG#Xが第XのTAGを表すことを理解するであろう。UE110がCA又はDCにおいて動作しているとき、TA値が異なるサービングセルについて異なる場合、ネットワークは、異なるTAGにおいてサービングセルを構成し得る。各TAG内で、UE110は、それ自体のダウンリンク同期及びアップリンクTA値を維持する。TAG#Xは、SCell TAが現在のPCellと異なるが、ターゲットPCellにおいて同一である場合に使用され得る。ネットワークは、ターゲットセルにおける初期アクセスのためにSCell TA値を使用するようにUE110に指示し得る。
【0073】
別の実施形態では、TA値は0に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、UE110は、TA値を計算し得る。RACHレスハンドオーバのためのTA値を計算するためにUE110によって使用され得る例示的な技法が、以下で詳細に与えられる。
【0074】
UE110は、第1のアップリンク送信(例えば、送信520)のためのアップリンクTAを導出し得る。UE110がUEベースのTA計算を使用すべきであることをネットワークが示す場合、UE110は、ターゲットセルアップリンクTAを計算する。この計算は、ソースセルとターゲットセルとの間のダウンリンクタイミング差に基づくことができる。例えば、ダウンリンクタイミング差が(X)である場合、相対アップリンクTAは(2*X)であり得る。
【0075】
UE110は、様々な異なる条件のいずれかに応じて、ターゲットセルのためのTAタイマを開始し得る。一例では、UE110は、UE110がRACHレスハンドオーバコマンドを受信したときにTAタイマを開始してもよい。別の例では、UE110は、UE110が第1のアップリンク送信(例えば、アップリンク送信520)を実行するとき、TAタイマを開始し得る。別の例では、UE110は、UE110がアップリンクTAを導出するとき、TAタイマを開始し得る。
【0076】
上述したように、この例では、RACHレスハンドオーバがトリガされると仮定する。520において、UE110はアップリンク送信を実行する。アップリンク送信は、ハンドオーバが完了したという指示、ユーザデータ、及び/又は任意の他の適切な情報を含み得る。しかしながら、これはRACHレスハンドオーバであり、UE110は、RACH手順のためのいかなる情報も含まない。代替として、これは、TAタイマに影響を及ぼさないことがあるか、又はアップリンク同期を制御するように構成されたTAタイマが無効にされ得る。
【0077】
ハンドオーバコマンドにおいて構成されたTAタイマがRACHレスハンドオーバ中に満了した場合、ハンドオーバ失敗が宣言され得る。このタイプのシナリオでは、第1のアップリンク送信が実行されていない場合、UE110は、RACHベースのハンドオーバにフォールバックし得る。そうではなく、再送信を実行するときにTAタイマ満了が発生する場合、UE110は、レガシーRACHレスハンドオーバにフォールバックするか、又はハンドオーバ失敗を宣言し得る。UE110は、ターゲットセルTA情報の更新を示すためのタイミングアドバンスコマンド(TAC)を受信すると、TAタイマを再開し得る。
【0078】
アップリンクグラントがハンドオーバコマンドにおいて構成される場合、UE110は、520において、適切なビームを有するアップリンクグラントを選択し、アップリンク送信を実行し得る。ターゲットセルへの送信のための有効なCGがない場合、UE110は、ソースgNB502(図示せず)における動的スケジューリングを監視するか、又はハンドオーバ失敗を宣言することができる。
【0079】
代替的に、UE110は、その例が動的アップリンクグラント519aとしてシグナリング図500に示されているように、動的アップリンクグラントについてターゲットセル中の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を監視し得る。
【0080】
520においてアップリンク送信を実行するために、UE110は、ハンドオーバコマンド中で提供されるか、又はUE110自体によって計算されたTA指示を使用し得る。
【0081】
525において、UE110は、gNB504への別のアップリンク送信を実行する。この送信は、UE110が後続の送信を実行することができ、ネットワークが競合解決(CR)MAC CEを提供するのを待つ必要がないことを示すために提供される。
【0082】
図6は、様々な例示的な実施形態による、5G NR RACHレスハンドオーバ失敗検出のためのシグナリング図600を示す。シグナリング図600は、UE110、ターゲットgNB602、及びソースgNB604を含む。
【0083】
シグナリング図600は、5G NR RACHレスハンドオーバ失敗検出のために使用され得る3つの異なるタイプのタイマ650~670を示す。これらのタイマの説明は、シグナリング図600に示されるシグナリングの一般的な概要が説明された後に、以下で提供される。
【0084】
605において、ソースgNB602及びターゲットgNB604は、ハンドオーバ準備を実行する。これは、シグナリング図500における信号505~510と同様である。
【0085】
610において、ソースgNB604は、ハンドオーバコマンドをUE110に送信する。シグナリング図500において上記で示されたように、ハンドオーバコマンドは、RACHレスハンドオーバビットフラグ、ターゲットgNB504へのユーザデータの送信を実行するために使用され得るアップリンクリソース、及び/又はTA情報を含み得る。
【0086】
615において、ターゲットgNB504は、動的アップリンクグラントをUE110に送信する。これは、シグナリング図500の動的アップリンクグラント519aと同様である。
【0087】
620において、UE110は、gNB604へのアップリンク送信を実行する。アップリンク送信は、ハンドオーバが完了したという指示、ユーザデータ、及び/又は任意の他の適切な情報を含み得る。しかしながら、RACHレスハンドオーバがトリガされているので、UE110は、RACH手順のためのいかなる情報も含まない。
【0088】
625において、gNB604は、ダウンリンク信号をUE 110に送信する。一例では、ダウンリンク信号は、620におけるアップリンク送信に応じたL1肯定応答(ACK)であり得る。別の例では、ダウンリンク信号は、後続のアップリンク通信又はダウンリンク通信のためのL1スケジューリングであり得る。したがって、ダウンリンク信号は、520におけるアップリンク送信(例えば、ACK)に応じて直接提供され得るか、又はアップリンク送信は、ハンドオーバが完了し、後続の通信がUE110と実行され得ることをgNB604に示し得る(例えば、L1スケジューリング)。
【0089】
上述したように、例示的な実施形態は、RACHレスハンドオーバ失敗検出のために使用され得る3つの異なるタイマを導入する。シグナリング図600に一緒に示されているが、これらのタイマは、互いに独立して使用され得る。
【0090】
UE110は、タイマ650に基づいてRACHレスハンドオーバ失敗を検出し得る。UE110は、(例えば、ハンドオーバコマンドに応じて)RACHレスハンドオーバを実行するとき、タイマ650を開始し得る。UE110は、アップリンク送信620が成功したとUE110が決定したとき、タイマ650を停止し得る。この決定は、625におけるダウンリンク信号(例えば、L1フィードバック、アップリンクグラント、データ送信のためのダウンリンク割当てなど)の受信に基づいて行われ得る。タイマ650が満了した場合、UE110は、RACHレスハンドオーバ失敗を宣言し得る。
【0091】
加えて、UE110は、タイマ660に基づいてRACHレスハンドオーバ失敗を検出し得る。UE110は、(例えば、ハンドオーバコマンドに応じて、又はターゲットセルにおいてダウンリンクタイミングを獲得するときに)RACHレスハンドオーバを実行するとき、タイマ660を開始し得る。UE110は、ターゲットセルから第1のアップリンクグラント(例えば、動的アップリンクグラント615)を受信したとき、タイマ660を停止し得る。タイマ660が満了した場合、UE110は、RACHレスハンドオーバ失敗を宣言し得る。
【0092】
更に、UE110は、タイマ670に基づいてRACHレスハンドオーバ失敗を検出し得る。UE110は、第1のアップリンク送信620を送信したことに応じて、タイマ670を開始し得る。UE110は、第1のアップリンク送信620に応じてL1 ACKを受信したとき、又は後続のアップリンク/ダウンリンク送信(例えば、ダウンリンク信号625)のためのL1スケジューリングを受信したとき、タイマ670を停止し得る。タイマ670が満了した場合、UE110は、RACHレスハンドオーバ失敗を宣言し得る。
【0093】
1つの手法では、RACHレスハンドオーバが検出されたとき、UE110は、ターゲットセルとのRACHベースのハンドオーバを実行し得る。別の手法では、RACHレスハンドオーバが検出されたとき、UE110は、ソースセルリンクにフォールバックし、ハンドオーバ失敗についてソースセルに情報を与え得る。このRACHレスハンドオーバ失敗処理の例が、図7のシグナリング図700に示されている。
【0094】
シグナリング図700は、UE110、ソースgNB702、及びターゲットgNB704を含む。705において、UE110は、RACHレスハンドオーバ失敗を検出する。710において、UE110は、RACH信号及び/又はSRをソースgNB702に送信する。715において、ソースgNB702は、アップリンクグラントをUE110に送信する。720において、UE110は、ハンドオーバ失敗情報をソースgNB702に送信する。これは、RACHレスハンドオーバが完了しなかったという指示、及び/又はUE支援情報を含み得る。当業者は、RACHレスハンドオーバのためのシグナリング図700に示された障害処理が、MBBハンドオーバ失敗のためにも使用され得ることを理解するであろう。更に、上記で説明したMBB障害処理技法は、RACHレスハンドオーバ失敗にも使用され得ることも理解されよう。
【0095】
例示的なRACHレスハンドオーバ技法は、条件付きハンドオーバとともに使用され得る。例えば、ネットワークは、条件付きハンドオーバコマンドを使用してRACHレスハンドオーバを構成することができる。トリガされると、RACHレス方式は、ターゲットセル上で適用可能であり得る。条件付きハンドオーバ候補セル選択は、条件付きハンドオーバ方式に基づくことができる。代替的に、UE110は、候補セル選択中にRACHレスハンドオーバをサポートする候補セルを優先し得る。
【0096】
加えて、例示的なRACHレスハンドオーバ技法はまた、デュアルアクティブプロトコルスタック(DAPS)ハンドオーバ技法とともに使用され得る。DAPSでは、UE110は、ハンドオーバコマンドの受信後にソースセル及びターゲットセルへの同時接続を有する。RACHレスハンドオーバがUE110及びターゲットセルによってサポートされる場合、DAPSフレームワークは、RACHベースのハンドオーバの代わりにRACHレスハンドオーバを含むように構成され得る。
【0097】
更に、例示的なRACHレスハンドオーバ技法は、DCにおけるSCGにも適用可能であり得る。このシナリオでは、ネットワークは、SCG追加/再構成のためにRACHレスアクセスを構成することができる。
【0098】
上記の例示的な実施形態は、任意の好適なソフトウェア構成若しくはハードウェア構成又はこれらの組合せにおいて実装されてもよいことが、当該技術分野に精通している者には理解されよう。例示的な実施形態を実行するための例示的なハードウェアプラットフォームは、例えば、互換性のあるオペレーティングシステムを有するIntel x86ベースプラットフォーム、Windows OS、Macプラットフォーム及びMAC OSや、iOS、Androidなどのオペレーティングシステムを有するモバイルデバイスを含んでもよい。上記の方法の例示的な実施形態は、コンパイルされると、プロセッサ又はマイクロプロセッサにおいて実行され得る、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコード行を含むプログラムとして具現化されてもよい。
【0099】
本出願では、それぞれが様々な組合せにおいて異なる特徴を有する様々な実施形態が記載されているが、1つの実施形態の特徴のうちのいずれかが、具体的に否認されないように、又は開示された実施形態のデバイスの動作若しくは記載の機能と機能的若しくは論理的に矛盾しないように、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよいことが、当該技術分野に精通している者には理解されよう。
【0100】
個人情報の使用は、ユーザのプライバシーを維持するための業界又は政府の要件を満たす又は超えるとして一般に認識されているプライバシーポリシー及びプラクティスに従うべきであることに十分に理解されている。特に、個人情報データは、意図されない又は認可されていないアクセス又は使用のリスクを最小にするように管理され取り扱われるべきであり、認可された使用の性質は、ユーザに明確に示されるべきである。
【0101】
様々な修正形態が、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく本開示においてなされてもよいことが、当該技術分野に精通している者には明らかである。したがって、本開示は、本開示の修正形態及び変形形態が添付の特許請求の範囲及び特許請求の範囲の均等物の範囲内にあるかぎり、本開示の修正形態及び変形形態を網羅することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作を実行するように構成されたユーザ機器(UE)のプロセッサであって、前記動作は、
ソースセルからハンドオーバコマンドを受信することであって、前記ハンドオーバコマンドの前記受信の後に、前記UEは前記ソースセルとデータを交換するように構成されている、ことと、
前記UEが前記ソースセルとデータを交換するように構成されている間に、ターゲットセルとのダウンリンク同期獲得を実行することと、
前記ターゲットセルにアップリンク信号を送信することであって、前記ターゲットセルに前記アップリンク信号を送信した後に、前記UEは前記ソースセルとのデータ交換を停止する、ことと、を含む、ユーザ機器(UE)。
【請求項2】
前記UEは、前記アップリンク信号を送信した後にソースセル構成を保持する、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項3】
前記動作は、
前記ハンドオーバコマンドに応じて前記ソースセルにフィードバックを送信することを更に含み、前記フィードバックは、前記UEが前記ハンドオーバコマンドの前記受信の後に、前記ソースセルとデータを交換するように構成されたままであることを示す、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項4】
前記フィードバックは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)スケジューリング要求(SR)又はサウンディング基準信号(SRS)中で提供される、請求項3に記載のプロセッサ。
【請求項5】
前記フィードバックは、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)において提供される、請求項3に記載のプロセッサ。
【請求項6】
前記フィードバックは、無線リソース制御(RRC)構成完了メッセージ又はUE支援情報において提供される、請求項3に記載のプロセッサ。
【請求項7】
前記動作は、
前記UEによって動作されるタイマの満了より前に、前記UEに送信された前記アップリンク信号に対する応答を受信しないことに基づいてハンドオーバ失敗を宣言することを更に含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項8】
前記動作は、
前記ハンドオーバ失敗に応じて、前記ターゲットセルとのランダムアクセスチャネル(RACH)ベースのハンドオーバを実行することを更に含む、請求項8に記載のプロセッサ。
【請求項9】
前記動作は、
前記ハンドオーバ失敗の指示を前記ソースセルに送信することを更に含み、前記UEは、前記ハンドオーバ失敗に応じて、前記ソースセル構成にフォールバックする、請求項8に記載のプロセッサ。
【請求項10】
前記動作は、
前記ターゲットセルとのランダムアクセスチャネル(RACH)障害に基づいてハンドオーバ失敗を宣言することと、
前記ハンドオーバ失敗の指示を前記ソースセルに送信することと、を更に含み、前記UEは、前記ハンドオーバ失敗に応じて前記ソースセル構成にフォールバックする、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項11】
前記ハンドオーバコマンドは、条件付きハンドオーバのためのものであり、前記ターゲットセルがメークビフォアブレークハンドオーバをサポートすることを示す、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項12】
動作を実行するように構成された基地局のプロセッサであって、前記動作は、
ユーザ機器(UE)にハンドオーバコマンドを送信することと、
前記UEが、前記ハンドオーバコマンドの前記受信の後に前記基地局とデータを交換するように構成されたままであるように構成されているかどうかを判定することと、
ターゲット基地局へのハンドオーバの完了の前に、前記UEにダウンリンク信号を送信することと、を含む、プロセッサ。
【請求項13】
前記ハンドオーバコマンドに応じて前記UEからフィードバックを受信することに基づいて、前記ハンドオーバコマンドの前記受信の後に、前記UEが前記基地局とデータを交換するように構成されたままであると判定する、請求項12に記載のプロセッサ。
【請求項14】
前記フィードバックは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)スケジューリング要求(SR)又はサウンディング基準信号(SRS)中で提供される、請求項13に記載のプロセッサ。
【請求項15】
前記フィードバックは、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)において提供される、請求項13に記載のプロセッサ。
【請求項16】
前記フィードバックは、無線リソース制御(RRC)構成完了メッセージ又はUE支援情報において提供される、請求項13に記載のプロセッサ。
【請求項17】
動作を実行するように構成されたユーザ機器(UE)のプロセッサであって、前記動作は、
ソースセルからハンドオーバコマンドを受信することと、
ターゲットセルにアップリンク信号であって、前記アップリンク信号は、ユーザデータを含み、前記ハンドオーバコマンドの前記受信の後に前記ターゲットセルに対して実行される第1の送信である、アップリンク信号を送信することと、を含み、前記UEは、前記第1の送信の前に前記ターゲットセルにいかなる信号も送信しない、プロセッサ。
【請求項18】
前記ハンドオーバコマンドは、前記第1の送信のために使用されるタイプ1構成グラント(CG)構成を備える、請求項17に記載のプロセッサ。
【請求項19】
前記ハンドオーバコマンドは、前記第1の送信のために使用されるタイミングアドバンス(TA)情報を備える、請求項17に記載のプロセッサ。
【請求項20】
前記動作は、
前記ターゲットセルから動的アップリンクグラントを受信することを更に含み、前記動的アップリンクグラントは前記第1の送信のために使用される、請求項17に記載のプロセッサ。
【国際調査報告】