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特表2024-541112電磁パルス及び太陽風から生じる電気的擾乱の検出のための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】電磁パルス及び太陽風から生じる電気的擾乱の検出のための装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/08 20060101AFI20241029BHJP
   G01W 1/00 20060101ALN20241029BHJP
【FI】
G01R29/08 D
G01W1/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544618
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 US2022076889
(87)【国際公開番号】W WO2023056216
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】63/251,090
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/649,919
(32)【優先日】2022-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】524125223
【氏名又は名称】ファラデー ディフェンス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FARADAY DEFENSE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】5912 Venture Park Drive Kalamazoo,Michigan 49009 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー,アーサー トーマス
(57)【要約】
装置は、高高度核電磁パルス(EMP)又は太陽風から生じる複雑な時変電磁擾乱を検出する。デバイスは、回路(104、1301)に依存し、その回路(104、1301)は、EMP又は太陽風のE3相に関連する持続的な伝導性の電気的擾乱のために、入力電力線(301、401、501)を監視する。別個の回路(105、1302)は、EMPのE1相及びE2相に関連する過渡的な電磁パルス擾乱のために、電力線及び周囲環境(503)を監視する。持続的電気的擾乱又は過渡電磁パルス擾乱検出するときに、装置は、可聴警報(608)及び離散的指示信号(607)を提供し、それらの可聴警報(608)及び離散的指示信号(607)は、電力の流れを切断するか(702)又は流れの方向を変えるために使用されてもよい。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁パルスのE1相及びE2相の少なくとも1つに関連する過渡電磁パルス擾乱を検出するための装置であって:
受信信号を受信するための電磁パルス感知可能フィード(501、503、904、1005);
検出されたパルス指示信号を出力するためにマイクロ秒及びナノ秒の少なくとも1つの秒のパルス擾乱持続時間を検出するために前記電磁パルス感知可能フィードへ動作可能に結合されたパルス検出器(105、505、1302)であって;前記検出されたパルス指示信号を警報信号へ変換するための活性化回路(507)を含む、パルス検出器(105、505、1302);及び、
前記警報信号に関して指示するための前記活性化回路へ動作可能に結合された警報(106、1303)を含む装置。
【請求項2】
前記パルス検出器(105、505、1302)は、ナノ秒のパルス擾乱持続時間を検出するために前記電磁パルス感知可能フィードへ動作可能に結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記パルス検出器(105、505、1302)は、マイクロ秒のパルス擾乱持続時間を検出するために前記電磁パルス感知可能フィードへ動作可能に結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記パルス検出器(105、505、1302)は、ナノ秒及びマイクロ秒両方のパルス擾乱持続時間を検出するために前記電磁パルス感知可能フィードへ動作可能に結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記電磁パルス感知可能フィード(501、503、510、904、1005)はアンテナフィード(503、904、1005)及び電源線路(501)の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電磁パルス感知可能フィード(501、503、510、904、1005)はアンテナフィード(503、904、1005)及び電源線路(501)の両方を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記パルス検出器(105、505、1302)は、検出されたパルス指示信号を出力するために前記受信された信号のエッジ、パルス及びインパルス検出のうちの少なくとも1つを行うために前記電磁パルス感知可能フィードへ動作可能に結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記パルス検出器(105、505、1302)は微分ダイオード(505)を含み、そして前記アンテナフィードからの前記信号の傾斜を指示する振幅を有するインパルスを生成し、そして前記受信された信号を前記警報信号へ変換する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記パルス検出器(105、505、1302)は、単安定マルチバイブレータ、ピーク検出デバイス、高速サンプリング器、フリップフロップ、高利得比較器及び極高速ターンオン時間過渡保護デバイスから成るグループから選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記活性化回路(507)は前記警報へ結合されるラッチ(605)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記電磁パルス感知可能フィード(501、503、510、904、1005)はアンテナフィード(503、904、1005)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記アンテナフィードは前記アンテナと前記パルス検出器との間のフィルタ(510)へ結合されるアンテナ(503、904、1005)を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記アンテナ(503)は電磁パルスのE1相及びE2相の少なくとも1つに関連する前記過渡電磁パルス擾乱の周波数スペクトラムに合わせられた共振振動数を有する電気長を有する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記フィルタ(510)はナノ秒~マイクロ秒の範囲のパルス擾乱持続時間を通す、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記フィルタ(510)は約20ナノ秒のパルス擾乱持続時間を通す、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記フィルタ(510)は約10ナノ秒のパルス擾乱持続時間を通す、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記装置は、ハンドヘルドポータブル筐体(901、902、1001、1002)内に含まれ、そして更に、前記警報及び前記パルス検出器を給電するために前記警報及び前記パルス検出器へ動作可能に結合された電池(108、1004)を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記電磁パルス感知可能フィード(501、503、510、904、1005)は電源線(501)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記電源線はACコンセント電源線(501)である、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記パルス検出器(105、505、1302)及び活性化回路(507)を含む前記装置は、筐体(901,902)内に含まれ、そして前記筐体の片側から延伸しそして前記ACコンセント電源線(501)へ動作可能に結合された少なくとも一対のACコンセント壁プラグ突起(905)を更に含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
ラインフィルタ(504)を更に含む請求項18に記載の装置であって、前記ラインフィルタ(504)は、前記電源線と前記パルス検出器への入力との間に動作可能に結合され、そして前記パルス検出器へ入力するべき別の受信された信号を生成する、装置。
【請求項22】
前記ラインフィルタ(504)はナノ秒~マイクロ秒の範囲のパルス擾乱持続時間を通す、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記警報は視覚的インジケータ(603、609)、可聴インジケータ(609)及び離散的指示信号(607)から成るグループから選択されたインジケータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記電源線上の電磁パルス及び太陽風のうちの少なくとも1つのE3相に関連する過渡電磁パルス擾乱を検出するための持続レベル検出回路(104、1301)であって、前記電源線(301、401、501)へ動作可能に結合された低域フィルタ(305、408);と前記低域フィルタ出力が過電圧レベルを越えるということを指示する信号を送信するための前記低域フィルタへ動作可能に結合された弁別器回路(308、409)とを含む持続レベル検出回路(104、1301)をさらに含む請求項18に記載の装置。
【請求項25】
前記持続レベル検出回路において、前記低域フィルタ(305、408)は低域フィルタ出力を生成するために約100ミリ秒の時定数を有する、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記弁別器回路は前記低域フィルタの出力が所定電圧設定点を過ぎると信号を送信するための比較器回路(308、409)を含む、請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記持続レベル検出回路は更に、前記電源線(301、401、501)と前記低域フィルタ(305、408)との間に動作可能に結合された整流器(303)を含む、請求項24に記載の装置。
【請求項28】
前記持続レベル検出回路は更に、前記パルス列変換器への信号入力の電圧レベルを指示するパルス幅を有する信号を生成するためのパルス列変換器(404、405、406)を含む、請求項24に記載の装置。
【請求項29】
前記パルス列変換器は前記電源線(301、401、501)と前記低域フィルタ(305、408)との間に動作可能に結合されたオプトカプラ(406)を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項30】
前記持続レベル検出回路は更に、前記パルス列変換器のターンオン電圧を制限するために前記電源線(301、401、501)と前記パルス列変換器との間に動作可能に結合されたツェナーダイオード(404)を含む、請求項24に記載の装置。
【請求項31】
前記弁別器回路(308、409)は、前記低域フィルタ出力が低電圧レベルを下回るということを指示する信号も送信するための前記低域フィルタへ動作可能に結合される、請求項24に記載の装置。
【請求項32】
前記警報(106、1303)は第1のインジケータ及び第2のインジケータを含み、
前記第1のインジケータは、前記パルス検出器(105、505、1302)により検出された過渡電磁パルス擾乱を指示し、
前記第2のインジケータは前記持続レベル検出回路(104、1301)により検出された持続的電気的擾乱を指示し;
前記第1のインジケータ及び前記第2のインジケータは各々、視覚的インジケータ(603と609)、可聴インジケータ(609)及び離散的指示信号(607)から成るグループから選択される、請求項24に記載の装置。
【請求項33】
前記弁別器回路が、前記電源線上の電磁パルス及び太陽風のうちの少なくとも1つのE3相に関連する過渡電磁パルス擾乱から保護するために前記低域フィルタ(305、408)出力が前記過電圧レベルを越えるということを指示する信号を送信すると、前記弁別器回路(308、409)の出力からの信号を受信するように動作可能に結合されそして前記電源を切断するために電源へ動作可能に結合されたスイッチ(702、804)を更に含む請求項24に記載の装置。
【請求項34】
前記スイッチは回路遮断器を含み;前記装置は更に、前記回路遮断器(702)を自動的にトリップするために電気機械式アクチュエータを含む、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記警報が、電磁パルスのE1相及びE2相の少なくとも1つに関連する過渡電磁パルス擾乱から保護するために前記パルス検出器(105、505、1302)がマイクロ秒及びナノ秒の少なくとも1つのパルス擾乱持続時間を検出したということを指示する警報信号を送信すると前記警報(106、1303)からの前記警報信号を受信するように動作可能に結合されそして電源を切断するために前記電源へ動作可能に結合されたスイッチ(702、804)を更に含む請求項1に記載の装置。
【請求項36】
前記スイッチは回路遮断器(702)を含み;前記装置は更に、前記回路遮断器(702)を自動的にトリップするために電気機械式アクチュエータを含む、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記電磁パルス感知可能フィード(501、503、904、1005)と前記パルス検出器(105、505、1302)との間に動作可能に結合されたフィルタ(510、504)を更に含む請求項1に記載の装置。
【請求項38】
前記フィルタ(510、504)はナノ秒~マイクロ秒の範囲のパルス擾乱持続時間を通す、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記フィルタ(510、504)は約20ナノ秒のパルス擾乱持続時間を通す、請求項37に記載の装置。
【請求項40】
前記フィルタ(510、504)は10ナノ秒及び20ナノ秒の両方のパルス擾乱持続時間を通す、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記装置は電磁パルス及び太陽風中の前記装置の存続を保証するように構築され;
前記電磁パルス感知可能フィード(501、503、904、1005)は離散的アナログ部品から成り;
前記パルス検出器(105、505、1302)は離散的アナログ部品から成る、請求項1に記載の装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁パルス(EMP: electromagnetic pulse); 太陽フレア、コロナ質量放出(CME: coronal mass ejection)又は地磁気擾乱を生じる太陽風; 指向性エネルギー兵器; 電力供給者による不適切な電圧調整; 又は導電性ワイヤ、トレース、又は回路の中の電圧又は電流変動として現れる他の事象から生じる複雑な時変伝導性及び放射性擾乱の検出に関係する。
【背景技術】
【0002】
雷検出デバイスは、雷事象を指示する50-200マイクロ秒タイミングのオーダーの持続時間を有する放射電磁擾乱の周囲環境を観測する。
【0003】
同等であると考えられる可能性のある別の技術は、オープングランド、逆極性、及び定常的な高い又は低い電圧レベル等の望ましくない条件の入力電力線接続を試験する目的のために使用される電力線監視の技術である。しかし、このようなデバイスは、EMPのE1相及びE2相と関連する伝導性の且つ放射性のパルスの電磁擾乱等の極短期に行われる電磁擾乱を検出する能力を有しない。
【0004】
EMPの発生を検出するための少数の複雑な方法が提案されているが、これらは、人工知能、最先端信号処理、又は大きなインフラストラクチャのマルチノードネットワーキングの使用に依存する。
【0005】
本発明は一例として示されており、従って、同様な参照符号が同様な要素を指示する添付図面により制限されない。添付図面内の要素は簡潔性及び明瞭性のために示されており、従って実寸又は複雑性に比例して必ずしも描かれていない。
【0006】
好ましい実施形態の詳細は、添付図面と併せて読むと以下の詳細説明からより容易に理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態による筐体、電力調節回路、分散保護回路構成、持続レベル検出回路、パルス検出回路、警報回路、電力切断切り替え回路、及び任意選択的搭載電池を示すブロック線図を示す。
図2】電力調節回路を示す単純化概略線図を示し; この特定実施形態は本発明の実施形態によるヒューズ、保護バリスタ、直列コンデンサ、ブリッジ整流器、ツェナーダイオード及び線型レギュレータ又はスイッチ式変換器を含む。
図3】持続レベル検出回路の単純化概略線図を示し; この特定実施形態は本発明の実施形態によるヒューズ、保護バリスタ、ブリッジ整流器、電圧分割器、低域フィルタ、過渡電圧抑圧器ダイオード、比較器入力電圧分割器、及びウィンドウコンパレータを含む。
図4】持続的擾乱検出回路の代替実施形態の単純化概略線図を示し; この特定実施形態は本発明の実施形態によるヒューズ、保護バリスタ、電流制限抵抗、持続レベル閾値設定ツェナーダイオード、逆保護ダイオード、オプトカプラ、バイアス抵抗、低域フィルタ、及びウィンドウコンパレータを含む。
図5】過渡的擾乱検出回路の単純化概略線図を示し; この特定実施形態は、本発明の実施形態によるヒューズ、保護バリスタ、高域フィルタ、インピーダンス整合フィルタ、双方向過渡電圧抑制ダイオード、高速単安定マルチバイブレータパルス検出部、ブロッキングダイオード、及びプルダウンバイアス抵抗を含む。
図6】警報回路の単純化概略線図を示し; この特定実施形態は、本発明の実施形態による発光ダイオード、ワイヤードオア(wired-or)接続ダイオード、pチャネル電界効果トランジスタ、任意選択的リセット可能ラッチ、可聴警報、及び出力警報信号を含む。
図7】本発明の実施形態にしたがったパルス検出器及び持続レベル検出器が生成する警報信号のブロック線図を図示し、それらのパルス検出器及び持続レベル検出器は、電力を切断するために使用されるか又は電力の流れの方向を代替経路へ変えるために使用される。
図8】太陽発電システムの安全切断スイッチ内へ取り込まれる一実施形態のブロック線図を示し; この実施形態では、持続レベル検出器及びパルス検出器回路は、EMP又は太陽風を指示する擾乱の光起電力及び補助電力線を監視し; このような事象が検出される場合に、これらの検出器は光起電力の切断を強いるために警報をコントローラ又はドライバへ送信する。
図9】本発明の実施形態による一実施形態を収容するプラグインモジュールの概念図を示す。
図10】本発明の実施形態による一実施形態を収用する電池式キーフォブモジュール(key fob module)の概念図を示す。
図11】一定期間にわたる高高度核生成電磁パルス(EMP)波形の特徴を示すプロットを示す。
図12】EMPの3つの波形成分と、どのようにこれらが結合するかと、そして典型的持続時間とを要約する。
図13】EMPのE1相、E2相、及びE3相に関連する3つの波形成分が装置の検出回路構成によりどのように検出されるかを要約する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、EMP又は太陽風から生じる複雑な時変伝導性及び放射性擾乱を検出するために使用される。本発明は、秒~時間の持続時間を有するE3に関連する持続レベル擾乱を検出する目的のために入力電力線を連続的に監視する回路と、ナノ秒~マイクロ秒の持続時間を有するE1及びE2に関連するパルス電磁擾乱を検出する目的のための入力電力線及び周囲環境の両方を連続的に監視する回路と、を含む。持続レベル擾乱又はパルス擾乱が検出されるときに、視覚的警報、可聴警報、及び離散的指示信号が生成される。信号警報インジケータは、電力を自動的に切断する目的又は電力の流れの方向を変える目的のために、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサに警報条件を通知し、そして、電子的に制御される回路遮断器又は自動切換えスイッチ等の電力切り替え素子を駆動するために使用されてもよい。
【0009】
図1は、本発明を含む装置のハイレベルブロック線図を示す。筐体101は、偽警報を引き起こす場合がある帯域外電磁エネルギーを抑制するために導電性障壁により遮蔽されてもよい。電力調節回路102は、装置の電子機器によりより容易に使用される特性を有する電力へと、入力電力を変換する。このような電力調節は、入力電力が装置の回路により既に直接的に使用可能となっている状況では必要ではない場合がある。保護回路103は、至る所に分散され、EMP又は太陽風から生じる遷移等の極端な電気的な及び電磁気的な遷移をうまく生き延びることを可能にする。保護回路は、過渡電圧抑圧器、酸化金属バリスタ、ガス放電管、及び他の過渡的なサージ保護デバイスから構成されてもよい。持続レベル検出回路104は、秒~時間の持続時間を有するE3相に関連する電圧擾乱のために、入力電力線を監視する。同様に、パルス検出回路105は、ナノ秒~マイクロ秒の持続時間を有するE1相及びE2相に関連する過渡電磁パルス擾乱のために、入力電力線及び周囲放射環境を監視する。持続レベル検出回路104及びパルス検出回路105の両方は、警報回路106へ信号を提供し、その信号は、EMP又は太陽風に関連する擾乱の検出を示す。警報回路106は、次に、視覚的インジケータ、可聴インジケータ、及び離散的指示信号107を活性化し、それらのインジケータ及び指示信号は、外部処理素子に検出を通知するために使用されるとともに、電力の流れの切断又は再ルーティングをトリガするために使用されてもよい。搭載電池108は、回路素子に電力を提供するために携帯可能となっている実施形態において必要とされるであろう。
【0010】
図2は、電力調節回路103の単純化図を示す。電力調節回路は、装置の電子機器によりより容易に使用される特性を有する電力へと、入力電力を変換する。入力電力線は、安全性及び回路保護のためにヒューズ201が取り付けられてもよい。加えて、酸化金属バリスタ(MOV: metal-oxide varistor)又は他の過渡保護デバイス202は、EMP又は太陽風から生じる場合がある入力電圧擾乱を制限するために使用されてもよい。ブリッジ整流器203は、両側からタップ付けされて、複数のノードに給電し、それらの複数のノードは、ツェナーダイオード207によって電圧制限されるとともに、コンデンサ204によってリップル制限される。電力は、その次に、装置の特定の実施形態により必要とされる電圧、電流、及び性能特性を提供するために、線型レギュレータ、dc-dc変換器、又は他の電力変換デバイス205へ供給される。コンデンサ206は、安定性及びリップル性能を保証するために電力変換器の出力において使用される。
【0011】
図3は、持続レベル検出器104の単純化図を図示し、その持続レベル検出器104は、E3相と関連する電圧擾乱のために、入力電力線を監視する。持続レベル検出器は、電磁パルス及び太陽風のうちの少なくとも1つのE3相に関連する持続的な電気的擾乱を検出する。持続レベル検出器は、秒~時間の範囲の擾乱の持続時間を識別する。入力は、ヒューズ301が取り付られてもよく、そして過渡保護デバイス302により厳しい過電圧状態から保護されてもよい。入力電力線は、また、直列電流制限抵抗309を特徴とする。ブリッジ整流器303は、電圧分割器304と共に使用されて、入力電圧レベルを整流し及びスケーリングする。低域フィルタ305は、ツェナーダイオード306によって大きさが制限される疑似dc表現へとそのレベルを変えることによって、秒~時間の範囲の持続時間を通過させる。60Hzの波形の1つの周期は、16.6ミリ秒となり又は50Hzの波形の1つの周期は、20ミリ秒となるので、秒~時間の範囲の最小端は、約60ミリ秒~約100ミリ秒において選択されてもよい。5つの周期は、信号の合理的な平均を得るために十分であると考えられるが、他の平均持続時間も、また、うまく働く。抵抗ネットワーク307は、過電圧及び低電圧比較器308への入力を生成するために使用される。それらの抵抗は、一定値であるか又は可変の値である(すなわち、電位差計)かのいずれかであってもよく、過電圧及び低電圧トリップ点を動的に調節することを可能とする。比較器は、支援部品により決定される閾値を有するか、又は、予め定義されている上側及び下側トリガの閾値を有するウィンドウコンパレータであるかのいずれかであってもよい。比較器の出力は、警報回路へと直接的に供給される。
【0012】
図4は、持続的擾乱検出回路104(持続レベル検出器104)の代替的な実施形態を示す。入力電力は、ヒューズ401が取り付けられ、そして、過渡保護デバイス402により厳しい過電圧状態から保護されてもよい。抵抗403は、オプトカプラ406の中へと流れ込む電流を制限し、そして、ツェナーダイオード404の前又は後に配置されてもよい。ツェナーダイオード404は、入力波形を整流し、そして、そのターンオン電圧は、オプトカプラ406が活性化する最小電圧を設定する。ダイオード405は、入力電圧の立下りスイングのための逆電流経路を提供し、オプトカプラを保護するのに役立つ。オプトカプラ406は、パルス列へとその整流された入力電力信号を変換し、それらのパルス列のパルス幅は、入力電圧レベル、波形周波数、及びDCオフセットによって決定される。抵抗407は、オプトカプラオープンコレクタ出力へと必要な基準電源を提供する。低域フィルタ408は、入力電圧レベル及び持続的擾乱を表すアナログ信号へとパルス列を変換する。このアナログ信号は、比較器409において設定点と比較される。過電圧及び低電圧検出信号は、警報回路へとルーティングされる。低域フィルタ及び比較器は、また、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサ410によって置き換えられてもよく、それらのマイクロコントローラ又はマイクロプロセッサ410は、パルスの数を計数して、入力電圧レベル及び持続的擾乱を決定する。
【0013】
図5は、パルス検出器105の単純化図を図示し、そのパルス検出器105は、E1相及びE2相に関連する過渡的な電磁パルス擾乱のために、入力電力線及び周囲放射環境を監視する。パルス検出器105は、電磁パルス及び太陽風のうちの少なくとも1つのE1相及びE2相に関連する過渡的な電磁パルス擾乱を検出する。パルス検出器105は、ナノ秒~マイクロ秒の範囲のパルス擾乱持続時間に応答する。入力は、ヒューズ501が取り付けられ、そして、過渡保護デバイス502により厳しい過電圧状態から保護されてもよい。入力電力及び伝導性の過渡的な電磁パルス擾乱の組み合わせは、高域フィルタ504を通じて通過させられる。高域フィルタは、ナノ秒~マイクロ秒の範囲のパルス擾乱持続時間を通過させる。EMP爆発は、約20ナノ秒の最小E1持続時間を有すると測定されているので、ナノ秒~マイクロ秒の範囲の最小端は、約10ナノ秒又は約20ナノ秒のところで選択されてもよい。高域フィルタ504は、また、望ましくない周波数を除去し、その望ましくない周波数は、電力伝送の周波数を含む。アンテナ503は、また、インピーダンス整合フィルタ510を介して入力電力ノードへと接続されて、放射される過渡的な電磁パルス擾乱の電力転送を最大化する。アンテナ503は、過渡的な電磁パルス擾乱の周波数スペクトラムへと調整されている共振振動数を有する電気的な長さを有する。ダイオード505は、フィルタと協働することによって、微分器として機能し、「正から負への」信号エッジ遷移又は「負から正への」信号エッジ遷移のいずれも急峻な過渡的なインパルスへと変える。双方向の過渡的な保護デバイス506は、インパルス電圧レベルが演算増幅器の許容される入力電圧範囲を越えないということを保証する。インパルスは、単安定マルチバイブレータ507であるパルス検出器として構成される極高帯域演算増幅器へ入力される。パルス検出器は、エッジ、パルス、又はインパルス検出を使用する2状態パルストリガ検出回路である。そのパルス検出器の入力におけるエッジ、パルス、又はインパルスは、その出力の状態を変化させる。単安定マルチバイブレータ507は、パルス検出器の1つの好ましい実施形態である。代替的な実施形態は、ピーク検出デバイス、高速サンプリング器、フリップフロップ、高利得比較器、及び極高速ターンオン時間を有する過渡的な保護デバイスであってもよい。好ましい実施形態では、マルチバイブレータの出力は、アクティブローパルスとなり、そのアクティブローパルスのパルス幅は、マルチバイブレータの受動構成要素により設定される。ブロッキングダイオード508は、警報回路の中の共有されている接続がマルチバイブレータの性能に影響を与えるのを防ぐために使用される。抵抗509は、警報回路の接続にバイアスを提供する。その出力は、警報回路106へとルーティングされる。
【0014】
図6は、持続検出回路104及びパルス検出回路105によって給電される警報回路106の単純化図を示す。持続検出回路の出力及びパルス検出回路の出力は、ダイオード601を使用することにより一緒にワイヤードオアされる(are wire-OR’d together using diodes 601)。電流制限抵抗602及び発光ダイオード603は、持続的過電圧状態、持続的低電圧状態、及びパルス擾乱状態の視覚的警報を提供する。同様に、発光ダイオード回路609は、パルス検出の視覚的警報を提供する。抵抗509と共に抵抗604は、pチャネルMOSFET606のゲートにおけるバイアス点を設定するために使用される。図4、5の中で説明されている特定の実施形態は、持続的低電圧(パルス状のビープ3回)、持続的過電圧(連続的なビープ)、及びパルス擾乱(単一の制御されている持続時間のビープ)のために複数の異なる警報を提供する。インラインラッチ605は、また、望まれる場合には、駆動信号の状態を保持するために使用されてもよい。このようなラッチは、手動リセット可能であるか又は示されていない内部タイマにより自動的にリセット可能であるかのいずれかであろう。pチャネルMOSFET606は、スイッチとして機能し、持続的擾乱状態又はパルス擾乱状態が検出されるときに、可聴警報608へ電力を提供する。追加的に、警報信号607は、電力を切断するためのトリガ又は電力の流れの方向を代替経路へ変えるためのトリガとして使用されてもよい。様々な代替的な実施形態では、離散的指示信号は、また、警報を送信するためにテキスト又は電子メール又はTCP/IP信号を送信し、或いは、Bluetooth又はWiFi又はセルラ無線又は5Gのモノのインターネットトランシーバーに接続して、警報を伝送するのに使用されてもよい。
【0015】
図7は、サージ保護デバイス(SPD: surge protection device)の入力電力線を監視するために使用される装置701の簡略ブロック線図を示す。EMP又は太陽風に関連する持続レベル擾乱又は過渡的な電磁パルス擾乱の場合には、装置の内部警報回路は、視覚的インジケータ及び可聴インジケータを活性化するであろう。装置の内部警報回路は、また、上流又は下流電力切断又は転送スイッチに、離散的指示信号704を送信してもよく、電力の流れを中断し又は再ルーティングする。この実施形態では、装置701は、その電力を、電池などの内蔵型エネルギー蓄積デバイスから自身の電力を取り出すか、装置701が監視している電力線から自身の電力を取り出すか、又は、或る外部第三電力源から自身の電力を取り出すか、のいずれかであってもよい。
【0016】
図8は、太陽発電システムの安全切断スイッチの中に組み込まれている装置701のブロック線図を示す。補助入力電力は、補助電力回路801に供給され、その補助電力回路801の主目的は、コントローラ802の適正レベルへと電力を再調整し、そして、モジュールの温度及び入力電圧レベルを含む健康及び状態を監視することである。電圧が所定規定範囲から外れる場合、又は、温度が余りに高くなる場合に、コントローラ802は、主光起電力スイッチ804を開くようにドライバ回路803へ信号を送る。装置701は、補助入力電力、光起電力入力電力、及び周囲環境を監視する。EMP又は太陽風の特性に整合する持続レベル擾乱又はパルス擾乱を検出する場合に、警報離散的指示信号は、コントローラ回路802に送信されて、ドライバ回路803に主スイッチを開き光起電力を切断することを強いる。代替的な実施形態は、装置701が、ドライバ回路803に直接的に警報離散的指示信号を送信するようにさせて、主光起電力スイッチ804の開放をトリガする。この実施形態では、装置701は、電池などの内蔵型エネルギー蓄積デバイスから、或いは、補助電源入力、光起電力入力、又は或る外部第三電力源から、のいずれかにより自身の電力を取り出してもよい。
【0017】
図9は、一実施形態を収用するプラグインモジュールの一実施形態を示す。内蔵電子機器を保護する目的のために、筐体の最上部901及び最下部902は、回路の中に結合する放射エネルギーを低減するために導電性遮蔽材料により多層化されてもよい。回路は、プリント回路基板アセンブリ903に構築され、そして、筐体に取り付けられる。アンテナ904は、搭載構成要素であってもよく、或いは、筐体901及び902に対し内部に取り付けられてもよく又は外部に取り付けられてもよい。交流(AC)壁プラグ905は、最下部筐体902の下側に示されている。同様に、代替的な実施形態は、AC壁コンセントからというよりむしろ、車両の補助レセプタクルから直流(DC)電力を取り出してもよい。
【0018】
図10は、一実施形態を収容する電池駆動キーフォブモジュールの一実施形態を示す。内蔵電子機器を保護する目的のために、筐体の最上部1001及び最下部1002は、回路の中に結合する放射エネルギーを低減するために導電性遮蔽材料により多層化されてもよい。回路は、プリント回路基板アセンブリ1003に構築され、そして、筐体へ取り付けられる。アンテナ1005は、搭載構成要素であってもよく、或いは、筐体1001及び1002に対し内部に取り付けられてもよく又は外部に取り付けられてもよい。電池又は他のエネルギー蓄積デバイス1004は、また、エネルギー管理ハードウェアと共に筐体の中に含まれて、有効寿命を最大化するであろう。
【0019】
図11は、高高度核生成電磁パルス(EMP)波形の特性を経時的に示すプロットを図示している。EMPは、E1、E2、及びE3として識別される3つの個別相を有する複雑な過渡的擾乱を生じる。早期時間E1相の波形は、約3nsの立ち上がり時間及び約20nsのパルス幅を有する。マイクロ秒のオーダーのパルス幅を有する相E2の中期時間波形成分がE1相の波形に続く。最後に、相E3の終期時間波形は、秒~時間の持続時間の間続く場合がある。同様に、太陽風から生じる波形は、秒~時間にわたって続く持続時間を有するEMPのE3に匹敵する。
【0020】
図11に示すように、核生成EMPは、早期時間事象E1、中期時間事象E2、及び終期時間事象E3の3つの個別相を含むとして説明される。E1の間、電磁擾乱は、数万ボルト/メートルに達する振幅を有するナノ秒~数百ナノ秒続く極短い広帯域パルスであり、広範な電子システムを破壊することを可能とする。E2の間、電磁擾乱は、マイクロ秒続く雷と持続時間が同等であり、且つ、100ボルト/メートルを越える振幅を有し、媒体及び長い導体へと最も効率的に結合する。E3の間、電磁擾乱は、振幅は低いが電力グリッドの電磁擾乱などの非常に長い導体に対して有害な電流を導入する場合がある秒~時間にわたって続く持続パルスである。太陽風は、また、EMPのE3成分と同様な地球の表面において感じられる電磁擾乱につながる場合があり、この擾乱は、秒~時間にわたって続き、そして、非常に長い導体へと最も効率的に結合する。
【0021】
本発明は、太陽風又はEMPの検出において特に有用である。太陽風及びEMPは、両方とも、大規模配電及び通信システム等の長い導体を有するインフラストラクチャにおいて潜在的に破壊をもたらすE3電気的擾乱につながる。これらの持続的擾乱は、導体に沿って伝播して、監視制御及びデータ取得(SCADA: supervisory control and data acquisition)システム、コンピュータ、トランシーバー、及び他の感知可能電子ハードウェアの中に導体を含むとともに相互接続されている電子機器に影響を与える。本発明は、特に、秒~時間の範囲の持続時間を有するEMP又は太陽風を示す持続的な電気的擾乱のために、入力電力線を監視する。
【0022】
EMPは、また、強力なE1及びE2電磁パルス擾乱を生成し、それらのE1及びE2電磁パルス擾乱は、導体に沿って伝播するとともに大気を介し伝播して、大規模電子機器アセンブリ及び小規模電子機器アセンブリの双方の中に直接的に結合し、それらの電子機器アセンブリは、これらには限定されないが、コンピュータ、マイクロコントローラ、車両、無線システム、家電、及びセル電話を含む。本発明は、ナノ秒~マイクロ秒の範囲の持続時間を有するE1及びE2電磁パルス擾乱のために、入力電力線及び周囲環境を監視する。
【0023】
図12は、EMPから生じる波形成分を要約する。E1成分は、ナノ秒の持続時間を有し、放射手段及び伝導手段によって小規模電子機器及び大規模電子機器の双方の中へと結合することが可能である。E2成分は、マイクロ秒の持続時間を有し、放射手段及び伝導手段によって小規模電子機器及び大規模電子機器の双方の中へと結合することが可能である。E3成分は、秒~時間の範囲の持続時間を有し、誘導により、電力グリッド等の大規模インフラストラクチャの中へと結合し、そして、その次に、伝導によって大規模システム及び小規模システムの双方に分散される。
【0024】
図13は、持続検出回路及びパルス検出回路がEMP又は太陽風の複数の異なる相に関連する様々な波形成分を検出するためにどのように使用されるかを示す。持続的擾乱検出回路1301は、EMPのE3相に関連する波形のみならず太陽風又は他の長時間電気的擾乱から生じるE3波形も検出する。パルス検出回路1302は、E1相及びE2相に関連する過渡的な電磁パルス擾乱を検出する。検出されると、視覚的インジケータ、可聴インジケータ、及び離散的指示信号を提供する警報が活性化される。
【0025】
要約すると、本発明は、EMP又は太陽風に関連する複雑な時変伝導性及び放射性擾乱を検出する。本発明は、視覚的警報及び可聴警報を提供するのみならず、離散的指示信号を提供し、その離散的指示信号は、電気の流れを切断する又はその流れの方向を変えるために使用されてもよい。EMP又は太陽風の検出は、潜在的に破壊をもたらす事象の早期の警報を提供し、保護行為が取られることを可能にするであろう。
【0026】
使用目的の例
本発明は、家庭、ビジネス、軍事構造物、トレーラ、娯楽用車両、ボート、自動車、又は他の電動式構造物、システム又はデバイスを給電する電力線の電圧レベルを監視するために使用されてもよい。電力線における電圧レベルが受容可能な所定の電圧レベル(すなわち、正常動作範囲)の外側に移動するときに、持続レベル検出回路は、視覚的警報、可聴警報、及び離散的指示信号によりユーザに注意を喚起し、それらの警報及び指示信号は、電力切断回路を駆動するために使用されてもよく又は電力切断回路をトリガするために使用されてもよい。追加的に、パルス検出回路は、EMP又は太陽風のE1相及びE2相に関連する過渡的な電磁パルス擾乱のために、入力電力線及び周囲環境の双方を監視する。
【0027】
本発明は、EMP又は太陽風擾乱事象の際のデバイス存続を保証するための遮蔽デバイス及び過渡的なサージ保護デバイスを含む数多くの組み込み式保護器を使用して設計される。追加的に、これらは、非常に高い又は低い電圧レベルにおいて動作するように設計され、デバイスが擾乱の間中通して動作し続けることを保証する。
【0028】
本発明は、EMP又は太陽風の早期警報を提供するユニークな且つ頑健な方法を提供し、ユーザが適切な保護行為をとる機会を可能にする。このような行為は、それらの家庭又はビジネスにおいて主遮断器を開放すること、非常に重要な又は敏感な電気デバイスのプラグを抜くこと、無線機システムからのアンテナの接続を切り離すこと、当該エリアから避難することを準備すること、又は他の人に事象を警報することを含んでもよい。追加的に、複数の実施形態は、EMP又は太陽風擾乱を検出するときに、電力を自動的に切断又は再配策するために自動遮断器又は転送スイッチなどの自動電力切り替えシステムの中に組み込まれて、電力を自動的に切断し又は再ルーティングしてもよい。同様に、複数の実施形態は、潜在的に有害な擾乱の場合に、(例えば、主遮断器等の)電力の切断を物理的に始動させるように電気機械式アクチュエータ又はメカニズムを駆動するために使用されてもよい。追加的に、それらの複数の実施形態は、太陽発電システム安全性遮断スイッチの中に組み込まれてもよく、別の入力条件を提供し、その別の入力条件の下で、その遮断スイッチは、光起電力アレイから来る電力を切断する。最後に、その別の入力条件は、サージ保護デバイス(SPD)に追加されて、電気の流れをさえぎるために使用される視覚的警報、可聴警報、又は指示信号を提供してもよい。
【0029】
複数の方法の請求項のうちのいずれかの方法の請求項のステップをラベル付けするために使用される(a)又は(b)などの任意の文字指定は、読み易さのために適用されるステップヘッダーであり、従って、請求項に記載されている方法のステップの順番又はプロセス順序を解釈するのに使用されるべきではない。ある特定の順番又はプロセス順序を記載している如何なる方法の請求項も、文字指定ではなく、それらのテキストの語を使用して特定の順番又はプロセス順序を記載するであろう。
【0030】
特に明記しない限り、「第1の」及び「第2の」などの語は、このような語が記述する複数の要素を任意に判別するために使用される。従って、これらの語は、このような要素の時間的な又は他の優先順位を示すように必ずしも意図されてはいない。
【0031】
本明細書において列挙されているいかなる商標も、それぞれの所有者の所有物であり、このような商標への本明細書における言及は、通常、ある特定の製品又はサービスの源を示すように意図されている。
【0032】
本発明は、上記の明細書及び図面の中で説明され図示されているが、この説明は例であるに過ぎないということと、無数の変更及び修正が本発明の真の趣旨及び範囲から離れること無く、当業者によって、数多くの変更及び修正を行うことが可能であるということと、が理解される。複数の添付の図面の中の例は例示的な構造及び実施形態を描写しているにすぎないが、代替的な実施形態は、本特許開示の教示が与えられれば利用可能である。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁パルスのE1相及びE2相のうちの少なくとも1つに関連する過渡的な電磁パルス擾乱を検出するための装置であって、当該装置は、
受信信号を受信するための電磁パルス感知可能フィード(501、503、904、1005)であって、前記電磁パルス感知可能フィードは、電源線(501)を含み、前記電源線は、AC幹線電源線(501)である、電磁パルス感知可能フィード(501、503、904、1005)と、
前記電磁パルス感知可能フィードに動作可能に結合されて、マイクロ秒及びナノ秒のうちの少なくとも1つのパルス擾乱持続時間を検出し、そして、検出されているパルス指示信号を出力するパルス検出器(105、505、1302)であって、前記パルス検出器は、活性化回路(507)を含んで、前記検出されているパルス指示信号を警報信号へ変換する、パルス検出器(105、505、1302)と、
前記警報信号に関する指示のために、前記活性化回路に動作可能に結合されている警報(106、1303)と、を含み、
前記パルス検出器(105、505、1302)及び活性化回路(507)を含む当該装置は、筐体(901,902)の中に収容され、前記筐体の側から延びているとともに前記AC幹線電源線(501)に動作可能に結合されている少なくとも一対のAC幹線壁プラグ突起(905)を更に含む、
装置。
【請求項2】
前記パルス検出器(105、505、1302)は、前記電磁パルス感知可能フィードに動作可能に結合されて、ナノ秒のパルス擾乱持続時間を検出する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記パルス検出器(105、505、1302)は、前記電磁パルス感知可能フィードに動作可能に結合されて、マイクロ秒のパルス擾乱持続時間を検出する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記パルス検出器(105、505、1302)は、前記電磁パルス感知可能フィードに動作可能に結合されて、ナノ秒及びマイクロ秒の双方のパルス擾乱持続時間を検出する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記電磁パルス感知可能フィード(501、503、510、904、1005)は、アンテナフィード(503、904、1005)及び前記電源線(501)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電磁パルス感知可能フィード(501、503、510、904、1005)は、アンテナフィード(503、904、1005)及び電源線(501)の双方を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記パルス検出器(105、505、1302)は、前記電磁パルス感知可能フィードに動作可能に結合されて、前記受信信号のエッジ、パルス、及びインパルス検出のうちの少なくとも1つを実行し、そして、検出されているパルス指示信号を出力する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記パルス検出器(105、505、1302)は、微分ダイオード(505)を含み、前記受信信号の傾きを示す振幅を有するインパルスを生成し、前記警報信号へと前記受信信号を変換する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記パルス検出器(105、505、1302)は、単安定マルチバイブレータ、ピーク検出デバイス、高速サンプリング器、フリップフロップ、高利得比較器、及び極高速ターンオン時間過渡保護デバイスから構成されるグループから選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記活性化回路(507)は、前記警報に結合されるラッチ(605)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
ラインフィルタ(504)を更に含み、前記ラインフィルタ(504)は、前記電源線と前記パルス検出器への入力との間に動作可能に結合され、前記ラインフィルタは、前記パルス検出器に入力するべき他の受信信号を生成する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記ラインフィルタ(504)は、ナノ秒~マイクロ秒の範囲のパルス擾乱持続時間を通過させる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記警報は、視覚的インジケータ(603、609)、可聴インジケータ(609)、及び離散的指示信号(607)から構成されるグループから選択されるインジケータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記電源線における電磁パルス及び太陽風のうちの少なくとも1つのE3相に関連する過渡的な電磁パルス擾乱を検出するための持続レベル検出回路(104、1301)であって、前記持続レベル検出回路は、
前記電源線(301、401、501)に動作可能に結合されている低域フィルタ(305、408)と、
前記低域フィルタに動作可能に結合されて、前記低域フィルタの出力が過電圧レベルを越えるということを示す信号を送信するための判別器回路(308、409)と、
を含む、持続レベル検出回路(104、1301)をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記持続レベル検出回路において、前記低域フィルタ(305、408)は、約100ミリ秒の時定数を有して、低域フィルタの出力を生成する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記判別器回路は、比較器回路(308、409)を含み、前記比較器回路(308、409)は、前記低域フィルタの出力が所定の電圧設定点を過ぎるときに、前記信号を送信する、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
当該装置は、電磁パルス及び太陽風の際に当該装置の存続を保証するように構築され、
前記電磁パルス感知可能フィード(501、503、904、1005)は、離散的アナログ構成要素から構成され、
前記パルス検出器(105、505、1302)は、離散的アナログ構成要素から構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
電磁パルスのE1相及びE2相のうちの少なくとも1つに関連する過渡的な電磁パルス擾乱を検出するための装置であって、当該装置は、
受信信号を受信するための電磁パルス感知可能フィードであって、前記電磁パルス感知可能フィードは、電源線を含む、電磁パルス感知可能フィードと、
前記電磁パルス感知可能フィードに動作可能に結合されて、マイクロ秒及びナノ秒のうちの少なくとも1つのパルス擾乱持続時間を検出し、そして、検出されているパルス指示信号を出力するパルス検出器であって、
前記パルス検出器は、活性化回路を含み、前記活性化回路は、警報信号へと前記検出されているパルス指示信号を変換する、パルス検出器と、
前記警報信号に関する指示のために、前記活性化回路に動作可能に結合されている警報と、
前記電源線における電磁パルス及び太陽風のうちの少なくとも1つのE3相に関連する過渡的な電磁パルス擾乱を検出するための持続レベル検出回路と、を含み、前記持続レベル検出回路は、
前記電源線に動作可能に結合されている低域フィルタと、
前記低域フィルタに動作可能に結合されて、前記低域フィルタの出力が過電圧レベルを越えるということを示す信号を送信する判別器回路と、
前記電源線(301、401、501)と前記低域フィルタ(305、408)との間に動作可能に結合されている整流器(303)と、を含む、
装置。
【請求項19】
前記電磁パルス感知可能フィード(501、503、510、904、1005)は、アンテナフィード(503、904、1005)を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記アンテナフィードは、アンテナ(503、904、1005)を含み、前記アンテナ(503、904、1005)は、該アンテナと前記パルス検出器との間のフィルタ(510)に結合される、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記アンテナ(503)は、電磁パルスのE1相及びE2相のうちの少なくとも1つに関連する前記過渡的な電磁パルス擾乱の周波数スペクトラムへと調整されている共振振動数を有する電気的な長さを有する、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記フィルタ(510)は、ナノ秒~マイクロ秒の範囲のパルス擾乱持続時間を通過させる、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記フィルタ(510)は、約20ナノ秒のパルス擾乱持続時間を通過させる、請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記フィルタ(510)は、約10ナノ秒のパルス擾乱持続時間を通過させる、請求項20に記載の装置。
【請求項25】
当該装置は、ハンドヘルドポータブル筐体(901、902、1001、1002)の中に収容されるとともに、電池(108、1004)をさらに含み、前記電池(108、1004)は、前記警報及び前記パルス検出器に動作可能に結合されて、前記警報及び前記パルス検出器に給電する、請求項19に記載の装置。
【請求項26】
前記電源線は、AC幹線電源線(501)である、請求項18に記載の装置。
【請求項27】
前記判別器回路(308、409)は、また、前記低域フィルタの出力が低電圧レベルを下回るということを示す信号を送信するために、前記低域フィルタに動作可能に結合される、請求項18に記載の装置。
【請求項28】
前記警報(106、1303)は、第1のインジケータ及び第2のインジケータを含み、
前記第1のインジケータは、前記パルス検出器(105、505、1302)が検出する過渡的な電磁パルス擾乱を示し、
前記第2のインジケータは、前記持続レベル検出回路(104、1301)が検出する持続的な電気的擾乱を示し、
前記第1のインジケータ及び前記第2のインジケータは、各々、視覚的インジケータ(603、609)、可聴インジケータ(609)、及び離散的指示信号(607)から構成されるグループから選択される、請求項18に記載の装置。
【請求項29】
スイッチ(702、804)をさらに含み、前記判別器回路が、前記電源線における電磁パルス及び太陽風のうちの少なくとも1つのE3相に関連する過渡的な電磁パルス擾乱から保護するために、前記低域フィルタ(305、408)の出力が前記過電圧レベルを越えるということを示す前記信号を送信するときに、前記スイッチ(702、804)は、前記判別器回路(308、409)の出力からの前記信号を受信するように動作可能に結合されるとともに、電源を切断するために前記電源に動作可能に結合される、請求項18に記載の装置。
【請求項30】
前記スイッチは、回路遮断器を含み、当該装置は、電気機械式アクチュエータをさらに含み、前記電気機械式アクチュエータは、前記回路遮断器(702)を物理的に始動させる、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
スイッチ(702、804)をさらに含み、前記警報が、電磁パルスのE1相及びE2相のうちの少なくとも1つに関連する過渡的な電磁パルス擾乱から保護するために、前記パルス検出器(105、505、1302)がマイクロ秒及びナノ秒のうちの少なくとも1つのパルス擾乱持続時間を検出しているということを示す前記警報信号を送信するときに、前記スイッチ(702、804)は、前記警報(106、1303)からの前記警報信号を受信するように動作可能に結合されるとともに、電源を切断するために前記電源に動作可能に結合される、請求項18に記載の装置。
【請求項32】
前記スイッチは、回路遮断器(702)を含み、当該装置は、電気機械式アクチュエータをさらに含み、前記電気機械式アクチュエータは、前記回路遮断器(702)を物理的に始動させる、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
フィルタ(510、504)をさらに含み、前記フィルタ(510、504)は、前記電磁パルス感知可能フィード(501、503、904、1005)と前記パルス検出器(105、505、1302)との間に動作可能に結合される、請求項18に記載の装置。
【請求項34】
前記フィルタ(510、504)は、ナノ秒~マイクロ秒の範囲のパルス擾乱持続時間を通過させる、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記フィルタ(510、504)は、約20ナノ秒のパルス擾乱持続時間を通過させる、請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記フィルタ(510、504)は、10ナノ秒及び20ナノ秒の双方のパルス擾乱持続時間を通過させる、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
電磁パルスのE1相及びE2相のうちの少なくとも1つに関連する過渡的な電磁パルス擾乱を検出するための装置であって、当該装置は、
受信信号を受信するための電磁パルス感知可能フィードであって、前記電磁パルス感知可能フィードは、電源線を含む、電磁パルス感知可能フィードと、
前記電磁パルス感知可能フィードに動作可能に結合されて、マイクロ秒及びナノ秒のうちの少なくとも一方のパルス擾乱持続時間を検出し、そして、検出されているパルス指示信号を出力するパルス検出器であって、
前記パルス検出器は、活性化回路を含み、前記活性化回路は、警報信号へと前記検出されているパルス指示信号を変換する、パルス検出器と、
前記警報信号に関する指示のために、前記活性化回路に動作可能に結合されている警報と、
前記電源線において電磁パルス及び太陽風のうちの少なくとも1つのE3相に関連する過渡的な電磁パルス擾乱を検出するための持続レベル検出回路であって、前記持続レベル検出回路は、
前記電源線に動作可能に結合される低域フィルタと、
前記低域フィルタに動作可能に結合されて、前記低域フィルタの出力が過電圧レベルを越えるということを示す信号を送信する判別器回路と、を含む、持続レベル検出回路と、
パルス列変換器(404、405、406)と、を含み、前記パルス列変換器(404、405、406)は、該パルス列変換器への信号入力の電圧レベルを示すパルス幅を有する信号を生成する、
装置。
【請求項38】
前記パルス列変換器は、前記電源線(301、401、501)と前記低域フィルタ(305、408)との間に動作可能に結合されるオプトカプラ(406)を含む、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記持続レベル検出回路は、ツェナーダイオード(404)をさらに含み、前記ツェナーダイオード(404)は、前記電源線(301、401、501)と前記パルス列変換器との間に動作可能に結合されて、前記パルス列変換器のターンオン電圧を制限する、請求項37に記載の装置。
【国際調査報告】