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特表2024-541114吸収分光ガス測定のための測定デバイス、スピネル、多結晶酸化アルミニウム、またはアルミニウム酸窒化物の使用、および吸収分光ガス測定のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】吸収分光ガス測定のための測定デバイス、スピネル、多結晶酸化アルミニウム、またはアルミニウム酸窒化物の使用、および吸収分光ガス測定のための方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/39 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
G01N21/39
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546364
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 EP2022087036
(87)【国際公開番号】W WO2023118171
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】21216057.6
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524144659
【氏名又は名称】エムアンドシー・テックグループ・ジャーマニー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン・ジョルジュ・デ・オルノワ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・レール
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-イェルク・ルム
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB01
2G059EE01
2G059GG01
2G059GG02
2G059GG09
2G059HH01
2G059JJ13
2G059KK01
2G059LL03
(57)【要約】
本発明は、吸収分光ガス測定のための測定デバイスと、スピネル、多結晶酸化アルミニウム、またはアルミニウム酸窒化物の使用と、吸収分光ガス測定のための方法とに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収分光ガス測定のための測定デバイス(1)であって、
1.1 レーザビームを発生させ得る放射デバイス(2)と、
1.2 レーザビームを反射させ得る反射要素(3)と、
1.3 レーザビームが検出され得る少なくとも1つの検出要素(4)と、
1.4 第1の光学軸(5)であって、前記放射デバイス(2)によって発生させられたレーザビームは、前記第1の光学軸(5)に沿って前記反射要素(3)へと案内され得る、第1の光学軸(5)と、
1.5 第2の光学軸(6)であって、前記反射要素(3)によって反射されたレーザビームは、前記第2の光学軸(6)に沿って前記検出要素(4)へと案内され得る、第2の光学軸(6)と、
を備え、
1.6 前記反射要素(3)は、以下の群、すなわち、スピネル、多結晶酸化アルミニウム、アルミニウム酸窒化物から選択される、測定デバイス(1)。
【請求項2】
前記反射要素(3)は、再帰反射体である、請求項1に記載の測定デバイス(1)。
【請求項3】
前記反射要素(3)は、被覆を有する、請求項1または2に記載の測定デバイス(1)。
【請求項4】
前記反射要素(3)は、入射面(7)を有し、前記放射デバイス(2)によって発生させられたレーザビームは、前記入射面(7)を介して前記反射要素(3)へと導入され得、前記入射面(7)は、前記第1の光学軸(5)に対して、90°に等しくない角度で位置合わせされる平坦面として設計される、請求項1から3のいずれか一項に記載の測定デバイス(1)。
【請求項5】
前記放射デバイス(2)は、レーザダイオードである、請求項1から4のいずれか一項に記載の測定デバイス(1)。
【請求項6】
前記放射デバイス(2)は、波長可変レーザダイオードである、請求項1から5のいずれか一項に記載の測定デバイス(1)。
【請求項7】
前記放射デバイス(2)は、2.0μmから5.0μmまで波長可変なレーザダイオードである、請求項1から6のいずれか一項に記載の測定デバイス(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの検出要素(4)は、少なくとも1つの光検知器を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の測定デバイス(1)。
【請求項9】
前記放射デバイス(2)によって発生させられたレーザビームは、気体混合物を通って、前記第1の光学軸(5)の一区域に沿って案内されることが可能である、請求項1から8のいずれか一項に記載の測定デバイス(1)。
【請求項10】
前記放射デバイス(2)によって発生させられたレーザビームは、前記第2の光学軸(6)の一区域に沿って、前記気体混合物を通って案内されることも可能である、請求項9に記載の測定デバイス(1)。
【請求項11】
プローブ(15)をさらに備え、前記第1の光学軸(5)の前記一区域は、前記プローブ(15)において延びる、請求項9に記載の測定デバイス(1)。
【請求項12】
前記第2の光学軸(6)の前記一区域も、前記プローブ(15)において延びる、請求項11に記載の測定デバイス(1)。
【請求項13】
パージガスを送達するためのデバイスをさらに備え、前記デバイスを用いて、前記反射要素(3)はパージガスで洗い流されことが可能である、請求項1から12のいずれか一項に記載の測定デバイス(1)。
【請求項14】
反射要素(3)としてのスピネル、多結晶酸化アルミニウム、またはアルミニウム酸窒化物の使用であって、前記反射要素(3)を用いて、レーザビームが吸収分光ガス測定のための測定デバイス(1)において反射されることが可能である、使用。
【請求項15】
A. 請求項1から13のいずれか一項に記載の測定デバイス(1)の提供のステップと、
B. 前記放射デバイス(2)によってレーザビームを発生させるステップと、
C. 前記検出要素(4)による前記レーザビームの検出のステップと、
D. 前記検出に基づいて、気体測定を行うステップと、
を含む、吸収分光ガス測定のための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収分光ガス測定のための測定デバイスと、スピネル、多結晶酸化アルミニウム、またはアルミニウム酸窒化物の使用と、吸収分光ガス測定のための方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
吸収分光ガス測定は、通常は、レーザ吸収分光法によって行われ、具体的には、TDLAS(波長可変半導体レーザ吸収分光法)としても知られている、波長可変レーザを使用するダイオードレーザ吸収分光法によって行われる。この分光法は、とりわけ、気体の化学的パラメータおよび/または物理的パラメータを決定するための、気体測定に特に適している。レーザ吸収分光法は、気体混合物における気体の濃度を決定するのに特に有利である。濃度に加えて、例えば、気体の温度、圧力、速度、およびマスフローも決定することができる。
【0003】
波長可変レーザを使用するダイオードレーザ吸収分光法(TDLAS)を用いた吸収分光ガス測定のための測定デバイスは、具体的には、レーザビームを発生させ得る放射デバイスと、レーザビームを反射させ得る反射要素と、レーザビームを検出し得る少なくとも1つの検出要素とを備える。放射デバイスは、具体的には、波長可変レーザビームを発生させ得るレーザダイオードとし得る。放射デバイスによって発生させられたレーザビームは、第1の光学軸に沿って反射要素へと案内されることが可能であり、次に、反射要素によって反射されたレーザビームは、第2の光学軸に沿って反射要素から検出要素へと案内されることが可能である。
【0004】
このようなTDLASを使用する吸収分光ガス測定について、測定される気体混合物は、レーザビームが第1の光学軸および第2の光学軸に沿って進むとき、レーザビームで照射させられる。気体のこの照射の間、波長可変ダイオードレーザの放出波長は、気体混合物において測定される気体の特性吸収帯に調整され、これは、吸収によるレーザビームの放射強度における低減をもたらす。放射強度におけるこの低減は、検出要素によって測定される信号強度における低減をもたらし、そのため、この低減は気体測定のために使用でき、具体的には、気体混合物における気体濃度を決定するために使用できる。気体濃度は、例えばランベルト-ベールの法則を使用して決定することができる。
【0005】
使用されるダイオードレーザは、測定される気体および所望の調整範囲に依存して選択され得る。例えば、DFBレーザ(分布帰還型レーザ)は700nmから3μmの間の波長範囲を網羅することができ、VCSELレーザ(垂直共振器型面発光レーザ)は最大で約2.1μmまでの波長範囲を網羅することができ、ICLレーザ(インターバンドカスケードレーザ)は2.8μmから5.8μmの間の波長範囲を網羅することができ、QCLレーザ(量子カスケードレーザ)は3.5μmを上回る波長範囲を網羅することができる。
【0006】
TDLASは、例えば、酸素(O)、二酸化炭素(CO)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO)、アンモニア(NH)、硫化水素(HS)、硫黄酸化物(SO)、ハロゲン化水素化合物(HCl、HF)、ホルムアルデヒド(CHO)、水蒸気(HO)、またはこれらの混合物など、これらの波長範囲において少なくとも1つの特性吸収帯または吸収線を有する気体を測定するために使用できる。
【0007】
反射要素が数多くの非常に特別な特性を有していなければならないため、TDLASの使用における具体的な難しさは、適切な反射要素の使用である。例えば、反射要素は、具体的には、放射デバイスによって発生させられ、反射要素へと方向付けられるレーザビームの波長範囲において、透明および反射性でなければならない。さらに、反射要素は、気体測定の間に接触することになり得る攻撃性の気体に耐性がなければならず、高い温度に耐えることもできなければならない。さらに、反射要素は汚染の事象において洗浄するのが容易でなくてはならない。
【0008】
サファイヤから作られた反射要素が、最先端の技術において普通に使用されている。しかしながら、この反射要素は多くの欠点を有する。例えば、サファイヤは複屈折であるため、反射したレーザビームがいくつかのビームへと分裂させられる。他の欠点は、サファイヤの技術的に複雑な処理である。最後に、サファイヤは、その高い価格のため、経済性の観点から不利でもある。
【0009】
また、YAG(イットリウムアルミニウムガーネット)から作られた反射要素も、最先端の技術において普通に使用されている。しかしながら、これらは高い原料コストのため不利である。
【0010】
これらの欠点のため、水晶も反射要素として使用されることがある。しかしながら、水晶は約3μm未満の波長範囲にしか使用することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
代替の反射要素を伴う、吸収分光ガス測定のための測定デバイスを、特にTDLASの形態で提供することが、本発明の目的である。具体的には、反射要素は、3μmを超える波長にも、具体的には中赤外波長域の範囲においても、使用可能であるべきである。さらなる目的によれば、反射要素は複屈折であるべきではない。さらなる目的によれば、反射要素は、化学的および熱的に耐性があるべきであり、具体的には、攻撃性の気体および高い温度に耐性があるべきである。さらなる目的によれば、反射要素は洗浄するのが容易であるべきである。最後に、さらなる目的によれば、反射要素は、提供するのに経済的に有利であるべきであり、つまり、加工するのが容易であり、可能な限り低いコストで利用可能となるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらの目的を解決するために、吸収分光ガス測定のための測定デバイスであって、
レーザビームを発生させ得る放射デバイスと、
レーザビームを反射させ得る反射要素と、
レーザビームが検出され得る少なくとも1つの検出要素と、
第1の光学軸であって、放射デバイスによって発生させられたレーザビームは、第1の光学軸に沿って反射要素へと案内され得る、第1の光学軸と、
第2の光学軸であって、反射要素によって反射されたレーザビームは、第2の光学軸に沿って検出要素へと案内され得る、第2の光学軸と
を備え、
反射要素は、以下の群、すなわち、スピネル、多結晶酸化アルミニウム、アルミニウム酸窒化物から選択される、測定デバイスが提供される。
【0013】
本発明は、スピネル、多結晶酸化アルミニウム、またはアルミニウム酸窒化物が、具体底にはTDLASの形態での吸収分光ガス測定の測定デバイスのための反射要素として使用できるという驚くべき発見に基づかれている。
【0014】
スピネル、またはより正確にはマグネシアスピネルは、立方晶系で結晶化する化学組成MgAlを伴うスピネル族の鉱物である。驚くべきことに、本発明は、スピネルが、吸収分光ガス測定のための測定デバイスにおいて、具体的にはTDLASにおいて、反射要素として特に有利に使用できることを示した。この点において、スピネルは、広波長域の範囲においてレーザビームに対して透明であり、レーザビームはスピネルによって反射させることができる。この点において、スピネルは、約0.3~5.6μmの波長範囲において透明であり、したがって、具体的には中赤外波長域の範囲においても透明であり、具体的には3μm超でも透明である。
【0015】
「PCA」(多結晶アルミナ)としても知られている多結晶酸化アルミニウムは、酸化アルミニウムから作られる高密度セラミックである。通常、多結晶アルミナは、粉末アルミナの加圧および続く焼結によって作り出される。好ましくは、本発明で使用される多結晶酸化アルミニウムは、特に好ましくは1μm未満の粒子サイズを伴う、非常に細かい酸化アルミニウム粉末から作り出される。特に好ましくは、多結晶アルミナは、透明な多結晶アルミナとして存在し、つまり、いわゆるTPCA(透明多結晶アルミナ)として存在する。驚くべきことに、多結晶酸化アルミニウムが、吸収分光ガス測定のための測定デバイスにおいて、具体的にはTDLASにおいて、反射要素として有利に使用できることが、本発明により見出された。この点において、多結晶酸化アルミニウムは、広波長域の範囲においてレーザビームに対して透明であり、レーザビームは多結晶酸化アルミニウムによって反射させることができる。この点において、多結晶酸化アルミニウムは、約0.3μmから約5.6μmまでの波長範囲において透明であり、したがって、具体的には中赤外波長域の範囲においても透明であり、具体的には3μm超でも透明である。
【0016】
アルミニウム酸窒化物は、アルミニウム、酸素、および窒素の元素から成るセラミック材料であり、「ALON」としても知られている。驚くべきことに、本発明は、アルミニウム酸窒化物が、吸収分光ガス測定のための測定デバイスにおいて、具体的にはTDLASにおいて、反射要素として有利に使用できることを示した。この点において、アルミニウム酸窒化物は、広波長域の範囲においてレーザビームに対して透明であり、レーザビームはアルミニウム酸窒化物によって反射させることができる。この点において、アルミニウム酸窒化物は、約0.3μmから約5.2μmまでの波長範囲において透明であり、したがって、具体的には中赤外波長域の範囲においても透明であり、具体的には3μm超でも透明である。
【0017】
しかしながら、具体的には、スピネル、多結晶酸化アルミニウム、およびアルミニウム酸窒化物は複屈折ではなく、そのため、レーザビームは、スピネル、多結晶酸化アルミニウム、およびアルミニウム酸窒化物の各々によって反射されるとき、いくつかのビームへと分裂されないため、レーザビームはこれらの物質によって特に有利に反射させることができる。さらに、スピネル、多結晶酸化アルミニウム、およびアルミニウム酸窒化物は、攻撃性の気体および高い温度に対して特に耐性がある。最後に、スピネル、多結晶酸化アルミニウム、およびアルミニウム酸窒化物は、洗浄するのが容易であり、また、加工するのが容易であるため、具体的にはサファイヤより容易であるため、経済的に有利に提供でき、低いコストで提供でき、具体的にはサファイヤより低いコストで提供できる。しかしながら、これらの物質を、吸収分光ガス測定のための測定デバイスにおいて、具体的にはTDLASにおいて、反射要素として使用することの利点は、これらの物質が、後でより詳細に説明されているように、具体的には反射防止被覆(AR被覆)で、非常に良好に被覆できることである。
【0018】
スピネル、多結晶酸化アルミニウム、およびアルミニウム酸窒化物は、先に記載されているように、吸収分光ガス測定のための測定デバイスにおいて、具体的にはTDLASにおいて、反射要素として等しく有利であるが、スピネルが本発明によるこのような反射要素として特に好ましく、それは、スピネルが、伝達、反射、抵抗、清浄性、被覆性、およびコストの観点において最良の特性を有するためである。
【0019】
好ましい実施形態によれば、反射要素は被覆を有する。特に好ましい実施形態では、反射要素は反射防止被覆(AR被覆)を有する。代替として、または累積的に、反射要素は傷防止被覆または熱遮蔽被覆を有してもよい。
【0020】
好ましい実施形態によれば、反射要素は、以下の群、すなわち、Al/SiO、TiO/Al、TiO/SiO、Ta、またはMgFから選択される被覆を有する。本発明によれば、上記の物質または物質の混合物の各々が、反射要素のための傷防止および温度保護も形成するAR被覆を提供するために使用できることが見出された。本発明によれば、反射要素は、特に好ましくはTa(五酸化タンタル)の被覆を有する。本発明によれば、Taで反射要素を被覆することによって、約3,425~3,650nmの波長範囲での反射が0.05%未満まで低減できることが、驚くべきことに見出された。
【0021】
反射要素を、被覆で被覆するために、具体的には、上記の物質または物質の混合物のうちの1つの被覆で被覆するために、例えば化学蒸着(CVD)または物理蒸着(PVD)といった、被覆を適用するための最先端の技術から知られている技術が使用できる。
【0022】
特に好ましい実施形態によれば、反射要素は再帰反射体である。知られているように、再帰反射体(トリプルプリズムとしても知られている)は、デバイスの向きに対する入射の方向に拘わらず、入射する電磁波、具体的には光またはレーザビームが、それらの来る方向において大きく反射されるデバイスである。再帰反射体としての反射要素の設計は、反射要素によって反射されるレーザビームが検出要素へと特に容易かつ効率的に反射させることができるという具体的な利点も有する。
【0023】
好ましい実施形態によれば、反射要素は、放射デバイスによって発生させられたレーザビームが反射要素へと導入され得るのに介される入射面を有し、入射面は、第1の光学軸に対して、90°に等しくない角度で位置合わせされる平坦面として設計される。第1の光学軸への入射面のこのような傾斜は、入射面において反射したレーザビームのあらゆる放射成分が、入射するレーザビームの方向において反射されず、そのため入射するレーザビームとの干渉が回避できるという具体的な利点も有する。好ましい実施形態によれば、垂線が、第1の光学軸に対して、0°超から5°までの範囲の角度で入射面に位置合わせされ、より好ましくは、1~5°の範囲での角度で位置合わせされ、特に好ましくは、3°の角度で位置合わせされる。
【0024】
好ましくは、本発明による測定デバイスの放射デバイスは、レーザダイオードであり、特に好ましくは波長可変レーザダイオードである。好ましい実施形態によれば、レーザダイオードは、レーザダイオードの形態で使用され、具体的には、以下の群、すなわち、インターバンドカスケードレーザ、量子カスケードレーザから選択される波長可変レーザダイオードの形態で使用される。
【0025】
ICL(インターバンドカスケードレーザ)としても知られるインターバンドカスケードレーザは、約2.8μmから約5.8μmまでの範囲での波長を放出するためのレーザダイオードである。
【0026】
QKLまたはQCL(量子カスケードレーザ)としても知られる量子カスケードレーザは、約3.5μmから少なくとも約14μmまでの範囲での波長を放出するためのレーザダイオードである。
【0027】
インターバンドカスケードレーザと量子カスケードレーザとは、上記で説明されているように、本発明による測定デバイスにおけるレーザとして等しく有利であるが、インターバンドカスケードレーザは、本発明によるレーザとして特に好ましく使用される。
【0028】
好ましくは、放射デバイス、具体的には波長可変レーザダイオードは、2.0μmから5.0μmまで波長可変なレーザダイオードである。
【0029】
本発明によれば、この波長範囲に対して波長可変なレーザダイオードが、スピネル、多結晶酸化アルミニウム、またはアルミニウム酸窒化物の形態での反射要素と特に有利に相互作用することが見出されており、これは、それらの物質が、この波長範囲におけるレーザビームに対して光学的に透明であり、特にこの波長範囲において、レーザビームを特に有利に反射させるためである。
【0030】
原則として、検出要素は、レーザビームを検出するための、先行技術から知られているあらゆる検出要素の形態を取ることができる。好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの検出要素が少なくとも1つの光検知器を備える。知られているように、光検知器は、光電効果を用いて錨を電気信号へと変換する電子部品、または、入射する放射に依存する電気抵抗を示す電子部品である。特に好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの検出要素は、フォトダイオードの形態での少なくとも1つの光検知器を備える。
【0031】
検出要素によって検出されたレーザビームは検出要素によって電気信号へと変換でき、次に、電気信号は、気体測定についての知られている方法に従って評価される。測定される気体の濃度を測定するために、検出要素によって検出されるレーザビームは、気体濃度を決定するために、例えばランベルト-ベールの法則を使用して、評価することができる。好ましくは、評価は評価電子機器を用いて行われる。評価電子機器は、本発明による測定デバイスの構成要素であり得る、または、別体の評価電子機器の形態で存在することもできる。このような評価電子機器は、TDLASに知られている評価電子機器に従って存在することができる。
【0032】
好ましい実施形態によれば、放射デバイスによって発生させられたレーザビームが、気体混合物を通って、第1の光学軸の一区域に沿って案内されることが可能である。第1の光学軸のこの区域に沿って、レーザビームは、気体混合物において測定される気体と相互作用することができる、または、レーザビームの放射強度は、この区域における気体による吸収のため、低減させられ得る。本発明のこの考えのさらなる発展によれば、放射デバイスによって発生させられたレーザビームは、第2の光学軸の一区域に沿って、気体混合物を通って案内させることもできる、または、反射要素によって反射されたレーザビームは、第2の光学軸の一区域に沿って、気体混合物を通って案内されることが可能である。決定される気体による吸収のため、レーザビームの放射強度は、第2の光学軸の一区域に沿う気体混合物を通じた第2の通過の間にさらに低減させられる。放射強度におけるこのより大きな低減は、少なくとも1つの検出デバイスによっていっそうはっきりと検出することができ、そのため、気体測定はいっそうと確実に測定および評価することができる。
【0033】
好ましい実施形態によれば、本発明による測定デバイスはプローブを備え、第1の光学軸の一区域はプローブにおいて延びる。本発明の概念のさらなる展開によれば、第2の光学軸の一区域もプローブにおいて延びる。具体的には、プローブは、気体混合物へと導入され得るような方法で設計され得る。プローブを気体混合物へと導入することで、放射デバイスによって発生させられたレーザビームは、第1の光学軸および第2の光学軸の区域に沿って、気体混合物を通って案内されることが可能である。
【0034】
好ましい実施形態によれば、本発明による測定デバイスは、パージガスを施すためのデバイスをさらに備え、そのデバイスを用いて、反射要素、または、スピネル、多結晶酸化アルミニウム、もしくはアルミニウム酸窒化物はパージガスで包囲させることができる。これは、反射要素を気体混合物における攻撃性の気体から保護させることができる。
【0035】
さらに、本発明による測定デバイスは、TDLASについての先行技術から知られている任意の他の構成要素を備えることができる。具体的には、本発明による測定デバイスは、例えば、放射デバイスによって発生させられたレーザビームが光学的に成形され得る伝搬光学系、つまり、1つまたは複数のレンズおよび/または鏡を有することができる。さらに、測定デバイスは、例えば、反射要素によって反射されたレーザビームが少なくとも1つの検出要素に当たる前に成形され得る受信光学系、つまり、1つまたは複数のレンズおよび/または鏡を有することができる。
【0036】
好ましくは、1つまたは複数の鏡が、伝搬光学系および受信光学系として使用され、特に好ましくはレンズが使用されず、特に好ましくは、具体的には、インターバンドカスケードレーザまたは量子カスケードレーザがレーザとして使用される。これは、このようなレーザが非常に敏感に反応する特定の量の反射をレンズが常に有するためである。このような反射は、受信光学系としての鏡を使用することで、低減され得る、または、実質的に完全に抑制され得る。
【0037】
吸収分光ガス測定のための測定デバイスにおいて、具体的には、波長可変レーザ(TDLAS)を使用するダイオードレーザ吸収分光法において、レーザビームが反射させることができる、以下の群、すなわち、スピネル、多結晶酸化アルミニウム、アルミニウム酸窒化物から選択される反射要素を使用することが、本発明の目的でもある。この使用は、スピネルが使用されるという条件で、先に記載されているように特に好ましい。
【0038】
実用的な使用において、本発明による測定デバイスは以下のように動作させることができる。
【0039】
放射デバイス、具体的には波長可変レーザダイオードは、具体的には2.0μmから5.0μmまでの波長範囲において、レーザビームを発生させる。発生させられたレーザビームは、必要な場合には光学伝搬部によるビーム成形の後、第1の光学軸に沿って反射要素へと案内され得る。この経路において、レーザビームは、好ましくは、第1の光学軸の一区域に沿って気体混合物を通って案内され、気体混合物は、決定される気体、具体的には、気体混合物における濃度が決定される気体を含む。レーザビームは反射要素によって反射される。スピネル、多結晶酸化アルミニウム、またはアルミニウム酸窒化物の形態での反射要素は好ましくは再帰反射体であり、反射要素は、反射防止被覆を好ましくは有し、反射要素の入射面は、第1の光学軸に対して斜めの角度で好ましくは向き付けられる。反射要素によって反射されたレーザビームは、第2の光学軸に沿って少なくとも1つの検出要素へと反射され、レーザビームは、受信光学系によって任意選択で成形され、少なくとも1つの検出要素、特に好ましくは、少なくとも1つの検出要素のフォトダイオードに衝突する。第2の光学軸に沿って、レーザビームは、再び区域に沿って気体混合物を通って好ましくは案内され、それによって、レーザビームは、気体混合物で測定される気体と再び相互作用し、それによって放射強度をさらに失う。少なくとも1つの検出要素、具体的にはフォトダイオードに衝突するレーザビームは、次に、少なくとも1つの検出要素によって検出され、具体的には、少なくとも1つの検出要素によって電気信号へと変換され、次に、電気信号は、好ましくは評価電子機器によって評価され、測定される気体が測定され、具体的には、気体混合物における測定される気体の濃度が決定される。
【0040】
本発明によれば、本発明による測定デバイスが、気体濃度を決定するために、具体的には、気体混合物における以下の気体のうちの少なくとも1つ、具体的には、C、C、C、CHO、CHCl、CH、CO、CO、CS、CS、H、HO、HS、HBr、HCl、HCN、HF、HI、HOCl、N、NO、NH、NO、NO、O、OCS、PH、SO、SOのうちの少なくとも1つの気体濃度を決定するために、有利に使用できることが、見出された。
【0041】
好ましくは、本発明による測定デバイスは、具体的には、気体混合物における以下の気体のうちの少なくとも1つ、具体的には、C、C、CHO、CO、NO、NO、SO、SOのうちの少なくとも1つの気体濃度を決定するために使用される。
【0042】
本発明による測定デバイスは、特に気体混合物において、ホルムアルデヒド(CHO)の気体濃度を決定するために、特に好ましく使用される。
【0043】
本発明の別の目的は、気体混合物における気体のホルムアルデヒドの濃度を決定するための、本発明による測定デバイスの使用である。
【0044】
本発明の別の目的は、吸収分光ガス測定のための方法であって、
本発明による測定デバイスの提供のステップと、
放射デバイスによるレーザビームの発生のステップと、
検出要素によるレーザビームの検出のステップと、
検出に基づいて、気体測定を行うステップと
を含む、吸収分光ガス測定のための方法である。
【0045】
レーザビームの発生、レーザビームの検出、および検出に基づいて、気体測定を行うことは、本明細書に記載されているように行うことができる。
【0046】
本発明のさらなる特徴は、特許請求の範囲、図、および図の関連する記載から見ることができる。
【0047】
本発明のすべての特徴は、個別にまたは組み合わせで、望まれるように互いと組み合わせることができる。
【0048】
本発明の1つの例示の実施形態が、図の以下の記載を参照して、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明による測定デバイスの例示の実施形態の概略図である。
図2】本発明による反射要素として使用されるスピネルの例示の実施形態の斜視図である。
図3】本発明による測定デバイスの別の例示の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、吸収分光ガス測定のための本発明による測定デバイスの実施形態を示している。その全体が符号1で印されている測定デバイスは、波長可変ダイオードレーザ吸収分光法(TDLAS)を行うように設計されている。測定デバイス1は、レーザダイオードの形態での放射デバイス2を備え、放射デバイス2によってレーザビームを発生させ得る。測定デバイス1は、放射デバイス2によって発生させられたレーザビームがスピネルの形態で反射され得る反射要素3も備える。最後に、測定デバイス1は、レーザビームがフォトダイオードの形態で検出され得る検出要素4を備える。放射デバイス2によって発生させられ得るレーザビームは、第1の光学軸5に沿って反射要素3へと案内されることが可能である。反射要素3によって発生させられたレーザビームは、第2の光学軸6に沿って検出要素4へと案内されることが可能である。
【0051】
スピネルまたは反射要素3は、再帰反射体またはトリプルプリズムとして設計され、PVDを用いて適用されるTaの反射防止被覆を有する。
【0052】
スピネルまたは反射要素3は、放射デバイス2によって発生させられたレーザビームがスピネル3へと方向付けられ得るのに介される入射面7を有し、それによって、入射面7は、垂線が第1の光学軸5に対して3°で位置合わせされる平坦面として設計される。
【0053】
レーザダイオード2は、(ここでは、ホルムアルデヒドである、測定される気体のために)3,627nmから3,633nmの波長にわたって調整され得るインターバンドカスケードレーザである。
【0054】
検出要素4は、検出要素4によって検出されたレーザビームが電気信号へと変換され得るフォトダイオードから成る。検出要素4は電子データ線8を介して電子評価ユニット9に連結され、電子評価ユニット9は、検出要素4によって発生させられる電気信号を評価することができる。例示の実施形態では、評価電子機器は、電子データ処理デバイスの形態である。
【0055】
測定デバイス1は、気体混合物における気体のホルムアルデヒド(CHO)の濃度を決定するように設計されている。
【0056】
測定デバイス1によって気体混合物におけるホルムアルデヒドの濃度を決定することができるようにするために、測定デバイス1はプローブを便宜上有し、プローブは、図3に示されているように、測定デバイス1の実用的な実施形態において実現される。放射デバイス2によって発生させられたレーザビームは、気体混合物を通って、第1の光学軸5の一区域に沿い、第2の光学軸6の一区域に沿って案内でき、第1の光学軸5の一区域および第2の光学軸6の一区域の各々はプローブにおいて延びている。
【0057】
実用的な使用において、測定デバイス1は、気体混合物におけるホルムアルデヒドの濃度を決定するために、以下のように使用される。
【0058】
測定デバイス1は、第1の光学軸5の一区域と第2の光学軸6の一区域とが、ホルムアルデヒドの濃度が決定されることになる気体混合物を通って延びるような方法で、初めに配置される。レーザビームが放射デバイス2によって発生させられ、レーザビームは、初めに第1の光学軸5に沿って反射要素またはスピネル3へと方向付けられ、入射面7を介して反射要素へと導入され、反射要素3によって反射される。反射要素3におけるレーザビームの経路は破線によって指示されている。反射したレーザビームは、次に、第2の光学軸6に沿って検出要素4へと案内され、検出要素4において検出され、電気信号へと変換され、この電気信号は、電子データ線8を介して評価電子機器9へと送信される。放射デバイス2によって発生させられたレーザビームは所定の波長範囲で定期的に変調され、それによって、この波長範囲は、ホルムアルデヒドの少なくとも1つの吸収帯を含む。これは、気体混合物を通過するため、レーザビームの放射強度を低減する。レーザビームの放射強度におけるこの低減は検出要素4によって検出され、気体混合物におけるホルムアルデヒドの濃度が、この検出に基づいて、評価電子機器9によって決定される。
【0059】
スピネルを反射要素3として使用することで、気体混合物におけるホルムアルデヒドの濃度のこの決定は特に確実に行うことができる。これは、スピネルがレーザビームを分裂させず、高温で攻撃的な気体混合物に対して耐性があると分かっているためでもある。さらに、スピネルは、必要な波長について透明であると分かっている。スピネルは再帰反射体として設計されてもいるため、スピネルに入ったレーザビームは、レーザビームが第1の光学軸5に沿ってスピネルに入った方向に、またはその方向と平行に反射される。
【0060】
さらに、第1の光学軸5に対する入射面7の傾斜が、スピネルへと導入されたレーザビームの、入射面7において反射されたレーザビームの放射成分との干渉を防止することができる。この点において、入射面7において反射されたレーザビームのあらゆる放射成分は、矢印10によって指示されているように、入射するレーザビームの方向には反射されず、入射面7に対して斜めに反射される。
【0061】
図1において概略的にのみ示されている反射要素3のスピネルは、図2におけるそれぞれの図においてより詳細に示されている。図2は、反射要素3が再帰反射体またはトリプルプリズムとして設計されていることを明確に示している。反射要素3におけるビーム経路が図2において矢印で示されており、それによって、レーザビームは初めに第1の光学軸5に沿って反射要素3へと導入され、反射要素3において、レーザビームは3回反射され、次に第2の光学軸6に沿って反射要素3を出て行く。
【0062】
図3は、図1および図2による測定デバイスを、実用的な実施形態の例において示している。
【0063】
図3に示されている実施形態の例では、同一の要素または同様に作用する要素は、図1および図2と同じ符号で印されている。
【0064】
図3に示されている実施形態では、測定デバイス1は放物面鏡の形態での伝搬光学系11も有し、それを通じて、放射デバイス2によって発生させられたレーザビームは成形され得る。さらに、測定デバイス1は放物面鏡の形態での受信光学系12を有し、それを通じて、反射要素3によって反射されたレーザビームは、検出要素4に届く前に成形され得る。
【0065】
図3に示されているような測定デバイス1は、放射デバイス2、伝搬光学系11、反射要素3、受信光学系12、検出要素4、および評価電子機器9が配置される鋼鉄筐体13を有する。さらに、測定デバイス1はフランジ14を有し、フランジ14を介して、測定デバイス1はデバイス(図示されていない)に取り付けることができる。具体的には、このデバイスは、測定デバイス1によって測定される気体を伴う気体混合物を含む。
【0066】
図3による測定デバイス1は、分析される気体混合物へと挿入させることができるプローブ15も備える。プローブ15は、測定デバイス1がフランジ14を介してデバイスに取り付けられるときに気体混合物へと挿入することができるように、適切に設計される。プローブ15は、プロセスウインドの形態での細長い開口16を有する。
【0067】
第1の光学軸5の一区域および第2の光学軸6の一区域がプローブ15を通じて延びており、それによって、これらの区域に沿って進むレーザビームは、プローブ15の開口16を介してプローブ15へと進入する気体混合物によって、気体混合物を通って案内されることが可能である。
【0068】
放射デバイス2、伝搬光学系11、受信光学系12、検出要素4、および評価電子機器9は、測定デバイスの特別に保護された筐体17に配置される。筐体17は、放射デバイス2によって発生させられたレーザビームに対して透明であるガラス窓18、19によって、プローブ15から遮蔽されている。
【0069】
図3による測定デバイス1は、パージガスを放出するためのデバイス(図示されていない)も有し、そのデバイスを用いて、反射要素3はパージガスで洗い流されることが可能である。
【0070】
実用的な仕様では、図3に示されている測定デバイス1は次のように使用される。放射デバイス2によって発生させられたレーザビームが、伝搬光学系11によって成形および屈折させられ、第1の光学軸5に沿って、2つのガラス窓18、19を通って反射要素3へと伝搬させられる。レーザビームは、反射要素3によって反射され、第2の光学軸6に沿って、2つのガラス窓18、19を通って検出要素4へと伝搬させられる。検出要素4において到達する前、レーザビームは受信光学系12によって成形および屈折させられる。レーザビームは検出要素4によって検出され、過程において発生させられた電気信号は評価電子機器9へと送信される。評価電子機器は、検出要素4の検出に基づいて、気体測定を実施する。
【0071】
プローブ15を通過する第1の光学軸5の一区域および第2の光学軸6の一区域において、レーザビームは、分析される気体混合物を通って案内され、それによって、先に説明されているように、ホルムアルデヒドとの相互作用によって、レーザビームの信号強度が低下する。レーザビームの信号強度におけるこの低下に基づいて、気体混合物におけるホルムアルデヒドの濃度が、先に説明されているように決定される。
【符号の説明】
【0072】
1 測定デバイス
2 放射デバイス、レーザダイオード
3 反射要素、スピネル
4 検出要素
5 第1の光学軸
6 第2の光学軸
7 入射面
8 電子データ線
9 電子評価ユニット、評価電子機器
11 伝搬光学系
12 受信光学系
13 鋼鉄筐体
14 フランジ
15 プローブ
16 開口
17 筐体
18、19 ガラス窓
図1
図2
図3
【国際調査報告】