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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】調理機器
(51)【国際特許分類】
   A21B 5/02 20060101AFI20241029BHJP
   A47J 37/06 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
A21B5/02
A47J37/06 306
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547798
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 AU2022051261
(87)【国際公開番号】W WO2023064989
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】2021903381
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524217609
【氏名又は名称】スマオインテ ヌア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】シマンスキー,マレク
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA03
4B040AA08
4B040AB04
4B040AB09
4B040AC04
4B040AD04
4B040AE20
4B040CA05
4B040CA13
4B040EB06
4B040EB14
4B040ED10
4B040LA01
4B040LA02
4B040LA11
4B040LA12
(57)【要約】
調理機器(10)は、第1の調理プレート(16)、及び第2の調理プレート(18)、ならびに生地分配機構(20)を備える。第1の調理プレート(16)及び第2の調理プレート(18)は、それらのプレートの閉位置で、第1の調理プレート(16)と第2の調理プレート(18)との間にキャビティ(32)を一緒に形成し、その閉位置では、第1の調理プレート(16)及び第2の調理プレート(18)は垂直配向で互いに面する。キャビティ(32)用の上側入口(33)は、生地(40)をキャビティ(32)の中で受けるために、第1の調理プレート(16)及び第2の調理プレート(18)によって形成される。生地(40)は、分配機構(20)によって入口(33)の中に注がれる。調理プレート(16)及び(18)を加熱して、生地(40)を調理し、調理されるとき、第1の調理プレート(16)は、調理済み製品(100)とともに、開放水平位置に移動する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理機器であって、
食品形成側をそれぞれ有する第1の調理プレート及び第2の調理プレートであって、
前記食品形成側が互いに離れて配置されている開位置と、
前記食品形成側が互いに隣接かつ面して配置され、前記第1の調理プレートと前記第2の調理プレートとの間に調理キャビティを形成する、閉位置であって、前記第1の調理プレート及び前記第2の調理プレートは、前記閉位置で略垂直であり、前記調理キャビティ用の上側入口を画定する、閉位置と、
の間で構成可能である、第1の調理プレート及び第2の調理プレートと、
前記第1の調理プレート及び前記第2の調理プレートを加熱するための加熱手段と、
液体ベース食品を前記調理キャビティに前記上側入口を介して分配するための液体分配機構と、
を備える、調理機器。
【請求項2】
前記第1の調理プレート及び前記第2の調理プレートの各食品形成側は上部に浅いキャビティを形成する隆起周辺エッジを備え、前記第1の調理プレート及び前記第2の調理プレートの前記周辺エッジは互いにシールされ、前記閉位置で前記調理キャビティを形成する、請求項1に記載の調理機器。
【請求項3】
前記調理キャビティ用の前記上側入口は、前記第1の調理プレート及び前記第2の調理プレートの遠位部で、成形された半漏斗構造によって形成される、請求項1に記載の調理機器。
【請求項4】
前記加熱手段は、前記第1の調理プレート及び前記第2の調理プレートが各々取り付けられる、第1の加熱プレート及び第2の加熱プレートを備える、請求項1に記載の調理機器。
【請求項5】
各加熱プレートは、前記各々の調理プレートに係合するための内面と、前記内面を加熱するための組み込み式加熱素子とを備える、請求項4に記載の調理機器。
【請求項6】
前記第1の加熱プレート及び前記第2の加熱プレートは、それぞれ、取り外し可能に前記各々の調理プレートを上部に取り付けるための取付機構を備える、請求項4に記載の調理機器。
【請求項7】
前記第1の調理プレート及び前記第2の調理プレートはそれぞれ前記食品形成側の反対にある接続側を有し、前記接続側は分離した取付ポストを有し、各加熱プレートは、前記アパーチャを通して前記各々の調理プレートの前記取付ポストを受ける分離したアパーチャを備え、前記取付機構は前記取付ポストとロック可能である保持クリップを備える、請求項6に記載の調理機器。
【請求項8】
前記取付ポストはそれぞれ側面凹部を含み、加熱プレートのそれぞれに対する前記取付機構は前記加熱プレートの前記外面に回転可能プレートを備え、前記回転可能プレートは、前記各々のポストが延在する取付ポストのそれぞれに各々の湾曲細長スロットを有し、付勢した保持バネクリップは各細長スロットを横断して配置され、前記回転可能プレートは、ロック解除位置と、ロック位置との間で移動可能であり、前記ロック位置において、前記各々の保持クリップが前記各々の取付ポストの前記側面凹部に係合する、請求項7に記載の調理機器。
【請求項9】
各クリップは、前方保持バーと、前記回転可能プレートに旋回可能に搭載される後部とを備え、それにより、前記保持バーは、前記回転可能プレートの近くにある係脱位置から、前記取付ポストの前記側面凹部における係合位置に移動できる、請求項8に記載の調理機器。
【請求項10】
前記保持バーは前記各々の取付ポストの前記側面凹部に面するように配置され、前記回転可能プレートが前記ロック解除位置から回転するとき、前記保持クリップの前記保持バーが前記側面凹部の中に引っ掛かり、前記回転可能プレートの回転が継続すると、前記クリップは、前記回転可能プレートに対して垂直位置で最大圧縮まで圧縮され、次に、前記回転可能プレートがさらに回転して、前記クリップは前記回転可能プレートに対する前記垂直位置を過ぎると、前記クリップは元に戻り、前記回転可能プレートの前記ロック位置である前記各々の側面凹部の位置でロックされる、請求項9に記載の調理機器。
【請求項11】
前記保持クリップは、外向力を前記取付ポストに働かせて、効率的な熱伝達のために、バネが前記調理プレートを前記各々の加熱プレートに付勢する、請求項10に記載の調理機器。
【請求項12】
前記加熱プレートは固定式ハンドルタブを含み、前記回転可能プレートは、前記固定式タブの間に配置される運動ハンドルタブを含み、前記回転可能プレートの前記回転ロック解除位置と前記回転ロック位置との間で前記回転可能プレートの回転を補助する、請求項10に記載の調理機器。
【請求項13】
前記第2の加熱プレートは前記垂直位置に固定して保持され、前記第1の加熱プレートは、開放略水平位置と閉鎖垂直位置との間で旋回可能に移動可能である、請求項4に記載の調理機器。
【請求項14】
前記第1の調理プレート及び前記第2の調理プレートが搭載されるはかりをさらに備え、前記キャビティ内の液体ベース食品の必要量は、リアルタイムで動的に前記はかりによって測定される、請求項13に記載の調理機器。
【請求項15】
前記はかりを有する下部スタンドと、ポストを介して前記下部スタンドの上で垂直に分離された上側スタンドとをさらに備え、前記液体分配機構は前記上側スタンドに配置される、請求項14に記載の調理機器。
【請求項16】
前記液体分配機構は、前記液体ベース食品を内部に有するバッグを受けるための台を備え、前記バッグの出口ノズルは前記分配機構の出口に向けられ、前記液体分配機構は、前記液体ベース食品を前記上側入口の中に押し出すために、前記バッグに係合するローラーを備える、請求項15に記載の調理機器。
【請求項17】
前記調理プロセスはタイマーを用いて時間が測定され、完成したとき、前記第1の調理プレートは、前記調理された食料品とともに、前記開位置に移動する、請求項13に記載の調理機器。
【請求項18】
前記調理機器は、さらに、分配されている前記液体ベース食品の流れを検出する光学センサーと、要求に応じて、分配速度を変える制御プロセッサとを含む、請求項14に記載の調理機器。
【請求項19】
はかりは、前記生地とともに前記バッグを受けるための前記台の下に搭載され、生地が前記バッグから取り出される量を測定する、請求項16に記載の調理機器。
【請求項20】
充填されているときに前記調理キャビティの液体レベルをチェックする近接光学センサーをさらに含む、請求項1に記載の調理機器。
【請求項21】
前記第1の調理プレートまたは前記第2の調理プレートの1つは、他の調理プレートよりも高い調理温度を有する、請求項1に記載の調理機器。
【請求項22】
前記第1の調理プレートまたは前記第2の調理プレートの1つは、他の調理プレートよりもより小さい調理表面積を有する、請求項1に記載の調理機器。
【請求項23】
前記加熱手段によって前記各々の調理プレートに提供された熱は、各々、調整可能である、請求項1に記載の調理機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生地ベース食品を調理するための自動調理機器及び方法に関する。本発明は、主に、ワッフル及びパンケーキ等の生地ベース食品を調理することを対象としているが、この使用に限定されない。
【背景技術】
【0002】
ワッフルを調理するための現在の機械は、通常、下部水平調理プレートにヒンジで取り付けられた上側調理プレートを含む。調理プレートは、両方とも、形成されるワッフルの各々の側を形成するために、キャビティ形成部を有し、それと一緒に、ワッフルを成形する生地に対する閉位置で調理プレートの間にキャビティを形成する。プレートの開位置では、生地は下部調理プレートの上に注がれ、上側調理プレートは、下部調理プレートに面するために下降する。(以前は)生地が上側プレートにキャビティを充填するように、プレートが裏返されるのが一般的であった。現在の方法は、手動であり、(命令に従わない場合)ユーザーにとって複雑で、乱雑であり、多くの場合、生地のこぼれ及び無駄使い、一貫性がない調理、非衛生をもたらし、高温のホットプレートに曝されることによる燃焼事故のリスクに、オペレーターが曝される。
【0003】
また、調理表面は焦げ付き防止にするべきである。1つのオプションとして、鋳鉄が挙げられるが、メンテナンスが高価で、追加の油または油脂を使用し、入念かつ頻繁な洗浄が必要になる。別のオプションとして、テフロン(登録商標)のような焦げ付き防止コーティングの使用が挙げられる。このタイプのコーティングは、比較的早い摩耗及び損耗を受けやすい。そのような多くのデバイスでは、調理プレートは交換できないため、デバイス全体が使用不可能な状態になる。他の場合、プレートを交換できるが、プロセスは、多くの場合、扱いにくく、複雑であり、ツール及び詳細な命令が必要になる。
【0004】
豪州、またはいずれかの他の国では、いずれかの先行技術の情報が本明細書で参照される場合、そのような参照は、その情報が当技術分野で共通一般知識の一部を形成することを認めるものではないことを理解されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】豪国特許出願公開第2008247299号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、先行技術の欠陥の少なくとも一部を克服する、もしくは実質的に向上させようとしている、または、少なくとも代替案を提供しようとしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によると、本発明は調理機器を提供し、調理機器は、
食品形成側をそれぞれ有する第1の調理プレート及び第2の調理プレートであって、
食品形成側が互いに離れて配置されている開位置と、
食品形成側が互いに隣接かつ面して配置され、第1の調理プレートと第2の調理プレートとの間に調理キャビティを形成する、閉位置であって、第1の調理プレート及び第2の調理プレートは、閉位置で略垂直であり、調理キャビティ用の上側入口を画定する、閉位置と、
の間で構成可能である、第1の調理プレート及び第2の調理プレートと、
第1の調理プレート及び第2の調理プレートを加熱するための加熱手段と、
液体ベース食品を調理キャビティに上側入口を介して分配するための液体分配機構と、
を備える。
【0008】
一実施形態では、第1の調理プレート及び第2の調理プレートの各食品形成側は上部に浅いキャビティを形成する隆起周辺エッジを備え、第1の調理プレート及び第2の調理プレートの周辺エッジは互いにシールされ、閉位置で調理キャビティを形成する。
【0009】
別の実施形態では、調理キャビティ用の上側入口は、第1の調理プレート及び第2の調理プレートの遠位部で、成形された半漏斗構造によって形成される。
【0010】
別の実施形態では、加熱手段は、第1の調理プレート及び第2の調理プレートが各々取り付けられる、第1の加熱プレート及び第2の加熱プレートを備える。
【0011】
別の実施形態では、各加熱プレートは、その各々の調理プレートに係合するための内面と、内面を加熱するための組み込み式加熱素子とを含む。
【0012】
別の実施形態では、第1の加熱プレート及び第2の加熱プレートは、それぞれ、取り外し可能に各々の調理プレートを上部に取り付けるための取付機構を備える。
【0013】
別の実施形態では、第1の調理プレート及び第2の調理プレートはそれぞれ食品形成側の反対にある接続側を有し、接続側は分離した取付ポストを有し、各加熱プレートは、アパーチャを通して各々の調理プレートの取付ポストを受ける分離したアパーチャを備え、取付機構は取付ポストとロック可能である保持クリップを備える。
【0014】
別の実施形態では、取付ポストはそれぞれ側面凹部を含み、加熱プレートのそれぞれに対する取付機構は加熱プレートの外面に回転可能プレートを備え、回転可能プレートは、各々のポストが延在する取付ポストのそれぞれに各々の湾曲細長スロットを有し、付勢した保持バネクリップは各細長スロットを横断して配置され、回転可能プレートは、ロック解除位置と、ロック位置との間で移動可能であり、ロック位置において、各々の保持クリップが各々の取付ポストの側面凹部に係合する。
【0015】
別の実施形態では、各クリップは、前方保持バーと、回転可能プレートに旋回可能に搭載される後部とを備え、それにより、保持バーは、回転可能プレートの近くにある係脱位置から、取付ポストの側面凹部における係合位置に移動できる。
【0016】
別の実施形態では、保持バーは各々の取付ポストの側面凹部に面するように配置され、回転可能プレートがロック解除位置から回転するとき、保持クリップの保持バーが側面凹部に引っ掛かり、回転可能プレートの回転が継続すると、クリップは、回転可能プレートに対して垂直位置で最大圧縮まで圧縮され、次に、回転可能プレートがさらに回転して、クリップは回転可能プレートに対する垂直位置を過ぎると、クリップは元に戻り、その位置で、回転可能プレートのロック位置である各々の側面凹部にロックされる。
【0017】
別の実施形態では、保持クリップは、外向力を取付ポストに働かせて、バネが調理プレートを各々の加熱プレートに付勢する。
【0018】
別の実施形態では、加熱プレートは固定式ハンドルタブを含み、回転可能プレートは、固定式タブの間に配置される運動ハンドルタブを含み、回転可能プレートの回転ロック解除位置と回転ロック位置との間で回転可能プレートの回転を補助する。
【0019】
別の実施形態では、第2の加熱プレートは垂直位置に固定して保持され、第1の加熱プレートは、開放略水平位置と閉鎖垂直位置との間で旋回可能に移動可能である。
【0020】
別の実施形態では、調理機器はさらに第1の調理プレート及び第2の調理プレートが搭載されるはかりを備え、キャビティ内の液体ベース食品の必要量は、はかりで測定された重量によって測定される。
【0021】
別の実施形態では、調理機器は、さらに、はかりを有する下部スタンドと、ポストを介して下部スタンドの上で垂直に分離された上側スタンドとを備え、液体分配機構は上側スタンドに配置される。
【0022】
別の実施形態では、液体分配機構は、液体ベース食品を内部に有するバッグを受けるための台を備え、バッグの出口ノズルは分配機構の出口に向けられ、液体分配機構は、液体ベース食品を上側入口の中に押し出すために、バッグに係合するローラーを備える。
【0023】
別の実施形態では、調理プロセスはタイマーを用いて時間が測定され、完成したとき、第1の調理プレートは、調理された食料品とともに、その開位置に移動する。
【0024】
別の実施形態では、調理機器は、さらに、分配されている液体ベース食品の流れを検出する光学センサーを含み、制御プロセッサは、要求に応じて、分配速度を変えることができる。
【0025】
別の実施形態では、はかりは、生地とともにバッグを受けるための台の下に搭載され、生地がバッグから取り出される量を測定する。
【0026】
別の実施形態では、調理機器は、さらに、充填されているときに調理キャビティの液体レベルをチェックする近接光学センサーを含む。
【0027】
別の実施形態では、第1の調理プレートまたは第2の調理プレートの1つは、他の調理プレートよりも高い調理温度を有する。
【0028】
別の実施形態では、第1の調理プレートまたは第2の調理プレートの1つは、他の調理プレートよりもより小さい調理表面積を有する。
【0029】
別の実施形態では、加熱手段によって各々の調理プレートに提供された熱は、各々、調整可能である。
【0030】
また、本発明の他の態様も開示されている。
【0031】
本発明の範囲内に含まれ得る任意の他の形態にもかかわらず、ここで、本発明の好ましい実施形態は、添付図を参照して、例だけとして説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】第1の調理プレートが開位置にある、本発明の好ましい実施形態による調理機器の左側斜視図である。
図2】ポスト及び生地分配機構が例示の目的のために省略されている、調理機器の左側斜視図である。
図3図2と同様の調理機器の右側斜視図である。
図4】調理機器の他の部分が例示の目的のために省略されている、調理機器の右側斜視図である。
図5】加熱プレートの特徴を示すために第2の調理プレートが加熱プレートから取り外されている、右側斜視図である。
図6】加熱プレートを示す図5の構成の後面斜視図である。
図7】調理機器用の生地分配機構を示す左側斜視図である。
図8】開放略水平位置から閉鎖垂直位置に向かって移動している、第1の調理プレートを示す側面図である。
図9】第1の調理プレートと第2の調理プレートとの間にキャビティ形成部を画定するとともに、垂直な第2の調理プレートと一緒に閉鎖垂直位置で第1の調理プレートを示す側面図である。
図10】第1の調理プレート及び第2の調理プレートのキャビティ形成部に分配されている生地を調理位置に示す側面図である。
図11】第1の調理プレートと第2の調理プレートとの間の生地の調理を示す側面図である。
図12】形成されたワッフルを取り出すために開放水平位置に移動した第1のプレートを示す側面斜視図である。
図13】調理プレートのうちの1つのチャネル形成部を示す側面斜視図である。
図14(a)】マウンティングポストを伴う調理プレートの後側を示す分解図である。
図14(b)】調理プレート用の取り外し可能マウント手段を伴う加熱プレートの後側を示す分解図である。
図14(c)】加熱プレートアパーチャへのマウンティングポストの調節を示す後面斜視図である。
図14(d)】加熱プレートアパーチャへのマウンティングポストの整列状態を示す前面斜視図である。
図15】加熱プレートのアパーチャへのマウンティングポストの挿入を示す後面斜視図である。
図16】加熱プレートに対するロック位置で、調理プレートのマウンティングポストを示す後面斜視図である。
図17】ドアが開位置にある、調理機器用のサイドカバーパネル及び前方アクセスドアを示す前方斜視図である。
図18】閉位置にあるドアを示す前方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の説明では、異なる実施形態における同様のまたは同じ符号は、同じまたは同様の特徴を示すことを留意されたい。
【0034】
図1図6は、本発明の好ましい実施形態による、調理機器10を示す。調理機器10は、はかり14を有する下部スタンド12と、下部スタンド12に配置された第1の調理プレート16及び第2の調理プレート18と、ポスト15を介して下部スタンド12の上にある垂直に分離された上側スタンド13と、使用中に調理プレート16及び18の中に生地を分配するための上側スタンド13にある生地分配機構20とを備える。
【0035】
第1の調理プレート16及び第2の調理プレート18は、下部スタンド12の上に配置され、はかり14に接続され、生地分配機構20は、第1の調理プレート16及び第2の調理プレート18の上に、上側スタンド13によって保持される。
【0036】
図7図9を簡潔に参照すると、第1の調理プレート16及び第2の調理プレート18は、それらのプレートの閉位置で、第1の調理プレート16と第2の調理プレート18との間にキャビティ32を一緒に形成し、その閉位置では、第1の調理プレート16及び第2の調理プレート18は垂直配向で互いに面する。キャビティ32用の上側入口33は、生地40をキャビティ32の中で受けるために、第1の調理プレート16及び第2の調理プレート18によって形成される。生地40(図10参照)は、分配機構20によって入口33に注がれ、キャビティ32の中の生地の必要量は、はかり14によって測定される。調理プレート16及び18を加熱して、入口33を介して逃げる生地40を蒸気101(図11)で調理し、調理済み生地はワッフル100(図12)に形成され、そして、調理されるとき(タイマーを用いて時間が測定され、または温度分散が検出され)、第1の調理プレート16は、調理済みのワッフル製品100とともに、開放水平位置(図12)に移動する。ここで、調理機器10の各構成要素に関するさらなる詳細を説明する。
【0037】
図2及び図3を参照すると、示される例では、第1の調理プレート16及び第2の調理プレート18は両方とも、例では、略ディスク形であり、互いに略鏡像である。しかしながら、調理プレートは、いずれかの他の形状で、例えば、四角形、楕円、または特殊な文字の形状で形成できる。また、調理プレートは、異なる形成パターン、例えば、1つの調理プレート上に溝と、他の調理プレート上に平坦形状とを有し得る。
【0038】
図13及び図14を参照すると、調理プレート16/18のそれぞれは、形成側34及び反対接続側36(図14)を有する。調理プレート16及び18は両方とも、熱伝導性(例では金属)であり、各々の加熱プレート60(図3及び図14)に取り外し可能に接続される。調理プレート16及び18のそれぞれの形成側34は、形成されるワッフルの各々の側を形成するための形成部38を有する。本実施形態では、形成部38は、ワッフルの典型的な面形状であるグリッドキャビティの形状である。調理機器10では、調理プレート16及び18が提供され、調理プレート16及び18は、それらの各々の加熱プレート60から容易に取り外し可能であり、異なる面形状を伴うワッフル、またはパンケーキ、オムレツ及び他の食品等の他の生地ベース製品を形成するための異なる形成部38を伴う他の調理プレートと交換可能である。容易に交換可能である調理プレート16及び18は、必要に応じて、例えば、その焦げ付き防止の表面が損傷される場合、またはユーザーが異なる形成パターンでプレートを使用することを望む場合、容易に洗浄及び交換することが可能である。
【0039】
調理プレート16及び18のそれぞれの形成側34は、形成部38から隆起周辺エッジ42を有し、その上に浅いキャビティを形成する。周辺エッジ42の遠位部は、半漏斗構造44に形成される。半漏斗構造44は、加熱プレート60のヒンジ接続点62の反対にある。閉位置では、第1の調理プレート16及び第2の調理プレート18の半漏斗構造44は、上側入口33を一緒に形成し、第1の調理プレート16及び第2の調理プレート18の周辺エッジ42は互いにシールされ、閉鎖された調理キャビティ32を形成する。キャビティ32は、調理及び形成される所望の食料品の形状及び体積を有し、上側入口33は生地40をキャビティ32の中に誘導する。
【0040】
図4図6を参照すると、調理機器10は、第1の加熱プレート60a及び第2の加熱プレート60bを備え、それらの加熱プレートでは、第1の調理プレート16及び第2の調理プレート18は、各々、取り外し可能に取り付け可能である。第1の加熱プレート60a及び第2の加熱プレート60bは、ピボット接続部62に互いに旋回可能に取り付けられている。示される実施形態では、第2の加熱プレート60bは垂直位置に固定して保持され、第1の加熱プレート60aは、図1図6に示される開放略水平位置と、図9図11に示される閉鎖垂直位置との間で旋回可能に移動可能である。好ましくは、第1の加熱プレート60aは、調理済み製品100をユーザーに提示するために、その完全な開位置でわずかに下方に傾斜する。
【0041】
図5及び図6に示されるように、加熱プレート60のそれぞれは、その各々の調理プレート16または18に係合するための加熱プレート60の内面65を加熱する内部に組み込まれた加熱素子64と、その対向外面67で取付機構70とを備える。加熱素子64は、平坦内面65を加熱するための加熱プレート60の内部に形成された成形溝内に配置される。内面65は平坦であり、各々の調理プレート16/18に係合して、十分に接触する。加熱プレート60のそれぞれは、さらに、分離したアパーチャ66(図14)を備え、アパーチャ66を通して、各々の調理プレート16/18の取付ポスト63を受ける。
【0042】
図14図16を参照すると、調理プレート16/18のそれぞれの接続側36は平坦であり、分離した取付ポスト63を含む。取付ポスト63は、それぞれ、その側部に形成された側面凹部61を含み、凹部61は各々の取付ポスト63で略上向きに傾斜する。したがって、取付ポスト63の凹部61は、略下向きフック形状の取付ポスト63を提供する。調理プレート16/18の取付ポスト63がその各々の加熱プレート60のアパーチャ66の中に挿入されるとき、取付ポスト63及びその側面凹部61は、加熱プレート60の外面67の外向きに延在する。
【0043】
クイックラッチ取付機構70は、加熱プレート60の外面67に回転可能プレート71を備え、回転可能プレート71は、加熱プレート60に対するロック位置と、ロック解除位置との間の中央点91を中心に回転可能である。回転可能プレート71は、回転点91を中心として有する弧状に成形されている湾曲細長スロット72を有する。回転可能プレート71は、取付ポスト63のそれぞれに各々の湾曲細長スロット72を有し、湾曲細長スロット72を通して、各々のポスト63が延在する(示される例では、4つのポスト63に対して4つのスロット72がある)。
【0044】
図15を参照すると、取付機構70は、さらに、スロット72のそれぞれに付勢保持バネクリップ74を含む。クリップ74のそれぞれは、前方保持バー102と、回転可能プレート71に旋回可能に搭載される後部104とを備え、それにより、保持バー102は、回転可能プレート71の近くの係脱位置(図15)から、回転可能プレート71から離れている略上向きの係合位置(図16)に移動できる。各々のバネ106は、保持バー102を係脱位置に付勢する。
【0045】
保持バー102は、各々の取付ポスト63の側面凹部61に面するように配置されている。回転可能プレート71がそのロック解除位置から回転するとき、保持バー102が側面凹部61に引っ掛かり、回転可能プレート71の回転が継続すると、クリップ74は、回転可能プレート71に対して垂直位置(90°)で(最大圧縮まで)曲げられ/圧縮され、次に、回転可能プレート71がさらに回転して、クリップは回転可能プレート71に対して90°を過ぎると、緩み、元に戻り、その位置で、各々の側面凹部61にロックされる(図16)。
【0046】
これにより、調理プレート16/18を各々の加熱プレート60にロックする回転可能プレート71のロック位置が規定される。さらに、保持クリップ74は、外向力を取付ポスト63に働かせて、バネが調理プレート16/18を加熱プレート60に付勢する。これにより、調理プレート16/18と各々の加熱プレート60との間で熱伝達のための最適な接触が確実になる。保持クリップ74を側面凹部61から係脱するために、回転可能プレート71は他の方向に回転する。これにより、(初期バネ抵抗を克服した後に)保持クリップ74が、ポスト63から係脱して、各々の調理プレート16/18の取り外しが可能になる。
【0047】
加熱プレート60は固定式ハンドルタブ112を含み、回転可能プレート71は、固定式タブ112の間に配置される運動ハンドルタブ114を含み、回転可能プレート71の回転を補助する。保持クリップ74のバネ力を克服するためにある程度の力が要求されるとき、ハンドルタブ112及び114は保持クリップ41の係合を容易にすることができる。ユーザーは、デバイス全体を保持する必要がなく、2本の指だけで、固定式ハンドルタブ112の1つに対して運動ハンドルタブ114を移動させることができる。図15及び図16は、回転可能プレート71の回転ロック解除位置と回転ロック位置との間における運動ハンドルタブ114の位置を示す。
【0048】
取付機構70は、加熱プレート16/18を加熱素子64に向けて付勢し、効率的な熱伝達のために、加熱プレート16/18と加熱プレート60との間で強固な取り付けを提供する。また、取付機構70は、要望どおり、調理プレートの速い交換を可能にする加熱プレート60への調理プレート16及び18の容易な取り外し可能な取り付けを提供する。
【0049】
調理プレート16/18が加熱プレート60に取り付けられるとき、加熱プレート60は、第1の加熱プレート16と第2の加熱プレート18との間に相対的な開位置及び閉位置を提供するように配置される。開位置では、第2の加熱プレート18はその垂直配向に固定され、第1の加熱プレート16はその略水平配向に配置される。
【0050】
閉位置では、第1の加熱プレート16は加熱プレート60aによって垂直配向に移動し、その垂直配向において、調理プレート16及び18の形成側34は互いに面する。すなわち、調理プレート16及び18の周辺エッジ42は、互いに係合して、流体的にシールし、調理キャビティ32を形成し、半漏斗構造44は入口33を一緒に形成する。これに関連して、周辺エッジ42は、他方のエッジ42を受けるために、一方のエッジ42をオス部材形成部として、他方のエッジ42をメスチャネル形成部として形成すること等によって、必要な流体シールを提供するように相応に成形できる。
【0051】
閉位置では、入口33は、生地を生地分配機構20からすぐに受けることができるキャビティ32の上部に位置決めされる。図7を参照すると、液体分配機構20は、本実施形態では、生地を内部に有するバッグ82を受けるための台80を備え、バッグ82の出口ノズルは分配機構20の出口84に向けられる。生地分配機構20は、生地40を入口33(図9)の中に押し出すために、バッグ82に係合するローラー86を備える。また、バッグ82の出口ノズルは一方向弁も含み、これにより、バクテリアまたは空気に対抗してバッグの生地の混合をシールして、液垂れまたはこぼれを防止する。バッグ82及びローラー86の使用は、分配機器の洗浄または衛生処理が必要としない利点をもたらす。
【0052】
液体分配機構は、例えば、参照によって本明細書に組み込まれる豪国特許出願公開第2008247299号明細書に説明されている実施形態の1つであり得る。生地40の必要量は、はかり14によって測定される。次に、調理プロセスは開始し、タイマーを用いて時間が測定される。完成すると、第1の調理プレート16は、調理されたワッフル100(図12)とともに、その開位置に移動する。
【0053】
調理プロセス全体は、制御プロセッサ105を用いて、調理機器10で自動化される。ユーザーは、簡単に、ボタンを押して、またはセンサーをトリガーして、調理プロセスを開始する。調理プレート16/18は、加熱プレート60によって加熱または予熱される。ステッピングモーター(または、位置/エンドスイッチによって制御された任意の適切なモーター)によって、第1の加熱プレート60aが移動すると、第1の調理プレート16が、その閉鎖した垂直位置に移動して、キャビティ32を形成する。また、生地分配機構20を用いて生地を分配することは、ローラー86を動作する電気モーターによって行われる。調理機器10は、さらに、分配されている生地の流れを検出する光学センサー110を含み、制御プロセッサ105は、要求に応じて、分配速度を変えることができる。光学センサー110は、分配されている生地の流れの幅を検出し、制御プロセッサは、モーターの速度を増加させて、生地の流れの厚さを増加させることができる、またはモーターの速度を減少させて、生地の流れの厚さを減少させることができる。この特徴は、分配されている生地の速い開始、分配の中間で均一な流れを提供し、その後、分配ステップの終了を遅らせ、無駄使いをなくし、速く均一な分配を提供するという利点がある。制御プロセッサ105は、キャビティ32で受けるべき生地の量が正確になるように、はかり14を監視する。いったん受けると、制御プロセッサはローラー86を停止する。次に、制御プロセッサは調理時間を監視し、第1の調理プレート16をその開位置に移動して、調理済み製品をユーザーに提示する。
【0054】
したがって、本発明は、調理プレートを回す必要がない、ワッフル及び他の生地ベース製品のための垂直調理プレートを伴う調理機器を提供する。また、調理機器は、先行技術と比較して、調理プレートに、きれいで散らかりのない生地の注入を提供する。プロセスが自動化されているので、調理機器は衛生的であり、そして、ユーザーは、調理要素のいずれかの部分に触れる必要がない、または生地を手で持つ必要がない。さらに、分配された生地の全てが調理キャビティで受けるので、生地の無駄使いはなくなる。また、調理プレートは、ロゴまたはキャラクター等、他の成形された調理面を提供するために、かつ洗浄及び交換を容易にするために、速く交換可能である。
【0055】
本発明は、主に、ケーキ、クレープ、パンケーキ、及びワッフル等の調理生地ベースの食料品のために開発されているが、また、キッシュ、オムレツ、及び調理済み卵子を含む卵ベース製品等の液体ベース品に使用できる。
【0056】
本発明の好ましい実施形態が説明されているが、示される実施形態に修正を加えることができることは当業者に明らかである。そのような追加の特徴は、以下のa~jを含む。
a.ワッフルの残りカス検出-いずれかのカスが調理プレートに残されている場合、はかり14は、カスを検出して、ユーザーに収集/清掃を通知する、
b.調理プレートが正しく設置及び挿入されているかを検出するセンサー97(図5及び図6)、
c.ユーザーの安全のための自動ドア140(図17及び図18に示される)。ドアが閉じるまで調理が開始しないことから、ドア140は安全装置として使用できる。
d.洗浄を容易にするためのクズ受けトレイ、
e.調理プロセスを開始する非接触動作用の赤外線センサー、
f.バッグから来る流れを検出して、分配速度を制御するセンサー-圧搾開始時にバッグからミックスが出てこないとき、流れを開始するためにモーターを高速前進させるように制御して、分配中は一貫した流れを提供し、分配の終わりに流れを遅くして、分配される量の精度を最適化する。これは、ワッフルを作る時間を節約するのに実際に役立つ。
g.垂直な第2の調理プレートは、移動可能な第1の調理プレートよりもわずかに高い調理温度を有する。調理温度が約180°C~210°Cである場合、垂直な第1の調理プレートは、移動可能な第1の調理プレートよりも5°C~10°C高温に設定できる。この特徴を用いると、調理済み製品は、垂直プレートにくっつく可能性が低くなり、カスタマーがアクセスするために、底部プレートとともに移動する可能性が高くなる。
h.調整可能である調理プレートの調理温度-これにより、好みに応じて、ワッフルのカスタム調理だけでなく、調理されている製品(卵子、クレープ、パンケーキ等)に応じて、調理プレート温度の調整も可能になる。調理済み製品がより高温の調理プレートにくっつく可能性が低いので、また、これにより、ユーザーが、調理プレートの開位置で、どの調理プレートに調理済み製品を残すかを選択することも可能になり得る。
i.垂直な第2の調理プレートは、移動可能な第1の調理プレートよりもわずかに小さい調理表面を有する。この特徴は、例えば、垂直調理プレートが浅いピラミッド側を有するように、調理プレートでピラミッドパターンを変化させることによって提供できる。この特徴を用いると、調理済み製品は、垂直プレートにくっつく可能性が低くなり、カスタマーがアクセスするために、底部プレートとともに移動する可能性が高くなる。
j.また、キャビティ32を充填する液体生地ミックスの量の測定は、i~iiiによって実現され得る。
i.内部にある生地とともにバッグ82を受けるための台80の下に搭載されたはかりは、分配する代わりに、生地がバッグ82から取り出される量を測定する。
ii.充填されているとき、キャビティ32の液体レベルをチェックする近接/光学センサー110。
iii.従来的な蠕動ポンプまたはギアポンプで流量計を使用できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14(a)】
図14(b)】
図14(c)】
図14(d)】
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】