(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(54)【発明の名称】疾患を治療するための免疫調節性物質を含む医薬組成物およびキット
(51)【国際特許分類】
A61K 35/17 20150101AFI20241029BHJP
A61K 45/06 20060101ALI20241029BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20241029BHJP
A61P 37/00 20060101ALI20241029BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20241029BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241029BHJP
A61K 38/20 20060101ALI20241029BHJP
A61K 38/21 20060101ALI20241029BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20241029BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20241029BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20241029BHJP
A61K 31/505 20060101ALI20241029BHJP
A61K 31/165 20060101ALI20241029BHJP
A61K 31/455 20060101ALI20241029BHJP
A61K 38/19 20060101ALI20241029BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
A61K35/17
A61K45/06 ZNA
A61P37/08
A61P37/00
A61P29/00
A61P43/00 121
A61K38/20
A61K38/21
A61P19/02
A61P17/02
A61P25/00
A61P29/00 101
A61K31/505
A61K31/165
A61K31/455
A61K38/19
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547942
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-06-20
(86)【国際出願番号】 EP2022079665
(87)【国際公開番号】W WO2023072877
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2022/079311
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2022/079313
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2022/079314
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2022/079325
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2022/079315
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2022/079316
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2022/079317
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2022/079319
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2022/079318
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2022/079320
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2022/079321
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2022/079328
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2022/079322
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2022/079323
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2022/079324
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2022/079326
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524156571
【氏名又は名称】エレンベ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノイマン,リディア エレン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C087
4C206
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084AA23
4C084DA01
4C084DA14
4C084DA16
4C084DA24
4C084MA02
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4C084MA63
4C084NA05
4C084NA06
4C084NA14
4C084ZA011
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4C084ZA961
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4C084ZB072
4C084ZB111
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4C084ZB131
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4C084ZB151
4C084ZB152
4C084ZC751
4C084ZC752
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC19
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4C086NA14
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4C086ZB15
4C086ZC75
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4C087BB37
4C087CA03
4C087MA02
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4C087NA06
4C087NA14
4C087ZA01
4C087ZA96
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4C087ZB11
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4C206AA01
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4C206MA03
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4C206MA83
4C206NA05
4C206NA06
4C206NA14
4C206ZA01
4C206ZA96
4C206ZB07
4C206ZB11
4C206ZB13
4C206ZB15
4C206ZC75
(57)【要約】
本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤に関し、該方法は、皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ、皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ、皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ、皮膚内でのsO
2の増加を生じさせるステップ、皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ、皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ、皮膚上で発赤を生じさせるステップ、皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ、皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップまたは被験体の皮膚に対してPBMCを投与するステップのうちの1以上から選択されるステップ(A)を含み、かつ該方法は、ステップ(B)被験体の皮膚に対して第1の免疫調節性物質を投与するステップおよび/またはステップ(C)被験体の皮膚に対して第2の免疫調節性物質を投与するステップをさらに含む。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤であって、
該方法はステップ(A)を含み、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMC(末梢血単核細胞)の蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO
2(ヘモグロビンの酸素飽和度)の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHb(相対的ヘモグロビン量)の増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ該方法は、以下のステップ:
(B) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および/または
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
をさらに含む、上記免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項2】
皮膚が皮膚領域のものであり、好ましくは皮膚領域の皮膚は免疫学的に不活性かつ/もしくは未負荷であり、かつ/または免疫学的活性および/もしくは負荷のいずれかの部位に対して空間的に隔てられている、請求項1に記載の使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項3】
免疫調節性物質が、被験体での免疫調節性物質の濃度の全身性の増加を引き起こさない量で、ステップ(B)および/またはステップ(C)で投与される、請求項1または2に記載の使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項4】
ステップ(A)が、ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)および/または(A-4)のうちの1以上から選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項5】
方法のステップ(A-1)で、
- 血管拡張が、皮膚内のsO
2および/またはrHbに基づいて決定される、
請求項1~4のいずれか1項に記載の使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項6】
方法のステップ(A-2)で、
- 血液量の増加が、皮膚内のsO
2および/またはrHbに基づいて決定される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項7】
方法のステップ(A-3)で、
- sO
2が2%以上増加し、かつ/もしくはsO
2が2%ポイント以上増加し;かつ/またはrHbが2%以上増加し、かつ/もしくはrHbが2AU(任意単位)増加する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項8】
方法のステップ(A-4)で、
- 温度が1%以上上昇し、かつ/または温度が0.2℃以上上昇する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項9】
方法のステップ(A-6)で、調整エネルギーが、以下の事項を生じさせるために施され:
- 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張であって、血管拡張はsO
2および/またはrHbに基づいて決定される、血管拡張;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚内での血液量の増加であって、血管拡張はsO
2および/またはrHbに基づいて決定される、血液量の増加;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚内でのsO
2の増加および/またはrHbの増加であって、好ましくは、sO
2は2%以上増加し、かつ/もしくは2%ポイント以上増加し;かつ/またはrHbは2%以上増加し、かつ/もしくは2AU(任意単位)以上増加する、sO
2の増加および/またはrHbの増加;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚上の温度上昇であって、好ましくは、温度は1%以上上昇し、かつ/または0.2℃以上上昇する、温度上昇;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚上での発赤、
好ましくは、調整エネルギーは、エネルギー付与手段を用いることにより施される、
請求項1~8のいずれか1項に記載の使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項10】
方法のステップ(A-7)で、皮膚コンディショニング剤が、以下の事項を生じさせるために投与される、請求項1~9のいずれか1項に記載の使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤:
- 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張であって、血管拡張はsO
2および/またはrHbに基づいて決定される、血管拡張;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚内での血液量の増加であって、血管拡張はsO
2および/またはrHbに基づいて決定される、血液量の増加;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚内でのsO
2の増加および/またはrHbの増加であって、好ましくは、sO
2は2%以上増加し、かつ/もしくは2%ポイント以上増加し;かつ/またはrHbは2%以上増加し、かつ/もしくは2AU(任意単位)以上増加する、sO
2の増加および/またはrHbの増加;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚上の温度上昇であって、好ましくは、温度は1%以上上昇し、かつ/または0.2℃以上上昇する、温度上昇;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚上での発赤。
【請求項11】
方法のステップ(A-8)で、PBMCが皮膚の局所下層中へと注入される、請求項1~10のいずれか1項に記載の使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項12】
使用のための免疫調節性物質ならびにステップ(B)および/またはステップ(C)の免疫調節性物質が、サイトカイン様機能性物質、好ましくはインターフェロン様機能性物質、インターロイキン様機能性物質および/または神経栄養因子様機能性物質、より好ましくはIFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質および/またはIL-2様機能性物質、さらにより好ましくはIFN-γ(インターフェロン-ガンマ)、IL-4(インターロイキン4)、BDNF(脳由来神経栄養因子)および/もしくはIL-2(インターロイキン2)、ならびに/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩、またより好ましくはIFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2である、請求項1~11のいずれか1項に記載の使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項13】
- 方法がステップ(A)および(B)を含み;
- 使用のための免疫調節性物質が、IFN-γ、IL-4および/もしくはBDNFであり;かつ
- ステップ(B)で投与される免疫調節性物質が、IFN-γ、IL-4および/もしくはBDNFであるか、
または
- 方法がステップ(A)、(B)および(C)を含み;
- 使用のための免疫調節性物質が、免疫調節性物質のうちのいずれかであり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質が、IL-2を除く免疫調節性物質のうちのいずれかであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質が、IL-2であるか、
または
- 方法がステップ(A)、(B)および(C)を含み;
- 使用のための免疫調節性物質が、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/もしくはIL-2であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質が、IFN-γ、IL-4および/もしくはBDNFであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質が、IL-2である、
請求項1~12のいずれか1項に記載の使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項14】
- 方法がステップ(A)、(B)および任意により(C)を含み;
- 使用のための免疫調節性物質が、IFN-γおよび/もしくはIL-2であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質が、IFN-γであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質が、IL-2であるか、
または
- 方法がステップ(A)、(B)および任意により(C)を含み;
- 使用のための免疫調節性物質が、IL-4、BDNFおよび/もしくはIL-2、好ましくはIL-4および/もしくはIL-2であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質が、IL-4および/もしくはBDNF、好ましくはIL-4であり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質が、IL-2である、
請求項1~13のいずれか1項に記載の使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項15】
- IFN-γが、600IU/kg被験体体重以下の量で;30ng/kg被験体体重以下の量で;30,000IU以下の総量で;かつ/または1,500ng以下の総量で投与され;
- IL-4が、20ng/kg被験体体重以下の量で;かつ/または1,000ng以下の総量で投与され;
- BDNFが、10ng/kg被験体体重以下の量で;かつ/または500ng以下の総量で投与され;かつ/あるいは
- IL-2が、10IU/kg被験体体重以下の量で;0.6ng/kg被験体体重以下の量で;500IU以下の総量で;かつ/または30.5ng以下の総量で投与される、
請求項12~14のいずれか1項に記載の使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項16】
治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患が、関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、炎症性リウマチ疾患、橋本病、バセドウ病、クローン病および/または多発性硬化症を含み、好ましくはそれらからなる、請求項1~15のいずれか1項に記載の使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項17】
- 方法がステップ(A)、(B)および(C)を含み;
- 使用のための免疫調節性物質が、いずれかの免疫調節性物質、好ましくはサイトカイン、より好ましくはインターフェロン、神経栄養因子および/もしくはインターロイキン、さらにより好ましくはIL-2であり;
- 治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患が、治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患のうちのいずれかであり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質が、IL-2を除く免疫調節性物質であり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質が、IL-2であるか、
または
- 方法がステップ(A)、(B)および任意により(C)を含み;
- 使用のための免疫調節性物質が、IFN-γ、IL-4および/もしくはIL-2、好ましくはIFN-γおよび/もしくはIL-2であり;
- 治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患が、神経系の炎症性疾患を除く、好ましくは多発性硬化症を除く、治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患のうちのいずれかであり、好ましくは、関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、炎症性リウマチ疾患、橋本病および/もしくはバセドウ病であり、より好ましくは、関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎、リウマチ性多発筋痛症、ベヒテレフ病および/もしくはバセドウ病であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質が、IFN-γおよび/もしくはIL-4であり、好ましくはIFN-γであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質が、IL-2であるか、
または
- 方法がステップ(A)、(B)および任意により(C)を含み;
- 使用のための免疫調節性物質が、IL-4、BDNFおよび/もしくはIL-2、好ましくはIL-4および/もしくはIL-2であり;
- 治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患が、神経系の炎症性疾患であり、好ましくは多発性硬化症であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質が、IL-4および/もしくはBDNF、好ましくはIL-4であり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質が、IL-2である、
請求項1~16のいずれか1項に記載の使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項18】
被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤であって、使用のための皮膚コンディショニング剤および方法のステップ(A-7)の皮膚コンディショニング剤が、血液循環増加剤、血管拡張剤、皮膚温度上昇剤、皮膚sO
2増加剤および/または皮膚rHb増加剤であり、好ましくは、皮膚コンディショニング剤は、硝酸薬、α遮断薬、ACE阻害剤、イチョウバームなどのイチョウ調製物、カルシウム拮抗薬、ジヒドララジン、ミノキシジル、ジヒドロエルゴトキシン、ニコチン酸類似体、ニコチン酸メチル(methylnicotinat)、モグサ草、カプサイシン(capsaicine)、ペントキシフィリンなどの血管拡張剤、血管拡張剤含有クリーム剤、ニコチン酸メチル含有クリーム剤、Kytta(登録商標)熱感バームおよび/またはそれらのいずれかの組み合わせを含む、上記免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項19】
ステップ(A)、ステップ(B)および/またはステップ(C)が複数回行なわれる、請求項1~18のいずれか1項に記載の使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤。
【請求項20】
- 皮膚コンディショニング剤;および
- 免疫調節性物質
を含む医薬組成物(I)。
【請求項21】
- IFN-γ様機能性物質;
- IL-4様機能性物質;
- BDNF様機能性物質;および/または
- IL-2様機能性物質
を含む医薬組成物(II)であって、
- 600IU IFN-γ/kg被験体体重以下に相当する量での;
30ng IFN-γ/kg被験体体重以下に活性が相当する量での;
30,000IU IFN-γ以下に相当する総量での;かつ/もしくは
1,500ng IFN-γ以下に活性が相当する総量での
IFN-γ様機能性物質;
- 20ng IL-4/kg被験体体重以下に活性が相当する量での;かつ/もしくは
1,000ng IL-4以下に活性が相当する総量での
IL-4様機能性物質;
- 10ng BDNF/kg被験体体重以下に活性が相当する量での;かつ/もしくは
500ng BDNF以下に活性が相当する総量での
BDNF様機能性物質;および/または
- 10IU/kg被験体体重以下に相当する量での;
0.6ng/kg被験体体重以下の量での;
500IU IL-2以下に活性が相当する総量での;かつ/もしくは
30.5ng IL-2以下に活性が相当する総量での
IL-2様機能性物質
を送達するために好適である、上記医薬組成物(II)。
【請求項22】
- IFN-γ;
- IL-4;
- BDNF;および/または
- IL-2
を含む、請求項21に記載の医薬組成物(II)であって、
- 600IU/kg被験体体重以下の量での;30ng/kg被験体体重以下の量での;30,000IU以下の総量での;かつ/もしくは1,500ng以下の総量での、IFN-γ;
- 20ng/kg被験体体重以下の量での;かつ/もしくは1,000ng以下の総量での、IL-4;
- 10ng/kg被験体体重以下の量での;かつ/もしくは500ng以下の総量での、BDNF;および/または
- 10IU/kg被験体体重以下の量での;0.6ng/kg被験体体重以下の量での;500IU以下の総量での;かつ/もしくは30.5ng以下の総量での、IL-2
を送達するために好適である、上記医薬組成物(II)。
【請求項23】
- 100,000IU IFN-γ/mLもしくはIU IFN-γ/g以下に相当する濃度での、または5,000ng IFN-γ/mLもしくはng IFN-γ/g以下に活性が相当する濃度での、IFN-γ様機能性物質;
- 1,000ng IL-4/mLまたはng/g以下に活性が相当する濃度での、IL-4様機能性物質;
- 1,500ng BDNF/mLまたはng/g以下に活性が相当する濃度での、BDNF様機能性物質;
- 100,000IU IL-2/mLもしくはIU IL-2/g以下に相当する濃度での、または6100ng IL-2/mLもしくはng IL-2/g以下に活性が相当する濃度での、IL-2様機能性物質
を含む医薬組成物(III)。
【請求項24】
- 100,000IU/mLもしくはIU/g以下、または5,000ng/mLもしくはng/g以下の濃度での、IFN-γ;
- 1,000ng/mLまたはng/g以下の濃度での、IL-4;
- 1,500ng/mLまたはng/g以下の濃度での、BDNF;および/あるいは
- 100,000IU/mLもしくはIU/g以下のIL-2、または6100ng/mLもしくはng/g以下のIL-2の濃度での、IL-2
を含む、請求項23に記載の医薬組成物(III)。
【請求項25】
- IFN-γ様機能性物質;
- IL-4様機能性物質;
- BDNF様機能性物質;または
- IL-2様機能性物質、および
免疫調節性物質
を含む医薬組成物(IV)であって、医薬組成物(IV)が、
- IFN-γ様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIFN-γ様機能性物質とは異なり;
- IL-4様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIL-4様機能性物質とは異なり;
- BDNF様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はBDNF様機能性物質とは異なり;かつ
- IL-2様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIL-2様機能性物質とは異なる、
上記医薬組成物(IV)。
【請求項26】
- IFN-γ様機能性物質;
- IL-4様機能性物質;
- BDNF様機能性物質;または
- IL-2様機能性物質、および
免疫調節性物質
を含む注入可能剤型(I)であって、注入可能剤型(I)が、
- IFN-γ様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIFN-γ様機能性物質とは異なり;
- IL-4様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIL-4様機能性物質とは異なり;
- BDNF様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はBDNF様機能性物質とは異なり;かつ
- IL-2様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIL-2様機能性物質とは異なる、
上記注入可能剤型(I)。
【請求項27】
- 30,000IU IFN-γ以下に相当する総量での、かつ/もしくは1,500ng IFN-γ以下に活性が相当する総量での、IFN-γ様機能性物質;
- 1,000ng IL-4以下に活性が相当する総量での、IL-4様機能性物質;
- 500ng BDNF以下に活性が相当する総量での、BDNF様機能性物質;または
- 1,000IU IL-2以下に相当する総量での、かつ/もしくは61ng IL-2以下に活性が相当する総量での、IL-2様機能性物質
を含む注入可能剤型(II)。
【請求項28】
- 30,000IU以下の総量での、かつ/もしくは1,500ng以下の総量での、IFN-γ;
- 1,000ng以下の総量での、IL-4;
- 500ng以下の総量での、BDNF;または
- 1,000IU以下の総量での、かつ/もしくは61ng以下の総量での、IL-2
を含む、請求項27に記載の注入可能剤型(II)。
【請求項29】
- IFN-γ様機能性物質;
- IL-4様機能性物質;
- BDNF様機能性物質;または
- IL-2様機能性物質
を含む局所用剤型(I)。
【請求項30】
- 免疫調節性物質;
- エネルギー付与性構成要素
を含む局所用剤型(II)。
【請求項31】
- 皮膚コンディショニング部(110);および
- アプリケータ部(120)
を含む医療デバイス(100)であって、
皮膚コンディショニング部(110)およびアプリケータ部(120)は、皮膚コンディショニング部(110)を用いた調整措置の量と共に、アプリケータ部(120)を用いて第1の治療剤の量を被験体の皮膚(102)へと投与するために、協働的に相互作用するように構成され;かつ/または
皮膚コンディショニング部(110)およびアプリケータ部(120)は、被験体の皮膚(102)に対して機能するために構成される、
上記医療デバイス(100)。
【請求項32】
(i) 免疫調節性物質;ならびに
(ii) 皮膚コンディショニング剤;および/または
(iii) エネルギー付与手段
を含むキット(I)。
【請求項33】
(i) IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質および/またはIL-2様機能性物質;ならびに
(ii) 免疫調節性物質
を含むキット(II)であって、キット(II)が、
- IFN-γ様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIFN-γ様機能性物質とは異なり;
- IL-4様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIL-4様機能性物質とは異なり;
- BDNF様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はBDNF様機能性物質とは異なり;かつ
- IL-2様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIL-2様機能性物質とは異なる、
上記キット(II)。
【請求項34】
(i) 請求項26および/または請求項27に記載の注入可能剤型;ならびに
(ii) 皮膚コンディショニング剤;および/または
(iii) エネルギー付与手段
を含むキット(III)。
【請求項35】
(i) 請求項29に記載の局所用剤型;ならびに
(ii) 皮膚コンディショニング剤;および/または
(iv) エネルギー付与手段
を含むキット(IV)。
【請求項36】
- アプリケータ部(120);および
- 皮膚コンディショニング部(110);および
- 任意により、免疫調節性物質などの第1の治療剤を含むリザーバ(121)であって、アプリケータ部(120)に流体カップリングされるために構成される、リザーバ(121)
を含むキット(V)。
【請求項37】
製薬上許容されるビヒクル、希釈剤、アジュバント、賦形剤、担体、添加剤および/または塩をさらに含む、
請求項20に記載の医薬組成物(I);
請求項21に記載の医薬組成物(II);
請求項23に記載の医薬組成物(III);
請求項25に記載の医薬組成物(IV);
請求項26に記載の注入可能剤型(I);
請求項27に記載の注入可能剤型(II);
請求項29に記載の局所用剤型(I);
請求項30に記載の局所用剤型(II);
請求項32に記載のキット(I);
請求項33に記載のキット(II);
請求項34に記載のキット(III);
請求項35に記載のキット(IV);および/または
請求項36に記載のキット(V)。
【請求項38】
医薬としての使用のための、好ましくは、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の治療および/予防での使用のための、
請求項20に記載の医薬組成物(I);
請求項21に記載の医薬組成物(II);
請求項23に記載の医薬組成物(III);
請求項25に記載の医薬組成物(IV);
請求項26に記載の注入可能剤型(I);
請求項27に記載の注入可能剤型(II);
請求項29に記載の局所用剤型(I);
請求項30に記載の局所用剤型(II);
請求項32に記載のキット(I);
請求項33に記載のキット(II);
請求項34に記載のキット(III);および/または
請求項35に記載のキット(IV)。
【請求項39】
被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/予防するための方法での使用に対して好適であり、かつ/またはそのような使用のための、
請求項20に記載の医薬組成物(I);
請求項21に記載の医薬組成物(II);
請求項23に記載の医薬組成物(III);
請求項25に記載の医薬組成物(IV);
請求項26に記載の注入可能剤型(I);
請求項27に記載の注入可能剤型(II);
請求項29に記載の局所用剤型(I);
請求項30に記載の局所用剤型(II);
請求項31に記載の医療デバイス(100);
請求項32に記載のキット(I);
請求項33に記載のキット(II);
請求項34に記載のキット(III);
請求項35に記載のキット(IV);および/または
請求項36に記載のキット(V)
であって、
該方法はステップ(A)を含み、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO
2の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ該方法は、以下のステップ:
(B) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および/または
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
をさらに含む、上記医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキット。
【請求項40】
被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための、
- 皮膚コンディショニング剤;または
- 免疫調節性物質
を含む、医薬組成物(X)、局所用剤型(X)、注入可能剤型(X)および/またはキット(X)であって、
該方法はステップ(A)を含み、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO
2の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ該方法は、以下のステップ:
(B) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および/または
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
をさらに含む、上記医薬組成物、局所用剤型、注入可能剤型および/またはキット。
【請求項41】
免疫調節性物質が、サイトカイン様機能性物質、
好ましくはインターフェロン様機能性物質、インターロイキン様機能性物質および/または神経栄養因子様機能性物質、
より好ましくはIFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質および/またはIL-2様機能性物質、
さらにより好ましくはIFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2ならびに/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩、
またより好ましくはIFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2である、
請求項20に記載の医薬組成物(I);
請求項25に記載の医薬組成物(IV);
請求項26に記載の注入可能剤型(I);
請求項30に記載の局所用剤型(II);
請求項32に記載のキット(I);
請求項33に記載のキット(II);
請求項36に記載のキット(V);ならびに/または
請求項40に記載の医薬組成物(X)、局所用剤型(X)、注入可能剤型(X)および/もしくはキット(X)。
【請求項42】
- IFN-γ様機能性物質が、IFN-γおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩、好ましくはIFN-γであり、
- IL-4様機能性物質が、IL-4および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩、好ましくはIL-4であり、
- BDNF様機能性物質が、BDNFおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩、好ましくはBDNFであり、かつ
- IL-2様機能性物質が、IL-2および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩、好ましくはIL-2である、
請求項21に記載の医薬組成物(II);
請求項23に記載の医薬組成物(III);
請求項25に記載の医薬組成物(IV);
請求項26に記載の注入可能剤型(I);
請求項27に記載の注入可能剤型(II);
請求項29に記載の局所用剤型(I);および/または
請求項33に記載のキット(II)。
【請求項43】
物品、好ましくは請求項26および/もしくは27に記載の注入可能剤型、ならびに/または請求項29および/もしくは30に記載の局所用剤型を製造するための請求項20、21、23および/または25のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用、あるいは医療デバイス、好ましくは請求項31に記載の医療デバイス(100)を製造するための請求項20、21、23および/もしくは25のいずれか1項に記載の医薬組成物ならびに/または請求項26および/もしくは27に記載の注入可能剤型の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患などの、被験体における疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング(skin-conditioning)剤に関する。
【0002】
本発明はさらに、被験体における疾患を治療および/または予防するための方法で用いることができる免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤を含む医薬組成物、局所用剤型(topical dosage form)、注入可能剤型およびキットに関する。さらに、本発明は、被験体における疾患を治療および/または予防するための方法で用いることができる医療デバイスおよびキット(キットオブパーツ:kit of parts)に関する。
【背景技術】
【0003】
生活の質に対する深刻な影響を有する、損傷性で、かつ痛みを伴う炎症反応を引き起こす炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、広く存在する疾患であり、ヒトおよび動物集団の顕著な部分に影響を及ぼしている。特に、そのような疾患の慢性経過は、該当する被験体に対して長期間にわたって極度の苦痛を引き起こす可能性があり、頻繁に寿命を縮める場合がある。
【0004】
そのような疾患の治療および予防に対して公知の方法および物質は、未だに大部分が満足できるものではない。例えば、グルココルチコイドはこれらの疾患の治療のために用いられるが、しかしながら、炎症を低減させるそれらの有益な効果とは別に、特に長期的使用では、著しい負の副作用を有する。例えば、モノクローナル抗体などの生物製剤およびバイオ後続品を用いる場合、この方法は、さらに、非常に高価であり、多数の患者により十分に忍容されず、著しい割合の患者で機能せず、かつ多くの場合に一定期間後にはその効果を失う。
【0005】
他方、免疫療法が利用可能であり得るが、しかしながら、これは甚大な人的および(und)物質的資源を必要とし、かつ特殊な医療施設でのみ提供することができる。それゆえ、免疫療法は、医療施設への患者の旅行を伴うか、またはまったくアクセス可能でない。したがって、そのような療法は、広範な公衆性用途に対して好適でなく、時間がかかり、かつ容易に利用可能な療法として販売することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の治療および/または予防のための代替的薬剤、物品および方法を提供することが非常に望ましく、したがって、これが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
非常に驚くべきことに、この目的は、末梢血単核細胞(PBMC)と近接および/または接触させられ、かつ皮膚などの被験体の身体部分の中でin vivoでインキュベートされる方法での免疫調節性物質の使用により解決することができることが見出された。
【0008】
本発明は、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の治療および/または予防に関して見出された完全に新規の原理に基づき、治療される被験体に対する多数の利点を有する。それゆえ、本発明は、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の治療に対して広く適用可能な新規プラットフォーム技術を提供する。
【0009】
以下の定義および好ましい実施形態は、別途記載されない限り、明確に言及されない場合でさえも、かつ異なる主題または概要の記載の下に記述される場合でさえも、一般的に本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する。
【0010】
特に、本発明は、PBMC、典型的にはリンパ球などの免疫細胞、より詳細にはナイーブT細胞などのナイーブリンパ球が、例えば、皮膚内に蓄積される必要があり、かつPBMCは投与される免疫調節性物質と近接および/または接触させられる必要があるという驚くべき知見に基づく。本発明は、血管拡張(血管の拡張、特に毛細血管拡張)の生成、血液量(blood volume)を増加させること、sO2(ヘモグロビンの酸素飽和度)を増加させること、rHb(相対的ヘモグロビン量)を増加させること、温度を上昇させること、発赤を生じさせること、調整エネルギー(conditioning energy)を施すこと、例えば、皮膚内/皮膚上/皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与することを、免疫調節性物質の投与と組み合わせる必要があるというさらなる驚くべき知見に基づく。それにより、理論に拘泥することを望まないが、PBMCが、例えば、皮膚内に蓄積し、かつPBMCは投与される免疫調節性物質と近接および/または接触させられると考えられる。このようにして、皮膚を、PBMCに対するin vivoインキュベータとして用いることができ、それにより、作用されたPBMCに、調節された免疫系活性を発揮させると考えられる。
【0011】
本発明の一般的概念は、以下のステップ:
(A-0) 被験体の身体部分、好ましくは皮膚内でのPBMC(末梢血単核細胞)の蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の身体部分、好ましくは皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の身体部分、好ましくは皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の身体部分、好ましくは皮膚でのsO2(ヘモグロビンの酸素飽和度)の増加、および/もしくは被験体の身体部分、好ましくは皮膚内でのrHb(相対的ヘモグロビン量)の増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の身体部分、好ましくは皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の身体部分、好ましくは皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の身体部分、好ましくは皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の身体部分、好ましくは皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の身体部分、好ましくは皮膚中にPBMCを投与するステップ
を含み、かつ以下のステップ:
(B) 被験体のこの身体部分に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および/または
(C) 被験体のこの身体部分に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
のうちのいずれかまたは両方をさらに含む方法に関する。
【0012】
それゆえ、本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤であって、
該方法はステップ(A)を含み、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO2の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ該方法は、以下のステップ:
(B) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および/または
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
をさらに含む、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤、ならびにそのような方法に関する。
【0013】
本発明はまた、独立請求項に従い、かつ下記でさらに詳細に言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよびキットにも関する。
【0014】
本発明は、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の治療および/または予防で非常に有効である。本発明は、とりわけ(amoungst others)、関節炎症の制御、したがって、それにより引き起こされる将来の関節変形の予防または遅延を目的とする。進行した関節変形は、多くの場合に、長期的には関節置換術を余儀なくし、これは遅延させるかまたは場合によっては完全に必要でなくすることができる。
【0015】
さらに、本発明は、有害副作用を有しない。つまり、本発明はまた、治療される被験体の精神的および/または身体的幸福にも寄与することができ、寿命を延ばし、同時に改善された生活の質を維持することができる。
【0016】
さらに、本発明は、例えば、ステップ(A)ならびにステップ(B)および/または(C)が皮膚上および/または皮膚内で行なわれるので、実行が容易かつ迅速である。皮膚は、処置および投与に対して容易にアクセスできるという利点を有する。さらなる利点は、バーム剤、クリーム剤もしくは膏薬などの皮膚上の、または注入などの皮膚内への処置が、一般的に、例えば、静脈内注入などの、被験体に対する比較的低い健康上のリスクを有することである。
【0017】
本発明は、特殊な医療施設の必要性を伴わない、容易に利用可能な免疫療法剤を提供する。このことは、同時に高い患者コンプライアンスを確実にすることにより、コストを低く維持する。被験体または動物の所有者は、本発明の数種類の実施形態では、方法ステップを自己適用することができ、これは動けないヒトまたは輸送可能でないかもしくは輸送を嫌がる動物に対する療法の現場適用を可能にする。したがって、医療施設に届かない離れた場所で暮らす患者に対してもアクセス可能である療法が、本発明により提供される。
【0018】
さらに、本発明は、体液、血液、細胞、組織、PBMC、物質等などの被験体自身の身体抽出物を投与することなく行なわれる(PBMCを投与する場合を除く)。そのような抽出物は、例えば、保存、凍結または例えば細胞培養中の身体外インキュベーションの間に取り違えられるかまたは汚染される可能性がある。従来の免疫療法は、細胞培養を頻繁に用い、細胞培養は身体外で行なわれる。本発明は、細胞培養を被験体の身体内へと移動させ、それにより、in vivoインキュベータとして被験体の身体、特に皮膚を用いてインキュベーションが行なわれる。それゆえ、本発明を用いれば、そのような抽出物の汚染もしくは取り違えのリスクがないか、またはリスクは少なくとも最小化される。
【0019】
さらに有利なことに、それにより、PBMCは、例えば、皮膚内に提供することができるので、至適条件下かつ至適微小環境中でのその天然の生息環境に留まる。それにより、PBMCは、そのすべてが変化した発現パターンまたは細胞集団の一部分の死滅さえももたらし得る、抽出、凍結、温度変動、CO2環境含有量、栄養供給および培地組成に起因するいかなるストレスにも曝露されない。さらに、従来の細胞培養に必要な高価な材料および最新機器が必要ない。
【0020】
またさらなる利点は、方法を実行する上で、ユーザーの訓練を必要としないか、またはユーザーの不十分な訓練を埋め合わせる形態で、療法を提供することができることである。方法の処理および遂行は、非常に簡潔かつ単純に設計することができ、方法の正確な遂行を確実にすることができる。このことは、非常に若いかもしくは高齢の患者に対して、または例えば、リウマチ疾患を伴う症例では多くの場合に当てはまる通り、手先の技能の障害を有するユーザーに対しては特に重要であり得る。さらに、自己適用の誤りの恐れをなくすことができ、かつ、簡潔な適用および頻回な通院を伴わない方法の複雑でない利用可能性に起因して、治療順守の不足を軽減するか、または克服することさえできる。本発明の療法に応答する患者のパーセンテージは非常に高い。本発明は、これまで知られている通り、いかなる有害副作用または不耐性も与えない。逆に、患者は心強く感じ、かつより精力的でさえある。そのような有害副作用または不耐性はまた、長期的使用においてさえも予期されない。さらに、例えば生物製剤にしばしば当てはまる、長期使用での有効性の低下もまた、本発明の治療アプローチに伴って予期されるはずがない。それゆえ、方法は、広範かつ持続的な公衆性用途を見出すために非常に好適である。
【0021】
さらに、本発明に従う療法は、生物製剤、バイオ後続品、グルココルチコイドおよびメトトレキサート(MTX)をはじめとする慣用の調製物、医薬品および薬物と適合性であり、かつこれらの調製物に対して優位かつ追加的な効果を付与する。本発明の療法は、上記の通り、いかなる副作用、不耐性または長期的損傷も伴わずに、これらの調製物を完全に置き換えるかまたは取って代わることさえできる。
【0022】
理論に拘泥することを望まないが、本発明は、以下の原理に基づくと考えられる:皮膚組織は緊密かつ頑丈な構造を提供する。それにより、皮膚組織は、流れ去ることなく、PBMCおよび免疫調節性物質を捕捉し、固定し、係留し、巻き込み、かつ/または保持することができると考えられる。それにより、被験体の身体をin vivoインキュベータとして用いながら、PBMCと免疫調節性物質との十分に長期的な接触が提供される。
【0023】
正確には、局所下皮膚層、特に真皮の血液供給は、基本的に毛細血管により与えられる。静脈および動脈とは対照的に、毛細血管は、その正常状態で非常に狭い断面積を有する。核が奪われている赤血球および血小板だけが圧縮可能であり、かつ拡張していない毛細血管に入り、それを通って流れるために十分に柔軟であり、それにより、皮膚の酸素供給および皮膚完全性を完全にする。PBMCは有核細胞であり、すなわち、核を含む。したがって、PBMCは、拡張していない毛細血管に押し込むには大き過ぎる。結果として、PBMC、特にナイーブT細胞などのナイーブリンパ球は、皮膚毛細血管内、したがって皮膚内には存在しないか、または少なくとも有効量で存在しない。言い換えれば、皮膚組織は、正常では血液由来PBMCを含まないかまたは本質的に含まず、かつ有効量で血液由来PBMCを含有しない。それゆえ、毛細血管および組織を含む全体としての皮膚である皮膚は、正常では、例えば、脈管系またはリンパ節と比較して、非常に限られた量のPBMCしか含有しない。
【0024】
したがって、皮膚内、特に皮膚組織内でのPBMCの蓄積を生じさせるために、とりわけ、例えばステップ(A-8)での通りに、PBMCを、例えば、皮膚組織中へと直接的に注入することができる。
【0025】
皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせると考えられる別の可能性は、2つの事柄を含む。第1に、PBMCを毛細血管に到達させ、隣接する皮膚組織の近傍に置かなければならない(例えば、ステップ(A-1)~(A-7)のうちのいずれかにより達成される)。それにより、被験体の皮膚内、特に皮膚の毛細血管の内腔内でのPBMCの蓄積が生じると考えられる。第2に、PBMCは、毛細血管壁を通過して毛細血管から離れ、かつ隣接する皮膚組織中へと移動させる必要がある。この移動メカニズムは、天然に存在することが公知であり、かつさらなる行動または作用(affectation)を必要としない。簡潔には、毛細血管の血管内皮を通過するために、PBMC、例えば、リンパ球は、連結および回転し始め、毛細血管壁の内部に沿って完全に停止し、その後、毛細血管壁を通って通過し、それにより、毛細血管内腔から隣接皮膚組織へと移動する。それゆえ、理論に従えば、ここでも理論に拘泥することを望まない(whithout whishing)が、例えば、注入によるPBMCの投与とは別に、これもまた例えば、下記ステップ(A-1)~(A-7)のうちのいずれかが、皮膚内、特に皮膚毛細血管の内腔、かつ毛細血管を出て皮膚組織へと向かうPBMCの自然移動に起因して最終的には皮膚組織内での、PBMCの蓄積を生じさせる。
【0026】
蓄積、すなわち、皮膚組織内への移動および/または投与後、PBMCは、血中とは異なり、皮膚組織により捕捉および保持されると考えられ、流れ去ることができない。同様に、皮膚へと(例えば、ステップ(B)および/または(C))投与された免疫調節性物質は流れ去らず、かつ血液により希釈されず、少なくともその拡散速度により限定される一定時間にわたって、その場に留まる。免疫調節性物質およびPBMCの同時での捕捉および保持は、免疫調節性物質と共に、十分な時間にわたって、PBMC、例えば、リンパ球、より詳細にはナイーブT細胞などのナイーブリンパ球をインキュベートすることを可能にする。それにより、PBMCはin vivoでインキュベートされ、このことは、PBMCを調節、誘導、抑制、成熟、分化、変化および/または増殖させるなど、PBMCに(さらに)作用を及ぼす。投与される免疫調節性物質は、PBMCの所望の作用を発揮することが可能であり得る。
【0027】
さらに、皮膚組織内、特に、表皮の基底部分内には、ランゲルハンス細胞などの樹状細胞が元来常在するが、それらは血液内には存在しない。そのような樹状細胞は、さらに再び理論に拘泥することを望まないが、PBMCに作用することも可能であると考えられる。樹状細胞によるそのような作用は、免疫調節性物質に対して追加的であるか、それと組み合わせられるか、増強的様式であるか、かつ/または相乗的であり得る。それゆえ、とりわけ、ランゲルハンス細胞は、PBMC作用(affection)を支持する最適または有利な微小環境を提供する場合があるが、しかしながら、ランゲルハンス細胞は、免疫調節性物質の投与を置き換えるかまたは埋め合わせることができない。
【0028】
PBMC(例えば、ナイーブPBMC)に作用させた後、もはやナイーブではない作用されたPBMCは、自然に皮膚を離れ、血流中に入り、いかなるさらなる行動または作用を伴わずに、被験体の身体中のそれらの活動場所へと移動する。活動場所は、例えば、被験体の身体中の炎症関節であり得る。本発明の効果は、主に、作用されたPBMC、特に調節T細胞および/もしくはヘルパーT細胞またはそれらのサブセットにより付与される。
【0029】
上記の理由のために、皮膚は、ヘルパーT細胞、もしくはそのサブセット、および/または調節T細胞などの作用されたPBMCを生成するために、in vivo PBMCインキュベータ、好ましくはナイーブPBMCに対するインキュベータとして用いるために非常に好適である。
【0030】
PBMCに作用することに加えて、免疫調節性物質は、必ずではないが、周囲組織への毛細血管壁を超える毛細血管内腔からのPBMCの移動の天然に発生するプロセスを促進する微小環境をつくり出す誘引因子として機能し得ることを注記することができる。それにもかかわらず、これは、毛細血管壁の通過に先立って、PBMCが皮膚毛細血管または皮膚毛細血管内腔内に蓄積する必要があるという事実を置き換えない。このことは、免疫調節性物質の投与以外の手段を必要とし、例えば、ステップ(A-1)~(A-7)のうちのいずれかにより、達成することができる。上記で既に言及される通り、皮膚毛細血管は、その拡張していない基底状態では、PBMCがその中およびそれを通って押し込まれるためには狭過ぎる。本発明で投与される免疫調節性物質は、皮膚の毛細血管内でのPBMCの存在を提供しない。
【0031】
本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤であって、
該方法はステップ(A)を含み、好ましくはステップ(A)からなり、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO2の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ該方法は、ステップ(B):
(B) 該被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
をさらに含むか、好ましくはさらにそれからなるか、
あるいは
該方法はステップ(A)を含み、好ましくはステップ(A)からなり、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO2の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ該方法は、ステップ(C):
(C) 該被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
をさらに含むか、好ましくはさらにそれからなるか、
あるいは
該方法はステップ(A)を含み、好ましくはステップ(A)からなり、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO2の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ該方法は、
(B) 該被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ、および
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
をさらに含むか、好ましくはさらにそれからなる、
免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤、ならびにそのような方法のうちのいずれかに関する。
【0032】
本明細書中に記載される本発明のすべての実施形態の好ましい態様では、本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤であって、
該方法はステップ(A)を含み、好ましくはステップ(A)からなり、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO2の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ該方法は、ステップ(B):
(B) 該被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
をさらに含むか、好ましくはさらにそれからなるか、
あるいは
該方法はステップ(A)を含み、好ましくはステップ(A)からなり、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO2の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ該方法は、
(B) 該被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ、および
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
をさらに含むか、好ましくはさらにそれからなる、
免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤、ならびにそのような方法のうちのいずれかに関する。
【0033】
本明細書中に記載される本発明のすべての実施形態のより好ましい態様では、本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤であって、
該方法はステップ(A)を含み、好ましくはステップ(A)からなり、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO2の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ該方法は、
(B) 該被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ、および
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
をさらに含むか、好ましくはさらにそれからなる、
免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤、ならびにそのような方法のうちのいずれかに関する。
【0034】
簡潔性および明確性の目的のために、以下の実施形態のうちの数種類は、一般的に、ステップ(A)を指す。しかしながら、別途言及されない場合、これらの実施形態のうちのいずれかは、独立して、ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)のうちのいずれかを指すことが理解されるべきである。
【0035】
ステップ(B)で投与される免疫調節性物質は、第1の免疫調節性物質であるかまたは第1の免疫調節性物質として示される場合もあり、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質は、第2の免疫調節性物質であるかまたは第2の免疫調節性物質として示される場合もあり、かつステップ(B1)(下記を参照されたい)で投与される免疫調節性物質は、第3の免疫調節性物質であるかまたは第3の免疫調節性物質として示される場合もある。別途言及されない場合、免疫調節性物質に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでの第1の免疫調節性物質、第2の免疫調節性物質および第3の免疫調節性物質に対して、特に本明細書中に記載される医療デバイスの実施形態のうちのいずれかに対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0036】
免疫調節性物質に関して本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、表現「第1」、「第2」および「第3」は、第1の免疫調節性物質、第2の免疫調節性物質および第3の免疫調節性物質(免疫調節性物質としても示される)のうちのいずれかのいかなる順序、序列または優先順位も意図または示唆しないことが理解されるべきである。これらの表現は、対応する免疫調節性物質を一義的に割り当て、指定し、かつ指すためにのみ機能する。
【0037】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、被験体の免疫系の変化を治療および/または予防することを必要とし、このとき、免疫系の変化は、免疫系のダウンレギュレーションであり得る。
【0038】
ダウンレギュレーションは、例えば、抗炎症性調節および/または抗原、自己抗原もしくは抗原提示細胞の認識でのより積極的でない調節であり得、それにより、例えば、炎症活性および腫脹の低減がもたらされる。
【0039】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は:
- 免疫系の、より好ましくは被験体の免疫系のダウンレギュレーションを治療および/もしくは予防することを必要とし;かつ/または
- 被験体の身体の過剰に攻撃的な、かつ/もしくは過活動性の免疫反応により引き起こされる症状により特徴付けられ、かつ/または
- 細胞傷害性T細胞の過剰表現および/もしくは過活動性を含み;かつ/または
- 被験体の遺伝的状態により引き起こされず;かつ/または
- 免疫学的背景および/もしくは自己免疫的背景を有し、
より好ましくは、治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、免疫学的疾患、自己免疫疾患および/または臓器移植後の臓器拒絶反応、さらにより好ましくは、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患である。炎症性疾患が免疫学的背景または自己免疫的背景を有することができる一方で、免疫学的疾患または自己免疫疾患は必ずしも炎症を伴う必要はないことを指摘することができる;かつ/または
- 炎症を伴う
ことが好ましい。
【0040】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は:
- 関節炎、
好ましくは、本明細書中に記載される関節炎の好ましい実施形態で規定される通り;
- 滑膜炎および/もしくは腱滑膜炎、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードM65.-に従う;
- 炎症性リウマチ疾患、
好ましくは、本明細書中に記載される炎症性リウマチ疾患の好ましい実施形態で規定される通り;
- バセドウ病(グレーブス病とも称される)、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードE05.0に従う;
- 橋本病(橋本甲状腺炎とも称される)、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードE06.3に従う;
- 限定するものではないが、多発性硬化症
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードG35.-に従い、より好ましくはコードG35.10に従う
をはじめとする、神経系の炎症性疾患、;
- クローン病(Morbus Crohn)、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードK50.-に従う;
- 前部ブドウ膜炎(Uveitis anteriora)および/もしくは虹彩毛様体炎、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードH20.0、H20.1およびH20.9に従う;
- 1型糖尿病などの糖尿病性疾患、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードE10.-に従う;
- 重症筋無力症、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードG70.0に従う;
- 例えば、遺伝的もしくは細菌背景により引き起こされない、自己免疫的背景に基づく糸球体腎炎、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードN05.-に従う;
- 自己免疫性肝炎、好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードK75.4に従う;および/もしくは
C型肝炎、好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードB18.2に従う
をはじめとする肝炎;
- APECED(自己免疫性多内分泌腺症候群1型とも称される)、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードE31.0に従う;
- グッドパスチャー症候群、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードM31.-に従う;
- CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎とも称される)、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードG61.8に従う;および/もしくは
ギランバレー症候群、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードG61.0に従う
をはじめとする、多発性神経炎(Polyneuritides)、好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードG61.-に従う;
- 粘膜苔癬(Lichen mucosae)、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードL43.-に従う;ならびに/または
- スティッフパーソン症候群、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードG25.88に従う
を含み、好ましくはそれらからなる。
【0041】
表現「基準ICD-10-GM 2021」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、「ICD-10-GM 2021 Systematisches Verzeichnis: Internationale statistische Klassifikation der Krankheiten und verwandter Gesundheitsprobleme, 10. Revision - German Modification」、Deutscher Arzteverlag社、ISBN-13:978-3-7691-3722-4を意味する。
【0042】
さらにより好ましくは、治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は:
- 関節炎、
好ましくは、本明細書中に記載される関節炎の好ましい実施形態で規定される通り;
- 滑膜炎および/もしくは腱滑膜炎、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードM65.-に従う;
- 炎症性リウマチ疾患、
好ましくは、本明細書中に記載される炎症性リウマチ疾患の好ましい実施形態で規定される通り;
- 橋本病(橋本甲状腺炎とも称される)、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードE06.3に従う;
- バセドウ病(グレーブス病とも称される)、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードE05.0に従う;
- クローン病、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードK50.-に従う;ならびに/または
- 限定するものではないが、多発性硬化症
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードG35.-に従い、より好ましくはコードG35.10に従う
をはじめとする、神経系の炎症性疾患
を含み、好ましくはそれらからなる。
【0043】
好ましくは、関節炎は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、好ましくは基準ICD-10-GM 2021のコードM13.-、M14.-、M15.-および/またはM25.-、より好ましくはコードM25.5に従う、単関節炎、少関節炎および/または多発性関節炎を含み、好ましくはそれらからなり、より好ましくは、多発性関節炎である。
【0044】
好ましくは、滑膜炎および/または腱滑膜炎は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、好ましくは基準ICD-10-GM 2021のコードM65.-に従う、滑膜炎および腱滑膜炎、より好ましくは滑膜炎を含み、好ましくはそれらからなる。
【0045】
好ましくは、炎症性リウマチ疾患は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合:
- 関節リウマチ(RA)(慢性多発性関節炎とも称される)、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードM05.-、より好ましくはコードM05.80に従う;
- 若年性関節炎、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードM08.-に従う;
- ベヒテレフ病(強直性脊椎炎とも称される)、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードM45.-に従う;
乾癬性関節炎、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードM07.-に従う;
腸疾患関連関節炎(潰瘍性大腸炎などの腸疾患に関連付けられる);
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードM07.-に従う;
反応性関節炎、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードM02.-に従う;および/もしくは
未分化脊椎関節炎(undifferentiated spondyloarthritis)
をはじめとする脊椎関節炎(spondyloarthritides);
- 結合組織病(結合組織疾患)、例えば:
全身性硬化症、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードM34.9に従う;
シェーグレン症候群、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードM35.0に従う;
多発性筋炎、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードM33.-に従う;
皮膚筋炎および混合性結合組織病、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードM30~M36に従う;および/もしくは
エリテマトーデス、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードL93.-に従う;
- 脈管炎(血管炎症を伴う疾患)、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードL93.-、L95.-もしくはM05.-に従う;
- リウマチ性多発筋痛症、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードM35.3に従う;
- SAPHO症候群(滑膜炎・ざ瘡・膿疱症・骨化過剰症・骨炎症候群とも称される)、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードM86.3に従う;
- 多発性軟骨炎、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードM94.1に従う;
- 汎発性線維性筋炎、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードG71.-に従う;
- 強直性脊椎症候群、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードG71.2に従う;
- アイザックス症候群、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードG71.1に従う、および/もしくは
モルバン症候群、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードG60.8に従う
をはじめとするニューロミオトニア(neuromyotonie);
ならびに/または
- こむら返り病(里吉病)、
好ましくは、基準ICD-10-GM 2021のコードM35.8に従う
を含み、好ましくはそれらからなる。
【0046】
より好ましくは、炎症性リウマチ疾患は、関節リウマチ、乾癬性関節炎、リウマチ性多発筋痛症および/またはベヒテレフ病、さらにより好ましくは関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症および/またはベヒテレフ病である。
【0047】
より好ましくは、治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、炎症性リウマチ疾患、橋本病、バセドウ病、クローン病および/または多発性硬化症、さらにより好ましくは関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、ベヒテレフ病、乾癬性関節炎、橋本病、バセドウ病、クローン病および/または多発性硬化症、またさらにより好ましくは多発性関節炎、滑膜炎、関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、ベヒテレフ病、バセドウ病および/または多発性硬化症を含み、好ましくはそれらからなる。
【0048】
治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患ならびにその好ましい実施形態のうちのいずれかは、当技術分野で通常用いられ、かつ当業者に公知のいずれかの方法および/またはパラメータにより定義および/または決定することができ、好ましくは定義および/または決定される。好ましくは、定義および/または決定は、基準ICD-10-GM 2021に従い、好ましくは、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の実施形態ならびにその好ましい実施形態に関して好ましいことが示される基準ICD-10-GM 2021のコードに従う。
【0049】
より好ましくは、関節炎、さらにより好ましくは単関節炎、少関節炎および/または多発性関節炎の定義および/または決定は、基準ICD-10-GM 2021に、好ましくは基準ICD-10-GM 2021のコードM13.-、M14.-、M15.-および/またはM25.-に、より好ましくはコードM25.5に従う。またさらにより好ましくは、基準ICD-10-GM 2021に、好ましくは基準ICD-10-GM 2021のコードM13.-、M14.-、M15.-および/またはM25.-に、より好ましくはコードM25.5に従う、多発性関節炎の定義および/または決定。
【0050】
より好ましくは、基準ICD-10-GM 2021に、さらにより好ましくは基準ICD-10-GM 2021のコードM65.-に従う、滑膜炎および/または腱滑膜炎の定義および/または決定。
【0051】
より好ましくは、炎症性リウマチ疾患の定義および/または決定は、炎症性リウマチ疾患の実施形態およびその好ましい実施形態に関して好ましいことが示される基準ICD-10-GM 2021に従う。
【0052】
それゆえ、さらにより好ましくは、基準ICD-10-GM 2021に、好ましくは基準ICD-10-GM 2021のコードM05.-に、より好ましくはコードM05.80に従う、関節リウマチの定義および/または決定。
【0053】
さらにより好ましくは、リウマチ性多発筋痛症の定義および/または決定は、基準ICD-10-GM 2021に、好ましくは基準ICD-10-GM 2021のコードM35.3に従う。
【0054】
さらにより好ましくは、基準ICD-10-GM 2021に、好ましくは基準ICD-10-GM 2021のコードM45.-に従う、ベヒテレフ病の定義および/または決定。
【0055】
さらにより好ましくは、基準ICD-10-GM 2021に、好ましくは基準ICD-10-GM 2021のコードM07.-に従う、乾癬性関節炎の定義および/または決定。
【0056】
より好ましくは、バセドウ病の定義および/または決定は、基準ICD-10-GM 2021に、好ましくは基準ICD-10-GM 2021のコードE05.0に従う。
【0057】
より好ましくは、基準ICD-10-GM 2021に、好ましくは基準ICD-10-GM 2021のコードE06.3に従う、橋本甲状腺炎の定義および/または決定。
【0058】
より好ましくは、基準ICD-10-GM 2021に、好ましくは基準ICD-10-GM 2021のコードG35.-に、より好ましくはコードG35.10に従う、多発性硬化症の定義および/または決定。
【0059】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合の被験体は、治療および/または予防を必要とするいずれかの被験体であり得、好ましくは、そのようないずれかの被験体である。
【0060】
被験体は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、適応免疫応答を生起することが可能な、好ましくはT細胞免疫応答を生起することが可能な免疫系を有するいずれかの被験体であり得、好ましくは、そのようないずれかの被験体である。
【0061】
好ましくは、被験体は、脊椎動物、より好ましくは哺乳動物、さらにより好ましくはヒトまたはウシ、バッファロー、ウマ、ロバ、ゾウ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウサギ、マウス、ラット、ラクダ、ヒトコブラクダ、ラマ、アルパカ、イヌおよび/もしくはネコから選択される哺乳動物の属および/または生物種のうちのいずれかである。またより好ましくは、被験体はヒトである。
【0062】
被験体は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、新生児、乳児、幼児、小児、青年期および/または成体の被験体、好ましくは、乳児、幼児、小児、青年期および/または成体、またより好ましくは、幼児、小児、青年期または成体、またより好ましくは、小児、青年期および/または成体、またさらにより好ましくは、青年期および/または成体、さらに好ましくは成体であり得、好ましくはそれらである。被験体がヒトである場合、新生児は28日齢までであり、乳児は29日齢の始めから12ヵ月齢の終わりまでであり、幼児は13ヵ月齢の始めから満3歳までであり、小児は4歳の始めから満12歳までであり、青年期は13歳の始めから満18歳までであり、かつ成人は19歳の始めからである。
【0063】
好ましくは、被験体は、炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患を有すると診断されている被験体ならびに/または炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患を発症するリスクを有することが示される被験体である。
【0064】
好ましくは、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を有すると診断されている被験体は、関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、炎症性リウマチ疾患、橋本病、バセドウ病および/または多発性硬化症、さらにより好ましくは関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、ベヒテレフ病、乾癬性関節炎、橋本病、バセドウ病および/または多発性硬化症、またさらにより好ましくは多発性関節炎、滑膜炎、関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、ベヒテレフ病、バセドウ病および/または多発性硬化症を有すると診断された被験体である。
【0065】
好ましくは、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を発症するリスクを有することが示される被験体は、関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、炎症性リウマチ疾患、橋本病、バセドウ病および/または多発性硬化症、さらにより好ましくは関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、ベヒテレフ病、乾癬性関節炎、橋本病、バセドウ病および/または多発性硬化症、またさらにより好ましくは多発性関節炎、滑膜炎、関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、ベヒテレフ病、バセドウ病および/または多発性硬化症を発症するリスクを有することが示される被験体である。
【0066】
通常、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を有すると診断されている被験体では、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の症状が既に明らかであり、かつ被験体は、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の症状に見舞われている。言い換えれば、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、被験体で既に出現している。
【0067】
通常、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を発症するリスクを有することが示される被験体では、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の症状は未だ明らかでなく、かつ被験体は、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の症状に見舞われていない。言い換えれば、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、被験体で未だ出現していない。リスクを有するとは、被験体が、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を発症するであろう、および/または高い可能性で発症するであろうという意味で理解されるべきである。これは、例えば、ベヒテレフ病(Morbus Bechterew)、関節リウマチ、クローン病、反応性関節炎もしくは若年性関節炎を発症するリスクを有することを示し得る、例えば、HLA-B*27対立遺伝子を保持する被験体に関する場合、または例えば、関節リウマチが頻繁に発生(occured)してきた被験体の家族歴の場合であり得る。
【0068】
炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を有すると診断されている被験体の診断は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、当技術分野で通常用いられ、かつ当業者に公知のいずれかの方法および/またはパラメータにより確立することができ、好ましくは確立される。好ましくは、基準ICD-10-GM 2021に従い、好ましくは、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の実施形態ならびにその好ましい実施形態に関して好ましいことが示される基準ICD-10-GM 2021のコードに従って確立される診断。
【0069】
より好ましくは、関節炎、さらにより好ましくは単関節炎、少関節炎および/または多発性関節炎を有すると診断されている被験体の診断は、基準ICD-10-GM 2021に、好ましくは基準ICD-10-GM 2021のコードM13.-、M14.-、M15.-および/またはM25.-に、より好ましくはコードM25.5に従って確立される。さらにより好ましくは、基準ICD-10-GM 2021に、好ましくは基準ICD-10-GM 2021のコードM13.-、M14.-、M15.-および/またはM25.-、より好ましくはコードM25.5に従って確立される、多発性関節炎を有すると診断されている被験体の診断。
【0070】
より好ましくは、基準ICD-10-GM 2021に、さらにより好ましくは基準ICD-10-GM 2021のコードM65.-に従って確立される、滑膜炎および腱滑膜炎を有すると診断されている被験体の診断。
【0071】
より好ましくは、炎症性リウマチ疾患を有すると診断されている被験体の診断は、炎症性リウマチ疾患の実施形態およびその好ましい実施形態に関して好ましいことが示される基準ICD-10-GM 2021に従って確立される。
【0072】
それゆえ、さらにより好ましくは、基準ICD-10-GM 2021、好ましくは基準ICD-10-GM 2021に従うM05.-、より好ましくはM05.80に従って確立される、関節リウマチを有すると診断されている被験体の診断。
【0073】
さらにより好ましくは、リウマチ性多発筋痛症を有すると診断されている被験体の診断は、基準ICD-10-GM 2021、好ましくは基準ICD-10-GM 2021に従うM35.3に従って確立される。
【0074】
さらにより好ましくは、基準ICD-10-GM 2021、好ましくは基準ICD-10-GM 2021に従うM45.-に従って確立される、ベヒテレフ病を有すると診断されている被験体の診断。
【0075】
さらにより好ましくは、基準ICD-10-GM 2021に、好ましくは基準ICD-10-GM 2021のコードM07.-に従って確立される、乾癬性関節炎を有すると診断されている被験体の診断。
【0076】
より好ましくは、バセドウ病を有すると診断されている被験体の診断は、基準ICD-10-GM 2021、好ましくは基準ICD-10-GM 2021に従うM45.-に従って確立される。
【0077】
より好ましくは、基準ICD-10-GM 2021、好ましくは基準ICD-10-GM 2021に従うM45.-に従って確立される、橋本甲状腺炎を有すると診断されている被験体の診断。
【0078】
より好ましくは、基準ICD-10-GM 2021、好ましくは基準ICD-10-GM 2021に従うM45.-に従って確立される、多発性硬化症を有すると診断されている被験体の診断。
【0079】
炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を発症するリスクを有することが示される被験体の兆候は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、当技術分野で通常用いられ、かつ当業者に公知のいずれかの方法および/またはパラメータにより確立することができ、好ましくは確立される。より好ましくは、兆候は、基準ICD-10-GM 2021に従って確立される。
【0080】
炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を発症するリスクを有することが示される被験体の兆候は、当技術分野で通常用いられ、かつ当業者に公知のいずれかの方法および/またはパラメータ、例えば、ベヒテレフ病、関節リウマチ、クローン病、反応性関節炎または若年性関節炎の場合での家族歴および/またはHLA-B*27などの遺伝的関連により確立することができ、好ましくはそれらにより確立される。
【0081】
好ましくは、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を発症するリスクを有することが示される被験体は、関節炎、単関節炎、少関節炎、多発性関節炎および/または上記に列記された炎症性リウマチ疾患のうちのいずれかを発症することが示される被験体である。
【0082】
好ましくは、表現「治療すること」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を有すると診断されている被験体ならびに被験体の状態が改善され、例えば、疼痛および/または炎症が軽減または消失し;器官、組織および/または関節破壊が予防され;血液パラメータが改善または正常化し;器官、組織および/または関節破壊のさらなる進行が減速、停止し、かつ/または再生が起こり;器官、組織および/または関節機能性能力が保存または改善され;関節の腫脹および/または圧力感受性が低減し;被験体の正常な生活様式が維持され;かつ/あるいは被験体の生活の質および/または精神的および/もしくは身体的幸福が維持または改善されることを意味する。
【0083】
好ましくは、表現「予防すること」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を発症するリスクを有すると診断されている被験体および被験体の健康状態が維持され、かつ被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の症状の発症が予防および/または遅延され;器官、組織および/または関節破壊が予防され;器官、組織および/または関節機能性能力が保存され;被験体の正常な生活様式が維持され;かつ/あるいは被験体の生活の質および/または精神的および/もしくは身体的幸福が維持または改善されることを意味する。
【0084】
表現「PBMC」(「末梢血単核細胞」)とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、細胞性血液成分の細胞、特に白血球の部分集団を意味する。好ましくは、白血球は、細胞性成分として、リンパ球および単球を含み、より好ましくはそれらからなる。好ましくは、PBMCは、細胞性成分として、リンパ球および単球を含み、より好ましくはそれらからなるが、赤血球および血小板(核を保有しない)ならびに顆粒球(分葉核を保有する)は有効量で存在しないか、本質的に非存在または非存在であり、より好ましくは非存在である。より好ましくは、PBMCは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、ナチュラルキラー細胞、B細胞および/またはT細胞などのリンパ球、より好ましくはB細胞および/またはT細胞であり、さらにより好ましくはナイーブPBMC、またより好ましくはナイーブリンパ球、またさらにより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、またさらにより好ましくはナイーブT細胞である。
【0085】
好ましくは、PBMCは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、血液由来PBMCである。これは、投与、例えば注入されるPBMC(ステップ(A-8)での場合であり得る場合)、ならびにいずれかの蓄積したPBMCまたは蓄積される予定のPBMCに対して等しく適用される。それゆえ、表現「PBMC」は、好ましくは、組織内、好ましくは皮膚内に元来常在するPBMCを意味しない。それゆえ、皮膚、特に皮膚組織内に元来常在するPBMCは、好ましくは、蓄積したPBMC中、PBMCの蓄積または蓄積される予定のPBMC中に包含されない。
【0086】
PBMCは、血液、好ましくは全血から抽出することができ、続いて、以下では「単離型PBMC」と称される単離された、好ましくは精製された形態で存在することができるか、または以下で「血液PBMC」と称される血液、好ましくは全血内の細胞性血液成分の細胞の部分集団として存在することができる。単離型PBMC中では、血液成分およびPBMC以外の細胞性血液成分は、好ましくは有効量で存在しないか、本質的に非存在または非存在、より好ましくは非存在である。単離型PBMCは、当業者に公知のいずれかの方法により、好ましくは勾配遠心と組み合わせたフィコール抽出により、または、好ましくは材料および方法のセクション「PBMCの調製」に記載される通りの、アフェレーシス、より好ましくは全血を用いるアフェレーシスにより、取得することができる。
【0087】
表現「リンパ球」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、PBMCの細胞の部分集団を意味する。ここでまた、リンパ球は、B細胞、T細胞および/またはナチュラルキラー細胞をはじめとする細胞の部分集団を含むことができる。好ましくは、リンパ球は、細胞性成分として、成熟B細胞などのナイーブおよび作用されたB細胞をはじめとするB細胞;ナチュラルキラー細胞;および/または成熟T細胞などのナイーブおよび作用されたT細胞をはじめとするT細胞を含み、好ましくはそれらからなることができる。より好ましくは、リンパ球は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、細胞性成分として、ナイーブリンパ球、作用されたリンパ球および/またはナチュラルキラー細胞、さらにより好ましくはナイーブリンパ球、またさらにより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、さらに好ましくはナイーブT細胞を含み、より好ましくはそれらからなる。好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、リンパ球は、より好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞を含み、さらにより好ましくは細胞性成分としてそれらからなるナイーブリンパ球である。またさらにより好ましくは、リンパ球はナイーブT細胞である。
【0088】
表現「ナイーブ」または「ナイーブ細胞」は、ナイーブPBMC、ナイーブリンパ球、ナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞などの細胞のいずれかのタイプに関して本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、それらの対応する抗原に対して曝露されたことがない。好ましくは、そのようなナイーブ細胞は活性化されておらず、かつ/または免疫調節性物質および場合により樹状細胞、より好ましくは両方により作用される可能性を有する。作用に際して、ナイーブ細胞は作用された細胞になる。さらにより好ましくは、ナイーブ細胞は活性化されておらず、作用される可能性を有し、かつそれらの対応する抗原に対して曝露されたことがない。典型的には、表現「ナイーブ」は、好ましくはそのような細胞が、誘引、調節、誘導、抑制、成熟、分化、変化および/または増殖などの考えられる作用のリストの少なくとも1種のメンバーにより、免疫調節性物質および場合により樹状細胞により作用される可能性を未だに有する限り、ナイーブ細胞がある程度の調節、誘導、抑制、成熟、分化、変化および/または増殖を既に獲得していることを除外しない。
【0089】
表現「作用される可能性」とは、ナイーブPBMC、ナイーブリンパ球、ナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞などの細胞のいずれかのタイプに関して本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、そのようなナイーブ細胞が、免疫調節性物質および場合により樹状細胞により引き起こされる作用に際して、誘引、調節、誘導、抑制、成熟、分化、変化および/または増殖され、より好ましくは、誘引、成熟、分化および/または増殖され、さらにより好ましくは、成熟、分化および/または増殖されることを意味する。
【0090】
表現「作用された」または「作用された細胞」とは、作用されたPBMC、作用されたリンパ球、作用されたB細胞および/または作用されたT細胞などの細胞のいずれかのタイプに関して本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、そのような作用された細胞が、免疫調節性物質および場合により樹状細胞により引き起こされる作用に起因して、誘引、調節、誘導、抑制、成熟、分化、変化および/または増殖を受け、より好ましくは、誘引、成熟、分化および/または増殖を受け、さらにより好ましくは、成熟、分化および/または増殖を受けたことがあることを意味する。好ましくは、「作用された」は、そのような作用された細胞が、免疫調節性物質および場合により樹状細胞により引き起こされる作用に起因する活性化を受けたことがあることを除外し、すなわち、そのような作用された細胞は、抗原、自己抗原および/または抗原提示細胞に対する増加した攻撃性を提供しない。
【0091】
表現「誘引する」、「誘引すること」、「誘引される」および/または「誘引」とは、PBMC、リンパ球、B細胞および/またはT細胞、特にナイーブPBMC、ナイーブリンパ球、ナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞などの細胞のいずれかのタイプに関して本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、そのような細胞が、誘引因子に向かって指向性に移動させられることを意味する。そのような誘引因子は、例えば、免疫調節性物質であり得るが、必ずしもそうではない。例えば、この表現は、そのような細胞が、血管内皮を通過することにより皮膚毛細血管の内腔を離れ、かつ免疫調節性物質が存在する部位へ向かって周囲皮膚組織へと侵入させられることを意味する。既に上記でさらに詳細に述べられる通り、この移動メカニズムは天然に存在することが公知であり、かつさらなる行動または作用を必要としない。それにもかかわらず、そのような誘引因子は、有益な微小環境を提供することにより、そのような移動を促進するかまたはそれに寄与することができる。したがって、作用は、必ずではないが、とりわけ、誘引であり得る。これは、例えば、ステップ(A-0)~(A-7)の場合に有利であり得、これらのステップでは、PBMCの蓄積が特に皮膚の毛細血管の内腔内で生じる(ステップ(A-0))かまたは生じると考えられる(ステップ(A-1)~(A-7))。続いて、毛細血管壁のPBMCの通過は、天然に存在するプロセスに依存し、かつ最終的には皮膚内、特に皮膚組織内での蓄積をもたらすか、またはもたらすと考えられる。逆に、例えばステップ(A-8)の場合、PBMCは注入により投与することができ、かつPBMCの蓄積は、皮膚内、特に皮膚組織内で既に生じている。したがって、皮膚組織への移動は必要ない。しかしながら、いずれの場合にも、蓄積したPBMCおよび投与された免疫調節性物質は、皮膚内に捕捉および保持されて、免疫調節性物質とのPBMCのin vivoインキュベーションを提供することができ、それにより、PBMCが、最終的に、場合により誘引されることに加えて、作用されたPBMCになる(好ましくは、調節、誘導、抑制、成熟、分化、変化および/または増殖される)場合がある。
【0092】
表現「増殖する」、「増殖すること」、「増殖される」および/または「増殖」とは、細胞のいずれかのタイプに関して本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、そのような細胞の量が、免疫調節性物質および場合により樹状細胞により引き起こされる作用に先立つそのような細胞の量と比較して、増加する/増加させられるかまたは減少する/減少させられる、好ましくは、増加する/増加させられることを意味する(細胞のタイプに依存して、そのような細胞の一定量が、被験体の身体中で天然に存在する免疫プロセスに起因して、作用に先立って既に存在する場合があることを注記することができる)。例えば、調節T細胞および/もしくはヘルパーT細胞、またはそのサブセットが増殖する場合、これは、そのような細胞の量が、好ましくは被験体の血液内で、作用に先立つ量と比較して増加することを意味する(そのような細胞の一定量が、被験体の身体中で天然に存在する免疫プロセスに起因して、作用に先立って既に存在する場合があることを注記することができる)。
【0093】
表現「分化する」、「分化すること」、「分化される」および/または「分化」とは、細胞のいずれかのタイプに関して本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、そのような細胞が、ある程度まで既に分化していることができ、かつさらに分化および/または成熟する可能性を有することを意味する。
【0094】
表現「成熟する」、「成熟すること」、「成熟される」および/または「成熟」とは、細胞のいずれかのタイプに関して本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、そのような細胞が、さらに分化および/または成熟する可能性を有しないことを意味する。
【0095】
分化した細胞は、例えば、調節T細胞へと成熟する可能性を有する、例えば、ヘルパーT細胞、またはそのサブセットであり得る。成熟細胞は、例えば、さらなる分化および/または成熟に対する可能性をもはや有しない調節T細胞であり得る。
【0096】
表現「ナイーブPBMC」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、少なくともある程度まで、分化しているPBMCを意味する。
【0097】
好ましくは、ナイーブPBMCは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、それらの対応する抗原に対して曝露されたことがない。
【0098】
好ましくは、ナイーブPBMCは、活性化されておらず、かつ/または免疫調節性物質および場合により樹状細胞、より好ましくは両方により作用される可能性を有する。作用に際して、ナイーブPBMCは作用されたPBMCになる。
【0099】
さらにより好ましくは、ナイーブPBMCは、活性化されておらず、作用される可能性を有し、かつそれらの対応する抗原に対して曝露されたことがない。
【0100】
好ましくは、胸腺または骨髄などの極めて重要(中心的)なリンパ器官を離れるすべてのPBMC、より好ましくはすべてのリンパ球は、ナイーブPBMCであると考えられる。より好ましくは、骨髄を離れるものはナイーブB細胞とも称されるナイーブBリンパ球であり、かつ/または胸腺を離れるものはナイーブT細胞とも称されるナイーブTリンパ球である。
【0101】
ナイーブPBMCは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、より好ましくは、細胞性成分として、ナイーブリンパ球、さらにより好ましくはナイーブT細胞および/またはナイーブB細胞、またより好ましくはナイーブT細胞を含み、さらにより好ましくはそれらからなる。
【0102】
表現「作用されたPBMC」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、免疫調節性物質および場合により樹状細胞により引き起こされる作用に際したナイーブPBMCを意味する。理論に拘泥することを望まないが、作用されたPBMCは、好ましくは、細胞性成分として、作用されたリンパ球、さらにより好ましくは作用されたB細胞および/または作用されたT細胞、またより好ましくは作用されたT細胞、調節B細胞、ヘルパーT細胞もしくはそのサブセット、および/または調節T細胞;さらにより好ましくは調節B細胞、ヘルパーT細胞もしくはそのサブセット、および/または調節T細胞;またより好ましくはヘルパーT細胞、もしくはそのサブセット、および/または調節T細胞を含み、より好ましくはそれらからなると考えられる。さらに、理論に拘泥することを望まないが、好ましくは、作用されたPBMCは、免疫調節性物質および場合により樹状細胞により引き起こされる作用に起因して、誘引、調節、誘導、抑制、成熟、分化、変化および/または増殖を受け、より好ましくは、誘引、成熟、分化、および/または増殖を受け、さらにより好ましくは、成熟、分化、および/または増殖を受けたことがある。好ましくは、表現「作用されたPBMC」は、作用されたPBMCが免疫調節性物質および場合により樹状細胞により引き起こされる作用に起因する活性化を受けたことがあることを除外する。それゆえ、好ましくは、作用されたPBMCは、抗原、自己抗原および/または抗原提示細胞に対する増加した攻撃性を提供しない。
【0103】
表現「ナイーブリンパ球」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、少なくともある程度まで、分化しているリンパ球を意味する。
【0104】
好ましくは、ナイーブリンパ球は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、それらの対応する抗原に対して曝露されたことがない。
【0105】
好ましくは、ナイーブリンパ球は、活性化されておらず、かつ/または免疫調節性物質および場合により樹状細胞、より好ましくは両方により作用される可能性を有する。作用に際して、ナイーブリンパ球は作用されたリンパ球になる。
【0106】
さらにより好ましくは、ナイーブリンパ球は、活性化されておらず、作用される可能性を有し、かつそれらの対応する抗原に対して曝露されたことがない。
【0107】
好ましくは、胸腺または骨髄などの極めて重要(中心的)なリンパ器官を離れるすべてのリンパ球は、ナイーブリンパ球であると考えられる。より好ましくは、骨髄を離れるものはナイーブB細胞とも称されるナイーブBリンパ球であり、かつ/または胸腺を離れるものはナイーブT細胞とも称されるナイーブTリンパ球である。
【0108】
ナイーブリンパ球は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、より好ましくは、細胞性成分として、ナイーブT細胞および/またはナイーブB細胞、またより好ましくはナイーブT細胞を含み、さらにより好ましくはそれらからなる。
【0109】
表現「作用されたリンパ球」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、免疫調節性物質および場合により樹状細胞により引き起こされる作用に際したナイーブリンパ球を意味する。理論に拘泥することを望まないが、作用されたリンパ球は、好ましくは、細胞性成分として、メモリーB細胞、形質細胞、調節B細胞、ヘルパーT細胞もしくはそのサブセット、および/または調節T細胞;より好ましくは調節B細胞、ヘルパーT細胞もしくはそのサブセット、および/または調節T細胞;さらにより好ましくはヘルパーT細胞もしくはそのサブセット、および/または調節T細胞を含み、より好ましくはそれらからなると考えられる。さらに、理論に拘泥することを望まないが、好ましくは、作用されたリンパ球は、免疫調節性物質および場合により樹状細胞により引き起こされる作用に起因して、誘引、調節、誘導、抑制、成熟、分化、変化および/または増殖を受け、より好ましくは、誘引、成熟、分化、および/または増殖を受け、さらにより好ましくは、成熟、分化、および/または増殖を受けたことがある。好ましくは、表現「作用されたリンパ球」は、作用されたリンパ球が免疫調節性物質および場合により樹状細胞により引き起こされる作用に起因する活性化を受けたことがあることを除外する。それゆえ、好ましくは、作用されたリンパ球は、抗原、自己抗原および/または抗原提示細胞に対する増加した攻撃性を提供しない。
【0110】
表現「ナイーブT細胞」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、胸腺中で、好ましくは少なくともある程度まで、分化し、かつ胸腺中での中心的選択の正および負のプロセスを上首尾に受けたことがあるT細胞を意味する。さらに、ナイーブT細胞は、胸腺により放出されていることができるか、または放出されている。
【0111】
好ましくは、ナイーブT細胞は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、それらの対応する抗原に対して曝露されたことがない。
【0112】
好ましくは、ナイーブT細胞は、活性化されておらず、かつ/または免疫調節性物質および場合により樹状細胞、より好ましくは両方により作用される可能性を有する。作用に際して、ナイーブT細胞は作用されたT細胞になる。
【0113】
さらにより好ましくは、ナイーブT細胞は、活性化されておらず、作用される可能性を有し、かつそれらの対応する抗原に対して曝露されたことがない。
【0114】
表現「作用されたT細胞」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、免疫調節性物質および場合により樹状細胞により引き起こされる作用に際したナイーブT細胞を意味する。理論に拘泥することを望まないが、作用されたT細胞は、好ましくは、細胞性成分として、ヘルパーT細胞および/または調節T細胞;より好ましくはヘルパーT細胞および/または調節T細胞を含み、より好ましくはそれらからなると考えられる。さらに、理論に拘泥することを望まないが、好ましくは、作用されたT細胞は、免疫調節性物質および場合により樹状細胞により引き起こされる作用に起因して、誘引、調節、誘導、抑制、成熟、分化、変化および/または増殖を受け、より好ましくは、誘引、成熟、分化、および/または増殖を受け、さらにより好ましくは、成熟、分化、および/または増殖を受けたことがある。好ましくは、表現「作用されたT細胞」は、作用されたT細胞が、特に免疫調節性物質および場合により樹状細胞により引き起こされる作用に起因しない活性化を受けたことがあることを除外する。それゆえ、好ましくは、作用されたT細胞は、抗原、自己抗原および/または抗原提示細胞に対する増加した攻撃性を提供しない。
【0115】
ナイーブT細胞および作用されたT細胞の上記の定義に従えば、ヘルパーT細胞は、ナイーブT細胞および/または作用されたT細胞と考えることができることを指摘することができる。
【0116】
表現「ナイーブB細胞」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、骨髄中で、少なくともある程度まで、分化しているB細胞を意味する。
【0117】
好ましくは、ナイーブB細胞は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、それらの対応する抗原に対して曝露されたことがない。
【0118】
好ましくは、ナイーブB細胞は、活性化されておらず、かつ/または免疫調節性物質および場合により樹状細胞、より好ましくは両方により作用される可能性を有する。作用に際して、ナイーブB細胞は作用されたB細胞になる。
【0119】
さらにより好ましくは、ナイーブB細胞は、活性化されておらず、作用される可能性を有し、かつそれらの対応する抗原に対して曝露されたことがない。
【0120】
表現「作用されたB細胞」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、免疫調節性物質および場合により樹状細胞により引き起こされる作用に際したナイーブB細胞を意味する。理論に拘泥することを望まないが、作用されたB細胞は、好ましくは、細胞性成分として、メモリーB細胞、形質細胞および/または調節B細胞;さらにより好ましくは調節B細胞を含み、より好ましくはそれらからなると考えられる。好ましくは、作用されたB細胞は、免疫調節性物質および場合により樹状細胞により引き起こされる作用に起因して、誘引、調節、誘導、抑制、成熟、分化、変化および/または増殖を受け、より好ましくは、誘引、成熟、分化、および/または増殖を受け、さらにより好ましくは、成熟、分化、および/または増殖を受けたことがある。好ましくは、表現「作用されたB細胞」は、作用されたB細胞が、免疫調節性物質および場合により樹状細胞により引き起こされる作用に起因する活性化を受けたことがあることを除外する。それゆえ、好ましくは、作用されたB細胞は、抗原、自己抗原および/または抗原提示細胞に対する増加した攻撃性を提供しない。
【0121】
別途言及されない場合、PBMC、ナイーブPBMC、作用されたPBMC、リンパ球、ナイーブリンパ球、作用されたリンパ球、T細胞、ナイーブT細胞、作用されたT細胞、ヘルパーT細胞またはそのサブセット、B細胞、ナイーブB細胞、作用されたB細胞およびそれらの好ましい実施形態の定義は、PBMC、ナイーブPBMC、作用されたPBMC、リンパ球、ナイーブリンパ球、作用されたリンパ球、T細胞、ナイーブT細胞、作用されたT細胞、ヘルパーT細胞もしくはそのサブセット、B細胞、ナイーブB細胞および/または作用されたB細胞が言及される本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに対して広く適用される。
【0122】
別途言及されない場合、本明細書中に記載される通りの免疫調節性物質のいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合の免疫調節性物質、特に本発明に従う使用のための免疫調節性物質、ステップ(B)、(B1)および/もしくはステップ(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質に対して、独立して準用可能であることが理解されるべきである。
【0123】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、表現「免疫調節性物質」または「免疫調節性物質(複数)」、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、PBMCに、好ましくは直接的かつ/または間接的に作用することが可能であり、かつ/または作用するいずれかのタイプの物質であり得、好ましくはそのような物質である。
【0124】
表現「作用する」または「作用すること」とは、免疫調節性物質に関して本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでおよびそれらの好ましい実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、免疫調節性物質が、PBMCを誘引、調節、誘導、抑制、成熟、分化、変化および/または増殖させ、より好ましくは、PBMCを誘引、成熟、分化、および/または増殖させ、さらにより好ましくは、PBMCを成熟、分化、および/または増殖させることを意味する(言い換えれば、免疫調節性物質が、PBMCを誘引、調節、誘導、変化および/もしくは抑制し、かつ/またはPBMCが成熟、分化および/もしくは増殖(prolifere)することを引き起こす)。好ましくは、「作用する」または「作用すること」は、免疫調節性物質がPBMCを活性化することを除外する。それゆえ、好ましくは、作用に際して、作用されたPBMCは、抗原、自己抗原および/または抗原提示細胞に対する増加した攻撃性を提供しない。より好ましくは、PBMCは、ナイーブPBMC、さらにより好ましくはリンパ球、またより好ましくはT細胞および/またはB細胞、またさらにより好ましくはナイーブリンパ球、さらに好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、さらに好ましくはナイーブT細胞である。
【0125】
表現「作用することが可能である」とは、免疫調節性物質に関して本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでおよびそれらの好ましい実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、免疫調節性物質が、PBMCを誘引、調節、誘導、抑制、成熟、分化、変化および/または増殖させること、より好ましくは、PBMCを誘引、成熟、分化および/または増殖させること、さらにより好ましくは、PBMCを成熟、分化および/または増殖させることが可能であることを意味する。好ましくは、「作用することが可能である」は、免疫調節性物質がPBMCを活性化することが可能であることを除外する。それゆえ、好ましくは、考えられる作用に際して、作用されたPBMCは、抗原、自己抗原および/または抗原提示細胞に対する増加した攻撃性を提供しない。より好ましくは、PBMCは、ナイーブPBMC、さらにより好ましくはリンパ球、またより好ましくはT細胞および/またはB細胞、またさらにより好ましくはナイーブリンパ球、さらに好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、さらに好ましくはナイーブT細胞である。
【0126】
それゆえ、より好ましくは、免疫調節性物質は、誘引、増殖、分化および/または成熟させることにより、さらにより好ましくは増殖、分化および/または成熟させることにより、さらにより好ましくは分化および/または成熟させることにより、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。それゆえ、より好ましくは、免疫調節性物質は、PBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させる。さらにより好ましくは、免疫調節性物質は、PBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させる。またさらにより好ましくは、免疫調節性物質は、PBMCを分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを分化および/もしくは成熟させる。より好ましくは、PBMCは、ナイーブPBMC、さらにより好ましくはリンパ球、またより好ましくはT細胞および/またはB細胞、またさらにより好ましくはナイーブリンパ球、さらに好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、なおさらに好ましくはナイーブT細胞である。
【0127】
表現「直接的に」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、PBMCに「作用すること」または「作用することが可能である」の文脈では、免疫調節性物質が、それ自体でPBMCの所望の作用を引き起こすエフェクターとして機能するかまたは機能することが可能であることを意味する。例えば、それ(is)は、細胞の免疫調節性物質の個別の受容体を活性化することができるかまたは(of)活性化することが可能であり得る。免疫調節性物質の受容体は、例えば、PBMCのものであり得る。例えば、免疫調節性物質がサイトカインである場合、サイトカインは、個別のサイトカイン受容体を活性化することが可能であり得る。より好ましくは、PBMCは、ナイーブPBMC、さらにより好ましくはリンパ球、またより好ましくはT細胞および/またはB細胞、またさらにより好ましくはナイーブリンパ球、さらに好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、さらに好ましくはナイーブT細胞である。
【0128】
表現「間接的に」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、PBMCに「作用すること」または「作用することが可能である」の文脈では、免疫調節性物質が、特に前駆体、プロペプチドまたはプロドラッグなどの、免疫調節性物質の生成を生じるかもしくは引き起こすかまたは生じるかもしくは引き起こすことが可能であるいずれかの物質であることを意味する。言い換えれば、免疫調節性物質は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、作用または作用の能力などの免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性な免疫調節性物質へと変換される物質を包含することができる。それにより、PBMCの所望の作用は、間接的に達成される。これは、例えば、免疫調節性物質が、以下のものなどのいずれかの物質である場合であり得る:
- 細胞が免疫調節性物質を産生および/または分泌することを誘導する誘導因子であって、そのような細胞は、免疫調節性物質を産生および/または分泌することが可能ないずれかの細胞であり得る。そのような細胞は、例えば、PBMCまたはPBMCの細胞のうちのいずれかの部分集団またはPBMC以外のいずれかの細胞、好ましくは樹状細胞、より好ましくはランゲルハンス細胞などの皮膚内に常在する樹状細胞であり得る;
- 例えば、被験体の身体により代謝されて免疫調節性物質を生成する、免疫調節性物質の前駆体。免疫調節性物質の前駆体としては、とりわけ、例えば、ペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体、プロペプチド、その誘導体、RNA、DNA、塩、キャップ付き免疫調節性物質等が挙げられる;
- 例えば、粒子もしくはナノ粒子またはキャップ構造などの、物質に対する阻害剤、免疫調節性物質の発現、相互作用、産生、分泌および/または活性(aktivity)を防止する酵素または因子。免疫調節性物質は、例えば、送達のために粒子中に充填されることができる。これらの粒子は、物質が、その標的、例えば受容体と相互作用することを立体的に防止し、かつそれから保護することができ、物質は、例えば、患者の身体中での粒子からの放出後にのみその機能を発揮することができる;
- 免疫調節性物質のプロドラッグ;
- 免疫調節性物質のミューテイン(mutein);
- 免疫調節性物質の生物製剤(biologic)、バイオ後続品(biosimilar)、バイオ模倣体(biomimic)、バイオベターおよび/またはバイオスペリオル(biosuperior)などのバイオ医薬品;ならびに/あるいは
- 免疫調節性物質のコドラッグ。
【0129】
より好ましくは、作用される対象であるPBMCは、ナイーブPBMC、さらにより好ましくはリンパ球、またより好ましくはT細胞および/またはB細胞、またさらにより好ましくはナイーブリンパ球、さらに好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、さらに好ましくはナイーブT細胞;等である。
【0130】
表現「バイオ医薬品」は、生物製剤、バイオ後続品、バイオ模倣体、バイオベターおよび/またはバイオスペリオルを包含する。
【0131】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合の免疫調節性物質、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は:
- 被験体体内の、より好ましくは被験体の皮膚内のPBMCに、好ましくは直接的かつ/または間接的に作用することが可能であり、かつ/または作用し;
- 脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、より好ましくは脊椎動物の皮膚内、さらにより好ましくは哺乳動物の皮膚内、またより好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物の皮膚内、さらに好ましくは被験体の皮膚内のPBMCに、好ましくは直接的かつ/または間接的に作用することが可能であり、かつ/または作用し;
- 被験体の皮膚内のPBMCに、好ましくは直接的かつ/または間接的に作用することが可能であり、かつ/または作用し;
- PBMCに直接的に作用することが可能であり、かつ/または直接的に作用し;かつ/あるいは
- 誘引、増殖、分化および/または成熟させることにより、さらにより好ましくは増殖、分化および/または成熟させることにより、さらにより好ましくは分化および/または成熟させることにより、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。それゆえ、より好ましくは、免疫調節性物質は、PBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させる。さらにより好ましくは、免疫調節性物質は、PBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させる。またさらにより好ましくは、免疫調節性物質は、PBMCを分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを分化および/もしくは成熟させ、
好ましくは、PBMCは、ナイーブPBMC、より好ましくはリンパ球、さらにより好ましくはT細胞および/またはB細胞、またより好ましくはナイーブリンパ球、またさらにより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、さらに好ましくはナイーブT細胞である。
【0132】
さらにより好ましくは、免疫調節性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内のナイーブT細胞を直接的かつ/もしくは間接的に増殖、分化および/または成熟させることが可能であり、かつ/あるいはナイーブT細胞を直接的かつ/もしくは間接的に増殖、分化および/または成熟させる。またさらにより好ましくは、免疫調節性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内のナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/または成熟させることが可能であり、かつ/あるいはナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/または成熟させる。
【0133】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合の免疫調節性物質、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性な免疫調節性物質へと変換される、そのような物質の前駆体、プロドラッグおよびプロペプチドを包含することができる。それゆえ、好ましくは、免疫調節性物質は、いずれかの物質、分子、ペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグ、プロペプチドおよび/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、製薬上許容される塩である。より好ましくは、免疫調節性物質は、いずれかのペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、製薬上許容される塩である。
【0134】
インターフェロン様機能性免疫調節性物質は、十分な生物学的活性、すなわち、被験体での有効な交差反応性を有し、特に個別のインターフェロン受容体を活性化することが可能である限り、いずれかの天然に存在するかまたは人工的な免疫調節性物質であり得る。
【0135】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合の免疫調節性物質、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、脊椎動物、好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に類似または同一であり得、好ましくは類似または同一であり、より好ましくは同一である、いずれかのペプチド、タンパク質および/またはこれらのいずれかの誘導体もしくは断片である。
【0136】
さらにより好ましくは、免疫調節性物質は、70%以上、またより好ましくは85%以上、またさらにより好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、なおさらに好ましくは97%以上、またさらに好ましくは98%以上、またなおさらに好ましくは99%以上かつ100%以下の、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、さらにより好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸配列同一性を有する。好ましくは、アミノ酸配列同一性は、天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸残基の置換、挿入および/または欠失を含む。好ましくは、アミノ酸残基の置換、挿入および/もしくは欠失の総数または置換、挿入および/もしくは欠失を併せた総数は、60箇所以下、より好ましくは40箇所以下、さらにより好ましくは20箇所以下、またより好ましくは12箇所以下、またさらにより好ましくは8箇所以下、さらに好ましくは4箇所以下、なおさらに好ましくは2箇所以下かつゼロ箇所以上、またさらに好ましくはゼロ箇所である。
【0137】
またより好ましくは、免疫調節性物質は、被験体が属する同じ属および/または生物種の内因性免疫調節性物質と同一であるか、またはアミノ酸配列同一性がこれを参照する。表現「同一である」とは、典型的には、この特定の文脈で、免疫調節性物質がその1次、2次、3次および4次タンパク質構造に関して、より好ましくは修飾パターン、特にグリコシル化も考慮して、被験体が属する同じ属および/または生物種の免疫調節性物質と同一であることを意味する。
【0138】
好ましくは、免疫調節性物質、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合の免疫調節性物質、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、被験体と同じ属および/もしくは生物種に属する個体に由来するか、または被験体が属する同じ属および/もしくは生物種の免疫調節性物質と同一である。例えば、被験体がヒトである場合、免疫調節性物質はヒト免疫調節性物質であり;被験体がウシである場合、免疫調節性物質はウシ免疫調節性物質であり;被験体がウマである場合、免疫調節性物質はウマ免疫調節性物質であり;被験体がロバである場合、免疫調節性物質はロバ免疫調節性物質であり;被験体がゾウである場合、免疫調節性物質はゾウ免疫調節性物質であり;被験体がヒツジである場合、免疫調節性物質はヒツジ免疫調節性物質であり;被験体がヤギである場合、免疫調節性物質はヤギ免疫調節性物質であり;被験体がブタである場合、免疫調節性物質はブタ免疫調節性物質であり;被験体がウサギである場合、免疫調節性物質はウサギ免疫調節性物質であり;被験体がマウスである場合、免疫調節性物質はマウス免疫調節性物質であり;被験体がラットである場合、免疫調節性物質はラット免疫調節性物質であり;被験体がラクダである場合、免疫調節性物質はラクダ免疫調節性物質であり;被験体がヒトコブラクダである場合、免疫調節性物質はヒトコブラクダ免疫調節性物質であり;被験体がラマである場合、免疫調節性物質はラマ免疫調節性物質であり;被験体がアルパカである場合、免疫調節性物質はアルパカ免疫調節性物質であり;被験体がイヌである場合、免疫調節性物質はイヌ免疫調節性物質であり;かつ/または被験体がネコである場合、免疫調節性物質はネコ免疫調節性物質である。
【0139】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合の免疫調節性物質、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、被験体の内因性免疫調節性物質でない。言い換えれば、好ましくは、免疫調節性物質は、被験体の身体から、すなわち、治療または予防対象である個別の被験体から単離された免疫調節性物質でない。
【0140】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合の免疫調節性物質、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、当業者に公知のいずれかの組み換え発現技術により生成された組み換え免疫調節性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により合成された化学合成された免疫調節性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により生成された人工的に生成された免疫調節性物質、動物もしくはヒトなどの天然供給源から取得された天然に存在する免疫調節性物質、またはそれらのいずれかの組み合わせであり得、好ましくはそれらである。より好ましくは、免疫調節性物質は、組み換え免疫調節性物質、化学合成された免疫調節性物質、人工的に生成された免疫調節性物質またはそれらのいずれかの組み合わせ、さらにより好ましくは、組み換え免疫調節性物質である。
【0141】
さらに、本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する限り、誘導体化されるか、安定化されるか、他のタンパク質もしくはペプチドに融合されるか、ポリマーを用いてコンジュゲート化されるか、アミノ酸類似体もしくは人工アミノ酸を含有するか、共有的もしくは非共有的に修飾され、例えば、翻訳後修飾により、例えば、グリコシル化もしくはメチル化されるか、かつ/またはオリゴマー化され、例えば、二量体化もしくは三量体化されるか、タンパク質類似体、タンパク質変異体であり得るかまたはそうでないことができる。より好ましくは、修飾パターンおよび/またはオリゴマー化状態は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物、さらにより好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対して類似または同一である。
【0142】
被験体の身体中に天然に存在する免疫調節性物質に対するそのような類似性または同一性の利点は、特に同一性の場合、そのような物質に対する免疫応答の生起および被験体の免疫系によるその除去を予期することができない(例えば、抗体の生成)ことである。このことは、免疫調節性物質が被験体に対して生命維持に必要である場合に特に当てはまるようである。これは例えば、免疫調節性物質が、サイトカイン、特に、IFN-γ(インターフェロンガンマ)、IL-2(インターロイキン2)、IL-4(インターロイキン4)またはBDNF(脳由来神経栄養因子)である場合である。そのような免疫調節性物質に対する免疫系の攻撃は、生命を脅かすかまたは致死的でさえある可能性が最も高く、それゆえ、予期されない。例えば、TNF-α阻害剤(腫瘍壊死因子アルファ阻害剤)またはIL-6阻害剤(インターロイキン-6阻害剤)モノクローナル抗体などの生物製剤およびバイオ後続品の場合、状況は異なる。それらは被験体の身体中に天然に存在しない人工物質である。遅かれ早かれ、それらは通常、異物として被験体の免疫系により認識され、かつ中和されるであろう。被験体の免疫系によるそれらの除去が免疫系の恒常性に対して生命を脅かす結果を有しないので、これは考えられる。正確には、好適な抗体が形成されると直ちに、そのような抗体は、例えば、生物製剤またはバイオ後続品を除去または中和するであろう。結果として、少なくともある程度までその効果は失われ、生物製剤またはバイオ後続品を用いる治療に対する臨床的抵抗性が被験体で観察される。結果として、生物製剤またはバイオ後続品は、効果がなくなる。さらに、この効果の欠如は、典型的には永続的であり、被験体の生涯を通して継続される。メモリーB細胞は、通常、被験体の生涯の残りにわたって、身体中の免疫応答の残存物として残る。それにより、それらは、被験体の生涯の残りにわたって、生物製剤またはバイオ後続品の除去を繰り返し確実にする。さらに、これは逆転することもできず、かつ置換は困難である。それゆえ、そのような抗体が生成されたら、このイベントでは、この生物製剤またはバイオ後続品は、この特定の個体では再び有効に適用することができない。例えば、生物製剤またはバイオ後続品とは逆に、そのような有効性の欠如(loss off effectiveness)は、上記で説明した理由により、本発明で好ましく用いられる免疫調節性物質に関しては予期されない。
【0143】
被験体の身体中に天然に存在する免疫調節性物質に対するそのような類似性または同一性の追加の利点は、特に同一性の場合、倦怠感および薬物不耐性などの有害副作用が比較的少なく観察されるかまたは観察されず、かつ予期されるはずがないことである。しかしながら、このことは、例えば、生物製剤およびバイオ後続品に関して頻繁に当てはまる。恐らくは被験体の身体を弱らせる炎症が抑制される(例えば、CRP量(C反応性タンパク質)の低下、BASDAI(バース強直性脊椎炎疾患活動性指数)の値の低下またはHAQ(健康調査質問票)の値の低下により示される)ことを理由として、本発明に従って治療される患者は、心強く感じ、かつより精力的でさえある。本発明の療法は、1年間超にわたる長期的使用においてさえも、いかなる有害副作用または不適合性も付加しない。
【0144】
さらに、炎症性疾患の治療では、グルココルチコイドが頻繁に用いられる。グルココルチコイドは、被験体の身体中に天然に存在する物質との高い類似性も有するかまたはそれに同一でさえあるので、以下のことが言及されるであろう。慣用の療法では、グルココルチコイドは、有効であるために高濃度で投与する必要がある。その事実に起因して、長期的使用では、それらは、成体および小児ではより強くさえある重度の有害作用を発生させる。それでもまだ有効である最低濃度で薬物および製剤を投与することが、医学での一般的な関心事である。しかしながら、例えば、グルココルチコイドの投与量を低下させると、それらの有益な効果を付与できることは可能でない。それゆえ、慣用の療法では、副作用と治癒的効果との間での不愉快な比較を行なわなければならない。
【0145】
同様に、免疫調節性物質、特に例えばIFN-γおよびIL-2もまた、もっぱら免疫調節性物質の非常に高い投与量で、慣用の療法または療法の試みに利用される。さらに、高濃度の、例えばIFN-γ(50,000ng組み換えIFN-γ)の投与は、関節リウマチを有する患者でプラセボよりも有効でないことさえも判明したことが以前に報告されている(「A randomized, double-blind study comparing twenty-four-week treatment with recombinant interferon-γ versus placebo in the treatment of rheumatoid arthritis」、Eric M. Veys MD, PhD, Charles-Joel Menkes MD, PhD, Paul Emery FRCP、初版:1997年1月、https://doi.org/10.1002/art.1780400110)。
【0146】
本発明では、例えば、IFN-γの最高の好ましい濃度は1,500ngであり、Eric et al.により用いられた濃度よりも33倍低い。本発明の実施例では、5ngのIFN-γの量でさえも効果的に用いられ、これはEric et al.により用いられた量よりも10,000倍もはるかに低い。
【0147】
それゆえ、本発明は、それでも効果的でありながら、免疫調節性物質を、極めて低い濃度で投与することができるというさらなる驚くべき知見に基づく。
【0148】
そのような低濃度は、典型的には、被験体の身体中での免疫調節性物質の全身性の増加をもたらさず、恐らくは効果的である全身性の増加(全身性の効果的増加)を少なくとももたらさない。免疫系の全身的恒常性は、変化する可能性が低い。局所的に投与される低量は、被験体の代謝により容易に対処されることができる。これらの観点から、有害副作用は、長期的使用においてさえも予期されるはずがなく、かつ副作用と治癒的効果との間での比較は必要でない。
【0149】
さらに、低量の免疫調節性物質を投与することにより、治療の有効性、治療成功の信頼性およびより大きな患者の集団での反復可能性が、改善さえする。
【0150】
理論に拘泥することを望まないが、極めて低い量の免疫調節性物質を投与することにより、炎症反応の終末相は、例えば、皮膚内では局所的に類似している場合があると考えられる。非常に攻撃性の炎症促進性細胞傷害性T細胞の生成を回避すると同時に、ヘルパーT細胞、またはそのサブセット、および特に調節T細胞などの免疫抑制性T細胞の生成が、それにより促進される。それにより、望ましくなく、かつ有害な炎症促進効果を防止しながら、所望の、かつ治療的な抗炎症効果が促進される。細胞傷害性T細胞は、ある意味で、抗炎症性ヘルパーT細胞、またはそのサブセット、および特に調節T細胞の炎症促進性対抗因子であることが注記される。しかしながら、高量の免疫調節性物質を投与する場合、所望の抗炎症効果は、望ましくない炎症促進効果により打ち消されるか、または超過される場合さえある。これは、なぜEric et al.で投与された高濃度がプラセボを超えるいかなる顕著な有益な効果も示さないかに対する説明である可能性があり得る。
【0151】
正確には、有害な抗原を中和するために、健康な免疫系は、炎症反応中に、多量の細胞傷害性T細胞を生成する。上記で言及される通り、これらの細胞は、非常に攻撃性が高い。IFN-γなどの免疫調節性物質と組み合わせた抗原の存在は、ナイーブT細胞が細胞傷害性T細胞へと発達することを引き起こす。最終的に、炎症反応の終了時に、すべての抗原が中和され、過剰の細胞傷害性T細胞があり、これらはその任務から解放される。高い攻撃能力を有するこれらの細胞が身体中のどこかで損傷を引き起こすことを防ぐために、免疫系は、例えば、調節T細胞を提供する。以前に述べた通り、そのような調節T細胞は、細胞傷害性T細胞の免疫抑制性対応物として機能し得る。それらは、免疫活性化の程度が限定されることを確実にする。炎症応答の終了時に、すべての抗原が中和されるが、例えば、IFN-γなどの免疫調節性物質が未だに存在する。結果として、炎症応答の終了時に、環境は、それぞれ、調節T細胞および/もしくはヘルパーT細胞、またはそのサブセットに有利な方向に切り替わっている。IFN-γなどの免疫調節性物質の同時での存在下での抗原の存在なしでは、末尾または後続のナイーブT細胞は、もはや細胞傷害性T細胞へと発達せず、それらは調節T細胞へと成熟または発達するであろう。
【0152】
理論に拘泥することを望まないが、本発明では、抗原/自己抗原/アレルゲンを含まないかまたは本質的に含まない皮膚中で、調節および/またはヘルパーT細胞などの免疫抑制性T細胞が形成されると考えられる。例えば、皮膚内でPBMCが蓄積すること、およびそれらを、同時に抗原、自己抗原またはアレルゲンの接触を回避することにより、免疫調節性物質と接触させることにより、調節T細胞およびヘルパーT細胞、またはそれらのサブセットなどの免疫抑制性T細胞が生成されることがさらに考えられる。しかしながら、高量の免疫調節性物質が投与される場合、免疫調節性物質の濃度の全身性の増加が、効果的である程度まで生じ、すなわち、全身性の効果的増加が生じると考えられる。それにより、同時に多量の自己抗原、すなわち関節組織が存在しながら、例えば、リウマチ性に炎症した関節もまた、有効量のIFN-γなどの免疫調節性物質によって活気付けられる。結果として、細胞傷害性T細胞が関節内で生成される可能性がある。関節内での自己攻撃は、増加する場合さえある。皮膚内で生成される、例えば、調節T細胞の有益な抑制効果は、妨げられるか、打ち消されるかまたは超過さえされ得る。
【0153】
要するに、理論に拘泥することを望まないが、ナイーブPBMC、特にナイーブT細胞が、本発明の標的であると考えられる。ナイーブT細胞に対するin vivoインキュベータとして、例えば皮膚を用いることにより、特異的かつ局所的に、ヘルパーT細胞、またはそのサブセット、および調節T細胞が生成され得る。したがって、後者は、大群で移動し、かつ必要な箇所でそれらの有益な抗炎症効果を発揮するエフェクターであると考えられる。同時に、炎症促進性細胞傷害性T細胞の生成は、好ましくは被験体の身体中の他の場所では回避される。
【0154】
それゆえ、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、被験体の身体中での免疫調節性物質の濃度の全身性の増加、特に効果的な全身性の増加を回避するために十分に低い量で、免疫調節性物質を投与することが意図される。それにより、例えば、炎症関節などの炎症部位での免疫調節性物質の濃度増加の生成が回避されるであろう。上記で既に述べた通り、例えば、ナイーブT細胞は、抗原/自己抗原/アレルゲンの存在下で細胞傷害性T細胞へと成熟することができる。これらのT細胞は、炎症促進性に機能し、それにより、調節T細胞および/もしくはヘルパーT細胞、またはそれらのサブセットにより付与される有益な抗炎症効果を減少させるか、取り消すか、または逆転さえさせる。それゆえ、十分に低い量で免疫調節性物質を投与することにより、被験体の身体中の他の場所での細胞傷害性T細胞の生成を防ぎながら、皮膚内で局所的に、調節T細胞および/もしくはヘルパーT細胞、またはそれらのサブセットの生成をもっぱら促進すると考えられる。
【0155】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、免疫調節性物質は、被験体、好ましくは被験体の血液中での免疫調節性物質の濃度の全身性の増加、より好ましくは効果的な全身性の増加を引き起こさず、かつ/または免疫調節性物質の濃度の全身性の増加を引き起こす量で投与される。好ましくは、免疫調節性物質は、全身性の増加が効果的でない程、十分に低い量で投与される。
【0156】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、免疫調節性物質は、被験体体内、好ましくは被験体の皮膚組織中での免疫調節性物質の濃度の局所的増加、好ましくは効果的な局所的増加を引き起こす量で投与される。血中への投与とは異なり、免疫調節性物質の流れ去りおよび希釈が起こらないかまたはより少なく起こるので、皮膚組織が好ましい。
【0157】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、投与された免疫調節性物質の濃度増加の生成、好ましくは効果的な濃度増加の生成は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0158】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、免疫調節性物質は、好ましくは被験体体内での、免疫調節性物質の個別の受容体の全身性の活性化、好ましくは効果的な全身性の活性化を引き起こさず、かつ/または免疫調節性物質の全身性の生成、好ましくは効果的な全身性の生成を引き起こさない量で投与される。
【0159】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、免疫調節性物質は、好ましくは被験体体内での、免疫調節性物質の個別の受容体の局所的活性化、好ましくは効果的な局所的活性化を引き起こし、かつ/または免疫調節性物質の局所的生成、好ましくは効果的な局所的生成を引き起こす量で投与される。好ましくは、活性化および/または生成、より好ましくは効果的な生成および/または効果的な活性化は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0160】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合の免疫調節性物質、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、サイトカイン様機能性物質、好ましくはサイトカインまたはいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくはその製薬上許容される塩である。
【0161】
本発明では、表現「サイトカイン様機能性物質」、「インターフェロン様機能性物質」、「インターロイキン様機能性物質」、「神経栄養因子(neutrophin)様機能性物質」、またはいずれかの類似の表現は、直接的または間接的に、例えば、代謝された後に、被験体の身体中での物質自体により発揮される効果に類似するかまたは同一の効果を発揮する物質を指し示し、かつそれぞれの場合で物質自体も包含し、すなわち、「サイトカイン様機能性物質」はサイトカインを包含し、「インターフェロン様機能性物質」はインターフェロンを包含し、「インターロイキン様機能性物質」はインターロイキンを包含し、かつ「神経栄養因子様機能性物質」は神経栄養因子を包含するなどである。
【0162】
これはまた、本明細書中での以下の用語、例えば、「サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質」もしくは「サイトカインまたはサイトカイン様機能性物質」または類似の用語中で用いられる場合にも当てはまり、すなわち、これらの用語中でも、表現「サイトカイン様機能性物質」は、サイトカイン自体および直接的または間接的に、例えば、代謝された後に、被験体の身体中でのサイトカイン自体により発揮される効果に類似するかまたは同一の効果を発揮するいずれかの物質を指し示す。
【0163】
表現「サイトカイン様機能性物質」または「サイトカイン様機能性物質(複数)」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、それに投与される場合に被験体の身体中でサイトカインに類似するかまたは同一の効果を発揮するいずれかの物質であり得、好ましくはそのような物質である。サイトカイン様機能性物質は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性なサイトカイン様機能性物質へと変換される、そのような物質の前駆体、プロドラッグおよびプロペプチドを包含することができる。それゆえ、好ましくは、これは、いずれかの物質、分子、ペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体、誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片および/もしくは製薬上許容される塩である。したがって、サイトカイン様機能性物質は:
- 細胞の個別のサイトカイン受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。サイトカイン受容体は、例えば、PBMCの受容体であり得る;かつ/あるいは
- サイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質の生成を生じるかもしくは引き起こすかまたは生じるかもしくは引き起こすことが可能である
ことができる。
【0164】
より好ましくは、サイトカイン様機能性物質は、個別のサイトカイン受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。個別のサイトカイン受容体の活性化または活性化する能力は、直接的であり得、かつ/または間接的であり得る。
【0165】
好ましくは、サイトカイン様機能性物質は、被験体の皮膚内で個別のサイトカイン受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。サイトカイン様機能性物質は、十分な生物学的活性、すなわち、被験体での有効な交差反応性を有し、特に個別のサイトカイン受容体を活性化することが可能である限り、いずれかの天然に存在するかまたは人工的なサイトカイン様機能性物質であり得る。好ましくは、サイトカイン様機能性物質は、本発明の出願の発効日に当業者に公知である。
【0166】
より好ましくは、サイトカイン様機能性物質は、いずれかのペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩である。
【0167】
好ましい実施形態では、サイトカイン様機能性物質は、下記で詳述される通り、とりわけ、サイトカインならびに/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり得る。
【0168】
より好ましくは、サイトカイン様機能性物質は、サイトカインならびに/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【0169】
表現「サイトカイン」または「サイトカイン(複数)」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、好ましくは、広く解釈されなければならない。典型的には、サイトカインは、細胞の個別のサイトカイン受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。サイトカイン受容体は、例えば、PBMCの受容体であり得る。好ましくは、活性化または活性化する能力は、被験体の皮膚内であり、より好ましくは、被験体の皮膚内で局所的に有効量であり、さらにより好ましくは被験体の身体内で全身性に効果的な量でない。好ましくは、サイトカインは、当業者に公知のサイトカインのいずれかのタイプであり得る。さらに、本発明は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性なサイトカインへと変換される、そのようなサイトカインの前駆体、プロドラッグおよびプロペプチドの使用または医学的使用を包含する。それゆえ、これらは、本明細書中に記載される通りの方法もしくは医学的使用で、または本明細書中に記載される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの調製で用いることができる。
【0170】
好ましくは、サイトカインは、いずれかのペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体および/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体もしくは製薬上許容される塩であり得る。
【0171】
サイトカインは、必ずしも、被験体が属する同じ属および/もしくは生物種のサイトカインに由来するか、またはそれに対して同一でなくてよく、十分な生物学的活性、すなわち、被験体での有効な交差反応性を有し、特に個別のサイトカイン受容体を活性化することが可能である限り、いずれかの天然に存在するかまたは人工的なサイトカインであり得る。好ましくは、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質の生物学的活性は、好ましくは被験体での、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の治療および/または予防を達成するために十分である。
【0172】
サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、典型的には、細胞上の個別のサイトカイン受容体に結合し、かつこれを活性化することにより、細胞に作用する。それゆえ、個別の受容体の活性化は、典型的には、免疫調節性物質に関して上記に記載される通りの細胞の作用をもたらす。それゆえ、PBMCなどの細胞への作用に関連して免疫調節性物質について本明細書中で言及されるいずれかの実施形態は、サイトカインおよびサイトカイン様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0173】
サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質による個別のサイトカイン受容体の活性化または活性化する能力は、直接的であり得、かつ/または間接的であり得る。
【0174】
表現「直接的に」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、個別の受容体を「活性化する」および/または「活性化することが可能である」の文脈では、サイトカインまたはサイトカイン様機能性物質が、細胞等のサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の個別の受容体の活性化因子としてそれ自体で、機能するかまたは機能することが可能であることを意味する。
【0175】
表現「間接的に」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、個別の受容体を「活性化する」および/または「活性化することが可能である」の文脈では、サイトカインまたはサイトカイン様機能性物質が、特に、前駆体、プロペプチドまたはプロドラッグなどの、サイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の生成を生じるかもしくは引き起こすかまたは生じるかもしくは引き起こすことが可能であるいずれかの物質であることを意味する。言い換えれば、サイトカインまたはサイトカイン様機能性物質は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、受容体の活性化または活性化の能力などの免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際のサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質へと変換される物質を包含することができる。それにより、個別のサイトカイン受容体の所望の活性化は、間接的に達成される。これは、例えば、サイトカインまたはサイトカイン様機能性物質が、以下のものなどのいずれかの物質である場合であり得る:
- 細胞がサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質を産生および/または分泌することを誘導する誘導因子であって、そのような細胞は、サイトカインまたはサイトカイン様機能性物質を産生および/または分泌することが可能ないずれかの細胞であり得る。そのような細胞は、例えば、PBMCまたはPBMCの細胞のうちのいずれかの部分集団またはPBMC以外のいずれかの細胞、好ましくは樹状細胞、より好ましくはランゲルハンス細胞などの皮膚内に常在する樹状細胞であり得る;
- 例えば、被験体の身体により代謝されてサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質を生成する、サイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の前駆体。免疫調節性物質の前駆体としては、とりわけ、例えば、ペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体、プロペプチド、その誘導体、RNA、DNA、塩、キャップ付き免疫調節性物質等が挙げられる;
- 例えば、粒子もしくはナノ粒子またはキャップ構造などの、物質に対する阻害剤、サイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の発現、相互作用、産生、分泌および/または活性を防止する酵素または因子。サイトカインまたはサイトカイン様機能性物質は、例えば、送達のために粒子中に充填されることができる。これらの粒子は、物質が、その標的、例えば受容体と相互作用することを立体的に防止し、かつそれから保護することができ、物質は、例えば、患者の身体中での粒子からの放出後にのみその効果を発揮することができる;
- サイトカインまたはサイトカイン様機能性物質のプロドラッグ;
- サイトカインまたはサイトカイン様機能性物質のミューテイン;
- 免疫調節性物質の生物製剤、バイオ後続品、バイオ模倣体、バイオベターおよび/またはバイオスペリオルなどのバイオ医薬品;ならびに/あるいは
- サイトカインまたはサイトカイン様機能性物質のコドラッグ。
【0176】
好ましくは、本発明に従う使用のためのサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質は、誘引、増殖、分化および/または成熟させ、さらにより好ましくは、増殖、分化および/または成熟させ、さらにより好ましくは、分化および/または成熟させることにより、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。それゆえ、より好ましくは、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、PBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させる。さらにより好ましくは、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、PBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させる。またさらにより好ましくは、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、PBMCを分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを分化および/もしくは成熟させる。好ましくは、PBMCは、ナイーブPBMC、より好ましくはリンパ球、さらにより好ましくはT細胞および/またはB細胞、またより好ましくはナイーブリンパ球、またさらにより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、さらに好ましくはナイーブT細胞である。
【0177】
より好ましくは、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、直接的かつ/または間接的にPBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。
【0178】
より好ましくは、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内で、直接的かつ/または間接的にPBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。
【0179】
なおさらに好ましくは、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内で、ナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/もしくは成熟させる。
【0180】
別途言及されない場合、上記で述べられた免疫調節性物質の説明および定義は、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質に対して、独立して準用可能である。特に(Particualry)、別途言及されない場合、PBMCに「直接的に」かつ「間接的に」作用するかまたは作用することが可能であることに関する免疫調節性物質の説明および定義は、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0181】
好ましくは、本発明に従う使用のためのサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質は、脊椎動物、好ましくはヒトまたは哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するいずれかのサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質に類似または同一であり、好ましくは同一である。より好ましくは、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、脊椎動物、好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質のいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に類似または同一であり、好ましくは同一である。
【0182】
より好ましくは、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、70%以上、さらにより好ましくは85%以上、またより好ましくは90%以上、またさらにより好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上、なおさらに好ましくは98%以上、またさらに好ましくは99%以上かつ100%以下の、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質のいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸配列同一性を有する。好ましくは、アミノ酸配列同一性は、天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸残基の置換、挿入および/または欠失を含む。好ましくは、アミノ酸残基の置換、挿入および/もしくは欠失の総数または置換、挿入および/もしくは欠失を併せた総数は、60箇所以下、より好ましくは40箇所以下、さらにより好ましくは20箇所以下、またより好ましくは12箇所以下、またさらにより好ましくは8箇所以下、さらに好ましくは4箇所以下、なおさらに好ましくは2箇所以下かつゼロ箇所以上、またさらに好ましくはゼロ箇所である。
【0183】
さらにより好ましくは、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、被験体が属する同じ属および/または生物種の内因性免疫調節性物質と同一であるか、またはアミノ酸配列同一性がこれを参照する。表現「同一である」とは、典型的には、この特定の文脈で、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質がその1次、2次、3次および4次タンパク質構造に関して、より好ましくは修飾パターン、特にグリコシル化も考慮して、被験体が属する同じ属および/または生物種のサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質と同一であることを意味する。
【0184】
好ましくは、本発明に従う使用のためのサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質は、被験体と同じ属および/もしくは生物種に属する個体に由来するか、または被験体が属する同じ属および/もしくは生物種のサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質と同一である。例えば、被験体がヒトである場合、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質はヒトサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質であり;ウシである場合、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質はウシサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質であり;ウマである場合、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質はウマサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質であり;ロバである場合、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質はロバサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質であり;ゾウである場合、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質はゾウサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質であり;ヒツジである場合、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質はヒツジサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質であり;ヤギである場合、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質はヤギサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質であり;ブタである場合、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質はブタサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質であり;ウサギである場合、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質はウサギサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質であり;マウスである場合、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質はマウスサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質であり;ラットである場合、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質はラットサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質であり;ラクダである場合、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質はラクダサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質であり;ヒトコブラクダである場合、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質はヒトコブラクダサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質であり;ラマである場合、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質はラマサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質であり;アルパカである場合、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質はアルパカサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質であり;イヌである場合、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質はイヌサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質であり;かつ/あるいはネコである場合、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質はネコサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質である。
【0185】
好ましくは、本発明に従う使用のためのサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質は、被験体の内因性サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質でない。言い換えれば、好ましくは、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、被験体の身体から、すなわち、治療または予防対象である個別の被験体から単離されたサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質でない。
【0186】
好ましくは、本発明に従う使用のためのサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質は、当業者に公知のいずれかの組み換え発現技術により生成された組み換えサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により合成された化学合成されたサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により生成された人工的に生成されたサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質、動物もしくはヒトなどの天然供給源から取得された天然に存在するサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質、またはそれらのいずれかの組み合わせであり得、好ましくはそれらである。より好ましくは、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、組み換えサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質、化学合成されたサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質、人工的に生成されたサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質またはそれらのいずれかの組み合わせ、さらにより好ましくは、組み換えサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質である。
【0187】
さらに、本発明に従う使用のためのサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質は、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する限り、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する限り、誘導体化されるか、安定化されるか、他のタンパク質もしくはペプチドに融合されるか、ポリマーを用いてコンジュゲート化されるか、アミノ酸類似体もしくは人工アミノ酸を含有するか、共有的もしくは非共有的に修飾され、例えば、翻訳後修飾により、例えば、グリコシル化もしくはメチル化されるか、かつ/またはオリゴマー化され、例えば、二量体化もしくは三量体化され得るかまたはそうでないことができる。より好ましくは、修飾パターンおよび/またはオリゴマー化状態は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対して類似または同一である。
【0188】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、被験体の身体中でのサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質の濃度の全身性の増加を回避するために十分に低い量で、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質を投与することが意図される。それにより、例えば、炎症関節などの炎症部位でのサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質の濃度増加の生成が回避されることが意図される。上記で既に述べた通り、例えば、ナイーブT細胞は、抗原/自己抗原/アレルゲンの存在下で、炎症促進性として機能し得る細胞傷害性へと成熟することができる。それにより、本発明により達成される有益な効果、特に、恐らくは生成される調節T細胞および/もしくはヘルパーT細胞、またはそれらのサブセットの抗炎症効果を減少させるか、取り消すか、または逆転さえさせる。
【0189】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、被験体、好ましくは被験体の血液中でのサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質の濃度の全身性の増加、より好ましくは効果的な全身性の増加を引き起こさず、かつ/またはサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質の濃度の全身性の増加を引き起こす量で投与される。好ましくは、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、全身性の増加が効果的でない程、十分に低い量で投与される。
【0190】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、被験体、好ましくは被験体の皮膚組織中でのサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質の濃度の局所的増加、好ましくは効果的な局所的増加を引き起こす量で投与される。血中への投与とは異なり、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質の流れ去りおよび希釈が起こらないかまたはより少なく起こるので、皮膚組織が好ましい。
【0191】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、投与されたサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質の濃度増加の生成、好ましくは効果的な濃度増加の生成は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0192】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、好ましくは被験体体内での、サイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質の個別の受容体の全身性の活性化、好ましくは効果的な全身性の活性化を引き起こさず、かつ/またはサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質の全身性の生成、好ましくは効果的な全身性の生成を引き起こさない量で投与される。
【0193】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、好ましくは被験体体内での、サイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質の個別の受容体の局所的活性化、好ましくは効果的な局所的活性化を引き起こし、かつ/またはサイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質の局所的生成、好ましくは効果的な局所的生成を引き起こす量で投与される。好ましくは、活性化および/または生成、より好ましくは効果的な生成および/または効果的な活性化は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0194】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合のサイトカイン様機能性物質、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、サイトカイン様機能性物質、より好ましくはインターフェロン様機能性物質、インターロイキン様機能性物質および/または神経栄養因子様機能性物質である。
【0195】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合のサイトカイン、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、サイトカイン、より好ましくは、インターフェロン、インターロイキン、神経栄養因子、コロニー刺激因子、腫瘍壊死因子および/またはケモカイン、さらにより好ましくはインターフェロン、インターロイキンおよび/または神経栄養因子、またより好ましくはインターフェロンおよび/またはインターロイキンである。
【0196】
表現「インターフェロン様機能性物質」または「インターフェロン様機能性物質(複数)」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、それに投与される場合に被験体の身体中でインターフェロンに類似するかまたは同一の効果を発揮するいずれかの物質であり得、好ましくはそのような物質である。インターフェロン様機能性物質は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性なインターフェロン様機能性物質へと変換される、そのような物質の前駆体、プロドラッグおよびプロペプチドを包含することができる。それゆえ、好ましくは、これは、いずれかの物質、分子、ペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体、誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片および/もしくは製薬上許容される塩である。したがって、インターフェロン様機能性物質は:
- 細胞の個別のインターフェロン受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。インターフェロン受容体は、例えば、PBMCの受容体であり得る;かつ/あるいは
- インターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質の生成を生じるかもしくは引き起こすかまたは生じるかもしくは引き起こすことが可能である
ことができる。
【0197】
より好ましくは、インターフェロン様機能性物質は、個別のインターフェロン受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。個別のインターフェロン受容体の活性化または活性化する能力は、直接的であり得、かつ/または間接的であり得る。
【0198】
好ましくは、インターフェロン様機能性物質は、被験体の皮膚内で個別のインターフェロン受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。インターフェロン様機能性物質は、十分な生物学的活性、すなわち、被験体での有効な交差反応性を有し、特に個別のインターフェロン受容体を活性化することが可能である限り、いずれかの天然に存在するかまたは人工的なインターフェロン様機能性物質であり得る。好ましくは、インターフェロン様機能性物質は、本発明の出願の発効日に当業者に公知である。
【0199】
より好ましくは、インターフェロン様機能性物質は、いずれかのペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩である。
【0200】
好ましい実施形態では、インターフェロン様機能性物質は、下記で詳述される通り、とりわけ、インターフェロンならびに/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり得る。
【0201】
より好ましくは、インターフェロン様機能性物質は、インターフェロンならびに/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【0202】
表現「インターフェロン」または「インターフェロン(複数)」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、好ましくは、広く解釈されなければならない。典型的には、インターフェロンは、細胞の個別のインターフェロン受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。インターフェロン受容体は、例えば、PBMCの受容体であり得る。好ましくは、活性化または活性化する能力は、被験体の皮膚内であり、より好ましくは、被験体の皮膚内で局所的に有効量であり、さらにより好ましくは被験体の身体内で全身性に効果的な量でない。好ましくは、インターフェロンは、当業者に公知のインターフェロンのいずれかのタイプであり得る。さらに、本発明は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性なインターフェロンへと変換される、そのようなインターフェロンの前駆体、プロドラッグおよびプロペプチドの使用または医学的使用を包含する。それゆえ、これらは、本明細書中に記載される通りの方法もしくは医学的使用で、または本明細書中に記載される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの調製で用いることができる。
【0203】
好ましくは、インターフェロンは、いずれかのペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体および/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体もしくは製薬上許容される塩であり得る。
【0204】
インターフェロンは、必ずしも、被験体が属する同じ属および/もしくは生物種のインターフェロンに由来するか、またはそれに対して同一でなくてよく、十分な生物学的活性、すなわち、被験体での有効な交差反応性を有し、特に個別のインターフェロン受容体を活性化することが可能である限り、いずれかの天然に存在するかまたは人工的なインターフェロンであり得る。好ましくは、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質の生物学的活性は、好ましくは被験体での、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の治療および/または予防を達成するために十分である。
【0205】
インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、典型的には、細胞上の個別のインターフェロン受容体に結合し、かつこれを活性化することにより、細胞に作用する。それゆえ、個別の受容体の活性化は、典型的には、免疫調節性物質に関して上記に記載される通りの細胞の作用をもたらす。それゆえ、PBMCなどの細胞への作用に関連して免疫調節性物質について本明細書中で言及されるいずれかの実施形態は、インターフェロンおよびインターフェロン様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0206】
インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質による個別のインターフェロン受容体の活性化または活性化する能力は、直接的であり得、かつ/または間接的であり得る。
【0207】
別途言及されない場合、上記で述べられたサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の説明および定義は、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質に対して、独立して準用可能である。特に、別途言及されない場合、個別のインターフェロン受容体を「直接的に」かつ「間接的に」活性化するかまたは活性化することが可能であることに関するサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の説明および定義は、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0208】
好ましくは、本発明に従う使用のためのインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質は、誘引、増殖、分化および/または成熟させ、さらにより好ましくは、増殖、分化および/または成熟させ、さらにより好ましくは、分化および/または成熟させることにより、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。それゆえ、より好ましくは、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、PBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させる。さらにより好ましくは、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、PBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させる。またさらにより好ましくは、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、PBMCを分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを分化および/もしくは成熟させる。好ましくは、PBMCは、ナイーブPBMC、より好ましくはリンパ球、さらにより好ましくはT細胞および/またはB細胞、またより好ましくはナイーブリンパ球、またさらにより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、さらに好ましくはナイーブT細胞である。
【0209】
より好ましくは、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、直接的かつ/または間接的にPBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。
【0210】
より好ましくは、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内で、直接的かつ/または間接的にPBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。
【0211】
なおさらに好ましくは、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内で、ナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/もしくは成熟させる。
【0212】
別途言及されない場合、上記で述べられた免疫調節性物質の説明および定義は、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質に対して、独立して準用可能である。特に、別途言及されない場合、PBMCに「直接的に」かつ「間接的に」作用するかまたは作用することが可能であることに関する免疫調節性物質の説明および定義は、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0213】
好ましくは、本発明に従う使用のためのインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質は、脊椎動物、好ましくはヒトまたは哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するいずれかのインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質に類似または同一であり、好ましくは同一である。より好ましくは、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、脊椎動物、好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質のいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に類似または同一であり、好ましくは同一である。
【0214】
より好ましくは、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、70%以上、さらにより好ましくは85%以上、またより好ましくは90%以上、またさらにより好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上、なおさらに好ましくは98%以上、またさらに好ましくは99%以上かつ100%以下の、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質のいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸配列同一性を有する。好ましくは、アミノ酸配列同一性は、天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸残基の置換、挿入および/または欠失を含む。好ましくは、アミノ酸残基の置換、挿入および/もしくは欠失の総数または置換、挿入および/もしくは欠失を併せた総数は、60箇所以下、より好ましくは40箇所以下、さらにより好ましくは20箇所以下、またより好ましくは12箇所以下、またさらにより好ましくは8箇所以下、さらに好ましくは4箇所以下、なおさらに好ましくは2箇所以下かつゼロ箇所以上、またさらに好ましくはゼロ箇所である。
【0215】
さらにより好ましくは、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、被験体が属する同じ属および/または生物種の内因性免疫調節性物質と同一であるか、またはアミノ酸配列同一性がこれを参照する。表現「同一である」とは、典型的には、この特定の文脈で、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質がその1次、2次、3次および4次タンパク質構造に関して、より好ましくは修飾パターン、特にグリコシル化も考慮して、被験体が属する同じ属および/または生物種のインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質と同一であることを意味する。
【0216】
好ましくは、本発明に従う使用のためのインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質は、被験体と同じ属および/もしくは生物種に属する個体に由来するか、または被験体が属する同じ属および/もしくは生物種のインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質と同一である。例えば、被験体がヒトである場合、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質はヒトインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質であり;ウシである場合、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質はウシインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質であり;ウマである場合、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質はウマインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質であり;ロバである場合、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質はロバインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質であり;ゾウである場合、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質はゾウインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質であり;ヒツジである場合、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質はヒツジインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質であり;ヤギである場合、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質はヤギインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質であり;ブタである場合、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質はブタインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質であり;ウサギである場合、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質はウサギインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質であり;マウスである場合、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質はマウスインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質であり;ラットである場合、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質はラットインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質であり;ラクダである場合、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質はラクダインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質であり;ヒトコブラクダである場合、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質はヒトコブラクダインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質であり;ラマである場合、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質はラマインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質であり;アルパカである場合、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質はアルパカインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質であり;イヌである場合、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質はイヌインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質であり;かつ/あるいはネコである場合、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質はネコインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質である。
【0217】
好ましくは、本発明に従う使用のためのインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質は、被験体の内因性インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質でない。言い換えれば、好ましくは、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、被験体の身体から、すなわち、治療または予防対象である個別の被験体から単離されたインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質でない。
【0218】
好ましくは、本発明に従う使用のためのインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質は、当業者に公知のいずれかの組み換え発現技術により生成された組み換えインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により合成された化学合成されたインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により生成された人工的に生成されたインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質、動物もしくはヒトなどの天然供給源から取得された天然に存在するインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質、またはそれらのいずれかの組み合わせであり得、好ましくはそれらである。より好ましくは、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、組み換えインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質、化学合成されたインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質、人工的に生成されたインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質またはそれらのいずれかの組み合わせ、さらにより好ましくは、組み換えインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質である。
【0219】
さらに、本発明に従う使用のためのインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質は、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する限り、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する限り、誘導体化されるか、安定化されるか、他のタンパク質もしくはペプチドに融合されるか、ポリマーを用いてコンジュゲート化されるか、アミノ酸類似体もしくは人工アミノ酸を含有するか、共有的もしくは非共有的に修飾され、例えば、翻訳後修飾により、例えば、グリコシル化もしくはメチル化されるか、かつ/またはオリゴマー化され、例えば、二量体化もしくは三量体化され得るかまたはそうでないことができる。より好ましくは、修飾パターンおよび/またはオリゴマー化状態は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対して類似または同一である。
【0220】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、被験体の身体中でのインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質の濃度の全身性の増加を回避するために十分に低い量で、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質を投与することが意図される。それにより、例えば、炎症関節などの炎症部位でのインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質の濃度増加の生成が回避されることが意図される。上記で既に述べた通り、例えば、ナイーブT細胞は、抗原/自己抗原/アレルゲンの存在下で、炎症促進性として機能し得る細胞傷害性へと成熟することができる。それにより、本発明により達成される有益な効果、特に、恐らくは生成される調節T細胞および/もしくはヘルパーT細胞、またはそれらのサブセットの抗炎症効果を減少させるか、取り消すか、または逆転さえさせる。
【0221】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、被験体、好ましくは被験体の血液中でのインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質の濃度の全身性の増加、より好ましくは効果的な全身性の増加を引き起こさず、かつ/またはインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質の濃度の全身性の増加を引き起こす量で投与される。好ましくは、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、全身性の増加が効果的でない程、十分に低い量で投与される。
【0222】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、被験体、好ましくは被験体の皮膚組織中でのインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質の濃度の局所的増加、好ましくは効果的な局所的増加を引き起こす量で投与される。血中への投与とは異なり、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質の流れ去りおよび希釈が起こらないかまたはより少なく起こるので、皮膚組織が好ましい。
【0223】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、投与されたインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質の濃度増加の生成、好ましくは効果的な濃度増加の生成は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0224】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、好ましくは被験体体内での、インターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質の個別の受容体の全身性の活性化、好ましくは効果的な全身性の活性化を引き起こさず、かつ/またはインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質の全身性の生成、好ましくは効果的な全身性の生成を引き起こさない量で投与される。
【0225】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、インターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、好ましくは被験体体内での、インターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質の個別の受容体の局所的活性化、好ましくは効果的な局所的活性化を引き起こし、かつ/またはインターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質の局所的生成、好ましくは効果的な局所的生成を引き起こす量で投与される。好ましくは、活性化および/または生成、より好ましくは効果的な生成および/または効果的な活性化は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0226】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合のインターフェロン様機能性物質、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、インターフェロンおよび/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、かつ/あるいはIFN-γ様機能性物質である。
【0227】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合のインターフェロン、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、IFN-γである。
【0228】
より好ましくは、本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、IFN-γおよび/もしくは誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/またはこれらのうちのいずれかの製薬上許容される塩、さらにより好ましくはIFN-γである。
【0229】
表現「インターロイキン様機能性物質」または「インターロイキン様機能性物質(複数)」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、それに投与される場合に被験体の身体中でインターロイキンに類似するかまたは同一の効果を発揮するいずれかの物質であり得、好ましくはそのような物質である。インターロイキン様機能性物質は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性なインターロイキン様機能性物質へと変換される、そのような物質の前駆体、プロドラッグおよびプロペプチドを包含することができる。それゆえ、好ましくは、これは、いずれかの物質、分子、ペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体、誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片および/もしくは製薬上許容される塩である。したがって、インターロイキン様機能性物質は:
- 細胞の個別のインターロイキン受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。インターロイキン受容体は、例えば、PBMCの受容体であり得る;かつ/あるいは
- インターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質の生成を生じるかもしくは引き起こすかまたは生じるかもしくは引き起こすことが可能である
ことができる。
【0230】
より好ましくは、インターロイキン様機能性物質は、個別のインターロイキン受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。個別のインターロイキン受容体の活性化または活性化する能力は、直接的であり得、かつ/または間接的であり得る。
【0231】
好ましくは、インターロイキン様機能性物質は、被験体の皮膚内で個別のインターロイキン受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。インターロイキン様機能性物質は、十分な生物学的活性、すなわち、被験体での有効な交差反応性を有し、特に個別のインターロイキン受容体を活性化することが可能である限り、いずれかの天然に存在するかまたは人工的なインターロイキン様機能性物質であり得る。好ましくは、インターロイキン様機能性物質は、本発明の出願の発効日に当業者に公知である。
【0232】
より好ましくは、インターロイキン様機能性物質は、いずれかのペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【0233】
好ましい実施形態では、インターロイキン様機能性物質は、下記で詳述される通り、とりわけ、インターロイキンならびに/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり得る。
【0234】
より好ましくは、インターロイキン様機能性物質は、インターロイキンならびに/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【0235】
表現「インターロイキン」または「インターロイキン(複数)」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、好ましくは、広く解釈されなければならない。典型的には、インターロイキンは、細胞の個別のインターロイキン受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。インターロイキン受容体は、例えば、PBMCの受容体であり得る。好ましくは、活性化または活性化する能力は、被験体の皮膚内であり、より好ましくは、被験体の皮膚内で局所的に有効量であり、さらにより好ましくは被験体の身体内で全身性に効果的な量でない。好ましくは、インターロイキンは、当業者に公知のインターロイキンのいずれかのタイプであり得る。さらに、本発明は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性なインターロイキンへと変換される、そのようなインターロイキンの前駆体、プロドラッグおよびプロペプチドの使用または医学的使用を包含する。それゆえ、これらは、本明細書中に記載される通りの方法もしくは医学的使用で、または本明細書中に記載される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの調製で用いることができる。
【0236】
好ましくは、インターロイキンは、いずれかのペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体および/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体もしくは製薬上許容される塩であり得る。
【0237】
インターロイキンは、必ずしも、被験体が属する同じ属および/もしくは生物種のインターロイキンに由来するか、またはそれに対して同一でなくてよく、十分な生物学的活性、すなわち、被験体での有効な交差反応性を有し、特に個別のインターロイキン受容体を活性化することが可能である限り、いずれかの天然に存在するかまたは人工的なインターロイキンであり得る。好ましくは、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質の生物学的活性は、好ましくは被験体での、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の治療および/または予防を達成するために十分である。
【0238】
インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、典型的には、細胞上の個別のインターロイキン受容体に結合し、かつこれを活性化することにより、細胞に作用する。それゆえ、個別の受容体の活性化は、典型的には、免疫調節性物質に関して上記に記載される通りの細胞の作用をもたらす。それゆえ、PBMCなどの細胞への作用に関連して免疫調節性物質について本明細書中で言及されるいずれかの実施形態は、インターロイキンおよびインターロイキン様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0239】
インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質による個別のインターロイキン受容体の活性化または活性化する能力は、直接的であり得、かつ/または間接的であり得る。
【0240】
別途言及されない場合、上記で述べられたサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の説明および定義は、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質に対して、独立して準用可能である。特に、別途言及されない場合、個別のインターロイキン受容体を「直接的に」かつ「間接的に」活性化するかまたは活性化することが可能であることに関するサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の説明および定義は、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0241】
好ましくは、本発明に従う使用のためのインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質は、誘引、増殖、分化および/または成熟させ、さらにより好ましくは、増殖、分化および/または成熟させ、さらにより好ましくは、分化および/または成熟させることにより、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。それゆえ、より好ましくは、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、PBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させる。さらにより好ましくは、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、PBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させる。またさらにより好ましくは、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、PBMCを分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを分化および/もしくは成熟させる。好ましくは、PBMCは、ナイーブPBMC、より好ましくはリンパ球、さらにより好ましくはT細胞および/またはB細胞、またより好ましくはナイーブリンパ球、またさらにより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、さらに好ましくはナイーブT細胞である。
【0242】
より好ましくは、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、直接的かつ/または間接的にPBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。
【0243】
より好ましくは、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内で、直接的かつ/または間接的にPBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。
【0244】
なおさらに好ましくは、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内で、ナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/もしくは成熟させる。
【0245】
別途言及されない場合、上記で述べられた免疫調節性物質の説明および定義は、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質に対して、独立して準用可能である。特に、別途言及されない場合、PBMCに「直接的に」かつ「間接的に」作用するかまたは作用することが可能であることに関する免疫調節性物質の説明および定義は、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0246】
好ましくは、本発明に従う使用のためのインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質は、脊椎動物、好ましくはヒトまたは哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するいずれかのインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質に類似または同一であり、好ましくは同一である。より好ましくは、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、脊椎動物、好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質のいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に類似または同一であり、好ましくは同一である。
【0247】
より好ましくは、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、70%以上、さらにより好ましくは85%以上、またより好ましくは90%以上、またさらにより好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上、なおさらに好ましくは98%以上、またさらに好ましくは99%以上かつ100%以下の、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質のいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸配列同一性を有する。好ましくは、アミノ酸配列同一性は、天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸残基の置換、挿入および/または欠失を含む。好ましくは、アミノ酸残基の置換、挿入および/もしくは欠失の総数または置換、挿入および/もしくは欠失を併せた総数は、60箇所以下、より好ましくは40箇所以下、さらにより好ましくは20箇所以下、またより好ましくは12箇所以下、またさらにより好ましくは8箇所以下、さらに好ましくは4箇所以下、なおさらに好ましくは2箇所以下かつゼロ箇所以上、またさらに好ましくはゼロ箇所である。
【0248】
さらにより好ましくは、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、被験体が属する同じ属および/または生物種の内因性免疫調節性物質と同一であるか、またはアミノ酸配列同一性がこれを参照する。表現「同一である」とは、典型的には、この特定の文脈で、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質がその1次、2次、3次および4次タンパク質構造に関して、より好ましくは修飾パターン、特にグリコシル化も考慮して、被験体が属する同じ属および/または生物種のインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質と同一であることを意味する。
【0249】
好ましくは、本発明に従う使用のためのインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質は、被験体と同じ属および/もしくは生物種に属する個体に由来するか、または被験体が属する同じ属および/もしくは生物種のインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質と同一である。例えば、被験体がヒトである場合、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質はヒトインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質であり;ウシである場合、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質はウシインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質であり;ウマである場合、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質はウマインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質であり;ロバである場合、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質はロバインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質であり;ゾウである場合、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質はゾウインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質であり;ヒツジである場合、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質はヒツジインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質であり;ヤギである場合、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質はヤギインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質であり;ブタである場合、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質はブタインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質であり;ウサギである場合、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質はウサギインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質であり;マウスである場合、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質はマウスインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質であり;ラットである場合、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質はラットインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質であり;ラクダである場合、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質はラクダインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質であり;ヒトコブラクダである場合、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質はヒトコブラクダインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質であり;ラマである場合、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質はラマインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質であり;アルパカである場合、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質はアルパカインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質であり;イヌである場合、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質はイヌインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質であり;かつ/あるいはネコである場合、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質はネコインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質である。
【0250】
好ましくは、本発明に従う使用のためのインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質は、被験体の内因性インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質でない。言い換えれば、好ましくは、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、被験体の身体から、すなわち、治療または予防対象である個別の被験体から単離されたインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質でない。
【0251】
好ましくは、本発明に従う使用のためのインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質は、当業者に公知のいずれかの組み換え発現技術により生成された組み換えインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により合成された化学合成されたインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により生成された人工的に生成されたインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質、動物もしくはヒトなどの天然供給源から取得された天然に存在するインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質、またはそれらのいずれかの組み合わせであり得、好ましくはそれらである。より好ましくは、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、組み換えインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質、化学合成されたインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質、人工的に生成されたインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質またはそれらのいずれかの組み合わせ、さらにより好ましくは、組み換えインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質である。
【0252】
さらに、本発明に従う使用のためのインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質は、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する限り、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する限り、誘導体化されるか、安定化されるか、他のタンパク質もしくはペプチドに融合されるか、ポリマーを用いてコンジュゲート化されるか、アミノ酸類似体もしくは人工アミノ酸を含有するか、共有的もしくは非共有的に修飾され、例えば、翻訳後修飾により、例えば、グリコシル化もしくはメチル化されるか、かつ/またはオリゴマー化され、例えば、二量体化もしくは三量体化され得るかまたはそうでないことができる。より好ましくは、修飾パターンおよび/またはオリゴマー化状態は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対して類似または同一である。
【0253】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、被験体の身体中でのインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質の濃度の全身性の増加を回避するために十分に低い量で、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質を投与することが意図される。それにより、例えば、炎症関節などの炎症部位でのインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質の濃度増加の生成が回避されることが意図される。上記で既に述べた通り、例えば、ナイーブT細胞は、抗原/自己抗原/アレルゲンの存在下で、炎症促進性として機能し得る細胞傷害性へと成熟することができる。それにより、本発明により達成される有益な効果、特に、恐らくは生成される調節T細胞および/もしくはヘルパーT細胞、またはそれらのサブセットの抗炎症効果を減少させるか、取り消すか、または逆転さえさせる。
【0254】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、被験体、好ましくは被験体の血液中でのインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質の濃度の全身性の増加、より好ましくは効果的な全身性の増加を引き起こさず、かつ/またはインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質の濃度の全身性の増加を引き起こす量で投与される。好ましくは、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、全身性の増加が効果的でない程、十分に低い量で投与される。
【0255】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、被験体、好ましくは被験体の皮膚組織中でのインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質の濃度の局所的増加、好ましくは効果的な局所的増加を引き起こす量で投与される。血中への投与とは異なり、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質の流れ去りおよび希釈が起こらないかまたはより少なく起こるので、皮膚組織が好ましい。
【0256】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、投与されたインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質の濃度増加の生成、好ましくは効果的な濃度増加の生成は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0257】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、好ましくは被験体体内での、インターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質の個別の受容体の全身性の活性化、好ましくは効果的な全身性の活性化を引き起こさず、かつ/またはインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質の全身性の生成、好ましくは効果的な全身性の生成を引き起こさない量で投与される。
【0258】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、好ましくは被験体体内での、インターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質の個別の受容体の局所的活性化、好ましくは効果的な局所的活性化を引き起こし、かつ/またはインターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質の局所的生成、好ましくは効果的な局所的生成を引き起こす量で投与される。好ましくは、活性化および/または生成、より好ましくは効果的な生成および/または効果的な活性化は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0259】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合のインターロイキン様機能性物質、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、インターロイキンおよび/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、かつ/あるいはIL-2様機能性物質またはIL-4様機能性物質である。
【0260】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合のインターロイキン、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、IL-2および/またはIL-4である。
【0261】
より好ましくは、本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、IL-2および/もしくはIL-4および/もしくは誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグならびに/またはこれらのうちのいずれかの製薬上許容される塩、さらにより好ましくはIL-2および/またはIL-4である。
【0262】
表現「神経栄養因子(neurotrophine)様機能性物質」または「神経栄養因子様機能性物質(複数)」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、それに投与される場合に被験体の身体中で神経栄養因子に類似するかまたは同一の効果を発揮するいずれかの物質であり得、好ましくはそのような物質である。神経栄養因子様機能性物質は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性な神経栄養因子様機能性物質へと変換される、そのような物質の前駆体、プロドラッグおよびプロペプチドを包含することができる。それゆえ、好ましくは、これは、いずれかの物質、分子、ペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体、誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片および/もしくは製薬上許容される塩である。したがって、神経栄養因子様機能性物質は:
- 細胞の個別の神経栄養因子受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。神経栄養因子受容体は、例えば、PBMCの受容体であり得る;かつ/あるいは
- 神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質の生成を生じるかもしくは引き起こすかまたは生じるかもしくは引き起こすことが可能である
ことができる。
【0263】
より好ましくは、神経栄養因子様機能性物質は、個別の神経栄養因子受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。個別の神経栄養因子受容体の活性化または活性化する能力は、直接的であり得、かつ/または間接的であり得る。
【0264】
好ましくは、神経栄養因子様機能性物質は、被験体の皮膚内で個別の神経栄養因子受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。神経栄養因子様機能性物質は、十分な生物学的活性、すなわち、被験体での有効な交差反応性を有し、特に個別の神経栄養因子受容体を活性化することが可能である限り、いずれかの天然に存在するかまたは人工的な神経栄養因子様機能性物質であり得る。好ましくは、神経栄養因子様機能性物質は、本発明の出願の発効日に当業者に公知である。
【0265】
より好ましくは、神経栄養因子様機能性物質は、いずれかのペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【0266】
好ましい実施形態では、神経栄養因子様機能性物質は、下記で詳述される通り、とりわけ、神経栄養因子ならびに/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり得る。
【0267】
より好ましくは、神経栄養因子様機能性物質は、神経栄養因子ならびに/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【0268】
表現「神経栄養因子」または「神経栄養因子(複数)」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、好ましくは、広く解釈されなければならない。典型的には、神経栄養因子は、細胞の個別の神経栄養因子受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。神経栄養因子受容体は、例えば、PBMCの受容体であり得る。好ましくは、活性化または活性化する能力は、被験体の皮膚内であり、より好ましくは、被験体の皮膚内で局所的に有効量であり、さらにより好ましくは被験体の身体内で全身性に効果的な量でない。好ましくは、神経栄養因子は、当業者に公知の神経栄養因子のいずれかのタイプであり得る。さらに、本発明は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性な神経栄養因子へと変換される、そのような神経栄養因子の前駆体、プロドラッグおよびプロペプチドの使用または医学的使用を包含する。それゆえ、これらは、本明細書中に記載される通りの方法もしくは医学的使用で、または本明細書中に記載される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの調製で用いることができる。
【0269】
好ましくは、神経栄養因子は、いずれかのペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体および/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体もしくは製薬上許容される塩であり得る。
【0270】
神経栄養因子は、必ずしも、被験体が属する同じ属および/もしくは生物種の神経栄養因子に由来するか、またはそれに対して同一でなくてよく、十分な生物学的活性、すなわち、被験体での有効な交差反応性を有し、特に個別の神経栄養因子受容体を活性化することが可能である限り、いずれかの天然に存在するかまたは人工的な神経栄養因子であり得る。好ましくは、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質の生物学的活性は、好ましくは被験体での、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の治療および/または予防を達成するために十分である。
【0271】
神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、典型的には、細胞上の個別の神経栄養因子受容体に結合し、かつこれを活性化することにより、細胞に作用する。それゆえ、個別の受容体の活性化は、典型的には、免疫調節性物質に関して上記に記載される通りの細胞の作用をもたらす。それゆえ、PBMCなどの細胞への作用に関連して免疫調節性物質について本明細書中で言及されるいずれかの実施形態は、神経栄養因子および神経栄養因子様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0272】
神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質による個別の神経栄養因子受容体の活性化または活性化する能力は、直接的であり得、かつ/または間接的であり得る。
【0273】
別途言及されない場合、上記で述べられたサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の説明および定義は、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質に対して、独立して準用可能である。特に、別途言及されない場合、個別の神経栄養因子受容体を「直接的に」かつ「間接的に」活性化するかまたは活性化することが可能であることに関するサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の説明および定義は、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0274】
好ましくは、本発明に従う使用のための神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットの神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質は、誘引、増殖、分化および/または成熟させ、さらにより好ましくは、増殖、分化および/または成熟させ、さらにより好ましくは、分化および/または成熟させることにより、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。それゆえ、より好ましくは、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、PBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させる。さらにより好ましくは、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、PBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させる。またさらにより好ましくは、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、PBMCを分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを分化および/もしくは成熟させる。好ましくは、PBMCは、ナイーブPBMC、より好ましくはリンパ球、さらにより好ましくはT細胞および/またはB細胞、またより好ましくはナイーブリンパ球、またさらにより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、さらに好ましくはナイーブT細胞である。
【0275】
より好ましくは、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、直接的かつ/または間接的にPBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。
【0276】
より好ましくは、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内で、直接的かつ/または間接的にPBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。
【0277】
なおさらに好ましくは、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内で、ナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/もしくは成熟させる。
【0278】
別途言及されない場合、上記で述べられた免疫調節性物質の説明および定義は、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質に対して、独立して準用可能である。特に、別途言及されない場合、PBMCに「直接的に」かつ「間接的に」作用するかまたは作用することが可能であることに関する免疫調節性物質の説明および定義は、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0279】
好ましくは、本発明に従う使用のための神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットの神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質は、脊椎動物、好ましくはヒトまたは哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するいずれかの神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質に類似または同一であり、好ましくは同一である。より好ましくは、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、脊椎動物、好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在する神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質のいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に類似または同一であり、好ましくは同一である。
【0280】
より好ましくは、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、70%以上、さらにより好ましくは85%以上、またより好ましくは90%以上、またさらにより好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上、なおさらに好ましくは98%以上、またさらに好ましくは99%以上かつ100%以下の、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在する神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質のいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸配列同一性を有する。好ましくは、アミノ酸配列同一性は、天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸残基の置換、挿入および/または欠失を含む。好ましくは、アミノ酸残基の置換、挿入および/もしくは欠失の総数または置換、挿入および/もしくは欠失を併せた総数は、60箇所以下、より好ましくは40箇所以下、さらにより好ましくは20箇所以下、またより好ましくは12箇所以下、またさらにより好ましくは8箇所以下、さらに好ましくは4箇所以下、なおさらに好ましくは2箇所以下かつゼロ箇所以上、またさらに好ましくはゼロ箇所である。
【0281】
さらにより好ましくは、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、被験体が属する同じ属および/または生物種の内因性免疫調節性物質と同一であるか、またはアミノ酸配列同一性がこれを参照する。表現「同一である」とは、典型的には、この特定の文脈で、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質がその1次、2次、3次および4次タンパク質構造に関して、より好ましくは修飾パターン、特にグリコシル化も考慮して、被験体が属する同じ属および/または生物種の神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質と同一であることを意味する。
【0282】
好ましくは、本発明に従う使用のための神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットの神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質は、被験体と同じ属および/もしくは生物種に属する個体に由来するか、または被験体が属する同じ属および/もしくは生物種の神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質と同一である。例えば、被験体がヒトである場合、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質はヒト神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質であり;ウシである場合、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質はウシ神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質であり;ウマである場合、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質はウマ神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質であり;ロバである場合、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質はロバ神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質であり;ゾウである場合、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質はゾウ神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質であり;ヒツジである場合、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質はヒツジ神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質であり;ヤギである場合、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質はヤギ神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質であり;ブタである場合、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質はブタ神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質であり;ウサギである場合、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質はウサギ神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質であり;マウスである場合、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質はマウス神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質であり;ラットである場合、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質はラット神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質であり;ラクダである場合、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質はラクダ神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質であり;ヒトコブラクダである場合、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質はヒトコブラクダ神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質であり;ラマである場合、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質はラマ神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質であり;アルパカである場合、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質はアルパカ神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質であり;イヌである場合、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質はイヌ神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質であり;かつ/あるいはネコである場合、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質はネコ神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質である。
【0283】
好ましくは、本発明に従う使用のための神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットの神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質は、被験体の内因性神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質でない。言い換えれば、好ましくは、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、被験体の身体から、すなわち、治療または予防対象である個別の被験体から単離された神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質でない。
【0284】
好ましくは、本発明に従う使用のための神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットの神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質は、当業者に公知のいずれかの組み換え発現技術により生成された組み換え神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により合成された化学合成された神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により生成された人工的に生成された神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質、動物もしくはヒトなどの天然供給源から取得された天然に存在する神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質、またはそれらのいずれかの組み合わせであり得、好ましくはそれらである。より好ましくは、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、組み換え神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質、化学合成された神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質、人工的に生成された神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質またはそれらのいずれかの組み合わせ、さらにより好ましくは、組み換え神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質である。
【0285】
さらに、本発明に従う使用のための神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットの神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質は、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する限り、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する限り、誘導体化されるか、安定化されるか、他のタンパク質もしくはペプチドに融合されるか、ポリマーを用いてコンジュゲート化されるか、アミノ酸類似体もしくは人工アミノ酸を含有するか、共有的もしくは非共有的に修飾され、例えば、翻訳後修飾により、例えば、グリコシル化もしくはメチル化されるか、かつ/またはオリゴマー化され、例えば、二量体化もしくは三量体化され得るかまたはそうでないことができる。より好ましくは、修飾パターンおよび/またはオリゴマー化状態は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対して類似または同一である。
【0286】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、被験体の身体中での神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質の濃度の全身性の増加を回避するために十分に低い量で、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質を投与することが意図される。それにより、例えば、炎症関節などの炎症部位での神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質の濃度増加の生成が回避されることが意図される。上記で既に述べた通り、例えば、ナイーブT細胞は、抗原/自己抗原/アレルゲンの存在下で、炎症促進性として機能し得る細胞傷害性へと成熟することができる。それにより、本発明により達成される有益な効果、特に、恐らくは生成される調節T細胞および/もしくはヘルパーT細胞、またはそれらのサブセットの抗炎症効果を減少させるか、取り消すか、または逆転さえさせる。
【0287】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、被験体、好ましくは被験体の血液中での神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質の濃度の全身性の増加、より好ましくは効果的な全身性の増加を引き起こさず、かつ/または神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質の濃度の全身性の増加を引き起こす量で投与される。好ましくは、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、全身性の増加が効果的でない程、十分に低い量で投与される。
【0288】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、被験体、好ましくは被験体の皮膚組織中での神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質の濃度の局所的増加、好ましくは効果的な局所的増加を引き起こす量で投与される。血中への投与とは異なり、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質の流れ去りおよび希釈が起こらないかまたはより少なく起こるので、皮膚組織が好ましい。
【0289】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、投与された神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質の濃度増加の生成、好ましくは効果的な濃度増加の生成は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0290】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、好ましくは被験体体内での、神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質の個別の受容体の全身性の活性化、好ましくは効果的な全身性の活性化を引き起こさず、かつ/または神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質の全身性の生成、好ましくは効果的な全身性の生成を引き起こさない量で投与される。
【0291】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、好ましくは被験体体内での、神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質の個別の受容体の局所的活性化、好ましくは効果的な局所的活性化を引き起こし、かつ/または神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質の局所的生成、好ましくは効果的な局所的生成を引き起こす量で投与される。好ましくは、活性化および/または生成、より好ましくは効果的な生成および/または効果的な活性化は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0292】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合の神経栄養因子様機能性物質、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、神経栄養因子、BDNF様機能性物質および/またはNGF様機能性物質、より好ましくは神経栄養因子および/またはBDNF様機能性物質である。
【0293】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合の神経栄養因子、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、BDNFおよび/またはNGF(神経成長因子)、より好ましくはBDNFである。
【0294】
より好ましくは、本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、BDNF、NGF(神経成長因子)および/もしくは誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグならびに/またはこれらのうちのいずれかの製薬上許容される塩、さらにより好ましくはBDNFである。
【0295】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合の「皮膚コンディショニング剤」、具体的には本発明に従う使用のための皮膚コンディショニング剤および/またはステップ(A)で投与される皮膚コンディショニング剤は、特にPBMCの量、皮膚内での毛細血管の拡張、皮膚内の血液量、皮膚内のsO2、皮膚内のrHb、皮膚上の温度および/または皮膚上の発赤に関して、皮膚の状態を変化させるために好適ないずれかのタイプまたは種類の物質、組成物または製剤であり得、好ましくはそれらである。
【0296】
より好ましくは、皮膚コンディショニング剤は、好ましくは:
- 皮膚内でのPBMCの蓄積であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;および/または
- 皮膚内での毛細血管の拡張であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;および/または
- 皮膚内での血液量の増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;および/または
- 皮膚内でのsO2(ヘモグロビンの酸素飽和度)の増加および/もしくはrHb(相対的ヘモグロビン量)の増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;および/または
- 皮膚上の温度上昇であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;および/または
- 皮膚上の発赤であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである
を生じさせるために好適であり、かつ/または生じさせるいずれかのタイプまたは種類の物質、組成物または製剤である。
【0297】
さらにより好ましくは、皮膚コンディショニング剤は、皮膚内での毛細血管の拡張、皮膚内での血液量の増加、皮膚内でのsO2および/もしくはrHbの増加ならびに/または皮膚上の温度上昇を生じさせるために好適かつ/もしくは十分であり、かつ/または生じさせる。またより好ましくは、皮膚内での毛細血管の拡張、皮膚内でのsO2および/もしくはrHbの増加、ならびに/または皮膚上の温度上昇。またさらにより好ましくは、皮膚内でのsO2および/もしくはrHbの増加、ならびに/または皮膚上の温度上昇。
【0298】
より好ましくは、皮膚コンディショニング剤は、被験体でのアレルギー反応を引き起こさない。
【0299】
好ましくは、皮膚コンディショニング剤は、いずれかの血液循環増加剤、血管拡張剤、皮膚温度上昇剤、皮膚sO2増加剤および/または皮膚rHb増加剤である。皮膚コンディショニング剤に関する例は、硝酸薬、α遮断薬、ACE阻害剤、イチョウバームなどのイチョウ調製物、カルシウム拮抗薬、ジヒドララジン、ミノキシジル、ジヒドロエルゴトキシン、ニコチン酸類似体、ニコチン酸メチル(methylnicotinat)、モグサ草、カプサイシン(capsaicine)、および/もしくはペントキシフィリンなどの血管拡張剤、熱感クリーム剤、血管拡張剤含有クリーム剤、ニコチン酸メチル含有クリーム剤、特にKytta(登録商標)熱感バーム(ニコチン酸メチルを含有するKytta(登録商標)熱感バーム[P&G Health Germany GmbH社、Germanyからの「Kytta(登録商標)熱感バーム」、PZN 12358936])またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。好ましくは、皮膚コンディショニング剤は、硝酸薬、α遮断薬、ACE阻害剤、イチョウバームなどのイチョウ調製物、カルシウム拮抗薬、ジヒドララジン、ミノキシジル、ジヒドロエルゴトキシン、ニコチン酸類似体、ニコチン酸メチル、モグサ草、カプサイシン、ペントキシフィリンなどの血管拡張剤、血管拡張剤含有クリーム剤、ニコチン酸メチル含有クリーム剤、Kytta(登録商標)熱感バームまたはそれらのいずれかの組み合わせ、より好ましくは、ニコチン酸メチル含有クリーム剤および/またはニコチン酸メチル、さらにより好ましくはKytta(登録商標)熱感バームおよび/またはニコチン酸メチルを有効成分として含み、好ましくは有効成分としてそれらからなる。
【0300】
好ましくは、皮膚コンディショニング剤は、本発明に従うかまたは本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットのうちのいずれかの形態にある。
【0301】
好ましくは、血液循環増加剤は、皮膚内の血液量を増加させるために好適であり、かつ/または増加させる薬剤、すなわち、血液量増加剤である。さらにより好ましくは、血液循環増加剤は血液量増加剤である。
【0302】
表現:
「[...]該方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)のうちの1以上から選択される(A)
のステップを含み、好ましくはそれからなり;かつ[...]」
は、表現:
「該方法はステップ(A)を含み、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMC(末梢血単核細胞)の蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO2(ヘモグロビンの酸素飽和度)の増加および/もしくは皮膚内でのrHb(相対的ヘモグロビン量)の増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ該方法は、ステップ[...]をさらに含む」
とその意味が等価であり、かつ相互に交換可能に用いることができることが理解されるべきである。
【0303】
上記で既に述べた通り、本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤であって、
該方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/もしくは(A-8)のうちの1以上から選択される(A);および
(B) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
を含み、好ましくはそれらからなるか、
または
該方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/もしくは(A-8)のうちの1以上から選択される(A);および
(C) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
を含み、好ましくはそれらからなるか、
または
該方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/もしくは(A-8)のうちの1以上から選択される(A);ならびに
(B) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
を含み、好ましくはそれらからなる、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤、ならびにそのような方法に関する。
【0304】
好ましくは、本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤であって、
ステップ(B)は2回目には(B1)として行なわれ、該方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/もしくは(A-8)のうちの1以上から選択される(A);ならびに
(B) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および
(B1) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(B1)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
を含み、好ましくはそれらからなる、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤に関する。
【0305】
より好ましくは、本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤であって、該方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/もしくは(A-8)のうちの1以上から選択される(A);ならびに
(B) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および
(B1) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および
(C) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(B)、ステップ(B1)およびステップ(C)で投与される免疫調節性物質は互いに異なるステップ
を含み、好ましくはそれらからなる、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤に関する。
【0306】
さらにより好ましくは、本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤であって、該方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/もしくは(A-8)のうちの1以上から選択される(A);ならびに
(B) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
を含み、好ましくはそれらからなるステップの第1セット、
ならびに
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/もしくは(A-8)のうちの1以上から選択される(A);ならびに
(B1) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
を含み、好ましくはそれらからなるステップの第2セット
であって、ステップ(B1)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なり、かつ
ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)およびステップ(B1)で投与される免疫調節性物質とは異なる、ステップのセット
を含み、好ましくはそれらからなる、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤に関する。
【0307】
好ましくは、ステップ(C)の各々で投与される免疫調節性物質は、同じかまたは異なり、より好ましくは同じである。
【0308】
別途言及されない場合、本明細書中に記載されるステップ(A)のいずれかの実施形態は、ステップ(A)のうちの各々に対して独立して適用可能であることが理解されるべきである。それゆえ、ステップの第1セットのステップ(A)は、例えば、皮膚コンディショニング剤の投与様式、用いる濃度、局所適用によるかもしくは注入により投与されるかのいずれであるか、患者身体(patients bod)上の皮膚領域の部位および/または皮膚領域のサイズに関して、ステップの第2セットのステップ(A)と同じく行なわれることができるか、またはそうでないことができる。より好ましくは、ステップ(A)は、すべて、局所適用によるかまたは注入により行なわれる。
【0309】
別途言及されない場合、本明細書中に記載されるステップ(C)のいずれかの実施形態は、ステップ(C)のうちの各々に対して独立して適用可能であることが理解されるべきである。それゆえ、ステップの第1セットのステップ(C)は、例えば、免疫調節性物質のタイプ、用いる濃度、局所適用によるかもしくは注入により投与されるかのいずれであるか、皮膚領域のサイズ等に関して、ステップの第2セットのステップ(C)と同じく行なわれることができるか、またはそうでないことができる。より好ましくは、ステップ(C)は、同じく行なわれる。それゆえ、ステップの第1セットのステップ(C)では、例えば、免疫調節性物質の投与は注入により適用されることができ、一方で、ステップの第2セットのステップ(C)では、局所適用による投与を用いることができる。
【0310】
より好ましくは、本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤であって、
該方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/もしくは(A-8)のうちの1以上から選択される(A);および
(B) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
を含み、好ましくはそれらからなるか、
または
さらにより好ましくは、該方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/もしくは(A-8)のうちの1以上から選択される(A);ならびに
(B) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および
(C) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
を含み、好ましくはそれらからなる、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤、ならびにそのような方法に関する。
【0311】
それゆえ、より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合の免疫調節性物質、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は:
サイトカイン様機能性物質;
さらにより好ましくは、免疫関連サイトカイン様機能性物質;
またより好ましくは、インターフェロン様機能性物質、インターロイキン様機能性物質および/または神経栄養因子様機能性物質;
またさらにより好ましくは、IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質および/またはIL-2様機能性物質;
さらに好ましくは、IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質および/またはBDNF様機能性物質;
なおさらに、IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質および/もしくはIL-2様機能性物質、またはIL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質および/もしくはIL-2様機能性物質;
またさらに好ましくは、IFN-γ様機能性物質および/もしくはIL-4様機能性物質;またはIL-4様機能性物質および/もしくはBDNF様機能性物質;
またなおさらに好ましくは、IFN-γ様機能性物質および/もしくはIL-2様機能性物質;またはIL-4様機能性物質および/もしくはBDNF様機能性物質;
さらに好ましくは、IFN-γ様機能性物質;またはIL-4様機能性物質および/もしくはBDNF様機能性物質;またはIL-2様機能性物質
である。
【0312】
さらにより好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合の免疫調節性物質、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は:
サイトカイン;
またより好ましくは、免疫関連サイトカイン;
またさらにより好ましくは、インターフェロン、インターロイキンおよび/または神経栄養因子;
さらに好ましくは、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2;
なおさらに好ましくは、IFN-γ、IL-4および/またはBDNF;
またさらに好ましくは、IFN-γ、IL-4および/もしくはIL-2;またはIL-4、BDNFおよび/もしくはIL-2;
またなおさらに好ましくは、IFN-γおよび/もしくはIL-4;またはIL-4および/もしくはBDNF;
さらに好ましくは、IFN-γおよび/もしくはIL-2;またはIL-4および/もしくはBDNF;
なおさらに好ましくは、IFN-γ;またはIL-4および/もしくはBDNF;またはIL-2、
ならびに/あるいはこれらのうちのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩である。
【0313】
簡潔性および明確性の目的のために、以下の実施形態は、サイトカイン、インターフェロン、インターロイキン、神経栄養因子、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2に関してのみ全長で書き出された。別途言及されない場合、サイトカイン、インターフェロン、インターロイキン、神経栄養因子、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2に関して、ならびに特に以下の項目:
- ステップ(A)および(C);ステップ(A)、(B)および(C)、ステップ(A)および(B);ステップ(A)および(B)であって、ステップ(B)は2回目には(B1)として行なわれる;またはステップ(A)、(B)および(C)の第1セットならびにステップ(A)、(B1)および(C)の第2セットを含む方法;ならびに/あるいは
- 治療および/または予防対象である特定の炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患;ならびに/あるいは
- これらのうちのいずれかのいずれかの組み合わせ
に関して以下の段落中で、本明細書中で一般的に述べられる本発明の実施形態のうちのいずれかは、サイトカイン様機能性物質、インターフェロン様機能性物質、インターロイキン様機能性物質、神経栄養因子様機能性物質、IFN-γ様機能性物質、IL-2様機能性物質、IL-4様機能性物質および/またはBDNF様機能性物質に対して、独立して準用することができることが理解されるべきであり、この理由のために、適用可能である場合、用語「サイトカイン」は「サイトカイン様機能性物質」と理解されるべきであり、「インターフェロン」は「インターフェロン様機能性物質」と理解されるべきであり、「インターロイキン」は「インターロイキン様機能性物質」と理解されるべきであり、「神経栄養因子」は「神経栄養因子様機能性物質」と理解されるべきであり、「IFN-γ」は「IFN-γ様機能性物質」と理解されるべきであり、「IL-4」は「IL-4様機能性物質」と理解されるべきであり、「BDNF」は「BDNF様機能性物質」と理解されるべきであり、かつ「IL-2」は「IL-2様機能性物質」と理解されるべきである。好ましくは、1つの特定の実施形態では、そのような用語のすべてが置き換えられるか、またはそのような用語のすべてが変わらないままであるが、しかしながら、一部が置き換えられて一部が置き換えられないことはない。サイトカイン、インターフェロン、神経栄養因子、インターロイキン、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2ならびに/または誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくはその製薬上許容される塩を参照する実施形態がより好ましい。サイトカイン、インターフェロン、神経栄養因子、インターロイキン、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2を参照する実施形態が、さらにより好ましい。
【0314】
好ましくは、
- 方法は、ステップ(A)および(C)を含み;
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IL-2をはじめとする免疫調節性物質、好ましくはIL-2をはじめとするサイトカイン、より好ましくはIL-2をはじめとするインターフェロン、神経栄養因子および/またはインターロイキン、さらにより好ましくはIL-2である、本明細書中に記載される通りの免疫調節性物質のうちのいずれかであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2であるか、
あるいは
- 方法は、ステップ(A)、(B)および(C)を含み;
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IL-2をはじめとする免疫調節性物質、好ましくはIL-2をはじめとするサイトカイン、より好ましくはIL-2をはじめとするインターフェロン、神経栄養因子および/またはインターロイキン、さらにより好ましくはIL-2である、本明細書中に記載される通りの免疫調節性物質のうちのいずれかであり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質は、IL-2を除く、本明細書中に記載される通りの免疫調節性物質のうちのいずれかであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2であるか、
あるいは
- 方法は、ステップ(A)および(B)を含み;
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IFN-γ、IL-4および/またはBDNF、好ましくはIFN-γおよび/またはIL-4であり;かつ
- ステップ(B)での免疫調節性物質は、IFN-γおよび/もしくはIL-4、またはIL-4および/もしくはBDNFであり;好ましくは、IFN-γであるか、またはIL-4および/もしくはBDNFであり;より好ましくは、IFN-γもしくはIL-4であるか、
あるいは
- 方法は、ステップ(A)、(B)および(C)を含み;
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質は、IFN-γおよび/もしくはIL-4、またはIL-4および/もしくはBDNFであり;好ましくは、IFN-γ、またはIL-4および/もしくはBDNFであり;より好ましくは、IFN-γもしくはIL-4であり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2である。
【0315】
さらにより好ましくは、
方法は、ステップ(A)、(B)および(C)を含み;
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IFN-γおよび/もしくはIL-2であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質はIFN-γであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2であるか、
または
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IL-4および/もしくはIL-2であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質はIL-4であり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2であるか、
あるいは、方法はステップ(A)および(B)を含み、ステップ(B)は、2回目には(B1)として行なわれ;
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IFN-γおよび/もしくはIL-4であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質はIFN-γであり;かつ
- ステップ(B1)での免疫調節性物質はIL-4であるか、
または
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IL-4および/もしくはBDNFであり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質はIL-4であり;かつ
- ステップ(B1)での免疫調節性物質はBDNFである。
【0316】
方法がステップ(A)、(B)および(C)を含む実施形態が、またより好ましい。
【0317】
別途言及されない場合、ステップ(B)に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合のステップ(B1)に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0318】
またさらにより好ましくは、方法は、ステップ(A)、(B)、(B1)および(C)を含み;
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IFN-γ、IL-4および/またはIL-2であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質はIFN-γであり;
- ステップ(B1)での免疫調節性物質はIL-4であり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2であるか、
あるいは
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質はIL-4であり;
- ステップ(B1)での免疫調節性物質はBDNFであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2である。
【0319】
さらに好ましくは、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IFN-γ、IL-4および/またはIL-2であり、かつ
方法は:
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/もしくは(A-8)のうちの1以上から選択される(A);および
(B) 前記被験体の皮膚に対してIFN-γを投与するステップ;および
(C) 該被験体の皮膚に対してIL-2を投与するステップ
を含む、ステップの第1セット、ならびに
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/もしくは(A-8)のうちの1以上から選択される(A);および
(B1) 前記被験体の皮膚に対してIL-4を投与するステップ;および
(C) 該被験体の皮膚に対してIL-2を投与するステップ
を含む、ステップの第2セット
を含むか、
あるいは
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2であり、かつ
方法は:
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/もしくは(A-8)のうちの1以上から選択される(A);および
(B) 前記被験体の皮膚に対してIL-4を投与するステップ;および
(C) 該被験体の皮膚に対してIL-2を投与するステップ
を含む、ステップの第1セット、ならびに
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/もしくは(A-8)のうちの1以上から選択される(A);および
(B1) 前記被験体の皮膚に対してBDNFを投与するステップ;および
(C) 該被験体の皮膚に対してIL-2を投与するステップ
を含む、ステップの第2セット
を含む。
【0320】
ステップ(A)および(B)を含む本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、
またさらに好ましくは、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、インターフェロン、神経栄養因子および/またはインターロイキンであり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質は、インターフェロン、神経栄養因子および/またはインターロイキンであり、
またなおさらに好ましくは、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IFN-γ、IL-4および/またはBDNFであり;かつ
- ステップ(B)での免疫調節性物質は、IFN-γ、IL-4および/またはBDNFであり、
さらに好ましくは、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IFN-γおよび/もしくはIL-4またはIL-4および/もしくはBDNFであり;かつ
- ステップ(B)での免疫調節性物質は、IFN-γおよび/もしくはIL-4またはIL-4および/もしくはBDNFであり、
なおさらに好ましくは、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IFN-γ、IL-4および/またはBDNFであり;かつ
- ステップ(B)での免疫調節性物質は、IFN-γおよび/もしくはIL-4またはIL-4および/もしくはBDNFであり、
またさらに好ましくは、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IFN-γまたはIL-4であり;かつ
- ステップ(B)での免疫調節性物質は、IFN-γまたはIL-4である。
【0321】
ステップ(A)および(C)を含む本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、
またさらに好ましくは、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質はサイトカインであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はサイトカインであり、
またなおさらに好ましくは、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質はインターロイキンであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はインターロイキンであり、
さらに好ましくは、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質はIL-2であり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2である。
【0322】
ステップ(A)、(B)および(C)を含む本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、
またさらに好ましくは、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、本明細書中に記載される通りのIL-2をはじめとする本明細書中に記載される通りの免疫調節性物質のうちのいずれか、より好ましくは、IL-2をはじめとするサイトカインであり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質は、IL-2を除く本明細書中に記載される通りの免疫調節性物質のうちのいずれか、より好ましくは、IL-2を除くサイトカインであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2であり、
またなおさらに好ましくは、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IL-2をはじめとするインターフェロン、神経栄養因子および/またはインターロイキンであり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質は、IL-2を除くインターフェロン、神経栄養因子および/またはインターロイキンであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2であり、
さらに好ましくは、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質は、IFN-γ、IL-4および/またはBDNF、より好ましくは、IFN-γおよび/もしくはIL-4またはIL-4および/もしくはBDNFであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2であり、
なおさらに好ましくは、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IFN-γ、IL-4および/またはIL-2、好ましくはIFN-γおよび/もしくはIL-2またはIL-4および/もしくはIL-2であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質は、IFN-γおよび/またはIL-4、好ましくは、IFN-γまたはIL-4であり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2である。
【0323】
好ましくは、単独でのまたはIL-4および/もしくはIL-2とのいずれかの組み合わせでのIFN-γに言及するすべての実施形態である、IFN-γに関連する本明細書中に記載される本発明のすべての実施形態、
特に、本発明に従う使用のための免疫調節性物質が、IFN-γまたはIL-4および/もしくはIL-2と組み合わせたIFN-γを含み、好ましくはそれらであり、かつステップ(B)で投与される免疫調節性物質が、IFN-γまたはIFN-γおよびIL-4を含み、好ましくはそれらであるすべての実施形態では、
治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は:
- 神経系の炎症性疾患を除く、好ましくは多発性硬化症を除く、本明細書中に記載される通りの治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患のうちのいずれかを含み、好ましくはそれらからなり、
- より好ましくは、関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、炎症性リウマチ疾患、橋本病および/またはバセドウ病を含み、また好ましくはそれらからなり、
- さらにより好ましくは、関節炎、滑膜炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、リウマチ性多発筋痛症、ベヒテレフ病および/またはバセドウ病を含み、またさらにより好ましくはそれらからなる。
【0324】
好ましくは、単独でのまたはIL-4および/もしくはIL-2と組み合わせたBDNFに言及するすべての実施形態である、BDNFに関連する本明細書中に記載される本発明のすべての実施形態、
特に、本発明に従う使用のための免疫調節性物質が、BDNFまたはIL-4および/もしくはIL-2とのいずれかの組み合わせでのBDNFを含み、好ましくはそれらであり、かつステップ(B)で投与される免疫調節性物質が、BDNFまたはBDNFおよびIL-4を含み、好ましくはそれらであるすべての実施形態では、
治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は:
- 神経系の炎症性疾患を含み、好ましくは神経系の炎症性疾患からなり、
- より好ましくは、多発性硬化症を含み、さらにより好ましくは多発性硬化症からなる。
【0325】
好ましくは、単独またはBDNFおよび/もしくはIL-2と組み合わせたIL-4に言及するすべての実施形態である、IL-4に関連する本明細書中に記載される本発明のすべての実施形態、
特に、本発明に従う使用のための免疫調節性物質が、IL-4またはBDNFおよび/もしくはIL-2とのいずれかの組み合わせでのIL-4を含み、好ましくはそれらであり、かつステップ(B)で投与される免疫調節性物質が、IL-4またはIL-4およびBDNFを含み、好ましくはそれらであるすべての実施形態では、
治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は:
- 本明細書中に記載される通りの治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患のうちのいずれかを含み、好ましくはそれらからなり、
- 好ましくは、神経系の炎症性疾患を含み、好ましくは神経系の炎症性疾患からなり、
- より好ましくは、多発性硬化症を含み、さらにより好ましくは多発性硬化症からなる。
【0326】
好ましくは、単独でのまたはIFN-γ、BDNFおよび/もしくはIL-4と組み合わせたIL-2に言及するすべての実施形態である、IL-2に関連する本明細書中に記載される本発明のすべての実施形態、
特に、本発明に従う使用のための免疫調節性物質が、本明細書中に開示される通りのIL-2をはじめとする本明細書中に記載される通りの免疫調節性物質のうちのいずれかであり、好ましくはIL-2をはじめとするサイトカインであり、より好ましくはIL-2をはじめとするインターフェロン、神経栄養因子および/またはインターロイキンであり、さらにより好ましくはIL-2またはIFN-γ、BDNFおよび/もしくはIL-4とのいずれかの組み合わせでのIL-2であり、かつステップ(C)で投与される免疫調節性物質が、IL-2を含み、好ましくはIL-2であるすべての実施形態では、
治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は:
- IL-2の場合には、
本明細書中に記載される通りの炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を含み、好ましくはそれらからなり、
- IFN-γおよび/もしくはIL-4とのいずれかの組み合わせでの、好ましくはIFN-γと組み合わせたIL-2の場合には、
好ましくは、神経系の炎症性疾患を除く、多発性硬化症を除く、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を含み、より好ましくはそれらからなり、
より好ましくは、関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、炎症性リウマチ疾患、橋本病および/またはバセドウ病を含み、また好ましくはそれらからなり、
さらにより好ましくは、関節炎、滑膜炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、リウマチ性多発筋痛症、ベヒテレフ病および/またはバセドウ病を含み、またより好ましくはそれらからなり、
かつ/あるいは
- BDNFおよび/またはIL-4とのいずれかの組み合わせでのIL-2の場合には、
神経系の炎症性疾患を含み、好ましくは神経系の炎症性疾患からなり、
好ましくは、多発性硬化症を含み、好ましくは多発性硬化症からなる。
【0327】
それゆえ、またさらにより好ましくは、
- 方法はステップ(A)および(C)を含み;
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IL-2をはじめとする免疫調節性物質、好ましくはIL-2をはじめとするサイトカイン、より好ましくはIL-2をはじめとするインターフェロン、神経栄養因子および/またはインターロイキン、さらにより好ましくはIL-2である本明細書中に記載される通りの免疫調節性物質のうちのいずれかであり;
- 治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、本明細書中に記載される通りの治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患のうちのいずれかであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2であるか、
あるいは
- 方法はステップ(A)、(B)および(C)を含み;
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IL-2をはじめとする免疫調節性物質、好ましくはIL-2をはじめとするサイトカイン、より好ましくはIL-2をはじめとするインターフェロン、神経栄養因子および/またはインターロイキン、さらにより好ましくはIL-2である本明細書中に記載される通りの免疫調節性物質のうちのいずれかであり;
- 治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、本明細書中に記載される通りの治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患のうちのいずれかであり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質はIL-2を除く本明細書中に記載される免疫調節性物質のうちのいずれかであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2であるか、
あるいは
- 方法はステップ(A)および(B)を含み;
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IFN-γおよび/またはIL-4、好ましくはIFN-γであり;
- 治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、神経系の炎症性疾患を除く、好ましくは多発性硬化症を除く、本明細書中に記載される通りの治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患のうちのいずれかであり、好ましくは、関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、炎症性リウマチ疾患、橋本病および/またはバセドウ病であり、より好ましくは、関節炎、滑膜炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、ベヒテレフ病および/またはバセドウ病であり;かつ
- ステップ(B)での免疫調節性物質は、IFN-γおよび/またはIL-4、好ましくはIFN-γであるか、
あるいは
- 方法はステップ(A)および(B)を含み;
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IL-4および/またはBDNF、好ましくはIL-4であり;
- 治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、神経系の炎症性疾患であり、好ましくは多発性硬化症であり;かつ
- ステップ(B)での免疫調節性物質は、IL-4および/またはBDNF、好ましくはIL-4である。
【0328】
さらに好ましくは、
方法はステップ(A)、(B)および(C)を含み;
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IFN-γおよび/もしくはIL-2であり;
- 治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患は、神経系の炎症性疾患を除く、好ましくは多発性硬化症を除く、本明細書中に記載される通りの治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患のうちのいずれかであり、好ましくは、関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、炎症性リウマチ疾患、橋本病および/もしくはバセドウ病であり、より好ましくは、関節炎、滑膜炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、リウマチ性多発筋痛症、ベヒテレフ病および/もしくはバセドウ病であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質はIFN-γであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2であるか、
または
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IL-4および/もしくはIL-2であり;
- 治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患は、本明細書中に記載される通りの治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患のうちのいずれかであり、好ましくは、関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、炎症性リウマチ疾患、橋本病、バセドウ病および/もしくは多発性硬化症であり、より好ましくは、関節炎、滑膜炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、リウマチ性多発筋痛症、ベヒテレフ病、バセドウ病および/もしくは多発性硬化症であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質はIL-4であり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2であるか、
あるいは、方法はステップ(A)および(B)を含み、ステップ(B)は2回目には(B1)として行なわれ;
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IFN-γおよび/もしくはIL-4であり;
- 治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患は、神経系の炎症性疾患を除く、好ましくは多発性硬化症を除く、本明細書中に記載される通りの治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患のうちのいずれかであり、好ましくは、関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、炎症性リウマチ疾患、橋本病および/もしくはバセドウ病であり、より好ましくは、関節炎、滑膜炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、リウマチ性多発筋痛症、ベヒテレフ病および/もしくはバセドウ病であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質はIFN-γであり;かつ
- ステップ(B1)での免疫調節性物質はIL-4であるか、
または
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IL-4および/もしくはBDNFであり;
- 治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患は、神経系の炎症性疾患、好ましくは多発性硬化症であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質はIL-4であり;かつ
- ステップ(B1)での免疫調節性物質はBDNFである。
【0329】
方法がステップ(A)、(B)および(C)を含む実施形態が、またより好ましい。
【0330】
なおさらに好ましくは、方法はステップ(A)、(B)、(B1)および(C)を含み;
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IFN-γ、IL-4および/またはIL-2であり;
- 治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、神経系の炎症性疾患を除く、好ましくは多発性硬化症を除く、本明細書中に記載される通りの治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患のうちのいずれかであり、好ましくは、関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、炎症性リウマチ疾患、橋本病および/またはバセドウ病であり、より好ましくは、関節炎、滑膜炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、リウマチ性多発筋痛症、ベヒテレフ病および/またはバセドウ病であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質はIFN-γであり;
- ステップ(B1)での免疫調節性物質はIL-4であり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2であるか、
あるいは、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2であり;
- 治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、神経系の炎症性疾患であり、好ましくは多発性硬化症であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質はIL-4であり;
- ステップ(B1)での免疫調節性物質はBDNFであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質はIL-2である。
【0331】
またさらに好ましくは、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IFN-γ、IL-4および/またはIL-2であり;
- 治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、神経系の炎症性疾患を除く、好ましくは多発性硬化症を除く、本明細書中に記載される通りの治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患のうちのいずれかであり、好ましくは、関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、炎症性リウマチ疾患、橋本病および/またはバセドウ病であり、より好ましくは、関節炎、滑膜炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、リウマチ性多発筋痛症、ベヒテレフ病および/またはバセドウ病であり;かつ
方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)のうちの1以上から選択される(A);および
(B) 前記被験体の皮膚に対してIFN-γを投与するステップ;および
(C) 該被験体の皮膚に対してIL-2を投与するステップ
を含む、ステップの第1セット、ならびに
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)のうちの1以上から選択される(A);および
(B1) 前記被験体の皮膚に対してIL-4を投与するステップ;および
(C) 該被験体の皮膚に対してIL-2を投与するステップ
を含む、ステップの第2セット
を含むか、
あるいは
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質は、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2であり;
- 治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、神経系の炎症性疾患であり、好ましくは多発性硬化症であり;かつ
方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)のうちの1以上から選択される(A);および
(B) 前記被験体の皮膚に対してIL-4を投与するステップ;および
(C) 該被験体の皮膚に対してIL-2を投与するステップ
を含む、ステップの第1セット、ならびに
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)のうちの1以上から選択される(A);および
(B1) 前記被験体の皮膚に対してBDNFを投与するステップ;および
(C) 該被験体の皮膚に対してIL-2を投与するステップ
を含む、ステップの第2セット
を含む。
【0332】
簡潔性および明確性の目的のために、上記の実施形態は、サイトカイン、インターフェロン、インターロイキン、神経栄養因子、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2に関してのみ全長で書き出された。別途言及されない場合、サイトカイン、インターフェロン、インターロイキン、神経栄養因子、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2に関して本明細書中に述べられる本発明の好ましい実施形態のうちのいずれかは、サイトカイン様機能性物質、インターフェロン様機能性物質、インターロイキン様機能性物質、神経栄養因子様機能性物質、IFN-γ様機能性物質、IL-2様機能性物質、IL-4様機能性物質および/またはBDNF様機能性物質に対して、独立して準用することができることが理解されるべきであり、この理由のために、適用可能である場合、用語「サイトカイン」は「サイトカイン様機能性物質」と理解されるべきであり、「インターフェロン」は「インターフェロン様機能性物質」と理解されるべきであり、「インターロイキン」は「インターロイキン様機能性物質」と理解されるべきであり、「神経栄養因子」は「神経栄養因子様機能性物質」と理解されるべきであり、「IFN-γ」は「IFN-γ様機能性物質」と理解されるべきであり、「IL-4」は「IL-4様機能性物質」と理解されるべきであり、「BDNF」は「BDNF様機能性物質」と理解されるべきであり、かつ「IL-2」は「IL-2様機能性物質」と理解されるべきである。好ましくは、1つの特定の実施形態では、そのような用語のすべてが置き換えられるか、またはそのような用語のすべてが変わらないままであるが、しかしながら、一部が置き換えられて一部が置き換えられないことはない。サイトカイン、インターフェロン、神経栄養因子、インターロイキン、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2ならびに/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩を参照する実施形態がより好ましい。サイトカイン、インターフェロン、神経栄養因子、インターロイキン、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2を参照する実施形態が、さらにより好ましい。
【0333】
表現「IFN-γ様機能性物質」または「IFN-γ様機能性物質(複数)」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、それに投与される場合に被験体の身体中でIFN-γに類似するかまたは同一の効果を発揮するいずれかの物質であり得、好ましくはそのような物質である。IFN-γ様機能性物質は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性なIFN-γ様機能性物質へと変換される、そのような物質の前駆体、プロドラッグおよびプロペプチドを包含することができる。それゆえ、好ましくは、これは、いずれかの物質、分子、ペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体、誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片および/もしくは製薬上許容される塩である。したがって、IFN-γ様機能性物質は:
- 細胞の個別のIFN-γ受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。IFN-γ受容体は、例えば、PBMCの受容体であり得る;かつ/あるいは
- IFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質の生成を生じるかもしくは引き起こすかまたは生じるかもしくは引き起こすことが可能である
ことができる。
【0334】
より好ましくは、IFN-γ様機能性物質は、個別のIFN-γ受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。個別のIFN-γ受容体の活性化または活性化する能力は、直接的であり得、かつ/または間接的であり得る。
【0335】
好ましくは、IFN-γ様機能性物質は、被験体の皮膚内で個別のIFN-γ受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。IFN-γ様機能性物質は、十分な生物学的活性、すなわち、被験体での有効な交差反応性を有し、特に個別のIFN-γ受容体を活性化することが可能である限り、いずれかの天然に存在するかまたは人工的なIFN-γ様機能性物質であり得る。好ましくは、IFN-γ様機能性物質は、本発明の出願の発効日に当業者に公知である。
【0336】
より好ましくは、IFN-γ様機能性物質は、いずれかのペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【0337】
好ましい実施形態では、IFN-γ様機能性物質は、下記で詳述される通り、とりわけ、IFN-γならびに/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり得る。
【0338】
より好ましくは、IFN-γ様機能性物質は、IFN-γならびに/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【0339】
表現「IFN-γ」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、好ましくは、広く解釈されなければならない。典型的には、IFN-γは、細胞の個別のIFN-γ受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。IFN-γ受容体は、例えば、PBMCの受容体であり得る。好ましくは、活性化または活性化する能力は、被験体の皮膚内であり、より好ましくは、被験体の皮膚内で局所的に有効量であり、さらにより好ましくは被験体の身体内で全身性に効果的な量でない。好ましくは、IFN-γは、当業者に公知のIFN-γのいずれかのタイプであり得る。さらに、本発明は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性なIFN-γへと変換される、そのようなIFN-γの前駆体、プロドラッグおよびプロペプチドの使用または医学的使用を包含する。それゆえ、これらは、本明細書中に記載される通りの方法もしくは医学的使用で、または本明細書中に記載される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの調製で用いることができる。
【0340】
好ましくは、IFN-γは、いずれかのペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体および/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体もしくは製薬上許容される塩であり得る。
【0341】
IFN-γは、必ずしも、被験体が属する同じ属および/もしくは生物種のIFN-γに由来するか、またはそれに対して同一でなくてよく、十分な生物学的活性、すなわち、被験体での有効な交差反応性を有し、特に個別のIFN-γ受容体を活性化することが可能である限り、いずれかの天然に存在するかまたは人工的なIFN-γであり得る。好ましくは、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質の生物学的活性は、好ましくは被験体での、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の治療および/または予防を達成するために十分である。
【0342】
IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、典型的には、細胞上の個別のIFN-γ受容体に結合し、かつこれを活性化することにより、細胞に作用する。それゆえ、個別の受容体の活性化は、典型的には、免疫調節性物質に関して上記に記載される通りの細胞の作用をもたらす。それゆえ、PBMCなどの細胞への作用に関連して免疫調節性物質について本明細書中で言及されるいずれかの実施形態は、IFN-γおよびIFN-γ様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0343】
IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質による個別のIFN-γ受容体の活性化または活性化する能力は、直接的であり得、かつ/または間接的であり得る。
【0344】
別途言及されない場合、上記で述べられたサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の説明および定義は、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質に対して、独立して準用可能である。特に、別途言及されない場合、個別のIFN-γ受容体を「直接的に」かつ「間接的に」活性化するかまたは活性化することが可能であることに関するサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の説明および定義は、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0345】
好ましくは、本発明に従う使用のためのIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質は、誘引、増殖、分化および/または成熟させ、さらにより好ましくは、増殖、分化および/または成熟させ、さらにより好ましくは、分化および/または成熟させることにより、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。それゆえ、より好ましくは、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、PBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させる。さらにより好ましくは、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、PBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させる。またさらにより好ましくは、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、PBMCを分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを分化および/もしくは成熟させる。好ましくは、PBMCは、ナイーブPBMC、より好ましくはリンパ球、さらにより好ましくはT細胞および/またはB細胞、またより好ましくはナイーブリンパ球、またさらにより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、さらに好ましくはナイーブT細胞である。
【0346】
より好ましくは、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、直接的かつ/または間接的にPBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。
【0347】
より好ましくは、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内で、直接的かつ/または間接的にPBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。
【0348】
なおさらに好ましくは、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内で、ナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/もしくは成熟させる。
【0349】
別途言及されない場合、上記で述べられた免疫調節性物質の説明および定義は、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質に対して、独立して準用可能である。特に、別途言及されない場合、PBMCに「直接的に」かつ「間接的に」作用するかまたは作用することが可能であることに関する免疫調節性物質の説明および定義は、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0350】
好ましくは、本発明に従う使用のためのIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質は、脊椎動物、好ましくはヒトまたは哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するいずれかのIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質に類似または同一であり、好ましくは同一である。より好ましくは、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、脊椎動物、好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質のいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に類似または同一であり、好ましくは同一である。
【0351】
より好ましくは、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、70%以上、さらにより好ましくは85%以上、またより好ましくは90%以上、またさらにより好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上、なおさらに好ましくは98%以上、またさらに好ましくは99%以上かつ100%以下の、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質のいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸配列同一性を有する。好ましくは、アミノ酸配列同一性は、天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸残基の置換、挿入および/または欠失を含む。好ましくは、アミノ酸配列同一性は、配列番号1のアミノ酸配列を参照し、このとき、より好ましくは、被験体はヒトである。
【0352】
好ましくは、アミノ酸残基の置換、挿入および/もしくは欠失の総数または置換、挿入および/もしくは欠失を併せた総数は、好ましくは、配列番号1のアミノ酸配列を参照して、60箇所以下、より好ましくは40箇所以下、さらにより好ましくは20箇所以下、またより好ましくは12箇所以下、またさらにより好ましくは8箇所以下、さらに好ましくは4箇所以下、なおさらに好ましくは2箇所以下かつゼロ箇所以上、またさらに好ましくはゼロ箇所であり、このとき、より好ましくは、被験体はヒトである。
【0353】
さらにより好ましくは、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、被験体が属する同じ属および/または生物種の内因性免疫調節性物質と同一であるか、またはアミノ酸配列同一性がこれを参照する。表現「同一である」とは、典型的には、この特定の文脈で、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質がその1次、2次、3次および4次タンパク質構造に関して、より好ましくは修飾パターン、特にグリコシル化も考慮して、被験体が属する同じ属および/または生物種のIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質と同一であることを意味する。
【0354】
好ましくは、本発明に従う使用のためのIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質は、被験体と同じ属および/もしくは生物種に属する個体に由来するか、または被験体が属する同じ属および/もしくは生物種のIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質と同一である。例えば、被験体がヒトである場合、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質はヒトIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質であり、より好ましくは、配列番号1のアミノ酸配列を、好ましくは有効なアミノ酸配列として含み、さらにより好ましくはそれからなる、ヒトIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質であり;ウシである場合、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質はウシIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質であり;ウマである場合、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質はウマIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質であり;ロバである場合、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質はロバIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質であり;ゾウである場合、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質はゾウIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質であり;ヒツジである場合、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質はヒツジIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質であり;ヤギである場合、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質はヤギIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質であり;ブタである場合、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質はブタIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質であり;ウサギである場合、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質はウサギIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質であり;マウスである場合、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質はマウスIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質であり;ラットである場合、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質はラットIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質であり;ラクダである場合、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質はラクダIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質であり;ヒトコブラクダである場合、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質はヒトコブラクダIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質であり;ラマである場合、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質はラマIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質であり;アルパカである場合、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質はアルパカIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質であり;イヌである場合、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質はイヌIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質であり;かつ/あるいはネコである場合、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質はネコIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質である。
【0355】
好ましくは、本発明に従う使用のためのIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質は、被験体の内因性IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質でない。言い換えれば、好ましくは、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、被験体の身体から、すなわち、治療または予防対象である個別の被験体から単離されたIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質でない。
【0356】
好ましくは、本発明に従う使用のためのIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質は、当業者に公知のいずれかの組み換え発現技術により生成された組み換えIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により合成された化学合成されたIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により生成された人工的に生成されたIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質、動物もしくはヒトなどの天然供給源から取得された天然に存在するIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質、またはそれらのいずれかの組み合わせであり得、好ましくはそれらである。より好ましくは、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、組み換えIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質、化学合成されたIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質、人工的に生成されたIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質またはそれらのいずれかの組み合わせ、さらにより好ましくは、組み換えIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質、またさらにより好ましくは、遺伝子改変型大腸菌(Escherichia coli)中で好ましくは生成される組み換えヒトIFN-γ1bタンパク質(IFN-γガンマ1b)(Boehringer Ingelheim RCV GmbH & Co KG社により製造され、ドイツでは商標Imukin(登録商標)、PZN:06958744、Lot:M000487の下にBoehringer Ingelheim Pharma GmbH & Co. KG社から市販されている)である。
【0357】
さらに、本発明に従う使用のためのIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質は、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する限り、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する限り、誘導体化されるか、安定化されるか、他のタンパク質もしくはペプチドに融合されるか、ポリマーを用いてコンジュゲート化されるか、アミノ酸類似体もしくは人工アミノ酸を含有するか、共有的もしくは非共有的に修飾され、例えば、翻訳後修飾により、例えば、グリコシル化もしくはメチル化されるか、かつ/またはオリゴマー化され、例えば、二量体化もしくは三量体化され得るかまたはそうでないことができる。より好ましくは、修飾パターンおよび/またはオリゴマー化状態は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対して類似または同一である。
【0358】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、被験体の身体中でのIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質の濃度の全身性の増加を回避するために十分に低い量で、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質を投与することが意図される。それにより、例えば、炎症関節などの炎症部位でのIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質の濃度増加の生成が回避されることが意図される。上記で既に述べた通り、例えば、ナイーブT細胞は、抗原/自己抗原/アレルゲンの存在下で、炎症促進性として機能し得る細胞傷害性へと成熟することができる。それにより、本発明により達成される有益な効果、特に、恐らくは生成される調節T細胞および/もしくはヘルパーT細胞、またはそれらのサブセットの抗炎症効果を減少させるか、取り消すか、または逆転さえさせる。
【0359】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、被験体、好ましくは被験体の血液中でのIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質の濃度の全身性の増加、より好ましくは効果的な全身性の増加を引き起こさず、かつ/またはIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質の濃度の全身性の増加を引き起こす量で投与される。好ましくは、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、全身性の増加が効果的でない程、十分に低い量で投与される。
【0360】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、被験体、好ましくは被験体の皮膚組織中でのIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質の濃度の局所的増加、好ましくは効果的な局所的増加を引き起こす量で投与される。血中への投与とは異なり、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質の流れ去りおよび希釈が起こらないかまたはより少なく起こるので、皮膚組織が好ましい。
【0361】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、投与されたIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質の濃度増加の生成、好ましくは効果的な濃度増加の生成は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0362】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、好ましくは被験体体内での、IFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質の個別の受容体の全身性の活性化、好ましくは効果的な全身性の活性化を引き起こさず、かつ/またはIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質の全身性の生成、好ましくは効果的な全身性の生成を引き起こさない量で投与される。
【0363】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、好ましくは被験体体内での、IFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質の個別の受容体の局所的活性化、好ましくは効果的な局所的活性化を引き起こし、かつ/またはIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質の局所的生成、好ましくは効果的な局所的生成を引き起こす量で投与される。好ましくは、活性化および/または生成、より好ましくは効果的な生成および/または効果的な活性化は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0364】
一般的に、1ng(ナノグラム)のIFN-γは、約20IU(国際単位)以下のIFN-γに対応する。IFN-γのうちの一部は、変性されるか、または質量が一定のままでありながらIFN-γの生物学的活性が失われているという点で、それ以外の様式で欠陥であり得る。
【0365】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IFN-γ様機能性物質、好ましくはIFN-γは、有効量、好ましくは有効総量で投与される。
【0366】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IFN-γ様機能性IFN-γ物質は、好ましくは投与用量当たり、600IU IFN-Γ/kg(国際単位/キログラム)被験体体重以下(「kg体重」は、その意味では、「kgの体重」と等価であるIFN-γである)に相当する量、好ましくは総量で、被験体の皮膚へと投与される。より好ましくは、IFN-γは、300IU IFN-Γ/kg以下、さらにより好ましくは200IU IFN-Γ/kg以下、またより好ましくは100IU IFN-Γ/kg以下、またさらにより好ましくは50IU IFN-Γ/kg以下、さらに好ましくは30IU IFN-Γ/kg以下、さらに好ましくは20IU IFN-Γ/kg以下、なおさらに好ましくは6IU IFN-Γ/kg以下に相当する量、好ましくは総量で投与される。IFN-γの有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.04IU IFN-Γ/kg以上、より好ましくは0.2IU IFN-Γ/kg以上、さらにより好ましくは0.5IU IFN-Γ/kg以上、またより好ましくは1IU IFN-Γ/kg以上、またさらにより好ましくは1.5IU IFN-Γ/kg以上に相当する量である。より好ましくは、IFN-γ様機能性IFN-γ物質は、0.04IU IFN-Γ/kg以上かつ600IU IFN-Γ/kg以下、さらにより好ましくは0.2IU IFN-Γ/kg以上かつ300IU IFN-Γ/kg以下、またより好ましくは0.5IU IFN-Γ/kg以上かつ200IU IFN-Γ/kg以下、またさらにより好ましくは0.5IU IFN-Γ/kg以上かつ100IU IFN-Γ/kg以下、さらに好ましくは0.5IU IFN-Γ/kg以上かつ50IU IFN-Γ/kg以下、なおさらに好ましくは1IU IFN-Γ/kg以上かつ30IU IFN-Γ/kg以下、またさらに好ましくは1.5IU IFN-Γ/kg以上かつ20IU IFN-Γ/kg以下に相当するIFN-γの範囲(rang IFN-γe)内の量、好ましくは総量で投与される。
【0367】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IFN-γ様機能性IFN-γ物質は、好ましくは投与用量当たり、30ng IFN-γ/kg被験体体重以下に活性が相当する量、好ましくは総量で、被験体の皮膚へと投与される。より好ましくは、IFN-γ様機能性(aktinv)物質は、15ng IFN-γ/kg以下、さらにより好ましくは10ng IFN-γ/kg以下、またより好ましくは5ng IFN-γ/kg以下、またさらにより好ましくは2.5ng IFN-γ/kg以下、さらに好ましくは1.5ng IFN-γ/kg以下、またさらにより好ましくは1ng IFN-γ/kg以下、なおさらに好ましくは0.3ng IFN-γ/kg以下に活性が相当する量、好ましくは総量で投与される。IFN-γの有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.002ng IFN-γ/kg以上、より好ましくは0.025ng IFN-γ/kg以上、さらにより好ましくは0.01ng IFN-γ/kg以上、またより好ましくは0.02mg/kg以上、またさらにより好ましくは0.05ng IFN-γ/kg以上、さらに好ましくは0.075ng IFN-γ/kg以上に活性が相当する量である。より好ましくは、IFN-γ様機能性IFN-γ物質は、30ng IFN-γ/kg以下かつ0.002ng IFN-γ/kg以上、さらにより好ましくは15ng IFN-γ/kg以下かつ0.025ng IFN-γ/kg以上、またより好ましくは10ng IFN-γ/kg以下かつ0.01ng IFN-γ/kg以上、またさらにより好ましくは5ng IFN-γ/kg以下かつ0.01ng IFN-γ/kg以上、さらに好ましくは2.5ng IFN-γ/kg以下かつ0.02ng IFN-γ/kg以上、なおさらに好ましくは1.5ng IFN-γ/kg以下かつ0.02ng IFN-γ/kg以上、またさらに好ましくは1ng IFN-γ/kg以下かつ0.05ng IFN-γ/kg以上、またなおさらに好ましくは0.3ng IFN-γ/kg以下かつ0.075ng IFN-γ/kg以上に活性が相当するIFN-γの範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0368】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IFN-γ様機能性IFN-γ物質は、好ましくは投与用量当たり、30,000IU IFN-Γ以下、より好ましくは15,000IU IFN-Γ以下、さらにより好ましくは10,000IU IFN-Γ以下、またより好ましくは5,000IU IFN-Γ以下、またさらにより好ましくは2,500IU IFN-Γ以下、さらに好ましくは1,500IU IFN-Γ以下、またさらに好ましくは1,000IU IFN-Γ以下、なおさらに好ましくは300IU IFN-Γ以下に相当する量、好ましくは総量で投与される。IFN-γの有益な効果を達成することができる限り、量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、2IU IFN-Γ以上、より好ましくは10IU IFN-Γ以上、さらにより好ましくは20IU IFN-Γ以上、またより好ましくは30IU IFN-Γ以上およびまたさらにより好ましくは50IU IFN-Γ以上に相当する量である。より好ましくは、IFN-γ様機能性IFN-γ物質は、好ましくは投与用量当たり、30,000IU IFN-Γ以下かつ2IU IFN-Γ以上、さらにより好ましくは15,000IU IFN-Γ以下かつ2IU IFN-Γ以上、またより好ましくは10,000IU IFN-Γ以下かつ10IU IFN-Γ以上、またさらにより好ましくは5,000IU IFN-Γ以下かつ10IU IFN-Γ以上、さらに好ましくは2,500IU IFN-Γ以下かつ20IU IFN-Γ以上、なおさらに好ましくは1,500IU IFN-Γ以下かつ30IU IFN-Γ以上、またさらに好ましくは1,000IU IFN-Γ以下かつ50IU IFN-Γ以上、またなおさらに好ましくは300IU IFN-Γ以下かつ50IU IFN-Γ以上に相当するIFN-γの範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0369】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IFN-γ様機能性IFN-γ物質は、好ましくは投与用量当たり、1,500ng IFN-γ以下、より好ましくは750ng IFN-γ以下、さらにより好ましくは500ng IFN-γ以下、またより好ましくは250ng IFN-γ以下、またさらにより好ましくは125ng IFN-γ以下、さらに好ましくは75ng IFN-γ以下、またさらに好ましくは50ng IFN-γ以下、なおさらに好ましくは15ng IFN-γ以下に活性が相当する量、好ましくは総量で投与される。IFN-γの有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.1ng IFN-γ以上、より好ましくは0.5ng IFN-γ以上、さらにより好ましくは1ng IFN-γ以上およびまたさらにより好ましくは2ng IFN-γ以上に活性が相当する量である。より好ましくは、IFN-γ様機能性IFN-γ物質は、好ましくは投与用量当たり、1,500ng IFN-γ以下かつ0.1ng IFN-γ以上、さらにより好ましくは750ng IFN-γ以下かつ0.1ng IFN-γ以上、またより好ましくは500ng IFN-γ以下かつ0.1ng IFN-γ以上、またさらにより好ましくは250ng IFN-γ以下かつ0.5ng IFN-γ以上、さらに好ましくは125ng IFN-γ以下かつ0.5ng IFN-γ以上、なおさらに好ましくは75ng IFN-γ以下かつ1ng IFN-γ以上、またさらに好ましくは50ng IFN-γ以下かつ1ng IFN-γ以上、なおなおさらに好ましくは15ng IFN-γ以下かつ2ng IFN-γ以上に活性が相当するIFN-γの範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0370】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IFN-γは、好ましくは投与用量当たり、600IU/kg(国際単位/キログラム)被験体体重以下(「kg体重」は、その意味では、「kgの体重」と等価である)の量、好ましくは総量で、被験体の皮膚へと投与される。より好ましくは、IFN-γは、300IU/kg以下、さらにより好ましくは200IU/kg以下、またより好ましくは100IU/kg以下、またさらにより好ましくは50IU/kg以下、さらに好ましくは30IU/kg以下、さらに好ましくは20IU/kg以下、なおさらに好ましくは6IU/kg以下の量、好ましくは総量で投与される。有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.04IU/kg以上、より好ましくは0.2IU/kg以上、さらにより好ましくは0.5IU/kg以上、またより好ましくは1IU/kg以上、またさらにより好ましくは1.5IU/kg以上である。より好ましくは、IFN-γは、0.04IU/kg以上かつ600IU/kg以下、さらにより好ましくは0.2IU/kg以上かつ300IU/kg以下、またより好ましくは0.5IU/kg以上かつ200IU/kg以下、またさらにより好ましくは0.5IU/kg以上かつ100IU/kg以下、さらに好ましくは0.5IU/kg以上かつ50IU/kg以下、なおさらに好ましくは1IU/kg以上かつ30IU/kg以下、またさらに好ましくは1.5IU/kg以上かつ20IU/kg以下の範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0371】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IFN-γは、好ましくは投与用量当たり、30ng/kg被験体体重以下の量、好ましくは総量で、被験体の皮膚へと投与される。より好ましくは、IFN-γは、15ng/kg以下、さらにより好ましくは10ng/kg以下、またより好ましくは5ng/kg以下、またさらにより好ましくは2.5ng/kg以下、さらに好ましくは1.5ng/kg以下、またさらにより好ましくは1ng/kg以下、なおさらに好ましくは0.3ng/kg以下の量、好ましくは総量で投与される。有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.002ng/kg以上、より好ましくは0.025ng/kg以上、さらにより好ましくは0.01ng/kg以上、またより好ましくは0.02mg/kg以上、またさらにより好ましくは0.05ng/kg以上、さらに好ましくは0.075ng/kg以上である。より好ましくは、IFN-γは、30ng/kg以下かつ0.002ng/kg以上、さらにより好ましくは15ng/kg以下かつ0.025ng/kg以上、またより好ましくは10ng/kg以下かつ0.01ng/kg以上、またさらにより好ましくは5ng/kg以下かつ0.01ng/kg以上、さらに好ましくは2.5ng/kg以下かつ0.02ng/kg以上、なおさらに好ましくは1.5ng/kg以下かつ0.02ng/kg以上、またさらに好ましくは1ng/kg以下かつ0.05ng/kg以上、またなおさらに好ましくは0.3ng/kg以下かつ0.075ng/kg以上の範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0372】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IFN-γは、好ましくは投与用量当たり、30,000IU以下、より好ましくは15,000IU以下、さらにより好ましくは10,000IU以下、またより好ましくは5,000IU以下、またさらにより好ましくは2,500IU以下、さらに好ましくは1,500IU以下、またさらに好ましくは1,000IU以下、なおさらに好ましくは300IU以下の量、好ましくは総量で投与される。有益な効果を達成することができる限り、量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、2IU以上、より好ましくは10IU以上、さらにより好ましくは20IU以上、またより好ましくは30IU以上およびまたさらにより好ましくは50IU以上である。より好ましくは、IFN-γは、好ましくは投与用量当たり、30,000IU以下かつ2IU以上、さらにより好ましくは15,000IU以下かつ2IU以上、またより好ましくは10,000IU以下かつ10IU以上、またさらにより好ましくは5,000IU以下かつ10IU以上、さらに好ましくは2,500IU以下かつ20IU以上、なおさらに好ましくは1,500IU以下かつ30IU以上、またさらに好ましくは1,000IU以下かつ50IU以上、またなおさらに好ましくは300IU以下かつ50IU以上の範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0373】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IFN-γ、好ましくはIFN-γは、好ましくは投与用量当たり、1,500ng以下、より好ましくは750ng以下、さらにより好ましくは500ng以下、またより好ましくは250ng以下、またさらにより好ましくは125ng以下、さらに好ましくは75ng以下、またさらに好ましくは50ng以下、なおさらに好ましくは15ng以下の量、好ましくは総量で投与される。有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.1ng以上、より好ましくは0.5ng以上、さらにより好ましくは1ng以上およびまたさらにより好ましくは2ng以上である。より好ましくは、IFN-γは、好ましくは投与用量当たり、1,500ng以下かつ0.1ng以上、さらにより好ましくは750ng以下かつ0.1ng以上、またより好ましくは500ng以下かつ0.1ng以上、またさらにより好ましくは250ng以下かつ0.5ng以上、さらに好ましくは125ng以下かつ0.5ng以上、なおさらに好ましくは75ng以下かつ1ng以上、またさらに好ましくは50ng以下かつ1ng以上、またなおさらに好ましくは15ng以下かつ2ng以上の範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0374】
IFN-γなどのIFN-γ様機能性物質は、とりわけ、PBMCの所望の作用、特に、成熟、分化、増殖および/または変化を達成することが可能である。特に、PBMC、具体的にはナイーブT細胞は、IFN-γの存在下で成熟することができ、例えば、ランゲルハンス細胞などの考えられる樹状細胞は、好ましくは、免疫負荷および/または免疫活性の同時非存在下で炎症抑制性調節T細胞へと成熟することができる。上記で述べた通り、ランゲルハンス細胞は、元来皮膚内に存在する。
【0375】
さらに、上記で既に言及される通り、PBMCは、皮膚組織内で蓄積するために、毛細血管内腔から毛細血管壁を通って周囲皮膚組織へと通過しなければならない(ステップ(A-8)とは別に、ここで、PMBCを、例えば、注入により、皮膚へと投与することができる)。この移動プロセスは、さらなる行動または作用を伴わずに、天然に存在することが公知であるが、理論に拘泥することを望まないが、IFN-γ様機能性物質および特にIFN-γは、必ずではないが、そのような移動プロセスを局所的に促進する微小環境を提供し、それにより、誘引因子として機能する場合がある。それにもかかわらず、これは、毛細血管壁の通過に先立って、PBMCが皮膚毛細血管または皮膚毛細血管内腔内に蓄積する必要があるという事実を置き換えない。このことは、免疫調節性物質の投与以外の手段を必要とし、ステップ(A)および、例えば、下記のステップ(A-1)~(A-7)のうちのいずれかにより、達成することができる。上記で既に言及される通り、皮膚毛細血管は、その拡張していない基底状態では、嵩高いPBMCがその中およびそれを通って押し込まれるためには狭過ぎ、本発明で投与される免疫調節性物質は、皮膚の毛細血管内でのPBMCの存在を提供しないと思われる。
【0376】
実施例から見て取れる通り、IFN-γは、とりわけ、例えば、CRP量を減少させ、関節腫脹を低減させ、関節の圧力感受性を低減させ、疼痛を低減させ、疲労を低減させ、かつ生活の質を改善する効果を有する。CRP値は、炎症のレベルを示すものである。より高いCRP値はより強い炎症を示し、1以下のCRPが健康と考えられる。IFN-γにより付与されるCRP値での低下は、5mg/L(ミリグラム/リットル)以下または実に1mg/L以下に向かうものでさえあり得る。さらに、IFN-γは、数スコア点だけ、BASDAIスコアおよびHAQスコアを減少させる。高いスコアは被験体の比較的悪い状態を示し、より低いスコアは改善された状態を示す。
【0377】
表現「IL-2様機能性物質」または「IL-2様機能性物質(複数)」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、それに投与される場合に被験体の身体中でIL-2に類似するかまたは同一の効果を発揮するいずれかの物質であり得、好ましくはそのような物質である。IL-2様機能性物質は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性なIL-2様機能性物質へと変換される、そのような物質の前駆体、プロドラッグおよびプロペプチドを包含することができる。それゆえ、好ましくは、これは、いずれかの物質、分子、ペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体、誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片および/もしくは製薬上許容される塩である。したがって、IL-2様機能性物質は:
- 細胞の個別のIL-2受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。IL-2受容体は、例えば、PBMCの受容体であり得る;かつ/あるいは
- IL-2および/もしくはIL-2様機能性物質の生成を生じるかもしくは引き起こすかまたは生じるかもしくは引き起こすことが可能である
ことができる。
【0378】
より好ましくは、IL-2様機能性物質は、個別のIL-2受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。個別のIL-2受容体の活性化または活性化する能力は、直接的であり得、かつ/または間接的であり得る。
【0379】
好ましくは、IL-2様機能性物質は、被験体の皮膚内で個別のIL-2受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。IL-2様機能性物質は、十分な生物学的活性、すなわち、被験体での有効な交差反応性を有し、特に個別のIL-2受容体を活性化することが可能である限り、いずれかの天然に存在するかまたは人工的なIL-2様機能性物質であり得る。好ましくは、IL-2様機能性物質は、本発明の出願の発効日に当業者に公知である。
【0380】
より好ましくは、IL-2様機能性物質は、いずれかのペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【0381】
好ましい実施形態では、IL-2様機能性物質は、下記で詳述される通り、とりわけ、IL-2ならびに/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり得る。
【0382】
より好ましくは、IL-2様機能性物質は、IL-2ならびに/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【0383】
表現「IL-2」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、好ましくは、広く解釈されなければならない。典型的には、IL-2は、細胞の個別のIL-2受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。IL-2受容体は、例えば、PBMCの受容体であり得る。好ましくは、活性化または活性化する能力は、被験体の皮膚内であり、より好ましくは、被験体の皮膚内で局所的に有効量であり、さらにより好ましくは被験体の身体内で全身性に効果的な量でない。好ましくは、IL-2は、当業者に公知のIL-2のいずれかのタイプであり得る。さらに、本発明は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性なIL-2へと変換される、そのようなIL-2の前駆体、プロドラッグおよびプロペプチドの使用または医学的使用を包含する。それゆえ、これらは、本明細書中に記載される通りの方法もしくは医学的使用で、または本明細書中に記載される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの調製で用いることができる。
【0384】
好ましくは、IL-2は、いずれかのペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体および/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体もしくは製薬上許容される塩であり得る。
【0385】
IL-2は、必ずしも、被験体が属する同じ属および/もしくは生物種のIL-2に由来するか、またはそれに対して同一でなくてよく、十分な生物学的活性、すなわち、被験体での有効な交差反応性を有し、特に個別のIL-2受容体を活性化することが可能である限り、いずれかの天然に存在するかまたは人工的なIL-2であり得る。好ましくは、IL-2および/またはIL-2様機能性物質の生物学的活性は、好ましくは被験体での、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の治療および/または予防を達成するために十分である。
【0386】
IL-2および/またはIL-2様機能性物質は、典型的には、細胞上の個別のIL-2受容体に結合し、かつこれを活性化することにより、細胞に作用する。それゆえ、個別の受容体の活性化は、典型的には、免疫調節性物質に関して上記に記載される通りの細胞の作用をもたらす。それゆえ、PBMCなどの細胞への作用に関連して免疫調節性物質について本明細書中で言及されるいずれかの実施形態は、IL-2およびIL-2様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0387】
IL-2および/またはIL-2様機能性物質による個別のIL-2受容体の活性化または活性化する能力は、直接的であり得、かつ/または間接的であり得る。
【0388】
別途言及されない場合、上記で述べられたサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の説明および定義は、IL-2および/またはIL-2様機能性物質に対して、独立して準用可能である。特に、別途言及されない場合、個別のIL-2受容体を「直接的に」かつ「間接的に」活性化するかまたは活性化することが可能であることに関するサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の説明および定義は、IL-2および/またはIL-2様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0389】
好ましくは、本発明に従う使用のためのIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質は、誘引、増殖、分化および/または成熟させ、さらにより好ましくは、増殖、分化および/または成熟させ、さらにより好ましくは、分化および/または成熟させることにより、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。それゆえ、より好ましくは、IL-2および/またはIL-2様機能性物質は、PBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させる。さらにより好ましくは、IL-2および/またはIL-2様機能性物質は、PBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させる。またさらにより好ましくは、IL-2および/またはIL-2様機能性物質は、PBMCを分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを分化および/もしくは成熟させる。好ましくは、PBMCは、ナイーブPBMC、より好ましくはリンパ球、さらにより好ましくはT細胞および/またはB細胞、またより好ましくはナイーブリンパ球、またさらにより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、さらに好ましくはナイーブT細胞である。
【0390】
より好ましくは、IL-2および/またはIL-2様機能性物質は、直接的かつ/または間接的にPBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。
【0391】
より好ましくは、IL-2および/またはIL-2様機能性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内で、直接的かつ/または間接的にPBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。
【0392】
なおさらに好ましくは、IL-2および/またはIL-2様機能性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内で、ナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/もしくは成熟させる。
【0393】
別途言及されない場合、上記で述べられた免疫調節性物質の説明および定義は、IL-2および/またはIL-2様機能性物質に対して、独立して準用可能である。特に、別途言及されない場合、PBMCに「直接的に」かつ「間接的に」作用するかまたは作用することが可能であることに関する免疫調節性物質の説明および定義は、IL-2および/またはIL-2様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0394】
好ましくは、本発明に従う使用のためのIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質は、脊椎動物、好ましくはヒトまたは哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するいずれかのIL-2および/またはIL-2様機能性物質に類似または同一であり、好ましくは同一である。より好ましくは、IL-2および/またはIL-2様機能性物質は、脊椎動物、好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するIL-2および/またはIL-2様機能性物質のいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に類似または同一であり、好ましくは同一である。
【0395】
より好ましくは、IL-2および/またはIL-2様機能性物質は、70%以上、さらにより好ましくは85%以上、またより好ましくは90%以上、またさらにより好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上、なおさらに好ましくは98%以上、またさらに好ましくは99%以上かつ100%以下の、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するIL-2および/またはIL-2様機能性物質のいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸配列同一性を有する。好ましくは、アミノ酸配列同一性は、天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸残基の置換、挿入および/または欠失を含む。好ましくは、アミノ酸配列同一性は、配列番号2のアミノ酸配列を参照し、このとき、より好ましくは、被験体はヒトである。
【0396】
好ましくは、アミノ酸残基の置換、挿入および/もしくは欠失の総数または置換、挿入および/もしくは欠失を併せた総数は、好ましくは、配列番号2のアミノ酸配列を参照して、60箇所以下、より好ましくは40箇所以下、さらにより好ましくは20箇所以下、またより好ましくは12箇所以下、またさらにより好ましくは8箇所以下、さらに好ましくは4箇所以下、なおさらに好ましくは2箇所以下かつゼロ箇所以上、またさらに好ましくはゼロ箇所であり、このとき、より好ましくは、被験体はヒトである。
【0397】
さらにより好ましくは、IL-2および/またはIL-2様機能性物質は、被験体が属する同じ属および/または生物種の内因性免疫調節性物質と同一であるか、またはアミノ酸配列同一性がこれを参照する。表現「同一である」とは、典型的には、この特定の文脈で、IL-2および/またはIL-2様機能性物質がその1次、2次、3次および4次タンパク質構造に関して、より好ましくは修飾パターン、特にグリコシル化も考慮して、被験体が属する同じ属および/または生物種のIL-2および/またはIL-2様機能性物質と同一であることを意味する。
【0398】
好ましくは、本発明に従う使用のためのIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質は、被験体と同じ属および/もしくは生物種に属する個体に由来するか、または被験体が属する同じ属および/もしくは生物種のIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質と同一である。例えば、被験体がヒトである場合、IL-2および/またはIL-2様機能性物質はヒトIL-2および/またはIL-2様機能性物質であり、より好ましくは、配列番号2のアミノ酸配列を、好ましくは有効なアミノ酸配列として含み、さらにより好ましくはそれからなる、ヒトIL-2および/またはIL-2様機能性物質であり;ウシである場合、IL-2および/またはIL-2様機能性物質はウシIL-2および/またはIL-2様機能性物質であり;ウマである場合、IL-2および/またはIL-2様機能性物質はウマIL-2および/またはIL-2様機能性物質であり;ロバである場合、IL-2および/またはIL-2様機能性物質はロバIL-2および/またはIL-2様機能性物質であり;ゾウである場合、IL-2および/またはIL-2様機能性物質はゾウIL-2および/またはIL-2様機能性物質であり;ヒツジである場合、IL-2および/またはIL-2様機能性物質はヒツジIL-2および/またはIL-2様機能性物質であり;ヤギである場合、IL-2および/またはIL-2様機能性物質はヤギIL-2および/またはIL-2様機能性物質であり;ブタである場合、IL-2および/またはIL-2様機能性物質はブタIL-2および/またはIL-2様機能性物質であり;ウサギである場合、IL-2および/またはIL-2様機能性物質はウサギIL-2および/またはIL-2様機能性物質であり;マウスである場合、IL-2および/またはIL-2様機能性物質はマウスIL-2および/またはIL-2様機能性物質であり;ラットである場合、IL-2および/またはIL-2様機能性物質はラットIL-2および/またはIL-2様機能性物質であり;ラクダである場合、IL-2および/またはIL-2様機能性物質はラクダIL-2および/またはIL-2様機能性物質であり;ヒトコブラクダである場合、IL-2および/またはIL-2様機能性物質はヒトコブラクダIL-2および/またはIL-2様機能性物質であり;ラマである場合、IL-2および/またはIL-2様機能性物質はラマIL-2および/またはIL-2様機能性物質であり;アルパカである場合、IL-2および/またはIL-2様機能性物質はアルパカIL-2および/またはIL-2様機能性物質であり;イヌである場合、IL-2および/またはIL-2様機能性物質はイヌIL-2および/またはIL-2様機能性物質であり;かつ/あるいはネコである場合、IL-2および/またはIL-2様機能性物質はネコIL-2および/またはIL-2様機能性物質である。
【0399】
好ましくは、本発明に従う使用のためのIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質は、被験体の内因性IL-2および/またはIL-2様機能性物質でない。言い換えれば、好ましくは、IL-2および/またはIL-2様機能性物質は、被験体の身体から、すなわち、治療または予防対象である個別の被験体から単離されたIL-2および/またはIL-2様機能性物質でない。
【0400】
好ましくは、本発明に従う使用のためのIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質は、当業者に公知のいずれかの組み換え発現技術により生成された組み換えIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により合成された化学合成されたIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により生成された人工的に生成されたIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質、動物もしくはヒトなどの天然供給源から取得された天然に存在するIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質、またはそれらのいずれかの組み合わせであり得、好ましくはそれらである。より好ましくは、IL-2および/またはIL-2様機能性物質は、組み換えIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質、化学合成されたIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質、人工的に生成されたIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質またはそれらのいずれかの組み合わせ、さらにより好ましくは、組み換えIL-2および/またはIL-2様機能性物質、またさらにより好ましくは、組み換えヒトIL-2、さらに好ましくは、遺伝子改変型大腸菌中で好ましくは生成されるアルデスロイキン(Novartis Pharmaceuticals UK, Limited社により製造され、ドイツでは商標Proleukin(登録商標)の下にNovartis Pharma GmbH社から市販されている)である。
【0401】
さらに、本発明に従う使用のためのIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質は、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する限り、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する限り、誘導体化されるか、安定化されるか、他のタンパク質もしくはペプチドに融合されるか、ポリマーを用いてコンジュゲート化されるか、アミノ酸類似体もしくは人工アミノ酸を含有するか、共有的もしくは非共有的に修飾され、例えば、翻訳後修飾により、例えば、グリコシル化もしくはメチル化されるか、かつ/またはオリゴマー化され、例えば、二量体化もしくは三量体化され得るかまたはそうでないことができる。より好ましくは、修飾パターンおよび/またはオリゴマー化状態は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対して類似または同一である。
【0402】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、被験体の身体中でのIL-2および/またはIL-2様機能性物質の濃度の全身性の増加を回避するために十分に低い量で、IL-2および/またはIL-2様機能性物質を投与することが意図される。それにより、例えば、炎症関節などの炎症部位でのIL-2および/またはIL-2様機能性物質の濃度増加の生成が回避されることが意図される。上記で既に述べた通り、例えば、ナイーブT細胞は、抗原/自己抗原/アレルゲンの存在下で、炎症促進性として機能し得る細胞傷害性へと成熟することができる。それにより、本発明により達成される有益な効果、特に、恐らくは生成される調節T細胞および/もしくはヘルパーT細胞、またはそれらのサブセットの抗炎症効果を減少させるか、取り消すか、または逆転さえさせる。
【0403】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-2および/またはIL-2様機能性物質は、被験体、好ましくは被験体の血液中でのIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質の濃度の全身性の増加、より好ましくは効果的な全身性の増加を引き起こさず、かつ/またはIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質の濃度の全身性の増加を引き起こす量で投与される。好ましくは、IL-2および/またはIL-2様機能性物質は、全身性の増加が効果的でない程、十分に低い量で投与される。
【0404】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-2および/またはIL-2様機能性物質は、被験体、好ましくは被験体の皮膚組織中でのIL-2および/またはIL-2様機能性物質の濃度の局所的増加、好ましくは効果的な局所的増加を引き起こす量で投与される。血中への投与とは異なり、IL-2および/またはIL-2様機能性物質の流れ去りおよび希釈が起こらないかまたはより少なく起こるので、皮膚組織が好ましい。
【0405】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、投与されたIL-2および/またはIL-2様機能性物質の濃度増加の生成、好ましくは効果的な濃度増加の生成は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0406】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-2および/またはIL-2様機能性物質は、好ましくは被験体体内での、IL-2および/もしくはIL-2様機能性物質の個別の受容体の全身性の活性化、好ましくは効果的な全身性の活性化を引き起こさず、かつ/またはIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質の全身性の生成、好ましくは効果的な全身性の生成を引き起こさない量で投与される。
【0407】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-2および/またはIL-2様機能性物質は、好ましくは被験体体内での、IL-2および/もしくはIL-2様機能性物質の個別の受容体の局所的活性化、好ましくは効果的な局所的活性化を引き起こし、かつ/またはIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質の局所的生成、好ましくは効果的な局所的生成を引き起こす量で投与される。好ましくは、活性化および/または生成、より好ましくは効果的な生成および/または効果的な活性化は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0408】
一般的に、1ngのIL-2は16.4IUのIL-2以下に対応する。IL-2のうちの一部は、変性されるか、または質量が一定のままでありながらIL-2の生物学的活性が失われているという点で、それ以外の様式で欠陥であり得る。
【0409】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-2様機能性物質、好ましくは、IL-2は、有効量、好ましくは有効総量で投与される。
【0410】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-2様機能性IL-2物質は、好ましくは投与用量当たり、20IU IL-2/kg被験体体重以下、より好ましくは10IU IL-2/kg被験体体重以下に相当する量、好ましくは総量で、被験体の皮膚へと投与される。さらにより好ましくは、IL-2様機能性IL-2物質は、8IU IL-2/kg以下、またより好ましくは6IU IL-2/kg、またさらにより好ましくは5IU IL-2/kg以下、さらに好ましくは4IU IL-2/kg以下に相当する量で投与される。IL-2の有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.5IU IL-2/kg以上、より好ましくは1IU IL-2/kg以上、さらにより好ましくは2IU IL-2/kg以上に相当する量である。より好ましくは、IL-2様機能性IL-2物質は、20IU IL-2/kg以下かつ0.5IU IL-2/kg以上、さらにより好ましくは10IU IL-2/kg以下かつ0.5IU IL-2/kg以上、またより好ましくは8IU IL-2/kg以下かつ0.5IU IL-2/kg以上、またさらにより好ましくは6IU IL-2/kg以下かつ1IU IL-2/kg以上、さらに好ましくは5IU IL-2/kg以下かつ1IU IL-2/kg以上、なおさらに好ましくは4IU IL-2/kg以下かつ1IU IL-2/kg以上に相当する範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0411】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-2様機能性IL-2物質は、好ましくは投与用量当たり、1.2ng IL-2/kg被験体体重以下、より好ましくは0.6ng IL-2/kg被験体体重以下に活性が相当する量、好ましくは総量で、被験体の皮膚へと投与される。さらにより好ましくは、IL-2、好ましくは、IL-2様機能性IL-2物質は、0.5ng IL-2/kg以下、またより好ましくは0.37ng IL-2/kg、またさらにより好ましくは0.3ng IL-2/kg以下、さらに好ましくは0.25ng IL-2/kg以下に活性が相当する量で投与される。IL-2の有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.03ng IL-2/kg以上、より好ましくは0.06ng IL-2/kg以上、さらにより好ましくは0.12ng IL-2/kg以上に活性が相当する量である。より好ましくは、IL-2様機能性IL-2物質は、1.2ng IL-2/kg以下かつ0.03ng IL-2/kg以上、さらにより好ましくは0.6ng IL-2/kg以下かつ0.03ng IL-2/kg以上、またより好ましくは0.5ng IL-2/kg以下かつ0.03ng IL-2/kg以上、またさらにより好ましくは0.37ng IL-2/kg以下かつ0.06ng IL-2/kg以上、さらに好ましくは0.3ng IL-2/kg以下かつ0.06ng IL-2/kg以上、なおさらに好ましくは0.25ng IL-2/kg以下かつ0.12ng IL-2/kg以上に活性が相当する範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0412】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-2様機能性IL-2物質は、1,000IU IL-2以下、より好ましくは500IU IL-2以下、さらにより好ましくは400IU IL-2以下、またより好ましくは300IU IL-2以下、またさらにより好ましくは250IU IL-2以下に相当する量、好ましくは総量で投与される。IL-2の有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、25IU IL-2以上、より好ましくは50IU IL-2以上、さらにより好ましくは100IU IL-2以上に相当する量である。より好ましくは、IL-2様機能性IL-2物質は、1,000IU IL-2以下かつ25IU IL-2以上、さらにより好ましくは500IU IL-2以下かつ25IU IL-2以上、またより好ましくは400IU IL-2以下かつ50IU IL-2以上、またさらにより好ましくは300IU IL-2以下かつ50IU IL-2以上、さらに好ましくは250IU IL-2以下かつ100IU IL-2以上に相当するIL-2の範囲(rang IL-2e)内の量、好ましくは総量で投与される。
【0413】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-2様機能性IL-2物質は、61ng IL-2以下、より好ましくは30.5ng IL-2以下、さらにより好ましくは24.5ng IL-2以下、またより好ましくは18.3ng IL-2以下、またさらにより好ましくは12.2ng IL-2以下に活性が相当する量、好ましくは総量で投与される。IL-2の有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、2ng IL-2以上、より好ましくは3ng IL-2以上、さらにより好ましくは6.1ng IL-2以上に活性が相当する量である。より好ましくは、IL-2様機能性IL-2物質は、61ng IL-2以下かつ2ng IL-2以上、さらにより好ましくは30.5ng IL-2以下かつ2ng IL-2以上、またより好ましくは24.5ng IL-2以下かつ3ng IL-2以上、またさらにより好ましくは28.3ng IL-2以下かつ3ng IL-2以上、またさらにより好ましくは12.1ng IL-2以下かつ6.1ng IL-2以上に活性が相当する範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0414】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-2は、好ましくは投与用量当たり、20IU/kg被験体体重以下、より好ましくは10IU/kg被験体体重以下の量、好ましくは総量で、被験体の皮膚へと投与される。さらにより好ましくは、IL-2は、8IU/kg以下、またより好ましくは6IU/kg、またさらにより好ましくは5IU/kg以下、さらに好ましくは4IU/kg以下の量で投与される。有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.5IU/kg以上、より好ましくは1IU/kg以上、さらにより好ましくは2IU/kg以上である。より好ましくは、IL-2は、20IU/kg以下かつ0.5IU/kg以上、さらにより好ましくは10IU/kg以下かつ0.5IU/kg以上、またより好ましくは8IU/kg以下かつ0.5IU/kg以上、またさらにより好ましくは6IU/kg以下かつ1IU/kg以上、さらに好ましくは5IU/kg以下かつ1IU/kg以上、なおさらに好ましくは4IU/kg以下かつ1IU/kg以上の範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0415】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-2は、好ましくは投与用量当たり、1.2ng/kg被験体体重以下、より好ましくは0.6ng/kg被験体体重以下の量、好ましくは総量で、被験体の皮膚へと投与される。さらにより好ましくは、IL-2は、0.5ng/kg以下、またより好ましくは0.37ng/kg、またさらにより好ましくは0.3ng/kg以下、さらに好ましくは0.25ng/kg以下の量で投与される。有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.03ng/kg以上、より好ましくは0.06ng/kg以上、さらにより好ましくは0.12ng/kg以上である。より好ましくは、IL-2は、1.2ng/kg以下かつ0.03ng/kg以上、さらにより好ましくは0.6ng/kg以下かつ0.03ng/kg以上、またより好ましくは0.5ng/kg以下かつ0.03ng/kg以上、またさらにより好ましくは0.37ng/kg以下かつ0.06ng/kg以上、さらに好ましくは0.3ng/kg以下かつ0.06ng/kg以上、なおさらに好ましくは0.25ng/kg以下かつ0.12ng/kg以上の範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0416】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-2は、1,000IU以下、より好ましくは500IU以下、さらにより好ましくは400IU以下、またより好ましくは300IU以下、またさらにより好ましくは250IU以下の量、好ましくは総量で投与される。有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、25IU以上、より好ましくは50IU以上、さらにより好ましくは100IU以上である。より好ましくは、IL-2は、1,000IU以下かつ25IU以上、さらにより好ましくは500IU以下かつ25IU以上、またより好ましくは400IU以下かつ50IU以上、またさらにより好ましくは300IU以下かつ50IU以上、さらに好ましくは250IU以下かつ100IU以上の範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0417】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-2は、61ng以下、より好ましくは30.5ng以下、さらにより好ましくは24.5ng以下、またより好ましくは18.3ng以下、またさらにより好ましくは12.2ng以下の量、好ましくは総量で投与される。有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、2ng以上、より好ましくは3ng以上、さらにより好ましくは6.1ng以上である。より好ましくは、IL-2は、61ng以下かつ2ng以上、さらにより好ましくは30.5ng以下かつ2ng以上、またより好ましくは24.5ng以下かつ3ng以上、またさらにより好ましくは28.3ng以下かつ3ng以上、またさらにより好ましくは12.1ng以下かつ6.1ng以上の範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0418】
理論に拘泥することを望まないが、IL-2などのIL-2様機能性物質は、調節T細胞およびヘルパーT細胞、またはそれらのサブセットを増殖させ、それにより、長期間にわたって効果を強化および維持すると考えられる。実施例から見て取れる通り、IL-2は、とりわけ、第1の免疫調節性物質、すなわち、例えば、IFN-γ、IL-4またはBDNFなどのIL-2以外の免疫調節性物質の有益な効果を相乗的に延長、強化および/または増強する効果を有する。
【0419】
表現「IL-4様機能性物質」または「IL-4様機能性物質(複数)」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、それに投与される場合に被験体の身体中でIL-4に類似するかまたは同一の効果を発揮するいずれかの物質であり得、好ましくはそのような物質である。IL-4様機能性物質は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性なIL-4様機能性物質へと変換される、そのような物質の前駆体、プロドラッグおよびプロペプチドを包含することができる。それゆえ、好ましくは、これは、いずれかの物質、分子、ペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体、誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片および/もしくは製薬上許容される塩である。したがって、IL-4様機能性物質は:
- 細胞の個別のIL-4受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。IL-4受容体は、例えば、PBMCの受容体であり得る;かつ/あるいは
- IL-4および/もしくはIL-4様機能性物質の生成を生じるかもしくは引き起こすかまたは生じるかもしくは引き起こすことが可能である
ことができる。
【0420】
より好ましくは、IL-4様機能性物質は、個別のIL-4受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。個別のIL-4受容体の活性化または活性化する能力は、直接的であり得、かつ/または間接的であり得る。
【0421】
好ましくは、IL-4様機能性物質は、被験体の皮膚内で個別のIL-4受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。IL-4様機能性物質は、十分な生物学的活性、すなわち、被験体での有効な交差反応性を有し、特に個別のIL-4受容体を活性化することが可能である限り、いずれかの天然に存在するかまたは人工的なIL-4様機能性物質であり得る。好ましくは、IL-4様機能性物質は、本発明の出願の発効日に当業者に公知である。
【0422】
より好ましくは、IL-4様機能性物質は、いずれかのペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【0423】
好ましい実施形態では、IL-4様機能性物質は、下記で詳述される通り、とりわけ、IL-4ならびに/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり得る。
【0424】
より好ましくは、IL-4様機能性物質は、IL-4ならびに/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【0425】
表現「IL-4」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、好ましくは、広く解釈されなければならない。典型的には、IL-4は、細胞の個別のIL-4受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。IL-4受容体は、例えば、PBMCの受容体であり得る。好ましくは、活性化または活性化する能力は、被験体の皮膚内であり、より好ましくは、被験体の皮膚内で局所的に有効量であり、さらにより好ましくは被験体の身体内で全身性に効果的な量でない。好ましくは、IL-4は、当業者に公知のIL-4のいずれかのタイプであり得る。さらに、本発明は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性なIL-4へと変換される、そのようなIL-4の前駆体、プロドラッグおよびプロペプチドの使用または医学的使用を包含する。それゆえ、これらは、本明細書中に記載される通りの方法もしくは医学的使用で、または本明細書中に記載される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの調製で用いることができる。
【0426】
好ましくは、IL-4は、いずれかのペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体および/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体もしくは製薬上許容される塩であり得る。
【0427】
IL-4は、必ずしも、被験体が属する同じ属および/もしくは生物種のIL-4に由来するか、またはそれに対して同一でなくてよく、十分な生物学的活性、すなわち、被験体での有効な交差反応性を有し、特に個別のIL-4受容体を活性化することが可能である限り、いずれかの天然に存在するかまたは人工的なIL-4であり得る。好ましくは、IL-4および/またはIL-4様機能性物質の生物学的活性は、好ましくは被験体での、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の治療および/または予防を達成するために十分である。
【0428】
IL-4および/またはIL-4様機能性物質は、典型的には、細胞上の個別のIL-4受容体に結合し、かつこれを活性化することにより、細胞に作用する。それゆえ、個別の受容体の活性化は、典型的には、免疫調節性物質に関して上記に記載される通りの細胞の作用をもたらす。それゆえ、PBMCなどの細胞への作用に関連して免疫調節性物質について本明細書中で言及されるいずれかの実施形態は、IL-4およびIL-4様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0429】
IL-4および/またはIL-4様機能性物質による個別のIL-4受容体の活性化または活性化する能力は、直接的であり得、かつ/または間接的であり得る。
【0430】
別途言及されない場合、上記で述べられたサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の説明および定義は、IL-4および/またはIL-4様機能性物質に対して、独立して準用可能である。特に、別途言及されない場合、個別のIL-4受容体を「直接的に」かつ「間接的に」活性化するかまたは活性化することが可能であることに関するサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の説明および定義は、IL-4および/またはIL-4様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0431】
好ましくは、本発明に従う使用のためのIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質は、誘引、増殖、分化および/または成熟させ、さらにより好ましくは、増殖、分化および/または成熟させ、さらにより好ましくは、分化および/または成熟させることにより、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。それゆえ、より好ましくは、IL-4および/またはIL-4様機能性物質は、PBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させる。さらにより好ましくは、IL-4および/またはIL-4様機能性物質は、PBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させる。またさらにより好ましくは、IL-4および/またはIL-4様機能性物質は、PBMCを分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを分化および/もしくは成熟させる。好ましくは、PBMCは、ナイーブPBMC、より好ましくはリンパ球、さらにより好ましくはT細胞および/またはB細胞、またより好ましくはナイーブリンパ球、またさらにより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、さらに好ましくはナイーブT細胞である。
【0432】
より好ましくは、IL-4および/またはIL-4様機能性物質は、直接的かつ/または間接的にPBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。
【0433】
より好ましくは、IL-4および/またはIL-4様機能性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内で、直接的かつ/または間接的にPBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。
【0434】
なおさらに好ましくは、IL-4および/またはIL-4様機能性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内で、ナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/もしくは成熟させる。
【0435】
別途言及されない場合、上記で述べられた免疫調節性物質の説明および定義は、IL-4および/またはIL-4様機能性物質に対して、独立して準用可能である。特に、別途言及されない場合、PBMCに「直接的に」かつ「間接的に」作用するかまたは作用することが可能であることに関する免疫調節性物質の説明および定義は、IL-4および/またはIL-4様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0436】
好ましくは、本発明に従う使用のためのIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質は、脊椎動物、好ましくはヒトまたは哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するいずれかのIL-4および/またはIL-4様機能性物質に類似または同一であり、好ましくは同一である。より好ましくは、IL-4および/またはIL-4様機能性物質は、脊椎動物、好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するIL-4および/またはIL-4様機能性物質のいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に類似または同一であり、好ましくは同一である。
【0437】
より好ましくは、IL-4および/またはIL-4様機能性物質は、70%以上、さらにより好ましくは85%以上、またより好ましくは90%以上、またさらにより好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上、なおさらに好ましくは98%以上、またさらに好ましくは99%以上かつ100%以下の、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するIL-4および/またはIL-4様機能性物質のいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸配列同一性を有する。好ましくは、アミノ酸配列同一性は、天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸残基の置換、挿入および/または欠失を含む。好ましくは、アミノ酸配列同一性は、配列番号3のアミノ酸配列を参照し、このとき、より好ましくは、被験体はヒトである。
【0438】
好ましくは、アミノ酸残基の置換、挿入および/もしくは欠失の総数または置換、挿入および/もしくは欠失を併せた総数は、好ましくは、配列番号3のアミノ酸配列を参照して、60箇所以下、より好ましくは40箇所以下、さらにより好ましくは20箇所以下、またより好ましくは12箇所以下、またさらにより好ましくは8箇所以下、さらに好ましくは4箇所以下、なおさらに好ましくは2箇所以下かつゼロ箇所以上、またさらに好ましくはゼロ箇所であり、このとき、より好ましくは、被験体はヒトである。
【0439】
さらにより好ましくは、IL-4および/またはIL-4様機能性物質は、被験体が属する同じ属および/または生物種の内因性免疫調節性物質と同一であるか、またはアミノ酸配列同一性がこれを参照する。表現「同一である」とは、典型的には、この特定の文脈で、IL-4および/またはIL-4様機能性物質がその1次、2次、3次および4次タンパク質構造に関して、より好ましくは修飾パターン、特にグリコシル化も考慮して、被験体が属する同じ属および/または生物種のIL-4および/またはIL-4様機能性物質と同一であることを意味する。
【0440】
好ましくは、本発明に従う使用のためのIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質は、被験体と同じ属および/もしくは生物種に属する個体に由来するか、または被験体が属する同じ属および/もしくは生物種のIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質と同一である。例えば、被験体がヒトである場合、IL-4および/またはIL-4様機能性物質はヒトIL-4および/またはIL-4様機能性物質であり、より好ましくは、配列番号3のアミノ酸配列を、好ましくは有効なアミノ酸配列として含み、さらにより好ましくはそれからなる、ヒトIL-4および/またはIL-4様機能性物質であり;ウシである場合、IL-4および/またはIL-4様機能性物質はウシIL-4および/またはIL-4様機能性物質であり;ウマである場合、IL-4および/またはIL-4様機能性物質はウマIL-4および/またはIL-4様機能性物質であり;ロバである場合、IL-4および/またはIL-4様機能性物質はロバIL-4および/またはIL-4様機能性物質であり;ゾウである場合、IL-4および/またはIL-4様機能性物質はゾウIL-4および/またはIL-4様機能性物質であり;ヒツジである場合、IL-4および/またはIL-4様機能性物質はヒツジIL-4および/またはIL-4様機能性物質であり;ヤギである場合、IL-4および/またはIL-4様機能性物質はヤギIL-4および/またはIL-4様機能性物質であり;ブタである場合、IL-4および/またはIL-4様機能性物質はブタIL-4および/またはIL-4様機能性物質であり;ウサギである場合、IL-4および/またはIL-4様機能性物質はウサギIL-4および/またはIL-4様機能性物質であり;マウスである場合、IL-4および/またはIL-4様機能性物質はマウスIL-4および/またはIL-4様機能性物質であり;ラットである場合、IL-4および/またはIL-4様機能性物質はラットIL-4および/またはIL-4様機能性物質であり;ラクダである場合、IL-4および/またはIL-4様機能性物質はラクダIL-4および/またはIL-4様機能性物質であり;ヒトコブラクダである場合、IL-4および/またはIL-4様機能性物質はヒトコブラクダIL-4および/またはIL-4様機能性物質であり;ラマである場合、IL-4および/またはIL-4様機能性物質はラマIL-4および/またはIL-4様機能性物質であり;アルパカである場合、IL-4および/またはIL-4様機能性物質はアルパカIL-4および/またはIL-4様機能性物質であり;イヌである場合、IL-4および/またはIL-4様機能性物質はイヌIL-4および/またはIL-4様機能性物質であり;かつ/あるいはネコである場合、IL-4および/またはIL-4様機能性物質はネコIL-4および/またはIL-4様機能性物質である。
【0441】
好ましくは、本発明に従う使用のためのIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質は、被験体の内因性IL-4および/またはIL-4様機能性物質でない。言い換えれば、好ましくは、IL-4および/またはIL-4様機能性物質は、被験体の身体から、すなわち、治療または予防対象である個別の被験体から単離されたIL-4および/またはIL-4様機能性物質でない。
【0442】
好ましくは、本発明に従う使用のためのIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質は、当業者に公知のいずれかの組み換え発現技術により生成された組み換えIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により合成された化学合成されたIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により生成された人工的に生成されたIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質、動物もしくはヒトなどの天然供給源から取得された天然に存在するIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質、またはそれらのいずれかの組み合わせであり得、好ましくはそれらである。より好ましくは、IL-4および/またはIL-4様機能性物質は、組み換えIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質、化学合成されたIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質、人工的に生成されたIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質またはそれらのいずれかの組み合わせ、さらにより好ましくは、組み換えIL-4および/またはIL-4様機能性物質、またさらにより好ましくは、遺伝子改変型大腸菌中で好ましくは生成される組み換えヒトIL-4(名称「組み換えヒトIL-4タンパク質」、カタログ番号204 IL/CF[キャリアフリー]の下にR&D Systems社から製造および市販されている)である。
【0443】
さらに、本発明に従う使用のためのIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質は、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する限り、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する限り、誘導体化されるか、安定化されるか、他のタンパク質もしくはペプチドに融合されるか、ポリマーを用いてコンジュゲート化されるか、アミノ酸類似体もしくは人工アミノ酸を含有するか、共有的もしくは非共有的に修飾され、例えば、翻訳後修飾により、例えば、グリコシル化もしくはメチル化されるか、かつ/またはオリゴマー化され、例えば、二量体化もしくは三量体化され得るかまたはそうでないことができる。より好ましくは、修飾パターンおよび/またはオリゴマー化状態は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対して類似または同一である。
【0444】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、被験体の身体中でのIL-4および/またはIL-4様機能性物質の濃度の全身性の増加を回避するために十分に低い量で、IL-4および/またはIL-4様機能性物質を投与することが意図される。それにより、例えば、炎症関節などの炎症部位でのIL-4および/またはIL-4様機能性物質の濃度増加の生成が回避されることが意図される。上記で既に述べた通り、例えば、ナイーブT細胞は、抗原/自己抗原/アレルゲンの存在下で、炎症促進性として機能し得る細胞傷害性へと成熟することができる。それにより、本発明により達成される有益な効果、特に、恐らくは生成される調節T細胞および/もしくはヘルパーT細胞、またはそれらのサブセットの抗炎症効果を減少させるか、取り消すか、または逆転さえさせる。
【0445】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-4および/またはIL-4様機能性物質は、被験体、好ましくは被験体の血液中でのIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質の濃度の全身性の増加、より好ましくは効果的な全身性の増加を引き起こさず、かつ/またはIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質の濃度の全身性の増加を引き起こす量で投与される。好ましくは、IL-4および/またはIL-4様機能性物質は、全身性の増加が効果的でない程、十分に低い量で投与される。
【0446】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-4および/またはIL-4様機能性物質は、被験体、好ましくは被験体の皮膚組織中でのIL-4および/またはIL-4様機能性物質の濃度の局所的増加、好ましくは効果的な局所的増加を引き起こす量で投与される。血中への投与とは異なり、IL-4および/またはIL-4様機能性物質の流れ去りおよび希釈が起こらないかまたはより少なく起こるので、皮膚組織が好ましい。
【0447】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、投与されたIL-4および/またはIL-4様機能性物質の濃度増加の生成、好ましくは効果的な濃度増加の生成は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0448】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-4および/またはIL-4様機能性物質は、好ましくは被験体体内での、IL-4および/もしくはIL-4様機能性物質の個別の受容体の全身性の活性化、好ましくは効果的な全身性の活性化を引き起こさず、かつ/またはIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質の全身性の生成、好ましくは効果的な全身性の生成を引き起こさない量で投与される。
【0449】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-4および/またはIL-4様機能性物質は、好ましくは被験体体内での、IL-4および/もしくはIL-4様機能性物質の個別の受容体の局所的活性化、好ましくは効果的な局所的活性化を引き起こし、かつ/またはIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質の局所的生成、好ましくは効果的な局所的生成を引き起こす量で投与される。好ましくは、活性化および/または生成、より好ましくは効果的な生成および/または効果的な活性化は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0450】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-4様機能性物質、好ましくは、IL-4は、有効量、好ましくは有効総量で投与される。
【0451】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-4様機能性物質は、好ましくは投与用量当たり、20ng IL-4/kg被験体体重以下に活性が相当する量、好ましくは総量で、被験体の皮膚へと投与される。より好ましくは、IL-4は、10ng IL-4/kg以下、さらにより好ましくは5ng IL-4/kg以下、またより好ましくは2.5ng IL-4/kg以下、またさらにより好ましくは1.5ng IL-4/kg以下、さらに好ましくは1ng IL-4/kg以下、またさらにより好ましくは0.4ng IL-4/kg以下、なおさらに好ましくは0.2ng IL-4/kg以下に活性が相当する量で投与される。有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.002ng IL-4/kg以上、より好ましくは0.025ng IL-4/kg以上、さらにより好ましくは0.01ng IL-4/kg以上、またより好ましくは0.02mg/kg以上、またさらにより好ましくは0.05ng IL-4/kg以上、さらに好ましくは0.075ng IL-4/kg以上に活性が相当する量で投与される。より好ましくは、IL-4様機能性物質は、20ng IL-4/kg以下かつ0.002ng IL-4/kg以上、さらにより好ましくは10ng IL-4/kg以下かつ0.025ng IL-4/kg以上、またより好ましくは5ng IL-4/kg以下かつ0.01ng IL-4/kg以上、またさらにより好ましくは2.5ng IL-4/kg以下かつ0.01ng IL-4/kg以上、さらに好ましくは1.5ng IL-4/kg以下かつ0.02ng IL-4/kg以上、なおさらに好ましくは1ng IL-4/kg以下かつ0.02ng IL-4/kg以上、またさらに好ましくは0.4ng IL-4/kg以下かつ0.05ng IL-4/kg以上およびまたなおさらに好ましくは0.2ng IL-4/kg以下かつ0.075ng IL-4/kg以上に活性が相当する範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0452】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-4様機能性物質は、好ましくは投与用量当たり、1,000ng IL-4以下、より好ましくは500ng IL-4以下、さらにより好ましくは80ng IL-4以下、またより好ましくは50ng IL-4以下、またさらにより好ましくは20ng IL-4以下、またさらにより好ましくは15ng IL-4以下に活性が相当する量、好ましくは総量で投与される。有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.1ng IL-4以上、より好ましくは0.5ng IL-4以上、さらにより好ましくは1ng IL-4以上およびまたさらにより好ましくは2ng IL-4以上に活性が相当する量である。より好ましくは、IL-4様機能性物質は、好ましくは投与用量当たり、1,000ng IL-4以下かつ0.1ng IL-4以上、さらにより好ましくは500ng IL-4以下かつ0.1ng IL-4以上、またより好ましくは80ng IL-4以下かつ0.5ng IL-4以上、またさらにより好ましくは50ng IL-4以下かつ0.5ng IL-4以上、さらに好ましくは20ng IL-4以下かつ1ng IL-4以上、なおさらに好ましくは15ng IL-4以下かつ2ng IL-4以上に活性が相当する範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0453】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-4様機能性物質は、好ましくは投与用量当たり、20ng/kg被験体体重以下の量、好ましくは総量で、被験体の皮膚へと投与される。より好ましくは、IL-4は、10ng/kg以下、さらにより好ましくは5ng/kg以下、またより好ましくは2.5ng/kg以下、またさらにより好ましくは1.5ng/kg以下、さらに好ましくは1ng/kg以下、またさらにより好ましくは0.4ng/kg以下、なおさらに好ましくは0.2ng/kg以下の量で投与される。有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.002ng/kg以上、より好ましくは0.025ng/kg以上、さらにより好ましくは0.01ng/kg以上、またより好ましくは0.02mg/kg以上、またさらにより好ましくは0.05ng/kg以上、さらに好ましくは0.075ng/kg以上である。より好ましくは、IL-4は、20ng/kg以下かつ0.002ng/kg以上、さらにより好ましくは10ng/kg以下かつ0.025ng/kg以上、またより好ましくは5ng/kg以下かつ0.01ng/kg以上、またさらにより好ましくは2.5ng/kg以下かつ0.01ng/kg以上、さらに好ましくは1.5ng/kg以下かつ0.02ng/kg以上、なおさらに好ましくは1ng/kg以下かつ0.02ng/kg以上、またさらに好ましくは0.4ng/kg以下かつ0.05ng/kg以上およびまたなおさらに好ましくは0.2ng/kg以下かつ0.075ng/kg以上の範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0454】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、IL-4は、好ましくは投与用量当たり、1,000ng以下、より好ましくは500ng以下、さらにより好ましくは80ng以下、またより好ましくは50ng以下、またさらにより好ましくは20ng以下、またさらにより好ましくは15ng以下の量、好ましくは総量で投与される。有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.1ng以上、より好ましくは0.5ng以上、さらにより好ましくは1ng以上およびまたさらにより好ましくは2ng以上である。より好ましくは、IL-4は、好ましくは投与用量当たり、1,000ng以下かつ0.1ng以上、さらにより好ましくは500ng以下かつ0.1ng以上、またより好ましくは80ng以下かつ0.5ng以上、またさらにより好ましくは50ng以下かつ0.5ng以上、さらに好ましくは20ng以下かつ1ng以上、なおさらに好ましくは15ng以下かつ2ng以上の範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0455】
実施例から見て取れる通り、IL-4は、とりわけ、SHILDスコアの低下により示される通り、多発性硬化症の場合に再発を回避し、かつ状態安定化または疲労の改善および低減さえも与える有益な効果を有する。
【0456】
表現「BDNF様機能性物質」または「BDNF様機能性物質(複数)」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、それに投与される場合に被験体の身体中でBDNFに類似するかまたは同一の効果を発揮するいずれかの物質であり得、好ましくはそのような物質である。BDNF様機能性物質は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性なBDNF様機能性物質へと変換される、そのような物質の前駆体、プロドラッグおよびプロペプチドを包含することができる。それゆえ、好ましくは、これは、いずれかの物質、分子、ペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体、誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片および/もしくは製薬上許容される塩である。したがって、BDNF様機能性物質は:
- 細胞の個別のBDNF受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。BDNF受容体は、例えば、PBMCの受容体であり得る;かつ/あるいは
- BDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質の生成を生じるかもしくは引き起こすかまたは生じるかもしくは引き起こすことが可能である
ことができる。
【0457】
より好ましくは、BDNF様機能性物質は、個別のBDNF受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。個別のBDNF受容体の活性化または活性化する能力は、直接的であり得、かつ/または間接的であり得る。
【0458】
好ましくは、BDNF様機能性物質は、被験体の皮膚内で個別のBDNF受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。BDNF様機能性物質は、十分な生物学的活性、すなわち、被験体での有効な交差反応性を有し、特に個別のBDNF受容体を活性化することが可能である限り、いずれかの天然に存在するかまたは人工的なBDNF様機能性物質であり得る。好ましくは、BDNF様機能性物質は、本発明の出願の発効日に当業者に公知である。
【0459】
より好ましくは、BDNF様機能性物質は、いずれかのペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【0460】
好ましい実施形態では、BDNF様機能性物質は、下記で詳述される通り、とりわけ、BDNFならびに/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり得る。
【0461】
より好ましくは、BDNF様機能性物質は、BDNFならびに/またはその誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【0462】
表現「BDNF」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、好ましくは、広く解釈されなければならない。典型的には、BDNFは、細胞の個別のBDNF受容体を活性化するかまたは活性化することが可能である。BDNF受容体は、例えば、PBMCの受容体であり得る。好ましくは、活性化または活性化する能力は、被験体の皮膚内であり、より好ましくは、被験体の皮膚内で局所的に有効量であり、さらにより好ましくは被験体の身体内で全身性に効果的な量でない。好ましくは、BDNFは、当業者に公知のBDNFのいずれかのタイプであり得る。さらに、本発明は、そのままでは通常は活性でなく、すなわち、免疫調節活性を有しないが、本発明に従う使用に際して、実際に活性なBDNFへと変換される、そのようなBDNFの前駆体、プロドラッグおよびプロペプチドの使用または医学的使用を包含する。それゆえ、これらは、本明細書中に記載される通りの方法もしくは医学的使用で、または本明細書中に記載される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの調製で用いることができる。
【0463】
好ましくは、BDNFは、いずれかのペプチド、タンパク質、タンパク質類似体、タンパク質変異体および/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体もしくは製薬上許容される塩であり得る。
【0464】
BDNFは、必ずしも、被験体が属する同じ属および/もしくは生物種のBDNFに由来するか、またはそれに対して同一でなくてよく、十分な生物学的活性、すなわち、被験体での有効な交差反応性を有し、特に個別のBDNF受容体を活性化することが可能である限り、いずれかの天然に存在するかまたは人工的なBDNFであり得る。好ましくは、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質の生物学的活性は、好ましくは被験体での、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の治療および/または予防を達成するために十分である。
【0465】
BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、典型的には、細胞上の個別のBDNF受容体に結合し、かつこれを活性化することにより、細胞に作用する。それゆえ、個別の受容体の活性化は、典型的には、免疫調節性物質に関して上記に記載される通りの細胞の作用をもたらす。それゆえ、PBMCなどの細胞への作用に関連して免疫調節性物質について本明細書中で言及されるいずれかの実施形態は、BDNFおよびBDNF様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0466】
BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質による個別のBDNF受容体の活性化または活性化する能力は、直接的であり得、かつ/または間接的であり得る。
【0467】
別途言及されない場合、上記で述べられたサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の説明および定義は、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質に対して、独立して準用可能である。特に、別途言及されない場合、個別のBDNF受容体を「直接的に」かつ「間接的に」活性化するかまたは活性化することが可能であることに関するサイトカインまたはサイトカイン様機能性物質の説明および定義は、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0468】
好ましくは、本発明に従う使用のためのBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質は、誘引、増殖、分化および/または成熟させ、さらにより好ましくは、増殖、分化および/または成熟させ、さらにより好ましくは、分化および/または成熟させることにより、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。それゆえ、より好ましくは、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、PBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを誘引、増殖、分化および/もしくは成熟させる。さらにより好ましくは、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、PBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを増殖、分化および/もしくは成熟させる。またさらにより好ましくは、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、PBMCを分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはPBMCを分化および/もしくは成熟させる。好ましくは、PBMCは、ナイーブPBMC、より好ましくはリンパ球、さらにより好ましくはT細胞および/またはB細胞、またより好ましくはナイーブリンパ球、またさらにより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、さらに好ましくはナイーブT細胞である。
【0469】
より好ましくは、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、直接的かつ/または間接的にPBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。
【0470】
より好ましくは、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内で、直接的かつ/または間接的にPBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する。
【0471】
なおさらに好ましくは、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内、さらに好ましくは被験体の皮膚内で、ナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/もしくは成熟させることが可能であり、かつ/またはナイーブT細胞を直接的に増殖、分化および/もしくは成熟させる。
【0472】
別途言及されない場合、上記で述べられた免疫調節性物質の説明および定義は、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質に対して、独立して準用可能である。特に、別途言及されない場合、PBMCに「直接的に」かつ「間接的に」作用するかまたは作用することが可能であることに関する免疫調節性物質の説明および定義は、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質に対して、独立して準用可能である。
【0473】
好ましくは、本発明に従う使用のためのBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質は、脊椎動物、好ましくはヒトまたは哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するいずれかのBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質に類似または同一であり、好ましくは同一である。より好ましくは、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、脊椎動物、好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質のいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に類似または同一であり、好ましくは同一である。
【0474】
より好ましくは、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、70%以上、さらにより好ましくは85%以上、またより好ましくは90%以上、またさらにより好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上、なおさらに好ましくは98%以上、またさらに好ましくは99%以上かつ100%以下の、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物体内、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質のいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸配列同一性を有する。好ましくは、アミノ酸配列同一性は、天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸残基の置換、挿入および/または欠失を含む。好ましくは、アミノ酸配列同一性は、配列番号4のアミノ酸配列を参照し、このとき、より好ましくは、被験体はヒトである。
【0475】
好ましくは、アミノ酸残基の置換、挿入および/もしくは欠失の総数または置換、挿入および/もしくは欠失を併せた総数は、好ましくは、配列番号4のアミノ酸配列を参照して、60箇所以下、より好ましくは40箇所以下、さらにより好ましくは20箇所以下、またより好ましくは12箇所以下、またさらにより好ましくは8箇所以下、さらに好ましくは4箇所以下、なおさらに好ましくは2箇所以下かつゼロ箇所以上、またさらに好ましくはゼロ箇所であり、このとき、より好ましくは、被験体はヒトである。
【0476】
さらにより好ましくは、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、被験体が属する同じ属および/または生物種の内因性免疫調節性物質と同一であるか、またはアミノ酸配列同一性がこれを参照する。表現「同一である」とは、典型的には、この特定の文脈で、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質がその1次、2次、3次および4次タンパク質構造に関して、より好ましくは修飾パターン、特にグリコシル化も考慮して、被験体が属する同じ属および/または生物種のBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質と同一であることを意味する。
【0477】
好ましくは、本発明に従う使用のためのBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質は、被験体と同じ属および/もしくは生物種に属する個体に由来するか、または被験体が属する同じ属および/もしくは生物種のBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質と同一である。例えば、被験体がヒトである場合、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質はヒトBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質であり、より好ましくは、配列番号4のアミノ酸配列を、好ましくは有効なアミノ酸配列として含み、さらにより好ましくはそれからなる、ヒトBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質であり;ウシである場合、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質はウシBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質であり;ウマである場合、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質はウマBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質であり;ロバである場合、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質はロバBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質であり;ゾウである場合、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質はゾウBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質であり;ヒツジである場合、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質はヒツジBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質であり;ヤギである場合、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質はヤギBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質であり;ブタである場合、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質はブタBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質であり;ウサギである場合、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質はウサギBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質であり;マウスである場合、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質はマウスBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質であり;ラットである場合、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質はラットBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質であり;ラクダである場合、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質はラクダBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質であり;ヒトコブラクダである場合、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質はヒトコブラクダBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質であり;ラマである場合、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質はラマBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質であり;アルパカである場合、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質はアルパカBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質であり;イヌである場合、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質はイヌBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質であり;かつ/あるいはネコである場合、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質はネコBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質である。
【0478】
好ましくは、本発明に従う使用のためのBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質は、被験体の内因性BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質でない。言い換えれば、好ましくは、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、被験体の身体から、すなわち、治療または予防対象である個別の被験体から単離されたBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質でない。
【0479】
好ましくは、本発明に従う使用のためのBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質は、当業者に公知のいずれかの組み換え発現技術により生成された組み換えBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により合成された化学合成されたBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質、当業者に公知のいずれかの生成技術により生成された人工的に生成されたBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質、動物もしくはヒトなどの天然供給源から取得された天然に存在するBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質、またはそれらのいずれかの組み合わせであり得、好ましくはそれらである。より好ましくは、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、組み換えBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質、化学合成されたBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質、人工的に生成されたBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質またはそれらのいずれかの組み合わせ、さらにより好ましくは、組み換えBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質、またさらにより好ましくは、組み換えヒトBDNF様機能性物質、さらに好ましくは、遺伝子改変型大腸菌中で生成されるBDNF様機能性物質(名称「組み換えヒトBDNFタンパク質」、カタログ番号248 BDB/CF[キャリアフリー]の下にR&D Systems社から製造および市販されている)である。
【0480】
さらに、本発明に従う使用のためのBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスならびに/またはキットのBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質は、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する限り、PBMCに作用することが可能であり、かつ/または作用する限り、誘導体化されるか、安定化されるか、他のタンパク質もしくはペプチドに融合されるか、ポリマーを用いてコンジュゲート化されるか、アミノ酸類似体もしくは人工アミノ酸を含有するか、共有的もしくは非共有的に修飾され、例えば、翻訳後修飾により、例えば、グリコシル化もしくはメチル化されるか、かつ/またはオリゴマー化され、例えば、二量体化もしくは三量体化され得るかまたはそうでないことができる。より好ましくは、修飾パターンおよび/またはオリゴマー化状態は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体体内に天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対して類似または同一である。
【0481】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、被験体の身体中でのBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質の濃度の全身性の増加を回避するために十分に低い量で、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質を投与することが意図される。それにより、例えば、炎症関節などの炎症部位でのBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質の濃度増加の生成が回避されることが意図される。上記で既に述べた通り、例えば、ナイーブT細胞は、抗原/自己抗原/アレルゲンの存在下で、炎症促進性として機能し得る細胞傷害性へと成熟することができる。それにより、本発明により達成される有益な効果、特に、恐らくは生成される調節T細胞および/もしくはヘルパーT細胞、またはそれらのサブセットの抗炎症効果を減少させるか、取り消すか、または逆転さえさせる。
【0482】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、被験体、好ましくは被験体の血液中でのBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質の濃度の全身性の増加、より好ましくは効果的な全身性の増加を引き起こさず、かつ/またはBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質の濃度の全身性の増加を引き起こす量で投与される。好ましくは、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、全身性の増加が効果的でない程、十分に低い量で投与される。
【0483】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、被験体、好ましくは被験体の皮膚組織中でのBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質の濃度の局所的増加、好ましくは効果的な局所的増加を引き起こす量で投与される。血中への投与とは異なり、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質の流れ去りおよび希釈が起こらないかまたはより少なく起こるので、皮膚組織が好ましい。
【0484】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、投与されたBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質の濃度増加の生成、好ましくは効果的な濃度増加の生成は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0485】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、好ましくは被験体体内での、BDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質の個別の受容体の全身性の活性化、好ましくは効果的な全身性の活性化を引き起こさず、かつ/またはBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質の全身性の生成、好ましくは効果的な全身性の生成を引き起こさない量で投与される。
【0486】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、BDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、好ましくは被験体体内での、BDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質の個別の受容体の局所的活性化、好ましくは効果的な局所的活性化を引き起こし、かつ/またはBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質の局所的生成、好ましくは効果的な局所的生成を引き起こす量で投与される。好ましくは、活性化および/または生成、より好ましくは効果的な生成および/または効果的な活性化は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【0487】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、BDNF様機能性物質、好ましくは、BDNFは、有効量、好ましくは有効総量で投与される。
【0488】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、BDNF様機能性物質は、好ましくは投与用量当たり、10ng BDNF/kg被験体体重以下に活性が相当する量、好ましくは総量で、被験体の皮膚へと投与される。より好ましくは、BDNFは、5ng BDNF/kg以下、さらにより好ましくは2.5ng BDNF/kg以下、またより好ましくは1ng BDNF/kg以下、またさらにより好ましくは0.5ng BDNF/kg以下、さらに好ましくは0.3ng BDNF/kg以下、またさらにより好ましくは0.1ng BDNF/kg以下、さらに好ましくは0.05ng BDNF/kg以下に活性が相当する量で投与される。有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.001ng BDNF/kg以上、より好ましくは0.005ng BDNF/kg以上、さらにより好ましくは0.007ng BDNF/kg以上、またより好ましくは0.01mg/kg以上に活性が相当する量である。より好ましくは、BDNF様機能性物質は、10ng BDNF/kg以下かつ0.001ng BDNF/kg以上、さらにより好ましくは5ng BDNF/kg以下かつ0.001ng BDNF/kg以上、またより好ましくは2.5ng BDNF/kg以下かつ0.005ng BDNF/kg以上、またさらにより好ましくは1ng BDNF/kg以下かつ0.005ng BDNF/kg以上、さらに好ましくは0.5ng BDNF/kg以下かつ0.007ng BDNF/kg以上、なおさらに好ましくは0.3ng BDNF/kg以下かつ0.007ng BDNF/kg以上、またさらに好ましくは0.1ng BDNF/kg以下かつ0.01ng BDNF/kg以上、またなおさらに好ましくは0.05ng BDNF/kg以下かつ0.01ng BDNF/kg以上に活性が相当する範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0489】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、BDNF様機能性物質は、好ましくは投与用量当たり、500ng BDNF以下、より好ましくは100ng BDNF以下、さらにより好ましくは50ng BDNF以下、またより好ましくは25ng BDNF以下、またさらにより好ましくは10ng BDNF以下、さらに好ましくは5ng BDNF以下に活性が相当する量、好ましくは総量で投与される。有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.005ng BDNF以上、より好ましくは0.01ng BDNF以上、さらにより好ましくは0.05ng BDNF以上、またさらにより好ましくは0.1ng BDNF以上、さらに好ましくは0.2ng BDNF以上に活性が相当する量である。より好ましくは、BDNF様機能性物質は、好ましくは投与用量当たり、500ng BDNF以下かつ0.005ng BDNF以上、さらにより好ましくは100ng BDNF以下かつ0.01ng BDNF以上、またより好ましくは50ng BDNF以下かつ0.05ng BDNF以上、またさらにより好ましくは25ng BDNF以下かつ0.05ng BDNF以上、さらに好ましくは10ng BDNF以下かつ0.1ng BDNF以上、なおさらに好ましくは5ng BDNF以下かつ0.2ng BDNF以上に活性が相当する範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0490】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、BDNF様機能性物質は、好ましくは投与用量当たり、10ng/kg被験体体重以下の量、好ましくは総量で、被験体の皮膚へと投与される。より好ましくは、BDNFは、5ng/kg以下、さらにより好ましくは2.5ng/kg以下、またより好ましくは1ng/kg以下、またさらにより好ましくは0.5ng/kg以下、さらに好ましくは0.3ng/kg以下、またさらにより好ましくは0.1ng/kg以下、さらに好ましくは0.05ng/kg以下の量で投与される。有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.001ng/kg以上、より好ましくは0.005ng/kg以上、さらにより好ましくは0.007ng/kg以上、またより好ましくは0.01mg/kg以上である。より好ましくは、BDNFは、10ng/kg以下かつ0.001ng/kg以上、さらにより好ましくは5ng/kg以下かつ0.001ng/kg以上、またより好ましくは2.5ng/kg以下かつ0.005ng/kg以上、またさらにより好ましくは1ng/kg以下かつ0.005ng/kg以上、さらに好ましくは0.5ng/kg以下かつ0.007ng/kg以上、なおさらに好ましくは0.3ng/kg以下かつ0.007ng/kg以上、またさらに好ましくは0.1ng/kg以下かつ0.01ng/kg以上、またなおさらに好ましくは0.05ng/kg以下かつ0.01ng/kg以上の範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0491】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(B)、(B1)および/または(C)では、BDNFは、好ましくは投与用量当たり、500ng以下、より好ましくは100ng以下、さらにより好ましくは50ng以下、またより好ましくは25ng以下、またさらにより好ましくは10ng以下、さらに好ましくは5ng以下の量、好ましくは総量で投与される。有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.005ng以上、より好ましくは0.01ng以上、さらにより好ましくは0.05ng以上、またさらにより好ましくは0.1ng以上、さらに好ましくは0.2ng以上である。より好ましくは、BDNFは、好ましくは投与用量当たり、500ng以下かつ0.005ng以上、さらにより好ましくは100ng以下かつ0.01ng以上、またより好ましくは50ng以下かつ0.05ng以上、またさらにより好ましくは25ng以下かつ0.05ng以上、さらに好ましくは10ng以下かつ0.1ng以上、なおさらに好ましくは5ng以下かつ0.2ng以上の範囲内の量、好ましくは総量で投与される。
【0492】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのBDNF様機能性物質、具体的には本発明に従う使用のための免疫調節性物質ならびに/または方法のステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットの免疫調節性物質は、BDNFである。
【0493】
実施例から見て取れる通り、BDNFは、とりわけ、SHILDスコアの低下により示される通り、多発性硬化症の場合に疲労を非常に効果的に軽減する有益な効果を有し、かつ被験体の状態は安定化または改善さえされる。
【0494】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、kg体重当たりの量、kg体重当たりの総量、量および/または総量のうちのいずれかである量は、それぞれ、示される量または総量が投与される限り、単回投与用量で投与されるかまたは複数の投与用量へと分配されることができる。しかしながら、単回投与用量が好ましい。好ましくは、単回投与用量としてまたは複数の投与用量へと分配される場合のいずれかにかかわらず、そのような量は、8時間以下以内、より好ましくは6時間以下以内、さらにより好ましくは3時間以下以内、さらにより好ましくは1.5時間以下以内、またより好ましくは1時間以下以内、またさらにより好ましくは0.5時間以下以内、さらに好ましくは15分以下以内、なおさらに好ましくは5分以下以内、またさらに好ましくは1分以下以内に投与される。それ以内でそのような量を投与することができるであろう時間に関して、下限はない。しかしながら、可能な限り時間を短く保つことが、治療される被験体の利益になり得る。好ましくは、方法は、好ましくはステップ(A)に関して、より好ましくはステップ(A)を行なう前および/または後に、8時間以下かつ0.05秒以上以内、より好ましくは6時間以下かつ0.5秒以上以内、さらにより好ましくは3時間以下かつ1秒以上以内、またより好ましくは1.5時間以下かつ1秒以上以内、またさらにより好ましくは1時間以下かつ1秒以上以内、さらに好ましくは0.5時間以下1秒以上以内、なおさらに好ましくは15分以下1秒以上以内、またさらに好ましくは5分以下かつ2秒以上以内に行なわれる。複数の投与用量の場合、これらは、いずれかの順序で、連続的に、同時に、別個に、一緒に組み合わせて、またはそれらのいずれかの組み合わせで投与することができる。複数の投与用量は、例えば、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、ステップの反復、例えば、ステップ(A)および/またはステップ(B)が行なわれる場合に起こることができる。
【0495】
表現「別個に」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、好ましくは、時間的、空間的に関するか、かつ/または製剤に関すると理解されるべきであり、すなわち、複数の物質の場合、それらを数種類の製剤中に別個に製剤化することができ、かつ/または空間的および/もしくは時間的に別個に投与することができる。
【0496】
表現「一緒に組み合わせて」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、好ましくは、時間的、空間的に関するか、かつ/または製剤に関すると理解されるべきであり、すなわち、複数の物質の場合、それらを1つの単一の製剤(組成物、膏薬、持続放出性膏薬)中に一緒に製剤化することができ、かつ/または互いに組み合わせて投与することができ、すなわち、投与は空間的および/または時間的に同時である。
【0497】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、kg体重当たりの量、kg体重当たりの総量、総量および/または総量のうちのいずれかである量は、1日1回以下、より好ましくは2日に1回以下、さらにより好ましくは3日に1回以下、またより好ましくは4日に1回以下、またさらにより好ましくは5日に1回以下、さらに好ましくは1週間に1回以下、なおさらに好ましくは2週間に1回以下、またさらに好ましくは1ヵ月に1回以下の頻度で投与される。通常、有益な効果を達成することができるかまたは維持される限り、頻度に関して下限はない。さらに、可能な限り低頻度でそのような量を投与することが、治療される被験体ならびに労力および費用効率に関して利益になり得る。それにもかかわらず、下限は、そのような量の投与が2ヵ月に1回以上、より好ましくは6週間に1回以上の頻度で行なわれる場合であり得、好ましくはそのような場合である。好ましくは、方法は、1日1回~2ヵ月に1回、より好ましくは3日に1回~6週間に1回、さらにより好ましくは5日に1回~1ヵ月に1回の頻度で行なわれる。
【0498】
好ましくは、ステップ(A)およびステップ(B)は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、いずれかの順序で、連続的に、同時に、別個に、一緒に組み合わせて、またはそれらのいずれかの組み合わせで行なうことができる。
【0499】
好ましくは、ステップ(A)およびステップ(C)は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、いずれかの順序で、連続的に、同時に、別個に、一緒に組み合わせて、またはそれらのいずれかの組み合わせで行なうことができる。
【0500】
好ましくは、ステップ(A)、ステップ(B)およびステップ(C)は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、いずれかの順序で、連続的に、同時に、別個に、一緒に組み合わせて、またはそれらのいずれかの組み合わせで行なうことができる。
【0501】
好ましくは、ステップ(A)、ステップ(B)およびステップ(B1)は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、好ましくはステップ(B)およびステップ(B1)が別個に、かつ/または一緒に組み合わせられずに行なわれることを除いて、いずれかの順序で、連続的に、同時に、別個に、一緒に組み合わせて、またはそれらのいずれかの組み合わせで行なうことができる。ステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、ステップ(B)およびステップ(B1)は、特に、別個に、かつ/または一緒に組み合わせられずに行なわれる。
【0502】
好ましくは、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)およびステップ(C)は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、好ましくはステップ(B)およびステップ(B1)が別個に、かつ/または一緒に組み合わせられずに行なわれることを除いて、いずれかの順序で、連続的に、同時に、別個に、一緒に組み合わせて、またはそれらのいずれかの組み合わせで行なうことができる。ステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、ステップ(B)およびステップ(B1)は、特に、別個に、かつ/または一緒に組み合わせられずに行なわれる。
【0503】
好ましくは、ステップ(A)、ステップ(B1)およびステップ(C)は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、いずれかの順序で、連続的に、同時に、別個に、一緒に組み合わせて、またはそれらのいずれかの組み合わせで行なうことができる。
【0504】
好ましくは、ステップの第1セットのステップ(A)、ステップ(B)およびステップ(C)、ならびにステップの第2セットのステップ(A)、ステップ(B1)およびステップ(C)は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、いずれかの順序で、連続的に、同時に、別個に、一緒に組み合わせて、またはそれらのいずれかの組み合わせで行なうことができる。
【0505】
ステップ(B)で2種以上の免疫調節性物質、例えば、IFN-γおよびIL-4、IL-4およびBDNFまたはIFN-γ、IL-4およびBDNFが投与される場合、そのような物質は、連続的に、同時に、別個に、一緒に組み合わせて、またはそれらのいずれかの組み合わせで投与することができることが理解されるべきである。
【0506】
例えば、注入または局所適用の場合、組成物、局所用または注入可能剤型は、ステップ(B)のおよびステップ(C)の免疫調節性物質の両方を含有することができる。それゆえ、この例では、単回投与ステップを用いて、ステップ(B)および(C)を、一緒に組み合わせて、かつ同時に実現することができる。例えば、ステップ(B)のおよびステップ(C)の免疫調節性物質を含む持続放出性膏薬の場合、ステップ(B)の免疫調節性物質は、ステップ(C)の免疫調節性物質の前に投与することができる。それゆえ、この例では、単回投与ステップを用いて、ステップ(B)および(C)を、一緒に組み合わせて実現することができるが、連続的に投与される。それゆえ、「一緒に組み合わせて」は、連続的および同時を含む。
【0507】
さらに、ステップ(A)、(B)、(B1)および/もしくは(C)のうちのいずれかならびに/またはこれらのいずれかの組み合わせたステップは、次のステップが行なわれる前に完了することができるかもしくは完了しないことができ、またはそれらのいずれかの組み合わせである。それゆえ、これらのステップのうちの別の投与が開始されるかもしくは完了するかまたはそれらのいずれかの組み合わせでありながら、これらのステップのうちのいずれかの投与をそれでも行なうことができる。
【0508】
好ましくは、用語「生じさせるステップ」は、「開始すること」および/または「確立すること」を包含すると理解されるべきである。例えば、下記のステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)および(A-5)のうちのいずれかでは、用語「生じさせるステップ」は、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO
2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤が開始され得ることを包含し、かつ:
- PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO
2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤は、直ちに、例えば、0秒~5秒以内、より好ましくは1秒~5秒以内に確立されることができ;かつ/あるいは
- PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO
2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤は、例えば、5秒以上3時間まで、より好ましくは5秒以上1.5時間まで、さらにより好ましくは5秒以上1時間まで、またより好ましくは10秒以上0.75時間まで、またさらにより好ましくは10秒以上0.5時間まで、またさらに好ましくは10秒以上まで0.25時間までの遅延または時間的シフトを伴って確立されることができ(例えば、熱感クリーム剤を用いる場合の皮膚上の温度上昇の場合の
図8を参照されたい);かつ/あるいは
- 遅延または時間的にシフトしたPBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO
2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤が確立される前に、減少した蓄積、血管拡張、血液量、温度および/または発赤が先行する場合があり(例えば、熱感クリーム剤を用いる場合の皮膚上の温度上昇の場合の
図8を参照されたい);かつ/あるいは
- PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO
2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤は、次のステップが行なわれる前に確立されるかまたはされないことができる。それゆえ、次のステップは、蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO
2の増加および/またはrHbの増加、温度上昇および/または発赤が確立されないかまたは未だ完全には確立されない場合でさえも、行なうことができる。
【0509】
しかしながら、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、ステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)により生じる個別の効果は、例として、例えば、互いに依存的、支持的、相互作用的、相補的、相加的、相乗的であるために、かつ/またはいずれかの他の様式により一緒に機能するために、時間的ならびに空間的に少なくとも部分的かつ/または完全に重複することが理解されるべきである。それゆえ、方法は、それに従って行なわれるべきであることが理解されるべきである。
【0510】
それゆえ、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、方法は、ステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)により生じる個別の効果が、時間的かつ/または空間的に少なくとも部分的かつ/または完全に重複する様式で行なわれる。
【0511】
それゆえ、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、ステップ(A)により生じる効果、特に、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤は、ステップ(B)、(B1)および/または(C)で免疫調節性物質を投与することにより生じる皮膚内での免疫調節性物質の存在、好ましくは免疫調節性物質の増加した濃度および/または量と、時間的かつ/または空間的に少なくとも部分的かつ/または完全に重複する。好ましくは、皮膚内に存在する免疫調節性物質、好ましくは免疫調節性物質の増加した濃度および/または量は、免疫調節性物質の有効濃度および/または有効量である。そのような量は個別の被験体同士の間で変わり得ることが注記される。同様に、例えば、時間的な重複は、被験体同士で異なり得る。
【0512】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、部分的または完全な重複のいずれであるかにかかわらず、時間的な重複は、有益な効果を達成するために十分であり、かつ個別の被験体同士の間で変わり得る。より好ましくは、これは2分以上、さらにより好ましくは5分以上、またより好ましくは10分以上、またさらにより好ましくは15分以上、さらに好ましくは20分以上、なおさらに好ましくは0.5時間以上、またさらに好ましくは0.75時間以上、またなおさらに好ましくは1時間以上である。時間的な重複に関して上限はないが、しかしながら、通常、これは48時間以下である。好ましくは、部分的または完全な重複のいずれであるかにかかわらず、時間的な重複は、2分以上かつ48時間以下、より好ましくは5分以上かつ24時間以下、さらにより好ましくは10分以上24時間以下、またより好ましくは15分以上12時間以下、またさらにより好ましくは20分以上12時間以下、さらに好ましくは0.5時間以上かつ6時間以下、なおさらに好ましくは0.75時間以上かつ3時間以下、またより好ましくは1時間以上かつ3時間以下の範囲内である。
【0513】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、PBMCの蓄積は、2分以上、より好ましくは10分以上、さらにより好ましくは0.25時間以上の持続時間にわたって、存在し、持続し、かつ/または維持される。そのような持続性および/または維持に関して上限はないが、しかしながら、通常、これは48時間以下、より好ましくは6時間以下、さらにより好ましくは3時間以下、またより好ましくは1.5時間以下、またさらにより好ましくは1時間以下、さらに好ましくは0.75時間以下の持続時間にわたる。好ましくは、持続性および/または維持は、10分以上かつ48時間以下、より好ましくは0.25時間以上かつ48時間以下、さらにより好ましくは0.25時間以上かつ6時間以下、またより好ましくは0.5時間以上かつ3時間以下、またさらにより好ましくは0.75時間以上かつ1.5時間以下の範囲内の持続時間にわたる。
【0514】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、血液量の増加、血管拡張、sO2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤は、2分以上、より好ましくは10分以上、さらにより好ましくは0.25時間以上の持続時間にわたって、存在し、持続し、かつ/または維持される。皮膚上での温度上昇の持続性に関して上限はないが、しかしながら、通常、これは、6時間以下、より好ましくは3時間以下、さらにより好ましくは1.5時間以下、またより好ましくは1時間以下、またさらにより好ましくは0.75時間以下の持続時間にわたる。好ましくは、皮膚上での温度上昇は、2分以上かつ6時間以下、より好ましくは5分以上かつ3時間以下、さらにより好ましくは10分以上かつ1.5時間以下、またより好ましくは0.25時間以上かつ1時間以下、またさらにより好ましくは0.25時間以上かつ0.75時間以下の範囲内の持続時間にわたって、存在し、持続し、かつ/または維持される。
【0515】
持続時間は、継続的であるかまたは中断を伴い、すなわち、2つ以上の部分持続時間に分配される場合がある。したがって、持続時間は、好ましくは、単一の継続的持続時間または2つ以上の部分持続時間の合計から構成されることができる合計持続時間である。
【0516】
さらに、持続時間は、好ましくは、ステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)のうちのいずれかもしくは全部が行なわれた後、かつ/またはステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)のうちのいずれかもしくは全部の効果が生じるかもしくは達成される後、例えば、15時間以下以内、好ましくは10時間以下以内、より好ましくは8時間以下以内、さらにより好ましくは6時間以下以内、さらにより好ましくは2時間以下以内、かつ例えば、ステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)のうちのいずれかもしくは全部が行なわれたのと同時もしくはその直後に、ステップ(A)により生じる効果が存在し、かつ/または維持される合計持続時間である。PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤は、例えば、ステップ(A)を複数回行なうことにより、例えば、時間的にシフトした2回目に皮膚へと温度上昇剤を投与することによりまたは時間的にシフトした2回目に皮膚へと熱感パッド剤を適用することにより、合計持続時間にわたって存在し、かつ/または維持されることができる。しかしながら、これは、ステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれかもしくは全部が行なわれる前に、ステップ(A)が行なわれるか、または例えば、その効果が生じることを除外しないことが注記される。
【0517】
さらに、ステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれかもしくは全部が行なわれた後に、ステップ(A)により生じる効果が存在し、かつ/または維持される持続時間または合計持続時間。そのような持続時間は、例えば、ステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれかもしくは全部が行なわれるのと同時または行なわれた直後から、15時間以下、好ましくは10時間以下、より好ましくは8時間以下、さらにより好ましくは6時間以下、さらにより好ましくは2時間以下までである。それゆえ、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤である、ステップ(A)により生じる効果は、例えば、ステップ(A)を複数回行なうことにより、例えば、熱感パッド剤を皮膚へと数回適用するかまたは継続的加温性熱感パッチ剤を用いることにより、合計持続時間にわたって存在し、かつ/または維持されることができる。しかしながら、これは、ステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれかまたは全部が行なわれる前に、ステップ(A)が行なわれることを除外しないことが注記される。
【0518】
通常、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合のステップ(B)、(B1)および/または(C)では、皮膚内での免疫調節性物質の存在、すなわち、免疫調節性物質の増加した濃度および/または量は、2分以上、より好ましくは10分以上、さらにより好ましくは0.25時間以上の持続時間にわたる。上限はないが、しかしながら、通常、これは24時間以下、好ましくは12時間以下、より好ましくは6時間以下、さらにより好ましくは3時間以下、またより好ましくは1.5時間以下、またさらにより好ましくは1時間以下、さらに好ましくは0.75時間以下の持続時間にわたる。好ましくは、免疫調節性物質の存在は、直ちにから24時間まで、より好ましくは12時間まで、さらにより好ましくは直ちにから6時間まで、またより好ましくは直ちにから3時間まで、またさらにより好ましくは5秒から1.5時間まで、さらに好ましくは5秒から1時間まで、なおさらに好ましくは10秒から0.75時間までの持続時間にわたる。
【0519】
好ましくは、本明細書中に記載される本発明のすべての実施形態中の皮膚は、皮膚厚さ方向で、皮膚表面および1層以上の皮膚層を含み、好ましくはそれらからなる。1層以上の皮膚層は、剥離層、角質層、透明層、顆粒層、有棘層および基底層を含む表皮;乳頭領域または真皮乳頭層および真皮網状層を含む真皮;ならびに皮下組織を含み、好ましくはそれらからなる。
【0520】
表現「皮膚厚さ方向」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、好ましくは皮膚表面から骨に向かって見た場合に、皮膚表面に対して垂直な方向を意味する。
【0521】
表現「下に」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、皮膚または皮膚層を参照して用いられる際には、骨により近く、かつそれゆえ皮膚表面からさらに離れて位置付けられる位置を規定する。
【0522】
表現「上に」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、皮膚または皮膚層を参照して用いられる際には、骨からさらに離れ、かつそれゆえ皮膚表面により近く位置付けられる位置を規定する。
【0523】
皮膚の表現「局所下層(皮下深層:sub-topical layer)」または「局所下層(複数)」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、表皮、真皮および皮下組織を含み、好ましくはそれらからなる皮膚の層を意味する。より好ましくは、有棘層、基底層、真皮および皮下組織を含み、さらにより好ましくはそれらからなる。
【0524】
表現「皮膚組織」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、毛細血管およびそれらの血管/毛細血管内腔などのいずれかの血管を除く皮膚を意味する。例えば、表現「局所下層の皮膚組織」とは、本発明で用いる場合、毛細血管およびそれらの血管/毛細血管内腔などのいずれかの血管を除く皮膚の局所下層を意味する。
【0525】
好ましくは、皮膚および/または皮膚の層は、厚さ方向での拡張ならびに皮膚および/または層の表面に対して平行に広がる拡張を有する。
【0526】
表現「拡張」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、皮膚の表面に対して平行にまたは皮膚の厚さ方向に延びる皮膚および/または層の線形で一方向の拡張を意味する。
【0527】
皮膚の表面に対して平行な拡張は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、「表面平行拡張」と称される。これは、好ましくは、cm(センチメートル)で表現される。これは、長さまたは幅での拡張を意味する場合がある。
【0528】
皮膚および/または層の厚さ方向での拡張は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、「厚さ」と称される。厚さは、好ましくは、cm(センチメートル)で、かつ/または上記に規定される通りの皮膚の層のうちの1つ以上を記述することにより、表現される。皮膚および/または層の厚さは、被験体が属する属および/または生物種に依存して変わり得る。通常、被験体がヒトである場合、皮膚は、6mm(ミリメートル)以下、好ましくは5mm以下の厚さを有する。
【0529】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、皮膚は皮膚領域のものである。言い換えれば、皮膚は、皮膚領域と指定される領域を有する。より好ましくは、ステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)では、生じさせるステップは皮膚領域の皮膚内または皮膚上であり、かつ投与するステップは皮膚領域の皮膚に対する。つまり、生じさせるステップまたは投与するステップは、皮膚領域の皮膚で行なわれる。
【0530】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、ステップ(B)、(B1)および/または(C)の投与は、ステップ(A)の生じさせるステップおよび/または投与するステップが達成される皮膚の同じ領域中で部分的かつ/または完全に達成される。
【0531】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、ステップ(B)、(B1)および/または(C)は、ステップ(A)が行なわれる皮膚の同じ領域内で部分的かつ/または完全に行なわれる。
【0532】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、ステップ(A)での皮膚は皮膚領域[a]のものであり、ステップ(B)での皮膚は皮膚領域[b]のものであり、ステップ(B1)での皮膚は皮膚領域[b1]のものであり、かつ/またはステップ(C)での皮膚は皮膚領域[c]のものである。
【0533】
別途言及されない場合、一般的に「皮膚領域」に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合の皮膚領域[a]、皮膚領域[b]、皮膚領域[b1]および/または皮膚領域[c]に対して、独立して準用可能であることが理解されるべきである。
【0534】
表現「皮膚領域」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、皮膚の表面に対して平行に広がる2次元的拡張を意味する。好ましくは、皮膚領域とは、それに伴う皮膚中で、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/もしくはステップ(C)のうちのいずれかの効果、特に、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加、rHbの増加、温度上昇および/もしくは発赤の生成が達成されるか、または免疫調節性物質および/もしくは皮膚コンディショニング剤の投与ステップが達成され、つまり、そのような物質および/もしくは薬剤の濃度が増加する領域を意味する。つまり、生じさせるステップまたは投与ステップは、皮膚領域の皮膚内でまたは皮膚に対して行なわれる。皮膚領域は、好ましくは、m2(平方メートル)、cm2(平方センチメートル)および/またはmm2(平方ミリメートル)で示される。
【0535】
皮膚領域、具体的には皮膚領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]は、有益な効果を達成することができる限り、いずれかの2次元的形状を独立して有することができ、かつ被験体の身体上の特定の局在を有し得る。例えば、皮膚領域は、円形、三角形、長方形、正方形、楕円形および/または多角形形状を有することができ、形状は、不規則、細長い、かつ/または小型(包含される皮膚領域に関して輪郭がやや短く、例えば、正方形は包含される領域に関して長方形よりも短い輪郭を有する)であり得、好ましくはそのようであり、陥凹部を有することができ、皮膚領域は、数個の個別の領域へと分けることができ、かつ/あるいは凹部および/もしくは凸部またはこれらのいずれかの組み合わせを有する輪郭を有し得る。好ましくは、皮膚領域は、概ね円形、正方形またはやや小型の形状であり、かつより好ましくは陥凹部を有さず、数個(server)の個別の領域へと分割される。
【0536】
皮膚領域、具体的には皮膚領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]は、有益な効果を達成するために十分ないずれかのサイズを独立して有することができ、かつ1.5m2以下のサイズさえ有することができる。好ましくは、皮膚領域は、1,000cm2以下、より好ましくは500cm2以下、さらにより好ましくは100cm2以下、またより好ましくは50cm2以下、またさらにより好ましくは25cm2以下、さらに好ましくは10cm2、なおさらに好ましくは5cm2以下である。通常、皮膚領域は、0.2cm2よりも小さくない。それゆえ、皮膚領域に関する下限は、好ましくは0.2cm2以上、より好ましくは0.5cm2以上、さらにより好ましくは1cm2以上、またより好ましくは2cm2以上である。好ましくは、皮膚領域は、1.5m2以下かつ0.2cm2以上、より好ましくは1,000cm2以下かつ0.2cm2以上、さらにより好ましくは500cm2以下かつ0.5cm2以上、またより好ましくは100cm2以下かつ0.5cm2以上、またさらにより好ましくは50cm2以下かつ1cm2以上、さらに好ましくは25cm2以下かつ1cm2以上、なおさらに好ましくは10cm2以下かつ2cm2以上の範囲内である。
【0537】
表現「皮膚領域の皮膚」、「皮膚領域の皮膚層」等とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、皮膚領域により占められ、かつ/または縁どられる、上記に規定される通りの皮膚または1層以上の皮膚層の断片を意味する。例えば、表現「皮膚領域の皮下組織」とは、皮膚領域により占められ、かつ/または縁どられる皮下組織の断片を意味する。例えば、表現「皮膚領域の真皮」とは、皮膚領域により占められ、かつ/または縁どられる真皮の断片を意味する。
【0538】
表現「皮膚上に」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、皮膚、好ましくは皮膚領域および/または適用領域により占められ、かつ/または縁どられる皮膚の断片の表面上に行なわれる局所的処置、投与、生成、適用等を意味する。
【0539】
表現「局所的」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、身体表面上で行なわれる処置、投与、生成、適用、送達等などの手順を意味する。これらの手順は、身体の内表面または外表面上のいずれかの特定の場所に対して行なうことができる。好ましくは、手順は、皮膚等に対して行なわれ、より好ましくは経皮は皮膚に対する直接的な実行を意味する。好ましくは、表現「局所的」は、侵襲的手順を除外する。好ましくは、免疫調節性物質の局所投与、適用および/または送達は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、皮膚の局所下層中へと、より好ましくは皮膚の表皮、真皮および/もしくは皮下組織、さらにより好ましくは真皮中へと、かつ/または皮膚表面から測定した場合、好ましくは皮膚表面に対して垂直に骨に向かって測定した場合、皮膚中へと皮膚厚さ方向で6mm以下かつ0.05mm以上、より好ましくは4mm以下かつ0.3mm以上、さらにより好ましくは3mm以下かつ0.5mm以上で、これらの物質を投与、適用および/または送達することが可能である。
【0540】
表現「皮膚中へと」および/または「皮膚内に」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、例えば、皮膚の局所下層中へとなどの皮膚中へと、例えば、表皮、真皮および/または皮下組織、さらにより好ましくは真皮中へと行なわれる注入による、侵襲的処置、手順、投与、生成、適用、送達等を意味する。
【0541】
表現「注入」または「注入される」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、皮膚中へと行なわれる処置、投与、生成、適用、送達等などの侵襲的手順を意味する。好ましくは、表現「注入」または「注入される」は、非侵襲的手順を除外する。好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合の注入は、皮膚の局所下層中へと、より好ましくは皮膚の表皮、真皮および/もしくは皮下組織、さらにより好ましくは真皮中へと置かれ、かつ/または、注入は、皮膚表面から測定した場合、好ましくは皮膚表面に対して垂直に骨に向かって測定した場合、皮膚中へと皮膚厚さ方向で、好ましくは6mm以下かつ0.05mm以上、より好ましくは4mm以下かつ0.3mm以上、さらにより好ましくは3mm以下かつ0.5mm以上に置かれる。
【0542】
表現「皮膚に対して」または「皮膚で」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、好ましくは、全3種類の表現「皮膚上に」、「皮膚中へと」および/または「皮膚内に」の意味を網羅する一般的用語であり、つまり、典型的には、例えば、皮膚の局所下層などの皮膚、例えば、表皮、真皮および/もしくは皮下組織、さらにより好ましくは真皮中へと行なわれる注入によるか、または、例えば、皮膚上に局所的に組成物を適用することによる、局所的かつ/または侵襲的処置、手順、投与、生成、適用等を意味する。
【0543】
好ましくは、皮膚領域、具体的には皮膚領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]の皮膚および/または皮膚層は、免疫学的に不活性かつ/または未負荷であり、好ましくは少なくとも部分的に、より好ましくは完全に免疫学的に不活性かつ/または未負荷である。さらに、これは、好ましくは、免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位に対して空間的に隔てられている。
【0544】
好ましくは、皮膚領域、具体的には皮膚領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]の皮膚および/または皮膚層は、背部、腹部、臀部、上腕、前腕および/または上腿、より好ましくは上腕、前腕および/または上腿上に位置する。
【0545】
表現「免疫学的に不活性かつ/または未負荷の皮膚」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、免疫学的に不活性かつ/または未負荷であり、かつ好ましくは免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位に対して空間的に隔てられている皮膚を含み、好ましくはそれからなる、皮膚領域および/または適用領域の皮膚および/または皮膚層を意味する。
【0546】
表現「免疫学的に不活性かつ/または未負荷」および/または「免疫負荷および/または活性の非存在」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、いかなる種類の活性な免疫応答も非存在であり、かつ/あるいは免疫系のいかなる刺激もしくは誘導因子も免疫反応を生起するために十分でない量である有効量で存在しないか、または非存在であることを意味することができ、好ましくは意味する。好ましくは、例えば、炎症関節、リウマチ関節、炎症器官、アレルギー部位、創傷および/または昆虫刺傷などの炎症、抗原、自己抗原および/またはアレルゲンは、免疫学的、自己免疫的に引き起こされるかまたは免疫学的原因を有しないか否かにかかわらず、有効量でもしくは有効な程度まで存在しないか、または非存在もしくは本質的に非存在であり、より好ましくは非存在である。それゆえ、好ましくは、「免疫学的に不活性かつ/または未負荷」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、炎症、抗原、自己抗原および/またはアレルゲンが有効量でもしくは有効な程度まで存在しないか、または好ましくは非存在もしくは本質的に非存在であり、より好ましくは非存在であることを意味する。
【0547】
表現「免疫学的活性および/または負荷の部位」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、活性な免疫応答が存在し、かつ/または免疫系のいずれかの刺激もしくは誘導因子が免疫反応を生起するために十分な量で存在するいずれかの部位であり得、好ましくはそのようないずれかの部位である。好ましくは、免疫学的活性および/または負荷の部位は、例えば、炎症関節、リウマチ関節、炎症器官、アレルギー部位、創傷、細菌もしくはウイルス感染などの感染、および/または昆虫刺傷などの炎症、抗原、自己抗原および/またはアレルゲンが存在する部位であり、かつ免疫学的または自己免疫的に引き起こされることができ、好ましくは引き起こされる。
【0548】
本発明に従えば、より好ましくは、免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位への皮膚領域、具体的には皮膚領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]の空間的距離は、独立して、免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位に対して可能な限り遠い。より好ましくは、空間的距離は、独立して、0.5cm以上、より好ましくは1cm以上、さらにより好ましくは3cm以上、またより好ましくは5cm以上、またさらにより好ましくは10cm以上である。通常、皮膚領域は、免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位に対して近過ぎるが、遠過ぎずにのみ位置することができる。それゆえ、空間的距離に関して上限はない。しかしながら、通常、空間的距離の上限は、被験体の身体拡張により制限される。通常、空間的距離は、3メートル以下、より好ましくは2メートル以下、さらにより好ましくは1.5メートル以下、またより好ましくは1メートル以下、またさらにより好ましくは50cm以下である。
【0549】
距離または空間的距離は、好ましくは、皮膚領域の輪郭上の点から免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位の輪郭上の点まで測定され、このとき、互いに対して最小の距離を有する点が採用される。免疫学的活性および/または負荷の数箇所の部位が存在する場合、皮膚領域および/または抗原不含皮膚領域は、好ましくは、免疫学的活性および/または負荷のすべてのこれらの部位に対して空間的に隔てられて位置する。
【0550】
最も好ましくは、皮膚領域、具体的には皮膚領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]の皮膚および/または皮膚層は、完全に免疫学的に不活性かつ/または未負荷であり、かつ上記に規定される通りの免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位に対して空間的に隔てられている。
【0551】
好ましくは完全に、免疫学的に不活性かつ/または未負荷である、皮膚および/または皮膚層の皮膚領域、具体的には皮膚領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]は、有益な効果を達成するために十分ないずれかのサイズを独立して有することができ、かつ約1.5m2以下のサイズさえ有することができる。好ましくは、皮膚領域は、1,000cm2以下、より好ましくは500cm2以下、さらにより好ましくは100cm2以下、またより好ましくは50cm2以下、またさらにより好ましくは25cm2以下、さらに好ましくは10cm2、なおさらに好ましくは5cm2以下である。通常、皮膚領域は、0.2cm2よりも小さくないか、または0.5cm2などである。それゆえ、皮膚領域に関する下限は、好ましくは0.2cm2以上、より好ましくは0.5cm2以上、さらにより好ましくは1cm2以上、またより好ましくは2cm2以上である。好ましくは、免疫学的に不活性かつ/または未負荷である、皮膚および/または皮膚層の皮膚領域は、1.5m2以下かつ0.2cm2以上、より好ましくは1,000cm2以下かつ0.2cm2以上、さらにより好ましくは500cm2以下かつ0.5cm2以上、またより好ましくは100cm2以下かつ0.5cm2以上、またさらにより好ましくは50cm2以下かつ1cm2以上、さらに好ましくは25cm2以下かつ1cm2以上、なおさらに好ましくは10cm2以下かつ2cm2以上の範囲内である。
【0552】
本発明のすべての実施形態の態様では、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)は、局所適用により、かつ/または注入により達成することができ、好ましくは達成される。それゆえ、好ましくは、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)では、生じさせるステップおよび/または投与するステップは、好ましくは適用領域の皮膚に対するかまたはその中への、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤の局所適用および/または注入による。ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)に関連するさらなる詳細は、下記でさらに本明細書中に記載される。
【0553】
注入の場合、本発明の実施形態のうちのいずれかでは、注入は、好ましくは皮膚の局所下層中への、より好ましくは皮膚の表皮、真皮および/もしくは皮下組織、さらにより好ましくは真皮中へのものであり、かつ/または、注入は、皮膚表面から測定した場合、好ましくは皮膚表面に対して垂直に骨に向かって測定した場合、皮膚中へと皮膚厚さ方向で、好ましくは6mm以下かつ0.05mm以上、より好ましくは4mm以下かつ0.3mm以上、さらにより好ましくは3mm以下かつ0.5mm以上に置かれる。
【0554】
表現「適用領域」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、皮膚領域の皮膚内もしくは皮膚上でステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/もしくはステップ(C)のうちのいずれかの効果を引き起こすために、特に、皮膚領域の皮膚内もしくは皮膚上での、例えば、免疫調節性物質の濃度増加、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加、rHbの増加、温度上昇および/もしくは発赤を生じさせるために、または皮膚領域の皮膚へと免疫調節性物質および/もしくは皮膚コンディショニング剤を投与するために、それに伴う皮膚中で、免疫調節性物質および/もしくは皮膚コンディショニング剤の適用および/または注入が達成される領域を意味する。
【0555】
好ましくは、適用領域は、ステップ(A)の場合には適用領域[a]、ステップ(B)の場合には適用領域[b]、ステップ(B1)の場合には適用領域[b1]、およびステップ(A)の場合には適用領域[c]である。
【0556】
好ましくは、適用領域[a]は皮膚領域[a]のものであり、適用領域[b]は皮膚領域[b]のものであり、適用領域[b1]は皮膚領域[b1]のものであり、かつ/または適用領域[c]は皮膚領域[c]のものである。
【0557】
好ましくは、適用領域[a]は皮膚領域[a]内に配置され、かつ/もしくはそれに一致し、適用領域[b]は皮膚領域[b]内に配置され、かつ/もしくはそれに一致し、適用領域[b1]は皮膚領域[b1]内に配置され、かつ/もしくはそれに一致し、かつ/または適用領域[c]は皮膚領域[c]内に配置され、かつ/もしくはそれに一致する。
【0558】
例えば、ステップ(B)では、免疫調節性物質は、適用領域[b]の皮膚へと免疫調節性物質を適用することにより、例えば、適用領域[b]の皮膚中へと免疫調節性物質を注入することにより、皮膚領域[b]の皮膚へと投与することができる。または、例えば、ステップ(B)では、免疫調節性物質は、適用領域[b]の皮膚へと免疫調節性物質を局所的に適用することにより、皮膚領域[b]の皮膚へと投与することができる。
【0559】
例えば、適用領域の皮膚への局所適用または注入を介して物質を適用することにより、そのような物質の濃度を、皮膚領域の皮膚内で増加させることができる。物質は、例えば、適用領域の皮膚周囲の皮膚範囲中への局所的適用後に、拡散することができる。それゆえ、濃度増加を、本明細書中では皮膚領域を用いて指定される適用領域の皮膚よりも大きい皮膚区域中で生じさせることができる。同様に、例えば、適用領域の皮膚への熱などの調整エネルギーを印加することにより、熱が適用領域周囲の隣接皮膚範囲へと放射および分布することができ、それにより、例えば、皮膚表面温度の上昇が、皮膚領域の皮膚内で生じるであろう。それにより、温度上昇は、適用領域の皮膚へと調整エネルギーを印加する場合、適用領域の皮膚に限定されない場合がある。
【0560】
表現「適用領域」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、皮膚の表面に対して平行に広がる2次元的拡張を意味する。注入の場合、適用領域は注入部位であり得、好ましくは注入部位である。好ましくは、適用領域は、皮膚領域に一致し、かつ/または皮膚領域内に配置され、より好ましくは一致する。それゆえ、適用領域は、適用領域周囲の皮膚領域の環または平面環を有し得る。それゆえ、適用領域の輪郭は皮膚領域の輪郭からは離れていることができ、このとき、皮膚領域の輪郭は適用領域の外側に位置するか、または、言い換えれば、適用領域の輪郭は皮膚領域内に位置し、それにより、皮膚領域は、適用領域よりも大きい。それゆえ、皮膚領域は適用領域よりも大きいことができ、かつ皮膚領域は完全に皮膚領域内に配置される。
【0561】
適用は、好ましくは、m2(平方メートル)、cm2(平方センチメートル)および/またはmm2(平方ミリメートル)で示される。環または平面環に対する理由は、適用領域の皮膚へと適用された物質および/または熱などの物理的処理の効果が、皮膚表面に対して平行な方向で隣接皮膚範囲(環または平面環)中へと、かつ/または皮膚層中へと(当然、皮膚厚さ方向での拡散および/または放射もまた起こり得る)、拡散および/または放射し得ることである。それゆえ、その皮膚中で物質および/または物理的処理の効果が十分な量または程度で未だ存在する皮膚領域は、実際の適用領域よりも大きい(環または平面環)場合がある。好ましくは、適用領域、具体的には適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]の輪郭と皮膚領域、具体的にはそれぞれ皮膚領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]との間の間隔は、3cm以下、より好ましくは2cm以下、さらにより好ましくは1.5cm以下、またより好ましくは1cm以下、またさらにより好ましくは0.5cm以下である。通常、間隔に関して下限はなく、適用領域が皮膚領域に一致する場合、0cmにさえなり得る。
【0562】
間隔は、環または平面環全体にわたって変わることができるかまたは変わらないことができることが指摘されるであろう。それゆえ、間隔は、環全体に対して一定であるかまたは必ずしも一定でなく、例えば、適用領域周囲の皮膚組織の構成に依存し得る。それゆえ、間隔は、0cm以上かつ3cm以下、より好ましくは0.1cm以上かつ2cm以下、さらにより好ましくは0.2cm以上かつ1.5cm以下、またさらにより好ましくは0.3cm以上かつ1cm以下の範囲内であり得、好ましくはそのような範囲内である。注入の場合、環または平面環は、点注入部位周囲の円盤または区域を形成し、このとき、円盤または区域の半径は間隔であり、好ましくは、区域は本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで規定される通りの皮膚領域である。
【0563】
適用領域、具体的には適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]は、有益な効果を達成することができる限り、いずれかの2次元的形状を有することができ、かつ被験体の身体上の特定の局在を有し得る。例えば、適用領域は、円形、三角形、長方形、正方形、楕円形および/または多角形形状を有することができ、形状は、不規則、細長い、かつ/または小型(包含される適用領域に関して輪郭がやや短く、例えば、正方形は包含される領域に関して長方形よりも短い輪郭を有する)であり得、好ましくはそのようであり、陥凹部を有することができ、適用領域は、数個の個別の領域へと分けることができ、かつ/あるいは凹部および/もしくは凸部またはこれらのいずれかの組み合わせを有する輪郭を有し得る。好ましくは、適用領域は、概ね円形、正方形またはやや小型の形状であり、かつより好ましくは陥凹部を有さず、数個の個別の領域へと分割される。
【0564】
適用領域、具体的には適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]は、有益な効果を達成するために十分ないずれかのサイズを独立して有することができ、かつ1.5m2以下のサイズさえ有することができる。好ましくは、適用領域は、1,000cm2以下、より好ましくは500cm2以下、さらにより好ましくは100cm2以下、またより好ましくは50cm2以下、またさらにより好ましくは25cm2以下、さらに好ましくは10cm2、なおさらに好ましくは5cm2以下である。通常、適用領域は、0.01mm2よりも小さくないか(注入の場合)、または0.2cm2などである。それゆえ、適用領域に関する下限は、好ましくは0.01mm2以上、より好ましくは0.03mm2以上、さらにより好ましくは0.04mm2以上、またより好ましくは0.05cm2以上、さらに好ましくは0.2cm2以上、なおさらに好ましくは0.5cm2以上、またさらに好ましくは1cm2以上、またなおさらに好ましくは2cm2以上である。好ましくは、適用領域は、1.5m2以下かつ0.01mm2以上、より好ましくは1,000cm2以下かつ0.01mm2以上、さらにより好ましくは500cm2以下かつ0.01mm2以上、またより好ましくは100cm2以下かつ0.01mm2以上、またさらにより好ましくは50cm2以下かつ0.01mm2以上、さらに好ましくは25cm2以下かつ0.03mm2以上、なおさらに好ましくは10cm2以下かつ0.04mm2以上、またさらに好ましくは5cm2以下かつ0.05mm2以上の範囲内である。
【0565】
注入の場合、適用領域、具体的には適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]は、独立して、好ましくは15mm2以下かつ0.01mm2以上、より好ましくは5mm2以下かつ0.01mm2以上、さらにより好ましくは1mm2以下かつ0.01mm2以上、またより好ましくは0.8mm2以下かつ0.01mm2以上、またさらにより好ましくは0.2mm2以下かつ0.03mm2以上およびさらに好ましくは0.1mm2以下かつ0.04mm2以上の範囲内である。
【0566】
局所適用による投与の場合、適用領域、具体的には適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]は、独立して、好ましくは1.5m2以下かつ0.01cm2以上、より好ましくは1,000cm2以下かつ0.01cm2以上、さらにより好ましくは500cm2以下かつ0.01cm2以上、またより好ましくは100cm2以下かつ0.02cm2以上、またさらにより好ましくは50cm2以下かつ0.2cm2以上、さらに好ましくは25cm2以下かつ0.5cm2以上、なおさらに好ましくは10cm2以下かつ1cm2以上、またさらに好ましくは5cm2以下かつ2cm2以上の範囲内である。
【0567】
表現「適用領域の皮膚」、「適用領域の皮膚層」等とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、適用領域により占められ、かつ/または縁どられる、上記に規定される通りの皮膚または1層以上の皮膚層の断片を意味する。例えば、表現「適用領域の皮下組織」とは、適用領域により占められ、かつ/または縁どられる皮下組織の断片を意味する。例えば、表現「適用領域の真皮」とは、適用領域により占められ、かつ/または縁どられる真皮の断片を意味する。
【0568】
好ましくは、適用領域、具体的には適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]の皮膚および/または皮膚層は、免疫学的に不活性かつ/または未負荷であり、好ましくは少なくとも部分的に、より好ましくは完全に免疫学的に不活性かつ/または未負荷であり、かつ好ましくは、免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位に対して空間的に隔てられている。
【0569】
好ましくは、適用領域、具体的には適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]の皮膚および/または皮膚層は、背部、腹部、臀部、上腕、前腕および/または上腿、より好ましくは上腕、前腕および/または上腿上に位置する。
【0570】
より好ましくは、適用領域、具体的には適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]の空間的距離は、独立して、免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位に対して可能な限り遠い。より好ましくは、空間的距離は、独立して、0.5cm以上、より好ましくは1cm以上、さらにより好ましくは3cm以上、またより好ましくは5cm以上、およびまたさらにより好ましくは10cm以上である。通常、皮膚領域は、免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位に対して近接するが、遠過ぎずにのみ位置することができる。それゆえ、空間的距離に関して上限はない。しかしながら、通常、空間的距離の上限は、被験体の身体拡張により制限される。通常、空間的距離は、3メートル以下、より好ましくは2メートル以下、さらにより好ましくは1.5メートル以下、またより好ましくは1メートル以下、またさらにより好ましくは50cm以下である。
【0571】
距離または空間的距離は、好ましくは、適用領域の輪郭上の点から免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位の輪郭上の点まで測定され、このとき、互いに対して最小の距離を有する点が採用される。免疫学的活性および/または負荷の数箇所の部位が存在する場合、適用領域および/または抗原不含適用領域は、好ましくは、免疫学的活性および/または負荷のこれらのすべての部位に対して空間的に隔てられて位置する。
【0572】
最も好ましくは、適用領域、具体的には適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]の皮膚および/または皮膚層は、完全に免疫学的に不活性かつ/または未負荷であり、かつ上記に規定される通りの免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位に対して空間的に隔てられている。
【0573】
好ましくは完全に、免疫学的に不活性かつ/または未負荷である、皮膚および/または皮膚層の適用領域、具体的には適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]は、有益な効果を達成するために十分ないずれかのサイズを独立して有することができ、かつ約1.5m2以下のサイズさえ有することができる。好ましくは、そのような適用領域は、1,000cm2以下、より好ましくは500cm2以下、さらにより好ましくは100cm2以下、またより好ましくは50cm2以下、またさらにより好ましくは25cm2以下、さらに好ましくは10cm2、なおさらに好ましくは5cm2以下である。通常、そのような適用領域は、0.01mm2(例えば、注入の場合)よりも小さくないか、または0.5cm2などまたは0.5cm2である。それゆえ、そのような適用領域に関する下限は、好ましくは0.01mm2以上、より好ましくは0.03mm2以上、さらにより好ましくは0.04mm2以上、またさらにより好ましくは0.05cm2以上、さらに好ましくは0.2cm2以上、なおさらに好ましくは0.5cm2以上、またさらに好ましくは1cm2以上、またなおさらに好ましくは2cm2以上である。好ましくは、好ましくは完全に、免疫学的に不活性かつ/または未負荷である、皮膚および/または皮膚層の適用領域、具体的には適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]は、独立して、1.5m2以下かつ0.01mm2以上、より好ましくは1,000cm2以下かつ0.01mm2以上、さらにより好ましくは500cm2以下かつ0.01mm2以上、またより好ましくは100cm2以下かつ0.01mm2以上、またさらにより好ましくは50cm2以下かつ0.01mm2以上、さらに好ましくは25cm2以下かつ0.03mm2以上、なおさらに好ましくは10cm2以下かつ0.04mm2以上、またさらに好ましくは5cm2以下かつ0.05mm2以上の範囲内である。
【0574】
注入の場合、好ましくは完全に、免疫学的に不活性かつ/または未負荷である、皮膚および/または皮膚層の適用領域、具体的には適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]は、独立して、好ましくは15mm2以下かつ0.01mm2以上、より好ましくは5mm2以下かつ0.01mm2以上、さらにより好ましくは1mm2以下かつ0.01mm2以上、またより好ましくは0.8mm2以下かつ0.01mm2以上、またさらにより好ましくは0.2mm2以下かつ0.03mm2以上およびさらに好ましくは0.1mm2以下かつ0.04mm2以上の範囲内である。
【0575】
局所適用による投与の場合、好ましくは完全に、免疫学的に不活性かつ/または未負荷である、皮膚および/または皮膚層の適用領域、具体的には適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]は、独立して、好ましくは1.5m2以下かつ0.01cm2以上、より好ましくは1,000cm2以下かつ0.01cm2以上、さらにより好ましくは500cm2以下かつ0.01cm2以上、またより好ましくは100cm2以下かつ0.02cm2以上、またさらにより好ましくは50cm2以下かつ0.2cm2以上、さらに好ましくは25cm2以下かつ0.5cm2以上、なおさらに好ましくは10cm2以下かつ1cm2以上、またさらに好ましくは5cm2以下かつ2cm2以上の範囲内である。
【0576】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(B)では、免疫調節性物質は、局所適用によるかまたは注入により、より好ましくは注入により、皮膚へと投与することができる。
【0577】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(B)では、免疫調節性物質は、皮膚領域の皮膚へと投与される。
【0578】
より好ましくは、免疫調節性物質は、皮膚領域の皮膚へと投与され、免疫調節性物質の濃度増加が、皮膚領域の皮膚内で生成される。
【0579】
より好ましくは、免疫調節性物質は、適用領域の皮膚へと免疫調節性物質を適用することにより、皮膚領域の皮膚へと投与される。
【0580】
さらにより好ましくは、免疫調節性物質は、適用領域の皮膚へと免疫調節性物質を適用することにより、皮膚領域の皮膚へと投与され、このとき、免疫調節性物質の濃度増加が、皮膚領域の皮膚内で生成される。
【0581】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(B)では、免疫調節性物質は、適用領域の皮膚へと適用される。
【0582】
より好ましくは、免疫調節性物質は、適用領域の皮膚へと適用され、このとき、免疫調節性物質の濃度増加が、皮膚領域の皮膚内で生成される。
【0583】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(B)では、免疫調節性物質は、局所適用によるかまたは注入により、より好ましくは注入により、適用領域の皮膚へと適用される。
【0584】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(B)では、適用領域は、個別の皮膚領域のものである。
【0585】
より好ましくは、皮膚領域は皮膚領域[b]であり、かつ/または適用領域は適用領域[b]である。
【0586】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(B1)では、免疫調節性物質は、局所適用によるかまたは注入により、より好ましくは注入により、皮膚へと投与される。
【0587】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(B1)では、免疫調節性物質は、皮膚領域の皮膚へと投与される。
【0588】
より好ましくは、免疫調節性物質は、皮膚領域の皮膚へと投与され、免疫調節性物質の濃度増加が、皮膚領域の皮膚内で生成される。
【0589】
より好ましくは、免疫調節性物質は、適用領域の皮膚へと免疫調節性物質を適用することにより、皮膚領域の皮膚へと投与される。
【0590】
さらにより好ましくは、免疫調節性物質は、適用領域の皮膚へと免疫調節性物質を適用することにより、皮膚領域の皮膚へと投与され、このとき、免疫調節性物質の濃度増加が、皮膚領域の皮膚内で生成される。
【0591】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(B1)では、免疫調節性物質は、適用領域の皮膚へと適用される。
【0592】
より好ましくは、免疫調節性物質は、適用領域の皮膚へと適用され、このとき、免疫調節性物質の濃度増加が、皮膚領域の皮膚内で生成される。
【0593】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(B1)では、免疫調節性物質は、局所適用によるかまたは注入により、より好ましくは注入により、適用領域の皮膚へと適用される。
【0594】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(B1)では、適用領域は、その個別の皮膚領域の適用領域である。
【0595】
より好ましくは、皮膚領域は皮膚領域[b1]であり、かつ/または適用領域は適用領域[b1]である。
【0596】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(C)では、免疫調節性物質は、局所適用によるかまたは注入により、より好ましくは局所適用により、より好ましくは注入により、皮膚へと投与される。
【0597】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(C)では、免疫調節性物質は、皮膚領域の皮膚へと投与される。
【0598】
より好ましくは、免疫調節性物質は、皮膚領域の皮膚へと投与され、免疫調節性物質の濃度増加が、皮膚領域の皮膚内で生成される。
【0599】
より好ましくは、免疫調節性物質は、適用領域の皮膚へと免疫調節性物質を適用することにより、皮膚領域の皮膚へと投与される。
【0600】
さらにより好ましくは、免疫調節性物質は、適用領域の皮膚へと免疫調節性物質を適用することにより、皮膚領域の皮膚へと投与され、このとき、免疫調節性物質の濃度増加が、皮膚領域の皮膚内で生成される。
【0601】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(C)では、免疫調節性物質は、適用領域の皮膚へと適用される。
【0602】
より好ましくは、免疫調節性物質は、適用領域の皮膚へと適用され、このとき、免疫調節性物質の濃度増加が、皮膚領域の皮膚内で生成される。
【0603】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(C)では、免疫調節性物質は、局所適用によるかまたは注入により、より好ましくは注入により、適用領域の皮膚へと適用される。
【0604】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(C)では、適用領域は、個別の皮膚領域のものである。
【0605】
より好ましくは、皮膚領域は皮膚領域[c]であり、かつ/または適用領域は適用領域[c]である。
【0606】
好ましくは、皮膚領域、特に皮膚領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]は、背部、腹部、臀部、上腕、前腕および/または上腿、より好ましくは上腕、前腕および/または上腿上に位置する。
【0607】
好ましくは、適用領域、特に適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]は、背部、腹部、臀部、上腕、前腕および/または上腿、より好ましくは上腕、前腕および/または上腿上に位置する。
【0608】
別途言及されない場合、一般的に「適用領域」に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、適用領域[a]、適用領域[b]、適用領域[b1]および/または適用領域[c]に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0609】
別途言及されない場合、免疫調節性物質、例えば、サイトカイン、より好ましくはインターロイキン、インターフェロンおよび/もしくは神経栄養因子、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2および/または皮膚コンディショニング剤;その量、総量、kg体重当たりの量、kg体重当たりの総量、濃度および/または投与される投与用量;そのような量が投与される期間;投与頻度;投与されるそのような物質および薬剤の組み合わせ;投与様式;ならびに/あるいは連続的に、同時に、別個に、一緒に組み合わせてまたはそれらのいずれかの組み合わせのいずれで投与されるか等に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでの免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤の適用に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0610】
上記で既に述べた通り、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、ステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)により生じる個別の効果は、例として、例えば、互いに依存的、支持的、相互作用的、相補的、相加的、相乗的であるために、かつ/またはいずれかの他の様式により一緒に機能するために、時間的ならびに空間的に少なくとも部分的かつ/または完全に重複することが好ましいことが理解されるべきである。それゆえ、方法は、それに従って行なわれるべきであることが理解されるべきである。
【0611】
それゆえ、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、方法は、ステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)により生じる個別の効果が、時間的かつ/または空間的に少なくとも部分的かつ/または完全に重複する様式で行なわれる。
【0612】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、皮膚領域[a]は、皮膚領域[b]、皮膚領域[b1]および/または皮膚領域[c]のうちの1つ以上と重複し、完全に重複し、かつ/または一致する。
【0613】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、適用可能である場合、
- 皮膚領域[a]および[b];
- 皮膚領域[a]および[c];
- 皮膚領域[a]、[b]および[c];
- 皮膚領域[a]および[b1];
- 皮膚領域[a]、[b1]および[c];ならびに/または
- 皮膚領域[a]、[b]、[b1]および[c]、
さらにより好ましくは
- 皮膚領域[a]、[b]および[c];ならびに/または
- 皮膚領域[a]、[b1]および[c]
は、少なくとも部分的に重複し、完全に重複し、かつ/または一致する。
【0614】
より好ましくは、部分的に重複し、完全に重複し、かつ/または一致する皮膚領域のうちのいずれかの部分的重複、完全重複および/または一致は、拡大または最大化される。
【0615】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、適用可能である場合、それらが少なくとも部分的に重複し、完全に重複し、かつ/または一致する場合、
- 皮膚領域[a]および[b]は、重複皮膚領域[a]/[b]を形成し;
- 皮膚領域[a]および[c]は、重複皮膚領域[a]/[c]を形成し;
- 皮膚領域[b]および[c]は、重複皮膚領域[b]/[c]を形成し;
- 皮膚領域[a]、[b]および[c]は、重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[c]および/または[a]/[b]/[c]、好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]および/または[a]/[b]/[c]、より好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]を形成し;
- 皮膚領域[a]および[b1]は、重複皮膚領域[a]/[b1]を形成し;
- 皮膚領域[b1]および[c]は、重複皮膚領域[b1]/[c]を形成し;
- 皮膚領域[b]および[b1]は、重複皮膚領域[b]/[b1]を形成し;
- 皮膚領域[a]、[b1]および[c]は、重複皮膚領域[a]/[b1]、[a]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]、好ましくは重複皮膚領域[a]/[b1]および/または[a]/[b1]/[c]、より好ましくは重複皮膚領域[a]/[b1]/[c]を形成し;かつ/ならびに
- 皮膚領域[a]、[b]、[b1]および[c]は、重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[c]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]、[b]/[b1]、[a]/[b1]/[c]および/または[a]/[b]/[b1]/[c]、好ましくは[a]/[b]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]、および/または[a]/[b1]/[c]、より好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]および[a]/[b1]/[c]を形成する。
【0616】
より好ましくは、重複皮膚領域のうちのいずれかの重複皮膚領域は、拡大または最大化される。
【0617】
皮膚領域[a]の参加を伴わない皮膚領域[b]および[c]ならびに/もしくは皮膚領域[b1]および[c]の部分的重複、完全重複および/もしくは一致または皮膚領域[a]の参加を伴わない重複皮膚領域[b]/[c]および/もしくは[b1]/[c]の形成は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで除外されないことが、明示的に言及される。しかしながら、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、いずれかの皮膚領域[b]、[b1]および/もしくは[c]のいずれかの部分的重複、完全重複および/もしくは一致での皮膚領域[a]の参加ならびに/またはいずれかの重複皮膚領域の形成での皮膚領域[a]の参加が好ましい。
【0618】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、
- 重複皮膚領域[a]/[b];
- 重複皮膚領域[b]/[c];
- 重複皮膚領域[a]/[c];
- 重複皮膚領域[a]/[b]/[c];
- 重複皮膚領域[a]/[b1];
- 重複皮膚領域[b1]/[c];
- 重複皮膚領域[b]/[b1];
- 重複皮膚領域[a]/[b1]/[c];および/または
- 重複皮膚領域[a]/[b]/[b1]/[c]
は、有益な効果を達成するために十分ないずれかのサイズを独立して有することができる。より好ましくは、そのような皮膚領域および/またはそのような領域面積の領域合計は、拡大または最大化される。皮膚領域および/または領域合計は、約1m2以下のサイズさえ有することができる。好ましくは、皮膚領域は、1,000cm2以下、より好ましくは500cm2以下、さらにより好ましくは100cm2以下、またより好ましくは50cm2以下、またさらにより好ましくは25cm2以下、さらに好ましくは10cm2、なおさらに好ましくは5cm2以下である。通常、皮膚領域は、0.5cm2よりも小さくない。それゆえ、皮膚領域に関する下限は、好ましくは0.5cm2以上、より好ましくは1cm2以上、またより好ましくは2cm2以上である。
【0619】
表現「領域合計」とは、いずれかの皮膚領域および/または適用領域に関して本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、そのタイプの数箇所の皮膚領域、適用領域、重複皮膚領域および/または重複適用領域が存在する場合、特定のタイプの合計領域を意味する。例えば、一部または全部の方法ステップの反復が行なわれる場合、数箇所の皮膚領域[a]を生成することができるかまたは数箇所の重複皮膚領域[a]/[b]を生成することができる。その結果、皮膚領域[a]の領域合計は、数箇所の皮膚領域[a]の全部が合計された後の合計領域[a]である。その結果、重複皮膚領域[a]/[b]の領域合計は、数箇所の重複皮膚領域[a]/[b]の全部が合計された後の合計重複皮膚領域[a]/[b]である。
【0620】
表現「部分的重複」または「部分的に重複する」とは、いずれかの皮膚領域および/または適用領域に関して本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、2つ以上の皮膚および/または適用領域が共通の交差部分を有しながら、2つ以上の皮膚領域および/または適用領域の他の部分は重複しないことを意味する。
【0621】
表現「完全重複」または「完全に重複する」とは、いずれかの皮膚領域および/または適用領域に関して本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、2つ以上の皮膚領域および/または適用領域のうちの少なくとも1つが、他の皮膚領域および/または適用領域のうちの1つ以上の中に完全に入ることを意味する。これは、通常、少なくとも1つ以上の皮膚領域および/または適用領域が、少なくとも1つ以上の他の皮膚領域および/または適用領域よりも小さい場合に当てはまり得る。
【0622】
表現「一致」または「一致する」は、いずれかの皮膚領域および/または適用領域に関して本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、好ましくは、完全重複の特殊な場合を規定し、かつ2つ以上の皮膚および/または適用領域が想定可能であることを意味する。これは、通常、1つ以上の皮膚領域および/または適用領域が、少なくとも1つ以上の他の皮膚領域および/または適用領域とサイズおよび形状が同一である場合である。
【0623】
表現「重複皮膚領域」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、典型的には、2つ以上の皮膚領域の部分的重複、完全重複および/または一致の皮膚領域を意味する。それゆえ、指名された皮膚領域は、共通の交差部分として、重複皮膚領域を有する。特に、それぞれ、「重複皮膚領域[a]/[b]」とは皮膚領域[a]および[b]の部分的重複、完全重複および/または一致の領域を意味し、「重複皮膚領域[b]/[c]」とは皮膚領域[b]および[c]の部分的重複、完全重複および/または一致の領域を意味し、「重複皮膚領域[a]/[c]」とは皮膚領域[a]および[c]の部分的重複、完全重複および/または一致の領域を意味し、「重複皮膚領域[a]/[b]/[c]」とは皮膚領域[a]、[b]および[c]の部分的重複、完全重複および/または一致の領域を意味し、「重複皮膚領域[a]/[b1]」とは皮膚領域[a]および[b1]の部分的重複、完全重複および/または一致の領域を意味し、「重複皮膚領域[b1]/[c]」とは皮膚領域[b1]および[c]の部分的重複、完全重複および/または一致の領域を意味し、「重複皮膚領域[b]/[b1]」とは皮膚領域[b]および[b1]の部分的重複、完全重複および/または一致の領域を意味し、「重複皮膚領域[a]/[b1]/[c]」とは皮膚領域[a]、[b1]および[c]の部分的重複、完全重複および/または一致の領域を意味し、かつ「重複皮膚領域[a]/[b]/[b1]/[c]」とは皮膚領域[a]、[b]、[b1]および[c]の部分的重複、完全重複および/または一致の領域を意味する。
【0624】
別途言及されない場合、特に免疫学的不活性および/または未負荷、免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位に対する特別な距離ならびに免疫学的に不活性かつ/または未負荷である重複皮膚領域のサイズについて、「適用領域」に関連して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、重複皮膚領域[a]/[b]、重複皮膚領域[b]/[c]、重複皮膚領域[a]/[c]、重複皮膚領域[a]/[b]/[c]、重複皮膚領域[a]/[b1]、重複皮膚領域[b1]/[c]、重複皮膚領域[b]/[b1]、重複皮膚領域[a]/[b1]/[c]、重複皮膚領域[a]/[b]/[b1]/[c]に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0625】
炎症の部位は、炎症が存在するいずれかの部位、例えば、炎症関節、炎症器官、アレルギー部位、創傷および/または昆虫刺傷であり得、好ましくはそのような部位であり、免疫学的または自己免疫的であり得、好ましくはそのようである。より好ましくは、炎症の部位からの、特に本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかの、重複皮膚領域の空間的距離は、0.5cm以上、より好ましくは1cm以上、さらにより好ましくは3cm以上、またより好ましくは5cm以上およびさらに好ましくは10cm以上である。そのような距離に関して上限はないが、しかしながら、通常、1.5メートル以下、より好ましくは1メートル以下である。距離は、好ましくは、重複皮膚領域の輪郭上の点から炎症のいずれかの部位の輪郭上の点まで測定され、このとき、互いに対して最小の距離を有する点が採用される。数箇所の炎症部位が存在する場合、重複皮膚領域は、好ましくは、炎症のこれらのすべての部位に対して空間的に隔てられて位置し、それらを含まない。
【0626】
特に(Particualrly)、IL-4およびBDNFが投与される場合、その皮膚領域は重複しないことが好ましい。
【0627】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、皮膚領域[b]および皮膚領域[b1]は重複せず、かつ/またはそれらは離れているかもしくは重複は最小化される。さらにより好ましくは、皮膚領域[b]、重複皮膚領域[a]/[b]および/もしくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]は重複せず、かつ/またはそれらは皮膚領域[b1]、重複皮膚領域[a]/[b1]および/もしくは重複皮膚領域[a]/[b1]/[c]に対して離れており、かつ/またはその重複は最小化される。
【0628】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、方法は、重複皮膚領域[b]/[b1]が形成されないかまたは重複皮膚領域[b]/[b1]が最小化される様式で行なわれる。
【0629】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、ステップの第1セットの皮膚領域[b]、重複皮膚領域[a]/[b]および/または重複皮膚領域[a]/[b]/[c]、好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]ならびにステップの第2セットの皮膚領域[b1]、重複皮膚領域[a]/[b1]および/または重複皮膚領域[a]/[b1]/[c]、好ましくは重複皮膚領域[a]/[b1]/[c]は重複せず、かつ/またはそれらは離れているかもしくは重複は最小化される。
【0630】
適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、独立して、部分的に重複するか、完全に重複することができるかもしくはしていないことができ、かつ/または一致していることができるかもしくはしていないことができ、かつ離れていることさえできる。好ましくは、互いに離れた適用領域のうちのいずれか、好ましくは全部に関する距離は、1cm以下、より好ましくは0.5cm以下である。
【0631】
距離は、好ましくは、そのような適用領域のうちのいずれかの輪郭上の点から他の離れた適用領域のうちのいずれかの輪郭上の点まで測定され、このとき、互いに対して最小の距離を有する点が採用される。好ましくは、適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]は、部分的に重複し、完全に重複し、かつ/または一致し、このとき、より好ましくは、皮膚領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]ならびに重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[c]、[c]/[b]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]、[c]/[b1]、[a]/[b1]/[c]および/または[a]/[b]/[b1]/[c]に関して本明細書中に記載されるすべての実施形態は、適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]ならびに重複適用領域[a]/[b]、[a]/[c]、[c]/[b]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]、[c]/[b1]、[a]/[b1]/[c]および/または[a]/[b]/[b1]/[c]に準用される。
【0632】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、適用領域[b]および適用領域[b1]は重複せず、かつ/またはそれらは離れているかもしくは重複は最小化される。さらにより好ましくは、適用領域[b]、重複適用領域[a]/[b]および/もしくは重複適用領域[a]/[b]/[c]は重複せず、かつ/またはそれらは適用領域[b1]、重複適用領域[a]/[b1]および/もしくは重複適用領域[a]/[b1]/[c]に対して離れており、かつ/またはその重複は最小化される。
【0633】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、方法は、重複適用領域[b]/[b1]が形成されないかまたは重複適用領域[b]/[b1]が最小化される様式で行なわれる。
【0634】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、ステップの第1セットの適用領域[b]、重複適用領域[a]/[b]および/または重複適用領域[a]/[b]/[c]、好ましくは重複適用領域[a]/[b]/[c]ならびにステップの第2セットの適用領域[b1]、重複適用領域[a]/[b1]および/または重複適用領域[a]/[b1]/[c]、好ましくは重複適用領域[a]/[b1]/[c]は重複せず、かつ/またはそれらは離れているかもしくは重複は最小化される。
【0635】
好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、そのような離れた皮膚領域、重複皮膚領域、適用領域および/または重複適用領域の距離は、0.5cm以上、より好ましくは1cm以上、さらにより好ましくは3cm以上、またより好ましくは5cm以上、およびまたさらにより好ましくは10cm以上である。そのような距離に関して上限はないが、しかしながら、通常、3メートル以下、より好ましくは1.5メートル以下である。距離は、好ましくは、それぞれ、皮膚領域または重複皮膚領域の輪郭上の点から、それに対して離れた皮膚領域または重複皮膚領域の輪郭上の点まで測定され、このとき、互いに対して最小の距離を有する点が採用される。距離に関して上限はない。しかしながら、通常、距離の上限は、被験体の身体拡張により制限される。通常、空間的距離は、4メートル以下、より好ましくは3メートル以下、さらにより好ましくは2メートル以下、またより好ましくは1.5メートル以下である。さらにより好ましくは、距離は、0.5cm以上かつ4メートル以下、より好ましくは1cm以上かつ3メートル以下、さらにより好ましくは3cm以上かつ2メートル以下、またより好ましくは5cm以上かつ1.5メートル以下、またなお好ましくは10cm以上かつ1.5メートル以下の範囲内である。
【0636】
ステップ(B)での、ステップ(B1)での、かつ/またはステップ(C)での免疫調節性物質は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、皮膚に対する投与または適用のいずれかの好適な経路により、投与および/または適用することができる。好ましくは、免疫調節性物質は、局所適用により、かつ/または注入により投与される。好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、免疫調節性物質は、例えば、本明細書中に記載される通り、局所適用による投与または注入のために調製され、かつそれらに対して好適な様式で製剤化される。より好ましくは、免疫調節性物質は、局所適用および/または注入による投与に対して好適な、本発明に従うかまたは本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットのうちのいずれかの形態にある。
【0637】
局所適用は、好ましくは、非侵襲的な投与の種類である。好ましくは、局所適用は、身体上または身体中の特定の局所的な場所に対して適用されるすべての投与、例えば、身体のいずれかの表面、例えば、皮膚に対する適用を含む。局所適用により投与は、経皮適用を含み、これは、例えば、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤が皮膚に直接的に適用されることを意味する。局所適用による投与のために、例えば、軟膏剤、エマルジョン剤、溶液剤、懸濁液剤、パスタ剤、ゲル剤、ローション剤、チンキ剤、粒子状物質、散剤、皮膚に対する適用のための液体または固体調製物、徐放性製剤、ワッディング剤(wadding)、タンポン剤、クリーム剤、バーム剤、フォーム剤、ゲル剤、スプレー剤、スティック剤、液体膏薬、スプレー膏薬、皮内投与のための膏薬、持続放出性膏薬、経皮パッチ剤、膏薬、パッド剤、ワッディング剤、パディング剤(padding)、ドレッシング剤、圧定布、包帯、任意により本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのマルチコンパートメント型のもの、好ましくは外用に対する適用の剤型での皮膚科用製剤から選択される、いずれかの剤型の製剤を用いることができる。本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでの局所適用による投与のために、好ましくは、局所適用による投与に対して好適である、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットのうちのいずれかが用いられる。
【0638】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでの局所適用は、背部、腹部、臀部、上腕、前腕および/または上腿、より好ましくは上腕、前腕および/または上腿上に位置する。
【0639】
注入は、好ましくは、侵襲的な投与の種類である。好ましくは、注入は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、好ましくは、局所下層中へと、より好ましくは表皮、真皮および/もしくは皮下組織、さらにより好ましくは真皮中へと行なわれ、かつ/または注入は、好ましくは皮膚表面から骨に向かって測定した場合、皮膚厚さ方向で、好ましくは6mm以下かつ0.05mm以上、より好ましくは4mm以下かつ0.3mm以上、さらにより好ましくは3mm以下かつ0.5mm以上に位置する。好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでの注入のために、注入に対して好適である、本発明に従うかまたは本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、医薬組成物、注入可能剤型および/またはキットのうちのいずれかが、注入に対して用いられる。注入による投与のために、例えば、軟膏剤、エマルジョン剤、溶液剤、懸濁液剤、パスタ剤、ゲル剤、ローション剤、チンキ剤、粒子状物質、注入用の液体調製物、徐放性製剤、クリーム剤、バーム剤、フォーム剤、ゲル剤、好ましくは注入に対する適用の剤型での皮膚科用製剤、注入ペンまたは本明細書中に記載される通りの医療デバイスのためのカートリッジ、カルプーレ(carpule)、バイアル、アンプル、プレフィルド注入ペン、プレフィルドシリンジ、プレフィルドマルチチャンネルシリンジ、医療デバイス、任意により本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのマルチチャンネルおよび/またはマルチコンパートメント型のものから選択される、いずれかの剤型の製剤を用いることができる。本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでの注入による投与のために、好ましくは、注入による投与に対して好適である、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型および/またはキットのうちのいずれかが用いられる。
【0640】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでの注入は、背部、腹部、臀部、上腕、前腕および/または上腿、より好ましくは上腕、前腕および/または上腿上に位置する。
【0641】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、皮膚に対するステップ(B)での、ステップ(B1)での、かつ/またはステップ(C)での免疫調節性物質の投与ステップは、局所適用により、かつ/または注入により、より好ましくは注入により遂行することができ、好ましくは遂行される。
【0642】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、皮膚に対するIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質の投与ステップは、局所適用により、かつ/または注入により遂行することができ、好ましくは遂行される。
【0643】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、皮膚に対するIL-4および/またはIL-4様機能性物質の投与ステップは、局所適用により、かつ/または注入により遂行することができ、好ましくは遂行される。
【0644】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、皮膚に対するBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質の投与ステップは、局所適用により、かつ/または注入により遂行することができ、好ましくは遂行される。
【0645】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、皮膚に対するIL-2および/またはIL-2様機能性物質の投与ステップは、局所適用により、かつ/または注入により遂行することができ、好ましくは遂行される。
【0646】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、皮膚に対するステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)での免疫調節性物質の投与ステップは、そのままで、または組成物、剤型および/もしくはキットの有効成分として、すなわち、免疫調節性物質を含む組成物、剤型および/もしくはキットとして、免疫調節性物質を投与することにより行なうことができる。
【0647】
好ましくは、組成物、剤型および/またはキットは、本発明に従うかまたは本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、医薬組成物、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかである。これは、一般的に本発明で当てはまり、それゆえ本明細書中に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかに当てはまる。
【0648】
さらに、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、ステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)での免疫調節性物質の投与ステップは、免疫調節性物質を含む医薬組成物のうちのいずれかの剤型で;免疫調節性物質を含む局所用剤型で;免疫調節性物質を含む注入可能剤型で;かつ/または免疫調節性物質を含むキットの形態で、免疫調節性物質を投与することを含むことができる。
【0649】
好ましくは、組成物は、本発明に従うかまたは本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物のうちのいずれかである。好ましくは、局所用剤型は、本発明に従うかまたは本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの局所用剤型である。好ましくは、注入可能剤型は、本発明に従うかまたは本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型である。好ましくは、キットは、本発明に従うかまたは本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのキットのうちのいずれかである。これはまた、一般的に本発明でも当てはまり、それゆえ本明細書中に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかに当てはまる。
【0650】
理論に拘泥することを望まないが、作用されたPBMC、例えば、調節T細胞および/もしくはヘルパーT細胞、またはそれらのサブセットは、本発明のエフェクターであると見なされると考えられる。それゆえ、より多量の作用されたPBMCを生成することが、改善されたかまたはより強い有益な効果をもたらし得る。例えば、炎症性パラメータを、より大きな程度まで低下させることができ、関節の腫脹がさらに低減され、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患により引き起こされる比較的大きな炎症性病変は、炎症が不活性になり得る。より大きな皮膚領域を有する皮膚内で、より多くのPMBCが動員され、蓄積し、最終的に作用されることができる。したがって、例えば、重複皮膚領域[a]/[b]および/または[a]/[b]/[c]、好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]が十分量の作用された細胞を生成するために、拡大されたかまたは最大化さえされたサイズを有することが目標であり得る。
【0651】
したがって、有益な効果を増大させるために、重複皮膚領域は、拡大されるかまたは最大化さえされることができる。これは、例えば、本明細書中に記載される本発明の実施形態の制限内で、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2などの免疫調節性物質の量を調整または増加することにより、達成することができる。より多くの量は、より低濃度よりも、皮膚表面に対して平行な方向で隣接皮膚範囲(環または平面環)中へと、かつ/または皮膚層中へと、より長距離を拡散および/または拡大することができる。それにより、それに対して十分な濃度の免疫調節性物質が投与される、より大きな皮膚領域が生じ、そこでより多くの量の作用されたPBMCが生成されることができる。しかしながら、拡大は、皮膚表面に対して平行にのみ起こるのではなく、皮膚表面に対して垂直な方向で皮膚下の組織中へも起こる場合がある。理論に拘泥することを望まないが、皮膚下に位置する組織中では、有益な効果が達成されず、かつ不要な高い量の免疫調節性物質が投与されると考えられる。考えられる最も低い量の薬物を患者に投与することが、一般的な目標であるべきである。加えて、その全身性の増加を回避するために、考えられる最も低い量の免疫調節性物質を投与することが、本発明の好ましい態様である。それにより、上記で既に説明した通り、例えば、炎症関節などの炎症の部位での、免疫調節性物質の濃度増加の生成を回避することが意図される。例えば、ナイーブT細胞は、IFN-γおよび抗原/自己抗原/アレルゲンの存在下で、炎症促進性として機能し得る細胞傷害性T細胞へと成熟することができ、それにより、本発明により達成される有益な効果、特に、生成された調節T細胞および/もしくはヘルパーT細胞、または生成されたそれらのサブセットの抗炎症効果を減少させるか、取り消すか、または逆転さえさせる。
【0652】
重複皮膚領域はまた、方法全体またはその一部のステップを、被験体の皮膚上で互いに離れた異なる位置である多巣性に、多重性に行なうかまたは数回(serveral)もしくは複数回行なうことにより、拡大または最大化することができ、このとき、1回につき比較的少量の免疫調節性物質が投与される。
【0653】
理論に拘泥することを望まないが、方法またはその特定のステップ(特に、ステップ(B)、(B1)および/または(C))の多巣性の実行により、皮膚下の組織中への免疫調節性物質の拡大および拡散を低減させることができ、同時に、重複皮膚領域のサイズを、拡大または最大化することができると考えられる。結果として、同じかまたは低減さえされた量の免疫調節性物質を用いて、より大きな皮膚領域の皮膚に、例えば、免疫調節性物質を提供することができ、一方で、合計では皮膚下のより少ない組織体積が、免疫調節性物質を受け取る。この目的のために、例えば、ステップ(A)、(B)および(C)を含む方法全体を、複数回行なうことができる。あるいは、例えば、ステップ(B)および/または(C)を複数回行なうことができ、このとき、ステップ(A)は1回のみ行なわれる。これは、例えば、熱感パッド剤または熱感クリーム剤を用いる場合に遂行することができる。したがって、ステップ(A)を行なうことにより作用される、結果として生じる皮膚の皮膚領域[a]は、通常は、数箇所で互いに離れてステップ(B)およびステップ(C)の免疫調節性物質をその中へと注入するために十分なサイズ(例えば、約4cm×6cm)である。免疫調節性物質(immunomodulatory sibstance)に対する皮膚下のより深層の曝露を低減させるこの態様は、物質の必要な有効量をさらに低減させるために興味深いだけでなく、ベヒテレフ病などの特定の疾患に対して有益でもあり得る。それに拘泥することを望まないが、そのような疾患に対して典型的な抗原(筋肉および結合組織など)に対する距離が最大化され、有効量の免疫調節性物質に対するこれらの重要な(critcal)組織の曝露を最小化または防止することができることが考えられる(さらなる詳細に関して、発明実施例11および12ならびにナイーブT細胞がそれらの抗原に曝露される場合の炎症促進性細胞傷害性T細胞の生成の回避に関する本明細書中に詳述される考察もまた参照されたい)。
【0654】
さらに、理論に拘泥することを望まないが、ステップ(A)が複数回行なわれる場合、すなわち、例えばステップ(A)が反復されるかまたは長期間(proponged time)にわたって行なわれるかもしくはステップ(A)の効果(すなわち、皮膚内/上でのPBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤の生成)が長期間にわたって維持される場合、より多くのPBMCが皮膚中へと動員され得ることが考えられる。それにより、より多くのPBMCを、例えば、調節T細胞へと発達させるための免疫調節性物質と、かつ/または例えば皮膚内に常在する樹状細胞と接触させることができる。樹状細胞もまた免疫調節性物質により調整される場合があり、それにより、PBMCに影響および作用し、例えば、調節T細胞へと発達させることが注記される。結果として、ヘルパーT細胞、またはそのサブセット、および調節T細胞などのより多くのエフェクター細胞が生成されることができ、それにより、有益な効果の増幅がもたらされる(さらなる詳細に関して、発明実施例10も参照されたい)。
【0655】
それゆえ、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、方法は、適用可能である場合、重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[c]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]、[a]/[b1]/[c]および/または[a]/[b]/[b1]/[c]、より好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[c]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]および/または[a]/[b1]/[c]の領域合計が拡大または最大化される様式で行なわれる。
【0656】
好ましくは、ステップ(A)および(B)を含む本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、方法は、重複皮膚領域[a]/[b]が拡大または最大化される様式で行なわれる。
【0657】
好ましくは、ステップ(A)および(C)を含む本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、方法は、重複皮膚領域[a]/[c]が拡大または最大化される様式で行なわれる。
【0658】
好ましくは、ステップ(A)、(B)および(C)を含む本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、方法は、重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[c]および/または[a]/[b]/[c]、より好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]および/または[a]/[b]/[c]、さらにより好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]が拡大または最大化される様式で行なわれる。
【0659】
好ましくは、ステップ(A)、(B)、(B1)および(C)を含む本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、方法は、重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[c]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]、[a]/[b1]/[c]および/または[a]/[b]/[b1]/[c]、より好ましくは皮膚領域[a]/[b]、[a]/[c]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]および/または[a]/[b1]/[c]、さらにより好ましくは皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]および/または[a]/[b1]/[c]、またさらにより好ましくは皮膚領域[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]が拡大または最大化される様式で行なわれる。
【0660】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、方法は、適用可能である場合、重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[c]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]、[a]/[b1]/[c]および/または[a]/[b]/[b1]/[c]の領域合計、より好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[c]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]および/または[a]/[b1]/[c]の領域合計、さらにより好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]および/または[a]/[b1]/[c]の領域合計、またより好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]の領域合計が拡大または最大化される様式で行なわれる。
【0661】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)は、重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[c]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]、[a]/[b1]/[c]および/または[a]/[b]/[b1]/[c]の領域合計、さらにより好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[c]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]および/または[a]/[b1]/[c]の領域合計、またより好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]および/または[a]/[b1]/[c]の領域合計、またさらにより好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]の領域合計が、いかなる複数回実行も伴わずに行なわれる方法の領域合計と比較して、拡大または最大化される様式で、複数回行なわれる。
【0662】
好ましくは、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)に関する複数回実行の回数は、独立して、2~3000回、より好ましくは2~50回、さらにより好ましくは2~10回、またより好ましくは2~5回、またさらにより好ましくは1~5回、さらに好ましくは1回または2回である。
【0663】
表現「複数回行なわれる」はまた、名詞形で「複数回実行」とも称される。
【0664】
本明細書中に記載される本発明のすべての実施形態のより好ましい態様では、本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤であって、該方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)のうちの1以上から選択される(A);ならびに
(B) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
を含み、好ましくはそれらからなり、
ステップ(A)および/またはステップ(B)が複数回行なわれる、
免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤、
ならびにそのような方法に関する。
【0665】
好ましくは、ステップ(A)および/またはステップ(B)は、2~3000回行なわれる。
【0666】
例えば、3000個のマイクロニードルを有するマイクロニードルパッチ剤を用いる場合、ステップは、例えば、容易に3000回行なうことができる。
【0667】
より好ましくは、ステップ(A)は、2~50回、さらにより好ましくは2~10回、またより好ましくは2~5回行なわれる。
【0668】
より好ましくは、ステップ(B)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0669】
より好ましくは、ステップ(A)およびステップ(B)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0670】
好ましくは、ステップ(A)での皮膚は皮膚領域[a]のものであり、ステップ(B)での皮膚は皮膚領域[b]のものである。
【0671】
より好ましくは、複数回実行は、複数回実行を含む方法から生じる重複皮膚領域[a]/[b]の領域合計が、複数回実行のいずれも含まない方法の領域合計と比較して、拡大または最大化される様式で行なわれる。
【0672】
より好ましくは、複数回実行を含む方法から生じる重複皮膚領域[a]/[b]のうちの少なくとも1つは、複数回実行を含む方法から生じる少なくとも1つの他の重複皮膚領域[a]/[b]と部分的にのみ重複し、かつ/または重複しない。
【0673】
好ましくは、ステップ(A)、ステップ(B)および複数回実行のうちのいずれかまたは全部は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、いずれかの順序で、別個に、連続的に、一緒に組み合わせて、同時にまたはそれらのいずれかの組み合わせで行なうことができる。
【0674】
さらに、ステップ(A)、ステップ(B)および複数回実行のそれぞれは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、独立して、連続的に、同時に、別個に、一緒に組み合わせて、または他のステップ(A)、ステップ(B)および複数回実行のうちの1以上のそれらのいずれかの組み合わせで行なうことができる。
【0675】
好ましくは、次のステップが行なわれる前にステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)のうちのいずれかが完了していることができるかまたはしていないことができるか否かに関連する実施形態は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのステップ(A)、ステップ(B)および複数回実行にも準用される。
【0676】
別途言及されない場合、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質に関する;
- 炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患に関する;
- ステップ(B)での免疫調節性物質に関する;かつ/または
- ステップ(A)および/もしくは(B)に関する、
本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態は、複数回実行を含む本発明のすべての実施形態のより好ましい態様、すなわち、複数回実行を含む本発明の上記態様に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。それにより、ステップ(A)および/または(B)の各複数回実行は、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに従って、独立して行なうことができることが理解されるべきである。それゆえ、例えば、ステップ(A)の反復は、例えば、用いる薬剤(例えば、皮膚コンディショニング剤)、濃度、皮膚領域のサイズ等に関して、ステップ(A)の別の反復と同じ様式で行なうことができるかまたは行なわないことができる。同じことが、例えば、免疫調節性物質、局所適用によるかまたは注入により投与されるかのいずれであるかにかかわらず、それらの濃度、皮膚領域のサイズ等に関して、ステップ(B)に当てはまる。例えば、ステップ(B)の1つの反復では、例えば100IUの量の免疫調節性物質を投与することができ、一方で、その別の反復では、200IUが投与される。好ましくは、ステップ(A)および/または(B)の反復は、同様に行なわれる。
【0677】
あるいは、本明細書中に記載される本発明のすべての実施形態のより好ましい態様では、本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための、免疫調節性物質、より好ましくはIL-2、および/または皮膚コンディショニング剤であって、該方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)のうちの1以上から選択される(A);ならびに
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質、より好ましくはIL-2を投与するステップ
を含み、好ましくはそれらからなり、
ステップ(A)および/またはステップ(C)が複数回行なわれる、
免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤、
ならびにそのような方法に関する。
【0678】
好ましくは、ステップ(A)および/またはステップ(C)は、2~3000回行なわれる。
【0679】
より好ましくは、ステップ(A)は、2~50回、さらにより好ましくは2~10回、またより好ましくは2~5回行なわれる。
【0680】
より好ましくは、ステップ(C)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0681】
より好ましくは、ステップ(A)およびステップ(C)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0682】
好ましくは、ステップ(A)での皮膚は皮膚領域[a]のものであり、ステップ(C)での皮膚は皮膚領域[c]のものである。
【0683】
より好ましくは、複数回実行は、複数回実行を含む方法から生じる重複皮膚領域[a]/[c]の領域合計が、複数回実行のいずれも含まない方法の領域合計と比較して、拡大または最大化される様式で行なわれる。
【0684】
より好ましくは、複数回実行を含む方法から生じる重複皮膚領域[a]/[c]のうちの少なくとも1つは、複数回実行を含む方法から生じる少なくとも1つの他の重複皮膚領域[a]/[c]と部分的にのみ重複し、かつ/または重複しない。
【0685】
好ましくは、ステップ(A)、ステップ(C)および複数回実行のうちのいずれかまたは全部は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、いずれかの順序で、別個に、連続的に、一緒に組み合わせて、同時にまたはそれらのいずれかの組み合わせで行なうことができる。
【0686】
さらに、ステップ(A)、ステップ(C)および複数回実行のうちのいずれかまたは全部のそれぞれは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、独立して、連続的に、同時に、別個に、一緒に組み合わせて、または他のステップ(A)、ステップ(C)および複数回実行のうちの1以上に関して、それらのいずれかの組み合わせで行なうことができる。
【0687】
好ましくは、次のステップが行なわれる前にステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)のうちのいずれかが完了していることができるかまたはしていないことができるか否かに関連する実施形態は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのステップ(A)、ステップ(B)および複数回実行にも準用される。
【0688】
別途言及されない場合、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質に関する;
- 炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患に関する;
- ステップ(C)での免疫調節性物質に関する;かつ/または
- ステップ(A)および/もしくは(C)に関する、
本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態は、複数回実行を含む本発明のすべての実施形態のまたさらにより好ましい態様、すなわち、複数回実行を含む本発明の上記態様に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。それにより、反復ステップ中のステップ(A)および/または(C)の各複数回実行は、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに従って、独立して行なうことができることが理解されるべきである。それゆえ、例えば、ステップ(A)の反復は、例えば、用いる薬剤(例えば、皮膚コンディショニング剤)、濃度、皮膚領域のサイズ等に関して、ステップ(A)の別の反復と同じ様式で行なうことができるかまたは行なわないことができる。同じことが、例えば、免疫調節性物質、局所適用によるかまたは注入により投与されるかのいずれであるかにかかわらず、それらの濃度、皮膚領域のサイズ等に関して、ステップ(C)に当てはまる。好ましくは、ステップ(A)および/または(C)の反復は、同様に行なわれる。
【0689】
本明細書中に記載される本発明のすべての実施形態のさらにより好ましい態様では、本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤であって、該方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)のうちの1以上から選択される(A);ならびに
(B) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
を含み、好ましくはそれらからなり、
ステップ(A)、ステップ(B)および/またはステップ(C)が複数回行なわれる、
免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤、
ならびにそのような方法に関する。
【0690】
好ましくは、ステップ(A)、ステップ(B)および/またはステップ(C)は、2~3000回行なわれる。
【0691】
より好ましくは、ステップ(A)は、2~50回、さらにより好ましくは2~10回、またより好ましくは2~5回行なわれる。
【0692】
より好ましくは、ステップ(B)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0693】
より好ましくは、ステップ(C)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0694】
より好ましくは、ステップ(A)、ステップ(B)およびステップ(C)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0695】
さらにより好ましくは、ステップ(A)は、2~50回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれ、ステップ(B)およびステップ(C)は、2~3000回、またより好ましくは2~1000回、またさらにより好ましくは2~10回、さらに好ましくは2~5回行なわれる。
【0696】
好ましくは、ステップ(A)での皮膚は皮膚領域[a]のものであり、ステップ(B)での皮膚は皮膚領域[b]のものであり、ステップ(C)での皮膚は皮膚領域[c]のものである。
【0697】
より好ましくは、複数回実行は、複数回実行を含む方法から生じる重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[c]および/または[a]/[b]/[c]、さらにより好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]および/または[a]/[b]/[c]、またより好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]の領域合計が、複数回実行のいずれも含まない方法の領域合計と比較して、拡大または最大化される様式で行なわれる。
【0698】
より好ましくは、複数回実行を含む方法から生じる重複皮膚領域[a]/[b]および/または[a]/[b]/[c]のうちの少なくとも1つは、複数回実行を含む方法から生じる重複皮膚領域[a]/[b]および/または[a]/[b]/[c]のうちの少なくとも1つの他のものと部分的にのみ重複し、かつ/または重複しない。
【0699】
好ましくは、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)および複数回実行のうちのいずれかまたは全部は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、いずれかの順序で、別個に、連続的に、一緒に組み合わせて、同時にまたはそれらのいずれかの組み合わせで行なうことができる。
【0700】
さらに、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)および複数回実行のうちのいずれかのそれぞれは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、独立して、連続的に、同時に、別個に、一緒に組み合わせて、または他のステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)および複数回実行のうちの1以上に関して、それらのいずれかの組み合わせで行なうことができる。
【0701】
好ましくは、次のステップが行なわれる前にステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)のうちのいずれかが完了していることができるかまたはしていないことができるか否かに関連する実施形態は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)および複数回実行にも準用される。
【0702】
別途言及されない場合、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質に関する;
- 炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患に関する;
- ステップ(B)および/もしくは(C)での免疫調節性物質に関する;かつ/または
- ステップ(A)、(B)および/もしくは(C)に関する、
本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態は、複数回実行を含む本発明のすべての実施形態のまたさらにより好ましい態様、すなわち、複数回実行を含む本発明の上記態様に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。それにより、ステップ(A)、(B)および/または(C)の各複数回実行は、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに従って、独立して行なうことができることが理解されるべきである。それゆえ、例えば、ステップ(A)の反復は、例えば、用いる薬剤(例えば、皮膚コンディショニング剤)、濃度、皮膚領域のサイズ等に関して、ステップ(A)の別の反復と同じ様式で行なうことができるかまたは行なわないことができる。同じことが、例えば、免疫調節性物質、局所適用によるかまたは注入により投与されるかのいずれであるかにかかわらず、それらの濃度、皮膚領域のサイズ等に関して、ステップ(B)および/または(C)に当てはまる。好ましくは、ステップ(A)、(B)および/または(C)の反復は、同様に行なわれる。
【0703】
本明細書中に記載される本発明のすべての実施形態の別のさらにより好ましい態様では、本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤であって、ステップ(B)は2回目にはステップ(B1)として行なわれ、該方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)のうちの1以上から選択される(A);ならびに
(B) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および
(B1) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(B1)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
を含み、好ましくはそれらからなり、
ステップ(A)、ステップ(B)および/またはステップ(B1)が複数回行なわれる、
免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤、
ならびにそのような方法に関する。
【0704】
好ましくは、ステップ(A)、ステップ(B)および/またはステップ(B1)は、2~3000回行なわれる。
【0705】
より好ましくは、ステップ(A)は、2~50回、さらにより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0706】
より好ましくは、ステップ(B)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0707】
より好ましくは、ステップ(B1)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0708】
より好ましくは、ステップ(A)、ステップ(B)およびステップ(B1)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0709】
さらにより好ましくは、ステップ(A)は、2~50回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれ、ステップ(B)およびステップ(B1)は、2~3000回、またより好ましくは2~1000回、またさらにより好ましくは2~10回、さらに好ましくは2~5回行なわれる。
【0710】
好ましくは、ステップ(A)での皮膚は皮膚領域[a]のものであり、ステップ(B)での皮膚は皮膚領域[b]のものであり、ステップ(B1)での皮膚は皮膚領域[b1]のものである。
【0711】
より好ましくは、複数回実行は、複数回実行を含む方法から生じる重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]および/または[a]/[b]/[b1]の領域合計、さらにより好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]および/または[a]/[b1]の領域合計が、複数回実行のいずれも含まない方法の重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]および/または[a]/[b]/[b1]の領域合計と比較して、さらにより好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]および/または[a]/[b1]の領域合計と比較して、拡大または最大化される様式で行なわれる。特に、ステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態に関して、重複皮膚領域[a]/[b]および/または[a]/[b1]に関連する優先傾向がある。
【0712】
より好ましくは、複数回実行を含む方法から生じる重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]および/または[a]/[b]/[b1]、さらにより好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]および/または[a]/[b1]のうちの少なくとも1つは、複数回実行を含む方法から生じる少なくとも1つの他の重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]および/または[a]/[b]/[b1]、さらにより好ましくは1つの他の重複皮膚領域[a]/[b]および/または[a]/[b1]と部分的にのみ重複し、かつ/または重複しない。特に、ステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態に関して、重複皮膚領域[a]/[b]および/または[a]/[b1]に関連する優先傾向がある。
【0713】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、方法は、皮膚領域[b]および皮膚領域[b1]のうちのいずれもが重複せず、かつ/またはそれらが離れているかもしくは重複が最小化される様式で行なわれる。好ましくは、そのような離れた皮膚領域および/または重複皮膚領域の距離は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される。
【0714】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、方法は、重複皮膚領域[b]/[b1]が形成されないかまたは重複皮膚領域[b]/[b1]が最小化される様式で行なわれる。さらにより好ましくは、皮膚領域[b]および/もしくは重複皮膚領域[a]/[b]のうちのいずれも皮膚領域[b1]および/もしくは重複皮膚領域[a]/[b1]のうちのいずれかと重複せず、かつ/またはそれらに対して離れており、かつ/あるいはこれらの重複の領域合計が最小化される。好ましくは、距離は、皮膚領域[b]から皮膚領域[b1]までの距離ならびに/または重複皮膚領域[a]/[b]および/もしくは[a]/[b]/[c]から[a]/[b1]および/もしくは[a]/[b1]/[c]までの距離と同じく規定される。好ましくは、そのような離れた皮膚領域および/または重複皮膚領域の距離は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される。
【0715】
好ましくは、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および複数回実行のうちのいずれかまたは全部は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、いずれかの順序で、別個に、連続的に、一緒に組み合わせて、同時にまたはそれらのいずれかの組み合わせで行なうことができる。
【0716】
さらに、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および複数回実行のうちのいずれかまたは全部のそれぞれは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、独立して、連続的に、同時に、別個に、一緒に組み合わせて、または他のステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および複数回実行のうちの1以上に関して、それらのいずれかの組み合わせで行なうことができる。
【0717】
好ましくは、次のステップが行なわれる前にステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)のうちのいずれかが完了していることができるかまたはしていないことができるか否かに関連する実施形態は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および複数回実行にも準用される。
【0718】
別途言及されない場合、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質に関する;
- 炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患に関する;
- ステップ(B)および/もしくは(B1)での免疫調節性物質に関する;かつ/または
- ステップ(A)、(B)および/もしくは(B1)に関する、
本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態は、複数回実行を含む本発明のすべての実施形態のまたさらにより好ましい態様、すなわち、複数回実行を含む本発明の上記態様に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。それにより、ステップ(A)、(B)および/または(B1)の各複数回実行は、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに従って、独立して行なうことができることが理解されるべきである。それゆえ、例えば、ステップ(A)の反復は、例えば、用いる薬剤(例えば、皮膚コンディショニング剤)、濃度、皮膚領域のサイズ等に関して、ステップ(A)の別の反復と同じ様式で行なうことができるかまたは行なわないことができる。同じことが、例えば、免疫調節性物質、局所適用によるかまたは注入により投与されるかのいずれであるかにかかわらず、それらの濃度、皮膚領域のサイズ等に関して、ステップ(B)および/または(B1)に当てはまる。好ましくは、ステップ(A)、(B)および/または(B1)の反復は、同様に行なわれる。
【0719】
本明細書中に記載される本発明のすべての実施形態のまたより好ましい態様では、本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤であって、該方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)のうちの1以上から選択される(A);ならびに
(B) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および
(B1) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および
(C) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(B)、ステップ(B1)およびステップ(C)で投与される免疫調節性物質は互いに異なるステップ
を含み、好ましくはそれらからなり、
ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)が複数回行なわれる、
免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤、
ならびにそのような方法に関する。
【0720】
好ましくは、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)は、2~3000回行なわれる。
【0721】
より好ましくは、ステップ(A)は、2~50回、さらにより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0722】
より好ましくは、ステップ(B)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0723】
より好ましくは、ステップ(B1)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0724】
より好ましくは、ステップ(C)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0725】
より好ましくは、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)およびステップ(C)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0726】
さらにより好ましくは、ステップ(A)は、2~50回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれ、ステップ(B)、ステップ(B1)およびステップ(C)は、2~3000回、またより好ましくは2~1000回、またさらにより好ましくは2~10回、さらに好ましくは2~5回行なわれる。
【0727】
好ましくは、ステップ(A)での皮膚は皮膚領域[a]のものであり、ステップ(B)での皮膚は皮膚領域[b]のものであり、ステップ(B1)での皮膚は皮膚領域[b1]のものであり、ステップ(C)での皮膚は皮膚領域[c]のものである。
【0728】
より好ましくは、複数回実行は、複数回実行を含む方法から生じる重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]/[c]および/または[a]/[b]/[b1]/[c]、好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]、より好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]の領域合計が、複数回実行のいずれも含まない方法の重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]/[c]および/または[a]/[b]/[b1]/[c]、好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]、より好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]の領域合計と比較して、拡大または最大化される様式で行なわれる。特に、ステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態に関して、重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]ならびにより好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]に関連する優先傾向がある。
【0729】
より好ましくは、複数回実行を含む方法から生じる重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]/[c]および/または[a]/[b]/[b1]/[c]、好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]、好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]のうちの少なくとも1つは、複数回実行を含む方法から生じる少なくとも1つの他の重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]/[c]および/または[a]/[b]/[b1]/[c]、好ましくは1つの他の重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]、より好ましくは1つの他の重複皮膚領域[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]と部分的にのみ重複し、かつ/または重複しない。特に、ステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態に関して、重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]ならびにより好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]に関連する優先傾向がある。
【0730】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態に関して、方法は、皮膚領域[b]および皮膚領域[b1]のうちのいずれもが重複せず、かつ/またはそれらが離れているかもしくは重複が最小化される様式で行なわれる。好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される、そのような離れた皮膚領域および/または重複皮膚領域の距離。
【0731】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態に関して、方法は、重複皮膚領域[b]/[b1]が形成されないかまたは重複皮膚領域[b]/[b1]が最小化される様式で行なわれる。さらにより好ましくは、皮膚領域[b]、重複皮膚領域[a]/[b]もしくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]のうちのいずれも皮膚領域[b1]、重複皮膚領域[a]/[b1]および/もしくは重複皮膚領域[a]/[b1]/[c]のうちのいずれかと重複せず、かつ/またはそれらに対して離れており、かつ/あるいはこれらの重複の領域合計が最小化される。好ましくは、そのような離れた皮膚領域および/または重複皮膚領域の距離は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される。
【0732】
好ましくは、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および複数回実行のうちのいずれかまたは全部は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、いずれかの順序で、別個に、連続的に、一緒に組み合わせて、同時にまたはそれらのいずれかの組み合わせで行なうことができる。
【0733】
さらに、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および複数回実行のうちのいずれかまたは全部のそれぞれは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、独立して、連続的に、同時に、別個に、一緒に組み合わせて、または他のステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および複数回実行のうちの1以上に関して、それらのいずれかの組み合わせで行なうことができる。
【0734】
好ましくは、次のステップが行なわれる前にステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)のうちのいずれかが完了していることができるかまたはしていないことができるか否かに関連する実施形態は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)、ステップ(C)および複数回実行にも準用される。
【0735】
別途言及されない場合、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質に関する;
- 炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患に関する;
- ステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)での免疫調節性物質に関する;かつ/または
- ステップ(A)、(B)、(B1)および/もしくは(C)に関する、
本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態は、複数回実行を含む本発明のすべての実施形態のまたさらにより好ましい態様、すなわち、複数回実行を含む本発明の上記態様に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。それにより、ステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)の各複数回実行は、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに従って、独立して行なうことができることが理解されるべきである。それゆえ、例えば、ステップ(A)の反復は、例えば、用いる薬剤(例えば、皮膚コンディショニング剤)、濃度、皮膚領域のサイズ等に関して、ステップ(A)の別の反復と同じ様式で行なうことができるかまたは行なわないことができる。同じことが、例えば、免疫調節性物質、局所適用によるかまたは注入により投与されるかのいずれであるかにかかわらず、それらの濃度、皮膚領域のサイズ等に関して、ステップ(B)、(B1)および/または(C)に当てはまる。好ましくは、ステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)の反復は、同様に行なわれる。
【0736】
本明細書中に記載される本発明のすべての実施形態のまたさらにより好ましい態様では、本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のための、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤であって、該方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)のうちの1以上から選択される(A);および
(B) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
を含み、好ましくはそれらからなるステップの第1セット、
ならびに
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)のうちの1以上から選択される(A);および
(B1) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
を含み、好ましくはそれらからなるステップの第2セット
であって、ステップ(B1)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップのセット
を含み、好ましくはそれらからなり、
ステップの第1セットでもしくはステップの第2セットでまたは両方で、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/もしくはステップ(C)が複数回行なわれる、
免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤、
ならびにそのような方法に関する。
【0737】
好ましくは、ステップの第1セットでもしくはステップの第2セットでまたは両方で、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/もしくはステップ(C)は、2~3000回行なわれ、好ましくは独立して行なわれる。
【0738】
より好ましくは、ステップの第1セットでもしくはステップの第2セットでまたは両方で、ステップ(A)は、2~50回、さらにより好ましくは2~10回、またより好ましくは2~5回行なわれる。
【0739】
より好ましくは、ステップの第1セットでもしくはステップの第2セットでまたは両方で、ステップ(B)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0740】
より好ましくは、ステップの第1セットでもしくはステップの第2セットでまたは両方で、ステップ(B1)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0741】
より好ましくは、ステップの第1セットでもしくはステップの第2セットでまたは両方で、ステップ(C)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0742】
より好ましくは、ステップの第1セットでもしくはステップの第2セットでまたは両方で、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)およびステップ(C)は、2~3000回、さらにより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれる。
【0743】
さらにより好ましくは、ステップの第1セットでもしくはステップの第2セットでまたは両方で、ステップ(A)は、2~50回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれ、ステップ(B)およびステップ(C)は、2~3000回、またより好ましくは2~1000回、またさらにより好ましくは2~10回、さらに好ましくは2~5回行なわれる。
【0744】
さらにより好ましくは、ステップの第1セットでもしくはステップの第2セットでまたは両方で、ステップ(A)は、2~50回、またより好ましくは2~10回、またさらにより好ましくは2~5回行なわれ、ステップ(B1)およびステップ(C)は、2~3000回、またより好ましくは2~1000回、またより好ましくは2~10回、さらに好ましくは2~5回行なわれる。
【0745】
好ましくは、ステップ(C)のそれぞれで投与される免疫調節性物質は、同じかまたは異なり、より好ましくは同じである。
【0746】
別途言及されない場合、本明細書中に記載されるステップ(A)のいずれかの実施形態は、ステップ(A)のそれぞれに対して独立して適用可能であることが理解されるべきである。それゆえ、ステップ(A)は、例えば、生成の様式、濃度、皮膚領域のサイズ等に関して、同じであることができるかまたは同じでないことができる。より好ましくは、ステップ(A)は同じである。
【0747】
別途言及されない場合、本明細書中に記載されるステップ(C)のいずれかの実施形態は、ステップ(C)のそれぞれに対して独立して適用可能であることが理解されるべきである。それゆえ、ステップ(C)は、例えば、免疫調節性物質、局所適用によるかまたは注入により投与されるかのいずれであるかにかかわらず、それらの濃度、皮膚領域のサイズ等に関して、同じであることができるかまたは同じでないことができる。より好ましくは、ステップ(C)は同じである。
【0748】
好ましくは、
ステップの第1セットでは、ステップ(A)での皮膚は皮膚領域[a]のものであり、ステップ(B)での皮膚は皮膚領域[b]のものであり、ステップ(C)での皮膚は皮膚領域[c]のものであり、かつ
ステップの第2セットでは、ステップ(A)での皮膚は皮膚領域[a]のものであり、ステップ(B)での皮膚は皮膚領域[b]のものであり、ステップ(B1)での皮膚は皮膚領域[b1]のものである。
【0749】
より好ましくは、複数回実行は、複数回実行を含む方法から生じる重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]/[c]および/または[a]/[b]/[b1]/[c]、好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]、より好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]の領域合計が、複数回実行のいずれも含まない方法の重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]/[c]および/または[a]/[b]/[b1]/[c]、好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]、より好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]の領域合計と比較して、拡大または最大化される様式で行なわれる。特に、ステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態に関して、重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]ならびにより好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]に関連する優先傾向がある。
【0750】
より好ましくは、複数回実行を含む方法から生じる重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]/[c]および/または[a]/[b]/[b1]/[c]、好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]、好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]のうちの少なくとも1つは、複数回実行を含む方法から生じる少なくとも1つの他の重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]/[c]および/または[a]/[b]/[b1]/[c]、好ましくは1つの他の重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]、より好ましくは1つの他の重複皮膚領域[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]と部分的にのみ重複し、かつ/または重複しない。特に、ステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態に関して、重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]ならびにより好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]および/または[a]/[b1]/[c]に関連する優先傾向がある。
【0751】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態に関して、方法は、皮膚領域[b]および皮膚領域[b1]のうちのいずれもが重複せず、かつ/またはそれらが離れているかもしくは重複が最小化される様式で行なわれる。好ましくは、そのような離れた皮膚領域および/または重複皮膚領域の距離は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される。
【0752】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態に関して、方法は、重複皮膚領域[b]/[b1]が形成されないかまたは重複皮膚領域[b]/[b1]が最小化される様式で行なわれる。さらにより好ましくは、皮膚領域[b]、重複皮膚領域[a]/[b]もしくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]のうちのいずれも皮膚領域[b1]、重複皮膚領域[a]/[b1]および/もしくは重複皮膚領域[a]/[b1]/[c]のうちのいずれかと重複せず、かつ/またはそれらに対して離れており、かつ/あるいはこれらの重複の領域合計が最小化される。さらにより好ましくは、重複皮膚領域[a]/[b]/[c]のうちのいずれも重複皮膚領域[a]/[b1]/[c]のうちのいずれかと重複せず、かつ/もしくはそれらに対して離れており、かつ/またはこれらの重複の領域合計が最小化される。好ましくは、そのような離れた皮膚領域および/または重複皮膚領域の距離は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される。
【0753】
別途言及されない場合、
- 本発明に従う使用のための免疫調節性物質に関する;
- 炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患に関する;
- ステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)での免疫調節性物質に関する;かつ/または
- ステップ(A)、(B)、(B1)および/もしくは(C)に関する、
本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかは、複数回実行を含む本発明のすべての実施形態のまたさらにより好ましい態様、すなわち、複数回実行を含む本発明の上記態様に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。それにより、ステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)の各複数回実行は、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに従って、独立して行なうことができることが理解されるべきである。それゆえ、例えば、ステップ(A)の反復は、例えば、用いる薬剤(例えば、皮膚コンディショニング剤)、濃度、皮膚領域のサイズ等に関して、ステップ(A)の別の反復と同じ様式で行なうことができるかまたは行なわないことができる。同じことが、例えば、免疫調節性物質、局所適用によるかまたは注入により投与されるかのいずれであるかにかかわらず、それらの濃度、皮膚領域のサイズ等に関して、ステップ(B)、(B1)および/または(C)に当てはまる。好ましくは、ステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)の反復は、同様に行なわれる。
【0754】
好ましくは、次のステップが行なわれる前にステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)のうちのいずれかが完了していることができるかまたはしていないことができるか否かに関連する実施形態は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)、ステップ(C)および複数回実行にも準用される。
【0755】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは:
- 重複皮膚領域[a]/[b]および/もしくは重複皮膚領域[a]/[b]の領域合計;
- 重複皮膚領域[b]/[c]および/もしくは重複皮膚領域[b]/[c]の領域合計;
- 重複皮膚領域[a]/[c]および/もしくは重複皮膚領域[a]/[c]の領域合計;
- 重複皮膚領域[a]/[b]/[c]および/もしくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]の領域合計;
- 重複皮膚領域[a]/[b1]および/もしくは重複皮膚領域[a]/[b1]の領域合計;
- 重複皮膚領域[b1]/[c]および/もしくは重複皮膚領域[b1]/[c]の領域合計;
- 重複皮膚領域[a]/[b1]/[c]および/もしくは重複皮膚領域[a]/[b1]/[c]の領域合計;
- 重複皮膚領域[a]/[b]/[b1]/[c]および/もしくは重複皮膚領域[a]/[b]/[b1]/[c]の領域合計;
- 重複皮膚領域[a]/[b]および/もしくは[a]/[b]/[c]の領域合計;
- 重複皮膚領域[a]/[b]および/もしくは[a]/[b1]の領域合計;
- 重複皮膚領域[a]/[b]、[a]/[b1]、[a]/[b]/[c]および/もしくは[a]/[b1]/[c]の領域合計;
- 重複皮膚領域[a]/[b]/[c]および/もしくは[a]/[b1]/[c]の領域合計
- 重複皮膚領域[a]/[b]および、適用可能である場合、重複皮膚領域[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]および/もしくは[a]/[b1]/[c];ならびに/または
- 重複皮膚領域[a]/[b]および、適用可能である場合、重複皮膚領域[a]/[b]/[c]、[a]/[b1]および/もしくは[a]/[b1]/[c]の領域合計
は、独立して、有益な効果を達成するために十分ないずれかのサイズを有し得る。より好ましくは、そのような皮膚領域および/またはそのような領域合計は拡大または最大化される。皮膚領域および/または領域合計は、約1m2以下でさえあるサイズを有することができる。好ましくは、皮膚領域は、1,000cm2以下、より好ましくは500cm2以下、さらにより好ましくは100cm2以下、またより好ましくは50cm2以下、またさらにより好ましくは25cm2以下、さらに好ましくは10cm2、なおさらに好ましくは5cm2以下である。通常、皮膚領域は、0.5cm2よりも小さくない、それゆえ、皮膚領域に関する下限は、好ましくは0.5cm2以上、より好ましくは1cm2以上、またより好ましくは2cm2以上である。
【0756】
好ましくは、適用可能である場合、複数回実行のうちのいずれかまたは全部を含む方法が含められ、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、1日1回以下、より好ましくは2日に1回以下、さらにより好ましくは3日に1回以下、またより好ましくは4日に1回以下、またさらにより好ましくは5日に1回以下、さらに好ましくは1週間に1回以下、さらに好ましくは2週間に1回以下、なおさらに好ましくは1ヵ月に1回以下の頻度で行なわれる。通常、有益な効果を達成することができるかまたはそれが維持される限り、頻度に関して上限はない。さらに、可能な限り低頻度で方法を行なうことが、治療される被験体ならびに労力および費用効率に関して利益になり得る。それにもかかわらず、上限は、方法が2ヵ月に1回以上、より好ましくは6週間に1回以上の頻度で行なわれる場合であり得、好ましくはそのような場合である。好ましくは、方法は、1日1回~2ヵ月に1回、より好ましくは2日に1回~2ヵ月に1回、さらにより好ましくは2日に1回~1ヵ月に1回、またより好ましくは3日に1回~6週間に1回、またさらにより好ましくは4日に1回~6週間に1回、さらに好ましくは5日に1回~1ヵ月に1回、なおさらに1週間に1回~2週間に1回の頻度で行なわれる。
【0757】
好ましくは、適用可能である場合、複数回実行のうちのいずれかまたは全部を含むステップ(A)および(B);ステップ(A)および(C);ステップ(A)、(B)および(C);ステップ(A)、(B)および(B1);ならびに/またはステップ(A)、(B)、(B1)および(C)が含められ、1日1回以下、より好ましくは2日に1回以下、さらにより好ましくは3日に1回以下、またより好ましくは4日に1回以下、またさらにより好ましくは5日に1回以下、さらに好ましくは1週間に1回以下、またさらに好ましくは2週間に1回以下、より好ましくは1ヵ月に1回以下の頻度で行なわれる。通常、有益な効果を達成することができる限り、頻度に関して上限はないが、しかしながら、上限は、適用可能である場合、複数回実行のうちのいずれかまたは全部を含むステップ(A)および(B)、より好ましくはステップ(A)、(B)および(C);ステップ(A)、(B)および(B1);ならびに/またはステップ(A)、(B)、(B1)および(C)が含められ、2ヵ月に1回以上、より好ましくは6週間に1回以上の頻度で行なわれる場合であり得、好ましくはそのような場合である。好ましくは、適用可能である場合、複数回実行のうちのいずれかまたは全部を含むステップ(A)および(B)、より好ましくはステップ(A)、(B)および(C);ステップ(A)、(B)および(B1);ならびに/またはステップ(A)、(B)、(B1)および(C)が含められ、1日1回~2ヵ月に1回、より好ましくは2日に1回~2ヵ月に1回、さらにより好ましくは2日に1回~1ヵ月に1回、またより好ましくは3日に1回~6週間に1回、またさらにより好ましくは4日に1回~6週間に1回、さらに好ましくは5日に1回~1ヵ月に1回、なおさらに1週間に1回~2週間に1回の頻度で行なわれる。
【0758】
好ましくは、適用可能である場合、複数回実行のうちのいずれかまたは全部を含む方法は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、5時間以下以内、より好ましくは3時間以下以内、さらにより好ましくは1時間以下以内、またより好ましくは0.5時間以下以内、なおさらに好ましくは15分以下以内、またさらに好ましくは5分以下以内、またなおさらに好ましくは1分以下以内で行なわれる。それ以内で方法を行なうことができる時間に関して、下限はなく、かつ可能な限り時間を短く保つことが、治療される被験体の利益になり得る。例えば、例としてステップ(A)、(B)および(C)のすべての有効成分を含むクリーム剤などの組成物を用いる場合、皮膚上への局所的なクリーム剤の適用は1秒だけかかる場合があるか、または注入ペンを用いる場合、それよりも短くかかる場合さえある。注入ペンを用いる場合、より短くさえあり得る。好ましくは、方法は、5時間以下かつ0.05秒以上以内、より好ましくは3時間以下かつ0.5秒以上以内、さらにより好ましくは1時間以下かつ1秒以上以内、またより好ましくは0.5時間以下1秒以上以内、なおさらに好ましくは15分以下1秒以上以内、またさらに好ましくは5分以下かつ2秒以上以内で行なわれる。
【0759】
上記で既に述べた通り、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、ステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)により生じる個別の効果は、例として、例えば、互いに依存的、支持的、相互作用的、相補的、相加的、相乗的であるために、かつ/またはいずれかの他の様式により一緒に機能するために、時間的ならびに空間的に少なくとも部分的かつ/または完全に重複すべきであることが理解されるべきである。それゆえ、方法は、それに従って行なわれるべきであることが理解されるべきである。
【0760】
それゆえ、好ましくは、適用可能である場合、複数回実行のうちのいずれかまたは全部を含む方法が含められ、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、ステップ(A)により生じる蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加および/もしくはrHbの増加、温度上昇ならびに/または発赤が、ステップ(B)、(B1)および/または(C)での、さらにより好ましくは、適用可能である場合、複数回実行のうちの一部または全部での免疫調節性物質の投与ステップにより生成される、皮膚内での免疫調節性物質、好ましくは免疫調節性物質の増加した濃度および/または量の存在と、時間的に部分的かつ/または完全に重複する様式で行われる。好ましくは、皮膚内に存在する免疫調節性物質、好ましくは免疫調節性物質の増加した濃度および/または量は、免疫調節性物質の有効濃度および/または量であり、そのような量は、個別の被験体同士の間で変わり得る。同様に、時間的な重複は、被験体同士で異なり得る。
【0761】
好ましくは、適用可能である場合、複数回実行のうちのいずれかまたは全部を含むステップ(A)および(B);ステップ(A)および(C);ステップ(A)、(B)および(C);ステップ(A)、(B)および(B1);ならびに/またはステップ(A)、(B)、(B1)および(C)が含められ、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、5時間以下以内、より好ましくは3時間以下以内、さらにより好ましくは1時間以下以内、またより好ましくは0.5時間以下以内、またさらにより好ましくは15分以下以内、さらに好ましくは5分以下以内、なおさらに好ましくは1分以下以内で行なわれる。それ以内で方法を行なうことができる時間に関して、下限はなく、かつ可能な限り時間を短く保つことが、治療される被験体の利益になり得る。例えば、例としてステップ(A)、(B)および(C)のすべての有効成分を含むクリーム剤などの組成物を用いる場合、皮膚上への局所的なクリーム剤の適用は1秒だけかかる場合があるか、または注入ペンを用いる場合、それよりも短くかかる場合さえある。好ましくは、適用可能である場合、複数回実行のうちのいずれかまたは全部を含むステップ(A)および(B)、より好ましくはステップ(A)、(B)および(C);ステップ(A)、(B)および(B1);ならびに/またはステップ(A)、(B)、(B1)および(C)が含められ、5時間以下かつ0.05秒以上以内、より好ましくは3時間以下かつ0.5秒以上以内、さらにより好ましくは1時間以下かつ1秒以上以内、またより好ましくは0.5時間以下1秒以上以内、なおさらに好ましくは15分以下1秒以上以内、またさらに好ましくは5分以下かつ2秒以上以内で行なわれる。
【0762】
好ましくは、適用可能である場合、複数回実行のうちのいずれかまたは全部を含むステップ(A)および(B);ステップ(A)および(C);ステップ(A)、(B)および(C);ステップ(A)、(B)および(B1);ならびに/またはステップ(A)、(B)、(B1)および(C)が含められ、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、何が適用可能であるかに応じて、ステップ(A)により(例えば、特に、下記ステップ(A-6)~(A-8)により)生じる蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加および/もしくはrHbの増加、温度上昇ならびに/または発赤が、ステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちの1以上で、好ましくはその全部で、さらにより好ましくは、適用可能である場合、複数回実行のうちの一部または全部で投与される皮膚内での免疫調節性物質の存在と、時間的に部分的重複し、かつ/または完全に重複する様式で行われる。より好ましくは、皮膚内に存在する免疫調節性物質の量は、免疫調節性物質の有効量であり、そのような量は、個別の被験体同士の間で変わり得る。
【0763】
好ましくは、ステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)により生じる個別の効果は、例として、例えば、互いに依存的、支持的、相互作用的、相補的、相加的、一緒に機能し、かつ/または相乗的であるために、時間的に部分的かつ/または完全に重複することが理解されるべきである。
【0764】
好ましくは、適用可能である場合、複数回実行のうちのいずれかまたは全部を含むステップ(A)および(B);ステップ(A)および(C);ステップ(A)、(B)および(C);ステップ(A)、(B)および(B1);ならびに/またはステップ(A)、(B)、(B1)および(C)が含められ、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、ステップ(A)により生じる蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加および/もしくはrHbの増加、温度上昇ならびに/または発赤が、ステップ(B)、(B1)および/または(C)での、さらにより好ましくは、適用可能である場合、複数回実行のうちの一部または全部での免疫調節性物質の投与ステップにより生成される、皮膚内での免疫調節性物質、好ましくは免疫調節性物質の増加した濃度および/または量の存在と、時間的に部分的かつ/または完全に重複する様式で行われる。好ましくは、皮膚内に存在する免疫調節性物質、好ましくは免疫調節性物質の増加した濃度および/または量は、免疫調節性物質の有効濃度および/または量であり、そのような量は、個別の被験体同士の間で変わり得る。同様に、時間的な重複は、被験体同士で異なり得る。
【0765】
好ましくは、部分的または完全な重複のいずれであるかにかかわらず、時間的な重複は、有益な効果を達成するために十分であり、かつ個別の被験体同士の間で変わり得る。より好ましくは、重複は、2分以上、さらにより好ましくは5分以上、またより好ましくは10分以上、またさらにより好ましくは15分以上、さらに好ましくは20分以上、なおさらに好ましくは0.5時間以上、またさらに好ましくは0.75時間以上、またなおさらに好ましくは1時間以上である。時間的な重複に関して上限はないが、しかしながら、通常、これは48時間以下である。好ましくは、部分的または完全な重複のいずれであるかにかかわらず、時間的な重複は、2分以上かつ48時間以下、より好ましくは5分以上かつ24時間以下、さらにより好ましくは10分以上かつ1日以下、またより好ましくは15分以上かつ12時間以下、またさらにより好ましくは20分以上かつ12時間以下、さらに好ましくは0.5時間以上かつ6時間以下、なおさらに好ましくは0.75時間以上かつ3時間以下、またより好ましくは1時間以上かつ3時間以下の範囲内である。
【0766】
上記で既に述べた通り、かつ理論に拘泥することを望まないが、PBMCは、皮膚毛細血管内、したがって皮膚内には存在しないか、または少なくとも有効量で存在しないと考えられる。この理由は、それらが有核であり、かつ拡張していない毛細血管に押し込むには大きく、かつ嵩高過ぎることである。したがって、皮膚内でのPBMCの蓄積、皮膚内での毛細血管の拡張、皮膚内での血液量の増加、皮膚上での温度上昇および/または皮膚領域上での発赤が引き起こされ、かつ同時に互いの結果である。それゆえ、それらは、互いに依存的であり、かつ相互を示すものである。例えば、血管拡張を生じさせ(A-1)、血液量を増加させ(A-2)、sO2を増加させ、rHbを増加させ(A-3)、温度を上昇させ(A-4)、発赤を生じさせ(A-5)、調整エネルギーを施し(A-6)、皮膚コンディショニング剤を投与する(A-7)ことにより、皮膚内、好ましくは皮膚の局所下層内、より好ましくは皮膚の表皮、真皮および/または皮下組織内のPBMCの量が増加する。PBMCの蓄積は、例えば注入により、皮膚へとPBMCを投与する(A-8)ことにより、追加的にまたはその代わりにも生じさせることができる。
【0767】
好ましくは、上記で述べた通り、ステップ(A)は、
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップであって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;
(A-3)皮膚内でのsO2の増加、および/もしくはrHbの増加を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-6)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-7)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚に対して、好ましくは皮膚領域の皮膚中にPBMCを投与するステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-8)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ
のうちの1以上から選択される。
【0768】
好ましくは、ステップ(A-0)~(A-8)は、互いに排他的でないことができる。
【0769】
より好ましくは、さらなるステップは、(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)および/または(A-8)、さらにより好ましくは(A-1)、(A-2)、(A-3)および/または(A-4)のうちの1以上から選択される。
【0770】
別途言及されない場合、ステップ(A)に関連する本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0771】
特に、ステップ(A)に関して、かつ、
- 炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患;
- 複数回実行;
- 皮膚領域[a];
- 適用領域[a];
- 重複皮膚領域;
- 重複適用領域;
- 免疫学的不活性および/または未負荷、免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位に対する特別な距離;
- 複数回実行;
- 方法のステップを、いずれかの順序で、別個に、連続的に、一緒に組み合わせて、同時にまたはそれらのいずれかの組み合わせで行なうことができるという事実;
- 次のステップが行なわれる前にステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)のうちのいずれかが完了していることができるかまたはしていないことができるか否か;
- ステップ(B)、(B1)および/または(C)
に関連する本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)に対して、独立して準用される。
【0772】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)での皮膚領域および/または適用領域は、それぞれ、皮膚領域[a]および適用領域[a]である。
【0773】
好ましくは、ステップ(A)および皮膚領域または皮膚領域[a]に関連する本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかは、ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)のうちのいずれかの皮膚領域[a]に対して、独立して準用可能である。
【0774】
好ましくは、ステップ(A)および適用領域または適用領域[a]に関連する本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかは、ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)のうちのいずれかの適用領域[a]に対して、独立して準用可能である。
【0775】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、ステップ(A)、(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および(A-8)のうちのいずれかの皮膚領域[a]、適用領域[a]ならびに/または個別の重複皮膚および適用領域は、ステップ(A)、(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および(A-8)のうちのいずれかの他のステップの皮膚領域[a]、適用領域[a]ならびに/または個別の重複皮膚および適用領域と同じかまたは異なることができる。それゆえ、それらは、独立して、離れており、部分的に重複し、完全に重複し、かつ/または一致することができる。
【0776】
以下では、ステップ(A-0)~(A-8)が、さらに詳細に説明される。
【0777】
別途言及されない場合、以下の概要の記載:
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」、
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」、
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」、
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」、
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」、
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」、
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-6)にさらに関して」、
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-7)にさらに関して」、および/または
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-8)にさらに関して」
の下に言及される実施形態のうちのいずれかは、相互に独立して適用可能であり、かつ/または互いにおよび本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかと組み合わせ可能であることが理解されるべきである。概要の記載は、単に文章を構築するために機能し、それを超えるいかなる区切りまたは制限的な意味を有することは意図されない。このことは、説明全体を通してすべての概要の記載に当てはまる。
【0778】
・本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して
上記で述べた通り、ステップ(A-0)は、被験体の皮膚内でPBMCの蓄積を生じさせることを必要とする。
【0779】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、PBMCの蓄積は、皮膚の局所下層内、好ましくは皮膚領域の皮膚の、より好ましくは表皮、真皮および/または皮下組織内で生じる。
【0780】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、PBMCの蓄積は、皮膚の局所下層内、好ましくは皮膚領域の皮膚の、より好ましくは表皮、真皮および/または皮下組織内で生じる。
【0781】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、PBMCの蓄積は、皮膚の毛細血管の内腔内かつ/または皮膚組織内で生じる。より好ましくは、下記のステップ(A-1)~(A-7)のうちのいずれかの場合、PBMCの蓄積は、皮膚の毛細血管の内腔内かつ/または皮膚組織内、より好ましくは毛細血管の内腔内で生じる。より好ましくは、下記のステップ(A-8)の場合、PBMCを注入することができ、続いて、PBMCの蓄積は、皮膚組織内で直接的に生じる。
【0782】
より好ましくは、PBMCの蓄積は、皮膚の局所下層内、さらにより好ましくは、好ましくは皮膚領域の皮膚の真皮および/または皮下組織、またより好ましくは真皮内で生じる。またより好ましくは、PBMCの蓄積は、皮膚の、好ましくは皮膚領域の皮膚の毛細血管の内腔および/または局所下層の皮膚組織内、またさらにより好ましくは毛細血管の内腔および/または真皮および/もしくは皮下組織の皮膚組織内で生じる。
【0783】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、PBMCは、血液由来PBMCである。
【0784】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、PBMCの蓄積は、リンパ球、より好ましくはB細胞および/またはT細胞、さらにより好ましくはT細胞、またより好ましくはナイーブPBMC、またさらにより好ましくはナイーブリンパ球、さらに好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、なおさらに好ましくはナイーブT細胞の蓄積である。
【0785】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、PBMCの蓄積の生成は、皮膚内で、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚を損傷することなく、PBMCの蓄積を生じさせるために好適であり、かつ/またはそのために構成される限り、いずれかの手段、方法、物質および/または手順により遂行することができ、好ましくは遂行される。
【0786】
他の箇所で既に述べた通り、かつ理論に拘泥することを望まないが、PBMC、特にリンパ球、より好ましくはナイーブPBMC、さらにより好ましくはナイーブリンパ球、またより好ましくはナイーブB細胞および/もしくはナイーブT細胞、ならびに/またはまたさらにより好ましくはナイーブT細胞は、皮膚毛細血管内に、したがって皮膚内に存在しないかまたは少なくとも有効な量で存在しないと考えられる。それゆえ、皮膚内のPBMC、好ましくはリンパ球、より好ましくはナイーブPBMC、さらにより好ましくはナイーブリンパ球、またより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、またさらにより好ましくはナイーブT細胞の存在は既に、ステップ(A-0)でのPBMC、好ましくはリンパ球、より好ましくはナイーブPBMC、さらにより好ましくはナイーブリンパ球、またより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、またさらにより好ましくはナイーブT細胞の蓄積であり得、好ましくはそれらと見なすことができる。好ましくは、PBMCの蓄積は、皮膚、好ましくは皮膚の局所下層内、より好ましくは皮膚の真皮および/または皮下組織内、より好ましくは皮膚の毛細血管の内腔内、さらにより好ましくは皮膚の真皮および/または皮下組織の毛細血管の内腔内でのPBMCの量の増加により示されることができる。
【0787】
皮膚、好ましくは皮膚の局所下層内、より好ましくは皮膚の真皮および/または皮下組織内でのPBMCの存在は既に、PBMCの量の増加および/または蓄積と見なすことができる。好ましくは、PBMCの蓄積は、皮膚、好ましくは皮膚の局所下層内、より好ましくは皮膚の真皮および/または皮下組織内でのPBMC、好ましくはリンパ球、より好ましくはナイーブPBMC、さらにより好ましくはナイーブリンパ球、またより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、またさらにより好ましくはナイーブT細胞の量の増加により示されることができる。
【0788】
好ましくは皮膚、好ましくは皮膚の局所下層内、より好ましくは皮膚の真皮および/もしくは皮下組織内、ならびに/または好ましくは皮膚の毛細血管の内腔内、より好ましくは皮膚の真皮および/または皮下組織の毛細血管の内腔内での、PBMC、好ましくはリンパ球、より好ましくはナイーブPBMC、さらにより好ましくはナイーブリンパ球、またより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、またさらにより好ましくはナイーブT細胞の存在および/またはその量の定量化は、皮膚内でのそのような細胞の計数および/またはそれ以外に定量化するために好適な当業者に公知のいずれかの好適な方法により、測定することができる。
【0789】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、皮膚内でのPBMCの蓄積は、有益な効果を達成するために好適な程度および/もしくは持続時間までであり、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない。
【0790】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、皮膚内でのPBMCの蓄積は、製薬上許容され、かつ熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/または損傷を引き起こさない限り、いずれかの程度および/またはいずれかの持続時間までであり得る。
【0791】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、
・PBMCの蓄積が、以下の事項により示され;かつ/または
・PBMCの蓄積は、以下の事項を生じさせるためであり、好ましくは、PBMCの蓄積は、以下の事項を生じさせるために好適かつ/もしくは十分な程度および/もしくは持続時間まで生じる:
- 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内での血液量の増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚上の温度上昇であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚上の発赤であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである。
【0792】
好ましくは、PBMC、リンパ球、T細胞、および/またはナイーブT細胞、より好ましくはナイーブPBMC、さらにより好ましくはナイーブリンパ球、またより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、またさらにより好ましくはナイーブT細胞の蓄積および/またはその量の定量化は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、皮膚内でのそのような細胞の計数および/またはそれ以外に定量化するために好適な当業者に公知のいずれかの方法により、測定することができる。
【0793】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、皮膚内でのPBMCの蓄積は、当業者に公知のいずれかの好適な方法により測定され、好ましくは、主題「熱測定および皮膚発赤」の下に、材料および方法セクション中に記載される通りに測定される。
【0794】
例えば、皮膚内でのsO2(ヘモグロビンの酸素飽和度)、皮膚内でのrHb(相対的ヘモグロビン量)もしくは皮膚上の温度またはそれらのうちのいずれか2種もしくは全3種の組み合わせは、PBMCの蓄積の尺度であり得る。sO2、rHbおよび/または温度に関するより高い値が、PBMCの蓄積を示す。加えて、sO2、rHbおよび/または温度と組み合わせて、皮膚内の血流パラメータrFlow(相対的血流)および皮膚内のVel(血流速度)のうちのいずれかまたは両方が増加し、PBMCの蓄積を示すことができる。
【0795】
それゆえ、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、PBMCの蓄積は、sO2および/またはrHb、より好ましくはsO2、rHbおよび/または温度に基づいて(in terms of)決定される。さらにより好ましくは、PBMCの蓄積は、sO2、rHbおよび/または温度に基づいて決定される。またさらにより好ましくは、PBMCの蓄積は、sO2、rHb、温度、rFlowおよびVelに基づいて決定される。
【0796】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、皮膚内でのsO2、rHb、rFlowおよび/またはVelは、当業者に公知のいずれかの好適な方法により測定することができ、好ましくは、それらは、主題「O2C - Oxygen to See」の下に、材料および方法セクション中に記載される通りに測定される。
【0797】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、皮膚上の温度は、当業者に公知のいずれかの好適な方法により測定することができ、好ましくは、主題「熱測定および皮膚発赤」の下に、材料および方法セクション中に記載される通りに測定される。
【0798】
皮膚内でのPBMCの蓄積が、皮膚内でのsO2に基づいて決定される場合、皮膚内でのsO2の増加は、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかでは、好ましくは、%(パーセント)または%ポイント(パーセントポイント)で言及されるのと同じ量までである。別途言及されない場合、特にステップ(A-3)の実施形態のうちのいずれかでは、sO2および%または%ポイントでのsO2の増加に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載されるステップ(A-0)の実施形態のうちのいずれかでのsO2およびsO2の増加に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0799】
皮膚内でのPBMCの蓄積が、皮膚内でのrHbに基づいて決定される場合、皮膚内でのrHbの増加は、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかでは、好ましくは、%(パーセント)またはAU(任意単位:arbitrary unit)で言及されるのと同じ量までである。別途言及されない場合、特にステップ(A-3)の実施形態のうちのいずれかでは、rHbおよび%またはAUでのrHbの増加に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載されるステップ(A-0)の実施形態のうちのいずれかでのrHbおよびrHbの増加に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0800】
皮膚内でのPBMCの蓄積が、皮膚内でのrFlowに基づいて決定される場合、皮膚内でのrFlowの増加は、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかでは、好ましくは、%またはAUで言及されるのと同じ量までである。別途言及されない場合、特にステップ(A-3)の実施形態のうちのいずれかでは、rFlowおよび%またはAUでのrFlowの増加に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載されるステップ(A-0)の実施形態のうちのいずれかでのrFlowおよびrFlowの増加に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0801】
皮膚内でのPBMCの蓄積が、皮膚内でのVelに基づいて決定される場合、皮膚内でのVelの増加は、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかでは、好ましくは、%またはAUで言及されるのと同じ量までである。別途言及されない場合、特にステップ(A-3)の実施形態のうちのいずれかでは、Velおよび%またはAUでのVelの増加に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載されるステップ(A-0)の実施形態のうちのいずれかでのVelおよびVelの増加に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0802】
皮膚内でのPBMCの蓄積が、皮膚上の温度に基づいて決定される場合、皮膚上での温度上昇は、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかでは、好ましくは、%(パーセント)または℃(セルシウス度(degrees Celius))で言及されるのと同じ量までである。別途言及されない場合、特にステップ(A-4)の実施形態のうちのいずれかでは、皮膚上の温度、および%または℃での皮膚上での温度上昇に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載されるステップ(A-0)の実施形態のうちのいずれかでの皮膚上の温度および皮膚上での温度上昇に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0803】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、PBMCの蓄積は、より好ましくは、PBMC、さらにより好ましくはナイーブリンパ球、またより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、またさらにより好ましくはナイーブT細胞の量の十分な増加が達成される限り、いずれかの程度および/または持続時間までであり得る。さらに、好ましくは、皮膚および/または皮膚の毛細血管の病変および/または損傷が引き起こされない限り、PBMCの蓄積の程度(extend)および/または持続時間に関して上限はない。
【0804】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、PBMCの蓄積は、未処置の皮膚のPBMCの蓄積またはPBMCの量を参照して示される。より好ましくは、ステップ(A-0)での皮膚は、皮膚領域の、好ましくは皮膚領域[a]のものであり、かつ未処置皮膚は未処置皮膚領域のものであり、このとき、未処置皮膚領域は、1cm以上かつ10cm以下まで、皮膚領域から離れている。距離は、好ましくは、皮膚領域の輪郭上の点から未処置皮膚領域の輪郭上の点まで測定され、このとき、互いに対して最小の距離を有する点が採用される。より好ましくは、未処置皮膚は、本発明の方法が皮膚に対して行なわれる前の皮膚である。好ましくは、これは、より好ましくはヒトの、腕または脚の皮膚である。
【0805】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくはsO2が主題「O2C - Oxygen to See」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、85%以下、より典型的には30%以上かつ85%以下の範囲内、さらにより典型的には55%以上かつ80%以下のsO2に基づくPBMCの蓄積を有する。
【0806】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくはrHbが主題「O2C - Oxygen to See」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、90AU以下、より典型的には30AU以上かつ90AU以下の範囲内、さらにより典型的には60AU以上かつ85AU以下のrHbに基づくPBMCの蓄積を有する。
【0807】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくはrFlowが主題「O2C - Oxygen to See」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、110AU以下、より典型的には5AU以上かつ110AU以下の範囲内、さらにより典型的には10AU以上かつ80AU以下のrFlowに基づくPBMCの蓄積を有する。
【0808】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくはVelが主題「O2C - Oxygen to See」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、20AU以下、より典型的には5AU以上かつ20AU以下の範囲内、さらにより典型的には10AU以上かつ18AU以下のVelに基づくPBMCの蓄積を有する。
【0809】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくは皮膚上の温度が主題「熱測定および皮膚発赤」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、36℃以下、より典型的には20℃以上かつ36℃以下の範囲内、さらにより典型的には22℃以上かつ34℃以下、またより典型的には24℃以上かつ34℃以下、またさらにより典型的には24℃以上かつ32℃以下の温度、好ましくは皮膚表面温度に基づくPBMCの蓄積を有する。
【0810】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、PBMCの蓄積は、3時間以下、さらにより好ましくは1.5時間以下、またより好ましくは1時間以下、またさらにより好ましくは0.75時間以下、さらに好ましくは0.5時間以下以内に確立される。好ましくは、PBMCの蓄積は、直ちにから3時間まで、より好ましくは0.05秒から1.5時間まで、さらにより好ましくは0.5秒から1.5時間まで、またより好ましくは5秒から1時間まで、またさらにより好ましくは10秒から0.75時間まで、さらに好ましくは10秒から0.5時間まで、なおさらに好ましくは10秒から0.25時間までに確立される。
【0811】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、PBMCの蓄積は、2分以上、より好ましくは10分以上、さらにより好ましくは0.25時間以上の持続時間にわたって、存在し、持続し、かつ/または維持される。PBMCの蓄積の持続性に関して上限はないが、しかしながら、通常、これは48時間以下、より好ましくは6時間以下、さらにより好ましくは3時間以下、またより好ましくは1.5時間以下、またさらにより好ましくは1時間以下、さらに好ましくは0.75時間以下の持続時間にわたる。好ましくは、PBMCの蓄積は、10分以上かつ48時間以下、より好ましくは0.25時間以上かつ48時間以下、さらにより好ましくは0.25時間以上かつ6時間以下、またより好ましくは0.5時間以上かつ3時間以下、またさらにより好ましくは0.75時間以上かつ1.5時間以下の範囲内の持続時間にわたって、存在し、持続し、かつ/または維持される。
【0812】
持続時間は、継続的であるかまたは中断を伴い、すなわち、2つ以上の部分持続時間に分配される場合がある。したがって、持続時間は、好ましくは、単一の継続的持続時間または2つ以上の部分持続時間の合計から構成されることができる合計持続時間である。
【0813】
さらに、ステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれかまたは全部が行なわれた後に、PBMCの蓄積が存在し、かつ/または維持される持続時間または合計持続時間。そのような持続時間は、例えば、ステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)のうちのいずれかもしくは全部が行なわれたのと同時もしくはその直後から、15時間以下、好ましくは10時間以下、より好ましくは8時間以下、さらにより好ましくは6時間以下、さらにより好ましくは2時間以下までである。それゆえ、PBMCの蓄積は、例えば、ステップ(A-0)を複数回行なうことにより、例えば、熱感パッド剤を皮膚へと数回適用するかまたは継続的加温性熱感パッチ剤を用いることにより、合計持続時間にわたって存在し、かつ/または維持されることができる。しかしながら、これは、ステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれかまたは全部が行なわれる前に、ステップ(A-0)が行なわれることを除外しないことが注記される。
【0814】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、PBMCの蓄積の生成は、いずれかの手段、方法、物質および/または手順により遂行することができ、好ましくは遂行され、このとき、皮膚内で、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚を損傷することなく、PBMC、好ましくはリンパ球の蓄積を生じさせるために好適かつ/または十分である限り、手段、方法、物質および/または手順は特に限定されない。
【0815】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-0)では、
PBMCの蓄積は、
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップであって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-3) 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-6)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-7)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚に対して、好ましくは皮膚領域の皮膚中にPBMCを投与するステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-8)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ
により生成される。
【0816】
好ましくは、ステップ(A-1)~(A-8)は、互いに排他的でないことができる。
【0817】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-0)では、皮膚は皮膚領域である。
【0818】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-0)では、PBMCの蓄積は、皮膚領域の皮膚内で生成される。
【0819】
より好ましくは、PBMCの蓄積は皮膚領域の皮膚内で生成され、調整エネルギー、皮膚コンディショニング剤および/またはPBMCが皮膚領域の皮膚へと投与される。
【0820】
さらにより好ましくは、PBMCの蓄積は皮膚領域の皮膚内で生成され、適用領域の皮膚へと調整エネルギー、皮膚コンディショニング剤および/またはPBMCを適用することにより、調整エネルギー、皮膚コンディショニング剤および/またはPBMCが適用領域の皮膚へと投与される。
【0821】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-0)では、適用領域は、個別の皮膚領域のものである。
【0822】
より好ましくは、皮膚領域は皮膚領域[a]であり、かつ/または適用領域は適用領域[a]である。
【0823】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-0)では、皮膚領域および皮膚領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ皮膚領域および皮膚領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および皮膚領域または皮膚領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-0)の皮膚領域および皮膚領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0824】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-0)では、適用領域および適用領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ適用領域および適用領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および適用領域または適用領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-0)の適用領域および適用領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0825】
概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に言及される実施形態のうちのいずれかは、独立して適用可能であり、かつ/または本明細書中に記載される通りの方法に関する実施形態のうちのいずれかおよび特に本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)のいずれかの実施形態と組み合わせ可能であることが理解されるべきである。
【0826】
・本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して
上記で述べた通り、ステップ(A-1)は、被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせることを必要とする。
【0827】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-1)では、血管拡張は、皮膚の局所下層内、より好ましくは皮膚の、好ましくは皮膚領域の皮膚の真皮および/または皮下組織内での毛細血管のものである。
【0828】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-1)では、血管拡張は、有益な効果を達成するために好適な程度および/もしくは持続時間までであり、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、および/もしくは毛細血管の毛細血管の破裂などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない。
【0829】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-1)では、血管拡張は、製薬上許容され、かつ熱傷、病変を生じることおよび/または毛細血管の破裂などの皮膚の病変および/または損傷を引き起こさない限り、いずれかの程度および/またはいずれかの持続時間までであり得る。
【0830】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-1)では、
・血管拡張が、以下の事項により示され;かつ/または
・血管拡張は、以下の事項を生じさせるためであり、好ましくは、血管拡張は、以下の事項を生じさせるために好適かつ/もしくは十分な程度および/もしくは持続時間まで生じる:
- 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内での血液量の増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚上の温度上昇であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚上の発赤であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである。
【0831】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-1)では、皮膚内での毛細血管の拡張は、当業者に公知のいずれかの好適な方法により測定され、好ましくは、主題「熱測定および皮膚発赤」の下に、材料および方法セクション中に記載される通りに測定される。
【0832】
例えば、皮膚内でのsO2(ヘモグロビンの酸素飽和度)、皮膚内でのrHb(相対的ヘモグロビン量)もしくは皮膚上の温度またはそれらのうちのいずれか2種もしくは全3種の組み合わせは、血管拡張の尺度であり得る。sO2、rHbおよび/または皮膚上の温度に関するより高い値が、より顕著な血管拡張を示す。加えて、sO2、rHbおよび/または皮膚上の温度と組み合わせて、皮膚内の血流パラメータrFlow(相対的血流)および皮膚内のVel(血流速度)のうちのいずれかまたは両方が増加し、血管拡張を示すことができる。
【0833】
それゆえ、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-1)では、血管拡張は、sO2、rHbおよび/または皮膚上の温度に基づいて決定される。より好ましくは、血管拡張は、sO2、rHbおよび皮膚上の温度に基づいて決定される。さらにより好ましくは、血管拡張は、sO2、rHb、皮膚上の温度、rFlowおよびVelに基づいて決定される。
【0834】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-1)では、sO2、rHb、rFlowおよび/またはVelは、当業者に公知のいずれかの好適な方法により測定することができ、好ましくは、それらは、主題「O2C - Oxygen to See」の下に、材料および方法セクション中に記載される通りに測定される。
【0835】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-1)では、皮膚上の温度は、当業者に公知のいずれかの好適な方法により測定することができ、好ましくは、主題「熱測定および皮膚発赤」の下に、材料および方法セクション中に記載される通りに測定される。
【0836】
皮膚内での血管拡張が、皮膚内でのsO2に基づいて決定される場合、皮膚内でのsO2の増加は、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかでは、好ましくは、%(パーセント)または%ポイント(パーセントポイント)で言及されるのと同じ量までである。別途言及されない場合、特にステップ(A-3)の実施形態のうちのいずれかでは、sO2、および%または%ポイントでのsO2の増加に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載されるステップ(A-1)の実施形態のうちのいずれかでのsO2およびsO2の増加に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0837】
皮膚内での血管拡張が、皮膚内でのrHbに基づいて決定される場合、皮膚内でのrHbの増加は、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかでは、好ましくは、%(パーセント)またはAU(任意単位)で言及されるのと同じ量までである。別途言及されない場合、特にステップ(A-3)の実施形態のうちのいずれかでは、rHb、および%またはAUでのrHbの増加に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載されるステップ(A-1)の実施形態のうちのいずれかでのrHbおよびrHbの増加に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0838】
皮膚内での血管拡張が、皮膚内でのrFlowに基づいて決定される場合、皮膚内でのrFlowの増加は、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかでは、好ましくは、%またはAUで言及されるのと同じ量までである。別途言及されない場合、特にステップ(A-3)の実施形態のうちのいずれかでは、rFlow、および%またはAUでのrFlowの増加に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載されるステップ(A-1)の実施形態のうちのいずれかでのrFlowおよびrFlowの増加に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0839】
皮膚内での血管拡張が、皮膚内でのVelに基づいて決定される場合、皮膚内でのVelの増加は、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかでは、好ましくは、%またはAUで言及されるのと同じ量までである。別途言及されない場合、特にステップ(A-3)の実施形態のうちのいずれかでは、Vel、および%またはAUでのVelの増加に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載されるステップ(A-1)の実施形態のうちのいずれかでのVelおよびVelの増加に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0840】
皮膚内での血管拡張が、皮膚上の温度に基づいて決定される場合、皮膚上での温度上昇は、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかでは、好ましくは、%(パーセント)または℃(セルシウス度)で言及されるのと同じ量までである。別途言及されない場合、特にステップ(A-4)の実施形態のうちのいずれかでは、皮膚上の温度、および%または℃での皮膚上での温度上昇に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載されるステップ(A-1)の実施形態のうちのいずれかでの皮膚上の温度および皮膚上での温度上昇に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0841】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-1)では、血管拡張は、より好ましくは、十分な血管拡張が達成される限り、いずれかの程度および/または持続時間までであり得る。さらに、好ましくは、皮膚および/または皮膚の毛細血管の病変および/または損傷が引き起こされない限り、血管拡張の程度および/または持続時間に関して上限はない。
【0842】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-1)では、血管拡張は、未処置の皮膚の血管拡張を参照して示される。より好ましくは、ステップ(A-1)での皮膚は、皮膚領域の、好ましくは皮膚領域[a]のものであり、かつ未処置皮膚は未処置皮膚領域のものであり、このとき、未処置皮膚領域は、1cm以上かつ10cm以下まで、皮膚領域から離れている。距離は、好ましくは、皮膚領域の輪郭上の点から未処置皮膚領域の輪郭上の点まで測定され、このとき、互いに対して最小の距離を有する点が採用される。より好ましくは、未処置皮膚は、本発明の方法が皮膚に対して行なわれる前の皮膚である。好ましくは、これは、より好ましくはヒトの、腕または脚の皮膚である。
【0843】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくはsO2が主題「O2C - Oxygen to See」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、85%以下、より典型的には30%以上かつ85%以下の範囲内、さらにより典型的には55%以上かつ80%以下のsO2に基づく血管拡張を有する。
【0844】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくはrHbが主題「O2C - Oxygen to See」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、90AU以下、より典型的には30AU以上かつ90AU以下の範囲内、さらにより典型的には60AU以上かつ85AU以下のrHbに基づく血管拡張を有する。
【0845】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくはrFlowが主題「O2C - Oxygen to See」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、110AU以下、より典型的には5AU以上かつ110AU以下の範囲内、さらにより典型的には10AU以上かつ80AU以下のrFlowに基づく血管拡張を有する。
【0846】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくはVelが主題「O2C - Oxygen to See」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、20AU以下、より典型的には5AU以上かつ20AU以下の範囲内、さらにより典型的には10AU以上かつ18AU以下のVelに基づく血管拡張を有する。
【0847】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくは皮膚上の温度が主題「熱測定および皮膚発赤」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、36℃以下、より典型的には20℃以上かつ36℃以下の範囲内、さらにより典型的には22℃以上かつ34℃以下、またより典型的には24℃以上かつ34℃以下、またさらにより典型的には24℃以上かつ32℃以下の温度、好ましくは皮膚表面温度に基づく血管拡張を有する。
【0848】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-1)では、血管拡張は、3時間以下、さらにより好ましくは1.5時間以下、またより好ましくは1時間以下、またさらにより好ましくは0.75時間以下、さらに好ましくは0.5時間以下以内に確立される。好ましくは、血管拡張は、直ちにから3時間まで、より好ましくは0.05秒から1.5時間まで、さらにより好ましくは0.5秒から1.5時間まで、またより好ましくは5秒から1時間まで、またさらにより好ましくは10秒から0.75時間まで、さらに好ましくは10秒から0.5時間まで、なおさらに好ましくは10秒から0.25時間までに確立される。
【0849】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-1)では、血管拡張は、2分以上、より好ましくは10分以上、さらにより好ましくは0.25時間以上の持続時間にわたって、存在し、持続し、かつ/または維持される。血管拡張の持続性に関して上限はないが、しかしながら、通常、これは6時間以下、より好ましくは3時間以下、さらにより好ましくは1.5時間以下、またより好ましくは1時間以下、またさらにより好ましくは0.75時間以下の持続時間にわたる。好ましくは、血管拡張は、2分以上かつ6時間以下、より好ましくは5分以上かつ3時間以下、さらにより好ましくは10分以上かつ1.5時間以下、またより好ましくは0.25時間以上かつ1時間以下、またさらにより好ましくは0.25時間以上かつ0.75時間以下の範囲内の持続時間にわたって、存在し、持続し、かつ/または維持される。
【0850】
持続時間は、継続的であるかまたは中断を伴い、すなわち、2つ以上の部分持続時間に分配される場合がある。したがって、持続時間は、好ましくは、単一の継続的持続時間または2つ以上の部分持続時間の合計から構成されることができる合計持続時間である。
【0851】
さらに、ステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれかまたは全部が行なわれた後に、血管拡張が存在し、かつ/または維持される持続時間または合計持続時間。そのような持続時間は、例えば、ステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)のうちのいずれかもしくは全部が行なわれたのと同時もしくはその直後から、15時間以下、好ましくは10時間以下、より好ましくは8時間以下、さらにより好ましくは6時間以下、さらにより好ましくは2時間以下までである。それゆえ、血管拡張は、例えば、ステップ(A-1)を複数回行なうことにより、例えば、熱感パッド剤を皮膚へと数回適用するかまたは継続的加温性熱感パッチ剤を用いることにより、合計持続時間にわたって存在し、かつ/または維持されることができる。しかしながら、これは、ステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれかまたは全部が行なわれる前に、ステップ(A-1)が行なわれることを除外しないことが注記される。
【0852】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-1)では、毛細血管の拡張の生成は、皮膚内で、かつ/または、熱傷および/もしくは病変を生じること、毛細血管の破裂などの皮膚を損傷することなく、毛細血管の拡張を生じさせるために好適かつ/または十分である限り、いずれかの手段、方法、物質および/または手順により遂行することができ、好ましくは遂行される。
【0853】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-1)では、
毛細血管の拡張の生成は、
(A-0) 皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-2) 皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-3) 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-4) 皮膚上の温度上昇を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-5) 皮膚上で発赤を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-6) 皮膚に対して調整エネルギーを施すステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-6)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-7) 皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-7)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ
により生成される。
【0854】
好ましくは、ステップ(A-0)および(A-2)~(A-7)は、互いに排他的でないことができる。
【0855】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-1)では、皮膚は皮膚領域である。
【0856】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-1)では、血管拡張は、皮膚領域の皮膚内で生成される。
【0857】
より好ましくは、血管拡張は皮膚領域の皮膚内で生成され、調整エネルギーおよび/または皮膚コンディショニング剤が皮膚領域の皮膚へと投与される。
【0858】
さらにより好ましくは、血管拡張は皮膚領域の皮膚内で生成され、適用領域の皮膚へと調整エネルギーおよび/または皮膚コンディショニング剤を適用することにより、調整エネルギーおよび/または皮膚コンディショニング剤が皮膚領域の皮膚へと投与される。
【0859】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-1)では、適用領域は、個別の皮膚領域のものである。
【0860】
より好ましくは、皮膚領域は皮膚領域[a]であり、かつ/または適用領域は適用領域[a]である。
【0861】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-1)では、皮膚領域および皮膚領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ皮膚領域および皮膚領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および皮膚領域または皮膚領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-1)の皮膚領域および皮膚領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0862】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-1)では、適用領域および適用領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ適用領域および適用領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および適用領域または適用領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-1)の適用領域および適用領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0863】
概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に言及される実施形態のうちのいずれかは、独立して適用可能であり、かつ/または本明細書中に記載される通りの方法に関する実施形態のうちのいずれかおよび特に本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)のいずれかの実施形態と組み合わせ可能であることが理解されるべきである。
【0864】
・本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して
上記で述べた通り、ステップ(A-2)は、好ましくは皮膚領域の、被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせることを必要とする。
【0865】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-2)では、血液量は、局所下層、より好ましくは真皮および/または皮下組織中で増加する。より好ましくは、血液量は、皮膚の局所下層、より好ましくは皮膚の、好ましくは皮膚領域の皮膚の真皮および/または皮下組織中で増加する。
【0866】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-2)では、血液量は、毛細血管、好ましくは皮膚の毛細血管、より好ましくは皮膚領域の毛細血管の内腔内で増加する。
【0867】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-2)では、血液量は、皮膚の局所下層の毛細血管、さらにより好ましくは皮膚の、好ましくは皮膚領域の皮膚の真皮および/または皮下組織の毛細血管の内腔内で増加する。
【0868】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-2)では、血液量は、有益な効果を達成するために好適ないずれかの程度および/もしくは持続時間まで増加し、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない。
【0869】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-2)では、血液量は、製薬上許容され、かつ熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/または損傷を引き起こさない限り、いずれかの程度および/またはいずれかの持続時間まで増加し得る。
【0870】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-2)では、
・血液量の増加が、以下の事項により示され;かつ/または
・血液量は、増加して以下の事項を生じさせ、好ましくは、血液量は、以下の事項を生じさせるために好適かつ/もしくは十分な程度および/もしくは持続時間まで増加する:
- 皮膚内でのPBMCの蓄積であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内での毛細血管の拡張であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚上の温度上昇であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚上の発赤であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである。
【0871】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-2)では、皮膚内での毛細血管の血液量の増加は、当業者に公知のいずれかの好適な方法により測定され、好ましくは、主題「熱測定および皮膚発赤」の下に、材料および方法セクション中に記載される通りに測定される。
【0872】
例えば、皮膚内でのsO2(ヘモグロビンの酸素飽和度)、皮膚内でのrHb(相対的ヘモグロビン量)もしくは皮膚上の温度またはそれらのうちのいずれか2種もしくは全3種の組み合わせは、血液量の尺度であり得る。sO2、rHbおよび/または皮膚上の温度に関するより高い値が、血液量の増加を示す。加えて、sO2、rHbおよび/または皮膚上の温度と組み合わせて、血流パラメータrFlow(相対的血流)およびVel(血流速度)のうちのいずれかまたは両方が増加し、血液量の増加を示すことができる。
【0873】
それゆえ、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-2)では、血液量の増加は、sO2、rHbおよび/または皮膚上の温度に基づいて決定される。より好ましくは、血液量の増加は、sO2、rHbおよび皮膚上の温度に基づいて決定される。さらにより好ましくは、血液量の増加は、sO2、rHb、皮膚上の温度、rFlowおよびVelに基づいて決定される。
【0874】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-2)では、sO2、rHb、rFlowおよび/またはVelは、当業者に公知のいずれかの好適な方法により測定することができ、好ましくは、それらは、主題「O2C - Oxygen to See」の下に、材料および方法セクション中に記載される通りに測定される。
【0875】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-2)では、皮膚上の温度は、当業者に公知のいずれかの好適な方法により測定することができ、好ましくは、主題「熱測定および皮膚発赤」の下に、材料および方法セクション中に記載される通りに測定される。
【0876】
皮膚内での血液量の増加が、皮膚内でのsO2に基づいて決定される場合、皮膚内でのsO2の増加は、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかでは、好ましくは、%(パーセント)または%ポイント(パーセントポイント)で言及されるのと同じ量までである。別途言及されない場合、特にステップ(A-3)の実施形態のうちのいずれかでは、sO2、および%または%ポイントでのsO2の増加に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載されるステップ(A-2)の実施形態のうちのいずれかでのsO2およびsO2の増加に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0877】
皮膚内での血液量の増加が、皮膚内でのrHbに基づいて決定される場合、皮膚内でのrHbの増加は、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかでは、好ましくは、%(パーセント)またはAU(任意単位)で言及されるのと同じ量までである。別途言及されない場合、特にステップ(A-3)の実施形態のうちのいずれかでは、rHb、および%またはAUでのrHbの増加に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載されるステップ(A-2)の実施形態のうちのいずれかでのrHbおよびrHbの増加に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0878】
皮膚内での血液量の増加が、皮膚内でのrFlowに基づいて決定される場合、皮膚内でのrFlowの増加は、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかでは、好ましくは、%またはAUで言及されるのと同じ量までである。別途言及されない場合、特にステップ(A-3)の実施形態のうちのいずれかでは、rFlow、および%またはAUでのrFlowの増加に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載されるステップ(A-2)の実施形態のうちのいずれかでのrFlowおよびrFlowの増加に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0879】
皮膚内での血液量の増加が、皮膚内でのVelに基づいて決定される場合、皮膚内でのVelの増加は、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかでは、好ましくは、%またはAUで言及されるのと同じ量までである。別途言及されない場合、特にステップ(A-3)の実施形態のうちのいずれかでは、Vel、および%またはAUでのVelの増加に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載されるステップ(A-2)の実施形態のうちのいずれかでのVelおよびVelの増加に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0880】
皮膚内での血液量の増加が、皮膚上の温度に基づいて決定される場合、皮膚上での温度上昇は、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかでは、好ましくは、%(パーセント)または℃(セルシウス度)で言及されるのと同じ量までである。別途言及されない場合、特にステップ(A-4)の実施形態のうちのいずれかでは、皮膚上の温度、および%または℃での皮膚上での温度上昇に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載されるステップ(A-2)の実施形態のうちのいずれかでの皮膚上の温度および皮膚上での温度上昇に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0881】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-2)では、血液量の増加は、より好ましくは、十分な血液量の増加が達成される限り、いずれかの程度および/または持続時間までであり得る。さらに、好ましくは、皮膚および/または皮膚の毛細血管の病変および/または損傷が引き起こされない限り、血液量の増加の程度および/または持続時間に関して上限はない。
【0882】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-2)では、血液量の増加は、未処置の皮膚の血液量を参照して示される。より好ましくは、ステップ(A-2)での皮膚は、皮膚領域の、好ましくは皮膚領域[a]のものであり、かつ未処置皮膚は未処置皮膚領域のものであり、このとき、未処置皮膚領域は、1cm以上かつ10cm以下まで、皮膚領域から離れている。距離は、好ましくは、皮膚領域の輪郭上の点から未処置皮膚領域の輪郭上の点まで測定され、このとき、互いに対して最小の距離を有する点が採用される。より好ましくは、未処置皮膚は、本発明の方法が皮膚に対して行なわれる前の皮膚である。好ましくは、これは、より好ましくはヒトの、腕または脚の皮膚である。
【0883】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくはsO2が主題「O2C - Oxygen to See」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、85%以下、より典型的には30%以上かつ85%以下の範囲内、さらにより典型的には55%以上かつ80%以下のsO2に基づく血液量を有する。
【0884】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくはrHbが主題「O2C - Oxygen to See」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、90AU以下、より典型的には30AU以上かつ90AU以下の範囲内、さらにより典型的には60AU以上かつ85AU以下のrHbに基づく血液量を有する。
【0885】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくはrFlowが主題「O2C - Oxygen to See」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、110AU以下、より典型的には5AU以上かつ110AU以下の範囲内、さらにより典型的には10AU以上かつ80AU以下のrFlowに基づく血液量を有する。
【0886】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくはVelが主題「O2C - Oxygen to See」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、20AU以下、より典型的には5AU以上かつ20AU以下の範囲内、さらにより典型的には10AU以上かつ18AU以下のVelに基づく血液量を有する。
【0887】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくは皮膚上の温度が主題「熱測定および皮膚発赤」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、36℃以下、より典型的には20℃以上かつ36℃以下の範囲内、さらにより典型的には22℃以上かつ34℃以下、またより典型的には24℃以上かつ34℃以下、またさらにより典型的には24℃以上かつ32℃以下の温度、好ましくは皮膚表面温度に基づく血液量を有する。
【0888】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-2)では、血液量の増加は、3時間以下、さらにより好ましくは1.5時間以下、またより好ましくは1時間以下、またさらにより好ましくは0.75時間以下、さらに好ましくは0.5時間以下以内に確立される。好ましくは、血液量の増加は、直ちにから3時間まで、より好ましくは0.05秒から1.5時間まで、さらにより好ましくは0.5秒から1.5時間まで、またより好ましくは5秒から1時間まで、またさらにより好ましくは10秒から0.75時間まで、さらに好ましくは10秒から0.5時間まで、なおさらに好ましくは10秒から0.25時間までに確立される。
【0889】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-2)では、血液量の増加は、2分以上、より好ましくは10分以上、さらにより好ましくは0.25時間以上の持続時間にわたって、存在し、持続し、かつ/または維持される。血液量の増加の持続性に関して上限はないが、しかしながら、通常、これは6時間以下、より好ましくは3時間以下、さらにより好ましくは1.5時間以下、またより好ましくは1時間以下、またさらにより好ましくは0.75時間以下の持続時間にわたる。好ましくは、血液量の増加は、2分以上かつ6時間以下またはそれ以下、より好ましくは5分以上かつ3時間以下、さらにより好ましくは10分以上かつ1.5時間以下またはそれ以下、またより好ましくは0.25時間以上かつ1時間以下、またさらにより好ましくは0.25時間以上かつ0.75時間以下の範囲内の持続時間にわたって、存在し、持続し、かつ/または維持される。
【0890】
持続時間は、継続的であるかまたは中断を伴い、すなわち、2つ以上の部分持続時間に分配される場合がある。したがって、持続時間は、好ましくは、単一の継続的持続時間または2つ以上の部分持続時間の合計から構成されることができる合計持続時間である。
【0891】
さらに、ステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれかまたは全部が行なわれた後に、血液量の増加(increased blod volume)が存在し、かつ/または維持される持続時間または合計持続時間。そのような持続時間は、例えば、ステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)のうちのいずれかもしくは全部が行なわれたのと同時もしくはその直後から、15時間以下、好ましくは10時間以下、より好ましくは8時間以下、さらにより好ましくは6時間以下、さらにより好ましくは2時間以下までである。それゆえ、血液量の増加は、例えば、ステップ(A-2)を複数回行なうことにより、例えば、熱感パッド剤を皮膚へと数回適用するかまたは継続的加温性熱感パッチ剤を用いることにより、合計持続時間にわたって存在し、かつ/または維持されることができる。しかしながら、これは、ステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれかまたは全部が行なわれる前に、ステップ(A-2)が行なわれることを除外しないことが注記される。
【0892】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-2)では、皮膚内での血液量の増加の生成は、皮膚内で、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚を損傷することなく、血液量の増加を生じさせるために好適かつ/または十分である限り、いずれかの手段、方法、物質および/または手順により遂行することができ、好ましくは遂行される。
【0893】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-2)では、
血液量の増加の生成は、
(A-0) 皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップであって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-3) 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-4) 皮膚上の温度上昇を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-5) 皮膚上で発赤を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-6) 皮膚に対して調整エネルギーを施すステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-6)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-7) 皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-7)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ
により生成される。
【0894】
好ましくは、ステップ(A-0)、(A-1)および(A-3)~(A-7)は、互いに排他的でないことができる。
【0895】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-2)では、皮膚は皮膚領域である。
【0896】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-2)では、血液量の増加は、皮膚領域の皮膚内で生成される。
【0897】
より好ましくは、血液量の増加は皮膚領域の皮膚内で生成され、調整エネルギーおよび/または皮膚コンディショニング剤が皮膚領域の皮膚へと投与される。
【0898】
さらにより好ましくは、血液量の増加は皮膚領域の皮膚内で生成され、適用領域の皮膚へと調整エネルギーおよび/または皮膚コンディショニング剤を適用することにより、調整エネルギーおよび/または皮膚コンディショニング剤が皮膚領域の皮膚へと投与される。
【0899】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-2)では、適用領域は、個別の皮膚領域のものである。
【0900】
より好ましくは、皮膚領域は皮膚領域[a]であり、かつ/または適用領域は適用領域[a]である。
【0901】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-2)では、皮膚領域および皮膚領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ皮膚領域および皮膚領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および皮膚領域または皮膚領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-2)の皮膚領域および皮膚領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0902】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-2)では、適用領域および適用領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ適用領域および適用領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および適用領域または適用領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-2)の適用領域および適用領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0903】
概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に言及される実施形態のうちのいずれかは、独立して適用可能であり、かつ/または本明細書中に記載される通りの方法に関する実施形態のうちのいずれかおよび特に本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)のいずれかの実施形態と組み合わせ可能であることが理解されるべきである。
【0904】
・本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して
上記で述べた通り、ステップ(A-3)は、被験体の皮膚内でのsO2(ヘモグロビンの酸素飽和度)の増加および/またはrHb(相対的ヘモグロビン量)の増加を生じさせることを必要とする。
【0905】
sO2、rHbまたは両方の組み合わせは、皮膚中の後毛細血管系のパラメータであり、皮膚内での毛細血管系の状態を示すものである。
【0906】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-3)では、sO2の増加および/またはrHbの増加は、皮膚の局所下層内、より好ましくは皮膚の真皮および/または皮下組織内、さらにより好ましくは皮膚の、好ましくは皮膚領域の皮膚の真皮内の後毛細血管系のものである。
【0907】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-3)では、sO2の増加および/またはrHbの増加は、皮膚の局所下層内、より好ましくは皮膚の真皮および/または皮下組織内、さらにより好ましくは皮膚の、好ましくは皮膚領域の皮膚の真皮内の毛細血管のsO2の増加および/またはrHbを示すものである。
【0908】
好ましくは、ステップ(A-3)は、皮膚内でのrFlow(相対的血流)の増加および/またはVel(血流速度)の増加をさらに生じさせることを必要とする。
【0909】
それゆえ、ステップ(A-3)は、好ましくは、皮膚内でのsO2の増加および/またはrHbの増加ならびにrFlowの増加および/またはVelの増加を生じさせることを必要とする。
【0910】
より好ましくは、ステップ(A-3)は、皮膚内でのsO2の増加、rHbの増加ならびに加えてrFlowの増加および/またはVelの増加を生じさせることを必要とする。
【0911】
さらにより好ましくは、ステップ(A-3)は、皮膚内でのsO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加およびVelの増加を生じさせることを必要とする。
【0912】
rFlowもしくはVelまたは両方の組み合わせもまた、皮膚中の後毛細血管系のパラメータであり、皮膚内での毛細血管系の状態を示すものである。
【0913】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-3)では、rFlowの増加および/またはVelの増加は、皮膚の局所下層内、より好ましくは皮膚の真皮および/または皮下組織内、さらにより好ましくは皮膚の、好ましくは皮膚領域の皮膚の真皮内の後毛細血管脈系のものである。
【0914】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-3)では、rFlowの増加および/またはVelの増加は、皮膚の局所下層内、より好ましくは皮膚の真皮および/または皮下組織内、さらにより好ましくは皮膚の、好ましくは皮膚領域の皮膚の真皮内の毛細血管のrFlowの増加および/またはVelの増加を示すものである。
【0915】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-3)では、sO2、rHb、rFlowおよび/またはVelは、有益な効果を達成するために好適ないずれかの程度および/もしくは持続時間まで増加し、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない。
【0916】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-3)では、sO2、rHb、rFlowおよび/またはVelは、製薬上許容され、かつ熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/または損傷を引き起こさない限り、いずれかの程度および/またはいずれかの持続時間まで増加し得る。
【0917】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-3)では、
・sO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加および/またはVelの増加が、以下の事項により示され;かつ/または
・sO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加および/またはVelの増加は、以下の事項を生じさせるためであり、好ましくは、sO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加および/またはVelの増加は、以下の事項を生じさせるために好適かつ/もしくは十分な程度および/もしくは持続時間まで生じる:
- 皮膚内でのPBMCの蓄積であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内での毛細血管の拡張であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内での血液量の増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚上の温度上昇であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚上の発赤であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである。
【0918】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-3)では:
sO2は、2%以上増加し、かつ/もしくは2%ポイント以上増加し;かつ/または
rHbは、2%以上増加し、かつ/もしくは2AU(任意単位)以上増加し;かつ/または
rFlowは、10%以上増加し、かつ/もしくは20AU(任意単位)以上増加し;かつ/または
Velは、10%以上増加し、かつ/もしくは3AU(任意単位)以上増加する。
【0919】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-3)では、sO2、rHb、rFlowおよび/またはVelは、当業者に公知のいずれかの好適な方法により測定され、好ましくは、主題「O2C - Oxygen to See」の下に、材料および方法セクション中に記載される通りに測定される。
【0920】
sO2は、
- より好ましくは、5%以上、さらにより好ましくは8%以上、またより好ましくは14%以上増加する。皮膚および/もしくは皮膚の毛細血管の病変および/もしくは損傷が引き起こされない限り、増加の程度に関して上限はないが、しかしながら、通常、sO2は、200%以下、好ましくは100%以下、好ましくは50%以下増加する。より好ましくは、sO2は、2%以上かつ200%以下、さらにより好ましくは5%以上かつ100%以下、またより好ましくは8%以上かつ50%以下、またさらにより好ましくは14%以上かつ50%以下の範囲内で増加する;かつ/または
- より好ましくは、4%ポイント以上、さらにより好ましくは6%ポイント以上、またより好ましくは9%ポイント以上、またさらにより好ましくは10%ポイント以上増加する。皮膚および/もしくは皮膚の毛細血管の病変および/もしくは損傷が引き起こされない限り、増加の程度に関して上限はないが、しかしながら、通常、sO2は、200%ポイント以下、好ましくは60%ポイント以下、好ましくは30%ポイント以下増加する。より好ましくは、sO2は、2%ポイント以上かつ200%ポイント以下、さらにより好ましくは4%ポイント以上かつ60%ポイント以下、またより好ましくは6%ポイント以上かつ60%ポイント以下、またさらにより好ましくは9%ポイント以上かつ30%ポイント以下、さらに好ましくは10%ポイント以上かつ30%ポイント以下の範囲内で増加する;かつ/あるいは
rHbは、
- より好ましくは、5%以上、さらにより好ましくは9%以上、またより好ましくは13%以上、またさらにより好ましくは20%以上増加する。皮膚および/もしくは皮膚の毛細血管の病変および/もしくは損傷が引き起こされない限り、増加の程度に関して上限はないが、しかしながら、通常、rHbは、200%以下、好ましくは100%以下、より好ましくは70%以下増加する。より好ましくは、rHbは、2%以上かつ200%以下、さらにより好ましくは5%以上かつ100%以下、またより好ましくは9%以上かつ100%以下、またさらにより好ましくは13%以上かつ70%以下、さらに好ましくは20%以上かつ70%以下の範囲内で増加する;かつ/または
- より好ましくは、5AU以上、さらにより好ましくは7AU以上、またより好ましくは9AU以上、またさらにより好ましくは12AU以上増加する。皮膚および/もしくは皮膚の毛細血管の病変および/もしくは損傷が引き起こされない限り、増加の程度に関して上限はないが、しかしながら、通常、rHbは、200AU以下、好ましくは80AU以下、より好ましくは30AU以下増加する。より好ましくは、rHbは、2AU以上かつ200AU以下、さらにより好ましくは5AU以上かつ80AU以下、またより好ましくは7AU以上かつ30AU以下、またさらにより好ましくは9AU以上かつ30AU以下、さらに好ましくは12AU以上かつ30AU以下の範囲内で増加する;かつ/あるいは
rFlowは、
- より好ましくは、20%以上、さらにより好ましくは70%以上、またより好ましくは140%以上、またさらにより好ましくは200%以上増加する。皮膚および/もしくは皮膚の毛細血管の病変および/もしくは損傷が引き起こされない限り、増加の程度に関して上限はないが、しかしながら、通常、rFlowは、1000%以下、好ましくは600%以下、より好ましくは500%以下増加する。より好ましくは、rFlowは、10%以上かつ1000%以下、さらにより好ましくは20%以上かつ1000%以下、またより好ましくは70%以上かつ600%以下、またさらにより好ましくは140%以上かつ500%以下、さらに好ましくは200%以上かつ500%以下の範囲内で増加する;かつ/または
- より好ましくは、40AU以上、さらにより好ましくは90AU以上増加する。皮膚および/もしくは皮膚の毛細血管の病変および/もしくは損傷が引き起こされない限り、増加の程度に関して上限はないが、しかしながら、通常、Velは、500AU以下、好ましくは200AU以下、より好ましくは150AU以下増加する。より好ましくは、Velは、20AU以上かつ500AU以下、さらにより好ましくは40AU以上かつ200AU以下、またより好ましくは90AU以上かつ150AU以下の範囲内で増加する;かつ/あるいは
Velは、
- より好ましくは、20%以上、さらにより好ましくは50%以上、またより好ましくは80%以上増加する。皮膚および/もしくは皮膚の毛細血管の病変および/もしくは損傷が引き起こされない限り、増加の程度に関して上限はないが、しかしながら、通常、Velは、500%以下、好ましくは300%以下、より好ましくは200%以下増加する。より好ましくは、Velは、10%以上かつ500%以下、さらにより好ましくは20%以上かつ500%以下、またより好ましくは80%以上かつ300%以下、またさらにより好ましくは80%以上かつ200%以下の範囲内で増加する;かつ/または
- より好ましくは、5AU以上、さらにより好ましくは7AU以上、またより好ましくは10AU以上増加する。皮膚および/もしくは皮膚の毛細血管の病変および/もしくは損傷が引き起こされない限り、増加の程度に関して上限はないが、しかしながら、通常、Velは、150AU以下、好ましくは30AU以下、より好ましくは20AU以下増加する。より好ましくは、Velは、3AU以上かつ150AU以下、さらにより好ましくは5AU以上かつ60AU以下、またより好ましくは7AU以上かつ30AU以下、またさらにより好ましくは10AU以上かつ20AU以下の範囲内で増加する。
【0921】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-3)では、sO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加および/またはVelの増加は、%、℃および/またはAUのいずれで指定されるかにかかわらず、それぞれ、未処置の皮膚のsO2、rHb、rFlowおよび/またはVelを参照して示される。より好ましくは、ステップ(A-3)での皮膚は、皮膚領域の、好ましくは皮膚領域[a]のものであり、かつ未処置皮膚は未処置皮膚領域のものであり、このとき、未処置皮膚領域は、1cm以上かつ10cm以下まで、皮膚領域から離れている。距離は、好ましくは、皮膚領域の輪郭上の点から未処置皮膚領域の輪郭上の点まで測定され、このとき、互いに対して最小の距離を有する点が採用される。より好ましくは、未処置皮膚は、本発明の方法が皮膚に対して行なわれる前の皮膚である。好ましくは、これは、より好ましくはヒトの、腕または脚の皮膚である。
【0922】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくはsO2が主題「O2C - Oxygen to See」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、85%以下、より典型的には30%以上かつ85%以下の範囲内、さらにより典型的には55%以上かつ80%以下のsO2を有する。
【0923】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくはrHbが主題「O2C - Oxygen to See」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、90AU以下、より典型的には30AU以上かつ90AU以下の範囲内、さらにより典型的には60AU以上かつ85AU以下のrHbを有する。
【0924】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくはrFlowが主題「O2C - Oxygen to See」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、110AU以下、より典型的には5AU以上かつ110AU以下の範囲内、さらにより典型的には10AU以上かつ80AU以下のrFlowを有する。
【0925】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくはVelが主題「O2C - Oxygen to See」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、20AU以下、より典型的には5AU以上かつ20AU以下の範囲内、さらにより典型的には10AU以上かつ18AU以下のVelを有する。
【0926】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-3)では、sO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加および/またはVelの増加は、3時間以下、さらにより好ましくは1.5時間以下、またより好ましくは1時間以下、またさらにより好ましくは0.75時間以下、さらに好ましくは0.5時間以下以内に確立される。好ましくは、sO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加および/またはVelの増加は、直ちにから3時間まで、より好ましくは0.05秒から1.5時間まで、さらにより好ましくは0.5秒から1.5時間まで、またより好ましくは5秒から1時間まで、またさらにより好ましくは10秒から0.75時間まで、さらに好ましくは10秒から0.5時間まで、なおさらに好ましくは10秒から0.25時間までに確立される。
【0927】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-3)では、sO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加および/またはVelの増加は、2分以上、より好ましくは10分以上、さらにより好ましくは0.25時間以上の持続時間にわたって、存在し、持続し、かつ/または維持される。sO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加および/またはVelの増加の持続性に関して上限はないが、しかしながら、通常、これは6時間以下、より好ましくは3時間以下、さらにより好ましくは1.5時間以下、またより好ましくは1時間以下、またさらにより好ましくは0.75時間以下の持続時間にわたる。好ましくは、sO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加および/またはVelの増加は、2分以上かつ6時間以下、より好ましくは5分以上かつ3時間以下、さらにより好ましくは10分以上かつ1.5時間以下、またより好ましくは0.25時間以上かつ1時間以下、またさらにより好ましくは0.25時間以上かつ0.75時間以下の範囲内の持続時間にわたって、存在し、持続し、かつ/または維持される。
【0928】
持続時間は、継続的であるかまたは中断を伴い、すなわち、2つ以上の部分持続時間に分配される場合がある。したがって、持続時間は、好ましくは、単一の継続的持続時間または2つ以上の部分持続時間の合計から構成されることができる合計持続時間である。
【0929】
さらに、ステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれかまたは全部が行なわれた後に、sO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加および/またはVelの増加が存在し、かつ/または維持される持続時間または合計持続時間。そのような持続時間は、例えば、ステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)のうちのいずれかもしくは全部が行なわれたのと同時もしくはその直後から、15時間以下、好ましくは10時間以下、より好ましくは8時間以下、さらにより好ましくは6時間以下、さらにより好ましくは2時間以下までである。それゆえ、sO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加および/またはVelの増加の時間は、例えば、ステップ(A-3)を複数回行なうことにより、例えば、熱感パッド剤を皮膚へと数回適用するかまたは継続的加温性熱感パッチ剤を用いることにより、合計持続時間にわたって存在し、かつ/または維持されることができる。しかしながら、これは、ステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれかまたは全部が行なわれる前に、ステップ(A-3)が行なわれることを除外しないことが注記される。
【0930】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-3)では、毛細血管のsO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加および/またはVelの増加の生成は、皮膚内で、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚を損傷することなく、sO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加および/またはVelの増加を生じさせるために好適かつ/または十分である限り、いずれかの手段、方法、物質および/または手順により遂行することができ、好ましくは遂行される。
【0931】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-3)では、
皮膚内でのsO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加および/またはVelの増加の生成は、
(A-0) 皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップであって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-2) 皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-4) 皮膚上の温度上昇を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-5) 皮膚上で発赤を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-6) 皮膚に対して調整エネルギーを施すステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-6)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-7) 皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-7)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ
により生成される。
【0932】
好ましくは、ステップ(A-0)~(A-2)および(A-4)~(A-7)は、互いに排他的でないことができる。
【0933】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-3)では、皮膚は皮膚領域である。
【0934】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-3)では、sO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加および/またはVelの増加は、皮膚領域の皮膚内で生成される。
【0935】
より好ましくは、sO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加および/またはVelの増加は皮膚領域の皮膚内で生成され、調整エネルギーおよび/または皮膚コンディショニング剤が皮膚領域の皮膚へと投与される。
【0936】
さらにより好ましくは、sO2の増加、rHbの増加、rFlowの増加および/またはVelの増加は皮膚領域の皮膚内で生成され、適用領域の皮膚へと調整エネルギーおよび/または皮膚コンディショニング剤を適用することにより、調整エネルギーおよび/または皮膚コンディショニング剤が皮膚領域の皮膚へと投与される。
【0937】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-3)では、適用領域は、個別の皮膚領域のものである。
【0938】
より好ましくは、皮膚領域は皮膚領域[a]であり、かつ/または適用領域は適用領域[a]である。
【0939】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-3)では、皮膚領域および皮膚領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ皮膚領域および皮膚領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および皮膚領域または皮膚領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-3)の皮膚領域および皮膚領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0940】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-3)では、適用領域および適用領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ適用領域および適用領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および適用領域または適用領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-3)の適用領域および適用領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0941】
概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に言及される実施形態のうちのいずれかは、独立して適用可能であり、かつ/または本明細書中に記載される通りの方法に関する実施形態のうちのいずれかおよび特に本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)のいずれかの実施形態と組み合わせ可能であることが理解されるべきである。
【0942】
・本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して
上記で述べた通り、ステップ(A-4)は、被験体の皮膚上での温度上昇を生じさせることを必要とする。
【0943】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-4)では、温度は、有益な効果を達成するために好適ないずれかの程度および/もしくは持続時間まで上昇し、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない。
【0944】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-4)では、温度は、製薬上許容され、かつ熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/または損傷を引き起こさない限り、いずれかの程度および/またはいずれかの持続時間まで上昇し得る。
【0945】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-4)では、温度の上昇は、指を用いて触知可能である。
【0946】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-4)では、
・皮膚上での温度上昇が、以下の事項により示され;かつ/または
・皮膚上の温度は、上昇して以下の事項を生じさせ、好ましくは、皮膚上の温度は、以下の事項を生じさせるために好適かつ/もしくは十分な程度および/もしくは持続時間まで上昇する:
- 皮膚内でのPBMCの蓄積であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内での毛細血管の拡張であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内での血液量の増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚上の発赤であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである。
【0947】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-4)では、皮膚上の温度は、好ましくは℃(セルシウス度)で参照される場合、1%以上上昇し、かつ/または0.2℃以上上昇する。
【0948】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-4)では、皮膚上の温度は、当業者に公知のいずれかの好適な方法により測定され、好ましくは、主題「熱測定および皮膚発赤」の下に、材料および方法セクション中に記載される通りに測定される。
【0949】
皮膚上の温度は、
- 好ましくは℃(セルシウス度)で参照される場合、より好ましくは3%以上、さらにより好ましくは5%以上、またより好ましくは8%以上、またさらにより好ましくは9%以上、さらに好ましくは10%以上上昇し、好ましくは、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の熱傷性病変および/または損傷を引き起こさない限り、上昇に関して上限はないが、しかしながら、通常、温度上昇は、90%以下、好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下、またより好ましくは20%以下、またさらにより好ましくは15%以下である。好ましくは、皮膚上の温度は、1%以上かつ90%以下、より好ましくは3%以上かつ70%以下、さらにより好ましくは5%以上かつ70%以下、またより好ましくは8%以上かつ50%以下、またさらにより好ましくは9%以上かつ20%以下、さらに好ましくは10%以上かつ15%以下の範囲内で上昇する;かつ/あるいは
- より好ましくは、0.3℃以上、さらにより好ましくは0.5℃以上、またより好ましくは0.8℃以上、またさらにより好ましくは1℃以上、さらに好ましくは1.5℃以上、なおさらに好ましくは2℃以上、またさらに好ましくは3℃以上上昇し、好ましくは、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の熱傷性病変および/または損傷を引き起こさない限り、上昇に関して上限はないが、しかしながら、通常、温度上昇は、30℃以下、好ましくは25℃以下、さらにより好ましくは20℃以下、またより好ましくは15℃以下、またさらにより好ましくは8℃以下、さらに好ましくは5℃以下である。好ましくは、皮膚上の温度は、0.2℃以上かつ30℃以下、より好ましくは0.3℃以上かつ30℃以下、さらにより好ましくは0.5℃以上(or)かつ25℃以下、またより好ましくは0.8℃以上かつ25℃以下、またさらにより好ましくは1℃以上かつ20℃以下、さらに好ましくは1.5℃以上かつ15℃以下、なおさらに好ましくは2℃以上かつ8℃以下、またさらに好ましくは3℃以上かつ5℃以下の範囲内で上昇する。
【0950】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-4)では、皮膚上での温度上昇は、%および/または℃のいずれで指定されるかにかかわらず、未処置の皮膚の温度を参照して示される。より好ましくは、ステップ(A-4)での皮膚は、皮膚領域の、好ましくは皮膚領域[a]のものであり、かつ未処置皮膚は未処置皮膚領域のものであり、このとき、未処置皮膚領域は、1cm以上かつ10cm以下まで、皮膚領域から離れている。距離は、好ましくは、皮膚領域の輪郭上の点から未処置皮膚領域の輪郭上の点まで測定され、このとき、互いに対して最小の距離を有する点が採用される。より好ましくは、未処置皮膚は、本発明の方法が皮膚に対して行なわれる前の皮膚である。好ましくは、未処置皮膚は、腕または脚のもの、より好ましくはヒトである。
【0951】
典型的には、未処置皮膚は、好ましくは主題「熱測定および皮膚発赤」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される場合、36℃以下、より典型的には20℃以上かつ36℃以下の範囲内、さらにより典型的には22℃以上かつ34℃以下、またより典型的には24℃以上かつ34℃以下、またさらにより典型的には24℃以上かつ32℃以下の温度、好ましくは皮膚表面温度を有する。
【0952】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-4)では、皮膚上での温度上昇は、3時間以下、さらにより好ましくは1.5時間以下、またより好ましくは1時間以下、またさらにより好ましくは0.75時間以下、さらに好ましくは0.5時間以下以内に確立される。好ましくは、皮膚上での温度上昇は、直ちにから3時間まで、より好ましくは0.05秒から1.5時間まで、さらにより好ましくは0.5秒から1.5時間まで、またより好ましくは5秒から1時間まで、またさらにより好ましくは10秒から0.75時間まで、さらに好ましくは10秒から0.5時間まで、なおさらに好ましくは10秒から0.25時間までに確立される。
【0953】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-4)では、皮膚上での温度上昇は、2分以上、より好ましくは10分以上、さらにより好ましくは0.25時間以上の持続時間にわたって、存在し、持続し、かつ/または維持される。皮膚上での温度上昇の持続性に関して上限はないが、しかしながら、通常、これは6時間以下、より好ましくは3時間以下、さらにより好ましくは1.5時間以下、またより好ましくは1時間以下、またさらにより好ましくは0.75時間以下の持続時間にわたる。好ましくは、皮膚上での温度上昇は、2分以上かつ6時間以下、より好ましくは5分以上かつ3時間以下、さらにより好ましくは10分以上かつ1.5時間以下、またより好ましくは0.25時間以上かつ1時間以下、またさらにより好ましくは0.25時間以上かつ0.75時間以下の範囲内の持続時間にわたって、存在し、持続し、かつ/または維持される。
【0954】
持続時間は、継続的であるかまたは中断を伴い、すなわち、2つ以上の部分持続時間に分配される場合がある。したがって、持続時間は、好ましくは、単一の継続的持続時間または2つ以上の部分持続時間の合計から構成されることができる合計持続時間である。
【0955】
さらに、ステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれかまたは全部が行なわれた後に、温度上昇の時間が存在し、かつ/または維持される持続時間または合計持続時間。そのような持続時間は、例えば、ステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)のうちのいずれかもしくは全部が行なわれたのと同時もしくはその直後から、15時間以下、好ましくは10時間以下、より好ましくは8時間以下、さらにより好ましくは6時間以下、さらにより好ましくは2時間以下までである。それゆえ、温度上昇の時間は、例えば、ステップ(A-4)を複数回行なうことにより、例えば、熱感パッド剤を皮膚へと数回適用するかまたは継続的加温性熱感パッチ剤を用いることにより、合計持続時間にわたって存在し、かつ/または維持されることができる。しかしながら、これは、ステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれかまたは全部が行なわれる前に、ステップ(A-4)が行なわれることを除外しないことが注記される。
【0956】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-4)では、皮膚上での温度上昇の生成は、皮膚上で、かつ熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚を損傷することなく、温度上昇を生じさせるために好適かつ/または十分である限り、いずれかの手段、方法、物質および/または手順により遂行することができ、好ましくは遂行される。
【0957】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-4)では、
温度上昇の生成は、
(A-0) 皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップであって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-2) 皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-3) 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-5) 皮膚上で発赤を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-6) 皮膚に対して調整エネルギーを施すステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-6)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-7) 皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-7)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ
により生成される。
【0958】
好ましくは、ステップ(A-0)~(A-3)および(A-5)~(A-7)は、互いに排他的でないことができる。
【0959】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-4)では、皮膚は皮膚領域である。
【0960】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-4)では、温度上昇は、皮膚領域の皮膚内で生成される。
【0961】
より好ましくは、温度上昇は皮膚領域の皮膚内で生成され、調整エネルギーおよび/または皮膚コンディショニング剤が皮膚領域の皮膚へと投与される。
【0962】
さらにより好ましくは、温度上昇は皮膚領域の皮膚内で生成され、適用領域の皮膚へと調整エネルギーおよび/または皮膚コンディショニング剤を適用することにより、調整エネルギーおよび/または皮膚コンディショニング剤が皮膚領域の皮膚へと投与される。
【0963】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-4)では、適用領域は、個別の皮膚領域のものである。
【0964】
より好ましくは、皮膚領域は皮膚領域[a]であり、かつ/または適用領域は適用領域[a]である。
【0965】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-4)では、皮膚領域および皮膚領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ皮膚領域および皮膚領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および皮膚領域または皮膚領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-4)の皮膚領域および皮膚領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0966】
好ましくは、ステップ(A-4)では、適用領域および適用領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ適用領域および適用領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および適用領域または適用領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-4)の適用領域および適用領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0967】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、表現「皮膚上の温度」、「皮膚の温度」および/または「皮膚表面温度」は、相互に交換可能に用いることができる。
【0968】
概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に言及される実施形態のうちのいずれかは、独立して適用可能であり、かつ/または本明細書中に記載される通りの方法に関する実施形態のうちのいずれかおよび特に本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)のいずれかの実施形態と組み合わせ可能であることが理解されるべきである。
【0969】
・本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して
上記で述べた通り、ステップ(A-5)は、被験体の皮膚上での発赤を生じさせることを必要とする。
【0970】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-5)では、発赤は、皮膚の表面上である。
【0971】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-5)では、発赤は、有益な効果を達成するために好適ないずれかの程度および/もしくは持続時間まで増加し、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない。
【0972】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-5)では、発赤は、製薬上許容され、かつ熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/または損傷を引き起こさない限り、いずれかの程度および/またはいずれかの持続時間まで増加し得る。
【0973】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-5)では、発赤は、ヒト肉眼に対して視覚的に検出可能である。
【0974】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-5)では、発赤は、日光条件および/または人工光条件下で、ヒト肉眼に対して視覚的に検出可能である。
【0975】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-5)では、
・皮膚上での発赤が、以下の事項により示され;かつ/または
・皮膚上の発赤は、以下の事項を生じさせるためであり、好ましくは、程度および/もしくは持続時間までの発赤は、以下の事項を生じさせるために好適かつ/もしくは十分である:
- 皮膚内でのPBMCの蓄積であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内での毛細血管の拡張であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内での血液量の増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚上の温度上昇であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである。
【0976】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-5)では、皮膚上での発赤は、当業者に公知のいずれかの好適な方法により測定することができ、好ましくは、皮膚上の温度が、主題「熱測定および皮膚発赤」の下に、材料および方法セクション中に記載される通りに測定される。
【0977】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-5)では、皮膚上での発赤の増加は、未処置の皮膚の温度を参照して示される。より好ましくは、ステップ(A-5)での皮膚は、皮膚領域の、好ましくは皮膚領域[a]のものであり、かつ未処置皮膚は未処置皮膚領域のものであり、このとき、未処置皮膚領域は、1cm以上かつ10cm以下まで、皮膚領域から離れている。距離は、好ましくは、皮膚領域の輪郭上の点から未処置皮膚領域の輪郭上の点まで測定され、このとき、互いに対して最小の距離を有する点が採用される。好ましくは、未処置皮膚は、腕または脚のもの、より好ましくはヒトである。
【0978】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-5)では、皮膚上での発赤は、2分以上、より好ましくは10分以上、さらにより好ましくは0.25時間以上の持続時間にわたって、存在し、持続し、かつ/または維持される。血管拡張、血液量の増加、sO2の増加および/もしくはrHbの増加、温度上昇ならびに/または発赤の持続性に関して上限はないが、しかしながら、通常、これは6時間以下、より好ましくは3時間以下、さらにより好ましくは1.5時間以下、またより好ましくは1時間以下、またさらにより好ましくは0.75時間以下の持続時間にわたる。好ましくは、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加および/もしくはrHbの増加、温度上昇ならびに/または発赤は、2分以上かつ6時間以下、より好ましくは5分以上かつ3時間以下、さらにより好ましくは10分以上かつ1.5時間以下、またより好ましくは0.25時間以上かつ1時間以下、またさらにより好ましくは0.25時間以上かつ0.75時間以下の範囲内の持続時間にわたって、存在し、持続し、かつ/または維持される。
【0979】
持続時間は、継続的であるかまたは中断を伴い、すなわち、2つ以上の部分持続時間に分配される場合がある。したがって、持続時間は、好ましくは、単一の継続的持続時間または2つ以上の部分持続時間の合計から構成されることができる合計持続時間である。
【0980】
さらに、ステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれかまたは全部が行なわれた後に、発赤の時間が存在し、かつ/または維持される持続時間または合計持続時間。そのような持続時間は、例えば、ステップ(B)、(B1)および/もしくは(C)のうちのいずれかもしくは全部が行なわれたのと同時もしくはその直後から、15時間以下、好ましくは10時間以下、より好ましくは8時間以下、さらにより好ましくは6時間以下、さらにより好ましくは2時間以下までである。それゆえ、発赤の時間は、例えば、ステップ(A-5)を複数回行なうことにより、例えば、熱感パッド剤を皮膚へと数回適用するかまたは継続的加温性熱感パッチ剤を用いることにより、合計持続時間にわたって存在し、かつ/または維持されることができる。しかしながら、これは、ステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれかまたは全部が行なわれる前に、ステップ(A-5)が行なわれることを除外しないことが注記される。
【0981】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-5)では、皮膚上での発赤は、未処置の皮膚を参照して示される。より好ましくは、ステップ(A-5)での皮膚は、皮膚領域の、好ましくは皮膚領域[a]のものであり、かつ未処置皮膚は未処置皮膚領域のものであり、このとき、未処置皮膚領域は、1cm以上かつ10cm以下まで、皮膚領域から離れている。距離は、好ましくは、皮膚領域の輪郭上の点から未処置皮膚領域の輪郭上の点まで測定され、このとき、互いに対して最小の距離を有する点が採用される。
【0982】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-5)では、皮膚上での発赤の生成は、皮膚上で、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚を損傷することなく、発赤を生じさせるために好適かつ/または十分である限り、いずれかの手段、方法、物質および/または手順により遂行することができ、好ましくは遂行される。
【0983】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-5)では、
発赤の生成は、
(A-0) 皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップであって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-2) 皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-3) 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加を生じさせるステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-4) 皮膚上の温度上昇を生じさせるステップあって、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかで言及される場合に準用されるステップ;ならびに/または
(A-6) 皮膚に対して調整エネルギーを施すステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-6)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ;ならびに/または
(A-7) 皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップあって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-7)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきであるステップ
により生成される。
【0984】
好ましくは、ステップ(A-0)~(A-4)、(A-6)および(A-7)は、互いに排他的でないことができる。
【0985】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-5)では、皮膚は皮膚領域である。
【0986】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-5)では、発赤は、皮膚領域の皮膚内で生成される。
【0987】
より好ましくは、発赤は皮膚領域の皮膚内で生成され、調整エネルギーおよび/または皮膚コンディショニング剤が皮膚領域の皮膚へと投与される。
【0988】
さらにより好ましくは、発赤は皮膚領域の皮膚内で生成され、適用領域の皮膚へと調整エネルギーおよび/または皮膚コンディショニング剤を適用することにより、調整エネルギーおよび/または皮膚コンディショニング剤が皮膚領域の皮膚へと投与される。
【0989】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-5)では、適用領域は、個別の皮膚領域のものである。
【0990】
より好ましくは、皮膚領域は皮膚領域[a]であり、かつ/または適用領域は適用領域[a]である。
【0991】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-5)では、皮膚領域および皮膚領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ皮膚領域および皮膚領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および皮膚領域または皮膚領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-5)の皮膚領域および皮膚領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0992】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-5)では、適用領域および適用領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ適用領域および適用領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および適用領域または適用領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-5)の適用領域および適用領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【0993】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、表現「皮膚上での発赤」、「皮膚の発赤」、「皮膚発赤」および/または「皮膚表面発赤」は、相互に交換可能に用いることができる。
【0994】
概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に言及される実施形態のうちのいずれかは、独立して適用可能であり、かつ/または本明細書中に記載される通りの方法に関する実施形態のうちのいずれかおよび特に本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)のいずれかの実施形態と組み合わせ可能であることが理解されるべきである。
【0995】
・本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-6)にさらに関して
上記で述べた通り、ステップ(A-6)は、被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すことを必要とする。
【0996】
好ましくは、ステップ(A-6)は、被験体の皮膚に対して調整エネルギーを適用することを必要とする。
【0997】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、調整エネルギーは、皮膚の表面に対して施され、かつ/または適用される。
【0998】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、調整エネルギーは、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない、当業者に公知のいずれかのエネルギーであり得る。例えば、調整エネルギーは、働き;熱;電磁放射;マイクロ波;熱放射;赤外線放射;紫外線;可視光;機械的動揺;機械的働き;電気的働き;電流;超音波;機械的動揺;例えば、皮膚の振動および/もしくは擦ることを用いる手動もしくは機械による皮膚マッサージなどのマッサージ;振動;擦ること;摩擦;例えば、機械によるか、手動もしくは口による吸引などの吸引を用いる陰圧;例えば、カッピング、特に乾燥カッピングもしくは皮膚を傷害することのないカッピングを用いる手動もしくは機械により生成される陰圧;熱風;温熱療法および/もしくは温水などの温かい流動流体、またはそれらのいずれかの組み合わせの形態である。
【0999】
好ましくは、調整エネルギーは、特に、PBMCの量、皮膚内での毛細血管の拡張、皮膚内の血液量、皮膚内のsO2、皮膚内のrHb、皮膚上の温度および/または皮膚上での発赤に関して、皮膚の状態を変化させるためのいずれかのエネルギーである。
【1000】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、調整エネルギーは、製薬上許容され、かつ熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/または損傷を引き起こさない限り、いずれかの程度および/またはいずれかの持続時間まで、皮膚に対して施され、かつ/または適用され得る。
【1001】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、調整エネルギーは、エネルギー付与手段を用いて施され、かつ/または適用される。エネルギー付与手段は、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない、当業者に公知のいずれかのエネルギー付与手段であり得る。
【1002】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、エネルギー付与手段は、皮膚に対して、好ましくは皮膚の表面に対して、調整エネルギーを送達し、施し、かつ/または適用するために好適であり、かつ/またはそのために構成されるいずれかの手段である。
【1003】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、エネルギー付与手段は、製薬上許容され、かつ熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/または損傷を引き起こさない限り、いずれかの程度および/またはいずれかの持続時間まで調整エネルギーを送達し、施し、かつ/または適用するために好適であり、かつ/またはそのために構成される。
【1004】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、調整エネルギーはまた、エネルギーまたは皮膚調整エネルギーとも称される場合がある。
【1005】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、エネルギー付与手段は、働き、電磁波、放射、電流、例えば皮膚に対する機械的接触に起因する伝達などの物理的プロセスによる、流動流体中の熱エネルギーのエントレインメントに起因する対流による熱により、機械的カップリング、誘導カップリング、電磁波を用いる熱放射、可視光、機械的動揺、陰圧および/もしくは皮膚に対して本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚コンディショニング剤を投与および/もしくは適用することによるなどの生化学的プロセスを誘導することにより、またはそれらのいずれかの組み合わせにより、皮膚に対して調整エネルギーを送達し、施し、かつ/もしくは適用するために好適であり、かつ/もしくはそのために構成され、かつ/または送達し、施し、かつ/もしくは適用する。
【1006】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、エネルギー付与手段は、装置に基づく(apparative)エネルギー付与手段または装置に基づかないエネルギー付与手段、好ましくは装置に基づくエネルギー付与手段であり得る。
【1007】
それゆえ、エネルギー付与手段および/または装置に基づくエネルギー付与手段は、例えば、熱放射を発するいずれかの手段;赤外線放射を発する手段;超音波を発する手段;電磁波を発する手段;マイクロ波を発する手段;紫外線を発する手段;可視光などの放射を発する手段;熱風もしくは温流体を発する手段;皮膚に対して電流を与える手段;皮膚に対して熱を与える手段;ヒーター、例えば潜熱蓄熱を装備する熱感パッド剤、電気ウォーマー、例えば電気ハンドウォーマー、予熱物体もしくは温かいティーカップなどの温かいかもしくは加温性物体;灸のための手段;皮膚に対する働きを行なうための手段;美顔マッサージャおよび/もしくは振動機などの皮膚マッサージに対して好適な機械などのマッサージのための手段;振動および/もしくは擦りを生じるための手段;被験体の皮膚に対して機械的動揺を与えるための手段;皮膚を吸引する装置、カッピングガラス、カッピング機もしくは真空ポンプなどの皮膚に対していずれかの種類の真空もしくは陰圧を与えるための手段;皮膚に対して超音波を与えるための手段;熱感膏薬、熱感パッチ剤、熱感パッド剤、熱感ワッディング剤、熱感パディング剤、熱感ドレッシング剤、熱感圧定布、マイクロニードル熱感パッチ剤、経皮熱感パッチ剤、持続放出性熱感膏薬、モグサ膏薬および/もしくは熱感包帯;本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのエネルギー付与性局所用剤型、好ましくは、記載される本発明の実施形態のうちのいずれかで言及される通りの加熱性局所用剤型;ならびに/または本明細書中に記載される通りの本発明の実施形態のうちのいずれかに従う医療デバイス等であり得る。さらに、エネルギー付与手段および/または装置に基づかないエネルギー付与手段は、例えば、例として皮膚上を流れる場合の水などの温流動流体;例えば皮膚上での振動、擦りまたは吸引動作の生成を用いる手動皮膚マッサージを行なうマッサージ師の手を動かすことなどの手動施術であり得る。
【1008】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、送達され、施され、かつ/もしくは適用される調整エネルギーは、熱である。
【1009】
それゆえ、より好ましくは、ステップ(A-6)は、被験体の皮膚に対して熱を施すことを必要とする。
【1010】
それゆえ、さらにより好ましくは、ステップ(A-6)は、被験体の皮膚に対して熱を適用することを必要とする。
【1011】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、施され、かつ/または適用される熱は、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない。
【1012】
例えば、施され、かつ/または適用される熱は、電磁放射;熱放射;マイクロ波;赤外線放射;熱風;温熱療法;温水などの温流動流体の形態であり得る。
【1013】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、エネルギー付与手段は加熱手段である。
【1014】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、熱は、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない、当業者に公知のいずれかの加熱手段により施され、かつ/または適用される。
【1015】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、加熱手段は、皮膚に対して、好ましくは皮膚の表面に対して熱を送達し、施し、かつ/または適用するために好適であり、かつ/またはそのために構成されるいずれかの手段である。
【1016】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、加熱手段は、製薬上許容され、かつ熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/または損傷を引き起こさない限り、いずれかの程度および/またはいずれかの持続時間まで熱を施し、かつ/または適用するために好適であり、かつ/またはそのために構成される。
【1017】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、加熱手段は、皮膚に対する機械的接触に起因する伝達などの物理的プロセスにより、流動流体中の熱のエントレインメントに起因する対流により、かつ/または電磁波を用いる熱放射により、皮膚に対して熱を送達し、施し、かつ/もしくは適用するために好適であり、かつ/もしくはそのために構成され、かつ/または送達し、施し、かつ/もしくは適用する。
【1018】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、加熱手段は、装置に基づく加熱手段または装置に基づかない加熱手段、好ましくは装置に基づく加熱手段であり得る。
【1019】
それゆえ、加熱手段および/または装置に基づく加熱手段は、例えば、熱放射を発するいずれかの手段;赤外線放射を発する手段;超音波を発する手段;電磁波を発する手段;マイクロ波を発する手段;紫外線を発する手段;可視光などの放射を発する手段;熱風もしくは温流体を発する手段;皮膚に対して電流を与える手段;皮膚に対して熱を与える手段;ヒーター、例えば潜熱蓄熱を装備する熱感パッド剤、電気ウォーマー、例えば電気ハンドウォーマー、予熱物体もしくは温かいティーカップなどの温かいかもしくは加温性物体;灸のための手段;皮膚に対して超音波を与えるための手段;熱感膏薬、熱感パッチ剤、熱感パッド剤、熱感ワッディング剤、熱感パディング剤、熱感ドレッシング剤、熱感圧定布、マイクロニードル熱感パッチ剤、経皮熱感パッチ剤、持続放出性熱感膏薬、モグサ膏薬および/もしくは熱感包帯;本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの加熱性局所用剤型等;ならびに/または本明細書中に記載される通りの本発明の実施形態のうちのいずれかに従う医療デバイス等であり得る。
【1020】
さらに、加熱手段および/または装置に基づかない加熱手段は、例えば、例として皮膚上を流れる場合の水などの温流動流体および/またはマッサージ師の温かい手などの手動施術であり得る。
【1021】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、
・調整エネルギーおよび/または熱が、以下の事項を生じさせるために好適かつ/もしくは十分であり、かつ/または生じさせ;かつ/あるいは
・調整エネルギーおよび/または熱が、以下の事項を生じさせるために施され、かつ/または適用され、
好ましくは、調整エネルギーおよび/または熱が、以下の事項を生じさせるために好適かつ/もしくは十分である程度および/もしくは持続時間まで施され、かつ/または適用され;かつ/あるいは
・エネルギー付与手段および/または加熱手段が、以下の事項を生じさせるために好適であり、かつ/もしくは好ましくはそのために構成され、かつ/または以下の事項を生じさせる:
- 皮膚内でのPBMCの蓄積であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内での毛細血管の拡張であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内での血液量の増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚上の温度上昇であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚上の発赤であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである、
より好ましくは、
- 皮膚内での毛細血管の拡張、
- 皮膚内での血液量の増加、
- 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加、ならびに/または
- 皮膚上の温度上昇、
さらにより好ましくは、
- 皮膚内での血液量の増加、
- 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加、ならびに/または
- 皮膚上の温度上昇。
【1022】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、
- 調整エネルギーおよび/または熱が、以下の事項を生じさせるために好適かつ/もしくは十分であり、かつ/または生じさせ;かつ/あるいは
- 調整エネルギーおよび/または熱が、以下の事項を生じさせるために施され、かつ/または適用され、好ましくは、調整エネルギーおよび/または熱が、以下の事項を生じさせるために好適かつ/もしくは十分である程度および/もしくは持続時間まで施され、かつ/または適用され;かつ/あるいは
- エネルギー付与手段および/または加熱手段が、以下の事項を生じさせるために好適であり、かつ/もしくは好ましくはそのために構成され、かつ/または以下の事項を生じさせる:
好ましくは、材料および方法セクション「熱測定および皮膚発赤」中に記載される通りに測定される場合、25℃以上、より好ましくは27℃以上、より好ましくは28℃以上、さらにより好ましくは29℃以上、またより好ましくは30℃以上、またさらにより好ましくは31℃以上、さらに好ましくは32℃以上の皮膚上の温度。熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の熱傷性病変および/または損傷が引き起こされない限り、生成される皮膚上の温度に関して上限はない。しかしながら、通常、生成される皮膚上の温度は、65℃以下、好ましくは58℃以下、より好ましくは50℃以下、またより好ましくは45℃以下、またさらにより好ましくは42℃以下、さらに好ましくは41℃以下である。より好ましくは、生成される皮膚上の温度は、25℃以上かつ65℃以下、より好ましくは27℃以上かつ58℃以下、さらにより好ましくは28℃以上かつ50℃以下、またより好ましくは29℃以上かつ45℃以下、またさらにより好ましくは30℃以上かつ45℃以下、さらに好ましくは31℃以上かつ42℃以下、なおさらに好ましくは32℃以上かつ41℃以下の範囲内である。
【1023】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、
- 施され、かつ/もしくは適用される調整エネルギーおよび/もしくは熱の量は以下の通りであり;かつ/または
- エネルギー付与手段および/もしくは加熱手段は、以下の量の調整エネルギーおよび/もしくは熱を送達し、施し、かつ/もしくは適用するために好適であり、かつ/もしくは好ましくはそのために構成される:
0.1kJ/cm2皮膚以上(「kJ/cm2皮膚」は、その意味では、「キロジュール/1平方センチメートルの皮膚」と等価である)、より好ましくは0.3kJ/cm2皮膚以上、さらにより好ましくは0.6kJ/cm2皮膚以上、またより好ましくは1kJ/cm2皮膚以上、またさらにより好ましくは2kJ/cm2皮膚以上、さらに好ましくは3kJ/cm2皮膚以上、なおさらに好ましくは4kJ/cm2皮膚以上、またさらに好ましくは6kJ/cm2皮膚以上。皮膚の熱傷性病変および/または損傷が引き起こされない限り、調整エネルギーの量に関して上限はない。しかしながら、通常、施され、かつ/または適用される調整エネルギーの量は、60kJ/cm2皮膚以下、好ましくは50kJ/cm2皮膚以下、さらにより好ましくは40kJ/cm2皮膚以下、またより好ましくは30kJ/cm2皮膚以下、またさらにより好ましくは15kJ/cm2皮膚以下、さらに好ましくは10kJ/cm2皮膚以下である。好ましくは、施され、かつ/または適用される調整エネルギーの量は、0.1kJ/cm2皮膚以上かつ60kJ/cm2皮膚以下、より好ましくは0.3kJ/cm2皮膚以上かつ60kJ/cm2皮膚以下、さらにより好ましくは0.6kJ/cm2皮膚以上かつ50kJ/cm2皮膚以下、またより好ましくは1kJ/cm2皮膚以上かつ50kJ/cm2皮膚以下、またさらにより好ましくは2kJ/cm2皮膚以上かつ40kJ/cm2皮膚以下、さらに好ましくは3kJ/cm2皮膚以上かつ30kJ/cm2皮膚以下、なおさらに好ましくは4kJ/cm2皮膚以上かつ15kJ/cm2皮膚以下、またさらに好ましくは6kJ/cm2皮膚以上かつ10kJ/cm2皮膚以下の範囲内である。
【1024】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、
- 調整エネルギーおよび/もしくは熱の量が施され、かつ/もしくは適用され;かつ/または
- エネルギー付与手段および/もしくは加熱手段は、調整エネルギーの量を送達し、施し、かつ/もしくは適用するために好適であり、かつ/もしくは好ましくはそのために構成される:
60分以下、より好ましくは30分以下、さらにより好ましくは15分以下、またより好ましくは5分以下、またさらにより好ましくは2分以下以内。通常、これは、1秒以上、より好ましくは5秒以上、さらにより好ましくは10秒以上、またより好ましくは30秒以上、またさらにより好ましくは1分以上以内である。より好ましくは、これは、1秒以上かつ60分以下、より好ましくは5秒以上かつ30分以下、さらにより好ましくは10秒以上かつ15分以下、またより好ましくは30秒以上かつ15分以下、またさらにより好ましくは1分以上かつ5分以下の範囲内である。しかしながら、上記で言及される通り、ステップ(A)は、それゆえ、ステップ(A-6)もまた、複数回行なうことができる(複数回実行)。
【1025】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の熱傷性病変および/または損傷が引き起こされない限り、好ましくはエネルギー付与手段および/または加熱手段を用いることによる、調整エネルギーおよび/もしくは熱の投与および/もしくは適用の持続時間、好ましくは合計持続時間に関して、かつ/または調整エネルギーおよび/もしくは熱が施され、かつ/もしくは適用される持続時間に関して、上限はない。しかしながら、通常、持続時間、好ましくは合計持続時間は、48時間以下、好ましくは24時間以下、さらにより好ましくは12時間以下、またより好ましくは6時間以下、またさらにより好ましくは3時間以下、さらに好ましくは1時間以下、なおさらに好ましくは30分以下、またさらに好ましくは15分以下、またなおさらに好ましくは5分以下である。通常、持続時間、好ましくは合計持続時間は、5秒以上、より好ましくは10秒以上、さらにより好ましくは30秒以上、またより好ましくは1分以上である。より好ましくは、持続時間、好ましくは合計持続時間は、5秒以上かつ48時間以下、さらにより好ましくは5秒以上かつ24時間以下、またより好ましくは10秒以上かつ12時間以下、またさらにより好ましくは10秒以上かつ6時間以下、さらに好ましくは10秒以上かつ3時間以下、なおさらに好ましくは10秒以上かつ1時間以下、またさらに好ましくは10秒以上かつ30分以下、またなおさらに好ましくは30秒以上かつ15分以下、さらに好ましくは1分以上かつ5分以下の範囲内である。
【1026】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、調整エネルギーおよび/または熱は、継続的かつ/またはパルス状に施し、かつ/または適用することができる。
【1027】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、エネルギー付与手段および/または加熱手段は、調整エネルギーを継続的かつ/またはパルス状に施し、かつ/または適用するために好適であり、かつ/またはそのために構成される。
【1028】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、エネルギー付与手段、加熱手段および/または熱は、好ましくは℃(セルシウス度)で参照される場合、好ましくは材料および方法セクション「熱測定および皮膚発赤」に記載される通りに測定される場合、未処置皮膚の皮膚上の温度よりも1%以上、より好ましくは3%以上、さらにより好ましくは5%以上、またより好ましくは8%以上、またさらにより好ましくは9%以上、さらに好ましくは10%以上高い温度を有する。熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の熱傷性病変および/または損傷を引き起こさない限り、温度に関して上限はない。しかしながら、通常、加熱手段および/または熱は、未処置皮膚の皮膚上の温度よりも90%以下、好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下、またより好ましくは20%以下、またさらにより好ましくは15%以下高い温度を有する。好ましくは、加熱手段および/または熱は、未処置皮膚の皮膚上の温度よりも1%以上かつ90%以下、より好ましくは3%以上かつ70%以下、さらにより好ましくは5%以上かつ70%以下、またより好ましくは8%以上かつ50%以下、またさらにより好ましくは9%以上かつ20%以下、さらに好ましくは10%以上かつ15%以下高い範囲内である温度を有する。
【1029】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、エネルギー付与手段、加熱手段および/または熱は、好ましくは材料および方法セクション「熱測定および皮膚発赤」に記載される通りに測定される場合、未処置皮膚の皮膚上の温度よりも0.2℃以上、より好ましくは0.3℃以上、さらにより好ましくは0.5℃以上、またより好ましくは0.8℃以上、またさらにより好ましくは1℃以上、さらに好ましくは1.5℃以上、なおさらに好ましくは2℃以上、またさらに好ましくは3℃以上高い温度を有する。皮膚の熱傷性病変および/または損傷を引き起こさない限り、温度に関して上限はない。しかしながら、通常、加熱手段および/または熱は、未処置皮膚の皮膚上の温度よりも30℃以下、好ましくは25℃以下、さらにより好ましくは20℃以下、またより好ましくは15℃以下、またさらにより好ましくは8℃以下、さらに好ましくは5℃以下高い温度を有する。好ましくは、加熱手段および/または熱は、未処置皮膚の皮膚上の温度よりも0.2℃以上かつ30℃以下、より好ましくは0.3℃以上かつ30℃以下、さらにより好ましくは0.5℃以上かつ25℃以下、またより好ましくは0.8℃以上かつ25℃以下、またさらにより好ましくは1℃以上かつ20℃以下、さらに好ましくは1.5℃以上かつ15℃以下、なおさらに好ましくは2℃以上かつ8℃以下、またさらに好ましくは3℃以上かつ5℃以下高い範囲内の温度を有する。
【1030】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、エネルギー付与手段、加熱手段および/または熱は、好ましくは材料および方法セクション「熱測定および皮膚発赤」に記載される通りに測定される場合、25℃以上、より好ましくは27℃以上、さらにより好ましくは28℃以上、またより好ましくは29℃以上、またさらにより好ましくは30℃以上、さらに好ましくは31℃以上、なおさらに好ましくは34℃以上、またさらに好ましくは36℃以上、またなおさらに好ましくは37℃以上、さらに好ましくは38℃以上、なおさらに好ましくは40℃以上の温度を有する。熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の熱傷性病変および/または損傷を引き起こさない限り、温度に関して上限はない。しかしながら、通常、加熱手段および/または熱は、65℃以下、好ましくは58℃以下、より好ましくは45℃以下、またより好ましくは42℃以下、またさらにより好ましくは41℃以下の温度を有する。より好ましくは、加熱手段および/または熱は、26℃以上かつ65℃以下、より好ましくは28℃以上かつ65℃以下、さらにより好ましくは29℃以上かつ58℃以下、またより好ましくは30℃以上かつ58℃以下、またさらにより好ましくは31℃以上かつ58℃以下、さらに好ましくは34℃以上かつ50℃以下、なおさらに好ましくは36℃以上かつ50℃以下、またさらに好ましくは37℃以上かつ45℃以下、またなおさらに好ましくは38℃以上かつ42℃以下、さらに好ましくは40℃以上かつ41℃以下の範囲内の温度を有する。
【1031】
好ましくは、ステップ(A-6)では、皮膚は、皮膚領域の、好ましくは皮膚領域[a]のものであり、かつ未処置皮膚は未処置皮膚領域のものであり、このとき、未処置皮膚領域は、1cm以上かつ10cm以下まで、皮膚領域から離れている。距離は、好ましくは、皮膚領域の輪郭上の点から未処置皮膚領域の輪郭上の点まで測定され、このとき、互いに対して最小の距離を有する点が採用される。好ましくは、未処置皮膚は、腕または脚のもの、より好ましくはヒトである。典型的には、未処置皮膚は、好ましくは材料および方法セクション「熱測定および皮膚発赤」に記載される通りに測定される場合、36℃以下、より典型的には20℃以上かつ34℃以下の範囲内、さらにより典型的には22℃以上かつ34℃以下、またより典型的には24℃以上かつ34℃以下、またさらにより典型的には24℃以上かつ32℃以下の温度、好ましくは皮膚上の温度を有する。
【1032】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、皮膚上の温度は、当業者に公知のいずれかの好適な方法により測定することができ、好ましくは、主題「熱測定および皮膚発赤」の下に材料および方法セクション中に記載される通りに測定される。
【1033】
好ましくは、調整エネルギーが陰圧である場合、陰圧は、大気圧未満の圧力である。
【1034】
好ましくは、調整エネルギーが陰圧である場合、陰圧は、0hPa(ヘクトパスカル)~1,000hPa、より好ましくは0hPa~600hPaの範囲内の程度までである。
【1035】
好ましくは、調整エネルギーが陰圧である場合、陰圧は、1,000hPa以下、より好ましくは600hPa以下である。好ましくは、陰圧に関する下限は、0hPa、より好ましくは10hPaである。より好ましくは、陰圧は、0hPa~1,000hPa、より好ましくは10hPa~600hPaの範囲内である。
【1036】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、調整エネルギー、好ましくは熱は、局所適用により皮膚に対して施される。
【1037】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、調整エネルギー、好ましくは熱は、皮膚領域の皮膚に対して施される。
【1038】
より好ましくは、調整エネルギーは、皮膚領域の皮膚に対して施され、このとき、その効果は、皮膚領域の皮膚内または皮膚領域の皮膚上で生じる。
【1039】
より好ましくは、調整エネルギーは、適用領域の皮膚に対して調整エネルギーを適用することにより、皮膚領域の皮膚に対して施される。
【1040】
さらにより好ましくは、調整エネルギーは、適用領域の皮膚へと調整エネルギーを適用することにより、皮膚領域の皮膚に対して施され、このとき、その効果は、皮膚領域の皮膚内または皮膚領域の皮膚上で生じる。
【1041】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、調整エネルギー、好ましくは熱は、適用領域の皮膚に対して適用される。
【1042】
より好ましくは、調整エネルギーは、適用領域の皮膚に対して適用され、このとき、その効果は、皮膚領域の皮膚内または皮膚領域の皮膚上で生じる。
【1043】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、調整エネルギー、好ましくは熱は、局所適用により適用領域の皮膚に対して適用される。
【1044】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、調整エネルギー、好ましくは熱は、局所適用により適用領域の皮膚に対して適用される。
【1045】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、調整エネルギー、好ましくは熱を施すことおよび/または適用することの効果は、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤の生成、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの温度上昇である。
【1046】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、調整エネルギー、好ましくは熱は、局所適用により適用される。
【1047】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、適用領域は、個別の皮膚領域のものである。
【1048】
より好ましくは、皮膚領域は皮膚領域[a]であり、かつ/または適用領域は適用領域[a]である。
【1049】
好ましくは、ステップ(A-6)では、皮膚領域および皮膚領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ皮膚領域および皮膚領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および皮膚領域または皮膚領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-6)の皮膚領域および皮膚領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1050】
好ましくは、ステップ(A-6)では、適用領域および適用領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ適用領域および適用領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および適用領域または適用領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-6)の適用領域および適用領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1051】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-6)では、被験体の皮膚に対する調整エネルギーの投与ステップは、被験体の皮膚に対する調整エネルギーの適用ステップである。
【1052】
別途言及されない場合、ステップ(A-6)に記載される調整エネルギーおよび/または熱のいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで、特に、本明細書中に記載される局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの調整エネルギーおよび/または熱に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1053】
別途言及されない場合、ステップ(A-6)に記載されるエネルギー付与手段および/または加熱手段のいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで、特に、本明細書中に記載される局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、エネルギー性構成要素および/または加熱性構成要素に対して、独立して準用することができることが理解されるべきであり、この理由のために、適用可能である場合、用語「エネルギー付与手段」は「エネルギー付与性構成要素」と理解されるべきであり、用語「加熱手段」は「加熱性構成要素」と理解されるべきである。
【1054】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、表現「皮膚上の温度」、「皮膚の温度」および/または「皮膚表面温度」は、相互に交換可能に用いることができる。同様に、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、表現「皮膚上の温度上昇」、「皮膚の温度上昇」および/または「皮膚表面温度の上昇」は、相互に交換可能に用いることができる。
【1055】
概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-6)にさらに関して」の下に言及される実施形態のうちのいずれかは、独立して適用可能であり、かつ/または本明細書中に記載される通りの方法に関する実施形態のうちのいずれかおよび特に本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)のいずれかの実施形態と組み合わせ可能であることが理解されるべきである。
【1056】
・本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-7)にさらに関して
上記で述べた通り、ステップ(A-7)は、皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与することを必要とする。
【1057】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-7)では、皮膚コンディショニング剤は、被験体でアレルギー反応を引き起こさない。
【1058】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-7)では、皮膚コンディショニング剤は、有益な効果を達成するために好適な量で、かつ/もしくは持続時間にわたって投与され、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない。
【1059】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-7)では、皮膚コンディショニング剤は、製薬上許容され、かつ熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/または損傷を引き起こさない限り、いずれかの量で、かつ/またはいずれかの持続時間にわたって皮膚に対して投与することができる。
【1060】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで、特にステップ(A-7)で言及される場合の皮膚コンディショニング剤は、特に、PBMCの量、皮膚内での毛細血管の拡張、皮膚内の血液量、皮膚内のsO2、皮膚内のrHb、皮膚上の温度および/または皮膚上での発赤に関して、皮膚の状態を変化させるために好適な、いずれかのタイプまたは種類の物質、組成物または製剤であり得、好ましくはそのような物質、組成物または製剤である。
【1061】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-7)では、皮膚コンディショニング剤は、
・以下の事項を生じさせるために投与され、好ましくは、以下の事項を生じさせるために好適かつ/もしくは十分である量で、かつ/もしくは持続時間にわたって投与され;かつ/あるいは
・以下の事項を生じさせるために好適かつ/もしくは十分であり、かつ/または生じさせる:
- 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内での毛細血管の拡張であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内での血液量の増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚上の温度上昇であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/または
- 皮膚上の発赤であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである、
さらにより好ましくは、
- 皮膚内での毛細血管の拡張、
- 皮膚内での血液量の増加、
- 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加、ならびに/または
- 皮膚上の温度上昇、
またより好ましくは、
- 皮膚内での血液量の増加、
- 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加、ならびに/または
- 皮膚上の温度上昇、
またさらにより好ましくは、
- 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加、ならびに/または
- 皮膚上の温度上昇。
【1062】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-7)では、皮膚コンディショニング剤は、いずれかの血液循環増加剤、血管拡張剤、皮膚温度上昇剤、皮膚sO2増加剤および/または皮膚rHb増加剤である。皮膚コンディショニング剤に関する例は、硝酸薬、α遮断薬、ACE阻害剤、イチョウバームなどのイチョウ調製物、カルシウム拮抗薬、ジヒドララジン、ミノキシジル、ジヒドロエルゴトキシン、ニコチン酸類似体、ニコチン酸メチル、モグサ草、モグサ草、カプサイシン、および/もしくはペントキシフィリンなどの血管拡張剤、熱感クリーム剤、血管拡張剤含有クリーム剤、ニコチン酸メチル含有クリーム剤、特にKytta(登録商標)熱感バーム(ニコチン酸メチルを含有するKytta(登録商標)熱感バーム[P&G Health Germany GmbH社、Germanyからの「Kytta(登録商標)熱感バーム」、PZN 12358936])またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。好ましくは、皮膚コンディショニング剤は、硝酸薬、α遮断薬、ACE阻害剤、イチョウバームなどのイチョウ調製物、カルシウム拮抗薬、ジヒドララジン、ミノキシジル、ジヒドロエルゴトキシン、ニコチン酸類似体、ニコチン酸メチル、モグサ草、カプサイシン、ペントキシフィリンなどの血管拡張剤、血管拡張剤含有クリーム剤、ニコチン酸メチル含有クリーム剤、Kytta(登録商標)熱感バームまたはそれらのいずれかの組み合わせ、より好ましくは、ニコチン酸メチル含有クリーム剤および/またはニコチン酸メチル、さらにより好ましくはKytta(登録商標)熱感バームおよび/またはニコチン酸メチルを有効成分として含み、好ましくは有効成分としてそれらからなる。
【1063】
好ましくは、Kytta(登録商標)熱感バームは、5mg~10,000mg、より好ましくは10mg~1,000mg、さらにより好ましくは15mg~500mgの量で、皮膚に対する局所適用により投与される。それゆえ、好ましくは、ニコチン酸メチル含有クリーム剤および/またはニコチン酸メチルは、5mg~10,000mg、より好ましくは10mg~1,000mg、さらにより好ましくは15mg~500mgのKytta(登録商標)クリーム剤の量に対応する量で投与される。
【1064】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-7)では、皮膚コンディショニング剤、好ましくは、ニコチン酸メチルなどの血管拡張剤は、皮膚に対する局所適用により投与される(Elawa et al.(Elawa S, Mirdell R, Farnebo S, Tesselaar E. Skin blood flow response to topically applied methyl nicotinate: Possible mechanisms. Skin Res Technol. 2020 May; 26(3):343 348. Epub 2019 Nov 27. PMID: 31777124.)により記載される通りのニコチン酸メチル(MN))。特に、著者らは、50μL(マイクロリットル)の20mmol(ミリモル)/L MNの用量が、レーザースペックルコントラストイメージャ(PeriCam PSI System;Perimed AB社)を皮膚の灌流を測定するために用いた場合、健康試験被験体での再現可能な灌流応答を生じることを記載した。それゆえ、より好ましくは、皮膚コンディショニング剤、好ましくは、ニコチン酸メチルなどの血管拡張剤は、10μL~5mLの20mmol/L MN、さらにより好ましくは15μL~1mLの20mmol/L MN、またより好ましくは20μL~500μLの20mmol/L MNの範囲内での皮膚に対する局所適用により投与される。
【1065】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-7)では、皮膚コンディショニング剤は、本発明に従うかまたは本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットのうちのいずれかの形態にある。
【1066】
好ましくは、血液循環増加剤は、皮膚内での血液量を増加させるために好適であり、かつ/または増加させる薬剤、すなわち、血液量増加剤である。さらにより好ましくは、血液循環増加剤は、血液量増加剤である。
【1067】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-7)では、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の熱傷性病変および/または損傷を引き起こさない限り、皮膚コンディショニング剤の適用および/または投与の持続時間に関して上限はない。しかしながら、通常、皮膚コンディショニング剤は、60分以下、より好ましくは30分以下、さらにより好ましくは15分以下、またより好ましくは5分以下、またさらにより好ましくは2分以下の持続時間にわたって、適用および/または投与される。通常、皮膚コンディショニング剤は、5秒以上、より好ましくは10秒以上、さらにより好ましくは30秒以上、またより好ましくは1分以上の持続時間にわたって、適用および/または投与される。より好ましくは、皮膚コンディショニング剤は、5秒以上かつ60分以下、より好ましくは10秒以上かつ30分以下、さらにより好ましくは30秒以上かつ15分以下、またより好ましくは1分以上かつ5分以下の範囲内の持続時間にわたって、適用および/または投与される。
【1068】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-7)では、皮膚に対する皮膚コンディショニング剤の投与は、局所適用により、かつ/または注入により、より好ましくは局所適用により遂行することができ、好ましくは遂行される。
【1069】
局所適用による投与の場合、これは好ましくは、背部、腹部、臀部、上腕、前腕および/または上腿、より好ましくは上腕、前腕および/または上腿上に位置する。
【1070】
注入の場合、注入は、好ましくは、皮膚の局所下層中へと、より好ましくは皮膚の表皮、真皮および/もしくは皮下組織、さらにより好ましくは真皮中へと行なわれる。注入は、好ましくは皮膚表面から骨に向かって測定した場合、皮膚中へと皮膚厚さ方向で、好ましくは6mm以下かつ0.05mm以上、より好ましくは4mm以下かつ0.3mm以上、さらにより好ましくは3mm以下かつ0.5mm以上に位置する。好ましくは、注入は、背部、腹部、臀部、上腕、前腕および/または上腿、より好ましくは上腕、前腕および/または上腿中に置かれる。
【1071】
好ましくは、注入に関して、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りであり、かつ注入に対して好適であり、かつ/もしくはそのために構成され、かつ皮膚コンディショニング剤を含む医薬組成物、注入可能剤型および/またはキットのうちのいずれかが用いられる。
【1072】
好ましくは、局所適用による投与に関して、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りであり、かつ局所適用による投与に対して好適であり、かつ/もしくはそのために構成され、かつ皮膚コンディショニング剤を含む医薬組成物、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかが用いられる。
【1073】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-7)では、皮膚コンディショニング剤は、局所適用により、かつ/または注入により、好ましくは局所適用により、皮膚に対して投与される。
【1074】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-7)では、皮膚コンディショニング剤は、皮膚領域の皮膚へと投与される。
【1075】
より好ましくは、皮膚コンディショニング剤は皮膚領域の皮膚へと投与され、このとき、その効果は皮膚領域の皮膚内または皮膚領域の皮膚上で生じる。
【1076】
より好ましくは、皮膚コンディショニング剤は、適用領域の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を適用することにより、皮膚領域の皮膚へと投与される。
【1077】
さらにより好ましくは、皮膚コンディショニング剤は、適用領域の皮膚へと皮膚コンディショニング剤を適用することにより、皮膚領域の皮膚へと投与され、このとき、その効果は、皮膚領域の皮膚内または皮膚領域の皮膚上で生じる。
【1078】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-7)では、皮膚コンディショニング剤は、適用領域の皮膚へと適用される。
【1079】
より好ましくは、皮膚コンディショニング剤は、適用領域の皮膚へと適用され、このとき、その効果は、皮膚領域の皮膚内または皮膚領域の皮膚上で生じる。
【1080】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-7)では、皮膚コンディショニング剤は、局所適用により、かつ/または注入により、好ましくは局所適用により、適用領域の皮膚へと適用される。
【1081】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-7)では、皮膚コンディショニング剤を投与することおよび/または適用することの効果は、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤の生成、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの血液量の増加、sO2の増加および/またはrHbの増加である。
【1082】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-7)では、皮膚コンディショニング剤は、局所適用により適用される。
【1083】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-7)では、適用領域は、個別の皮膚領域のものである。
【1084】
より好ましくは、皮膚領域は皮膚領域[a]であり、かつ/または適用領域は適用領域[a]である。
【1085】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-7)では、皮膚領域および皮膚領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ皮膚領域および皮膚領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および皮膚領域または皮膚領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-7)の皮膚領域および皮膚領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1086】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-7)では、適用領域および適用領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ適用領域および適用領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および適用領域または適用領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-7)の適用領域および適用領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1087】
概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-7)にさらに関して」の下に言及される実施形態のうちのいずれかは、独立して適用可能であり、かつ/または本明細書中に記載される通りの方法に関する実施形態のうちのいずれかおよび特に本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)のいずれかの実施形態と組み合わせ可能であることが理解されるべきである。
【1088】
・本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-8)にさらに関して
上記で述べた通り、ステップ(A-8)は、被験体の皮膚に対してPBMCを投与することを必要とする。
【1089】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-8)では、PBMCは、被験体の皮膚の組織中へと投与される。
【1090】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-8)は、被験体の皮膚中へとPBMCを注入することを必要とする。より好ましくは、ステップ(A-8)では、PBMCは、被験体の皮膚の組織中へと注入される。
【1091】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-8)では、PBMCは、皮膚の局所下層中へと、より好ましくは皮膚の表皮、真皮および/または皮下組織、さらにより好ましくは真皮中へと、投与、適用および/または注入される。さらにより好ましくは皮膚の局所下層の組織中へと、より好ましくは皮膚の表皮、真皮および/または皮下組織の組織、さらにより好ましくは真皮中へと。
【1092】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-8)では、注入は、皮膚の局所下層中への、より好ましくは皮膚の表皮、真皮および/または皮下組織、さらにより好ましくは真皮中へのものである。注入は、好ましくは皮膚表面から骨に向かって測定した場合、皮膚中へと皮膚厚さ方向で、好ましくは6mm以下かつ0.05mm以上、より好ましくは4mm以下かつ0.5mm以上、さらにより好ましくは3mm以下かつ0.5mm以上に位置する。好ましくは、注入は、背部、腹部、臀部、上腕、前腕および/または上腿、より好ましくは上腕、前腕および/または上腿中に置かれる。
【1093】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-8)では、PBMCは、血液由来PBMCである。
【1094】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-8)では、投与されるPBMCは、単離されたPBMCである。
【1095】
PBMCは、好ましくは、当業者に公知のいずれかの好適な方法により、好ましくは、材料および方法セクション「PBMCの調製」中に記載される通りに、調製および製剤化される。PBMCが生存中で維持されるかまたは少なくとも有効量のPBMCが生存中で維持される限り、PBMCは、製薬上許容され、かつ注入、好ましくは被験体への注入に対して好適であるいずれかの種類の製剤中に製剤化することができる。
【1096】
PBMCは、製薬上許容され、かつ注入に対して好適である製剤を取得するために、新鮮に調製することができるか、または、好ましくは液体窒素中で凍結され、かつ使用前に製薬上許容される培地および溶液などの培地および/または溶液中で解凍および再調製されることができる。好ましくは、PBMCは、材料および方法セクション「PBMCの調製」中に記載される通りに、調製および製剤化されることができ、好ましくは調製および製剤化される。
【1097】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-8)では、PBMCは、
・以下の事項を生じさせるために投与、適用および/もしくは注入され、
好ましくは、以下の事項を生じさせるために好適かつ/もしくは十分である量で投与、適用および/もしくは注入され;かつ/または
・以下の事項を生じさせるために好適であり、かつ/もしくは生じさせる:
- 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである、
- このとき、好ましくは、概要の記載の下に記載されるそのいずれかの実施形態もしくは定義が準用されることが理解されるべきである。
【1098】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-8)では、PBMCは、注入当たり、好ましくは注入用量当たり、1×105個のPBMC(100,000個のPBMC)以上、より好ましくは5×105個のPBMC(500,000個のPBMC)以上、さらにより好ましくは1×106個のPBMC(100万個のPBMC)以上、またより好ましくは2×106個のPBMC(200万個のPBMC)以上、またさらにより好ましくは4×106個のPBMC(400万個のPBMC)以上の量で投与、適用および/または注入される。PBMCの量に関して上限はないが、しかしながら、通常、上限は、注入当たり、好ましくは注入用量当たり、30×107個のPBMC(3億個のPBMC)以下、より好ましくは20×107個のPBMC(2億個のPBMC)以下、さらにより好ましくは10×107個のPBMC(1億個のPBMC)以下、またより好ましくは5×107個のPBMC(5000万個のPBMC)以下、またさらにより好ましくは1×107個のPBMC(1000万個のPBMC)以下であり得、好ましくはそれらである。好ましくは、PBMCは、注入当たり、1×105個のPBMC以上かつ30×107個のPBMC以下、より好ましくは5×105個のPBMC以上かつ20×107個のPBMC以下、さらにより好ましくは1×106個のPBMC以上かつ10×107個のPBMC以下、またより好ましくは注入当たり2×106個のPBMCかつ5×107個のPBMC以下、またさらにより好ましくは注入用量当たり4×106個のPBMC以上1×107個のPBMC以上の範囲内の量で投与、適用および/または注入される。
【1099】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-8)では、PBMCは、1×105個のPBMC以上、より好ましくは5×105個のPBMC以上、さらにより好ましくは1×106個のPBMC以上、またより好ましくは2×106個のPBMC以上、またさらにより好ましくは4×106個のPBMC以上の総量で投与、適用および/または注入される。PBMCの総量に関して上限はないが、しかしながら、通常、上限は、30×107個のPBMC以下、より好ましくは20×107個のPBMC以下、さらにより好ましくは10×107個のPBMC、またより好ましくは5×107個のPBMC以下、またさらにより好ましくは2×107個のPBMC(2000万個のPBMC)以下であり得、好ましくはそれらである。好ましくは、PBMCは、注入当たり、1×105個のPBMC以上かつ30×107個のPBMC以下、より好ましくは5×105個のPBMC以上かつ20×107個のPBMC以下、さらにより好ましくは1×106個のPBMC以上かつ10×107個のPBMC以下、またより好ましくは注入当たり2×106個のPBMCかつ5×107個のPBMC以下、またさらにより好ましくは4×106個のPBMC以上2×107個のPBMC以上の範囲内の総量で投与、適用および/または注入される。
【1100】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-8)では、PBMCは、皮膚の局所下層中へと、より好ましくは表皮、真皮および/または皮下組織、さらにより好ましくは真皮中へと投与、適用および/もしくは注入され、かつ/または注入は、好ましくは皮膚表面から骨に向かって測定した場合、皮膚厚さ方向で、好ましくは6mm以下かつ0.05mm以上、より好ましくは4mm以下かつ0.3mm以上、さらにより好ましくは3mm以下かつ0.5mm以上に位置する。好ましくは、注入は、背部、腹部、臀部、上腕、前腕および/または上腿、より好ましくは上腕、前腕および/または上腿中に置かれる。
【1101】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-8)では、PBMCは、注入により皮膚へと投与される。
【1102】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-8)では、PBMCは、皮膚領域の皮膚へと投与される。
【1103】
より好ましくは、PBMCは、皮膚領域の皮膚へと投与され、このとき、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのPBMCの蓄積が、皮膚領域の皮膚内で生じる。
【1104】
より好ましくは、PBMCは、適用領域の皮膚中へとPBMCを適用することにより、皮膚領域の皮膚へと投与される。
【1105】
さらにより好ましくは、PBMCは、適用領域の皮膚中へとPBMCを適用することにより、皮膚領域の皮膚へと投与され、このとき、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのPBMCの蓄積が、皮膚領域の皮膚内で生じる。
【1106】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特に本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-8)では、PBMCは、適用領域の皮膚中へと適用される。
【1107】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-8)では、PBMCは、注入により適用領域の皮膚中へと適用される。
【1108】
より好ましくは、PBMCは、適用領域の皮膚中へと適用され、このとき、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのPBMCの蓄積が、皮膚領域の皮膚内で生じる。
【1109】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-8)では、PBMCは、注入により適用される。
【1110】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-8)では、適用領域は、個別の皮膚領域のものである。
【1111】
より好ましくは、ステップ(A-8)では、皮膚領域は皮膚領域[a]であり、かつ/または適用領域は適用領域[a]である。
【1112】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-8)では、皮膚領域および皮膚領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ皮膚領域および皮膚領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および皮膚領域または皮膚領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-8)の皮膚領域および皮膚領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1113】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-8)では、適用領域および適用領域[a]は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、同じ適用領域および適用領域[a]である。別途言及されない場合、ステップ(A)および適用領域または適用領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、それぞれ、ステップ(A-8)の適用領域および適用領域[a]に対して独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1114】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-8)では、被験体の皮膚へのPBMCの投与ステップは、被験体の皮膚中へのPBMCの注入である。
【1115】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特に本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-8)では、PBMCは、上記に記載される通りに規定および取得される。より好ましくは、PBMCは、血液PBMCおよび/または単離されたPBMC、さらにより好ましくは単離されたPBMCである。より好ましくは、PBMCは、リンパ球、より好ましくはナイーブPBMC、さらにより好ましくはナイーブリンパ球、またより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、またさらにより好ましくはナイーブT細胞である。
【1116】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特に本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(A-8)では、PBMCは、被験体の身体外部での培養および/またはインキュベーションに供されない。
【1117】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-8)では、PBMCは、
- 有効な持続時間にわたる;かつ/または
- 1時間以上、さらにより好ましくは12時間以上、またより好ましくは1日以上、またさらにより好ましくは3日以上、さらに好ましくは7日以上かつ4週間以下、好ましくは2週間以下にわたる;かつ/または
- 35℃以上、好ましくは36℃以上、さらにより好ましくは37℃以上かつ好ましくは50℃以下での;かつ/または
- 有効な持続時間にわたって細胞インキュベータを用いる;かつ/または
- 大気と比較して増加したCO2含有量を有する雰囲気下での、好ましくは1%CO2以上のCO2雰囲気、より好ましくは5%CO2以上のCO2雰囲気下での;かつ/または
- 例えば、約50pg/mL TGFβ以下(ピコグラム/ミリリットル)の量でのTGFβ(形質転換増殖因子β)の、有効量でのIL-6(インターロイキン-6)の、IL-7(インターロイキン-7)の、IL-15(インターロイキン-15)の、CD3(分化のクラスター3)および/もしくはCD28(分化のクラスター28)の存在下での;かつ/または
- 有効量での血清不含もしくは血清含有培地などのいずれかの細胞培養培地を用いる、
被験体の身体外部での培養および/またはインキュベーションに供されない。
【1118】
これは、投与に先立ってPBMCを凍結することを除外しない。
【1119】
それゆえ、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-8)では、PBMCは、好ましくは-165℃以上で、より好ましくは液体窒素中で、投与前に凍結されていることができる。
【1120】
さらに、これは、投与前、好ましくは投与の24時間以下前、より好ましくは12時間以下前、さらにより好ましくは6時間以下前、またより好ましくは3時間以下前、またさらにより好ましくは1.5時間以下前に、免疫調節性物質のうちの1種以上とPBMCを予め混合することを除外しない。
【1121】
それゆえ、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-8)では、PBMCは、投与前、好ましくは投与の24時間以下前、より好ましくは12時間以下前、さらにより好ましくは6時間以下前、またより好ましくは3時間以下前、またさらにより好ましくは1.5時間以下前に、免疫調節性物質のうちの1種以上と混合されることができる。
【1122】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、特にステップ(A-8)では、PBMCは、好ましくは正常大気条件下で、35.5℃よりも高くない温度で、より好ましくは35.5℃以下、さらにより好ましくは34℃以下の温度で、またより好ましくは32℃以下の温度で、またさらにより好ましくは30℃以下の温度で、さらに好ましくは28℃以下かつ好ましくは-195℃以上の温度で、投与前に取り扱われる。
【1123】
概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-8)にさらに関して」の下に言及される実施形態のうちのいずれかは、独立して適用可能であり、かつ/または本明細書中に記載される通りの方法に関する実施形態のうちのいずれかおよび特に本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)のいずれかの実施形態と組み合わせ可能であることが理解されるべきである。
【1124】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで、特に本明細書中に記載される方法の実施形態で言及される場合の物質および薬剤は、通常、医薬組成物などの組成物、ならびに局所用剤型および/または注入可能剤型などの剤型中へと製剤化される。
【1125】
それゆえ、さらなる態様では、本発明は、任意により製薬上許容されるビヒクル、希釈剤、アジュバント、賦形剤、担体、添加剤および/または塩と一緒に、有効成分として本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの物質および/または薬剤のうちの1種以上を含み、好ましくはそれらからなる、組成物、剤型、医療デバイスおよびキットに関する。
【1126】
別途言及されない場合、物質および/または薬剤に関して、特に免疫調節性物質および/もしくは皮膚コンディショニング剤、それらの個別の使用ならびに/またはそれらの個別の医学的使用に関して、本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、医薬組成物、剤型、医療デバイスおよび/またはキットのうちのすべてに対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1127】
したがって、本発明は、有効成分として免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤を含み、好ましくはそれらからなる、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットに関する。
【1128】
さらに、本発明は、有効成分として免疫調節性物質を含み、好ましくはそれからなる、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットに関する。好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、さらなる有効成分として皮膚コンディショニング剤をさらに含み、好ましくはそれからなる。
【1129】
さらに、本発明は、有効成分として皮膚コンディショニング剤を含み、好ましくはそれからなる、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットに関する。好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、さらなる有効成分として免疫調節性物質をさらに含み、好ましくはそれからなる。
【1130】
さらに、本発明は、医薬としての使用のための、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットに関する。
【1131】
さらに、本発明は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法である、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法での使用のために構成され、かつ/またはそれに対して好適である、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットに関する。それゆえ、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法のステップのうちの少なくとも一部分またはすべてのステップでの使用のために構成され、かつ/またはそれに対して好適であることができる、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキット。
【1132】
さらに、本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法である、本明細書中に記載される方法での使用のための、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットに関する。
【1133】
本発明はさらに、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの物品または医療デバイスを製造するための、医薬組成物および/または注入可能剤型の使用に関する。
【1134】
免疫調節性物質、サイトカイン様機能性物質、IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質、IL-2様機能性物質、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2などの物質は、いずれかの好適な経路により、皮膚へと投与、適用および/または送達することができる。同様に、皮膚コンディショニング剤は、いずれかの好適な経路により、皮膚へと投与、適用および/または送達することができる。好ましくは、物質および/または皮膚コンディショニング剤は、例えば、本明細書中に記載される通り、局所的にまたは注入により、投与、適用および/または送達される。それゆえ、物質および/または皮膚コンディショニング剤は、例えば、本明細書中に記載される通り、好ましくは、局所投与、適用および/もしくは送達に対して好適であり、かつ/もしくはそのために調製され、かつ/または注入による投与、適用および/もしくは送達に対して好適であり、かつ/もしくはそのために調製される。
【1135】
物質および/または皮膚コンディショニング剤は、皮膚へのこれらの物質および/または皮膚コンディショニング剤の投与、適用および/もしくは送達に対して好適である、当業者に公知のいずれかの剤型で製剤化することができるか、またはそのような剤型にある。
【1136】
例えば、物質および/または皮膚コンディショニング剤は、軟膏剤、エマルジョン剤、溶液剤、懸濁液剤、パスタ剤、ゲル剤、ローション剤、チンキ剤、粒子状物質、散剤、凍結乾燥剤、液剤、皮膚に対する適用のためのもしくは注入のための乾燥調製物もしくは固体調製物、徐放性製剤、ワッディング剤、タンポン剤、クリーム剤、バーム剤、フォーム剤、ゲル剤、スプレー剤、スティック剤、液体膏薬、スプレー膏薬、皮内投与のための膏薬、持続放出性膏薬、経皮パッチ剤、膏薬、マイクロニードルパッチ剤、パッチ剤、パッド剤、ワッディング剤、パディング剤、ドレッシング剤、圧定布、包帯であって、これらのうちのいずれかは任意により本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのマルチコンパートメント型のものである形態、注入溶液剤、注入ゲル剤、表皮内、皮内および/もしくは皮下注入のための調製物、好ましくは外用もしくは注入に対する適用の剤型での皮膚科用製剤、注入ペンもしくは本明細書中に記載される通りの医療デバイスのためのカートリッジ、カルプーレ、バイアル、アンプル、プレフィルド注入ペン、プレフィルドシリンジ、プレフィルドマルチチャンネルシリンジ、医療デバイスであって、これらのうちのいずれかは任意により本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのマルチチャンネルもしくはマルチチャンバー型のものである形態、またはそれらのいずれかの組み合わせから選択される、いずれかの形態で提供、製剤化することができるか、または独立してそれらの形態にあるか、かつ/あるいは本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの形態にある。
【1137】
好ましくは、物質および/または皮膚コンディショニング剤は、独立して提供、製剤化され、かつ/あるいは本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物(I)、(II)、(III)、(IV)、(X)、注入可能剤型(I)、(II)、(X)、局所用剤型(I)、(X)、医療デバイス(I)、(X)ならびに/またはキット(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/もしくは(X)のうちのいずれかの形態にある。
【1138】
簡潔性および明確性の目的のために、医薬組成物(I)、(II)、(III)、(IV)、(X)、注入可能剤型(I)、(II)、(X)、局所用剤型(I)、(X)、医療デバイス(I)、(X)ならびに/またはキット(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/もしくは(X)の実施形態は、多くの場合、サイトカイン、インターフェロン、インターロイキン、神経栄養因子、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2に関してのみ全長で書き出された。しかしながら、別途言及されない場合、医薬組成物(I)、(II)、(III)、(IV)、(X)、注入可能剤型(I)、(II)、(X)、局所用剤型(I)、(X)、医療デバイス(I)、(X)ならびに/またはキット(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/もしくは(X)のこれらの実施形態のうちのいずれかは、サイトカイン様機能性物質、インターフェロン様機能性物質、インターロイキン様機能性物質、神経栄養因子様機能性物質、IFN-γ様機能性物質、IL-2様機能性物質、IL-4様機能性物質および/またはBDNF様機能性物質に対して、独立して準用することができることが理解されるべきであり、この理由のために、適用可能である場合、用語「サイトカイン」は「サイトカイン様機能性物質」と理解されるべきであり、「インターフェロン」は「インターフェロン様機能性物質」と理解されるべきであり、「インターロイキン」は「インターロイキン様機能性物質」と理解されるべきであり、「神経栄養因子」は「神経栄養因子様機能性物質」と理解されるべきであり、「IFN-γ」は「IFN-γ様機能性物質」と理解されるべきであり、「IL-4」は「IL-4様機能性物質」と理解されるべきであり、「BDNF」は「BDNF様機能性物質」と理解されるべきであり、かつ「IL-2」は「IL-2様機能性物質」と理解されるべきである。好ましくは、1つの特定の実施形態では、そのような用語のすべてが置き換えられるか、またはそのような用語のすべてが変わらないままであるが、しかしながら、一部が置き換えられて一部が置き換えられないことはない。サイトカイン、インターフェロン、神経栄養因子、インターロイキン、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2を参照する実施形態が、より好ましい。
【1139】
さらに、別途言及されない場合、IU(国際単位)またはIU/kg(国際単位/キログラム)被験体体重で示されるIFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2の量を参照する医薬組成物(I)、(II)、(III)、(IV)、(X)、注入可能剤型(I)、(II)、(X)、局所用剤型(I)、(X)、医療デバイス(I)、(X)ならびに/またはキット(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/もしくは(X)の実施形態のうちのいずれかは、IFN-γ様機能性物質、IL-2様機能性物質、IL-4様機能性物質および/またはBDNF様機能性物質に対して、独立して準用することができることが理解されるべきであり、この理由のために、適用可能である場合、用語「IFN-γ」は「IFN-γ様機能性物質」と理解されるべきであり、「IL-4」は「IL-4様機能性物質」と理解されるべきであり、「BDNF」は「BDNF様機能性物質」と理解されるべきであり、かつ「IL-2」は「IL-2様機能性物質」と理解されるべきである。好ましくは、1つの特定の実施形態では、そのような用語のすべてが置き換えられるか、またはそのような用語のすべてが変わらないままであるが、しかしながら、一部が置き換えられて一部が置き換えられないことはない。IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2を参照する実施形態が、より好ましい。
【1140】
一般的概念では、本発明は、免疫調節性物質および皮膚コンディショニング剤の組み合わせを含む組成物に関する。
【1141】
それゆえ、本発明は、好ましくは有効成分として、
- 皮膚コンディショニング剤;および
- 免疫調節性物質
を含み、好ましくはそれらからなる、医薬組成物(I)に関する。
【1142】
さらなる一般的概念では、本発明は、免疫調節性物質を含む組成物に関し、このとき、組成物は、少量で免疫調節性物質を送達するために好適である。
【1143】
それゆえ、本発明はさらに、好ましくは有効成分として、
- IFN-γ様機能性物質;
- IL-4様機能性物質;
- BDNF様機能性物質;および/または
- IL-2様機能性物質
を含み、好ましくはそれらからなる、医薬組成物(II)に関し、
このとき、医薬組成物は、
- 600IU IFN-γ/kg被験体体重以下に相当する量での;
30ng IFN-γ/kg被験体体重以下に活性が相当する量での;
30,000IU IFN-γ以下に相当する総量での;かつ/もしくは
1,500ng IFN-γ以下に活性が相当する総量での
IFN-γ様機能性物質;
- 20ng IL-4/kg被験体体重以下に活性が相当する量での;かつ/もしくは
1,000ng IL-4以下に活性が相当する総量での
IL-4様機能性物質;
- 10ng BDNF/kg被験体体重以下に活性が相当する量での;かつ/もしくは
500ng BDNF以下に活性が相当する総量での
BDNF様機能性物質;および/または
- 10IU/kg被験体体重以下に相当する量での;
0.6ng/kg被験体体重以下の量での;
500IU IL-2以下に活性が相当する総量での;かつ/もしくは
30.5ng IL-2以下に活性が相当する総量での
IL-2様機能性物質
を送達するために好適である。
【1144】
好ましくは、IFN-γ様機能性物質は、IFN-γおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
IL-4様機能性物質は、IL-4および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
BDNF様機能性物質は、BDNFおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
IL-2様機能性物質は、IL-2および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
またより好ましくは、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2である。
【1145】
それゆえ、またより好ましくは、医薬組成物(II)は、好ましくは有効成分として、
- IFN-γ;
- IL-4;
- BDNF;および/または
- IL-2
を含み、好ましくはそれらからなり、
このとき、医薬組成物(II)は、
- 600IU/kg被験体体重以下の量での、30ng/kg被験体体重以下の量での、30,000IU以下の総量での、かつ/もしくは1,500ng以下の総量での、IFN-γ;
- 20ng/kg被験体体重以下の量での、かつ/もしくは1,000ng以下の総量での、IL-4;
- 10ng/kg被験体体重以下の量での、かつ/もしくは500ng以下の総量での、BDNF;および/または
- 20IU/kg被験体体重以下の量での、1.2ng/kg被験体体重以下の量での、1,000IU以下の総量での、かつ/もしくは61ng以下の総量での、IL-2
を送達するために好適である。
【1146】
さらなる一般的概念では、本発明は、低濃度で免疫調節性物質を含む組成物に関する。
【1147】
したがって、本発明はさらに、好ましくは有効成分として、
- 100,000IU IFN-γ/mLもしくはIU IFN-γ/g以下に相当する濃度で、または5,000ng IFN-γ/mLもしくはng IFN-γ/g以下に活性が相当する濃度での、IFN-γ様機能性物質;
- 1,000ng IL-4/mLまたはng/g以下に活性が相当する濃度での、IL-4様機能性物質;
- 1,500ng BDNF/mLまたはng/g以下に活性が相当する濃度での、BDNF様機能性物質;および/あるいは
- 100,000IU IL-2/mLもしくはIU IL-2/g以下(less)に相当する濃度で、または6100ng IL-2/mLもしくはng IL-2/g以下に活性が相当する濃度での、IL-2様機能性物質
を含み、好ましくはそれらからなる、医薬組成物(III)に関する。
【1148】
好ましくは、IFN-γ様機能性物質は、IFN-γおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
IL-4様機能性物質は、IL-4および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
BDNF様機能性物質は、BDNFおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
IL-2様機能性物質は、IL-2および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
またより好ましくは、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2である。
【1149】
それゆえ、またより好ましくは、医薬組成物(II)は、好ましくは有効成分として、
- 100,000IU//mLもしくはIU/g以下の、または5,000ng//mLもしくはng/g以下の濃度でのIFN-γ;
- 10,000ng/mLまたはng/g以下の濃度でのIL-4;
- 10,000ng/mLまたはng/g以下の濃度でのBDNF;および/あるいは
- 100,000IU/mLもしくはIU/g以下(less)の、または6,100ng/mLもしくはng/g以下の濃度でのIL-2
を含み、好ましくはそれらからなる。
【1150】
なおさらなる一般的概念では、本発明は、2種以上の免疫調節性物質の組み合わせを含む組成物に関する。
【1151】
それゆえ、本発明はさらに、好ましくは有効成分として、
- IFN-γ様機能性物質;
- IL-4様機能性物質;
- BDNF様機能性物質;または
- IL-2様機能性物質、および
好ましくはさらなる有効成分として、免疫調節性物質
を含み、好ましくはそれらからなる、医薬組成物(IV)に関し、医薬組成物(IV)が、有効成分として、
- IFN-γ様機能性物質を含み、好ましくはそれからなる場合、免疫調節性物質はIFN-γ様機能性物質とは異なり;
- IL-4様機能性物質を含み、好ましくはそれからなる場合、免疫調節性物質はIL-4様機能性物質とは異なり;
- BDNF様機能性物質を含み、好ましくはそれからなる場合、免疫調節性物質はBDNF様機能性物質とは異なり;かつ
- IL-2様機能性物質を含み、好ましくはそれからなる場合、免疫調節性物質はIL-2様機能性物質とは異なる。
【1152】
好ましくは、IFN-γ様機能性物質は、IFN-γおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【1153】
好ましくは(Peferably)、IL-4様機能性物質は、IL-4および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【1154】
好ましくは、BDNF様機能性物質は、BDNFおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【1155】
好ましくは、IL-2様機能性物質は、IL-2および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【1156】
より好ましくは、IFN-γ様機能性物質はIFN-γであり、IL-4様機能性物質はIL-4であり、BDNF様機能性物質はBDNFであり、かつIL-2様機能性物質はIL-2である。
【1157】
それゆえ、より好ましくは、医薬組成物(IV)は、好ましくは有効成分として、
- IFN-γ;
- IL-4;
- BDNF;または
- IL-2、および
好ましくはさらなる有効成分として、免疫調節性物質
を含み、好ましくはそれらからなり、医薬組成物(IV)が、有効成分として、
- IFN-γを含み、好ましくはそれからなる場合、免疫調節性物質はIFN-γとは異なり;
- IL-4を含み、好ましくはそれからなる場合、免疫調節性物質はIL-4とは異なり;
- BDNFを含み、好ましくはそれからなる場合、免疫調節性物質はBDNFとは異なり;かつ
- IL-2を含み、好ましくはそれからなる場合、免疫調節性物質はIL-2とは異なる。
【1158】
またさらなる一般的概念では、本発明は、2種以上の異なる免疫調節性物質の組み合わせを含む、注入に対して好適な組成物に関する。
【1159】
それゆえ、またさらに、本発明は、好ましくは有効成分として、
- IFN-γ様機能性物質;
- IL-4様機能性物質;
- BDNF様機能性物質;または
- IL-2様機能性物質、および
好ましくはさらなる有効成分として、免疫調節性物質
を含み、好ましくはそれらからなる、注入可能剤型(I)に関し、注入可能剤型(I)が、有効成分として、
- IFN-γ様機能性物質を含み、好ましくはそれからなる場合、免疫調節性物質はIFN-γ様機能性物質とは異なり;
- IL-4様機能性物質を含み、好ましくはそれからなる場合、免疫調節性物質はIL-4様機能性物質とは異なり;
- BDNF様機能性物質を含み、好ましくはそれからなる場合、免疫調節性物質はBDNF様機能性物質とは異なり;かつ
- IL-2様機能性物質を含み、好ましくはそれからなる場合、免疫調節性物質はIL-2様機能性物質とは異なる。
【1160】
好ましくは、IFN-γ様機能性物質は、IFN-γおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【1161】
好ましくは、IL-4様機能性物質は、IL-4および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【1162】
好ましくは、BDNF様機能性物質は、BDNFおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【1163】
好ましくは、IL-2様機能性物質は、IL-2および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【1164】
より好ましくは、IFN-γ様機能性物質はIFN-γであり、IL-4様機能性物質はIL-4であり、BDNF様機能性物質はBDNFであり、かつIL-2様機能性物質はIL-2である。
【1165】
それゆえ、より好ましくは、注入可能剤型(I)は、好ましくは有効成分として、
- IFN-γ;
- IL-4;
- BDNF;または
- IL-2、および
好ましくはさらなる有効成分として、免疫調節性物質
を含み、好ましくはそれらからなり、医薬組成物(IV)が、有効成分として、
- IFN-γを含み、好ましくはそれからなる場合、免疫調節性物質はIFN-γとは異なり;
- IL-4を含み、好ましくはそれからなる場合、免疫調節性物質はIL-4とは異なり;
- BDNFを含み、好ましくはそれからなる場合、免疫調節性物質はBDNFとは異なり;かつ
- IL-2を含み、好ましくはそれからなる場合、免疫調節性物質はIL-2とは異なる。
【1166】
追加の一般的概念では、本発明は、限定された量の免疫調節性物質を含む、注入に対して好適な剤型に関する。
【1167】
それゆえ、本発明は追加的に、好ましくは有効成分として、
- 30,000IU IFN-γ以下に相当する総量での、かつ/もしくは1,500ng IFN-γ以下に活性が相当する総量での、IFN-γ様機能性物質;
- 1,000ng IL-4以下に活性が相当する総量での、IL-4様機能性物質;
- 500ng BDNF以下に活性が相当する総量での、BDNF様機能性物質;または
- 1,000IU IL-2以下に相当する総量での、かつ/もしくは61ng IL-2以下に活性が相当する総量での、IL-2様機能性物質
を含み、好ましくはそれらからなる、注入可能剤型(II)に関する。
【1168】
好ましくは、IFN-γ様機能性物質は、IFN-γおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
IL-4様機能性物質は、IL-4および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
BDNF様機能性物質は、BDNFおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
IL-2様機能性物質は、IL-2および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
またより好ましくは、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2である。
【1169】
それゆえ、またより好ましくは、注入可能剤型(II)は、好ましくは有効成分として、
- 30,000IU以下の総量での、かつ/もしくは1,500ng以下の総量での、IFN-γ;
- 1,000ng以下の総量での、IL-4;
- 500ng以下の総量での、BDNF;または
- 1,000IU以下の総量での、かつ/もしくは61ng以下の総量での、IL-2
を含み、好ましくはそれらからなる。
【1170】
下記の本明細書中に記載される局所用剤型の実施形態のうちのいずれかに含められる総量は、注入可能剤型(II)に含められる総量に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1171】
さらなる一般的概念では、本発明は、少なくとも1種の免疫調節性物質を含むかまたは本明細書中に記載される通りの医薬組成物のうちのいずれかを含む、局所適用および投与に対して好適な剤型に関する。
【1172】
さらに、本発明は、好ましくは有効成分として、
- IFN-γ様機能性物質;
- IL-4様機能性物質;
- BDNF様機能性物質;または
- IL-2様機能性物質
を含み、好ましくはそれらからなる、局所用剤型(I)に関する。
【1173】
好ましくは、IFN-γ様機能性物質は、IFN-γおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【1174】
好ましくは、IL-4様機能性物質は、IL-4および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【1175】
好ましくは、BDNF様機能性物質は、BDNFおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【1176】
好ましくは、IL-2様機能性物質は、IL-2および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【1177】
より好ましくは、IFN-γ様機能性物質はIFN-γであり、IL-4様機能性物質はIL-4であり、BDNF様機能性物質はBDNFであり、かつIL-2様機能性物質はIL-2である。
【1178】
それゆえ、より好ましくは、局所用剤型(I)は、好ましくは有効成分として、
- IFN-γ;
- IL-4;
- BDNF;または
- IL-2
を含み、好ましくはそれらからなる。
【1179】
さらに、本発明は、好ましくは有効成分および/または活性構成成分として、
- 免疫調節性物質;および
- エネルギー付与性構成要素
をみ、好ましくはそれらからなる、局所用剤型(II)に関する。
【1180】
またなおさらなる一般的概念では、本発明は、少なくとも1種の免疫調節性物質の送達に対して好適であり、かつ/もしくはそのために構成され、かつ/または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)を行なうために好適であり、かつ/もしくはそのために構成されるデバイスに関する。
【1181】
それゆえ、またさらに、本発明は、
- 皮膚コンディショニング部;および
- 第1のアプリケータ部
を含む、医療デバイス(100)に関し、
このとき、皮膚コンディショニング部および第1のアプリケータ部は、皮膚コンディショニング部を用いた調整措置の量と共に、第1のアプリケータ部を用いて第1の治療剤の量を被験体の皮膚へと投与するために、協働的に相互作用するように構成され;かつ/または
皮膚コンディショニング部および第1のアプリケータ部は、被験体の皮膚に対して機能するために構成される。
【1182】
好ましくは、第1の治療剤は、免疫調節性物質である。
【1183】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの物質、皮膚コンディショニング剤、医薬組成物、剤型および/または医療デバイスは、キットの形態で独立して提供されることができる。それゆえ、さらなる態様では、本発明は、免疫調節性物質を含むキットに関する。なおさらなる態様では、本発明は、皮膚コンディショニング剤を含むキットに関する。
【1184】
物質、皮膚コンディショニング剤、医薬組成物、剤型、医療デバイス、それらの個別の使用およびそれらの個別の医学的使用に関して開示されるいずれかの実施形態は、キットに対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1185】
それゆえ、本発明はさらに、好ましくは有効成分および/または活性構成成分として、
(i) 免疫調節性物質;ならびに
(ii) 皮膚コンディショニング剤;および/または
(iii) エネルギー付与手段
を含み、好ましくはそれらからなる、キット(I)に関する。
【1186】
さらなる態様では、本発明は、2種以上の異なる免疫調節性物質を含むキットに関する。
【1187】
したがって、本発明はさらに、好ましくは有効成分として、
(i) IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質またはIL-2様機能性物質;および
(ii) 免疫調節性物質
を含み、好ましくはそれらからなる、キット(II)に関し、キット(II)が、
- IFN-γ様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIFN-γ様機能性物質とは異なり;
- IL-4様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIL-4様機能性物質とは異なり;
- BDNF様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はBDNF様機能性物質とは異なり;かつ
- IL-2様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIL-2様機能性物質とは異なる。
【1188】
好ましくは、IFN-γ様機能性物質は、IFN-γおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【1189】
好ましくは、IL-4様機能性物質は、IL-4および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【1190】
好ましくは、BDNF様機能性物質は、BDNFおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【1191】
好ましくは、IL-2様機能性物質は、IL-2および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩である。
【1192】
より好ましくは、IFN-γ様機能性物質はIFN-γであり、IL-4様機能性物質はIL-4であり、BDNF様機能性物質はBDNFであり、かつIL-2様機能性物質はIL-2である。
【1193】
なおさらなる態様では、本発明は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型を含むキットに関する。
【1194】
特に、本発明はさらに、
(i) 本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型;ならびに
(ii) 皮膚コンディショニング剤;および/または
(iii) エネルギー付与手段
を含む、キット(III)に関する。
【1195】
好ましくは、注入可能剤型は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型(I)、(II)および/または(X)、より好ましくは注入可能剤型(I)および/または(II)である。
【1196】
またさらなる態様では、本発明は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの局所用剤型を含むキットに関する。
【1197】
特に、本発明は、
(i) 本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの局所用剤型;ならびに
(ii) 皮膚コンディショニング剤;および/または
(iii) エネルギー付与手段
を含む、キット(IV)に関する。
【1198】
好ましくは、局所用剤型は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの局所用剤型(I)、(II)および/または(X)、より好ましくは局所用剤型(I)である。
【1199】
キットでは、(i)および/または(ii)中に記述される物質および/または皮膚コンディショニング剤は、例えば、医薬組成物、局所用剤型、医療デバイスおよび/または注入可能剤型の形態でなどのいずれかの製薬上許容される製剤の形態で提供されることができる。好ましくは、キットでは、(i)および/または(ii)中に記述される物質および/または皮膚コンディショニング剤は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、局所用剤型、注入可能剤型、医療デバイスまたはそれらのいずれかの組み合わせのうちのいずれかの形態で提供される。
【1200】
キット(I)、(III)、(IV)および/または(V)の(iii)中に記述されるエネルギー付与手段は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのいずれかのエネルギー付与手段であり得る。好ましくは、エネルギー付与手段は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、特に本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A-6)で言及される通りの、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの装置に基づくエネルギー付与手段、より好ましくは加熱手段、さらにより好ましくは装置に基づく加熱手段である。それゆえ、別途言及されない場合、本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義、特に、方法のステップ(A-6)に関して本明細書中に記載される調整エネルギー、エネルギー付与手段および/または加熱手段のいずれかの実施形態または定義は、キット(I)、(III)、(IV)および/または(V)に関して言及される場合のエネルギー付与手段および/または加熱手段に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1201】
またなおさらなる態様では、本発明はさらに、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医療デバイスを含むキットに関する。
【1202】
特に、本発明は、
- アプリケータ部(120);および
- 皮膚コンディショニング部(110);および
- 任意により、免疫調節性物質などの治療剤を含むリザーバ(121)であって、アプリケータ部(120)に流体カップリングするために構成されるリザーバ(121)
を含む、キット(V)に関する。
【1203】
好ましくは、皮膚コンディショニング部(110)および/またはアプリケータ部(120)は、皮膚コンディショニング部(110)を用いた調整措置の量と共に、アプリケータ部(120)を用いて第1の治療剤の量を被験体の皮膚(102)へと投与するために協働的に相互作用するために、機械的かつ/または電気的にカップリングされるように構成される。
【1204】
好ましくは、免疫調節性物質は、医薬組成物中では、本明細書中に開示される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型(II)、(III)、(IV)および/または(X)、より好ましくは注入可能剤型(II)、(III)および/または(IV)であり、注入可能剤型は、本明細書中に開示される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型(I)、(II)および/または(X)、より好ましくは注入可能剤型(I)および/または(II)である。
【1205】
さらに、本発明は、免疫調節性物質を含み、かつ本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法での使用のために構成され、かつ/またはそれに対して好適である、いずれかの医薬組成物、いずれかの注入可能剤型、いずれかの局所用剤型、いずれかの医療デバイスおよび/またはいずれかのキットに関する。それゆえ、免疫調節性物質を含み、かつ本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法のステップのうちの少なくとも一部分またはすべてのステップでの使用のために構成され、かつ/またはそれに対して好適であることができる、医薬組成物、いずれかの注入可能剤型、いずれかの局所用剤型、いずれかの医療デバイスおよび/またはいずれかのキット。
【1206】
さらに、本発明は、免疫調節性物質を含み、かつ本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法での使用のための、いずれかの医薬組成物、いずれかの注入可能剤型、いずれかの局所用剤型、いずれかの医療デバイスおよび/またはいずれかのキットに関する。
【1207】
さらに、本発明は、皮膚コンディショニング剤を含み、かつ本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法での使用のために構成され、かつ/またはそれに対して好適である、いずれかの医薬組成物、いずれかの注入可能剤型、いずれかの局所用剤型、いずれかの医療デバイスおよび/またはいずれかのキットに関する。それゆえ、皮膚コンディショニング剤を含み、かつ本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法のステップのうちの少なくとも一部分またはすべてのステップでの使用のために構成され、かつ/またはそれに対して好適であることができる、医薬組成物、いずれかの注入可能剤型、いずれかの局所用剤型、いずれかの医療デバイスおよび/またはいずれかのキット。
【1208】
さらに、本発明は、皮膚コンディショニング剤を含み、かつ本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法での使用のための、いずれかの医薬組成物、いずれかの注入可能剤型、いずれかの局所用剤型、いずれかの医療デバイスおよび/またはいずれかのキットに関する。
【1209】
それゆえ、本発明はさらに、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用に対して好適であり、好ましくはそのために構成される、
- 皮膚コンディショニング剤;または
- 免疫調節性物質
を含む、医薬組成物(X)、注入可能剤型(X)、局所用剤型(X)、医療デバイス(X)および/またはキット(X)に関し、
該方法は、ステップ(A)を含み、好ましくはステップ(A)からなり、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO2の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ該方法は、
(B) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および/または
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
をさらに含む。
【1210】
好ましくは、
- 皮膚コンディショニング剤;または
- 免疫調節性物質
を含む、医薬組成物(X)、注入可能剤型(X)、局所用剤型(X)、医療デバイス(X)および/またはキット(X)は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のためのものであり、
該方法は、ステップ(A)を含み、好ましくはステップ(A)からなり、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO2の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ該方法は、
(B) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および/または
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
をさらに含む。
【1211】
なおさらなる態様では、本発明は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットのうちのいずれかまたは全部の使用に関する。
【1212】
またなおさらなる態様では、本発明は、物品または医療デバイスを製造するための、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物のうちのいずれかまたは全部の使用に関する。
【1213】
さらに、本発明は、医療デバイスを製造するための、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型のうちのいずれかまたは全部の使用に関する。
【1214】
別途言及されない場合、以下の概要の記載:
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する医薬組成物、特に医薬組成物(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(X)のうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」、
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する注入可能剤型、特に注入可能剤型(I)、(II)および/または(X)のうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」、
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する局所用剤型、特に局所用剤型(I)、(II)および/または(X)のうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」、
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する医療デバイス(100)にさらに関して」、および/または
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するキット、特にキット(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/または(X)のうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」
の下に言及される実施形態のうちのいずれかは、相互に独立して適用可能であり、かつ/または互いにおよび本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかと組み合わせ可能であることが理解されるべきである。概要の記載は、単に文章を構築するために機能し、それを超えるいかなる区切りまたは制限的な意味を有することは意図されない。
【1215】
一般的に、別途言及されない場合、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイス、キット、それらの個別の使用および/またはそれらの医学的使用に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法および/または医学的使用に対して、独立して準用することができ、逆もまた同じであることが理解されるべきである。
【1216】
・本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットのうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して
好ましくは、適用可能である場合、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットでは、免疫調節性物質は、サイトカイン様機能性物質、好ましくは、インターフェロン様機能性物質、インターロイキン様機能性物質および/または神経栄養因子様機能性物質、より好ましくは、IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質および/またはIL-2様機能性物質、さらにより好ましくは、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2および/またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩、またさらにより好ましくは、
- IFN-γ;
- IL-4;
- BDNF;および/または
- IL-2
である。
【1217】
さらに好ましくは、
・医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットでは、免疫調節性物質は、以下のものであり;かつ/または
・医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットは、以下のものを含む:
- IFN-γ;
- IL-4;
- BDNF;および
- IL-2、
ならびに/あるいはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩
から選択される、2種、3種または4種のいずれかの組み合わせ。
【1218】
なおさらに好ましくは、
・医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットでは、免疫調節性物質は、以下のものであり;かつ/または
・医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットは、以下のものを含む:
- IFN-γおよび/またはIL-4およびIL-2;もしくは
- IL-4および/またはBDNFおよびIL-2、
ならびに/あるいはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩。
【1219】
またさらに好ましくは、
・医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットでは、免疫調節性物質は、以下のものであり;かつ/または
・医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキットは、以下のものを含む:
- IFN-γおよびIL-2;
- IL-4およびIL-2;もしくは
- BDNFおよびIL-2、
ならびに/あるいはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩。
【1220】
医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの免疫調節性物質、サイトカイン様機能性物質様機能性物質、インターフェロン様機能性物質、インターロイキン様機能性物質、神経栄養因子様機能性物質、IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質、IL-2様機能性物質、サイトカイン、インターフェロン、インターロイキン、神経栄養因子、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2、誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/またはこれらのうちのいずれかの製薬上許容される塩は、独立して、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、特に、本明細書中に記載される方法の実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、いずれかの免疫調節性物質、サイトカイン様機能性物質様機能性物質、インターフェロン様機能性物質、インターロイキン様機能性物質、神経栄養因子様機能性物質、IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質、IL-2様機能性物質、サイトカイン、インターフェロン、インターロイキン、神経栄養因子、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2、誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/またはこれらのうちのいずれかの製薬上許容される塩である。
【1221】
別途言及されない場合、方法の実施形態(embodiements)のうちのいずれかで、特に本明細書中に記載される通りの方法のステップ(B)、(B1)および/または(C)で言及される通りの、免疫調節性物質、サイトカイン様機能性物質様機能性物質、インターフェロン様機能性物質、インターロイキン様機能性物質、神経栄養因子様機能性物質、IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質、IL-2様機能性物質、サイトカイン、インターフェロン、インターロイキン、神経栄養因子、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2、誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/またはこれらのうちのいずれかの製薬上許容される塩のいずれかの説明および定義は、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの免疫調節性物質、サイトカイン様機能性物質様機能性物質、インターフェロン様機能性物質、インターロイキン様機能性物質、神経栄養因子様機能性物質、IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質、IL-2様機能性物質、サイトカイン、インターフェロン、インターロイキン、神経栄養因子、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2、誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/またはこれらのうちのいずれかの製薬上許容される塩に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1222】
医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの皮膚コンディショニング剤は、独立して、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのいずれかの皮膚コンディショニング剤である。別途言及されない場合、方法の実施形態のうちのいずれかで、特に本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A-7)で言及される通りの皮膚コンディショニング剤のいずれかの説明および定義は、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚コンディショニング剤に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1223】
好ましくは、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットでは、免疫調節性物質、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2は、独立して、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物の形態、より好ましくは医薬組成物(I)、(II)、(III)および/または(IV)のうちのいずれかの形態にある。
【1224】
好ましくは、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、好ましくは有効成分として、免疫調節性物質、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2を含み、好ましくはそれらからなる医薬組成物を含む。より好ましくは、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキット中に含められる医薬組成物は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物(I)、(II)、(III)および/または(IV)のうちのいずれかである。
【1225】
好ましくは、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの医薬組成物は、さらなる有効成分として、免疫調節性物質、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2を含み、好ましくはそれらからなる。より好ましくは、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの医薬組成物は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物(I)、(II)、(III)および/または(IV)のうちのいずれかである。
【1226】
個々の物質および/または皮膚コンディショニング剤は、様々な量で、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキット内に存在することができる。これは、とりわけ、製剤もしくは調製物の種類および形態、意図される投与もしくは適用の形態および経路ならびに/または治療および/もしくは予防対象である被験体もしくは疾患に依存する。それゆえ、含められる物質および/または皮膚コンディショニング剤の有効量は、変わり得る。
【1227】
別途言及されない場合、表現「物質」は、免疫調節性物質、サイトカイン様機能性物質、インターフェロン様機能性物質、インターロイキン様機能性物質、神経栄養因子様機能性物質、IFN-γ様機能性物質、IL-2様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質、サイトカイン、インターフェロン、インターロイキン、神経栄養因子、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/もしくはIL-2ならびに/あるいはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩に関する一般的名称として;特に、免疫調節性物質、IFN-γ様機能性物質、IL-2様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/もしくはIL-2ならびに/あるいはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩の一般的名称として;より詳細には、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2に関する一般的名称として、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの実施形態のうちのいずれかで用いられることが理解されるべきである。
【1228】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、有効量の物質および/または皮膚コンディショニング剤を含む。特に、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、有効量の物質を含む。
【1229】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、有効量の物質および/または皮膚コンディショニング剤を送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される。特に、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、有効量の物質を送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される。
【1230】
別途言及されない場合、方法の実施形態のうちのいずれかで、特に本明細書中に記載される通りの方法のステップ(B)、(B1)および/または(C)で言及される物質の量または有効量のいずれかの説明および定義は、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの物質の量または有効量に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1231】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、
- 被験体での物質の濃度の全身性の増加、好ましくは効果的な全身性の(system)増加を引き起こさないために好適であり、かつ/もしくはそのために構成され;かつ/または
- 被験体での物質の濃度の全身性の増加、好ましくは効果的な全身性の増加を引き起こさない量で物質を含み;かつ/または
- 被験体での物質の濃度の全身性の増加、好ましくは効果的な全身性の増加を引き起こさない量で物質を投与、適用および/もしくは送達するために好適であり、かつ/もしくはそのために構成される。
【1232】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、
- 物質の個別の受容体の全身性の活性化、好ましくは効果的な全身性の活性化を引き起こさないために好適であり、かつ/もしくはそのために構成され;かつ/または
- 物質の個別の受容体の全身性の活性化、好ましくは効果的な全身性の活性化を引き起こさない量で物質を含み;かつ/または
- 物質の個別の受容体の全身性の活性化、好ましくは効果的な全身性の活性化を引き起こさない量で物質を投与、適用および/もしくは送達するために好適であり、かつ/もしくはそのために構成される。
【1233】
物質の受容体は、例えば、免疫調節性物質の個別の受容体、サイトカインの個別の受容体、インターフェロンの個別の受容体、インターロイキンの個別の受容体、神経栄養因子の個別の受容体、IFN-γの個別の受容体、IL-4の個別の受容体、BDNFの個別の受容体および/またはIL-2の個別の受容体である。
【1234】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、
- 被験体での物質の全身性の生成、好ましくは効果的な全身性の生成を引き起こさないために好適であり、かつ/もしくはそのために構成され、かつ/または投与された物質の濃度増加の生成、好ましくは効果的な濃度増加の生成は、局所のみであり、被験体で全身性でなく;かつ/あるいは
- 被験体での物質の全身性の生成、好ましくは効果的な全身性の生成を引き起こさない量で物質を含み、かつ/または投与された物質の濃度増加の生成、好ましくは効果的な濃度増加の生成は、局所のみであり、被験体で全身性でなく;かつ/あるいは
- 被験体での物質の全身性の生成、好ましくは効果的な全身性の生成を引き起こさない量で物質を投与、適用および/もしくは送達するために好適であり、かつ/もしくはそのために構成され、かつ/または投与された物質の濃度増加の生成、好ましくは効果的な濃度増加の生成は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【1235】
より好ましくは、適用可能である場合、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、特に医薬組成物(II)は、好ましくは被験体の皮膚へと、以下の量でIFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質および/またはIL-2様機能性物質を送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される:
- 600IU IFN-γ/kg被験体体重以下に相当する量での;
30ng IFN-γ/kg被験体体重以下に活性が相当する量での;
30,000IU IFN-γ以下に相当する総量での;かつ/もしくは
1,500ng IFN-γ以下に活性が相当する総量での
IFN-γ様機能性物質;
- 20ng IL-4/kg被験体体重以下に活性が相当する量での;かつ/もしくは
1,000ng IL-4以下に活性が相当する総量での
IL-4様機能性物質;
- 10ng BDNF/kg被験体体重以下に活性が相当する量での;かつ/もしくは
500ng BDNF以下に活性が相当する総量での
BDNF様機能性物質;および/または
- 10IU/kg被験体体重以下に相当する量での;
0.6ng/kg被験体体重以下の量での;
500IU IL-2以下に活性が相当する総量での;かつ/もしくは
30.5ng IL-2以下に活性が相当する総量での
IL-2様機能性物質。
【1236】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットが送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される、IFN-γ様機能性の量および/または総量は、以下の通りである:
被験体の皮膚への、好ましくは投与用量当たり、600IU IFN-γ/kg(国際単位/キログラム)被験体体重以下(「kg体重」は、その意味では、「体重のkg」と等価である)に相当する量、好ましくは総量でのIFN-γ様機能性。
【1237】
より好ましくは、300IU IFN-γ/kg以下、さらにより好ましくは200IU IFN-γ/kg以下、またより好ましくは100IU IFN-γ/kg以下、またさらにより好ましくは50IU IFN-γ/kg以下、さらに好ましくは30IU IFN-γ/kg以下、さらに好ましくは20IU IFN-γ/kg以下、なおさらに好ましくは6IU IFN-γ/kg以下に相当する量、好ましくは総量でのIFN-γ様機能性。
【1238】
有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.04IU IFN-γ/kg以上、より好ましくは0.2IU IFN-γ/kg以上、さらにより好ましくは0.5IU IFN-γ/kg以上、またより好ましくは1IU IFN-γ/kg以上、またさらにより好ましくは1.5IU IFN-γ/kg以上に相当する量である。
【1239】
より好ましくは、0.04IU IFN-γ/kg以上かつ600IU IFN-γ/kg以下、さらにより好ましくは0.2IU IFN-γ/kg以上かつ300IU IFN-γ/kg以下、またより好ましくは0.5IU IFN-γ/kg以上かつ200IU IFN-γ/kg以下、またさらにより好ましくは0.5IU IFN-γ/kg以上かつ100IU IFN-γ/kg以下、さらに好ましくは0.5IU IFN-γ/kg以上かつ50IU IFN-γ/kg以下、なおさらに好ましくは1IU IFN-γ/kg以上かつ30IU IFN-γ/kg以下、またさらに好ましくは1.5IU IFN-γ/kg以上かつ20IU IFN-γ/kg以下に相当する範囲内の量、好ましくは総量でのIFN-γ様機能性。
【1240】
好ましくは、被験体の皮膚への、好ましくは投与用量当たり、30ng IFN-γ/kg被験体体重以下に活性が相当する量、好ましくは総量でのIFN-γ様機能性。より好ましくは、15ng IFN-γ/kg以下、さらにより好ましくは10ng IFN-γ/kg以下、またより好ましくは5ng IFN-γ/kg以下、またさらにより好ましくは2.5ng IFN-γ/kg以下、さらに好ましくは1.5ng IFN-γ/kg以下、またさらにより好ましくは1ng IFN-γ/kg以下、なおさらに好ましくは0.3ng IFN-γ/kg以下に活性が相当する量、好ましくは総量でのIFN-γ様機能性。
【1241】
有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量に関して下限はないが、しかしながら、通常、量に関する下限は、0.002ng IFN-γ/kg以上、より好ましくは0.025ng IFN-γ/kg以上、さらにより好ましくは0.01ng IFN-γ/kg以上、またより好ましくは0.02mg/kg以上、またさらにより好ましくは0.05ng IFN-γ/kg以上、さらに好ましくは0.075ng IFN-γ/kg以上に活性が相当する。
【1242】
より好ましくは、30ng IFN-γ/kg以下かつ0.002ng IFN-γ/kg以上、さらにより好ましくは15ng IFN-γ/kg以下かつ0.025ng IFN-γ/kg以上、またより好ましくは10ng IFN-γ/kg以下かつ0.01ng IFN-γ/kg以上、またさらにより好ましくは5ng IFN-γ/kg以下かつ0.01ng IFN-γ/kg以上、さらに好ましくは2.5ng IFN-γ/kg以下かつ0.02ng IFN-γ/kg以上、なおさらに好ましくは1.5ng IFN-γ/kg以下かつ0.02ng IFN-γ/kg以上、またさらに好ましくは1ng IFN-γ/kg以下かつ0.05ng IFN-γ/kg以上、またなおさらに好ましくは0.3ng IFN-γ/kg以下かつ0.075ng IFN-γ/kg以上に活性が相当する範囲内の量、好ましくは総量でのIFN-γ様機能性物質。
【1243】
同じ量が、IFN-γのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩に当てはまる(appy)。
【1244】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットが送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される、IL-2様機能性物質の量および/または総量は、すなわち、以下の通りである:
被験体の皮膚への、好ましくは投与用量当たり、20IU IL-2/kg被験体体重以下、より好ましくは10IU IL-2/kg被験体体重以下に相当する量、好ましくは総量でのIL-2様機能性物質。さらにより好ましくは、好ましくは8IU IL-2/kg以下、またより好ましくは6IU IL-2/kg、またさらにより好ましくは5IU IL-2/kg以下、さらに好ましくは4IU IL-2/kg以下に相当する量でのIL-2様機能性物質。
【1245】
有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.5IU IL-2/kg以上、より好ましくは1IU IL-2/kg以上、さらにより好ましくは2IU IL-2/kg以上に相当する量である。
【1246】
より好ましくは、20IU IL-2/kg以下かつ0.5IU IL-2/kg以上、さらにより好ましくは10IU IL-2/kg以下かつ0.5IU IL-2/kg以上、またより好ましくは8IU IL-2/kg以下かつ0.5IU IL-2/kg以上、またさらにより好ましくは6IU IL-2/kg以下かつ1IU IL-2/kg以上、さらに好ましくは5IU IL-2/kg以下かつ1IU IL-2/kg以上、なおさらに好ましくは4IU IL-2/kg以下かつ1IU IL-2/kg以上に相当する範囲内の量、好ましくは総量でのIL-2様機能性物質。
【1247】
被験体の皮膚への、好ましくは投与用量当たり、1.2ng IL-2/kg被験体体重以下、より好ましくは0.6ng IL-2/kg被験体体重以下に活性が相当する量、好ましくは総量でのIL-2様機能性物質。さらにより好ましくは、0.5ng IL-2/kg以下、またより好ましくは0.37ng IL-2/kg、またさらにより好ましくは0.3ng IL-2/kg以下、さらに好ましくは0.25ng IL-2/kg以下に活性が相当する量でのIL-2、好ましくはIL-2様機能性物質。
【1248】
有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.03ng IL-2/kg以上、より好ましくは0.06ng IL-2/kg以上、さらにより好ましくは0.12ng IL-2/kg以上に活性が相当する量である。
【1249】
より好ましくは、1.2ng IL-2/kg以下かつ0.03ng IL-2/kg以上、さらにより好ましくは0.6ng IL-2/kg以下かつ0.03ng IL-2/kg以上、またより好ましくは0.5ng IL-2/kg以下かつ0.03ng IL-2/kg以上、またさらにより好ましくは0.37ng IL-2/kg以下かつ0.06ng IL-2/kg以上、さらに好ましくは0.3ng IL-2/kg以下かつ0.06ng IL-2/kg以上、なおさらに好ましくは0.25ng IL-2/kg以下かつ0.12ng IL-2/kg以上に活性が相当する範囲内の量、好ましくは総量でのIL-2様機能性物質。
【1250】
同じ量が、IL-2のいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩に当てはまる。
【1251】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットが送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される、IL-4様機能性物質の量および/または総量は、すなわち、以下の通りである:
被験体の皮膚への、好ましくは投与用量当たり、20ng IL-4/kg被験体体重以下に活性が相当する量、好ましくは総量でのIL-4様機能性物質。より好ましくは、10ng IL-4/kg以下、さらにより好ましくは5ng IL-4/kg以下、またより好ましくは2.5ng IL-4/kg以下、またさらにより好ましくは1.5ng IL-4/kg以下、さらに好ましくは1ng IL-4/kg以下、またさらにより好ましくは0.4ng IL-4/kg以下、なおさらに好ましくは0.2ng IL-4/kg以下に活性が相当する量、好ましくは総量でのIL-4様機能性物質。
【1252】
有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、量に関する下限は、0.002ng IL-4/kg以上、より好ましくは0.025ng IL-4/kg以上、さらにより好ましくは0.01ng IL-4/kg以上、またより好ましくは0.02 mg/kg以上、またさらにより好ましくは0.05ng IL-4/kg以上、さらに好ましくは0.075ng IL-4/kg以上に活性が相当する。
【1253】
より好ましくは、20ng IL-4/kg以下かつ0.002ng IL-4/kg以上、さらにより好ましくは10ng IL-4/kg以下かつ0.025ng IL-4/kg以上、またより好ましくは5ng IL-4/kg以下かつ0.01ng IL-4/kg以上、またさらにより好ましくは2.5ng IL-4/kg以下かつ0.01ng IL-4/kg以上、さらに好ましくは1.5ng IL-4/kg以下かつ0.02ng IL-4/kg以上、なおさらに好ましくは1ng IL-4/kg以下かつ0.02ng IL-4/kg以上、またさらに好ましくは0.4ng IL-4/kg以下かつ0.05ng IL-4/kg以上およびまたなおさらに好ましくは0.2ng IL-4/kg以下かつ0.075ng IL-4/kg以上に活性が相当する範囲内の量、好ましくは総量でのIL-4様機能性物質。
【1254】
同じ量が、IL-4のいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩に当てはまる。
【1255】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットが送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される、BDNF様機能性物質の量および/または総量は、すなわち、以下の通りである:
被験体の皮膚への、好ましくは投与用量当たり、10ng BDNF/kg被験体体重以下に活性が相当する量、好ましくは総量でのBDNF様機能性物質。より好ましくは、5ng BDNF/kg以下、さらにより好ましくは2.5ng BDNF/kg以下、またより好ましくは1ng BDNF/kg以下、またさらにより好ましくは0.5ng BDNF/kg以下、さらに好ましくは0.3ng BDNF/kg以下、またさらにより好ましくは0.1ng BDNF/kg以下、さらに好ましくは0.05ng BDNF/kg以下の量でのBDNF。
【1256】
有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、量に関する下限は、0.001ng BDNF/kg以上、より好ましくは0.005ng BDNF/kg以上、さらにより好ましくは0.007ng BDNF/kg以上、またより好ましくは0.01mg/kg以上に活性が相当する。
【1257】
より好ましくは、10ng BDNF/kg以下かつ0.001ng BDNF/kg以上、さらにより好ましくは5ng BDNF/kg以下かつ0.001ng BDNF/kg以上、またより好ましくは2.5ng BDNF/kg以下かつ0.005ng BDNF/kg以上、またさらにより好ましくは1ng BDNF/kg以下かつ0.005ng BDNF/kg以上、さらに好ましくは0.5ng BDNF/kg以下かつ0.007ng BDNF/kg以上、なおさらに好ましくは0.3ng BDNF/kg以下かつ0.007ng BDNF/kg以上、またさらに好ましくは0.1ng BDNF/kg以下かつ0.01ng BDNF/kg以上、またなおさらに好ましくは0.05ng BDNF/kg以下かつ0.01ng BDNF/kg以上に活性が相当する範囲内の量、好ましくは総量でのBDNF様機能性物質。
【1258】
同じ量が、BDNFのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩に当てはまる。
【1259】
好ましくは、送達される対象であるIFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質および/またはIL-2様機能性物質の量は、総量である。
【1260】
好ましくは、IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質および/またはIL-2様機能性物質の量は、投与用量当たりに送達される量である。
【1261】
より好ましくは、IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質および/またはIL-2様機能性物質の総量は、投与用量当たりに送達される総量である。
【1262】
好ましくは、IFN-γ様機能性物質は、IFN-γならびに/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
IL-4様機能性物質は、IL-4ならびに/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
BDNF様機能性物質は、BDNFならびに/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
IL-2様機能性物質は、IL-2ならびに/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
またより好ましくは、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2である。
【1263】
それゆえ、さらにより好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキット、特に医薬組成物(II)は、好ましくは被験体の皮膚へと、以下の量でIFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2を送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される:
- 600IU/kg被験体体重以下の量での、30ng/kg被験体体重以下の量での、30,000IU以下の総量での、かつ/もしくは1,500ng以下の総量での、IFN-γ;
- 20ng/kg被験体体重以下の量での、かつ/もしくは1,000ng以下の総量での、IL-4;
- 10ng/kg被験体体重以下の量での、かつ/もしくは500ng以下の総量での、BDNF;および/または
- 20IU/kg被験体体重以下の量での、1.2ng/kg被験体体重以下の量での、1,000IU以下の総量での、かつ/もしくは61ng以下の総量での、IL-2。
【1264】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットが送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される、IFN-γ様機能性物質および/またはIFN-γの量および/または総量は、以下の通りである。
【1265】
被験体の皮膚への、好ましくは投与用量当たり、600IU/kg(国際単位/キログラム)被験体体重以下(「kg体重」は、その意味では、「体重のkg」と等価である)の量、好ましくは総量でのIFN-γ。
【1266】
より好ましくは、300IU/kg以下、さらにより好ましくは200IU/kg以下、またより好ましくは100IU/kg以下、またさらにより好ましくは50IU/kg以下、さらに好ましくは30IU/kg以下、さらに好ましくは20IU/kg以下、なおさらに好ましくは6IU/kg以下の量、好ましくは総量でのIFN-γ。
【1267】
有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.04IU/kg以上、より好ましくは0.2IU/kg以上、さらにより好ましくは0.5IU/kg以上、またより好ましくは1IU/kg以上、またさらにより好ましくは1.5IU/kg以上である。
【1268】
より好ましくは、0.04IU/kg以上かつ600IU/kg以下、さらにより好ましくは0.2IU/kg以上かつ300IU/kg以下、またより好ましくは0.5IU/kg以上かつ200IU/kg以下、またさらにより好ましくは0.5IU/kg以上かつ100IU/kg以下、さらに好ましくは0.5IU/kg以上かつ50IU/kg以下、なおさらに好ましくは1IU/kg以上かつ30IU/kg以下、またさらに好ましくは1.5IU/kg以上かつ20IU/kg以下の範囲内の量、好ましくは総量でのIFN-γ。
【1269】
好ましくは、被験体の皮膚への、好ましくは投与用量当たり、30ng/kg被験体体重以下の量、好ましくは総量でのIFN-γ。より好ましくは、15ng/kg以下、さらにより好ましくは10ng/kg以下、またより好ましくは5ng/kg以下、またさらにより好ましくは2.5ng/kg以下、さらに好ましくは1.5ng/kg以下、またさらにより好ましくは1ng/kg以下、なおさらに好ましくは0.3ng/kg以下の量、好ましくは総量でのIFN-γ。有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.002ng/kg以上、より好ましくは0.025ng/kg以上、さらにより好ましくは0.01ng/kg以上、またより好ましくは0.02 mg/kg以上、またさらにより好ましくは0.05ng/kg以上、さらに好ましくは0.075ng/kg以上である。より好ましくは、30ng/kg以下かつ0.002ng/kg以上、さらにより好ましくは15ng/kg以下かつ0.025ng/kg以上、またより好ましくは10ng/kg以下かつ0.01ng/kg以上、またさらにより好ましくは5ng/kg以下かつ0.01ng/kg以上、さらに好ましくは2.5ng/kg以下かつ0.02ng/kg以上、なおさらに好ましくは1.5ng/kg以下かつ0.02ng/kg以上、またさらに好ましくは1ng/kg以下かつ0.05ng/kg以上、またなおさらに好ましくは0.3ng/kg以下かつ0.075ng/kg以上の範囲内の量、好ましくは総量でのIFN-γ。
【1270】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットが送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される、IL-2の量および/または総量は、すなわち、以下の通りである:
被験体の皮膚への、好ましくは投与用量当たり、20IU/kg被験体体重以下、より好ましくは10IU/kg被験体体重以下の量、好ましくは総量でのIL-2。さらにより好ましくは、8IU/kg以下、またより好ましくは6IU/kg、またさらにより好ましくは5IU/kg以下、さらに好ましくは4IU/kg以下の量でのIL-2。
【1271】
有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.5IU/kg以上、より好ましくは1IU/kg以上、さらにより好ましくは2IU/kg以上である。
【1272】
より好ましくは、20IU/kg以下かつ0.5IU/kg以上、さらにより好ましくは10IU/kg以下かつ0.5IU/kg以上、またより好ましくは8IU/kg以下かつ0.5IU/kg以上、またさらにより好ましくは6IU/kg以下かつ1IU/kg以上、さらに好ましくは5IU/kg以下かつ1IU/kg以上、なおさらに好ましくは4IU/kg以下かつ1IU/kg以上の範囲内の量、好ましくは総量でのIL-2。
【1273】
被験体の皮膚への、好ましくは投与用量当たり、1.2ng/kg被験体体重以下、より好ましくは0.6ng/kg被験体体重以下の量、好ましくは総量でのIL-2。さらにより好ましくは、0.5ng/kg以下、またより好ましくは0.37ng/kg、またさらにより好ましくは0.3ng/kg以下、さらに好ましくは0.25ng/kg以下の量でのIL-2。
【1274】
有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.03ng/kg以上、より好ましくは0.06ng/kg以上、さらにより好ましくは0.12ng/kg以上である。より好ましくは、1.2ng/kg以下かつ0.03ng/kg以上、さらにより好ましくは0.6ng/kg以下かつ0.03ng/kg以上、またより好ましくは0.5ng/kg以下かつ0.03ng/kg以上、またさらにより好ましくは0.37ng/kg以下かつ0.06ng/kg以上、さらに好ましくは0.3ng/kg以下かつ0.06ng/kg以上、なおさらに好ましくは0.25ng/kg以下かつ0.12ng/kg以上の範囲内の量、好ましくは総量でのIL-2。
【1275】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットが送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される、IL-4の量および/または総量は、すなわち、以下の通りである:
被験体の皮膚への、好ましくは投与用量当たり、20ng/kg被験体体重以下の量、好ましくは総量でのIL-4。より好ましくは、10ng/kg以下、さらにより好ましくは5ng/kg以下、またより好ましくは2.5ng/kg以下、またさらにより好ましくは1.5ng/kg以下、さらに好ましくは1ng/kg以下、またさらにより好ましくは0.4ng/kg以下、なおさらに好ましくは0.2ng/kg以下の量でのIL-4。
【1276】
有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.002ng/kg以上、より好ましくは0.025ng/kg以上、さらにより好ましくは0.01ng/kg以上、またより好ましくは0.02 mg/kg以上、またさらにより好ましくは0.05ng/kg以上、さらに好ましくは0.075ng/kg以上である。
【1277】
より好ましくは、20ng/kg以下かつ0.002ng/kg以上、さらにより好ましくは10ng/kg以下かつ0.025ng/kg以上、またより好ましくは5ng/kg以下かつ0.01ng/kg以上、またさらにより好ましくは2.5ng/kg以下かつ0.01ng/kg以上、さらに好ましくは1.5ng/kg以下かつ0.02ng/kg以上、なおさらに好ましくは1ng/kg以下かつ0.02ng/kg以上、またさらに好ましくは0.4ng/kg以下かつ0.05ng/kg以上かつまたなおさらに好ましくは0.2ng/kg以下かつ0.075ng/kg以上の範囲内の量、好ましくは総量でのIL-4。
【1278】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットが送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される、BDNFの量および/または総量は、すなわち、以下の通りである:
被験体の皮膚への、好ましくは投与用量当たり、10ng/kg被験体体重以下の量、好ましくは総量でのBDNF。より好ましくは、5ng/kg以下、さらにより好ましくは2.5ng/kg以下、またより好ましくは1ng/kg以下、またさらにより好ましくは0.5ng/kg以下、さらに好ましくは0.3ng/kg以下、またさらにより好ましくは0.1ng/kg以下、さらに好ましくは0.05ng/kg以下の量でのBDNF。
【1279】
有益な効果を達成することができる限り、kg体重当たりの量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.001ng/kg以上、より好ましくは0.005ng/kg以上、さらにより好ましくは0.007ng/kg以上、またより好ましくは0.01mg/kg以上である。
【1280】
より好ましくは、10ng/kg以下かつ0.001ng/kg以上、さらにより好ましくは5ng/kg以下かつ0.001ng/kg以上、またより好ましくは2.5ng/kg以下かつ0.005ng/kg以上、またさらにより好ましくは1ng/kg以下かつ0.005ng/kg以上、さらに好ましくは0.5ng/kg以下かつ0.007ng/kg以上、なおさらに好ましくは0.3ng/kg以下かつ0.007ng/kg以上、またさらに好ましくは0.1ng/kg以下かつ0.01ng/kg以上、またなおさらに好ましくは0.05ng/kg以下かつ0.01ng/kg以上の範囲内の量、好ましくは総量でのBDNF。
【1281】
好ましくは、送達される対象であるIFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2の量は、総量である。
【1282】
好ましくは、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2の量は、投与用量当たりに送達される量である。
【1283】
より好ましくは、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2の総量は、投与用量当たりに送達される総量である。
【1284】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、これらの量および/または総量を超過しない量で、IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質および/またはIL-2様機能性物質、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2を送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される。つまり、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、示される量および/または総量を超えずに送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される。
【1285】
さらにより好ましくは、別途言及されない場合、好ましくは本明細書中に記載される通りの方法で、特に本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)で投与される場合の免疫調節性物質、IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質、IL-2様機能性物質、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2および/または皮膚コンディショニング剤の量および/または総量のいずれかの説明および定義は、本明細書中に記載される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットにより送達される対象である免疫調節性物質、IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質および/またはIL-2様機能性物質、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2および/または皮膚コンディショニング剤の量に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。それゆえ、別途言及されない場合、特に、本明細書中に記載される場合、本明細書中に記載される通りの方法の、より詳細には方法のステップ(B)、(B1)および/または(C)の実施形態のうちのいずれかでのIFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質、IL-2様機能性物質、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2の投与される量に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型および/または局所用剤型の実施形態のうちのいずれかで送達される対象である量に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1286】
さらにより好ましくは、以下の条件のうちの1以上が満たされる場合、すなわち、医薬組成物、局所用剤型、医療デバイスおよび/または注入可能剤型が、
・被験体の皮膚へと投与されるかもしくは投与のために用いられるか;
・好ましくは、局所適用によって被験体の皮膚へと投与されるかもしくは投与のために用いられるか;
・好ましくは、注入によって被験体の皮膚へと投与されるかもしくは投与のために用いられるか;
・皮膚領域の皮膚へと投与されるかもしくは投与のために用いられるか;
・好ましくは、皮膚領域の皮膚へと投与されるかもしくは投与のために用いられ、このとき、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/もしくはIL-2の濃度増加が皮膚領域の皮膚内で生成されるか;
・好ましくは、適用領域の皮膚へと医薬組成物、局所用剤型、注入可能剤型および/または医療デバイスを適用することによって、皮膚領域の皮膚へと投与されるかもしくは投与のために用いられるか;
・より好ましくは、適用領域の皮膚へと医薬組成物、局所用剤型、注入可能剤型および/または医療デバイスを適用することによって、皮膚領域の皮膚へと投与されるかもしくは投与のために用いられ、このとき、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/もしくはIL-2の濃度増加が皮膚領域の皮膚内で生成されるか;
・適用領域の皮膚へと適用されるか;
・好ましくは、適用領域の皮膚へと適用され、このとき、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/もしくはIL-2の濃度増加が皮膚領域の皮膚内で生成されるか;
・局所適用によって適用領域の皮膚へと適用されるか;または
・注入によって適用領域の皮膚へと適用される
場合、医薬組成物、局所用剤型、医療デバイスおよび/または注入可能剤型は、上記に示される量でIFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質、IL-2様機能性物質、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2のうちの少なくとも1種を送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される。
【1287】
さらに、さらにより好ましくは、その濃度増加、好ましくはその効果的な濃度増加が生成される場合、医薬組成物、局所用剤型、医療デバイスおよび/または注入可能剤型は、上記に示される量でIFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質、IL-2様機能性物質、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2のうちの少なくとも1種を送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される。
【1288】
特に本明細書中に記載される通りの方法の、より詳細には本明細書中に記載される通りの方法のステップ(B)、(B1)および/または(C)の、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのIFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質、IL-2様機能性物質、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2の濃度増加の生成または効果的な濃度増加の生成のいずれかの説明および定義は、その濃度増加、好ましくはその効果的な濃度増加が生成される場合に、上記に示される量でIFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質、IL-2様機能性物質、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2のうちの少なくとも1種を送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される、医薬組成物、局所用剤型、医療デバイスおよび/または注入可能剤型に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1289】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの方法の実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚領域のいずれかの説明および定義は、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚領域に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1290】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの方法の実施形態のうちのいずれかで言及される通りの適用領域のいずれかの説明および定義は、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの適用領域に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1291】
より好ましくは、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかでは、特に本明細書中に記載される方法のステップ(B)および/または(B1)の、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、皮膚領域は、物質の場合には、特にIFN-γ、IL-4およびBDNFの場合には、皮膚領域[b]および/もしくは[b1]であり、かつ/または適用領域は適用領域[b]および/もしくは[b1]である。
【1292】
より好ましくは、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかでは、特に本明細書中に記載される方法のステップ(C)の、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、皮膚領域は、免疫調節性物質の場合には、特にIL-2の場合には、皮膚領域[c]であり、かつ/または適用領域は適用領域[c]である。
【1293】
好ましくは、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかでは、皮膚領域、皮膚領域[b]、皮膚領域[b1]および/または皮膚領域[c]は、特に本明細書中に記載される方法のステップ(B)および/または(B1)の、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、皮膚領域、皮膚領域[b]および/または皮膚領域[b1]および/または皮膚領域[c]と同じく、独立して、変更すべき箇所は変更して、規定される。別途言及されない場合、皮膚領域、皮膚領域[b]、皮膚領域[b1]および/または皮膚領域[c]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される(descrined)医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかでの皮膚領域、皮膚領域[b]、皮膚領域[b1]および/または皮膚領域[c]に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1294】
好ましくは、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかでは、適用領域、適用領域[b]、適用領域[b1]および/または適用領域[c]は、特に本明細書中に記載される方法のステップ(C)の、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、適用領域、適用領域[b]および/または適用領域[b1]および/または適用領域[c]と同じく、独立して、変更すべき箇所は変更して、規定される。別途言及されない場合、適用領域、適用領域[b]、適用領域[b1]および/または適用領域[c]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかでの適用領域、適用領域[b]、適用領域[b1]および/または適用領域[c]に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1295】
好ましくは、適用可能である場合、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、好ましくは有効成分として:
- 100,000IU IFN-γ/mLもしくはIU IFN-γ/g以下に相当する濃度での、または5,000ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下に活性が相当する濃度での、IFN-γ様機能性物質;
- 1,000ng IL-4/mLもしくはng/g以下または活性が相当する濃度での、IL-4様機能性物質;
- 1,500ng BDNF/mLまたはng/g以下に活性が相当する濃度での、BDNF様機能性物質;
- 100,000IU IL-2/mLもしくはIU IL-2/g以下に相当する濃度での、または6100ng IL-2/mLもしくはng IL-2/g以下に活性が相当する濃度での、IL-2様機能性物質
を含み、好ましくはそれらからなる。
【1296】
より好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、80,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下、さらにより好ましくは70,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下、またより好ましくは60,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下、またさらにより好ましくは50,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下、さらに好ましくは40,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下、なおさらに好ましくは30,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下、またさらに好ましくは20,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下、またなおさらに好ましくは10,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下、さらに好ましくは5,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下、なおさらに好ましくは1,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下に相当する濃度で、IFN-γ様機能性物質を含み、好ましくはそれからなる。有益な効果を達成することができる限り、濃度に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、2IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以上、より好ましくは10IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以上、さらにより好ましくは20IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以上、またより好ましくは30IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以上かつまたさらにより好ましくは50IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以上に相当する濃度である。より好ましくは、IFN-γ様機能性物質の濃度は、100,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下かつ2IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以上、さらにより好ましくは80,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下かつ2IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以上、またより好ましくは70,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下かつ10IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以上、またさらにより好ましくは60,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下かつ10IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以上、さらに好ましくは50,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下かつ10IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以上、なおさらに好ましくは40,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下かつ20IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以上、またさらに好ましくは30,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下かつ20IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以上、またなおさらに好ましくは20,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下かつ20IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以上、さらに好ましくは10,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下かつ30IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以上、なおさらに好ましくは5,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下かつ30IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以上、またさらに好ましくは1,000IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以下かつ50IU IFN-γ/mLまたはIU IFN-γ/g以上に相当する範囲内である。
【1297】
より好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、4,000ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下、さらにより好ましくは3,500ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下、またより好ましくは3,000ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下、またさらにより好ましくは2,500ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下、さらに好ましくは2,000ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下、なおさらに好ましくは1,500ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下、またさらに好ましくは1,000ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下、またなおさらに好ましくは500ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下、さらに好ましくは250ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下、なおさらに好ましくは50ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下に相当する濃度で、IFN-γ様機能性物質を含み、好ましくはそれからなる。有益な効果を達成することができる限り、濃度に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.1ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以上、より好ましくは0.5ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以上、さらにより好ましくは1ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以上かつまたさらにより好ましくは2ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以上に相当する濃度である。より好ましくは、IFN-γ様機能性物質の濃度は、5,000ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下かつ0.1ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以上、さらにより好ましくは4,000ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下かつ0.1ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以上、またより好ましくは3,500ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下かつ0.1ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以上、またさらにより好ましくは3,000ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下かつ0.5ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以上、さらに好ましくは2,500ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下かつ0.5ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以上、なおさらに好ましくは2,000ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下かつ0.5ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以上、またさらに好ましくは1,500ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下かつ1ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以上、またなおさらに好ましくは1,000ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下かつ1ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以上、さらに好ましくは500ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下かつ1ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以上、なおさらに好ましくは250ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下かつ2ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以上、またさらに好ましくは50ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以下かつ2ng IFN-γ/mLまたはng IFN-γ/g以上に相当する範囲内である。
【1298】
同じ量が、IFN-γのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩に当てはまる。
【1299】
より好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、8,000ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下、さらにより好ましくは7,000ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下、またより好ましくは6,000ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下、またさらにより好ましくは5,000ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下、さらに好ましくは4,000ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下、なおさらに好ましくは3,000ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下、またさらに好ましくは2,000ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下、またなおさらに好ましくは1,000ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下、さらに好ましくは500ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下、なおさらに好ましくは150ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下に活性が相当する濃度で、IL-4様機能性物質を含み、好ましくはそれからなる。有益な効果を達成することができる限り、濃度に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.1ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以上、より好ましくは0.5ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以上、さらにより好ましくは1ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以上、またより好ましくは1ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以上かつまたさらにより好ましくは2ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以上に活性が相当する濃度である。より好ましくは、IL-4様機能性物質の濃度は、10,000ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下かつ0.1ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以上、さらにより好ましくは8,000ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下かつ0.1ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以上、またより好ましくは7,000ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下かつ0.1ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以上、またさらにより好ましくは6,000ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下かつ0.5ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以上、さらに好ましくは5,000ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下かつ0.5ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以上、なおさらに好ましくは4,000ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下かつ0.5ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以上、またさらに好ましくは3,000ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下かつ1ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以上、またなおさらに好ましくは2,000ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下かつ1ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以上、さらに好ましくは1,000ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下かつ1ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以上、なおさらに好ましくは500ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下かつ2ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以上、またさらに好ましくは150ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以下かつ2ng IL-4/mLまたはng IL-4/g以上に活性が相当する範囲内である。
【1300】
同じ量が、IL-2のいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩に当てはまる。
【1301】
より好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、8,000ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下、さらにより好ましくは7,000ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下、またより好ましくは6,000ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下、またさらにより好ましくは5,000ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下、さらに好ましくは4,000ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下、なおさらに好ましくは3,000ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下、またさらに好ましくは2,000ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下、またなおさらに好ましくは1,000ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下、さらに好ましくは500ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下、なおさらに好ましくは150ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下、またさらに好ましくは50ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下に活性が相当する濃度で、BDNF様機能性物質を含み、好ましくはそれからなる。有益な効果を達成することができる限り、濃度に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.005ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以上、more preferably0.01ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以上、さらにより好ましくは0.05ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以上、またさらにより好ましくは0.1ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以上、さらに好ましくは0.2ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以上に活性が相当する濃度である。より好ましくは、BDNF様機能性物質の濃度は、10,000ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下かつ0.005ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以上、さらにより好ましくは8,000ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下かつ0.005ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以上、またより好ましくは7,000ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下かつ0.01ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以上、またさらにより好ましくは6,000ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下かつ0.01ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以上、さらに好ましくは5,000ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下かつ0.01ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以上、なおさらに好ましくは4,000ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下かつ0.05ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以上、またさらに好ましくは3,000ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下かつ0.5ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以上、またなおさらに好ましくは2,000ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下かつ0.5ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以上、さらに好ましくは1,000ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下かつ0.1ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以上、なおさらに好ましくは500ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下かつ0.1ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以上、またさらに好ましくは150ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下かつ0.2ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以上、またなおさらに好ましくは50ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以下かつ0.2ng BDNF/mLまたはng BDNF/g以上に活性が相当する濃度の範囲内である。
【1302】
同じ量が、BDNFのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩に当てはまる。
【1303】
より好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、80,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下、さらにより好ましくは70,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下、またより好ましくは60,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下、またさらにより好ましくは50,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下、さらに好ましくは40,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下、なおさらに好ましくは30,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下、またさらに好ましくは20,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下、またなおさらに好ましくは10,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下、さらに好ましくは5,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下、なおさらに好ましくは2,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下に相当する濃度で、IL-2様機能性物質を含み、好ましくはそれからなる。有益な効果を達成することができる限り、濃度に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、25IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以上、より好ましくは50IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以上、さらにより好ましくは100IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以上に相当する濃度である。より好ましくは、IL-2様機能性物質の濃度は、100,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下かつ25IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以上、さらにより好ましくは80,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下かつ25IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以上、またより好ましくは70,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下かつ25IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以上、またさらにより好ましくは60,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下かつ25IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以上、さらに好ましくは50,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下かつ50IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以上、なおさらに好ましくは40,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下かつ50IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以上、またさらに好ましくは30,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下かつ50IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以上、またなおさらに好ましくは20,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下かつ50IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以上、さらに好ましくは10,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下かつ50IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以上、なおさらに好ましくは5,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下かつ100IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以上、またさらに好ましくは1,000IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以下かつ100IU IL-2/mLまたはIU IL-2/g以上に相当する範囲内である。
【1304】
より好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、4,880ng IL-2/mLまたはng IL-2/g、さらにより好ましくは4,270ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下、またより好ましくは3,660ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下、またさらにより好ましくは3,050ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下、さらに好ましくは2,440ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下、なおさらに好ましくは1,830ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下、またさらに好ましくは1,220ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下、またなおさらに好ましくは610ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下、さらに好ましくは300ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下、なおさらに好ましくは120ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下に活性が相当する濃度で、IL-2様機能性物質を含み、好ましくはそれからなる。有益な効果を達成することができる限り、濃度に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、2ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以上、より好ましくは3ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以上、さらにより好ましくは6.1ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以上に活性が相当する濃度である。より好ましくは、IL-2様機能性物質の濃度は、6,100ng IL-2/mLまたはng IL-2/gおよび2ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以上、さらにより好ましくは4,880ng IL-2/mLまたはng IL-2/gおよび2ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以上、またより好ましくは4,270ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下かつ2ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以上、またさらにより好ましくは3,660ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下かつ2ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以上、さらに好ましくは3,050ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下かつ3ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以上、なおさらに好ましくは2,440ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下かつ3ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以上、またさらに好ましくは1,830ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下かつ3 g/mLまたはng IL-2/g以上、またなおさらに好ましくは1,220ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下かつ3ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以上、さらに好ましくは610ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下かつ6.1ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以上、なおさらに好ましくは300ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下かつ6.1ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以上、またさらに好ましくは120ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以下かつ6.1ng IL-2/mLまたはng IL-2/g以上に活性が相当する範囲内である。
【1305】
同じ量が、IL-2のいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩に当てはまる。
【1306】
好ましくは、IFN-γ様機能性物質は、IFN-γおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
IL-4様機能性物質は、IL-4および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
BDNF様機能性物質は、BDNFおよび/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
IL-2様機能性物質は、IL-2および/またはそのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩であり、
またより好ましくは、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2である。
【1307】
それゆえ、またより好ましくは、適用可能である場合、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、好ましくは有効成分として:
- 100,000IU/mLもしくはIU/g以下の、または5,000ng/mLもしくはng/g以下の濃度でのIFN-γ;
- 10,000ng/mLまたはng/g以下の濃度でのIL-4;
- 10,000ng/mLまたはng/g以下の濃度でのBDNF;および/あるいは
- 100,000IU/mLもしくはIU/g以下の、または6,100ng/mLもしくはng/g以下の濃度でのIL-2
を含み、好ましくはそれらからなる。
【1308】
より好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、80,000IU/mLまたはIU/g以下、さらにより好ましくは70,000IU/mLまたはIU/g以下、またより好ましくは60,000IU/mLまたはIU/g以下、またさらにより好ましくは50,000IU/mLまたはIU/g以下、さらに好ましくは40,000IU/mLまたはIU/g以下、なおさらに好ましくは30,000IU/mLまたはIU/g以下、またさらに好ましくは20,000IU/mLまたはIU/g以下、またなおさらに好ましくは10,000IU/mLまたはIU/g以下、さらに好ましくは5,000IU/mLまたはIU/g以下、なおさらに好ましくは1,000IU/mLまたはIU/g以下の濃度で、IFN-γを含み、好ましくはそれからなる。有益な効果を達成することができる限り、濃度に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、2IU/mLまたはIU/g以上、より好ましくは10IU/mLまたはIU/g以上、さらにより好ましくは20IU/mLまたはIU/g以上、またより好ましくは30IU/mLまたはIU/g以上およびまたさらにより好ましくは50IU/mLまたはIU/g以上である。より好ましくは、IFN-γの濃度は、100,000IU/mLまたはIU/g以下かつ2IU/mLまたはIU/g以上、さらにより好ましくは80,000IU/mLまたはIU/g以下かつ2IU/mLまたはIU/g以上、またより好ましくは70,000IU/mLまたはIU/g以下かつ10IU/mLまたはIU/g以上、またさらにより好ましくは60,000IU/mLまたはIU/g以下かつ10IU/mLまたはIU/g以上、さらに好ましくは50,000IU/mLまたはIU/g以下かつ10IU/mLまたはIU/g以上、なおさらに好ましくは40,000IU/mLまたはIU/g以下かつ20IU/mLまたはIU/g以上、またさらに好ましくは30,000IU/mLまたはIU/g以下かつ20IU/mLまたはIU/g以上、またなおさらに好ましくは20,000IU/mLまたはIU/g以下かつ20IU/mLまたはIU/g以上、さらに好ましくは10,000IU/mLまたはIU/g以下かつ30IU/mLまたはIU/g以上、なおさらに好ましくは5,000IU/mLまたはIU/g以下かつ30IU/mLまたはIU/g以上、またさらに好ましくは1,000IU/mLまたはIU/g以下かつ50IU/mLまたはIU/g以上の範囲内である。
【1309】
より好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、4,000ng/mLまたはng/g以下、さらにより好ましくは3,500ng/mLまたはng/g以下、またより好ましくは3,000ng/mLまたはng/g以下、またさらにより好ましくは2,500ng/mLまたはng/g以下、さらに好ましくは2,000ng/mLまたはng/g以下、なおさらに好ましくは1,500ng/mLまたはng/g以下、またさらに好ましくは1,000ng/mLまたはng/g以下、またなおさらに好ましくは500ng/mLまたはng/g以下、さらに好ましくは250ng/mLまたはng/g以下、なおさらに好ましくは50ng/mLまたはng/g以下の濃度で、IFN-γを含み、好ましくはそれからなる。有益な効果を達成することができる限り、濃度に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.1ng/mLまたはng/g以上、より好ましくは0.5ng/mLまたはng/g以上、さらにより好ましくは1ng/mLまたはng/g以上およびまたさらにより好ましくは2ng/mLまたはng/g以上である。より好ましくは、IFN-γの濃度は、5,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.1ng/mLまたはng/g以上、さらにより好ましくは4,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.1ng/mLまたはng/g以上、またより好ましくは3,500ng/mLまたはng/g以下かつ0.1ng/mLまたはng/g以上、またさらにより好ましくは3,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.5ng/mLまたはng/g以上、さらに好ましくは2,500ng/mLまたはng/g以下かつ0.5ng/mLまたはng/g以上、なおさらに好ましくは2,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.5ng/mLまたはng/g以上、またさらに好ましくは1,500ng/mLまたはng/g以下かつ1ng/mLまたはng/g以上、またなおさらに好ましくは1,000ng/mLまたはng/g以下かつ1ng/mLまたはng/g以上、さらに好ましくは500ng/mLまたはng/g以下かつ1ng/mLまたはng/g以上、なおさらに好ましくは250ng/mLまたはng/g以下かつ2ng/mLまたはng/g以上、またさらに好ましくは50ng/mLまたはng/g以下かつ2ng/mLまたはng/g以上の範囲内である。
【1310】
より好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、8,000ng/mLまたはng/g以下、さらにより好ましくは7,000ng/mLまたはng/g以下、またより好ましくは6,000ng/mLまたはng/g以下、またさらにより好ましくは5,000ng/mLまたはng/g以下、さらに好ましくは4,000ng/mLまたはng/g以下、なおさらに好ましくは3,000ng/mLまたはng/g以下、またさらに好ましくは2,000ng/mLまたはng/g以下、またなおさらに好ましくは1,000ng/mLまたはng/g以下、さらに好ましくは500ng/mLまたはng/g以下、なおさらに好ましくは150ng/mLまたはng/g以下の濃度で、IL-4を含み、好ましくはそれからなる。有益な効果を達成することができる限り、濃度に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.1ng/mLまたはng/g以上、より好ましくは0.5ng/mLまたはng/g以上、さらにより好ましくは1ng/mLまたはng/g以上、またより好ましくは1ng/mLまたはng/g以上およびまたさらにより好ましくは2ng/mLまたはng/g以上である。より好ましくは、IL-4の濃度は、10,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.1ng/mLまたはng/g以上、さらにより好ましくは8,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.1ng/mLまたはng/g以上、またより好ましくは7,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.1ng/mLまたはng/g以上、またさらにより好ましくは6,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.5ng/mLまたはng/g以上、さらに好ましくは5,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.5ng/mLまたはng/g以上、なおさらに好ましくは4,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.5ng/mLまたはng/g以上、またさらに好ましくは3,000ng/mLまたはng/g以下かつ1ng/mLまたはng/g以上、またなおさらに好ましくは2,000ng/mLまたはng/g以下かつ1ng/mLまたはng/g以上、さらに好ましくは1,000ng/mLまたはng/g以下かつ1ng/mLまたはng/g以上、なおさらに好ましくは500ng/mLまたはng/g以下かつ2ng/mLまたはng/g以上、またさらに好ましくは150ng/mLまたはng/g以下かつ2ng/mLまたはng/g以上の範囲内である。
【1311】
より好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、8,000ng/mLまたはng/g以下、さらにより好ましくは7,000ng/mLまたはng/g以下、またより好ましくは6,000ng/mLまたはng/g以下、またさらにより好ましくは5,000ng/mLまたはng/g以下、さらに好ましくは4,000ng/mLまたはng/g以下、なおさらに好ましくは3,000ng/mLまたはng/g以下、またさらに好ましくは2,000ng/mLまたはng/g以下、またなおさらに好ましくは1,000ng/mLまたはng/g以下、さらに好ましくは500ng/mLまたはng/g以下、なおさらに好ましくは150ng/mLまたはng/g以下、またさらに好ましくは50ng/mLまたはng/g以下の濃度で、BDNFを含み、好ましくはそれからなる。有益な効果を達成することができる限り、濃度に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.005ng/mLまたはng/g以上、より好ましくは0.01ng/mLまたはng/g以上、さらにより好ましくは0.05ng/mLまたはng/g以上、またさらにより好ましくは0.1ng/mLまたはng/g以上、さらに好ましくは0.2ng/mLまたはng/g以上である。より好ましくは、BDNFの濃度は、10,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.005ng/mLまたはng/g以上、さらにより好ましくは8,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.005ng/mLまたはng/g以上、またより好ましくは7,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.01ng/mLまたはng/g以上、またさらにより好ましくは6,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.01ng/mLまたはng/g以上、さらに好ましくは5,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.01ng/mLまたはng/g以上、なおさらに好ましくは4,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.05ng/mLまたはng/g以上、またさらに好ましくは3,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.5ng/mLまたはng/g以上、またなおさらに好ましくは2,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.5ng/mLまたはng/g以上、さらに好ましくは1,000ng/mLまたはng/g以下かつ0.1ng/mLまたはng/g以上、なおさらに好ましくは500ng/mLまたはng/g以下かつ0.1ng/mLまたはng/g以上、またさらに好ましくは150ng/mLまたはng/g以下かつ0.2ng/mLまたはng/g以上、またなおさらに好ましくは50ng/mLまたはng/g以下かつ0.2ng/mLまたはng/g以上の濃度の範囲内である。
【1312】
より好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、80,000IU/mLまたはIU/g以下、さらにより好ましくは70,000IU/mLまたはIU/g以下、またより好ましくは60,000IU/mLまたはIU/g以下、またさらにより好ましくは50,000IU/mLまたはIU/g以下、さらに好ましくは40,000IU/mLまたはIU/g以下、なおさらに好ましくは30,000IU/mLまたはIU/g以下、またさらに好ましくは20,000IU/mLまたはIU/g以下、またなおさらに好ましくは10,000IU/mLまたはIU/g以下、さらに好ましくは5,000IU/mLまたはIU/g以下、なおさらに好ましくは2,000IU/mLまたはIU/g以下の濃度で、IL-2を含み、好ましくはそれからなる。有益な効果を達成することができる限り、濃度に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、25IU/mLまたはIU/g以上、より好ましくは50IU/mLまたはIU/g以上、さらにより好ましくは100IU/mLまたはIU/g以上である。より好ましくは、IL-2の濃度は、100,000IU/mLまたはIU/g以下かつ25IU/mLまたはIU/g以上、さらにより好ましくは80,000IU/mLまたはIU/g以下かつ25IU/mLまたはIU/g以上、またより好ましくは70,000IU/mLまたはIU/g以下かつ25IU/mLまたはIU/g以上、またさらにより好ましくは60,000IU/mLまたはIU/g以下かつ25IU/mLまたはIU/g以上、さらに好ましくは50,000IU/mLまたはIU/g以下かつ50IU/mLまたはIU/g以上、なおさらに好ましくは40,000IU/mLまたはIU/g以下かつ50IU/mLまたはIU/g以上、またさらに好ましくは30,000IU/mLまたはIU/g以下かつ50IU/mLまたはIU/g以上、またなおさらに好ましくは20,000IU/mLまたはIU/g以下かつ50IU/mLまたはIU/g以上、さらに好ましくは10,000IU/mLまたはIU/g以下かつ50IU/mLまたはIU/g以上、なおさらに好ましくは5,000IU/mLまたはIU/g以下かつ100IU/mLまたはIU/g以上、またさらに好ましくは1,000IU/mLまたはIU/g以下かつ100IU/mLまたはIU/g以上の範囲内である。
【1313】
より好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、4,880ng/mLまたはng/g、さらにより好ましくは4,270ng/mLまたはng/g以下、またより好ましくは3,660ng/mLまたはng/g以下、またさらにより好ましくは3,050ng/mLまたはng/g以下、さらに好ましくは2,440ng/mLまたはng/g以下、なおさらに好ましくは1,830ng/mLまたはng/g以下、またさらに好ましくは1,220ng/mLまたはng/g以下、またなおさらに好ましくは610ng/mLまたはng/g以下、さらに好ましくは300ng/mLまたはng/g以下、なおさらに好ましくは120ng/mLまたはng/g以下の濃度で、IL-2を含み、好ましくはそれからなる。有益な効果を達成することができる限り、濃度に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、2ng/mLまたはng/g以上、より好ましくは3ng/mLまたはng/g以上、さらにより好ましくは6.1ng/mLまたはng/g以上である。より好ましくは、IL-2の濃度は、6,100ng/mLまたはng/gおよび2ng/mLまたはng/g以上、さらにより好ましくは4,880ng/mLまたはng/gおよび2ng/mLまたはng/g以上、またより好ましくは4,270ng/mLまたはng/g以下かつ2ng/mLまたはng/g以上、またさらにより好ましくは3,660ng/mLまたはng/g以下かつ2ng/mLまたはng/g以上、さらに好ましくは3,050ng/mLまたはng/g以下かつ3ng/mLまたはng/g以上、なおさらに好ましくは2,440ng/mLまたはng/g以下かつ3ng/mLまたはng/g以上、またさらに好ましくは1,830ng/mLまたはng/g以下かつ3 g/mLまたはng/g以上、またなおさらに好ましくは1,220ng/mLまたはng/g以下かつ3ng/mLまたはng/g以上、さらに好ましくは610ng/mLまたはng/g以下かつ6.1ng/mLまたはng/g以上、なおさらに好ましくは300ng/mLまたはng/g以下かつ6.1ng/mLまたはng/g以上、またさらに好ましくは120ng/mLまたはng/g以下かつ6.1ng/mLまたはng/g以上の範囲内である。
【1314】
好ましくは、適用可能である場合、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、好ましくはさらなる有効成分として、皮膚コンディショニング剤をさらに含み、好ましくはそれからなる。
【1315】
医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの皮膚コンディショニング剤は、特に本明細書中に記載される方法の、より詳細には方法のステップ(A-7)の、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのいずれかの皮膚コンディショニング剤である。
【1316】
別途言及されない場合、特に方法に関連して、より詳細には方法のステップ(A-7)中での皮膚コンディショニング剤に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの皮膚コンディショニング剤に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1317】
好ましくは、皮膚コンディショニング剤は、硝酸薬、α遮断薬、ACE阻害剤、イチョウバームなどのイチョウ調製物、カルシウム拮抗薬、ジヒドララジン、ミノキシジル、ジヒドロエルゴトキシン、ニコチン酸類似体、ニコチン酸メチル、モグサ草、カプサイシン、ペントキシフィリンなどの血管拡張剤、血管拡張剤含有クリーム剤、ニコチン酸メチル含有クリーム剤、Kytta(登録商標)熱感バームまたはそれらのいずれかの組み合わせ、より好ましくはニコチン酸メチル含有クリーム剤および/またはニコチン酸メチル、さらにより好ましくはKytta(登録商標)熱感バームおよび/またはニコチン酸メチル(ニコチン酸メチルを含有するKytta(登録商標)熱感バーム[P&G Health Germany GmbH社、Germanyからの「Kytta(登録商標)熱感バーム」、PZN 12358936])を有効成分として含み、好ましくは有効成分としてそれらからなる。
【1318】
好ましくは、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットでは、皮膚コンディショニング剤は、医薬組成物の形態、より好ましくは本明細書中に記載される医薬組成物(I)、(II)、(III)および/または(IV)のうちのいずれかの形態にある。
【1319】
好ましくは、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、好ましくは有効成分として、皮膚コンディショニング剤を含み、好ましくはそれからなる医薬組成物を含む。より好ましくは、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキット中に含められる医薬組成物は、本明細書中に記載される医薬組成物(I)、(II)、(III)および/または(IV)のうちのいずれかである。
【1320】
好ましくは、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの医薬組成物は、好ましくはさらなる有効成分として、皮膚コンディショニング剤を含み、好ましくはそれからなる。より好ましくは、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキット中に含められる医薬組成物は、本明細書中に記載される医薬組成物(I)、(II)、(III)および/または(IV)のうちのいずれかである。
【1321】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、有効量の皮膚コンディショニング剤を送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される。特に、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、有効量の皮膚コンディショニング剤を含み、かつ/またはそれを送達するために好適であり、かつ/もしくはそのために構成される。
【1322】
好ましくは、被験体の皮膚へと方法中で、特に本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A-7)中で、好ましくは投与される場合の皮膚コンディショニング剤の量または有効量のいずれかの説明および定義は、それらが送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される量または有効量である、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚コンディショニング剤の量または有効量に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1323】
より好ましくは、皮膚コンディショニング剤は、Kytta(登録商標)熱感バームおよび/またはニコチン酸メチルである。それゆえ、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、5mg~10,000mg、より好ましくは10mg~1000mg、さらにより好ましくは15mg~500mgの量のKytta(登録商標)クリーム剤に対応する量でニコチン酸メチルを送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される。
【1324】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、
- 皮膚上での温度上昇;
- 皮膚内でのsO2(ヘモグロビンの酸素飽和度)の増加;または
- 皮膚内でのrHb(相対的ヘモグロビン量)の増加
を生じさせるために、
より好ましくは、
- 皮膚上での温度上昇;
- 皮膚内でのsO2の増加;および/または
- 皮膚内でのrHbの増加
さらにより好ましくは、温度上昇、sO2の増加およびrHbの増加のうちのすべて
を生じさせるために、好適であり、かつ/またはそのために構成される。
【1325】
より好ましくは、
・医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、以下の事項を生じさせ、かつ/または生じさせるために好適であり、かつ/もしくはそのために構成され;
・皮膚コンディショニング剤は、以下の事項を生じさせ、かつ/または生じさせるために好適であり、かつ/もしくはそのために構成され;
・エネルギー付与性局所用剤型は、以下の事項を生じさせ、かつ/または生じさせるために好適であり、かつ/もしくはそのために構成され;かつ/あるいは
・皮膚コンディショニング剤を含む局所用剤型は、以下の事項を生じさせ、かつ/または生じさせるために好適であり、かつ/もしくはそのために構成され;かつ/あるいは
・皮膚コンディショニング剤は、以下の事項を生じさせるために好適かつ/または十分である量で含められ;かつ/あるいは
・エネルギー付与性局所用剤型または医療デバイスは、以下の事項を生じさせ、好ましくは持続時間および/または程度にわたって生じさせるために調整エネルギーを送達し、施し、かつ/または適用するために好適であり、かつ/またはそのために構成される:
- 皮膚内でのPBMCの蓄積であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態(mebodiments)のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚内での血液量の増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加であって、好ましくは、sO2は2%以上増加し、かつ/もしくはsO2は2%ポイント以上増加し;かつ/またはrHbは2%以上増加し、かつ/もしくはrHbは2AU(任意単位)以上増加し、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚上の温度上昇であって、好ましくは、温度は1%以上上昇し、かつ/または温度は0.2℃以上上昇し、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚上の発赤であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである。
【1326】
好ましくは、以下の条件のうちの1つ以上が満たされる場合、すなわち、医薬組成物、局所用剤型、医療デバイスおよび/または注入可能剤型が、
・被験体の皮膚へと投与されるかまたは投与のために用いられるか、
・好ましくは、局所適用によって被験体の皮膚へと投与されるかまたは投与のために用いられるか、
・好ましくは、注入によって被験体の皮膚へと投与されるかまたは投与のために用いられるか、
・好ましくは、皮膚領域の皮膚へと投与されるかまたは投与、皮膚領域の皮膚への投与のために用いられるか、
・好ましくは、皮膚領域の皮膚へと投与されるかまたは投与のために用いられ、このとき、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加および/もしくはrHbの増加、温度上昇ならびに/または発赤が皮膚領域の皮膚内で生成されるか、
・好ましくは、適用領域の皮膚へと医薬組成物、局所用剤型および/または注入可能剤型を適用することによって膚領域の皮膚へと投与されるかまたは投与のために用いられるか、
・より好ましくは、適用領域の皮膚へと医薬組成物、局所用剤型、注入可能剤型および/または医療デバイスを適用することによって、皮膚領域の皮膚へと投与されるかまたは投与のために用いられ、このとき、PBMCの蓄積の濃度増加、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加および/もしくはrHbの増加、温度上昇ならびに/または発赤が皮膚領域の皮膚内で生成されるか、
・適用領域の皮膚へと適用されるか、
・好ましくは、適用領域の皮膚へと適用され、このとき、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加および/もしくはrHbの増加、温度上昇ならびに/または発赤が皮膚領域の皮膚内で生成されるか、
・局所適用によって適用領域の皮膚へと適用されるか、
・注入によって適用領域の皮膚へと適用される
場合。
【1327】
好ましくは、特に方法の実施形態のうちのいずれかで言及される場合に本明細書中に記載される通りの方法の、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚領域のいずれかの説明および定義は、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚領域に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1328】
より好ましくは、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかでは、特に本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、皮膚領域は、皮膚コンディショニング剤、調整エネルギーおよび/または熱の場合には、皮膚領域[a]であり、かつ/または適用領域は適用領域[a]である。
【1329】
好ましくは、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかでは、皮膚領域および/または皮膚領域[a]は、特に本明細書中に記載される方法の、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、皮膚領域および/または皮膚領域[a]と同じく、独立して、変更すべき箇所は変更して、規定される。別途言及されない場合、皮膚領域および/または皮膚領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかでの皮膚領域および/または皮膚領域[a]に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1330】
好ましくは、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかでは、適用領域および/または適用領域[a]は、特に本明細書中に記載される方法の、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、それぞれ、適用領域および/または適用領域[a]と同じく、独立して、変更すべき箇所は変更して、規定される。別途言及されない場合、適用領域および/または適用領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかでの適用領域および/または適用領域[a]に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1331】
特に、サイズ、形状、重複および/または領域合計について、皮膚領域、特に皮膚領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1332】
特に、サイズ、形状、重複および/または領域合計について、適用領域、特に適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1333】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、物質および/または皮膚コンディショニング剤、特に免疫調節性物質、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2などの物質の表皮内、皮内および/または皮下、好ましくは皮内投与、適用および/または送達に対して好適であり、かつ/またはそのために構成される。
【1334】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは:
- 皮膚の局所下層中へと、より好ましくは皮膚の表皮、真皮および/もしくは皮下組織中へと、さらにより好ましくは真皮中へと;かつ/または
- 皮膚表面から測定した場合、好ましくは皮膚表面に対して垂直に骨に向かって測定した場合、皮膚中へと皮膚厚さ方向で、6mm以下かつ0.1mm以上、より好ましくは4mm以下かつ0.3mm以上、さらにより好ましくは3mm以下かつ0.5mm以上で
物質、特に免疫調節性物質、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2を、投与、適用および/または送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される。
【1335】
好ましくは、特に、本明細書中に記載される通りの方法の、より詳細には方法のステップ(B)、(B1)および/または(C)の、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの局所下層のいずれかの説明および定義は、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの局所下層に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1336】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、背部、腹部、臀部、上腕、前腕および/または上腿、より好ましくは上腕、前腕および/または上腿の皮膚への物質および/または皮膚コンディショニング剤の送達に対して好適であり、かつ/またはそのために構成される。
【1337】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットでは、物質および/または薬剤は、注入可能剤型内でそれぞれ空間的に分離されて提供されることができるか、または空間的分離を伴わずに混合物として提供することができる。
【1338】
そのような空間的分離が存在しない場合、このことは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットを製造するためのより容易、より簡潔かつより複雑でない(less sophistiacted)製造プロセスを可能にするのに有利である。
【1339】
空間的分離は、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキット内の粒子中へと物質および/または皮膚コンディショニング剤をパッケージングまたは製剤化することにより遂行することができる。さらに、空間的分離は、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイス内に提供される分離したコンパートメントまたはチャンネル中に物質および/または皮膚コンディショニング剤を提供することにより、遂行することができる。さらに、空間的分離は、キット内に提供される別個の医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイス中に物質および/または皮膚コンディショニング剤を提供することにより、遂行することができる。
【1340】
空間的分離は、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキット内に空間的に分離されて物質および/または皮膚コンディショニング剤を保存および保持するという利点を有し、すなわち、それを可能にする。このことは、例えば、物質および/または皮膚コンディショニング剤が混和性でないか、その混合物が製薬上許容されないか、物質が安定かつ活性のままであるために異なる不適合な製剤化条件を必要するか、または物質が個別の製剤もしくは組成物としてのみ当局により承認されているが、配合剤としては承認されていない場合に、適切であり得る。
【1341】
それゆえ、好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、粒子、特に薬物送達のための粒子をさらに含む。より好ましくは、医薬組成物および/または局所用剤型は、そのような粒子をさらに含む。
【1342】
薬物送達のための粒子は、被験体への薬物の送達に対して、特に物質および/または皮膚コンディショニング剤、特に免疫調節性物質、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2の送達に対して好適である、当業者に公知のいずれかの粒子であり得る。
【1343】
好ましくは、粒子は、物質および/または皮膚コンディショニング剤、特に免疫調節性物質、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2の経皮投与、適用および/または伝達に対して、好ましくは表皮内、皮内および/または皮下、より好ましくは皮内投与、適用および/または伝達に対して好適である。
【1344】
好ましくは、薬物送達のための粒子は、被験体の皮膚の局所下層中への、より好ましくは表皮、真皮および/もしくは皮下組織、さらにより好ましくは真皮中への物質および/もしくは皮膚コンディショニング剤、より好ましくは物質の送達に対して、かつ/または皮膚表面から骨に向かって測定した場合、皮膚厚さ方向で被験体の皮膚中へと、6mm以下かつ0.1mm以上、より好ましくは4mm以下かつ0.3mm以上、さらにより好ましくは2mm以下かつ0.5mm以上での送達に対して好適である。
【1345】
粒子は、例えば、ナノ粒子、微粒子、脂質に基づく粒子、リポソーム、ベシクル、ミセル、シリカ磁性ナノ粒子、固体液体ナノ粒子、ポリマー性ナノ粒子、固体ナノエマルジョン、物質および/もしくは皮膚コンディショニング剤を用いるコーティングに対して好適なナノ粒子、デンドリマー(dentrimer)ならびに/または炭素ナノ粒子であり得る。粒子は、能動的または受動的送達に対して好適であり得、好ましくは、物質および/または皮膚コンディショニング剤の受動的送達に対して好適である。
【1346】
好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットでは、物質および/または皮膚コンディショニング剤は、粒子中へと包み込むかまたは製剤化される。好ましくは、免疫調節性物質、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2は、粒子中へと包み込まれるかまたは製剤化される。
【1347】
粒子は、免疫調節性物質、物質および/もしくは皮膚コンディショニング剤;好ましくはIFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2、および/もしくは皮膚コンディショニング剤;より好ましくは免疫調節性物質、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/もしくはIL-2;さらにより好ましくはIFN-γ、IL-4、BDNFおよび/もしくはIL-2から選択される単独または2種以上の組み合わせを含有することができる。物質および/または皮膚コンディショニング剤のうちのそれぞれが、別個の粒子中に包み込まれるかもしくは製剤化されることができるか、またはそれらのうちの一部もしくは全部が粒子中へとそれらの2種以上(two of more)の組み合わせで包み込まれるかもしくは製剤化されることができる。より好ましくは、各物質および薬剤は、別個の粒子中に包み込まれるかまたは製剤化される。
【1348】
医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、物質および/または皮膚コンディショニング剤のうちの1種以上を含有するそのような粒子のいずれかの組み合わせを含むことができる。あるいは、それらは、例えば、免疫調節性物質のうちのいずれかの1種以上を包み込んだそのような粒子のうちの1種以上を含むことができ、一方で、皮膚コンディショニング剤は粒子中へと包み込まれないかまたは製剤化されないことができる。
【1349】
好ましくは、物質および/または皮膚コンディショニング剤の包み込みおよび/または製剤化は、当業者に公知のいずれかの好適な方法により遂行することができる。
【1350】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットはさらに、好ましくは有効成分に加えて、製薬上許容されるビヒクル、希釈剤、アジュバント、賦形剤、担体、添加剤および/または塩を含む。これらは好ましくは、例えば、局所適用または注入などの投与の個別の形態に対して適応される。これらの使用は、当技術分野で周知である。希釈剤、アジュバントまたは賦形剤に関する例は、精製水、ベンジルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリソルベート80R、ポリソルベート(polysorbat)20、ステアリン酸ソルビタングリセロール、4-ヒドロキシ安息香酸メチル、4-ヒドロキシ安息香酸プロピル、イソステアリン酸、キサンタンガム、D-マンニトール、コハク酸ナトリウム、コハク酸、ラウリル硫酸ナトリウムである。担体、アジュバント、添加剤または塩に関する例は、親水性もしくは親油性溶媒、可溶化剤、乳化剤、安定化剤、充填剤、緩衝剤、溶媒、等張化剤、分散媒、乾燥剤、抗細菌剤、抗真菌剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート剤、保存料、および/または局所適用に対する基礎を与えるための薬剤もしくは皮膚浸透能を増大させるための薬剤である。
【1351】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、医薬としての使用のためのものであり得る。それゆえ、好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、医薬としての使用のためのものである。
【1352】
特に、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、疾患の治療および/または予防での使用のためのものであり得る。それゆえ、より好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の治療および/または予防での使用のためのものである。
【1353】
別途言及されない場合、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される通りのその実施形態のうちのいずれかでの医薬組成物、剤型、医療デバイスおよびキットに対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。より好ましくは、治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、関節炎、滑膜炎、関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、ベヒテレフ病、乾癬性関節炎、橋本病、バセドウ病および/または多発性硬化症を含み、好ましくはそれらからなる。
【1354】
さらに、上記で既に述べた通り、本発明は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法での使用のための、かつ/または使用に対して好適な医薬組成物(X)、注入可能剤型(X)、局所用剤型(X)、医療デバイス(X)および/またはキット(X)に関する。
【1355】
好ましくは、医薬組成物(X)は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物(I)、(II)、(III)および/または(IV)のうちのいずれかである。
【1356】
好ましくは、注入可能剤型(X)は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型(I)および/または(II)のうちのいずれかである。
【1357】
好ましくは、局所用剤型(X)は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの局所用剤型(I)および/または(II)のうちのいずれかである。
【1358】
好ましくは、医療デバイス(X)は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医療デバイス(100)である。
【1359】
好ましくは、キット(X)は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのキット(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)のうちのいずれかである。
【1360】
それゆえ、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法での使用のために構成され、かつ/またはそれに対して好適であり得る。
【1361】
したがって、好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法での使用に対して好適であり、かつ/またはそのために構成される。
【1362】
より好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用に対して好適であり、かつ/またはそのために構成され、
該方法はステップ(A)を含み、好ましくはステップ(A)からなり、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO2の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ該方法は、
(B) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ、および
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
をさらに含む。
【1363】
免疫調節性物質、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2を含む医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、本明細書中に記載される通りの方法のステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれか1つ、2つまたは全部での使用に対して特に好適である。
【1364】
皮膚コンディショニング剤および/またはエネルギー付与性構成要素を含む医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)での使用に対して特に好適である。さらに、エネルギー付与性局所用剤型である局所用剤型は、本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)での使用に対して特に好適である。
【1365】
さらに、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法での使用のためのものであり得る。
【1366】
それゆえ、より好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法での使用のためのものである。
【1367】
さらにより好ましくは、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用のためのものであり、
該方法はステップ(A)を含み、好ましくはステップ(A)からなり、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO2の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ該方法は、
(B) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ、および
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
をさらに含む。
【1368】
免疫調節性物質、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2を含む医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、特に、本明細書中に記載される通りの方法のステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれか1つ、2つまたは全部での使用のためのものである。
【1369】
皮膚コンディショニング剤および/またはエネルギー付与性構成要素を含む医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、他のステップからは外れて、特に、本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)での使用のためのものである。さらに、エネルギー付与性局所用剤型である局所用剤型は、他のステップからは外れて、特に、本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)での使用のためのものである。
【1370】
好ましくは、方法での使用のための、かつ/または使用に対して好適な医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、どのステップが適用可能であるかに応じて、本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)のうちの1以上を遂行、実行および/または達成するために好適であるかまたはそのために構成される。それゆえ、方法が、例えば、ステップ(A)、(B)および/または(C)を含む場合、それらは、例えば、ステップ(A)、(B)および/または(C)のうちの1つまたは2つを遂行、実行および/または達成するために好適であるかまたはそのために構成される。
【1371】
方法での使用のための、かつ/または使用に対して好適な医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットが、方法が含むすべてのステップを遂行、実行および/または達成するために好適であるかまたはそのために構成されることが、より好ましい。それゆえ、どのステップが方法に対して適用可能であるかに応じて、それらは、方法が含むすべてのステップを遂行、実行および/または達成するために好適であるかまたはそのために構成される。それゆえ、方法がステップ(A)、(B)および/または(C)を含む場合、それらは、ステップ(A)、(B)および/または(C)のうちの全部を遂行、実行および/または達成するために好適であるかまたはそのために構成される。方法がステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)を含む場合、それらは、ステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)のうちの全部を遂行、実行および/または達成するために好適であるかまたはそのために構成される。方法のすべてのステップである方法全体が、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットにより遂行される場合、このことは、とりわけ、方法を行なうことによりそれらを用いる場合、ユーザーの訓練が要求されないかまたはユーザーの不十分な訓練が補償されるという利点を提供する。さらに、方法の正しい実行が確実にされる。例えば、リウマチ疾患を伴う症例では多くの場合に当てはまる通り、手先の技能の障害を有するユーザーに対しては特に重要である、容易な取り扱いが提供される。さらに、自己適用または自己注射の誤りの恐れをなくすことができ、かつ、通院を伴わない方法の簡潔かつ複雑でない適用に起因して、治療順守の不足を軽減するか、または克服することさえできる。
【1372】
それゆえ、特に、免疫調節性物質、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/もしくはIL-2などの物質を含み、かつ皮膚コンディショニング剤、皮膚コンディショニング部および/もしくはエネルギー付与性構成要素を含む医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/もしくはキット、またはエネルギー付与性局所用剤型である局所用剤型は、方法がどのステップを含むかに応じて(depening on)、方法が含むすべてのステップ、すなわち、方法のステップ(A)ならびにステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれか1つ、2つまたは全部を遂行、実行および/または達成するために好適であるかまたはそのために構成される。
【1373】
より詳細には、方法がステップ(A)ならびにステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれか1つ、2つまたは全部を含む場合、方法での使用のためのもしくは使用に対して好適であり、かつ方法が含むすべてのステップを遂行、実行および/もしくは達成するために好適であるかもしくはそのために構成される、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは:
- 医薬組成物(I)のすべての実施形態、ならびに
- 皮膚上での温度上昇、皮膚内でのsO2の増加および/または皮膚内でのrHbの増加を生じさせるために好適であり、かつ/またはそのために構成される、医薬組成物(II)、(III)、(IV)、(X)のすべての実施形態、注入可能剤型のすべての実施形態、局所用剤型のすべての実施形態、医療デバイスのすべての実施形態および/またはキットのすべての実施形態
であり、
さらにより詳細には、
- 医薬組成物(I)のすべての実施形態;
- 皮膚コンディショニング剤を含む医薬組成物(II)のすべての実施形態;
- 皮膚コンディショニング剤を含む医薬組成物(III)のすべての実施形態;
- 皮膚コンディショニング剤を含む医薬組成物(IV)のすべての実施形態;
- 皮膚コンディショニング剤を含む注入可能剤型(I)のすべての実施形態;
- 皮膚コンディショニング剤を含む注入可能剤型(II)のすべての実施形態;
- 皮膚コンディショニング剤を含み、かつ/もしくはエネルギー付与性局所用剤型である局所用剤型(I)のすべての実施形態;
- 局所用剤型(II)のすべての実施形態;
- 医療デバイス(100)のすべての実施形態;ならびに/または
- キット(I)、(III)、(IV)および/もしくは(V)のすべての実施形態
である。
【1374】
別途言及されない場合、特に本明細書中に記載される通りの方法および/または医学的使用の実施形態のうちのいずれかで、本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットのうちのいずれかまたは全部に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1375】
特に、別途言及されない場合、特に方法および/または医学的使用に関して:
免疫調節性物質;サイトカイン様機能性物質;インターフェロン様機能性物質;インターロイキン様機能性物質;神経栄養因子様機能性物質;IFN-γ様機能性物質;IL-2様機能性物質;IL-4様機能性物質;BDNF様機能性物質;サイトカイン;インターフェロン;インターロイキン;神経栄養因子;IFN-γ;IL-2;IL-4;BDNF;エネルギー付与手段;加熱手段;調整エネルギー;熱;皮膚コンディショニング剤;治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患;方法;物質および皮膚コンディショニング剤の濃度増加;皮膚領域;適用領域;ならびに/または被験体
について本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、医薬組成物(I)、(II)、(III)、(IV)および/もしくは(X)、注入可能剤型(I)、(II)および/もしくは(X)、局所用剤型(I)、(II)および/もしくは(X)、医療デバイス(100)および/もしくは(X)ならびに/またはキット(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/もしくは(X)に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1376】
さらに、別途言及されない場合、表現「医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキット」は、独立して、医薬組成物(I)、(II)、(III)、(IV)および/もしくは(X)、注入可能剤型(I)、(II)および/もしくは(X)、局所用剤型(I)、(II)および/もしくは(X)、医療デバイス(100)および/もしくは(X)ならびに/またはキット(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/もしくは(X)のうちのいずれかまたは全部を意味することが理解されるべきである。さらに、別途言及されない場合、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットを参照する複数形での本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかは、独立して、医薬組成物(I)、(II)、(III)、(IV)および/もしくは(X)、注入可能剤型(I)、(II)および/もしくは(X)、局所用剤型(I)、(II)および/もしくは(X)、医療デバイス(100)および/もしくは(X)ならびに/またはキット(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/もしくは(X)のうちのいずれかを意味することが理解されるべきである。
【1377】
概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットのうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」の下に言及される実施形態のうちのいずれかは、概要の記載:
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する医薬組成物、特に医薬組成物(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(X)のうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」、
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する注入可能剤型、特に注入可能剤型(I)、(II)および/または(X)のうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」、
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する局所用剤型、特に局所用剤型(I)、(II)および/または局所用剤型(X)のうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」、
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する医療デバイス(100)にさらに関して」、および/または
「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するキット、特にキット(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/または(X)のうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」
の下に記述される実施形態のうちの全部のうちのいずれか1つに独立して適用可能であり、かつ/または組み合わせ可能であることがさらに理解されるべきである。
【1378】
概要の記載は、単に文章を構築するために機能し、それを超えるいかなる区切りまたは制限的な意味を有することは意図されない。このことは、説明全体を通してすべての概要の記載に当てはまる。
【1379】
・本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する医薬組成物、特に医薬組成物(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(X)のうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して
医薬組成物は、いずれかの好適な投与経路により、皮膚へと投与および/または適用することができる。
【1380】
好ましくは、医薬組成物は、局所的にまたは注入により、投与、適用および/または送達される。
【1381】
好ましくは、医薬組成物は、局所投与、適用および/もしくは送達に対して好適であり、かつ/もしくはそのために調製され、かつ/または注入による投与、適用および/もしくは送達に対して好適であり、かつ/もしくはそのために調製される。
【1382】
それゆえ、医薬組成物は、皮膚への物質および/または皮膚コンディショニング剤の投与、適用および/または送達に対して好適である、当業者に公知のいずれかの形態で製剤化することができるかまたはそのような形態にある。例えば、医薬組成物は、軟膏剤、エマルジョン剤、溶液剤、懸濁液剤、パスタ剤、ゲル剤、ローション剤、チンキ剤、粒子状物質、散剤、凍結乾燥剤、液剤、皮膚に対する適用のためのもしくは注入のための乾燥調製物もしくは固体調製物、徐放性製剤、ワッディング剤、タンポン剤、クリーム剤、バーム剤、フォーム剤、ゲル剤、スプレー剤、スティック剤、液体膏薬、スプレー膏薬、経皮パッチ剤、膏薬、マイクロニードルパッチ剤、パッチ剤、パッド剤、ワッディング剤、パディング剤、ドレッシング剤、圧定布、包帯であって、これらのうちのいずれかは任意により本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのマルチコンパートメント型のものである形態、注入溶液剤、注入ゲル剤、表皮内、皮内および/もしくは皮下注入のための調製物、好ましくは外用もしくは注入に対する適用の剤型での皮膚科用製剤、注入ペンもしくは本明細書中に記載される通りの医療デバイスのためのカートリッジ、カルプーレ、バイアル、アンプル、プレフィルド注入ペン、プレフィルドシリンジ、プレフィルドマルチチャンネルシリンジ、医療デバイスであって、これらのうちのいずれかは任意により本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのマルチチャンネルもしくはマルチチャンバー型のものである形態、またはそれらのいずれかの組み合わせから選択されるいずれかの形態で、かつ/あるいは本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスの形態で独立して製剤化されることができるかまたは独立してそのような形態にある。
【1383】
より好ましくは、医薬組成物は、好ましくは:
- 本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型、好ましくは注入可能剤型(I)もしくは(II);
- 本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの局所用剤型、好ましくは局所用剤型(I)もしくは(II);
- 本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医療デバイス、好ましくは医療デバイス(100);ならびに/または
- 本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのキット、好ましくはキット(I)、(II)、(III)、(IV)および/もしくは(V)
の形態で提供されることができる。
【1384】
好ましくは、医薬組成物は、皮膚への送達、適用または投与に対して好適である。
【1385】
好ましくは、医薬組成物は、局所適用により、かつ/または注入による投与に対して好適である。それゆえ、好ましくは、医薬組成物は、局所用医薬組成物または注入用医薬組成物である。
【1386】
好ましくは、局所用医薬組成物は、皮膚上への適用または投与のためのものである。
【1387】
好ましくは、注入用医薬組成物は、皮膚中への適用または投与のためのものである。
【1388】
別途言及されない場合、本明細書中に記載される医薬組成物に関するいずれかの実施形態または定義は、局所用医薬組成物および注入用医薬組成物に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1389】
局所用医薬組成物は、当業者に公知である場合、局所投与、適用および/または送達のために好適であるかまたはそのために調製されるいずれかの形態で製剤化することができるかまたはそのような形態にある。局所用医薬組成物は、例えば、軟膏剤、エマルジョン剤、溶液剤、懸濁液剤、パスタ剤、ゲル剤、ローション剤、チンキ剤、粒子状物質、散剤、凍結乾燥剤、液剤、皮膚に対する適用のための乾燥調製物もしくは固体調製物、徐放性製剤、ワッディング剤、タンポン剤、クリーム剤、バーム剤、フォーム剤、ゲル剤、スプレー剤、スティック剤、液体膏薬、スプレー膏薬、皮内投与のための膏薬、持続放出性膏薬、経皮パッチ剤、膏薬、マイクロニードルパッチ剤、パッチ剤、パッド剤、ワッディング剤、パディング剤、ドレッシング剤、圧定布、包帯であって、これらのうちのいずれかは任意により本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのマルチコンパートメント型のものである形態、好ましくは外用に対する適用の剤型での皮膚科用製剤から選択される製剤の形態へと、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの局所用剤型の形態へと製剤化されるかまたはそのような形態にある。
【1390】
注入用医薬組成物は、当業者に公知である場合、注入による投与、適用および/または送達のために好適であるかまたはそのために調製されるいずれかの形態で製剤化することができるかまたはそのような形態にある。注入用医薬組成物は、例えば、軟膏剤、エマルジョン剤、溶液剤、懸濁液剤、パスタ剤、ゲル剤、ローション剤、チンキ剤、粒子状物質、注入のための液体調製物、徐放性製剤、クリーム剤、バーム剤、フォーム剤、ゲル剤、好ましくは注入に対する適用の剤型での皮膚科用製剤、注入ペンもしくは本明細書中に記載される通りの医療デバイスのためのカートリッジ、カルプーレ、バイアル、アンプル、プレフィルド注入ペン、プレフィルドシリンジ、プレフィルドマルチチャンネルシリンジ、プレフィルドマルチチャンネルシリンジ、医療デバイスであって、これらのうちのいずれかは任意により本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのマルチチャンネルもしくはマルチチャンバー型のものである形態、またはそれらのいずれかの組み合わせから選択される製剤の形態へと、かつ/あるいは本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型の形態へと製剤化されるかまたはそのような形態にある。
【1391】
またなおさらなる態様では、本発明は、物品および/または医療デバイスを製造するための、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物の使用に関する。
【1392】
物品に関する例は、注入ペンもしくは本明細書中に記載される通りの医療デバイスのためのカートリッジ、カルプーレ、バイアル、アンプル、プレフィルド注入ペン、プレフィルドシリンジ、プレフィルドマルチチャンネルシリンジであって、これらのうちのいずれかは任意により本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのマルチチャンネルもしくはマルチチャンバー型のものである形態またはそれらのいずれかの組み合わせ、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型および/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの局所用剤型であり得る。
【1393】
医療デバイスに関する例は、プレフィルド注入ペン、プレフィルドマルチチャンネル注入ペン、プレフィルドマルチチャンバー注入ペン、プレフィルド注入ペン、プレフィルドシリンジ、プレフィルドマルチチャンネルシリンジ、プレフィルドマルチチャンバーシリンジ、注入ペンとエネルギー付与手段もしくは加熱手段との組み合わせを含む装置および/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医療デバイスであり得る。
【1394】
別途言及されない場合、表現「医薬組成物」は、独立して、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、特に医薬組成物(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(X)、より詳細には医薬組成物(I)、(II)、(III)および/または(IV)のうちのいずれかまたは全部を意味することが理解されるべきである。さらに、別途言及されない場合、医薬組成物を参照する複数形での本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかは、独立して、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、特に医薬組成物(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(X)、より詳細には医薬組成物(I)、(II)、(III)および/または(IV)のうちのいずれかを意味することが理解されるべきである。
【1395】
概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する医薬組成物、特に医薬組成物(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(X)のうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」の下に言及される実施形態のうちのいずれかは、特に概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットのうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」の下に記載される通りの、医薬組成物の実施形態のうちのいずれかに独立して適用可能であり、かつ/または組み合わせ可能であることがさらに理解されるべきである。
【1396】
・本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する注入可能剤型、特に注入可能剤型(I)、(II)および/または(X)のうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して
好ましくは、適用可能である場合、注入可能剤型は、免疫調節性物質をさらに含み、注入可能剤型が、
- IFN-γ様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIFN-γ様機能性物質とは異なり;
- IL-4様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIL-4様機能性物質とは異なり;
- BDNF様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はBDNF様機能性物質とは異なり;かつ
- IL-2様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIL-2様機能性物質とは異なる。
【1397】
より好ましくは、適用可能である場合、注入可能剤型はさらに、さらなる有効成分として免疫調節性物質からなり、注入可能剤型が、有効成分として、
- IFN-γ様機能性物質からなる場合、免疫調節性物質はIFN-γ様機能性物質とは異なり;
- IL-4様機能性物質からなる場合、免疫調節性物質はIL-4様機能性物質とは異なり;
- BDNF様機能性物質からなる場合、免疫調節性物質はBDNF様機能性物質とは異なり;かつ
- IL-2様機能性物質からなる場合、免疫調節性物質はIL-2様機能性物質とは異なる。
【1398】
より好ましくは、適用可能である場合、注入可能剤型は、免疫調節性物質をさらに含み、
注入可能剤型が、
- IFN-γを含む場合、免疫調節性物質はIFN-γとは異なり;
- IL-4を含む場合、免疫調節性物質はIL-4とは異なり;
- BDNFを含む場合、免疫調節性物質はBDNFとは異なり;かつ
- IL-2を含む場合、免疫調節性物質はIL-2とは異なる。
【1399】
さらにより好ましくは、適用可能である場合、注入可能剤型はさらに、さらなる有効成分として免疫調節性物質からなり、注入可能剤型が、有効成分として、
- IFN-γからなる場合、免疫調節性物質はIFN-γとは異なり;
- IL-4からなる場合、免疫調節性物質はIL-4とは異なり;
- BDNFからなる場合、免疫調節性物質はBDNFとは異なり;かつ
- IL-2からなる場合、免疫調節性物質はIL-2とは異なる。
【1400】
好ましくは、適用可能である場合、注入可能剤型は、
- 30,000IU IFN-γ以下に相当する総量での、かつ/もしくは1,500ng IFN-γ以下に活性が相当する総量での、IFN-γ様機能性物質;
- 1,000ng IL-4以下に活性が相当する総量での、IL-4様機能性物質;
- 500ng BDNF以下に活性が相当する総量での、BDNF様機能性物質;または
- 1,000IU IL-2以下に相当する総量での、かつ/もしくは61ng IL-2以下に活性が相当する総量での、IL-2様機能性物質
をさらに含む。
【1401】
より好ましくは、適用可能である場合、注入可能剤型は、さらなる有効成分として、
- 30,000IU IFN-γ以下に相当する総量での、かつ/もしくは1,500ng IFN-γ以下に活性が相当する総量での、IFN-γ様機能性物質;
- 1,000ng IL-4以下に活性が相当する総量での、IL-4様機能性物質;
- 500ng BDNF以下に活性が相当する総量での、BDNF様機能性物質;または
- 1,000IU IL-2以下に相当する総量での、かつ/もしくは61ng IL-2以下に活性が相当する総量での、IL-2様機能性物質
からなる。
【1402】
より好ましくは、適用可能である場合、注入可能剤型は、
- 30,000IU以下の総量での、かつ/もしくは1,500ng以下の総量での、IFN-γ;
- 1,000ng以下の総量での、IL-4;
- 500ng以下の総量での、BDNF;または
- 1,000IU以下の総量での、かつ/もしくは61ng以下の総量での、IL-2
をさらに含む。
【1403】
さらにより好ましくは、適用可能である場合、注入可能剤型はさらに、さらなる有効成分として、
- 30,000IU以下の総量での、かつ/もしくは1,500ng以下の総量での、IFN-γ;
- 1,000ng以下の総量での、IL-4;
- 500ng以下の総量での、BDNF;または
- 1,000IU以下の総量での、かつ/もしくは61ng以下の総量での、IL-2
からなる。
【1404】
下記で本明細書中に記載される局所用剤型の実施形態のうちのいずれかに含められる総量は、注入可能剤型のうちのいずれかに含められる総量に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1405】
好ましくは、注入可能剤型は、好ましくは有効成分として、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2および/または免疫調節性物質を含み、好ましくはそれらからなり、かつ任意により、皮膚コンディショニング剤を含み、好ましくはそれからなる、1種以上の医薬組成物を含む。
【1406】
より好ましくは、注入可能剤型は、好ましくは有効成分として、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2および/または免疫調節性物質を含み、好ましくはそれらからなり、かつ任意により、皮膚コンディショニング剤を含み、好ましくはそれからなる、1種以上の医薬組成物を含む。
【1407】
好ましくは、そのような医薬組成物は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物のうちのいずれか1種以上である。より好ましくは、注入可能剤型の医薬組成物は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物のうちのいずれか1種以上である。
【1408】
好ましくは、注入可能剤型では、免疫調節性物質、IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質、IL-2様機能性物質、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2および/または皮膚コンディショニング剤は、医薬組成物の形態にあり、より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物のうちのいずれかの形態にある。
【1409】
好ましくは、注入可能剤型は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの製薬上許容されるビヒクル、希釈剤、アジュバント、賦形剤、担体、添加剤および/または塩をさらに含む。
【1410】
好ましくは、注入可能剤型では、医薬組成物、物質、薬剤ならびに/または製薬上許容されるビヒクル、希釈剤、アジュバント、賦形剤、担体、添加剤および/もしくは塩などの含められる構成成分は、例えば、注入可能剤型内に提供される別個のコンパートメント、チャンバー、チャンネル中で、または含められる構成成分のうちの一部もしくは全部、特に医薬組成物、物質および/もしくは薬剤を粒子中へと製剤化することにより、注入可能剤型内でそれぞれ空間的に分離されて提供されることができるか、あるいは含められる構成成分は、空間的分離を伴わずに混合物として提供することができるか、あるいはそれらのいずれかの組み合わせである。粒子は、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの粒子のうちのいずれかである。
【1411】
それゆえ、注入可能剤型は、空間的分離を伴わずに、好ましくは有効成分として、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤を含み、好ましくはそれらからなる医薬組成物を含むことができる。
【1412】
好ましくは、注入可能剤型では、含められる構成成分のうちの少なくとも1種は、例えば、注入可能剤型内に提供される別個のコンパートメント、チャンバーおよび/またはチャンネル中で、注入可能剤型内でそれぞれ空間的に分離されて提供されることができる。
【1413】
より好ましくは、注入可能剤型は、
- (i) 空間的に分離された
・IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/もしくはIL-2を含み、好ましくは有効成分としてそれらからなる1種以上の医薬組成物、ならびに/または
・任意により、免疫調節性物質を含み、好ましくはさらなる有効成分としてそれからなるさらなる医薬組成物、ならびに/または
・任意により、皮膚コンディショニング剤を含み、好ましくはさらなる有効成分としてそれからなるさらなる医薬組成物、ならびに/または
・任意により、製薬上許容されるビヒクル、希釈剤、アジュバント、賦形剤、担体、添加剤および/もしくは塩のうちの1種以上、
あるいは
- (ii) 空間的に分離された
・好ましくは有効成分としてそれらからなる、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/もしくはIL-2のうちの1種以上、ならびに/または
・任意により、好ましくはさらなる有効成分としてそれからなる、さらなる免疫調節性物質、ならびに/または
・任意により、好ましくはさらなる有効成分としてそれからなる、皮膚コンディショニング剤、ならびに
・製薬上許容されるビヒクル、希釈剤、アジュバント、賦形剤、担体、添加剤および/もしくは塩のうちの1種以上、
あるいは
- (iii) 空間的に分離された
・IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2、任意により免疫調節性物質および/または任意により皮膚コンディショニング剤を含み、好ましくは有効成分としてそれらからなる1種以上の医薬組成物、ならびに
・任意により、1種以上の製薬上許容されるビヒクル、希釈剤、アジュバント、賦形剤、担体、添加剤および/または塩、
あるいは
- (iv) 空間的に分離された
・好ましくは有効成分としてそれらからなる、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤などの物質のうちの1種以上、ならびに
・1種以上の製薬上許容されるビヒクル、希釈剤、アジュバント、賦形剤、担体、添加剤および/または塩、
あるいは
- (v) それらのいずれかの組み合わせ
を含むか、あるいは注入可能剤型は、
・空間的分離を伴わない医薬組成物であって、好ましくは有効成分として、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤を含み、好ましくはそれらからなる、医薬組成物
とのいずれかの組み合わせで、(i)~(v)のうちのいずれかを含む。
【1414】
項目(ii)および(iv)の下に述べられる特別な分離は、物質および/または皮膚コンディショニング剤のうちのいずれかまたは全部が、散剤、凍結乾燥剤、乾燥調製物または固体調製物として提供される場合に、特に有用である。
【1415】
好ましくは、注入可能剤型は、物品である。
【1416】
好ましくは、物品は、含められる構成成分を保持するための少なくとも1つのコンパートメント、チャンバーまたはチャンネルを含む中空体を有し、このとき、中空体は、開封するために壊し開けなければならないガラスアンプルなど、コンパートメント、チャンバーもしくはチャンネルを完全に封入することができるか、または中空体は、蓋、ゴム栓、キャップ、シリンジプランジャーなどのプランジャーおよび/もしくは注入カニューレなどのカニューレ等などの閉口部により閉鎖された少なくとも1箇所の開口部を有することができる。
【1417】
より好ましくは、注入可能剤型および/または物品は、注入ペンもしくは本明細書中に記載される通りの医療デバイスのためのカートリッジ、カルプーレ、バイアル、アンプル、注入ペン、シリンジ、マルチチャンネルシリンジおよび/または医療デバイスである。任意により、注入可能剤型および/または物品、特に、注入ペンもしくは本明細書中に記載される通りの医療デバイスのためのカートリッジ、カルプーレ、バイアル、アンプル、注入ペン、シリンジ、マルチチャンネルシリンジおよび/または医療デバイスは、マルチコンパートメント型のものである。
【1418】
好ましくは、医療デバイスは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医療デバイスである。
【1419】
好ましくは、注入可能剤型内では、含められる構成成分は、注入可能剤型内で空間的に分離される。含められる構成成分は、例えば、医薬組成物、物質、皮膚コンディショニング剤、製薬上許容されるビヒクル、希釈剤、アジュバント、賦形剤、担体、添加剤および/または塩であり得る。空間的分離は、例えば、注入可能剤型がマルチチャンネルもしくはマルチチャンバー型またはそれらのいずれかの組み合わせのものである場合、注入可能剤型内に提供される別個のコンパートメント、チャンネルまたはチャンバーにより、あるいは含められる構成成分のうちの1種以上を粒子中へとパッケージングまたは製剤化することにより、あるいはそれらのいずれかの組み合わせにより、提供されることができる。粒子は、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのいずれかの粒子である。
【1420】
マルチチャンネルまたはマルチチャンバー型および特にマルチチャンネルまたはマルチチャンバー型の注入可能剤型は、含められる構成成分の空間的分離のために、2個以上のチャンネルおよび/または2個以上のチャンバーを有することができる。それらは、被験体への送達に先立つ、含められる構成成分の混合、再調製または溶解を可能にする。さらに、それらは、事前の混合、再調製または溶解を伴うかまたは伴わずに、被験体への含められる構成成分の並行かつ同時または本質的に同時の送達を可能にする。マルチチャンバー型に関する、かつ特にマルチチャンバー型の注入可能剤型に関する例は、マルチチャンバー注入ペン、二重チャンバーカルプーレなどのマルチチャンバーカルプーレ、マルチコンパートメントバイアル、マルチチャンバーアンプルまたはマルチチャンバーシリンジ、蓋を有するバイアルであって、バイアルおよび蓋は分離部により分離されたチャンバーを有し、かつ分離部は蓋を稼働させることにより機械的に破壊され、それにより、蓋中の含められる構成要素が、バイアル中に含まれる構成成分中に混合、再調製または溶解されることを可能にするバイアルなどの、当技術分野で公知のいずれかのものである。マルチチャンネル型に関する、かつ特にマルチチャンネル型の注入可能剤型に関する例は、マルチチャンネル注入ペン、マルチチャンネルカルプーレ、マルチチャンネルバイアル、マルチチャンネルアンプルまたは2つの注入カニューレ(事前混合なし)もしくは単一の注入カニューレ(事前の混合を提供する)を有する二重チャンネルシリンジなどのマルチチャンネルシリンジなどの、当技術分野で公知のいずれかのものである。
【1421】
マルチチャンネルまたはマルチチャンバー型の注入可能剤型などの空間的分離を提供する注入可能剤型を用いることにより、含められる成分を、注入可能剤型内で空間的に分離されて保存することができる。続いて、含められる構成成分の送達または投与は、それらを事前に混合、再調製または溶解することなく、遂行することができる。これは、例えば、マルチチャンネルシリンジを用いることにより可能であり、このとき、各チャンネルは、別個の注入カニューレと機能的に連結されて、単一の物品または医療デバイスを用いる含められる構成成分の別個の送達を可能にする。あるいは(Alterantively)、含められる構成成分の送達または投与は、事前の混合、再調製または溶解を含んで遂行することができる。後者は、例えば、例としてマルチチャンネルシリンジを用いることにより可能であり、このとき、個々のチャンネルは、共通のカニューレ、またはマルチチャンバーカートリッジもしくはカルプーレに機能的に連結される。このことは、例えば、含められる構成成分が混和性でないか;その混合物が製薬上許容されないか;個別の含められる構成成分、特に物質および/もしくは皮膚コンディショニング剤が安定かつ活性のままであるために異なる不適合な製剤化条件を必要するか;物質および/もしくは皮膚コンディショニング剤、特に物質が凍結乾燥剤などの乾燥形態でのみ安定であり、かつ、例えば注入による患者への送達直前に、例えば製薬上許容される希釈剤中での再調製を必要とするか;または含められる構成成分、特に物質および/もしくは皮膚コンディショニング剤が個別の製剤もしくは組成物としてのみ当局により承認されているが、配合剤としては承認されていない場合に、適切であり得る。
【1422】
しかしながら、空間的分離が存在しない場合、このことは、注入可能剤型および/または物品を製造するための製造プロセスがより容易、より簡潔かつより複雑でないという利点を有する。
【1423】
好ましくは、注入可能剤型には、医薬組成物、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤のうちの1種以上、ならびに任意により製薬上許容されるビヒクル、希釈剤、アジュバント、賦形剤、担体、添加剤および/または塩が充填されるかまたは予め充填される。より好ましくは、注入可能剤型には、排他的に、有効成分としての医薬組成物、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤のうちの1種以上が充填されるかまたは予め充填される。
【1424】
より好ましくは、注入可能剤型には、好ましくは有効成分としての、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物のうちの1種以上が充填されるかまたは予め充填される。より好ましくは、注入可能剤型には、排他的に、有効成分としての医薬組成物のうちの1種以上が充填されるかまたは予め充填される。
【1425】
注入可能剤型は、単回または反復使用のため、好ましくは単回使用のためのものであり得る。
【1426】
さらに、本発明は、医療デバイスを製造するための、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型の使用に関する。
【1427】
医療デバイスに関する例は、注入ペン、注入ペンとエネルギー付与手段、装置に基づくエネルギー付与手段、加熱手段、装置に基づく加熱手段および/もしくは本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医療デバイスであって、これらのうちのいずれかは任意によりマルチチャンネルもしくはマルチチャンバー型のものである形態との組み合わせを含む装置またはそれらのいずれかの組み合わせであり得る。
【1428】
別途言及されない場合、表現「注入可能剤型」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型、特に注入可能剤型(I)、(II)および/または(X)、より詳細には注入可能剤型(I)および/または(II)のうちのいずれかまたは全部を意味することが理解されるべきである。さらに、別途言及されない場合、注入可能剤型を参照する複数形での本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかは、独立して、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型、特に注入可能剤型、特に注入可能剤型(I)、(II)および/または(X)、より詳細には注入可能剤型(I)および/または(II)のうちのいずれかを意味することが理解されるべきである。
【1429】
概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する注入可能剤型、特に注入可能剤型(I)、(II)および/または(X)のうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」の下に言及される実施形態のうちのいずれかは、特に概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットのうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」の下に記載される通りの、注入可能剤型の実施形態のうちのいずれかに独立して適用可能であり、かつ/または組み合わせ可能であることがさらに理解されるべきである。
【1430】
・本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する局所用剤型、特に局所用剤型(I)、(II)および/または局所用剤型(X)のうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して
好ましくは、適用可能である場合、局所用剤型は、免疫調節性物質をさらに含み、局所用剤型が、
- IFN-γ様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIFN-γ様機能性物質とは異なり;
- IL-4様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIL-4様機能性物質とは異なり;
- BDNF様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はBDNF様機能性物質とは異なり;かつ
- IL-2様機能性物質を含む場合、免疫調節性物質はIL-2様機能性物質とは異なる。
【1431】
より好ましくは、適用可能である場合、局所用剤型はさらに、さらなる有効成分として免疫調節性物質からなり、局所用剤型が、有効成分として、
- IFN-γ様機能性物質からなる場合、免疫調節性物質はIFN-γ様機能性物質とは異なり;
- IL-4様機能性物質からなる場合、免疫調節性物質はIL-4様機能性物質とは異なり;
- BDNF様機能性物質からなる場合、免疫調節性物質はBDNF様機能性物質とは異なり;かつ
- IL-2様機能性物質からなる場合、免疫調節性物質はIL-2様機能性物質とは異なる。
【1432】
より好ましくは、適用可能である場合、局所用剤型は、免疫調節性物質をさらに含み、
局所用剤型が、
- IFN-γを含む場合、免疫調節性物質はIFN-γとは異なり;
- IL-4を含む場合、免疫調節性物質はIL-4とは異なり;
- BDNFを含む場合、免疫調節性物質はBDNFとは異なり;かつ
- IL-2を含む場合、免疫調節性物質はIL-2とは異なる。
【1433】
さらにより好ましくは、適用可能である場合、局所用剤型はさらに、さらなる有効成分として免疫調節性物質からなり、局所用剤型が、有効成分として、
- IFN-γからなる場合、免疫調節性物質はIFN-γとは異なり;
- IL-4からなる場合、免疫調節性物質はIL-4とは異なり;
- BDNFからなる場合、免疫調節性物質はBDNFとは異なり;かつ
- IL-2からなる場合、免疫調節性物質はIL-2とは異なる。
【1434】
好ましくは、適用可能である場合、局所用剤型は、
- 30,000IU IFN-γ以下に相当する総量での、かつ/もしくは1,500ng IFN-γ以下に活性が相当する総量での、IFN-γ様機能性物質;
- 1,000ng IL-4以下に活性が相当する総量での、IL-4様機能性物質;
- 500ng BDNF以下に活性が相当する総量での、BDNF様機能性物質;または
- 1,000IU IL-2以下に相当する総量での、かつ/もしくは61ng IL-2以下に活性が相当する総量での、IL-2様機能性物質
をさらに含む。
【1435】
より好ましくは、適用可能である場合、局所用剤型は、有効成分としてまたはさらなる有効成分として、
- 30,000IU IFN-γ以下に相当する総量での、かつ/もしくは1,500ng IFN-γ以下に活性が相当する総量での、IFN-γ様機能性物質;
- 1,000ng IL-4以下に活性が相当する総量での、IL-4様機能性物質;
- 500ng BDNF以下に活性が相当する総量での、BDNF様機能性物質;または
- 1,000IU IL-2以下に相当する総量での、かつ/もしくは61ng IL-2以下に活性が相当する総量での、IL-2様機能性物質
からなる。
【1436】
より好ましくは、適用可能である場合、局所用剤型は、
- 30,000IU以下の総量での、かつ/もしくは1,500ng以下の総量での、IFN-γ;
- 1,000ng以下の総量での、IL-4;
- 500ng以下の総量での、BDNF;または
- 1,000IU以下の総量での、かつ/もしくは61ng以下の総量での、IL-2
を含むかまたはさらに含む。
【1437】
さらにより好ましくは、適用可能である場合、局所用剤型はさらに、有効成分としてまたはさらなる有効成分として、
- 30,000IU以下の総量での、かつ/もしくは1,500ng以下の総量での、IFN-γ;
- 1,000ng以下の総量での、IL-4;
- 500ng以下の総量での、BDNF;または
- 1,000IU以下の総量での、かつ/もしくは61ng以下の総量での、IL-2
からなる。
【1438】
別途言及されない場合、本明細書中に記載される方法の、より詳細には方法のステップ(B)、(B1)および/または(C)の実施形態のうちのいずれかでのIFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2の総量であって、IU(国際単位)またはng(ナノグラム)で示される量に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される局所用剤型のうちのいずれかに含められ、かつ、それぞれ、IUまたはngで示される総量に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1439】
好ましくは、局所用剤型は、以下のIFN-γ総量でIFN-γ様機能性IFN-γ物質を含む:
好ましくは、30,000IU IFN-Γ以下、より好ましくは15,000IU IFN-Γ以下、さらにより好ましくは10,000IU IFN-Γ以下、またより好ましくは5,000IU IFN-Γ以下、またさらにより好ましくは2,500IU IFN-Γ以下、さらに好ましくは1,500IU IFN-Γ以下、またさらに好ましくは1,000IU IFN-Γ以下、なおさらに好ましくは300IU IFN-Γ以下に相当する総量でのIFN-γ様機能性IFN-γ物質。IFN-γの有益な効果を達成することができる限り、量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、2IU IFN-Γ以上、より好ましくは10IU IFN-Γ以上、さらにより好ましくは20IU IFN-Γ以上、またより好ましくは30IU IFN-Γ以上およびまたさらにより好ましくは50IU IFN-Γ以上に相当する総量である。より好ましくは、IFN-γ様機能性IFN-γ物質は、30,000IU IFN-Γ以下かつ2IU IFN-Γ以上、さらにより好ましくは15,000IU IFN-Γ以下かつ2IU IFN-Γ以上、またより好ましくは10,000IU IFN-Γ以下かつ10IU IFN-Γ以上、またさらにより好ましくは5,000IU IFN-Γ以下かつ10IU IFN-Γ以上、さらに好ましくは2,500IU IFN-Γ以下かつ20IU IFN-Γ以上、なおさらに好ましくは1,500IU IFN-Γ以下かつ30IU IFN-Γ以上、またさらに好ましくは1,000IU IFN-Γ以下かつ50IU IFN-Γ以上、またなおさらに好ましくは300IU IFN-Γ以下かつ50IU IFN-Γ以上に相当するIFN-γの範囲内の総量で含められる。
【1440】
好ましくは、1,500ng IFN-γ以下、より好ましくは750ng IFN-γ以下、さらにより好ましくは500ng IFN-γ以下、またより好ましくは250ng IFN-γ以下、またさらにより好ましくは125ng IFN-γ以下、さらに好ましくは75ng IFN-γ以下、またさらに好ましくは50ng IFN-γ以下、なおさらに好ましくは15ng IFN-γ以下に活性が相当する総量でのIFN-γ様機能性IFN-γ物質。IFN-γの有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.1ng IFN-γ以上、より好ましくは0.5ng IFN-γ以上、さらにより好ましくは1ng IFN-γ以上およびまたさらにより好ましくは2ng IFN-γ以上に活性が相当する総量である。より好ましくは、IFN-γ様機能性IFN-γ物質は、1,500ng IFN-γ以下かつ0.1ng IFN-γ以上、さらにより好ましくは750ng IFN-γ以下かつ0.1ng IFN-γ以上、またより好ましくは500ng IFN-γ以下かつ0.1ng IFN-γ以上、またさらにより好ましくは250ng IFN-γ以下かつ0.5ng IFN-γ以上、さらに好ましくは125ng IFN-γ以下かつ0.5ng IFN-γ以上、なおさらに好ましくは75ng IFN-γ以下かつ1ng IFN-γ以上、またさらに好ましくは50ng IFN-γ以下かつ1ng IFN-γ以上、またなおさらに好ましくは15ng IFN-γ以下かつ2ng IFN-γ以上に活性が相当するIFN-γの範囲内の総量で含められる。
【1441】
同じ量が、IFN-γのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩に当てはまる。
【1442】
好ましくは、局所用剤型は、以下の総量でIL-2様機能性物質を含む:
好ましくは、1,000IU IL-2以下、より好ましくは500IU IL-2以下、さらにより好ましくは400IU IL-2以下、またより好ましくは300IU IL-2以下、またさらにより好ましくは250IU IL-2以下に相当する総量でのIL-2様機能性IL-2物質。IL-2の有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、25IU IL-2以上、より好ましくは50IU IL-2以上、さらにより好ましくは100IU IL-2以上に相当する総量である。より好ましくは、IL-2様機能性IL-2物質は、1,000IU IL-2以下かつ25IU IL-2以上、さらにより好ましくは500IU IL-2以下かつ25IU IL-2以上、またより好ましくは400IU IL-2以下かつ50IU IL-2以上、またさらにより好ましくは300IU IL-2以下かつ50IU IL-2以上、さらに好ましくは250IU IL-2以下かつ100IU IL-2以上に相当するIL-2の範囲内の総量で含められる。
【1443】
好ましくは、61ng IL-2以下、より好ましくは30.5ng IL-2以下、さらにより好ましくは24.5ng IL-2以下、またより好ましくは18.3ng IL-2以下、またさらにより好ましくは12.2ng IL-2以下に活性が相当する総量でのIL-2様機能性IL-2物質。IL-2の有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、2ng IL-2以上、より好ましくは3ng IL-2以上、さらにより好ましくは6.1ng IL-2以上に活性が相当する総量である。より好ましくは、IL-2様機能性IL-2物質は、61ng IL-2以下かつ2ng IL-2以上、さらにより好ましくは30.5ng IL-2以下かつ2ng IL-2以上、またより好ましくは24.5ng IL-2以下かつ3ng IL-2以上、またさらにより好ましくは28.3ng IL-2以下かつ3ng IL-2以上、またさらにより好ましくは12.1ng IL-2以下かつ6.1ng IL-2以上に活性が相当するIL-2の範囲内の総量で含められる(comrrised)。
【1444】
同じ量が、IL-2のいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩に当てはまる。
【1445】
好ましくは、局所用剤型は、以下の総量でIL-4様機能性物質を含む:
好ましくは、1,000ng IL-4以下、より好ましくは500ng IL-4以下、さらにより好ましくは80ng IL-4以下、またより好ましくは50ng IL-4以下、またさらにより好ましくは20ng IL-4以下、またさらにより好ましくは15ng IL-4以下に活性が相当する総量でのIL-4様機能性IL-4物質。IL-4の有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.1ng IL-4以上、より好ましくは0.5ng IL-4以上、さらにより好ましくは1ng IL-4以上およびまたさらにより好ましくは2ng IL-4以上下に活性が相当する総量である。より好ましくは、IL-4様機能性IL-4物質は、1,000ng IL-4以下かつ0.1ng IL-4以上、さらにより好ましくは500ng IL-4以下かつ0.1ng IL-4以上、またより好ましくは80ng IL-4以下かつ0.5ng IL-4以上、またさらにより好ましくは50ng IL-4以下かつ0.5ng IL-4以上、さらに好ましくは20ng IL-4以下かつ1ng IL-4以上、なおさらに好ましくは15ng IL-4以下かつ2ng IL-4以上に活性が相当するIL-4の範囲(rang IL-4e)内の総量で含められる(compried)。
【1446】
同じ量が、IL-4のいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩に当てはまる。
【1447】
好ましくは、局所用剤型は、以下の総量でBDNF様機能性物質を含む:
好ましくは、500ng BDNF以下、より好ましくは100ng BDNF以下、さらにより好ましくは50ng BDNF以下、またより好ましくは25ng BDNF以下、またさらにより好ましくは10ng BDNF以下、さらに好ましくは5ng BDNF以下に活性が相当する総量でのBDNF様機能性BDNF物質。BDNFの有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.005ng BDNF以上、より好ましくは0.01ng BDNF以上、さらにより好ましくは0.05ng BDNF以上、またさらにより好ましくは0.1ng BDNF以上、さらに好ましくは0.2ng BDNF以上に活性が相当する総量である。より好ましくは、BDNF様機能性BDNF物質は、500ng BDNF以下かつ0.005ng BDNF以上、さらにより好ましくは100ng BDNF以下かつ0.01ng BDNF以上、またより好ましくは50ng BDNF以下かつ0.05ng BDNF以上、またさらにより好ましくは25ng BDNF以下かつ0.05ng BDNF以上、さらに好ましくは10ng BDNF以下かつ0.1ng BDNF以上、なおさらに好ましくは5ng BDNF以下かつ0.2ng BDNF以上のBDNFの範囲(rang BDNFe)内の総量で含められる。
【1448】
同じ量が、BDNFのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/または製薬上許容される塩に当てはまる。
【1449】
好ましくは、局所用剤型は、以下の総量でIFN-γを含む:
好ましくは、30,000IU以下、より好ましくは15,000IU以下、さらにより好ましくは10,000IU以下、またより好ましくは5,000IU以下、またさらにより好ましくは2,500IU以下、さらに好ましくは1,500IU以下、またさらに好ましくは1,000IU以下、なおさらに好ましくは300IU以下の総量でのIFN-γ。有益な効果を達成することができる限り、量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、2IU以上、より好ましくは10IU以上、さらにより好ましくは20IU以上、またより好ましくは30IU以上およびまたさらにより好ましくは50IU以上である。より好ましくは、IFN-γは、30,000IU以下かつ2IU以上、さらにより好ましくは15,000IU以下かつ2IU以上、またより好ましくは10,000IU以下かつ10IU以上、またさらにより好ましくは5,000IU以下かつ10IU以上、さらに好ましくは2,500IU以下かつ20IU以上、なおさらに好ましくは1,500IU以下かつ30IU以上、またさらに好ましくは1,000IU以下かつ50IU以上、またなおさらに好ましくは300IU以下かつ50IU以上の範囲内の総量で含められる。
【1450】
好ましくは、1,500ng以下、より好ましくは750ng以下、さらにより好ましくは500ng以下、またより好ましくは250ng以下、またさらにより好ましくは125ng以下、さらに好ましくは75ng以下、またさらに好ましくは50ng以下、なおさらに好ましくは15ng以下の総量でのIFN-γ。有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.1ng以上、より好ましくは0.5ng以上、さらにより好ましくは1ng以上およびまたさらにより好ましくは2ng以上である。より好ましくは、IFN-γは、1,500ng以下かつ0.1ng以上、さらにより好ましくは750ng以下かつ0.1ng以上、またより好ましくは500ng以下かつ0.1ng以上、またさらにより好ましくは250ng以下かつ0.5ng以上、さらに好ましくは125ng以下かつ0.5ng以上、なおさらに好ましくは75ng以下かつ1ng以上、またさらに好ましくは50ng以下かつ1ng以上、またなおさらに好ましくは15ng以下かつ2ng以上の範囲内の総量で含められる。
【1451】
好ましくは、局所用剤型は、以下の総量でIL-2を含む:
好ましくは、1,000IU以下、より好ましくは500IU以下、さらにより好ましくは400IU以下、またより好ましくは300IU以下、またさらにより好ましくは250IU以下の総量でのIL-2。有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、25IU以上、より好ましくは50IU以上、さらにより好ましくは100IU以上である。より好ましくは、IL-2は、1,000IU以下かつ25IU以上、さらにより好ましくは500IU以下かつ25IU以上、またより好ましくは400IU以下かつ50IU以上、またさらにより好ましくは300IU以下かつ50IU以上、さらに好ましくは250IU以下かつ100IU以上の範囲内の総量で含められる。
【1452】
好ましくは、61ng以下、より好ましくは30.5ng以下、さらにより好ましくは24.5ng以下、またより好ましくは18.3ng以下、またさらにより好ましくは12.2ng以下の総量でのIL-2。有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、2ng以上、より好ましくは3ng以上、さらにより好ましくは6.1ng以上である。より好ましくは、IL-2は、61ng以下かつ2ng以上、さらにより好ましくは30.5ng以下かつ2ng以上、またより好ましくは24.5ng以下かつ3ng以上、またさらにより好ましくは28.3ng以下かつ3ng以上、またさらにより好ましくは12.1ng以下かつ6.1ng以上の範囲内の総量で含められる。
【1453】
好ましくは、局所用剤型は、以下の総量でIL-4を含む:
好ましくは、1,000ng以下、より好ましくは500ng以下、さらにより好ましくは80ng以下、またより好ましくは50ng以下、またさらにより好ましくは20ng以下、またさらにより好ましくは15ng以下の総量でのIL-4。有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.1ng以上、より好ましくは0.5ng以上、さらにより好ましくは1ng以上およびまたさらにより好ましくは2ng以上である。より好ましくは、IL-4は、1,000ng以下かつ0.1ng以上、さらにより好ましくは500ng以下かつ0.1ng以上、またより好ましくは80ng以下かつ0.5ng以上、またさらにより好ましくは50ng以下かつ0.5ng以上、さらに好ましくは20ng以下かつ1ng以上、なおさらに好ましくは15ng以下かつ2ng以上の範囲内の総量で含められる。
【1454】
好ましくは、局所用剤型は、以下の総量でBDNFを含む:
好ましくは、500ng以下、より好ましくは100ng以下、さらにより好ましくは50ng以下、またより好ましくは25ng以下、またさらにより好ましくは10ng以下、さらに好ましくは5ng以下の総量でのBDNF。有益な効果を達成することができる限り、量、好ましくは総量に関して下限はないが、しかしながら、通常、下限は、0.005ng以上、より好ましくは0.01ng以上、さらにより好ましくは0.05ng以上、またさらにより好ましくは0.1ng以上、さらに好ましくは0.2ng以上である。より好ましくは、BDNFは、500ng以下かつ0.005ng以上、さらにより好ましくは100ng以下かつ0.01ng以上、またより好ましくは50ng以下かつ0.05ng以上、またさらにより好ましくは25ng以下かつ0.05ng以上、さらに好ましくは10ng以下かつ0.1ng以上、なおさらに好ましくは5ng以下かつ0.2ng以上の範囲内の総量で含められる。
【1455】
好ましくは、局所用剤型は、好ましくは有効成分として、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2および/または免疫調節性物質を含み、好ましくはそれらからなり、かつ任意により皮膚コンディショニング剤を含み、好ましくはそれからなる、1種以上の医薬組成物を含む。
【1456】
好ましくは、そのような医薬組成物は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物のうちのいずれか1種以上である。より好ましくは、局所用剤型の医薬組成物は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物のうちのいずれか1種以上である。
【1457】
好ましくは、局所用剤型では、免疫調節性物質、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2および/または皮膚コンディショニング剤は、医薬組成物の形態にあり、より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物のうちのいずれかの形態にある。
【1458】
好ましくは、局所用剤型では、医薬組成物、物質および/または薬剤などの含められる構成成分は、例えば、局所用剤型内に提供される別個のコンパートメント、層、チャンバー、区域、部分、領域、チャンネル中で、または含められる構成成分のうちの一部もしくは全部を粒子中へと製剤化することにより、局所用剤型内でそれぞれ空間的に分離されて提供されることができるか、あるいは含められる構成成分は、空間的分離を伴わずに混合物として提供することができるか、あるいはそれらのいずれかの組み合わせである。
【1459】
同様に、局所用剤型では、医薬組成物、物質などの含められる構成成分、および/または、適用可能である場合、エネルギー付与性構成要素は、例えば、別個のコンパートメント、層、チャンバー、圏、部分、領域、チャンネル中で、または含められる構成成分のうちの一部もしくは全部を粒子中へと製剤化することにより、局所用剤型内でそれぞれ空間的に分離されて提供されることができるか、あるいは含められる構成成分およびエネルギー付与性構成要素は、空間的分離を伴わずに混合物として提供することができる。粒子は、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのいずれかの粒子である。
【1460】
それゆえ、局所用剤型は、空間的分離を伴わずに、好ましくは有効成分として、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤を含み、好ましくはそれらからなる医薬組成物を含むことができる。
【1461】
好ましくは、局所用剤型では、含められる構成成分のうちの少なくとも1種は、例えば、局所用剤型内に提供される別個のコンパートメント、チャンバー、区域、部分、領域、チャンネル中で、注入可能局所用剤型内で空間的に分離されて提供されることができる。
【1462】
より好ましくは、局所用剤型は、
- (i) 空間的に分離された
・IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/もしくはIL-2を含み、好ましくは有効成分としてそれらからなる1種以上の医薬組成物、ならびに/または
・任意により、免疫調節性物質を含み、好ましくはさらなる有効成分としてそれからなるさらなる医薬組成物、ならびに
・任意により、皮膚コンディショニング剤を含み、好ましくはさらなる有効成分としてそれからなるさらなる医薬組成物;
あるいは
- (ii) 空間的に分離された
・IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/もしくはIL-2を含み、好ましくは有効成分としてそれらからなる1種以上の医薬組成物、ならびに/または
・任意により、免疫調節性物質を含み、好ましくはさらなる有効成分としてそれからなるさらなる医薬組成物、ならびに
・任意により、エネルギー付与性構成要素;
あるいは
- (iii) それらのいずれかの組み合わせ
を含むか、あるいは注入可能剤型は、
・空間的分離を伴わない医薬組成物であって、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤を含み、好ましくは有効成分としてそれらからなる、医薬組成物
とのいずれかの組み合わせで、(i)~(iii)のうちのいずれかを含む。
【1463】
好ましくは、局所用剤型は、物品、好ましくは皮膚への局所適用のための物品である。
【1464】
好ましくは、物品は、医薬組成物、物質および/または皮膚コンディショニング剤を保持する少なくとも1つの層を有する。層は、マトリックス、脱脂綿、リザーバ、布地、フェルト、フリースまたは創傷ガーゼなどの当技術分野で公知のいずれかの製薬上許容される材料または構造物から作られることができる。局所用剤型は、皮膚への局所適用および一時的固定のための接着性表面を有することができる。
【1465】
好ましくは、局所用剤型および/または物品は、膏薬、パッチ剤、パッド剤、ワッディング剤、パディング剤、ドレッシング剤、圧定布、マイクロニードルパッチ剤、経皮パッチ剤、持続放出性膏薬および/または包帯である。任意により、局所用剤型および/または物品、特に膏薬、パッチ剤、パッド剤、ワッディング剤、パディング剤、ドレッシング剤、圧定布、マイクロニードルパッチ剤、経皮パッチ剤、持続放出性膏薬および/または包帯は、マルチコンパートメント型のものである。
【1466】
好ましくは、局所用剤型内では、医薬組成物、物質、皮膚コンディショニング剤などの含められる構成成分、および/または、適用可能である場合、エネルギー付与性構成要素は、局所用剤型内で空間的に分離されている。特別な分離は、局所用剤型内に提供される別個のコンパートメント、チャンバー、層、区域、部分、領域および/もしくはチャンネルにより、または含められる構成成分のうちの1種以上を粒子中へとパッケージングもしくは製剤化することにより、あるいはそれらのいずれかの組み合わせにより、提供することができる。粒子は、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのいずれかの粒子である。コンパートメント、チャンバー、層、区域、部分、領域および/もしくはチャンネルは、例えば、重畳もしくは重層により垂直に配置して縦方向の空間的分離を可能にすることができるか、または局所用剤型が被験体の皮膚に適用される際に、例えば、皮膚の表面に対して平行の分布により、水平に配置することができるか、あるいはそれらのいずれかの組み合わせである。
【1467】
マルチコンパートメント型および特にマルチコンパートメント型局所用剤型は、含められる構成成分および/または含められるエネルギー付与性構成要素の空間的分離のために、2個以上のコンパートメントを有することができる。それらは、含められる構成成分の事前の相互接触または混合を伴うかまたは伴わずに、被験体への含められる構成成分および/または調整エネルギー(例えば、下記に記載される通り)の同時もしくは本質的に同時または遅延もしくは時間的遅延送達を可能にする。マルチコンパートメント型局所用剤型に関する例は、互いに重なって重畳された別個の層を有するかまたは膏薬が被験体の皮膚に適用される際に皮膚の表面に対して平行に膏薬内に分布する別個の領域もしくはパディングを有する膏薬である。
【1468】
マルチコンパートメント型またはマルチコンパートメント型の局所用剤型などの空間的分離を提供する局所用剤型を用いることにより、含められる構成成分および/またはエネルギー付与性構成要素は、局所用剤型内で空間的に分離されて保存することができる。続いて、含められる構成成分および/または調整エネルギーの送達は、重層していない、すなわち、互いに別個の有効表面を用いるものであり得る。これは、単一の局所用剤型を用いることによる、医薬組成物、物質、皮膚コンディショニング剤および/または調整エネルギーの空間的に分離された送達を可能にする。あるいは、含められる構成成分および/または調整エネルギーの送達は、少なくとも部分的に重層しており、完全に重層しており、かつ/または一致する有効表面を用いるものであり得る。
【1469】
このことは、例えば、含められる構成成分、送達される対象である調整エネルギーおよび/もしくはエネルギー付与性構成要素が混和性でないかもしくは互いに適合しないか(投与および/または適用される際に含められる構成成分を可能な限り少ない調整エネルギーに曝露される必要がある場合。例えば、含められる構成成分は調整エネルギーに曝露される際に不活性化に対して感受性であり得る);その混合物が製薬上許容されないか;個別の含められる構成成分、特に物質および/もしくは皮膚コンディショニング剤が安定かつ活性のままであるために異なる不適合な製剤化条件を必要するか;物質および/もしくは皮膚コンディショニング剤、特に物質が凍結乾燥剤などの乾燥形態でのみ安定であり、かつ、例えば注入による患者への送達直前に、例えば製薬上許容される希釈剤中での再調製を必要とするか;または含められる構成成分、特に物質および/もしくは皮膚コンディショニング剤が個別の製剤もしくは組成物としてのみ当局により承認されているが、配合剤としては承認されていない場合に、適切であり得る。
【1470】
好ましくは、局所用剤型には、好ましくは有効成分として、医薬組成物、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤が添加されるかまたは事前添加される。より好ましくは、局所用剤型には、有効成分として、医薬組成物、IFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2、免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤のうちの1種以上が排他的に添加されるかまたは事前添加される。
【1471】
より好ましくは、局所用剤型には、好ましくは有効成分として、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物のうちの1種以上が添加されるかまたは事前添加される。より好ましくは、局所用剤型には、有効成分として、医薬組成物のうちの1種以上が排他的に添加されるかまたは事前添加される。
【1472】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、局所用剤型は、皮膚へと調整エネルギーを送達することが可能である。
【1473】
それゆえ、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、局所用剤型は、エネルギー付与性局所用剤型である。
【1474】
好ましくは、局所用剤型および/またはエネルギー付与性局所用剤型は、皮膚に対して、好ましくは皮膚の表面に対して、調整エネルギーを送達し、施し、かつ/または適用するために好適であり、かつ/またはそのために構成されるいずれかの局所用剤型である。
【1475】
好ましくは、局所用剤型および/またはエネルギー付与性局所用剤型は、製薬上許容され、かつ熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/または損傷を引き起こさない限り、いずれかの程度および/またはいずれかの持続時間まで、調整エネルギーを送達し、施し、かつ/または適用するために好適であり、かつ/またはそのために構成される。
【1476】
好ましくは、局所用剤型および/またはエネルギー付与性局所用剤型は、皮膚に対して送達、投与および/または適用される対象である調整エネルギーを提供するためのエネルギー付与性構成要素を含む。
【1477】
好ましくは、エネルギー付与性構成要素は、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない、当業者に公知のいずれかのエネルギー付与性構成要素である。
【1478】
好ましくは、エネルギー付与性構成要素は、皮膚に対して、好ましくは皮膚の表面に対して、調整エネルギーを送達し、施し、かつ/または適用するために好適であり、好ましくはそのために構成されるいずれかの構成要素である。
【1479】
好ましくは、エネルギー付与性構成要素は、製薬上許容され、かつ熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/または損傷を引き起こさない限り、いずれかの程度および/またはいずれかの持続時間まで、調整エネルギーを送達し、施し、かつ/または適用するために好適であり、好ましくはそのために構成される。
【1480】
好ましくは、局所用剤型、エネルギー付与性局所用剤型および/またはエネルギー付与性構成要素は、電磁波、放射、電流、例えば皮膚に対する機械的接触に起因する伝達などの物理的プロセスによる、流動流体中の熱エネルギーのエントレインメントに起因する対流による熱、誘導カップリング、電磁波を用いる熱放射、可視光により、かつ/または皮膚に対して本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚コンディショニング剤を投与および/もしくは適用することによるなどの生化学的プロセスを誘導することにより、またはそれらのいずれかの組み合わせにより、皮膚に対して調整エネルギーを送達し、施し、かつ/もしくは適用するために好適であり、好ましくはそのために構成され、かつ/または送達し、施し、かつ/もしくは適用する。
【1481】
局所用剤型、エネルギー付与性局所用剤型および/またはエネルギー付与性構成要素は、熱放射を発し;赤外線放射を発し;超音波を発し;可視光などの放射を発し;皮膚に対して電流を与え;かつ/または、好ましくはさらなる有効成分として、皮膚コンディショニング剤をさらに含み、好ましくはそれからなる、それぞれ、いずれかの局所用剤型、エネルギー付与性局所用剤型および/またはエネルギー付与性構成要素であり得る。
【1482】
局所用剤型、エネルギー付与性局所用剤型および/またはエネルギー付与性構成要素は、例えば、熱放射を発するいずれかの手段;赤外線放射を発する手段;超音波を発する手段;電磁波を発する手段;マイクロ波を発する手段;紫外線を発する手段;可視光などの放射を発する手段;熱風もしくは温流体を発する手段;皮膚に対して電流を与える手段;皮膚に対して熱を与える手段;ヒーター、例えば潜熱蓄熱を装備する熱感パッド剤、例えば電気ハンドウォーマーの小型バージョンなどの電気ウォーマー、予熱物体などの温かいかもしくは加温性物体;灸のための手段;皮膚に対する働きを行なうための手段;美顔マッサージャおよび/もしくは振動機などの皮膚マッサージに対して好適な機械などのマッサージのための手段;振動および/もしくは擦りを生じるための手段;被験体の皮膚に対して機械的動揺を与えるための手段;皮膚を吸引する装置、カッピング機もしくは真空ポンプなどの皮膚に対していずれかの種類の真空もしくは陰圧を与えるための手段、皮膚に対して超音波を与えるための手段;使用前にチャージするかもしくは発熱性化学反応に基づく蓄熱器、熱感パッド剤などの活性化可能な潜熱蓄熱、電流に対する供給源、熱放射および/もしくは赤外線放射などの放射に対する供給源、超音波に対する供給源、可視光に対する供給源、皮膚コンディショニング剤に関する供給源もしくはリザーバ等またはそれらのいずれかの組み合わせであり得る。好ましくは、局所用剤型、エネルギー付与性局所用剤型および/またはエネルギー付与性は、熱放射を発するいずれかの手段;赤外線放射を発する手段;超音波を発する手段;電磁波を発する手段;マイクロ波を発する手段;紫外線を発する手段;可視光などの放射を発する手段;皮膚に対して電流を与える手段;皮膚に対して熱を与える手段;ヒーター、例えば潜熱蓄熱を装備する熱感パッド剤、例えば電気ハンドウォーマーの小型バージョンなどの電気ウォーマー、予熱物体などの温かいかもしくは加温性物体;灸のための手段;皮膚に対して超音波を与えるための手段、使用前にチャージするかもしくは発熱性化学反応に基づく蓄熱器、熱感パッド剤などの活性化可能な潜熱蓄熱、電流に対する供給源、熱放射および/もしくは赤外線放射などの放射に対する供給源、超音波に対する供給源、可視光に対する供給源等またはそれらのいずれかの組み合わせである。
【1483】
より好ましくは、局所用剤型および/またはエネルギー付与性局所用剤型は、上記に規定される通りの物品である。さらにより好ましくは、局所用剤型、エネルギー付与性局所用剤型、加熱性局所用剤型および/または物品は、熱感膏薬、熱感パッチ剤、熱感パッド剤、熱感ワッディング剤、熱感パディング剤、熱感ドレッシング剤、熱感圧定布、マイクロニードル熱感パッチ剤、経皮熱感パッチ剤、持続放出性熱感膏薬、モグサ膏薬および/もしくは熱感包帯である。任意により、局所用剤型、エネルギー付与性局所用剤型および/または物品は、本明細書中に記載される通りのマルチコンパートメント型のものである。
【1484】
調整エネルギーは、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない、当業者に公知のいずれかのエネルギーであり得る。例えば、調整エネルギーは、働き;熱;電磁放射;マイクロ波;熱放射;赤外線放射;紫外線;可視光;機械的動揺;陰圧;機械的働き;電気的働き;電流;超音波;機械的動揺;例えば、皮膚の振動および/もしくは擦ることを用いる手動もしくは機械による皮膚マッサージなどのマッサージ;振動;擦ること;摩擦;例えば、機械によるか、手動もしくは口による吸引などの吸引を用いる陰圧;例えば、カッピング、特に乾燥カッピングもしくは皮膚を傷害することのないカッピングを用いる手動もしくは機械により生成される陰圧;熱風;温熱療法および/もしくは温水などの温かい流動流体、またはそれらのいずれかの組み合わせの形態である。好ましくは、調整エネルギーは、熱;電磁放射;熱放射;赤外線放射;電気的働き;電流;および/もしくは温熱療法、またはそれらのいずれかの組み合わせの形態である。より好ましくは、調整エネルギーは、熱;電磁放射;熱放射;赤外線放射;および/もしくは温熱療法、またはそれらのいずれかの組み合わせの形態である。
【1485】
調整エネルギーは、製薬上許容され、かつ熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/または損傷を引き起こさない、いずれかのエネルギーであり得る。
【1486】
好ましくは、調整エネルギーは、特に、皮膚内でのPBMCの量、皮膚内での毛細血管の拡張、皮膚内の血液量、皮膚内のsO2、皮膚内のrHb、皮膚上の温度および/または皮膚上での発赤に関して、皮膚の状態を変化させるためのいずれかのエネルギーである。
【1487】
好ましくは、局所用剤型、エネルギー付与性局所用剤型および/またはエネルギー付与性構成要素は、特に、皮膚内でのPBMCの量、皮膚内での毛細血管の拡張、皮膚内の血液量、皮膚内のsO2、皮膚内のrHb、皮膚上の温度および/または皮膚上での発赤に関して、皮膚の状態を変化させるために好適な、それぞれ、いずれかの局所用剤型、エネルギー付与性局所用剤型および/またはエネルギー付与性構成要素である。
【1488】
本明細書中に記載される、特に局所用剤型、エネルギー付与性局所用剤型および/またはエネルギー付与性構成要素に関する実施形態のうちのいずれかでは、調整エネルギーはまた、エネルギーまたは皮膚調整エネルギーとも称される場合がある。
【1489】
より好ましくは、局所用剤型および/またはエネルギー付与性局所用剤型は、加熱性局所用剤型である。
【1490】
より好ましくは、調整エネルギーは、熱である。
【1491】
より好ましくは、エネルギー付与性構成要素は、加熱性構成要素である。
【1492】
それゆえ、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、局所用剤型は、加熱性局所用剤型である。
【1493】
好ましくは、局所用剤型および/または加熱性局所用剤型は、皮膚に対して、好ましくは皮膚の表面に対して、熱を送達し、施し、かつ/または適用するために好適であり、かつ/またはそのために構成されるいずれかの局所用剤型である。
【1494】
好ましくは、局所用剤型および/または加熱性局所用剤型は、製薬上許容され、かつ熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/または損傷を引き起こさない限り、いずれかの程度および/またはいずれかの持続時間まで、熱を送達し、施し、かつ/または適用するために好適であり、かつ/またはそのために構成される。
【1495】
好ましくは、局所用剤型および/または加熱性局所用剤型は、皮膚に対して送達され、施され、かつ/または適用される対象である熱を与えるための加熱性構成要素を含む。
【1496】
好ましくは、加熱性構成要素は、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない、当業者に公知のいずれかの加熱性構成要素である。
【1497】
好ましくは、加熱性構成要素は、皮膚に対して、好ましくは皮膚の表面に対して、熱を送達し、施し、かつ/または適用するために好適であり、好ましくはそのために構成される、いずれかの構成要素である。
【1498】
好ましくは、加熱性構成要素は、製薬上許容され、かつ熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/または損傷を引き起こさない限り、いずれかの程度および/またはいずれかの持続時間まで、熱を送達し、施し、かつ/または適用するために好適であり、好ましくはそのために構成される。
【1499】
好ましくは、局所用剤型、加熱性局所用剤型および/または加熱性構成要素は、電磁波、放射、電流、例えば皮膚に対する機械的接触に起因する伝達などの物理的プロセスによる、流動流体中の熱エネルギーのエントレインメントに起因する対流による熱、誘導カップリング、電磁波を用いる熱放射、可視光により、かつ/または皮膚に対して本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚コンディショニング剤を投与および/もしくは適用することによるなどの生化学的プロセスを誘導することにより、またはそれらのいずれかの組み合わせにより、皮膚に対して熱を送達し、施し、かつ/もしくは適用するために好適であり、好ましくはそのために構成され、かつ/または送達し、施し、かつ/もしくは適用する。
【1500】
局所用剤型、加熱性局所用剤型および/または加熱性構成要素は、熱放射を発し;赤外線放射を発し;超音波を発し;可視光などの放射を発し;皮膚に対して電流を与え;かつ/または、好ましくはさらなる有効成分として、皮膚コンディショニング剤をさらに含み、好ましくはそれからなる、それぞれ、いずれかの局所用剤型、加熱性局所用剤型および/または加熱性構成要素であり得る。
【1501】
局所用剤型、加熱性局所用剤型および/または加熱性構成要素は、例えば、熱放射を発するいずれかの手段;赤外線放射を発する手段;超音波を発する手段;電磁波を発する手段;マイクロ波を発する手段;皮膚に対して電流を与える手段;紫外線を発する手段;可視光などの放射を発する手段;皮膚に対して熱を与える手段;ヒーター、例えば潜熱蓄熱を装備する熱感パッド剤、電気ウォーマー、例えば電気ハンドウォーマー、予熱物体もしくは温かいティーカップなどの温かいかもしくは加温性物体;灸のための手段;皮膚に対して超音波を与えるための手段、使用前にチャージするかもしくは発熱性化学反応に基づく蓄熱器、熱感パッド剤などの活性化可能な潜熱蓄熱、電流に対する供給源、熱放射および/もしくは赤外線放射などの放射に対する供給源、超音波に対する供給源および/または可視光に対する供給源、皮膚コンディショニング剤に関する供給源もしくはリザーバ等であり得る。好ましくは、局所用剤型、加熱性局所用剤型および/または加熱性構成要素は、例えば、熱放射を発するいずれかの手段;赤外線放射を発する手段;電磁波を発する手段;皮膚に対して熱を与える手段;ヒーター、例えば潜熱蓄熱を装備する熱感パッド剤、電気ウォーマー、例えば電気ハンドウォーマー、予熱物体もしくは温かいティーカップなどの温かいかもしくは加温性物体;灸のための手段、使用前にチャージするかもしくは発熱性化学反応に基づく蓄熱器、熱感パッド剤などの起動可能な潜熱蓄熱、熱放射および/もしくは赤外線放射などの放射に対する供給源および/または可視光に対する供給源等あるいはそれらのいずれかの組み合わせであり得る。
【1502】
より好ましくは、局所用剤型および/または加熱性局所用剤型は、上記に規定される通りの物品である。さらにより好ましくは、局所用剤型、エネルギー付与性局所用剤型、加熱性局所用剤型および/または物品は、熱感膏薬、熱感パッチ剤、熱感パッド剤、熱感ワッディング剤、熱感パディング剤、熱感ドレッシング剤、熱感圧定布、マイクロニードル熱感パッチ剤、経皮熱感パッチ剤、持続放出性熱感膏薬、モグサ膏薬および/もしくは熱感包帯である。任意により、局所用剤型、加熱性局所用剤型および/または物品は、本明細書中に記載される通りのマルチコンパートメント型のものである。
【1503】
本明細書中に記載される、特に局所用剤型、エネルギー付与性局所用剤型および/またはエネルギー付与性構成要素に関する実施形態のうちのいずれかでは、熱は、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない、当業者に公知のいずれかの形態の熱であり得る。例えば、熱は、電磁放射;マイクロ波;熱放射;赤外線放射;電気的働き;電流;紫外線;可視光;温熱療法および/もしくは温水などの温かい流動流体、またはそれらのいずれかの組み合わせの形態である。好ましくは、調整エネルギーは、熱;電磁放射;熱放射;赤外線放射;および/もしくは温熱療法、またはそれらのいずれかの組み合わせの形態である。
【1504】
好ましくは、熱は、製薬上許容され、かつ熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/または損傷を引き起こさない。
【1505】
好ましくは、熱は、特に、皮膚内でのPBMCの量、皮膚内での毛細血管の拡張、皮膚内の血液量、皮膚内のsO2、皮膚内のrHb、皮膚上の温度および/または皮膚上での発赤に関して、皮膚の状態を変化させるためのいずれかの熱である。
【1506】
好ましくは、局所用剤型、加熱性局所用剤型および/または加熱性構成要素は、特に、皮膚内でのPBMCの量、皮膚内での毛細血管の拡張、皮膚内の血液量、皮膚内のsO2、皮膚内のrHb、皮膚上の温度および/または皮膚上での発赤に関して、皮膚の状態を変化させるために好適な、それぞれ、いずれかの局所用剤型、加熱性局所用剤型および/または加熱性構成要素である。
【1507】
好ましくは、
・調整エネルギーおよび/または熱は、以下の事項を生じさせるために好適かつ/もしくは十分であり、かつ/または生じさせ;
・調整エネルギーおよび/または熱は、以下の事項を生じさせるために施され、かつ/または適用され;
・好ましくは、すなわち、程度および/または持続時間までの、施され、かつ/または適用される調整エネルギーおよび/または熱の量は、以下の事項を生じさせるために好適かつ/または十分であり;かつ/あるいは
・局所用剤型、エネルギー付与性局所用剤型、加熱性局所用剤型、エネルギー付与性構成要素および/または加熱性構成要素は、以下の事項を生じさせるために好適であり、かつ/もしくはそのために構成され、かつ/または生じさせる:
- 皮膚内でのPBMCの蓄積であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚内での血液量の増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加であって、好ましくは、sO2は2%以上増加し、かつ/もしくはsO2は2%ポイント以上増加し;かつ/またはrHbは2%以上増加し、かつ/もしくはrHbは2AU(任意単位)以上増加し、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚上の温度上昇であって、好ましくは、温度は1%以上上昇し、かつ/または温度は0.2℃以上上昇し、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚上の発赤であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである、
より好ましくは、
- 皮膚内での毛細血管の拡張;
- 皮膚内での血液量の増加;
- 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加、ならびに/または
- 皮膚上の温度上昇、
さらにより好ましくは、
- 皮膚内での血液量の増加;
- 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加、ならびに/または
- 皮膚上の温度上昇。
【1508】
別途言及されない場合、
皮膚上で生成される温度;
送達され、施され、かつ/もしくは適用される調整エネルギーおよび/もしくは熱の量;
それ以内にそのような量が送達され、施され、かつ/もしくは適用される時間;
調整エネルギーおよび/もしくは熱が施され、かつ/もしくは適用される持続時間;ならびに/または
エネルギー付与手段および/もしくは加熱手段の温度
について、本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義、特に、方法のステップ(A-6)に関して本明細書中に記載される通りの調整エネルギーおよび/または熱のいずれかの実施形態または定義は、局所用剤型、加熱性局所用剤型、エネルギー付与性構成要素および/または加熱性構成要素に関して言及される通りの、それぞれ、調整エネルギーおよび/または熱に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1509】
さらに、別途言及されない場合、
皮膚上で生成される温度;
送達され、施され、かつ/もしくは適用される調整エネルギーおよび/もしくは熱の量;
それ以内にそのような量が送達され、施され、かつ/もしくは適用される時間;
調整エネルギーおよび/もしくは熱が施され、かつ/もしくは適用される持続時間;ならびに/または
エネルギー付与手段および/もしくは加熱手段の温度
について、本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義、特に、方法のステップ(A-6)に関して本明細書中に記載される通りのエネルギー付与手段および/または加熱手段のいずれかの実施形態または定義は、局所用剤型、加熱性局所用剤型、エネルギー付与性構成要素および/または加熱性構成要素に対して、独立して準用することができることが理解されるべきであり、この理由のために、好ましくは、適用可能である場合、用語「エネルギー付与手段」は「局所用剤型」、「エネルギー付与性局所用剤型」および/または「エネルギー付与性構成要素」と理解されるべきであり、かつ用語「加熱手段」は「局所用剤型」、「加熱性局所用剤型」および/または「加熱性構成要素」と理解されるべきである。
【1510】
別途言及されない場合、局所用剤型に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される通りの局所用剤型の実施形態のうちのいずれかでのエネルギー付与性局所用剤型に対して、独立して準用することができ、逆もまた同じであることが理解されるべきである。さらに、別途言及されない場合、局所用剤型に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される通りの局所用剤型の実施形態のうちのいずれかでの加熱性局所用剤型に対して、独立して準用することができ、逆もまた同じであることが理解されるべきである。
【1511】
好ましくは、局所用剤型は、物質および/または皮膚コンディショニング剤、好ましくは、免疫調節性物質、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2の表皮内、皮内および/または皮下、より好ましくは皮内送達に対して好適であり、かつ/またはそのために構成される。
【1512】
好ましくは、局所用剤型は、皮膚の局所下層中へと、より好ましくは皮膚の表皮、真皮および/もしくは皮下組織中へと、さらにより好ましくは真皮中へと、かつ/または皮膚表面から測定した場合、好ましくは皮膚表面に対して垂直に骨に向かって測定した場合、皮膚中へと皮膚厚さ方向で、6mm以下かつ0.1mm以上、より好ましくは4mm以下かつ0.3mm以上、さらにより好ましくは3mm以下かつ0.5mm以上で、物質、特にIFN-γ、IL-4、BDNF、IL-2などの免疫調節性物質を送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される。
【1513】
好ましくは、局所用剤型は、有効表面を有する。
【1514】
表現「有効表面」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、局所用剤型および/または医療デバイスが皮膚へと適用される場合に、被験体の皮膚に対して物質、皮膚コンディショニング剤、調整エネルギーおよび/または熱を送達もしくは放出し、かつ/または送達もしくは放出するために好適であり、かつ/もしくはそのために構成される、局所用剤型および/または医療デバイスの表面に関する。
【1515】
表現「有効表面領域」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、有効表面の領域に関する。通常、皮膚の適用領域のサイズおよび/または形状は、通常、有効表面領域のサイズおよび/または形状に対応する。好ましくは、本明細書中に記載される通りの方法の実施形態のうちのいずれかで言及される通りの適用領域のサイズおよび/または形状のいずれかの説明および定義は、本明細書中に記載される局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの有効表面領域のサイズおよび/または形状に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1516】
好ましくは、物質の物質、調整剤および/または調整エネルギーの量または総量が、局所用剤型の有効表面を用いて、被験体の皮膚へと送達される。
【1517】
好ましくは、局所用剤型が送達するために好適であり、かつ/またはそのために構成される量または総量が、局所用剤型の有効表面を用いて被験体の皮膚へと送達される。
【1518】
有効表面は、いずれかの特定のサイズの領域(有効表面領域)を有することができる。好ましくは、有効表面領域のサイズおよび/または形状は、本明細書中に規定される通りである。
【1519】
有効表面領域を有する有効表面を用いて、物質、薬剤、調整エネルギーおよび/または熱が、適用領域の皮膚を介して、皮膚領域の皮膚へと投与および/または送達され、最終的に、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのPBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加および/もしくはrHbの増加、温度上昇ならびに/または発赤が、皮膚領域の皮膚上かつ/または皮膚領域の皮膚内で生成されることができる。
【1520】
より好ましくは、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかでは、有効表面領域は、皮膚コンディショニング剤、調整エネルギーおよび/または熱の場合、有効表面領域[a]である。
【1521】
より好ましくは、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかでは、有効表面領域は、免疫調節性物質、特にIFN-γ、IL-4およびBDNFの場合、有効表面領域[b]および/または[b1]である。
【1522】
より好ましくは、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかでは、有効表面領域は、免疫調節性物質、特にIL-2の場合、有効表面領域[c]である。
【1523】
好ましくは、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかでは、有効表面は、表面領域のものである。言い換えれば、有効表面は、有効表面領域として指定される領域を有する。好ましくは、本明細書中に記載される通りの方法の実施形態のうちのいずれかで言及される通りの適用領域のサイズおよび/または形状のいずれかの説明および定義は、本明細書中に記載される医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスのいずれかの実施形態で言及される通りの有効表面領域のサイズおよび/または形状に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1524】
好ましくは、有効表面領域、具体的には有効表面領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]は、独立して、好ましくは1.5m2以下かつ0.01cm2以上、より好ましくは1,000cm2以下かつ0.01cm2以上、さらにより好ましくは500cm2以下かつ0.01cm2以上、またより好ましくは100cm2以下かつ0.02cm2以上、またさらにより好ましくは50cm2以下かつ0.2cm2以上、さらに好ましくは25cm2以下かつ0.5cm2以上、なおさらに好ましくは10cm2以下かつ1cm2以上、またさらに好ましくは5cm2以下かつ2cm2以上の範囲内である。
【1525】
別途言及されない場合、適用領域、特に適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで、特に医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/または医療デバイスの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの有効表面領域、特に有効表面領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。特に、サイズ、形状、重複および/または領域合計について、適用領域、特に適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの有効表面領域、特に有効表面領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1526】
局所用剤型は、単回または反復使用のため、好ましくは単回使用のためのものであり得る。
【1527】
さらにより好ましくは、局所用剤型、エネルギー付与性局所用剤型および/または加熱性局所用剤型は、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用に対して好適であり、かつ/またはそのために構成され、
該方法はステップ(A)を含み、好ましくはステップ(A)からなり、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO2の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ該方法は、
(B) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ、および
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
をさらに含み、
ステップ(A)は、局所用剤型および/もしくはエネルギー付与性局所用剤型のエネルギー付与性構成要素によるかまたは局所用剤型および/もしくは加熱性局所用剤型の(ot)加熱性構成要素により実行され、かつ
ステップ(B)または(C)のうちの少なくとも一方は、局所用剤型、エネルギー付与性局所用剤型および/または加熱性局所用剤型中に含められ、かつ/またはそれらにより送達および/もしくは投与される免疫調節性(immunomodulatroy)物質、特にIFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2を用いて実行される。
【1528】
別途言及されない場合、表現「局所用剤型」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、局所用剤型、特に局所用剤型(I)、(II)および/または(X)、より詳細には局所用剤型(I)および/または(II)のうちのいずれかまたは全部を意味することが理解されるべきである。さらに、別途言及されない場合、局所用剤型を参照する複数形での本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかは、独立して、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの局所用剤型、特に局所用剤型(I)、(II)および/または(X)、より詳細には局所用剤型(I)および/または(II)のうちのいずれかを意味することが理解されるべきである。
【1529】
概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する局所用剤型、特に局所用剤型(I)、(II)および/または(X)のうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」の下に言及される実施形態のうちのいずれかは、特に概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットのうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」の下に記載される通りの、局所用剤型の実施形態のうちのいずれかに独立して適用可能であり、かつ/または組み合わせ可能であることがさらに理解されるべきである。
【1530】
・本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する医療デバイス(100)にさらに関して
免疫調節性物質および/または皮膚コンディショニング剤を投与するステップを含むことができる、上記に記載される通りの被験体の炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法は、頻回な医学的処置および/または医療スタッフが疾患に罹患している患者に対する処置を順送りにする様式での処置の適応を必要とし得る。
【1531】
治療が患者により正しく、かつ/もしくは適正な順序で、かつ/または処方された量の医薬組成物もしくは物質を用いることにより行なわれることを確実にするために、医療デバイスが考案され、本明細書中に記載される。
【1532】
上記に記載される通り、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法であって、
該方法はステップ(A)を含み、好ましくはステップ(A)からなり、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO2の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ該方法は、
(B) 前記被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ、および
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
をさらに含む。
【1533】
言い換えれば、ステップ(B)の免疫調節性物質は第1の免疫調節性物質であり得;かつステップ(C)の免疫調節性物質は第2の免疫調節性物質であり得る。
【1534】
上記に記載される通り、治療および/または予防するための方法は、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の治療および/または予防において非常に効果的であり、かつ、とりわけ、上記で述べた通り、有害副作用を有しない。治療および/または予防するための方法の有益な効果は、上記で詳細に概説されている。
【1535】
例えば、ステップ(A)ならびに(B)および/または(C)は皮膚上かつ/または皮膚内で行なわれるので、本発明は、実行が容易かつ迅速である。皮膚は、処置および投与に対して容易にアクセス可能であるという利点を有する。さらに、皮膚へのバーム剤、クリーム剤もしくは膏薬の投与などの皮膚上への処置、および/または注入などの皮膚中へと挿入される医薬品の投与は、一般的に、例えば、静脈内注入など、被験体に対して比較的低い健康リスクを有する。治療および/または予防するための方法は、特殊な医療施設の必要性を伴わない、容易に利用可能な療法を提供する。これは、罹患した被験体または動物の所有者による自己適用を可能にし、かつ高い患者コンプライアンスを有する。
【1536】
つまり、罹患した被験体は、上記の通りの治療および/もしくは予防するための方法ならびに/または方法の実施形態のうちのいずれか1つの方法ステップを、各自で自己適用することができる。
【1537】
被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法の実施可能性は、この方法に関連する実施例中で実証される。
【1538】
本発明の態様は、独立クレーム中に記載される通りの主題を有する、医療デバイス、方法での使用に対して好適な医療デバイス、医療デバイスの使用およびキットに関連付けられる。
【1539】
本発明の有利な改変が、従属クレーム中に記述される。本明細書、特許請求の範囲および図面中に開示される特徴のうちの少なくとも2つのすべての組み合わせが、本発明の範囲内に入る。繰り返しを避けるために、方法に従って開示される特徴はまた、言及されるシステムに従っても当てはまり、かつ特許請求可能であろう。
【1540】
本発明のこの説明全体で、手順ステップの順番は、プロセスが容易に理解できる様式で提示される。しかしながら、当業者は、プロセスステップのうちの多数がまた、異なる順序で実行されて、同じかまたは対応する結果をもたらすこともできることを認識するであろう。この意味では、プロセスステップの順番は、適切に変更することができる。一部の特徴は、読解可能性を改善するかまたはより明白に割り当てるために、単語を考慮して提供されるが、このことは、特定の特徴の存在を暗示しない。
【1541】
本発明の態様に従えば、
- 皮膚コンディショニング部;および
- アプリケータ部
を含む、医療デバイス(100)が提供され、
このとき、皮膚コンディショニング部およびアプリケータ部は、皮膚コンディショニング部を用いて調整措置の量と共に、アプリケータ部を用いて第1の治療剤の量を被験体の皮膚へと投与するために、協働的に相互作用するように構成されることができる。
【1542】
代替的または追加的に、態様に従えば、
- 皮膚コンディショニング部;および
- アプリケータ部
を含む、医療デバイス(100)が提供され、
このとき、皮膚コンディショニング部およびアプリケータ部は、被験体の皮膚に対して機能するために構成されることができる。
【1543】
以下では、医療デバイス(100)の
被験体の皮膚に対する機能は、皮膚コンディショニング部および/もしくはアプリケータ部によって、かつ/または特にアプリケータ部によって為され得る。
【1544】
被験体の皮膚に対する機能は、特に、被験体の皮膚と相互作用して、皮膚の状態を変化させ、かつ/または医学的処置を提供するために、いずれかの物理的および/もしくは化学的および/もしくは製剤的措置ならびに/または医学的措置を含み得る。
【1545】
被験体の皮膚に対する機能とは、皮膚コンディショニング部および/または、好ましくは第1の、アプリケータ部が、皮膚コンディショニング部が被験体の皮膚の第1領域に対して機能し、かつ、好ましくは第1の、アプリケータ部が、被験体の皮膚の第2領域に対して機能し、それにより、皮膚の第1領域および皮膚の第2領域が互いに少なくとも部分的に重複し、かつ/または皮膚の第1領域および皮膚の第2領域が調整措置および第1の治療剤の付随する適用のために互いに(to another)隣接しているという点で、被験体の皮膚の領域に対して起用するように構成されることを意味し得る。
【1546】
付随する投与とは、第1の治療剤の投与を伴う調整措置の個別の投与が、成功裏に被験体の炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法のうちのいずれか1つを支持し得る様式で、医療デバイスが構成されることを意味し得る。
【1547】
言い換えれば、皮膚に対して投与される調整措置は、第1の治療剤および/または個別の治療剤の投与の医学的有効性を支持し得る。この付随する投与の効果は、特に治療剤の有効成分が免疫調節性物質である場合に全身性の増加を回避するために、第1のおよび/または別の個別の治療剤を、非常に低濃度を有して投与することができ、かつ/または少量の有効成分により投与することができることであり得る。
【1548】
皮膚との用語は、皮膚の罹患領域を説明するために用いられる。
【1549】
特にアプリケータ部を用いる、被験体の皮膚に対する機能は、皮膚の表面に対して医薬品もしくは治療剤を投与すること、および/または、特に皮膚の層へと、医薬品もしくは治療剤を皮下投与することを含むことができる。
【1550】
特に、特にアプリケータ部を用いる、被験体の皮膚に対する機能は、皮膚の表面に対して機能することおよび/または皮膚に穿通することを含むことができる。
【1551】
皮膚への穿通は、単一もしくは複数の針を用い、かつ/または単一もしくは複数の中空針を用い、かつ/または単一もしくは複数のシリンジを用いる穿通および/あるいは流体のポンプ圧送注入による皮膚の穿通をはじめとする、皮膚のいずれかの穿通を含むことができる。
【1552】
皮膚コンディショニング部を用いる皮膚の表面に対する機能は、例えば、電磁放射および/もしくは赤外線放射および/もしくは熱ならびに/または皮膚の表面と接触する熱としての、皮膚に影響を与える、特に被験体の皮膚の表面に影響を与えるいずれかの調整エネルギーを含み得る。追加的または代替的に、皮膚コンディショニング部を用いる皮膚の表面に対する機能は、皮膚に影響を与えるいずれかの機械的効果、特に皮膚の表面に対する機械的効果を含むことができる。
【1553】
皮膚コンディショニング部および、特に第1の、アプリケータ部は、皮膚に対して機能するために協働的に相互作用することができる。
【1554】
2つの各部の協働的相互作用は、特に医療デバイスが医療デバイスのユーザーにより操作される場合に、各部の両方が、被験体の皮膚に対して、皮膚コンディショニング部を用いた調整措置の量と共に、アプリケータ部を用いて第1の治療剤の量を、協働的に、特に相乗的に投与する様式で相互作用するために、特にカップリング部によって、2つの各部の機械的かつ/または電気的カップリングのために、皮膚コンディショニング部および、特に第1の、アプリケータ部が構成される、皮膚コンディショニング部および、特に第1の、アプリケータ部の相互作用であり得る。
【1555】
好ましくは、本明細書中に記載される通りの実施形態ならびに治療および/または予防するための方法のうちのいずれか1つでは、ステップ(A)、(B)および/または(C)により生成される個別の効果または下位効果は、時間的ならびに空間的に、少なくとも部分的かつ/または完全に重複するべきであることが理解されるべきである。例えば、ステップの効果は、例えば、互いに依存的、支持的、相互作用的、相補的、相加的、相乗的であるため、かつ/または医学的効果を集合させるためのいずれかの他の様式により機能するためであり得る。それゆえ、方法が、それに従って行なわれるべきであることが理解されるべきである。
【1556】
言い換えれば、協働的相互作用とは、例えば、本明細書中に記載される通りの治療および/または予防するための方法などの、治療方法の一連のステップおよび/またはステップの連続に従って、被験体の皮膚の影響を与えるために、皮膚コンディショニング部の機能と、特に第1の、アプリケータ部(application unit)の機能とが、協働および/または同期されることを意味し得る。
【1557】
したがって、皮膚コンディショニング部および、特に第1の、アプリケータ部は、皮膚に対して機能するために協働的に相互作用するように構成されることができる。特に、皮膚コンディショニング部およびアプリケータ部は、皮膚コンディショニング部を用いた調整措置の量と共に、特に第1の、アプリケータ部を用いて第1の治療剤の量を投与するために協働的に相互作用するように構成されることができる。
【1558】
好ましくは、皮膚コンディショニング部とアプリケータ部との協働的相互作用のために、皮膚コンディショニング部およびアプリケータ部は、個別の治療剤および調整措置が皮膚の領域に関して投与されることを確実にするために、既定かつ明記された時間間隔および皮膚に対する投与の互いの距離以内で、調整措置を伴って関連する治療剤を投与することに関してカップリングされるように見て取ることができる。
【1559】
調整措置の量は、それぞれ、皮膚の第1領域および/または皮膚の第2領域および/または皮膚の第3領域に対する第1の治療剤および/または第2の治療剤および/または第3の治療剤の治療的な上首尾の投与に対して必要な皮膚の第2領域の皮膚の状態の変更により決定することができる。
【1560】
好ましくは、それぞれ、第1の治療剤および/または第2の治療剤および/または第3の治療剤の量は、デバイスを用いて治療される特定の疾患の治療的措置により決定することができる。
【1561】
疾患は、例えば、本明細書中に記載される通りの炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患であり得る。
【1562】
好ましくは、調整措置の量は、措置の種類に応じで、調整措置の持続時間および/または調整措置の量を含むことができる。
【1563】
皮膚コンディショニング部は、被験体の皮膚の表面に対して調整エネルギーを供給するための手段であり得る。好ましくは、調整エネルギーは、皮膚の状態の変更のため、かつ/または皮膚の状態の準備のために、皮膚の表面へと供給されることができる。皮膚の状態は、特に第1の、アプリケータ部を特に用いて、被験体の皮膚に対する別の機能の有効性を可能にし、かつ/またはそれを増加させるために、変更および/または準備されることができる。
【1564】
代替的または追加的に、皮膚の状態の変更および/または準備のための被験体の皮膚に対する機能は、方法のさらなるステップを促進することができる。
【1565】
アプリケータ部は、皮膚に対して、かつ/または皮膚の領域に対して第1の治療剤および/または第1の医薬品を適用するために構成されることができる。好ましくはそれに対して皮膚コンディショニング部が機能する皮膚の領域は、それに対してアプリケータ部が機能する皮膚のさらなる領域と同じであり、かつ/または重複および/もしくは協働して近接しており、かつ/または隣接している。医療デバイスは、複数のアプリケータ部を含むことができる。
【1566】
第1のまたはいずれかの個別のアプリケータ部は、第1のまたはいずれかの個別の治療剤を収容するための第1のまたはいずれかの個別のアプリケータ部の第1のまたはいずれかの個別のリザーバにより、構成されることができる。
【1567】
医療デバイスは、治療および/または予防するための方法のうちのいずれか1つならびに/または上記に提示される通りの治療および/または予防するための方法の実施形態のうちのいずれか1つのステップのうちの少なくとも一部分を実行するため、かつ/または支持するため、かつ/またはそれでの使用のために、特に上記に記載される通りの被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法のうちのいずれかのステップのうちの少なくとも一部分を実行するため、かつ/または支持するため、かつ/またはそれでの使用のために構成される手段であり得る。
【1568】
上記に記載される通り、治療および/または予防するための方法は、
ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および/または(A-8)のうちの1以上から選択される(A)
を含むことができ;かつ
該方法は、
(B) 被験体の皮膚に対して、好ましくは第1の、免疫調節性物質を投与するステップ;および/または
(C) 被験体の皮膚に対して、好ましくは第2の、免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
をさらに含むことができる。
【1569】
医療デバイスは、特にアプリケータ部内に、免疫調節性物質、IFN-γおよび/またはIL-4および/またはBDNFおよび/またはIL-2を収容するために構成されることができ、特に、上記に記載される通りの方法のうちのいずれか1つのステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれか1つ、2つまたは全部での使用のためのものであり、かつ/または使用に対して好適であり、好ましくはそのために構成される。
【1570】
医療デバイスは、特に皮膚コンディショニング部内に、皮膚コンディショニング剤および/もしくはエネルギー付与手段、または局所用剤型を収容するために構成されることができ、特に、方法のステップ(A)での使用のためのものであり、かつ/または使用に対して好適であり、好ましくはそのために構成される。
【1571】
有利には、医療デバイスは、上記に記載される通りの本発明の方法および/または実施形態のうちのいずれか1つで言及される通りの方法での使用のために構成されることができ、かつ/または使用に対して好適であり得る。
【1572】
本明細書中に記載される通りの医療デバイスの実施形態は、どのステップが適用可能であるかに応じて、上記に記載される通りの、好ましくは医学的、方法のうちのいずれか1つのステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)のうちの1以上を遂行、実行および/または達成するために好適であり、好ましくはそのために構成されることができる。特に、医療デバイスは、ステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)のうちの1以上またはそれ以上、さらにより好ましくはステップ(A)および(B);ステップ(A)および(C);ステップ(B)および(C);ステップ(A)および(B1);ならびに/またはステップ(B1)および(C)を遂行、実行および/または達成するために好適であるために構成される(configured two)ことができる。
【1573】
医療デバイスが、方法での使用のために構成され、かつ使用のために好適であり得、どのステップが適用可能であるかに応じて、ステップ(A)ならびにステップ(B)、(B1)および/または(C)のうちのいずれか1つ、2つまたは全部をはじめとする方法のすべてのステップを遂行、実行および/または達成するために好適であり、好ましくはそのために構成されることがより好ましい。
【1574】
医療デバイスは、とりわけ、医療デバイスのユーザーの広範囲の訓練が要求されないという利点を提供する。加えて、医療デバイスを用いることにより方法を行なう上でのユーザーの不十分な訓練が回避され、かつ方法の正しい実行が確実にされる。医療デバイスは、例えば、リウマチ疾患を伴う症例では多くの場合に当てはまる通り、手先の技能の障害を有するユーザーに対しては特に重要であり得る、容易な取り扱いを提供することができる。追加的または代替的に、自己適用または自己注射の誤りの恐れをなくすことができ、かつ、通院を伴わない簡潔かつ複雑でない適用に起因して、治療順守の不足を改善するか、または克服することさえできる。
【1575】
第1の治療剤の量は、治療方法を上首尾に遂行するために被験体の皮膚に対して機能することが予測される第1の治療剤の量である。特に、第1の治療剤の量は、被験体に対する医学的処置の少なくとも1つのステップを支持する様式で、特定することができる。被験体の皮膚に対する機能は、被験体の皮膚に対する第1の治療剤の投与を含むことができる。
【1576】
本明細書内で既に記載される通り、好ましくは、本明細書中に記載される通りの治療および/もしくは予防するための方法ならびに/または実施形態のうちのいずれか1つでは、特に、ステップ(B)、(B1)および/または(C)では、例えば、免疫調節性物質としての、第1の治療剤は、好ましくは被験体体内での、免疫調節性物質の個別の受容体の局所的活性化、好ましくは効果的な局所的活性化を引き起こし、かつ/または免疫調節性物質の局所的生成、好ましくは効果的な局所的生成を引き起こす量で投与される。好ましくは、活性化および/または生成、より好ましくは効果的な生成および/または効果的な活性化は、局所のみであり、被験体で全身性でない。
【1577】
それゆえ、本発明は、それでも効果的でありながら、免疫調節性物質を、極めて低い濃度で投与することができるというさらなる驚くべき知見に基づく。
【1578】
それゆえ、好ましくは、本明細書中に記載される通りの治療および/もしくは予防するための方法ならびに/または関連する実施形態のうちのいずれか1つでは、効果的である被験体身体中での免疫調節性物質の濃度の全身性の増加を回避するために十分に低い量で免疫調節性物質を投与することが意図される。それにより、例えば、炎症関節などの炎症の部位での免疫調節性物質の濃度増加の生成が回避されるであろう。
【1579】
調整措置の量は、治療方法の上首尾での遂行のために被験体の皮膚に対して機能することが予測される調整措置の量である。特に、調整措置の量は、被験体に対する医学的処置の少なくとも別のステップを支持する様式で、特定することができる。
【1580】
上記で既に記載される通り、本明細書中に記載される治療および/もしくは予防するための方法ならびに/またはその関連する実施形態の、例えば、ステップ(A-6)は、調整措置として規定することができる調整エネルギーを被験体の皮膚に対して施すことを必要とし、このとき、調整エネルギーは、被験体の皮膚の表面に対して施され、かつ/または適用される。
【1581】
調整措置および/または調整エネルギーは、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない、当業者に公知のいずれかの措置またはエネルギーであり得る。
【1582】
例えば、調整措置および/または調整エネルギーは、働き;熱;電磁放射;マイクロ波;熱放射;赤外線放射;紫外線;可視光;機械的動揺;機械的働き;電気的働き;電流;超音波;機械的動揺;例えば、皮膚の振動および/もしくは擦ることを用いる手動もしくは機械による皮膚マッサージなどのマッサージ;振動;擦ること;摩擦;例えば、機械によるか、手動もしくは口による吸引などの吸引を用いる陰圧;例えば、カッピング、特に乾燥カッピングもしくは皮膚を傷害することのないカッピングを用いる手動もしくは機械により生成される陰圧;熱風;温熱療法および/もしくは温水などの温かい流動流体、またはそれらのいずれかの組み合わせの形態である。
【1583】
好ましくは、調整措置および/または調整エネルギーは、特に、PBMCの量、皮膚内での毛細血管の拡張、皮膚内の血液量、皮膚内のsO2、皮膚内のrHb、皮膚上の温度および/または皮膚上での発赤に関して、皮膚の状態を変化させるためのいずれかの措置またはエネルギーである。
【1584】
好ましくは、調整措置および/または調整エネルギーは、製薬上許容され、かつ熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/または損傷を引き起こさない限り、いずれかの程度および/またはいずれかの持続時間まで、皮膚に対して施され、かつ/または適用され得る。
【1585】
調整エネルギーはまた、エネルギーまたは皮膚調整エネルギーまたは調整措置とも称される場合がある。
【1586】
既に記載される通り、好ましくは、エネルギー付与手段としても記載される皮膚コンディショニング部は、働き、電磁波、放射、電流、例えば皮膚に対する機械的接触に起因する伝達などの物理的プロセスによる、流動流体中の熱エネルギーのエントレインメントに起因する対流による熱、機械的カップリング、誘導カップリング、電磁波を用いる熱放射、可視光、機械的動揺、陰圧によりおよび/もしくは皮膚に対して本明細書中に記載される本発明の実施形態のうちのいずれか1つで言及される通りの皮膚コンディショニング剤を投与および/もしくは適用することによるなどの生化学的プロセスを誘導することにより、またはそれらのいずれかの組み合わせにより、皮膚に対して調整エネルギーを送達し、施し、かつ/もしくは適用するために好適であり、好ましくはそのために構成され、かつ/または送達し、施し、かつ/もしくは適用する。
【1587】
皮膚コンディショニング部および/またはエネルギー付与手段は、装置に基づくエネルギー付与手段または装置に基づかないエネルギー付与手段、好ましくは装置に基づくエネルギー付与手段であり得る。
【1588】
それゆえ、皮膚コンディショニング部、エネルギー付与手段および/または装置に基づくエネルギー付与手段は、例えば、熱放射を発するいずれかの手段;赤外線放射を発する手段;超音波を発する手段;電磁波を発する手段;マイクロ波を発する手段;紫外線を発する手段;可視光などの放射を発する手段;熱風もしくは温流体を発する手段;皮膚に対して電流を与える手段;皮膚に対して熱を与える手段;ヒーター、例えば潜熱蓄熱を装備する熱感パッド剤、電気ウォーマー、例えば電気ハンドウォーマー、予熱物体もしくは温かいティーカップなどの温かいかもしくは加温性物体;灸のための手段;皮膚に対する働きを行なうための手段;美顔マッサージャおよび/もしくは振動機などの皮膚マッサージに対して好適な機械などのマッサージのための手段;振動および/もしくは擦りを生じるための手段;被験体の皮膚に対して機械的動揺を与えるための手段;皮膚を吸引する装置、カッピングガラス、カッピング機もしくは真空ポンプなどの皮膚に対していずれかの種類の真空もしくは陰圧を与えるための手段;皮膚に対して超音波を与えるための手段;熱感パッド剤、熱感パッチ剤、熱感ワッディング剤、熱感パディング剤、熱感ドレッシング剤、熱感圧定布、モグサ膏薬および/もしくは熱感包帯;本明細書中に記載される本発明の実施形態のうちのいずれか1つで言及される通りのエネルギー付与性局所用剤型、好ましくは、記載される本発明の実施形態のうちのいずれか1つで言及される通りの加熱性局所用剤型;ならびに/または本明細書中に記載される通りの本発明に従う実施形態のうちのいずれかに従う医療デバイス等であり得る。さらに、エネルギー付与手段および/または装置に基づかないエネルギー付与手段は、例えば、例として皮膚上を流れる場合の水などの温流動流体;例えば皮膚上での振動、擦りまたは吸引動作の生成を用いる手動皮膚マッサージを行なうマッサージ師の手を動かすことなどの手動施術であり得る。
【1589】
より好ましくは、送達され、施され、かつ/もしくは適用される調整措置、それぞれ、調整エネルギーは、熱である。
【1590】
好ましくは、熱は、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない。
【1591】
例えば、施され、かつ/または適用される熱は、電磁放射;熱放射;マイクロ波;赤外線放射;熱風;温熱療法;温水などの温流動流体の形態であり得る。
【1592】
好ましくは、皮膚コンディショニング部および/またはエネルギー付与手段は、加熱手段である。
【1593】
熱は、製薬上許容され、かつ/または、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/もしくは毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の病変および/もしくは損傷を引き起こさない、当業者に公知のいずれかの加熱手段により施され、かつ/または適用される。
【1594】
それゆえ、皮膚コンディショニング部は、エネルギー付与手段として、より好ましくは加熱手段として構成されることができる。
【1595】
好ましくは、加熱手段として構成される皮膚コンディショニング部は、皮膚に対する機械的接触に起因する伝達などの物理的プロセスにより、流動流体中の熱のエントレインメントに起因する対流により、かつ/または電磁波を用いる熱放射により、皮膚に対して熱を送達し、施し、かつ/もしくは適用するために好適であり、好ましくはそのために構成され、かつ/または送達し、施し、かつ/もしくは適用する。
【1596】
好ましくは、皮膚コンディショニング部、エネルギー付与手段および/または加熱手段は、皮膚に対する機械的接触に起因する伝達などの物理的プロセスにより、流動流体中の熱のエントレインメントに起因する対流により、かつ/または電磁波を用いる熱放射により、皮膚に対して熱を送達し、施し、かつ/もしくは適用するために好適であり、好ましくはそのために構成され、かつ/または送達し、施し、かつ/もしくは適用する。
【1597】
それゆえ、皮膚コンディショニング部、エネルギー付与手段および/または加熱手段は、熱放射を発するいずれかの手段;赤外線放射を発する手段;超音波を発する手段;電磁波を発する手段;マイクロ波を発する手段;紫外線を発する手段;可視光などの放射を発する手段;熱風もしくは温流体を発する手段;皮膚に対して電流を与える手段;皮膚に対して熱を与える手段;ヒーター、例えば潜熱蓄熱を装備する熱感パッド剤、電気ウォーマー、例えば電気ハンドウォーマー、予熱物体もしくは温かいティーカップなどの温かいかもしくは加温性物体;灸のための手段;および/または皮膚に対して超音波を与えるための手段であり得る。
【1598】
好ましくは、すなわち、程度および/または持続時間までの、調整措置の量、調整エネルギーの量および/または熱の量は、皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせ、かつ/または皮膚内での血液量の増加を生じさせ、かつ/または皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加を生じさせ、かつ/または皮膚上で温度上昇を生じさせ、かつ/または皮膚上で発赤を生じさせるために好適かつ/または十分である。
【1599】
特に、
・調整エネルギーおよび/または熱は、以下の事項を生じさせるために好適であり、かつ/または生じさせ;かつ/あるいは
・医療デバイス、皮膚コンディショニング部、エネルギー付与手段および/または加熱手段は、以下の事項を生じさせるために好適であり、かつ/もしくはそのために構成され、かつ/または生じさせ;かつ/あるいは被験体の皮膚に対する調整措置の投与は、例として、以下の効果をもたらすことができる:
- 皮膚内でのPBMCの蓄積であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-0)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-1)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚内での血液量の増加であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-2)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加であって、好ましくは、sO2は2%以上増加し、かつ/もしくはsO2は2%ポイント以上増加し;かつ/またはrHbは2%以上増加し、かつ/もしくはrHbは2AU(任意単位)以上増加し、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-3)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚上の温度上昇であって、好ましくは、温度は1%以上上昇し、かつ/または温度は0.2℃以上上昇し、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-4)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚上の発赤であって、好ましくは、概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-5)にさらに関して」の下に、または本明細書中に記載される通りの方法のステップ(A)の実施形態のうちのいずれかで記載されるそのいずれかの実施形態または定義は独立して準用可能であることが理解されるべきである、
より好ましくは、
- 皮膚内での毛細血管の拡張;
- 皮膚内での血液量の増加;
- 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加、ならびに/または
- 皮膚上の温度上昇、
さらにより好ましくは、
- 皮膚内での血液量の増加;
- 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加、ならびに/または
- 皮膚上の温度上昇。
【1600】
好ましくは、医療デバイス、皮膚コンディショニング部、エネルギー付与手段および/または加熱手段は、好ましくは材料および方法セクション「熱測定および皮膚発赤」中に記載される通りに測定される場合、25℃以上、より好ましくは27℃以上、より好ましくは28℃以上、さらにより好ましくは29℃以上、またより好ましくは30℃以上、またさらにより好ましくは31℃以上、さらに好ましくは32℃以上の皮膚上の温度を生じさせるために好適であり、好ましくはそのために構成され、かつ/または生じさせる。熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の熱傷性病変および/または損傷が引き起こされない限り、生成される皮膚上の温度に関して上限はない。しかしながら、通常、生成される皮膚上の温度は、65℃以下、好ましくは58℃以下、より好ましくは50℃以下、またより好ましくは45℃以下、またさらにより好ましくは42℃以下、さらに好ましくは41℃以下である。より好ましくは、生成される皮膚上の温度は、25℃以上かつ65℃以下、より好ましくは27℃以上かつ58℃以下、さらにより好ましくは28℃以上かつ50℃以下、またより好ましくは29℃以上かつ45℃以下、またさらにより好ましくは30℃以上かつ45℃以下、さらに好ましくは31℃以上かつ42℃以下、なおさらに好ましくは32℃以上かつ41℃以下の範囲内である。
【1601】
好ましくは、施され、かつ/または適用される調整措置の量、調整エネルギーの量および/または熱の量は、0.1kJ/cm2皮膚以上(「kJ/cm2皮膚」は、その意味では、「キロジュール/1平方センチメートルの皮膚」と等価である)、より好ましくは0.3kJ/cm2皮膚以上、さらにより好ましくは0.6kJ/cm2皮膚以上、またより好ましくは1kJ/cm2皮膚以上、またさらにより好ましくは2kJ/cm2皮膚以上、さらに好ましくは3kJ/cm2皮膚以上、なおさらに好ましくは4kJ/cm2皮膚以上、またさらに好ましくは6kJ/cm2皮膚以上である。皮膚の熱傷性病変および/または損傷が引き起こされない限り、調整エネルギーの量に関して上限はない。
【1602】
しかしながら、通常、施され、かつ/または適用される調整措置の量、調整エネルギーの量および/または熱の量は、60kJ/cm2皮膚以下、好ましくは50kJ/cm2皮膚以下、さらにより好ましくは40kJ/cm2皮膚以下、またより好ましくは30kJ/cm2皮膚以下、またさらにより好ましくは15kJ/cm2皮膚以下、さらに好ましくは10kJ/cm2皮膚以下である。好ましくは、施され、かつ/または適用される調整エネルギーの量は、0.1kJ/cm2皮膚以上かつ60kJ/cm2皮膚以下、より好ましくは0.3kJ/cm2皮膚以上かつ60kJ/cm2皮膚以下、さらにより好ましくは0.6kJ/cm2皮膚以上かつ50kJ/cm2皮膚以下、またより好ましくは1kJ/cm2皮膚以上かつ50kJ/cm2皮膚以下、またさらにより好ましくは2kJ/cm2皮膚以上かつ40kJ/cm2皮膚以下、さらに好ましくは3kJ/cm2皮膚以上かつ30kJ/cm2皮膚以下、なおさらに好ましくは4kJ/cm2皮膚以上かつ15kJ/cm2皮膚以下、またさらに好ましくは6kJ/cm2皮膚以上かつ10kJ/cm2皮膚以下の範囲内である。
【1603】
好ましくは、60分以下、より好ましくは30分以下、さらにより好ましくは15分以下、またより好ましくは5分以下、またさらにより好ましくは2分以下以内の、それぞれ、調整エネルギーの量および/または熱の量の調整措置。通常、これは、1秒以上、より好ましくは5秒以上、さらにより好ましくは10秒以上、またより好ましくは30秒以上、またさらにより好ましくは1分以上以内である。より好ましくは、これは、1秒以上かつ60分以下、より好ましくは5秒以上かつ30分以下、さらにより好ましくは10秒以上かつ15分以下、またより好ましくは30秒以上かつ15分以下、またさらにより好ましくは1分以上かつ5分以下の範囲内である。しかしながら、上記で言及される通り、方法のステップ(A)は、それゆえ、ステップ(A-6)もまた、複数回行なうことができる(複数回実行)。
【1604】
好ましくは、熱傷、病変を生じること、毛細血管の破裂および/または毛細血管の反射的閉塞などの皮膚の熱傷性病変および/または損傷が引き起こされない限り、好ましくは皮膚コンディショニング部、それぞれ、エネルギー付与手段および/または加熱手段を用いることによる、調整措置、調整エネルギーおよび/もしくは熱の投与および/もしくは適用の持続時間、好ましくは合計持続時間に関して、かつ/または調整措置、調整エネルギーおよび/もしくは熱が施され、かつ/もしくは適用される持続時間に関して、上限はない。しかしながら、通常、持続時間、好ましくは合計持続時間は、48時間以下、好ましくは24時間以下、さらにより好ましくは12時間以下、またより好ましくは6時間以下、またさらにより好ましくは3時間以下、さらに好ましくは1時間以下、なおさらに好ましくは30分以下、またさらに好ましくは15分以下、またなおさらに好ましくは5分以下である。通常、持続時間、好ましくは合計持続時間は、5秒以上、より好ましくは10秒以上、さらにより好ましくは30秒以上、またより好ましくは1分以上である。より好ましくは、持続時間、好ましくは合計持続時間は、5秒以上かつ48時間以下、さらにより好ましくは5秒以上かつ24時間以下、またより好ましくは10秒以上かつ12時間以下、またさらにより好ましくは10秒以上かつ6時間以下、さらに好ましくは10秒以上かつ3時間以下、なおさらに好ましくは10秒以上かつ1時間以下、またさらに好ましくは10秒以上かつ30分以下、またなおさらに好ましくは30秒以上かつ15分以下、さらに好ましくは1分以上かつ5分以下の範囲内である。
【1605】
好ましくは、調整措置、それぞれ、調整エネルギーおよび/または熱は、継続的かつ/またはパルス状に施し、かつ/または適用することができ、かつ皮膚コンディショニング部、エネルギー付与手段および/または加熱手段はそれぞれ構成される。
【1606】
別途言及されない場合、
皮膚上で生成される温度;
送達され、施され、かつ/もしくは適用される調整エネルギーおよび/もしくは熱の量;
それ以内にそのような量が送達され、施され、かつ/もしくは適用される時間;
調整エネルギーおよび/もしくは熱が施され、かつ/もしくは適用される持続時間;ならびに/または
エネルギー付与手段および/もしくは加熱手段の温度
について、本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態または定義、特に、方法のステップ(A-6)に関して本明細書中に記載される通りの調整エネルギーおよび/または熱のいずれかの実施形態または定義は、医療デバイス、皮膚コンディショニング部、エネルギー付与手段および/または加熱手段に関して言及される通りの、それぞれ、調整エネルギーおよび/または熱に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1607】
好ましくは、調整措置が陰圧により提供される場合、陰圧は、大気圧未満の圧力である。
【1608】
好ましくは、調整措置が陰圧により提供される場合、陰圧は、0hPa(ヘクトパスカル)~1,000hPa、より好ましくは0hPa~600hPaの範囲内の程度までである。
【1609】
好ましくは、調整措置が陰圧により提供される場合、陰圧は、1,000hPa以下、より好ましくは600hPa以下である。好ましくは、陰圧に関する下限は、0hPa、より好ましくは10hPaである。より好ましくは、陰圧は、0hPa~1,000hPa、より好ましくは10hPa~600hPaの範囲内である。
【1610】
本明細書中に記載される本発明の実施形態のうちのいずれか1つでは、表現「皮膚上の温度」、「皮膚の温度」および/または「皮膚表面温度」は、相互に交換可能に用いることができる。同様に、本明細書中に記載される本発明の実施形態のうちのいずれか1つでは、表現「皮膚上の温度上昇」、「皮膚の温度上昇」および/または「皮膚表面温度の上昇」は、相互に交換可能に用いることができる。
【1611】
概要の記載「本明細書中に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかに関するステップ(A-6)にさらに関して」の下に言及される実施形態のうちのいずれか1つは、独立して適用可能であり、かつ/または本明細書中に記載される本発明の実施形態のうちのいずれかおよび特に医療デバイスのいずれかの実施形態と組み合わせ可能であることが理解されるべきである。特に、別途言及されない場合、
皮膚上で生成される温度;
送達され、施され、かつ/もしくは適用される調整エネルギーおよび/もしくは熱の量;
それ以内にそのような量が送達され、施され、かつ/もしくは適用される時間;
調整エネルギーおよび/もしくは熱が施され、かつ/もしくは適用される持続時間;ならびに/または
エネルギー付与手段および/もしくは加熱手段の温度
について、本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態または定義、特に、方法のステップ(A-6)に関して本明細書中に記載される通りの調整エネルギーおよび/または熱のいずれかの実施形態または定義は、医療デバイス、皮膚コンディショニング部、エネルギー付与手段および/または加熱手段に関して言及される通りの、それぞれ、調整措置、調整エネルギーおよび/または熱に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1612】
さらに、別途言及されない場合、
皮膚上で生成される温度;
送達され、施され、かつ/もしくは適用される調整エネルギーおよび/もしくは熱の量;
それ以内にそのような量が送達され、施され、かつ/もしくは適用される時間;
調整エネルギーおよび/もしくは熱が施され、かつ/もしくは適用される持続時間;ならびに/または
エネルギー付与手段および/もしくは加熱手段の温度
について、本明細書中に記載される本発明のいずれかの実施形態または定義、特に、方法のステップ(A-6)に関して本明細書中に記載されるエネルギー付与手段および/または加熱手段のいずれかの実施形態または定義は、医療デバイス、医療デバイス、皮膚コンディショニング部、エネルギー付与手段および/または加熱手段に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1613】
このとき、特に(particulary)免疫調節性物質である場合の投与される個別の治療剤の量および/または調整エネルギーもしくは熱である場合の調整措置の量は、特に本明細書中に記載される通りの治療および/または予防するための方法中で、特に方法のステップ(A)、(A-6)、(B)、(B1)および/または(C)中で投与される場合、本発明の実施形態のうちのいずれかで規定されるものと同じく、変更すべき箇所は変更して、規定される。
【1614】
好ましくは、第1の治療剤の量は、免疫調節性物質を含む。
【1615】
有利には、医療デバイスは、被験体が、本明細書中に記載される通りの実施形態および/または被験体の炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患を治療および/もしくは予防するための方法のうちのいずれか1つのステップのうちの少なくとも一部を行なうことを可能にし得る。
【1616】
有利には、医療デバイスを用いて治療および/または予防するための方法を実行することにより、患者または小児が、治療方法をより容易かつ/もしくは安全に、かつ/または年齢に適切に、かつ/または彼ら自身により行なうことを可能にすることができ、これは、患者が身体障害を有する場合、特に、患者が把持する際の身体障害を有する場合でさえ、医師の助けを伴わないことを意味し得る。医療デバイスを用いる治療および/または予防するための方法の容易さおよび/または安全な実行は、特に、皮膚コンディショニング部とアプリケータ部との協働的相互作用により与えられる。
【1617】
好ましくは、皮膚コンディショニング部は、好ましくは皮膚の状態を変化させるために、皮膚に対して調整措置を施すために構成されることができる。
【1618】
好ましくは、医療デバイスは、追加的に、カップリング部を含むことができ、
このとき、特に、カップリング部は皮膚コンディショニング部の一部分であり得;かつ
このとき、カップリング部は、調整措置と共に第1の治療剤を投与する協働的相互作用のために皮膚コンディショニング部とアプリケータ部とをカップリングするために構成され;かつ
このとき、特に、カップリング部は、被験体の皮膚に対して、皮膚コンディショニング部を用いた調整措置の量と共に、アプリケータ部を用いて第1の治療剤の量を、協働的に、かつ/またはさらに好ましくは相乗的に投与するために、皮膚コンディショニング部とアプリケータ部との相互作用的カップリングのために、皮膚コンディショニング部とアプリケータ部と電気的かつ/または機械的にカップリングするために構成される。
【1619】
言い換えれば、協働的相互作用は、カップリング部によって達成することができる。
【1620】
協働的相互作用のために、関連するステップの順序は任意であるが、関連するステップは、所定の期間内に完全に投与される必要があり、かつ両方の投与が、好ましくは相乗的に、皮膚内で効果的になり得るために十分に近接した皮膚の領域へと、両方が投与される必要がある。
【1621】
皮膚コンディショニング部とアプリケータ部との協働的相互作用の結果は、両方の措置が治療効果に関して相互作用し得る形態での、調整措置の付随する投与および個別の治療剤の投与であり得る。好ましくは、個別の治療剤を投与するステップは、皮膚の調整措置の量を投与するステップが完了した後に実行される。
【1622】
好ましくは、皮膚コンディショニング部ならびに、特に第1の、アプリケータ部および/または第2のアプリケータ部、および/または第3のアプリケータ部は、それぞれ、特に、量が皮膚のそれぞれの領域に投与されることを確実にするように、特に所定の期間内に、調整措置の量を伴う薬剤のそれぞれの量の協働した投与に関して、調整措置の量と共に、それぞれ、第1の治療剤の量、および/または第2の治療剤の量、および/または第3の治療剤の量を投与するために、協働的に相互作用するために構成されることができる。
【1623】
好ましくは、医療デバイスは、アプリケータ部、および/または第2のアプリケータ部、および/または第3のアプリケータ部との皮膚コンディショニング部の協働的相互作用のために、それぞれ、特に第1の、アプリケータ部、および/または第2のアプリケータ部、および/または第3のアプリケータ部と皮膚コンディショニング部をカップリングするために構成される、制御部を含むことができる。
【1624】
好ましくは、医療デバイスは、1つの放出部を含むことができ、このとき、この1つの放出部は、方法を実行するためのすべての部を含む。
【1625】
代替的または追加的に、医療デバイスは、アプリケータ部を始動および/または駆動するための単一の放出部;ならびに皮膚コンディショニング部を始動および/または駆動するための1つの単一の放出部を含む。
【1626】
好ましくは、医療デバイスは、それぞれ、アプリケータ部、および/または第2のアプリケータ部、および/または第3のアプリケータ部との皮膚コンディショニング部の協働的相互作用のために、調整措置の量が皮膚コンディショニング部により投与された後に、それぞれ、第1の治療剤、および/または第2の治療剤、および/または第3の治療剤の量の投与に関して、それぞれ、第1のアプリケータ、および/または第2のアプリケータ、および/または第3のアプリケータを始動および/または駆動するために構成される、制御部を含むことができる。
【1627】
協働的相互作用のために、調整措置を投与するステップと個別の治療剤の投与との順序は任意であるが、両方の投与が、特に付随する投与に関して、時間的および局所的に十分に関連することを確実にする必要がある。好ましくは、個別の治療剤の投与ステップは、皮膚の調整措置の量を投与するステップが終了した後に、実行される。これにより、関連する治療剤の投与を迅速に遂行することができ、それによって、プロセスのそのステップの中断がありそうにないので、付随する投与を確実にすることができる。
【1628】
好ましくは、皮膚コンディショニング部は、カップリング部を含むために構成されることができる。
【1629】
好ましくは、医療デバイスは、特にアプリケータ部の一部分である、第1のリザーバを含むことができ;かつ第1のリザーバは、第1の治療剤の収容のために構成され;かつこのとき、アプリケータ部は、皮膚へと第1の治療剤を投与するために構成され;かつこのとき、アプリケータ部は第1のリザーバに流体カップリングされる。
【1630】
アプリケータ部は、皮膚へと第1の治療剤を投与するために構成される対象である第1のアプリケータを含むことができる。したがって、第1のアプリケータは、第1のリザーバに流体カップリングされることができる。
【1631】
第1のリザーバは、別個のリザーバおよび/またはアプリケータ部のメンバーであるリザーバを含むことができる。特に、アプリケータ部と第1のリザーバとの流体カップリングとは、第1の治療剤が、特に付着する第1の治療剤が流体カップリングされたリザーバを構成する様式で、アプリケータ部の表面に付着されることを意味することができる。好ましくは、第1の治療剤は、被験体の皮膚の表面に対して、かつ/または被験体の皮膚の層に対して第1の治療剤を適用するための手段の表面に付着されることができる。例えば、特に第1の、アプリケータ部は、特にカニューレおよび/もしくは複数のカニューレおよび/もしくは複数のマイクロカニューレであり得、第1の治療剤によりその外表面でコーティングされ;かつ/またはカニューレおよび/もしくは複数のカニューレおよび/もしくは複数のマイクロカニューレが、特に内部に、第1の治療剤を含む、第1の治療剤を適用するための手段を含むことができる。
【1632】
特に第1の、リザーバは、交換可能であり、かつ/または詰め替え可能であるために構成することができる。
【1633】
医療デバイスは、単回または反復使用のため、好ましくは反復使用のためのものであり得る。それゆえ、医療デバイスおよび/またはリザーバには、例えば、免疫調節性物質、医薬組成物などの治療剤、特に本明細書中に言及される通りの医薬組成物のうちのいずれかが予め充填されていることができる。
【1634】
有利には、医療デバイスを用いることにより、医療デバイスのユーザーが、本明細書中に記載される通りの被験体の炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法の実施形態のうちのいずれか1つのステップ(B)、(B1)および/またはステップ(C)を行なうことが可能になる。
【1635】
第1、第2および/または第3の治療剤は、免疫調節性物質、好ましくはサイトカイン様機能性物質、より好ましくは、インターフェロン様機能性物質、インターロイキン様機能性物質および/または神経栄養因子様機能性物質、さらにより好ましくは、IFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質および/またはIL-2様機能性物質、またさらにより好ましくは、IFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2であり得る。
【1636】
第1の治療剤は、免疫調節性物質、好ましくは第1の免疫調節性物質であり得る。
【1637】
第2の治療剤は、免疫調節性物質、好ましくは第2の免疫調節性物質であり得る。
【1638】
第1の治療剤は、免疫調節性物質、好ましくは第2の免疫調節性物質であり得る。
【1639】
態様に従えば、皮膚コンディショニング部は、好ましくは皮膚の状態を変化させるために、皮膚に対して調整措置を投与するために構成されることができる。
【1640】
調整措置は、被験体の皮膚の、特に表面に対して、調整エネルギーを施すことであり得る。
【1641】
調整措置を施すことは、上記に既に記載される通り、調整エネルギーを施すことおよび/または皮膚コンディショニング剤を投与することを含むことができる。
【1642】
調整エネルギーは、皮膚の状態を変化させるために被験体の皮膚に対して施すことができるエネルギーであり得、このとき、特に、皮膚の状態の変更は、方法ならびに/または本明細書中に記載される通りの治療および/もしくは予防するための方法の実施形態のうちのいずれか1つのステップであり得る。
【1643】
皮膚に対して、調整措置、および特に調整エネルギーを施すために、医療デバイス、および特に皮膚コンディショニング部は、皮膚コンディショニング部を用いて皮膚へと調整措置を施すためにエネルギーを提供するために、皮膚コンディショニング部に電気的にカップリングされているエネルギー源を含むことができる。
【1644】
エネルギー源としては、例えば電気化学的エネルギー源としての、電気エネルギー源;または好ましくは、電池;および/または機械的エネルギー貯蔵;および/または反応熱に基づくエネルギー源;および/または潜熱源が挙げられる。医療デバイスは、交換可能であるエネルギー源を含み、かつ/または、例えば、充電可能な電池としての、再構成可能であるエネルギー源を含むために構成されることができる。
【1645】
有利には、医療デバイスを用いることにより、治療および/また予防するための方法のうちのいずれか1つのステップを行なうことができる。
【1646】
上記で述べた通り、被被験体の皮膚に対する調整措置の投与は、例として、以下の効果をもたらすことができる:
- 皮膚内での毛細血管の拡張;
- 皮膚内での血液量の増加;
- 皮膚内でのsO2の増加および/またはrHbの増加、
- 皮膚上の温度上昇、
さらにより好ましくは、
- 皮膚内での血液量の増加;
- 皮膚内でのsO2の増加および/もしくはrHbの増加、ならびに/または
- 皮膚上の温度上昇。
【1647】
好ましくは、アプリケータ部は、被験体の皮膚の第1領域へと第1の治療剤を適用するために構成されることができ;かつこのとき、皮膚コンディショニング部は、被験体の皮膚の第2領域中で皮膚に対して調整措置の量を施すために構成され;かつこのとき、調整措置および第1の治療剤の付随する投与のために、第1領域が第2領域と近接するか、または少なくとも部分的に重複するように、皮膚コンディショニング部が構成され、かつ/またはアプリケータ部に対して配置される。
【1648】
付随する投与とは、皮膚コンディショニング部およびアプリケータ部の個別の投与が、成功裏に被験体の炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法のうちのいずれか1つを支持し得る様式で、医療デバイスが構成されることを意味し得る。
【1649】
好ましくは、皮膚の第2領域は、本明細書中に記載される方法の実施形態で言及される通りの皮膚領域[a]に対応する。別途言及されない場合、皮膚領域、特に皮膚領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される医療デバイスの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚の第2領域に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。特に、サイズ、形状、重複および/または領域合計について、皮膚領域、特に皮膚領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される医療デバイスの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚の第2領域に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1650】
より好ましくは、皮膚の第2領域は、本明細書中に記載される方法の実施形態で言及される通りの適用領域[a]に対応する。別途言及されない場合、適用領域、特に適用領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される医療デバイスの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚の第2領域に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。特に、サイズ、形状、重複および/または領域合計について、適用領域、特に適用領域[a]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される医療デバイスの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚の第2領域に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1651】
好ましくは、皮膚の第1領域、皮膚の第3領域および皮膚の第4領域は、本明細書中に記載される方法の実施形態で言及される通りの皮膚領域[b]、[b1]および/または[c]に対応する。別途言及されない場合、皮膚領域、特に皮膚領域[b]、[b1]および/または[c]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される医療デバイスの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚の第1領域、皮膚の第3領域および/または皮膚の第4(forth)領域に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。特に、サイズ、形状、重複および/または領域合計について、皮膚領域、特に皮膚領域[b]、[b1]および/または[c]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される医療デバイスの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚の第1領域、皮膚の第3領域および/または第4領域に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1652】
より好ましくは、皮膚の第1領域、皮膚の第3領域および皮膚の第4領域は、本明細書中に記載される方法の実施形態で言及される通りの皮膚領域[b]、[b1]および/または[c]に対応する。別途言及されない場合、適用領域、特に適用領域[b]、[b1]および/または[c]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される医療デバイスの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚の第1領域、皮膚の第3領域および/または皮膚の第4領域に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。特に、サイズ、形状、重複および/または領域合計について、適用領域、特に適用領域[b]、[b1]および/または[c]に関して本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、本明細書中に記載される医療デバイスの実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚の第1領域、皮膚の第3領域および/または第4領域に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1653】
別途言及されない場合、特に本明細書中に記載される通りの方法および/または医学的使用の実施形態のうちのいずれかで、本明細書中に記載される実施形態または定義のうちのいずれかは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医療デバイスに対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1654】
特に、別途言及されない場合、特に方法および/または医学的使用に関して:
免疫調節性物質;第1の免疫調節性物質;第2の免疫調節性物質;第3の免疫調節性物質;サイトカイン様機能性物質;インターフェロン様機能性物質;インターロイキン様機能性物質;神経栄養因子様機能性物質;IFN-γ様機能性物質;IL-2様機能性物質;IL-4様機能性物質;BDNF様機能性物質;サイトカイン;インターフェロン;インターロイキン;神経栄養因子;IFN-γ;IL-2;IL-4;BDNF;IFN-γ様機能性物質;IL-2様機能性物質;IL-4様機能性物質;BDNF様機能性物質;サイトカイン;インターフェロン;インターロイキン;神経栄養因子;IFN-γ;IL-2;IL-4;BDNFなどの免疫調節性物質の投与される量;エネルギー付与手段;加熱手段;調整エネルギー;熱;皮膚コンディショニング剤;治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患;治療および/もしくは予防するための方法;物質および皮膚コンディショニング剤の濃度増加;皮膚領域;適用領域;ならびに/または被験体
について本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義は、医療デバイスに対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1655】
第2の皮膚領域は少なくとも部分的に第1領域を取り囲むことができ、かつ/または第2の皮膚領域は第1の皮膚領域に作動可能に機能的に隣接することができ、かつ/または第2の皮膚領域は、第1領域に対して空間的に機能的に隣接することができる。第2領域の境界は、第1領域の境界に空間的に隣接することができる。
【1656】
第1の皮膚領域は、被験体の炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法で用いられる治療剤に応じて、皮膚領域[b]、[b1]および/または[c]、好ましくは適用領域[b]、[b1]および/または[c]に関連付けられる。
【1657】
第2の皮膚領域は、治療および/または予防するための方法の皮膚領域[a]、好ましくは適用領域[a]に関連付けられる。
【1658】
言い換えれば、医療デバイスは、皮膚コンディショニング部が調整措置を施す領域とは異なる皮膚の領域へと第1の治療剤を投与するために構成されることができ、このとき、互いにある距離に両方の領域があり、個別の投与が上首尾の医学的処置のために医学的方法を支持する様式で、皮膚の両方の領域が、少なくとも部分的に互いに隣接するか、または少なくとも部分的に重複する。
【1659】
皮膚の第2領域へと調整措置を施すために、かつ第1領域へと第1の治療剤を投与するために構成される医療デバイスであって、第1領域と第2領域とは異なり得る医療デバイスは、医療デバイスの使用および/または構成を改善することができる。特に、医療デバイスが被験体の皮膚の表面に位置する場合、医療デバイスは、第2領域が第1領域を少なくとも部分的に包み込むために配置されるように構成されることができる。
【1660】
皮膚との用語は、皮膚の罹患領域を説明するために用いられる。
【1661】
好ましくは、上記で既に議論される通り、本明細書中に記載される通りの方法および/または実施形態のうちのいずれか1つでは、方法のステップ(A)では皮膚は皮膚領域[a]のものであり、方法のステップ(B)では皮膚は皮膚領域[b]のものであり、ステップ(B1)では皮膚は皮膚領域[b1]のものであり、かつ/または方法のステップ(C)では皮膚は皮膚領域[c]のものである。
【1662】
上記に記載される通りの治療および/または予防するための方法のうちのいずれかを支持するために、医療デバイスは、アプリケータ部が、ステップ(B)の皮膚領域[b]および/またはステップ(B1)での皮膚領域[b1]および/またはステップ(C)での皮膚領域[c]に関連付けられる皮膚の第1領域へと第1の治療剤を投与することができるように構成される。
【1663】
追加的または代替的に、医療デバイスは、皮膚コンディショニング部が、ステップ(A)の皮膚領域[a]に関連付けられる被験体の皮膚の第2領域へと調整措置を施すために構成されるように構成される。
【1664】
代替的または追加的に、本明細書中に記載される治療および/もしくは予防するための方法ならびに/または実施形態のうちのいずれか1つでは、ステップ(B)、(B1)および/または(C)は、部分的かつ/または完全に、ステップ(A)が行なわれる皮膚の同じ領域内で行なわれ、医療デバイスはそのように構成される。
【1665】
医療デバイスに関して言及される皮膚領域の定義および/または関連は、本明細書中に記載される通りの被験体の炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法のうちのいずれか1つを取り扱って既に記載されたものと同じである。
【1666】
調整措置および第1の治療剤の付随する投与とは、皮膚の第2領域へと施された調整措置および皮膚の第1領域へと投与された治療剤が有効になる皮膚の共通領域がある様式で、皮膚の第1領域および皮膚の第2領域が、空間的および/または時間的に関連付けられることを意味し得る。特に、調整措置および第1の治療剤の付随する投与とは、医療デバイスの構成により規定される通りの皮膚の第1領域および皮膚の第2領域が、被験体の皮膚内で相乗的に相互作用することができる様式で(in such a way and/or that)、調整措置および第1の治療剤の投与が施されることを意味し得る。
【1667】
好ましくは、医療デバイスは、特にアプリケータ部のメンバーである、第1のアプリケータを含むことができ;かつこのとき、第1のアプリケータは、第1のリザーバと流体カップリングするために構成され;かつこのとき、第1のアプリケータは、皮膚の第1領域へと第1の治療剤を投与するために構成される。
【1668】
好ましくは、医療デバイスは、第1のリザーバから第1のアプリケータへと第1の治療剤を提供するために構成される第1の薬剤アクチュエータを含むことができ、かつ好ましくは、第1の薬剤アクチュエータは、被験体の皮膚へと第1の治療剤を投与するために構成される。
【1669】
好ましくは、医療デバイスは、第2の治療剤を保存するために構成される第2のリザーバを含むことができ;かつこのとき、第2のリザーバは、第1の皮膚領域へと第2の治療剤を投与するために、第1のアプリケータに流体カップリングするために構成され;かつこのとき、皮膚コンディショニング部は、調整措置および第2の治療剤の付随する適用のために、第1領域が皮膚の第2領域に近接するか、または少なくとも部分的に重複するように、第1のアプリケータに対して構成され;かつこのとき、皮膚コンディショニング部および第1のアプリケータは、被験体の皮膚に対して第2の治療剤の量および調整措置の量と共に第1の治療剤の量を投与するために協働的に相互作用するために構成される。
【1670】
有利には、第1および第2のリザーバを含む医療デバイスは、第1の治療剤を投与するためのステップ;および第2の治療剤を投与するためのステップを含む医学的方法を支持することができる。第2の治療剤を投与するためのステップは、被験体の炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法のステップ(B1)または(C)であり得る。
【1671】
好ましくは、医療デバイスは、特にアプリケータ部のメンバーである、第2の治療剤を収容するために構成される第2のリザーバ;および特にアプリケータ部のメンバーである、第2のアプリケータを含むことができ;かつこのとき、第2のアプリケータは、第2のリザーバと流体カップリングするために構成され、かつ第2のアプリケータは、皮膚の第3領域へと第2の治療剤を投与するために構成され;かつこのとき、皮膚コンディショニング部は、調整措置および第1の治療剤および第2の治療剤の付随する適用のために、皮膚の第1領域および皮膚の第3領域が皮膚の第2領域に近接するか、または少なくとも部分的に重複するように、第1のアプリケータおよび第2のアプリケータに対して構成され;かつこのとき、皮膚コンディショニング部および第1のアプリケータおよび第2のアプリケータは、第2の治療剤の量、調整措置の量と共に第1の治療剤の量を投与するために協働的に相互作用するために構成される。
【1672】
有利には、複数のリザーバにより、例えば、複数の治療剤が1つのリザーバ内に保存される際に安定でない場合、かつ/または複数の薬剤が混合可能でないかもしくは相互に混和性でない場合、かつ/または一緒に混合される際に複数の薬剤が適用に対して特定の医学的承認を必要とするであろう場合に、かつ/または複数の物質のうちの少なくとも2種が保存中に相互作用することを予防するために、複数の治療剤を皮膚へと提供することができる。
【1673】
好ましくは、医療デバイスは、特にアプリケータ部のメンバーである、第3の治療剤を収容するために構成される第3のリザーバ;および特にアプリケータ部のメンバーである、第3のアプリケータを含むことができ;かつこのとき、第3のアプリケータは、第3のリザーバと流体カップリングされ、かつ第3のアプリケータは、第3の治療剤を投与するために皮膚の第4領域に直接的に接触するために構成され;かつこのとき、皮膚コンディショニング部は、調整措置および第1の治療剤および第2の治療剤および第3の治療剤の付随する適用のために、皮膚の第1領域および皮膚の第3領域および皮膚の第4領域が皮膚の第2領域に近接するか、または少なくとも部分的に重複するように、第1のアプリケータおよび第2のアプリケータおよび第3のアプリケータに対して構成され;かつこのとき、皮膚コンディショニング部および第1のアプリケータおよび第2のアプリケータおよび第3のアプリケータは、第2の治療剤の量、第3の治療剤の量、調整措置の量と共に第1の治療剤の量を投与するために協働的に相互作用するために構成される。
【1674】
好ましくは、第1のアプリケータ、および/または第2のアプリケータ、および/または第3のアプリケータは、それぞれ、皮膚の第1領域、および/または皮膚の第3領域、および/または皮膚の第4領域の層へと、それぞれ、第1の治療剤、および/または第2の治療剤、および/または第2の治療剤を投与するために、それぞれ、第1の針注入部、および/または第2の針注入部、および/または第3の針注入部を含むことができる。
【1675】
個別の注入部は、個別のシリンジ針注入部を含むことができ、かつ好ましくは、医療デバイスは、個別の針注入部および/または圧力注入部を用いる皮膚の流入の深さが調節可能であるように、個別のアプリケータを用いて構成されることができる。
【1676】
代替的または追加的に、個別の針注入部は、特にマイクロニードルアレイとして構成される、複数のカニューレ、特に20~50個のカニューレの数を含むことができる。
【1677】
好ましくは、第1のアプリケータ、および/または第2のアプリケータ、および/または第3のアプリケータは、それぞれ、皮膚の第1領域、および/または皮膚の第3領域、および/または皮膚の第4領域の層へと、それぞれ、第1の治療剤、および/または第2の治療剤、および/または第3の治療剤を投与するために、それぞれ、第1の局所利用部、および/または第2の局所利用部、および/または第3の局所利用部を含むことができ、このとき、第1の治療剤、および/または第2の治療剤、および/または第3の治療剤は、局所用剤型として製剤化される。
【1678】
好ましくは、第1のアプリケータ、および/または第2のアプリケータ、および/または第3のアプリケータは、それぞれ、皮膚の第1領域、および/または皮膚の第3領域、および/または皮膚の第4領域へと、それぞれ、第1の治療剤、および/または第2の治療剤、および/または第3の治療剤を投与するために、それぞれ、第1の圧力注入部、および/または第2の圧力注入部、および/または第3の圧力注入部を含む。
【1679】
有利には、複数の注入部により、例えば、複数の治療剤が1つのリザーバ内に保存される際に安定でない場合、かつ/または複数の薬剤が混合可能でない場合、かつ/または一緒に混合される際に複数の薬剤が適用に対して特定の医学的承認を必要とするであろう場合に、複数の治療剤を複数のアプリケータにより皮膚へと提供することができる。
【1680】
好ましくは、個別のアプリケータは、それぞれ、針注入部および/または局所適用部および/または圧力注入部が、特にデバイスに対する衛生要件のために、交換可能であるように構成される。
【1681】
好ましくは、個別の針注入部および/または圧力注入部は、
個別の皮膚の領域に対して垂直な針注入部により;かつ/もしくは個別の皮膚の領域に対して垂直な圧力注入部により、個別の治療剤の量を注入するために;かつ好ましくは、皮膚に対して鋭角(acute angel)で針注入部により個別の治療剤の量を注入するためであって、このとき、さらに好ましくは、鋭角は、5度以上~90度以下を含むために;かつ/または好ましくは、皮膚に対して鋭角で圧力注入部により個別の治療剤の量を注入するためであって、このとき、さらに好ましくは、鋭角は、30度以上~90度以下を含むために構成される。
【1682】
好ましくは、個別のアプリケータ部および/または個別のアプリケータおよび/または個別の針注入部は、皮膚の特定の層へと個別の治療剤を注入するために、選択された深さまで皮膚に穿通するために構成される。
【1683】
好ましくは、個別のアプリケータ部および/または個別のアプリケータおよび/または個別の針注入部は、設定可能な皮膚内での選択された深さへと被験体の皮膚を穿通するために構成される。
【1684】
好ましくは、個別のアプリケータは、選択された深さまで被験体の皮膚を穿通するために、圧力注入部および/または針注入部を駆動するための個別のアプリケータアクチュエータを用いて構成され、このとき、特に、個別のアプリケータアクチュエータは、圧力注入部および/または針注入部の穿通深さに関して設定可能である。
【1685】
穿通深さが設定可能である場合、例えば、皮膚の厚さは異なる被験体に対しては異なるので、医療デバイスは、医療デバイスを操作する異なる被験体のニーズに適応することができる。
【1686】
好ましくは、個別のアプリケータは、個別の針注入部および/または局所利用部および/または圧力注入部を含むために構成され;このとき、特に、個別の針注入部および/または局所利用部および/または圧力注入部は、交換可能に構成される。
【1687】
上記で言及される通りの各部の交換可能性は、衛生指針に容易に従うことを可能にする。
【1688】
好ましくは、アプリケータ部および皮膚コンディショニング部は、1個の一体部として構成され、特に共通の筐体により包み込まれる。
【1689】
好ましくは、筐体の形態および/または輪郭および/または寸法は、把持障害を有する人々の使用のために構成される。例えば、筐体は、卓上での使用を可能にするために嵩高く形成することができ、かつ/または筐体は、胴回りを有して形成することができ、このとき、胴回り(waste)の直径は3cm未満または3cmを含み、かつ/または筐体の形態は、指を閉じることができず、かつ/もしくは1を形づくることができない被験体の使用を考慮することができる。
【1690】
好ましくは、調整措置の投与は、
- 調整エネルギーを施すステップ;および/または
- 皮膚コンディショニング剤を投与するステップ
を含む。
【1691】
有利には、これにより、医療デバイスは、特定のニーズおよび/または医療デバイスを操作する異なる被験体に適応することができる。
【1692】
好ましくは、調整エネルギーを施すステップとは、皮膚の第2領域へと調整エネルギーの量を施すこと;および/または皮膚コンディショニング剤の投与を含む、皮膚の第2領域へと局所用剤型の量を投与することを意味し得る。
【1693】
有利には、これにより、医療デバイスは、特定のニーズに適応することができる。
【1694】
好ましくは、皮膚コンディショニング部は、調整措置を投与するために、皮膚の第2領域に接触するために構成され;かつ皮膚の第2領域へと熱を伝達するために構成される、熱源部;および/または
調整措置を施すために、第2領域へと光、それぞれIR光を与えるために構成され;かつ皮膚の第2領域へと個別の光を伝達するために構成される、電磁放射源部、好ましくは、赤外線(IR)光源部;および/または調整措置を施すために、皮膚動揺のために皮膚の第2領域に接触するために構成され;かつ皮膚の第2領域へと動揺を機械的に伝達するために構成される、特に機械的、皮膚動揺部であり得る。
【1695】
有利には、異なる皮膚コンディショニング部の使用により、医療デバイスは、被験体の特定のニーズに適応することができる。特に、医療デバイスが異なる皮膚コンディショニング部に関して適応可能であるために構成される場合、これは互いに交換することができる。
【1696】
好ましくは、医療デバイスの皮膚コンディショニング部、特に加熱部は、交換可能であるために構成される。
【1697】
交換可能な加熱部を用いて、調整措置の投与は、異なる量の調整措置が投与される、異なる加熱部を用いることによる特定のニーズに適応することができる。
【1698】
好ましくは、医療デバイスは、
- 皮膚の状態の変更を制御するために;かつ/または
- 皮膚とのアプリケータ部の近接をモニタリングするために、被験体の皮膚へと第1の治療剤および/もしくは調整措置の投与を制御するために、
皮膚との皮膚コンディショニング部の近接をモニタリングするための接触検出手段を含むことができる。
【1699】
有利には、接触検出手段は、医療デバイスが医療デバイスの正しく、かつ安全な稼働を制御することを可能にし得る。
【1700】
接触検出手段は、関連する治療剤を注入するための医療デバイスの準備状態を検証および/またはモニタリングおよび/または検出することができる。他のセンサーデバイスは、皮膚中への注射針の穿通をモニタリングし、かつ皮膚中への注入量の実行を制御することができる。
【1701】
接触検出手段は、被験体の皮膚の近接を検出するために、医療デバイスの基板内に配置することができる。
【1702】
医療デバイスは、医療デバイスが皮膚上に正しく置かれた場合に信号を生成するために構成することができる。皮膚中への注射針の安全かつ正確な穿通は、好ましくは、針と皮膚の表面との間のインピーダンスに関する値を決定する、インピーダンス測定を用いて行なうことができる。代替的または追加的に、皮膚中への針の注入は、赤外線(lR)センサーにより制御することができる。
【1703】
好ましくは、接触検出手段の機能性は、
- 電気的検出原理;および/もしくはインピーダンス検出手段;ならびに/または
- 容量検出手段;および/もしくは機械的検出原理
に基づく。
【1704】
皮膚との医療デバイスの接触のこの制御は、使用中の医療デバイスの取り扱いの安全性を増大させることができる。
【1705】
好ましくは、医療デバイスは、皮膚の表面温度を測定することにより、皮膚に対して施された調整措置の量を決定するための温度センサーを含むことができ;かつこのとき、特に、皮膚コンディショニング部は、温度センサーを含む。
【1706】
有利には、特に皮膚への調整措置の完全な投与を検証するために調整措置の量を検出することができるので、温度センサーは、皮膚コンディショニング部とアプリケータ部との協働的相互作用を可能にし得る。
【1707】
好ましくは、医療デバイスは、第2のリザーバから第2のアプリケータへと第2の治療剤を提供するために構成される第2の薬剤アクチュエータ;および/または第3のリザーバから第3のアプリケータへと第3の治療剤を提供するために構成される第3の薬剤アクチュエータを含むことができる。
【1708】
特に、アクチュエータが電気的に駆動される場合、医療デバイスの使用は、有利に簡潔かつ容易である。
【1709】
有利には、複数のリザーバにより、例えば、複数の治療剤が1つのリザーバ内に保存される際に安定でない場合、かつ/または複数の薬剤が混合可能でない場合、かつ/または一緒に混合される際に複数の薬剤が適用に対して特定の医学的承認を必要とするであろう場合に、複数の治療剤を複数のアプリケータにより皮膚へと提供することができる。
【1710】
好ましくは、第1および/または第2および/または第3のアクチュエータは、同じアクチュエータであり得る。
【1711】
特に、アクチュエータは、手動アクチュエータであり得る。
【1712】
好ましくは、医療デバイスは、第1投与部、および/または第2投与部、および/または第3投与部を含むことができ、このとき、第1投与部、および/もしくは第2投与部、および/もしくは第3投与部は、それぞれ、第1のアプリケータ、および/もしくは第2のアプリケータ、および/もしくは第3のアプリケータにカップリングされ;かつ/または特に第1投与部、および/もしくは第2投与部、および/もしくは第3投与部は、それぞれ、第1の薬剤アクチュエータ、および/もしくは第2の薬剤アクチュエータ、および/もしくは第3の薬剤アクチュエータにカップリングされ;かつ/または第1投与部、および/もしくは第2投与部、および/もしくは第3投与部は、それぞれ、第1のリザーバ、および/もしくは第2のリザーバ、および/もしくは第3のリザーバにカップリングされ、このとき、個別の投与部は、皮膚の個別の領域へと、それぞれ特定された量の第1の治療剤、および/または第2の治療剤、および/または第3の治療剤を投与するために構成される。
【1713】
好ましくは、個別のアプリケータ部は、特定される量の個別の治療剤を皮膚へと投与するために構成されることができ、個別の治療剤の特定される量は、特に投与部を用いて、設定可能である。
【1714】
好ましくは、医療デバイスは、個別の治療剤の特定される量を設定するために、特に個別の投与部を用いて構成されることができ;かつ/または医療デバイスは、個別の針注入部および/もしくは個別の圧力注入部を用いて、被験体の皮膚の穿通の深さを設定するために、特に個別のアプリケータを用いて構成され;かつ/または医療デバイスは、調整措置を施すために特定される量を設定するために構成される。
【1715】
有利には、個別の量の設定は、特定の被験体のニーズに関して、治療および/または予防するための方法を適応および/または規定するために医療デバイスを構成することを可能にする。
【1716】
好ましくは、医療デバイスは、個別の針注入部および/もしくは圧力注入部を用いて、被験体の皮膚の穿通の特定される深さを、医療デバイスの格納領域内に格納し;かつ/または医療デバイスが用いられる度に投与される個別の治療剤の特定される量を、医療デバイスの格納領域内に格納するために構成され;かつ/あるいはこのとき、好ましくは、医療デバイスは、許可された被験体のみに対して個別の格納されたデータの改変のための格納領域へのアクセスを保護するために構成される。
【1717】
有利には、格納領域のアクセスは、正確な特定される量が医療デバイスにより提供されることを確実にするために、例えば、秘密鍵を用いて、かつ/またはアクセス制限を用いて、外部デバイスの特定のユーザーに対して特異的に制限することができる。
【1718】
好ましくは、医療デバイスは、外部デバイスを用いて、個別の針注入部および/または個別の圧力注入部によって、個別の治療剤を投与するために特定される量を設定するために;かつ/または調整措置を施すために特定される量を設定するために;かつ/または被験体の皮膚の穿通の個別の特定される深さを設定するために、特にBluetooth規格に基づいて、信号カップリングを可能にするための、外部デバイスとの医療デバイスの無線カップリングのための手段を含むことができる。
【1719】
有利には、これにより、特定される量を変化させるための医療デバイスに対するアクセスは、医師に対して排他的であり得る。
【1720】
好ましくは、無線カップリングのための手段は、特定の外部デバイスに対して、かつ/または外部デバイスの特定のユーザーに対して制限される、無線カップリングを介する外部デバイスによるアクセスを与えるために構成されることができる。
【1721】
好ましくは、第1のリザーバ、および/または第2のリザーバ、および/または第3のリザーバが置き換え可能であり;かつ好ましくは、第1のリザーバ、および/または第2のリザーバ、および/または第3のリザーバが、カルプーレ(capule)またはカートリッジまたはシリンジまたはアンプルまたはバイアルまたは注入可能剤型、好ましくは本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型として具現化されるように、医療デバイスが構成されることができる。
【1722】
このことは、医療デバイスが、本明細書中に既に記載される異なる注入可能剤型を保存することを可能にする。
【1723】
好ましくは、第1のリザーバ、および/または第2のリザーバ、および/または第3のリザーバならびにしたがって医療デバイスは、個別の治療剤に関して詰め替え可能であるために構成されることができる。
【1724】
有利には、詰め替え可能な個別のリザーバは、被験体が、劣化せずに保存することができる量で必要な医薬品を提供されることを可能にする。用いられる治療剤が乏しい安定性を有する場合に、このことは特に重要である。代替的または追加的に、医療デバイスは、医療デバイスの電動シリンジの使用により、個別のリザーバを詰め替えるために構成されることができる。
【1725】
好ましくは、第1のリザーバ、および/または第2のリザーバ、および/または第3のリザーバならびにしたがって医療デバイスは、それぞれの個別の治療剤の構成成分を別個に保存するために、マルチコンパートメント型のカルプーレ、および/またはカートリッジ、および/またはシリンジ、および/またはアンプル、および/またはバイアル、および/または注入可能剤型、好ましくは本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型であるために構成されることができる。
【1726】
そのようなマルチコンパートメント型の個別のリザーバは、粉砕された物質に対して与えられることができる流体、特に水を含むために構成されることができ、このとき、特に、粉砕された物質が製薬上許容される溶媒の使用により物質の凍結乾燥形態を溶解または再調製するために溶媒中に溶解されることができるように、粉砕された物質は、凍結乾燥形態にある。
【1727】
言い換えれば、カルプーレ、および/またはカートリッジ、および/またはシリンジ、および/またはアンプル、および/またはバイアル、および/または注入可能剤型、好ましくは本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの注入可能剤型は、2チャンバー構成であるために構成されることができる。このとき、医療デバイスは、個別のリザーバの異なるタイプのうちの少なくとも1つを用いて操作するために好適であるために構成される。
【1728】
好ましくは、医療デバイスは、皮膚コンディショニング部を用いて皮膚の第2領域へと調整措置を生成し、かつ/または施すために調整エネルギーを与えるために、皮膚コンディショニング部に少なくともカップリングされることができるエネルギー源を含むことができる。
【1729】
エネルギー源は、医療デバイスの異なるサブモジュールを駆動するための電気的エネルギー源であり得る。代替的または追加的に、エネルギー源は、電気的エネルギーおよび/もしくは反応熱および/もしくは潜熱および/もしくは電気化学的エネルギーであり、かつ/または好ましくは予め組み込まれるために構成されるスプリングを用いて、機械的エネルギーを開始させることができる。有利には、エネルギー源は、アクチュエータを駆動するために、かつ/または個別の治療剤の投与のために、用いることができる。
【1730】
好ましくは、医療デバイスは、好ましくは、皮膚の第1領域へと治療剤を投与するためのデバイスの使用を制御するために、皮膚コンディショニング部とアプリケータ部との協働的相互作用の開始時、および/または皮膚コンディショニング部とアプリケータ部との協働的相互作用の最中、および/または皮膚コンディショニング部とアプリケータ部との協働的相互作用の終了時に、信号を生成するために構成される、信号生成器を含むことができる。
【1731】
医療デバイスの適用のために、ユーザーは、医療デバイスの適正な使用および/または不完全な実行に関するフィードバックを得る。
【1732】
信号生成器が、例えば棒グラフとしてユーザーインターフェースを用いて信号を表示する場合、棒グラフでのバーの数は、治療および/または予防するための方法のステップを実行する進行について、医療デバイスのユーザーに知らせることができる。代替的または追加的に、信号生成器は、医学的方法の経過のカウントダウンを表示することができる。
【1733】
好ましくは、信号生成器は、光信号、および/または音響信号、および/または無線信号を生成するために構成されることができる。
【1734】
有利には、医療デバイスにより提供される信号は、被験体による医療デバイスの安全かつ適正な取り扱いを増加させることができる。
【1735】
好ましくは、信号生成器は、上記に記載される通りの接触検出手段がそれにより皮膚との皮膚コンディショニング部の緩い近接を検出する場合に信号を生成するために構成されることができ;かつ/または信号生成器は、上記に記載される通りの接触検出手段がそれにより皮膚とアプリケータ部の緩い近接を検出する場合に信号を生成するために構成される。
【1736】
好ましくは、接触検出手段は、皮膚コンディショニング部および/またはアプリケータ部もまた皮膚と接触するためにそこに(were)位置する、医療デバイスの基板中に位置することができる。
【1737】
代替的または追加的に、信号生成器は、方法のステップが正しく行なわれ、かつ/またはエラーが起こった場合に、信号を生成するために構成されることができる。
【1738】
好ましくは、医療デバイスは、デバイスを用いた調整措置の量と共に、それぞれ、第1の治療剤、および/または第2の治療剤、および/または第3の治療剤の量の協働的に相互作用した投与を活性化するための、デバイスの外側から操作することができるトリガーを含むことができる。
【1739】
例えば、これは、皮膚の表面の上部で医療デバイスが適正に取り扱われることを接触検出手段が検証する場合に協働的相互作用によって医療デバイスを開始させることを可能にする、電源スイッチであり得る。
【1740】
好ましくは、医療デバイスは、治療的使用のために、皮膚領域のうちのいずれか、好ましくは第2の皮膚領域上での、好ましくは除去可能なマークの適用のためのマーカー部を含むことができる。
【1741】
治療および/または予防するための方法の実行中に中断または中止がある場合、生じる除去可能なマークは、皮膚の同じ領域で方法の残余のステップおよび/または時間および/または一部分を実行することにより、方法を継続するために用いることができる。あるいは、生じる除去可能なマークを用いて、方法はまた、別のデバイスによっても継続されることができる。代替的または追加的に、除去可能なマークを用いることにより、医療デバイスを用いて皮膚の同じ領域で、方法を繰り返すことができ、かつ/または方法のうちの一部分を繰り返すことができる。
【1742】
好ましくは、医療デバイスは、各部の滅菌のために、針注入部および/または圧力注入部および/または局所投与部に影響を与えるために構成される放射源を含むことができ、このとき、好ましくは、放射源は紫外(UV)線に対する供給源である。
【1743】
有利には、滅菌のための放射源を含む医療デバイスは、医学的使用に対する医療デバイスの滅菌状態を改善し得る。
【1744】
好ましくは、第1の治療剤、および/または第2の治療剤、および/または第3の治療剤は免疫調節性物質であり得、このとき、特に、第1の治療剤および第2の治療剤および第3の治療剤は、異なる治療剤、好ましくは異なる免疫調節性物質である。
【1745】
態様に従えば、医療デバイスは、医療デバイスの皮膚コンディショニング部がアプリケータ部から着脱可能であるために構成されることができ、かつ皮膚コンディショニング部がアプリケータ部とは独立して動作するために構成されることができるように、構成されることができる。
【1746】
医療デバイスのこの構成は、分離されている皮膚コンディショニング部の使用により皮膚へと調整措置を施すために、皮膚コンディショニング部をアプリケータ部から機械的かつ/または電気的に切り離すことにより、医療デバイスの皮膚コンディショニング部をアプリケータ部(application unit)から空間的に分離することを可能にする。
【1747】
有利には、生じる医療デバイスの異なる部分を別個に用いることができ、かつ/または生じる異なる部分は、保存を最適化するために異なる環境で保存することができる。
【1748】
被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用に対して好適であるために構成することができる、医療デバイスが提案される。
【1749】
有利には、治療および/または予防するための方法での使用に対して好適である医療デバイスが実行することが可能である場合、被験体は、容易かつ安全な様式で方法を行なうことができる。
【1750】
上記で既に述べた通り、
- アプリケータ部;および
- 皮膚コンディショニング部;および
- 任意により、免疫調節性物質を含むリザーバ
を含むことができる、キット(V)が提案される。
【1751】
好ましくは、リザーバは、アプリケータ部に流体カップリングするために構成され;かつこのとき、皮膚コンディショニング部および/またはアプリケータ部は、皮膚コンディショニング部を用いた調整措置の量と共に、アプリケータ部を用いて第1の治療剤の量を被験体の皮膚へと投与するために協働的に相互作用するために機械的かつ/または電気的にカップリングされるために構成される。
【1752】
有利には、医療デバイスの異なる構成成分に対する保存条件を最適化するために、個別の治療剤を医療デバイスの残部とは異なる様式で保存することができるので、キットは、医療デバイスが被験体へと受け渡された直後に、被験体が医療デバイスを用いることを可能にする。個別の治療剤の劣化を理由として、かつ/または例えば、注射針の脆弱な滅菌状態を理由として、かつ/または例えば、電池もしくは蓄電池などのエネルギー源を保存するための至適条件を考慮するために、このことは特に重要であり得る。例えば、電池などのエネルギー源を含むことができるアプリケータ部は、充電することができるかまたは寒さから保護することができ、治療剤を含む皮膚コンディショニング部は、冷所中で別個に保存することができる。
【1753】
有利には、医療デバイスは、保存の環境の至適条件に従って異なる各部を保存するために、医療デバイスの皮膚コンディショニング部を上記に記載される通りのアプリケータ部から着脱可能に構成されることができるように構成される。
【1754】
好ましくは、キットは、さらなる免疫調節性物質を含むさらなるリザーバを含む。
【1755】
好ましくは、キットはアプリケータをさらに含み、このとき、好ましくは、アプリケータは、シリンジおよび/または注射針および/またはマイクロニードルアレイを含む。
【1756】
別途言及されない場合、医療デバイスの実施形態のうちのいずれかで本明細書中に記載されるアプリケータ部、皮膚コンディショニング部、リザーバおよび/または免疫調節性物質のいずれかの実施形態または定義は、キット(V)に関して言及される通りのアプリケータ部、皮膚コンディショニング部、リザーバおよび/または免疫調節性物質に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1757】
好ましくは、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での使用に対して好適である、医療デバイスおよび/またはキット(V)は、方法の以下のステップを行なうために好適である:
ステップ(A)であって、以下のステップのうちの1以上から選択され、ステップのうちの少なくとも1つは、医療デバイスおよび/またはキット(V)の皮膚コンディショニング部を用いて実行される、ステップ(A):
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO2の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対してエネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ、
かつ該方法は、以下のステップをさらに含み、ステップのうちの少なくとも1つは、医療デバイスの医療デバイスおよび/またはキット(V)のアプリケータ部を用いて実行される:
(B) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ、および/または
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ。
【1758】
ステップ(A)であって、以下のステップのうちの1以上から選択され、ステップのうちの少なくとも1つは、医療デバイスおよび/またはキット(V)の皮膚コンディショニング部を用いて実行される、ステップ(A):
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせるステップ;
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO2の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHbの増加を生じさせるステップ;
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;
(A-6) 被験体の皮膚に対してエネルギーを施すステップ;
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMCを投与するステップ
を含む、被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での本明細書中に記載される通りの医療デバイスのうちのいずれか1つおよび/またはキット(V)のうちのいずれかの使用が提案され、
該方法は、以下のステップをさらに含み、ステップのうちの少なくとも1つは、医療デバイスおよび/またはキット(V)のアプリケータ部を用いて実行される:
(B) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ、および/または
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ。
【1759】
有利には、治療および/または予防するための方法を行なうために医療デバイスおよび/またはキット(V)を用いることにより、被験体が容易かつ安全に方法を行なうことが可能になる。
【1760】
図20は、皮膚コンディショニング部110およびアプリケータ部120を有する医療デバイス100の第1の実施形態のブロック図を模式的に示す。皮膚コンディショニング部110およびアプリケータ部120は、例えば、被験体の皮膚102に対して機能するために、皮膚コンディショニング部110およびアプリケータ部120の協働的に相互作用するカップリングにより構成される。
【1761】
図21は、皮膚コンディショニング部110およびアプリケータ部120を含む医療デバイス100の第2の実施形態のブロック図を模式的に示す。
【1762】
皮膚コンディショニング部110およびアプリケータ部120は、皮膚102へと、皮膚コンディショニング部110の一部分である熱源部112を用いた調整措置の量と共に、第1のアプリケータ126を用いてアプリケータ部120の第1のリザーバ121中に保存される第1の治療剤の量を投与するために、皮膚コンディショニング部110の一部分である制御部132を用いて、協働的に相互作用するために構成される。したがって、制御部132は、熱源部112およびアプリケータ部120および第1のアプリケータ126にカップリングされる。第1のリザーバ121は、第1のアプリケータ126に流体カップリングされる。
【1763】
図22は、皮膚コンディショニング部110およびアプリケータ部120を有する医療デバイス100の第3の実施形態のブロック図を模式的に示す。皮膚コンディショニング部110およびアプリケータ部120は、皮膚コンディショニング部110の熱源部112を用いた調整措置の量と共に、第1のアプリケータ126を用いて第1のリザーバ121内に保存される第1の治療剤の量を投与するために、制御部132を用いて、協働的に相互作用するために構成される。制御部132は、熱源部112およびアプリケータ部120ならびに第1のアプリケータ126の作動のために第1のアプリケータ126にカップリングされるアプリケータアクチュエータ127にカップリングされる。
【1764】
医療デバイス100の第1のリザーバ121は、第1の治療剤を保存するために構成される。第1のリザーバ121は、第1のリザーバ121のアクチュエータ122にカップリングされ、このとき、アクチュエータ122は、第1のアプリケータ126への第1の治療剤の提供を制御するために、制御部132にカップリングされる。さらに、アプリケータ部120は、第1のアプリケータ126を用いて皮膚102へと第1の治療剤を投与するために構成され、このとき、アプリケータ部120の第1のアプリケータ126は、アプリケータ部120の第1のリザーバ121に流体カップリングされる。第1のアプリケータ126は、アプリケータアクチュエータ127にカップリングされ、このとき、アプリケータアクチュエータ127は、皮膚へと第1の治療剤を投与するために第1のアプリケータ126を作動させるために構成される。
【1765】
図23は、好ましくは皮膚102の状態を変化させるために、皮膚102へと調整措置を適用するために構成される皮膚コンディショニング部110、およびアプリケータ部120を含む医療デバイス100の第4の実施形態のブロック図を模式的に示す。
【1766】
皮膚コンディショニング部110およびアプリケータ部120は、皮膚コンディショニング部110の熱源部112を用いた調整措置の量と共に、第1のアプリケータ126を用いて第1のリザーバ121内に保存される第1の治療剤の量を投与するために、制御部132を用いて、協働的に相互作用するために構成される。熱源部112は、皮膚102の第2領域に対して熱を与えるために構成される。
【1767】
制御部132は、医療デバイス100のコントローラ130にカップリングされ、かつそれにより制御されることができる。制御部132は、皮膚コンディショニング部110を用いた調整措置の量と共に、アプリケータ部120を用いて第1の治療剤の量で被験体の皮膚102へと第1の治療剤を投与するための皮膚コンディショニング部とアプリケータ部との協働的相互作用のために、熱源部112およびアプリケータ部120に、ならびに第1のアプリケータ126にカップリングされるアプリケータアクチュエータ127に、ならびに投与部123にカップリングされる。
【1768】
制御部132は、皮膚に投与される第1の治療剤の量を制御するために構成される、投与部123を用いてアクチュエータ122にカップリングされる。したがって、投与部123は第1のリザーバ121のアクチュエータ122にカップリングされ、かつ第1のリザーバ121にカップリングされることができ、このとき、アクチュエータ122は、第1のアプリケータ126への第1の治療剤の提供を制御するために、制御部132にカップリングされる。
【1769】
皮膚コンディショニング部110の一部分であり得るエネルギー源118は、熱源部112にカップリングされ、このとき、エネルギー源118は、熱源部112を用いて熱を生成するために、かつ/または制御部132および/もしくはコントローラ130を駆動するためのエネルギーを提供するために、エネルギーを提供するために構成される。エネルギー源118はまた、調整エネルギーを与えるために、アクチュエータ122に、およびアプリケータアクチュエータ127に、および投与部123にもカップリングされることができる。
【1770】
医療デバイス100の第1のリザーバ121は、第1の治療剤を保存するために構成される。第1のリザーバ121はアクチュエータ122にカップリングされ、このとき、アクチュエータ122は、第1のアプリケータ126への第1の治療剤の提供を制御するために、投与部123を介して制御部132にカップリングされる。さらに、アプリケータ部120は、第1のアプリケータ126を用いて皮膚102へと第1の治療剤を投与するために構成され、このとき、アプリケータ部120の第1のアプリケータ126は、アプリケータ部120の第1のリザーバ121に流体カップリングされる。第1のアプリケータ126は、アプリケータアクチュエータ127にカップリングされ、このとき、アプリケータアクチュエータ127は、皮膚の第1領域に第1の治療剤を投与するために第1のアプリケータ126を作動させるために構成される。アプリケータアクチュエータ127は、被験体の皮膚への第1の治療剤の投与を制御するために、制御部132にカップリングされる。
【1771】
さらに、加熱部112を用いて、皮膚コンディショニング部110は、調整措置と第1の治療剤との付随する投与のために、第1領域が第2領域に近接するか、または少なくとも部分的に重複するように、第1のアプリケータ126を用いて、アプリケータ部120に対して構成される。
【1772】
図24は、
図23に関して示され、かつ説明される第4の実施形態に対応する、医療デバイス100の第5の実施形態のブロック図を模式的に示す。
【1773】
第4の実施形態に加えて、第5の実施形態は、コントローラ130にカップリングされる、皮膚102の表面との皮膚コンディショニング部110の近接をモニタリングするための、皮膚コンディショニング部110の一部分である接触検出手段114を模式的に示す。これにより、コントローラ130は、その上、協働的相互作用中の医療デバイス100の正しい取り扱いとしても、被験体の皮膚102へと第1の治療剤を投与するために、皮膚コンディショニング部とアプリケータ部との協働的相互作用を制御することができる。加えて、医療デバイス100の第5の実施形態は、トリガー119を含み、このとき、トリガー119は、調整措置の量と共に第1の治療剤の量を被験体の皮膚へと投与するために、皮膚コンディショニング部110とアプリケータ部120との協働的相互作用を開始させるために構成され、このとき、この場合の調整措置は、加熱部112を用いる皮膚への熱の投与である。したがって、トリガー119はコントローラ130にカップリングされ、このとき、コントローラ130は制御部132にカップリングされる。加えて、トリガー119は、特に、医療デバイス100が被験体により正しく取り扱われない場合に、協働的相互作用を中断するために、接触検出手段114にカップリングされることができる。
【1774】
医療デバイス100の第5の実施形態はまた、針注入部を含むことができる第1のアプリケータ126により被験体の皮膚102の穿通の特定される深さを設定するために、かつ/または皮膚102へと第1の治療剤を投与するための特定される量を設定するために、かつすべてが皮膚102に対する調整措置の特定される量を設定するために、外部デバイスとの信号カップリングを可能にするためのコントローラ130にカップリングされる無線カップリング手段116も含むことができる。
【1775】
図25は、第6の実施形態としての医療デバイス100を模式的に示す。
【1776】
医療デバイス100は、加熱部112を用いて被験体の皮膚102と直接的に接触させられることができる皮膚コンディショニング部110を含み、かつアプリケータ部120を含む。
【1777】
医療デバイス100が皮膚102に対して熱の形態での調整措置を適用するための作動位置にある場合、加熱部112は、皮膚102の第2領域と接触している。皮膚102の第2領域は、本明細書中では、加熱部112と皮膚102との間の接触領域により規定される。
【1778】
加熱部112は、好ましくは皮膚102の状態を変化させるために、皮膚102に対して熱の形態での調整措置を適用するために構成される。
【1779】
皮膚コンディショニング部110は、被験体により医療デバイス100を操作するためのハンドル200により提供される。
【1780】
皮膚コンディショニング部110は、皮膚102との皮膚コンディショニング部110の近接をモニタリングするために皮膚コンディショニング部110のコントローラ130へと信号カップリング602されている、接触検出手段114を用いて皮膚の表面との加熱部112の直接的な接触をモニタリングするために構成される。
【1781】
接触検出手段114は、電気スイッチの機能性を用いて実装することができ、ここで、電気スイッチのスイッチ操作レバーは、皮膚コンディショニング部110が加熱部112を用いて皮膚102の表面に正しく接触している場合に始動されるために構成され、かつ皮膚コンディショニング部110に位置する。
【1782】
皮膚コンディショニング部110は、医療デバイス100が皮膚102の表面の上部で作動位置にある場合に、アプリケータ部120が皮膚102に対して垂直な方向へと移動することを可能にする滑り軸受連結606により、アプリケータ部120に機械的にカップリングされ、このことは、皮膚コンディショニング部110およびアプリケータ部120が、互いに対して移動するために構成されることを意味する。特に皮膚コンディショニング部110が加熱部112を用いて皮膚の表面上に置かれる場合、アプリケータ部120は皮膚の表面に対してより近くに移動することができ、これは制御部132および/または投与部123により制御されることができる。
【1783】
皮膚コンディショニング部110およびアプリケータ部120は、皮膚コンディショニング部110の熱源部112を用いた調整措置の量と共に、第1のアプリケータ126を用いて第1のリザーバ121内に保存される第1の治療剤の量を投与するために、制御部132を用いて、協働的に相互作用するために構成される。
【1784】
この協働的相互作用のために、医療デバイス100は、アクチュエータ122を手動で押すことにより、アプリケータ部120が皮膚コンディショニング部110に対して移動し、それにより電気スイッチとして構成されるトリガー119と接触するように構成され、このとき、トリガー119は、加熱部112を用いる皮膚102への熱の投与を開始させるために、コントローラ130へと電気的カップリング604される。アプリケータ122は、一端に操作ノブを含むロットとして構成されることができ、このとき、ロットはシリンダ内に位置するピストンを操作し、このとき、シリンダ壁は、第1のリザーバを形成するために構成される。シリンダ内でのアプリケータ122の移動としてのロットの移動は、第1のリザーバ121から第1の治療剤を押し出すであろう。
【1785】
加熱部112は、コントローラ130に、および加熱部112に対して電気エネルギーを与えるためのエネルギー源118に電気カップリング603される。ここでは示されない皮膚102の表面に隣接して置かれた温度センサーが皮膚102の表面の温度の選択された増加を検出する場合、かつ/または特定された量の加熱部112を操作する時間が経過した後にコントローラ130がカップリング部132に対して解放信号を生成する場合、第1のアプリケータ126が第1のアプリケータ126のシリンジ針によって皮膚102に穿通できるように、滑り連結606がさらに解放される。カップリング部132と投与部123との間のカップリング605は、第1のアプリケータ126と第1のリザーバ121との流体カップリング127を用いて、第1のアプリケータ126へと第1のリザーバ121内に保存される第1の治療剤を提供することを、投与部123により引き起こされるアクチュエータ122の関連する解放によって可能にするために、皮膚102が穿通される場合にアプリケータをなおさらに解放するために構成される。流体カップリング127によって、第1の治療剤が被験体の皮膚へと投与されることができる。
【1786】
医療デバイス100のこの記載される構成を用いて、制御部132は、皮膚コンディショニング部110を用いた調整措置の量と共に、アプリケータ部120を用いて第1の治療剤の量で被験体の皮膚102へと第1の治療剤を投与するための皮膚コンディショニング部とアプリケータ部との協働的相互作用のために、熱源部112およびアプリケータ部120、ならびに第1のアプリケータ126にカップリングされるアプリケータアクチュエータ127、ならびに投与部123をカップリングさせる。
【1787】
さらに、この記載される構成により、皮膚に投与される第1の治療剤の量を制御するために構成される制御部132は、投与部123を用いて、アクチュエータ122にカップリングされる。記載される通り、投与部123は、第1のリザーバ121のアクチュエータ122にカップリングされ、かつ皮膚102の方向へと下向きに押されることができる、特にロットとして実装されるアクチュエータ122の移動を制限することにより、第1のリザーバ121に機械的にカップリングされる。
【1788】
言い換えれば、医療デバイス100の第1のリザーバ121は、第1の治療剤を保存するために構成される。第1のリザーバ121はアクチュエータ122にカップリングされ、このとき、アクチュエータ122は、第1のアプリケータ126への第1の治療剤の提供を制御するために、投与部123を介して制御部132にカップリングされる。
【1789】
さらに、アプリケータ部120は、第1のアプリケータ126を用いて皮膚102へとの第1の治療剤を投与するために構成され、このとき、アプリケータ部120の第1のアプリケータ126は、アプリケータ部120の第1のリザーバ121に流体カップリングされる。第1のアプリケータ126はアプリケータアクチュエータ127にカップリングされ、このとき、アプリケータアクチュエータ127は、皮膚の第1領域へと第1の治療剤を投与するために第1のアプリケータ126を作動させるために構成される。
【1790】
アクチュエータ122は、アプリケータ126の一部分である針注入器を用いて、皮膚102を穿通するための第1のアプリケータ126の移動の形態で、被験体の皮膚への第1の治療剤の投与を制御するために制御部132にカップリングされている、アプリケータアクチュエータ127に機械的にカップリングされる。
【1791】
調整措置と第1の治療剤との付随する投与のために、第1のアプリケータ126の近傍により、かつ/または第1のアプリケータ126の針注入器の近傍により規定される第1領域は、加熱部112と被験体の皮膚102との接触領域により主に規定される皮膚の第2領域に近接するか、または少なくとも部分的に重複する。特に、皮膚の第2領域は、環として構成されることができ、このとき、第1のアプリケータ126は、付随する投与のために、環の中央に位置する。
【1792】
医療デバイス100は、医療デバイス100の皮膚コンディショニング部110がアプリケータ部120から着脱可能であるために構成されることができ、かつ皮膚コンディショニング部110がアプリケータ部120とは独立して作動するために構成されることができるように構成される。
【1793】
医療デバイス100の滑り軸受連結606は、皮膚コンディショニング部110およびアプリケータ部120の分離のために着脱可能であるために構成されることができる。医療デバイス100の構成は、分離される皮膚コンディショニング部110の使用により皮膚102へと調整措置を投与するために、アプリケータ部120から皮膚コンディショニング部110を機械的かつ/または電気的に切り離すことにより、医療デバイス100の皮膚コンディショニング部110をアプリケータ部(application unit)120から空間的に分離することを可能にする。
【1794】
図26は、医療デバイス100の第7の実施形態を模式的に示し、このとき、医療デバイス100は、好ましくは皮膚102の状態を変化させるために、皮膚102に対して調整措置を適用するために構成される皮膚コンディショニング部、およびアプリケータ部を含み、それにより、皮膚コンディショニング部110およびアプリケータ部120の要素は上記で言及される通りであるが、医療デバイス100の筐体200内で空間的に分布する。
【1795】
皮膚コンディショニング部およびアプリケータ部は、制御部130、132を用いて協働的に相互作用するための、皮膚102の第2領域に対して熱を与えるために構成される加熱部112の操作と、皮膚102の第1領域へと第1の治療剤を投与するために構成される第1のアプリケータ126の操作との相互作用により構成される。つまり、第1のリザーバ121内に保存される第1の治療剤の量は、皮膚コンディショニング部の熱源部112を用いる調整措置の量と共に、第1のアプリケータ126を用いて協働的に投与される。
【1796】
このために、制御部132は、医療デバイス100のコントローラ130にカップリングされ、かつそれにより制御されることができる。制御部130、132は、熱源部112に電気的カップリング603され、かつ第1のアプリケータ126に機械的にカップリングされるアプリケータアクチュエータ127にカップリング608され、かつ制御部132は、接触検出手段114にカップリング602され、かつポンプ122にもカップリングされ、かつトリガー119にカップリング609され、かつユーザーディスプレイ702にカップリングされる。加えて、制御部130、132は格納領域704にカップリングされ、かつ制御部130、132は無線カップリング手段703にカップリングされる。
【1797】
本実施形態に関して、投与部は、皮膚に投与される対象である第1の治療剤の設定可能な量および/または第1のアプリケータ126による皮膚102の穿通深さに関する設定可能な設定および/または加熱部112により提供される熱の設定可能な量に関する、格納領域704での関連する格納されたデータにより実現される。
【1798】
コントローラ130、132は、加熱部112を用いた熱の量と共に、ポンプ122およびアプリケータアクチュエータ127を用いて第1の治療剤の量を被験体の皮膚へと投与するために、加熱部112および第1のアプリケータを制御して協働的に相互作用させるために構成される。
【1799】
第1のアプリケータ126は、加熱部112を用いた熱の量と共に、第1の治療剤の量を投与するために構成され、このとき、第1のアプリケータ126およびそれぞれポンプ122は、協働的相互作用のために制御部130、132により制御される。
【1800】
第1の治療剤は、ポンプ122を用いて第1のリザーバ121により提供され、このとき、ポンプ122の入力は第1のリザーバ121とカップリング607され、かつポンプ122の出力は、第1のアプリケータ126への第1の治療剤の提供のために、第1のアプリケータ126にカップリング601される。
【1801】
エネルギー源118を用いて、電力がポンプ122へと提供され、かつ制御部132を含むコントローラ130へも提供され、かつ加熱部112へも提供され、かつアプリケータアクチュエータ127へと提供され、かつ接触検出手段114へと提供される。エネルギー源118は、充電される対象である外部コネクタ701への電気的カップリングを伴って構成される。
【1802】
接触検出手段114は、皮膚102の表面との加熱部112の近接のモニタリングのために構成され、このとき、接触検出手段114は、コントローラ130、132へとカップリング602される。これにより、コントローラ130は、協働的相互作用中の医療デバイス100の正しい取り扱いを制御することに加えて、被験体の皮膚102へと第1の治療剤を投与するために、ここでは加熱部112として実装される皮膚コンディショニング部と、第1のアプリケータ126と、ポンプ122との協働的相互作用を制御することができる。
【1803】
加えて、医療デバイス100はトリガー119を含み、このとき、トリガー119は、調整措置の量と共に、第1の治療剤の量を被験体の皮膚へと投与するために、加熱部112と第1のアプリケータ126とポンプ122との協働的相互作用を開始させるために構成され、この場合には、調整措置は、加熱部112を用いる皮膚への熱の投与である。したがって、トリガー119は、コントローラ130、132にカップリングされる。
【1804】
医療デバイス100の本実施形態はまた、針注入部を含むことができる第1のアプリケータ126による被験体の皮膚102の穿通の特定される深さを設定するために、かつ/または皮膚102へと第1の治療剤を投与するための特定される量を設定するために、かつ皮膚102に対して施される対象の熱の特定される量を設定するために、外部デバイスとの信号カップリングを可能にするための、コントローラ130、132にカップリングされる無線カップリング手段116も含む。このことは、無線カップリングデバイス703により交換および/または受信されたデータが、コントローラ130、132の使用のために格納領域704内に格納されることができることを意味する。ユーザーディスプレイ702は、格納領域704中の格納されるデータについて、かつ/または医療デバイス100の正しい使用に関連するユーザー説明書についての情報を提供するために、コントローラ130、132にカップリングされる。格納領域704のアクセスは、特定の外部デバイスおよび/または外部デバイスの特定のユーザーに制限されることができる。
【1805】
表現「含む」(include)および「含む」(comprise)は、相互に交換可能に用いることができる。
【1806】
別途言及されない場合、表現「医療デバイス」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、医療デバイス、特に医療デバイス(100)および/または(X)、より詳細には医療デバイス(100)のうちのいずれかまたは全部を意味することが理解されるべきである。さらに、別途言及されない場合、医療デバイスを参照する複数形での本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかは、独立して、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医療デバイス、特に医療デバイス(100)および/または(X)、より詳細には医療デバイス(100)のうちのいずれかを意味することが理解されるべきである。
【1807】
概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する医療デバイス(100)にさらに関して」の下に言及される実施形態のうちのいずれかは、特に概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットのうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」の下に記載される通りの、医療デバイスの実施形態のうちのいずれかに独立して適用可能であり、かつ/または組み合わせ可能であることがさらに理解されるべきである。
【1808】
この概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する医療デバイス(100)にさらに関して」の下に記述され、かつ本説明中の他の箇所であるがこの概要の記載の下にではなく記述される通りの医療デバイス(100)および/または(X)の実施形態中のいずれかの解決できない不一致または矛盾の場合には、この概要の記載の下での実施形態が好ましいことが理解されるべきである。表現「解決できない不一致」または「解決できない矛盾」は、代替的な実施形態を含まない。
【1809】
・本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するキット、特にキット(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/または(X)のうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して
好ましくは、キットでは、物質および/または皮膚コンディショニング剤は、例えば、医薬組成物、局所用剤型、医療デバイスおよび/または注入可能剤型の形態などの、いずれかの製薬上許容される製剤の形態で提供される。好ましくは、キットでは、物質および/または皮膚コンディショニング剤は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、局所用剤型、注入可能剤型、医療デバイスまたはそれらのいずれかの組み合わせのうちのいずれかの形態で提供される。
【1810】
好ましくは、エネルギー付与手段は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのいずれかのエネルギー付与手段である。
【1811】
好ましくは、キットは、粒子、特に薬物送達のための粒子を含む。粒子は、好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの粒子のうちのいずれかである。
【1812】
好ましくは、キットでは、物質、適用可能である場合にはエネルギー付与手段は、加熱手段である。
【1813】
好ましくは、キットは、指示マニュアル、ハンドブックまたは投薬の手引を含む。
【1814】
別途言及されない場合、本明細書中に記載されるいずれかの実施形態または定義、特にステップ(A-6)に関して本明細書中に記載される調整エネルギー、エネルギー付与手段または加熱手段のいずれかの実施形態または定義は、キットに関して言及される通りの、それぞれ、エネルギー付与手段または加熱手段に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1815】
- アプリケータ部;および
- 皮膚コンディショニング部;および
- 任意により、免疫調節性物質を含むリザーバ
を含むことができる、キット(V)が提案される。
【1816】
好ましくは、リザーバは、アプリケータ部に流体カップリングするために構成され;かつこのとき、皮膚コンディショニング部および/またはアプリケータ部は、皮膚コンディショニング部を用いた調整措置の量と共に、アプリケータ部を用いて第1の治療剤の量を被験体の皮膚へと投与するために協働的に相互作用するために機械的かつ/または電気的にカップリングされるために構成される。
【1817】
有利には、医療デバイスの異なる構成成分に対する保存条件を最適化するために、個別の治療剤を医療デバイスの残部とは異なる様式で保存することができるので、キットは、医療デバイスが被験体へと受け渡された直後に、被験体が医療デバイスを用いることを可能にする。個別の治療剤の劣化を理由として、かつ/または例えば、注射針の脆弱な滅菌状態を理由として、かつ/または例えば、電池もしくは蓄電池などのエネルギー源を保存するための至適条件を考慮するために、このことは特に重要であり得る。例えば、電池などのエネルギー源を含むことができるアプリケータ部は、充電することができるかまたは寒さから保護することができ、治療剤を含む皮膚コンディショニング部は、冷所中で別個に保存することができる。
【1818】
有利には、医療デバイスは、保存の環境の至適条件に従って異なる各部を保存するために、医療デバイスの皮膚コンディショニング部を上記に記載される通りのアプリケータ部から着脱可能に構成されることができるように構成される。
【1819】
好ましくは、キットは、さらなる免疫調節性物質を含むさらなるリザーバを含む。
【1820】
好ましくは、キットはアプリケータをさらに含み、このとき、好ましくは、アプリケータは、シリンジおよび/または注射針および/またはマイクロニードルアレイを含む。
【1821】
別途言及されない場合、医療デバイスの実施形態のうちのいずれかで本明細書中に記載されるアプリケータ部、皮膚コンディショニング部、リザーバおよび/または免疫調節性物質のいずれかの実施形態または定義は、キット(V)に関して言及される通りのアプリケータ部、皮膚コンディショニング部、リザーバおよび/または免疫調節性物質に対して、独立して準用することができることが理解されるべきである。
【1822】
別途言及されない場合、表現「キット」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの、キット、特にキット(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/または(X)、より詳細にはキット(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)のうちのいずれかまたは全部を意味することが理解されるべきである。さらに、別途言及されない場合、キットを参照する複数形での本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかは、独立して、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのキット、特にキット(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/または(X)、より詳細にはキット(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)のうちのいずれかを意味することが理解されるべきである。
【1823】
概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関するキット、特にキット(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/または(X)のうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」の下に言及される実施形態のうちのいずれかは、特に概要の記載「本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかに関する医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットのうちのいずれかまたは全部に独立してさらに関して」の下に記載される通りの、医療デバイスの実施形態のうちのいずれかに独立して適用可能であり、かつ/または組み合わせ可能であることがさらに理解されるべきである。
【1824】
本明細書中および本説明全体を通して言及される通りの実施形態のうちのいずれかに関連するさらなる一般的な意見、放棄条項、実施形態および態様は、以下に記載される。
【1825】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでの炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、被験体の遺伝的状態により引き起こされない。
【1826】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでの炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、抗原により引き起こされない。
【1827】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでの炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、アレルゲン、例えば細菌により引き起こされない。
【1828】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの免疫調節性物質は、TNF-α(腫瘍壊死因子アルファ)、TGF-β(形質転換増殖因子β)、IL-6(インターロイキン-6)、IL-7(インターロイキン-7)および/またはIL-15(インターロイキン-15)を含まない。
【1829】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの免疫調節性物質は、被験体の内因性免疫調節性物質、その断片または誘導体でない。
【1830】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのサイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、被験体の内因性サイトカインおよび/もしくはサイトカイン様機能性物質、その断片または誘導体でない。好ましくは、サイトカインおよび/またはサイトカイン様機能性物質は、TGF-β、IL-6、IL-7および/またはIL-15を含まない。
【1831】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのインターフェロンおよび/またはインターフェロン様機能性物質は、被験体の内因性インターフェロンおよび/もしくはインターフェロン様機能性物質、その断片または誘導体でない。
【1832】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのインターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、被験体の内因性インターロイキンおよび/もしくはインターロイキン様機能性物質、その断片または誘導体でない。好ましくは、インターロイキンおよび/またはインターロイキン様機能性物質は、IL-6、IL-7および/またはIL-15を含まない。
【1833】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの神経栄養因子および/または神経栄養因子様機能性物質は、被験体の内因性神経栄養因子および/もしくは神経栄養因子様機能性物質、その断片または誘導体でない。
【1834】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、被験体の内因性IFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質、その断片または誘導体でない。
【1835】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、被験体の内因性IFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、被験体の内因性IFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、被験体の内因性IFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1836】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのIFN-γおよび/またはIFN-γ様機能性物質は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体から単離されるIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質、その断片または誘導体でない。
【1837】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体から単離されるIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、そのような単離されたIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、そのような単離されたIFN-γおよび/もしくはIFN-γ様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1838】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのIL-2および/またはIL-2様機能性物質は、被験体の内因性IL-2および/もしくはIL-2様機能性物質、その断片または誘導体でない。
【1839】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、被験体の内因性IL-2および/もしくはIL-2様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、被験体の内因性IL-2および/もしくはIL-2様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、被験体の内因性IL-2および/もしくはIL-2様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1840】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのIL-2および/またはIL-2様機能性物質は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体から単離されるIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質、その断片または誘導体でない。
【1841】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体から単離されるIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、そのような単離されたIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、そのような単離されたIL-2および/もしくはIL-2様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、さらにより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1842】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのIL-4および/またはIL-4様機能性物質は、被験体の内因性IL-4および/もしくはIL-4様機能性物質、その断片または誘導体でない。
【1843】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、被験体の内因性IL-4および/もしくはIL-4様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、被験体の内因性IL-4および/もしくはIL-4様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは20,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~20,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、被験体の内因性IL-4および/もしくはIL-4様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより1,000ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~1,000ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1844】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体から単離されるIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのIL-4および/またはIL-4様機能性物質は、そのようなIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質、その断片または誘導体でない。
【1845】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、脊椎動物、好ましくは脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは上記に規定される通りの哺乳動物、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体から単離されるIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、そのような単離されたIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは20,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~20,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、そのような単離されたIL-4および/もしくはIL-4様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,000ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~1,000ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1846】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、被験体の内因性BDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質、その断片または誘導体でない。
【1847】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、被験体の内因性BDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、被験体の内因性BDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは20,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~20,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、被験体の内因性BDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1848】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りのBDNFおよび/またはBDNF様機能性物質は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは哺乳動物から単離されるBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質、その断片または誘導体でない。
【1849】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは哺乳動物から単離されるBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、そのような単離されたBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは20,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~20,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、そのような単離されたBDNFおよび/もしくはBDNF様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1850】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、カンタリジン(2,6-ジメチル-4,10-ジオキサトリシクロ-[5.2.1.02,6]デカン-3,5-ジオン)、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。好ましくは、カンタリジン、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは10mg以下、またさらにより好ましくは1mg以下の量で含められるかまたは投与されず、またより好ましくは0~10mg、またさらにより好ましくは0~1mgの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1851】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、グルココルチコイドおよび/もしくはグルココルチコイドタンパク質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、グルココルチコイドおよび/もしくはグルココルチコイドタンパク質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは100mg以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~100mgの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1852】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、被験体の内因性グルココルチコイドおよび/もしくはグルココルチコイドタンパク質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、被験体の内因性グルココルチコイドおよび/もしくはグルココルチコイドタンパク質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは100mg以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~100mgの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1853】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、TNF-αおよび/もしくはTNF-α様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、TNF-αおよび/もしくはTNF-α様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、TNF-αおよび/もしくはTNF-α様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1854】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、被験体の内因性TNF-αおよび/もしくはTNF-α様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、被験体の内因性TNF-αおよび/もしくはTNF-α様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、被験体の内因性TNF-αおよび/もしくはTNF-α様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1855】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは哺乳動物から単離されるTNF-αおよび/もしくはTNF-α様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、そのような単離されたTNF-αおよび/もしくはTNF-α様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、そのような単離されたTNF-αおよび/もしくはTNF-α様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1856】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、TGF-βおよび/もしくはTGF-β様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、TGF-βおよび/もしくはTGF-β様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、TGF-βおよび/もしくはTGF-β様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1857】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、被験体の内因性TGF-βおよび/もしくはTGF-β様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、被験体の内因性TGF-βおよび/もしくはTGF-β様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、被験体の内因性TGF-βおよび/もしくはTGF-β様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1858】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは哺乳動物から単離されるTGF-βおよび/もしくはTGF-β様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、そのような単離されたTGF-βおよび/もしくはTGF-β様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、そのような単離されたTGF-βおよび/もしくはTGF-β様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1859】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、IL-6および/もしくはIL-6様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、IL-6および/もしくはIL-6様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、IL-6および/もしくはIL-6様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1860】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、被験体の内因性IL-6および/もしくはIL-6様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、被験体の内因性IL-6および/もしくはIL-6様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、被験体の内因性IL-6および/もしくはIL-6様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1861】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは哺乳動物から単離されるIL-6および/もしくはIL-6様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、そのような単離されたIL-6および/もしくはIL-6様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、そのような単離されたIL-6および/もしくはIL-6様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1862】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、IL-7および/もしくはIL-7様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、IL-7および/もしくはIL-7様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、IL-7および/もしくはIL-7様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1863】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、被験体の内因性IL-7および/もしくはIL-7様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、被験体の内因性IL-7および/もしくはIL-7様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、被験体の内因性IL-7および/もしくはIL-7様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1864】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは哺乳動物から単離されるIL-7および/もしくはIL-7様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、そのような単離されたIL-7および/もしくはIL-7様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、そのような単離されたIL-7および/もしくはIL-7様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1865】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、IL-15および/もしくはIL-15様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、IL-15および/もしくはIL-15様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、IL-15および/もしくはIL-15様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1866】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、被験体の内因性IL-15および/もしくはIL-15様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、被験体の内因性IL-15および/もしくはIL-15様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、被験体の内因性IL-15および/もしくはIL-15様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1867】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは哺乳動物から単離されるIL-15および/もしくはIL-15様機能性物質、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、そのような単離されたIL-15および/もしくはIL-15様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは30,000IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~30,000IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、そのような単離されたIL-15および/もしくはIL-15様機能性物質、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1868】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、インスリン、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、インスリン、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは500IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~500IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、インスリン、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1869】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、被験体の内因性インスリン、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、被験体の内因性インスリン、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは500IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~500IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、被験体の内因性インスリン、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1870】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは哺乳動物から単離されるインスリン、その断片または誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、そのような単離されたインスリン、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより好ましくは500IU以下の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~500IUの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、そのような単離されたインスリン、その断片または誘導体は、有効量で、さらにより1,500ng以下の量で含められるかまたは投与されず、またより好ましくは0~1,500ngの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1871】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、血液、血清、滲出液、リンパ液、創傷液および/または水疱液などの体液を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、そのような体液は、リンパ液貯留、創傷液(would fluid)貯留ならびに/またはカンタリジンおよび/もしくはカンタリジン治療により引き起こされる水疱から抽出されるリンパ液、創傷液および/または水疱液、さらにより好ましくはカンタリジンにより引き起こされる水疱から抽出される水疱液である。より好ましくは、そのような体液は、有効量で、さらにより好ましくは50mL以下の範囲内の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~50mL、さらにより好ましくは10mL以下の範囲内の量で含められるかまたは投与されず、さらにより好ましくは0~10mLの範囲内の量で含められるかまたは投与されず、このとき、好ましくは、量は、いかなる考えられる希釈にも先立つ未希釈体液を意味する。体液に関する表現「血液」は、全血、未処理血液、抗凝固物質(例えば、EDTA、ヘパリン)を用いて処理された血液、内因性血液療法のための血液等を含む。体液に関する表現「血液」は、本発明で規定される通りのPBMCを含むかまたは意味しない。
【1872】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、血液、血清、滲出液、リンパ液、創傷液および/または水疱液などの被験体の内因性の体液を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、そのような被験体の内因性の体液は、リンパ液貯留、創傷液貯留ならびに/またはカンタリジンおよび/もしくはカンタリジン治療により引き起こされる水疱から抽出されるリンパ液、創傷液および/または水疱液、さらにより好ましくはカンタリジンにより引き起こされる水疱から抽出される水疱液である。より好ましくは、そのような被験体の内因性の体液は、有効量で、さらにより好ましくは50mL以下の範囲内の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~50mL、好ましくは10mL以下の範囲内の量で含められるかまたは投与されず、さらにより好ましくは0~50mLの範囲内の量で含められるかまたは投与されず、このとき、より好ましくは、量は、いかなる考えられる希釈にも先立つ未希釈体液を意味する。
【1873】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、血液、血清、滲出液、リンパ液、創傷液および/または水疱液などの体液を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくはステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まず、このとき、そのような体液は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは哺乳動物から単離されるものである。より好ましくは、そのような単離された体液は、リンパ液貯留、創傷液貯留ならびに/またはカンタリジンおよび/もしくはカンタリジン治療により引き起こされる水疱から抽出されるリンパ液、創傷液および/または水疱液、さらにより好ましくはカンタリジンにより引き起こされる水疱から抽出される水疱液である。より好ましくは、そのような単離された体液は、有効量で、さらにより好ましくは50mL以下の範囲内の量で含められるかまたは投与されず、またさらにより好ましくは0~50mL、好ましくは10mL以下の範囲内の量で含められるかまたは投与されず、さらにより好ましくは0~10mLの範囲内の量で含められるかまたは投与されず、このとき、より好ましくは、量は、いかなる考えられる希釈にも先立つ未希釈体液を意味する。
【1874】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、有効量で、より好ましくは50mL以下、さらにより好ましくは10mL以下の範囲内の量で、カンタリジンにより引き起こされる水疱から抽出される水疱液などの滲出液、リンパ液、創傷液および/または水疱液などの体液を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくはステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まず、またより好ましくは0~10mLの範囲内の量で含められるかまたは投与されず、このとき、より好ましくは、量は、いかなる考えられる希釈にも先立つ、カンタリジンにより引き起こされる水疱から抽出される水疱液などの未希釈滲出液、リンパ液、創傷液および/または水疱液を意味する。好ましくは、カンタリジンにより引き起こされる水疱から抽出される水疱液などの滲出液、リンパ液、創傷液および/または水疱液は、被験体の内因性の滲出液、リンパ液、創傷液および/または水疱液である。
【1875】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは哺乳動物において天然に存在するいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対して類似または同一でない、有効成分としてのいずれかの物質を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくはステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)で、好ましくは有効量でそれを投与するステップを含まない。より好ましくは、そのような物質は、85%以上、さらにより好ましくは90%以上、またより好ましくは95%以上、またさらにより好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、またなおさらに好ましくは99%以上かつ100%以下の、脊椎動物、好ましくはヒトまたは哺乳動物、より好ましくは本発明に従う実施形態のうちのいずれかで規定される通りの被験体において天然に存在するいずれかのペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸配列同一性を有しない。好ましくは、アミノ酸配列同一性は、天然に存在するペプチド、タンパク質またはこれらのいずれかの断片に対するアミノ酸残基の置換、挿入および/または欠失を含むかまたは意味する。より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、サイトカイン以外、またより好ましくは免疫関連サイトカイン以外の、有効成分としてのいずれかの物質を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくはステップ(B)および/またはステップ(C)で、好ましくは有効量でそれを投与するステップを含まない。より好ましくは、そのような物質は、有効量で、さらにより好ましくは100mg以下の量で、有効成分として含められるかまたは投与されず、さらにより好ましくは0~100mgの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1876】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、血小板を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、好ましくは有効量で、好ましくは有効量でそれを投与するステップを含まない。より好ましくは、血小板は、有効量で、さらにより好ましくは3×1011個の血小板以下の量、好ましくは総量で含められるかまたは投与されず、さらにより好ましくは0~3×1011個の血小板の範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1877】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、いずれかの抗原、自己抗原、アレルゲンおよび/またはこれらの断片もしくは誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくはステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、抗原、自己抗原、アレルゲンおよび/またはこれらの断片もしくは誘導体は、細胞傷害性T細胞応答を生起するために十分な量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、抗原、自己抗原、アレルゲンおよび/またはこれらの断片もしくは誘導体は、細胞傷害性T細胞応答を生起するために十分な量以下で含められるかまたは投与されず、さらにより好ましくは0から細胞傷害性T細胞応答を生起するために十分ないずれかの量までの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。そのような抗原は、例えば、腫瘍関連抗原、細菌、ウイルスおよび/またはこれらの断片もしくは誘導体であり得る。
【1878】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、いずれかの抗原提示細胞を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくはステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、抗原提示細胞は、細胞傷害性T細胞応答を生起するために十分な量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、抗原提示細胞は、細胞傷害性T細胞応答を生起するために十分な量以下で含められるかまたは投与されず、さらにより好ましくは0から細胞傷害性T細胞応答を生起するために十分ないずれかの量までの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1879】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型および/またはキットのうちのいずれかまたは全部は、いずれかのToll様受容体(TLR)および/またはその断片もしくは誘導体を、好ましくは有効量で含まず、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、局所適用により、注入により、かつ/またはいずれかの他の様式によるかのいずれでも、好ましくはステップ(B)、ステップ(B1)および/またはステップ(C)で、好ましくは有効量でそれらを投与するステップを含まない。より好ましくは、TLRおよび/またはその断片もしくは誘導体は、生得的免疫応答を生起するために十分な量で含められるかまたは投与されない。より好ましくは、TLRおよび/またはその断片もしくは誘導体は、生得的免疫応答を生起するために十分な量以下で含められるかまたは投与されず、さらにより好ましくは0から生得的免疫応答を生起するために十分ないずれかの量までの範囲内の量で含められるかまたは投与されない。
【1880】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップ(B)、(B1)および/または(C)での投与は、経口、静脈内、筋内、髄腔内、舌下、頬内、直腸、膣内、眼内、鼻内、肛門および/または、例えば、吸入による肺を介する投与から選択されるいずれかまたは全部でない。
【1881】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、経口、静脈内、筋内、髄腔内、舌下、頬内、直腸、膣内、眼内、鼻内、肛門投与および/または、例えば、吸入による肺を介する投与から選択されるいずれかまたは全部を必要とするステップを含まない。
【1882】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、方法は、被験体の身体外部でのPBMCのいずれかの培養および/またはインキュベーションを含まない。好ましくは、PBMCは、血液PBMCおよび/または単離されたPBMC、さらにより好ましくは単離されたPBMCである。より好ましくは、PBMCは、リンパ球、より好ましくはナイーブPBMC、さらにより好ましくはナイーブリンパ球、またより好ましくはナイーブB細胞および/またはナイーブT細胞、またさらにより好ましくはナイーブT細胞である。
【1883】
より好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、方法は、
- 有効な持続時間にわたる;かつ/または
- 1時間以上、さらにより好ましくは12時間以上、またより好ましくは1日以上、またさらにより好ましくは3日以上、さらに好ましくは7日以上かつ4週間以下、好ましくは2週間以下にわたる;かつ/または
- 35℃以上、好ましくは36℃以上、さらにより好ましくは37℃以上かつ好ましくは50℃以下での;かつ/または
- 有効な持続時間にわたって細胞インキュベータを用いる;かつ/または
- 大気と比較して増加したCO2含有量を有する雰囲気下での、好ましくは1%CO2以上のCO2雰囲気、より好ましくは5%CO2以上のCO2雰囲気下での;かつ/または
- 例えば、約50pg/mL TGFβ以下(ピコグラム/ミリリットル)の量でのTGFβ(形質転換増殖因子β)の、有効量でのIL-6(インターロイキン-6)の、IL-7(インターロイキン-7)の、IL-15(インターロイキン-15)の、CD3(分化のクラスター3)および/もしくはCD28(分化のクラスター28)の存在下での;かつ/または
- 有効量での血清不含もしくは血清含有培地などのいずれかの細胞培養培地を用いる、
被験体の身体外部でのPBMCのいずれかの培養および/またはインキュベーションを含まない。
【1884】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、方法は、PBMCの凍結を除外しない。
【1885】
それゆえ、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、方法は、好ましくは-165℃以上での、より好ましくは液体窒素中での、投与に先立ってPBMCを凍結するステップを含むことができる。
【1886】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、方法は、投与前、好ましくは投与の24時間以下前、より好ましくは12時間以下前、さらにより好ましくは6時間以下前、またより好ましくは3時間以下前、またさらにより好ましくは1.5時間以下前に、免疫調節性物質のうちの1種以上とのPBMCの事前混合を除外しない(does not does not exclude)。
【1887】
それゆえ、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、方法は、投与前、好ましくは投与の24時間以下前、より好ましくは12時間以下前、さらにより好ましくは6時間以下前、またより好ましくは3時間以下前、またさらにより好ましくは1.5時間以下前に、免疫調節性物質のうちの1種以上とPBMCを混合するステップを含むことができる。
【1888】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでの皮膚領域[b]および皮膚領域[b1]は重複せず、かつ/またはそれらは離れているかもしくは重複は最小化される。さらにより好ましくは、皮膚領域[b]、重複皮膚領域[a]/[b]および/もしくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]は重複せず、かつ/またはそれらは皮膚領域[b1]、重複皮膚領域[a]/[b1]および/もしくは重複皮膚領域[a]/[b1]/[c]に対して離れており、かつ/またはその重複は最小化される。
【1889】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、重複皮膚領域[b]/[b1]が形成されないかまたは重複皮膚領域[b]/[b1]が最小化される様式で行なわれる。
【1890】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップの第1セットの皮膚領域[b]、重複皮膚領域[a]/[b]および/または重複皮膚領域[a]/[b]/[c]、好ましくは重複皮膚領域[a]/[b]/[c]ならびにステップの第2セットの皮膚領域[b1]、重複皮膚領域[a]/[b1]および/または重複皮膚領域[a]/[b1]/[c]、好ましくは重複皮膚領域[a]/[b1]/[c]は重複せず、かつ/またはそれらは離れているかもしくは重複は最小化される。
【1891】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、適用領域[b]および適用領域[b1]は重複せず、かつ/またはそれらは離れているかもしくは重複は最小化される。さらにより好ましくは、適用領域[b]、重複適用領域[a]/[b]および/もしくは重複適用領域[a]/[b]/[c]は重複せず、かつ/またはそれらは適用領域[b1]、重複適用領域[a]/[b1]および/もしくは重複適用領域[a]/[b1]/[c]に対して離れており、かつ/または本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのその重複は最小化される。
【1892】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、方法は、重複適用領域[b]/[b1]が形成されないかまたは重複適用領域[b]/[b1]が最小化される様式で行なわれる。
【1893】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでのステップの第1セットの適用領域[b]、重複適用領域[a]/[b]および/または重複適用領域[a]/[b]/[c]、好ましくは重複適用領域[a]/[b]/[c]ならびにステップの第2セットの適用領域[b1]、重複適用領域[a]/[b1]および/または重複適用領域[a]/[b1]/[c]、好ましくは重複適用領域[a]/[b1]/[c]は重複せず、かつ/またはそれらは離れているかもしくは重複は最小化される。
【1894】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、皮膚領域[b]および皮膚領域[b1]のうちのいずれもが重複せず、かつ/またはそれらが離れているかもしくは重複が最小化される様式で行なわれる。好ましくは、そのような離れた皮膚領域および/または重複皮膚領域の距離は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される。
【1895】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、皮膚領域[b]および皮膚領域[b1]のうちのいずれもが重複せず、かつ/またはそれらが離れているかもしくは重複が最小化される様式で行なわれる。好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される、そのような離れた皮膚領域および/または重複皮膚領域の距離。
【1896】
より好ましくは、特にステップ(B)でIL-4およびステップ(B1)でBDNFが投与される場合、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法は、皮膚領域[b]および皮膚領域[b1]のうちのいずれもが重複せず、かつ/またはそれらが離れているかもしくは重複が最小化される様式で行なわれる。好ましくは、そのような離れた皮膚領域および/または重複皮膚領域の距離は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される。
【1897】
好ましくは、そのような離れた皮膚領域および/または重複皮膚領域の距離は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される。
【1898】
好ましくは、皮膚領域、具体的には皮膚領域[a]、[b]ならびに/または適用可能である場合[b1]および/もしくは[c]の皮膚および/または皮膚層は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、免疫学的に不活性かつ/または未負荷であり、好ましくは少なくとも部分的に、より好ましくは完全に免疫学的に不活性かつ/または未負荷であり、好ましくは免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位に対して空間的に隔てられている。
【1899】
より好ましくは、皮膚領域、具体的には適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]の皮膚および/または皮膚層は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、完全に免疫学的に不活性かつ/または未負荷であり、かつ上記に規定される通りの免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位に対して空間的に隔てられている。
【1900】
好ましくは、適用領域、具体的には適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]の皮膚および/または皮膚層は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、免疫学的に不活性かつ/または未負荷であり、好ましくは少なくとも部分的に、より好ましくは完全に免疫学的に不活性かつ/または未負荷であり、好ましくは免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位に対して空間的に隔てられている。
【1901】
より好ましくは、適用領域、具体的には適用領域[a]、[b]、[b1]および/または[c]の皮膚および/または皮膚層は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、完全に免疫学的に不活性かつ/または未負荷であり、かつ上記に規定される通りの免疫学的活性および/または負荷のいずれかの部位に対して空間的に隔てられている。
【1902】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの皮膚コンディショニング剤は、被験体でアレルギー反応を引き起こさない。
【1903】
好ましくは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットは、経口、舌下および/または頬内組成物、例えば、錠剤、糖衣錠剤、チュアブル錠剤、飲用溶液剤、静脈内組成物、髄腔内組成物および/または筋内組成物、眼内組成物、鼻内組成物、肛門用組成物、例えば坐剤、または肺への吸入のための組成物のうちのいずれかまたは全部でなく、かつ/あるいはそれらを含まない。
【1904】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、別途言及されない場合、表現「注入に対して好適な剤型」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、その意味で表現「注入可能剤型」と等価である。それゆえ、これらの表現は、同じように解釈されなければならず、かつ相互に交換可能に用いることができる。
【1905】
本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、別途言及されない場合、表現「および/または」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、その意味で表現「...、...、...またはそれらのいずれかの組み合わせから選択される」と等価であり、かつこれらの表現は、すべての考えられる並べ替えおよび組み合わせならびに明示的に記載されない等価物を網羅することが意図される。それゆえ、例えば、「w、x、yおよび/またはz」は、「w、x、y、zまたはそれらのいずれかの組み合わせから選択される」と同じように解釈されなければならず、かつ相互に交換可能に用いることができる。さらに、別途言及されない場合、リストの最後の2つの要素が「および/または」または「および」を用いて互いに連結されているリスト中では、「および/または」は、リストのすべての要素を意味することが理解されるべきである。例えば、「w、x、yおよび/またはz」、「w、x、yおよびz」および「w、x、yまたはz」は、それぞれ、「wおよび/またはxおよび/またはyおよび/またはz」、「wおよびxおよびyおよびz」および「wまたはxまたはyまたはz」と同じように解釈されなければならず、かつ相互に交換可能に用いることができる。さらに、別途言及されない場合、「および/または」を用いて互いに連結される2つ以上の特徴を含むリストを参照して記述される実施形態または好ましい実施形態が理解されるべきであり、実施形態または好ましい実施形態が、独立して、リスト中に記述される特徴のうちのそれぞれまたは特徴のうちの2つ、それ以上もしくは全部のいずれかの組み合わせを意味することが理解されるべきである。
【1906】
さらに、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかが「および/または」を用いて互いに連結される特徴のリストを参照する場合、個別の実施形態に対して適用可能である特徴のみが考慮されなければならず、実施形態により網羅されない特徴は放免されるべきであることが理解されるべきである。例えば、実施形態は方法のステップ(A)、(B)、(B1)および/または(C)に関するが、例えば、特許請求される通りの方法がステップ(A)および(B)および/または(C)のみを含む場合、実施形態は、ステップ(A)、(B)および/または(C)のみに関連すると理解されるために、変更すべき箇所は変更して適合され(adaped)なければならないことが理解されるべきである。
【1907】
本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでは、別途言及されない場合、例えば、「substance(s)」、「immunomodulatory substance(s)」、「cytokine(s)」、「interferon(s)」、「interleukin(s)」、および/または「neurotrophin(s)」等などの表現のうちのいずれかで、括弧内に記載される「s」は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかでは、1種以上、例えば、それぞれ、1種以上の物質、1種以上の免疫調節性物質、1種以上のサイトカイン、1種以上のインターフェロン、1種以上のインターロイキン、1種以上の神経栄養因子等、または、例えば、それぞれ、複数の物質、複数の免疫調節性物質、複数のサイトカイン、複数のインターフェロン、複数のインターロイキン、複数の神経栄養因子等であり得ることを示す。それ以上または複数の物質、免疫調節性物質、サイトカイン、インターフェロン、インターロイキン、神経栄養因子等の場合、そのような物質、免疫調節性物質、サイトカイン、インターフェロン、インターロイキン、神経栄養因子等は、異なる物質、免疫調節性物質、サイトカイン、インターフェロン、インターロイキン、神経栄養因子等であり得る。
【1908】
本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでは、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでの「substance(s)」、「immunomodulatory substance(s)」、「cytokine(s)」、「interferon(s)」、「interleukin(s)」、および/または「neurotrophin(s)」等などの表現のうちのいずれかで、括弧内に記載される「s」は、それぞれ、「1種以上の免疫調節性物質」、「1種以上の物質」、「1種以上の免疫調節性物質」、「1種以上のサイトカイン」、「1種以上のインターフェロン」、「1種以上のインターロイキン」、および/または「1種以上の神経栄養因子」等と等価である。より多くの物質、免疫調節性物質、サイトカイン、インターフェロン、インターロイキン、神経栄養因子等の場合、そのような物質、免疫調節性物質、サイトカイン、インターフェロン、インターロイキン、神経栄養因子等は、典型的には互いに異なる。例えば、サイトカインが投与されることが記述される。これは、1種以上のサイトカインが投与されると相互に交換可能に読み取ることができ、このとき、より多くのサイトカインの場合、サイトカインは互いに異なり、例えば、それらは、IFN-γおよびIL-2またはBDNF、IL-4およびIL-2であり得る。より多くの免疫調節性物質の場合、そのような免疫調節性物質は、典型的には互いに異なる。言い換えれば、より多くのサイトカインの場合、「複数のサイトカイン」が投与されることができ、このとき、複数のサイトカインのうちのサイトカインは、互いに異なる。
【1909】
さらに、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでの表現「免疫調節性物質」(immunomodulatory substance(s))は、「1種以上の免疫調節性物質」と等価であることが理解されるべきである。より多くの免疫調節性物質の場合、そのような免疫調節性物質は、典型的には互いに異なる。言い換えれば、より多くの免疫調節性物質の場合、「複数の免疫調節性物質」が本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法で投与されることができ、このとき、複数の免疫調節性物質のうちの免疫調節性物質は、互いに異なる。
【1910】
本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでは、別途言及されない場合、表現「皮膚上の温度」、「皮膚の温度」および/または「皮膚表面温度」は、相互に交換可能に用いることができる。
【1911】
本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでは、別途言及されない場合、表現「皮膚上での発赤」、「皮膚の発赤」、「皮膚発赤」および/または「皮膚表面発赤」は、相互に交換可能に用いることができる。
【1912】
本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでは、別途言及されない場合、表現「熱感クリーム剤」(heat cremeまたはheat cream)は、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、その意味で表現「熱感クリーム剤」と等価である。それゆえ、これらの表現は、同じように解釈されなければならず、かつ相互に交換可能に用いることができる。
【1913】
本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでは、別途言及されない場合、表現「任意的」または「任意により」とは、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される場合、それ以降に記載される事象、ステップまたは状況が起こることができるかまたは起こらないことができること、および記載はそのような事象、ステップまたは状況が起こる例および起こらない例を含むことを意味する。
【1914】
本明細書中かつ/または本明細書全体を通して記載される実施形態のうちのいずれかでは、別途言及されない場合、「方法」、「治療および/または予防するための方法」または「本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの方法」と称される場合には、本明細書中に記載される通りの本発明に従い、かつ/または本明細書中に記載される通りの「被験体の炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法」を意味する。
【1915】
本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでは、別途言及されない場合、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの「xxx以上」は、その意味で表現「xxxまたはxxx超」と等価である。それゆえ、これらの表現は、同じように解釈されなければならず、かつ相互に交換可能に用いることができる。例えば、「1%以上」は、その意味で「1%または1%超」と等価である。同様に、本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの「xxx以下」は、その意味で表現「xxxまたはxxx未満」と等価である。したがって、これらの表現は、同じように解釈されなければならず、かつ相互に交換可能に用いることができる。
【1916】
別途(otherweise)言及されない場合、表現「本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで」または「本明細書中に記載される実施形態のうちのいずれかで言及される通りの」とは、適用可能である場合、本明細書中に記載される医学的使用、方法、医薬組成物、注入可能剤型、局所用剤型、医療デバイスおよび/またはキットのいずれかの実施形態を意味する。
【1917】
本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでは、別途言及されない場合、方法ステップの順番は、プロセスが容易に理解できる様式で提示される。当業者は、プロセスステップはまた、異なる順序で実行されて、同じかまたは対応する結果をもたらすこともできることを認識するであろう。別途言及されない場合、この意味では、方法ステップの順序は、適切に変更することができる。それゆえ、別途言及されない場合、(A)、(B)、(B1)、(C)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)および(A-8)を用いるステップの指定は、いかなる順序も暗示しない。
【1918】
さらに、本明細書中に記載される本発明の実施形態では、一部の特徴、例えば、第1の免疫調節性物質、第2の免疫調節性物質、第1の活性化部、第2の活性化部、第1のリザーバ等は、読解可能性を改善するかまたはより明白に割り当てるために、数詞を伴うが、別途言及されない場合、本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでの特定の特徴の存在を暗示しない。
【1919】
本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでは、別途言及されない場合、表現「含むこと」は、他の要素またはステップを除外しない。
【1920】
本明細書中に記載される通りの実施形態のうちのいずれかでは、別途言及されない場合、不定冠詞「a」または「an」は、複数であることを除外しない。
【1921】
特定の尺度が互いに異なる従属クレーム中で再び引用されているという事実のみでは、これらの尺度の組み合わせを有利に用いることができないことを示さない。
【1922】
本発明のさらなる理解を与えるために含められ、かつ本出願に含められ、かつその一部分を構成する添付の図面は、本発明の実施形態および効果を図示し、本明細書と併せて、本発明の原理を説明するために機能する。
【図面の簡単な説明】
【1923】
【
図1】卓上の定規を含む試験される被験体の前腕上の方位領域O1~O4および対応する測定領域M1~M4の位置の上面図を示す図である。方位および測定領域は、O2C測定(measument)、皮膚上の温度および皮膚の発赤の測定のために用いた。
【
図2A】熱感パッド剤(M4)の局所適用後およびそれを伴わずに(M1~M3)、O2C測定から取得された、経時的に測定された皮膚内のヘモグロビンの酸素飽和度(sO
2)を示す図である。表は、熱感パッド剤の適用前のT(bp)
base、および熱感パッド剤が適用された後の時点T(bp)
1~T(bp)
12での以下の値(a)、(b)および(c)を示す:(a) O2C測定により取得されたsO
2のパーセント(%)での値;(b) T(bp)
baseで取得された値を参照したsO
2の%ポイントでの算出された変化;および(c) M4から熱感パッド剤を除去した後の秒数でのT(bp)
1~T(bp)
12についての経過時間。
【
図2B】熱感パッド剤(M4)の局所適用後およびそれを伴わずに(M1~M3)、O2C測定から取得された、経時的に測定された皮膚内の相対的ヘモグロビン量(rHb)を示す図である。表は、熱感パッド剤の適用前のT(bp)
base、および熱感パッド剤が適用された後の時点T(bp)
1~T(bp)
12での以下の値(a)、(b)および(c)を示す:(a) O2C測定により取得されたrHbの任意単位(AU)での値;(b) T(bp)
baseで取得された値を参照したrHbのAUでの算出された変化;および(c) M4から熱感パッド剤を除去した後の秒数でのT(bp)
1~T(bp)
12についての経過時間。
【
図2C】熱感パッド剤(M4)の局所適用後およびそれを伴わずに(M1~M3)、O2C測定から取得された、経時的に測定された皮膚内の相対的血流(rFlow)を示す図である。表は、熱感パッド剤の適用前のT(bp)
base、および熱感パッド剤が適用された後の時点T(bp)
1~T(bp)
12での以下の値(a)、(b)および(c)を示す:(a) O2C測定により取得されたrFlowの任意単位(AU)での値;(b) T(bp)
baseで取得された値を参照したrFlowのAUでの算出された変化;および(c) M4から熱感パッド剤を除去した後の秒数でのT(bp)
1~T(bp)
12についての経過時間。
【
図2D】熱感パッド剤(M4)の局所適用後およびそれを伴わずに(M1~M3)、O2C測定から取得された、経時的に測定された皮膚内の血流速度(Vel)を示す図である。表は、熱感パッド剤の適用前のT(bp)
base、および熱感パッド剤が適用された後の時点T(bp)
1~T(bp)
12での以下の値(a)、(b)および(c)を示す:(a) O2C測定により取得されたVelの任意単位(AU)での値;(b) T(bp)
baseで取得された値を参照したVelのAUでの算出された変化;および(c) M4から熱感パッド剤を除去した後の秒数でのT(bp)
1~T(bp)
12についての経過時間。
【
図3A】熱感クリーム剤(M1)、比較化合物(M4)を局所適用した場合および処置を伴わずに(M2およびM3)、O2C測定から取得された、経時的に測定された皮膚内のヘモグロビンの酸素飽和度(sO
2)を示す図である。表は、熱感クリーム剤の適用前のT(bc)
base、および熱感クリーム剤が適用された後の時点T(bc)
1~T(bc)
13での以下の値(a)、(b)および(c)を示す:(a) O2C測定により取得されたsO
2のパーセント(%)での値;(b) T(bc)
baseで取得された値を参照したsO
2の%ポイントでの算出された変化;および(c) M1への熱感クリーム剤の適用を完了させた後の秒数でのT(bc)
1~T(bc)
13についての経過時間。
【
図3B】熱感クリーム剤(M1)、比較化合物(M4)を局所適用した場合および処置を伴わずに(M2およびM3)、O2C測定から取得された、経時的に測定された皮膚内の相対的ヘモグロビン量(rHb)を示す図である。表は、熱感クリーム剤の適用前のT(bc)
base、および熱感クリーム剤が適用された後の時点T(bc)
1~T(bc)
13での以下の値(a)、(b)および(c)を示す:(a) O2C測定により取得されたrHbの任意単位(AU)での値;(b) T(bc)
baseで取得された値を参照したrHbのAUでの算出された変化;および(c) M1への熱感クリーム剤の適用を完了させた後の秒数でのT(bc)
1~T(bc)
13についての経過時間。
【
図3C】熱感クリーム剤(M1)、比較化合物(M4)を局所適用した場合および処置を伴わずに(M2およびM3)、O2C測定から取得された、経時的に測定された皮膚内の相対的血流(rFlow)を示す図である。表は、熱感クリーム剤の適用前のT(bc)
base、および熱感クリーム剤が適用された後の時点T(bc)
1~T(bc)
13での以下の値(a)、(b)および(c)を示す:(a) O2C測定により取得されたrFlowの任意単位(AU)での値;(b) T(bc)
baseで取得された値を参照したrFlowのAUでの算出された変化;および(c) M1への熱感クリーム剤の適用を完了させた後の秒数でのT(bc)
1~T(bc)
13についての経過時間。
【
図3D】熱感クリーム剤(M1)、比較化合物(M4)を局所適用した場合および処置を伴わずに(M2およびM3)、O2C測定から取得された、経時的に測定された皮膚内の血流速度(Vel)を示す図である。表は、熱感クリーム剤の適用前のT(bc)
base、および熱感クリーム剤が適用された後の時点T(bc)
1~T(bc)
13での以下の値(a)、(b)および(c)を示す:(a) O2C測定により取得されたVelの任意単位(AU)での値;(b) T(bc)
baseで取得された値を参照したVelのAUでの算出された変化;および(c) M1への熱感クリーム剤の適用を完了させた後の秒数でのT(bc)
1~T(bc)
13についての経過時間。
【
図4】皮膚上の温度の測定のための設定および空間的配置を示す図である。
【
図5】M1~M4でのいかなる処置も伴わない皮膚上のベースライン温度を示す図である。10.8分で取得されたT(t)
baseが示される。さらに、T(t)
baseで取得された被験体の腕の熱表示が示される。
【
図6】経時的に測定された皮膚上の温度を示す図であり、M4では局所熱投与(熱感パッド剤)が用いられ、M1、M2およびM3には熱が施されなかった。さらに、測定時点T(tp)
pad、T(tp)
1、T(tp)
2およびT(tp)
3が示される。T(tp)
preは熱のいずれかの適用前であり、T(tp)
padは熱感パッド剤を用いるM4への熱の適用中であり、かつT(tp)
1~T(tp)
3はその後である。M1~M3は処置しないままとした。
【
図7】
図6に示される通りの測定時点T(tp)
pre、T(tp)
padおよびT(tp)
1~T(tp)
3での被験体の前腕の熱表示を示す図である。
【
図8】熱感クリーム剤(M1)、比較化合物(M3)を局所適用した場合および処置を伴わずに(M2およびM4)、経時的に測定された皮膚上の温度を示す図である。さらに、測定時点T(tc)
pre、T(tc)
DACおよびT(tc)
1~T(tc)
9が示される:T(tc)
preはいずれかの比較組成物または試験組成物(熱感クリーム剤)の適用前であり、T(tc)
DACはM3への比較組成物の適用後であり、T(tc)
1~T(tc)
9はM1への熱感クリーム剤の適用後である。M2およびM4は未処置のままとした。
【
図9】
図8に示される通りの測定時点T(tc)
pre、T(tc)
DACおよびT(tc)
1~T(tc)
9での被験体の前腕の熱表示を示す図である。
【
図10】対照、プラセボ、不適切な処置および正しい処置を含む、関節リウマチに罹患した1名の患者(患者1)のCRPの初期量および53週間の治療経過にわたるCRPの量の発展のグラフを示す図である。
【
図11】最大10週間の処置にわたる、関節リウマチ(患者1、2および4~6)および多発性関節炎(患者9)に罹患した患者のCRPの相対量の発展を示す図である。初期CRP量が、各症例で1(100%)に設定される。
【
図12】最大5週間にわたる処置後の、関節リウマチに罹患した3名の患者(患者1、2および4)のCRPの量の発展の棒グラフを示す図である。
【
図13】最大53週間にわたる処置後のCRPの量の発展の棒グラフを示す図である。CRP値が収集されたすべての関節リウマチ患者が示される。
【
図14】関節リウマチに罹患した患者(患者2)の右手および左手の写真を示す図である。初期状態ならびに1、2および45週間にわたる処置後の改善された状態が示される。
【
図15】12週間の治療経過にわたる関節リウマチおよび滑膜炎に罹患した患者(患者7)のHAQスコアの発展の棒グラフを示す図である。
【
図16】19週間の治療経過にわたる、多発性関節炎に罹患した患者(患者9)のCRPの量およびHAQの発展の棒グラフを示す図である。
【
図17】10週間にわたる処置後の、強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)に罹患した2名の患者(患者11および12)のBASDAI(バース強直性脊椎炎疾患活動性指数)の発展のグラフを示す図である。
【
図18】4年間の処置期間にわたる、多発性硬化症に罹患した患者(患者15)のSHILDスコアの発展の棒グラフを示す図である。
【
図19】それぞれ、疾患の発症前、疾患の発症の2ヵ月後ならびに10ヵ月間および13ヵ月間にわたる処置後の、バセドウ病に罹患した患者(患者1)の目から取得した写真を示す図である。
【
図20】医療デバイスの模式的ブロック図を示す図である。
【
図21】別の医療デバイスの模式的ブロック図を示す図である。
【
図22】さらなる医療デバイスの模式的ブロック図を示す図である。
【
図23】なおさらなる医療デバイスの模式的ブロック図を示す図である。
【
図24】またさらなる医療デバイスの模式的ブロック図を示す図である。
【
図25】医療デバイスの模式的見取り図を示す図である。
【
図26】別の医療デバイスの模式的見取り図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【1924】
材料および方法
1. O2C - Oxygen to See
皮膚内での血液量および血流の測定
(A) O2C - 方法および設備
皮膚毛細血管内での血液量および血流を、技術O2C(LEA Medizintechnik GmbH社、Giessen、Germanyの「Oxygen to see」、http://www.lea.de/deu/fro2chd.htm)を用いて測定した。
【1925】
O2C検査は、組織光分光法(ATS)をレーザードップラー血流測定(LDA;レーザードップラー流速計)と組み合わせる。レーザードップラー流速計(LDA)は、血流中の速度成分の定時測定のための光学測定法である。分割レーザービームが測定点で交差し、ここで干渉縞パターンが作成される。縞パターンを通して移動する粒子が、その周波数が干渉縞に対して垂直である速度成分に比例し、光検出器により検出される、散乱光信号を生じる。レーザードップラー系を異なるレーザー波長と組み合わせることにより、すべての流速成分を検出することができる。毛細血管静脈酸素飽和度およびヘモグロビン量に加えて、毛細血管中の流速を同時に決定することができる。
【1926】
皮膚の毛細血管血液量のうちの大部分は、後毛細管細静脈系中にプールされる。したがって、O2Cは、この領域での測定に焦点を当てる。血流方向に関して、皮膚の毛細血管は、後毛細管細静脈系から上流に配置される。それゆえ、後毛細管細静脈系での変化を測定することにより、皮膚の毛細血管での変化に関する直接的な結論を引き出すことができる。O2Cにより測定される後毛細管細静脈系中にプールされた血液量での増加は、毛細血管を離れ、かつ後毛細管細静脈系に到達する血液量での増加からもたらされる(さらなる説明に関して、下記を参照されたい)。後毛細管細静脈系に到達するこの血液量の増加は、それによりさらに多量の血液を保持することを可能にする皮膚毛細血管の拡張に起因するか、もしくは加速された血流による皮膚毛細血管を通るスループットの増加または両方の組み合わせに起因する場合がある。それゆえ、後毛細管細静脈系内の血液量および皮膚組織内での血流を測定することにより、O2Cは、皮膚毛細血管内に存在する血液量および血流を決定することを可能にする。
【1927】
測定のためにレーザードップラー流量測定と組織分光分析とを組み合わせることにより、O2Cは特に、以下のパラメータに基づいて組織微小灌流を測定する:
- %でのヘモグロビンの酸素飽和度(sO2);
- 任意単位(AU)での相対的ヘモグロビン量(rHb);
- 任意単位(AU)での相対的血流(rFlow);および
- 任意単位(AU)での血流速度(Vel)。
【1928】
レーザードップラー偏移は、毛細血管の内腔内の赤血球の移動により引き起こされ、これが続いて血流速度(Vel)としてO2Cデバイスにより検出される。
【1929】
赤血球の量は、ヘモグロビンの吸収により間接的に検出される。発せられる白色光はヘモグロビン酸素飽和度(sO2)および相対的ヘモグロビン量(rHb)を表す。sO2は血液の色により決定され、rHbは組織中の白色光の吸収により示される。
【1930】
赤血球の量は、存在する血液量と相関する。血流速度(Vel)と組み合わせた血液量は、全体的な血流(rFlow)を生じる。
【1931】
O2C測定のために、500~630nm波長の白色光ならびに830nmのレーザー光が用いられた。
【1932】
本発明での測定のために用いられるO2Cデバイスは、製造業者シリアル番号SN:306-069-18を有し、別途言及されない場合、製造業者のマニュアル「O2C Handbuch fur Softwarevariante V40」、O2C-Handbuch-12-01-de-01-20191206、LEA Medizintechnik GmbH社、www.LEA.deに従って用いた。このO2Cデバイスに関して、異なるタイプのプローブが利用可能である。発せられる光の波長ならびに照明と検出点との間の距離(分離と称される)に応じて、異なる組織深さが評価される。測定のために、2mmの主要動作深さを有するLFx81型の4個のプローブを用いた。O2C測定は、2021年12月22日に、Friedrich Alexander University Erlangen-Nuernberg、University Hospital Erlangen、Department of Vascular Surgeryで行なった。
【1933】
(B) O2C - 測定のための設定および条件
それに対して測定が行なわれた被験体の皮膚は、測定が開始される約5時間前に、清浄化およびハンドソープを用いて洗浄された。クリーム、ローションオイル等などの物質は洗浄後に皮膚に塗布しなかった。被験体を椅子に座らせ、前腕を目の前の机の上で安定した位置に置いた。血圧および心拍数をモニタリングし、これらは変化せずに一定に保たれた。被験体の両方の前腕に対して測定を行なった。2本の前腕の皮膚を、アルコールパッドを用いて清浄化した。各前腕上に、直径約3cmの2つの円形の輪郭をアイライナーペンで描き、それぞれの方位領域O1、O2、O3およびO4を視覚的に強調した(
図1)。測定のために、LFx81型の4個の上記プローブを用いた。それぞれの測定領域M1、M2、M3およびM4のデータを提供するために、各方位領域O1~O4内に1個のプローブを置き、固定した。測定領域は、対応する方位領域よりも小さく、かつその内側に位置する(
図1)。血流は圧力により容易に影響されるので、プローブは、圧力が働かないかまたは静脈還流が影響されない様式で組織に適用した。プローブは、LEA Medizintechnik社により供給される透明両面粘着箔ストリップを用いて皮膚表面に貼り付けた。
【1934】
被験体に、測定の持続時間全体にわたって、動かないことまたは腕の筋肉を緊張させないことを指示し、これは監視もされた。
【1935】
ヘモグロビンレベルおよび酸素飽和度の測定は、光からの遮蔽を必要とする。変調外部光の入力は血流速度および血流での誤った読み出し値を引き起こすので、プローブヘッド部のすぐ近傍に強く変調した光源(例えば、ネオン管による照射)がないことを確かめた。部屋は、ブラインドにより完全に暗くした。存在する光源は、O2Cデバイスのモニターおよび24インチコンピュータスクリーンのみであった。これらの照明条件を維持し、すべての測定に対して一定に保った。M1とM2との距離ならびにM3とM4との距離は、円形の中央同士で測定して約7cmであった。アイライナーペンを用いて描いたカラーマーキング上にならないように、プローブを皮膚上に固定した。
【1936】
室温は、気流を伴わずに約20℃で一定に維持し、扉および窓は閉めたままにした。すべての測定に対して、条件は変更しなかった。
【1937】
環境に対する順応を達成し、かつそれにより安定な条件を確実にするための15分の休息時間後、ベースライン測定を行ない、sO2、rHb、rFlowおよびVelに関する出発値を取得した。
【1938】
ベースライン測定の直後、熱感パッド剤を用いる測定を、材料および方法セクション「O2C - Oxygen to See」、項目(C)に記載される通りに行なった。
【1939】
(C) 熱感パッド剤を用いる場合の被験体に対するO2C測定
O2C測定を、皮膚への熱の局所適用後の被験体に対して行なった。測定のための設備および測定設定は、上記項目(A)および(B)の下に本セクション中に記載される通りに用いた。
【1940】
一体型金属ディスクアクチベータを押してクリックすることにより、熱感パッド剤(basic NATURE社による「Relags Magic Heat Pad」;サイズ:10cm×10cm;重量;126g;BSN350974)を起動した。熱感パッド剤のゲル様内容物の凝固(結晶化)および混濁化が完了した後、起動されて温められた熱感パッド剤を、若干の圧力を伴って測定領域O4へと局所的に直ちに適用した。O4は、1分の持続時間にわたって、温められた熱感パッド剤により完全に覆われた。適用は、材料および方法セクション「熱感パッド剤の適用」に従って行なった。
【1941】
測定領域M1~M4は、以下の通りに処置するかまたは未処置のままとした:
M1=測定領域1=近位右前腕=未処置対照;
対応する方位領域はO1であった
M2=測定領域2=遠位右前腕=未処置対照;
対応する方位領域はO2であった
M3=測定領域3=遠位左前腕=未処置対照;
対応する方位領域はO3であった
M4=測定領域4=近位左前腕=局所熱感パッド剤適用;
対応する方位領域はO4であった。
【1942】
O4から熱感パッド剤を除去した後、上記の通りにM1~M4に対して4個のプローブを配置および固定した。
【1943】
熱感パッド剤を除去した1分後、sO2、rHb、rFlowおよびVelに関する値の決定を開始し、ベースラインレベルが再度成立するまで継続した。
【1944】
(D) 熱感クリーム剤を用いる場合の被験体に対するO2C測定
O2C測定を、熱感クリーム剤の局所適用後の被験体に対して行なった。測定のための設備および測定設定は、上記項目(A)および(B)の下に本セクション中に記載される通りに用いた。
【1945】
ニコチン酸メチルを含有する熱感クリーム剤であるKytta(登録商標)熱感バーム[P&G Health Germany GmbH社、Germanyによる「Kytta(登録商標)熱感バーム」、PZN 12358936]を、試験組成物として用いた。いかなる活性物質も含まないクリーム基剤(Basiscreme DAC、Bombastus Werke AG社、PZN 04193119;密度9.5 g/10mL)を比較組成物として用いた。
【1946】
測定領域M1~M4は、以下の通りに処置するかまたは未処置のままとした:
M1=測定領域1=近位右前腕=熱感クリーム剤Kytta(登録商標)熱感バーム、試験組成物;
対応する方位領域はO1であった
M2=測定領域2=遠位右前腕=未処置対照;
対応する方位領域はO2であった
M3=測定領域3=遠位左前腕=未処置対照;
対応する方位領域はO3であった
M4=測定領域4=近位左前腕=クリーム基剤、Basiscreme DAC、比較組成物;
対応する方位領域はO4であった。
【1947】
平らにしたスポンジでできた先端(約8mm×10mm×3mm)を含む別個のアイシャドウアプリケータを、それぞれ、M1へと試験組成物およびM4へと比較組成物を塗布するために用いた。
【1948】
比較組成物の適用から開始した。Basiscreme DACに対して用いる予定のアプリケータは、熱感クリーム剤を含まずに重量を測り、続いて、107mgのクリーム基剤をスポンジの片側に載せ、クリーム基剤を、M4の輪郭が描かれた領域を完全に覆うように均一に広げた。続いて、アプリケータのスポンジの反対側を用いて、過剰のクリーム基剤をM4から除去した。その後、アプリケータを再び計量し、39mgのBasiscreme DACがM4上に残ったことが算出された。それゆえ、最終的に39mgのBasiscreme DACがM4に塗布された。
【1949】
比較組成物の適用のために必要とされた時間は、約15秒~20秒であった。
【1950】
O4へのBasiscreme DACの塗布の開始の60秒後、O1へとKytta(登録商標)熱感バームを塗布し始めた。この目的のために、熱感クリーム剤に対して用いる予定の別のアプリケータを、熱感クリーム剤を含まずに重量を測り、続いて、109mgの熱感クリーム剤をスポンジの片側に載せ、熱感クリーム剤を、O1の輪郭が描かれた領域を完全に覆うように均一に広げた。続いて、アプリケータのスポンジの反対側を用いて、過剰の熱感クリーム剤をM1から除去した。その後、アプリケータを再び計量し、40mgのKytta(登録商標)熱感バームがO1上に残ったことが算出された。それゆえ、最終的に40mgのKytta(登録商標)熱感バームがO1に塗布された。適用は、材料および方法セクション「熱感クリーム剤の適用」に従って行なった。
【1951】
試験組成物の適用のために必要とされた時間は、約15秒~20秒であった。
【1952】
O1へのKytta(登録商標)熱感バームの適用が完了した後、全4領域を、プローブの粘着を確実にするためにアルコールパッドを用いて清浄化し、続いて、上記の通りにM1~M4に対して4個のプローブを配置および固定した。
【1953】
Kytta(登録商標)熱感バームの適用が完了した2分後、sO2、rHb、rFlowおよびVelに関する値の決定を開始し、sO2、rFlowおよびVelのベースラインレベルが再度成立するまで継続した。
【1954】
2. 熱測定および皮膚発赤
(A) 皮膚表面温度の熱測定および皮膚発赤の定量化のための方法および設備
皮膚表面温度とも称される皮膚上の温度の熱測定、および皮膚発赤の定量化を、同時に行なった。表現「皮膚上の温度」、「皮膚の温度」および/または「皮膚表面温度」は、相互に交換可能に用いられる。
【1955】
熱測定
皮膚表面温度とも称される皮膚上の温度、および皮膚表面温度とも称される皮膚発赤の熱測定を、卓上に下向きにした三脚上にしっかりと取り付けたサーモグラフィーカメラ(すなわち、サーモグラフィー赤外線カメラ)を用いて行なった。サーモグラフィーカメラの測定設定は、
図3に示され、かつ描写される。
【1956】
25mm F2.0マルチコートゲルマニウムレンズ型式Janos Strix(シリアル番号404790167)と共に、較正された冷却型高精度サーモグラフィーカメラ型式InfraTec ImageIR(登録商標)8800、シリアル番号88173803を用いた。このレンズを用いたサーモグラフィーカメラの対応する画像開口角は、21.7°×17.5°であった。カメラのセンサー(光検出器)は、640×512画像画素;15μm画素ピッチを有するStirling冷却型光量子検出器であった。検出器材料は、テルル化カドミウム水銀(MCT)であった。システムスペクトル範囲は、7.7μm~10.2μmの遠赤外線(LWIR)であった。適用される読み出し法は、ITR(Integrate Then Read)であった。システムが±1℃または±1%の予め特定された絶対測定精度および30℃(セルシウス度)で0.025K(ケルビン)の特定された相対解像度を有する-10℃~40℃の較正された測定範囲に対する測定のために、システムを設定した。結局、測定された値は予め設定した測定範囲を超過した。それゆえ、既に-10℃~40℃に設定しながら、システムは、40℃~45℃の範囲内に追加的に修正し、±1℃または±1%の最大偏差に達した。これは、-10℃~40℃の範囲と等しく、それにより、全体的な較正範囲は-10℃~45℃となった。
【1957】
取得フレームレートは1f/sに設定した。積分時間(曝露時間)は347μsであった。記録ホストPCに対するデータバスは、ギガビットイーサネットであった。
【1958】
サーモグラフィーカメラは、画像画素での温度を取得した。各測定領域M1~M4は、個別の方位領域O1~O4内での測定画素数により表わした。測定および方位領域の配置を
図1に示し、方位領域O1~O4は被験体の前腕上のアイライナーペンの暗色線により示される(
図1および
図4)。測定領域M1~M4は、白色で囲まれた領域により図面中で示される(
図1、
図5、
図7および
図9)。全測定領域M1~M4は、
図1で見て取れる通り、それらの個別の方位領域O1~O4の比較的小さなサブセットである。各測定領域に対するすべての測定画素を、1秒間当たり640×512測定画素の1フレームを伴って経時的に記録し、これは取得された測定値(最高および最低温度データは示されない)および画素当たりの平均温度を含んだ。それぞれの個々の測定領域M1~M4内のすべての測定画素の平均温度を、皮膚表面温度または皮膚の温度とも称される皮膚上の温度として取得した。
【1959】
熱測定のために、測定対象物の表面放射率(ε)が重要である。ヒト皮膚は、1.0の理論上の最大値に非常に近い0.98の係数を伴う(例えば、Manual of Technical Temperature Measurement、第2版、VDI、Springer Verlag社、chapter 13.7、p. 1235を参照されたい)。例えば、主な測定の開始時T(tc)preに、放射率(ε)に従う補正を考慮して、測定領域M1=30.12℃およびM2=29.44℃に対する実測値は、0.68℃のデルタを生じた。計算へと放射率(ε)を採用する補正された値は、M1=30.26℃およびM2=29.57℃(実温度)をもたらすであろう。このときのデルタは0.69℃であった。補正は小数点以下2桁であり(0.68℃対0.69℃=0.01℃)、したがって、記載される測定に関しては重要でなかった。より容易なプロセシングのために、以降の値は小数点以下1桁で四捨五入し、これは放射率(ε)の補正係数を伴わないすべての実測値を表わす。
【1960】
図5、
図6および
図8の図表に関して、4箇所の測定領域M1、M2、M3およびM4内での全測定画素の平均温度(皮膚表面温度)を、時間に対してプロットした。
【1961】
記載される測定を開始する前に、測定中の安定した操作を確実にするために、ベースライン測定を行なった。ベースライン測定の開始前に、1264秒(21.06分)のプレラン時間を伴って、測定モードでシステムを起動した。
【1962】
ファームウェア8.45.3.2を含む標準的なネットワークビデオカメラ型式Axis V5915の連続記録を用いて測定をドキュメント化し、参照のためにAxisカメラステーションビデオサーバーバージョン5.38.317に記録した。
【1963】
(B) 熱測定のための設定および条件
それに対して測定が行なわれた被験体の皮膚は、測定が開始される約3時間前に、清浄化およびハンドソープを用いて洗浄された。クリーム、ローションオイル等などの物質は洗浄後に皮膚に塗布しなかった。被験体を椅子に座らせ、前腕を目の前の机の上で安定した位置に置いた。測定プロセス全体の間に前腕を動かすかまたは曲げないことを確実にするために、正確な位置の輪郭を机上に描いた。各前腕上に、直径約3cmの2つの円形の輪郭をアイライナーペンで描き、それぞれの方位領域O1~O4を視覚的に強調した(
図1)。方位領域は、それに対して物質を皮膚へと適用し、かつ熱感クッションをその適用中に中央にする、視覚的に見つけられる方位をもたらすために用いた。測定領域M1~M4は、それらの個別の方位領域よりも直径が小さく、かつその内側に配置された。測定領域M1~M4はそれでも処置が適用されたより大きな方位領域O1~O4内にあるので、より小さな測定領域は、測定に影響することなく、腕の小さな動きを可能にする(
図1)。
【1964】
サーモグラフィーカメラは、前腕に焦点を合わせて、被験者に向かって約20°の傾斜を伴って下向きに机の上に配置した(
図4)。前腕上の各測定領域M1~M4に対する距離は、カメラの20°傾斜した軸に沿って103±2cmであり、90°の垂直軸に沿ったレンズから机の表面までの距離は、100cmであった。
【1965】
測定の開始時の室温は22.0℃であった。室温は測定全体の間は受動的に一定に保たれ、測定の終了時での22.5℃まで、0.5℃だけ約6時間の時間枠にわたってゆっくりとした一定の勾配で若干上昇しただけであった。測定全体の間、カメラまたは被験者のいずれにも空気の冷却は適用できず、能動的な空気の循環(例えば、ファン)は存在せず、扉および窓は閉めたままにし、暖房装置またはいかなる冷房(空調)も作動しなかった。
【1966】
安定な測定条件を確実にするために、全4箇所の測定領域M1~M4中の皮膚表面温度を20分にわたって記録し、これがベースラインとして機能した。ベースラインの決定を終了した約20分後に、熱感パッド剤を用いる測定を、材料および方法セクション「熱感パッド剤を用いる場合の被験体に対する熱測定(皮膚表面温度)および皮膚発赤」、項目(C)に記載される通りに行なった。さらに、熱感クリーム剤を用いる測定を、ベースラインの決定が完了した約2時間後に、材料および方法セクション「熱感クリーム剤を用いる場合の被験体に対する熱測定(皮膚表面温度)および皮膚発赤」、項目(D)に記載される通りに行なった。
【1967】
(C) 熱感パッド剤を用いる場合の被験体に対する熱測定(皮膚表面温度)および皮膚発赤
皮膚表面温度の測定を、皮膚への熱感パッド剤の局所適用後の被験体に対して行ない、熱感パッド剤は、方位領域O4の中央に置いた。測定のための設備および測定設定は、上記項目(A)および(B)の下に本セクション中に記載される通りに用いた。
【1968】
皮膚へと熱感パッド剤を適用する前に、皮膚表面温度の測定を開始し、測定領域M1~M4での温度読み出し値は、29.2℃~29.6℃の範囲内であった(
図6、表6)。
【1969】
続いて、一体型金属ディスクアクチベータを押してクリックすることにより、熱感パッド剤(basic NATURE社による「Relags Magic Heat Pad」;サイズ:10cm×10cm;重量;126g;BSN350974)を起動した。熱感パッド剤のゲル様内容物の凝固(結晶化)および混濁化が完了した後、起動されて温められた熱感パッド剤を、若干の圧力を伴って方位領域O4の皮膚へと局所的に直ちに適用した。O4およびそれぞれ含められる測定領域M4は、皮膚を加熱するために、約2分の持続時間にわたって、温められた熱感パッド剤により完全に覆われた。適用は、材料および方法セクション「熱感パッド剤の適用」に従って行なった。温められた熱感パッド剤は、その表面で49.4℃(T(tp)
pad)の実測最高温度を有した(
図6、表6)。熱感パッド剤表面の放射率(ε)は決定することができず、かつ温度読み出し値に影響する場合があるので、かつ熱感パッド剤はO4に対して中央に熱感パッド剤を維持する操作者の手により部分的に覆われたので、熱感パッド剤適用の持続時間にわたる
図6の図表読み出し値中の温度のある程度の変動が、熱感パッド剤表面の測定不確実性に起因して観察された。
【1970】
測定領域M1~M4は、以下の通りに処置するかまたは未処置のままとした:
M1=測定領域1=近位右前腕=未処置対照;
対応する方位領域はO1であった
M2=測定領域2=遠位右前腕=未処置対照;
対応する方位領域はO2であった
M3=測定領域3=遠位左前腕=未処置対照;
対応する方位領域はO3であった
M4=測定領域4=近位左前腕=局所熱感パッド剤適用;
対応する方位領域はO4であった。
【1971】
実験全体を通して、温度は、1秒毎に連続して測定した。熱感パッド剤がM4から除去された10秒後(T(tp)
1で)から開始して、未処置対照M1~M3と熱感パッド剤で処置されたM4との間の測定された温度差が約1.3℃(ベースライン皮膚表面温度の平均よりも約1.4℃上、表5)になるまでには、約57分(T(tp)
3で)かかったことが、
図6から見て取れる。
【1972】
皮膚発赤は、肉眼で方位領域O1~O4を観察および調査することにより、視覚的に決定した。
【1973】
(D) 熱感クリーム剤を用いる場合の被験体に対する熱測定(皮膚表面温度)および皮膚発赤
皮膚表面温度の測定を、皮膚への熱感クリーム剤(試験組成物)の局所適用後の被験体に対して行なった。測定のための設備および測定設定は、上記項目(A)および(B)の下に本セクション中に記載される通りに用いた。
【1974】
ニコチン酸メチルを含有する熱感クリーム剤であるKytta(登録商標)熱感バーム[P&G Health Germany社、Germanyによる「Kytta(登録商標)熱感バーム」、PZN 12358936]を、試験組成物として用いた。いかなる活性物質も含まないクリーム基剤(Basiscreme DAC、Bombastus Werke AG社、PZN 04193119;密度9.5 g/10mL)を比較組成物として用いた。
【1975】
測定領域M1~M4は、以下の通りに処置するかまたは未処置のままとした:
M1=測定領域1=近位右前腕=熱感クリーム剤Kytta(登録商標)熱感バーム、試験組成物;
対応する方位領域はO1であった
M2=測定領域2=遠位右前腕=未処置対照;
対応する方位領域はO2であった
M3=測定領域3=遠位左前腕=クリーム基剤、Basiscreme DAC、比較組成物;
対応する方位領域はO3であった
M4=測定領域4=近位左前腕=未処置対照;
対応する方位領域はO4であった。
【1976】
皮膚への組成物の適用前に、M1~M4の皮膚表面温度の測定を開始し、左前腕上の測定領域M3(比較組成物)と右前腕上のM1(試験組成物)との間の温度が略等しくなり、約1℃の差異に到達するまで、110分継続した。
【1977】
平らにしたスポンジでできた先端(約8mm×10mm×3mm)を含む別個のアイシャドウアプリケータを、それぞれ、O1へと試験組成物およびO3へと比較組成物を塗布するために用いた。
【1978】
続いて、比較組成物の適用から開始した。Basiscreme DACに対して用いる予定のアプリケータは、熱感クリーム剤を含まずに重量を測り、続いて、99mgのクリーム基剤をスポンジの片側に載せ、クリーム基剤を、O3方位領域を完全に覆うように均一に広げた。続いて、アプリケータのスポンジの反対側を用いて、過剰のクリーム基剤をO3から除去した。その後、アプリケータを再び計量し、51mgのBasiscreme DACがO3上に残ったことが算出された。それゆえ、最終的に51mgのBasiscreme DACがO3に塗布された。
【1979】
比較組成物の適用のために必要とされた時間は、約15秒~20秒であった。
【1980】
O4へのBasiscreme DACの塗布の開始の約60秒後、方位領域O1へとKytta(登録商標)熱感バームを塗布し始めた。この目的のために、熱感クリーム剤に対して用いる予定の別のアプリケータを、熱感クリーム剤を含まずに重量を測り、続いて、92mgの熱感クリーム剤をスポンジの片側に載せ、熱感クリーム剤を、O1の輪郭が描かれた領域を完全に覆うように均一に広げた。続いて、アプリケータのスポンジの反対側を用いて、過剰の熱感クリーム剤をO1から除去した。その後、アプリケータを再び計量し、65mgのKytta(登録商標)熱感バームがO1上に残ったことが算出された。それゆえ、最終的に65mgのKytta(登録商標)熱感バームがO1に塗布された。適用は、材料および方法セクション「熱感クリーム剤の適用」に従って行なった。
【1981】
試験組成物の適用のために必要とされた時間は、約15秒~30秒であった。
【1982】
皮膚発赤は、肉眼で方位領域O1~O4を観察および調査することにより、視覚的に決定した。
【1983】
3. PBMCの調製
作業場所上に置かれる予定のすべての物品および材料を、それらを作業場所に置く前に、80%エタノール(aqua ad injectabilia中v/v、Braun社)を用いて十分に消毒した。続いて、30μLヘパリンナトリウム(Braun社により供給されるヘパリンナトリウム、B. Braun Melsungen AG社、25000I.E./5mL(25,000IU/5mL)注入溶液、PZN:15782698)を、2本の10mLシリンジにそれぞれ移した。
【1984】
一方のヘパリン装備シリンジに、21G翼状注射針を装着し、患者由来の静脈血を収集するために用いた。続いて、満たされたシリンジを第2のヘパリン装備シリンジと交換し、さらなる10mL血液を収集した(2回穿刺する必要がないように、針は患者の静脈中に残した)。ヘパリンと血液とを混合するために、満たされたシリンジをすぐに3回反転させた。ヘパリン血を、10mL滅菌遠心分離管に移した。4本の追加の10mL滅菌遠心分離管に、3mLのリンパ球分離媒体(リンパ球分離媒体、Pancoll human、密度:1.077g/mL、製品番号P04-60125)を準備した。リンパ球分離媒体に、5mLのヘパリン血を注意深く積層した。これらの4本の追加の10mL滅菌遠心分離管を、密度勾配遠心による血液からの単核白血球の分離を可能にするために、ブレーキを用いずに850×gで15分遠心分離した。
【1985】
PBMCを含有する白色界面部をピペッティングにより注意深く回収し、新たな10mL遠心分離管に移した。これらの試験管を、1900×gで12分遠心分離した。上清を廃棄し、細胞ペレットを10mLの滅菌0.9%NaCl溶液(0.9%Braun Ecoflac Plus、B. Braun Melsungen AG社、PZN:08609255)中に溶解させ、750×gで8分遠心分離した。上清を廃棄し、細胞ペレットを10mLの滅菌0.9%NaCl溶液(0.9%Braun Ecoflac Plus、B. Braun Melsungen AG社、PZN:08609255)中に再懸濁し、750×gで8分遠心分離した。上清を廃棄し、細胞ペレットを0.25mLの0.9%NaCl溶液(0.9%Braun Ecoflac Plus、B. Braun Melsungen AG社、PZN:08609255)中に再懸濁した。当技術分野で公知の通りに、トリパンブルー染色をNeubauer-hamocytometeraと組み合わせて用いて、PBMCを計数した。PBMCの濃度を、100μL中の4.5×106個のPBMC(450万個のPBMC)に調整した。
【1986】
4. IFN-γを含む注入溶液の調製:IFN-γ注入溶液
高用量IFN-γ注入溶液:10,000IU/mL IFN-γ:
0.5mLの注入溶液(配列番号1のペプチド配列を含む組み換えヒトIFN-γ-1b-タンパク質を含む注入溶液、Boehringer Ingelheim RCV GmbH & Co KG社により製造され、ドイツでは商標Imukin(登録商標)の下にBoehringer Ingelheim Pharma GmbH & Co. KG社から市販されている、PZN:06958744、Lot:M000487)中の合計2×106IUヒトIFN-γ(2,000,000IU;0.1mg)を含有する1本のアンプルから、0.5mL(2,000,000IU;0.1mg IFN-γを含有する)を、199.5mLの0.9%NaCl溶液(Braun Ecoflac Plus、B. Braun Melsungen AG社、PZN:08609255)と混合した。これにより、それぞれ10,000IU/mLおよび500ng/mL IFN-γの最終濃度がもたらされた。溶液を、滅菌ガラスアンプル中、0.5mLアリコートで凍結させ、使用まで-20℃で保存した。
【1987】
投与前に、そのようにして得られた高用量IFN-γ注入溶液の1本のガラスアンプルを室温で融解させ、続いて、それぞれ1,000IUおよび50ng IFN-γの量に対応する0.1mL(100μL)を、患者の皮膚中に注入した。
【1988】
低用量IFN-γ注入溶液:1,000IU/mL IFN-γ:
比較的低濃度のIFN-γが必要であった場合、希釈物を以下の通りに調製した。それぞれ10,000IU/mLおよび500ng/mLのIFN-γを含有する上記の高用量IFN-γ溶液の1つの500μLアリコートを融解させ、4.5mLの0.9%NaCl溶液(Kochsalzlosung 0.9%Miniplasco connect、B. Braun Melsungen AG社、PZN:03079870)と混合した。この希釈物から、それぞれ100IUおよび5ng IFN-γの量に対応する0.1mLを、患者の皮膚中に注入した。
【1989】
あるいは、0.5mLの注入溶液(配列番号1のペプチド配列を含む組み換えヒトIFN-γ-1b-タンパク質を含む注入溶液、Boehringer Ingelheim RCV GmbH & Co KG社により製造され、ドイツでは商標Imukin(登録商標)の下にBoehringer Ingelheim Pharma GmbH & Co. KG社から市販されている、PZN:06958744、Lot:M000487)中の合計2×106IUヒトIFN-γ(2,000,000IU;0.1mg)を含有する1本のアンプルから、0.5mL(200,000IU;10μg IFN-γを含有する)を、199.5mLの0.9%NaCl溶液(Braun Ecoflac Plus、B. Braun Melsungen AG社、PZN:08609255)と混合した。これにより、それぞれ1,000IU/mLおよび50ng/mL IFN-γの最終濃度がもたらされた。溶液を、滅菌ガラスアンプル中、0.5mLアリコートで凍結させ、使用まで-20℃で保存した。
【1990】
投与前に、そのようにして得られた低用量IFN-γ注入溶液の1本のガラスアンプルを室温で融解させ、続いて、それぞれ100IUおよび5ng IFN-γの量に対応する0.1mL(100μL)を、患者の皮膚中に注入した。
【1991】
5. IL-2を含む注入溶液の調製:IL-2注入溶液
18×106IU(18,000,000IU;1.1mg)凍結乾燥IL-2(配列番号2のペプチド配列を含む組み換えヒトIL-2タンパク質、Novartis Pharmaceuticals UK, Limited社により製造され、ドイツでは商標Proleukin(登録商標)Sの下にNovartis Pharma GmbH社から市販されている)を含有する1本のアンプルへと、9mLの注射用水(AQUA AD Injectabilia Miniplasco connect、B. Braun Melsungen AG社、PZN 03113087)を、IL-2を溶解させるために添加し、2×106IU/mL IL-2(2,000,000IU/mL;122μg/mL IL-2)の最終濃度を達成した。このIL-2溶液のうち、0.4mLを399.6mLの0.9%NaCl溶液(Braun Ecoflac Plus PZN:08609255)と混合した。これにより、2,000IU/mLおよび122ng/mL IL-2の最終濃度がもたらされた。溶液を、滅菌ガラスアンプル中、0.5mLアリコートで凍結させた。
【1992】
投与前に、そのようにして得られたIL-2注入溶液の1本のガラスアンプルを室温で融解させ、続いて、それぞれ200IUおよび12.2ng IL-2の量に対応する0.1mL(100μL)を、患者の皮膚中に注入した。
【1993】
6. IFN-γおよびIL-2を含む注入溶液の調製:IFN-γ/IL-2注入溶液
高用量IFN-γ/IL-2注入溶液:10,000IU/mL IFN-γおよび2,000IU/mL IL-2:
0.5mLの注入溶液(配列番号1のペプチド配列を含む組み換えヒトIFN-γ-1b-タンパク質を含む注入溶液、Boehringer Ingelheim RCV GmbH & Co KG社により製造され、ドイツでは商標Imukin(登録商標)の下にBoehringer Ingelheim Pharma GmbH & Co. KG社から市販されている、PZN:06958744、Lot:M000487)中の各2×106IUヒトIFN-γ(2,000,000IU;0.1mg)を含有する2本のアンプルを併せ、得られた1mLのIFN-γ注入溶液(4,000,000IU/mL;200μg/mL IFN-γ)を、398.6mLの0.9%NaCl溶液(Braun Ecoflac Plus、B. Braun Melsungen AG社、PZN:08609255)と混合し、IFN-γを含有する399.6mLの溶液を得た。
【1994】
続いて、18×106IU(18,000,000IU;1.1mg)凍結乾燥IL-2(配列番号4のペプチド配列を含む組み換えヒトIL-2タンパク質、Novartis Pharmaceuticals UK, Limited社により製造され、ドイツでは商標Proleukin(登録商標)Sの下にNovartis Pharma GmbH社から市販されている)を含有する1本のアンプルへと、9mLの注射用水(AQUA AD Injectabilia Miniplasco connect、B. Braun Melsungen AG社、PZN 03113087)を、IL-2を溶解させるために添加し、2×106IU/mL IL-2(2,000,000IU/mL;122μg/mL IL-2)の最終濃度を達成した。このIL-2溶液のうち、0.4mLを上記で調製したIFN-γを含有する399.6mLの溶液と混合した。これにより、それぞれ10,000IU/mL IFN-γおよび2,000IU/mL IL-2、ならびに500ng IFN-γおよび122ng IL-2の最終濃度がもたらされた。
【1995】
溶液を、滅菌ガラスアンプル中、0.5mLアリコートで凍結させ、使用まで-20℃で保存した。
【1996】
投与前に、そのようにして得られた高用量IFN-γ/IL-2注入溶液の1本のガラスアンプルを室温で融解させ、続いて、それぞれ1,000IU IFN-γおよび200IU IL-2、ならびに50ng IFN-γおよび12.2ng IL-2の量に対応する0.1mL(100μL)を、患者の皮膚中に注入した。
【1997】
低用量IFN-γ/IL-2注入溶液:1,000IU/mL IFN-γおよび2,000IU/mL IL-2:
0.5mLの注入溶液(配列番号1のペプチド配列を含む組み換えヒトIFN-γ-1b-タンパク質を含む注入溶液、Boehringer Ingelheim RCV GmbH & Co KG社により製造され、ドイツでは商標Imukin(登録商標)の下にBoehringer Ingelheim Pharma GmbH & Co. KG社から市販されている、PZN:06958744、Lot:M000487)中の合計2×106IUヒトIFN-γ(2,000,000IU;0.1mg)を含有する1本のアンプルから、0.5mL(2,000,000IU;0.1mg IFN-γを含有する)を、199.5mLの0.9%NaCl溶液(Braun Ecoflac Plus、B. Braun Melsungen AG社、PZN:08609255)と混合した。これにより、それぞれ10,000IU/mLおよび500ng/mL IFN-γの濃度がもたらされた。この溶液から、100mLを899mLの0.9%NaCl溶液(Braun Ecoflac Plus、B. Braun Melsungen AG社、PZN:08609255)と混合し、IFN-γを含有する999mLの溶液を生じた。
【1998】
続いて、18×106IU(18,000,000IU;1.1mg)凍結乾燥IL-2(配列番号4のペプチド配列を含む組み換えヒトIL-2タンパク質、Novartis Pharmaceuticals UK, Limited社により製造され、ドイツでは商標Proleukin(登録商標)Sの下にNovartis Pharma GmbH社から市販されている)を含有する1本のアンプルへと、9mLの注射用水(AQUA AD Injectabilia Miniplasco connect、B. Braun Melsungen AG社、PZN 03113087)を、IL-2を溶解させるために添加し、2×106IU/mL IL-2(2,000,000IU/mL;122μg/mL IL-2)の最終濃度を達成した。このIL-2溶液のうち、1mLを上記で調製したIFN-γを含有する999mLの溶液と混合した。これにより、それぞれ1,000IU/mL IFN-γおよび2,000IU/mL IL-2、ならびに50ng IFN-γおよび122ng IL-2の最終濃度がもたらされた。
【1999】
溶液を、滅菌ガラスアンプル中、0.5mLアリコートで凍結させ、使用まで-20℃で保存した。
【2000】
投与前に、そのようにして得られた低用量IFN-γ/IL-2注入溶液の1本のガラスアンプルを室温で融解させ、続いて、それぞれ100IU IFN-γおよび200IU IL-2、ならびに5ng IFN-γおよび12.2ng IL-2の量に対応する0.1mL(100μL)を、患者の皮膚中に注入した。
【2001】
7. IL-4およびIL-2を含む注入溶液の調製:IL-4/IL-2注入溶液
10μg(約2.9×105IU、290,000IU)凍結乾燥IL-4(配列番号3のペプチド配列を含む組み換えヒトIL-4タンパク質、キャリアフリー、R&D Systems社により製造され、ドイツではR&D Systems社から市販されている、注文番号204-IL-010/CF)を含有する1本のアンプルへと、0.1mLの0.9%NaCl溶液(Braun Ecoflac Plus、B. Braun Melsungen AG社、PZN:08609255)を添加し、IL-4をその中に再調製した。得られた溶液を、49.85mLの0.9%NaCl溶液(Braun Ecoflac Plus、B. Braun Melsungen AG社、PZN:08609255)へと完全に移し、IL-4を含有する49.95mLの溶液を生じた。
【2002】
続いて、18×106IU(18,000,000IU;1.1mg)凍結乾燥IL-2(配列番号4のペプチド配列を含む組み換えヒトIL-2タンパク質、Novartis Pharmaceuticals UK, Limited社により製造され、ドイツでは商標Proleukin(登録商標)Sの下にNovartis Pharma GmbH社から市販されている)を含有する1本のアンプルへと、9mLの注射用水(AQUA AD Injectabilia Miniplasco connect、B. Braun Melsungen AG社、PZN 03113087)を、IL-2を溶解させるために添加し、2×106IU/mL IL-2(2,000,000IU/mL;122μg/mL IL-2)の最終濃度を達成した。このIL-2溶液のうち、0.05mLを上記で調製したIL-4を含有する49.95mLの溶液と混合した。これにより、それぞれ0.2μg/mL IL-4および2,000IU/mL IL-2、ならびに0.2μg/mL IL-4および122ng IL-2の最終濃度がもたらされた。
【2003】
溶液を、滅菌ガラスアンプル中、0.5mLアリコートで凍結させ、使用まで-20℃で保存した。
【2004】
投与前に、そのようにして得られたIL-4/IL-2注入溶液の1本のガラスアンプルを室温で融解させ、続いて、それぞれ20ng IL-4および200IU IL-2、ならびに20ng IL-4および12.2ng IL-2の量に対応する0.1mL(100μL)を、患者の皮膚中に注入した。
【2005】
8. BDNFおよびIL-2を含む注入溶液の調製:BDNF/IL-2注入溶液
5μg凍結乾燥BDNF(配列番号4のペプチド配列を含む組み換えヒトBDNFタンパク質、キャリアフリー、R&D Systems社により製造され、ドイツではR&D Systems社から市販されている、注文番号248-BD-005/CF)を含有する1本のアンプルへと、0.1mLの0.9%NaCl溶液(Braun Ecoflac Plus、B. Braun Melsungen AG社、PZN:08609255)を添加し、IL-4を再調製した。この得られた溶液を、49.85mLの0.9%NaCl溶液(Braun Ecoflac Plus、B. Braun Melsungen AG社、PZN:08609255)へと完全に移し、BDNFを含有する49.95mLの溶液を生じた。
【2006】
続いて、18×106IU(18,000,000IU;1.1mg)凍結乾燥IL-2(配列番号4のペプチド配列を含む組み換えヒトIL-2タンパク質、Novartis Pharmaceuticals UK, Limited社により製造され、ドイツでは商標Proleukin(登録商標)Sの下にNovartis Pharma GmbH社から市販されている)を含有する1本のアンプルへと、9mLの注射用水(AQUA AD Injectabilia Miniplasco connect、B. Braun Melsungen AG社、PZN 03113087)を、IL-2を溶解させるために添加し、2×106IU/mL IL-2(2,000,000IU/mL;122μg/mL IL-2)の最終濃度を達成した。このIL-2溶液のうち、0.05mLを上記で調製したBDNFを含有する49.95mLの溶液と混合した。これにより、それぞれ0.01μg/mL BDNFおよび2,000IU/mL IL-2、ならびに0.01μg/mL BDNFおよび122ng IL-2の最終濃度がもたらされた。
【2007】
溶液を、滅菌ガラスアンプル中、0.5mLアリコートで凍結させ、使用まで-20℃で保存した。
【2008】
投与前に、そのようにして得られたBDNF/IL-2注入溶液の1本のガラスアンプルを室温で融解させ、続いて、それぞれ1ng BDNFおよび200IU IL-2、ならびに1ng BDNFおよび12.2ng IL-2の量に対応する0.1mL(100μL)を、患者の皮膚中に注入した。
【2009】
9. IFN-γを含むクリーム剤の調製:IFN-γクリーム剤
0.5mLの注入溶液(配列番号1のペプチド配列を含む組み換えヒトIFN-γ-1b-タンパク質を含む注入溶液、Boehringer Ingelheim RCV GmbH & Co KG社により製造され、ドイツでは商標Imukin(登録商標)の下にBoehringer Ingelheim Pharma GmbH & Co. KG社から市販されている、PZN:06958744、Lot:M000487)中の合計2×106IUヒトIFN-γ(2,000,000IU;0.1mg)を含有する1本のアンプルから、0.5mL(2,000,000IU;0.1mg IFN-γを含有する)を、94.5gのクリーム基剤(Basiscreme DAC、Bombastus Werke AG社、PZN 04193119;密度9.5g/10mL)と混合し、2,000IU/100μL IFN-γの濃度を含むクリーム剤を生じた。
【2010】
続いて、1mLのIFN-γクリーム剤を、皮膚へと局所的にIFN-γを投与するために、局所適用に対して1日2回用いた。
【2011】
10. 熱感パッド剤の適用 - 皮膚への調整エネルギーの投与
皮膚上に若干の圧力を伴って熱感パッド剤(basic NATURE社による潜熱蓄熱「Relags Magic Heat Pad」;サイズ:10cm×10cm;重量;126g;BSN350974)を置くことにより、皮膚を局所的に加熱した。それゆえ、一時的に電気ハンドウォーマーも利用された発明実施例10を除いて、発明実施例中で利用した熱感パッド剤のタイプは、参照実施例1および3で用いたものと同じであった。熱感パッド剤は、製造業者の説明書に従えば、58℃の最高温度を発生させる。測定に従えば、用いた熱感パッド剤のタイプは、49.4℃の最高温度に達した(
図6、表6)。一体型金属ディスクアクチベータを押してクリックすることにより、熱感パッド剤を起動した。熱感パッド剤のゲル様内容物の凝固(結晶化)および混濁化が完了した後、起動された熱感パッド剤を、被験体の皮膚上へと、10秒から最大5分にわたって、若干の圧力を伴って直ちに適用した。熱感パッド剤を除去した後、皮膚は著しく温められており、これは手で触ることにより決定することができ、かつ指を用いて触知可能であった。さらに、皮膚の明らかな発赤が生じており、発赤は、肉眼に対して視覚的に検出可能であった。
【2012】
あるいは、電気ハンドウォーマーを、上記と同様に熱感パッド剤として用いた(温度表示を含むポータブル電気USBハンドウォーマーおよびパワーバンク、充電可能、10,000mAh、ReVolt社製、EAN:4022107937498;またはHONYINハンドウォーマー、充電可能ハンドウォーマー、7800mAh、再利用可能、電動、パワーバンクUSB、ポータブル)。ReVolt社ハンドウォーマーに、温度を表示するディスプレイを装着した。ディスプレイに表示された温度に基づいて、温度を約38℃~48℃に調整した。HONYINハンドウォーマー(had warmer)は、低温または中温のいずれかで用いた。製造業者の表示に従えば、低温は約35℃~42℃(95F~108F)であり、中温は約42℃~48℃(108F~118F)である。
【2013】
11. 熱感クリーム剤の適用 - 皮膚への皮膚コンディショニング剤の投与
熱感クリーム剤として、ニコチン酸メチルを含有するKytta(登録商標)熱感バーム(P&G Health Germany GmbH社、Germanyによる「Kytta(登録商標)Warmebalsam」、PZN 12358936)を、被験体の皮膚へと局所的に塗布した。それゆえ、発明実施例中で利用した熱感クリーム剤は、参照実施例2および4で用いたものと同じであった。熱感クリーム剤を塗布された領域の寸法は、4cm2~100cm2の範囲内であった。約10mg~800mg、通常約35mg~150mgの熱感クリーム剤を、熱感クリーム剤の薄膜を適用することにより皮膚領域の皮膚へと投与した。その後、処置された皮膚は、約15分以内に著しく温かくなった。加温は、手または指によって処置された皮膚に触れることにより、決定することができた。さらに、白人皮膚の場合、明らかな皮膚の発赤が生じ、発赤は、肉眼に対して視覚的に検出可能であった。
【2014】
灌流上昇に対するニコチン酸メチルの効果の詳細な説明は、Tur E et al.(Tur E, Guy RH, Tur M, Maibach HI.「Noninvasive assessment of local nicotinate pharmacodynamics by photoplethysmography.」J Invest Dermatol. 1983 Jun;80(6):499 503)に見出すことができる。
【2015】
局所用血管拡張剤(ニコチン酸メチル(MN))の局所薬物動態が、Elawa et al.(Elawa S, Mirdell R, Farnebo S, Tesselaar E.「Skin blood flow response to topically applied methyl nicotinate: Possible mechanisms.」Skin Res Technol. 2020 May;26(3):343 348. Epub 2019 Nov 27. PMID: 31777124.)より記載されてきた。特に、著者らは、50μLの20mmol/L MNの用量が、レーザースペックルコントラストイメージャ(PeriCam PSI System;Perimed AB社)を皮膚の灌流を測定するために用いた場合、健康被験体での再現可能な灌流応答を生じることを記載した。灌流の増加は、MNの局所適用の数分後に起こり、5分後に安定なプラトー相に達する。
【2016】
12. 関節状態の決定 - 圧痛関節(TJ)および腫脹関節(SJ)
関節状態の調査および決定は、医師またはリウマチ専門医により行なわれてきた。圧痛関節(TJ)は、圧力感受性であるが、必ずしも腫脹していない。腫脹関節(SJ)は、手による検査により触知可能であり、かつ/または肉眼に対して視覚的に検出可能であった腫脹を示す。TJおよびSJの量を計数した。それぞれTJおよび/またはSJの量の低減は、炎症の低減、疾患の緩和および患者健康状態の改善に対する指標であった。
【2017】
13. CRP - C反応性タンパク質
CRP(C反応性タンパク質)は、身体中での炎症を検出およびモニタリングするために最も重要な血液検査値である。これは認定された試験所により決定した。低CRPは炎症の非存在を示し、高CRPは炎症が存在することを示す。
【2018】
これは非常に感度の高いマーカーである。炎症のごく小さな病巣が既に、CRPの上昇を引き起こし得る。さらに、CRP値の上昇が、精神的ならびに身体的ストレスとの関連を示すことが公知である。それゆえ、CRPの上昇または変動はまた、抑うつまたは不安などの精神的ストレスおよび身体的緊張または肉体労働などの身体的ストレスにも起因する場合がある。そのような上昇は、本発明により達成されるCRPに対する正の効果を無効にする場合があり、かつしたがって、そのような患者でのCRPの発展は、炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患の疾患管理をもはや示さない可能性がある。それゆえ、CRPの変動または上昇は、本発明の有効性を除外しない。しかしながら、低いかまたは減少したCRPは、患者身体中にいかなる炎症も存在しないことおよび疾患管理を明らかに示す。
【2019】
【2020】
14. BASDAI - バース強直性脊椎炎疾患活動性指数疾患活動性質問票
BASDAI(バース強直性脊椎炎疾患活動性指数)は、医師、通常はリウマチ専門医が現行の薬物療法の有効性、または強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)の治療に対して新規薬物療法を始める必要性を決定することを可能にする、実証され、かつ規格化された診断質問票である。より高いBASDAIは、患者での苦痛の圧力および最適未満の疾患管理のより高いレベルを示し、より低いBASDAIは、比較的良好な疾患管理に起因する患者の生活の質の改善を示す。
【2021】
BASDAIは、強直性脊椎炎の5種類の主要な症状に関連する患者に尋ねられた6つの質問に応答した、不快感、疼痛、および疲労感を測定する0~10のスケールからなる(0が問題なしであり、10が最も悪い問題である):
(1) 疲労感;
(2) 脊椎痛;
(3) 関節痛(関節疼痛;圧痛関節)または腫脹;
(4) 腱付着部炎、または腱および靱帯の炎症(結合組織が骨へと挿入する局所的圧痛の領域);
(5) 朝のこわばりの持続時間;
(6) 朝のこわばりの重症度。
【2022】
各症状に公平な重み付けを与えるために、朝のこわばりに関連する2つのスコア[(5)および(6)]の平均を取った。得られた0~50のスコアを5で除算し、最終的な0~10のBASDAIスコアを得た。4以上のスコアは、最適未満の疾患の管理を示唆する。それゆえ、それらの患者は、本発明に従う方法を試験するための良好な候補である。
【2023】
15. HAQ - 健康調査質問票機能的障害指数
HAQ(健康調査質問票)は、多発性関節炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、リウマチ性多発筋痛症等などの炎症性リウマチ関節疾患に起因する障害を評価するための規格化された質問票である。患者はこの質問票に自分で記入し、8種類の日常的な機能的ドメインでの以下の動作を行なう能力を評価した:着替え、起床、食事、歩行、個人衛生、物体の手渡し、把持、他の活動。
【2024】
0~3のスケールに対して、動作を行なうことができるか否かに関して区別が為される:
スケール値0=障害はなく、いかなる困難性も伴わずに行なうことができる;
スケール値1=幾分かの困難性を伴って行なうことができる;
スケール値2=多大な困難性を伴って行なうことができる;
スケール値3=高度な障害、行なうことができない。
【2025】
さらに、HAQ上の障害項目のそれぞれは、存在する場合、参加者がその日常の動作に対してどのような種類の支援を用いるかを記録するために用いられる、随伴補助器具/デバイス変数を有する。これらの変数(下記を参照されたい)は、以下の通りにコード化される:
スケール値0=補助が必要ない;
スケール値1=その日常の動作で患者により特殊なデバイスが用いられる;
スケール値2=患者が通常、別の人物からの助けを必要とする;
スケール値3=患者が通常、特殊なデバイスおよび別の人物からの助けの両方を必要とする。
【2026】
機能的障害指数(HAQ)は、8種類の異なるドメインのうちのそれぞれに対して報告された最高数値の平均である。高いHAQスコアは、障害の高い度合いに対応する。
【2027】
HAQスコアでの0.22単位の変化は、一般的に、最小の区別可能な単位(最小の臨床的に区別可能な単位)であると考えられる。臨床的に顕著な改善は、少なくとも0.5単位のHAQでの低下であると考えられる。
【2028】
0.5スコアポイント以上のHAQでの低下は、Strand V et alの刊行物に基づいて顕著であると見なされる(特に、Table 1中の計算を参照されたい、Strand V, van Vollenhoven RF, Lee EB, Fleischmann R, Zwillich SH, Gruben D, et al.「Tofacitinib or adalimumab versus placebo: patient-reported outcomes from a phase 3 study of active rheumatoid arthritis.」Rheumatology (Oxford), 2016 Jun;55(6):1031-41, doi: 10.1093/rheumatology/kev442;およびStrand V, Kremer J, Wallenstein G, Kanik KS, Connell C, Gruben D, et al.「Effects of tofacitinib monotherapy on patient-reported outcomes in a randomized phase 3 study of patients with active rheumatoid arthritis and inadequate response to DMARDs.」Arthritis Res Ther. 2015;17:307. doi: 10.1186/s13075-015-0825-9)。
【2029】
16. SHILD - 多発性硬化症に関する質問票
SHILD(ドイツ語に関して:Gesundheitsbezogene Selbsthilfe in Deutschland - Entwicklungen, Wirkungen, Perspektiven)は、ドイツでの健康関連自己支援の状況に関するドイツ連邦保健省により助成された多施設研究のフレームワーク中で作成された質問票を提供する。さらなる情報は、https://www.uke.de/extern/shild/で見出すことができる。
【2030】
本発明の目的のために、多発性硬化症の適応群に関するSHILD研究の質問票をデータ収集のために用い、セクション「C - 健康に関連する生活の質」のみが評価された。当該セクションCは、4つのサブセクションへと分けられる:
・C1 - 1つの質問「あなたの全身健康状態はどのように説明できますか」からなる
・C2 - 数種類の健康領域に関する22の質問を含む
・C3 - 1つの質問「過去4週間にわたる全体的な生活の質にどのような点数をつけますか」からなる
・C4 - 患者の状態および将来に関する考えられる懸念に関する12の記述を含む。
【2031】
SHILDのセクションCの詳細な質問および記述は以下の通りである。考えられ、かつSHILD質問票により与えられる回答もまた、以下に示される。患者は、与えられる回答のうちの最も当てはまる1つだけにチェックすることが求められた。
・サブセクションC1に関して:
質問:あなたの全身健康状態はどのように説明できますか
SHILDにより与えられる考えられる回答:非常に良好、良好、中程度、不良または非常に不良
・サブセクションC2に関して:
質問:過去4週間で、MSに起因して以下の項目をどの位の頻度で有しましたか:
(1) ...自宅の外に出かける困難性;(2) ...自宅の外での活動、すなわち、買い物、映画に行くことに伴う困難性;(3) ...自宅で歩き回る困難性;(4) ...平衡または歩行の問題;(5) ...自宅での余暇活動、すなわち、DIY、ガーデニングに伴う困難性;(6) ...職場での活動に伴う困難性、すなわち、溶け込み、中断、制約;(7) ...疲労の兆候をすぐに感じる;(8) ...気力がない感覚;(9) ...視覚の問題:見え方の悪化があるかまたは何らかの視覚の妨げがあるか;(10) ...不快感、すなわち、暑いかまたは寒い感覚を感じる;(11) ...恋愛生活の障害;(12) ...性生活の障害;(13) ...他人の視線により傷つけられたと感じる;(14) 公共の場で安全でないと感じる;(15) ...不安である;(16) ...落ち込んでいるかまたは動揺している(dispressed);(17) ...泣きそうである;(18) ...個人的な問題または状況について不安または不愉快である;(19) ...記憶能力の低下により負担を感じている;(20) ...例えば、読書時、映画鑑賞時または会話後に集中できない;(21) ...平均以上の尿意切迫感に曝される;および(22) ...膀胱の制御についての問題に悩まされる
考えられる回答:まったくない、稀に、ときどき、しばしばまたは常に
・サブセクションC3に関して:
質問:過去4週間にわたる全体的な生活の質にどのような点数をつけますか
考えられる回答:非常に良好、良好、中程度、不良または非常に不良
・サブセクションC4に関して:
患者の状態および将来に関する考えられる懸念に関する記述:
(1) 自分の病気の将来の経過に関して考えるとき、恐ろしくなる。(2) 通院予約または検査前にひどく神経質になる;(3) 痛みが怖い;(4) 仕事上で以前と同じように成績を上げられないかもしれないという考えが自分を怖がらせる;(5) 不安に感じるとき、身体的にもそれを感じる(例えば、動悸、胃痛、緊張);(6) 自分の子供も同じ病気になり得るか否かという質問が自分を不安にさせる;(7) 毎日の生活で外部からの助けに依存するかもしれないことが自分を不安にさせる;(8) 病気が原因で趣味を追求することがもうできなくなることが心配である;(9) 疾患の経過での過激な医療措置を恐れている;(10) 投薬治療が身体に害を及ぼし得ることが心配である;(11) 自分に何かあった場合に家族に何が起こるのかが心配である;および(12) MSが原因で仕事を休む可能性があるという考えが自分を不安にさせる
考えられる回答:まったくない、稀に、ときどき、しばしば、非常に頻繁にまたは自分には当てはまらない。
【2032】
冒頭から割り当てられた値の分類に合致しなかった場合、本発明の目的のために、質問/記述に対するすべての回答に値を割り当てた。この割り当ては、患者の記述のより容易な比較のために行なった。割り当ては、以下の通りであった:
【2033】
【2034】
加えて、サブセクションC2およびC4に関して、質問の数で除算したすべての回答の値を合計することにより、比率を算出した。比率は、「生活の質に対する影響」および「精神物理学に対する影響」として示される。
【2035】
質問、記述および回答は、ドイツ語から翻訳されていることが注記される。SHILD質問票の実際の原文の言い回しは、以下のファイルで見出すことができる:
https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&ved=2ahUKEwjs1I3T0uf6AhVLQPEDHZHcCjIQFnoECBYQAQ&url=https%3A%2F%2Fwww.uke.de%2Fextern%2Fshild%2FMaterialien_Dateien%2FFragebogen_SHILD_MS_final.pdf&usg=AOvVaw1-bZX4kqeeXMBFFtSrlMkf。
【2036】
本発明は、以下の発明実施例、参照実施例および比較実施例によってより詳細に説明される。実施例は、例示目的のみのためのものであり、本発明はそれに限定されない。
【実施例】
【2037】
事前に、参照実施例1~4で用いられる略語の簡単な説明が、より良い理解のために与えられる:
大文字「T」は、時点を表わす;
小文字「b」は、O2C測定を用いる皮膚内での血液測定を示す;
小文字「t」は、熱測定を用いる皮膚上の温度測定を示す;
小文字「p」は、熱感パッド剤が用いられた場合の測定を示す;
小文字「c」は、熱感クリーム剤が用いられた場合の測定を示す;
添え字中の文字または数字は、個別の時点を特定する。
【2038】
それゆえ、例えば、T(bp)1は、熱感パッド剤を用いる皮膚内での血液測定に関する時点1を表わす。
【2039】
参照実施例1(RE1):熱感パッド剤を用いる場合の被験体に対するO2C測定
女性(51歳)が、試験対象の被験体として熱感パッド剤を用いるO2C測定に志願した。被験体は、正常血圧かつ非喫煙者であった。測定は、材料および方法セクション「O2C - Oxygen to See」に記載される通りに行なった。
【2040】
血圧および心拍数をモニタリングし、それらは測定全体にわたって変化しなかった。
【2041】
環境に対する順応を達成し、かつそれにより安定な条件を確実にするための15分の休息時間後、ベースライン測定を行ない、時点T(bp)baseで示されるsO2、rHb、rFlowおよびVelに関する出発値を取得した。値を表3に示す。
【2042】
ベースライン測定が完了した直後、熱感パッド剤を用いる測定を、材料および方法セクション「O2C - Oxygen to See」、項目(C)に記載される通りに行なった。
【2043】
M4からの熱感パッド剤の除去の60秒(1分)後であった時点T(bp)1で、sO2、rHb、rFlowおよびVelに関する値の決定を開始し、ベースラインレベルが再度成立するまで継続した。sO2、rHb、rFlowおよびVelに関する値は、時点T(bp)baseおよびT(bp)1~T(bp)12に関して取得した。時点および介在する時間間隔を含む測定のタイミングを、表3に記載する。
【2044】
被験体は、温度上昇中、熱感パッド剤の適用中または特に測定領域M4上およびその周囲での皮膚の発赤に関してのいずれでも、測定全体の間にいかなる疼痛の感覚も感じなかった。
【2045】
図2Aでは、上側の表はsO
2に関して取得された%での値を示し;下側の表はT(bp)
baseで取得された値に対する経時的なsO
2のパーセントポイント(%ポイント)での変化量(減算により決定される)を示し;図表中ではsO
2の変化量を時点T(bp)
baseおよびT(bp)
1~T(bp)
12に対してプロットした。
【2046】
図2Bでは、上側の表はrHbに関して取得されたAUでの値を示し;下側の表はT(bp)
baseで取得された値に対する経時的なrHbのAUでの変化量(減算により決定される)を示し;図表中ではrHbの変化量を時点T(bp)
baseおよびT(bp)
1~T(bp)
12に対してプロットした。
【2047】
図2Cでは、上側の表はrFlowに関して取得されたAUでの値を示し;下側の表はT(bp)
baseで取得された値に対する経時的なrFlowのAUでの変化量(減算により決定される)を示し;図表中ではrFlowの変化量を時点T(bp)
baseおよびT(bp)
1~T(bp)
12に対してプロットした。
【2048】
図2Dでは、上側の表はVelに関して取得されたAUでの値を示し;下側の表はT(bp)
baseで取得された値に対する経時的なVelのAUでの変化量(減算により決定される)を示し;図表中ではVelの変化量を時点T(bp)
baseおよびT(bp)
1~T(bp)
12に対してプロットした。
【2049】
【2050】
参照実施例2(RE2):熱感クリーム剤を用いる場合の被験体に対するO2C測定
参照実施例1で述べられた同じ女性が、試験対象の被験体として熱感クリーム剤を用いるO2C測定に志願した。測定は、材料および方法セクション「O2C - Oxygen to See」に記載される通りに行なった。
【2051】
参照実施例1で述べられた測定が完了した後、20分の中断に続いて(T(bc)baseでのベースライン測定の約75分後)、熱感クリーム剤を用いる測定を、材料および方法セクション「O2C - Oxygen to See」、項目(D)に記載される通りに行なった。
【2052】
血圧および心拍数をモニタリングし、それらは測定全体にわたって、かつ参照実施例1の測定に対して変化しなかった。
【2053】
M1に対するKytta(登録商標)熱感バームの適用が完了した120秒(2分)後であった時点T(bc)1で、sO2、rHb、rFlowおよびVelに関する値の決定を開始し、sO2、rFlowおよびVelに関してベースラインレベルが再度成立するまで継続した。sO2、rHb、rFlowおよびVelに関する値は、時点T(bc)baseおよびT(bc)1~T(bc)13に関して取得した。時点および介在する時間間隔を含む測定のタイミングを、表4に記載する。
【2054】
被験体は、温度上昇中、試験および対照組成物の適用中または特に測定領域M1上およびその周囲での皮膚の発赤に関してのいずれでも、測定全体の間にいかなる疼痛の感覚も感じなかった。
【2055】
図3Aでは、上側の表はsO
2に関して取得された%での値を示し;下側の表はT(bc)
baseで取得された値に対する経時的なsO
2のパーセントポイント(%ポイント)での変化量(減算により決定される)を示し;図表中ではsO
2の変化量を時点T(bc)
baseおよびT(bc)
1~T(bc)
13に対してプロットした。
【2056】
図3Bでは、上側の表はrHbに関して取得されたAUでの値を示し;下側の表はT(bc)
baseで取得された値に対する経時的なrHbのAUでの変化量(減算により決定される)を示し;図表中ではrHbの変化量を時点T(bc)
baseおよびT(bc)
1~T(bc)
13に対してプロットした。
【2057】
図3Cでは、上側の表はrFlowに関して取得されたAUでの値を示し;下側の表はT(bc)
baseで取得された値に対する経時的なrFlowのAUでの変化量(減算により決定される)を示し;図表中ではrFlowの変化量を時点T(bc)
baseおよびT(bc)
1~T(bc)
12に対してプロットした。
【2058】
図3Dでは、上側の表はVelに関して取得されたAUでの値を示し;下側の表はT(bc)
baseで取得された値に対する経時的なVelのAUでの変化量(減算により決定される)を示し;図表中ではVelの変化量を時点T(bc)
baseおよびT(bc)
1~T(bc)
12に対してプロットした。
【2059】
【表4-1】
【表4-2】
参照実施例3(RE3):熱感パッド剤を用いる場合の被験体に対する熱測定(皮膚表面温度)および皮膚発赤
女性(51歳)が、試験対象の被験体として熱感パッド剤を用いる熱測定および皮膚発赤に志願した。被験体は、正常血圧かつ非喫煙者であった。測定は、材料および方法セクション「熱測定および皮膚発赤の定量化」に記載される通りに行なった。
【2060】
安定な測定条件を確実にするために、全4箇所の測定領域M1~M4での皮膚表面温度を20分にわたって記録し、これがベースラインとして機能した(
図12)。20分の時間枠内での約0.5℃の温度のゆっくりであるが非常に安定な低下が示され、このことは安定な測定条件を示した。ゆっくりであるが非常に安定な温度の低下は、恐らくは身体活動の低減に起因した。例として、4箇所の測定領域M1~M4での約10.8分後(T(t)
base)での温度読み出し値が選択され(
図5)、以下の表5に述べられる。
【2061】
【2062】
それゆえ、M1~M4のベースライン皮膚表面温度の平均は、29.4℃であった。
【2063】
ベースライン測定が完了した20分後、熱感パッド剤を用いる測定を、材料および方法セクション「熱測定および皮膚発赤の定量化」、項目(C)に記載される通りに行なった。
【2064】
M4から熱感パッド剤を除去した10秒後、M4上の熱感パッド剤を含まない全測定領域M1~M4上の皮膚表面温度の測定の開始を、時点T(tp)
1で示した(
図6、表6)。
【2065】
熱感パッド剤で処置されたM4に関する皮膚表面の出発温度は、T(tp)
1で43.9℃であり、それゆえ、ベースライン皮膚表面温度(平均29.4℃、表6)および未処置対照M1~M3の皮膚表面の平均出発温度(T(tp)
1でのM1~M3の平均29.4℃、表6)を超えて明らかに上昇した。それゆえ、T(tp)
1での未処置対照M1~M3上の皮膚表面の出発温度は、ベースライン皮膚表面温度と略同じであった。未処置対照M1~M3(T(tp)
3でのM1~M3の平均29.5℃)と熱感パッド剤で処置されたM4(T(tp)
3での30.8℃)との間の差異が約1.3℃(ベースライン皮膚表面温度の平均よりも約1.4℃高いレベル)になるまで、全4箇所の測定領域M1~M4でのその後の温度発展を、約59分(
図6)にわたって1秒毎に継続的に測定した(
図6、表6)。時間に関して、熱感パッド剤で処置されたM4上の測定された皮膚表面温度は徐々に低下したが、未処置対照M1~M3上の皮膚表面温度は、59分の測定時間全体にわたって、M1~M4のベースライン温度の平均およびM1~M3の出発温度の平均付近で一定に保たれた(
図6、表6)。
【2066】
57分後、熱感パッド剤で処置されたM4およびその周囲で、皮膚の若干の発赤が未だ視認できた。M4と同じ左前腕上に位置する未処置対照M3ならびに右前腕上の対照M1およびM2の両方が影響を受けず、このことは、熱感パッド剤を用いる処置が、局所的に限定された現象であったことを示した。
【2067】
M4およびその周囲の皮膚表面と、特にM1~M3での未処置皮膚の皮膚表面との間での温度差は、指を用いて明らかに触知可能であった。
【2068】
被験体は、温度上昇中、熱感パッド剤の適用中または特にM4上およびその周囲での皮膚の発赤に関してのいずれでも、測定全体の間にいかなる疼痛の感覚も感じなかった。
【2069】
M1~M3に関して示された皮膚表面温度は前腕全体に対して同様であったことが、
図7のすべての熱表示から見て取れる。
【2070】
さらに、T(tp)1およびT(tp)2での熱表示では、M4およびその周囲で実際に加熱された区域(本発明に従う皮膚領域に対応する)は、熱感パッド剤が適用された領域(本発明に従う適用領域に対応する)よりも大きかったことが見て取れる。これは、熱が隣接する皮膚区域へと放射されることを理由とし、および恐らくは、熱感パッド剤により加熱された区域を超える皮膚表面上での温度上昇により示される、熱供給が隣接する皮膚区域中の毛細血管の拡張を引き起こすことを理由とし得る。それゆえ、本実施例では、適用領域は、熱感パッド剤が局所的に適用された区域であった。皮膚領域は、熱が投与された区域である最終的に加熱された区域であった。
【2071】
【2072】
参照実施例4(RE4):熱感クリーム剤を用いる場合の被験体に対する熱測定(皮膚表面温度)および皮膚発赤
参照実施例3で述べられた同じ女性が、試験対象の被験体として熱感クリーム剤を用いる熱測定および皮膚発赤に志願した。測定は、材料および方法セクション「熱測定および皮膚発赤の定量化」に記載される通りに行なった。
【2073】
参照実施例3で述べられた測定が完了した後、1時間の中断を設けた。続いて、熱感パッド剤を用いる測定を、材料および方法セクション「熱測定および皮膚発赤の定量化」、項目(D)に記載される通りに行なった。測定領域M1~M4でのベースライン皮膚表面温度および平均ベースライン温度(表5)は、それぞれ、熱感パッド剤および熱感クリーム剤を用いる測定の個別の出発温度(表6および表7)と非常に類似または同一でさえあることが見て取れる。このことは、測定条件が一定のままであったことを示す。
【2074】
皮膚へと組成物を塗布する前に、M1~M4の皮膚表面温度の測定を開始し、左前腕上のM3(比較組成物)と右前腕上のM1(試験組成物)との間の温度差が約1.8℃のレベルに達するまで、110分(T(tc)
9付近まで、
図8および
図9、表7)にわたって1秒毎に継続的に測定した。
【2075】
T(tc)
pre(組成物の適用を開始する前)での、両方とも前腕上の遠位に位置するM2およびM3上の皮膚表面に関して測定された出発温度は、非常に類似であった(29.4℃および29.2℃、29.4℃のベースライン皮膚表面温度の平均付近、表5)。M3への比較組成物の適用が完了した1秒後であったT(tc)
DACでのM3上の皮膚表面に関して測定された温度は、28.1℃であった(
図8、表7)。
【2076】
M1およびM4は両方とも、前腕上の近位に位置する。T(tc)
preおよびT(tc)
DAC(両方ともKytta(登録商標)熱感バームの適用前)でM1およびM4上の皮膚表面に関して測定された出発温度は、非常に類似であり、M1について各30.1℃、ならびにM4について30.0℃および30.1℃を伴った(表7)(29.4℃のベースライン皮膚表面温度の平均よりも若干高かった、表5)。M1への試験組成物の適用が完了した10秒後(かつM3への比較組成物の適用が完了した60秒後)であったT(tc)
1でM1上の皮膚表面に関して測定された温度は、29.2℃であった(
図8、表7)。
【2077】
図8および
図9から見て取れる通り、試験組成物の適用後、皮膚表面温度の実測値は、M1中で時間と共に、T(tc)
preおよびT(t)
DACでの30.1℃からT(tc)
3での最低値27.9℃まで低下し、これは恐らく、試験組成物の水分の気化冷却に起因し、かつ/または皮膚の放射率(ε)の一時的変化に起因し、これらが実測値を現実から変化させた可能性がある(Jr, George & Barter, Archie. (2006). Dual-Band MWIR/LWIR Radiometer for absolute temperature measurements. Proceedings of SPIE - The International Society for Optical Engineering. 6205. 10.1117/12.668666 Chapter 5.4.)。同様に、皮膚表面温度は、M3中で時間と共に、T(tc)
preでの29.2 ℃から比較組成物の適用後のT(tc)
2での最低値27.4℃まで低下した。M3での比較組成物の温度最低値は、T(tc)
3を伴うM1での試験組成物の温度最低値より約1.2分早いT(tc)
2を伴い、これは比較組成物がより早く塗布された約1分の時間シフトに合致した(
図8、表7)。
【2078】
T(tc)
3での温度最低値後、M1での皮膚表面温度の上昇は、T(tc)
2での温度最低値後のM3での比較組成物に関するよりも急峻であった(
図8)。時点T(tc)
4で、M1およびM3の両方の皮膚表面温度は、T(tc)
preでの、それぞれ試験組成物および比較組成物の適用前の出発温度に達した。T(tc)
4後、M1での試験組成物についての皮膚表面温度は、出発温度/ベースライン温度を迅速に超過した。T(tc)
5では、M1での温度は31.4℃を伴い、これは30.1℃の出発温度よりも明らかに高く、かつまたT(tc)
5でのM3中の比較組成物についての皮膚表面温度28.5 ℃よりも明らかに高かった。試験組成物のみに関して、32.6℃までの皮膚表面温度の上昇が測定され(T(tc)
6でのM1)、これは概ね試験組成物を用いて到達した最高皮膚表面温度であった。最高皮膚表面温度は、T(tc)
7まで約15分にわたって、M1で維持された(
図8)。その後、M1中の温度はゆっくりと低下した。T(tc)
8では、M1中の温度は29.8℃まで低下し、これはそれでもM1~M3の皮膚表面温度(27.4℃~28.3℃)よりも高かったが、30.1℃の出発温度よりも低かった。T(tc)
9付近では、M1中の皮膚表面温度は、最終的に出発温度付近まで戻り(
図15)、未処置対照M4に対する差異は、約1℃のレベルに達した(
図15、表7)。M4は、M1と同様、前腕上の近位に位置し、それゆえ、両方の位置は十分に同等である。
【2079】
M3の皮膚上に塗布されたBasiscreme DACは、低減された熱損失および、したがってT(tc)
4付近とT(tc)
7との間での皮膚温度の若干の上昇を引き起こした可能性がある。それにもかかわらず、M3での比較組成物に関して、29.4℃のベースライン皮膚表面温度の平均ならびにT(tc)
preでのM2およびM3の出発温度よりも高い上昇は、測定時間全体にわたって測定することができなかった(
図5、
図8および
図9、表5および表7)。M3中の比較組成物についての皮膚表面温度は、測定の持続時間全体にわたって、29.2℃以下よりも低いままであった。
【2080】
M2およびM4での未処置対照の皮膚表面温度は一定のままであり、かつ測定時間全体にわたってベースライン皮膚表面温度の平均付近に留まった(
図5、
図8および
図9、表5および表7)。M1およびその周囲の皮膚表面と、特にM2およびM4での未処置皮膚ならびにM3での比較組成物の皮膚表面との間の温度差は、指を用いて触知可能であった。
【2081】
図9中のすべての熱表示から、M2~M4に関して示された皮膚表面温度は、前腕全体に関して同様であったことが見て取れる。さらに、T(tc)
4~T(tc)
8での熱表示では、M1およびその周囲の区域が加熱されたことが見て取れる。
【2082】
発赤は、M1での試験組成物およびM3での比較組成物の両方に関して観察され、T(tc)9でも存在した。M3での発赤は、恐らく、アレルギー反応に起因した。左前腕(M4)上および右前腕(M2)上の未処置対照部位は影響されず、このことは、Kytta(登録商標)熱感バームを用いる処置が、局所的に限定された現象であったことを示した。
【2083】
被験体は、温度上昇中、試験および対照組成物の適用中または特に測定領域M1上およびその周囲での皮膚の発赤に関してのいずれでも、測定全体の間にいかなる疼痛の感覚も感じなかった。
【2084】
【2085】
参照実施例1、2、3および4の考察:
O2C測定は、皮膚内での血液量の増加および皮膚内での毛細血管の拡張を示す
sO2、rHb、rFlow、Vel、皮膚毛細血管内の血液量、皮膚毛細血管の拡張、および皮膚内でのPBMCの蓄積の間の関連
毛細血管血液量のうちの大部分は、後毛細管細静脈系中にプールされる。したがって、上記で既に述べた通り、O2Cは、この領域で主に測定する。血流方向に関して、皮膚の毛細血管は、後毛細管細静脈系に対して上流に配置される。それゆえ、下流の後毛細管細静脈系での血液量の変化を測定することにより、皮膚毛細血管での変化に関する直接的な結論を引き出すことができる。後毛細管細静脈系中にプールされた血液量での増加は、皮膚毛細血管を離れ、かつ後毛細管細静脈系に到達する血液量での増加からもたらされる。後毛細管細静脈系中の血液量の増加は、O2Cを用いて測定される場合のrHbおよびsO2に関する値の増加により示された:
- rHbは、赤血球の量に、およびそれゆえ、後毛細管細静脈系中に存在する血液量に正比例する;
- sO2は、後毛細管細静脈系中の赤血球の酸素飽和度に正比例する。より高いsO2値は、皮膚毛細血管から出る際に未だに酸素を積載している、より大きな割合の赤血球が存在することを示す。そのようなより大きな割合の含酸素赤血球は:
(i) 赤血球の総量が同じままでありながら、上流の皮膚毛細血管中の低減された酸素消費に起因するか;もしくは
(ii) 上流の毛細血管系中の酸素消費が同じままでありながら、赤血球の総量が増加したことを生じる、追加の赤血球の存在に起因するか;または
項目(i)および(ii)の組み合わせに起因するか
のいずれかであり得る。
【2086】
被験体は、測定全体にわたって活動レベルを変化させなかった(筋肉の弛緩、落ち着いた姿勢、動作なし、血圧変化なし)ことが指摘される。環境条件は、変化しないかまたは変動しないかのいずれかであった(材料および方法セクション「O2C - Oxygen to See」、項目(B)を参照されたい)。結果として、被験体の皮膚組織による酸素消費および、それゆえ、皮膚毛細血管内で赤血球から取り出される酸素の量は、変化しないままであった。したがって、項目(ii)が適用可能であり、sO2値の増加は、後毛細管細静脈系に到達する、より多数の含酸素赤血球によってのみ説明することができる。結果として、増加した赤血球の量、およびそれゆえ、増加した血液量が、皮膚の毛細血管を通過していなければならない。
【2087】
したがって、値rHbおよびsO2は、両方とも後毛細管細静脈系に存在する血液量に対する尺度である。しかしながら、それらはそれでも、上流の皮膚毛細血管を通る血液スループットが増加して、最終的に後毛細血管血液量の増加をもたらした理由に関して、いかなる意見も可能にしない。再度、2種類の原因が考えられ、(iii) 上流の皮膚毛細血管が血管拡張の増加を示し、それにより、血流速度でのいかなる増加も伴わずに、より多くの血液量を保持および輸送することを可能にするか、もしくは(iv) 皮膚毛細血管拡張が変化しないままでありながら血流が加速されたか、または項目(iii)および(iv)の組み合わせのいずれかである。それらを区別するために、O2Cは、rHbおよびsO2に加えて、血流パラメータrFlowおよびVelを決定する。
【2088】
熱感パッド剤を用いることにより、参照実施例1から見て取れる通り、全4種類のパラメータsO
2、rHb、rFlowおよびVelが上昇した(
図2A~
図2D)。しかしながら、熱感クリーム剤を用いる場合、sO
2およびrHbのみが上昇し、血流パラメータrFlowおよびVelは影響を受けないままであるかまたは低下さえした(参照実施例2、
図3A~
図3D)。sO
2およびrHbでの上昇は、項目(ii)の下に上記で述べた通り、赤血球の量の増加および、それゆえ、後毛細管細静脈系中にプールされる血液量の増加を示す。参照実施例2でのそのような増加は血流速度での増加により引き起こされなかったので(Velは変化しないかまたは低下さえした)、後毛細管細静脈系中にプールされる血液量のそのような増加は、血管拡張および皮膚毛細血管中に存在する血液量の増加である項目(iii)に起因するはずである。
【2089】
まとめると、本実験設定では、後毛細管細静脈系中の血液量(sO2およびrHbを介して測定される)は、皮膚の毛細血管内腔内に存在する血液量に正比例する。後毛細管細静脈系内の血液量および皮膚組織内の血流を決定することにより、O2Cは、増加した血液量が皮膚毛細血管内に含まれ、かつしたがって、皮膚毛細血管の拡張が存在するか否かを決定することを可能にする。
【2090】
結果として、参照実施例1および2は、
- 血流パラメータrFlowおよびVelの増加を必ずしも伴わないが、皮膚内の毛細血管の拡張を生じさせること(参照実施例1と参照実施例2とを参照されたい)が、本発明の有益な効果を達成する(例えば、参照実施例2と同様に熱感クリーム剤を用いる、発明実施例1および17を参照されたい)
ことを実証する。
【2091】
さらに、
- 皮膚内での、血流パラメータの増加を必ずしも伴わないが、血液量の増加を生じさせること(参照実施例1および参照実施例2)が、本発明の有益な効果を達成する(熱感クリーム剤を用いる参照実施例1を参照されたい)。
【2092】
このことは、観察された発赤とも合致する(参照実施例1~4)。血液量の増加は、皮膚を赤くさせる赤血球の量の増加(rHbおよびsO2値の上昇)を有する。
【2093】
- したがって、被験体の皮膚上で発赤を生じさせることは、本発明の有益な効果をもたらす(例えば、発明実施例1~7および9~17を参照されたい)。
【2094】
さらに、このことはまた、例えば、発明実施例8で実証される通り、PBMCが有益な効果を付与するという観察とも合致する。ナイーブであるか否かにかかわらず、リンパ球、B細胞およびT細胞をはじめとするPBMCは有核である。上記で詳細に既に説明される通り、そのような有核細胞は、その血管拡張が起こった後に皮膚の毛細血管に入り、そうでなければ、それらは、狭い毛細血管に押し込むには大き過ぎる。血管拡張のプロセスは、皮膚への免疫系(PBMC)のアクセスを提供する。
【2095】
- 結果として、皮膚内でのPBMCの蓄積を生じさせることが、本発明の有益な効果を達成する。
【2096】
最後に、このことはまた、測定された皮膚表面温度の上昇とも合致する(参照実施例3および4)。熱感クリーム剤の場合、クリーム剤それ自体は温かくなかったが、しかしながら、とりわけ血管拡張剤として生化学的に機能する(材料および方法セクション「熱感クリーム剤の適用」を参照されたい)。肝臓などの身体の内側からの血液は、拡張した毛細血管中へと徐々に流れる。肝臓からの血液は、最大40℃の高い温度を有するが、他の身体領域からでも、温度は37℃に近い。熱感パッド剤の場合、熱を適用することにより血管拡張が誘導されることは十分に確立されている。拡張した皮膚毛細血管内に存在するそのような高温の血液の体積の増加は、皮膚表面上で測定可能な皮膚の温度上昇を調整する。
【2097】
- したがって、被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせることは、本発明の有益な効果をもたらす(例えば、発明実施例1~7および9~17を参照されたい)。
【2098】
結果として、O2Cにより測定される(かつrHbに関する値の上昇および/またはsO2の上昇により示される)後毛細血管系中の血液量の増加は、とりわけ、
- 被験体の皮膚内でのPBMCの蓄積;および/または
- 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張;および/または
- 被験体の皮膚内での血液量の増加;および/または
- 被験体の皮膚上での温度上昇;および/または
- 被験体の皮膚上での発赤
の生成を示すものであり、逆もまた同じである。
【2099】
それゆえ、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、温度上昇および皮膚発赤は、互いに独立であるように見え、かつ同時に互いの原因および結果のようである。
【2100】
患者に対する実施例
以下の発明実施例、参照実施例および比較実施例で処置されたすべての患者は、他のパラメータを考慮する事前選択を行なうことなく、その診断のみに基づいて選択した。
【2101】
以下の発明実施例で処置されたすべての患者は、処置を受けた12時間~24時間後以内に有益な効果の開始を報告した。
【2102】
以下の発明実施例、参照実施例または比較実施例のいずれでも、処置された患者のうちのいずれも、感染率の増加、感染に対する感受性の増加、有害副作用または不適合を示さなかった。
【2103】
実施例の実行に関与したすべての患者、医師およびすべての他の個人は、秘密保持を課せられ、かつ秘密保持契約に署名することを求められた。
【2104】
発明実施例1(IE-1)-患者1:関節リウマチ
1000IU IFN-γ(高用量)および200IU IL-2+熱感クリーム剤
患者1は、処置の開始時に、20年間超にわたって基準ICD-10-GM 2021のコードM05.80(ICD-10 M05.80)に従う関節リウマチに罹患している、46歳女性、58kgであった。患者1は、表8Aに示される通り、関節の腫脹および関節痛を示した。患者1は、前向きに階段を下に向かって歩くことができず、寝続けることができず、かつ日常生活に大きな支障があった。患者は、自身の状態を、疾患により強く影響されていると記載した。
【2105】
処置の経過にわたって、患者1は、1日当たり30mgヒドロコルチゾンの一定の基礎的治療を受けた。患者の副腎によるコルチゾール産生は不十分であったので、これは必要であった。ヒドロコルチゾン基礎的治療の用量、組成物および頻度は、処置の持続期間全体にわたって一定のままとした。
【2106】
すべての注入溶液は、材料および方法セクション中に記載される通りに調製した。さらに、処置のための準備中、200μLの併用注入溶液を調製するために、100μLのIL-2注入溶液(200IU IL-2を含有する)と100μLの高用量IFN-γ注入溶液(1000IU IFN-γを含有する)とを併せた。
【2107】
材料および方法セクション「熱感クリーム剤の適用」に記載される通りに、熱感クリーム剤であるKytta(登録商標)熱感クリーム剤を前腕の上側の皮膚上に局所適用することにより、本発明に従う処置を行なった。約50mg~800mgのKytta(登録商標)熱感クリーム剤を、約25cm2の領域に対して塗布した。約1分~15分後、皮膚は赤く、かつ温かくなり、皮膚温度の上昇は触知可能であった。熱感クリーム剤の適用の約1分~15分後、皮膚が既に赤くなり、かつ温かくなっているか否かにかかわらず、200μLの併用注入溶液(1000IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する)または100μLの高用量IFN-γ/IL-2注入溶液(これもまた1000IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する)を、赤く、かつ温められた皮膚領域の皮膚内に注入した。正確な処置レジメンは、表8Aに記述される。処置の最初の22週間以内では、注入は皮下的に配置され、続いて、注入深さは、皮内注入を行なうために減じられた。両方の場合に、特徴的な皮膚丘疹が盛り上がり、後者の場合にはより顕著であった。注入の深さは、皮膚の表面下で開始時には約2mm~5mmであり、続いて、約1mm~2.5mmまで減じられた。処置レジメンは、表8Aに示される通りに行なった。
【2108】
患者の意見に従えば、処置の最初の1.5週間程にわたって、疼痛および疲労感が顕著に低減された。処置のさらなる経過内では、関節の腫脹および関節の圧痛/疼痛が強く低減された。患者は前向きに階段を下に向かって歩くことができ、寝続けることができ、かつ日常生活での支障は比較的小さかった。CRPは著しく低下した。詳細および結果を、表8Aおよび
図10~
図13に示す。続いて、患者は、自身の状態を良好であると記載した。51週目では、CRPが5mg/Lまで一時的に上昇したことが指摘される。これは、患者が細菌感染に見舞われ、前週にさらに治療されなかったという事実に起因して説明することができた。
【2109】
処置の開始後の6~9週目および11週目では、処置は行なわれなかった。処置なしでの4週間後に、CRPは、処置の開始時の初期値と等しい5まで戻った(処置の開始後10週目)ことが、表8Aおよび
図10から見て取れる。
【2110】
比較実施例1、比較実施例3、表8Aおよび
図10に記載される、不適切な/誤った処置(処置の開始後10週目)および二重盲検プラセボ処置(処置の開始後12~16週目)が患者1でさらに行なわれたことが、患者1で注記される。
【2111】
患者は、現在まで53週間にわたって処置され、処置に対する順応はなく、したがって、処置の効果の低減は観察されなかった。さらに、有害副作用または不耐性または不適合は、ヒドロコルチゾン基礎的治療とも、処置の持続期間全体にわたって観察されなかった。
【2112】
熱感クリーム剤を用いる場合の皮膚温度に関して、熱感クリーム剤の適用の約4.5分後での皮膚温度は、初期皮膚温度よりも低くさえあったことが指摘される(参照実施例4およびT(tc)
3での
図8を参照されたい)。しかしながら、IFN-γおよびIL-2の投与の約15分後、温度は強く上昇し、初期皮膚温度を明らかに超過した(T(tc)
5での
図8)。このことは、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO
2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤が、有益な効果を達成するために、免疫調節性物質を注入した後に確立されるためにも十分であることを示す。
【2113】
発明実施例2(IE-2)-患者2:関節リウマチ
100IU IFN-γ(低用量);または100IU IFN-γ(低用量)および200IU IL-2+熱感パッド剤
患者2は、処置の開始時に、20年間超にわたって基準ICD-10-GM 2021のコードM05.80に従う関節リウマチに罹患している、59歳女性、62kgであった。患者2は、特に両手での、関節の変形および腫脹ならびに関節痛を示した(全10箇所の近位指節間および中手骨(methacarophalangia)が侵されていた)。患者は、しっかり握ることができず、かつ瓶を開けることができなかった。患者は、自身の状態を、疾患により強く影響されていると記載した。
【2114】
処置の経過にわたって、患者2は、1週間当たり15mgメトトレキサート(MTX;葉酸アンタゴニスト)の一定の基礎的治療を受けた。しかしながら、2回目の処置後、患者はMTXを注射することを忘れた。患者の状態および疼痛は、患者がもはやMTXを必要でない程度まで、既に改善していた。それにもかかわらず、患者はMTXを用いる治療を続けたが、11週目には12.5mg/週まで低減され、44週目には10mg/週までさらに低減された。さらに、患者は、処置の開始後43週目および47週目にはMTXを用いなかった。この時点で、MTXを用いなくなることが、患者の最終目標であった。つまり、毎週のMTX用量は、治療は継続しながら、本実施例の持続期間を超えて低減され続けるであろう。
【2115】
すべての注入溶液は、材料および方法セクション中に記載される通りに調製した。さらに、処置のための準備中、200μLの併用注入溶液を調製するために、100μLのIL-2注入溶液(200IU IL-2を含有する)と100μLの低用量IFN-γ注入溶液(100IU IFN-γを含有する)とを併せた。
【2116】
材料および方法セクション「熱感パッド剤の適用」に記載される通りに、前腕の上側に熱感パッド剤を局所適用することにより、本発明に従う処置を行なった。熱感パッド剤は、約2分にわたって適用した。その後、皮膚は赤く、かつ温かくなり、皮膚温度の上昇は触知可能であった。熱感パッド剤を除去した約1分後、表8Aに述べられる通りのレジメンに従う量を投与するために、100μLの低用量IFN-γ注入溶液(100IU IFN-γを含有する)、200μLの併用注入溶液(100IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する)または100μLの低用量IFN-γ/IL-2注入溶液(これもまた100IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する)を注入した。特に、12週目からは、100IU IFN-γのみ(IL-2なし)を、赤く、かつ温められた皮膚領域の皮膚内に注入した。
【2117】
最初の3回の処置では、注入(最初ならびに処置開始後の1週目および2週目)は皮下的に配置された。以降の処置では、注入深さは、注入を皮内的に行なうために減じられた。両方の場合に、特徴的な皮膚丘疹が盛り上がり、後者の場合にはより顕著であった。注入の深さは、皮膚の表面下で開始時には約2mm~5mmであり、続いて、約1mm~2.5mmまで減じられた。
【2118】
上記で既に述べた通り、2回目の処置後、患者の状態は、患者がMTXを注射することを忘れる程に改善された。さらに、患者は、疲労感が低減したことを報告した。CRPは最初の2週間以内に既に著しく低下し、処置なしでの4週間(3~6週目)後にさえも上昇せず、最終的には6mg/L未満で安定した(表8Aおよび
図11~
図13)。さらに、処置の開始の2週間後、圧痛(TJ)および腫脹(SJ)関節の数は、既に最初の10/10(TJ/SJ)から8/8(TJ/SJ)まで低減し、HAQはゼロになっていた(表8Aおよび
図14)。中断(3~6週目および10週目での処置なし)を含む10週間の処置後、両手の10/10(TJ/SJ)の圧痛および腫脹関節の初期数は、ゼロ0/0(TJ/SJ)まで低減され、この状態が維持された(表8Aおよび
図14)。
【2119】
処置は、再発を伴わずに50週間行なわれた。42週目を除いて、CRPは0.6mg/L未満に留まり、HAQはゼロに留まり、圧痛および腫脹関節数もまたゼロになった(表8Aおよび
図11~
図14)。患者は50週間にわたって処置され、処置に対する順応はなく、したがって、処置の効果の低減は観察されなかった。有害副作用または不耐性または不適合は、MTX基礎的治療とも、処置の持続期間全体にわたって観察されなかった。処置は、MTX基礎的治療に加えて有益な効果を追加さえし、改善された健康状態を維持しながら、MTXを低減させ、かつ徐々に置き換えることさえも可能にした。
【2120】
発明実施例3(IE-3)-患者3:関節リウマチ
100IU IFN-γ(低用量);または100IU IFN-γ(低用量)および200IU IL-2またはIL-2を含まず+熱感パッド剤
患者3は、処置の開始時に、45年間超にわたって基準ICD-10-GM 2021のコードM05.80に従う関節リウマチに罹患している、83歳女性、78kgであった。患者3では、1回目の処置は、比較実施例2に記載される誤った処置であったことが注記される(表8Aを参照されたい)。
【2121】
患者3は、両肩、両膝および全10箇所の近位指節間および中手骨(methacarophalangia)を含む両手での、変形ならびに腫脹および圧痛関節を示した。患者は、前向きに階段を下に向かって歩くことができず、ガーデニングを行なうことができず、かつ家事に大きな支障があった。患者は鎮痛剤を用いる基礎的治療を受けたが、しかしながら、患者は、鎮痛剤にもかかわらず疼痛がなくなることはないと報告した。患者は、自身の状態を、疾患により強く影響されていると記載した。
【2122】
処置の経過にわたって、鎮痛剤を用いる基礎的治療は継続された。鎮痛剤基礎的治療の用量、組成物および頻度は、処置の持続期間にわたって一定のままとした。
【2123】
すべての注入溶液は、材料および方法セクション中に記載される通りに調製した。さらに、処置のための準備中、200μLの併用注入溶液を調製するために、100μLのIL-2注入溶液(200IU IL-2を含有する)と100μLの低用量IFN-γ注入溶液(100IU IFN-γを含有する)とを併せた。
【2124】
材料および方法セクション「熱感パッド剤の適用」に記載される通りに、前腕の上側に熱感パッド剤を局所適用することにより、本発明に従う処置を行なった。熱感パッド剤は、約1分~2分にわたって適用した。その後、皮膚は赤く、かつ温かくなり、皮膚温度の上昇は触知可能であった。熱感パッド剤の除去の約1分~2分後、表8Aに述べられる通りのレジメンに従う量を投与するために、100μLの低用量IFN-γ注入溶液(100IU IFN-γを含有する)、200μLの併用注入溶液(100IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する)または100μLの低用量IFN-γ/IL-2注入溶液(これもまた100IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する)を注入した。それゆえ、それぞれ赤く、かつ温められた皮膚領域の皮膚内に、処置の開始後1~6週目には100IU IFN-γのみ(IL-2なし)を注入し、処置の開始後8~10週目には100IU IFN-γおよび200IU IL-2を同時注入した。最初の3回の処置では、注入は皮下的に配置され、続いて、注入深さは、注入を皮内的に行なうために減じられた。両方の場合に、特徴的な皮膚丘疹が盛り上がり、後者の場合にはより顕著であった。注入の深さは、皮膚の表面下で開始時には約2mm~5mmであり、続いて、約1mm~2.5mmまで減じられた。
【2125】
表8Aから見て取れる通り、IL-2を伴わない低濃度の100IU IFN-γ(処置の開始後1~6週目)は、当初の1.625から1(8週目)へとHAQを顕著に改善した(0.5スコア点以上のHAQでの低下が顕著であると見なされる、材料および方法セクション「HAQ - 健康調査質問票機能的障害指数」を参照されたい)。患者は、週全体にわたってではないが、処置後の約3~4日にわたって、腰痛以外には疼痛がなくなったと報告した。同様に、これもまた週全体にわたってではないが、処置後の約3~4日にわたって、疲労感が低減された。さらにIL-2を伴わない低濃度の100IU IFN-γは、関節状態に対していかなる改善効果も有しなかった。圧痛(TJ)および腫脹(SJ)関節の量は30/30(TJ/SW)で変化しないままであり、CRPは当初既に非常に低く(1.6mg/L)、これ以上は低減し得なかった。
【2126】
しかしながら、併用注入溶液または低用量IFN-γ/IL-2注入溶液を注入することにより、低量の100IU IFN-γを200IU IL-2と組み合わせた場合、患者は、腰痛以外には痛みがない状態、および低減された疲労感が、週全体にわたって延長され、次の処置まで続いたことを報告した。さらに、圧痛および腫脹関節の量は、処置の開始後10週目には30/30から20/20(TJ/SJ)まで低減させることができ、一方で、HAQは1.125で顕著に改善されたままであった(10および11週目)。
【2127】
それゆえ、IL-2は、IFN-γの効果を相乗的に改善した(比較実施例1および2もまた参照されたい)。有害副作用または不耐性または不適合は、鎮痛剤の基礎的治療とも、処置の持続期間全体にわたって観察されなかった。処置は、さらなる疼痛の低減を達成することにより、鎮痛剤の基礎的治療に加えて有益な効果を追加さえした。
【2128】
8週目には、CRPが7.1まで一時的に強く上昇したことを注記すべきである(表8Aおよび
図13)。これは恐らく、関節リウマチとは無関係な機械的な過剰な歪みから生じた足の親指関節での炎症に起因する。結果として、CRPでのその後の低下(処置開始後の9および10週目)は、処置には関連付けられないが、むしろ過剰な歪みの治癒に関連付けることができる。上記で既に述べた通り、CRPは非常に感度の高いマーカーであり、炎症のごく小さな病巣が既に、CRPの上昇を引き起こし得る。
【2129】
発明実施例4(IE-4)-患者4:関節リウマチ
1000IU IFN-γ(高用量)および200IU IL-2+熱感クリーム剤または熱感パッド剤
患者4は、処置の開始時に、約35年間にわたって基準ICD-10-GM 2021のコードM05.80に従う関節リウマチに罹患している、49歳女性、55kgであった。患者のリウマチ状態は、既に非常に進行していた。
【2130】
患者は、関節の強い変形を示し、既に数回の関節置換術(10回超、正確には29回)を受けていた。さらに、患者は、表8Aに示される通り、関節の腫脹および関節痛(圧痛関節)を示した。患者は、自身の状態を、疾患により強く影響されていると記載した。
【2131】
処置の経過にわたって、患者は、数種類の医薬の組み合わせの一定の基礎的治療を受けた。基礎的治療の用量、組成物および頻度は、処置の持続期間にわたって一定のままとした。
【2132】
すべての注入溶液は、材料および方法セクション中に記載される通りに調製した。さらに、処置のための準備中、併用注入溶液を調製するために、100μLのIL-2注入溶液(200IU IL-2を含有する)と100μLの高用量IFN-γ注入溶液(1000IU IFN-γを含有する)とを併せた。
【2133】
治療レジメンは、表8Aに示される通りに行なった。
【2134】
最初の3回の処置では、材料および方法セクション「熱感クリーム剤の適用」に記載される通りに、熱感クリーム剤であるKytta(登録商標)熱感クリーム剤を前腕の上側の皮膚上に局所的に適用することにより、処置を行なった。合計で約50mg~800mgのKytta(登録商標)熱感クリーム剤を、約50cm2の領域に対して塗布した。約6分後、200μLの併用注入溶液(1000IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する)を、熱感クリーム剤が塗布された領域の皮膚内に注入した。
【2135】
5、7および9週目には、材料および方法セクション「熱感パッド剤の適用」に記載される通りに、前腕の上側に熱感パッド剤を局所適用することにより、処置を行なった。熱感パッド剤は、約2分~5分にわたって適用した。その後、皮膚は赤く、かつ温かくなり、皮膚温度の上昇は触知可能であった。熱感パッド剤の除去の約1分~2分後、併用注入溶液を、赤く、かつ温められた皮膚領域の皮膚内に注入した。
【2136】
最初の3回の処置(最初ならびに処置開始後の1週目および2週目)では、注入は皮下的に配置され、続いて(処置開始後の5、7および9週目)、注入深さは、注入を皮内的に行なうために減じられた。両方の場合に、特徴的な皮膚丘疹が盛り上がり、後者の場合にはより顕著であった。注入の深さは、皮膚の表面下で開始時には約2mm~5mmであり、続いて、約1mm~2.5mmまで減じられた。
【2137】
表8Aおよび
図11~
図13から見て取れる通り、CRPは、当初の1.89mg/Lから0.16mg/Lの顕著に低い値まで、最初の処置後に既に低下した。さらに、圧痛(TJ)および腫脹関節(SJ)は、当初の14/11(TJ/SJ)から3/2(TJ/SJ)まで強く低減された。患者は、処置が自身に対しては良好であり、自身の毎日の生活をより容易にしたと報告した。有害副作用または不耐性または不適合は、基礎的治療とも、処置の持続期間全体にわたって観察されなかった。しかしながら、疼痛は、処置の期間全体にわたっては低減されず、これは患者4に対して予期されたことであった。患者の関節の変形は既に非常に進行していた。疼痛は、関節症および既存の(exisiting)関節変形から生じ、関節炎症に主に起因するものではなかった。本発明に従う免疫調節法は、破壊および変形した関節を改善または復元することは予期されなかった。処置は、とりわけ、関節炎症の制御および予防を目的とする。
【2138】
本実施例は、熱感クリーム剤が熱感パッド剤を用いて交換できることを示す。それゆえ、患者は、大部分の場合には実行がより容易である、熱感パッド剤を用いる処置を好んだ。熱感クリーム剤が吸収されるのには時間がかかる。そのときまでに皮膚は油っぽくなり、これは障害になり得る。加えて、Kytta熱感クリーム剤は、アレルギー反応および皮膚のほてりなどの有害副作用を引き起こす場合がある。これらのすべてが、熱感パッド剤を用いる場合には当てはまらない。
【2139】
発明実施例1に既に記載される通り、熱感クリーム剤を用いる場合、熱感クリーム剤の適用後の皮膚温度は、最初に低下し、その後に上昇し、続いて、初期皮膚温度値を超過する(参照実施例4およびT(tc)
3での
図8を参照されたい)。それゆえ、発明実施例4もまた、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO
2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤が、有益な効果を達成するために、免疫調節性物質を注入した後に確立されるためにも十分であることを示す。
【2140】
発明実施例5(IE-5)-患者5:関節リウマチ
100IU IFN-γ(低用量)+熱感パッド剤(IL-2の投与なし)
患者5は、処置の開始時に、基準ICD-10-GM 2021のコードM05.80に従う関節リウマチに罹患している、57歳女性、75kgであった。患者5は、表8Bに示される通りに関節の腫脹および関節痛を示した。両手首、両膝および両足が侵されていた。患者は、処置開始の3年間および5年間前に既に関節置換術(人工膝関節)を受けていた。患者は、日常生活に大きな支障があり、自身の状態を、疾患により強く影響されていると記載した。患者は、薬物に対する強い嫌悪感を有し、いかなる他の形態の治療も拒絶した。
【2141】
材料および方法セクション「熱感パッド剤の適用」に記載される通りに、前腕の上側に熱感パッド剤を局所適用することにより、本発明に従う処置を行なった。熱感パッド剤は、約1分~4分にわたって適用した。その後、皮膚は赤く、かつ温かくなり、皮膚温度の上昇は触知可能であった。熱感パッド剤の除去の約15秒~2分後、100μLの低用量IFN-γ注入溶液(100IU IFN-γを含有する)を、赤く、かつ温められた皮膚領域の皮膚内に注入した。注入溶液は、材料および方法セクションに記載される通りに調製した。処置レジメンは、表8Bに示される通りに行なった。
【2142】
注入は、皮内的に配置された。特徴的かつ顕著な皮膚丘疹が、注入により盛り上がった。注入の深さは、皮膚の表面下で約1mm~2.5mmであった。処置レジメンは、表8Bに示される通りに行なった。
【2143】
1回目の処置の1週間後に、患者は自身の足の痛みの改善を記載した。2回目の処置後、圧痛関節の数は、当初の22から8へと低減された(表8B)、処置の開始の5週間後、CRPは、当初の15.3mg/Lから5.6mg/Lへと著しく低下し、圧痛および腫脹関節の数は0/8(TJ/SJ)へと低減され、HAQは当初の1.75から1.125へと改善され、患者(農家)は、ウシの搾乳がやり易くなったことを報告した。
【2144】
処置の開始後の第5週から、患者は重度の精神的な圧力に曝され、個人的な問題に直面した。患者は強いストレスを受け、感情が抑圧され、CRPは6週目から9週目まで上昇し、これは、患者のストレスの多い状況により説明することができる。CRPの上昇は、ストレスの多い状態との相関を示すことが公知である(材料および方法セクション「CRP - C反応性タンパク質」もまた参照されたい)。それにもかかわらず、処置の開始後の9週目でのCRPは8.8mg/Lであり、これはそれでも15.3mg/Lの初期CRPの約60%でしかない(表8Bならびに
図11および
図13)。さらに、患者のストレスの多い生活状態にもかかわらず、HAQならびに圧痛および腫脹関節の数は悪化せず、改善されたレベルに留まったかまたはさらに改善し続けた(表8B)。患者は最終的に、あらゆる種類の投薬に対する患者の更新された嫌悪感および患者の落ち込んだ精神状態に起因して、個人的な理由で処置を停止した。
【2145】
発明実施例6(IE-6)-患者6:関節リウマチ
100IU IFN-γ(低用量)+熱感パッド剤
患者6は、処置の開始時に、基準ICD-10-GM 2021のコードM05.80に従う関節リウマチに罹患している、71歳女性、62kgであった。患者6は、表8Bに示される通りに関節の腫脹および関節痛を示した。患者は、自身の状態を、疾患により強く影響されていると記載した。
【2146】
処置の経過にわたって、患者6は、1日2回の600mgイブプロフェン(非ステロイド抗炎症薬)、午後に1日1回の50mgチリジン(合成オピオイド)および朝に1日1回の200mgノバルジン(メタミゾール;鎮痛解熱剤)の基礎的治療を受けた。
【2147】
材料および方法セクション「熱感パッド剤の適用」に記載される通りに、前腕の上側に熱感パッド剤を局所的に投与することにより、本発明に従う処置を行なった。熱感パッド剤は、皮膚が赤く、かつ温かくなり、皮膚温度の上昇が触知可能になるまで、約1分~5分にわたって適用した。熱感パッド剤の除去の約15秒~1分後、100μLの低用量IFN-γ注入溶液(100IU IFN-γを含有する)を、赤く、かつ温められた皮膚領域の皮膚内に注入した。注入溶液は、材料および方法セクションに記載される通りに調製した。処置レジメンは、表8Bに示される通りに行なった。注入は、皮内から表皮内までに配置された。特徴的かつ顕著な皮膚丘疹が盛り上がった。注入の深さは、皮膚の表面下で約0.5mm~2.5mmであった。
【2148】
最初の処置の次の日、患者は筋緊張の低減およびより少ない朝のこわばりについて報告した。最初の処置の2日後、患者は、疼痛がなくなり、鎮痛剤を摂取しなかった。正の効果は処置の開始後の4日目に消失したが、2回目および連続した処置によって復元された。つまり、全体的な身体の健康は改善され、患者は、日常生活の支障が少なくなったことを報告した。CRPは、8週間の処置後に、当初の5.2mg/Lから0.86mg/Lまで著しく低下した(表8Bならびに
図11および
図13)。有害副作用または不耐性または不適合は、上記で示される基礎的治療とも、処置の持続期間全体にわたって観察されなかった。処置の経過にわたって、患者は徐々に疼痛を有しなくなったので、患者は自分の判断で鎮痛剤を低減させた。それゆえ、処置は、改善された健康状態を維持しながら、鎮痛剤を低減させ、かつ徐々に置き換えることさえ可能にした。続いて、患者は、自身の状態を良好であると記載した。
【2149】
発明実施例7(IE-7)-患者7:関節リウマチ/滑膜炎
1000IU IFN-γ(高用量)および200IU IL-2+熱感パッド剤
患者7は、処置の開始時に、基準ICD-10-GM 2021のコードM05.80に従う関節リウマチおよび基準ICD-10-GM 2021のコードM65.-に従う重度の滑膜炎に罹患している、55歳女性、48kgであった。患者7は、表8Bに示される通りに関節の腫脹および関節痛を示した。両肘、両手首、両手および両足が疾患に強く侵されており、疼痛を有した。処置が開始される数週間前に、右手の第1および第2中手骨が外科的に置換され、かつ第2~第5中手骨に対して関節固定術が行なわれた。手の関節は、重度の滑膜炎を示した。患者は、自身の状態を、疾患により強く影響されていると記載した。さらに、両方の患者の前足部は病的に強く変形し、腫脹および疼痛をもたらしていたが、しかしながら、これは患者の関節リウマチに起因しなかった。
【2150】
さらに、患者は、処置の開始前の1年間をやや上回る(a litte more than a year)まで、数種類の異なる生物製剤およびMTX(メトトレキサート)を投与された。正確には、2008年から2021年4月まで、患者は、以下の薬剤を用いる治療を受けた:
3種類の異なる(distict)TNF-α阻害剤、すなわち:
・アダリムマブ(adalinumab)(イムラルディ(登録商標)、アダリムマブはヒュミラ(登録商標)中にも含有される活性薬剤である);
・エタネルセプト(エンブレル(登録商標));および
・セルトリズマブペゴル(シムジア(登録商標))、
3種類の異なるヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤、すなわち:
・バリシチニブ(オルミエント(登録商標));
・トファシチニブ(ゼルヤンツ(登録商標));および
・ウパダシチニブ(リンヴォック(登録商標))、
ならびにさらに:
・アバタセプト(オレンシア(登録商標)、T細胞活性化を阻害する選択的免疫抑制剤);および
・メトトレキサート(MTX)。
【2151】
例えば、アバタセプト(オレンシア(登録商標))の場合などの不十分な有効性ならびに/または真菌症状および肺でのアスペルギローマに伴う肺での線維症、副鼻腔炎、全副鼻腔炎、リウマチ結節および帯状疱疹に対する傾向などの非常に重症の有害副作用に起因して、生物製剤およびMTXを用いるすべての示される治療を停止する必要があった。MTXおよびウパダシチニブ(リンヴォック(登録商標))を用いる治療レジメンは2回目でさえも試されたが、再度重症有害作用(肺での線維症および副鼻腔炎に対する傾向)が発生し、治療の中断が必要であった。
【2152】
本発明に従う処置の経過にわたって、患者は、1週間当たり162mgのトシリズマブ(ロアクテムラ(登録商標)、IL-6阻害剤)、1日当たり4mgのプレドニゾロン(合成グルココルチコイド)および1日当たり60mgのラロキシフェン(骨粗鬆症に対する非ステロイド選択的エストロゲン受容体修飾剤)の基礎的治療を受けた。さらに、処置の開始13日前まで、1日当たり20mgのヒドロキシクロロキン(hydroxychloroquin)硫酸塩(クエンシル(Quenzyl)(登録商標);自己免疫疾患に対する抗炎症薬)が摂取された。トシリズマブ(ロアクテムラ(登録商標)、IL-6阻害剤)を用いる治療は、部分的にのみ効果的であった。
【2153】
材料および方法セクション「熱感パッド剤の適用」に記載される通りに、前腕の上側に熱感パッド剤を局所的に投与することにより、本発明に従う処置を行なった。熱感パッド剤は、皮膚が赤く、かつ温かくなり、皮膚温度の上昇が触知可能になるまで、約1分~5分にわたって適用した。熱感パッド剤の除去の約15秒~1分後、100μLの高用量IFN-γ/IL-2注入溶液(1000IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する)を、赤く、かつ温められた皮膚領域の皮膚内に注入した。注入溶液は、材料および方法セクションに記載される通りに調製した。処置レジメンは、表8Bに示される通りに行なった。注入は、皮内的に配置された。特徴的かつ顕著な皮膚丘疹が盛り上がった。注入の深さは、皮膚の表面下で約1mm~2.5mmであった。
【2154】
処置下では、HAQは、処置前の1.75から処置の6週間以内に1.125へと、かつさらにゼロへと顕著に低下した。12週間の処置後(表8Bおよび
図15)。さらに、当初の5/6(TJ/SJ)から0/1までの圧痛および腫脹関節の量での低減が、処置の12週間以内に達成された(表8B、太字で示される)。7週目での7/8(TJ/SJ)への中間的な上昇は、患者に多大な精神的苦痛も引き起こした、手術された右手に対する術後作業療法での不当な扱いが原因である。括弧内および斜体で表8B中に示される腫脹および圧痛関節の量は、変形により生じ、関節リウマチとは無関係である。上記で既に述べた通り、両方の前足部は病的に強く変形し、腫脹および疼痛をもたらす。
【2155】
それゆえ、本発明に従う処置は、IL-6阻害剤単独では達成することができなかった、IL-6阻害剤(および基礎的治療の他の物質)に加えた有益な効果を提供した。免疫調節法は、とりわけ、関節炎症の制御および関節変形の予防または遅延を目的とするが、変形した関節を改善または復元することは予期されなかった。患者はIL-6阻害剤を投与されたので、CRPは決定的なマーカーではなかった。IL-6は、CRP遺伝子誘導に対して必須であることが公知である。IL-6阻害剤は、本発明に従う処置の開始前に既にCRP値の上昇が存在しないことを説明し、IL-6阻害剤が摂取される限り、本発明に従う処置の効果に対して有意性を有しない。
【2156】
さらに、患者は徐々に疼痛を有しなくなったので、患者は処置中に自分の判断で鎮痛剤を低減させた。このことは、処置が、改善された健康状態を維持しながら、鎮痛剤を低減させ、かつ徐々に置き換えることを可能にしたことを実証する。さらに、処置は、改善された健康状態を維持しながら、クエンシル(登録商標)(ヒドロキシクロロキン硫酸塩)を置き換えた。処置の開始の半年間前、患者は既に約2週間にわたってクエンシル(登録商標)を摂取しなかったが、クエンシル(登録商標)を伴わないロアクテムラ(登録商標)(トシリズマブ)およびプレドニゾロンのみでは耐えられる健康状態/生活の質を達成するために不十分であったので、その後に摂取を継続しなければならなかった。上記で述べた通り、処置の開始時には、クエンシル(登録商標)は、既に13日にわたって再度中断されていた。本発明に従う処置は、クエンシル(登録商標)基礎的治療の非存在下で、患者の健康状態/生活の質を改善することを可能にした。このときから現在まで、再びクエンシル(登録商標)を摂取する指示はなかった。クエンシル(登録商標)は長期使用に伴って不可逆的な目の損傷を引き起こし得るので、クエンシル(登録商標)を中断することが可能になったことは、特に喜ばしいことであった。
【2157】
さらに、いかなる有害副作用または不耐性または不適合も、トシリズマブ(ロアクテムラ(登録商標)、IL-6阻害剤)をはじめとする上記で示される基礎的治療とも、処置の持続期間全体にわたって観察されなかった。
【2158】
それゆえ、本発明に従う処置は、患者の健康状態を維持し、かつさらに改善さえしながら、鎮痛剤およびヒドロキシクロロキン硫酸塩(クエンシル(登録商標))を低減させ、かつ徐々に置き換えることさえ可能にしたことが実証された。
【2159】
続いて、患者は、関節リウマチに関して自身の状態を非常に良好であると記載した。患者は、家での仕事が自身にとってより容易になったこと、それをより楽しむであろうこと、およびそれを行なう意欲が高まったこと、より大きな願望、気力および活力、より穏やか、かつリラックスした精神状態、ガーデニングでのより大きな意欲を有し、かつハイキングなどのさらなるスポーツ活動をより頻繁かつより長期にわたって行なうことができたことを報告した。
【2160】
発明実施例8(IE-8)-患者8:関節リウマチ
100IU IFN-γ(低用量)および200IU IL-2;1000IU IFN-γ(高用量)および200IU IL-2+PBMCの注入
患者8は、処置の開始時に、40年間超にわたって基準ICD-10-GM 2021のコードM05.80に従う関節リウマチに罹患している、79歳女性、75kgであった。患者8は、関節の変形および腫脹ならびに両肩、両膝および両手(全10箇所の近位指節間および中手骨(methacarophalangia))での関節痛を示した。患者8は、過去に鎮痛剤を用いて治療され、今もなお治療されている。患者は、前向きに階段を下に向かって歩くことができず、ガーデニングまたは針仕事ができず、かつ家事に大きな支障があった。患者は、自身の状態を、疾患により強く影響されていると記載した。
【2161】
鎮痛剤の用量および組成物は、PBMCを用いる処置の持続期間にわたって一定のままとした。
【2162】
注入溶液は、材料および方法セクション中に記載される通りに調製した。さらに、100μLのIL-2注入溶液(200IU IL-2を含有する)を100μLの低用量IFN-γ注入溶液(100IU IFN-γを含有する)と併せて、100IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する200μLの併用注入溶液(a)とした。あるいは、100μLのIL-2注入溶液(200IU IL-2を含有する)と100μLの高用量IFN-γ注入溶液(1000IU IFN-γを含有する)とを併せて、1000IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する200μLの併用注入溶液(b)とした。
【2163】
PBMCは、材料および方法セクション「PBMCの調製」に記載される通りに調製し、200μLの0.9%NaClの体積中に調製した9×106個のPBMC(900万個のPBMC)の総量で、単回処置で2週間毎に投与した。
【2164】
200μLの調製したPBMC(9×106個のPBMC)を注入することにより、処置を行なった。PBMCは、前腕の皮膚中へと皮内から皮下までに注入した。注入の深さは、皮膚の表面下で約2mm~4mmであり、注入後、特徴的かつ顕著な皮膚丘疹が盛り上がった。PBMCの注入の約30分~45分後、併用注入溶液(a)または併用注入溶液(b)のいずれかを、PBMCの注入部位周囲の約1cm以下の近傍に注入した。ここで再び、注入の深さは、皮膚の表面下で約2mm~4mmであり、注入後、特徴的かつ顕著な皮膚丘疹が再度盛り上がった。
【2165】
あるいは、100μLの調製したPBMC(4.5×106個のPBMC[450万個のPBMC])が注入された1回目の注入(injcetion)を実行することにより、処置を行なった。PBMCは、前腕の皮膚中へと皮内から皮下までに注入した。注入の深さは、皮膚の表面下で約2mm~4mmであり、注入後、特徴的かつ顕著な皮膚丘疹が盛り上がった。PBMCの注入の約30分~45分後、併用注入溶液(a)または(b)のいずれかを、PBMCの注入部位周囲の約1cm以下の近傍に注入した。ここでも、注入の深さは、皮膚の表面下で約2mm~4mmであり、注入後、特徴的かつ顕著な皮膚丘疹が再度盛り上がった。さらに約30分~45分後、100μLの調製したPBMC(4.5×106個のPBMC[450万個のPBMC])の2回目の注入を、PBMCの1回目の注入部位周囲の約1cm以下の近傍で実行した。PBMCの2回目の注入は、1回目の注入と同じ様式で行なった。
【2166】
患者は自己処置として処置および注入を行なった。
【2167】
患者の意見に従えば、併用注入溶液(a)に関して約2日後および併用注入溶液(b)に関して約1日後に、疼痛がゼロへと顕著に低減され、投与される鎮痛剤の投与量は半分になった。関節の腫脹は著しく低減され、患者は前向きに階段を下に向かって歩くことができ、ガーデニングおよび針仕事を行なうことができ、かつ家事での支障は強く低減された。効果は両方の併用注入溶液(a)および(b)に関して約10日続いた。続いて、患者は、自身の状態を良好であると記載した。
【2168】
それゆえ、処置は、改善された健康状態を維持しながら、鎮痛剤を低減させ、かつ徐々に置き換えることを可能にした。さらに、有害副作用または不耐性または不適合は、上記で示される基礎的治療とも、処置の持続期間全体にわたって観察されなかった。
【2169】
それゆえ、PBMCは有益な効果を付与することが実証された。
【2170】
発明実施例9(IE-9)-患者9:多発性関節炎
100IU IFN-γ(低用量);または100IU IFN-γ(低用量)および200IU IL-2+熱感パッド剤
患者9は、処置の開始時に、2年間超にわたって原因不明の基準ICD-10-GM 2021のコードM25.5に従う多発性関節炎に罹患している、77歳女性、58kgであった。患者9は、両肩関節の腫脹を示し、腕を頭の上まで上げることができなかった。患者は、自身の状態を、疾患により強く影響されており、かつ非常に疼痛を伴うと記載した。
【2171】
処置の経過にわたって、患者は、鎮痛剤を用いる一定の基礎的治療を受けた。鎮痛剤基礎的治療の用量、組成物および頻度は、処置の持続期間にわたって一定のままとした。
【2172】
材料および方法セクション「熱感パッド剤の適用」に記載される通りに、前腕の上側に熱感パッド剤を局所適用することにより、本発明に従う処置を行なった。熱感パッド剤は、皮膚が赤く、かつ温かくなり、皮膚温度の上昇が触知可能になるまで、約1分~2分にわたって適用した。熱感パッド剤の除去の約30秒~1分後、注入溶液を、赤く、かつ温められた皮膚領域の皮膚内に投与した。処置レジメンは、表9に示される通りに実行した。
【2173】
最初の4回の処置のために、100μLの低用量IFN-γ注入溶液(100IU IFN-γを含有する)を皮下注入した。注入の深さは、約2mm~5mmであった。
【2174】
処置の開始後の4~19週目に、100μLの低用量IFN-γ/IL-2注入溶液(100IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する)を皮内注入した。注入の深さは、皮膚の表面下で、約1mm~2.5mmであった。
【2175】
注入溶液は、材料および方法セクションに記載される通りに調製した。
【2176】
各注入後、特徴的な皮膚丘疹が盛り上がり、皮内注入に関してより顕著であった。
【2177】
2回目の処置(処置の開始後の2週目)後に既に、患者は手を頭の上まで上げることができ、疾患状態は強く改善された。CRPは、初期CRP量の略3分の1まで低減された(2週目、表9ならびに
図11および
図16)。圧痛関節(TJ)の数は、8から3へと低減された(表9)。HAQは、処置の最初の5週間以内に既に、当初の1.875から0.75へと顕著に低下し、最終的に16週目からは0.375まで低下した(表9および
図16)。
【2178】
有益な効果は、現在まで19週間にわたって継続した。最終的なCRPは2.9mg/Lであり、これは初期値の1/16(6.25%)未満である(
図11および
図16)。圧痛(TJ)および腫脹関節(SJ)の数は、当初の8/2(TJ/SJ)から0/0(TJ/SJ)まで低減され、HAQは最終的に0.375まで顕著に低下した(表9および
図16)。有害副作用または不耐性または不適合は、鎮痛剤の基礎的治療とも、処置の持続期間全体にわたって観察されなかった。最終的に、症状の完全寛解を理由に、患者および医師は治療を止めることを決断した。
【2179】
発明実施例10(IE-10):多発性関節炎
100IU IFN-γ(低用量);100IU IFN-γ(低用量)および200IU IL-2;1000IU IFN-γ(高用量)および200IU IL-2+2回の熱感パッド剤または電気ハンドウォーマー
患者10は、処置の開始時に、23年間超にわたって原因不明の基準ICD-10-GM 2021のコードM25.5に従う多発性関節炎に罹患している、58歳女性、66kgであった。多発性関節炎の診断は、処置の開始の年で、かつ処置の開始前に為された。患者10は、指関節、特に人差し指および中指の腫脹を示した。患者は、自身の状態を、疾患により影響されており、かつ疼痛を伴うと記載した。
【2180】
処置の経過にわたって、患者は、多発性関節炎に関するいかなる基礎的治療も受けなかった。
【2181】
材料および方法セクション「熱感パッド剤の適用」に記載される通りに、前腕の上側に熱感パッド剤を局所適用することにより、本発明に従う処置を行なった。約10週間の処置後、代替的に、これもまた材料および方法セクション「熱感パッド剤の適用」に記載される通りに、電気ハンドウォーマーを用いた。
【2182】
熱感パッド剤または電気ハンドウォーマーは、皮膚が赤く、かつ温かくなり、皮膚温度の上昇が触知可能になるまで、約1分~2分にわたって適用した。熱感パッド剤または電気ハンドウォーマーの除去の約15秒~2分後、注入溶液を、赤く、かつ温められた皮膚領域の皮膚内に投与した。1回目の処置のために、100μLの低用量IFN-γ注入溶液(100IU IFN-γを含有する)を注入に対して用いた。2回目~14回目の処置のために、100μLの低用量IFN-γ/IL-2注入溶液(100IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する)を注入に対して用いた。すべての後続の処置のために、100μLの高用量IFN-γ/IL-2注入溶液(1000IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する)を注入に対して用いた。注入溶液は、材料および方法セクションに記載される通りに調製した。注入は、表皮内から皮内までに配置された。特徴的かつ顕著な皮膚丘疹が、注入後に盛り上がった。注入の深さは、皮膚の表面下で約0.5mm~2.5mmであった。
【2183】
約17回目の処置以降から、注入部位およびその周囲の皮膚を、電気ハンドウォーマーを用いることにより、注入が行なわれた後の約1時間~5時間以内に、1~2回、再加熱した。少なくとも1回の再加熱を、典型的には約1.5時間で行なった。実行された場合、2回目の再加熱は、通常、注入の約3時間~4.5時間後に行なった。
【2184】
1回目の処置後、患者は、24時間であるが、数日未満にわたって疼痛がなくなったと報告した。
【2185】
それゆえ、その後の処置は、IFN-γの量を変化させないままで(100IU IFN-γ)、IL-2を含んだ。これらの処置は、全般的に、疼痛および腫脹を低減させた。さらに、睡眠に関する必要性は低減され、すなわち、短縮した(shortend)睡眠持続時間は十分であった。さらに、患者は、週全体ではないが数日にわたって、疼痛を有しないままであった。それゆえ、発明実施例3と同様に、IL-2の追加はIFN-γの効果を相乗的に延長させた。8週間後、患者は、自分で背中にクリームを塗ることができた。皮膚を再加熱した場合、患者は、その後の日および週の間、より少ない関節の圧痛および腫脹を報告した(下記の説明を参照されたい)。
【2186】
処置の開始後の14週目から、1週間当たりのIFN-γの量を1000IUまで増加させた後、患者は約1週間にわたって疼痛がないと報告した。皮膚を再加熱した場合、患者は、より少なくさえある関節の圧痛および腫脹を報告した。
【2187】
22週間の処置後にもかかわらず、関節の圧痛および疼痛は未だに若干視認でき、患者は、改善は相当なものであり、かつ残りの関節の圧痛および疼痛は「当初の疼痛および腫脹と同等ではない」ことを報告した。患者は、自身の日常生活に対する最小限のみの影響を示した。
【2188】
患者は、開始時から処置の経過全体を通して、両方とも処置に無関係である頻発する重大な個人的な心配事および精神的ストレスに曝されたので、患者10では、CRPは示唆的でなかった。CRPはそれらに応じて変動し、CRPの上昇は、ストレスの多い状態と相関することが公知である(材料および方法セクション「CRP - C反応性タンパク質」もまた参照されたい)。HAQ質問票は、非常に大きなストレスに起因して示されず、患者は、疾患とHAQの質問に対するストレスに関連する影響との間を区別できなかった。
【2189】
理論に拘泥することを望まないが、注入部位を再加熱することにより、より多くのPBMCが皮膚中に動員される可能性があると考えられる。それにより、より多くのPBMCをIFN-γおよびIL-2などの免疫調節性物質と接触させて、例えば、調節T細胞へと発達させることができ、かつ/または例えば、皮膚内に常在してIFN-γなどの免疫調節性物質により調整されることもできる樹状細胞と接触させて、PBMCに影響を及ぼし、かつ作用して、例えば、調節T細胞へと発達させることができる。結果として、より多くのヘルパーT細胞またはそのサブセット、および調節T細胞などのエフェクター細胞が生成されて、増幅された有益な効果をもたらすことができる。正確には、例えば、
図2A、
図2B、
図3A、
図6および
図8から見て取れる通り、熱感パッド剤または熱感クリーム剤のいずれが用いられたかにかかわらず、一定時間(通常は約1~1.5時間)後には、皮膚の状態はその初期状態に戻る。それゆえ、血管拡張、血液量の増加、sO
2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤はもはや存在せず、かつPBMCの蓄積はもはや生成させることができず-毛細血管は再度収縮しており、さらなるPBMCは、PBMCなどの嵩高い有核細胞に対してアクセス可能でない狭くなった毛細血管へと進むことができない。しかしながら、免疫調節性物質は恐らくは、拡散してなくなる前に約6時間またはもしかするとそれ以上でさえも、皮膚組織内に有効濃度で保たれ、かつ/または恐らくは免疫調節性物質により調整された樹状細胞はそれでもなおその場所に留まり、PBMCの反復される動員が、より多くのPBMCを免疫調節性物質および/または調整された樹状細胞と接触させることを可能にするはずである。結果として、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO
2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤を繰り返すことにより、より多くのエフェクター細胞を生成させることができ、かつそれにより、既にある有益な効果を増幅することができる。
【2190】
発明実施例11(IE-11)-患者11:強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)
1000IU IFN-γ(高用量)および200IU IL-2;2回の100IU IFN-γ(低用量)+熱感クリーム剤または熱感パッド剤
患者11は、処置の開始時に、強直性脊椎炎に罹患している、55歳女性、86kgであった。患者は、特に背中に強い疼痛を有し、疲労感に見舞われ、4日超を通して働くことができなかった。患者は、会計士としての自身の仕事に大きな支障があり、早期退職を検討した。患者は、就業日および心理的負担に対処することが困難であると感じた。スポーツなどの増大した身体活動は、運動の次の日にベヒテレフ病に関連する(releated)病気および疼痛の増加した症状をもたらした。患者は、自身の状態を、疾患により強く影響されていると記載した。
【2191】
患者は、様々な生物製剤(ヒュミラ(登録商標)[アダリムマブ]、シンポニー(登録商標)[ゴリムマブ]、イムラルディ(登録商標)[アダリムマブ]およびシムジア(登録商標)[セルトリズマブペゴル])を用いる治療が、開始から半年以内にほとんど効果がなく、生物製剤はその効果を失ったことを報告した。生物製剤を用いる治療(treatement)は、本発明に従う処置の開始の1年超前に終了した。
【2192】
処置の経過にわたって、患者は、数種類の催眠剤および鎮痛剤(オキシコドン、大麻ドロップ剤、アミトリプチリン)の組み合わせの一定の基礎的治療を受けた。基礎的治療の用量、組成物および頻度は、処置の持続期間にわたって一定のままとした。
【2193】
本発明に従う処置は、表10に示される通りのレジメンに従って実行した。最初の4回の処置は、材料および方法セクション「熱感クリーム剤の適用」に記載される通りに、熱感クリーム剤であるKytta(登録商標)熱感クリーム剤を前腕の上側の皮膚上に局所的に投与することにより行なった。約50mg~800mg、通常約40mg~150mgのKytta(登録商標)熱感クリーム剤を、約20cm2~70cm2の皮膚領域に対して投与した。約3分~8分後、100μLの高用量IFN-γ/IL-2注入溶液(1000IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する)を、熱感クリーム剤が塗布された領域の皮膚内に皮下注入した。特徴的な皮膚丘疹が、注入により盛り上がった。注入の深さは、皮膚の表面下で約2mm~5mmであった。注入溶液は、材料および方法セクションに記載される通りに調製した。
【2194】
発明実施例1および4に既に記載される通り、熱感クリーム剤を用いる場合、熱感クリーム剤の適用後の皮膚温度は、最初に低下し、その後に上昇し、続いて、初期皮膚温度値を超過する(参照実施例4およびT(tc)
3での
図8を参照されたい)。それゆえ、発明実施例11もまた、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO
2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤が、有益な効果を達成するために、IFN-γおよびIL-2を注入した後に確立されるためにも十分であることを示す。
【2195】
処置の開始後の6週目、8週目および10週目では、処置は、材料および方法セクション「熱感パッド剤の適用」に記載される通りに、前腕の上側に熱感パッド剤を局所適用することにより行なった。熱感パッド剤は、約1分~5分にわたって適用した。その後、皮膚は赤く、かつ温かくなり、皮膚温度の上昇は触知可能であった。熱感パッド剤の除去の約30秒~2分後、100μLの高用量IFN-γ/IL-2注入溶液を、赤く、かつ温められた皮膚領域の皮膚内に注入した。注入は、表皮内から皮内までに配置された。特徴的かつ顕著な皮膚丘疹が盛り上がった。注入の深さは、特に低く維持された。つまり、注入の深さは、皮膚の表面下で約0.5mm~1.5mmであった。
【2196】
患者は、各処置後に疼痛の明らかな改善を報告した。改善は、約4日にわたって続いた。さらに、疲労感は(war)低減され、患者は2週間を通して働くことができた。患者の心理的ストレス耐性は改善され、増加した身体活動およびスポーツが可能になった。さらに、患者の状態は、増加した活動の次の日に悪化しなかった。フラフープさえ購入された。しかしながら、処置後の最初の日には一部の場合で、患者の状態改善は、その後の日または処置の日または処置の前日ほど大きくなかった。
【2197】
さらに、BASDAIスコアが決定された(表10および
図17)。10週目での処置下では、BASDAIは4.6まで低減され、疾患の良好な管理に近付く。良好な疾患の管理は、4以下のBASDAIスコアにより示される(材料および方法セクション「BASDAI - バース強直性脊椎炎疾患活動性指数疾患活動性質問票」を参照されたい)。
【2198】
さらに、熱感クリーム剤または熱感パッド剤のいずれが用いられたかにかかわらず、圧痛および腫脹関節の数は、当初の7/5(TJ/SJ)から3/3(TJ/SJ)まで低減された(表10)。
【2199】
本実施例は、熱感クリーム剤が熱感パッド剤の使用を用いて交換できることを示す。熱感パッド剤を用いる処置は、より容易であり、患者により好まれた。その理由は、熱感クリーム剤が吸収されるのには時間がかかることである。そのときまでに皮膚は油っぽくなり、これは障害になり得る。加えて、Kytta熱感クリーム剤は、皮膚のほてりを引き起こした。これらのすべてが、熱感パッド剤を用いる場合には当てはまらない。
【2200】
トレイルが完了した後、患者は、処置を継続することを熱心に依頼した。それゆえ、追跡処置が、以下の通りに行なわれた:
(1) 効果のうちの一部、特に疼痛軽減は、最後の処置後の約4日のみにわたってトレイル下では続いたので、このことは、週1回の処置の頻度は低すぎる可能性があり、処置頻度を増加させるべきであることを示唆した。それゆえ、処置は、1週間に2回の処置(3または4日おき)を伴って、さらなる約15週間にわたって継続された。ここでもまた、処置後の最初の日には一部の場合で、患者の状態改善は、その後の日または処置の日または処置の前日ほど大きくなかった。
(2) したがって、処置の頻度は、さらなる約20週間にわたって、1週間に1回の処置まで低減させた。しかしながら、100μLの高用量IFN-γ/IL-2注入溶液(1000IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する)の1回の注入の代わりに、各100μLの低用量IFN-γ注入溶液(それぞれ100IU IFN-γを含有する)の2回の注入を行なった。注入は、上記で述べたのと同じ様式で、表皮内から皮内までに行なった。それゆえ、IL-2はもはや投与されず、投与されるIFN-γの総量は5分の1まで低減された。2回の注入は、互いに約1.5cm~4cmの距離で、かつ両方とも上記の通りに熱感パッド剤を用いて事前に加熱された同じ領域の皮膚内に配置された。有益な効果は、処置後の6~7日にわたって続いた。さらに、患者は、処置の次の日での改善が、良好かつすべての他の日と同等であったことを報告した。患者の観察に従えば、これは、注入が特に浅く、すなわち、皮膚表面下の特に浅い深さに配置された場合に特に当てはまった。
【2201】
合計約35週間の追跡処置は、医師を伴わずに患者自身で行なったことが指摘される。それゆえ、CRP値は収集しなかった。患者の全体的な健康状態は改善されたままであった。患者はより活動的であり、患者の身体的および精神的回復力は非常に良好であった。それにもかかわらず、BASDAIスコアは変動したが、値が6の初期レベルを超過することはなく(追跡処置中の最高スコアは5.97(1回)であり、最低スコアは2.1(1回)であった)、平均および中央値未満に留まった(3.86の平均BASDAI、3.96の中央値BSADAI;詳細なデータは示していない)。以前に述べた通り、患者は快調であった。したがって、患者は追跡処置中に自身の限界を試し、活動レベルを上げ、自身の活動を改善された健康状態に適応させた(より長いハイキング、より長く、かつより疲れる自転車旅行、より長い就業日、およびアルペンスキー旅行さえ行なった)。患者は繰り返し無理をし過ぎているように見えた。BASDAIの変動は、一部の場合に、無理な活動の結果を基礎となるベヒテレフ病から区別することが患者にとって困難に見えたことにより説明することができる。さらに、患者は明らかに、一定レベルの不快感を受け入れ、自身の最大活動レベルをそれに合わせ(これは生活の質の大きな部分を構成した)、このときの活動レベルならびに患者の身体的、心理的および職業的回復力は、処置前と比較して顕著に増大した。要するに、平均および中央値に対する緩やかにのみ改善したBASDAIを伴って、顕著により多い活動およびそれゆえ顕著により高い生活の質が、患者にとって可能であった。
【2202】
その後、個人的な理由のために、患者は7週間にわたって処置を中断した。約5週間の処置の中断後、患者の状態は再び悪化し、ベヒテレフ病に典型的な症状が再発し、患者はすぐに処置を再開することを決断した。
【2203】
処置の持続期間全体にわたって、有害副作用または不耐性または不適合は、上記に示される基礎的治療とも、処置の持続期間全体にわたって観察されなかった。処置の効果の喪失も見られなかった。
【2204】
関節リウマチと比較して、強直性脊椎炎は、より大きな程度まで、腱、筋肉および結合組織を侵す。それゆえ、理論に拘泥することを望まないが、これらの注入が皮膚表面の直下に配置される場合(表皮内から皮内まで)、1000IUから200IUへとIFN-γの量を低減させ、かつ200IUをそれぞれが100IU IFN-γを含有する2回の注入へと追加的に分割することにより、より少量のIFN-γが、皮膚のより深い層および皮膚下の層へと拡散および浸透すると考えられる。それゆえ、筋肉および結合組織までの、ならびにそれゆえ、強直性脊椎炎の自己抗原までのIFN-γの距離は増大し得る。さらに、多くない量のIFN-γを用いて2回の注入を行なうことにより、IFN-γは皮膚内でより均一に分布する。それにより、より多量のIFN-γが1回の注入により注入される場合と比較して、同様またはより大きくさえある皮膚の領域(特に、表皮および真皮)にIFN-γを供給することができ、かつインキュベータとして用いることができる。言い換えれば、IFN-γの量が、表皮および特に真皮中で、皮膚表面に対して平行な方向で、より標的化されて分布する可能性がある。それにより、インキュベータとして用いられる皮膚の一部分は、単回高IFN-γ用量が注入される場合と同じままであり得るかまたは拡大さえされ、同様または(of)より多量でさえある作用されたPBMCが生成され得る(処置後の6~7日の延長された効果)と考えられる。さらに、抗原に対する距離は最大化され、有効量の免疫調節性物質に対する重要な組織(筋肉および結合組織)の曝露が、同時に最小化または防止され得る。それにより、処置に反応した患者の免疫応答は、抗炎症性エフェクター、特に調節T細胞の生成に集中することができると考えられる(同様な観察が為された発明実施例12もまた参照されたい)。結果として、このことが、健康状態が処置の次の日でさえ完全な程度まで改善された理由を説明し得るであろう。
【2205】
この目的のために、ある程度の皮膚区域にわたって分布する200IU IFN-γの合計用量を、例えば、50回以上の皮内または表皮内注入へと分割することが特に有益(beneficital)であり得ることが推測され、このとき、各注入は4IUのみまたはさらに少なくさえあるIFN-γを提供する。これは、例えば、皮内または表皮内IFN-γ投与のために、例えば、50本以上のマイクロニードルを装備することができるマイクロニードルパッチ剤(1000本およびより多くのマイクロニードルを有するパッチ剤が利用可能である)を用いることにより、遂行することができる。さらに、この目的のために、週当たり1~2回の処置から、例えば、毎日の処置へと処置頻度を同時に増加させることにより、合計IFN-γ用量を30IUまで低下させることが特に有益であり得ることが推測される。当然、両者を互いに組み合わせることも可能である。
【2206】
発明実施例12(IE-12)-患者12:強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)
100IU IFN-γ(低用量)+熱感パッド剤
患者12は、処置の開始時に、強直性脊椎炎に罹患している、42歳男性、90kgであった。患者は、特に手に疼痛を有し、朝のこわばりに見舞われていた。スポーツおよび身体活動は、非常に限られた程度のみ可能であった。夜を通しての睡眠は困難であった。増大した身体活動は、その後の日にベヒテレフ病に関連する病気および疼痛の増加した症状をもたらした。病気は、大工としての患者の元々の職業を諦めることを患者に強いた。患者は、自身の状態を、疾患により影響されていると記載した。
【2207】
エンブレル(登録商標)、レミケード(登録商標)およびシンポニー(Symponi)(登録商標)などの様々なTNF-α阻害剤(腫瘍壊死因子アルファ阻害剤)を用いる疾患の治療は、強い有害副作用を伴い、それゆえ、この患者では成功しなかった。TNF-α阻害剤を用いる治療は、本発明に従う処置が開始される1年間超前に停止された。
【2208】
材料および方法セクション「熱感パッド剤の適用」に記載される通りに、前腕の上側に熱感パッド剤を局所的に投与することにより、処置を行なった。熱感パッド剤は、1分~5分にわたって適用した。その後、皮膚は赤く、かつ温かくなり、皮膚温度の上昇は触知可能であった。熱感パッド剤の除去の約10秒~2分後、100μLの低用量IFN-γ注入溶液(100IU IFN-γを含有する)を、赤く、かつ温められた皮膚領域の皮膚内に注入した。処置レジメンは、表10に示される通りに行なった。注入溶液は、材料および方法セクションに記載される通りに調製した。
【2209】
患者は明らかな疼痛の改善を報告し、これは約4日にわたって処置後に続いた。4週間後、朝のこわばりは完全になくなり、それから再発(reuccure)しなかった。睡眠はより安眠になり、患者は非常にうまく行っていることを報告した。まき割りおよび伐採ならびに6km以上の距離にわたるノルディックウォーキングが可能になり、患者の状態は、増大した身体活動後の日に悪化しなかった。それゆえ、患者は、その後は自身の増大した活動に関する再発に煩わされず、患者の健康状態は、改善されたレベルで変化しないままであった。これらの活動のいずれも、処置の開始前には可能でないか、困難性を伴ってのみ可能であった。
【2210】
さらに、BASDAIが決定された、処置の開始の3週間後、BASDAIは4まで低減され、処置の開始後の10週目には3まで低減された(表10および
図17)。このことは、4以下のBASDAIにより示される通りの疾患の良好な管理を暗示する(材料および方法セクション「BASDAI - バース強直性脊椎炎疾患活動性指数疾患活動性質問票」を参照されたい)。有害副作用または不耐性は、処置の持続期間全体にわたって観察されなかった。
【2211】
注入は、より深くに配置された4回目の注入以外は、表皮内から皮内までに配置された。それぞれの場合に、特徴的な皮膚丘疹が盛り上がった。患者は、物質が皮膚表面下でより低い深さへと注入された場合に、有益な効果がより明らかであったことを報告した。注入がより深く配置される場合、上記で述べた有益な効果は達成されたが、しかしながら、不愉快な首のこわばりが起こった。患者は、人生でそれ以前にはそのような特定の種類の首のこわばりに気付いたことはなく、それ以外にはそのことを説明することができなかった。それゆえ、注入は、処置のさらなる経過では、皮膚の表面下で約0.5mm~1.5mmの深さで特に低く配置された。首のこわばりは再発せず、有益な効果はそのまま残ったかまたはさらに改善さえした。それゆえ、表皮内から皮内までの投与および皮膚の表面下で約0.5mm~1.5mmの注入の深さが、特に有益であることが示された。
【2212】
関節リウマチと比較して、強直性脊椎炎は、より大きな程度まで、腱、筋肉および結合組織を侵す。それゆえ、理論に拘泥することを望まないが、注入を深くなく配置することおよび低用量のIFN-γを用いることにより、これらの組織までの、およびそれゆえ、強直性脊椎炎の自己抗原までの距離を最大化させることができ、かつ/または有効量の免疫調節性物質に対するこれらの重要な組織の曝露もまた、最小化または防止され得ると考えられる。それにより、処置に反応した患者の免疫応答は、抗炎症性エフェクター、特に調節T細胞の生成に集中することができると考えられる(同様な観察が為された発明実施例11もまた参照されたい)。
【2213】
発明実施例13(IE-13)-患者13:リウマチ性多発筋痛症
100IU IFN-γ(低用量);2回の100IU IFN-γ(低用量);1000IU IFN-γ(高用量)および200IU IL-2+熱感パッド剤
患者13は、処置の開始時に、2年間超にわたって原因不明の基準ICD-10-GM 2021のコードM35.3に従うリウマチ性多発筋痛症に罹患している、57歳女性、78kgであった。患者13は、指および足関節の腫脹および圧痛を示した。患者は、自身の状態を、疾患により強く影響されており、かつ非常に疼痛を伴うと記載した。
【2214】
処置の経過にわたって、患者は、必要な場合に鎮痛剤を用いる治療を受け(ジクロフェナクナトリウム、7.5mg)、これは処置の経過中に患者により徐々に低減された(最終用量は、1日当たり最大7.5mgであった)。加えて、患者は、1日1回、各25mgヒドロクロロチアジド(サイアザイド系利尿薬)、50mgアロプリノール(高尿酸レベルを治療するために用いられた)、5mgビソプロロールヘミフマル酸塩(bisoprolol hemifumarat)(高血圧を治療するためのβ遮断薬)および160mgバルサルタン(高血圧を治療するためのAT1アンタゴニスト)を投与された。
【2215】
材料および方法セクション「熱感パッド剤の適用」に記載される通りに、前腕の上側に熱感パッド剤を局所適用することにより、本発明に従う処置を行なった。熱感パッド剤は、約1分~2分にわたって適用した。皮膚は赤く、かつ温かくなり、皮膚温度の上昇は触知可能であった。熱感パッド剤の除去の約30秒~1分後、注入を、赤く、かつ温められた皮膚領域の皮膚内で、皮内的に行なった。注入の深さは、皮膚の表面下で、約1mm~2.5mmであり、特徴的かつ顕著な皮膚丘疹が、注入により盛り上がった。処置レジメンは、表11に示される。注入は、以下の通りに行なった:
- 1回目の処置のために、100μLの低用量IFN-γ注入溶液(100IU IFN-γを含有する)を注入に対して用いた;
- 2回目の処置(処置の開始後の1週目)のために、2回の100μLの低用量IFN-γ注入溶液(各100IU IFN-γを含有する)を、赤く、かつ温められた皮膚内で、約1cmの距離で注入した;
- 3回目の処置(処置の開始の2週間と3(tree)日後(処置の開始後の2[3]週目))のために、100μLの低用量IFN-γ/IL-2注入溶液(100IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する)を注入した;
- すべての後続の処置(処置の開始の3[3]~9週間後)のために、100μLの高用量IFN-γ/IL-2注入溶液(1000IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する)を注入に対して用いた。
【2216】
注入溶液は、材料および方法セクションに記載される通りに調製した。
【2217】
1回目の処置後(処置の開始後の1週目)、患者は、1日続いた指の第1指骨での疼痛の減少を報告した。2回目の処置後(処置の開始の2[3]週間後)、指の小関節での疼痛はさらに低減された。圧痛(TJ)および腫脹関節(SJ)の量は、それぞれ、35/25(TJ/SJ)(初期値)および52/52(TJ/SJ)(投与量調査下での処置後の1週目)から、処置の開始後の2[3]週目での26/0(TJ/SJ)および6[3]週目での6/0(TJ/SJ)まで低減された。処置の利益は4日より長くは続かなかったので、以後では処置は週2回行なった。処置の開始後の5週目で行なわれた6回目の処置後、患者は2日にわたって略疼痛がないと報告した。患者は完全雇用であり、立位で手を主に用いて働いていたので、CRPでの低減はほとんど予期されなかった。特に、労働負荷は処置の経過にわたって増大し、処置の開始後の5[3]週目および6週目には処置が行なわれなかった(過剰な労働負荷および精神的ストレスに起因する、飼い犬が死亡した)ので、このことは再発をもたらした。処置の開始後の6[3]週目には、CRPは8.8mg/Lまで上昇していた。処置の再開に伴って、CRPは2週間以内に6.5mg/L(処置の開始後の9週目)まで低減させることができた。さらに、表11から見て取れる通り、HAQは、当初の1.625から1.135(処置の開始後の9週目)まで低減された。続いて患者は、自身の状態を良好であると記載した。有害副作用または不耐性または不適合は、上記で詳述された基礎的治療とも、処置の持続期間全体にわたって観察されなかった。
【2218】
発明実施例14(IE-14)-患者14:リウマチ性多発筋痛症
100IU IFN-γ(低用量);1000IU IFN-γ(高用量)および200IU IL-2+熱感パッド剤
患者14は、処置の開始時に、7ヵ月にわたって原因不明の基準ICD-10-GM 2021のコードM35.3に従うリウマチ性多発筋痛症に罹患している、66歳男性、90kgであった。患者14は、全30箇所の指関節の腫脹および圧痛、ならびに両手首および両肩の圧痛を示した。患者は、自身の状態を、疾患により影響されており、かつ非常に疼痛を伴うと記載した。メトトレキサート(MTX;葉酸アンタゴニスト、疾患修飾性抗リウマチ薬)を用いる処置の速やかな開始が計画された。
【2219】
疾患の発症に伴って、患者は70mgプレドニゾロン(合成グルココルチコイド)を用いて治療され、これは8mgまで徐々に低減されたが、症状の完全寛解を伴わずに10mgまで再び増加させる必要があった。
【2220】
本発明(invetntion)に従う処置の経過にわたって、患者は、ビソプロロール(binoprolol)(高血圧を治療するためのβ遮断薬)(3.75mg)およびアセチルサリチル酸(100mg)を用いる基礎的治療を受けた。本発明に従う処置の開始時、用量は1日当たり10mgでのプレドニゾロンであった。本発明に従う処置中、プレドニゾロン用量は、1日当たり7mgまでさらに減少された。
【2221】
材料および方法セクション「熱感パッド剤の適用」に記載される通りに、前腕の上側に熱感パッド剤を局所適用することにより、本発明に従う処置を行なった。熱感パッド剤は、約30秒~2分にわたって適用した。熱感パッド剤を適用した後、皮膚は赤く、かつ温かくなり、皮膚温度の上昇は触知可能であった。熱感パッド剤の除去の約1分後、赤く、かつ温められた皮膚領域の皮膚内に、100μLの低用量IFN-γ注入溶液(100IU IFN-γを含有する)を皮内的に注入するか(1回目の処置)、または100μLの高用量IFN-γ/IL-2注入溶液(1000IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する)を皮内的に注入した(処置の開始後の2~6週目)。注入の深さは、皮膚の表面下で、約1mm~2.5mmであり、特徴的かつ顕著な皮膚丘疹が盛り上がった。注入溶液は、材料および方法セクション中に記載される通りに調製した。処置レジメンは、表11に示される通りに行なった。
【2222】
1回目の処置後(処置の開始後の1週目)、患者は、指の第1指骨での疼痛の減少を報告した。2回目の処置後(処置の開始後の3週目)、指の小関節での疼痛はさらに低減された。処置の利益は4日より長くは続かなかったので、処置は、処置の開始後の3週目から以後の週では週2回(3または4日おきに)行なった。患者は、2週目(2回目の処置前)には9mg/日までプレドニゾロン用量を低減させ、5週目(6回目の処置前)には8mg/日まで低減させた。
【2223】
5週間および3日の処置中(表11、5[3]週目)、HAQは略変化しないままであったが、患者の意見に従えば、活動レベルおよび個人的な生活の質は改善した。圧痛および腫脹関節は、34/30(TJ/SJ)から15/15(TJ/SJ)まで低減された。CRPは、2.4mg/Lから1.8mg/Lまで低減された(3.4mg/Lの一時的最大値および1.1mg/Lの一時的最小値を伴う、表11)。続いて患者は、自身の状態を良好であると記載した。有害副作用または不耐性または不適合は、上記で詳述された基礎的治療とも、処置の持続期間全体にわたって観察されなかった。MTXを用いる計画された治療は破棄され、もはや適応でもなかった。それゆえ、本発明に従う処置は、MTXを用いる計画された治療を置き換えることを可能にした。さらに、処置は、改善された健康状態を維持しながら、グルココルチコイドを低減させ、かつ徐々に置き換えることを可能にした。
【2224】
発明実施例15(IE-15)-患者15:多発性硬化症
0.02mg IL-4および200IU IL-2+0.001μg BDNFおよび200IU IL-2+熱感クリーム剤
患者15は、処置の開始時に、多発性硬化症に罹患している、43歳女性、60kgであった。多発性硬化症の診断は、基準ICD-10-GM 2021のコードG35.10に従って、2021年に確認された。
【2225】
患者15は、両脚での感覚の弱さ、強い疲労感(1日当たり12時間超の睡眠)、強い倦怠感、強い便秘および最後の排尿から最も遅くて2時間後での尿意切迫を報告した。患者は、自身の状態を、疾患により強く影響されていると記載した。
【2226】
処置の経過にわたって、患者は、患者による拒絶を理由として、基礎的治療を受けなかった。
【2227】
処置は以下の通りに行ない、左および右前腕を同時に処置した:
左前腕:材料および方法セクション「熱感クリーム剤の適用」に記載される通りに、約50mg~800mgのKytta(登録商標)熱感クリーム剤、通常約40mg~150mgを、約25cm2~100cm2の領域に対して、前腕の上側の皮膚上に局所的に塗布した。約5分~15分後、皮膚は赤く、かつ温かくなり、皮膚温度の上昇は触知可能であった。続いて、100μLのIL-4/IL-2注入溶液(200IU IL-2および0.02mg IL-4を含有する)を、赤く、かつ温められた皮膚領域の皮膚内に皮内的に注入した。
【2228】
右前腕:同様に、材料および方法セクション「熱感クリーム剤の適用」に記載される通りに、約50mg~800mgのKytta(登録商標)熱感クリーム剤、通常約40mg~150mgを、約25cm2~100cm2の領域に対して、前腕の上側の皮膚上に局所的に塗布した。約5分~15分後、皮膚は赤く、かつ温かくなり、皮膚温度の上昇は触知可能であった。続いて、100μLのBDNF/IL-2注入溶液(200IU IL-2および0.001μg BDNFを含有する)を、赤く、かつ温められた皮膚領域の皮膚内に皮内的に注入した。
【2229】
注入は、皮内的(intrademally)に行なった。注入の深さは、皮膚の表面下で約1mm~2.5mmであった。注入後、特徴的かつ顕著な皮膚丘疹が盛り上がった。注入溶液は、材料および方法セクション中に記載される通りに調製した。
【2230】
処置は、1年間にわたって、患者自身により1日おきに行なった。
【2231】
CRPまたはHAQまたはBASDAIのいずれもが多発性硬化症に関して決定的ではないので、SHILD質問票を用いた(材料および方法セクション「SHILD - 多発性硬化症に関する質問票」を参照されたい)。結果を表12および
図18に与える。処置の正の効果は、典型的には顕著な遅延の後にのみ、SHILDスコアに反映されることが指摘される。結果として、処置の開始後の2年目からのSHILDスコアが処置の開始後の最初の年での処置の成功に関する情報を与え、かつ明らかな改善を示す。結果を表12および
図18に与える。
【2232】
さらに、患者は、疲労感および倦怠感での明らかな低下を報告し、排尿間の時間は増大し、便秘は処置の開始後の最初の年以内に低減された。患者は処置の開始前には通常1年当たり1~4回の再発を経験したが、開始から処置全体の間、単一の再発は起こらなかった。有害副作用または不耐性または不適合は、処置の持続期間全体にわたって観察されなかった。
【2233】
1年間の処置後にBDNFは患者にとってもはや入手可能でなかったので、BDNFを含む処置は停止され、発明実施例16に概要が示される通りに追跡処置が継続された。
【2234】
発明実施例16(IE-16)-患者15:多発性硬化症
0.02mg IL-4および200IU IL-2+熱感クリーム剤
患者15は、基準ICD-10-GM 2021のコードG35.10に従う多発性硬化症に罹患している、発明実施例15と同じ患者であった。患者は、本明細書中に記載される通りの発明実施例15の処置に対する追跡処置を受けた。処置の開始時に、患者は44歳であり、体重は60kgであった。
【2235】
処置は発明実施例15に記載される通りに行なったが、しかしながら、BDNFは投与されなかった。それゆえ、処置は、左前腕に関して発明実施例15に記載されるのと同じ様式で、右または左前腕に対して行なった。
【2236】
CRPまたはHAQまたはBASDAIのいずれもが多発性硬化症に関して決定的ではないので、SHILD質問票を用いた(材料および方法セクション「SHILD - 多発性硬化症に関する質問票」を参照されたい)。上記で既に述べた通り、処置の正の効果は、典型的には顕著な遅延の後にのみ、SHILDスコアに反映される。結果として、処置の開始後の3年目または4年目からのSHILDスコアが処置の開始後の2年目および3年目での処置の成功に関する情報を与え、かつ使用により2年目で達成されたSHILDでの明らかな改善は、BDNFを用いずに3年目および4年目で維持することができたことを示す。結果を表12および
図18に与える。しかしながら、疲労感はそれでもなお低減されたにもかかわらず、BDNFが追加的に投与された場合よりも低減は若干少なかった(発明実施例15を参照されたい)。
【2237】
処置の年数以内に、患者は増大した強さおよび体力を示した。患者は、最小で10時間まで睡眠時間を低減させることができ(処置前には12時間)、排尿間の時間は最大4時間に増加し、便秘は低減された。加えて、患者は、精神的ストレスに対してより耐性であることを報告した。全体として、患者の健康状態および生活の質は、処置の年数にわたって改善された。さらに、患者は処置の開始前には通常1年当たり1~4回の再発を経験したが、処置中には単一の再発は起こらなかった。有害副作用または不耐性または不適合は、処置の持続期間全体にわたって観察されなかった。
【2238】
それゆえ、患者15は、発明実施例15および16に従う処置によって、合計4年間の期間にわたって、再発から解放されることができた。
【2239】
発明実施例17(IE-17)-患者1:バセドウ病
1000IU IFN-γ(高用量)および200IU IL-2+熱感クリーム剤
患者(患者1)は、発明実施例1と同じ、体重58kgの46歳女性であった。患者1は、関節リウマチに加えて、4ヵ月超にわたって基準ICD-10-GM 2021のコードE05.0に従うバセドウ病に罹患した。患者1は、処置の開始前には眼球突出を示した(
図19)。
【2240】
処置の経過にわたって、患者1は、1日当たり30mgコルチゾンの一定の基礎的治療を受けた。患者の副腎によるコルチゾール産生は不十分であったので、これは必要であった。コルチゾン基礎的治療の用量、組成物および頻度は、処置の持続期間全体にわたって一定のままとした。
【2241】
処置は発明実施例1に記載されるものと同じであり、処置レジメンは表8Aに示される。
【2242】
図19の写真から見て取れる通り、疾患の発症の2ヵ月後では、明らかに突出した眼球、特に左目が観察可能であった。本発明に従う10ヵ月間の処置後、突出は低減され、ほとんど検出可能でなかった。処置の開始の13ヵ月後には、眼球は眼窩中の正常な位置に戻り、疾患発症前に撮影された写真と比較して差異はほとんど検出可能でなかった。
【2243】
全体として、患者は改善を報告し、処置を継続した。
【2244】
比較実施例1(CE-1)-患者1
誤った処置、陰性対照:右前腕上での熱感クリーム剤+IFN-γを含まない200IU IL-2および左前腕上での熱感クリーム剤または熱感パッド剤を用いない1000IU IFN-γ(高用量)の使用
発明実施例1の患者1は、本発明に従う処置に加えて、陰性対照に従う、誤ったかまたは不適切な処置を受けた。患者はそのような処置を知っており、通知され、かつそれに対して同意した。誤った処置は、処置の開始後の10週目に行なわれ、その有効性のなさは、処置開始後の12週目に得られた結果によって実証された(表8Aおよび
図10)。
【2245】
陰性対照に従う誤った処置(表8A、[1]によって示される)は、以下の通りに行なった:
右前腕:右前腕の上側に、発明実施例1に記載される通りの熱感クリーム剤を用いる処置を行なった。約15分後、皮膚は赤く、かつ温かくなり、皮膚温度の上昇は触知可能であった。続いて、100μLのIL-2注入溶液(200IU IL-2を含有する)を、赤く、かつ温められた皮膚領域内の皮膚の表面下で約2mm~4mmの深さへと、皮下的に注入した。特徴的な皮膚丘疹が盛り上がった。
【2246】
左前腕:左前腕の上側に、100μLの高用量IFN-γ注入溶液(1000IU IFN-γを含有する)のみを、皮膚の表面下で約2mm~4mmの深さへと、皮下的に注入し、熱感パッド剤または熱感クリーム剤のいずれも用いられず、IL-2も投与されなかった。ここでもまた、特徴的な皮膚丘疹が、注入により盛り上がった。左前腕での注入は、右前腕での注入と略同時に行なった(±2分)。熱感クリーム剤は、注入側およびその周囲に投与されていなかった。
【2247】
注入溶液は、材料および方法セクション中に記載される通りに調製した。
【2248】
誤った処置には、処置なしでの4週間(処置開始後の6~9週目、表8Aおよび
図1)が先行し、それにより、5の高いCRPの初期未処置状態が再び確立された(表8Aおよび
図10、初期CRPと処置の開始後の10週目でのCRPとを比較されたい)。
【2249】
誤った処置が行なわれた後、患者は疼痛および疲労感が高く、かつ変化しないままであったことを報告した。患者はまた、処置開始後の発明実施例1の正しい処置に対して比較的当てはまった通りの、いかなる健康の改善または疾患の軽減も、誤った処置に続く後続の1.5週間にわたって報告しなかった。
【2250】
それゆえ、熱感クリーム剤単独(すなわち、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤単独のいずれも生成しない)またはIL-2単独またはその両方の組み合わせのいずれも、有益な効果を引き起こさなかった。さらに、高用量の1000IU IFN-γ単独の投与でさえもまた、熱感クリーム剤または熱が施されない場合には有益な効果を引き起こすことができない。言い換えれば、高用量の1000IU IFN-γの投与でさえ、熱感クリーム剤または熱が施される場合にのみ有効であり、すなわち、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤が生成される。
【2251】
患者はまた、有害副作用または不耐性または不適合などのいかなる負の効果も報告しなかった。したがって、本発明で用いられる処置および物質は、実際にいかなる負の効果も有しないことがさらに実証され、しかしながら、負の効果は、発明実施例中の有益な効果により重ね合わせられた可能性がある。
【2252】
比較実施例2(CE-2)-患者3
誤った処置、熱感パッド剤+IFN-γを含まないIL-2;または熱感クリーム剤または熱感パッド剤を用いないIFN-γ(100IUの低用量)単独を用いる陰性対照
発明実施例3の患者3は、本発明に従う処置に加えて、陰性対照に従う、誤ったかまたは不適切な処置を受けた。患者はそのような処置を知っており、通知され、かつそれに対して同意した。誤った処置は、1回目の処置として行なわれ(最初の週)、その有効性のなさは、処置開始後の2週目に得られた結果によって確認された(表8A)。
【2253】
陰性対照に従う誤った処置(表8A、[2]によって示される)は、以下の通りに行なった:
右前腕:右前腕の上側に、発明実施例3に記載される通りの熱感パッド剤(head pad)を用いる処置を行なった。熱感パッド剤の除去の約1分後、100μLのIL-2注入溶液(100IU IL-2を含有する)を、皮膚の表面下で約2mm~4mmの深さへと、皮下的に注入した。特徴的な皮膚丘疹が盛り上がった。
【2254】
左前腕:左前腕の上側に、100μLの低用量IFN-γ注入溶液(100IU IFN-γを含有する)を、皮膚の表面下で約2mm~4mmの深さへと、皮下的に注入し、熱感パッド剤または熱感クリーム剤のいずれも用いられず、IL-2も投与されなかった。ここでもまた、特徴的な皮膚丘疹が盛り上がった。熱感パッド剤は、注入側およびその周囲に適用されていなかった。
【2255】
注入溶液は、材料および方法セクション中に記載される通りに調製した。
【2256】
患者は、IL-2を含むか否かにかかわらず、発明実施例3の正しい処置に対して比較的当てはまった通りの(処置後の少なくとも約3~4日にわたる、腰痛以外の疼痛がないこと、および低減された疲労)、いかなる健康の改善または疾患の軽減も報告しなかった。
【2257】
それゆえ、熱感パッド剤単独(すなわち、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤単独のいずれも生成しない)またはIL-2単独またはその両方の組み合わせのいずれも、有益な効果を引き起こさなかった。さらに、低用量の100IU IFN-γ単独の投与もまた、熱感クリーム剤または熱が施されない場合には有益な効果を引き起こすことができない。言い換えれば、100IU IFN-γの投与は、熱感クリーム剤または調整エネルギー/熱の投与と合わさって相乗的に機能し、すなわち、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤が生成される。
【2258】
患者はまた、有害副作用または不耐性または不適合などのいかなる負の効果も報告しなかった。したがって、本発明で用いられる処置および物質は、実際にいかなる負の効果も有しないことがさらに実証され、しかしながら、負の効果は、発明実施例中の有益な効果により重ね合わせられた可能性がある。
【2259】
比較実施例3(CE-3)-患者1
1000IU IFN-γ(高用量)および200IU IL-2の投与の約1.5時間前に熱感クリーム剤を用いる二重盲検プラセボ処置
発明実施例1の患者1は、本発明に従う処置および比較実施例1に従う処置に加えて、さらなる不適切な処置を受けた。比較実施例1とは異なり、患者および医師の両者が、処置の実行が正しく行なわれたと考えた(二重盲検プラセボ)。したがって、プラセボ効果は除外することができ、処置はプラセボ処置と見なされた。プラセボ処置は、5週間にわたって行なわれた(表8A、処置開始後の12~16週間、および
図10)。
【2260】
プラセボ処置(表8A、[3]によって示される)では、熱感クリーム剤は、発明実施例1に記載されるのと同じ様式で正しく塗布された。さらに、100μLの高用量IFN-γ/IL-2注入溶液(1000IU IFN-γおよび200IU IL-2を含有する)もまた、正しく調製され、かつ発明実施例1に記載されるのと同じ様式で正しく注入された。しかしながら、プラセボ処置は、IFN-γ/IL-2注入溶液の注入が、熱感クリーム剤が皮膚に塗布された約1時間~1.75時間後に行なわれたという事実からなった。正確には、患者は自宅で既にクリーム剤を塗布し、続いて診察に向かった。その後、注入は診療所で投与された。
図10の曲線のCRPおよび表8Aでの変動は、診察に向かう道程および/または診療所での待ち時間が、あるときはやや長く、あるときはやや短かったという事実により説明することができる。結果として、ときには、クリーム剤の効果は注入の時点でまたは注入の時点を超えて未だに十分に存在していた可能性があり(処置の開始後の13および15週目に取得された値)、ときにはもはや十分に存在しなかった可能性がある(処置の開始後の12、14、16および17週目に取得された値)。このことに依存して、処置は成功したかまたはしなかった。
【2261】
それゆえ、不適切な処置の週から取得された平均CRP(処置の開始後の13~18週目のCRP値)は改善しなかった(
図10、示される傾向)。同様に、処置の開始後の13~17週目の間に、関節状態もまた改善しなかった(表8A)。
図8から見て取れる通りおよび参照実施例4中で材料および方法セクション「熱測定および皮膚発赤の定量化」に詳細に記載される通り、T(tc)
7での熱感クリーム剤の塗布の約1時間後には、皮膚温度は既に初期値へと戻り始め、かつ発赤は薄れ始めた。T(tc)
8での熱感クリーム剤の塗布の約1.5時間後には、皮膚温度は初期値へとほとんど再確立されており(
図8)、かつ発赤は薄れた。患者および医師は両方とも、注入が行なわれた時点までに皮膚表面はもはや特に赤くなく、かつ/または皮膚温度の上昇はときには小さく、かつときにはまったく感知できなかったことを報告した。
【2262】
それゆえ、熱感クリーム剤の効果を伴わずに(すなわち、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤なしで)、有益な効果は達成されなかった。示された濃度でのIFN-γおよびIL-2の組み合わせは、有益な効果を生じさせるために、PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤と合わさって相乗的に機能する。
【2263】
ここでもまた、患者は、有害副作用または不耐性または不適合などのいかなる負の効果も報告しなかった。したがって、本発明で用いられる処置および物質は、実際にいかなる負の効果も有しないことがさらに実証され、しかしながら、負の効果は、発明実施例中の有益な効果により重ね合わせられた可能性がある。
【2264】
比較実施例4(患者16)
炎症関節のすぐ近くでの多量の20,000IU IFN-γの局所投与
患者16は、膝での関節炎に罹患している、45歳女性、65kgであった。患者16は、両膝の関節の腫脹および関節痛を示した。患者16は、鎮痛剤またはいかなる他の投薬によっても未治療であった。患者は、強い痛みにより、前向きに階段を下に向かって歩くことがほとんどできなかった。長時間の歩行またはスポーツ活動のいずれも可能でなかったので、患者は、自身の状態を、強く影響されていると記載した。
【2265】
20,000IU IFN-γの量を、IFN-γ含有クリーム剤を用いることにより、それぞれの炎症した膝へと、1日2回局所投与した(1日当たり合計40,000IU IFN-γ)。クリーム剤は、材料および方法セクションに記載される通りに調製した。それゆえ、極めて多量のIFN-γが、炎症部位のすぐ近く、すなわち、抗原に近接して投与された。PBMCの蓄積、血管拡張、血液量の増加、sO2の増加、rHbの増加、温度上昇および/または発赤は引き起こされず、かつ熱感クリーム剤または熱感パッド剤は適用されなかった。
【2266】
3日の処置にわたって、患者の状態は悪化し、その後、処置は停止された。
【2267】
本開示の発明実施例、参照実施例および比較実施例が、図面および先行する説明中に詳細に例示および記載されてきたが、そのような例示および記載は、説明的または例示的であり、制限的ではないと考えられるべきである。本開示は、開示される実施形態に限定されない。開示される例示的な実施形態に対する他の変形は、図面、本開示、および特許請求の範囲の再検討から、本明細書中に提供される本開示の実施において、当業者により理解および実現することができる。
【2268】
様々な態様および実施形態が本明細書中に開示されてきたが、他の態様および実施形態が当業者に明らかであろう。本明細書中に開示される様々な態様および実施形態は、例示の目的のためのものであり、限定的であるとは意図されず、真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲により示される。本開示および実施例は例示的としてのみ考慮されることが意図され、そのような特許請求の範囲が認められる等価物の完全な範囲と共に、開示される実施形態の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲により示される。本明細書中で用いられる用語は、単に特定の実施形態を説明する目的のためのものであり、限定的であるとは意図されないこともまた理解されるべきである。
【2269】
表8AおよびBならびに表9~10に対する注釈: 患者は通常、同じセッション中に検査および処置された。その後、処置の成功またはその効果を、通常は1週間後の後続のセッションで決定し、次の処置を表中に示される通りに行なった。
【2270】
【2271】
【2272】
【2273】
【2274】
【2275】
【2276】
【2277】
【2278】
条項
1. 被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法であって、
ステップ(A)を含み、ステップ(A)は、
(A-0) 被験体の皮膚内でのPBMC(末梢血単核細胞)の蓄積を生じさせるステップ;ならびに/または
(A-1) 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張を生じさせるステップ;ならびに/または
(A-2) 被験体の皮膚内での血液量の増加を生じさせるステップ;ならびに/または
(A-3) 被験体の皮膚内でのsO2(ヘモグロビンの酸素飽和度)の増加、および/もしくは被験体の皮膚内でのrHb(相対的ヘモグロビン量)の増加を生じさせるステップ;ならびに/または
(A-4) 被験体の皮膚上の温度上昇を生じさせるステップ;ならびに/または
(A-5) 被験体の皮膚上で発赤を生じさせるステップ;ならびに/または
(A-6) 被験体の皮膚に対して調整エネルギーを施すステップ;ならびに/または
(A-7) 被験体の皮膚に対して皮膚コンディショニング剤を投与するステップ;ならびに/または
(A-8) 被験体の皮膚中にPBMC(末梢血単核細胞)を投与するステップ
のうちの1以上から選択され、かつ以下のステップ:
(B) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ;および/または
(C) 被験体の皮膚に対して免疫調節性物質を投与するステップ
であって、ステップ(C)で投与される免疫調節性物質はステップ(B)で投与される免疫調節性物質とは異なるステップ
をさらに含む、上記方法。
【2279】
2. 皮膚が皮膚領域のものであり、好ましくは皮膚領域の皮膚は免疫学的に不活性かつ/もしくは未負荷であり、かつ/または免疫学的活性および/もしくは負荷のいずれかの部位に対して空間的に隔てられている、条項1に従う方法。
【2280】
3. 免疫調節性物質が、被験体での免疫調節性物質の濃度の全身性の増加を引き起こさない量で、ステップ(B)および/またはステップ(C)で投与される、先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2281】
4. ステップ(A)が、ステップ(A-0)、(A-1)、(A-2)、(A-3)および/または(A-4)のうちの1以上から選択される、先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2282】
5. 方法のステップ(A-1)で、
- 血管拡張が、皮膚内のsO2および/またはrHbに基づいて決定される、
先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2283】
6. 方法のステップ(A-2)で、
- 血液量の増加が、皮膚内のsO2および/またはrHbに基づいて決定される、
先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2284】
7. 方法のステップ(A-3)で、
- sO2が2%以上増加し、かつ/もしくはsO2が2%ポイント以上増加し;かつ/またはrHbが2%以上増加し、かつ/もしくはrHbが2AU(任意単位)増加する、
先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2285】
8. 方法のステップ(A-4)で、
- 温度が1%以上上昇し、かつ/または温度が0.2℃以上上昇する、
先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2286】
9. 方法のステップ(A-6)で、調整エネルギーが、以下の事項を生じさせるために施され:
- 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張であって、血管拡張はsO2および/またはrHbに基づいて決定される、血管拡張;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚内での血液量の増加であって、血管拡張はsO2および/またはrHbに基づいて決定される、血液量の増加;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚内でのsO2の増加および/またはrHbの増加であって、好ましくは、sO2は2%以上増加し、かつ/もしくは2%ポイント以上増加し;かつ/またはrHbは2%以上増加し、かつ/もしくは2AU(任意単位)以上増加する、sO2の増加および/またはrHbの増加;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚上の温度上昇であって、好ましくは、温度は1%以上上昇し、かつ/または0.2℃以上上昇する、温度上昇;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚上での発赤であって、好ましくは、発赤はヒト肉眼に対して視覚的に検出可能である、発赤、
好ましくは、調整エネルギーは、エネルギー付与手段を用いることにより施される、
先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2287】
10. 方法のステップ(A-7)で、皮膚コンディショニング剤が、以下の事項を生じさせるために投与される、先行条項のうちのいずれかに従う方法:
- 被験体の皮膚内での毛細血管の拡張であって、血管拡張はsO2および/またはrHbに基づいて決定される、血管拡張;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚内での血液量の増加であって、血管拡張はsO2および/またはrHbに基づいて決定される、血液量の増加;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚内でのsO2の増加および/またはrHbの増加であって、好ましくは、sO2は2%以上増加し、かつ/もしくは2%ポイント以上増加し;かつ/またはrHbは2%以上増加し、かつ/もしくは2AU(任意単位)以上増加する、sO2の増加および/またはrHbの増加;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚上の温度上昇であって、好ましくは、温度は1%以上上昇し、かつ/または0.2℃以上上昇する、温度上昇;ならびに/あるいは
- 被験体の皮膚上での発赤であって、好ましくは、発赤はヒト肉眼に対して視覚的に検出可能である、発赤。
【2288】
11. 方法のステップ(A-8)で、PBMCが皮膚の局所下層中へと注入される、先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2289】
12. ステップ(B)および/またはステップ(C)の免疫調節性物質が、サイトカイン様機能性物質、好ましくはインターフェロン様機能性物質、インターロイキン様機能性物質および/または神経栄養因子様機能性物質、より好ましくはIFN-γ様機能性物質、IL-4様機能性物質、BDNF様機能性物質および/またはIL-2様機能性物質、さらにより好ましくはIFN-γ(インターフェロン-ガンマ)、IL-4(インターロイキン4)、BDNF(脳由来神経栄養因子)および/もしくはIL-2(インターロイキン2)、またはこれらのうちのいずれかのいずれかの誘導体、断片、バイオ医薬品、誘導因子、前駆体、プロドラッグ、ミューテイン、コドラッグおよび/もしくは製薬上許容される塩、またより好ましくはIFN-γ、IL-4、BDNFおよび/またはIL-2である、先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2290】
13. - 方法がステップ(A)および(B)を含み;かつ
- ステップ(B)で投与される免疫調節性物質が、IFN-γ、IL-4および/もしくはBDNFであるか、
または
- 方法がステップ(A)、(B)および(C)を含み;
- ステップ(B)での免疫調節性物質が、IL-2を除く免疫調節性物質のうちのいずれかであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質が、IL-2であるか、
または
- 方法がステップ(A)、(B)および(C)を含み;
- ステップ(B)での免疫調節性物質が、IFN-γ、IL-4および/もしくはBDNFであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質が、IL-2である、
先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2291】
14. - 方法がステップ(A)、(B)および任意により(C)を含み;
- ステップ(B)での免疫調節性物質が、IFN-γであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質が、IL-2であるか、
または
- 方法がステップ(A)、(B)および任意により(C)を含み;
- ステップ(B)での免疫調節性物質が、IL-4および/もしくはBDNF、好ましくはIL-4であり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質が、IL-2である、
先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2292】
15. - IFN-γが、600IU/kg被験体体重以下の量で;30ng/kg被験体体重以下の量で;30,000IU以下の総量で;かつ/または1,500ng以下の総量で投与され;
- IL-4が、20ng/kg被験体体重以下の量で;かつ/または1,000ng以下の総量で投与され;
- BDNFが、10ng/kg被験体体重以下の量で;かつ/または500ng以下の総量で投与され;かつ/あるいは
- IL-2が、10IU/kg被験体体重以下の量で;0.6ng/kg被験体体重以下の量で;500IU以下の総量で;かつ/または30.5ng以下の総量で投与される
条項12~14に従う方法。
【2293】
16. 治療および/または予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患が、関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、炎症性リウマチ疾患、橋本病、バセドウ病、クローン病および/または多発性硬化症を含み、好ましくはそれらからなる、先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2294】
17. - 方法がステップ(A)、(B)および(C)を含み;
- 治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患が、治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患のうちのいずれかであり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質が、IL-2を除く免疫調節性物質であり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質が、IL-2であるか、
または
- 方法がステップ(A)、(B)および任意により(C)を含み;
- 治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患が、神経系の炎症性疾患を除く、好ましくは多発性硬化症を除く、治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患のうちのいずれかであり、好ましくは、関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、炎症性リウマチ疾患、橋本病および/またはバセドウ病であり、より好ましくは、関節炎、滑膜炎、腱滑膜炎、関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎、リウマチ性多発筋痛症、ベヒテレフ病および/もしくはバセドウ病であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質が、IFN-γおよび/もしくはIL-4であり、好ましくはIFN-γであり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質が、IL-2であるか、
または
- 方法がステップ(A)、(B)および任意により(C)を含み;
- 治療および/もしくは予防対象である炎症性疾患、免疫学的疾患および/もしくは自己免疫疾患が、神経系の炎症性疾患であり、好ましくは多発性硬化症であり;
- ステップ(B)での免疫調節性物質が、IL-4および/もしくはBDNF、好ましくはIL-4であり;かつ
- ステップ(C)での免疫調節性物質が、IL-2である、
先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2295】
18. 被験体における炎症性疾患、免疫学的疾患および/または自己免疫疾患を治療および/または予防するための方法での方法であって、方法のステップ(A-7)の皮膚コンディショニング剤が、血液循環増加剤、血管拡張剤、皮膚温度上昇剤、皮膚sO2増加剤および/または皮膚rHb増加剤であり、好ましくは、皮膚コンディショニング剤は、硝酸薬、α遮断薬、ACE阻害剤、イチョウバームなどのイチョウ調製物、カルシウム拮抗薬、ジヒドララジン、ミノキシジル、ジヒドロエルゴトキシン、ニコチン酸類似体、ニコチン酸メチル、モグサ草、カプサイシン、ペントキシフィリンなどの血管拡張剤、血管拡張剤含有クリーム剤、ニコチン酸メチル含有クリーム剤、Kytta(登録商標)熱感バームおよび/またはそれらのいずれかの組み合わせを含む、上記方法。
【2296】
19. ステップ(A)、ステップ(B)および/またはステップ(C)が複数回行なわれる、先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2297】
20. ステップ(B)および/またはステップ(C)の投与が、ステップ(A)の生成ステップ/および/または投与ステップが達成される皮膚の同じ領域で部分的または完全に達成される、先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2298】
21. 個別のまたはステップ(A)、(B)、(B1)および/もしくは(C)により生成される効果が、時間的および空間的に少なくとも部分的かつ/または完全に重複する様式で行なわれる、先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2299】
22. 免疫調節性物質が、互いに組み合わせて投与される、先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2300】
23. 免疫調節性物質が、時間的に別個に投与される、先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2301】
24. 5時間以下以内に行なわれる、先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2302】
25. ステップ(A-6)、(A-7)および/または(A-8)での投与が、局所適用によるかまたは注入による、先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2303】
26. 免疫調節性物質が、局所適用によるかまたは注入により投与される、先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2304】
27. 免疫調節性物質が、PBMCを成熟、分化させ、かつ/またはPBMCを増殖させる、先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【2305】
28. 被験体が、哺乳動物またはヒトである、先行条項のうちのいずれかに従う方法。
【符号の説明】
【2306】
100 医療デバイス
102 皮膚
110 皮膚コンディショニング部
112 加熱部
114 接触検出手段
116 無線カップリング手段
118 エネルギー源
119 トリガー
120 アプリケータ部
121 第1のリザーバ
122 アクチュエータ、ポンプ
123 制御部
126 第1のアプリケータ
127 アプリケータアクチュエータ
130 コントローラ
132 制御部
200 ハンドル、筐体
601 カップリング
602 カップリング
603 カップリング
604 カップリング
605 カップリング
606 カップリング
607 カップリング
608 カップリング
701 外部コネクタ
702 ユーザーディスプレイ
703 無線カップリング手段
704 格納領域
【配列表】
【国際調査報告】