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特表2024-541134コンクリート製品のための調整及び養生の同時プロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-07
(54)【発明の名称】コンクリート製品のための調整及び養生の同時プロセス
(51)【国際特許分類】
   C04B 40/02 20060101AFI20241030BHJP
   C04B 28/02 20060101ALI20241030BHJP
   B28B 11/24 20060101ALI20241030BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
C04B40/02
C04B28/02
B28B11/24
B01D53/26 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024520776
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 CA2022051580
(87)【国際公開番号】W WO2023070206
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/271,801
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
(71)【出願人】
【識別番号】520431166
【氏名又は名称】カービクリート インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】ジャヴァッド ミルヴァラッド
(72)【発明者】
【氏名】メールダッド マホーティアン
(72)【発明者】
【氏名】クリス スターン
【テーマコード(参考)】
4D052
4G055
4G112
【Fターム(参考)】
4D052AA09
4D052CE00
4D052HA01
4D052HA03
4D052HA05
4D052HA07
4D052HA12
4D052HA21
4G055AA01
4G055BA02
4G055BA12
4G112PA27
4G112PA29
4G112PE05
4G112RA02
4G112RA03
4G112RB02
4G112RC01
(57)【要約】
コンクリート製品を製造する方法は、結合剤、骨材、及び水を含む組成物を提供することと、結合剤、骨材、及び水を混合して、コンクリート混合物を生成することと、コンクリート混合物に形態を付与して、第1の水対結合剤比を有する形成された中間体を提供することと、形成された中間体を養生しながら、形成された中間体を調整することによって、形成された中間体を同時に調整及び養生することと、を含み、形成された中間体を同時に養生及び調整し、第1の水対結合剤比未満の最終の水対結合剤比を得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート製品を製造する方法であって、
結合剤、骨材、及び水を含む組成物を提供することと、
前記結合剤、前記骨材、及び前記水を混合して、コンクリート混合物を生成することと、
前記コンクリート混合物に形態を付与して、第1の水対結合剤比を有する形成された中間体を提供することと、
前記形成された中間体を養生しながら、前記形成された中間体を調整することによって、前記形成された中間体を同時に調整及び養生することと、を含み、前記形成された中間体を同時に養生及び調整し、前記第1の水対結合剤比未満の最終の水対結合剤比を得る、方法。
【請求項2】
前記調整及び前記養生することを、筐体の外側の環境から密封された前記筐体内で実施することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記筐体内に、少なくとも5体積%の濃度及び少なくとも0.1PSIの圧力で二酸化炭素を注入することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記形成された中間体を前記同時に調整及び養生することが、前記同時に調整及び養生している間に、前記形成された中間体から蒸発した水を吸収することを含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記水を前記吸収することが、前記筐体内に含まれる乾燥剤材料及び除湿機のうちの1つ以上で前記水を吸収することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記同時に調整及び養生することが、追加の外部の熱及び/又は圧力の供給源を含まずに、前記形成された中間体を同時に調整及び養生することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記同時に調整及び養生することが、前記同時に調整及び養生している間に、前記形成された中間体を調整する速度を変化させることを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記速度(rate)を前記変化させることが、変化する速度(speed)を有する空気流に前記形成された中間体を曝露すること、温度変化に前記形成された中間体を曝露すること、及び相対湿度変化に前記形成された中間体を曝露することのうちの1つ以上で前記速度(rate)を変化させることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記コンクリート混合物に前記形態を前記付与することが、前記コンクリート混合物を型枠内に鋳造して成形された中間体を提供することを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記成形された中間体を脱型して脱型した中間体を提供することを含み、前記形成された中間体を前記同時に調整及び養生することが、前記脱型した中間体を同時に調整及び養生することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記形成された中間体を前記同時に調整及び養生することが、前記形成された中間体が前記型枠の内側にある間に、前記形成された中間体を同時に調整及び養生することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記形成された中間体を前記同時に調整及び養生する前に、前記形成された中間体を事前調整して、事前調整された中間体を得ることを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記形成された中間体を前記事前調整することが、前記形成された中間体が、前記第1の水対結合剤比未満、かつ前記最終の水対結合剤比よりも大きい事前調整された水対結合剤比を有するまで、前記形成された中間体を事前調整することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記形成された中間体を前記事前調整することが、前記形成された中間体を空気流及び熱のうちの1つ以上に曝露することを含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記形成された中間体を前記同時に調整及び養生する前に、前記形成された中間体を安定化させることを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記形成された中間体を前記安定化させることが、前記形成された中間体の表面上の水対結合剤比と、前記形成された中間体のコア内の水対結合剤比との間の差異が少なくとも5%減少するまで、前記形成された中間体を静止した周囲空気に曝露することを含む、請求項15に記載の方法。。
【請求項17】
前記形成された中間体を前記同時に調整及び養生する前に、前記形成された中間体の初期二酸化炭素飽和を行うことを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記初期二酸化炭素飽和を前記行うことが、吸収された二酸化炭素の結果として前記形成された中間体の質量増加率が少なくとも90%低減するまで、前記形成された中間体を二酸化炭素に曝露することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
コンクリート製品を製造する方法であって、
結合剤、骨材、及び水を含む組成物を提供することと、
前記結合剤、前記骨材、及び前記水を混合して、コンクリート混合物を生成することと、
前記コンクリート混合物に形態を付与して、第1の水対結合剤比を有する形成された中間体を提供することと、
前記形成された中間体を養生しながら、前記形成された中間体の水分含有量を前記第1の水対結合剤比から最終の水対結合剤比に減少させることと、を含む、方法。
【請求項20】
コンクリート製品を製造する方法であって、
結合剤、骨材、及び水を含む組成物を提供することと、
前記結合剤、前記骨材、及び前記水を混合して、コンクリート混合物を生成することと、
前記コンクリート混合物に形態を付与して、第1の水対結合剤比を有する形成された中間体を提供することと、
前記形成された中間体の養生プロセスを実施することであって、前記養生プロセスが、第1の時間に開始され、第2の時間に完了される、実施することと、前記形成された中間体を、前記第1の時間と前記第2の時間との間で調整することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、コンクリート製品に関し、より具体的には、そのようなコンクリート製品を製造するために使用されるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート製品の製造では、セメント及び骨材を含んでもよい乾燥混合物が水と混合される。得られた中間体は、中間体が含有する水の一部を蒸発させる調整ステップを経る。調整された中間製品は、その後、最終的なコンクリート製品を得るために、別個の養生ステップを経る。調整ステップは時間がかかり、非常に慎重を要する場合がある。この調整ステップが適切に実行されないと、完成製品の性能及び/又は品質が貧弱になる可能性がある。したがって、改善が求められる。
【発明の概要】
【0003】
したがって、コンクリート製品を製造する方法であって、結合剤、骨材、及び水を含む組成物を提供することと、結合剤、骨材、及び水を混合して、コンクリート混合物を生成することと、コンクリート混合物を型枠内に鋳造して成形された中間体を提供することと、成形された中間体を脱型して脱型した中間体を提供することと、脱型した中間体を同時に調整及び養生することと、を含む、方法が提供される。
【0004】
本開示は、密閉された環境の内側でコンクリート製品を同時に養生及び乾燥させるための方法を提案する。炭酸化及び調整の同時プロセスは、低減された相対湿度(RH)条件において行われる場合がある。炭酸化コンクリート製品は、任意選択的に補強される。粉砕された鋼スラグ、ポルトランドセメント、ポゾラン材料、水硬及び非水硬セメントは、コンクリートの生産において結合剤として使用され得る。
【0005】
本開示による方法は、コンクリート製造業者が任意の好適な水分含有量を有するコンクリート製品を迅速に生産することを可能にする場合がある。コンクリート混合物の水分含有量は、コンクリート製造業者によって決定されてもよく、使用されるコンクリートの種類、周囲温度/RH、及び成形条件に依存する場合がある。その後、フレッシュコンクリート製品は、初期の水/水分/湿気含有量が何であれ、二酸化炭素で同時に調整及び養生されてもよい。
【0006】
本開示の方法の結果として、コンクリート製品は、任意の周囲条件下、例えば、温度及びRH、並びに任意のコンクリート混合割合で、二酸化炭素で養生されてもよい。初期の水分含有量は、養生されたコンクリートの性能に影響を与えない場合がある。既存の技術とは対照的に、混合物の初期の水分含有量は、炭酸化反応が開始する前により低い水分含有量まで低減させる必要がない。上述のプロセスは、貧弱な調整のリスクを排除し、結果として、低品質のコンクリート製品の生産を排除する。
【0007】
本開示では、フレッシュコンクリート製品は、順次とは対照的に、同時に水抽出/調整及びCO養生に供される。フレッシュコンクリート製品が形成されると、それらは直ちに養生チャンバの内側に配置されてもよい。養生チャンバは、同時に、相対湿度を低減させ、COでコンクリートを活性化することが可能である場合がある。チャンバの内側の相対湿度の低減は、様々な方法において、かつ異なる手段によって行われてもよい。本開示では、炭酸化反応のための最適な水対結合剤比は、製品がCO圧力下にある間に達成される場合がある。最適な水対結合剤比は、製品がCO2養生下にある時点で炭酸カルシウムの析出に好適な条件を提供するフレッシュ製品中の水分含有量レベルである。水分含有量が最適なレベルを上回っているか又は下回っている場合、適切な析出が十分ではない場合がある。最適な水対結合剤比は、初期の水対結合剤比の5%~100%の範囲であってもよい。
【0008】
一態様では、コンクリート製品を製造する方法であって、結合剤、骨材、及び水を含む組成物を提供することと、結合剤、骨材、及び水を混合して、コンクリート混合物を生成することと、コンクリート混合物に形態を付与して、第1の水対結合剤比を有する形成された中間体を提供することと、形成された中間体を養生しながら、形成された中間体を調整することによって、形成された中間体を同時に調整及び養生することと、を含み、形成された中間体を同時に養生及び調整し、第1の水対結合剤比未満の最終の水対結合剤比を得る、方法が提供される。
【0009】
上記で定義され、本明細書に記載される方法はまた、全体又は部分的に、及び任意の組み合わせにおいて、特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、本方法は、調整及び養生することを筐体の外側の環境から密封された筐体内で実施することを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、本方法は、筐体内に、少なくとも5体積%の濃度及び少なくとも0.1PSIの圧力で二酸化炭素を注入することを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、形成された中間体を同時に調整及び養生することは、同時に調整及び養生している間に、形成された中間体から蒸発した水を吸収することを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、水を吸収することは、筐体内に含まれる乾燥剤材料及び除湿機のうちの1つ以上で水を吸収することを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、同時に調整及び養生することは、追加の外部の熱及び/又は圧力の供給源を含まずに、形成された中間体を同時に調整及び養生することを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、同時に調整及び養生することは、同時に調整及び養生している間に、形成された中間体を調整する速度を変化させることを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、速度(rate)を変化させることは、変化する速度(speed)を有する空気流に形成された中間体を曝露すること、温度変化に形成された中間体を曝露すること、及び相対湿度変化に形成された中間体を曝露することのうちの1つ以上で速度を変化させることを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、コンクリート混合物に形態を付与することは、コンクリート混合物を型枠内に鋳造して成形された中間体を提供することを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、本方法は、成形された中間体を脱型して脱型した中間体を提供することを含み、形成された中間体を同時に調整及び養生することが、脱型した中間体を同時に調整及び養生することを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、形成された中間体を同時に調整及び養生することは、形成された中間体が型枠の内側にある間に、形成された中間体を同時に調整及び養生することを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、本方法は、形成された中間体を同時に調整及び養生する前に、形成された中間体を事前調整して、事前調整された中間体を得ることを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、形成された中間体を事前調整することは、形成された中間体が、第1の水対結合剤比未満、かつ最終の水対結合剤比よりも大きい事前調整された水対結合剤比を有するまで、形成された中間体を事前調整することを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、形成された中間体を事前調整することは、形成された中間体を空気流及び熱のうちの1つ以上に曝露することを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、本方法は、形成された中間体を同時に調整及び養生する前に、形成された中間体を安定化させることを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、形成された中間体を安定化させることは、形成された中間体の表面上の水対結合剤比と、形成された中間体のコア内の水対結合剤比との間の差異が少なくとも5%減少するまで、形成された中間体を静止した周囲空気に曝露することを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、本方法は、形成された中間体を同時に調整及び養生する前に、形成された中間体の初期二酸化炭素飽和を行うことを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、初期二酸化炭素飽和を行うことは、吸収された二酸化炭素の結果として形成された中間体の質量増加率が少なくとも90%低減するまで、形成された中間体を二酸化炭素に曝露することを含む。
【0027】
別の態様では、コンクリート製品を製造する方法であって、結合剤、骨材、及び水を含む組成物を提供することと、結合剤、骨材、及び水を混合して、コンクリート混合物を生成することと、コンクリート混合物に形態を付与して、第1の水対結合剤比を有する形成された中間体を提供することと、形成された中間体を養生しながら、形成された中間体の水分含有量を第1の水対結合剤比から最終の水対結合剤比に減少させることと、を含む、方法が提供される。
【0028】
なお別の態様では、コンクリート製品を製造する方法であって、結合剤、骨材、及び水を含む組成物を提供することと、結合剤、骨材、及び水を混合して、コンクリート混合物を生成することと、コンクリート混合物に形態を付与して、第1の水対結合剤比を有する形成された中間体を提供することと、形成された中間体の養生プロセスを実施することであって、養生プロセスが、第1の時間に開始され、第2の時間に完了される、実施することと、形成された中間体を、第1の時間と第2の時間との間で調整することと、を含む、方法が提供される。
【0029】
上記で定義された2つの方法は、全体又は部分的に、及び任意の組み合わせにおいて、以下の特徴のうちの1つ以上を更に含んでもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、本方法は、調整及び養生することを筐体の外側の環境から密封された筐体内で実施することを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、本方法は、筐体内に、少なくとも5体積%の濃度及び少なくとも0.1PSIの圧力で二酸化炭素を注入することを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、形成された中間体を同時に調整及び養生することは、同時に調整及び養生している間に、形成された中間体から蒸発した水を吸収することを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、水を吸収することは、筐体内に含まれる乾燥剤材料及び除湿機のうちの1つ以上で水を吸収することを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、同時に調整及び養生することは、追加の外部の熱及び/又は圧力の供給源を含まずに、形成された中間体を同時に調整及び養生することを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、同時に調整及び養生することは、同時に調整及び養生している間に、形成された中間体を調整する速度を変化させることを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、速度を変化させることは、変化する速度を有する空気流に形成された中間体を曝露すること、温度変化に形成された中間体を曝露すること、及び相対湿度変化に形成された中間体を曝露することのうちの1つ以上で速度を変化させることを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、コンクリート混合物に形態を付与することは、コンクリート混合物を型枠内に鋳造して成形された中間体を提供することを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、本方法は、成形された中間体を脱型して脱型した中間体を提供することを含み、形成された中間体を同時に調整及び養生することが、脱型した中間体を同時に調整及び養生することを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、形成された中間体を同時に調整及び養生することは、形成された中間体が型枠の内側にある間に、形成された中間体を同時に調整及び養生することを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、本方法は、形成された中間体を同時に調整及び養生する前に、形成された中間体を事前調整して、事前調整された中間体を得ることを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、形成された中間体を事前調整することは、形成された中間体が、第1の水対結合剤比未満、かつ最終の水対結合剤比よりも大きい事前調整された水対結合剤比を有するまで、形成された中間体を事前調整することを含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、形成された中間体を事前調整することは、形成された中間体を空気流及び熱のうちの1つ以上に曝露することを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、本方法は、形成された中間体を同時に調整及び養生する前に、形成された中間体を安定化させることを含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、形成された中間体を安定化させることは、形成された中間体の表面上の水対結合剤比と、形成された中間体のコア内の水対結合剤比との間の差異が少なくとも5%減少するまで、形成された中間体を静止した周囲空気に曝露することを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、本方法は、形成された中間体を同時に調整及び養生する前に、形成された中間体の初期二酸化炭素飽和を行うことを含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、初期二酸化炭素飽和を行うことは、吸収された二酸化炭素の結果として形成された中間体の質量増加率が少なくとも90%低減するまで、形成された中間体を二酸化炭素に曝露することを含む。
【0047】
本改善に関する多くの更なる特徴及びそれらの組み合わせは、本開示を読むことで当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】コンクリート製品を養生及び調整するために使用されるシステムの概略図である。
図2】コンクリート製品を製造する方法のステップを図示するフローチャートである。
図3図2の方法の同時(concurrent)及び同時(simultaneous)調整及び養生ステップ中の時間の関数としての温度及び湿度の変化を図示するグラフである。
図4】一実施形態によるコントローラの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
序論
商業的には、プレキャストコンクリート製品は、熱及び蒸気で養生される。過去数年において、鉱物化に基づく新しい技術が登場し、二酸化炭素でコンクリート製品を養生させることが可能になっている。これらの技術は、フレッシュコンクリート製品を、二酸化炭素に曝露する前に最初に調整するプロセスを採用している。コンクリートを調整する新しい方法を見出すことが必要とされている。
【0050】
元来、ポルトランドセメントは、熱及び蒸気を使用して養生が行われるコンクリート生産において、結合剤として使用されている。対照的に、本方法は、コンクリートを同時に調整及び炭酸化養生することを含む。このプロセスは、二酸化炭素を使用してプレキャストコンクリート製品を養生することができ、結合剤は、ポルトランドセメントに限定されない。任意選択的に補強されるコンクリート製品の生産のための提案された方法は、従来の方法を使用して養生されたコンクリート製品と比較した場合、同等又は優れた機械的特性及び耐久性特性をもたらす可能性がある。提案されたプロセスはまた、大気中への温室効果ガスの排出を削減する可能性がある。最後に、任意選択的に補強されるプレキャストコンクリート製品の生産のための提案された方法の使用は、プレキャストコンクリート製造施設での生産速度を増加させる可能性がある。
【0051】
カルシウムが豊富な物質と二酸化炭素との間の炭酸化反応は、物質から溶出したカルシウム及びCO2が水中に溶解すると生じる。コンクリートサンプルでは、反応は指定された細孔飽和度で起こる。細孔が水で満たされ、飽和速度が100%であると、スラグと二酸化炭素との間にほとんど又はまったく反応がない。この観察は、細孔内に水が存在しない場合、又は細孔飽和度が0パーセントである場合にも有効である。最適な細孔飽和度、又はより簡潔な用語では、混合物の含水量は、最高の炭酸化反応速度をもたらす。細孔飽和度は、各細孔についての水の体積と細孔の体積との間の比である。炭酸カルシウムの析出のための条件がCO2養生下でその細孔内で理想的である場合、最適な細孔飽和度が達成される。最適な細孔飽和度は、多くの要因に依存しており、0.05~0.95の範囲であってもよい。好ましくは、細孔飽和度は、0.3~0.7の範囲である。最適な含水量から逸脱すると、より低い炭酸化反応、及びより低いコンクリート性能につながる可能性がある。
【0052】
ここで図1を参照すると、コンクリート製品を調整及び養生させるための例示的なシステムが10に示されている。システム10は、二酸化炭素の供給源11を含み、これは、ライン13を介して筐体12に空気圧で接続されたリザーバー又はタンクであってもよい。示される実施形態では、システム10は、二酸化炭素が二酸化炭素の供給源11から筐体12に流れるときに二酸化炭素を加熱するためのヒータ14を含む。本構成では、システム10は、二酸化炭素の筐体12への流れを可能に又は制限するために選択的に開閉されてもよいバルブ15を含む。
【0053】
筐体12は、養生される複数のコンクリート製品16を許容するようなサイズである内部空間又はチャンバ12Aを画定する。示される実施形態では、筐体12は、気密様式で互いに相互接続された上部底部及び側壁を含む。本開示の文脈において、「気密」は、筐体12が供される圧力差において、筐体12を通るガスの漏れがほとんど又はまったくないことを意味する。圧力差は、筐体12の内側の圧力と筐体12の外側の周囲圧力との間の差異に対応する。筐体12は、筐体12の内側の二酸化炭素の圧力が、筐体12の外側の大気圧よりも大きいことによって作られた圧力差に耐えるように構造的に設計されてもよい。送風機17は、筐体12のチャンバ12A内に位置されてもよく、調整及び/又は養生プロセスを加速することができる空気流Fを生成するように動作可能である。
【0054】
いくつかの実施形態では、筐体12は、低圧養生を使用してコンクリート製品16を養生するために使用されてもよい。本開示の文脈において、「低圧」という表現は、周囲圧力の最大10%まで周囲圧力を超える圧力を意味する。低圧養生に関する更なる詳細は、2022年1月21日に出願された米国特許出願第17/581,320号に提示されており、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。筐体12は、展開可能な構造(例えば、バッグ)であってもよい。
【0055】
システム10は、温度センサ及び湿度センサのうちの1つ以上を含んでもよい1つ以上のセンサ18を更に含んでもよい。温度センサ及び湿度センサ18は、チャンバ12Aに動作可能に接続され、筐体12の内側の温度及び湿度レベルを示す1つ以上の信号を生成するように動作可能である。スケール又は天秤19は、筐体12を支持することができ、調整及び養生段階中のコンクリート製品16の重量変化を測定するために使用される。天秤19は、コンクリート製品16を含む筐体12の重量を示す信号を送信することができる。より具体的には、コンクリート製品16の水分含有量は、調整及び養生段階中に蒸発すると予想される。天秤19は、この重量変化を測定することができ、調整及び養生プロセスが完了したかどうかを決定するために使用されてもよい。
【0056】
示される実施形態では、システム10は、温度及び湿度センサ18、天秤19、ヒータ14、送風機17、並びにバルブ15に動作可能に接続されることができるコントローラ20を含む。したがって、コントローラ20は、バルブ15を通る二酸化炭素の注入、及び送風機17の作動を独立して制御することができる。示される実施形態では、コントローラ20は、図4を参照して示され、以下に記載されるものなどのコンピューティングデバイス400を含む。コントローラ20は、調整及び養生プロセス中に温度、重量、圧力などのデータポイントを保存するためのデータロガーとして機能することができる。コントローラ20は、温度及び湿度センサ18から、並びに天秤19からデータを受信し、ヒータ14、バルブ15、及び送風機17の動作パラメータを制御するように動作可能である。これらの動作パラメータは、例えば、ヒータ14の温度、バルブ15を通る二酸化炭素の流れを制御するためにバルブ15を開くべきか、閉じるべきか、又は中間位置にするべきか、送風機17の回転速度などを含んでもよい。
【0057】
本実施形態では、及び以下で更に説明されるように、調整段階は、コンクリート製品16が筐体12の内側に位置されている間に行われる。調整段階の間に、水がコンクリート製品16から放出されるであろうことが予想される。筐体12が筐体12の外側の環境に対して閉鎖されているため、コンクリート製品から抽出された湿気を吸収することが望ましい。本ケースでは、乾燥剤材料21は、筐体12の内側に位置され、過剰な湿気を吸収するために使用される。代替的な実施形態では、筐体内の空気は、その相対湿度を低減させ、その水分保持能力を増加させるために加熱されてもよい。乾燥剤材料及び空気の加熱の組み合わせが使用されてもよい。乾燥剤材料は、その近傍における乾燥の状態を誘発又は維持するために使用される吸湿性材料であってもよい。これらの乾燥剤材料は、水を吸収する可能性がある。乾燥剤材料は、1つの特定の例では、シリカゲルを含んでもよい。乾燥剤材料は、固体以外の形態であってもよく、水分子の化学結合などの他の原理を通じて機能してもよい。乾燥剤材料には、任意の組み合わせにおいて、活性炭、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、ゼオライトなどが含まれてもよい。乾燥剤材料は、吸収性材料とは対照的に、吸着性材料であってもよい。吸収性材料は、水がそれを貫通することを可能にすることによって水を含有するであろう。吸収性材料は、多孔質であってもよく、水は、吸収性材料の多孔を貫通することによって吸収されてもよい。吸着性材料は水分子に付着する。換言すれば、水は、吸着性材料の表面に接着されることにより吸着性材料によって留まる。吸着性材料は、水分を誘引し、その表面上に磁石のように水分を保持する可能性がある。同時の養生及び調整中に筐体12から湿気を抽出することができる任意の手段が使用されてもよいことが理解されよう。例えば、除湿機、空調、及び他の任意の好適な手段が使用されてもよい。
【0058】
方法
ここで図2を参照すると、コンクリート製品を製造する方法が200に示されている。方法200は、202での結合剤、骨材、及び水を含む組成物を提供することと、204での結合剤、骨材、及び水を混合して、コンクリート混合物を生成することと、206でのコンクリート混合物に形態を付与して、第1の水対結合剤比を有する形成された中間体を提供することと、208での脱型した中間体を同時に調整及び養生することと、を含む。本実施形態では、第1の水対結合剤比は、0.05~0.95の範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の水対結合剤比は、0.05~0.7、好ましくは0.1~0.6、及びより好ましくは0.15~0.5の範囲である。
【0059】
混合物及び形成
本明細書において、206でのコンクリート混合物に形態を付与することは、コンクリート混合物を型枠内に鋳造して成形された中間体を提供することを含む。本実施形態の方法200は、210での脱型した中間体を提供するための、成形された中間体を脱型するステップを含む。208での同時の調整及び養生は、脱型した中間体を同時に調整及び養生することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、208での形成された中間体を同時に調整及び養生することは、形成された中間体が依然として型枠の内側にある間に、形成された中間体を同時に調整及び養生することを含む。
【0060】
天然又は人工の通常重量及び軽量の骨材を含む様々な種類の骨材が、コンクリート製品の生産における充填剤として乾燥又は湿潤コンクリート製品に組み込まれ得る。可能な軽量骨材の例には、天然の軽量骨材(例えば、軽石)、膨張した粘土骨材、膨張した頁岩骨材、及び膨張した鉄スラグ骨材が含まれる。他の使用可能な骨材には、砕石、砕砂、砂利、砂、リサイクル骨材、花コウ岩、石灰石、石英、チョーク粉末、大理石粉末、石英砂、及び人工骨材が含まれる。これらの骨材は、細骨材及び/又は粗骨材として混合物に組み込まれる。骨材含有量は、重量コンクリート組成物の90%程度に高いことが可能である。
【0061】
いくつかの実施形態では、206でのコンクリート混合物に形態を付与することは、新たに調製されたコンクリート混合物を任意の適切な手段によって移送し、用意された型枠内に鋳造することを含む。型枠は、鋼、鉄、アルミニウム、プラスチック、FRP、又は別の材料でできていてもよい。脱型するプロセスを容易にするために、型枠は、鋳造前に予め潤滑化されてもよい。湿潤混合物を使用する場合、湿潤混合物は、内部又は外部の振動機によって型枠内に固定されてもよい。場合によっては、固定ステップは120秒以下で終了する。ドライキャストコンクリートは、圧縮及び又は振動によって型枠内に圧縮/プレス/加圧/形成されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、組成物を提供することは、1つ以上の化学混和材及び/又は1つ以上の鉱物を含む組成物を提供することを含む。化学混和材は、コンクリート混合物の加工性を改善する場合がある減水剤、凍結及び融解耐性を改善する場合がある空気連行剤、撥水剤、遅延剤、及び促進剤のうちの1つ以上を含んでもよい。これらの市販の混和材に加えて、開示されるコンクリート製品のある特定の性能パラメータを改善する場合がある化学物質は、ほとんど存在しない場合がある。
【0063】
204での結合剤、骨材、及び水を混合して、コンクリート混合物を生成することは、混合物の水対結合剤比を有する湿潤混合物を生成することを含んでもよい。204での結合剤、骨材、及び水を混合して、コンクリート混合物を生成することは、異なる混合物の水対結合剤比を有する乾燥混合物を生成することを含んでもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、202での組成物を提供することは、スラグを含まない組成物を提供することを含む。202での組成物を提供することは、飛散灰、焼成頁岩、シリカヒューム、ゼオライト、粉砕された造粒高炉スラグ、石灰石粉末、水硬セメント、及び非水硬セメントのうちの1つ以上を含む結合剤を含む組成物を提供することを含んでもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、202での組成物を提供することは、スラグを含む結合剤を伴う組成物を提供することを含み、スラグは、鋼スラグ、ステンレス鋼スラグ、塩基性酸素転炉スラッジ、高炉スラッジ、亜鉛生産の副産物、鉄生産の副産物、及び銅生産の副産物のうちの1つ以上を含む。鋼スラグは、還元鋼スラグ、酸化鋼スラグ、転炉鋼スラグ、電気アーク炉スラグ、塩基性酸素炉スラグ、取鍋スラグ、高速冷却鋼スラグ、及び低速冷却鋼スラグのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0066】
202での組成物を提供することは、促進剤、遅延剤、粘度調整剤、空気連行剤、発泡剤、アルカリシリカ反応阻害剤、洗い流し防止剤、腐食抑制剤、収縮低減剤、コンクリート亀裂低減剤、可塑剤、超可塑剤、封止材、塗料、コーティング、減水剤、撥水剤、白華制御剤、ポリマー粉末、ポリマーラテックス、及び加工性保持剤のうちの1つ以上を伴う組成物を提供することを含んでもよい。202での組成物を提供することは、セルロース繊維、ガラス繊維、微細合成繊維、天然繊維、ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、及び鋼繊維のうちの1つ以上を伴う組成物を提供することを含んでもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、方法200は、コンクリート混合物を鋳造する前に、補強材料を型枠の内側に挿入することを含む。補強材料を挿入することは、補強材料でできた挿入バーを含んでもよく、補強材料は、炭素鋼、ステンレス鋼、及び繊維補強ポリマーのうちの1つ以上を含む。
【0068】
206でのコンクリート混合物を鋳造することは、コンクリート混合物を、プレキャスト、コンクリートパイプ、ボックスカルバート、排水製品、舗装スラブ、床スラブ、交通障壁、壁マンホール、擁壁、舗装機、タイル、又は屋根板の形状で鋳造することを含んでもよい。
【0069】
使用されることが意図される結合剤材料は、二酸化炭素に対して反応性であってもよい。しかしながら、結合剤は、いくらかのレベルの水硬特性を有してもよい。換言すれば、結合剤は、水に対して反応性であってもよい。水硬特性は、例えば、コンクリートの硬化につながる化学構成成分を形成し、マトリックスに構造強度を提供するための水に対する材料の反応性を含んでもよい。水硬特性は、最終の化学的又は物理的製品がコンクリートの強度開発に寄与する結果として、結合剤が水と化学的に反応するか、又は物理的に相互作用する任意の傾向を含む。米国コンクリート協会(ACI)によると、水硬セメントは、「水との化学反応によって固化及び硬化し、水中で固化及び硬化することが可能である結合材料。例えば、ポルトランドセメント及びスラグセメントは水硬セメントである」である。
【0070】
同時の調整及び養生
208での形成された中間体の同時の調整及び養生は、形成された中間体を養生しながら、形成された中間体から水分を除去することを含み、形成された中間体を同時に養生及び調整し、第1の水対結合剤比未満の最終の水対結合剤比を得る。換言すれば、形成された中間体を養生させながら、形成された中間体の水分含有量を第1の水対結合剤比から最終の水対結合剤比に減少させる。別の言い方をすれば、ステップ208は、形成された中間体の養生プロセスを実施することであって、養生プロセスが、第1の時間に開始され、第2の時間に完了される、実施することと、形成された中間体を、第1の時間と第2の時間との間で調整することと、を含む。
【0071】
示される実施形態では、208での同時の調整及び養生を使用して起こっている水分抽出は、混合物が周囲空気に曝露されるときに本質的に生じる水分抽出に追加的である。換言すれば、任意のコンクリート混合物は、周りの環境への蒸発により、その水分含有量の一部分を失うことが予想される。208での同時の調整及び養生ステップの間、除去される水分は、コンクリート混合物を周囲空気に曝露したままにした場合に本質的に起こるであろう水分抽出よりも大きい。
【0072】
本実施形態では、より多くの水分を除去するために、208での同時の調整及び養生ステップは、水分を積極的に除去することを含む。混合物から水分を積極的に除去することは、調整中に混合物から水が抽出された後に養生が行われる構成と比較して、コンクリート製品の特性を改善する場合がある。水分を積極的に除去することは、例えば、形成された中間体を空気流に曝露すること、及び形成された中間体を熱に曝露すること、形成された中間体を加熱された空気流に曝露することのうちの1つ以上を含んでもよい。形成された中間体からの水分抽出を増加させるために使用される任意の手段が企図される。
【0073】
概して、必要とされる水分抽出は、製品の種類、形状、混合物の設計、及びスラグの種類を含む多くの要因に応じて変化してもよい。示される実施形態では、208での形成された中間体の同時の調整及び養生は、形成された中間体の水対結合剤比を少なくとも10%低減させることを含む。例えば、水対結合剤比が、208での同時の調整及び養生の直前に0.2である場合、水対結合剤比は、208での同時の調整及び養生の間に0.18に低減されてもよい。他の値が企図される。
【0074】
本明細書において、「同時(concurrent)」という表現は、2つのプロセスが同時に(at the same time)、同時に(simultaneously)行われることを示す。換言すれば、形成された中間体を養生させながら、いくらかの水が、調整プロセスの一部として形成された中間体から蒸発している。典型的には、コンクリート組成物に必要とされない水が、養生プロセスの前に行われる調整プロセス中に除去されているため、水対結合剤比は、養生プロセス中に一定である。本方法200では、形成された中間体の養生は、過剰な水が形成された中間体から蒸発している間に同時に行われる。
【0075】
示される実施形態では、208での形成された中間体を同時に調整及び養生するステップは、形成された中間体を筐体12の外側の環境から密閉された筐体12内に挿入することを含む。次いで、少なくとも5体積%である濃度での二酸化炭素が、筐体12内に注入される。注入される二酸化炭素の圧力は、少なくとも0.1PSIであってもよい。排ガスなどの二酸化炭素を含有する任意のガスが使用されてもよい。他の濃度が企図される。本実施形態では、形成された中間体を同時に調整及び養生するステップ208は、208での同時の調整及び養生中に、形成された中間体から蒸発した水を吸収することを含む。形成された中間体から蒸発した水を吸収することは、筐体12内に含まれる乾燥剤材料で水を吸収することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、除湿機が、筐体12から湿気を抽出するために使用されてもよい。乾燥剤材料には、例えば、シリカゲル、粘土、酸化カルシウム、塩化カルシウム、分子ふるい、活性炭などが含まれてもよい。208での同時の調整及び養生は、追加の外部の熱の供給源を含まずに、及び/又は圧力(例えば、機械的圧力)を含まずに行われてもよい。
【0076】
示される実施形態では、コンクリート混合物の含水量及び/又は水分含有量は、高い含水量から最適な含水量に低減されてもよく、更には、炭酸化反応に必要とされる最適な含水量を下回ってもよい。208での同時の調整及び養生プロセス中のチャンバ/密閉された環境/容器12の内側の二酸化炭素の存在は、コンクリート製品における強度開発を改善する場合がある炭酸カルシウムの析出をもたらす場合がある。換言すれば、加速された炭酸化養生は、筐体12のチャンバ12Aの相対湿度を低く保ちながら行われる。コンクリート組積造ユニット、舗装石、擁壁、スラブ、交通障壁、パイプ、カルバートなどを含むが、これに限定されない、任意のプレキャストコンクリート製品は、提案されるプロセスによって生産され得る。
【0077】
本開示では、細孔飽和度は、208での同時の調整及び炭酸化養生中に低減されてもよい。フレッシュコンクリート製品は、相対湿度の低減の助けを借りて乾燥又は半乾燥される。低いRHは、より良好な効率のために、チャンバの内側の空気流と(例えば、送風機17と)組み合わされた吸収性材料の存在及び/又は高温によって得ることができる。いくつかの実施形態では、送風機17又は他の好適な手段によって生成される空気流速度は、少なくとも0.1m/sであってもよい。吸収性材料又は乾燥剤材料は、シリカゲル、粘土、酸化カルシウム、塩化カルシウム、分子ふるい、活性炭、任意の他の工業用吸収剤、又はこれらのいずれかの組み合わせであってもよい。ファン若しくは送風機17によって、又は他の手段によって生成される空気流を伴う密閉された環境における吸収剤の存在は、フレッシュコンクリートの含水量を徐々に低減させる場合がある。循環空気は、冷たくても熱くてもよい。チャンバ12Aの内側のRHはまた、空気から水を抽出するための加熱及び換気又は凝縮方法を使用する除湿機を含む、任意の機械装置を使用して低下させてもよい。
【0078】
空気循環速度は、208での同時の調整及び養生中に変化し得る。場合によっては、送風機17は、非動作(例えば、空気流がない)であってもよい。これは、筐体12の内側の二酸化炭素が静止していることを意味する。これは、コントローラ20が送風機17の回転速度を変化させることで行われてもよい。必要とされる吸収性材料21の量は、使用される材料の種類、コンクリート製品中の総水分含有量、コンクリート製品の種類、及び必要とされる仕様又は求められている目標仕様に依存してもよい。新鮮な空気は、チャンバの外側からチャンバ12Aに、又は別の実施形態では閉鎖されたチャンバの内側からチャンバ12Aに導入され得る。換言すれば、筐体12の壁のうちの1箇所を通して空気を挿入するために、ポート12B(図1)を設けてもよい。208での同時の調整及びCO2養生プロセスは、炭酸化反応の停止後でも、コンクリート製品の含水量を更に低減させ続けてもよい。吸収性材料21は、いくつかのサイクルのために使用されてもよい。吸収性材料は、空気からの水分を捕捉するためのその能力を失った後、新しい材料に置き換えられてもよい。吸収性材料は、チャンバの内側の任意の位置に配置され得るか、又はチャンバの内側に均一に分散され得る。
【0079】
別の実施形態では、208での同時の調整及び養生ステップは、高い温度の空気を導入及び循環させることによって実行されてもよい。熱い空気及び乾燥空気がチャンバ内に導入される場合、吸収性材料の利用は任意選択的となる。この場合、高い温度の空気は、湿気に対してより高い能力を有する場合があり、コンクリート製品からいくらかの水分を吸収する場合がある。いくつかの実施形態では、これは、製品を最適な水対結合剤比にするのに十分であってもよく、チャンバからの過剰な湿気を除去することが必要とされない場合がある。
【0080】
別の例では、チャンバの内側の空気は、要素、ヒータ、及び他の既知の手段によって加熱されてもよい。チャンバの内側の空気が加熱されている場合、吸収性材料の利用は任意選択的であってもよい。別の実施形態では、チャンバの本体は、外部の加熱ブランケット及び従来技術における他の既知の手段によって加熱されてもよい。CO2養生プロセスが進行している間にチャンバの本体を加熱する場合、吸収性材料の利用は任意選択的となる。上記の調整方法のうちの1つ又は2つの組み合わせが実装され得る。
【0081】
同時の水抽出及びCO2養生プロセス中にその含水量を低減させながら、脱型したフレッシュコンクリートを、二酸化炭素、CO2、又はCO2を含有するガスと接触させてもよい。コンクリートを養生するために導入される二酸化炭素ガスは、5%、好ましくは10%、好ましくは20%、好ましくは30%、好ましくは40%、好ましくは50%、好ましくは60%、好ましくは70%、好ましくは80%、好ましくは90%、又は好ましくは99.5%の純度にある。ガスのゲージ圧力は、0.1psiの範囲まで、及び任意選択的に100psiまで徐々に増加する。
【0082】
コンクリート製品は、少なくとも10分であってもよい所与の時間制限の間、調整及びCO2圧力下で保たれてもよいが、208での同時の調整及びCO2養生プロセスは、最大48時間継続してもよい。
【0083】
208での形成された中間体を同時に調整及び養生することは、追加の外部の熱及び/又は圧力の供給源を含まずに、形成された中間体を同時に調整及び養生することを含んでもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、乾燥速度は、ステップ208での同時の調整及び養生の間、二酸化炭素の存在下で変化され得る。乾燥変化は、変化する速度、温度変化、又は相対湿度変化を有する空気流などの異なる手段によって(乾燥剤材料及び機械的手段のうちの1つ以上によって)提供されてもよい。
【0085】
208での同時の調整及び養生のステップは、追加の外部の熱の供給源なしで達成されてもよい。いくつかの実施形態では、208での同時の調整及び養生のステップは、追加の外部の熱の供給源を用いて達成されてもよい。
【0086】
示される実施形態では、養生しながら、形成されたコンクリートから水分を抽出することは、コンクリート製品の性能を改善し、コンクリート製品の生産を容易にし、かつコンクリート製品の製造中の品質管理プロセスを改善する場合がある。性能における改善は、水分抽出が進行中に起こる場合がある。本明細書において、「性能」は、これらの特性、すなわち圧縮強度及び多孔性のうちの1つ以上が改善された場合に改善されているとみなされてもよい。
【0087】
208での同時の調整及び養生の間、1つ又はパラメータが監視されてもよい。いくつかの実施形態では、筐体12内の二酸化炭素を含有するガスの圧力及び温度、筐体12内の相対湿度、並びに/又は乾燥剤材料によって吸収される水分の体積のうちの1つ以上が、測定、検出、及び/又は監視されてもよい。後者に関しては、例えば、乾燥剤材料によって吸収される体積を、フレッシュコンクリート製品の実際の含水量と比較することが可能である。
【0088】
208でのステップの後に十分な水が抽出されているかどうかが決定されてもよい。そのようにするために、コンクリートユニットは、厚さにわたる炭酸化の程度(すなわち、異なる深さでの炭素含有量)が、十分な水が抽出されているかどうかを示唆する箇所で切断されてもよい。例えば、コアから十分な水が抽出されない場合、コアは、低炭素含有量/取り込みを示す。
【0089】
事前調整
いくつかの実施形態では、方法200は、208での形成された中間体を同時に調整及び養生する前に、212での形成された中間体を事前調整して、事前調整された中間体を得ることを含む。212での形成された中間体を事前調整することは、形成された中間体が、第1の水対結合剤比未満である事前調整された水対結合剤比を有するまで、形成された中間体を事前調整することを含んでもよい。212での形成された中間体を事前調整することは、形成された中間体を空気流及び熱のうちの1つ以上に曝露することを含んでもよい。これは、ヒータ14及び/又は送風機17を使用して行われてもよい。いくつかの実施形態では、212での事前調整することは、その水対結合剤比が少なくとも10%、任意選択的に少なくとも20%、又はより任意選択的に少なくとも30%低下するまで、形成された中間体を事前調整することを含む。事前調整することは、水対結合剤比が少なくとも1%低下するまで行われ得る。製品の重量は、事前調整ステップの終了を決定するための指標として使用されてもよい。
【0090】
この事前調整段階は、コンクリート製品を養生チャンバ12の外側の周囲空気に曝露させ続けることによって実施されてもよい。この初期の部分乾燥段階212は、同時の養生及び乾燥前の休止期間であってもよい。いくつかの実施形態では、コンクリート製品は、ある程度の水分が養生チャンバ12Aの外側の環境に蒸発することを可能にするために、養生チャンバ12Aをその外側の環境に対して開放したままにすることによって、養生チャンバ12Aの内側に挿入されてもよい。
【0091】
208での形成された中間体を同時に調整及び養生することは、形成された中間体を筐体の外側の環境から密閉された筐体内に挿入することを含んでもよい。形成された中間体を筐体の内側に挿入するのに必要とされる時間は、上で論じられた事前調整ステップに対応してもよい。
【0092】
示される実施形態では、212での事前調整することは、二酸化炭素が注入されない間に強制乾燥するステップに対応してもよい。212での事前調整の間、形成された中間体の水対結合剤比が低減される。
【0093】
安定化
形成された中間体が筐体12の内側に配置されると、筐体12へのCO2注入の開始前の休止時間を経てもよい。休止時間は、形成された中間体を筐体の内側に配置した直後、又は212での事前調整ステップの直後に開始されてもよい。休止時間は、「休止期間」、「安定期間」、「初期のカルシウム溶解/溶出期間」と呼ばれ得るか、又はスラグ若しくは同様のものの水和特性に対してより強調するために「水和活性化期間」であってもよい。この休止期間には空気流/熱が必要とされない場合がある。あるいは、このステップは、(水分を吸収するためのいくらかの能力を提供する)100%未満の相対湿度を有する静止した空気/静置される空気(空気流なし)に単に曝露されることによるコンクリートの部分乾燥を指し得る。この場合、このステップはまた、「初期の周囲乾燥」、「RHを低下させる」と呼ばれ得るか、又は同様に呼ばれ得る。
【0094】
したがって、方法200は、208での形成された中間体の同時の調整及び養生前に、214での形成された中間体を安定化することを含んでもよい。214での形成された中間体を安定化することは、水対スラグ比が第1の水対結合剤比未満の安定化された水対スラグ比に達するまで、形成された中間体を静止した周囲空気に曝露することを含んでもよい。より具体的には、212での事前調整ステップの後、製品の外層は、内層よりも低い含水量を有する。これは、外層が周囲空気に直接曝露されることにより説明されてもよく、したがって、水分は、内層からよりもこれらの外層からより容易に蒸発する場合がある。場合によっては、所与の閾値を上回る水分勾配は、CO2養生に好適ではない場合がある。製品が安定化のために保持されている場合、水分勾配の激しさは経時的に低減される場合がある。214での安定化ステップの目的は、強制乾燥を停止し、かつ製品中の水分が分散し、それほど顕著ではない水分勾配状態に達するためのバランスを取るためのいくらかの時間を提供することである。換言すれば、214での安定化ステップ中に、強制乾燥は中断され、水分勾配が所望の閾値を下回って低下するまで、水分が異なる層全体により均等に分散するまで、製品は放置される。214での安定化ステップは、表面とコアとの間(例えば、外層と内層との間)の含水量の差異が少なくとも5%低減されるときに終了してもよい。214での安定化ステップ後の安定化された水対結合剤比は、理想的には、製品内からより多くの水分を除去するためのアクションが取られないため、212での事前調整ステップ後の事前調整された水対結合剤比と実質的に同じままであるべきである。より均等に分散されているにもかかわらず、同じ含水量が存在している。
【0095】
安定化された水対スラグ比は、事前調整された水対結合剤比よりも小さくてもよい。形成された中間体を静止した周囲空気に曝露することは、形成された中間体を筐体12の外側の環境の空気に曝露させたままにすることによって行われてもよい。別の実施形態では、形成された中間体を静止した周囲空気に曝露することは、筐体12が依然として開放されており、送風機17が電源オフされている間に、形成された中間体を筐体12の内側に置いておくことによって行われてもよい。214での安定化することは、任意の熱及び/又は空気流を使用することなく形成されてもよい。
【0096】
示される実施形態では、214での安定化することは、二酸化炭素が注入されない間の強制乾燥を含まないステップに対応する。214での安定化することの間、外層内の水対結合剤比と内層内の水対結合剤比との間の差異が低減される。214でのこの安定化ステップでは、製品の全体的な水対結合剤比は、実質的に一定のままであってもよい。
【0097】
初期二酸化炭素飽和
いくつかの実施形態では、方法200は、208での同時の調整及び養生の前に、216での形成された中間体の初期二酸化炭素飽和を行うことを含んでもよい。216での初期二酸化炭素飽和を行うことは、形成された中間体を二酸化炭素に曝露することを含んでもよい。208での初期二酸化炭素飽和ステップの目的は、二酸化炭素が溶解され、細孔の水を飽和しており、製品全体に拡散していることを確実にすることである。これにより、表面品質が改善される場合がある。216での飽和ステップの持続時間は、208での同時の調整及び養生ステップの持続時間の最大20%であってもよい。以下の2つの方法を含む、216での飽和ステップの終了を指定するために異なる技術を使用してもよい。示される実施形態では、216での飽和ステップの持続時間は、208での同時の調整及び養生ステップの持続時間の最大20%であってもよい。
【0098】
一実施形態では、飽和ステップ216の終了は、時間の関数としての製品の重量変化が所与の閾値を下回るときに決定されてもよい。より具体的には、二酸化炭素がチャンバ12A内に注入されると、スケール19(図1)によって監視される製品の重量が増加し、細孔の溶液中の溶解した二酸化炭素が製品全体の飽和レベルに達するまで増加し続ける。この時点で、製品の重量の増加はわずかな速度まで降下する。重量増加の速度のこの降下は、216での飽和ステップの終了の指標として使用されてもよい。いくつかの実施形態では、216での初期二酸化炭素飽和を行うことは、吸収された二酸化炭素の結果として形成された中間体の質量増加率が少なくとも90%低減するまで、形成された中間体を二酸化炭素に曝露することを含んでもよい。
【0099】
別の実施形態では、飽和ステップ216の終了は、時間の関数としてのチャンバ12A内の圧力変化が所与の閾値を下回るときに決定されてもよい。圧力は、チャンバ12Aに動作可能に接続された圧力センサを使用して監視されてもよい。この圧力センサは、筐体12に取り付けられた圧力ゲージ、ひずみゲージなどを含んでもよい。より具体的には、二酸化炭素がチャンバ12A内に注入されると、二酸化炭素は、製品の細孔の溶液中に溶解され始める。この溶解は、圧力の降下をもたらし、これは、システム10がチャンバ12A内の圧力を維持するためにより多くの二酸化炭素を注入することを始めさせる。製品の細孔の溶液が二酸化炭素で飽和されると、圧力の降下が停止し、圧力を維持するために二酸化炭素をこれ以上注入する必要がなくなる。これは、216での飽和ステップの終了の指標として使用されてもよい。したがって、圧力変化の速度のこの降下は、216での飽和ステップの終了の指標として使用されてもよい。同様に、別の実施形態では、二酸化炭素の質量流量が使用されてもよく、216での飽和ステップの終了は、チャンバ12A内の所望の圧力を維持するために必要とされる二酸化炭素の質量流量が所与の閾値を下回るときに決定されてもよい。
【0100】
初期二酸化炭素飽和の間、成形された中間体又は脱型した中間体が筐体12の内側に配置されると、二酸化炭素は、直ちに又はステップ212の事前調整の後に注入され得る。この初期二酸化炭素飽和は、二酸化炭素がアクセス可能な細孔の水を溶解及び飽和させ、PHを低下させることによってより多くのカルシウムを溶出するためのいくらかの時間を提供する場合がある。208での同時の乾燥及び養生は、216での初期二酸化炭素飽和の後に開始してもよい。通常の同時の乾燥及び養生プロセスでは、筐体12の内側のガスに対してより曝露されているコンクリートの表面は、乾燥が速すぎる場合があり、特にコンクリートの外層上に炭酸カルシウムが析出するのに十分な時間がなく、理論上、コンクリートの外層上の全体的な機械的特性がより低下する可能性がある(すなわち、強度及び耐摩耗性が低下する)。初期二酸化炭素飽和は、これらの欠点を軽減する場合がある。
【0101】
示される実施形態では、216での初期二酸化炭素飽和は、二酸化炭素が注入されている間の強制乾燥を含まないステップに対応する。216での初期二酸化炭素飽和の間、形成された中間体の細孔の溶液中の二酸化炭素濃度が増加する。
【0102】
したがって、本明細書に記載されるように、脱型した中間製品の同時の調整(例えば、水抽出)及び養生は、両方のプロセス(すなわち、水抽出及び養生)を同時に行うことを許容してもよい。換言すれば、調整プロセス及び養生プロセスは、以前に用いられた方法に従う直列ではなく、並行して行われる。脱型した中間製品の同時の調整及び養生は、例えば、脱型した中間体の調整又は水抽出の大部分が、脱型した中間体が本明細書に記載の炭酸化プロセスを使用して養生されるのと同時に行われることを意味してもよい。したがって、本プロセスを使用して、以前に必要とされると考えられていたように、製品を順次(すなわち、直列に-次々に)調整し、次いで養生する必要性を回避することによって、実質的な時間の節約が達成される場合がある。ある特定の場合では、この時間の節約は10~20%程度にまでなる場合がある。
【0103】
提案される方法200は、プレキャスト、鉄筋コンクリートパイプ、ボックスカルバート、排水製品、舗装スラブ、床スラブ、交通障壁、壁、マンホール、プレキャスト非鉄筋コンクリート(プレーン)舗装、組積造ユニット、擁壁、タイル、及び屋根板を含むが、これらに限定されない、種々の非鉄筋コンクリート及び鉄筋コンクリート製品を生産するように適合されてもよい。製品は、地域及び国の基準及び規範を満たさなければならない。
【0104】
本方法200は、二酸化炭素の存在下での製品からの強制水分抽出のステップを含む。このステップは、208での同時の調整及び養生に対応する。このステップ中、製品は、水分が製品から抽出されている間に二酸化炭素の存在を介して養生される。形成された中間体の含水量は、調整が行われているかどうかを示す場合がある。形成された中間体の含水量は、調整中に顕著に減少する。
【0105】
ここで図3を参照すると、グラフが提供されており、210での同時の調整及び養生の19時間プロセス中の温度及び相対湿度の変化を図示する、温度曲線301及び相対湿度曲線302が図示されている。理解することができるように、湿度はプロセス中に減少し、一方で、温度は最大約9時間まで増加する。養生は発熱現象である。このグラフは、コンクリート混合物中の過剰な水が蒸発する間に、同時に(simultaneously)及び同時に(concurrently)養生が行われる場合があることを示している。このグラフは、コンクリート混合物を養生する前に、過剰な水を除去するための専用の調整ステップを受ける必要がない場合があることを示している。したがって、時間の節約及び効率の向上は、開示される方法200によって達成される場合がある。
【0106】
商業的には、プレキャストコンクリート製品は、熱及び蒸気で養生される。過去数年において、鉱物化に基づく新しい技術が登場し、二酸化炭素でコンクリート製品を養生させることが可能になっている。既存の技術は、フレッシュコンクリート製品を、二酸化炭素に曝露する前に最初に調整するプロセスを実証している。
【0107】
本開示では、フレッシュコンクリート製品は、水抽出及びCO2養生に同時に供される。コンクリート製品が成形されると、それらは養生チャンバの内側に配置される。養生チャンバは、同時に、水を抽出し、CO2でコンクリートを活性化することが可能である。本開示では、炭酸化反応のための最適な水対スラグ比は、製品がCO2圧力下にある間に達成されるであろう。
【0108】
提案される方法は、炭酸化プロセスを開始する前に、もはや適切な/最適化された水分含有量に到達する必要がないことを可能にする場合がある。この方法の別の利点は、最終製品が、既存の技術で生産された製品と比較して、より均一で一貫性がある可能性があることである。周囲の湿度及び温度は、製品の性能及び品質に影響しない可能性がある。既存の技術とは対照的に、フレッシュコンクリートは、制限なしに任意の水分含有量で生産されてもよい。提案される方法は、コンクリート製造業者が技術的制限なしにフレッシュコンクリート製品を形成することを可能にし、それらの生産のための回転数を低減させることを可能にする場合がある。
【0109】
鋼スラグと二酸化炭素との間の炭酸化反応は、スラグから溶出したカルシウム及びCO2が水中に溶解すると生じる。圧縮されたコンクリートサンプルでは、反応は指定された細孔飽和度で起こる。細孔が水で満たされ、飽和速度が100%であると、スラグと二酸化炭素との間の反応はないか、又は非常に限られている。この観察は、細孔内に水が存在しない場合、又は0パーセントの細孔飽和度が存在する場合にも有効である。最適な細孔飽和度、又はより簡潔な用語では、混合物の含水量は、最高の炭酸化反応速度をもたらす。最適な含水量から逸脱すると、より低い炭酸化反応の結果としてより低い炭酸化反応、及びより低いコンクリート性能につながる可能性がある。本方法では、細孔飽和度は、炭酸化養生と同時に低減されてもよい。ファンによって生成される空気流を伴う密閉された環境における吸収剤の存在は、フレッシュコンクリートサンプルの含水量を徐々に低減させる場合がある。混合物の含水量は、高い含水量から最適な含水量に低減され、それは最適な含水量を下回る。水抽出プロセス中のチャンバ/密閉された環境の内側の二酸化炭素の存在は、コンクリートサンプルにおける強度開発に役立つ場合がある、炭酸カルシウムの析出をもたらす場合がある。
【0110】
この革新の結果として、コンクリート製品は、任意の周囲条件、例えば、温度及びRH、並びに任意のコンクリート混合割合で、二酸化炭素で養生されてもよい。初期の水のコンクリートは、もはやコンクリートの性能に影響を与えないであろう。既存の技術とは対照的に、初期の水分含有量は、炭酸化反応の前により低い水分含有量をもたらすことを必要としない。この水抽出ステップは、慎重を要するステップであり、それが適切に実行されないと貧弱な性能をもたらす可能性がある。上述のプロセスは、貧弱な水抽出及び貧弱なコンクリート製品の生産のリスクを排除する場合がある。
【実施例
【0111】
本開示の範囲は、以下の実施例によって限定されることを意図しないことが理解されるだろう。更に、例えば、異なる水対結合剤/スラグ比、養生時間などの、これらの実施例で使用される数値は、単に例示的なものであることが理解され、コンクリートは、本開示の教示によってそれらの値を変化させることによって製造されてもよいことが容易に理解されるであろう。
【0112】
参考として、鋼スラグを唯一の結合剤として用いて作製されたコンクリートサンプルを、95%の二酸化炭素純度に供したが、一方で、チャンバの内側に空気流が存在せず、吸収材料も存在しなかった。新鮮なサンプルを、脱型した直後に、直ちにチャンバの内側で養生した。いかなる水抽出又は調整にもサンプルを供さなかった。3つのサンプルの平均圧縮強度は、結合剤の質量に対して、0.9%の平均CO2取り込みを伴い1.5MPaであった。結果は、コンクリートと二酸化炭素との間の非常に貧弱な炭酸化反応を示唆している。
【0113】
別の実施例では、コンクリートサンプルを、骨材、砂、鋼スラグ、及び水の組み合わせで作製した。この実施例で使用された唯一の結合剤は、粉砕された電気アーク炉(EAF)鋼スラグであった。質量で0.20の水対スラグ比を使用した。コンクリート質量に対するスラグ含有量の比は30%であった。この実施例では、ドライキャストコンクリートを圧縮して、フレッシュコンクリートサンプルを形成した。脱型した直後に、サンプルをチャンバの内側に配置した。バッテリー駆動のファンがチャンバの内側の空気を循環した。この実施例では、シリカゲルを使用して空気から水分を除去した。同時に、99.5%の濃度を有する二酸化炭素を、6psiの圧力で密閉された養生チャンバ内に注入した。全体的な養生時間、すなわち、同時の調整及び養生の時間を19時間に保持した。サンプルの空気密度を2289kg/m3で記録した。圧縮強度及び炭素取り込みを、それぞれ、28.7MPa及び13.1%として報告した。報告した値は、2つの結果の平均である。
【0114】
別の実施例では、コンクリートサンプル30×80×80mmを、骨材、砂、鋼スラグ、及び水の組み合わせで作製した。この実施例で使用された唯一の結合剤は、粉砕されたEAF鋼スラグであった。質量で0.22の水対スラグ比を使用した。コンクリート質量に対するスラグ含有量の比を30%に保持した。この実施例では、ドライキャストコンクリートを圧縮して、フレッシュコンクリートサンプルを形成した。脱型した直後に、サンプルをチャンバの内側に配置した。空気流及び乾燥剤の組み合わせを使用して、チャンバの内側の二酸化炭素に曝露している間、コンクリートサンプルから水分を除去した。空気流速を2.7m/sとして測定した。この実施例では、シリカゲルを使用して空気から水分を除去し、これは二酸化ケイ素の非晶質及び多孔質形態である。シリカゲルは、2~4mmのビーズの形態にあった。シリカゲルは乾燥時にオレンジ色を有し、その色はチャンバの内側の水分を吸収するにつれて濃い緑色に変わった。この実施例で使用されたシリカゲルは、50%の相対湿度で20%超の吸収能力を有した。同時に、99.5%の濃度を有する二酸化炭素を、6psiの一定圧力で密閉された養生チャンバ内に注入した。全体的な養生時間、すなわち、同時の調整及び養生の時間を19時間に保持した。この実験では、サンプルの空気密度を2408kg/m3として記録した。圧縮強度及び炭素取り込みを、それぞれ、31.6MPa及び12.6%として報告した。報告した値は、2つの結果の平均である。シリカゲルを、それが再活性化されるまで2時間、110℃でオーブン内で加熱し、そのオレンジ色を将来の使用のために回復させた。再活性化されたシリカゲルを別の実験に再使用した。
【0115】
別の実施例では、80×80×60mmの寸法を有するコンクリートサンプルを、骨材、砂、水、及びより多くの鋼スラグの組み合わせで作製した。この実施例で使用された唯一の結合剤は、粉砕されたEAF鋼スラグであった。質量で0.15の水対スラグ比を使用した。コンクリート質量に対するスラグ含有量の比を50%に保持した。この実施例では、ドライキャストコンクリートを圧縮して、フレッシュコンクリートサンプルを形成した。脱型した直後に、サンプルをチャンバの内側に配置した。空気流及び乾燥剤の組み合わせを使用して、チャンバの内側の二酸化炭素に曝露している間、コンクリートサンプルから水分を除去した。この実施例では、シリカゲルを使用して空気から水分を除去した。シリカゲルはコンクリートの25%質量で利用した。同時に、99.5%の濃度を有する二酸化炭素を、6psiの一定圧力で密閉された養生チャンバ内に注入した。全体的な養生時間、すなわち、同時の調整及び養生の時間は24時間であった。この実験では、サンプルの空気密度を2398kg/m3として記録した。圧縮強度及び炭素取り込みを、それぞれ、50.3MPa及び12.1%として報告した。
【0116】
別の実施例では、コンクリートサンプルを、骨材、砂、鋼スラグ、及びより多くの水の組み合わせで作製した。この実施例で使用された唯一の結合剤は、粉砕されたEAF鋼スラグであった。質量で0.26の水対スラグ比を使用した。コンクリート質量に対するスラグ含有量の比を30%に保持した。この実施例では、ドライキャストコンクリートを圧縮して、フレッシュコンクリートサンプルを形成した。脱型した直後に、サンプルをチャンバの内側に配置した。空気流及び乾燥剤の組み合わせを使用して、チャンバの内側の二酸化炭素に曝露している間、コンクリートサンプルから水分を除去した。この実施例では、シリカゲルを使用して空気から水分を除去した。同時に、99.5%の濃度を有する二酸化炭素を、6psiの一定圧力で密閉された養生チャンバ内に注入した。全体的な養生時間、すなわち、同時の調整及び養生の時間を19時間に保持した。この実験では、サンプルの空気密度を2404kg/m3として記録した。圧縮強度及び炭素取り込みを、それぞれ、26.7MPa及び12.1%として報告した。報告した値は、2つの結果の平均である。
【0117】
別の実施例では、コンクリートサンプルを、骨材、砂、鋼スラグ、及びより多くの水の組み合わせで作製した。この実施例で使用された唯一の結合剤は、粉砕された取鍋スラグであった。質量で0.20の水対スラグ比を使用した。コンクリート質量に対するスラグ含有量の比を30%に保持した。この実施例では、ドライキャストコンクリートを圧縮して、フレッシュコンクリートサンプルを形成した。脱型した直後に、サンプルをチャンバの内側に配置した。空気流及び乾燥剤の組み合わせを使用して、チャンバの内側の二酸化炭素に曝露している間、コンクリートサンプルから水分を除去した。この実施例では、シリカゲルを使用して空気から水分を除去した。同時に、99.5%の濃度を有する二酸化炭素を、6psiの一定圧力で密閉された養生チャンバ内に注入した。チャンバの内側のCO2濃度を20%として記録した。全体的な養生時間、すなわち、同時の調整及び養生の時間を19時間に保持した。この実験では、サンプルの空気密度を2441kg/m3として記録した。圧縮強度及び炭素取り込みを、それぞれ、31.8MPa及び13.9%として報告した。報告した値は、2つの結果の平均である。
【0118】
別の実施例では、コンクリートサンプルを、骨材、砂、鋼スラグ、及びより多くの水の組み合わせで作製した。この実施例で使用された唯一の結合剤は、CSA-A3000に準拠したタイプ10のポルトランドセメントであった。質量で0.35の水対セメント比を使用した。コンクリート質量に対するセメント含有量の比を20%に保持した。この実施例では、ドライキャストコンクリートを圧縮して、フレッシュコンクリートサンプルを形成した。脱型した直後に、サンプルをチャンバの内側に配置した。空気流及び乾燥剤の組み合わせを使用して、チャンバの内側の二酸化炭素に曝露している間、コンクリートサンプルから水分を除去した。この実施例では、シリカゲルを使用して空気から水分を除去した。同時に、99.5%の濃度を有する二酸化炭素を、6psiの一定圧力で密閉された養生チャンバ内に注入した。全体的な養生時間、すなわち、同時の調整及び養生の時間を19時間に保持した。この実験では、サンプルの空気密度を2273kg/m3として記録した。圧縮強度及び炭素取り込みを、それぞれ、32.6MPa及び17.5%として報告した。報告した値は、2つの結果の平均である。
【0119】
別の実施例では、コンクリートサンプルを、骨材、砂、鋼スラグ、及びより多くの水の組み合わせを使用して作製した。この実施例で使用された唯一の結合剤は、粉砕されたハイブリッド鋼スラグであった。ハイブリッド鋼スラグは、BOF、EAF、及び取鍋スラグの混合物であった。質量で0.20の水対スラグ比を使用した。コンクリート質量に対するスラグ含有量の比を30%に保持した。この実施例では、ドライキャストコンクリートを圧縮して、フレッシュコンクリートサンプルを形成した。脱型した直後に、サンプルをチャンバの内側に配置した。空気流及び乾燥剤の組み合わせを使用して、チャンバの内側の二酸化炭素に曝露している間、コンクリートサンプルから水分を除去した。この実施例では、塩化カルシウムを使用して空気から水分を除去した。塩化カルシウムは、白色ペレットの形態にあり、94%の純度を有した。同時に、99.5%の濃度を有する二酸化炭素を、6psiの一定圧力で密閉された養生チャンバ内に注入した。全体的な養生時間、すなわち、同時の調整及び養生の時間を19時間に保持した。この実験では、サンプルの空気密度を2380kg/m3として記録した。圧縮強度及び炭素取り込みを、それぞれ、22.8MPa及び12.2%として報告した。報告した値は、2つの結果の平均である。図3は、同時の調整及びCO2養生の19時間プロセス中の、チャンバの内側の空気の温度及び湿度の変化を図示している。
【0120】
別の実施例では、コンクリートサンプルを、骨材、砂、鋼スラグ、及び水の組み合わせを使用して作製した。この実施例で使用された唯一の結合剤は、粉砕されたEAF鋼スラグであった。質量で0.22の水対スラグ比を使用した。コンクリート質量に対するスラグ含有量の比を30%に保持した。この実施例では、ドライキャストコンクリートを圧縮して、フレッシュコンクリートサンプルを形成した。脱型した直後に、サンプルをチャンバの内側に配置した。空気流、ヒータ、及び乾燥剤の組み合わせを使用して、チャンバの内側の二酸化炭素に曝露している間、コンクリートサンプルから水分を除去した。この実施例では、シリカゲルを使用して空気から水分を除去した。外部の加熱の供給源、すなわち、ヒータによって、チャンバの内側の空気を最大摂氏35度まで3時間加熱した。調整/炭酸化プロセスの過程中に温度及びRH値を監視した。同時に、99.5%の濃度を有する二酸化炭素を、6psiの一定圧力で密閉された養生チャンバ内に注入した。全体的な養生時間、すなわち、同時の調整及び養生の時間は24時間であった。この実験では、サンプルの空気密度を2404kg/m3として記録した。CO2取り込みを12.2%として計算し、調整/炭酸化プロセスの終了時のサンプルの含水量を1.5%として測定した。炭酸化コンクリートサンプルが周囲条件、すなわち、50%のRH及び22度の温度でテーブル上に休止されている間、含水量は、5日後に1.1%まで降下した。炭酸化サンプルの含水量は、周囲条件での休止の10日後に、更に1.0%まで低減した。報告した値は、2つの結果の平均である。
【0121】
ここで図4を参照すると、コントローラ20は、処理ユニット402と、その中にコンピュータ実行可能命令406を記憶しているメモリ404とを含んでもよい、コンピューティングデバイス400を含んでもよい。処理ユニット402は、例えば、任意のタイプの汎用マイクロプロセッサ若しくはマイクロコントローラ、デジタル信号処理(DSP)プロセッサ、中央処理装置(CPU)、集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、再構成可能プロセッサ、他の好適にプログラムされた若しくはプログラマブル論理回路、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0122】
メモリ404は、任意の好適な既知の機械可読記憶媒体又は他の機械可読記憶媒体を含んでもよい。メモリ404は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、例えば、限定されないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、若しくは半導体システム、機器、若しくはデバイス、又は前述の任意の好適な組み合わせを含んでもよい。メモリ404は、デバイスに対して内部又は外部のいずれかに位置される任意のタイプのコンピュータメモリ、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CDROM)、電気光学メモリ、磁気光学メモリ、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、及び電気消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、強誘電体RAM(FRAM)などの好適な組み合わせを含んでもよい。メモリ404は、処理ユニット402によって実行可能な機械可読命令406を取り出し可能に記憶するのに好適な任意の記憶手段(例えば、デバイス)を含んでもよい。
【0123】
本明細書に記載されるシステム10を動作させるための方法及びシステムは、コンピュータシステム、例えばコンピューティングデバイス400と通信するか、又はその動作を支援するために、高レベルの手続き型若しくはオブジェクト指向型のプログラミング言語若しくはスクリプト言語、又はそれらの組み合わせにおいて実装されてもよい。あるいは、システム10を動作させるための方法及びシステムは、アセンブリ言語又は機械言語において実装されてもよい。言語は、コンパイラ型言語又はインタプリタ型言語であってもよい。システム10を動作させるための方法及びシステムを実装するためのプログラムコードは、記憶媒体又はデバイス、例えば、ROM、磁気ディスク、光ディスク、フラッシュドライブ、又は任意の他の好適な記憶媒体若しくはデバイスに記憶されてもよい。プログラムコードは、記憶媒体又はデバイスが本明細書に記載される手順を行うためにコンピュータによって読み取られるときに、コンピュータを構成及び動作させるための汎用又は特殊目的のプログラマブルコンピュータによって可読であってもよい。システム10を動作させるための方法及びシステムの実施形態はまた、その上に記憶されたコンピュータプログラムを有する非一時的コンピュータ可読記憶媒体によって実装されると考えられてもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータ、又はより具体的には、コンピューティングデバイス400の処理ユニット402に、本明細書に記載される機能、例えば、方法200に記載される機能を行うために、特定及び事前定義された方法において動作させるコンピュータ可読命令を含んでもよい。
【0124】
コンピュータ実行可能命令は、1つ以上のコンピュータ又は他のデバイスによって実行されるプログラムモジュールを含む多くの形態にあってもよい。概して、プログラムモジュールは、特定のタスクを行うか、又は特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含む。典型的には、プログラムモジュールの機能性は、様々な実施形態において所望されるように組み合わされてもよく、又は分散されてもよい。
【0125】
本明細書に記載される実施形態は、コンピューティングデバイス、サーバ、受信機、送信機、プロセッサ、メモリ、ディスプレイ、及びネットワークを含む物理コンピュータハードウェアによって実装される。本明細書に記載される実施形態は、有用な物理マシン、及び特に構成されたコンピュータハードウェア配置を提供する。本明細書に記載される実施形態は、様々なタイプの情報を表す電磁気信号を処理及び変換するために適合された電子機械によって実装される電子機械及び方法を対象とする。本明細書に記載される実施形態は、機械及びそれらの使用に広範かつ統合的に関するものであり、本明細書に記載される実施形態は、コンピュータハードウェア、機械、及び様々なハードウェア構成要素とのそれらの使用の外には意味を持たず、又は実用的な適用可能性を有しない。例えば、メンタルステップを使用して、非物理的なハードウェアのために様々な行為を実装するように特に構成された物理的なハードウェアを置き換えることは、実施形態の動作方法に実質的に影響を与える場合がある。そのようなコンピュータハードウェアの制限は、本明細書に記載される実施形態の明らかに不可欠な要素であり、それらは、本明細書に記載される実施形態の動作及び構造に重大な影響を及ぼすことなく、省略するか又はメンタル手段と置き換えることはできない。コンピュータハードウェアは、本明細書に記載される様々な実施形態を実装するために不可欠であり、単にステップを迅速かつ効率的な様式で行うために使用されるのではない。
【0126】
「接続される」又は「に結合される」という用語は、直接結合(互いに結合される2つの要素は互いに接触する)及び間接結合(2つの要素間に少なくとも1つの追加の要素が位置する)の両方を含んでもよい。
【0127】
実施形態の技術的ソリューションは、ソフトウェア製品の形態にあってもよい。ソフトウェア製品は、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、USBフラッシュディスク、又はリムーバブルハードディスクであり得る不揮発性又は非一時的記憶媒体内に記憶される場合がある。ソフトウェア製品は、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワークデバイス)が実施形態によって提供される方法を実行することを可能にする多数の命令を含む。
【0128】
本明細書に記載される実施形態は、本技術の可能な実施態様の非限定的な例を提供する。本開示を検討すると、当業者は、本技術の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態に変更が行われる場合があることを認識する。なお、更なる修正は、本開示を考慮して当業者によって実装され得、修正は、本技術の範囲内にあるであろう。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート製品を製造する方法であって、
結合剤、骨材、及び水を含む組成物を提供することであって、前記結合剤がスラグを含む、提供することと、
前記結合剤、前記骨材、及び前記水を混合して、コンクリート混合物を生成することと、
前記コンクリート混合物に形態を付与して、第1の水対結合剤比を有する形成された中間体を提供することと、
前記形成された中間体を養生しながら、前記形成された中間体を調整することによって、前記形成された中間体を同時に調整及び養生することと、を含み、前記形成された中間体を同時に養生及び調整し、前記第1の水対結合剤比未満の最終の水対結合剤比を得る、方法。
【請求項2】
前記調整及び前記養生することを、筐体の外側の環境から密封された前記筐体内で実施することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記筐体内に、少なくとも5体積%の濃度及び少なくとも0.1PSIの圧力で二酸化炭素を注入することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記形成された中間体を前記同時に調整及び養生することが、前記同時に調整及び養生している間に、前記形成された中間体から蒸発した水を吸収することを含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記水を前記吸収することが、前記筐体内に含まれる乾燥剤材料及び除湿機のうちの1つ以上で前記水を吸収することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記同時に調整及び養生することが、追加の外部の熱及び/又は圧力の供給源を含まずに、前記形成された中間体を同時に調整及び養生することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記同時に調整及び養生することが、前記同時に調整及び養生している間に、前記形成された中間体を調整する速度を変化させることを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記速度(rate)を前記変化させることが、変化する速度(speed)を有する空気流に前記形成された中間体を曝露すること、温度変化に前記形成された中間体を曝露すること、及び相対湿度変化に前記形成された中間体を曝露することのうちの1つ以上で前記速度(rate)を変化させることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記コンクリート混合物に前記形態を前記付与することが、前記コンクリート混合物を型枠内に鋳造して成形された中間体を提供することを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記成形された中間体を脱型して脱型した中間体を提供することを含み、前記形成された中間体を前記同時に調整及び養生することが、前記脱型した中間体を同時に調整及び養生することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記形成された中間体を前記同時に調整及び養生することが、前記形成された中間体が前記型枠の内側にある間に、前記形成された中間体を同時に調整及び養生することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記形成された中間体を前記同時に調整及び養生する前に、前記形成された中間体を事前調整して、事前調整された中間体を得ることを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記形成された中間体を前記事前調整することが、前記形成された中間体が、前記第1の水対結合剤比未満、かつ前記最終の水対結合剤比よりも大きい事前調整された水対結合剤比を有するまで、前記形成された中間体を事前調整することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記形成された中間体を前記事前調整することが、前記形成された中間体を空気流及び熱のうちの1つ以上に曝露することを含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記形成された中間体を前記同時に調整及び養生する前に、前記形成された中間体を安定化させることを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記形成された中間体を前記安定化させることが、前記形成された中間体の表面上の水対結合剤比と、前記形成された中間体のコア内の水対結合剤比との間の差異が少なくとも5%減少するまで、前記形成された中間体を静止した周囲空気に曝露することを含む、請求項15に記載の方法。。
【請求項17】
前記形成された中間体を前記同時に調整及び養生する前に、前記形成された中間体の初期二酸化炭素飽和を行うことを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記初期二酸化炭素飽和を前記行うことが、吸収された二酸化炭素の結果として前記形成された中間体の質量増加率が少なくとも90%低減するまで、前記形成された中間体を二酸化炭素に曝露することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
コンクリート製品を製造する方法であって、
結合剤、骨材、及び水を含む組成物を提供することであって、前記結合剤がスラグを含む、提供することと、
前記結合剤、前記骨材、及び前記水を混合して、コンクリート混合物を生成することと、
前記コンクリート混合物に形態を付与して、第1の水対結合剤比を有する形成された中間体を提供することと、
前記形成された中間体を養生しながら、前記形成された中間体の水分含有量を前記第1の水対結合剤比から最終の水対結合剤比に減少させることと、を含む、方法。
【請求項20】
コンクリート製品を製造する方法であって、
結合剤、骨材、及び水を含む組成物を提供することであって、前記結合剤がスラグを含む、提供することと、
前記結合剤、前記骨材、及び前記水を混合して、コンクリート混合物を生成することと、
前記コンクリート混合物に形態を付与して、第1の水対結合剤比を有する形成された中間体を提供することと、
前記形成された中間体の養生プロセスを実施することであって、前記養生プロセスが、第1の時間に開始され、第2の時間に完了される、実施することと、前記形成された中間体を、前記第1の時間と前記第2の時間との間で調整することと、を含む、方法。
【国際調査報告】