(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-07
(54)【発明の名称】細胞送達に使用するための、新規細菌移行ドメインおよびそれを含む組換えポリペプチド
(51)【国際特許分類】
C12N 15/31 20060101AFI20241030BHJP
C07K 14/36 20060101ALI20241030BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20241030BHJP
C12N 15/115 20100101ALI20241030BHJP
C07K 14/195 20060101ALI20241030BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20241030BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
C12N15/31
C07K14/36 ZNA
C12N15/62 Z
C12N15/115 Z
C07K14/195
C07K16/28
C07K19/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024527069
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 CA2022051225
(87)【国際公開番号】W WO2023077210
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524168563
【氏名又は名称】ザ ホスピタル フォア シック チルドレン
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149010
【氏名又は名称】星川 亮
(72)【発明者】
【氏名】メルニク,ロマン
(72)【発明者】
【氏名】ベイルハーツ,グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】ギル,シブニート
(72)【発明者】
【氏名】スギマン-マランゴス,セイジ
【テーマコード(参考)】
4H045
【Fターム(参考)】
4H045AA10
4H045AA11
4H045BA09
4H045BA41
4H045BA72
4H045CA11
4H045DA50
4H045DA75
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
一般的に、本開示は、細胞送達に使用するための新規細菌移行ドメインを提供する。一例は、配列番号2のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)タンパク質由来の、配列番号3のアミノ酸配列を有する移行ドメインである。他の細菌株および種由来のトランスロカーゼドメインも記載される(例えば、配列番号4~17および36~48)。それらの移行ドメインを含む組換えポリペプチドが記載される。組換えポリペプチドは、疾患の処置に使用され得る治療用ポリペプチドを含むカーゴ分子の送達に使用することが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
A-B-C(i)
(式中、
Aは、カーゴ分子であり、
Bは、以下:
a)
i.配列番号2のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)タンパク質、
ii.GenBank登録番号PSJ28985.1のストレプトスポランギウム・ノンジアスタチカム(Streptosporangium nondiastaticum)タンパク質、
iii.GenBank登録番号SDT83331.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)TLI053タンパク質、
iv.GenBank登録番号WP_160159328.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)SLBN-118タンパク質、
v.GenBank登録番号WP_168096531.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)AA8タンパク質、
vi.GenBank登録番号WP_078659863.1のストレプトマイセス・ロゼオバーティシラタス(Streptomyces roseoverticillatus)タンパク質、
vii.GenBank登録番号JZ58907.1のストレプトマイセス・ピニテレ(Streptomyces piniterrae)タンパク質、
viii.GenBank登録番号WP_079110321.1のストレプトマイセス(Streptomyces)MBT76タンパク質、
ix.GenBank登録番号WP_120757473.1のストレプトマイセス・クレンキイ(Streptomyces klenkii)タンパク質、
x.GenBank登録番号WP_095582082.1のストレプトマイセス・アルビレティクリ(Streptomyces albireticuli)タンパク質、
xi.GenBank登録番号WP_133259917.1のストレプタシディフィルス・ピニコラ(Streptacidiphilus pinicola)タンパク質、
xii.GenBank登録番号WP_073156187.1のセイノネラ・ペプトノフィラ(Seinonella peptonophila)タンパク質、
xiii.GenBank登録番号WP_189053160.1のロンギミセリウム・ツルファネンス(Longimycelium tulufanense)タンパク質、
xiv.GenBank登録番号WP_219106995.1のオーストウィッキア種(Austwickia sp.)TVS96-490-7Bタンパク質、
xv.GenBank登録番号WP_162873017.1のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)LK16-18タンパク質、
xvi.GenBank登録番号EIZ2913133.1のクレブシエラ・アエロゲネス(Klebsiella aerogenes)タンパク質、
xvii.GenBank登録番号MCH0551590.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)MUM178Jタンパク質、
xviii.GenBank登録番号MBB4677777.1のクロシエラ・クリオフィラ(Crossiella cryophila)タンパク質、
xix.GenBank登録番号WP_143261759.1のアロクツネリア種(Allokutzneria sp.)NRRL B-24872タンパク質、
xx.GenBank登録番号WP_156051914.1のアロクツネリア・アルバータ(Allokutzneria albata)タンパク質、
xxi.GenBank登録番号WP_199893204.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)AV19タンパク質、
xxii.GenBank登録番号WP_147264604.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)NRBC_110611タンパク質、
xxiii.GenBank登録番号WP_209513619.1のストレプトマイセス・シリンギウム(Streptomyces syringium)タンパク質、
xxiv.GenBank登録番号RJQ69589.1のシュードノカルディア細菌(Pseudonocardiaceae bacterium)YIM PH21723タンパク質、
xxv.GenBank登録番号WP_143218892.1のアクチノキネオスポラ・バンコケンシス(Actinokineospora bangkokensis)タンパク質、
xxvi.GenBank登録番号MBF6055834.1のストレプトマイセス・ユーロシディカス(Streptomyces eurocidicus)タンパク質、
xxvii.GenBank登録番号WP_169790908.1のストレプトマイセス・パソシディニ(Streptomyces pathocidini)タンパク質、もしくは
xxviii.GenBank登録番号WP_157868472.1のストレプトマイセス・カーチンガエンシス(Streptomyces caatingaensis)タンパク質
由来の移行ドメイン、または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む移行ポリペプチドであり、
Cは、標的化部分である)
の組換えポリペプチド。
【請求項2】
一般式(I):
A-B-C(i)
(式中、
Aは、カーゴ分子であり、
Bは、以下:
a)
i.配列番号2のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)タンパク質、
ii.GenBank登録番号PSJ28985.1のストレプトスポランギウム・ノンジアスタチカム(Streptosporangium nondiastaticum)タンパク質、
iii.GenBank登録番号SDT83331.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)TLI053タンパク質、
iv.GenBank登録番号WP_160159328.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)SLBN-118タンパク質、
v.GenBank登録番号WP_168096531.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)AA8タンパク質、
vi.GenBank登録番号WP_078659863.1のストレプトマイセス・ロゼオバーティシラタス(Streptomyces roseoverticillatus)タンパク質、
vii.GenBank登録番号JZ58907.1のストレプトマイセス・ピニテレ(Streptomyces piniterrae)タンパク質、
viii.GenBank登録番号WP_079110321.1のストレプトマイセス(Streptomyces)MBT76タンパク質、
ix.GenBank登録番号WP_120757473.1のストレプトマイセス・クレンキイ(Streptomyces klenkii)タンパク質、
x.GenBank登録番号WP_133259917.1のストレプタシディフィルス・ピニコラ(Streptacidiphilus pinicola)タンパク質、
xi.GenBank登録番号WP_189053160.1のロンギミセリウム・ツルファネンス(Longimycelium tulufanense)タンパク質、
xii.GenBank登録番号WP_219106995.1のオーストウィッキア種(Austwickia sp.)TVS96-490-7Bタンパク質、もしくは
xiii.GenBank登録番号WP_162873017.1のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)LK16-18タンパク質
由来の移行ドメイン;
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン;
c)配列番号36~48のいずれか1つのアミノ酸配列を含む移行ドメイン;または
d)前記c)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む移行ポリペプチドであり、
Cは、標的化部分である)
の組換えポリペプチド。
【請求項3】
一般式(I):
A-B-C(i)
(式中、
Aは、カーゴ分子であり、
Bは、以下:
a)
i.配列番号2のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)タンパク質、
ii.GenBank登録番号SDT83331.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)TLI053タンパク質、
iii.GenBank登録番号WP_120757473.1のストレプトマイセス・クレンキイ(Streptomyces klenkii)タンパク質、
iv.GenBank登録番号WP_219106995.1のオーストウィッキア種(Austwickia sp.)TVS96-490-7Bタンパク質、もしくは
v.GenBank登録番号WP_162873017.1のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)LK16-18タンパク質
由来の移行ドメイン;または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む移行ポリペプチドであり、
Cは、標的化部分である)
の組換えポリペプチド。
【請求項4】
一般式(I):
A-B-C(i)
(式中、
Aは、カーゴ分子であり、
Bは、以下:
a)
i.配列番号2のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)タンパク質、
ii.GenBank登録番号WP_162873017.1のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)LK16-18タンパク質
由来の移行ドメイン;または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む移行ポリペプチドであり、
Cは、標的化部分である)
の組換えポリペプチド。
【請求項5】
a)において、
オーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号3のアミノ酸配列を有する、
GenBank登録番号PSJ28985.1のストレプトスポランギウム・ノンジアスタチカム(Streptosporangium nondiastaticum)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号4のアミノ酸配列を有する、
GenBank登録番号SDT83331.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)TLI053タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号5のアミノ酸配列を有する、
GenBank登録番号WP_160159328.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)SLBN-118タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号6のアミノ酸配列を有する、
GenBank登録番号WP_168096531.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)AA8タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号7のアミノ酸配列を有する、
GenBank登録番号WP_078659863.1のストレプトマイセス・ロゼオバーティシラタス(Streptomyces roseoverticillatus)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号8のアミノ酸配列を有する、
GenBank登録番号JZ58907.1のストレプトマイセス・ピニテレ(Streptomyces piniterrae)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号9のアミノ酸配列を有する、
GenBank登録番号WP_079110321.1のストレプトマイセス(Streptomyces)MBT76タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号10のアミノ酸配列を有する、
GenBank登録番号WP_120757473.1のストレプトマイセス・クレンキイ(Streptomyces klenkii)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号11のアミノ酸配列を有する、
GenBank登録番号WP_095582082.1のストレプトマイセス・アルビレティクリ(Streptomyces albireticuli)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号12のアミノ酸配列を有する、
GenBank登録番号WP_133259917.1のストレプタシディフィルス・ピニコラ(Streptacidiphilus pinicola)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号13のアミノ酸配列を有する、
GenBank登録番号WP_073156187.1のセイノネラ・ペプトノフィラ(Seinonella peptonophila)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号14のアミノ酸配列を有する、
GenBank登録番号WP_189053160.1のロンギミセリウム・ツルファネンス(Longimycelium tulufanense)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号15のアミノ酸配列を有する、
GenBank登録番号WP_219106995.1のオーストウィッキア種(Austwickia sp.)TVS96-490-7Bタンパク質由来の移行ドメインが、配列番号16のアミノ酸配列を有する、および
GenBank登録番号WP_162873017.1のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)LK16-18タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号17のアミノ酸配列を有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項6】
前記移行ポリペプチドが、
a)オーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)タンパク質由来の、配列番号3のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項7】
前記移行ポリペプチドが、
a)GenBank登録番号PSJ28985.1のストレプトスポランギウム・ノンジアスタチカム(Streptosporangium nondiastaticum)タンパク質由来の、配列番号4のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む、請求項1または2に記載の組換えポリペプチド。
【請求項8】
前記移行ポリペプチドが、
a)GenBank登録番号SDT83331.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)TLI053タンパク質由来の、配列番号5のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項9】
前記移行ポリペプチドが、
a)GenBank登録番号WP_160159328.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)SLBN-118タンパク質由来の、配列番号6のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む、請求項1または2に記載の組換えポリペプチド。
【請求項10】
前記移行ポリペプチドが、
a)GenBank登録番号WP_168096531.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)AA8タンパク質由来の、配列番号7のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む、請求項1または2に記載の組換えポリペプチド。
【請求項11】
前記移行ポリペプチドが、
a)GenBank登録番号WP_078659863.1のストレプトマイセス・ロゼオバーティシラタス(Streptomyces roseoverticillatus)タンパク質由来の、配列番号8のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む、請求項1または2に記載の組換えポリペプチド。
【請求項12】
前記移行ポリペプチドが、
a)GenBank登録番号JZ58907.1のストレプトマイセス・ピニテレ(Streptomyces piniterrae)タンパク質由来の、配列番号9のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む、請求項1または2に記載の組換えポリペプチド。
【請求項13】
前記移行ポリペプチドが、
a)GenBank登録番号WP_079110321.1のストレプトマイセス(Streptomyces)MBT76タンパク質由来の、配列番号10のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む、請求項1または2に記載の組換えポリペプチド。
【請求項14】
前記移行ポリペプチドが、
a)GenBank登録番号WP_120757473.1のストレプトマイセス・クレンキイ(Streptomyces klenkii)タンパク質由来の、配列番号11のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項15】
前記移行ポリペプチドが、
a)GenBank登録番号WP_095582082.1のストレプトマイセス・アルビレティクリ(Streptomyces albireticuli)タンパク質由来の、配列番号12のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む、請求項1に記載の組換えポリペプチド。
【請求項16】
前記移行ポリペプチドが、
a)GenBank登録番号WP_133259917.1のストレプタシディフィルス・ピニコラ(Streptacidiphilus pinicola)タンパク質由来の、配列番号13のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む、請求項1または2に記載の組換えポリペプチド。
【請求項17】
前記移行ポリペプチドが、
a)GenBank登録番号WP_073156187.1のセイノネラ・ペプトノフィラ(Seinonella peptonophila)タンパク質由来の、配列番号14のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む、請求項1に記載の組換えポリペプチド。
【請求項18】
前記移行ポリペプチドが、
a)GenBank登録番号WP_189053160.1のロンギミセリウム・ツルファネンス(Longimycelium tulufanense)タンパク質由来の、配列番号15のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む、請求項1または2に記載の組換えポリペプチド。
【請求項19】
前記移行ポリペプチドが、
a)GenBank登録番号WP_219106995.1のオーストウィッキア種(Austwickia sp.)TVS96-490-7Bタンパク質由来の、配列番号16のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項20】
前記移行ポリペプチドが、
a)GenBank登録番号WP_116115734.1のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)LK16-18タンパク質由来の、配列番号17のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b)前記a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項21】
前記移行ドメインが、b)に定義されるとおりであり、前記a)に定義される移行ドメインと、その全長にわたり少なくとも少なくとも85%同一である、請求項1から20のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項22】
前記移行ドメインが、b)に定義されるとおりであり、前記a)に定義される移行ドメインと、その全長にわたり少なくとも少なくとも90%同一である、請求項1から20のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項23】
前記移行ドメインが、b)に定義されるとおりであり、前記a)に定義される移行ドメインと、その全長にわたり少なくとも少なくとも95%同一である、請求項1から20のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項24】
前記移行ドメインが、b)に定義されるとおりであり、前記a)に定義される移行ドメインと、その全長にわたり少なくとも少なくとも98%同一である、請求項1から20のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項25】
前記移行ドメインが、b)に定義されるとおりであり、前記a)に定義される移行ドメインと、その全長にわたり少なくとも少なくとも99%同一である、請求項1から20のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項26】
前記移行ポリペプチドが、a)に定義されるとおりである、請求項1から20のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項27】
AおよびBが、アミノ酸リンカーにより分離されている、請求項1から26のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項28】
前記アミノ酸リンカーが、(G
4S)
2を含む、請求項27または28に記載の組換えポリペプチド。
【請求項29】
前記アミノ酸リンカーが切断可能であり、好ましくは、前記アミノ酸リンカーが、プロテアーゼ認識部位を含み、好ましくは、前記プロテアーゼ認識部位が、システイン残基に挟まれて位置し、より好ましくは、前記プロテアーゼ認識部位が、フリンプロテアーゼ認識部位である、請求項27または28に記載の組換えポリペプチド。
【請求項30】
前記アミノ酸リンカーが、フリンプロテアーゼ認識部位を含む配列番号32を含む、請求項29に記載の組換えポリペプチド。
【請求項31】
前記(G
4S)
2が、前記配列番号32に関してN末端に位置する、請求項30に記載の組換えポリペプチド。
【請求項32】
BおよびCが、アミノ酸リンカーにより分離されている、請求項1から27のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項33】
前記アミノ酸リンカーが、(G
4S)
2を含む、請求項27または28に記載の組換えポリペプチド。
【請求項34】
前記アミノ酸リンカーが、配列番号33を含む、請求項32または33に記載の組換えポリペプチド。
【請求項35】
前記(G
4S)
2が、前記配列番号33に関してN末端に位置する、請求項34に記載の組換えポリペプチド。
【請求項36】
配列番号22のアミノ酸1~821と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号22のアミノ酸1~821と90%同一である、より好ましくは、配列番号22のアミノ酸1~821と95%同一である、さらにより好ましくは、配列番号22のアミノ酸1~821と100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項37】
配列番号22の配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項38】
配列番号23のアミノ酸1~822と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号23のアミノ酸1~822と90%同一である、より好ましくは、配列番号23のアミノ酸1~822と95%同一である、さらにより好ましくは、配列番号23のアミノ酸1~822と100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項39】
配列番号23の配列、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項40】
配列番号24のアミノ酸1~822と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号24のアミノ酸1~822と90%同一である、より好ましくは、配列番号24のアミノ酸1~822と95%同一である、さらにより好ましくは、配列番号24のアミノ酸1~822と100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項41】
配列番号24の配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項42】
配列番号25のアミノ酸1~821と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号25のアミノ酸1~821と90%同一である、より好ましくは、配列番号25のアミノ酸1~821と95%同一である、さらにより好ましくは、配列番号25のアミノ酸1~821と100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項43】
配列番号25の配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項44】
配列番号26のアミノ酸1~806と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号26のアミノ酸1~806と90%同一である、より好ましくは、配列番号26のアミノ酸1~806と95%同一である、さらにより好ましくは、配列番号26のアミノ酸1~806と100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項45】
配列番号26の配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項46】
配列番号27のアミノ酸1~811と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号27のアミノ酸1~811と90%同一である、より好ましくは、配列番号27のアミノ酸1~811と95%同一である、さらにより好ましくは、配列番号27のアミノ酸1~811と100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項47】
配列番号27の配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項48】
配列番号28のアミノ酸1~822と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号28のアミノ酸1~822と90%同一である、より好ましくは、配列番号28のアミノ酸1~822と95%同一である、さらにより好ましくは、配列番号28のアミノ酸1~822と100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項49】
配列番号28の配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項50】
配列番号29のアミノ酸1~796と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号29のアミノ酸1~796と90%同一である、より好ましくは、配列番号29のアミノ酸1~796と95%同一である、さらにより好ましくは、配列番号29のアミノ酸1~796と100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項51】
配列番号29の配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項52】
配列番号30のアミノ酸1~822と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号30のアミノ酸1~822と90%同一である、より好ましくは、配列番号30のアミノ酸1~822と95%同一である、さらにより好ましくは、配列番号30のアミノ酸1~822と100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項53】
配列番号30の配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項54】
前記標的化部分が、標的化ポリペプチドまたはアプタマーを含む、請求項1から35のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項55】
前記標的化ポリペプチドが、抗体、抗体の結合断片、アフィボディ、ペプチド、アフィチン、DARPin、または受容体リガンドを含む、請求項48に記載の組換えポリペプチド。
【請求項56】
前記標的化ポリペプチドが、Her3に対するアフィボディを含む、請求項55に記載の組換えポリペプチド。
【請求項57】
前記Her3に対するアフィボディが、配列番号19のアミノ酸配列を含む、請求項56に記載の組換えポリペプチド。
【請求項58】
前記標的化ポリペプチドが、avβ6インテグリンに対する受容体リガンドを含む、請求項59に記載の組換えポリペプチド。
【請求項59】
前記avβ6インテグリンに対する受容体リガンドが、配列番号20のアミノ酸配列を含む、請求項52に記載の組換えポリペプチド。
【請求項60】
前記標的化部分が、少なくとも2つの標的化ポリペプチド、少なくとも2つのアプタマー、または標的化ポリぺプチドとアプタマーとの組合せを含む、請求項54に記載の組換えポリペプチド。
【請求項61】
前記少なくとも2つの標的化ポリペプチドが、抗体、抗体の結合断片、アフィボディ、ペプチド、アフィチン、DARPin、受容体リガンド、およびそれらの組合せの群から選択される、請求項60に記載の組換えポリペプチド。
【請求項62】
前記少なくとも2つの標的化ポリペプチドが、Her3に対するアフィボディを含む、請求項60または61に記載の組換えポリペプチド。
【請求項63】
前記Her3に対するアフィボディが、配列番号19のアミノ酸配列を含む、請求項62に記載の組換えポリペプチド。
【請求項64】
前記少なくとも2つの標的化ポリペプチドが、avβ6インテグリンに対する受容体リガンドを含む、請求項60から63のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項65】
前記avβ6インテグリンに対する受容体リガンドが、配列番号20のアミノ酸配列を含む、請求項64に記載の組換えポリペプチド。
【請求項66】
前記少なくとも2つの少なくとも2つの標的化ポリペプチド、前記少なくとも2つのアプタマー、または前記組合せが、アミノ酸リンカーにより分離されている、請求項60から65のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項67】
前記アミノ酸リンカーが、(G
4S)
2を含む、請求項66に記載の組換えポリペプチド。
【請求項68】
前記標的化部分が、細胞表面タンパク質に結合する、請求項1から35および54から67のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項69】
前記細胞表面タンパク質が、系統特異的または組織特異的である、請求項68に記載の組換えポリペプチド。
【請求項70】
前記細胞表面タンパク質が、普遍的に発現している、請求項67に記載の組換えポリペプチド。
【請求項71】
前記細胞表面タンパク質が、疾患細胞において発現している、請求項67に記載の組換えポリペプチド。
【請求項72】
前記細胞表面タンパク質が、疾患細胞に特異的であり、対応する健常細胞では発現していない、請求項67に記載の組換えポリペプチド。
【請求項73】
前記細胞表面タンパク質が、疾患細胞において、対応する健常細胞と比べて上昇した発現を有する、請求項67に記載の組換えポリペプチド。
【請求項74】
前記疾患細胞が、がん細胞である、請求項71から73のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項75】
前記カーゴ分子が、治療用ポリペプチドを含む、請求項1から35および54から74のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項76】
前記治療用ポリペプチドが、細胞傷害性ポリペプチド、好ましくは、ポリペプチド毒素またはその機能的断片を含む、請求項75に記載の組換えポリペプチド。
【請求項77】
前記細胞傷害性ポリペプチドが、ジフテリア毒素由来の触媒ドメインを含む、請求項76に記載の組換えポリペプチド。
【請求項78】
前記細胞傷害性ポリペプチドが、ケロネー(Chelona)毒素由来の触媒ドメインを含む、請求項76に記載の組換えポリペプチド。
【請求項79】
前記触媒ドメインが、
配列番号2に記載のケロネー毒素(CT1)、
配列番号21に記載のケロネー毒素(CT2)、または
配列番号35に記載のケロネー毒素(CT3)
に由来する、請求項78に記載の組換えポリペプチド。
【請求項80】
配列番号2に記載のケロネー毒素(CT1)由来の触媒ドメインが、配列番号2のアミノ酸1~186位によるアミノ酸配列を有する;
配列番号21に記載のケロネー毒素(CT2)由来の触媒ドメインが、配列番号21のアミノ酸1~186位によるアミノ酸配列を有する;または
配列番号35に記載のケロネー毒素(CT3)由来の触媒ドメインが、配列番号35のアミノ酸1~191位によるアミノ酸配列を有する、請求項79に記載の組換えポリペプチド。
【請求項81】
前記治療用ポリペプチドが、病態では欠損しているタンパク質、またはその機能的断片を含む、請求項75に記載の組換えポリペプチド。
【請求項82】
前記治療用ポリペプチドが、ビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)由来のRas/Rap1特異的エンドペプチダーゼ(RRSP)(配列番号18)を含む、請求項75に記載の組換えポリペプチド。
【請求項83】
前記カーゴ分子が、「クリック」ケミストリーに用いるN末端システイン残基を含む、請求項1から35および54から74のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項84】
前記カーゴ分子が、核酸分子を含む、請求項1から35、54から74および83のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項85】
請求項1から81のいずれか一項に記載の組換えポリペプチドをコードする、核酸。
【請求項86】
請求項1から82のいずれか一項に記載の組換えポリペプチドを、許容される賦形剤、希釈剤または担体と共に含む、組成物。
【請求項87】
請求項1から82のいずれか一項に記載の組換えポリペプチドを、医薬的に許容される賦形剤、希釈剤または担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項88】
カーゴ分子を細胞に送達する方法であって、
請求項1から82のいずれか一項に記載の組換えポリペプチドと前記細胞を接触させるステップを含む、方法。
【請求項89】
前記カーゴ分子を細胞に送達するための、請求項1から82のいずれか一項に記載の組換えポリペプチドの使用。
【請求項90】
細胞への前記カーゴ分子の送達に使用するための、請求項1から82のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【請求項91】
対象におけるがんを処置する方法であって、
請求項1から82のいずれか一項に記載の組換えポリペプチドを前記対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項92】
対象におけるがんを処置するための、請求項1から82のいずれか一項に記載の組換えポリペプチドの使用。
【請求項93】
対象におけるがんの処置に使用するための、請求項1から82のいずれか一項に記載の組換えポリペプチド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月4日に出願した「細胞送達に使用するための、新規細菌移行ドメインおよびそれを含む組換えポリペプチド」なる名称のギリシャ国特許出願第20210100770号からの優先権の利益を主張するものである。
【0002】
分野
本開示は、一般的に送達プラットフォームに関する。特に、本開示は、カーゴ分子を細胞に送達するための、細菌毒素ベースのプラットフォームに関する。
【0003】
背景
治療用分子は、細胞に送達することがたびたび困難である。治療用分子はたびたび、生体膜を容易には透過しない。免疫毒素は、その受容体結合ドメイン(RBD)を再標的化してがん受容体を標的にすること、および細胞内がんタンパク質を標的とする酵素カーゴを送達することの両方により、例えば、がん標的療法へと再利用されている細菌毒素、例えば、ジフテリア毒素(DT)などからなる生物学的製剤の一種である。しかしながら、ジフテリアに対する世界的なワクチン接種プログラムが、DT、およびDTベースの治療薬に対する集団レベルの免疫をもたらした。
【0004】
タンパク質ベース治療薬を含む治療薬を細胞に送達する可能性を提供する送達プラットフォームの必要性が依然として存在する。
【0005】
要旨
以前のアプローチの少なくとも1つの欠点を除去または軽減することが、本開示の主題である。
【0006】
第1の態様では、本開示は、一般式(I):
A-B-C(i)
(式中、
Aは、カーゴ分子であり、
Bは、
a)
配列番号2のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)タンパク質、
GenBank登録番号(GenBank Accession)PSJ28985.1のストレプトスポランギウム・ノンジアスタチカム(Streptosporangium nondiastaticum)タンパク質、
GenBank登録番号SDT83331.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)TLI053タンパク質、
GenBank登録番号WP_160159328.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)SLBN-118タンパク質、
GenBank登録番号WP_168096531.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)AA8タンパク質、
GenBank登録番号WP_078659863.1のストレプトマイセス・ロゼオバーティシラタス(Streptomyces roseoverticillatus)タンパク質、
GenBank登録番号JZ58907.1のストレプトマイセス・ピニテレ(Streptomyces piniterrae)タンパク質、
GenBank登録番号WP_079110321.1のストレプトマイセス(Streptomyces)MBT76タンパク質、
GenBank登録番号WP_120757473.1のストレプトマイセス・クレンキイ(Streptomyces klenkii)タンパク質、
GenBank登録番号WP_095582082.1のストレプトマイセス・アルビレティクリ(Streptomyces albireticuli)タンパク質、
GenBank登録番号WP_133259917.1のストレプタシディフィルス・ピニコラ(Streptacidiphilus pinicola)タンパク質、
GenBank登録番号WP_073156187.1のセイノネラ・ペプトノフィラ(Seinonella peptonophila)タンパク質、
GenBank登録番号WP_189053160.1のロンギミセリウム・ツルファネンス(Longimycelium tulufanense)タンパク質、
GenBank登録番号WP_219106995.1のオーストウィッキア種(Austwickia sp.)TVS96-490-7Bタンパク質、
GenBank登録番号WP_162873017.1のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)LK16-18タンパク質、
GenBank登録番号EIZ2913133.1のクレブシエラ・アエロゲネス(Klebsiella aerogenes)タンパク質、
GenBank登録番号MCH0551590.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)MUM178Jタンパク質、
GenBank登録番号MBB4677777.1のクロシエラ・クリオフィラ(Crossiella cryophila)タンパク質、
GenBank登録番号WP_143261759.1のアロクツネリア種(Allokutzneria sp.)NRRL B-24872タンパク質、
GenBank登録番号WP_156051914.1のアロクツネリア・アルバータ(Allokutzneria albata)タンパク質、
GenBank登録番号WP_199893204.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)AV19タンパク質、
GenBank登録番号WP_147264604.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)NRBC_110611タンパク質、
GenBank登録番号WP_209513619.1のストレプトマイセス・シリンギウム(Streptomyces syringium)タンパク質、
GenBank登録番号RJQ69589.1のシュードノカルディア細菌(Pseudonocardiaceae bacterium)YIM PH21723タンパク質、
GenBank登録番号WP_143218892.1のアクチノキネオスポラ・バンコケンシス(Actinokineospora bangkokensis)タンパク質、
GenBank登録番号MBF6055834.1のストレプトマイセス・ユーロシディカス(Streptomyces eurocidicus)タンパク質、
GenBank登録番号WP_169790908.1のストレプトマイセス・パソシディニ(Streptomyces pathocidini)タンパク質、もしくは
GenBank登録番号WP_157868472.1のストレプトマイセス・カーチンガエンシス(Streptomyces caatingaensis)タンパク質
由来の移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む移行ポリペプチドであり、
Cは、標的化部分である)
の組換えポリペプチドを提供する。
【0007】
一態様では、本明細書で定義される組換えポリペプチドをコードする核酸が提供される。
【0008】
一態様では、本明細書で定義される核酸を含むベクターが提供される。
【0009】
さらなる態様では、本開示は、本明細書で定義される組換えポリペプチドを、許容される賦形剤、希釈剤または担体と共に含む組成物を提供する。
【0010】
一つの態様の実施形態において、本明細書で定義される組換えポリペプチドを、医薬的に許容される賦形剤、希釈剤または担体と共に含む医薬組成物が提供される。
【0011】
一態様では、細胞を、本明細書で定義される組換えポリペプチドと接触させるステップを含む、カーゴ分子を細胞に送達する方法が提供される。
【0012】
一態様では、カーゴ分子を細胞に送達するための、本明細書で定義される組換えポリペプチドの使用が提供される。
【0013】
一態様では、カーゴ分子を細胞に送達するための医薬の調製用の、本明細書で定義される組換えポリペプチドの使用が提供される。
【0014】
一態様では、細胞へのカーゴ分子の送達に使用するための、本明細書で定義される組換えポリペプチドが提供される。
【0015】
一態様では、本明細書で定義される組換えポリペプチドを対象に投与するステップを含む、対象におけるがんを処置する方法が提供される。
【0016】
一態様では、対象におけるがんを処置するための、本明細書で定義される組換えポリペプチドの使用が提供される。
【0017】
一態様では、対象におけるがんを処置するための医薬の調製用の、本明細書で定義される組換えポリペプチドの使用が提供される。
【0018】
一態様では、対象におけるがんの処置に用いる、本明細書で定義される組換えポリペプチドが提供される。
【0019】
本開示の他の態様および特徴は、具体的な実施形態に関する以下の記載を、添付図面と合わせて検討すると当業者には明らかになる。
【0020】
本開示の実施形態をここで、単に例として添付図面に関連して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1-1】
図1Aは、ジフテリア毒素の細胞侵入機構の略図である。
【
図1-2】
図1Bは、触媒ドメイン(C)および架橋フリン認識部位(F)に続いてトランスロカーゼ(T)および受容体結合ドメイン(R)を示す、DTおよびCT1のドメイン構成を示す図である。
【
図1-3】
図1Cは、ジフテリア毒素およびCT1の結晶構造を示す図である。
【
図2-1】
図2Aは、CT1触媒ドメインの機能および放出を評価する実験の結果を示すグラフである。DT、およびCT1のCドメインを含有するDTキメラは、HEK293T細胞に対して同様の毒性を示す(b)。
【
図2-2】
図2Bは、DT、およびCT1のCドメインを含有するDTキメラは、DPH4
-/-細胞での細胞生存率に対する効果を示さないことを示すグラフである。
【
図2-3】
図2Cは、DTおよびCT1を細胞溶解物とインキュベートすると、フリン認識部位での切断が存在したことを示す図である。
【
図3-1】
図3Aは、DT、およびCT1由来のフリン部位を含有するDTキメラは、Vero細胞に対して等効力であることを示すグラフであり、両毒素による効率的なカーゴ放出を示す。
【
図3-2】
図3Bは、DT-CのCT1-T媒介送達による、Vero細胞中でのタンパク質合成の低下を示すグラフである。
【
図3-3】
図3Cは、非天然カーゴRRSPのCT1-T媒介送達を示すグラフである。RRSPは、CFPAC-1などのRAS変異体細胞に対して毒性である。
【
図3-4】
図3Dは、送達が、RRSPによる、細胞内RASの切断により確証されたことを示す図である。
【
図3-5】
図3Eは、HPAF II細胞での細胞生存率の測定による、DT-CのCT1-T媒介送達を示すグラフである。予想外に、CT1-Tは、DT-R以外の標的化ドメインと複合体形成した場合、DT-Tよりも効率的なトランスロカーゼである。
【
図3-6】
図3Fは、HPAF II細胞での細胞生存率の測定による、RRSPのCT1-T媒介送達を示すグラフである。
【
図4-1】
図4Aは、CT1のヒト血清結合および中和を評価する実験の結果を示すグラフである。ヒト血清中に既存の抗DT抗体または抗CT1抗体のレベルを定量するために、DTまたはCT1を、Nunc MaxiSorp(商標)プレート上に固定化し、異なる希釈でのヒト血清とインキュベートした。次いでウェルを、HRPにコンジュゲートした抗ヒトIgG抗体とインキュベートし、TMB試薬を用いてHRPを発色させた。630nmにおいて吸光度を読み取った。
【
図4-2】
図4Bは、CT1のヒト血清結合および中和を評価するさらなる実験の結果を示すグラフである。細胞を害する(intoxicate)DTまたはCT1の能力に対する中和抗体の効果を決定するために、様々なDT/CT1毒素キメラ(表示)をヒト血清(またはPBS)とインキュベートし、次いでVero細胞に添加し、タンパク質合成レベルを測定した。EC50値を測定し、PBS対照との倍率差(fold-difference)をプロットした。ヒト血清は、細胞を害するCT1の能力に対して効果を有さず、CT1は、ヒト血清により中和されないことを実証する。
【
図5】
図5は、DTとCT1との間で(between DT an CT1)保存されている鍵残基の略図である。
【
図6-1】
図6Aおよび
図6Bは、トランスロカーゼの機能的特徴づけの結果を示すグラフである。
【
図6-2】
図6Aおよび
図6Bは、トランスロカーゼの機能的特徴づけの結果を示すグラフである。
【
図7-1】
図7Aは、ヒト血清中の抗体が、DTを認識するが、CT1には結合を示さないことを示すグラフである。
【
図7-2】
図7Bは、ヒト血清中の抗体が、DT由来のトランスロカーゼを認識するが、CT1由来は認識しないことを示すグラフである。
【
図8】
図8は、抗DT抗体が、CT1ベースの免疫毒素を中和しないことを示すグラフである。
【
図9】
図9は、様々なトランスロカーゼの関係を図解する系統樹を示す図である。
【0022】
詳細な説明
一般的に、本開示は、細胞送達に使用するための新規細菌移行ドメインを提供する。それらの移行ドメインを含む組換えポリペプチドが記載される。組換えポリペプチドは、治療用ポリペプチドを含むカーゴ分子の送達における使用を目的としている。
【0023】
組換えポリペプチド
一態様では、一般式(I):
A-B-C(i)
(式中、
Aは、カーゴ分子であり、
Bは、
a)
配列番号2のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)タンパク質、
GenBank登録番号PSJ28985.1のストレプトスポランギウム・ノンジアスタチカム(Streptosporangium nondiastaticum)タンパク質、
GenBank登録番号SDT83331.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)TLI053タンパク質、
GenBank登録番号WP_160159328.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)SLBN-118タンパク質、
GenBank登録番号WP_168096531.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)AA8タンパク質、
GenBank登録番号WP_078659863.1のストレプトマイセス・ロゼオバーティシラタス(Streptomyces roseoverticillatus)タンパク質、
GenBank登録番号JZ58907.1のストレプトマイセス・ピニテレ(Streptomyces piniterrae)タンパク質、
GenBank登録番号WP_0791103f21.1のストレプトマイセス(Streptomyces)MBT76タンパク質、
GenBank登録番号WP_120757473.1のストレプトマイセス・クレンキイ(Streptomyces klenkii)タンパク質、
GenBank登録番号WP_095582082.1のストレプトマイセス・アルビレティクリ(Streptomyces albireticuli)タンパク質、
GenBank登録番号WP_133259917.1のストレプタシディフィルス・ピニコラ(Streptacidiphilus pinicola)タンパク質、
GenBank登録番号WP_073156187.1のセイノネラ・ペプトノフィラ(Seinonella peptonophila)タンパク質、
GenBank登録番号WP_189053160.1のロンギミセリウム・ツルファネンス(Longimycelium tulufanense)タンパク質、
GenBank登録番号WP_219106995.1のオーストウィッキア種(Austwickia sp.)TVS96-490-7Bタンパク質、
GenBank登録番号WP_162873017.1のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)LK16-18タンパク質、
GenBank登録番号EIZ2913133.1のクレブシエラ・アエロゲネス(Klebsiella aerogenes)タンパク質、
GenBank登録番号MCH0551590.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)MUM178Jタンパク質、
GenBank登録番号MBB4677777.1のクロシエラ・クリオフィラ(Crossiella cryophila)タンパク質、
GenBank登録番号WP_143261759.1のアロクツネリア種(Allokutzneria sp.)NRRL B-24872タンパク質、
GenBank登録番号WP_156051914.1のアロクツネリア・アルバータ(Allokutzneria albata)タンパク質、
GenBank登録番号WP_199893204.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)AV19タンパク質、
GenBank登録番号WP_147264604.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)NRBC_110611タンパク質、
GenBank登録番号WP_209513619.1のストレプトマイセス・シリンギウム(Streptomyces syringium)タンパク質、
GenBank登録番号RJQ69589.1のシュードノカルディア細菌(Pseudonocardiaceae bacterium)YIM PH21723タンパク質、
GenBank登録番号WP_143218892.1のアクチノキネオスポラ・バンコケンシス(Actinokineospora bangkokensis)タンパク質、
GenBank登録番号MBF6055834.1のストレプトマイセス・ユーロシディカス(Streptomyces eurocidicus)タンパク質、
GenBank登録番号WP_169790908.1のストレプトマイセス・パソシディニ(Streptomyces pathocidini)タンパク質、もしくは
GenBank登録番号WP_157868472.1のストレプトマイセス・カーチンガエンシス(Streptomyces caatingaensis)タンパク質
由来の移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む移行ポリペプチドであり、
Cは、標的化部分である)
の組換えポリペプチドが提供される。
【0024】
一実施形態では、a)において、移行ドメインが、
- 配列番号2のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)タンパク質、
- GenBank登録番号PSJ28985.1のストレプトスポランギウム・ノンジアスタチカム(Streptosporangium nondiastaticum)タンパク質、
- GenBank登録番号SDT83331.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)TLI053タンパク質、
- GenBank登録番号WP_160159328.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)SLBN-118タンパク質、
- GenBank登録番号WP_168096531.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)AA8タンパク質、
- GenBank登録番号WP_078659863.1のストレプトマイセス・ロゼオバーティシラタス(Streptomyces roseoverticillatus)タンパク質、
- GenBank登録番号JZ58907.1のストレプトマイセス・ピニテレ(Streptomyces piniterrae)タンパク質、
- GenBank登録番号WP_079110321.1のストレプトマイセス(Streptomyces)MBT76タンパク質、
- GenBank登録番号WP_120757473.1のストレプトマイセス・クレンキイ(Streptomyces klenkii)タンパク質、
- GenBank登録番号WP_133259917.1のストレプタシディフィルス・ピニコラ(Streptacidiphilus pinicola)タンパク質、
- GenBank登録番号WP_189053160.1のロンギミセリウム・ツルファネンス(Longimycelium tulufanense)タンパク質、
- GenBank登録番号WP_219106995.1のオーストウィッキア種(Austwickia sp.)TVS96-490-7Bタンパク質、または
- GenBank登録番号WP_162873017.1のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)LK16-18タンパク質
に由来する。
【0025】
一実施形態では、a)において、移行ドメインが、
- 配列番号2のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)タンパク質、
- GenBank登録番号SDT83331.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)TLI053タンパク質、
- GenBank登録番号WP_120757473.1のストレプトマイセス・クレンキイ(Streptomyces klenkii)タンパク質、
- GenBank登録番号WP_219106995.1のオーストウィッキア種(Austwickia sp.)TVS96-490-7Bタンパク質、または
- GenBank登録番号WP_162873017.1のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)LK16-18タンパク質
に由来する。
【0026】
一実施形態では、a)において、移行ドメインが、
- 配列番号2のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)タンパク質、
- GenBank登録番号WP_162873017.1のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)LK16-18タンパク質
に由来する。
【0027】
一実施形態では、a)において、
i.本明細書でCT1と呼ばれるオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号3のアミノ酸配列を有する、
ii.GenBank登録番号PSJ28985.1のストレプトスポランギウム・ノンジアスタチカム(Streptosporangium nondiastaticum)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号4のアミノ酸配列を有する、
iii.GenBank登録番号SDT83331.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)TLI053タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号5のアミノ酸配列を有する、
iv.GenBank登録番号WP_160159328.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)SLBN-118タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号6のアミノ酸配列を有する、
v.GenBank登録番号WP_168096531.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)AA8タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号7のアミノ酸配列を有する、
vi.GenBank登録番号WP_078659863.1のストレプトマイセス・ロゼオバーティシラタス(Streptomyces roseoverticillatus)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号8のアミノ酸配列を有する、
vii.GenBank登録番号JZ58907.1のストレプトマイセス・ピニテレ(Streptomyces piniterrae)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号9のアミノ酸配列を有する、
viii.GenBank登録番号WP_079110321.1のストレプトマイセス(Streptomyces)MBT76タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号10のアミノ酸配列を有する、
ix.GenBank登録番号WP_120757473.1のストレプトマイセス・クレンキイ(Streptomyces klenkii)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号11のアミノ酸配列を有する、
x.GenBank登録番号WP_095582082.1のストレプトマイセス・アルビレティクリ(Streptomyces albireticuli)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号12のアミノ酸配列を有する、
xi.GenBank登録番号WP_133259917.1のストレプタシディフィルス・ピニコラ(Streptacidiphilus pinicola)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号13のアミノ酸配列を有する、
xii.GenBank登録番号WP_073156187.1のセイノネラ・ペプトノフィラ(Seinonella peptonophila)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号14のアミノ酸配列を有する、
xiii.GenBank登録番号WP_189053160.1のロンギミセリウム・ツルファネンス(Longimycelium tulufanense)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号15のアミノ酸配列を有する、
xiv.GenBank登録番号WP_219106995.1のオーストウィッキア種(Austwickia sp.)TVS96-490-7Bタンパク質由来の移行ドメインが、配列番号16のアミノ酸配列を有する、
xv.GenBank登録番号WP_162873017.1のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)LK16-18タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号17のアミノ酸配列を有する、および
xvi.移行ドメインが、配列番号36~48のいずれか1つのアミノ酸配列を有する。
【0028】
一実施形態では、a)において、
i.本明細書でCT1と呼ばれるオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号3のアミノ酸配列を有する、
ii.GenBank登録番号PSJ28985.1のストレプトスポランギウム・ノンジアスタチカム(Streptosporangium nondiastaticum)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号4のアミノ酸配列を有する、
iii.GenBank登録番号SDT83331.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)TLI053タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号5のアミノ酸配列を有する、
iv.GenBank登録番号WP_160159328.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)SLBN-118タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号6のアミノ酸配列を有する、
v.GenBank登録番号WP_168096531.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)AA8タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号7のアミノ酸配列を有する、
vi.GenBank登録番号WP_078659863.1のストレプトマイセス・ロゼオバーティシラタス(Streptomyces roseoverticillatus)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号8のアミノ酸配列を有する、
vii.GenBank登録番号JZ58907.1のストレプトマイセス・ピニテレ(Streptomyces piniterrae)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号9のアミノ酸配列を有する、
viii.GenBank登録番号WP_079110321.1のストレプトマイセス(Streptomyces)MBT76タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号10のアミノ酸配列を有する、
ix.GenBank登録番号WP_120757473.1のストレプトマイセス・クレンキイ(Streptomyces klenkii)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号11のアミノ酸配列を有する、
xi.GenBank登録番号WP_133259917.1のストレプタシディフィルス・ピニコラ(Streptacidiphilus pinicola)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号13のアミノ酸配列を有する、
xiii.GenBank登録番号WP_189053160.1のロンギミセリウム・ツルファネンス(Longimycelium tulufanense)タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号15のアミノ酸配列を有する、
xiv.GenBank登録番号WP_219106995.1のオーストウィッキア種(Austwickia sp.)TVS96-490-7Bタンパク質由来の移行ドメインが、配列番号16のアミノ酸配列を有する、および
xv.GenBank登録番号WP_162873017.1のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)LK16-18タンパク質由来の移行ドメインが、配列番号17のアミノ酸配列を有する。
【0029】
本明細書で呼ばれる「移行ポリペプチド」は、移行ドメインを含むポリペプチドを指すと意図される。
【0030】
本明細書で呼ばれる「移行ドメイン」は、細胞膜を介して起こる、タンパク質の輸送を促進するように機能して、それにより細胞侵入を促進するポリペプチド配列である。この活性は、例えば、本明細書に記載されるアッセイを使用して評価され得る。
【0031】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)オーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)タンパク質であるCT1由来の、配列番号3のアミノ酸配列を有する移行ドメイン(本明細書で「CT1-T」と呼ばれる)、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0032】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号PSJ28985.1のストレプトスポランギウム・ノンジアスタチカム(Streptosporangium nondiastaticum)タンパク質由来の、配列番号4のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0033】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号SDT83331.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)TLI053タンパク質由来の、配列番号5のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0034】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_160159328.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)SLBN-118タンパク質由来の、配列番号6のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0035】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_168096531.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)AA8タンパク質由来の、配列番号7のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0036】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_078659863.1のストレプトマイセス・ロゼオバーティシラタス(Streptomyces roseoverticillatus)タンパク質由来の、配列番号8のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0037】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号JZ58907.1のストレプトマイセス・ピニテレ(Streptomyces piniterrae)タンパク質由来の、配列番号9のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0038】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_079110321.1のストレプトマイセス(Streptomyces)MBT76タンパク質由来の、配列番号10のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0039】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_120757473.1のストレプトマイセス・クレンキイ(Streptomyces klenkii)タンパク質由来の、配列番号11のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0040】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_095582082.1のストレプトマイセス・アルビレティクリ(Streptomyces albireticuli)タンパク質由来の、配列番号12のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0041】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_133259917.1のストレプタシディフィルス・ピニコラ(Streptacidiphilus pinicola)タンパク質由来の、配列番号13のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0042】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_073156187.1のセイノネラ・ペプトノフィラ(Seinonella peptonophila)タンパク質由来の、配列番号14のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0043】
移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_189053160.1のロンギミセリウム・ツルファネンス(Longimycelium tulufanense)タンパク質由来の、配列番号15のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0044】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_219106995.1のオーストウィッキア種(Austwickia sp.)TVS96-490-7Bタンパク質由来の、配列番号16のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0045】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_162873017.1のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)LK16-18タンパク質由来の、配列番号17のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0046】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号EIZ2913133.1のクレブシエラ・アエロゲネス(Klebsiella aerogenes)タンパク質由来の、配列番号36のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0047】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号MCH0551590.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)MUM178Jタンパク質由来の、配列番号37のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0048】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号MBB4677777.1のクロシエラ・クリオフィラ(Crossiella cryophila)タンパク質由来の、配列番号38のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0049】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_143261759.1のアロクツネリア種(Allokutzneria sp.)NRRL B-24872タンパク質由来の、配列番号39のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0050】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_156051914.1のアロクツネリア・アルバータ(Allokutzneria albata)タンパク質由来の、配列番号40のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0051】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_199893204.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)AV19タンパク質由来の、配列番号41のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0052】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_147264604.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)NRBC_110611タンパク質由来の、配列番号42のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0053】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_209513619.1のストレプトマイセス・シリンギウム(Streptomyces syringium)タンパク質由来の、配列番号43のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0054】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号RJQ69589.1のシュードノカルディア細菌(Pseudonocardiaceae bacterium)YIM PH21723タンパク質由来の、配列番号44のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0055】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_143218892.1のアクチノキネオスポラ・バンコケンシス(Actinokineospora bangkokensis)タンパク質由来の、配列番号45のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0056】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号MBF6055834.1のストレプトマイセス・ユーロシディカス(Streptomyces eurocidicus)タンパク質由来の、配列番号46のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0057】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_169790908.1のストレプトマイセス・パソシディニ(Streptomyces pathocidini)タンパク質由来の、配列番号47のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0058】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_157868472.1のストレプトマイセス・カーチンガエンシス(Streptomyces caatingaensis)タンパク質由来の、配列番号48のアミノ酸配列を有する移行ドメイン、または
b) a)に定義される移行ドメインと少なくとも80%同一である移行ドメイン
を含む。
【0059】
GenBank登録番号WP_162873017.1のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)LK16-18タンパク質は、本明細書で「CT2」と呼ばれ得る。GenBank登録番号WP_219106995.1のオーストウィッキア種(Austwickia sp.)TVS96-490-7Bタンパク質は、本明細書で「CT3」と呼ばれ得る。
【0060】
一実施形態では、移行ドメインは、上記の実施形態のいずれか1つにおけるb)に定義されるとおりであり、a)に定義される移行ドメインと、その全長にわたり少なくとも少なくとも85%同一である。一実施形態では、移行ドメインは、上記の実施形態のいずれか1つにおけるb)に定義されるとおりであり、a)に定義される移行ドメインと、その全長にわたり少なくとも少なくとも90%同一である。一実施形態では、移行ドメインは、上記の実施形態のいずれか1つにおけるb)に定義されるとおりであり、a)に定義される移行ドメインと、その全長にわたり少なくとも少なくとも95%同一である。一実施形態では、移行ドメインは、上記の実施形態のいずれか1つにおけるb)に定義されるとおりであり、a)に定義される移行ドメインと、その全長にわたり少なくとも少なくとも98%同一である。一実施形態では、移行ドメインは、上記の実施形態のいずれか1つにおけるb)に定義されるとおりであり、a)に定義される移行ドメインと、その全長にわたり少なくとも少なくとも99%同一である。
【0061】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、上記の実施形態のいずれか1つにおけるa)に定義されるとおりである。
【0062】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)オーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)CT1タンパク質由来の、配列番号3のアミノ酸配列を有する移行ドメイン
を含む。
【0063】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号PSJ28985.1のストレプトスポランギウム・ノンジアスタチカム(Streptosporangium nondiastaticum)タンパク質由来の、配列番号4のアミノ酸配列を有する移行ドメイン
を含む。
【0064】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号SDT83331.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)TLI053タンパク質由来の、配列番号5のアミノ酸配列を有する移行ドメイン
を含む。
【0065】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_160159328.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)SLBN-118タンパク質由来の、配列番号6のアミノ酸配列を有する移行ドメイン
を含む。
【0066】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_168096531.1のストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)AA8タンパク質由来の、配列番号7のアミノ酸配列を有する移行ドメイン
を含む。
【0067】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_078659863.1のストレプトマイセス・ロゼオバーティシラタス(Streptomyces roseoverticillatus)タンパク質由来の移行ドメイン
を含む。
【0068】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号JZ58907.1のストレプトマイセス・ピニテレ(Streptomyces piniterrae)タンパク質由来の移行ドメイン
を含む。
【0069】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_079110321.1のストレプトマイセス(Streptomyces)MBT76タンパク質由来の、配列番号10のアミノ酸配列を有する移行ドメイン
を含む。
【0070】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_120757473.1のストレプトマイセス・クレンキイ(Streptomyces klenkii)タンパク質由来の移行ドメイン
を含む。
【0071】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_095582082.1のストレプトマイセス・アルビレティクリ(Streptomyces albireticuli)タンパク質由来の、配列番号12のアミノ酸配列を有する移行ドメイン
を含む。
【0072】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_133259917.1のストレプタシディフィルス・ピニコラ(Streptacidiphilus pinicola)タンパク質由来の、配列番号13のアミノ酸配列を有する移行ドメイン
を含む。
【0073】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_073156187.1のセイノネラ・ペプトノフィラ(Seinonella peptonophila)タンパク質由来の、配列番号14のアミノ酸配列を有する移行ドメイン
を含む。
【0074】
移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_189053160.1のロンギミセリウム・ツルファネンス(Longimycelium tulufanense)タンパク質由来の、配列番号15のアミノ酸配列を有する移行ドメイン
を含む。
【0075】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_219106995.1のオーストウィッキア種(Austwickia sp.)TVS96-490-7Bタンパク質由来の、配列番号16のアミノ酸配列を有する移行ドメイン
を含む。
【0076】
一実施形態では、移行ポリペプチドは、
a)GenBank登録番号WP_162873017.1のオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)LK16-18タンパク質由来の、配列番号17のアミノ酸配列を有する移行ドメイン
を含む。
【0077】
一部の実施形態では、配列番号12のアミノ酸配列(GenBank登録番号WP_095582082.1のストレプトマイセス・アルビレティクリ(Streptomyces albireticuli)タンパク質由来)および配列番号14のアミノ酸配列(GenBank登録番号WP_073156187.1のセイノネラ・ペプトノフィラ(Seinonella peptonophila)タンパク質由来)を有する移行ドメインは、上記の実施形態から除外される。
【0078】
一部の実施形態では、移行ポリペプチドは、上記の対応する移行ドメインのいずれか1つを含む、全長タンパク質の機能的短縮化を含み得て、ただし、移行ドメインの機能は維持されている。
【0079】
一実施形態では、AおよびBは、リンカーにより分離されている。一実施形態では、AおよびBは、アミノ酸リンカーにより分離されている。一実施形態では、アミノ酸リンカーは、(G4S)2を含む。一実施形態では、リンカーは切断可能である。一実施形態では、リンカーは、プロテアーゼ認識部位を含む。一実施形態では、プロテアーゼ認識部位は、フリンプロテアーゼ認識部位である。一実施形態では、プロテアーゼ認識部位は、分子内ループを形成するジスルフィド結合の形成を可能にするシステイン残基に挟まれて位置する(bracketed by cysteine residues)。一実施形態では、アミノ酸リンカーは、システイン残基に挟まれて位置するフリンプロテアーゼ認識部位を含む。一例示的実施形態では、アミノ酸リンカーは、フリンプロテアーゼ認識部位、およびそれを挟むシステイン残基を含む配列番号32を含む。一実施形態では、前記(G4S)2は、前記配列番号32に関してN末端に位置する。一実施形態では、リンカーは、自己切断性である。一実施形態では、リンカーは、自己排除性(self-clearing)である。一実施形態では、リンカーは、オートプロセシングドメインを含む。
【0080】
一実施形態では、BおよびCは、リンカーにより分離されている。一実施形態では、BおよびCは、アミノ酸リンカーにより分離されている。一実施形態では、アミノ酸リンカーは、(G4S)2を含む。一実施形態では、アミノ酸リンカーは、(G4S)2を含む。一実施形態では、アミノ酸リンカーは、配列番号33を含む。一実施形態では、前記(G4S)2は、前記配列番号33に関してN末端に位置する。
【0081】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号22のアミノ酸1~821と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号22のアミノ酸1~821と90%同一である、より好ましくは、配列番号22のアミノ酸1~821と95%同一である、さらに好ましくは、配列番号22のアミノ酸1~821と100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0082】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号22の配列を含む。
【0083】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号23のアミノ酸1~822と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号23のアミノ酸1~822と90%同一である、より好ましくは、配列番号23のアミノ酸1~822と95%同一である、さらに好ましくは、配列番号23のアミノ酸1~822と100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0084】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号23の配列を含む。
【0085】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号24のアミノ酸1~822と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号24のアミノ酸1~822と90%同一である、より好ましくは、配列番号24のアミノ酸1~822と95%同一である、さらに好ましくは、配列番号24のアミノ酸1~822と100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0086】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号24の配列を含む。
【0087】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号25のアミノ酸1~821と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号25のアミノ酸1~821と90%同一である、より好ましくは、配列番号25のアミノ酸1~821と95%同一である、さらに好ましくは、配列番号25のアミノ酸1~821と100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0088】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号25の配列を含む。
【0089】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号26のアミノ酸1~806と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号26のアミノ酸1~806と90%同一である、より好ましくは、配列番号26のアミノ酸1~806と95%同一である、さらに好ましくは、配列番号26のアミノ酸1~806と100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0090】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号26の配列を含む。
【0091】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号27のアミノ酸1~811と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号27のアミノ酸1~811と90%同一である、より好ましくは、配列番号27のアミノ酸1~811と95%同一である、さらに好ましくは、配列番号27のアミノ酸1~811と100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0092】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号27の配列を含む。
【0093】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号28のアミノ酸1~822と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号28のアミノ酸1~822と90%同一である、より好ましくは、配列番号28のアミノ酸1~822と95%同一である、さらに好ましくは、配列番号28のアミノ酸1~822と100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0094】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号28の配列を含む。
【0095】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号29のアミノ酸1~796と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号29のアミノ酸1~796と90%同一である、より好ましくは、配列番号29のアミノ酸1~796と95%同一である、さらに好ましくは、配列番号29のアミノ酸1~796と100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0096】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号29の配列を含む。
【0097】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号30のアミノ酸1~822と少なくとも80%同一である、好ましくは、配列番号30のアミノ酸1~822と90%同一である、より好ましくは、配列番号30のアミノ酸1~822と95%同一である、さらに好ましくは、配列番号30のアミノ酸1~822と100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0098】
一実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号30の配列を含む。
【0099】
一実施形態では、標的化部分は、標的化ポリペプチドまたはアプタマーを含む。
【0100】
一実施形態では、標的化ポリペプチドは、抗体、抗体の結合断片、アフィボディ(affibody)、アフィチン(affitin)、DARPin、または受容体リガンドを含む。
【0101】
一実施形態では、標的化ポリペプチドは、Her3に対するアフィボディを含む。一実施形態では、Her3に対するアフィボディは、配列番号19のアミノ酸配列を含む。
【0102】
一実施形態では、標的化ポリペプチドは、avβ6インテグリンに対する受容体リガンドを含む。一実施形態では、avβ6インテグリンに対する受容体リガンドは、配列番号20のアミノ酸配列を含む。
【0103】
一実施形態では、標的化部分は、少なくとも2つの標的化ポリペプチド、少なくとも2つのアプタマー、または標的化ポリぺプチドとアプタマーとの組合せを含む。一実施形態では、少なくとも2つの標的化ポリペプチドは、抗体、抗体の結合断片、アフィボディ、ペプチド、アフィチン、DARPin、受容体リガンド、およびそれらの組合せの群から選択される。一実施形態では、少なくとも2つの標的化ポリペプチドは、Her3に対するアフィボディを含む。一実施形態では、Her3に対するアフィボディは、配列番号19のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、少なくとも2つの標的化ポリペプチドは、avβ6インテグリンに対する受容体リガンドを含む。一実施形態では、avβ6インテグリンに対する受容体リガンドは、配列番号20のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、少なくとも2つの標的化ポリペプチドは、Her3に対するアフィボディおよびavβ6インテグリンに対する受容体リガンドの両方を含み、好ましくは、前者は配列番号19のアミノ酸配列を含み、後者は配列番号20のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、少なくとも2つの少なくとも2つの標的化ポリペプチド(at least two least two targeting polypeptides)、少なくとも2つのアプタマー、またはその組合せは、アミノ酸リンカーにより分離されている。一実施形態では、アミノ酸リンカーは、(G4S)2を含む。
【0104】
一実施形態では、標的化部分は、細胞表面タンパク質に結合する。
【0105】
一実施形態では、細胞表面タンパク質は、系統特異的(lineage-specific)または組織特異的である。
【0106】
一実施形態では、細胞表面タンパク質は、普遍的に(ユビキタスに(ubiquitously))発現している。
【0107】
一実施形態では、細胞表面タンパク質は、疾患細胞において発現している。
【0108】
一実施形態では、細胞表面タンパク質は、疾患細胞に特異的であり、対応する健常細胞では発現していない。
【0109】
一実施形態では、細胞表面タンパク質は、疾患細胞において、対応する健常細胞と比べて上昇した発現を有する。
【0110】
一実施形態では、疾患細胞は、がん細胞である。
【0111】
一実施形態では、カーゴ分子は、カーゴポリペプチドを含む。
【0112】
カーゴポリペプチドは、細胞送達が望まれるいずれかのポリペプチドを含み得る。カーゴポリペプチドは、酵素、または実質的に同じ活性を有するその活性断片を含み得る。「実質的に同じ活性」とは、酵素のコア機能が、断片において実質的に不変であることを意味する。
【0113】
カーゴポリペプチドは、10kDa未満、10kDa超、20kDa超、30kDa超、50kDa超、100kDa超、または150kDa超の分子量を有し得る。
【0114】
カーゴポリペプチドは、ゲノム修飾タンパク質を含む。ゲノム修飾タンパク質は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクタヌクレアーゼ(TALEN)、またはCRISPR(規則的な間隔をもってクラスタ化された短鎖反復回文配列)タンパク質を含む。CRISPRタンパク質は、Cas9であり得る。カーゴポリペプチドは、ゲノム修飾タンパク質と核酸、例えばガイド核酸などとの複合体を含み得る。例えば、Cas9は、核酸(例えば、ガイドRNAなど)、例えば、crRNA、trRNA、および/またはsgRNAなどと複合体形成し得る。
【0115】
一実施形態では、カーゴ分子は、治療用ポリペプチドを含む。
【0116】
「治療用ポリペプチド」とは、その細胞送達が治療目的に使用され得るあらゆるタンパク質を意味する。例えば、多くのヒト疾患または障害は、タンパク質欠損を原因とするか、または特徴とすることが周知である。治療用タンパク質は、その送達がそのような欠損を改善または修正し得るタンパク質を含む。治療用タンパク質は、疾患または障害において欠損しているタンパク質を置換するように作用し得る。治療用タンパク質は、疾患または障害において欠損しているタンパク質であり得る。しかしながら、治療用タンパク質は、疾患または障害において欠損しているタンパク質と必ずしも同一である必要はない。例えば、治療用タンパク質は、欠損タンパク質の活性断片または修飾型であり得る。治療用タンパク質はさらに、疾患または障害の根拠となるタンパク質欠損を部分的または完全に機能補償し得る。治療用タンパク質はさらに、特定のタンパク質の細胞欠損の下流効果または二次効果を改善または修正し得る。
【0117】
一実施形態では、治療用ポリペプチドは、細胞傷害性ポリペプチド、好ましくは、ポリペプチド毒素またはその機能的断片を含む。一実施形態では、細胞傷害性ポリペプチドは、ジフテリア毒素由来の触媒ドメインを含む。一実施形態では、細胞傷害性ポリペプチドは、ケロネー毒素(Chelona Toxin)に由来する、例えば、本明細書に記載されるCT1(配列番号2)、CT2(配列番号21)、またはCT3(配列番号35)などに由来する触媒ドメインを含む。
【0118】
一実施形態では、触媒ドメインは、CT1に由来する。一実施形態では、配列番号2(CT1)に記載のケロネー毒素由来の触媒ドメインは、配列番号2のアミノ酸1~186位によるアミノ酸配列を有する。
【0119】
一実施形態では、触媒ドメインは、CT2に由来する。一実施形態では、配列番号21(CT2)に記載のケロネー毒素由来の触媒ドメインは、配列番号21のアミノ酸1~186位によるアミノ酸配列を有する。
【0120】
一実施形態では、触媒ドメインは、CT3に由来する。一実施形態では、配列番号35(CT3)に記載のケロネー毒素由来の触媒ドメインは、配列番号35のアミノ酸1~191位によるアミノ酸配列を有する。
【0121】
一実施形態では、治療用ポリペプチドは、病態では欠損しているタンパク質(a protein that is deficient is a disease state)、またはその機能的断片を含む。
【0122】
一実施形態では、治療用ポリペプチドは、例えば、配列番号18に記載される、ビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)由来のRas/Rap1特異的エンドペプチダーゼ(RRSP)を含む。一部の実施形態では、治療用ポリペプチドは、RRSPと少なくとも80%同一であり得る。一部の実施形態では、治療用ポリペプチドは、RRSPと少なくとも90%同一であり得る。一部の実施形態では、治療用ポリペプチドは、RRSPと少なくとも95%同一であり得る。一部の実施形態では、治療用ポリペプチドは、RRSPと少なくとも98%同一であり得る。それらの配列バリアントは、全長RRSPと実質的に同じ活性を保持し得る。
【0123】
一実施形態では、カーゴ分子は、「クリック」ケミストリーバイオコンジュゲーションに用いるN末端システイン残基を含む。
【0124】
一実施形態では、カーゴ分子は、核酸分子を含む。
【0125】
本明細書に記載される配列同一性パーセント(percent sequence identifies)は、アライメントの全長にわたって計算され得る。
【0126】
本明細書で呼ぶアミノ酸配列は、一部の実施形態では、参照配列(表1に記載されるものなど、下記)と比べて配列相違を含み得る。それは、バリアント、変異、挿入または欠失であり得る。一部の用途では、タンパク質の一次機能が実質的には変更または抑止されていないことの確保が重要であり得るが、それは、例えば、本明細書に記載されるアッセイを使用して容易に試験することができる。本明細書に記載されるアミノ酸配列は、参照配列との75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、または99%以上の同一性の配列を含み得る。アミノ酸配列は、保存的アミノ酸置換(conservative amino substitutions)を含み得る。当技術分野で公知の保存的アミノ酸置換は、丸括弧内に保存的置換可能候補アミノ酸を示す、以下のとおりである:Ala(Gly、Ser);Arg(Gly、Gln);Asn(Gln;His);Asp(Glu);Cys(Ser);Gln(Asn、Lys);Glu(Asp);Gly(Ala、Pro);His(Asn;Gln);Ile(Leu;Val);Leu(Ile;Val);Lys(Arg;Gln);Met(Leu、Ile);Phe(Met、Leu、Tyr);Ser(Thr;Gly);Thr(Ser;Val);Trp(Tyr);Tyr(Trp;Phe);Val(Ile;Leu)。いくつかのいわゆる「機能的」バリアント、変異、挿入、または欠失は、その機能が、例えば由来元の参照配列の機能と実質的に同じである配列を含む。それは、本明細書に記載されるものと同様のアッセイを使用して、容易に試験することができる。
【0127】
核酸およびベクター
一態様では、本明細書で定義される組換えポリペプチドをコードする核酸が提供される。一実施形態では、核酸は、DNAまたはRNAである。RNAは、mRNAであり得る。
【0128】
当業者は、例えば、遺伝暗号の縮重に起因して、本明細書に記載される組換えポリペプチドをコードする多くのやり方が存在することを容易に認識し、それらのすべては、特定の実施形態に含まれる。欠失、挿入、および置換も、タンパク質機能が実質的に完全なままであれば可能であり得る。例えば、野生型配列または参照配列と75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、または99%以上の同一性を有し得る核酸が含まれ得る。前記の核酸は、その中で発現させることが意図される生物体または発現系に応じて、コドン最適化もされ得る。
【0129】
一態様では、本明細書で定義される核酸を含むベクターが提供される。
【0130】
一実施形態では、本明細書で定義される核酸または本明細書で定義されるベクターを含む宿主細胞が提供される。宿主細胞は、形質転換またはトランスフェクトされ得る。
【0131】
組成物
一態様では、本明細書で定義される組換えポリペプチドを、許容される賦形剤、希釈剤または担体と共に含む組成物が提供される。
【0132】
一態様では、本明細書で定義される組換えポリペプチドを、医薬的に許容される賦形剤、希釈剤または担体と共に含む医薬組成物が提供される。
【0133】
医薬的に許容される担体には、溶媒、希釈剤、液体ビヒクル、分散液、分散助剤または懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、保存剤、固体結合剤または滑沢剤が含まれる。担体は、選択された投与経路に適切な持続放出の滞留時間を延長するために選択され得る。例示的な担体には、糖、例えばグルコースおよびスクロースなど、デンプン、例えばコーンスターチおよびジャガイモデンプンなど、繊維、例えばセルロースおよびその誘導体、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、アセチルセルロースなど、トラガント末、麦芽、ゼラチン、タルク、ココアバター、座薬用ワックス、油、例えばピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油など、グリコール、例えばプロピレングリコール、エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリル酸エチルなど、寒天、緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなど、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張食塩水、リンゲル溶液、エチルアルコール、リン酸緩衝液、無毒適合性滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、着色剤、放出剤、被覆剤、甘味剤、香料、芳香剤、保存剤および抗酸化剤が含まれる。
【0134】
組成物は、いずれかの許容される経路、例えば、局所(散剤、軟膏または点滴薬)、経口、直腸、粘膜、舌下、非経口、嚢内、膣内、腹腔内、頬側(bucally)、眼または鼻腔内により対象に投与され得る。
【0135】
経口投与用の液体剤形には、乳剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が含まれ得る。液体剤形は、不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミドなど、油、例えば、綿実油、ピーナッツ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油など、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ならびにソルビトール脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含有し得る。不活性希釈剤の他に、経口組成物にはさらに、アジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、香味剤、および芳香剤などが含まれ得る。
【0136】
本発明による医薬組成物の局所または経皮投与用の剤形には、軟膏、ペースト剤、クリーム、ローション、ジェル、散剤、液剤、スプレー、吸入剤、またはパッチが含まれる。活性剤は、無菌条件下、医薬的に許容される担体、および必要とされるいずれかの保存剤または必要であり得る緩衝液と混合される。
【0137】
注射用調製物、例えば、水性または油性の無菌注射用懸濁液などは、公知の当技術分野に従い、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して製剤化され得る。無菌注射用調製物は、非経口的に許容される無毒性の希釈剤または溶媒中の無菌注射用液剤、懸濁剤または乳剤でもあり得て、例えば、1,3-ブタンジオール中の液剤としてでもあり得る。利用可能である許容されるビヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル溶液(米国薬局方)および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、溶媒または懸濁媒体として、無菌不揮発性油を通常は利用する。そのためには、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性不揮発性油を利用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸を、注射液の調製において使用する。注射用製剤は、例えば、細菌捕捉フィルタ(bacterial-retaining filter)を通したろ過によるか、または使用前に滅菌水もしくは他の無菌注射用媒体中に溶解または分散され得る無菌固体組成物の形の滅菌剤の組込みにより、芽胞の添加前に滅菌され得る。
【0138】
皮下注射または筋肉内注射からの薬剤の吸収を減速させることがたびたび望ましい。非経口投与された活性剤の遅延吸収は、オイルビヒクル中に薬剤を溶解または懸濁することにより実現され得る。注射用デポー形態は、薬剤のマイクロカプセル封入マトリクス(microencapsule matrices)を、ポリラクチド-ポリグリコライドなどの生分解性ポリマー中に形成することによって作製される。活性剤の、ポリマーに対する比、および利用される特定のポリマーの性質に応じて、活性剤放出の速度は制御され得る。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が含まれる。デポー注射用製剤はさらに、薬剤を、身体組織と適合性であるリポソームまたはマイクロエマルジョン中に包括することによっても調製される。
【0139】
直腸投与または経膣投与用の組成物は、好ましくは座薬であり、その座薬は、本発明の活性剤を、周囲温度では固体であるが体温では液体であるため直腸または膣腔中で溶けて活性剤を放出する、適切な非刺激性賦形剤または担体、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは座薬用ワックスと混合することにより調製され得る。
【0140】
経口、粘膜または舌下投与用の固体剤形には、カプセル、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が含まれる。そのような固体剤形中では、活性剤を、少なくとも1つの、医薬的に許容される不活性賦形剤または担体、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなど、充填剤もしくは増量剤、例えば、デンプン、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸など、結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアカシアなど、グリセロールなどの湿潤剤、崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなど、パラフィンなどの溶解遅延剤、第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなど、吸収剤、例えば、カオリンおよびベントナイト粘土など、ならびに滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ならびにそれらの混合物と混合する。
【0141】
類似するタイプの固体組成物はさらに、乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を使用して、ソフトおよびハード充填ゼラチンカプセル中での充填剤として利用され得る。錠剤、カプセル、丸剤および顆粒剤の固体剤形は、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶性コーティング、放出制御コーティング、および医薬製剤分野で周知の他のコーティングなどを用いて調製され得る。そのような固体剤形中では、活性剤は、少なくとも1つの不活性希釈剤、例えば、スクロースまたはデンプンなどと混合され得る。そのような剤形は、通常どおり、不活性希釈剤以外の追加物質、例えば、打錠用滑沢剤、ならびにステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロースのような他の打錠助剤なども含み得る。カプセル、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤も含み得る。それらの剤形は、場合により不透明化剤を含有し、活性剤のみを、優先的には腸管の特定の一部において、場合により遅延性に放出する組成物でもあり得る。使用され得る埋込み用組成物の例には、高分子物質およびワックスが含まれる。
【0142】
治療上有効量は、個別的に、または確立された必要量に基づいて決定され得る。個々の対象に対する用量は、処置される対象を考慮して選択される。用量および投与は、活性剤の十分なレベルをもたらすため、または所望の効果を維持するために調整され得る。考慮され得る要素には、病態の程度、過去における感染因子との接触、将来接触する可能性;対象の年齢、体重、性別;食事、投与の時間および頻度、薬物の組合せ、反応感度、ならびに療法に対する寛容性/応答が含まれる。徐放性組成物は、速効性組成物よりも低頻度で投与され得る。
【0143】
方法および使用
一態様では、細胞を、本明細書で定義される組換えポリペプチドと接触させるステップを含む、カーゴ分子を細胞に送達する方法が提供される。
【0144】
一態様では、カーゴ分子の細胞への送達に使用するための、本明細書で定義される組換えポリペプチドの使用が提供される。
【0145】
一態様では、カーゴ分子を細胞に送達するための医薬の調製用の、本明細書で定義される組換えポリペプチドの使用が提供される。
【0146】
一態様では、細胞へのカーゴ分子の送達に用いる、本明細書で定義される組換えポリペプチドが提供される。
【0147】
一態様では、本明細書で定義される組換えポリペプチドを対象に投与するステップを含む、対象におけるがんを処置する方法が提供される。
【0148】
一態様では、対象におけるがんを処置するための、本明細書で定義される組換えポリペプチドの使用が提供される。
【0149】
一態様では、対象におけるがんを処置するための医薬の調製用の、本明細書で定義される組換えポリペプチドの使用が提供される。
【0150】
一態様では、対象におけるがんの処置に用いる、本明細書で定義される組換えポリペプチドが提供される。
【0151】
一態様では、細胞を、本明細書に記載される組換えポリペプチドと接触させるステップを含む、細胞における酵素またはタンパク質欠損を緩和する方法が提供される。
【0152】
一態様では、細胞における酵素またはタンパク質欠損を緩和するための、本明細書に記載される組換えポリペプチドの使用が提供される。
【0153】
一態様では、細胞における酵素またはタンパク質欠損を緩和するための医薬の調製用の、本明細書に記載される組換えポリペプチドの使用が提供される。
【0154】
一態様では、細胞における酵素またはタンパク質欠損の緩和に用いる、本明細書に記載される組換えポリペプチドが提供される。
【0155】
本明細書で使用する「緩和する」とは、カーゴ分子が、タンパク質もしくは酵素の欠損、欠損タンパク質もしくは酵素の機能の一局面、またはその下流もしくは二次的な細胞効果もしくは結果の1つもしくは複数を修正または少なくとも部分的に改善することを意味する。
【0156】
上記の方法および使用に関する実施形態では、カーゴ分子は放出され得る。
【0157】
実施例
実施例1
緒言
操作されたキメラ毒素は、がんなどの挑戦的な疾患の新規治療薬の出現をもたらした。免疫毒素は、その受容体結合ドメイン(RBD)を標的がん受容体へと再標的化すること、および細胞内がんタンパク質を標的とする酵素カーゴを送達することの両方により、がん標的療法へと再利用されている細菌毒素、例えば、ジフテリア毒素(DT)など、からなる生物学的製剤の類である。しかしながら、ジフテリアに対する世界的なワクチン接種プログラムが、DT、およびDTベースの治療薬に対する集団レベルの免疫をもたらした。DTに対する既存の中和抗体の問題を回避するために、わずかな配列同一性を共有する、DTの遠縁ホモログは、DTの機能を保持し得るが、DT特異的な中和抗体を回避し得るかどうかを調査した。ここで、DTと38%のみ同一であるオーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)由来の推定遺伝子配列を、構造的および機能的に特徴づけた。ケロネー毒素1(CT1)と名づけた。そのx線結晶構造は、2.50Åまで分解され、その構造はDTと非常に類似することが見出された。様々な生化学的アッセイを使用して、DT様タンパク質が、毒素、および治療用タンパク質送達のための新規プラットフォームの両方ともとして機能する能力を調査するために、ドメイン単位分析(domain-by-domain analysis)を行った。この新規タンパク質の各ドメインは、毒素としてのそのそれぞれの機能を行い得る一方、CT1のトランスロカーゼ(CT1-T)は、非天然受容体を標的にして非天然カーゴを細胞内に送達するように操作され得ることが実証された。重要なことに、CT1は、ヒト血清中に見出される既存の抗DT抗体により認識されず(CT1 is not recognized by to pre-existing anti-DT antibodies found in human sera)、細胞内へのカーゴの送達においてDTよりも予想外に優れている。ケロネー毒素は、毒素生物学に関する新規の洞察を提供し、治療用タンパク質送達のための改善されたプラットフォームを表す。
【0158】
材料および方法
A.ケロネー(A. chelonae)由来のDT様タンパク質の結晶化
DT機能性にとって重要であると同定された鍵残基の保存ゆえ、オーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)(本明細書では「ケロネー毒素1」のCT1と呼ばれる)(配列番号2)種由来の最も近いDT様タンパク質を、代替的な免疫毒素スキャフォールドの候補として選んだ(
図5)。
【0159】
配列番号2は、毒素の2つの断片を表す2つのORF(GenBank登録番号WP_143115263.1およびWP_040322835.1を参照)の組合せに由来する。オーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)(GenBank登録番号NZ_BAGZ01000024.1を参照)のゲノム配列と比べると、ゲノム配列中の1塩基対(bp)フレームシフトが、全長毒素の、2つのORFへの分離を引き起こしたように見えた。リーディングフレームは、1bpを欠失させることにより回復され(NZ_BAGZ01000024.1 C41398)、その結果は全長毒素であり、続いて「ケロネー毒素1(CT1)」(配列番号2)と呼ばれた。1bp挿入は、オーストウィッキア・ケロネー(Austwickia chelonae)における配列エラーであったか、または真正変異を反映していたかは不明である。いずれにせよ、本明細書に記載される実験に用いるタンパク質および移行ドメインを産生するために、1bp挿入を除去した。
【0160】
CT1の構造を決定するために、大腸菌(E. coli)コドン最適化されたgBlock遺伝子断片を、Integrated DNA Technologies社から注文し、ギブソン・アセンブリにより、Champion(商標)pET SUMO大腸菌(E. coli)発現系へとクローニングした。
【0161】
NiCo21(DE3)大腸菌(E. coli)細胞(New England Biolabs)の50mL種菌を、1LのLB培地に接種し、0.1mM IPTGを加えて、18℃で18時間、誘導した。細胞を、5000rpmで遠心分離し、溶解バッファ(1%のプロテアーゼ阻害剤カクテル、1mg/mLのリゾチーム、0.01%のPierce(商標)ユニバーサルヌクレアーゼ阻害剤、20mMイミダゾール、500mM NaCI、20mM Tris-HCI pH7.5)中に再懸濁した。15000psiにおいてEmulsiflexC3(Avestin)を3回通して、細胞を溶解させた。全細胞溶解物を18000xgで遠心分離し、0.45μmフィルタを通して上清をろ過し、HisTrap FFクルードカラム(Cytiva)上を通過させた。タンパク質を50~75mMイミダゾールで溶出し、150mM NaCI、20mM Tris-HCI pH7.5へと緩衝液交換し、SUMOプロテアーゼを加えて4℃で一晩インキュベートし、6xHis-SUMOアフィニティタグを切断した。HisTrap FFクルードカラム上にタンパク質を流し、通過画分(タンパク質)を捕集し、遠心分離により、8mg/mLへと濃縮した。
【0162】
ハンギングドロップ蒸気拡散法を使用して結晶を成長させた。CT1結晶が得られた条件は、2μLの母液(0.2M塩化カルシウム、0.1M Tris-HCI pH8.5、25%(w/v)PEG4000)および1μLの8mg/mLタンパク質を含有した。液滴を130μLの2M(NH4)2PO4で45分間脱水してから、液体窒素中で凍結した。データは、Advanced Photon Sourceにおける23-ID-Dビームラインで収集した。
【0163】
Phenixソフトウェアパッケージ中のPhaserを用いて、乱雑ループが除去された個々のDTドメイン(Cドメイン残基13~167、Rドメイン残基391~531、Tドメイン残基205~378)による多成分サーチモデルを使用することにより初期位相を決定した。phenix.refineおよびautobuildの反復サイクルを使用して構造を微細化した。
【0164】
タンパク質合成アッセイ
Vero-nLucP細胞(Vero細胞のナノルシフェラーゼレポーター株)を、96ウェル白色透明ボトムプレート(Corning)中に、5000細胞/ウェルでプレーティングした。翌日、タンパク質毒素を添加し、24時間インキュベートした後、NanoGlo(登録商標)ルシフェラーゼアッセイキット(Promega)を使用して、SpectraMax M5eプレートリーダー(Molecular Devices)上で細胞の発光シグナルを読み取った。データは、未処理細胞(100%ナノルシフェラーゼシグナル)に対して補正した。
【0165】
リポソーム色素放出アッセイ
単層リポソーム(DOPC、0.8% DGS-NTA、Avanti Polar Lipids)を、以前に記載されたように調製した。簡単に言うと、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)(Avanti Polar Lipids)を、0.8%の1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-[(N-(5-アミノ-1-カルボキシペンチル)イミノ二酢酸)スクシニル](ニッケル塩)(DGS-NTA[Ni])(Avanti Polar Lipids)と組み合わせて、真空デシケータ中、N2により1時間乾燥させた。20mM Tris pH8、35mM 8-ヒドロキシピレン-1,3,6-トリスルホン酸(HPTS)、50mM p-キシレン-ビス-ピリジニウムブロミド(DPX)(Thermo Fischer)中に脂質を再懸濁し、ドライアイスおよび42℃の水浴中での10X凍結融解サイクルにかけ、200μmフィルタを使用して10X押し出した。次いで、Hi Prep 16/60 Sephacryl S-300 HRカラム(GE Healthcare)および150mM NaCl、20mM Tris pH8緩衝液を用いたゲルろ過によりリポソームを精製した。pH4.0~7.5に及ぶ、0.5のpH間隔での150mMクエン酸リン酸緩衝液中でのおよそ400μMの最終リポソーム濃度で、タンパク質を、リポソームとの1:10,000の比において添加した。96ウェル不透明プレート(Corning)中でアッセイを行い、20分間隔で蛍光をモニタリングし、読取りは30秒ごとに行った(励起は403nm、発光は510nm)。0.3% Triton X-100の添加により、データを全HPTS蛍光の%に対して正規化した。
【0166】
血清抗体結合ELISA
Nunc MaxiSorp(商標)プレート(Thermo Fisher Scientific)を1% BSAでブロッキングした後、2000ngのタンパク質を固定化し、続いて、様々な濃度でのヒト血清(凍結ヒトプール血清、Cedarlane)を加えて1時間インキュベートした。ウェルをPBST(0.01% tween)で洗浄してから、HRPにコンジュゲートした抗ヒトIgG抗体(Abcam、ab102420)とインキュベートし、TMB試薬(Thermo Fisher Scientific)を用いてHRPを発色させた。吸光度を630nmで読み取り、対照ウェル(タンパク質なし、+ヒト血清)に対してタンパク質ウェルを補正した。
【0167】
血清毒性アッセイ
タンパク質毒素を、ヒト血清(凍結ヒトプール血清、Cedarlane)またはマウス血清(凍結無菌マウス血清、Cedarlane)のいずれかと1:1比で、室温で30分間インキュベートした。前日に96ウェル白色透明ボトムプレート(Corning)中で5000細胞/ウェルにプレーティングしたVero-nLucP細胞へと試料を添加した。細胞を24時間インキュベートしてから、細胞を溶解させ、発光シグナルを評価した。100%ナノルシフェラーゼシグナルおよび100%タンパク質合成を表す、血清のみで処理した細胞に対して値を補正した。
【0168】
結果
A.ケロネー(A. chelonae)由来のDT様タンパク質の構造的特徴づけ
既存の抗DT抗体の影響を受けにくいが、機能的に活性である代替的なDT様免疫毒素プラットフォームを見出す目的で、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属以外の、進化的に最も近いDT様タンパク質を選択した。配列によると、A.ケロネー(A. chelonae)由来のDT様タンパク質(CT1)は、DTと38%同一である。フリン認識部位と同様に、触媒活性残基(E148)、ならびに基質(NAD)結合および配位に重要な残基(H21、Y54、Y65)は、すべて保存されており、(DT中の)C186とC201との間で形成されるジスルフィド結合も、CT1配列中に存在する(表1)。
さらに、移行ドメインのpH依存性アンフォールディングおよび細孔形成に関与する鍵ヒスチジン残基および荷電残基は、CT1由来の配列の予測される移行ドメイン中において保存されていることが見出された(表1)。CT1の推定ドメインが機能的であるかどうかを試験するために、タンパク質をクローニングし、発現させ、精製して構造的および機能的に試験した(
図1B)。
【0169】
CT1のx線結晶構造を得るために、ハンギングドロップ蒸気拡散法を使用した。タンパク質の結晶化に成功し、2.50Åまで回折した。分子置換のサーチモデルとして全長DT構造(pdb 1MDT)を使用することは不可能であった。しかしながら、1MDTを用いた部分的サーチモデルを使用して、構造を分解した(
図1C)。CT1は、DTに対する2.4ÅのRMSDを有し、DTと同じ3ドメインのY字型構造を保持した。
【0170】
CT1のCドメインは、機能的であり、DTと同じ細胞内標的を有する
CT1-C(CT1の触媒ドメイン)の、DT
C(DT触媒ドメイン)に対する構造アライメントは、DT
C機能性に必要とされる鍵残基間での良好な構造的保存を示す。CT1-Cが機能的であるかどうかを試験するために、DT
CをCT1-Cで置換したキメラを生成した(CT1-C-DT
T-DT
Rと呼ばれる)。DPH4の遺伝子ノックアウト(DPH4
-/-)の有無両方のHEK293T細胞を用いて、キメラタンパク質を試験した。それらの細胞は、ジフタミド合成経路に欠損があり、ジフタミド修飾を伴わない真核生物伸長因子2(eEF-2)を産生するため、DTに対して完全に耐性である(
図2Aおよび
図2B)。野生型HEK293T細胞は、野生型のDTおよびCT1-C-DT
T-DT
Rの両方に対して感受性であるのに対して、ジフタミドノックアウト細胞はそうではなかった。それは、CT1の触媒ドメインが、DTと同じ細胞内標的を有することを示す。
【0171】
CT1のCドメインは効率良く放出される
DTの有害(intoxication)機構の重要部分は、サイトゾルへの侵入時の、Cドメインの、分子の残部からの放出である。フリンプロテアーゼ認識部位は、CT1中で保存されている(CT1中のRAKR)。フリン部位が認識され、Cドメインが、分子の残部から放出されることを確証するために、DTおよびCT1を哺乳類細胞溶解物と共に37℃で一晩インキュベートした。DTおよびCT1の両方とも、CドメインとTドメインとの間で切断された(
図2C)。DTC-CT1-F-DTT-DTRは、Vero細胞に対して試験すると、DTと同様に毒性であり(
図3A)、フリンにより効率良く切断されることを示唆する。
【0172】
CT1は、機能的トランスロカーゼを含有する
エンドソームの酸性化が、DTTのリフォールディングおよびエンドソーム膜への挿入、および続く、サイトゾルへのCドメインの移行をもたらす。このプロセスは、DTT中の9つの荷電残基により開始および駆動されると思われ、そのうちの6つはCT1-T中で保存されている。CT1-Tが、DT様細孔を形成するかどうかを試験するために、単離したTドメインを精製し、リポソームから色素を放出するその能力をin vitroで試験した(データは示さず)。CT1-Tは、色素放出のpH依存性上昇を示し、色素放出(細孔形成と解釈される)の開始はpH5.5であった(DTTと同様)。
【0173】
トランスロカーゼは、細胞内にカーゴを送達するかどうかをさらに調査した。この目的に向けて、DT
TをCT1-Tに交換したキメラDTを生成して(DTc-CT1-T-DT
R)、タンパク質合成に対するその効果を測定した。キメラ毒素の量の増加と共に観察される、シグナルの低下が示すように、CT1-Tは、DT
Cを効果的に細胞内に送達した(
図3B)。さらに、DT
Cを、Rasがんタンパク質を標的にする非天然カーゴ(Ras/Rap1特異的プロテアーゼ;RRSP)に交換すると、構造的に異なるこのカーゴを効果的に送達することが示された(CFPAC-1細胞の細胞生存率、および細胞内Rasレベルを評価するウエスタンブロットにより示される;
図3Cおよび
図3D)。まとめると、これらの実験は、CT1-Tが、細胞のサイトゾル成分へと、様々なカーゴを送達することができる機能的トランスロカーゼであることを実証した。
【0174】
CT1の移行ドメインは、多様な受容体結合ドメインを収容することができる
CT1-Tは、N末端上での操作を許容することができると実証され(DT
CおよびRRSPを移行することができる)、次に、CT1-Tは、C末端上でのそのような操作を許容することができるかどうかを評価した。この目的に向けて、DT
C-CT1-T-DT
RおよびRRSP-CT1-T-DT
Rの受容体結合ドメイン(DT
R)を、Her3(ヒト上皮受容体3)標的化アフィボディ(ZHer3:08699、以下ではZHer3と呼ぶ)と交換したキメラを生成し、その構築物を、HPAF II細胞上で試験した(
図3Eおよび
図3F)。CT1-Tは、Her3発現細胞へと再標的化され得るのみならず、驚くべきことに、CT1-T含有構築物は、カーゴ送達においてDT
Tよりも効率的であるように見えたことが見出された。
【0175】
CT1は、ヒト血清により認識または中和されない
ヒト血清中に既存の抗DT抗体または抗CT1抗体のレベルを定量するためにELISAアッセイを使用し、DTまたはCT1のいずれかを高結合プレート上に固定化し、異なる量のヒトプール血清とインキュベートした後、HRPにコンジュゲートした抗IgG抗体を用いて抗体結合のレベルを決定した(
図4A)。DTは、ヒト血清の存在下、用量依存性のシグナル上昇を示した一方、CT1はそうではなく、CT1は、ヒト血清中の抗体により認識されないことを示す。
【0176】
DTは、ヒト血清中の抗体により中和されることを確証するために、DTをヒトプール血清と30分間インキュベートしてから、それをVero細胞に添加した。DTの毒性の6logのシフトが観察され、ヒト血清による中和を示す(
図4B)。対照的に、CT1は、ヒト血清により中和されなかった。これは、CT1が、抗DT抗体により中和されないことを示す。これは、既存の中和抗DT抗体の問題を回避することにより、DTベースベクターに勝る利点をCT1ベース送達ベクターにもたらす。
【0177】
CT1の移行ドメイン(配列番号3)に加えて、配列番号12および14の移行ドメインも機能的であることが確立された。
【0178】
得られた結果に基づき、本明細書に記載される他の細菌株および種由来の、配列番号4~11、13、15~17および36~48(ならびにその関連配列)に記載される関連ポリペプチド配列も、本明細書に記載されるポリペプチド構築物の範囲内で活性である機能的移行ドメインであると予想される。
図9は、トランスロカーゼドメイン間の関係を示す系統樹を提示する。
【0179】
実施例2
DTに対する新規トランスロカーゼの機能を評価するために、各トランスロカーゼ配列「T」を、細胞内RAS切断酵素RRSP(Ras/Rap1特異的ペプチダーゼ、配列番号18;すなわちカーゴ)とZHer3-A20として公知の二重受容体結合ドメイン(Her3に対するアフィボディ、配列番号19と、A20FMDV2として公知の、avβ6インテグリンに対するペプチド(A20)、配列番号20とからなる)との間にクローニングし、構築物RRSP-T-ZHer3-A20(「T」は、トランスロカーゼを示す)をもたらした。同定された各構築物の一連のタンパク質濃度を、ヒト膵臓腺癌(HPAF-II)細胞と72時間(
図6A)、および/または上皮様細胞(H358細胞)と72時間(
図6B)インキュベートした。RRSPは、細胞へと送達された後にアポトーシスを誘導するため、72時間のインキュベーション後にヒト膵臓腺癌細胞を殺滅する、各構築物の能力の測定により、移行を定量した。
【0180】
図6Aおよび
図6Bは、トランスロカーゼの機能的特徴づけの結果を示す。RRSP-T-ZHer3-A20鋳型を用いて、各トランスロカーゼの機能を定量した。最大毒性の50%(EC50)により細胞生存率の低下をもたらす、所与の構築物の濃度を棒グラフで表す。より低い値は、より効率的なトランスロカーゼを表す。S.ピニコラ(S. pinicola)由来のトランスロカーゼは、発現されず、そのため評価することができなかった。S.ピニテレ(S. piniterrae)およびL.ツルファネンス(L. tulafanense)由来のトランスロカーゼは、試験した最大用量(100nM)まで毒性が観察されなかったため、このアッセイでは非機能的であると決定された。残りの5つのトランスロカーゼは、このアッセイにおいて機能的であった。A.ケロネー(A. chelonae)(配列番号2)およびA.ケロネー(A. chelonae)LK16-18(配列番号17)由来のタンパク質のトランスロカーゼは、細胞に対して最も活性があり、DTのトランスロカーゼよりも優れていた。観察された活性レベルは、RRSPが、効率良く放出されたことを示す。
【0181】
ストレプトマイセス・アルビレティクリ(Streptomyces albireticuli)およびセイノネラ・ペプトノフィラ(Seinonella peptonophila)のトランスロカーゼドメインも機能的であることが示された(参照によりその全体が組み込まれているSugiman-Marangos et al. 2022を参照)。
【0182】
ジフテリアトキソイドワクチンは、ジフテリア疾患から守る役目を果たす世界的なワクチン接種プログラムの一部である。ヒト血清中の抗DT抗体は、DTに結合してその機能を中和することにより、DTの作用を妨げる。あいにく、この同じ抗体はさらに、DTベースの治療薬に結合して中和する。ヒト血清中の抗DT抗体が、全長の毒素DTおよびCT1(配列番号2)、ならびにトランスロカーゼDT-TおよびCT1-T(配列番号3)を認識する程度を評価するために、ELISAを行った。
図7AのELISAデータに示すように、ヒト血清中の抗体は、DTを認識するが、CT1に対する結合は示さない。同様に、DT由来のトランスロカーゼに対しては高力価が認められるが、CT1に対しては認められない(
図7B)。
【0183】
図7Aおよび
図7Bは合わせて、ヒト血清中に既存の抗DT抗体は、CT1ベースの免疫毒素を結合または中和しないことを示す。それぞれのタンパク質をプレート上に固定化して、異なる量の小児ヒト血清試料とインキュベートした後、HRPにコンジュゲートした抗IgG抗体を用いて抗体結合のレベルを決定した。DTおよびDT-Tの両方とも、ヒト血清と共に、用量依存性のシグナル上昇を示したが、CT1およびCT1-Tはそうではなかった。これは、全長CT1、およびまさにそのトランスロカーゼは、ヒト血清中の抗体により認識されるエピトープを含有しないことを示す。
【0184】
次いで、ヒト血清中に既存の抗DT抗体が、DTベース治療薬、ならびに新規移行ドメインに基づく対応する治療薬を中和する程度を評価するために、A.ケロネー(A. chelonae)LK16-18由来のDTベースおよびCTベースの免疫毒素をヒト血清とインキュベートした。それぞれの毒素のCドメインおよびTドメインを、ZHer3-A20に組換え的に付着させた(recombinantly attached)DTベースおよびCTベースの免疫毒素(DT
1~389-ZHer3-A20またはCT2
1~391-ZHer3-A20のいずれか)をクローニングして精製した。
図8に示すように、ヒト血清の不在下(PBS)、DT、DT
1~389-ZHer-3-A20、およびCT2
1~391-ZHer3-A20はいずれも、ヒト細胞に対して毒性であった。ヒト血清の存在下(ヒト)、DTおよびDT
1~389-ZHer3-A20に関しては、毒性曲線の右方向シフトが認められ、ヒト血清は、それらの機能を阻害/中和したことを示す。逆に、ヒト血清は、CT2
1~391-ZHer3-A20の毒性曲線に対してはいかなる効果も有さず、ヒト血清は、CTベース治療薬を認識または阻害/中和しなかったことを示す。
【0185】
図8は、抗DT抗体が、CTベースの免疫毒素を中和しないことを示す。免疫毒素を、PBS対照またはヒト血清のいずれかと30分間インキュベートしてから、細胞に添加した。72時間の時点で、細胞生存率を評価し、ヒト血清インキュベーション時に、DT
1~389-ZHer3-A20は、毒性がおよそ3log低下し、CT2
1~391-ZHer3-A20はシフトしないことが見出された。
【0186】
実施例3
注釈付き構築物配列の例
RRSP-T(C.ジフテリア(C. diphtheriae))-ZHer3-A20(配列番号22)
【0187】
【0188】
上記中の
残基1~510=RRSP
残基511~724=C.ジフテリア(C. diphtheriae)由来のTドメイン
残基725~734=G4S2リンカー
残基735~792=ZHer3:08699アフィボディ
残基793~802=G4S2リンカー
残基803~822=A20FMDV2ペプチド
残基823~840=トロンビン切断部位およびstrepタグII
【0189】
RRSP-T(A.ケロネー(A. chelonae))-ZHer3-A20(配列番号23)
【0190】
【0191】
上記中の
残基1~510=RRSP
残基511~520=G4S2リンカー
残基521~536=フリンプロテアーゼ認識部位を含むC.ジフテリア(C. diphtheriae)配列
残基537~711=A.ケロネー(A. chelonae)由来のTドメイン
残基712~723=C.ジフテリア(C. diphtheriae)由来のリンカー配列
残基724~733=G4S2リンカー
残基734~791=ZHer3:08699アフィボディ
残基792~801=G4S2リンカー
残基802~821=A20FMDV2ペプチド
残基822~839=トロンビン切断部位およびstrepタグII
【0192】
RRSP-T(A.ケロネー(A. chelonae)LK16-18)-ZHer3-A20(配列番号24)
【0193】
【0194】
上記中の
残基1~510=RRSP
残基511~520=G4S2リンカー
残基521~536=フリンプロテアーゼ認識部位を含むC.ジフテリア(C. diphtheriae)配列
残基537~712=A.ケロネー(A. chelonae)LK16-18由来のTドメイン
残基713~724=C.ジフテリア(C. diphtheriae)由来のリンカー配列
残基725~734=G4S2リンカー
残基735~792=ZHer3:08699アフィボディ
残基793~802=G4S2リンカー
残基803~822=A20FMDV2ペプチド
残基823~840=トロンビン切断部位およびstrepタグII
【0195】
RRSP-T(A.TVS96-490-7B)-ZHer3-A20(配列番号25)
【0196】
【0197】
上記中の
残基1~510=RRSP
残基511~520=G4S2リンカー
残基521~536=フリンプロテアーゼ認識部位を含むC.ジフテリア(C. diphtheriae)配列
残基537~711=A.TVS96-490-7B由来のTドメイン
残基712~723=C.ジフテリア(C. diphtheriae)由来のリンカー配列
残基724~733=G4S2リンカー
残基734~791=ZHer3:08699アフィボディ
残基792~801=G4S2リンカー
残基802~821=A20FMDV2ペプチド
残基822~839=トロンビン切断部位およびstrepタグII
【0198】
RRSP-T(S.クレンキイ(S. klenkii)-ZHer3-A20(配列番号26)
【0199】
【0200】
上記中の
残基1~510=RRSP
残基511~520=G4S2リンカー
残基521~536=フリンプロテアーゼ認識部位を含むC.ジフテリア(C. diphtheriae)配列
残基537~700=S.クレンキイ(S. klenkii)由来のTドメイン
残基701~712=C.ジフテリア(C. diphtheriae)由来のリンカー配列
残基713~722=G4S2リンカー
残基723~780=ZHer3:08699アフィボディ
残基781~790=G4S2リンカー
残基791~810=A20FMDV2ペプチド
残基811~828=トロンビン切断部位およびstrepタグII
【0201】
RRSP-T(S.種TLI053)-ZHer3-A20(配列番号27)
【0202】
【0203】
上記中の
残基1~510=RRSP
残基511~520=G4S2リンカー
残基521~536=フリンプロテアーゼ認識部位を含むC.ジフテリア(C. diphtheriae)配列
残基537~701=S.種TLI053由来のTドメイン
残基702~713=C.ジフテリア(C. diphtheriae)由来のリンカー配列
残基714~723=G4S2リンカー
残基724~781=ZHer3:08699アフィボディ
残基782~791=G4S2リンカー
残基792~811=A20FMDV2ペプチド
残基812~829=トロンビン切断部位およびstrepタグII
【0204】
RRSP-T(L.ツルファネンス(L. tulufanense))-ZHer3-A20(配列番号28)
【0205】
【0206】
上記中の
残基1~510=RRSP
残基511~520=G4S2リンカー
残基521~536=フリンプロテアーゼ認識部位を含むC.ジフテリア(C. diphtheriae)配列
残基537~714=L.ツルファネンス(L. tulufanense)由来のTドメイン
残基715~726=C.ジフテリア(C. diphtheriae)由来のリンカー配列
残基727~736=G4S2リンカー
残基737~794=ZHer3:08699アフィボディ
残基795~804=G4S2リンカー
残基805~824=A20FMDV2ペプチド
残基825~842=トロンビン切断部位およびstrepタグII
【0207】
RRSP-T(S.ピニテレ(S. piniterrae))-ZHer3-A20(配列番号29)
【0208】
【0209】
上記中の
残基1~510=RRSP
残基511~520=G4S2リンカー
残基521~536=フリンプロテアーゼ認識部位を含むC.ジフテリア(C. diphtheriae)配列
残基537~695=S.ピニテレ(S. piniterrae)由来のTドメイン
残基696~707=C.ジフテリア(C. diphtheriae)由来のリンカー配列
残基708~717=G4S2リンカー
残基718~775=ZHer3:08699アフィボディ
残基776~786=G4S2リンカー
残基786~805=A20FMDV2ペプチド
残基806~823=トロンビン切断部位およびstrepタグII
【0210】
RRSP-T(S.ピニコラ(S. pinicola))-ZHer3-A20(配列番号30)
【0211】
【0212】
上記中の
残基1~510=RRSP
残基511~520=G4S2リンカー
残基521~536=フリンプロテアーゼ認識部位を含むC.ジフテリア(C. diphtheriae)配列
残基537~712=S.ピニコラ(S. pinicola)由来のTドメイン
残基713~724=C.ジフテリア(C. diphtheriae)由来のリンカー配列
残基725~734=G4S2リンカー
残基735~792=ZHer3:08699アフィボディ
残基793~802=G4S2リンカー
残基803~822=A20FMDV2ペプチド
残基823~840=トロンビン切断部位およびstrepタグII
【0213】
DT-Her3-A20(配列番号31)
【0214】
【0215】
上記中の
残基1~389=C.ジフテリア(C. diphtheriae)由来の配列
残基390~399=G4S2リンカー
残基400~457=Her3:08699アフィボディ
残基458~467=G4S2リンカー
残基468~487=A20FMDV2ペプチド
残基487~505=トロンビン切断部位およびstrepタグII
【0216】
CT2-ZHer3-A20(配列番号32)
【0217】
【0218】
上記中の
残基1~391=A.ケロネー(A. chelonae)LK16-18由来の配列
残基392~401=G4S2リンカー
残基402~459=Her3:08699アフィボディ
残基460~469=G4S2リンカー
残基470~489=A20FMDV2ペプチド
残基491~507=トロンビン切断部位およびstrepタグII
【0219】
【0220】
【0221】
【0222】
【0223】
【0224】
【0225】
【0226】
【0227】
【0228】
【0229】
【0230】
参考文献
【0231】
【0232】
前述の記載では説明を目的として、実施形態の完全な理解を提供するために多数の詳細を記載する。しかしながら、それらの具体的詳細は不要であることが当業者には明らかになる。他の場合、理解を不明瞭にさせないために、周知の電気的構造および電気回路をブロック図の形で示す。例えば、本明細書に記載される実施形態が、ソフトウェアルーチン、ハードウェア回路、ファームウェア、またはそれらの組合せとして実施されるかどうかに関する具体的詳細は提供されない。
【0233】
上記の実施形態は、単に例であると意図される。当業者により、特定の実施形態に対して、変更、修正、および変形が達成され得る。特許請求の範囲は、本明細書に記載される特定の実施形態により限定されるべきでなく、全体としての明細書と一致したやり方で解釈されるべきである。
【配列表】
【国際調査報告】