(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-07
(54)【発明の名称】コンクリートスラブを一緒に接合するためのコンクリート製の接合要素を有するコンクリートスラブ構造、およびコンクリートスラブ構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
E04B 5/02 20060101AFI20241030BHJP
E04B 1/04 20060101ALI20241030BHJP
E04B 1/61 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
E04B5/02 R
E04B1/04 D
E04B1/61 502H
E04B1/61 504B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529389
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 EP2022082329
(87)【国際公開番号】W WO2023089058
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2021/082029
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515070930
【氏名又は名称】ツェーペーツェー・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】CPC AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラート-グロルマン,ヨーゼフ・ペーター
【テーマコード(参考)】
2E125
【Fターム(参考)】
2E125AA57
2E125AE02
2E125AE05
2E125AE06
2E125AE10
2E125AE13
2E125AE18
2E125AF01
2E125AF07
2E125AG07
2E125AG08
2E125AG21
2E125AG22
2E125AG41
2E125BA52
2E125BB09
2E125BB16
2E125BB27
2E125BB33
2E125BD02
2E125BE08
2E125BF03
2E125CA82
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つのコンクリートスラブ(2、2’)と、コンクリートスラブ(2、2’)を接合し、コンクリートスラブ(2、2’)内またはその上に固定されるためのコンクリート製の少なくとも1つの接合要素(1)とを含むコンクリートスラブ構造(14)に関する。接合要素(1)は、上側セクションおよび下側セクションを有する接合本体を有し、接合本体の断面は、一方の側、特に他方の側においても、上側セクションと下側セクションとの間に少なくとも1つのノッチまたはバルジを有する。コンクリートスラブ(2、2’)は、その側周に沿って、および/または頂部側と底部側との間の凹部(15)に、接合要素(1)に対応する少なくとも1つの同様の形状のバルジ(20、20’)またはノッチを有する。コンクリートスラブ(2、2’)の凹部(15)の間、または2つのコンクリートスラブ(2、2’)と接合要素(1)との間の隙間には、充填材料がある。さらに、接合要素を用いてコンクリートスラブ構造を製造する方法、接合要素を製造する方法、コンクリートスラブ構造用のコンクリートスラブを製造する方法、ならびに接合要素およびコンクリートスラブ構造の使用が提案されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのコンクリートスラブ(2)、特に少なくとも1つのFRCまたはCPCスラブと、コンクリートスラブ(2、2’)を接合するための、および/またはコンクリートスラブ(2)に固定されるための、特にFRCまたはCPCで作られたコンクリートで作られた少なくとも1つの接合要素(1)とを備えるコンクリートスラブ構造(14)であって、接合要素(1)は、上側セクション(4)および下側セクション(5)を有する接合本体(3)を有し、一方の側(6)および対向する側(7)の前記上側セクション(4)と前記下側セクション(5)との間の前記接合本体(3)の断面は、各々少なくとも1つのノッチ(8、8’)またはバルジ(9、9’)を有し、前記ノッチ(8、8’)またはバルジ(9、9’)は、特に2つの先細またはくさび形の側面(11、11’)、特に平坦な側面(11、11’)を有し、前記2つの側面(11、11’)は鈍角または鋭角(φ)を形成し、前記コンクリートスラブ(2)の頂部側(16)と底部側(17)との間に前記コンクリートスラブ(2)の側周に沿って少なくとも1つのバルジ(20)またはノッチ(21)があり、前記バルジ(20)またはノッチ(21)は、特に2つの先細またはくさび形の側面(22)、特に平坦な側面(23、23’)を有し、前記接合要素(1)は、前記コンクリートスラブ(2)の前記側周に配置され、前記接合要素(1)の一方の側の前記ノッチ(8、8’)またはバルジ(9、9’)と前記コンクリートスラブ(2)の前記バルジ(20)または前記ノッチ(21)とは互いに対向し、前記コンクリートスラブ(2)と前記接合要素(1)との間の隙間(24)には充填材料(25)があり、前記充填材料(25)は、例えば、モルタルまたは接着剤である、コンクリートスラブ構造(14)。
【請求項2】
少なくとも1つのコンクリートスラブ(2)、特に少なくとも1つのFRCまたはCPCスラブと、コンクリートスラブ(2、2’)を接合するため、および/またはコンクリートスラブ(2)内に固定されるための、特にFRCまたはCPCで作られたコンクリートで作られた少なくとも1つの接合要素(1)とを備えるコンクリートスラブ構造(14)であって、前記接合要素(1)は、上側セクション(4)および下側セクション(5)を有する接合要素(3)を有し、一方の側(6)の前記上側セクション(4)と下側セクション(5)との間の、特にもう一方の、特に対向する側(7)においても、前記接合本体(3)の断面は、少なくとも1つのノッチ(8、8’)またはバルジ(9、9’)を有し、特に前記ノッチ(8、8’)またはバルジ(9、9’)は、2つのくさび形の側面(11、11’)、特に先端(10)に向かって先細になる平坦な側面(11、11’)を有し、前記2つの側面(11、11’)は鈍角または鋭角(φ)を形成し、前記コンクリートスラブ(2)は少なくとも1つの凹部(15)を有し、前記コンクリートスラブ(2)の頂部側(16)と底部側(17)との間の前記凹部(15)の断面は、一方の側(18)、特に別の、特に対向する側(19)に少なくとも1つのバルジ(20、20’)またはノッチ(21、21’)を有し、前記バルジ(20、20’)またはノッチ(21、21’)は、特に2つのくさび形の側面(23、23’)、特に平坦な側面(23、23’)を有し、前記接合要素(1)は、前記凹部(15)内に配置され、前記接合要素(1)の前記それぞれのノッチ(8、8’)またはバルジ(9、9’)は、前記凹部(15)の前記それぞれのバルジ(20、20’)またはノッチ(21、21’)に対向し、前記凹部(15)と前記接合要素(1)との間の隙間(24)には充填材または充填材料(25)があり、前記充填材または充填材料(25)は、例えば、ウェッジ、またはモルタル、砂、または接着剤などの少なくとも1つの嵌合片である、コンクリートスラブ構造(14)。
【請求項3】
少なくとも2つのコンクリートスラブ(2、2’)、特に少なくとも2つのFRCまたはCPCスラブと、コンクリートスラブ(2、2’)を接合するための、および/またはコンクリートスラブ(2)に固定されるための、特にFRCまたはCPCで作られたコンクリートで作られた少なくとも1つの接合要素(1)とを備えるコンクリートスラブ構造(14)であって、前記接合要素(1)は、上側セクション(4)および下側セクション(5)を有する接合本体(3)を有し、一方の側(6)および対向する側(7)の前記上側セクション(4)と前記下側セクション(5)との間の前記接合本体(3)の断面は、各々少なくとも1つのノッチ(8、8’)またはバルジ(9、9’)を有し、前記ノッチ(8、8’)またはバルジ(9、9’)は、特に2つのくさび形の側面(11、11’)、特に先端(10)に向かって先細になる、特に平坦な側面(11、11’)を有し、前記2つの側面(11、11’)は鈍角または鋭角(φ)を形成し、前記コンクリートスラブ(2、2’)の頂部側(16)と底部側(17)との間に前記コンクリートスラブ(2、2’)の側周に沿って少なくとも1つのバルジ(20、20’)またはノッチ(21、21’)があり、前記バルジ(20、20’)またはノッチ(21、21’)は、特に2つのくさび形の側面(23、23’)、特に平坦な側面(23、23’)を有し、前記接合要素(1)は、凹部(15)内の前記2つのコンクリートスラブ(2、2’)の間に配置され、前記接合要素(1)の前記それぞれのノッチ(8、8’)またはバルジ(9、9’)は、前記コンクリートスラブ(2、2’)の前記それぞれのバルジ(20、20’)またはノッチ(21、21’)に対向し、前記コンクリートスラブ(2、2’)と前記接合要素(1)との間の隙間(24)には充填材または充填材料(25)があり、前記充填材または充填材料(25)は、例えばウェッジまたはモルタルまたは砂または接着剤などのような少なくとも1つの嵌合片である、コンクリートスラブ構造(14)。
【請求項4】
前記凹部(15)は、前記接合要素(1)または前記接合本体(3)の幅(B)と少なくとも同じ幅である、請求項2または3に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項5】
前記凹部(15)は前記コンクリートスラブ(2、2’)を連続的に貫通するか、または前記凹部(15)は前記コンクリートスラブ(2、2’)を部分的にのみ貫通する、請求項2~4のいずれか1項に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項6】
前記接合要素(1)の前記ノッチ(8、8’)またはバルジ(9、9’)の前記2つの側面(11、11’)と、前記コンクリートスラブ(2、2’)内またはその上の前記バルジ(20、20’)またはノッチ(21、21’)の前記2つの側面(23、23’)とが互いに対向し、前記コンクリートスラブ(2、2’)内またはその上の前記バルジ(20、20’)またはノッチ(21、21’)の一方の側面(23、23’)は、前記コンクリートスラブ(2、2’)の一方の上側から生じ、他方の側面(23’、23)は、前記コンクリートスラブ(2、2’)の下側から生じ、前記バルジ(20、20’)またはノッチ(21、21’)の前記2つの側面(21、21’)は、鈍角または鋭角(φ’)を形成する、請求項1~5のいずれか1項に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項7】
前記接合要素(1)は、コンクリートスラブ(2、2’)の一体部分であり、特に前記コンクリートスラブ(2、2’)の側周に前記コンクリートスラブ(2、2’)と一体に形成される、請求項1~6のいずれか1項に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項8】
少なくとも1つのノッチ(8、8’)またはバルジ(9、9’)、特に前記2つの側面(11、11’)は、前記コンクリートスラブ(2、2’)の内側、特に前記頂部側(16)と前記底部側(17)との間に少なくとも部分的に、特に完全に位置する、請求項1~7のいずれか1項に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項9】
頂部側(4)と底部側(5)との間の前記接合要素(3)の断面は砂時計形状であり、特に前記接合本体(3)は砂時計形状であり、さらに特に前記接合要素(1)の前記頂部側(4)および前記底部側(5)は円形または楕円形である、請求項1~8のいずれか1項に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項10】
前記接合要素(1)の一方の側(6)の前記ノッチ(8)またはバルジ(9)および前記接合要素(1)の対向する側(7)の前記ノッチ(8’)またはバルジ(9’)は均一であり、前記断面は特に鏡面対称であり、さらに特に点対称である、請求項1~9のいずれか1項に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項11】
前記接合要素(1)の前記ノッチ(8、8’)またはバルジ(9、9’)は、上側側面(11)および下側側面(11’)を有し、前記上側側面(11)および前記下側側面(11’)は、同じ長さまたは異なる長さであり、特に、前記短い方の側面(11)から前記長い方の側面(11’)までの長さ比は、1:16から1:1の範囲内である、請求項1~10のいずれか1項に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項12】
前記上側セクション(4)と前記下側セクション(5)との間、または前記頂部側(4)と前記底部側(5)との間の前記接合要素(3)の高さ(H)は、2cm~10cmの範囲内であり、および/または前記一方の側(6)と前記対向する側(7)との間の前記接合要素(3)の幅(B)は、2cm~10cmの範囲内である、請求項1~11のいずれか1項に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項13】
前記接合要素(1)の長さ(L)は、5cm~20mの範囲内、特に最大1m、さらに特に最大50cmである、請求項1~12のいずれか1項に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項14】
前記接合要素(3)は、前記上側セクション(4)または前記頂部側(4)および/または前記下側セクション(5)または前記底部側(5)に延長部(12、12’)を有し、前記延長部(12、12’)は、特に、別の構成要素と結合するための結合要素として形成される、請求項1~13のいずれか1項に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項15】
さらなる接合本体(3’)が前記延長部(12、12’)に配置され、特に前記さらなる接合本体(3’)および前記延長部(12、12’)が一体に形成される、請求項14に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項16】
少なくとも一方の側(6)上の前記上側セクション(4)または前記頂部側(4)と前記下側セクション(5)または前記底部側(5)との間の前記接合要素(3)は、少なくとも1つのさらなるノッチ(8’’、8’’’)または少なくとも1つのさらなるバルジ(9’’、9’’’)を有する、請求項1~15のいずれか1項に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項17】
前記接合要素(1)は、補強材(13)、例えば鋼製の補強材、特に繊維、例えば炭素、ガラス、石、天然またはプラスチック繊維製の補強材(13)を有し、前記補強材(13)は前記頂部側(4)および前記底部側(5)に対して本質的に垂直である、請求項1~16のいずれか1項に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項18】
接続要素(27)、特にスラブ、ストライプ、または砂時計形状の接続要素(27)が、前記コンクリートスラブ(2、2’)の頂部側(16)および/または底部側(17)に、またはその中に、特に前記接合要素(1)を横切って配置され、前記接続要素(27)は、前記コンクリートスラブ(2)または前記2つのコンクリートスラブ(2、2’)に、例えばねじ止め、ダウエル、または接着されて接続され、前記接続要素(27)は引張力を吸収するのに特に適している、請求項2~17のいずれか1項に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項19】
いくつかの接合要素(1)が、前記コンクリートスラブ(2)内または前記コンクリートスラブ(2、2’)間に間隔を置いて、特に一定の間隔で直線に沿って配置されている、請求項2~18のいずれか1項に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項20】
いくつかの接合要素(1)が、前記コンクリートスラブ(2)内または前記コンクリートスラブ(2、2’)間に、間隔を置いて、特に一定の間隔で、蛇行線またはジグザグ線に沿って配置され、前記蛇行線は特に湾曲した部分から構成され、前記ジグザグ線は特に直線部分から構成される、請求項2~18のいずれか1項に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項21】
延長部(12、12’)の有無にかかわらず接合本体(3)が、前記コンクリートスラブ(2)内または前記コンクリートスラブ(2、2’)間に、特に規則的なパターンで配置され、特に延長部(12、12’)の有無にかかわらず接合本体(3)が交互に配置される、請求項19または20に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項22】
請求項15に記載の、特に請求項15および17に記載の少なくとも1つの接合要素(1)を有し、前記接合要素(1)は、2つの離間して積み重ねられたコンクリートスラブ(2、2’)の間に配置され、前記2つのコンクリートスラブ(2、2’)は、特に前記接合要素(1)によって互いに接続されるか、または互いに支持される、請求項2~21のいずれか1項に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項23】
前記2つの積み重ねられたコンクリートスラブ(2、2’)は互いに互い違いに配置されている、請求項22に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項24】
前記凹部(15)の一部、特に大部分は、前記コンクリートスラブ(2)または前記コンクリートスラブ(2、2’)を完全に連続的に貫通せず、前記凹部(15)の一部、特に小部分は、前記コンクリートスラブ(2)または前記コンクリートスラブ(2、2’)を完全に連続的に貫通し、特に2つの連続する凹部(15)の間に少なくとも1つの不連続な凹部(15)がある、請求項22または23に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項25】
前記コンクリートスラブ構造(14)は、コンクリートスラブ要素、またはいくつかのコンクリートスラブ要素を含むコンクリートスラブ、またはブリッジ要素、またはいくつかのブリッジ要素を含むコンクリートブリッジである、請求項2~24のいずれか1項に記載のコンクリートスラブ構造(14)。
【請求項26】
請求項2に記載のコンクリートスラブ構造(14)を製造する方法であって、
-少なくとも1つの接合要素(1)を提供することと、
-少なくとも1つのコンクリートスラブ(2)、特に少なくとも1つのFRCまたはCPCスラブを提供することであって、前記コンクリートスラブ(2)は、少なくとも1つの凹部(15)を有し、一方の側(18)および任意選択で他方の、特に対向する側(19)の前記コンクリートスラブ(15)の頂部側(16)と底部(17)との間の前記凹部(15)の断面は、各々少なくとも1つのバルジ(20、20’)またはノッチ(21、21’)を有し、前記バルジ(20、20’)またはノッチ(21、21’)は、特に先端(10)に向かって先細になる2つのくさび形の側面(23、23’)、特に平坦な側面(23、23’)を有し、前記凹部(15)は、特に前記コンクリートスラブ(2)を連続的に貫通するか、または前記コンクリートスラブ(2)内に部分的にのみ延びる、ことと、
-前記接合要素(1)の前記それぞれのノッチ(8、8’)またはバルジ(9、9’)と前記凹部(15)の前記それぞれのバルジ(20、20’)またはノッチ(21、21’)とが互いに対向するように、前記接合要素(1)を前記凹部(15)内に配置することと、
-前記凹部(15)と前記接合要素(1)との間の空間(24)を充填材または充填材料(25)で充填することであって、前記充填材または充填材料(25)は、例えば、ウェッジまたはモルタルまたは砂または接着剤などの少なくとも1つの嵌合片である、ことと、
を含む方法。
【請求項27】
前記接合要素(1)は、前記コンクリートスラブ(2)の頂部側(16)または底部側(17)に垂直な方向に前記接合要素(1)を前記凹部(15)に挿入することによって、または前記コンクリートスラブ(2)の前記頂部側(16)または底部側(17)に平行な方向に前記コンクリートスラブ(2)の側周上の前記凹部(15)に前記接合要素(1)を挿入することによって、前記凹部(15)に配置される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
請求項3に記載のコンクリートスラブ構造(14)を製造する方法であって、
-少なくとも1つの接合要素(1)を提供することと、
-少なくとも2つのコンクリートスラブ(2、2’)、特に少なくとも2つのFRCまたはCPCスラブに、前記コンクリートスラブ(2、2’)の一方の頂部(16)と一方の底部(17)との間に、前記コンクリートスラブ(2、22’)の前記側周に沿って少なくとも1つのバルジ(20、20’)または少なくとも1つのノッチ(21、21’)を提供することであって、前記バルジ(20、20’)またはノッチ(21、21’)は、特に2つの先細またはくさび形の側面(23、23’)、特に平坦な側面を有する、ことと、
-前記接合要素(1)の前記それぞれのノッチ(8、8’)またはバルジ(9、9’)と、前記コンクリートスラブ(2、2’)の前記それぞれのバルジ(20、20’)またはノッチ(21、21’)とが互いに対向するように、凹部(15)内の前記2つのコンクリートスラブ(2、2’)の間に前記接合要素(1)を配置することと、
-前記コンクリートスラブ(2、2’)と前記接合要素(1)との間の空間(24)を充填材または充填材料(25)で充填することであって、前記充填材または充填材料(25)は、例えば、ウェッジまたはモルタルまたは砂または接着剤などの少なくとも1つの嵌合片である、ことと、
を含む方法。
【請求項29】
前記2つのコンクリートスラブ(2、2’)間の前記接合要素(1)の前記配置が、以下の
-前記2つのコンクリートスラブ(2、2’)を1つのレベルに配置することと、
-前記接合要素(1)を前記2つのコンクリートスラブ(2、2’)間の前記凹部(15)に挿入することと、
-前記2つのコンクリートスラブ(2、2’)の前記それぞれのバルジ(20、20’)またはノッチ(20、20’)と、前記接合要素(1)の前記それぞれのノッチ(8、8’)またはバルジ(9、9’)との間に1cm~5cmの距離が存在するまで、前記2つのコンクリートスラブ(2、2’)を平面に平行な方向に併合することと、
または以下の、
-前記2つのコンクリートスラブ(2、2’)を、前記接合本体(3)の最も広い寸法よりも小さい距離で左側から右側へ(6、7)1つの平面上に配置することと、
-前記接合要素(1)を、前記2つのコンクリートスラブ(2、2’)の前記頂部(16)または底部(17)に平行な一方向に、前記2つのコンクリートスラブ(2、2’)の前記それぞれのバルジ(20、20’)またはノッチ(21、21’)の間の前記凹部(15)に挿入することと、
によって行われる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記2つのコンクリートスラブ(2、2’)と前記接合要素(1)との間の前記ガブ(24)を充填するとき、前記コンクリートスラブ(2、2’)および前記接合要素(1)の形状および/または寸法の不正確さを補償するように、充填材またはある量の充填材料(25)が前記隙間(24)に導入される、請求項26~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
-接続要素(27)、特にプレート、ストリップまたは砂時計形状の接続要素(27)を、前記コンクリートスラブ(2、2’)の前記頂部(16)および/または底部(17)に、またはその中に、特に接合要素(1)の上方に、例えばねじなどの1つまたは複数の締結具によって、または接着剤によって固定することをさらに含む、
請求項26~30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
-前記コンクリートスラブ(2)内または前記コンクリートスラブ(2、2’)間に、間隔を置いて、特に一定の間隔で、直線に沿っていくつかの接合要素(1)を配置することをさらに含む、
請求項26~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
-いくつかの接合要素(1)を、前記コンクリートスラブ(2)内または前記コンクリートスラブ(2、2’)間に、間隔を置いて、特に一定の間隔で、蛇行線またはジグザグ線に沿って配置することであって、前記蛇行線は特に曲線部分から構成され、前記ジグザグ線は特に直線部分から構成される、ことをさらに含む、
請求項26~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
-前記接合要素(1)を交互に、互いに最も長い延長部に対して本質的に直交して配置することをさらに含む、
請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
-延長部(12、12’)の有無にかかわらず接合要素(1)を前記コンクリートスラブ(2)内または前記コンクリートスラブ(2、2’)間に、特に規則的なパターンで、特に延長部(12、12’)の有無にかかわらず接合要素(1)の交互配置で配置することをさらに含む、
請求項32または33に記載の方法。
【請求項36】
-2つの離間して積み重ねられたコンクリートスラブ(2、2’)の間に請求項8に記載の少なくとも1つの接合要素(1)を配置し、少なくとも1つの接合要素(1)を前記コンクリートスラブ(2、2’)の少なくとも1つに接続して、前記コンクリートスラブ(2、2’)が互いに接続されるか、または互いに支持されるようにすることをさらに含む、
請求項26~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記2つの積み重ねられたコンクリートスラブ(2、2’)が互いに互い違いになっている、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記凹部(15)の一部、特に大部分は、前記コンクリートスラブ(2)または前記コンクリートスラブ(2、2’)を完全に連続的に貫通せず、前記凹部(15)の一部、特に小部分は、前記コンクリートスラブ(2)または前記コンクリートスラブ(2、2’)を完全に連続的に貫通し、特に2つの連続する凹部(15)の間に少なくとも1つの不連続な凹部(15)が配置されている、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
前記上側側面(11)および前記下側側面(11’)は、前記接合要素(1)への力を吸収し、前記接合要素(1)に接続された前記コンクリートスラブ(2、2’)に力を伝達するために、異なる長さであり、前記2つの側面(11、11’)のうちの短い方が、主に圧縮力を吸収し伝達するために使用され、前記2つの側面(11、11’)のうちの長い方が、主に引張力を吸収し伝達するために使用される、請求項1~25のいずれか1項、特に請求項11に記載の接合要素(1)の使用。
【請求項40】
以下の構造、
-建物のFRCまたはCPC耐荷重構造、例えば、壁/天井接続、屋根構造、壁構造、天井、階段、建物コア内の壁/壁接続、同じく地震対策用、地面の基礎床、中空柱、壁システム全体、自立式バルコニー、タワー構造、階段、折り畳み構造
-都市ユーティリティビル、車両用シェルター、配電用家屋、コンテナ用シェルター、乗降用屋根、路面電車およびバス用シェルターなどの単純な建物全体、
-道路、鉄道、歩行者および自転車、パイプライン、水路用のコンクリート面または橋、
-保持壁、傾斜路構造、シェルターなどの土木工学構造物、
-T、HおよびU形状の曲げ梁または箱桁などの耐荷重構成要素、
-造船における支持建造、
の一部としての請求項1~25のいずれかに記載のコンクリートスラブ構造(14)の使用。
【請求項41】
-コンクリートスラブ、特にFRCまたはCPCスラブに、頂部側および底部側、ならびに長手方向延長部および横方向延長部を提供することと、
-特に一定の間隔で、横方向延在方向に前記コンクリートスラブの前記頂部側および対向する前記底部側にノッチをフライス加工することと、
-多数の個々の接合要素(1)を得るために、ノッチの間、特に隣接するノッチの間、またはいくつかの隣接するノッチの間で、前記横方向延在方向および長手方向延在方向に前記コンクリートスラブを切断する、特にのこ引きすることと、をさらに含み、
または代替的に、以下の
-円筒軸を有するコンクリートシリンダ、特に円形、楕円形または多角形の断面を有するFRCまたはCPCシリンダを提供することと、
-前記コンクリートシリンダの周囲の一部および前記コンクリートシリンダの対向する部分または前記コンクリートシリンダの全周囲に、特にシリンダ軸に垂直に、特に一定の間隔でノッチをフライス加工することと、
-多数の個々の接合要素(1)を得るために、ノッチの間、特に隣接するノッチの間、または前記シリンダ軸に垂直ないくつかの隣接するノッチの間で前記コンクリートシリンダを切断する、特にのこ引きすることと、
をさらに含む、請求項1~25のいずれか1項に記載の接合要素(1)を製造するための方法。
【請求項42】
-特に、前記個々の接合要素の表面を粗面化するために、特に、砂または水のブラスト、粗面化またはコーティングによって、前記個々の接合要素を表面処理することと、
-前記コンクリートスラブまたはコンクリートシリンダの製造中に、線形膨張またはシリンダ軸の方向に、前記コンクリートスラブまたはコンクリートシリンダに補強材を挿入することと、
-特にノッチをフライス加工する前に、前記コンクリートシリンダの一部を正面フライス加工することと、
-ノッチ、バルジ、および延長部などの前記接合要素の異なる部分を形成するために、例えば異なる形状のフライスヘッドを使用することによって、ノッチの前記フライス加工の一部として異なるノッチを形成することと、
-特にさらなる成形のために前記個々の接合要素を研削または回転することと、
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
請求項1~25のいずれか1項に記載の接合要素(1)を製造するための方法であって、
-コンクリートスラブ、特にFRCまたはCPCスラブからいくつかの接合要素(1)を
高圧水ジェットおよび/またはフライスおよび/またはジグソー、丸のこおよび/またはパンチングツールを用いて、特にCNC機械を用いて切り出すことを含む、方法。
【請求項44】
請求項2~25のいずれか、特に請求項7に記載のコンクリートスラブ構造(14)用のコンクリートスラブ(2、2’)を製造する方法であって、
高圧水ジェットおよび/またはフライスおよび/またはジグソー、丸のこおよび/またはパンチングツールを用いて、特にCNC機械を用いて
-前記コンクリートスラブ(2、2’)、特にFRCまたはCPCスラブから接合要素(1)を切り出すこと、
-前記コンクリートスラブ(2、2’)、特にFRCまたはCPCスラブから前記凹部(15)を切り出すこと、
の2つのうちの少なくとも1つを使用する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートスラブを接合または接続するための接合要素を備えたコンクリートスラブ構造に関する。さらに、本発明は、接合要素を用いてコンクリートスラブ構造を製造する方法、接合要素を製造する方法、およびコンクリートスラブ構造用のコンクリートスラブを製造する方法に関する。さらに、本発明は、接合要素の使用ならびにコンクリートスラブ構造の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
建設業界では、古典的な鉄筋コンクリート構造が依然として非常に普及している。典型的な鉄筋コンクリート構成要素には、天井、梁または床スラブなどの曲げ応力を受ける構成要素が含まれる。特に、コンクリートは比較的安価な材料であるため、橋梁柱または保持壁などの大規模で大量の構成要素は通常、鉄筋コンクリートで作られる。欠点は、そのような固体の構成要素が高い自重を有すること、および必要とされる大量のコンクリート(セメント1000kgあたり約590kgのCO2)のためのセメントを製造するために多くの二酸化炭素が放出されることであり、これは現在の気候保護の議論を考慮すると問題があると考えられる。このため、大量の構成要素の代わりに、薄い、したがってより軽量のコンクリートスラブを建築要素として使用する試みが増加しており、これは、生産のために必要なコンクリート、したがってセメントが著しく少ない。これらのコンクリートスラブは、FRCスラブ(FRCは「繊維強化コンクリート」の略語である)、特にCPCスラブ(CPCは「炭素プレストレストコンクリート」の略語である)として実現されることが多く、特に弾力性があり耐荷重性がある。これはまた、コンクリートスラブを所望のサイズのプレハブ構成要素(半製品)として最適な条件下で工場で製造することができ、それから組み立てたり後に建設現場で組み立てたりするだけでよいという利点を有する。一方、建設現場での大規模な鉄筋コンクリート構造物の完全な構築は、一般的な気象条件にある程度依存するため、必ずしも円滑に進行するとは限らない。凍結、激しい熱または激しい降雨は、コンクリートの硬化プロセスに影響を及ぼし、したがって、鉄筋コンクリート構造物の品質に影響を及ぼす可能性があるため、その製造中に気象条件を考慮することが不可欠である。
【0003】
したがって、弾性および耐荷重構造物の簡単で迅速な構築のための手段、ならびにこれらの手段のための適切な製造プロセスであって、特に必要なリソースが少なく、環境への影響が少ない手段が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、簡単かつ迅速な方法でコンクリートスラブから弾性および耐荷重構造物を構築することを可能にする手段を提供することである。この目的のために、コンクリートスラブを接続もしくは接合するため、および/またはコンクリートスラブ内もしくはコンクリートスラブに固定するための接合要素が提案されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、少なくとも1つのコンクリートスラブと少なくとも1つの接合要素とを備えるコンクリートスラブ構造を提案することである。そのようなコンクリートスラブ構造の様々な代替案が、請求項1から3に示されている。
【0006】
さらに、本発明の目的は、コンクリートスラブ内または2つのコンクリートスラブの間に接合要素を挿入することによってコンクリートスラブ構造を製造する方法を特定することである。そのような製造プロセスは、請求項26および28に提案されている。
【0007】
さらに、本発明の目的は、コンクリートスラブ構造だけでなく接合要素の使用を提案することである。そのような使用は、請求項39および40に記載されている。
【0008】
最後に、本発明の目的は、コンクリートスラブ構造用のコンクリートスラブだけでなく、接合要素の製造方法を特定することである。そのような製造プロセスは、請求項41および44に提案されている。
【0009】
本発明の様々な態様の特定の実施形態は、従属請求項に記載されている。
本発明によるコンクリート構造の一部として、コンクリートスラブを接続もしくは接合するため、および/またはコンクリートスラブ内もしくはコンクリートスラブ上に固定するための、コンクリート製の接合要素、特にFRCまたはCPCが提案されている。接合要素は、上側セクションまたは頂部側および下側セクションまたは底部側を有する接合本体を有し、それによって、上側セクションと下側セクションとの間の接合本体の断面(または輪郭)は、一方の側(左、右、前または後)、特に、別の、特に対向する側(右、左、後または前)(各々)において、上側セクションと下側セクションとの間に少なくとも1つのノッチまたはバルジを有する。特に、ノッチまたはバルジは、(任意選択的に丸みを帯び、必ずしも尖っていなくてもよい)先端に向かって先細になる2つのくさび形の側面または表面、特に平坦な側面/表面を有し、それによって2つの側面/表面は鈍角または鋭角φを形成または囲む。例えば、接合本体の断面は砂時計形状である。特に、接合本体は砂時計形状(すなわち、頂部と底部との間で回転対称である)であり、接合要素の頂部および底部は、例えば円形または楕円形である。砂時計形状の断面は、最初は広く、テーパまで細くなり、その後再び広くなるものである。砂時計形状の物体は、中央に特徴的な「くびれ」または「狭窄部」を有し、その(垂直)長手方向軸に対して鏡面対称の断面を有する。砂時計形状の物体は、(垂直)長手方向軸の周りで回転対称であることが多い。対向する先端を有する双円錐は、砂時計形状の本体の一例である。
【0010】
立方体の接合要素の場合、例えば、左側、右側、前側および/または後側、特に対向する側、例えば左側および右側ならびに/または前側および後側に、接合要素の1つまたは複数の側に1つまたは複数のノッチまたはバルジがあってもよい。特に、接合要素は、ノッチのみ、またはバルジのみを有することができる。コンクリートスラブ構造では、例えば、ノッチのみを有する接合要素またはバルジのみを有する接合要素を使用することができる。あるいは、コンクリートスラブ構造では、例えば、ノッチのみを有する接合要素とバルジのみを有する接合要素の両方を使用することができる。
【0011】
以下に、本発明によるコンクリートスラブ構造に使用するための接合要素のさらなる実施形態を示す。
【0012】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる接合要素の一実施形態では、矛盾しない限り、一方の側のノッチまたはバルジおよび他方の(反対側の)側のノッチまたはバルジは(実質的に)均一である。特に、断面は鏡面対称または点対称である。
【0013】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる接合要素の別の実施形態では、矛盾しない限り、ノッチまたはバルジは上側側面および下側側面を有し、上側側面および下側側面は(本質的に)同じ長さまたは異なる長さである。特に、より短い(/上側)側面からより長い(/下側)側面までの長さ比は、1:16から1:1まで、または1:8から1:1まで、または1:4から1:1までの範囲内である。例えば、頂部側と短い方の上側側面との間の角度αは、0°超~89°、特に10°~89°、特に30°~86°の範囲内である。例えば、底部側と長い方の下側側面との間の角度βは、45°~89°、特に60°~89°、特に70°~86°の範囲内である。上側側面と下側側面との間の長さ比および上側側面と下側側面との間の角度α、ならびに底部側と下側側面との間の角度βは、力がコンクリートスラブ内のコンクリートスラブから、またはその間に接合要素が配置されているコンクリートスラブから所望の方向に接合要素に(およびその逆に接合要素からコンクリートスラブに)伝達されるか、または接合要素を通る力の流れが所望の方法で生じるように選択される。多くの実際の場合、短い側面は、わずか数ミリメートルの長さ、例えば約4mmの長さである。
【0014】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる接合要素の別の実施形態では、矛盾しない限り、頂部と底部との間の接合要素の高さは、2cm~10cmの範囲内であり、および/または左側と右側との間の接合要素の幅(最も広い点で)は、2cm~10cmの範囲内である。
【0015】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる接合要素の別の実施形態では、矛盾しない限り、接合要素の長さ(断面に垂直/接合要素の最も長い膨張の方向)は、5cm~20m、特に1mまで、さらに特に50cmまでの範囲内である。
【0016】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる接合要素の別の実施形態では、矛盾しない限り、接合本体の高さに対するノッチの開口部またはバルジの出口の直径の比は、1:1(すなわち、100%/完全な開口部)~0.5:1(すなわち、50%の開口部)の範囲内である。
【0017】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる接合要素の別の実施形態では、矛盾しない限り、接合本体は上側および/または底部側に延長部を有し、それによって延長部は、特に別の構成要素と結合するための結合要素として設計される。
【0018】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる接合要素のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、さらなる接合本体が延長部上に配置される。特に、さらなる接合本体および延長部は一体に設計されている。
【0019】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる接合要素の別の実施形態では、矛盾しない限り、接合本体は、頂部側と底部側との間の少なくとも一方の側に少なくとも1つのさらなるノッチまたは少なくとも1つのさらなるバルジを有する。この場合、既存のノッチにさらなるノッチまたはさらなるバルジを追加することができる。同じことが既存のバルジにも当てはまり、さらなるバルジまたはさらなるノッチを追加することができる。例えば、接合要素は、同じ側にノッチおよびバルジを有してもよい。
【0020】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる接合要素の別の実施形態では、矛盾しない限り、接合要素は、補強材、例えば鋼製の補強材を有する。特に、補強材は、炭素、ガラス、石、天然またはプラスチック繊維(例えば、アラミド繊維)などの繊維を含む。特に、補強材は、本質的に頂部と底部との間に延びる(特に、本質的に頂部と底部に垂直な引張力を吸収するため)。特に、個々の繊維は、接合要素の頂部と底部との間で連続的に一体に延びている。あるいは、個々の繊維は連続的に延びていない、すなわち、個々の繊維は接合要素の高さよりも短く、この場合、いくつかの架橋/絡み合った個々の繊維が頂部と底部との間で連続的に延びる。したがって、接合要素は、例えば、「繊維強化コンクリート」(FRC:Fiber Reinforced Concrete)または「炭素プレストレストコンクリート」(CPC:Carbon Prestressed Concrete)構成要素とすることができる。追加の補強は、接合要素の長手方向(前方から後方)に、本質的に頂部および底部に平行に延びることができる。
【0021】
本発明による以下のコンクリートスラブ構造は、少なくとも1つのコンクリートスラブ、特に少なくとも1つの「繊維強化コンクリート」(FRC:Fiber Reinforced Concrete)または「炭素プレストレストコンクリート」(CPC:Carbon Prestressed Concrete)スラブ、およびコンクリートスラブを接合するための、および/または中間製品としてコンクリートスラブに固定されるための、コンクリート、特にFRCまたはCPCで作られた少なくとも1つの接合要素(上記実施形態の1つによる)を含む。コンクリートスラブの頂部側と底部側との間に、コンクリートスラブの側周に沿って少なくとも1つのバルジまたはノッチがあり、バルジまたはノッチは、特に(任意選択的に丸みを帯び、必ずしも尖っていなくてもよい)先端に向かって先細になる2つのくさび形の側面または表面、特に平坦な側面/表面を有し、接合要素はコンクリートスラブの側周に配置され、接合要素の一方の側のノッチまたはバルジは、コンクリートスラブのバルジまたはノッチと(本質的に)対向しており、コンクリートスラブと接合要素との間の隙間には充填材料があり、充填材料は、例えばモルタルまたは接着剤である。特に、コンクリートスラブは、補強材、例えば鋼補強材を有する。補強材は、炭素、ガラス、石、天然またはプラスチック繊維(例えば、アラミド繊維)などの繊維を含むことができる。特に、補強材は、コンクリートスラブの頂部側および底部側に本質的に平行である。特に、補強材は、接合要素の左側および右側に対して本質的に垂直である。補強材は、特に、本質的にコンクリートスラブの平面内の引張力(すなわち、コンクリートスラブの頂部および底部に平行)を吸収するために使用される。特に、コンクリートスラブ内の補強材は、接合要素内の可能な補強材に対して(本質的に)垂直である。コンクリートスラブは、上述の補強材にほぼ垂直な追加の補強材を有することができ、両方ともコンクリートスラブの頂部および底部に本質的に平行に位置合わせされる(->格子状の補強材)。
【0022】
本発明による以下のコンクリートスラブ構造は、少なくとも1つのコンクリートスラブ、特に少なくとも1つの「繊維強化コンクリート」(FRC:Fiber Reinforced Concrete)または「炭素プレストレストコンクリート」(CPC:Carbon Prestressed Concrete)スラブ、およびコンクリートスラブを接合するための、および/またはコンクリートスラブに固定されるための、コンクリート、特にFRCまたはCPCで作られた少なくとも1つの接合要素(上記の実施形態の1つによる)を含む。コンクリートスラブは、少なくとも1つの凹部を有し、コンクリートスラブの頂部と底部との間の凹部の断面は、一方の側(左、右、前または後)、特に別の、特に反対側(右、左、後または前)の側(各々)に少なくとも1つのバルジまたはノッチを有し、バルジまたはノッチは、特に(任意選択的に丸みを帯び、必ずしも尖っていなくてもよい)先端に向かって先細になる2つのくさび形の側面または表面、特に平坦な側面/表面を有し、接合要素は、接合要素のそれぞれのノッチまたはバルジと、凹部のそれぞれのバルジまたはノッチとが(本質的に)互いに対向するように凹部に配置され、凹部と接合要素との間の隙間には充填材または充填材料があり、充填材または充填材料は、例えば、ウェッジ、または(グラウティング)モルタル、(粗)砂または接着剤などの少なくとも1つの嵌合片である。特に、充填材料は、主に圧力を受けるコンクリートスラブと接合要素との間に恒久的な接続を形成する。充填材料に応じて、接続は解放不可能または解放可能(例えば、砂を使用する場合)である。特に、コンクリートスラブは、補強材、例えば鋼補強材を有する。補強材は、炭素、ガラス、石、天然またはプラスチック繊維(例えば、アラミド繊維)などの繊維を含むことができる。特に、補強材は、コンクリートスラブの頂部および底部に本質的に平行である。特に、補強材は、接合要素の左側および右側に対して本質的に垂直である。補強材は、特に、本質的にコンクリートスラブの平面内の引張力(すなわち、コンクリートスラブの頂部および底部に平行)を吸収するために使用される。特に、コンクリートスラブ内の補強材は、接合要素内の可能な補強材に対して(本質的に)垂直である。コンクリートスラブは、上述の補強材にほぼ垂直な追加の補強材を有することができ、両方ともコンクリートスラブの頂部および底部に本質的に平行に位置合わせされる(->格子状の補強材)。
【0023】
本発明による代替案によれば、コンクリートスラブ構造は、少なくとも2つのコンクリートスラブ、特に少なくとも2つのFRCまたはCPCスラブと、コンクリートスラブを接合するための、および/またはコンクリートスラブに固定されるための、コンクリート、特にFRCまたはCPCで作られた少なくとも1つの接合要素(上記実施形態のうちの1つによる)とを含み、コンクリートスラブの側周に沿って、頂部側と底部側との間に少なくとも1つのバルジまたはノッチがコンクリートスラブの各々にあり、バルジまたはノッチは、特に(任意選択的に丸みを帯び、必ずしも尖っていなくてもよい)先端に向かって先細になる2つのくさび形の側面または表面、特に平坦な側面/表面を有し、接合要素は、凹部内の2つのコンクリートスラブの間に配置され、接合要素のそれぞれのノッチまたはバルジおよびコンクリートスラブのそれぞれのバルジまたはノッチは、(本質的に)互いに対向して配置され、コンクリートスラブと接合要素との間の隙間には充填材または充填材料があり、充填材または充填材料は、例えば、ウェッジまたは(グラウティング)モルタル、(粗)砂または接着剤などの少なくとも1つの嵌合片である。特に、充填材料は、コンクリートスラブと接合要素との間に恒久的な接続を形成する。充填材料に応じて、接続は解放不可能または解放可能(例えば、砂を使用する場合)である。特に、コンクリートスラブは、補強材、例えば鋼補強材を有する。補強材は、炭素、ガラス、石、天然またはプラスチック繊維(アラミド繊維)などの繊維を含むことができる。特に、補強材は、コンクリートスラブの頂部および底部に本質的に平行である。特に、補強材は、接合要素の左側および右側に対して本質的に垂直である。特に、2つのコンクリートスラブ内の補強材は、本質的に整列している。補強材は、特に、本質的にコンクリートスラブの平面内の引張力(すなわち、コンクリートスラブの頂部および底部に平行)を吸収するために使用される。特に、コンクリートスラブ内の補強材は、接合要素内の可能な補強材に対して垂直である。コンクリートスラブは、上述の補強材にほぼ垂直な追加の補強材を有することができ、両方ともコンクリートスラブの頂部および底部に本質的に平行に位置合わせされる(->格子状の補強材)。
【0024】
上述したように、接合要素とコンクリートスラブとの間のノッチおよびバルジは、互いにほぼ対向しているが、互いに接触していないか、またはわずかしか接触しておらず(
図10cを参照)、接合要素のノッチの下側側面と2つのコンクリートスラブのバルジの下側側面とは、それらの間の空間を底部に向かってシールするためにわずかしか接触していない。その結果、対向するノッチおよびバルジのみでは確実な嵌合を形成しない。コンクリートスラブ構造に必要な形状および圧入は、スラブ間の空間に挿入され硬化される充填材料によってのみ達成される。また、コンクリートスラブ構造の組み立てのために、コンクリートスラブの凹部は、接合要素のノッチおよびバルジ、およびこれを妨げる凹部なしに、接合要素を凹部に挿入できるように十分に大きくなければならないことに留意されたい。
【0025】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明によるコンクリートスラブ構造の一実施形態では、矛盾しない限り、凹部は少なくとも接合要素または接合本体の幅と同じ幅である。
【0026】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明によるコンクリートスラブ構造のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、凹部は(それぞれの)コンクリートスラブを連続的に貫通するか、または凹部は(それぞれの)コンクリートスラブを部分的にのみ貫通し、したがって止まり穴を形成する。
【0027】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明によるコンクリートスラブ構造のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、接合要素のノッチまたはバルジの2つの側面と、コンクリートスラブ内またはコンクリートスラブ上のバルジまたはノッチの2つの側面とは(本質的に)対向しており、コンクリートスラブ内またはコンクリートスラブ上のバルジまたはノッチの一方の側面はコンクリートスラブの上側から発し、他方の側面はコンクリートスラブの下側から発し、バルジまたはノッチのこれら2つの側面は鈍角または鋭角φ’を形成または囲む。この角度φ’は、接合要素の対向するノッチまたはバルジの2つの側面間の角度φに等しいか、または通常はほぼ等しいにすぎない。特に、角度差φ’-φは、それぞれ±20°、特に±10°およびわずか±5°の範囲内である。この角度差は、接合要素とコンクリートスラブとの間の力伝達に影響を及ぼすように意図的に選択することができる。
【0028】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明によるコンクリートスラブ構造のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、接合要素はコンクリートスラブの一体部分、特にコンクリートスラブと一体に形成されたコンクリートスラブの縁部/側周にある。
【0029】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明によるコンクリートスラブ構造のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、少なくとも1つのノッチまたはバルジ、特に2つの側面は、少なくとも部分的に、特に完全に、コンクリートスラブの内部、特に頂部と底部との間に配置される。
【0030】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明によるコンクリートスラブ構造のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、接続要素、特にスラブ、ストライプ、または砂時計形状の接続要素は、コンクリートスラブの頂部側および/または底部側に、特に接合要素を(少なくとも部分的にまたは完全に)横切って配置される。接続要素は、コンクリートスラブまたは2つのコンクリートスラブに、例えばねじ止め、ダウエルまたは接着されて接続され、それによって接続要素は、(長手方向の)引張力を吸収するのに特に適している。接続要素は、金属、繊維複合材、またはFRCもしくはCPC要素で作ることができる。特に、接続要素は、コンクリートスラブまたは2つのコンクリートスラブに積層することができる。あるいは、接続要素は、コンクリートスラブ内に凹んでいてもよく、および/またはコンクリートスラブ内にコンクリートで固められてもよく、またはコンクリートスラブにモルタルで固定されてもよい。
【0031】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明によるコンクリートスラブ構造のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、いくつかの接合要素は、間隔を置いて、特に一定の間隔で、コンクリートスラブ内(またはその上)もしくはコンクリートスラブ間に直線に沿って配置される。
【0032】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明によるコンクリートスラブ構造のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、いくつかの接合要素が、間隔を置いて、特に一定の間隔で、コンクリートスラブ内(またはその上)またはコンクリートスラブ間に蛇行線またはジグザグ線に沿って配置され、蛇行線は特に湾曲した部分から構成され、ジグザグ線は特に直線部分から構成される。
【0033】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明によるコンクリートスラブ構造のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、接合要素は、それらの最長延長部に関して互いに本質的に直交して交互に配置される。
【0034】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明によるコンクリートスラブ構造のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、延長部の有無にかかわらず接合本体はコンクリートスラブ内またはコンクリートスラブ間に、特に規則的なパターンで配置され、特に延長部の有無にかかわらず接合本体は交互に配置される。
【0035】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明によるコンクリートスラブ構造のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、接合要素は、2つの離間して積み重ねられたコンクリートスラブ(すなわち、互いに水平に平行であるか、または互いに垂直に隣接している)の間に配置され、それによって2つのコンクリートスラブは、接合要素によって互いに接続され、特に互いに接続または支持される。
【0036】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明によるコンクリートスラブ構造のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、2つの離間したコンクリートスラブは(それらの最大範囲の方向に)互いに互い違いに配置される。
【0037】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明によるコンクリートスラブ構造のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、凹部の一部、特に大部分(50%超)は、コンクリートスラブまたはコンクリートスラブを完全に連続的に貫通しておらず(すなわち、コンクリートスラブ内に部分的にのみ貫通し)、凹部の一部、特に
小部分(50%未満)は、特に2つの連続する凹部の各々の間に少なくとも1つの不連続な凹部を有して、コンクリートスラブを完全に連続的に貫通している。
【0038】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明によるコンクリートスラブ構造のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、コンクリートスラブ構造は、コンクリートスラブ要素、またはいくつかのコンクリートスラブ要素を含むコンクリートスラブ、またはブリッジ要素、またはいくつかのブリッジ要素を含むコンクリートブリッジである。
【0039】
本発明によるコンクリートスラブ構造の上述の実施形態のすべてにおいて、接合要素は好ましくはノッチのみを有し、コンクリートスラブの一方の側または凹部にある相手はバルジのみを有するが、これは接合要素からコンクリートスラブへの力の伝達がより良好となるからである。一方、接合要素がバルジのみを有し、コンクリートスラブ上またはコンクリートスラブ内の相手材がノッチのみを有する場合、大きな荷重下でノッチの頂部からコンクリートスラブに亀裂が形成される可能性がある。好ましくは、接合要素は、2つの対向する側にノッチを有する。したがって、コンクリートスラブの凹部は、対向する2つの側面にバルジを有する。好ましくは、ノッチおよびバルジの2つの側面は鈍角を囲み、角度は特に90°~130°の範囲内である。
【0040】
本発明の別の態様によれば、本発明によるコンクリートスラブ構造を製造する方法が、中間生成物として提案される。本発明による方法は、以下の
-少なくとも1つの接合要素(上記の実施形態のうちの1つによる)を提供する工程と、
-少なくとも1つのコンクリートスラブ、特に少なくとも1つのFRCまたはCPCスラブを提供する工程であって、コンクリートスラブの1つの頂部と1つの底部との間のコンクリートスラブの横方向周囲に沿って少なくとも1つのバルジまたはノッチを備え、バルジまたはノッチは、特に(任意選択的に丸みを帯び、必ずしも尖っていなくてもよい)先端に向かって先細になる2つのくさび形の側面または表面、特に平坦な側面/表面を有する、工程と、
-コンクリートスラブの側周に接合要素を配置する工程であって、コンクリートスラブのバルジまたはノッチ部の(本質的に)対向する接合要素の一方の側にノッチまたはバルジを有する、工程と、
-コンクリートスラブと接合要素との間の隙間を充填材料で充填する工程であって、充填材料は、例えばモルタルまたは接着剤である、工程と、を含む。
【0041】
本発明の別の態様によれば、本発明によるコンクリートスラブ構造を製造する方法が提案される。本発明による方法は、以下の
-少なくとも1つの接合要素(上記の実施形態のうちの1つによる)を提供する工程と、
-少なくとも1つのコンクリートスラブ、特に少なくとも1つのFRCスラブまたはCPCスラブを提供する工程であって、コンクリートスラブは少なくとも1つの凹部を有し、コンクリートスラブの頂部側と底部側との間の凹部の断面は、一方(左/右/前/後)側および任意選択でもう一方(対向する右/左/後/前)側に少なくとも1つのバルジまたはノッチを有し、バルジまたはノッチは、特に(任意選択的に丸みを帯び、必ずしも尖っていなくてもよい)先端に向かって先細になる2つのくさび形の側面または表面、特に平坦な側面/表面を有し、それによって凹部は特にコンクリートスラブを連続的に貫通するか、または部分的にのみコンクリートスラブを貫通している、工程と、
-接合要素のそれぞれのノッチまたはバルジと凹部のそれぞれのバルジまたはノッチとが(本質的に)互いに対向するように、接合要素を凹部内に配置する工程と、
-凹部と接合要素との間の空間/隙間を充填材または充填材料で充填する工程であって、充填材または充填材料は、例えば、ウェッジ、モルタル、砂または接着剤などの少なくとも1つの嵌合片である、工程と、を含む。
【0042】
特に、充填材料は、コンクリートスラブと接合要素との間に恒久的な接続を形成する必要がある。充填材料に応じて、接続は解放不可能または解放可能(例えば、砂を使用する場合)である。特に、充填材料は、主に圧縮力を受けるため、(硬化したときに)耐圧性でなければならない(すなわち、充填材料は、接合要素に接続されたコンクリートスラブに圧力を送達または伝達しなければならないため、充填材料が十分に大きく離れ、形状または体積が大きく変化するように、圧力下でそれらの間の空間で圧縮できはないはずである)。
【0043】
本発明による方法の一実施形態では、接合要素は、コンクリートスラブの頂部側または底部側に対して(本質的に垂直な)方向に接合要素を凹部に挿入することによって、またはコンクリートスラブの側周においてコンクリートスラブの頂部または底部に平行な方向に接合要素を凹部に押し込むことによって、凹部に配置される。
【0044】
本発明の代替の変形形態によれば、本発明によるコンクリートスラブ構造を製造する方法は、以下の
-少なくとも1つの接合要素(上記の実施形態のうちの1つによる)を提供する工程と、
-少なくとも2つのコンクリートスラブ、特に少なくとも2つのFRCスラブまたはCPCスラブに、コンクリートスラブの頂部と底部との間のコンクリートスラブの各側に沿って少なくとも1つのバルジまたは少なくとも1つのノッチを提供する工程であって、バルジまたはノッチは、(任意選択的に丸みを帯び、必ずしも尖っていなくてもよい)先端に向かって先細になる2つのくさび形の側面または表面、特に平坦な側面/表面を有する、工程と、
-接合要素のそれぞれのノッチまたはバルジと、コンクリートスラブのそれぞれのバルジまたはノッチとが(本質的に)互いに対向するように、接合要素を凹部内の2つのコンクリートスラブの間に配置する工程と、
-コンクリートスラブと接合要素との間の隙間を充填材または充填材料で充填する工程であって、充填材または充填材料は、例えば、ウェッジ、モルタル、砂または接着剤などの少なくとも1つの嵌合片である、工程と、を含む。
【0045】
特に、充填材料は、コンクリートスラブと接合要素との間に恒久的な接続を形成する必要がある。充填材料に応じて、接続は解放不可能または解放可能(例えば、砂を使用する場合)である。特に、充填材料は、主に圧力を吸収するため、(硬化したときに)耐圧性でなければならない。
【0046】
本発明による方法の一実施形態では、2つのコンクリートスラブ間の接合要素の配置は、以下の
-2つのコンクリートスラブを1つのレベルに配置する工程と、
-接合要素を2つのコンクリートスラブの間の凹部に挿入する工程と、
-コンクリートスラブのそれぞれのバルジまたはノッチと接合要素のそれぞれのノッチまたはバルジとの間に1cm~5cmの距離が存在するまで、2つのコンクリートスラブを平面に平行な方向に統合する工程と、によって実行される。
【0047】
あるいは、接合要素は、以下の
-2つのコンクリートスラブを、接合本体または接合要素の最も広い寸法よりも小さい距離で左側から右側へ平面上に配置する工程と、
-2つのコンクリートスラブの頂部または底部に平行な一方向で、2つのコンクリートスラブのそれぞれのバルジまたはノッチの間の凹部に接合要素を挿入する工程と、によって、2つのコンクリートスラブの間に配置される。
【0048】
接合要素とコンクリートスラブとの間の接着性は、コンクリートスラブと接合要素との間の接触面を、例えばサンドブラストによって粗面化することによって改善することができる。
【0049】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明による方法の一実施形態では、矛盾しない限り、2つのコンクリートスラブと接合要素との間の空間を充填するとき、充填剤またはある量の充填材料が、コンクリートスラブおよび接合要素の形状および/または寸法、特にノッチおよびバルジ、ならびにそれらの配置の不正確さ、すなわちそれらの目標形状またはサイズからの偏差が(可能な限り)補償されるように空間に導入される。これは、構成要素が大きな公差で、すなわち非常に十分な遊びを伴って「アンダーサイズ」で製造され、それによって隙間嵌めがモルタルなどの充填材料によって充填されることを意味する。
【0050】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明による方法のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、本方法は以下の
-接続要素、特にプレート、ストリップ、または砂時計形状の接続要素を、コンクリートスラブの頂部側および/または底部側に、特に接合要素(1)の上方に、例えばねじなどの1つまたは複数の締結具によって、または接着剤によって固定するさらなる工程を含む。
【0051】
接続要素は、金属または繊維複合材で作ることができる。特に、接続要素は、コンクリートスラブまたは2つのコンクリートスラブに積層することができる。あるいは、接続要素は、コンクリートスラブ内にコンクリートで固められてもよく、またはコンクリートスラブにモルタルで固定されてもよい。
【0052】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明による方法のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、いくつかの接合要素は、間隔を置いて、特に一定の間隔で、コンクリートスラブ内(またはその上)もしくはコンクリートスラブ間に直線に沿って配置される。
【0053】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明による方法のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、いくつかの接合要素が、間隔を置いて、特に一定の間隔で、コンクリートスラブ内(またはその上)またはコンクリートスラブ間に蛇行線またはジグザグ線に沿って配置され、蛇行線は特に湾曲した部分から構成され、ジグザグ線は特に直線部分から構成される。
【0054】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明による方法のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、接合要素は、互いの最長延長部に関して本質的に直交して交互に配置される。
【0055】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明による方法のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、延長部の有無にかかわらず、接合要素はコンクリートスラブ内またはコンクリートスラブ間に、特に規則的なパターンで配置される。特に、延長部の有無にかかわらず、接合要素は、コンクリートスラブ内またはコンクリートスラブ間に交互に配置される。
【0056】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明による方法のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、少なくとも1つの接合要素は、(互いに重なるか互いに隣接して)積み重ねられた2つのコンクリートスラブの間に配置され、コンクリートスラブの少なくとも1つに接続され、その結果、コンクリートスラブは互いに接続されるか、または互いに支持される。
【0057】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明による方法のさらなる実施形態では、矛盾しない限り、2つの離間したコンクリートスラブは、(それらの最大範囲の方向に)互いに互い違いに配置される。
【0058】
既に言及した実施形態およびまだ言及していない実施形態のいずれかと組み合わせることができる本発明による方法のさらなる実施形態では、凹部の一部、特に大部分は、1つまたは複数のコンクリートスラブを完全に貫通しておらず、凹部の一部、特に小部分は、1つまたは複数のコンクリートスラブを完全に連続的に貫通しており、特に少なくとも1つの不連続な凹部は、2つの連続する凹部の各々の間に配置されなければならない。
【0059】
本発明の別の態様によれば、上側側面と下側側面の長さが異なる接合要素の使用が規定される。次いで、接合要素を使用して、接合要素上の力を吸収し、接合要素に接続されたコンクリートスラブに力を伝達することが提案され、2つの側面のうちの短い方が主に圧縮力を吸収し伝達するために使用され、2つの側面のうちの長い方が主に引張力を吸収し伝達するために使用される。
【0060】
本発明の別の態様によれば、本発明によるコンクリートスラブ構造の使用が規定される。本発明によるコンクリートスラブ構造を以下の構造の一部として使用することが提案される。
【0061】
-建物のFRCまたはCPC耐荷重構造、例えば、壁/天井接続、屋根構造、壁構造、(吊り下げられた)天井、階段、地震対策用の建物コア内の壁/壁接続、地面の基礎床、中空柱、壁システム全体、自立式バルコニー、タワー構造、階段、折り畳み構造、
-都市ユーティリティビル、車両用シェルター、配電用家屋、コンテナ用シェルター、乗降用屋根、路面電車およびバス用シェルターなどの単純な建物全体、
-道路、鉄道、歩行者および自転車、パイプライン、水路用のコンクリート面または橋、
-保持壁、傾斜路構造、シェルターなどの土木工学構造物、
-T、HおよびU形状の曲げ梁または箱桁などの耐荷重構成要素、
-造船における支持建造。
【0062】
本発明の別の態様によれば、接合要素の製造方法が提案される。本発明による方法は、以下の
-コンクリートスラブ、特にFRCまたはCPCスラブに、頂部および底部と、長手方向延長部および幅延長部とを提供する工程と、
-コンクリートスラブの頂部側および底部側の対向部に、特に一定の間隔で幅膨張の方向にノッチをフライス加工する工程と、
-多数の個々の接合要素を得るために、ノッチの間またはノッチ内、特に隣接するノッチの間またはいくつかの隣接するノッチの間で、さらに特にノッチの開始部および/または終了部で、幅膨張の方向および長手方向膨張の方向に、コンクリートスラブを切断する、特にのこ引きする工程と、を含む。
【0063】
あるいは、本発明による方法は、以下の
-円筒軸を有するコンクリートシリンダ、特に円形、楕円形または多角形(すなわち、角柱状シリンダ)の断面を有する、特にFRCまたはCPCシリンダを提供する工程と、
-コンクリートシリンダの周囲の一部およびコンクリートシリンダの対向する部分またはコンクリートシリンダの全周囲に、特にシリンダ軸に垂直に、特に一定の間隔でノッチをフライス加工する工程と、
-多数の個々の接合要素を得るために、ノッチの間またはノッチ内、特に隣接するノッチの間またはいくつかの隣接するノッチの間で、さらに特にノッチの開始部および/または終了部で、シリンダ軸に垂直に(スライスで)コンクリートシリンダを切り出す、特にのこ引きする工程と、をさらに含む。
【0064】
本発明による一実施形態では、本方法は、以下の
-特に、個々の接合要素の表面を粗面化するために、特に、砂または水のブラスト、粗面化またはコーティングによって、個々の接合要素を表面処理する工程と、
-コンクリートスラブまたはコンクリートシリンダの製造中に、線形膨張またはシリンダ軸の方向に、コンクリートスラブまたはコンクリートシリンダに補強材を挿入する工程と、
-特にノッチをフライス加工する前の、コンクリートシリンダの一部を正面切削する工程と、
-ノッチ、バルジ、および延長部などの接合要素の異なる部分を形成するために、例えば異なる形状のフライスヘッドを使用することによって、ノッチのフライス加工の一部として異なるノッチを形成する工程と、
-特にさらなる成形のための個々の接合要素を研削または回転する工程と、のうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0065】
さらに、
-コンクリートスラブ、特にFRCまたはCPCスラブからいくつかの接合要素(1)を、
高圧水ジェットおよび/またはフライスおよび/またはジグソー、丸のこおよび/またはパンチングツールを用いて、特にCNC(コンピュータ数値制御)機械を用いて切り出す工程を有する、接合要素を製造する方法が提案されている。
【0066】
最後に、コンクリートスラブ構造用のコンクリートスラブを製造する方法であって、高圧水ジェットおよび/またはフライスおよび/またはジグソー、丸のこおよび/またはパンチングツールを用いて、特にCNC(コンピュータ数値制御)機械を用いて、
-コンクリートスラブ、特にFRCまたはCPCスラブから接合要素(1)を切り出す工程、
-コンクリートスラブ、特にFRCまたはCPCスラブから凹部を切り出す工程、
の2つのうちの少なくとも1つを有する、コンクリートスラブ構造用のコンクリートスラブを製造する方法が提案されている。
【0067】
上記の実施形態の組み合わせが可能であり、ひいては本発明のより具体的な実施形態につながることに明確に留意されたい。
【0068】
本発明の非限定的な実施形態は、図面を用いて以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【
図1a)】本発明の接合要素の第1の実施形態の概略断面図である。
【
図1b)】本発明の接合要素の第2の実施形態による概略断面図である。
【
図1c)】本発明の接合要素の第3の実施形態の概略断面図である。
【
図1d)】本発明の接合要素の第4の実施形態の概略断面図である。
【
図1e)】本発明の接合要素の第5の実施形態の概略断面図である。
【
図1f)】本発明の接合要素の第6の実施形態の概略断面図である。
【
図2a)】本発明の接合要素の第7の実施形態の概略断面図である。
【
図2b)】本発明の接合要素の第8の実施形態の概略断面図である。
【
図3a)】
図1b)による接合要素上に延長部を有する本発明の接合要素の第9の実施形態の概略断面図である。
【
図3b)】
図1d)による接合要素への延長部を有する本発明の接合要素の第10の実施形態の概略断面図である。
【
図4a)】
図1b)による2つの接合要素間に延長部を有する本発明の接合要素の第11の実施形態の概略断面図である。
【
図4b)】
図1d)による2つの接合要素間に延長部を有する本発明の接合要素の第12の実施形態の概略断面図である。
【
図5a)】両側に2つのノッチを有する本発明の接合要素の第13の実施形態の概略断面図である。
【
図5b)】両側に2つのバルジを有する本発明の接合要素の第14の実施形態の概略断面図である。
【
図6a)】
図1b)の本発明の接合要素の第2の実施形態の概略斜視図である。
【
図6b)】
図1d)の本発明の接合要素の第4の実施形態の概略斜視図である。
【
図6c)】
図2b)の本発明の接合要素の第8の実施形態の概略斜視図である。
【
図6d)】
図2a)の本発明の接合要素の第7の実施形態の概略斜視図である。
【
図7a)】本発明のコンクリートスラブ構造の第1の実施形態の概略断面図である。
【
図7b)】本発明のコンクリートスラブ構造の第2の実施形態による概略断面図である。
【
図7c)】本発明のコンクリートスラブ構造の第3の実施形態の概略断面図である。
【
図8a)】本発明のコンクリートスラブ構造の第4の実施形態の概略断面図である。
【
図8b)】本発明のコンクリートスラブ構造の代替的な第4の実施形態の概略断面図である。
【
図8c)】本発明のコンクリートスラブ構造の第5の実施形態の概略断面図である。
【
図9a)】本発明のコンクリートスラブ構造の第6の実施形態の概略上面図である。
【
図9b)】本発明のコンクリートスラブ構造の第7の実施形態の概略上面図である。
【
図9c)】本発明のコンクリートスラブ構造の第8の実施形態の概略上面図である。
【
図9d)】本発明のコンクリートスラブ構造の第9の実施形態の概略上面図である。
【
図9e)】本発明のコンクリートスラブ構造の第10の実施形態の概略上面図である。
【
図9.a)】本発明のコンクリートスラブ構造の代替的な第6の実施形態の、
図9’b)の経路A-A’に沿った概略断面図である。
【
図9.b)】
図9’a)と同様の実施形態の、
図9’a)の経路B-B’に沿った概略断面図である。
【
図9.c)】
図9’a)と同様の実施形態の、
図9’b)の経路C-C’に沿った概略断面図である。
【
図10a)】本発明のコンクリートスラブ構造の第11の実施形態の概略断面図である。
【
図10b)】本発明のコンクリートスラブ構造の第12の実施形態の概略断面図である。
【
図10c)】本発明のコンクリートスラブ構造の第13の実施形態の概略断面図である。
【
図10d)】本発明のコンクリートスラブ構造の第14の実施形態の概略断面図である。
【
図11a)】本発明のコンクリートスラブ構造の第15の実施形態の概略斜視図である。
【
図11b)】本発明のコンクリートスラブ構造の第16の実施形態の概略斜視図である。
【
図11c)】本発明のコンクリートスラブ構造の代替的な第15の実施形態の概略斜視図である。
【
図11d)】本発明のコンクリートスラブ構造の別の代替的な第15の実施形態の概略斜視図である。
【
図11e)】本発明のコンクリートスラブ構造の代替的な第16の実施形態の概略斜視図である。
【
図11f)】本発明のコンクリートスラブ構造の別の代替的な第16の実施形態の概略斜視図である。
【
図12a)】本発明のコンクリートスラブ構造の第17の実施形態による概略断面図である。
【
図12b)】本発明のコンクリートスラブ構造の第18の実施形態による概略断面図である。
【
図12c)】本発明のコンクリートスラブ構造の第19の実施形態による概略断面図である。
【
図12d)】本発明のコンクリートスラブ構造の第20の実施形態による概略断面図である。
【
図12e)】本発明のコンクリートスラブ構造の第21の実施形態による概略断面図である。
【
図12f)】本発明のコンクリートスラブ構造の第22の実施形態による概略断面図である。
【
図12g)】本発明のコンクリートスラブ構造の第23の実施形態による概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図面において、同じ参照符号は同じ要素を表す。
発明の詳細な説明
図1は、本発明によるコンクリートスラブ構造に使用することができる接合要素1の様々な例を断面で示す。接合要素1は、特に補強材13を有するコンクリート製である。さらに、接合要素1は、例えばFRCとして、または特にCPC構成要素として設計される。
【0071】
図1a)は、左側6および右側7にノッチ8、8’を有する接合本体3を有する接合要素1の第1の実施形態を輪郭で示す。基本的に、右側7のノッチ8’は任意選択であり、これは右側7の点線で示されている(他の
図1b)~
図1f)および
図2~
図6も同様)。2つのノッチ8、8’は各々、くさび形状の先端10に収束し、鈍角φを形成する上側側面11および下側側面11’を有する。この場合には接合本体3のみからなる接合要素1の輪郭または断面は、垂直中心軸および水平中心軸の両方に関して鏡面対称である。これは、4つの側面すべてが同じ長さであるため、断面が点対称であることを意味する。上側4と下側5との間の垂直中心軸の方向において、補強材13が接合要素1に挿入される。特に、補強材13は、接合要素1が、接合要素1の頂部および底部に対して本質的に垂直に作用する引張力を吸収できることを保証する。2つのノッチ8、8’を介して、このような垂直外力は、接合要素1が挿入されるコンクリートスラブ、または接合要素1が一緒に接合するコンクリートスラブ(
図7を参照)に水平方向の力成分で作用する。この場合、垂直外力は水平中心軸の方向に導かれる(コンクリートスラブ上のノッチの圧縮効果をもたらす)。
【0072】
図1b)は、
図1a)の接合要素1の第2のわずかに変更された実施形態を輪郭で示しており、上側側面11が下側側面11’よりもいくらか短く、それによって角度φが小さくなっている。接合要素1の断面は、垂直中心軸に対して鏡面対称のままであるが、水平中心軸に対してもはや鏡面対称ではない(したがって、もはや点対称ではない)。側面11、11’の長さを変更することによって、角度φは、接合要素1に外部荷重がかかった場合に接合要素1を通る力の流れが所望の方法で流れるように調整することができる。
【0073】
図1c)は、左側6および右側7にノッチの代わりにバルジ9、9’を有する接合要素1の第3の実施形態を輪郭で示す。接合要素1のこの形状は、接合要素1が挿入または接合される1つまたは複数のコンクリートスラブの頂部および底部に向かって垂直外力を導く。
【0074】
図1d)は、
図1c)の接合要素1の第4のわずかに変更された実施形態を輪郭で示しており、上側側面11が下側側面11’よりもいくらか短く、角度φを小さくしている。これは、外部荷重下で接合要素1を通る力の流れの変化をもたらす。
【0075】
図1e)は、2つのノッチまたはバルジの代わりに左側6にノッチ8を有し、右側7にバルジ9’を有する接合要素1の第5の実施形態を輪郭で示す。ノッチ8およびバルジ9’のすべての側面11、11’は、ここでは同じ長さである。接合要素1のこの成形は、接合要素1が挿入されるかまたは接合要素1を接合する1つまたは複数のコンクリートスラブの左側6に水平中心軸の方向に、および右側7に上下の方向に垂直外力を導く。
【0076】
図1f)は、
図1e)の接合要素1の第6のわずかに変更された実施形態を輪郭で示しており、上側側面11が下側側面11’よりもいくらか短く、それによって角度φが小さくなっている。これは、外部荷重下で接合要素1を通る力の流れの変化をもたらす。
【0077】
図1による接合要素は、例えば、コンクリートスラブ、特にFRCまたはCPCスラブから、ノッチをコンクリートスラブの頂部側および底部側の対向側にフライス加工し、次いでコンクリートスラブを個々の接合要素に切断することによって作製することができる(上記のように)。
【0078】
図2a)は、
図1a)の接合要素1の第7のわずかに変更された実施形態を示し、接合要素1の断面は砂時計形状であり、したがって頂部側4および底部側5に尖った縁部を有さない。2つのノッチ8、8’の側面11、11’は、ここではすべて同じ長さである。例えば、この接合要素1は、垂直中心軸を中心として回転対称であり、したがって砂時計形状の本体とすることができる(
図6d)を参照)。
【0079】
図2b)は、
図2a)の接合要素1の第8のわずかに変更された実施形態を輪郭で示しており、上側側面11が下側側面11’よりもいくらか短く、それによって角度φが小さくなっている。これは、外部荷重下で接合要素1を通る力の流れの変化をもたらす。
【0080】
図3a)は、(
図1b)による)接合要素3の上側4に延長部12が追加された接合要素1の第9の実施形態を示す。接合本体3および延長部12は一体であり(すなわち、それらは一体部品からなるか、または一体的に成形されている)、共に接合要素1をユニットとして形成する。あるいは、延長部12は、接合本体3の底部側5に取り付けることもできる。結合要素としての延長部12は、例えば、接合要素が挿入されるコンクリートスラブを吊り下げるために、別の建築要素と連結するために使用することができる。しかしながら、接合要素が挿入されるコンクリートスラブを支持するための支持体として使用することもできる。接合本体3は、例えば
図1または
図2による任意の形状をとることができる。したがって、
図3b)は、(
図1d)による)接合本体3の底部側5に延長部12’が追加された接合要素1の第10の実施形態を示す。例として
図8b)および
図8c)の場合のように、接合本体3の頂部側4および底部側5の両方に、延長部12、12’が取り付けられてもよい。2つの延長部12、12’の長さは異なっていてもよい。
【0081】
図4a)は、(
図1b)による)2つの同一の接合本体3,3’の間に延長部12が挿入されている接合要素1の第11の実施形態を示す。
図3a)による延長部12付き接合要素1には、別の接合本体3’が延長部12の自由端に一体的に追加された。接合本体3は、例えば
図1または
図2による任意の形状をとることができる。したがって、
図4b)は、接合本体3、3’が
図1d)による延長部12によって一体的に接合されている接合要素1の第12の実施形態を輪郭で示す。接合要素1の2つの端部に異なる形状の接合本体3、3’があってもよい。
【0082】
図5a)は、接合本体3が左側6および右側7の上側4と底部側5との間にさらなるノッチ8’’、8’’’を有する接合要素1の第13の実施形態を輪郭で示す。
図5b)は、接合本体3が各側9、9’’および9’’、9’’’に2つのバルジを有する接合要素1の第14の実施形態を輪郭で示す。
【0083】
図6a)は、2つのノッチ8、8’を有する
図1b)の接合要素1の第2の実施形態の斜視図を示す。ここでは、一例として接合要素1の寸法、特に接合要素1が長手方向にどのように膨張するかを見ることができる。典型的には、接合本体3の高さH(頂部側4と底部側5との間)は2cm~10cmの範囲内であり、接合本体3の幅B(左側6と右側7との間)は2cm~10cmの範囲内であり、接合要素1の長さLは5cm~20mの範囲内、むしろ1mまで、最も可能性が高いのは50cmである。いずれの場合でも、それらは、しばしば半製品として入手可能な市販のコンクリートスラブを接合するのに適しているように寸法決めされる。上側の短い方の側面11と下側の長い方の側面11’との比は、1:16~1:1の範囲内であり、2つのn個の側面11、11’によって囲まれる角度φは、鈍角(90°≦φ<180°)または鋭角(0°<φ<90°)、例えば60°~160°の範囲内とすることができる。
図6a)は、接合本体3上の上側延長部12を示しており、これらは共に接合要素1を一体に形成している。
【0084】
図6b)は、2つの突起9、9’を有する
図1d)の本発明の接合要素の第4の実施形態の斜視図である。
図6b)は、接合本体3上の下側延長部12’を示しており、これらは共に接合要素1を一体に形成している。
【0085】
図6c)は、
図2b)の接合要素1の第8の実施形態の斜視図を示し、頂部側4および底部側5に沿って2つのノッチ8、8’および丸みを帯びた縁部を有する。
【0086】
図6d)は、
図2a)の本発明による接合要素の第7の実施形態の斜視図を示す。この接合要素1は、垂直中心軸を中心として回転対称であり、全周ノッチ8を有する砂時計形状の本体を有する。
図6d)の図における上側および下側4、5は平坦に見えるが、上側および下側縁部はまた、部分的または完全に丸くすることもでき、その結果、上側および下側4、5は、例えば楕円形または(半円)円形である。
【0087】
接合要素を形成するために、
図1~
図6に示す接合本体3、3’および延長部12、12’の任意の組み合わせが可能である。
【0088】
図1~
図6c)による接合要素は、例えば、コンクリートスラブ、特にFRCまたはCPCスラブから、ノッチをコンクリートスラブの頂部側および底部側の対向側にフライス加工し、次いでコンクリートスラブを個々の接合要素に切断することによって製造することができる(上記のように)。例えば
図6d)による回転対称接合要素は、コンクリートシリンダに沿ってノッチをフライス加工し、次いで「円盤状」コンクリートシリンダを個々の接合要素に切断することによって、コンクリートシリンダ、特にFRCまたはCPCシリンダから製造することができる(上記のように)。
【0089】
図7a)は、1つの平面内にある2つのコンクリートスラブ2、2’と、2つのコンクリートスラブ2、2’の間に配置された本発明による接合要素1とからなる、本発明によるコンクリートスラブ構造14の第1の実施形態の断面を示す。接合要素1は、左右の側面6、7にノッチ8、8’を有する。したがって、2つのコンクリートスラブ2、2’は、接合要素1に面する(周方向の)側に沿って20、20’のバルジを有する。接合要素1のノッチ8、8’と2つのコンクリートスラブ2、2’のバルジ20、20’との間の隙間/空間24は、(グラウティング)モルタル、(粗)砂または接着剤などの充填材料25で充填される。あるいは、ウェッジなどの1つまたは複数の嵌合片を、可能な限り形状嵌合として隙間24内の充填材として使用することができる。充填材料25は、特に隙間24内で硬化した場合に、特に耐圧性である。特に、FRCスラブまたはCPCスラブがコンクリートスラブとして使用され、それによって、例えば繊維、特に炭素繊維の形態の補強材26が、コンクリートスラブ2、2’の平面内で(水平に)接合要素1の方向に配向される。一方、接合要素1の補強材13は、コンクリートスラブ2、2’の補強材26に対して垂直に位置合わせされる。接合要素1の上方および/または下方に、追加の(引張)接続要素27(破線でマークされている)をコンクリートスラブ2、2’の表面に取り付けることができる。接合要素1をコンクリートスラブ2の凹部15に挿入するために、凹部の幅B’は、接合要素1を上方(
図7a)の下向きの垂直矢印を参照)または下方から凹部15に挿入できるように、少なくとも接合要素1の幅Bと同じ大きさでなければならない。2つの別個のコンクリートスラブ2、2’の場合、この場合のように、接合要素1は、組み立て中に2つのコンクリートスラブ2、2’の間に配置することができ、次いで、所望の隙間24が充填材料25を充填するために依然として利用可能であるまで、または接合要素1の幾何学的形状が一緒に押す(2つのコンクリートスラブ2、2’を
図7a)の矢印の水平方向に押す)ことを可能にする限り、接合要素1の方向に互いに押し付けられる。組み立てを単純化するために、例えば、接合要素1は、例えば接着剤またはモルタルによって、1つのコンクリートスラブ2、2’のバルジ20、20’に取り付けることができる(
図10d右上のハッチングされた固定領域28を参照)。あるいは、接合要素1は、上述したように、隙間24の上方または下方から垂直に挿入することもできる。
【0090】
図7b)は、本発明によるコンクリートスラブ構造14の第2の実施形態の断面を示し、接合要素1の2つのノッチ8、8’は、製造公差のために全く同一ではない。また、2つのコンクリートスラブ2、2’の2つのバルジ20、20’は同一ではなく、左コンクリートスラブ2のバルジの先端10は、接合要素1の左ノッチ8の先端10と同じ高さにはなく、これもコンクリートスラブ(または接合要素)の製造の不正確さに起因する。コンクリートスラブ2、2’および接合要素1、特にノッチ8、8’およびバルジ20、20’の形状および/または寸法のこれらの不正確さ、ならびにそれらの配置、すなわちそれらの公称形状またはサイズからの偏差は、モルタルなどの充填材料25によって大幅に補償することができる。これは、構成要素を大きな公差で、すなわち非常に十分な遊びを伴って「アンダーサイズ」で製造することができ、それによって隙間嵌めが充填材料25によって充填されることを意味する。
【0091】
図7c)は、本発明によるコンクリートスラブ構造14の第3の実施形態の断面を示し、コンクリートスラブの対応するノッチ21、21’に対向する2つのバルジ9、9’を有する接合要素1が
図7a)および
図7b)の代わりに使用される。
【0092】
接合要素のノッチまたはバルジは、コンクリートスラブの対応するバルジおよびノッチ部と形状が同一である必要はなく、特に、これらは形状嵌合式に連結する必要はないが、形状および/または寸法の差は隙間内の充填材料によって調整されることをもう一度明確に指摘しておくべきである。
【0093】
図8a)は、本発明によるコンクリートスラブ構造14の第4の実施形態の断面を示し、2つのコンクリートスラブ2、2’間の凹部15は、コンクリートスラブ2、2’の頂部から底部まで完全には通過せず、接合時に止まり穴を形成する。特に、これにより、充填材料25(例えば砂)が空間25内に保持され、空間25の下側開口部を貫通することが防止される。連続する凹部15の場合のこのような下側開口部は、例えば接続要素27によっても、カバー(例えば
図10c)を参照)で(一時的または永続的に)閉じることができる。さらに、
図8a)では、任意選択の(引張)接続要素27が破線で描かれており、これは、コンクリートスラブ2、2’内の接合要素1の下に埋め込まれている、例えば、モルタルで固定されている。
【0094】
図8b)は、本発明によるコンクリートスラブ構造14の代替的な第4の実施形態の断面を示し、2つのノッチ8、8’を有する接合要素1がコンクリートスラブ2の凹部15に挿入されている。接合要素1を上から(下からも可能である)凹部15に(描かれた矢印の方向に)挿入した。この目的のために、凹部15の最も狭い点(幅B’)は、少なくとも接合要素1の幅Bと同じ幅でなければならず、それによって凹部15に完全に挿入することができ、次いで残りの隙間24が充填材料25で充填される。この例では、接合本体3の頂部4に延長部12が追加されている。代替的または追加的に、延長部12’を底部側5に追加することもできる(点線で示す)。
【0095】
図8c)は、本発明によるコンクリートスラブ構造14の第5の実施形態の断面を示し、2つのバルジ9、9’を有する接合要素1がコンクリートスラブ2の凹部15に挿入されている。接合要素1を上から(下からも可能である)凹部15に(描かれた矢印の方向に)挿入した。この目的のために、凹部15は接合要素1の幅Bよりも準備ができていなければならず、それによって凹部15に完全に挿入することができ、次いで残りの隙間24が充填材料25で充填される。この例では、接合本体3の頂部4に延長部12が追加されている。代替的または追加的に、延長部12’を底部側5に追加することもできる(点線で示す)。
【0096】
図7a)~
図7c)および
図8a)~
図8c)に示すすべての実施形態において、接合要素1は、コンクリートスラブ2、2’に対して垂直であり、またはその間にある。しかしながら、接合要素がコンクリートスラブ内にある角度で(わずかに)配置されること、または2つのコンクリートスラブが各々接合要素に対して(わずかに)傾斜して配置されることも考えられる(これにより、傾斜は、例えば荷重からのみ生じるか、またはその後消失する)。接合要素の傾斜は、接合要素とコンクリートスラブとの間の力の伝達に影響を及ぼすために、意図的に選択することができる。
【0097】
図9a)は、いくつかの接合要素1が2つのコンクリートスラブ2、2’を接合するために使用されている、本発明によるコンクリートスラブ構造14の第6の実施形態の上面図を示す。この場合、2つのコンクリートスラブ2、2’の直線辺は、接合要素1が挿入される2つのコンクリートスラブ2、2’の側面に沿って一定の間隔で凹部15によって互いに接合される。あるいは、単一の長い接合要素を、2つのコンクリートスラブ2、2’(破線でマークされている)の間の対応する長い凹部15に挿入することもできる。
【0098】
図9b)は、本発明によるコンクリートスラブ構造14の第7の実施形態の上面図を示しており、ここでもいくつかの接合要素1が2つのコンクリートスラブ2、2’を接合するために使用される。2つのコンクリートスラブ2、2’が一緒に接合される線に垂直なコンクリートスラブ構造14の安定性を高めるために、この線は、接合要素1が一定の間隔で挿入される蛇行線として実行される。結果として、接合要素1の向きはわずかに異なり、その結果、引張力および圧縮力は、コンクリートスラブ構造14全体の接合要素1を介してスラブ平面内の2つのコンクリートスラブ2、2’にならびにそれらに対して垂直により良好に分散され得る。
図9b)では、凹部15は、蛇行線全体に沿って延びている。
【0099】
図9c)は、接合要素1が蛇行線に沿ってではなく一定の間隔で挿入されている、本発明によるコンクリートスラブ構造14の第8の実施形態の上面図を示す。この場合、例えば、小さな回転対称(例えば、砂時計形状)の接合要素1、ならびに(ほぼ/本質的に)正方形のフロアプランを有するものが、ジグザグ線の狭い先端に使用される。あるいは、長方形のフロアプランを有する4つの引き延ばされた細長い接合要素1の代わりに、多数のより小さい、例えば回転対称(砂時計形状)の接合要素1を使用することができる(2つの金属シートを一緒にリベット留めすることと同様-例えば、
図9e)を参照)。
図9c)では、凹部15もジグザグ線全体に沿って延びている。
【0100】
図9d)は、本発明によるコンクリートスラブ構造14の第9の実施形態の上面図を示しており、やはり接合要素1は一定の間隔でジグザグ線に沿って挿入され、凹部15はジグザグ線全体に沿って延びず、ジグザグ線の断面ごとに1つの凹部15がある。この実施形態では、(円形/正方形のフロアプランを有する)小さな接合要素1の代わりに、例えば砂時計形状のフロアプランを有する(引張)接続要素27が、ジグザグ線(引張)接続要素27の狭い先端に、2つのコンクリートスラブ2、2’の表面に例えばモルタル固定で埋め込まれている。これらの接続要素27は各々、接合要素の上ではなく、2つのコンクリートスラブ2、2’の表面の凹部15に配置されることに留意されたい。平坦な砂時計形状の接続要素27は、2つのコンクリートスラブ2、2’の表面のわずかに大きいやはり砂時計形状の凹部に嵌合し、したがって2つのコンクリートスラブ2、2’間に(
図9dの接続要素27の水平に位置する中心軸の方向に)引張接続を形成する。コンクリートスラブ2、2’に対する水平方向の入力および圧縮力の場合、接続要素27の側面は、入力および圧縮力を吸収して伝達するコンクリートスラブ2、2’の凹部の対応する側面に押し付けられる。
【0101】
図9e)は、本発明によるコンクリートスラブ構造14の第10の実施形態の上面図を示しており、2つのコンクリートスラブ2、2’が連結され、連結はジグザグ線に沿ってではなく長方形の歯によって行われる。このコンクリートスラブ構造14では、コンクリートスラブ2、2’の水平に走る側面のみが接合要素1によって互いに接続され、コンクリートスラブ2、2’の垂直に走る側面は互いにのみ交わり、接合要素1はない。このコンクリートスラブ構造14では、異なるタイプの接合要素1が例として使用されており、一番上の列には、各々が対応する個々の凹部15にモルタル固定された多数の個々の砂時計形状の接合要素1があり、上から2番目の列には、いくつかの個々の砂時計形状の接合要素1もあるが、これらは共通の凹部15にモルタル固定され、下から2番目の列には、長方形のフロアプランを有するいくつかの接合要素1があり、これらは次に共通の凹部15にモルタル固定され(あるいは、対応する個々の凹部15内にモルタル固定されてもよい)、一番下の列には、長方形のフロアプランを有する単一の長い接合要素1があり、これは細長い凹部15にモルタル固定されている。
【0102】
図9’a)は、本発明によるコンクリートスラブ構造の代替的な第6の実施形態14を上から見た図で示す。
図9’b)の断面A-A’に沿った断面パターン、すなわち個々の水平コンクリートスラブ2の中心面が示されている。コンクリートスラブ2は、細長い長方形のフロアプランを有する3つの同一の凹部15を有する。これらの3つの凹部15には、3つの細長い接合要素1が挿入されて、コンクリートスラブ2を、その上に垂直/垂直に配置され、凹部15と接合要素1との間の空間に挿入されるグラウトなどの充填材料25に接続されたコンクリートスラブ2’と接合する。3つの接合要素1は、コンクリートスラブ2’の一体部分である。それらはすべてコンクリートスラブ2’の底部に配置され、そこでそれらはすべてコンクリートスラブ2’と一体に形成される。この例では、凹部15および接合要素1はすべて、4つの内面および外面(すなわち、左右、前後)のすべてにバルジまたはノッチを有し、それによって、コンクリートスラブ2’上の接合要素のノッチがコンクリートスラブ2の凹部のバルジが接触するのに影響を及ぼすことなく、接合要素1を上から凹部15に挿入するのに十分な空間が凹部15のそれぞれのバルジの間にある。上述したように、隙間はグラウトのような充填材料25で充填され、それによって充填材料25が硬化すると、2つのコンクリートスラブ2、2’がしっかりと接続される。2つの隣接する接合要素1の間の領域は、ウェブ29を形成する。これは、下側の水平方向のコンクリートスラブ2と上側の垂直方向のコンクリートスラブ2’のウェブ29との間の空間30が開いており、したがって上側のコンクリートスラブ2’が下側のコンクリートスラブ2上に載置されていない場合に有利であり得る。これにより、例えば、長いコンクリートスラブ2、2’の場合、低い製造公差であっても、すべての接合要素1が凹部15内に完全に突出することが保証される。さらに、上側コンクリートスラブ2’から下側コンクリートスラブ2に、接合要素1および凹部15を介して、全体(圧力)荷重が伝達される。
図9’b)は、
図9’a)の線B-B’に沿った断面パターン、すなわち上側の垂直コンクリートスラブ2’の中心面を示す。さらに、
図9’c)は、
図9’a)の経路C-C’に沿った断面パターン、すなわち、水平コンクリートスラブ2の中間凹部15(ハッチング)および垂直コンクリートスラブ2’上の接合要素1を横断する断面平面を示す。
【0103】
図10a)は、本発明によるコンクリートスラブ構造14の第11の実施形態の断面を示しており、
図4a)による接合要素1は、(
図1b)による)ノッチを有する2つの同一の接合本体3、3’を有し、これらは延長部12によって互いに一体的に接続されている。この接合要素1により、2つの上側および2つの下側コンクリートスラブ2、2’が互いに接続され、互いに距離を置いて保持される。下向きの垂直矢印は、接合要素1が2対のコンクリートスラブの間に上方から凹部15を通って挿入されたことを示す。
【0104】
図10b)は、本発明によるコンクリートスラブ構造14の第12の実施形態の断面を示しており、2対のコンクリートスラブの間の凹部15は、2つの隣接するコンクリートスラブ2、2’を連続的に貫通せず、止まり穴を形成する。
図10b)の左右の水平矢印は、充填材料25で充填される隙間24を形成するために、それらの間に接合要素1を囲むために、コンクリートスラブ2、2’がどのように一緒に押されなければならないかを示している。
【0105】
図10c)は、本発明によるコンクリートスラブ構造14の第13の実施形態の断面を示しており、頂部に1つのコンクリートスラブ2しかなく、底部に2つのコンクリートスラブ2、2’がある。下側の2対のコンクリートスラブ2、2’間の下側の凹部15は両方とも、単一の上側コンクリートスラブ2の上側の凹部15と同様に連続している。上向きの垂直矢印は、接合要素1が下から2つの下側コンクリートスラブ2、2’の間の凹部15内に、および単一の上側コンクリートスラブ2の凹部15内に案内されることを示す。下側接合部3’の自由端は、上側接合部3の自由端よりも広く、下側凹部15を完全に閉じるので、充填材料25を隙間24に充填するとき、充填材料25は下方に逃げることができない。したがって、下側接合本体3’の自由端は、下側凹部15のカバーとしての役割を果たす。このコンクリートスラブ構造14は、例えば、(例えば、天井に空洞を形成するために)コンクリートスラブにコンクリートスラブを固定するときに使用することができる。
【0106】
一般に、接合要素は、代替的に、コンクリートスラブ(例えば、一緒に押し込んだ後)が接合要素と面一になるように、頂部よりも底部の方が広くなるように設計することができ、その結果、充填材料は底部で漏れることなく上から隙間に充填することができる。同じ目的は、接合要素が頂部と底部で同じ幅であるが、コンクリートスラブの凹部が底部で接合要素を面一で囲むことができるように設計されているが、充填材料を充填することができる隙間が頂部にある場合にも満たされる。
【0107】
図10d)は、本発明によるコンクリートスラブ構造14の第14の実施形態の断面を示しており、
図10c)のコンクリートスラブ構造14とは対照的に、接合要素1は2つのコンクリートスラブ2、2’の間の頂部に配置されている。組み立てを容易にするために、接合要素1の上側接合部3は、例えば接着剤またはモルタル(ハッチングされた固定領域28を参照)によって、右上のコンクリートスラブ2’のバルジ20’に固定される。
【0108】
図11a)は、互いに垂直方向に間隔を置いて配置された2つのコンクリートスラブ2、2’を接続するために使用される、左側6および右側7に2つのノッチ8、8’、8’’、8’’’を有する本発明によるコンクリートスラブ構造14の第15の実施形態の斜視図を示す(および、例として、延長部12’-任意選択的に、上に破線を付けた延長部12も)。
図11b)は、本発明による接合要素1の第16の実施形態の斜視図を示しており、
図12a)の接合要素1とは対照的に、長さLは幅Bよりも短い。この接合要素1はまた、例として延長部12を有するが、ここでは頂部にある(任意選択的に底部にマークされた延長部12’も)。
【0109】
図11c)は、3つのコンクリートスラブ2、2’、2’’からなる本発明によるコンクリートスラブ構造14の代替的な第15の実施形態の斜視図を示しており、垂直な垂直コンクリートスラブ2’’は、2つの水平および平行なコンクリートスラブ2および2’’を接続する。垂直コンクリートスラブ2’は、他の2つのコンクリートスラブ2、2’’に対して長手方向に配置され、いわばこれら2つの間の接合要素として機能する。さらに、一体部分としての垂直コンクリートスラブ2’は、下側および上側に(長い)長手方向ノッチを有する(
図11a)のノッチ8、8’、8’’、8’’’に類似)。したがって、下側および上側コンクリートスラブ2、2’’は各々、スラブの縁部から長手方向に、上側および下側コンクリートスラブ2、2’’の上側および下側に、不完全に連続した凹部(すなわち、止まり穴)を有する。凹部には、グラウトなどの充填材料25が充填されている。
図11d)は、本発明によるコンクリートスラブ構造の別の代替的な第15の実施形態14を斜視図で示しているが、
図11c)による実施形態と比較すると、上側コンクリートスラブ2’’は欠落しており、垂直な垂直コンクリートスラブ2’’はさらに上方に延び、下側のみにノッチを有し(
図11a)のノッチ8’’、8’’’に類似)、これは垂直コンクリートスラブ2’と一体的に形成されている。コンクリートスラブ2’は、基本的に、コンクリートスラブ2から上方に突出するコンクリートスラブ2’の部分に対応する、上側延長部12を有する接合要素と見なすことができる。
図11e)および
図11f)は、
図11c)および
図11d)の例と類似の2つのさらなる例を示しており、これにより、垂直な垂直コンクリートスラブ2’は、下側コンクリートスラブ2’’および上側コンクリートスラブ2’’に対して横方向に配置される。ここで、垂直コンクリートスラブ2’は、下側(および上側)の一体部分として、コンクリートスラブ2’の前後の間に(短い)ノッチを有する(
図11b)のノッチ8、8’、8’’、8’’’に類似)。あるいは、
図11c)~
図11f)に示す実施形態では、コンクリートスラブに長手方向および横方向の両方に2’ノッチが存在する可能性があり、これは、接合本体が4つの側面すべてにノッチを有することを意味する。
【0110】
図12は、本発明によるコンクリートスラブ構造の第17から第22の実施形態の断面図を示す。
図12a)では、3つのコンクリートスラブ2、2’、2’’が、1つの平面内で2つの接合要素1によって互いに接続されている。
図12b)では、3つのコンクリートスラブ2、2’、2’’もまた、1つの平面内で2つの接合要素1によって互いに接続されており、それによって接合要素1は各々下側延長部12’を有し、その上にコンクリートスラブ構造14を、例えば地面上に支持することができる。
図12c)では、3つのコンクリートスラブ2、2’、2’’もまた、1つの平面内で2つの接合要素1によって互いに接続されており、それによって接合要素1は各々上側延長部12を有し、これによりコンクリートスラブ構造14を、例えば天井に取り付けることができる。
図12d)は、
図12b)および
図12c)の2つのコンクリートスラブ構造14を示しており、これらは延長部12、12’によって互いに支持されているため、延長部12、12’は、コンクリートスラブの2つの離間した平面の相互固定にも使用することができる。例えば、上側コンクリートスラブは、車道を有する圧力ベルトとして機能することができ、下側コンクリートスラブは、軽量コンクリート橋の張力ベルトとして機能することができる。
図12e)では、コンクリートスラブ2、2’の2つの離間した平面が2つの接合要素1で互いに接続されており、それによって接合要素1は各々下側延長部12’を有し、これによってコンクリートスラブ構造14を例えば地面上に支持することができる。左側の接合要素1は、2つの左側のコンクリートスラブ1に挿入され、2つの左側のコンクリートスラブのスペーサおよび支持体として機能する。
図12f)は、2つの接合要素1によって互いに接続されたコンクリートスラブの2つの離間した平面を示しており、その各々は上側延長部12を有し、これによってコンクリートスラブ構造14を、例えば天井に固定することができる。図から分かるように、右下のコンクリートスラブは、左上のコンクリートスラブ2から2’オフセットされている。
図12g)は、
図9’a)~
図9’c)と同様に、垂直コンクリートスラブ2’’に接続された水平基本構造を示す。基本構造は、垂直コンクリートスラブ2’’上の中間接合要素1によって互いに接続された2つの水平コンクリートスラブ2、2’からなる。2つの水平コンクリートスラブ2、2’はまた、左右の2つの外側接合要素1によって垂直コンクリートスラブ2’’に接続されている。このようにして、橋梁などの長い耐荷重構造を実現することができ、実際の荷重を支える基本構造は、単一の(または少数の)垂直コンクリートスラブによって接続されたいくつかの(または多数の)水平コンクリートスラブからなる。水平コンクリートスラブの凹部は、(
図12gに示すように)水平コンクリートスラブの縁部で直接、または縁部からわずかに離れて、部分的または完全に連続していてもよい。
【0111】
図示のコンクリートスラブ構造は、コンクリート建物全体の基礎的要素として機能することができる。この目的のために、本発明による異なるコンクリートスラブ構造を互いに組み合わせることができ、結果として得られるコンクリート構造も本発明によるコンクリートスラブ構造である。
【符号の説明】
【0112】
1 接合要素
2,2’,2’’ コンクリートスラブ
3 接合本体
3’ さらなる接合本体
4 接合本体の上側セクション/頂部側
5 接合本体の下側セクション/底部側
6 接合本体の一方の側(例えば、左、右、前、後、長手方向、横方向)
7 接合本体の他方/対向する側(例えば、右、左、後、前、横方向、長手方向)
8,8’ 接合本体のノッチ(左/右)
8’’,8’’’ 接合本体のさらなるノッチ(左/右)
9,9’ 接合本体のバルジ(左/右)
9’’,9’’’ 接合本体のさらなるバルジ(左/右)
10 接合本体のノッチ/バルジの先端
11,11’ 接合本体のノッチ/バルジの側面(上側/下側)
12,12’ 接合本体の延長部(上側/下側)
13 接合要素の補強材
14 コンクリートスラブ構造
15 コンクリートスラブの凹部/2つのコンクリートスラブの間
16 コンクリートスラブの頂部側
17 コンクリートスラブの底部側
18 凹部の左側
19 凹部の右側
20,20’ 凹部内/コンクリートスラブ上のバルジ(左/右)
21,21’ 凹部内/コンクリートスラブ上のノッチ(左/右)
22 凹部/コンクリートスラブ内のバルジ/ノッチの先端
23,23’ 凹部内/コンクリートスラブ(上側/下側)上のバルジ/ノッチの側面
24 凹部/コンクリートスラブと接合要素との間の隙間/空間
25 隙間の充填材料
26 コンクリートスラブの補強材
27 接続要素(接合要素を横切る)
28 固定領域
29 ブリッジ
30 ブリッジの空き空間(->ブリッジが上に着座/当接しない)
B 接合本体の幅
B’ (接合要素を挿入するための)コンクリートスラブ内/コンクリートスラブ間のダクトの幅
D ノッチの開口部またはバルジの出口の直径
H 接合本体の高さ
L 接合要素の長さ
α 接合本体のノッチ/バルジの頂部と上側(短い)側面との間の角度
β 接合本体のノッチ/バルジの底部側と下側(長い)側面との間の角度
φ 接合本体のノッチ/バルジの2つの側面間の角度
φ’ コンクリートスラブ内またはコンクリートスラブ上のバルジ/ノッチ(凹部内または縁部/外周)の2つの側面間の角度
【国際調査報告】