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特表2024-541170アンダーディスプレイセンサーのための輝度制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】アンダーディスプレイセンサーのための輝度制御
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20241031BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20241031BHJP
   G09G 3/32 20160101ALI20241031BHJP
   G09G 3/3266 20160101ALI20241031BHJP
   G09G 3/3275 20160101ALI20241031BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20241031BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20241031BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20241031BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20241031BHJP
   H10K 59/65 20230101ALI20241031BHJP
   H10K 59/95 20230101ALI20241031BHJP
   G06V 20/90 20220101ALI20241031BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 691E
G09G3/20 621A
G09G3/20 621D
G09G3/20 623D
G09G3/20 623C
G09G3/32 A
G09G3/20 623U
G09G3/20 622D
G09G3/20 622R
G09G3/20 650J
G09G3/20 641D
G09G3/20 680G
G09G3/20 642E
G09G3/3266
G09G3/3275
G09G3/34 J
G09G3/36
H01L33/00 J
H10K59/12
H10K59/65
H10K59/95
G06V20/90
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513203
(86)(22)【出願日】2021-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 US2021055387
(87)【国際公開番号】W WO2023069064
(87)【国際公開日】2023-04-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユン,サン・ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ウェン,チエン-フイ
【テーマコード(参考)】
3K107
5C006
5C080
5C380
5F241
5L096
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC41
3K107EE03
3K107EE57
3K107EE68
3K107HH04
5C006AA16
5C006AA22
5C006AF31
5C006AF42
5C006AF43
5C006AF44
5C006AF51
5C006AF71
5C006AF81
5C006BB16
5C006BB29
5C006BC03
5C006BC12
5C006BF15
5C006BF39
5C006BF42
5C006EA01
5C006EC02
5C006FA16
5C006FA54
5C006GA03
5C006GA04
5C080AA06
5C080AA07
5C080AA10
5C080BB06
5C080CC03
5C080DD21
5C080EE25
5C080EE26
5C080EE28
5C080EE29
5C080FF03
5C080FF11
5C080FF13
5C080GG02
5C080HH09
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080KK04
5C080KK07
5C080KK50
5C380AA03
5C380AB06
5C380AB29
5C380AB34
5C380AB37
5C380AC07
5C380AC08
5C380AC11
5C380AC12
5C380AC18
5C380BA31
5C380CA04
5C380CA12
5C380CA19
5C380CA53
5C380CA54
5C380CB01
5C380CB08
5C380CB16
5C380CB17
5C380CB29
5C380CB31
5C380CC06
5C380CC07
5C380CC26
5C380CC34
5C380CC39
5C380CC52
5C380CC61
5C380CC64
5C380CC66
5C380CD027
5C380CE04
5C380CE20
5C380CF49
5C380CF62
5C380CF68
5C380DA02
5C380DA06
5C380DA19
5C380DA20
5C380DA24
5C380DA32
5C380DA33
5C380DA34
5C380DA35
5C380DA47
5C380DA57
5C380EA16
5C380HA02
5C380HA05
5C380HA10
5F241BB18
5F241BC35
5F241BC47
5F241BD03
5F241BD04
5F241BD13
5F241FF06
5F241FF16
5L096BA15
5L096CA18
5L096DA02
(57)【要約】
アンダーディスプレイ指紋センサーのための輝度制御のための、コンピュータ記憶媒体上で符号化されたコンピュータプログラムを含む、方法、システムおよび装置が開示される。方法は、コンピューティングデバイスにおいて、コンピューティングデバイスのディスプレイの下に位置づけられたアンダーディスプレイセンサーを起動する指示を受け取ることと、アンダーディスプレイセンサーに照明を与えるためにディスプレイのLEDの集合体を起動することとを含み、LEDの集合体を起動することは、LEDの駆動回路が、LEDに通電するようになされたLED駆動トランジスタに第1のオーバードライブ電圧を確立することと、LED駆動トランジスタに第2のオーバードライブ電圧を確立することと、LED駆動トランジスタに定常状態電圧を確立することとによって、LEDの集合体内のLEDを起動することを含み、方法は、LED駆動トランジスタに定常状態電圧がプログラムされた時点を含むLEDの集合体が起動された時点で、アンダーディスプレイセンサーから信号を読み出すことによってアンダーディスプレイセンサーを起動することをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置が実行する方法であって、
コンピューティングデバイスにおいて、前記コンピューティングデバイスのディスプレイの下に位置づけられたアンダーディスプレイセンサーを起動する指示を受け取ることと、
前記アンダーディスプレイセンサーに照明を与えるために前記ディスプレイのLEDの集合体を起動することとを含み、
前記LEDの集合体を起動することは、前記LEDの集合体内のLEDを起動することであって、
前記LEDの駆動回路が、前記駆動回路の第1のプログラミング段階において、前記LEDに通電するようになされたLED駆動トランジスタのゲート端子と前記LED駆動トランジスタのソース端子間に、定常状態電圧を超過する第1の超過電圧である第1のオーバードライブ電圧を確立することと、
前記LEDの前記駆動回路が、前記第1のプログラミング段階の後に続く前記駆動回路の第2のプログラミング段階において、前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に、前記第1の超過電圧より低い、前記定常状態電圧を超過する第2の超過電圧である第2のオーバードライブ電圧を確立することと、
前記LEDの前記駆動回路が、前記第1のプログラミング段階および前記第2のプログラミング段階の後に続く前記駆動回路の定常状態プログラミング段階において、前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧を確立することと、
によって前記LEDを起動することを含み、
前記方法は、
前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧がプログラムされた時点を含む、前記LEDの集合体が起動された時点で、前記アンダーディスプレイセンサーから信号を読み出すことによって前記アンダーディスプレイセンサーを起動することをさらに含む、電子装置が実行する方法。
【請求項2】
起動される前記LEDの集合体は、前記ディスプレイのすべてのLEDのサブセットである、請求項1に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項3】
起動される前記LEDの集合体は、前記アンダーディスプレイセンサーの直上に位置づけられている、請求項2に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項4】
前記第1のプログラミング段階は前記駆動回路の第1のフレーム中に行われ、
前記第2のプログラミング段階は前記駆動回路の第2のフレーム中に行われ、
前記第2のフレームは、前記第2のプログラミング段階が前記第1のプログラミング段階の後に続くすぐ次のプログラミング段階であるように前記第1のフレームの直後に続く、先行する請求項のいずれかに記載の電子装置が実行する方法。
【請求項5】
前記LEDの集合体内の前記LEDを起動することは、
前記LEDが、前記第1のプログラミング段階の後に続き、前記第2のプログラミング段階に先立つ第1の放出段階において、定常状態光強度より第1の不足強度だけ弱い第1の光強度を放出することと、
前記LEDが、前記第2のプログラミング段階の後に続き、前記定常状態プログラミング段階に先立つ第2の放出段階において、前記第1の不足強度の絶対量より絶対量が少ない第2の不足強度だけ前記定常状態光強度より弱い第2の光強度を放出することと、
前記LEDが、前記定常状態プログラミング段階の後に続く定常段階放出段階において、前記定常状態光強度を放出することとを含む、先行する請求項のいずれかに記載の電子装置が実行する方法。
【請求項6】
前記第1の光強度は、前記第1の放出段階において対数的に低下し、前記第2の光強度は、前記第2の放出段階において対数的に低下する、請求項5に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項7】
前記コンピューティングデバイスは、低強度から最大強度までにわたるダイナミックレンジを通して前記LEDに通電することによって前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイ上にビデオコンテンツを提示するように構成され、
前記最大強度は前記定常状態光強度と同じである、請求項5または6のいずれか一項に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項8】
前記LEDの集合体を起動する前に、前記LEDの初期強度を識別することと、
前記LEDの前記初期強度と前記定常状態光強度との差を判定することと、
前記LEDの前記初期強度と前記定常状態光強度との前記差に基づいて、前記第1のオーバードライブ電圧が前記定常状態電圧を超過している前記第1の超過電圧の量を判定することとを含み、前記コンピューティングデバイスは、前記LEDの前記初期強度と前記定常状態光強度との前記差がより低い場合に前記第1のオーバードライブ電圧についてより低い量を判定するのに比較して、前記LEDの前記初期強度と前記定常状態光強度の差がより大きい場合に、前記第1のオーバードライブ電圧についてより大きい量を判定するように構成されている、請求項5~7のいずれか一項に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項9】
前記アンダーディスプレイセンサーを起動する前記指示を受け取ることは、前記アンダーディスプレイセンサーの位置に対応するユーザ接触位置における前記ディスプレイとのユーザ接触を示す指示を受け取ることを含む、先行する請求項のいずれかに記載の電子装置が実行する方法。
【請求項10】
前記LEDの集合体内の前記LEDを起動することは、
前記LEDの前記駆動回路が、前記第2のプログラミング段階の後に続き、前記定常状態プログラミング段階の前に行われる前記駆動回路の第3のプログラミング段階において、前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に第3のオーバードライブ電圧を確立することを含み、前記第3のオーバードライブ電圧は前記定常状態電圧を超過する第3の超過電圧であり、前記第3の超過電圧は前記第2の超過電圧より低い、先行する請求項のいずれかに記載の電子装置が実行する方法。
【請求項11】
前記第1のオーバードライブ電圧から前記第2のオーバードライブ電圧へ、前記第3のオーバードライブ電圧へ、さらに前記定常状態電圧への低下は、対数的な電圧低下を表す、請求項10に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項12】
前記LEDの集合体内の前記LEDを起動することは、
前記LEDの前記駆動回路が、前記定常状態プログラミング段階の後に続く前記駆動回路の複数の定常状態プログラミング段階において、前記LEDが前記ディスプレイの複数の連続フレームにわたって定常状態光強度で放出するように前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧を確立することを含む、先行する請求項のいずれかに記載の電子装置が実行する方法。
【請求項13】
前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記第1のオーバードライブ電圧を確立することは、前記第1のプログラミング段階においてデータ走査線が前記駆動回路に第1のデータ電圧を送ることを含み、前記第1のデータ電圧は定常状態データ電圧より低く、
前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記第2のオーバードライブ電圧を確立することは、前記第2のプログラミング段階において前記データ走査線が前記駆動回路に第2のデータ電圧を送ることを含み、前記第2のデータ電圧は前記第1のデータ電圧より高く、前記定常状態データ電圧より低く、
前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧を確立することは、前記定常状態プログラミング段階において前記データ走査線が前記駆動回路に前記定常状態データ電圧を送ることを含む、先行する請求項のいずれかに記載の電子装置が実行する方法。
【請求項14】
前記コンピューティングデバイスは、前記ディスプレイによって第1のフレームレートでビデオコンテンツを提示し、
前記コンピューティングデバイスは、前記第1のオーバードライブ電圧の前記確立と前記第2のオーバードライブ電圧の前記確立とを、前記第1のフレームレートより大きい第2のフレームレートで行う、先行する請求項のいずれかに記載の電子装置が実行する方法。
【請求項15】
前記アンダーディスプレイセンサーはアンダーディスプレイ指紋センサーを含む、先行する請求項のいずれかに記載の電子装置が実行する方法。
【請求項16】
コンピューティングデバイスであって、
ディスプレイと、
前記ディスプレイの下に位置づけられたアンダーディスプレイセンサーと、
前記コンピューティングデバイスに動作を行わせるように構成された電子装置とを含み、前記動作は、
前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイの下に位置づけられた前記アンダーディスプレイセンサーを起動する指示を受け取ることと、
前記アンダーディスプレイセンサーに照明を与えるために前記ディスプレイのLEDの集合体を起動することとを含み、
前記LEDの集合体を起動することは、前記LEDの集合体内のLEDを起動することであって、
前記LEDの駆動回路が、前記駆動回路の第1のプログラミング段階において、前記LEDに通電するようになされたLED駆動トランジスタのゲート端子と前記LED駆動トランジスタのソース端子間に、定常状態電圧を超過する第1の超過電圧である第1のオーバードライブ電圧を確立することと、
前記LEDの前記駆動回路が、前記第1のプログラミング段階の後に続く前記駆動回路の第2のプログラミング段階において、前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に、前記第1の超過電圧より低い前記定常状態電圧を超過する第2の超過電圧である第2のオーバードライブ電圧を確立することと、
前記LEDの前記駆動回路が、前記第1のプログラミング段階および前記第2のプログラミング段階の後に続く前記駆動回路の定常状態プログラミング段階において、前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧を確立することと、
によって上記LEDを起動することを含み、
前記動作は、
前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧がプログラムされた時点を含む、前記LEDの集合体が起動された時点で、前記アンダーディスプレイセンサーから信号を読み出すことによって前記アンダーディスプレイセンサーを起動することをさらに含む、コンピューティングデバイス。
【請求項17】
電子装置が実行する方法であって、
コンピューティングデバイスにおいて、前記コンピューティングデバイスのディスプレイの下に位置づけられたアンダーディスプレイ指紋センサーを起動する指示を受け取ることと、
前記アンダーディスプレイセンサーに照明を与えるために前記ディスプレイのLEDの集合体を起動することとを含み、
前記LEDの集合体を起動することは、前記LEDの集合体内のLEDを起動することであって、
前記LEDの駆動回路が、前記駆動回路の第1のプログラミング段階において、前記LEDに通電するようになされたLED駆動トランジスタのゲート端子と前記LED駆動トランジスタのソース端子間に、定常状態電圧を超過する第1の超過電圧である第1のオーバードライブ電圧を確立することと、
前記LEDが、前記第1のプログラミング段階の後に続く第1の放出段階において、定常状態光強度より第1の不足強度だけ弱い第1の光強度を放出することと、
前記LEDの前記駆動回路が、前記第1の放出段階の後に続く前記駆動回路の第2のプログラミング段階において、前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に、前記第1の超過電圧より低い、前記定常状態電圧を超過する第2の超過電圧である第2のオーバードライブ電圧を確立することと、
前記LEDが、前記第2のプログラミング段階の後に続く第2の放出段階において、前記第1の不足強度の絶対量より少ない絶対量の第2の不足強度だけ前記定常状態光強度より弱い第2の光強度を放出することと、
前記LEDの前記駆動回路が、前記第2の放出段階の後に続く前記駆動回路の定常状態プログラミング段階において、前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧を確立することと、
前記LEDが、前記定常状態プログラミング段階に続く定常段階放出段階において、前記定常状態光強度を放出することと、
前記LEDの前記駆動回路が、前記定常状態プログラミング段階の後に続く前記駆動回路の複数の定常状態プログラミング段階において、前記LEDが前記ディスプレイの複数の連続フレームにわたって定常状態光強度で放出するように前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧を確立することと、
によって前記LEDを起動することを含み、
前記方法は、
前記LEDが前記定常状態光強度を放出した時点を含む前記LEDの集合体が起動された時点で、前記アンダーディスプレイセンサーから信号を読み出すことによって前記アンダーディスプレイセンサーを起動することをさらに含む、電子装置が実行する方法。
【請求項18】
前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記第1のオーバードライブ電圧を確立することは、前記第1のプログラミング段階においてデータ走査線が前記駆動回路に、定常状態データ電圧より低い第1のデータ電圧を送ることを含み、
前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記第2のオーバードライブ電圧を確立することは、前記第2のプログラミング段階において前記データ走査線が前記駆動回路に、前記第1のデータ電圧より高く前記定常状態データ電圧より低い第2のデータ電圧を送ることを含み、
前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧を確立することは、前記定常状態プログラミング段階において前記データ走査線が前記駆動回路に前記定常状態データ電圧を送ること含む、請求項17に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項19】
起動される前記LEDの集合体は、前記ディスプレイのすべてのLEDのうちの前記アンダーディスプレイ指紋センサーの直上に位置づけられているサブセットである、請求項17または18のいずれか一項に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項20】
前記第1のプログラミング段階は前記駆動回路の第1のフレーム中に行われ、
前記第2のプログラミング段階は前記駆動回路の第2のフレーム中に行われ、
前記第2のフレームは、前記第2のプログラミング段階が前記第1のプログラミング段階の後に続くすぐ次のプログラミング段階であるように前記第1のフレームの直後に続く、請求項17~19のいずれか一項に記載の電子装置が実行する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本明細書は、一般に、ディスプレイパネルとディスプレイパネルの下に位置づけられたセンサーとを有する電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
電子デバイスは、視覚画像をその上に表示可能なディスプレイパネルを含むことがある。ディスプレイパネルの下にセンサーを配置することができる。たとえば、ディスプレイパネルの一部の下に指紋センサーが位置づけられる場合がある。ユーザがディスプレイパネルのその部分に指を置くと、指紋センサーが指紋の像をキャプチャする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
アンダーディスプレイセンサーのための輝度制御の技術を開示する。コンピューティングデバイスのディスプレイパネルの下に指紋センサーを位置づけることができる。デバイスのベゼルが指紋センサーを収容する必要がなくなるためにベゼルの幅を狭くするように、ディスプレイパネルの下に指紋センサーを位置づけることができる。したがって、ディスプレイパネルの下への指紋センサーの配置は、デバイスの本体に対する画面の比を大きくすることができる。さらに、指紋センサーをディスプレイの下に配置することによって、ディスプレイにおける切り欠きの存在を回避することができる。
【0004】
アンダーディスプレイ指紋センサーは、ディスプレイパネルの画素によって発生され、ディスプレイパネル上に置かれた指から反射された光の光子をキャプチャする。指紋センサーは、センサーサイト(sensor sites)の配列を含むことができる。指紋センサーのセンサーサイトは、積分時間と呼ばれる持続期間にわたって光子をキャプチャする。アンダーディスプレイ指紋センサーを起動させるとき、アンダーディスプレイセンサーの上方に位置づけられたディスプレイの画素が、より低い輝度からより高い輝度に変化させられる。画素強度を高輝度まで上げると、指紋センサーの必要積分時間が短縮される。
【0005】
アンダーディスプレイ指紋センサーは、画素が高輝度で安定すると積分を開始する。光強度を前の強度レベルから、指紋センサー動作にとって好ましいより高い強度レベルに上昇させるために、安定化時間が使用される。安定化時間は、複数のフレーム時間、たとえば2フレーム時間、3フレーム時間、4フレーム時間などの期間、存続することができる。
【0006】
本開示の技術は、アンダーディスプレイセンサーを有するディスプレイの画素の安定化時間を短縮するために使用することができる。安定化時間を短縮すると、指紋接触検出と指紋認証との間の全体的時間が短縮する。
【0007】
高輝度での画素の安定化時間は、画素回路にデータ電圧補償または電源電圧補償を与えることによって短縮することができる。データ電圧補償と電源電圧補償の両方は、電圧がオーバードライブされなかった場合にOLEDを流れるはずの電流に比べて画素のOLEDを流れる電流を増大させるために、画素の駆動トランジスタにオーバードライブ電圧を確立することを含む。データ電圧補償は、画素回路に供給されるデータ電圧信号(VDATA)を調整することによってオーバードライブ電圧を実現する。電源電圧補償は、画素回路に供給される電源電圧信号(ELVDD)を調整することによって、オーバードライブ電圧を実現する。
【0008】
本開示では指紋センサーとして説明するが、本開示の技術は、ディスプレイパネルの下またはディスプレイパネルに隣接して位置づけられる任意の受動光学センサーに適用可能である。光学センサーには、たとえば、アンダーディスプレイカメラ、周辺光センサーおよび/またはその他の種類のアンダーディスプレイセンサーが含まれ得る。
【0009】
以下で説明する実施形態の追加説明として、本開示は、以下の実施形態について記載する。
【0010】
実施形態1は、電子装置が実行する方法を対象とし、方法は、コンピューティングデバイスにおいて、コンピューティングデバイスのディスプレイの下に位置づけられたアンダーディスプレイセンサーを起動する指示を受け取ることと、アンダーディスプレイセンサーに照明を与えるためにディスプレイのLEDの集合体(a collection of LEDs)を起動することとを含み、上記LEDの集合体を起動することは、上記LEDの集合体内のLEDを起動することであって、LEDの駆動回路が、上記駆動回路の第1のプログラミング段階において、上記LEDに通電するようになされたLED駆動トランジスタのゲート端子と上記LED駆動トランジスタのソース端子間に、定常状態電圧を超過する第1の超過電圧である第1のオーバードライブ電圧を確立することと、上記LEDの上記駆動回路が、上記第1のプログラミング段階の後に続く上記駆動回路の第2のプログラミング段階において、上記LED駆動トランジスタの上記ゲート端子と上記LED駆動トランジスタの上記ソース端子間に、上記第1の超過電圧より低い、上記定常状態電圧を超過する第2の超過電圧である第2のオーバードライブ電圧を確立することと、上記LEDの上記駆動回路が、上記第1のプログラミング段階および上記第2のプログラミング段階の後に続く上記駆動回路の定常状態プログラミング段階において、上記LED駆動トランジスタの上記ゲート端子と上記LED駆動トランジスタの上記ソース端子間に上記定常状態電圧を確立することと、によって上記LEDを起動することを含み、上記方法は、上記LED駆動トランジスタの上記ゲート端子と上記LED駆動トランジスタの上記ソース端子間に上記定常状態電圧がプログラムされた時点を含む、上記LEDの集合体が起動された時点で、上記アンダーディスプレイセンサーから信号を読み出すことによって上記アンダーディスプレイセンサーを起動することをさらに含む。
【0011】
実施形態2は、実施形態1の電子装置が実行する方法であって、起動される上記LEDの集合体は、上記ディスプレイのすべてのLEDのサブセットである。
【0012】
実施形態3は、実施形態2の電子装置が実行する方法であって、起動される上記LEDの集合体は、上記アンダーディスプレイセンサーの直上に位置づけられている。
【0013】
実施形態4は、実施形態1~3のいずれか1つの電子装置が実行する方法であって、上記第1のプログラミング段階は上記駆動回路の第1のフレーム中に行われ、上記第2のプログラミング段階は上記駆動回路の第2のフレーム中に行われ、上記第2のフレームは、上記第2のプログラミング段階が上記第1のプログラミング段階の後に続くすぐ次のプログラミング段階であるように上記第1のフレームの直後に続く。
【0014】
実施形態5は、実施形態1~4のいずれか1つの電子装置が実行する方法であって、上記LEDの集合体内の上記LEDを起動することは、上記LEDが、上記第1のプログラミング段階の後に続き、上記第2のプログラミング段階に先立つ第1の放出段階において、定常状態光強度より第1の不足強度だけ弱い第1の光強度を放出することと、上記LEDが、上記第2のプログラミング段階の後に続き、上記定常状態プログラミング段階に先立つ第2の放出段階において、上記第1の不足強度の絶対量より絶対量が少ない第2の不足強度だけ上記定常状態光強度より弱い第2の光強度を放出することと、上記LEDが、上記定常状態プログラミング段階の後に続く定常段階放出段階において上記定常状態光強度を放出することとを含む。
【0015】
実施形態6は、実施形態5の電子装置が実行する方法であって、上記第1の光強度は、上記第1の放出段階において対数的に低下し、上記第2の光強度は、上記第2の放出段階において対数的に低下する。
【0016】
実施形態7は、実施形態5または6のいずれか1つの電子装置が実行する方法であって、上記コンピューティングデバイスは、低強度から最大強度までにわたるダイナミックレンジを通して上記LEDに通電することによって上記コンピューティングデバイスの上記ディスプレイ上にビデオコンテンツを提示するように構成され、上記最大強度は上記定常状態光強度と同じである。
【0017】
実施形態8は、実施形態5~7のいずれか1つの電子装置が実行する方法であって、上記LEDの集合体を起動する前に、上記LEDの初期強度を識別することと、上記LEDの上記初期強度と上記定常状態光強度との差を判定することと、上記LEDの上記初期強度と上記定常状態光強度との上記差に基づいて、上記第1のオーバードライブ電圧が上記定常状態電圧を超過している上記第1の超過電圧の量を判定することとを含み、上記コンピューティングデバイスは、上記LEDの上記初期強度と上記定常状態光強度との上記差がより低い場合に上記第1のオーバードライブ電圧についてより低い量を判定するのに比較して、上記LEDの上記初期強度と上記定常状態光強度の差がより大きい場合に、上記第1のオーバードライブ電圧についてより大きい量を判定するように構成されている。
【0018】
実施形態9は、実施形態1~8のいずれか1つの電子装置が実行する方法であって、上記アンダーディスプレイセンサーを起動する上記指示を受け取ることは、上記アンダーディスプレイセンサーの位置に対応するユーザ接触位置における上記ディスプレイとのユーザ接触を示す指示を受け取ることを含む。
【0019】
実施形態10は、実施形態1~9のいずれか1つの電子装置が実行する方法であって、上記LEDの集合体内の上記LEDを起動することは、上記LEDの上記駆動回路が、上記第2のプログラミング段階の後に続き、上記定常状態プログラミング段階の前に行われる上記駆動回路の第3のプログラミング段階において、上記LED駆動トランジスタの上記ゲート端子と上記LED駆動トランジスタの上記ソース端子間に第3のオーバードライブ電圧を確立することを含み、上記第3のオーバードライブ電圧は上記定常状態電圧を超過する第3の超過電圧であり、上記第3の超過電圧は上記第2の超過電圧より低い。
【0020】
実施形態11は、実施形態10の電子装置が実行する方法であって、上記第1のオーバードライブ電圧から上記第2のオーバードライブ電圧へ、上記第3のオーバードライブ電圧へ、さらに上記定常状態電圧への低下は、対数的な電圧低下を表す。
【0021】
実施形態12は、実施形態1~11のいずれか1つの電子装置が実行する方法であって、上記LEDの集合体内の上記LEDを起動することは、上記LEDの上記駆動回路が、上記定常状態プログラミング段階の後に続く前記駆動回路の複数の定常状態プログラミング段階において、上記LEDが上記ディスプレイの複数の連続フレームにわたって定常状態光強度で放出するように上記LED駆動トランジスタの上記ゲート端子と上記LED駆動トランジスタの上記ソース端子間に上記定常状態電圧を確立することを含む。
【0022】
実施形態13は、実施形態1~12のいずれか1つの電子装置が実行する方法であって、上記LED駆動トランジスタの上記ゲート端子と上記LED駆動トランジスタの上記ソース端子間に上記第1のオーバードライブ電圧を確立することは、上記第1のプログラミング段階においてデータ走査線が上記駆動回路に第1のデータ電圧を送ることを含み、上記第1のデータ電圧は定常状態データ電圧より低く、上記LED駆動トランジスタの上記ゲート端子と上記LED駆動トランジスタの上記ソース端子間に上記第2のオーバードライブ電圧を確立することは、上記第2のプログラミング段階において上記データ走査線が上記駆動回路に第2のデータ電圧を送ることを含み、上記第2のデータ電圧は上記第1のデータ電圧より高く、上記定常状態データ電圧より低く、上記LED駆動トランジスタの上記ゲート端子と上記LED駆動トランジスタの上記ソース端子間に上記定常状態電圧を確立することは、上記定常状態プログラミング段階において上記データ走査線が上記駆動回路に上記定常状態データ電圧を送ることを含む。
【0023】
実施形態14は、実施形態1~13のいずれか1つの電子装置が実行する方法であって、上記コンピューティングデバイスは、上記ディスプレイによって第1のフレームレートでビデオコンテンツを提示し、上記コンピューティングデバイスは、上記第1のオーバードライブ電圧の上記確立と上記第2のオーバードライブ電圧の上記確立とを、上記第1のフレームレートより大きい第2のフレームレートで行う。
【0024】
実施形態15は、実施形態1から14のいずれか1つの電子装置が実行する方法であって、上記アンダーディスプレイセンサーはアンダーディスプレイ指紋センサーを含む。
【0025】
実施形態16は、コンピューティングデバイスを対象とし、コンピューティングデバイスは、ディスプレイと、上記ディスプレイの下に位置づけられたアンダーディスプレイセンサーと、上記コンピューティングデバイスに動作を行わせるように構成された電子装置とを含むコンピューティングデバイスであって、上記動作は、上記コンピューティングデバイスのディスプレイの下に位置づけられたアンダーディスプレイセンサーを起動する指示を受け取ることと、上記アンダーディスプレイセンサーに照明を与えるために上記ディスプレイのLEDの集合体を起動することとを含み、上記LEDの集合体を起動することは、上記LEDの集合体内のLEDを起動することであって、上記LEDの駆動回路が、上記駆動回路の第1のプログラミング段階において、LEDに通電するようになされたLED駆動トランジスタのゲート端子と上記LED駆動トランジスタのソース端子間に、定常状態電圧を超過する第1の超過電圧である第1のオーバードライブ電圧を確立することと、上記LEDの上記駆動回路が、上記第1のプログラミング段階の後に続く上記駆動回路の第2のプログラミング段階において、上記LED駆動トランジスタの上記ゲート端子と上記LED駆動トランジスタの上記ソース端子間に、上記第1の超過電圧より低い上記定常状態電圧を超過する第2の超過電圧である第2のオーバードライブ電圧を確立することと、上記LEDの上記駆動回路が、上記第1のプログラミング段階および上記第2のプログラミング段階の後に続く上記駆動回路の定常状態プログラミング段階において、上記LED駆動トランジスタの上記ゲート端子と上記LED駆動トランジスタの上記ソース端子間に上記定常状態電圧を確立することと、によって上記LEDを起動することを含み、上記動作は、上記LED駆動トランジスタの上記ゲート端子と上記LED駆動トランジスタの上記ソース端子間に上記定常状態電圧がプログラムされた時点を含む、上記LEDの集合体が起動された時点で、上記アンダーディスプレイセンサーから信号を読み出すことによって上記アンダーディスプレイセンサーを起動することをさらに含む。
【0026】
実施形態17は電子装置が実行する方法を対象とし、方法は、コンピューティングデバイスにおいて、上記コンピューティングデバイスのディスプレイの下に位置づけられたアンダーディスプレイ指紋センサーを起動する指示を受け取ることと、上記アンダーディスプレイセンサーに照明を与えるために前記ディスプレイのLEDの集合体を起動することとを含み、上記LEDの集合体を起動することは、上記LEDの集合体内のLEDを起動することであって、上記LEDの駆動回路が、上記駆動回路の第1のプログラミング段階において、LEDに通電するようになされたLED駆動トランジスタのゲート端子と上記LED駆動トランジスタのソース端子間に、定常状態電圧を超過する第1の超過電圧である第1のオーバードライブ電圧を確立することと、上記LEDが、上記第1のプログラミング段階の後に続く第1の放出段階において、定常状態光強度より第1の不足強度だけ弱い第1の光強度を放出することと、上記LEDの上記駆動回路が、上記第1の放出段階の後に続く上記駆動回路の第2のプログラミング段階において、上記LED駆動トランジスタの上記ゲート端子と上記LED駆動トランジスタの上記ソース端子間に、上記第1の超過電圧より低い、上記定常状態電圧を超過する第2の超過電圧である第2のオーバードライブ電圧を確立することと、上記LEDが、上記第2のプログラミング段階の後に続く第2の放出段階において、上記第1の不足強度の絶対量より少ない絶対量の第2の不足強度だけ上記定常状態光強度より弱い第2の光強度を放出することと、上記LEDの上記駆動回路が、上記第2の放出段階の後に続く上記駆動回路の定常状態プログラミング段階において、上記LED駆動トランジスタの上記ゲート端子と上記LED駆動トランジスタの上記ソース端子間に上記定常状態電圧を確立することと、上記LEDが、上記定常状態プログラミング段階に続く定常段階放出段階において、定常状態光強度を放出することと、上記LEDの上記駆動回路が、上記定常状態プログラミング段階の後に続く上記駆動回路の複数の定常状態プログラミング段階において、上記LEDが上記ディスプレイの複数の連続フレームにわたって定常状態光強度で放出するように上記LED駆動トランジスタの上記ゲート端子と上記LED駆動トランジスタの上記ソース端子間に上記定常状態電圧を確立することと、によって上記LEDを起動することを含み、上記方法は、上記LEDが上記定常状態光強度を放出した時点を含む上記LEDの集合体が起動された時点で、上記アンダーディスプレイセンサーから信号を読み出すことによって上記アンダーディスプレイセンサーを起動することをさらに含む。
【0027】
実施形態18は、実施形態17の電子装置が実行する方法であって、上記LED駆動トランジスタの上記ゲート端子と上記LED駆動トランジスタの上記ソース端子間に上記第1のオーバードライブ電圧を確立することは、上記第1のプログラミング段階においてデータ走査線が上記駆動回路に、定常状態データ電圧より低い第1のデータ電圧を送ることを含み、上記LED駆動トランジスタの上記ゲート端子と上記LED駆動トランジスタの上記ソース端子間に上記第2のオーバードライブ電圧を確立することは、上記第2のプログラミング段階において上記データ走査線が上記駆動回路に、上記第1のデータ電圧より高く上記定常状態データ電圧より低い第2のデータ電圧を送ることを含み、上記LED駆動トランジスタの上記ゲート端子と上記LED駆動トランジスタの上記ソース端子間に上記定常状態電圧を確立することは、上記定常状態プログラミング段階において上記データ走査線が上記駆動回路に上記定常状態データ電圧を送ること含む。
【0028】
実施形態19は、実施形態17または18のいずれか一方の電子装置が実行する方法であって、起動される上記LEDの集合体は、上記ディスプレイのすべてのLEDのうちの上記アンダーディスプレイ指紋センサーの直上に位置づけられているサブセットである。
【0029】
実施形態20は、実施形態17~19のいずれか1つの電子装置が実行する方法であって、上記第1のプログラミング段階は上記駆動回路の第1のフレーム中に行われ、上記第2のプログラミング段階は上記駆動回路の第2のフレーム中に行われ、上記第2のフレームは、上記第2のプログラミング段階が上記第1のプログラミング段階の後に続くすぐ次のプログラミング段階であるように上記第1のフレームの直後に続く。
【0030】
上記の技術の実装形態は、方法、装置、システムおよびコンピュータプログラム製品を含む。そのような1つのコンピュータプログラム製品は、1つまたは複数のプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的な機械可読媒体において適切に実現される。命令は、1つまたは複数のプロセッサに上述のアクションを行わせるように構成される。
【0031】
本明細書の主題の1つまたは複数の実施形態の詳細は、添付図面および以下の説明に記載されている。本主題のその他の特徴、態様および利点は、この説明、図面および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1A】ディスプレイパネルと指紋センサーとを有する例示の電子デバイスを示す図である。
図1B】ディスプレイパネルと指紋センサーとを有する例示の電子デバイスを示す図である。
図2図1Aおよび図1Bの電子デバイスの例示のディスプレイシステムを示す図である。
図3図2の例示のディスプレイシステムのタイミングコントローラを示す例示のブロック図である。
図4】アンダーディスプレイ指紋センサー動作の例示のタイミング図である。
図5】ディスプレイシステムの例示の画素回路を示す図である。
図6A】データ電圧補償のない画素回路動作を示す例示のタイミング図である。
図6B】データ電圧補償のある画素回路動作を示す例示のタイミング図である。
図7A】電源電圧補償のない画素回路動作を示す例示のタイミング図である。
図7B】電源電圧補償のある画素回路動作を示す例示のタイミング図である。
図8A】電圧補償のないOLEDルミナンスを示す例示のグラフである。
図8B】電圧補償のあるOLEDルミナンスを示す例示のグラフである。
図9】アンダーディスプレイ指紋センサーのための輝度制御の例示のプロセスを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
様々な図面中の同様の参照番号および記号表示は同様の要素を示す。
詳細な説明
アンダーディスプレイ指紋センサーを含むことができるフラットパネルディスプレイの一例はOLEDディスプレイである。OLEDディスプレイは、一般に、画素の配列を含み、各画素が1つまたは複数のOLEDを含む。OLEDディスプレイは、典型的には、行ドライバーと列ドライバーとを含むドライバー回路によって駆動される。行ドライバー、たとえば走査ドライバーは、典型的にはディスプレイにおける画素の各行を順次に選択し、列ドライバー、たとえばデータドライバーは、選択された行の画素回路にデータ電圧を供給する。画素回路は、データ電圧に対応する電流を発生し、その電流を画素のOLEDに供給し、それによって、選択されたOLEDが光を放出することができるようにし、それによってディスプレイ上に画像を表示する。ディスプレイ上に画像を表示するために画素を制御する際に、水平走査線および垂直データ線などの信号線を使用することができる。
【0034】
画素の光強度は、グレースケール値によって決まり得る。画素光強度は、8ビットグレースケールディスプレイの例に相当するゼロから255までの整数を含む、グレースケール値として表すことができる。他のグレースケール値範囲も使用可能である。たとえば、グレースケール値は、10ビットディスプレイの場合のゼロから1023まで、または16ビットディスプレイの場合のゼロから65535までの範囲にわたることができる。その他の可能なグレースケール値範囲には、ゼロから1までであってその間の小数値を含む範囲と、ゼロパーセント(%)から100%までの範囲が含まれ得る。
【0035】
色を空間的に合成するフルカラーディスプレイの場合、各ピクセルは複数のカラーチャネルまたはサブピクセルを含むことができる。実施例によっては、各画素が、赤、緑および青サブピクセルの各々を含むことができる。実施例によっては、各画素が、シアン、マゼンタおよびイエローサブピクセルの各々を含むことができる。各サブピクセルの光強度は、上述のようにグレースケール値、たとえば8ビットディスプレイの場合はゼロから255までの整数で表すことができる。
【0036】
図1Aおよび図1Bは、ディスプレイパネル110と指紋センサー(FPS)120を有する例示のコンピューティングデバイス100の図である。図1Aは、コンピューティングデバイス100の前面図を示す。図1Bは、コンピューティングデバイス100の一部の、例示の断面図を示す。
【0037】
図1Aを参照すると、コンピューティングデバイス100は、たとえばスマートフォン、タブレットコンピュータ、テレビ、スマートウォッチまたはハンドヘルドゲームコンソールであってもよい。ディスプレイパネル110は、発光画素の配列を含む。動作時、ディスプレイパネル110は、発光画素を照明することによって画像を表示することができる。ディスプレイパネル110は、たとえば、アクティブマトリックス有機発光ダイオード(OLED)パネル、または発光ダイオード(LED)液晶ディスプレイ(LCD)パネルであってもよい。コンピューティングデバイス100は、ディスプレイパネル110に隣接する指紋センサー120を含む。たとえば、指紋センサー120は、ディスプレイパネルの下、たとえばコンピューティングデバイス100の正面斜視側から見てディスプレイパネル110の背後に位置づけることができる。
【0038】
図1Bを参照すると、コンピューティングデバイス100の断面の最上層がカバーガラス106を含む。カバーガラス106の下に偏光フィルム108が位置づけられている。発光画素の配列を含むディスプレイパネル110が、偏光フィルム108の下に位置づけられている。
【0039】
指紋センサー120は、コンピューティングデバイス100の断面から見てディスプレイパネル110の下に位置づけられている。ディスプレイパネル110は、発光画素の配列を含む。指紋センサー120は、配列のうちの少なくとも一部の画素によって放出され、指紋センサー120の位置においてディスプレイパネル110の上に置かれた指124から反射された光を受光するように構成される。したがってディスプレイパネル110の画素は、実施例によっては指紋センサー120の上に配置される。
【0040】
指紋センサー120は、ディスプレイパネル110によって発生され、指124によって反射された光に指紋センサー120が露光されるようにディスプレイパネル110を基準にして取り付けられる。実施例によっては、指紋センサー120はコンピューティングデバイス100のマザーボードに機械的に結合することができる。
【0041】
実施例によっては、指紋センサー120は、ディスプレイパネル110の下に位置づけられた不透明なカバー、たとえばコンピューティングデバイス100の背面カバー112に機械的に結合することができる。実施例によっては、背面カバー112は開口126を画定する。指紋センサー120は、ディスプレイパネル110によって発生され、指124によって反射された光を受光するように開口126と位置合わせすることができる。
【0042】
指紋センサー120は、受光器を含むことができる。動作時、ディスプレイパネル110の画素が光122を放出する。放出された光122は指124で反射し、指紋センサー120までディスプレイパネル110を通過する。したがって指紋センサー120の受光器は、反射光116の戻りパルスを受光する。
【0043】
指紋センサー120は、電荷結合素子(CCD)または相補型金属酸化膜半導体回路(CMOS)などの光学検出器を含むことができる。光学検出器は感光光センサーの配列を含むことができる。光センサーの配列は、行と列とに配置することができる。光学検出器の行または列は、FPSのラインとみなすことができる。
【0044】
指紋センサー120の動作をトリガするために、コンピューティングデバイス100とのユーザインタラクションに基づいて接触検出信号を発生させることができる。たとえば、ユーザは、指紋センサー120の上に位置づけられたディスプレイパネルの部分に指124を置くことができる。ディスプレイパネル110は、指124によってディスプレイパネル110に加えられた接触を検出する容量センサーなどのセンサーを含むことができる。容量センサーが指124による接触を検出すると、容量センサーはコンピューティングデバイス100のCPUに接触検出信号を送る。
【0045】
CPUは、ディスプレイパネル110の下に位置づけられたアンダーディスプレイセンサーを起動することを示す接触検出信号を受信することができる。接触検出信号は、指紋センサー120の上に位置づけられたディスプレイパネルの部分上に指124が存在することを示す。実施例によっては、指紋センサー120は、ユーザが指紋センサー120の上に位置づけられた複数の場所のいずれかにおいてディスプレイパネル110に触れることができるように、広い面積を有することができる。実施例によっては、指紋センサー120は、指紋センサー120による検出のためにユーザが触れる必要があるディスプレイパネル110の狭い部分があるように、より狭い面積を有することができる。
【0046】
実施例によっては、接触検出信号は、指紋認識をトリガする仮想ユーザインターフェース要素のユーザ選択(たとえば、コンピューティングデバイスに、ユーザに指紋を提供するように促させ、指紋センサー120によって受信されたデータの分析を開始させるように促す、「購入」ボタンのユーザ選択)によってトリガすることができる。
【0047】
接触検出信号に応答して、CPUは、アンダーディスプレイセンサーに照明を与えるためにディスプレイのLEDの集合体を起動することができる。起動されるLEDの集合体は、ディスプレイのすべてのLEDのうちのサブセットとすることができる。実施例によっては、起動されるLEDの集合体は、アンダーディスプレイセンサーの直上に位置づけられている。
【0048】
動作時、指紋センサー120の各光センサーが、光の光子のキャプチャに応答して電気信号を発生する。光センサーが露光される時間の長さは、露光時間または積分時間と呼ばれる。各光センサーは積分時間中に光センサーに入射した光を表す画素値を記録する。画素は、走査された指紋の画像を形成する。実施例によっては、アナログ-デジタル変換器が指紋の画像のデジタル表現を生成するためにアナログ電気信号を処理することができる。
【0049】
指紋の画像は、たとえば指紋が認識済みの指紋であるか否かを判定するため、ユーザの身元を判定するためなどに、記憶されている指紋の画像と比較することができる。指紋の認識に基づいて、コンピューティングデバイスが動作を行うことができる。たとえば、指紋がコンピューティングデバイスの許可されたユーザのものであるとの認識に基づいて、コンピューティングデバイスは、ユーザがコンピューティングデバイスにアクセスすること、コンピューティングデバイスを使用して購入を完了することなどを許可することができる。
【0050】
指紋センサー120は、ディスプレイパネルのフレーム時間より長くなり得る積分時間を有する。実施例によっては、指紋センサー120は、ディスプレイパネルの放出サイクル時間よりはるかに長い積分時間を有する。一実施例では、積分時間は約100ミリ秒であってもよく、ディスプレイパネルのフレーム時間は約16ミリ秒であってもよく、ディスプレイパネルの放出サイクル時間は約4ミリ秒であってもよい。
【0051】
指紋センサー120は、複数のセンサー線、たとえば行、列またはその両方を含む。指紋センサーが起動すると、複数のセンサー線は同時には起動しない。センサー線間には遅延がある。したがって、センサー線はスタガードまたはローリングシャッターと、積分開始および停止時間を有する。一例として、最初のセンサー線の積分開始時間の開始と、最後のセンサー線の積分時間の開始との間の遅延は、たとえば50ミリ秒以下、10ミリ秒以下、1ミリ秒以下などである場合がある。
【0052】
図2は、コンピューティングデバイス100の例示のディスプレイシステム200の図である。ディスプレイシステム200は、発光画素の配列212を含むOLEDディスプレイシステムである。各発光画素はOLEDを含む。OLEDディスプレイは、SCAN/EMドライバー208とデータドライバー210を含むドライバーによって駆動される。SCAN/EMドライバー208は、集積、すなわち積層行線ドライバーとすることができる。一般に、SCAN/EMドライバー208は、ディスプレイ内の画素の行を選択し、データドライバー210は、画像データに従って選択されたOLEDを発光させるために選択された行の画素にデータ信号(たとえば電圧データ(VDATA))を供給する。ディスプレイ上に画像を表示するために画素を制御する際に走査線、EM線、およびデータ線などの信号線を使用することができる。図2は一方の側にSCAN/EMドライバー208を有するディスプレイシステム200を示しているが、SCAN/EMドライバー208はディスプレイの左右両側に配置することができ、それによって駆動パフォーマンス(たとえば速度)を向上させることができる。
【0053】
ディスプレイシステム200は、複数の発光画素、たとえば画素P11~P43を含む画素配列212を含む。画素は、画素に供給された画像データに基づいて色を変化させることができるディスプレイ上の微細素子である。画素配列212内の各画素は、色の様々な強度を生じさせるように別々にアドレスすることができる。各画素は、フレーム時間にわたって大部分安定したルミナンスを維持し、プログラムされた通りの供給画像データに対応する光を表示する。フレーム時間またはフレーム期間は、フレームの開始と次のフレームの開始の間の時間の長さである。フレーム時間は、ディスプレイシステムのフレームレートの逆数とすることができる。たとえば、毎秒60フレーム(fps)のフレームレートは、1/60秒または0.0167秒のフレーム時間に相当する。
【0054】
画素配列212は面内に延在し、行と列を含む。各行は画素配列212にわたって水平方向に延びる。たとえば、画素配列212の第1の行220は画素P11、P12およびP13を含む。各列は画素配列212にわたって下方に垂直に延びる。たとえば、画素配列212の第1の列230は、画素P11、P21、P31およびP41を含む。簡単にするために、図2には数画素のみが示されている。実際には、画素配列212には数千または数百万の画素がある場合がある。画素数が多いほど画像解像度が高くなる。
【0055】
ディスプレイシステム200は、ディスプレイ入力データ202を受信するディスプレイドライバー集積回路(DDIC)206を含む。DDICは、たとえば半導体集積回路または状態マシンとすることができる。DDICは、ディスプレイ入力データ202に従ってディスプレイ110に画像を表示するために適切な電圧、電流、タイミング、および多重分離による信号を発生する。実施例によっては、DDICはマイクロコントローラとすることができ、RAM、フラッシュメモリ、EEPROM、ROMなどを組み込むことができる。
【0056】
DDIC206は、タイミングコントローラ234とクロック信号発生器236とデータ信号発生器238とを含む。DDIC206は、クロック信号242を発生する。クロック信号242は、たとえば、ディスプレイパネル110によって提示される各フレームのディスプレイフレーム開始時点とディスプレイフレーム停止時点とを制御する信号とすることができる。実施例によっては、クロック信号242は、ディスプレイパネル110の各放出サイクルのディスプレイ発光開始時点とディスプレイ発光停止時点とを制御する信号とすることができる。
【0057】
ディスプレイシステム200は、SCAN/EMドライバー208とデータドライバー210とを含む。実施例によっては、SCAN/EMドライバー208またはデータドライバー210あるいはその両方がDDIC206とともに集積可能である。SCAN/EMドライバーは画素配列212の行にSCAN信号とEM信号を供給する。たとえば、SCAN/EMドライバー208は、画素の行に、走査線S1~S4を介して走査信号と、EM線E1~E4を介してEM信号を供給する。
【0058】
データドライバー210は、画素配列212の列に信号を供給する。たとえば、DDIC206からの画像データ信号244に基づいて、データドライバー210はデータ線D1~D4を介して画素の列にデータを供給する。データドライバー210は、画像データ信号244に従って各画素のためのデータ電圧を選択する。データドライバー210は、選択されたデータ電圧をデータ線D1~D4へのデータ信号として供給する。
【0059】
クロック信号242は、SCAN/EMドライバー208とデータドライバー210とを駆動するために使用することができる。したがって、DDIC206は、走査信号、EM信号、およびデータ信号のタイミングを制御する。
【0060】
ディスプレイシステム200は電源250を含む。電源250は、第1の電源電圧ELVDDと第2の電源電圧ELVSSを供給する。実施例によっては、電源250はDDIC206とともに集積可能である。
【0061】
画素配列212内の各画素は、水平の走査線およびEM線、ならびに垂直データ線によってアドレス可能である。たとえば、画素P11は走査線S1とEM線E1とデータ線D1によってアドレス可能である。別の例では、画素P32は走査線S3とEM線E3とデータ線D2によってアドレス可能である。
【0062】
SCAN/EMドライバー208とデータドライバー210は、画素に信号を供給し、それによって画素がディスプレイ上で画像を再生することができるようにする。SCAN/EMドライバー208とデータドライバー210は、走査線、発光線およびデータ線を介して画素に信号を供給する。画素に信号を供給するために、SCAN/EMドライバー208は走査線を選択し、画素の発光動作を制御する。データドライバー210は、画像データに従って選択されたOLEDを発光させるために、選択された走査線によってアドレス可能な画素にデータ信号を供給する。
【0063】
走査線はフレームごとに順次にアドレスされる。フレームは、表示される一連の画像のうちの単一の画像である。走査方向が、走査線がアドレスされる順序を決定する。ディスプレイシステム200では、走査方向は画素配列212の最上部から最下部への方向である。たとえば、走査線S1が最初にアドレスされ、次に走査線2、次にS3などのようにアドレスされる。
【0064】
DDIC206は、たとえば電気接続を介して指紋センサーコントローラ240と通信することができる。実施例によっては、DDIC206は、指紋センサーコントローラ240を含むことができる。指紋センサーコントローラ240は、指紋センサー120の動作を制御する。実施例によっては、指紋センサーコントローラ240は、コンピューティングデバイスから接触検出信号を受信することができ、FPSを起動させることを示すためにDDICと通信することができる。実施例によっては、DDICは、コンピューティングデバイスから接触検出信号を受信することができ、FPSを起動させることを示すために指紋センサーコントローラ240と通信することができる。
【0065】
図2はOLEDディスプレイの例示のコンポーネントを示しているが、本記載の技術は画素の配列を含む任意のフラットパネルディスプレイに適用可能である。たとえば、電磁放射に起因するアーチファクトを低減するためのプロセスを、発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)、およびプラズマディスプレイパネル(PDP)に適用することができる。
【0066】
図3は、DDIC206のタイミングコントローラ234の例示のブロック図である。タイミングコントローラは、モバイルインダストリープロセッサインターフェース(mobile industry processor interface:MIPI)受信器302とフレームメモリ304とレジスタバンク306とコマンドパーサー308とを含む。タイミングコントローラ234は、アンダーディスプレイ指紋センサー(under display fingerprint sensor:UDFPS)照明オーバーレイ310と補償発生器312とを含む。
【0067】
UDFPSの位置で指の接触が検出されると、UDFPSの上に位置するディスプレイパネルの部分について局在高ルミナンスモード(local high brightness mode:LHBM)314が起動される。補償発生器312は補償された電圧を発生する。実施例によっては、補償発生器312は、UDFPS照明オーバーレイのために補償されたVDATA信号320を発生する。補償されたVDATA信号320は、画素が高輝度に達する速度を増すために、ディスプレイパネルの影響画素のVDATAのオーバードライブを生じさせる。実施例によっては、補償発生器312は補償されたELVDD信号324を発生する。補償発生器312は、補償されたELVDD信号324を電源350に出力することができる。補償されたELVDD信号316は、画素が高輝度に達する速度を増すためにディスプレイパネルの影響画素のELVDDのオーバードライブを生じさせる。補償されたVDATA信号320と補償されたELVDD信号316の効果については、それぞれ図6および図7を参照しながら詳述する。
【0068】
図4は、アンダーディスプレイ指紋センサー動作の例示のタイミング図400である。タイミング図400は、接触検出401と、ディスプレイオンおよびパターン生成407と、LHBM411と、安定化(「安定」)413と、センサー積分415と、画像生成417とを含む段階を含む。タイミング図400において、フレーム時間はたとえば16.6msまたは33.2msとすることができる。
【0069】
接触検出401において、ディスプレイパネルをオンまたはオフにすることができる。接触ICは、接触が検出されるまで低電力または遊休モード402になっていることができる。接触ICは、約3フレームにわたってデバウンス404を受ける。デバウンスは、指紋検知などの時間を要するタスクが過度に高頻度でトリガしないように保証するために使用することができる。デバウンスは、接触ICの起動を遅らせる。接触ICは、接触が検出された位置を測定し、接触検出信号を発生するために、走査と処理406を受ける。接触ICは接触検出信号をコンピューティングデバイス100のCPUに送る。
【0070】
ディスプレイオンおよびパターン生成407において、CPUが電源投入シーケンス408によりディスプレイに電源投入する。電源投入シーケンス408の時間の長さは、検出された接触の前のディスプレイパネルの状態に依存し得る。たとえば、ディスプレイパネルがオンである場合、電源投入シーケンス408は、より短いかまたは不要な場合がある。CPUは、検出された接触の位置を表すパターンを描画するためにパターン生成410を開始する。次にFPSが、検出された接触の位置において指紋検知を行うことができる。
【0071】
実施例によっては、CPUはUDFPSが位置する場所をユーザに示すためにディスプレイパネル上にパターンを描画することができる。たとえば、ユーザはアプリケーションにアクセスするために、指紋検知を必要とするアプリケーションを開く場合がある。CPUは、ユーザが指を置く場所をマークするためのパターンをディスプレイパネル上に描画することができる。
【0072】
LHBM411において、検知位置における画素が局在高輝度モードになるようにトリガされる。LHBM411は、約1フレームの持続期間を有することができる。安定化413において、画素は前の輝度レベルから高輝度まで上昇し、高輝度で安定を維持する。安定化413は、約3フレームの持続期間を有することができる。本開示の実装は、安定化段階413の持続期間を短縮するために使用することができる。
【0073】
安定化が行われた時点で(once stabilization has occurred)、CPUがアンダーディスプレイセンサーから信号を読み出すことによってアンダーディスプレイセンサーを起動する。したがって、画素が高輝度で安定した時点で(once the pixels have stabilized at high brightness)、センサー積分415が開始する。センサー積分415において、指紋センサーのセンサーサイトが光子をキャプチャする。センサー積分415は、約100ミリ秒の持続期間を有することができる。
【0074】
センサー積分415が終了すると、指紋センサーはCPUにデータ418を転送する。たとえば、指紋センサーは指紋の画像を表すデータ418を転送することができる。
【0075】
画像生成417において、CPUは指紋を使用して認証420を行う。認証420に基づいて、CPUはディスプレイパネル上に画像422を描画する。たとえば、指紋認証に基づいて、CPUは、ユーザが特定の表示画面を閲覧することを許可されていると判定することができ、その特定の表示画面の画像を描画することができる。ディスプレイは次に通常の動作424に戻る。
【0076】
図5は、ディスプレイシステムのLEDおよび対応する駆動回路の図500である(図500はサブピクセルのLEDおよび対応する駆動回路も表すことができるが、簡単にするために、以下では画素500と呼ぶ場合がある)。たとえば、図5は、ディスプレイシステム200の画素のより詳細な図を示し得る。画素500は、アクティブマトリックスOLED(AMOLED)画素である。画素500は、走査信号「SCAN(N)」とリセット走査信号「SCAN(N-1)」を受け取る。画素500は、データ電圧「VDATA」と発光信号「EM」を受け取る。画素500は、第1の電源電圧ELVDDと初期基準電圧VINITを受け取る。画素500は、共通接地ELVSSに接続されている。
【0077】
画素500は、有機発光ダイオード(OLED)520を含む。OLED520は、電流IOLEDに応答して光を放出する有機化合物の層を含む。有機層は、2つの電極、すなわちアノードとカソードの間に配置されている。OLED520は、電源電圧ELVDDを受け取る電流源回路によって駆動される。電流源回路は、光を放出するようにOLED520を駆動する。
【0078】
画素500は、蓄積キャパシタCST506と、トランジスタT2~T7と、OLED駆動トランジスタ508とを含む。画素500は、制御信号、すなわち、SCAN、EMおよびVDATAによってプログラムされる。OLED電流IOLEDは、LED駆動トランジスタ508両端間に存在する電圧に基づいて変化する。駆動トランジスタ508は、ゲート端子(G)とソース端子(S)とドレイン端子(D)を有する。駆動トランジスタ508は、閾値電圧VTHを有する。閾値電圧VTHは、駆動トランジスタ508のソース端子とドレイン端子との間に導電路を形成するのに必要な最小ゲート-ソース間電圧である。
【0079】
動作時、画素500は、初期化段階とプログラミング段階と放出段階とを経る。初期化段階において、OLED520がプログラミングに備えてオフにされる。OLED520は、EM信号スイッチオフによって(高レベルに設定されることによって)オフにされ、それによってT5およびT6をオフにする。SCAN(N-1)信号がオンになり、それによってT4をオンにし、GをVINITに設定する。
【0080】
プログラミング段階において、SCAN(N)信号がオンになり、それによってT2、T3およびT7をオンにする。電圧データVDATAがT2を通って駆動トランジスタ508まで通過し、それによってGをVDATAからVTHを差し引いた値に設定する。したがって、フレームのプログラミング段階において画素500がデータ電圧VDATAを受信すると、この電圧が駆動トランジスタ508の「G」ノードにプログラムされる。
【0081】
放出段階において、EM(N)信号がオンになり、それによってT5およびT6をオンにする。OLED520に電流が流れ、その際、OLED520の電流レベルがGによって決定される。したがって、画素500がフレームの放出段階に変化した後、OLED520に電流IOLEDが流れるときにOLED520が光を放出するように、駆動トランジスタの「G」ノードにおいて設定された電圧(たとえば受け取ったデータ電圧VDATAに基づく)に基づいて電流IOLEDがOLED520を流れる。光の強度または輝度は、印加された電流IOLEDの量に依存する。より高い電流は一般により明るい光を生じさせる。したがって、OLED520から放出される光の強度は、「G」ノードにプログラムされ、個別の画素の画像データに対応する、VDATAに基づく。プログラミング/アドレス段階に続く放出段階の間にわたって画素500が照明されたままであるように、蓄積キャパシタCSTがこの画素状態を維持する。
【0082】
図6Aに、データ電圧(VDATA)補償がない画素回路動作の例示のタイミング図を示す。図6Aおよび図6Bに示す電圧は接地を基準にしている。図6Aに示すように、画素が高輝度にスイッチすると、VDATAがより高い値からより低い値に変化する602。より高い値は、高輝度モードを起動する前の画素の初期色に対応する。実施例によっては、より高い値は黒画素色に対応することができ、より低い値は白画素色に対応することができる。実施例によっては、より高い値はグレースケール画素色に対応することができる。
【0083】
黒、グレースケールまたは白として説明したが、図6Aおよび図6Bに示す図は、画素のサブピクセルの動作を表すことができる。したがって、実施例によっては、VDATAのより高い値とより低い値は、サブピクセルの色のより暗い強度とより明るい強度とに対応し得る。
【0084】
画素は、リセット信号SCAN(N-1)を受け取ることによって初期設定段階601に入る。初期設定段階601において、ゲート電圧Gは第1の値623からより低い値、たとえばVINITに降下する611。画素は、次に、走査信号SCAN(N)を受け取ることによって第1のプログラミング段階621に入る。実施例によっては、第1のプログラミング段階621は駆動回路の第1のフレーム中に行われる。
【0085】
第1のプログラミング段階621において、VDATAの変化に起因してゲート電圧GがVINITから第2の電圧603に上昇する。第2の電圧603は、VINITより高いが第1の値623よりは低い。VDATAの変化は、時間の経過とともにVTHも変化させる622。その後の第2のプログラミング段階631において、ゲート電圧Gが第2の値603から第3の値604に変化する。その後の第2のプログラミング段階641において、ゲート電圧Gが第3の値604から第4の値605に再度変化する。第4のプログラミング段階651の後、ゲート電圧Gは定常状態値640に達する。
【0086】
第1の値623から第2の値603へのゲート電圧Gの変化は、IOLEDを上昇させ606、次に減衰させる607。第1のプログラミング段階621の後、第2のプログラミング段階631の前の第1の放出段階において、OLEDが照明され、光を放出する。放出段階中の減衰607は、放出段階中にVTHを変化させることによって生じ、これは放出期間中にソースからドレインに電流が流れるときの駆動トランジスタ508の電気特性の変化に起因して生じる。各プログラミング段階631、641は、たとえばそれぞれ値604と値605へのゲート電圧Gの変化を生じさせる。IOLEDは、各放出段階で上昇し、OLEDのキャパシタンスに起因して初期の大きさが限定される。各放出段階におけるOLEDの電流は、各放出段階中の駆動トランジスタ508の閾値電圧の変化に起因して減衰する。第4のプログラミング段階651の後、VTHは定常状態値633に達し、ゲート電圧Gは定常状態値640に達し、IOLEDは定常状態電流610に達する。
【0087】
図6Aでわかるように、OLEDが定常状態電流610に達する前に、画素の複数のプログラミング段階を要する。したがって、この時間中に画素の輝度またはルミナンスが徐々に増大する。4プログラミング段階にわたって起こるように示されているが、IOLEDの定常状態への上昇は、より多数またはより少数のプログラミング段階、たとえば2プログラミング段階、3プログラミング段階、5プログラミング段階、または6プログラミング段階にわたって起こり得る。
【0088】
図8Aに、図6Aに従って動作させた画素のIOLEDまたは画素ルミナンスを経時的に示す例示のグラフ810を示す。グラフ810の各振動はIOLEDの放出サイクルを表す。図8Aの実線グラフ801は、暗から明へのVDATAの変化の結果としての期待または理想画素ルミナンスを表す。図8Aに示すように、IOLEDは定常状態値まで徐々に上昇する。
【0089】
図6Bに、VDATA補償のある画素回路動作の例示のタイミング図を示す。一般に、データ電圧補償のない図6Aに示す電圧変化と比較して駆動トランジスタ508のゲート電圧Gのより急速な電圧変化を生じさせるために、画素回路に低減VDATA信号613、614、615を送ることによってデータ電圧補償が加えられる。ゲート電圧Gのより急速な変化は、OLED520を流れる電流(IOLED)のより急速な増大を生じさせる。したがって、OLED520は加えられたVDATA補償によってより急速に高輝度に達する。
【0090】
図6Bに示すように、図6Aと同様に、画素が高輝度にスイッチすると、VDATAが初期VDATA628から新たな定常状態VDATA630に変化する602。初期VDATA628は、定常状態VDATA630より高い。初期VDATA628と定常状態VDATA630との差は、初期画素輝度と新たなより明るい画素輝度との間の輝度変化を表す。たとえば、黒から白への変化の場合、初期VDATA628と定常状態VDATA630との差は、グレーから白への変化と比較してより大きい差となる。
【0091】
画素は走査信号SCAN(N)を受け取ることによってプログラミング段階661に入る。第1のプログラミング段階661において第1の低減VDATA信号613が印加される。第1の低減VDATA信号613は、定常状態VDATA630と比較して低減されている。定常状態VDATA630と比較したVDATAのこの低減は、駆動トランジスタ508の「G」ノードにVDATA630が印加された場合よりも高い電圧を駆動トランジスタ508の「G」ノードにおいて確立する。第1のプログラミング段階661の終わりにおいて、ゲート電圧Gは低減VDATA信号613とその時点におけるVTHの大きさとの差である。
【0092】
実施例によっては、第1の低減VDATA信号613と定常状態VDATA630との差は、初期VDATA628と定常状態VDATA630との差に基づいて決定される。たとえば、初期VDATA628と定常状態VDATA630との差がより小さい場合、低減VDATA信号613と定常状態VDATA630との差はより小さくなり得る。逆に、初期VDATA628と定常状態VDATA630との差がより大きい場合、第1の低減VDATA信号613と定常状態VDATA630との差はより大きくなり得る。一実施例では、初期VDATA628は黒に対応する5ボルトとすることができ、定常状態VDATA630は白に対応する1ボルトとすることができる。第1の低減VDATA信号613はマイナス1ボルトとすることができる。
【0093】
第1の低減VDATA信号613は、トランジスタ508のゲート端子とソース端子間にオーバードライブ電圧を確立する。オーバードライブ電圧は、駆動トランジスタ508のゲート電圧「G」とソース電圧「S」との差として表すことができる。オーバードライブ電圧は、ゲート端子とソース端子間の定常状態電圧と比較して超過した電圧である。
【0094】
第1のプログラミング段階において、VDATAの変化に起因してゲート電圧Gが第1の値623から第2の値644に変化する。図6Bにおける第2の値644は、プログラミング段階661において発生する第1の低減VDATA信号613に起因して図6Aの第2の値603より小さい。したがって、図6Bにおける第1の値623と第2の値644との間のゲート電圧Gの変化は、図6Aにおける第1の値623と第2の値603との間のゲート電圧Gの変化と比較して大きい。
【0095】
ゲート電圧Gの変化の結果として、IOLEDが上昇する616。図6Bにおける増大616は、図6Aにおける増大606より大きい。図6AのIOLEDのグラフが、比較のために図6Bにおいて破線650で示されている。第1のプログラミング段階621の後、第2のプログラミング段階631の前の第1の放出段階において、OLEDが照明され、第1の光強度で光を放出する。第1の光強度は、IOLED620に対応する定常状態光強度より第1の不足強度だけ弱い(ただし、理想的な補償では、第1の光強度は定常状態光強度と同じになる)。実施例によっては、第1の光強度は、たとえば減衰617に従って第1の放出段階において対数的に低下する。
【0096】
その後の第2のプログラミング段階671において、第2の低減VDATA信号614が印加される。実施例によっては、第2のプログラミング段階671は、駆動回路の第2のフレーム中に行われる。実施例によっては、第2のフレームは第1のフレームの直後に続く。第2の低減VDATA信号614の値が第1の低減VDATA信号613よりも定常状態VDATA630に近くなるように、第2の低減VDATA信号614は第1の低減VDATA信号613より少ない量だけ低減される。したがって、第2の低減VDATA信号614の電圧は、第1の低減VDATA信号614の電圧より高く、定常状態VDATA信号630より低い。実施例によっては、第1の低減VDATA信号613と第2の低減VDATA信号614とその後の低減VDATA信号との間の大きさの差は、指数関数的減衰を示す。上記の例では、第1の低減VDATA信号613はマイナス1ボルトとすることができ、第2の低減VDATA信号614はマイナス0.5ボルトとすることができる。
【0097】
第2の低減VDATA信号614は、トランジスタ508のゲート端子とソース端子間に第2のオーバードライブ電圧を確立する。第2のオーバードライブ電圧は、VTHとGとの差として表すことができる。第2のオーバードライブ電圧は、ゲート端子とソース端子間の定常状態電圧と比較して超過した電圧である。第2のオーバードライブ電圧は、第1のオーバードライブ電圧より小さい。
【0098】
第2のプログラミング段階671の後、第3のプログラミング段階681の前の第2の放出段階において、OLEDが照明され、第2の光強度で光を放出する。第2の光強度は、IOLED620に対応する定常状態光強度より第2の不足強度だけ弱い。第2の不足強度の絶対量は、第1の不足強度の絶対量より少ない。実施例によっては、第2の光強度は第2の放出段階において対数的に低下する。
【0099】
プログラミング段階671の後、ゲート電圧Gは第2の低減VDATA信号614とその時点におけるVTHの大きさとの差である。同様に、プログラミング段階681の後、ゲート電圧Gは第3の低減VDATA信号615とその時点でのVTHの大きさとの差である。第2の低減VDATA信号614と第3の低減VDATA信号615との差を相殺するVTHの変化643により、第2のプログラミング段階671と第3のプログラミング段階681の両方の後、ゲート電圧Gは第2の値644を維持する。ゲート電圧Gの最後の、定常状態値は、定常状態VDATA630と定常状態VTH653との差である。
【0100】
第3のプログラミング段階681において、第3の低減VDATA信号615がトランジスタ508のゲート端子とソース端子間に第3のオーバードライブ電圧を確立する。第3のオーバードライブ電圧は、ゲート端子とソース端子間の定常状態電圧と比較して超過した電圧である。第3のオーバードライブ電圧は、第1のオーバードライブ電圧より小さく、第2のオーバードライブ電圧より小さい。実施例によっては、第3のプログラミング段階681は駆動回路の第3のフレーム中に行われる。上記の例では、第1の低減VDATA信号613はマイナス1ボルトとすることができ、第2の低減VDATA信号614はマイナス0.5ボルトとすることができ、第3の低減VDATA信号615はマイナス0.2ボルトとすることができる。
【0101】
第3のプログラミング段階681の後、第4のプログラミング段階691の前の第3の放出段階において、OLEDが照明され、第3の光強度で光を放出する。第3の光強度は、IOLED620に対応する定常状態光強度より第3の不足強度だけ弱い。第3の不足強度の絶対量は、第1の不足強度および第2の不足強度の絶対量より少ない。実施例によっては、第3の光強度は第3の放出段階において対数的に低下する。
【0102】
第1の値623から第2の値644へのゲート電圧Gの変化は、IOLEDを上昇させ616、次に減衰させる617。各プログラミング段階671、681は、IOLEDの対応する上昇618、619を生じさせ、各々の後に減衰がある。第4の、定常状態プログラミング段階691において、駆動回路がVDATAを定常状態VDATA630に設定することによって、駆動トランジスタ508のゲート端子とソース端子間に定常状態電圧を確立する。定常状態プログラミング段階691に後に続く第4の放出段階において、OLEDが照明され、IOLED620に対応する定常状態光強度で光を放出する。実施例によっては、定常状態光強度は、通常動作中(たとえば、アンダーディスプレイセンサーの光源としての役割を除く視覚コンテンツの表示中)のOLEDのダイナミックレンジの最大強度値である。
【0103】
実施例によっては、第1のオーバードライブ電圧から第2のオーバードライブ電圧へ、第3のオーバードライブ電圧へ、さらに定常状態電圧への低下は、対数的な電圧低下を示す。実施例によっては、ディスプレイパネルは、第1のフレームレートでディスプレイによってビデオコンテンツを提示し、第1のフレームレートとは異なる第2のフレームレートでオーバードライブ電圧が確立される。たとえば、第1のオーバードライブ電圧、第2のオーバードライブ電圧、および第3のオーバードライブ電圧は、各々、第1のフレームレートより大きい第2のフレームレートで確立可能である。
【0104】
定常状態プログラミング段階691の後、VTHが定常状態値653に達し、ゲート電圧Gが第2の値644に留まり、IOLEDが定常状態IOLED620に達する。実施例によっては、定常状態プログラミング段階691の後の複数の定常状態プログラミング段階において、駆動回路がトランジスタ508のゲート端子とソース端子間に定常状態電圧を確立する。したがって、OLEDはディスプレイの複数の連続フレームにわたって定常状態強度で放出する。
【0105】
図6Bでわかるように、OLEDが定常状態IOLED620に達する前に、VDATAの変化602が画素の複数のプログラミング段階にわたりIOLEDの上昇を生じさせる。したがって、この時間中に画素の輝度、強度およびルミナンスが徐々に上昇する。しかし、上昇616、618および619は、各々、図6Aの対応する上昇606、608および609より大きい。したがって、画素は、補償されたVDATAに起因して図6Aと比較して図6Bにおいてより急速に最高輝度に達する。
【0106】
図8Bに、図6Bにより動作させた画素の画素ルミナンスを経時的に示す例示のグラフ820を示す。グラフ820の各振動は画素のEMパルスを表す。図8Bの実線グラフ801は、暗から明へのVDATAの変化の結果としての期待または理想画素ルミナンスを表す。図8Bに示すように、IOLEDは定常状態値まで急速に上昇する。したがって、図8Bにおける画素ルミナンスの上昇は、図8Aにおける画素ルミナンスの上昇と比較してより急速に起こる。図4に戻って参照すると、画素ルミナンスのより急速な上昇の結果、安定化413のための期間が短くなる。
【0107】
LEDの集合体内の各LEDについてトランジスタ508のゲート端子とソース端子の間に定常状態電圧が確立された(集合体内の単一のそのようなLEDの動作については上述した)後は、DDIC206が、たとえば指紋センサーコントローラ240に制御信号を送信することによって、アンダーディスプレイセンサーを起動することができる。指紋センサーコントローラ240は次に、指紋センサー120のセンサー積分415を開始することができる。
【0108】
図7Aに、電源電圧(ELVDD)補償のない画素回路動作の例示のタイミング図を示す。図7Aに示す画素の動作は、図6Aに示す画素の動作と同じである。図7Aに示すように、ELVDDは画素動作全体にわたって一定した定常状態値701を維持する。
【0109】
図8Aに、図7Aに従って動作させた画素のIOLEDまたは画素ルミナンスを経時的に示す例示のグラフ810を示す。グラフ810の各振動はIOLEDの放出サイクルを表す。図8Aの実線グラフ801は、暗から明へのVDATAの変化の結果としての期待または理想画素ルミナンスを表す。図8Aに示すように、IOLEDは定常状態値まで徐々に上昇する。
【0110】
図7Bに、電源電圧(ELVDD)補償のある画素回路動作の例示のタイミング図を示す。一般に、ELVDD補償は、図7Aに示す電流上昇と比較してOLED520を流れる電流(IOLED)のより急速な上昇を生じさせるために、画素回路に上昇させたELVDD信号702、704、706を送ることによって加えられる。したがって、OLED520はELVDD補償を加えることによってより急速に高輝度に達する。
【0111】
ELVDD補償は、定常状態ELVDD701より高い電圧で第1のELVDD702を供給し、その後、定常状態ELVDD701より高いが、第1のELVDD702よりは低い電圧で第2のELVDD704を供給することによって加えることができる。定常状態ELVDD701より高いが第1のELVDD702と第2のELVDD704の両方より低い電圧で第3のELVDD706を印加することができる。その後、ELVDDは定常状態ELVDD701に戻ることができる。
【0112】
実施例によっては、第1のELVDD702は、指紋センサーのために高輝度を生じさせるようにVDATAが変化する716と印加される。第1のプログラミング段階711と第2のプログラミング段階721との間に、第1のELVDD702から第2のELVDD704への変化が起こり得る。第2のプログラミング段階721と第3のプログラミング段階731との間に、第2のELVDD704から第3のELVDD706への変化が起こり得る。第3のプログラミング段階731と第4の、定常状態プログラミング段階741との間に、第3のELVDD706から定常状態ELVDD701への変化が起こり得る。
【0113】
場合によっては、ディスプレイパネルのすべての画素に同じELVDDが供給される。したがって、ELVDD補償が加えられると、指紋センサーの上の領域の外部にあるディスプレイの画素も変化したELVDDによる影響を受ける。指紋センサー領域の外部にある画素の光強度に干渉しないようにするために、それらの画素のVDATAをELVDDに基づいて調整することができる。
【0114】
たとえば、第1のELVDD702が印加されると、VDATAを定常状態VDATA742より高い第1のVDATA722に設定することができる。次に、ELVDDが第1のELVDD702から第4のELVDD701まで変化する間に、VDATAをたとえばVDATA722、VDATA732およびVDATA742に逓減させることができる。VDATAの調整は、変化したELVDDが指紋センサーの上に位置づけられていない画素のルミナンスに与える望ましくない影響を低減することができる。
【0115】
図8Bに、図7Bに従って動作させた画素の画素ルミナンスを経時的に示す例示のグラフ820を示す。グラフ820の各振動は、画素のEMパルスを表す。図8Bの実線グラフ801は、暗から明へのVDATAの変化の結果としての期待または理想画素ルミナンスを表す。図8Bに示すように、IOLEDは定常状態値まで急速に上昇する。したがって、図8Bにおける画素ルミナンスの上昇は、図8Aにおける画素ルミナンスの上昇と比較してより急速に起こる。図4に戻って参照すると、画素ルミナンスのより急速な上昇の結果、安定化413のための期間が短縮する。安定化413のための短縮された期間の結果、接触が検出される時点401から認証420と画像描画422が完了する時点までの期間を短縮することができる。
【0116】
図9は、アンダーディスプレイ指紋センサーのための輝度制御の例示のプロセス900を示す流れ図である。プロセス900は、コンピューティングデバイス(902)のディスプレイの下に位置づけられたアンダーディスプレイセンサーを起動する指示を受け取ることを含む。たとえば、図4を参照すると、接触ICがディスプレイパネル110への指124の接触を検出し、接触検出信号を発生する。実施例によっては、アプリケーションプログラムがコンピューティングデバイスに、アンダーディスプレイセンサーの上に指を置くようにユーザに促させ、アンダーディスプレイセンサーを起動する指示も生成する。
【0117】
プロセス900は、ディスプレイのLEDに通電するようになされたLED駆動トランジスタに第1のオーバードライブ電圧を確立すること(904)を含む。たとえば図3および図6Bを参照すると、補償生成器312が補償されたVDATA信号320を発生する。VDATA信号320に基づいて、DDIC206が、画素LEDの各LED駆動トランジスタのゲートとソース間に第1のオーバードライブ電圧を確立するために、UDFPS領域に位置づけられた画素に第1の低減VDATA信号613を供給する。
【0118】
プロセス900は、LED駆動トランジスタに、第1のオーバードライブ電圧よりも小さい第2のオーバードライブ電圧を確立すること(906)を含む。たとえば、図6Bを参照すると、画素LEDのLED駆動トランジスタに第2のオーバードライブ電圧を確立するために、DDIC206が、UDFPS領域に位置づけられた画素に第2の低減VDATA信号614を供給する。
【0119】
プロセス900は、LED駆動トランジスタに、第1のオーバードライブ電圧および第2のオーバードライブ電圧より小さい定常状態電圧を確立すること(908)を含む。たとえば、図6Bを参照すると、画素LEDのLED駆動トランジスタに定常状態電圧を確立するために、DDIC206が、VDATAをUDFPS領域に位置づけられた画素のための定常VDATA630に設定する。
【0120】
プロセス900は、アンダーディスプレイセンサーを起動すること(910)を含む。たとえば、図2を参照すると、指紋センサー120の上に位置するLEDの集合体が起動され安定化された時点で、DDIC206が、指紋センサー120を起動するために指紋センサーコントローラ240に信号を送信する。
【0121】
本明細書に記載の主題のおよび機能動作の実施形態は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートTV、携帯オーディオまたはビデオプレーヤー、ゲームコンソールまたはこれらのデバイスのうちの1つまたは複数のデバイスの組合せなど、任意の適切な電子デバイスで実装可能である。
【0122】
電子デバイスは、メモリ、プロセッサ、ディスプレイおよび入力/出力ユニットなどの様々なコンポーネントを含むことができる。入力/出力ユニットは、たとえば、データを送受信するために1つまたは複数のネットワークと通信することができる送受信器を含むことができる。ディスプレイは、画像を表示するための、たとえば陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、または発光ダイオード(LED)ディスプレイを含む任意の適切なディスプレイとすることができる。
【0123】
本明細書に記載のシステムおよび技術の様々な実装形態は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアおよび/またはこれらの組合せで実現可能である。これらの様々な実装形態には、専用または汎用であって、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信し、これらにデータおよび命令を送信するために結合可能な、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能および/または解釈可能な1つまたは複数のコンピュータプログラムでの実装が含まれ得る。
【0124】
実施形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品、たとえば、データ処理装置による実行のため、またはデータ処理装置の動作を制御するために、コンピュータ可読媒体上で符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装することができる。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝播信号を生じさせる物質の組成、またはこれらのうちの1つまたは複数のものの組合せであってもよい。「データ処理装置」という用語は、例としてプログラマブルプロセッサ、コンピュータまたは多重プロセッサもしくはコンピュータを含むデータを処理するためのすべての装置、デバイスおよび機械を包含する。装置は、ハードウェアに加えて、対象のコンピュータプログラムのための実行環境を形成するコード、たとえばプロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステムまたはこれらのうちの1つまたは複数のものの組合せを構成するコードを含むことができる。伝播信号は、人工的に生成された信号、たとえば適切な受信器装置への送信のために情報を符号化するように生成される、機械生成電気信号、光信号または電磁信号である。
【0125】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプトまたはコードとも呼ばれる)は、コンパイルまたはインタプリタ型言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、あるいはコンピューティング環境での使用に適したその他のユニットを含む、任意の形態でデプロイすることができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステムにおけるファイルに相当しない。プログラムは、他のプログラムまたはデータ(たとえばマークアップ言語文書に格納された1つまたは複数のスクリプト)を保持するファイルの一部に、対象プログラム専用の単一ファイルに、または複数の連係ファイル(たとえば1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの部分)に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上、または1つの場所に配置されるか複数の場所に分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上において実行されるようにデプロイすることができる。
【0126】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサには、例として、汎用と専用の両方のマイクロプロセッサ、および任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサが含まれる。一般に、プロセッサは読み出し専用メモリまたはランダムアクセスメモリあるいはその両方から命令およびデータを受け取ることになる。
【0127】
コンピュータの要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令およびデータを記憶するための1つまたは複数のメモリデバイスを含むことができる。一般には、コンピュータは、また、データを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶デバイス、たとえば磁気ディスク、光磁気ディスク、または光ディスクを含むか、そのようなデバイスからデータを受信するため、またはそのようなデバイスにデータを送信するため、あるいはその両方のために動作可能に結合されることになる。しかし、コンピュータはそのようなデバイスを有していなくてもよい。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体には、例として半導体メモリデバイス、たとえばEPROM、EEPROMおよびフラッシュメモリデバイス、磁気ディスクたとえば内蔵ハードディスクまたは取り外し型ディスク、光磁気ディスク、およびCD ROMならびにDVD-ROMディスクを含む、あらゆる形態の不揮発性メモリ、媒体およびメモリデバイスが含まれる。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補完されるかまたは専用論理回路に組み込まれてもよい。
【0128】
本明細書には多くの特定の実装詳細が記載されているが、これらは特許請求可能なものの範囲に対する限定と解釈されるべきではなく、むしろ特定の実施形態に固有である場合がある特徴の説明と解釈されるべきである。本明細書において別々の実施形態の文脈で説明されているある特徴が、単一の実施形態において組み合わせて実装されることも可能である。逆に、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴が、複数の実施形態で別々にまたは任意の適切な組合せで実装されてもよい。また、上記では特徴についてある組合せで機能するものとして説明され、最初にそのようなものとして特許請求される場合もあるが、特許請求される組合せのうちの1つまたは複数の特徴が場合によってはその組合せから除外されることも可能であり、特許請求される組合せはサブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形を対象として含み得る。
【0129】
同様に、図面では動作が特定の順序で記載されているが、これは、望ましい結果を得るために、そのような動作が示されている特定の順序で、または順次的順序で行われること、またはすべての記載されている動作が行われることが必要であるものと理解されるべきではない。ある状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利な場合がある。また、上述の実施形態における様々なシステムモジュールおよびコンポーネントの分離は、そのような分離がすべての実施形態において必要であるものと理解されるべきではなく、記載されているプログラムコンポーネントおよびシステムは、全体が単一のソフトウェア製品としてまとめて統合されること、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化されることが可能であるものと理解されるべきである。
【0130】
以上、本主題の特定の実施形態について説明した。他の実施形態も以下の特許請求の範囲に含まれる。たとえば、特許請求の範囲に記載されているアクションは異なる順序で実行可能であり、その場合でも望ましい結果を得ることが可能である。一例として、添付図面に記載されているプロセスは、望ましい結果を得るために必ずしも図示されている特定の順序または順次的な順序を必要としない。場合によっては、マルチタスキングおよび並列処理が有利な場合がある。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-06-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置が実行する方法であって、
コンピューティングデバイスにおいて、前記コンピューティングデバイスのディスプレイの下に位置づけられたアンダーディスプレイセンサーを起動する指示を受け取ることと、
前記アンダーディスプレイセンサーに照明を与えるために前記ディスプレイのLEDの集合体を起動することとを含み、
前記LEDの集合体を起動することは、前記LEDの集合体内のLEDを起動することであって、
前記LEDの駆動回路が、前記駆動回路の第1のプログラミング段階において、前記LEDに通電するようになされたLED駆動トランジスタのゲート端子と前記LED駆動トランジスタのソース端子間に、定常状態電圧を超過する第1の超過電圧である第1のオーバードライブ電圧を確立することと、
前記LEDの前記駆動回路が、前記第1のプログラミング段階の後に続く前記駆動回路の第2のプログラミング段階において、前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に、前記第1の超過電圧より低い、前記定常状態電圧を超過する第2の超過電圧である第2のオーバードライブ電圧を確立することと、
前記LEDの前記駆動回路が、前記第1のプログラミング段階および前記第2のプログラミング段階の後に続く前記駆動回路の定常状態プログラミング段階において、前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧を確立することと、
によって前記LEDを起動することを含み、
前記方法は、
前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧がプログラムされた時点を含む、前記LEDの集合体が起動された時点で、前記アンダーディスプレイセンサーから信号を読み出すことによって前記アンダーディスプレイセンサーを起動することをさらに含む、電子装置が実行する方法。
【請求項2】
起動される前記LEDの集合体は、前記ディスプレイのすべてのLEDのサブセットである、請求項1に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項3】
起動される前記LEDの集合体は、前記アンダーディスプレイセンサーの直上に位置づけられている、請求項2に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項4】
前記第1のプログラミング段階は前記駆動回路の第1のフレーム中に行われ、
前記第2のプログラミング段階は前記駆動回路の第2のフレーム中に行われ、
前記第2のフレームは、前記第2のプログラミング段階が前記第1のプログラミング段階の後に続くすぐ次のプログラミング段階であるように前記第1のフレームの直後に続く、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項5】
前記LEDの集合体内の前記LEDを起動することは、
前記LEDが、前記第1のプログラミング段階の後に続き、前記第2のプログラミング段階に先立つ第1の放出段階において、定常状態光強度より第1の不足強度だけ弱い第1の光強度を放出することと、
前記LEDが、前記第2のプログラミング段階の後に続き、前記定常状態プログラミング段階に先立つ第2の放出段階において、前記第1の不足強度の絶対量より絶対量が少ない第2の不足強度だけ前記定常状態光強度より弱い第2の光強度を放出することと、
前記LEDが、前記定常状態プログラミング段階の後に続く定常状態放出段階において、前記定常状態光強度を放出することとを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項6】
前記第1の光強度は、前記第1の放出段階において対数的に低下し、前記第2の光強度は、前記第2の放出段階において対数的に低下する、請求項5に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項7】
前記コンピューティングデバイスは、低強度から最大強度までにわたるダイナミックレンジを通して前記LEDに通電することによって前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイ上にビデオコンテンツを提示するように構成され、
前記最大強度は前記定常状態光強度と同じである、請求項5または6のいずれか一項に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項8】
前記LEDの集合体を起動する前に、前記LEDの初期強度を識別することと、
前記LEDの前記初期強度と前記定常状態光強度との差を判定することと、
前記LEDの前記初期強度と前記定常状態光強度との前記差に基づいて、前記第1のオーバードライブ電圧が前記定常状態電圧を超過している前記第1の超過電圧の量を判定することとを含み、前記コンピューティングデバイスは、前記LEDの前記初期強度と前記定常状態光強度との前記差がより低い場合に前記第1のオーバードライブ電圧についてより低い量を判定するのに比較して、前記LEDの前記初期強度と前記定常状態光強度の差がより大きい場合に、前記第1のオーバードライブ電圧についてより大きい量を判定するように構成されている、請求項5~7のいずれか一項に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項9】
前記アンダーディスプレイセンサーを起動する前記指示を受け取ることは、前記アンダーディスプレイセンサーの位置に対応するユーザ接触位置における前記ディスプレイとのユーザ接触を示す指示を受け取ることを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項10】
前記LEDの集合体内の前記LEDを起動することは、
前記LEDの前記駆動回路が、前記第2のプログラミング段階の後に続き、前記定常状態プログラミング段階の前に行われる前記駆動回路の第3のプログラミング段階において、前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に第3のオーバードライブ電圧を確立することを含み、前記第3のオーバードライブ電圧は前記定常状態電圧を超過する第3の超過電圧であり、前記第3の超過電圧は前記第2の超過電圧より低い、請求項1~9のいずれか一項に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項11】
前記第1のオーバードライブ電圧から前記第2のオーバードライブ電圧へ、前記第3のオーバードライブ電圧へ、さらに前記定常状態電圧への低下は、対数的な電圧低下を表す、請求項10に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項12】
前記LEDの集合体内の前記LEDを起動することは、
前記LEDの前記駆動回路が、前記定常状態プログラミング段階の後に続く前記駆動回路の複数の定常状態プログラミング段階において、前記LEDが前記ディスプレイの複数の連続フレームにわたって定常状態光強度で放出するように前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧を確立することを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項13】
前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記第1のオーバードライブ電圧を確立することは、前記第1のプログラミング段階においてデータ走査線が前記駆動回路に第1のデータ電圧を送ることを含み、前記第1のデータ電圧は定常状態データ電圧より低く、
前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記第2のオーバードライブ電圧を確立することは、前記第2のプログラミング段階において前記データ走査線が前記駆動回路に第2のデータ電圧を送ることを含み、前記第2のデータ電圧は前記第1のデータ電圧より高く、前記定常状態データ電圧より低く、
前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧を確立することは、前記定常状態プログラミング段階において前記データ走査線が前記駆動回路に前記定常状態データ電圧を送ることを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項14】
前記コンピューティングデバイスは、前記ディスプレイによって第1のフレームレートでビデオコンテンツを提示し、
前記コンピューティングデバイスは、前記第1のオーバードライブ電圧の前記確立と前記第2のオーバードライブ電圧の前記確立とを、前記第1のフレームレートより大きい第2のフレームレートで行う、請求項1~13のいずれか一項に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項15】
前記アンダーディスプレイセンサーはアンダーディスプレイ指紋センサーを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項16】
コンピューティングデバイスであって、
ディスプレイと、
前記ディスプレイの下に位置づけられたアンダーディスプレイセンサーと、
前記コンピューティングデバイスに動作を行わせるように構成された電子装置とを含み、前記動作は、
前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイの下に位置づけられた前記アンダーディスプレイセンサーを起動する指示を受け取ることと、
前記アンダーディスプレイセンサーに照明を与えるために前記ディスプレイのLEDの集合体を起動することとを含み、
前記LEDの集合体を起動することは、前記LEDの集合体内のLEDを起動することであって、
前記LEDの駆動回路が、前記駆動回路の第1のプログラミング段階において、前記LEDに通電するようになされたLED駆動トランジスタのゲート端子と前記LED駆動トランジスタのソース端子間に、定常状態電圧を超過する第1の超過電圧である第1のオーバードライブ電圧を確立することと、
前記LEDの前記駆動回路が、前記第1のプログラミング段階の後に続く前記駆動回路の第2のプログラミング段階において、前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に、前記第1の超過電圧より低い前記定常状態電圧を超過する第2の超過電圧である第2のオーバードライブ電圧を確立することと、
前記LEDの前記駆動回路が、前記第1のプログラミング段階および前記第2のプログラミング段階の後に続く前記駆動回路の定常状態プログラミング段階において、前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧を確立することと、
によって上記LEDを起動することを含み、
前記動作は、
前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧がプログラムされた時点を含む、前記LEDの集合体が起動された時点で、前記アンダーディスプレイセンサーから信号を読み出すことによって前記アンダーディスプレイセンサーを起動することをさらに含む、コンピューティングデバイス。
【請求項17】
電子装置が実行する方法であって、
コンピューティングデバイスにおいて、前記コンピューティングデバイスのディスプレイの下に位置づけられたアンダーディスプレイ指紋センサーを起動する指示を受け取ることと、
前記アンダーディスプレイセンサーに照明を与えるために前記ディスプレイのLEDの集合体を起動することとを含み、
前記LEDの集合体を起動することは、前記LEDの集合体内のLEDを起動することであって、
前記LEDの駆動回路が、前記駆動回路の第1のプログラミング段階において、前記LEDに通電するようになされたLED駆動トランジスタのゲート端子と前記LED駆動トランジスタのソース端子間に、定常状態電圧を超過する第1の超過電圧である第1のオーバードライブ電圧を確立することと、
前記LEDが、前記第1のプログラミング段階の後に続く第1の放出段階において、定常状態光強度より第1の不足強度だけ弱い第1の光強度を放出することと、
前記LEDの前記駆動回路が、前記第1の放出段階の後に続く前記駆動回路の第2のプログラミング段階において、前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に、前記第1の超過電圧より低い、前記定常状態電圧を超過する第2の超過電圧である第2のオーバードライブ電圧を確立することと、
前記LEDが、前記第2のプログラミング段階の後に続く第2の放出段階において、前記第1の不足強度の絶対量より少ない絶対量の第2の不足強度だけ前記定常状態光強度より弱い第2の光強度を放出することと、
前記LEDの前記駆動回路が、前記第2の放出段階の後に続く前記駆動回路の定常状態プログラミング段階において、前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧を確立することと、
前記LEDが、前記定常状態プログラミング段階に続く定常状態放出段階において、前記定常状態光強度を放出することと、
前記LEDの前記駆動回路が、前記定常状態プログラミング段階の後に続く前記駆動回路の複数の定常状態プログラミング段階において、前記LEDが前記ディスプレイの複数の連続フレームにわたって定常状態光強度で放出するように前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧を確立することと、
によって前記LEDを起動することを含み、
前記方法は、
前記LEDが前記定常状態光強度を放出した時点を含む前記LEDの集合体が起動された時点で、前記アンダーディスプレイセンサーから信号を読み出すことによって前記アンダーディスプレイセンサーを起動することをさらに含む、電子装置が実行する方法。
【請求項18】
前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記第1のオーバードライブ電圧を確立することは、前記第1のプログラミング段階においてデータ走査線が前記駆動回路に、定常状態データ電圧より低い第1のデータ電圧を送ることを含み、
前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記第2のオーバードライブ電圧を確立することは、前記第2のプログラミング段階において前記データ走査線が前記駆動回路に、前記第1のデータ電圧より高く前記定常状態データ電圧より低い第2のデータ電圧を送ることを含み、
前記LED駆動トランジスタの前記ゲート端子と前記LED駆動トランジスタの前記ソース端子間に前記定常状態電圧を確立することは、前記定常状態プログラミング段階において前記データ走査線が前記駆動回路に前記定常状態データ電圧を送ること含む、請求項17に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項19】
起動される前記LEDの集合体は、前記ディスプレイのすべてのLEDのうちの前記アンダーディスプレイ指紋センサーの直上に位置づけられているサブセットである、請求項17または18のいずれか一項に記載の電子装置が実行する方法。
【請求項20】
前記第1のプログラミング段階は前記駆動回路の第1のフレーム中に行われ、
前記第2のプログラミング段階は前記駆動回路の第2のフレーム中に行われ、
前記第2のフレームは、前記第2のプログラミング段階が前記第1のプログラミング段階の後に続くすぐ次のプログラミング段階であるように前記第1のフレームの直後に続く、請求項17~19のいずれか一項に記載の電子装置が実行する方法。
【国際調査報告】