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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】固体電池用カソライト
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0567 20100101AFI20241031BHJP
   H01M 10/0569 20100101ALI20241031BHJP
   H01M 10/056 20100101ALI20241031BHJP
   H01M 10/0568 20100101ALI20241031BHJP
   H01M 4/38 20060101ALI20241031BHJP
   H01M 4/134 20100101ALI20241031BHJP
【FI】
H01M10/0567
H01M10/0569
H01M10/056
H01M10/0568
H01M4/38 Z
H01M4/134
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521111
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-28
(86)【国際出願番号】 US2022051433
(87)【国際公開番号】W WO2023121838
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/264,693
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520474211
【氏名又は名称】クアンタムスケープ バッテリー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,アラム
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジャン
【テーマコード(参考)】
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5H029AJ02
5H029AK01
5H029AK03
5H029AK04
5H029AL12
5H029AM02
5H029AM03
5H029AM05
5H029AM07
5H029AM12
5H029HJ02
5H029HJ07
5H029HJ10
5H050AA02
5H050BA16
5H050CA01
5H050CA07
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB12
5H050HA02
5H050HA07
5H050HA10
(57)【要約】
固体セパレーターとリチウム金属アノードとを含む電気化学セル中の電解質及び/又はカソライトとして有用な組成物が本明細書に提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウム塩と;
それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つの非プロトン性C3-10複素環式分子と、
を含む、カソライト溶液。
【請求項2】
リチウム塩と;
少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された非プロトン性C3-10複素環式分子と、
を含む、カソライト溶液。
【請求項3】
有機カーボネート溶媒をさらに含む、請求項1又は2に記載のカソライト溶液。
【請求項4】
前記有機カーボネート溶媒がエチレンカーボネートである、請求項1~3のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項5】
前記有機カーボネート溶媒が、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、又はそれらの組み合わせである、請求項1~4のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項6】
前記有機カーボネート溶媒が酢酸メチルである、請求項1~5のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項7】
少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子が、亜硫酸エチレン;4-メチル-1,3,2-ジオキサチオラン2-オキシド;1,3-プロパンスルトン;スルホラン;チオフェン、チアゾール、1,2-オキサチオラン、チエピン、1,4-チアゼピン、6-H-1,2,5-チアジアジン、2H,6H-1,5,2-ジチアジン;メチレンメタンジスルホネート;硫酸エチレン;チオピラン、チエピン、チオシン、それらの誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項8】
少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子が、亜硫酸エチレン及び亜硫酸プロピレングリコール(propylene glycol sulfite)からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項9】
少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子が、亜硫酸エチレン及びスルホランからなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項10】
さらに、前記溶液が、リチウム充填ガーネットを含む固体電解質に接触し、前記固体電解質が薄膜である、請求項1~9のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項11】
リチウム充填ガーネットを含む前記固体電解質が焼結薄膜である、請求項10に記載のカソライト溶液。
【請求項12】
前記リチウム塩が、LiPF、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、リチウムビス(パーフルオロエタンスルホニル)イミド(LIBETI)、ビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド(LiTFSI)、LiBF、LiClO、LiAsF、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiFSI)、LiI、LiBr、LiCl、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項13】
前記リチウム塩が約0.5M~約5.0Mの濃度で存在する、請求項1~12のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項14】
前記リチウム塩が、LiPF;LiBF;又はLiBFである、請求項1~13のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項15】
前記リチウム塩が、1.4MのLiPF;1.4MのLiBF;又は1.6MのLiBFである、請求項1~14のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項16】
前記リチウム塩がLiBFである、請求項1~15のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項17】
前記リチウム塩が、1.4MのLiBF又は1.6MのLiBFである、請求項1~16のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項18】
70:30v/v%の亜硫酸エチレン:スルホランを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項19】
少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子がスルホランである、請求項1~18のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項20】
少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子が1,3-プロパンスルトンである、請求項1~19のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項21】
少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子がスルホレンである、請求項1~20のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項22】
少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子がチオフェンである、請求項1~21のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項23】
少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子が亜硫酸エチレンである、請求項1~22のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項24】
亜硫酸エチレン及びスルホランを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項25】
亜硫酸エチレン及びスルホランから本質的になる、請求項1~24のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項26】
2つのC3-10複素環式分子を含み、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比が、10:90vol/vol(v/v)~90:10v/vである、請求項1~25のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項27】
2つのC3-10複素環式分子を含み、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比が、20:80vol/vol(v/v)~80:20v/vである、請求項1~26のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項28】
前記比が30:70vol/vol(v/v)である、請求項26又は27に記載のカソライト溶液。
【請求項29】
30:70v/vのスルホラン:亜硫酸エチレンを含む、請求項28に記載のカソライト溶液。
【請求項30】
スルホラン及び亜硫酸エチレンを含みスルホラン:(亜硫酸エチレン)の前記比が30:70v/v~50:50v/vである、請求項26又は27に記載のカソライト溶液。
【請求項31】
スルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、スルホラン:(亜硫酸エチレン)の前記比が30:70v/vである、請求項26、27、又は30に記載のカソライト溶液。
【請求項32】
スルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、スルホラン:(亜硫酸エチレン)の前記比が50:50v/vである、請求項26、27、又は30に記載のカソライト溶液。
【請求項33】
スルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、リチウム塩の濃度が0.5モーラー(M)~5Mである、請求項26、27、又は30に記載のカソライト溶液。
【請求項34】
スルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、LiBFの濃度が0.5モーラー(M)~5Mである、請求項26、27、又は30に記載のカソライト溶液。
【請求項35】
亜リン酸トリス(トリメチシリル)(TTSPi);リン酸トリス(トリメチシリル)(TTSPa);トリメトキシボロキシン(C、TMOBX);ビニレンカーボネート(VC);ビニルエチレンカーボネート(VEC);メチレンメタンジスルホネート(MMDS);プロパ-1-エン-1,3スルトン(PES);1,3-プロパンスルトン;フルオロエチレンカーボネート(FEC);LiTFSi;LiBOB;スクシノニトリル;硫酸トリメチレン(TMS);リン酸トリアリル(triallyl phosphate)(TAP);ホウ酸トリス(トリメチルシリル)(TMSB);トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(TPFPB);ホウ酸トリス(トリメチルシリル)(TMSB);トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(TPFPB);酢酸メチル(MA);酢酸トリス(トリメチルシリル)(TMSA);トリス(トリメチルシリル)ピリジン;メタクリル酸トリス(トリメチルシリル)(TMSMA);亜リン酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)(TTFEP);ホウ酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)(TTFEB)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤をさらに含む、請求項1~34のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項36】
前記添加剤がTTSPiである、請求項35に記載のカソライト溶液。
【請求項37】
前記添加剤がTTSPaである、請求項35に記載のカソライト溶液。
【請求項38】
前記添加剤がTTSPiとTTSPaとの組み合わせである、請求項35~37のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項39】
前記固体電解質が、LiLaM’M”Zr、LiLaM’M’’Ta、及びLiLaM’M”Nb(式中、4<A<8.5、1.5<B<4、0≦C<2.5、0≦D<2.5;0<E<2.5、10<F<14であり、M’及びM”は、それぞれ独立して、Al、Mo、W、Nb、Ga、Y、Gd、Sb、Ca、Ba、Sr、Ce、Hf、Rb、及びTaからなる群から選択される)からなる群から選択される式を特徴とするリチウム充填ガーネットである、請求項10~38のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項40】
前記リチウム充填ガーネットが、LiLaZrAlMe”(式中、5<a<7.7;2<b<4;0<c<2.5;0<d<2.5;0≦e<2.5、10<f<14であり、Me”は、Nb、Ta、V、W、Mo、及びSbからなる群から選択される金属である)からなる群から選択される式を特徴とする、請求項10~38のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項41】
前記リチウム充填ガーネットが、LiLaZrAl(ここで、5<a<7.7;2<b<4;0<c<2.5;0<d<2.5;10<f<14である)からなる群から選択される式を特徴とする、請求項10~38のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項42】
正極と、リチウム金属負極と、リチウム充填ガーネットを含む固体電解質とを含む電気化学セル中に前記カソライト溶液が配置される、請求項1~41のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項43】
少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された非プロトン性C3-10複素環式分子ではない第3の成分をさらに含む、請求項1~42のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項44】
前記第3の成分が、ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン、ガンマオクタラクトン、シアノ酢酸エチル、リン酸トリメチル、アジポニトリル、グルタロニトリル、マロノニトリル、酢酸メチル、シアノアクリル酸エチル、マロノニトリル、シアノ酢酸メチル、シアノアクリル酸エチル、シアノアクリル酸メチル、メトキシアセトニトリル、アセトニトリル、スクシノニトリル、マロノニトリル、シアノ酢酸メチル、シアノアクリル酸エチル、シアノアクリル酸メチル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項43に記載のカソライト溶液。
【請求項45】
前記第3の成分が酢酸メチルである、請求項43に記載のカソライト溶液。
【請求項46】
カソライト溶液の製造方法であって:
それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つのC3-10複素環式分子と;
リチウム塩とを混合し;それによってカソライト溶液が得られる、製造方法。
【請求項47】
リチウム充填ガーネットを含む固体電解質を前記カソライト溶液に接触させることをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項48】
電気化学セルの製造方法であって:
正極中にカソライトを提供することであって、前記カソライトが:
リチウム塩と;
それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つのC3-10複素環式分子と、
を含む、提供することと;
リチウム充填ガーネットを含む固体電解質を前記正極に接触させることと、
を含む、製造方法。
【請求項49】
請求項46~48のいずれか一項に記載の方法によって製造される電気化学セル。
【請求項50】
請求項49に記載の電気化学セルを含む蓄電池。
【請求項51】
請求項50に記載の蓄電池を含む電気車両。
【請求項52】
カソライト溶液であって:
リチウム塩と;
それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つの非プロトン性C3-10複素環式分子と、
を含み;
少なくとも1つのC3-10複素環式分子が、亜硫酸エチレン;4-メチル-1,3,2-ジオキサチオラン2-オキシド;1,3-プロパンスルトン;スルホラン;チオフェン;チアゾール;1,2-オキサチオラン;チエピン;1,4-チアゼピン;6-H-1,2,5-チアジアジン;2H,6H-1,5,2-ジチアジン;メチレンメタンジスルホネート;硫酸エチレン;チオピラン;チオシン、それらの誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、カソライト溶液。
【請求項53】
少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子が、亜硫酸エチレン及び亜硫酸プロピレングリコールからなる群から選択される、請求項52に記載のカソライト溶液。
【請求項54】
さらに、前記溶液がリチウム充填ガーネットを含む固体電解質に接触し、前記固体電解質が薄膜である、請求項52又は53に記載のカソライト溶液。
【請求項55】
リチウム充填ガーネットを含む前記固体電解質が焼結薄膜である、請求項54に記載のカソライト溶液。
【請求項56】
前記リチウム塩が、LiPF、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、リチウムビス(パーフルオロエタンスルホニル)イミド(LIBETI)、ビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド(LiTFSI)、LiBF、LiClO、LiAsF、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiFSI)、LiF、LiCl、LiBr、LiI、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項52~55のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項57】
前記リチウム塩がLiBFである、請求項52~56のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項58】
前記リチウム塩が約0.5M~約2.0Mの濃度である、請求項52~57のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項59】
少なくとも1つのC3-10複素環式分子がスルホランである、請求項52~58のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項60】
少なくとも1つのC3-10複素環式分子が1,3-プロパンスルトンである、請求項52~58のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項61】
少なくとも1つのC3-10複素環式分子がスルホレンである、請求項52~58のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項62】
少なくとも1つのC3-10複素環式分子がチオフェンである、請求項52~58のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項63】
少なくとも1つのC3-10複素環式分子が亜硫酸エチレンである、請求項52~58のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項64】
2つのC3-10複素環式分子を含み、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比が、10:90vol/vol(v/v)~90:10v/vである、請求項52~63のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項65】
2つのC3-10複素環式分子を含み、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比が、20:80vol/vol(v/v)~80:20v/vである、請求項52~64のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項66】
スルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、スルホラン:(亜硫酸エチレン)の前記比が30:70v/v~50:50v/vである、請求項52~65のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項67】
スルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、スルホラン:(亜硫酸エチレン)の前記比が30:70v/vである、請求項52~66のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項68】
スルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、スルホラン:(亜硫酸エチレン)の前記比が50:50v/vである、請求項52~67のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項69】
亜リン酸トリス(トリメチシリル)(TTSPi);リン酸トリス(トリメチシリル)(TTSPa);トリメトキシボロキシン(C、TMOBX);ビニレンカーボネート(VC);ビニルエチレンカーボネート(VEC);メチレンメタンジスルホネート(MMDS);プロパ-1-エン-1,3スルトン(PES);1,3-プロパンスルトン;フルオロエチレンカーボネート(FEC);LiTFSi;LiBOB;スクシノニトリル、硫酸トリメチレン(TMS);リン酸トリアリル(TAP);ホウ酸トリス(トリメチルシリル)(TMSB);トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(TPFPB);トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(TPFPB);酢酸メチル(MA);酢酸トリス(トリメチルシリル)(TMSA);トリス(トリメチルシリル)ピリジン;メタクリル酸トリス(トリメチルシリル)(TMSMA);亜リン酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)(TTFEP);ホウ酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)(TTFEB);及びそれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤をさらに含む、請求項52~68のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項70】
前記添加剤がTTSPiである、請求項69に記載のカソライト溶液。
【請求項71】
前記添加剤がTTSPaである、請求項69に記載のカソライト溶液。
【請求項72】
前記添加剤がTTSPiとTTSPaとの組み合わせである、請求項69~71のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項73】
固体電解質が、LiLaM’M”Zr、LiLaM’M’’Ta、及びLiLaM’M”Nb(式中、4<A<8.5、1.5<B<4、0≦C<2.5、0≦D<2.5;0<E<2.5、10<F<14であり、M’及びM”は、それぞれ独立して、Al、Mo、W、Nb、Ga、Y、Gd、Sb、Ca、Ba、Sr、Ce、Hf、Rb、及びTaからなる群から選択される)からなる群から選択される式を特徴とするリチウム充填ガーネットである、請求項52~72のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項74】
前記カソライト溶液が60℃~100℃の範囲内の沸点を有する、請求項52~73のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項75】
前記カソライト溶液が-60℃~-40℃の範囲内の融点を有する、請求項52~74のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項76】
前記カソライト溶液が、2000μS/cm~3200μS/cmの範囲内のリチウムイオン伝導率を有する、請求項52~75のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項77】
前記カソライト溶液が1cP~10cPの範囲内の粘度を有する、請求項52~76のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項78】
前記リチウム塩が、1.4MのLiPF;1.4MのLiBF;又は1.6MのLiBFである、請求項52~77のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項79】
70:30v/v%の亜硫酸エチレン:スルホランを含む、請求項52~78のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項80】
前記リチウム塩が1.4MのLiPFである、請求項52~79のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項81】
前記リチウム塩が1.4MのLiBFである、請求項52~79のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【請求項82】
前記リチウム塩が1.6MのLiBFである、請求項52~79のいずれか一項に記載のカソライト溶液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年11月30日に出願され、CATHOLYTES FOR A SOLID-STATE BATTERYと題される米国仮特許出願第63/264,693号の優先権及び利益を主張し、その内容全体があらゆる目的で参照により本明細書に援用される。
【0002】
分野
[0002] 本開示は、固体蓄電池、並びに固体蓄電池中に使用される電解質及びカソライトに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] リチウム金属アノードを含む固体蓄電池は、カソードとアノードとの間に配置される特殊な固体電解質セパレーターを必要とする。固体電解質セパレーターは、固体であり、リチウム金属と接触して安定でもあり、Liイオンを伝導できるが、測定可能な速度では電子を伝導することができないことが必要である。炭素ベースの(例えば、黒鉛)アノード(すなわち負極)を含む液体ベースの蓄電池では、このような固体電解質は使用されない。その代わりに、これらの液体ベースの蓄電池中のカソードとアノードとの間には液体電解質が存在する。これらの液体電解質は、典型的には、リチウム塩、例えばLiPFを溶解させるためにそれらがカーボネート溶媒、例えばジエチルカーボネート又はジメチルカーボネートが使用されるという点でカーボネートベースである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004] 幾つかの刊行物では、カーボネートベース溶媒の電解質への添加剤として亜硫酸エチレンが使用されていた。これらの組成物は、黒鉛ベースのアノード用に最適化された。例えば、https://doi.org/10.1149/1.1391630;https://doi.org/10.1021/la015553h;https://doi.org/10.1016/j.jpowsour.2010.08.092;https://doi.org/10.1016/j.jpowsour.2005.02.007;及びhttps://doi.org/10.1039/C5CP04221Fを参照されたい。固体電池電解質セパレーターに適合する新規な電解質及びカソライトが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] 一実施形態では、リチウム塩と;それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つの非プロトン性C3-10複素環式分子とを含むカソライト溶液が本明細書に提供される。
【0006】
[0006] 第2の実施形態では、リチウム塩と;少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された非プロトン性C3-10複素環式分子とを含むカソライト溶液が本明細書に提供される。
【0007】
[0007] 第3の実施形態では、正極と、リチウム金属負極と、固体電解質であって、リチウム充填ガーネット、及びカソライトを含み、上記カソライトが:リチウム塩と;それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つのC3-10複素環式分子とを含む、固体電解質とを含む電気化学セルが本明細書に提供される。
【0008】
[0008] 第4の実施形態では、正極と、リチウム金属負極と、固体電解質であって、リチウム充填ガーネット、及びカソライトを含み、上記カソライトが:リチウム塩と;少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された非プロトン性C3-10複素環式分子とを含む、固体電解質とを含む電気化学セルが本明細書に提供される。
【0009】
[0009] 第5の実施形態では、カソライト溶液の製造方法であって、リチウム塩と、それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つのC3-10複素環式分子とを混合することを含む製造方法が本明細書に提供される。
【0010】
[0010] 第6の実施形態では、カソライト溶液の製造方法であって、リチウム塩と、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された非プロトン性C3-10複素環式分子とを混合することを含む製造方法が本明細書に提供される。
【0011】
[0011] 第7の実施形態では、電気化学セルの製造方法であって:正極中にカソライトを提供することであって、上記カソライトが、リチウム塩と;それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つのC3-10複素環式分子とを含むことと;リチウム充填ガーネットを含む固体電解質セパレーターを上記正極に接触させることとを含む製造方法が本明細書に提供される。
【0012】
[0012] 第8の実施形態では、電気化学セルの製造方法であって:正極中にカソライトを提供することであって、上記カソライトが、リチウム塩と;少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された非プロトン性C3-10複素環式分子とを含むことと;リチウム充填ガーネットを含む固体電解質セパレーターを上記正極に接触させることとが含む製造方法が本明細書に提供される。
【0013】
[0013] 第9の実施形態では、カソライト溶液であって:リチウム塩と;それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つの非プロトン性C3-10複素環式分子とを含み、少なくとも1つのC3-10複素環式分子が、亜硫酸エチレン;4-メチル-1,3,2-ジオキサチオラン2-オキシド;1,3-プロパンスルトン;スルホラン;チオフェン;チアゾール;1,2-オキサチオラン;チエピン;1,4-チアゼピン;6-H-1,2,5-チアジアジン;2H,6H-1,5,2-ジチアジン;メチレンメタンジスルホネート;硫酸エチレン;チオピラン;チオシン、それらの誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、カソライト溶液が本明細書に提供される。
【0014】
[0014] 第10の実施形態では、本明細書に開示されるカソライトを含む蓄電池が本明細書に提供される。
【0015】
[0015] 第11の実施形態では、本明細書に開示される蓄電池を含む電気車両が本明細書に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面の簡単な説明
図1】[0016]サイクル時間の関数としてのCレートのプロットである。
図2】[0017]サイクル時間(秒)の関数としての充電状態(SOC)のプロットである。
図3】[0018]亜硫酸エチレン(ESI)及びスルホラン(SLF)の体積比70:30(v/v)の混合物及び1.4MのLiPF(70:30 ESI:SLFと記載される)と;エチレンカーボネート及びスルホランの体積比45:55(v/v)の混合物及び1.4MのLiPF(ECS45.4と表示される)との2つのカソライトに関する、中央値充電(Median charge)面積比直流抵抗(area-specific direct current resistance:ASRDC)(Ω-cm)のプロットである。ここで、「ECS45.4」中の「.4」は、1.4M濃度のLiイオンを意味する。「ECS45」は、45:55v/vの比を意味する。
図4】[0019]実行時間(秒)の関数としてのSOC(%)のプロットである。
図5】[0020](a)0.5重量%の亜硫酸エチレン;(b)1重量%の亜硫酸エチレン;(c)2重量%の亜硫酸エチレン;(d)4重量%の亜硫酸エチレン;及び(e)8重量%の亜硫酸エチレンの5つのカソライト混合物に関する活動量比放電容量(active mass-specific discharge capacity)(mAh/g)のプロットである。
図6】[0021](a)0.5重量%の亜硫酸エチレン;(b)1重量%の亜硫酸エチレン;(c)2重量%の亜硫酸エチレン;(d)4重量%の亜硫酸エチレン;及び(e)8重量%の亜硫酸エチレンの5つのカソライト混合物に関する中央値充電面積比抵抗(median charge area-specific resistance)(ASR、Ωcm)直流のプロットである。
図7】[0022](a)1.4MのLiPF/ESSと;(b)ECS45.4との2つのカソライト混合物に関する直流で測定された中央値充電面積比抵抗(ASR、Ωcm)のプロットである。ここで、ESSは、亜硫酸エチレンとスルホランとの組み合わせを意味する。ここで、ECSは、エチレンカーボネートとスルホランとの組み合わせを意味する。
図8】[0023](a)1.4MのLiPF/ESSと;(b)ECS45.4との2つのカソライト混合物に関する累積サイクル指数の関数としての活動量比放電容量(mAh/g)のプロット(上部)である。図8は、(a)1.4MのLiPF/ESSと;(b)ECS45.4との2つのカソライト混合物に関する累積サイクル指数の関数としての中央値充電面積比抵抗(ASR、Ωcm)直流のプロット(下部)でもある。
図9】[0024]25℃での4C急速充電試験における、異なる比率で亜硫酸エチレン及びスルホランを有するカソライトを使用した2つの電気化学セルに関する80%SOCまでの時間(分)を示している。これらの結果は、本明細書における実施例2に関連する。これらの結果は、本明細書における実施例2に記載される。
図10】[0025]25℃での4C急速充電試験における、一方が第3の共溶媒の酢酸メチル(MAと記載される)を含むカソライトを使用する2つの電気化学セルに関する80%SOCまでの時間(分)を示している。これらの結果は、本明細書における実施例2に記載される。
図11】[0026]25℃での4C急速充電試験における、一方が、70:30の体積比の亜硫酸エチレン対スルホラン及び1.4MのLiBF含み;他方が1.2Mの10%LiFSiを含む2つのカソライトに関する、80%SOCまでの時間(分)を示している。これらの結果は、本明細書における実施例2に記載される。
図12】[0027]0.5M~5Mカソライトモル濃度スキューでの1か月のASR測定の結果を示している。これらの結果は、本明細書における実施例3に記載される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
[0028] 以下の説明は、当業者による本開示の製造及び使用、並びにその特定の用途の状況への採用を可能にするために提供される。種々の修正、及び異なる用途への種々の使用は、当業者には容易に明らかになるであろうし、本明細書において規定される一般的原理は、広範囲の実施形態に適用可能である。したがって、本開示は、提供される実施形態への限定を意図するものではなく、本明細書に開示される原理及び新規な特徴に一致する最も広い範囲が得られる。
【0018】
[0029] 以下の詳細な説明において、本開示のより十分な理解を得るために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本明細書における開示は、これらの具体的な詳細に必ずしも限定されることなく実施できることは当業者には明らかとなるであろう。
【0019】
[0030] 明記されないのであれば、本明細書(あらゆる添付の請求項、要約書、及び図面を含む)に開示される全ての特徴は、同一、同等、又は類似の目的を果たす別の特徴によって置き換えることができる。したがって、明記されないのであれば、開示されるそれぞれの特徴は、一般的な一連の同等又は類似の特徴の単なる一例である。
【0020】
[0031] 亜硫酸エチレン及びスルホランなどの溶媒又は添加剤を含むカソライトが本明細書に記載される。幾つかの実施形態では、亜硫酸エチレン、スルホラン、又はその両方が添加剤として使用される。添加剤として、亜硫酸エチレン、スルホラン、又はその両方は、10%w/w未満、幾つかの実施形態では、9%w/w未満、8%w/w未満、7%w/w未満、6%w/w未満、5%w/w未満、4%w/w未満、3%w/w未満、2%w/w未満、1%w/w未満、又は0.5%w/w未満で存在する。溶媒として、亜硫酸エチレン、スルホラン、又はその両方は、10%w/wを超えて存在する。
【0021】
[0032] 幾つかの実施形態では、上記%w/wは、カソードの重量を基準として計算される。幾つかの別の実施形態では、特に明記さなければ、上記%w/wは、カソード中に導入されるカソライトの重量を基準として計算される。特に明記されなければ、%w/wは、カソード中に導入されるカソライトの重量を基準として計算される。
【0022】
[0033] 本明細書におけるカソライトによって、リチウム充填ガーネットの固体電解質セパレーターを有するリチウム蓄電池中に使用される場合に、高電圧安定性が改善され、リチウム充填ガーネット界面における電荷移動が減少する。リチウム充填ガーネット界面のおける電荷移動によって、面積比抵抗(ASR)が増加することがある。前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、これらのカソライトによって、高エネルギー密度を有するカソード中で80%容量まで15分以内の急速充電が可能となる。前述のいずれかを含むある実施形態では、高エネルギー密度を有するカソードは、2000Wh/Lの体積エネルギー密度を有するカソードである。前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、これらのカソライトは、高い連続放電容量及びパルス電力を-30℃において示す。前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、これらのカソライトによって、カレンダー寿命(例えば、4.4V及び60℃におけるカレンダー寿命性能)が改善される。前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、本明細書におけるカソライトは、4.4V及び60℃において改善された加速貯蔵試験を有する。
【0023】
[0034] 幾つかの実施形態では、溶液であって、亜硫酸エチレン、スルホラン、及びリチウム塩を含む電解質である溶液が本明細書に記載される。ここで、亜硫酸エチレンは、1,3,2-ジオキサチオラン-2-オキシド、環状亜硫酸エチレン、ES、及びグリコールスルフィットと同義である。
【0024】
[0035] 幾つかの実施形態では、亜硫酸エチレンをスルホランと混合して深共晶溶液が得られる。幾つかの実施形態では、深共晶溶液は、その凝固点が-50℃までも低下する。
【0025】
[0036] 幾つかの実施形態では、上記溶液は、エチレンカーボネート及びスルホラン(ECS)を含む。ECSの幾つかの周知の組み合わせは、低温で十分機能するためには不十分な低温伝導性を有する。エチレンカーボネートを亜硫酸エチレンに置き換え、場合により被覆されたカソード活物質を使用することによって、改善され、カレンダー寿命を2桁の大きさで改善することができる。エチレンカーボネートを亜硫酸エチレンに置き換え、場合により被覆されたカソード活物質を使用することによって、低温性能(例えば、低温出力)を改善することができる。
【0026】
定義
[0037] 本明細書において使用される場合、例えば約15%w/wのように数を修飾する場合の「約」という用語は、修飾される数と、場合により、その数の±10%を含むその修飾される数に関する範囲内に含まれる数とを意味する。例えば、約15%w/wは、15%w/wと、13.5%w/w、14%w/w、14.5%w/w、15.5%w/w、16%w/w、又は16.5%w/wとを含む。例えば、「約75℃」は、75℃と、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、75℃、76℃、77℃、78℃、79℃、80℃、81℃、82℃、又は83℃とを含む。
【0027】
[0038] 本明細書において使用される場合、「からなる群から選択される」は、その群からの1つの構成要素、その群からの2つ以上の構成要素、又はその群からの構成要素の組み合わせを意味する。例えば、A、B、及びCからなる群から選択される構成要素は、Aのみ、Bのみ、又はCのみ、並びにA及びB、A及びC、B及びC、並びにA、B、及びCを含む。
【0028】
[0039] 本明細書において使用される場合、「ECS」という用語は、エチレンカーボネート及びスルホランの混合物又は溶液の頭字語である。
【0029】
[0040] 本明細書において使用される場合、「固体セパレーター」という語句は、電子に対しては実質的に絶縁性であるLiイオン伝導性材料であって(例えば、チウムイオン伝導率は、電子伝導率の少なくとも10倍であり、多くの場合10倍である)、電気化学セル中の正極と負極との間の物理的バリア又はスペーサーとして機能するLiイオン伝導性材料を意味する。
【0030】
[0041] 本明細書において使用される場合、面積比抵抗(ASR)は、逆のことが明記されるのでなければ、Arbin、Maccor、又はBiologicの装置を用いた電気化学的サイクリングによって測定される。
【0031】
[0042] 本明細書において使用される場合、イオン伝導率は、当技術分野において周知の電気インピーダンス分光法によって測定される。
【0032】
[0043] 本明細書において使用される場合、「深共晶溶液」という語句は、深共晶溶液の最低凝固点成分よりも少なくとも30℃低い凝固点を有する2つ以上の化学物質溶液又は混合物である。例えば、一方の化学物質の凝固点が-30℃であり、他方の化学物質の凝固点が-60℃であり、これらの化学物質の50:50v/v混合物の凝固点が-90℃である場合、その混合物は深共晶溶液と見なされる。
【0033】
[0044] 本明細書において使用される場合、「膜」又は「薄膜」という語句は、0.5mm未満の厚さ及び10nmを超える厚さの薄い膜を意味する。薄膜は、横寸法が5mmを超えることもある。「膜」又は「薄膜」は、テープキャスティング、スリップキャスティング、又はスクリーン印刷などの連続プロセスによって製造することができる。
【0034】
[0045] 本明細書において使用される場合、「膜厚」という語句は、膜の上面と底面との間の距離、又はメジアン測定距離を意味する。本明細書において使用される場合、上面及び底面は、最大幾何学的表面積を有する膜の面を意味し、ここで、最大幾何学的表面積は、面の長さにその幅を掛けることによって計算される。本明細書において使用される場合、厚さは、断面走査型電子顕微鏡法によって測定される。
【0035】
[0046] 本明細書において使用される場合、「バインダー」は、グリーンテープ中の固体などの材料の接着及び/又は凝集を増加させる能力を有するポリマーを意味する。適切なバインダーとしては、PVDF、PVDF-HFP、SBR、及びエチレンアルファ-オレフィンコポリマーを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。「バインダー」は、別の材料の接着を促進する材料を意味する。例えば、本明細書において使用される場合、ガーネット材料の接着に有用であるので、ポリビニルブチラールがバインダーとなる。別のバインダーとしてはポリカーボネートを挙げることができる。別のバインダーとしては、ポリアクリレート及びポリメタクリレートを挙げることができる。これらのバインダーの例は、本明細書で考慮されるバインダー全体の範囲に関する限定ではなく、単に例としての役割を果たす。本開示において有用なバインダーとしては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、アタクチックポリプロピレン(aPP)、アイソタクチックポリプロピレン(iPP)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンペンテンコポリマー(EPC)、ポリイソブチレン(PIB)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリオレフィン、ポリエチレン-コ-ポリ-1-オクテン(PE-コ-PO)、ポリエチレン-コ-ポリ(メチレンシクロペンタン)(PE-コ-PMCP)、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、アクリル、ポリビニルアセトアセタール(polyvinylacetacetal)樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、PVB、ステレオブロックポリプロピレン、ポリプロピレンポリメチルペンテンコポリマー、ポリエチレンオキシド(PEO)、PEOブロックコポリマー、シリコーン、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシドポリ(アリルグリシジルエーテル)PEO-AGE、ポリエチレンオキシド2-メトキシエトキシエチルグリシジルエーテル(PEO-MEEGE)、
ポリエチレンオキシド2-メトキシエトキシエチルグリシジルポリ(アリルグリシジルエーテル)(PEO-MEEGE-AGE)、ポリシロキサン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピレン(PVDF-HFP)、ニトリルゴム(NPR)、ポリブタジエンポリマー、ポリブタジエンゴム(PB)、ポリイソブタジエンゴム(PIB)、ポリオレフィン、アルファ-ポリオレフィン、エチレンアルファ-ポリオレフィン、ポリイソプレンゴム(PI)、ポリクロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、及びポリアクリル酸エチル(PEA)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
[0047] 本明細書において使用される場合、「ルイス酸」という語句は、塩基性分子から電子(又は電子密度)を吸引する傾向を有する分子又は官能基を意味する。ルイス酸の例としては、亜リン酸トリス(トリメチシリル)(TTSPi)、リン酸トリス(トリメチシリル)(TTSPa)、亜リン酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)、リン酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)(TTFEP)、ホウ酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)(TTFEB)、トリメトキシボロキシン(C、TMOBX)、リン酸トリアリル(TAP)、ホウ酸トリス(トリメチルシリル)(TMSB)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(TPFPB)、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
[0048] 本明細書において使用される非ルイス酸の例としては、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、メチレンメタンジスルホネート(MMDS)、硫酸エチレン、硫酸1,3プロピレン、プロパ-1-エン-1,3スルトン(PES)、亜硫酸プロピレン、1,4ブタンスルトン、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、LiTFSi、LiBOB、3-スルホレン、スクシノニトリル、グルタロニトリル、硫酸トリメチレン(TMS)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0038】
[0049] 本明細書において使用される場合、それ自体、又は別の置換基の一部としての「アルキル」という用語は、飽和分岐又は直鎖の一価の末端基、又は二価の架橋基、親アルカンの1つの炭素原子から少なくとも1つの水素原子を除去することによって誘導される炭化水素基を意味する。対象のアルキル基としては、メチル、エチル、
n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1~20個の炭素原子を含む。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1~10個の炭素原子を含む。ある実施形態では、アルキル基は、1~6個の炭素原子、例えば1~4個の炭素原子を含む。この用語は、例として、直鎖及び分岐のヒドロカルビル基、例えば、メチル(CH-)、エチル(CHCH-)、n-プロピル(CHCHCH-)、イソプロピル((CHCH-)、
n-ブチル(CHCHCHCH-)、イソブチル((CHCHCH-)、sec-ブチル((CH)(CHCH)CH-)、t-ブチル((CHC-)、n-ペンチル(CHCHCHCHCH-)、及びネオペンチル((CHCCH-)を含む。アルキル置換基は、さらには置換されていない1~6個の置換基で置換されてよい。
【0039】
[0050] 「ヘテロアルキル」は、好ましくは2~14個の炭素、より好ましくは2~10個の炭素を鎖中に有し、その1つ以上がS、O、P、及びNから選択されるヘテロ原子で置換されている直鎖又は分岐鎖のアルキル基を意味する。代表的なヘテロアルキルとしては、アルキルエーテル(すなわち、アルコキシル)、第2級及び第3級アルキルアミン、アミド、アルキルスルフィド(すなわち、チオール)などが挙げられる。ヘテロアルキル置換基は、さらには置換されていない1~6個の置換基で置換されてよい。この基は、一価の末端基又は二価の架橋基であってよい。
【0040】
[0051] 本明細書において使用される場合、「少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含むC3-10複素環式分子」という語句は、少なくとも1つの炭素原子が硫黄(S)原子で置換されている環状のアルキル環、アルケニル環、又はアルキニル環を意味する。C3-10複素環式分子、連続環構造中に3、4、5、6、7、8、9、又は10個の炭素原子を含む分子である。
【0041】
[0052] 本明細書において使用される場合、「1~6個の置換基で場合により置換される」という語句は、ある基が置換基を有する場合も有しない場合もある条件を意味する。置換基が存在する場合、わずか1、2、3、4、5、又は6個の置換基が存在する。置換基としては、ポリエチレングリコール(PEG)、=O、SO、-CF、-CHF、CHF、-NO、-NO、-NH、-CH、PO、PO、BO3、-CN、F、Cl、Br、I、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ここで、そのように明記されないのであれば、これらの置換基はさらには置換されない。ここで、そのように明記されないのであれば、これらの置換基はプロトン性ではない。
【0042】
[0053] 本明細書において使用される場合、「少なくとも1つの硫黄(S)環原子及び1つの酸素(O)環原子を含むC3-10複素環式分子」という語句は、少なくとも1つの炭素原子が硫黄(S)原子で置換され、少なくとも1つの炭素原子が酸素(O)原子で置換される環状のアルキル環、アルケニル環、又はアルキニル環を意味する。C3-10複素環式分子は、連続環構造中に3、4、5、6、7、8、9、又は10個の炭素原子を含む分子である。
【0043】
[0054] 本明細書において使用される場合、「電気化学セル」又は「電池セル」という語句は、正極及び負極を含み、電解質を用いてそれら2つのイオン連絡が行われる1つのセルを意味するものとする。幾つかの実施形態では、同じ電池セルは、1つの容器中に密閉された複数の正極及び/又は複数の負極を含む。
【0044】
[0055] 本明細書において使用される場合、「電気化学スタック」という語句は、少なくとも負極(例えば、Li、LiC)と、正極(例えば、FeF、NiF(式中、xは2又は3である)、ニッケルコバルトアルミニウム酸化物NCA、リン酸鉄リチウム(LFP)、LiNiMnCo、[NMC]、又はLiNiAlCo[NCA](式中、x+y+z=1であり;0≦x≦1;0≦y≦1;及び0≦z≦1である)であり、場合により固体電解質又はゲル電解質と組み合わされる)と、正極と負極との間にありそれらに接触する固体電解質(例えば、リチウム充填ガーネット(LiLaZr12)などの本明細書に記載の酸化物電解質)とをそれぞれが含む1つ以上のユニットを意味する。前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、固体電解質と正極との間に、規格に準拠した材料(例えば、ゲル電解質)を含む追加の層が存在する。電気化学スタックは、これらの前述のユニットの1つを含むことができる。電気化学スタックは、電気的に連絡して配列される(例えば、直列又は並列の電気的接続)これらの前述のユニットを数個含むことができる。前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、電気化学スタックが数個のユニットを含む場合、ユニットは、一列に、互いに層状になるか又は積層される。前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、電気化学スタックが数個のユニットを含む場合、ユニットは、ある配列で、互いに層状になるか又は積層される。前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、電気化学スタックが数個のユニットを含む場合、1つの負極が2つ以上の正極で共有されるようにスタックが配列される。或いは、前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、電気化学スタックが数個のユニットを含む場合、1つの正極が2つ以上の負極で共有されるようにスタックが配列される。特に明記されなければ、電気化学スタックは、1つの正極、1つの固体電解質、及び1つの負極を含み、場合により正極と固体電解質との間に接合層を含む。
【0045】
[0056] 本明細書で使用される場合、「正極」という語句は、電池の放電中に、それに向かって陽イオン、例えばLiが伝導、流動、又は移動する二次電池中の電極を意味する。
【0046】
[0057] 本明細書において使用される場合、「負極」という語句は、電池の放電中に、そこから陽イオン、例えばLiが、流動、又は移動する二次電池中の電極を意味する。リチウム金属を含む負極は、本明細書においてリチウム金属負極と呼ばれる。
【0047】
[0058] Li金属電極と、変換化学、インターカレーション化学、又は変換/インターカレーション化学の組み合わせを含む電極(すなわち、カソード活物質)とで構成される電池において、変換化学、インターカレーション化学、又は変換/インターカレーション化学の組み合わせの材料を有する電極が、正極と呼ばれる。幾つかの用法では、正極の代わりにカソードが使用され、負極の代わりにアノードが使用される。Li二次電池が充電される場合、Liイオンは正極(例えば、NiF、NMC、NCA)から負極(例えば、Li金属)に向かって移動する。Li二次電池が放電される場合、Liイオンは負極から正極に向かって移動する。Li二次電池が放電される場合、Liイオンは負極から正極に向かって移動する。
【0048】
[0059] 本明細書において使用される場合、「正極端子」という語句は、正極への電気的接続を意味する。正極端子は、正極集電体と呼ばれる場合もある。
【0049】
[0060] 本明細書において使用される場合、「負極端子」という語句は、負極への電気的接続を意味する。負極端子は、負極集電体と呼ばれる場合もある。
【0050】
[0061] 本明細書において使用される場合、「カソード活物質」という語句は、可逆的な方法で、リチウムイオンのインターカレーション、又はリチウムイオンとの反応が可能な材料を意味する。例としては、LiMPO(M=Fe、Ni、Co、Mn);LiTi(式中、xは0~8であり、yは1~12であり、zは1~24である);LiMn2aNi(式中、aは0~2である);ニッケルコバルトアルミニウム酸化物;LiNiMnCo(x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である);及びLiNiCoAl(式中、x+y+z=1、及び0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である)が挙げられる。これらの式中、式が電荷的に中性となるようにx、y、及びzが選択される。
【0051】
[0062] 本明細書において使用される場合、「固体カソード」という語句は、液相電解質を含まないカソードを意味する。本明細書において使用される場合、「カソード」及び「アノード」という用語は、電池の電極を意味する。カソード及びアノードは、関連分野においてそれぞれ正極及び負極と呼ばれることが多い。
【0052】
[0063] 本明細書において使用される場合、「電解質」という用語は、イオン、例えばLiはそれを通って移動することができるが、電子はそれを通って伝導することができない材料を意味する。電解質は、イオン伝導性で電気絶縁性の材料であり、電解質は、二次電池のカソード及びアノードの電気絶縁に有用であり、同時に、イオン、例えばLiが電解質の中を伝達することができる。
【0053】
[0064] 本明細書において使用される場合、特に明記されなければ、「ゲル電解質」という用語は、適切なLiイオン伝導性のゲル又は液体をベースとする電解質を意味し、例えば、RECHARGEABLE LITHIUM INTERCALATION BATTERY WITH HYBRID POLYMERIC ELECTROLYTEと題される米国特許第5,296,318号(その全体があらゆる目的で参照により本明細書に援用される)に記載のものを意味する。ゲル電解質は、室温において10-5S/cmを超えるリチウムイオン伝導率、0.05~0.95の間のリチウム輸率、及びある温度において損失弾性率を超える貯蔵弾性率を有する。ゲルは、ポリマーマトリックスと、ポリマーをゲル化する溶媒と、少なくとも部分的に解離してLiイオン及びアニオンになるリチウム含有塩とを含むことができる。ここで、幾つかの例では、ゲル電解質は接合層として使用される。
【0054】
[0065] 本明細書において使用される場合、「カソライト」という用語は、カソード(すなわち正極)活物質と密接に混合される、又はそれによって取り囲まれる液体又はゲルのリチウムイオン伝導体を意味する。液体電解質は、カソードと混合される場合に、カソライトとなる。
【0055】
[0066] 本明細書で使用される場合、「固体電解質セパレーター」又は「固体セパレーター」又は「固体セパレーター」という語句は、語句「固体セパレーター」という語句と同義で使用され、炭素を含まず、原子イオン(例えば、Li)は伝導するが、電子は伝導しない材料を意味する。固体電解質セパレーターは、リチウム二次電池の正極及び負極の電気絶縁に適しており、同時に、リチウムイオンの伝導経路も提供する固体材料である。無機固体電解質の例としては、酸化物電解質及び硫化物電解質が挙げられ、これらは以下でさらに規定される。硫化物電解質の非限定的な例は、例えば、2015年10月27日に発行された米国特許第9,172,114号に見られ、2017年6月8日に公開された米国特許出願公開第2017-0162901 A1号にも見られ、これらの内容全体が、あらゆる目的で参照により本明細書に援用される。非限定的な例の酸化物電解質は、例えば、2015年7月16日に公開された米国特許出願公開第2015-0200420 A1に見られ、その内容全体が、あらゆる目的で参照により本明細書に援用される。幾つかの例では、無機固体電解質は、ポリマーも含み、複合電解質と呼ばれる。複合電解質は、例えば米国特許第9,666,870号に見られ、その内容全体が、あらゆる目的で参照により本明細書に援用される。
【0056】
[0067] 本明細書において使用される場合、「セパレーター」及び「Liイオン伝導性セパレーター」という用語は、同義で使用され、明らかに別のことが明記されるのでなければ、セパレーターは、Liイオン伝導性セパレーターの省略表現である。本明細書において使用される場合、「固体電解質セパレーター」という語句は、電子に対して実質的に絶縁性であり(例えば、リチウムイオン伝導率は、電子伝導率の少なくとも10倍、多くの場合10倍である)、電気化学セル中の正極と負極との間の物理的バリア又はスペーサーとして機能するLi伝導性材料を意味する。
【0057】
[0068] 逆のことが明記されるのでなければ、本明細書において使用されるセパレーターは、リチウム金属に接触する場合に安定である。
【0058】
[0069] 本明細書において使用される場合、「厚さ」又は「膜厚」という語句は、上部及び底部の面又は表面の間の距離、又はメジアン測定距離を意味する。本明細書において使用される場合、上面及び底面は、最大幾何学的表面積を有する面を意味する。
【0059】
[0070] 本明細書において使用される場合、「薄い」は、固体電解質を修飾する場合、200μm未満、場合により100μm未満、幾つかの場合では0.1~60μmの間、別の場合では約10nm~約100μmの間の厚さ寸法、別の場合では、約1μm、10μm、又は50μmの厚さを意味する。
【0060】
[0071] 本明細書において使用される場合、「焼結薄膜」は、その化学組成物を変化させることなくその構造を緻密化するために、焼結されている、例えば1000℃よりも高温に加熱されている薄膜を意味する。
【0061】
[0072] 本明細書において使用される場合、「リチウム充填ガーネット」という語句は、ガーネット結晶構造に関連する結晶構造を特徴とする酸化物を意味する。リチウム充填ガーネット電解質の例としては、2014年10月7日に出願され、GARNET MATERIALS FOR LI SECONDARY BATTERIES AND METHODS OF MAKING AND USING GARNET MATERIALSと題され、2015年4月9日に公開された米国特許出願公開第2015/0099190号(この内容全体が参照により援用される)に記載の電解質が挙げられる。LiLaM’M’’Zr、LiLaM’M’’Ta、若しくはLiLaM’M’’Nb(式中、4<A<8.5、1.5<B<4、0≦C≦2.5、0≦D≦2.5;0≦E<2.3、10<F<13であり、M’及びM’は、それぞれ独立して、それぞれの場合で、Al、Mo、W、Ga、Gd、Y、Nb、Sb、Ca、Ba、Sr、Ce、Hf、Rb、又はTaから選択される)、又はLiLaZrAlMe’’(式中、5<a<8.5;2<b<4;0<c≦2.5;0≦d<2;0≦e<2、及び10<f<13であり、Me’’は、Nb、Ta、V、W、Mo、又はSbから選択される金属である)、及び別のものとして米国特許出願公開第2015/0099190号明細書に記載のものによる組成を一般に有するLi充填ガーネット。幾つかの実施形態では、Aは、約6.0又は約6.1又は約6.2又は約6.3又は約6.4又は約6.5又は約6.6又は約6.7又は約6.8又は約6.9又は約7.0又は約7.1又は約7.2又は約7.3又は約7.4であってよい。幾つかの実施形態では、Bは、約2.8又は約2.9又は約3.0又は約3.1又は約3.2であってよい。幾つかの実施形態では、Cは、約0又は約0.1又は約0.2又は約0.3又は約0.4又は約0.5又は約0.6又は約0.7又は約0.8又は約0.9又は約1.0又は約1.1又は約1.2又は約1.3又は約1.4又は約1.5又は約1.6又は約1.7又は約1.8又は約1.9又は約2.0であってよい。幾つかの実施形態では、Dは、約0又は約0.1又は約0.2又は約0.3又は約0.4又は約0.5又は約0.6又は約0.7又は約0.8又は約0.9又は約1.0又は約1.1又は約1.2又は約1.3又は約1.4又は約1.5又は約1.6又は約1.7又は約1.8又は約1.9又は約2.0であってよい。幾つかの実施形態では、Eは、約1.4又は約1.5又は約1.6又は約1.7又は約1.8又は約1.9又は約2.0又は約2.1又は約2.2であってよい。幾つかの実施形態では、Fは、約11.0又は約11.1又は約11.2又は約11.3又は約11.4又は約11.5又は約11.6又は約11.7又は約11.8又は約11.9又は約12.0又は約12.1又は約12.2又は約12.3又は約12.4又は約12.5又は約12.6又は約12.7又は約12.8又は約12.9又は約13.0であってよい。ここで、下付文字の値及び係数の値は、逆のことが記載されるのでなければ、化合物が電荷中性となるように選択される。本明細書において使用される場合、リチウム充填ガーネット、及びガーネットとしては、一般に、限定するものではないが、Li7.0La(Zrt1+Nbt2+Tat3)O12+0.35Alが挙げられ;ここで(下付文字t1+t2+t3=下付文字2)であり、そのためLa:(Zr/Nb/Ta)の比は3:2である。また、本明細書において使用されるガーネットとしては、限定するものではないが、LiLaZr+yAlが挙げられ、式中、xは5.5~9の範囲であり;yは0~1の範囲である。これらの実施形態では、下付文字x、y、及びFは、ガーネットが電荷中性となるように選択される。幾つかの実施形態ではxは7であり、yは1.0である。幾つかの実施形態では、xは5であり、yは1.0である。幾つかの実施形態では、xは6であり、yは1.0である。幾つかの実施形態では、xは8であり、yは1.0である。幾つかの実施形態では、xは9であり、yは1.0である。幾つかの実施形態ではxは7であり、yは0.35である。幾つかの実施形態では、xは5であり、yは0.35である。幾つかの実施形態では、xは6であり、yは0.35である。幾つかの実施形態では、xは8であり、yは0.35である。幾つかの実施形態では、xは9であり、yは0.35である。幾つかの実施形態ではxは7であり、yは0.7である。幾つかの実施形態では、xは5であり、yは0.7である。幾つかの実施形態では、xは6であり、yは0.7である。幾つかの実施形態では、xは8であり、yは0.7である。幾つかの実施形態では、xは9であり、yは0.7である。幾つかの実施形態ではxは7であり、yは0.75である。幾つかの実施形態では、xは5であり、yは0.75である。幾つかの実施形態では、xは6であり、yは0.75である。幾つかの実施形態では、xは8であり、yは0.75である。幾つかの実施形態では、xは9であり、yは0.75である。幾つかの実施形態ではxは7であり、yは0.8である。幾つかの実施形態では、xは5であり、yは0.8である。幾つかの実施形態では、xは6であり、yは0.8である。幾つかの実施形態では、xは8であり、yは0.8である。幾つかの実施形態では、xは9であり、yは0.8である。幾つかの実施形態ではxは7であり、yは0.5である。幾つかの実施形態では、xは5であり、yは0.5である。幾つかの実施形態では、xは6であり、yは0.5である。幾つかの実施形態では、xは8であり、yは0.5である。幾つかの実施形態では、xは9であり、yは0.5である。幾つかの実施形態ではxは7であり、yは0.4である。幾つかの実施形態では、xは5であり、yは0.4である。幾つかの実施形態では、xは6であり、yは0.4である。幾つかの実施形態では、xは8であり、yは0.4である。幾つかの実施形態では、xは9であり、yは0.4である。幾つかの実施形態ではxは7であり、yは0.3である。幾つかの実施形態では、xは5であり、yは0.3である。幾つかの実施形態では、xは6であり、yは0.3である。幾つかの実施形態では、xは8であり、yは0.3である。幾つかの実施形態では、xは9であり、yは0.3である。幾つかの実施形態ではxは7であり、yは0.22である。幾つかの実施形態では、xは5であり、yは0.22である。幾つかの実施形態では、xは6であり、yは0.22である。幾つかの実施形態では、xは8であり、yは0.22である。幾つかの実施形態では、xは9であり、yは0.22である。また、本明細書において使用されるガーネットとしては、LiLaZr12+yAlが挙げられるが、これに限定されるものではない。一実施形態では、本明細書におけるLi充填ガーネットは、LiLiZr12の組成を有する。別の一実施形態では、本明細書におけるLi充填ガーネットは、LiLiZr12・Alの組成を有する。さらに別の一実施形態では、本明細書におけるLi充填ガーネットは、LiLiZr12・0.22Alの組成を有する。さらに別の一実施形態では、本明細書におけるLi充填ガーネットは、LiLiZr12・0.35Alの組成を有する。ある別の実施形態では、本明細書におけるLi充填ガーネットは、LiLiZr12・0.5Alの組成を有する。別の一実施形態では、本明細書におけるLi充填ガーネットは、LiLiZr12・0.75Alの組成を有する。
【0062】
[0073] 本明細書において使用される場合、リチウム充填ガーネット及び/又はガーネットには、YAGガーネット(すなわち、イットリウムアルミニウムガーネット、すなわち例えば、YAl12)を含まれない。本明細書において使用される場合、ガーネットには、パイロープ、アルマンディン、スペサルティン、グロッシュラー、ヘソナイト、若しくは肉桂石、ツァボライト、ウバロバイト、及びアンドラダイト、並びに固溶体のパイロープ-アルマンディン-スペサライト(spessarite)及びウバロバイト-グロッシュラー-アンドラダイトなどのシリケート系のガーネットは含まれない。本明細書におけるガーネットには、一般式X(SiO(式中、Xは、Ca、Mg、Fe、及び、又は、Mnであり;Yは、Al、Fe、及び、又はCrである)を有するネソシリケートは含まれない。
【0063】
[0074] 本明細書において使用される場合、「ガーネット前駆体化学物質」、「ガーネット型電解質の化学前駆体」、「ガーネットの前駆体」、及び「ガーネット前駆体材料」という語句は、反応して本明細書に記載のリチウム充填ガーネット材料を形成する化学物質を意味する。これらの化学前駆体としては、水酸化リチウム(例えば、LiOH)、酸化リチウム(例えば、LiO)、炭酸リチウム(例えば、LiCO)、酸化ジルコニウム(例えば、ZrO)、水酸化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトネート、硝酸ジルコニウムx水和物、酸化ランタン(例えば、La)、水酸化ランタン(例えば、La(OH))、硝酸ランタン、酢酸ランタン、ランタンアセチルアセトネート、酸化アルミニウム(例えば、Al)、水酸化アルミニウム(例えば、Al(OH))、アルミニウム(例えば、Al)、硝酸アルミニウム(例えば、Al(NO)、硝酸アルミニウム九水和物、ベーマイト、ギブサイト、コランダム、オキシ水酸化アルミニウム、酸化ニオブ(例えば、Nb)、酸化ガリウム(Ga)、及び酸化タンタル(例えば、Ta)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ガーネット材料の別の前駆体が、本明細書に記載の方法への使用に適切となる場合がある。
【0064】
[0075] 本明細書において使用される場合、「ガーネット型電解質」という語句は、Liイオン伝導体として本明細書に記載されるリチウム充填ガーネット材料を含む電解質を意味する。
【0065】
[0076] 本明細書において使用される場合、「アルミナでドープされる」という語句は、別の材料、例えばガーネットのある成分を置き換えるためにAlが使用されることを意味する。リAlでドープされるリチウム充填ガーネットは、アルミニウム(Al)が、例えばLi又はZrであってよいリチウム充填ガーネットの化学式中の元素と置き換えられるガーネットを意味する。
【0066】
[0077] 本明細書において使用される場合、面積比抵抗(ASR)は、逆のことが明記されるのでなければ、Arbin又はBiologicの装置を用いた電気化学的サイクリングによって測定される。
【0067】
電気化学セル
[0078] 一実施形態では、正極と、リチウム金属負極と、リチウム充填ガーネットを含む固体電解質と、カソライトとを含む電気化学セルであって、カソライトが:リチウム塩と;それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つのC3-10複素環式分子とを含む、電気化学セルが本明細書に提供される。
【0068】
[0079] 別の一実施形態では、正極と、リチウム金属負極と、リチウム充填ガーネットを含む固体電解質と、カソライトとを含む電気化学セルであって、カソライトが:リチウム塩と;少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み、それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つのC3-10複素環式分子とを含む、電気化学セルが本明細書に提供される。
【0069】
[0080] 別の一実施形態では、正極と、リチウム金属負極と、リチウム充填ガーネットを含む固体電解質と、カソライトとを含む電気化学セルであって、カソライトが:リチウム塩と;少なくとも1つの硫黄(S)環原子及び1つの酸素(O)環原子を含み、それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つのC3-10複素環式分子とを含む、電気化学セルが本明細書に提供される。
【0070】
[0081] 前述のいずれかを含むある実施形態では、置換は、ポリエチレングリコール(PEG)、=O、SO、-CF、-CHF、CHF、-NO、-NO、-NH、-CH、PO、PO、BO、及び-CNから選択される。
【0071】
カソライト溶液
[0082] 前述のいずれかを含む一実施形態では、リチウム塩と;それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つのC3-10複素環式分子とを含む、カソライト溶液が本明細書に提供される。
【0072】
[0083] 前述のいずれかを含む別の一実施形態では、リチウム塩と;少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み、それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つのC3-10複素環式分子とを含む、カソライト溶液が本明細書に提供される。
【0073】
[0084] 前述のいずれかを含むある実施形態では、置換は、ポリエチレングリコール(PEG)、=O、SO、-CF、-CHF、CHF、-NO、-NO、-NH、-CH、PO、PO、BO、及び-CNから選択される。
【0074】
[0085] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、C3-10複素環式分子は、式(I):
【化1】
(式中、Rは、ポリエチレングリコール(PEG)、=O、SO、-CF、-CHF、CHF、-NO、-NO、-NH、-CH、PO、PO、BO、-CN、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される;Rは=Oであるか、又は存在しないかであり;Rは=Oであるか、又は存在しないかであり;下付文字nは0~8の整数である)
の分子である。
【0075】
[0086] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、C3-10複素環式分子は、式(II):
【化2】
(式中、Rは、ポリエチレングリコール(PEG)、=O、SO、-CF、-CHF、CHF、-NO、-NO、-NH、-CH、PO、PO、BO、-CN、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され;Rは=Oであるか、又は存在しないかであり;Rは=Oであるか、又は存在しないかであり;下付文字nは0~8の整数である)
の分子である。
【0076】
[0087] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、C3-10複素環式分子は、式
【化3】
(式中、Rは、ポリエチレングリコール(PEG)、=O、SO、-CF、-CHF、CHF、-NO、-NO、-NH、-CH、PO、PO、BO、-CN、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され;下付文字nは0~8の整数である)
の分子である。
【0077】
[0088] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、C3-10複素環式分子は、式(IIb):
【化4】
(式中、Rは、ポリエチレングリコール(PEG)、=O、SO、-CF、-CHF、CHF、-NO、-NO、-NH、-CH、PO、PO、BO、-CN、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され;下付文字nは0~8の整数である)
の分子である。
【0078】
[0089] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、C3-10複素環式分子は、式(III):
【化5】
の分子である。
【0079】
[0090] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、C3-10複素環式分子は、式(VII):
【化6】
の分子である。
【0080】
[0091] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、C3-10複素環式分子は、式(IV):
【化7】
(式中、Rは、ポリエチレングリコール(PEG)、=O、SO、-CF、-CHF、CHF、-NO、-NO、-NH、-CH、PO、PO、BO、-CN、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され;下付文字nは0~8の整数である)
の分子である。
【0081】
[0092] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、C3-10複素環式分子は、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含む。
【0082】
[0093] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、C3-10複素環式分子は、少なくとも1つの硫黄(S)環原子及び1つの酸素(O)環原子を含む。
【0083】
[0094] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、C3-10複素環式分子は、式(V):
【化8】
(式中、Rは、ポリエチレングリコール(PEG)、=O、SO、-CF、-CHF、CHF、-NO、-NO、-NH、-CH、PO、PO、BO、-CN、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。上付文字nは0~8の整数である)
の分子である。
【0084】
[0095] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、C3-10複素環式分子は、式(VI):
【化9】
の分子である。
【0085】
[0096] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、RはPEGであり。前述のいずれかを含むある実施形態では、下付文字nは1である。前述のいずれかを含むある別の実施形態では、下付文字nは2である。前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、下付文字nは3である。前述のいずれかを含む幾つかの別の実施形態では、下付文字nは4である。前述のいずれかを含むある実施形態では、下付文字nは5である。前述のいずれかを含むさらに別の実施形態では、下付文字nは6である。前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、下付文字nは7である。前述のいずれかを含む幾つかの別の実施形態では、下付文字nは8である。
【0086】
[0097] 前述のいずれかを含むある実施形態では、下付文字nは0である。前述のいずれかを含むある実施形態では、下付文字nは1である。前述のいずれかを含むある別の実施形態では、下付文字nは2である。前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、下付文字nは3である。前述のいずれかを含む幾つかの別の実施形態では、下付文字nは4である。前述のいずれかを含むある実施形態では、下付文字nは5である。前述のいずれかを含むさらに別の実施形態では、下付文字nは6である。前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、下付文字nは7である。前述のいずれかを含む幾つかの別の実施形態では、下付文字nは8である。
【0087】
[0098] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、Rは=Oである。ある実施形態では、下付文字nは1である。ある別の実施形態では、下付文字nは2である。幾つかの実施形態では、下付文字nは3である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは4である。ある実施形態では、下付文字nは5である。さらに別の実施形態では、下付文字nは6である。幾つかの実施形態では、下付文字nは7である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは8である。
【0088】
[0099] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、RはSOである。ある実施形態では、下付文字nは1である。ある別の実施形態では、下付文字nは2である。幾つかの実施形態では、下付文字nは3である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは4である。ある実施形態では、下付文字nは5である。さらに別の実施形態では、下付文字nは6である。幾つかの実施形態では、下付文字nは7である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは8である。
【0089】
[0100] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、Rは-CFである。ある実施形態では、下付文字nは1である。ある別の実施形態では、下付文字nは2である。幾つかの実施形態では、下付文字nは3である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは4である。ある実施形態では、下付文字nは5である。さらに別の実施形態では、下付文字nは6である。幾つかの実施形態では、下付文字nは7である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは8である。
【0090】
[0101] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、Rは-CHFである。ある実施形態では、下付文字nは1である。ある別の実施形態では、下付文字nは2である。幾つかの実施形態では、下付文字nは3である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは4である。ある実施形態では、下付文字nは5である。さらに別の実施形態では、下付文字nは6である。幾つかの実施形態では、下付文字nは7である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは8である。
【0091】
[0102] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、RはCHFである。ある実施形態では、下付文字nは1である。ある別の実施形態では、下付文字nは2である。幾つかの実施形態では、下付文字nは3である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは4である。ある実施形態では、下付文字nは5である。さらに別の実施形態では、下付文字nは6である。幾つかの実施形態では、下付文字nは7である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは8である。前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、Rは-NOである。
【0092】
[0103] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、Rは-NOである。ある実施形態では、下付文字nは1である。ある別の実施形態では、下付文字nは2である。幾つかの実施形態では、下付文字nは3である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは4である。ある実施形態では、下付文字nは5である。さらに別の実施形態では、下付文字nは6である。幾つかの実施形態では、下付文字nは7である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは8である。前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、Rは-NHである。
【0093】
[0104] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、Rは-CHである。ある実施形態では、下付文字nは1である。ある別の実施形態では、下付文字nは2である。幾つかの実施形態では、下付文字nは3である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは4である。ある実施形態では、下付文字nは5である。さらに別の実施形態では、下付文字nは6である。幾つかの実施形態では、下付文字nは7である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは8である。
【0094】
[0105] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、RはPOである。ある実施形態では、下付文字nは1である。ある別の実施形態では、下付文字nは2である。幾つかの実施形態では、下付文字nは3である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは4である。ある実施形態では、下付文字nは5である。さらに別の実施形態では、下付文字nは6である。幾つかの実施形態では、下付文字nは7である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは8である。
【0095】
[0106] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、RはPOである。ある実施形態では、下付文字nは1である。ある別の実施形態では、下付文字nは2である。幾つかの実施形態では、下付文字nは3である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは4である。ある実施形態では、下付文字nは5である。さらに別の実施形態では、下付文字nは6である。幾つかの実施形態では、下付文字nは7である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは8である。
【0096】
[0107] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、RはBOである。ある実施形態では、下付文字nは1である。ある別の実施形態では、下付文字nは2である。幾つかの実施形態では、下付文字nは3である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは4である。ある実施形態では、下付文字nは5である。さらに別の実施形態では、下付文字nは6である。幾つかの実施形態では、下付文字nは7である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは8である。
【0097】
[0108] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、Rは-CNである。ある実施形態では、下付文字nは1である。ある別の実施形態では、下付文字nは2である。幾つかの実施形態では、下付文字nは3である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは4である。ある実施形態では、下付文字nは5である。さらに別の実施形態では、下付文字nは6である。幾つかの実施形態では、下付文字nは7である。幾つかの別の実施形態では、下付文字nは8である。
【0098】
[0109] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子は、亜硫酸エチレン、亜硫酸プロピレングリコ―ル(propylene glycol sulfite)、スルホラン;1,3-プロパンスルトン;スルホラン;チオフェン、チアゾール、1,2-オキサチオラン、チエピン、1,4-チアゼピン、6-H-1,2,5-チアジアジン、2H,6H-1,5,2-ジチアジン、チオピラン、チエピン、チオシン、それらの誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0099】
[0110] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子は亜硫酸エチレンから選択される。
【0100】
[0111] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子は亜硫酸プロピレングリコ―ルから選択される。
【0101】
[0112] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子はスルホランから選択される。
【0102】
[0113] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子は1,3-プロパンスルトンから選択される。
【0103】
[0114] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子はスルホランから選択される。
【0104】
[0115] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子はチオフェンから選択される。
【0105】
[0116] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子はチアゾールから選択される。
【0106】
[0117] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子は1,2-オキサチオランから選択される。
【0107】
[0118] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子はチエピンから選択される。
【0108】
[0119] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子は1,4-チアゼピンから選択される。
【0109】
[0120] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子は6-H-1,2,5-チアジアジンから選択される。
【0110】
[0121] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子は2H,6H-1,5,2-ジチアジンから選択される。
【0111】
[0122] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子はチオピランから選択される。
【0112】
[0123] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子はチエピンから選択される。
【0113】
[0124] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子はチオシンから選択される。
【0114】
[0125] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子は、亜硫酸エチレン及び亜硫酸プロピレングリコ―ルからなる群から選択される。
【0115】
[0126] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子の誘導体としては、-CH3、-CF、又はFの置換基を含む誘導体が挙げられる。
【0116】
[0127] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、固体電解質は薄膜である。
【0117】
[0128] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、固体電解質は焼結薄膜である。
【0118】
[0129] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、固体電解質は、リチウム充填ガーネットを含む焼結薄膜である。
【0119】
[0130] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩は、LiPF、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、リチウムビス(パーフルオロエタンスルホニル)イミド(LIBETI)、ビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド(LiTFSI)、LiBF、LiClO、LiAsF、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiFSI)、LiI、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0120】
[0131] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、LIPF配合物は、30:70のスルホラン:亜硫酸エチレンv/v+1.4MのLiPFを含む。
【0121】
[0132] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、LiBF配合物は、30:70のスルホラン:亜硫酸エチレンv/v+1.4MのLiBFを含む。
【0122】
[0133] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、30:70のスルホラン:亜硫酸エチレンv/v+1.4MのLiPFを含む。
【0123】
[0134] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、30:70のスルホラン:亜硫酸エチレンv/v+1.4MのLiPFを含む。
【0124】
[0135] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、30:70のスルホラン:亜硫酸エチレンv/v+1.4MのLiBFを含む。
【0125】
[0136] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、30:70のスルホラン:亜硫酸エチレンv/v+1.4MのLiPFを含む。
【0126】
[0137] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩は約0.5M~約2.5Mの濃度で存在する。前述のいずれかを含む幾つかの別の実施形態では、リチウム塩は約0.5M~約2.0Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約0.5Mの濃度で存在する。ある別の実施形態では、リチウム塩は約0.6Mの濃度で存在する。幾つかの実施形態では、リチウム塩は約0.7Mの濃度で存在する。幾つかの別の実施形態では、リチウム塩は約0.8Mの濃度で存在する。別の実施形態では、リチウム塩は約0.9Mの濃度で存在する。さらに別の実施形態では、リチウム塩は約1.0Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.1Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.2Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.3Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.4Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.5Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.6Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.7Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.8Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.9Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約2.0Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約2.1Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約2.2Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約2.3Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約2.4Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約2.5Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約2.6Mの濃度で存在する。
【0127】
[0138] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩は約0.5M~約5Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約0.5Mの濃度で存在する。ある別の実施形態では、リチウム塩は約0.6Mの濃度で存在する。幾つかの実施形態では、リチウム塩は約0.7Mの濃度で存在する。幾つかの別の実施形態では、リチウム塩は約0.8Mの濃度で存在する。別の実施形態では、リチウム塩は約0.9Mの濃度で存在する。さらに別の実施形態では、リチウム塩は約1.0Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.1Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.2Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.3Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.4Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.5Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.6Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.7Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.8Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約1.9Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約2.0Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約2.1Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約2.2Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約2.3Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約2.4Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約2.5Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約2.6Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約2.7Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約2.8Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約2.9Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約3.0Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約3.1Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約3.2Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約3.3Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約3.4Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約3.5Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約3.6Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約3.7Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約3.8Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約3.9Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約4.0Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約4.1Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約4.2Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約4.3Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約4.4Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約4.5Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約4.6Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約4.7Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約4.8Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約4.9Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は約5.0Mの濃度で存在する。
【0128】
[0139] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩は0.5M~2.5Mの濃度で存在する。前述のいずれかを含む幾つかの別の実施形態では、リチウム塩は0.5M~2.0Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は0.5Mの濃度で存在する。ある別の実施形態では、リチウム塩は0.6Mの濃度で存在する。幾つかの実施形態では、リチウム塩は0.7Mの濃度で存在する。幾つかの別の実施形態では、リチウム塩は0.8Mの濃度で存在する。別の実施形態では、リチウム塩は0.9Mの濃度で存在する。さらに別の実施形態では、リチウム塩は1.0Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は1.1Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は1.2Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は1.3Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は1.4Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は1.5Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は1.6Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は1.7Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は1.8Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は1.9Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は2.0Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は2.1Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は2.2Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は2.3Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は2.4Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は2.5Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は2.6Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は2.7Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は2.8Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は2.9Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は3.0Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は3.1Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は3.2Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は3.3Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は3.4Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は3.5Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は3.6Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は3.7Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は3.8Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は3.9Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は4.0Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は4.1Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は4.2Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は4.3Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は4.4Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は4.5Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は4.6Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は4.7Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は4.8Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は4.9Mの濃度で存在する。ある実施形態では、リチウム塩は5.0Mの濃度で存在する。
【0129】
[0140] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子はスルホランである。
【0130】
[0141] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子は1,3-プロパンスルトンである。
【0131】
[0142] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子はスルホレンである。
【0132】
[0143] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子はチオフェンである。
【0133】
[0144] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子は亜硫酸エチレンである。
【0134】
[0145] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、亜硫酸エチレン及びスルホランを含む。
【0135】
[0146] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、亜硫酸エチレン及びスルホランから本質的になる。
【0136】
[0147] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、70:30の体積比の亜硫酸エチレン及びスルホランから本質的になる。
【0137】
[0148] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、亜硫酸エチレン及びスルホランからなる。
【0138】
[0149] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、70:30の体積比の亜硫酸エチレン及びスルホランからなる。
【0139】
[0150] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは2つのC3-10複素環式分子を含み、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比は、20:80vol/vol(v/v)~80:20v/vである。
【0140】
[0151] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比は、15:85vol/vol(v/v)~85:15v/vである。
【0141】
[0152] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比は、20:80vol/vol(v/v)~80:20v/vである。
【0142】
[0153] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比は、25:75vol/vol(v/v)~75:25v/vである。
【0143】
[0154] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比は、30:70vol/vol(v/v)~70:30v/vである。
【0144】
[0155] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比は、35:65vol/vol(v/v)~65:35v/vである。
【0145】
[0156] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比は、40:60vol/vol(v/v)~60:40v/vである。
【0146】
[0157] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比は、45:55vol/vol(v/v)~55:45v/vである。
【0147】
[0158] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比は50:50vol/vol(v/v)である。
【0148】
[0159] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、スルホラン:(亜硫酸エチレン)の比は30:70v/v~50:50v/vである。
【0149】
[0160] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、スルホラン:(亜硫酸エチレン)の比は30:70v/vである。
【0150】
[0161] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、スルホラン:(亜硫酸エチレン)の比は50:50v/vである。
【0151】
[0162] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、亜リン酸トリス(トリメチシリル)(TTSPi)、リン酸トリス(トリメチシリル)(TTSPa)、トリメトキシボロキシン(C、TMOBX)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、メチレンメタンジスルホネート(MMDS)、プロパ-1-エン-1,3スルトン(PES)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、LiTFSi、LiBOB、スクシノニトリル、硫酸トリメチレン(TMS)、リン酸トリアリル(TAP)、ホウ酸トリス(トリメチルシリル)(TMSB)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(TPFPB)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤も含む。
【0152】
[0163] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、添加剤はTTSPiである。
【0153】
[0164] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、添加剤はTTSPaである。
【0154】
[0165] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、添加剤はTTSPiとTTSPaとの組み合わせである。
【0155】
[0166] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム充填ガーネットは、LiLaM’M”Zr、LiLaM’M’’Ta、及びLiLaM’M”Nb(式中、4<A<8.5、1.5<B<4、0≦C<2、0≦D<2;0<E<2、10<F<14であり、M’及びM”は、それぞれ独立して、Al、Mo、W、Nb、Ga、Y、Gd、Sb、Ca、Ba、Sr、Ce、Hf、Rb、及びTaからなる群から選択される)からなる群から選択される式を特徴とする。
【0156】
[0167] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、LiLaM’M”Zr、LiLaM’M’’Ta、及びLiLaM’M”Nb(式中、4<A<8.5、1.5<B<4、0≦C<2.5、0≦D<2.5;0<E<2.5、10<F<14であり、M’及びM”は、それぞれ独立して、Al、Mo、W、Nb、Ga、Y、Gd、Sb、Ca、Ba、Sr、Ce、Hf、Rb、及びTaからなる群から選択される)からなる群から選択される式を特徴とするリチウム充填ガーネット
【0157】
[0168] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム充填ガーネットは、LiLaZrAlMe”(式中、5<a<7.7;2<b<4;0<c<2.5;0<d<2.5;0≦e<2.5、10<f<14であり、Me”は、Nb、Ta、V、W、Mo、及びSbからなる群から選択される金属である)からなる群から選択される式を特徴とする。
【0158】
[0169] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム充填ガーネットは、LiLaZrAl(式中、5<a<7.7;2<b<4;0<c<2.5;0<d<2.5;10<f<14である)からなる群から選択される式を特徴とする。
【0159】
[0170] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、本明細書に記載のカソライトを含む電気化学セルが本明細書に記載される。
【0160】
[0171] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、本明細書に記載される電気化学セルを含む蓄電池が本明細書に記載される。
【0161】
[0172] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、本明細書に記載される蓄電池を含む電気車両が本明細書に記載される。
【0162】
[0173] 前述のいずれかを含むある実施形態では、置換は、ポリエチレングリコール(PEG)、=O、SO、-CF、-CHF、CHF、-NO、-NO、-NH、-CH、PO、PO、BO、及び-CNから選択される。
【0163】
製造方法
[0174] 別の一例では、電気化学セルの製造方法であって、:正極中にカソライトを提供することであって、カソライトが、リチウム塩と;それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つのC3-10複素環式分子とを含むことと;リチウム充填ガーネットを含む固体電解質を上記正極に接触させることとを含む、製造方法が本明細書に提供される。
【0164】
[0175] 別の一例では、カソライト溶液の製造方法であって、それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つのC3-10複素環式分子と、リチウム塩とを混合し、それによってカソライト溶液を得ることを含む、製造方法が本明細書に提供される。
【0165】
[0176] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、上記方法は、リチウム充填ガーネットを含む固体電解質を上記カソライト溶液接触させることをさらに含む。
【0166】
[0177] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、本明細書に記載の方法によって製造された電気化学セルが本明細書に記載される。
【0167】
[0178] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、本明細書に記載の電気化学セルを含む蓄電池が本明細書に記載される。
【0168】
[0179] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、本明細書に記載の蓄電池を含む電気車両が本明細書に記載される。
【0169】
[0180] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトの製造方法が本明細書に記載される。幾つかの実施形態では、体積基準で50:50の亜硫酸エチレン:スルホランから70:30のES:Sの混合物が調製される。幾つかの実施形態では、体積基準で40:60の亜硫酸エチレン:スルホランの混合物が調製される。幾つかの実施形態では、体積基準で60:40の亜硫酸エチレン:スルホラン ES:Sの混合物が調製される。幾つかの実施形態では、体積基準で80:20の亜硫酸エチレン:スルホランが調製される。幾つかの実施形態では、体積基準で20:80の亜硫酸エチレン:スルホランの混合物が調製される。
【0170】
[0181] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、亜硫酸エチレンの代わりに亜硫酸プロピレングリコ―ルが使用される。
【0171】
[0182] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、別の添加剤、例えばTTSPi(亜リン酸トリストリメチルシリル)が使用される。
【0172】
[0183] 乾燥後、リチウム塩が0.8M~2Mの塩濃度で加えられる。
【0173】
[0184] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、塩は、LiPF、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、リチウムビス(パーフルオロエタンスルホニル)イミド(LIBETI)、ビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド(LiTFSI)、LiBF、LiClO、LiAsF、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiFSI)、LiI、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0174】
[0185] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、塩はLiPF又はLiBFである。
【0175】
[0186] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、塩はLiPFである。
【0176】
[0187] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、塩はLiBFである。
【0177】
[0188] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、限定するものではないがLiFSi、LiTFSi、例えば、1.4MのLi+及び80:20のLiBF対LiFSiなどの別のアニオン混合物が使用される。
【0178】
[0189] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、1,2-亜硫酸プロピレングリコ―ル(CAS 1469-73-4)が、ESSとともに添加剤として使用される。
【0179】
[0190] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、1,3,2-ジオキサチオラン2,2-ジオキシド(CAS 1072-53-3)が、ESSとともに添加剤として使用される。
【0180】
[0191] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、C3-10複素環式分子は、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含む。
【0181】
[0192] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、C3-10複素環式分子は、少なくとも1つの硫黄(S)環原子及び1つの酸素(O)環原子を含む。
【0182】
[0193] ある実施形態では、リチウム塩と;それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つの非プロトン性C3-10複素環式分子とを含むカソライト溶液であって;少なくとも1つのC3-10複素環式分子が、亜硫酸エチレン;4-メチル-1,3,2-ジオキサチオラン2-オキシド;1,3-プロパンスルトン;スルホラン;チオフェン;チアゾール;1,2-オキサチオラン;チエピン;1,4-チアゼピン;6-H-1,2,5-チアジアジン;2H,6H-1,5,2-ジチアジン;メチレンメタンジスルホネート;硫酸エチレン;チオピラン;チオシン、それらの誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、カソライト溶液が本明細書に記載される。
【0183】
[0194] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子が、亜硫酸エチレン及び亜硫酸プロピレングリコ―ルからなる群から選択される。
【0184】
[0195] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液は、リチウム充填ガーネットを含む固体電解質に接触し、上記固体電解質は薄膜である。
【0185】
[0196] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム充填ガーネットを含む固体電解質は焼結薄膜である。
【0186】
[0197] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩は、LiPF、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、リチウムビス(パーフルオロエタンスルホニル)イミド(LIBETI)、ビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド(LiTFSI)、LiBF、LiClO、LiAsF、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiFSI)、LiI、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0187】
[0198] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩は約0.5M~約2.0Mの濃度で存在する。
【0188】
[0199] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子はスルホランである。
【0189】
[0200] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子は1,3-プロパンスルトンである。
【0190】
[0201] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子はスルホレンである。
【0191】
[0202] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子はチオフェンである。
【0192】
[0203] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子は亜硫酸エチレンである。
【0193】
[0204] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液は2つのC3-10複素環式分子を含み、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比は、10:90vol/vol(v/v)~90:10v/vである。
【0194】
[0205] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液は2つのC3-10複素環式分子を含み、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比は、20:80vol/vol(v/v)~80:20v/vである。
【0195】
[0206] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液はスルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、スルホラン:(亜硫酸エチレン)の比は30:70v/v~50:50v/vである。
【0196】
[0207] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液はスルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、スルホラン:(亜硫酸エチレン)の比は30:70v/vである。
【0197】
[0208] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液はスルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、スルホラン:(亜硫酸エチレン)の比は50:50v/vである。
【0198】
[0209] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液は、亜リン酸トリス(トリメチシリル)(TTSPi);リン酸トリス(トリメチシリル)(TTSPa);トリメトキシボロキシン(C、TMOBX);ビニレンカーボネート(VC);ビニルエチレンカーボネート(VEC);メチレンメタンジスルホネート(MMDS);プロパ-1-エン-1,3スルトン(PES);1,3-プロパンスルトン;フルオロエチレンカーボネート(FEC);LiTFSi;LiBOB;スクシノニトリル、硫酸トリメチレン(TMS);リン酸トリアリル(TAP);ホウ酸トリス(トリメチルシリル)(TMSB);トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(TPFPB);トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(TPFPB);酢酸メチル(MA);酢酸トリス(トリメチルシリル)(TMSA);トリス(トリメチルシリル)ピリジン;メタクリル酸トリス(トリメチルシリル)(TMSMA);亜リン酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)(TTFEP);ホウ酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)(TTFEB);及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるルイス酸を含む。
【0199】
[0210] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、添加剤はTTSPiである。
【0200】
[0211] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、添加剤はTTSPaである。
【0201】
[0212] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、添加剤はTTSPiとTTSPaとの組み合わせである。
【0202】
[0213] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、固体電解質は、LiLaM’M”Zr、LiLaM’M’’Ta、及びLiLaM’M”Nb(式中、4<A<8.5、1.5<B<4、0≦C<2.5、0≦D<2.5;0<E<2.5、10<F<14であり、M’及びM”は、それぞれ独立して、Al、Mo、W、Nb、Ga、Y、Gd、Sb、Ca、Ba、Sr、Ce、Hf、Rb、及びTaからなる群から選択される)からなる群から選択される式を特徴とするリチウム充填ガーネットである。
【0203】
[0214] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液は、60℃~100℃の範囲内の沸点を有する。
【0204】
[0215] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液は、-60℃~-40℃の範囲内の融点を有する。
【0205】
[0216] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液は、2000μS/cm~3200μS/cmの範囲内のリチウムイオン伝導率を有する。
【0206】
[0217] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液は、1センチポアズ(cP)~10cPの範囲内の粘度を有する。
【0207】
[0218] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩は、1.4MのLiPF;1.4MのLiBF;又は1.6MのLiBFである。
【0208】
[0219] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液は、70:30v/v%の亜硫酸エチレン:スルホランを含む。
【0209】
さらなる実施形態
[0220] 幾つかの実施形態では、リチウム塩と;それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つの非プロトン性のC3-10複素環式分子とを含むカソライト溶液が本明細書に記載される。
【0210】
[0221] 幾つかの実施形態では、リチウム塩と;少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された非プロトン性C3-10複素環式分子とを含むカソライト溶液が本明細書に記載される。
【0211】
[0222] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは有機カーボネート溶媒を含む。
【0212】
[0223] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトはエチレンカーボネートを含む。
【0213】
[0224] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、又はそれらの組み合わせを含む。
【0214】
[0225] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは酢酸メチルを含む。
【0215】
[0226] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子を含み、亜硫酸エチレン;4-メチル-1,3,2-ジオキサチオラン2-オキシド;1,3-プロパンスルトン;スルホラン;チオフェン、チアゾール、1,2-オキサチオラン、チエピン、1,4-チアゼピン、6-H-1,2,5-チアジアジン、2H,6H-1,5,2-ジチアジン;メチレンメタンジスルホネート;硫酸エチレン;チオピラン、チエピン、チオシン、それらの誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0216】
[0227] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子を含み、亜硫酸エチレン及び亜硫酸プロピレングリコ―ルからなる群から選択される。
【0217】
[0228] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子を含み、亜硫酸エチレン及びスルホランからなる群から選択される。
【0218】
[0229] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、リチウム充填ガーネットを含む固体電解質に接触し、上記固体電解質は薄膜である。
【0219】
[0230] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム充填ガーネットを含む固体電解質は焼結薄膜である。
【0220】
[0231] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩は、LiPF、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、リチウムビス(パーフルオロエタンスルホニル)イミド(LIBETI)、ビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド(LiTFSI)、LiBF、LiClO、LiAsF、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiFSI)、LiI、LiBr、LiCl、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0221】
[0232] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩約0.5M~約5.0Mの濃度で存在する。
【0222】
[0233] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩は、LiPF;LiBF;又はLiBFである。
【0223】
[0234] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩は、1.4MのLiPF;1.4MのLiBF;又は1.6MのLiBFである。
【0224】
[0235] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩はLiBFである。
【0225】
[0236] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩は1.4MのLiBF又は1.6MのLiBFである。
【0226】
[0237] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、70:30v/v%の亜硫酸エチレン:スルホランを含む。
【0227】
[0238] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子はスルホランである。
【0228】
[0239] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子は1,3-プロパンスルトンである。
【0229】
[0240] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子はスルホレンである。
【0230】
[0241] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子はチオフェンである。
【0231】
[0242] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子は亜硫酸エチレンである。
【0232】
[0243] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは亜硫酸エチレン及びスルホランを含む。
【0233】
[0244] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは亜硫酸エチレン及びスルホランから本質的になる。
【0234】
[0245] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは2つのC3-10複素環式分子を含み、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比は、10:90vol/vol(v/v)~90:10v/vである。
【0235】
[0246] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは2つのC3-10複素環式分子を含み、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比は、20:80vol/vol(v/v)~80:20v/vである。
【0236】
[0247] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは含み、比は30:70vol/vol(v/v)である。
【0237】
[0248] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、30:70v/vでスルホラン:亜硫酸エチレンを含む。
【0238】
[0249] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトはスルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、スルホラン:(亜硫酸エチレン)の比は、30:70v/v~50:50v/vである。
【0239】
[0250] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトはスルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、スルホラン:(亜硫酸エチレン)の比は30:70v/vである。
【0240】
[0251] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトはスルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、スルホラン:(亜硫酸エチレン)の比は50:50v/vである。
【0241】
[0252] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトはスルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、リチウム塩の濃度は0.5モーラー(M)~5Mである。
【0242】
[0253] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトはスルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、LiBFの濃度は0.5モーラー(M)~5Mである。
【0243】
[0254] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、亜リン酸トリス(トリメチシリル)(TTSPi);リン酸トリス(トリメチシリル);トリメトキシボロキシン(C、TMOBX);ビニレンカーボネート(VC);ビニルエチレンカーボネート(VEC);メチレンメタンジスルホネート(MMDS);プロパ-1-エン-1,3スルトン(PES);1,3-プロパンスルトン;フルオロエチレンカーボネート(FEC);LiTFSi;LiBOB;スクシノニトリル;硫酸トリメチレン(TMS);リン酸トリアリル(TAP);ホウ酸トリス(トリメチルシリル)(TMSB);トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(TPFPB);ホウ酸トリス(トリメチルシリル)(TMSB);トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(TPFPB);酢酸メチル(MA);酢酸トリス(トリメチルシリル)(TMSA);トリス(トリメチルシリル)ピリジン;メタクリル酸トリス(トリメチルシリル)(TMSMA);亜リン酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)(TTFEP);ホウ酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)(TTFEB)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤を含む。
【0244】
[0255] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、添加剤はTTSPiである。
【0245】
[0256] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、添加剤はTTSPaである。
【0246】
[0257] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、添加剤はTTSPiとTTSPaとの組み合わせである。
【0247】
[0258] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、固体電解質は、LiLaM’M”Zr、LiLaM’M’’Ta、及びLiLaM’M”Nb(式中、4<A<8.5、1.5<B<4、0≦C<2.5、0≦D<2.5;0<E<2.5、10<F<14であり、M’及びM”は、それぞれ独立して、Al、Mo、W、Nb、Ga、Y、Gd、Sb、Ca、Ba、Sr、Ce、Hf、Rb、及びTaからなる群から選択される)からなる群から選択される式を特徴とするリチウム充填ガーネットである。
【0248】
[0259] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム充填ガーネットは、LiLaZrAlMe”(5<a<7.7;2<b<4;0<c<2.5;0<d<2.5;0≦e<2.5、10<f<14であり、Me”は、Nb、Ta、V、W、Mo、及びSbからなる群から選択される金属である)からなる群から選択される式を特徴とする。
【0249】
[0260] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム充填ガーネットは、LiLaZrAl(式中、5<a<7.7;2<b<4;0<c<2.5;0<d<2.5;10<f<14である)からなる群から選択される式を特徴とする。
【0250】
[0261] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液は、正極と、リチウム金属負極と、リチウム充填ガーネットを含む固体電解質とを含む電気化学セルの中に配置される。
【0251】
[0262] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された非プロトン性C3-10複素環式分子ではない第3の成分を含む。
【0252】
[0263] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、第3の成分は、ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン、ガンマオクタラクトン、シアノ酢酸エチル、リン酸トリメチル、アジポニトリル、グルタロニトリル、マロノニトリル、酢酸メチル、シアノアクリル酸エチル、マロノニトリル、シアノ酢酸メチル、シアノアクリル酸エチル、シアノアクリル酸メチル、メトキシアセトニトリル、アセトニトリル、スクシノニトリル、マロノニトリル、シアノ酢酸メチル、シアノアクリル酸エチル、シアノアクリル酸メチル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0253】
[0264] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、第3の成分は酢酸メチルである。
【0254】
[0265] 幾つかの実施形態では、カソライト溶液の製造方法であって、それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つの C3-10 複素環式分子と、リチウム塩とを混合し、それによってカソライト溶液を得ることを含む、製造方法が本明細書に記載される。
【0255】
[0266] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、上記方法は、リチウム充填ガーネットを含む固体電解質をカソライト溶液に接触させることを含む。
【0256】
[0267] 幾つかの実施形態では、電気化学セルの製造方法であって:正極中にカソライトを提供することであって、カソライトが:リチウム塩と;それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つのC3-10複素環式分子とを含むことと;リチウム充填ガーネットを含む固体電解質を上記正極に接触させることとを含む、製造方法が本明細書に記載される。
【0257】
[0268] 幾つかの実施形態では、本明細書に開示される方法によって製造された電気化学セルが本明細書に記載される。
【0258】
[0269] 幾つかの実施形態では、本明細書に開示される電気化学セルを含む蓄電池が本明細書に記載される。
【0259】
[0270] 幾つかの実施形態では、本明細書に開示される蓄電池を含む電気車両が本明細書に記載される。
【0260】
[0271] 幾つかの実施形態では、リチウム塩と;それぞれ独立して、それぞれの場合で、少なくとも1つの硫黄(S)環原子を含み1~6個の置換基で場合により置換された少なくとも2つの非プロトン性C3-10複素環式分子とを含むカソライト溶液であって;少なくとも1つのC3-10複素環式分子が、亜硫酸エチレン;4-メチル-1,3,2-ジオキサチオラン2-オキシド;1,3-プロパンスルトン;スルホラン;チオフェン;チアゾール;1,2-オキサチオラン;チエピン;1,4-チアゼピン;6-H-1,2,5-チアジアジン;2H,6H-1,5,2-ジチアジン;メチレンメタンジスルホネート;硫酸エチレン;チオピラン;チオシン、それらの誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、カソライト溶液が本明細書に記載される。
【0261】
[0272] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つの非プロトン性C3-10複素環式分子は、亜硫酸エチレン及び亜硫酸プロピレングリコ―ルからなる群から選択される。
【0262】
[0273] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液は、リチウム充填ガーネット含む固体電解質に接触し、固体電解質は薄膜である。
【0263】
[0274] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム充填ガーネットを含む固体電解質は焼結薄膜である。
【0264】
[0275] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩は、LiPF、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、リチウムビス(パーフルオロエタンスルホニル)イミド(LIBETI)、ビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド(LiTFSI)、LiBF、LiClO、LiAsF、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiFSI)、LiF、LiCl、LiBr、LiI、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0265】
[0276] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩はLiBFである。
【0266】
[0277] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩は約0.5M~約2.0Mの濃度で存在する。
【0267】
[0278] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子はスルホランである。
【0268】
[0279] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子は1,3-プロパンスルトンである。
【0269】
[0280] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子はスルホレンである。
【0270】
[0281] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子はチオフェンである。
【0271】
[0282] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、少なくとも1つのC3-10複素環式分子は亜硫酸エチレンである。
【0272】
[0283] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比は、10:90vol/vol(v/v)~90:10v/vである。
【0273】
[0284] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、一方のC3-10複素環式分子の、他方のC3-10複素環式分子に対する比は、20:80vol/vol(v/v)~80:20v/vである。
【0274】
[0285] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトはスルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、スルホラン:(亜硫酸エチレン)の比は、30:70v/v~50:50v/vである。
【0275】
[0286] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトはスルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、スルホラン:(亜硫酸エチレン)の比は30:70v/vである。
【0276】
[0287] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトはスルホラン及び亜硫酸エチレンを含み、スルホラン:(亜硫酸エチレン)の比は50:50v/vである。
【0277】
[0288] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、亜リン酸トリス(トリメチシリル)(TTSPi);リン酸トリス(トリメチシリル)(TTSPa);トリメトキシボロキシン(C、TMOBX);ビニレンカーボネート(VC);ビニルエチレンカーボネート(VEC);メチレンメタンジスルホネート(MMDS);プロパ-1-エン-1,3スルトン(PES);1,3-プロパンスルトン;フルオロエチレンカーボネート(FEC);LiTFSi;LiBOB;スクシノニトリル、硫酸トリメチレン(TMS);リン酸トリアリル(TAP);ホウ酸トリス(トリメチルシリル)(TMSB);トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(TPFPB);トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(TPFPB);酢酸メチル(MA);酢酸トリス(トリメチルシリル)(TMSA);トリス(トリメチルシリル)ピリジン;メタクリル酸トリス(トリメチルシリル)(TMSMA);亜リン酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)(TTFEP);ホウ酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)(TTFEB);及びそれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤を含む。
【0278】
[0289] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、添加剤はTTSPiである。
【0279】
[0290] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、添加剤はTTSPaである。
【0280】
[0291] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、添加剤はTTSPiとTTSPaとの組み合わせである。
【0281】
[0292] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、固体電解質は、LiLaM’M”Zr、LiLaM’M’’Ta、及びLiLaM’M”Nb(式中、4<A<8.5、1.5<B<4、0≦C<2.5、0≦D<2.5;0<E<2.5、10<F<14であり、M’及びM”は、それぞれ独立して、Al、Mo、W、Nb、Ga、Y、Gd、Sb、Ca、Ba、Sr、Ce、Hf、Rb、及びTaからなる群から選択される)からなる群から選択される式を特徴とするリチウム充填ガーネットである。
【0282】
[0293] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液は、60℃~100℃の範囲内の沸点を有する。
【0283】
[0294] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液は、-60℃~-40℃の範囲内の融点を有する。
【0284】
[0295] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液は、2000μS/cm~3200μS/cmの範囲内のリチウムイオン伝導率を有する。
【0285】
[0296] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライト溶液は、1cP~10cPの範囲内の粘度を有する。
【0286】
[0297] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩は、1.4MのLiPF;1.4MのLiBF;又は1.6MのLiBFである。
【0287】
[0298] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、カソライトは、70:30v/v%の亜硫酸エチレン:スルホランを含む。
【0288】
[0299] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩は1.4MのLiPFである。
【0289】
[0300] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩は1.4MのLiBFである。
【0290】
[0301] 前述のいずれかを含む幾つかの実施形態では、リチウム塩は1.6MのLiBFである。
【実施例
【0291】
実施例
[0302] 電気化学的測定に使用した装置は、Bio-Logic社製のポテンショスタット、Arbin Instruments社製の電池サイクラー、及びMaccor社製の電池サイクラーであった。
【0292】
[0303] 逆のことが明記されるのでなければ、試薬、化学物質、及び材料は、商業的に購入した。
【0293】
[0304] Showa Denko社からパウチセル容器を購入した。
【0294】
[0305] 使用した電気化学ポテンショスタットはArbinポテンショスタットであった。
【0295】
[0306] Biologic社のVMP3、VSP、VSP-300、SP-150、又はSP-200を用いて電気インピーダンス分光法(EIS)を行った。
【0296】
[0307] Fischer Scientific社製のボルテックスミキサー、Flaktek社製のスピードミキサー、又はPrimix社製のフィルミックスホモジナイザー(filmix homogenizer)を用いて混合を行った。
【0297】
[0308] TQCドローダウンテーブル(drawdown table)上でキャスティングを行った。IMCカレンダー上でカレンダー加工を行った。
【0298】
[0309] レーザー散乱粒度分布分析装置であるHoriba、モデル:Partica、モデル番号:LA-950V2上で光散乱を行った。
【0299】
[0310] 特に明記しない限り、実施例で使用したリチウムニッケルコバルトマンガン酸化物(NMC)はLiNi0.8Co0.1Mn0.1であった。
【0300】
実施例1:低温出力
[0311] 3%のSuper C65、1%のケッチェンブラック、5%のKynar HSV、及び91重量%のLiNi0.8Co0.1Mn0.1(NMC811としても知られる)をN-メチルピロリドン(NMP)中で混合することによって、カソード電極スラリーを調製した。混合及び脱気の後、28mg/cmの乾燥材料が得られる厚さに、ドクターブレードを用いて上記スラリーをアルミニウム箔上にキャストした。120℃で8時間、上記電極のNMPを乾燥させた。走査型電子顕微鏡法で測定して多孔度が35体積%となる厚さまで、電極のカレンダー加工を行った。このカソード電極シートから直径8mmのカソード電極ディスクを打ち抜いた。
【0301】
[0312] リチウム充填ガーネットセパレーター、リチウムフリーのリチウム金属アノード、及び上記カソード電極を用いて、電気化学セルを組み立てた。リチウムフリーは、放電状態でセルを組み立てたことを意味する。セルを組み立てる前に、カソード電極をESSのカソライト混合物(70:30v/v%の亜硫酸エチレン:スルホラン+1.4MのLiBF)中に浸漬した。ここで、「ESS」は、亜硫酸エチレンとスルホランとの組み合わせを意味する。浸漬後、布を当てることによって過剰の電解質を除去し、次に0.5~3μLの過剰のカソライト混合物をカソード-セパレーター界面にピペットで加えた。セパレーターのアノード側に接触させてタブを有するアノード集電体箔を配置し、カソード電極の裏側上のAl箔に接触させてタブを有するカソード集電体箔を配置した。各電極への電気的接続を形成するためにタブがセルから突出するようにセルの周囲でパウチを封止した。
【0302】
[0313] 25℃において3.4Vから4.4Vまで10時間で電池を充電(又は放電)する電流であるC/10のレートで電気化学セルの充電及び放電を行った。図1は低温出力試験の結果を示している。25℃においてセルを4.4Vまで充電し、次に-30℃にする。このセルを、2Vの一定電圧を印加することによって30秒間放電させ、その30秒の間の電流を監視した。30秒後、開回路で10分間休止し、次にC/10の放電電流を6分間印加した。C/10放電ステップ中にセル電圧が2V未満に低下するまで、2Vの放電、休止、及びC/10の放電を繰り返した。図1は、充電状態の関数として2V急速放電中に得られたCレートを示している。セルは、充電状態が約60%を超えるときに、-30℃で1Cを超える電流を30秒間送出することができ、充電状態が約10%を超えるときに、0.5Cを超える電流を30秒間送出することができた。1Cは、1時間で電池を放電(又は充電)する電流である。0.5Cは、2時間で電池を放電(又は充電)する電流である。
【0303】
実施例2:急速充電
[0314] 実施例1に記載されるように、電気化学セルの組み立て及び形成を行った。セルを25℃まで加熱し、セルが4.4Vに到達するまで、4C充電電流を印加し、到達した時点で、電流がC/20未満になるまで又は15分経過するまでのいずれかの速い方で、4.4Vの一定電圧を印加した。図2は、時間に対してプロットした充電状態を示しており、セルは0から80%の充電状態(SOC)に12.5分で充電された。図2中、「ESS7.4」は、1.4MのLi濃度を有する亜硫酸エチレン及びスルホランの70:30v/v混合物と同義である。「ESS+1.6M LiBF」は、1.6MのLi濃度を有する亜硫酸エチレン及びスルホランの70:30v/v混合物である。
【0304】
[0315] 図4は、ECS45.4と表示される1.4MのLiPFを有するエチレンカーボネート:スルホランの45:55混合物(ECS)と、1.6MのLiBFを有する亜硫酸エチレン:スルホランの70:30混合物(ESS1)と、1.4MのLiPFを有する亜硫酸エチレン:スルホランの70:30混合物(ESS2)との3つの異なるカソライトを有するセルの充電率の比較を示している。ESS1及びESS2のカソライトを有するセルは12~15分で0から80%の充電状態に充電することができ、一方、ECSを有するセルは15~20分で充電された。
【0305】
[0316] 実施例1に記載されるように、さらなる電気化学セルの組み立て及び形成を行った。セルを25℃にして、セルが4.4Vに到達するまで4C充電電流を印加し、到達した時点で、電流がC/20未満になるまで又は15分経過するまでのいずれかの速い方で、4.4Vの一定電圧を印加した。
【0306】
[0317] 図9は、体積基準で70:30の混合物の亜硫酸エチレン:スルホラン及び1.4MのLiBFと、体積基準で50:50の混合物の亜硫酸エチレン:スルホラン及び1.4MのLiBFとの2つのカソライトを有するセルの充電率の比較を示している。体積基準で70:30の混合物の亜硫酸エチレン:スルホランのカソライト及び1.4MのLiBFを有するセルは、15~22分で0から80%の充電状態に充電され、一方、体積基準で50:50の混合物の亜硫酸エチレン:スルホラン及び1.4M LiBFを有するセルは、23~30分で充電された。亜硫酸エチレン対スルホランの比率は、x軸上の表示に示され、例えば、70-30 ESS中の「70-30」は70:30の体積比の亜硫酸エチレン対スルホランを意味する。50-50 ESS中の「50-50」は、50:50の体積比の亜硫酸エチレン対スルホランを意味する。
【0307】
[0318] 図10は、x軸上に示される異なるカソライトを有するセルの充電率の比較を示している。これらの結果は、本明細書の実施例2に記載される。亜硫酸エチレン対スルホランの比率は、x軸上の表示に示され、例えば、70-30 ESS中の「70-30」は、70:30の体積比の亜硫酸エチレン対スルホランを意味する。70-30MA-S中の「70-30」は、70:30の体積比の酢酸メチル対スルホランを意味する。
【0308】
[0319] 図11は、x軸上に示される異なるカソライトを有するセルの充電率の比較を示している。「70-30 ESS + 1.2M 10% LiFSi」中、「1.2M」は、LiFSiの溶液中のLi濃度を示している。「10%」は、カソライトが10体積%のLiFSi溶液及び90体積%の前述の70-30 ESS 1.4MのLiBF溶液を含んだことを意味する。「70-30 ESS + 1.2M 10% LiFSi」は、90体積%の亜硫酸エチレン及びスルホランの70-30v/v溶液を含んだ混合物である。「70-30 ESS + 1.2M 10% LiFSi」は、10体積%の1.2MのLiFSi溶液を含む混合物である。
【0309】
実施例3:カレンダー寿命
[0320] 実施例1により、セルの作製及び形成を行った。C/3のレートで3.4~4.4Vの間でセルの充電及び放電を行い、初期ASR(面積比抵抗)を測定し,次にC/3で4.4Vまで充電した。C/3は、3時間で電池の充電又は放電が行われる電流である。これらのセルを60℃のチャンバー中、開回路電圧で7日間維持し、次に25℃においてC/3のレートで3.4Vまで放電させた。次に、25℃においてC/3のレートで3.4~4.4Vでセルの充電及び放電を行って、最終ASRを測定した。セルのカレンダー寿命の指標として初期ASR及び最終ASRを使用した。セルは好ましくは、低いASRを有し、最終ASR値までのASRの増加はわずかである。
【0310】
[0321] Ωcmの単位の面積比抵抗(ASR)は、充電サイクル中の50%付近の充電状態での電流遮断技術によってセルの内部抵抗を求め、オームの単位のこの抵抗にcmの単位のセル面積を掛けることによって計算した。この測定では、セルは、電流を切った後(すなわち、緩和時)に観察される。図3は、亜硫酸エチレン:スルホランの70:30v/v混合物(ESS、これは70:30 ESI:SLFと表示される)、及びエチレンカーボネート:スルホランの45:55v/v混合物(ECS、これはECS 45.4と表示される)との2つの異なるカソライトを有するセルの最終ASRを示している。図3中に示されるように、ESSを有するセルがより低い最終ASRを有する場合、最終ASRに統計的な有意差が存在する。
【0311】
[0322] 図5は、ECS中に0.5%、1%、2%、4%、及び8重量%の亜硫酸エチレン添加剤の異なる添加剤量を有するセルの、60℃で1週間の保管後の放電容量を示している。最大8%の亜硫酸エチレンを有するセルは、貯蔵後に高い放電容量を示している。
【0312】
[0323] 以下の表1中の以下のデータを得るために実験を行った。実施例1によりセルの作製及び形成を行った。次にC/3のレートで3.4~4.35Vの間でセルの充電及び放電を行い、初期ASR(面積比抵抗)を測定し、次にC/3で4.35Vまで充電した。C/3は、3時間で電池の充電又は放電が行われる電流である。これらのセルを60℃のチャンバー中、開回路電圧で7日間維持し、次に25℃においてC/3のレートで3.4Vまで放電させた。次に、25℃においてC/3のレートで3.4~4.35Vでセルの充電及び放電を行って、1週間ASRを測定した。60℃でさらに3週間の保管を行った。最終ASRのチェックを25℃で測定した。全てのASRは25℃で測定した。保管条件は、4.35V及び60℃を含んだ。
【0313】
【表1】
【0314】
【表2】
【0315】
【表3】
【0316】
【表4】
【0317】
[0324] 表1中、Aは0Ω-cm~59Ω-cmであり;Bは60Ω-cm~100Ω-cmであり;Cは60Ω-cm~100Ω-cmである。
【0318】
[0325] 0.5M~5Mのカソライトモル濃度スキューに関する1か月ASRの研究は図12が参照され、ここで、モル濃度スキューは、70:30v/vの亜硫酸エチレン及びスルホランのカソライト中のLiBF塩の濃度を意味する。
【0319】
[0326] 図6は、ECS中0.5%、1%、2%、4%、及び8重量%の異なる量の亜硫酸エチレン添加剤を用いて、60℃で1週間の保管後の充電ASRを示している。最大8%の亜硫酸エチレンを有するセルは、保管後により低い充電ASRを示している。
【0320】
[0327] 図7は、亜硫酸エチレン:スルホランの70:30混合物及び1.4MのLiPF(ESS、1.4M LiPF/ESSと表示される)対エチレンカーボネート:スルホランの45:55混合物及び1.4MのLiPF(ECS、ECS45.4と表示される)の2つの異なるカソライトを用いて、60℃で1週間の保管後の充電ASRを示している。充電ASRは、保管後、ECSを有するセルよりもESSを有するセルの方が低い。
【0321】
[0328] 図12は、0.5MのLiBF、1.4MのLiBF、又は5MのLiBFを有する亜硫酸エチレン:スルホランの70:30混合物の3つの異なる混合物を用いて、60℃で1か月保管した後の充電ASRを示している。次にC/3のレートで3.4~4.35Vの間でセルの充電及び放電を行い、初期ASR(面積比抵抗)を測定し、次にC/3で4.35Vまで充電した。C/3は、3時間で電池の充電又は放電が行われる電流である。これらのセルを60℃のチャンバー中、開回路電圧で7日間維持し、次に25℃においてC/3のレートで3.4Vまで放電させた。次に、25℃においてC/3のレートで3.4~4.35Vでセルの充電及び放電を行って、1週間ASRを測定した。60℃でさらに3週間の保管を行った。最終ASRのチェックを25℃で測定した。全てのASRは25℃で測定した。保管条件は、4.35V及び60℃を含んだ。
【0322】
実施例4
[0329] 実施例1によりセルを作製した。ESS(70:30亜硫酸エチレン:スルホラン及び1.4M及びLiPF)及びECS(45:55エチレンカーボネート:スルホラン及び1.4MのLiPF)を用いて作製したセルのサイクル寿命について、C/3のレートにおいて45℃で3~4.4Vの間のセルのサイクリングによって試験を行った。図8は、ESSカソライトを有するセルのサイクル寿命が、ECSカソライトを有するセルのサイクル寿命よりも優れていることを示している。
【0323】
実施例5
[0330] 亜硫酸エチレン(Sigma Aldrich 774251)及びスルホラン(Sigma Aldrich T22209)をそれぞれ体積基準で4:6~8:2の種々の比率で、例えば1:1及び7:3の比率で混合することによって、カソライト溶液を調製した。
【0324】
[0331] 亜硫酸エチレン及びスルホランの混合後、溶液が百万部当たり10部(ppm)未満のHOを含むまで、得られた混合物をモレキュラーシーブ上で乾燥させた。混合物のデカンテーションによりモレキュラーシーブを除去した。
【0325】
[0332] リチウム塩(LiPF又はLiBF)を0.8M~2Mの範囲の濃度で加えた。温度上昇を軽減するために、塩はゆっくりと加えた。
【0326】
[0333] 上記の実施形態及び実施例は、単に説明的で非限定的であることが意図される。日常的な実験以上のことを行わずに、特定の化合物、材料、及び手順の多数の均等物を当業者は認識するであろうし、又は確認可能となるであろう。このような全ての均等物は、範囲内であると見なされ、添付の請求項に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】