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特表2024-541190飲料を調製するためのカプセル及びカプセルを製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】飲料を調製するためのカプセル及びカプセルを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 3/22 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B65D3/22 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521348
(86)(22)【出願日】2022-11-14
(85)【翻訳文提出日】2024-04-09
(86)【国際出願番号】 EP2022081697
(87)【国際公開番号】W WO2023084067
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】21208126.9
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【弁理士】
【氏名又は名称】石塚 淳一
(72)【発明者】
【氏名】アベグレン, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ガラフ, ニコラ
(57)【要約】
飲料調製デバイス10内で飲料を調製するためのカプセル及びカプセルを製造する方法が記載される。カプセルは、カップ形状本体1と、カップ形状本体を閉じるカバー2と、を備える。カップ形状本体は、底壁4と、側壁5と、カバーが封止する環状フランジ3と、を備える。側壁は、少なくとも第1の構造層5)で作られており、底壁は、少なくとも第2の構造層4Aで作られている。カップ形状本体は、側壁の少なくとも第1の構造層の内面5Cに取り付けられた酸素バリアライナー14を備える。酸素バリアライナーは、少なくともポリマーを含む。底壁は、飲料調製デバイスの穿孔部材(12)によって穿孔されるのに適している。側壁の第1の層及び底壁の第2の層は、異なる材料で作られており、すなわち、側壁の第1の構造層は、セルロースパルプで作られており、底壁の第2の構造層は、0%~60%のセルロースパルプと、40%~100%のポリマーと、を含む。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製デバイス(10)内で飲料を調製するためのカプセルであって、カップ形状本体(1)と、前記カップ形状本体(1)を閉じるためのカバー(2)と、を備え、前記カップ形状本体(1)が底壁(4)と、側壁(5)と、前記カバー(2)が封止するための環状フランジ(3)と、を備え、前記側壁(5)が、少なくとも第1の構造層(5A)で作られており、前記底壁(4)が、少なくとも第2の構造層(4A)で作られており、前記カップ形状本体(1)が、前記側壁(5)の少なくとも前記第1の構造層(5A)の内面(5C)に取り付けられた酸素バリアライナー(14)を備え、前記酸素バリアライナー(14)が、少なくともポリマー、好ましくはバイオポリマーを含み、前記底壁(4)が、前記飲料調製デバイス(10)の穿孔部材(12)によって穿孔されるのに適している、カプセルにおいて、
前記側壁(5)の前記第1の構造層(5A)がセルロースパルプで作られており、
前記底壁(4)の前記第2の構造層(4A)が、0%~60%のセルロースパルプと、40%~100%のポリマー、好ましくはバイオポリマーと、を含む、
ことを特徴とする、カプセル。
【請求項2】
前記酸素バリアライナー(14)が、少なくとも、前記側壁(5)の前記第1の構造層(5A)の前記内面(5C)と、前記底壁(4)の前記第2の構造層(4A)の内面(4C)とに取り付けられている、請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
前記底壁(4)の少なくともポリマーが、前記底壁(4)への前記酸素ライナー(14)の取り付けを向上させるように、前記酸素ライナー(14)の少なくともポリマーと同じである、請求項1又は2に記載のカプセル。
【請求項4】
前記底壁(4)の前記第2の構造層(4A)が、ポリマー、好ましくはバイオポリマー100%で作られており、好ましくは、前記酸素バリアライナー(14)が、前記カップ形状本体(1)の前記側壁(5)の前記内面又は外面にのみ設けられており、好ましくは、前記底壁(4)を作っている前記ポリマーが、酸素バリア特性を有する、請求項3に記載のカプセル。
【請求項5】
前記カップ形状本体(1)が、前記底壁(4)と前記側壁(5)とを接続する部分(1B)を備え、前記接続部分(1D)が、前記底壁(4)の縁部(4D)及び前記側壁(5)の縁部(5B)を含み、これらの縁部(4D、5B)が、互いに緊密に接続されており、好ましくは、以下の特徴、すなわち、
前記底壁(4)の前記縁部(4D)及び前記側壁(5)の前記縁部(5B)が、前記カップ形状本体(1)の内側に向かって傾斜し、かつ互いに接触して当接する端面を備えること、
前記底壁(4)の前記縁部(4D)が、前記カップ形状本体(1)の内側に向かって、かつ前記フランジ(3)に向かって突出する第1の突出部分(4B)を備え、前記第1の突出部分(4B)が前記側壁(5)の前記内面(5C)の端部と前記側壁(5)の前記縁部(5B)において接触するような形状及び寸法であること、
前記側壁(5)が、前記側壁(5)の前記縁部(5B)において、前記底壁(4)の下端部(4B)を取り囲むこと、並びに/又は
前記側壁(5)が、前記側壁(5)の前記縁部(5B)の下方に複数の貫通孔(5E)を備え、前記底壁(4)の前記縁部(4D)が、前記孔(5E)を埋める突出部分(4D)を備えること、
のうちの1つ以上を含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項6】
少なくとも前記底壁(4)が、前記酸素バリアライナー(14)を前記カップ形状本体(1)の内面に熱成形によって接続している間に真空を排気するための貫通孔(4E)を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項7】
前記底壁(4)が、以下のポリマー、すなわち、
ポリブチレンサクシネート(PBSA/bioPBS)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリストから選択される生分解性ポリマー、
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィン、
ブテンジオールビニルアルコールコポリマー(BVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)、又はこれらの組み合わせのリストから選択されるポリマー、
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィン、
ポリブチレンサクシネート(PBSA)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリストから選択される生分解性ポリマー、
のうちの1つ以上を含む、
請求項1~6のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項8】
前記カップ形状本体(1)、前記カップ形状本体(1)の前記酸素バリアライナー(14)、及び/又は前記カプセルの前記カバー(2)が、家庭で堆肥化可能な材料で作られている、請求項1~7のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項9】
前記カプセルが、使い捨てのコーヒーカプセルである、請求項1~8のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項10】
飲料調製デバイス(10)における、請求項1~9のいずれか一項に記載のカプセルの使用。
【請求項11】
請求項1~8のうち一項以上に記載のカプセルを生産するための方法であって、前記カプセルが、カップ形状本体(1)と、前記カップ形状本体(1)を閉じるためのカバー(2)と、を備え、前記カップ形状本体(1)が、底壁(4)と、側壁(5)と、前記カバー(2)が封止するための環状フランジ(3)と、を備え、前記側壁(5)が、少なくとも第1の構造層(5A)で作られており、前記底壁(4)が、少なくとも第2の構造層(4A)で作られており、前記カップ形状本体(1)が、前記側壁(5)の少なくとも前記第1の構造層(5A)の内面(5C)に取り付けられた酸素バリアライナー(14)を備え、前記酸素バリアライナー(14)が、少なくともポリマー、好ましくはバイオポリマーを含み、前記底壁(4)が、飲料調製デバイス(10)の穿孔部材(12)によって穿孔されるのに適している、方法において、
前記側壁(5)の前記少なくとも第1の構造層(5A)が、セルロースパルプで作られ、前記側壁(5)が、好ましくは、乾燥又は湿潤セルロースパルプ、好ましくは湿潤セルロースパルプを通常の金型内で成形することによって作られるステップと、
前記底壁(4)の前記少なくとも第2の構造層(4A)が前記側壁(5)の上縁部(5A)にオーバーモールド成形又はオーバーインジェクション成形されるステップと、
を更に含むことを特徴とする、方法。
【請求項12】
前記底壁(4)をポリマー、好ましくはバイオポリマー、より好ましくは酸素バリア特性を有するポリマー100%で作るステップと、
好ましくは、前記カップ形状本体(1)の前記側壁(5)の前記内面又は外面にのみ前記酸素バリアライナー(14)を設けるステップと、
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記底壁(4)の前記少なくとも第2の構造層(4A)を、0.1%~60%のセルロースパルプと、30%~100%のポリマー、好ましくはバイオポリマーと、を含む材料で作ることと、
前記カップ形状本体(1)の内面全体に前記酸素バリアライナー(14)を設けることと、
によって特徴付けられる、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記酸素バリアライナー(14)が、少なくとも前記カップ形状本体(1)の前記側壁(5)の前記内面(5C)に熱成形されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料調製デバイス内で飲料を調製するためのカプセル、及びカプセルを製造するための方法に関する。カプセルは、少なくとも部分的にセルロースパルプで作られた、カップ形状本体を備える。
【背景技術】
【0002】
飲料調製デバイスの分野では、セルロースパルプで作られた容器又はカプセルが知られている。カプセル内の飲料物質の品質を少なくともある期間にわたって維持することのできる、セルロースパルプで作られた材料もまた知られている。飲料調製デバイス内で飲料を調製するための使い捨てカプセルも知られている。
【0003】
こうしたセルロースパルプ製の使い捨てカプセルは、他の材料で作られたカプセルと比較して環境への影響を低減する可能性を提供する。
【0004】
セルロースパルプで作られたカップ形状本体の内面上に酸素バリアライナーを取り付けることが知られている。
【0005】
既知のセルロースパルプ製カプセルは、飲料調製デバイス内で使用され、飲料調製プロセスの間、及び、飲料を調製するためにカプセル内へ水を注入している間に、カプセルを包囲する部材を備える。
【0006】
既知の紙製カプセルでは、カプセルのカップ形状本体の専用部分を注水部材が穿孔し、セルロースパルプで作られた壁を貫通する際に、酸素バリアの分離が発生することがある。これにより、場合によっては、抽出中にマシンが閉塞し、若しくは飲料調製デバイス内でカプセルが閉塞し、かつ/又は不正確な水の注入が引き起こされ、その結果、飲料の不正確な注出が引き起こされる可能性がある。
【0007】
本発明は、飲料調製デバイス内で飲料を調製するために、少なくとも部分的にセルロースパルプで作られたカプセル内への酸素バリアライナーの取り付けを改善することを目的とする。
【発明の概要】
【0008】
請求項1に記載の本発明は、飲料調製デバイス内で飲料を調製するためのカプセルであって、カップ形状本体と、カップ形状本体を閉じるためのカバーと、を備える。このカップ形状本体は、底壁と、側壁と、カバーが封止するための環状フランジと、を備える。側壁は、少なくとも第1の構造層で作られており、底壁は、少なくとも第2の構造層で作られている。
【0009】
カップ形状本体は、第1の構造層の少なくとも内面に取り付けられた酸素バリアライナーを備える。酸素バリアライナーは、少なくともポリマー、好ましくはバイオポリマーを含む。底壁は、飲料調製デバイスの穿孔部材によって穿孔されるのに適している。
【0010】
本発明によれば、側壁の第1の構造層は、セルロースパルプで作られており、底壁の第2の構造層は、0%~60%のセルロースパルプと、40%~100%のポリマー、好ましくはバイオポリマーと、を含む。
【0011】
本発明の好ましい実施形態では、酸素バリアライナーは、少なくとも、側壁の第1の構造層の内面と、底壁の第2の構造層の内面とに取り付けられている。
【0012】
本発明の更なる好ましい実施形態では、底壁の少なくともポリマーは、底壁への酸素ライナーの取り付けを向上させるように、酸素ライナーの少なくともポリマーと同じである。
【0013】
好ましくは、底壁の第2の構造層は、ポリマー、好ましくはバイオポリマー100%で作られており、好ましくは、酸素バリアライナーは、カップ形状本体の側壁の内面又は外面にのみ設けられており、好ましくは、底壁を作っているポリマーは酸素バリア特性を有する。
【0014】
別の好ましい実施形態によれば、カップ形状本体は、底壁と側壁とを接続する部分を備え、接続部分は、底壁の縁部及び側壁の縁部を含み、これらの縁部は、互いに緊密に接続されており、好ましくは、以下の特徴、すなわち、
底壁の縁部及び側壁の縁部が、カップ形状本体の内側に向かって傾斜し、かつ互いに接触して当接する端面を備えること、
底壁の縁部が、カップ形状本体の内側に向かって、かつフランジに向かって突出する第1の突出部分を備え、第1の突出部分が、側壁の内面の端部と側壁の縁部において接触するような形状及び寸法であること、
側壁が、側壁の縁部において底壁の下端部を取り囲むこと、及び/又は
側壁が、側壁の縁部の下方に複数の貫通孔を備え、底壁の縁部が、当該孔を埋める突出部分を備えること、
のうちの1つ以上を含む。
【0015】
本発明の更に好ましい態様によれば、少なくとも底壁は、酸素バリアライナーをカップ形状本体の内面に熱成形によって接続している間に真空を排気するための貫通孔を備える。
【0016】
別の好ましい実施形態によれば、カプセルの底壁は、以下のポリマー、すなわち、
ポリブチレンサクシネート(PBSA/bioPBS)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリストから選択される生分解性ポリマー、
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィン、
ブテンジオールビニルアルコールコポリマー(BVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)、又はこれらの組み合わせのリストから選択されるポリマー、
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィン、
ポリブチレンサクシネート(PBSA)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリストから選択される生分解性ポリマー、
のうちの1つ以上を含む。
【0017】
別の好ましい実施形態によればカップ形状本体、カップ形状本体の酸素バリアライナー、及び/又はカプセルのカバーは、家庭で堆肥化可能な材料で作られている。
【0018】
好ましくは、本発明のカプセルは、使い捨てのコーヒーカプセルであるが、これに限定されない。
【0019】
本発明によれば、飲料調製デバイスにおける前述したカプセルの使用も開示される。
【0020】
本発明はまた、カプセルを製造する方法であって、カプセルが、カップ形状本体と、カップ形状本体を閉じるためのカバーと、を備え、カップ形状本体が、底壁と、側壁と、カバーが封止するための環状フランジと、を備え、側壁が少なくとも第1の構造層で作られており、底壁が少なくとも第2の構造層で作られており、カップ形状本体が側壁の少なくとも第1の構造層の内面に取り付けられた酸素バリアライナーを備え、酸素バリアライナーが、少なくともポリマー、好ましくはバイオポリマーを含み、底壁が、飲料調製デバイスの穿孔部材によって穿孔されるのに適している、方法に関する。本発明によれば、この方法は、
側壁の少なくとも第1の構造層が、セルロースパルプで作られ、側壁が、好ましくは、乾燥又は湿潤セルロースパルプ、好ましくは湿潤のセルロースパルプを通常の金型内で成形することによって作られるステップと、
底壁の少なくとも第2の構造層が、側壁の上縁部にオーバーモールド成形又はオーバーインジェクション成形されるステップと、を含む。
【0021】
本発明によれば、この方法はまた、
底壁をポリマー、好ましくはバイオポリマー、より好ましくは酸素バリア特性を有するポリマー100%で作るステップと、
好ましくは、カップ形状本体の側壁の内面又は外面のみに酸素バリアライナーを設けるステップと、
を含む。
【0022】
本発明によれば、方法はまた、
底壁の少なくとも第2の構造層を、0.1%~60%のセルロースパルプと、30%~100%のポリマー、好ましくはバイオポリマーと、を含む材料で作るステップと、
カップ形状本体の内面全体に酸素バリアライナーを設けるステップと、
を含む。
【0023】
本発明の文脈においては、用語「セルロースパルプ」は、80重量%~100重量%のパーセンテージでセルロース繊維を含むパルプを指す。
【0024】
用語「セルロース繊維」は、木材由来、及び/又は、非木材由来の繊維を指す。繊維は、非限定的な例として、硬質木材セルロース繊維、軟質木材セルロース繊維、小麦繊維、トウモロコシ繊維、バガス繊維、竹繊維、ヘンプ繊維、綿繊維、他の類似の野菜又は植物繊維又はそれらの組み合わせである。
【0025】
底壁及び酸素バリアライナーは、好ましくは、化石由来若しくは非化石由来のポリマー、又はBioSourceポリマーを含む。
【0026】
好ましくは、底壁及び酸素バリアライナーは、好ましくは少なくとも共通のポリマーを含む。
【0027】
底壁は、非限定的な例として、以下のポリマー、すなわち、
ポリブチレンサクシネート(PBSA/bioPBS)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリストから選択される生分解性ポリマー、
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィン、
ブテンジオールビニルアルコールコポリマー(BVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)、又はこれらの組み合わせのリストから選択されるポリマー、
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィン、
ポリブチレンサクシネート(PBSA)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリストから選択される生分解性ポリマー、
のうちの1つ以上を含む。
【0028】
酸素バリアライナーは、1つの層、好ましくは複数の層で作られている。
【0029】
好ましい多層バリアライナーは、バリアライナーをセルロースパルプ材料に封止するための封止層に取り囲まれた、酸素バリア特性及び/又は水分バリア特性を有するコア層を備える。
【0030】
酸素バリアライナーは、非限定的な例として、以下の層、すなわち、
ポリブチレンサクシネート(PBSA/bioPBS)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリストから選択される生分解性ポリマーを含む最も外側のポリマー層、
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィンを含む第1のタイ層、
ブテンジオールビニルアルコールコポリマー(BVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)、又はこれらの組み合わせのリストから選択されるポリマーを含むバリア層、
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィンを含む第2のタイ層、
ポリブチレンサクシネート(PBSA)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリストから選択される生分解性ポリマーを含む最も内側のポリマー層、
のうちの1つ以上を備える。
【0031】
カバーは、既知の材料で作られており、好ましくはポリマーフィルム膜である。
【0032】
カバーは、平坦であってもよく、すなわち、三次元形状に形成されていなくてもよい。
【0033】
カバーは、原材料を充填した後に、カップ形状本体の開口部を閉じるために開口部の封止層に封止される。
【0034】
好ましくは、カバー及びカップ形状本体の両方の、酸素に対するバリアは、飲料原材料の性質に応じた十分な賞味期間が得られるように選択される。例えばコーヒーの場合、期待される賞味期間は12ヶ月であり得る。
【0035】
好ましくは、カップ形状本体、カップ形状本体の酸素バリアライナー、及び/又はカプセルのカバーは、家庭で堆肥化可能な材料で作られている。本発明によるカプセルは、通常、国の規制に従って公的リサイクル施設で編成されるリサイクルプロセスにおいて(例えば、紙のリサイクルストリームにおいて、又は一般的な生ごみのリサイクル若しくは処理ストリームにおいて)リサイクルされることが意図されている。
【0036】
ただし、カプセルは、カプセルが自然界、家庭で堆肥化可能な廃棄物の中、又は埋立地に置かれた場合、自然界に自然に存在する温度及び湿度の条件下で細菌によって分解されやすい材料を用いて製造される。このようにして、そのようなカプセルが自然界に留まらず、家庭コンポーザビリティ規格によって定められる条件の中で短期間(原則として数週間)の内に自然に消失することが確実になる。
【0037】
家庭コンポーザビリティは、現在、国レベルで明確に規定されており、主に国際規格EN13432に基づいている。したがって、それらは、本明細書において更に詳細に規定する必要はない。これらの規格に準拠する材料又は製品は、それらの家庭コンポーザビリティを示す適合マークによって認識可能である。国レベルでの家庭コンポーザビリティ可能認定のいくつかの例は、以下を含むが、これらに限定されない。認証機関TUV AUSTRIA BELGIUMは、そのような家庭コンポーザビリティ認定スキームを提供し、DIN CERTCOは、オーストラリア規格AS5810による家庭コンポーザビリティの認定を提供する。イタリアは、周囲温度での堆肥化に関する国家規格、UNI11183:2006を有する。2015年11月に、フランス規格「NF T51-800プラスチック-家庭での堆肥化に適したプラスチックの仕様」が導入された。この規格は、DIN CERTCOスキームでカバーされている。
【0038】
飲料の調製は、流体物質をカプセル内に収容された原材料と混合することによって得られる。好ましくは、原材料は、焙煎して挽いたコーヒー、固形状の又は非固形状の、可溶性粉末コーヒー、又は葉茶のリストから選択される。乳製品原材料(例えば、牛乳又はクリーマー)に並び、チョコレート、果汁、スープ、野菜ジュース、ブイヨン、スムージー、ピュレー、クーリ、クリーム、チコリ、大麦、調理補助食材、スープ原材料、幼児用フォーミュラ、又はこれらの組み合わせも、粉末可溶性形態、様々な粘度を有する液体濃縮形態、又はゲル形態で提供することができる。
【0039】
最も好ましくは、飲料原材料は、焙煎して挽いたコーヒーである。
【0040】
本発明のカプセルは、典型的には、容器内に希釈液(例えば、温水、冷水、又は常温水)が供給されることなどによって、飲料及び/又は食品調製デバイスと相互作用し得る。そのような希釈液は、飲料原材料と混合するか、又はそうでなければ相互作用する。「希釈液を飲料原材料と混合する」という表現では、カプセル内に収容された全ての原材料は、飲料製品を得るために、希釈液(典型的には水)との一般的な混合動作(溶解、注出、又は浸出)に適合する形態であると意図される。このタイプのデバイスは、例えば、従来のNespresso(登録商標)カプセルの抽出に使用されるものである。
【0041】
好ましくは、カプセル本体とカプセルのカバーとによって画定されるキャビティは本質的に無酸素であり、空のスペースは窒素、酸化炭素、及びそれらの組合せなどの不活性ガスで満たされている。好ましくは、カプセルは、コーヒーに含まれる、封止後にキャビティ内に放出される、例えば酸化炭素及び二酸化炭素などのガスに起因する、大気圧より高いガス内圧を有する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明の追加の特徴及び利点は、図面を参照して以下に記載の現在好ましい実施形態の説明において記載されており、この説明から明らかになる。
図1】本発明によるカプセルの概略斜視図である。
図2図1のカプセルの概略縦断面図である。
図3】本発明によるカプセルの第1の中間体の概略縦断面図である。
図4】本発明によるカプセルの第2の中間体の概略縦断面図である。
図5】カプセルの2つの構成要素間の第1の接続態式を示す、図4の矢印Wによって示される部分の概略拡大断面図である。
図6図3に示したものと同じ構成要素の第2の接続態様を示す、図5と類似した概略拡大断面図である。
図7図1のカプセルが飲料調製デバイスのカプセル包囲部材に包囲されているときのカプセルの簡略部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1及び図2に、飲料調製デバイス10(図6に概略的に示す)内で飲料を調製するための、本発明による、カップ形状本体1と、カップ形状本体1を閉じるためのカバー2と、を備えたカプセルを示す。カップ形状本体1は、底壁4と、側壁5と、カバー2が封止するための環状フランジ3とを備える。
【0044】
側壁5は、少なくとも第1の構造層5Aで作られており、底壁4は少なくとも第2の構造層4Aで作られている。カップ形状本体は、少なくとも第1の構造層5Aの内面5Cに取り付けられた酸素バリアライナー14を備える(図2では、酸素バリアライナー14は、第1の層5A及び第2の層4Aの両方の内面に取り付けられている)。酸素バリアライナー14は、少なくともポリマー、好ましくはバイオポリマーを含む。底壁4は、飲料調製デバイス10の穿孔部材12によって穿孔されるのに適している。
【0045】
本発明によれば、側壁5の第1の層5Aと底壁4の第2の層4Aとは異なる材料で作られており、すなわち、
側壁5の第1の層5Aは、セルロースパルプで作られており、
底壁4の第2の層4Aは、0%~60%のセルロースパルプと、40%~100%のポリマー、好ましくはバイオポリマーとを含む。
【0046】
好ましくは、図2に示すように、酸素バリアライナー14は、飲料物質を収容するためのキャビティ1A全体を少なくとも画定するように、カップ形状本体1の全ての内面に設けられている。
【0047】
以下に詳細に説明する代替実施形態(図示せず)によれば、酸素バリアライナー14は、カップ形状本体の側壁5の内面又は外面にのみ設けられており、底壁4は、酸素バリア特性を有する少なくともポリマーで作られている。
【0048】
両方の実施形態において、飲料原材料の性質に応じた十分な賞味期間を提供するように選択された酸素に対するバリアを有するカップ形状本体が提供される。例えばコーヒーの場合、期待される賞味期間は12ヶ月であり得る。
【0049】
カップ形状本体1は、好ましくは回転対称である。
【0050】
本発明の文脈では、「回転対称」という用語は、円形断面も一定の直径も必ずしも有さないが、好ましくは円錐台形状を有し、より好ましくは円形断面を有し、環状フランジ3に向かって直径が増加する三次元形状を指す。
【0051】
好ましくは、側壁5は、縦断面で見たとき、カップ形状本体1の長手方向軸線に対して傾斜している。
【0052】
カップ形状本体は、底壁4と側壁5とを接続する部分1Bを備える。この接続部分1Dは、底壁4の縁部4D及び側壁5の縁部5Bを含み、これらは互いに緊密に接続されている(緊密とは、飲料マシンによってカプセル内に生成される通常の圧力に接続部が耐えることができることを意味する)。これらの縁部4D及び5Bは、好ましくは、側壁5と底壁との間の安定した信頼性のある接続を増向上させるような方法で成形される。
【0053】
側壁5は、底壁4の対応する縁部4D(図5)の接着を改善するように、好ましくは平坦ではなくカップ形状本体1の内側に向かって傾斜した端面が設けられた、縁部5B(図3)、好ましくは円形縁部を備える。
【0054】
底壁4は、浅い凹状容積を画定するように、好ましくは、第1の傾斜壁6A及び第2の壁6Bを備える。第1の傾斜壁6Aは、好ましくは、円形断面を有し、側壁5の縁部5Bに向かって直径が増加する円錐台形状を有する。第2の壁6Bは、図2に示すように、好ましくは凸状である(キャビティ1Aから見て凸状、すなわちキャビティ1Aに向かって内側に突出している)が、平坦であってもよい。
【0055】
底壁4は、側壁5の対応する縁部5Bに接触し、当接するような形状及び寸法の縁部4D(図5)を備える。好ましくは、縁部4Dは円形縁部であり、好ましくは平坦ではなくカップ形状本体1の内側に向かって傾斜した端面を含み、その傾斜は側壁5の縁部5Bの対応する端面の傾斜と同一である。
【0056】
側壁5の縁部5Bと底壁4の縁部4Dとの取り付けを向上させるために、これらの縁部5B及び4Dの端面は、これらの縁部5Bと4Dとのフック留めを向上させるように互いに協働する他の形状を有してもよいことに留意されたい。
【0057】
好ましくは、底壁4の縁部4Dはまた、第1の突出部分4Bを備え、第1の突出部分4Bは、カップ形状本体1の内側に向かって、かつフランジ3に向かって突出し、側壁5の内面5Cの端部と縁部5Bにおいて接触するような形状及び寸法である。この第1の突出部分4Bは、底壁4と側壁5との接続を向上させる。
【0058】
この好ましい実施形態によれば、側壁5の内面5Cの縁部5Bにおける端部が、底壁4の下端部4Bを取り囲む。
【0059】
図6に開示されるように、底壁4と側壁5の間の接続を更に向上させるために、側壁5は、縁部5Bの下方に複数の貫通孔5Eを備えてもよく、底壁4の縁部4Dは、第1の突出部分4Bから離れる方向に、孔5Eを完全に埋める第2の突出部分4D’を有する。
【0060】
環状フランジ3は、好ましくは平坦な壁3Aを備える。
【0061】
図7に部分的に開示された飲料調製デバイス10は、移動可能包囲部材9と、カプセルのカバー2を支持するための支持プレート11とを備える。この支持プレート11は、カプセル内に注入された液体がカプセル内に所定の圧力を生成したときに、カバー2を破り開け、飲料がカプセルから流出することを可能にする。
【0062】
当業者にとって通常であるとおり、包囲部材9は、カプセルを飲料調製デバイス10内に導入することのできる初期位置(図示せず)から、包囲部材9及び支持プレート11がカプセルを緊密に包囲する淹出位置(図7に示す)まで移動可能である。この位置では、加圧された液体が、飲料調製デバイス10の1つ以上の尖った要素12によって形成された開口部を通してカプセル内に注入される。これらの尖った要素12は、カップ形状本体1の底壁4、及び存在する場合には酸素バリアライナー14(図2)も穿孔するように設計されている。飲料調製デバイス10の動作、並びにその様々な構成要素の技術的特徴は当業者によく知られており、したがって詳細には説明しない。
【0063】
ここで、本発明の方法のステップを図2図3図4図5及び図6に関連して説明する。
【0064】
本発明による方法の第1の実施形態では、第1のステップで側壁5が製造される。
【0065】
本発明によれば、側壁5はセルロースパルプで作られており、この側壁5は、好ましくは、乾燥又は湿潤セルロースパルプ、好ましくは湿潤セルロースパルプを従来の金型内で成形することによって得られる。このステップを図3に示す。
【0066】
後続のステップで、酸素バリアライナー14が側壁5の内面5Cに取り付けられる(図4に示すように)。例えば、酸素ライナーは、好ましくは熱成形によって、側壁5の内面5Cにラミネートされる。
【0067】
図4に示す後続のステップで、底壁4は、当業者にとって通常であるとおり、側壁5の縁部5Bと底壁4の縁部4Dとの間に前述の接続部分1Aを得るように、側壁5の上縁部5Aにオーバーモールド成形又はオーバーインジェクション成形される。
【0068】
本発明の第1の実施形態によれば、底壁4は、ポリマー、好ましくはバイオポリマー100%で作られており、また、酸素バリア機能も有する。したがって、有利なことに、底壁4には酸素バリアライナーを設けてはならず、したがって、この底壁4が飲料マシン10の穿孔部材12によって穿孔されるときにこのライナーが外れるリスクはない。図5及び図6には、底壁4の内面4Cに取り付けられた追加の酸素バリアライナー4Fが示されているが、上述したように、底壁が、酸素バリア機能を有するポリマー100%で作られている場合、この追加の酸素バリアライナーは不可欠ではないことに留意されたい。
【0069】
カップ形状本体1を製造する方法のこの第1の態様によれば、この側壁5の縁部5B上に底壁4を形成する前に側壁5に酸素バリアライナー14を取り付けることは不可欠ではないことに留意されたい。酸素ライナーはまた、底壁4の形成後に側壁5の内面に取り付けられてもよい。この内側の酸素ライナーはまた、側壁5の外面のみに、及び/又は側壁5の外面にも取り付けられてもよい。
【0070】
本発明の方法の第2の態式によれば、第1のステップで、側壁5は第1の態様に開示したとおりに製造され、これは、乾燥又は湿潤セルロースパルプ、好ましくは湿潤セルロースパルプを通常の金型内で成形することを意味する。先述の態様とは異なり、酸素バリアは、この側壁5に直接、かつ/又はこの側壁5にのみ取り付けられるのではない。
【0071】
後続のステップで、底壁4は、当業者にとって通常であるとおり、側壁5の縁部5Bと底壁4の縁部4Dとの間に前述の接続部分1Aを得るように、側壁5の上縁部5Aにオーバーモールド成形又はオーバーインジェクション成形される。
【0072】
この第2の方法態様によれば、底壁4は、0.1%~60%のセルロースパルプと、30%~100%のポリマー、好ましくはバイオポリマーとを含む。
【0073】
この第2の方法態様の更なるステップで、酸素バリアライナー14、4F(図5)が、側壁5及び底壁4の両方の内面に取り付けられる。
【0074】
好ましくは、酸素ライナーは、側壁5及び底壁4に熱成形される。この場合、底壁4に貫通孔4E(図4に概略的に示す)が設けられ、これらの孔は、酸素バリアライナー14の熱成形プロセスの間に真空を排気する目的を有する。
【0075】
この第2の方法態様によれば、酸素ライナー4Fの底壁4への取り付けを、この酸素ライナーが100%セルロースパルプで作られた底壁4に取り付けられている場合に有する取り付けと比較して、向上させるように、好ましくは、底壁4の少なくともポリマーは、酸素ライナー4Fの少なくともポリマーと同じである。このことによって、飲料マシン10の穿孔部材12によって底部ライナーが穿孔されるときに酸素バリアライナー4Fが分離するリスクが低減する。
【0076】
底壁4は、非限定的な例として、以下のポリマーのうちの1つ以上を含む。
ポリブチレンサクシネート(PBSA/bioPBS)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリストから選択される生分解性ポリマー、
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィン、
ブテンジオールビニルアルコールコポリマー(BVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)、又はこれらの組み合わせのリストから選択されるポリマー、
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィン、
ポリブチレンサクシネート(PBSA)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリストから選択される生分解性ポリマー。
【0077】
酸素バリアライナー14、4Fは、1つの層、好ましくは複数の層で作られている。
【0078】
好ましい多層バリアライナーは、バリアライナーをセルロースパルプ材料に封止するための封止層に取り囲まれた、酸素バリア特性及び/又は水分バリア特性を有するコア層を備える。
【0079】
酸素バリアライナー14は、非限定的な例として、以下の層のうちの1つ以上を備える。
ポリブチレンサクシネート(PBSA/bioPBS)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリストから選択される生分解性ポリマーを含む最も外側のポリマー層、
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィンを含む第1のタイ層、
ブテンジオールビニルアルコールコポリマー(BVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)、又はこれらの組み合わせのリストから選択されるポリマーを含むバリア層、
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィンを含む第2のタイ層、
ポリブチレンサクシネート(PBSA)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリストから選択される生分解性ポリマーを含む最も内側のポリマー層。
【0080】
好ましくは、第1の、最も外側のポリマー層は10μm~50μmである厚さを有し、また、当該層は、10%~800%である破断伸び、2.16kgの圧力で10分間150℃で測定したときに2~4であるメルトフローレート(MFR)を有し、また、当該層は、80℃未満である融点温度を有する。
【0081】
好ましくは、第1のタイ層は、180℃~230℃である融点温度及び1μm~12μmである厚さを有する。
【0082】
好ましくは、バリア層は、180℃~230℃である融点温度及び1μm~15μmである厚さを有する。
【0083】
好ましくは、第2のタイ層は、180℃~230℃の融点温度及び1μm~10μmである厚さを有する。
【0084】
好ましくは、最も内側のポリマー層は、10μm~50μmである厚さを有し、最も内側の層は、10%~1000%である破断伸び、2.16kgの圧力で10分間190℃で測定したときに4~10であるメルトフローレート(MFR)を有し、当該層は、110℃~180℃である融点温度を有する。
【0085】
カバー2は、既知の材料で作られており、好ましくはポリマーフィルム膜である。
【0086】
カバー2は、平坦あってもよく、すなわち、三次元形状に形成されていなくてもよい。
【0087】
カバー2は、好ましくは酸素バリア層を備える。
【0088】
通常のとおり、カプセルが大気圧を超えるガス内圧を有している場合、カバー2は、凸状の形態、すなわち、キャビティ1Aに対して外側に突出した形態をとり得る(図2に示すとおり)。
【0089】
カバー2は、原材料を充填した後に、カップ形状本体の開口部を閉じるために開口部の封止層に封止される。
【0090】
好ましくは、カバー2及びカップ形状本体1の両方の、酸素に対するバリアは、飲料原材料の性質に応じた十分な賞味期間が得られるように選択される。例えばコーヒーの場合、期待される賞味期間は12ヶ月であり得る。
【0091】
好ましくは、カップ形状本体1、その酸素バリアライナー14、及び/又はカプセルのカバー2は、家庭で堆肥化可能な材料で作られている。本発明によるカプセルは、通常、国の規制に従って公的リサイクル施設で編成されるリサイクルプロセスにおいて(例えば、紙のリサイクルストリームにおいて、又は一般的な生ごみのリサイクル若しくは処理ストリームにおいて)リサイクルされることが意図されている。ただし、カプセルは、カプセルが自然界、家庭で堆肥化可能な廃棄物の中、又は埋立地に置かれた場合、自然界に自然に存在する温度及び湿度の条件下で細菌によって分解されやすい材料を用いて設計される。このようにして、そのようなカプセルが自然界に留まらず、家庭コンポーザビリティ規格によって定められる条件の中で短期間(原則として数週間)の内に自然に消失することが確実になる。家庭コンポーザビリティは、現在、国レベルで十分に定義されており、主に国際規格EN13432に基づいている。したがって、それらは、本明細書において更に詳細に定義する必要はない。これらの規格に準拠する材料又は製品は、それらの家庭コンポーザビリティを示す適合マークによって認識可能である。国レベルでの家庭コンポーザビリティ可能認定のいくつかの例は、以下を含むが、これらに限定されない。認証機関TUV AUSTRIA BELGIUMは、そのような家庭コンポーザビリティ認定スキームを提供し、DIN CERTCOは、オーストラリア規格AS5810による家庭コンポーザビリティの認定を提供する。イタリアは、周囲温度での堆肥化に関する国家規格、UNI11183:2006を有する。2015年11月に、フランス規格「NF T51-800プラスチック-家庭での堆肥化に適したプラスチックの仕様」が導入された。この規格は、DIN CERTCOスキームでカバーされている。
【0092】
本明細書に記載の現時点の好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者にとって明らかになるという点を理解されたい。そのような変更及び変形は、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、実施することができる。例えば、カップ形状本体1の接続部分1Aは異なる形状を有してもよく、かつ/又は、底壁4及び側壁5の互いに接続される端部は、前述の実施形態に示されるものよりも大きい又は小さい、長さ及び/又は、厚さ、又は形状を有してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製デバイス(10)内で飲料を調製するためのカプセルであって、カップ形状本体(1)と、前記カップ形状本体(1)を閉じるためのカバー(2)と、を備え、前記カップ形状本体(1)が底壁(4)と、側壁(5)と、前記カバー(2)が封止するための環状フランジ(3)と、を備え、前記側壁(5)が、少なくとも第1の構造層(5A)で作られており、前記底壁(4)が、少なくとも第2の構造層(4A)で作られており、前記カップ形状本体(1)が、前記側壁(5)の少なくとも前記第1の構造層(5A)の内面(5C)に取り付けられた酸素バリアライナー(14)を備え、前記酸素バリアライナー(14)が、少なくともポリマー、好ましくはバイオポリマーを含み、前記底壁(4)が、前記飲料調製デバイス(10)の穿孔部材(12)によって穿孔されるのに適している、カプセルにおいて、
前記側壁(5)の前記第1の構造層(5A)がセルロースパルプで作られており、
前記底壁(4)の前記第2の構造層(4A)が、0%~60%のセルロースパルプと、40%~100%のポリマー、好ましくはバイオポリマーと、を含む、
ことを特徴とする、カプセル。
【請求項2】
前記酸素バリアライナー(14)が、少なくとも、前記側壁(5)の前記第1の構造層(5A)の前記内面(5C)と、前記底壁(4)の前記第2の構造層(4A)の内面(4C)とに取り付けられている、請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
前記底壁(4)の少なくともポリマーが、前記底壁(4)への前記酸素ライナー(14)の取り付けを向上させるように、前記酸素ライナー(14)の少なくともポリマーと同じである、請求項1に記載のカプセル。
【請求項4】
前記底壁(4)の前記第2の構造層(4A)が、ポリマー、好ましくはバイオポリマー100%で作られており、好ましくは、前記酸素バリアライナー(14)が、前記カップ形状本体(1)の前記側壁(5)の前記内面又は外面にのみ設けられており、好ましくは、前記底壁(4)を作っている前記ポリマーが、酸素バリア特性を有する、請求項3に記載のカプセル。
【請求項5】
前記カップ形状本体(1)が、前記底壁(4)と前記側壁(5)とを接続する部分(1B)を備え、前記接続部分(1D)が、前記底壁(4)の縁部(4D)及び前記側壁(5)の縁部(5B)を含み、これらの縁部(4D、5B)が、互いに緊密に接続されており、好ましくは、以下の特徴、すなわち、
前記底壁(4)の前記縁部(4D)及び前記側壁(5)の前記縁部(5B)が、前記カップ形状本体(1)の内側に向かって傾斜し、かつ互いに接触して当接する端面を備えること、
前記底壁(4)の前記縁部(4D)が、前記カップ形状本体(1)の内側に向かって、かつ前記フランジ(3)に向かって突出する第1の突出部分(4B)を備え、前記第1の突出部分(4B)が前記側壁(5)の前記内面(5C)の端部と前記側壁(5)の前記縁部(5B)において接触するような形状及び寸法であること、
前記側壁(5)が、前記側壁(5)の前記縁部(5B)において、前記底壁(4)の下端部(4B)を取り囲むこと、並びに/又は
前記側壁(5)が、前記側壁(5)の前記縁部(5B)の下方に複数の貫通孔(5E)を備え、前記底壁(4)の前記縁部(4D)が、前記孔(5E)を埋める突出部分(4D)を備えること、
のうちの1つ以上を含む、
請求項1に記載のカプセル。
【請求項6】
少なくとも前記底壁(4)が、前記酸素バリアライナー(14)を前記カップ形状本体(1)の内面に熱成形によって接続している間に真空を排気するための貫通孔(4E)を備える、請求項1に記載のカプセル。
【請求項7】
前記底壁(4)が、以下のポリマー、すなわち、
ポリブチレンサクシネート(PBSA/bioPBS)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリストから選択される生分解性ポリマー、
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィン、
ブテンジオールビニルアルコールコポリマー(BVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)、又はこれらの組み合わせのリストから選択されるポリマー、
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィン、
ポリブチレンサクシネート(PBSA)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリストから選択される生分解性ポリマー、
のうちの1つ以上を含む、
請求項1に記載のカプセル。
【請求項8】
前記カップ形状本体(1)、前記カップ形状本体(1)の前記酸素バリアライナー(14)、及び/又は前記カプセルの前記カバー(2)が、家庭で堆肥化可能な材料で作られている、請求項1に記載のカプセル。
【請求項9】
前記カプセルが、使い捨てのコーヒーカプセルである、請求項1に記載のカプセル。
【請求項10】
飲料調製デバイス(10)における、請求項1~9のいずれか一項に記載のカプセルの使用。
【請求項11】
請求項1~いずれか項に記載のカプセルを生産するための方法であって、前記カプセルが、カップ形状本体(1)と、前記カップ形状本体(1)を閉じるためのカバー(2)と、を備え、前記カップ形状本体(1)が、底壁(4)と、側壁(5)と、前記カバー(2)が封止するための環状フランジ(3)と、を備え、前記側壁(5)が、少なくとも第1の構造層(5A)で作られており、前記底壁(4)が、少なくとも第2の構造層(4A)で作られており、前記カップ形状本体(1)が、前記側壁(5)の少なくとも前記第1の構造層(5A)の内面(5C)に取り付けられた酸素バリアライナー(14)を備え、前記酸素バリアライナー(14)が、少なくともポリマー、好ましくはバイオポリマーを含み、前記底壁(4)が、飲料調製デバイス(10)の穿孔部材(12)によって穿孔されるのに適している、方法において、
前記側壁(5)の前記少なくとも第1の構造層(5A)が、セルロースパルプで作られ、前記側壁(5)が、好ましくは、乾燥又は湿潤セルロースパルプ、好ましくは湿潤セルロースパルプを通常の金型内で成形することによって作られるステップと、
前記底壁(4)の前記少なくとも第2の構造層(4A)が前記側壁(5)の上縁部(5A)にオーバーモールド成形又はオーバーインジェクション成形されるステップと、
を更に含むことを特徴とする、方法。
【請求項12】
前記底壁(4)をポリマー、好ましくはバイオポリマー、より好ましくは酸素バリア特性を有するポリマー100%で作るステップと、
好ましくは、前記カップ形状本体(1)の前記側壁(5)の前記内面又は外面にのみ前記酸素バリアライナー(14)を設けるステップと、
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記底壁(4)の前記少なくとも第2の構造層(4A)を、0.1%~60%のセルロースパルプと、30%~100%のポリマー、好ましくはバイオポリマーと、を含む材料で作ることと、
前記カップ形状本体(1)の内面全体に前記酸素バリアライナー(14)を設けることと、
によって特徴付けられる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記酸素バリアライナー(14)が、少なくとも前記カップ形状本体(1)の前記側壁(5)の前記内面(5C)に熱成形されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【国際調査報告】