(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】画像センサの調整状態を確認するための装置及び画像センサの調整状態を確認するための方法
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20241031BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20241031BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20241031BHJP
G03B 15/02 20210101ALI20241031BHJP
G03B 15/03 20210101ALI20241031BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20241031BHJP
【FI】
H04N23/60 500
H04N7/18 B
G03B15/00 T
G03B15/02 C
G03B15/02 G
G03B15/02 H
G03B15/03 W
G03B15/03 V
G02B7/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522521
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 EP2022079694
(87)【国際公開番号】W WO2023072889
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】102021128335.3
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518193696
【氏名又は名称】トライオプティクス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Trioptics GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100230514
【氏名又は名称】泉 卓也
(72)【発明者】
【氏名】ステファン クレイ
【テーマコード(参考)】
2H044
5C054
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AJ06
5C054CA04
5C054CC02
5C054HA05
5C122DA12
5C122DA13
5C122FB03
5C122FH11
5C122GA23
5C122GE05
5C122GE11
5C122GG01
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA82
5C122HA88
5C122HB01
5C122HB06
5C122HB10
(57)【要約】
本発明は、カメラモジュール(115)の画像センサ(120)の調整状態を確認するための装置(200)に関し、装置(200)は以下の特徴、
第1の光源(210)によって照明可能であり、第1の光軸(215)に沿って移動可能である第1の光学要素(220)を有する第1の光学装置(205)と、
第2の光源(240)によって照明可能であり、第2の光軸(245)に沿って移動可能な第2の光学要素(250)を有する第2の光学装置(235)であって、第1の光学装置(205)から離れて配置され、第1の光軸が第2の光軸(245)との交点(260)を有し、確認されるカメラモジュール(115)が交点(260)の領域に配置可能である、第2の光学装置(235)と、
特定の時点で検出された第1及び第2の光学要素(220、250)の位置を表す位置情報(275)を読み込み、特定の時点で画像センサ(120)によって検出された画像情報項目を表す画像信号(285)を読み込むように設計された評価装置(270)であって、カメラモジュール(115)の調整状態を決定するために、画像信号(285)及び/又は位置信号(275)を使用して、検出された各位置に画像情報項目を割り当てるように設計された評価装置(270)と、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラモジュール(115)の画像センサ(120)の調整状態を確認するための装置(200)であって、前記装置(200)は、以下の特徴、
第1の光源(210)によって照明することができ、第1の光軸(215)に沿って移動させることができる第1の光学要素(220)を有する第1の光学装置(205)と、
第2の光源(240)によって照明可能であり、第2の光軸(245)に沿って移動可能な第2の光学要素(250)を有する第2の光学装置(235)であって、前記第1の光学装置(205)から離間して配置され、前記第1の光軸(215)が前記第2の光軸(245)との交点(260)を有し、確認される前記カメラモジュール(115)が前記交点(260)の領域に配置可能である、第2の光学装置(235)と、
特定の時点で検出された前記第1及び第2の光学要素(220、250)の位置を表す位置情報(275)を読み込み、前記特定の時点で前記画像センサ(120)によって検出された画像情報項目を表す画像信号(285)を読み込むように設計された評価装置(270)であって、前記カメラモジュール(115)の前記調整状態を決定するために、前記画像信号(285)及び/又は前記位置情報(275)を使用して、検出された各位置に画像情報項目を割り当てるように設計された評価装置(270)と、を有する、装置(200)。
【請求項2】
前記光学要素(220、250)の前記位置に応じて前記画像センサ(120)を作動又は読み出すように設計され、前記画像信号(285)を提供するように設計された画像捕捉回路(400)を備える、請求項1に記載の装置(200)。
【請求項3】
前記第1の光学要素(220)及び前記第2の光学要素(250)を制御するための制御装置(280)を備え、前記制御装置(280)は、前記光学装置(205、235)の前記位置情報(275)を提供するように設計されている、請求項1又は2に記載の装置(200)。
【請求項4】
前記装置(200)は、前記光学要素(220、250)の前記中間像が同一の対象平面(410、415)内に位置するように、前記特定の時点において前記第1の光学要素(220)及び前記第2の光学要素(250)を配置するように設計される、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(200)。
【請求項5】
第3の光源(305)によって照明可能であり、第3の光軸(310)に沿って移動可能な第3の光学要素(315)を有する第3の光学装置(300)を備え、前記第3の光学装置(300)は、前記第1及び第2の光学装置(205、235)から離れて配置され、前記第3の光軸(310)は、前記第1及び第2の光軸(245)との交点(260)を有し、確認される前記カメラモジュール(115)は、前記交点(260)の領域に配置可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(200)。
【請求項6】
カメラモジュール(115)の画像センサ(120)の調整状態を確認するための方法(600)であって、前記方法(600)は、以下のステップ(605、610、615)、
第1の光源(210)によって照明され得る第1の光学要素(220)を、第1の光学装置(205)の第1の光軸(215)に沿って移動させる(605)ステップであって、前記第1の光軸(215)は、確認される前記カメラモジュール(115)の光軸(225)に実質的に対応する、ステップと、第2の光源(240)によって照明され得る第2の光学要素(250)を、第2の光学装置(235)の第2の光軸(245)に沿って移動させるステップであって、前記第2の光学装置(235)は、前記第1の光学装置(205)からある距離に配置され、前記第1の光軸(215)は、前記カメラモジュール(115)内で前記第2の光軸(245)との交点(260)を有する、ステップと、
特定の時点で検出された前記第1の光学要素(220)及び前記第2の光学要素(250)の位置を表す位置情報項目(275)を読み込み(610)、前記特定の時点で前記画像センサ(120)によって検出された画像情報項目を表す画像信号(285)を読み込むステップと、
前記カメラモジュール(115)の前記調整状態を決定するために、前記画像信号(285)及び/又は前記位置情報(275)を使用して、前記画像情報に前記位置を割り当てるステップ(615)と、を含む、方法(600)。
【請求項7】
前記第1及び/又は第2の光学要素(220、250)の位置を検出する前記時点を決定するために、位置トリガ信号(405)を出力するステップ(700)を含み、前記位置情報(275)は、前記位置トリガ信号(405)に応答して提供される、請求項6に記載の方法(600)。
【請求項8】
前記画像情報を検出する前記時点を決定するために、画像トリガ信号(500)を出力するステップ(805)を含み、前記画像信号(285)は、前記画像トリガ信号(500)に応答して提供される、請求項6又は7に記載の方法(600)。
【請求項9】
前記画像情報及び/又は前記第1及び第2の光学要素(220、250)の前記位置を記憶するステップ(705)を含み、前記記憶するステップ(705)は、前記読み込むステップ(610)の前に実行される、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法(600)。
【請求項10】
前記第1の光学要素(220)が第1の速度で移動され、前記第2の光学要素(250)が前記第1の速度とは異なる第2の速度で移動される、請求項6~9のいずれか一項に記載の方法(600)。
【請求項11】
前記第1及び第2の速度は、任意の時点において0m/sより大きい値を有し、及び/又は、前記第1及び第2の速度の前記時間プロファイルは、非線形関数によって数学的に記述することができる、請求項10に記載の方法(600)。
【請求項12】
移動信号(420)を提供するステップ(800)を含み、前記移動信号(420)は、前記光学要素(220、250)によって接近される位置の仕様を表し、特に、前記仕様は、位置テーブル(430)として記憶される、請求項6~11のいずれか一項に記載の方法(600)。
【請求項13】
請求項6~12のいずれか一項に記載の方法(600)のステップ(605、610、615)を実行及び/又は作動させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータプログラムが記憶された機械可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像センサの調整状態を確認するための装置、及び画像センサの調整状態を確認するための方法に関する。
【0002】
従来技術から、カメラモジュールのアクティブアライメントのための様々なアプローチが知られている。この場合、アクティブアライメントは、製造プロセスの範囲内で実施される。製造プロセスの完了後、カメラシステムのアライメントの品質を確認する必要がある。アライメントは、例えば、光学系とセンサとを互いに固定する接着剤の不均一な硬化などの製造ステップによって、また、機械的影響又は温度効果によっても悪影響を受ける可能性がある。多くの場合、完成したカメラモジュールは、単純な試験画像構造を使用して確認され、それらが定義された鮮鋭度基準を満たすかどうかが決定される。
【発明の概要】
【0003】
発明の開示
この背景に対して、本アプローチは、主請求項に記載の、画像センサの調整状態を確認するための装置、及び画像センサの調整状態を確認するための方法を提示する。有利な実施形態は、それぞれの従属請求項及び以下の説明からもたらされる。
【0004】
ここで提示される装置及び提示される方法によって、関連する光学系に対するカメラの画像センサの調整状態の確認を有利に改善することができる。この場合、鮮鋭度の低下につながる可能性のある機械的傾斜又はセンサのミスアライメントの程度を定量的に決定することができる。
【0005】
カメラモジュールの画像センサの調整状態を確認するための装置が提示され、この装置は、以下の特徴、
第1の光源によって照明可能であり、第1の光軸に沿って移動可能である第1の光学要素を有する第1の光学装置と、
第2の光源によって照明可能であり、かつ第2の光軸に沿って移動可能な第2の光学要素を有する第2の光学装置であって、第1の光学装置から距離を置いて(例えば半径方向に)配置され、第1の光軸が第2の光軸との交点を有し、確認されるカメラモジュールが交点の領域に配置可能である、第2の光学装置と、
特定の時点で検出された第1及び第2の光学要素の位置を表す位置情報を読み込み、特定の時点で画像センサによって検出された画像情報項目を表す画像信号を読み込むように設計された評価装置であって、カメラモジュールのアライメント状態を決定するために、画像信号を使用して各検出位置に画像情報項目を割り当て、位置情報に付加的又は代替的に画像情報項目を割り当てるように設計された評価装置と、を有する。
【0006】
例えば、ここで提示される装置は、例えばカメラの製造プロセスの終わりに、関連する光学系に関してカメラの画像センサを確認するために使用することができる。組立後のカメラアライメントの確認中の重要な測定パラメータは、光学系の像平面とセンサ平面との間の傾斜度であり得、これは、像視野における鮮鋭度又はコントラスト分布に影響を及ぼす。この場合、例えば光学系及びセンサから構成され得る確認されるカメラモジュールは、光学装置によって、例えばコリメート光で照明され得る。照明は、試験対象の光軸に平行な軸方向位置と、1つ以上の軸外位置との両方で行うことができる。完全に組み立てられたカメラシステムにおける機械的センサの傾斜又は焦点ずれの程度に関する定量的な記述を有利に得るために、本明細書で提示される装置は、コリメータとも呼ばれ得る合焦可能な光学装置を使用することができる。純粋に軸方向の焦点合わせには、1つの光学装置で既に十分である。一方向における像平面の傾斜を決定したい場合には、軸外光学装置が更に必要である。少なくとも1つの更なる軸外光学装置が必要とされ、この軸外光学装置は、確認されるべき光学系の像平面の傾斜を2つの方向で決定するために、軸方向光学装置及び第1の軸外光学装置との線に沿って配置されなくてもよい。測定位置の数を増加させ、像平面の曲率に関する追加の記述を行うために、更に、軸外光学装置を追加することができる。試験対象の像平面の空間位置の決定は、本発明の有利な応用を表す。読みやすさを改善するために、この説明の更なる過程において、第1及び第2の光学装置を参照する。光学要素を光学装置内で変位又は移動させることによって、試験対象を異なる見かけの対象距離で撮像することができる。この目的のために、光学要素は、例えば、対象の光学装置の光軸に沿って移動させることができるレチクルプレート(レチクル)として設計することができ、その結果、合焦動作を実行することが可能になる。
【0007】
この場合、確認すべき光学装置内の光学要素の移動ΔzOEとカメラシステムΔzKの像平面内の測定点のz位置の間の以下の関係を近似的考慮に入れることができる。
【0008】
ΔzK=fK
2/fOE
2xΔzOE
ここで、fkは確認されるカメラシステムの光学系の焦点距離であり、fOEは光学要素の焦点距離である。
【0009】
ここで、光学装置内のレチクルプレートの位置によって定義することができるz位置と、例えば投影された個々の像の変調伝達関数(MTF値)としての、例えば像コントラストのそれぞれの値との間に一意の関係を有することが重要である。この関係は、有利なことに、本明細書で提示される装置によって迅速かつ高精度に保証することができる。この場合、装置は、試験対象から取得された画像情報、すなわち、例えば、対象のエッジにおける詳細コントラストと同じ対象の画像表現の詳細コントラストとの間の、MTF値によって記述され得る比較が処理され得るように設計される。この目的のために、装置は、カメラモジュールの調整状態を決定するために、画像情報の項目、例えば、MTF値を、画像信号を使用して、光学要素の位置情報の各検出項目に割り当て、位置信号に付加的又は代替的に割り当てるように設計された評価装置を備える。その結果、記録された画像情報と光学装置内の光学要素の位置との同期を有利に達成することができる。
【0010】
一実施形態によれば、装置は、光学要素の位置に応じて画像センサを制御又は読み出すように設計することができ、画像信号を提供するように設計することができる画像捕捉回路を備えることができる。例えば、フレームグラバとも呼ばれる画像捕捉回路は、アナログ画像信号をデジタル化するための、又はデジタル画像データを読み出すための電子回路であってもよい。この場合、画像捕捉回路は、付加的又は代替的に、カメラモジュールを多種多様なシステムに接続するように設計され得る。したがって、装置は、例えば、画像センサによって捕捉された画像情報が画像捕捉回路を使用して処理され得るように設計され得る。この場合、画像捕捉回路は、例えば、インターフェースを介して画像信号を評価装置に提供するように設計することができる。付加的又は代替的に、画像捕捉回路は、例えば、信号伝送のために、光学装置を制御するための制御装置に接続され得るか、又は接続可能であり得る。換言すれば、画像捕捉回路(フレームグラバ)は、センサによって検出された画像情報の電子的な更なる処理又は転送に役立つ。
【0011】
更なる実施形態によると、本装置は、第1の光学要素及び第2の光学要素を制御するための制御装置を備えることができる。この場合、制御装置は、位置情報を提供するように設計することができる。例えば、全ての光学装置、より正確にはそれらのモータコントローラ又はそれらの移動駆動部は、制御ユニットに並列に電子的に接続され得る。各光学装置は、順に、それぞれの光学要素の正確な位置を決定することができる位置エンコーダを有することができる。有利には、制御装置による個々の光学要素の移動は、他の光学要素に最適に適合させることができる。更に、制御装置は、位置情報を使用してそれぞれの位置を提供するように設計することができる。これにより、位置情報と画像情報との同期を有利に最適化することができる。
【0012】
更なる実施形態によれば、装置は、光学要素の中間像が同一平面(中間像平面)に位置するように、第1及び第2の光学要素を特定の時点に配置するように設計することができる。これらの中間像は、確認されるべき光学系の像平面に撮像される。例えば、第1の光学装置の第1の光学要素は、第1の開始位置から第1の終了位置まで移動可能であり得る。これに対応して、第2の光学装置の第2の光学要素は、第2の開始位置から第2の終了位置まで移動可能であり得る。この場合、光学要素の中間像は、第1の共通の見かけの対象平面から第2の共通の見かけの対象平面に移動する。第1の見かけの対象平面は、第1及び第2の開始位置と相関し、第2の見かけの対象平面は、第1及び第2の終了位置と相関する。この場合、可変数の所定の更なる対象平面が第1の対象平面と第2の対象平面との間で横断されることが可能であり得る。もちろん、この関係は、光学要素の軌道に沿った全ての考えられる平面にも当てはまる。この場合、第1の光学要素及び第2の光学要素の速度プロファイルは、全ての光学要素の中間像が常に同時に予め定められた対象平面内に配置され得るように互いに一致させることができる。したがって、有利には、それに沿って光学要素を変位又は移動させることができる軌道を指定することができる。
【0013】
更なる実施形態によれば、装置は、第3の光源によって照明され、第3の光軸に沿って移動され得る第3の光学要素を有する第3の光学装置を備えることができる。この場合、第3の光学装置は、第1及び第2の光学装置から距離を置いて(例えば半径方向に)配置することができ、第3の光軸は、第1及び第2の光軸との交点を有することができ、カメラモジュールを交点の領域に配置することができることを確認することが可能である。例えば、光学要素の照明は、試験対象の光軸に平行な第1の光学装置の軸方向位置と、複数の軸外位置との両方で行うことができる。理想的には、3つの光学要素は1つの平面内に配置されず、その結果、カメラモジュール内に投影される像点は像平面に広がり、その角度位置を決定することができる。この場合、3つのフィールド位置の各々における固定空間周波数に対するコントラスト(MTF)値は、光学要素の各z位置において決定することができる。測定の結果は、z位置の関数としての画像コントラストの表現である集束曲線であり得る。センサ平面に対する像平面の傾斜の程度は、z方向に沿った3つの曲線の最大値の位置から有利に結論付けることができ、焦点ずれも最適に決定することができる。まだ恒久的に設置されていないカメラシステムの場合、光学系とセンサとの間のアクティブアライメントを使用して、最良焦点位置を決定することができる。
【0014】
1つの平面内に光軸を有さない3つの光学要素の使用は、カメラモジュールの像平面の傾斜を決定するために特に有利である。更なる光学要素を使用して、決定を指定し、試験対象の像面湾曲に関するステートメントを得ることができる。
【0015】
加えて、カメラモジュールの画像センサの調整状態を(例えば、本明細書に提示される装置の変形形態を使用して)確認するための方法が提示され、方法は、以下のステップ、
確認されるカメラモジュールの光軸に実質的に対応する第1の光学装置の第1の光軸に沿って、第1の光源によって照明され得る第1の光学要素を移動させるステップと、第1の光学装置から距離を置いて(例えば半径方向に)配置され、第2の光学装置の第2の光軸に沿って、第2の光源によって照明され得る第2の光学要素を移動させるステップであって、第1の光軸は、カメラモジュールの入射瞳内に第2の光軸との交点を有する、ステップと、
特定の時点で検出された第1の光学要素、第2の光学要素、第3の光学要素及び/又は各更なる光学要素の位置を表す位置情報項目を読み込み、特定の時点で画像センサによって検出された画像情報項目を表す画像信号を読み込むステップと、
カメラモジュールのアライメント状態を決定するために、画像信号及び付加的又は代替的に位置情報を使用して、位置を画像情報と関連付けるステップと、を含む。
【0016】
例えば、本方法は、関連する光学系に対するカメラの画像センサの調整状態を確認するために、上述の装置の変形形態を使用して実行することができる。そのような確認は、例えば、カメラの製造プロセスの終わりに有用であり得る。製造プロセスの完了後、カメラシステムのアライメントの品質を確認する必要がある。アライメントは、例えば、光学系とセンサとを互いに固定する接着剤の不均一な硬化などの製造ステップによって、また、機械的影響又は温度効果によっても悪影響を受ける可能性がある。完全に組み立てられたカメラシステムの場合、画像センサのセンサ傾斜又は焦点ずれの程度に関する定量的な記述を得るために、本明細書で提示される方法を有利に実行することができる。ここで説明する方法の目的は、一般に、光学要素の各位置を対応する画像信号に非常に正確に、すなわち可能な限り小さい時間オフセット(待ち時間)及び時間的不正確さで直接割り当てることができること、又は画像情報及び光学要素の関連する位置を準同時に検出することができることである。これは、可能な限り高い精度(μm範囲)で最も高い画像コントラストの位置を決定できるようにするために必要である。
【0017】
一実施形態によれば、本方法は、第1の光学要素及び付加的又は代替的に第2の光学要素の位置を検出する時点を決定するために、位置トリガ信号を出力するステップを有することができ、位置トリガ信号に応答して位置情報を提供することが可能である。例えば、光学装置の照明された光学要素は、開始位置から終了位置に向かって連続的に移動させることができる。同時に、経時的に互いに続く光学要素の画像は、画像センサを用いて試験対象によって記録することができる。フレームとも称され得る個々の画像情報は、例えば、画像捕捉回路又はフレームグラバによって処理され得る。この画像捕捉回路は、例えば、画像が完全に記録されるとすぐに位置トリガ信号を出力することができる。代替的に、位置トリガ信号は、画像記録の開始時に出力され得る。位置トリガ信号と同時に、画像情報を表す画像信号を、例えば評価装置に供給することができる。位置トリガ信号は、例えば、光学要素を制御するための制御装置に出力することができる。この時点で存在する光学要素の位置は、位置トリガ信号に応答して、位置情報を使用して評価装置に提供することができる。したがって、画像情報は、光学要素の位置の関数として有利に評価することができる。換言すれば、フレームグラバと制御装置との間の直接的な同期によって、測定プロセスは、一方では連続的な焦点合わせ動作が高速で移動されることができ、他方では、画像位置とエンコーダ位置との間の間接的なリンクがタイムスタンプを介して行われず、これは必然的に時間的に線形の移動プロセスを必要とするという点で改善されることができる。画像記録の位置制御されたトリガはまた、非線形(加速された)移動プロファイルを可能にする。
【0018】
更なる実施形態によれば、本方法は、画像情報を検出する時点を決定するために画像トリガ信号を出力するステップを有することができ、画像信号が画像トリガ信号に応答して提供されることが可能である。例えば、光学要素を開始位置から終了位置まで連続的に移動させることができる。対応する光学装置の光学要素又はエンコーダが所定の位置に到達するとすぐに、画像トリガ信号を出力することができる。画像トリガ信号は、例えば、0mm、0.1mm、0.2mm、0.5mm、1.0mm、2.0mm及び5.0mmの位置など、等距離でない位置マークに到達したときに出力することができる。例えば、画像トリガ信号は、各場合において、これらの又は他の所定の位置で画像捕捉回路に出力され得る。同時に、位置信号を評価装置に供給することができる。画像トリガ信号に応答して、画像捕捉回路は、画像記録プロセスの開始を制御することができる。次に、それぞれの画像情報を読み出し、画像信号を用いて評価装置に提供することができる。画像情報の各項目は、評価装置によって光学要素の所定の位置に割り当てることができる。代替的に、例えば、画像情報を一時的に記憶し、合焦動作の終了時に送信し、位置に割り当てることができる。光学要素エンコーダ位置の関数としての画像情報の評価も、有利には、このステップによって実行することができる。
【0019】
更なる実施形態によると、本方法は、画像情報、ならびに付加的又は代替的に、第1及び第2の光学要素の位置を記憶するステップを含むことができる。第1の変形例では、第1及び第2の光学要素のそれぞれの位置は、位置トリガ信号に応答して所定の時点で検出された後に記憶される。この変形例では、位置トリガ信号が出力されるのとほぼ同時に画像情報も記憶される。第2の変形例では、画像情報は、画像トリガ信号に応答して所定の時点で検出された後に記憶される。この変形例では、画像トリガ信号が出力されるのとほぼ同時に、第1及び第2の光学要素のそれぞれの位置も記憶される。
【0020】
更なる実施形態によれば、第1の光学要素は、第1の速度で移動されることができ、第2の及び/又は各更なる光学要素は、第1の速度と異なる第2の速度で移動されることができる。例えば、光学要素を制御するための制御装置は、全ての光学装置の光学要素の中間像が有利には同時に同じ対象平面内に位置するように設計することができる。この場合、第1の光学装置の第1の光軸は、確認されるカメラモジュールの光軸に実質的に対応し、第2の及び/又は更なる光学装置(複数可)は、第1の光学装置から半径方向に距離を置いて配置される。結果として、これは、例えば、第2の光学装置の第2の光学要素が第1の光学要素とは異なる速度で移動されるべきであることを意味する。この場合、例えば、マスター光学装置として知られるもの、例えばカメラモジュールの光軸に対応する光学装置の移動速度は、残りの光学装置の速度が制御技術の観点からそれに応じて調整され得るガイド値として定義され得る。この場合、各個々の光学装置は、例えば、位置及び速度制御のための閉ループ制御として知られるものにおいて使用することができる、それ自体の位置エンコーダを備えることができる。この場合、個々の光学装置の信号を電子的に並列に制御装置に伝送することができる。光学要素の位置と見かけの対象平面(中間像平面)との間の関係は非線形であるので、像空間内の均一な測定点分布を達成するために、対応する速度プロファイルを移動させることが更に有利である。
【0021】
更なる実施形態によれば、第1及び第2の速度は、常に0m/sより大きい値を有することができる。付加的又は代替的に、第1及び第2の速度及び/又は更なる速度の時間プロファイルは、非線形関数によって数学的に記述することができる。この場合、有利なことに、連続的な合焦動作を高速で移動させることができ、画像情報と光学要素の位置との間のタイムスタンプを介した間接的な関連付けを省略することが可能であり、これは、時間的に線形の移動プロセスを必然的に必要とする。
【0022】
更なる実施形態によると、本方法は、移動信号を提供するステップを有することができ、移動信号は、光学要素によって接近されるべき位置の仕様を表すことが可能であり、特に、仕様は、位置テーブルとして記憶されることが可能である。例えば、光学要素z位置の1つ以上のセットを制御ユニットに記憶することができる。個々のz位置は、光学要素の像がカメラモジュールに対して投影されるように見える異なる対象平面に対応することができる。これらの見かけの対象平面は、中間像平面とも呼ばれる。この場合、第1の光学要素及び第2の光学要素の速度プロファイルは、有利には、光学要素の全ての像が常に所定の対象平面内に同時に位置するように互いに一致させることができる。この場合、例えば、位置テーブルの形態で位置のセットの転送を行うことができ、位置は更に等距離であってもよく、又は等距離でなくてもよい。したがって、有利には、光学装置の光学要素がそれに沿って移動する軌道を指定することができる。
【0023】
この方法は、例えばソフトウェア又はハードウェアで、又はソフトウェアとハードウェアとの混合形態で、例えば制御装置で実施することができる。
【0024】
半導体メモリ、ハードディスクメモリ、又は光メモリなどの機械可読キャリア又は記憶媒体上に記憶することができ、特にプログラム製品又はプログラムがコンピュータ又は装置上で実行される場合に、上述の実施形態のうちの1つによる方法のステップを実行、実装、及び/又は制御するために使用される、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品又はコンピュータプログラムも有利である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
ここで提示されるアプローチの実施形態は、図面に示され、以下の説明においてより詳細に説明される。図面は以下のとおりである。
【
図1】光学ユニットの像平面とセンサ平面との間の傾斜の測定の実施形態の概略図である。
【
図3B】側面図における、装置の実施形態の概略断面図である。
【
図6】カメラモジュールの画像センサの調整状態を確認する方法の実施形態のフローチャートである。
【
図7】カメラモジュールの画像センサの調整状態を確認する方法の実施形態のフローチャートである。
【
図8】カメラモジュールの画像センサの調整状態を確認するための方法の実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の有利な実施形態の以下の説明では、様々な図に示され、同じように機能する要素には、同一又は類似の参照符号が使用され、これらの要素の繰り返しの説明は省略される。
【0027】
図1は、光学ユニット105の像平面100とセンサ平面110との間の傾斜の測定の実施形態の概略図である。カメラアライメントの確認中の重要な測定パラメータは、光学系又は光学ユニット105の像平面100とセンサ平面110との間の傾斜度である。ここに示される測定の場合、光学ユニット105及び画像センサ120からなる確認されるカメラモジュール115は、コリメートされた光で照明され得る。試験対象のセンサ又は光学系は、互いに対して移動させることができ、例えば、3つの視野位置のそれぞれにおいて、各z位置125において、固定された空間周波数に対するMTF値130を決定することが可能である。測定の結果、z位置の関数としてコントラスト値を有する合焦曲線135が、画像の左下側に示されている。z方向に沿った3つの曲線の最大値の位置から、センサ平面110に対する像平面100の傾斜の程度を結論付けることができ、焦点ずれも決定することができる。図は、これを2次元で示す。この評価は、同様に3次元でも行うことができる。まだ恒久的に設置されていないカメラシステムの場合、最良の焦点位置は、光学系とセンサとの間のアクティブアライメントを用いて決定することができる。製造プロセスの完了後、カメラシステムのアライメントの品質を確認する必要がある。アライメントは、例えば、光学系とセンサとを互いに固定する接着剤の不均一な硬化などの製造ステップによって、また、機械的影響又は温度効果によっても悪影響を受ける可能性がある。多くの場合、完成したカメラモジュールは、単純な試験画像構造を使用して確認され、それらが定義された鮮鋭度基準を満たすかどうかが決定される。しかしながら、この方法は、観測された鮮鋭度の低下をもたらした機械的傾斜又はセンサミスアライメントの程度の定量的な指標を提供しない。これにより、製造プロセスの系統的な最適化がより困難になる。
【0028】
図2は、装置200の実施形態の概略図を示す。装置200は、カメラモジュール115の画像センサ120の調整状態を確認するように設計されている。この目的のために、装置200は、第1の光源210によって照明することができ、第1の光軸215に沿って移動させることができる第1の光学要素220を有する第1の光学装置205を備える。この場合、ここで示される第1の光軸215は、画像において第1の光学装置205の下に配置されたカメラモジュール115の光軸225に対応する。装置200は、第2の光源240によって照明され得、第2の光軸245に沿って移動され得る第2の光学要素250を有する第2の光学装置235を更に備える。この場合、第2の光学装置235は、例えば、第1の光学装置205から離れて半径方向に(ここでは具体的には第1の光軸225に対してある角度だけ回転して)配置され、第1の光軸215は、第2の光軸245との交点260を有し、確認されるカメラモジュール115は、交点260の領域に配置される。実際の実施形態では、別の光学装置を対応して追加することもできる。
【0029】
更に、装置200は、位置信号275を読み込むように設計された評価装置270を有する。位置信号275は、特定の時点で検出された第1及び第2の光学要素220、250の位置を表し、この実施形態では、光学要素220、250を制御するための制御装置280によって評価装置270に提供することができる。評価装置270は更に、特定の時点において画像センサ120によって検出された画像情報の項目を表す画像信号285を読み込むように設計される。この場合、この実施形態では、評価装置270は、カメラモジュールの調整状態を決定するために、画像信号285及び位置信号275を使用して各検出された位置に画像情報の項目を割り当てるように設計される。別の実施形態では、位置信号又は画像信号のみを使用することも可能である。
【0030】
図3Aは、装置200の実施形態の概略上面図を示す。これは、軸方向光学装置205と、軸方向光学装置205から半径方向に異なる角度で離間された複数の軸外光学装置235、300とを含む。ここに示される装置200は、先の
図2に記載された装置に対応するか又は類似しているが、ここに示される装置200が、第1の光学装置205及び第2の光学装置235に加えて第3の光学装置300を有する点が異なる。第3の光学装置300は、第1の光学装置205及び第2の光学装置235と合同に、第3の光源305によって照明可能でありかつ第3の光軸310に沿って移動可能な第3の光学要素315を有している。この場合、第3の光学装置300は、第1及び第2の光学装置205、235から半径方向に距離を置いて配置され、第3の光軸310は、第1及び第2の光軸215、245との交点260を有し、確認されるカメラモジュール115は、交点260の領域に配置することができる。同じ意味で、確認されるカメラモジュールの入口開口部の周りに空間的に放射状に更なる光学装置を配置することもできる。この状況は
図3Aの平面図に示されている。
【0031】
図3Bは、第1の光学装置205の実施形態の概略図である。ここで示される第1の光学装置205は、先の
図2及び
図3Aで説明された第1の光学装置に対応するか又は類似しており、第1の光源210が配置されるハウジング330を有する。第1の光源210は、投影レンズ340によってコリメートされ得る光ビーム335を出力するように設計されている。この実施形態では、第1の光軸215に沿って移動することができる第1の光学要素220は、第1の光源210と投影レンズ340との間に配置され、第1の光軸215は、確認されるカメラモジュール115の光軸225に対応する。この場合、第1の光学要素220は、単に例として、モータドライブ及び位置エンコーダ345によって制御することができる。第1の光学要素220の位置に応じて、光ビーム335は、カメラモジュール115の画像センサ120(したがって照明される)について異なる見かけの対象距離を設定することができ、例として、これらの対象距離について異なるコントラスト(MTF)値を評価することができるように、修正することができる。換言すれば、光学系340は、光学要素220の仮想中間像を生成し、この仮想中間像は、順に、試験されるシステム115の光学系によってそのセンサ120上に対象として撮像される。
【0032】
図4は、装置200の実施形態の概略図を示す。ここで示される装置200は、先の
図2及び
図3で説明された装置に対応するか又は類似しており、この実施形態における装置200が画像捕捉回路400を備えるという違いがある。フレームグラバとも呼ばれ得る画像捕捉回路400は、この実施形態では、光学要素220、250、315の位置に応じて画像センサ120を読み出し、画像信号285を評価装置270に提供するように設計される。単に例として、画像捕捉回路400は、位置トリガ信号405を制御装置280に出力するように更に設計される。この場合、制御装置280は、この実施形態では、位置トリガ信号405に応答して光学要素220、250、315の位置を検出するための時点を決定し、光学要素位置メモリと呼ぶこともできるメモリユニット407によってそれぞれの位置を記憶するように設計される。次いで、位置信号275を使用して、光学要素220、250、315の位置を提供することができる。
【0033】
言い換えれば、装置200は、この実施形態では、画像捕捉回路400を使用して、試験対象によって捕捉された画像情報を処理するように設計され、画像捕捉回路400は、単に例として、信号伝送のために制御装置280に接続される。この場合、この実施形態では、全ての光学装置205、235、300、より正確にはそれらのモータ制御装置は、制御装置280に並列に電子的に接続される。この実施形態では、制御装置280は、単に例として、画像記録の開始又は終了であり得る位置トリガ信号405によって決定される特定の時点における光学要素220、250、315の位置を記憶するように設計される。この場合、光学要素220、250、315は、開始位置410から終了位置415まで連続的に移動される。対応する中間像の位置も、光学要素の各位置と相関する。この場合、光学要素は、全ての中間像が共通の見かけの対象平面内に位置するように、それぞれの光軸に沿って配置される。したがって、中間画像も開始位置410から終了位置415に移動する。ここに示される画像を明確にするために、光学要素220、250、315の中間像の開始位置に対応する第1の対象平面410、及び光学要素220、250、315の中間像の終了位置に対応する第2の対象平面415のみが撮像される。他の実施形態では、光学要素の中間像は、可変の複数の対象平面に沿って移動可能であり得る。この目的のために、この実施形態では、光学要素の位置の複数のセットが制御装置に記憶される。個々の位置は、レチクルと呼ぶこともできる光学要素220、250、315の中間像を配置することができる異なる対象平面410、415に対応する。光学装置205、235、300の互いに対する半径方向の間隔により、第2の光学要素250の開始位置と終了位置との間の距離l2は、第1の光学要素220の開始位置と終了位置との間の距離l1よりも大きい。これらを補償するために、第1の光学装置205、第2の光学装置235、及び第3の光学装置300、ならびに更なる光学装置の速度プロファイルは、全ての光学要素220、250、315の全ての中間像が常に同時に事前に定義された対象平面410、415内に配置され得るように、互いに適合され得る。したがって、光学装置205、235、300の制御は、全ての光学装置205、235、300の光学要素の中間像が同じ対象平面410、415内に同時に位置するように設計され、その結果、軸外光学装置235、300の光学要素は、軸方向光学装置205の光学要素とは異なる速度で移動する。この場合、単に例として、第1の光学装置205のうちの1つの移動速度は、残りの光学装置235、300の速度が制御技術に関して対応して適合されるガイド値として定義される。この場合、光学装置205、235、300の各々は、例として、それ自体の位置エンコーダを備え、位置及び速度制御のための閉(閉ループ)制御において使用することができる。この場合、個々の光学装置205、235、300の信号、すなわち、軸方向光学装置205の信号及び異なる軸外光学装置235、300の信号は、並列に制御装置280に電子的に送信することができる。光学要素位置と見かけの対象平面との間の関係は非線形であるので、対象空間内の均一な測定点分布を達成するために、対応する速度プロファイルを移動させることができる。したがって、単に例として、制御装置280は、第1の移動信号420、第2の移動信号422、及び第3の移動信号425を光学装置205、235、300に提供するように設計され、移動信号420、422、425は、光学要素220、250、315が接近することができる位置の仕様を表す。この目的のために、単に例として、光学要素220、250、315によって接近され得る位置についての仕様が、位置テーブル430として制御装置280に記憶される。
【0034】
図5は、装置200の実施形態の概略図を示す。ここで示される装置200は、先の
図2、
図3及び
図4、
図5で説明された装置に対応するか又は類似しているが、この実施形態では、制御装置280が画像トリガ信号500を出力するように設計されている点が異なる。単なる例として、画像トリガ信号500は、画像情報を検出する時点を決定するために、画像捕捉回路400に提供され得る。したがって、この実施形態では、光学要素220、250、315が所定の位置に到達するとすぐに、画像トリガ信号500をトリガすることができる。この場合、接近すべき所定の位置は、位置テーブル430に記憶され得る。画像捕捉回路400は、この実施形態では、画像トリガ信号500に応答して画像センサ120を作動させ、画像記録プロセスを開始するように設計されている。画像情報を捕捉した後、画像信号285を提供することができる。この場合、この実施形態では、単に例として、画像出力装置505が評価装置270の上流にあるので、画像信号285は間接的にのみ評価装置270に提供され得る。同様に、この実施形態において、位置信号275は、位置出力装置510を使用して、制御装置280によって間接的にのみ評価装置270に提供することができる。
【0035】
図6は、カメラモジュールの画像センサの調整状態を確認するための方法600の実施形態のフローチャートである。ここに示された方法600は、先の
図2、
図3、
図4及び
図5に記載された装置を使用して実行することができる。方法600は、第1の光源によって照明することができる第1の光学要素を第1の光学装置の第1の光軸に沿って移動させるステップ605を含む。この場合、第1の光軸は、確認されるカメラモジュールの光軸と実質的に一致する。移動のステップ605において、第2の光源によって照明され得る第2の光学要素もまた、第2の光学装置の第2の光軸に沿って移動される。この場合、第2の光学装置は、第1の光学装置から半径方向に距離を置いて配置され、第1の光軸は、カメラモジュール内で第2の光軸との交点を有する。この場合、単に例として、第1の光学要素は第1の速度でのみ移動され、第2の光学要素は、第1の速度とは異なる第2の速度で移動される。この場合、この実施形態では、第1及び第2の速度の両方は、任意の時点で0m/sより大きい値を有し、単に例として、第1及び第2の速度の時間プロファイルは、非線形関数によって数学的に記述することができる。更なる光学装置をこの図に追加することができる。
【0036】
更に、方法600は、読み込みステップ610を含む。このステップ610では、特定の時点で検出された第1及び第2の光学要素の位置を表す位置情報項目が読み込まれる。加えて、読み込みステップ610では、特定の時点で画像センサによって検出された画像情報の項目を表す画像信号が読み込まれる。読み込みステップ610の後に、カメラモジュールの調整状態を決定するために、画像信号及び位置情報を使用して画像情報に位置を割り当てるステップ615が続く。
【0037】
ここで説明する方法600の目的は、各位置に対応する画像信号が高精度で、すなわち可能な限り小さい時間オフセット(待ち時間)及び時間的不正確さで直接割り当てられること、又は画像情報及び光学装置の関連する位置が準同時に検出されることである。これは、可能な限り高い精度(μm範囲)で最も高い画像コントラストの位置を決定するために必要である。フレームグラバと光学装置コントローラとの間の直接同期の方法600によって、一方では、高速で連続的な焦点合わせ動作を移動することが可能であり、他方では、時間的に線形の移動プロセスを必然的に必要とする、タイムスタンプを介した画像とエンコーダ位置との間の間接的なリンクがない。
【0038】
図7は、カメラモジュールの画像センサの調整状態を確認するための方法600の実施形態のフローチャートである。本明細書に示される方法600は、前の
図6で説明された方法に対応するか、又は同様であるが、追加の工程を有する点が異なる。したがって、この実施形態では、位置トリガ信号を出力するステップ700は、移動するステップ605に続く。位置トリガ信号は、単に一例として、第1及び第2の光学要素(及び例えば)更なる光学要素の位置を検出するための時点を決定するために出力される。更に、この実施形態では、方法600は、画像情報と、第1及び第2の光学要素ならびに全ての更なる光学要素の位置とを記憶するステップ705を含む。その後に初めて、この実施形態では位置トリガ信号に応答して提供された位置情報が画像信号と共に読み込まれ、各画像情報項目にそれぞれの位置が割り当てられる。言い換えれば、方法600のこの実施形態では、合焦可能なコリメータ内の光学要素は、開始位置から終了位置まで連続的に、すなわち段階的ではなく移動される。一方、試験対象によるレチクルの時間的に連続する画像の記録、及び単に例として、画像情報(フレーム)の個々の項目の処理は、フレームグラバによって行われる。フレームグラバは、画像が完全に記録されるとすぐにトリガ信号をトリガする。別の実施形態では、画像記録の開始時に信号を出力することもできる。これに続いて、トリガ信号に応答して、画像情報を記憶し、光学要素エンコーダ位置情報を記憶する。続いて、画像情報、例えばコントラスト値が、光学要素エンコーダ位置の関数として評価される。
【0039】
図8は、カメラモジュールの画像センサの調整状態を確認するための方法600の実施形態のフローチャートである。本明細書で説明する方法600は、前述の
図6及び
図7で説明した方法に対応するか、又は類似しているが、代替ステップ及び追加ステップを有する点が異なる。単に例として、方法600は、移動信号を提供するステップ800を含む。この場合、移動信号は、移動のステップ605において光学要素が接近すべき位置の指定を表す。この実施形態では、この仕様は、不等間隔位置マークを有する位置テーブルとして記憶される。次に、ステップ805において、画像情報を検出する時点を決定するために、例えば位置0mm、0.1mm、0.2mm、0.5mm、1.0mm、2.0mm及び5.0mmに到達したときに、各場合において画像トリガ信号がトリガされ、画像信号は画像トリガ信号に応答して提供される。換言すれば、この実施形態では、開始位置から終了位置への合焦可能なコリメータ内の光学要素の連続的な移動が行われる。この場合、エンコーダが所定の位置に到達するとすぐにトリガ信号がトリガされる。これらのトリガ信号は、単なる例として、フレームグラバに渡され、次いでフレームグラバが画像記録プロセスを開始する。続いて、画像情報が読み出され、最初に予め定められた位置に関連付けられて記憶される。別の実施形態では、画像情報を一時的に記憶し、合焦動作の終了時に送信し、位置に割り当てることができる。この実施形態では、画像情報、例えばコントラスト値は、光学要素エンコーダ位置の関数として評価される。
【国際調査報告】