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特表2024-541199飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器の製造方法、及び当該方法によって得られる容器
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  • 特表-飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器の製造方法、及び当該方法によって得られる容器 図1
  • 特表-飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器の製造方法、及び当該方法によって得られる容器 図2
  • 特表-飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器の製造方法、及び当該方法によって得られる容器 図3
  • 特表-飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器の製造方法、及び当該方法によって得られる容器 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器の製造方法、及び当該方法によって得られる容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/804 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B65D85/804 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522666
(86)(22)【出願日】2022-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 EP2022082071
(87)【国際公開番号】W WO2023088934
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】21209165.6
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【弁理士】
【氏名又は名称】石塚 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ミッソーム, カリム
(72)【発明者】
【氏名】ガラフ, ニコラ
(57)【要約】
本発明は、飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器を製造するための方法であって、方法は、a.容器の水注入壁3を設けるステップと、b.容器の飲料送出壁4を設けるステップであって、注入壁及び送出壁の少なくとも一方、好ましくは両方がカップ形状を有する、ステップと、c.少なくとも一方のカップ形状の壁内に飲料原材料本体を配置するステップと、d.チャンバ1を形成するように、封止ステーションにおいて注入壁の縁部分3Aと送出壁の縁部分4Aとを封止するステップと、を含み、封止ステーションが、ハウジング温度Thを有するハウジング要素を備え、本体2が、チャンバを完全には充填しないような形状及び寸法である、方法において、封止ステップ後に、容器が、ハウジングの温度よりも少なくとも15℃低い、又は-10℃~+25℃の範囲、のいずれかの冷却温度Tcまで冷却されることを特徴とする、方法に関する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器を製造するための方法であって、前記方法は、
a.前記容器の注入壁(3)であって、前記容器内に導入される水が通される紙層を含み、前記容器内で水を圧力下で流通させるために前記飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔可能である、注入壁(3)を設けるステップと、
b.前記容器の飲料送出壁(4)であって、前記容器から注出される前記飲料が通される紙層を含み、前記飲料調製デバイスの開口部材によって開口可能である、飲料送出壁(4)を設けるステップであって、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の少なくとも一方、好ましくは両方が、カップ形状を有する、ステップと、
c.飲料原材料を前記少なくとも一方のカップ形状の壁(4)内に配置するステップであって、前記飲料原材料が、成形された飲料原材料によって作られた本体(2)である、ステップと、
d.成形された飲料原材料によって作られた前記本体(2)が貯蔵されるチャンバ(1)を形成するように、封止ステーションにおいて前記注入壁(3)の縁部分(3A)と前記送出壁(4)の縁部分(4A)とを封止するステップと、を含み、
前記封止ステーションが、前記注入壁(3)及び/又は前記送出壁(4)を少なくとも部分的に収容するためのハウジング要素を備え、前記封止の開始時の前記ハウジング要素が、ハウジング温度(Th)を有し、前記本体(2)が、前記チャンバ(1)を完全には充填しないような形状及び寸法である、方法において、
前記封止するステップの後に、前記容器は、
前記ハウジングの前記温度よりも少なくとも15℃低い、又は、
-10℃~+25℃の範囲
のいずれかである冷却温度(Tc)で冷却されて、
前記チャンバ(1)内の前記本体(2)によって充填されていないスペースを減少させ、前記成形された飲料原材料の前記本体(2)に付着する少なくとも前記送出壁(4)の内部表面の面積を増加させることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記冷却の持続時間が、少なくとも0.5秒、好ましくは少なくとも1秒、より好ましくは1秒~5秒の範囲の期間であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ハウジング温度(Th)が、40℃~100℃、より好ましくは60℃~70℃であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記容器が、好ましくは少なくとも0.5バールの圧力、より好ましくは1バール~6バールの範囲のガス圧を有する冷却ガス、好ましくは空気で冷却される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記冷却するステップが、前記封止するステップの終了から0.1秒~60秒以内、好ましくは0.1秒~10秒以内に開始する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法によって得られる、飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器であって、飲料原材料(2)が貯蔵されるチャンバ(1)を備え、前記チャンバ(1)は、
前記容器内に導入される流体、好ましくは水が通される注入壁(3)であって、前記チャンバ(1)内で前記流体を圧力下で流通させるために前記飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔されるように構成されている、注入壁(3)によって、かつ
前記容器から注出される前記飲料が通される飲料送出壁(4)であって、前記チャンバ(1)内に注入される前記流体の圧力上昇の影響下で前記飲料調製デバイスの開口要素との相互作用時に開口されるように構成されている、飲料送出壁(4)によって、画定されており、
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)が、前記注入壁(3)と前記送出壁(4)とを封止接続するための封止部分(3A、4A)を備え、
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)が、前記チャンバ(1)内に貯蔵された前記飲料原材料(2)のための酸素バリアを形成し、
前記飲料原材料(2)が、成形された原材料によって作られた本体であり、三次元形状を有し、前記チャンバ(1)を完全には充填しないような、かつ少なくとも1つの空きスペース(6)が前記チャンバ(1)内で前記本体(2)と前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内部表面との間に設けられるような寸法であり、
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)が、紙層を含む、容器において、
前記チャンバ(1)内の前記空きスペース(6)は、前記チャンバ(1)の全容積の5%未満であり、好ましくは3%未満であることを特徴とし、
少なくとも前記送出壁(4)の内面、及び好ましくは前記注入壁(3)の内面もまた、前記封止部分(3A、4A)に位置する前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の終端部分(4F、3F)を除いて、前記飲料原材料の前記本体(2)の外面と連続的に接触していることを特徴とする、
容器。
【請求項7】
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記紙層が、以下の特徴:
i)固有の酸素バリア特性を有する硫化紙で作られている、
ii)成形可能な紙層であり、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)のための要求された形状、好ましくはカップ形状を得るために伸張及び変形させることができる、
iii)50g/m~200g/mの範囲、より好ましくは70g/m~150g/mの範囲の重量を有する、
のうちの少なくとも1つを有する、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)が、好ましくは回転対称である、カップ形状を有し、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)が、同じ形状及び寸法を有し、前記飲料原材料本体(2)が、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)によって画定される前記チャンバ(1)の形状と実質的に同一の三次元形状を有する、請求項6又は7に記載の容器。
【請求項9】
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)が、家庭で堆肥化可能な材料で作られている、請求項6~8のいずれか一項に記載の容器。
【請求項10】
使い捨てのコーヒーポッドである、請求項6~9のいずれか一項に記載の容器。
【請求項11】
飲料調製デバイスにおける請求項1~5のいずれか一項に記載の容器の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器の製造方法、及び当該方法によって得られる容器に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料調製デバイスにおいて、原材料、特に挽いたコーヒーを収容するポッドを使用することによって飲料を調製することが知られている。既知のポッドはチャンバを有し、チャンバは、通常、互いに対して逆さまに配置された2つのカップ形状の本体を重ね合わせ、それぞれの縁部に沿って溶接することによって作製される(図1及び図3に示すように)。カップ形状の本体は、一般的に同一であるが、必ずしも同一である必要はない。既知のポッドは、通常、ポッドチャンバ内に導入される水が通される注入壁であって、当該チャンバ内で流体を圧力下で流通させるために飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔されるように構成されている、注入壁と、注出される飲料が通される飲料送出壁であって、飲料調製デバイスの開口要素との相互作用時に開口されるように構成されている、飲料送出壁とを備える。
【0003】
2つのカップ形状の本体同士を封止する前に、飲料原材料がカップ形状の送出壁内に配置される。飲料原材料は、通常、成形された原材料によって作られた本体であり、三次元形状を有し、注入壁及び送出壁によって画定されたチャンバを完全には充填しないような、かつかなり大きな空きスペースがチャンバ内で当該本体と注入壁及び送出壁の内部表面との間に設けられるような寸法である(図3に示すように)。既知のポッドでは、飲料原材料本体は、シェルの内部表面全体と接触しておらず、通常、送出壁の限定された中央部分のみと接触している。
【0004】
環境に配慮した取り組みに従い、既存のポッドの一部は紙製である。このような紙のポッドでは、抽出中に、送出壁と飲料調製デバイスとの相互作用による開口に加えて、飲料の流出のための所望の開口に加えて亀裂が形成されることがある。これらの亀裂は、正しく飲料を調製するのに悪影響を及ぼすため、また、これらの亀裂から飲料原材料、例えば挽いたコーヒーがポッドから流出し、ユーザカップの内側に流入するため、望ましくない。
【0005】
本発明の目的は、既存の容器の前述の欠点を除去する、飲料を調製するための容器の製造方法及び当該方法によって得られる容器を提供することである。特に、本発明の目的は、飲料を調製するための容器の製造方法、及び容器の送出壁の開口を改善し、当該壁における望ましくない亀裂の形成を回避する、当該方法によって得られる容器を提供することである。
【発明の概要】
【0006】
請求項1に記載の発明は、飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器を製造するための方法であって、方法は、
a.当該容器の注入壁であって、容器内に導入される水が通される紙層を含み、当該容器内で水を圧力下で流通させるために飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔可能である、注入壁を設けるステップと、
b.当該容器の飲料送出壁であって、容器から注出される飲料が通される紙層を含み、当該容器内の圧力が当該送出壁を飲料調製デバイスの開口部材に押し付けたときに、当該飲料送出壁が当該開口部材によって開口可能である、飲料送出壁を設けるステップであって、当該注入壁及び当該送出壁の少なくとも一方、好ましくは両方が、カップ形状を有する、ステップと、
c.飲料原材料を当該少なくとも一方のカップ形状の壁内に配置するステップであって、当該飲料原材料が、成形された飲料原材料によって作られた本体である、ステップと、
d.成形された飲料原材料によって作られた当該本体が貯蔵されるチャンバを形成するように、封止ステーションにおいて当該注入壁の縁部分と当該送出壁の縁部分とを封止するステップと、を含み、
当該封止ステーションが、当該注入壁及び/又は当該送出壁を少なくとも部分的に収容するためのハウジング要素を備え、封止の開始時の当該ハウジング要素が、ハウジング温度を有し、当該本体が、当該チャンバを完全には充填しないような形状及び寸法である、方法である。
【0007】
本発明によれば、封止するステップの後に、容器は冷却温度Tcまで冷却される。
【0008】
本発明によれば、冷却温度Tcの特徴は、以下のいずれかである。
ハウジングの温度よりも少なくとも15℃低い、又は
当該冷却温度は、-10℃~+25℃の範囲である。
【0009】
本発明者らは、驚くべきことに、容器の冷却が、成形された飲料原材料本体によって充填されていないチャンバ内のスペース(すなわちヘッドスペース)を減少させ、少なくとも成形された飲料原材料の本体に付着する送出壁の内部表面の面積を増加させることを発見した。
【0010】
好ましくは、冷却するステップの持続時間は、少なくとも0.5秒、好ましくは少なくとも1秒、より好ましくは1秒~5秒の範囲の期間である。
【0011】
好ましくは、ハウジング温度は、40℃~100℃であり、より好ましくは60℃~70℃である。
【0012】
好ましくは、容器は、好ましくは少なくとも0.5バールの圧力、より好ましくは1バール~6バールの範囲のガス圧を有する冷却ガス、好ましくは空気で冷却される。
【0013】
好ましくは、冷却するステップは、封止するステップの終了から0.1秒~60秒以内、好ましくは0.1秒~10秒以内に開始する。
【0014】
本発明はまた、前述のような方法によって得られる、飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器であって、飲料原材料が貯蔵されるチャンバを備える容器に関する。
【0015】
チャンバは、以下によって画定される。
容器内に導入される流体、好ましくは水が通される注入壁であって、当該チャンバ内で当該流体を圧力下で流通させるために飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔されるように構成されている、注入壁、及び
容器から注出される飲料が通される飲料送出壁であって、当該チャンバ内に注入されている当該流体の圧力上昇の影響下で飲料調製デバイスの開口要素との相互作用時に開口されるように構成されている、飲料送出壁。
【0016】
注入壁及び送出壁は、当該注入壁と当該送出壁とを封止接続するための封止部分を備える。
【0017】
注入壁及び送出壁は、当該チャンバ内に貯蔵された飲料原材料のための酸素バリアを形成する。
【0018】
飲料原材料は、成形された原材料によって作られた本体であり、三次元形状を有し、チャンバを完全には充填しないような、かつ少なくとも1つの空きスペースがチャンバ内で当該本体と注入壁及び送出壁の内部表面との間に設けられるような寸法である。
【0019】
注入壁及び送出壁は紙層を含む。
【0020】
本発明によれば、当該チャンバ内の空きスペースは、当該チャンバの全容積の5%未満であり、好ましくは3%未満である。少なくとも当該送出壁の内面、好ましくは注入壁の内面もまた、封止部分に位置する当該注入壁及び当該送出壁の終端部分を除いて、飲料原材料本体の外面と連続的に接触している。
【0021】
好ましくは、注入壁及び送出壁の紙層は、以下の特徴のうちの少なくとも1つを有する。
i)固有の酸素バリア特性を有する硫化紙で作られている。
ii)成形可能な紙層であり、注入壁及び送出壁のための要求された形状、好ましくはカップ形状を得るために伸張及び変形させることができる。
iii)50g/m~200g/mの範囲、より好ましくは70g/m~150g/mの範囲の重量を有する。
【0022】
好ましくは、注入壁及び送出壁は、好ましくは回転対称である、カップ形状を有し、注入壁及び送出壁は、同じ形状及び寸法を有し、飲料原材料本体は、注入壁及び送出壁によって画定されるチャンバの形状と実質的に同一の三次元形状を有する。
【0023】
排他的ではないが、好ましくは、本発明の容器は、使い捨てコーヒーポッドである。
【0024】
本発明によれば、飲料調製デバイスにおける前述のような容器の使用もまた、開示される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の追加の特徴及び利点は、図面を参照して以下に記載の現在好ましい実施形態の説明において記載されており、この説明から明らかになる。
図1】当業者にとって一般的な容器の概略斜視図である。
図2図1に示す容器の2つの同一の壁のうちの1つの概略斜視図である。
図3図1の容器の概略切断図である。
図4】本発明による容器の概略切断図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図は、飲料原材料2が貯蔵されるチャンバ1を備える、飲料調製デバイス(図示されていないが、当業者にとって一般的である)で使用するための容器を示す。チャンバ1は、容器内に導入される流体、好ましくは水が通される注入壁3であって、当該チャンバ1内で当該流体を圧力下で流通させるために飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔されるように構成される、注入壁3と、注出される飲料が通される容器の飲料送出壁4であって、当該チャンバ1内に注入される当該流体の圧力上昇の影響下で飲料調製デバイスの開口要素との相互作用(例えば、穿孔又は引き裂き相互作用)時に開口されるように構成される、容器の飲料送出壁4とによって画定される。
【0027】
注入壁3及び送出壁4は、当該壁3と当該壁4とを封止接続するための封止部分3A、4Aを備える。
【0028】
注入壁3及び送出壁4は、チャンバ1内に貯蔵された飲料原材料2のための酸素バリアを形成する。
【0029】
飲料原材料2は、成形された原材料によって作られた本体であり、三次元形状を有し、チャンバ1を完全には充填しないような形状及び寸法である。したがって、チャンバ1内には、成形された原材料の本体2と注入壁3及び送出壁4の内部表面との間に少なくとも1つの空きスペース6(図4)がある。
【0030】
本発明によれば、注入壁3及び送出壁4は紙層を含む。
【0031】
本発明によれば、当該チャンバ1内の空きスペース6は、当該チャンバ1の全容積の5%未満、好ましくは3%未満である。
【0032】
本発明によれば、少なくとも送出壁4の内面、及び好ましくは注入壁3の内面もまた、封止部分3A、4Aに位置する当該壁3、4の短い終端部分4F、3Fを除いて、飲料原材料本体2の外面と連続的に接触している。
【0033】
送出壁4及び注入壁3のこの短い終端部分4F、3Fは、好ましくは、1mm~10mmの寸法を有する。
【0034】
チャンバ1内の空きスペース6が非常に制限されており、この空きスペース6が好ましくは実質的に部分3A、4Aのみに設けられており、かつ送出壁4が飲料原材料2とほぼ完全に接触している(一種の「クッション」を形成する)という事実のおかげで、飲料流出中に送出壁4に亀裂が形成されず、送出壁4と飲料調製デバイスの開口要素との相互作用によって形成される開口部のみを通って飲料が流出することが確認された。
【0035】
図3に示すように、前述のタイプの既知の容器(図4に示す、本発明による容器の壁及び本体と同じ寸法の注入壁3及び送出壁4並びに本体2を有する)では、注入壁3及び送出壁4によって画定されるチャンバ1内の、本体2によって充填されない空きスペース6’は、本発明による容器内に存在するもの(図4に示す)よりもはるかに大きいことに留意されたい。更に、既知の容器では、送出壁4は、成形された原材料の本体2と接触しない大きな部分4Eを有する。図3に示すように、空の部分6’は、(本発明による容器において、図4に示すように)封止部分4A、3Aに位置するだけでなく、送出壁4の側壁部分4Bに、すなわち、飲料の流出中に望ましくない亀裂が形成される送出壁4の領域にまさに位置する。
【0036】
好ましくは、注入壁3及び送出壁4は、好ましくは回転対称である、カップ形状を有する。
【0037】
好ましくは、注入壁3及び送出壁4は、封止部分3A、4Aに向かって増大する円形断面を有する。
【0038】
注入壁3及び送出壁4は、ベース壁部分3C、4Cと、側壁部分3B、4Bと、好ましくは平坦である封止部分3A、4Aとを備える。
【0039】
好ましくは、注入壁3及び送出壁4は、同じ形状及び寸法を有する。
【0040】
好ましくは、成形された原材料2は、チャンバ1の形状と実質的に同一の三次元形状を有する。例えば、図3及び図4に示すように、成形された原材料2は、中心から外縁に向かって厚さが減少するディスクの形状を有する。既に上述したように、この成形された原材料2は、チャンバ1を完全には充填しない。
【0041】
成形された原材料2の本体2が注入壁3及び送出壁4によって画定されるチャンバ1と正確に同じ形状及び寸法を有していないという事実により、成形された原材料2を容器内に挿入し、注入壁3と送出壁4とを封止することによって容器のチャンバ1を形成するのに必要な動作が極めて単純化されるので、容器の製造のための自動運転を迅速化することができる。
【0042】
好ましくは、注入壁3及び送出壁4の紙層は、成形可能な紙層である。当業者にとって一般的であるように、注入壁3及び送出壁4は、好ましくは、紙のブランクから始めて形成され、紙のブランクは、伸張され、図2に示すように、要求された形状、好ましくはカップ形状が与えられる。
【0043】
好ましくは、注入壁3及び送出壁4の紙層は、硫化紙、すなわち、固有の酸素バリア特性を有する紙である。追加の酸素バリアライナを取り付ける必要がないので、このタイプの紙が好ましい。
【0044】
好ましくは、注入壁3及び送出壁4の成形可能な紙層は、50g/m~200g/mの範囲、より好ましくは70g/m~150g/mの範囲の重量を有する。
【0045】
注入壁3及び送出壁4の紙層が固有の酸素バリア特性を有していない場合、通常の酸素バリアライナがこの紙層に取り付けられる。
【0046】
この酸素バリアライナは、例えば、化石若しくは非化石資源のポリマー、又は生物由来のポリマーを含む、既知の単層又は多層ポリマーライナで作られており、好ましくは、注注入壁3及び送出壁4の内面に取り付けられる。
【0047】
好ましい多層バリアライナは、酸素及び/又は水分バリア特性を有するコア層を含み、コア層は、当該バリアライナを注入壁3及び送出壁4に封止するための封止層に取り囲まれている。
【0048】
酸素バリアライナは、非限定的な例として、以下の層のうちの1つ以上を含む。
ポリブチレンサクシネート(PBSA/bioPBS/PBS)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリスト内で選択される生分解性ポリマーを含む最外ポリマー層
生分解性の変性又は官能化ポリオレフィンを含む第1の結合層
ブテンジオールビニルアルコールコポリマー(BVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)、又はこれらの組み合わせのリスト内で選択されるポリマーを含むバリア層
生分解性の変性又は官能化ポリオレフィンを含む第2の結合層
ポリブチレンサクシネート(PBSA/bioPBS/PBS)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリスト内で選択される生分解性ポリマーを含む最内ポリマー層
好ましくは、注入壁3及び送出壁4ための酸素に対するバリアは、飲料原材料の性質に応じて十分な貯蔵寿命を提供するように選択される。例えばコーヒーの場合、予想される貯蔵寿命は12ヶ月であり得る。
【0049】
好ましくは、容器の注入壁3及び送出壁4は、家庭で堆肥化可能な材料で作られる。本発明による容器は、通常、国家規制に従って公式のリサイクル施設で組織化されたリサイクルプロセスにおいて(例えば、紙リサイクルストリームにおいて、又は一般的なごみリサイクル若しくは処理ストリームにおいて)リサイクルされることが意図される。しかしながら、容器が自然界、家庭で堆肥化可能な廃棄物又は埋立地に置かれる場合、当該容器は、自然界に自然に存在する温度及び湿度の条件下で細菌によって自然に分解される準備ができている材料で設計される。このようにして、そのような容器が自然に留まらず、家庭での堆肥化可能性基準によって規定される条件内で短期間(原則として数週間)内に自然に消滅することが保証される。より正確には、家庭での堆肥化可能性は、現在、国家レベルで十分に定義されており、主に国際標準EN13432に基づいている。したがって、それらは、本明細書において更に詳細に定義する必要はない。これらの規格に準拠する材料又は製品は、それらの家庭での堆肥化可能性を示す適合マークによって認識することができる。国家レベルでの家庭での堆肥化可能認定のいくつかの例は、以下を含むが、これらに限定されない。認証機関TUV AUSTRIA BELGIUMは、そのような家庭での堆肥化可能性認定スキームを提供し、DIN CERTCOは、オーストラリア規格AS5810による家庭堆肥化可能性の認定を提供する。イタリアは、周囲温度での堆肥化に関する国家基準、UNI11183:2006を有する。2015年11月に、フランス規格「NF T51-800プラスチック-家庭堆肥化に適したプラスチックの仕様」が導入された。この規格は、DIN CERTCOスキームで扱われている。
【0050】
飲料の調製は、流体物質を容器に収容された原材料と混合することによって得られる。好ましくは、原材料は、焙煎して挽いたコーヒー、成形された又は成形されていない可溶性粉末コーヒー、又は葉茶のリストから選択される。乳製品原材料(例えば、牛乳又はクリーマー)も提供することができ、チョコレート、果汁、スープ、野菜ジュース、ブイヨン、スムージー、ピュレー、クーリ、クリーム、チコリ、オオムギ、調理補助食品、スープ原材料、乳児用フォーミュラ、又はそれらの組み合わせも、粉末可溶性形態、種々の粘度を有する液体濃縮形態、又はゲル形態で提供することができる。
【0051】
最も好ましくは、飲料原材料は焙煎して挽いたコーヒーである。
【0052】
本発明の容器は、典型的には、容器内に希釈液(例えば、熱水、冷水、又は周囲温度水)が供給されるなどによって、飲料及び/又は食品調製デバイスと相互作用することができ、そのような希釈液は、飲料原材料と混合するか、又は他の方法で相互作用する。「希釈液と飲料原材料との混合」という表現により、容器に収容された全ての原材料が、飲料製品を得るために希釈液との一般的な混合動作(溶解、抽出、又は浸出)に適合する形態であることが意図される。このタイプのデバイスは、例えば、「Nespresso Pro」(登録商標)プロフェッショナルポッドに対して抽出を行うことに使用されるものである。
【0053】
好ましくは、注入壁3及び送出壁4によって画定されるチャンバ1は、本質的に無酸素であり、容器内の空きスペースは、窒素、酸化炭素、及びそれらの組み合わせなどの不活性ガスで満たされている。好ましくは、容器は、コーヒーに含まれ、封止後にキャビティ内に放出されるガス、例えば酸化炭素及び二酸化炭素により、大気圧を超えるガスの内圧を有する。
【0054】
本発明の更なる態様は、上述した飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器を製造するための方法に関する。
【0055】
この方法は、以下のステップを含む。
容器内に導入される水が通される紙層を含む注入壁3であって、当該容器内で水を圧力下で流通させるために、飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔可能である、注入壁3を設けるステップ、及び
容器から注出される飲料が通される紙層を含む飲料送出壁4であって、当該容器内の圧力が当該送出壁4を飲料調製デバイスの開口部材に押し付けたときに、当該送出壁4が当該開口部材によって開口可能である、飲料送出壁4を設けるステップであって、注入壁3及び送出壁4のうちの少なくとも一方が、カップ形状を有する、ステップ。
【0056】
本方法は、飲料原材料2が少なくとも一方のカップ形状の壁4内に配置されるステップを更に含み、当該飲料原材料2は、成形された原材料によって作られた本体である。
【0057】
本方法は、成形された原材料によって作られた当該本体2が貯蔵されるチャンバ1を形成するように、封止ステーションにおいて当該注入壁3の封止部分3Aと当該送出壁4の封止部分4Aとが封止される、封止するステップを更に含む。
【0058】
封止ステーションは、当該封止部分3A、4Aを少なくとも部分的に収容するためのハウジング要素を含む。
【0059】
封止の開始時のハウジング要素は、ハウジング温度Thを有する。
【0060】
封止本体(sealing body)2は、当該チャンバ1を完全には充填しないように構成される。
【0061】
本発明によれば、封止するステップの後に、容器は冷却温度で冷却される。
【0062】
本発明によれば、ハウジング温度(Th)と冷却温度(Tc)との差は15℃以上であり(当該冷却温度は当然ながらハウジングの温度よりも低い)、あるいは冷却温度(Tc)は-10℃~+25℃で選択される。
【0063】
封止するステップの後の、この冷却するステップは、チャンバ1内の本体2によって充填されないスペースを減少させ、成形された飲料原材料の本体2に付着する少なくとも送出壁4の内部表面の面積を増加させることが実験的に確認された。特に、冷却するステップにより、注入壁3及び送出壁4が成形された原材料の本体2に付着し、本体2によって充填されていないチャンバ1内の空きスペースを減少させる。
【0064】
好ましくは、冷却するステップは、少なくとも0.5秒、好ましくは少なくとも1秒、より好ましくは1秒~5秒の範囲の期間の持続時間を有する。
【0065】
以下でより詳細に説明するように、好ましくは、ハウジング温度(Th)は40℃~100℃の範囲である。
【0066】
図3は、封止するステップの後及び冷却するステップの前の容器を示し、図4は、冷却するステップの後の同じ容器を示す。これらの2つの図を比較することによって理解され得るように、冷却するステップの前の容器の空きスペース6’(図3に示す)は、冷却するステップの後の容器に存在する空きスペース6(図4に示す)よりもはるかに大きい。冷却するステップの前の容器(図3)では、送出壁4は、成形された原材料の本体2と接触していないその側壁4Bの大きな部分4Eを有する。冷却するステップの前の容器の空の部分6’(図3)は、送出壁及び注入壁の封止部分4A、3Aに位置するだけでなく、送出壁4の側壁部分4Bにも位置する。
【0067】
図4に示すように、冷却するステップの後、注入壁3及び送出壁4は、注入壁3の封止部分3A及び送出壁4の封止部分4Aのみに位置する空きスペース6を除いて、成形された原材料の本体2の外面とほぼ連続的に接触している(ヘッドスペースが存在しない)。
【0068】
既に上述したように、チャンバ1内の空きスペースが非常に制限されており、この空きスペースが好ましくは実質的に封止部分3A、4Aのみに設けられており、かつ送出壁4が飲料原材料とほぼ完全に接触している(一種の「クッション」を形成する)という事実のおかげで、飲料流出中に送出壁4に亀裂が形成されず、送出壁4と飲料調製デバイスの開口要素との相互作用によって形成される開口部のみを通って飲料が流出することが確認された。
【0069】
好ましくは、冷却するステップの後、注入壁及び送出壁によって画定されるチャンバ1内の空きスペースは、当該チャンバ1の全容積の5%未満、好ましくは3%未満であり、少なくとも送出壁4の内面、及び好ましくは注入壁3の内面もまた、当該壁3、4の封止部分3A、4Aに位置する当該壁3、4の終端部分4F、3Fを除いて、飲料原材料本体2の外面と連続的に接触している。
【0070】
好ましくは、容器は、好ましくは少なくとも0.5バールの圧力、より好ましくは1バール~6バールの範囲のガス圧を有する冷却ガス、例えば空気で冷却される。例えば、ガス以外の他のタイプの流体(例えば、封止されたポッドの表面上を流通する冷却液)を使用する、冷却のための他の代替手段が想定されてもよい。別の代替形態では、ポッドは、封止ハウジングから製造ラインの別の場所に向かって迅速に移動され、この場所は、例えば、循環するポッドが通される冷却チャンバであってもよく、当該チャンバは、その中の雰囲気が本明細書で提供される冷却温度(Tc)に対応するレベルに維持される温度を有するように冷却される。
【0071】
前述したように、注入壁3及び送出壁4は、好ましくは同じカップ形状及び寸法を有し、紙層を形成することによって作製される。当業者にとって一般的であるように、注入壁3及び送出壁4は、紙のブランクから始めて形成され、紙のブランクは、伸張され、図2に示すように、要求された形状、好ましくはカップ形状が与えられる。
【0072】
前述したように、好ましくは、注入壁3及び送出壁4の紙層は、硫化紙、すなわち、固有の酸素バリア特性を有する紙である。追加の酸素バリアライナを取り付ける必要がないので、このタイプの紙が好ましい。
【0073】
前述したように、好ましくは、注入壁3及び送出壁4の成形可能な紙層は、50g/m~200g/mの範囲、より好ましくは70g/m~150g/mの範囲の重量を有する。
【0074】
前述したように、注入壁3及び送出壁4の紙層が固有の酸素バリア特性を有していない場合、通常の酸素バリアライナがこの紙層に取り付けられる。
【0075】
容器を製造するために必要な全てのステップ及びデバイスは、最終的に冷却するステップを除いて、当業者によく知られており、詳細には説明しない。
【0076】
注入壁3及び送出壁4を形成した後、送出壁4は、封止ステーションのハウジング要素の底部キャビティ内に配置される。このハウジング要素は、注入壁の封止部分4aを少なくとも部分的に、より好ましくは送出壁4全体を収容するように構成される。
【0077】
送出壁4は、好ましくは、その外面に(例えば、軽い真空を使用して)当該底部キャビティに向けられた軽い引力を加えることによって、当該ハウジング要素内の適所に維持される。
【0078】
第1の封止モードによれば、ハウジング要素は、好ましくは、封止が始まる前に、好ましくは40℃~100℃、より好ましくは60℃~70℃である温度(Th)で予熱される。
【0079】
次に、成形された原材料本体2が送出壁4の内側に配置され、次に、注入壁3が送出壁4の上に位置決めされて、容器チャンバ1を形成する(図1及び図3に示すように)。次に、2つの壁3、4の2つの重ね合わされた封止部分4Aと封止部分3Aとが封止される。好ましくは、封止ステーションは、非常に局所的に、130℃~200℃、より好ましくは160℃~180℃の封止温度に達する可動封止ヘッドも備える。
【0080】
第2の封止モードによれば、ハウジング要素は加熱されず、封止は、当業者にとって一般的なタイプの可動超音波封止ヘッドを用することによって行われる。
【0081】
容器が封止されると、それは好ましくは、迅速に冷却ステーションに移動される。
【0082】
封止するステップの後にポッドが冷却される温度は、以下のいずれかに設定することができる。
-10℃~+25℃、又は
あるいは、ハウジング温度(Th)よりも少なくとも15℃低くなるような温度、好ましくは、当該冷却温度(Tc)は、ハウジング温度(Th)よりも少なくとも20℃低くなるような温度。
【0083】
本明細書に記載した、容器の現在の好ましい実施形態及び容器を製造するための方法に対する様々な変更及び変形が、当業者には明白であることを理解されたい。そのような変更及び変形は、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、実施することができる。例えば、注入壁3及び/若しくは送出壁4、並びに/又は成形された原材料によって作られた本体2は、異なる形状を有してもよい。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器を製造するための方法であって、前記方法は、
a.前記容器の注入壁(3)であって、前記容器内に導入される水が通される紙層を含み、前記容器内で水を圧力下で流通させるために前記飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔可能である、注入壁(3)を設けるステップと、
b.前記容器の飲料送出壁(4)であって、前記容器から注出される前記飲料が通される紙層を含み、前記飲料調製デバイスの開口部材によって開口可能である、飲料送出壁(4)を設けるステップであって、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の少なくとも一方、好ましくは両方が、カップ形状を有する、ステップと、
c.飲料原材料を前記少なくとも一方のカップ形状の壁(4)内に配置するステップであって、前記飲料原材料が、成形された飲料原材料によって作られた本体(2)である、ステップと、
d.成形された飲料原材料によって作られた前記本体(2)が貯蔵されるチャンバ(1)を形成するように、封止ステーションにおいて前記注入壁(3)の縁部分(3A)と前記送出壁(4)の縁部分(4A)とを封止するステップと、を含み、
前記封止ステーションが、前記注入壁(3)及び/又は前記送出壁(4)を少なくとも部分的に収容するためのハウジング要素を備え、前記封止の開始時の前記ハウジング要素が、ハウジング温度(Th)を有し、前記本体(2)が、前記チャンバ(1)を完全には充填しないような形状及び寸法である、方法において、
前記封止するステップの後に、前記容器は、
前記ハウジングの前記温度よりも少なくとも15℃低い、又は、
-10℃~+25℃の範囲
のいずれかである冷却温度(Tc)で冷却されて、
前記チャンバ(1)内の前記本体(2)によって充填されていないスペースを減少させ、前記成形された飲料原材料の前記本体(2)に付着する少なくとも前記送出壁(4)の内部表面の面積を増加させることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記冷却の持続時間が、少なくとも0.5秒、好ましくは少なくとも1秒、より好ましくは1秒~5秒の範囲の期間であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ハウジング温度(Th)が、40℃~100℃、より好ましくは60℃~70℃であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記容器が、好ましくは少なくとも0.5バールの圧力、より好ましくは1バール~6バールの範囲のガス圧を有する冷却ガス、好ましくは空気で冷却される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記冷却するステップが、前記封止するステップの終了から0.1秒~60秒以内、好ましくは0.1秒~10秒以内に開始する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法によって得られる、飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器であって、飲料原材料(2)が貯蔵されるチャンバ(1)を備え、前記チャンバ(1)は、
前記容器内に導入される流体、好ましくは水が通される注入壁(3)であって、前記チャンバ(1)内で前記流体を圧力下で流通させるために前記飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔されるように構成されている、注入壁(3)によって、かつ
前記容器から注出される前記飲料が通される飲料送出壁(4)であって、前記チャンバ(1)内に注入される前記流体の圧力上昇の影響下で前記飲料調製デバイスの開口要素との相互作用時に開口されるように構成されている、飲料送出壁(4)によって、画定されており、
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)が、前記注入壁(3)と前記送出壁(4)とを封止接続するための封止部分(3A、4A)を備え、
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)が、前記チャンバ(1)内に貯蔵された前記飲料原材料(2)のための酸素バリアを形成し、
前記飲料原材料(2)が、成形された原材料によって作られた本体であり、三次元形状を有し、前記チャンバ(1)を完全には充填しないような、かつ少なくとも1つの空きスペース(6)が前記チャンバ(1)内で前記本体(2)と前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内部表面との間に設けられるような寸法であり、
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)が、紙層を含む、容器において、
前記チャンバ(1)内の前記空きスペース(6)は、前記チャンバ(1)の全容積の5%未満であり、好ましくは3%未満であることを特徴とし、
少なくとも前記送出壁(4)の内面、及び好ましくは前記注入壁(3)の内面もまた、前記封止部分(3A、4A)に位置する前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の終端部分(4F、3F)を除いて、前記飲料原材料の前記本体(2)の外面と連続的に接触していることを特徴とする、
容器。
【請求項7】
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記紙層が、以下の特徴:
i)固有の酸素バリア特性を有する硫化紙で作られている、
ii)成形可能な紙層であり、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)のための要求された形状、好ましくはカップ形状を得るために伸張及び変形させることができる、
iii)50g/m~200g/mの範囲、より好ましくは70g/m~150g/mの範囲の重量を有する、
のうちの少なくとも1つを有する、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)が、好ましくは回転対称である、カップ形状を有し、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)が、同じ形状及び寸法を有し、前記飲料原材料本体(2)が、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)によって画定される前記チャンバ(1)の形状と実質的に同一の三次元形状を有する、請求項6に記載の容器。
【請求項9】
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)が、家庭で堆肥化可能な材料で作られている、請求項6に記載の容器。
【請求項10】
使い捨てのコーヒーポッドである、請求項6に記載の容器。
【請求項11】
飲料調製デバイスにおける請求項1~5のいずれか一項に記載の容器の使用。
【国際調査報告】