(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】サンドイッチ板要素連結システムおよびサンドイッチ板要素を連結する方法
(51)【国際特許分類】
F16B 21/06 20060101AFI20241031BHJP
C09J 5/00 20060101ALI20241031BHJP
F16B 11/00 20060101ALI20241031BHJP
B29C 65/56 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
F16B21/06 Z
C09J5/00
F16B11/00 B
B29C65/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522691
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 EP2022078346
(87)【国際公開番号】W WO2023062059
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524141902
【氏名又は名称】ラブリー、アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ルッツ、ホーカン、グラントン
【テーマコード(参考)】
3J023
3J037
4F211
4J040
【Fターム(参考)】
3J023AA03
3J023BB01
3J023DA01
3J023EA01
3J023FA01
3J023GA01
3J037AA02
3J037BA02
4F211AD19
4F211AD20
4F211AG18
4F211AH46
4F211TA06
4F211TC09
4F211TD07
4F211TN72
4F211TN78
4J040MA02
4J040MA10
4J040MB05
4J040MB11
4J040NA13
(57)【要約】
本発明は、2つのサンドイッチ板要素(100)と、接着結合(250)を用いて前記2つのサンドイッチ板要素(100)を連結して2つの凹部(210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640)を規定する連結要素(200、400、500、600、700)と、を含むサンドイッチ板要素連結システム(1、2、3、4、5)に関する。連結要素(200、400、500、600、700)は、前記2つの凹部(210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640)のうちの少なくとも1つを形成するためにスナップ嵌め結合部(270、470、570、670、770)により互いに結合される第1部品(200:1、400:1、500:1、600:1、700:1)および第2部品(200:2、400:2、500:2、600:2、700:2)を含む。接着結合(250)は、接着剤(260)を含む。サンドイッチ板要素連結システム(1、2、3、4、5)を含む、車両用のシャシ(10)、および2つのサンドイッチ板要素(100)を連結する方法(20)が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが板芯材(150)と第1および第2外板(110、120)とを含む2つのサンドイッチ板要素(100)であって、前記第1外板(110)は前記板芯材(150)の第1主面を少なくとも部分的に覆うよう配置されて前記サンドイッチ板要素(100)の第1外側主面(115)を形成し、前記第2外板(120)は前記板芯材(150)の第2主面を少なくとも部分的に覆うよう配置されて前記サンドイッチ板要素(100)の第2外側主面(125)を形成し、前記第1外側主面(115)と前記第2外側主面(125)は互いに対向している、前記2つのサンドイッチ板要素(100)と、
接着結合(250)を用いて前記2つのサンドイッチ板要素(100)を連結して2つの凹部(210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640)を規定する連結要素(200、400、500、600、700)であって、前記凹部(210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640)はそれぞれ第1および第2内側表面(213、214、223、224)を含み、かつ前記凹部は前記サンドイッチ板要素(100)の前記第1外側主面(115)の少なくとも一部が前記凹部(210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640)の前記第1内側表面(213、214、223、224)と接触して、前記サンドイッチ板要素(100)の前記第2外側主面(125)の少なくとも一部が前記凹部(210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640)の前記第2内側表面(213、214、223、224)と接触するように前記2つのサンドイッチ板要素(100)のうちの一つの縁部(160)を保持し、前記連結要素(200、400、500、600、700)は、前記2つの凹部(210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640)のうちの少なくとも1つを形成するためにスナップ嵌め結合部(270、470、570、670、770)により互いに結合される第1部品(200:1、400:1、500:1、600:1、700:1)および第2部品(200:2、400:2、500:2、600:2、700:2)を含んで前記第1内側表面(213、214、223、224)は前記第1部品(200:1、400:1、500:1、600:1、700:1)に配置されて前記第2内側表面(213、214、223、224)は前記第2部品(200:2、400:2、500:2、600:2、700:2)に配置される、前記連結要素(200、400、500、600、700)と、を含み、
前記接着結合(250)は、前記サンドイッチ板要素(100)のそれぞれに対して関連する前記凹部(210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640)の前記第1内側表面(213、214、223、224)と関連する前記サンドイッチ板要素(100)の前記第1外側主面(115)との間に、および/または関連する前記凹部(210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640)の前記第2内側表面(213、214、223、224)と関連する前記サンドイッチ板要素(100)の前記第2外側主面(125)との間に配置される接着剤(260)を含む、
サンドイッチ板要素連結システム(1、2、3、4、5)。
【請求項2】
前記第1部品(200:1、400:1、500:1、600:1、700:1)および前記第2部品(200:2、400:2、500:2、600:2、700:2)は、前記凹部(210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640)が前記サンドイッチ板要素(100)のうちの一つの前記縁部(160)を圧入により保持するよう構成される、請求項1に記載のサンドイッチ板要素連結システム(1、2、3、4、5)。
【請求項3】
前記スナップ嵌め結合部(270、470、570、670、770)は、前記連結要素の前記第1部品または前記第2部品にある雄部材(274)と前記連結要素の前記第1部品または前記第2部品の他方にある雌部材(272)を用いて形成される、請求項1または2に記載のサンドイッチ板要素連結システム(1、2、3、4、5)。
【請求項4】
前記スナップ嵌め結合部(270、470、570、670、770)は前記連結要素(200、400、500、600、700)の長手方向に細長い、または前記連結要素(200、400、500、600、700)の前記長手方向に沿って別々に分散されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のサンドイッチ板要素連結システム(1、2、3、4、5)。
【請求項5】
前記連結要素の前記第1部品および/または前記第2部品は、前記連結要素の前記第2部品に対する前記連結要素の前記第1部品の前記スナップ嵌め結合部を結合する方向への動きを制限するよう構成されているストッパ部材(276、476)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のサンドイッチ板要素連結システム(1、2、3、4、5)。
【請求項6】
前記連結要素の前記第1部品および/または前記第2部品は、少なくとも1つの前記凹部の深さを規定するストッパ要素(230)を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のサンドイッチ板要素連結システム(1、2、3、4、5)。
【請求項7】
前記接着剤(260)は、糊、および/または接着テープである、請求項1~6のいずれか一項に記載のサンドイッチ板要素連結システム(1、2、3、4、5)。
【請求項8】
前記連結要素(200、700)の前記第1部品(200:1、700:1)および前記第2部品(200:2、700:2)は、前記2つの凹部(210、220)の両方を形成する、請求項1~7のいずれか一項に記載のサンドイッチ板要素連結システム(1、2、3、4、5)。
【請求項9】
前記サンドイッチ板要素(100)の前記第1および第2外板(110、120)は繊維強化高分子材料で出来ている、請求項1~8のいずれか一項に記載のサンドイッチ板要素連結システム(1、2、3、4、5)。
【請求項10】
前記サンドイッチ板要素(100)の前記板芯材(150)は高分子発泡体で出来ている、請求項1~9のいずれか一項に記載のサンドイッチ板要素連結システム(1、2、3、4、5)。
【請求項11】
前記連結要素(200、400、500、600、700)は金属で出来ている、請求項1~10のいずれか一項に記載のサンドイッチ板要素連結システム(1、2、3、4、5)。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のサンドイッチ板要素連結システム(1、2、3、4、5)を含む、車両用のシャシ(10)。
【請求項13】
前記連結要素(200、400、500、600、700)に結合される補助要素(300)をさらに含む、請求項12に記載のシャシ(20)。
【請求項14】
連結要素(200、400、500、600、700)を用いて、2つのサンドイッチ板要素(100)を連結する方法(20)であって、前記サンドイッチ板要素(100)はそれぞれ板芯材(150)と第1および第2外板(110、120)とを含み、前記第1外板(110)は前記板芯材(150)の第1主面を少なくとも部分的に覆うよう配置されて前記サンドイッチ板要素(100)の第1外側主面(115)を形成し、前記第2外板(120)は前記板芯材(150)の第2主面を少なくとも部分的に覆うよう配置されて前記サンドイッチ板要素の第2外側主面(125)を形成し、前記連結要素(200、400、500、600、700)は2つの凹部(210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640)を規定し、前記凹部(210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640)はそれぞれ第1および第2内側表面(213、214、223、224)を含み、かつ前記凹部は、前記サンドイッチ板要素(100)の前記第1外側主面(115)の少なくとも一部が前記凹部(210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640)の前記第1内側表面(213、214、223、224)と接触して前記サンドイッチ板要素(100)の前記第2外側主面(125)の少なくとも一部が前記凹部の第2内側表面(213、214、223、224)と接触するように前記2つのサンドイッチ板要素(100)のうちの一つの縁部(160)を保持するよう構成され、前記連結要素(200、400、500、600、700)は前記2つの凹部(210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640)のうちの少なくとも1つを形成するためにスナップ嵌め結合部(270、470、570、670、770)を用いて互いに結合することができる第1部品(200:1、400:1、500:1、600:1、700:1)および第2部品(200:2、400:2、500:2、600:2、700:2)を含み、前記第1内側表面(213、214、223、224)は前記第1部品(200:1、400:1、500:1、600:1、700:1)に配置され、前記第2内側表面(213、214、223、224)は前記第2部品(200:2、400:2、500:2、600:2、700:2)に配置されて、前記方法は、
前記第1部品および前記第2部品(200:1、400:1、500:1、600:1、700:1、200:2、400:2、500:2、600:2、700:2)に配置されている前記第1および/もしくは第2内側表面(213、214、223、224)、ならびに/または前記2つの凹部(210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640)のうちの前記少なくとも1つに関連する前記サンドイッチ板要素(100)の前記第1外側主面(115)の前記一部、および/もしくは前記第2外側主面(125)の前記一部に接着剤(160)を塗布すること(22)と、
前記接着剤(160)の塗布に続いて前記第1外側主面(160)の前記一部を前記第1部品(200:1、400:1、500:1、600:1、700:1)に配置されている前記第1内側表面(213、214、223、224)に接触させて配置すること(24)と、
前記2つの凹部(210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640)のうちの前記少なくとも1つを形成するために前記スナップ嵌め結合部(270、470、570、670、770)を用いて前記第2部品(200:2、400:2、500:2、600:2、700:2)を前記第1部品(200:1、400:1、500:1、600:1、700:1)へ結合すること(26)であって、前記第2外側主面(125)の前記一部を前記第2部品(200:2、400:2、500:2、600:2、700:2)に配置されている前記第2内側表面213、214、223、224)と接触させて、その結果、前記凹部(210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640)の少なくとも1つが関連する前記サンドイッチ板要素(100)の前記縁部(160)を保持し、前記接着結合(250)を用いて前記連結要素(200、400、500、600、700)を介して前記2つのサンドイッチ板要素(100)を連結する、結合すること(26)と、
を含む、方法(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してサンドイッチ板要素連結システム、サンドイッチ板要素連結システムを含む車両用のシャシ、および2つのサンドイッチ板要素を連結要素を用いて連結する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボード材は、数多くの異なる目的にかなう多数の建設用途にわたって使用される。ボード材またはパネル要素は、たとえば、壁やファサードの大きな平滑面を作るのに使用することができる。そのような場合、ボード材は典型的には何らかの形態の耐力骨組みへ直接取り付けられる。それゆえ、骨組みは典型的にはすぐ近くの構造物を支え、ボード材は構造物の強度には限定的にしか寄与しない。この状況では、ボード材は、典型的にはねじ、釘、または類似のものを用いて骨組みに直接固定されることで連結される。
【0003】
別の例として、ボード材またはパネル要素は、ボード材がすぐ近くの構造物の強度に大きく寄与する、または完全に寄与する数多くの用途で使用することができる。たとえば、トレーラ用キャビネット、トレーラ、容器、または類似のものをボード材で作ることができる。それゆえ、そのように形成された構造物は典型的には耐力骨組みを含まず、これは、あらゆる荷重や力はボード材そのものの中で分散されることを意味する。
【0004】
耐力構造物、またはボードもしくはパネルの形状の材料の構造物を作る場合、構造物を作るためにボード材の異なるボードを連結する必要がある。強くて丈夫な構造物を作るため、それぞれのボードを連結する結合部は、必然的に強いと同時に丈夫である必要がある。さらに、ボード自体も、構造物の寿命の間に受ける可能性のある力に耐えるように強くて丈夫である必要がある。
【0005】
ボード自体が主要な耐力要素である構造物を作る場合に、様々な強度の様々な種類のボードが数種類使用されることがある。たとえば、鋼板、木質繊維ボード、およびガラス繊維ボードを有利に使用することができる。さらに、サンドイッチボード、たとえば多数の層および典型的には多数の材料から作られるボードにより、非常に好ましい強度重量特性を有する非常に強いボードを提供することが可能である。非常に好ましい強度重量特性のサンドイッチボードでは、高い荷重および/または高い動荷重を受ける構造物で魅力的なサンドイッチボードを活用する。たとえば、強くて軽量なシャシを実現するため、車両構造においてサンドイッチボードを使用することが提案されている。
【0006】
当然の理由で、サンドイッチボードを用いて構造物を作る場合は強い結合の必要性が一層顕著となり、さもないと、全体的に優れた強度のサンドイッチボードを充分に活用することはできない。換言すると、結合は、典型的にはサンドイッチボードが対処可能な荷重に対応する荷重に対処できる必要がある。
【0007】
サンドイッチボード間の結合部を提供するいくつかの手法が存在する。一部の手法によれば、ボードはたとえばボルト、リベット、糊、または類似のものにより、直接互いに連結される。一般により強い結合を提供する別の方法は、連結されるサンドイッチボードが固定される、何らかの形態の中間結合詳細を利用することで、これにより結合が得られる。中間結合詳細を用いる場合、完全性が向上したより強い結合を典型的には実現することが可能である。この場合、サンドイッチボードはいくつかの手法、たとえばボルト締め、リベット打ち、接着を用いて中間結合詳細に固定することができる。
【0008】
中間結合詳細により提供される結合を強化するために、連結されるサンドイッチボードを専用の受け口へ挿入し、サンドイッチボードをこれらの受け口へ固定することが提案されている。しかし、この方法はある程度困難であることが分かっている。サンドイッチボードを受け口に機械的に固定する場合、サンドイッチボードを操作して典型的には機械的留め具で貫く必要があり、これは必然的にサンドイッチボードの強度を弱め、また好ましくない不確実性を招いてしまう。
【0009】
その一方で、サンドイッチボードを受け口に固定するのに糊が使用される場合は、サンドイッチボードは影響を受けないままとすることができる。しかし、この場合は、糊は受け口とサンドイッチボードの間の結合部において制御された方法で分散させるのは容易ではないため、強い結合を実現するのは困難であることが分かっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記を鑑み、本発明は、改善されたサンドイッチ板要素連結システム、および2つのサンドイッチ板要素を連結要素を用いて連結する改善された方法を提供することを目的とする。
【0011】
別の目的は、サンドイッチ板要素の間での強く確実な接着結合を提供する、そのようなサンドイッチ板要素連結システムを提供することである。
【0012】
別の目的は、サンドイッチ板要素の間での再現性のある接着結合を提供する、そのようなサンドイッチ板要素連結システムを提供することである。
【0013】
別の目的は、制御された接着剤の塗布を可能とする、そのようなサンドイッチ板要素連結システムを提供することである。
【0014】
別の目的は、更なる種類の接着剤を使用可能とする、そのようなサンドイッチ板要素連結システムを提供することである。
【0015】
別の目的は、連結する際にミスが生まれにくい、そのようなサンドイッチ板要素連結システムを提供することである。
【0016】
別の目的は、作成時に必要となる道具がより少ない、そのようなサンドイッチ板要素連結システムを提供することである。
【0017】
別の目的は、より短い組み立て時間を可能とする、そのようなサンドイッチ板要素連結システムを提供することである。
【0018】
別の目的は、機械組み立ての自動化を平易にする、そのようなサンドイッチ板要素連結システムを提供することである。
【0019】
別の目的は、改善されたサンドイッチ板要素連結システムを含む、改善されたシャシを提供することである。
【0020】
また、費用対効果の高いサンドイッチ板要素連結システム、シャシ、および方法を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の目的のうちの少なくとも1つ、および以下の説明から明らかな他の目的も実現するために、請求項1に規定される特徴を有するサンドイッチ板要素連結システムが本発明の概念に従い提供される。請求項12に記載される、サンドイッチ板要素連結システムを含む車両用シャシが提供される。請求項14に記載される、2つのサンドイッチ板要素を連結要素を用いて連結する方法が提供される。本発明の概念の好ましい変形は、従属請求項から明らかとなるであろう。
【0022】
より詳細には、第1態様によればサンドイッチ板要素連結システムが提供され、このサンドイッチ板要素連結システムは、それぞれが板芯材と、第1外板と、第2外板と、を含む2つのサンドイッチ板要素であって、第1外板は板芯材の第1主面を少なくとも部分的に覆うよう配置されてサンドイッチ板要素の第1外側主面を形成し、第2外板は板芯材の第2主面を少なくとも部分的に覆うよう配置されてサンドイッチ板要素の第2外側主面を形成する、2つのサンドイッチ板要素と、接着結合を用いて前記2つのサンドイッチ板要素を連結して2つの凹部を規定する連結要素であって、凹部はそれぞれ第1内側表面、第2内側表面を含み、かつ凹部は、サンドイッチ板要素の第1外側主面の少なくとも一部が凹部の第1内側表面と接触してサンドイッチ板要素の第2外側主面の少なくとも一部が凹部の第2内側表面と接触するように2つのサンドイッチ板要素のうちの一つの縁部を保持し、連結要素は前記2つの凹部のうちの少なくとも1つを形成するためにスナップ嵌め結合部により互いに結合される第1部品および第2部品を含み、第1内側表面は第1部品に配置され、第2内側表面は第2部品に配置される連結要素と、を含み、接着結合は、サンドイッチ板要素のそれぞれに対して関連する凹部の第1内側表面と関連するサンドイッチ板要素の第1外側主面との間に、および/または関連する凹部の第2内側表面と関連するサンドイッチ板要素の第2外側主面との間に配置される接着剤を含む。
【0023】
これにより、改善されたサンドイッチ板要素連結システムが提供される。
【0024】
サンドイッチ板要素連結システムは、2つのサンドイッチ板要素と、接着結合を用いて前記2つのサンドイッチ板要素を連結する連結要素と、を含む。接着結合は、接着剤を含む。
【0025】
各サンドイッチ板要素は、通常は外板の間に挟まれる板芯材を含む。外板は、通常は高い材料強度を示す材料で作られる。このように、外板は典型的にはサンドイッチ板要素の全体の強度に大いに寄与する。板芯材は、通常は外板と比べて低い材料強度を示す材料で作られる。板芯材は、通常は外板と比べて低い密度を示す材料で作られる。この板構成では、板芯材は、曲げ力などの力をサンドイッチ板が受けるかどうかに関わらず、外板が互いから望ましい距離、つまり、板の厚さに保たれることを保証する。上記の種類のサンドイッチ板要素は、通常は車両用のシャシで有利に使用することができる高強度で軽量な板要素である。ただし、外板と芯材の異なる特性を有利に利用して、たとえば特定の要求に適合するようにサンドイッチ板要素を調整することができる。
【0026】
連結要素は、接着結合を用いて2つのサンドイッチ板要素を連結する、または結合する。連結要素は、それぞれ第1内側表面、第2内側表面を有する2つの凹部を規定する。凹部はそれぞれ、サンドイッチ板要素の第1外側主面の少なくとも一部が凹部の第1内側表面と接触し、サンドイッチ板要素の第2外側主面の少なくとも一部が凹部の第2内側表面と接触するように2つのサンドイッチ板要素のうちの一つの縁部を保持する。
【0027】
連結要素は、スナップ嵌め結合部により互いに結合される第1部品および第2部品を含む。第1部品および第2部品は同じ材料で作られていてもよい。第1部品および第2部品は異なる材料で作られていてもよい。
【0028】
2つの凹部のうちの少なくとも1つは、スナップ嵌め結合部を結合することで形成される。そのように形成された凹部の第1内側表面は第1部品に配置され、第2内側表面は連結要素の第2部品に配置される。
【0029】
本願の文脈では、「スナップ嵌め結合部」という用語は何らかの連結機構を有する2つ以上の構成要素を押すことで構成要素が互いに対してロックされる、または分離されることに対抗する機械的係合状態になることで形成されうる任意の種類の結合部でありえることに留意されたい。
【0030】
スナップ嵌め結合部は接着してもよい。スナップ嵌め結合部を接着することで、スナップ嵌め結合部が分離されることをさらに防ぐことができる、または分離されることに対抗できる。スナップ嵌め結合部、そして連結システムの機械的完全性は、スナップ嵌め結合部を接着することで強化することが可能である。
【0031】
接着結合自体は、サンドイッチ板要素のそれぞれに対して関連する凹部の第1内側表面と関連するサンドイッチ板要素の第1外側主面との間に、および/または関連する凹部の第2内側表面と関連するサンドイッチ板要素の第2外側主面との間に配置される接着剤を含む。
【0032】
本願の文脈では、「接着剤」という用語は、接着力を用いて材料、表面、または類似のものに結合することができる任意の種類の材料、ペースト、組成物、テープ、または類似のものでありえることに留意されたい。接着剤は、たとえば糊であってもよい。接着剤は、たとえば単一成分の糊、二成分の糊、または多成分の糊であってもよい。接着剤は、たとえばテープであってもよい。接着剤は、たとえば両面接着テープであってもよい。
【0033】
換言すると、接着結合の接着剤は、サンドイッチ板要素と関連する凹部の第1内側表面との間の結合部に存在していてもよい。接着結合の接着剤は、サンドイッチ板要素と関連する凹部の第2内側表面との間の結合部に存在していてもよい。接着結合の接着剤は、サンドイッチ板要素と関連する凹部の第1内側表面との間の結合部、およびサンドイッチ板要素と関連する凹部の第2内側表面との間の結合部に存在していてもよい。サンドイッチ板要素と関連する凹部の第1内側表面との間の結合部、およびサンドイッチ板要素と関連する凹部の第2内側表面との間の結合部に接着剤を与えることで、特に強い結合を実現することが可能である。
【0034】
同じ種類の接着剤を、サンドイッチ板要素と関連する凹部の第1内側表面との間の結合部、およびサンドイッチ板要素と関連する凹部の第2内側表面との間の結合部に与えてもよい。
【0035】
第一種類の接着剤をサンドイッチ板要素と関連する凹部の第1内側表面との間の結合部に与え、第二種類の接着剤をサンドイッチ板要素と関連する凹部の第2内側表面との間の結合部に与えてもよい。
【0036】
サンドイッチ板要素と関連する凹部の第1内側表面との間の結合部に糊を与えてもよく、サンドイッチ板要素と関連する凹部の第2内側表面との間の結合部に両面テープを与えてもよく、また逆も同様である。
【0037】
したがって、サンドイッチ板要素連結システムは、スナップ嵌め結合部を係合する前に接着剤を望ましい場所に制御された方法で塗布することが可能なため、糊やテープなどの接着剤のサンドイッチ板要素連結システムの各結合部への制御された塗布を提供する。さらに、サンドイッチ板要素連結システムは、接着テープと凹部を組み合わせた利用法を提供する。これは、接着テープはスナップ嵌め結合部を係合する前に望ましい場所に制御された方法で貼ることが可能なためである。
【0038】
サンドイッチ板要素連結システムは、3つ以上のサンドイッチ板要素と、接着結合を用いて前記サンドイッチ板要素を連結する連結要素と、を含んでもよいことに留意されたい。
【0039】
サンドイッチ板要素連結システムは、3つ以上のサンドイッチ板要素と、接着結合を用いて前記サンドイッチ板要素を連結する2つ以上の連結要素と、を含んでもよいことに留意されたい。
【0040】
連結要素は、3つ以上の凹部を規定してもよい。
【0041】
連結要素は、第1部品と第2部品以外の部品を含んでもよい。
【0042】
連結要素は3つの部品を含んでもよく、各凹部は、部品がそれぞれのスナップ嵌め結合部により互いに結合されることで、隣接する部品の間に形成される。
【0043】
連結要素は、これらの部品が2つのスナップ嵌め結合部により互いに結合されることで形成される4つの凹部を形成する3つの部品を含んでもよい。
【0044】
非限定の例を2~3挙げると、連結要素は4つ、5つ、または6つの部品を含んでもよい。
【0045】
第1部品および第2部品は、凹部がサンドイッチ板要素のうちの一つの縁部を圧入により保持するよう構成することができて、これは改善された機械的完全性を実現することが可能であるという点で有利である。圧入自体は、サンドイッチ板要素の縁部をすぐ近くの位置に保持するのに寄与する。接着剤が圧入と併用される場合、厚さ、それゆえ接着結合の強度は制御することが可能である。圧入は、接着剤が硬化される間にサンドイッチ板要素の縁部をすぐ近くの位置に保持するのを助ける。接着剤を圧入と併用することで、強い結合を提供することが可能である。
【0046】
スナップ嵌め結合部は、連結要素の第1部品または第2部品にある雄部材と連結要素の第1部品と第2部品の他方にある雌部材を用いて形成することができて、これは、係合が容易で確実な結合を実現することが可能であるという点で有利である。
【0047】
スナップ嵌め結合部の雄部材と雌部材は、互いへ接着してもよい。スナップ嵌め結合部の雄部材と雌部材を互いへ接着することで、スナップ嵌め結合部が分離されることをさらに防ぐことができる、または分離されることに対抗できる。スナップ嵌め結合部、そして連結システムの機械的完全性は、スナップ嵌め結合部の雄部材と雌部材を互いへ接着することで強化することが可能である。
【0048】
スナップ嵌め結合部は連結要素の長手方向に細長くすることができる、または連結要素の長手方向に沿って別々に分散されていてもよく、これは、スナップ嵌め結合部の設計が強度に関する要求および利用可能な空間に関する要求を実現するように調整が可能であるという点で有利である。連結要素の長手方向に細長いスナップ嵌め結合部を設けることで、延長された距離にわたってぴったりした嵌合を可能とする強いスナップ嵌め結合部を実現することが可能である。連結要素の長手方向に沿って別々に分散されたスナップ嵌め結合部を設けることで、望ましい機械的特性を有する調整されたスナップ嵌め結合部を実現することが可能である。たとえば、力の伝達が最も必要な場合にスナップ嵌め結合部を設けることができる。たとえば、連結要素または他の実体の他の機構に場所が与えられるようにスナップ嵌め結合部を設けることができる。別々に分散されたスナップ嵌め結合部を設けることで、連結要素を形成するのに必要な材料を少なくすることができる。別々に分散されたスナップ嵌め結合部を設けることで、より軽い連結要素を実現することが可能である。
【0049】
連結要素の第1部品および/または第2部品は、連結要素の第2部品に対する連結要素の第1部品のスナップ嵌め結合部を結合する方向への動きを制限するよう構成されているストッパ部材を含んでもよく、これは、スナップ嵌め結合部が結合方向へ余分に押し付けられるのを防ぐことが可能であるという点で、有利である。連結要素の第2部品に対する連結要素の第1部品のスナップ嵌め結合部を結合する方向への動きを制限することで、サンドイッチ板要素の縁部への好ましくない圧縮力に対抗できる、または圧縮力を除去できる。換言すると、連結要素の第2部品に対する連結要素の第1部品のスナップ嵌め結合部を結合する方向への動きを制限するよう構成されているストッパ部材を設けることで、連結要素の第1部品と第2部品の間で堅固な圧縮結合を実現することが可能である。
【0050】
本願の文脈では、「スナップ嵌め結合部を結合する方向」という用語は、スナップ嵌め結合部を結合することができる任意の方向でありえることに留意されたい。
【0051】
ストッパ部材は、スナップ嵌め結合部が係合状態にある場合に連結要素の別の部品に接着してもよい。たとえば、ストッパ部材が第1部品に設けられている場合、スナップ嵌め結合部が係合状態にある場合に、第2部品に接着してもよく、また逆も同様である。ストッパ部材を連結要素の別の部品へ接着することで、スナップ嵌め結合部が分離されることをさらに防ぐことができる、または分離されることに対抗できる。換言すると、たとえば、連結要素の第1部品と第2部品が分離されることをさらに防ぐことができる、または分離されることに対抗できる。スナップ嵌め結合部、そして連結システムの機械的完全性は、ストッパ部材を連結要素の別の部品へ接着することで強化することが可能である。
【0052】
ストッパ部材には、ストッパ部材とストッパ部材が接着される部品との間の結合部表面積を大きくするために、フランジ、突起、または類似のものを設けてもよい。このようにして、糊を分散させることが可能な表面積を大きくすることができる。これにより、結果として、スナップ嵌め結合部、そして連結システムの機械的完全性をさらに強化することが可能となる。フランジは、フランジ自体とフランジが接着される部品との間に糊のための小さな隙間を残すよう構成することができる。このようにして、糊の強度を最適化して、糊の種類に応じてその能力の限界まで使用できるように、使用される糊の厚さを調整することができる。
【0053】
実際には、スナップ嵌め結合部が係合状態にある場合にストッパ部材を連結要素の別の部品へ接着することは、連結システムの全体の強度に大いに寄与しうる。
【0054】
連結要素の第1部品および/または第2部品は、少なくとも1つの凹部の深さを規定するストッパ要素を含むことができて、これは、サンドイッチ板要素の縁部の挿入深さの制御を実現することが可能であるという点で有利である。ストッパ要素は、サンドイッチ板要素の縁部の凹部への挿入深さを制限する機械的ストッパであってもよい。ストッパ要素は、切り欠き、突起、ピン、または類似のものを含んでもよい。
【0055】
接着剤は、糊、および/または接着テープであってもよく、これは、接着結合の特性を異なる要求、および/または異なる材料に合わせるために調整が可能であるという点で有利である。
【0056】
連結要素の第1部品および第2部品は、前記2つの凹部の両方を形成してもよく、これは、両方の凹部への接着剤の制御された塗布を提供するという点で有利である。さらに、連結要素の第1部品および第2部品で前記2つの凹部の両方を形成することで、両方の凹部において両面接着テープを有利に使用することができる。
【0057】
サンドイッチ板要素の第1外板および第2外板は繊維強化高分子材料で作ることができて、これは、強くて軽量なサンドイッチ板要素を実現することが可能であるという点で有利である。
【0058】
サンドイッチ板要素の第1外板および第2外板は金属で作ることができる。
【0059】
サンドイッチ板要素の第1外板および第2外板は高分子材料で作ることができる。
【0060】
サンドイッチ板要素の板芯材は高分子発泡体で作ることができて、これは、強くて軽量なサンドイッチ板要素を実現することが可能であるという点で有利である。高分子発泡体は衝撃を吸収することが可能で、軽量になりうる。板芯材はサンドイッチ板要素の厚さを大きくすることができて、これにより、サンドイッチ板要素の重量をほとんど増加させることなく曲げ剛性を高めることができる。
【0061】
さらに、高分子発泡体芯材を使うことにより、高分子発泡体を望ましい形状へ成形した後に形成された芯材上に外板を形成して、サンドイッチ板要素を作るのを容易にすることができる。換言すると、芯材は望ましい形状へ成形することが可能で、外板が芯材の外側輪郭に従うように外板を芯材上に積層することができる。
【0062】
サンドイッチ板要素の板芯材は木材で作ることができる。
【0063】
サンドイッチ板要素の板芯材はハニカム構造を有する材料で作ることができる。
【0064】
連結要素は金属で作ることができる。金属は広く入手可能で、強く、典型的には高強度の部品を容易に製造することができる。
【0065】
連結要素はアルミニウムで作ることができる。
【0066】
連結要素は押し出しアルミニウムで作ることができる。
【0067】
連結要素は押し出し加工により作ることができる。そのような加工により、複雑な断面を持ちうる強い連結要素をより容易に形成することが可能である。
【0068】
連結要素は高分子材料で作ることができる。
【0069】
連結要素は繊維強化高分子材料で作ることができる。前記強化繊維は、ガラス繊維、セルロース繊維、高分子繊維、炭素繊維、織物繊維、および/または金属繊維を含みうる。
【0070】
連結要素はポリマー系材料で作ることができる。ポリマー系材料は安価で製造できて、強く、成形するのが容易でありうる。金属で出来た連結要素、およびポリマー系材料で出来た連結要素は、いずれも3次元印刷の手法により適切に成形することが可能である。
【0071】
本発明の別の態様によれば、上述した種類のサンドイッチ板要素連結システムを含む、車両用のシャシが提供され、このシャシは強くて軽量なシャシを提供することが可能であるという点で有利である。
【0072】
シャシは、連結要素に結合される補助要素をさらに含んでもよい。それゆえ、補助要素、または追加の構成要素を連結要素に結合することができる。これにより、サンドイッチ板要素の構造的完全性および強度で妥協することなく、追加の構成要素または補助要素をシャシに結合することができる。
【0073】
補助要素の例は、車輪懸架装置、燃料タンク、ライト、エンジン取り付け具、座席、ラジエータ、屋根材、車体部品、バックミラー、シートベルト、バッテリ取り付け具、衝突保護要素、エネルギー吸収要素、けん引連結装置、外付け荷物室、アクセルペダル取り付け具、ブレーキペダル取り付け具、ハンドルアセンブリ、操舵装置アセンブリ、結合要素、また車両の機能に必要な他の要素でありうる。
【0074】
概して、本発明のこの態様の特徴は、本発明の第1態様に対して上述したものと同様の利点を提供する。それゆえ、必要以上の繰り返しを避けるために前記利点については繰り返さない。それゆえ、本発明のこの態様の詳細および利点は本発明の第1態様のものと非常に類似しており、上記への参照がなされる。
【0075】
本発明の別の態様によれば、それぞれが板芯材と、第1外板と、第2外板と、を含む2つのサンドイッチ板要素を連結要素を用いて連結する方法が提供され、第1外板は板芯材の第1主面を少なくとも部分的に覆うよう配置されてサンドイッチ板要素の第1外側主面を形成し、第2外板は板芯材の第2主面を少なくとも部分的に覆うよう配置されてサンドイッチ板要素の第2外側主面を形成し、連結要素は2つの凹部を規定し、凹部はそれぞれ第1内側表面、第2内側表面を含み、かつ凹部は、サンドイッチ板要素の第1外側主面の少なくとも一部が凹部の第1内側表面と接触してサンドイッチ板要素の第2外側主面の少なくとも一部が凹部の第2内側表面と接触するように2つのサンドイッチ板要素のうちの一つの縁部を保持し、連結要素は前記2つの凹部のうちの少なくとも1つを形成するためにスナップ嵌め結合部を用いて互いに結合することができる第1部品および第2部品を含み、第1内側表面は第1部品に配置され、第2内側表面は第2部品に配置されて、方法は、第1部品の第1内側表面および/もしくは第2部品の第2内側表面、ならびに/または前記2つの凹部のうちの少なくとも1つに関連するサンドイッチ板要素の第1外側主面の一部および/もしくは第2外側主面の一部に接着剤を塗布することと、接着剤の塗布に続いて第1外側主面の一部を第1部品に配置されている第1内側表面に接触させて配置することと、前記2つの凹部のうちの少なくとも1つを形成するためにスナップ嵌め結合部を用いて第2部品を第1部品へ結合することであって、第2外側主面の一部を第2部品に配置されている第2内側表面と接触させて、その結果、少なくとも1つの凹部が関連するサンドイッチ板要素の縁部を保持し、接着結合を用いて連結要素を介して前記2つのサンドイッチ板要素を連結する、結合することと、を含む。
【0076】
この方法により、2つのサンドイッチ板要素は連結要素および接着結合を用いて連結することができる。接着結合は、前記2つの凹部のうちの少なくとも1つを形成するためにスナップ嵌め結合部を用いて第2部品を第1部品へ結合することで形成される。
【0077】
第2部品を第1部品へ結合する前に、接着剤は望ましい場所、つまり、第1部品の第1内側表面および/もしくは第2部品の第2内側表面、ならびに/または前記2つの凹部のうちの少なくとも1つに関連するサンドイッチ板要素の第1外側主面の一部および/もしくは第2外側主面の一部に配置される。換言すると、接着剤は、第2部品を第1部品へ結合する前に1箇所、2箇所、3箇所、または4箇所に塗布される。
【0078】
概して、本発明のこの態様の特徴は、本発明の第1態様に対して上述したものと同様の利点を提供する。それゆえ、必要以上の繰り返しを避けるために前記利点については繰り返さない。それゆえ、本発明のこの態様の詳細および利点は本発明の第1態様のものと非常に類似しており、上記への参照がなされる。
【0079】
概して、請求の範囲で使用されるすべての用語は、本明細書で明示的に別の定義がされていない限り、当技術分野におけるその通常の意味に従って解釈されるべきである。「a/an/the」が付された「要素、装置、構成要素、手段、ステップなど」へのすべての言及は、別途明示的に規定されていない限り、前記の要素、装置、構成要素、手段、ステップなどの少なくとも1つの実例に言及していると率直に解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0080】
本発明の上記および追加の目的、特徴および利点は、類似した要素に対しては同じ参照番号が使用される添付の図面を参照して、本発明の概念の好ましい変形の実例の非限定な以下の詳細な説明を通じてよりよく理解されるであろう。
【0081】
【
図1】連結された状態のサンドイッチ板要素連結システムの断面図である。
【
図2】
図1のサンドイッチ板要素連結システムがどのように組み立てられるかを示す画像シーケンスである。
【
図3】連結された状態のサンドイッチ板要素連結システムの断面図である。
【
図4】サンドイッチ板要素連結システムの断面図である。
【
図5】サンドイッチ板要素連結システムの断面図である。
【
図6】サンドイッチ板要素連結システムの断面図である。
【
図8】
図7のシャシにおいて補助要素を結合するのに用いられるサンドイッチ板要素連結システムの詳細斜視図である。
【
図9】2つのサンドイッチ板要素を連結要素を用いて連結するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0082】
これより、本発明の概念について、本発明の概念の好ましい変形が示される添付の図面を参照し、以下でさらに詳細に説明する。ただし、本発明の概念は多くの異なる形態で具体化することが可能であり、本明細書に記載される変形に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの変形は徹底さおよび網羅性のために提供されており、本発明の概念の範囲を当業者へ充分に伝える。本明細書のあらゆる場所において、類似の参照番号は類似の要素を指す。
【0083】
最初に、連結された状態、つまり、サンドイッチ板要素100が接着結合250を用いて連結要素200を介して互いに連結された状態のサンドイッチ板要素連結システム1について説明する。続いて、
図2を参照して、サンドイッチ板要素連結システム1がどのように組み立てられるかを説明する。続いて、サンドイッチ板要素連結システム1、2、3、4、5のいくつかの変形および詳細について
図3~6および
図8を参照して説明する。
【0084】
図1は、サンドイッチ板要素連結システム1の断面図である。連結された状態のサンドイッチ板要素連結システム1が描かれており、2つのサンドイッチ板要素100が接着結合250を用いて連結要素200を介して互いに連結される。
【0085】
図1に描かれているサンドイッチ板要素連結システム1は、2つのサンドイッチ板要素100と連結要素200とを含む。
【0086】
サンドイッチ板要素100はそれぞれ、板芯材150と、第1外板110と、第2外板120と、を含む。第1外板110は、板芯材150の第1主面を少なくとも部分的に覆うよう配置されて、サンドイッチ板要素100の第1外側主面115を形成する。第2外板120は、板芯材150の第2主面を少なくとも部分的に覆うよう配置されて、サンドイッチ板要素の第2外側主面125を形成する。第1外側主面115と第2外側主面125は互いに対向している。第1外板110および第2外板120は板芯材150に取り付けられており、第1外板110または第2外板120の法線方向に沿って見ると板芯材150を覆っている。第1外板110および第2外板120は、それぞれ外側主面115、125を有する。サンドイッチ板要素100は、その縁に縁部160を含む。
【0087】
描かれているサンドイッチ板要素100では、板芯材150は発泡スチロールの形態の高分子発泡体で出来ている。描かれているサンドイッチ板要素100では、第1外板110および第2外板120はガラス繊維強化ポリエステル樹脂の形態の繊維強化高分子材料で出来ている。換言すると、描かれている第1外板110および第2外板120は、硬化されたポリエステル樹脂の中にガラス繊維が入って出来ている。第1外板110および第2外板120は、接着剤を用いて板芯材150に結合されている。適切な接着剤の例は、ポリエステル/ポリウレタン樹脂、ポリオール/ポリウレタン樹脂、アクリル/ポリウレタン樹脂などの多成分接着剤である。他の例には、エポキシ樹脂、シアノアクリレート、MMA、シリコーンが含まれうる。
【0088】
別の選択肢として、板芯材150はポリウレタン、ポリプロピレン、PET、またはポリウレタンと発泡スチロールの組み合わせとすることができる。別の選択肢として、板芯材150は硬い木材や単板積層材(LVL)などの木材で作ることができる。別の選択肢として、板芯材150はハニカム材料構造で作ることができる。
【0089】
さらに、第1外板110および第2外板120はあるいは、金属板、またはアクリル、PET、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ビニルエステル系の材料、リグニン、エポキシ樹脂、もしくはそれらの組み合わせなどのポリマー系材料で作ることができる。第1外板110および第2外板120は繊維により強化されてもよい。適切な繊維の例は、亜麻繊維、熱可塑性繊維、炭素繊維、ガラス繊維、綿花、麻繊維、金属繊維、合成樹脂繊維である。第1外板110と第2外板120は、異なる材料で出来ていてもよい。
【0090】
サンドイッチ板要素100は、約1cmから約15cmの範囲の厚さとすることができる。有利に使用するため、また特定の要求に適合するために他の厚さが用いられてもよい。
【0091】
連結要素200は、接着結合250を用いて2つのサンドイッチ板要素100を連結しており、フランジ211、212、221、222で作られる2つの凹部210、220を規定する。凹部210、200はそれぞれ第1内側表面213、223および第2内側表面214、224を含み、
図1に示されるように、2つのサンドイッチ板要素100の内の一つの縁部160を保持する。それゆえ、サンドイッチ板要素100の第1外側主面115の少なくとも一部が凹部210の第1内側表面213と接触し、サンドイッチ板要素100の第2外側主面125の少なくとも一部が凹部210の第2内側表面214と接触する。対応して、他のサンドイッチ板要素100の第1外側主面115の少なくとも一部が凹部220の第1内側表面223と接触し、前記サンドイッチ板要素100の第2外側主面125の少なくとも一部が凹部220の第2内側表面224と接触する。
【0092】
連結要素200は、スナップ嵌め結合部270により互いに結合される第1部品200:1および第2部品200:2を含む。フランジ211、212、221、222で作られる2つの凹部210、220は、スナップ嵌め結合部270を結合することで形成される。
図1から分かるように、2つの凹部210、220のそれぞれの第1内側表面213、223は、それぞれ連結要素200の第1部品200:1に配置される。
図1から分かるように、2つの凹部210、220のそれぞれの第2内側表面212、224は、それぞれ連結要素200の第2部品200:2に配置される。
【0093】
連結要素200の第1部品200:1および第2部品200:2は、スナップ嵌め結合部270において接着してもよい。スナップ嵌め結合部270を接着することで、スナップ嵌め結合部270が分離されることをさらに防ぐことができる、または分離されることに対抗できる。スナップ嵌め結合部270、そして連結システム1の機械的完全性は、スナップ嵌め結合部270を接着することで強化することが可能である。
【0094】
接着結合250は、接着剤260を含む。
図1に描かれているサンドイッチ板要素連結システム1では、接着剤260はエポキシ樹脂などの糊の形態で与えられる。しかし、接着剤260は両面接着テープであってもよい。サンドイッチ板要素連結システム1の異なる場所で異なる種類の接着剤を使用してもよい。糊とテープを併用してもよい。
【0095】
図1から分かるように、接着剤260は、サンドイッチ板要素100のそれぞれに対して、関連する凹部210、220の第1内側表面213、223と関連するサンドイッチ板要素100の第1外側主面115との間に配置される。また、接着剤260は、関連する凹部210、220の第2内側表面214、224と関連するサンドイッチ板要素の第2外側主面125との間に配置される。4つの異なる場所に接着剤260を与えることで、強い接着結合を実現することができる。
【0096】
連結要素200は、フランジ211と221の間、およびフランジ212と222の間が直角となっているように描かれている。フランジ211、212、221、222が直角を規定することは必要ではなく、その代わりに、角度は必要性に応じて任意の望ましい角度とすることができる。
図1に描かれている連結要素200は、押し出しアルミニウムで出来ている。別の選択肢として、連結要素200は、鋼、鉄、またはそれらの組み合わせなどの異なる金属で出来ていてもよい。
【0097】
3次元印刷、引き抜き成形、プルワインディングなどの他の適切な製造技術を、押し出し加工に代わる選択肢として使用することができる。連結要素200は金属板または類似のもので作ることができる。さらに、連結要素200は、アクリル、PET、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ビニルエステル系の材料系の材料、リグニン、エポキシ樹脂などのポリマー系材料で作ることができる。ポリマー系材料は、亜麻繊維、熱可塑性繊維、炭素繊維、ガラス繊維、綿花、麻繊維、金属繊維、合成樹脂繊維、任意の他の充分に強い繊維状材料、またはそれらの組み合わせなどの繊維により有利に強化することができる。
【0098】
図1から分かるように、連結要素200の第1部品200:1および第2部品202:2は、スナップ嵌め結合部270を結合することで形成される凹部210、220がサンドイッチ板要素100のそれぞれの縁部160を圧入により保持するように形成される。換言すると、フランジ211、212は、凹部210において受けられるサンドイッチ板要素100に圧縮力を加える。対応して、フランジ221、222は、凹部220において受けられるサンドイッチ板要素100に圧縮力を加える。これは、サンドイッチ板要素100のそれぞれに加えられるそれぞれの圧縮力は、スナップ嵌め結合部270を結合している間にもたらされることを意味する。
【0099】
図1から分かるように、スナップ嵌め結合部270は、連結要素200の第1部品200:1の雌部材272と連結要素200の第2部品200:2の雄部材274を用いて形成される。
【0100】
スナップ嵌め結合部270の雄部材274と雌部材272は、その間の結合部において互いへ接着してもよい。スナップ嵌め結合部270の雄部材274と雌部材272を互いへ接着することで、スナップ嵌め結合部270が分離されることをさらに防ぐことができる、または分離されることに対抗できる。スナップ嵌め結合部270、そして連結システム1の機械的完全性は、スナップ嵌め結合部270の雄部材274と雌部材272を互いへ接着することで強化することが可能である。
【0101】
図1から分かるように、連結要素200第1部品200:1は、凹部210、220のそれぞれの深さを規定するストッパ要素230を含む。描かれている連結要素200のストッパ要素230は、連結要素200の第1部品200:1内に一体的に形成される突起として設計される。ストッパ要素230は、サンドイッチ板要素100が凹部210、220のそれぞれへ度を超して押されるのに対抗する、または防ぐ。
【0102】
ここで
図2も参照すると、
図1のサンドイッチ板要素連結システム1がどのように組み立てられて2つのサンドイッチ板要素100が連結されるかが、概念的に描かれている。サンドイッチ板要素連結システム1を組み立てることで2つのサンドイッチ板要素100を連結する順序は
図2では矢印で示されている。
【0103】
図2の左上画像から分かるように、接着剤260は、まず形成される凹部210、220の第2内側表面214、224に与えられる。第2内側表面214、224は、上述されたように、連結要素200の第2部品200:2のフランジ212、222に設けられている。
【0104】
続いて、接着剤260は、
図2の右画像から分かるように、サンドイッチ板要素100の第1外側主面115の縁部160に与えられる。さらに、サンドイッチ板要素100が、
図2の右画像から分かるように、形成される凹部210、220の第2内側表面214、224に与えられた接着剤260に接触させられる。
【0105】
続いて、連結要素200の第1部品200:1が、
図2の左下画像から分かるように、スナップ嵌め結合部270を用いて連結要素200の第2部品200:2に結合される。それゆえ、連結要素200の第1部品200:1と連結要素200の第2部品200:2は、スナップ嵌め結合部270の雄部分と雌部分が係合して、スナップ嵌め結合部270を形成すると同時に2つの凹部210、220を形成するように押し付けられる。結果として、サンドイッチ板要素100は接着結合250を用いて連結要素200によって連結される。
【0106】
上述され、
図2に示されるように、並べられて押し付けられた自由表面に接着剤260が制御された方法で塗布される。これは、接着剤260は、必要な場合に接着結合250に必要な量を塗布するのが可能であることを意味する。接着剤260が与えられた自由表面は、そうでなければ塗布された接着剤260の場所が変えられて分散してしまう恐れがある接着剤260が横方向の力を受けないように、有利には法線方向に組み立てられる。
【0107】
さらに、並べられて押し付けられた自由表面に接着剤260が制御された方法で塗布されるという事実により、接着テープを接着剤260として使用することが可能になる。接着テープは、たとえばサンドイッチ板要素100を固定された幅の凹部の中へ滑りこませる場合には、有利に使用することはできない。
【0108】
スナップ嵌め結合部270が接着される場合、糊は、典型的にはスナップ嵌め結合部270を係合させる前にスナップ嵌め結合部270の結合面に塗布される。
【0109】
ここで
図3を参照すると、
図1のサンドイッチ板要素連結システム1の異なる変形が概念的に描かれている。
図3のサンドイッチ板要素連結システム1は、ほとんどの点で
図1のサンドイッチ板要素連結システム1に類似している。必要以上の繰り返しを避けるため、
図3のサンドイッチ板要素連結システム1と
図1のサンドイッチ板要素連結システム1の間の差異のみについて説明する。
【0110】
図3から分かるように、連結要素200第1部品200:1にはストッパ部材276が設けられている。
図3に描かれているサンドイッチ板要素連結システム1のストッパ部材270は、スナップ嵌め結合部270の雄部材274に配置されている突起276である。それゆえ、ストッパ部材270は連結要素200の第2部品202:2に設けられ、スナップ嵌め結合部270の雄部分と雌部分が係合して、スナップ嵌め結合部270を形成すると同時に2つの凹部210、220を形成する際に、連結要素200の第1部品200:1の壁にぶつかるよう構成される。
【0111】
ストッパ部材276は、連結要素200の第2部品200:2に対する連結要素200の第1部品200:1のスナップ嵌め結合部270を結合する方向への動きを制限するよう構成される。換言すると、ストッパ部材276は、スナップ嵌め結合部270の雄部分と雌部分が係合して、スナップ嵌め結合部270を形成すると同時に2つの凹部210、220を形成する際に、連結要素200の第1部品200:1が連結要素200の第2部品200:2の方へ度を超して押し付けられるのに対抗する、または防ぐ。
【0112】
さらに、ストッパ部材276は、連結要素200の第1部品200:1がスナップ嵌め結合部270が形成された後に連結要素200の第2部品200:2の方へさらに押し付けられるのに対抗する、または防ぐ。これは、サンドイッチ板要素100の好ましくない圧縮に対抗する、または防ぐことが可能であることを意味する。そうでなければ、サンドイッチ板要素100のそのような好ましくない圧縮は、サンドイッチ板要素連結システム1がサンドイッチ板要素100に加えられる曲げ力のような力を受ける場合に発生する可能性がある。換言すると、連結要素200の第1部品200:1と第2部品200:2の間に圧縮による堅固な結合を実現することが可能である。
【0113】
スナップ嵌め結合部270の雄部材274に配置されるストッパ部材276は、連結要素200の第1部品200:1の壁に接着してもよい。ストッパ部材276を連結要素200の第1部品200:1の壁に接着することで、スナップ嵌め結合部270が分離されることをさらに防ぐことができる、または分離されることに対抗できる。スナップ嵌め結合部270、そして連結システム1の機械的完全性は、ストッパ部材276を連結要素200の第1部品200:1へ接着することで強化することが可能である。
【0114】
ストッパ部材276には、ストッパ部材276とストッパ部材276が接着される第1部品200:1の壁との間の結合部表面積を大きくするために、フランジ、突起、または類似のものを設けてもよい。接着に利用可能な表面積を調整するために、この種の突起、またはフランジの大きさおよび分散は調整が可能である。このようにして、糊を分散させることが可能な表面積を大きくすることができる。これにより、結果として、スナップ嵌め結合部270、そして連結システム1の機械的完全性をさらに強化することが可能となる。
【0115】
実際には、ストッパ部材276を第1部品200:1の壁に接着することは、連結システム1の全体の強度に大いに寄与しうる。第1部品200:1の壁へストッパ部材276を接着するのに適切な糊の例は、エポキシ樹脂、またはメタクリル酸メチルの種類の糊を含む。他の適切な種類の糊を有利に使用することができる。
【0116】
ここで
図4も参照すると、サンドイッチ板要素連結システムの変形2が概念的に描かれている。サンドイッチ板要素連結システム2がどのように組み立てられて2つのサンドイッチ板要素100が連結されるかも描かれている。サンドイッチ板要素連結システム2を組み立てることで2つのサンドイッチ板要素100を連結する順序は
図4では矢印で示されている。
図4に描かれているサンドイッチ板要素連結システム2は、2つのサンドイッチ板要素100と連結要素400とを含む。サンドイッチ板要素100は、
図1と共に上述された種類のものである。サンドイッチ板要素連結システム2は、上述されたサンドイッチ板要素連結システム1と共通する多くの特徴を有する。必要以上の繰り返しを避けるため、理解に関連する、サンドイッチ板要素連結システム2とサンドイッチ板要素連結システム1の間の差異のみについて説明する。
【0117】
図4の左上画像から分かるように、連結要素400は、第1部品400:1と第2部品400:2とを含む。第1部品400:1は、固定された凹部410を含む。サンドイッチ板要素100のうちの一つの縁部は、固定された凹部410に挿入されて保持される。固定された凹部410は、第1内側表面および第2内側表面を有するフランジで作られる。固定された凹部の第1内側表面、第2内側表面は、前記サンドイッチ板要素100の第1外側主面、第2外側主面と接触する。サンドイッチ板要素100は、接着するなどの任意の適切な接着手法により固定溝410の中で保持することができる。
【0118】
凹部420は、
図4の右下画像から分かるように、連結要素400の第1部品400:1と第2部品400:2を結合することで形成される。
【0119】
連結要素400の第1部品400:1と第2部品400:2を結合する前に、
図4の左上画像から分かるように、形成される凹部420の内側表面とサンドイッチ板要素100の縁部に接着剤260が与えられる。連結要素400の第1部品400:1と第2部品400:2は、
図4の右下画像から分かるように、その後にスナップ嵌め結合部470により互いに結合されると同時に凹部420を形成する。
【0120】
スナップ嵌め結合部470はストッパ部材476を含む。ストッパ部材476は第1部品400:1に設けられ、第1部品と一体的に形成される。ストッパ部材476は、連結要素400の第2部品400:2に対する連結要素400の第1部品400:1のスナップ嵌め結合部470を結合する方向への動きを制限するよう構成される。
【0121】
第1部品400:1に設けられるストッパ部材476は、第2部品400:2に接着してもよい。ストッパ部材476を第2部品400:2へ接着することで、スナップ嵌め結合部470が分離されることをさらに防ぐことができる、または分離されることに対抗できる。
【0122】
図4から分かるように、スナップ嵌め結合部470は、第2部品400:2の略細長い形状を有する構造部に設けられるフックを、第1部品400:1に設けられる、ストッパ部材476の近くにある対応するフックに結合することで形成される。この設計により、スナップ嵌め固定部470は圧縮力と共に、
図4の左側のサンドイッチ板要素100の主面に対して垂直な方向への張力を有利に受けうる。
【0123】
スナップ嵌め固定部470、つまり、第2部品400:2の構造部に設けられるフックと、第1部品400:1に設けられる、ストッパ部材476の近くにある対応するフックの配置により、
図4の左側のサンドイッチ板要素100の主面に対して垂直な方向に、つまり、第2部品400:2の構造部に沿って圧縮力および張力が伝達される、非常に好ましい力の分散がもたらされる。実際には、第2部品400:2の構造部を通って分散される圧縮力は、ストッパ部材476を介して第1部品へ伝達される。対応して、第2部品400:2の構造部を通って分散される張力は、第1要素400:1および第2要素400:2にそれぞれ設けられるフックの相互連結を介して伝達される。このようにして、凹部420の高さの増加と減少に対抗できる、または防ぐことができる。
【0124】
スナップ嵌め固定部476の配置によってさらに、サンドイッチ板要素100間の結合部の強度が上がり、曲げやねじりに対してより強くなる。実際には、スナップ嵌め固定部470を結合することで形成される凹部420の高さは、サンドイッチ板要素100が外力を受けた場合に影響を受けない。換言すると、スナップ嵌め固定部470の配置により、凹部420の高さが影響を受けて凹部420の中へ挿入されるサンドイッチ板要素100の縁部への圧縮力または張力が発生することを防ぐ、または対抗する。
【0125】
図4の連結システム2の強度をさらに大きくするため、ストッパ部材476と第2部品400:2の間の結合部の表面積は、接着に利用可能な表面積が大きくなるように大きくすることができる。換言すると、ストッパ部材476と第2部品400:2の間の結合部における糊を分散させることが可能な表面積を大きくすることができる。これは、たとえばスナップ嵌め結合部470が係合状態である場合に第2部品400:2に接触するよう構成されているストッパ部材476にフランジまたは突起を設けることで実現することができる。第2部品400:2には、たとえば対応するフランジまたは突起を設けることができる。接着に利用可能な表面積を調整するために、この種の突起、またはフランジの大きさおよび分散を調整が可能である。さらに、この種の突起またはフランジは、突起またはフランジ自体と、突起またはフランジが接着される部品との間に糊のための小さな隙間を残すよう構成することができる。このようにして、糊の強度を最適化して、糊の種類に応じてその能力の限界まで使用できるように、使用される糊の厚さを調整することができる。このような設計より、結果として、スナップ嵌め結合部470、そして連結システム2の機械的完全性をさらに強化することが可能となる。
【0126】
実際には、ストッパ部材476を第2部品400:2に接着することは、連結システム2の全体の強度に大いに寄与しうる。実際、ストッパ部材476を第2部品400:2に接着することは、連結要素400によりサンドイッチ板要素100の間に形成される結合部の強度の大部分を構成しうる。連結要素400によりサンドイッチ板要素100の間に形成される結合部の強度は、ストッパ部材476と第2部品400:2を接着するのに使用される結合部表面積を調整して、使用する糊の種類を調整することで、調整することができる。第2部品400:2へストッパ部材476を接着するのに適切な糊の例は、エポキシ樹脂、またはメタクリル酸メチルの種類の糊を含む。他の適切な種類の糊を有利に使用することができる。
【0127】
連結要素400が、たとえば2つの凹部が形成される
図3の連結要素200におけるように、第1部品400:1と第2部品400:2を結合することで2つ以上の凹部が形成されるように設計されている場合、形成される凹部420のそれぞれに対して上記の種類のスナップ嵌め結合部470を有利に使用することができる。換言すると、2つ以上のスナップ嵌め結合部470を形成すると同時に連結要素400の部品400:1と400:2を結合することができる。換言すると、たとえば、第2部品400:2の略細長い構造部に設けられるフックと、第1部品400:1に設けられる、ストッパ部材476の近くにある対応するフックを、形成される凹部420のそれぞれに対して有利に設けることができる。
【0128】
この設計は、第1部品400:1と第2部品400:2を結合することで2つ以上の凹部420が形成され、形成される凹部420が互いに対して角度を付けて配置される場合には、さらに有利である。この場合、圧縮力および張力が連結要素400により連結される任意のサンドイッチ板要素100の主面に対して垂直な方向へ伝達されるように、上記の種類のスナップ嵌め結合部470を凹部420のそれぞれに対して設けることができる。換言すると、スナップ嵌め結合部470の一部を形成する各部分は、連結要素400により連結される任意のサンドイッチ板要素100の主面に対して垂直な方向に延びうる。このようにして、圧縮力および張力がサンドイッチ板要素100のそれぞれの主面に対して垂直な方向へ伝達される、非常に好ましい力の分散を実現することが可能である。
【0129】
これにより、サンドイッチ板要素100間の結合部はさらに、サンドイッチ板要素が互いに対して角度を付けて配置されているかどうかに関わらず、強度が上がり、曲げやねじりに対してより強くなる。実際には、第1部品400:1と第2部品400:2を結合することで形成される凹部420の高さは、サンドイッチ板要素100が外力を受けた場合に影響を受けない。換言すると、スナップ嵌め固定部470それぞれの配置により、凹部420のそれぞれの高さが影響を受けて凹部420のそれぞれの中へ挿入されるサンドイッチ板要素100の縁部への圧縮力または張力が発生することを防ぐ、または対抗する。
【0130】
ここで
図5も参照すると、サンドイッチ板要素連結システムの変形3が概念的に描かれている。サンドイッチ板要素連結システム3がどのように組み立てられて3つのサンドイッチ板要素100が連結されるかも描かれている。サンドイッチ板要素連結システム3を組み立てることで3つのサンドイッチ板要素100を連結する順序は
図5では矢印で示されている。
図5に描かれているサンドイッチ板要素連結システム3は、3つのサンドイッチ板要素100と連結要素500とを含む。サンドイッチ板要素100は、
図1と共に上述された種類のものである。サンドイッチ板要素連結システム3は、上述されたサンドイッチ板要素連結システム1および2と共通する多くの特徴を有する。必要以上の繰り返しを避けるため、理解に関連する、サンドイッチ板要素連結システム3とサンドイッチ板要素連結システム1、2の間の差異のみについて説明する。
【0131】
図5の左上画像から分かるように、連結要素500は、第1部品500:1と第2部品500:2とを含む。第1部品500:1は、固定された凹部510を含む。サンドイッチ板要素100のうちの一つの縁部は、固定された凹部510に挿入されて保持される。固定された凹部510は、第1内側表面および第2内側表面を有するフランジで作られる。固定された凹部510の第1内側表面、第2内側表面は、前記サンドイッチ板要素100の第1外側主面、第2外側主面と接触している。サンドイッチ板要素100は、接着するなどの任意の適切な接着手法により、固定された凹部510の中で保持することができる。
【0132】
2つの凹部520、530は、
図5の右下画像から分かるように、連結要素500の第1部品500:1と第2部品500:2を結合することで形成される。
【0133】
連結要素500の第1部品500:1と第2部品500:2を結合する前に、接着剤260が関連する望ましい場所に与えられる。連結要素500の第1部品500:1と第2部品500:2は、
図5の右下画像から分かるように、その後にスナップ嵌め結合部570により互いに結合されると同時に凹部520、530を形成する。
【0134】
ここで
図6も参照すると、サンドイッチ板要素連結システムの変形4が概念的に描かれている。サンドイッチ板要素連結システム4がどのように組み立てられて4つのサンドイッチ板要素100が連結されるかも描かれている。サンドイッチ板要素連結システム4を組み立てることで3つのサンドイッチ板要素100を連結する順序は
図6では矢印で示されている。
図6に描かれているサンドイッチ板要素連結システム4は、4つのサンドイッチ板要素100と連結要素600とを含む。サンドイッチ板要素100は、
図1と共に上述された種類のものである。サンドイッチ板要素連結システム4は、上述されたサンドイッチ板要素連結システム1、2および3と共通する多くの特徴を有する。必要以上の繰り返しを避けるため、理解に関連する、サンドイッチ板要素連結システム4とサンドイッチ板要素連結システム1、2、3の間の差異のみについて説明する。
【0135】
4つの凹部610、620、630、640は、
図6の右下画像から分かるように、連結要素600の第1部品600:1と第2部品600:2と第3部品600:3を結合することで形成される。
【0136】
連結要素600の第1部品600:1と第2部品600:2と第3部品600:3を結合する前に、接着剤260が関連する望ましい場所に与えられる。連結要素600の第1部品600:1、第2部品600:2、および第3部品600:3は、
図6の右下画像から分かるように、その後にそれぞれのスナップ嵌め結合部670により互いに結合されると同時に凹部610、620、630、640を形成する。
【0137】
ここで
図7を参照すると、車両用のシャシ10の概略斜視図が概念的に描かれている。シャシ10は、サンドイッチ板要素連結システム1、2、3、4、5を含む。サンドイッチ板要素連結システム1、2、3、4、5は、
図1~6と共に上述された任意の種類のもの、または
図8を参照して後述される種類のものであってもよい。それゆえ、シャシ10は、複数のサンドイッチ板要素100と、前記複数のサンドイッチ板要素100を連結するための複数の連結要素200、400、500、600、700を含む。
【0138】
シャシ10は、補助要素300をさらに含む。補助要素300は、シャシ10の連結要素200、400、500、600、700に結合される。たとえば車輪懸架装置、車輪、ハンドル、およびステアリングアレイ装置の形態で概略的に描かれた補助要素300が、シャシ10の設計および機能をより明らかに示すために
図7に示されている。
【0139】
ここで
図8を参照すると、2つの補助要素300がサンドイッチ板要素連結システム5にどのように結合されているかが概念的に描かれている。サンドイッチ板要素連結システム5は連結要素700を含む。連結要素700は、スナップ嵌め結合部770により結合される第1部品700:1および第2部品700:2を含む。
図8のサンドイッチ板要素連結システム5は、ほとんどの点で
図1のサンドイッチ板要素連結システム1に類似している。必要以上の繰り返しを避けるため、
図8のサンドイッチ板要素連結システム5と
図1のサンドイッチ板要素連結システム1の間の差異のみについて説明する。
【0140】
連結要素700には、その3つの外面にほぞ穴とほぞによる形式の結合である結合構造750が設けられている。前記外面のうちの2つは第2部品700:2上にあり、外面のうちの1つは第1部品700:1上にある。結合構造750はそれぞれ、複数のほぞ状の突起を含む。複数のほぞ穴状の溝が突起の間に形成されている。
【0141】
補助要素300は、連結要素700の第1部品700:1の前記外面に設けられた結合構造750を用いて連結要素700に結合される。それゆえ、補助要素300はほぞ穴とほぞによる形式の結合を用いて連結要素700に結合される。
【0142】
図8の連結要素700は、
図8では異なる角度で描かれているが、
図7のシャシに示されている。
【0143】
図8では、ほぞ穴とほぞによる形式の結合が形成された結合構造750を用いて、補助要素300が連結要素700にどのように結合することができるかが示されている。しかし、補助要素300は、ボルト締め、リベット打ち、溶接、接着、または類似のものなどの任意の適切な手法を用いて、上述した連結要素200、400、500、600、700に同様に良好に結合することができる。それゆえ、補助要素300は、サンドイッチ板要素100の完全性には影響を与えることなく、上述した連結要素200、400、500、600、700のうちのいずれかに結合することができる。
【0144】
ここで
図9を参照すると、連結要素200、400、500、600、700を用いて2つのサンドイッチ板要素100を連結する方法20のフローチャートが示されている。
【0145】
連結されるサンドイッチ板要素100はそれぞれ、板芯材150と、第1外板110と、第2外板120とを含む。第1外板110は、板芯材150の第1主面を少なくとも部分的に覆うよう配置されて、サンドイッチ板要素100の第1外側主面115を形成する。第2外板120は、板芯材150の第2主面を少なくとも部分的に覆うよう配置されて、サンドイッチ板要素の第2外側主面125を形成する。連結要素200、400、500、600、700は、2つの凹部210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640を規定する。連結要素は、3つ以上の凹部210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640を規定しうる。凹部210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640はそれぞれ、第1および第2内側表面213、214、223、224を含み、サンドイッチ板要素100の第1外側主面115の少なくとも一部が凹部210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640の第1内側表面213、214、223、224と接触し、サンドイッチ板要素100の第2外側主面125の少なくとも一部が凹部の第2内側表面213、214、223、224と接触するように、2つのサンドイッチ板要素100のうちの一つの縁部160を保持するよう構成される。連結要素200、400、500、600、700は、前記2つの凹部210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640のうちの少なくとも1つを形成するために、スナップ嵌め結合部270、470、570、670、770を用いて互いに結合することができる第1部品200:1、400:1、500:1、600:1、700:1、および第2部品200:2、400:2、500:2、600:2、700:2を含む。第1内側表面213、214、223、224は第1部品200:1、400:1、500:1、600:1、700:1に配置され、第2内側表面213、214、223、224は第2部品200:2、400:2、500:2、600:2、700:2に配置される。連結要素200、400、500、600、700は、3つ以上の部品を含んでもよい。連結要素200、400、500、600、700は、第3部品600:3を含んでもよい。
【0146】
方法は、接着剤160を第1部品200:1、400:1、500:1、600:1、700:1、および第2部品200:2、400:2、500:2、600:2、700:2に配置されている第1および/もしくは第2内側表面213、214、223、224、ならびに/または、前記2つの凹部210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640のうちの少なくとも1つに関連するサンドイッチ板要素100の第1外側主面115の一部および/もしくは第2外側主面125の一部に塗布すること22を含む。それゆえ、接着剤160は、第1部品と第2部品を結合することで形成される凹部に対して1箇所、2箇所、3箇所、または4箇所に塗布される。
【0147】
方法20は、第1外側主面160の一部を第1部品200:1、400:1、500:1、600:1、700:1に配置されている第1内側表面213、214、223、224に接触させて配置すること24で進む。
【0148】
方法20は、前記2つの凹部210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640のうちの少なくとも1つを形成するために、スナップ嵌め結合部270、470、570、670、770を用いて第2部品200:2、400:2、500:2、600:2、700:2を第1部品200:1、400:1、500:1、600:1、700:1へ結合すること26で進む。第2部品200:2、400:2、500:2、600:2、700:2を第1部品200:1、400:1、500:1、600:1、700:1へ結合する際に、少なくとも1つの凹部210、220、410、420、510、520、530、610、620、630、640が関連するサンドイッチ板要素100の縁部160を保持するように、第2外側主面125の一部を第2部品200:2、400:2、500:2、600:2、700:2に配置されている第2内側表面213、214、223、224と接触させて、接着結合250を用いて連結要素200、400、500、600、700を介して前記2つのサンドイッチ板要素100を連結する。
【0149】
本発明の概念は、示された変形に限定されないことが理解されるであろう。したがって、添付の請求項により規定される本発明の範囲内でいくつかの変更および変形が考えられる。
【国際調査報告】