(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】自律車両が曲がった道路を通り抜けるための車線片寄り操縦
(51)【国際特許分類】
B60W 40/114 20120101AFI20241031BHJP
B62D 13/00 20060101ALI20241031BHJP
B62D 6/00 20060101ALI20241031BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20241031BHJP
B60W 40/072 20120101ALI20241031BHJP
【FI】
B60W40/114
B62D13/00
B62D6/00
B60W60/00
B60W40/072
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523167
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 US2022078619
(87)【国際公開番号】W WO2023076872
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521265955
【氏名又は名称】トゥーシンプル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ, ユーフェイ
(72)【発明者】
【氏名】シャオ, ティエンチュー
(72)【発明者】
【氏名】ウー, ユージア
(72)【発明者】
【氏名】ワン, レイ
(72)【発明者】
【氏名】スン, ハオミン
【テーマコード(参考)】
3D232
3D241
【Fターム(参考)】
3D232CC20
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(57)【要約】
曲がった道路を通り抜けるための車線片寄り操縦を実装するためのシステムは、自律車両と、制御デバイスとを備えている。制御デバイスは、自律車両が曲がった道路に接近していることを決定する。制御デバイスは、曲がった道路の道路半径を決定する。制御デバイスは、道路半径に基づいて、曲がった道路の道路湾曲に関連付けられた第1の車線片寄り調節量を計算する。制御デバイスは、自律車両のトレーラとセミトラックトラクタユニットとの間のトレーラ角度に関連付けられた第2の車線片寄り調節量を計算する。制御デバイスは、第1および第2の車線片寄り調節量を組み合わせることによって、合計車線片寄り調節量を計算する。制御デバイスは、合計車線片寄り調節量に基づいて、自律車両を曲がった車線内で中心を外れて運転することを含む車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律車両(502)に関連付けられた制御デバイス(550)を備えているシステム(300)であって、前記制御デバイスは、
マップデータ(114)を記憶するように構成されたメモリ(126、590)であって、前記マップデータは、前記自律車両(502)の前方の1つ以上の道路を備え、前記自律車両(502)は、トレーラに取り付けられたセミトラックトラクタユニットを備えている、メモリ(126、590)と、
前記メモリ(126、590)と動作可能に結合された少なくとも1つのプロセッサ(122、570)と
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも、
少なくとも部分的に前記マップデータ(114)に基づいて、前記自律車両(502)が曲がった道路(302)に接近していることを決定することと、
少なくとも部分的に前記マップデータ(114)に基づいて、前記曲がった道路の道路半径(322)を決定することと、
少なくとも部分的に前記道路半径(322)に基づいて、前記曲がった道路(302)の道路湾曲に関連付けられた第1の車線片寄り調節量(330)を計算することと、
前記トレーラと前記セミトラックトラクタユニットとの間のトレーラ角度(342)を決定することと、
少なくとも部分的に前記トレーラ角度(342)に基づいて、前記トレーラ角度(342)に関連付けられた第2の車線片寄り調節量(340)を計算することと、
前記第1の車線片寄り調節量および前記第2の車線片寄り調節量を組み合わせることによって、合計車線片寄り調節量(320)を計算することと、
車線片寄り操縦(130)を実施するように前記自律車両(502)に命令することと
を行うように構成され、
前記車線片寄り操縦(130)は、少なくとも部分的に前記合計車線片寄り調節量(320)に基づいて、前記自律車両(520)によって現在進行されている曲がった車線内で中心を外れて前記自律車両(502)を運転することを含む、システム(300)。
【請求項2】
前記自律車両(520)は、前記自律車両(502)の周囲の環境を説明するセンサデータ(314)を捕捉するように構成された少なくとも1つのセンサ(546)を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサ(122、570)は、少なくとも、
前記少なくとも1つのセンサ(546)から前記センサデータ(314)を受信することと、
前記センサデータ(314)から前記曲がった道路上の車線マーカ(306)の場所の組を決定することと
を行うようにさらに構成され、
前記自律車両(502)が前記曲がった道路に接近していることを決定するために、前記少なくとも1つのプロセッサ(122、570)は、少なくとも前記車線マーカの場所の組が曲線を辿ることを決定するようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記曲がった道路の前記道路半径(322)を決定するために、前記少なくとも1つのプロセッサ(122、570)は、少なくとも、
前記曲がった道路が仮想円の円周の一部であるように、前記マップデータ(114)上の前記仮想円(324)を決定することと、
前記仮想円の中心と前記セミトラックトラクタユニットが前記トレーラに接している点(332)との間の距離を計算することと
を行うようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記道路湾曲によって引き起こされる前記第1の車線片寄り調節量(330)は、以下の第1の式:
第1の車線片寄り調節値=(道路半径
2-トレーラ長
2)
1/2-道路半径
に従って計算され、式中、前記トレーラ長(326)は、前記トレーラの長さである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサ(122、570)は、少なくとも部分的に前記道路湾曲の方向および前記第1の車線片寄り調節量(330)の方向に基づいて、前記第1の車線片寄り調節量(330)の符号を少なくとも調節するようにさらに構成され、前記道路湾曲の前記方向が左へのそれであり、前記第1の車線片寄り調節量(330)の前記方向が左へのそれである場合、前記調節された符号を伴う前記第1の車線片寄り調節量(330)は、以下の第2の式:
前記調節された符号を伴う第1の車線片寄り調節値=
((道路半径
2-トレーラ長
2)
1/2-道路半径))×符号(-道路湾曲)
に従って計算され、式中、
前記道路湾曲の前記方向が左へのそれである場合、前記道路湾曲に関連付けられた符号は、正の符号であり、
前記第1の車線片寄り調節量(330)の前記方向が左へのそれである場合、前記第1の車線片寄り調節量(330)に関連付けられた符号は、負の符号であり、
前記符号(道路湾曲)は、前記道路湾曲の前記方向に関連付けられた符号を示す、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記トレーラ角度(342)は、前記自律車両(502)に関連付けられたセンサ(546)から受信されるセンサデータ(314)から決定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の車線片寄り調節量(330)を計算することにおいて、前記トレーラ角度(342)は、ゼロであるように表される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
方法(400)であって、前記方法は、
少なくとも部分的に自律車両(502)の前方の1つ以上の道路を備えているマップデータ(114)に基づいて、前記自律車両(502)が曲がった道路(302)に接近していることを決定すること(402)であって、前記自律車両(502)は、トレーラに取り付けられたセミトラックトラクタユニットを備えている、ことと、
少なくとも部分的に前記マップデータ(114)に基づいて、前記曲がった道路(302)の道路半径(322)を決定すること(404)と、
少なくとも部分的に前記道路半径(322)に基づいて、前記曲がった道路(302)の道路湾曲に関連付けられた第1の車線片寄り調節量(330)を計算すること(406)と、
前記トレーラと前記セミトラックトラクタユニットとの間のトレーラ角度(342)を決定すること(408)と、
少なくとも部分的に前記トレーラ角度(342)に基づいて、前記トレーラ角度(342)に関連付けられた第2の車線片寄り調節量(340)を計算すること(410)と、
前記第1の車線片寄り調節量(33)と前記第2の車線片寄り調節量(340)とを組み合わせることによって、合計車線片寄り調節量(320)を計算すること(412)と、
車線片寄り操縦(130)を実施するように前記自律車両(502)に命令することと
を含み、
前記車線片寄り操縦(130)は、少なくとも部分的に前記合計車線片寄り調節量(320)に基づいて、前記自律車両(502)によって現在進行されている曲がった車線内で中心を外れて前記自律車両を運転することを含む、方法(400)。
【請求項9】
前記自律車両(502)に関連付けられた少なくとも1つのセンサ(546)からセンサデータ(314)を受信すること(202)と、
前記センサデータ(314)から道路上の車両(108a-c、310a-b)の存在を検出すること(204)と、
前記自律車両(502)と前記車両(108a-c、310a-b)との間の横方向距離(138a-c)を決定すること(206)と、
前記自律車両(502)と前記車両(108a-c、310a-b)との間の前記横方向距離(138a-c)を閾値距離(132)と比較すること(208)と、
前記横方向距離(138a-c)が前記閾値距離(132)未満であることを決定すること(210)と、
前記横方向距離(138a-c)が前記閾値距離(132)未満であることを決定することに応答して、前記車線片寄り操縦(130)を実施するように前記自律車両(502)に命令すること(218)と
をさらに含み、
前記車線片寄り操縦(130)は、前記自律車両(502)と前記車両(108a-c、310a-b)との間の前記横方向距離(138a-c)が前記閾値距離(132)に少なくとも等しくなるまで、前記車両(108a-c、310a-b)に対して反対方向に向かって前記自律車両(502)によって進行される現在の車線内で中心を外れて前記自律車両を運転することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
車線片寄り量(110)を決定することであって、前記車線片寄り量(110)は、前記自律車両(502)と前記車両(108a-c、310a-b)との間の前記横方向距離(138a-c)が、前記閾値距離(132)に少なくとも等しくなるまで、前記自律車両(502)が中心を外れて移動する距離である、ことと、
前記合計車線片寄り調節量(320)を前記車線片寄り量(110)に組み合わせること(414)と
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記車線片寄り量(110)は、少なくとも部分的に前記車両(108a-c、310a-b)によって侵入された前記現在の車線の量と、前記車両(108a-c、310a-b)が検出された場所と比較して前記自律車両(502)の他方の側の前記現在の車線上の利用可能な距離とに基づいて決定される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記車両(108a-c、310a-b)が前記自律車両(502)の右側にあり、前記道路湾曲が左方向へのそれであるとき、前記合計車線片寄り調節量(320)は、前記車線片寄り量(110)に組み合わせられる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記車両(108a-c、310a-b)が前記自律車両(502)の左側にあり、前記道路湾曲が左方向へのそれであるとき、前記合計車線片寄り調節量(320)は、前記車線片寄り量(110)と組み合わせられない、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の車線片寄り調節量(340)を計算することにおいて、前記自律車両によって進行される道路は、直線であるように表される、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのセンサ(546)は、カメラ、光検出および測距(LiDAR)センサ、および赤外線センサのうちの少なくとも1つを備えている、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
命令(312、580)を記憶している非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体(126、590)であって、前記命令は、1つ以上のプロセッサ(122、570)によって実行されると、
少なくとも部分的に自律車両(502)の前方の1つ以上の道路を備えているマップデータ(114)に基づいて、前記自律車両(502)が曲がった道路(302)に接近していることを決定することであって、前記自律車両(502)は、トレーラに取り付けられたセミトラックトラクタユニットを備えている、ことと、
少なくとも部分的に前記マップデータ(114)に基づいて、前記曲がった道路の道路半径(322)を決定することと、
少なくとも部分的に前記道路半径に基づいて、前記曲がった道路の道路湾曲に関連付けられた第1の車線片寄り調節量(330)を計算することと、
前記トレーラと前記セミトラックトラクタユニットとの間のトレーラ角度(342)を決定することと、
少なくとも部分的に前記トレーラ角度に基づいて、前記トレーラ角度に関連付けられた第2の車線片寄り調節量(340)を計算することと、
前記第1の車線片寄り調節量(330)と前記第2の車線片寄り調節量(340)とを組み合わせることによって、合計車線片寄り調節量(320)を計算することと、
車線片寄り操縦(130)を実施するように前記自律車両(502)に命令することと
を前記1つ以上のプロセッサに行わせ、
前記車線片寄り操縦(130)は、少なくとも部分的に前記合計車線片寄り調節量(320)に基づいて、前記自律車両(502)によって現在進行されている曲がった車線内で中心を外れて前記自律車両(502)を運転することを含む、非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体(126、590)。
【請求項17】
前記トレーラ角度(342)によって引き起こされる前記第2の車線片寄り調節量(340)は、以下の第3の式:
第2の車線片寄り調節値=トレーラ長×sin(トレーラ角度)
に従って計算され、式中、前記トレーラ長(342)は、前記トレーラの長さである、請求項16に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項18】
前記命令(312、580)は、前記1つ以上のプロセッサ(122、570)によって実行されると、少なくとも部分的に前記トレーラ角度(342)の方向および前記第2の車線片寄り調節量(340)の方向に基づいて、前記第2の車線片寄り調節量(340)の符号を前記1つ以上のプロセッサ(122、570)にさらに調節させ、前記トレーラ角度(342)の方向が左へのそれであり、前記第2の車線片寄り調節量(340)の方向が右へのそれである場合、前記調節された符号を伴う前記第2の車線片寄り調節量(340)は、以下の第4の式:
前記調節された符号を伴う第2の車線片寄り調節値=-トレーラ長×sin(トレーラ角度)
に従って計算され、式中、前記トレーラ長は、前記トレーラの長さである、請求項16に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体(126、590)。
【請求項19】
前記命令(312、580)は、前記1つ以上のプロセッサ(122、570)によって実行されると、
少なくとも部分的に前記マップデータ(114)に基づいて、前記自律車両(502)が直線道路に沿って進行していることを決定することと、
前記道路半径(322)が実質的に大きいので、前記第1の車線片寄り調節量(330)がゼロであることを決定することと、
風が前記自律車両(502)のトレーラが直線からそれることを引き起こしていることを検出することと、
前記風によって引き起こされる前記トレーラ角度(342)を決定することと、
前記トレーラ角度(342)によって引き起こされる前記第2の車線片寄り調節量(340)を計算することと、
前記合計車線片寄り調節量(320)が前記第2の車線片寄り調節量(340)に等しいことを決定することと
を前記1つ以上のプロセッサ(122、570)にさらに行わせる、請求項16に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体(126、590)。
【請求項20】
前記トレーラが左方向に振れるとき、前記トレーラ角度(342)に関連付けられた符号は、負であり、
前記トレーラが右方向に振れるとき、前記トレーラ角度(342)に関連付けられた前記符号は、正である、請求項16に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体(126、590)。
【請求項21】
前記少なくとも1つのプロセッサ(122、570)は、請求項8-15のいずれかに記載の方法(400)の1つ以上の動作を実施するようにさらに構成されている、請求項1-7のいずれかに記載のシステム(300)。
【請求項22】
前記プロセッサ(122、570)は、請求項16-20のいずれかに記載の1つ以上の動作を実施するようにさらに構成されている、請求項1-7のいずれかに記載のシステム(300)。
【請求項23】
請求項8-15のいずれかに記載の方法(400)を実施する手段を備えている装置。
【請求項24】
請求項16-20のいずれかに記載の1つ以上の命令(312、580)を実施する手段を備えている装置。
【請求項25】
命令(312、580)を記憶している請求項16-20のいずれかに記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体であって、システム(300)上で起動されているとき、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、請求項8-15のいずれかに記載の方法(400)の1つ以上の動作を前記1つ以上のプロセッサにさらに実施させる、請求項16-20のいずれかに記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本願は、両方が参照することによって本明細書に組み込まれる2021年10月29日に出願され、「Lane Bias Maneuver for Autonomous Vehicles to Avoid an Intruding Vehicle」と題された米国仮出願第63/263,289号および2021年10月29日に出願され、「Lane Bias Maneuver for Autonomous Vehicles to Negotiate a Curved Road」と題された米国仮出願第63/263,303号の優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本開示は、概して、自律車両に関する。より具体的に、本開示は、自律車両が曲がった道路を通り抜けるための車線片寄り操縦に関連する。
【背景技術】
【0003】
自律車両技術の1つの狙いは、目的地に向かって安全にナビゲートし得る車両を提供することである。自律車両が、道路上で進行する間に他の車両に遭遇することは、避けられない。自律車両は、時として、直線道路上で運転し、時として、曲がった道路上で運転し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、自律車両が、侵入する車両、侵略する車両、または特大の車両に遭遇する場合、または自律車両が曲がった道路に接近するとき、自律車両のための安全なナビゲーションを実装することに関連する種々の問題およびこれまで満たされていない必要性を認識する。本開示のある実施形態は、1)侵入する車両、侵略する車両、または特大の車両を避けるための車線片寄り操縦を実装するために、および2)曲がった道路を通り抜けるための車線片寄り操縦を実装するために、上で説明されるそれらの問題を含む現在の自律車両技術の技術的問題に対する特有の技術的解決策を提供する。
【0005】
(車両を避けるための車線片寄り操縦の実装)
本開示は、車両を避けるための車線片寄り操縦を実装するためのシステムおよび方法を想定する。道路上で進行する間、自律車両は、隣接する車線内の侵入する車両、侵略する車両、または特大の車両に遭遇し得る。車線片寄り操縦は、自律車両が、遭遇車両を避けるためにその現在の車線内で中心を外れて運転し、遭遇車両から安全な距離(例えば、所定の閾値距離を上回る)を保つことを可能にし得る。言い換えると、車線片寄り操縦は、自律車両が、別の車線に変わることなく、その現在の車線内で中心を外れて運転することを可能にし得る。
【0006】
ある場合、別の車線に変わることは、道路上の交通により、安全な操縦ではないこともある。他の場合、自律車両は、特定の出口を通る、特定の方向に曲がる等、その所定のルート計画での次のナビゲーション操縦を実施するために、その現在の車線上に留まる必要があり得る。そのような場合、別の車線に変わることは、自律車両のために実践的解決策とならないこともある。
【0007】
したがって、本開示の開示されるシステムは、自律車両が隣接する車線内の侵入する車両、侵略する車両、または特大の車両に遭遇する場合、車線片寄り操縦を実装することによって、自律車両のナビゲーションを改良する実践的用途に統合される。
【0008】
隣接する車線内の侵略車両は、常に自律車両から近接近して、例えば、6フィート、7フィート等の自律車両の制御デバイスによって定義される閾値距離より近接して運転している車両として分類され得る。
【0009】
隣接する車線内の侵入する車両は、一時的または唐突に自律車両のあまりにも近くで、例えば、自律車両からの閾値距離より近接して運転する車両として分類され得る。隣接する車線内の特大の車両は、そのサイズに起因して隣接する車線内でより多くの空間を占めており、結果として、特大の車両と自律車両との間の距離が閾値距離未満である車両として分類され得る。侵入する車両、侵略する車両、または特大の車両の各々は、概して、本明細書では、車両または遭遇車両と称され得る。
【0010】
自律車両からの隣接する車線内のそのような車両に遭遇するいずれの場合も、自律車両の制御デバイスは、自律車両と各車両との間の横方向距離が閾値距離未満であることを決定し得る。
【0011】
ある場合、自律車両の制御デバイスは、自律車両からの隣接する車線内の車両が、自律車両と車両との間の車線マーカを越えていることを決定し得る。ある場合、自律車両の制御デバイスは、隣接する車線内の車両が、車線マーカを越えていないが、自律車両からの閾値距離内で運転していることを決定し得る。他の場合、自律車両の制御デバイスは、車両の履歴運転挙動またはパターンに基づいて、車両が、道路上の1つ以上の車線マーカをすでに越えていることを決定し得る。他の場合、自律車両の制御デバイスは、車両が、駐車されているか、または移動中であるかのいずれかで、緊急車線内にあることを決定し得る。
【0012】
車両は、自律車両のいずれかの側で、または自律車両のいずれかの側かつ前で検出され得る。車両は、移動中であることも、静止していることもある。例えば、自律車両の制御デバイスは、車両が、隣接する車線内の自律車両のいずれかの側で運転していることを決定し得る。別の例では、自律車両の制御デバイスは、車両が、隣接する車線内の自律車両のいずれかの側で、かつ自律車両の前で運転していることを決定し得る。別の例では、自律車両の制御デバイスは、例えば、車両が、そのタイヤを交換するために道路のわきに停止されている場合、車両が自律車両の前の道路のわきに停止されている(またはエンストしている)ことを決定し得る。
【0013】
これらの場合のうちのいずれかでは、自律車両の制御デバイスは、車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令すべきかどうかを決定し得る。車線片寄り操縦は、車両と自律車両との間の横方向距離が閾値距離に少なくとも等しくなるまで、自律車両が、車両に対して反対方向に向かってその現在の車線内で中心を外れて運転することを可能にし得る。言い換えると、自律車両は、現在の車線の他方の側に向かって片寄る。いくつかの実施形態において、自律車両は、自律車両および車両がもはや互いに隣接しなくなるまで、例えば、自律車両が車両を通り過ぎるか、または車両が自律車両を通り過ぎるかのいずれかまで、車線片寄り操縦を実施し得る。一例では、自律車両は、自律車両のいかなる部分も、隣接する車線内で進行している車両の任意の部分と重複しないことが決定されるまで、車線片寄り操縦を実施し得る。別の例では、自律車両は、隣接する車線内で進行している車両の閾値未満の部分が、自律車両の任意の部分と重複することが決定されるまで、車線片寄り操縦を実施し得る。車両の閾値部分は、車両の長さの3分の1、2分の1、3分の2、または任意の他の好適な部分であり得る。
【0014】
自律車両の制御デバイスが、自律車両と車両との間の横方向距離が閾値距離未満であることを決定する場合、制御デバイスは、車線片寄り操縦を実施することが実行可能かつ安全であるかどうかを決定し得る。
【0015】
このプロセスでは、自律車両の制御デバイスは、道路上の交通に応じて、車線片寄り操縦が、閾値期間、例えば、2分、5分、または任意の他の好適な期間内に実施されることができることが決定される場合、車線片寄り操縦を実施することが実行可能であることを決定し得る。例えば、道路上に交通渋滞がある場合、制御デバイスは、車線片寄り操縦が閾値期間内に実施されることができないことを決定し得る。
【0016】
制御デバイスは、車線片寄り操縦を実施するためにその現在の車線上の自律車両の他方の側に十分な余裕または距離があることが決定される場合、車線片寄り操縦が実行可能であることを決定し得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、制御デバイスが車線片寄り操縦を実施するために自律車両の他方の側に十分な距離がないことを決定し得る場合、制御デバイスは、自律車両と遭遇車両との間の横方向距離が閾値距離に等しくなるまで、(車両が検出された場所と比較して)自律車両の他方の側の隣接する車線の中に一時的に越え、隣接する車線の同程度の量の空間を占め得る(隣接する車線内の交通が許す場合)。
【0018】
自律車両の制御デバイスは、道路構造に基づいて、車線片寄り操縦を実施することが実行可能であることを決定し得る。例えば、道路が高い湾曲(例えば、50度、60度等を上回る)を有する場合、制御デバイスは、車線片寄り操縦を実施することが実行可能ではないことを決定し得る。
【0019】
制御デバイスは、遭遇車両の履歴運転挙動に基づいて、車線片寄り操縦が安全であることを決定し得る。例えば、遭遇車両の履歴運転挙動が車両の運転パターンが非常に予測不可能であることを示す(例えば、車両の運転パターンまたは軌道予測が、70%、65%等の閾値パーセンテージ未満である)場合、制御デバイスは、車線片寄り操縦が安全ではないことを決定し得る。
【0020】
制御デバイスが車線片寄り操縦が実行可能および/または安全ではないことを決定する場合、制御デバイスは、最小リスク操縦を実施するように自律車両に命令し得る。最小リスク操縦は、自律車両および車両が互いに隣接しなくなるまで、自律車両の速度を落とすことまたは自律車両の速度を増すことを含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、システムは、自律車両と、制御デバイスとを備え得る。自律車両は、道路に沿って進行するように構成される。自律車両は、道路上の1つ以上の物体に関連付けられたセンサデータを捕捉するように構成された少なくとも1つのセンサを備えている。制御デバイスは、自律車両に関連付けられている。制御デバイスは、プロセッサを備えている。プロセッサは、センサデータから車両の存在を検出し得る。プロセッサは、自律車両と車両との間の横方向距離を決定し得る。プロセッサは、自律車両と車両との間の横方向距離を自律車両からの閾値距離と比較し得る。プロセッサは、少なくとも部分的に横方向距離と閾値距離との間の比較に基づいて、車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令すべきかどうかを決定し得る。車線片寄り操縦は、自律車両と車両との間の横方向距離が閾値距離に少なくとも等しくなるまで、自律車両を車両に対して反対方向に向かって自律車両によって進行される現在の車線内で中心を外れて運転することを含む。
【0022】
故に、開示されるシステムは、1)隣接する車線内の侵入する車両、侵略する車両、または特大の車両を避けるために、自律車両がその現在の車線上で中心を外れて運転することを可能にすることによって、自律車両のナビゲーションを改良する技術と、2)自律車両と遭遇車両との間の距離が所定の閾値距離に等しくなるように、自律車両がその現在の車線内で中心を外れて運転する車線片寄り距離を決定する技術とを含むいくつかの実践的用途および技術的利点を提供する。
【0023】
(道路湾曲およびトレーラ角度に基づく車線片寄り操縦の実装)
本開示は、道路湾曲およびトレーラ角度に基づいて、自律車両のための車線片寄り操縦を実装するためのシステムおよび方法をさらに想定する。例えば、自律車両は、トレーラと取り付けられたセミトラックトラクタユニットであり得る。曲がった道路上で進行する間、自律車両のトレーラは、道路湾曲に起因して、直線からそれ得る。言い換えると、自律車両のトレーラは、道路湾曲の方向に応じて、左または右に振れ得る。同様に、直線道路上で進行する間、自律車両を横断して進む風は、自律車両のトレーラが直線から振れることまたはそることを引き起こし得る。これは、自律車両のトレーラと自律車両のセミトラックトラクタユニットとの間のトレーラ角度を引き起こし得る。そのような場合、開示されるシステムは、直線からの自律車両のトレーラのわきへのそれを補償するために、車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令し得る。
【0024】
開示されるシステムは、道路湾曲に関連付けられた第1の車線片寄り調節距離量およびトレーラ角度に関連付けられた第2の車線片寄り調節距離量を計算する。開示されるシステムは、第1および第2の車線片寄り調節距離量を組み合わせることによって、合計車線片寄り調節距離量を計算する。合計車線片寄り調節距離量は、直線からの自律車両のトレーラのわきへのそれを補償するために、自律車両が現在の車線内で中心を外れて運転する距離である。開示されるシステムは、合計車線片寄り調節距離量に基づいて、(現在の車線内にある間)右または左方向に向かって片寄るように自律車両に命令し得る。
【0025】
ある実施形態によると、システムは、自律車両と、制御デバイスとを備えている。自律車両は、道路に沿って進行するように構成される。自律車両は、トレーラと取り付けられたセミトラックトラクタユニットである。制御デバイスは、自律車両に関連付けられている。制御デバイスは、メモリと、プロセッサとを備えている。メモリは、自律車両の前方の1つ以上の道路を備えているマップデータを記憶するように構成される。プロセッサは、メモリと動作可能に結合される。プロセッサは、少なくとも部分的にマップデータに基づいて、自律車両が曲がった道路に接近していることを決定し得る。プロセッサは、マップデータから曲がった道路の道路半径を決定し得る。プロセッサは、少なくとも部分的に道路半径に基づいて、曲がった道路の道路湾曲に関連付けられた第1の車線片寄り調節量を計算し得る。プロセッサは、トレーラとセミトラックトラクタユニットとの間のトレーラ角度を決定し得る。プロセッサは、少なくとも部分的にトレーラ角度に基づいて、トレーラ角度に関連付けられた第2の車線片寄り調節量を計算し得る。プロセッサは、第1の車線片寄り調節量および第2の車線片寄り調節量を組み合わせることによって、合計車線片寄り調節量を計算し得る。プロセッサは、車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令し得、車線片寄り操縦は、少なくとも部分的に合計車線片寄り調節量に基づいて、自律車両を自律車両によって現在進行されている曲がった車線内で中心を外れて運転することを含む。
【0026】
故に、開示されるシステムは、1)周辺車両等に対して自律車両を動作させることの安全性を改良する技術と、2)直線からの自律車両のトレーラのわきへのそれを補償するために自律車両がその現在の車線内で中心を外れて運転することを可能にすることによって、曲がった道路における自律車両のナビゲーションを改良する技術と、3)自律車両のセミトラックトラクタユニットまたはトレーラのいずれも側車線を侵略しないように、自律車両がその現在の車線内で中心を外れて運転する合計車線片寄り調節距離を決定する技術とを含むいくつかの実践的用途および技術的利点を提供する。
【0027】
したがって、本開示に説明されるシステムは、自律車両と自律車両と同じ道路上の他の車両とのためのより効率的、安全、かつ信頼性があるナビゲーション解決策を決定する実践的用途に統合され得る。
【0028】
本開示のある実施形態は、これらの利点のうちのいくつか、全てを含むことも、そのいずれも含まないこともある。これらの利点および他の特徴は、付随の図面および請求項と併せて検討される以下の詳細な説明からより明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本開示のより完全な理解のために、ここで、付随の図面および詳細な説明に関連して検討される以下の簡潔な説明が、参照され、同様の参照番号は、同様の部分を表す。
【0030】
【
図1】
図1は、車両を避けるための車線片寄り操縦を実装するように構成されたシステムの実施形態を図示する。
【0031】
【
図2】
図2は、車両を避けるための車線片寄り操縦を実装する方法の例示的フローチャートを図示する。
【0032】
【
図3】
図3は、曲がった道路を通り抜けるための車線片寄り操縦を実装するように構成されたシステムの実施形態を図示する。
【0033】
【
図4】
図4は、曲がった道路を通り抜けるための車線片寄り操縦を実装する方法の例示的フローチャートを図示する。
【0034】
【
図5】
図5は、自律運転動作を実装するように構成された例示的自律車両のブロック図を図示する。
【0035】
【
図6】
図6は、
図5の自律車両によって使用される自律運転動作を提供するための例示的システムを図示する。
【0036】
【
図7】
図7は、
図5の自律車両内に含まれる車載制御コンピュータのブロック図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
ある場合、自律車両が、道路に沿って進行している間、車両が自律車両のあまりにも近くで運転し、自律車両がいる車線に侵略し得る。ある場合、自律車両のトレーラは、道路の方向に応じて、左または右に振れ得る。そのような事例は、自律車両および他の車両に関する危険な運転条件につながり得る。
【0038】
上で説明されるように、以前の技術は、自律車両が侵入する車両、侵略する車両、または特大の車両に遭遇する場合、または自律車両が曲がった道路に接近するとき、自律車両のための効率的で、信頼性があり、かつ安全なナビゲーション解決策を提供することができない。本開示は、1)侵入する車両、侵略する車両、または特大の車両を避けるための車線片寄り操縦を実装し、2)曲がった道路を通り抜けるための車線片寄り操縦を実装し、3)自律車両、他の車両、および歩行者のための安全な運転体験を提供するための種々のシステム、方法、およびデバイスを提供する。
図1は、車両を避けるための車線片寄り操縦を実装するためのシステム100の実施形態を図示する。
図2は、車両を避けるための車線片寄り操縦を実装する方法200の実施形態を図示する。
図3は、曲がった道路を通り抜けるための車線片寄り操縦を実装するためのシステム300の実施形態を図示する。
図4は、曲がった道路を通り抜けるための車線片寄り操縦を実装する方法400の実施形態を図示する。
図5-7は、例示的自律車両、および自律車両による自律運転動作を実装するためのその種々のシステムおよびデバイスを図示する。
【0039】
(自律車両のための車線片寄り操縦を実装するための例示的システム)
図1は、自律車両502のための車線片寄り操縦130を実装するためのシステム100の実施形態を図示する。
図1はさらに、自律車両502によって進行される道路102の簡略化された概略図を図示する。いくつかの実施形態において、システム100は、自律車両502とそのコンポーネントとを備え、コンポーネントは、制御デバイス550およびセンサ546を含む、。
【0040】
制御デバイス550は、メモリ126と信号通信するプロセッサ122を備えている。メモリ126は、プロセッサ122によって実行されると、本明細書に説明される1つ以上の機能を制御デバイス550に実施させるソフトウェア命令128を記憶し得る。例えば、ソフトウェア命令128が、実行されると、プロセッサ122は、自律車両502がその現在の車線内で中心を外れて運転し、1つ以上の周辺車両108から安全な距離を保ち得るように、車線片寄り操縦130を実装するように自律車両502に命令し得る。システム100は、示されるように、または任意の他の好適な構成において構成され得る。
【0041】
一般に、システム100は、1)車両108が、自律車両502によって進行される現在の車線104aに侵入していること、2)車両108と、自律車両502と車両108との間の車線マーカ106との間の距離が閾値距離132未満であること、および/または、3)車両108に関連付けられた履歴運転挙動162が、(1つ以上の事例において)車両108が1つ以上の車線104に侵入していること、またはそれらを侵略していることを示すことを検出することに応答して、車線片寄り操縦130を実装するように構成され得る。
【0042】
道路102に沿って運転する間、自律車両502は、隣接する車線104における侵入する車両、侵略する車両、または特大の車両108に面し得る。自律車両502とそのような車両108との間の距離が、閾値距離132未満であり得る状況が、あり得る。例えば、侵入するまたは侵略する車両108は、自律車両502と車両108との間の車線マーカ106aのあまりにも近くで運転するか(例えば、閾値距離132を通過する)、または車線マーカ106aを越えさえし得る。別の例では、特大の車両108と自律車両502との間の距離は、特大の車両108が占有するより大きい空間に起因して、閾値距離132未満であり得る。
【0043】
そのような場合、別の車線104よけることは、安全または実行可能ではないこともある。例えば、自律車両502は、道路102における側車線104aにあり得、よけるための別の車線104が、ないこともある。別の例では、隣接する車線104内に、交通が、あり得る。別の例では、自律車両502は、その目的地に到達するために、そのナビゲーションまたはルート計画116に従うために、現在の車線104a上に留まる必要があり得る。
【0044】
そのような場合、より安全な運転操縦は、車線片寄り操縦130を実施することであり得る。車線片寄り操縦130は、車両108と自律車両502との間の横方向距離138が、閾値距離132に少なくとも等しくなるまで、自律車両502が、車両108に対して反対方向に向かって自律車両502によって進行される現在の車線104a内で中心を外れて運転することを可能にし得る。言い換えると、自律車両502は、車両108と自律車両502との間の横方向距離138が、閾値距離132に少なくとも等しくなるまで、現在の車線104aの他方の側に向かって(車両108から離れるように)片寄る。いくつかの実施形態において、自律車両502は、自律車両502および車両108がもはや互いに隣接しなくなるまで、例えば、自律車両502が車両108を通り過ぎるか、または車両108が自律車両502を通り過ぎるまで、車線片寄り操縦130を実施し得る。一例では、自律車両502は、自律車両502のいかなる部分も、隣接する車線104内で進行している車両108の任意の部分と重複しないことが決定されるまで、車線片寄り操縦130を実施し得る。別の例では、自律車両502は、隣接する車線104内で進行している車両108の閾値未満の部分が、自律車両502の任意の部分と重複することが決定されるまで、車線片寄り操縦130を実施し得る。車両108の閾値部分は、車両108の長さの3分の1、2分の1、3分の2、または任意の他の好適な部分であり得る。
【0045】
システム100はさらに、車線片寄り操縦130が実行可能ではないこと、または車線片寄り操縦130を実施することが安全ではないことが決定される場合、最小リスク操縦140を実施するように構成され得る。最小リスク操縦140は、自律車両502および車両108が互いに隣接しなくなるまで、とりわけ、自律車両502の速度を落とすこと、自律車両502の速度を増すことを含み得る。
【0046】
自律車両502が車線片寄り操縦130を実施することにつながり得る状況に遭遇する、種々の使用事例が、システム100の動作フローと併せて下でさらに説明される。
図1に説明される例示的使用事例では、自律車両502は、侵入する車両、侵略する車両、または特大の車両108に遭遇する。しかしながら、
図1に説明される例示的使用事例は、本開示の範囲を限定することを意味していない。当業者は、本開示に照らして、他の使用事例および実施形態を認識するであろう。いくつかの例では、自律車両502は、道路102の少なくとも一部を妨害する障害物または物体142(工事区域、道路102のわきの歩行者、緊急車線上で駐車または移動中の緊急車両108、および自身の車両108に注意を払っている車線104のわきに立っている人物を含む)に遭遇し得る。侵入する車両、侵略する車両、または特大の車両108に遭遇するこれらの例および使用事例のうちのいずれかでは、システム100は、これらの各々を車線片寄り操縦130を実施することにつながり得る非プレーヤーキャラクター144として扱い、これらの非プレーヤーキャラクター144の各々を避け得る。非プレーヤーキャラクター144は、自律車両502が相互作用する任意の物体142であり得る。
【0047】
(システムコンポーネント)
いくつかの実施形態において、自律車両502は、貨物または積荷を1つの場所から別の場所に輸送するためのトレーラに取り付けられたセミトラックトラクタユニット(
図5参照)を含み得る。自律車両502は、概して、自律モードにおいて、道路102に沿って進行するように構成され得る。自律車両502は、
図5-7に詳細に説明される複数のコンポーネントを使用して、ナビゲートされ得る。自律車両502の動作は、
図5-7により詳細に説明される。下記の対応する説明は、自律車両502のあるコンポーネントの簡潔な説明を含む。
【0048】
制御デバイス550は、概して、自律車両502およびそのコンポーネントの動作を制御し、自律車両502の自律運転を促進するように構成され得る。制御デバイス550は、進行することが安全であり、物体/障害物がない自律車両502の前の経路を決定し、その経路内で進行するように自律車両502をナビゲートするようにさらに構成され得る。このプロセスは、
図5-7により詳細に説明される。制御デバイス550は、概して、自律車両502のサブシステムコンポーネントと信号通信する、1つ以上のデータプロセッサを含み得る(
図5参照)。
【0049】
制御デバイス550は、センサデータ134および/またはマップデータ114を分析することによって、道路102上およびその周囲の物体を検出するように構成され得る。例えば、制御デバイス550は、物体検出機械学習モジュール112を実装することによって、道路102上およびその周囲の物体を検出し得る。物体検出機械学習モジュール112は、物体を画像、ビデオ、赤外線画像、点群、レーダデータ等から検出するために、ニューラルネットワークおよび/または機械学習アルゴリズムを使用して実装され得る。物体検出機械学習モジュール112は、下記にさらにより詳細に説明される。制御デバイス550は、センサデータ134を、自律車両502上に位置付けられたセンサ546から受信し、進行すべき安全な経路を決定し得る。センサデータ134は、センサ546によって捕捉されるデータを含み得る。
【0050】
センサ546は、それらの検出区域または視野内の任意の物体、とりわけ、目印、車線マーカ、車線境界、道路境界、車両108、歩行者、道路/交通標識等を捕捉するように構成され得る。センサ546は、カメラ、LiDARセンサ、運動センサ、赤外線センサ等を含み得る。いくつかの実施形態において、センサ546は、自律車両502の周囲に位置付けられ、自律車両502を包囲する環境を捕捉し得る。センサ546のさらなる説明に関して、
図5の対応する説明を参照されたい。
【0051】
(制御デバイス)
制御デバイス550は、
図5に詳細に説明される。簡潔に言うと、制御デバイス550は、メモリ126と信号通信するプロセッサ122と、ネットワークインターフェース124とを含み得る。プロセッサ122は、本明細書に説明されるような種々の機能を実施する1つ以上の処理ユニットを含み得る。メモリ126は、プロセッサ122によって、その機能を実施するために使用される任意のデータおよび/または命令を記憶し得る。例えば、メモリ126は、プロセッサ122によって実行されると、本明細書に説明される1つ以上の機能を制御デバイス550に実施させるソフトウェア命令128を記憶し得る。
【0052】
プロセッサ122は、
図5に説明されるデータプロセッサ570のうちの1つであり得る。プロセッサ122は、メモリ126に動作可能に結合された1つ以上のプロセッサを備えている。プロセッサ122は、限定ではないが、状態機械、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)チップ、論理ユニット、コア(例えば、マルチコアプロセッサ)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはデジタル信号プロセッサ(DSP)を含む任意の電子回路網である。プロセッサ122は、プログラマブル論理デバイス、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、または前述の任意の好適な組み合わせであり得る。プロセッサ122は、ネットワークインターフェース124およびメモリ126に通信可能に結合され、それらと信号通信する。1つ以上のプロセッサは、データを処理するように構成され得、ハードウェアまたはソフトウェアにおいて実装され得る。例えば、プロセッサ122は、8ビット、16ビット、32ビット、64ビット、または任意の他の好適なアーキテクチャであり得る。プロセッサ122は、算術および論理演算を実施するための算術論理ユニット(ALU)と、オペランドをALUに供給し、ALU演算の結果を記憶するプロセッサレジスタと、ALU、レジスタ、および他のコンポーネントの調整された動作を指示することによって、命令をメモリからフェッチし、それらを実行する制御ユニットとを含み得る。1つ以上のプロセッサは、種々の命令を実装するように構成され得る。例えば、1つ以上のプロセッサは、
図1-7に関して説明されるもののうちのいくつかまたは全て等、本明細書に開示される機能を実装するためのソフトウェア命令128を実行するように構成され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に説明される機能は、論理ユニット、FPGA、ASIC、DSP、または任意の他の好適なハードウェアまたは電子回路網を使用して実装される。
【0053】
ネットワークインターフェース124は、
図5に説明されるネットワーク通信サブシステム592のコンポーネントであり得る。ネットワークインターフェース124は、有線および/または無線通信を可能にするように構成され得る。ネットワークインターフェース124は、制御デバイス550と他のネットワークデバイス、システム、またはドメインとの間でデータを通信するように構成され得る。例えば、ネットワークインターフェース124は、WIFIインターフェース、ローカルエリアネットワーク(LAN)インターフェース、広域ネットワーク(WAN)インターフェース、モデム、スイッチ、またはルータを備え得る。プロセッサ122は、ネットワークインターフェース124を使用して、データを送受信するように構成され得る。ネットワークインターフェース124は、任意の好適なタイプの通信プロトコルを使用するように構成され得る。
【0054】
メモリ126は、
図5に説明されるデータ記憶装置590のうちの1つであり得る。メモリ126は、プロセッサ122によって実行されると、本明細書に説明される機能を実装するように動作可能である任意の他のデータ、命令、論理、ルール、またはコードとともに、
図1-7に説明される情報のうちのいずれかを記憶し得る。例えば、メモリ126は、ソフトウェア命令128、車線片寄り操縦130、最小リスク操縦140、車線マーカ106の場所、閾値距離132、センサデータ134、横方向距離138a-c、距離136、侵入された距離146、閾値期間148、軌道150、152、158、および168、道路条件データ154、縦方向距離156および166、距離160、履歴運転挙動162、障害物/物体142、非プレーヤーキャラクター144、運転パターン予測164、車線片寄り量110、物体検出機械学習モジュール112、マップデータ114、ルート計画116、運転命令118、および/または任意の他のデータ/命令を記憶し得る。ソフトウェア命令128は、プロセッサ122によって実行されると、
図1-7に説明されるもののうちのいくつかまたは全て等、本明細書に説明される機能を制御デバイス550に実施させるコードを含む。メモリ126は、1つ以上のディスク、テープドライブ、またはソリッドステートドライブを備え、メモリ126は、オーバーフローデータ記憶デバイスとして使用され、そのようなプログラムが実行のために選択されると、プログラムを記憶し、プログラム実行の間に読み取られる命令およびデータを記憶し得る。メモリ126は、揮発性または不揮発性であり得、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、三値連想メモリ(TCAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、およびスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)を備え得る。メモリ126は、ローカルデータベース、クラウドデータベース、ネットワーク接続記憶装置(NAS)等のうちの1つ以上を含み得る。
【0055】
物体検出機械学習モジュール112は、ソフトウェア命令128を実行するプロセッサ122によって実装され得、概して、センサデータ134から物体および障害物142を検出するように構成され得る。物体検出機械学習モジュール112は、画像、ビデオ、赤外線画像、点群、レーダデータ等の任意のデータタイプから物体を検出するために、ニューラルネットワークおよび/または機械学習アルゴリズムを使用して実装され得る。
【0056】
いくつかの実施形態において、物体検出機械学習モジュール112は、サポートベクターマシン(SVM)、単純ベイズ、ロジスティック回帰、k-最近傍、決定木等の機械学習アルゴリズムを使用して実装され得る。いくつかの実施形態において、物体検出機械学習モジュール112は、複数のニューラルネットワーク層、畳み込みニューラルネットワーク層等を利用し得、それらにおいて、これらの層の重みおよびバイアスが、物体検出機械学習モジュール112の訓練プロセスにおいて最適化される。物体検出機械学習モジュール112は、1つ以上の物体で標識されたデータタイプのサンプルを各サンプル内に含み得る訓練データセットによって、訓練され得る。例えば、訓練データセットは、物体で標識された物体(例えば、車両、車線区分線、歩行者、道路標識、障害物等)のサンプル画像を各サンプル画像内に含み得る。同様に、訓練データセットは、物体で標識されたビデオ、赤外線画像、点群、レーダデータ等の他のデータタイプのサンプルを各サンプルデータ内に含み得る。物体検出機械学習モジュール112は、訓練データセットおよびセンサデータ134によって、訓練、試験、および精緻化され得る。物体検出機械学習モジュール112は、センサデータ134(物体で標識されていない)を使用して、物体を検出することにおけるその予測の正確さを増加させる。例えば、教師ありおよび/または教師なし機械学習アルゴリズムが、センサデータ134における物体を検出することにおける物体検出機械学習モジュール112の予測を検証するために使用され得る。
【0057】
マップデータ114は、道路102を含む都市またはエリアの仮想マップを含み得る。いくつかの例では、マップデータ114は、マップ658と、マップデータベース636とを含み得る(マップ658およびマップデータベース636の説明に関して、
図6参照)。マップデータ114は、道路102、経路、高速道路等の運転可能エリアと、地形(占有グリッドモジュール660によって決定される(占有グリッドモジュール660の説明に関して、
図6参照))等の運転可能でないエリアとを含み得る。マップデータ114は、道路標識、車線、車線区分線、車線境界、道路境界、交通信号灯、障害物等の場所座標を規定し得る。
【0058】
ルート計画116は、開始場所(例えば、第1の自律車両出発点/到着点)から目的地(例えば、第2の自律車両出発点/到着点)まで進行するための計画である。例えば、ルート計画116は、開始場所から目的地までの特定の順序において、1つ以上の通り、道路、および高速道路の組み合わせを規定し得る。ルート計画116は、第1の段階(例えば、開始場所/出発点から外に移動する)と、複数の中間段階(例えば、1つ以上の特定の通り/道路/高速道路の特定の車線に沿って進行する)と、最後の段階(例えば、目的地/到着点に進入する)とを含む段階を規定し得る。ルート計画116は、そのルート計画116内の道路/交通標識等の開始位置から目的地までのルートについての他の情報を含み得る。
【0059】
運転命令118は、計画モジュール662(
図6の計画モジュール662の説明参照)によって実装され得る。運転命令118は、ルート計画116の各段階の運転ルールに従って、自律車両502の自律運転を適合させるための命令およびルールを含み得る。例えば、運転命令118は、自律車両502によって進行される道路102の速度範囲内に留まるための命令、センサ546の検出区域内の周辺車両、物体の速度等のセンサ546によって観察される変化に対して自律車両502の速度を適合させるのための命令を含み得る。
【0060】
制御デバイス550は、監督サーバ(図示せず)から、物体検出機械学習モジュール112、マップデータ114、ルート計画116、運転命令118、および/または任意の他のデータ/命令を受信し得、監督サーバは、他の動作の中でもとりわけ、自律車両502の動作を監督すること、マップデータ114を構築すること、ルート計画116を決定すること、運転命令118を決定することを行うように構成され得る。
【0061】
閾値距離132は、概して、制御デバイス550が自律車両502とその周辺物体/障害物142との間に保つ(または保つように試行する)安全な距離を表し得る。一例では、制御デバイス550は、自律車両502によって進行される道路102上の交通および天候等の道路条件154に基づいて、閾値距離132を定義し得る。例えば、交通渋滞では、自律車両502からの閾値距離132は、交通を伴わない道路と比較して、より大きくあり得る(例えば、8フィートまたは任意の適切な距離)。別の例では、悪天候条件中、自律車両502からの閾値距離132は、通常の天候条件と比較して、より大きくあり得る(例えば、6フィート、7フィート、または任意の適切な距離)。別の例では、制御デバイス550は、物体142のサイズおよび物体142のタイプ(例えば、車両、歩行者、道路標識等)のうちの1つ以上に基づいて、自律車両502と各物体142との間の異なる閾値距離132を定義し得る。例えば、第1の物体142が、小型車両108である場合、小型車両108と自律車両502との間の第1の閾値距離132は、自律車両502と特大の車両108との間の閾値距離132と比較して、より小さいように決定され得る。別の例では、第2の物体142が、道路のわきの歩行者または人物である場合、歩行者と自律車両502との間の第2の閾値距離132は、自律車両502と道路標識との間の閾値距離132と比較して、より大きくあり得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、車両、歩行者、道路標識等の物体142のサイズおよびタイプに基づいて、道路102上およびその周囲の各物体142の周囲の安全境界または境界ボックスを定義し得る。各物体142の周囲の境界ボックスは、制御デバイス550が自律車両502と各物体142との間に保つ(または保つことを試行する)安全な距離を表し得る。制御デバイス550は、各物体142の周囲の境界ボックスを使用して、自律車両502と道路102上およびその周囲の各物体142との間の種々の閾値距離132を決定し得る。
【0063】
(車線片寄り操縦を実装するための動作フロー)
システム100の動作フローは、制御デバイス550がセンサ546からセンサデータ134を受信すると、開始される。
【0064】
例示的動作では、自律車両502が、道路102に沿って進行していると仮定する。進行する間、センサ546は、自律車両502の周囲の環境を説明する、センサデータ134を捕捉する。センサデータ134は、道路102上の1つ以上の物体に関連付けられる。センサデータ134から、制御デバイス550は、物体検出機械学習モジュール112を実装することによって、車線マーカ106の位置と、自律車両502と車線マーカ106aおよび106bとの間のそれぞれの距離136aおよび136bとを検出し得る。
【0065】
車両108が道路102上にあると仮定して、制御デバイス550は、センサデータ134から車両108の存在を検出し得る。制御デバイス550は、自律車両502と車両108との間の横方向距離138を決定し得る。
【0066】
制御デバイス550は、横方向距離138を閾値距離132と比較し得る。制御デバイス550は、横方向距離138と閾値距離132との間の比較に基づいて、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令すべきかどうかを決定し得る。制御デバイス550が、車線片寄り操縦130を実施することが安全かつ実行可能であることを決定する場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得る。そうでなければ、制御デバイス550は、最小リスク操縦140を実施するように自律車両502に命令し得る。
【0067】
いくつかの例示的シナリオでは、自律車両502は、1)自律車両502に隣接するいずれかの側で、2)自律車両502のいずれかの側かつ前で、および、3)車両108が道路102のわきに停止されている場合に自律車両502の前で車両108に遭遇し得る。下記の対応する説明は、車線片寄り操縦130を実施することにつながり得る車両108(または、概して、非プレーヤーキャラクター144)に遭遇する種々の例示的使用事例を説明する。
【0068】
(自律車両に隣接する車両への遭遇)
例示的使用事例では、制御デバイス550が、物体検出機械学習モジュール112を実装することによって、センサデータ134から車両108aの存在を検出し、車両108aが、自律車両502のいずれかの側で検出されると仮定する。
【0069】
制御デバイス550は、下で説明されるように、車両108aを避けるために車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令すべきかどうか、車線片寄り操縦130が実行可能かつ安全であるかどうかを決定し、車線片寄り操縦130が実行可能かつ安全であることが決定される場合、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得る。
【0070】
このプロセスでは、制御デバイス550は、センサデータ134から自律車両502と車両108aとの間の横方向距離138aを決定し得る。制御デバイス550は、横方向距離138aを閾値距離132と比較し得る。
【0071】
図1の例では、制御デバイス550は、自律車両502と車両108aとの間の横方向距離138aが閾値距離132未満であることを決定し得る。応答して、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令すべきかどうかを決定し得る。制御デバイス550が、車線片寄り操縦130を実施することが実行可能かつ安全であることを決定する場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得る。そうでなければ、制御デバイス550は、最小リスク操縦140を実施するように自律車両502に命令し得る。最小リスク操縦140は、自律車両502および車両108aが、もはや互いに隣接しなくなるまで、自律車両502の速度を落とすことまたは増すことを含み得る。
【0072】
図1に図示されるような一例では、車両108aは、車線マーカ106aに侵入している(またはそれを越えている)こともある。車両108aが車線マーカ106aを越えているかどうかを決定するために、制御デバイス550は、下で説明される1つ以上の動作を実施し得る。
【0073】
制御デバイス550は、自律車両502と車線マーカ106aとの間の距離136aを決定し得る。制御デバイス550は、距離136aを自律車両502と車両108aとの間の横方向距離138aと比較し得る。制御デバイス550が、距離136aが自律車両502と車両108aとの間の横方向距離138a未満であることを決定する場合、制御デバイス550は、車両108aが車線104aの中に侵入していることを決定し得る。そうでなければ、制御デバイス550は、車両108aが車線104aの中に侵入していないことを決定し得る。
【0074】
この例では、制御デバイス550は、自律車両502と車両108aとの間の横方向距離138aが、自律車両502と車線マーカ106aとの間の距離136a未満であることを決定することに応答して、車両108aが、自律車両502によって進行される現在の車線104aの中に侵入していることを決定し得る。応答して、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令するかどうか、および車線片寄り操縦を実施することが安全かつ実行可能であるかどうかを決定し得る。
【0075】
(車線片寄り操縦を実施することが実行可能であるかどうかの決定)
車線片寄り操縦130を実施することが実行可能であるかどうかを決定するために、制御デバイス550は、下で説明される1つ以上の動作を実施し得る。
【0076】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するために自律車両502の他方の側に利用可能な十分な余裕または距離136があるかどうかを決定することに基づいて、車線片寄り操縦130を実施することが実行可能であるかどうかを決定し得る。このために、制御デバイス550は、車両108aによって侵入された現在の車線104aの量を決定し得る。例えば、制御デバイス550は、車両108aによって侵入された車線104aの中への侵入された距離146の量を決定し得る。
【0077】
制御デバイス550は、現在の車線104a上の自律車両502の他方の側の利用可能な距離136b(または利用可能な余裕136b)を決定し得る。制御デバイス550は、車線片寄り操縦を実施するために、すなわち、中心を外れて運転し、車線マーカ106bに向かって片寄るために、自律車両502の他方の側に十分な余裕136bまたは利用可能な距離136bがあるかどうかを決定し得る。このために、制御デバイス550は、侵入された距離146を利用可能な距離136bと比較し得る。
【0078】
制御デバイス550は、侵入された距離146と利用可能な距離136bとの間の比較に基づいて、車線片寄り操縦130が実施され得るかどうかを決定し得る。制御デバイス550が、利用可能な距離136bが侵入された距離146より大きいこと(および/または車線片寄り操縦130を実施するために十分な利用可能な距離136bがあること)を決定する場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得る。
【0079】
制御デバイス550は、制御デバイス550が、車線片寄り操縦130が実施され得るまたは実行可能かつ安全であることを決定する場合、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得る。車線片寄り操縦130を実施することが安全であるかどうかを決定するプロセスは、下でさらに説明される。簡潔に言うと、制御デバイス550は、道路102上に交通(例えば、別の車両108)があるかどうか、すなわち、交通が自律車両502が車線片寄り操縦130を実施することを可能にするかどうかを決定することによって、車線片寄り操縦130を実施することが安全であることを決定し得る。道路102上に交通が全くまたは殆どないことが決定される場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施することが安全であることを決定し、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得る。
【0080】
制御デバイス550が、利用可能な距離136bが侵入された距離146より小さいこと(および/または車線片寄り操縦130を実施するために十分な利用可能な距離136bがないこと)を決定する場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130が実施できないこと、または実行可能ではないことを決定し得る。応答して、制御デバイス550は、最小リスク操縦140を実施するように自律車両502に命令し得る。これらの動作では、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するために十分な利用可能な距離136bがあるかどうかを決定するとき、自律車両502のサイズ、幅、および長さを考慮する。
【0081】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130が実施される場合、自律車両502と車両108aとの間の将来の横方向距離138aが、閾値期間148内に閾値距離132に少なくとも等しくなるであろうことを決定することに基づいて、車線片寄り操縦130を実施することが実行可能であるかどうかを決定し得る。
【0082】
制御デバイス550が、車線片寄り操縦130が実施された場合に自律車両502と車両108aとの間の将来の横方向距離138aが閾値期間148内に閾値距離132に少なくとも等しくなるであろうことを決定する場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130が実行可能であることを決定し得る。応答して、制御デバイス550は、安全であることが決定される場合、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得る。そうでなければ、制御デバイス550は、最小リスク操縦140を実施するように自律車両502に命令し得る。
【0083】
閾値期間148は、2分、5分、または任意の他の好適な持続時間であり得る。制御デバイス550は、道路条件データ154(道路102に関連付けられた交通データおよび天候データ等)、自律車両502のサイズ、自律車両502の速度、自律車両502の軌道150、および車両108aのサイズ、車両108aの速度、および車両108aの軌道152のうちの1つ以上に基づいて、閾値期間148を定義し得る。
【0084】
車線片寄り操縦130が閾値期間148内に実施されることができるかどうかを決定するために、制御デバイス550は、下記の1つ以上の動作を実施し得る。
【0085】
制御デバイス550は、例えば、センサデータ134から車両108aの速度(または推定速度)および位置を決定し得る。車両108aの速度および位置に基づいて、制御デバイス550は、車両108aの軌道152を決定し得る。同様に、制御デバイス550は、自律車両502の速度および位置に基づいて、車線片寄り操縦130が実施された場合の自律車両502の軌道150を決定し得る。
【0086】
制御デバイス550は、自律車両502が軌道150を辿り、車両108aが軌道152を辿った場合の自律車両502と車両108aとの間の将来の横方向距離138aを予測する。
【0087】
制御デバイス550は、将来の横方向距離138aを閾値距離132と比較し得る。制御デバイス550は、将来の横方向距離138aが閾値期間148内に閾値距離132に少なくとも等しくなる場合、車線片寄り操縦130が閾値期間148内に実施されることができることを決定し得る。応答して、制御デバイス550は、(安全であることが決定される場合)車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得る。
【0088】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550が、予測された将来の横方向距離138aが閾値期間148内に閾値距離132未満であろうことを決定する場合、制御デバイス550は、例えば、道路102上の交通に起因して、車線片寄り操縦130が実施されることができないこと、および/または実施されることが安全ではないことを決定し得る。応答して、制御デバイス550は、最小リスク操縦140を実施するように自律車両502に命令し得る。
【0089】
別の実施形態において、制御デバイス550が、予測された将来の横方向距離138aが閾値期間148内に閾値距離132未満であろうことを決定する場合、制御デバイス550は、車線104c上の交通に基づいて、隣接する車線104cへ越えることが安全であるかどうかを決定し得る。制御デバイス550が、隣接する車線104c内に交通(例えば、別の車両108)が全くまたは殆どないことを決定する場合、制御デバイス550は、一時的に車線104cへ越えることが安全であることを決定し得る。応答して、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し、自律車両502と車両108aとの間の横方向距離138aが閾値距離132に等しくなるまで、一時的に車線104cに越え、車線104cから同程度の量の空間を占めるように自律車両502に命令し得る。制御デバイス550は、自律車両502および車両108aがもはや互いに隣接しないことが決定されると、その元の車線104aに戻るように運転するように自律車両502に命令し得る。
【0090】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、道路構造に基づいて、車線片寄り操縦130を実施することが実行可能であるかどうかを決定し得る。例えば、自律車両502が、曲がった道路上で進行している場合、自律車両502のセミトラックトラクタユニットに取り付けられたトレーラが、車線内でより多くの空間を占有する。したがって、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施することが実行可能であるかどうかを決定するとき、道路構造を考慮し得る。この使用事例は、
図3および4に詳細に説明される。
【0091】
(車線片寄り操縦の実施)
いくつかの実施形態において、車線片寄り操縦130を実施することが実行可能かつ安全であることを決定することに応答して、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得る。
【0092】
このために、制御デバイス550は、現在の車線104aから中心を外れて運転し、車線マーカ106b(すなわち、車両108aが検出された場所と比較して車線104aの他方の側)に向かって片寄ることを自律車両502に行わせる。
【0093】
制御デバイス550は、車線片寄り量110を決定し得る。車線片寄り量110は、現在の車線104aの中心線と軌道線150との間の距離である。言い換えると、車線片寄り量110は、自律車両502と車両108aとの間の横方向距離138aが閾値距離132に少なくとも等しくなるまで、自律車両502が車線104aの中心線からそれる距離である。自律車両502は、自律車両502と車両108aとの間の横方向距離138aが閾値距離132に少なくとも等しくなるまで、車線片寄り操縦130を実施し得る。
【0094】
制御デバイス550は、自律車両502がもはや車両108に隣接しなくなるまで、一貫した車線片寄り量110を維持し得る。いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、車両108がそれ、横方向距離138を変化させる場合であっても、一貫した車線片寄り量110を維持し得る。いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、車両108との少なくとも閾値距離132を保つために、車線片寄り量110を調節し得る。
【0095】
(最小リスク操縦の実施)
いくつかの実施形態において、車線片寄り操縦130を実施することが実行可能ではない(および、実施されることが安全ではない)ことを決定することに応答して、制御デバイス550は、最小リスク操縦140を実施するように自律車両502に命令し得る。最小リスク操縦140は、自律車両502と車両108aとが互いに隣接しなくなるまで、他の操縦の中でもとりわけ、自律車両502の速度を落とすこと、自律車両502の速度を増すことを含み得る。
【0096】
自律車両502のいずれかの側にある車両108aに遭遇する例では、制御デバイス550が、車両108aの速度が自律車両502の速度を上回ることを決定する場合、最小リスク操縦140は、自律車両502の速度を落とし、車両108aに自律車両502を通り過ぎさせることを含み得る。別の例では、制御デバイス550が、車両108aの速度が自律車両502の速度未満であることを決定する場合、最小リスク操縦140は、自律車両502の速度を増すことを含み得る。別の例では、車両108aが自律車両502の後方にある場合、最小リスク操縦140は、自律車両502の速度を増すことを含み得る。別の例では、車両108aが自律車両502の前にある場合、最小リスク操縦140は、自律車両502の速度を落とすことを含み得る。
【0097】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、車線片寄り操縦が実行可能かつ安全であることが決定される場合、車線片寄り操縦130に加えて、最小リスク操縦140を実施し得る。
【0098】
(自律車両の前かついずれかの側の車両への遭遇)
別の使用事例では、制御デバイス550が、物体検出機械学習モジュール112を実装することによって、センサデータ134から車両108bの存在を検出し、車両108bが自律車両502の前かつ自律車両502によって進行される車線104aのいずれかの側で検出されると仮定する。
【0099】
制御デバイス550は、下で説明されるように、車両108bを避けるために車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令するかどうか、車線片寄り操縦130が実行可能かつ安全であるかどうかを決定し、車線片寄り操縦130が実行可能かつ安全であることが決定される場合、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得る。
【0100】
このプロセスでは、制御デバイス550は、センサデータ134を分析することによって、自律車両502と車両108bとの間の横方向距離138bを決定し得る。制御デバイス550は、横方向距離138bを閾値距離132と比較し得る。
【0101】
図1の例では、制御デバイス550は、自律車両502と車両108bとの間の横方向距離138bが閾値距離132未満であることを決定し得る。図示される例では、制御デバイス550は、車両108bが、自律車両502と車両108bとの間の車線マーカ106aのあまりにも近くで運転していることを決定し得る。例えば、制御デバイス550は、車両108bと車線マーカ106aとの間の距離160が、閾値未満、例えば、20インチ、40インチ、または任意の他の適切な距離未満であることを決定し得る。
【0102】
応答して、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令すべきかどうかを決定し得る。車両108aの例に関して上で説明されるものと同様、制御デバイス550が車線片寄り操縦130を実施することが実行可能かつ安全であることを決定する場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得る。そうでなければ、制御デバイス550は、最小リスク操縦140を実施するように自律車両502に命令し得る。これらの動作は、下で説明される。
【0103】
(車線片寄り操縦を実施することが実行可能であるかどうかの決定)
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、下で説明されるように、横方向距離138b、縦方向距離156、車線片寄り操縦130が実行される場合の自律車両502の軌道150、および車両108bの軌道158に基づいて、車線片寄り操縦130を実施することが閾値期間148内に実行可能であるかどうかを決定し得る。
【0104】
制御デバイス550は、センサデータ134から自律車両502と車両108bとの間の縦方向距離156を決定し得る。
【0105】
制御デバイス550は、上で説明されるものと同様、自律車両502の速度および位置に基づいて、車線片寄り操縦130が実施される場合の自律車両502の軌道150を決定し得る。同様に、制御デバイス550は、車両108bの位置および速度(または推定速度)に基づいて、車両108bの軌道158を決定し得る。
【0106】
制御デバイス550は、自律車両502が軌道150を辿り、車両108bが軌道158を辿った場合の自律車両502と車両108bとの間の将来の横方向距離138bを予測する。
【0107】
制御デバイス550は、予測された将来の横方向距離138bを閾値距離132と比較し得る。制御デバイス550が、予測された将来の横方向距離138bが閾値期間148内に閾値距離132以上であろうことを決定する場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130が実施されることができることを決定し得る。応答して、制御デバイス550は、(安全であることが決定される場合)車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得る。
【0108】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550が、予測された将来の横方向距離138bが閾値期間148内に閾値距離132未満であろうことを決定する場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130が閾値期間148内に実施されることができないことを決定し得る。応答して、制御デバイス550は、最小リスク操縦140を実施するように自律車両502に命令し得る。
【0109】
別の実施形態において、車両108aに遭遇する例示的使用事例に関して上で説明されるものと同様、制御デバイス550が、予測された将来の横方向距離138bが閾値期間148内に閾値距離132未満であろうことを決定する場合、制御デバイス550は、一時的に隣接する車線104cへ越えることが安全であるかどうかを決定し得る。一時的に車線104cへ越えることが安全であることが決定される場合、制御デバイス550は、自律車両502と車両108bとの間の横方向距離138bが、閾値距離132に少なくとも等しくなるまで、車線マーカ106bを越えて自律車両502を運転し得る。自律車両502と車両108bとがもはや互いに隣接していないと、制御デバイス550は、その元の車線104aに戻るように自律車両502を運転し得る。
【0110】
(車線片寄り操縦を実施することが安全であるかどうかの決定)
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、道路条件データ154(例えば、交通データおよび天候データ)および/または周辺車両108に関連付けられた履歴運転挙動162に基づいて、車線片寄り操縦130を実施することが安全であるかどうかを決定し得る。このために、道路102に沿って進行する間、制御デバイス550は、道路102上の車両108に関連付けられた運転挙動162を記録し得る。
【0111】
一例では、制御デバイス550は、車両108の運転パターン予測164が閾値パーセンテージ未満、例えば、70%、60%等未満である、すなわち、車両108の運転パターンが非常に予測不可能であることが決定される場合、車線片寄り操縦130を実施することが安全ではないことを決定し得る。制御デバイス550は、履歴運転挙動162に基づいて、運転パターン予測164を決定し得る。別の例では、制御デバイス550は、車両108の履歴運転挙動162が、車両108が1つ以上の車線104に侵入していること、またはそれを侵略していること、または車線マーカ106のあまりにも近くで運転している(例えば、車線マーカ106からの閾値距離未満で運転している)ことを示すことが決定される場合、車線片寄り操縦130を実施することが安全ではないことを決定し得る。
【0112】
車両108bに関する一例では、制御デバイス550は、車両108bの履歴運転挙動162が、車両108bが1つ以上の車線104に侵入していること、またはそれを侵略していることを示すことを決定し得る。車両108bに関する別の例では、制御デバイス550は、車両108bの履歴運転挙動162が、車両108bが車線マーカ106のあまりにも近くで(例えば、車線マーカ106からの閾値距離未満で)運転していることを示すことを決定し得る。
【0113】
そのような場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施することが安全ではないことを決定し得る。
【0114】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、例えば、道路102上の交通渋滞または望ましくない天候条件等の道路条件154に起因して、車線片寄り操縦130が閾値期間148内に実施されることができないことが決定される場合、車線片寄り操縦130を実施することが安全ではないことを決定し得る。
【0115】
(自律車両の前の停止車両への遭遇)
別の使用事例では、制御デバイス550が、物体検出機械学習モジュール112を実装することによって、センサデータ134から車両108cの存在を検出し、車両108cが、自律車両502によって進行される道路102のわきで自律車両の前に停止されていると仮定する。同様に、制御デバイス550は、センサデータ134から道路102のわきの人物の存在を検出し得る。
【0116】
類似する使用事例では、センサ546は、1)道路の少なくとも一部を占有している、2)道路102の車線104を侵略している、3)緊急車線上にある、または、4)車線マーカ106bの他方の側にあるが、車線マーカ106bにあまりにも近い(例えば、物体142と車線マーカ106bとの間の距離が、20インチ、40インチ等の閾値未満である)道路102のわきの任意の静止物体142を検出し得る。静止物体142は、工事用コーン、工事用障壁、工事作業員、工事用機器、歩行者、車両、および/または任意の他の物体142を含み得る。
【0117】
制御デバイス550は、下で説明されるように、車両108cを避けるために車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令するかどうか、車線片寄り操縦130が実行可能かつ安全であるかどうかを決定し、車線片寄り操縦130が実行可能かつ安全であることが決定される場合、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得る。
【0118】
このプロセスでは、制御デバイス550は、センサデータ134を分析することによって、自律車両502と車両108cとの間の横方向距離138cを決定し得る。制御デバイス550は、横方向距離138cを閾値距離132と比較し得る。
【0119】
図1の例では、制御デバイス550は、自律車両502と車両108cとの間の横方向距離138cが閾値距離132未満であることを決定し得る。図示される例では、制御デバイス550は、横方向距離138cが自律車両502と車線境界106bとの間の距離136b未満であることを決定することに基づいて、車両108cが車線境界106bを越えていることを決定する。
【0120】
応答して、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令すべきかどうかを決定し得る。車両108aの例に関して上で説明されるものと同様、制御デバイス550が、車線片寄り操縦130を実施することが実行可能かつ安全であることを決定する場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得る。そうでなければ、制御デバイス550は、最小リスク操縦140を実施するように自律車両502に命令し得る。これらの動作は、下で説明される。
【0121】
(車線片寄り操縦を実施することが実行可能であるかどうかの決定)
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、下で説明されるように、横方向距離138c、縦方向距離166、車線片寄り操縦130が実行される場合の自律車両502の軌道150、および車線片寄り操縦130を実施するために自律車両502の他方の側に十分な余裕または距離136aがあるかどうかを決定することに基づいて、車線片寄り操縦130を実施することが閾値期間148内に実行可能であるかどうかを決定し得る。
【0122】
制御デバイス550は、軌道150を決定することに関して上で説明されるものと同様、車線片寄り操縦130が実施される場合、自律車両502の速度および位置に基づいて、自律車両502の軌道166を決定し得る。
【0123】
制御デバイス550は、自律車両502が軌道166を辿った場合の自律車両502と車線108cとの間の将来の横方向距離138cを予測する。制御デバイス550は、予測された将来の横方向距離138cを閾値距離132と比較し得る。
【0124】
制御デバイス550が、予測された将来の横方向距離138cが閾値期間148内に閾値距離132以上であろうことを決定する場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130が実施されることができることを決定し得る。応答して、制御デバイス550は、(安全であることが決定される場合)車線片寄り操縦130を実施し得る。
【0125】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、それらのサイズに基づいて、車両108の分類を決定し得る。例えば、制御デバイス550は、バス等の特大の車両108を第1のクラスに、ファミリーカー等の通常サイズの車両108を第2のクラスになど、分類し得る。したがって、車線片寄り操縦130を実施するかどうかを決定することは、遭遇車両108が属する特定のクラスにさらに基づき得る。
【0126】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550が、予測された将来の横方向距離138cが閾値期間148内に閾値距離132未満であろうことを決定する場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130が閾値期間148内に実施されることができないことを決定し得る。応答して、制御デバイス550は、最小リスク操縦140を実施するように自律車両502に命令し得る。別の実施形態において、車両108aに遭遇する例示的使用事例に関して上で説明されるものと同様、制御デバイス550が、予測された将来の横方向距離138cが閾値期間148内に閾値距離132未満であろうことを決定する場合、制御デバイス550は、隣接する車線104dへ越えることが安全であるかどうかを決定し得る。
【0127】
(車線片寄り操縦を実装するための例示的方法)
図2は、自律車両502のための車線片寄り操縦130を実装する方法200の例示的フローチャートを図示する。修正、追加、または省略が、方法200に行われ得る。方法200は、より多い、より少ない、または他の動作を含み得る。例えば、動作は、並行して、または任意の好適な順序において、実施され得る。随時、自律車両502、制御デバイス550、またはそのうちのいずれかのコンポーネントが、動作を実施するものとして議論されるが、任意の好適なシステムまたはシステムのコンポーネントが、方法200の1つ以上の動作を実施し得る。例えば、方法200の1つ以上の動作は、少なくとも部分的に1つ以上のプロセッサ(例えば、
図1および5から、それぞれ、プロセッサ122および570)によって起動されると、動作202-218を1つ以上のプロセッサに実施させ得る非一過性有形機械読み取り可能な媒体(例えば、
図1および5から、それぞれ、メモリ126およびデータ記憶装置590)上に記憶される
図1および5からのそれぞれのソフトウェア命令128および処理命令580の形態において実装され得る。
【0128】
方法200は、制御デバイス550が自律車両502に関連付けられたセンサ546からセンサデータ134を受信する動作202において開始される。制御デバイス550は、連続的に、周期的に(例えば、1秒毎、5秒毎、または任意の好適な持続時間)、および/または要求に応じて、センサ546からセンサデータ134を受信し得る。
【0129】
動作204では、制御デバイス550は、センサデータ134から車両108の存在を検出し得る。例えば、制御デバイス550は、センサデータ134から車両108を検出するために、物体検出機械学習モジュール112を実装し得る。制御デバイス550は、
図1に説明される車両108a、108b、または108cのうちのいずれかの存在を検出し得る。同様に、制御デバイス550は、センサデータ134から任意の障害物/物体142および/または非プレーヤーキャラクター144の存在を検出し得る。
【0130】
動作206では、制御デバイス550は、自律車両502と車両108との間の横方向距離138を決定し得る。例えば、制御デバイス550は、
図1に説明されるものと同様、自律車両502と車両108a、108b、および108cの各々との間の横方向距離138a、138b、または138cをそれぞれ決定し得る。
【0131】
動作208では、制御デバイス550は、横方向距離138を自律車両502からの閾値距離132と比較し得る。制御デバイス550は、
図1に説明されるものと同様、閾値距離132を定義し得る。
【0132】
動作210では、制御デバイス550は、自律車両502と車両108との間の横方向距離138が閾値距離132未満であるかどうかを決定し得る。このプロセスでは、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令すべきかどうかを決定し得る。制御デバイス550が、自律車両502と車両108との間の横方向距離138が閾値距離132未満であることを決定する場合、方法200は、動作212に進み得る。そうでなければ、方法200は、動作202に戻る。言い換えると、制御デバイス550が、自律車両502と車両108との間の横方向距離138が閾値距離132以上であることを決定する場合、制御デバイス550は、自律車両502が車両108から安全な距離を保っていることを決定し得る。したがって、制御デバイス550は、自律車両502と他の車両108(または物体142)との間の距離を監視および評価し続け得る。
【0133】
動作212では、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130が実行可能であるかどうかを決定し得る。
【0134】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130が閾値期間148内に実施されることができることが決定される場合、車線片寄り操縦130が実行可能であることを決定し得る。言い換えると、制御デバイス550は、
図1に説明されるものと同様、車線片寄り操縦130を実施することによって、自律車両502と車両108との間の将来の横方向距離138が、閾値期間148内に閾値距離132に少なくとも等しくなるであろう場合、車線片寄り操縦130が実行可能であることを決定し得る。
【0135】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、道路構造に基づいて、車線片寄り操縦130が実行可能であるかどうかを決定し得る。例えば、道路102が、高い湾曲(例えば、60度、70度等を上回る)を有する場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130が実行可能ではないことを決定し得る。制御デバイス550が、車線片寄り操縦130が実行可能であることを決定する場合、方法200は、動作216に進み得る。そうでなければ、方法200は、動作214に進み得る。
【0136】
動作214では、制御デバイス550は、最小リスク操縦140を実施するように自律車両502に命令し得る。例えば、最小リスク操縦140は、自律車両502と車両108とがもはや互いに隣接しなくなるまで、自律車両502の速度を落とすことまたは増すことを含み得る。
【0137】
動作216では、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施することが安全であるかどうかを決定し得る。
【0138】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、車両108に関連付けられた履歴運転挙動162に基づいて、車線片寄り操縦130を実施することが安全であるかどうかを決定し得る。例えば、
図1に説明されるものと同様、制御デバイス550が、車両108に関連付けられた履歴運転挙動162が、車両108の運転挙動が非常に予測不可能であることを示す場合、例えば、車両108の運転パターン予測164が、60%、55%等の閾値パーセンテージ未満であることを決定する場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施することが安全ではないことを決定し得る。
【0139】
別の例では、制御デバイス550は、道路102上の交通および天候等の道路条件154に基づいて、車線片寄り操縦130を実施することが安全であるかどうかを決定し得る。例えば、制御デバイス550が、車線片寄り操縦130を実施することによって、別の車両108との衝突のリスクが閾値パーセンテージ(例えば、10%、15%等を上回る)より大きくなり得る程度まで、道路102上に交通渋滞があること、および/または、悪天候条件があることを決定する場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施することが安全ではないことを決定し得る。車線片寄り操縦130を実施することが安全ではないことが決定される場合、方法200は、動作214に進み得る。そうでなければ、方法200は、動作218に進み得る。
【0140】
動作218では、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得る。このプロセスでは、制御デバイス550は、
図1の上で説明されるものと同様、車両108と自律車両502との間の横方向距離138が、閾値距離132に少なくとも等しくなるまで、自律車両502を車両108に対して反対方向に向かって現在の車線104a内で(車線片寄り量110の距離を伴って)中心を外れて運転する。
【0141】
(曲がった道路を通り抜けるための車線片寄り操縦を実装するための例示的システム)
図3は、自律車両502が曲がった道路302を通り抜けるための車線片寄り操縦130を実装するためのシステム300の実施形態を図示する。
図3は、自律車両502によって進行される曲がった道路302の簡略化された略図をさらに図示する。いくつかの実施形態において、システム300は、自律車両502とそのコンポーネントとを備え、コンポーネントは、制御デバイス550およびセンサ546を含む。
【0142】
制御デバイス550は、メモリ126と信号通信するプロセッサ122を備えている。メモリ126は、プロセッサ122によって実行されると、本明細書に説明される1つ以上の機能を制御デバイス550に実施させるソフトウェア命令312を記憶し得る。例えば、ソフトウェア命令312が、実行されると、プロセッサ122は、曲がった道路302を通り抜けるための車線片寄り操縦130を実装する。システム300は、示されるように、または任意の他の好適な構成において構成され得る。
【0143】
一般に、システム300は、自律車両502が例示的な図示される曲がった道路302等の曲がった道路に接近していることを検出することに応答して、および/または、例えば、直線道路上であっても自律車両502を横断して進む風に起因して、自律車両502のトレーラ318が直線から振れ、またはそれ、自律車両502のセミトラックトラクタユニット316とトレーラ318との間のトレーラ角度342を引き起こすとき、車線片寄り操縦130を実装するように構成され得る。セミトラックトラクタユニット316は、同義的に、本明細書では、自律車両502の運転室316と称される。
【0144】
図1に簡潔に説明されるように、ある場合、自律車両502が、曲がった道路302上の曲がった車線304上で運転しているとき、自律車両502のトレーラ318は、不注意にも、曲がった車線304の中心線からそれ、または振れ得る。
【0145】
ある場合、曲がった道路302上の自律車両502と車両との間の距離は、自律車両502のトレーラ318が曲がった車線304の中心線からそれることに起因して、閾値距離132未満になり得る。同様に、風が、自律車両502を横断して進んでいるとき(自律車両502が、曲がった道路または直線道路のいずれかの上にあるとき)、風は、自律車両502のトレーラ318に現在の車線の中心線からそれさせ、または振れさせ、自律車両502のトレーラ318と運転室316との間のトレーラ角度342を引き起こさせ得る。例えば、曲がった道路または直線道路上の自律車両502と車両との間の距離は、自律車両502のトレーラ318が曲がった車線または直線車線の中心線からそれることに起因して、閾値距離132未満になり得る。
【0146】
これらの状況は、曲がった道路または直線道路上の自律車両502および自律車両502のいずれかの側の車両のために危険な運転条件につながり得る。そのような場合、制御デバイス550は、自律車両502が側車線を侵略しないように、自律車両502を曲がった車線304内で中心を外れて運転するために、車線片寄り操縦130を実装し得る。言い換えると、制御デバイス550は、運転室316またはトレーラ318のいずれも側車線の中にそれないように、車線片寄り操縦130を実装し得る。
【0147】
このために、制御デバイス550は、合計車線片寄り調節量320を計算し、合計車線片寄り調節量320は、車線片寄り操縦130を実施するために現在の車線内で中心を外れて自律車両502を運転する距離である。自律車両502を現在の車線304内で中心を外れて運転すべき距離(すなわち、合計車線片寄り調節量320)を計算するプロセスは、システム300の動作フローと併せて下でさらに説明される。
【0148】
簡潔に言うと、合計車線片寄り調節量320を計算するために、制御デバイス550は、道路湾曲328に関連付けられた第1の車線片寄り調節量330を計算し、トレーラ角度342に関連付けられた第2の車線片寄り調節量340を計算し、それらを一緒に組み合わせる。第1の車線片寄り調節量330を計算することにおいて、トレーラ角度342は、ゼロであるように表され(または仮定され)、制御デバイス550は、第1の車線片寄り調節量330を単独で計算する。第2の車線片寄り調節量340を計算することにおいて、道路302は、直線であるように表され(または仮定され)、制御デバイス550は、第2の車線片寄り調節量340を単独で計算する。本開示では、第1の車線片寄り調節量330は、同義的に、本明細書では、第1の車線片寄り調節距離量330と称され得、第2の車線片寄り調節量340は、同義的に、本明細書では、第2の車線片寄り調節距離量340と称され得、合計車線片寄り調節量320は、同義的に、本明細書では、合計車線片寄り調節距離量320と称され得る。
【0149】
ある実施形態において、
図1のシステム100または
図3のシステム300は、
図1に説明される動作フローの1つ以上の動作、
図2に説明される方法200の1つ以上の動作、
図3に説明される動作フローの1つ以上の動作、および
図4に説明される方法400の1つ以上の動作を実施し得る。
【0150】
ある実施形態において、システムは、
図1のシステム100および
図3のシステム300の1つ以上のコンポーネントを含み得、
図1に説明される動作フローの1つ以上の動作、
図2に説明される方法200の1つ以上の動作、
図3に説明される動作フロー300の1つ以上の動作、および
図4に説明される方法400の1つ以上の動作を実施するように構成され得る。
【0151】
(システムコンポーネント)
制御デバイス550の側面は、
図1および2に説明され、追加の側面が、下で説明される。メモリ126は、ソフトウェア命令312、道路半径322、トレーラ角度342、トレーラ長326、車線片寄り操縦130、マップデータ114、センサデータ314、第1の車線片寄り調節量330、第2の車線片寄り調節量340、合計車線片寄り調節量320、車線片寄り量110、最終車線片寄り量350、トレーラ片寄り量352、および閾値距離132を記憶するようにさらに構成され得る。
【0152】
下記の対応する説明は、自律車両502が曲がった道路302に接近しているときに車線片寄り操縦130を実装するためのシステム300の動作フローを説明する。
【0153】
(曲がった道路を通り抜けるための車線片寄り操縦を実装するための動作フロー)
システム300の動作フローは、制御デバイス550が、自律車両502が曲がった道路302に接近していることを決定し得るときに開始される。
【0154】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、マップデータ114を分析することに基づいて、自律車両502が曲がった道路302に接近していることを決定し得る。マップデータ114は、
図1に説明される。例えば、マップデータ114は、自律車両502が運転している都市の仮想マップを含み得る。マップデータ114は、自律車両502の前方の1つ以上の道路を含み得る。制御デバイス550は、自律車両502の前方の1つ以上の道路の形状を決定するためにマップデータ114を分析するために、画像処理アルゴリズム等のデータ処理アルゴリズムを実装し得る。
【0155】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、センサデータ314に基づいて、自律車両502が曲がった道路302に接近していることを決定し得る。このプロセスでは、制御デバイス550は、自律車両502のセンサ546からセンサデータ314を受信し得、センサデータ314は、自律車両502の周囲の環境を説明する。センサデータ314は、曲がった道路302上の車線マーカ306の場所の組を示すデータを含み得る。制御デバイス550は、センサデータ314を処理し、センサデータ314から車線マーカ306の場所の組を決定するために、物体検出機械学習モジュール166を実装し得る。制御デバイス550は、車線マーカ306の場所の組が曲線を辿ることを決定することに基づいて、自律車両502が曲がった道路302に接近していることを決定し得る。
【0156】
制御デバイス550が、自律車両502が曲がった道路302に接近していることを決定したため、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するために、自律車両502を曲がった車線304の中心線から外れて運転すべき距離を決定し得る。このために、制御デバイス550は、合計車線片寄り調節量320を決定し得る。
【0157】
合計車線片寄り調節量320を決定するために、制御デバイス550は、第1の車線片寄り調節量330と第2の車線片寄り調節量340とを組み合わせる。第1の車線片寄り調節量330は、道路湾曲328に関連付けられ得る。第2の車線片寄り調節量340は、トレーラ角度342に関連付けられ得る。制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得、車線片寄り操縦130は、合計車線片寄り調節量320に基づいて、自律車両502を自律車両502によって現在進行されている曲がった車線内で中心を外れて運転することを含む。
【0158】
下記の対応する説明は、第1の車線片寄り調節量330および第2の車線片寄り調節量340を計算することを説明した。
【0159】
(道路湾曲に関連付けられた第1の車線片寄り調節量の計算)
いくつかの実施形態において、第1の車線片寄り調節量330を計算することにおいて、トレーラ角度342は、ゼロであるように表される。
図3に見られ得るように、第1の車線片寄り調節量330を計算することにおいて、自律車両502の運転室316およびトレーラ318は、自律車両502の運転室316とトレーラ318との間のトレーラ角度342が、ゼロであるように、互いに実質的に一列に整列させられる。
【0160】
第1の車線片寄り調節量330を決定するために、制御デバイス550は、曲がった道路302の道路半径322を決定し得る。いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、マップデータ114から道路半径322を決定し得る。このプロセスでは、制御デバイス550は、曲がった道路302が仮想円324の円周の一部であるように、マップデータ114上の仮想円324を決定し得る。言い換えると、道路302の中心線は、仮想円324の円周の一部であり得る。
【0161】
制御デバイス550は、仮想円324の中心と、自律車両502の運転室316が自律車両502のトレーラ318に接する点332との間の距離を計算することによって、曲がった道路302の道路半径322を決定し得る。制御デバイス550は、道路半径322および下で説明されるようなトレーラ長326を使用して、道路湾曲328に関連付けられた第1の車線片寄り調節量330を計算する。トレーラ長326は、ソフトウェア命令312において制御デバイス550に提供され得る。
【0162】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、以下の式(1)に従って、第1の車線片寄り調節量330を計算し得る。
第1の車線片寄り調節値=(道路半径2-トレーラ長2)1/2-道路半径 式(1)
【0163】
式(1)におけるトレーラ長は、トレーラ318の長さであるトレーラ長326である。
【0164】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、道路湾曲328の方向および/または第1の車線片寄り調節量330の方向に基づいて、第1の車線片寄り調節量330の符号を調節し得る。式(1)から推測され得るように、式(1)を使用して計算された第1の車線片寄り調節量330は、常に正であろう。しかしながら、第1の車線片寄り調節量330の符号は、道路湾曲328の方向および/または第1の車線調節量330の方向に基づいて、調節される必要があり得る。
【0165】
図3に図示される例示的状況では、道路湾曲328が左方向へのそれである場合、道路湾曲328に関連付けられた符号は、正であり、道路湾曲328が右方向へのそれである場合、道路湾曲328に関連付けられた符号は、負であると仮定される。さらに、第1の車線片寄り調節量330が左方向へのそれである場合、第1の車線片寄り調節量330の符号は、負であり、第1の車線片寄り調節量330が右方向へのそれである場合、第1の車線片寄り調節量330の符号は、正であると仮定される。
【0166】
この例では、トレーラ318の中間端点が車線304の中心線の右側にあるので、第1の車線片寄り調節量330は、左方向へのそれである。したがって、第1の車線片寄り調節量330の符号は、負である。したがって、道路湾曲328の方向が左へのそれであり、第1の車線片寄り調節量330の方向が左へのそれであるこの例示的状況では、調節された符号を伴う第1の車線片寄り調節量330は、以下の式(2)に従って計算され得る。
調節された符号を伴う第1の車線片寄り調節値=
((道路半径2-トレーラ長2)1/2-道路半径))×符号(-道路湾曲) 式(2)
【0167】
式(2)における符号(道路湾曲)は、道路湾曲328に関連付けられた符号を示す。
【0168】
(トレーラ角度に関連付けられた第2の車線片寄り調節量の計算)
いくつかの実施形態において、第2の車線片寄り調節量340を計算することにおいて、道路302は、直線であるように表される。
図3に見られ得るように、第2の車線片寄り調節量340を計算することにおいて、自律車両502は、直線348上にあると仮定される。直線348は、直線であると仮定される道路の中心線であり得る。
【0169】
第2の車線片寄り調節量340を計算するために、制御デバイス550は、トレーラ318と運転室316との間のトレーラ角度342を決定し得る。制御デバイス550は、センサ546から受信されたセンサデータ314からトレーラ角度342を決定し得、センサ546は、機械的回転を測定し、それらをスケーリングされた電気信号に変換することによって、トレーラ318と運転室316との間のトレーラ角度342を測定するように構成され得る。制御デバイス550は、下で説明されるように、トレーラ角度342およびトレーラ長326を使用して、トレーラ角度342に関連付けられた第2の車線片寄り調節量340を計算する。
【0170】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、以下の式(3)に従って、第2の車線片寄り調節量340を計算し得る。
第2の車線片寄り調節値=トレーラ長×sin(トレーラ角度) 式(3)
【0171】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、トレーラ角度342の方向および/または第2の車線片寄り調節量340の方向に基づいて、第2の車線片寄り調節量340の符号を調節し得る。
【0172】
トレーラ角度342の符号は、トレーラ318が直線348からそれている方向に依存し得る。例えば、トレーラ318が左方向に振れた場合、トレーラ角度342に関連付けられた符号は、負であり、トレーラ318が右方向に振れた場合、トレーラ角度342に関連付けられた符号は、正である。さらに、第2の車線片寄り調節量340が左方向へのそれである場合、第2の車線片寄り調節量340の符号は、負であり、第2の車線片寄り調節量340が右方向へのそれである場合、第2の車線片寄り調節量340の符号は、正である。
【0173】
図3に図示される例示的状況では、トレーラ318は、左方向にそれさせられているので、第2の車線片寄り調節量340の方向は、右へのそれである。したがって、第2の車線片寄り調節量340の右方向は、第2の車線片寄り調節量340の符号が正であることを意味する。
【0174】
したがって、トレーラ角度342の方向が左へのそれであり、第2の車線片寄り調節量340の方向が右へのそれであるこの例では、制御デバイス550は、以下の式(4)に従って、調節された符号を伴う第2の車線片寄り調節量340を計算し得る。
割り当てられた符号を伴う第2の車線片寄り調節値=
-トレーラ長×sin(トレーラ角度) 式(4)
【0175】
上で説明されるように、第1の車線片寄り調節量330および第2の車線片寄り調節量340の各々は、左または右方向に向かうそれであり得、符号に関連付けられている。
【0176】
車線片寄り方向が左へのそれである場合、その車線片寄り調節量に関する符号は、負であり、車線片寄り方向が右へのそれである場合、その車線片寄り調節量の符号は、正である。合計車線片寄り調節量320の方向および量は、第1の車線片寄り調節量330および第2の車線片寄り調節量340の各々の符号および量に依存し得る。
【0177】
言い換えると、合計車線片寄り調節量320の方向および量は、第1の車線片寄り調節量330または第2の車線片寄り調節量340のうちのどちらが自律車両502に対してより多くの効果を及ぼすかに依存し得る。例えば、第1の車線片寄り調節量330が負の符号を有し(すなわち、左方向に向かう)、第2の車線片寄り調節量340が正の符号を有し(すなわち、右方向に向かう)、第1の車線片寄り調節量330が第2の車線片寄り調節量340より大きい場合、合計車線片寄り調節量320は、負であろう(すなわち、左方向に向かう)。
【0178】
(車線片寄り操縦の実施)
制御デバイス550は、第1の車線片寄り調節量330と第2の車線片寄り調節量340とを組み合わせることによって、合計車線片寄り調節量320を計算する。
【0179】
合計車線片寄り調節量320が計算されると、制御デバイス550は、合計車線片寄り調節量320を使用して、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得る。この操縦では、制御デバイス550は、自律車両502が側車線を侵略しないように、計算された合計車線片寄り調節量320に基づいて、自律車両502を曲がった車線304の中心線から外れて運転する。
【0180】
自律車両502が、曲がった道路302に沿って車両310に遭遇する場合、制御デバイス550は、道路湾曲328および/またはトレーラ角度342に関連付けられた車線片寄り調節量330および/または340を考慮することに加えて、車両310から安全な距離を保つことを考慮し得る。
【0181】
このために、制御デバイス550は、
図1および2に説明されるものと同様、車両310から安全な距離を保つための車線片寄り量110(すなわち、自律車両502と車両310との間の距離が、閾値距離132に少なくとも等しくなるまで)を決定し得る。制御デバイス550は、
図3の上で説明されるものと同様、合計車線片寄り調節量320も決定し得る。制御デバイス550は、合計車線片寄り調節量320を
図1および2に説明される車線片寄り量110と組み合わせ、または加算し、最終車線片寄り量350を決定し、自律車両502を車線304の中心線から外れて運転し得る。
【0182】
曲がった道路302上にいかなる車両310もない場合、合計車線片寄り調節量320は、最終車線片寄り量350に等しくあり得る。
【0183】
自律車両502が曲がった道路302上で車両310に遭遇する例示的シナリオが、下で説明される。
【0184】
(曲がった道路上での車両への遭遇)
例示的シナリオでは、自律車両502が、曲がった道路302上で進行する間に車両310に遭遇すると仮定する。そのような場合、制御デバイス550は、
図1および2に説明されるものと同様、車両310から少なくとも閾値距離132を保つための車線片寄り量110を計算し得る。
【0185】
制御デバイス550は、上で説明されるものと同様、第1の車線片寄り調節量330および第2の車線片寄り調節量340を計算し、組み合わせることによって、合計車線片寄り調節量320も計算し得る。制御デバイス550は、車線片寄り量110と合計車線片寄り調節量320とを組み合わせることによって、最終車線片寄り量350を決定し得る。
【0186】
図3の例では、自律車両502が、曲がった道路302の外側の車両310aに遭遇する場合、制御デバイス550は、車線片寄り量110を合計車線片寄り調節量320に組み合わせ、最終車線片寄り量350を計算し得る。
【0187】
自律車両502が、曲がった道路302の内側の車両310bに遭遇する場合、制御デバイス550は、車線片寄り量110を合計車線片寄り調節量320に組み合わせないことを決定することもあり、自律車両502を車線304から中心を外れて運転するために合計車線片寄り調節量320のみを使用する。車線片寄り量110を合計車線片寄り調節量320に組み合わせないことを決定する1つの理由は、自律車両502と車両310bとの間の距離を減らさず、最終車線片寄り量350を減らさないためである。
【0188】
(直線道路上での車線片寄り操縦の実施)
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、直線道路上で進行する間、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令すべきかどうかを決定し得る。制御デバイス550は、自律車両502が曲がった道路302に接近していることを決定することに関して上で説明されるものと同様、マップデータ114および/またはセンサデータ314を分析することによって、自律車両502が直線道路に沿って進行していることを決定し得る。したがって、制御デバイス550は、道路半径322が、閾値距離、例えば、1,000メートルを上回る等、十分に大きいので、第1の車線片寄り調節量330がゼロであることを決定し得る。
【0189】
ある場合、風は、直線道路の中心線からそれるように自律車両502のトレーラ318を押し得る。そのような場合、制御デバイス550は、風が自律車両502のトレーラ318に直線からそれさせていることを検出し得る。制御デバイス550は、トレーラ角度342がゼロを上回ることを示すセンサ546から受信されたセンサデータ314に基づいて、風が自律車両502のトレーラ318に直線からそれさせていることを決定し得る。応答して、制御デバイス550は、トレーラ角度342を測定するように構成され得るセンサ546から受信されたセンサデータ314から風に関連付けられたトレーラ角度342を決定し得る。
【0190】
制御デバイス550は、式(3)および(4)を使用して上で説明されるものと同様、風によって引き起こされる第2の車線片寄り調節量340を計算する。第1の車線片寄り調節量330は、ゼロであると決定されるので、制御デバイス550は、合計車線片寄り調節量320が第2の車線片寄り調節量340に等しいことを決定し得る。
【0191】
(トレーラ片寄りを使用した合計車線片寄り調節量の計算)
別の実施形態において、制御デバイス550は、下で説明されるような最終車線片寄り量350を計算し得る。
【0192】
本実施形態において、制御デバイス550は、以下の式(5)に従って、トレーラ片寄り量352を計算し得る。
トレーラ片寄り=(道路半径2+トレーラ長2-2×道路半径×トレーラ長×
cos(π/2-トレーラ角度)1/2-道路半径 式(5)
【0193】
計算されたトレーラ片寄り量352は、正または負であり得る。トレーラ片寄り量352が、正であるとき、それは、トレーラ318が曲がった道路302の外側に向かって片寄らせられること、またはそれさせられることを意味する。トレーラ片寄り量352が、負であるとき、それは、トレーラ318が曲がった道路302の内側に向かって片寄らせられること、またはそれさせられることを意味する。トレーラ角度342、道路湾曲328、および最終車線片寄り量350の各々に関して、正の符号は、左方向を意味し、負の符号は、右方向を意味する。
【0194】
したがって、トレーラ片寄り量352の方向または符号は、正しい車線片寄り方向と合致するように調節される必要があり得る。したがって、制御デバイス550は、車線片寄り量110を調節された符号を伴うトレーラ片寄り量352と組み合わせることによって、最終車線片寄り量350を計算し得る。
【0195】
トレーラ片寄り量352の符号を調節するプロセスは、下で説明される。ある場合、自律車両502は、いずれかの側かつ曲がった道路302上で車両310に遭遇し得、曲がった道路302の湾曲は、左または右方向に向かうそれであり得る。例えば、自律車両502は、以下に遭遇し得る:1)左湾曲を伴う道路、車両310は、自律車両502の右側にあり得る;2)左湾曲を伴う道路、車両310は、自律車両502の左側にあり得る;3)右湾曲を伴う道路、車両310は、自律車両502の左側にあり得る;4)右湾曲を伴う道路、車両310は、自律車両502の右側にあり得る。
【0196】
制御デバイス550は、下記の表1に図示されるように、トレーラ角度342、湾曲、トレーラ片寄り量352、および最終車線片寄り量350の各々の方向および符号を決定し得る。
【表1】
【0197】
表1から分かり得るように、左曲線に関して、トレーラ片寄り量352の方向は、車線片寄り量110の方向と比較して反対の符号を有する一方、右曲線に関して、トレーラ片寄り量352の方向は、車線片寄り量110の方向と同じ符号を有する。したがって、制御デバイス550は、それが左曲線を通して進んでいる場合、トレーラ片寄り量352の符号を逆転させ得る。これは、トレーラ角度342の符号にトレーラ片寄り量352を乗算することによって行われることができる。
【0198】
ある場合、トレーラ角度342は、小さすぎる、例えば、閾値度未満、例えば、5度、4度等未満であり得る。そのような場合、道路湾曲328の符号(トレーラ角度342と反対)が、トレーラ片寄り量352の符号を調節するために使用され得る。
【0199】
別の使用事例では、自律車両502が、直線道路に沿って進行しており、トレーラ318が、道路バンク(ロール角)または風に起因して、直線から片寄らせられることまたはそれさせられることと仮定する。そのような場合、道路半径322は、非常に大きい(例えば、閾値量を上回る)ので、トレーラ片寄り量352は、常に負(大きい道路半径322に関連付けられた大きい円と比較して内側)であろう。
【0200】
そのような場合、制御デバイス550は、下記の表2に図示されるように、トレーラ角度342、湾曲、トレーラ片寄り量352、および最終車線片寄り量350の各々の方向および符号を決定し得る。
【表2】
【0201】
表2から分かり得るように、道路湾曲328は、道路が直線であるので、使用可能ではない。表2からさらに分かり得るように、トレーラ318が、左側に振れた場合、トレーラ片寄り量352は、最終車線片寄り量350と比較して反対の符号を有する一方、トレーラ318が、右方向に振れた場合、トレーラ片寄り量352は、最終車線片寄り量350と同じ符号を有する。この場合、制御デバイス550は、トレーラ片寄り量352の符号を調節するために、トレーラ角度342の符号にトレーラ片寄り量352を乗算し得る。
【0202】
例示的シナリオでは、道路半径322(または旋回半径)が、620メートル(m)であり、トレーラ角度342の平均が、最大0.02radの平均偏差またはスパイクを伴う0.01ラジアン(rad)であると仮定する。この例では、トレーラ片寄り量352の平均は、最大-0.14mの平均偏差またはスパイクを伴う0.0mであり得る。この例では、負の値は、内側を意味する。したがって、トレーラ片寄り量352は、内側へのある程度の変動または偏差を伴って、車線の中間にある。
【0203】
別の例示的シナリオでは、道路半径322(または旋回半径)が、502mであり、トレーラ角度342の平均が、最大-0.3radの平均偏差またはスパイクを伴う0.018radであると仮定する。偏差またはスパイクは、風、自律車両502への制御調節、および/または道路バンプによって引き起こされ得るが、トレーラ片寄り量352は、内側に向かう。
【0204】
曲がった道路302の内側に向かって片寄ることと外側に向かって片寄ることとの間の差異は、異なるロール角によって解説され得る。道路の内側は、大きいロール角を有し、大きいロール角は、トレーラ318が内側に向かって片寄ることにつながり得る。
【0205】
ある場合、トレーラ角度342は、急な曲り等、道路湾曲328の形状に起因して、測定されるには小さすぎることもある。そのような場合、道路半径322は、少なくとも1,000mであり得る。したがって、トレーラ片寄り量352は、0.15mより小さくあり得る。ここでは、トレーラ片寄り量352は、(非常に小さいトレーラ角度342を無視することに応じて)外側へのそれである。1つの可能な理由は、そのような曲がった道路が、平坦であり得、ロール角が、曲がりの角度よりはるかに小さいことである。
【0206】
いくつかの実施形態において、トレーラ片寄り量352は、自律車両502の速度、道路湾曲328(または旋回半径)、ロール角、および/または自律車両502を横断して進んでいる風によって影響を受け得る。トレーラ片寄り量352を計算する複雑性を減らすために、トレーラ角度342が、使用され得る。旋回半径が、1,000mより大きい場合、トレーラ片寄り量352は、0.15m未満となるように計算され得る。この片寄りの量は、制御デバイス550において事前構成される横方向誤差範囲より小さい。したがって、これは、制御デバイス550によって注目されないこともある。
【0207】
いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、合計車線片寄り調節量320および/または最終車線片寄り量350を計算することにおいて、信号雑音および自存する制御調節および運転挙動を減らすように構成され得る。この動作では、制御デバイス550は、平滑化フィルタを実装し、車線片寄り操縦130を実施するように示す命令信号を平滑化し、それによって、信号雑音および自存する制御調節および運転挙動を減らし得る。いくつかの実施形態において、制御デバイス550は、移動平均フィルタ、有限インパルス応答フィルタ、無限インパルス応答フィルタ等のデジタルフィルタを使用し、トレーラ角度342を計算することにおける雑音または偏差を減らし得る。
【0208】
ある実施形態において、制御デバイス550は、自律車両502と車両310aおよび/または車両310bとの間の横方向距離(
図1の138a-c)を決定することに関して類似する動作を実施し、横方向距離を閾値距離(
図1の132)と比較し、横方向距離が閾値距離未満であるかどうかを決定し得る。横方向距離が閾値距離未満であることが決定される場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両に命令し得る。
【0209】
ある実施形態において、制御デバイス550は、直線道路102に遭遇するときの
図1および2に説明されるものと同様、曲がった道路302に遭遇するときに類似する動作を実施し得、逆もまた同様である。例えば、制御デバイス550は、自律車両502、周辺車両、および歩行者のためのより最適かつ安全なナビゲーション経路を達成するために、道路の形状に従って、本明細書に説明される自律車両502をナビゲートするための1つ以上の動作を調節し得る。
【0210】
ある実施形態において、制御デバイス550は、自律車両502と車両310aおよび/または車両310bとの間の横方向距離(
図1の138a-c)を決定することに関して類似する動作を実施し、横方向距離を閾値距離(
図1の132)と比較し、横方向距離が閾値距離未満であるかどうかを決定し得る。横方向距離が閾値距離未満であることが決定される場合、制御デバイス550は、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両に命令し得る。
【0211】
ある実施形態において、制御デバイス550は、直線道路102に遭遇するときの
図1および2に説明されるものと同様、曲がった道路302に遭遇するときに類似する動作を実施し得、逆もまた同様である。例えば、制御デバイス550は、自律車両502、周辺車両、および歩行者のためのより最適かつ安全なナビゲーション経路を達成するために、道路の形状に従って、本明細書に説明される自律車両502をナビゲートするための1つ以上の動作を調節し得る。
【0212】
本開示に説明される実施形態、例、および動作は、互いに排他的ではない。ある実施形態において、実施形態、例、および動作のありとあらゆる組み合わせが、自律車両502によって遭遇される状況が要求するように、互いに併せて実装され得る。
【0213】
(曲がった道路を通り抜けるための車線片寄り操縦を実装するための例示的方法)
図4は、曲がった道路を通り抜けるための車線片寄り操縦130を実装する方法400の例示的フローチャートを図示する。修正、追加、または省略が、方法400に行われ得る。方法400は、より多い、より少ない、または他の動作を含み得る。例えば、動作は、並行して、または任意の好適な順序において、実施され得る。随時、自律車両502、制御デバイス550、またはそれらのうちのいずれかのコンポーネントが、動作を実施するものとして議論されるが、任意の好適なシステムまたはシステムのコンポーネントが、方法400の1つ以上の動作を実施し得る。例えば、方法400の1つ以上の動作は、少なくとも部分的に1つ以上のプロセッサ(例えば、
図3および5からのそれぞれのプロセッサ122および570)によって起動されると、動作402-418を1つ以上のプロセッサに実施させ得る非一過性有形機械読み取り可能な媒体(例えば、
図3および5からのそれぞれのメモリ126およびデータ記憶装置590)上に記憶される
図3および5からのそれぞれのソフトウェア命令312および処理命令580の形態において実装され得る。
【0214】
方法400は、制御デバイス550が、自律車両502が曲がった道路302に接近しているかどうかを決定し得る動作402において開始される。このプロセスでは、制御デバイス550は、
図3に説明されるものと同様、マップデータ114および/またはセンサデータ314を分析することに基づいて、自律車両502が曲がった道路302に接近しているかどうかを決定し得る。制御デバイス550が、自律車両502が曲がった道路302に接近していることを決定する場合、方法400は、動作404に進み得る。そうでなければ、方法400は、動作416に進み得る。
【0215】
動作404では、制御デバイス550は、
図3に説明されるものと同様、曲がった道路302の道路半径322を決定し得る。
【0216】
動作406では、制御デバイス550は、道路半径322に基づいて、曲がった道路302の道路湾曲328に関連付けられた第1の車線片寄り調節量330を計算し得る。このプロセスでは、制御デバイス550は、
図3に説明される式(1)および(2)に従って、第1の車線片寄り調節量330を計算し得る。
【0217】
動作408では、制御デバイス550は、
図3に説明されるものと同様、自律車両502のトレーラ318と運転室316との間のトレーラ角度342を決定し得る。
【0218】
動作410では、制御デバイス550は、トレーラ角度342に基づいて、トレーラ角度342に関連付けられた第2の車線片寄り調節量340を計算し得る。このプロセスでは、制御デバイス550は、
図3に説明されるものと同様、式(3)および(4)に従って、第2の車線片寄り調節量340を計算し得る。
【0219】
動作412では、制御デバイス550は、第1および第2の車線片寄り調節量330および340を組み合わせることによって、合計車線片寄り調節量320を計算し得る。
【0220】
動作414では、制御デバイス550は、合計車線片寄り調節値320を元の車線片寄り量110と組み合わせ得る。制御デバイス550は、合計車線片寄り調節量320および元の車線片寄り量110に基づいて、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令し得る。車線片寄り操縦130は、合計車線片寄り調節量320および元の車線片寄り量110に基づいて、自律車両502を自律車両502によって現在進行されている曲がった車線304内で中心を外れて運転することを含む。
【0221】
自律車両502が、直線道路上にある場合、制御デバイス550は、下で説明される動作416-420を実施し得る。
【0222】
動作416では、制御デバイス550は、自律車両502の運転室316とトレーラ318との間のトレーラ角度342がゼロを上回るかどうかを決定し得る。例えば、制御デバイス550は、センサデータ314がトレーラ角度342がゼロを上回ることを示すデータを備えている場合、トレーラ角度342がゼロを上回るかどうかを決定し得る。このプロセスでは、制御デバイス550は、
図3に説明されるものと同様、自律車両502を横断して進む風が、自律車両のトレーラ318を左または右に押し、自律車両502の運転室316とトレーラ318との間のトレーラ角度342がゼロを上回るようにしているかどうかを決定し得る。制御デバイス550が、トレーラ角度342がゼロを上回ることを決定する場合、方法400は、動作418に進み得る。そうでなければ、方法400は、動作420に進み得る。
【0223】
動作418では、制御デバイス550は、第1の車線片寄り調節値330がゼロであることを決定し得る。応答して、方法200は、414に進み得る。
【0224】
動作420では、制御デバイス550は、合計車線片寄り調節値320がゼロであることを決定し得る。一実施形態において、制御デバイス750は、車線片寄り量110および合計車線片寄り調節値320がゼロである場合、車線片寄り操縦130を実施するように自律車両502に命令しないように決定し得る。
【0225】
(例示的自律車両およびその動作)
図5は、自律運転動作が実施され得る例示的システム500のブロック図を示す。
図5に示されるように、自律車両502は、セミトレーラトラックであり得る。システム500は、いくつかのサブシステムおよびコンポーネントを含み得、それらは、情報/データおよび関連サービスの1つ以上のソースを発生させること、および/または自律車両502内に配置され得る車載制御コンピュータ550にそれらを送達することを行い得る。車載制御コンピュータ550は、複数の車両サブシステム540とデータ通信することができ、複数の車両サブシステム540の全ては、自律車両502内に常駐することができる。車両サブシステムインターフェース560が、車載制御コンピュータ550と複数の車両サブシステム540との間のデータ通信を促進するために提供され得る。いくつかの実施形態において、車両サブシステムインターフェース560は、車両サブシステム540内のデバイスと通信するためのコントローラエリアネットワーク(CAN)コントローラを含むことができる。
【0226】
自律車両502は、自律車両502の動作をサポートする種々の車両サブシステムを含み得る。車両サブシステム540は、車両運転サブシステム542、車両センササブシステム544、車両制御サブシステム548、および/またはネットワーク通信サブシステム592を含み得る。
図5に示される車両運転サブシステム542、車両センササブシステム544、および車両制御サブシステム548のコンポーネントまたはデバイスは、例である。自律車両502は、示されるように、または任意の他の構成として構成され得る。
【0227】
車両運転サブシステム542は、自律車両502のための動力運動を提供するように動作可能であるコンポーネントを含み得る。例示的実施形態において、車両運転サブシステム542は、エンジン/モータ542aと、車輪/タイヤ542bと、伝動装置542cと、電気サブシステム542dと、電源542eとを含み得る。
【0228】
車両センササブシステム544は、自律車両502の環境または条件についての情報を感知するように構成されたいくつかのセンサ546を含み得る。車両センササブシステム544は、1つ以上のカメラ546aまたは画像捕捉デバイス、レーダユニット546b、1つ以上の温度センサ546c、無線通信ユニット546d(例えば、セルラー通信送受信機)、慣性測定ユニット(IMU)546e、レーザ距離計/LiDARユニット546f、全地球測位システム(GPS)送受信機546g、および/またはワイパ制御システム546hを含み得る。車両センササブシステム544は、自律車両502の内部システム(例えば、O2モニタ、燃料ゲージ、エンジンオイル温度等)を監視するように構成されたセンサも含み得る。
【0229】
IMU546eは、慣性加速に基づいて、自律車両502の位置および向き変化を感知するように構成されたセンサ(例えば、加速度計およびジャイロスコープ)の任意の組み合わせを含み得る。GPS送受信機546gは、自律車両502の地理的場所を推定するように構成された任意のセンサであり得る。この目的のために、GPS送受信機546gは、地球に対する自律車両502の位置に関する情報を提供するように動作可能である受信機/送信機を含み得る。レーダユニット546bは、無線信号を利用し、自律車両502の局所環境内の物体を感知するシステムを表し得る。いくつかの実施形態において、物体を感知することに加えて、レーダユニット546bは、自律車両502に近接する物体の速度および進行方向を感知するようにさらに構成され得る。レーザ距離計またはLiDARユニット546fは、レーザを使用し、自律車両502が配置されている環境内の物体を感知するように構成された任意のセンサであり得る。カメラ546aは、自律車両502の環境の複数の画像を捕捉するように構成された1つ以上のデバイスを含み得る。カメラ546aは、静止画像カメラまたは動画ビデオカメラであり得る。
【0230】
車両制御サブシステム548は、自律車両502およびそのコンポーネントの動作を制御するように構成され得る。故に、車両制御サブシステム548は、スロットルおよび歯車セレクタ548a、ブレーキユニット548b、ナビゲーションユニット548c、操向システム548d、および/または自律制御ユニット548e等の種々の要素を含み得る。スロットルおよび歯車セレクタ548aは、例えば、エンジンの動作速度を制御し、次に、自律車両502の速度を制御するように構成され得る。スロットルおよび歯車セレクタ548aは、伝動装置の歯車選択を制御するように構成され得る。ブレーキユニット548bは、自律車両502の速度を落とすように構成された機構の任意の組み合わせを含むことができる。ブレーキユニット548bは、車輪の速度を落とすための摩擦またはエンジンブレーキを使用することを含む標準的様式において、自律車両502の速度を落とすことができる。ブレーキユニット548bは、ブレーキが適用されているとき、ブレーキがロックすることを防止し得るアンチロックブレーキシステム(ABS)を含み得る。ナビゲーションユニット548cは、自律車両502のための運転経路またはルートを決定するように構成された任意のシステムであり得る。ナビゲーションユニット548cは、自律車両502が動作している間、運転経路を動的に更新するようにさらに構成され得る。いくつかの実施形態において、ナビゲーションユニット548cは、自律車両502のための運転経路を決定するように、GPS送受信機546gからのデータと、1つ以上の所定のマップとを組み込むように構成され得る。操向システム548dは、自律モードまたは運転者制御モードにおいて、自律車両502の進行方向を調節するように動作可能であり得る機構の任意の組み合わせを表し得る。
【0231】
自律制御ユニット548eは、自律車両502の環境内の潜在的障害物または妨害物を識別すること、評価すること、および避けることまたは別様に通り抜けることを行うように構成された制御システムを表し得る。一般に、自律制御ユニット548eは、運転者を伴わない動作のために自律車両502を制御するように、または自律車両502を制御することにおいて運転者補助を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態において、自律制御ユニット548eは、GPS送受信機546g、レーダユニット546b、LiDARユニット546f、カメラ546a、および/または他の車両サブシステムからのデータを組み込み、自律車両502のための運転経路または軌道を決定するように構成され得る。
【0232】
ネットワーク通信サブシステム592は、ルータ、スイッチ、モデム等のネットワークインターフェースを備え得る。ネットワーク通信サブシステム592は、自律車両502と、自律車両502の動作を監督するように構成され得る監督サーバを含む他のシステムとの間の通信を確立するように構成され得る。ネットワーク通信サブシステム592は、データを他のシステムに送信し、それらからデータを受信するようにさらに構成され得る。
【0233】
自律車両502の機能の多くまたは全ては、車載制御コンピュータ550によって制御されることができる。車載制御コンピュータ550は、データ記憶デバイス590またはメモリ等の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体内に記憶された処理命令580を実行する少なくとも1つのデータプロセッサ570(少なくとも1つのマイクロプロセッサを含み得る)を含み得る。車載制御コンピュータ550は、分散型方式において、自律車両502の個々のコンポーネントまたはサブシステムを制御する役割を果たし得る複数のコンピューティングデバイスも表し得る。いくつかの実施形態において、データ記憶デバイス590は、
図1-7に関して説明されるものを含む自律車両502の種々の方法および/または機能を実施するためのデータプロセッサ570によって実行可能な処理命令580(例えば、プログラム論理)を含み得る。
【0234】
データ記憶デバイス590は、同様に、車両運転サブシステム542、車両センササブシステム544、および車両制御サブシステム548のうちの1つ以上に、データを伝送する、それらからデータを受信する、それらと相互作用する、またはそれらを制御するための命令を含む追加の命令を含み得る。車載制御コンピュータ550は、データプロセッサ570と、データ記憶デバイス590とを含むように構成されることができる。車載制御コンピュータ550は、種々の車両サブシステム(例えば、車両運転サブシステム542、車両センササブシステム544、および車両制御サブシステム548)から受信された入力に基づいて、自律車両502の機能を制御し得る。
【0235】
図6は、精密な自律運転動作を提供するためのシステム600を示す。システム600は、
図5に説明されるように、車載制御コンピュータ550内で動作し得るいくつかのモジュールを含み得る。車載制御コンピュータ550は、
図6の左上角に示されるセンサ融合モジュール602を含み得、センサ融合モジュール602は、少なくとも4つの画像または信号処理動作を実施し得る。センサ融合モジュール602は、画像を自律車両上に配置されたカメラから取得し、画像セグメント化604を実施し、自律車両の周囲に位置する移動物体(例えば、他の車両、歩行者等)および/または静的障害物(例えば、停止標識、減速バンプ、地形等)の存在を検出することができる。センサ融合モジュール602は、LiDAR点群データアイテムを自律車両上に配置されたLiDARセンサから取得し、LiDARセグメント化606を実施し、自律車両の周囲に位置する物体および/または障害物の存在を検出することができる。
【0236】
センサ融合モジュール602は、インスタンスセグメント化608を画像および/または点群データアイテム上で実施し、自律車両の周囲に位置する物体および/または障害物の周囲の輪郭(例えば、ボックス)を識別することができる。センサ融合モジュール602は、時間的融合610を実施することができ、1つの画像および/または点群データアイテムの1つのフレームからの物体および/または障害物が、時間的に続けて受信された1つ以上の画像またはフレームからの物体および/または障害物と互いに関係づけられ、または関連付けられる、。
【0237】
センサ融合モジュール602は、カメラから取得される画像および/またはLiDARセンサから取得される点群データアイテムからの物体および/または障害物を融合させることができる。例えば、センサ融合モジュール602は、2つのカメラの場所に基づいて、自律車両の前に位置する車両の2分の1を備えているカメラのうちの一方からの画像が、別のカメラによって捕捉された車両と同じであることを決定し得る。センサ融合モジュール602は、融合された物体情報を干渉モジュール646に送信し、融合された障害物情報を占有グリッドモジュール660に送信し得る。車載制御コンピュータは、占有グリッドモジュール660を含み得、占有グリッドモジュール660は、目印を車載制御コンピュータ内に記憶されるマップデータベース658から読み出すことができる。占有グリッドモジュール660は、センサ融合モジュール602から取得される融合された障害物およびマップデータベース658内に記憶される目印から、運転可能エリアおよび/または障害物を決定することができる。例えば、占有グリッドモジュール660は、運転可能エリアが減速バンプ障害物を含み得ることを決定することができる。
【0238】
センサ融合モジュール602の下において、車載制御コンピュータ550は、LiDARベースの物体検出モジュール612を含み得、LiDARベースの物体検出モジュール612は、自律車両上に配置されたLiDARセンサ614から取得される点群データアイテムに基づいて、物体検出616を実施し得る。物体検出616技法は、点群データアイテムからの物体の(例えば、3D世界座標内の)場所を提供することができる。LiDARベースの物体検出モジュール612の下において、車載制御コンピュータは、画像ベースの物体検出モジュール618を含み得、画像ベースの物体検出モジュール618は、自律車両上に配置されたカメラ620から取得される画像に基づいて、物体検出624を実施し得る。物体検出618技法は、深層機械学習技法624を採用し、カメラ620によって提供される画像から物体の(例えば、3D世界座標内の)場所を提供することができる。
【0239】
自律車両上のレーダ656は、自律車両の前のエリアまたは自律車両が向かって運転されるエリアを走査することができる。レーダデータは、センサ融合モジュール602に送信され、センサ融合モジュール602は、レーダデータを使用して、レーダ656によって検出された物体および/または障害物をLiDAR点群データアイテムおよびカメラ画像の両方から検出された物体および/または障害物と互いに関係づけ得る。レーダデータは、干渉モジュール646にも送信され得、干渉モジュール646は、下でさらに説明されるように、データ処理をレーダデータに対して実施し、物体追跡モジュール648によって物体を追跡し得る。
【0240】
車載制御コンピュータは、点群からの物体および画像からの物体およびセンサ融合モジュール602からの融合された物体の場所を受信する干渉モジュール646を含み得る。干渉モジュール646は、レーダデータも受信し、干渉モジュール646は、レーダデータを用いて、物体追跡モジュール648によって、1つの時間インスタンスにおいて取得される1つの点群データアイテムおよび1つの画像から、別の後続時間インスタンスにおいて取得される別の(または次の)点群データアイテムおよび別の画像まで物体を追跡することができる。
【0241】
干渉モジュール646は、物体属性推定650を実施し、画像または点群データアイテム内で検出された物体の1つ以上の属性を推定し得る。物体の1つ以上の属性は、物体のタイプ(例えば、歩行者、車、またはトラック等)を含み得る。干渉モジュール646は、挙動予測652を実施し、画像および/または点群内で検出された物体の運動パターンを推定または予測し得る。挙動予測652は、異なる時点において受信された画像の組(例えば、順次的画像)または異なる時点において受信された点群データアイテムの組(例えば、順次的点群データアイテム)内の物体の場所を検出するように実施されることができる。いくつかの実施形態において、挙動予測652は、カメラから受信された各画像および/またはLiDARセンサから受信された各点群データアイテムに関して、実施されることができる。いくつかの実施形態において、干渉モジュール646は、1つおきまたは所定の数おきのカメラから受信された画像またはLiDARセンサから受信された点群データアイテム(例えば、2つの画像おきまたは3つの点群データアイテムおき)に対して挙動予測652を実施することによって、算出負荷を減らすように実施(例えば、起動または実行)されることができる。
【0242】
挙動予測652特徴は、レーダデータから、自律車両を包囲する物体の速度および方向を決定し得、速度および方向情報は、物体の運動パターンを予測または決定するために使用されることができる。運動パターンは、画像がカメラから受信された後の将来の所定の長さの時間にわたる物体の予測された軌道情報を備え得る。予測された運動パターンに基づいて、干渉モジュール646は、運動パターン状況タグを物体に割り当て得る(例えば、「座標(x,y)に位置している」、「停止されている」、「50mphで運転中」、「加速中」、または「減速中」)。状況タグは、物体の運動パターンを説明することができる。干渉モジュール646は、1つ以上の物体属性(例えば、物体のタイプ)および運動パターン状況タグを計画モジュール662に送信し得る。干渉モジュール646は、システム600および任意の数のそのコンポーネントおよびそのコンポーネントの組み合わせによって入手された任意の情報を使用して、環境分析654を実施し得る。
【0243】
車載制御コンピュータは、計画モジュール662を含み得、計画モジュール662は、干渉モジュール646からの物体属性および運動パターン状況タグ、運転可能エリアおよび/または障害物、ならびに融合位置特定モジュール626からの車両場所および姿勢情報を受信する(下でさらに説明される)。
【0244】
計画モジュール662は、ナビゲーション計画664を実施し、その上で自律車両が運転され得る軌道の組を決定することができる。軌道の組は、運転可能エリア情報、物体の1つ以上の物体属性、物体の運動パターン状況タグ、障害物の場所、および運転可能エリア情報に基づいて決定されることができる。いくつかの実施形態において、ナビゲーション計画664は、緊急事態の場合、自律車両が安全に駐車され得る道路に隣接するエリアを決定することを含み得る。計画モジュール662は、挙動意思決定666を含み得、挙動意思決定666は、道路上の変化する条件(例えば、交通信号灯が、黄色に変わった、または、別の車両が自律車両の前に侵入し、自律車両の場所の所定の安全な距離内の領域に入ったので、自律車両が、危険な運転条件下にある)を決定することに応答して、運転アクション(例えば、操向、制動、スロットル)を決定する。計画モジュール662は、軌道生成668を実施し、ナビゲーション計画動作664によって決定された軌道の組から軌道を選択し得る。選択された軌道情報は、計画モジュール662によって制御モジュール670に送信され得る。
【0245】
車載制御コンピュータは、制御モジュール670を含み得、制御モジュール670は、提案される軌道を計画モジュール662から受信し、自律車両場所および姿勢を融合位置特定モジュール662から受信する。制御モジュール670は、システム識別子672を含み得る。制御モジュール670は、モデルベースの軌道精緻化674を実施し、提案される軌道を精緻化することができる。例えば、制御モジュール670は、フィルタリング(例えば、カルマンフィルタ)を適用し、提案される軌道データを平滑にし、および/または雑音を最小化することができる。制御モジュール670は、精緻化された提案される軌道情報、および自律車両の現在の場所および/または姿勢に基づいて、適用すべきブレーキ圧の量、操向角度、車両の速度を制御するためのスロットル量、および/または伝動歯車を決定することによって、ロバスト制御676を実施し得る。制御モジュール670は、決定されたブレーキ圧、操向角度、スロットル量、および/または伝動歯車を自律車両内の1つ以上のデバイスに送信し、自律車両の精密な運転動作を制御および促進することができる。
【0246】
画像ベースの物体検出モジュール618によって実施される深層画像ベースの物体検出624は、道路上の目印(例えば、停止標識、減速バンプ等)を検出するためにも使用されることができる。車載制御コンピュータは、融合位置特定モジュール626を含み得、融合位置特定モジュール626は、画像から検出された目印、車載制御コンピュータ上に記憶されるマップデータベース636から取得された目印、LiDARベースの物体検出モジュール612によって点群データアイテムから検出された目印、オドメータセンサ644からの速度および変位、および自律車両上または自律車両の中に位置するGPS/IMUセンサ638(すなわち、GPSセンサ640およびIMUセンサ642)からの自律車両の推定される場所を取得する。この情報に基づいて、融合位置特定モジュール626は、位置特定動作628を実施し、自律車両の場所を決定することができ、それは、計画モジュール662および制御モジュール670に送信されることができる。
【0247】
融合位置特定モジュール626は、GPSおよび/またはIMUセンサ638に基づいて、自律車両の姿勢630を推定することができる。自律車両の姿勢は、計画モジュール662および制御モジュール670に送信されることができる。融合位置特定モジュール626は、例えば、IMUセンサ642によって提供される情報(例えば、角速度および/または線形速度)に基づいて、トレーラユニットのステータス(例えば、場所、可能な移動角度)を推定することもできる(例えば、トレーラステータス推定634)。融合位置特定モジュール626は、さらに、マップコンテンツ632をチェックし得る。
【0248】
図7は、自律車両502内に含まれる車載制御コンピュータ550の例示的ブロック図を示す。車載制御コンピュータ550は、少なくとも1つのプロセッサ704と、記憶された命令(例えば、
図1、3、および5のそれぞれのソフトウェア命令128、312および処理命令580)を有するメモリ702とを含み得る。命令は、プロセッサ704によって実行すると、車載制御コンピュータ550および/または車載制御コンピュータ550の種々のモジュールを構成し、
図1-7に説明される動作を実施する。送信機706は、情報またはデータを自律車両内の1つ以上のデバイスに伝送または送信し得る。例えば、送信機706は、ステアリングホイールの1つ以上のモータが、自律車両を操向するための命令を送信することができる。受信機708は、1つ以上のデバイスによって伝送または送信される情報またはデータを受信し得る。例えば、受信機708は、現在の速度のステータスをオドメータセンサから、または現在の伝動歯車を伝動装置から受信し得る。送信機706および受信機708は、
図5および6の上で説明される複数の車両サブシステム540および車載制御コンピュータ550と通信するようにも構成され得る。
【0249】
いくつかの実施形態が、本開示に提供されているが、開示されるシステムおよび方法が、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、多くの他の具体的形態で具現化され得ることを理解されたい。この例は、制限的ではなく、例証的と見なされるものであり、その意図は、本明細書に与えられる詳細に限定されるものではない。例えば、種々の要素またはコンポーネントは、組み合わせられ、または別のシステムに統合され得、または、ある特徴は、省略されることも、実装されないこともある。
【0250】
加えて、別々または別個のものとして、種々の実施形態に説明および図示される技法、システム、サブシステム、および方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、他のシステム、モジュール、技法、または方法と組み合わせられ、または統合され得る。結合され、または直接結合され、または互いに通信するとして示される、または、議論される他のアイテムは、電気的に、機械的に、または別様にかどうかにかかわらず、いくつかのインターフェース、デバイス、または中間コンポーネントを通して、間接的に結合され、または通信し得る。変更、代用、および改変の他の例は、当業者によって確認可能であり、本明細書に開示される精神および範囲から逸脱することなく、行われ得る。
【0251】
本明細書に添付される請求項を解釈することにおいて特許庁および本願で発行された任意の特許の任意の読者を支援するために、出願人は、単語「~の手段」または「~のためのステップ」が特定の請求項において明示的に使用されない限り、これが本明細書の出願日時点で存在するので、出願人が添付される請求項のうちのいずれも米国特許法第112条(f)項(35U.S.C.§112(f))を発動することを意図していないことを強調する。
【0252】
本開示の実装は、以下の付記の観点から説明されることができ、その特徴は、任意の合理的様式において組み合わせられることができる。
【0253】
付記1.自律車両に関連付けられた制御デバイスを備えているシステムであって、制御デバイスは、
道路上の1つ以上の物体に関連付けられたセンサデータを記憶するように構成されたメモリであって、センサデータは、自律車両に関連付けられた少なくとも1つのセンサによって捕捉される、メモリと、
メモリに動作可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと
を備え、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも、
センサデータから車両の存在を検出し、
自律車両と車両との間の横方向距離を決定し、
自律車両と車両との間の横方向距離を自律車両からの閾値距離と比較し、
少なくとも部分的に横方向距離と閾値距離との間の比較に基づいて、車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令すべきかどうかを決定する
ように構成され、
車線片寄り操縦は、自律車両と車両との間の横方向距離が閾値距離に少なくとも等しくなるまで、自律車両を車両に対して反対方向に向かって自律車両によって進行される現在の車線内で中心を外れて運転することを含む、システム。
【0254】
付記2.少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも車線片寄り量を決定するようにさらに構成され、車線片寄り量は、自律車両と車両との間の横方向距離が閾値距離に少なくとも等しくなるまで、自律車両が現在の車線内で中心を外れて移動する距離である、付記1に記載のシステム。
【0255】
付記3.少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも、
自律車両と車両との間の車線マーカの場所を決定し、
自律車両と車両との間の横方向距離が自律車両と車線マーカとの間の距離未満であることを決定することに応答して、車両が現在の車線の中に侵入していることを決定し、
車両によって侵入された現在の車線の量を決定し、
車両が検出された場所と比較して自律車両の他方の側の現在の車線内の利用可能な距離を決定し、
車両による現在の車線内の侵入された距離を自律車両の他方の側の現在の車線内の利用可能な距離と比較し、
少なくとも部分的に車両による現在の車線の侵入された距離と自律車両の他方の側の利用可能な距離との間の比較に基づいて、車線片寄り操縦を実施するために自律車両の他方の側の現在の車線内に十分な利用可能な距離があるかどうかを決定し、
車線片寄り操縦を実施するために自律車両の他方の側の現在の車線内に十分な利用可能な距離があることを決定することに応答して、車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令し、
車線片寄り操縦を実施するために自律車両の他方の側の現在の車線内に十分な利用可能な距離がないことを決定することに応答して、最小リスク操縦を実施するように自律車両に命令する
ようにさらに構成されている、付記1に記載のシステム。
【0256】
付記4.最小リスク操縦は、自律車両が車両に隣接して運転しないように、自律車両の速度を落とすこと、または、自律車両が車両に隣接して運転しないように、自律車両の速度を増すことを含む、付記3に記載のシステム。
【0257】
付記5.少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも、自律車両の他方の側の現在の車線上の利用可能な距離が、車両による現在の車線上の侵入された距離以上である場合、車線片寄り操縦を実施するために自律車両の他方の側の現在の車線上に十分な利用可能な距離があることを決定するようにさらに構成されている、付記3に記載のシステム。
【0258】
付記6.少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも、自律車両の他方の側の現在の車線上の利用可能な距離が車両による現在の車線上の侵入された距離未満である場合、車線片寄り操縦を実施するために自律車両の他方の側の現在の車線内に十分な利用可能な距離がないことを決定するようにさらに構成されている、付記3に記載のシステム。
【0259】
付記7.少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも、
自律車両と車両との間の横方向距離が閾値距離未満であることを決定し、
車線片寄り操縦を実施するために自律車両の他方の側の現在の車線内に十分な利用可能な距離がないことを決定し、
車線片寄り操縦を実施するために自律車両の他方の側の現在の車線内に十分な利用可能な距離がないことを決定することに応答して、
自律車両の隣接する車線上に別の車両があるかどうかを決定し、
隣接する車線内にいかなる他の車両もないことを決定することに応答して、
車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令し、
自律車両と車両との間の距離が閾値距離に等しくなるまで、隣接する車線の中に一時的に運転するように自律車両に命令し、
自律車両がもはや車両に隣接していないと、現在の車線に戻るように運転するように自律車両に命令する
ようにさらに構成されている、付記1に記載のシステム。
【0260】
付記8.方法であって、方法は、
自律車両に関連付けられた少なくとも1つのセンサによって捕捉されたセンサデータから車両の存在を検出することと、
自律車両と車両との間の横方向距離を決定することと、
自律車両と車両との間の横方向距離を自律車両からの閾値距離と比較することであって、自律車両は、道路に沿って進行するように構成されている、ことと、
少なくとも部分的に横方向距離と閾値距離との間の比較に基づいて、車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令すべきかどうかを決定することであって、車線片寄り操縦は、自律車両と車両との間の横方向距離が閾値距離に少なくとも等しくなるまで、自律車両を車両に対して反対方向に向かって自律車両によって進行される現在の車線内で中心を外れて運転することを含む、ことと
を含む、方法。
【0261】
付記9.自律車両と車両との間の横方向距離が閾値距離未満であることを決定することに応答して、車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令することをさらに含み、車両は、自律車両のいずれかの側の隣接する車線上で検出される、付記8に記載の方法。
【0262】
付記10.車線片寄り操縦が閾値期間内に実施され得るかどうかを決定することと、
車線片寄り操縦が閾値期間内に実施されることができることを決定することに応答して、車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令することであって、車両は、自律車両の前かついずれかの側の隣接する車線上で検出される、ことと、
をさらに含む、付記8に記載の方法。
【0263】
付記11.車線片寄り操縦が閾値期間内に実施され得るかどうかを決定することは、
自律車両と車両との間の縦方向距離を決定することと、
車両の第1の速度および第1の位置を決定することと、
少なくとも部分的に車両の第1の速度および第1の位置に基づいて、車両の第1の軌道を決定することと、
自律車両の第2の速度および第2の位置を決定することと、
車線片寄り操縦が実施される場合、少なくとも部分的に自律車両の第2の速度および第2の位置に基づいて、自律車両の第2の軌道を決定することと、
少なくとも部分的に車両の第1の軌道、車両の第2の軌道、および自律車両と車両との間の縦方向距離に基づいて、自律車両と車両との間の将来の横方向距離を予測することと、
自律車両と車両との間の予測された横方向距離を閾値距離と比較することと、
自律車両と車両との間の予測された横方向距離が閾値期間内に閾値距離に少なくとも等しくなるであろうことを決定することに応答して、車線片寄り操縦を実施することであって、閾値期間は、道路上の交通、自律車両の速度、および車両のサイズのうちの少なくとも1つに従う、ことと
を含む、付記10に記載の方法。
【0264】
付記12.車線片寄り操縦が閾値期間内に実施されることができないことを決定することに応答して、最小リスク操縦を実施するように自律車両に命令することをさらに含み、最小リスク操縦は、自律車両が車両に隣接して運転しないように、自律車両の速度を落とすこと、または、自律車両が車両に隣接して運転しないように、自律車両の速度を増すことを含む、付記10に記載の方法。
【0265】
付記13.自律車両と車両との間の縦方向距離を決定することであって、車両は、自律車両の前方の道路のわきに停止されている、ことと、
車両によって侵入された現在の車線の量を決定することと、
車両が検出された場所と比較して自律車両の他方の側の現在の車線上の利用可能な距離を決定することと、
車線片寄り操縦を実施するために現在の車線の他方の側の現在の車線上に十分な利用可能な距離があることを決定することと、
車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令することと
をさらに含む、付記8に記載の方法。
【0266】
付記14.車両の運転パターンが車両の運転パターン予測が閾値パーセンテージ未満であることを示し、車両の運転パターンが非常に予測不可能であることを決定することに応答して、車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令しないように決定することをさらに含む、付記8に記載の方法。
【0267】
付記15.車両の運転パターンは、少なくとも部分的に車両に関連付けられた履歴運転挙動に基づいて決定され、履歴運転挙動は、車両が他の車線の中に侵入していたことを示す、付記14に記載の方法。
【0268】
付記16.命令を記憶している非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体であって、命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、
自律車両に関連付けられた少なくとも1つのセンサによって捕捉されたセンサデータから車両の存在を検出することと、
自律車両と車両との間の横方向距離を決定することであって、自律車両は、道路に沿って進行するように構成されている、ことと、
自律車両と車両との間の横方向距離を自律車両からの閾値距離と比較することと、
少なくとも部分的に横方向距離と閾値距離との間の比較に基づいて、車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令すべきかどうかを決定することと、
を1つ以上のプロセッサに行わせ、
車線片寄り操縦は、自律車両と車両との間の横方向距離が閾値距離に少なくとも等しくなるまで、自律車両を車両に対して反対方向に向かって自律車両によって進行される現在の車線内で中心を外れて運転することを含む、非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体。
【0269】
付記17.命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、車線片寄り操縦を実施することに応答して、自律車両がもはや車両に隣接しなくなるまで、一貫した車線片寄りを1つ以上のプロセッサにさらに維持させる、付記16に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体。
【0270】
付記18.自律車両は、トレーラに取り付けられたセミトラックトラクタユニットを備え、道路は、曲がった道路であり、命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、
道路に関連付けられた道路湾曲を決定することと、
自律車両が道路湾曲に到達するであろうときのセミトラックトラクタユニットとトレーラとの間のトレーラ角度を決定することと、
少なくとも部分的に道路湾曲およびトレーラ角度に基づいて、合計車線片寄り調節量を計算することと、
少なくとも部分的に合計車線片寄り調節量に基づいて、車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令することと
を1つ以上のプロセッサにさらに行わせる、付記16に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体。
【0271】
付記19.命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、、少なくとも部分的に各車両のサイズに基づいて、車両の分類を1つ以上のプロセッサにさらに決定させ、車線片寄り操縦を実施するかどうかを決定することは、少なくとも部分的に車両が属する特定のクラスにさらに基づく、付記16に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体。
【0272】
付記20.閾値距離は、道路上の交通、自律車両の速度、および車両のサイズのうちの少なくとも1つに従う、付記16に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体。
【0273】
付記21.自律車両に関連付けられた制御デバイスを備えているシステムであって、制御デバイスは、
自律車両の前方の1つ以上の道路を備えているマップデータを記憶するように構成されたメモリであって、自律車両は、トレーラに取り付けられたセミトラックトラクタユニットを備えている、メモリと、
メモリと動作可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと
を備え、
少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも、
少なくとも部分的にマップデータに基づいて、自律車両が曲がった道路に接近していることを決定することと、
少なくとも部分的にマップデータに基づいて、曲がった道路の道路半径を決定することと、
少なくとも部分的に道路半径に基づいて、曲がった道路の道路湾曲に関連付けられた第1の車線片寄り調節量を計算することと、
トレーラとセミトラックトラクタユニットとの間のトレーラ角度を決定することと、
少なくとも部分的にトレーラ角度に基づいて、トレーラ角度に関連付けられた第2の車線片寄り調節量を計算することと、
第1の車線片寄り調節量および第2の車線片寄り調節量を組み合わせることによって、合計車線片寄り調節量を計算することと、
車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令することと
を行うように構成され、
車線片寄り操縦は、少なくとも部分的に合計車線片寄り調節量に基づいて、自律車両を自律車両によって現在進行されている曲がった車線内で中心を外れて運転することを含む、システム。
【0274】
付記22.自律車両は、自律車両の周囲の環境を説明するセンサデータを捕捉するように構成された少なくとも1つのセンサを備え、
少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも、
少なくとも1つのセンサからセンサデータを受信することと、
センサデータから自律車両によって進行される道路上の車線マーカの場所の組を決定することと
を行うようにさらに構成され、
自律車両が曲がった道路に接近していることを決定するために、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも車線マーカの場所の組が曲線を辿ることを決定するようにさらに構成されている、付記21に記載のシステム。
【0275】
付記23.曲がった道路の道路半径を決定するために、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも、
曲がった道路が仮想円の円周の一部であるように、マップデータ上の仮想円を決定することと、
仮想円の中心とセミトラックトラクタユニットがトレーラに接している点との間の距離を計算することと
を行うようにさらに構成されている、付記21に記載のシステム。
【0276】
付記24.道路湾曲によって引き起こされる第1の車線片寄り調節量は、以下の第1の式:
第1の車線片寄り調節値=(道路半径2-トレーラ長2)1/2-道路半径
に従って計算され、式中、トレーラ長は、トレーラの長さである、付記21に記載のシステム。
【0277】
付記25.少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも部分的に道路湾曲の方向および第1の車線片寄り調節量の方向に基づいて、第1の車線片寄り調節量の符号を少なくとも調節するようにさらに構成され、道路湾曲の方向が左へのそれであり、第1の車線片寄り調節量の方向が左へのそれである場合、調節された符号を伴う第1の車線片寄り調節量は、以下の第2の式;
調節された符号を伴う第1の車線片寄り調節値=
((道路半径2-トレーラ長2)1/2-道路半径))×符号(-道路湾曲)
に従って計算され、式中、
道路湾曲の方向が左へのそれである場合、道路湾曲に関連付けられた符号は、正の符号であり、
第1の車線片寄り調節量の方向が左へのそれである場合、第1の車線片寄り調節量に関連付けられた符号は、負の符号であり、
符号(道路湾曲)は、道路湾曲の方向に関連付けられた符号を示す、付記24に記載のシステム。
【0278】
付記26.トレーラ角度は、自律車両に関連付けられたセンサから受信されるセンサデータから決定される、付記21に記載のシステム。
【0279】
付記27.第1の車線片寄り調節量を計算することにおいて、トレーラ角度は、ゼロであるように表される、付記21に記載のシステム。
【0280】
付記28.方法であって、方法は、
少なくとも部分的に自律車両の前方の1つ以上の道路を備えているマップデータに基づいて、自律車両が曲がった道路に接近していることを決定することであって、自律車両は、トレーラに取り付けられたセミトラックトラクタユニットを備えている、ことと、
少なくとも部分的にマップデータに基づいて、曲がった道路の道路半径を決定することと、
少なくとも部分的に道路半径に基づいて、曲がった道路の道路湾曲に関連付けられた第1の車線片寄り調節量を計算することと、
トレーラとセミトラックトラクタユニットとの間のトレーラ角度を決定することと、
少なくとも部分的にトレーラ角度に基づいて、トレーラ角度に関連付けられた第2の車線片寄り調節量を計算することと、
第1の車線片寄り調節量および第2の車線片寄り調節量を組み合わせることによって、合計車線片寄り調節量を計算することと、
車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令すると
を含み、
車線片寄り操縦は、少なくとも部分的に合計車線片寄り調節量に基づいて、自律車両を自律車両によって現在進行されている曲がった車線内で中心を外れて運転することを含む、方法。
【0281】
付記29.自律車両に関連付けられた少なくとも1つのセンサからセンサデータを受信することと、
センサデータから道路上の車両の存在を検出することと、
自律車両と車両との間の横方向距離を決定することと、
自律車両と車両との間の横方向距離を閾値距離と比較することと、
横方向距離が閾値距離未満であることを決定することと、
横方向距離が閾値距離未満であることを決定することに応答して、車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令することと
をさらに含み、
車線片寄り操縦は、自律車両と車両との間の横方向距離が閾値距離に少なくとも等しくなるまで、自律車両を車両に対して反対方向に向かって自律車両によって進行される現在の車線内で中心を外れて運転することを含む、付記28に記載の方法。
【0282】
付記30.車線片寄り量を決定することであって、車線片寄り量は、自律車両と車両との間の横方向距離が閾値距離に少なくとも等しくなるまで、自律車両が中心を外れて移動する距離である、ことと、
合計車線片寄り調節量を車線片寄り量に組み合わせることと
をさらに含む、付記29に記載の方法。
【0283】
付記31.車線片寄り量は、少なくとも部分的に車両によって侵入された現在の車線の量と、車両が検出された場所と比較して自律車両の他方の側の現在の車線上の利用可能な距離とに基づいて決定される、付記30に記載の方法。
【0284】
付記32.車両が自律車両の右側にあり、道路湾曲が左方向へのそれであるとき、合計車線片寄り調節量は、車線片寄り量に組み合わせられる、付記30に記載の方法。
【0285】
付記33.車両が自律車両の左側にあり、道路湾曲が左方向へのそれであるとき、合計車線片寄り調節量は、車線片寄り量と組み合わせられない、付記30に記載の方法。
【0286】
付記34.第2の車線片寄り調節量を計算することにおいて、自律車両によって進行される道路は、直線であるように表される、付記28に記載の方法。
【0287】
付記35.少なくとも1つのセンサは、カメラ、光検出および測距(LiDAR)センサ、および赤外線センサのうちの少なくとも1つを備えている、付記29に記載の方法。
【0288】
付記36.命令を記憶している非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体であって、命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、
少なくとも部分的に自律車両の前方の1つ以上の道路を備えているマップデータに基づいて、自律車両が曲がった道路に接近していることを決定することであって、自律車両は、トレーラに取り付けられたセミトラックトラクタユニットを備えている、ことと、
少なくとも部分的にマップデータに基づいて、曲がった道路の道路半径を決定することと、
少なくとも部分的に道路半径に基づいて、曲がった道路の道路湾曲に関連付けられた第1の車線片寄り調節量を計算することと、
トレーラとセミトラックトラクタユニットとの間のトレーラ角度を決定することと、
少なくとも部分的にトレーラ角度に基づいて、トレーラ角度に関連付けられた第2の車線片寄り調節量を計算することと、
第1の車線片寄り調節量および第2の車線片寄り調節量を組み合わせることによって、合計車線片寄り調節量を計算することと、
車線片寄り操縦を実施するように自律車両に命令することと
を1つ以上のプロセッサに行わせ、
車線片寄り操縦は、少なくとも部分的に合計車線片寄り調節量に基づいて、自律車両を自律車両によって現在進行されている曲がった車線内で中心を外れて運転することを含む、非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体。
【0289】
付記37.トレーラ角度によって引き起こされる第2の車線片寄り調節量は、以下の第3の式:
第2の車線片寄り調節値=トレーラ長×sin(トレーラ角度)
に従って計算され、式中、トレーラ長は、トレーラの長さである、付記36に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体。
【0290】
付記38.命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、少なくとも部分的にトレーラ角度の方向および第2の車線片寄り調節量の方向に基づいて、第2の車線片寄り調節量の符号を1つ以上のプロセッサにさらに調節させ、トレーラ角度の方向が左へのそれであり、第2の車線片寄り調節量の方向が右へのそれである場合、調節された符号を伴う第2の車線片寄り調節量が、以下の第4の式:
調節された符号を伴う第2の車線片寄り調節値=-トレーラ長×sin(トレーラ角度)
に従って計算され、式中、トレーラ長は、トレーラの長さである、付記36に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体。
【0291】
付記39.命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、
少なくとも部分的にマップデータに基づいて、自律車両が直線道路に沿って進行していることを決定することと、
道路半径が実質的に大きいので、第1の車線片寄り調節量がゼロであることを決定することと、
風が自律車両のトレーラが直線からそれることを引き起こしていることを検出することと、
風によって引き起こされるトレーラ角度を決定することと、
トレーラ角度によって引き起こされる第2の車線片寄り調節量を計算することと、
合計車線片寄り調節量が第2の車線片寄り調節量に等しいことを決定することと
を1つ以上のプロセッサにさらに行わせる、付記36に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体。
【0292】
付記40.トレーラが左方向に振れるとき、トレーラ角度に関連付けられた符号は、負であり、トレーラが右方向に振れるとき、トレーラ角度に関連付けられた符号は、正である、付記36に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体。
【0293】
付記41.少なくとも1つのプロセッサは、付記8-15のいずれかに記載の方法の1つ以上の動作を実施するようにさらに構成されている、付記1-7のいずれかに記載のシステム。
【0294】
付記42.プロセッサは、付記16-20のいずれかに記載の1つ以上の動作を実施するようにさらに構成されている、付記1-7のいずれかに記載のシステム。
【0295】
付記43.付記8-15のいずれかに記載の方法を実施する手段を備えている装置。
【0296】
付記44.付記16-20のいずれかに記載の1つ以上の命令を実施する手段を備えている装置。
【0297】
付記45.システム上で起動されているとき、1つ以上のプロセッサによって実行されると、付記8-15のいずれかに記載の方法の1つ以上の動作を1つ以上のプロセッサにさらに実施させる命令を記憶している付記16-20のいずれかに記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体。
【0298】
付記46.少なくとも1つのプロセッサは、付記28-35のいずれかに記載の1つ以上の動作を実施するようにさらに構成されている、付記21-27のいずれかに記載のシステム。
【0299】
付記47.プロセッサは、付記36-40のいずれかに記載の1つ以上の動作を実施するようにさらに構成されている、付記21-27のいずれかに記載のシステム。
【0300】
付記48.付記28-25のいずれかに記載の方法を実施する手段を備えている装置。
【0301】
付記49.付記36-40のいずれかに記載の1つ以上の命令を実施する手段を備えている装置。
【0302】
付記50.システム上で起動されているとき、1つ以上のプロセッサによって実行されると、付記28-35のいずれかに記載の方法の1つ以上の動作を1つ以上のプロセッサにさらに実施させる命令を記憶している付記36-40のいずれかに記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体。
【0303】
付記51.付記1-7および/または21-27のいずれかに記載のシステム。
【0304】
付記52.付記8-15および/または28-35のいずれかに記載の動作を含む方法。
【0305】
付記53.付記8-15および/または28-35のいずれかに記載の方法を実施する手段を備えている装置。
【0306】
付記54.付記16-20および/または36-40のいずれかに記載の1つ以上の命令を実施する手段を備えている装置。
【0307】
付記55.システム上で起動されているとき、1つ以上のプロセッサによって実行されると、付記8-15および/または28-35のいずれかに記載の方法の1つ以上の動作を1つ以上のプロセッサにさらに実施させる命令を記憶している付記16-20および/または36-40のいずれかに記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体。
【国際調査報告】