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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】血栓回収のためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
A61B17/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523267
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-17
(86)【国際出願番号】 US2022078113
(87)【国際公開番号】W WO2023069874
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】63/256,743
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522151695
【氏名又は名称】インパラティブ、ケア、インク.
【氏名又は名称原語表記】IMPERATIVE CARE,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イー、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】チャド、シー.ルー
(72)【発明者】
【氏名】ミランダ、エム.レイ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM36
(57)【要約】
本体を含む血栓濾過デバイス。本体は、第1本体部分と、第1本体部分と共に内部キャビティを形成するように構成された第2本体部分と、を含むことができる。本体は、本体の第1サイド上に位置した第1ポートと、本体の第2サイド上に位置した第2ポートと、を含むことができる。第2ポートは、内部キャビティを介して第1ポートに対して流体連通することができる。第2ポートは、第1真空源に対して流体連通するように構成することができる。血栓濾過デバイスは、第1ポートと第2ポートとの間において本体の内部キャビティの内部に配置されたフィルタを含むことができる。フィルタは、複数の開口を含むことができる。
【選択図】 図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血栓濾過デバイスであって、
本体であり、
第1本体部分と、
前記第1本体部分と共に内部キャビティを形成するように構成された第2本体部分と、
前記本体の第1サイド上に配置された第1ポートと、
前記本体の第2サイド上に配置された第2ポートであり、前記内部キャビティを介して前記第1ポートに対して流体連通している第2ポートと、を含み、
前記内部キャビティは、
前記本体の長手方向軸線に直交した第1距離であってかつ前記第1本体部分と前記第2本体部分との間における第1距離として定義される深さと、
前記深さに対して直交した第2距離であってかつ前記本体の前記長手方向軸線に対して直交した第2距離として定義される幅であるとともに、前記深さよりも小さなものとされた幅と、を有している、本体と、
前記第1ポートと前記第2ポートとの間において前記本体の前記内部キャビティの内部に配置されたフィルタであり、複数の開口を含むフィルタと、を含む、
血栓濾過デバイス。
【請求項2】
前記本体は、管状側壁を含む、請求項1に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項3】
前記フィルタの少なくとも1つの面は、前記本体の長手方向軸線に対して非直交角度で位置決めされた平面上に位置しており、前記非直交角度は、前記本体の前記長手方向軸線に対して30度~90度とされている、請求項1に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項4】
前記複数の開口のそれぞれは、1mm以下とされている、
請求項1に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項5】
前記複数の開口は、血栓が前記フィルタを通過することを阻止するように構成されている、
請求項1に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項6】
前記第1ポートおよび前記第2ポートは、前記本体の互いに反対側に位置した端部上に配置されている、
請求項1に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項7】
大気圧と第2真空源との少なくとも一方に対して選択的に流体連通可能であるように構成された弁を、さらに含み、前記本体は、ユーザが前記弁を手動で駆動することを可能とするように構成されたボタンを、さらに含む、
請求項1に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項8】
前記ボタンは、前記本体の頂部上に配置されている、
請求項7に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項9】
前記本体を通しての流体流通が停止した時点を決定するように構成されたセンサを、さらに含む、
請求項1に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項10】
大気圧と第2真空源との少なくとも一方に対して選択的に流体連通可能であるように構成された弁を、さらに含み、流体流通が停止したことを前記センサが決定した時には、前記弁は、自動的に駆動される、
請求項9に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項11】
血栓濾過デバイスであって、
本体であり、
第1本体部分と、
前記第1本体部分と共に内部キャビティを形成するように構成された第2本体部分と、
前記本体の第1サイド上に配置された第1ポートと、
前記本体の第2サイド上に配置された第2ポートであり、前記内部キャビティを介して前記第1ポートに対して流体連通している第2ポートと、を含み、
前記第1本体部分と前記第2本体部分との少なくとも一方は、前記内部キャビティの視覚化を可能とするよう、透明とされている、本体と、
前記第1ポートと前記第2ポートとの間において前記本体の前記内部キャビティの内部に配置されたフィルタであり、
複数の開口と、
前記第1ポートの長手方向軸線に対して非直交角度で位置決めされた平面上に位置した第1面と、を含む、フィルタと、を含む、
血栓濾過デバイス。
【請求項12】
前記本体は、管状側壁を含む、
請求項11に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項13】
前記非直交角度は、前記本体の前記長手方向軸線に対して30度~90度とされている、
請求項11に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項14】
前記複数の開口のそれぞれは、1mm以下とされている、
請求項11に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項15】
前記複数の開口は、血栓が前記フィルタを通過することを阻止するように構成されている、
請求項11に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項16】
前記第1ポートおよび前記第2ポートは、前記本体の互いに反対側に位置した端部上に配置されている、
請求項11に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項17】
前記本体は、前記内部キャビティ内への流体の注入を可能とするように構成された第3ポートを、さらに含む、
請求項11に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項18】
大気圧と第2真空源との少なくとも一方に対して選択的に流体連通可能であるように構成された弁を、さらに含み、前記本体は、ユーザが前記弁を手動で駆動することを可能とするように構成されたボタンを、さらに含む、
請求項11に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項19】
前記ボタンは、前記本体の頂部上に配置されている、
請求項18に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項20】
前記本体を通しての流体流通が停止した時点を決定するように構成されたセンサを、さらに含む、
請求項11に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項21】
大気圧と第2真空源との少なくとも一方に対して選択的に流体連通可能であるように構成された弁を、さらに含み、流体流通が停止したことを前記センサが決定した時には、前記弁は、自動的に駆動される、
請求項20に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項22】
血栓濾過デバイスであって、
本体であり、
第1本体部分と、
前記第1本体部分と共に内部キャビティを形成するように構成された第2本体部分と、
前記本体の第1サイド上に配置された第1ポートと、
前記本体の第2サイド上に配置された第2ポートであり、前記内部キャビティを介して前記第1ポートに対して流体連通している第2ポートと、
前記内部キャビティ内への流体の注入を可能とするように構成された第3ポートと、を含む本体と、
前記第1ポートと前記第2ポートとの間において前記本体の前記内部キャビティの内部に配置されたフィルタであり、複数の開口を含むフィルタと、を含む、
血栓濾過デバイス。
【請求項23】
前記本体は、管状側壁を含む、
請求項22に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項24】
前記フィルタの少なくとも1つの面は、前記本体の長手方向軸線に対して非直交角度で位置決めされた平面上に位置しており、前記非直交角度は、前記本体の前記長手方向軸線に対して30度~90度とされている、
請求項22に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項25】
前記複数の開口のそれぞれは、1mm以下とされている、
請求項22に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項26】
前記複数の開口は、血栓が前記フィルタを通過することを阻止するように構成されている、
請求項22に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項27】
前記第1ポートおよび前記第2ポートは、前記本体の互いに反対側に位置した端部上に配置されている、
請求項22に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項28】
大気圧と第2真空源との少なくとも一方に対して選択的に流体連通可能であるように構成された弁を、さらに含み、前記本体は、ユーザが前記弁を手動で駆動することを可能とするように構成されたボタンを、さらに含む、
請求項22に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項29】
前記ボタンは、前記本体の頂部上に配置されている、
請求項28に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項30】
前記本体を通しての流体流通が停止した時点を決定するように構成されたセンサを、さらに含む、
請求項22に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項31】
大気圧と第2真空源との少なくとも一方に対して選択的に流体連通可能であるように構成された弁を、さらに含み、流体流通が停止したことを前記センサが決定した時には、前記弁は、自動的に駆動される、
請求項30に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項32】
血栓濾過デバイスであって、
本体であり、
第1本体部分と、
前記第1本体部分と共に内部キャビティを形成するように構成された第2本体部分と、
前記本体の第1サイド上に配置された第1ポートと、
前記本体の第2サイド上に配置された第2ポートであり、前記内部キャビティを介して前記第1ポートに対して流体連通しているとともに、第1真空源に対して流体連通するように構成された、第2ポートと、
大気圧と第2真空源との少なくとも一方に対して選択的に流体連通可能であるように構成された弁と、を含む本体と、
前記第1ポートと前記第2ポートとの間において前記本体の前記内部キャビティの内部に配置されたフィルタであり、複数の開口を含むフィルタと、を含む、
血栓濾過デバイス。
【請求項33】
前記本体は、管状側壁を含む、
請求項32に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項34】
前記フィルタの少なくとも1つの面は、前記本体の長手方向軸線に対して非直交角度で位置決めされた平面上に位置している、
請求項32に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項35】
前記非直交角度は、前記本体の前記長手方向軸線に対して30度~90度とされている、
請求項34に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項36】
前記複数の開口のそれぞれは、1mm以下とされている、
請求項32に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項37】
前記複数の開口は、血栓が前記フィルタを通過することを阻止するように構成されている、
請求項32に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項38】
前記第1ポートおよび前記第2ポートは、前記本体の互いに反対側に位置した端部上に配置されている、
請求項32に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項39】
前記本体は、前記内部キャビティ内への流体の注入を可能とするように構成された第3ポートを、さらに含む、
請求項32に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項40】
前記第1本体部分と前記第2本体部分との少なくとも一方は、前記内部キャビティの視覚化を可能とするよう、少なくとも部分的に透明とされている、
請求項32に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項41】
前記本体は、ユーザが前記弁を手動で駆動することを可能とするように構成されたボタンを、さらに含む、
請求項32に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項42】
前記ボタンは、前記本体の頂部上に配置されている、
請求項41に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項43】
前記本体を通しての流体流通が停止した時点を決定するように構成されたセンサを、さらに含む、
請求項32に記載の血栓濾過デバイス。
【請求項44】
流体流通が停止したことを前記センサが決定した時には、前記弁は、自動的に駆動される、
請求項43に記載の血栓濾過デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月18日付けで出願された米国仮特許出願第63/256,743号明細書の優先権を主張するものであり、この文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
患者の血管内における血栓性障害および閉塞は、深刻な医学的問題であり、多くの場合、患者の健康を回復するためには、これらの障害および閉塞を除去するための介入が必要とされる。神経血管系における動脈閉塞(虚血性脳卒中)などの、様々な小血管を含めた、動脈系および静脈系の両方における広範囲の血管用途に適用可能であるものの、以下の背景では、主に肺塞栓症を罹患した患者の例を通して、この問題に焦点を当てている。
【0003】
静脈血栓塞栓症(VTE)は、世界的な危機である。深部静脈血栓症(DVT)および肺塞栓症(PE)の症例は、世界的に年間1000万件超にわたって診断されており、米国では100万件にわたって、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、スウェーデン、および英国では、合わせて毎年700,000件超にわたって、発生している。米国では、毎年、およそ60,000人~100,000人が、PEにより死亡している。DVTおよびPEは、同じ一連の疾患の一部であり、塞栓の95%超は、下肢に由来する。PEが発生した場合、その重症度は、塞栓負荷と、右心室への影響、および、基礎にある心肺の合併症、に依存する。右心室(RV)の後負荷の増大と機能不全とを伴う肺動脈(PA)圧の急激な上昇に基づき、死亡することがあり得る。
【0004】
高リスクの肺塞栓症(PE)および他の虚血性疾患を罹患した患者は、主に、全身的に送達される、またはカテーテル誘導型血栓溶解療法によってより局所的に送達される、血栓溶解療法によって処置されていた。これらのアプローチでは、カテーテル検査室へと何度も通うこととなり、また、入院期間も長くなり、しばしば出血性合併症を引き起こす。PEと虚血性脳卒中との両方に対するPE処置に関する新たなアプローチには、血栓溶解剤を使用しない単回血栓除去処置(血栓の吸引)が存在する。このような血栓除去処置には、吸引カテーテルの遠位端を血栓に対して隣接して位置決めすることと、吸引を行って、血栓を、カテーテルを通して無菌領域外に位置したキャニスタ内へと吸引しようとすることと、が含まれる。
【0005】
医師にとっての1つの課題は、次のステップに対して情報を提供して失血量を最小化し得るために、血栓がうまく捕捉された時点を知ることであり、また、血栓の量を知ることである。吸引ポンプに関連したキャニスタ内への血栓蓄積を監視することは理論的には可能であるが、現在のカテーテル検査室環境における実際の設定では、医師がこの情報に対して容易にアクセスすることは、困難である。
【発明の概要】
【0006】
開示するものは、血管系から、閉塞物などの標的物質を吸引するためなどの、真空吸引システムである。特に、血栓回収デバイスは、標的血栓を捕捉して濾過除去するために、吸引システムとインラインで使用するように、設けられている。血栓回収デバイスは、無菌領域の内部で真空キャニスタから離間した位置で、吸引カテーテルハブの近傍で、または吸引カテーテルハブ上で、血栓を捕捉して視覚化することができる。血栓回収デバイスは、任意選択的に、真空圧力に脈動を生成するために、弁を含むことができる。脈動ポンプは、血栓を「揺り動かして」緩くすることにより、血栓の吸引の改善を補助することができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、開示するものは、血栓濾過デバイスであって、キャビティを規定する本体を含むとともに、キャビティ内にフィルタを有している。いくつかの実施形態では、本体は、フィルタの第1サイド上に位置した第1ポートと、フィルタの第2サイド上に位置した第2ポートであってかつフィルタを介して第1ポートに対して流体連通している第2ポートと、を含む。いくつかの実施形態では、フィルタは、キャビティに対して連通している複数の開口を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、本体は、長手方向軸線を有した、円筒状側壁などの管状側壁を含む。いくつかの実施形態では、フィルタの上流側の面は、長手方向軸線に対して非直交角度で位置した平面上に位置してもよい。フィルタの傾斜角度により、フィルタの長軸が、本体の内部で楕円形状へと長尺化することが可能とされ、これにより、フィルタの、本体を通過する吸引された物質に対して相互作用するように構成された表面積が、増大する。いくつかの実施形態では、フィルタは、長手方向軸線に対して30度~90度で傾斜したものとされる。
【0009】
いくつかの実施形態では、フィルタの複数の開口は、それぞれ、1mm以下とされている。いくつかの実施形態では、フィルタの複数の開口は、血栓がフィルタを通過することを阻止するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1ポートおよび第2ポートは、本体の互いに反対側に位置した端部上に配置されている。いくつかの実施形態では、本体は、第3ポートをさらに含み、第3ポートは、血栓濾過デバイスの本体内へと生理食塩水または他の流体の注入を可能とするように構成されたフラッシュポートとされている。
【0010】
いくつかの実施形態では、本体は、少なくとも部分的に透明とされている。いくつかの実施形態では、本体は、キャビティを取り囲むような頂部と底部とを含み、フィルタは、頂部と底部との間におけるキャビティの内部に配置されている。いくつかの実施形態では、弁が、大気圧に対してまたは第2真空源に対して、通気するように構成されている。いくつかの実施形態では、デバイスは、ボタンをさらに含み、ボタンは、ユーザが弁を手動で駆動することを可能とする。いくつかの実施形態では、ボタンは、本体の頂部上に配置されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、デバイスは、血栓濾過デバイス内で流通が停止した時点を決定するように構成されたセンサを、さらに含む。いくつかの実施形態では、流通が停止したことをセンサが決定した時には、弁は、自動的に駆動される。いくつかの実施形態では、第1ポートは、頂部および底部の近位端上に配置されており、第2ポートは、頂部または底部の遠位端上に配置されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、開示するものは、血栓吸引のためのシステムであって、吸引カテーテルと、第1カテーテルと、血栓濾過デバイスと、第2カテーテルと、ポンプと、を含む。血栓濾過デバイスとカテーテルとの間におけるチューブの長さは、血栓濾過デバイスとポンプとの間におけるチューブの長さと比較して、かなり短いものとされている。いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスは、本体とフィルタとを含む。いくつかの実施形態では、本体は、第1ポートと第2ポートとを含み、本体は、円形断面を含む。いくつかの実施形態では、フィルタは、複数の開口を含み、フィルタは、血栓濾過デバイスの本体内に配置されている。いくつかの実施形態では、第1カテーテルは、吸引カテーテルに対しておよび血栓濾過デバイスに対して、流体接続されている。いくつかの実施形態では、第2カテーテルは、ポンプに対しておよび血栓濾過デバイスに対して、流体接続されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、システムは、第1カテーテル上へと配置されたクランプをさらに含み、クランプに対して係合することで、血栓濾過デバイスを通しての流通を減少させることができる。いくつかの実施形態では、システムは、円筒形とされた本体を含む。いくつかの実施形態では、システムは、フィルタを有した血栓濾過デバイスを含み、フィルタは、本体の内部で傾斜しており、これにより、本体を通過する吸引された物質に対して相互作用するように構成された表面積が増大するものとされている。いくつかの実施形態では、システムは、血栓濾過デバイスを含み、血栓濾過デバイスは、本体の内部で流通軸線に対して30度~90度で傾斜したフィルタを含む。いくつかの実施形態では、システムは、血栓濾過デバイスを含み、フィルタは、1mm以下とされた複数の開口を含む。いくつかの実施形態では、システムは、血栓濾過デバイスを含み、フィルタは、血栓がフィルタを通過することを阻止するように構成された複数の開口を含む。いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスの第1ポートおよび第2ポートは、本体の互いに反対側に位置した端部上に配置されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスの本体は、第3ポートを含み、第3ポートは、血栓濾過デバイスの本体内へと生理食塩水または他の流体の注入を可能とするように構成されたフラッシュポートとされている。いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスの本体は、少なくとも部分的に透明とされている。いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスの本体は、頂部と底部とを含み、フィルタは、頂部と底部との間に配置されている。いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスの弁は、第2真空源に対して通気するように構成されている。
【0015】
いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスは、ボタンを含み、ボタンは、ユーザが弁を手動で駆動することを可能とすることができる。いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスのボタンは、本体の頂部上に配置されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスは、血栓濾過デバイス内で流通が停止した時点を決定するように構成されたセンサを、さらに含む。いくつかの実施形態では、流通が停止したことをセンサが決定した時には、血栓濾過デバイスの弁は、自動的に駆動される。いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスにおいて、第1ポートは、頂部および第2部分の近位端上に配置されており、第2ポートは、部分および第2部分の遠位端上に配置されている。
【0017】
いくつかの実施形態では、開示するものは、血栓濾過デバイスである。いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスは、円筒形本体を含み、円筒形本体は、円筒形本体の互いに反対側に位置した端部上に配置された第1ポートおよび第2ポートを含む。本体は、円形断面を含んでもよく、円筒形本体の側壁の少なくとも一部は、少なくとも部分的に光学的に透明とされている。いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスは、複数の開口を含むフィルタを含み、フィルタは、血栓濾過デバイスの本体内に配置されているとともに、本体を通過する吸引された物質に対して相互作用するように構成された表面積を増大させるよう、本体の内部で傾斜して配置されており、フィルタは、本体の内周に対して30度~90度で傾斜されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、開示するものは、血栓濾過デバイスである。いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスは、本体を含み、本体は、本体の互いに反対側に位置した端部上に配置された第1ポートおよび第2ポートを含み、本体は、円形断面を含むとともに、少なくとも部分的に透明とされている。いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスは、複数の開口を含むフィルタを含み、フィルタは、血栓濾過デバイスの本体内に配置されている。いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスは、第2真空源に対して通気するように構成された弁を含む。いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスは、ユーザが弁を手動で駆動することを可能とするように構成されたボタンを含み、ボタンは、本体の頂部上に配置されている。いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスにおいて、本体は、頂部と底部とを含み、フィルタは、頂部と底部との間に配置されている。いくつかの実施形態では、血栓濾過デバイスにおいて、第1ポートは、頂部および第2部分の近位端上に配置されており、第2ポートは、部分および第2部分の遠位端上に配置されている。
【0019】
上記のおよび他の、特徴、態様、ならびに利点について、図面を参照して以下で説明するが、以下の説明は、例示を目的とするものであって、実施形態の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。さらに、開示する様々な実施形態における様々な特徴どうしを組み合わせることで、追加的な実施形態を形成することができ、このような追加的な実施形態は、本開示の一部である。図面においては、同様の参照符号は、同様の実施形態を通して、一貫して対応した特徴を示している。以下は、各図面に関する簡単な説明である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、吸引手順のための流体管理システムに関する概略図である。
図2図2は、図1の概略図による吸引手順のための流体管理システムの一実施形態に関する概略図を図示している。
図3A図3A図3Cは、インライン血栓回収デバイスの一実施形態を図示している。
図3B図3A図3Cは、インライン血栓回収デバイスの一実施形態を図示している。
図3C図3A図3Cは、インライン血栓回収デバイスの一実施形態を図示している。
図4A図4A図4Cは、インライン血栓回収デバイスの別の実施形態を図示している。
図4B図4A図4Cは、インライン血栓回収デバイスの別の実施形態を図示している。
図4C図4A図4Cは、インライン血栓回収デバイスの別の実施形態を図示している。
図5A図5A図5Bは、インライン血栓回収デバイスの別の実施形態を図示している。
図5B図5A図5Bは、インライン血栓回収デバイスの別の実施形態を図示している。
図6A図6Aは、インライン血栓回収デバイスの一実施形態に関する正面斜視図を図示している。
図6B図6Bは、図6Aの実施形態に関する断面斜視図を図示している。
図6C図6Cは、図6Aの実施形態に関する背面斜視図を図示している。
図6D図6Dおよび図6Eは、図6Aの実施形態に関する正面断面図および背面断面図を図示している。
図6E図6Dおよび図6Eは、図6Aの実施形態に関する正面断面図および背面断面図を図示している。
図6F図6F図6Hは、図6Aの実施形態に関する側面図を図示している。
図6G図6F図6Hは、図6Aの実施形態に関する側面図を図示している。
図6H図6F図6Hは、図6Aの実施形態に関する側面図を図示している。
図6I図6I図6Kは、図6Aの実施形態に関する側面図を図示している。
図6J図6I図6Kは、図6Aの実施形態に関する側面図を図示している。
図6K図6I図6Kは、図6Aの実施形態に関する側面図を図示している。
図7図7は、吸引手順のための流体管理システムに関する別の概略図である。
図8A図8A図8Bは、インライン血栓回収デバイスの別の実施形態に関する正面図および背面図を図示している。
図8B図8A図8Bは、インライン血栓回収デバイスの別の実施形態に関する正面図および背面図を図示している。
図8C図8C図8Dは、図8A図8Bの実施形態に関する正面断面図および背面断面図を図示している。
図8D図8C図8Dは、図8A図8Bの実施形態に関する正面断面図および背面断面図を図示している。
図9A図9A図9Bは、使用時における図8A図8Dのインライン血栓回収デバイスの実施形態を図示している。
図9B図9A図9Bは、使用時における図8A図8Dのインライン血栓回収デバイスの実施形態を図示している。
図10A図10A図10Fは、インライン血栓回収デバイスの一実施形態を図示している。
図10B図10A図10Fは、インライン血栓回収デバイスの一実施形態を図示している。
図10C図10A図10Fは、インライン血栓回収デバイスの一実施形態を図示している。
図10D図10A図10Fは、インライン血栓回収デバイスの一実施形態を図示している。
図10E図10A図10Fは、インライン血栓回収デバイスの一実施形態を図示している。
図10F図10A図10Fは、インライン血栓回収デバイスの一実施形態を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
概要
図1は、吸引手順のための流体管理システムの概略図を図示している。流体管理システム10は、カテーテル60と、血栓回収デバイス70と、吸引ポンプ50と、を含むことができる。カテーテル60、血栓回収デバイス70、および吸引ポンプ50は、流体接続することができ、これにより、流体が、カテーテル60の遠位端から、血栓回収デバイス70内に、及び、血栓回収デバイス70を通して、吸引されるものとされている。
【0022】
血栓回収デバイス70とポンプ50との間に位置したチューブの長さは、血栓回収デバイス70とカテーテル60との間に位置したチューブの長さと比較して、実質的に、より長いものとされてもよい。これにより、吸引手順時に医師が直接的に視覚化しやすいよう、血栓回収デバイス70を、無菌領域内に配置し得るものとしつつも、ポンプ50は、医師から比較的離間して、無菌領域の外部に位置したままとすることができる。無菌領域での血栓回収デバイスに関する、および関連した流体構成に関する、追加的な詳細は、「Aspiration System with Accelerated Response」と題して2021年6月24日付けで出願された米国特許出願シリアル番号第17/357,558号明細書に見出され得るものであって、この文献の開示は、参照によりその全体が本明細書に明示的に援用される。
【0023】
図2は、システム10と共に使用され得るカテーテル60の一実施形態を図示している。図示のように、システム10は、近位端16と遠位端18との間に延びた長尺の管状本体14を有する、大径の第1血栓除去カテーテル12を含むことができる。中央管腔20は、近位カテーテルコネクタ22と、遠位端18上における遠位ポート24と、の間にわたって延びている。
【0024】
図示の実施形態では、カテーテル12は、相補的なモジュールコネクタ30を介して、流通制御モジュール28に対して着脱可能に接続可能とすることができる。モジュールコネクタ30は、相補的なカテーテルコネクタ22に対する着脱可能な接続を提供するとともに、大口径カテーテル(図示せず)のハブ内の止血弁を開放するための開放器(図示せず)を含んでもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、流通制御モジュール28は、モジュールコネクタ30と流通制御モジュール28との間に延びた流体流通経路32を含むことができる。流体流通経路32は、流通制御モジュール28と血栓回収デバイス70との間にわたって延び続けており、血栓回収デバイス70は、血栓収集および/または評価のためのフィルタと、濾過済み流体用チャンバ(以下でより詳細に説明する)のためのチャンバと、を収容している。いくつかの例では、流通制御モジュール28は、血栓除去カテーテル12の、カテーテルが着脱不可能に取り付けられ得るハブの内部に、一体的に形成されている。加えて、流通制御モジュール28と血栓回収デバイス70との間の流通経路は、連続した一体型チューブの内部に収容されてもよい、あるいは、相補的なルアーロック若しくは他のコネクタを介して着脱可能に接続可能とされた2つ以上のチューブ構成要素の内部に収容されてもよい。
【0026】
流通制御モジュール28は、流通経路32を通しての流量を調節するための流量調節器を含むことができる。流量調節器は、拡張可能なもしくは収縮可能なアイリス、ボール弁もしくは他の回転コア弁、リーフ弁、ピンチチューブ、または当該技術分野で公知の他のもの、などによって、流通経路内における可逆的な制限を提供することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、流量調節器は、ポリマーチューブからなる部分などの、流通経路を規定する管状壁の縮径可能部分を含む。チューブに隣接して配置されたアクチュエータは、チューブを縮径することで低流量へと流量を制限する第1位置と、チューブから離間する向きに駆動されることでチューブがその完全な内径へと復帰して高流量を可能とする第2位置と、の間にわたって、移動可能とされている。アクチュエータは、第1(制限)位置の向きへと、スプリングによって付勢されてもよくまたは他のデフォルトドライバを有してもよく、高流量オーバーライドを起動する肯定的な機械力または電気信号が存在する場合にのみ、第2位置へと移動可能であってもよい。瞬時的なオーバーライド命令が解除された時には、アクチュエータは、自動的に第1位置へと復帰し、低流量モードを生成する。
【0028】
アクチュエータは、レバーもしくは回転可能ノブなどの機械的制御部材によって、またはソレノイドなどの電気的駆動システムによって、駆動されてもよく、さらに、所望の機能に応じて、任意の様々な、ボタン、レバー、トリガ、フットペダル、または、当該技術分野で公知の他のスイッチ、によって操作されてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、流体流通は、小径オリフィスもしくは小径チューブなどの低流量調節器を通して、および、大径オリフィスもしくは大径チューブなどの高流量調節器を通して、選択的に案内されてもよい。機械的駆動弁または電気機械的駆動弁は、制御部材を駆動させたことに応答して、流通を、低流量調節器から高流量調節器へと、瞬時的に転換させることができる。
【0030】
したがって、流通制御モジュール28は、システムの動作を制御するための、1つまたは複数の制御部材を含む。1つの制御部材が、無流量(オフ)モードと、低流量モードと、の間にわたってシステムを切り替えるために設けられてもよい。いくつかの実施形態では、同じ制御部材または異なる制御部材が、低流量モードと、瞬時的なオペレータが開始する高流量オーバーライドモードと、の間にわたって流量調節器を瞬時的に切り替えるために設けられてもよい。瞬時的なオーバーライド制御を解除することにより、調節器は、オフモードすなわち低流量モードに復帰する。
【0031】
いくつかの例では、低流量モードは、第1カテーテル12が、比較的少量の血液吸引でもって血栓に対して接近して係合することを可能とする。血栓に対して係合した後には、瞬時的な高流量制御部材が駆動されることにより、血栓をカテーテル12内へと引き込むための高流量真空ボーラスが生成されてもよい。高流量は、少なくとも約10cc/秒であってもよく、好ましくは少なくとも約15cc/秒であってもよいが、典型的には約25cc/秒以下である。ある構造では、高流量は、上述したすべての流量が、妨害されていない血液吸引とされた状態で、約20cc/秒である。本明細書で使用される低流量は、高流量の、約50%以下、約35%以下、または約25%以下、である。低流量は、一般に、約10cc/秒未満または7cc/秒未満であり、多くの場合には、およそ1cc/秒~5cc/秒の範囲である。
【0032】
流通制御モジュール28には、モジュール28内の止血弁(例えば、Tuohy Borst弁)(図示せず)を介して中央管腔20に対して連通した第2カテーテルポート40が設けられてもよい。これにより、第2吸引カテーテル42をアクセスカテーテル12を通して導入し、処置部位まで延在させることができる。第2カテーテル42は、血栓攪拌機能もしくは機械的把持機能を有したまたは有していない、より小径の吸引カテーテル、薬剤送達カテーテル、機械的破壊器、あるいは、血栓回収プロセスで有用であり得る他の付属デバイス、であってもよい。一実施態様では、そのハンドピースおよび制御部材を含めて第2カテーテルは、第2カテーテルが第1カテーテルと比較してより小径でありかつより長いことを除いては、第1吸引カテーテルに対して、材質の点で、同一であってもよい。
【0033】
所望であれば、第2カテーテル42は、近位コネクタ44を介することで、追加的な吸引ラインを介してリザーバ(図示せず)に対して連通している相補的コネクタ46に対して、接続されてもよい。いくつかの実施形態では、第2吸引カテーテル42は、血栓回収デバイス70に対して接続されてもよい。
【0034】
血栓は、追加的な補助を必要とすることなく、真空下で第1カテーテル12を通して除去可能であってもよい。しかしながら、所望であれば、第2血栓把持カテーテル42を導入することにより、除去を容易とするよう、血栓の追加的な付着および/または機械的破壊を提供してもよい。除去は、所望の臨床性能に応じて、第1カテーテル12だけでなく把持カテーテル42にも順次的にまたは同時的に真空を印加することで補助されてもよい。
【0035】
図2に示すように、吸引ポンプ50は、カテーテル60に対して流体接続することができる。吸引ポンプ50は、真空ポンプを含んでもよく、さらに、真空計51と、任意選択的な圧力調整制御部材53と、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、真空計51は、真空ポンプに対して流体連通しており、ポンプが生成した真空圧力の表示を提供する。圧力調整制御部材53により、ユーザが特定の真空圧力に設定することが可能とされる。スイッチ、ボタン、レバー、回転可能なノブ、および、本明細書の開示を考慮すれば当業者には明らかであるような他の部材を含めて、任意の様々な制御部材が利用されてもよい。いくつかの例では、吸引ポンプ50は、シリンジなどの手動駆動型のポンプであってもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、システム10は、リザーバ(図示せず)を含むことができ、このリザーバは、真空ライン35を介して吸引ポンプ50に対して流体連通しているとともに、システムの空気充填側からシステムの液体側へと真空を伝達するように作用し、さらに、吸引された濾過済み血液を収集するようにも作用する。いくつかの例では、リザーバは、流通経路32に対して流体連通している収集キャニスタを含むものとされ、吸引された破片を収集する。いくつかの実施形態では、また、システムを通しての流通方向が反転されることで、血液がフィルタを通して流れ得るものとされるとともに、血栓が、フィルタの外側に(ここでは、下流側に)、例えばフィルタと外側の透明ウィンドウまたは透明容器との間に、収集されてもよい。リザーバは、血栓回収デバイス70よりも「上流側」にすなわち近位側に配置されてもよく、これにより、リザーバは、血栓回収デバイス70とポンプ50との間で流体連通される。
【0037】
いくつかの例では、流通経路32は、第1カテーテル12の長さ全体にわたって延びているとともに、制御モジュール28を通してリザーバ34内へと延びている。流通経路32は、流通経路32の内容物を直接的に視覚化できるよう、透明ウィンドウ52を含むことができる。いくつかの実施形態では、ウィンドウ52は、無菌領域の内部において、チューブの、カテーテル12の近位端と流通モジュール28との間に位置した透明部分の形態とされており、これにより、臨床医は、破片がアクセスカテーテル12の近位端から出る際に、その破片を直接的に見ることができる。いくつかの例では、透明チューブの長さは、少なくとも約2cmまたは4cmまたは6cmとすることができ、一般的には、約30cm未満または20cm未満とすることができる。いくつかの実施形態では、透明チューブの長さは、約5cm~約15cmの範囲内である。いくつかの例では、透明ウィンドウは、カテーテル12の近位ハブによって担持されてもよい、あるいは、カテーテルシャフトの、ハブよりも遠位に位置した近位部分であってもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、システム10は、血栓回収デバイス70を含むことができる。血栓回収デバイス70は、カテーテル60に対して、および吸引ポンプ50に対して、流体接続することができる。以下でより詳細に説明するように、血栓回収デバイス70は、無菌領域内で手持ち式のものとされ得るものであって、臨床医は、吸引手順時には、血栓を捕捉して視覚化することができる。血栓回収デバイス70は、流体がカテーテル60を通して吸引される際に固形血栓の破片を捕捉するフィルタを含むことができる。血栓回収デバイス70は、血栓回収デバイス70内へと生理食塩水または他の流体を注入するための追加的なポートを含むことができ、これにより、フィルタ内へと捕捉された後における血栓の視覚化を改善する。
【0039】
いくつかの実施形態では、血栓回収デバイス70は、吸引ポンプ50によって印加される圧力の脈動を可能とする弁を含むことができる。例えば、血栓回収デバイス70は、ボタンまたは他のアクチュエータを含むことができ、このボタンまたは他のアクチュエータに対してユーザが係合することにより、血栓回収デバイス70内の弁が閉塞され得るとともに、吸引ポンプ50が印加する圧力が減少され得る。その後、臨床医は、ボタンを解放することができ、圧力を再度印加することができる。
【0040】
血栓回収デバイス
図1に示すように、いくつかの実施形態では、システム10は、血栓回収デバイス70を含むことができる。血栓回収デバイス70は、患者の閉塞した血管内で実施された吸引手順時にシステム10が除去した血栓を、捕捉するように構成することができる。以下でより詳細に説明するように、血栓回収デバイス70は、吸引カテーテル(例えば、カテーテル60)の近位端と吸引源(例えば、吸引ポンプ50)との間に配置されたインラインキャニスタとすることができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、血栓回収デバイス70とカテーテル60との間におけるチューブの長さは、血栓回収デバイス70とポンプ50との間におけるチューブの長さの、約50%以下、または25%以下、または15%以下、であり、これにより、血栓回収デバイス70は、無菌領域の内部に位置し得るとともに、吸引カテーテルマニホールドを保持している医師によって容易に直接的に観察され得るものとされており、他方、ポンプ70は、無菌領域の外部に離れて配置され得るものとされている。
【0042】
図3A図3Cは、一実施形態をなす血栓回収デバイス170を有したシステム100を図示している。いくつかの実施形態では、血栓回収デバイス170は、第1ポート110と、第2ポート120と、フィルタ130と、を含む。いくつかの例では、第1ポート110は、吸引カテーテルの近位端に対して流体接続された第1チューブ140の第1端部に対して接続するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1チューブ140は、第1チューブ140の第2端部のところに配置されたコネクタ142であってかつ対応したコネクタに対して係合または嵌合するように構成されたコネクタ142を、含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、第2ポート120は、吸引源(例えば、ポンプ)に対して流体接続された第2チューブ150の第1端部に対して接続するように構成されている。いくつかの実施形態では、第2チューブ150は、第2チューブ150の第2端部のところに配置されたコネクタであってかつ対応したコネクタに対して係合または嵌合するように構成されたコネクタ(図示せず)を、含む。いくつかの例では、システム100は、クランプ160を含むことができる。いくつかの実施形態では、クランプ160は、第1チューブ140上へと配置することができ、これにより、ユーザは、クランプに対して係合し、血栓回収デバイス170に対して流量制御を提供することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、血栓回収デバイス170の本体は、長手方向軸線と円形横断面形状とを有して内部チャンバを規定する略円筒形の側壁などの、管状の側壁を含むことができる。血栓回収デバイス170は、光学的に透明なポリマーを含めて、当該技術分野で公知の任意の様々な材料から、作製することができる。図3A図3Cに図示しているように、いくつかの実施形態では、血栓回収デバイス170の少なくともウィンドウ部分は、血栓が血栓回収デバイス170内に捕捉された後に血栓の視覚化が改善されるよう、光学的に透明なものとすることができる。
【0045】
血栓回収デバイス170は、チャンバの内部にフィルタ130を含んでもよい。いくつかの実施形態では、フィルタ130は、チャンバを上流側と下流側とに分割するような形状とすることができる。いくつかの例では、フィルタ130の少なくとも上流側の面は、吸引された血栓に対して相互作用し得る表面積を増大させるよう、傾斜したものとすることができる。例えば、フィルタ130の上流側の面は、チャンバの長手方向軸線に対しておよそ30度~90度の範囲内で傾斜した平面上に位置することができる。いくつかの実施形態では、フィルタ130は、血栓回収デバイス170内において、長手方向軸線から、少なくとも約30度の角度で、少なくとも約40度の角度で、もしくは少なくとも約50度の角度で、また、一般的には約70度以下の角度でまたは80度以下の角度で、傾斜したものとすることができる。
【0046】
いくつかの例では、フィルタ130は、フィルタ130を洗浄したり交換したりまたは調整したりし得るよう、血栓回収デバイス170のキャニスタに対して着脱可能なものとされてもよい。いくつかの例では、フィルタは、所望の性能に応じて選択され得る異なる孔径を有するものとして、提供されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、フィルタ130は、破片がミニキャニスタを通過する際により大きな固形血栓の破片を捕捉するような約1mmの穴を含むことができる。いくつかの実施形態では、孔径は、約1mm以下、約2mm以下、もしくは約3mm以下、または4mm以下という、最大断面寸法を有してもよい。
【0047】
いくつかの例では、吸引された物質は、チューブ140を通して吸引されて、血栓回収デバイス170の第1カテーテルポート110内へと導入される。吸引された物質は、血栓回収デバイス170のフィルタ130によって濾過することができる。フィルタ130の開口よりも大きな物質は、血栓回収デバイス170から出ることができない。いくつかの実施形態では、血液及びフィルタ130の開口よりも小さな物質は、第2ポート120および第2チューブ150から、ポンプに関連した収集キャニスタへ流出する。
【0048】
いくつかの例では、臨床医は、クランプ160を係合させることにより、吸引された物質の流れを遅くすることができる。いくつかの実施形態では、臨床医は、フィルタ130によって捕捉された血栓または他の大きな吸引された物質を、検査することができる。いくつかの実施形態では、血栓回収デバイス170によって保持された物質は、評価および/または廃棄のために、血栓回収デバイス170から取り出すことができる。
【0049】
図4A図4Cは、別の実施形態をなす血栓回収デバイス270を有したシステム200を図示している。図4A図4Cは、多くの点で、システム200に対して、同様または同一である。したがって、システム200の構成要素を識別するために使用された符号は、システム200における同様の特徴を識別するために、100の分だけ増分されている。この符号の付け方は、一般に、残りの図面に対しても適用される。本明細書中の任意の実施形態で開示する任意の構成要素またはステップは、他の実施形態において使用することができる。血栓回収デバイス170の場合と同様に、血栓回収デバイス270は、第1ポート210と、第2ポート220と、第3ポート280と、フィルタ230と、を含むことができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、第1ポート210は、吸引カテーテルの近位端に対して流体接続された第1チューブ240の第1端部に対して接続するように構成されている。いくつかの例では、第1チューブ240は、第1チューブ240の第2端部のところに配置されたコネクタ242であってかつ対応したコネクタに対して係合または嵌合するように構成されたコネクタ242を、含む。いくつかの実施形態では、第2ポート220は、吸引源に対して流体接続された(例えば、ポンプのところで)第2チューブ250の第1端部に対して接続するように構成されている。いくつかの例では、第2チューブ250は、第2チューブ250の第2端部のところに配置されたコネクタであってかつ対応したコネクタに対して係合または嵌合するように構成されたコネクタ(図示せず)を、含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、血栓回収デバイス270は、血栓回収デバイス270のキャニスタ内へと生理食塩水または他の流体を注入するための第3ポート280を含む。いくつかの例では、これにより、フィルタ230内へと捕捉された後における血栓の視覚化を改善することができる。いくつかの実施形態では、システム200は、クランプ260を含むことができる。クランプ260は、第1チューブ240上へと配置することができ、これにより、ユーザは、クランプに対して係合し、血栓回収デバイス270に対して流量制御を提供することができる。
【0052】
いくつかの例では、血栓回収デバイス270の本体は、長手方向軸線と円形横断面形状とを有した円筒形の側壁などの、キャビティを取り囲んだ管状の側壁を含むことができる。いくつかの実施形態では、血栓回収デバイス270の1つまたは複数の構成要素は、光学的に透明な材料から作製することができ、これにより、血栓が血栓回収デバイス270内に捕捉された後における血栓の視覚化を改善することができる。
【0053】
血栓回収デバイス170と同様に、血栓回収デバイス270は、フィルタ230を含むことができる。いくつかの実施形態では、フィルタ230は、円形形状とされ得るとともに、長手方向軸線に対して、および流体流通軸線に対して、横向きに配向されることができる。いくつかの例では、これにより、フィルタ230は、血栓回収デバイス270の本体内で、回転可能とすることができる。いくつかの実施形態では、フィルタ230は、吸引された血栓に対して相互作用し得る表面積を増大させるよう、長手方向軸線に対して非直交角度で傾斜させることができる。
【0054】
例えば、フィルタ230は、長手方向軸線に対しておよそ30度~約90度の範囲内の角度で傾斜した平面上へと、位置することができる。いくつかの実施形態では、フィルタ230は、血栓回収デバイス270内において、長手方向軸線に対して、少なくとも約30度の角度で、少なくとも約35度の角度で、少なくとも約40度の角度で、少なくとも約45度もしくは55度もしくはそれを超える角度で、また、一般的には約85度以下の角度でまたは75度以下の角度でまたは60度以下の角度で、傾斜したものとすることができる。
【0055】
いくつかの例では、フィルタ230は、フィルタ230を交換したり検査したりまたは調整したりし得るよう、血栓回収デバイス270の本体に対して着脱可能なものとされてもよい。いくつかの実施形態では、血栓回収デバイス270は、所望の臨床性能に基づいて、異なる孔径を有した様々なフィルタを備えたものとして、提供されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、フィルタ130は、破片がミニキャニスタを通過する際に固形血栓の破片を捕捉するような約1mmの穴を含むことができる。いくつかの実施形態では、孔径は、最大で1mm、最大で2mm、最大で3mm、最大で4mm、最大で5mm、とされてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、システム200の吸引カテーテルは、物質を、第1カテーテル240の第2端部を通して流れるようにして吸引し、吸引された物質は、血栓回収デバイス270の第1カテーテルポート210内へと導入される。吸引された物質は、血栓回収デバイス270のフィルタ230によって濾過することができる。フィルタ230の開口よりも大きな物質は、血栓回収デバイス270から出ることができない。いくつかの実施形態では、フィルタ230上の開口よりも小さな物質は、第2カテーテルポート220および第2カテーテル250から流出する。いくつかの例では、ユーザは、フィルタ230によって捕捉された血栓または他の大きな吸引された物質を、検査することができる。いくつかの実施形態では、血栓回収デバイス270によって保持された物質は、血栓回収デバイス270から取り出すことができ、ユーザによって試験されることができる。
【0057】
図5A図5Bおよび図6A図6Kは、別の実施形態をなす血栓回収デバイス370を図示している。血栓回収デバイス370は、第1ポート310および第2ポート320に対して連通したチャンバを包囲している本体380を含むことができる。いくつかの例では、本体380は、フィルタ330内へと捕捉された後における血栓の視覚化を改善するよう、チャンバ内へと生理食塩水または他の流体を注入し得るように構成されたフラッシュポート(図示せず)を含むことができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、本体380は、頂部382と底部384とを有したハウジングを含む。いくつかの例では、本体380は、頂部382と底部384との間に位置したチャンバ内に配置されたフィルタ330を含む。いくつかの例では、第1ポート310は、吸引カテーテルの近位端に対して流体接続された第1チューブ340の第1端部に対して接続するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1チューブ340は、第1チューブ340の第2端部のところに配置されたコネクタ342であってかつ対応したコネクタに対して係合または嵌合するように構成されたコネクタ342を、含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、第2ポート320は、吸引源(例えば、ポンプ)に対して流体接続された第2チューブ350の第1端部に対して接続するように構成されている。いくつかの実施形態では、第2チューブ350は、第2チューブ350の第2端部のところに配置されたコネクタ352であってかつ対応したコネクタに対して係合または嵌合するように構成されたコネクタ352を、含む。いくつかの例では、システム300は、クランプ360を含むことができる。クランプ360は、第1チューブ340上へと配置することができ、これにより、ユーザは、クランプに対して係合し、血栓回収デバイス370に対して流量制御を提供することができる。
【0060】
図に示すように、血栓回収デバイス370のハウジングは、管状側壁によって底面から離間して配置された頂面を有することができる。図示の実装では、頂面および底面は、実質的に円形であるとともに、側壁の軸線方向長さと比較して少なくとも約3倍のまたは5倍のまたはそれを超える直径を有した円筒形側壁の分だけ、離間して配置されており、これにより、全体的にディスク形状のハウジングが形成されている。好ましくは、頂壁の少なくとも一部は、光学的に透明とされており、これにより、血栓回収デバイス370内へと捕捉された後における血栓の視覚化を改善することができる。図6B図6D図6E、および図6I図6Kに示すように、いくつかの実施形態では、頂部382と底部384との少なくとも一方が、または両方が、透明とされており、これにより、血栓回収デバイス370の本体を通して、フィルタ330を見ることができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、血栓回収デバイス370は、フィルタ330を含むことができる。フィルタ330は、円形形状のものとすることができる。いくつかの実施形態では、フィルタ330は、本体380の頂部382と底部384との間に、固定することができる。いくつかの例では、血栓回収デバイス370には、医師または親の要望に基づいて、異なる孔径を設けることができる。例えば、いくつかの実施形態では、フィルタ330は、破片がミニキャニスタを通過する際に固形血栓の破片を捕捉するような1mmの穴を含むことができる。いくつかの実施形態では、孔径は、最大で1mm、最大で2mm、最大で3mm、最大で4mm、最大で5mm、とされてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、吸引カテーテルは、物質を、第1カテーテル340の第2端部を通して流れ得るようにして吸引し、吸引された物質は、血栓回収デバイス370の第1カテーテルポート310内へと導入される。その後、吸引された物質は、フィルタ330によって濾過することができる。フィルタ330上の開口よりも大きな物質は、血栓回収デバイス370から出ることができず、他方、フィルタ330上の開口よりも小さな物質は、第2カテーテルポート320および第2カテーテル350から流出する。いくつかの実施形態では、ユーザは、クランプ360に対して係合することにより、流れを遅くすることができる。いくつかの例では、ユーザは、フィルタ330によって捕捉された血栓または他の大きな吸引された物質を、検査することができる。いくつかの実施形態では、血栓回収デバイス370によって保持された物質は、血栓回収デバイス370から取り出され得るとともに、ユーザによって試験されることができる。
【0063】
脈動ポンプを有した血栓回収デバイス
いくつかの例では、血栓回収デバイスは、脈動ポンプを含むことができる。ポンプは、自動または手動とすることができ、ユーザは、血栓回収デバイスの内部に配置された弁などの制御部材を操作することが可能とされる。脈動ポンプにより、血栓回収デバイスは、臨床手順時における血栓の取込を改善することができる。これは、キャニスタ/ポンプのところではなく、カテーテルのハブの近傍に位置したまたはカテーテルのハブのところに位置した血栓回収デバイス上における、単純で費用対効果の高い手動真空源として機能することができる。いくつかの実施形態では、弁は、また、手順時に医師が血栓を視覚化することを可能とするための清浄化機構として機能することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、血栓回収デバイスに対して追加された弁は、瞬時的に真空を解放することができ、したがって、真空圧力内に脈動を生成することができる。通気は、第2真空源に対して(例えば、大気圧に対してではなく)行うことができ、これにより、デバイスは、圧力の減衰を経験することがなく、正圧にならない。第2真空源は、第1吸引真空ポンプが生成する第1負圧よりも弱い第2負圧を生成することができる。いくつかの例では、弁は、前方圧力を低減または除去することができる。これにより、血栓が、吸引カテーテルの遠位先端から飛び散ってしまうことがない。いくつかの実施形態では、脈動ポンプを使用することで、真空圧力の急速な脈動を提供することができる。
【0065】
図7は、吸引手順のための流体管理システムに関する別の概略図を図示している。システム400は、カテーテル405と、血栓回収デバイス470と、ポンプ407と、を含むことができる。上述したように、血栓回収デバイス470は、真空圧力内に脈動を生成するように構成された弁490を含むことができる。いくつかの実施形態では、弁490を、ユーザが、手動で駆動することができる。いくつかの例では、血栓回収デバイス470は、センサを含むことができ、このセンサは、カテーテルが遮断されて流通が存在していないことをセンサが検出した時には、弁490を自動的に起動させることを可能とする。
【0066】
図8A図8Dは、弁490を駆動するためのボタン492を有するような、一実施形態をなす血栓回収デバイス470を図示している。図8A図8Dは、多くの点で、システム300と同様である。したがって、システム300の構成要素を識別するために使用された符号は、システム300における同様の特徴を識別するために、100の分だけ増分されている。この符号の付け方は、一般に、残りの図面に対しても適用される。上述したように、本明細書中の任意の実施形態で開示する任意の構成要素またはステップは、他の実施形態において使用することができる。血栓回収デバイス370と同様に、血栓回収デバイス470は、第1カテーテルポート410と第2カテーテルポート420とを有した本体480を、含むことができる。いくつかの例では、本体480は、第3ポートを含むことができ、すなわち、フラッシュポート(図示せず)を含むことができ、このポートは、フィルタ430内へと捕捉された後における血栓の視覚化を改善するよう、本体480内へと生理食塩水または他の流体を注入し得るように構成されている。いくつかの実施形態では、本体480は、頂部482と底部484とを含む。いくつかの例では、本体480は、頂部482と底部484との間に配置されたフィルタ430を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、第1カテーテルポート410は、吸引カテーテルの近位端に対して流体接続された第1カテーテル440の第1端部に対して接続するように構成されている。いくつかの例では、第1カテーテル440は、第1カテーテル440の第2端部のところに配置されたコネクタ442であってかつ対応したコネクタに対して係合または嵌合するように構成されたコネクタ442を、含む。いくつかの実施形態では、第2カテーテルポート420は、吸引源(例えば、ポンプ)に対して流体接続された第2カテーテル350の第1端部に対して接続するように構成されている。いくつかの例では、第2カテーテル350は、第2カテーテル350の第2端部のところに配置されたコネクタ452であってかつ対応したコネクタに対して係合または嵌合するように構成されたコネクタ452を、含む。いくつかの例では、システム400は、クランプ460を含むことができる。クランプ460は、第1チューブ440上へと配置することができ、これにより、ユーザは、クランプに対して係合し、血栓回収デバイス470に対して流量制御を提供することができる。
【0068】
図8Aおよび図8Cに図示しているように、血栓回収デバイス470は、弁490を駆動するためのボタン492を含むことができる。いくつかの例では、ボタン492は、血栓回収デバイス470の本体480上に配置することができる。図8Aおよび図8Cに示すように、いくつかの実施形態では、ボタン492は、本体480の頂部482に配置されている。上述したように、血栓回収デバイス470の弁490は、自動的に駆動され得るが、いくつかの例では、血栓回収デバイス470は、任意選択的に、ユーザが弁490を起動することを可能とするボタン492を備えることができる。弁490が駆動された時には、弁490は、真空を解放することができ、真空圧力内に脈動を生成することができる。これは、ボタン492の駆動の前後にシステムに対して圧力が印加されることを示している図9A図9Bに、図示されている。一例として、ボタン492に対する係合前にシステム400に対して印加される圧力は、約-23.36Hgである。ボタン492が駆動された後には、システム400に対して印加される圧力は、-9.63Hgへと低下する。図示のように、ボタン492に対する係合後には、システム400に対して印加される圧力は、著しく低下する(すなわち、図9B)。いくつかの実施形態では、弁490が、大気圧に対してではなく第2真空源に対して通気することのために、圧力の減衰が存在せず、負圧が維持される(すなわち、圧力が正圧になることがない)。
【0069】
いくつかの実施形態では、これにより、ユーザは、真空圧力の急速な脈動を提供することができ、これにより、臨床手順時における血栓の取込を改善することができる。いくつかの実施形態では、ボタン492は、また、手順の途中で医師が血栓を視覚化する方法を可能とする清浄化機構としても機能することができる。
【0070】
血栓回収デバイス470は、断面が円形とされた本体を有することができる。血栓回収デバイス470は、プラスチックおよびポリマーなどの、様々な材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、血栓回収デバイス470の1つまたは複数の構成要素は、透明材料から、非透明材料から、部分的に透明な材料から、またはこれらの任意の組合せから、作製することができる。図8A図8Dに示すように、いくつかの例では、血栓回収デバイス470の少なくとも一部は、血栓回収デバイス470内への捕捉後における血栓の視覚化を改善するよう、透明とすることができる。いくつかの実施形態では、頂部482と底部484との少なくとも一方は、または両方は、血栓回収デバイス470の本体を通してフィルタ430を見ることができるよう、透明とされている。
【0071】
上述したように、血栓回収デバイス470は、フィルタ430を含むことができる。フィルタ430は、円形形状のものとすることができる。いくつかの例では、フィルタ430は、本体480の頂部482と底部484との間に、固定することができる。いくつかの実施形態では、血栓回収デバイス470には、医師または親の要望に基づいて、異なる孔径を設けることができる。例えば、いくつかの例では、フィルタ430は、破片がミニキャニスタを通過する際に固形血栓の破片を捕捉するような1mmの穴を含むことができる。いくつかの実施形態では、孔径は、最大で1mm、最大で2mm、最大で3mm、最大で4mm、最大で5mm、とされてもよい。
【0072】
上述したように、いくつかの実施形態では、血栓回収デバイスは、センサを含むことができる。センサは、カテーテルが遮断/閉塞された時点(例えば、流量が大幅に減少した時点)を決定することにより、弁490の自動的な起動を可能とすることができる。これは、純粋な吸引に対する周期的吸引がトリガされた時点を決定するために、使用することができる。いくつかの例では、流通が存在している限り、真空を循環させる必要はない。
【0073】
いくつかの例では、吸引カテーテル405は、物質を、第1カテーテル440の第2端部を通して流れ得るようにして吸引し、吸引された物質は、血栓回収デバイス470の第1カテーテルポート410内へと導入される。その後、吸引された物質は、フィルタ430によって濾過することができる。フィルタ430上の開口よりも大きな物質は、血栓回収デバイス470から出ることができず、他方、フィルタ430上の開口よりも小さな物質は、第2カテーテルポート420および第2カテーテル450から流出することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、クランプ460に対して係合することにより、流れを遅くすることができる。いくつかの例では、ユーザは、ボタン492に対して係合することにより、弁490を駆動することができ、これにより、システム400内の圧力に脈動を生成することができる。ボタン492を駆動することにより、負圧が弱くなり、他方、ボタン492を解放することにより、負圧が強くなる。圧力におけるこの脈動により、吸引カテーテル405は、血栓を「揺り動かして」緩くすることにより、血栓をより良好に吸引することができる。また、ボタン492を駆動することは、血栓回収デバイス470の本体内で血栓がより良好に視覚化されるよう、清浄化機構を実行するように機能することができる。いくつかの例では、血栓回収デバイス470によって保持された物質は、血栓回収デバイス470から取り出され得るとともに、ユーザによって試験されることができる。
【0074】
図10A図10Fは、血栓回収デバイス570の実施形態に関する様々な図を図示している。他のことを注記しない限り、図10A図10Fにおける同様の参照符号は、本明細書で説明する残りの図面における構成要素と同じ構成要素を指す、あるいは、そのような構成要素と一般的に同様の構成要素を指す。例えば、図10A図10Fは、血栓回収デバイス370および血栓回収デバイス570などのように、以前の図面および実施形態における構成要素と同一である構成要素を参照するために、あるいはそのような構成要素と一般的に同様の構成要素を参照するために、以前の図面および実施形態と同じ下2桁を有した参照符号を利用してもよい。本明細書におけるすべての実施形態の場合と同様に、図10A図10Eの実施形態において説明および/または図示している任意の特徴、構造、材料、方法、ステップ、あるいは構成要素が、本明細書の他の実施形態において説明および/または図示している任意の特徴、構造、材料、方法、ステップ、あるいは構成要素と共に使用され得ることは、あるいはそれらに代えて使用され得ることは、理解されよう。また、本明細書で説明よび/または図示している任意の実施形態における任意の特徴、構造、材料、方法、ステップ、あるいは構成要素が、図10A図10Fに示す血栓回収デバイス570の任意の実施形態における任意の他の特徴、構造、材料、方法、ステップ、または構成要素と共に使用され得ることも、あるいはそれらに代えて使用され得ることも、理解されよう。
【0075】
図10A図10Fにおける破線は、血栓回収デバイス570の、デザインの一部を形成しなくてもよい部分を、示している。しかしながら、現時点で破線として図示されている線が、実線として再描画され得ること、また、現時点で実線として図示されている線が、破線として再描画され得ることが想定される。本開示の範囲は、破線であるか実線であるかにかかわらず、図示したすべての線を包含する。
【0076】
血栓回収デバイス570は、いくつかの実施形態では、プラスチックおよびポリマーなどの様々な材料から作製され得るものであり、そして、血栓回収デバイスの1つまたは複数の構成要素は、透明材料、非透明材料、部分的に透明な材料、またはこれらの任意の組合せ、から作製され得るものである。
【0077】
図10A図10Fは、血栓回収デバイス570を含むような、一実施形態をなすシステム500を図示している。血栓回収デバイス570は、第1ポート510と第2ポート520とに対して連通したチャンバを包囲している本体580を含むことができる。いくつかの実施形態では、本体580は、頂部582と底部584とを有したハウジングを含む。本体580は、いくつかの実例では、一体型ハウジングとされてもよい。いくつかの例では、本体580は、頂部582と底部584との間に位置したチャンバ内に配置されたフィルタを含む。
【0078】
いくつかの例では、第1ポート510は、吸引カテーテルの近位端に対して流体接続された第1チューブ540の第1端部に対して接続するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1チューブ540は、第1チューブ540の第2端部のところに配置されたコネクタであってかつ対応したコネクタに対して係合または嵌合するように構成されたコネクタを、含む。いくつかの実施形態では、第2ポート520は、吸引源(例えば、ポンプ)に対して流体接続された第2チューブ550の第1端部に対して接続するように構成されている。いくつかの実施形態では、第2チューブ550は、第2チューブ550の第2端部のところに配置されたコネクタであってかつ対応したコネクタに対して係合または嵌合するように構成されたコネクタを、含む。いくつかの例では、システム500は、クランプを含むことができる。
【0079】
第1サイドポート510は、第2サイドポート520と比較して、より大きなものもしくはより小さなものもしくは同じサイズのものとされてもよい、および/または、第2サイドポート520と比較してより大きなもしくはより小さなもしくは同じサイズのチューブに対して流体接続するように構成されてもよい。いくつかの実例では、第1サイドポート510は、第2サイドポート520よりも大きなものであってもよく、これにより、第1サイドポート510は、第2サイドポート520に対して流体接続され得る第2チューブ(例えば、第2チューブ550)よりも大きなチューブ(例えば、第1チューブ540)に対して、流体接続するように構成されている。第1サイドポート510は、いくつかの実施形態では、標準的なチューブ(例えば、約0.1インチ(約2.54mm)の内径を有したチューブ)に対して流体接続するように構成されてもよい。第2サイドポート520は、第1サイドポート510よりも小さなものであってもよく、これにより、第2チューブ550は、第1チューブ540よりも小さなものとされる。いくつかの実例では、吸引源が「プライミング」するように構成されている(例えば、第2チューブおよび血栓回収デバイス570の長さ全体にわたって少なくとも負圧を印加する)ので、第2チューブ550のサイズが小さいほど、有利なことに、システムのプライミング時間の短縮が促進され得る。より小さなチューブサイズは、吸引源と血栓回収デバイス570との間に位置していてプライミングが必要とされるチューブの全体的内容積を減少させることにより、プライミングを容易とし得る。いくつかの実例では、より小さなチューブサイズは、有利なことに、第2チューブ550を通しての血液流体流量を減少させ得るものであり、これにより、また、吸引手順時における潜在的な血液損失量も減少させる。
【0080】
血栓回収デバイス570の本体580は、第1ポート510と第2ポート520との間にわたって本体580を通して流れる流体流通を促進するようなサイズおよび/または形状で、形成されてもよい。いくつかの実例では、本体580は、血液が血栓回収デバイス570を通して流れている際に本体580のチャンバがチャンバ内の領域に停滞すなわち低流量血液を蓄積しないよう、血栓回収デバイス570の内部における血液「溜まり」の形成を抑制するように構成されてもよい。例えば、本体580は、本体580のチャンバの完全な排水を促進するように構成されてもよい。
【0081】
いくつかの実例では、本体580は、本体580の第1端部のところで第1ポート510に近接して位置した第1本体部分590を有してもよく、この第1本体部分590は、本体580の第2端部のところで第2ポート520に近接して位置した第2本体部分592よりも小さな幅を含む。本体580は、より小さな第1本体部分590と、より大きな第2本体部分592と、の間でテーパー形状とされることで、「涙滴」構成すなわち漏斗状構成を形成してもよい。この構成により、有利なことに、使用時に本体580のチャンバ内に血液が溜まってしまうことが抑制され得る。いくつかの実例では、この構成は、有利なことに、チャンバからの流体排出を促進してもよい。いくつかの実施形態では、この設計は、また、デバイスの重量および/または全体的サイズを減少させることで、使用を容易なものとし得る。
【0082】
本明細書で説明するようなおよび/または図面に図示しているような血栓回収デバイスの任意の実施形態は、測定構成要素をさらに含むことで、使用時に、本体のチャンバ内部における血栓捕捉に関してサイズおよび/または体積を決定することを促進してもよい。いくつかの実例では、本体の少なくとも一部(例えば、頂部または底部に沿った任意の面)は、測定ガイドを含んでもよく、これにより、ユーザが、チャンバ内部における血栓捕捉に関してサイズおよび/または体積を容易に決定することが可能とされる。例えば、図9Aおよび図9Bに図示しているように、本体の透明部分は、ユーザが血栓のサイズを視覚的に決定し得るよう、格子、目盛り、または任意の適切なマーキング495を含んでもよい。これが、本明細書で説明するような血栓回収デバイスの任意の実施形態において利用され得ることは、理解されよう。
【0083】
いくつかの実例では、血栓回収デバイスの本体は、手順時に血栓の体積を測定するようなサイズおよび/または形状とされてもよい。例えば、血栓回収デバイスは、長尺の管状本体(例えば、円筒形状の本体)を含むことができ、これにより、血栓がフィルタに沿って通過する際に、血栓を、管状本体のチャンバ内部で伸長させてもよい。管状本体の内面に沿って血栓を伸長させることにより、有利なことに、血栓の長さに対する血栓の体積を測定することを、容易としてもよい。
【0084】
本明細書で説明するようなおよび/または図面に図示しているような血栓回収デバイスの任意の実施形態は、本体のチャンバ内において、血栓回収デバイスの内面の少なくとも一部に沿っておよび/または血栓回収デバイスのフィルタの少なくとも一部に沿って、コーティングをさらに含んでもよく、これにより、血栓回収デバイスに対して、様々な特性の1つまたは複数を提供してもよい。いくつかの実例では、コーティングは、血栓回収デバイスの本体の少なくとも一部を通しての視覚化を増強するように構成されてもよい。コーティングは、血液の蓄積を抑制するように構成されてもよい、あるいは、血液に対する撥水特性を向上させるように構成されてもよい。いくつかの実例では、血栓回収デバイスは、吸引手順時における泡形成を抑制するためのコーティングを含んでもよい。コーティングは、少なくとも部分的に、本体の内面に沿って配置されてもよい。コーティングは、疎水性と撥油性との両方とすることができる。いくつかの実例では、コーティングは、ポリマーの一部上に親水性の特徴を付与することで、疎油特性を向上させてもよい。
【0085】
したがって、本明細書で説明する本発明の実施形態が、本発明の原理の適用を単に例示しているに過ぎないことは、理解されよう。本明細書における、図示した実施形態の細部に対する言及は、それ自体が本発明に必須と見なされる特徴を記載している特許請求の範囲を、限定することを意図したものではない。図面は、本発明の実施形態を例示することのみを目的としたものであって、本発明を限定することを目的としたものではない。
【0086】
上記で開示した実施形態の特定の特徴および態様に関する様々な組合せあるいは下位組合せが、行われ得ること、そして、そのような組合せあるいは下位組合せが、なおも本発明の1つまたは複数の範囲内に属することが、想定される。さらに、実施形態に関連した任意の特定の特徴、態様、方法、特性、特徴点、品質、属性、部材、または同種のもの、に関する本明細書における開示は、本明細書に記載したすべての他の実施形態において、使用することができる。したがって、開示した発明の様々な態様を形成するために、開示した実施形態の様々な特徴および態様が、互いに組み合わせられ得ること、または互いに代替され得ることは、理解されよう。よって、本明細書で開示した本発明の範囲が、上述した特定の開示した実施形態によって限定されるべきではないことが、意図されている。その上、本発明は、様々な改変および代替的な形態が可能であるが、その特定の例が、図面に示されているとともに、本明細書で詳細に説明されている。しかしながら、本発明が、開示した特定の形態もしくは方法に限定されるものではないこと、逆に、本発明が、説明した様々な実施形態および添付の特許請求の範囲における精神ならびに範囲に属するような、すべての改変、均等物、さらには代替物を網羅するものであることは、理解されよう。本明細書で開示した方法は、記載された順序で実行される必要はない。本明細書で開示する方法は、施術者が行う特定の行為を含むけれども、明示的または暗示的に、それらの行為に対する第三者の指示が、また、含まれることができる。例えば、「本明細書のシステムを使用して滅菌された器具を配備する」などの行為は、「本明細書のシステムを使用して滅菌された器具の配備を指示する」ことを含む。加えて、本開示の特徴または態様が、マーカッシュグループの観点で記載されている場合には、当業者であれば、本開示が、それにより、マーカッシュグループにおける任意の個々の構成要素という観点でも記載されていること、またはマーカッシュグループの構成要素からなるサブグループという観点でも記載されていることは、認識されるであろう。
【0087】
本明細書で開示する範囲には、また、あらゆるすべての、重複、部分範囲、組合せが包含される。「~まで」、「少なくとも~」、「~よりも大きい」、「~よりも小さい」、「~の間」、などの用語は、および同種の用語は、記載した数値を含む。「およそ」または「約」などの用語が先行する数値は、記載した数値を含む。例えば、「約10ナノメートル」は、「10ナノメートル」を含む。
【0088】
本明細書で使用している表題または小見出しは、整理を目的としたものであり、本明細書で開示する実施形態の範囲を限定するために使用されるべきではない。
【0089】
例示的な実施形態
【0090】
血栓濾過デバイスであって、
本体であり、
第1本体部分と、
第1本体部分と共に内部キャビティを形成するように構成された第2本体部分と、
本体の第1サイド上に配置された第1ポートと、
本体の第2サイド上に配置された第2ポートであり、内部キャビティを介して第1ポートに対して流体連通しているとともに、第1真空源に対して流体連通するように構成された、第2ポートと、
大気圧と第2真空源との少なくとも一方に対して選択的に流体連通可能であるように構成された弁と、を含む本体と、
第1ポートと第2ポートとの間において本体の内部キャビティの内部に配置されたフィルタであり、複数の開口を含むフィルタと、の1つまたは複数を含む、血栓濾過デバイス。
【0091】
血栓濾過デバイスであって、
本体であり、
第1本体部分と、
第1本体部分と共に内部キャビティを形成するように構成された第2本体部分と、
本体の第1サイド上に配置された第1ポートと、
本体の第2サイド上に配置された第2ポートであり、内部キャビティを介して第1ポートに対して流体連通している第2ポートと、を含み、
第1本体部分と第2本体部分との少なくとも一方は、内部キャビティの視覚化を可能とするよう、透明とされている、本体と、
第1ポートと第2ポートとの間において本体の内部キャビティの内部に配置されたフィルタであり、
複数の開口と、
第1ポートの長手方向軸線に対して非直交角度で位置決めされた平面上に位置した第1面と、を含む、フィルタと、の1つまたは複数を含む、血栓濾過デバイス。
【0092】
血栓濾過デバイスであって、
本体であり、
第1本体部分と、
第1本体部分と共に内部キャビティを形成するように構成された第2本体部分と、
本体の第1サイド上に配置された第1ポートと、
本体の第2サイド上に配置された第2ポートであり、内部キャビティを介して第1ポートに対して流体連通している第2ポートと、
内部キャビティ内への流体の注入を可能とするように構成された第3ポートと、を含む本体と、
第1ポートと第2ポートとの間において本体の内部キャビティの内部に配置されたフィルタであり、複数の開口を含むフィルタと、の1つまたは複数を含む、血栓濾過デバイス。
【0093】
血栓濾過デバイスであって、
本体であり、
第1本体部分と、
第1本体部分と共に内部キャビティを形成するように構成された第2本体部分と、
本体の第1サイド上に配置された第1ポートと、
本体の第2サイド上に配置された第2ポートであり、内部キャビティを介して第1ポートに対して流体連通している第2ポートと、を含み、
内部キャビティは、
本体の長手方向軸線に直交した第1距離であってかつ第1本体部分と第2本体部分との間における第1距離として定義される深さと、
深さに対して直交した第2距離であってかつ本体の長手方向軸線に対して直交した第2距離として定義される幅であるとともに、深さよりも小さなものとされた幅と、を有している、本体と、
第1ポートと第2ポートとの間において本体の内部キャビティの内部に配置されたフィルタであり、複数の開口を含むフィルタと、を含む、血栓濾過デバイス。
【0094】
本体は、管状側壁を含む、本明細書で説明する任意の実施形態に記載の血栓濾過デバイス。
【0095】
フィルタの少なくとも1つの面は、本体の長手方向軸線に対して非直交角度で位置決めされた平面上に位置している、本明細書で説明する任意の実施形態に記載の血栓濾過デバイス。
【0096】
非直交角度は、本体の長手方向軸線に対して30度~90度とされている、本明細書で説明する任意の実施形態に記載の血栓濾過デバイス。
【0097】
複数の開口のそれぞれは、1mm以下とされている、本明細書で説明する任意の実施形態に記載の血栓濾過デバイス。
【0098】
複数の開口は、血栓がフィルタを通過することを阻止するように構成されている、本明細書で説明する任意の実施形態に記載の血栓濾過デバイス。
【0099】
第1ポートおよび第2ポートは、本体の互いに反対側に位置した端部上に配置されている、本明細書で説明する任意の実施形態に記載の血栓濾過デバイス。
【0100】
本体は、内部キャビティ内への流体の注入を可能とするように構成された第3ポートを、さらに含む、本明細書で説明する任意の実施形態に記載の血栓濾過デバイス。
【0101】
第1本体部分と第2本体部分との少なくとも一方は、内部キャビティの視覚化を可能とするよう、少なくとも部分的に透明とされている、本明細書で説明する任意の実施形態に記載の血栓濾過デバイス。
【0102】
本体は、ユーザが弁を手動で駆動することを可能とするように構成されたボタンを、さらに含む、本明細書で説明する任意の実施形態に記載の血栓濾過デバイス。
【0103】
ボタンは、本体の頂部上に配置されている、本明細書で説明する任意の実施形態に記載の血栓濾過デバイス。
【0104】
本体を通しての流体流通が停止した時点を決定するように構成されたセンサを、さらに含む、本明細書で説明する任意の実施形態に記載の血栓濾過デバイス。
【0105】
流体流通が停止したことをセンサが決定した時には、弁は、自動的に駆動される、本明細書で説明する任意の実施形態に記載の血栓濾過デバイス。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J
図6K
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
【国際調査報告】