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特表2024-541216術者によってヘルメットの上に着用されるように構成された保護キャップ
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  • 特表-術者によってヘルメットの上に着用されるように構成された保護キャップ 図1A
  • 特表-術者によってヘルメットの上に着用されるように構成された保護キャップ 図1B
  • 特表-術者によってヘルメットの上に着用されるように構成された保護キャップ 図1C
  • 特表-術者によってヘルメットの上に着用されるように構成された保護キャップ 図2
  • 特表-術者によってヘルメットの上に着用されるように構成された保護キャップ 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】術者によってヘルメットの上に着用されるように構成された保護キャップ
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20241031BHJP
   A42B 1/018 20210101ALI20241031BHJP
   A42B 1/0181 20210101ALI20241031BHJP
   A42B 1/24 20210101ALI20241031BHJP
【FI】
A41D13/11 L
A41D13/11 K
A41D13/11 G
A42B1/018 B
A42B1/0181
A42B1/24 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523920
(86)(22)【出願日】2022-11-25
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 IB2022061422
(87)【国際公開番号】W WO2023095065
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】102021000029954
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524146424
【氏名又は名称】ティ トータル ヘルスケア イノベーション エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ロザティ,ジョルジオ
【テーマコード(参考)】
3B211
【Fターム(参考)】
3B211AA01
3B211AB06
3B211AC24
3B211CA01
3B211CA05
(57)【要約】
術者により、器具付きヘルメットの上に無菌形態で着用されるように適合される、手術で使用するための保護キャップ(1)であって、・正面視野レンズ(3)、・術者の頭及び首並びに胸部の上部を全体的に覆うように構成される、視野レンズ(3)に固定された包囲本体(10)を含み、その包囲本体(10)は、ウィルス及び細菌因子に対する濾過部(2)を含む、保護キャップ(1)。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
術者により、具体的には手術室又はクリーンルーム内で、ヘルメット(100)の上に着用されるように構成された保護キャップ(1)であって、
・使用時に少なくとも前記術者の眼に位置付けるように構成された正面視野レンズ(3)、
・前記視野レンズ(3)にその周囲領域で固定され、前記術者の頭、首及び上胸部を完全に覆うように構成された包囲本体(10)
を含み、前記包囲本体(10)は、2つの対向する側部(13、14)によって接続及び一体化された正面部(11)及び背面部(12)を含む、保護キャップ(1)において、
前記本体(10)は、ウィルス及び細菌因子を遮断するように構成された濾過部(2)を更に含み、前記濾過部(2)は、使用時に前記術者の頭蓋骨上に置かれる前記本体(10)の上及び中後部に配置されることを特徴とし、
前記濾過部(2)は、超音波溶接によって前記本体(10)の周辺部に接合されるこ、
保護キャップ(1)。
【請求項2】
前記正面部(11)は、使用時に前記術者の胸部上に延在する、涎掛けのような形状の下部付属物(111)を有する、請求項1に記載の保護キャップ(1)。
【請求項3】
それぞれが前記包囲本体(10)上でそれぞれの終端において固定される第1の横方向タイロッド(41)及び第2の横方向タイロッド(42)を含み、前記第1のタイロッド(41)及び第2のタイロッド(42)は、前記キャップ(1)の長手方向軸(L)に関して対向する側面に配置されると共に、前記キャップ(1)を着用し終わると、前記胸部の周りに巻き付けられ、及び互いに接続される、具体的には結ばれるように構成される、請求項1又は2に記載の保護キャップ(1)。
【請求項4】
前記濾過部(2)は、下方に先細の形状を有する背面部を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の保護キャップ(1)。
【請求項5】
前記包囲本体(10)は、前記濾過部(2)を除いて、ポリプロピレン3層ラミネートで作成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の保護キャップ(1)。
【請求項6】
前記濾過部(2)は、99%を超えるウィルス及び細菌の濾過を保証するのに適した単層又は多層濾過材料で作成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の保護キャップ(1)。
【請求項7】
前記視野レンズ(3)は、手術用ヘルメット(100)への接続手段、具体的には結合手段(31)を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の保護キャップ(1)。
【請求項8】
殺菌可能であるか、又はパッケージ内において無菌で供給される、請求項1~7のいずれか一項に記載の保護キャップ(1)。
【請求項9】
使い捨てタイプのものである、請求項1~8のいずれか一項に記載の保護キャップ(1)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の保護キャップ(1)と。前記視野レンズ(3)に接続可能な手術用ヘルメット(100)と、を含む組立体であって、前記保護キャップ(1)は、前記手術用ヘルメット(100)の上に着用されるように適合される、組立体。
【請求項11】
前記ヘルメット(100)は、外気を吸い込むように構成された換気手段(131)を有する強制空気循環手段を含み、前記キャップ(1)の前記濾過部(2)は、使用時に前記換気手段(131)の吸引口(130)の上に配置されるように構成される、請求項10に記載の組立体。
【請求項12】
請求項1~9のいずれか一項に記載の保護キャップ(1)と、前記包囲本体(10)の下部の上に着用され得るガウンと、を含む組立体。
【請求項13】
キットとして供給される、請求項10~12のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項14】
覆いと、請求項1~9のいずれか一項に記載の無菌保護キャップ(1)と、を含む無菌パッケージであって、前記保護キャップ(1)は、折り畳まれた形態で前記覆い内に収容される、無菌パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、保護ヘルメットに関連して医療術者、具体的には外科医によって使用されるタイプのキャップ又はフードに関する。
【0002】
キャップ又はフードは、使い捨てタイプのものであり得る。
【背景技術】
【0003】
背景
公知のように、現在の外科的処置は、医師が保護ヘルメット、概して器具付きヘルメットを着用し、その上のキャップ又はフードが患者の感染因子及び生物学的物質から外科医自身を守るために着用されることを規定している。キャップは、ヘルメット、次いで対象者の頭だけでなく、頭及び胸部の一部を覆う。キャップは、無菌条件下で折り畳んで供給され、ヘルメットの専用開口に位置付けられる視野レンズ又は透明部を含む。
【0004】
キャップの上又はより良好にはその胸部の上に、その後、概して使い捨てタイプであるガウンが着用される。
【0005】
上述の着用装置は、上述のように、執刀医の完全な外部無菌条件を保証することを目的とし、その性質に起因して非常に複雑になる。
【0006】
改善された着用性を有する上記のタイプのシステムの例は、国際公開第2021/099881A1号に記載されている。
【0007】
一緒に着用され、少なくとも一部が重なる複数の構成要素を含む、提案されたシステムの複雑さにもかかわらず、手術環境に存在する可能性があるウィルス及び細菌から外科医を保護することに関する重大な課題が依然として存在する。
【0008】
同じ欠点は、必ずしも医療用途ではない上記のタイプのキャップの他の用途並びに術者が放出した空気さえも再び環境に放出する前に濾過することが適切であり得る、例えば研究室及び実験室のいわゆる「クリーンルーム」における必ずしも医療術者ではない他の術者に関しても生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
発明の概要
従って、本発明によって提示及び解決される技術的課題は、主に、ウィルス及び細菌からの術者、具体的には外科医の保護を改善することができる上記のタイプのキャップ又はフードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのような課題は、請求項1によるキャップ又はフードによって解決される。
【0011】
本発明の好ましい特徴は、従属請求項に記載される。
【0012】
本明細書に関連して、「矢状」、「正面」、「前方」、「横方向」、「後方」、「上部」、「下部」及び派生語などの用語は、キャップの要素又はその位置に割り当てられ、それを着用する術者の身体の解剖学的定義にも関連してキャップ自体の着用構成を指す。
【0013】
一般用語では、本発明のキャップは、術者の頭、首及び胸部の上部を全体的又はほぼ全体的に覆うのに適したタイプのものである。
【0014】
本発明によれば、キャップは、頭の中後部に配置される、ウィルス及び細菌因子を遮断するように構成された濾過部を含む。好ましくは、そのような濾過部は、使用時にキャップの下に着用されたヘルメットの1つ又は複数の空気入口口部を覆うように構成される。
【0015】
具体的には、本発明のキャップと共に使用されるヘルメットは、術者の顔における「新鮮な」空気流の供給及び前記環境内での最適な空気交換を可能にするのに適している、その内側の環境を換気するための手段を含む。換気手段を具備したそのようなヘルメットをキャップの上述の濾過部と組み合わせることにより、概して健康及び術者自身の行為に有利であるように術者の健康状態を増進し、感染の危険を低減することができる。
【0016】
本発明の他の利点、特徴及び使用態様は、例として示され、限定目的ではないその実施形態の以下の詳述から明らかになるであろう。
【0017】
図の簡単な説明
添付図面の図が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】本発明によるキャップの好ましい実施形態の概略側面図を示す。
図1B】本発明によるキャップの好ましい実施形態の概略正面図を示す。
図1C】本発明によるキャップの好ましい実施形態の概略背面図を示す。
図2】ヘルメット及びキャップ自体を通る空気流を矢印によって例示する、本発明のキャップと一緒に使用される手術用ヘルメットの側面斜視図を示す。
図3図2のヘルメットを着用している術者の正面斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
好ましい実施形態の詳細な説明
図1A、1B及び1Cを参照すると、本発明の好ましい実施形態によるキャップが全体として1で示されている。キャップ1は、手術室で手術中に外科医によって着用されるように適合される。
【0020】
応用の変形形態は、他の状況、特に無菌の衣類又はハーネスが必要とされる例えば実験室のクリーンルームで使用され得る。
【0021】
キャップ1は、当技術分野で公知の態様により、殺菌され、及び無菌でパッケージ内において折り畳んで提供されるようにも適合される。
【0022】
本実施形態では、キャップ1は、使い捨てのタイプのものである。
【0023】
キャップ1は、器具付き手術用ヘルメットの上に着用されることを意図され、器具付き手術用ヘルメットは、図2に概略的に示されており、本明細書では100で示される。
【0024】
キャップ1は、概して、それ自体の長手方向軸Lに関して対称であり、これは、使用時にそれを着用している術者の矢状面跡に実質的に対応する。
【0025】
キャップ1上では、内面又は側面15及び外面又は側面16は、識別することができ、第1の面15が着用後に術者の身体の方を向いているか又はそれと直接接触するのに対して、第2の面16が実際に外部環境の方を向いていることからそのように定義される。
【0026】
キャップは、それを着用している術者の頭、首及び上胸部を全体的に覆い、それ自体の包囲本体10を用いてこれを覆うように構成される。本体10は、可撓性材料で作成され、好ましくは布で作成される。
【0027】
本体10は、正面視野レンズ3の周囲領域上でそれ自体の正面開口18に固定される。正面視野レンズ3は、使用時、外科手術中に視野の十分に快適な領域を保証するように、少なくとも術者の眼、好ましくは対象者の顔の広い部分に延在して位置付ける。
【0028】
図2も参照すると、視野レンズ3は、手術用ヘルメット100の対応する要素、例えばフック状付属物103に係合するのに適している、手術用ヘルメット100に接続するための手段、具体的には例えば貫通孔の形態の結合手段31を有し得る。
【0029】
キャップ1の本体10は、有利には、単一片で実装される。正面部11及び背面部12は、その上で識別され、2つの対向する側面部13及び14を用いて接続及び一体化され得る。
【0030】
正面部11は、使用時に術者の胸部上に延在する、涎掛けのような形状の下部付属物111を有し得る。好ましくは、下部付属物111は、(図1Bに示された例のような)四角形、すなわち多角形の形状又は弓形の端縁部を備えた形状を有する。本体10の残りの周縁部、具体的には背面部12及び側面部13、14は、概ね丸みを帯びた又は弓形の輪郭を有する。
【0031】
涎掛けのような付属物111は、背面部12よりも正面部11により大きい長手方向の延在部を定めることができる。
【0032】
本体10の背面部12上において、第1及び第2の横方向タイロッドのそれぞれの長手方向端部、それぞれ41及び42は、長手方向軸L、すなわち術者の矢状面に関して対向する側面に固定され、配置される。タイロッド41及び42は、術者の身体の近くの位置に固定するために、正面側で本体10に手で結び付けられるように構成される。
【0033】
全体として、本明細書に記載された要素では、キャップ1は、国際公開第2021/099881A1号の教示に従って実装され得る。
【0034】
本体10は、ウィルス及び細菌因子の侵入を遮断するのに適した濾過布で作成された部分2を含む。濾過部2は、本体自体の上部及び中後方部、すなわち使用時、実際に術者の頭上でその頂点及び中後方位置に配置される部分に配置される。表された例では、濾過部2は、本体10の垂直中心線の縫線又は溶接線に関連する場合、頭の水平中心線に配置された正面縁部20を有する。背面側では、濾過部2は、頭蓋骨の頭頂部を覆う弓形輪郭21を有する。例示された例では、濾過部2のそのような背面部は、中心に集中する縁部、次いで下方に先細の形状を支える。
【0035】
包囲本体10は、例えば、濾過部2を除いて、その部分の全てにおいて、例えばポリプロピレンのスパンボンドの2つの外層及び担体効果を有するポリプロピレンの層上に伸びた濾過合成布の混合からなる1つの内層からなる、濾過並びに通気効果を有する4層の材料で作成されたポリプロピレン3層ラミネートで実装され得る。
【0036】
具体的には、実施形態の変形形態では、4層の濾過部2を有する材料は、115g/m2であり、それは、複合合成布及びスパンボンドポリプロピレン、カバーウェブスパンボンドポリプロピレン15g/m2、複合合成布70g/m2、担体スパンボンドポリプロピレン15g/m2、カバーウェブスパンボンドポリプロピレン15g/m2を含むか又はそれらのみからなる。
【0037】
好ましい実施形態では、包囲本体10の残りの部分の材料は、不織布材料、具体的には濾過部の不織布材料より薄く、軽い(68g/m2)、有利には通気性ウィルスバリアとして画定され得る不織布材料からなるか又はそれを含み得る。
【0038】
有利には、好ましい実施形態では、濾過部2は、縫合を必要とすることなく、超音波溶接によって包囲本体10の残りの周囲部に接合される。
【0039】
超音波接合は、糸又は接着剤を使用することなく、とりわけ全体的に細菌及びウィルスに対するバリア効果のその能力を明らかに非常に危うくするであろう、針で組織に穴を開けることなく、一体型の異なる材料を接続して作成することができるため、溶接及び他の接合方法に対していくつかの利点を伴う。この接合技法を通して、不織布又は概して接合に関与する包囲本体の残りの部分の材料の熱的歪みを最小にし、従って材料自体の柔軟性及び特殊性を維持することを可能にする。
【0040】
有利には、圧力、次に摩擦に関して選択された調節により、パターン及び回転ソノトロードを有する特殊なローラを具備した超音波溶接機を使用し得る。
【0041】
例示的で非限定的な実施形態では、濾過材料の特徴は、以下に示されるものである。
【0042】
濾過性能の有効性
32LPMにおけるNaClの浸透<6.00% NaCl 0.1ミクロンの粒子サイズをTSI8130に従って試験した。
32LPMにおけるNaClの有効性>94.00% NaCl 0.1ミクロンの粒子サイズをTSI8130に従って試験した。
32LPMにおける圧力低減<0.7mm H2O NaCl 0.1ミクロンの粒子サイズをTSI8130に従って試験した。
BFE平均有効性(40CM2)99.90% 参考研究#1311706-S01試験プロトコル(STP0009REV14)。
VFE平均有効性(40CM2)99.53% 参考研究#1311707-S01試験プロトコル(STP0010REV15)。
通気性>275CFM ASTM規格ASTM D737に従って試験した。
【0043】
ウィルス濾過の有効性を試験するための標準手順は、通常の使用より厳しいように修正されたが、試験は、米国FDAの適正製造基準(GMP)規定21CFRパート210、211及び820に従って行われる。
課題流量:30LPM(毎分リットル)
試験面積:約40cm2
試験側面:両側
臨界レベル:VFEに対して6,2×106PFU及びBFEに対して2,2×106CFU
MPS:約2,9μm
【0044】
手術用ヘルメット100に関係する限り、これは、図2及び3に概略的に例示されている。
【0045】
ヘルメット100は、術者の頭を包囲するのに適した、実質的にヘルメットの形態のヘルメットの本体102を有する。
【0046】
本体102は、術者の頭の矢状面に従って術者の頭の輪郭を実質的に辿る、湾曲形状を有する矢状直立体121によって主に実装された支承構造体を有する。
【0047】
矢状直立体121は、実質的に多角形マスクのような形状、具体的には実質的に長方形の追加の正面構造体要素124に正面側上で接合される。正面マスク124は、キャップ1に一体的な透明視野要素3によって再度閉じられるように適合された中心構成要素を画定する。
【0048】
ヘルメット100は、執刀医の頭を収容し、ヘルメットの本体102、レンズ3及びキャップ1によって画定されて外部から閉ざされる、120で示された環境内における、全体として103で示された強制空気循環手段を更に含む。
【0049】
本例では、強制空気循環手段103は、典型的には、それ自体が公知のタイプの軸流送風機又はラジアル送風機を用いて実装された第1及び第2の換気手段、それぞれ131及び132を含む。手段131及び132は、矢状直立体121の内部及び背面構成要素内に収容される。そのような第1及び第2の換気手段131及び132は、例えば、電池式である。
【0050】
第1の換気手段131は、環境120内に「新鮮な」空気を入れるための手段であり、このために吸引口130を具備する。
【0051】
第2の換気手段132は、そうではなく、環境120から排出空気を吸い込むための手段であり、これは、従って、そのような環境から前記排出空気を排出し、次いでCO2の含有量を低減することができる。このために、手段132は、空気出口133を具備する。口130及び133を通して出入りするそのような流れは、図2で矢印によって例示されている。
【0052】
直立体121の外部では、強制循環手段103は、キャップ1と連結するフランジを提供することができる。
【0053】
好ましくは、換気手段131及び132によって入れられる及び/又は排出される空気の流れ及び/又は速度を制御するための手段が提供される。本例では、そのような制御手段は、換気手段131及び132の正面で制御ユニットに組み込まれ、好ましくは直立体121の頂部に位置付けられる。
【0054】
有利には、制御ユニット及び/又は換気手段は、非接触タイプの場合、換気手段を作動させるための手段を含む。
【0055】
矢印を用いて図2及び3に例示されるように、環境120内の強制空気循環を促進するために、支承構造体要素121は、内部が中空になり、それぞれの正面開口又はループホール150を用いて環境120と連通するという意味で好ましくは管状形状を有する。このようにして、支承要素121は、強制循環手段103によって発生する、環境120に入る空気流を誘導する。
【0056】
直立体121の中空構成は、ヘルメット100のかなりの軽量化も定める。
【0057】
換気手段131及び132の配置で得られた全体構成は、次いで、空気が手段131によって環境120内に入れられ、矢状直立体121及び矢状直立体121の正面開口150を通り、こうしてマスク124によって画定された正面領域に向かって運ばれるようになっている。図2及び3の矢印によって例示されるように、十分な酸素を含む「新鮮な」空気流は、術者の顔をその中心部で頂部から底部に取り囲み、顔自体の横方向に皮膚及び顎で換気手段132に向かって戻ることによって呼び戻され、主に術者の呼吸に従って吐き出された排気の流れを外側に向かって提供する。
【0058】
手段132を通した吸引は、矢状直立体121の背面部で手段132によって発生した吸引力を用いて生じる。前述の通り、空気は、術者の顔を横方向に通過し、環境120の外側に運ばれる。
【0059】
矢状直立体121の開口又はループホール150を直接レンズ3に置くことは、レンズ3に直接空気を取り込むように制御し、その曇りを効果的に抑えることを可能にする。
【0060】
キャップ1の本体10の濾過部2は、使用時に第1の換気手段131の吸引口130に位置付ける。
【0061】
好ましくは、ヘルメット100は、術者の頭上に本体102及び具体的には実質的にカバーのような形状の可撓性構造体106を着用するための手段も含む。それは、2つの横帯161及び162並びに直立体121の下に置かれた矢状帯163によって実装される。
【0062】
構造体106は、矢状歯部又は均等な係合手段を具備した方位調節要素164を更に提供し、例えば矢状帯163の対応する周囲歯部に係合することにより、術者の頭に対して本体102の矢状(方位)位置を調節することができる。
【0063】
構造体106は、帯161及び162の対応する周囲歯部に係合する交差又は周囲歯部を含む周囲調節要素165を更に含む。このようにして、基部周囲の伸長を調節することができ、実際にそれを着用する対象者の特定の人体測定学にヘルメット100を適合させることができる。
【0064】
頭におけるヘルメット100の位置付けを調節するそのような二重機能により、使用時にヘルメット自体の安定性を増し、術者の快適性を非常に向上させる。
【0065】
有利には、周囲及び方位の調節の両方は、使用時に後頭部に配置された単一ノブ166又は均等な調節手段によって得ることができる。
【0066】
構造体106は、選択された箇所で本体102と一体化される。
【0067】
全体として、ヘルメットは、国際公開第2017/120562A2号又は国際公開第2012/111030A1号に記載されたデバイスによって実装され得る。
【0068】
好ましくは、取り外し可能な接続手段は、ヘルメットの本体102をキャップ1に拘束するために提供される。有利には及び既に上記で述べたように、本例では、そのような追加手段は、本体102の接続フランジと、キャップ1に関連する対応する補完的要素との間を結合する形状に基づく。
【0069】
上述した実施形態、変形形態及び構成形態のそれぞれは、術者自身の快適性に関連する重要な利点を有する、術者の頭を収容する環境における新鮮な空気の運搬及び排気の排出の最適化を可能にすることが認識されるであろう。
【0070】
本発明について、その好ましい実施形態を参照してここまで記載した。同じ発明の核心に属する他の実施形態は、以下に報告される請求項の保護範囲によって定義されるように存在し得ることが意図される。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
【国際調査報告】